(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-10-31
(54)【発明の名称】ダイヤフラムに一体化された縮径リングを備えたダイヤフラムブレーキシリンダ
(51)【国際特許分類】
F16D 65/18 20060101AFI20241024BHJP
B60T 17/08 20060101ALI20241024BHJP
F16D 121/08 20120101ALN20241024BHJP
F16D 125/06 20120101ALN20241024BHJP
【FI】
F16D65/18
B60T17/08
F16D121:08
F16D125:06 A
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2024525867
(86)(22)【出願日】2022-10-27
(85)【翻訳文提出日】2024-05-01
(86)【国際出願番号】 EP2022080100
(87)【国際公開番号】W WO2023078779
(87)【国際公開日】2023-05-11
(32)【優先日】2021-11-02
(33)【優先権主張国・地域又は機関】EP
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】597007363
【氏名又は名称】クノル-ブレムゼ ジステーメ フューア ヌッツファールツォイゲ ゲゼルシャフト ミット ベシュレンクテル ハフツング
【氏名又は名称原語表記】Knorr-Bremse Systeme fuer Nutzfahrzeuge GmbH
【住所又は居所原語表記】Moosacher Strasse 80, D-80809 Muenchen, Germany
(74)【代理人】
【識別番号】100114890
【氏名又は名称】アインゼル・フェリックス=ラインハルト
(74)【代理人】
【識別番号】100098501
【氏名又は名称】森田 拓
(74)【代理人】
【識別番号】100116403
【氏名又は名称】前川 純一
(74)【代理人】
【識別番号】100134315
【氏名又は名称】永島 秀郎
(74)【代理人】
【識別番号】100162880
【氏名又は名称】上島 類
(72)【発明者】
【氏名】シルヴァン デルオー
(72)【発明者】
【氏名】ギヨーム レット
(72)【発明者】
【氏名】フランク ヘメリー
【テーマコード(参考)】
3D049
3J058
【Fターム(参考)】
3D049AA02
3D049AA03
3D049BB31
3D049CC03
3D049HH03
3D049HH45
3J058AA77
3J058BA61
3J058CC04
3J058CC07
3J058CC35
3J058CC76
3J058FA01
(57)【要約】
本発明は、自動車用の空気圧式のダイヤフラムブレーキシリンダ(1)であって、圧力側のハウジング部分(6)と、圧力側とは反対側のハウジング部分(2)と、両者間に配置されたダイヤフラム(24)であって、ダイヤフラムブレーキシリンダの内部を、互いに密閉された2つのチャンバ(20,31)に分割しており、2つのチャンバ(20,31)のうち、第1のチャンバ(20)は、空気圧によって荷重が加えられる圧力チャンバを備え、第2のチャンバ(31)は、ダイヤフラム(24)によって作動させられるピストン(26)用のピストンチャンバを備える、ダイヤフラム(24)とを備え、ダイヤフラム(24)の周方向の締結縁部(32)は、圧力側のハウジング部分(6)と、圧力側とは反対側のハウジング部分(2)との間にクランプされており、空気圧は、ダイヤフラム(24)の作業運動に関して有効であるダイヤフラム(24)の表面(50)に荷重を加え、ダイヤフラム(24)から、圧力側とは反対側のハウジング部分(2)内へ軸線方向に延在していて、ダイヤフラム(24)の有効領域(50)を半径方向で縮径するかまたは半径方向で制限する縮径リング(36)が設けられており、少なくとも縮径リング(36)とダイヤフラム(24)とは一体形構成要素として設計されている、空気圧式のダイヤフラムブレーキシリンダ(1)に関する。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
自動車用の空気圧式のダイヤフラムブレーキシリンダ(1)であって、
圧力側のハウジング部分(6)と、
前記圧力側とは反対側のハウジング部分(2)と、
両者間に配置されたダイヤフラム(24)であって、前記ダイヤフラムブレーキシリンダの内部を、互いに密閉された2つの空間(20,31)に分割しており、前記2つの空間(20,31)のうち、第1のチャンバ(20)は、空気圧によって荷重が加えられる圧力チャンバを備え、第2のチャンバ(31)は、前記ダイヤフラム(24)によって作動させられるピストン(26)用のピストンチャンバを備える、ダイヤフラム(24)と
を有し、
前記ダイヤフラム(24)の周方向の締結縁部(32)は、前記圧力側のハウジング部分(6)と、前記圧力側とは反対側のハウジング部分(2)との間にクランプされており、
前記ダイヤフラム(24)は、前記圧力側のハウジング部分(6)と、前記圧力側とは反対側のハウジング部分(2)との間に配置されており、
a)前記空気圧は、前記ダイヤフラム(24)の作業運動に関して前記ダイヤフラム(24)の有効面(50)に荷重を加え、
b)前記ダイヤフラム(24)から、前記圧力側とは反対側のハウジング部分(2)内へ軸線方向に延在していて、前記ダイヤフラム(24)の前記有効領域(50)を半径方向外側で制限する縮径リング(36)が設けられており、
c)少なくとも前記縮径リング(36)と前記ダイヤフラム(24)とは一体形構成要素として設計されている、
空気圧式のダイヤフラムブレーキシリンダ(1)。
【請求項2】
前記縮径リング(36)は、前記圧力側とは反対側で前記ダイヤフラム(24)に軸線方向で取り付けられていることを特徴とする、請求項1記載の空気圧式のダイヤフラムブレーキシリンダ。
【請求項3】
前記ダイヤフラム(24)は布補強エラストマーから成っていることを特徴とする、請求項1または2記載の空気圧式のダイヤフラムブレーキシリンダ。
【請求項4】
前記縮径リング(36)は、布補強されていないエラストマーから製造されていることを特徴とする、請求項1から3までのいずれか1項記載の空気圧式のダイヤフラムブレーキシリンダ。
【請求項5】
前記ダイヤフラム(24)にセンタリングリング(40)が配置されていて、特に一体形に形成されており、前記センタリングリングは、前記周方向の締結縁部(32)に対して半径方向内側にずらされて配置されていて、前記圧力側のハウジング部分(6)内に軸線方向で突出していて、前記圧力側のハウジング部分(6)の半径方向内周面(42)に対して前記ダイヤフラム(24)をセンタリングしていることを特徴とする、請求項1から4までのいずれか1項記載の空気圧式のダイヤフラムブレーキシリンダ。
【請求項6】
前記センタリングリング(40)は、前記周方向の締結縁部(32)の中心平面に対して実質的に垂直に配置されていることを特徴とする、請求項5記載の空気圧式のダイヤフラムブレーキシリンダ。
【請求項7】
前記縮径リング(36)は、前記圧力側とは反対側のハウジング部分(2)の半径方向内周面(52)と、前記ダイヤフラム(24)によって作動させられるピストンロッド(28)との間に半径方向で間挿されていることを特徴とする、請求項1から6までのいずれか1項記載の空気圧式のダイヤフラムブレーキシリンダ。
【請求項8】
前記縮径リング(36)の半径方向外周面(56)は、前記圧力側とは反対側のハウジング部分(2)の前記半径方向内周面(52)に対して少なくとも1つの凹部(54)を有しかつ/または環状の間隙を形成しており、1つ以上の前記環状の間隙は、前記第2のチャンバ(31)と、前記圧力側とは反対側のハウジング部分(2)の少なくとも1つの通気開口(62)との間の流れ接続部を形成していることを特徴とする、請求項7記載の空気圧式のダイヤフラムブレーキシリンダ。
【請求項9】
前記ダイヤフラム(24)は、前記圧力側とは反対側のハウジング部分(2)内に延在するベローズ状の部分(64)を有し、前記ベローズ状の部分(64)の領域は、半径方向内側で前記縮径リング(36)に隣り合っていることを特徴とする、請求項2から8までのいずれか1項記載の空気圧式のダイヤフラムブレーキシリンダ。
【請求項10】
空気圧式の常用ブレーキシリンダ(2)を備えることを特徴とする、請求項1から9までのいずれか1項記載の空気圧式のダイヤフラムブレーキシリンダ。
【請求項11】
前記圧力側のハウジング部分は、
a)ばねブレーキシリンダ(4)を取り付けることができるように設計された中間フランジ(6)、または
b)ばねブレーキシリンダ(4)
を備えることを特徴とする、請求項1から10までのいずれか1項記載の空気圧式のダイヤフラムブレーキシリンダ。
【請求項12】
前記常用ブレーキシリンダと前記ばねブレーキシリンダとの複合シリンダ(1)を備えることを特徴とする、請求項11および12記載の空気圧式のダイヤフラムブレーキシリンダ。
【請求項13】
前記周方向の締結縁部(32)は、半径方向内側に向かって先細りする楔状の断面を有することを特徴とする、請求項1から12までのいずれか1項記載の空気圧式のダイヤフラムブレーキシリンダ。
【請求項14】
前記圧力側のハウジング部分(6)の第1の縁部(16)と、前記圧力側とは反対側のハウジング部分(2)の第2の縁部(17)とは、両者間に軸線方向で中間空間(34)を形成しており、前記中間空間(34)は、半径方向内側に向かって先細りする前記締結縁部(32)の断面に対して相補的であり、半径方向外側に向かって増加しており、前記締結縁部(32)は、前記中間空間(34)でクランプされていることを特徴とする、請求項14記載の空気圧式のダイヤフラムブレーキシリンダ。
【請求項15】
前記第1の縁部(16)と前記第2の縁部(17)とは、張力バンド(48)によって互いに締め付けられているかまたは塑性変形下で互いにフランジ接続されていることを特徴とする、請求項15記載の空気圧式のダイヤフラムブレーキシリンダ。
【請求項16】
請求項1から15までのいずれか1項記載の少なくとも1つの空気圧式のダイヤフラムブレーキシリンダ(1)を備える空気圧式のブレーキ装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
請求項1によれば、本発明は、自動車、特に商用車用の空気圧式のダイヤフラムブレーキシリンダであって、圧力側のハウジング部分と、圧力側とは反対側のハウジング部分と、両者間に配置されたダイヤフラムであって、ブレーキシリンダの内部空間を、互いに密閉された2つの空間に分割しており、2つの空間のうち、第1の空間は、空気圧によって荷重が加えられる圧力空間を備えるかまたは圧力空間に相当しており、第2の空間は、膜によって作動させられるピストン用のピストン空間を備えるかまたはピストン空間に相当している、ダイヤフラムとを有し、膜の周方向の締結縁部は、圧力側のハウジング部分と、圧力側とは反対側のハウジング部分との間にクランプされている、空気圧式のダイヤフラムブレーキシリンダに関する。さらに、請求項16に記載の発明は、また、少なくとも1つのこのような空気圧式のダイヤフラムブレーキシリンダを備える空気圧式のブレーキ装置に関する。
【0002】
このような空気圧式のダイヤフラムブレーキシリンダは、商用車用の空気ブレーキシステムに頻繁に使用されており、それによって、空気圧式のダイヤフラムブレーキシリンダは、常用ブレーキ用の常用ブレーキシリンダとして単独でまたはばねブレーキシリンダと組み合わせて、いわゆる複合シリンダとして使用される。この場合、圧力側のハウジング部分と、圧力側とは反対側のハウジング部分とが互いに接続され、ダイヤフラムの縁部は、ハウジング部分同士の間の突き合わせ接合部でクランプされている。この種類の構造は、主にその頑強な設計とコスト効率の高い製造とにより、スライドシール要素を備えたピストンブレーキシリンダよりも受け入れられている。設計の点では、前述のダイヤフラムブレーキシリンダは、通常、エラストマーの布補強ダイヤフラムを使用して、常用ブレーキの圧力チャンバを密閉し、空気圧の圧力を常用ブレーキピストンに伝達するという共通点を有する。
【0003】
さらに、複合常用ブレーキ・ばねブレーキシリンダは、独国特許出願公開第19830154号明細書から公知であり、同明細書では、中間フランジが常用ブレーキシリンダとばねブレーキシリンダとの接続装置として使用されている。
【0004】
本発明の目的は、使用の点でフレキシブルであると共に製造が容易である空気圧式のダイヤフラムブレーキシリンダを提供することである。さらに、少なくとも1つのこのような空気圧式のダイヤフラムブレーキシリンダを備えた空気圧式のブレーキ装置を提供することが求められる。
【0005】
この課題は、請求項1および16の特徴によって解決される。
【0006】
発明の開示
本発明は、自動車用の空気圧式のダイヤフラムブレーキシリンダであって、圧力側のハウジング部分と、圧力側とは反対側のハウジング部分と、両者間に配置されたダイヤフラムであって、ブレーキシリンダの内部空間を、互いに密閉された2つの空間に分割しており、2つの空間のうち、第1の空間は、空気圧によって荷重が加えられる圧力チャンバを備えるかまたは圧力チャンバに相当しており、第2の空間は、ダイヤフラムによって作動させられるピストン用のピストンチャンバを備えるかまたはピストンチャンバに相当している、ダイヤフラムとを備え、ダイヤフラムの周方向の締結縁部は、圧力側のハウジング部分と、圧力側とは反対側のハウジング部分との間にクランプされている、空気圧式のダイヤフラムブレーキシリンダを開示する。
【0007】
圧力チャンバは、通気されて空気圧を増加させることができ、通気されて空気圧を減少させることができ、それにより、ピストンは、圧力が増加するとブレーキシリンダから伸長し、圧力が減少するとブレーキシリンダ内に後退する。この場合、ダイヤフラムは軸線方向に作業運動し、軸線方向はピストンに対して平行である。
【0008】
さらに、
a)空気圧は、ダイヤフラムの作業運動に関してダイヤフラムの有効領域に荷重を加え、
b)ダイヤフラムから、圧力側とは反対側のハウジング部分内へ軸線方向に延在していて、ダイヤフラムの有効領域を半径方向で制限し、特に半径方向で縮径する縮径リングが設けられている
ことが想定される。
【0009】
換言すれば、縮径リングは、圧力側とは反対側のハウジング部分の内径を縮径するかまたは半径方向で制限する。これにより、空気圧に対するダイヤフラムの有効領域が可変に適応または減少するが、これにより、作業運動中の空気圧の結果として、ダイヤフラムが特に弾性変形することができる。これにより、空気圧の結果としてダイヤフラムに発生する力が適応または減少するという結果が得られる。したがって、ダイヤフラムシリンダがピストンを介して及ぼす力を縮径リングによって個別に調整することができる。
【0010】
さらに、
c)少なくとも縮径リングとダイヤフラムとは一体形構成要素として設計されている
ことが想定される。
【0011】
換言すれば、ダイヤフラムと縮径リングとが一体形構成要素として一体形に組み合わされている。これにより、ダイヤフラムシリンダの製造が簡素化される。なぜならば、2つの部分、すなわち別個のダイヤフラムおよび別個の縮径リングの代わりに、ダイヤフラムと縮径リングとを一体形に組み合わせた1つの構成要素をダイヤフラムシリンダに取り付けさえすればよいからである。一方、ダイヤフラムと縮径リングとのこの組み合わせは、ダイヤフラムシリンダの漏れに対する感度も低くなる。なぜならば、封止点の数が減じられるからである。
【0012】
本発明の有利な更なる実施形態は、従属請求項によって開示される。
【0013】
好ましくは、縮径リングは、圧力側とは反対側でダイヤフラムに軸線方向で取り付けられている。好ましくは、縮径リングは、圧力側とは反対側のハウジング部分の半径方向内周面と、ダイヤフラムによって作動させられるピストンロッドとの間に半径方向で介在していてもよい。また、縮径リングの半径方向外周面は、圧力側とは反対側のハウジング部分の半径方向内周面に対して少なくとも1つの凹部を備えかつ/または環状の間隙を形成しており、1つ以上の環状の間隙は、第2の空間と、圧力側とは反対側のハウジング部分の少なくとも1つの通気開口との間の流れ接続部を形成していてもよい。
【0014】
更なる実施形態によれば、ダイヤフラムは布補強エラストマーを含んでいてもよく、かつ/または縮径リングは、布補強されていないエラストマーを含んでいてもよい。
【0015】
ダイヤフラムは、また、圧力側とは反対側のハウジング部分内に延在するベローズ状の領域を有し、この領域は、半径方向内側で縮径リングに隣り合っていてもよい。
【0016】
好ましくは、空気圧式のダイヤフラムブレーキシリンダは、給気時に常用ブレーキを作動させ、脱気時に常用ブレーキを解除するように構成されたアクティブな空気圧式の常用ブレーキシリンダを備えてもよい。
【0017】
更なる実施形態によれば、圧力側のハウジング部分は、
a)ばねブレーキシリンダのハウジングを取り付けることができるように設計された中間フランジ、または
b)ばねブレーキシリンダのハウジング
を備える。
【0018】
ばねブレーキシリンダは、少なくとも1つのアキュムレータばねによって荷重が加えられるばねブレーキピストンであって、通気および排気可能なばねブレーキチャンバを、少なくとも1つのアキュムレータばねが配置されたばねチャンバから分離するばねブレーキピストンを備える。ばねブレーキシリンダは、好ましくは、ばねブレーキチャンバが通気されると駐車ブレーキが解除され、ばねブレーキチャンバが通気されると駐車ブレーキが作動させられるように設計されたパッシブな空気圧式の駐車ブレーキシリンダである。
【0019】
また、空気圧式のダイヤフラムブレーキシリンダは、常用ブレーキシリンダとばねブレーキシリンダとの複合シリンダを備えるかまたは構成していてもよい。
【0020】
好ましくは、締結縁部は、半径方向内側に向かって先細りする楔状の断面を有する。さらに、圧力側のハウジング部分の第1の縁部と、圧力側とは反対側のハウジング部分の第2の縁部とは、両者間に軸線方向で、半径方向外側に向かって拡大する中間空間を形成しており、中間空間は、半径方向内側に向かって先細りする締結縁部の断面に関して相補的であり、締結縁部は、中間空間でクランプされていてもよい。ダイヤフラムに加えられる圧縮荷重により、その固定縁部が、半径方向内側に向かって先細りする中間空間に引き込まれ、これにより、密閉効果が有利に増大する。
【0021】
例えば、第1の縁部と第2の縁部とは、張力バンドによって互いに締め付けられていてもよいし、塑性変形下で互いに圧着されていてもよい。したがって、圧着は、本明細書では、縁部同士の間に形状接続的な接続が形成されるような、第1の縁部および/または第2の縁部の塑性変形を意味している。
【0022】
好ましくは、縮径リングは、圧力側とは反対側のハウジング部分の半径方向内周面と、ダイヤフラムによって作動させられるピストンロッドとの間に半径方向で介在している。ピストンロッドの中央には、ダイヤフラムによって作動させられるピストンが接続されている。
【0023】
また、縮径リングの半径方向外周面は、圧力側とは反対側のハウジング部分の半径方向内周面に対して少なくとも1つの凹部を有するかまたは環状の間隙を形成しており、この凹部または間隙は、第2の空間と、圧力側とは反対側のハウジング部分の少なくとも1つの通気開口との間の流れ接続部を形成していてもよい。圧力チャンバが通気され、その後、作動させられたダイヤフラムがピストンチャンバを減少させると、圧縮空気がピストンチャンバから逃げることができる。
【0024】
好ましくは、ダイヤフラムは、圧力側とは反対側のハウジング部分内に延在するベローズ状の領域を有し、この領域は、半径方向内側で縮径リングに隣り合っている。
【0025】
したがって、空気圧式のダイヤフラムブレーキシリンダでは、好ましくはエラストマーの布補強ダイヤフラムを使用して、圧力チャンバを密閉し、空気圧の圧力がピストンまたはピストンロッドに伝達される。しかしながら、実際の操作の経験から、特に従来の空気ブレーキシステムの操作圧と試験圧とが増加すると、ダイヤフラムのクランプ領域で密閉の課題がますます発生することが判っている。組立てプロセス中に、ダイヤフラムのセンタリングが不十分になる場合がある。これは、例えば、ハウジング部分の縁部の円錐形の接触面と、両者間に配置されたダイヤフラムの締結縁部の接触面とが、構成要素のクランプが行われる前に、それらの対称性に関して多少なりとも偏心している事例またはクランプ作業中に構成要素相互の半径方向の変位が発生し、構成要素が偏心している事例に当てはまる。これは、特に手動での製造作業において頻繁に発生する。これにより、全周にわたって締結縁部の圧縮が不均一になり、圧縮が低下した箇所での漏れが促進される。
【0026】
この課題を克服するために、センタリングリングが、好ましくは、ダイヤフラムに一体形に形成されていて、周方向の締結縁部に対して半径方向内側にずらされて配置されていて、圧力側のハウジング部分内に軸線方向で突出していて、圧力側のハウジング部分の半径方向内周面に対してダイヤフラムをセンタリングしている。例えば、センタリングリングは、周方向の締結縁部の中心平面に対して実質的に垂直にかつ/または圧力側のハウジング部分の半径方向内周面に対して平行に配置されていてもよい。好ましくは、センタリングリングは、圧力側のハウジング部分の半径方向内周面に接触し、それによって、センタリングを行う。したがって、この場合、ダイヤフラムと、縮径リングと、センタリングリングとは、一体化された一体形構成要素を形成することができる。
【0027】
本発明はまた、上述の少なくとも1つの空気圧式のダイヤフラムブレーキシリンダを備える空気圧式のブレーキ装置、およびそのような空気圧式のブレーキ装置を備える車両にも関する。
【図面の簡単な説明】
【0028】
本発明の実施形態の一例は、図面を参照して以下の説明でより詳細に説明される。
【
図1】本発明の好ましい実施形態による空気圧式のダイヤフラムブレーキシリンダの部分的な長手方向の断面図である。
【
図3】
図1の空気圧式のダイヤフラムブレーキシリンダの2つのハウジング部分と、ダイヤフラムと縮径リングとから成るアセンブリとの長手方向の断面図である。
【
図4】
図3のダイヤフラムと縮径リングとから成るアセンブリユニットの斜視図である。
【
図5】
図1の空気圧式のダイヤフラムブレーキシリンダの組立てステップを示す図である。
【0029】
実施形態の説明
図1~
図5には、空気圧式のダイヤフラムブレーキシリンダの好ましい実施形態として、複合常用ブレーキ・ばねブレーキシリンダ1(以下では、複合シリンダとも呼ばれる)が示されている。複合常用ブレーキ・ばねブレーキシリンダ1は、常用ブレーキシリンダ2と、中間フランジ6と、ばねブレーキシリンダ4とを備え、常用ブレーキシリンダ2は、構造的かつ機能的にばねブレーキシリンダ4に中間フランジ6によって接続されている。ばねブレーキピストン8は、ばねブレーキシリンダ4内に変位可能に配置されており、蓄力ばね10は、ばねブレーキピストン8の一方の側に載置されている。アキュムレータばね10は、その反対側でばねブレーキシリンダ4の基部に支持されている。ばねブレーキチャンバ12は、ばねブレーキピストン8と中間フランジ6との間に形成されていて、例えば、チャンバの通気および排気を行う電空弁装置(寸法の都合上、図示せず)に連通している。通気されると、ばねブレーキピストン8は、アキュムレータばね10の張力を受けて軸線方向に変位し、駐車ブレーキ解除位置になる。ばねブレーキピストン8のこの変位中には、アキュムレータばね10を収容するばねチャンバ14内に存在する空気が、本明細書には図示されていない通気口を介して押し出される。一方、ばねブレーキチャンバ12が制動の目的で通気される場合には、アキュムレータばね10が、ばねブレーキピストン8を作動位置へ変位させることができる。
【0030】
ばねブレーキピストン8は、中空ピストンロッド18に接続されており、中空ピストンロッド18は、中間フランジ6を通って常用ブレーキシリンダ2の圧力チャンバ20内に延在していて、そこでダイヤフラムプレート26に支持されている。中間フランジ6に挿入されたシール22は、ピストンロッド18が長手方向に移動する間、ピストンロッド18の外壁を密閉する。図示されていない入口が圧力チャンバ20に開口しており、そこを介して圧縮空気が流入および排出されて常用ブレーキシリンダ2が作動する。圧縮空気は、常用ブレーキシリンダ2内に挿入されたダイヤフラム24に作用し、その反対側には、剛性のダイヤフラムプレート26の形態の圧力片が設けられている。より正確には、ダイヤフラム24は、圧力媒体の充填および排出が可能な常用ブレーキシリンダ2の圧力チャンバ20と、ダイヤフラムプレート26に支持された戻しばね30を収容するピストンチャンバ31とを分離している。したがって、本明細書では、常用ブレーキ機能と圧力チャンバ20内の空気圧との関係において、中間フランジ6は、複合常用ブレーキ・ばねブレーキシリンダ1の圧力側のハウジング部分を形成し、常用ブレーキシリンダ2またはそのピストンチャンバ31は、圧力側とは反対側のハウジング部分を形成する。
【0031】
ダイヤフラムプレート26は、プッシュロッド28に接続されており、プッシュロッド28は、複合常用ブレーキ・ばねブレーキシリンダ1の外部のブレーキ作動機構と相互作用する。これは、例えば、自動車のディスクブレーキの作動要素であってもよい。常用ブレーキシリンダ2は、アクティブなブレーキシリンダであり、つまり、常用ブレーキは、常用ブレーキチャンバ20を通気することによって作動させられ、通気することによって解除される。戻しばね30は、一方ではダイヤフラムプレート26に支持され、他方では常用ブレーキシリンダ2の基部に支持され、常用ブレーキチャンバ20が通気されるときに、圧力ロッド28が解放位置に戻ることを保証する。
【0032】
ダイヤフラム24の半径方向外側の取付け縁部32は、半径方向内側に向かって先細りする楔状の断面を有する。ダイヤフラム24のこの半径方向外側の取付け縁部32は、半径方向内側に向かって先細りする楔状の断面を有しており、半径方向外側に拡大する楔状の断面を有する相補的な形状の中間空間または中間間隙34で、中間フランジ6の第1の縁部16と常用ブレーキシリンダ2の第2の縁部17との間にクランプされている。したがって、中間フランジ6および常用ブレーキシリンダ2は、半径方向外側に屈曲したフランジとして縁部16,17を形成し、縁部16,17が対向して面する内面は、両者間に楔状の断面の中間空間34を形成する。
【0033】
さらに、軸線方向に延在していて、締結縁部32に対して半径方向内側にずらされて配置された少なくとも1つのセンタリングリング40は、ダイヤフラム24に形成されるかまたは一体形に形成されていて、中間フランジ6に向かって軸線方向に向けられており、これによって、ダイヤフラム24は、中間フランジ6の壁44の半径方向内周面42に対してセンタリングされている。特に好ましくは、センタリングリング40は、周方向の締結縁部32の中心平面に対して実質的に垂直に配置されていて、例えば一方の側でダイヤフラム24から離れる方向に突出している。しかしながら、この1つのセンタリングリング40に対して代替的または付加的に、ばねブレーキシリンダ4の方向に突出する更なるセンタリングリングであって、ばねブレーキシリンダ4の壁の半径方向内周面に対してセンタリングする更なるセンタリングリングが設けられることも考えられる。
【0034】
最後に重要なことであるが、センタリングリング40が中心に位置する中間フランジ6の半径方向内周面42は、好ましくは、その中心軸線がシリンダ軸線46と同軸である仮想円錐上に位置する。
【0035】
図示のように、センタリングリング40は、周方向で見て完全に円周になるように形成されていてもよいし、環状部分を含むように形成されていてもよい。ダイヤフラム24と、ダイヤフラム24と一体形に形成されたセンタリングリング40とは、布補強エラストマーを含むことが好ましい。
【0036】
次に、中間フランジ6と常用ブレーキシリンダ2との間のクランプ力の軸線方向成分により、ダイヤフラム24のセンタリングリング40が中間フランジ6の壁44の半径方向内周面42に押し付けられる。換言すれば、クランプ力の軸線方向成分により、締結縁部32が楔効果により半径方向外側に確実に引っ張られ、それによってセンタリングを自己強化するという意味で、センタリングリング40は、中間フランジ6の壁44の半径方向内周面42に対してより強い半径方向の力で押し付けられる。
【0037】
このような軸線方向のクランプ力成分は、例えば、常用ブレーキシリンダ2の第2の縁部17と中間壁6の第1の縁部16とがクランプバンド48によって重畳され、クランプバンド48がクランプ力の軸線方向成分を提供することによって実現することができる。
【0038】
ダイヤフラム24と、センタリングリング40と、縮径リング36とは、一体化された一体形構成要素38を形成している。上で説明したように、ダイヤフラム24と、ダイヤフラム24と一体形に形成されるセンタリングリング40とは、好ましくは布補強エラストマーを含むが、縮径リング36は、例えば、布補強していないが、同じエラストマーを含む。しかしながら、センタリングリング40は任意選択である。なぜならば、本明細書に示されていない実施形態によれば、一体形構成要素は、ダイヤフラム24と縮径リング36とを備えるだけでよいからである。
【0039】
縮径リング36は、ダイヤフラム24から常用ブレーキシリンダ2内へ軸線方向に延在している。さらに、縮径リング36は実質的に円筒形であり、縮径リング36の外径と内径との差である肉厚を有する。
【0040】
好ましくは、縮径リング36は、放圧側で、すなわち、常用ブレーキシリンダ2のピストンチャンバ31の方向でダイヤフラム24に軸線方向で取り付けられている。また、縮径リング36は、常用ブレーキシリンダ2の半径方向内周面52と、ダイヤフラム24によって作動させられるプッシュロッド28との間に半径方向で介在している。
【0041】
図4に示すように、縮径リング36の半径方向外周面56は、本明細書では、例えば、周方向に分配された軸線方向の凹部54を有し、常用ブレーキシリンダ2の半径方向内周面52の残りの面に接触することができる。これは、
図3に最もよく示されている。さらに、通気開口62は、ピストンチャンバ31の領域、本明細書では、特に縮径リング36の領域における常用ブレーキシリンダ2の壁60に形成されていてもよく、凹部54によって常用ブレーキシリンダ2のピストンチャンバ31に持続的に接続されるように配置されている。したがって、凹部54は、ピストンチャンバ31と常用ブレーキシリンダ2の通気開口62との間の流れ接続部を形成している。この流れ接続部は、ダイヤフラム24の軸線方向の作業運動の結果、ピストンチャンバが縮小または拡大させられ、空気がピストンチャンバ31から押し出されるかまたはピストンチャンバに引き込まれるときに有効である。
【0042】
半径方向外側の凹部54に対して代替的または付加的に、環状の間隙が、縮径リング36の半径方向外周面56と常用ブレーキシリンダ2の半径方向内周面52との間に設けられてもよく、これによっても、同様の流れ接続部が形成される。
【0043】
図2を参照して容易に想像することができるように、ダイヤフラム24の作業運動に関して圧力チャンバ20内に存在する空気圧は、ダイヤフラム24の有効領域50に荷重を加える。したがって、ダイヤフラム24の有効領域50は、圧力チャンバ20が通気されるときに、ここでシリンダ軸線46に対して平行に生じる作業運動を実施することができる領域に相当している。
【0044】
縮径リング36の目的は、ダイヤフラム24の有効領域50を半径方向に縮径することであり、それにより、縮径リング36は、また、常用ブレーキシリンダ2の内径を縮径する。これにより、空気圧に対するダイヤフラム24の有効領域50が減少し、これにより、圧力チャンバ20内の空気圧の結果として弾性変形することができる。その結果、例えば、圧力チャンバ20内の空気圧によってダイヤフラム24に発生する力が減少する。したがって、縮径リング36の肉厚を使用して、ピストンロッド28を介して常用ブレーキシリンダ2によって及ぼされる力を個別に調整することができる。
【0045】
図3から最もよく判るように、ダイヤフラム24は、常用ブレーキシリンダ2内に延在するベローズ状の部分64を有し、この部分64は、縮径リング36に半径方向内側に向かって隣り合っている。
【0046】
縮径リング36と、ダイヤフラム24と、任意選択のセンタリングリング40とが、一体形構成要素38として設計される場合、複合常用ブレーキ・ばねブレーキシリンダ1の製造が簡素化される。なぜならば、
図5を参照して示すように、2つの部分、すなわち、別個のダイヤフラムおよび別個の縮径リングの代わりに、1つの一体形構成要素38を複合常用ブレーキ・ばねブレーキシリンダ1に組み立てさえすればよいからである。本明細書には、複合常用ブレーキ・ばねブレーキシリンダ1のアセンブリの組立てステップが示されている。
【0047】
一方、ダイヤフラム24と、縮径リング36と、任意選択のセンタリングリング40とのこの組み合わせは、複合常用ブレーキ・ばねブレーキシリンダ1の漏れに対するより高い感度も保証する。なぜならば、封止点の数が減少するからである。
【0048】
ダイヤフラム24と、縮径リング36と、任意選択のセンタリングリング40とを備える本発明による一体形構成要素38の使用は、複合常用ブレーキ・ばねブレーキシリンダ1に限定されないが、このような一体形構成要素は、もちろん、任意の種類の空気圧式のダイヤフラムブレーキシリンダに使用することができる。
【符号の説明】
【0049】
1 複合常用ブレーキ・ばねブレーキシリンダ
2 常用ブレーキシリンダ
4 ばねブレーキシリンダ
6 中間フランジ
8 ばねブレーキピストン
10 蓄力ばね
12 ばねブレーキチャンバ
14 ばねチャンバ
16 第1の縁部
17 第2の縁部
18 ピストンロッド
20 圧力チャンバ
22 シール
24 膜
26 ダイヤフラムプレート
28 プッシュロッド
30 戻しばね
31 ピストンチャンバ
32 周方向の締結縁部
34 中間空間
36 縮径リング
38 一体形構成要素
40 センタリングリング
42 半径方向内周面
44 壁
46 シリンダ軸線
48 張力バンド
50 有効領域
52 半径方向内周面
54 凹部
56 半径方向外周面
60 壁
62 通気開口
64 ベローズ状の部分
【手続補正書】
【提出日】2024-05-01
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
自動車用の空気圧式のダイヤフラムブレーキシリンダ(1)であって、
圧力側のハウジング部分(6)と、
前記圧力側とは反対側のハウジング部分(2)と、
両者間に配置されたダイヤフラム(24)であって、前記ダイヤフラムブレーキシリンダの内部を、互いに密閉された2つの空間(20,31)に分割しており、前記2つの空間(20,31)のうち、第1のチャンバ(20)は、空気圧によって荷重が加えられる圧力チャンバを備え、第2のチャンバ(31)は、前記ダイヤフラム(24)によって作動させられるピストン(26)用のピストンチャンバを備える、ダイヤフラム(24)と
を有し、
前記ダイヤフラム(24)の周方向の締結縁部(32)は、前記圧力側のハウジング部分(6)と、前記圧力側とは反対側のハウジング部分(2)との間にクランプされており、
前記ダイヤフラム(24)は、前記圧力側のハウジング部分(6)と、前記圧力側とは反対側のハウジング部分(2)との間に配置されており、
a)前記空気圧は、前記ダイヤフラム(24)の作業運動に関して前記ダイヤフラム(24)の有効
領域(50)に荷重を加え、
b)前記ダイヤフラム(24)から、前記圧力側とは反対側のハウジング部分(2)内へ軸線方向に延在していて、前記ダイヤフラム(24)の前記有効領域(50)を半径方向外側で制限する縮径リング(36)が設けられており、
c)少なくとも前記縮径リング(36)と前記ダイヤフラム(24)とは一体形構成要素として設計されている、
空気圧式のダイヤフラムブレーキシリンダ(1)。
【請求項2】
前記縮径リング(36)は、前記圧力側とは反対側で前記ダイヤフラム(24)に軸線方向で取り付けられていることを特徴とする、請求項1記載の空気圧式のダイヤフラムブレーキシリンダ。
【請求項3】
前記ダイヤフラム(24)は布補強エラストマーから成っていることを特徴とする、請求項1または2記載の空気圧式のダイヤフラムブレーキシリンダ。
【請求項4】
前記縮径リング(36)は、布補強されていないエラストマーから製造されていることを特徴とする、請求項1
または2記載の空気圧式のダイヤフラムブレーキシリンダ。
【請求項5】
前記ダイヤフラム(24)にセンタリングリング(40)が配置されていて、特に一体形に形成されており、前記センタリングリングは、前記周方向の締結縁部(32)に対して半径方向内側にずらされて配置されていて、前記圧力側のハウジング部分(6)内に軸線方向で突出していて、前記圧力側のハウジング部分(6)の半径方向内周面(42)に対して前記ダイヤフラム(24)をセンタリングしていることを特徴とする、請求項1
または2記載の空気圧式のダイヤフラムブレーキシリンダ。
【請求項6】
前記センタリングリング(40)は、前記周方向の締結縁部(32)の中心平面に対して実質的に垂直に配置されていることを特徴とする、請求項5記載の空気圧式のダイヤフラムブレーキシリンダ。
【請求項7】
前記縮径リング(36)は、前記圧力側とは反対側のハウジング部分(2)の半径方向内周面(52)と、前記ダイヤフラム(24)によって作動させられるピストンロッド(28)との間に半径方向で間挿されていることを特徴とする、請求項1
または2記載の空気圧式のダイヤフラムブレーキシリンダ。
【請求項8】
前記縮径リング(36)の半径方向外周面(56)は、前記圧力側とは反対側のハウジング部分(2)の前記半径方向内周面(52)に対して少なくとも1つの凹部(54)を有しかつ/または環状の間隙を形成しており、1つ以上の前記環状の間隙は、前記第2のチャンバ(31)と、前記圧力側とは反対側のハウジング部分(2)の少なくとも1つの通気開口(62)との間の流れ接続部を形成していることを特徴とする、請求項7記載の空気圧式のダイヤフラムブレーキシリンダ。
【請求項9】
前記ダイヤフラム(24)は、前記圧力側とは反対側のハウジング部分(2)内に延在するベローズ状の部分(64)を有し、前記ベローズ状の部分(64)の領域は、半径方向内側で前記縮径リング(36)に隣り合っていることを特徴とする、請求項
2記載の空気圧式のダイヤフラムブレーキシリンダ。
【請求項10】
空気圧式の常用ブレーキシリンダ(2)を備えることを特徴とする、請求項1
または2記載の空気圧式のダイヤフラムブレーキシリンダ。
【請求項11】
前記圧力側のハウジング部分は、
a)ばねブレーキシリンダ(4)を取り付けることができるように設計された中間フランジ(6)、または
b)ばねブレーキシリンダ(4)
を備えることを特徴とする、請求項
10記載の空気圧式のダイヤフラムブレーキシリンダ。
【請求項12】
前記常用ブレーキシリンダ
(2)と前記ばねブレーキシリンダ
(4)との複合シリンダ(1)を備えることを特徴とする、請求項1
1記載の空気圧式のダイヤフラムブレーキシリンダ。
【請求項13】
前記周方向の締結縁部(32)は、半径方向内側に向かって先細りする楔状の断面を有することを特徴とする、請求項1
または2記載の空気圧式のダイヤフラムブレーキシリンダ。
【請求項14】
前記圧力側のハウジング部分(6)の第1の縁部(16)と、前記圧力側とは反対側のハウジング部分(2)の第2の縁部(17)とは、両者間に軸線方向で中間空間(34)を形成しており、前記中間空間(34)は、半径方向内側に向かって先細りする前記締結縁部(32)の断面に対して相補的であり、半径方向外側に向かって増加しており、前記締結縁部(32)は、前記中間空間(34)でクランプされていることを特徴とする、請求項
13記載の空気圧式のダイヤフラムブレーキシリンダ。
【請求項15】
前記第1の縁部(16)と前記第2の縁部(17)とは、張力バンド(48)によって互いに締め付けられているかまたは塑性変形下で互いにフランジ接続されていることを特徴とする、請求項
14記載の空気圧式のダイヤフラムブレーキシリンダ。
【請求項16】
請求項1
または2記載の少なくとも1つの空気圧式のダイヤフラムブレーキシリン
ダを備える空気圧式のブレーキ装置。
【国際調査報告】