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特表2024-540265車両の高電圧車載電装システムのためのコンポーネント配置構成
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  • 特表-車両の高電圧車載電装システムのためのコンポーネント配置構成 図1
  • 特表-車両の高電圧車載電装システムのためのコンポーネント配置構成 図2
  • 特表-車両の高電圧車載電装システムのためのコンポーネント配置構成 図3
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-10-31
(54)【発明の名称】車両の高電圧車載電装システムのためのコンポーネント配置構成
(51)【国際特許分類】
   H02M 3/00 20060101AFI20241024BHJP
   H02M 7/04 20060101ALI20241024BHJP
   H02M 7/48 20070101ALI20241024BHJP
【FI】
H02M3/00 Y
H02M7/04
H02M7/48 Z
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2024526459
(86)(22)【出願日】2022-11-07
(85)【翻訳文提出日】2024-06-17
(86)【国際出願番号】 EP2022081027
(87)【国際公開番号】W WO2023083765
(87)【国際公開日】2023-05-19
(31)【優先権主張番号】102021005533.0
(32)【優先日】2021-11-09
(33)【優先権主張国・地域又は機関】DE
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】598051819
【氏名又は名称】メルセデス・ベンツ グループ アクチェンゲゼルシャフト
【氏名又は名称原語表記】Mercedes-Benz Group AG
【住所又は居所原語表記】Mercedesstrasse 120,70372 Stuttgart,Germany
(74)【代理人】
【識別番号】100090583
【弁理士】
【氏名又は名称】田中 清
(74)【代理人】
【識別番号】100098110
【弁理士】
【氏名又は名称】村山 みどり
(72)【発明者】
【氏名】トーマス・ウェーバー
(72)【発明者】
【氏名】マルクス・オーナー
(72)【発明者】
【氏名】ネイサン・トレースター
(72)【発明者】
【氏名】アンドレーアス・クルスペル
(72)【発明者】
【氏名】マティーアス・ラインフェルダー
(72)【発明者】
【氏名】キース レン チャン・オング
(72)【発明者】
【氏名】ウルス・ベーメ
(72)【発明者】
【氏名】アキン・カンディール
【テーマコード(参考)】
5H006
5H730
5H770
【Fターム(参考)】
5H006HA05
5H730AA15
5H730AS01
5H730BB21
5H730ZZ01
5H770DA03
5H770DA10
5H770KA01Y
5H770KA01Z
5H770QA27
(57)【要約】
本発明は、車両の高電圧車載電装システムのためのコンポーネント配置構成(1)に関する。本発明によると、複数の電気コンポーネント(K)について共通のEMCフィルタ(2)と共通の中間回路(3)とが設けられ、これらの電気コンポーネント(K)は共通のEMCフィルタ(2)及び前記の中間回路(3)とともに共通のハウジング(4)の中に配置される。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
車両の高電圧車載電装システムのためのコンポーネント配置構成(1)であって、
複数の電気コンポーネント(K)について共通のEMCフィルタ(2)と共通の中間回路(3)とが設けられ、これらの電気コンポーネント(K)は前記共通のEMCフィルタ(2)及び前記共通の中間回路(3)とともに共通のハウジング(4)の中に配置されることを特徴とする、前記コンポーネント配置構成(1)。
【請求項2】
前記共通のEMCフィルタ(2)及び前記共通の中間回路(3)が設けられる前記電気コンポーネント(K)は、前記車両を駆動するための少なくとも1つの電気式の駆動機械のためのパワーエレクトロニクス(5)、整流器(6)、及び/又はDC-DCコンバータ(8)であることを特徴とする、請求項1に記載のコンポーネント配置構成(1)。
【請求項3】
それぞれの前記コンポーネント(K)の出力部に別のEMCフィルタ(9)が配置されることを特徴とする、請求項1又は2に記載のコンポーネント配置構成(1)。
【請求項4】
それぞれの前記別のEMCフィルタ(9)は前記共通のハウジング(4)の中に、又は前記共通のハウジング(4)の外に配置されることを特徴とする、請求項3に記載のコンポーネント配置構成(1)。
【請求項5】
前記共通の中間回路(3)はコンデンサとして構成されることを特徴とする、請求項1から4のいずれか一項に記載のコンポーネント配置構成(1)。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、車両の高電圧車載電装システムのためのコンポーネント配置構成に関する。
【背景技術】
【0002】
従来技術では、特許文献1に記載されているように、電気的に互いに接続されて電気エネルギーを貯蔵するために構成された複数の貯蔵セルを有する少なくとも1つの高電圧バッテリを、乗用車のモノコックボディに配置することが知られている。高電圧バッテリ、及び高電圧バッテリに追加して設けられて高電圧バッテリと電気接続されるその他の高電圧コンポーネントは、少なくとも間接的にボディで保持される。ボディは、乗用車の温度調節装置によって温度調節可能な高電圧安全セルを形成し、その中に高電圧バッテリ及びその他の高電圧コンポーネントが配置される。
【0003】
特許文献2には、自動車のための車載電装システムが記載されている。これは少なくとも1つの第1及び第2の電位線を含み、用途に即した作動時にそれぞれの電位線の間で直流電圧が加えられるように構成されている。この車載電装システムは、第1の接続部によって電位線のうちの1つと、及び第2の接続部によって基準電位と電気的に結合される少なくとも1つのYコンデンサを有している。切換部材が、少なくとも1つのYコンデンサに対して並列につながれる。
【0004】
特許文献3より、高電圧車載電装システムが公知である。この高電圧車載電装システムは3つの部分領域に下位区分され、第1の部分領域は車両の第1の設計スペースに配置され、第2の部分領域は車両の第2の設計スペースに配置され、第3の部分領域は、車両のこれら両方の設計スペースの外部に配置される。
【0005】
特許文献4には、高電圧車載電装システムを有する車両が記載されている。この高電圧車載電装システムは2つの部分領域に下位区分され、第1の部分領域は車両の第1の設計スペースに配置され、第2の部分領域は車両の少なくとも1つの第2の設計スペースに配置される。両方の部分領域への高電圧車載電装システムの下位区分は、車両の第1の設計スペースでは、高電圧車載電装システムの第1の部分領域の電圧のもとでの動作だけが可能であり、車両の少なくとも1つの第2の設計スペースでは、高電圧車載電装システムの第2の部分領域に電圧のない状態のときの動作が可能であるように構成される。
特許文献5には、車両のための車載電装システム、車載電装システムを有する車両、及び車両のための車載電装システムを作動させる方法が記載されている。この車載電装システムは、2つのバッテリ電位接点を有するバッテリと、2つの充電電位接点を有する車両側の直流充電接続部とを含んでいる。DC-DCコンバータが設けられている。第1の電気的なバッテリ電位接点は、DC-DCコンバータの出力側の第1の電位接点と電気的に結合可能であり、又は結合される。第2の電気的なバッテリ電位接点は、第2の充電電位接点と電気的に結合可能であり、又は結合される。それぞれの充電電位接点は、DC-DCコンバータの入力側のそれぞれの電位接点と電気的に結合可能であり、又は結合される。DC-DCコンバータの出力側の第2の電位接点は、DC-DCコンバータの入力側の第1の電位接点と電気的に結合可能であり、又は結合される。DC-DCコンバータの入力側の電位接点は、第1のコンデンサの電気的な接続接点とそれぞれ電気的に結合される。DC-DCコンバータの出力側の電気的な電位接点は、第2のコンデンサの電気的な接続接点とそれぞれ電気的に結合可能であり、又は結合される。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】DE102018004498A1
【特許文献2】DE102018002926A1
【特許文献3】DE102019008825A1
【特許文献4】DE102019008835A1
【特許文献5】DE102021003831
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
本発明の課題は、従来技術に比べて改善された、車両の高電圧車載電装システムのためのコンポーネント配置構成を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0008】
この課題は、本発明に基づき、請求項1の特徴を有する、車両の高電圧車載電装システムのためのコンポーネント配置構成によって解決される。
【0009】
本発明の有利な実施形態は、従属請求項の対象である。
【0010】
車両の高電圧車載電装システムのためのコンポーネント配置構成では、本発明によると、複数の電気コンポーネントについて共通のEMCフィルタと共通の中間回路とが設けられ、これらの電気コンポーネントは共通のEMCフィルタ及び共通の中間回路とともに共通のハウジングの中に配置される。略語EMCは電磁両立性を意味する。
【0011】
ハウジングを有し、且つハウジングの中に電気コンポーネントと、共通のEMCフィルタと、共通の中間回路とを有するこのユニットは、変換ボックスとも呼ばれる。
【0012】
本発明による解決法は、車両の高電圧システムの簡素化された統一的な構造を可能にする。というのも、たとえば車両を駆動するための少なくとも1つの電気式の駆動機械のためのパワーエレクトロニクス、特に車両の高電圧バッテリの交流充電のための、AC/DCコンバータとも呼ばれる整流器、及び/又はDC/DCコンバータとも呼ばれるDC-DCコンバータなど、さまざまな電気コンポーネントが共通の中間回路と共通のEMCフィルタとを共有することができるからであり、これらの部品、すなわち中間回路とEMCフィルタは、これらすべてのコンポーネントのために機能を果たすことができるように設計されている。このようにして、これらのコンポーネント自体は独自のEMCフィルタや中間回路を有さなくてすみ、いっそう小型にコンパクトに製作することができる。DC-DCコンバータは、特に車両の高電圧車載電装システムの高電圧を、車両の低電圧車載電装システムのためのいっそう低い直流電圧へと変換するための、特にLV-DC/DCコンバータとも呼ばれる低電圧DC-DCコンバータである。
【0013】
このように本発明の解決法では、車両のための高電圧システムの主要なすべてのコンポーネントが1つのハウジングの中に、すなわち1つのボックスの中に配置されて互いに接続されるという利点があり、それにより、このボックスを特に同一構造で、特に異なる車両型式についても、汎用的に利用可能である。
【0014】
以下では、本発明の実施例を、図面に基づき詳細に説明する。
【図面の簡単な説明】
【0015】
図1】車両の高電圧車載電装システムのためのコンポーネント配置構成の1つの実施形態を模式的に示す。
図2】車両の高電圧車載電装システムのためのコンポーネント配置構成の別の実施形態を模式的に示す。
図3】車両の高電圧車載電装システムのためのコンポーネント配置構成の実施形態を模式的に示す。
【発明を実施するための形態】
【0016】
いずれの図においても、相互に対応する部分には、同一の参照符号を付している。
【0017】
図1から図3は、車両の高電圧車載電装システムのためのコンポーネント配置構成1の3つの実施形態を例示として示している。
【0018】
コンポーネント配置構成1の図示したいずれの実施形態においても、複数の電気コンポーネントについて共通のEMCフィルタ2と共通の中間回路3とが設けられており、これらの電気コンポーネントKは、共通のEMCフィルタ2及び共通の中間回路3とともに、共通のハウジング4の中に配置されている。
【0019】
このとき図2は、共通の中間回路3のコンデンサとしての考えられる構成に関して、図1に示す実施形態の具体化を示している。図3に示す実施形態の共通の中間回路3も、同じくそのように構成されていてよい。
【0020】
ハウジング4を有し、且つハウジング4の中に電気コンポーネントKと、共通のEMCフィルタ2と、共通の中間回路3とを有するユニットは、変換ボックスとも呼ばれる。
【0021】
記載している解決法は、車両の高電圧システムの簡素化された統一的な構造を可能にする。というのも、それぞれ異なる電気コンポーネントKが、中間回路3と共通のEMCフィルタ2とを共有することができるからであり、これらの部品は、すなわち中間回路3と共通のEMCフィルタ2は、これらすべてのコンポーネントKのために機能を果たすことができるように設計される。このようにして、これらのコンポーネントK自体は独自のEMCフィルタや中間回路を有さなくてすみ、いっそう小型にコンパクトに製作することができる。記載している解決法では、車両のための高電圧システムの主要なすべての構成要素が1つのハウジング4の中に、すなわち1つのボックスの中に配置されて互いに接続されるという利点があり、それにより、このボックスを特に同一構造で、特に異なる車両型式についても、汎用的に利用可能である。
【0022】
共通のEMCフィルタ2と共通の中間回路3とが設けられる電気コンポーネントKは、例示として図1に示すように、車両を駆動するための少なくとも1つの電気式の駆動機械のためのパワーエレクトロニクス5、特に車両の高電圧バッテリ7の交流充電のための、AC/DCコンバータとも呼ばれる整流器6、及びDC/DCコンバータとも呼ばれるDC-DCコンバータ8である。DC-DCコンバータ8は、特に車両の高電圧車載電装システムの高電圧を、車両の低電圧車載電装システムのためのいっそう低い直流電圧へと変換するための、特にLV-DC/DCコンバータとも呼ばれる低電圧DC-DCコンバータである。少なくとも1つの電気式の駆動機械のためのパワーエレクトロニクス5は、図1及び2に1本の斜線で模式的に示すようにガルバニック結合を有しており、整流器6並びにDC-DCコンバータ8は、図1及び2に2本の斜線で模式的に示すように、ガルバニック絶縁をそれぞれ有している。
【0023】
任意選択として、それぞれのコンポーネントKの出力部に別のEMCフィルタ9が配置されることが意図されていてよく、すなわち、1つ又は複数の、又はすべてのコンポーネントKが、それぞれの出力部にそれぞれ独自の別のEMCフィルタ9を有していてよい。このとき、それぞれのこの別のEMCフィルタ9は、共通のハウジング4の中に、又は共通のハウジング4の外に配置されていてよい。
【0024】
図1及び図2に示す実施形態では、少なくとも1つの電気式の駆動機械のためのパワーエレクトロニクス5、整流器6、及びDC-DCコンバータ8は、それぞれの出力部に、すなわち駆動機械接続部10ないし交流充電接続部11ないし低電圧車載電装システム接続部12の方向にそのような別のEMCフィルタ9を有している。図示した例では、この別のEMCフィルタ9はハウジング4の中に配置されている。別の実施形態では、たとえばそれぞれの別のEMCフィルタ9が、すなわち別のEMCフィルタ9のうちの1つ、2つ、又は3つ全部がハウジング4の外に配置されることが意図されていてよい。このようにして、たとえば必要な場合にこれらを追加的に設けることができ、そのために、ハウジング4に統合されているユニットに関して変更を行う必要がない。
【0025】
図3は、高電圧バッテリ7の交流充電のためのAC/DCコンバータとも呼ばれる整流器6について別個のコンポーネントKを設けるのでなく、少なくとも1つの電気式の駆動機械のためのパワーエレクトロニクス5の周波数変換器がこの機能を同様に引き受けている別の実施形態を示している。交流充電の機能、及びインバータ又は周波数変換器とも呼ぶ機械逆変換装置の機能は、ここでは特に半導体回路によって具体化される。少なくとも1つの電気式の駆動機械のためのパワーエレクトロニクス5は、1本の斜線で模式的に示すようにガルバニック結合を有するのが好ましく、DC-DCコンバータ8は、2本の斜線で模式的に示すようにガルバニック絶縁を有する。
【0026】
図3に示す実施形態の場合、周波数変換器が追加的に交流充電のために利用される、少なくとも1つの電気式の駆動機械のためのパワーエレクトロニクス5、並びにDC-DCコンバータ8は、それぞれの出力部に、すなわち駆動機械接続部10ないし交流充電接続部11ないし低電圧車載電装システム接続部12の方向に別のEMCフィルタ9を有している。この場合にも、この別のEMCフィルタ9はハウジング4の中に配置されている。別の実施形態では、たとえばそれぞれの別のEMCフィルタ9が、すなわち別のEMCフィルタ9のうちの1つ、2つ、又は3つ全部がハウジング4の外に配置されるように意図されていてよい。このようにして、たとえば必要な場合にこれらを追加的に設けることができ、そのために、ハウジング4に統合されているユニットに関して変更を行う必要がない。
【0027】
図3に示す実施形態では、少なくとも1つの電気式の駆動機械のためのパワーエレクトロニクス5の出力部に、交流充電機能を具体化するための交流充電接続部11の方向に、図示した例では少なくとも1つの電気式の駆動機械のためのパワーエレクトロニクス5と別のEMCフィルタ9との間に配置された安全性ユニット13が設けられている。この安全性ユニット13は、安全性とEMCの規格を順守するための役目を果たす。ガルバニック結合は、たとえば非常停止やPE漏れ電流の中性化などの追加の方策を必要とする。
【0028】
ここには図示しない別の実施形態では、たとえば、交流充電機能が統合されないことが意図されていてよい。その場合、共通の中間回路3及び共通のEMCフィルタ2を共有するコンポーネントKは、少なくとも1つの電気式の駆動機械のためのパワーエレクトロニクス5、及び特にLV-DC/DCコンバータとも呼ばれるDC-DCコンバータ8だけになる。
【0029】
上述したように、上に挙げたコンポーネントKは直流側で、共通の中間回路3と共通のEMCフィルタ2とを共有する。これらは更に、直流充電接続部14及び高電圧バッテリ7に対して分離可能な出力部を有する。そのための分離部材15は、たとえば半導体ヒューズ又は接触器/CSIDとしてそれぞれ構成される。このとき、たとえばそれぞれ1つの半導体ヒューズが両方の極に、又は接触器/ヒューズの組合せが両方の極に、又はそれぞれ1つの接触器/CSIDが両方の極に、又は1つの接触器が一方の極及び1つの半導体ヒューズが他方の極に設けられていてよい。
【0030】
コンポーネントK、すなわち図1及び図2に示す実施形態では少なくとも1つの電気式の駆動機械のためのパワーエレクトロニクス5、整流器6、DC-DCコンバータ8、また図3に示す実施形態では少なくとも1つの電気式の駆動機械のためのパワーエレクトロニクス5とDC-DCコンバータ8は、特に、それぞれ半導体コンポーネントとして構成される。
【0031】
これに加えていずれの実施形態でも、同じくハウジング4の中に配置されるマイクロコントローラ16が設けられる。このマイクロコントローラ16も、特に半導体コンポーネントとして構成される。
【0032】
共通の中間回路3と共通のEMCフィルタ2は、特に、それぞれパッシブな構成部品として構成される。
【0033】
分離部材15は、特にそれぞれパッシブな半導体コンポーネントとして、たとえば半導体ヒューズとして構成される。その代替として分離部材15は、たとえば接触器又はCSIDとして製作されていてよく、これは上記と異なり機械式の構成部品である。
【0034】
それぞれの別のEMCフィルタ9は、それが設けられる場合、特にパッシブな構成部品として構成される。
【0035】
上で説明した、特にハウジング4の中に配置される、コンポーネント配置構成1の各構成要素、特に変換ボックス、特に上で説明したコンポーネントKは、高集積パワーエレクトロニクスの形態で一緒に具体化され、すなわち、コンポーネント配置構成1は、特にハウジング4の中に個々の構成要素を有するのではなく、高集積パワーエレクトロニクスを有する。
【0036】
上述した解決法は、たとえば電気的な切換、充電、変換、整流などの高電圧機能性のコンパクトな集積化を可能にし、このことは、たとえばいっそうコンパクトな設計形態及び/又はコスト削減も可能にする。
【0037】
上述した解決法は、すべての高電圧機能性のために、特に切換、充電、変換、整流のために共通の設計スペースを利用するという利点がある。共通のEMCフィルタ2や、中間回路キャパシタンス、すなわち共通の中間回路3などのパッシブな構成部品を共同で利用することで、相乗効果が利用される。それによってコンパクトな設計形態が可能となる。機械式のヒューズ部材/断路部材が、特に接触器が、高電圧バッテリ7からの分離のための半導体スイッチによって代替されることで、切換の機能のための機械式の構成部品が不要となる。特に切換、変換、充電、整流などのすべての中核機能を具体化するために、パワーエレクトロニクス半導体が利用されるのが好ましい。すべての主要な機能がこのように半導体によって具体化されることで、高い半導体集積度を実現することができる。特別装備などに基づく、たとえば交流充電の特別装備に基づく機能バリエーション及び/又は追加機能の具体化は、従来のようにハードウェアの変更を通じてではなく、ソフトウェア側で行われるのが好ましい。なぜなら、高電圧パワーエレクトロニクス全体から、個々の機能を取り外すことは可能でないからである。更に、それによって車両製造後にも、機能を購入してリリースすることができる。
【0038】
共通のEMCフィルタ2をすべての機能性に利用できるようにするために、個々の半導体グループの制御が相互に調整されるのが好ましい。
【0039】
すでに述べたとおり、上述した解決法は、特に切換、充電、変換整流などのすべての高電圧機能性のために共通の設計スペースを利用するという利点がある。図3に示す実施形態では、パッシブな構成部品における相乗効果が利用されるだけでなく、これに加えて、モータ制御及び交流充電機能性のために半導体回路が利用される。すなわちパッシブな構成部品における相乗効果に追加して、モータ制御及び交流充電機能性のために半導体回路のレベルでの相乗効果も利用される。駆動部の変換器や交流充電のためのアクティブな構成部品においてもこのように相乗効果が追加的に利用されることで、いっそうコンパクトな設計形態と追加のコスト削減が可能である。特に交流充電機能や、少なくとも1つの電気式の駆動機械による走行機能などの異なる機能を融合して、上位のエネルギー変換の機能にすることは、二次電池式の車両分野で高集積化へと向かうトレンドの一貫した発展形態であり、半導体開発のトレンドを考慮に入れている。
【0040】
その場合にも、たとえば特別装備に基づく機能バリエーションの具体化は、従来のようにハードウェアの変更を通じてではなく、ソフトウェア側で行われるのが好ましい。これは、高電圧パワーエレクトロニクス全体から、個々の機能を取り外すことは可能でないからである。それにより、図1及び2に示す他の実施形態の場合と同じく、この場合にも、統一的な高電圧パワーエレクトロニクスをさまざまな車両モデルシリーズについて利用することが可能となり、それによって明らかなコストのメリットが実現される。
【0041】
この場合にも、共通のEMCフィルタ2をすべての機能性に利用できるようにするために、個々の半導体グループの制御が相互に調整されるのが好ましい。
【符号の説明】
【0042】
1 コンポーネント配置構成
2 共通のEMCフィルタ
3 中間回路
4 ハウジング
5 パワーエレクトロニクス
6 整流器
7 高電圧バッテリ
8 DC-DCコンバータ
9 別のEMCフィルタ
10 駆動機械接続部
11 交流充電接続部
12 低電圧車載電装システム接続部
13 安全性ユニット
14 直流充電接続部
15 分離部材
16 マイクロコントローラ
K コンポーネント
図1
図2
図3
【手続補正書】
【提出日】2024-06-17
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
車両の高電圧車載電装システムのためのコンポーネント配置構成(1)であって、
複数の電気コンポーネント(K)について共通のEMCフィルタ(2)と共通の中間回路(3)とが設けられ、これらの電気コンポーネント(K)は前記共通のEMCフィルタ(2)及び前記共通の中間回路(3)とともに共通のハウジング(4)の中に配置される、前記コンポーネント配置構成(1)において、
前記複数の電気コンポーネント(K)は、前記共通のEMCフィルタ(2)及び前記共通の中間回路(3)を伴って、並列に相互接続されており、それ以外にはそれらの間に電気的な接続がないことを特徴とする、前記コンポーネント配置構成(1)。
【請求項2】
前記共通のEMCフィルタ(2)及び前記共通の中間回路(3)が設けられる前記電気コンポーネント(K)は、前記車両を駆動するための少なくとも1つの電気式の駆動機械のためのパワーエレクトロニクス(5)、整流器(6)、及び/又はDC-DCコンバータ(8)であることを特徴とする、請求項1に記載のコンポーネント配置構成(1)。
【請求項3】
それぞれの前記コンポーネント(K)の出力部に別のEMCフィルタ(9)が配置されることを特徴とする、請求項1又は2に記載のコンポーネント配置構成(1)。
【請求項4】
それぞれの前記別のEMCフィルタ(9)は前記共通のハウジング(4)の中に、又は前記共通のハウジング(4)の外に配置されることを特徴とする、請求項3に記載のコンポーネント配置構成(1)。
【請求項5】
前記共通の中間回路(3)はコンデンサとして構成されることを特徴とする、請求項1又は2に記載のコンポーネント配置構成(1)。
【国際調査報告】