(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-10-31
(54)【発明の名称】ジストロフィノパチーを処置するための筋標的化複合体
(51)【国際特許分類】
A61K 47/68 20170101AFI20241024BHJP
A61K 48/00 20060101ALI20241024BHJP
A61K 39/395 20060101ALI20241024BHJP
A61P 21/04 20060101ALI20241024BHJP
G01N 33/68 20060101ALI20241024BHJP
C12N 15/113 20100101ALN20241024BHJP
C07K 16/18 20060101ALN20241024BHJP
【FI】
A61K47/68
A61K48/00
A61K39/395 H
A61K39/395 U
A61P21/04
G01N33/68
C12N15/113 Z ZNA
C07K16/18
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2024525780
(86)(22)【出願日】2022-10-31
(85)【翻訳文提出日】2024-07-01
(86)【国際出願番号】 US2022078975
(87)【国際公開番号】W WO2023077120
(87)【国際公開日】2023-05-04
(32)【優先日】2021-11-01
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】521048956
【氏名又は名称】ダイン セラピューティクス,インコーポレーテッド
【氏名又は名称原語表記】DYNE THERAPEUTICS, INC.
【住所又は居所原語表記】1560 Trapelo Road,Waltham,MA 02451,United States of America
(74)【代理人】
【識別番号】110003971
【氏名又は名称】弁理士法人葛和国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】ウィーデン,ティモシー
(72)【発明者】
【氏名】ヴィエラ,ベンジャミン
(72)【発明者】
【氏名】デジャルダン,コディ,エー.
(72)【発明者】
【氏名】サブラマニアン,ロメシュ,アール.
(72)【発明者】
【氏名】カタナニ,モハマド,ティー.
(72)【発明者】
【氏名】クイン,ブレンダン
(72)【発明者】
【氏名】ナジム,ジョン
(72)【発明者】
【氏名】シェン,ペィイー
【テーマコード(参考)】
2G045
4C076
4C084
4C085
4H045
【Fターム(参考)】
2G045AA25
2G045BA13
2G045BB60
2G045DA36
2G045FA40
4C076AA95
4C076CC09
4C076EE41
4C076EE59
4C084AA13
4C084NA05
4C084NA13
4C084NA14
4C084ZA941
4C084ZA942
4C085AA14
4C085EE03
4H045AA11
4H045AA30
4H045BA10
4H045BA54
4H045DA76
4H045EA20
4H045FA10
4H045FA74
(57)【要約】
本開示の側面は、1以上のオリゴヌクレオチド(例として、ホスホロジアミダートモルホリノオリゴマー)に共有結合された抗体(例として、抗TfR1抗体)を含む複数の複合体を含む組成物に関し、各オリゴヌクレオチドは、抗体のリジン(K)残基によって表される連結部位で共有結合されている。いくつかの態様において、抗体は、重鎖可変領域(VH)および重鎖定常領域を含む重鎖と、軽鎖可変領域(VL)および軽鎖定常領域を含む軽鎖とを含み、ここで、組成物中の複合体の抗体の軽鎖定常領域の少なくとも80%(例として、80%~98%、80%~95%、80%~90%、85%~98%、85%~95%、85%~90%、90%~98%、または90%~95%)は、各抗体の軽鎖定常領域のK188(Kabatナンバリングに基づく)によって表される連結部位および/またはK190(Kabatナンバリングに基づく)によって表される連結部位でオリゴヌクレオチドに独立して共有結合されている。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数の複合体を含む組成物であって、各複合体が、1以上のオリゴヌクレオチドに共有結合された抗体を含み、各オリゴヌクレオチドが、抗体のリジン(K)残基によって表される連結部位に共有結合されており、
ここで、抗体が、重鎖可変領域(VH)および重鎖定常領域を含む重鎖と、軽鎖可変領域(VL)および軽鎖定常領域を含む軽鎖とを含み、
およびここで、組成物中の複合体の抗体の軽鎖定常領域の少なくとも80%が、各抗体の軽鎖定常領域のK188(Kabatナンバリングに基づく)によって表される連結部位および/またはK190(Kabatナンバリングに基づく)によって表される連結部位でオリゴヌクレオチドに独立して共有結合されている、前記組成物。
【請求項2】
組成物中の複合体の抗体の重鎖定常領域の少なくとも15%が、各抗体の重鎖定常領域のK213(Kabatナンバリングに基づく)によって表される連結部位でオリゴヌクレオチドに独立して共有結合されている、請求項1に記載の組成物。
【請求項3】
複数の複合体を含む組成物であって、各複合体が、1以上のオリゴヌクレオチドに共有結合された抗体を含み、各オリゴヌクレオチドが、抗体のリジン(K)残基によって表される連結部位に共有結合されており、
ここで、抗体が、重鎖可変領域(VH)および重鎖定常領域を含む重鎖と、軽鎖可変領域(VL)および軽鎖定常領域を含む軽鎖とを含み、
ここで、組成物中の複合体の抗体の軽鎖定常領域の少なくとも80%が、各抗体の軽鎖定常領域の配列モチーフDYEKHKVYA(配列番号53)中のリジン(K)残基によって表される連結部位でオリゴヌクレオチドに独立して共有結合されている、前記組成物。
【請求項4】
組成物中の複合体の抗体の重鎖定常領域の少なくとも15%が、各抗体の重鎖定常領域の配列モチーフVNHKPSN(配列番号58)中のリジン(K)残基によって表される連結部位でオリゴヌクレオチドに独立して共有結合されている、請求項3に記載の組成物。
【請求項5】
抗体が、配列番号1、7または12に記載の配列を含む重鎖相補性決定領域1(CDR-H1)、配列番号2、8または13に記載の配列を含む重鎖相補性決定領域2(CDR-H2)、配列番号3、9または14に記載の配列を含む重鎖相補性決定領域3(CDR-H3)、配列番号4、10または15に記載の配列を含む軽鎖相補性決定領域1(CDR-L1)、配列番号5または11に記載の配列を含む軽鎖相補性決定領域2(CDR-L2)、および配列番号6または16に記載の配列を含む軽鎖相補性決定領域3(CDR-L3)を含む抗トランスフェリン受容体(TfR1)抗体である、請求項1~4のいずれか一項に記載の組成物。
【請求項6】
オリゴヌクレオチドがホスホロジアミダートモルホリノオリゴマー(PMO)である、請求項1~5のいずれか一項に記載の組成物。
【請求項7】
式(I):[R
1]
n1-R
2の複数の複合体を含む組成物であって、式中
各R
1が、独立して、式(Ia)の基を含み:
【化1】
(Ia)、
R
2が、重鎖可変領域(VH)および重鎖定常領域を含む重鎖と、軽鎖可変領域(VL)および軽鎖定常領域を含む軽鎖とを含む抗トランスフェリン受容体(TfR1)抗体を含み;およびここで抗TfR1抗体が:配列番号1、7または12に示される配列を含む重鎖相補性決定領域1(CDR-H1)、配列番号2、8または13に示される配列を含む重鎖相補性決定領域2(CDR-H2)、配列番号3、9または14に示される配列を含む重鎖相補性決定領域3(CDR-H3)、配列番号4、10または15に示される配列を含む軽鎖相補性決定領域1(CDR-L1)、配列番号5または11に示される配列を含む軽鎖相補性決定領域2(CDR-L2)、および配列番号6または16に示される配列を含む軽鎖相補性決定領域3(CDR-L3)を含み;
R
3が、CTCCAACATCAAGGAAGATGGCATTTCTAG(配列番号21)の核酸塩基配列を含むホスホロジアミダートモルホリノオリゴマー(PMO)を含み;
ここで各R
1が、結合点Aにおいて、抗TfR1抗体のリジン(K)残基によって表される連結部位を介してR
2に共有結合されており、およびここで組成物中の複合体の抗TfR1抗体の軽鎖定常領域の少なくとも80%が、各抗体の軽鎖定常領域のK188(Kabatナンバリングに基づく)によって表される連結部位および/またはK190(Kabatナンバリングに基づく)によって表される連結部位でR
1に独立して共有結合されており;および
ここで、各複合体において、n1が、独立して、R
1の実例の数を表す1以上の整数であり、任意にここで、組成物中の複合体のn1の平均値が、1~5の範囲内である、前記組成物。
【請求項8】
式(I):[R
1]
n1-R
2の複数の複合体を含む組成物であって、式中
各R
1が、独立して、式(Ib)の基を含み:
【化2】
(Ib)、
式中、-pがホスホロジアミダートモルホリノオリゴマー(PMO)のホスホロジアミダート連結であり、およびここでPMOが、CTCCAACATCAAGGAAGATGGCATTTCTAG(配列番号21)の塩基配列を含み;
R
2が、重鎖可変領域(VH)および重鎖定常領域を含む重鎖と、軽鎖可変領域(VL)および軽鎖定常領域を含む軽鎖とを含む抗トランスフェリン受容体(TfR1)抗体を含み;およびここで抗TfR1抗体が:配列番号1、7または12に示される配列を含む重鎖相補性決定領域1(CDR-H1)、配列番号2、8または13に示される配列を含む重鎖相補性決定領域2(CDR-H2)、配列番号3、9または14に示される配列を含む重鎖相補性決定領域3(CDR-H3)、配列番号4、10または15に示される配列を含む軽鎖相補性決定領域1(CDR-L1)、配列番号5または11に示される配列を含む軽鎖相補性決定領域2(CDR-L2)、および配列番号6または16に示される配列を含む軽鎖相補性決定領域3(CDR-L3)を含み;および
ここで各R
1が、結合点Aにおいて、抗TfR1抗体のリジン(K)残基によって表される連結部位を介してR
2に共有結合されており、およびここで組成物中の複合体の抗TfR1抗体の軽鎖定常領域の少なくとも80%が、各抗体の軽鎖定常領域のK188(Kabatナンバリングに基づく)によって表される連結部位および/またはK190(Kabatナンバリングに基づく)によって表される連結部位でR
1に独立して共有結合されており;および
ここで、各複合体において、n1が、独立して、R
1の実例の数を表す1以上の整数であり、および任意にここで、組成物中の複合体のn1の平均値が、1~5の範囲内である、前記組成物。
【請求項9】
式(I):[R
1]
n1-R
2の複数の複合体を含む組成物であって、式中:各R
1が、式(Ic)の基を含み:
【化3】
(Ic)、
R
2が、重鎖可変領域(VH)および重鎖定常領域を含む重鎖と、軽鎖可変領域(VL)および軽鎖定常領域を含む軽鎖とを含む抗トランスフェリン受容体(TfR1)抗体を含み;およびここで抗TfR1抗体が:配列番号1、7または12に示される配列を含む重鎖相補性決定領域1(CDR-H1)、配列番号2、8または13に示される配列を含む重鎖相補性決定領域2(CDR-H2)、配列番号3、9または14に示される配列を含む重鎖相補性決定領域3(CDR-H3)、配列番号4、10または15に示される配列を含む軽鎖相補性決定領域1(CDR-L1)、配列番号5または11に示される配列を含む軽鎖相補性決定領域2(CDR-L2)、および配列番号6または16に示される配列を含む軽鎖相補性決定領域3(CDR-L3)を含み;および
ここで各R
1が、結合点Aにおいて、抗TfR1抗体のリジン(K)残基によって表される連結部位を介してR
2に共有結合されており、およびここで組成物中の複合体の抗TfR1抗体の軽鎖定常領域の少なくとも80%が、各抗体の軽鎖定常領域のK188(Kabatナンバリングに基づく)によって表される連結部位および/またはK190(Kabatナンバリングに基づく)によって表される連結部位でR
1に独立して共有結合されており;および
ここで、各複合体において、n1が、独立して、R
1の実例の数を表す1以上の整数であり、および任意にここで、組成物中の複合体のn1の平均値が、1~5の範囲内である、前記組成物。
【請求項10】
組成物中の複合体の抗TfR1抗体の軽鎖定常領域の85%~95%が、各抗体の軽鎖定常領域のK188(Kabatナンバリングに基づく)によって表される連結部位および/またはK190(Kabatナンバリングに基づく)によって表される連結部位でR
1に独立して共有結合されている、請求項7~9のいずれか一項に記載の組成物。
【請求項11】
組成物中の複合体の抗TfR1抗体の重鎖定常領域の少なくとも15%が、各抗体の重鎖定常領域のK213(Kabatナンバリングに基づく)によって表される連結部位でR
1に独立して共有結合されている、請求項7~10のいずれか一項に記載の組成物。
【請求項12】
抗体が、Fab断片、完全長IgG、Fab'断片、またはF(ab')2断片であり、任意にここで、抗体がFab断片である、請求項1~11のいずれか一項に記載の組成物。
【請求項13】
VHが、配列番号17と少なくとも85%同一のアミノ酸配列を含み;および/またはここで、VLが、配列番号18と少なくとも85%同一のアミノ酸配列を含み、任意にここで、VHが、配列番号17のアミノ酸配列を含み、かつVLが、配列番号18のアミノ酸配列を含む、請求項1~12のいずれか一項に記載の組成物。
【請求項14】
重鎖が、配列番号19のアミノ酸配列を含み、および軽鎖が、配列番号20のアミノ酸配列を含む、請求項1~13のいずれか一項に記載の組成物。
【請求項15】
対象におけるジストロフィンタンパク質の発現または活性を促進する方法であって、有効量の請求項1~14のいずれか一項に記載の組成物を対象に投与することを含む、前記方法。
【請求項16】
対象のデュシェンヌ型筋ジストロフィー(DMD)を処置する方法であって、有効量の請求項1~14のいずれか一項に記載の組成物を対象に投与することを含む、前記方法。
【請求項17】
対象が、エクソン51スキッピングに適した突然変異を含む突然変異ジストロフィン対立遺伝子を有する、請求項15または請求項16に記載の方法。
【請求項18】
突然変異ジストロフィン対立遺伝子が、エクソン51にフレームシフト突然変異を含む、請求項17に記載の方法。
【請求項19】
複合体が、対象におけるジストロフィンタンパク質の発現または活性を促進する、請求項15~18のいずれか一項に記載の方法。
【請求項20】
ジストロフィンタンパク質が切断型ジストロフィンタンパク質である、請求項19に記載の方法。
【請求項21】
第1の複数の複合体の薬物抗体比(DAR)範囲を決定する方法であって、各複合体がリンカーを介して1以上のオリゴヌクレオチドに共有結合された抗体を含み、ここで、各リンカーが1以上のプロテアーゼ切断部位を含み、方法が、
(i)リンカーの1以上のプロテアーゼ切断部位のうちの少なくとも1つを切断することによって、1以上のオリゴヌクレオチドを、第1の複数の複合体のそれらが共有結合されている抗体から除去するステップであって、ここで、リンカーの1以上のプロテアーゼ切断部位のうちの少なくとも1つを切断することが、第2の複数の複合体を生じ、各複合体が、1以上の部分的リンカーに共有結合された抗体を含む、ステップ;
(ii)ステップ(i)から生じる第2の複数の複合体を得るステップ;
(iii)ステップ(ii)で得られた複合体の質量を質量分析によって決定するステップ;および
(iv)ステップ(ii)で得られた複合体のDAR範囲を決定するステップであって;ここで、抗体の質量+n1個の部分的リンカーの質量に対応する質量分析による検出された質量が、n1のDARを示し、ここで、n1が、1以上の整数である、ステップ、を含む、前記方法。
【請求項22】
第1の複数の複合体を分析する方法であって、各複合体がリンカーを介して1以上のオリゴヌクレオチドに共有結合された抗体を含み、ここで各リンカーが1以上のプロテアーゼ切断部位を含み、方法が:
(i)リンカーにおける1以上のプロテアーゼ切断部位のうちの少なくとも1つを切断することによって、1以上のオリゴヌクレオチドを、第1の複数の複合体のそれらが共有結合されている抗体から除去するステップであって、ここで、リンカーの1以上のプロテアーゼ切断部位のうちの少なくとも1つを切断することが、第2の複数の複合体を生じ、各複合体が、1以上の部分的リンカーに共有結合された抗体を含み、およびここで抗体が無傷のままである、ステップ;
(ii)ステップ(i)から生じる第2の複数の複合体を得るステップ;
(iii)(ii)で得られた複合体の抗体をプロテアーゼで消化して抗体の断片を得るステップ;および
(iv)ステップ(iii)で得られた抗体の断片の質量を質量分析によって決定して、共有結合された1以上の部分的リンカーを同定するステップ、を含む、前記方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
関連出願
本出願は、その内容全体が参照により本明細書に組み込まれる、2021年11月1日に出願された「MUSCLE TARGETING COMPLEXES FOR TREATING DYSTROPHINOPATHIES」と題する米国仮出願第63/274,306号に対する出願日の35 U.S.C.§119(e)の下での利益を主張する。
【0002】
発明の分野
本出願は、有効量のオリゴヌクレオチド分子ペイロードを細胞に送達するための標的化複合体、およびその使用、特に疾患の処置に関する使用に関する。
【0003】
電子配列表の参照
電子配列表(D082470072WO00-SEQ-CBD.xml;サイズ:98,568バイト;および作成日2022年10月31日)の内容は、参照によりその全体が本明細書に組み込まれる。
【背景技術】
【0004】
背景
ジストロフィノパチーは、ジストロフィン遺伝子の突然変異に起因する一群の異なる神経筋疾患である。ジストロフィノパチーは、デュシェンヌ型筋ジストロフィー、ベッカー型筋ジストロフィーおよびX連鎖拡張型心筋症を包含する。ジストロフィン(DMD)は、79個のエクソンと約260万個の全塩基対とを含有する大きな遺伝子である。エキソニックフレームシフト、欠失、置換および重複突然変異を包含する、DMDの多数の突然変異は、機能的なジストロフィンの発現を減少させることができ、ジストロフィノパチーをもたらす。
【発明の概要】
【0005】
発明の概要
いくつかの側面によれば、本開示は、複数の複合体を含む組成物を提供する。いくつかの態様において、本明細書に記載される組成物の各複合体は、1以上のオリゴヌクレオチドに共有結合された抗体(例として、抗トランスフェリン受容体1(TfR1))を含み、各オリゴヌクレオチドは、抗体のリジン(K)残基によって表される連結部位で共有結合されている。いくつかの態様において、抗体は、重鎖可変領域(VH)および重鎖定常領域を含む重鎖と、軽鎖可変領域(VL)および軽鎖定常領域を含む軽鎖とを含む。いくつかの態様において、組成物中の複合体の抗体の軽鎖定常領域の少なくとも80%(例として、80%~98%、80%~95%、80%~90%、85%~98%、85%~95%、85%~90%、90%~98%、または90%~95%)が、各抗体の軽鎖定常領域のK188によって表される連結部位(Kabatナンバリングに基づく)および/またはK190によって表される連結部位(Kabatナンバリングに基づく)でオリゴヌクレオチドに独立して共有結合されている。いくつかの態様において、組成物中の複合体の抗体の軽鎖定常領域の少なくとも80%(例として、80%~98%、80%~95%、80%~90%、85%~98%、85%~95%、85%~90%、90%~98%、または90%~95%)は、各抗体の軽鎖定常領域の配列モチーフDYEKHKVYA(配列番号53)中のリジン(K)残基によって表される連結部位でオリゴヌクレオチドに独立して共有結合されている。
【0006】
いくつかの側面によれば、本開示は、複数の複合体を含む組成物であって、各複合体が、1以上のオリゴヌクレオチドに共有結合された抗体を含み、各オリゴヌクレオチドが、抗体のリジン(K)残基によって表される連結部位に共有結合されており、ここで、抗体が、重鎖可変領域(VH)および重鎖定常領域を含む重鎖と、軽鎖可変領域(VL)および軽鎖定常領域を含む軽鎖とを含み、およびここで、組成物中の複合体の抗体の軽鎖定常領域の少なくとも80%は、各抗体の軽鎖定常領域のK188(Kabatナンバリングに基づく)によって表される連結部位および/またはK190(Kabatナンバリングに基づく)によって表される連結部位でオリゴヌクレオチドに独立して共有結合されている、組成物を提供する。いくつかの態様において、組成物中の複合体の抗体の重鎖定常領域の少なくとも15%が、各抗体の重鎖定常領域のK213(Kabatナンバリングに基づく)によって表される連結部位でオリゴヌクレオチドに独立して共有結合されている。
【0007】
いくつかの側面において、本開示は、複数の複合体を含む組成物であって、各複合体が、1以上のオリゴヌクレオチドに共有結合された抗体を含み、各オリゴヌクレオチドが、抗体のリジン(K)残基によって表される連結部位に共有結合されており、ここで、抗体が、重鎖可変領域(VH)および重鎖定常領域を含む重鎖と、軽鎖可変領域(VL)および軽鎖定常領域を含む軽鎖とを含み、組成物中の複合体の抗体の軽鎖定常領域の少なくとも80%が、各抗体の軽鎖定常領域の配列モチーフDYEKHKVYA(配列番号53)中のリジン(K)残基によって表される連結部位でオリゴヌクレオチドに独立して共有結合されている、組成物を提供する。いくつかの態様において、組成物中の複合体の抗体の重鎖定常領域の少なくとも15%が、各抗体の重鎖定常領域の配列モチーフVNHKPSN(配列番号58)中のリジン(K)残基によって表される連結部位でオリゴヌクレオチドに独立して共有結合されている。
【0008】
いくつかの態様において、抗体は、配列番号1、7または12に記載の配列を含む重鎖相補性決定領域1(CDR-H1)、配列番号2、8または13に記載の配列を含む重鎖相補性決定領域2(CDR-H2)、配列番号3、9または14に記載の配列を含む重鎖相補性決定領域3(CDR-H3)、配列番号4、10または15に記載の配列を含む軽鎖相補性決定領域1(CDR-L1)、配列番号5または11に記載の配列を含む軽鎖相補性決定領域2(CDR-L2)、および配列番号6または16に記載の配列を含む軽鎖相補性決定領域3(CDR-L3)を含む抗トランスフェリン受容体(TfR1)抗体である。いくつかの態様において、抗体は、配列番号37、43もしくは48に記載の配列を含む重鎖相補性決定領域1(CDR-H1)、配列番号38、44もしくは49に記載の配列を含む重鎖相補性決定領域2(CDR-H2)、配列番号39、45もしくは50に記載の配列を含む重鎖相補性決定領域3(CDR-H3)、配列番号40、46もしくは51に記載の配列を含む軽鎖相補性決定領域1(CDR-L1)、配列番号41もしくは47に記載の配列を含む軽鎖相補性決定領域2(CDR-L2)、配列番号42もしくは52に記載の配列を含む軽鎖相補性決定領域3(CDR-L3)を含む抗トランスフェリン受容体(TfR1)抗体である。いくつかの態様において、オリゴヌクレオチドは、ホスホロジアミダートモルホリノオリゴマー(PMO)である。
【0009】
いくつかの側面において、本開示は、式(I):[R
1]
n1-R
2の複数の複合体を含む組成物であって、式中各R
1は、独立して、式(Ia)の基を含み:
【化1】
(Ia)、
R
2は、重鎖可変領域(VH)および重鎖定常領域を含む重鎖と、軽鎖可変領域(VL)および軽鎖定常領域を含む軽鎖とを含む抗トランスフェリン受容体(TfR1)抗体を含み;およびここで抗TfR1抗体は:配列番号1、7または12に示される配列を含む重鎖相補性決定領域1(CDR-H1)、配列番号2、8または13に示される配列を含む重鎖相補性決定領域2(CDR-H2)、配列番号3、9または14に示される配列を含む重鎖相補性決定領域3(CDR-H3)、配列番号4、10または15に示される配列を含む軽鎖相補性決定領域1(CDR-L1)、配列番号5または11に示される配列を含む軽鎖相補性決定領域2(CDR-L2)、および配列番号6または16に示される配列を含む軽鎖相補性決定領域3(CDR-L3)を含み;R
3は、CTCCAACATCAAGGAAGATGGCATTTCTAG(配列番号21)の核酸塩基配列を含むホスホロジアミダートモルホリノオリゴマー(PMO)を含む;ここで各R
1は、結合点Aにおいて、抗TfR1抗体のリジン(K)残基によって表される連結部位を介してR
2に共有結合されており、およびここで組成物中の複合体の抗TfR1抗体の軽鎖定常領域の少なくとも80%は、各抗体の軽鎖定常領域のK188(Kabatナンバリングに基づく)によって表される連結部位および/またはK190(Kabatナンバリングに基づく)によって表される連結部位でR
1に独立して共有結合されている;および式中、各複合体において、n1は、独立して、R
1の実例の数を表す1以上の整数である、組成物、を提供する。いくつかの態様において、組成物の複合体におけるn1の平均値は、1~5の範囲にある。
【0010】
いくつかの側面において、本開示は、式(I):[R
1]
n1-R
2の複数の複合体を含む組成物であって、式中各R
1は、独立して、式(Ib)の基を含み:
【化2】
(Ib)、
式中、-pはホスホロジアミダートモルホリノオリゴマー(PMO)のホスホロジアミダート連結であり、およびここでPMOは、CTCCAACATCAAGGAAGATGGCATTTCTAG(配列番号21)の塩基配列を含み;R
2は、重鎖可変領域(VH)および重鎖定常領域を含む重鎖と、軽鎖可変領域(VL)および軽鎖定常領域を含む軽鎖とを含む抗トランスフェリン受容体(TfR1)抗体を含み;およびここで抗TfR1抗体は:配列番号1、7または12に示される配列を含む重鎖相補性決定領域1(CDR-H1)、配列番号2、8または13に示される配列を含む重鎖相補性決定領域2(CDR-H2)、配列番号3、9または14に示される配列を含む重鎖相補性決定領域3(CDR-H3)、配列番号4、10または15に示される配列を含む軽鎖相補性決定領域1(CDR-L1)、配列番号5または11に示される配列を含む軽鎖相補性決定領域2(CDR-L2)、および配列番号6または16に示される配列を含む軽鎖相補性決定領域3(CDR-L3)を含み;およびここで各R
1は、結合点Aにおいて、抗TfR1抗体のリジン(K)残基によって表される連結部位を介してR
2に共有結合されており、およびここで組成物中の複合体の抗TfR1抗体の軽鎖定常領域の少なくとも80%は、各抗体の軽鎖定常領域のK188(Kabatナンバリングに基づく)によって表される連結部位および/またはK190(Kabatナンバリングに基づく)によって表される連結部位でR
1に独立して共有結合されている;および式中、各複合体において、n1は、独立して、R
1の実例の数を表す1以上の整数である、組成物を提供する。いくつかの態様において、組成物の複合体のn1の平均値は、1~5の範囲内である。
【0011】
いくつかの側面において、本開示は、式(I):[R
1]
n1-R
2の複数の複合体を含む組成物であって、式中各R
1は、式(Ic)の基を含み:
【化3】
(Ic)、
R
2は、重鎖可変領域(VH)および重鎖定常領域を含む重鎖と、軽鎖可変領域(VL)および軽鎖定常領域を含む軽鎖とを含む抗トランスフェリン受容体(TfR1)抗体を含み;およびここで抗TfR1抗体は:配列番号1、7または12に示される配列を含む重鎖相補性決定領域1(CDR-H1)、配列番号2、8または13に示される配列を含む重鎖相補性決定領域2(CDR-H2)、配列番号3、9または14に示される配列を含む重鎖相補性決定領域3(CDR-H3)、配列番号4、10または15に示される配列を含む軽鎖相補性決定領域1(CDR-L1)、配列番号5または11に示される配列を含む軽鎖相補性決定領域2(CDR-L2)、および配列番号6または16に示される配列を含む軽鎖相補性決定領域3(CDR-L3)を含み;およびここで各R
1は、結合点Aにおいて、抗TfR1抗体のリジン(K)残基によって表される連結部位を介してR
2に共有結合されており、およびここで組成物中の複合体の抗TfR1抗体の軽鎖定常領域の少なくとも80%は、各抗体の軽鎖定常領域のK188(Kabatナンバリングに基づく)によって表される連結部位および/またはK190(Kabatナンバリングに基づく)によって表される連結部位でR
1に独立して共有結合されている;および式中、各複合体において、n1は、独立して、R
1の実例の数を表す1以上の整数である、組成物を提供する。いくつかの態様において、組成物の複合体のn1の平均値は、1~5の範囲内である。いくつかの態様において、組成物中の複合体の抗TfR1抗体の軽鎖定常領域の85%~95%が、各抗体の軽鎖定常領域のK188によって表される連結部位(Kabatナンバリングに基づく)および/またはK190によって表される連結部位(Kabatナンバリングに基づく)でR
1に独立して共有結合されている。いくつかの態様において、組成物中の複合体の抗TfR1抗体の軽鎖定常領域の90%~95%が、各抗体の軽鎖定常領域のK188によって表される連結部位(Kabatナンバリングに基づく)および/またはK190によって表される連結部位(Kabatナンバリングに基づく)でR
1に独立して共有結合されている。いくつかの態様において、組成物中の複合体の抗TfR1抗体の重鎖定常領域の少なくとも15%は、各抗体の重鎖定常領域のK213(Kabatナンバリングに基づく)によって表される連結部位でR
1に独立して共有結合されている。いくつかの態様において、組成物中の複合体の抗TfR1抗体の重鎖定常領域の15~45%は、各抗体の重鎖定常領域のK213(Kabatナンバリングに基づく)によって表される連結部位でR
1に独立して共有結合されている。
【0012】
いくつかの態様において、抗体は、Fab断片、完全長IgG、Fab'断片、またはF(ab')2断片である。いくつかの態様において、抗体はFab断片である。いくつかの態様において、VHは配列番号17と少なくとも85%同一のアミノ酸配列を含み;および/または、ここでVLは配列番号18と少なくとも85%同一のアミノ酸配列を含む。いくつかの態様において、抗体は、配列番号17のアミノ酸配列を含む重鎖可変領域(VH)と、配列番号18のアミノ酸配列を含む軽鎖可変領域(VL)とを含む。いくつかの態様において、重鎖は配列番号19のアミノ酸配列を含み、軽鎖は配列番号20のアミノ酸配列を含む。
【0013】
いくつかの側面において、本開示は、対象におけるジストロフィンタンパク質の発現または活性を促進する方法であって、有効量の本明細書において提供される組成物を対象に投与することを含む方法を提供する。いくつかの側面において、本開示は、対象におけるデュシェンヌ型筋ジストロフィー(DMD)を処置する方法であって、有効量の本明細書において提供される組成物を対象に投与することを含む方法を提供する。いくつかの態様において、対象は、エクソン51スキッピングに適した突然変異を含む突然変異ジストロフィン対立遺伝子を有する。いくつかの態様において、突然変異ジストロフィン対立遺伝子は、エクソン51にフレームシフト突然変異を含む。いくつかの態様において、複合体は、対象におけるジストロフィンタンパク質の発現または活性を促進する。いくつかの態様において、ジストロフィンタンパク質は切断型ジストロフィンタンパク質である。
【0014】
いくつかの側面において、本開示は、第1の複数の複合体の薬物抗体比(DAR)範囲を決定する方法であって、各複合体はリンカーを介して1以上のオリゴヌクレオチドに共有結合された抗体を含み、各リンカーは1以上のプロテアーゼ切断部位を含み、方法は、(i)リンカーの1以上のプロテアーゼ切断部位のうちの少なくとも1つを切断することによって、1以上のオリゴヌクレオチドを、第1の複数の複合体のそれらが共有結合されている抗体から除去するステップであって、リンカーの1以上のプロテアーゼ切断部位のうちの少なくとも1つを切断することが、第2の複数の複合体を生じ、各複合体は、1以上の部分的リンカーに共有結合された抗体を含む、ステップ;(ii)ステップ(i)から生じる第2の複数の複合体を得るステップ;(iii)ステップ(ii)で得られた複合体の質量を質量分析によって決定するステップ;および(iv)ステップ(ii)で得られた複合体のDAR範囲を決定するステップであって;抗体の質量+n1個の部分的リンカーの質量に対応する質量分析による検出された質量は、n1のDARを示し、ここで、n1は、1以上の整数である、ステップ、を含む、方法を提供する。
【0015】
いくつかの側面において、本開示は、第1の複数の複合体を分析する方法であって、各複合体はリンカーを介して1以上のオリゴヌクレオチドに共有結合された抗体を含み、ここで各リンカーは1以上のプロテアーゼ切断部位を含み、方法は:(i)リンカーにおける1以上のプロテアーゼ切断部位のうちの少なくとも1つを切断することによって、1以上のオリゴヌクレオチドを、第1の複数の複合体のそれらが共有結合されている抗体から除去するステップであって、リンカーの1以上のプロテアーゼ切断部位のうちの少なくとも1つを切断することが、第2の複数の複合体を生じ、各複合体は、1以上の部分的リンカーに共有結合された抗体を含み、ここで抗体は無傷のままである、ステップ;(ii)ステップ(i)から生じる第2の複数の複合体を得るステップ;(iii)(ii)で得られた複合体の抗体をプロテアーゼで消化して抗体の断片を得るステップ;および(iv)ステップ(iii)で得られた抗体の断片の質量を質量分析によって決定して、共有結合された1以上の部分的リンカーを同定するステップを含む、方法を提供する。いくつかの態様において、第1の複数の複合体の各複合体は式(I):[R
1]
n1-R
2の構造を含み、式中各R
1は、式(Ic)の基を含み:
【化4】
(Ic)、
R
2は、重鎖可変領域(VH)および重鎖定常領域を含む重鎖と、軽鎖可変領域(VL)および軽鎖定常領域を含む軽鎖とを含む抗トランスフェリン受容体(TfR1)抗体を含み;およびここで抗TfR1抗体は:配列番号1、7または12に示される配列を含む重鎖相補性決定領域1(CDR-H1)、配列番号2、8または13に示される配列を含む重鎖相補性決定領域2(CDR-H2)、配列番号3、9または14に示される配列を含む重鎖相補性決定領域3(CDR-H3)、配列番号4、10または15に示される配列を含む軽鎖相補性決定領域1(CDR-L1)、配列番号5または11に示される配列を含む軽鎖相補性決定領域2(CDR-L2)、および配列番号6または16に示される配列を含む軽鎖相補性決定領域3(CDR-L3)を含み;およびここで各R
1は、結合点Aにおいて、抗TfR1抗体のリジン(K)残基によって表される連結部位を介してR
2に共有結合されており、およびここで組成物中の複合体の抗TfR1抗体の軽鎖定常領域の少なくとも80%は、各抗体の軽鎖定常領域のK188(Kabatナンバリングに基づく)によって表される連結部位および/またはK190(Kabatナンバリングに基づく)によって表される連結部位でR
1に独立して共有結合されている;および式中、各複合体において、n1は、独立して、R
1の実例の数を表す1以上の整数である。いくつかの態様において、組成物の複合体のn1の平均値は、1~5の範囲内である。いくつかの態様において、ステップ(i)の切断がパパインを用いて行われる。いくつかの態様において、ステップ(iii)の消化は、キモトリプシンを用いて行われる。
【図面の簡単な説明】
【0016】
【
図1A】
図1A~
図1Bは、DMDペイシェントの筋管においてDMDエクソン51スキッピングを誘導する際の抗TfR1 Fab-オリゴヌクレオチドコンジュゲートの活性を示す。抗TfR1 Fab-オリゴヌクレオチドコンジュゲートは、バリン-シトルリン配列を含むリンカーを介してDMDエクソン51-スキッピングオリゴヌクレオチド(配列番号21)に共有結合された(リジンコンジュゲーションによって)、表2に示されるVH/VL配列を有する抗TfR1 Fabを含有する。
図1Aは、抗TfR1 Fab-オリゴヌクレオチドコンジュゲートを含む組成物が、DMDペイシェントの筋管では、Fabに共有結合されていない同じDMDエクソン51-スキッピングオリゴヌクレオチドと比較して、エクソンスキッピングの増強をもたらしたことを示す。
【
図1B】
図1Bは、抗TfR1 Fab-オリゴヌクレオチドコンジュゲートが、2.5μM(低)、5μM(中)および10μM(高)オリゴヌクレオチド当量の最終濃度までの抗TfR1 Fabコンジュゲートによる処置後、用量依存的なエクソン51スキッピングをもたらしたことを示す。
【0017】
【
図2】
図2は、表2に示される配列を有する非連結抗TfR1 Fabの無傷の質量を示す質量スペクトルを示す。
【0018】
【
図3】
図3は、パパイン消化によるオリゴヌクレオチドの切断後の、本明細書において提供される組成物の抗TfR1抗体-リンカー複合体の質量を示す質量スペクトルを示す。抗TfR1抗体は、表2に示す配列を有する。
【発明を実施するための形態】
【0019】
発明の詳細な説明
いくつかの側面によれば、本開示は、複数の複合体を含む組成物を提供する。いくつかの態様において、本明細書に記載される組成物の各複合体は、1以上のオリゴヌクレオチドに共有結合された抗体(例として、抗トランスフェリン受容体1(TfR1))を含み、各オリゴヌクレオチドは、抗体のリジン(K)残基によって表される連結部位で共有結合されている。いくつかの態様において、抗体は、重鎖可変領域(VH)および重鎖定常領域を含む重鎖と、軽鎖可変領域(VL)および軽鎖定常領域を含む軽鎖とを含む。
【0020】
いくつかの態様において、組成物中の複合体の抗体の軽鎖定常領域は、各抗体の軽鎖定常領域のK188(Kabatナンバリングに基づく)によって表される連結部位および/またはK190(Kabatナンバリングに基づく)によって表される連結部位でオリゴヌクレオチドに独立して共有結合されている。例を挙げると、いくつかの態様において、連結部位は、各抗体の軽鎖定常領域のK188(Kabatナンバリングに基づく)によって表される。いくつかの態様において、連結部位は、各抗体の軽鎖定常領域のK190(Kabatナンバリングに基づく)によって表される。いくつかの態様において、連結部位は、各抗体の軽鎖定常領域のK188(Kabatナンバリングに基づく)およびK190(Kabatナンバリングに基づく)によって表される。いくつかの態様において、組成物中の複合体の抗体の軽鎖定常領域の少なくとも80%(例として、80%~98%、80%~95%、80%~90%、85%~98%、85%~95%、85%~90%、90%~98%、または90%~95%)が、各抗体の軽鎖定常領域のK188によって表される連結部位(Kabatナンバリングに基づく)および/またはK190によって表される連結部位(Kabatナンバリングに基づく)でオリゴヌクレオチドに独立して共有結合されている。いくつかの態様において、組成物中の複合体の抗体の重鎖定常領域の少なくとも15%(例として、15%~40%、15%~30%、15%~20%、20%~40%、20%~30%、または30%~40%)が、各抗体の重鎖定常領域のK213(Kabatナンバリングに基づく)によって表される連結部位でオリゴヌクレオチドに独立して共有結合されている。
【0021】
いくつかの態様において、組成物中の複合体の抗体の軽鎖定常領域は、各抗体の軽鎖定常領域の配列モチーフDYEKHKVYA(配列番号53)中のリジン(K)残基によって表される連結部位でオリゴヌクレオチドに独立して共有結合されている。例を挙げると、いくつかの態様において、連結部位は、各抗体の軽鎖定常領域の配列モチーフDYEKHKVYA(配列番号53)の4位のKによって表される。いくつかの態様において、連結部位は、各抗体の軽鎖定常領域の配列モチーフDYEKHKVYA(配列番号53)の6位のKによって表される。いくつかの態様において、連結部位は、各抗体の軽鎖定常領域の配列モチーフDYEKHKVYA(配列番号53)の4位のKおよび6位のKによって表される。いくつかの態様において、組成物中の複合体の抗体の軽鎖定常領域の少なくとも80%(例として、80%~98%、80%~95%、80%~90%、85%~98%、85%~95%、85%~90%、90%~98%、または90%~95%)は、各抗体の軽鎖定常領域の配列モチーフDYEKHKVYA(配列番号53)中のリジン(K)残基によって表される連結部位でオリゴヌクレオチドに独立して共有結合されている。いくつかの態様において、組成物中の複合体の抗体の重鎖定常領域の少なくとも15%(例として、15%~40%、15%~30%、15%~20%、20%~40%、20%~30%、または30%~40%)が、各抗体の重鎖定常領域のモチーフVNHKPSN(配列番号58)中のリジン(K)残基によって表される連結部位でオリゴヌクレオチドに独立して共有結合されている。
【0022】
いくつかの側面において、本開示は、対象におけるジストロフィンタンパク質(例として、切断型ジストロフィンタンパク質)の発現もしくは活性を促進する方法、および/またはデュシェンヌ型筋ジストロフィー(DMD)を処置する方法を提供する。いくつかの態様において、方法は、本明細書に記載の複合体を含む有効量の組成物を対象へ投与することを含む。
【0023】
いくつかの側面において、本開示は、組成物中の複合体の薬物抗体比(DAR)範囲を決定する方法、または組成物中の複合体を分析する方法をさらに提供する。
【0024】
定義された用語の説明を包含する本開示のさらなる側面は、以下に提供される。
【0025】
定義
投与すること:本明細書において使用される場合、用語「投与すること」または「投与」は、生理学的におよび/または(例として、および)薬理学的に有用な様式で対象に複合体を提供すること(例として、対象の状態を処置すること)を意味する。
【0026】
およそ:本明細書において使用される場合、用語「およそ」または「約」は、目的の1以上の値に適用される場合、規定された参照値と類似の値を指す。ある特定の態様において、用語「およそ」または「約」は、特に指示されない限り、または文脈から明らかでない限り(そのような数字が実行可能な値の100%を超える場合を除く)、規定された参照値のいずれかの方向(超または未満)の15%、14%、13%、12%、11%、10%、9%、8%、7%、6%、5%、4%、3%、2%、1%またはそれ以下に収まる広範囲な値を指す。
【0027】
抗体:本明細書において使用される場合、用語「抗体」は、少なくとも1つの免疫グロブリン可変ドメインまたは少なくとも1つの抗原決定基、例として、抗原に特異的に結合するパラトープを包含するポリペプチドを指す。いくつかの態様において、抗体は完全長抗体である。いくつかの態様において、抗体はキメラ抗体である。いくつかの態様において、抗体はヒト化抗体である。ただし、いくつかの態様において、抗体は、Fab断片、Fab'断片、F(ab')2断片、Fv断片またはscFv断片である。いくつかの態様において、抗体は、ラクダ科の動物の抗体に由来するナノボディ、またはサメ抗体に由来するナノボディである。いくつかの態様において、抗体はダイアボディである。いくつかの態様において、抗体は、ヒト生殖細胞系配列を有するフレームワークを含む。別の態様において、抗体は、IgG、IgG1、IgG2、IgG2A、IgG2B、IgG2C、IgG3、IgG4、IgA1、IgA2、IgD、IgMおよびIgE定常ドメインからなる群から選択される重鎖定常ドメインを含む。いくつかの態様において、抗体は、重(H)鎖可変領域(本明細書においてVHと略される)、および/または(例として、および)軽(L)鎖可変領域(本明細書においてVLと略される)を含む。いくつかの態様において、抗体は、定常ドメイン、例として、Fc領域を含む。免疫グロブリン定常ドメインとは、重鎖または軽鎖定常ドメインを指す。ヒトIgG重鎖および軽鎖定常ドメインアミノ酸配列およびそれらの機能的バリエーションは知られている。重鎖に関して、いくつかの態様において、本明細書に記載の抗体の重鎖は、アルファ(α)、デルタ(Δ)、イプシロン(ε)、ガンマ(γ)またはミュー(μ)重鎖であることができる。いくつかの態様において、本明細書に記載の抗体の重鎖は、ヒトのアルファ(α)、デルタ(Δ)、イプシロン(ε)、ガンマ(γ)またはミュー(μ)重鎖を含むことができる。具体的な態様において、本明細書に記載の抗体は、ヒトのガンマ1 CH1、CH2および/または(例として、および)CH3ドメインを含む。いくつかの態様において、VHドメインのアミノ酸配列は、ヒトガンマ(γ)重鎖定常領域のアミノ酸配列、例えば、当技術分野で公知のいずれかなどを含む。ヒト定常領域配列の非限定例は当技術分野において記載されており、例として、米国特許第5,693,780号および上記のKabat E A et al.,(1991)を参照されたい。いくつかの態様において、VHドメインは、本明細書に提供される可変鎖定常領域のいずれかと少なくとも70%、75%、80%、85%、90%、95%、98%または少なくとも99%同一であるアミノ酸配列を含む。いくつかの態様において、抗体は修飾されており、例として、グリコシル化、リン酸化、SUMO化、および/または(例として、および)メチル化を介して修飾されている。いくつかの態様において、抗体は、1以上の糖または炭水化物分子にコンジュゲートされたグリコシル化抗体である。いくつかの態様において、1以上の糖または炭水化物分子は、N-グリコシル化、O-グリコシル化、C-グリコシル化、グリピエーション(GPIアンカー付着)および/または(例として、および)ホスホグリコシル化を介して、抗体にコンジュゲートされている。いくつかの態様において、1以上の糖または炭水化物分子は、単糖、二糖、オリゴ糖またはグリカンである。いくつかの態様において、1以上の糖または炭水化物分子は、分岐オリゴ糖または分岐グリカンである。いくつかの態様において、1以上の糖または炭水化物分子は、マンノース単位、グルコース単位、N-アセチルグルコサミン単位、N-アセチルガラクトサミン単位、ガラクトース単位、フコース単位またはホスホ脂質単位を包含する。いくつかの態様において、抗体は、リンカーポリペプチドまたは免疫グロブリン定常ドメインに連結された、本開示の1以上の抗原結合性断片を含むポリペプチドを含む構築物である。リンカーポリペプチドは、ペプチド結合によって結び合わされた2個以上のアミノ酸残基を含み、1以上の抗原結合部分と連結させるために使用される。リンカーポリペプチドの例は報告されている(例として、Holliger,P.,et al.(1993)Proc.Natl.Acad.Sci.USA 90:6444-6448;Poljak,R.J.,et al.(1994)Structure 2:1121-1123を参照)。またさらに、抗体は、抗体または抗体部分と1以上の他のタンパク質またはペプチドとの共有結合的または非共有結合的会合によって形成されるさらに大きな免疫接着分子の一部であり得る。そのような免疫接着分子の例は、四量体scFv分子を作製するためのストレプトアビジンコア領域の使用(Kipriyanov,S.M.,et al.(1995)Human Antibodies and Hybridomas 6:93-101)、ならびに二価のビオチン化されたscFv分子を作製するためのシステイン残基、マーカーペプチド、およびC末端ポリヒスチジンタグの使用(Kipriyanov,S.M.,et al.(1994)Mol.Immunol.31:1047-1058)を包含する。
【0028】
CDR:本明細書において使用される場合、用語「CDR」は、抗体可変配列内の相補性決定領域を指す。典型的な抗体分子は、重鎖可変領域(VH)および軽鎖可変領域(VL)を含み、これらは通常、抗原結合に関与する。VH領域およびVL領域は、「フレームワーク領域」(「FR」)として知られるさらに保存された領域が散在する、「相補性決定領域」(「CDR」)としても知られる超可変領域にさらに細分されることができる。各VHおよびVLは、典型的には、アミノ末端からカルボキシ末端に向かって以下の順序、FR1、CDR1、FR2、CDR2、FR3、CDR3、FR4で配置された3つのCDRおよび4つのFRから構成される。フレームワーク領域およびCDRの範囲は、当技術分野で公知の方法論を使用して、例を挙げると、いずれも当技術分野で周知のKabat定義、IMGT定義、Chothia定義、AbM定義、および/または(例として、および)接触定義によって正確に同定されることができる。例として、Kabat,E.A.,et al.(1991)Sequences of Proteins of Immunological Interest,Fifth Edition,U.S.Department of Health and Human Services,NIH Publication No.91-3242;IMGT(登録商標),the international ImMunoGeneTics information system(登録商標)http://www.imgt.org,Lefranc,M.-P.et al.,Nucleic Acids Res.,27:209-212(1999);Ruiz,M.et al.,Nucleic Acids Res.,28:219-221(2000);Lefranc,M.-P.,Nucleic Acids Res.,29:207-209(2001);Lefranc,M.-P.,Nucleic Acids Res.,31:307-310(2003);Lefranc,M.-P.et al.,In Silico Biol.,5,0006(2004)[Epub],5:45-60(2005);Lefranc,M.-P.et al.,Nucleic Acids Res.,33:D593-597(2005);Lefranc,M.-P.et al.,Nucleic Acids Res.,37:D1006-1012(2009);Lefranc,M.-P.et al.,Nucleic Acids Res.,43:D413-422(2015);Chothia et al.,(1989)Nature 342:877;Chothia,C.et al.(1987)J.Mol.Biol.196:901-917,Al-lazikani et al(1997)J.Molec.Biol.273:927-948;およびAlmagro,J.Mol.Recognit.17:132-143(2004)を参照されたい。hgmp.mrc.ac.ukおよびbioinf.org.uk/absも参照されたい。本明細書において使用される場合、CDRとは、当技術分野で公知のいずれかの方法によって定義されるCDRを指し得る。同じCDRを有する2つの抗体は、同じ方法、例を挙げると、IMGT定義によって決定される場合、2つの抗体がそのCDRの同じアミノ酸配列を有することを意味する。
【0029】
重鎖および軽鎖の可変領域の各々には3個のCDRがあり、これらは可変領域の各々に対してCDR1、CDR2およびCDR3と指定される。本明細書において使用される用語「CDRセット」は、抗原に結合することが可能な単一の可変領域に生じる3個のCDRの一群を指す。これらのCDRの厳密な境界は、様々な系に従って異なって定義されている。Kabat(Kabat et al.,Sequences of Proteins of Immunological Interest(National Institutes of Health,Bethesda,Md.(1987)and(1991))によって記載される系は、抗体のいずれかの可変領域に適用可能な一義的な残基ナンバリング系を提供するだけでなく、3個のCDRを定義する正確な残基境界も提供する。これらのCDRは、Kabat CDRと呼ばれ得る。CDRの下位部(sub-portion)は、L1、L2およびL3、またはH1、H2およびH3と指定され得、「L」および「H」は、それぞれ軽鎖領域および重鎖領域を指定する。これらの領域は、Kabat CDRと重複する境界を有するChothia CDRと呼ばれ得る。Kabat CDRと重複するCDRを定義する他の境界は、Padlan(FASEB J.9:133-139(1995))およびMacCallum(J Mol Biol 262(5):732-45(1996))によって記載されている。さらに他のCDR境界定義は、上の系のうちの1つに厳重に従わなくてもよいが、それでもなおKabat CDRと重複することがあり、具体的な残基もしくは残基の群またはCDR全体でさえも抗原結合に有意に影響を及ぼすものではないという予測または実験的知見を踏まえ、それらは短縮または伸長されてもよい。本明細書において使用される方法は、これらの系のいずれかに従って定義されたCDRを利用してもよい。CDR定義系の例は表1に提供される。
【表1】
【0030】
相補的:本明細書において使用される場合、用語「相補的」は、2個のヌクレオチド間または2組のヌクレオチド間の正確な対形成のための能力を指す。特に、相補的とは、2個のヌクレオチド間または2組のヌクレオチド間に結合をもたらす水素結合対形成の程度を特徴付ける用語である。例を挙げると、ある位置のオリゴヌクレオチドの塩基が、対応する位置の標的核酸(例として、mRNA)の塩基と水素結合することが可能である場合、塩基は、その位置で互いに相補的であると見なされる。塩基対合は、標準的なWatson-Crick塩基対合および非Watson-Crick塩基対合(例として、Wobble塩基対合およびHoogsteen塩基対合)の両方を包含し得る。例を挙げると、いくつかの態様において、相補的な塩基対合について、アデノシン型塩基(A)は、チミジン型塩基(T)またはウラシル型塩基(U)に相補的であり、シトシン型塩基(C)は、グアノシン型塩基(G)に相補的であり、ユニバーサル塩基、例えば、3-ニトロピロールまたは5-ニトロインドールなどは、いずれかのA、C、UまたはTにハイブリダイズすることができ、いずれかのA、C、UまたはTと相補的であると見なされる。イノシン(I)は、当技術分野でユニバーサル塩基であるとも見なされており、いずれかのA、C、UまたはTに相補的であると見なされる。
【0031】
共有結合された:本明細書において使用される場合、用語「共有結合された」は、少なくとも1個の共有結合を介して一緒に連結されている2個以上の分子の特徴を指す。いくつかの態様において、2個の分子は、分子間のリンカーとして働く単結合、例として、ジスルフィド結合またはジスルフィド架橋によって一緒に共有結合されることができる。ただし、いくつかの態様において、複数の共有結合を通して2個以上の分子を一緒に結び合わせるリンカーとして働く分子を介して、2個以上の分子は、一緒に共有結合されることができる。いくつかの態様において、リンカーは切断可能なリンカーであり得る。ただし、いくつかの態様において、リンカーは切断不能なリンカーであり得る。
【0032】
DMD:本明細書において使用される場合、用語「DMD」は、筋細胞、特に筋線維内で内部細胞骨格と細胞外マトリックスとを架橋するジストロフィン-糖タンパク質複合体の重要な成分であるジストロフィンタンパク質をコードする遺伝子を指す。DMDにおける欠失、重複および点突然変異は、ジストロフィノパチー、例えば、デュシェンヌ型筋ジストロフィー、ベッカー型筋ジストロフィーまたは心筋症などを引き起こし得る。選択的プロモーター使用および選択的スプライシングは、この遺伝子について多数の異なる転写物バリアントおよびタンパク質アイソフォームをもたらす。いくつかの態様において、ジストロフィン遺伝子は、ヒト(遺伝子ID:1756)、非ヒト霊長類(例として、遺伝子ID:465559)または齧歯類遺伝子(例として、遺伝子ID:13405;遺伝子ID:24907)であり得る。加えて、異なるタンパク質アイソフォームをコードする複数のヒト転写物バリアント(例として、GenBank RefSeqアクセッション番号:NM_000109.3、NM_004006.2(配列番号24)、NM_004009.3、NM_004010.3およびNM_004011.3の下にアノテーションされているように)が特徴付けられている。
【0033】
DMD対立遺伝子:本明細書において使用される場合、用語「DMD対立遺伝子」は、DMD遺伝子の代替形態(例として、野生型または突然変異型)のいずれか1つを指す。いくつかの態様において、DMD対立遺伝子は、その正常および典型的な機能を保持するジストロフィンをコードし得る。いくつかの態様において、DMD対立遺伝子は、筋ジストロフィーをもたらす1以上の突然変異を含み得る。デュシェンヌ型筋ジストロフィーをもたらす一般的な突然変異は、ジストロフィン対立遺伝子に存在する79個のエクソン、例として、エクソン8、エクソン23、エクソン41、エクソン44、エクソン50、エクソン51、エクソン52、エクソン53またはエクソン55のうちの1以上のフレームシフト、欠失、置換および重複突然変異を伴う。DMD突然変異のさらなる例は、例を挙げると、参照によりその内容全体が本明細書に組み込まれるFlanigan KM et al.,Mutational spectrum of DMD mutations in dystrophinopathy patients:application of modern diagnostic techniques to a large cohort.Hum Mutat.2009 Dec;30(12):1657-66に開示されている。
【0034】
ジストロフィノパチー:本明細書において使用される場合、用語「ジストロフィノパチー」は、1以上の突然変異DMD対立遺伝子に起因する筋疾患を指す。ジストロフィノパチーは、デュシェンヌ型筋ジストロフィー、ベッカー型筋ジストロフィーおよびDMD関連拡張型心筋症(DCM)を包含する状態のスペクトラム(軽度から重度の範囲)を包含する。いくつかの態様において、スペクトラムの一端で、ジストロフィノパチーは、クレアチンホスホキナーゼ(CK)の血清濃度の無症候性増加、および/または(例として、および)ミオグロビン尿症を伴う筋痙攣と表現型的に関連する。いくつかの態様において、スペクトラムの他端で、ジストロフィノパチーは、骨格筋が主に罹患している場合にはデュシェンヌ型またはベッカー型筋ジストロフィーとして、心臓が主に罹患している場合にはDMD関連拡張型心筋症(DCM)として一般に分類される進行性筋疾患に表現型的に関連する。デュシェンヌ型筋ジストロフィーの症状は、筋肉の喪失または変性、筋機能の低下、舌およびふくらはぎの筋肉の偽肥大、神経学的異常のリスクの増大、ならびに寿命の短縮を包含する。デュシェンヌ型筋ジストロフィーは、Online Mendelian Inheritance in Man(OMIM)Entry#310200に関連付けられている。ベッカー型筋ジストロフィーは、OMIM Entry#300376に関連付けられている。拡張型心筋症は、OMIM Entry X#302045に関連付けられている。
【0035】
エクソンスプライシングエンハンサー(ESE):本明細書において使用される場合、用語「エクソンスプライシングエンハンサー」または「ESE」は、例として、参照により本明細書に組み込まれるBlencowe et al.,Trends Biochem Sci 25,106-10.(2000)に記載されているように、mRNAへのプレ-mRNAのスプライシングを導くかまたは増強する遺伝子、プレ-mRNAまたはmRNAのエクソン内の核酸配列モチーフを指す。ESEはスプライシング機能である。ESEは、例を挙げると、遺伝子転写物から1以上のイントロンおよび/または1以上のエクソンを除去するためにスプライシングを導き得るかまたは増強し得る。ESEモチーフは、典型的には、6~8個の核酸塩基長である。SRタンパク質(例として、遺伝子SRSF1、SRSF2、SRSF3、SRSF4、SRSF5、SRSF6、SRSF7、SRSF8、SRSF9、SRSF10、SRSF11、SRSF12、TRA2AまたはTRA2Bによってコードされるタンパク質)は、それらのRNA認識モチーフ領域を通してESEに結合してスプライシングを容易にする。ESEモチーフは、参照により本明細書に組み込まれるCartegni et al.,Nucleic Acids Research,2003,Vol.31,No.13,3568-3571に記載されているものを包含するいくつかの方法を通して同定されることができる。
【0036】
フレームワーク:本明細書において使用される場合、用語「フレームワーク」または「フレームワーク配列」は、CDRを差し引いた可変領域の残りの配列を指す。CDR配列の厳密な定義は様々な系によって決定されることができるため、フレームワーク配列の意味は、相応に異なる解釈に従う。6個のCDR(軽鎖のCDR-L1、CDR-L2およびCDR-L3、ならびに重鎖のCDR-H1、CDR-H2およびCDR-H3)もまた、軽鎖および重鎖上のフレームワーク領域を各鎖上の4つの下位領域(FR1、FR2、FR3およびFR4)に分け、ここで、CDR1はFR1とFR2との間に、CDR2はFR2とFR3との間に、CDR3はFR3とFR4との間に位置付けられる。具体的な下位領域をFR1、FR2、FR3またはFR4と特定せず、他によって言及されるフレームワーク領域は、天然に存在する単一の免疫グロブリン鎖の可変領域内の組み合わされたFR(複数)を表す。本明細書において使用される場合、FRは、4つの下位領域のうちの1つを表し、FR(複数)はフレームワーク領域を構成する4つの下位領域のうちの2つ以上を表す。ヒト重鎖および軽鎖アクセプター配列は、当技術分野で公知である。一態様において、当技術分野で公知のアクセプター配列は、本明細書に開示される抗体に使用され得る。
【0037】
ヒト抗体:用語「ヒト抗体」は、本明細書において使用される場合、ヒト生殖細胞系免疫グロブリン配列に由来する可変領域および定常領域を有する抗体を包含することが意図される。本開示のヒト抗体は、例を挙げると、CDR、特にCDR3では、ヒト生殖細胞系免疫グロブリン配列によってコードされないアミノ酸残基(例として、in vitroでのランダム変異誘発もしくは部位特異的変異誘発によって、またはin vivoでの体細胞変異によって導入された変異)を包含し得る。ただし、用語「ヒト抗体」は、本明細書において使用される場合、別の哺乳動物種、例えば、マウスなどの生殖細胞系に由来するCDR配列がヒトフレームワーク配列上に接合された抗体を包含することは意図されない。
【0038】
ヒト化抗体:用語「ヒト化抗体」は、非ヒト種(例として、マウス)からの重鎖可変領域配列および軽鎖可変領域配列を含むが、VHおよび/または(例として、および)VL配列の少なくとも一部がさらに「ヒト様」に、すなわち、ヒト生殖細胞系可変配列にさらに類似するように変化させられている抗体を指す。ヒト化抗体のあるタイプは、ヒトCDR配列が非ヒトVHおよびVL配列上へ導入されて対応する非ヒトCDR配列と置き換えられたCDR接合抗体である。一態様において、ヒト化抗トランスフェリン受容体抗体および抗原結合部分が提供される。そのような抗体は、従来のハイブリドーマ技術、続いてin vitroで遺伝子工学を使用するヒト化、例えば、Kasaian et al PCT公開番号WO 2005/123126に開示されたものなどを使用してマウス抗トランスフェリン受容体モノクローナル抗体を得ることによって生成され得る。
【0039】
Kabatナンバリング:用語「Kabatナンバリング」、「Kabat定義」および「Kabat標識化」は、本明細書において区別なく使用される。当技術分野で認識されているこれらの用語は、抗体またはその抗原結合部分の重鎖可変領域および軽鎖可変領域内の他のアミノ酸残基よりも可変(すなわち、超可変)であるアミノ酸残基をナンバリングする系を指す(Kabat et al.(1971)Ann.NY Acad,Sci.190:382-391および、Kabat,E.A.,et al.(1991)Sequences of Proteins of Immunological Interest,Fifth Edition,U.S.Department of Health and Human Services,NIH Publication No.91-3242)。重鎖可変領域の場合、超可変領域は、CDR1についてはアミノ酸位置31~35、CDR2についてはアミノ酸位置50~65、およびCDR3についてはアミノ酸位置95~102に及ぶ。軽鎖可変領域の場合、超可変領域は、CDR1についてはアミノ酸位置24~34、CDR2についてはアミノ酸位置50~56、およびCDR3についてはアミノ酸位置89~97に及ぶ。
【0040】
モルホリノ:本明細書において使用される場合、「ホスホロジアミダートモルホリノオリゴマー」とも呼ばれている用語「モルホリノ」は、ホスホロジアミダート基を通して連結されたメチレンモルホリン環の骨格に付着された核酸塩基を含有する分子構造を指す。いくつかの態様において、オリゴヌクレオチドは、モルホリノ系化合物であり得る。モルホリノ系オリゴマー化合物は、Dwaine A.Braasch and David R.Corey,Biochemistry,2002,41(14),4503-4510);Genesis,volume 30,issue 3,2001;Heasman,J.,Dev.Biol.,2002,243,209-214;Nasevicius et al.,Nat.Genet.,2000,26,216-220;Lacerra et al.,Proc.Natl.Acad.Sci.,2000,97,9591-9596;および1991年7月23日発行の米国特許第5,034,506号に記載されている。いくつかの態様において、モルホリノ系オリゴマー化合物は、ホスホロジアミダートモルホリノオリゴマー(PMO)である(例として、参照によりその開示全体が本明細書に組み込まれるIverson,Curr.Opin.Mol.Ther.,3:235-238,2001;and Wang et al.,J.Gene Med.,12:354-364,2010に記載されているように)。
【0041】
オリゴヌクレオチド:本明細書において使用される場合、用語「オリゴヌクレオチド」は、最大200ヌクレオチド長のオリゴマー核酸化合物を指す。オリゴヌクレオチドの例は、これらに限定されないが、RNAiオリゴヌクレオチド(例として、siRNA、shRNA)、マイクロRNA、ギャップマー、mixmer、ホスホロジアミダート、モルホリノ、ペプチド核酸、アプタマー、ガイド核酸(例として、Cas9ガイドRNA)等々を包含する。オリゴヌクレオチドは一本鎖または二本鎖であってもよい。いくつかの態様において、オリゴヌクレオチドは、1以上の修飾ヌクレオシド(例として、2'-O-メチル糖修飾、プリンまたはピリミジン修飾)を含み得る。いくつかの態様において、オリゴヌクレオチドは、1以上の修飾ヌクレオシド間連結を含み得る。いくつかの態様において、オリゴヌクレオチドは、RpまたはSpの立体化学配置にあり得る1以上のホスホロチオアート連結を含み得る。
【0042】
相補性領域:本明細書において使用される場合、用語「相補性領域」は、2個のヌクレオチド配列が生理学的条件下(例として、細胞内)で相互にアニーリングすることが可能であるように、例として、標的核酸の同族ヌクレオチド配列(cognate nucleotide sequence)に十分に相補的な、例として、オリゴヌクレオチドのヌクレオチド配列を指す。いくつかの態様において、相補性領域は、標的核酸の同族ヌクレオチド配列に完全に相補的である。ただし、いくつかの態様において、相補性領域は、標的核酸の同族ヌクレオチド配列に部分的に相補的(例として、少なくとも80%、90%、95%または99%相補性)である。いくつかの態様において、相補性領域は、標的核酸の同族ヌクレオチド配列と比較して1、2、3または4個のミスマッチを含有する。
【0043】
特異的に結合する:本明細書において使用される場合、用語「特異的に結合する」は、結合アッセイまたは他の結合状況では、適切な対照から結合パートナーを区別するために分子が使用されることを可能にする程度の親和性または結合活性で分子が結合パートナーに結合する能力を指す。抗体に関して、用語「特異的に結合する」は、本明細書に記載されるように、抗体が、単数または複数の適切な参照抗原と比較して、特定の抗原を他のものと区別するために抗体が使用されることを可能にする程度の親和性または結合活性で、例として、抗原への結合を通して特定の細胞、例として、筋細胞への優先的標的化を可能にする程度まで、特定の抗原に結合する能力を指す。いくつかの態様において、抗体が標的へ結合するために、少なくとも約10-4M、10-5M、10-6M、10-7M、10-8M、10-9M、10-10M、10-11M、10-12M、10-13Mまたはそれ以下のKDを有する場合、抗体は標的へ特異的に結合する。いくつかの態様において、抗体は、トランスフェリン受容体、例として、トランスフェリン受容体の先端ドメインのエピトープに特異的に結合する。
【0044】
対象:本明細書において使用される場合、用語「対象」は、哺乳動物を指す。いくつかの態様において、対象は、非ヒト霊長類または齧歯類である。いくつかの態様において、対象はヒトである。いくつかの態様において、対象は、疾患を有するかまたは疾患を有すると疑われるペイシェント、例として、ヒト患者である。いくつかの態様において、対象は、突然変異DMD遺伝子配列、例として、DMD遺伝子配列のエクソンの突然変異に起因する疾患を有するかまたは有すると疑われるヒト患者である。いくつかの態様において、対象は、ジストロフィノパチー、例として、デュシェンヌ型筋ジストロフィーを有する。
【0045】
トランスフェリン受容体:本明細書において使用される場合、用語「トランスフェリン受容体」(TFRC、CD71、p90、TFRまたはTFR1としても知られる)は、エンドサイトーシスによる鉄取込みを容易にするためにトランスフェリンに結合する内在化細胞表面受容体を指す。いくつかの態様において、トランスフェリン受容体は、ヒト(NCBI遺伝子ID 7037)、非ヒト霊長類(例として、NCBI遺伝子ID 711568またはNCBI遺伝子ID 102136007)または齧歯類(例として、NCBI遺伝子ID 22042)起源のものであり得る。加えて、受容体の異なるアイソフォームをコードした複数のヒト転写物バリアント(例として、GenBank RefSeqアクセッション番号:NP_001121620.1、NP_003225.2、NP_001300894.1およびNP_001300895.1の下にアノテーションされているように)が特徴付けられている。
【0046】
範囲:本開示に提供されるあらゆる範囲は、終点を包含する。
【0047】
複合体
複数の複合体を含む組成物が本明細書において提供される。いくつかの態様において、各複合体は、1以上のオリゴヌクレオチドに共有結合された抗体を含み、各オリゴヌクレオチドは、抗体のリジン(K)残基によって表される連結部位で共有結合されている。いくつかの態様において、抗体は、重鎖可変領域(VH)および重鎖定常領域を含む重鎖と、軽鎖可変領域(VL)および軽鎖定常領域を含む軽鎖とを含む。いくつかの態様において、組成物中の複合体の抗体の軽鎖定常領域は、各抗体の軽鎖定常領域のK188(Kabatナンバリングに基づく)によって表される連結部位および/またはK190(Kabatナンバリングに基づく)によって表される連結部位でオリゴヌクレオチドに独立して共有結合されている。例を挙げると、いくつかの態様において、連結部位は、各抗体の軽鎖定常領域のK188(Kabatナンバリングに基づく)によって表される。いくつかの態様において、連結部位は、各抗体の軽鎖定常領域のK190(Kabatナンバリングに基づく)によって表される。いくつかの態様において、連結部位は、各抗体の軽鎖定常領域のK188(Kabatナンバリングに基づく)およびK190(Kabatナンバリングに基づく)によって表される。いくつかの態様において、組成物中の複合体の抗体の軽鎖定常領域の少なくとも80%(例として、80%~98%、80%~95%、80%~90%、85%~98%、85%~95%、85%~90%、90%~98%、または90%~95%)が、各抗体の軽鎖定常領域のK188によって表される連結部位(Kabatナンバリングに基づく)および/またはK190によって表される連結部位(Kabatナンバリングに基づく)でオリゴヌクレオチドに独立して共有結合されている。いくつかの態様において、組成物中の複合体の抗体の重鎖定常領域が、各抗体の重鎖定常領域のK213(Kabatナンバリングに基づく)によって表される連結部位でオリゴヌクレオチドに独立して共有結合されている。いくつかの態様において、組成物中の複合体の抗体の重鎖定常領域の少なくとも15%(例として、15%~40%、15%~30%、15%~20%、20%~40%、20%~30%、または30%~40%)が、各抗体の重鎖定常領域のK213(Kabatナンバリングに基づく)によって表される連結部位でオリゴヌクレオチドに独立して共有結合されている。
【0048】
いくつかの態様において、組成物中の複合体の抗体の軽鎖定常領域は、各抗体の軽鎖定常領域の配列モチーフDYEKHKVYA(配列番号53)中のリジン(K)残基によって表される連結部位でオリゴヌクレオチドに独立して共有結合されている。例を挙げると、いくつかの態様において、複合体は、軽鎖定常領域の配列モチーフDYEKHKVYA(配列番号53)の4位のKによって表される連結部位でオリゴヌクレオチドと共有結合されている。いくつかの態様において、複合体は、軽鎖定常領域の配列モチーフDYEKHKVYA(配列番号53)の6位のKによって表される連結部位でオリゴヌクレオチドと共有結合されている。いくつかの態様において、複合体は、軽鎖定常領域の配列モチーフDYEKHKVYA(配列番号53)の4位のKで表される連結部位および6位のKによって表される連結部位でオリゴヌクレオチドと共有結合されている。いくつかの態様において、組成物中の複合体の抗体の軽鎖定常領域の少なくとも80%(例として、80%~98%、80%~95%、80%~90%、85%~98%、85%~95%、85%~90%、90%~98%、または90%~95%)は、各抗体の軽鎖定常領域の配列モチーフDYEKHKVYA(配列番号53)中のリジン(K)残基によって表される連結部位でオリゴヌクレオチドに独立して共有結合されている。いくつかの態様において、組成物中の複合体の抗体の重鎖定常領域が、各抗体の重鎖定常領域の配列配列モチーフVNHKPSN(配列番号58)中のリジン(K)残基によって表される連結部位でオリゴヌクレオチドに独立して共有結合されている。いくつかの態様において、組成物中の複合体の抗体の重鎖定常領域の少なくとも15%(例として、15%~40%、15%~30%、15%~20%、20%~40%、20%~30%、または30%~40%)が、各抗体の重鎖定常領域のモチーフVNHKPSN(配列番号58)中のリジン(K)残基によって表される連結部位でオリゴヌクレオチドに独立して共有結合されている。
【0049】
本明細書に記載の組成物の複合体は、一般に、本明細書に記載される抗体(例として、抗TfR1抗体のいずれか1個)を、抗体のリジン(K)残基によって表される連結部位でオリゴヌクレオチド(例として、PMO)に共有結合するリンカーを含む。いくつかの態様において、各複合体において、各オリゴヌクレオチドは、抗体の異なるリジン(K)残基によって表される連結部位で共有結合されている。リンカーは、少なくとも1つの共有結合を含む。
【0050】
いくつかの態様において、本明細書に記載の複合体は、式(I):[R1]n1-R2の構造を含み、式中、各R1は、独立して、オリゴヌクレオチドを含む化合物(例として、PMO)を含み、R2は、抗体(例として、抗TfR1抗体)を含み、式中、各複合体では、n1は、独立して、各複合体内のR1の実例の数を表す(例として、1以上の)整数である。いくつかの態様において、各R1は、独立して、オリゴヌクレオチドを含む基を含む。いくつかの態様において、各R1は、独立して、オリゴヌクレオチドに加えて追加のエレメントを含む基を含む。いくつかの態様において、R2は、重鎖可変領域(VH)および重鎖定常領域を含む重鎖と、軽鎖可変領域(VL)および軽鎖定常領域を含む軽鎖とを含む抗体(例として、抗TfR1抗体)を含む。いくつかの態様において、各R1は、抗体のリジン(K)残基によって表される連結部位を介してR2に共有結合されている。いくつかの態様において、連結部位は、各抗体の軽鎖定常領域のK188(Kabatナンバリングに基づく)によって表される。いくつかの態様において、連結部位は、各抗体の軽鎖定常領域のK190(Kabatナンバリングに基づく)によって表される。いくつかの態様において、連結部位は、各抗体の軽鎖定常領域のK188(Kabatナンバリングに基づく)およびK190(Kabatナンバリングに基づく)によって表される。いくつかの態様において、組成物中の複合体の抗体の軽鎖定常領域の少なくとも80%(例として、80%~98%、80%~95%、80%~90%、85%~98%、85%~95%、85%~90%、90%~98%、または90%~95%)が、各抗体の軽鎖定常領域のK188によって表される連結部位(Kabatナンバリングに基づく)および/またはK190によって表される連結部位(Kabatナンバリングに基づく)でR1に独立して共有結合されている。いくつかの態様において、組成物中の複合体の抗体の重鎖定常領域の少なくとも15%(例として、15%~40%、15%~30%、15%~20%、20%~40%、20%~30%、または30%~40%)が、各抗体の重鎖定常領域のK213(Kabatナンバリングに基づく)によって表される連結部位でオリゴヌクレオチドに独立して共有結合されている。いくつかの態様において、各R1は、抗体のリジン(K)残基によって表される連結部位を介してR2に共有結合されている。いくつかの態様において、連結部位は、各抗体の軽鎖定常領域の配列モチーフDYEKHKVYA(配列番号53)の4位のKによって表される。いくつかの態様において、連結部位は、各抗体の軽鎖定常領域の配列モチーフDYEKHKVYA(配列番号53)の6位のKによって表される。いくつかの態様において、連結部位は、各抗体の軽鎖定常領域の配列モチーフDYEKHKVYA(配列番号53)の4位のKおよび6位のKによって表される。いくつかの態様において、組成物中の複合体の抗体の軽鎖定常領域の少なくとも80%(例として、80%~98%、80%~95%、80%~90%、85%~98%、85%~95%、85%~90%、90%~98%、または90%~95%)は、各抗体の軽鎖定常領域の配列モチーフDYEKHKVYA(配列番号53)中のリジン(K)残基によって表される連結部位で、R1に独立して共有結合されている。いくつかの態様において、組成物中の複合体の抗体の重鎖定常領域の少なくとも15%(例として、15%~40%、15%~30%、15%~20%、20%~40%、20%~30%、または30%~40%)が、各抗体の重鎖定常領域の配列モチーフVNHKPSN(配列番号58)中のリジン(K)残基によって表される連結部位でオリゴヌクレオチドに独立して共有結合されている。いくつかの態様において、R2は抗TfR1 Fabである。
【0051】
いくつかの態様において、各複合体では、n1は、独立して、1以上の整数である。いくつかの態様において、抗体は、表2に記載の配列を含む。例を挙げると、いくつかの態様において、抗体は、配列番号1、7もしくは12に記載の配列を含む重鎖相補性決定領域1(CDR-H1)、配列番号2、8もしくは13に記載の配列を含む重鎖相補性決定領域2(CDR-H2)、配列番号3、9もしくは14に記載の配列を含む重鎖相補性決定領域3(CDR-H3)を含み;および/または配列番号4、10もしくは15に記載の配列を含む軽鎖相補性決定領域1(CDR-L1)と、配列番号5もしくは11に記載の配列を含む軽鎖相補性決定領域2(CDR-L2)と、配列番号6もしくは16に記載の配列を含む軽鎖相補性決定領域3(CDR-L3)とを含む。いくつかの態様において、抗体は、配列番号17と少なくとも85%(例として、少なくとも95%)同一のアミノ酸配列を含む重鎖可変領域(VH)を含み、および/または配列番号18と少なくとも85%(例として、少なくとも95%)同一のアミノ酸配列を含む軽鎖可変領域(VL)を含む。いくつかの態様において、抗体は、配列番号17のアミノ酸配列を含むVHを含み、および/または配列番号18のアミノ酸配列を含むVLを含む。いくつかの態様において、抗体は配列番号19と少なくとも85%(例として、少なくとも95%)同一のアミノ酸配列を含む重鎖を含み、および/または配列番号20と少なくとも85%(例として、少なくとも95%)同一のアミノ酸配列を含む軽鎖を含む。いくつかの態様において、抗体は、配列番号19のアミノ酸配列を含む重鎖を含み、および/または配列番号20のアミノ酸配列を含む軽鎖を含む。いくつかの態様において、抗体は、Fab断片、完全長IgG、Fab'断片、F(ab')2断片、scFvまたはFvである。いくつかの態様において、抗体はFab断片である。
【0052】
いくつかの態様において、各複合体では、n1は、独立して、1以上の整数である。いくつかの態様において、抗体は表3に記載の配列を含む。例を挙げると、いくつかの態様において、抗体は、配列番号37、43もしくは48に記載の配列を含む重鎖相補性決定領域1(CDR-H1)、配列番号38、44もしくは49に記載の配列を含む重鎖相補性決定領域2(CDR-H2)、配列番号39、45もしくは50に記載の配列を含む重鎖相補性決定領域3(CDR-H3)を含み;および/または配列番号40、46もしくは51に記載の配列を含む軽鎖相補性決定領域1(CDR-L1)と、配列番号41もしくは47に記載の配列を含む軽鎖相補性決定領域2(CDR-L2)と、配列番号42もしくは52に記載の配列を含む軽鎖相補性決定領域3(CDR-L3)とを含む。いくつかの態様において、抗体は、配列番号54と少なくとも85%(例として、少なくとも95%)同一のアミノ酸配列を含む重鎖可変領域(VH)を含み、および/または配列番号55と少なくとも85%(例として、少なくとも95%)同一のアミノ酸配列を含む軽鎖可変領域(VL)を含む。いくつかの態様において、抗体は、配列番号54のアミノ酸配列を含むVHを含み、および/または配列番号55のアミノ酸配列を含むVLを含む。いくつかの態様において、抗体は、配列番号56と少なくとも85%(例として、少なくとも95%)同一のアミノ酸配列を含む重鎖を含み、および/または配列番号57と少なくとも85%(例として、少なくとも95%)同一のアミノ酸配列を含む軽鎖を含む。いくつかの態様において、抗体は、配列番号56のアミノ酸配列を含む重鎖を含み、および/または配列番号57のアミノ酸配列を含む軽鎖を含む。いくつかの態様において、抗体は、Fab断片、完全長IgG、Fab'断片、F(ab')2断片、scFvまたはFvである。いくつかの態様において、抗体はFab断片である。
【0053】
いくつかの態様において、複数の異なる複合体は、共通の標的化剤(例として、抗体)と、共通のオリゴヌクレオチド(例として、PMO)とを含む。そのような態様において、異なる複合体タイプは、抗体に共有結合された異なる数のオリゴヌクレオチドを有することによって特徴付けられる。例を挙げると、いくつかの態様において、組成物は、複数の複合体を含み、それにおいて各複合体の型は、式[R1]n1-R2の構造を含み、式中、各R1は、独立して、オリゴヌクレオチド(例として、PMO)を含む化合物を含み、R2は、重鎖可変領域(VH)および重鎖定常領域を含む重鎖と、軽鎖可変領域(VL)および軽鎖定常領域を含む軽鎖とを含む抗体(例として、抗TfR1抗体)を含む。いくつかの態様において、各複合体またはいずれかの複合体(例として、本明細書に開示される組成物または方法のいずれかにおけるいずれかの複合体)のn1の値は、1から、コンジュゲーションが所望されるかまたは標的とされる抗体のアミノ酸残基の数(例として、リジン残基の数)までの整数である。いくつかの態様において、各複合体では、n1の値は、1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、16、17、18、19、20、21、22、23、24、25、26および27から独立して選択される。いくつかの態様において、各複合体では、n1の値は、1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、16、17、18、19、20、21、22、23、24、25および26から独立して選択される。いくつかの態様において、各複合体では、n1の値は、独立して、1~27、1~26、1~10、1~5、または1~3の範囲内である。いくつかの態様において、組成物の複合体のn1の平均値は、1~10の範囲内(例として、1~10、1~5、1~4、1~3、3~10、3~5、または5~10)である。いくつかの態様において、それぞれの複合体の型において、n1は独立して、複合体の型のそれぞれの複合体におけるR1の実例の数を表す1以上の整数であり、組成物の異なる複合体の型は、異なるn1値(例として、1~27、1~26、1~25、1~20、1~15、1~10、1~5、または1~3の範囲のn1値)を有することにより特徴付けられる。
【0054】
いくつかの態様において、本明細書に記載の組成物は、(例として、微量の)非コンジュゲート抗体と、1以上のオリゴヌクレオチドにコンジュゲートされた抗体とを含む。いくつかの態様において、非コンジュゲート抗体は式(I):[R1]n1-R2の構造(式中、n1は0である)の化合物と呼ばれ得る。したがって、いくつかの態様において、本明細書に記載の方法では、対象へ投与するための組成物は、式(I):[R1]n1-R2の構造の化合物(例として、複合体)を含み、式中各R1は、独立して、オリゴヌクレオチドを含む基を含み、R2は、抗体を含み、n1は、独立して、各化合物(例として、複合体)内のR1の実例の数を反映する0以上の整数である。いくつかの態様において、n1が1以上である組成物のその構造のあらゆる化合物と比較した、n1が0である組成物中の式(I):[R1]n1-R2の構造の化合物の割合は、10%未満、5%未満、1%未満0.5%未満、0.1%未満、0.05%未満または0.01%未満である。
【0055】
いくつかの態様において、本明細書に記載の複合体は、式(I):[R
1]
n1-R
2の構造を含み、各R
1は式(Ia)の基を独立して含み:
【化5】
(Ia)、
式中、R
3はオリゴヌクレオチド、例としてホスホロジアミダートモルホリノオリゴマー(PMO)であり;R
2は、重鎖可変領域(VH)および重鎖定常領域を含む重鎖と、軽鎖可変領域(VL)および軽鎖定常領域を含む軽鎖とを含む抗体を含み、式中各複合体において、n1は独立して、各複合体におけるR
1の実例の数を表す整数(例として、1以上の)であり、各R
1は、抗体のリジン(K)残基によって表される連結部位を介して結合点AでR
2に共有結合されている。いくつかの態様において、連結部位は、各抗体の軽鎖定常領域のK188(Kabatナンバリングに基づく)によって表される。いくつかの態様において、連結部位は、各抗体の軽鎖定常領域のK190(Kabatナンバリングに基づく)によって表される。いくつかの態様において、連結部位は、各抗体の軽鎖定常領域のK188(Kabatナンバリングに基づく)およびK190(Kabatナンバリングに基づく)によって表される。いくつかの態様において、本明細書に記載される複数の複合体を含む組成物において、組成物中の複合体の抗体の軽鎖定常領域の少なくとも80%が、各抗体の軽鎖定常領域のK188によって表される連結部位(Kabatナンバリングに基づく)および/またはK190によって表される連結部位(Kabatナンバリングに基づく)でR
1に独立して共有結合されている。いくつかの態様において、R
2は、表2に記載の配列を含む抗TfR1抗体(例として、Fab)を含む。例を挙げると、いくつかの態様において、R
2は、配列番号1、7もしくは12に記載の配列を含む重鎖相補性決定領域1(CDR-H1)、配列番号2、8もしくは13に記載の配列を含む重鎖相補性決定領域2(CDR-H2)、配列番号3、9もしくは14に記載の配列を含む重鎖相補性決定領域3(CDR-H3)を含み;および/または配列番号4、10もしくは15に記載の配列を含む軽鎖相補性決定領域1(CDR-L1)と、配列番号5もしくは11に記載の配列を含む軽鎖相補性決定領域2(CDR-L2)と、配列番号6もしくは16に記載の配列を含む軽鎖相補性決定領域3(CDR-L3)とを含む抗TfR1抗体(例として、Fab)を含む。いくつかの態様において、R
2は、配列番号17と少なくとも85%(例として、少なくとも95%)同一のアミノ酸配列を含む重鎖可変領域(VH)を含み、および/または配列番号18と少なくとも85%(例として、少なくとも95%)同一のアミノ酸配列を含む軽鎖可変領域(VL)を含む抗TfR1抗体(例として、Fab)を含む。いくつかの態様において、R
2は、配列番号17のアミノ酸配列を含むVH、および/または配列番号18のアミノ酸配列を含むVLを含む抗TfR1抗体(例として、Fab)を含む。いくつかの態様において、R
2は、配列番号19と少なくとも85%(例として、少なくとも95%)同一のアミノ酸配列を含む重鎖を含み、および/または配列番号20と少なくとも85%(例として、少なくとも95%)同一のアミノ酸配列を含む軽鎖を含む抗TfR1抗体(例として、Fab)を含む。いくつかの態様において、R
2は、配列番号19のアミノ酸配列を含む重鎖を含み、および/または配列番号20のアミノ酸配列を含む軽鎖を含む抗TfR1抗体(例として、Fab)を含む。いくつかの態様において、R
2は、Fab断片、完全長IgG、Fab'断片、F(ab')2断片、scFvまたはFvである抗体を含む。いくつかの態様において、R
2は、Fab断片である抗体を含む。いくつかの態様において、R
3は、オリゴヌクレオチド、例として、CTCCAACATCAAGGAAGATGGCATTTCTAG(配列番号21)の塩基配列を含むホスホロジアミダートモルホリノオリゴマー(PMO)である。いくつかの態様において、R
2はFabを含み、各R
1はFabのリジン(K)残基によって表される連結部位を介して結合点AでR
2に共有結合されており、ここで本明細書に記載される複数の複合体を含む組成物において、組成物中の複合体のFabの軽鎖定常領域の少なくとも80%(例として、80%~98%、80%~95%、80%~90%、85%~98%、85%~95%、85%~90%、90%~98%、または90%~95%)が、各抗体の軽鎖定常領域のK188によって表される連結部位(Kabatナンバリングに基づく)および/またはK190によって表される連結部位(Kabatナンバリングに基づく)でR
1に独立して共有結合されている。いくつかの態様において、本明細書に記載の複数の複合体を含む組成物において、組成物中の複合体の抗体の重鎖定常領域の少なくとも15%(例として、15%~40%、15%~30%、15%~20%、20%~40%、20%~30%、または30%~40%)が、各抗体の重鎖定常領域のK213(Kabatナンバリングに基づく)によって表される連結部位でオリゴヌクレオチドに独立して共有結合されている。いくつかの態様において、各複合体では、n1は、独立して、整数(例として、1~27、1~26、1~10、1~5、または1~3の範囲内の整数)である。いくつかの態様において、本明細書に記載の複数の複合体を含む組成物において、組成物の複合体のn1の平均値は、1から10(例として、1~10、1~5、1~4、1~3、3~10、3~5、または5~10)の範囲にある。
【0056】
いくつかの態様において、本明細書に記載の複合体は、式(I):[R
1]
n1-R
2の構造を含み、各R
1は式(Ib)の基を含み:
【化6】
(Ib)、
式中、-pは、ホスホロジアミダートモルホリノオリゴマー(PMO)のホスホロジアミダート連結であり、ここでPMOは、CTCCAACATCAAGGAAGATGGCATTTCTAG(配列番号21)の塩基配列を含み、R
2は、重鎖可変領域(VH)および重鎖定常領域を含む重鎖と、軽鎖可変領域(VL)および軽鎖定常領域を含む軽鎖とを含む抗体を含み、式中各複合体において、n1は独立して、各複合体におけるR
1の実例の数を表す整数(例として、1以上の)であり、各R
1は、抗体のリジン(K)残基によって表される連結部位を介して結合点AでR
2に共有結合されている。いくつかの態様において、連結部位は、各抗体の軽鎖定常領域のK188(Kabatナンバリングに基づく)によって表される。いくつかの態様において、連結部位は、各抗体の軽鎖定常領域のK190(Kabatナンバリングに基づく)によって表される。いくつかの態様において、連結部位は、各抗体の軽鎖定常領域のK188(Kabatナンバリングに基づく)およびK190(Kabatナンバリングに基づく)によって表される。いくつかの態様において、本明細書に記載される複数の複合体を含む組成物において、組成物中の複合体の抗体の軽鎖定常領域の少なくとも80%(例として、80%~98%、80%~95%、80%~90%、85%~98%、85%~95%、85%~90%、90%~98%、または90%~95%)が、各抗体の軽鎖定常領域のK188によって表される連結部位(Kabatナンバリングに基づく)および/またはK190によって表される連結部位(Kabatナンバリングに基づく)でR
1に独立して共有結合されている。いくつかの態様において、R
2は、表2に記載の配列を含む抗TfR1抗体(例として、Fab)を含む。例を挙げると、いくつかの態様において、R
2は、配列番号1、7もしくは12に記載の配列を含む重鎖相補性決定領域1(CDR-H1)、配列番号2、8もしくは13に記載の配列を含む重鎖相補性決定領域2(CDR-H2)、配列番号3、9もしくは14に記載の配列を含む重鎖相補性決定領域3(CDR-H3)を含み;および/または配列番号4、10もしくは15に記載の配列を含む軽鎖相補性決定領域1(CDR-L1)と、配列番号5もしくは11に記載の配列を含む軽鎖相補性決定領域2(CDR-L2)と、配列番号6もしくは16に記載の配列を含む軽鎖相補性決定領域3(CDR-L3)とを含む抗TfR1抗体(例として、Fab)を含む。いくつかの態様において、R
2は、配列番号17と少なくとも85%(例として、少なくとも95%)同一のアミノ酸配列を含む重鎖可変領域(VH)を含み、および/または配列番号18と少なくとも85%(例として、少なくとも95%)同一のアミノ酸配列を含む軽鎖可変領域(VL)を含む抗TfR1抗体(例として、Fab)を含む。いくつかの態様において、R
2は、配列番号17のアミノ酸配列を含むVH、および/または配列番号18のアミノ酸配列を含むVLを含む抗TfR1抗体(例として、Fab)を含む。いくつかの態様において、R
2は、配列番号19と少なくとも85%(例として、少なくとも95%)同一のアミノ酸配列を含む重鎖を含み、および/または配列番号20と少なくとも85%(例として、少なくとも95%)同一のアミノ酸配列を含む軽鎖を含む抗TfR1抗体(例として、Fab)を含む。いくつかの態様において、R
2は、配列番号19のアミノ酸配列を含む重鎖を含み、および/または配列番号20のアミノ酸配列を含む軽鎖を含む抗TfR1抗体(例として、Fab)を含む。いくつかの態様において、R
2は、Fab断片、完全長IgG、Fab'断片、F(ab')2断片、scFvまたはFvである抗体を含む。いくつかの態様において、R
2は、Fab断片である抗体を含む。いくつかの態様において、各複合体では、n1は、独立して、整数(例として、1~27、1~26、1~10、1~5、または1~3の範囲内の整数)である。いくつかの態様において、R
2はFabを含み、各R
1はFabのリジン(K)残基によって表される連結部位を介してR
2に共有結合した結合点Aであり、ここで本明細書に記載される複数の複合体を含む組成物において、組成物中の複合体のFabの軽鎖定常領域の少なくとも80%(例として、80%~98%、80%~95%、80%~90%、85%~98%、85%~95%、85%~90%、90%~98%、または90%~95%)が、各抗体の軽鎖定常領域のK188によって表される連結部位(Kabatナンバリングに基づく)および/またはK190によって表される連結部位(Kabatナンバリングに基づく)でR
1に独立して共有結合されている。いくつかの態様において、本明細書に記載の複数の複合体を含む組成物において、組成物中の複合体の抗体の重鎖定常領域の少なくとも15%(例として、15%~40%、15%~30%、15%~20%、20%~40%、20%~30%、または30%~40%)が、各抗体の重鎖定常領域のK213(Kabatナンバリングに基づく)によって表される連結部位でオリゴヌクレオチドに独立して共有結合されている。いくつかの態様において、本明細書に記載の複数の複合体を含む組成物において、組成物の複合体のn1の平均値は、1から10(例として、1~10、1~5、1~4、1~3、3~10、3~5、または5~10)の範囲にある。
【0057】
いくつかの態様において、本明細書に記載の複合体は、式(I):[R
1]
n1-R
2の構造を含み、各R
1は式(Ic)の基を含み:
【化7】
(Ic)、
R
2は、重鎖可変領域(VH)および重鎖定常領域を含む重鎖と、軽鎖可変領域(VL)および軽鎖定常領域を含む軽鎖とを含む抗体を含み、式中各複合体において、n1は独立して、各複合体におけるR
1の実例の数を表す整数(例として、1以上の)であり、各R
1は、抗体のリジン(K)残基によって表される連結部位を介して結合点AでR
2に共有結合されている。いくつかの態様において、連結部位は、各抗体の軽鎖定常領域のK188(Kabatナンバリングに基づく)によって表される。いくつかの態様において、連結部位は、各抗体の軽鎖定常領域のK190(Kabatナンバリングに基づく)によって表される。いくつかの態様において、連結部位は、各抗体の軽鎖定常領域のK188(Kabatナンバリングに基づく)およびK190(Kabatナンバリングに基づく)によって表される。いくつかの態様において、本明細書に記載される複数の複合体を含む組成物において、組成物中の複合体の抗体の軽鎖定常領域の少なくとも80%(例として、80%~98%、80%~95%、80%~90%、85%~98%、85%~95%、85%~90%、90%~98%、または90%~95%)が、各抗体の軽鎖定常領域のK188によって表される連結部位(Kabatナンバリングに基づく)および/またはK190によって表される連結部位(Kabatナンバリングに基づく)でR
1に独立して共有結合されている。いくつかの態様において、R
2は、表2に記載の配列を含む抗TfR1抗体(例として、Fab)を含む。例を挙げると、いくつかの態様において、R
2は、配列番号1、7もしくは12に記載の配列を含む重鎖相補性決定領域1(CDR-H1)、配列番号2、8もしくは13に記載の配列を含む重鎖相補性決定領域2(CDR-H2)、配列番号3、9もしくは14に記載の配列を含む重鎖相補性決定領域3(CDR-H3)を含み;および/または配列番号4、10もしくは15に記載の配列を含む軽鎖相補性決定領域1(CDR-L1)と、配列番号5もしくは11に記載の配列を含む軽鎖相補性決定領域2(CDR-L2)と、配列番号6もしくは16に記載の配列を含む軽鎖相補性決定領域3(CDR-L3)とを含む抗TfR1抗体(例として、Fab)を含む。いくつかの態様において、R
2は、配列番号17と少なくとも85%(例として、少なくとも95%)同一のアミノ酸配列を含む重鎖可変領域(VH)を含み、および/または配列番号18と少なくとも85%(例として、少なくとも95%)同一のアミノ酸配列を含む軽鎖可変領域(VL)を含む抗TfR1抗体(例として、Fab)を含む。いくつかの態様において、R
2は、配列番号17のアミノ酸配列を含むVH、および/または配列番号18のアミノ酸配列を含むVLを含む抗TfR1抗体(例として、Fab)を含む。いくつかの態様において、R
2は、配列番号19と少なくとも85%(例として、少なくとも95%)同一のアミノ酸配列を含む重鎖を含み、および/または配列番号20と少なくとも85%(例として、少なくとも95%)同一のアミノ酸配列を含む軽鎖を含む抗TfR1抗体(例として、Fab)を含む。いくつかの態様において、R
2は、配列番号19のアミノ酸配列を含む重鎖を含み、および/または配列番号20のアミノ酸配列を含む軽鎖を含む抗TfR1抗体(例として、Fab)を含む。いくつかの態様において、R
2は、Fab断片、完全長IgG、Fab'断片、F(ab')2断片、scFvまたはFvである抗体を含む。いくつかの態様において、R
2は、Fab断片である抗体を含む。いくつかの態様において、各複合体では、n1は、独立して、整数(例として、1~27、1~26、1~10、1~5、または1~3の範囲内の整数)である。いくつかの態様において、R
2はFabを含み、各R
1はFabのリジン(K)残基によって表される連結部位を介して結合点AでR
2に共有結合されており、ここで本明細書に記載される複数の複合体を含む組成物において、組成物中の複合体のFabの軽鎖定常領域の少なくとも80%(例として、80%~98%、80%~95%、80%~90%、85%~98%、85%~95%、85%~90%、90%~98%、または90%~95%)が、各抗体の軽鎖定常領域のK188によって表される連結部位(Kabatナンバリングに基づく)および/またはK190によって表される連結部位(Kabatナンバリングに基づく)でR
1に独立して共有結合されている。いくつかの態様において、本明細書に記載の複数の複合体を含む組成物において、組成物中の複合体の抗体の重鎖定常領域の少なくとも15%(例として、15%~40%、15%~30%、15%~20%、20%~40%、20%~30%、または30%~40%)が、各抗体の重鎖定常領域のK213(Kabatナンバリングに基づく)によって表される連結部位でオリゴヌクレオチドに独立して共有結合されている。いくつかの態様において、本明細書に記載の複数の複合体を含む組成物において、組成物の複合体のn1の平均値は、1から10(例として、1~10、1~5、1~4、1~3、3~10、3~5、または5~10)の範囲にある。
【0058】
いくつかの態様において、本明細書に記載される複合体は、式(Id)の構造を含み:
【化8】
(Id)、
式中、-pは、ホスホロジアミダートモルホリノオリゴマー(PMO)のホスホロジアミダート連結であり、ここでPMOは、CTCCAACATCAAGGAAGATGGCATTTCTAG(配列番号21)の塩基配列を含み;式中、R
2は、表2から選択されるCDR-H1、CDR-H2、CDR-H3、CDR-L1、CDR-L2およびCDR-L3を含む抗TfR1抗体(例として、Fab)を含み、任意に、式中、抗TfR1抗体(例として、Fab)は、配列番号17のアミノ酸配列を含むVHと、配列番号18のアミノ酸配列を含むVLとを含み、さらに任意に、式中、抗TfR1抗体(例として、Fab)は、配列番号19のアミノ酸配列を含む重鎖と、配列番号20のアミノ酸配列を含む軽鎖とを含み;および式中、各複合体では、n1は、独立して、角括弧によって囲まれた基の実例の数を表す(例として、1以上の)整数であり、式中、角括弧によって囲まれた基の各実例は、抗体(例として、Fab)のリジン(K)によって表される連結部位に共有結合される。いくつかの態様において、連結部位は、各抗体の軽鎖定常領域のK188(Kabatナンバリングに基づく)によって表される。いくつかの態様において、連結部位は、各抗体の軽鎖定常領域のK190(Kabatナンバリングに基づく)によって表される。いくつかの態様において、連結部位は、各抗体の軽鎖定常領域のK188(Kabatナンバリングに基づく)およびK190(Kabatナンバリングに基づく)によって表される。いくつかの態様において、本明細書に記載される複数の複合体を含む組成物において、組成物中の複合体の抗体(例として、Fab)の軽鎖定常領域の少なくとも80%(例として、80%~98%、80%~95%、80%~90%、85%~98%、85%~95%、85%~90%、90%~98%、または90%~95%)が、各抗体の軽鎖定常領域のK188によって表される連結部位(Kabatナンバリングに基づく)および/またはK190によって表される連結部位(Kabatナンバリングに基づく)でR1に独立して共有結合されている。いくつかの態様において、R
2は、配列番号1、7もしくは12に記載の配列を含む重鎖相補性決定領域1(CDR-H1)、配列番号2、8もしくは13に記載の配列を含む重鎖相補性決定領域2(CDR-H2)、配列番号3、9もしくは14に記載の配列を含む重鎖相補性決定領域3(CDR-H3)を含み;および/または配列番号4、10もしくは15に記載の配列を含む軽鎖相補性決定領域1(CDR-L1)と、配列番号5もしくは11に記載の配列を含む軽鎖相補性決定領域2(CDR-L2)と、配列番号6もしくは16に記載の配列を含む軽鎖相補性決定領域3(CDR-L3)とを含む抗体(例として、Fab)を含む。いくつかの態様において、R
2は、配列番号17と少なくとも85%(例として、少なくとも95%)同一のアミノ酸配列を含む重鎖可変領域(VH)を含み、および/または配列番号18と少なくとも85%(例として、少なくとも95%)同一のアミノ酸配列を含む軽鎖可変領域(VL)を含む抗体(例として、Fab)を含む。いくつかの態様において、R
2は、配列番号17のアミノ酸配列を含むVH、および/または配列番号18のアミノ酸配列を含むVLを含む抗体(例として、Fab)を含む。いくつかの態様において、R
2は、配列番号19と少なくとも85%(例として、少なくとも95%)同一のアミノ酸配列を含む重鎖を含み、および/または配列番号20と少なくとも85%(例として、少なくとも95%)同一のアミノ酸配列を含む軽鎖を含む抗体(例として、Fab)を含む。いくつかの態様において、R
2は配列番号19のアミノ酸配列を含む重鎖を含み、および/または配列番号20のアミノ酸配列を含む軽鎖を含む抗体(例として、Fab)を含む。いくつかの態様において、各複合体では、n1は、独立して、整数(例として、1~27、1~26、1~10、1~5、または1~3の範囲内の整数)である。いくつかの態様において、R
2は、抗体(例としてFab)のリジン(K)残基によって表される連結部位を介して共有結合されている抗体(例として、Fab)を含み、ここで本明細書に記載される複数の複合体を含む組成物において、組成物中の複合体の抗体(例として、Fab)の軽鎖定常領域の少なくとも80%(例として、80%~98%、80%~95%、80%~90%、85%~98%、85%~95%、85%~90%、90%~98%、または90%~95%)が、各抗体の軽鎖定常領域のK188によって表される連結部位(Kabatナンバリングに基づく)および/またはK190によって表される連結部位(Kabatナンバリングに基づく)でR
1に独立して共有結合されている。いくつかの態様において、本明細書に記載の複数の複合体を含む組成物において、組成物中の複合体の抗体の重鎖定常領域の少なくとも15%(例として、15%~40%、15%~30%、15%~20%、20%~40%、20%~30%、または30%~40%)が、各抗体の重鎖定常領域のK213(Kabatナンバリングに基づく)によって表される連結部位でオリゴヌクレオチドに独立して共有結合されている。いくつかの態様において、本明細書に記載の複数の複合体を含む組成物において、組成物の複合体のn1の平均値は、1から10(例として、1~10、1~5、1~4、1~3、3~10、3~5、または5~10)の範囲にある。
【0059】
いくつかの態様において、本明細書に記載される複合体は、以下の構造を含み:
【化9】
(A)、
ここで、yは0~15(例として、3)であり、zは0~15(例として、4)である。いくつかの態様において、抗体は、各抗体の重鎖可変領域(VH)および重鎖定常領域を含む重鎖と、軽鎖可変領域(VL)および軽鎖定常領域を含む軽鎖とを含むan-TfR1抗体(例として、表2に提供される抗TfR1抗体)である。いくつかの態様において、オリゴヌクレオチドは、PMOであり、配列番号21のヌクレオチド配列を含む。いくつかの態様において、構造内で抗TfR1抗体に隣接して示されるアミドは、抗TfR1抗体のアミン、例えば、リジンイプシロンアミンなどとの反応から生じる。いくつかの態様において、本明細書に記載される複合体は、抗体のリジン(K)残基によって表される連結部位を介してPMOの5'末端に共有結合された抗TfR1 Fabを含む。いくつかの態様において、連結部位は、各抗体の軽鎖定常領域のK188(Kabatナンバリングに基づく)によって表される。いくつかの態様において、連結部位は、各抗体の軽鎖定常領域のK190(Kabatナンバリングに基づく)によって表される。いくつかの態様において、連結部位は、各抗体の軽鎖定常領域のK188(Kabatナンバリングに基づく)およびK190(Kabatナンバリングに基づく)によって表される。いくつかの態様において、本明細書に記載される複数の複合体を含む組成物において、組成物中の複合体の抗体の軽鎖定常領域の少なくとも80%(例として、80%~98%、80%~95%、80%~90%、85%~98%、85%~95%、85%~90%、90%~98%、または90%~95%)が、各抗体の軽鎖定常領域のK188によって表される連結部位(Kabatナンバリングに基づく)および/またはK190によって表される連結部位(Kabatナンバリングに基づく)でR
1に独立して共有結合されている。いくつかの態様において、本明細書に記載の複数の複合体を含む組成物において、組成物中の複合体の抗体の重鎖定常領域の少なくとも15%(例として、15%~40%、15%~30%、15%~20%、20%~40%、20%~30%、または30%~40%)が、各抗体の重鎖定常領域のK213(Kabatナンバリングに基づく)によって表される連結部位でオリゴヌクレオチドに独立して共有結合されている。いくつかの態様において、抗TfR1抗体は、表2に記載の配列を含む。例を挙げると、いくつかの態様において、抗TfR1抗体は、配列番号1、7もしくは12に記載の配列を含む重鎖相補性決定領域1(CDR-H1)、配列番号2、8もしくは13に記載の配列を含む重鎖相補性決定領域2(CDR-H2)、配列番号3、9もしくは14に記載の配列を含む重鎖相補性決定領域3(CDR-H3)を含み;および/または配列番号4、10もしくは15に記載の配列を含む軽鎖相補性決定領域1(CDR-L1)と、配列番号5もしくは11に記載の配列を含む軽鎖相補性決定領域2(CDR-L2)と、配列番号6もしくは16に記載の配列を含む軽鎖相補性決定領域3(CDR-L3)とを含む。いくつかの態様において、抗体は、配列番号17と少なくとも85%(例として、少なくとも95%)同一のアミノ酸配列を含む重鎖可変領域(VH)を含み、および/または配列番号18と少なくとも85%(例として、少なくとも95%)同一のアミノ酸配列を含む軽鎖可変領域(VL)を含む。いくつかの態様において、抗TfR1抗体は、配列番号17のアミノ酸配列を含むVHを含み、および/または配列番号18のアミノ酸配列を含むVLを含む。いくつかの態様において、抗TfR1抗体は、配列番号19と少なくとも85%(例として、少なくとも95%)同一のアミノ酸配列を含む重鎖を含み、および/または配列番号20と少なくとも85%(例として、少なくとも95%)同一のアミノ酸配列を含む軽鎖を含む。いくつかの態様において、抗TfR1抗体は、配列番号19のアミノ酸配列を含む重鎖を含み、および/または配列番号20のアミノ酸配列を含む軽鎖を含む。いくつかの態様において、抗体は、Fab断片、完全長IgG、Fab'断片、F(ab')2断片、scFvまたはFvである。
【0060】
いくつかの態様において、本明細書に記載の複合体は、式(I):[R
1]
n1-R
2の構造を含み、各R
1は式(Ia)の基を独立して含み:
【化10】
(Ia)、
式中、R
3はオリゴヌクレオチド、例としてホスホロジアミダートモルホリノオリゴマー(PMO)であり;R
2は、重鎖可変領域(VH)および重鎖定常領域を含む重鎖と、軽鎖可変領域(VL)および軽鎖定常領域を含む軽鎖とを含む抗体を含み、式中各複合体において、n1は独立して、各複合体におけるR
1の実例の数を表す整数(例として、1以上の)であり、各R
1は、抗体のリジン(K)残基によって表される連結部位を介して結合点AでR
2に共有結合されている。いくつかの態様において、連結部位は、各抗体の軽鎖定常領域の配列モチーフDYEKHKVYA(配列番号53)の4位のKによって表される。いくつかの態様において、連結部位は、各抗体の軽鎖定常領域の配列モチーフDYEKHKVYA(配列番号53)の6位のKによって表される。いくつかの態様において、連結部位は、各抗体の軽鎖定常領域の配列モチーフDYEKHKVYA(配列番号53)の4位のKおよび6位のKによって表される。いくつかの態様において、本明細書に記載の複数の複合体を含む組成物において、組成物中の複合体の抗体の軽鎖定常領域の少なくとも80%(例として、80%~98%、80%~95%、80%~90%、85%~98%、85%~95%、85%~90%、90%~98%、または90%~95%)は、各抗体の軽鎖定常領域の配列モチーフDYEKHKVYA(配列番号53)中のリジン(K)残基によって表される連結部位でオリゴヌクレオチドに独立して共有結合されている。いくつかの態様において、R
2は、表2に記載の配列を含む抗TfR1抗体を含む。例を挙げると、いくつかの態様において、R
2は、配列番号1、7もしくは12に記載の配列を含む重鎖相補性決定領域1(CDR-H1)、配列番号2、8もしくは13に記載の配列を含む重鎖相補性決定領域2(CDR-H2)、配列番号3、9もしくは14に記載の配列を含む重鎖相補性決定領域3(CDR-H3)を含み;および/または配列番号4、10もしくは15に記載の配列を含む軽鎖相補性決定領域1(CDR-L1)と、配列番号5もしくは11に記載の配列を含む軽鎖相補性決定領域2(CDR-L2)と、配列番号6もしくは16に記載の配列を含む軽鎖相補性決定領域3(CDR-L3)とを含む抗TfR1抗体(例として、Fab)を含む。いくつかの態様において、R
2は、配列番号17と少なくとも85%(例として、少なくとも95%)同一のアミノ酸配列を含む重鎖可変領域(VH)を含み、および/または配列番号18と少なくとも85%(例として、少なくとも95%)同一のアミノ酸配列を含む軽鎖可変領域(VL)を含む抗TfR1抗体(例として、Fab)を含む。いくつかの態様において、R
2は、配列番号17のアミノ酸配列を含むVH、および/または配列番号18のアミノ酸配列を含むVLを含む抗TfR1抗体(例として、Fab)を含む。いくつかの態様において、R
2は、配列番号19と少なくとも85%(例として、少なくとも95%)同一のアミノ酸配列を含む重鎖を含み、および/または配列番号20と少なくとも85%(例として、少なくとも95%)同一のアミノ酸配列を含む軽鎖を含む抗TfR1抗体(例として、Fab)を含む。いくつかの態様において、R
2は、配列番号19のアミノ酸配列を含む重鎖を含み、および/または配列番号20のアミノ酸配列を含む軽鎖を含む抗TfR1抗体(例として、Fab)を含む。いくつかの態様において、R
2は、Fab断片、完全長IgG、Fab'断片、F(ab')2断片、scFvまたはFvである抗体を含む。いくつかの態様において、R
2は、Fab断片である抗体を含む。いくつかの態様において、R
3は、オリゴヌクレオチド、例として、CTCCAACATCAAGGAAGATGGCATTTCTAG(配列番号21)の塩基配列を含むホスホロジアミダートモルホリノオリゴマー(PMO)である。いくつかの態様において、R
2はFabを含み、各R
1はFabのリジン(K)残基によって表される連結部位を介して結合点AでR
2に共有結合されており、ここで本明細書に記載される複数の複合体を含む組成物において、組成物中の複合体の抗体の軽鎖定常領域の少なくとも80%(例として、80%~98%、80%~95%、80%~90%、85%~98%、85%~95%、85%~90%、90%~98%、または90%~95%)が、各抗体の軽鎖定常領域の配列モチーフDYEKHKVYA(配列番号53)中のリジン(K)残基によって表される連結部位でオリゴヌクレオチドに独立して共有結合されている。いくつかの態様において、本明細書に記載の複数の複合体を含む組成物において、組成物中の複合体の抗体の重鎖定常領域の少なくとも15%(例として、15%~40%、15%~30%、15%~20%、20%~40%、20%~30%、または30%~40%)は、各抗体の重鎖定常領域の配列モチーフVNHKPSN(配列番号58)中のリジン(K)残基によって表される連結部位でオリゴヌクレオチドに独立して共有結合されている。いくつかの態様において、各複合体では、n1は、独立して、整数(例として、1~27、1~26、1~10、1~5、または1~3の範囲内の整数)である。いくつかの態様において、本明細書に記載の複数の複合体を含む組成物において、組成物の複合体のn1の平均値は、1から10(例として、1~10、1~5、1~4、1~3、3~10、3~5、または5~10)の範囲にある。
【0061】
いくつかの態様において、本明細書に記載の複合体は、式(I):[R
1]
n1-R
2の構造を含み、各R
1は式(Ib)の基を含み:
【化11】
(Ib)、
式中、-pは、ホスホロジアミダートモルホリノオリゴマー(PMO)のホスホロジアミダート連結であり、ここでPMOは、CTCCAACATCAAGGAAGATGGCATTTCTAG(配列番号21)の塩基配列を含み、R
2は、重鎖可変領域(VH)および重鎖定常領域を含む重鎖と、軽鎖可変領域(VL)および軽鎖定常領域を含む軽鎖とを含む抗体を含み、式中各複合体において、n1は独立して、各複合体におけるR
1の実例の数を表す整数(例として、1以上の)であり、各R
1は、抗体のリジン(K)残基によって表される連結部位を介して結合点AでR
2に共有結合されている。いくつかの態様において、連結部位は、各抗体の軽鎖定常領域の配列モチーフDYEKHKVYA(配列番号53)の4位のKによって表される。いくつかの態様において、連結部位は、各抗体の軽鎖定常領域の配列モチーフDYEKHKVYA(配列番号53)の6位のKによって表される。いくつかの態様において、連結部位は、各抗体の軽鎖定常領域の配列モチーフDYEKHKVYA(配列番号53)の4位のKおよび6位のKによって表される。いくつかの態様において、本明細書に記載の複数の複合体を含む組成物において、組成物中の複合体の抗体の軽鎖定常領域の少なくとも80%(例として、80%~98%、80%~95%、80%~90%、85%~98%、85%~95%、85%~90%、90%~98%、または90%~95%)は、各抗体の軽鎖定常領域の配列モチーフDYEKHKVYA(配列番号53)中のリジン(K)残基によって表される連結部位でオリゴヌクレオチドに独立して共有結合されている。いくつかの態様において、R
2は、表2に記載の配列を含む抗TfR1抗体(例として、Fab-)を含む。例を挙げると、いくつかの態様において、R
2は、配列番号1、7もしくは12に記載の配列を含む重鎖相補性決定領域1(CDR-H1)、配列番号2、8もしくは13に記載の配列を含む重鎖相補性決定領域2(CDR-H2)、配列番号3、9もしくは14に記載の配列を含む重鎖相補性決定領域3(CDR-H3)を含み;および/または配列番号4、10もしくは15に記載の配列を含む軽鎖相補性決定領域1(CDR-L1)と、配列番号5もしくは11に記載の配列を含む軽鎖相補性決定領域2(CDR-L2)と、配列番号6もしくは16に記載の配列を含む軽鎖相補性決定領域3(CDR-L3)とを含む抗TfR1抗体(例として、Fab-)を含む。いくつかの態様において、R
2は、配列番号17と少なくとも85%(例として、少なくとも95%)同一のアミノ酸配列を含む重鎖可変領域(VH)を含み、および/または配列番号18と少なくとも85%(例として、少なくとも95%)同一のアミノ酸配列を含む軽鎖可変領域(VL)を含む抗TfR1抗体(例として、Fab-)を含む。いくつかの態様において、R
2は、配列番号17のアミノ酸配列を含むVH、および/または配列番号18のアミノ酸配列を含むVLを含む抗TfR1抗体(例として、Fab-)を含む。いくつかの態様において、R
2は、配列番号19と少なくとも85%(例として、少なくとも95%)同一のアミノ酸配列を含む重鎖を含み、および/または配列番号20と少なくとも85%(例として、少なくとも95%)同一のアミノ酸配列を含む軽鎖を含む抗TfR1抗体(例として、Fab-)を含む。いくつかの態様において、R
2は、配列番号19のアミノ酸配列を含む重鎖を含み、および/または配列番号20のアミノ酸配列を含む軽鎖を含む抗TfR1抗体(例として、Fab-)を含む。いくつかの態様において、R
2は、Fab断片、完全長IgG、Fab'断片、F(ab')2断片、scFvまたはFvである抗体を含む。いくつかの態様において、R
2は、Fab断片である抗体を含む。いくつかの態様において、各複合体では、n1は、独立して、整数(例として、1~27、1~26、1~10、1~5、または1~3の範囲内の整数)である。いくつかの態様において、R
2はFabを含み、各R
1はFabのリジン(K)残基によって表される連結部位を介して結合点AでR
2に共有結合されており、ここで本明細書に記載される複数の複合体を含む組成物において、組成物中の複合体の抗体の軽鎖定常領域の少なくとも80%(例として、80%~98%、80%~95%、80%~90%、85%~98%、85%~95%、85%~90%、90%~98%、または90%~95%)が、各抗体の軽鎖定常領域の配列モチーフDYEKHKVYA(配列番号53)中のリジン(K)残基によって表される連結部位でオリゴヌクレオチドに独立して共有結合されている。いくつかの態様において、本明細書に記載の複数の複合体を含む組成物において、組成物中の複合体の抗体の重鎖定常領域の少なくとも15%(例として、15%~40%、15%~30%、15%~20%、20%~40%、20%~30%、または30%~40%)は、各抗体の重鎖定常領域の配列モチーフVNHKPSN(配列番号58)中のリジン(K)残基によって表される連結部位でオリゴヌクレオチドに独立して共有結合されている。いくつかの態様において、本明細書に記載の複数の複合体を含む組成物において、組成物の複合体のn1の平均値は、1から10(例として、1~10、1~5、1~4、1~3、3~10、3~5、または5~10)の範囲にある。
【0062】
いくつかの態様において、本明細書に記載の複合体は、式(I):[R
1]
n1-R
2の構造を含み、各R
1は式(Ic)の基を含み:
【化12】
(Ic)、
R
2は、重鎖可変領域(VH)および重鎖定常領域を含む重鎖と、軽鎖可変領域(VL)および軽鎖定常領域を含む軽鎖とを含む抗体を含み、式中各複合体において、n1は独立して、各複合体におけるR
1の実例の数を表す整数(例として、1以上の)であり、各R
1は、抗体のリジン(K)残基によって表される連結部位を介して結合点AでR
2に共有結合されている。いくつかの態様において、連結部位は、各抗体の軽鎖定常領域の配列モチーフDYEKHKVYA(配列番号53)の4位のKによって表される。いくつかの態様において、連結部位は、各抗体の軽鎖定常領域の配列モチーフDYEKHKVYA(配列番号53)の6位のKによって表される。いくつかの態様において、連結部位は、各抗体の軽鎖定常領域の配列モチーフDYEKHKVYA(配列番号53)の4位のKおよび6位のKによって表される。いくつかの態様において、本明細書に記載の複数の複合体を含む組成物において、組成物中の複合体の抗体の軽鎖定常領域の少なくとも80%(例として、80%~98%、80%~95%、80%~90%、85%~98%、85%~95%、85%~90%、90%~98%、または90%~95%)は、各抗体の軽鎖定常領域の配列モチーフDYEKHKVYA(配列番号53)中のリジン(K)残基によって表される連結部位でオリゴヌクレオチドに独立して共有結合されている。いくつかの態様において、R
2は、表2に記載の配列を含む抗TfR1抗体(例として、Fab)を含む。例を挙げると、いくつかの態様において、R
2は、配列番号1、7もしくは12に記載の配列を含む重鎖相補性決定領域1(CDR-H1)、配列番号2、8もしくは13に記載の配列を含む重鎖相補性決定領域2(CDR-H2)、配列番号3、9もしくは14に記載の配列を含む重鎖相補性決定領域3(CDR-H3)を含み;および/または配列番号4、10もしくは15に記載の配列を含む軽鎖相補性決定領域1(CDR-L1)と、配列番号5もしくは11に記載の配列を含む軽鎖相補性決定領域2(CDR-L2)と、配列番号6もしくは16に記載の配列を含む軽鎖相補性決定領域3(CDR-L3)とを含む抗TfR1抗体(例として、Fab)を含む。いくつかの態様において、R
2は、配列番号17と少なくとも85%(例として、少なくとも95%)同一のアミノ酸配列を含む重鎖可変領域(VH)を含み、および/または配列番号18と少なくとも85%(例として、少なくとも95%)同一のアミノ酸配列を含む軽鎖可変領域(VL)を含む抗TfR1抗体(例として、Fab)を含む。いくつかの態様において、R
2は、配列番号17のアミノ酸配列を含むVHを含み、および/または配列番号18のアミノ酸配列を含むVLを含む抗TfR1抗体を含む。いくつかの態様において、R
2は、配列番号19と少なくとも85%(例として、少なくとも95%)同一のアミノ酸配列を含む重鎖を含み、および/または配列番号20と少なくとも85%(例として、少なくとも95%)同一のアミノ酸配列を含む軽鎖を含む抗TfR1抗体(例として、Fab)を含む。いくつかの態様において、R
2は、配列番号19のアミノ酸配列を含む重鎖を含み、および/または配列番号20のアミノ酸配列を含む軽鎖を含む抗TfR1抗体(例として、Fab)を含む。いくつかの態様において、R
2は、Fab断片、完全長IgG、Fab'断片、F(ab')2断片、scFvまたはFvである抗体(例として、Fab)を含む。いくつかの態様において、R
2は、Fab断片である抗体を含む。いくつかの態様において、各複合体では、n1は、独立して、整数(例として、1~27、1~26、1~10、1~5、または1~3の範囲内の整数)である。いくつかの態様において、R
2はFabを含み、各R
1はFabのリジン(K)残基によって表される連結部位を介して結合点AでR
2に共有結合されており、ここで本明細書に記載される複数の複合体を含む組成物において、組成物中の複合体の抗体の軽鎖定常領域の少なくとも80%(例として、80%~98%、80%~95%、80%~90%、85%~98%、85%~95%、85%~90%、90%~98%、または90%~95%)が、各抗体の軽鎖定常領域の配列モチーフDYEKHKVYA(配列番号53)中のリジン(K)残基によって表される連結部位でオリゴヌクレオチドに独立して共有結合されている。いくつかの態様において、本明細書に記載の複数の複合体を含む組成物において、組成物中の複合体の抗体の重鎖定常領域の少なくとも15%(例として、15%~40%、15%~30%、15%~20%、20%~40%、20%~30%、または30%~40%)は、各抗体の重鎖定常領域の配列モチーフVNHKPSN(配列番号58)中のリジン(K)残基によって表される連結部位でオリゴヌクレオチドに独立して共有結合されている。いくつかの態様において、本明細書に記載の複数の複合体を含む組成物において、組成物の複合体のn1の平均値は、1から10(例として、1~10、1~5、1~4、1~3、3~10、3~5、または5~10)の範囲にある。
【0063】
いくつかの態様において、本明細書に記載される複合体は、式(Id)の構造を含み:
【化13】
(Id)、
式中、-pは、ホスホロジアミダートモルホリノオリゴマー(PMO)のホスホロジアミダート連結であり、ここでPMOは、CTCCAACATCAAGGAAGATGGCATTTCTAG(配列番号21)の塩基配列を含み;式中、R
2は、表2から選択されるCDR-H1、CDR-H2、CDR-H3、CDR-L1、CDR-L2およびCDR-L3を含む抗TfR1抗体(例として、Fab)を含み、任意に、式中、抗TfR1抗体(例として、Fab)は、配列番号17のアミノ酸配列を含むVHと、配列番号18のアミノ酸配列を含むVLとを含み、さらに任意に、式中、抗TfR1抗体(例として、Fab)は、配列番号19のアミノ酸配列を含む重鎖と、配列番号20のアミノ酸配列を含む軽鎖とを含み;および式中、各複合体では、n1は、独立して、角括弧によって囲まれた基の実例の数を表す(例として、1以上の)整数であり、式中、角括弧によって囲まれた基の各実例は、抗体(例として、Fab)のリジン(K)によって表される連結部位に共有結合される。いくつかの態様において、連結部位は、各抗体の軽鎖定常領域の配列モチーフDYEKHKVYA(配列番号53)の4位のKによって表される。いくつかの態様において、連結部位は、各抗体の軽鎖定常領域の配列モチーフDYEKHKVYA(配列番号53)の6位のKによって表される。いくつかの態様において、連結部位は、各抗体の軽鎖定常領域の配列モチーフDYEKHKVYA(配列番号53)の4位のKおよび6位のKによって表される。いくつかの態様において、本明細書に記載の複数の複合体を含む組成物において、組成物中の複合体の抗体の軽鎖定常領域の少なくとも80%(例として、80%~98%、80%~95%、80%~90%、85%~98%、85%~95%、85%~90%、90%~98%、または90%~95%)は、各抗体の軽鎖定常領域の配列モチーフDYEKHKVYA(配列番号53)中のリジン(K)残基によって表される連結部位でオリゴヌクレオチドに独立して共有結合されている。いくつかの態様において、R
2は、配列番号1、7もしくは12に記載の配列を含む重鎖相補性決定領域1(CDR-H1)、配列番号2、8もしくは13に記載の配列を含む重鎖相補性決定領域2(CDR-H2)、配列番号3、9もしくは14に記載の配列を含む重鎖相補性決定領域3(CDR-H3)を含み;および/または配列番号4、10もしくは15に記載の配列を含む軽鎖相補性決定領域1(CDR-L1)と、配列番号5もしくは11に記載の配列を含む軽鎖相補性決定領域2(CDR-L2)と、配列番号6もしくは16に記載の配列を含む軽鎖相補性決定領域3(CDR-L3)とを含む抗体(例として、Fab)を含む。いくつかの態様において、R
2は、配列番号17と少なくとも85%(例として、少なくとも95%)同一のアミノ酸配列を含む重鎖可変領域(VH)を含み、および/または配列番号18と少なくとも85%(例として、少なくとも95%)同一のアミノ酸配列を含む軽鎖可変領域(VL)を含む抗体(例として、Fab)を含む。いくつかの態様において、R
2は、配列番号17のアミノ酸配列を含むVH、および/または配列番号18のアミノ酸配列を含むVLを含む抗体(例として、Fab)を含む。いくつかの態様において、R
2は、配列番号19と少なくとも85%(例として、少なくとも95%)同一のアミノ酸配列を含む重鎖を含み、および/または配列番号20と少なくとも85%(例として、少なくとも95%)同一のアミノ酸配列を含む軽鎖を含む抗体(例として、Fab)を含む。いくつかの態様において、R
2は配列番号19のアミノ酸配列を含む重鎖を含み、および/または配列番号20のアミノ酸配列を含む軽鎖を含む抗体(例として、Fab)を含む。いくつかの態様において、各複合体では、n1は、独立して、整数(例として、1~27、1~26、1~10、1~5、または1~3の範囲内の整数)である。いくつかの態様において、R
2は、抗体(例として、Fab)のリジン(K)残基によって表される連結部位を介して共有結合されている抗体(例として、Fab)を含み、およびここで本明細書に記載される複数の複合体を含む組成物において、組成物中の複合体の抗体の軽鎖定常領域の少なくとも80%(例として、80%~98%、80%~95%、80%~90%、85%~98%、85%~95%、85%~90%、90%~98%、または90%~95%)が、各抗体の軽鎖定常領域の配列モチーフDYEKHKVYA(配列番号53)中のリジン(K)残基によって表される連結部位でオリゴヌクレオチドに独立して共有結合されている。いくつかの態様において、本明細書に記載の複数の複合体を含む組成物において、組成物中の複合体の抗体の重鎖定常領域の少なくとも15%(例として、15%~40%、15%~30%、15%~20%、20%~40%、20%~30%、または30%~40%)は、各抗体の重鎖定常領域の配列モチーフVNHKPSN(配列番号58)中のリジン(K)残基によって表される連結部位でオリゴヌクレオチドに独立して共有結合されている。いくつかの態様において、本明細書に記載の複数の複合体を含む組成物において、組成物の複合体のn1の平均値は、1から10(例として、1~10、1~5、1~4、1~3、3~10、3~5、または5~10)の範囲にある。
【0064】
いくつかの態様において、本明細書に記載される複合体は、以下の構造を含み:
【化14】
(A)、
ここで、yは0~15(例として、3)であり、zは0~15(例として、4)である。いくつかの態様において、抗体は、重鎖可変領域(VH)および重鎖定常領域を含む重鎖と、軽鎖可変領域(VL)および軽鎖定常領域を含む軽鎖とを含むan-TfR1抗体(例として、表2に提供される抗TfR1抗体)である。いくつかの態様において、オリゴヌクレオチドは、PMOであり、配列番号21のヌクレオチド配列を含む。いくつかの態様において、構造内で抗TfR1抗体に隣接して示されるアミドは、抗TfR1抗体のアミン、例えば、リジンイプシロンアミンなどとの反応から生じる。いくつかの態様において、本明細書に記載される複合体は、抗体のリジン(K)残基によって表される連結部位を介してPMOの5'末端に共有結合された抗TfR1 Fabを含む。いくつかの態様において、連結部位は、各抗体の軽鎖定常領域の配列モチーフDYEKHKVYA(配列番号53)の4位のKによって表される。いくつかの態様において、連結部位は、各抗体の軽鎖定常領域の配列モチーフDYEKHKVYA(配列番号53)の6位のKによって表される。いくつかの態様において、連結部位は、各抗体の軽鎖定常領域の配列モチーフDYEKHKVYA(配列番号53)の4位のKおよび6位のKによって表される。いくつかの態様において、本明細書に記載の複数の複合体を含む組成物において、組成物中の複合体の抗体の軽鎖定常領域の少なくとも80%(例として、80%~98%、80%~95%、80%~90%、85%~98%、85%~95%、85%~90%、90%~98%、または90%~95%)は、各抗体の軽鎖定常領域の配列モチーフDYEKHKVYA(配列番号53)中のリジン(K)残基によって表される連結部位でオリゴヌクレオチドに独立して共有結合されている。いくつかの態様において、本明細書に記載の複数の複合体を含む組成物において、組成物中の複合体の抗体の重鎖定常領域の少なくとも15%(例として、15%~40%、15%~30%、15%~20%、20%~40%、20%~30%、または30%~40%)は、各抗体の重鎖定常領域の配列モチーフVNHKPSN(配列番号58)中のリジン(K)残基によって表される連結部位でオリゴヌクレオチドに独立して共有結合されている。いくつかの態様において、抗TfR1抗体は、表2に記載の配列を含む。例を挙げると、いくつかの態様において、抗TfR1抗体は、配列番号1、7もしくは12に記載の配列を含む重鎖相補性決定領域1(CDR-H1)、配列番号2、8もしくは13に記載の配列を含む重鎖相補性決定領域2(CDR-H2)、配列番号3、9もしくは14に記載の配列を含む重鎖相補性決定領域3(CDR-H3)を含み;および/または配列番号4、10もしくは15に記載の配列を含む軽鎖相補性決定領域1(CDR-L1)と、配列番号5もしくは11に記載の配列を含む軽鎖相補性決定領域2(CDR-L2)と、配列番号6もしくは16に記載の配列を含む軽鎖相補性決定領域3(CDR-L3)とを含む。いくつかの態様において、抗体は、配列番号17と少なくとも85%(例として、少なくとも95%)同一のアミノ酸配列を含む重鎖可変領域(VH)を含み、および/または配列番号18と少なくとも85%(例として、少なくとも95%)同一のアミノ酸配列を含む軽鎖可変領域(VL)を含む。いくつかの態様において、抗TfR1抗体は、配列番号17のアミノ酸配列を含むVHを含み、および/または配列番号18のアミノ酸配列を含むVLを含む。いくつかの態様において、抗TfR1抗体は、配列番号19と少なくとも85%(例として、少なくとも95%)同一のアミノ酸配列を含む重鎖を含み、および/または配列番号20と少なくとも85%(例として、少なくとも95%)同一のアミノ酸配列を含む軽鎖を含む。いくつかの態様において、抗TfR1抗体は、配列番号19のアミノ酸配列を含む重鎖を含み、および/または配列番号20のアミノ酸配列を含む軽鎖を含む。いくつかの態様において、抗体は、Fab断片、完全長IgG、Fab'断片、F(ab')2断片、scFvまたはFvである。
【0065】
開示される各複合体において(例として、式(I):[R
1]
n1-R
2の構造を含む、例えば、各R
1が式(Ia)、(Ib)、または(Ic)の基を含む複合体;式(Id)の構造を含む複合体;または式(A)の構造を含む複合体など)は、式(B)で表される立体化学を有する構造を含み得:
【化15】
(B)、式中、yは0~15(例として、3)であり、zは0~15(例として、4)である。式(B)に示される立体化学は、本明細書において提供されるいずれかの式または構造(例として、式(Ia)、(Ib)、(Ic)、(Id)、または(A))の対応する部分に適用することができることを理解されたい。
【0066】
連結部位
複数の複合体を含む組成物が本明細書において提供され、各複合体は、1以上のオリゴヌクレオチドに共有結合される抗体を含む。いくつかの態様において、抗体は、重鎖可変領域(VH)および重鎖定常領域を含む重鎖と、軽鎖可変領域(VL)および軽鎖定常領域を含む軽鎖とを含む。いくつかの態様において、各オリゴヌクレオチドは、抗体のリジン(K)残基によって表される連結部位で共有結合されている。いくつかの態様において、組成物の各複合体において、各オリゴヌクレオチドは、抗体の異なるリジン(K)残基によって表される連結部位で共有結合されている。
【0067】
いくつかの態様において、連結部位は、抗体の軽鎖にある。いくつかの態様において、連結部位は、抗体の軽鎖定常領域にある。例を挙げると、いくつかの態様において、連結部位は、Kabatナンバリングに基づく軽鎖定常領域のK126、K145、K149、K188、K190またはK207によって表される。いくつかの態様において、連結部位は、抗体の軽鎖可変領域にある。例を挙げると、いくつかの態様において、連結部位は、Kabatナンバリングに基づく軽鎖可変領域のK39またはK107によって表される。いくつかの態様において、連結部位は、抗体の重鎖定常領域にある。例を挙げると、いくつかの態様において、連結部位は、Kabatナンバリングに基づく重鎖定常領域のK117、K213、K218、K221、K222またはK228によって表される。いくつかの態様において、連結部位は、抗体の重鎖にある。いくつかの態様において、連結部位は、抗体の重鎖可変領域にある。例を挙げると、いくつかの態様において、連結部位は、Kabatナンバリングに基づく重鎖可変領域のK13、K43、K64またはK81によって表される。
【0068】
いくつかの態様において、組成物中の複合体の抗体の軽鎖定常領域は、各抗体の軽鎖定常領域のK188(Kabatナンバリングに基づく)によって表される連結部位および/またはK190(Kabatナンバリングに基づく)によって表される連結部位でオリゴヌクレオチドに独立して共有結合されている。例を挙げると、いくつかの態様において、連結部位は、各抗体の軽鎖定常領域のK188(Kabatナンバリングに基づく)によって表される。いくつかの態様において、連結部位は、各抗体の軽鎖定常領域のK190(Kabatナンバリングに基づく)によって表される。いくつかの態様において、連結部位は、各抗体の軽鎖定常領域のK188(Kabatナンバリングに基づく)およびK190(Kabatナンバリングに基づく)によって表される。いくつかの態様において、組成物中の複合体の抗体の軽鎖定常領域の少なくとも80%(例として、少なくとも80%、少なくとも81%、少なくとも82%、少なくとも83%、少なくとも84%、少なくとも85%、少なくとも86%、少なくとも87%、少なくとも88%、少なくとも89%、少なくとも90%、少なくとも91%、少なくとも92%、少なくとも93%、少なくとも94%、少なくとも95%、少なくとも96%、少なくとも97%、少なくとも98%、または少なくとも99%)は、各抗体の軽鎖定常領域のK188(Kabatナンバリングに基づく)によって表される連結部位および/またはK190(Kabatナンバリングに基づく)によって表される連結部位でオリゴヌクレオチドに独立して共有結合されている。いくつかの態様において、組成物中の複合体の抗体の軽鎖定常領域の約80%~98%、80%~95%、80%~90%、80%~85%、85%~98%、85%~95%、85%~90%、90%~98%、90%~95%、または95%~98%が、各抗体の軽鎖定常領域のK188によって表される連結部位(Kabatナンバリングに基づく)および/またはK190によって表される連結部位(Kabatナンバリングに基づく)でオリゴヌクレオチドに独立して共有結合されている。いくつかの態様において、組成物中の複合体の抗体の軽鎖定常領域の約85%~95%(例として、85%~95%、85%~90%、または90%~95%)が、各抗体の軽鎖定常領域のK188によって表される連結部位(Kabatナンバリングに基づく)および/またはK190によって表される連結部位(Kabatナンバリングに基づく)でオリゴヌクレオチドに独立して共有結合されている。いくつかの態様において、組成物中の複合体の抗体の軽鎖定常領域の約90%~95%(例として、約90%、約91%、約92%、約93%、約94%、または約95%)が、各抗体の軽鎖定常領域のK188によって表される連結部位(Kabatナンバリングに基づく)および/またはK190によって表される連結部位(Kabatナンバリングに基づく)でオリゴヌクレオチドに独立して共有結合されている。軽鎖定常領域のK188(Kabatナンバリングに基づく)によって表される連結部位および/またはK190(Kabatナンバリングに基づく)によって表される連結部位においてオリゴヌクレオチドに共有結合される抗体の軽鎖定常領域を含む複合体は、軽鎖定常領域のK188(Kabatナンバリングに基づく)によって表される連結部位においてオリゴヌクレオチドに共有結合される複合体を包含し:軽鎖定常領域のK190(Kabatナンバリングに基づく)によって表される連結部位でオリゴヌクレオチドに共有結合される複合体;および/または軽鎖定常領域のK188(Kabatナンバリングに基づく)によって表される連結部位およびK190(Kabatナンバリングに基づく)によって表される連結部位においてオリゴヌクレオチドに共有結合される複合体を包含することが理解されるべきである。
【0069】
いくつかの態様において、組成物中の複合体の抗体の重鎖定常領域が、各抗体の重鎖定常領域のK213(Kabatナンバリングに基づく)によって表される連結部位でオリゴヌクレオチドに独立して共有結合されている。いくつかの態様において、組成物中の複合体の抗体の重鎖定常領域の少なくとも15%(例として、少なくとも15%、少なくとも16%、少なくとも17%、少なくとも18%、少なくとも19%、少なくとも20%、少なくとも21%、少なくとも22%、少なくとも23%、少なくとも24%、少なくとも25%、少なくとも26%、少なくとも27%、少なくとも28%、少なくとも29%、少なくとも30%、少なくとも31%、少なくとも32%、少なくとも33%、少なくとも34%、少なくとも35%、少なくとも36%、少なくとも37%、少なくとも38%、少なくとも39%、少なくとも40%、少なくとも41%、少なくとも42%、少なくとも43%、少なくとも44%、または少なくとも45%)は、各抗体の重鎖定常領域のK213(Kabatナンバリングに基づく)によって表される連結部位でオリゴヌクレオチドに独立して共有結合されている。いくつかの態様において、組成物中の複合体の抗体の重鎖定常領域の約15%~45%(例として、15%~45%、15%~40%、15%~30%、15%~20%、20%~45%、20%~40%、20%~30%、30%~45%、30%~40%または40%~45%)が、各抗体の重鎖定常領域のK213(Kabatナンバリングに基づく)によって表される連結部位でオリゴヌクレオチドに独立して共有結合されている。例を挙げると、いくつかの態様において、組成物中の複合体の抗体の重鎖定常領域の約15%~45%、15%~40%、15%~35%、15%~30%、15%~25%、15%~20%、20%~45%、20%~40%、20%~35%、20%~30%、20%~25%、25%~45%、25%~40%、25%~35%、25%~30%、30%~45%、30%~40%、30%~35%、35%~45%、35%~40%、または40%~45%が、各抗体の重鎖定常領域のK213(Kabatナンバリングに基づく)によって表される連結部位でオリゴヌクレオチドに独立して共有結合されている。いくつかの態様において、組成物中の複合体の抗体の重鎖定常領域の約15%~30%(例として、約15%、約16%、約17%、約18%、約19%、約20%、約21%、約22%、約23%、約24%、約25%、約26%、約27%、約28%、約29%、または約30%)が、各抗体の重鎖定常領域のK213(Kabatナンバリングに基づく)によって表される連結部位でオリゴヌクレオチドに独立して共有結合されている。
【0070】
いくつかの態様において、組成物中の複合体の抗体の重鎖定常領域は、各抗体の重鎖定常領域のK221(Kabatナンバリングに基づく)によって表される連結部位および/またはK222(Kabatナンバリングに基づく)によって表される連結部位でオリゴヌクレオチドに独立して共有結合されている。例を挙げると、いくつかの態様において、連結部位は、各抗体の重鎖定常領域のK221(Kabatナンバリングに基づく)によって表される。いくつかの態様において、連結部位は、各抗体の重鎖定常領域のK222(Kabatナンバリングに基づく)によって表される。いくつかの態様において、連結部位は、各抗体の重鎖定常領域のK221(Kabatナンバリングに基づく)およびK222(Kabatナンバリングに基づく)によって表される。いくつかの態様において、組成物中の複合体の抗体の重鎖定常領域の少なくとも5%(例として、少なくとも5%、少なくとも6%、少なくとも7%、少なくとも8%、少なくとも9%、少なくとも10%、少なくとも11%、少なくとも12%、少なくとも13%、少なくとも14%、少なくとも15%)は、各抗体の重鎖定常領域のK221(Kabatナンバリングに基づく)によって表される連結部位および/またはK222(Kabatナンバリングに基づく)によって表される連結部位でオリゴヌクレオチドに独立して共有結合されている。いくつかの態様において、組成物中の複合体の抗体の重鎖定常領域の5%~15%(約5%、約6%、約7%、約8%、約9%、約10%、約11%、約12%、約13%、約14%、または約15%)は、各抗体の重鎖定常領域のK221(Kabatナンバリングに基づく)によって表される連結部位および/またはK222(Kabatナンバリングに基づく)によって表される連結部位でオリゴヌクレオチドに独立して共有結合されている。
【0071】
いくつかの態様において、組成物中の複合体の抗体の重鎖可変領域が、各抗体の重鎖可変領域のK13(Kabatナンバリングに基づく)によって表される連結部位でオリゴヌクレオチドに独立して共有結合されている。いくつかの態様において、組成物中の複合体の抗体の重鎖可変領域の少なくとも2%(例として、少なくとも2%、少なくとも3%、少なくとも4%、少なくとも5%、少なくとも6%、少なくとも7%、少なくとも8%、少なくとも9%、または少なくとも10%)が、各抗体の重鎖可変領域のK13(Kabatナンバリングに基づく)によって表される連結部位でオリゴヌクレオチドに独立して共有結合されている。いくつかの態様において、組成物中の複合体の抗体の重鎖可変領域の2%~10%(約2%、約3%、約4%、約5%、約6%、約7%、約8%、約9%、または約10%)が、各抗体の重鎖可変領域のK13(Kabatナンバリングに基づく)によって表される連結部位でオリゴヌクレオチドに独立して共有結合されている。
【0072】
いくつかの態様において、組成物中の複合体の抗体の重鎖可変領域が、各抗体の重鎖可変領域のK43(Kabatナンバリングに基づく)によって表される連結部位でオリゴヌクレオチドに独立して共有結合されている。いくつかの態様において、組成物中の複合体の抗体の重鎖可変領域の少なくとも2%(例として、少なくとも2%、少なくとも3%、少なくとも4%、少なくとも5%、少なくとも6%、少なくとも7%、少なくとも8%、少なくとも9%、または少なくとも10%)が、各抗体の重鎖可変領域のK43(Kabatナンバリングに基づく)によって表される連結部位でオリゴヌクレオチドに独立して共有結合されている。いくつかの態様において、組成物中の複合体の抗体の重鎖可変領域の2%~10%(約2%、約3%、約4%、約5%、約6%、約7%、約8%、約9%、または約10%)が、各抗体の重鎖可変領域のK43(Kabatナンバリングに基づく)によって表される連結部位でオリゴヌクレオチドに独立して共有結合されている。
【0073】
いくつかの態様において、組成物中の複合体の抗体の重鎖可変領域が、各抗体の重鎖可変領域のK81(Kabatナンバリングに基づく)によって表される連結部位でオリゴヌクレオチドに独立して共有結合されている。いくつかの態様において、組成物中の複合体の抗体の重鎖可変領域の少なくとも2%(例として、少なくとも2%、少なくとも3%、少なくとも4%、少なくとも5%、少なくとも6%、少なくとも7%、少なくとも8%、少なくとも9%、または少なくとも10%)が、各抗体の重鎖可変領域のK81(Kabatナンバリングに基づく)によって表される連結部位でオリゴヌクレオチドに独立して共有結合されている。いくつかの態様において、組成物中の複合体の抗体の重鎖可変領域の2%~10%(約2%、約3%、約4%、約5%、約6%、約7%、約8%、約9%、または約10%)が、各抗体の重鎖可変領域のK81(Kabatナンバリングに基づく)によって表される連結部位でオリゴヌクレオチドに独立して共有結合されている。
【0074】
いくつかの態様において、組成物中の複合体の抗体の軽鎖定常領域が、各抗体の軽鎖定常領域のK126(Kabatナンバリングに基づく)によって表される連結部位でオリゴヌクレオチドに独立して共有結合されている。いくつかの態様において、組成物中の複合体の抗体の軽鎖定常領域の少なくとも2%(例として、少なくとも2%、少なくとも3%、少なくとも4%、少なくとも5%、少なくとも6%、少なくとも7%、少なくとも8%、少なくとも9%、または少なくとも10%)が、各抗体の軽鎖定常領域のK126(Kabatナンバリングに基づく)によって表される連結部位でオリゴヌクレオチドに独立して共有結合されている。いくつかの態様において、組成物中の複合体の抗体の軽鎖定常領域の2%~10%(約2%、約3%、約4%、約5%、約6%、約7%、約8%、約9%、または約10%)が、各抗体の軽鎖定常領域のK126(Kabatナンバリングに基づく)によって表される連結部位でオリゴヌクレオチドに独立して共有結合されている。
【0075】
いくつかの態様において、組成物中の複合体の抗体の軽鎖定常領域が、各抗体の軽鎖定常領域のK145(Kabatナンバリングに基づく)によって表される連結部位でオリゴヌクレオチドに独立して共有結合されている。いくつかの態様において、組成物中の複合体の抗体の軽鎖定常領域の少なくとも2%(例として、少なくとも2%、少なくとも3%、少なくとも4%、少なくとも5%、少なくとも6%、少なくとも7%、少なくとも8%、少なくとも9%、または少なくとも10%)が、各抗体の軽鎖定常領域のK145(Kabatナンバリングに基づく)によって表される連結部位でオリゴヌクレオチドに独立して共有結合されている。いくつかの態様において、組成物中の複合体の抗体の軽鎖定常領域の2%~10%(約2%、約3%、約4%、約5%、約6%、約7%、約8%、約9%、または約10%)が、各抗体の軽鎖定常領域のK145(Kabatナンバリングに基づく)によって表される連結部位でオリゴヌクレオチドに独立して共有結合されている。
【0076】
いくつかの態様において、組成物中の複合体の抗体の軽鎖定常領域が、各抗体の軽鎖定常領域のK149(Kabatナンバリングに基づく)によって表される連結部位でオリゴヌクレオチドに独立して共有結合されている。いくつかの態様において、組成物中の複合体の抗体の軽鎖定常領域の少なくとも2%(例として、少なくとも2%、少なくとも3%、少なくとも4%、少なくとも5%、少なくとも6%、少なくとも7%、少なくとも8%、少なくとも9%、または少なくとも10%)が、各抗体の軽鎖定常領域のK149(Kabatナンバリングに基づく)によって表される連結部位でオリゴヌクレオチドに独立して共有結合されている。いくつかの態様において、組成物中の複合体の抗体の軽鎖定常領域の2%~10%(約2%、約3%、約4%、約5%、約6%、約7%、約8%、約9%、または約10%)が、各抗体の軽鎖定常領域のK149(Kabatナンバリングに基づく)によって表される連結部位でオリゴヌクレオチドに独立して共有結合されている。
【0077】
いくつかの態様において、組成物中の複合体の抗体の軽鎖定常領域が、各抗体の軽鎖定常領域のK207(Kabatナンバリングに基づく)によって表される連結部位でオリゴヌクレオチドに独立して共有結合されている。いくつかの態様において、組成物中の複合体の抗体の軽鎖定常領域の少なくとも2%(例として、少なくとも2%、少なくとも3%、少なくとも4%、少なくとも5%、少なくとも6%、少なくとも7%、少なくとも8%、少なくとも9%、または少なくとも10%)が、各抗体の軽鎖定常領域のK207(Kabatナンバリングに基づく)によって表される連結部位でオリゴヌクレオチドに独立して共有結合されている。いくつかの態様において、組成物中の複合体の抗体の軽鎖定常領域の2%~10%(約2%、約3%、約4%、約5%、約6%、約7%、約8%、約9%、または約10%)が、各抗体の軽鎖定常領域のK207(Kabatナンバリングに基づく)によって表される連結部位でオリゴヌクレオチドに独立して共有結合されている。
【0078】
いくつかの態様において、組成物中の複合体の抗体の軽鎖可変領域が、各抗体の軽鎖可変領域のK39(Kabatナンバリングに基づく)によって表される連結部位でオリゴヌクレオチドに独立して共有結合されている。いくつかの態様において、組成物中の複合体の抗体の軽鎖可変領域の少なくとも2%(例として、少なくとも2%、少なくとも3%、少なくとも4%、少なくとも5%、少なくとも6%、少なくとも7%、少なくとも8%、少なくとも9%、または少なくとも10%)が、各抗体の軽鎖可変領域のK39(Kabatナンバリングに基づく)によって表される連結部位でオリゴヌクレオチドに独立して共有結合されている。いくつかの態様において、組成物中の複合体の抗体の軽鎖可変領域の2%~10%(約2%、約3%、約4%、約5%、約6%、約7%、約8%、約9%、または約10%)が、各抗体の軽鎖可変領域のK39(Kabatナンバリングに基づく)によって表される連結部位でオリゴヌクレオチドに独立して共有結合されている。
【0079】
いくつかの態様において、組成物中の複合体の抗体の軽鎖可変領域が、各抗体の軽鎖可変領域のK107(Kabatナンバリングに基づく)によって表される連結部位でオリゴヌクレオチドに独立して共有結合されている。いくつかの態様において、組成物中の複合体の抗体の軽鎖可変領域の少なくとも2%(例として、少なくとも2%、少なくとも3%、少なくとも4%、少なくとも5%、少なくとも6%、少なくとも7%、少なくとも8%、少なくとも9%、または少なくとも10%)が、各抗体の軽鎖可変領域のK107(Kabatナンバリングに基づく)によって表される連結部位でオリゴヌクレオチドに独立して共有結合されている。いくつかの態様において、組成物中の複合体の抗体の軽鎖可変領域の2%~10%(約2%、約3%、約4%、約5%、約6%、約7%、約8%、約9%、または約10%)が、各抗体の軽鎖可変領域のK107(Kabatナンバリングに基づく)によって表される連結部位でオリゴヌクレオチドに独立して共有結合されている。
【0080】
いくつかの態様において、組成物中の複合体の抗体の重鎖定常領域が、各抗体の重鎖定常領域のK117(Kabatナンバリングに基づく)によって表される連結部位でオリゴヌクレオチドに独立して共有結合されている。
【0081】
いくつかの態様において、組成物中の複合体の抗体の重鎖定常領域が、各抗体の重鎖定常領域のK218(Kabatナンバリングに基づく)によって表される連結部位でオリゴヌクレオチドに独立して共有結合されている。
【0082】
いくつかの態様において、組成物中の複合体の抗体の重鎖定常領域が、各抗体の重鎖定常領域のK228(Kabatナンバリングに基づく)によって表される連結部位でオリゴヌクレオチドに独立して共有結合されている。
【0083】
いくつかの態様において、組成物中の複合体の抗体の重鎖可変領域が、各抗体の重鎖可変領域のK64(Kabatナンバリングに基づく)によって表される連結部位でオリゴヌクレオチドに独立して共有結合されている。
【0084】
いくつかの態様において、本明細書において言及されるリジン(K)残基の番号は、Kabatナンバリング(Kabat et al.(1971)Ann.NY Acad,Sci.190:382-391 and Kabat et al.,Sequences of Proteins of Immunological Interest(National Institutes of Health,Bethesda,Md.(1987)and(1991))に基づく。本明細書において提供される抗体の重鎖および軽鎖の可変領域および定常領域には、別々に番号が付けられている。抗体の軽鎖可変領域および重鎖可変領域のKabatナンバリングは、当技術分野において、例としてKabat et al.(1971)Ann.NY Acad,Sci.190:382-391 and Kabat et al.,Sequences of Proteins of Immunological Interest(National Institutes of Health,Bethesda,Md.(1987)and(1991)に記載されている。本明細書中において提供される抗体の軽鎖定常領域および重鎖定常領域のKabatナンバリングは、imgt.org/IMGTScientificChart/Numbering/Hu_IGHGnber.htmlおよびimgt.org/IMGTScientificChart/Numbering/Hu_IGKCnber.html(also see Edelman,G.M.et al.,Proc.Natl.Acad.USA,63,78-85(1969).PMID:5257969;Hieter,P.A.et al.,Cell,22,197-207(1980).PMID:6775818;Sequences of Proteins of Immunological Interest(National Institutes of Health,Bethesda,Md.647,662,680,689(1991))で見出すことができる。
【0085】
いくつかの態様において、組成物中の複合体の抗体の軽鎖定常領域は、各抗体の軽鎖定常領域の配列モチーフDYEKHKVYA(配列番号53)中のリジン(K)残基によって表される連結部位でオリゴヌクレオチドに独立して共有結合されている。例を挙げると、いくつかの態様において、連結部位は、各抗体の軽鎖定常領域の配列モチーフDYEKHKVYA(配列番号53)の4位のKによって表される。いくつかの態様において、連結部位は、各抗体の軽鎖定常領域の配列モチーフDYEKHKVYA(配列番号53)の6位のKによって表される。いくつかの態様において、連結部位は、各抗体の軽鎖定常領域の配列モチーフDYEKHKVYA(配列番号53)の4位のKおよび6位のKによって表される。いくつかの態様において、組成物中の複合体の抗体の軽鎖定常領域の少なくとも80%(例として、少なくとも80%、少なくとも81%、少なくとも82%、少なくとも83%、少なくとも84%、少なくとも85%、少なくとも86%、少なくとも87%、少なくとも88%、少なくとも89%、少なくとも90%、少なくとも91%、少なくとも92%、少なくとも93%、少なくとも94%、少なくとも95%、少なくとも96%、少なくとも97%、少なくとも98%、または少なくとも99%)は、各抗体の軽鎖定常領域の配列モチーフDYEKHKVYA(配列番号53)中のリジン(K)残基によって表される連結部位でオリゴヌクレオチドに独立して共有結合されている。いくつかの態様において、組成物中の複合体の抗体の軽鎖定常領域の80%~98%、80%~95%、80%~90%、80%~85%、85%~98%、85%~95、85%~90%、90%~98%、90%~95%、または95%~98%は、各抗体の軽鎖定常領域の配列モチーフDYEKHKVYA(配列番号53)中のリジン(K)残基によって表される連結部位でオリゴヌクレオチドに独立して共有結合されている。いくつかの態様において、組成物中の複合体の抗体の軽鎖定常領域の85%~95%(例として、85%~95%、85%~90%、または90%~95%)は、各抗体の軽鎖定常領域の配列モチーフDYEKHKVYA(配列番号53)中のリジン(K)残基によって表される連結部位でオリゴヌクレオチドに独立して共有結合されている。いくつかの態様において、組成物中の複合体の抗体の軽鎖定常領域の90%~95%(例として、約90%、約91%、約92%、約93%、約94%、または約95%)は、各抗体の軽鎖定常領域の配列モチーフDYEKHKVYA(配列番号53)中のリジン(K)残基によって表される連結部位でオリゴヌクレオチドに独立して共有結合されている。軽鎖定常領域の配列モチーフDYEKHKVYA(配列番号53)中のリジン(K)残基によって表される連結部位においてオリゴヌクレオチドに共有結合される抗体の軽鎖定常領域を含む複合体は、軽鎖定常領域の配列モチーフDYEKHKVYA(配列番号53)中の4位のKによって表される連結部位においてオリゴヌクレオチドに共有結合される複合体;軽鎖定常領域の配列モチーフDYEKHKVYA(配列番号53)の6位のKで表される連結部位のオリゴヌクレオチドに共有結合される複合体;および/または軽鎖定常領域の配列モチーフDYEKHKVYA(配列番号53)の4位のKで表される連結部位および6位のKで表される連結部位でオリゴヌクレオチドに共有結合される複合体を包含することが理解されるべきである。
【0086】
いくつかの態様において、組成物中の複合体の抗体の重鎖定常領域が、各抗体の重鎖定常領域の配列配列モチーフVNHKPSN(配列番号58)中のリジン(K)残基によって表される連結部位でオリゴヌクレオチドに独立して共有結合されている。いくつかの態様において、組成物中の複合体の抗体の重鎖定常領域の少なくとも15%(例として、少なくとも15%、少なくとも16%、少なくとも17%、少なくとも18%、少なくとも19%、少なくとも20%、少なくとも21%、少なくとも22%、少なくとも23%、少なくとも24%、少なくとも25%、少なくとも26%、少なくとも27%、少なくとも28%、少なくとも29%、少なくとも30%、少なくとも31%、少なくとも32%、少なくとも33%、少なくとも34%、少なくとも35%、少なくとも36%、少なくとも37%、少なくとも38%、少なくとも39%、少なくとも40%、少なくとも41%、少なくとも42%、少なくとも43%、少なくとも44%、または少なくとも45%)は、各抗体の重鎖定常領域の配列モチーフVNHKPSN(配列番号58)中のリジン(K)残基によって表される連結部位でオリゴヌクレオチドに独立して共有結合されている。いくつかの態様において、組成物中の複合体の抗体の重鎖定常領域の15%~45%(例として、15%~45%、15%~40%、15%~30%、15%~20%、20%~45%、20%~40%、20%~30%、30%~45%、30%~40%または40%~45%)が、各抗体の重鎖定常領域の配列モチーフVNHKPSN(配列番号58)中のリジン(K)残基によって表される連結部位でオリゴヌクレオチドに独立して共有結合されている。例を挙げると、いくつかの態様において、組成物中の複合体の抗体の重鎖定常領域の15%~45%、15%~40%、15%~35%、15%~30%、15%~25%、15%~20%、20%~45%、20%~40%、20%~35%、20%~30%、20%~25%、25%~45%、25%~40%、25%~35%、25%~30%、30%~45%、30%~40%、30%~35%、35%~45%、35%~40%、または40%~45%が、各抗体の重鎖定常領域の配列モチーフVNHKPSN(配列番号58)中のリジン(K)残基によって表される連結部位でオリゴヌクレオチドに独立して共有結合されている。いくつかの態様において、組成物中の複合体の抗体の重鎖定常領域の約15%~30%(例として、約15%、約16%、約17%、約18%、約19%、約20%、約21%、約22%、約23%、約24%、約25%、約26%、約27%、約28%、約29%、または約30%)が、各抗体の重鎖定常領域の配列モチーフVNHKPSN(配列番号58)中のリジン(K)残基によって表される連結部位でオリゴヌクレオチドに独立して共有結合されている。
【0087】
いくつかの態様において、組成物中の複合体の抗体の重鎖定常領域が、各抗体の重鎖定常領域の配列モチーフVDKKVEP(配列番号61)中のリジン(K)残基によって表される連結部位でオリゴヌクレオチドに独立して共有結合されている。例を挙げると、いくつかの態様において、連結部位は、各抗体の軽鎖定常領域の配列モチーフVDKKVEP(配列番号61)の3位のKによって表される。いくつかの態様において、連結部位は、各抗体の軽鎖定常領域の配列モチーフVDKKVEP(配列番号61)の4位のKによって表される。いくつかの態様において、連結部位は、各抗体の軽鎖定常領域の配列モチーフVDKKVEP(配列番号61)の3位のKおよび4位のKによって表される。いくつかの態様において、組成物中の複合体の抗体の重鎖定常領域の少なくとも5%(例として、少なくとも5%、少なくとも6%、少なくとも7%、少なくとも8%、少なくとも9%、少なくとも10%、少なくとも11%、少なくとも12%、少なくとも13%、少なくとも14%、少なくとも15%)が、各抗体の重鎖定常領域の配列モチーフVDKKVEP(配列番号61)中のリジン(K)残基によって表される連結部位でオリゴヌクレオチドに独立して共有結合されている。いくつかの態様において、組成物中の複合体の抗体の重鎖定常領域の5%~15%(約5%、約6%、約7%、約8%、約9%、約10%、約11%、約12%、約13%、約14%、または約15%)が、各抗体の重鎖定常領域の配列モチーフVDKKVEP(配列番号61)のリジン(K)残基によって表される連結部位でオリゴヌクレオチドに独立して共有結合されている。
【0088】
いくつかの態様において、組成物中の複合体の抗体の重鎖可変領域が、各抗体の重鎖可変領域の配列モチーフGLVKPSQ(配列番号63)中のリジン(K)残基によって表される連結部位でオリゴヌクレオチドに独立して共有結合されている。いくつかの態様において、組成物中の複合体の抗体の重鎖可変領域の少なくとも2%(例として、少なくとも2%、少なくとも3%、少なくとも4%、少なくとも5%、少なくとも6%、少なくとも%、少なくとも8%、少なくとも9%、または少なくとも10%)が、各抗体の重鎖可変領域の配列モチーフGLVKPSQ(配列番号63)のリジン(K)残基によって表される連結部位でオリゴヌクレオチドに独立して共有結合されている。いくつかの態様において、組成物中の複合体の抗体の重鎖可変領域の2%~10%(約2%、約3%、約4%、約5%、約6%、約7%、約8%、約9%、または約10%)が、各抗体の重鎖可変領域の配列モチーフGLVKPSQ(配列番号63)のリジン(K)残基によって表される連結部位でオリゴヌクレオチドに独立して共有結合されている。
【0089】
いくつかの態様において、組成物中の複合体の抗体の重鎖可変領域が、各抗体の重鎖可変領域の配列モチーフPPGKGLE(配列番号64)中のリジン(K)残基によって表される連結部位でオリゴヌクレオチドに独立して共有結合されている。いくつかの態様において、組成物中の複合体の抗体の重鎖可変領域の少なくとも2%(例として、少なくとも2%、少なくとも3%、少なくとも4%、少なくとも5%、少なくとも6%、少なくとも7%、少なくとも8%、少なくとも9%、または少なくとも10%)が、各抗体の重鎖可変領域の配列モチーフPPGKGLE(配列番号64)のリジン(K)残基によって表される連結部位でオリゴヌクレオチドに独立して共有結合されている。いくつかの態様において、組成物中の複合体の抗体の重鎖可変領域の2%~10%(約2%、約3%、約4%、約5%、約6%、約7%、約8%、約9%、または約10%)が、各抗体の重鎖可変領域の配列モチーフPPGKGLE(配列番号64)のリジン(K)残基によって表される連結部位でオリゴヌクレオチドに独立して共有結合されている。
【0090】
いくつかの態様において、組成物中の複合体の抗体の重鎖可変領域が、各抗体の重鎖可変領域の配列モチーフFSLKLSS(配列番号66)中のリジン(K)残基によって表される連結部位でオリゴヌクレオチドに独立して共有結合されている。いくつかの態様において、組成物中の複合体の抗体の重鎖可変領域の少なくとも2%(例として、少なくとも2%、少なくとも3%、少なくとも4%、少なくとも5%、少なくとも6%、少なくとも7%、少なくとも8%、少なくとも9%、または少なくとも10%)が、各抗体の重鎖可変領域の配列モチーフFSLKLSS(配列番号66)のリジン(K)残基によって表される連結部位でオリゴヌクレオチドに独立して共有結合されている。いくつかの態様において、組成物中の複合体の抗体の重鎖可変領域の2%~10%(約2%、約3%、約4%、約5%、約6%、約7%、約8%、約9%、または約10%)が、各抗体の重鎖可変領域の配列モチーフFSLKLSS(配列番号66)のリジン(K)残基によって表される連結部位でオリゴヌクレオチドに独立して共有結合されている。
【0091】
いくつかの態様において、組成物中の複合体の抗体の軽鎖定常領域が、各抗体の軽鎖定常領域の配列モチーフEQLKSGT(配列番号67)中のリジン(K)残基によって表される連結部位でオリゴヌクレオチドに独立して共有結合されている。いくつかの態様において、組成物中の複合体の抗体の軽鎖定常領域の少なくとも2%(例として、少なくとも2%、少なくとも3%、少なくとも4%、少なくとも5%、少なくとも6%、少なくとも7%、少なくとも8%、少なくとも9%、または少なくとも10%)が、各抗体の軽鎖定常領域の配列モチーフEQLKSGT(配列番号67)のリジン(K)残基によって表される連結部位でオリゴヌクレオチドに独立して共有結合されている。いくつかの態様において、組成物中の複合体の抗体の軽鎖定常領域の2%~10%(約2%、約3%、約4%、約5%、約6%、約7%、約8%、約9%、または約10%)が、各抗体の軽鎖定常領域の配列モチーフEQLKSGT(配列番号67)のリジン(K)残基によって表される連結部位でオリゴヌクレオチドに独立して共有結合されている。
【0092】
いくつかの態様において、組成物中の複合体の抗体の軽鎖定常領域が、各抗体の軽鎖定常領域の配列モチーフREAKVQW(配列番号68)中のリジン(K)残基によって表される連結部位でオリゴヌクレオチドに独立して共有結合されている。いくつかの態様において、組成物中の複合体の抗体の軽鎖定常領域の少なくとも2%(例として、少なくとも2%、少なくとも3%、少なくとも4%、少なくとも5%、少なくとも6%、少なくとも7%、少なくとも8%、少なくとも9%、または少なくとも10%)が、各抗体の軽鎖定常領域の配列モチーフREAKVQW(配列番号68)のリジン(K)残基によって表される連結部位でオリゴヌクレオチドに独立して共有結合されている。いくつかの態様において、組成物中の複合体の抗体の軽鎖定常領域の2%~10%(約2%、約3%、約4%、約5%、約6%、約7%、約8%、約9%、または約10%)が、各抗体の軽鎖定常領域の配列モチーフREAKVQW(配列番号68)のリジン(K)残基によって表される連結部位でオリゴヌクレオチドに独立して共有結合されている。
【0093】
いくつかの態様において、組成物中の複合体の抗体の軽鎖定常領域が、各抗体の軽鎖定常領域の配列モチーフVQWKVDN(配列番号69)中のリジン(K)残基によって表される連結部位でオリゴヌクレオチドに独立して共有結合されている。いくつかの態様において、組成物中の複合体の抗体の軽鎖定常領域の少なくとも2%(例として、少なくとも2%、少なくとも3%、少なくとも4%、少なくとも5%、少なくとも6%、少なくとも7%、少なくとも8%、少なくとも9%、または少なくとも10%)が、各抗体の軽鎖定常領域の配列モチーフVQWKVDN(配列番号69)のリジン(K)残基によって表される連結部位でオリゴヌクレオチドに独立して共有結合されている。いくつかの態様において、組成物中の複合体の抗体の軽鎖定常領域の2%~10%(約2%、約3%、約4%、約5%、約6%、約7%、約8%、約9%、または約10%)が、各抗体の軽鎖定常領域の配列モチーフVQWKVDN(配列番号69)のリジン(K)残基によって表される連結部位でオリゴヌクレオチドに独立して共有結合されている。
【0094】
いくつかの態様において、組成物中の複合体の抗体の軽鎖定常領域が、各抗体の軽鎖定常領域の配列モチーフPVTKSFN(配列番号70)中のリジン(K)残基によって表される連結部位でオリゴヌクレオチドに独立して共有結合されている。いくつかの態様において、組成物中の複合体の抗体の軽鎖定常領域の少なくとも2%(例として、少なくとも2%、少なくとも3%、少なくとも4%、少なくとも5%、少なくとも6%、少なくとも7%、少なくとも8%、少なくとも9%、または少なくとも10%)が、各抗体の軽鎖定常領域の配列モチーフPVTKSFN(配列番号70)のリジン(K)残基によって表される連結部位でオリゴヌクレオチドに独立して共有結合されている。いくつかの態様において、組成物中の複合体の抗体の軽鎖定常領域の2%~10%(約2%、約3%、約4%、約5%、約6%、約7%、約8%、約9%、または約10%)が、各抗体の軽鎖定常領域の配列モチーフPVTKSFN(配列番号70)のリジン(K)残基によって表される連結部位でオリゴヌクレオチドに独立して共有結合されている。
【0095】
いくつかの態様において、組成物中の複合体の抗体の軽鎖可変領域が、各抗体の軽鎖可変領域の配列モチーフYQQKPGQ(配列番号71)中のリジン(K)残基によって表される連結部位でオリゴヌクレオチドに独立して共有結合されている。いくつかの態様において、組成物中の複合体の抗体の軽鎖可変領域の少なくとも2%(例として、少なくとも2%、少なくとも3%、少なくとも4%、少なくとも5%、少なくとも6%、少なくとも7%、少なくとも8%、少なくとも9%、または少なくとも10%)が、各抗体の軽鎖可変領域の配列モチーフYQQKPGQ(配列番号71)のリジン(K)残基によって表される連結部位でオリゴヌクレオチドに独立して共有結合されている。いくつかの態様において、組成物中の複合体の抗体の軽鎖可変領域の2%~10%(約2%、約3%、約4%、約5%、約6%、約7%、約8%、約9%、または約10%)が、各抗体の軽鎖可変領域の配列モチーフYQQKPGQ(配列番号71)のリジン(K)残基によって表される連結部位でオリゴヌクレオチドに独立して共有結合されている。
【0096】
いくつかの態様において、組成物中の複合体の抗体の軽鎖可変領域が、各抗体の軽鎖可変領域の配列モチーフLEIKRTV(配列番号72)中のリジン(K)残基によって表される連結部位でオリゴヌクレオチドに独立して共有結合されている。いくつかの態様において、組成物中の複合体の抗体の軽鎖可変領域の少なくとも2%(例として、少なくとも2%、少なくとも3%、少なくとも4%、少なくとも5%、少なくとも6%、少なくとも7%、少なくとも8%、少なくとも9%、または少なくとも10%)が、各抗体の軽鎖可変領域の配列モチーフLEIKRTV(配列番号72)のリジン(K)残基によって表される連結部位でオリゴヌクレオチドに独立して共有結合されている。いくつかの態様において、組成物中の複合体の抗体の軽鎖可変領域の2%~10%(約2%、約3%、約4%、約5%、約6%、約7%、約8%、約9%、または約10%)が、各抗体の軽鎖可変領域の配列モチーフLEIKRTV(配列番号72)のリジン(K)残基によって表される連結部位でオリゴヌクレオチドに独立して共有結合されている。
【0097】
いくつかの態様において、組成物中の複合体の抗体の重鎖定常領域が、各抗体の重鎖定常領域の配列モチーフASTKGPS(配列番号59)中のリジン(K)残基によって表される連結部位でオリゴヌクレオチドに独立して共有結合されている。
【0098】
いくつかの態様において、組成物中の複合体の抗体の重鎖定常領域が、各抗体の重鎖定常領域の配列モチーフSNTKVD(配列番号60)中のリジン(K)残基によって表される連結部位でオリゴヌクレオチドに独立して共有結合されている。
【0099】
いくつかの態様において、組成物中の複合体の抗体の重鎖定常領域が、各抗体の重鎖定常領域の配列モチーフVEPKSCD(配列番号62)中のリジン(K)残基によって表される連結部位でオリゴヌクレオチドに独立して共有結合されている。
【0100】
いくつかの態様において、組成物中の複合体の抗体の重鎖可変領域が、各抗体の重鎖可変領域の配列モチーフPSLKNRV(配列番号65)中のリジン(K)残基によって表される連結部位でオリゴヌクレオチドに独立して共有結合されている。
【0101】
本明細書において使用される場合、「約」という用語は、この用語が修飾に使用される%に基づいて±5%~10%の変動を指す。
【0102】
抗体
いくつかの態様において、本明細書に記載の複合体は、ヒトトランスフェリン受容体1(TfR1)に結合する抗体を含む。NCBI配列NP_003225.2(トランスフェリン受容体タンパク質1アイソフォーム1、homo sapiens)に対応するヒトトランスフェリン受容体1アミノ酸配列の例は、以下のとおりである:
MMDQARSAFSNLFGGEPLSYTRFSLARQVDGDNSHVEMKLAVDEEENADNNTKANVTKPKRCSGSICYGTIAVIVFFLIGFMIGYLGYCKGVEPKTECERLAGTESPVREEPGEDFPAARRLYWDDLKRKLSEKLDSTDFTGTIKLLNENSYVPREAGSQKDENLALYVENQFREFKLSKVWRDQHFVKIQVKDSAQNSVIIVDKNGRLVYLVENPGGYVAYSKAATVTGKLVHANFGTKKDFEDLYTPVNGSIVIVRAGKITFAEKVANAESLNAIGVLIYMDQTKFPIVNAELSFFGHAHLGTGDPYTPGFPSFNHTQFPPSRSSGLPNIPVQTISRAAAEKLFGNMEGDCPSDWKTDSTCRMVTSESKNVKLTVSNVLKEIKILNIFGVIKGFVEPDHYVVVGAQRDAWGPGAAKSGVGTALLLKLAQMFSDMVLKDGFQPSRSIIFASWSAGDFGSVGATEWLEGYLSSLHLKAFTYINLDKAVLGTSNFKVSASPLLYTLIEKTMQNVKHPVTGQFLYQDSNWASKVEKLTLDNAAFPFLAYSGIPAVSFCFCEDTDYPYLGTTMDTYKELIERIPELNKVARAAAEVAGQFVIKLTHDVELNLDYERYNSQLLSFVRDLNQYRADIKEMGLSLQWLYSARGDFFRATSRLTTDFGNAEKTDRFVMKKLNDRVMRVEYHFLSPYVSPKESPFRHVFWGSGSHTLPALLENLKLRKQNNGAFNETLFRNQLALATWTIQGAANALSGDVWDIDNEF(配列番号35)。
【0103】
表2は、本明細書に提供される複合体に有用な抗TfR1抗体の配列の例を提供する。
【表2】
【0104】
いくつかの態様において、本開示の抗TfR1抗体は、(IMGT定義系による)配列番号1の重鎖相補性決定領域1(CDR-H1)と、(IMGT定義系による)配列番号2の重鎖相補性決定領域2(CDR-H2)と、(IMGT定義系による)配列番号3の重鎖相補性決定領域3(CDR-H3)と、(IMGT定義系による)配列番号4の軽鎖相補性決定領域1(CDR-L1)と、(IMGT定義系による)配列番号5の軽鎖相補性決定領域2(CDR-L2)と、(IMGT定義系による)配列番号6の軽鎖相補性決定領域3(CDR-L3)とを含む。
【0105】
いくつかの態様において、本開示の抗TfR1抗体は、(Kabat定義系による)配列番号7の重鎖相補性決定領域1(CDR-H1)と、(Kabat定義系による)配列番号8の重鎖相補性決定領域2(CDR-H2)と、(Kabat定義系による)配列番号9の重鎖相補性決定領域3(CDR-H3)と、(Kabat定義系による)配列番号10の軽鎖相補性決定領域1(CDR-L1)と、(Kabat定義系による)配列番号11の軽鎖相補性決定領域2(CDR-L2)と、(Kabat定義系による)配列番号6の軽鎖相補性決定領域3(CDR-L3)とを含む。
【0106】
いくつかの態様において、本開示の抗TfR1抗体は、(Chothia定義系による)配列番号12の重鎖相補性決定領域1(CDR-H1)と、(Chothia定義系による)配列番号13の重鎖相補性決定領域2(CDR-H2)と、(Chothia定義系による)配列番号14の重鎖相補性決定領域3(CDR-H3)と、(Chothia定義系による)配列番号15の軽鎖相補性決定領域1(CDR-L1)と、(Chothia定義系による)配列番号5の軽鎖相補性決定領域2(CDR-L2)と、(Chothia定義系による)配列番号16の軽鎖相補性決定領域3(CDR-L3)とを含む。
【0107】
いくつかの態様において、本開示の抗TfR1抗体は、配列番号17のアミノ酸配列を含むVHと比較して、フレームワーク領域に25個以下のアミノ酸変異(例として、25、24、23、22、21、20、19、18、17、16、15、14、13、12、11、10、9、8、7、6、5、4、3、2または1個以下のアミノ酸変異)を含有する重鎖可変領域(VH)を含む。あるいは、または加えて(例として、加えて)、本開示の抗TfR1抗体は、配列番号18のアミノ酸配列を含むVLと比較して、フレームワーク領域に25個以下のアミノ酸変異(例として、25、24、23、22、21、20、19、18、17、16、15、14、13、12、11、10、9、8、7、6、5、4、3、2または1個以下のアミノ酸変異)を含有する軽鎖可変領域(VL)を含む。
【0108】
いくつかの態様において、本開示の抗TfR1抗体は、配列番号17のアミノ酸配列を含むVHと、フレームワーク領域内で少なくとも75%(例として、75%、80%、85%、90%、95%、98%または99%)同一であるアミノ酸配列を含むVHを含む。あるいは、または加えて(例として、加えて)、いくつかの態様において、本開示の抗TfR1抗体は、配列番号18のアミノ酸配列を含むVLと、フレームワーク領域内で少なくとも75%(例として、75%、80%、85%、90%、95%、98%または99%)同一であるアミノ酸配列を含むVLを含む。
【0109】
いくつかの態様において、本開示の抗TfR1抗体は、配列番号17のアミノ酸配列を含むVHを含む。あるいは、または加えて(例として、加えて)、いくつかの態様において、本開示の抗TfR1抗体は、配列番号18のアミノ酸配列を含むVLを含む。
【0110】
いくつかの態様において、本開示の抗TfR1抗体は、配列番号19のアミノ酸配列と少なくとも75%(例として、75%、80%、85%、90%、95%、98%または99%)同一のアミノ酸配列を含む重鎖を含む。いくつかの態様において、本開示の抗TfR1抗体は、配列番号19のアミノ酸配列と少なくとも75%(例として、75%、80%、85%、90%、95%、98%または99%)同一のアミノ酸配列を含む重鎖を含むFabである。あるいは、または加えて(例として、加えて)、本開示の抗TfR1抗体は、配列番号20のアミノ酸配列と少なくとも75%(例として、75%、80%、85%、90%、95%、98%または99%)同一のアミノ酸配列を含む軽鎖を含む。あるいは、または加えて(例として、加えて)、本開示の抗TfR1抗体は、配列番号20のアミノ酸配列と少なくとも75%(例として、75%、80%、85%、90%、95%、98%または99%)同一のアミノ酸配列を含む軽鎖を含むFabである。
【0111】
いくつかの態様において、本開示の抗TfR1抗体は、配列番号19のアミノ酸配列を含む重鎖を含む。いくつかの態様において、本開示の抗TfR1抗体は、配列番号19のアミノ酸配列を含む重鎖を含むFabである。あるいは、または加えて(例として、加えて)、本開示の抗TfR1抗体は、配列番号20のアミノ酸配列を含む軽鎖を含む。あるいは、または加えて(例として、加えて)、本開示の抗TfR1抗体は、配列番号20のアミノ酸配列を含む軽鎖を含むFabである。
【0112】
表3は、本明細書に提供される複合体に有用な抗TfR1抗体の配列の付加的な例を提供する。
【表3】
【0113】
いくつかの態様において、本開示の抗TfR1抗体は、(IMGT定義系による)配列番号1の重鎖相補性決定領域37(CDR-H1)と、(IMGT定義系による)配列番号2の重鎖相補性決定領域38(CDR-H2)と、(IMGT定義系による)配列番号3の重鎖相補性決定領域39(CDR-H3)と、(IMGT定義系による)配列番号40の軽鎖相補性決定領域1(CDR-L1)と、(IMGT定義系による)配列番号41の軽鎖相補性決定領域2(CDR-L2)と、(IMGT定義系による)配列番号42の軽鎖相補性決定領域3(CDR-L3)とを含む。
【0114】
いくつかの態様において、本開示の抗TfR1抗体は、(Kabat定義系による)配列番号43の重鎖相補性決定領域1(CDR-H1)と、(Kabat定義系による)配列番号44の重鎖相補性決定領域2(CDR-H2)と、(Kabat定義系による)配列番号45の重鎖相補性決定領域3(CDR-H3)と、(Kabat定義系による)配列番号46の軽鎖相補性決定領域1(CDR-L1)と、(Kabat定義系による)配列番号47の軽鎖相補性決定領域2(CDR-L2)と、(Kabat定義系による)配列番号42の軽鎖相補性決定領域3(CDR-L3)とを含む。
【0115】
いくつかの態様において、本開示の抗TfR1抗体は、(Chothia定義系による)配列番号48の重鎖相補性決定領域1(CDR-H1)と、(Chothia定義系による)配列番号49の重鎖相補性決定領域2(CDR-H2)と、(Chothia定義系による)配列番号50の重鎖相補性決定領域3(CDR-H3)と、(Chothia定義系による)配列番号51の軽鎖相補性決定領域1(CDR-L1)と、(Chothia定義系による)配列番号41の軽鎖相補性決定領域2(CDR-L2)と、(Chothia定義系による)配列番号52の軽鎖相補性決定領域3(CDR-L3)とを含む。
【0116】
いくつかの態様において、本開示の抗TfR1抗体は、配列番号54のアミノ酸配列を含むVHと比較して、フレームワーク領域に25個以下のアミノ酸変異(例として、25、24、23、22、21、20、19、18、17、16、15、14、13、12、11、10、9、8、7、6、5、4、3、2または1個以下のアミノ酸変異)を含有する重鎖可変領域(VH)を含む。あるいは、または加えて(例として、加えて)、本開示の抗TfR1抗体は、配列番号55のアミノ酸配列を含むVLと比較して、フレームワーク領域に25個以下のアミノ酸変異(例として、25、24、23、22、21、20、19、18、17、16、15、14、13、12、11、10、9、8、7、6、5、4、3、2または1個以下のアミノ酸変異)を含有する軽鎖可変領域(VL)を含む。
【0117】
いくつかの態様において、本開示の抗TfR1抗体は、配列番号56のアミノ酸配列を含むVHと、フレームワーク領域内で少なくとも75%(例として、75%、80%、85%、90%、95%、98%または99%)同一であるアミノ酸配列を含むVHを含む。あるいは、または加えて(例として、加えて)、いくつかの態様において、本開示の抗TfR1抗体は、配列番号57のアミノ酸配列を含むVLと、フレームワーク領域内で少なくとも75%(例として、75%、80%、85%、90%、95%、98%または99%)同一であるアミノ酸配列を含むVLを含む。
【0118】
いくつかの態様において、本開示の抗TfR1抗体は、配列番号54のアミノ酸配列を含むVHを含む。あるいは、または加えて(例として、加えて)、いくつかの態様において、本開示の抗TfR1抗体は、配列番号55のアミノ酸配列を含むVLを含む。
【0119】
いくつかの態様において、本開示の抗TfR1抗体は、配列番号56のアミノ酸配列と少なくとも75%(例として、75%、80%、85%、90%、95%、98%または99%)同一のアミノ酸配列を含む重鎖を含む。いくつかの態様において、本開示の抗TfR1抗体は、配列番号56のアミノ酸配列と少なくとも75%(例として、75%、80%、85%、90%、95%、98%または99%)同一のアミノ酸配列を含む重鎖を含むFabである。あるいは、または加えて(例として、加えて)、本開示の抗TfR1抗体は、配列番号57のアミノ酸配列と少なくとも75%(例として、75%、80%、85%、90%、95%、98%または99%)同一のアミノ酸配列を含む軽鎖を含む。あるいは、または加えて(例として、加えて)、本開示の抗TfR1抗体は、配列番号57のアミノ酸配列と少なくとも75%(例として、75%、80%、85%、90%、95%、98%または99%)同一のアミノ酸配列を含む軽鎖を含むFabである。
【0120】
いくつかの態様において、本開示の抗TfR1抗体は、配列番号56のアミノ酸配列を含む重鎖を含む。いくつかの態様において、本開示の抗TfR1抗体は、配列番号56のアミノ酸配列を含む重鎖を含むFabである。あるいは、または加えて(例として、加えて)、本開示の抗TfR1抗体は、配列番号57のアミノ酸配列を含む軽鎖を含む。あるいは、または加えて(例として、加えて)、本開示の抗TfR1抗体は、配列番号57のアミノ酸配列を含む軽鎖を含むFabである。
【0121】
いくつかの態様において、本明細書に提供される抗TfR1抗体は、1以上の翻訳後修飾を有し得る。いくつかの態様において、ピログルタマート形成(ピロGlu)とも呼ばれるN末端環化が、産生中にN末端グルタマート(Glu)および/またはグルタミン(Gln)残基で抗体に起こり得る。したがって、N末端グルタマートまたはグルタミン残基を含む配列を有すると特定される抗体は、翻訳後修飾に起因するピログルタマート形成を受けた抗体を包摂することを理解されたい。いくつかの態様において、ピログルタマート形成は、重鎖配列内で起こる。いくつかの態様において、ピログルタマート形成は、軽鎖配列内で起こる。
【0122】
オリゴヌクレオチド
いくつかの態様において、本明細書に記載の複合体のオリゴヌクレオチドは、一本鎖オリゴヌクレオチドである。いくつかの態様において、オリゴヌクレオチドは、DMDを標的とするために(例として、エクソンスキッピングのために)有用である。いくつかの態様において、DMDを標的とするために(例として、エクソンスキッピングのために)有用なオリゴヌクレオチドは、DMD対立遺伝子(例として、突然変異DMD対立遺伝子)を標的とする。いくつかの態様において、DMDを標的とするために(例として、エクソンスキッピングのために)有用なオリゴヌクレオチドは、DMD RNA(例として、配列番号24のDp427m転写物)の領域を標的とする。いくつかの態様において、DMDを標的とするために(例として、エクソンスキッピングのために)有用なオリゴヌクレオチドは、DMD RNA(例として、配列番号23のDp427m転写物)に対する相補性領域を含む。いくつかの態様において、DMDを標的とするために(例として、エクソンスキッピングのために)有用なオリゴヌクレオチドは、DMD RNAのエクソン(例として、エクソン8、23、43、44、45、46、50、51、52、53または55)またはイントロンに対する相補性領域を含む。いくつかの態様において、DMDを標的とするために(例として、エクソンスキッピングのために)有用であるオリゴヌクレオチドは、DMD RNA(例として、Homo sapiensジストロフィン(DMD)遺伝子(例として、NCBIアクセッション番号NG_012232.1によってコードされるDMDプレ-mRNA)のスプライシングドナー部位、スプライシングアクセプター部位、分岐点またはエクソンスプライシングエンハンサー(ESE)を標的とする。いくつかの態様において、DMDを標的とするために(例として、エクソンスキッピングのために)有用なオリゴヌクレオチドは、DMD内のエクソンスプライシングエンハンサー(ESE)配列(例として、エクソン23、44、45、46、50、51、52、53または55のESE配列)を標的とする。
【0123】
複合体のオリゴヌクレオチドによって標的とされ得るDMD RNA配列およびエクソン配列の例が以下に提供される。
【0124】
Homo sapiensジストロフィン(DMD)、転写物バリアントDp427m、mRNA(NCBI参照配列:NM_004006.2)(配列番号23)。
【0125】
Homo sapiensジストロフィン(DMD)、転写物バリアントDp427m、エクソン51(NCBI参照配列:NM_004006.2のヌクレオチド位置7554~7786)
CTCCTACTCAGACTGTTACTCTGGTGACACAACCTGTGGTTACTAAGGAAACTGCCATCTCCAAACTAGAAATGCCATCTTCCTTGATGTTGGAGGTACCTGCTCTGGCAGATTTCAACCGGGCTTGGACAGAACTTACCGACTGGCTTTCTCTGCTTGATCAAGTTATAAAATCACAGAGGGTGATGGTGGGTGACCTTGAGGATATCAACGAGATGATCATCAAGCAGAAG(配列番号24)
【0126】
Homo sapiensジストロフィン(DMD)、転写物バリアントDp427m、エクソン8(NCBI参照配列:NM_004006.2のヌクレオチド位置894~1075)
ATGTTGATACCACCTATCCAGATAAGAAGTCCATCTTAATGTACATCACATCACTCTTCCAAGTTTTGCCTCAACAAGTGAGCATTGAAGCCATCCAGGAAGTGGAAATGTTGCCAAGGCCACCTAAAGTGACTAAAGAAGAACATTTTCAGTTACATCATCAAATGCACTATTCTCAACAG(配列番号25)
【0127】
Homo sapiensジストロフィン(DMD)、転写物バリアントDp427m、エクソン23(NCBI参照配列:NM_004006.2のヌクレオチド位置3194~3406)
GCTTTACAAAGTTCTCTGCAAGAGCAACAAAGTGGCCTATACTATCTCAGCACCACTGTGAAAGAGATGTCGAAGAAAGCGCCCTCTGAAATTAGCCGGAAATATCAATCAGAATTTGAAGAAATTGAGGGACGCTGGAAGAAGCTCTCCTCCCAGCTGGTTGAGCATTGTCAAAAGCTAGAGGAGCAAATGAATAAACTCCGAAAAATTCAG(配列番号26)
【0128】
Homo sapiensジストロフィン(DMD)、転写物バリアントDp427m、エクソン43(NCBI参照配列:NM_004006.2のヌクレオチド位置6362~6534)
AATATAAAAGATAGTCTACAACAAAGCTCAGGTCGGATTGACATTATTCATAGCAAGAAGACAGCAGCATTGCAAAGTGCAACGCCTGTGGAAAGGGTGAAGCTACAGGAAGCTCTCTCCCAGCTTGATTTCCAATGGGAAAAAGTTAACAAAATGTACAAGGACCGACAAGG(配列番号27)
【0129】
Homo sapiensジストロフィン(DMD)、転写物バリアントDp427m、エクソン44(NCBI参照配列:NM_004006.2のヌクレオチド位置6535~6682)
GCGATTTGACAGATCTGTTGAGAAATGGCGGCGTTTTCATTATGATATAAAGATATTTAATCAGTGGCTAACAGAAGCTGAACAGTTTCTCAGAAAGACACAAATTCCTGAGAATTGGGAACATGCTAAATACAAATGGTATCTTAAG(配列番号28)
【0130】
Homo sapiensジストロフィン(DMD)、転写物バリアントDp427m、エクソン45(NCBI参照配列:NM_004006.2のヌクレオチド位置6683~6858)
GAACTCCAGGATGGCATTGGGCAGCGGCAAACTGTTGTCAGAACATTGAATGCAACTGGGGAAGAAATAATTCAGCAATCCTCAAAAACAGATGCCAGTATTCTACAGGAAAAATTGGGAAGCCTGAATCTGCGGTGGCAGGAGGTCTGCAAACAGCTGTCAGACAGAAAAAAGAG(配列番号36)
【0131】
Homo sapiensジストロフィン(DMD)、転写物バリアントDp427m、エクソン46(NCBI参照配列:NM_004006.2のヌクレオチド位置6859~7006)
GCTAGAAGAACAAAAGAATATCTTGTCAGAATTTCAAAGAGATTTAAATGAATTTGTTTTATGGTTGGAGGAAGCAGATAACATTGCTAGTATCCCACTTGAACCTGGAAAAGAGCAGCAACTAAAAGAAAAGCTTGAGCAAGTCAAG(配列番号29)
【0132】
Homo sapiensジストロフィン(DMD)、転写物バリアントDp427m、エクソン50(NCBI参照配列:NM_004006.2のヌクレオチド位置7445~7553)
AGGAAGTTAGAAGATCTGAGCTCTGAGTGGAAGGCGGTAAACCGTTTACTTCAAGAGCTGAGGGCAAAGCAGCCTGACCTAGCTCCTGGACTGACCACTATTGGAGCCT(配列番号30)
【0133】
Homo sapiensジストロフィン(DMD)、転写物バリアントDp427m、エクソン51(NCBI参照配列:NM_004006.2のヌクレオチド位置7554~7786)
CTCCTACTCAGACTGTTACTCTGGTGACACAACCTGTGGTTACTAAGGAAACTGCCATCTCCAAACTAGAAATGCCATCTTCCTTGATGTTGGAGGTACCTGCTCTGGCAGATTTCAACCGGGCTTGGACAGAACTTACCGACTGGCTTTCTCTGCTTGATCAAGTTATAAAATCACAGAGGGTGATGGTGGGTGACCTTGAGGATATCAACGAGATGATCATCAAGCAGAAG(配列番号31)
【0134】
Homo sapiensジストロフィン(DMD)、転写物バリアントDp427m、エクソン52(NCBI参照配列:NM_004006.2のヌクレオチド位置7787~7904)
GCAACAATGCAGGATTTGGAACAGAGGCGTCCCCAGTTGGAAGAACTCATTACCGCTGCCCAAAATTTGAAAAACAAGACCAGCAATCAAGAGGCTAGAACAATCATTACGGATCGAA(配列番号32)
【0135】
Homo sapiensジストロフィン(DMD)、転写物バリアントDp427m、エクソン53(NCBI参照配列:NM_004006.2のヌクレオチド位置7905~8116)
TTGAAAGAATTCAGAATCAGTGGGATGAAGTACAAGAACACCTTCAGAACCGGAGGCAACAGTTGAATGAAATGTTAAAGGATTCAACACAATGGCTGGAAGCTAAGGAAGAAGCTGAGCAGGTCTTAGGACAGGCCAGAGCCAAGCTTGAGTCATGGAAGGAGGGTCCCTATACAGTAGATGCAATCCAAAAGAAAATCACAGAAACCAAG(配列番号33)
【0136】
Homo sapiensジストロフィン(DMD)、転写物バリアントDp427m、エクソン55(NCBI参照配列:NM_004006.2のヌクレオチド位置8272~8461)
GGTGAGTGAGCGAGAGGCTGCTTTGGAAGAAACTCATAGATTACTGCAACAGTTCCCCCTGGACCTGGAAAAGTTTCTTGCCTGGCTTACAGAAGCTGAAACAACTGCCAATGTCCTACAGGATGCTACCCGTAAGGAAAGGCTCCTAGAAGACTCCAAGGGAGTAAAAGAGCTGATGAAACAATGGCAA(配列番号34)
【0137】
いくつかの態様において、DMDを標的とするために(例として、エクソンスキッピングのために)有用なオリゴヌクレオチドは、15~40(例として、15~40、15~35、15~30、15~25、15~20、20~40、20~35、20~30、20~25、25~40、25~35、25~30、25~28、28~30、30~40、30~32、32~35、30~35、または35~40)ヌクレオチド長である。いくつかの態様において、DMDを標的とするために(例として、エクソンスキッピングのために)有用なオリゴヌクレオチドは、15、16、17、18、19、20、21、22、23、24、25、26、27、28、29または30ヌクレオチド長、任意に、20~35、または30ヌクレオチド長である。
【0138】
いくつかの態様において、DMDを標的とするために(例として、エクソンスキッピングのために)有用なオリゴヌクレオチドは、DMD RNAに対して少なくとも8個(例として、少なくとも8、9、10、11、12、13、14、15、16、17、18、19、20、21、22、23、24、25、26、27、28、29または30個)の連続するヌクレオチドの相補性領域を含む。いくつかの態様において、DMDを標的とするために(例として、エクソンスキッピングのために)有用なオリゴヌクレオチドは、DMD RNAのエクソンに対して少なくとも8個(例として、少なくとも8、9、10、11、12、13、14、15、16、17、18、19、20、21、22、23、24、25、26、27、28、29または30個)の連続するヌクレオチドの相補性領域を含む。
【0139】
いくつかの態様において、DMDを標的とするために(例として、エクソンスキッピングのために)有用なオリゴヌクレオチドは、配列番号23~34のいずれか1つに記載のDMD配列に対して少なくとも8個(例として、少なくとも8、9、10、11、12、13、14、15、16、17、18、19、20、21、22、23、24、25、26、27、28、29または30個)の連続するヌクレオチドの相補性領域を含む。
【0140】
いくつかの態様において、DMDを標的とするために(例として、エクソンスキッピングのために)有用なオリゴヌクレオチドは、配列番号22(CTAGAAATGCCATCTTCCTTGATGTTGGAG)に記載の標的配列に対して少なくとも8個(例として、少なくとも8、9、10、11、12、13、14、15、16、17、18、19、20、21、22、23、24、25、26、27、28、29または30個)の連続するヌクレオチドの相補性領域を含む。いくつかの態様において、DMDを標的とするために(例として、エクソンスキッピングのために)有用なオリゴヌクレオチドは、配列番号21(CTCCAACATCAAGGAAGATGGCATTTCTAG)に記載の配列の少なくとも8個(例として、少なくとも8、9、10、11、12、13、14、15、16、17、18、19、20、21、22、23、24、25、26、27、28、29または30個)の連続するヌクレオチドを含む。
【0141】
いくつかの態様において、DMDを標的とするために(例として、エクソンスキッピングのために)有用なオリゴヌクレオチドは、配列番号21のヌクレオチド配列を含む。いくつかの態様において、本明細書に提供されるオリゴヌクレオチドのいずれか1個はPMOである。
【0142】
いくつかの態様において、C5位での核酸塩基ウラシルのメチル化は、チミンを形成することを理解されたい。したがって、いくつかの態様において、C5メチル化ウラシル(または5-メチル-ウラシル)を有するヌクレオチドまたはヌクレオシドは、チミンヌクレオチドまたはチミンヌクレオシドとして同等に同定され得る。
【0143】
いくつかの態様において、本明細書に提供されるオリゴヌクレオチド(例として、配列番号21に記載のオリゴヌクレオチド)のいずれか1個のチミン塩基(T)のうちのいずれか1以上は、独立してかつ任意にウラシル塩基(U)であり得、および/または本明細書に提供されるオリゴヌクレオチドのUのうちのいずれか1以上は、独立してかつ任意にTであり得る。
【0144】
組成物
いくつかの態様において、本明細書に記載される組成物は、それぞれが抗体のリジン(K)残基によって表される連結部位で1以上のオリゴヌクレオチド(例として、ホスホロジアミダートモルホリノオリゴマー(PMO))に共有結合される抗体(例として、抗TFR1抗体)を含む複合体(すなわち、複数の複合体)を含み、ここで抗体は、重鎖可変領域(VH)および重鎖定常領域を含む重鎖と、軽鎖可変領域(VL)および軽鎖定常領域を含む軽鎖とを含む。いくつかの態様において、そのような複合体の抗体は、表2または表3に示されるようなCDR-H1、CDR-H2、CDR-H3、CDR-L1、CDR-L2およびCDR-L3を含む。
【0145】
いくつかの態様において、組成物中の複合体の抗体の軽鎖定常領域は、各抗体の軽鎖定常領域のK188(Kabatナンバリングに基づく)によって表される連結部位および/またはK190(Kabatナンバリングに基づく)によって表される連結部位でオリゴヌクレオチドに独立して共有結合されている。例を挙げると、いくつかの態様において、連結部位は、各抗体の軽鎖定常領域のK188(Kabatナンバリングに基づく)によって表される。いくつかの態様において、連結部位は、各抗体の軽鎖定常領域のK190(Kabatナンバリングに基づく)によって表される。いくつかの態様において、連結部位は、各抗体の軽鎖定常領域のK188(Kabatナンバリングに基づく)およびK190(Kabatナンバリングに基づく)によって表される。いくつかの態様において、組成物中の複合体の抗体の軽鎖定常領域の少なくとも80%(例として、80%~98%、80%~95%、80%~90%、85%~98%、85%~95%、85%~90%、90%~98%、または90%~95%)が、各抗体の軽鎖定常領域のK188によって表される連結部位(Kabatナンバリングに基づく)および/またはK190によって表される連結部位(Kabatナンバリングに基づく)でオリゴヌクレオチドに独立して共有結合されている。いくつかの態様において、組成物中の複合体の抗体の重鎖定常領域が、各抗体の重鎖定常領域のK213(Kabatナンバリングに基づく)によって表される連結部位でオリゴヌクレオチドに独立して共有結合されている。いくつかの態様において、組成物中の複合体の抗体の重鎖定常領域の少なくとも15%(例として、15%~40%、15%~30%、15%~20%、20%~40%、20%~30%、または30%~40%)が、各抗体の重鎖定常領域のK213(Kabatナンバリングに基づく)によって表される連結部位でオリゴヌクレオチドに独立して共有結合されている。いくつかの態様において、組成物中の複合体の抗体の軽鎖定常領域は、各抗体の軽鎖定常領域の配列モチーフDYEKHKVYA(配列番号53)中のリジン(K)残基によって表される連結部位でオリゴヌクレオチドに独立して共有結合されている。例を挙げると、いくつかの態様において、複合体は、軽鎖定常領域の配列モチーフDYEKHKVYA(配列番号53)の4位のKによって表される連結部位でオリゴヌクレオチドと共有結合されている。いくつかの態様において、複合体は、軽鎖定常領域の配列モチーフDYEKHKVYA(配列番号53)の6位のKによって表される連結部位でオリゴヌクレオチドと共有結合されている。いくつかの態様において、複合体は、軽鎖定常領域の配列モチーフDYEKHKVYA(配列番号53)の4位のKで表される連結部位および6位のKによって表される連結部位でオリゴヌクレオチドと共有結合されている。いくつかの態様において、組成物中の複合体の抗体の軽鎖定常領域の少なくとも80%(例として、80%~98%、80%~95%、80%~90%、85%~98%、85%~95%、85%~90%、90%~98%、または90%~95%)は、各抗体の軽鎖定常領域の配列モチーフDYEKHKVYA(配列番号53)中のリジン(K)残基によって表される連結部位でオリゴヌクレオチドに独立して共有結合されている。いくつかの態様において、組成物中の複合体の抗体の重鎖定常領域が、各抗体の重鎖定常領域の配列配列モチーフVNHKPSN(配列番号58)中のリジン(K)残基によって表される連結部位でオリゴヌクレオチドに独立して共有結合されている。いくつかの態様において、組成物中の複合体の抗体の重鎖定常領域の少なくとも15%(例として、15%~40%、15%~30%、15%~20%、20%~40%、20%~30%、または30%~40%)が、各抗体の重鎖定常領域のモチーフVNHKPSN(配列番号58)中のリジン(K)残基によって表される連結部位でオリゴヌクレオチドに独立して共有結合されている。いくつかの態様において、抗体は抗TfR1 Fabである。
【0146】
いくつかの態様において、本明細書に記載の組成物は、複合体(すなわち、複数の複合体)を含み、各複合体が式(I):[R1]n1-R2のものであり、式中、各R1は、独立して、オリゴヌクレオチド(例として、PMO)を含む化合物を含み、R2に共有結合されており、式中R2は、重鎖可変領域(VH)および重鎖定常領域を含む重鎖と、軽鎖可変領域(VL)および軽鎖定常領域を含む軽鎖とを含む抗体(例として、抗TfR1抗体)を含む。いくつかの態様において、各R1は、抗体のリジン(K)残基によって表される連結部位を介してR2に共有結合されている。いくつかの態様において、組成物中の複合体の抗体の軽鎖定常領域の少なくとも80%(例として、80%~98%、80%~95%、80%~90%、85%~98%、85%~95%、85%~90%、90%~98%、または90%~95%)が、各抗体の軽鎖定常領域のK188によって表される連結部位(Kabatナンバリングに基づく)および/またはK190によって表される連結部位(Kabatナンバリングに基づく)でR1に独立して共有結合されている。いくつかの態様において、組成物中の複合体の抗体の重鎖定常領域の少なくとも15%(例として、15%~40%、15%~30%、15%~20%、20%~40%、20%~30%、または30%~40%)が、各抗体の重鎖定常領域のK213(Kabatナンバリングに基づく)によって表される連結部位でオリゴヌクレオチドに独立して共有結合されている。いくつかの態様において、各R1は、抗体のリジン(K)残基によって表される連結部位を介してR2に共有結合されている。いくつかの態様において、組成物中の複合体の抗体の軽鎖定常領域の少なくとも80%(例として、80%~98%、80%~95%、80%~90%、85%~98%、85%~95%、85%~90%、90%~98%、または90%~95%)は、各抗体の軽鎖定常領域の配列モチーフDYEKHKVYA(配列番号53)中のリジン(K)残基によって表される連結部位でR1に独立して共有結合されている。いくつかの態様において、組成物中の複合体の抗体の重鎖定常領域の少なくとも15%(例として、15%~40%、15%~30%、15%~20%、20%~40%、20%~30%、または30%~40%)が、各抗体の重鎖定常領域のモチーフVNHKPSN(配列番号58)中のリジン(K)残基によって表される連結部位でオリゴヌクレオチドに独立して共有結合されている。いくつかの態様において、それぞれの複合体において、n1は独立して、それぞれの複合体におけるR1の実例の数を表す1以上の整数である。
【0147】
いくつかの態様において、組成物中の各複合体のn1の値は、独立してかつ任意に、1から、抗体(R2)内のコンジュゲーションが所望されるかまたは標的とされるアミノ酸残基の数(例として、リジン残基の数)までの整数である。いくつかの態様において、組成物中の各複合体のn1の値は、独立してかつ任意に、1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、16、17、18、19、20、21、22、23、24、25、26および27から選択される。いくつかの態様において、組成物中の各複合体のn1の値は、独立してかつ任意に、1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、16、17、18、19、20、21、22、23、24、25および26から選択される。いくつかの態様において、組成物中の各複合体のn1の値は、独立してかつ任意に、1~27、1~26、1~10、1~5、または1~3の範囲内の整数から選択される。いくつかの態様において、組成物の複合体のn1の平均値は、1~3、1~5、1~10、1~26、または1~27の範囲内である。いくつかの態様において、組成物の複合体のn1の平均値は、1~10の範囲内(例として、1~10、1~5、1~4、1~3、3~10、3~5、または5~10)である。
【0148】
いくつかの態様において、本明細書に記載の組成物は、(例として、微量の)非コンジュゲート抗体と、1以上のオリゴヌクレオチドにコンジュゲートされた抗体とを含む。いくつかの態様において、非コンジュゲート抗体は、式(I):[R1]n1-R2の構造の化合物と呼ばれ得、式中、n1は0である。したがって、いくつかの態様において、本明細書に記載の方法では、対象へ投与するための組成物は、式(I):[R1]n1-R2の構造の化合物(例として、複合体)を含み、式中各R1は、独立して、オリゴヌクレオチドを含む基を含み、R2は、抗体を含み、n1は、独立して、各化合物(例として、複合体)内のR1の実例の数を反映する0以上の整数である。いくつかの態様において、n1が1以上である組成物のその構造のあらゆる化合物と比較した、n1が0である組成物の式(I):[R1]n1-R2の構造の化合物の割合は、10%未満、5%未満、1%未満0.5%未満、0.1%未満、0.05%未満または0.01%未満である。
【0149】
いくつかの態様において、本明細書に記載の組成物は、式(I):[R
1]
n1-R
2の構造を含む複合体を含み、本明細書に提供される組成物の複合体中の各R
1は、独立して(Ia)の基を含み:
【化16】
(Ia)、
式中、R
3はオリゴヌクレオチド、例としてホスホロジアミダートモルホリノオリゴマー(PMO)であり;R
2は、重鎖可変領域(VH)および重鎖定常領域を含む重鎖と、軽鎖可変領域(VL)および軽鎖定常領域を含む軽鎖とを含む抗体を含み、式中各複合体において、n1は独立して、各複合体におけるR
1の実例の数を表す整数(例として、1以上の)であり、各R
1は、抗体のリジン(K)残基によって表される連結部位を介して結合点AでR
2に共有結合されている。いくつかの態様において、組成物中の複合体の抗体の軽鎖定常領域は、各抗体の軽鎖定常領域のK188(Kabatナンバリングに基づく)によって表される連結部位および/またはK190(Kabatナンバリングに基づく)によって表される連結部位でオリゴヌクレオチドに独立して共有結合されている。例を挙げると、いくつかの態様において、連結部位は、各抗体の軽鎖定常領域のK188(Kabatナンバリングに基づく)によって表される。いくつかの態様において、連結部位は、各抗体の軽鎖定常領域のK190(Kabatナンバリングに基づく)によって表される。いくつかの態様において、連結部位は、各抗体の軽鎖定常領域のK188(Kabatナンバリングに基づく)およびK190(Kabatナンバリングに基づく)によって表される。いくつかの態様において、組成物中の複合体の抗体の軽鎖定常領域の少なくとも80%(例として、80%~98%、80%~95%、80%~90%、85%~98%、85%~95%、85%~90%、90%~98%、または90%~95%)が、各抗体の軽鎖定常領域のK188によって表される連結部位(Kabatナンバリングに基づく)および/またはK190によって表される連結部位(Kabatナンバリングに基づく)でR
1に独立して共有結合されている。いくつかの態様において、組成物中の複合体の抗体の重鎖定常領域の少なくとも15%(例として、15%~40%、15%~30%、15%~20%、20%~40%、20%~30%、または30%~40%)が、各抗体の重鎖定常領域のK213(Kabatナンバリングに基づく)によって表される連結部位でオリゴヌクレオチドに独立して共有結合されている。いくつかの態様において、R
2は、表2に記載の配列を含む抗TfR1抗体(例として、Fab)を含む。例を挙げると、いくつかの態様において、R
2は、配列番号1、7もしくは12に記載の配列を含む重鎖相補性決定領域1(CDR-H1)、配列番号2、8もしくは13に記載の配列を含む重鎖相補性決定領域2(CDR-H2)、配列番号3、9もしくは14に記載の配列を含む重鎖相補性決定領域3(CDR-H3)を含み;および/または配列番号4、10もしくは15に記載の配列を含む軽鎖相補性決定領域1(CDR-L1)と、配列番号5もしくは11に記載の配列を含む軽鎖相補性決定領域2(CDR-L2)と、配列番号6もしくは16に記載の配列を含む軽鎖相補性決定領域3(CDR-L3)とを含む抗TfR1抗体(例として、Fab)を含む。いくつかの態様において、R
2は、配列番号17と少なくとも85%(例として、少なくとも95%)同一のアミノ酸配列を含む重鎖可変領域(VH)を含み、および/または配列番号18と少なくとも85%(例として、少なくとも95%)同一のアミノ酸配列を含む軽鎖可変領域(VL)を含む抗TfR1抗体(例として、Fab)を含む。いくつかの態様において、R
2は、配列番号17のアミノ酸配列を含むVH、および/または配列番号18のアミノ酸配列を含むVLを含む抗TfR1抗体(例として、Fab)を含む。いくつかの態様において、R
2は、配列番号19と少なくとも85%(例として、少なくとも95%)同一のアミノ酸配列を含む重鎖を含み、および/または配列番号20と少なくとも85%(例として、少なくとも95%)同一のアミノ酸配列を含む軽鎖を含む抗TfR1抗体(例として、Fab)を含む。いくつかの態様において、R
2は、配列番号19のアミノ酸配列を含む重鎖を含み、および/または配列番号20のアミノ酸配列を含む軽鎖を含む抗TfR1抗体(例として、Fab)を含む。いくつかの態様において、R
2は、Fab断片、完全長IgG、Fab'断片、F(ab')2断片、scFvまたはFvである抗体(例として、Fab)を含む。いくつかの態様において、R
2は、Fab断片である抗体を含む。いくつかの態様において、R
3は、オリゴヌクレオチド、例として、CTCCAACATCAAGGAAGATGGCATTTCTAG(配列番号21)の塩基配列を含むホスホロジアミダートモルホリノオリゴマー(PMO)である。いくつかの態様において、各複合体では、n1は、独立して、整数(例として、1~27、1~26、1~10、1~5、または1~3の範囲内の整数)である。いくつかの態様において、組成物の複合体のn1の平均値は、1~10の範囲内(例として、1~10、1~5、1~4、1~3、3~10、3~5、または5~10)である。いくつかの態様において、本明細書に記載の組成物は、式(I):[R
1]
n1-R
2の構造を含む複合体を含み、式中、n1は0である。
【0150】
いくつかの態様において、本明細書に記載の組成物は、式(I):[R
1]
n1-R
2の構造を含む複合体を含み、本明細書に提供される組成物の複合体中のR
1の各実例は、式(Ib)の基を含み:
【化17】
(Ib)、
式中、-pは、ホスホロジアミダートモルホリノオリゴマー(PMO)のホスホロジアミダート連結であり、ここでPMOは、CTCCAACATCAAGGAAGATGGCATTTCTAG(配列番号21)の塩基配列を含み、R
2は、重鎖可変領域(VH)および重鎖定常領域を含む重鎖と、軽鎖可変領域(VL)および軽鎖定常領域を含む軽鎖とを含む抗体を含み、式中各複合体において、n1は独立して、各複合体におけるR
1の実例の数を表す整数(例として、1以上の)であり、各R
1は、抗体のリジン(K)残基によって表される連結部位を介して結合点AでR
2に共有結合されている。いくつかの態様において、組成物中の複合体の抗体の軽鎖定常領域は、各抗体の軽鎖定常領域のK188(Kabatナンバリングに基づく)によって表される連結部位および/またはK190(Kabatナンバリングに基づく)によって表される連結部位でオリゴヌクレオチドに独立して共有結合されている。例を挙げると、いくつかの態様において、連結部位は、各抗体の軽鎖定常領域のK188(Kabatナンバリングに基づく)によって表される。いくつかの態様において、連結部位は、各抗体の軽鎖定常領域のK190(Kabatナンバリングに基づく)によって表される。いくつかの態様において、連結部位は、各抗体の軽鎖定常領域のK188(Kabatナンバリングに基づく)およびK190(Kabatナンバリングに基づく)によって表される。いくつかの態様において、組成物中の複合体の抗体の軽鎖定常領域の少なくとも80%(例として、80%~98%、80%~95%、80%~90%、85%~98%、85%~95%、85%~90%、90%~98%、または90%~95%)が、各抗体の軽鎖定常領域のK188によって表される連結部位(Kabatナンバリングに基づく)および/またはK190によって表される連結部位(Kabatナンバリングに基づく)でR
1に独立して共有結合されている。いくつかの態様において、組成物中の複合体の抗体の重鎖定常領域の少なくとも15%(例として、15%~40%、15%~30%、15%~20%、20%~40%、20%~30%、または30%~40%)が、各抗体の重鎖定常領域のK213(Kabatナンバリングに基づく)によって表される連結部位でオリゴヌクレオチドに独立して共有結合されている。いくつかの態様において、R
2は、表2に記載の配列を含む抗TfR1抗体(例として、Fab)を含む。例を挙げると、いくつかの態様において、R
2は、配列番号1、7もしくは12に記載の配列を含む重鎖相補性決定領域1(CDR-H1)、配列番号2、8もしくは13に記載の配列を含む重鎖相補性決定領域2(CDR-H2)、配列番号3、9もしくは14に記載の配列を含む重鎖相補性決定領域3(CDR-H3)を含み;および/または配列番号4、10もしくは15に記載の配列を含む軽鎖相補性決定領域1(CDR-L1)と、配列番号5もしくは11に記載の配列を含む軽鎖相補性決定領域2(CDR-L2)と、配列番号6もしくは16に記載の配列を含む軽鎖相補性決定領域3(CDR-L3)とを含む抗TfR1抗体(例として、Fab)を含む。いくつかの態様において、R
2は、配列番号17と少なくとも85%(例として、少なくとも95%)同一のアミノ酸配列を含む重鎖可変領域(VH)を含み、および/または配列番号18と少なくとも85%(例として、少なくとも95%)同一のアミノ酸配列を含む軽鎖可変領域(VL)を含む抗TfR1抗体(例として、Fab)を含む。いくつかの態様において、R
2は、配列番号17のアミノ酸配列を含むVH、および/または配列番号18のアミノ酸配列を含むVLを含む抗TfR1抗体(例として、Fab)を含む。いくつかの態様において、R
2は、配列番号19と少なくとも85%(例として、少なくとも95%)同一のアミノ酸配列を含む重鎖を含み、および/または配列番号20と少なくとも85%(例として、少なくとも95%)同一のアミノ酸配列を含む軽鎖を含む抗TfR1抗体(例として、Fab)を含む。いくつかの態様において、R
2は、配列番号19のアミノ酸配列を含む重鎖を含み、および/または配列番号20のアミノ酸配列を含む軽鎖を含む抗TfR1抗体(例として、Fab)を含む。いくつかの態様において、R
2は、Fab断片、完全長IgG、Fab'断片、F(ab')2断片、scFvまたはFvである抗体を含む。いくつかの態様において、R
2は、Fab断片である抗体を含む。いくつかの態様において、各複合体では、n1は、独立して、整数(例として、1~27、1~26、1~10、1~5、または1~3の範囲内の整数)である。いくつかの態様において、組成物の複合体のn1の平均値は、1~10の範囲内(例として、1~10、1~5、1~4、1~3、3~10、3~5、または5~10)である。いくつかの態様において、本明細書に記載の組成物は、式(I):[R
1]
n1-R
2の構造を含む複合体をさらに含み、式中、n1は0である。
【0151】
いくつかの態様において、本明細書に記載の組成物は、式(I):[R
1]
n1-R
2の構造を含む複合体を含み、本明細書に提供される組成物の複合体中の各実例R
1は、式(Ic)の基を含み:
【化18】
(Ic)、
R
2は、重鎖可変領域(VH)および重鎖定常領域を含む重鎖と、軽鎖可変領域(VL)および軽鎖定常領域を含む軽鎖とを含む抗体を含み、各複合体において、n1は独立して、各複合体におけるR
1の実例の数を表す整数(例として、1以上の)であり、各R
1は、抗体のリジン(K)残基によって表される連結部位を介して結合点AでR
2に共有結合されている。いくつかの態様において、組成物中の複合体の抗体の軽鎖定常領域は、各抗体の軽鎖定常領域のK188(Kabatナンバリングに基づく)によって表される連結部位および/またはK190(Kabatナンバリングに基づく)によって表される連結部位でオリゴヌクレオチドに独立して共有結合されている。例を挙げると、いくつかの態様において、連結部位は、各抗体の軽鎖定常領域のK188(Kabatナンバリングに基づく)によって表される。いくつかの態様において、連結部位は、各抗体の軽鎖定常領域のK190(Kabatナンバリングに基づく)によって表される。いくつかの態様において、連結部位は、各抗体の軽鎖定常領域のK188(Kabatナンバリングに基づく)およびK190(Kabatナンバリングに基づく)によって表される。いくつかの態様において、組成物中の複合体の抗体の軽鎖定常領域の少なくとも80%(例として、80%~98%、80%~95%、80%~90%、85%~98%、85%~95%、85%~90%、90%~98%、または90%~95%)が、各抗体の軽鎖定常領域のK188によって表される連結部位(Kabatナンバリングに基づく)および/またはK190によって表される連結部位(Kabatナンバリングに基づく)でR
1に独立して共有結合されている。いくつかの態様において、組成物中の複合体の抗体の重鎖定常領域の少なくとも15%(例として、15%~40%、15%~30%、15%~20%、20%~40%、20%~30%、または30%~40%)が、各抗体の重鎖定常領域のK213(Kabatナンバリングに基づく)によって表される連結部位でオリゴヌクレオチドに独立して共有結合されている。いくつかの態様において、R
2は、表2に記載の配列を含む抗TfR1抗体(例として、Fab)を含む。例を挙げると、いくつかの態様において、R
2は、配列番号1、7もしくは12に記載の配列を含む重鎖相補性決定領域1(CDR-H1)、配列番号2、8もしくは13に記載の配列を含む重鎖相補性決定領域2(CDR-H2)、配列番号3、9もしくは14に記載の配列を含む重鎖相補性決定領域3(CDR-H3)を含み;および/または配列番号4、10もしくは15に記載の配列を含む軽鎖相補性決定領域1(CDR-L1)と、配列番号5もしくは11に記載の配列を含む軽鎖相補性決定領域2(CDR-L2)と、配列番号6もしくは16に記載の配列を含む軽鎖相補性決定領域3(CDR-L3)とを含む抗TfR1抗体(例として、Fab)を含む。いくつかの態様において、R
2は、配列番号17と少なくとも85%(例として、少なくとも95%)同一のアミノ酸配列を含む重鎖可変領域(VH)を含み、および/または配列番号18と少なくとも85%(例として、少なくとも95%)同一のアミノ酸配列を含む軽鎖可変領域(VL)を含む抗TfR1抗体(例として、Fab)を含む。いくつかの態様において、R
2は、配列番号17のアミノ酸配列を含むVH、および/または配列番号18のアミノ酸配列を含むVLを含む抗TfR1抗体(例として、Fab)を含む。いくつかの態様において、R
2は、配列番号19と少なくとも85%(例として、少なくとも95%)同一のアミノ酸配列を含む重鎖を含み、および/または配列番号20と少なくとも85%(例として、少なくとも95%)同一のアミノ酸配列を含む軽鎖を含む抗TfR1抗体(例として、Fab)を含む。いくつかの態様において、R
2は、配列番号19のアミノ酸配列を含む重鎖を含み、および/または配列番号20のアミノ酸配列を含む軽鎖を含む抗TfR1抗体(例として、Fab)を含む。いくつかの態様において、R
2は、Fab断片、完全長IgG、Fab'断片、F(ab')2断片、scFvまたはFvである抗体を含む。いくつかの態様において、R
2は、Fab断片である抗体を含む。いくつかの態様において、各複合体では、n1は、独立して、整数(例として、1~27、1~26、1~10、1~5、または1~3の範囲内の整数)である。いくつかの態様において、組成物の複合体のn1の平均値は、1~10の範囲内(例として、1~10、1~5、1~4、1~3、3~10、3~5、または5~10)である。いくつかの態様において、本明細書に記載の組成物は、式(I):[R
1]
n1-R
2の構造を含む複合体をさらに含み、式中、n1は0である。
【0152】
いくつかの態様において、本明細書に記載の組成物は、式(Id)の構造を含む複合体を含み:
【化19】
(Id)、
式中、-pは、ホスホロジアミダートモルホリノオリゴマー(PMO)のホスホロジアミダート連結であり、ここでPMOは、CTCCAACATCAAGGAAGATGGCATTTCTAG(配列番号21)の塩基配列を含み;式中、R
2は、表2から選択されるCDR-H1、CDR-H2、CDR-H3、CDR-L1、CDR-L2およびCDR-L3を含む抗TfR1抗体(例として、Fab)を含み、任意に、式中、抗TfR1抗体(例として、Fab)は、配列番号17のアミノ酸配列を含むVHと、配列番号18のアミノ酸配列を含むVLとを含み、さらに任意に、式中、抗TfR1抗体(例として、Fab)は、配列番号19のアミノ酸配列を含む重鎖と、配列番号20のアミノ酸配列を含む軽鎖とを含み;および式中、各複合体では、n1は、独立して、角括弧によって囲まれた基の実例の数を表す(例として、1以上の)整数であり、式中、角括弧によって囲まれた基の各実例は、抗体(例として、Fab)のリジン(K)によって表される連結部位に共有結合される。いくつかの態様において、組成物中の複合体の抗体の軽鎖定常領域は、各抗体の軽鎖定常領域のK188(Kabatナンバリングに基づく)によって表される連結部位および/またはK190(Kabatナンバリングに基づく)によって表される連結部位でオリゴヌクレオチドに独立して共有結合されている。例を挙げると、いくつかの態様において、連結部位は、各抗体の軽鎖定常領域のK188(Kabatナンバリングに基づく)によって表される。いくつかの態様において、連結部位は、各抗体の軽鎖定常領域のK190(Kabatナンバリングに基づく)によって表される。いくつかの態様において、連結部位は、各抗体の軽鎖定常領域のK188(Kabatナンバリングに基づく)およびK190(Kabatナンバリングに基づく)によって表される。いくつかの態様において、組成物中の複合体の抗体(例として、Fab)の軽鎖定常領域の少なくとも80%(例として、80%~98%、80%~95%、80%~90%、85%~98%、85%~95%、85%~90%、90%~98%、または90%~95%)が、各抗体の軽鎖定常領域のK188によって表される連結部位(Kabatナンバリングに基づく)および/またはK190によって表される連結部位(Kabatナンバリングに基づく)でR
1に独立して共有結合されている。いくつかの態様において、組成物中の複合体の抗体の重鎖定常領域の少なくとも15%(例として、15%~40%、15%~30%、15%~20%、20%~40%、20%~30%、または30%~40%)が、各抗体の重鎖定常領域のK213(Kabatナンバリングに基づく)によって表される連結部位でオリゴヌクレオチドに独立して共有結合されている。いくつかの態様において、R
2は、表2に記載の配列を含む抗体(例として、Fab)を含む。例を挙げると、いくつかの態様において、R
2は、配列番号1、7もしくは12に記載の配列を含む重鎖相補性決定領域1(CDR-H1)、配列番号2、8もしくは13に記載の配列を含む重鎖相補性決定領域2(CDR-H2)、配列番号3、9もしくは14に記載の配列を含む重鎖相補性決定領域3(CDR-H3)を含み;および/または配列番号4、10もしくは15に記載の配列を含む軽鎖相補性決定領域1(CDR-L1)と、配列番号5もしくは11に記載の配列を含む軽鎖相補性決定領域2(CDR-L2)と、配列番号6もしくは16に記載の配列を含む軽鎖相補性決定領域3(CDR-L3)とを含む抗体(例として、Fab)を含む。いくつかの態様において、R
2は、配列番号17と少なくとも85%(例として、少なくとも95%)同一のアミノ酸配列を含む重鎖可変領域(VH)を含み、および/または配列番号18と少なくとも85%(例として、少なくとも95%)同一のアミノ酸配列を含む軽鎖可変領域(VL)を含む抗体(例として、Fab)を含む。いくつかの態様において、R
2は、配列番号17のアミノ酸配列を含むVH、および/または配列番号18のアミノ酸配列を含むVLを含む抗体(例として、Fab)を含む。いくつかの態様において、R
2は、配列番号19と少なくとも85%(例として、少なくとも95%)同一のアミノ酸配列を含む重鎖を含み、および/または配列番号20と少なくとも85%(例として、少なくとも95%)同一のアミノ酸配列を含む軽鎖を含む抗体(例として、Fab)を含む。いくつかの態様において、R
2は、配列番号19のアミノ酸配列を含む重鎖を含み、および/または配列番号20のアミノ酸配列を含む軽鎖を含む抗体(例として、Fab)を含む。いくつかの態様において、各複合体では、n1は、独立して、整数(例として、1~27、1~26、1~10、1~5、または1~3の範囲内の整数)である。いくつかの態様において、各複合体では、n1は、独立して、1以上の整数である。いくつかの態様において、組成物の複合体のn1の平均値は、1~10の範囲内(例として、1~10、1~5、1~4、1~3、3~10、3~5、または5~10)である。いくつかの態様において、本明細書において記載される組成物は、n1が0である複合体をさらに含む。
【0153】
いくつかの態様において、本明細書に記載される組成物は、以下の構造を含み:
【化20】
(A)、
ここで、yは0~15(例として、3)であり、zは0~15(例として、4)である。いくつかの態様において、抗体は、重鎖可変領域(VH)および重鎖定常領域を含む重鎖と、軽鎖可変領域(VL)および軽鎖定常領域を含む軽鎖とを含むan-TfR1抗体(例として、表2に提供される抗TfR1抗体)である。いくつかの態様において、オリゴヌクレオチドは、PMOであり、配列番号21の塩基配列を含む。いくつかの態様において、構造内で抗体に隣接して示されるアミドは、抗体のアミン、例えば、リジンイプシロンアミンなどとの反応から生じる。いくつかの態様において、本明細書に記載される複合体は、抗体のリジン(K)残基によって表される連結部位を介してPMOの5'末端に共有結合された抗TfR1 Fabを含む。いくつかの態様において、組成物中の複合体の抗体の軽鎖定常領域は、各抗体の軽鎖定常領域のK188(Kabatナンバリングに基づく)によって表される連結部位および/またはK190(Kabatナンバリングに基づく)によって表される連結部位でオリゴヌクレオチドに独立して共有結合されている。例を挙げると、いくつかの態様において、連結部位は、各抗体の軽鎖定常領域のK188(Kabatナンバリングに基づく)によって表される。いくつかの態様において、連結部位は、各抗体の軽鎖定常領域のK190(Kabatナンバリングに基づく)によって表される。いくつかの態様において、連結部位は、各抗体の軽鎖定常領域のK188(Kabatナンバリングに基づく)およびK190(Kabatナンバリングに基づく)によって表される。いくつかの態様において、組成物中の複合体の抗体の軽鎖定常領域の少なくとも80%(例として、80%~98%、80%~95%、80%~90%、85%~98%、85%~95%、85%~90%、90%~98%、または90%~95%)が、各抗体の軽鎖定常領域のK188によって表される連結部位(Kabatナンバリングに基づく)および/またはK190によって表される連結部位(Kabatナンバリングに基づく)でR
1に独立して共有結合されている。いくつかの態様において、組成物中の複合体の抗体の重鎖定常領域の少なくとも15%(例として、15%~40%、15%~30%、15%~20%、20%~40%、20%~30%、または30%~40%)が、各抗体の重鎖定常領域のK213(Kabatナンバリングに基づく)によって表される連結部位でオリゴヌクレオチドに独立して共有結合されている。いくつかの態様において、抗TfR1抗体は、表2に記載の配列を含む。例を挙げると、いくつかの態様において、抗体は、配列番号1、7もしくは12に記載の配列を含む重鎖相補性決定領域1(CDR-H1)、配列番号2、8もしくは13に記載の配列を含む重鎖相補性決定領域2(CDR-H2)、配列番号3、9もしくは14に記載の配列を含む重鎖相補性決定領域3(CDR-H3)を含み;および/または配列番号4、10もしくは15に記載の配列を含む軽鎖相補性決定領域1(CDR-L1)と、配列番号5もしくは11に記載の配列を含む軽鎖相補性決定領域2(CDR-L2)と、配列番号6もしくは16に記載の配列を含む軽鎖相補性決定領域3(CDR-L3)とを含む。いくつかの態様において、抗体は、配列番号17と少なくとも85%(例として、少なくとも95%)同一のアミノ酸配列を含む重鎖可変領域(VH)を含み、および/または配列番号18と少なくとも85%(例として、少なくとも95%)同一のアミノ酸配列を含む軽鎖可変領域(VL)を含む。いくつかの態様において、抗TfR1抗体は、配列番号17のアミノ酸配列を含むVHを含み、および/または配列番号18のアミノ酸配列を含むVLを含む。いくつかの態様において、抗TfR1抗体は、配列番号19と少なくとも85%(例として、少なくとも95%)同一のアミノ酸配列を含む重鎖を含み、および/または配列番号20と少なくとも85%(例として、少なくとも95%)同一のアミノ酸配列を含む軽鎖を含む。いくつかの態様において、抗TfR1抗体は、配列番号19のアミノ酸配列を含む重鎖を含み、および/または配列番号20のアミノ酸配列を含む軽鎖を含む。いくつかの態様において、抗体は、Fab断片、完全長IgG、Fab'断片、F(ab')2断片、scFvまたはFvである。
【0154】
いくつかの態様において、本明細書に記載の組成物は、式(I):[R
1]
n1-R
2の構造を含む複合体を含み、本明細書に提供される組成物の複合体中の各R
1は、独立して式(Ia)の基を含み:
【化21】
(Ia)、
式中、R
3はオリゴヌクレオチド、例としてホスホロジアミダートモルホリノオリゴマー(PMO)であり;R
2は、重鎖可変領域(VH)および重鎖定常領域を含む重鎖と、軽鎖可変領域(VL)および軽鎖定常領域を含む軽鎖とを含む抗体を含み、式中各複合体において、n1は独立して、各複合体におけるR
1の実例の数を表す整数(例として、1以上の)であり、各R
1は、抗体のリジン(K)残基によって表される連結部位を介して結合点AでR
2に共有結合されている。いくつかの態様において、組成物中の複合体の抗体の軽鎖定常領域は、各抗体の軽鎖定常領域の配列モチーフDYEKHKVYA(配列番号53)中のリジン(K)残基によって表される連結部位でオリゴヌクレオチドに独立して共有結合されている。例を挙げると、いくつかの態様において、連結部位は、各抗体の軽鎖定常領域の配列モチーフDYEKHKVYA(配列番号53)の4位のKによって表される。いくつかの態様において、連結部位は、各抗体の軽鎖定常領域の配列モチーフDYEKHKVYA(配列番号53)の6位のKによって表される。いくつかの態様において、連結部位は、各抗体の軽鎖定常領域の配列モチーフDYEKHKVYA(配列番号53)の4位のKおよび6位のKによって表される。いくつかの態様において、組成物中の複合体の抗体の軽鎖定常領域の少なくとも80%(例として、80%~98%、80%~95%、80%~90%、85%~98%、85%~95%、85%~90%、90%~98%、または90%~95%)は、各抗体の軽鎖定常領域の配列モチーフDYEKHKVYA(配列番号53)中のリジン(K)残基によって表される連結部位でオリゴヌクレオチドに独立して共有結合されている。いくつかの態様において、組成物中の複合体の抗体の重鎖定常領域の少なくとも15%(例として、15%~40%、15%~30%、15%~20%、20%~40%、20%~30%、または30%~40%)が、各抗体の重鎖定常領域の配列モチーフVNHKPSN(配列番号58)中のリジン(K)残基によって表される連結部位でオリゴヌクレオチドに独立して共有結合されている。いくつかの態様において、R
2は、表2に記載の配列を含む抗TfR1抗体(例として、Fab)を含む。例を挙げると、いくつかの態様において、R
2は、配列番号1、7もしくは12に記載の配列を含む重鎖相補性決定領域1(CDR-H1)、配列番号2、8もしくは13に記載の配列を含む重鎖相補性決定領域2(CDR-H2)、配列番号3、9もしくは14に記載の配列を含む重鎖相補性決定領域3(CDR-H3)を含み;および/または配列番号4、10もしくは15に記載の配列を含む軽鎖相補性決定領域1(CDR-L1)と、配列番号5もしくは11に記載の配列を含む軽鎖相補性決定領域2(CDR-L2)と、配列番号6もしくは16に記載の配列を含む軽鎖相補性決定領域3(CDR-L3)とを含む抗TfR1抗体(例として、Fab)を含む。いくつかの態様において、R
2は、配列番号17と少なくとも85%(例として、少なくとも95%)同一のアミノ酸配列を含む重鎖可変領域(VH)を含み、および/または配列番号18と少なくとも85%(例として、少なくとも95%)同一のアミノ酸配列を含む軽鎖可変領域(VL)を含む抗TfR1抗体(例として、Fab)を含む。いくつかの態様において、R
2は、配列番号17のアミノ酸配列を含むVHを含み、および/または配列番号18のアミノ酸配列を含むVLを含む抗TfR1抗体を含む。いくつかの態様において、R
2は、配列番号19と少なくとも85%(例として、少なくとも95%)同一のアミノ酸配列を含む重鎖を含み、および/または配列番号20と少なくとも85%(例として、少なくとも95%)同一のアミノ酸配列を含む軽鎖を含む抗TfR1抗体(例として、Fab)を含む。いくつかの態様において、R
2は、配列番号19のアミノ酸配列を含む重鎖を含み、および/または配列番号20のアミノ酸配列を含む軽鎖を含む抗TfR1抗体(例として、Fab)を含む。いくつかの態様において、R
2は、Fab断片、完全長IgG、Fab'断片、F(ab')2断片、scFvまたはFvである抗体を含む。いくつかの態様において、R
2は、Fab断片である抗体を含む。いくつかの態様において、R
3は、オリゴヌクレオチド、例として、CTCCAACATCAAGGAAGATGGCATTTCTAG(配列番号21)の塩基配列を含むホスホロジアミダートモルホリノオリゴマー(PMO)である。いくつかの態様において、各複合体では、n1は、独立して、整数(例として、1~27、1~26、1~10、1~5、または1~3の範囲内の整数)である。いくつかの態様において、組成物の複合体のn1の平均値は、1~10の範囲内(例として、1~10、1~5、1~4、1~3、3~10、3~5、または5~10)である。いくつかの態様において、本明細書に記載の組成物は、式(I):[R
1]
n1-R
2の構造を含む複合体を含み、式中、n1は0である。
【0155】
いくつかの態様において、本明細書に記載の組成物は、式(I):[R
1]
n1-R
2の構造を含む複合体を含み、本明細書に提供される組成物の複合体中のR
1の各実例は、式(Ib)の基を含み:
【化22】
(Ib)、
式中、-pは、ホスホロジアミダートモルホリノオリゴマー(PMO)のホスホロジアミダート連結であり、ここでPMOは、CTCCAACATCAAGGAAGATGGCATTTCTAG(配列番号21)の塩基配列を含み、R
2は、重鎖可変領域(VH)および重鎖定常領域を含む重鎖と、軽鎖可変領域(VL)および軽鎖定常領域を含む軽鎖とを含む抗体を含み、式中各複合体において、n1は独立して、各複合体におけるR
1の実例の数を表す整数(例として、1以上の)であり、各R
1は、抗体のリジン(K)残基によって表される連結部位を介して結合点AでR
2に共有結合されている。いくつかの態様において、組成物中の複合体の抗体の軽鎖定常領域は、各抗体の軽鎖定常領域の配列モチーフDYEKHKVYA(配列番号53)中のリジン(K)残基によって表される連結部位でオリゴヌクレオチドに独立して共有結合されている。例を挙げると、いくつかの態様において、連結部位は、各抗体の軽鎖定常領域の配列モチーフDYEKHKVYA(配列番号53)の4位のKによって表される。いくつかの態様において、連結部位は、各抗体の軽鎖定常領域の配列モチーフDYEKHKVYA(配列番号53)の6位のKによって表される。いくつかの態様において、連結部位は、各抗体の軽鎖定常領域の配列モチーフDYEKHKVYA(配列番号53)の4位のKおよび6位のKによって表される。いくつかの態様において、組成物中の複合体の抗体の軽鎖定常領域の少なくとも80%(例として、80%~98%、80%~95%、80%~90%、85%~98%、85%~95%、85%~90%、90%~98%、または90%~95%)は、各抗体の軽鎖定常領域の配列モチーフDYEKHKVYA(配列番号53)中のリジン(K)残基によって表される連結部位でオリゴヌクレオチドに独立して共有結合されている。いくつかの態様において、組成物中の複合体の抗体の重鎖定常領域の少なくとも15%(例として、15%~40%、15%~30%、15%~20%、20%~40%、20%~30%、または30%~40%)が、各抗体の重鎖定常領域の配列モチーフVNHKPSN(配列番号58)中のリジン(K)残基によって表される連結部位でオリゴヌクレオチドに独立して共有結合されている。いくつかの態様において、R
2は、表2に記載の配列を含む抗TfR1抗体(例として、Fab)を含む。例を挙げると、いくつかの態様において、R
2は、配列番号1、7もしくは12に記載の配列を含む重鎖相補性決定領域1(CDR-H1)、配列番号2、8もしくは13に記載の配列を含む重鎖相補性決定領域2(CDR-H2)、配列番号3、9もしくは14に記載の配列を含む重鎖相補性決定領域3(CDR-H3)を含み;および/または配列番号4、10もしくは15に記載の配列を含む軽鎖相補性決定領域1(CDR-L1)と、配列番号5もしくは11に記載の配列を含む軽鎖相補性決定領域2(CDR-L2)と、配列番号6もしくは16に記載の配列を含む軽鎖相補性決定領域3(CDR-L3)とを含む抗TfR1抗体(例として、Fab)を含む。いくつかの態様において、R
2は、配列番号17と少なくとも85%(例として、少なくとも95%)同一のアミノ酸配列を含む重鎖可変領域(VH)を含み、および/または配列番号18と少なくとも85%(例として、少なくとも95%)同一のアミノ酸配列を含む軽鎖可変領域(VL)を含む抗TfR1抗体(例として、Fab)を含む。いくつかの態様において、R
2は、配列番号17のアミノ酸配列を含むVH、および/または配列番号18のアミノ酸配列を含むVLを含む抗TfR1抗体(例として、Fab)を含む。いくつかの態様において、R
2は、配列番号19と少なくとも85%(例として、少なくとも95%)同一のアミノ酸配列を含む重鎖を含み、および/または配列番号20と少なくとも85%(例として、少なくとも95%)同一のアミノ酸配列を含む軽鎖を含む抗TfR1抗体(例として、Fab)を含む。いくつかの態様において、R
2は、配列番号19のアミノ酸配列を含む重鎖を含み、および/または配列番号20のアミノ酸配列を含む軽鎖を含む抗TfR1抗体(例として、Fab)を含む。いくつかの態様において、R
2は、Fab断片、完全長IgG、Fab'断片、F(ab')2断片、scFvまたはFvである抗体を含む。いくつかの態様において、R
2は、Fab断片である抗体を含む。いくつかの態様において、各複合体では、n1は、独立して、整数(例として、1~27、1~26、1~10、1~5、または1~3の範囲内の整数)である。いくつかの態様において、組成物の複合体のn1の平均値は、1~10の範囲内(例として、1~10、1~5、1~4、1~3、3~10、3~5、または5~10)である。いくつかの態様において、本明細書に記載の組成物は、式(I):[R
1]
n1-R
2の構造を含む複合体をさらに含み、式中、n1は0である。
【0156】
いくつかの態様において、本明細書に記載の組成物は、式(I):[R
1]
n1-R
2の構造を含む複合体を含み、本明細書に提供される組成物の複合体中の各実例R
1は、式(Ic)の基を含み:
【化23】
(Ic)、
R
2は、重鎖可変領域(VH)および重鎖定常領域を含む重鎖と、軽鎖可変領域(VL)および軽鎖定常領域を含む軽鎖とを含む抗体を含み、各複合体において、n1は独立して、各複合体におけるR
1の実例の数を表す整数(例として、1以上の)であり、各R
1は、抗体のリジン(K)残基によって表される連結部位を介して結合点AでR
2に共有結合されている。いくつかの態様において、組成物中の複合体の抗体の軽鎖定常領域は、各抗体の軽鎖定常領域の配列モチーフDYEKHKVYA(配列番号53)中のリジン(K)残基によって表される連結部位でオリゴヌクレオチドに独立して共有結合されている。例を挙げると、いくつかの態様において、連結部位は、各抗体の軽鎖定常領域の配列モチーフDYEKHKVYA(配列番号53)の4位のKによって表される。いくつかの態様において、連結部位は、各抗体の軽鎖定常領域の配列モチーフDYEKHKVYA(配列番号53)の6位のKによって表される。いくつかの態様において、連結部位は、各抗体の軽鎖定常領域の配列モチーフDYEKHKVYA(配列番号53)の4位のKおよび6位のKによって表される。いくつかの態様において、組成物中の複合体の抗体の軽鎖定常領域の少なくとも80%(例として、80%~98%、80%~95%、80%~90%、85%~98%、85%~95%、85%~90%、90%~98%、または90%~95%)は、各抗体の軽鎖定常領域の配列モチーフDYEKHKVYA(配列番号53)中のリジン(K)残基によって表される連結部位でオリゴヌクレオチドに独立して共有結合されている。いくつかの態様において、組成物中の複合体の抗体の重鎖定常領域の少なくとも15%(例として、15%~40%、15%~30%、15%~20%、20%~40%、20%~30%、または30%~40%)が、各抗体の重鎖定常領域の配列モチーフVNHKPSN(配列番号58)中のリジン(K)残基によって表される連結部位でオリゴヌクレオチドに独立して共有結合されている。いくつかの態様において、R
2は、表2に記載の配列を含む抗TfR1抗体(例として、Fab)を含む。例を挙げると、いくつかの態様において、R
2は、配列番号1、7もしくは12に記載の配列を含む重鎖相補性決定領域1(CDR-H1)、配列番号2、8もしくは13に記載の配列を含む重鎖相補性決定領域2(CDR-H2)、配列番号3、9もしくは14に記載の配列を含む重鎖相補性決定領域3(CDR-H3)を含み;および/または配列番号4、10もしくは15に記載の配列を含む軽鎖相補性決定領域1(CDR-L1)と、配列番号5もしくは11に記載の配列を含む軽鎖相補性決定領域2(CDR-L2)と、配列番号6もしくは16に記載の配列を含む軽鎖相補性決定領域3(CDR-L3)とを含む抗TfR1抗体(例として、Fab)を含む。いくつかの態様において、R
2は、配列番号17と少なくとも85%(例として、少なくとも95%)同一のアミノ酸配列を含む重鎖可変領域(VH)を含み、および/または配列番号18と少なくとも85%(例として、少なくとも95%)同一のアミノ酸配列を含む軽鎖可変領域(VL)を含む抗TfR1抗体(例として、Fab)を含む。いくつかの態様において、R
2は、配列番号17のアミノ酸配列を含むVH、および/または配列番号18のアミノ酸配列を含むVLを含む抗TfR1抗体(例として、Fab)を含む。いくつかの態様において、R
2は、配列番号19と少なくとも85%(例として、少なくとも95%)同一のアミノ酸配列を含む重鎖を含み、および/または配列番号20と少なくとも85%(例として、少なくとも95%)同一のアミノ酸配列を含む軽鎖を含む抗TfR1抗体(例として、Fab)を含む。いくつかの態様において、R
2は、配列番号19のアミノ酸配列を含む重鎖を含み、および/または配列番号20のアミノ酸配列を含む軽鎖を含む抗TfR1抗体(例として、Fab)を含む。いくつかの態様において、R
2は、Fab断片、完全長IgG、Fab'断片、F(ab')2断片、scFvまたはFvである抗体を含む。いくつかの態様において、R
2は、Fab断片である抗体を含む。いくつかの態様において、各複合体では、n1は、独立して、整数(例として、1~27、1~26、1~10、1~5、または1~3の範囲内の整数)である。いくつかの態様において、組成物の複合体のn1の平均値は、1~10の範囲内(例として、1~10、1~5、1~4、1~3、3~10、3~5、または5~10)である。いくつかの態様において、本明細書に記載の組成物は、式(I):[R
1]
n1-R
2の構造を含む複合体をさらに含み、式中、n1は0である。
【0157】
いくつかの態様において、本明細書に記載の組成物は、式(Id)の構造を含む複合体を含み:
【化24】
(Id)、
式中、-pは、ホスホロジアミダートモルホリノオリゴマー(PMO)のホスホロジアミダート連結であり、ここでPMOは、CTCCAACATCAAGGAAGATGGCATTTCTAG(配列番号21)の塩基配列を含み;式中、R
2は、表2から選択されるCDR-H1、CDR-H2、CDR-H3、CDR-L1、CDR-L2およびCDR-L3を含む抗TfR1抗体(例として、Fab)を含み、任意に、式中、抗TfR1抗体(例として、Fab)は、配列番号17のアミノ酸配列を含むVHと、配列番号18のアミノ酸配列を含むVLとを含み、さらに任意に、式中、抗TfR1抗体(例として、Fab)は、配列番号19のアミノ酸配列を含む重鎖と、配列番号20のアミノ酸配列を含む軽鎖とを含み;および式中、各複合体では、n1は、独立して、角括弧によって囲まれた基の実例の数を表す(例として、1以上の)整数であり、式中、角括弧によって囲まれた基の各実例は、抗体(例として、Fab)のリジン(K)によって表される連結部位に共有結合される。いくつかの態様において、組成物中の複合体の抗体の軽鎖定常領域は、各抗体の軽鎖定常領域の配列モチーフDYEKHKVYA(配列番号53)中のリジン(K)残基によって表される連結部位でオリゴヌクレオチドに独立して共有結合されている。例を挙げると、いくつかの態様において、連結部位は、各抗体の軽鎖定常領域の配列モチーフDYEKHKVYA(配列番号53)の4位のKによって表される。いくつかの態様において、連結部位は、各抗体の軽鎖定常領域の配列モチーフDYEKHKVYA(配列番号53)の6位のKによって表される。いくつかの態様において、連結部位は、各抗体の軽鎖定常領域の配列モチーフDYEKHKVYA(配列番号53)の4位のKおよび6位のKによって表される。いくつかの態様において、組成物中の複合体の抗体の軽鎖定常領域の少なくとも80%(例として、80%~98%、80%~95%、80%~90%、85%~98%、85%~95%、85%~90%、90%~98%、または90%~95%)は、各抗体の軽鎖定常領域の配列モチーフDYEKHKVYA(配列番号53)中のリジン(K)残基によって表される連結部位でオリゴヌクレオチドに独立して共有結合されている。いくつかの態様において、組成物中の複合体の抗体の重鎖定常領域の少なくとも15%(例として、15%~40%、15%~30%、15%~20%、20%~40%、20%~30%、または30%~40%)が、各抗体の重鎖定常領域の配列モチーフVNHKPSN(配列番号58)中のリジン(K)残基によって表される連結部位でオリゴヌクレオチドに独立して共有結合されている。いくつかの態様において、R
2は、表2に記載の配列を含む抗体(例として、Fab)を含む。例を挙げると、いくつかの態様において、R
2は、配列番号1、7もしくは12に記載の配列を含む重鎖相補性決定領域1(CDR-H1)、配列番号2、8もしくは13に記載の配列を含む重鎖相補性決定領域2(CDR-H2)、配列番号3、9もしくは14に記載の配列を含む重鎖相補性決定領域3(CDR-H3)を含み;および/または配列番号4、10もしくは15に記載の配列を含む軽鎖相補性決定領域1(CDR-L1)と、配列番号5もしくは11に記載の配列を含む軽鎖相補性決定領域2(CDR-L2)と、配列番号6もしくは16に記載の配列を含む軽鎖相補性決定領域3(CDR-L3)とを含む抗体(例として、Fab)を含む。いくつかの態様において、R
2は、配列番号17と少なくとも85%(例として、少なくとも95%)同一のアミノ酸配列を含む重鎖可変領域(VH)を含み、および/または配列番号18と少なくとも85%(例として、少なくとも95%)同一のアミノ酸配列を含む軽鎖可変領域(VL)を含む抗体(例として、Fab)を含む。いくつかの態様において、R
2は、配列番号17のアミノ酸配列を含むVH、および/または配列番号18のアミノ酸配列を含むVLを含む抗体(例として、Fab)を含む。いくつかの態様において、R
2は、配列番号19と少なくとも85%(例として、少なくとも95%)同一のアミノ酸配列を含む重鎖を含み、および/または配列番号20と少なくとも85%(例として、少なくとも95%)同一のアミノ酸配列を含む軽鎖を含む抗体(例として、Fab)を含む。いくつかの態様において、R
2は、配列番号19のアミノ酸配列を含む重鎖を含み、および/または配列番号20のアミノ酸配列を含む軽鎖を含む抗体(例として、Fab)を含む。いくつかの態様において、各複合体では、n1は、独立して、整数(例として、1~27、1~26、1~10、1~5、または1~3の範囲内の整数)である。いくつかの態様において、組成物の複合体のn1の平均値は、1~10の範囲内(例として、1~10、1~5、1~4、1~3、3~10、3~5、または5~10)である。いくつかの態様において、本明細書において記載される組成物は、n1が0である複合体をさらに含む。
【0158】
いくつかの態様において、本明細書に記載される組成物は、以下の構造を含み:
【化25】
(A)、
ここで、yは0~15(例として、3)であり、zは0~15(例として、4)である。いくつかの態様において、抗体は、重鎖可変領域(VH)および重鎖定常領域を含む重鎖と、軽鎖可変領域(VL)および軽鎖定常領域を含む軽鎖とを含むan-TfR1抗体(例として、表2に提供される抗TfR1抗体)である。いくつかの態様において、オリゴヌクレオチドは、PMOであり、配列番号21の塩基配列を含む。いくつかの態様において、構造内で抗体に隣接して示されるアミドは、抗体のアミン、例えば、リジンイプシロンアミンなどとの反応から生じる。いくつかの態様において、本明細書に記載される複合体は、抗体のリジン(K)残基によって表される連結部位を介してPMOの5'末端に共有結合された抗TfR1 Fabを含む。いくつかの態様において、組成物中の複合体の抗体の軽鎖定常領域は、各抗体の軽鎖定常領域の配列モチーフDYEKHKVYA(配列番号53)中のリジン(K)残基によって表される連結部位でオリゴヌクレオチドに独立して共有結合されている。例を挙げると、いくつかの態様において、連結部位は、各抗体の軽鎖定常領域の配列モチーフDYEKHKVYA(配列番号53)の4位のKによって表される。いくつかの態様において、連結部位は、各抗体の軽鎖定常領域の配列モチーフDYEKHKVYA(配列番号53)の6位のKによって表される。いくつかの態様において、連結部位は、各抗体の軽鎖定常領域の配列モチーフDYEKHKVYA(配列番号53)の4位のKおよび6位のKによって表される。いくつかの態様において、組成物中の複合体の抗体の軽鎖定常領域の少なくとも80%(例として、80%~98%、80%~95%、80%~90%、85%~98%、85%~95%、85%~90%、90%~98%、または90%~95%)は、各抗体の軽鎖定常領域の配列モチーフDYEKHKVYA(配列番号53)中のリジン(K)残基によって表される連結部位でオリゴヌクレオチドに独立して共有結合されている。いくつかの態様において、組成物中の複合体の抗体の重鎖定常領域の少なくとも15%(例として、15%~40%、15%~30%、15%~20%、20%~40%、20%~30%、または30%~40%)が、各抗体の重鎖定常領域の配列モチーフVNHKPSN(配列番号58)中のリジン(K)残基によって表される連結部位でオリゴヌクレオチドに独立して共有結合されている。いくつかの態様において、抗TfR1抗体は、表2に記載の配列を含む。例を挙げると、いくつかの態様において、抗体は、配列番号1、7もしくは12に記載の配列を含む重鎖相補性決定領域1(CDR-H1)、配列番号2、8もしくは13に記載の配列を含む重鎖相補性決定領域2(CDR-H2)、配列番号3、9もしくは14に記載の配列を含む重鎖相補性決定領域3(CDR-H3)を含み;および/または配列番号4、10もしくは15に記載の配列を含む軽鎖相補性決定領域1(CDR-L1)と、配列番号5もしくは11に記載の配列を含む軽鎖相補性決定領域2(CDR-L2)と、配列番号6もしくは16に記載の配列を含む軽鎖相補性決定領域3(CDR-L3)とを含む。いくつかの態様において、抗体は、配列番号17と少なくとも85%(例として、少なくとも95%)同一のアミノ酸配列を含む重鎖可変領域(VH)を含み、および/または配列番号18と少なくとも85%(例として、少なくとも95%)同一のアミノ酸配列を含む軽鎖可変領域(VL)を含む。いくつかの態様において、抗TfR1抗体は、配列番号17のアミノ酸配列を含むVHを含み、および/または配列番号18のアミノ酸配列を含むVLを含む。いくつかの態様において、抗TfR1抗体は、配列番号19と少なくとも85%(例として、少なくとも95%)同一のアミノ酸配列を含む重鎖を含み、および/または配列番号20と少なくとも85%(例として、少なくとも95%)同一のアミノ酸配列を含む軽鎖を含む。いくつかの態様において、抗TfR1抗体は、配列番号19のアミノ酸配列を含む重鎖を含み、および/または配列番号20のアミノ酸配列を含む軽鎖を含む。いくつかの態様において、抗体は、Fab断片、完全長IgG、Fab'断片、F(ab')2断片、scFvまたはFvである。
【0159】
本明細書に開示される各組成物において、組成物の複合体(例として、式(I):[R
1]
n1-R
2の構造を含む複合体、例えば、各R
1が式(Ia)、(Ib)、または(Ic)の基を含む複合体;式(Id)の構造を含む複合体;または式(A)の構造を含む複合体など)は、式(B)で表される立体化学を有する構造を含み得:
【化26】
(B)、式中、yは0~15(例として、3)であり、zは0~15(例として、4)である。式(B)に示される立体化学は、本明細書において提供されるいずれかの式または構造(例として、式(Ia)、(Ib)、(Ic)、(Id)、または(A))の対応する部分に適用することができることを理解されたい。
【0160】
いくつかの態様において、複合体(すなわち、複数の複合体)を含む組成物は、本明細書に記載の方法に適した様式で製剤化される。いくつかの態様において、筋標的化複合体を含む組成物は、分解を最小限に抑え、送達および/または(例として、および)取込みを容易にするか、または製剤中の複合体に別の有益な特性を提供する製剤を使用して対象へ送達される。したがって、いくつかの態様において、複合体(例として、Fabと共有結合されたPMOを含む複数の複合体)を含む組成物は、ヒスチジンおよび/またはスクロースとともに製剤化される。いくつかの態様において、筋標的化複合体(例として、Fabと共有結合されたPMOを含む複合体)を含む組成物は、水溶液中でヒスチジンおよび/またはスクロースとともに製剤化される。いくつかの態様において、複数の複合体と、ヒスチジンと、スクロースとを含む組成物は、凍結乾燥されることができる(例として、保存のために)。いくつかの態様において、凍結乾燥組成物は、対象への投与のために再構成され得る(例として、水によって)。組成物(例として、水溶液中または凍結乾燥組成物中)は、対象の標的細胞の周囲の環境、または全身のいずれかへ投与されると、十分な量の複合体が標的筋細胞に入るように、好適に調製されることができる。
【0161】
いくつかの態様において、本明細書に記載の組成物は、複合体を含み、ここで、その中の製剤中の複合体の濃度は、1~50mg/mLの複合体、任意に10~50mg/ml、または20~35mg/mL(例として、1~10mg/mL、10~15mg/mL、15~20mg/mL、20~22mg/mL、22~24mg/ml、24~26mg/ml、24~25mg/ml、25~26mg/ml、22~25mg/mL、25~27mg/mL、27~29mg/mL、29~30mg/mL、25~30mg/mL、29~31mg/ml、30~31mg/ml、31~32mg/ml、30~32mg/mL、32~33mg/ml、32~35mg/mL、30~35mg/mL、35~40mg/mL、40~45mg/mL、45~50mg/mL)、任意に約25mg/mL(例として、25mg/mL)、または約30mg/mL(例として、30mg/mL)である。
【0162】
いくつかの態様において、本明細書に記載のいずれか1個または複数の複合体は、水溶液中または凍結乾燥形態(例として、凍結乾燥粉末)でヒスチジン(例として、L-ヒスチジン)およびスクロースとともに製剤化される。
【0163】
いくつかの態様において、本明細書に記載のいずれか1個または複数の複合体は、水溶液中でヒスチジン(例として、L-ヒスチジン)およびスクロースとともに製剤化される。いくつかの態様において、ヒスチジン(例として、L-ヒスチジン)は、10~50mM、10~20mM、20mM~30mM、または20mM~40mM、例として、20~22mM、22~24mM、24~25mM、25~26mM、24~26mM、26~27mM、24~27mM、27~28mM、28~29mM、29~30mM、27~30mM、約22~27mM、約23~26mM、約24~26mM、約26~28mM、約28~30mM、約30~32mM、約32~35mM、約35~40mM、40~45mM、45~50mM、約25mM、または任意に25mMの範囲内の濃度で水溶液中に存在する。いくつかの態様において、スクロースは、体積当たり5%~15%重量(w/v%)、例を挙げると、8~15%w/v%、9~15%w/v%、9~11%w/v%、9.5~11%w/v%の範囲内、または例を挙げると、5~6w/v%、6~7w/v%、7~8w/v%、8~9w/v%、9~10w/v%、10~11w/v%、11~12%w/v%、10~12w/v%、12~13%w/v%、13~14%w/v%、12~14w/v%、14~15w/v%、もしくは8~12w/v%の範囲内の濃度で水溶液中に存在する。いくつかの態様において、スクロースは、8~12w/v%(例として、10w/v%)の範囲内の濃度で水溶液中に存在する。いくつかの態様において、水溶液は、5.0~7.0、例を挙げると、5.0~5.2、5.2~5.4、5.4~5.6、5.6~5.8、5.8~6.0、5.9~6.0、5.9~6.1、6.0~6.1の範囲内;例を挙げると、5.5~6.5、または例を挙げると、5.5~5.8、5.8~6.0、5.9~6.1、6.0~6.1、6.0~6.2、6.2~6.4、6.4~6.5、6.5~6.7、6.7~6.8、6.8~6.9、6.9~7.0、7.0~7.1、もしくは5.8~6.2のpH範囲内のpHを有する。いくつかの態様において、水溶液は、5.8~6.2(例として、5.8~6.0、5.8~6.1、5.9~6.1)の範囲内のpHを有する。いくつかの態様において、水溶液は、5.9~6.2の範囲内のpHを有する。いくつかの態様において、水溶液は、6.0~6.1の範囲内(例として、約6.0、または6.0)のpHを有する。
【0164】
いくつかの態様において、本明細書に記載の組成物のいずれか1個は、1個または複数の複合体、ヒスチジンおよびスクロースを含み、ここで、ヒスチジン(例として、L-ヒスチジン)は、25mMの濃度で組成物(例として、水溶液)中に存在し、ここで、スクロースは、10w/v%の濃度で組成物(例として、水溶液)中に存在し、ここで、組成物(例として、水溶液)は、約6.0(例として、6.0、5.9~6.1)のpHにある。
【0165】
いくつかの態様において、本明細書に記載の組成物のいずれか1個は、1個または複数の複合体、ヒスチジンおよびスクロースを含み、ここで、ヒスチジン(例として、L-ヒスチジン)は、25mMの濃度で水溶液中に存在し、ここで、スクロースは、10w/v%の濃度で水溶液中に存在し、ここで、約6.0(例として、6.0、5.9~6.1)のpH、製剤中の複合体の濃度は、10~50mg/ml、または20~35mg/mL(例として、1~10mg/mL、10~15mg/mL、15~20mg/mL、20~22mg/mL、22~24mg/ml、24~26mg/ml、22~25mg/mL、25~27mg/mL、27~29mg/mL、29~31mg/ml、29~30mg/mL、30~31mg/ml、31~32mg/ml、25~30mg/mL、30~32mg/mL、32~35mg/mL、30~35mg/mL、35~40mg/mL、40~45mg/mL、45~50mg/mL)、任意に25mg/mLまたは30mg/mLである。
【0166】
本明細書に記載されるように、いくつかの態様において、本明細書に記載の組成物は、スクロースを含む水溶液中に製剤化される。いくつかの態様において、スクロースは、少なくとも部分的に凍結保護剤として働く。いくつかの態様において、スクロースは、植物、例として、草、果実もしくは野菜(例として、根菜)源(例として、ビート(例として、サトウダイコン、例を挙げると、Saccharum spp.))、サトウキビ(例として、Beta vulgaris)、ナツメヤシ、サトウカエデ、スイートソルガム、リンゴ、オレンジ、ニンジン、モラッセ、メープルシロップ、トウモロコシ甘味料)または動物製品(例として、ハチミツ)に由来する。いくつかの態様において、スクロースは、ビートまたはサトウキビに由来する(例として、ビートスクロース、サトウキビスクロース)。いくつかの態様において、スクロース以外の凍結保護剤、例として、トレハロース、マンニトール、ラクトース、ポリエチレングリコールまたはポリビニルピロリドンが使用され得る。ただし、いくつかの態様において、崩壊温度調整剤(例として、デキストラン、フィコールまたはゼラチン)が組成物中に提供され得る。
【0167】
いくつかの態様において、本明細書に記載の(例として、水性形態の)組成物の水溶液を凍結乾燥することを含むプロセスによって生成された生成物(例として、本明細書に記載の凍結乾燥組成物)が提供される。
【0168】
いくつかの態様において、組成物は、その意図された投与経路に適合するように製剤化される。投与経路の例は、非経口投与、例として、静脈内投与、皮内投与、皮下投与を包含する。典型的には、投与経路は、静脈内または皮下である。
【0169】
使用方法/処置方法
本明細書に記載の分子ペイロード(例として、オリゴヌクレオチド、例として、ホスホロジアミダートモルホリノオリゴマー(PMO))に共有結合された抗TfR1抗体(例として、Fab)を含む複合体は、ジストロフィノパチー、例として、デュシェンヌ型筋ジストロフィーを有する対象の処置に有効である。いくつかの態様において、複合体は、オリゴヌクレオチド、例として、突然変異DMD対立遺伝子から発現されるmRNAのエクソンスキッピングを容易にするオリゴヌクレオチドである分子ペイロードを含む。
【0170】
いくつかの態様において、対象は、ヒト対象、霊長目の非ヒト動物対象、齧歯類動物対象、またはいずれの好適な哺乳動物対象であってもよい。いくつかの態様において、対象は、デュシェンヌ型筋ジストロフィーまたは他のジストロフィノパチーを有し得る。いくつかの態様において、対象は、フレームシフト突然変異を引き起こし、不適切なRNAスプライシング/プロセシングをもたらすDMDエクソン中の少なくとも1つの変異を任意に含み得る変異DMD対立遺伝子を有する。いくつかの態様において、対象は、重度のジストロフィノパチーの症状、例として、筋萎縮または筋肉減少を患っている。いくつかの態様において、対象は、クレアチンホスホキナーゼ(CK)の血清濃度の無症候性増加および/または(例として、および)ミオグロビン尿症を伴う筋痙攣を有する。いくつかの態様において、対象は、進行性筋疾患、例えば、デュシェンヌもしくはベッカー型筋ジストロフィーまたはDMD関連拡張型心筋症(DCM)などを有する。いくつかの態様において、対象は、ジストロフィノパチーの症状に罹患していない。
【0171】
いくつかの態様において、対象は、エクソン51スキッピングに適した、DMD遺伝子の突然変異を有する。いくつかの態様において、本明細書に記載の複合体は、エクソン51スキッピングに適した、DMD遺伝子の突然変異を有する対象を処置するのに有効である。いくつかの態様において、複合体は、オリゴヌクレオチド、例として、プレ-mRNA、例えば、突然変異DMD遺伝子(例として、エクソン51スキッピングに適した突然変異DMD遺伝子)からコードされるプレ-mRNAなどのエクソン51のスキッピングを容易にするアンチセンスオリゴヌクレオチドを含む。
【0172】
本開示の側面は、本明細書に記載のとおりの有効量の複合体を対象へ投与することを伴う方法を包含する。いくつかの態様において、分子ペイロードへ共有結合された筋標的化剤を含む複合体を含む有効量の医薬組成物は、処置を必要とする対象へ投与され得る。いくつかの態様において、有効量は、対象1kg当たり複合体のオリゴヌクレオチド5mg~100mg(例として、5mg~100mg、5mg~80mg、5mg~50mg、5mg~40mg、5mg~30mg、5mg~20mg、10mg~60mg、10mg~50mg、10mg~40mg、10mg~30mg、または30mg~60mg)を対象へ提供する。
【0173】
いくつかの態様において、本明細書に記載のとおりの複合体を含む医薬組成物は、静脈内投与を包含してもよい好適なルートによって、例として、ボーラスとして、またはある期間にわたる連続注入によって、投与されてもよい。いくつかの態様において、静脈内投与は、筋肉内の、腹腔内の、脳脊髄内の、皮下の、関節内の、滑液嚢内の、または髄腔内の経路によって行われ得る。いくつかの態様において、医薬組成物は、固体形態、水性形態または液体形態であり得る。いくつかの態様において、水性または液体形態は、噴霧されてもよく、または凍結乾燥されてもよい。いくつかの態様において、噴霧形態または凍結乾燥形態は、水溶液または液体溶液によって再構成され得る。
【0174】
静脈内投与のための組成物は、植物油、ジメチルアセトアミド、ジメチルホルムアミド、乳酸エチル、炭酸エチル、ミリスチン酸イソプロピル、エタノール、およびポリオール(グリセロール、プロピレングリコール、液体ポリエチレングリコールなど)などの様々な担体を含有していてもよい。静脈内注射のための水可溶性抗体は点滴法によって投与され得、これによって抗体および薬学的に許容し得る賦形剤を含有する医薬製剤が注入される。生理学的に許容し得る賦形剤は、例を挙げると、5%デキストロース、0.9%生理食塩水、リンガー溶液、または他の好適な賦形剤を包含していてもよい。筋肉内用調製物、例として、抗体の好適な可溶性の塩形態の滅菌製剤は、注射用水、0.9%生理食塩水、または5%グルコース溶液などの医薬賦形剤に溶解されて投与され得る。
【0175】
いくつかの態様において、分子ペイロードへ共有結合された筋標的化剤を含む複合体を含む医薬組成物は、部位特異的または局部的な送達技法を介して投与される。これらの技術の例は、複合体の埋込み型デポー供給源、局所送達カテーテル、部位特異的担体、直接注射、または直塗り(direct application)を包含する。
【0176】
いくつかの態様において、分子ペイロードへ共有結合された筋標的化剤を含む複合体を含む医薬組成物は、治療効果を対象に付与する有効濃度にて投与される。有効量は、当業者によって認識されるとおり、疾患の重症度、処置される対象の特有な特徴、例として、年齢、体調、健康状態、または体重、処置時間、いずれの併用治療の性質、投与ルート、および関連因子に応じて変動する。これらの関連因子は当業者に知られており、わずかな定型的実験法で対処され得る。いくつかの態様において、有効濃度は、ペイシェントに安全であると見なされる最大用量である。いくつかの態様において、有効濃度は、最大限の効き目を提供する、実行可能な最低濃度であろう。
【0177】
経験的考察、例として、対象における複合体の半減期は一般に、処置のために使用される医薬組成物の濃度の決定に寄与するであろう。投与頻度は、処置の効果を最大にするために経験的に決定および調節され得る。
【0178】
処置の効果は、いずれかの好適な方法を使用して査定され得る。いくつかの態様において、処置の有効性は、ジストロフィノパチーに関連する症状、例として、筋萎縮、または筋力低下の観察の評価によって、対象の自己報告された転帰、例として運動性、セルフケア、通常の活動、疼痛/不快感、および不安/抑うつの尺度を通して、または生活の質の指標、例として寿命によって評価され得る。
【0179】
いくつかの態様において、本明細書に記載の分子ペイロードへ共有結合された筋標的化剤を含む複合体を含む医薬組成物は、対照(例として、処置に先立つ遺伝子発現のベースラインレベル)と比べて、標的遺伝子の活性または発現を少なくとも10%、少なくとも20%、少なくとも30%、少なくとも40%、少なくとも50%、少なくとも60%、少なくとも70%、少なくとも80%、少なくとも90%、または少なくとも95%調節するのに十分な有効濃度で対象へ投与される。
【0180】
分析方法
いくつかの側面において、本明細書において、第1の複数の複合体の薬物抗体比(DAR)範囲を決定する方法であって、各複合体はリンカーを介して1以上のオリゴヌクレオチドに共有結合された抗体を含み、各リンカーは1以上のプロテアーゼ切断部位を含み、方法は、(i)リンカーの1以上のプロテアーゼ切断部位のうちの少なくとも1つを切断することによって、1以上のオリゴヌクレオチドを、第1の複数の複合体のそれらが共有結合されている抗体から除去するステップであって、リンカーの1以上のプロテアーゼ切断部位のうちの少なくとも1つを切断することが、第2の複数の複合体を生じ、各複合体は、1以上の部分的リンカーに共有結合された抗体を含む、ステップ;(ii)ステップ(i)から生じる第2の複数の複合体を得るステップ;(iii)ステップ(ii)で得られた複合体の質量を質量分析によって決定するステップ;および(iv)ステップ(ii)で得られた複合体のDAR範囲を決定するステップであって;抗体の質量+n1個の部分的リンカーの質量に対応する質量分析による検出された質量は、n1のDARを示し、ここで、n1は、1以上の整数である、ステップ、を含む、方法が提供される。いくつかの側面において、本明細書においては、第1の複数の複合体を分析する方法であって、各複合体はリンカーを介して1以上のオリゴヌクレオチドに共有結合された抗体を含み、ここで各リンカーは1以上のプロテアーゼ切断部位を含み、方法は:(i)リンカーにおける1以上のプロテアーゼ切断部位のうちの少なくとも1つを切断することによって、1以上のオリゴヌクレオチドを、第1の複数の複合体のそれらが共有結合されている抗体から除去するステップであって、リンカーの1以上のプロテアーゼ切断部位のうちの少なくとも1つを切断することが、第2の複数の複合体を生じ、各複合体は、1以上の部分的リンカーに共有結合された抗体を含み、ここで抗体は無傷のままである、ステップ;(ii)ステップ(i)から生じる第2の複数の複合体を得るステップ;(iii)(ii)で得られた複合体の抗体をプロテアーゼで消化して抗体の断片を得るステップ;および(iv)ステップ(iii)で得られた抗体の断片の質量を質量分析によって決定して、共有結合された1以上の部分的リンカーを同定するステップを含む、方法が提供される。
【0181】
いくつかの態様において、本明細書に記載される方法で使用される第1の複数の複合体の各複合体は、1以上のオリゴヌクレオチドに共有結合される抗体を含み、各オリゴヌクレオチドは、抗体のリジン(K)残基によって表される連結部位に共有結合しており、ここで抗体は、重鎖可変領域(VH)および重鎖定常領域を含む重鎖と、軽鎖可変領域(VL)および軽鎖定常領域を含む軽鎖とを含む。いくつかの態様において、組成物中の複合体の抗体の軽鎖定常領域は、各抗体の軽鎖定常領域のK188(Kabatナンバリングに基づく)によって表される連結部位および/またはK190(Kabatナンバリングに基づく)によって表される連結部位でオリゴヌクレオチドに独立して共有結合されている。例を挙げると、いくつかの態様において、連結部位は、各抗体の軽鎖定常領域のK188(Kabatナンバリングに基づく)によって表される。いくつかの態様において、連結部位は、各抗体の軽鎖定常領域のK190(Kabatナンバリングに基づく)によって表される。いくつかの態様において、連結部位は、各抗体の軽鎖定常領域のK188(Kabatナンバリングに基づく)およびK190(Kabatナンバリングに基づく)によって表される。いくつかの態様において、組成物中の複合体の抗体の軽鎖定常領域の少なくとも80%(例として、80%~98%、80%~95%、80%~90%、85%~98%、85%~95%、85%~90%、90%~98%、または90%~95%)が、各抗体の軽鎖定常領域のK188によって表される連結部位(Kabatナンバリングに基づく)および/またはK190によって表される連結部位(Kabatナンバリングに基づく)でオリゴヌクレオチドに独立して共有結合されている。いくつかの態様において、組成物中の複合体の抗体の重鎖定常領域が、各抗体の重鎖定常領域のK213(Kabatナンバリングに基づく)によって表される連結部位でオリゴヌクレオチドに独立して共有結合されている。いくつかの態様において、組成物中の複合体の抗体の重鎖定常領域の少なくとも15%(例として、15%~40%、15%~30%、15%~20%、20%~40%、20%~30%、または30%~40%)が、各抗体の重鎖定常領域のK213(Kabatナンバリングに基づく)によって表される連結部位でオリゴヌクレオチドに独立して共有結合されている。いくつかの態様において、組成物中の複合体の抗体の軽鎖定常領域は、各抗体の軽鎖定常領域の配列モチーフDYEKHKVYA(配列番号53)中のリジン(K)残基によって表される連結部位でオリゴヌクレオチドに独立して共有結合されている。例を挙げると、いくつかの態様において、複合体は、軽鎖定常領域の配列モチーフDYEKHKVYA(配列番号53)の4位のKによって表される連結部位でオリゴヌクレオチドと共有結合されている。いくつかの態様において、複合体は、軽鎖定常領域の配列モチーフDYEKHKVYA(配列番号53)の6位のKによって表される連結部位でオリゴヌクレオチドと共有結合されている。いくつかの態様において、複合体は、軽鎖定常領域の配列モチーフDYEKHKVYA(配列番号53)の4位のKで表される連結部位および6位のKによって表される連結部位でオリゴヌクレオチドと共有結合されている。いくつかの態様において、組成物中の複合体の抗体の軽鎖定常領域の少なくとも80%(例として、80%~98%、80%~95%、80%~90%、85%~98%、85%~95%、85%~90%、90%~98%、または90%~95%)は、各抗体の軽鎖定常領域の配列モチーフDYEKHKVYA(配列番号53)中のリジン(K)残基によって表される連結部位でオリゴヌクレオチドに独立して共有結合されている。いくつかの態様において、組成物中の複合体の抗体の重鎖定常領域が、各抗体の重鎖定常領域の配列配列モチーフVNHKPSN(配列番号58)中のリジン(K)残基によって表される連結部位でオリゴヌクレオチドに独立して共有結合されている。いくつかの態様において、組成物中の複合体の抗体の重鎖定常領域の少なくとも15%(例として、15%~40%、15%~30%、15%~20%、20%~40%、20%~30%、または30%~40%)が、各抗体の重鎖定常領域のモチーフVNHKPSN(配列番号58)中のリジン(K)残基によって表される連結部位でオリゴヌクレオチドに独立して共有結合されている。
【0182】
いくつかの態様において、本明細書に記載されている方法で使用される第1の複数の複合体のそれぞれの複合体において、抗体は、配列番号1、7または12に記載の配列を含む重鎖相補性決定領域1(CDR-H1)、配列番号2、8または13に記載の配列を含む重鎖相補性決定領域2(CDR-H2)、配列番号3、9または14に記載の配列を含む重鎖相補性決定領域3(CDR-H3)、配列番号4、10または15に記載の配列を含む軽鎖相補性決定領域1(CDR-L1)、配列番号5または11に記載の配列を含む軽鎖相補性決定領域2(CDR-L2)、および配列番号6または16に記載の配列を含む軽鎖相補性決定領域3(CDR-L3)を含む抗トランスフェリン受容体(TfR1)抗体である。
【0183】
いくつかの態様において、本明細書に記載されている方法で使用される第1の複数の複合体のそれぞれの複合体において、抗体は、配列番号37、43もしくは48に記載の配列を含む重鎖相補性決定領域1(CDR-H1)、配列番号38、44もしくは49に記載の配列を含む重鎖相補性決定領域2(CDR-H2)、配列番号39、45もしくは50に記載の配列を含む重鎖相補性決定領域3(CDR-H3)、配列番号40、46もしくは51に記載の配列を含む軽鎖相補性決定領域1(CDR-L1)、配列番号41もしくは47に記載の配列を含む軽鎖相補性決定領域2(CDR-L2)、配列番号42もしくは52に記載の配列を含む軽鎖相補性決定領域3(CDR-L3)を含む抗トランスフェリン受容体(TfR1)抗体である。
【0184】
いくつかの態様において、本明細書に記載の方法で使用される第1の複数の複合体の各複合体において、抗TfR1抗体は、Fab断片、完全長IgG、Fab'断片、またはF(ab')2断片である。いくつかの態様において、抗体はFab断片である。いくつかの態様において、本明細書に記載される方法において、オリゴヌクレオチドは、ホスホロジアミダートモルホリノオリゴマー(PMO)である。いくつかの態様において、本明細書に記載されている方法において使用される第1の複数の複合体の各複合体において、VHは配列番号17と少なくとも85%同一のアミノ酸配列を含み;および/または、ここでVLは配列番号18と少なくとも85%同一のアミノ酸配列を含む。いくつかの態様において、抗体は、配列番号17のアミノ酸配列を含む重鎖可変領域(VH)と、配列番号18のアミノ酸配列を含む軽鎖可変領域(VL)とを含む。いくつかの態様において、本明細書に記載されている方法において使用される第1の複数の複合体の各複合体において、重鎖は配列番号19と少なくとも85%同一のアミノ酸配列を含み;および/または、ここで軽鎖は配列番号20と少なくとも85%同一のアミノ酸配列を含む。いくつかの態様において、抗体は、配列番号19のアミノ酸配列を含む重鎖と、配列番号20のアミノ酸配列を含む軽鎖とを含む。
【0185】
いくつかの態様において、本明細書に提供される方法では、ステップ(i)の切断がパパインを用いて行われる。いくつかの態様において、ステップ(iii)の消化は、キモトリプシンを用いて行われる。
【0186】
例
例1.DMDペイシェントの筋管における抗TfR1コンジュゲートのエクソンスキッピング活性
この試験は、バリン-シトルリン配列を含むリンカーを介してDMDエクソン51-スキッピングオリゴヌクレオチド(オリゴ)に共有結合された(リジンコンジュゲーションによって)、表2に示される重鎖配列と軽鎖配列とを有する抗TfR1 Fabを含むコンジュゲートのエクソンスキッピング活性を評価した。DMDエクソン51-スキッピングオリゴヌクレオチドは、PMOであり、配列番号21の塩基配列を含む。コンジュゲートは、以下の構造を含み:
【化27】
(Id)、ここで、R
2は、表2に示される抗TfR1 Fabであり、およびここで、各コンジュゲートでは、n1は、独立して、1~5の整数である。
【0187】
エクソン52欠失を持つ不死化ヒト筋芽細胞は解凍され、1x10
6細胞/フラスコの密度でPromocell Skeletal Cell Growth Media(5%FBSおよび1×Pen-Strepを含む)に播種され、コンフルエントまで成長させられた。コンフルエントになった後、細胞は、トリプシン処理され、遠心分離を介してペレット化され、新鮮なPromocell Skeletal Cell Growth Mediaに再懸濁された。細胞数が計数され、Matrigelコーティング96ウェルプレートに50k細胞/ウェルの密度で細胞が播種された。細胞は24時間回復させられた。成長培地を吸引し、血清を含まない分化培地に置き換えることによって、細胞が誘導されて分化させられた。次いで、細胞は、10μMオリゴヌクレオチドの濃度でDMDエクソン51-スキッピングオリゴヌクレオチド(抗体に共有結合されていない-「ネイキッド」)によって処置されるか、または10μMオリゴヌクレオチド当量の最終濃度までコンジュゲートによって処置された。細胞は、試験物と10日間インキュベートされ、次いで、全RNAが96ウェルプレートから採取された。75ngの全RNAを用いてcDNA合成が行われ、各細胞内のエクソン51スキッピングの程度を評価するために突然変異特異的PCRが行われた。突然変異特異的PCR産物が4%アガロースゲルに泳動され、SYBR goldを使用して可視化された。スキップされたおよびスキップされなかったアンプリコンの相対量を計算するためにデンシトメトリーが使用され、エクソンスキッピングは、存在するアンプリコンの総量によって除算された、エクソン51がスキップされたアンプリコンの比として決定された:
【数1】
【0188】
結果は、コンジュゲートが、ペイシェントの筋管において抗体に共有結合されていない同じDMDエクソン51-スキッピングオリゴヌクレオチドと比較して、エクソンスキッピングの増強をもたらしたことを実証している(
図1A)。これは、抗TfR1 Fab(例として、表2に記載の配列を有する)が、筋細胞へのコンジュゲートの細胞内在化を容易にし、筋細胞内でエクソン51-スキッピングオリゴヌクレオチドの活性をもたらしたことを示す。
加えて、2.5μM(低)、5μM(中)または10μM(高)オリゴヌクレオチド当量の最終濃度まで、抗TfR1 Fab-オリゴコンジュゲートによって細胞が処置された。エクソン51-スキッピングデータが
図1Bに示されている。結果は、コンジュゲートが、DMDペイシェントの筋管に用量依存的なエクソン51スキッピングをもたらしたことを実証している。
【0189】
例2.カニクイザルにおけるin vivoでの抗TfR1 Fab-オリゴヌクレオチドコンジュゲートのエクソンスキッピング活性
健常な非ヒト霊長類における、in vivoでのエクソンスキッピング活性について、例1に記載の抗TfR1-オリゴコンジュゲートが試験された。雄のナイーブカニクイザル(n=4~5/群)には、ビヒクル、30mg/kgのネイキッドオリゴ(すなわち、抗体に共有結合されていない)、またはDMDエクソン51-スキッピングオリゴヌクレオチドに共有結合された122mg/kgの抗TfR1 Fab(30mg/kgオリゴ当量)の2回用量が静脈内注入を介して1および8日目に投与された。最初の用量が投与された2週間後または4週間後に動物は殺処分され、組織が採取された。Promega Maxwell(登録商標)RSC機器を使用して組織試料から全RNAが収集され、qScript cDNA SuperMixを使用してcDNA合成が行われた。エンドポイントPCRを使用して、エクソン51スキッピングの評定が行われた。
【0190】
PCR産物のキャピラリー電気泳動を使用してエクソンスキッピングを評価し、以下の式を使用してエクソン51スキッピング%が計算された:
【数2】
計算されたエクソン51スキッピング結果は表4に示される。
【表4】
【0191】
オリゴヌクレオチド配列に相補的なプローブを用いたハイブリダイゼーションELISAを使用して、組織オリゴヌクレオチド(オリゴ)蓄積が定量された。標準曲線が作成され、標準曲線の線形回帰からオリゴヌクレオチドレベル(ng/g)が導き出された。オリゴヌクレオチドは、非コンジュゲートオリゴヌクレオチド(抗体に共有結合されていない)の投与と比較して、抗TfR1 Fab-オリゴヌクレオチドコンジュゲートの投与後に高いレベルで評価された全組織に分布された。非コンジュゲートオリゴヌクレオチドの静脈内投与は、最初の投与の2および4週間後に評価された全組織においてバックグラウンドレベルに近いオリゴヌクレオチドのレベルをもたらした。コンジュゲートの投与は、最初の投与の2週間後に、心臓>横隔膜>二頭筋>四頭筋>腓腹筋>前脛骨筋の順位で、評価された組織を通してオリゴヌクレオチドの分布をもたらした。
【0192】
組織濃度の持続時間も評定された。オリゴヌクレオチドレベルは、全組織において、投与4週間後に検出可能であった(表5)。これは、表2に示される抗TfR1 Fabが、in vivoで筋細胞へのコンジュゲートの細胞内在化を可能にし、筋細胞内でエクソンスキッピングオリゴヌクレオチドの活性をもたらすことを示している。
【表5】
【0193】
例3.抗TfR1 Fab-オリゴヌクレオチドコンジュゲート中のオリゴヌクレオチドのコンジュゲート部位を決定するためのペプチドマッピング
バリン-シトルリン配列を含むリンカーを介してジストロフィン(DMD)エクソン51-スキッピングオリゴヌクレオチドに共有結合された(リジンコンジュゲーションによって)、表3に示される重鎖配列と軽鎖配列とを有する抗TfR1 Fabを含む抗TfR1コンジュゲートのコンジュゲーションを決定するためにペプチドマッピングが行われた。エクソン51-スキッピングオリゴヌクレオチドは、ホスホロジアミダートモルホリノオリゴマー(PMO)であり、配列番号21の塩基配列を含む。コンジュゲートは、以下の構造を含み:
【化28】
(Id)、
ここで、R
2は、表3に示される抗TfR1 Fabであり、およびここで、各コンジュゲートでは、n1は、独立して、1~5の整数である。
【0194】
パパイン消化
オリゴヌクレオチドが、パパインによる消化によって抗TfR1コンジュゲートから切断された。Thermo Scientific Immobilized Papain(P/N:20341)が、消化の前に、0.5mLの50%スラリーを4mLの新たに調製したパパイン活性化緩衝液(20mMのリン酸ナトリウム、10mMのEDTA、20mMのシステイン、pH7.0)に添加することによって活性化された。パパイン樹脂が十分に混合され、3000rcfで5分間遠心分離されて、樹脂をプルダウンした。上清が捨てられて、洗浄が2回繰り返された。2回の洗浄後、250μLのパパイン活性化緩衝液の添加によって、パパインが50%のスラリーに再懸濁された。Thermo Scientific Zeba脱塩カラム(P/N:89882)を使用して、抗TfR1コンジュゲートはパパイン消化緩衝液(20mMのリン酸ナトリウム、10mMのEDTA、pH7.0)への緩衝液交換を受けた。コンジュゲートを添加する前、カラムが0.3mLの緩衝液で3回平衡化された。少なくとも8mg/mLの濃度の40μLのコンジュゲートが、100μLの平衡化固定化パパイン樹脂に添加された。試料が、1400rpmで振盪しながら40℃で1時間インキュベートされた。インキュベーション後、パパイン樹脂は、各試料をフィルターチューブに添加し、すべての液体試料が濾過されるまで短時間遠心分離することによって、除去された。別のセットのZebaカラムが、LC-MSグレードの水、3×300μLで平衡化された。100μLのパパイン消化コンジュゲートが各カラムに添加され、緩衝液交換に対して1500rcfで3分間回転された。LC-MS水で50μLの体積に40μgの物質が希釈された。オリゴヌクレオチドの完全な消化が、すべての試料において観察された。
【0195】
キモトリプシン消化
オリゴヌクレオチドが切断された抗TfR1リンカーコンジュゲートが、固定化キモトリプシンで消化された。15μLのThermo SMART Chymotrypsin樹脂(キットP/N:60109104MBLPH)がエッペンドルフチューブに加えられた。150μLのChymotrypsin Smart Digest Bufferが添加された。パパイン消化後に調製された抗TfR1リンカーコンジュゲート試料50μLが添加された。ヒートブロックが70℃および1400rpmミックスに設定され、2.5時間インキュベートされた。インキュベーション後、パパイン樹脂は、各試料をフィルターチューブに添加してすべての液体試料が濾過されるまで短時間遠心分離することによって、除去された。500mMのトリス(2-カルボキシエチル)ホスフィン(TCEP)の水溶液のストック溶液が調製された。ストック溶液は、消化試料に、最終濃度20mMのTCEPまで添加されて、室温で30分間インキュベートされてジスルフィドを還元した。総試料体積が約100μLになるまで、試料はspeed vacによって濃縮された。次いで、25μLのペプチド試料(約10ugの総ペプチド)が、ペプチドマッピング分析のために質量分析計に注入された。
【0196】
リンカー部位あたりのオリゴヌクレオチドの占有率の概要が、以下の表6に示されている。ホットスポットリンカー部位は、Kabatナンバリングに基づいて組成物中の軽鎖定常領域中のリジン188(K188)およびリジン190(K190)であった。まとめると、K188およびK190に対応するリジン残基の約93%がオリゴヌクレオチドに共有結合されていた。K213に対応するリジン残基の約19.6%がオリゴヌクレオチドに共有結合されており、別の主要なリンカー部位は、組成物中の重鎖定常領域中のリジン213(K213)であった。
【表6】
【0197】
例4.抗TfR1 Fab-オリゴヌクレオチドコンジュゲート上のオリゴヌクレオチドのコンジュゲート部位を決定するためのペプチドマッピング
バリン-シトルリン配列を含むリンカーを介してジストロフィン(DMD)エクソン51-スキッピングオリゴヌクレオチドに共有結合された(リジンコンジュゲーションによって)、表2に示される重鎖配列と軽鎖配列とを有する抗TfR1 Fabを含む抗TfR1コンジュゲートのコンジュゲーションを決定するためにペプチドマッピングが行われた。エクソン51-スキッピングオリゴヌクレオチドは、ホスホロジアミダートモルホリノオリゴマー(PMO)であり、配列番号21の塩基配列を含む。コンジュゲートは、以下の構造を含み:
【化29】
(Id)、
ここで、R
2は、表2に示される抗TfR1 Fabであり、およびここで、各コンジュゲートでは、n1は、独立して、1~5の整数である。
【0198】
パパイン消化
オリゴヌクレオチドが、パパインによる消化によって抗TfR1コンジュゲートから切断された。Thermo Scientific Immobilized Papain(P/N:20341)が、消化の前に、0.5mLの50%スラリーを4mLの新たに調製したパパイン活性化緩衝液(20mMのリン酸ナトリウム、10mMのEDTA、20mMのシステイン、pH7.0)に添加することによって活性化された。パパイン樹脂が十分に混合され、3000rcfで5分間遠心分離されて、樹脂をプルダウンした。上清が捨てられて、洗浄が2回繰り返された。2回の洗浄後、250μLのパパイン活性化緩衝液の添加によって、パパインが50%のスラリーに再懸濁された。Thermo Scientific Zeba脱塩カラム(P/N:89882)を使用して、抗TfR1コンジュゲートはパパイン消化緩衝液(20mMのリン酸ナトリウム、10mMのEDTA、pH7.0)への緩衝液交換を受けた。コンジュゲートを添加する前、カラムが0.3mLの緩衝液で3回平衡化された。少なくとも8mg/mLの濃度の40μLのコンジュゲートが、100μLの平衡化固定化パパイン樹脂に添加された。試料が、1400rpmで振盪しながら40℃で1時間インキュベートされた。インキュベーション後、パパイン樹脂は、各試料をフィルターチューブに添加し、すべての液体試料が濾過されるまで短時間遠心分離することによって、除去された。別のセットのZebaカラムが、LC-MSグレードの水、3×300μLで平衡化された。100μLのパパイン消化コンジュゲートが各カラムに添加され、緩衝液交換に対して1500rcfで3分間回転された。LC-MS水で50μLの体積に40μgの物質が希釈された。オリゴヌクレオチドの完全な消化が、すべての試料において観察された。
【0199】
非連結抗TfR1抗体のインタクト質量の質量スペクトルが
図2に示されている。非連結抗体のインタクト質量は、質量分析によって決定されるものとして、47968.73Daであり、重鎖の最初の残基(Q)をピログルタミン酸に変換する翻訳後修飾(PTM)がある抗体の理論的な質量と一致しており、これは47968.01Daである(PTMを含まない抗体の理論的な質量は47924.39Daである)。パパイン消化によるオリゴヌクレオチドの切断後本明細書において提供される組成物の抗TfR1抗体-リンカー複合体の質量を示す質量スペクトルが
図3に示されている。5つの主要なピークが観察され、それぞれが1~5のリンカー対抗体比(LAR)に対応する。各ピークの隣に、抗TfR1抗体-リンカー複合体の質量が示されており、これはインタクト抗体(ピログルタミン酸PTM付)の質量(47968.01Da)プラスリンカーの質量(リンカーあたり約927.07Da)に等しい。質量分析によって決定された複合体の実験質量を
図3に示す。1のLARがある抗TfR1抗体-リンカー複合体は、48894.82の実験質量を有し、これは48895.08の理論的な質量と一致する。2のLARがある抗TfR1抗体-リンカー複合体は、49822.45の実験質量を有し、これは49822.15の理論的な質量と一致する。3のLARがある抗TfR1抗体-リンカー複合体は、50749.37の実験質量を有し、これは50749.22の理論的な質量と一致する。4のLARがある抗TfR1抗体-リンカー複合体は、51676.91の実験質量を有し、これは51676.29の理論的な質量と一致する。5のLARがある抗TfR1抗体-リンカー複合体は、52603.09の実験質量を有し、これは52603.36の理論的な質量と一致する。
【0200】
キモトリプシン消化
オリゴヌクレオチドが切断された抗TfR1リンカーコンジュゲートが、固定化キモトリプシンで消化された。15μLのThermo SMART Chymotrypsin樹脂(キットP/N:60109104MBLPH)がエッペンドルフチューブに加えられた。150μLのChymotrypsin Smart Digest Bufferが添加された。パパイン消化後に調製された抗TfR1リンカーコンジュゲート試料50μLが添加された。ヒートブロックが70℃および1400rpmミックスに設定され、2.5時間インキュベートされた。インキュベーション後、パパイン樹脂は、各試料をフィルターチューブに添加してすべての液体試料が濾過されるまで短時間遠心分離することによって、除去された。500mMのトリス(2-カルボキシエチル)ホスフィン(TCEP)の水溶液のストック溶液が調製された。ストック溶液は、消化試料に、最終濃度20mMのTCEPまで添加されて、室温で30分間インキュベートされてジスルフィドを還元した。総試料体積が約100μLになるまで、試料はspeed vacによって濃縮された。次いで、25μLのペプチド試料(約10ugの総ペプチド)が、ペプチドマッピング分析のために質量分析計に注入された。全キモトリプシン消化物において100%の配列カバレッジがあり(データは示さず)、全コンジュゲート群においてパパイン切断リンカーが同定された。次いで、オリゴヌクレオチドが抗体の重鎖および軽鎖ごとに定量された。
【0201】
リンカー部位あたりのオリゴヌクレオチドの占有率の概要が、以下の表7に示されている。ホットスポットリンカー部位は、Kabatナンバリングに基づいて組成物中の軽鎖定常領域中のリジン188(K188)およびリジン190(K190)であった。まとめると、K188およびK190に対応するリジン残基の85~95%がオリゴヌクレオチドに共有結合されていた。K213に対応するリジン残基の15~20%がオリゴヌクレオチドに共有結合されており、別の主要なリンカー部位は、組成物中の重鎖定常領域中のリジン213(K213)であった。
【表7】
追加の態様
1.複数の複合体を含む組成物であって、各複合体が、1以上のオリゴヌクレオチドに共有結合された抗体を含み、各オリゴヌクレオチドが、抗体のリジン(K)残基によって表される連結部位に共有結合されており、
ここで、抗体が、重鎖可変領域(VH)および重鎖定常領域を含む重鎖と、軽鎖可変領域(VL)および軽鎖定常領域を含む軽鎖とを含み、
およびここで、組成物中の複合体の抗体の軽鎖定常領域の少なくとも80%は、各抗体の軽鎖定常領域のK188(Kabatナンバリングに基づく)によって表される連結部位および/またはK190(Kabatナンバリングに基づく)によって表される連結部位でオリゴヌクレオチドに独立して共有結合されている、組成物。
2.組成物中の複合体の抗体の重鎖定常領域の少なくとも15%が、各抗体の重鎖定常領域のK213(Kabatナンバリングに基づく)によって表される連結部位でオリゴヌクレオチドに独立して共有結合されている、態様1に記載の組成物。
3.複数の複合体を含む組成物であって、各複合体が、1以上のオリゴヌクレオチドに共有結合された抗体を含み、各オリゴヌクレオチドが、抗体のリジン(K)残基によって表される連結部位に共有結合されており、
ここで、抗体が、重鎖可変領域(VH)および重鎖定常領域を含む重鎖と、軽鎖可変領域(VL)および軽鎖定常領域を含む軽鎖とを含み、
ここで、組成物中の複合体の抗体の軽鎖定常領域の少なくとも80%が、各抗体の軽鎖定常領域の配列モチーフDYEKHKVYA(配列番号53)中のリジン(K)残基によって表される連結部位でオリゴヌクレオチドに独立して共有結合されている、組成物。
4.組成物中の複合体の抗体の重鎖定常領域の少なくとも15%が、各抗体の重鎖定常領域の配列モチーフVNHKPSN(配列番号58)中のリジン(K)残基によって表される連結部位でオリゴヌクレオチドに独立して共有結合されている、態様3に記載の組成物。
5.抗体が、配列番号1、7もしくは12に記載の配列を含む重鎖相補性決定領域1(CDR-H1)、配列番号2、8もしくは13に記載の配列を含む重鎖相補性決定領域2(CDR-H2)、配列番号3、9もしくは14に記載の配列を含む重鎖相補性決定領域3(CDR-H3)、配列番号4、10もしくは15に記載の配列を含む軽鎖相補性決定領域1(CDR-L1)、配列番号5もしくは11に記載の配列を含む軽鎖相補性決定領域2(CDR-L2)、配列番号6もしくは16に記載の配列を含む軽鎖相補性決定領域3(CDR-L3)を含む抗トランスフェリン受容体(TfR1)抗体である、態様1~4のいずれか1つの組成物。
6.抗体が、配列番号37、43もしくは48に記載の配列を含む重鎖相補性決定領域1(CDR-H1)、配列番号38、44もしくは49に記載の配列を含む重鎖相補性決定領域2(CDR-H2)、配列番号39、45もしくは50に記載の配列を含む重鎖相補性決定領域3(CDR-H3)、配列番号40、46もしくは51に記載の配列を含む軽鎖相補性決定領域1(CDR-L1)、配列番号41もしくは47に記載の配列を含む軽鎖相補性決定領域2(CDR-L2)、配列番号42もしくは52に記載の配列を含む軽鎖相補性決定領域3(CDR-L3)を含む抗トランスフェリン受容体(TfR1)抗体である、態様1~4のいずれか1つの組成物。
7.オリゴヌクレオチドがホスホロジアミダートモルホリノオリゴマー(PMO)である、態様1~6のいずれか1つの組成物。
8.式(I):[R
1]
n1-R
2の複数の複合体を含む組成物であって、式中
各R
1は、独立して、式(Ia)の基を含み:
【化30】
(Ia)、
R
2は、重鎖可変領域(VH)および重鎖定常領域を含む重鎖と、軽鎖可変領域(VL)および軽鎖定常領域を含む軽鎖とを含む抗トランスフェリン受容体(TfR1)抗体を含み;およびここで抗TfR1抗体は:配列番号1、7または12に示される配列を含む重鎖相補性決定領域1(CDR-H1)、配列番号2、8または13に示される配列を含む重鎖相補性決定領域2(CDR-H2)、配列番号3、9または14に示される配列を含む重鎖相補性決定領域3(CDR-H3)、配列番号4、10または15に示される配列を含む軽鎖相補性決定領域1(CDR-L1)、配列番号5または11に示される配列を含む軽鎖相補性決定領域2(CDR-L2)、および配列番号6または16に示される配列を含む軽鎖相補性決定領域3(CDR-L3)を含み;
R
3は、CTCCAACATCAAGGAAGATGGCATTTCTAG(配列番号21)の核酸塩基配列を含むホスホロジアミダートモルホリノオリゴマー(PMO)を含む;
ここで各R
1は、結合点Aにおいて、抗TfR1抗体のリジン(K)残基によって表される連結部位を介してR
2に共有結合されており、およびここで組成物中の複合体の抗TfR1抗体の軽鎖定常領域の少なくとも80%は、各抗体の軽鎖定常領域のK188(Kabatナンバリングに基づく)によって表される連結部位および/またはK190(Kabatナンバリングに基づく)によって表される連結部位でR
1に独立して共有結合されている;および
式中、各複合体において、n1は、独立して、R
1の実例の数を表す1以上の整数であり、任意に、組成物中の複合体のn1の平均値は、1~5の範囲内である、組成物。
9.式(I):[R
1]
n1-R
2の複数の複合体を含む組成物であって、式中
各R
1は、独立して、式(Ib)の基を含み:
【化31】
(Ib)、
式中、-pはホスホロジアミダートモルホリノオリゴマー(PMO)のホスホロジアミダート連結であり、およびここでPMOは、CTCCAACATCAAGGAAGATGGCATTTCTAG(配列番号21)の塩基配列を含み;
R
2は、重鎖可変領域(VH)および重鎖定常領域を含む重鎖と、軽鎖可変領域(VL)および軽鎖定常領域を含む軽鎖とを含む抗トランスフェリン受容体(TfR1)抗体を含み;およびここで抗TfR1抗体は:配列番号1、7または12に示される配列を含む重鎖相補性決定領域1(CDR-H1)、配列番号2、8または13に示される配列を含む重鎖相補性決定領域2(CDR-H2)、配列番号3、9または14に示される配列を含む重鎖相補性決定領域3(CDR-H3)、配列番号4、10または15に示される配列を含む軽鎖相補性決定領域1(CDR-L1)、配列番号5または11に示される配列を含む軽鎖相補性決定領域2(CDR-L2)、および配列番号6または16に示される配列を含む軽鎖相補性決定領域3(CDR-L3)を含み;および
ここで各R
1は、結合点Aにおいて、抗TfR1抗体のリジン(K)残基によって表される連結部位を介してR
2に共有結合されており、およびここで組成物中の複合体の抗TfR1抗体の軽鎖定常領域の少なくとも80%は、各抗体の軽鎖定常領域のK188(Kabatナンバリングに基づく)によって表される連結部位および/またはK190(Kabatナンバリングに基づく)によって表される連結部位でR
1に独立して共有結合されている;および
式中、各複合体において、n1は、独立して、R
1の実例の数を表す1以上の整数であり、および任意にここで、組成物中の複合体のn1の平均値は、1~5の範囲内である、組成物。
10.式(I):[R
1]
n1-R
2の複数の複合体を含む組成物であって、式中各R
1は、式(Ic)の基を含み:
【化32】
(Ic)、
R
2は、重鎖可変領域(VH)および重鎖定常領域を含む重鎖と、軽鎖可変領域(VL)および軽鎖定常領域を含む軽鎖とを含む抗トランスフェリン受容体(TfR1)抗体を含み;およびここで抗TfR1抗体は:配列番号1、7または12に示される配列を含む重鎖相補性決定領域1(CDR-H1)、配列番号2、8または13に示される配列を含む重鎖相補性決定領域2(CDR-H2)、配列番号3、9または14に示される配列を含む重鎖相補性決定領域3(CDR-H3)、配列番号4、10または15に示される配列を含む軽鎖相補性決定領域1(CDR-L1)、配列番号5または11に示される配列を含む軽鎖相補性決定領域2(CDR-L2)、および配列番号6または16に示される配列を含む軽鎖相補性決定領域3(CDR-L3)を含み;および
ここで各R
1は、結合点Aにおいて、抗TfR1抗体のリジン(K)残基によって表される連結部位を介してR
2に共有結合されており、およびここで組成物中の複合体の抗TfR1抗体の軽鎖定常領域の少なくとも80%は、各抗体の軽鎖定常領域のK188(Kabatナンバリングに基づく)によって表される連結部位および/またはK190(Kabatナンバリングに基づく)によって表される連結部位でR
1に独立して共有結合されている;および
式中、各複合体において、n1は、独立して、R
1の実例の数を表す1以上の整数であり、および任意にここで、組成物中の複合体のn1の平均値は、1~5の範囲内である、組成物。
11.組成物中の複合体の抗TfR1抗体の軽鎖定常領域の85%~95%が、各抗体の軽鎖定常領域のK188(Kabatナンバリングに基づく)によって表される連結部位および/またはK190(Kabatナンバリングに基づく)によって表される連結部位でR
1に独立して共有結合されている、態様8~10のいずれか1つの組成物。
12.組成物中の複合体の抗TfR1抗体の軽鎖定常領域の90~95%が、各抗体の軽鎖定常領域のK188(Kabatナンバリングに基づく)によって表される連結部位および/またはK190(Kabatナンバリングに基づく)によって表される連結部位でR
1に独立して共有結合されている、態様8~11のいずれか1つの組成物。
13.組成物中の複合体の抗TfR1抗体の重鎖定常領域の少なくとも15%が、各抗体の重鎖定常領域のK213(Kabatナンバリングに基づく)によって表される連結部位でR
1に独立して共有結合されている、態様8~12のいずれか1つの組成物。
14.組成物中の複合体の抗TfR1抗体の重鎖定常領域の15~45%が、各抗体の重鎖定常領域のK213(Kabatナンバリングに基づく)によって表される連結部位でR
1に独立して共有結合されている、態様8~13のいずれか1つの組成物。
15.抗体が、Fab断片、完全長IgG、Fab'断片、またはF(ab')2断片である、態様1~14のいずれか1つの組成物。
16.抗体が、Fab断片である、態様1~15のいずれか1つの組成物。
17.VHは配列番号17と少なくとも85%同一のアミノ酸配列を含み;および/または、ここでVLは配列番号18と少なくとも85%同一のアミノ酸配列を含む、態様1~16のいずれか1つの組成物。
18.抗体が、配列番号17のアミノ酸配列を含む重鎖可変領域(VH)と、配列番号18のアミノ酸配列を含む軽鎖可変領域(VL)とを含む、態様1~17のいずれか1つの組成物。
19.重鎖が、配列番号19のアミノ酸配列を含み、軽鎖が配列番号20のアミノ酸配列を含む、態様1~18のいずれか1つの組成物。
20.対象におけるジストロフィンタンパク質の発現または活性を促進する方法であって、有効量の態様1~19のいずれか1つの組成物を対象に投与することを含む方法。
21.対象のデュシェンヌ型筋ジストロフィー(DMD)を処置する方法であって、有効量の態様1~19のいずれか1つの組成物を対象に投与することを含む方法。
22.対象が、エクソン51スキッピングに適した突然変異を含む突然変異ジストロフィン対立遺伝子を有する、態様20または態様21に記載の方法。
23.突然変異ジストロフィン対立遺伝子が、エクソン51にフレームシフト突然変異を含む、態様22の方法。
24.複合体が、対象におけるジストロフィンタンパク質の発現または活性を促進する、態様20~23のいずれか1つの方法。
25.ジストロフィンタンパク質が切断型ジストロフィンタンパク質である、態様24の方法。
26.第1の複数の複合体の薬物抗体比(DAR)範囲を決定する方法であって、各複合体はリンカーを介して1以上のオリゴヌクレオチドに共有結合された抗体を含み、各リンカーは1以上のプロテアーゼ切断部位を含み、方法は、
(i)リンカーの1以上のプロテアーゼ切断部位のうちの少なくとも1つを切断することによって、1以上のオリゴヌクレオチドを、第1の複数の複合体のそれらが共有結合されている抗体から除去するステップであって、リンカーの1以上のプロテアーゼ切断部位のうちの少なくとも1つを切断することが、第2の複数の複合体を生じ、各複合体は、1以上の部分的リンカーに共有結合された抗体を含む、ステップ;
(ii)ステップ(i)から生じる第2の複数の複合体を得るステップ;
(iii)ステップ(ii)で得られた複合体の質量を質量分析によって決定するステップ;および
(iv)ステップ(ii)で得られた複合体のDAR範囲を決定するステップであって;抗体の質量+n1個の部分的リンカーの質量に対応する質量分析による検出された質量は、n1のDARを示し、ここで、n1は、1以上の整数である、ステップ、を含む、方法。
27.第1の複数の複合体を分析する方法であって、各複合体はリンカーを介して1以上のオリゴヌクレオチドに共有結合された抗体を含み、ここで各リンカーは1以上のプロテアーゼ切断部位を含み、方法は:
(i)リンカーにおける1以上のプロテアーゼ切断部位のうちの少なくとも1つを切断することによって、1以上のオリゴヌクレオチドを、第1の複数の複合体のそれらが共有結合されている抗体から除去するステップであって、リンカーの1以上のプロテアーゼ切断部位のうちの少なくとも1つを切断することが、第2の複数の複合体を生じ、各複合体は、1以上の部分的リンカーに共有結合された抗体を含み、ここで抗体は無傷のままである、ステップ;
(ii)ステップ(i)から生じる第2の複数の複合体を得るステップ;
(iii)(ii)で得られた複合体の抗体をプロテアーゼで消化して抗体の断片を得るステップ;および
(iv)ステップ(iii)で得られた抗体の断片の質量を質量分析によって決定して、共有結合された1以上の部分的リンカーを同定するステップを含む、方法。
28.第1の複数の複合体の各複合体が式(I):[R
1]
n1-R
2の構造を含み、式中各R
1は、式(Ic)の基を含み:
【化33】
(Ic)、
R
2は、重鎖可変領域(VH)および重鎖定常領域を含む重鎖と、軽鎖可変領域(VL)および軽鎖定常領域を含む軽鎖とを含む抗トランスフェリン受容体(TfR1)抗体を含み;およびここで抗TfR1抗体は:配列番号1、7または12に示される配列を含む重鎖相補性決定領域1(CDR-H1)、配列番号2、8または13に示される配列を含む重鎖相補性決定領域2(CDR-H2)、配列番号3、9または14に示される配列を含む重鎖相補性決定領域3(CDR-H3)、配列番号4、10または15に示される配列を含む軽鎖相補性決定領域1(CDR-L1)、配列番号5または11に示される配列を含む軽鎖相補性決定領域2(CDR-L2)、および配列番号6または16に示される配列を含む軽鎖相補性決定領域3(CDR-L3)を含み;および
ここで各R
1は、結合点Aにおいて、抗TfR1抗体のリジン(K)残基によって表される連結部位を介してR
2に共有結合されており、およびここで組成物中の複合体の抗TfR1抗体の軽鎖定常領域の少なくとも80%は、各抗体の軽鎖定常領域のK188(Kabatナンバリングに基づく)によって表される連結部位および/またはK190(Kabatナンバリングに基づく)によって表される連結部位でR
1に独立して共有結合されている;および
式中、各複合体において、n1は、独立して、R
1の実例の数を表す1以上の整数であり、および任意にここで、組成物中の複合体のn1の平均値は、1~5の範囲内である、態様26または態様27に記載の方法。
29.ステップ(i)の切断がパパインを用いて行われる、態様26~28のいずれか1つの方法。
30.ステップ(iii)の消化がキモトリプシンを用いて行われる、態様27~29のいずれか1つの方法。
【0202】
均等物および用語
例証的に本明細書に記載された開示は、好適には、本明細書に具体的には開示されないいずれかの単数または複数の要素、単数または複数の限定の非存在下において実施されることができる。したがって、例を挙げると、本明細書における各事例では、用語「含む」、「から本質的になる」および「からなる」のいずれかは、他の2つの用語のいずれかによって置き換えられ得る。採用された用語および表現は、限定ではなく記載の用語として使用され、そのような用語および表現の使用には、示されるおよび記載される特徴のいずれかの均等物またはそれらの部分を排除する意図はなく、様々な改変が本開示の範囲内で可能であることが認識される。したがって、本開示は好ましい態様によって具体的に開示されたが、本明細書に開示される概念の任意の特徴、改変および変形が当業者によって頼られ得ることと、そのような改変および変形は本開示の範囲内であると考慮されることとは理解されるべきである。
【0203】
加えて、本開示の特徴または側面がマーカッシュ群または代替物の他の群分けとして記載されるところでは、当業者は、本開示がそれによってマーカッシュ群または他の群のいずれかの個々の構成員または構成員のサブグループとしてもまた記載されることを認識するであろう。
【0204】
いくつかの態様において、オリゴヌクレオチドまたは他の核酸の構造を記載する際には、配列表で提示される配列が参照され得ることを理解されたい。そのような態様においては、実際のオリゴヌクレオチドまたは他の核酸は、指定された配列と本質的に同じかまたは類似の相補的な特性を保持しながら、指定された配列と比較して、1以上の代替的なヌクレオチド(例として、DNAヌクレオチドのRNA対応物、またはRNAヌクレオチドのDNA対応物)および/または(例として、および)1以上の修飾ヌクレオチドおよび/または(例として、および)1以上の修飾ヌクレオチド間連結および/または(例として、および)1以上の他の修飾を有し得る。
【0205】
本発明を説明する文脈における(特に以下の請求項の文脈における)用語「a」および「an」および「the」ならびに同様の指示対象の使用は、本明細書に別段の指示がないかまたは文脈と明らかに矛盾しない限り、単数および複数の両方を網羅すると解釈されるべきである。用語「含む」、「有する」、「包含する」および「含有する」は、特に断りのない限り、オープンエンドの用語として解釈されるべきである(すなわち、「包含するが、それらに限定されない」を意味する)。本明細書における値の範囲の記載は、本明細書に別段の指示がない限り、単に、範囲内に収まる各別個の値を個々に参照する簡略な方法として働くことが意図され、各別個の値は、それがあたかも本明細書に個々に記載されているかのように本明細書に組み込まれる。本明細書に別段の指示がないかまたは文脈と明らかに矛盾しない限り、本明細書に記載のすべての方法は任意の好適な順序で行われることができる。別様に請求されない限り、本明細書に提供されるいずれかのおよびすべての例または例示的な文言(例として、「など」)の使用は、単に本発明をより良く解き明かすことを意図され、本発明の範囲に限定を課さない。本明細書のいかなる文言も、いずれかの請求されない要素を本発明の実施にとって必須であると指し示すものと解釈されるべきではない。
【0206】
本発明の態様が本明細書に記載されている。それらの態様の変形は、先述の記載を読むことによって当業者には明らかになり得る。
【0207】
本発明者は当業者がそのような変形を適当に採用することを予期し、本発明者は本発明が本明細書に具体的に記載されるとおりとは別様に実施されることを意図する。したがって、本発明は、然るべき法律によって許可される本明細書に添付される請求項に記載される主題のすべての改変および均等物を包含する。その上、それらのすべての可能な変形における上に記載された要素のいずれかの組合せは、本明細書に別段の指示がないかまたは文脈と明らかに矛盾しない限り、本発明によって包摂される。当業者は、本明細書に記載される本発明の特定の態様の多くの均等物を認識するか、または常用的な実験のみを使用して確かめることが可能であろう。そのような均等物は、添付の請求項によって包摂されることを意図される。
【配列表】
【国際調査報告】