(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-10-31
(54)【発明の名称】ヘリウムおよびヘリウム検出器を用いる漏れ検出装置
(51)【国際特許分類】
G01M 3/20 20060101AFI20241024BHJP
【FI】
G01M3/20 Z
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2024525703
(86)(22)【出願日】2022-10-28
(85)【翻訳文提出日】2024-06-26
(86)【国際出願番号】 US2022078848
(87)【国際公開番号】W WO2023077048
(87)【国際公開日】2023-05-04
(31)【優先権主張番号】10202112119V
(32)【優先日】2021-11-01
(33)【優先権主張国・地域又は機関】SG
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】506342637
【氏名又は名称】ウルトラ クリーン ホールディングス, インコーポレイテッド
(74)【代理人】
【識別番号】110002077
【氏名又は名称】園田・小林弁理士法人
(72)【発明者】
【氏名】マオ, ゲシン
(72)【発明者】
【氏名】シー, ケヴィン
(72)【発明者】
【氏名】チャンドラン, ジャヤ
【テーマコード(参考)】
2G067
【Fターム(参考)】
2G067AA11
2G067CC13
2G067DD02
2G067DD27
(57)【要約】
被試験ユニットの漏れを感知するための方法は、被試験ユニットのSKUをスキャンすることと、SKU情報をコンピュータに送信することと、被試験ユニットを試験装置に接続することと、ガスを被試験ユニットの内部空間から除去することと、真空圧が試験圧力に達するまで被試験ユニットの内部空間内の真空圧をモニタすることと、ヘリウムガンのトリガを引いてヘリウムガンからヘリウムを分配することによって、ヘリウムガンを通して被試験ユニットの外部へのヘリウムの送達を開始することと、ヘリウムが被試験ユニットの溶接部の上に放出されるように、ヘリウム供給ガンを位置決めすることと、ヘリウムを分配する間のヘリウム供給ガンの移動速度を検出することと、被試験ユニットの内部のヘリウム含量をグラフィカルユーザインターフェースに表示することとを含む。
【選択図】
図7
【特許請求の範囲】
【請求項1】
動き検出器が接続されたヘリウムガス源に接続可能なヘリウム分配器であって、ヘリウムを選択的に分配するように構成された、ヘリウム分配器と、
継手を通して被試験ユニットに解放可能に接続可能な真空源と、
前記真空源に流体結合されたヘリウム検出器と、
前記ヘリウム検出器および前記動き検出器に動作可能に結合され、ヘリウムが前記ヘリウム分配器から分配されるときの前記ヘリウム分配器の動きの速度を示す電気信号を受信するように構成された、コントローラと
を備える、被試験ユニットの漏れを検出する装置。
【請求項2】
前記コントローラが、前記ヘリウム検出器によって検出されたヘリウムの量を示す、前記ヘリウム検出器からの信号を受信するようにさらに構成されている、請求項1に記載の装置。
【請求項3】
前記被試験ユニットの内部と流体連通している圧力センサであって、前記コントローラに接続され、前記被試験ユニット内の圧力を示す信号を前記コントローラに送信するように構成された、圧力センサをさらに備える、請求項1に記載の装置。
【請求項4】
前記ヘリウム分配器が、押し下げられると前記ヘリウム分配器からヘリウムが流れるのを可能にする、押下げ可能なトリガをさらに備える、請求項1に記載の装置。
【請求項5】
前記動き検出器が少なくとも1つの加速度計である、請求項1に記載の装置。
【請求項6】
内部空間と流体連通しているヘリウム検出器を有する配管の第1の継手、請求項1に記載の装置。
【請求項7】
前記動き検出器が、第1の加速度計および第2の加速度計を備え、
前記ヘリウム分配器が、前記ヘリウムを分配するための開口部を有するノズルを含み、
前記第1および第2の加速度計、または前記ノズルが配設される、
請求項1に記載の装置。
【請求項8】
前記ノズルが中心線方向を有し、前記第1の加速度計が前記中心線方向に沿った動きを検出するように構成されている、請求項7に記載の装置。
【請求項9】
前記ノズルが中心線方向を有し、前記第1の加速度計が前記中心線方向を中心にした円周方向の動きを検出するように構成されている、請求項7に記載の装置。
【請求項10】
SKU情報を与える被試験ユニットのSKUをスキャンすることと、
前記SKU情報をコンピュータに送信することと、
前記被試験ユニットを試験装置に接続することと、
ガスを前記被試験ユニットの内部空間から除去することと、
真空圧が試験圧力に達するまで前記被試験ユニットの前記内部空間内の前記真空圧をモニタすることと、
ヘリウムガンのトリガを引いて前記ヘリウムガンからヘリウムを分配することによって、前記ヘリウムガンを通して前記被試験ユニットの外部へのヘリウムの送達を開始することと、
ヘリウムが前記被試験ユニットの溶接部の上に放出されるように、前記ヘリウムガンを位置決めすることと、
ヘリウムを分配する間のヘリウム供給ガンの移動速度を検出することと、
前記被試験ユニットの内部のヘリウム含量をグラフィカルユーザインターフェースに表示することと
を含む、被試験ユニットの漏れを感知するための方法。
【請求項11】
さらに、前記ヘリウムガンの内部の加速度計が、漏れ試験をモニタしているコンピュータに信号を伝送する、請求項10に記載の方法。
【請求項12】
前記漏れ試験に合格していないとして被試験ユニットを指定することと、視覚的アラート、可聴音アラート、または視覚的アラートおよび可聴音アラートを含むユーザインターフェース上の警告を通して不合格警告を通知することとをさらに含む、請求項11に記載の方法。
【請求項13】
前記漏れ試験に合格していないとして被試験ユニットを指定することと、前記ユーザインターフェース上の警告を通して不合格警告を通知することとをさらに含む、請求項6に記載の方法が、予め確立された速度よりも速い速度での前記ヘリウム供給ガンの移動の結果として行われる、請求項12に記載の方法。
【請求項14】
被試験ユニットに関して許容できる、前記被試験ユニット内で検出されるヘリウムの範囲を確立することをさらに含む、請求項9に記載の方法。
【請求項15】
前記被試験ユニットを不合格にすることと、前記被試験ユニット内の許容できるヘリウムの範囲外のヘリウム量の視覚的アラートおよび可聴音アラートおよびグラフィック表示を含む、ユーザインターフェース上の警告を通して不合格警告を通知することとをさらに含む、請求項14に記載の方法。
【請求項16】
SKU情報および不合格警告をデータベースに伝送することをさらに含む、請求項15に記載の方法。
【請求項17】
前記データベースを分析して、製造プロセスに対して不合格時点を判断することをさらに含む、請求項16に記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明の実施形態は、全体として、パイプまたはパイピングの区画を含むシール可能容器からの漏れを検出するのに有用な漏れ検出装置に関し、より詳細には、ヘリウムおよびヘリウム検出器を用いる漏れ検出装置に関する。
【背景技術】
【0002】
漏れ検出器は、これを用いて、互いに溶接されて、少なくとも1つの溶接部、および少なくとも1つの溶接部で接続された少なくとも2つの配管の区画を有する被試験ユニットを形成する、配管、例えばステンレス鋼配管の2つの区画を接続する溶接部を通して起こる、漏れの存在および流量または量を評価することができる。試験を実施するため、一般に、被試験ユニットの内部を真空ポンプに、または所望の真空レベル(被試験ユニットを取り囲む、所望の副周囲圧力)にある容積に接続することによって、周囲圧力よりも低い圧力が被試験ユニットの内部空間内に形成され、その後、被試験ユニットの、漏出を評価すべき溶接部などの場所の周りにヘリウムが分配される。被試験ユニットの内部空間が流体接続された、周囲圧力未満領域にあるヘリウム検出器は、被試験ユニット内の周囲圧力未満環境においてヘリウムが検出されたか否か、また場合によってはその濃度または原子数の指示を供給する。
【0003】
ヘリウム漏れ検査は、ヘリウム源からヘリウムを分配するヘリウム棒(helium wand)を使用して、パイピングを互いに接続するのに使用される溶接部、および液密であることが意図される環境を取り囲む他の流体導管の幾何学形状に対して、定期的に実施され、溶接部を通り抜けるヘリウムの存在、また場合によってはその量を判断する。ヘリウムは非常に小さい原子なので、それよりも大きいガス原子または分子がそのサイズのために通り抜けることができない、溶接部の開口部を通り抜けることができる。溶接部を通り抜けるのが検出されたヘリウムの量は、溶接部の間隙の指標である。このヘリウム漏れ試験は手動プロセスである場合が多く、技術者または他のオペレータもしくはユーザは、被試験ユニットの内部空間、例えば、継手およびその中の溶接部を含むパイピングの長さの内部空間を、真空源に、例えば真空ポンプに接続されたパイピングまたは補強ホースに、または例えば工場の真空ラインに接続する。オペレータまたはユーザは次に、ヘリウム棒を持ち、そのトリガ210を使用して、ヘリウム棒からのヘリウム流を活性化し、漏出検査の対象である被試験ユニットの範囲全体にわたって棒のヘリウム分配端部を動かす。例えば、漏出を評価している被試験ユニットの部分が溶接部のとき、真空ラインにあるヘリウム検出器が、プリセットされた量または濃度を超える真空ラインにおけるヘリウムの存在を示した場合、オペレータまたはユーザは、溶接部は試験に不合格であり、許容できない漏出を有していると判断し、被試験ユニットは再加工または廃棄される。この試験のパラダイムでは、少量のヘリウムが溶接部を通り抜けるが閾値量未満であった場合、欠陥溶接部とは示されず、オペレータが、配管を接続する溶接部を形成する溶接プロセスの有効性をモニタするのに使用することができる。
【0004】
この試験方法論にはいくつかの制限がある。例えば、被試験ユニットの合格または不合格に関する情報はすべて手動で記録しなければならず、したがって、特定の試験時間に対して、または特定の溶接オペレータ、溶接ステーション、配管を溶接するのに使用された原材料、および互いに溶接された配管のロットなどの溶接源に対して、溶接部を一対一で追跡することはほとんどないが、これらはすべて、品質管理の目的で欠陥をトレースするのに有用な情報である。加えて、被試験ユニット内に適切な真空圧が存在すること、またヘリウム棒を溶接部に沿って動かす速度が試験の妥当性に影響を及ぼす可能性があるため、試験オペレータまたはユーザが被試験ユニットの試験に影響を及ぼす。これは、欠陥がある溶接部の偽「合格」につながる可能性がある。
【発明の概要】
【0005】
一態様では、被試験ユニットの漏れを検出する装置は、動き検出器が接続されたヘリウムガス源に接続可能なヘリウム分配器であって、ヘリウムを選択的に分配するように構成された、ヘリウム分配器と、継手を通して被試験ユニットに解放可能に接続可能な真空源と、真空源に流体結合されたヘリウム検出器と、ヘリウム検出器および動き検出器に動作可能に結合され、ヘリウムがヘリウム分配器から分配されるときのヘリウム分配器の動きの速度を示す電気信号を受信するように構成された、コントローラとを含む。別の態様では、被試験ユニットの漏れを感知するための方法は、被試験ユニットのSKUをスキャンすることと、SKU情報をコンピュートに送信することと、被試験ユニットを試験装置に接続することと、ガスを被試験ユニットの内部空間から除去することと、真空圧が試験圧力に達するまで被試験ユニットの内部空間内の真空圧をモニタすることと、ヘリウムガンのトリガを引いてヘリウムガンからヘリウムを分配することによって、ヘリウムガンを通して被試験ユニットの外部へのヘリウムの送達を開始することと、ヘリウムが被試験ユニットの溶接部の上に放出されるように、ヘリウム供給ガンを位置決めすることと、ヘリウムを分配する間のヘリウム供給ガンの移動速度を検出することと、被試験ユニットの内部のヘリウム含量をグラフィカルユーザインターフェースに表示することとを含む。
【0006】
本開示の上記に列挙した特徴を詳細に理解することができるような形で、上記に概説した本開示が、実施形態を参照してさらに詳細に説明されることがあり、その一部が添付図面に例証される。しかしながら、添付図面は本開示の例示的実施形態を例証しているにすぎず、したがって、他の等しく有効な実現形態を許容することができるので、その範囲を限定するものとみなされるべきではないことに注目すべきである。
【図面の簡単な説明】
【0007】
【
図1】漏れ検出試験のための回路を示す概略図である。
【
図2】被試験ユニットの内部圧力、検出されたヘリウム、および時間の測定値を示すグラフである。
【
図3】漏れ検出試験の方法を示すフローチャートである。
【
図4】漏れ試験の結果を示すユーザインターフェースのグラフィック表示を示す図である。
【
図5】漏れ試験の別の結果を示すユーザインターフェースのグラフィック表示を示す図である。
【
図6】漏れ試験のさらに別の結果を示すユーザインターフェースのグラフィック表示を示す図である。
【
図7】漏れ試験における加速度計の代替構造を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0008】
本明細書における理解を容易にするため、可能な場合、図面に共通である同一の要素を指定するのに、同一の参照番号を使用している。ある実施形態の要素および特徴は、追加して記述することなく、他の実施形態で有益に利用されてもよいことが想到される。
【0009】
図1を参照すると、漏れ検出システム100が示されている。ここで、漏れ検出システム100は次のように構成される。
a)被試験ユニットの溶接位置など、被試験ユニットの漏れ検査対象位置に、オペレータの制御下でヘリウムを供給する
b)被試験ユニットの内部空間内が適正なベース真空圧に達する前に、オペレータが早くヘリウムを溶接部に放出してしまわないように、被試験ユニット内の真空圧をモニタする
c)被試験ユニットの内部空間に入るヘリウムの存在、および任意にヘリウムの量の指示を判断する
d)被試験ユニットの合格または不合格の指示を提供する。
【0010】
一態様では、コントローラまたはプログラマブルコンピュータが提供され、次のものに動作可能に接続される。
被試験ユニットの内部空間内の真空圧を判断することができる真空圧センサ
ヘリウムの流量を決定するフローコントローラ
被試験ユニットのタイプおよび製造ロットを判断することができる標識リーダ。
【0011】
コンピュータまたはコントローラはさらに、被試験ユニット内の真空圧およびヘリウムフローコントローラをモニタして、被試験ユニットの漏れ検査エリアにヘリウムが分配される前に真空圧に適正に達したか否か、および被試験ユニットの漏出が評価される領域に隣接してヘリウム分配器からヘリウムを放出する間、ヘリウム分配器の分配領域の速度または速さをオペレータが超過したか否かを判断するように構成される。コンピュータまたはコントローラはまた、合格または不合格の標識を提供し、被試験ユニットの再試験を要する不適正試験の通知をオペレータに提供するように構成される。さらに、システム100は、オペレータ、ユーザ、または他の人員が、被試験ユニットのタイプ、被試験ユニットのロット番号、シリアル番号、または他の識別標識によって、被試験ユニット内で検出されるヘリウムの量、ならびに複数の被試験ユニットの時間に伴う複数のヘリウム漏れ試験を追跡して、検出されるヘリウムの量の傾向を判断することを可能にし、ならびに、溶接部の完全性を目的とする原因分析のため、また製造設備によってテーマを超えて生産される欠陥溶接部の数を低減する予防保全のため、溶接部のメーカーが、複数の被試験ユニットにわたって時間に伴って検出されるヘリウムの量の変化または偏りの傾向によって示される、プロセスの偏りまたはプロセスの変化のより良好な視認性を得ることを可能にするのに使用可能である。本明細書に記載するシステム100の実現例では、電源130が設けられ、システムの様々な電動構成要素を動作させる電力はすべて、電源からの出力によって供給される。これにより、システム100の構成要素を、使用を簡単にするためにラックまたは他のかかるデバイスに装填し、乱雑さを低減することが可能になる。
【0012】
図1のシステム100では、ヘリウム供給源101、例えば、被試験ユニット114を試験のために置くことができる試験テーブル103に隣接して位置する、迅速接続-分離継手(quick connect-disconnect fitting)などの出口継手を有する、工場のヘリウム供給源が設けられる。あるいは、ヘリウムは、車輪付きカートに乗せたボトルなど、携帯可能または移動可能なボトルで、あるいは他のメカニズムおよびまたは構造によって供給することができる。ヘリウム供給源101は、質量流量モニタ102の入力ポートに流体接続される。質量流量モニタ102は、モニタが接続されたヘリウムガン108を通って流れるヘリウムの流量を、したがって量を測定し、測定によってモニタするのに有用である。質量流量モニタ102の出力ポートは、流体供給配管によって二方向結合器106に接続される。二方向結合器106は雌継手104および雄継手105で構成される。継手は円筒状の中空金属治具であり、雌継手が、漏れのないシールで雄継手を雌継手内に締結することを可能にする、ボールをシール台座に押し付けるバネで構成されたチェックバルブを収容して、ヘリウムが接続された雌および雄継手104、105を通って流れるのを可能にする。雄継手105は、ヘリウムガン108の基部につながり接続される、柔軟な強化ホースなどの流体配管107に接続される。
【0013】
流体配管107は、結合器106の雄および雌継手105、104が互いに接続されると、ヘリウムガンの基部にある接続部を通してヘリウムをヘリウムガン108に供給する。ヘリウムガン108は、ユーザの手で人間工学的に使用するように形作られた本体113で構成される。本体113の内部は、ヘリウムガン108の基部にある配管107から分配ノズル111まで延在する中空のフロー導管であり、中を通るフローはバルブ(図示なし)によって制御され、バルブは、ヘリウムガン108のオペレータまたはユーザがガンのトリガ210を押し下げることによって開かれ、トリガ210に対する圧力を解放することによって閉じられる。ヘリウムガン108(ヘリウム分配器)は、ヘリウム漏れ検査が実施される被試験ユニット114の位置にわたってガンの分配ノズル111を移動させるのを可能にするため、ガンに接続された配管107の長さの範囲内で自由に動かすことができる。
【0014】
本体113の内部には加速度計109があり、ヘリウムガン108の動きまたは加速を測定するのに使用される。ここで、加速度計109は、x軸、y軸、およびz軸での加速を区別することができる。加速度計109は、ここでは配管107に巻き付けられる加速度計ケーブル115に接続され、またヘリウムガン108の遠位側の位置で接続され、その位置で、互いに隔離され、加速度計ケーブル115との接続部からCPU 110まで延在する、一対の加速度計バスワイヤを含んでもよい、第1のCPU142ラインに接続される。第1のCPUライン142は、ヘリウムガン108の動きに応答して加速度計から出力され、ヘリウムがガンから分配されている間のヘリウムガン108の動きの速度を示す、電気信号の形態で情報をCPU 110に通信する。第1のCPUライン142は、ヘリウムガン108の加速に関する、またしたがってガンの速さに関する情報を通信するように構成される。第2のCPUライン144は、質量流量モニタ102とCPU 110との間を接続して、ヘリウム供給源101から流れる、したがってヘリウムガン108のノズル111から外に流れるヘリウムの量を示す信号を、質量流量モニタからCPU 110に伝える。ヘリウムガン108のノズル111を通るヘリウムの流量は、質量流量モニタ102によってモニタされ、モニタは、中を通るヘリウムのフローを示す電気信号を出力し、電気信号は第2のCPUライン144を通してCPUに電気的に通信される。CPU 110はユーザインターフェース112に接続される。ユーザインターフェース(UI)は、ヘリウムガン108のユーザが、システム100の動作に関する視覚および聴覚情報を受信することを可能にする。試験中、ヘリウムがヘリウムガン108から分配されている間、ヘリウムガン108の加速または移動速度がプリセットされた最大閾値に達した場合、信号がCPU 110からUI 112に送信され、UI 112は不合格試験値を表示し、また任意に、可聴音アラームを鳴らすか、映像アラームを表示するか、または両方を行う。
【0015】
システム100はまた、試験装置ハードウェアおよび設備を含む。これは、継手を使用して第2の流体配管129に接続された真空源150を含む。真空源150は、例えば、溶接されたパイピング、または溶接されたパイピングを使用する機器、または両方を準備する設備など、設備内の複数の位置で使用される、製造、試験、または製造試験設備内の複数の位置にパイピングされ、ここでは、被試験ユニットに対するヘリウム漏れ試験が実施されるテーブル103に隣接して位置する迅速接続結合器を通してアクセス可能である、「ハウス」源である。この第2の流体配管129はヘリウム検出器128を中に収容する。例えば、ヘリウム検出器128は、真空配管129に対するT字接続継手を通して、例えばT字接続継手のステムにねじ込まれ、T字接続継手のアームが第2の配管129内で一列に接続されることによって、第2の配管129の内部と流体連通して位置決めされる。したがって、ここでは、T字接続継手の1つのアームはハウス真空源150に流体接続され、第2のアームは、真空150源を被試験ユニット114に接続するのに使用される結合器につながる強化ホース230に流体接続され、ヘリウム検出器128は、T接続部の第3のアームまたはステムに流体接続される。被試験ユニット内が真空である結果として、ヘリウムが、評価されている被試験ユニット114の溶接部または他の部分の孔を通して被試験ユニットに引き込まれた場合、ヘリウム検出器128へと移行することによって、被試験ユニット114の内部空間内におけるヘリウムの存在が検出される。ヘリウム検出器128は、ヘリウム検出器128によるヘリウム検出に対応する電気信号をCPU 110に通信する、1つまたは複数の導電体で構成されたヘリウム検出器ライン127を通して、検出されたヘリウムの量または濃度に関する電気信号をCPU 110に伝送する。ヘリウム検出器121は、電源130によって電力供給され、ヘリウム検出器電源ケーブル218を通して電源130に接続される。
【0016】
第2の配管126の内部空間は、配管の一端で、結合器124を通して被試験ユニット114に選択的に接続可能である強化ホース230を通して、被試験ユニット114の内部空間に流体接続される。結合器124は雌継手120および雄継手120で構成される。被試験ユニット114の反対の端部は、キャップまたは他のシーリングデバイスでシールされる。継手は円筒状の中空金属治具であり、雌継手は、雄継手を雌継手に嵌め込んで漏れのないシールで雌継手に締結することを可能にする、ボールをシール台座に押し付けるバネを有するチェックバルブを含んで、被試験ユニット114の内部を真空に接続することにより、被試験ユニット114の内部空間内の圧力を、被試験ユニット114が溶接部の漏出に関して評価されるユーザ指定のベース(真空)圧力まで低減する。加えて、ヘリウム検出器128は、上述したように、第2の配管129の内部空間と流体連通しており、したがって、被試験ユニット114の溶接部を通るヘリウム漏れが、強化ホース230および第2の配管129の内部空間を通して、ヘリウム検出器128に通信される。結合器124の雌継手122部分は、第2の配管129の端部に溶接されるかまたは別の方法で流体的に封止接続され、結合器124の雄継手120部分は被試験ユニット114に封止接続される。被試験ユニット114が雄継手120と係合されると、被試験ユニット114のパイピングの開放端が漏れ防止シールで雄継手120の円筒状陥凹部にロックされる。雄および雌継手120、122部分が互いに締結されると、締結によって被試験ユニット114から真空源150まで連続する漏れのない封止されたラインが作られ、ヘリウム検出器128は、被試験ユニット114と真空源150との間の位置で、第2の配管129の内部と流体連通する。
【0017】
本発明のいくつかの態様では、真空源は、被試験ユニットを接続することができるハウスまたは設備の真空ラインであるが、本発明の例では、真空源150は、真空源150を動作させる電力を供給する、電源ライン215を通して電源130に接続される真空ポンプである。他の態様では、真空源150は上述のハウスまたは設備の真空供給源であることができる。真空源150が別個の真空ポンプのとき、電源130によって電力供給される。真空源は、ガスまたは蒸気、一般的には空気、水蒸気、または両方を、被試験ユニット114の内部空間から給送して、被試験ユニット114の内部空間の圧力を所望の試験圧力まで下げる。ヘリウムが被試験ユニット114の溶接領域の上に放出されると、ヘリウム原子よりも大きい開口部が溶接接続部内にあり、溶接接続部を通っている場合、真空が、溶接部付近で溶接部に沿って放出されたヘリウムを、溶接部を通して被試験ユニット114に引き込む。ヘリウムは、強化ホース230および第2の配管129を通して、検出されるべきヘリウム検出器128の位置に移行するか、または真空源150によって給送される。
【0018】
真空源150の内部、または第2の配管129内には、真空センサライン216を通してCPUに接続される、圧力センサ121がある。圧力センサ121は電気信号を出し、電気信号は、真空センサライン216に沿って伝送され、第2の配管129内、したがって配管に接続された被試験ユニット114の内部空間内の流体圧力を示す。被試験ユニット114が結合器124を通して第2の配管129に最初に接続されると、ベースまたは試験圧力までポンプダウンされ、継手122のチェックバルブでシールされることによって維持されていた第2の配管129内の圧力は、被試験ユニット114の内部空間内のガスが第2のパイピング129内へと移行するにつれて上昇する。次に、被試験ユニット114の内部空間と第2の配管129の内部空間が組み合わされた容積内の流体(ガス、水蒸気、または両方)が下がり始める。圧力センサ121は、電気信号を連続して、または所望のリフレッシュ速度でCPU 110に送信し、CPU 110は、UI 112に対する圧力ベースの出力を生成し、被試験ユニット114の内部空間内の圧力の視覚的指示が表示されるが、その圧力は第2の配管129と同じまたはほぼ同じ圧力のはずである。UI 112は、UI 112の表示モニタに数字として圧力を表示し、ならびに時間に伴う被試験ユニット114内の圧力の変化をX-Y軸(Xは時間、Yは圧力)上にグラフィックで図示することができ、被試験ユニット114の内部空間の圧力が下げられてヘリウム漏れ試験圧力に達している閾値圧力を表示する、水平線をグラフ上に含むことができる。被試験ユニット114に対するヘリウム漏れ試験のオペレータは、この閾値圧力ライン、およびその閾値圧力ラインを下回る圧力の降下を、被試験ユニット114に対してヘリウム漏れ試験を始めることができる指標として使用する。
【0019】
ヘリウム検出器128は、真空センサライン216を通してCPU 110に接続される。ヘリウム検出器128は、ヘリウムの検出を示す信号を、またヘリウムの検出によって、溶接部を通過して被試験ユニット114の内部に入った結果として第4の配管129に入った、試験中の第2の配管129内のヘリウムの相対濃度または量の検出を出力するように構成される。濃度情報はまた、個々のヘリウム原子と検出器との相互作用を示す生の検出器情報であり得、ヘリウム検出器128と相互作用する原子が多いほど、信号の振幅が大きくなるか、またはヘリウム検出器128による個々のヘリウム原子の検出を表す個々の信号の数が多くなる。ヘリウム検出器128からCPU 110への出力は、連続的であることができ、または離散的な期間中のヘリウムの検出の合計に基づくことができる。CPU 110に送信されたこの情報は、UI 112のディスプレイにヘリウム濃度情報として表示され、またX-Y軸(Y軸は濃度、X軸は時間)上に圧力情報とともにグラフィックでプロットされる。プリセットの閾値ヘリウム濃度は、ヘリウム検出器128が試験中に検出することが可能なヘリウムの量に対して、オペレータによって規定される。あるいは、CPU 110が、被試験ユニット114に取り付けられ読取り機によって読取り可能なバーコードなど、被試験ユニット114のタイプを含む被試験ユニット114の識別情報を受信する、システム100を構成することができる。情報はまた、被試験ユニットがヘリウム漏れ試験に不合格する閾値検出ヘリウムを含むことができ、またはCPU 11oは、被試験ユニット114の識別情報と被試験ユニット114が試験に不合格したとみなされるヘリウムの閾値とを比較するルックアップテーブルを内部に含むことができる。被試験ユニットまたは被試験ユニットの個々の溶接部が製作された時間、被試験ユニット114を製作するのに使用されたワークステーションまたは機器、および被試験ユニット114を構成する配管を互いに組み立て溶接した1人または複数のオペレータなどの、追加情報。ヘリウムは不活性で最も小さい原子なので、被試験ユニット114が機器に設置されたときにユニットを通り抜けることができる他のガスは、一般に、はるかに大きい原子または分子サイズを有することになり、ヘリウムの原子径と同じかわずかに大きい溶接部を通る開口部を通り抜けることができない。CPUは、ヘリウム検出器128によって検出されたヘリウムの閾値許容量を超過した場合、アラームを鳴らすかまたは試験不合格の警告を表示するように構成される。この不合格通知は、文字による不合格信号、赤い光の表示、または他の標識として、UI 112のディスプレイに視覚的に表示することができる。UI 112はまた、不合格信号を可聴音アラームとして伝送することができる。加えて、結合器124が強化ホース230と被試験ユニット114との間に適正にシールされた接続を形成していない場合、または被試験ユニット内へと接続された構成要素の1つもしくは複数の溶接部が十分に気密でない場合、真空源150は、接続された強化ホース230および被試験ユニット114内の圧力を試験圧力まで下げることができなくなり、CPUが、被試験ユニット114、結合器124、および第2の配管129のどこかに全体的な漏れがあるというアラームを、表示するかまたは鳴らすように構成することができる。CPU 110は、被試験ユニット114が強化ホース230に接続されてから特定の時間量が経過した後であるが、所望の真空圧に達していない場合に、アラームを鳴らすか、UI 112のディスプレイに表示するか、または両方を行うように構成することができる。
【0020】
図2は、この情報の一部をグラフィックで示している。
図2は、左側Y軸に沿って測定された被試験ユニット114の内部圧力と、右側Y軸に沿って表示されるヘリウム検出量と、X軸に沿った時間とを有するグラフである。曲線136は、被試験ユニット114内の圧力を表す。ここで、t
0において、被試験ユニットは最初は大気圧下にあり、継手120、122を互いに接続することによって真空供給源150に接続されており、この時、圧力センサ121によって検出されるように、被試験ユニット114内の圧力は下がり始める。時間に伴い、曲線132が試験圧力未満の位置まで延び、時間t
1において、オペレータは、溶接部において被試験ユニット114の領域にヘリウムを分配する。曲線134は、左側Y軸に基づいて評価されるべきであり、ヘリウムガンのトリガ210がオペレータによって押し下げられたときから始まって、時間に伴って検出されるヘリウム原子の量または計数を示している。ここで、ヘリウムはゆっくり上昇している。ユーザは、ヘリウムを分配する試験期間を確立する。ここで、不合格レベルは右側Y軸に描かれている。t
1からt
fまでの指定された試験期間にわたって、検出された蓄積ヘリウムは不合格レベルよりも少なく、被試験ユニット114は合格したとみなされる。対照的に、異なる被試験ユニット114の検出されたヘリウムの曲線136は、t
1からt
fまでの指定された期間にわたって検出された蓄積ヘリウムは不合格レベルよりも多く、この被試験ユニットは却下される。破線形式の曲線132aは、被試験ユニットが試験を開始するのに必要な真空に達することができないので、試験セットアップ、被試験ユニット114、または両方の接続部のどこかに全体的な漏れがあるという結果を示している。ここで、オペレータは、接続部のすべてを検査し、被試験ユニットを再試験する。真空試験圧力に達することができない場合、被試験ユニット114は除外され、新しい被試験ユニット114が接続される。この第2の被試験ユニットが試験圧力に達した場合、最初の被試験ユニットは却下される。第2の被試験ユニット114が試験真空レベルに達することができない場合、オペレータは、真空構成要素を分解し、真空ポンプを検査して適切に動作していることを確認し、試験セットアップを再構築する必要がある。その後、真空試験圧力に達しなかった2つの被試験ユニットが再試験される。
【0021】
ヘリウム漏れ試験結果の妥当性に影響する問題のうち、1つは人的エラーである。試験中に起こる1つの人的エラーは、試験オペレータが、被試験ユニット114の内部圧力が、試験が行われる周りの周囲空気圧よりも実質的に低い真空圧である所望の試験圧力に達する前に、ヘリウム漏れに関して評価されている被試験ユニット114の部分の上に、または部分に隣接してヘリウムガン108からヘリウムガスを送達または放出することである。ヘリウムを通すことができる被試験ユニット114の開口部にヘリウムが入る尤度、および開口部に通されるヘリウムガスの量は、通り抜ける開口部のヘリウム利用可能性と、被試験ユニット114の内部空間と外部との間の圧力差とによって変わる。ヘリウムガンは、ヘリウムガンの先端を液体に浸し、トリガ210が引かれたときにガスが放出される場合の量を判断し、単位時間当たりの所望の体積流量を維持するようにヘリウム圧力またはヘリウムガン108を調節することによって頻繁に較正されるので、ヘリウムガンによって分配されるヘリウムの量はデジタルである。ヘリウムガン108の内部弁は全開と全閉状態との間で移動するので、フルフローとゼロフローとの間でヘリウムフローを調整することはできない。したがって、試験の妥当性に影響する主変数は、間隙また開口部の近傍でのヘリウムの所望の放出を所与として、例えば溶接部140の、開口部または間隙を通り抜けるヘリウムの量である。被試験ユニット114の試験は、ヘリウムガンからのヘリウム流量と、被試験ユニット114の内部と外部の間の圧力の差とに基づいて較正される。ヘリウムガン108の流量が適正に較正された場合、被試験ユニット114の内部空間が所望のレベルの内部真空圧に達する前に試験を開始すると、被試験ユニット114の溶接部またはパイピングの開口部または間隙を通るヘリウム原子がより少なくなり、その結果、試験合格ユニットとみなされるべきではない被試験ユニットが試験合格ユニットと呼ばれる。CPU 110は、被試験ユニット内の圧力が所望の試験圧力に達するまでヘリウムを分配しないように構成可能であり、または、ヘリウムガン108からヘリウムを放出することによって試験が開始される前に被試験ユニット114内の真空圧力が所望の試験圧力に達していない場合、本明細書で上述したアラーム信号を提供するように構成可能である。
【0022】
被試験ユニット114内が所望の真空圧に達する前にヘリウムが流れないようにするため、CPUは任意に、被試験ユニット114内が適正な真空圧に達して初めてバルブを開放するように、ヘリウム供給ラインのバルブ123に制御信号を送信するように構成される。
【0023】
ヘリウム漏れ試験においてオペレータによって誘発される別のエラーは、オペレータがヘリウムガンの先端を速く移動させすぎて、漏れを評価している被試験ユニット114のエリアを通り過ぎてしまうことに関わる。ここで、CPUは、ヘリウムガンの加速度計109から受信した信号を読み取って、ヘリウムガンが速く移動しすぎたことを示すように構成され、オペレータは、ポンピングすることによって被試験ユニットの内部空間を所望の真空圧にすることによって試験をやり直し、漏れ試験をやり直さなければならない。このようにして、システム100は、ヘリウム漏れ試験の有意性および精度におけるユーザの信頼性を増加させて、検査される溶接部または配管の漏れ経路の望ましくない間隙を見つけ出す。
【0024】
被試験ユニットの繰返し可能なヘリウム漏れ試験を可能にするための方法が
図3に示されている。動作1000で、部品番号、完成した時間、およびオペレータが所望する他の情報などの情報を含む、被試験ユニットを一意に識別する被試験ユニット114のSKUコードがスキャンされ、情報がCPU 110によって読み取られ、CPU 110は、被試験ユニットのSKU番号を、被試験ユニット114の合格または不合格を示す結果の試験応答と関連付けるように構成される。次に、動作1001で、被試験ユニット114が結合器124の雄継手120にしっかり締結され、雄継手120が結合器124の雌継手122に挿入される。これにより、被試験ユニット114の内部空間と真空源150を有する第2の配管129との間に漏れのないシールが作られる。一態様では、動作1003で真空源150が開始されてもよい。他の態様では、強化ホース230内において大気圧より低い圧力を維持するため、真空源150はオンのままで動作している。真空150がオンにされ、被試験ユニット114に圧力を加え始めると、UI 112は被試験ユニット114の内部の圧力を表示する。オペレータは、動作1005で、被試験ユニット114の内部の真空圧の変化をモニタする。被試験ユニットに対して実施されるべき試験の所望のシステム圧力は、ユーザインターフェース112に表示される被試験ユニット114の内部空間の圧力に基づいて、オペレータによって決定されるか、またはCPUは、このセットされた試験圧力でプログラムされ、オペレータが、試験圧力に達しているかを視覚的に、グラフィックで、または可聴音で判断するのに使用することができる、情報を表示するかまたは可聴音で発してもよい。この試験圧力は、被試験ユニット114の起こり得るあらゆる微細な漏れに対する、または漏れに隣接するヘリウムの印加に対して被試験ユニット114が最も適切に応答するであろう、またシステム全体がさらなる介在なしにセットされた真空圧を維持する、セット圧力である。動作1007で、オペレータは、UI 112の圧力読取り値を視覚的に見ることによって、またはCPUが圧力をモニタし、被試験ユニット114が試験圧力に達したときにUI 112を通してアラートを作成するのを可能にすることによって、被試験ユニット114が所望の圧力である試験圧力に達するようにすることができる。圧力が所望の試験圧力に達した時点で、オペレータは、動作1010で、ヘリウムガン108を使用してヘリウム送達を開始することができる。オペレータは、ヘリウムガン108の本体113の外部にあるトリガ210を引くことによって、ヘリウムガンのノズル111を通してヘリウムを分配する。トリガ210は、ヘリウムガンの内部にあるバルブを開放して、ヘリウムが所望の予め較正された一定の流量でノズル111から出るようにする。流量は、ヘリウム供給源101に流体接続された、質量流量モニタ102(MFM)の出力によって決定される。MFM信号は、CPU 110によって使用されて、被試験ユニット114内が試験圧力に達した後にのみヘリウムが放出されるように判断され、また圧力が試験圧力を上回っているときにヘリウムが放出された場合、CPU 110によってUI 112に不合格信号が送信される。これでオペレータに、適切な試験圧力に達するのを待ちながら試験をやり直すように合図する。あるいは、CPU 110は、被試験ユニット114内が試験圧力に達するまでヘリウムがヘリウム源から流れることができないように、ヘリウムラインの流体スイッチを制御する。CPU 110が、試験圧力であるようにセットされた圧力を適切に満たす圧力信号を圧力センサ121から受信していないときに、オペレータが試験を実行しようと試みた場合、不合格信号がCPUによって表示される。CPU 110は、動作1013で、MFM信号を使用してヘリウム送達流量が適正範囲内であることを担保する。
【0025】
ヘリウム流量が適正範囲内になると、オペレータは、ヘリウムガン108を被試験ユニット114の関心ポイントに位置決めする。具体的には、動作1016で、オペレータは、溶接部の漏れを試験するのに、ノズル111が被試験ユニット114の溶接部140に隣接するように、ヘリウムガン10を位置決めする。動作1019で、オペレータは、トリガ210を引いてヘリウムガスをヘリウムガン108のノズル111から放出することによって、被試験ユニット114の溶接部など、これらの関心ポイントにヘリウムを適用する。被試験ユニット114に漏れがある場合、ヘリウムは、漏れを起こさせる物理的開口部を通り抜け、被試験ユニット114に引き込まれ、真空圧を引くことによって、またはヘリウム検出器128に対して分散させることによって流れる。ヘリウムの原子がヘリウム検出器に達すると、反応が起こって、ヘリウム検出器がヘリウム原子を識別し、検出されたヘリウム原子の濃度に関する信号を、真空センサライン216を通してCPU 110に送信することができる。被試験ユニット114の内部のヘリウムの濃度は、動作1022で、UI 112に表示される。溶接試験の不合格が明らかになるヘリウムの閾値量は、オペレータによってセットされるか、またはCPUのルックアップテーブルに格納され、溶接または被試験ユニット114の不合格が明らかになるヘリウム検出の閾値をセットするのに使用される。ヘリウム検出器が閾値量を超えるヘリウムを検出した場合、UIは不合格警告を表示する。CPU 110は、ヘリウム濃度データ、不合格警告データ、および不合格だった実際の被試験ユニット114を表すSKU番号データを、オペレータまたは他の人員がアクセスすることができるデータベースに追加する。このデータベースは、オペレータまたは他の人員がSKU番号を使用して、製造に欠陥があるか、またどこでこの欠陥が始まったかを判断して、被試験ユニットを作成するのに使用された機器および材料、被試験ユニットに様々な溶接部が作られた時間、ならびにそれらの溶接部を作り被試験ユニット114を作り上げる技術者を識別することを可能にする。これにより、オペレータまたは他の人員が、リソースを拡張して、漏れがある被試験ユニット114をさらに作る前に、製造に関して意思決定を行うことが可能になる。加えて、この同じデータは、合格の被試験ユニットに対して収集され、検出されたヘリウムの量、ヘリウムの量の被試験ユニットごとの変化を使用して、予防保全ができるようにし、時間に伴う性能の傾向を含めて問題がある原材料のロットを識別し、被試験ユニットを製作する技術者を訓練または再訓練するため、機器、原材料、および被試験ユニットの製造に関与する個人の問題を識別することができる。データはまた、被試験ユニットの製造プロセスにおける誰が、どこで、何を、いつを識別し、結果として得られる試験性能の変動に対して追跡することによって、製造プロセスのばらつきを低減するのに使用することができる。
【0026】
加えて、ヘリウムガン108内の加速度計109が、オペレータによるヘリウムガン108の移動が速すぎることを検出した場合、UI 112は不合格警告を表示し、この加速度計データおよび不合格データは、オペレータまたは他の人員がアクセス可能なデータベースに追加される。不合格警告を受信すると、動作1025で、オペレータは試験をやり直すように促されて、今度はガンをもっとゆっくり移動させる。これにより、漏れ部位におけるヘリウムガン108のノズルの適正な滞留時間が可能になって、漏れがある場合にヘリウムが被試験ユニットに浸透する。加速度計ベースの試験不合格によるオペレータの不合格率に基づいて、さらなる訓練が試験オペレータに必要かどうかの判断を行うことができる。
【0027】
図4~
図6は、漏れ試験の実施中にヘリウムガンオペレータが見るUI 112の画面を示している。UIの画面112は、漏れ試験に関してスキャンされた被試験ユニット114のSKUバーコードを表示する。UI 112は、被試験ユニット114に関する一連の情報のグラフィックを示す。第1の流量グラフは、漏れ読取り値の上限909および漏れ読取り値の下限901を、実際の漏れ読取り値905とともに表示している。閾値限界は、オペレータによって規定され、被試験ユニット内の真空圧、およびガンから送達されるヘリウムの流量に基づく。第2のグラフは、被試験ユニット内のヘリウム濃度912を、ヘリウムガンから送達されているヘリウムと比較している。オペレータパネルでは、UIは、被試験ユニット内の真空圧に基づいて、漏れ試験に対する相互作用的な手動の開始および停止を表示する。UIは、試験の状態および速度に関する情報を表示する。UIは、自動開始および自動停止インターフェースも同様に表示する。アクティブ試験中の真空ポンプ時間が表示される。UIは、リード率を表示し、状況に応じて試験中または不合格の状態を与える。
図3は、アクティブ試験中の試験を示したものである。
図4は、被試験ユニットの漏れによって不合格になった漏れ試験を示している。これは、不合格信号を読み取った試験結果情報、ならびに漏れ上限を超過してグラフィック表示される漏れ流量によって示される。ヘリウムガンの速度に関する情報は低速と書かれ、ガンの移動が有効な試験にとって速すぎなかったことを示している。
図4は、試験中のヘリウムガンの移動が速すぎたことによって不合格になった漏れ試験を示している。これは、上限909および下限901以内に収まる漏れ流量905によって示されているが、速度は高速の読取り値を示している。
【0028】
図7は、試験システムの加速度計レイアウトの代替構造を示している。ここで、第1および第2の加速度計152、154によって出力された信号を伝えるように構成された第1および第2の加速度計リード線156、158を介して、第1のCPUライン142にそれぞれ別個に接続可能である、第1の加速度計152および第2の加速度計154が提供される。第1の加速度計152は、中心線方向Lでの出力ノズル111の移動に対して特に感度を持つように構成され、第2の加速度計154は、中心線方向を中心にした回転方向θでの出力ノズル111の移動に対して特に感度を持つように構成される。2つの加速度計を使用し、2つの加速度計をガス出力位置の近くでノズル111に取り付けることで、ヘリウムガン108のヘリウムガス放出部分における速度検出の精度が増加する。しかしながら、ノズル111の上または中にある単一の加速度計も、本明細書において具体的に想到される。
【国際調査報告】