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特表2024-540219繊維ベースカップ設計、化学的特性及び工具
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-10-31
(54)【発明の名称】繊維ベースカップ設計、化学的特性及び工具
(51)【国際特許分類】
   D21J 5/00 20060101AFI20241024BHJP
   D21H 21/18 20060101ALI20241024BHJP
   D21H 21/16 20060101ALI20241024BHJP
   B65D 1/26 20060101ALI20241024BHJP
【FI】
D21J5/00
D21H21/18
D21H21/16
B65D1/26 110
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2024525854
(86)(22)【出願日】2022-09-14
(85)【翻訳文提出日】2024-06-28
(86)【国際出願番号】 US2022043516
(87)【国際公開番号】W WO2023080960
(87)【国際公開日】2023-05-11
(31)【優先権主張番号】63/274,648
(32)【優先日】2021-11-02
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】519030833
【氏名又は名称】フットプリント インターナショナル, エルエルシー
(74)【代理人】
【識別番号】100134832
【弁理士】
【氏名又は名称】瀧野 文雄
(74)【代理人】
【識別番号】100165308
【弁理士】
【氏名又は名称】津田 俊明
(74)【代理人】
【識別番号】100115048
【弁理士】
【氏名又は名称】福田 康弘
(72)【発明者】
【氏名】チュン ヨーク ドウ
(72)【発明者】
【氏名】チャン イユン
(72)【発明者】
【氏名】リー チー
【テーマコード(参考)】
3E033
4L055
【Fターム(参考)】
3E033AA08
3E033BA10
3E033BB02
3E033CA20
3E033DA08
3E033DD05
3E033FA01
3E033FA04
3E033GA02
4L055AA02
4L055AA03
4L055AC09
4L055AG40
4L055AG47
4L055AH11
4L055AH16
4L055BF08
4L055CJ06
4L055EA04
4L055EA32
4L055FA13
4L055GA05
(57)【要約】
疎水性添加物と増強剤とを含む繊維ベースのスラリーを準備することと、円錐台形によって特徴付けられる内側形状を有する形成プレスアセンブリで繊維ベースのスラリーを圧縮及び乾燥することにより飲料用カップ部品を形成することと、により、プラスチック不含である繊維ベースの飲料用カップを形成する。繊維ベースのスラリーはバージン繊維とリサイクル繊維との乾燥パルプ混合物を含むことができ、疎水性添加物は乾燥パルプ重量の1.0~10.0%であり、増強剤は乾燥パルプ重量の1.0~10.0%である。特に繊維ベースのスラリーは、乾燥パルプ重量で約50%のさらし硬質木材と、約50%のさらし軟質木材と、約2.5%の増強剤と、約3.5%の疎水性添加物と、を含むことができる。
【選択図】図17
【特許請求の範囲】
【請求項1】
プラスチック不含であるパルプベースの飲料用カップの製造方法であって、
疎水性添加物と増強剤とを含む繊維ベースのスラリーを準備することと、
円錐台形によって特徴付けられる内側形状を有する形成プレスアセンブリで前記繊維ベースのスラリーを圧縮及び乾燥することにより飲料用カップ部品を形成することと、
を含み、
前記繊維ベースのスラリーはバージン繊維とリサイクル繊維との乾燥パルプ混合物を含み、
前記疎水性添加物は前記乾燥パルプ重量の1.0~10.0%であり、前記増強剤は前記乾燥パルプ重量の1.0~10.0%である
ことを特徴とする製造方法。
【請求項2】
前記繊維ベースのスラリーは20~80%のさらし硬質木材を含むと共に、残部がさらし軟質木材であり、
前記増強剤は前記乾燥パルプ重量の1.0~6.0%であり、前記疎水性添加物は前記乾燥パルプ重量の1.0~6.0%である、
請求項1記載の製造方法。
【請求項3】
前記繊維ベースのスラリーは、乾燥パルプ重量で約50%のさらし硬質木材と、約50%のさらし軟質木材と、約2.5%の増強剤と、約3.5%の疎水性添加物と、を含む、
請求項1記載の製造方法。
【請求項4】
前記増強剤はデンプンである、
請求項1記載の製造方法。
【請求項5】
前記疎水性添加物はアルキルケテンダイマ(AKD)である、
請求項1記載の製造方法。
【請求項6】
前記形成プレスアセンブリは熱成形ウェットプレス機である、
請求項1記載の製造方法。
【請求項7】
前記形成プレスアセンブリはドライプレス機である、
請求項1記載の製造方法。
【請求項8】
疎水性添加物と増強剤とを含む繊維ベースのスラリーを準備することと、
円錐台形によって特徴付けられる内側形状を有する形成プレスアセンブリで前記繊維ベースのスラリーを圧縮及び乾燥することにより飲料用カップ部品を形成することと、
を含むプロセスにより形成された、プラスチック不含であるパルプベースの飲料用カップであって、
前記繊維ベースのスラリーはバージン繊維とリサイクル繊維との乾燥パルプ混合物を含み、
前記疎水性添加物は前記乾燥パルプ重量の1.0~10.0%であり、前記増強剤は前記乾燥パルプ重量の1.0~10.0%である
ことを特徴とする飲料用カップ。
【請求項9】
前記繊維ベースのスラリーは20~80%のさらし硬質木材を含むと共に、残部がさらし軟質木材であり、
前記増強剤は前記乾燥パルプ重量の1.0~6.0%であり、前記疎水性添加物は前記乾燥パルプ重量の1.0~6.0%である、
請求項8記載の飲料用カップ。
【請求項10】
前記繊維ベースのスラリーは、乾燥パルプ重量で約50%のさらし硬質木材と、約50%のさらし軟質木材と、約2.5%の増強剤と、約3.5%の疎水性添加物と、を含む、
請求項8記載の飲料用カップ。
【請求項11】
前記増強剤はデンプンである、
請求項8記載の飲料用カップ。
【請求項12】
前記疎水性添加物はアルキルケテンダイマ(AKD)である、
請求項8記載の飲料用カップ。
【請求項13】
前記形成プレスアセンブリは熱成形ウェットプレス機である、
請求項8記載の飲料用カップ。
【請求項14】
前記形成プレスアセンブリはドライプレス機である、
請求項8記載の飲料用カップ。
【請求項15】
プラスチック不含であるパルプベースの飲料用カップの製造に使用するためのスラリーであって、
疎水性添加物と増強剤とを含む繊維ベースのスラリーを含み、
前記繊維ベースのスラリーはバージン繊維とリサイクル繊維との乾燥パルプ混合物を含み、
前記疎水性添加物は前記乾燥パルプ重量の1.0~10.0%であり、前記増強剤は前記乾燥パルプ重量の1.0~10.0%である
ことを特徴とするスラリー。
【請求項16】
前記繊維ベースのスラリーは20~80%のさらし硬質木材を含むと共に、残部がさらし軟質木材であり、
前記増強剤は前記乾燥パルプ重量の1.0~6.0%であり、前記疎水性添加物は前記乾燥パルプ重量の1.0~6.0%である、
請求項15記載のスラリー。
【請求項17】
前記繊維ベースのスラリーは、乾燥パルプ重量で約50%のさらし硬質木材と、約50%のさらし軟質木材と、約2.5%の増強剤と、約3.5%の疎水性添加物と、を含む、
請求項16記載のスラリー。
【請求項18】
前記増強剤はデンプンである、
請求項15記載のスラリー。
【請求項19】
前記疎水性添加物はアルキルケテンダイマ(AKD)である、
請求項15記載のスラリー。
【請求項20】
前記形成プレスアセンブリは熱成形ウェットプレス機である、
請求項15記載のスラリー。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
<関連出願の相互参照>
本願は米国仮特許出願第63/274,648号(出願日:2021年11月2日)に係る優先権を主張するものであり、その記載内容は、参照により本願の記載内容に含まれるものとする。
【0002】
本発明は一般に、プラスチック不含である繊維ベースの製品の製造に関するものであり、より具体的には、繊維ベースのカップのための設計、化学的特性及び工具に関するものである。
【背景技術】
【0003】
パルプモールド製造は、近年幅広い用途においてその人気を増しており、かかる用途は例えば、カップ、深皿、ストロー等を含む。繊維ベースの包装は生分解性、コンポスト化可能であり、また、プラスチックとは異なって海洋に流出しない。
【0004】
パルプモールドの最も一般的な2つの種類は、タイプ1及びタイプ2に分類される。タイプ1のパルプモールド製造は「ドライ」製造としても知られているものであり、グラウンド新聞巻取紙、クラフト紙その他繊維を水に溶解したものから作製された繊維スラリーを使用する。プラテンに取り付けられたモールド金型をスラリー中に浸漬又は沈降し、一般に凸状である裏面に真空を供給する。この真空がスラリーをモールド金型に引き付けることにより、包装の形状に形成する。未だ真空下の状態で、このスラリータンクからモールド金型を取り出し、パルプから水を排出できるようにする。その後、工具を介して空気を吹き付けることにより、繊維モールド成形品の離型を行う。この部品は典型的には、乾燥炉内のコンベア上に配置される。
【0005】
タイプ2のパルプモールド製造は「ウェット」製造としても知られており、典型的には、決まった壁寸法を有する容器で電子装置、携帯電話機、家庭用品を包装するために用いられるものである。タイプ2のパルプモールドは、真空がスラリーをモールド金型に引き付けるところまで、タイプ1と同一の材料を使用し、同一の基本的プロセスを採用する点で共通する。真空がスラリーをモールド金型に引き付ける工程の後、繊維包装にトランスファ金型が嵌合して、形成された「ウェット部品」をホットプレス機へ移動させ、この繊維材料を圧縮して乾燥させることにより密度を増大させて、滑らかな外表面仕上げを提供する。
【0006】
現在公知となっている繊維ベースの製品は多くの点で望まれているものではあるが、従来技術の制約を克服するためのシステム及び方法が依然として要請されている。例えば、ホット又はコールド液体を入れた状態で飲料用カップの強度を維持できる飲料用カップを製造することは難しい。添付の図面及び本背景部技術部分を参酌して下記の詳細な説明及び添付の特許請求の範囲を読めば、種々の構成及び特徴が明らかとなる。
【発明の概要】
【0007】
複数の実施形態において、疎水性添加物と増強剤とを含む繊維ベースのスラリーを準備することと、その後、円錐台形(すなわちカップ状の形状)によって特徴付けられる内側形状を有する形成プレスアセンブリで前記繊維ベースのスラリーを圧縮及び乾燥することにより飲料用カップ部品を形成することと、により、プラスチック不含である繊維ベースの飲料用カップが形成される。前記繊維ベースのスラリーはバージン繊維とリサイクル繊維との乾燥パルプ混合物を含むことができ、前記疎水性添加物は前記乾燥パルプ重量の1.0~10.0%であり、前記増強剤は前記乾燥パルプ重量の1.0~10.0%である。特に効果的な混合物では、前記繊維ベースのスラリーは、乾燥パルプ重量で約50%のさらし硬質木材(広葉樹材)と、約50%のさらし軟質木材(針葉樹材)と、約2.5%の増強剤と、約3.5%の疎水性添加物と、を含むことができる。上記のモールド成形方法は、熱成形ウェットプレス機、ドライプレス機、又は他の任意の製紙法を用いることができる。
【0008】
以下、添付の図面の各図を参照して実施形態例を説明する。同図中、同様の符号は同様の構成を付している。
【図面の簡単な説明】
【0009】
図1】一実施形態のカップ形成アセンブリの構成要素の等角概要図である。
図2図1のコールドプレス機の上面図である。
図3図2のコールドプレス機の側面図である。
図4図1の形成ダイスの上面図である。
図5図4の形成ダイスの側面図である。
図6】形成中にコールドプレス機と形成ダイスとが相互作用する形成アセンブリの上面図である。
図7図6の形成アセンブリの断面図である。
図8】一実施形態のホットプレスアセンブリの等角概観図である。
図9図8の下部ホットプレスモールド金型の上面図である。
図10図9の下部ホットプレスモールド金型の側面図である。
図11図8の上部ホットプレスモールド金型の上面図である。
図12図11の上部ホットプレスモールド金型の側面図である。
図13】モールド成形中に相互作用する上部ホットプレスカップモールド金型及び下部ホットプレスカップモールド金型の上面図である。
図14図13の上部ホットプレスカップモールド金型及び下部ホットプレスカップモールド金型の断面図である。
図15】上記図の1つ又は複数のモールド金型アセンブリを用いたカップ製造の断面図である。
図16】上記図の1つ又は複数のモールド金型アセンブリを用いたカップ製造の下面図である。
図17】上記図の1つ又は複数のモールド金型アセンブリを用いたカップ製造の等角図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
本発明は、繊維ベースの飲料用カップ(ホット用及びコールド用)のためのシステム及び方法に関するものであり、工具、製造者、及び/又は繊維/添加物組成の詳細を含む。以下の本発明の詳細な説明はあくまで例示であり、本発明、本発明の用途及び使用のいずれも限定するものではない。また、上記の背景技術や以下の詳細な説明に提示された何らかの理論によって拘束される意図も何ら存在しない。
【0011】
一般に、図1~7は複数の実施形態のコールドプレスカップアセンブリを示し、図8~14は複数の実施形態のホットプレスカップアセンブリを示し、図15~17は、上記図に示されたいずれかのモールド金型及び方法を用いて作製されたカップ例を示す。各図には、1つ又は複数の実施形態に適用可能であり得る寸法例が示されているが、本発明は具体的な寸法に限定されるものではなく、各図は必ずしも実寸の比率通りであるとは限らない。
【0012】
図1は、一実施形態のカップ形成アセンブリ(すなわちコールドプレス機)の構成要素の等角概要図であり、これは(a)形成ダイス100と、(b)これに対応するコールド金型101と、を備えている。具体的には、コールド金型101の一部分121がコールドプレス機101の基部から延在し、概ね円錐台状(カップ状)の形状を有し、カップラグを有する。一部分121は、形成プレスアセンブリに関して当該分野にて知られているように、形成ダイス100の開口120に受容されるように形成されている。図2図1のコールドプレス機の上面図であり、図3図2のコールドプレス機の側面図であり、図4図1の形成ダイスの上面図であり、図5図4の形成ダイスの側面図である。
【0013】
図6は、飲料用カップの形成中にコールド金型101と形成ダイス100とが相互作用する(例えば両部品の圧縮等)図1の形成アセンブリの上面図(600)であり、図7は当該形成アセンブリの断面図(700)である。具体的には、形成プロセスを行う間、コールドプレス機が図中に示す通り形成ダイス内に位置するように、図中に示す通り(繊維ベースの材料が存在する状態で)所定の力/変位でコールドプレス機を挿入する。圧縮前にコールド金型101と形成ダイス100との間にスラリー(下記にて詳細に説明する)を供給し、カップ形状の底部に設けられた底部排出口を介して流体(主に水)を除去する。形成ダイス100に設けられたワイヤスクリーン701(例えば太さ0.65mmのワイヤスクリーン等)に繊維材料が集められ、その後にコールドプレス機101と形成ダイス100とが分離されると、繊維ベースのカップがワイヤスクリーン701から適切に取り出される。一実施形態では、領域702においてコールドプレス機101と形成ダイス100との間の約1.5~2.5mm(例えば1.95mm等)の距離のラグ深さが設けられると共に、領域703においてコールドプレス機101と形成ダイス100との間の約3.0~4.0mm(例えば3.57mm等)の距離のラグ高さが設けられる。
【0014】
これとは対照的に図8は、上部ホットプレス金型801と下部ホットプレス金型800とを備えた一実施形態のホットプレスアセンブリの等角図である。上部モールド金型801の一部分821がその基部から延在し、概ね円錐台状(カップ状)の形状を有し、カップラグを有する。一部分821は、底部モールド金型800の開口820に受容されるように形成されている。図9は、図8の下部ホットプレスモールド金型の上面図であり、図10は、図9の下部ホットプレスモールド金型の側面図であり、図11は、図8の上部ホットプレスモールド金型の上面図であり、図12は、図11の上部ホットプレスモールド金型の側面図である。
【0015】
図13及び図14は、モールド成形中に相互作用する図8の上部ホットプレスカップモールド金型及び下部ホットプレスカップモールド金型の上面図(1300)及び断面図(1400)である。すなわち、(繊維ベースの材料/スラリーが存在する状態で)上部ホットプレス金型部品と下部ホットプレス金型部品とが所定の力/変位で近接されて、所望の飲料用カップ形状を形成する。図13及び図14にはさらに、加熱ロッド取付アウトレット1304と、加熱ロッド取付アウトレット1303と、パイロット孔1407、加熱ロッド1402と、ラグ1401と、真空吹出し孔孔1406と、加熱ロッド1405と、が示されている。また、図15図16及び図17は、上記図の1つ又は複数のモールド金型アセンブリを用いたカップ製造の断面図、下面図、及び等角図である。
【0016】
本発明の飲料用カップは、種々の繊維組成及び種々の化学的特性を用いて製造することができる。一般的には、ウォーターバリア及び増強剤をセルロース/ヘミセルロース繊維に添加することにより、材料に疎水特性及び強度特性を追加することができる。繊維材料自体はバージン材料、リサイクル材料又はこれらの組み合わせとすることができる。さらに、これらの配合物をウェットプレス機(熱成形)、ドライプレス機(伝統的なもの)、又は他の任意の製紙プロセスで用いることができる。
【0017】
一実施形態では、上記の繊維ブレンドは0~100%のバージン繊維と、残部のリサイクル繊維と、0~10%の増強剤(例えばデンプン等)及び0~10%のアルキルケテンダイマ(AKD)の内部化学的特性(乾燥パルプの重量パーセント)とを含む。
【0018】
他の一実施形態では、上記の繊維ブレンドは20~80%のさらし硬質木材と、残部のさらし軟質木材と、0~6%の増強剤及び0~6%のAKDの内部化学的特性と、を含む。
【0019】
好適な一実施形態では、上記の繊維ブレンドは50%のさらし硬質木材と、50%のさらし軟質木材と、2.5%の増強剤及び3.5%の疎水性添加物(例えばAKD等)の内部化学的特性と、を含む。この特定の混合は、本願発明者が特に効果的で驚くべき効果を奏すると見出したものである。すなわち上記の混合は、液体(ホット又はコールド)を入れるために使用される間、強度を維持する能力に関してシナジー効果を奏すると考えられる。
【0020】
上記のシステム、方法、及びこれにより得られる製品は、個別具体的な製品用途に合った所望の性能特性を与えるための化学成分が添加されたパルプと水との繊維ベース混合物を用いて製造される製品において使用することができる。
【0021】
この点については、上記のシステム及び方法は、下記の特許及び係属中の特許出願のうち1つ又は複数の特許又は係属中の特許出願の思想を含み得る:米国特許出願公開第2020/0206984号明細書“Methods, Apparatus, and Chemical Compositions for Selectively Coating Fiber-Based Food Containers”、米国特許第10428467号明細書“Methods and Apparatus for Manufacturing Fiber-Based Meat Products”、米国特許第9988199号明細書“Methods and Apparatus for Manufacturing Fiber-Based Microwavable Food Containers”、米国特許第10036126号明細書“Methods for Manufacturing Fiber-Based Beverage Lids”、米国特許第10124926号明細書“Methods and Apparatus for Manufacturing Fiber-Based, Foldable Packaging Assemblies”、米国特許第9856608号明細書“Methods for Manufacturing Fiber-Based Product Containers”、米国特許第10087584号明細書“Methods and Apparatus for Manufacturing Fiber-Based Meat Containers”、米国特許第9869062号明細書“Method for Manufacturing Microwavable Food Containers”、米国特許第10377547号明細書“Method and Apparatus for In-line Die Cutting of Vacuum Formed Molded Pulp Container”、米国特許第10240286号明細書“Die Press Assembly for Drying and Cutting Molded Fiber Parts”及び米国特許第10683611号明細書“Method for Simultaneously Pressing and Cutting a Molded Fiber Part”。
【0022】
本願開示の実施形態は、機能ブロック及び/又は論理ブロックコンポーネント及び種々の処理工程で記載することができる。かかるブロックコンポーネントは、指定の機能を実行するように構成された任意の数のハードウェアコンポーネント、ソフトウェアコンポーネント及び/又はファームウェアコンポーネントにより実現することができる。例えば本願開示の一実施形態は、1つ若しくは複数のマイクロプロセッサその他制御装置の制御下で各種機能を実行することができるメモリ要素、デジタル信号処理要素、フィールドプログラマブルゲートアレイ(FPGA)、特殊用途集積回路(ASIC)、論理要素、又はルックアップテーブル等の種々の集積回路コンポーネントを用いることができる。
【0023】
さらに、ここで記載されている各種機能モジュールの全部又は一部は、機械学習モデル又は予測分析モデルを用いて実装することができる。この点において「機械学習」モデルとの文言は、一般的な意味を失うことなく、何らかの形態の予測を行う分析のあらゆる結果を意味するものであり、上記予測の形態は例えば応答変数の状態の予測、患者のクラスタリング、関連付け規則の決定、及び/又は異常検出の実行等が含まれる。よって、例えば「機械学習」との文言は、教師あり学習、教師なし学習、及び/又は強化学習を実行するモデルをいう。かかるモデルは分類(例えばバイナリ又はマルチクラス分類等)、回帰、クラスタリング、次元削減、及び/又はこれらに類するタスクを実行することができる。上記のモデルの例には、人工ニューラルネットワーク(ANN)(例えばリカレント・ニューラルネットワーク(RNN)及び/又は畳み込みニューラルネットワーク(CNN))、決定木モデル(例えば分類・回帰木(CART))、アンサンブル学習モデル(例えばブースティング、ブートストラップ・アグリゲーション、勾配ブースティングマシン、及びランダムフォレスト等)、ベイジアンネットワークモデル(例えば単純ベイズ等)、主成分分析(PCA)、サポートベクトルマシン(SVM)、クラスタリングモデル(例えばk-最近傍法、k-平均法、EM(expectation maximization)法、階層クラスタリング等)、線形判別分析モデルが含まれ、これらに限定されない。
【0024】
さらに、当業者であれば本願開示の実施形態を任意の数のシステムと共に実施することができること、及び、本願に記載されているシステムがあくまで本願開示の実施形態例であることが明らかである。また、本願に含まれる各図に示されている接続線は、複数の異なる要素間の機能上の関係及び/又は物理的結合の例を表現することを意図したものであり、本願開示の実施形態において代替的又は追加的な機能上の関係や物理的接続が存在することも可能であることに留意すべきである。
【0025】
本願でいう「モジュール」又は「コントローラ」との用語は、任意のハードウェア、ソフトウェア、ファームウェア、電子制御コンポーネント、処理ロジック及び/又は処理装置の単独又は任意の組み合わせを意味し、これには、1つ又は複数のソフトウェア又はファームウェアプログラムを実行するように構成された特殊用途集積回路(ASIC)、フィールドプログラマブルゲートアレイ(FPGA)、専用ニューラルネットワークデバイス(例えばGoogle(登録商標)Tensor Processing Units等)、電子回路、プロセッサ(共有、専用、若しくはグループ)、組み合わせ論理回路、及び/又は本願に記載の機能を提供する他の適切なコンポーネントが含まれるが、これらに限定されない。
【0026】
上記の実施形態をコンテキストとして本発明を説明したが、本発明はこれに限定されないことが明らかである。本願でいう「例(exemplary)」との文言は「例、事例、又は例示(an example, instance, or illustration)として供される」という意味であり、本願にて「例」として記載されている実施態様はいずれも、他の実施態様に対して好適又は有利であると必ずしも解釈されるべきとは限らず、また、文言上正確に複製すべき模範であるとして解釈されることを意図したものでもない。
【0027】
上記の詳細な説明は、本発明の複数の異なる実施形態を実施するための便利なロードマップを提供するものであるが、上記の具体的な実施形態はあくまで例であり、本発明の範囲、適用可能性、又は構成の如何なる限定も意図したものではない。しかしながら、本願に記載の要素の機能や配置構成については、本発明の範囲を逸脱することなく種々の変更を行うことができる。
図1(a)】
図1(b)】
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14
図15
図16
図17
【国際調査報告】