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特表2024-540251建設および解体材料の処理およびガス化
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-10-31
(54)【発明の名称】建設および解体材料の処理およびガス化
(51)【国際特許分類】
   C10J 3/52 20060101AFI20241024BHJP
   C08J 11/14 20060101ALI20241024BHJP
   F23G 5/027 20060101ALI20241024BHJP
   F23G 5/02 20060101ALI20241024BHJP
【FI】
C10J3/52
C08J11/14 ZAB
F23G5/027 Z
F23G5/02 Z
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2024525957
(86)(22)【出願日】2022-10-28
(85)【翻訳文提出日】2024-06-25
(86)【国際出願番号】 US2022078925
(87)【国際公開番号】W WO2023077097
(87)【国際公開日】2023-05-04
(31)【優先権主張番号】63/273,589
(32)【優先日】2021-10-29
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】524162044
【氏名又は名称】サイモンピエトリ エンタープライジーズ エルエルシー
(74)【代理人】
【識別番号】100078282
【弁理士】
【氏名又は名称】山本 秀策
(74)【代理人】
【識別番号】100113413
【弁理士】
【氏名又は名称】森下 夏樹
(74)【代理人】
【識別番号】100181674
【弁理士】
【氏名又は名称】飯田 貴敏
(74)【代理人】
【識別番号】100181641
【弁理士】
【氏名又は名称】石川 大輔
(74)【代理人】
【識別番号】230113332
【弁護士】
【氏名又は名称】山本 健策
(72)【発明者】
【氏名】サイモンピエトリ, マリー-ジョエル
(72)【発明者】
【氏名】ワダス, ザッカリー
【テーマコード(参考)】
3K065
3K161
4F401
【Fターム(参考)】
3K065AA24
3K065AB02
3K065AC17
3K065CA02
3K161AA02
3K161CA03
3K161DB33
3K161EA43
3K161JA12
4F401AC20
4F401AD09
4F401BA06
4F401CA25
4F401CA73
(57)【要約】
建設および解体(C&D)材料を処理して、生産物ガス流および/または電気を生産するための方法およびシステムが、本明細書に開示される。いくつかの実施形態では、本方法は、C&D材料を前処理してC&D給送物を生産することと、C&D給送物を処理して合成ガスを生産することとを含む。C&D給送物は、未処置木材、処置済木材、紙および段ボール、庭ごみ、プラスチック、ゴム、ならびに/または発泡体を含み得る。C&D給送物を処理することは、950℃以下の温度および/または200psi以下の圧力でC&D給送物、蒸気、および酸素をガス化装置内でガス化して、合成ガスを生産することを含み得る。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
建設および解体(C&D)材料をガス化するための方法であって、前記方法は、
建設および解体(C&D)材料を前処理して、C&D給送物を生産することであって、前記C&D給送物は、(i)処置済木材と、(ii)ヒ素、クロム、および/またはホウ素を含む組成物とを含む、ことと、
前記C&D給送物を処理して、生産物ガスを生産することと
を含み、前記C&D給送物を処理することは、
950℃以下の温度および/または200ポンド毎平方インチ(psi)以下の圧力で、前記C&D給送物、蒸気、および酸素をガス化装置内でガス化して、合成ガスを生産することと、
前記ガス化装置から受け取られた前記合成ガスを濾過して、濾過された合成ガスを生産することと、
前記濾過された合成ガスを冷却して、冷却された合成ガスを生産することと
を含む、方法。
【請求項2】
前記C&D給送物、蒸気、および酸素を前記ガス化装置内でガス化することは、950℃以下の温度および200psi以下の圧力で行われる、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記合成ガスを濾過することは、高温ガスフィルタ容器を介して前記合成ガスを濾過することと、ヒ素および/またはクロムを含むフライアッシュを生産することとを含む、請求項1に記載の方法。
【請求項4】
前記方法は、
前記C&D給送物のサイズを低減させることであって、前記C&D給送物をガス化することは、前記サイズ低減されたC&D給送物をガス化することを含む、ことと、
凝縮物を前記冷却された合成ガスから除去して、前記生産物ガスを生産することと
をさらに含む、請求項1に記載の方法。
【請求項5】
前記C&D給送物を処理することは、フライアッシュおよび/またはベッドアッシュを含む副産物を生産することをさらに含み、前記副産物は、ヒ素、ホウ素、クロム、鉛、硫黄、または銅のうちの1つ以上を含む、請求項1に記載の方法。
【請求項6】
前記C&D給送物は、少なくとも3%の硫黄含有量を含む、請求項1に記載の方法。
【請求項7】
前記C&D給送物は、0.1~5インチの粒子サイズを備える、請求項1に記載の方法。
【請求項8】
前記C&D材料を前処理することは、シリカ、ドロマイト、石灰石、石膏、および/または橄欖石を含む床収着剤を前記C&D給送物に添加することを含む、請求項1に記載の方法。
【請求項9】
前記C&D給送物は、少なくとも1%の硫黄含有量を含み、前記生産物ガスは、300ppm以下の硫化水素含有量を含む、請求項1に記載の方法。
【請求項10】
前記C&D給送物のヒ素、クロム、および/またはホウ素の濃度は、少なくとも10ミリグラム/キログラムである、請求項1に記載の方法。
【請求項11】
建設および解体材料をガス化するためのシステムであって、前記システムは、
入口であって、前記入口は、建設および解体(C&D)給送物を受け取るように構成されており、前記建設および解体(C&D)給送物は、処置済木材、クロム化ヒ酸銅(CCA)木材、ホウ酸塩処置済材料、および/または樹脂加工済木材を含む、入口と、
ガス化装置であって、前記ガス化装置は、前記入口に流体的に結合されており、前記C&D給送物を前記ガス化装置の中間部分において受け取るように位置付けられており、前記ガス化装置は、蒸気および酸素を受け取るように構成されている下側部分と、ガス化装置ヘッドを含む上側部分とを備え、前記ガス化装置は、950℃以下の温度および/または200ポンド毎平方インチ(psi)以下の圧力で動作し、合成ガスを前記ガス化装置ヘッドにおいて生産するように構成されている、ガス化装置と、
フィルタであって、前記フィルタは、前記ガス化装置の出口に流体的に結合されており、前記合成ガスを受け取るように位置付けられており、前記フィルタは、望ましくない汚染物質を前記合成ガスから除去し、クロム、ヒ素および/またはホウ素を含む灰を生産するように構成されている、フィルタと
を備える、システム。
【請求項12】
前記システムは、前記フィルタを含むフィルタ容器をさらに備え、前記フィルタ容器は、前記合成ガスを前記ガス化装置ヘッドから受け取るように位置付けられており、前記灰は、クロム、ヒ素、およびホウ素を含むフライアッシュである、請求項11に記載のシステム。
【請求項13】
前記ガス化装置は、ヒ素、クロム、鉛、ホウ素、および/または硫黄を含むベッドアッシュを生産するように構成されている、請求項12に記載のシステム。
【請求項14】
前記ガス化装置は、800℃以下の温度で動作するように構成されている、請求項11に記載のシステム。
【請求項15】
前記ガス化装置は、200psi以下の圧力で動作するように構成されている、請求項14に記載のシステム。
【請求項16】
前記システムは、
前記フィルタの下流にあり、前記フィルタの出口に流体的に結合されている熱交換器であって、前記熱交換器は、前記フィルタからの前記出口を冷却し、冷却された合成ガスを生産するように構成されている、熱交換器と、
前記熱交換器の下流にあり、前記熱交換器の出口に流体的に結合されている凝縮容器であって、前記凝縮容器は、凝縮物を前記冷却された合成ガスから分離し、生産物ガスを生産するように構成されている、凝縮容器と
をさらに備える、請求項11に記載のシステム。
【請求項17】
前記システムは、前記フィルタの上流にある前記ガス化装置の出口に流体的に結合されている捕捉材料の源をさらに備え、前記捕捉材料は、金属酸化物を含み、前記ガス化装置の前記出口と混合され、前記合成ガスと反応し、揮発性重金属を前記合成ガスから析出するように構成されている、請求項11に記載のシステム。
【請求項18】
前記C&D給送物は、ドロマイト、石灰石、シリカ、石膏、カルシウム、および/または橄欖石を含む床収着剤を含む、請求項11に記載のシステム。
【請求項19】
前記C&D給送物は、1~6%の硫黄含有量を含む、請求項11に記載のシステム。
【請求項20】
建設および解体材料をガス化するためのシステムであって、前記システムは、
C&D給送物を受け取るように構成されている入口であって、前記C&D給送物は、(i)ヒ素、クロム、および/またはホウ素を含む組成物と、(ii)未処置木材、処置済木材、紙および段ボール、庭ごみ、プラスチック、ゴム、または発泡体のうちの少なくとも2つとを含む、入口と、
ガス化装置であって、前記ガス化装置は、前記入口に流体的に結合されており、前記C&D給送物を前記ガス化装置の第1の部分において受け取るように位置付けられており、前記ガス化装置は、前記第1の部分から第1の方向に離されている第2の部分と、前記第1の部分から前記第1の方向と反対の第2の方向に離されている第3の部分とをさらに備え、前記第2の部分は、蒸気および酸素を受け取るように構成されており、前記第3の部分は、ガス化装置ヘッドを含み、前記ガス化装置は、950℃以下の温度および200ポンド毎平方インチ(psi)以下の圧力で動作し、合成ガスを前記ガス化装置ヘッドにおいて生産するように構成されており、前記ガス化装置は、ヒ素、クロム、ホウ素、および/または硫黄を含む第1の灰を生産するように構成されている、ガス化装置と、
フィルタを備えるフィルタ容器であって、前記フィルタは、前記ガス化装置の出口に流体的に結合されており、重金属を前記生産された合成ガスから除去するように構成されており、前記フィルタ容器は、前記生産された合成ガスを前記ガス化装置ヘッドから受け取るように位置付けられており、動作時、前記フィルタ容器は、重金属を前記生産された合成ガスから除去し、前記除去された重金属のうちの少なくともいくつかを含む第2の灰を生産する、フィルタ容器と
を備える、システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
連邦政府による資金提供を受けた研究開発の記載
本発明は、米国農務省によって付与された契約第2020-33610-31974号および第2021-39410-35996号および米国環境保護庁によって付与された契約第C_68HERC21C0025_0_RCI号下、米国政府支援を得て行われた。政府は、本発明において、ある権利を有する。
【0002】
関連出願の相互参照
本願は、その開示が、参照することによってその全体として本明細書に組み込まれる、2021年10月29日に出願された、米国仮出願第63/273,589号の利益を主張する。
【0003】
本開示は、建設および解体材料の処理およびガス化に関する。
【背景技術】
【0004】
有意な量の建設および解体(C&D)木材廃棄物が、毎年、埋立地に送られる。2017年における米国環境保護庁(EPA)の報告によると、C&D廃棄物だけで、約5億7千万トンが、米国では、年間平均して発生され、これは、発生される公共固形廃棄物の量の2倍を上回る。C&D木材廃棄物をリサイクルすることの明らかな利点および必要性が存在するが、いくつかの課題が存在し、そのようなリサイクルが商業規模で生じることを妨害する。例えば、C&D木材廃棄物は、高レベルの重金属汚染物質を有し得、これは、例えば、クロム化ヒ酸銅(CCA)、微粉化銅アゾール(MCA)、およびホウ酸塩(例えば、八ホウ酸二ナトリウム四水和物)、ならびに硫黄、鉛、タール、および灰等の他の望ましくない化学汚染物質を含み得る。これらおよび他の汚染物質は、例えば、材木処置および防炎方法に起因して、存在し得、汚染物質の存在に起因して、産業プロセス(例えば、バイオマス発電所、嫌気性消化、焼却炉)における大量のC&D木材廃棄物のリサイクルを妨害または限定しており、これは、米国環境規制に準拠しながら、C&D廃棄物の処理を行うことを困難かつ非経済的にする。C&D廃棄物中の重金属はまた、精製産業(例えば、燃料精製触媒)ならびに人間の健康および環境にとっても危険である。
【0005】
これらの汚染物質自体によって提示される処理難点に加え、C&D廃材はまた、C&D廃材間で有意に変動し、したがって、C&D廃材の品質制御および処置を困難にし得る、異種物理的および化学的特性を含む。実施例として、硫黄含有量は、重量比約0.10%~6.0%に及び得、ヒ素含有量は、約33~780mg/kgに及び得る。少なくともこれらの理由から、C&D廃材の処理および/またはガス化は、「清浄」木材にのみ制限されており、これは、塗装されていない、処置されていない、または樹脂加工されていないものであって、さらに、米国環境規制に従って、適格C&Dリサイクル業者によって、「不浄」木材およびC&D廃材の残りから専門的に分離されなければならない。結果として、有意な量のC&D廃棄物が、C&D埋立地に廃棄される。加えて、前述の問題のため、C&D廃棄物は、現在、燃料(例えば、輸送燃料、航空燃料等)を生産するために変換される(例えば、従来のガス化装置を介して)ことができない。故に、C&D廃棄物を処理するための改良された能力が、必要とされる。
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0006】
本開示の技術の特徴、側面、および利点は、以下の図面に関してより深く理解され得る。
【図面の簡単な説明】
【0007】
図1A図1Aは、本技術の実施形態による、建設および解体材料を処理し、1つ以上の生成物を生産するためのプロセスの概略ブロック図である。
【0008】
図1B図1Bは、種々の輸送燃料に関する温室効果ガス(GHG)排出原単位を図示する、チャートである。
【0009】
図1C図1Cは、本技術の実施形態による、建設および解体材料を処理し、1つ以上の生成物を生産するための図1Aのプロセスのより詳細な概略ブロック図である。
【0010】
図2-1】図2A-2Dは、本技術の実施形態による、建設および解体廃材の画像である。
【0011】
図2E図2Eは、建設および解体廃棄物および公共固形廃棄物の廃棄物組成物の比較を図示する、プロットである。
【0012】
図2F図2Fは、有機建設および解体廃棄物と他のガス化給送原料の類似性および差異を図示する、略図である。
【0013】
図3図3は、本技術の実施形態による、ガス化システムの概略図である。
【0014】
図4図4は、本技術の実施形態による、ガス化プロセスの間の、動作温度に基づく、ガス相内のある元素の変化する重量パーセンテージを図示する、線グラフである。
【0015】
図5図5は、本技術の実施形態による、異なる床材料および動作温度に応じた、灰中で捕捉されたヒ素およびクロムの量を図示する、棒グラフである。
【0016】
図6図6は、本技術の実施形態による、異なる動作温度に応じた、フィルタ容器の下流の凝縮物中の合成ガスから捕捉されたヒ素、銅、およびクロムの量を図示する、棒グラフである。
【0017】
図7図7は、本技術の実施形態による、フィルタ容器の異なる動作温度に応じた、フライアッシュ、ベッドアッシュ、および凝縮物中で捕捉されたヒ素の量を図示する、棒グラフである。
【0018】
図8図8は、本技術の実施形態による、実験実行のための合成ガス組成物を図示する、チャートである。
【0019】
当業者は、図面に示される特徴が、例証目的のためのものであって、その異なるおよび/または付加的特徴および配列を含む、変形例が、可能性として考えられることを理解するであろう。
【発明を実施するための形態】
【0020】
詳細な説明
I.概要
上記に記載のように、数億トンものC&D廃棄物が、米国では、年間発生され、(i)高レベルの重金属および/または化学汚染物質と、(ii)C&D廃材間の広範囲の異種物理的および化学的特性とに起因して、既存のシステムでは、C&D廃棄物を処理するための不適正な手段しか存在しない。概して、C&D材料の処理およびガス化に関する、本開示の実施形態は、上記に説明される問題のうちの少なくともいくつかに対処する。例えば、本技術の実施形態は、有機C&D材料を埋立廃棄から転用し、それらを低温室効果ガス(GHG)エネルギーおよび燃料(例えば、電気、水素、噴射燃料、ディーゼル燃料、再生可能天然ガス等)の生産のための給送原料として再使用するための能力を提供する。下記に詳細に説明されるように、本技術の実施形態は、C&D廃棄物を前処理し、C&D給送物を生産し、C&D給送物をガス化し、商業的価値を有する、合成ガスおよび1つ以上の灰生成物を生産することによって、そのような燃料を生産するためのシステム、デバイス、および方法を含むことができる。生産された合成ガスは、圧砕ユニット、保護床、スクラバー、メタン化装置、および/または水素化装置のうちの1つ以上等の後処理ユニットに提供され、燃料を生産することができる。そうすることによって、本技術の実施形態は、現在、豊富にあって、有意義に再使用されることが不可能である、C&D廃棄物が、処理され、複数の産業において商業的価値を有する、複数の生成物を生産することを可能にする。加えて、本技術の実施形態は、同一輸送燃料を生産するための優勢な現在の方法未満のGHG排出率を有する、輸送燃料の生産を可能にする。本技術の付加的利益は、下記に説明される。
【0021】
図中では、同じ参照番号は、概して、類似および/または同じ要素を識別する。図に示される、詳細、寸法、および他の特徴の多くは、単に、開示される技術の特定の実施形態の例証である。故に、他の実施形態は、本開示の精神または範囲から逸脱することなく、他の詳細、寸法、および特徴を有することができる。加えて、当業者は、種々の開示される技術のさらなる実施形態が、下記に説明される詳細のうちのいくつかを伴わずに、実践されることができることを理解するであろう。
【0022】
II.C&D材料の処理ならびに関連付けられるシステム、デバイス、および方法
図1Aは、本技術の実施形態による、C&D廃棄物および材料を処理し、1つ以上の最終生成物を生産するためのプロセス100の概略ブロック図である。C&D廃棄物は、ポリ塩化ビニル(PVC)、未処置木材(例えば、合板、パレット、スタッド、および/またはキャビネット)、処置済木材(例えば、クロム化ヒ酸銅(CCA)処置済木材、および/またはホウ酸塩(例えば、HI-BOR)処置済木材)、防炎処置済織物および有機材料、ゴム、土壌、セラミック、発泡体(例えば、スタイロフォーム(登録商標)、断熱材、保冷材、および/または家電および家庭用付属設備を出荷するための保護材)、屋根板、石膏、サイディング、金属、家具、コンクリート、タイル、紙および段ボール(例えば、家電および他の家庭用付属設備のための出荷保護材)、庭ごみ(例えば、造園廃棄物、現場清掃廃棄物、丸太、切り株、および/または枝)、プラスチック(例えば、住宅用防水シート、廃棄バッグ、家電包装、樹脂サイディング、および/または樹脂フェンス材)、カーペット、ゴム(例えば、タイヤ、ゴム雨押え等)、および他の不燃物等の混合された有機および無機廃棄物を含むことができる。これらの廃棄物材料の結果として、C&D材料は、例えば、これらの汚染された材料の燃焼が、大気排出量が米国および他の管轄区域における規制レベルを超える状態を引き起こし得るため、概して、リサイクルまたは再使用されることが可能ではなくなっており、したがって、代わりに、一般には、埋め立てられる。例えば、ある堆積量のC&D廃棄物中の1本のPVCパイプが、燃焼またはガス化されるとき、腐食性ガスを生産するために十分な塩化物を含有し、機器を損傷させ、および/または本材料を燃焼させるバイオマス発電所の大気排出量限界を超えさせ得る。C&D廃棄物を排除するための焼却または他の燃焼手段に対して、ガス化プロセスは、他の望ましい効果の中でもとりわけ、より少ない空気汚染、より高いエネルギー回収量、およびより低いGHG排出量をもたらし得る。
【0023】
C&D材料はまた、それらのリサイクルを受け入れ難いものにし、処理をより困難にする、有害な化学物質を含み得る。例えば、下記の表1に示されるように、平均して、分離されたC&D木材および有機廃棄物材料は、商業用製材木材または清浄木材廃棄物に見られるものを1桁またはそれを上回る桁数上回るレベルで、ヒ素、ホウ素、カドミウム、クロム、鉛、および硫黄を含み得る。実際、重金属である、ヒ素、ホウ素、およびクロムに関して、C&D材料中のレベルは、平均して、100mg/kgを上回り、これは、それらを微量金属類から微量元素類へと引き上げるために十分に高い。特定の実施形態では、本技術の実施形態によって処理されるC&D材料は、約86ミリグラム(mg)/キログラム(kg)のヒ素含有量、約124mg/kgのクロム含有量、および/または約500mg/kgの銅含有量を含み得る。加えて、C&D材料は、平均して、約2.8%の硫黄含有量と、平均して、約1.9%の塩素含有量とを含み得、その両方とも、産業処理ユニットおよび/または触媒への不可逆的損傷を引き起こすことが公知である。さらに、これらの有害な化学物質は、異なるC&D材料間で有意に変動し得る。例えば、有機C&D廃棄物サンプル中の硫黄は、重量比0.11%程度の低量から6.0%の高量まで変動することが示されている。加えて、C&D材料は、(i)例えば、20フィートのパイプ断面から破壊されたPVCサイディングの破片、4フィート×8フィートシートの合板からおがくずのサイズ、(ii)例えば、従来のごみ固形化燃料破砕装置内で低密度材料(例えば、プラスチックフィルムおよび紙)に破砕されることができない、高密度材料(例えば、コンクリート、岩石、および硬化鋼鉄)を含む、密度、および(iii)繊維板のような脆弱材料から可撓性プラスチックおよび生物廃棄物までの強度において様々であり得る。したがって、流入C&D材料給送物の組成物は、比較的に異種であって、これは、概して、従来のガス化方法を介して処理するために望ましくない。
【0024】
下記の表1に示されるように、金属は、公共固形廃棄物(MSW)、木材(例えば、ベイマツ)、および石炭(例えば、瀝青質Kentucky No.9石炭)に対して、C&D材料中により多く存在し得る。例えば、ヒ素、クロム、銅、ニッケル、および鉛含有量は、平均して、MSW、木材、または石炭のものの2倍を上回る。ホウ素は、有機C&D廃棄物中に高レベルで存在し、典型的には、木材または石炭中では検出不可能であって、通常、その低発生率に起因して、MSW中では追跡されない。これらの金属の存在は、本明細書のいずれかの場所で解説されるように、環境および/または廃棄物焼却発電変換プロセスのための最先端技術にとって有害であり得、概して、C&D材料をリサイクルまたは再使用するための能力を阻止している。
【表1-1】
【表1-2】
【0025】
(例えば、燃焼、熱分解、およびガス化等の熱化学システムにおける)処理に影響を及ぼし、上記の表1に示されるような、C&D材料の他の特性は、(i)C&D材料中において、石炭のレベルのほぼ2倍である、揮発性有機化合物(例えば、タール)、(ii)典型的に、木材中では検出可能ではないが、有機C&D中では、MSW中に見出される量に匹敵し、ガス化温度で酸性ガスを生成する、硫黄、(iii)C&D材料中では、通常、MSWまたは木材中に見られるレベルの半分未満であって、したがって、湿気が取扱および収率課題を生成するため、C&Dのための主要利点である、湿気、(iv)通常、清浄木材中では、4%を下回るが、平均して、C&D廃棄物木材中では、12%を上回る、灰、および(v)C&Dが、発熱量において、木材およびMSWにより近く、石炭のものより30%低い、したがって、有益な操業のためにより慎重な管理を要求する、エネルギー含有量を含む。
【0026】
汚染物質の含有率にもかかわらず、C&D材料は、ガス化を介して回収され得る、有意な化学エネルギーを有する。例えば、全体的C&D廃棄物の40~60%を構成し得る、C&D材料の混合された有機廃棄物部分は、平均して、約17%の固定炭素含有量、約70%の揮発物含有量、約13%の灰含有量、および約17メガジュール(MJ)/キログラム(kg)の発熱量を含むことができる。加えて、湿気含有量は、処理前に、湿潤「受け取り時」ベースで約6%~21%に及び得、これは、有機および再生可能給送原料にとって比較的に低い。
【0027】
上記に説明される組成物に照らして、かつ図1Aを参照すると、プロセス100は、混合されたC&D廃棄物を前処理し(ブロック110)、調製されたC&D給送物を生産するステップを含むことができる。C&D材料の前処理は、無機材料を除去するステップ、C&D有機材料の粒子サイズを低減させ、特定の粒子サイズ分布および/または粒子サイズ仕様(例えば、固体バイオ燃料のための国際標準化機構(ISO)規格)を満たすステップ、および/または別様に、ガス化装置の中に給送するためのC&D材料を調製するステップを含むことができる。プロセス100はさらに、C&D給送物をガス化および/または処理するステップ(ブロック120)を含むことができ、これは、上記に議論される汚染物質の少なくとも一部を含む、合成ガスならびに1つ以上の灰生成物(例えば、ベッドアッシュ、フライアッシュ、灰微粒子等)を生産することができる。灰生成物は、安全な非有害手段を介して、廃棄され、および/または商業用目的のために、例えば、セメントおよび/またはコンクリート生産プロセスにおいて、使用されることができる。プロセス100はさらに、後処理(ブロック140)を含むことができ、これは、ガス化を介して生産される、生産された合成ガスおよび他の流体流を、圧砕ユニット、スクラバー、メタン化装置、および/または水素化装置等の燃料精製プロセスのうちの1つ以上に指向するステップを含むことができる。そうすることによって、グリーン水素、再生可能天然ガス、噴射燃料、ディーゼル燃料、および/または他の貴重燃料および生成物が、生産されることができる。
【0028】
プロセス100および本技術の実施形態の複数の利点が、存在する。例えば、本技術の実施形態は、現在、本明細書に説明される理由のために、リサイクルまたは有意義に再使用されない、米国および世界中の現在蓄蔵されているC&D材料の備蓄を低減させることができる。別の実施例として、本技術の実施形態は、異なる産業において商業用使途を有し得る、複数の生成物(例えば、水素、燃料、二次セメント質材料等)を生産し、したがって、C&D材料の市場を中心とした処理を生成することができる。例えば、本技術の実施形態を介して生産される、ベッドアッシュおよび/またはフライアッシュは、様々な産業において利用され得る、鉱物を含むことができる。いくつかのみの例を挙げると、ベッドアッシュおよびフライアッシュは、(i)防火材料およびまた鉱化を通した炭素の恒久的隔離のために使用され得る、マグネサイト(MgCO)、(ii)ガス化床材料として使用され得る、ドロマイト(Ca(Mg,Fe)(CO))、(iii)セラミックおよび医療インプラントのために使用され得る、アケルマナイト(CaMg(Si))、(iv)セメントおよびコンクリートのために使用され得る、ポートランダイト(Ca(OH))、および(v)酸性ガス浄化のために使用され得る、カルサイト(CaCO)を含むことができる。加えて、ベッドアッシュは、ドロマイト製造のために使用され得る、メルウィナイト(CaMg(SIO)、および防火および/または導電性目的のために使用され得る、黒鉛((CO)を含むことができる。
【0029】
図1Bは、種々の輸送燃料に関する温室効果ガス(GHG)排出原単位を図示する、チャートであって、本技術の実施形態を介して生産される、生成物の利益の別の実施例を提供する。例えば、図1Bに示されるように、水素の生産のために、米国温室効果ガス、規制排出量、および技術におけるエネルギー使用(GREET)モデルによって計算されるようなGHG排出原単位は、太陽熱給電電解または埋立地ガスのいずれかを介して生産される水素のもの未満であって、米国天然ガスまたは石油から生産される水素のもの、またはそれによって温室効果ガス排出原単位がカリフォルニア州低炭素燃料基準(LCFS)下で測定される、ベンチマークである、カリフォルニア州含酸素添加用改質ガソリンブレンド基材(CARBOB)ガソリンの排出原単位を有意に下回る。
【0030】
図1Cは、図1Aのプロセス100を介して導入される、概念を拡張させる、プロセス150の概略ブロック図である。図1Cに示されるように、プロセス150は、図1Aを参照して説明される、前処理、ガス化、および後処理ステップを含む。前処理ステップは、燃料生産のための経済的方法において使用され得ない、無機物および他の材料(例えば、金属、粉塵、岩石、コンクリート等)のサイズ低減および/または除去を含むことができる。サイズ低減および/または材料除去は、手動および/または自動プロセスを用いて、行われることができる。例えば、第一鉄および非第一鉄金属および他の磁気材料は、機械および/または手動ソートを介して、除去されることができ、金属および他の材料は、販売されることができる。別の実施例として、比較的に高硫黄含有量を有し、したがって、概して、産業プロセスにとって望ましくない、乾式壁等の材料は、手動で除去されてもよい。C&D材料のサイズ低減は、図2A-2Eを参照して説明されるように、複数のステップにおいて行われ、望ましい粒子サイズ分布を有する、ガス化目的のために、C&D給送物を生産することができる。いくつかの実施形態では、例えば、無機材料のサイズ低減および/または除去後、ガス化システムのために示される最小レベルを下回る粒子サイズを有する、残りのC&D給送物は、高密度化流体との混合を介して、さらに処理されることができ、これは、有益なこととして、特に、加圧されたユニットの中へのガス化のための取扱および給送における給送原料の物理的特性を改変することができる。
【0031】
C&D廃棄物の前処理後、結果として生じるC&D給送物は、ガス化装置システムに給送されることができる。本明細書のいずれかの場所で説明されるように(例えば、図3を参照すると)、ガス化装置システムは、酸素(例えば、純酸素または空気)、蒸気、および床流体化材料(石炭ガス化において一般に使用される材料、すなわち、ドロマイト、シリカ、石灰石、および/または橄欖石等)を受け取ることができ、これは、C&D給送物のガス化をともに助長し、(i)主要ガス種である、水素、一酸化炭素、および二酸化炭素を備える、合成ガスまたは生成物、および(ii)本明細書のいずれかの場所で説明されるように(例えば、図5-7を参照すると)、望ましくない汚染物質(例えば、ヒ素、クロム、および/または銅)のいくつかまたは大部分を含む、灰(例えば、ベッドアッシュまたは焼却灰)を生産する。ガス化装置からの合成ガスまたは流出物は、高温ガスフィルタ容器(HGFV)に指向されることができ、その中で微細な灰粒子(例えば、フライアッシュ)は、除去されることができる。フライアッシュもまた、本明細書のいずれかの場所で説明されるように(例えば、図5-7を参照すると)、望ましくない汚染物質のうちのいくつかを含み得る。換言すると、C&D給送物の望ましくない汚染物質は、ベッドアッシュおよび/またはフライアッシュ内に隔離され、したがって、合成ガスから分離され、下流機器およびプロセスを保護することができる。さらに、望ましくない汚染物質は、水中への溶解を阻止するように、灰を介して隔離され、灰が非有害廃棄物廃棄および/または1つ以上の生成物における再使用のための環境試験に合格することを可能にすることができる。いくつかの実施形態では、HGFVからの流体は、冷却され、凝縮物を生成することができ、これは、システム内でリサイクルおよび/または利用され、例えば、蒸気を生成し得る。望ましくない汚染物質を含む、灰および凝縮物を除去することは、これらの汚染物質の全てまたは実質的部分が、そのような汚染物質が、燃料、例えば、グリーン水素、再生可能天然ガス、および/または他の輸送燃料を生産するためのプロセスの触媒および他の機器を損傷し得るため、合成ガス流の後処理に回されないことを確実にすることに役立ち得る。図1Cに示されるように、灰は、セメント、コンクリート、および/または他の産業における商業的使途のために使用されることができる。
【0032】
図1Cに示されるように、ガス化を介しておよびHGFVから生産される、合成ガスはさらに、タール圧砕ユニット、保護/収着剤床、偏移反応器、スクラバー、メタン化装置、および/または水素化装置、ならびにガス発酵システム等の生物学的ユニットを含む、後処理ユニットにおいて処理されることができる。これらの後処理ユニットは、プロセス150のガス発酵技術処理部分等のガス化およびユニットに流体的に結合されることができる。したがって、ガス化および処理部分(例えば、ガス化装置および/またはHGFV)を参照して説明されるユニットのうちの1つ以上は、これらの後処理ユニットの中に結び付けられることができ、これは、すでに、既存の精製所内に存在し、それによって、それらが、C&D廃棄物を処理し、および/またはC&D給送物から生産される合成ガスを受け取ることを開始することを可能にし得る。したがって、本技術の実施形態の1つの利点は、C&D給送物からの合成ガスが、それらの精製所の改造または修正を要求せずに、既存の石油または再生可能燃料および化学精製所または関連ガス処理設備と互換性があって、かつそこで有用であるように処理されることができることである。
【0033】
図2A-2Dは、本技術の実施形態による、建設および解体廃材の画像である。具体的には、図2Aは、任意の処置または処理に先立った、C&D廃棄物堆積の画像であって、図2Bは、商業用ソート設備、金属除去、および密度または光学分離を介した(例えば、エアナイフを介した)例えば、9インチ、6インチ、4インチ、3インチ、2インチ、1インチ、または1/2インチマイナススロットによる、粉砕および機械的分離後の、C&D材料のサンプルの画像である。本明細書のいずれかの場所に説明されるように、本技術の実施形態は、プラスチックバッグ、フィルム、織物および紙等の「軽量」材料を処理および/またはガス化することができ、これは、リサイクル変換および埋立転用を改良することができる。これらの「軽量」材料は、典型的には、捨てられ、埋め立てられ、したがって、これらの材料を利用するための能力は、本技術の実施形態が提供する、1つの利点だけである。いくつかの実施形態では、そのようなサイズ低減/最適化および機械的分離後のC&D材料は、本技術のガス化チャンバの中に給送され(例えば、重力給送、プラグフロー、ラム給送等を介して)、図2Cおよび2Dを参照して説明される、ステップは、省略される。
【0034】
図2Cは、図2Bの画像からのさらなる処置後のC&D材料の画像であって、その中でC&D材料は、金属および岩石に関して選別され、破砕され、ガス化技術の固形燃料仕様を満たすための所定の粒子サイズ(例えば、1つの代表的ガス化技術に関しては、1~10mm)に篩分されている。図2Dは、図2Cの画像からのさらなる処置後のC&D材料の画像であって、その中でC&D材料は、本技術のあるガス化装置のホッパーの中に給送することが可能であるように、ペレットに高密度化され得る。いくつかの実施形態では、床収着剤(例えば、シリカ、石灰石、ドロマイト、カルシウム、および/または橄欖石)が、処置されたC&D材料に添加されることができる。
【0035】
上記に記載されるように、いくつかの実施形態では、C&D材料は、ガス化チャンバの中への給送に先立って、またはそれと同時にのいずれかにおいて、添加剤または流体で処置(例えば、混合)され、結果として生じるC&D給送物の材料または化学特性を改変することができる。例えば、ある添加剤は、揮発性毒性元素である、ヒ素、クロム、および硫黄等の上記に議論される望ましくない汚染物質の結合および/または隔離を可能にすることができる。加えて、または代替として、添加剤は、より均質および/または望ましい粒子サイズ分布を形成し、例えば、ガス化装置および下流ユニットを介して、より良好な処理を可能にすることに役立ち得る。
【0036】
図2Eは、本技術の実施形態による、C&D廃棄物およびMSWの組成物における比較を図示する、プロットである。図2Eに示されるように、C&D廃棄物は、コンクリート、タイル、乾式壁、サイディング、および屋根板等のMSW中に実質的量で含まれない、材料を含み得る。これらの材料は、それらが、重い、大きい、かつ高密度であるため、C&D廃棄物の処理を困難にし、したがって、取扱における安全性課題と、それらが、典型的サイズ低減機器を詰まらせる、または破壊し得るため、機器課題との両方を提示し得る。加えて、C&D廃棄物は、MSWに対して、より高いパーセンテージの含有量の木材を含み得、これは、上記に記載されるように、処置済、塗装済、および樹脂加工済木材を含み得、これは、米国規制によって、エネルギーおよび燃料変換システムにおける再使用から制限される。
【0037】
図2Fは、木材、MSW(ごみ)、および石炭を含む、他のガス化給送原料に対する有機C&D廃棄物給送物の類似性および差異を図示する、略図である。図2Eに示されるように、木材、ごみ、および石炭はそれぞれ、有機C&D廃棄物と類似材料を共有する。例えば、(i)木材およびC&D廃棄物は両方とも、タール、セルロース系、および繊維材料を含み、(ii)石炭およびC&D廃棄物は両方とも、20%未満の重金属、硫黄、および湿気含有量を含み、(iii)MSWおよびC&D廃棄物は両方とも、繊維材料、プラスチック材料、および異種組成物を含む。しかしながら、これらの他のガス化給送原料は全て、それらが、それぞれ、ガス化処理に関してそれらの独自の難点を生成する、高レベルのホウ酸塩処置済材料、石膏、アスファルト、岩石、コンクリート、または塗料を含まないという点で、C&D廃棄物と異なる。上記に議論される、安全性および材料取扱課題に加え、石膏および/または段ボールは、有意な量の硫黄を給送物の中に導入し、これは、次いで、硫化水素(HS)ガスの下流酸性ガス除去を要求する。岩石、屋根板、および釘のような大量またはより大きい粒子サイズにおける無機材料もまた、ガス化反応の化学量論を変化させ、蓄蔵し、ガス化床の流体化を阻み、反応失敗を引き起こし得る。
【0038】
図3は、本技術の実施形態による、ガス化システム300の概略図である。図3に示されるように、システム300は、C&D給送物301を受け取るように構成される、固体給送ホッパー305(例えば、入口)と、給送器310を回転させるように構成されるモータ311に動作可能に結合される、給送器310(例えば、給送スクリュ、プラグフロー、押出機等)とを含むことができる。C&D給送物301は、全体的または部分的に、図1Aを参照して説明されるC&D廃棄物および/または上記の表1に説明される組成物および性質に対応し得る。例えば、C&D給送物301は、未処置木材、処置済木材、紙および段ボール、庭ごみ、プラスチック、ゴム、および/またはスタイロフォーム(登録商標)を含むことができる。いくつかの実施形態では、C&D給送物301は、少なくとも50%の未処置木材、少なくとも10%の処置済材木、少なくとも5%の紙および段ボール、少なくとも5%の庭ごみ、少なくとも5%のプラスチック、少なくとも1%のゴム、および/または少なくとも1%の発泡体を備える。加えて、または代替として、C&D給送物301は、ホウ素、ヒ素、クロム、鉛、および/またはホウ素を含む、組成物を含み得る。
【0039】
回転する給送器は、C&D給送物301が、ホッパー305を通して、ガス化チャンバ中に給送させ得る。C&D給送物301は、定常状態動作を介して、または所望に応じて、バッチプロセスにおいて、システム300に給送されることができる。上記に記載されるように、石灰石、ドロマイト、橄欖石、シリカ砂、および/または別の床収着剤を含む、材料は、給送物の中に混合され、またはガス化床の中に給送され、チャンバ内で給送物と混合することができる。有利なこととして、ドロマイト、橄欖石(および他の材料)は、ある重金属(例えば、ヒ素、ホウ素、および/またはクロム)に関して、他の床材料に対してより優れた結合親和性を有する、鉱物組成物を有する。システム300は、ガス化装置320に給送されることに先立って、給送器310に流体的に結合され、圧潰されたC&D給送物を加熱するように位置付けられる、熱交換器315を含むことができる。動作の間、ホッパー305および下流ラインは、所定のレベルまで加圧されることができる。
【0040】
システム300はさらに、調製および/または加熱されたC&D給送物を受け取る(例えば、ガス化装置の中間または第1の部分320で)ように位置付けられる、ガス化装置または熱化学デバイス320(「ガス化装置320」)と、ガス化装置320の下流のフィルタ容器330(例えば、HGFV)とを含む。ガス化装置320は、流体化床ガス化装置、非流体化床ガス化装置(例えば、下降気流ガス化装置、上昇気流ガス化装置、移動火格子ガス化装置等)、または他の熱分解デバイスであることができる。圧潰および/または加熱されたC&D給送物を受け取ることに加え、ガス化装置320は、加圧された蒸気および酸素(例えば、空気または精製された酸素)をガス化装置320の下側または第2の部分で受け取るように構成され、その組み合わせは、ガス化装置320の床プレートを通して、ガス化装置320の上側または第3の部分へと上向きに通過し、床材料(例えば、ドロマイトおよび/または橄欖石)および圧潰および/または加熱されたC&D給送物をガス化装置320のガス化ゾーン内に保つ。動作時、理論によって拘束されるわけではないが、C&D給送物301の木材および他の有機材料は、床の上方のガス化ゾーン内で、位相を固体からガスに変化させ、ガス化装置320内で上昇する。タールを含む、持続未加工合成ガス流324が、ガス化装置320を介して生産され、ガス化装置320の上部(すなわち、ガス化装置ヘッド)から、ガス化装置出口324を介して、フィルタ容器330に指向される。ガス化装置320は、ガス化装置320の床内に、揮発性重金属および/または汚染物質を捕捉することができ、これは、次いで、ガス化装置320からのベッドアッシュおよび/またはガス化装置320の下流のフィルタ容器330内のフライアッシュ中に捕捉される。そうすることによって、システム300は、(i)合成ガスから隔離され、したがって、下流機器およびプロセスを損傷させないように防止され、(ii)空気排出物または水浸出液を通した環境の中への逃散を低減させるように、不動化されている、揮発性重金属および/または汚染物質(例えば、ヒ素および/またはクロム)を含む、ベッドアッシュを生産する。本明細書のいずれかの場所に説明されるように、生産された灰は、商業用目的のために、例えば、セメントおよび/またはコンクリート産業において、使用されることができる。
【0041】
フィルタ容器330は、400°F~750°Fの範囲内の動作温度を有することができる。いくつかの実施形態では、システム300は、1つ以上の熱交換器(図示せず)をガス化装置ヘッドとフィルタ容器330との間に含み、例えば、ガス化装置ヘッドからのガスを所望の温度まで冷却することができる。フィルタ容器330は、それを通して合成ガスが通過し、フライアッシュを捕獲し得る、1つ以上のフィルタ335(例えば、キャンドルフィルタ)を含む(例えば、含有および/または包囲)することができる。フィルタ容器330および/またはその中のフィルタ335を介して取得される、フライアッシュは、汚染物質(例えば、ヒ素および/またはクロム)を含み、それによって、これらの汚染物質が下流機器を損傷させないように防止することができる。上記に記載されるように、フライアッシュは、商業用目的のために使用されることができる。フィルタ容器330からのガスは、フィルタ出口337を介して、フィルタ容器330からのガスを冷却する、熱交換器340に指向され、次いで、凝縮容器入口342を介して、凝縮容器345(例えば、水切りポット)に指向され、これは、凝縮物をガス流から回収および除去させる。ガス流は、次いで、付加的汚染物質を捕捉し得る、後続フィルタ350と、上記に記載されるように、圧砕ユニット、保護床、スクラバー、メタン化装置、熱酸化剤、燃焼器、および/または水素化装置のうちの1つ以上を含み得る、後処理ユニットとに指向されることができる。そうすることによって、グリーン水素、天然ガス、噴射燃料、ディーゼル燃料、電気、および/または他の貴重なエネルギー生成物が、作製されることができる。
【0042】
ガス化装置320の動作は、200psi、160psi、120psi、80psi、70psi、60psi、50psi、40psi、30psi、20psi、10psi、5psi、大気圧以下、または1~200psi、20~200psi、20~120psi、20~70psi、20~60psi、20~50psi、または20~40psiの範囲内等の比較的に軽度の圧力において行われることができる。そのような圧力は、代わりに、200~500psiであり得る、多くの従来のガス化装置より低い。これらのより高い圧力で動作することは、大部分のガス化装置にとって、より高い圧力が給送物材料から合成ガスへの変換率を増加させるため、従来的に好ましい。加えて、従来のガス化装置への給送物は、概して、給送物の組成物の変動が比較的に低いという点で同種である。本技術の実施形態に関して、ガス化装置320を上記に説明されるより低い圧力で動作させることは、(i)比較的に高変動を有し得る、C&D給送物の異種組成物の給送を促進し、(ii)より低いコスト動作およびより単純である容器設計を可能にし、(iii)支援機器へのあまり複雑ではない接続を可能にするために行われることができる。加えて、ガス化装置320を従来のガス化装置より低い圧力で動作させることは、より少ないエネルギーが、流入ガスを圧縮し、および/または固体を圧縮ガスフローの中に給送するために必要とされるため、より高いGHG低減を可能にする。さらに、本技術の実施形態は、例えば、変換率を最大限にすることとは対照的に、望ましくない汚染物質を除去し、および/またはある品質保証規格を満たす合成ガスを生産することにより焦点を当て得るため、ガス化装置を上記に開示されるより低い圧力で動作させることは、有益であり得る。関連して、本技術の実施形態は、好ましくは、そのようなより低い圧力で動作し、ガス化装置内での塞栓の尤度を減少させ得る。
【0043】
加えて、または代替として、ガス化装置320の動作は、比較的に低温で行われ得る。本技術の実施形態に関して、これらのより比較的に低い温度(例えば、1,000℃を下回る)で動作することは、硫黄、クロム、およびヒ素を含む、望ましくない汚染物質の揮発を限定し得る。本点は、図4を参照して解説され得、これは、酸素吹送ガス化のための温度に基づく、ガス相内のある元素の変化する重量パーセンテージを図示する、線グラフ400である。グラフ400上で示されるように、ヒ素は、200℃程度の低い温度で揮発し始め、約250℃で平衡に到達し、そこで約30%の元素ヒ素が、ガス相に揮発される。また、グラフ400上で示されるように、硫化水素(HS)を形成し得る、硫黄は、約600℃から開始して、増加率で揮発し、800℃を有意に上回って増加する。換言すると、800~1,000℃の温度範囲内では、ガス相に進入する硫黄の量は、800℃における約30%から1,000℃における約90%まで3倍になり得る。この点において、より低い温度におけるセルロース材料(例えば、木材)のガス化が、ガス化ゾーンの分子分解の難度を低減させることによって、タール化のリスクを増加させ得ることは、着目に値する。タールは、芳香族かつ有機分子であって、これは、ガス化装置320およびフィルタ容器330(図3)の下流で、例えば、タール圧砕ユニットにおいて、一酸化炭素および水素に分けられる必要があるであろう。ヒ素および硫黄等の小量の汚染物質でさえ、タール圧砕触媒のための最先端技術への深刻な不可逆的損傷を引き起こし得る。上記に照らして、概して、可能な限り高温でガス化装置を動作させる一方、また、硫黄およびヒ素等の望ましくない汚染物質の揮発を限定することが望ましくあり得る。故に、いくつかの実施形態では、ガス化装置320は、950℃、900℃、850℃、800℃、または750℃以下、または750~950℃、750~900℃、750~850℃、または800~850℃の範囲内の温度で動作される。これらの動作温度は、2,000℃程度の高温で実行され得るが、同一レベルのヒ素、クロム、硫黄、およびC&D材料に一般に見出される、他の望ましくない揮発性毒性元素を考慮する必要はない、プラズマ条件で動作するガス化装置等の典型的有害廃棄物ガス化装置動作温度より低い。したがって、本技術の実施形態は、(i)あまりに有害であるため、従来の熱化学システム内で燃焼することができないと考えられる、給送物を受け取り、処理し、(ii)冷却器ガス化プロセスを使用することが可能である。給送物を処置するための本アプローチは、より高度に有害な廃棄物(例えば、化学物質)を扱うための一般的産業実践が、動作温度を増加させ、それによって、廃棄物を完全に崩壊させることであるため、反直感的である。冷却器動作温度で動作することによって、本技術の実施形態は、従来のガス化装置動作に対して資本および操業コストを低減させることが可能である。
【0044】
再び図3を参照すると、いくつかの実施形態では、システム300は、例えば、フィルタ容器330の上流のガス化装置320の出口324に流体的に結合される、注入ライン327を含むことができる。注入ライン327は、合成ガスと混合され、重金属汚染物質を捕捉し(例えば、それに吸着し)、それらを合成ガス流から除去するための捕捉材料325を注入するために使用されることができる。捕捉材料325は、酸化鉄、酸化亜鉛、酸化ニッケル、銅酸化物、または重金属(例えば、ヒ素および/またはクロム)を捕捉するように構成される、他の金属酸化物等の1つ以上の金属酸化物を含むことができる。加えて、または代替として、捕捉材料325は、250~400メッシュ、275~375メッシュ、または300~350メッシュの粒子サイズを有する、粒子を含むことができる。捕捉材料325は、それと平行な方向およびフィルタ容器335に向かった方向に、ガス化装置出口324の中に噴霧される(例えば、持続またはパルス噴霧される)ことができる。動作時、捕捉材料325およびそこに吸着される重金属汚染物質は、フィルタ容器330のフィルタ335上に捕獲されることができる。加えて、捕捉材料325およびその注入もまた、硫黄除去に寄与し得る。例えば、ヒ素ガスは、捕捉材料325の存在下、硫黄と結合し、したがって、フィルタ容器330および/またはフィルタ335によって捕捉されることができる。捕捉材料325、汚染物質、塵埃、および/または他の材料は、持続動作の間、周期的に、例えば、0.5~5時間毎に、フィルタ335からパルス清浄されることができる。いくつかの実施形態では、フィルタ容器330は、1つのフィルタが定位置に静置される別のフィルタ335を用いて清浄され得るように、複数のフィルタ335を含むことができる。
【0045】
いくつかの実施形態では、捕捉材料325は、室温で、または50~150°Fまたは70~110°Fの温度で、ガス化装置320の出口の中に注入される。そのような実施形態では、捕捉材料325の注入は、ガス化装置ヘッド322から退出する合成ガス流を、例えば、700~1,000°F、750~950°F、または750~850°Fの温度まで冷却することができる。そうすることは、より多くの望ましくない重金属汚染物質が、下流フィルタ容器330によって、および/またはフィルタ容器330からのフライアッシュ中に捕捉させ得る。いくつかの実施形態では、捕捉材料325およびその注入は、上記に説明されるように、少なくとも1桁、望ましくない汚染物質を低減させることができる。
【0046】
図3に示されるように、システム300は、単一捕捉材料注入と、単一フィルタとを含む。いくつかの実施形態では、システム300は、第1のフィルタの下流の第2の捕捉材料注入と、第2の捕捉材料注入の下流の第2のフィルタとを含むことができる。本第2の注入およびフィルタはさらに、もう1桁、望ましくない汚染物質を低減させることができる。加えて、第2の注入はさらに、合成ガス流を、例えば、475~750°Fまたは550~650°Fの温度まで冷却し、それによって、より望ましくない重金属汚染物質を凝縮および/または捕捉させることができる。
【0047】
III.実験結果
ガス化装置320(図3)の最適化温度に関する上記の説明に照らして、試験が、異なる動作温度で実行され、望ましくない汚染物質の揮発を限定することと、タール化のリスクを減少させることとの両方のための最適条件を判定した。これらの試験のうちのいくつかに関して、ドロマイト(CaMg(COまたは約54%CaCOおよび43%MgCO)、橄欖石((Mg,Fe)SiO)、シリカ砂(SiO)、および石灰石(CaCO)もまた、部分的に、これらの材料が、ヒ素および/または他の望ましくない汚染物質(例えば、クロム)のためのより高い結合親和性を伴う、鉱物組成物を有するため、ガス化装置320のための床材料として使用された。これらの試験の結果は、図5-7に図示される。
【0048】
最初に、図5を参照すると、試験が、(i)上記に列挙されるような床材料を選択するステップと、(ii)ガス化装置を950℃の第1の「高」温および800℃の第2の「低」温で動作させるステップとを使用して、灰中に捕捉されたヒ素およびクロムの量を判定するために行われた。図5に示されるように、ヒ素に関して、ドロマイトは、いずれの温度でも、ほぼ3分の1倍、橄欖石より多くのヒ素を灰中に保つように現れた。両方の床材料に関して、より低い温度設定は、より高い温度設定より多くのヒ素およびクロムを隔離した。これらの結果から、橄欖石は、大部分のクロムを灰中に保つように現れたことが見られるが、物質収支計算は、初期給送物中に存在したものより多くのもののクロムが灰中に堆積される結果となったことを示した。また、重金属隔離を最適化した、800℃のより低い温度では、タール化は、より悪化し、タール堆積物は、反応器の内側で裸眼で可視であったことは、着目に値する。そのようなタール堆積物は、950℃のより高い温度では生じなかった。
【0049】
次に図6を参照すると、試験が、凝縮容器345(図3)内の凝縮物から捕捉され、したがって、フィルタ容器330を介して取得される、フライアッシュ中に捕捉されなかった、ヒ素およびクロムを含む、汚染物質の量を判定するために行われた。これらの試験は、約420°Fの「低」フィルタ温度および約720°Fの「高」フィルタ温度を含む、フィルタ容器330のための異なる動作温度で実行された。図6に予期され、示されるように、各汚染物質のより多くのものが、高フィルタ温度では、揮発され、および/またはガス相内に保たれ、故に、各汚染物質のより多くのものが、フィルタ容器330からのフライアッシュではなく、凝縮容器345からの凝縮物中に捕捉された。換言すると、より高い温度では、各汚染物質のより多くのものが、フライアッシュ中に隔離されるのではなく、フィルタを通して通過され、合成ガス中に残された。低フィルタ温度に関して、約60%のヒ素およびクロムが、フィルタ容器330からのフライアッシュ中に隔離され、ヒ素およびクロムの残りの大部分は、凝縮容器345からの凝縮物中に隔離された。C&D廃棄物は、CCA処置済材木を含み、これは、銅、クロム、およびヒ素を同時に導入するが、銅は、揮発性重金属ではないため、銅結果が、対照としてここに含まれる。図6に示されるように、2つのフィルタ温度との間では、凝縮容器345の凝縮物を介して捕捉された銅の変化における差異は、殆どまたは全くなかった。
【0050】
次に図7を参照すると、試験が、凝縮容器345内の凝縮物から、フィルタ容器330内のフライアッシュから、およびガス化装置320内のベッドアッシュから捕捉された、ヒ素の量を判定するために行われた。これらの試験は、図6を参照して説明されるように、約420°Fの「低」フィルタ温度および約720°Fの「高」フィルタ温度で実行された。高フィルタ温度では、ほぼ90%のヒ素が、フィルタ容器330を通して通過し、凝縮容器345の凝縮物に入る結果となり、わずか1%が、フライアッシュに入る結果となった。これは、より高い温度では、ヒ素が、ヒ素ガスに揮発し、フィルタ容器330内のフライアッシュ中に捕捉されることになる他の元素と結合しなかったことを示す。低フィルタ温度では、ヒ素のより少ないものが、揮発され、したがって、より多くのものが、ガス化装置320からのベッドアッシュ中に捕捉された。加えて、低フィルタ温度で揮発された、ヒ素に関して、より多くのものが、高フィルタ温度に関して捕捉されたものに対して、フィルタ容器330からのフライアッシュ中に捕捉された。ヒ素および他の汚染物質をフライアッシュおよびベッドアッシュ中に捕捉することは、例えば、凝縮物が有害廃棄物として廃棄される必要はないように、そのような汚染物質を凝縮容器345の凝縮物中に捕捉するために好ましい。
【0051】
図8は、本技術の実施形態による、実験実行のための合成ガス生成物の組成物を図示する、チャート800である。チャート800は、実行される複数の実験に関して、一酸化炭素(CO)、水(HO)、硫化水素(HS)、水素(H)、二酸化炭素(CO)、メタン(CH)、および他の炭化水素(C)毎に、相対的モル%を含む。実行される個々の実験は、ガス化されたC&D給送物の異なる組成物と、異なる動作条件および添加剤とを含む。
【0052】
IV.結論
変更が、本開示の基礎原理から逸脱することなく、上記に説明される実施形態の詳細に行われ得ることが当業者に明白であろう。ある場合には、周知である構造および機能は、本技術の実施形態の説明を不必要に曖昧にすることを回避するために、詳細に示されていない、または説明されていない。方法のステップは、特定の順序で本明細書に提示され得るが、代替実施形態は、異なる順序において、ステップを実施してもよい。同様に、特定の実施形態の文脈に開示される、本技術のある側面は、他の実施形態では、組み合わせられる、または排除されることができる。さらに、本技術のある実施形態と関連付けられる、利点が、それらの実施形態の文脈に開示されている場合があるが、他の実施形態もまた、そのような利点を呈することができ、全ての実施形態が、本技術の範囲内に該当するために、必ずしも、そのような利点または本明細書に開示される他の利点を呈する必要はない。故に、本開示および関連付けられる技術は、本明細書に明示的に示されない、または説明されない、他の実施形態も包含することができ、本発明は、添付の請求項による場合を除き、限定されない。
【0053】
本開示全体を通して、単数形用語「a」、「an」、および「the」は、文脈が別様に明確に示さない限り、複数参照を含む。加えて、2つ以上のアイテムのリストを参照して使用される、用語「および/または」は、(a)リスト内の任意の単一アイテム、(b)リスト内のアイテムの全て、または(c)リスト内のアイテムの任意の組み合わせを含むものとして解釈されるべきである。加えて、用語「comprising(~を備える)」、「including(~を含む)」、および「having(~を有する)」は、任意のより多数の同一特徴および/または付加的タイプの他の特徴が排除されないように、少なくとも列挙される特徴を含むことを意味するものと解釈されるべきである。
【0054】
本明細書では、「一実施形態」、「ある実施形態」、「いくつかの実施形態」、または類似定型句の言及は、実施形態に関連して説明される、特定の特徴、構造、動作、または特性が、本技術の少なくとも一実施形態に含まれ得ることを意味する。したがって、本明細書のそのような語句または定型句の表出は、必ずしも、全て同一実施形態を参照するわけではない。さらに、種々の特定の特徴、構造、動作、または特性は、1つ以上の実施形態では、任意の好適な様式において組み合わせられてもよい。
【0055】
別様に示されない限り、明細書および請求項において使用される、濃度および他の数値を表す全ての数は、全ての事例において、用語「約」によって修飾されているものとして理解されるべきである。故に、そうでないことが示されない限り、以下の明細書および添付の請求項に記載される数値パラメータは、本技術によって取得されることが模索される、所望の性質に応じて変動し得る、近似値である。最低限でも、かつ請求項の範囲への均等論の適用を限定する試みとしてではなく、各数値パラメータは、少なくとも、報告される有効数字の数に照らして、かつ通常の丸め技法を適用することによって、解釈されるべきである。加えて、本明細書に開示される全ての範囲は、その中に包摂されるあらゆる下位範囲を包含するものとして理解されるべきである。例えば、「1~10」の範囲は、1の最小値と10の最大値との間の、あらゆる下位範囲(かつそれらを含む)、すなわち、1に等しいまたはそれを上回る最小値と、10に等しいまたはそれ未満の最大値とを有する、あらゆる下位範囲、例えば、5.5~10を含む。
【0056】
上記に記載される開示は、任意の請求項がその請求項内で明示的に列挙されるものより多くの特徴を要求する意図を反映させるものとして解釈されるべきではない。むしろ、以下の請求項が反映させるように、本発明の側面は、任意の単一の前述の開示される実施形態の全ての特徴より少ないものの組み合わせ内にある。したがって、本詳細な説明に続く請求項は、本明細書によって、本詳細な説明の中に明示的に組み込まれ、各請求項は、別個の実施形態として、その独自のものとして独立する。本開示は、独立請求項とともに、それらの従属請求項の全ての列挙を含む。
【0057】
本技術は、例えば、便宜上、付番された付記(1、2、3等)として下記に説明される、種々の側面に従って、例証される。これらは、実施例として提供され、本技術を限定するものではない。従属付記のいずれかは、任意の組み合わせにおいて、組み合わせられ、個別の独立付記の中に設置され得ることに留意されたい。他の付記も、類似様式で提示され得る。
(付記1)建設および解体(C&D)材料をガス化するための方法であって、
建設および解体(C&D)材料を前処理し、C&D給送物を生産するステップであって、C&D給送物は、(i)処置済木材と、(ii)ヒ素、クロム、および/またはホウ素を含む、組成物とを備える、ステップと、
C&D給送物を処理し、生産物ガスを生産するステップであって、C&D給送物を処理するステップは、
C&D給送物のサイズを低減させるステップと、
950℃以下の温度および/または200ポンド毎平方インチ(psi)以下の圧力で、サイズ低減されたC&D給送物、蒸気、および酸素をガス化装置内でガス化し、合成ガスを生産するステップと、
合成ガスをガス化装置から濾過し、濾過された合成ガスを生産するステップと、
濾過された合成ガスを冷却し、冷却された合成ガスを生産するステップと、
を含む、ステップと、
を含む、方法。
(付記2)サイズ低減されたC&D給送物、蒸気、および酸素をガス化装置内でガス化するステップは、950℃以下の温度および200psi以下の圧力で行われる、本明細書の付記のうちのいずれか1項に記載の方法。
(付記3)合成ガスを濾過するステップは、高温ガスフィルタ容器を介して、合成ガスを濾過するステップと、ヒ素および/またはクロムを備える、フライアッシュを生産するステップとを含む、本明細書の付記のうちのいずれか1項に記載の方法。
(付記4)凝縮物を冷却された合成ガスから除去し、生産物ガスを生産するステップをさらに含む、本明細書の付記のうちのいずれか1項に記載の方法。
(付記5)C&D給送物を処理するステップはさらに、フライアッシュおよび/またはベッドアッシュを備える、副産物を生産するステップを含み、副産物は、ヒ素、ホウ素、クロム、鉛、硫黄、または銅のうちの1つ以上を含む、本明細書の付記のうちのいずれか1項に記載の方法。
(付記6)C&D給送物は、少なくとも3%の硫黄含有量を含む、本明細書の付記のうちのいずれか1項に記載の方法。
(付記7)C&D給送物は、0.1~5インチの粒子サイズを備える、本明細書の付記のうちのいずれか1項に記載の方法。
(付記8)C&D材料を前処理するステップは、C&D材料を切削し、切削された給送物を生産し、シリカ、ドロマイト、石灰石、石膏、および/または橄欖石を備える、床収着剤を、切削された給送物に添加し、C&D給送物を生産するステップを含む、本明細書の付記のうちのいずれか1項に記載の方法。
(付記9)C&D給送物は、少なくとも1%の硫黄含有量を含み、生産物ガスは、300ppm以下の硫化水素含有量を備える、本明細書の付記のうちのいずれか1項に記載の方法。
(付記10)C&D給送物のヒ素、クロム、および/またはホウ素の濃度は、少なくとも10mg/kgである、本明細書の付記のうちのいずれか1項に記載の方法。
(付記11)建設および解体材料をガス化するためのシステムであって、
処置済木材、クロム化ヒ酸銅(CCA)木材、ホウ酸塩処置済材料、および/または樹脂加工済木材を備える、建設および解体(C&D)給送物を受け取るように構成される、入口と、
入口に流体的に結合され、C&D給送物をガス化装置の中間部分で受け取るように位置付けられる、ガス化装置であって、蒸気および酸素を受け取るように構成される、下側部分と、ガス化装置ヘッドを含む、上側部分とを備え、950℃以下の温度および/または200ポンド毎平方インチ(psi)以下の圧力で動作し、合成ガスをガス化装置ヘッドで生産するように構成される、ガス化装置と、
ガス化装置の出口に流体的に結合され、重金属を生産された合成ガスから除去するように構成される、フィルタと、
を備える、システム。
(付記12)フィルタを含有し、生産された合成ガスをガス化装置ヘッドから受け取るように位置付けられる、フィルタ容器をさらに備え、動作時、フィルタは、クロム、ホウ素、および/またはヒ素を含む、重金属を、生産された合成ガスから除去し、除去された重金属の少なくとも一部を備える、フライアッシュを生産する、本明細書の付記のうちのいずれか1項に記載のシステム。
(付記13)ガス化装置は、ヒ素、クロム、鉛、ホウ素、および/または硫黄を備える、ベッドアッシュを生産するように構成される、本明細書の付記のうちのいずれか1項に記載のシステム。
(付記14)ガス化装置は、800℃以下の温度で動作するように構成される、本明細書の付記のうちのいずれか1項に記載のシステム。
(付記15)ガス化装置は、200psi以下の圧力で動作するように構成される、付記14に記載のシステム。
(付記16)
フィルタの下流にあって、その出口に流体的に結合される、熱交換器であって、フィルタからの出口を冷却し、冷却された合成ガスを生産するように構成される、熱交換器と、
熱交換器の下流にあって、その出口に流体的に結合される、凝縮容器であって、凝縮物を冷却された合成ガスから分離し、生産物ガスを生産するように構成される、凝縮容器と、
をさらに備える、本明細書の付記のうちのいずれか1項に記載のシステム。
(付記17)ガス化装置の出口に流体的に結合され、フィルタの上流にある、捕捉材料の源をさらに備え、捕捉材料は、金属酸化物を備え、ガス化装置の流出物と混合され、揮発性重金属と反応し、それを合成ガスから外に析出するように構成される、本明細書の付記のうちのいずれか1項に記載のシステム。
(付記18)C&D給送物は、ドロマイト、石灰石、シリカ、石膏、カルシウム、および/または橄欖石を備える、床収着剤を含む、本明細書の付記のうちのいずれか1項に記載のシステム。
(付記19)C&D給送物は、1~6%の硫黄含有量を含む、本明細書の付記のうちのいずれか1項に記載のシステム。
(付記20)建設および解体材料をガス化するためのシステムであって、
(i)ヒ素、クロム、および/またはホウ素を含む、組成物と、(ii)未処置木材、処置済木材、紙および段ボール、庭ごみ、プラスチック、ゴム、または発泡体のうちの少なくとも2つとを備える、C&D給送物を受け取るように構成される、入口と、
入口に流体的に結合され、C&D給送物をガス化装置の第1の部分で受け取るように位置付けられる、ガス化装置であって、ガス化装置はさらに、第1の部分から第1の方向に離される、第2の部分と、第1の部分から第1の方向と反対の第2の方向に離される、第3の部分とを備え、第2の部分は、蒸気および酸素を受け取るように構成され、第3の部分は、ガス化装置ヘッドを含み、ガス化装置は、950℃以下の温度および200ポンド毎平方インチ(psi)以下の圧力で動作し、合成ガスをガス化装置ヘッドで生産するように構成され、ヒ素、クロム、ホウ素、および/または硫黄を備える、第1の灰を生産するように構成される、ガス化装置と、
ガス化装置の出口に流体的に結合され、重金属を生産された合成ガスから除去するように構成される、フィルタを備える、フィルタ容器であって、生産された合成ガスをガス化装置ヘッドから受け取るように位置付けられ、動作時、フィルタ容器は、重金属を生産された合成ガスから除去し、除去された重金属のうちの少なくともいくつかを備える、第2の灰を生産する、フィルタ容器と、
を備える、システム。
図1A
図1B
図1C
図2A-2D】
図2E
図2F
図3
図4
図5
図6
図7
図8
【国際調査報告】