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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-10-31
(54)【発明の名称】電気式流体ヒータ
(51)【国際特許分類】
   F24H 1/10 20220101AFI20241024BHJP
   F24H 1/48 20220101ALI20241024BHJP
   F24D 3/00 20220101ALI20241024BHJP
   F24H 9/02 20060101ALI20241024BHJP
【FI】
F24H1/10 D
F24H1/10 Z
F24H1/48
F24D3/00 B
F24H9/02 301Z
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2024525940
(86)(22)【出願日】2022-10-25
(85)【翻訳文提出日】2024-05-14
(86)【国際出願番号】 GB2022052711
(87)【国際公開番号】W WO2023073356
(87)【国際公開日】2023-05-04
(31)【優先権主張番号】2115477.8
(32)【優先日】2021-10-27
(33)【優先権主張国・地域又は機関】GB
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】524161771
【氏名又は名称】ディジタル ヒート リミテッド
【氏名又は名称原語表記】DIGITAL HEAT LTD
(74)【代理人】
【識別番号】100147485
【弁理士】
【氏名又は名称】杉村 憲司
(74)【代理人】
【識別番号】230118913
【弁護士】
【氏名又は名称】杉村 光嗣
(74)【代理人】
【識別番号】100225543
【弁理士】
【氏名又は名称】上原 真
(72)【発明者】
【氏名】マシュー ホワイト
【テーマコード(参考)】
3L034
3L037
3L070
【Fターム(参考)】
3L034BA12
3L034BA22
3L037AA02
3L070BB01
3L070BB04
(57)【要約】
第1回路内の流体を加熱するように配置される部分的に又は全体的に電気的な流体ヒータ(14)が開示され、流体は、加熱流体又は水道水を含む。ヒータ(100)は、第1回路内の流体を加熱するように構成される第1電気加熱素子(108)と、及び第1加熱素子に少なくとも部分的に給電するように構成されるDC電源(120)と、を備える。DC電源は、少なくとも1kWh、及び随意的に少なくとも5kWhの容量を有する。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1回路内の流体を加熱するように構成される部分的又は全体的に電気的な流体ヒータであって、前記流体は加熱流体又は水道水を含み、前記ヒータは、
前記第1回路内の流体を加熱するように配置される第1電気加熱素子と、並びに
前記第1加熱素子に少なくとも部分的に給電するように構成されるDC電源であり、少なくとも1kWh、また随意的には少なくとも5kWhの容量を有する、該DC電源と、
を収容するように構成されるヒータハウジングを備える、ヒータ。
【請求項2】
請求項1に記載のヒータであって、さらに、第2回路内の流体を加熱するように構成され、前記第1回路内の流体は加熱流体を含み、かつ前記第2回路内の流体は水道水を含む、又はその逆であり、前記第1加熱素子は、前記第1回路内の流体、前記第2回路内の流体、又はその両方を加熱するように構成される、ヒータ。
【請求項3】
請求項1又は請求項2に記載のヒータであって、加熱、DC電源の充電、DC電源の放電、システム要件、DC電源のスイッチングのうちの任意の1つ以上を制御するように構成される電気制御ユニットを備える、ヒータ。
【請求項4】
請求項1~3のいずれか一項に記載のヒータであって、前記電気制御ユニット、前記DC電源、又はその両方を冷却するように構成される冷却システムを備える、ヒータ。
【請求項5】
請求項4に記載のヒータにおいて、前記冷却システムは冷媒回路を備え、前記冷媒回路は、前記DC電源若しくは電気制御ユニット又はその両方に入力冷媒を運ぶように構成される冷媒入力パイプと、前記DC電源若しくは電気制御ユニット又はその両方から出力冷媒を運ぶように構成される冷媒出力パイプと、並びに、前記冷媒出力パイプを受け、前記冷媒出力パイプからの熱を放散した後で、前記冷媒を前記冷媒入力パイプへ再循環させるように構成される冷媒ラジエータとを有し、前記冷媒出力パイプ、前記ラジエータ又はその両方は、前記第1回路内の流体、前記第2回路内の流体、ヒータ用冷水入口パイプ、ヒータ用冷却流体取入口、及びヒータ用加熱流体戻りパイプのうちの任意の1つ以上に熱を伝達するように構成される、ヒータ。
【請求項6】
請求項1~5のいずれか一項に記載のヒータにおいて、前記DC電源は、バッテリパック、随意的にコンパクトバッテリパックを備える、ヒータ。
【請求項7】
請求項1~6のいずれか一項に記載のヒータにおいて、前記ヒータハウジングは、幅390~440cm、奥行270~365cm、高さ600~825cmの寸法を有する、ヒータ。
【請求項8】
請求項1~7のいずれか一項に記載のヒータにおいて、前記ヒータハウジングは、前記第1加熱素子を収納する第1ヒータ容器と、及び前記DC電源と、を収容するように構成される、ヒータ。
【請求項9】
請求項4~7のいずれか一項に従属する請求項8に記載のヒータにおいて、前記ヒータハウジングは、前記冷却システムを収容するように構成される、ヒータ。
【請求項10】
請求項8又は請求項9に記載のヒータにおいて、前記DC電源は、使用時に前記ハウジングの前側面に、又は使用時に前記ハウジングの上部部分に配置される、ヒータ。
【請求項11】
請求項8~10のいずれか一項に記載のヒータにおいて、前記DC電源は、
前記ハウジングの前端部と後端部との間の空間を実質的に充填し、かつ
前記ハウジングの左側面と右側面との間の空間を実質的に充填する、ヒータ。
【請求項12】
請求項8~11のいずれか一項に記載のヒータであって、前記DC電源と前記第1ヒータ容器との間に配置される熱シールドを備える、ヒータ。
【請求項13】
請求項7~12のいずれか一項に記載のヒータにおいて、前記ハウジングは、前記ヒータの内部コンポーネントへのアクセスを可能にするように構成されるアクセスドアを備え、前記DC電源は、前記アクセスドア内に、又は前記アクセスドアと一体的に配置される、ヒータ。
【請求項14】
請求項1~13のいずれか一項に記載のヒータであって、さらに、前記第1回路、前記第2回路、又はその両方内における流体を加熱するように配置される、ガスバーナー又はオイルバーナー等の燃焼ヒータを備える、ヒータ。
【請求項15】
請求項14に記載のヒータにおいて、前記第1加熱素子は、前記第1回路及び前記第2回路のうちの一方の回路内の流体を加熱するように配置され、前記燃焼ヒータは、前記第1回路及び前記第2回路のうちの他方の回路内の流体を加熱するように配置される、ヒータ。
【請求項16】
請求項1~15のいずれか一項に記載のヒータであって、さらに、前記第1回路、前記第2回路、又はその両方内における流体を加熱するように配置される第2電気加熱素子を備える、ヒータ。
【請求項17】
請求項16に記載のヒータであって、さらに、前記第2加熱素子に少なくとも部分的に給電するように構成されるAC電源を備え、前記第1加熱素子は、前記DC電源のみによって給電されるように構成され、前記第2加熱素子は、AC電源のみによって給電されるように構成される、又はその逆である、ヒータ。
【請求項18】
請求項7~15のいずれか一項に従属する請求項16、又は請求項7~16のいずれか一項に従属する請求項17に記載のヒータにおいて、前記第1ヒータ容器は、前記第2加熱素子を収納する、ヒータ。
【請求項19】
請求項7~15のいずれか一項に従属する請求項16、又は請求項7~16のいずれか一項に従属する請求項17に記載のヒータにおいて、前記ハウジングは、前記第2加熱素子を収納するよう構成される第2ヒータ容器を収容するように構成される、ヒータ。
【請求項20】
請求項1~19のいずれか一項に記載のヒータであって、さらに、
前記加熱素子又は各加熱素子の容量、及び
前記電源又は各電源の容量
のうちの任意の1つ以上を考慮に入れて、電力の分配を制御するように構成されるコントローラを備える、ヒータ。
【請求項21】
請求項1~20のいずれか一項に記載のヒータであって、前記DC電源を受け入れるように構成されるDC電源インターフェースを備え、また前記DC電源インターフェースは、Ni-MHセルバッテリパック、Ni-Cdセルバッテリパック及びリチウムイオンセルバッテリパック、又は混合セルタイプバッテリパックのうちの任意の組み合わせ等の、2つ以上のタイプのDC電源を受け入れるように構成される、ヒータ。
【請求項22】
請求項1~21のいずれか一項に記載のヒータであって、前記DC電源を充電するように構成され、随意的に前記ハウジング内に配置される、AC-DCコンバータ充電器を備える、ヒータ。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、流体加熱システム用の電気ヒータに関する。特に、しかし限定するものではないが、本発明は、湿式加熱システム用の電気ボイラ又は空気加熱システム用の電気炉に関し、これらはどちらも、加熱空間用の被加熱流体(例えば、ラジエータを介する)若しくは被加熱水道水、又はその両方を供給することができる。
【背景技術】
【0002】
ガスボイラは、温水及び暖房ニーズのための湿式暖房溶液を供給することができる。例えば、家庭用ガスボイラは、多くの場合、加熱システム内の暖房用ラジエータに温水を供給し、また、蛇口に(例えば、飲用、清掃用、洗濯用である)オンデマンドの温水も供給する。加熱水は、ラジエータ回路を通過する際に汚れる可能性がある一方で、水道水はきれいでなければならないので、この2つの供給(加熱及び蛇口)は、別々のまま保たれる。コンビネーション(「コンビ」)ボイラは、物理的な設置面積(footprint)が比較的小さい単一のボイラハウジング内の密封された高圧環境内でこの機能性の全てを提供するので、評判が良い。別々のタンク又はシリンダを有する他のタイプのボイラも使用されている。
【0003】
ガスボイラは、化石燃料を燃焼する。その結果、電気ボイラは、現在、環境に優しい代替品として登場している。電気ボイラは、水を電気加熱素子に通す。
【0004】
電気コンビボイラは、電気ケトルと同様の技術を使用する。電気ボイラは、商用電源に接続され、本管(mains)から冷水を供給される。温水が要求される(例えば、給湯栓が開かれ、又は加熱のスイッチがオンにされる)と、電気ボイラ内の加熱素子が発熱し、この熱を冷水に渡す。次いで、加熱された水は、この水が必要とされる蛇口又はラジエータに、ポンプで送られる。
【0005】
貯蔵式電気ボイラは、温水タンク(ユニット内の内部タンク又は外部タンクのいずれか)を含む。これにより、エネルギーコストがより低い時(例えば、夜間)に水を加熱及び貯蔵し、エネルギーコストがより高い時(例えば、翌日)にその後の使用を行うことができる。このようなシステムは、多くの空間を占める。
【0006】
同じテーマに沿って、しかしコンビボイラの利点のいくつかを提示することになるが、複合主貯蔵ユニット(Combined Primary Storage Unit:CPSU)は、1つの大きなハウジング内に組み合わされた中央加熱ボイラ及び温水シリンダを有し、これは、必要なときにはいつでも大量の温水を提供する。しかし、このシステムを収容するには、多くのスペースが必要である。
【0007】
これらの電気ボイラシステムは全て、AC(交流)商用電源によって給電される加熱素子を使用する。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
本発明者らは、より良好な電気ボイラを製造できることに気づき、特許請求の範囲に記載の解決策を創り上げた。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明の第1態様によれば、特許請求の範囲における請求項1に記載の流体ヒータを提供する。
【0010】
有利には、DC電源のみに依存することができる(すなわち、AC入力に依存する必要がない)完全に電気的又はハイブリッドの電気的な流体ヒータが提供される。このタイプのヒータは、純ガス燃焼の(又は他の可燃性化石燃料燃焼の)ボイラに比べて、環境に優しい。
【0011】
本発明の随意的な特徴は、従属請求項に記載されている通りであり、それらの特徴によって、発明の詳細な説明に記載されているような様々な利点がもたらされる。これらの随意的な特徴は、発明のヒータセットアップを効率化及びインテリジェンス化する。これらの随意的な特徴のいずれも、当業者によって理解されるように、任意の他の随意的な特徴と組み合わせることができる。
【0012】
ここで、添付の図面を参照して、単なる例として実施形態を説明する。
【図面の簡単な説明】
【0013】
図1】本発明の第1態様によるボイラの概略図を示す。
図2】本発明の別の態様によるボイラの概略図を示す。
図3】本発明のさらに別の態様によるボイラの概略図を示す。
図4図4aは、本発明のさらに別の態様による炉の背面図を示す。図4bは、本発明のさらに別の態様による炉の側面図を示す。図4cは、本発明のさらに別の態様による炉の(側面図に示されるD-D線上の)断面図を示す。図4dは、本発明のさらに別の態様による炉の一部切除した斜視図を示す。
【発明を実施するための形態】
【0014】
発明の詳細な説明及び特許請求の範囲に記載される例示的な実施形態は、限定することを意味するものではない。本発明の範囲から逸脱することなく、他の実施形態を使用することができ、他の変更を行うことができる。様々な実施形態が記載されている。特定の実施形態は、網羅的な説明として、又はより広く論じられ、特許請求の範囲に記載されている態様に対する限定としては、意図されない。特定の実施形態と共に説明される特徴は、必ずしもその実施形態に限定されず、任意の(1つ以上の)他の実施形態に組み込むことができる。適用可能な均等論によって与えられる保護は、その最大限の範囲で保持される。
【0015】
上方、下方、上部、底部、左、右、内側、外側、垂直、直立などの用語は、本発明を簡単にかつ明確に説明するために使用される。これらの用語は、限定するように解釈されるべきではない。当業者であれば、本発明の範囲内で、他の適切な実施形態を想定するであろう。
【0016】
図1を参照すると、ラジエータ加熱水回路などの標準的な流体回路内で使用するための水を加熱するために使用される温水ヒータ100(本明細書では、ボイラとも呼ばれる)が示されている。ボイラ及びボイラシステムの様々な態様が、非限定的な例を参照して詳細に説明される。その他の詳細は、当業者には明らかであろう。特に、(記載されていない態様を含む)既知のボイラシステムの態様は、当業者であれば、本発明に組み込み、使用することができる。
【0017】
一般に、ボイラは、タンク型ボイラ(システムボイラとしても知られている)、若しくはコンビボイラ、若しくは任意の他の公知のボイラタイプ、又は炉型空気ヒータなどの炉型ヒータであってもよい。当業者は、記載されている実施形態を、記載されているタイプ以外のボイラタイプに適合させることができる。周知のように、これらのボイラタイプは、(例えば、ラジエータ回路に)加熱水、若しくは(例えば、回路の蛇口に)飲料水、又はその両方を供給するために使用することができる。他の実施例では、ラジエータ水を加熱する代わりに、加熱システムを通って流れる別のタイプの加熱流体、例えば、別の液体、別の気体(例えば、空気)若しくは油、又はそれらの任意の組合せが存在してもよい。
【0018】
このような流体回路は、当該分野において周知である。任意の又はそれぞれの流体回路は、使用時に実質的に密封された流体回路であってもよく、随意的に加圧されてもよい。飲料水回路では、飲み口/蛇口が開かれると通常の使用時に水が蛇口から流れ出るように、本管又は重力送給式供給源による圧力が水を駆動する。典型的には、ラジエータ回路は、通常の使用時には、実質的に密閉される。保守及び修理のために検査又は圧力解放若しくは流体解放を可能にするために、抽気ポイント又は圧力放出ポイントが好都合な場所に設けられてもよい。膨張タンク又は膨張容器(これらは、密閉された(すなわち、大気圧に開放されていない)流体加熱システム及び家庭用温水システムを、過度な圧力から保護するために使用される小さなタンクである)を使用することが知られている。典型的には、膨張タンクは、部分的に空気で充填され、膨張タンクの圧縮性は、ウォーターハンマーによって引き起こされる衝撃を減衰させ、熱膨張によって引き起こされる余剰水圧を吸収する。空気ヒータにおいて、通常、流体回路は、加熱された空気が加熱対象の空間に出るための少なくとも1つの通気口を備える。このような回路では、回路内の空気が環境、典型的には、大気圧又は周囲圧力から密閉されない。いくつかのこのようなシステムでは、通常の動作中、空気が炉内に引き込まれ、加熱され、次いで、加熱ネットワークの周りに吹き付けられる。
【0019】
この実施例では、温水ヒータ100はシステムボイラであり、ボイラのコンポーネントを収容するためのボイラハウジング102を備える。多くの場合、本発明のボイラは、小さなスペース内に収まることが要求されるであろう。本発明のボイラが(以下でより詳細に説明されるように)新しいコンポーネントを含む場合でも、多くの実施例において、本発明は、ボイラをコンパクトにして、ボイラが典型的な既知のボイラと同じハウジング又は空間占有面積の中に収めることを可能にする特徴を含む。
【0020】
ボイラ100は、第1回路内の水を加熱するように配置され、第1回路は加熱水回路である。加熱水回路は、ボイラ100の他に、標準的な家庭用ラジエータ(図示せず)を含む複数のコンポーネントを備える。この実施例では、第1回路内の加熱流体として水が使用され、他の実施例では、その他の既知の加熱流体を使用することができる。
【0021】
第1回路からの相対的に冷たい水が、冷水入力パイプ104を通じてボイラ100に入り、加熱され、次いで、相対的に温かい水が、ボイラ100から温水出力パイプ106を通じて第1回路に出る。
【0022】
ボイラ100は電気ボイラ容器110を備え、電気ボイラ容器110は、ハウジング102内の入力パイプ104と出力パイプ106との間に位置する。電気ボイラ容器110は、容器110を通過する水を加熱するように配置された第1電気加熱素子108を収納する密閉容器である。
【0023】
本発明によれば、第1電気加熱素子108は、DC電源、この実施例では、やはりハウジング102内に位置するバッテリパック120の形態のDC電源によって、給電される。この実施例では、ボイラは完全に電気的なボイラである、すなわち、熱源はすべて電気的である。他の実施例では、ボイラは、部分的に電気による、例えば、部分的に電気及び部分的にガスによる、又は部分的に電気及び他の可燃性燃料によるものであってもよく、適切な可燃性燃料は、天然ガス、水素ガス、又はプロパンガス若しくはメタンガス、又はエタンガス、又はブタンガス等の可燃性流体、又は適切な可燃性オイル若しくは可燃性固体、又は木材チップ若しくは木材ペレット等のマルチ(mulch)、又はそれらの任意の組合せであってもよい。このように、加熱電力は、DC電気コンポーネントによって供給されるものもあれば、より伝統的な燃焼燃料によって供給されるものもある。これは、システム内に冗長性を加えるのに役立てることができ、又は、ある若しくは他の電源が不足している環境において効率的に稼働させるために使用されることができる。本発明において、DC電源は、典型的なボイラの電力出力のほぼ全てを必要に応じて供給するのに十分な大きさである。
【0024】
この実施例では、DC電源は、1kWhの容量を有する。
【0025】
小型のガス-電気ハイブリッドボイラシステム設定に対する別の実施例では、バッテリ容量は約1kWhであってもよい(この容量は、小型集合住宅区画などの小型居住施設において有用な可能性があり、又は大型居住施設において、通常の給湯源に対するブースト用としてより有用な場合がある)。
【0026】
より大型のガス電気ハイブリッドボイラシステムの設定に対する別の実施例では、バッテリ容量は約3~5kWhであってもよい(この容量は、大型居住施設において有用な場合がある)。
【0027】
完全に電気的なボイラシステム設定に対する別の実施例では、バッテリ容量は約5kWh以上であってもよい。大抵の場合、容量が15kWh~20kWhであれば、DC電力を使用するボイラのみで給湯のニーズをほぼ満たすことができる。例えば、小型集合住宅区画における完全電気ボイラの場合、バッテリ容量は約10kWhであってもよく、中型ハウスでは、約15~20kWhであってもよく、大型ハウスでは、約25~30kWhであってもよい。
【0028】
いくつかの実施例では、バッテリ容量は、例えば、加熱流体及び加熱された飲料水を大型の建物に供給するために、約90kWhであってもよい。
【0029】
この実施例では、いくつかの実施例では、DC電源のピーク電力出力が10kW~20kWであり、いくつかの実施例では最大200kWである。低ピーク需要回路では、ピーク電力出力は、1kW又は2kWであってもよい。適切なピーク電力出力の供給は、特定の回路要件に従って行うことができ、当業者には明らかであろう。例えば、1つの例示的な状況において、90kWhのバッテリは、10分間にわたり350kWを供給することができる。
【0030】
この実施形態では、バッテリパック120は、小型のセル秩序配列におけるバッテリのスタックを備える。
【0031】
この実施例では、1kWhのDCバッテリパック120は、標準サイズの18650型のセル(直径18mm、長さ65mm)などの、100個の交換可能又は再充電可能な円筒型セルを備え、各セルは、約10Whの容量を有する。この実施例では、再充電可能なセルは、小型化のために10×10のスタックとして配置され、スタック全体は、バッテリパック120から取り外し、ハウジング102の外部で再充電することができる。別の実施例では、スタックは、5×20のスタックであってもよい。他の適切なスタック構成は、バッテリパックの利用可能なスペースに応じて明らかになるであろう。スタックが単一のユニットとして効果的に動作するように、スタックは、スタック内の各セルが、既知の方法で経時的にほぼ一貫して使用できるように構成される。いくつかの実施例では、DC電源は、太陽光若しくは風力等の再生可能熱源、又はヒートポンプ、又は任意の他の適切な電源からも充電することができる。
【0032】
他の実施形態では、DCバッテリパックは、その場で、すなわち、ハウジング102からバッテリを取り外すことなしに、充電用接続部(図示せず)を通じて充電することができる。
【0033】
この実施例では、充電は、この実施例ではAC-DCコンバータを備えるバッテリ充電機構によって実行され、また充電がその場で実行される実施例では、ボイラは、さらに、ハウジング内に配置されるAC-DCコンバータを備える。
【0034】
典型的な18650型セルは、3.6Vの電圧を有する。この実施例では、パック120内のセルは直列に配置される、すなわち、実効電圧は約3600Vである。パックは十分に絶縁されている。他の実施例では、セルは、異なる形態で、例えば、(任意の単一の経路における最大電圧が3.6Vとなるように)全て直列に、又は、いくつかのセルを直列に有する並列な経路、例えば、各経路が直列に10個のセル(36V)を有する10本の並列な経路で、配置されてもよい。
【0035】
いくつかの実施形態において、セルは、AC入力供給電圧とほぼ同一の電圧を提供するように構成されてもよく、こうすることで、ACとDCとの組み合わせがより容易になり、充電もより容易になる。例えば、英国では、240Vのバッテリパックが提供されてもよい。いくつかの実施例では、わずかに低いDC電圧バッテリパックが提供されてもよいが、それでもなお、AC入力供給電圧とほぼ同じ値であり、当業者は適切な値を決定することができる。
【0036】
いくつかの実施形態では、単一のバッテリパックの代わりに、バッテリパック内に複数のバッテリパック又はスタックが提供される。
【0037】
また、ボイラ100のハウジングは、スイッチング回路、ボイラディスプレイスクリーン、ボイラユーザインターフェース、センサ、Wi-Fi、Bluetooth(登録商標)、サブ1GHz通信等、LED照明、及び他の標準的なボイラコンポーネントなどの小型電子コンポーネント(これらの電力需要は、通常のボイラの稼働中に水を加熱するのに必要とされる電力に比べて、相対的に低い)に給電するために、AC用接続部130を有する。その他のこのようなコンポーネントとして、点火器又は火花発生器、点火電極/イオン化電極、圧力センサ/送信器(水)、水圧スイッチ、(点火可能になる前にガス/空気の混合物が正しく流れていることを確認する)流量センサ/スイッチ、燃焼センサ(熱スイッチ。製造業者によって、温度センサとは別々に記載される場合もある)、サーモスタット、熱電対/PRT、制御用PCB、マルチメディアインターフェース、パワーパック用のパワー電子機器、水及びガス用のポンプ(単純な電気ポンプ、場合によっては、駆動用の電子機器を有するより複雑なポンプ)が挙げられる。いくつかの実施例では、この電力も、太陽光若しくは風力等の再生可能熱源、又はヒートポンプ、又は任意の他の適切な電源によって供給されてもよい。いくつかの実施例では、これらの小型電子コンポーネントは、DC電源から直接給電される、すなわち、ボイラへのAC接続部は存在しない。
【0038】
この実施例では、ボイラ100は、加熱、バッテリ充電、バッテリ放電、システム要件、DC電源のスイッチングのうちの任意の1つ以上を制御するように配置される電気制御ユニット(図示せず)も備える。いくつかの実施例では、コントローラは、任意の1つ以上の制御因子に基づいて又は応答して、流体に供給される加熱量を制御するように制御及び配置されるコンピュータであり、この制御因子は、必要とされる加熱量、1つ又は複数の流体回路内の入力地点における流体入力温度、1つ又は複数の流体回路内の出力地点における流体出力温度、1つ又は複数の流体回路内の任意の所定地点における流体温度、第1加熱素子から利用可能な熱容量の量、可燃性燃料バーナーから利用可能な熱容量の量、加熱流体又は飲料水の瞬間需要、加熱流体又は飲料水の予測需要、及び加熱対象の流体の流量を含む。
【0039】
さらに、いくつかの実施例では、流体ヒータは、1つ又は複数の制御因子に関する情報を感知し、且つ、前記制御因子情報をコントローラに提供するように構成される1つ又は複数のセンサ(図示せず)を備える。センサのうちのいくつかは、(例えば、ボイラ内の水温又は流量を測定するために)ボイラハウジングの内部に配置される。センサのうちのいくつかは、(例えば、建物の部屋の中などの、ボイラの外部であって第1回路内である所望の位置における水温又は流量を測定するために)ボイラハウジングの外部に配置される。コントローラは、そのようなセンサからの情報に応答して、燃料バーナー及び電気加熱素子による流体の加熱を指示するように稼働する。
【0040】
いくつかの実施例では、コントローラは、コントローラと(一体的に又は別個に)関連付けられたメモリ(図示せず)を有してもよく、メモリは、システムの任意の1つ以上の態様に関する情報、例えば、制御因子のいずれかに関連する履歴情報又は感知情報、制御因子情報、センサのいずれかからの感知情報、所望の出力情報(例えば、所望の室温)などの情報を記憶するように構成される。コントローラは、既知の方法で、メモリからの情報にアクセスすることができる。コントローラ及びメモリは、コンピュータで制御可能な標準的なネットワーク及びシステムに実装されてもよい。
【0041】
本発明の比較的大きなバッテリは、熱を発生する。ボイラの他の電気コンポーネントも熱を発生する。本発明者らは、コンパクトで効率的な非標準型冷却システムが必要であることに気づいた。
【0042】
また、この実施形態のボイラ100は、冷却システム(図示せず)も備える。大容量DCバッテリのインテリジェントユースに関連し、余分なスイッチングをし、またDC-v-ACをインテリジェントに使用する(いくつかの実施形態では以下を参照されたい)ことを望むため、大型DCバッテリ電力に起因して、電子機器は通常のボイラよりも高温になる可能性がある。いくつかの実施例では、ヒータは、同一の抵抗電気加熱素子において電力を変化させ、且つ、流体温度を滑らかに変化させることができるように、高電流を効率的に切り替えるように構成される高電力スイッチングモジュールを備える。これは、飲料水回路において、特に重要である。この特徴により、制御回路内でパルス幅変調が可能にする。高電力スイッチングモジュールは、30アンペア又はそれ以上のものをスイッチングするように構成されてもよい。
【0043】
バッテリ充電機構を含む実施例では、本発明者は、さらに、バッテリ充電システム内の発熱、具体的には、電圧がDCバッテリパック/セルを充電することを可能にする、AC-DCコンバータバッテリ充電システム内の発熱が、問題となる可能性があることを見出した。このタイプのバッテリ充電機構は、ボイラシステム又はボイラハウジング内にはまだ存在せず、熱を発生する。したがって、本発明のいくつかの実施例のさらなる利点は、バッテリ充電機構も冷却するためのヒートシンクとしての冷却システムを使用すること(又はさらなる別個の冷却システムを提供すること)である。バッテリ充電機構の冷却システムが、建物を暖めていない時又は暖かい飲料水を提供していない時(例えば、夜中)にも、充電を行うことができる(また行うべきである)ので、このシステムは、特に有用となる可能性がある。本発明の冷却システムにより、充電中に熱を奪い去る加熱システムを稼働させることができる。コントローラは、被加熱流体が必要とされないときでさえもバッテリ充電機構を冷却するために、流体ヒータシステムを通るように流体を流すよう構成されてもよく、例えば、コントローラは、バッテリ充電システムが冷却されるべきであることを、(例えば、バッテリ充電器の付近に位置する温度センサからのフィードバックを介して、又はバッテリが閾値最小時間期間にわたって連続的に充電された後に)予測し又は通知され又は感知したことに応答して稼働してもよい。このバッテリ充電機構の冷却機能は、本発明の新しい実施形態を作り出すためのバッテリ充電器を包含する、説明されている実施形態のいずれかを用いて実装することができる。
【0044】
いくつかの(例えば、加熱流体/飲料水の流れが冷却に関与している)実施例では、加熱システムが稼働している時(例えば、飲料水又は被加熱ラジエータ流体が要求されている時)に、コントローラ/バッテリ/バッテリ充電器を通過する加熱流体/飲料水の流れを介して冷却が行われる。しかしながら、加熱システムが稼働していない時は、本発明により、特にバッテリ充電器を冷却する目的で、(加熱流体/飲料水の流れを介するか、又は冷却システム自体の専用冷媒回路内にある冷却システム自体の専用冷媒を介するかにかかわらず)充電器冷却システムを稼働させることができる。
【0045】
いくつかの実施例では、冷却システムは、ラジエータから出力される水の一部を使用し、この水は、電子コンポーネントを冷却するための冷却用入力パイプ104に(典型的には約35~40℃で)到達するが、電子部品ははるかに高温である(理想的には、電子コンポーネントを100℃未満に十分に保つことが意図される)。いくつかの実施例では、冷却システムの要素は、ボイラ100内の入口104からの第1回路配管を、冷却を必要とするコンポーネントに隣接して又はその付近に配置することを含む。
【0046】
この実施例の冷却システムは、密閉冷媒パイプシステム(図示せず)を有する冷媒回路を含み、この密閉冷媒パイプシステムを通じて冷媒が送られる。密閉冷媒パイプシステムは、冷媒と、ボイラの冷水入力との間の熱伝達を促進して、冷媒に熱を逃がすように、また、冷媒と、バッテリセル又は他のコンポーネントとの間の熱伝達を促進して、熱をこれらのコンポーネントから熱を逃がすように、構成される。これは、適切な場所で、ボイラコンポーネント、バッテリセル、及び冷水入力のうちの任意の1つ以上の付近に配管システムを配設することによって達成される。
【0047】
図1の実施例では、ボイラは、コンパクトになるように構成されている。ハウジングは、幅400cm×奥行300cm×高さ700cmの寸法を有し、第1加熱素子108を収納する第1ヒータ容器110、DC電源102、及び(この実施例では)冷却システムを収容する。他の実施形態では、ハウジングは、幅390mm、奥行270mm、高さ600mm、若しくは幅400mm、奥行300mm、高さ724mm、若しくは幅400mm、奥行310mm、高さ724mm、若しくは幅440mm、奥行365mm、高さ780mm、若しくは幅440mm、奥行364mm、高さ825mm、若しくは幅440mm、奥行365mm、高さ780mmの寸法、又は、当業者に明らかな任意の他の適切な寸法を有してもよい。
【0048】
さらにコンパクトな場合、DC電源は、使用時に、ハウジングの前側面に位置し、ハウジングの前端部と後端部との間の空間を実質的に充填し、また、ハウジングの左側面と右側面との間の空間を実質的に充填する。ボイラは、使用時に相対的にアクセスしにくい壁を、左側面及び右側面に有する。前側面は相対的にアクセスしやすく、通常、保守点検の際に内部コンポーネントにアクセスするために使用される。
【0049】
いくつかの実施例では、ハウジング100は、ヒータの内部コンポーネントに対して(例えば、整備又は修理のために)アクセスできるように配置されるアクセスドアを備え、DC電源は、アクセスドア内に、又はアクセスドアと一体に配置される。これにより、全体的なコンパクトさも増し、また、(例えば、修理/サービスのために)内部ボイラコンポーネントにアクセスするために、DCバッテリをさらに取り外し又は操作する必要がないことも確実になる。
【0050】
この実施例では、ボイラ100は、DC電源と第1ヒータ容器との間に配置される断熱層又は熱シールド(図示せず)も備える。断熱層又は熱シールドは、空隙、断熱材料によって(部分的に又は完全に)充填された隙間、赤外線反射材料によって(部分的に又は完全に)充填された隙間、絶縁体又は低熱伝導性材料によって(部分的に又は完全に)充填された隙間のうちのいずれか1つ又は任意の組合せを含んでもよい。
【0051】
いくつかの実施例では、熱シールドは、熱シールド領域から、熱を放散することがより安全となる別の領域に向かって熱を伝達するように配置される、関連する熱シールド冷却機構を含んでもよく、この冷却機構は、
・領域(例えば、熱シールド領域)から放熱領域(すなわち、熱シールド領域よりも放熱することがより安全である別の領域)に熱を奪い去る流体材料、
・(熱を一方から他方に、例えば、熱シールド領域よりも熱を放散することが安全となる別の領域に向けて、能動的に移動させる)ペルチェ素子などの能動的冷却機構、
・ボイラハウジング内に配置され、DC電源を実質的に囲むように配置される、(典型的な冷蔵庫と同様の)冷却キャビネット、
・必要な冷却効果を与えるために、ハウジングの外部又はハウジングの内部から空気を引き込むように配置される、送風機などの空気流機構、
のうちの任意の1つ以上を備える。
【0052】
電気加熱素子は、第1回路のパイプ又はコンポーネントの周りに巻き付けることができる。この利点として、製造の容易さ、(加熱素子がパイプ/コンポーネントの外部に配置され、また湿潤している側に触れる必要がないので、)必要な場合の再構成/交換/アップグレード/修理の容易さが挙げられる。加熱素子は、容易に目視可能であり、したがって、劣化しているか否かを(例えば、定期的な保守点検中に)検査するのに好都合である。また、このような加熱素子はまた、洗浄もより容易である。このような加熱素子は、水回路内のスラッジ(sludge)(この問題は、ラジエータ水回路において一般的である)の影響を受けない。
【0053】
他の実施形態では、電気加熱素子を、第1回路導管/パイプの内部に配置することができる。この利点として、コンパクトさ、環境への熱損失が少ない(熱は、通常の加熱動作中、所望の水回路内でほぼ完全に保持される)ことが挙げられる。
【0054】
他の実施形態では、電気加熱素子を、第1回路の水回路導管の壁に組み込むことができる。この利点として、これらの壁が堅牢であること、汚れた水による損傷を受けにくいこと、(同等の巻き付けられた加熱素子よりも)熱損失が少ないことが挙げられる。
【0055】
他の実施形態では、加熱が(パイプ内ではなく)チャンバ内で行われてもよい。このような実施形態では、第1回路のパイプが、チャンバに出入りしてもよく、1つ又は複数の電気加熱素子が、チャンバ内の任意の場所に設けられてもよく、チャンバの壁内に埋め込まれてもよく、チャンバの壁の周りに巻き付けられてもよく、又はそれらの任意の組合せであってもよい。水/加熱流体が回路の流体パイプを通過するときに水/加熱流体を単に加熱するのではなく、このようなチャンバを使用する利点は、より長い又はより多くの迂回経路を設けることができることと、この迂回回路により、(直線状のパイプ区間を通る直通路に比べて)より多くの熱を伝達できる長時間の間、加熱流体を(1つ又は複数の)加熱素子の近くに留めることが可能なことである。
【0056】
さらに別の実施例では、特定の用途に応じて、使用される電気加熱素子のタイプ及び配置を組み合わせてもよい。
【0057】
さらなる実施形態(図示せず)において、ボイラは、電気加熱素子のみを有する容器の代わりに、ハイブリッド電気-ガスボイラ容器を備える。このような実施形態では、同一の密閉されたボイラ容器チャンバ内に、複数の加熱機構が設けられる。一方は電気加熱機構であり、他方はガスバーナー機構である。ガスバーナー機構は、公知のタイプのものである。他方の機構は、天然ガスの代わりに、異なる燃料(例えば、水素ガス、プロパンガス、オイル)の燃焼バーナーであってもよい。電気加熱機構は、適切な形態であってもよい。この実施例では、その形態は、電気加熱素子の形態である。このような実施例では、DC電源は、必要な被加熱流体/水の全て又は大部分を得るのに十分な電力を電気加熱素子に提供するのに、依然として十分な大きさである。ボイラは、一実施例では、(ラジエータの回路に供給するための水を加熱する等のために)第1回路内の水を加熱するように配置されてもよい。電気加熱素子又は複数のこのような素子は、ガス及び電気加熱機構のいずれか又は両方によって水を加熱できるように、バーナー容器の中又はその周囲のどこにでも配置することができる。加熱素子は、通電することによって加熱される得る電気的ワイヤであって、また必要とされる箇所に熱を送達するように適切に配置される(例えば、水道パイプ、又はバッフル(又はバーナー容器内の任意の他のコンポーネント)に巻き付けられる)電気的ワイヤとすることができる。
【0058】
ガスバーナー容器内に熱交換器が存在してもよい。熱交換器は、燃焼ガス、加熱された(1つ以上の)電気素子、又はその両方からの熱を、水道パイプ又は各水道パイプに集中させるように配置される。熱交換器は、金属又はセラミックであってもよい。一実施例では、熱交換器は、水道パイプの周りに部分的に又は完全に配置された1つ又は複数のプレート(例えば、金属プレート)の形態であってもよい。電気加熱素子は、板同士の間に配置することができる。別の実施例では、水道パイプの周りに配置された適切な材料のブロック(例えば、セラミックブロック)が存在してもよい。
【0059】
図2を参照すると、別の実施例において、温水ヒータ200は、(飲料水を加熱し、また供給するための)第2回路の中の水を加熱するように配置されるコンビボイラと、(加熱流体を加熱し、またラジエータネットワークに供給するための)第1回路と、を備える。第2回路は、異なる導管配置、すなわち、2つの回路内の流体が合流しないように(飲料水がラジエータ水によって汚染されないように)、第1回路とは異なる配管を有する。
【0060】
ボイラ200のいくつかのコンポーネントは、ボイラ100のコンポーネントと類似しており、1xxの代わりに2xxのフォーマットで同様の参照番号を有する。
【0061】
ボイラ200は、第1加熱素子208を収納する第1ヒータ容器210と、DC電源202と、冷却システム(図示せず)と、を収容するハウジング202を備える。
【0062】
第1ラジエータ回路からの相対的に冷たい水が、冷却ラジエータ流体入力パイプ204を通じてボイラ200に入り、加熱され、次いで、相対的に温かい水が、ボイラ200から温水出力パイプ206を通じて第1ラジエータネットワーク回路に出ていく。
【0063】
ボイラ200は電気ボイラ容器210を備え、電気ボイラ容器210は、ハウジング202内の、入力204パイプと出力206パイプとの間に位置する。電気ボイラ容器210は、容器210を通過する水を加熱するように配置される第1電気加熱素子208を収納する密閉容器である。
【0064】
本発明によれば、第1電気加熱素子208は、DC電源、この実施例では、やはりハウジング202内に位置するバッテリパック220の形態のDC電源によって、給電される。この実施例では、ボイラは完全に電気的なボイラである、すなわち、熱源はすべて電気的である。他の実施例では、ボイラは、部分的に電気による、例えば、部分的に電気及び部分的にガスによる、又は部分的に電気及び部分的に他の可燃性燃料によるものであってもよく、適切な可燃性燃料は、水素ガス若しくはプロパンガス、又は適切な可燃性オイル、又は木材チップ若しくは木材ペレット、又はそれらの任意の組合せであってもよい。このように、加熱電力は、DC電気コンポーネントによって供給されるものもあれば、より伝統的な燃焼燃料によって供給されるものもある。これは、システム内に冗長性を追加するのに役立てることができ、又は、ある若しくは他の電源が不足している環境において効率的に動作するために使用されることができる。本発明において、DC電源は、典型的なボイラの電力出力のほぼ全てを必要に応じて供給するのに十分な大きさである。
【0065】
いくつかのそのような実施例、例えば、燃焼処理を補助するために(例えば、ガス又は可燃性燃料を燃焼させるときに)吸気口が使用される実施例では、冷却システムは、吸気口を使用してバッテリパック及び/又は電子コンポーネントを冷却することを含むことができる。なぜなら、取り込まれる空気が比較的冷たくなると同時に、空気が加熱され、燃焼処理をより効率的にするからである。これは、冷却を必要とするバッテリパック又はコンポーネントの付近に吸気経路を配置することによって達成することができる。
【0066】
この実施例では、DC電源は、5kWhの容量を有する。
【0067】
他の変形例(例えば、ハイブリッド電気-ガスパワー構成、AC-DCコントローラ構成、冷却構成など)は、前述の実施形態を参照して(例えば、図1を参照して)説明したものと同様である。
【0068】
図2の実施例では、第1ボイラ容器210の中の温水は、(第2回路内の水を直接加熱することなく)第2回路内の水を加熱するようにも構成される。第2回路は、(例えば、洗濯、入浴、飲用等のための水道水を供給する)飲料水回路を備える。第2回路からの相対的に冷たい水が、(水道本管パイプを通じて供給される)主冷水入力パイプ205を通じてボイラ200に入り、加熱され、次いで、相対的に温かい飲料水が、ボイラ200から温水出力パイプ207を通じて第2蛇口回路に出て行く。
【0069】
第2回路は、第1容器210から第2回路に熱が伝達されるように構成されるパイプ区間を、入口205と出口207の間に備える。この実施例では、これは、使用中のパイプ区間に熱を効果的に伝達できるように、このパイプ区間を容器210のすぐ近くに配置することによって達成される。パイプ区間は、容器210の周りに巻き付けられて、パイプ区間と容器210との間の熱伝達をさらに補助する螺旋パイプを備える。別の実施例では、容器の周りに巻き付けられる螺旋パイプの代わりに、又はそれに加えて、水が湿式熱伝達ボックスを介して加熱されるようにする。こうすることで、飲料水を加熱するたびにラジエータ水を加熱する必要がなくなる。このような実施例では、どちらかの回路の水を個別に加熱することができる、すなわち、両方の回路からのパイプが熱交換器の容器に入り、どちらか一方又は両方の回路の加熱を行うことができる。
【0070】
バッテリパック220は、ハウジング202の上部に、加熱容器210から離されて配置され、また他の実施例に関して説明したように、熱シールド(図示せず)によって加熱容器210から遮蔽される。
【0071】
図3を参照すると、別の実施例において、温水ヒータ300は、(飲料水を加熱し、また供給するための)第2回路の中の水を加熱するように配置されるコンビボイラと、(加熱流体を加熱し、またラジエータネットワークに供給するための)第1回路と、を備える。図3のシステムは、第2回路内の飲料水が、異なる機構を介して主に加熱されることを除いて、図2のシステムと同様である(同様の参照番号は、2xxの代わりに、3xxのフォーマットである)。コンビボイラ300は電気ボイラ容器310を含み、電気ボイラ容器310は、ハウジング302内の、入力304パイプと出力306パイプとの間に位置する。電気ボイラ容器310は、容器310を通過する水を加熱するように配置される第1電気加熱素子308を収納する密閉容器である。
【0072】
本発明によれば、第1電気加熱素子308は、DC電源、この実施例では、やはりハウジング302内に位置するバッテリパック320の形態のDC電源によって、給電される。この実施例では、ボイラは完全に電気的なボイラである、すなわち、熱源はすべて電気的である。他の実施例では、ボイラは、部分的に電気による、例えば部分的に電気及び部分的にガスによる、又は部分的に電気及び部分的に他の可燃性燃料によるものであってもよく、適切な可燃性燃料は、水素ガス若しくはプロパンガス、又は適切な可燃性オイル若しくは可燃性固体又はマルチ、又はそれらの任意の組合せであってもよい。このように、加熱電力は、DC電気コンポーネントによって供給されるものもあれば、より伝統的な燃焼燃料によって供給されるものもある。これは、システム内に冗長性を追加するのに役立てることができ、又は、ある若しくは他の電源が不足している環境において効率的に動作するために使用されることができる。本発明において、DC電源は、典型的なボイラの発電出力のほぼ全てを必要に応じて供給するのに十分な大きさである。
【0073】
この実施例では、DC電源は、20kWhの容量を有する。
【0074】
図2の実施例とは対照的に、図3の実施例の電気加熱機構は、第2回路内の水に熱を効率的に送達するように構成される第2電気加熱素子を備える。この実施例では、ボイラ300は、第2回路の経路内の、入力パイプ305と出力パイプ307との間の第2電気加熱素子309を収納する、第2電気ボイラ容器311を備える。この実施例では、DCバッテリパックは、第2電気加熱素子309にも給電する。
【0075】
本発明の範囲から逸脱することなく、本発明に様々な変更を加えることができる。
【0076】
例えば、本発明の実施例は、水ボイラに関して説明されているが、同一の発明概念は、他の(部分的に又は全体的に)電気式の流体ヒータに適用することができ、例えば、北米では空気ヒータ(炉としても知られる)が一般的である。通常、このようなシステムは、加熱された空気を吹き出すためのファンを含むが、分かりやすさのために、いずれの図面にもファンは示されていない。他の流体を加熱するシステムは、当業者には明らかであろう。
【0077】
図4a~4dは、このような実施例の一つを示しており、この実施形態によれば、加熱された(又は冷却された)空気を供給するように炉ヒータ400が配置される。炉400は、ハウジング402と、吸気口404と、吸気口の付近に配置されて、環境から炉ハウジング402内に空気を引き込むファン406と、を含む。さらに、ハウジングは空気出口408も有し、加熱された空気は、空気出口408を通じて炉ハウジングから出る。吸気口404と出口408との間には、空気ダクト410がある。当業者は、このような炉空気ヒータの変形例に気づくであろう。
【0078】
この炉は、ダクト410を通過する空気に熱を供給するように構成される熱交換器412を備える。この実施例では、熱交換器は、ダクト内に配置される(しかし、他の実施例では、熱交換器は、ダクトの外側に配置されてもよい)。この実施例では、複数の電気加熱素子414が、熱交換器412の本体の内部に配置される。電気加熱素子414は、電流によって給電されたときに熱を供給するように配置される。炉は、この実施例では6つのDCバッテリパックの形態である(他の構成は明らかであろう)、大型DC電源を備える。この実施例におけるDC電源は、ボイラに関して前述したタイプの電源を備え、唯一の電源である(すなわち、加熱素子に給電するAC電源は存在しない)。他の実施例では、加熱素子は、AC電源によっても給電されてよい。この実施例では、バッテリ容量は約5kWhであり、この値は、先の実施例に関連して説明したように、他の実施例では異なってもよい。
【0079】
この実施例では、パワーパックは、加熱空気送出システム内の加熱素子のために、サージ状態(surge state)及び定常状態の電力を供給する。いくつかの実施例では、温水用の第2流体回路も設けられ、このような実施例では、オンデマンドの温水が、(炉の電子コンポーネントに給電するために使用される)パワー電子機器によって、炉内で管理されてもよい。DCパワーパックの数/電力は、特定の設置要件に合わせて調整されてもよい。いくつかの実施例では、パワー電子機器は、循環空気又は他の流体によって冷却され、またダクトを通る空気流を予熱するために使用されてもよい。モジュール式DCパワーパックは、容易な交換のために設計され、またハウジングにおけるアクセス可能な側に好都合に配置される。
【0080】
本発明のいくつかのこのような実施形態では、バッテリパックが、一体に積み重なってバッテリパックを形成する(又はボイラコンポーネントによって分離された別個のセクション又はそのすべてにある)、複数のモジュール式バッテリサブパックを備えてもよい。これらのサブパックは、手動で取り扱うことができるように構成される、すなわち、取り扱いに適した重量を有する。これらのサブパックは、また、容易に取り扱うのに適した形状であってもよい。バッテリパックは、全体として熱管理又は熱遮蔽されてもよい(すなわち、バッテリパックのセルからの熱を、環境内の適切な場所に奪い去ることを可能にするが、熱交換器などの他のボイラコンポーネントからの望ましくない熱を受け取ることもない)。サブパックは、個別に熱管理又は熱遮蔽されてもよい(すなわち、バッテリパックのセルからの熱を、環境内の適切な場所に奪い去ることを可能にするが、熱交換器などの他のボイラコンポーネントから望ましくない熱を受け取ることもない)。
【0081】
サブパックは、ボイラハウジング内に収まるような寸法で作られてもよい、すなわち、サブパックの幅は、ボイラハウジングの幅とほぼ同じ、又はそれよりもわずかに小さい、又はそれよりも著しく小さい。積み重ねられたときのサブパックの高さは、必要な数のサブパックの組み合わせの高さが、ボイラハウジングの高さとほぼ同じか、又はちょうど同じか、又ははるかに低くてもよい。
【0082】
いくつかの実施例では、サブパック(又はサブパックのスタック又は他の配置)は、ボイラハウジングの寸法以下、例えば、幅が390又は440cm以下、奥行が270又は365cm以下、高さが600又は825cm以下である。
【0083】
炉ハウジング402内には、ほとんど無駄なスペースがない。大型で強力なバッテリパックは、有用であるとともに、通常は空となる空間を充填する。
【0084】
いくつかの実施形態では、加熱素子は、DC電源及びAC電源の両方によって給電されてもよい。このような実施形態では、DC電源は、加熱素子に少なくとも部分的に給電するように構成される。いくつかのこのような実施形態では、DC電源は、(時刻等の要因、又は再生可能エネルギー源などからの電力の利用可能性に応じて、)ある時間では完全に、また他の時間では部分的に、加熱素子に給電してもよい。
【0085】
複数の流体回路を有する実施例、例えば、コンビボイラでは、大型DC電源に加えて他の電源がある場合、第1加熱素子は、第1回路及び第2回路のうちの一方の回路内の流体を加熱するように構成されてもよく、燃焼ヒータは、第1回路及び第2回路のうちの他方の回路内の流体を加熱するように構成されてもよく、例えば、水道水は電源のみによって加熱され、加熱水は可燃性燃料源によって加熱される。
【0086】
1つのヒータ容器につき2つ以上の加熱素子が設けられてもよい。
【0087】
電気のみとして説明される任意の実施形態について、当業者は、この実施形態が、一部には部分的に電気的である可燃性燃料フォーマットで提供されてもよいことを理解するのであろう。
【0088】
いずれの実施例も、DC電源を受け入れるように構成されるDC電源インターフェースを含んでもよく、DC電源インターフェースは、Ni-MHバッテリセルパック、Ni-Cdバッテリセルパック、及びリチウムバッテリセルパック、又はこれらのタイプのセルのうちのいずれかの混成体を収納するする混成パックの任意の組合せ等の、2つ以上のタイプのDC電源を受け入れるように構成される。
【0089】
DC電源バッテリを含むいずれの実施例も、電気加熱素子への給電からセルを解離するように構成される安全遮断機構を含んでもよい。安全遮断機構は、マスタースイッチ又は自動マスタースイッチを備えてもよく、いくつかの実施例では、安全遮断機構は接触器を備える。有利なことに、これにより、安全で簡単なDCスイッチング機構が提供される。
【0090】
既存の電気、ガス(又は他の可燃性燃料)、又はガス-電気ハイブリッド(公知ではないが、本出願人の同時係属中の出願に記載されている)流体ヒータに、前述のタイプの(1つ以上の)電気加熱素子、若しくはバッテリ、又はその両方を取り付けて、本発明の範囲内の流体ヒータを提供することができる。本発明の流体ヒータは、元の流体ヒータよりも強力であり、効率的であり、可燃性燃料の燃焼にあまり依存しない。このような実施例は、既存のガスボイラに電熱能力を導入するのに特に適している。例えば、電気加熱素子は、ダクトセクション又はその付近、すなわち、ガスバーナー容器からの出口、バーナー容器への入口、又はその両方において、コーティングされる、その中にコーティングされる、スプレーされる、その中に収納される、その周りに巻き付けられる、部分的に若しくは全体的に埋め込まれる、又は他の方法でそれに関連付けされるようにしてもよい。(1つ以上の)加熱素子は、DC、AC、又はそれらの組み合わせによって給電されてもよい。いくつかの実施例では、前述のタイプの大型バッテリ等のバッテリを、制御機構(たとえば、制御用電子機器及び/又はソフトウェア)と共にバーナー容器に取り付けて、(1つ以上の)電気加熱素子によって提供される加熱量を、可燃性燃料源と比較しながら制御してもよい。また、制御機構は、DC、AC、又はそれらの組み合わせによって供給される加熱の量を制御してもよい。
【0091】
回路がラジエータ回路などの加熱水回路を備える実施例では、ボイラ/ヒータは、当技術分野で知られているように、水ポンプ等のポンプ(図面のいずれかを明確にするために図示せず)を備える。
【0092】
回路が飲料水回路を備える実施例では、通常、入口は、水道本管入口からの入口であり、水道本管入口は加圧されているので、ポンプは必要ない。いくつかの実施例では、入口が、加圧されていない清浄な水源からの入口である場合、ポンプが設けられてもよい。
【0093】
いくつかの実施例では、DC電源は、ハウジングの上部の中に配置される。このような実施例では、(流体を収納するパイプ又はチャンバ等の)湿潤コンポーネントは、DC電源の下にのみ配置される。DC電源は、いくつかの実施例では、ハウジング内の空間の上側の約80%を占めてもよい。
【0094】
いくつかの実施形態では、第1加熱素子は、第1流体回路内のみを加熱するように配置され、第2加熱素子は、第2流体回路内のみを加熱するように配置され、又はその逆も同様である。例えば、ある加熱素子が、ラジエータ回路の加熱専用であってもよく、一方、別の加熱素子は、飲料水回路の加熱専用であってもよい。それにより、異なるニーズを有する異なる回路に、適切な特注の専用素子を使用することができる。
【0095】
説明された任意の実施例において、その、任意の又はそれぞれの加熱素子は、電流が通ったときに熱を放出する任意の素子、例えば抵抗ワイヤ、又は電流が通ったときに熱を放出する任意の配線、例えば(これらに限定されるわけではないが)、
薄膜(導電性金属上のポリイミド)、
セラミックワイヤ(ニッケルクロムアルミニウム等が埋め込まれたセラミックシース)、
裸線(ニッケル、ニクロム、カンタル、ステライト等、タングステン)、
封入されたワイヤ(例えば、シリコーン外皮付きニクロム)、
無機絶縁ワイヤ、例えば、銅シース/ニクロム、キュプロニッケル/インコネル、鋼シース/ニッケル、インコネルシース/ニッケルワイヤ、及びこれらのあらゆる種類の混成体(素子は、サイズ通りに描かれてもよく、又は仕上がりサイズで製造されてもよい。絶縁体は、一般に、Al2O3又はMgOである。)、
ワイヤ間に素子が巻き付けられる単純ワイヤ、スパイラル(螺旋)ワイヤ、バスバーワイヤ、
であってもよい。
【0096】
単一の加熱素子が記載されている任意の実施例では、当業者には明らかであるように、その加熱素子が、1つ又は複数の異なる加熱素子によって置き換えられてもよい。
【0097】
例えば、これらの電気加熱素子のうちの1つ又は複数が、少なくとも1つのダクト壁の内面、少なくとも1つのダクト壁の外面、及び燃焼燃料熱交換器、バッフル、若しくは任意の他のコンポーネントの表面、のうちの任意の1つ以上に、導電性加熱素子コーティングを備えてもよい。電気加熱素子のうちの1つ又は複数は、例えば、(直接接触することなく)誘導によって給電されることが可能な誘導加熱素子を備えてもよい。
【0098】
いくつかの場合では、複数の別個の電気加熱素子が、ダクトの別個のセクションの中の流体を加熱するように配置される。いくつかの実施例では、加熱素子の複数の別個のセクションが、流体ダクト内に設けられ、各セクションは、例えば、異なるセクション位置で異なるレベルの加熱を提供するように、共に又は別個に制御されてもよい。このことは、バーナー容器の異なる場所で燃焼加熱レベルが異なる場合には効率的であり、(1つ以上の)電気加熱素子は、バーナーの供給できる加熱がより多いセクションでは、供給する加熱をより少なくしてもよく、バーナーの供給できる加熱がより少ないセクションでは、供給する加熱をより多くしてもよい。別のユースケースでは、流体が最初に低温から加熱されたときの初期加熱開始時など、例えば、蛇口(元栓)が最初にオンにされたときなどに、流体経路の異なるセクションに異なる加熱レベルを与えることが望ましい場合があり、開始入力流体が特に低温であるため、流体経路の終了地点よりも開始地点に強い加熱が提供される場合がある。
【0099】
これらの実施例のいくつかでは、素子の一部がダクトから出現又は突出しない(例えば、外部電気接続点が存在しない)ように、素子が流体ダクト内に完全に埋め込まれてもよい。
【0100】
(ダクトの全長に沿って連続的ではない)別個のゾーンに加熱素子が設けられるいくつかの実施例では、別個のゾーン間の隙間が、コーティング/スプレー処理中に、(例えば、スプレーマスクを用いて)パイプの隙間部分をマスキングすることによって形成されてもよい。
【0101】
いくつかの実施例では、本発明は、オンボードコントローラ及びコントローラ冷却システムを備える大型DC電源及びAC電源の両方によって給電されるように構成される電気加熱素子を有する、単一ハウジング型流体ヒータを提供する。本発明者は、このタイプのシステムのコンポーネントが、著しく異なる冷却ニーズを有することに気付いた。
【0102】
(AC電源によって加熱素子を給電することが可能な場合の)いくつかの実施例では、コントローラは、以下のような、すなわち、DC電源が利用できない場合(例えば、バッテリレベルが低い又はゼロである場合)に、AC電源のみを介して電気加熱素子に給電するように切り替えるような、シャワー節約アルゴリズムを提供するように構成されてもよい。その場合、直接(すなわち、水道蛇口(栓)がオンにされたときのオンデマンド)温水は、AC電源のみによって供給され、供給電力は大型DC電源が供給できる電力よりも少ない。したがって、コントローラは、例えば高出力シャワー等を可能にするために、DC容量の何らかの最小閾値が常に残ることを確実にするようにプログラムされる。この特徴は、コントローラに命令を送信するユーザインタフェースを介して、ユーザによって選択的にアクティブ化又は非アクティブ化することができる。いくつかの実施例では、DC容量の最小閾値は、リザーバに保持される合計バッテリ容量の5%であってもよい。
【0103】
いくつかの実施例では、本発明は、ヒータのハウジングの範囲内で容易に交換可能な大型のモジュール式パワーパックの安全な提供を達成する流体ヒータを提供する。大型パワーパック(複数のサブパックから構成されてもよい)は、典型的な家庭居住施設用の全体暖房負荷に電源を介して提供できるように、十分な容量を有する。このサイズのパワーパックは、前述のように熱シールドを使用して、ハウジングの範囲内に安全に配置される。バッテリ充電器冷却機構は、多くの場合、コントローラ及びバッテリ冷却機構に対して異なる時間に動作されることがあるので、バッテリ充電器冷却機構は、コントローラ及びバッテリ冷却機構に対して別個の又は別個の冷却機構を備える又は含むようにしてもよい。
【0104】
いくつかの場合、複数の冷却機構、例えば、コントローラに関連付けられる少なくとも1つの冷却機構、バッテリに関連付けられる少なくとも1つの冷却機構、及びバッテリ充電器に関連付けられる少なくとも1つの冷却機構があってもよい。
【0105】
いくつかの実施例では、(前述の冷却システムの代わりに、又はそれに加えて、)冷却システムは、冷却対象のコンポーネント(ボイラ電子機器又はDC電源又はバッテリ充電器又はそれらの任意の組合せ等)から熱を伝達するように構成される受動冷却システムであってもよい。受動冷却システムは、流動流体を含まなくてもよい。受動冷却システムは、環境への熱放散のための自然対流フィンを有する熱ヒートシンク(例えば、20mm×40mm×80mmのアルミニウムブロック等のアルミニウムブロック)を備えてもよい。受動冷却システムは、ヒータハウジング等の大型の熱質量(thermal mass)を含んでもよい。
図1
図2
図3
図4
【国際調査報告】