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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-10-31
(54)【発明の名称】自動内装変速機及び自転車
(51)【国際特許分類】
   B62M 11/16 20060101AFI20241024BHJP
【FI】
B62M11/16 G
B62M11/16 A
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2024525830
(86)(22)【出願日】2022-11-09
(85)【翻訳文提出日】2024-04-25
(86)【国際出願番号】 CN2022130802
(87)【国際公開番号】W WO2023197589
(87)【国際公開日】2023-10-19
(31)【優先権主張番号】202210380344.4
(32)【優先日】2022-04-12
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】524160051
【氏名又は名称】広東洛梵狄智能科技有限公司
【氏名又は名称原語表記】GUANGDONG LOFANDI INTELLIGENT TECHNOLOGY CO., LTD
(74)【代理人】
【識別番号】110000729
【氏名又は名称】弁理士法人ユニアス国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】李 激初
(72)【発明者】
【氏名】林 杰煌
(57)【要約】
自動内装変速機(100)であって、ハブ軸(10)と、入力機構(20)と、出力機構(30)と、変速機構(40)と、自動シフト制御機構(50)とを含み、変速機構(40)は、第1遊星歯車列(41)と、第2遊星歯車列(42)とを含み、自動シフト制御機構(50)は、遠心ブロック(501)と、クラッチ制御ユニット(53)とを含み、遠心ブロック(501)は出力機構(30)に接続され、かつ遠心ブロック(501)はクラッチ制御ユニット(53)に接続され、遠心ブロック(501)は、出力機構(30)に対して第1方向に沿って第1状態まで回動し、クラッチ制御ユニット(53)を回動させ、第1遊星歯車列(41)を経て駆動力を伝達させることが可能であり、遠心ブロック(501)はさらに、出力機構(30)に対して第1方向に沿ってさらに第2状態まで回動し、クラッチ制御ユニット(53)をさらに回動させ、第2遊星歯車列(42)を経て駆動力を伝達させることが可能である。自転車であって、車体と、自動内装変速機(100)とを含む。
【選択図】 図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
自動内装変速機であって、ハブ軸と、入力機構と、出力機構と、変速機構と、自動シフト制御機構とを含み、
前記入力機構及び前記出力機構はともに、前記ハブ軸に回動可能に装着され、かつ前記入力機構は、駆動力を提供して前記出力機構を回動させるために用いられ、
前記変速機構は、前記ハブ軸に装着されるとともに、前記入力機構と前記出力機構との間に位置し、
前記変速機構は少なくとも、第1遊星歯車列と、第2遊星歯車列とを含み、
前記自動シフト制御機構は、遠心ブロックと、クラッチ制御ユニットとを含み、前記遠心ブロックは、前記出力機構に回動接続され、かつ前記クラッチ制御ユニットに接続され、
前記遠心ブロックは、前記入力機構によって伝達された駆動力が前記第1遊星歯車列を経て前記出力機構に伝達されるように、前記出力機構に対して第1方向に沿って第1状態まで回動することで前記クラッチ制御ユニットを回動させることが可能であり、
前記遠心ブロックはさらに、前記入力機構によって伝達された駆動力が前記第2遊星歯車列を経て前記出力機構に伝達されるように、前記出力機構に対して前記第1方向に沿ってさらに第2状態まで回動することで前記クラッチ制御ユニットをさらに回動させることが可能である、
ことを特徴とする自動内装変速機。
【請求項2】
前記クラッチ制御ユニットは、同期リングと、制御スリーブと、クラッチコントローラとを含み、前記遠心ブロックは前記同期リングに接続され、前記制御スリーブは前記同期リングに接続され、前記クラッチコントローラは前記変速機構と前記出力機構との間に位置し、前記遠心ブロックは、前記クラッチコントローラを制御するように、前記同期リングを回動させることで前記制御スリーブを回動させることが可能であり、
前記第1状態の場合、前記制御スリーブは前記クラッチコントローラを制御して、前記第1遊星歯車列を前記出力機構に結合し、
前記第2状態の場合、前記制御スリーブは前記クラッチコントローラを制御して、前記第2遊星歯車列を前記出力機構に結合する、
ことを特徴とする請求項1に記載の自動内装変速機。
【請求項3】
前記クラッチコントローラは、ハブブッシュと、第1クリックと、第2クリックとを含み、前記ハブブッシュは前記出力機構に接続され、前記第1クリック、前記第2クリックはそれぞれ、前記ハブブッシュに回動接続され、
前記第1状態の場合、前記制御スリーブは前記第1クリックを制御して、前記第1クリックを前記第1遊星歯車列に結合させ、
前記第2状態の場合、前記制御スリーブは前記第2クリックを制御して、前記第2クリックを前記第2遊星歯車列に結合させる、
ことを特徴とする請求項2に記載の自動内装変速機。
【請求項4】
前記第1クリック及び前記第2クリックは軸方向に沿って互いに間隔をおいて設けられ、前記制御スリーブに第1制御溝、第2制御溝が開設されており、前記第1制御溝は径方向に沿って前記制御スリーブを貫通し、かつ前記第1制御溝は軸方向に沿って前記第1クリックに対応して設けられ、前記第2制御溝は径方向に沿って前記制御スリーブを貫通し、かつ前記第2制御溝は軸方向に沿って前記第2クリックに対応して設けられ、
前記第1状態の場合、前記第1制御溝の内壁が前記第1クリックを当接して押し下げることで、前記第1クリックは前記第1制御溝を通って前記第1遊星歯車列に結合し、
前記第2状態の場合、前記第2制御溝の内壁が前記第2クリックを当接して押し下げることで、前記第2クリックは前記第2制御溝を通って前記第2遊星歯車列に結合する、
ことを特徴とする請求項3に記載の自動内装変速機。
【請求項5】
前記同期リングは、同期リング本体と、遠心ブロック接続突起と、制御スリーブ接続突起とを含み、前記遠心ブロック接続突起は軸方向に沿って前記同期リング本体の一端に設けられ、前記遠心ブロックは前記遠心ブロック接続突起に接続され、前記制御スリーブ接続突起は軸方向に沿って前記同期リング本体の他端に設けられ、前記制御スリーブは前記制御スリーブ接続突起に接続される、
ことを特徴とする請求項2に記載の自動内装変速機。
【請求項6】
第1弾性回復部材をさらに含み、
前記第1弾性回復部材は、前記出力機構に接続されており、前記遠心ブロックが第2方向に沿って復帰して初期状態を保持するように、自身の弾力によって前記遠心ブロックのために第1復帰力を提供するために用いられ、
前記第2方向及び前記第1方向は、反対の2つの方向である、
ことを特徴とする請求項1に記載の自動内装変速機。
【請求項7】
第1弾力調節構造をさらに含み、前記第1弾性回復部材は前記第1弾力調節構造を介して前記出力機構に接続され、
前記第1弾力調節構造は、第1調節部材と、第1駆動部材とを含み、前記第1調節部材は前記第1弾性回復部材に接続され、前記第1駆動部材は前記出力機構に接続され、かつ前記第1駆動部材は前記第1調節部材に接続され、前記第1駆動部材は、前記遠心ブロックが受ける前記第1復帰力を変更するように、前記第1調節部材を運転させることで前記第1弾性回復部材のひずみ状態を変更することが可能である、
ことを特徴とする請求項6に記載の自動内装変速機。
【請求項8】
前記第1調節部材は前記出力機構に回動可能に接続され、前記第1弾性回復部材はトーションばねであり、前記第1駆動部材は、前記第1調節部材を回動させることで、前記第1弾性回復部材が捩れることが可能である、
ことを特徴とする請求項7に記載の自動内装変速機。
【請求項9】
前記第1調節部材に第1歯車が設けられており、前記第1駆動部材は前記第1歯車と噛み合う、
ことを特徴とする請求項8に記載の自動内装変速機。
【請求項10】
前記第1駆動部材は、第1駆動スタッドと、駆動ラックとを含み、前記出力機構に第1ねじ孔が開設されており、前記第1駆動スタッドは対応して前記第1ねじ孔に装着され、前記駆動ラックは前記第1歯車と噛み合い、かつ前記第1駆動スタッドは、前記駆動ラックを移動させることで、前記第1調節部材を回動させることが可能である、
ことを特徴とする請求項9に記載の自動内装変速機。
【請求項11】
前記第1駆動部材は、第1リターンスプリングをさらに含み、前記第1リターンスプリングの両端はそれぞれ、前記駆動ラック及び前記出力機構に接続され、前記第1リターンスプリングは、自身の弾力によって前記駆動ラックのために復帰力を提供するために用いられる、
ことを特徴とする請求項10に記載の自動内装変速機。
【請求項12】
前記第1駆動部材は、回動板と、リンクと、回動板駆動レバーとを含み、前記回動板は前記出力機構に回動可能に接続され、かつ前記回動板は前記リンクを介して前記第1調節部材に接続され、前記回動板駆動レバーは前記出力機構に可動に装着され、かつ前記回動板駆動レバーは、前記リンクが前記第1調節部材を回動させるように、前記回動板を回動させることが可能である、
ことを特徴とする請求項8に記載の自動内装変速機。
【請求項13】
前記リンクは前記回動板の一端に接続され、かつ前記回動板の他端にタービン構造が設けられており、前記回動板駆動レバーは、ウォームと、駆動レバーとを含み、前記ウォームは前記タービン構造と噛み合い、前記駆動レバーは前記ウォームに接続され、かつ前記駆動レバーは前記出力機構に可動に装着され、前記駆動レバーは、前記ウォームを回動させることで、前記ウォームと前記タービン構造との係合により前記回動板を回動させることが可能である、
ことを特徴とする請求項12に記載の自動内装変速機。
【請求項14】
前記出力機構に装着孔が開設されており、前記駆動レバーは前記装着孔に装着され、かつ前記駆動レバーに密封リングが装着されており、前記駆動レバーは、前記密封リングを介して前記装着孔の孔壁と締り嵌めされる、
ことを特徴とする請求項13に記載の自動内装変速機。
【請求項15】
前記回動板駆動レバーはスタッドであり、前記出力機構に第1ねじ孔が開設されており、前記回動板駆動レバーは対応して前記第1ねじ孔に装着される、
ことを特徴とする請求項12に記載の自動内装変速機。
【請求項16】
前記第1弾性回復部材の両端はそれぞれ、前記第1調節部材及び前記遠心ブロックに接続される、
ことを特徴とする請求項6~15のいずれか1項に記載の自動内装変速機。
【請求項17】
第2弾性回復部材と、減衰部材とをさらに含み、
前記第2弾性回復部材の両端はそれぞれ、前記減衰部材及び出力機構に接続され、前記減衰部材は、前記遠心ブロックを阻止するために用いられ、かつ前記減衰部材は、前記遠心ブロックが前記第2方向に沿って復帰して前記第1状態を保持するように、前記第2弾性回復部材の弾力によって前記遠心ブロックに第2復帰力を提供するために用いられる、
ことを特徴とする請求項7~15のいずれか1項に記載の自動内装変速機。
【請求項18】
第2弾力調節構造をさらに含み、前記第2弾性回復部材は前記第2弾力調節構造を介して前記出力機構に接続され、
前記第2弾力調節構造は、第2調節部材と、第2駆動部材とを含み、第2調節部材は前記第2弾性回復部材に接続され、前記第2駆動部材は前記出力機構に接続され、かつ前記第2駆動部材は前記第2調節部材に接続され、前記第2駆動部材は、前記減衰部材が前記遠心ブロックに提供する前記第2復帰力を変更するように、前記第2調節部材を運転させることで前記第2弾性回復部材のひずみ状態を変更することが可能である、
ことを特徴とする請求項17に記載の自動内装変速機。
【請求項19】
前記第2調節部材は前記出力機構に回動可能に接続され、前記第2弾性回復部材はトーションばねであり、前記第2駆動部材は、前記第2調節部材を回動させることで、前記第2弾性回復部材が捩れることが可能である、
ことを特徴とする請求項18に記載の自動内装変速機。
【請求項20】
前記第2調節部材に第2歯車が設けられており、前記第2駆動部材は前記第2歯車と噛み合う、
ことを特徴とする請求項19に記載の自動内装変速機。
【請求項21】
前記第2駆動部材は、第2駆動スタッドと、第2駆動アッセンブリとを含み、前記出力機構に第2ねじ孔が開設されており、前記第2駆動スタッドは対応して前記第2ねじ孔に装着され、前記第2駆動アッセンブリは前記第2歯車と噛み合い、かつ前記第1駆動スタッドは、前記第2駆動アッセンブリを運転させることで、前記第2調節部材を回動させることが可能である、
ことを特徴とする請求項19に記載の自動内装変速機。
【請求項22】
前記第2駆動アッセンブリは、揺動歯車と、中間歯車とを含み、前記揺動歯車は前記出力機構に回動可能に接続され、前記中間歯車は前記出力機構に回動可能に接続され、かつ前記中間歯車はそれぞれ、前記揺動歯車、前記第2歯車と噛み合い、前記第2駆動スタッドは、前記揺動歯車を揺動させることで、前記中間歯車を回動させ、前記第2調節部材を回動することが可能である、
ことを特徴とする請求項21に記載の自動内装変速機。
【請求項23】
前記第2駆動部材は第2回復トーションばねをさらに含み、前記第2回復トーションばねの両端はそれぞれ、前記揺動歯車及び前記出力機構に接続され、前記第2回復トーションばねは、自身の弾力によって前記揺動歯車のために復帰力を提供するために用いられる、
ことを特徴とする請求項22に記載の自動内装変速機。
【請求項24】
前記出力機構は、ハブ本体と、装着ベースとを含み、前記装着ベースは前記ハブ本体に固定接続され、前記第1調節構造、前記第2調節構造はともに前記装着ベースに接続され、前記遠心ブロックは前記装着ベースに回動接続される、
ことを特徴とする請求項17に記載の自動内装変速機。
【請求項25】
前記装着ベースに、一端が開口を有するスライド溝が開設されており、前記スライド溝は前記遠心ブロックの回動方向に沿って延在し、
前記遠心ブロックは、遠心ブロック本体と、遠心ブロック突起とを含み、前記遠心ブロック本体は前記装着ベースに回動接続され、前記遠心ブロック突起は前記遠心ブロック本体に接続され、前記減衰部材は軸方向に沿って前記遠心ブロック本体とずれて設けられ、前記遠心ブロック突起は前記スライド溝に位置し、かつ前記遠心ブロックが遠心力を受けて回動した後、前記遠心ブロック突起は前記開口から、前記スライド溝から滑りでることが可能であり、
前記減衰部材は対応して前記開口箇所に位置し、前記遠心ブロック突起を阻止するために用いられる、
ことを特徴とする請求項24に記載の自動内装変速機。
【請求項26】
減衰部材吸着ユニットをさらに含み、前記減衰部材吸着ユニットは前記装着ベースに接続され、かつ前記開口の近くに位置し、前記減衰部材吸着ユニットは、前記減衰部材が初期位置にあるように、前記減衰部材を吸着するために用いられる、
ことを特徴とする請求項25に記載の自動内装変速機。
【請求項27】
前記第1状態の場合、前記遠心ブロック突起は前記開口の近くに位置し、前記減衰部材吸着ユニットはさらに、前記遠心ブロック突起を吸着するために用いられる、
ことを特徴とする請求項26に記載の自動内装変速機。
【請求項28】
遠心ブロック吸着ユニットをさらに含み、前記遠心ブロック吸着ユニットは前記出力機構に接続され、前記遠心ブロック吸着ユニットは、前記遠心ブロックが前記第2状態を保持するように、前記遠心ブロックを吸着するために用いられる、
ことを特徴とする請求項1に記載の自動内装変速機。
【請求項29】
自転車であって、車体と、自動内装変速機とを含み、
前記自動内装変速機は前記車体の駆動輪に装着され、かつ前記自動内装変速機は、請求項1~28のいずれか1項に記載の自動内装変速機である、
ことを特徴とする自転車。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本出願は2022年4月12日にて中国特許庁に提出され、出願番号が202210380344.4であり、発明の名称が「自動内装変速機及び自転車」である中国特許出願の優先権を主張し、その全ての内容が援用されることで本出願に結合される。
本発明は、自転車内装変速機という技術的分野に関し、特に自動内装変速機及び自転車に関する。
【背景技術】
【0002】
自転車は、サイクル又はチャリンコとも呼ばれる。人が自転車に乗った後、足でペダルを踏むことを動力とし、環境に優しい交通手段である。現代社会において、自転車は既に、世界各国、特に先進国の住民が好む交通、フィットネス手段となっている。同時に、世界の自転車業界のコアも、伝統的な移動補助型交通手段から運動型、マウンテン型、レジャー型へ転化し、米国、ヨーロッパ、日本等の先進国では、自転車は、普通の運動、フィットネス、レジャー、及び娯楽性製品となっている。それに、技術の継続的な発展に伴い、自転車内装変速機の出現により、自転車のシフト位置に対するサイクリストの調節もますます便利になった。
【0003】
従来技術の内装変速機では、ハブ軸、入力機構、出力機構、変速機構、及びシフト制御機構等の部材に大別される。入力機構は、自転車の後輪のフリーホイールに接続されるために用いられ、これにより、内装変速機が自転車に装着された場合、入力機構は、フリーホイールの連動により回動することができる。出力機構は通常、後輪ハブであり、これにより、内装変速機が自転車に装着された場合、出力機構の回動は、同期して後輪を回動させ、自転車の走行を実現することができる。変速機構は、入力機構と出力機構との間に設けられ、入力機構と出力機構との間の伝動部材であり、入力機構の回動動力を出力機構に伝達することで、出力機構を回動させるために用いられる。変速機構には、複数の動力伝達経路が設けられることができ、シフト制御機構は、変速機構を制御するために用いられる。変速機構における部材の間のクラッチをシフト制御機構によって制御し、又は、変速機構と出力機構との間のクラッチをシフト制御機構によって制御することにより、自転車に対するシフト変速を実現する。
【0004】
自動内装変速機は内装変速機のうちの1種として、そのシフト制御機構が、自動シフト制御機構を採用する。自動シフト制御機構は、サイクリストが余分な手動調節を行う必要がなく、自転車の車速の変更に伴って、自転車に対する自動シフト変速を実現することができるものである。自動シフト制御機構には通常、遠心ブロックとクラッチ制御ユニットとが含まれ、遠心ブロックは通常、ハブに回動接続され、クラッチ制御ユニットは遠心ブロックに接続される。ハブの回転数が一定の程度に達した後、遠心ブロックは、遠心力の作用により外へ「投げ出され」、遠心ブロックが「投げ出される」場合、クラッチ制御ユニットを回動させ、そして、クラッチ制御ユニットを介して制御変速機構における部材を互いに結合し、又は、クラッチ制御ユニットを介して変速機構と出力機構とを互いに結合し、これにより、入力機構の駆動力を、クラッチ制御ユニットを介してハブに伝達し、自動シフト変速を実現することができる。
【0005】
自動内装変速機には複数のシフト位置がある場合、自動内装変速機において、遠心ブロック及びクラッチ制御ユニットは通常、複数組設けられており、各組の遠心ブロックは、対応する1組のクラッチ制御ユニットに接続される。
【0006】
しかしながら、従来技術の自動内装変速機では、異なるシフト位置を制御する遠心ブロック、クラッチ制御ユニットは互いに独立しているものである。このため、具体的な調節過程において、異なる遠心ブロックが遠心力を受けて投げ出されることで、異なるクラッチ制御ユニットを制御して回動させ、これにより、複数のシフト位置の間の調節を実現する。使用過程において、「飛び」という現象が非常に容易に出現し、例えば、中速シフト位置を調節するための遠心ブロックがまだ「投げ出され」ない場合、高速シフト位置を調節するための遠心ブロックが既に「投げ出され」、これにより、自動内装変速機は直接に低速シフト位置から中間シフト位置を飛び越えて別のシフト位置に到達し、サイクリストのサイクリング体験に影響を与える。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
従来技術の自動内装変速機において、シフト変速過程中に、「飛び」という現象が容易に出現し、サイクリストのサイクリング体験に影響を与えるという技術的課題について、本発明は、「飛び」という現象の出現を効果的に防止できることにより、サイクリストのサイクリング体験をよりよく保障できる自動内装変速機を提供する。
【課題を解決するための手段】
【0008】
自動内装変速機であって、ハブ軸と、入力機構と、出力機構と、変速機構と、自動シフト制御機構とを含み、
前記入力機構及び前記出力機構はともに、前記ハブ軸に回動可能に装着され、かつ前記入力機構は、駆動力を提供して前記出力機構を回動させるために用いられ、
前記変速機構は前記ハブ軸に装着されるとともに、前記入力機構と前記出力機構との間に位置し、
前記変速機構は少なくとも、第1遊星歯車列と、第2遊星歯車列とを含み、
前記自動シフト制御機構は、遠心ブロックと、クラッチ制御ユニットとを含み、前記遠心ブロックは前記出力機構に回動接続され、かつ前記遠心ブロックは前記クラッチ制御ユニットに接続され、
前記遠心ブロックは、前記入力機構によって伝達された駆動力が前記第1遊星歯車列を経て前記出力機構に伝達されるように、前記出力機構に対して第1方向に沿って第1状態まで回動することで前記クラッチ制御ユニットを回動させることが可能であり、
前記遠心ブロックはさらに、前記入力機構によって伝達された駆動力が前記第2遊星歯車列を経て前記出力機構に伝達されるように、前記出力機構に対して第1方向に沿ってさらに第2状態まで回動することで前記クラッチ制御ユニットをさらに回動させることが可能である。
【0009】
好ましくは、前記クラッチ制御ユニットは、同期リングと、制御スリーブと、クラッチコントローラとを含み、前記遠心ブロックは前記同期リングに接続され、前記制御スリーブは前記同期リングに接続され、前記クラッチコントローラは前記変速機構と前記出力機構との間に位置し、前記遠心ブロックは、前記クラッチコントローラを制御するように、前記同期リングを回動させることで前記制御スリーブを回動させることが可能であり、
前記第1状態の場合、前記制御スリーブは前記クラッチコントローラを制御して、前記第1遊星歯車列を前記出力機構に結合し、
前記第2状態の場合、前記制御スリーブは前記クラッチコントローラを制御して、前記第2遊星歯車列を前記出力機構に結合する。
【0010】
好ましくは、前記クラッチコントローラは、ハブブッシュと、第1クリックと、第2クリックとを含み、前記ハブブッシュは前記出力機構に接続され、前記第1クリック、前記第2クリックはそれぞれ、前記ハブブッシュに回動接続され、
前記第1状態の場合、前記制御スリーブは前記第1クリックを制御して、前記第1クリックを前記第1遊星歯車列に結合させ、
前記第2状態の場合、前記制御スリーブは前記第2クリックを制御して、前記第2クリックを前記第2遊星歯車列に結合させる。
【0011】
好ましくは、前記第1クリック及び前記第2クリックは軸方向に沿って互いに間隔をおいて設けられ、前記制御スリーブに第1制御溝、第2制御溝が開設されており、前記第1制御溝は径方向に沿って前記制御スリーブを貫通し、かつ前記第1制御溝は軸方向に沿って前記第1クリックに対応して設けられ、前記第2制御溝は径方向に沿って前記制御スリーブを貫通し、かつ前記第2制御溝は軸方向に沿って前記第2クリックに対応して設けられ、
前記第1状態の場合、前記第1制御溝の内壁が前記第1クリックを当接して押し下げることで、前記第1クリックは前記第1制御溝を通って前記第1遊星歯車列に結合し、
前記第2状態の場合、前記第2制御溝の内壁が前記第2クリックを当接して押し下げることで、前記第2クリックは前記第2制御溝を通って前記第2遊星歯車列に結合する。
【0012】
好ましくは、前記同期リングは、同期リング本体と、遠心ブロック接続突起と、制御スリーブ接続突起とを含み、前記遠心ブロック接続突起は軸方向に沿って前記同期リング本体の一端に設けられ、かつ前記遠心ブロック接続突起は少なくとも、2つ設けられており、前記遠心ブロックは前記遠心ブロック接続突起に接続され、前記制御スリーブ接続突起は軸方向に沿って前記同期リング本体の他端に設けられ、前記制御スリーブは前記制御スリーブ接続突起に接続される。
【0013】
好ましくは、第1弾性回復部材をさらに含み、
前記第1弾性回復部材は前記出力機構に接続され、かつ前記遠心ブロックが第2方向に沿って復帰して初期状態を保持するように、自身の弾力によって前記遠心ブロックのために第1復帰力を提供するために用いられ、
前記第2方向及び前記第1方向は、反対の2つの方向である。
【0014】
好ましくは、第1弾力調節構造をさらに含み、前記第1弾性回復部材は前記第1弾力調節構造を介して前記出力機構に接続され、
前記第1弾力調節構造は、第1調節部材と、第1駆動部材とを含み、前記第1調節部材は前記第1弾性回復部材に接続され、前記第1駆動部材は前記出力機構に接続され、かつ前記第1駆動部材は前記第1調節部材に接続され、前記第1駆動部材は、前記遠心ブロックが受ける前記第1復帰力を変更するように、前記第1調節部材を運転させることで前記第1弾性回復部材のひずみ状態を変更することが可能である。
【0015】
好ましくは、前記第1調節部材は前記出力機構に回動可能に接続され、前記第1弾性回復部材はトーションばねであり、前記第1駆動部材は、前記第1調節部材を回動させることで、前記第1弾性回復部材が捩れることが可能である。
【0016】
好ましくは、前記第1調節部材に第1歯車が設けられており、前記第1駆動部材は前記第1歯車と噛み合う。
【0017】
好ましくは、前記第1駆動部材は、第1駆動スタッドと、駆動ラックとを含み、前記出力機構に第1ねじ孔が開設されており、前記第1駆動スタッドは対応して前記第1ねじ孔に装着され、前記駆動ラックは前記第1歯車と噛み合い、かつ前記第1駆動スタッドは、前記駆動ラックを移動させることで、前記第1調節部材を回動させることが可能である。
【0018】
好ましくは、前記第1駆動部材は、第1リターンスプリングをさらに含み、前記第1リターンスプリングの両端はそれぞれ、前記駆動ラック及び前記出力機構に接続され、前記第1リターンスプリングは、自身の弾力によって前記駆動ラックのために復帰力を提供するために用いられる。
【0019】
好ましくは、前記第1駆動部材は、回動板と、リンクと、回動板駆動レバーとを含み、前記回動板は前記出力機構に回動可能に接続され、かつ前記回動板は前記リンクを介して前記第1調節部材に接続され、前記回動板駆動レバーは前記出力機構に可動に装着され、かつ前記回動板駆動レバーは、前記リンクが前記第1調節部材を回動させるように、前記回動板を回動させることが可能である。
【0020】
好ましくは、前記リンクは前記回動板の一端に接続され、かつ前記回動板の他端にタービン構造が設けられており、前記回動板駆動レバーは、ウォームと、駆動レバーとを含み、前記ウォームは前記タービン構造と噛み合い、前記駆動レバーは前記ウォームに接続され、かつ前記駆動レバーは前記出力機構に可動に装着され、前記駆動レバーは、前記ウォームを回動させることで、前記ウォームと前記タービン構造との係合により前記回動板を回動させることが可能である。
【0021】
好ましくは、前記出力機構に装着孔が開設されており、前記駆動レバーは前記装着孔に装着され、かつ前記駆動レバーに密封リングが装着されており、前記駆動レバーは、前記密封リングを介して前記装着孔の孔壁と締り嵌めされる。
【0022】
好ましくは、前記回動板駆動レバーはスタッドであり、前記出力機構に第1ねじ孔が開設されており、前記回動板駆動レバーは対応して前記第1ねじ孔箇所に装着される。
【0023】
好ましくは、前記第1弾性回復部材の両端はそれぞれ、前記第1調節部材及び前記遠心ブロックに接続される。
【0024】
好ましくは、第2弾性回復部材と、減衰部材とをさらに含み、
前記第2弾性回復部材の両端はそれぞれ、前記減衰部材及び出力機構に接続され、前記減衰部材は、前記遠心ブロックを阻止するために用いられ、かつ前記減衰部材は、前記遠心ブロックが前記第2方向に沿って復帰して前記第1状態を保持するように、前記第2弾性回復部材の弾力によって前記遠心ブロックに第2復帰力を提供するために用いられる。
【0025】
好ましくは、第2弾力調節構造をさらに含み、前記第2弾性回復部材は前記第2弾力調節構造を介して前記出力機構に接続され、
前記第2弾力調節構造は、第2調節部材と、第2駆動部材とを含み、第2調節部材は前記第2弾性回復部材に接続され、前記第2駆動部材は前記出力機構に接続され、かつ前記第2駆動部材は前記第2調節部材に接続され、前記第2駆動部材は、前記減衰部材が前記遠心ブロックに提供する前記第2復帰力を変更するように、前記第2調節部材を運転させることで前記第2弾性回復部材のひずみ状態を変更することが可能である。
【0026】
好ましくは、前記第2調節部材は前記出力機構に回動可能に接続され、前記第2弾性回復部材はトーションばねであり、前記第2駆動部材は、前記第2調節部材を回動させることで、前記第2弾性回復部材が捩れることが可能である。
【0027】
好ましくは、前記第2調節部材に第2歯車が設けられており、前記第2駆動部材は前記第2歯車と噛み合う。
【0028】
好ましくは、前記第2駆動部材は、第2駆動スタッドと、第2駆動アッセンブリとを含み、前記出力機構に第2ねじ孔が開設されており、前記第2駆動スタッドは対応して前記第2ねじ孔に装着され、前記第2駆動アッセンブリは前記第2歯車と噛み合い、かつ前記第1駆動スタッドは、前記第2駆動アッセンブリを運転させることで、前記第2調節部材を回動させることが可能である。
【0029】
好ましくは、前記第2駆動アッセンブリは、揺動歯車と、中間歯車とを含み、前記揺動歯車は前記出力機構に回動可能に接続され、前記中間歯車は前記出力機構に回動可能に接続され、かつ前記中間歯車はそれぞれ、前記揺動歯車、前記第2歯車と噛み合い、前記第2駆動スタッドは、前記揺動歯車を揺動させることで、前記中間歯車を回動させ、前記第2調節部材を回動することが可能である。
【0030】
好ましくは、前記第2駆動部材は第2回復トーションばねをさらに含み、前記第2回復トーションばねの両端はそれぞれ、前記揺動歯車及び前記出力機構に接続され、前記第2回復トーションばねは、自身の弾力によって前記揺動歯車のために復帰力を提供するために用いられる。
【0031】
好ましくは、前記出力機構は、ハブ本体と、装着ベースとを含み、前記装着ベースは前記ハブ本体に固定接続され、前記第1調節構造、前記第2調節構造はともに前記装着ベースに接続され、前記遠心ブロックは前記装着ベースに回動接続される。
【0032】
好ましくは、前記装着ベースに、一端が開口を有するスライド溝が開設されており、前記スライド溝は前記遠心ブロックの回動方向に沿って延在し、
前記遠心ブロックは、遠心ブロック本体と、遠心ブロック突起とを含み、前記遠心ブロック本体は前記装着ベースに回動接続され、前記遠心ブロック突起は前記遠心ブロック本体に接続され、前記減衰部材は軸方向に沿って前記遠心ブロック本体とずれて設けられ、前記遠心ブロック突起は前記スライド溝に位置し、かつ前記遠心ブロックが遠心力を受けて回動した後、前記遠心ブロック突起は前記開口から、前記スライド溝から滑りでることが可能であり、
前記減衰部材は対応して前記開口箇所に位置し、前記遠心ブロック突起を阻止するために用いられる。
【0033】
好ましくは、減衰部材吸着ユニットをさらに含み、前記減衰部材吸着ユニットは前記装着ベースに接続され、かつ前記開口の近くに位置し、前記減衰部材吸着ユニットは、前記減衰部材が初期位置にあるように、前記減衰部材を吸着するために用いられる。
【0034】
好ましくは、前記第1状態の場合、前記遠心ブロック突起は前記開口の近くに位置し、前記減衰部材吸着ユニットはさらに、前記遠心ブロック突起を吸着するために用いられる。
【0035】
好ましくは、遠心ブロック吸着ユニットをさらに含み、前記遠心ブロック吸着ユニットは前記出力機構に接続され、前記遠心ブロック吸着ユニットは、前記遠心ブロックが前記第2状態を保持するように、前記遠心ブロックを吸着するために用いられる。
【0036】
自転車であって、車体と、上記のいずれか1項に記載の自動内装変速機とを含み、前記自動内装変速機は前記車体の駆動輪に装着される。
【0037】
従来技術と比較すれば、本発明が提供する自動内装変速機は、ハブ軸と、入力機構と、出力機構と、変速機構と、自動シフト制御機構とを含み、前記入力機構及び前記出力機構はともに、前記ハブ軸に回動可能に装着され、かつ前記入力機構は、駆動力を提供して前記出力機構を回動させるために用いられ、前記変速機構は前記ハブ軸に装着されるとともに、前記入力機構と前記出力機構との間に位置し、前記変速機構は少なくとも、第1遊星歯車列と、第2遊星歯車列とを含み、前記自動シフト制御機構は、遠心ブロックと、クラッチ制御ユニットとを含み、前記遠心ブロックは前記出力機構に回動接続され、かつ前記遠心ブロックは前記クラッチ制御ユニットに接続され、前記遠心ブロックは、前記入力機構によって伝達された駆動力が前記第1遊星歯車列を経て前記出力機構に伝達されるように、前記出力機構に対して第1方向に沿って第1状態まで回動することで前記クラッチ制御ユニットを回動させることが可能であり、前記遠心ブロックはさらに、前記入力機構によって伝達された駆動力が前記第2遊星歯車列を経て前記出力機構に伝達されるように、前記出力機構に対して第1方向に沿ってさらに第2状態まで回動することで前記クラッチ制御ユニットをさらに回動させることが可能である。前記自動内装変速機は、同じ方向に異なる角度に回動するように前記遠心ブロックを介して前記クラッチ制御ユニットを制御し、シフト位置の変換調節を実現することにより、シフト位置の調節過程において「飛び」という現象が出現しなく、サイクリストのサイクリング体験をよりよく保障する。
【図面の簡単な説明】
【0038】
本出願の実施例または従来技術における技術案をより明らかに説明するために、以下は実施例または従来技術の記載にとって必要な図面を簡単に紹介し、明らかに、以下の記載における図面は本出願のいくつかの実施例のみであり、当業者にとって、進歩性に値する労働をしない前提で、これらの図面に応じて他の図面を取得し得る。
図1】実施例が提供する自動内装変速機の立体構造模式図である。
図2図1に示す自動内装変速機の断面構造模式図である。
図3図1に示す自動内装変速機における一部の部材の立体構造模式図である。
図4図2に示す自動内装変速機の一部の部材の断面構造模式図である。
図5図4に示す第1遊星歯車列及びクラッチ制御ユニットの別の角度の断面構造模式図である。
図6図4に示す第2遊星歯車列及びクラッチ制御ユニットの別の角度の断面構造模式図である。
図7図5に示す制御スリーブの立体構造模式図である。
図8図5に示すハブブッシュの立体構造模式図である。
図9図5に示す第1遊星歯車列におけるリングギヤの立体構造模式図である。
図10図5に示す第1クリックの立体構造模式図である。
図11図2に前記の同期リングの立体構造模式図である。
図12図1に示す自動内装変速機における一部の部材の平面構造模式図である。
図13図1に示す自動内装変速機における一部の部材の立体構造模式図である。
図14図13に示す部材の平面構造模式図である。
図15図13に示す第1調節部材の立体構造模式図である。
図16図1に示す自動内装変速機における一部の部材の平面構造模式図である。
図17図1に示す自動内装変速機における一部の部材の立体構造模式図である。
図18図1に示す自動内装変速機が1速にある場合の一部の部材の位置構造模式図である。
図19図1に示す自動内装変速機が2速にある場合の一部の部材の位置構造模式図である。
図20図1に示す自動内装変速機が3速にある場合の一部の部材の位置構造模式図である。
図21図16に示す第2調節部材の立体構造模式図である。
図22図16に記載の減衰部材の立体構造模式図である。
図23図1に示す自動内装変速機が3速にある場合の一部の部材の位置構造模式図である。
図24】別の実施例が提供する自動内装変速機における一部の部材の断面構造模式図である。
図25図24に示す自動内装変速機における一部の部材の立体構造模式図である。
図26図24に示すウォームの立体構造模式図である。
図27図24に示す駆動レバーの立体構造模式図である。
図28】別の実施例が提供する自動内装変速機における一部の部材の平面構造模式図である。
図29図28に示す自動内装変速機における一部の部材の立体構造模式図である。
【発明を実施するための形態】
【0039】
当業者がよりよく本出願における技術案を理解するために、以下、本出願の実施例における技術案を明確かつ完全に記載する。明らかに、記載した実施例は本出願のすべての実施例ではなく、一部のみである。本出願における実施例に基づいて、当業者が創造的な労働を行わない前提で得られるすべての他の実施例は、いずれも本出願の保護範囲に属する。
【0040】
部材が別の部材に「固定される」、「装着される」又は「設けられる」と呼ばれる場合、直接に別の部材にある、又は、間接的に別の部材に設けられることが可能であり、1つの部材が別の部材に「接続される」、又は1つの部材が別の部材に「接続される」と呼ばれる場合、直接に別の部材に接続される、又は、間接的に別の部材に接続されることが可能であるのに注意すべきである。
【0041】
尚、本明細書の図面で表される構造、割合、サイズなどは、いずれも、明細書に開示されている内容に合わせて当業者に理解と読解をさせるためだけのものであり、本出願が実施される限定条件を限定するためのものではないので、技術的に実質的な意味がなく、いずれの構造の修飾、割合関係の変化またはサイズの調整も、本出願により生じる効果および達成される目的に影響を及ぼさない限り、本出願に開示されている技術内容の範囲内に含まれる。
【0042】
本発明は、自動内装変速機を提供し、ハブ軸と、入力機構と、出力機構と、変速機構と、自動シフト制御機構とを含み、前記入力機構及び前記出力機構はともに、前記ハブ軸に回動可能に装着され、かつ前記入力機構は、駆動力を提供して前記出力機構を回動させるために用いられ、前記変速機構は、前記ハブ軸に装着されるとともに、前記入力機構と前記出力機構との間に位置し、前記変速機構は少なくとも、第1遊星歯車列と、第2遊星歯車列とを含み、前記自動シフト制御機構は、遠心ブロックと、クラッチ制御ユニットとを含み、前記遠心ブロックは前記出力機構に回動接続され、かつ前記遠心ブロックは前記クラッチ制御ユニットに接続され、前記遠心ブロックは、前記入力機構によって伝達された駆動力が前記第1遊星歯車列を経て前記出力機構に伝達されるように、前記出力機構に対して第1方向に沿って第1状態まで回動することで、前記クラッチ制御ユニットを回動させることが可能であり、前記遠心ブロックはさらに、前記入力機構によって伝達された駆動力が前記第2遊星歯車列を経て前記出力機構に伝達されるように、前記出力機構に対して第1方向に沿ってさらに第2状態まで回動することで、前記クラッチ制御ユニットをさらに回動させることが可能である。前記自動内装変速機は、シフト位置の調節過程において「飛び」という現象が出現しなく、サイクリストのサイクリング体験をよりよく保障する。
【0043】
図1図23を結合して参照する。本実施例は、車両の走行過程において車両の車速に応じて自動的にシフト変速するための自動内装変速機100を提供する。
【0044】
前記自動内装変速機100は、ハブ軸10と、入力機構20と、出力機構30と、変速機構40と、自動シフト制御機構50とを含み、前記入力機構20及び前記出力機構30はともに、前記ハブ軸10に回動可能に装着される。即ち、前記入力機構20は、前記ハブ軸10に装着され、かつ前記入力機構20は、前記ハブ軸10に対して回動可能であり、前記出力機構30は、前記ハブ軸10に装着され、かつ前記出力機構30は、前記ハブ軸10に対して回動可能であり、前記ハブ軸10は、前記入力機構20、前記出力機構30の回動中心軸である。かつ前記入力機構20は、駆動力を提供して前記出力機構20を回動させるために用いられる。具体的には、前記入力機構20はフリーホイールであってもよく、前記出力機構30はハブであってもよく、前記入力機構20は、チェーンを介して自転車上のペダルに接続されるために用いられ、前記出力機構30は、自転車上の駆動輪に接続されるために用いられる。サイクリストは自転車に乗る場合、ペダルを踏むことで、前記入力機構20を回動させ、さらに前記入力機構20を介して前記自動内装変速機100に駆動力を入力し、さらに前記出力機構30を経過して駆動力を出力して車両の駆動輪を回動させ、車両の走行を実現する。
【0045】
前記変速機構40は前記ハブ軸10に装着されるとともに、前記入力機構20と前記出力機構30との間に位置し、前記入力機構20の駆動力を前記出力機構30に伝達するために用いられる。即ち、前記変速機構40は、前記入力機構20と前記出力機構30との間に設けられ、前記入力機構20の側から入力された駆動力を前記出力機構30の側に伝達するために用いられる。
【0046】
前記変速機構40は少なくとも、第1遊星歯車列41と、第2遊星歯車列42とを含む。具体的には、本実施例において、前記自動内装変速機100は3段自動内装変速機である。1速の場合、前記入力機構20から入力された駆動力はワンウェイクラッチ21を経て直接に前記出力機構30に伝達され、即ち、前記入力機構20を介して直接に前記出力機構30を回動させる。2速の場合、前記入力機構20から入力された駆動力は前記第1遊星歯車列41を経て前記出力機構30に伝達される。3速の場合、前記入力機構20から入力された駆動力は前記第2遊星歯車列42を経て前記出力機構30に伝達される。勿論、他の実施例において、実際の必要に応じて、前記自動内装変速機100はさらに、他の任意段の自動内装変速機であってもよい。本実施例において、3段の前記自動内装変速機100のみを例として説明する。
【0047】
前記自動シフト制御機構50は、遠心ブロック501と、クラッチ制御ユニット53とを含み、前記遠心ブロック501は前記出力機構30に回動接続され、かつ前記遠心ブロック501は前記クラッチ制御ユニット53に接続される。
【0048】
前記遠心ブロック501は、前記入力機構20によって伝達された駆動力が前記第1遊星歯車列41を経て前記出力機構30に伝達されるように、前記出力機構30に対して第1方向に沿って第1状態まで回動することで前記クラッチ制御ユニット53を回動させることが可能である。即ち、前記遠心ブロック501は、力を受けたあと、前記出力機構30に対して回動できることで、前記クラッチ制御ユニット53を回動させ、前記クラッチ制御ユニット53と前記出力機構30、前記第1遊星歯車列41とを直接に結合させ、又は、間接的に結合させ、前記入力機構20から入力された駆動力が前記第1遊星歯車列41を経過してさらに前記出力機構30に伝達され、前記自動内装変速機100における動力伝達経路の変更を実現し、前記自動内装変速機100におけるシフト変速を実現する。
【0049】
前記遠心ブロック501はさらに、前記入力機構20によって伝達された駆動力が前記第2遊星歯車列42を経て前記出力機構30に伝達されるように、前記出力機構30に対して前記第1方向に沿ってさらに回動することで前記クラッチ制御ユニット53をさらに回動させることが可能である。即ち、前記遠心ブロック501は、力を受けたあと、さらに前記出力機構30に対してさらに回動できることで、前記クラッチ制御ユニット53をさらに回動させ、前記クラッチ制御ユニット53と前記出力機構30、前記第2遊星歯車列42とを直接に結合させ、又は、間接的に結合させ、前記入力機構20から入力された駆動力が前記第2遊星歯車列42を経過してさらに前記出力機構30に伝達され、前記自動内装変速機100における動力伝達経路の変更を実現し、前記自動内装変速機100におけるシフト変速を実現する。前記第1方向は、時計回転方向又は反時計回転方向であってもよい。前記第1状態、前記第2状態とは、前記遠心ブロック501が初期位置から同じ方向へ2つの異なる角度に回動したあとの状態を意味するのに注意すべきである。即ち、前記第1状態は、前記遠心ブロック501が初期位置から1つの角度に回動したあとの状態であり、前記第2状態は、前記遠心ブロック501が初期位置から同じ方向へ別の角度に回動したあとの状態である。前記第2状態まで回動することに必要な角度は、前記の前記第1状態まで回動することに必要な角度よりも大きく、即ち、前記第2状態まで回動する前に、必ず前記第1状態まで回動することを先に経過する。
【0050】
具体的には、本実施例において、前記遠心ブロック501は、1速から2速までの間の変換、及び2速から3速までの間の変換を制御するために用いられる。より具体的には、前記遠心ブロック501の一部が「投げ出される」(「投げ出される」とは、遠心ブロックが遠心力を受けたあと、前記出力機構30に対して、前記ハブ軸10から離れた方向に向けて回動することを意味する)場合、この際に、前記遠心ブロック501は前記第1状態にあり、前記自動内装変速機100を2速に変換することができる。前記遠心ブロック501が完全に「投げ出される」場合、この際に、前記遠心ブロック501は第2状態にあり、前記自動内装変速機100を3速に変換することができる。即ち、前記遠心ブロック501が遠心力を受けて異なる程度まで「投げ出される」ことにより、異なるシフト位置の制御変換を実現する。勿論、他の実施例において、同じタイプの前記遠心ブロック501の異なる「投げ出し」程度により、より多くのシフト位置をさらに制御できる。例えば、前記遠心ブロック501の一部が「投げ出される」場合、2速に入るように制御でき、前記遠心ブロック501がさらに「投げ出される」場合、3速に入るように制御でき、前記遠心ブロック501がよりさらに「投げ出される」場合、4速に入るように制御できる。具体的には、前記遠心ブロック501によって制御されるシフト位置の数は、実際のニーズに応じて選択することができ、本実施例は、前記遠心ブロック501が1速から2速までの間の変換、及び2速から3速までの間の変換を制御することのみを例として説明する。
【0051】
自転車の走行過程において、前記出力機構30の回転数が一定の速度に到達したあと、前記遠心ブロック501は、遠心力の作用により外へ「投げ出される」。前記クラッチ制御ユニット53が前記遠心ブロック501に接続されるため、前記遠心ブロック501が外へ「投げ出される」場合、前記クラッチ制御ユニット53を回動させ、前記クラッチ制御ユニット53の回動状態を変更し、前記クラッチ制御ユニット53における部材を前記出力機構30と直接に結合させ、又は、間接的に結合させ、前記自動内装変速機100における動力伝達経路を変更し、前記自動内装変速機100のシフト変速を実現することができる。前記クラッチ制御ユニット53における結合部材が前記変速機構40と前記出力機構30との間に設けられてもよく、これにより、前記遠心ブロック501が前記クラッチ制御ユニット53を一定の角度に回動させたあと、前記クラッチ制御ユニット53における結合部材が、変速機構40における相応部材と前記出力機構30における相応部材とを互いに結合し、シフト変速を実現することができ、又は、前記クラッチ制御ユニット53における結合部材が前記変速機構40に設けられてもよく、これにより、前記遠心ブロック501が前記クラッチ制御ユニット53を一定の角度に回動させたあと、前記クラッチ制御ユニット53における結合部分が、前記変速機構40における2つの(又は複数の)部材を互いに結合し、シフト変速を実現することができる。つまり、前記クラッチ制御ユニット53は、前記変速機構40と前記出力機構30との間に設けられ、前記変速機構40と前記出力機構30とを互いに結合するように制御するために用いられてもよく、又は、前記クラッチ制御ユニット53は、前記変速機構40に設けられ、前記変速機構40における部材の間の互いの結合を制御するために用いられてもよい。
【0052】
理解するように、従来技術の自動内装変速機では、異なるシフト位置を制御する遠心ブロック、クラッチ制御ユニットは互いに独立しているものである。このため、具体的な調節過程において、異なる遠心ブロックが遠心力を受けて投げ出されることで、異なるクラッチ制御ユニットを制御して回動させ、これにより、複数のシフト位置の間の調節を実現する。例えば、自動内装変速機に3つのシフト位置がある場合、自動内装変速機は通常、2速遠心ブロックと、3速遠心ブロックと、第1クラッチ制御ユニットと、第2クラッチ制御ユニットとを含み、2速遠心ブロックは第1クラッチ制御ユニットに接続され、3速遠心ブロックは第2遠心制御ユニットに接続される。自転車が1速状態にある場合、2速遠心ブロック及び3速遠心ブロックはともに運転しない。自転車の車速が一定の程度に上昇したあと、2速遠心ブロックは遠心力の作用によって外へ「投げ出され」、これにより、第1クラッチ制御ユニットを回動させ、第1クラッチ制御ユニットにおけるクラッチコントローラを変速機構における2速遊星歯車列と結合させ、この場合、自転車は2速状態にある。自転車の車速がさらに上昇する場合、3速遠心ブロックが遠心力の作用によって外へ「投げ出され」、これにより、第2クラッチ制御ユニットを回動させ、第2クラッチ制御ユニットにおけるクラッチコントローラを変速機構における3速遊星歯車列と結合させ、この場合、自転車は3速状態にある。使用過程において、「飛び」という現象が非常に容易に出現する。例えば、2速遠心ブロックが「投げ出され」、第1クラッチ制御ユニットを回動させ、2速状態の調節を実現することがない場合、3速遠心ブロックが既に「投げ出され」、第2クラッチ制御ユニットを回動させ、3速状態に入る。これにより、自転車は1速から2速を経過しなく、直接に3速にジャンプし、「飛び」という現象が出現し、サイクリストのサイクリング体験に影響を与える。
【0053】
本実施例において、前記遠心ブロック501を介して前記クラッチ制御ユニット53に接続され、前記遠心ブロック501を介して前記クラッチ制御ユニット53を同じ方向に向けて異なる角度に回動させて異なるシフト位置の調節を実現することにより、低速シフト位置から高速シフト位置に調節する過程において、必ず中間速度シフト位置を経過する。これにより、「飛び」という現象の出現を効果的に回避でき、サイクリストのサイクリング体験をよりよく保障する。
【0054】
具体的には、本実施例において、前記自動内装変速機100に6つの前記遠心ブロック501が設けられており、かつ6つの遠心ブロック501はいずれも、同じ前記クラッチ制御ユニット53に接続され、これにより、6つの遠心ブロックは前記クラッチ制御ユニット53と同期して運転することができる。記載の便宜上、6つの前記遠心ブロック501のうちの1つは第1遠心ブロック51、1つは第2遠心ブロック52である。勿論、他の実施例において、前記自動内装変速機100に設けられた遠心ブロックは、より多くても少なくてもよい。本実施例において、6つの遠心ブロックにより、前記クラッチ制御ユニット53をより安定して制御することができ、シフトの安定性をよりよく保障する。
【0055】
好ましくは、前記クラッチ制御ユニット53は、同期リング531と、制御スリーブ532と、クラッチコントローラ533とを含み、前記遠心ブロック501は前記同期リング531に接続され、前記制御スリーブ532は前記同期リング531に接続され、前記クラッチコントローラ533は前記変速機構40と前記出力機構30との間に位置する。前記遠心ブロック501は、前記クラッチコントローラ533を制御するように、前記同期リング531を回動させることで前記制御スリーブ532を回動させることが可能である。前記第1状態の場合、前記制御スリーブ532は前記クラッチコントローラ533を制御して、前記第1遊星歯車列41を前記出力機構30に結合する。前記第2状態の場合、前記制御スリーブ532は前記クラッチコントローラ533を制御して、前記第2遊星歯車列42を前記出力機構30に結合する。即ち、本実施例において、前記クラッチ制御ユニット53は、前記変速機構40と前記出力機構30との間に設けられ、前記クラッチ制御ユニット53は、前記変速機構40と前記出力機構30との間の結合を制御するために用いられる。前記遠心ブロック501を介して前記同期リング531を回動させることができることにより、前記同期リング531を介して前記制御スリーブ532を回動させ、さらに前記制御スリーブ532を介して前記クラッチコントローラ533を制御し、これにより、前記クラッチコントローラ533を介して前記第1遊星歯車列41と前記出力機構30とを結合し、2速の変速を実現することができる。また、前記遠心ブロック501を介して前記同期リング532をさらに回動させることができることにより、前記同期リング531を介して前記制御スリーブ532をさらに回動させ、さらに前記制御スリーブ532を介して前記クラッチコントローラ533を制御し、これにより、前記クラッチコントローラ533を介して前記第2遊星歯車列42と前記出力機構30とを結合し、3速変速を実現することができる。
【0056】
具体的には、本実施例において、6つの前記遠心ブロック501は環状アレイで前記同期リング531に分布される。
【0057】
好ましくは、前記クラッチコントローラ533は、ハブブッシュ5331と、第1クリック5332と、第2クリック5333とを含み、前記ハブブッシュ5331は前記出力機構30に接続され、前記第1クリック5332、前記第2クリック5333はそれぞれ、前記ハブブッシュ5331に回動接続される。前記第1状態の場合、前記制御スリーブ532は前記第1クリック5332を制御して、前記第1クリック5332を前記第1遊星歯車列41に結合させる。前記第2状態の場合、前記制御スリーブ532は前記第2クリック5333を制御して、前記第2クリック5333を前記第2遊星歯車列42に結合させる。即ち、本実施例において、前記クラッチコントローラ533は前記出力機構30に装着され、それに、前記クラッチコントローラ533はクリック式コントローラであり、前記出力機構30の回転数が一定の程度に達したあと、前記制御スリーブ532を介して対応するクリックを制御し、前記変速機構40と前記出力機構30との間の結合を実現する。勿論、他の実施例において、前記クラッチコントローラ533はさらに、他の形式構造のクラッチコントローラを採用してもよく、例えば、クリック式、ローラー式、楔式、クリックとローラーとが結合する形式等を採用してもよい。
【0058】
好ましくは、前記第1クリック5332及び前記第2クリック5333は軸方向に沿って互いに間隔をおいて設けられ、前記制御スリーブ532に第1制御溝5321、第2制御溝5322が開設されており、前記第1制御溝5321は径方向に沿って前記制御スリーブ532を貫通し、かつ前記第1制御溝5321は軸方向に沿って前記第1クリック5332に対応して設けられ、前記第2制御溝5322は径方向に沿って前記制御スリーブ532を貫通し、かつ前記第2制御溝5322は軸方向に沿って前記第2クリック5333に対応して設けられる。前記第1状態の場合、前記第1制御溝5321の内壁が前記第1クリック5332を当接して押し下げることで、前記第1クリック5332は前記第1制御溝5321を通って前記第1遊星歯車列41に結合する。前記第2状態の場合、前記第2制御溝5322の内壁が前記第2クリック5333を当接して押し下げることで、前記第2クリック5333は前記第2制御溝5322を通って前記第2遊星歯車列42に結合する。これにより、各構造の間が干渉することをよりよく回避し、制御の安定性をよりよく保障し、同時にも構造をよりコンパクトにさせ、必要な占有空間がより少なくする。前記遠心ブロック501が遠心力を受けて一部が前記第1状態まで「投げ出される」場合、前記制御スリーブ532を回動させることにより、前記第1制御溝5321の溝壁が対応して前記第1制御クリック5332を当接して押し下げることにより、前記第1制御クリック5332を介して前記第1遊星歯車列42と前記出力機構30とを結合し、シフト変速を実現する。前記遠心ブロック501が遠心力を受けて完全に前記第2状態まで「投げ出される」場合、前記制御スリーブ532をさらに回動させることにより、前記第2制御溝5322の溝壁が対応して前記第2クリック5333に当接して押し下げることにより、前記第2制御クリック5333を介して前記第2遊星歯車列43と前記出力機構30とを結合し、シフト変速を実現する。
【0059】
本実施例において、軸方向、径方向がいずれも、前記ハブ軸10に沿った軸方向、径方向であるのに注意すべきである。
【0060】
具体的には、本実施例において、前記ハブブッシュ5331の内面にクリック装着溝5334が開設されており、前記第1クリック5332、前記第2クリック5333は対応して前記クリック装着溝5334に装着される。前記ハブブッシュ5331の外面にハブ接続溝5335が開設されており、前記ハブブッシュ5331は前記ハブ接続溝5335を介して前記出力機構30に固定接続される。前記第1クリック5332は、対応して前記クリック装着溝5334に装着される回転部5336と、作動部5337と、前記作動部5337から軸方向に沿って延在してなる制御部5338とを含む。前記制御スリーブ532は、前記制御部5338に当接するために用いられ、これにより、前記第1クリック5332を押し下げ、前記作動部5337と前記第1遊星歯車列41とを結合させる。前記第1遊星歯車列41のリングギヤ411の外面に結合溝4111が開設されており、前記制御スリーブ532が前記第1クリック5332を押し下げる場合、前記作動部5337は対応して前記結合溝4111に挿入し、両者の間の結合を実現する。前記第2クリック5333の構造は前記第1クリック5332の構造と基本的に類似しており、ここでは贅言しない。それに、前記第2遊星歯車列42の前記第2クリック5333と結合する構造は、前記第1遊星歯車列41の結合の構造と類似しており、ここでは贅言しない。
【0061】
好ましくは、前記同期リング531は、同期リング本体5311と、遠心ブロック接続突起5312と、制御スリーブ接続突起5313とを含み、前記遠心ブロック接続突起5312は軸方向に沿って前記同期リング本体5311の一端に設けられ、前記遠心ブロック501は前記遠心ブロック接続突起5312に接続され、前記制御スリーブ接続突起5313は軸方向に沿って前記同期リング本体5311の他端に設けられ、前記制御スリーブ532は前記制御スリーブ接続突起5313に接続される。これにより、前記同期リング531と前記遠心ブロック501、前記制御スリーブ532との間の接続安定性をよりよく保障することができる。ここで、前記同期リング531と前記制御スリーブ532との間が、剛性接続又は柔軟接続であってもよい。剛性接続とは、前記同期リング531と前記制御スリーブ532との間が直接に接続されるのを意味し、前記同期リング531は同期して前記制御スリーブ532を回動させることができる。柔軟接続とは、前記同期リング531と前記制御スリーブ532との間が緩衝蓄力部材(例えば、トーションばね等)を介して接続されることが可能であるのを意味し、前記同期リング531は前記制御スリーブ532を相対的に遅延して回動させることができる。
【0062】
好ましくは、前記自動内装変速機100は、第1弾性回復部材60をさらに含み、前記第1弾性回復部材60は前記出力機構30に接続され、かつ前記遠心ブロック501が第2方向に沿って復帰して初期状態を保持するように、自身の弾力によって前記遠心ブロック501のために第1復帰力を提供するために用いられる。前記第2方向及び前記第1方向は、反対の2つの方向である。前記初期状態とは、前記遠心ブロック501が遠心力を受けない場合に保持する状態を意味し、本実施例において、具体的には、前記自動内装変速機100が1速にある場合の状態である。
【0063】
好ましくは、前記自動内装変速機100は、第2弾性回復部材70と、減衰部材80とをさらに含み、前記第2弾性回復部材70の両端はそれぞれ、前記減衰部材80及び出力機構30に接続され、前記減衰部材80は、前記遠心ブロック501を阻止するために用いられ、かつ前記減衰部材80は、前記遠心ブロック501が復帰して前記第1状態を保持するように、前記第2弾性回復部材70の弾力によって前記遠心ブロック501に第2復帰力を提供するために用いられる。
【0064】
前記第1弾性回復部材60、前記第2弾性回復部材70はともに、力を受けたあとに弾性ひずみが発生でき、それに、受力が減少し又は除去したあと、初期状態に復帰できる部材を意味する。
【0065】
前記遠心ブロック501が復帰して初期状態を保持することは、前記遠心ブロック501が初期状態位置へ回動する傾向を有することにより、前記遠心ブロック501の受ける遠心力が減少し、又は除去した場合、前記第1復帰力によって、前記遠心ブロック501を初期位置に向けて回動させることができ、同時に回動が完了したあとも、前記第1復帰力によって、前記遠心ブロック501を状態保持させることができるのを意味する。即ち、前記第1弾性回復部材60は、遠心力の傾向と反対の力を前記遠心ブロック501に提供するために用いられ、これにより、前記第1弾性回復部材60を介して前記遠心ブロック501を完全に回復させることができ、シフト位置の復原を実現する。これにより、前記遠心ブロック501が遠心力を受ける場合、遠心力は必ず、前記第1弾性回復部材60が前記遠心ブロック501に付与する前記第1復帰力に抗し、これにより、前記遠心ブロック501は外へ「投げ出される」ことができ、そして、前記クラッチ制御ユニット53を十分に回動させ、シフト変速を実現することができる。ここで、前記第1弾性回復部材60が前記遠心ブロック501に付与する前記第1復帰力が、直接又は間接的に前記遠心ブロック501に付与してもよいのに注意すべきである。例えば、前記第1弾性部材60は直接に前記第1遠心ブロック51に接続されてもよく、これにより、前記第1弾性部材53は直接に前記第1遠心ブロック51に作用することができ、又は、前記第1弾性部材60は前記クラッチ制御ユニット53に接続されてもよく、これにより、前記第1弾性部材53は直接に前記クラッチ制御ユニット53に作用し、前記クラッチ制御ユニット53を介して間接的に前記遠心ブロック501に前記第1復帰力を提供することができ、ひいては、前記第1弾性部材60は他の中間部材に接続され、他の中間部材を介して前記遠心ブロック501に作用を付与するようにしてもよく、即ち、前記第1弾性部材60が自身の弾力によって提供される前記第1復帰力は前記遠心ブロック501に作用できればよい。それに、前記第1復帰力は、前記遠心ブロック501を完全に初期位置に復原させるものであってもよく、又は、前記第1復帰力は、前記遠心ブロック501の一部を初期位置に復原させるものであってもよい。即ち、前記第1復帰力が前記遠心ブロック501を逆方向に回動させることにより、前記クラッチ制御ユニット53を回動させ、シフト位置の変換を実現することができればよい。
【0066】
前記遠心ブロック501が復帰して前記1速状態を保持することは、前記遠心ブロック501が初期位置へ回動する傾向を有することにより、前記遠心ブロック501の受ける遠心力が減少する場合、前記第2復帰力によって、前記第2遠心ブロック501を初期位置に向けて回動させることができ、そして、回動が完了したあとも、前記第2復帰力によって、前記第2遠心ブロック501を状態保持させることができるのを意味する。即ち、前記第2弾性回復部材70は、遠心力の傾向と反対の力を、前記減衰部材80を介して前記遠心ブロック501に提供するために用いられ、これにより、前記減衰部材80を介して前記遠心ブロック501の一部を回復させることができ、シフト位置の復原を実現し、2速状態を保持する。これにより、前記遠心ブロック501が遠心力を受ける場合、遠心力は必ず、前記減衰部材80が前記遠心ブロック501に付与する前記第2復帰力に抗し、これにより、前記遠心ブロック52は外へ完全に「投げ出される」ことができ、そして、前記クラッチ制御ユニット53を十分に回動させ、シフト変速を実現することができる。他の実施例において、前記第2復帰力が、前記遠心ブロック501を完全に初期位置に復原させてもよいのに注意すべきである。
【0067】
これにより、前記第1弾性回復部材60、前記第2弾性回復部材70を介して、前記自動内装変速機100を自動的に回復させることができ、車速が下がった後に低速シフト位置に自動的に変換でき、さらにサイクリング体験を保障する。
【0068】
具体的には、本実施例において、前記第1弾性回復部材60は、前記第1遠心ブロック51に作用するために用いられ、前記第2弾性回復部材70は、前記第2遠心ブロック52に作用するために用いられる。勿論、他の実施例において、前記第1弾性回復部材60、前記第2弾性回復部材70は、同時に同じ前記遠心ブロック501に作用してもよい。本実施例において、前記第1弾性回復部材60、前記第2弾性回復部材70は、異なる前記遠心ブロック501に作用することにより、各部材の装着を便利にさせ、各部材の間が干渉することを回避する。
【0069】
好ましくは、前記自動内装変速機100は、第1弾力調節構造90をさらに含み、前記第1弾性回復部材60は前記第1弾力調節構造90を介して前記出力機構30に接続される。
【0070】
前記第1弾力調節構造90は、第1調節部材91と、第1駆動部材92とを含み、前記第1調節部材91は前記第1弾性回復部材60に接続され、前記第1駆動部材92は前記出力機構30に接続され、かつ前記第1駆動部材92は前記第1調節部材91に接続され、前記第1駆動部材92は、前記第1遠心ブロック51が受ける前記第1復帰力を変更するように、前記第1調節部材91を運転させることで前記第1弾性回復部材60のひずみ状態を変更することが可能である。即ち、前記第1駆動部材92は前記出力機構30に装着され、かつ前記第1駆動部材92は、前記第1調節部材91が運転するように、前記第1調節部材91に駆動力を提供するために用いられる。前記第1調節部材91が運転することは、前記第1調節部材91が前記第1弾性回復部材60に対して移動又は回動することで、前記第1調節部材91が前記第1弾性回復部材60に付勢し、前記第1弾性回復部材60にひずみを発生させ、前記第1弾性回復部材60のひずみ状態を変更することを意味する。前記第1弾性回復部材60が前記第1遠心ブロック51に付与する前記第1復帰力を変更させることで、前記第1遠心ブロック51は、より小さな遠心力を受けて外へ一部が「投げ出される」ことができる(又は、前記第1遠心ブロック51は、外へ一部が「投げ出される」ことができるように、より大きな遠心力を受ける必要がある)。つまり、本実施例において、前記第1調節部材91は前記第1弾性回復部材60に対して可動可能であり、これにより、前記第1弾性回復部材60のひずみ状態を変更し、さらに前記第1弾性回復部材60が前記第1遠心ブロック51に付与する前記第1復帰力の大きさを変更し、前記自行内装変速機100は、実際の必要に応じて異なる回転数で前記遠心ブロック501の「投げ出される」ことを実現し、異なるサイクリストのサイクリングのニーズを満たすことができる。前記第1駆動部材92は、前記第1調節部材91に駆動力を提供し、前記第1調節部材91を運転させるために用いられる。前記第1駆動部材92は、手動駆動で前記第1調節部材91のために駆動力を提供するようにしてもよく、又は、前記第1駆動部材92は、自動駆動で前記第1調節部材91のために駆動力を提供するようにしてもよく、即ち、前記第1駆動部材92を介して前記第1調節部材91を運転させることができればよい。
【0071】
好ましくは、前記自動内装変速機100は、第2弾力調節構造110をさらに含み、前記第2弾性回復部材70は前記第2弾力調節構造110を介して前記出力機構30に接続される。
【0072】
前記第2弾力調節構造110は、第2調節部材111と、第2駆動部材112とを含み、第2調節部材111は前記第2弾性回復部材70に接続され、前記第2駆動部材112は前記出力機構30に接続され、かつ前記第2駆動部材112は前記第2調節部材111に接続され、前記第2駆動部材112は、前記減衰部材80が前記第2遠心ブロック52に提供する前記第2復帰力を変更するように、前記第2調節部材111を運転させることで、前記第2弾性回復部材70のひずみ状態を変更することが可能である。即ち、前記第2駆動部材112は前記出力機構30に装着され、かつ前記第2駆動部材112は、前記第2調節部材111が運転するように、前記第2調節部材111に駆動力を提供するために用いられる。前記第2調節部材111が運転することは、前記第2調節部材111が前記第2弾性回復部材70に対して移動又は回動することで、前記第2調節部材111が前記第2弾性回復部材70に付勢し、前記第2弾性回復部材70にひずみを発生させ、前記第2弾性回復部材70のひずみ状態を変更することを意味する。前記減衰部材80が前記第2遠心ブロック52に付与する前記第2復帰力を変更させることで、前記第2遠心ブロック52は、より小さな遠心力を受けて外へ完全に「投げ出される」ことができる(又は、前記第2遠心ブロック52は、外へ完全に「投げ出される」ことができるように、より大きな遠心力を受ける必要がある)。つまり、本実施例において、前記第2調節部材111は前記第2弾性回復部材70に対して可動可能であり、これにより、前記第2弾性回復部材70のひずみ状態を変更し、さらに前記第2弾性回復部材70が前記減衰部材80を介して前記第2遠心ブロック52に付与する前記第2復帰力の大きさを変更し、前記自行内装変速機100は、実際の必要に応じて異なる回転数で前記遠心ブロック501の完全に「投げ出される」ことを実現し、異なるサイクリストのサイクリングのニーズを満たすことができる。前記第2駆動部材112は、前記第2調節部材111に駆動力を提供し、前記第2調節部材111を運転させるために用いられる。前記第2駆動部材112は、手動駆動で前記第2調節部材111のために駆動力を提供するようにしてもよく、又は、前記第2駆動部材112は、自動駆動で前記第2調節部材111のために駆動力を提供するようにしてもよく、即ち、前記第2駆動部材112を介して前記第2調節部材111を運転させることができればよい。
【0073】
本実施例において、前記第2復帰力は、前記第2遠心ブロック52の一部を初期位置に復原させるために用いられる。具体的には、前記出力機構30の回転数が増加したあと、前記第1遠心ブロック51が受ける遠心力は、前記第1復帰力に抗することにより、6つの前記遠心ブロック501の一部が「投げ出され」、前記クラッチ制御ユニット53を回動させ、1速から2速に入る。2速状態の場合、前記第2遠心ブロック52はちょうど前記減衰部材80に接触し、前記第2遠心ブロック52は、前記減衰部材80に阻止される。前記出力機構30の回転数がさらに増加したあと、前記第2遠心ブロック52が受ける遠心力は、前記第2復帰力に抗することにより、6つの前記遠心ブロック501が完全に「投げ出され」、前記クラッチ制御ユニット53をさらに回動させ、2速から3速に入る。前記第2遠心ブロック52に対する前記減衰部材80の阻止によっても、自転車の走行過程において飛びが発生することをよりよく回避することができ、サイクリストのサイクリング体験をよりよく向上させる。つまり、本実施例において、前記第2復帰力は、前記第2遠心ブロック52を、完全に「投げ出される」前記第2状態から、一部が「投げ出される」前記第1状態に、即ち、前記自動内装変速機100を3速から2速に変換させるために用いられる。前記減衰部材80によっても、前記自動内装変速機100をよりよく2速状態に保持させ、状態の安定性をよりよく保障することができる。
【0074】
理解するように、従来技術の自動内装変速機では、弾性回復部材はハブに直接に接続され、弾性回復部材が遠心ブロックに付与する復帰力は一定であり、これにより、毎回に遠心ブロックが「投げ出され」、自動内装変速機がシフト変速を行うことは、いずれも同じ回転数で実現されることである。異なるサイクリストのシフト変速に対するニーズが異なり、例えば、一部のサイクリストは、比較的低速状態で遠心ブロックを「投げ出す」ことができ、シフト変速を実現する必要があるが、一部のサイクリストは、比較的高速状態で遠心ブロックを「投げ出し」、シフト変速を実現する必要がある。従来技術の自動内装変速機は、サイクリストのこの部分のニーズを満たすことができず、制限がある。
【0075】
本実施例が提供する前記自動内装変速機100は、前記第1調節部材91を介して前記第1弾性回復部材60に接続され、かつ前記第1駆動部材92を介して運転するように前記第1調節部材91を駆動可能である。これにより、サイクリストは実際の必要に応じて、前記第1駆動部材92を介して前記第1調節部材91に駆動力を付与し、前記第1弾性回復部材60を「圧縮」、又は、「弛緩」することで、前記第1弾性回復部材60が前記第1遠心ブロック51に付与する前記第1復帰力を変更することができる。これにより、自転車に乗る場合、比較的低速状態で前記第1遠心ブロック51を「投げ出す」ことができるようにしてもよく、又は、比較的高速状態でのみ、前記第1遠心ブロック51を「投げ出す」ことができるようにしてもよい。また、前記第2弾力調節構造110によっても、前記第2弾性回復部材70の弾力に対する調節を実現できる。前記自動内装変速機100は、サイクリストの異なるサイクリングのニーズをよりよく満たすことができる。
【0076】
好ましくは、前記第1調節部材91は前記出力機構30に回動可能に接続され、前記第1弾性回復部材60はトーションばねである。前記第1駆動部材92は、前記第1調節部材91を回動させることで、前記第1弾性回復部材60が捩れることが可能である。より好ましくは、前記第1弾性回復部材60の両端はそれぞれ、前記第1調節部材91及び前記第1遠心ブロック51に接続される。即ち、本実施例において、前記第1弾性回復部材60を介して前記第1遠心ブロック51に直接に接続され、かつ前記第1弾性回復部材60のねじり力により前記第1遠心ブロック51に前記第1復帰力を付与する。それに、前記第1調節部材91は前記出力機構30に接続され、かつ前記第1調節部材91は前記出力機構30に対して回動可能であり、これにより、前記第1弾性回復部材60が捩れ、前記第1弾性回復部材60のねじり力を調節する。勿論、他の実施例において、前記第1弾性回復部材60についてはさらに、他の弾性部材、例えば、引っ張りバネ、押さえばね等を採用してもよい。それに、前記第1調節部材91は、前記出力機構30に摺動設置されてもよく、これにより、前記第1調節部材91を移動させることで、前記第1弾性回復部材60のひずみ状態に対する変更を実現する。また、前記第1弾性回復部材60は、前記第1遠心ブロック51に直接に接続されなく、他の中間部材を介して前記第1遠心ブロック51に作用力を付与するようにしてもよい。本実施例において、前記第1弾性回復部材60についてはトーションばねを採用し、それに、前記第1調節部材91は前記出力機構30に回動可能に接続され、これにより、全体的な構造をより簡単にさせ、それに、占有する必要がある空間もより小さく、配置を便利にさせ、同時にも制御過程の安定性を増加する。前記第1弾性回復部材60が前記第1遠心ブロック51に直接に接続されることも、よりよく前記第1遠心ブロック51に作用力を付与することができる。
【0077】
好ましくは、前記第1調節部材91に第1歯車911が設けられており、前記第1駆動部材92は前記第1歯車911と噛み合う。つまり、前記第1調節部材91、前記第1駆動部材92にともに歯が設けられており、前記第1駆動部材92と前記第1歯車911との間は互いに噛み合う。これにより、前記第1調節部材91に対する前記第1駆動部材92の駆動をよりよく確保し、前記第1駆動部材92が前記第1調節部材91を回動させることができるのをよりよく保障することができ、駆動過程における安定性を保障する。同時にも、前記第1駆動部材92と前記第1調節部材91との間に不意な摺動が発生することをよりよく回避し、十分に調節されたあと、前記第1調節部材91の位置状態に対する保持をよりよく保障することができる。
【0078】
好ましくは、前記第1駆動部材92は、第1駆動スタッド921と、駆動ラック922とを含み、前記出力機構30に第1ねじ孔31が開設されており、前記第1駆動スタッド921は対応して前記第1ねじ孔31箇所に装着され、前記駆動ラック922は前記第1歯車911と噛み合い、かつ前記第1駆動スタッド921は、前記駆動ラック922を移動させることで、前記第1調節部材91を回動させることが可能である。即ち、前記第1駆動スタッド921は前記第1ねじ孔31に装着され、これにより、前記第1駆動スタッド921を締めることで、前記第1駆動スタッド921を移動させることができ、さらに前記第1駆動スタッド921を介して前記駆動ラック922を移動させ、前記第1調節部材91を回動させる。本実施例が提供する前記第1駆動部材92において、前記第1駆動スタッド921を介して前記第1ねじ孔31と係合し、かつ前記駆動ラック922を介して前記第1調節部材91を駆動し、前記第1駆動部材92がセルフロックを実現できる。調節したあと、前記第1駆動スタッド921と前記第1ねじ孔31との間の螺合により、前記第1駆動部材92が逆移動するのを防止することができ、調節の確実性及び有効性をよりよく保障する。つまり、本実施例において、前記第1駆動部材92については手動駆動構造を採用し、サイクリストは前記自動内装変速機100を調節する必要がある場合、手動で前記第1駆動スタッド921を締めることで実現でき、構造が簡単で確実であり、コストも効果的に低減する。勿論、他の実施例において、前記第1駆動部材92の具体的な設置構造についてはさらに、他の任意の実現方式を採用してもよく、前記第1駆動スタッド921についてはさらに、回転式構造、例えば、カム構造等を採用してもよい。
【0079】
好ましくは、前記第1駆動部材92は、第1リターンスプリング923をさらに含み、前記第1リターンスプリング923の両端はそれぞれ、前記駆動ラック922及び前記出力機構30に接続され、前記第1リターンスプリング923は、自身の弾力によって前記駆動ラック922のために復帰力を提供するために用いられる。即ち、前記第1リターンスプリング923は、前記第1駆動スタッド921と作用が反対の力を前記駆動ラック922に提供することで、サイクリストが前記第1駆動スタッド921を前記駆動ラック922に近く調節する場合、前記第1リターンスプリング923を圧縮できるために用いられる。サイクリストが前記第1駆動スタッド921を前記駆動ラック922から離れて調節する場合、前記第1リターンスプリング923は、自身の弾力によって突っ張り、前記駆動ラック922を前記第1駆動スタッド921に近い一方側に移動させることができる。これにより、サイクリストが前記第1駆動スタッド921を順方向に調節する場合、前記第1駆動スタッド921を介して、前記駆動ラック922を前記第1リターンスプリング923に近い一方側に向けて移動させることで、前記駆動ラック922を介して、前記第1弾性回復部材60が捩れて圧縮するように前記第1調節部材91を連動することができ、一方、サイクリストが前記第1駆動スタッド921を逆方向に調節する場合、前記第1リターンスプリング923を介して、前記駆動ラック922を前記第1駆動スタッド921に近い一方側に向けて移動させることで、前記駆動ラック922を介して、前記第1弾性回復部材60が弛緩するように前記第1調節部材91を連動することができる。前記第1駆動スタッド921を調節するだけで、前記第1弾性回復部材60の弾力を調節することを実現でき、調節過程をより便利で簡単にさせ、同時にも構造をより簡単にさせ、確実性がよりよく、必要な占有空間もより小さくする。
【0080】
好ましくは、前記第2調節部材111は前記出力機構30に回動可能に接続され、前記第2弾性回復部材70はトーションばねであり、前記第2駆動部材112は、前記第2調節部材111を回動させることで、前記第2弾性回復部材70が捩れることが可能である。即ち、本実施例において、前記第2弾性回復部材70のねじり力により前記第2遠心ブロック52に前記第2復帰力を付与する。それに、前記第2調節部材111は前記出力機構30に接続され、かつ前記第2調節部材111は前記出力機構30に対して回動可能であり、これにより、前記第2弾性回復部材70が捩れ、前記第2弾性回復部材70のねじり力を調節する。勿論、他の実施例において、前記第2弾性回復部材70についてはさらに、他の弾性部材、例えば、引っ張りバネ、押さえばね等を採用してもよい。それに、前記第2調節部材111は、前記出力機構30に摺動設置されてもよく、これにより、前記第2調節部材111を移動させることで、前記第2弾性回復部材70のひずみ状態に対する変更を実現する。本実施例において、前記第2弾性回復部材70についてはトーションばねを採用し、それに、前記第2調節部材111は前記出力機構30に回動可能に接続され、これにより、全体的な構造をより簡単にさせ、それに、占有する必要がある空間もより小さく、配置を便利にさせ、同時にも制御過程の安定性を増加する。
【0081】
好ましくは、前記第2調節部材111に第2歯車1111が設けられており、前記第2駆動部材112は前記第2歯車1111と噛み合う。つまり、前記第2調節部材111、前記第2駆動部材112にともに歯が設けられており、前記第2駆動部材112と前記第2歯車1111との間は互いに噛み合う。これにより、前記第2調節部材111に対する前記第2駆動部材112の駆動をよりよく確保し、前記第2駆動部材112が前記第2調節部材111を回動させることができるのをよりよく保障することができ、駆動過程における安定性を保障する。同時にも、前記第2駆動部材112と前記第2調節部材111との間に不意な摺動が発生することをよりよく回避し、十分に調節されたあと、前記第2調節部材111の位置状態に対する保持をよりよく保障することができる。
【0082】
好ましくは、前記第2駆動部材112は、第2駆動スタッド1121と、第2駆動アッセンブリ1122とを含み、前記出力機構30に第2ねじ孔32が開設されており、前記第2駆動スタッド1121は対応して前記第2ねじ孔32箇所に装着され、前記第2駆動アッセンブリ1122は前記第2歯車1111と噛み合い、かつ前記第2駆動スタッド1121は、前記第2駆動アッセンブリ1122を運転させることで、前記第2調節部材111を回動させることが可能である。即ち、前記第2駆動スタッド1121は前記第2ねじ孔32に装着され、これにより、前記第2駆動スタッド1121を締めることで、前記第2駆動スタッド1121を移動させることができ、さらに前記第2駆動スタッド1121を介して前記第2駆動アッセンブリ1122を運転させ、前記第2調節部材111を回動させる。本実施例が提供する前記第2駆動部材112において、前記第2駆動スタッド1121を介して前記第2ねじ孔32と係合し、かつ前記第2駆動アッセンブリ1122を介して前記第2調節部材111を駆動し、前記第2駆動部材112がセルフロックを実現できる。調節したあと、前記第2駆動スタッド1121と前記第2ねじ孔32との間の螺合により、前記第2駆動アッセンブリ1122が逆移動するのを防止することができ、調節の確実性及び有効性をよりよく保障する。つまり、本実施例において、前記第2駆動部材112については手動駆動構造を採用し、サイクリストは前記自動内装変速機100を調節する必要がある場合、手動で前記第2駆動スタッド1121を締めることで実現でき、構造が簡単で確実であり、コストも効果的に低減する。勿論、他の実施例において、前記第2駆動部材112の具体的な設置構造についてはさらに、他の任意の実現方式を採用してもよく、例えば、カム構造等を採用する。
【0083】
好ましくは、前記第2駆動アッセンブリ1122は、揺動歯車11221と、中間歯車11222とを含み、前記揺動歯車11221は前記出力機構30に回動可能に接続され、前記中間歯車11222は前記出力機構30に回動可能に接続され、かつ前記中間歯車11222はそれぞれ、前記揺動歯車11221、前記第2歯車1111と噛み合い、前記第2駆動スタッド1121は、前記揺動歯車11221を揺動させることで、前記中間歯車11222を回動させ、前記第2調節部材111を回動することが可能である。即ち、前記揺動歯車11221、前記中間歯車11222はともに前記出力機構30に装着され、かつ前記揺動歯車11221、前記中間歯車11222はともに、前記出力機構30に対して回動可能である。これにより、サイクリストが前記第2駆動スタッド1121を調節する場合、前記第2駆動スタッド1121は、前記揺動歯車11221を揺動させることが可能であり、これにより、揺動する前記揺動歯車11221はさらに前記中間歯車11222を回動させることで、前記中間歯車11222は前記第2調節部材111を回動させ、前記第2弾性回復部材70のねじり力を調節する。
【0084】
好ましくは、前記第2駆動部材112は第2回復トーションばね1123をさらに含み、前記第2回復トーションばね1123の両端はそれぞれ、前記揺動歯車11221及び前記出力機構30に接続され、前記第2回復トーションばね1123は、自身の弾力によって前記揺動歯車11221のために復帰力を提供するために用いられる。即ち、前記第2回復トーションばね1123は、前記第2駆動スタッド1121と作用が反対の力を前記揺動歯車11221に提供することで、サイクリストが前記第2駆動スタッド1121を前記揺動歯車11221に近く調節する場合、前記第2回復トーションばね1123を圧縮できるために用いられる。サイクリストが前記第2駆動スタッド1121を前記揺動歯車11221から離れて調節する場合、前記第2回復トーションばね1123は、自身の弾力によって突っ張り、前記揺動歯車11221を前記第2駆動スタッド1121に近い一方側に移動させることができる。これにより、サイクリストが前記第2駆動スタッド1121を順方向に調節する場合、前記第2駆動スタッド1121を介して、前記揺動歯車11221を順方向に揺動させることで、前記揺動歯車11221を介して前記中間歯車11222を回動させ、さらに前記第1調節部材59を介して、前記第2弾性回復部材70が捩れて圧縮することができる。サイクリストが前記第2駆動スタッド1121を逆方向に調節する場合、前記第2回復トーションばね1123を介して、前記揺動歯車11221を逆方向に揺動させることで、前記揺動歯車11221を介して前記中間歯車11222を回動させ、さらに前記第1調節部材59を介して、前記第2弾性回復部材70が弛緩することができる。前記第2駆動スタッド1121を調節するだけで、前記第2弾性回復部材70の弾力を調節することを実現でき、調節過程をより便利で簡単にさせ、同時にも構造をより簡単にさせ、確実性がよりよく、必要な占有空間もより小さくする。
【0085】
好ましくは、前記出力機構30は、ハブ本体33と、装着ベース34とを含み、前記装着ベース34は前記ハブ本体33に固定接続され、前記第1弾力調節構造90、前記第2弾力調節構造110はともに前記装着ベース34に接続され、前記遠心ブロック501は前記装着ベース34に回動接続される。これにより、前記装着ベース34により、各部材をよりよく支持し、各部材の位置を保障し、調節際の各部材の安定性を確保することができる。
【0086】
好ましくは、前記装着ベース34に、一端が開口341を有するスライド溝342が開設されており、前記スライド溝342は前記第2遠心ブロック52の回動方向に沿って延在し、前記第2遠心ブロック52は、遠心ブロック本体521と、遠心ブロック突起522とを含み、前記遠心ブロック本体521は前記装着ベース34に回動接続され、前記遠心ブロック突起522は前記遠心ブロック本体521に接続され、前記減衰部材80は軸方向に沿って前記遠心ブロック本体521とずれて設けられ、前記遠心ブロック突起522は前記スライド溝342に位置し、かつ前記第2遠心ブロック52が遠心力を受けて回動した後、前記遠心ブロック突起522は前記開口341から、前記スライド溝342から滑りでることが可能であり、前記減衰部材80は対応して前記開口341箇所に位置し、前記遠心ブロック突起522を阻止するために用いられる。これにより、前記スライド溝342を介して、前記第2遠心ブロック52の位置をよりよくガイドすることができ、それに、全体的な構造がよりコンパクトになり、配置する必要がある空間をよりよく節約する。具体的には、本実施例において、前記第1状態の場合、前記遠心ブロック突起522はちょうど前記開口341箇所に位置して前記減衰部材80に阻止されることにより、2速の安定性をよりよく保持できる。
【0087】
好ましくは、前記自動内装変速機100は、減衰部材吸着ユニット120をさらに含み、前記減衰部材吸着ユニット120は前記装着ベース34に接続され、前記減衰部材吸着ユニット120は、前記減衰部材80が初期位置にあるように、前記減衰部材80を吸着するために用いられる。即ち、前記減衰部材吸着ユニット120は、前記減衰部材80に吸着力を提供することにより、前記減衰部材80が初期位置にあることで、前記第2遠心ブロック52を阻止するために用いられる。本実施例において、具体的には、前記減衰部材吸着ユニット120は、前記第2遠心ブロック52の一部が「投げ出される」前記第1状態領域に位置し、即ち、前記開口341の近くに位置する。つまり、前記減衰部材吸着ユニット120は、前記自動内装変速機100が2速にある場合に前記第2遠心ブロック52が所在する領域に位置する。本実施例において、前記減衰部材吸着ユニット120は鉄製部材であり、前記減衰部材80に磁石81が設けられていることにより、前記減衰部材吸着ユニット120は磁力により前記減衰部材80を吸着する。勿論、他の実施例において、前記減衰部材吸着ユニット120が磁石であるが、前記減衰部材80に鉄製部材が設けられることにより、前記減衰部材80に対する前記減衰部材吸着ユニット120の吸着を実現するようにしてもよい。それに、鉄製部材は、他の任意の磁石に吸着されることが可能な材料で作られてもよく、即ち、前記減衰部材吸着ユニット120を介して前記減衰部材80に吸着力を発生させ、前記減衰部材80の初期位置を保持できればよい。
【0088】
本実施例において、前記減衰部材吸着ユニット120を設けることにより、前記自動内装変速機100が3速から2速に変える過程において、前記減衰部材吸着ユニット120は、前記減衰部材80に吸着力を発生させることができ、これにより、3速から2速に変える過程の時間をより速くさせ、シフト時間を短縮する。それに、理解するように、前記減衰部材吸着ユニット120を設けなく、3速から2速に変える過程において時間をより速くさせようとすると、前記第2弾性回復部材70のねじり力を調節する必要がある。しかし、前記第2弾性回復部材70のねじり力を大きくすると、2速から3速に変えることをより難しくさせ、遠心力が抗する必要がある前記第2復帰力はより大きくなる。本実施例において、前記減衰部材吸着ユニット120を介して前記減衰部材80に磁力を付与して吸着することは、この課題をよく克服し、2速から3速に変える過程において、最初に、遠心力が、前記減衰部材吸着ユニット120が前記減衰部材80に付与する磁力に抗すればよく、前記減衰部材80が前記減衰部材吸着ユニット120から分離したあと、常に持続的な対抗力が存在しないため、2速から3速に変える過程への影響をできるだけ小さくする。それに、前記減衰部材吸着ユニット120によっても、前記第2遠心ブロック52をより安定して2速位置箇所に位置させ、前記自動内装変速機100のシフト位置をより正確にさせることができる。
【0089】
好ましくは、前記第1状態の場合、前記第2遠心ブロック突起522は前記開口341の近くに位置し、前記減衰部材吸着ユニット120はさらに、前記遠心ブロック突起522を吸着するために用いられる。具体的には、前記遠心ブロック突起562には磁石が設けられてもよく、又は、前記遠心ブロック突起562が直接に磁石によって作られ、これにより、前記減衰部材吸着ユニット120によっても、同時に前記遠心ブロック突起562に磁性吸着力を発生させることができ、前記第2遠心ブロック52を2速状態に比較的に安定して保持させることができ、それに、1速から2速に変える状態に必要な時間をより短くさせ、シフト位置をより正確にさせることもできる。
【0090】
好ましくは、前記自動内装変速機100は、遠心ブロック吸着ユニット130をさらに含み、前記遠心ブロック吸着ユニット130は前記出力機構30に接続され、前記遠心ブロック吸着ユニット130は、前記遠心ブロック501が前記第2状態を保持するように、前記遠心ブロック501を吸着するために用いられる。即ち、前記遠心ブロック吸着ユニット130は、前記出力機構30に装着され、かつ前記遠心ブロック501を吸着するために用いられ、これにより、前記遠心ブロック501は、完全に「投げ出される」状態に保持することで、前記自動内装変速機100を3速状態に保持させる。具体的には、本実施例において、前記遠心ブロック吸着ユニット130は、前記遠心ブロック501が完全に「投げ出される」領域箇所の近くに位置し、即ち、前記遠心ブロック吸着ユニット130は、前記遠心ブロック501が3速状態にある領域箇所に位置し、かつ前記遠心ブロック吸着ユニット130に3速磁石131が設けられており、前記遠心ブロック501の対応する領域に鉄製部材が設けられている。これにより、前記遠心ブロック501が遠心力の作用によって3速状態に回動する場合、前記遠心ブロック吸着ユニット130は、磁力によって前記遠心ブロック501を吸着することがで、前記遠心ブロック501を3速状態に保持させ、前記自動内装変速機100の3速状態をより安定して正確にさせる。勿論、他の実施例において、前記遠心ブロック吸着ユニット130に鉄製部材が設けられ、前記遠心ブロック501に磁石が設けられるようにしてもよい。それに、鉄製部材は、他の任意の磁石に吸着されることが可能な材料で作られてもよく、即ち、前記遠心ブロック吸着ユニット130を介して前記遠心ブロック501に吸着力を発生させ、前記遠心ブロック501の前記第2状態を保持できればよい。
【0091】
実施例2
図24図27を結合して参照する。本実施例は、自動内装変速機200を提供し、実施例1に提供される前記自動内装変速機100と大体同じであり、主な相違点は、第1駆動部材210の具体的な構造に相違点が存在することにある。
【0092】
前記第1駆動部材210は、回動板220と、リンク230と、回動板駆動レバー240とを含み、前記回動板220は出力機構250に接続され、かつ前記回動板220は前記リンク230を介して第1調節部材260に接続され、前記回動板駆動レバー240は前記出力機構250に可動に装着され、かつ前記回動板駆動レバー240は、前記リンク230が前記第1調節部材260を回動させるように、前記回動板220を回動させることが可能である。これにより、前記回動板駆動レバー240を介して、駆動力を提供し、前記回動板220を回動させることができ、ことにより、前記回動板220は前記リンク230を移動させ、さらに前記リンク230を介して前記第1調節部材260を回動させることにより、前記第1調節部材260に接続される第1弾性回復部材に対する調節を実現する。本実施例において、前記第1弾性回復部材は具体的にトーションばねであり、かつ前記第1弾性回復部材は直接に遠心ブロックに接続される。同様に、前記第1弾性回復部材は、遠心ブロックに間接的に第1復帰力を提供してもよい(例えば、前記第1弾性回復部材は、減衰部材、クラッチ制御ユニット等の他の部材に接続されることが可能である)。
【0093】
好ましくは、前記リンク230は前記回動板220の一端に接続され、かつ前記回動板220の他端にタービン構造270が設けられており、前記回動板駆動レバー240は、ウォーム280と、駆動レバー290とを含み、前記ウォーム280は前記タービン構造270と噛み合い、前記駆動レバー290は前記ウォーム280に接続され、かつ前記駆動レバー290は前記出力機構250に可動に装着され、前記駆動レバー290は、前記ウォーム280を回動させることで、前記ウォーム280と前記タービン構造270との係合により前記回動板220を回動させることが可能である。即ち、本実施例において、前記回動板駆動レバー240による前記回動板220の駆動は、具体的にタービンウォーム構造によって実現されることにより、構造の間のインターロックをよりよく保障でき、制御の精度及び安定性をよりよく保障する。
【0094】
具体的には、本実施例において、前記駆動レバー290と前記ウォーム280との間の具体的な接続構造は、前記ウォーム280の一端に装着溝281が開設されており、前記駆動レバー290の一端に、前記装着溝281にマッチングする装着部291が設けられている構造であり、これにより、前記装着部291を介して前記装着溝281に挿入され、前記駆動レバー290と前記ウォーム280との間の接続をよりよく実現し、伝動の安定性をよりよく保障する。
【0095】
好ましくは、前記出力機構250に装着孔251が開設されており、前記駆動レバー290は前記装着孔251に装着され、具体的には、前記装着孔251は、ハブ又はエンドカバーに開設されてもよい。かつ前記駆動レバー290に密封リング292が装着されており、前記駆動レバー290は、前記密封リング292を介して前記装着孔251の孔壁と締り嵌めされる。これにより、前記駆動レバー290の位置をよりよく保障し、前記駆動レバー290が移動し摺動することを回避する。
【0096】
具体的には、本実施例において、前記駆動レバー290に密封リング装着位置293が開設されており、前記密封リング292は対応して前記密封リング装着位293箇所に装着される。前記ウォーム280、前記回動板220、前記リンク230はいずれも、前記出力機構250におけるハブに接続される装着ベースに設けられる。勿論、他の実施例において、前記ウォーム280、前記回動板220、前記リンク230は、実際のニーズに応じて、ハブに接続される他の構造に設けられてもよい。本実施例が提供する前記自動内装変速機200によれば、装着ベースとハブ/エンドカバーとが相対的に変位関係を持たせないことができ、それに、装着ベースに装着される前記ウォーム280、前記回動板220、前記リンク230は、ハブ又はエンドカバーに装着される前記駆動レバー290と離間して組み立てられてもよく、組み立てをより便利にさせ、装着の難しさを低減する。
【0097】
実施例3
図28及び図29を結合して参照する。本実施例は、自動内装変速機300を提供し、実施例1に提供される前記自動内装変速機100、実施例2に提供される前記自動内装変速機200と大体同じであり、主な相違点は、第1駆動部材310の具体的な構造に相違点が存在することにある。
【0098】
前記第1駆動部材310は、回動板320と、リンク330と、回動板駆動レバー340とを含み、前記回動板320は前記出力機構350に回動可能に接続され、かつ前記回動板320は前記リンク330を介して前記第1調節部材360に接続され、前記回動板駆動レバー340は前記出力機構350に可動に装着され、かつ前記回動板駆動レバー340は、前記リンク330が前記第1調節部材360を回動させるように、前記回動板320を回動させることが可能である。これにより、前記回動板駆動レバー340を介して、駆動力を提供し、前記回動板320を回動させることができ、ことにより、前記回動板320は前記リンク330を移動させ、さらに前記リンク330を介して前記第1調節部材360を回動させることにより、前記第1調節部材360に接続される第1弾性回復部材に対する調節を実現する。本実施例において、前記第1弾性回復部材は具体的にトーションばねであり、かつ前記第1弾性回復部材は直接に遠心ブロックに接続される。同様に、前記第1弾性回復部材は、遠心ブロックに間接的に第1復帰力を提供してもよい(例えば、前記第1弾性回復部材は、減衰部材、クラッチ制御ユニット等の他の部材に接続されることが可能である)。
【0099】
好ましくは、前記回動板駆動レバー340はスタッドであり、前記出力機構350に第1ねじ孔351が開設されており、前記回動板駆動レバー340は対応して前記第1ねじ孔351箇所に装着される。これにより、前記回動板駆動レバー340を締めることで、前記回動板駆動レバー340を移動させることができ、さらに前記回動板駆動レバー340を介して前記回動板320を回動させ、前記リンク330が前記第1調節部材360を回動させる。本実施例が提供する前記第1駆動部材310において、前記回動板駆動レバー340を介して前記第1ねじ孔351と係合し、前記第1駆動部材310がセルフロックを実現できる。調節したあと、前記回動板駆動レバー340と前記第1ねじ孔351との間の螺合により、前記第1駆動部材310が逆移動するのを防止することができ、調節の確実性及び有効性をよりよく保障する。より好ましくは、前記回動板320及び前記出力機構350には、トーションばねが直接に設けられてもよく、これにより、前記回動板320をよりよく回復させることができる。より好ましくは、前記回動板駆動レバー340の端部に密封リング341が設けられている。
【0100】
実施例4
本実施例はさらに、自転車を提供し、前記自転車は、車体と、自動内装変速機とを含み、前記自動内装変速機は、上記自動内装変速機100又は自動内装変速機200又は自動内装変速機300であってもよい。前記自動内装変速機は前記車体の駆動輪に装着される。ここで、前記自転車が伝統的な自転車、例えば、伝統的な二輪自転車、駆動力がサイクリストによってペダルを介して後輪へ出力される自転車であってもよく、前記自動内装変速機が具体的に伝統的な自転車の後輪箇所に装着されることが可能である。勿論、前記自転車は、アシスト自転車であってもよく、即ち、自転車に余分な動力を提供する装置が装着されてもよく、余分な動力源によりサイクリストのサイクリングの難しさを低減する自転車である。具体的には、例えば、電動アシスト自転車は、余分な電気エネルギーによってアシストする。勿論、アシスト自転車の動力源は電気エネルギーに限らず、他の形式の動力源であってもよい。また、前記自転車の輪体の数は二輪に限らず、前記自転車の輪体の数については、実際のニーズに応じて選択してもよい。
【0101】
上記したのは本発明の実施形態に過ぎず、ここに、当業者にとって、本発明の創造的な構想から逸脱しない前提で、さらに改善しても良いが、これらがいずれも本発明の保護範囲に属すると指摘すべきである。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14
図15
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図20
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図27
図28
図29
【手続補正書】
【提出日】2024-04-25
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
自動内装変速機であって、ハブ軸と、入力機構と、出力機構と、変速機構と、自動シフト制御機構とを含み、
前記入力機構及び前記出力機構はともに、前記ハブ軸に回動可能に装着され、かつ前記入力機構は、駆動力を提供して前記出力機構を回動させるために用いられ、
前記変速機構は、前記ハブ軸に装着されるとともに、前記入力機構と前記出力機構との間に位置し、
前記変速機構は少なくとも、第1遊星歯車列と、第2遊星歯車列とを含み、
前記自動シフト制御機構は、遠心ブロックと、クラッチ制御ユニットとを含み、前記遠心ブロックは、前記出力機構に回動接続され、かつ前記クラッチ制御ユニットに接続され、
前記遠心ブロックは、前記入力機構によって伝達された駆動力が前記第1遊星歯車列を経て前記出力機構に伝達されるように、前記出力機構に対して第1方向に沿って第1状態まで回動することで前記クラッチ制御ユニットを回動させることが可能であり、
前記遠心ブロックはさらに、前記入力機構によって伝達された駆動力が前記第2遊星歯車列を経て前記出力機構に伝達されるように、前記出力機構に対して前記第1方向に沿ってさらに第2状態まで回動することで前記クラッチ制御ユニットをさらに回動させることが可能である、
ことを特徴とする自動内装変速機。
【請求項2】
前記クラッチ制御ユニットは、同期リングと、制御スリーブと、クラッチコントローラとを含み、前記遠心ブロックは前記同期リングに接続され、前記制御スリーブは前記同期リングに接続され、前記クラッチコントローラは前記変速機構と前記出力機構との間に位置し、前記遠心ブロックは、前記クラッチコントローラを制御するように、前記同期リングを回動させることで前記制御スリーブを回動させることが可能であり、
前記第1状態の場合、前記制御スリーブは前記クラッチコントローラを制御して、前記第1遊星歯車列を前記出力機構に結合し、
前記第2状態の場合、前記制御スリーブは前記クラッチコントローラを制御して、前記第2遊星歯車列を前記出力機構に結合する、
ことを特徴とする請求項1に記載の自動内装変速機。
【請求項3】
前記クラッチコントローラは、ローラクラッチコントローラを採用しており、
又は、前記クラッチコントローラは、ハブブッシュと、第1クリックと、第2クリックとを含み、前記ハブブッシュは前記出力機構に接続され、前記第1クリック、前記第2クリックはそれぞれ、前記ハブブッシュに回動接続され、
前記第1状態の場合、前記制御スリーブは前記第1クリックを制御して、前記第1クリックを前記第1遊星歯車列に結合させ、
前記第2状態の場合、前記制御スリーブは前記第2クリックを制御して、前記第2クリックを前記第2遊星歯車列に結合させる、
ことを特徴とする請求項2に記載の自動内装変速機。
【請求項4】
前記クラッチコントローラが、ハブブッシュと、第1クリックと、第2クリックとを含む場合、前記第1クリック及び前記第2クリックは軸方向に沿って互いに間隔をおいて設けられ、前記制御スリーブに第1制御溝、第2制御溝が開設されており、前記第1制御溝は径方向に沿って前記制御スリーブを貫通し、かつ前記第1制御溝は軸方向に沿って前記第1クリックに対応して設けられ、前記第2制御溝は径方向に沿って前記制御スリーブを貫通し、かつ前記第2制御溝は軸方向に沿って前記第2クリックに対応して設けられ、
前記第1状態の場合、前記第1制御溝の内壁が前記第1クリックを当接して押し下げることで、前記第1クリックは前記第1制御溝を通って前記第1遊星歯車列に結合し、
前記第2状態の場合、前記第2制御溝の内壁が前記第2クリックを当接して押し下げることで、前記第2クリックは前記第2制御溝を通って前記第2遊星歯車列に結合する、
ことを特徴とする請求項3に記載の自動内装変速機。
【請求項5】
前記同期リングは、同期リング本体と、遠心ブロック接続突起と、制御スリーブ接続突起とを含み、前記遠心ブロック接続突起は軸方向に沿って前記同期リング本体の一端に設けられ、前記遠心ブロックは前記遠心ブロック接続突起に接続され、前記制御スリーブ接続突起は軸方向に沿って前記同期リング本体の他端に設けられ、前記制御スリーブは前記制御スリーブ接続突起に接続される、
ことを特徴とする請求項2に記載の自動内装変速機。
【請求項6】
第1弾性回復部材をさらに含み、
前記第1弾性回復部材は、前記出力機構に接続されており、前記遠心ブロックが第2方向に沿って復帰して初期状態を保持するように、自身の弾力によって前記遠心ブロックのために第1復帰力を提供するために用いられ、
前記第2方向及び前記第1方向は、反対の2つの方向である、
ことを特徴とする請求項1に記載の自動内装変速機。
【請求項7】
第1弾力調節構造をさらに含み、前記第1弾性回復部材は前記第1弾力調節構造を介して前記出力機構に接続され、
前記第1弾力調節構造は、第1調節部材と、第1駆動部材とを含み、前記第1調節部材は前記第1弾性回復部材に接続され、前記第1駆動部材は前記出力機構に接続され、かつ前記第1駆動部材は前記第1調節部材に接続され、前記第1駆動部材は、前記遠心ブロックが受ける前記第1復帰力を変更するように、前記第1調節部材を運転させることで前記第1弾性回復部材のひずみ状態を変更することが可能である、
ことを特徴とする請求項6に記載の自動内装変速機。
【請求項8】
前記第1調節部材は前記出力機構に回動可能に接続され、前記第1弾性回復部材はトーションばねであり、前記第1駆動部材は、前記第1調節部材を回動させることで、前記第1弾性回復部材が捩れることが可能である、
ことを特徴とする請求項7に記載の自動内装変速機。
【請求項9】
前記第1調節部材に第1歯車が設けられており、前記第1駆動部材は前記第1歯車と噛み合い、
前記第1駆動部材は、第1駆動スタッドと、駆動ラックとを含み、前記出力機構に第1ねじ孔が開設されており、前記第1駆動スタッドは対応して前記第1ねじ孔に装着され、前記駆動ラックは前記第1歯車と噛み合い、かつ前記第1駆動スタッドは、前記駆動ラックを移動させることで、前記第1調節部材を回動させることが可能であり、
前記第1駆動部材は、第1リターンスプリングをさらに含み、前記第1リターンスプリングの両端はそれぞれ、前記駆動ラック及び前記出力機構に接続され、前記第1リターンスプリングは、自身の弾力によって前記駆動ラックのために復帰力を提供するために用いられる
ことを特徴とする請求項8に記載の自動内装変速機。
【請求項10】
前記第1駆動部材は、回動板と、リンクと、回動板駆動レバーとを含み、前記回動板は前記出力機構に回動可能に接続され、かつ前記回動板は前記リンクを介して前記第1調節部材に接続され、前記回動板駆動レバーは前記出力機構に可動に装着され、かつ前記回動板駆動レバーは、前記リンクが前記第1調節部材を回動させるように、前記回動板を回動させることが可能であり、
前記リンクは前記回動板の一端に接続され、かつ前記回動板の他端にタービン構造が設けられており、前記回動板駆動レバーは、ウォームと、駆動レバーとを含み、前記ウォームは前記タービン構造と噛み合い、前記駆動レバーは前記ウォームに接続され、かつ前記駆動レバーは前記出力機構に可動に装着され、前記駆動レバーは、前記ウォームを回動させることで、前記ウォームと前記タービン構造との係合により前記回動板を回動させることが可能であり、
前記出力機構に装着孔が開設されており、前記駆動レバーは前記装着孔に装着され、かつ前記駆動レバーに密封リングが装着されており、前記駆動レバーは、前記密封リングを介して前記装着孔の孔壁と締り嵌めされ、
前記回動板駆動レバーはスタッドであり、前記出力機構に第1ねじ孔が開設されており、前記回動板駆動レバーは対応して前記第1ねじ孔に装着される
ことを特徴とする請求項8に記載の自動内装変速機。
【請求項11】
第2弾性回復部材と、減衰部材とをさらに含み、
前記第2弾性回復部材の両端はそれぞれ、前記減衰部材及び出力機構に接続され、前記減衰部材は、前記遠心ブロックを阻止するために用いられ、かつ前記減衰部材は、前記遠心ブロックが前記第2方向に沿って復帰して前記第1状態を保持するように、前記第2弾性回復部材の弾力によって前記遠心ブロックに第2復帰力を提供するために用いられる、
ことを特徴とする請求項7~10のいずれか1項に記載の自動内装変速機。
【請求項12】
第2弾力調節構造をさらに含み、前記第2弾性回復部材は前記第2弾力調節構造を介して前記出力機構に接続され、
前記第2弾力調節構造は、第2調節部材と、第2駆動部材とを含み、第2調節部材は前記第2弾性回復部材に接続され、前記第2駆動部材は前記出力機構に接続され、かつ前記第2駆動部材は前記第2調節部材に接続され、前記第2駆動部材は、前記減衰部材が前記遠心ブロックに提供する前記第2復帰力を変更するように、前記第2調節部材を運転させることで前記第2弾性回復部材のひずみ状態を変更することが可能である、
ことを特徴とする請求項11に記載の自動内装変速機。
【請求項13】
前記第2調節部材は前記出力機構に回動可能に接続され、前記第2弾性回復部材はトーションばねであり、前記第2駆動部材は、前記第2調節部材を回動させることで、前記第2弾性回復部材が捩れることが可能である、
ことを特徴とする請求項12に記載の自動内装変速機。
【請求項14】
前記第2調節部材に第2歯車が設けられており、前記第2駆動部材は前記第2歯車と噛み合い、
前記第2駆動部材は、第2駆動スタッドと、第2駆動アッセンブリとを含み、前記出力機構に第2ねじ孔が開設されており、前記第2駆動スタッドは対応して前記第2ねじ孔に装着され、前記第2駆動アッセンブリは前記第2歯車と噛み合い、かつ前記第2駆動スタッドは、前記第2駆動アッセンブリを運転させることで、前記第2調節部材を回動させることが可能であり、
前記第2駆動アッセンブリは、揺動歯車と、中間歯車とを含み、前記揺動歯車は前記出力機構に回動可能に接続され、前記中間歯車は前記出力機構に回動可能に接続され、かつ前記中間歯車はそれぞれ、前記揺動歯車、前記第2歯車と噛み合い、前記第2駆動スタッドは、前記揺動歯車を揺動させることで、前記中間歯車を回動させ、前記第2調節部材を回動することが可能であり、
前記第2駆動部材は第2回復トーションばねをさらに含み、前記第2回復トーションばねの両端はそれぞれ、前記揺動歯車及び前記出力機構に接続され、前記第2回復トーションばねは、自身の弾力によって前記揺動歯車のために復帰力を提供するために用いられる
ことを特徴とする請求項13に記載の自動内装変速機。
【請求項15】
前記出力機構は、ハブ本体と、装着ベースとを含み、前記装着ベースは前記ハブ本体に固定接続され、前記第1弾力調節構造、前記第2弾力調節構造はともに前記装着ベースに接続され、前記遠心ブロックは前記装着ベースに回動接続される、
ことを特徴とする請求項12に記載の自動内装変速機。
【請求項16】
前記装着ベースに、一端が開口を有するスライド溝が開設されており、前記スライド溝は前記遠心ブロックの回動方向に沿って延在し、
前記遠心ブロックは、遠心ブロック本体と、遠心ブロック突起とを含み、前記遠心ブロック本体は前記装着ベースに回動接続され、前記遠心ブロック突起は前記遠心ブロック本体に接続され、前記減衰部材は軸方向に沿って前記遠心ブロック本体とずれて設けられ、前記遠心ブロック突起は前記スライド溝に位置し、かつ前記遠心ブロックが遠心力を受けて回動した後、前記遠心ブロック突起は前記開口から、前記スライド溝から滑りでることが可能であり、
前記減衰部材は対応して前記開口箇所に位置し、前記遠心ブロック突起を阻止するために用いられ、
減衰部材吸着ユニットをさらに含み、前記減衰部材吸着ユニットは前記装着ベースに接続され、かつ前記開口の近くに位置し、前記減衰部材吸着ユニットは、前記減衰部材が初期位置にあるように、前記減衰部材を吸着するために用いられ、
前記第1状態の場合、前記遠心ブロック突起は前記開口の近くに位置し、前記減衰部材吸着ユニットはさらに、前記遠心ブロック突起を吸着するために用いられる
ことを特徴とする請求項15に記載の自動内装変速機。
【請求項17】
遠心ブロック吸着ユニットをさらに含み、前記遠心ブロック吸着ユニットは前記出力機構に接続され、前記遠心ブロック吸着ユニットは、前記遠心ブロックが前記第2状態を保持するように、前記遠心ブロックを吸着するために用いられる、
ことを特徴とする請求項1に記載の自動内装変速機。
【請求項18】
自転車であって、車体と、自動内装変速機とを含み、
前記自動内装変速機は前記車体の駆動輪に装着され、かつ前記自動内装変速機は、請求項1~10のいずれか1項に記載の自動内装変速機である、
ことを特徴とする自転車。
【国際調査報告】