(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-10-31
(54)【発明の名称】BCMAを標的とする、多発性骨髄腫のためのCAR-T細胞療法関連出願の相互参照
(51)【国際特許分類】
A61K 35/17 20150101AFI20241024BHJP
A61K 47/64 20170101ALI20241024BHJP
A61P 35/00 20060101ALI20241024BHJP
A61K 45/00 20060101ALI20241024BHJP
A61P 43/00 20060101ALI20241024BHJP
A61K 31/4439 20060101ALI20241024BHJP
A61K 39/395 20060101ALI20241024BHJP
A61K 31/573 20060101ALI20241024BHJP
A61K 31/675 20060101ALI20241024BHJP
A61K 31/7076 20060101ALI20241024BHJP
A61K 31/167 20060101ALI20241024BHJP
A61K 31/135 20060101ALI20241024BHJP
A61K 47/65 20170101ALI20241024BHJP
A61P 25/00 20060101ALI20241024BHJP
A61K 38/02 20060101ALI20241024BHJP
【FI】
A61K35/17
A61K47/64
A61P35/00
A61K45/00
A61P43/00 121
A61P43/00 111
A61K31/4439
A61K39/395 N
A61K31/573
A61P43/00 105
A61K31/675
A61K31/7076
A61K31/167
A61K31/135
A61K47/65
A61P25/00
A61K38/02
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2024526511
(86)(22)【出願日】2022-11-03
(85)【翻訳文提出日】2024-06-12
(86)【国際出願番号】 US2022079216
(87)【国際公開番号】W WO2023081752
(87)【国際公開日】2023-05-11
(31)【優先権主張番号】PCT/CN2021/128578
(32)【優先日】2021-11-04
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
(32)【優先日】2021-11-04
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】523202185
【氏名又は名称】ヤンセン バイオテック, インク.
(71)【出願人】
【識別番号】522232824
【氏名又は名称】ナンジン レジェンド バイオテック シーオー., エルティーディー.
(71)【出願人】
【識別番号】523322298
【氏名又は名称】レジェンド バイオテック ユーエスエー インク.
(74)【代理人】
【識別番号】100097456
【氏名又は名称】石川 徹
(72)【発明者】
【氏名】ムハンマド アクラム
(72)【発明者】
【氏名】ケビン デブラガンサ
(72)【発明者】
【氏名】シャオフー ファン
(72)【発明者】
【氏名】ドング ゲング
(72)【発明者】
【氏名】トニア ネシェワット
(72)【発明者】
【氏名】リダ パコー
(72)【発明者】
【氏名】ジョーダン シェクター
(72)【発明者】
【氏名】ヘレン バルソス
(72)【発明者】
【氏名】エンリケ ズダイレ ウバニ
【テーマコード(参考)】
4C076
4C084
4C085
4C086
4C087
4C206
【Fターム(参考)】
4C076AA95
4C076BB01
4C076BB13
4C076CC01
4C076CC27
4C076CC41
4C076EE41
4C076EE59
4C076FF70
4C084AA02
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4C084ZB26
4C084ZC41
4C084ZC75
4C085AA14
4C085BB11
4C085DD62
4C085EE01
4C085EE03
4C085GG02
4C085GG08
4C086AA01
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4C086BC22
4C086DA35
4C086EA18
4C086GA07
4C086GA08
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4C086MA04
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4C086MA66
4C086NA13
4C086ZA01
4C086ZB26
4C086ZC75
4C087AA01
4C087AA02
4C087BB43
4C087BB65
4C087CA16
4C087MA02
4C087MA52
4C087MA66
4C087NA13
4C087ZA02
4C087ZB26
4C087ZC41
4C087ZC75
4C206AA01
4C206AA02
4C206FA05
4C206GA02
4C206GA31
4C206MA01
4C206MA02
4C206MA03
4C206MA04
4C206MA83
4C206MA86
4C206NA13
4C206ZA02
4C206ZB26
4C206ZC41
4C206ZC75
(57)【要約】
本明細書は、多発性骨髄腫に罹患しており、以前の治療を受け、且つ治療の選択肢が限られている被験者を治療する方法を提供する。ポリペプチドを含有する抗BCMA CARを含むキメラ抗原受容体(CAR)-T細胞の注入を被験者に投与する。いくつかの実施例において、被験者に投与されるCAR-T細胞の用量は、1.0 × 10
5~5.0 × 10
6個のCAR-T細胞/キログラムの被験者の質量である。治療方法は、微小残存病変の陰性状態並びに有効性及び安全性に関連する他の有益な臨床結果を効果的に得て維持する。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
被験者を治療する方法であって、前記方法は、前記被験者に、キメラ抗原受容体(CAR)を含む治療有効量のT細胞を含む組成物を投与することを含み、前記キメラ抗原受容体は、
(a)
(1) 配列番号18のアミノ酸配列を含有する第1の相補性決定領域(CDR1)と、配列番号19のアミノ酸配列を含有する第2の相補性決定領域(CDR2)と、配列番号20のアミノ酸配列を含有する第3の相補性決定領域(CDR3)とを含む第1の抗BCMA結合部分と、
(2) 配列番号21のアミノ酸配列を含有する第1の相補性決定領域(CDR1)と、配列番号22のアミノ酸配列を含有する第2の相補性決定領域(CDR2)と、配列番号23のアミノ酸配列を含有する第3の相補性決定領域(CDR3)とを含む第2のBCMA結合部分とを含む細胞外抗原結合ドメインと、
(b) 膜貫通ドメインと、
(c) 細胞内シグナル伝達ドメインとを含み、
それにより、CARを発現するT細胞(CAR-T細胞)を一定の用量で前記被験者に送達し、
ここで、前記被験者は、
(i) 多発性骨髄腫に罹患しており、
(ii) すでに1種類、2種類又は3種類の以前の治療ラインによる以前の治療を受け、
(iii) レナリドミドに対して難治性である、方法。
【請求項2】
被験者を治療する方法であって、前記方法は、前記被験者に、キメラ抗原受容体(CAR)を含む治療有効量のT細胞を含む組成物を投与することを含み、前記キメラ抗原受容体は、
(a)
(1) 配列番号18のアミノ酸配列を含有する第1の相補性決定領域(CDR1)と、配列番号19のアミノ酸配列を含有する第2の相補性決定領域(CDR2)と、配列番号20のアミノ酸配列を含有する第3の相補性決定領域(CDR3)とを含む第1の抗BCMA結合部分と、
(2) 配列番号21のアミノ酸配列を含有する第1の相補性決定領域(CDR1)と、配列番号22のアミノ酸配列を含有する第2の相補性決定領域(CDR2)と、配列番号23のアミノ酸配列を含有する第3の相補性決定領域(CDR3)とを含む第2のBCMA結合部分とを含む細胞外抗原結合ドメインと、
(b) 膜貫通ドメインと、
(c) 細胞内シグナル伝達ドメインとを含み、
それにより、CARを発現するT細胞(CAR-T細胞)を一定の用量で前記被験者に送達し、
ここで、前記被験者は、
(i) 多発性骨髄腫に罹患しており、
(ii) すでに1種類の以前の治療ラインによる以前の治療を受け、前記1種類の以前の治療ラインは、プロテアソーム阻害剤と免疫調節薬物とを含む少なくとも2種類の薬物による治療を含み、
(iii) 以前に早期再発があった、方法。
【請求項3】
被験者を治療する方法であって、前記方法は、前記被験者に、キメラ抗原受容体(CAR)を含む治療有効量のT細胞を含む組成物を投与することを含み、前記キメラ抗原受容体は、
(a)
(1) 配列番号18のアミノ酸配列を含有する第1の相補性決定領域(CDR1)と、配列番号19のアミノ酸配列を含有する第2の相補性決定領域(CDR2)と、配列番号20のアミノ酸配列を含有する第3の相補性決定領域(CDR3)とを含む第1の抗BCMA結合部分と、
(2) 配列番号21のアミノ酸配列を含有する第1の相補性決定領域(CDR1)と、配列番号22のアミノ酸配列を含有する第2の相補性決定領域(CDR2)と、配列番号23のアミノ酸配列を含有する第3の相補性決定領域(CDR3)とを含む第2のBCMA結合部分とを含む細胞外抗原結合ドメインと、
(b) 膜貫通ドメインと、
(c) 細胞内シグナル伝達ドメインとを含み、
それにより、CARを発現するT細胞(CAR-T細胞)を一定の用量で前記被験者に送達し、
ここで、前記被験者は、
(i) 多発性骨髄腫に罹患しており、
(ii) すでに少なくとも1種類の以前の治療ラインを受け、前記少なくとも1種類の以前の治療ラインは、非細胞BCMA標的薬物を含む少なくとも4種類の薬物による治療を含む、方法。
【請求項4】
前記被験者は、少なくとも1種類の以前の治療ラインによる以前の治療を受け、前記少なくとも1種類の以前の治療ラインは、レナリドミド及び少なくとも1種類の非レナリドミド薬物による治療を含み、前記少なくとも1種類の非レナリドミド薬物は、
(a) プロテアソーム阻害剤、
(b) 免疫調節薬、又は
(c) 抗CD38抗体のうちの少なくとも一つを含む、請求項1に記載の方法。
【請求項5】
前記被験者は、少なくとも2種類の以前の治療ラインによる以前の治療を受けた、請求項4に記載の方法。
【請求項6】
前記被験者は、3種類の以前の治療ラインによる以前の治療を受けた、請求項5に記載の方法。
【請求項7】
前記被験者は、デキサメタゾン、アルキル化剤又はダラツムマブによる以前の治療を受けた、請求項1に記載の方法。
【請求項8】
前記多発性骨髄腫は、最後の治療ラインに対して難治性である、請求項1に記載の方法。
【請求項9】
前記被験者は、前記1種類、2種類又は3種類の以前の治療ライン後に再発した、請求項1に記載の方法。
【請求項10】
前記多発性骨髄腫は、3種類の薬物に対して難治性である、請求項1に記載の方法。
【請求項11】
前記方法は、前記CAR-T細胞の前記投与後に、骨髄において評定される前記被験者の微小残存病変(MRD)陰性状態を効果的に得る、請求項1に記載の方法。
【請求項12】
前記微小残存病変(MRD)陰性状態は、前記CAR-T細胞の前記投与後約29日から約184日までの第1の追跡期間に得られる、請求項11に記載の方法。
【請求項13】
前記方法は、前記CAR-T細胞の前記投与後約57日から約191日までの第2の追跡期間に、前記骨髄において評定される前記被験者の前記微小残存病変(MRD)陰性状態を効果的に維持し、さらにここで、前記第1の追跡期間は前記第2の追跡期間より早い、請求項12に記載の方法。
【請求項14】
前記方法は、10
-4、10
-5又は10
-6の感度閾値レベルにおいて約24%~約61%の比率で、前記微小残存病変(MRD)陰性状態を効果的に得る、請求項11に記載の方法。
【請求項15】
前記方法は、10
-4、10
-5又は10
-6の感度閾値レベルにおいて約41%の比率で、前記微小残存病変(MRD)陰性状態を効果的に得る、請求項11に記載の方法。
【請求項16】
前記方法は、10
-5の感度閾値レベルにおいて、評価可能な試料を有する被験者において、約64%~約99%の比率で前記微小残存病変(MRD)陰性状態を効果的に得る、請求項11に記載の方法。
【請求項17】
前記方法は、10
-5の感度閾値レベルにおいて、評価可能な試料を有する被験者において、約92%の比率で前記微小残存病変(MRD)陰性状態を効果的に得る、請求項11に記載の方法。
【請求項18】
前記方法は、前記CAR-T細胞の前記投与後、前記被験者の少なくとも1種類の奏効を効果的に得、ここで、前記少なくとも1種類の奏効は、良いものから悪いものへの順序で、
(i) 厳格な完全奏効、
(ii) 完全奏効、
(iii) 最良部分奏効、
(iv) 部分奏効、又は、
(v) 最小奏効を含む、請求項1に記載の方法。
【請求項19】
前記方法は、前記CAR-T細胞の前記投与後約21日から約99日までの期間前に、初回奏効を効果的に得る、請求項18に記載の方法。
【請求項20】
前記方法は、前記CAR-T細胞の前記投与後約21日から約55日までの期間前に、初回奏効を効果的に得る、請求項18に記載の方法。
【請求項21】
前記方法は、前記CAR-T細胞の前記投与後約36日前に、初回奏効を効果的に得る、請求項18に記載の方法。
【請求項22】
前記方法は、前記CAR-T細胞の前記投与後約30日前に、初回奏効を効果的に得る、請求項18に記載の方法。
【請求項23】
前記方法は、最小奏効、部分奏効、最良部分奏効、完全奏効又は厳格な完全奏効のうちのいずれか一つの最良効果を効果的に得る、請求項18に記載の方法。
【請求項24】
前記方法は、約52%~約87%の比率で、前記最小奏効、部分奏効、最良部分奏効、完全奏効又は厳格な完全奏効のうちのいずれか一つの最良効果を効果的に得る、請求項23に記載の方法。
【請求項25】
前記方法は、約72%の比率で、前記最小奏効、部分奏効、最良部分奏効、完全奏効又は厳格な完全奏効のうちのいずれか一つの最良効果を効果的に得る、請求項23に記載の方法。
【請求項26】
前記方法は、部分奏効、最良部分奏効、完全奏効又は厳格な完全奏効のうちのいずれか一つの最良効果を効果的に得る、請求項18に記載の方法。
【請求項27】
前記方法は、約49%~約84%の比率で、前記部分奏効、最良部分奏効、完全奏効又は厳格な完全奏効のうちのいずれか一つの最良効果を効果的に得る、請求項26に記載の方法。
【請求項28】
前記方法は、約69%の比率で、前記部分奏効、最良部分奏効、完全奏効又は厳格な完全奏効のうちのいずれか一つの最良効果を効果的に得る、請求項26に記載の方法。
【請求項29】
前記方法は、最良部分奏効、完全奏効又は厳格な完全奏効のうちのいずれか一つの最良効果を効果的に得る、請求項18に記載の方法。
【請求項30】
前記方法は、約49%~約84%の比率で、前記最良部分奏効、完全奏効又は厳格な完全奏効のうちのいずれか一つの最良効果を効果的に得る、請求項29に記載の方法。
【請求項31】
前記方法は、約69%の比率で、前記最良部分奏効、完全奏効又は厳格な完全奏効のうちのいずれか一つの最良効果を効果的に得る、請求項29に記載の方法。
【請求項32】
前記方法は、完全奏効又は厳格な完全奏効の最良効果を効果的に得る、請求項18に記載の方法。
【請求項33】
前記方法は、約39%~約76%の比率で、前記完全奏効又は厳格な完全奏効の最良効果を効果的に得る、請求項32に記載の方法。
【請求項34】
前記方法は、約58%の比率で、前記完全奏効又は厳格な完全奏効の最良効果を効果的に得る、請求項32に記載の方法。
【請求項35】
前記方法は、厳格な完全奏効の最良効果を効果的に得る、請求項18に記載の方法。
【請求項36】
前記方法は、約33%~約70%の比率で、前記厳格な完全奏効の最良効果を効果的に得る、請求項35に記載の方法。
【請求項37】
前記方法は、約52%の比率で、前記厳格な完全奏効の最良効果を効果的に得る、請求項35に記載の方法。
【請求項38】
前記方法は、前記被験者の無増悪生存期間を効果的に得る、請求項1に記載の方法。
【請求項39】
前記方法は、前記CAR-T細胞の前記投与から前記CAR-T細胞の前記投与後約55日までの期間に、前記被験者の前記無増悪生存期間を効果的に得る、請求項38に記載の方法。
【請求項40】
前記方法は、前記CAR-T細胞の前記投与から前記CAR-T細胞の前記投与後約297日までの期間に、前記被験者の前記無増悪生存期間を効果的に得る、請求項38に記載の方法。
【請求項41】
前記方法は、前記CAR-T細胞の前記投与後約6ヶ月又は約9ヶ月の追跡期間に、約62%~約95%の比率で前記無増悪生存期間を効果的に得る、請求項38に記載の方法。
【請求項42】
前記方法は、前記CAR-T細胞の前記投与後約6ヶ月又は約9ヶ月の追跡期間に、約86%の比率で前記無増悪生存期間を効果的に得る、請求項38に記載の方法。
【請求項43】
前記方法は、前記CAR-T細胞の前記投与から約3日を超えて前記被験者のサイトカイン放出症候群を治療することをさらに含む、請求項1に記載の方法。
【請求項44】
前記方法は、前記サイトカイン放出症候群が初めて観察されてから約7日の期間に、前記サイトカイン放出症候群の約1%~約90%の回復率を効果的に得る、請求項43に記載の方法。
【請求項45】
前記方法は、免疫エフェクター細胞に関連する神経毒性の約20%~約99%の比率を効果的に得る、請求項1に記載の方法。
【請求項46】
前記方法は、前記CAR-T細胞の前記投与後約27日から約237日までの期間前に、前記最良効果を効果的に得る、請求項23~37のいずれか一項に記載の方法。
【請求項47】
前記方法は、前記CAR-T細胞の前記投与後約46日から約172日までの期間前に、前記最良効果を効果的に得る、請求項23~37のいずれか一項に記載の方法。
【請求項48】
前記方法は、前記CAR-T細胞の前記投与後約109日前に、前記最良効果を効果的に得る、請求項23~37のいずれか一項に記載の方法。
【請求項49】
前記方法は、前記CAR-T細胞の前記投与後約87日前に、前記最良効果を効果的に得る、請求項23~37のいずれか一項に記載の方法。
【請求項50】
前記方法は、前記初回奏効の時点から前記CAR-T細胞の前記投与後約270日までの追跡期間に、前記被験者における奏効を効果的に維持する、請求項19~22のいずれか一項に記載の方法。
【請求項51】
前記方法は、前記CAR-T細胞の前記投与後約6ヶ月の追跡期間に、約70%~約99%の比率で奏効を効果的に維持する、請求項18~37のいずれか一項に記載の方法。
【請求項52】
前記方法は、前記CAR-T細胞の前記投与後約6ヶ月の追跡期間に、約95%の比率で奏効を効果的に維持する、請求項18~37のいずれか一項に記載の方法。
【請求項53】
前記方法は、前記CAR-T細胞の前記投与後約9ヶ月の追跡期間に、約7%~約92%の比率で奏効を効果的に維持する、請求項18~37のいずれか一項に記載の方法。
【請求項54】
前記方法は、前記CAR-T細胞の前記投与後約9ヶ月の追跡期間に、約63%の比率で奏効を効果的に維持する、請求項18~37のいずれか一項に記載の方法。
【請求項55】
さらに、前記方法は、前記CAR-T細胞の前記投与時点から前記CAR-T細胞の前記投与後約3ヶ月までの間に、10
-5の感度閾値レベルにおいて、前記骨髄において評定される前記被験者の微小残存病変(MRD)陰性状態を効果的に得る、請求項32~37のいずれか一項に記載の方法。
【請求項56】
前記方法は、前記CAR-T細胞の前記投与後約291日間の追跡期間に、約18%~約54%の比率で、微小残存病変(MRD)陰性の完全奏効又は微小残存病変(MRD)陰性の厳格な完全奏効を効果的に得る、請求項55に記載の方法。
【請求項57】
前記方法は、前記CAR-T細胞の前記投与後約291日間の追跡期間に、約35%の比率で、微小残存病変(MRD)陰性の完全奏効又は微小残存病変(MRD)陰性の厳格な完全奏効を効果的に得る、請求項55に記載の方法。
【請求項58】
前記被験者は、さらに抗CD38抗体で治療される、請求項2に記載の方法。
【請求項59】
前記多発性骨髄腫は、少なくとも1種類の薬物に対して難治性である、請求項2に記載の方法。
【請求項60】
前記方法は、前記CAR-T細胞の前記投与後に、前記骨髄において評定される前記被験者の微小残存病変(MRD)陰性状態を効果的に得る、請求項2に記載の方法。
【請求項61】
前記微小残存病変(MRD)陰性状態は、前記CAR-T細胞の前記投与後約35日から約58日までの第1の追跡期間に、前記骨髄において評定される、請求項60に記載の方法。
【請求項62】
前記方法は、前記CAR-T細胞の前記投与後約78日から約359日までの第2の追跡期間に、前記骨髄において評定される前記被験者の前記微小残存病変(MRD)陰性状態を効果的に維持し、さらにここで、前記第1の追跡期間は前記第2の追跡期間より早い、請求項61に記載の方法。
【請求項63】
前記方法は、10
-4又は10
-5の感度閾値レベルにおいて約26%~約74%の比率で、又は10
-6の感度閾値レベルにおいて約17%~約64%の比率で、前記微小残存病変(MRD)陰性状態を効果的に得る、請求項60に記載の方法。
【請求項64】
前記方法は、10
-4又は10
-5の感度閾値レベルにおいて約50%の比率で、又は10
-6の感度閾値レベルにおいて約39%の比率で、前記微小残存病変(MRD)陰性状態を効果的に得る、請求項60に記載の方法。
【請求項65】
前記方法は、10
-5の感度閾値レベルにおいて、評価可能な試料を有する被験者において、約66%~約100%の比率で前記微小残存病変(MRD)陰性状態を効果的に得る、請求項60に記載の方法。
【請求項66】
前記方法は、10
-5の感度閾値レベルにおいて、評価可能な試料を有する被験者において、約100%の比率で前記微小残存病変(MRD)陰性状態を効果的に得る、請求項60に記載の方法。
【請求項67】
前記方法は、前記CAR-T細胞の前記投与後、前記被験者の少なくとも1種類の奏効を効果的に得、ここで、前記少なくとも1種類の奏効は、良いものから悪いものへの順序で、
(i) 厳格な完全奏効、
(ii) 完全奏効、
(iii) 最良部分奏効、
(iv) 部分奏効、又は、
(v) 最小奏効を含む、請求項2に記載の方法。
【請求項68】
前記方法は、前記CAR-T細胞の前記投与後約27日から約78日の間の期間前に、初回奏効を有効に得る、請求項67に記載の方法。
【請求項69】
前記方法は、前記CAR-T細胞の前記投与後約27日から約47日の間の期間前に、初回奏効を有効に得る、請求項67に記載の方法。
【請求項70】
前記方法は、前記CAR-T細胞の前記投与後約33日前に、初回奏効を効果的に得る、請求項67に記載の方法。
【請求項71】
前記方法は、前記CAR-T細胞の前記投与後約28日前に、初回奏効を効果的に得る、請求項67に記載の方法。
【請求項72】
前記方法は、最小奏効、部分奏効、最良部分奏効、完全奏効又は厳格な完全奏効のうちのいずれか一つの最良効果を効果的に得る、請求項67に記載の方法。
【請求項73】
前記方法は、約65%~約99%の比率で、前記最小奏効、部分奏効、最良部分奏効、完全奏効又は厳格な完全奏効のうちのいずれか一つの最良効果を効果的に得る、請求項72に記載の方法。
【請求項74】
前記方法は、約89%の比率で、前記最小奏効、部分奏効、最良部分奏効、完全奏効又は厳格な完全奏効のうちのいずれか一つの最良効果を効果的に得る、請求項72に記載の方法。
【請求項75】
前記方法は、部分奏効、最良部分奏効、完全奏効又は厳格な完全奏効のうちのいずれか一つの最良効果を効果的に得る、請求項67に記載の方法。
【請求項76】
前記方法は、約65%~約99%の比率で、前記部分奏効、最良部分奏効、完全奏効又は厳格な完全奏効のうちのいずれか一つの最良効果を効果的に得る、請求項75に記載の方法。
【請求項77】
前記方法は、約89%の比率で、前記部分奏効、最良部分奏効、完全奏効又は厳格な完全奏効のうちのいずれか一つの最良効果を効果的に得る、請求項75に記載の方法。
【請求項78】
前記方法は、最良部分奏効、完全奏効又は厳格な完全奏効のうちのいずれか一つの最良効果を効果的に得る、請求項67に記載の方法。
【請求項79】
前記方法は、約41%~約87%の比率で、前記最良部分奏効、完全奏効又は厳格な完全奏効のうちのいずれか一つの最良効果を効果的に得る、請求項78に記載の方法。
【請求項80】
前記方法は、約67%の比率で、前記最良部分奏効、完全奏効又は厳格な完全奏効のうちのいずれか一つの最良効果を効果的に得る、請求項78に記載の方法。
【請求項81】
前記方法は、完全奏効又は厳格な完全奏効の最良効果を効果的に得る、請求項67に記載の方法。
【請求項82】
前記方法は、約10%~約54%の比率で、前記完全奏効又は厳格な完全奏効の最良効果を効果的に得る、請求項81に記載の方法。
【請求項83】
前記方法は、約28%の比率で、前記完全奏効又は厳格な完全奏効の最良効果を効果的に得る、請求項81に記載の方法。
【請求項84】
前記方法は、厳格な完全奏効の最良効果を効果的に得る、請求項67に記載の方法。
【請求項85】
前記方法は、約6%~約48%の比率で、前記厳格な完全奏効の最良効果を効果的に得る、請求項84に記載の方法。
【請求項86】
前記方法は、約22%の比率で、前記厳格な完全奏効の最良効果を効果的に得る、請求項84に記載の方法。
【請求項87】
前記方法は、前記被験者の無増悪生存期間を効果的に得る、請求項2に記載の方法。
【請求項88】
前記方法は、前記CAR-T細胞の前記投与から前記CAR-T細胞の前記投与後約182日までの期間に、前記被験者の前記無増悪生存期間を効果的に得る、請求項87に記載の方法。
【請求項89】
前記方法は、前記CAR-T細胞の前記投与後約6ヶ月の追跡期間に、約100%の比率で前記無増悪生存期間を効果的に得る、請求項87に記載の方法。
【請求項90】
前記方法は、前記CAR-T細胞の前記投与後約9ヶ月又は約12ヶ月の追跡期間に、約5%~約95%の比率で前記無増悪生存期間を効果的に得る、請求項87に記載の方法。
【請求項91】
前記方法は、前記CAR-T細胞の前記投与後約9ヶ月又は約12ヶ月の追跡期間に、約67%の比率で前記無増悪生存期間を効果的に得る、請求項87に記載の方法。
【請求項92】
前記方法は、前記CAR-T細胞の前記投与から約3日を超えて前記被験者のサイトカイン放出症候群を治療することをさらに含む、請求項2に記載の方法。
【請求項93】
前記方法は、前記サイトカイン放出症候群が初めて観察されてから約7日の期間に、前記サイトカイン放出症候群の約1%~約100%の回復率を効果的に得る、請求項92に記載の方法。
【請求項94】
前記方法は、前記CAR-T細胞の前記投与後約27日から約354日までの期間前に、前記最良効果を効果的に得る、請求項72~86のいずれか一項に記載の方法。
【請求項95】
前記方法は、前記CAR-T細胞の前記投与後約27日から約155日までの期間前に、前記最良効果を効果的に得る、請求項72~86のいずれか一項に記載の方法。
【請求項96】
前記方法は、前記CAR-T細胞の前記投与後約71日前に、前記最良効果を効果的に得る、請求項72~86のいずれか一項に記載の方法。
【請求項97】
前記方法は、前記CAR-T細胞の前記投与後約42日前に、前記最良効果を効果的に得る、請求項72~86のいずれか一項に記載の方法。
【請求項98】
前記方法は、前記初回奏効の時点から前記CAR-T細胞の前記投与後約156日までの追跡期間に、前記被験者における奏効を効果的に維持する、請求項68~71のいずれか一項に記載の方法。
【請求項99】
前記方法は、前記CAR-T細胞の前記投与後約6ヶ月、約9ヶ月又は約12ヶ月の追跡期間に、約5%~約95%の比率で奏効を効果的に維持する、請求項65~84のいずれか一項に記載の方法。
【請求項100】
前記方法は、前記CAR-T細胞の前記投与後約6ヶ月、約9ヶ月又は約12ヶ月の追跡期間に約67%の比率で奏効を効果的に維持する、請求項67~86のいずれか一項に記載の方法。
【請求項101】
さらに、前記方法は、前記CAR-T細胞の前記投与時点から前記CAR-T細胞の前記投与後約3ヶ月までの間に、10
-5の感度閾値レベルにおいて、前記骨髄において評定される前記被験者の微小残存病変(MRD)陰性状態を効果的に得る、請求項81~86のいずれか一項に記載の方法。
【請求項102】
前記方法は、前記CAR-T細胞の前記投与後約141日間の追跡期間に、約1%~約35%の比率で、微小残存病変(MRD)陰性の完全奏効又は微小残存病変(MRD)陰性の厳格な完全奏効を効果的に得る、請求項101に記載の方法。
【請求項103】
前記方法は、前記CAR-T細胞の前記投与後約141日間の追跡期間に、約11%の比率で、微小残存病変(MRD)陰性の完全奏効又は微小残存病変(MRD)陰性の厳格な完全奏効を効果的に得る、請求項101に記載の方法。
【請求項104】
前記被験者は、少なくとも2種類の以前の治療ラインによる以前の治療を受けた、請求項3に記載の方法。
【請求項105】
前記被験者は、少なくとも4種類の以前の治療ラインによる以前の治療を受けた、請求項3に記載の方法。
【請求項106】
前記被験者は、少なくとも8種類の以前の治療ラインによる以前の治療を受けた、請求項3に記載の方法。
【請求項107】
前記被験者は、少なくとも12種類の以前の治療ラインによる以前の治療を受けた、請求項3に記載の方法。
【請求項108】
前記被験者は、前記少なくとも1種類の以前の治療ラインの後に再発した、請求項3に記載の方法。
【請求項109】
前記方法は、前記CAR-T細胞の前記投与後に、前記骨髄において評定される前記被験者の微小残存病変(MRD)陰性状態を効果的に得る、請求項3に記載の方法。
【請求項110】
前記微小残存病変(MRD)陰性状態は、前記CAR-T細胞の前記投与後約56日から約58日までの第1の追跡期間に、前記骨髄において評定される、請求項109に記載の方法。
【請求項111】
前記方法は、前記CAR-T細胞の前記投与後約183日から約186日までの第2の追跡期間に、前記骨髄において評定される前記被験者の前記微小残存病変(MRD)陰性状態を効果的に維持し、さらにここで、前記第1の追跡期間は前記第2の追跡期間より早い、請求項110に記載の方法。
【請求項112】
前記方法は、10
-4の感度閾値レベルにおいて約9%~約49%の比率で、10
-5の感度閾値レベルにおいて約6%~約44%の比率で、又は10
-6の感度閾値レベルにおいて約1%~約31%の比率で、前記微小残存病変(MRD)陰性状態を効果的に得る、請求項109に記載の方法。
【請求項113】
前記方法は、10
-4の感度閾値レベルにおいて約25%の比率で、10
-5の感度閾値レベルにおいて約20%の比率で、又は10
-6の感度閾値レベルにおいて約10%の比率で、前記微小残存病変(MRD)陰性状態を効果的に得る、請求項109に記載の方法。
【請求項114】
前記方法は、10
-5の感度閾値レベルにおいて、評価可能な試料を有する被験者において、約22%~約96%の比率で前記微小残存病変(MRD)陰性状態を効果的に得る、請求項109に記載の方法。
【請求項115】
前記方法は、10
-5の感度閾値レベルにおいて、評価可能な試料を有する被験者において、約67%の比率で前記微小残存病変(MRD)陰性状態を効果的に得る、請求項109に記載の方法。
【請求項116】
前記方法は、前記CAR-T細胞の前記投与後、前記被験者の少なくとも1種類の奏効を効果的に得、ここで、前記少なくとも1種類の奏効は、良いものから悪いものへの順序で、
(i) 厳格な完全奏効、
(ii) 完全奏効、
(iii) 最良部分奏効、
(iv) 部分奏効、又は、
(v) 最小奏効を含む、請求項3に記載の方法。
【請求項117】
前記方法は、前記CAR-T細胞の前記投与後約27日から約153日の間の期間前に、初回奏効を有効に得る、請求項116に記載の方法。
【請求項118】
前記方法は、前記CAR-T細胞の前記投与後約27日から約88日の間の期間前に、初回奏効を有効に得る、請求項116に記載の方法。
【請求項119】
前記方法は、前記CAR-T細胞の前記投与後約43日前に、初回奏効を効果的に得る、請求項116に記載の方法。
【請求項120】
前記方法は、前記CAR-T細胞の前記投与後約28日前に、初回奏効を効果的に得る、請求項116に記載の方法。
【請求項121】
前記方法は、最小奏効、部分奏効、最良部分奏効、完全奏効又は厳格な完全奏効のうちのいずれか一つの最良効果を効果的に得る、請求項116に記載の方法。
【請求項122】
前記方法は、約23%~約69%の比率で、前記最小奏効、部分奏効、最良部分奏効、完全奏効又は厳格な完全奏効のうちのいずれか一つの最良効果を効果的に得る、請求項121に記載の方法。
【請求項123】
前記方法は、約45%の比率で、前記最小奏効、部分奏効、最良部分奏効、完全奏効又は厳格な完全奏効のうちのいずれか一つの最良効果を効果的に得る、請求項121に記載の方法。
【請求項124】
前記方法は、部分奏効、最良部分奏効、完全奏効又は厳格な完全奏効のうちのいずれか一つの最良効果を効果的に得る、請求項116に記載の方法。
【請求項125】
前記方法は、約19%~約64%の比率で、前記部分奏効、最良部分奏効、完全奏効又は厳格な完全奏効のうちのいずれか一つの最良効果を効果的に得る、請求項124に記載の方法。
【請求項126】
前記方法は、約40%の比率で、前記部分奏効、最良部分奏効、完全奏効又は厳格な完全奏効のうちのいずれか一つの最良効果を効果的に得る、請求項124に記載の方法。
【請求項127】
前記方法は、最良部分奏効、完全奏効又は厳格な完全奏効のうちのいずれか一つの最良効果を効果的に得る、請求項116に記載の方法。
【請求項128】
前記方法は、約15%~約59%の比率で、前記最良部分奏効、完全奏効又は厳格な完全奏効のうちのいずれか一つの最良効果を効果的に得る、請求項127に記載の方法。
【請求項129】
前記方法は、約35%の比率で、前記最良部分奏効、完全奏効又は厳格な完全奏効のうちのいずれか一つの最良効果を効果的に得る、請求項127に記載の方法。
【請求項130】
前記方法は、完全奏効又は厳格な完全奏効の最良効果を効果的に得る、請求項116に記載の方法。
【請求項131】
前記方法は、約3%~約38%の比率で、前記完全奏効又は厳格な完全奏効の最良効果を効果的に得る、請求項130に記載の方法。
【請求項132】
前記方法は、厳格な完全奏効の最良効果を効果的に得る、請求項116に記載の方法。
【請求項133】
前記方法は、約1%~約32%の比率で、前記厳格な完全奏効の最良効果を効果的に得る、請求項132に記載の方法。
【請求項134】
前記方法は、前記被験者の無増悪生存期間を効果的に得る、請求項3に記載の方法。
【請求項135】
前記方法は、前記CAR-T細胞の前記投与から前記CAR-T細胞の前記投与後約15日までの期間に、前記被験者の前記無増悪生存期間を効果的に得る、請求項134に記載の方法。
【請求項136】
前記方法は、前記CAR-T細胞の前記投与から前記CAR-T細胞の前記投与後約44日までの期間に、前記被験者の前記無増悪生存期間を効果的に得る、請求項134に記載の方法。
【請求項137】
前記方法は、前記CAR-T細胞の前記投与から前記CAR-T細胞の前記投与後約159日までの期間に、前記被験者の前記無増悪生存期間を効果的に得る、請求項134に記載の方法。
【請求項138】
前記方法は、前記CAR-T細胞の前記投与後約6ヶ月又は約9ヶ月の追跡期間に、約29%~約75%の比率で前記無増悪生存期間を効果的に得る、請求項134に記載の方法。
【請求項139】
前記方法は、前記CAR-T細胞の前記投与後約6ヶ月又は約9ヶ月の追跡期間に、約55%の比率で前記無増悪生存期間を効果的に得る、請求項134に記載の方法。
【請求項140】
前記方法は、サイトカイン放出症候群の約60%~約99%の比率を効果的に得る、請求項3に記載の方法。
【請求項141】
前記方法は、前記CAR-T細胞の前記投与から約3日を超えて前記被験者のサイトカイン放出症候群を治療することをさらに含む、請求項140に記載の方法。
【請求項142】
前記方法は、免疫エフェクター細胞に関連する神経毒性の約20%~約99%の比率を効果的に得る、請求項3に記載の方法。
【請求項143】
前記少なくとも4種類の薬物は、プロテアソーム阻害剤と、免疫調節薬と、抗CD38抗体とをさらに含む、請求項3に記載の方法。
【請求項144】
前記方法は、前記CAR-T細胞の前記投与後約27日から約171日までの期間前に、前記最良効果を効果的に得る、請求項121~133のいずれか一項に記載の方法。
【請求項145】
前記方法は、前記CAR-T細胞の前記投与後約27日から約133日までの期間前に、前記最良効果を効果的に得る、請求項121~133のいずれか一項に記載の方法。
【請求項146】
前記方法は、前記CAR-T細胞の前記投与後約78日前に、前記最良効果を効果的に得る、請求項121~133のいずれか一項に記載の方法。
【請求項147】
前記方法は、前記CAR-T細胞の前記投与後約56日前に、前記最良効果を効果的に得る、請求項121~133のいずれか一項に記載の方法。
【請求項148】
前記方法は、前記初回奏効の時点から前記CAR-T細胞の前記投与後約132日までの追跡期間に、前記被験者における奏効を効果的に維持し、さらにここで、前記初回奏効は、前記CAR-T細胞の前記投与時点から前記CAR-T細胞の前記投与後約131日までの間に得られる、請求項117~120のいずれか一項に記載の方法。
【請求項149】
前記方法は、前記CAR-T細胞の前記投与後約6ヶ月の追跡期間に、約20%~約96%の比率で奏効を効果的に維持する、請求項117~133のいずれか一項に記載の方法。
【請求項150】
前記方法は、前記CAR-T細胞の前記投与後約6ヶ月の追跡期間に、約80%の比率で奏効を効果的に維持する、請求項117~133のいずれか一項に記載の方法。
【請求項151】
前記多発性骨髄腫は、少なくとも2種類の薬物に対して難治性である、請求項1~45、58~93又は104~143のいずれか一項に記載の方法。
【請求項152】
前記多発性骨髄腫は、少なくとも3種類の薬物に対して難治性である、請求項1~45、58~93又は104~143のいずれか一項に記載の方法。
【請求項153】
前記多発性骨髄腫は、少なくとも4種類の薬物に対して難治性である、請求項1~45、58~93又は104~143のいずれか一項に記載の方法。
【請求項154】
前記多発性骨髄腫は、少なくとも5種類の薬物に対して難治性である、請求項1~45、58~93又は104~143のいずれか一項に記載の方法。
【請求項155】
前記被験者は、前記CAR-T細胞の前記投与前に約10%~約30%の骨髄形質細胞を有する、請求項1~45、58~93又は104~143のいずれか一項に記載の方法。
【請求項156】
前記用量は、前記被験者の質量1キログラムあたりに1.0 × 10
5~5.0 × 10
6個の前記CAR-T細胞を含む、請求項1~45、58~93又は104~143のいずれか一項に記載の方法。
【請求項157】
前記用量は、前記被験者の質量1キログラムあたりに5.0 × 10
5~1.0 × 10
6個の前記CAR-T細胞を含む、請求項1~45、58~93又は104~143のいずれか一項に記載の方法。
【請求項158】
前記用量は、前記被験者の質量1キログラムあたりに約0.75 × 10
6個の前記CAR-T細胞を含む、請求項1~45、58~93又は104~143のいずれか一項に記載の方法。
【請求項159】
前記用量は、被験者あたりに1.0 × 10
8個未満の前記CAR-T細胞を含む、請求項1~45、58~93又は104~143のいずれか一項に記載の方法。
【請求項160】
前記CAR-T細胞の前記投与は、単回静脈内注入によるものである、請求項1~45、58~93又は104~143のいずれか一項に記載の方法。
【請求項161】
前記単回静脈内注入は、1バッグの前記CAR-T細胞を用いて投与する、請求項160に記載の方法。
【請求項162】
前記1バッグの前記CAR-T細胞の前記投与は、前記1バッグのCAR-T細胞の解凍時点から前記1バッグのCAR-T細胞の解凍後3時間までの間に完了する、請求項161に記載の方法。
【請求項163】
前記単回静脈内投与は、2バッグの前記CAR-T細胞を用いて投与する、請求項160に記載の方法。
【請求項164】
前記2バッグの前記CAR-T細胞のうちの各バッグの前記投与は、前記2バッグのCAR-T細胞のうちの1バッグ目の解凍時点から前記1バッグ目のCAR-T細胞の解凍後3時間までの間に完了する、請求項163に記載の方法。
【請求項165】
リンパ枯渇レジメンは、前記CAR-T細胞投与前の約5日~約7日に行われる、請求項1~45、58~93又は104~143のいずれか一項に記載の方法。
【請求項166】
前記リンパ枯渇レジメンは、静脈内投与によるものである、請求項165に記載の方法。
【請求項167】
前記リンパ枯渇レジメンは、
(a) シクロホスファミドの投与、又は、
(b) フルダラビンの投与を含む、請求項166に記載の方法。
【請求項168】
前記シクロホスファミドは、300 mg/m
2で静脈内投与される、請求項167に記載の方法。
【請求項169】
前記フルダラビンは、30 mg/m
2で静脈内投与される、請求項167に記載の方法。
【請求項170】
シクロホスファミドの300 mg/m
2での静脈内投与とフルダラビンの30 mg/m
2での静脈内投与とを含むリンパ枯渇レジメンは、前記CAR-T細胞投与前の約5日~約7日に行われる、請求項1~45、58~93又は104~143のいずれか一項に記載の方法。
【請求項171】
前記被験者はさらに、架橋療法を受け、ここで、前記架橋療法は、アフェレシスと前記リンパ枯渇レジメンとの間の少なくとも一つの架橋薬物による短期治療を含み、且つここで、前記少なくとも一つの架橋薬物は、以前に、前記被験者の疾患安定、最小奏効、部分奏効、最良部分奏効、完全奏効又は厳格な完全奏効の結果がすでに得られた、請求項165に記載の方法。
【請求項172】
前記被験者は、前記架橋療法を受けているにもかかわらず、腫瘍負荷が増加した、請求項171に記載の方法。
【請求項173】
前記被験者は、前記架橋療法を受けているにもかかわらず、腫瘍負荷が約25%以上増加した、請求項171に記載の方法。
【請求項174】
前記方法は、前記CAR-T細胞のインビボ増幅を有意に減少させることなく、前記CAR-T細胞の前記投与から約3日を超えて前記被験者のサイトカイン放出症候群を治療することをさらに含む、請求項43、92又は141のいずれか一項に記載の方法。
【請求項175】
前記サイトカイン放出症候群の治療は、前記被験者にIL-6R阻害剤を投与することを含む、請求項43、92又は141のいずれか一項に記載の方法。
【請求項176】
前記IL-6R阻害剤は、抗体である、請求項175に記載の方法。
【請求項177】
前記抗体は、IL-6Rの細胞外ドメインに結合することによってIL-6Rを阻害する、請求項176に記載の方法。
【請求項178】
前記IL-6R阻害剤は、IL-6とIL-6Rとの結合を阻止する、請求項175に記載の方法。
【請求項179】
前記IL-6R阻害剤は、トシリズマブである、請求項175に記載の方法。
【請求項180】
前記被験者は、前記CAR-T細胞の前記投与前多くとも約1時間に、解熱剤と抗ヒスタミン剤とを含む投与プロドラッグで治療される、請求項1~45、58~93又は104~143のいずれか一項に記載の方法。
【請求項181】
前記解熱剤は、パラセタモール又はアセトアミノフェンを含む、請求項180に記載の方法。
【請求項182】
前記解熱剤は、前記被験者に経口投与又は静脈内投与される、請求項180に記載の方法。
【請求項183】
前記解熱剤は、650 mg~1000 mgの用量で前記被験者に投与される、請求項180に記載の方法。
【請求項184】
前記抗ヒスタミン剤は、ジフェンヒドラミンを含む、請求項180に記載の方法。
【請求項185】
前記抗ヒスタミン剤は、前記被験者に経口投与又は静脈内投与される、請求項180に記載の方法。
【請求項186】
前記抗ヒスタミン剤は、25 mg~50 mgの用量又はその等価用量で投与される、請求項180に記載の方法。
【請求項187】
前記解熱剤は、パラセタモール又はアセトアミノフェンを含み、且つ前記解熱剤は、650 mg~1000 mgの用量で前記被験者に経口投与又は静脈内投与され、且つここで、前記抗ヒスタミン剤はジフェンヒドラミンを含み、且つ前記抗ヒスタミン剤は、25 mg~50 mgの用量又はその等価用量で前記被験者に経口投与又は静脈内投与される、請求項180に記載の方法。
【請求項188】
前記被験者に投与される、CAR-T細胞を含む前記組成物は、ジメチルスルホキシド又はデキストラン-40から選択される賦形剤をさらに含む、請求項1~45、58~93又は104~143のいずれか一項に記載の方法。
【請求項189】
前記第1のBCMA結合部分及び/又は前記第2のBCMA結合部分は、抗BCMA VHHである、請求項1~45、58~93又は104~143のいずれか一項に記載の方法。
【請求項190】
前記第1のBCMA結合部分は、第1の抗BCMA VHHであり、且つ前記第2のBCMA結合部分は、第2の抗BCMA VHHである、請求項189に記載の方法。
【請求項191】
前記第1のBCMA結合部分は、配列番号2のアミノ酸配列を含む、請求項1~45、58~93又は104~143のいずれか一項に記載の方法。
【請求項192】
前記第1のBCMA結合部分は、配列番号10の核酸配列によりコードされるポリペプチドを含む、請求項1~45、58~93又は104~143のいずれか一項に記載の方法。
【請求項193】
前記第2のBCMA結合部分は、配列番号4のアミノ酸配列を含む、請求項1~45、58~93又は104~143のいずれか一項に記載の方法。
【請求項194】
前記第2のBCMA結合部分は、配列番号12の核酸配列によりコードされるポリペプチドを含む、請求項1~45、58~93又は104~143のいずれか一項に記載の方法。
【請求項195】
前記第1のBCMA結合部分と前記第2のBCMA結合部分は、ペプチドリンカーを介して互いに連結される、請求項1~45、58~93又は104~143のいずれか一項に記載の方法。
【請求項196】
前記ペプチドリンカーは、配列番号3のアミノ酸配列を含む、請求項195に記載の方法。
【請求項197】
前記ペプチドリンカーは、配列番号11の核酸配列によりコードされるポリペプチドを含む、請求項195に記載の方法。
【請求項198】
前記CARポリペプチドは、前記ポリペプチドのN末端に位置するシグナルペプチドをさらに含む、請求項1~45、58~93又は104~143のいずれか一項に記載の方法。
【請求項199】
前記シグナルペプチドは、CD8αに由来するものである、請求項198に記載の方法。
【請求項200】
前記シグナルペプチドは、配列番号1のアミノ酸配列を含む、請求項198に記載の方法。
【請求項201】
前記シグナルペプチドは、配列番号9の核酸配列によりコードされるポリペプチドを含む、請求項198に記載の方法。
【請求項202】
前記膜貫通ドメインは、配列番号6のアミノ酸配列を含む、請求項1~45、58~93又は104~143のいずれか一項に記載の方法。
【請求項203】
前記膜貫通ドメインは、配列番号14の核酸配列によりコードされるポリペプチドを含む、請求項1~45、58~93又は104~143のいずれか一項に記載の方法。
【請求項204】
前記細胞内シグナル伝達ドメインは、免疫エフェクター細胞の一次細胞内シグナル伝達ドメインを含む、請求項1~45、58~93又は104~143のいずれか一項に記載の方法。
【請求項205】
前記細胞内シグナル伝達ドメインは、CD3ζに由来するものである、請求項1~45、58~93又は104~143のいずれか一項に記載の方法。
【請求項206】
前記細胞内シグナル伝達ドメインは、少なくとも一つの共刺激シグナル伝達ドメインを含む、請求項1~45、58~93又は104~143のいずれか一項に記載の方法。
【請求項207】
前記細胞内シグナル伝達ドメインは、配列番号8のアミノ酸配列を含む、請求項1~45、58~93又は104~143のいずれか一項に記載の方法。
【請求項208】
前記細胞内シグナル伝達ドメインは、配列番号16の核酸配列によりコードされるポリペプチドを含む、請求項1~45、58~93又は104~143のいずれか一項に記載の方法。
【請求項209】
前記細胞内シグナル伝達ドメインは、配列番号7のアミノ酸配列を含む、請求項1~45、58~93又は104~143のいずれか一項に記載の方法。
【請求項210】
前記細胞内シグナル伝達ドメインは、配列番号15の核酸配列によりコードされるポリペプチドを含む、請求項1~45、58~93又は104~143のいずれか一項に記載の方法。
【請求項211】
前記CARポリペプチドは、前記細胞外抗原結合ドメインのC末端と前記膜貫通ドメインのN末端との間に位置するヒンジドメインをさらに含む、請求項1~45、58~93又は104~143のいずれか一項に記載の方法。
【請求項212】
前記ヒンジドメインは、配列番号5のアミノ酸配列を含む、請求項211に記載の方法。
【請求項213】
前記ヒンジドメインは、配列番号13の核酸配列によりコードされるポリペプチドを含む、請求項211に記載の方法。
【請求項214】
前記CARは、配列番号17のアミノ酸配列を含む、請求項1~45、58~93又は104~143のいずれか一項に記載の方法。
【請求項215】
前記T細胞は、自家T細胞である、請求項1~45、58~93又は104~143のいずれか一項に記載の方法。
【請求項216】
前記T細胞は、同種異系T細胞である、請求項1~45、58~93又は104~143のいずれか一項に記載の方法。
【請求項217】
前記被験者は、ヒトである、請求項1~45、58~93又は104~143のいずれか一項に記載の方法。
【請求項218】
前記被験者は、以前にBCMA標的薬物に曝露されていなかった、請求項1~45又は58~93のいずれか一項に記載の方法。
【請求項219】
前記多発性骨髄腫は進行性である、請求項1~45、58~93又は104~143のいずれか一項に記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本出願は、2021年11月4日に提出された米国特許出願番号PCT/CN2021/128578及び2021年11月4日に提出された米国特許出願番号63/275,471の優先権を主張し、ここで、それぞれの開示内容は全体として参照により本明細書に組み込まれる。
【0002】
配列表
本出願は、すでにXMLというファイル形式で本出願と共に提出された、コンピュータ読み取り可能な配列表を含有し、その内容は全体として参照により本明細書に組み込まれる。本出願と共に提出された配列表は、XMLファイル名が「14651-048-228_SEQ_LISTING.xml」であり、2022年10月27日に作成され、且つサイズが28,401バイトである。
【背景技術】
【0003】
1.背景
多発性骨髄腫は、侵襲性形質細胞腫瘍である。多発性骨髄腫は、骨髄中で制御不能に増殖するB細胞腫瘍であると考えられている。症状としては、高カルシウム血症、腎不全、貧血、骨病巣、細菌感染、過粘稠血及びアミロイドーシスのうちの一つの又は複数が挙げられる。プロテアソーム阻害剤と、免疫調節薬と、モノクローナル抗体とを含む利用可能な新規療法が患者の転帰を有意に改善したが、多発性骨髄腫は依然として治癒不能な疾患であると考えられている。ほとんどの患者が再発したり、難治性になったりするため、多発性骨髄腫のための新規療法は、継続的に必要とされている。
【発明の概要】
【0004】
2.本開示の概要
一態様では、被験者を治療する方法を提供し、前記方法は、該被験者に、キメラ抗原受容体(CAR)を含む治療有効量のT細胞を含む組成物を投与することを含み、該キメラ抗原受容体は、
(a)
(1) 配列番号18のアミノ酸配列を含有する第1の相補性決定領域(CDR1)と、配列番号19のアミノ酸配列を含有する第2の相補性決定領域(CDR2)と、配列番号20のアミノ酸配列を含有する第3の相補性決定領域(CDR3)とを含む第1の抗BCMA結合部分と、
(2) 配列番号21のアミノ酸配列を含有する第1の相補性決定領域(CDR1)と、配列番号22のアミノ酸配列を含有する第2の相補性決定領域(CDR2)と、配列番号23のアミノ酸配列を含有する第3の相補性決定領域(CDR3)とを含む第2のBCMA結合部分とを含む細胞外抗原結合ドメインと、
(b) 膜貫通ドメインと、
(c) 細胞内シグナル伝達ドメインとを含み、
それにより、CARを発現するT細胞(CAR-T細胞)を一定の用量で該被験者に送達し、
ここで、前記被験者は、多発性骨髄腫に罹患しており、すでに1種類、2種類又は3種類の以前の治療ラインによる以前の治療を受け、且つレナリドミドに対して難治性である。
【0005】
いくつかの実施例において、多発性骨髄腫は、最後の治療ラインに対して難治性である。いくつかの実施例において、被験者は、前記1種類、2種類又は3種類の以前の治療ラインの後に再発した。いくつかの実施例において、被験者は、少なくとも1種類の以前の治療ラインによる以前の治療を受け、該少なくとも1種類の以前の治療ラインは、レナリドミド及び少なくとも1種類の非レナリドミド薬物による治療を含み、前記少なくとも1種類の非レナリドミド薬物は、プロテアソーム阻害剤、免疫調節薬又は抗CD38抗体のうちの少なくとも一つを含む。いくつかの実施例において、被験者は、少なくとも2種類の以前の治療ラインによる以前の治療を受けた。いくつかの実施例において、被験者は、3種類の以前の治療ラインによる以前の治療を受けた。
【0006】
いくつかの実施例において、被験者は、デキサメタゾン、アルキル化剤又はダラツムマブによる以前の治療を受けた。いくつかの実施例において、多発性骨髄腫は、3種類の薬物に対して難治性である。
【0007】
いくつかの実施例において、前記方法は、前記CAR-T細胞の前記投与後に、骨髄において評定される前記被験者の微小残存病変(MRD)陰性状態を効果的に得る。いくつかの実施例において、前記微小残存病変(MRD)陰性状態は、前記CAR-T細胞の前記投与後約29日から約184日までの第1の追跡期間に得られる。いくつかの実施例において、前記方法は、前記CAR-T細胞の前記投与後約57日から約191日までの第2の追跡期間に、骨髄において評定される前記被験者の前記微小残存病変(MRD)陰性状態を効果的に維持し、さらにここで、前記第1の追跡期間は前記第2の追跡期間より早い。
【0008】
いくつかの実施例において、前記方法は、10-4、10-5又は10-6の感度閾値レベルにおいて約24%~約61%の比率で、前記微小残存病変(MRD)陰性状態を効果的に得る。いくつかの実施例において、前記方法は、10-4、10-5又は10-6の感度閾値レベルにおいて約41%の比率で、前記微小残存病変(MRD)陰性状態を効果的に得る。
【0009】
いくつかの実施例において、前記方法は、10-5の感度閾値レベルにおいて、評価可能な試料を有する被験者において、約64%~約99%の比率で前記微小残存病変(MRD)陰性状態を効果的に得る。いくつかの実施例において、前記方法は、10-5の感度閾値レベルにおいて、評価可能な試料を有する被験者において、約92%の比率で前記微小残存病変(MRD)陰性状態を効果的に得る。
【0010】
いくつかの実施例において、前記方法は、前記CAR-T細胞の前記投与後、被験者における少なくとも1種類の奏効を効果的に得、ここで、前記少なくとも1種類の奏効は、良いものから悪いものへの順序で、厳格な完全奏効、完全奏効、最良部分奏効、部分奏効又は最小奏効を含む。
【0011】
いくつかの実施例において、前記方法は、前記CAR-T細胞の前記投与後約21日から約99日までの期間前に、初回奏効を効果的に得る。いくつかの実施例において、前記方法は、前記CAR-T細胞の前記投与後約21日から約55日までの期間前に、初回奏効を効果的に得る。いくつかの実施例において、前記方法は、前記CAR-T細胞の前記投与後約36日前に、初回奏効を効果的に得る。いくつかの実施例において、前記方法は、前記CAR-T細胞の前記投与後約30日前に、初回奏効を効果的に得る。
【0012】
いくつかの実施例において、前記方法は、最小奏効、部分奏効、最良部分奏効、完全奏効又は厳格な完全奏効のうちのいずれか一つの最良効果を効果的に得る。いくつかの実施例において、前記方法は、約52%~約87%の比率で、前記最小奏効、部分奏効、最良部分奏効、完全奏効又は厳格な完全奏効のうちのいずれか一つの最良効果を効果的に得る。いくつかの実施例において、前記方法は、約72%の比率で、前記最小奏効、部分奏効、最良部分奏効、完全奏効又は厳格な完全奏効のうちのいずれか一つの最良効果を効果的に得る。
【0013】
いくつかの実施例において、前記方法は、部分奏効、最良部分奏効、完全奏効又は厳格な完全奏効のうちのいずれか一つの最良効果を効果的に得る。いくつかの実施例において、前記方法は、約49%~約84%の比率で、前記部分奏効、最良部分奏効、完全奏効又は厳格な完全奏効のうちのいずれか一つの最良効果を効果的に得る。いくつかの実施例において、前記方法は、約69%の比率で、前記部分奏効、最良部分奏効、完全奏効又は厳格な完全奏効のうちのいずれか一つの最良効果を効果的に得る。
【0014】
いくつかの実施例において、前記方法は、最良部分奏効、完全奏効又は厳格な完全奏効のうちのいずれか一つの最良効果を効果的に得る。いくつかの実施例において、前記方法は、約49%~約84%の比率で、前記最良部分奏効、完全奏効又は厳格な完全奏効のうちのいずれか一つの最良効果を効果的に得る。いくつかの実施例において、前記方法は、約69%の比率で、前記最良部分奏効、完全奏効又は厳格な完全奏効のうちのいずれか一つの最良効果を効果的に得る。
【0015】
いくつかの実施例において、前記方法は、完全奏効又は厳格な完全奏効の最良効果を効果的に得る。いくつかの実施例において、前記方法は、約39%~約76%の比率で、前記完全奏効又は厳格な完全奏効の最良効果を効果的に得る。いくつかの実施例において、前記方法は、約58%の比率で、前記完全奏効又は厳格な完全奏効の最良効果を効果的に得る。
【0016】
いくつかの実施例において、前記方法は、厳格な完全奏効の最良効果を効果的に得る。いくつかの実施例において、前記方法は、約33%~約70%の比率で、前記厳格な完全奏効の最良効果を効果的に得る。いくつかの実施例において、前記方法は、約52%の比率で、前記厳格な完全奏効の最良効果を効果的に得る。
【0017】
いくつかの実施例において、前記方法は、被験者の無増悪生存期間を効果的に得る。いくつかの実施例において、前記方法は、前記CAR-T細胞の前記投与から前記CAR-T細胞の前記投与後約55日までの期間に、前記被験者の前記無増悪生存期間を効果的に得る。いくつかの実施例において、前記方法は、前記CAR-T細胞の前記投与から前記CAR-T細胞の前記投与後約297日までの期間に、前記被験者の前記無増悪生存期間を効果的に得る。
【0018】
いくつかの実施例において、前記方法は、前記CAR-T細胞の前記投与後約6ヶ月又は約9ヶ月の追跡期間に、約62%~約95%の比率で前記無増悪生存期間を効果的に得る。いくつかの実施例において、前記方法は、前記CAR-T細胞の前記投与後約6ヶ月又は約9ヶ月の追跡期間に、約86%の比率で、前記無増悪生存期間を効果的に得る。
【0019】
いくつかの実施例において、前記方法は、前記CAR-T細胞の前記投与から約3日を超えて前記被験者のサイトカイン放出症候群を治療することをさらに含む。いくつかの実施例において、前記方法は、前記サイトカイン放出症候群が初めて観察されてから約7日の期間に、前記サイトカイン放出症候群の約1%~約90%の回復率を効果的に得る。
【0020】
いくつかの実施例において、前記方法は、免疫エフェクター細胞に関連する神経毒性の約20%~約99%の比率を効果的に得る。
【0021】
いくつかの実施例において、前記方法は、前記CAR-T細胞の前記投与後約27日から約237日までの期間前に、前記最良効果を効果的に得る。いくつかの実施例において、前記方法は、前記CAR-T細胞の前記投与後約46日から約172日までの期間前に、前記最良効果を効果的に得る。いくつかの実施例において、前記方法は、前記CAR-T細胞の前記投与後約109日前に、前記最良効果を効果的に得る。いくつかの実施例において、前記方法は、前記CAR-T細胞の前記投与後約87日前に、前記最良効果を効果的に得る。
【0022】
いくつかの実施例において、前記方法は、前記初回奏効の時点から前記CAR-T細胞の前記投与後約270日までの追跡期間に、被験者における奏効を効果的に維持する。いくつかの実施例において、前記方法は、前記CAR-T細胞の前記投与後約6ヶ月の追跡期間に、約70%~約99%の比率で奏効を効果的に維持する。いくつかの実施例において、前記方法は、前記CAR-T細胞の前記投与後約6ヶ月の追跡期間に、約95%の比率で奏効を効果的に維持する。いくつかの実施例において、前記方法は、前記CAR-T細胞の前記投与後約9ヶ月の追跡期間に、約7%~約92%の比率で奏効を効果的に維持する。いくつかの実施例において、前記方法は、前記CAR-T細胞の前記投与後約9ヶ月の追跡期間に、約63%の比率で奏効を効果的に維持する。
【0023】
いくつかの実施例において、前記方法はさらに、前記CAR-T細胞の前記投与時点から前記CAR-T細胞の前記投与後約3ヶ月までの間に、10-5の感度閾値レベルにおいて、骨髄において評定される前記被験者の微小残存病変(MRD)陰性状態を効果的に得る。いくつかの実施例において、前記方法は、前記CAR-T細胞の前記投与後約291日間の追跡期間に、約18%~約54%の比率で、微小残存病変(MRD)陰性の完全奏効又は微小残存病変(MRD)陰性の厳格な完全奏効を効果的に得る。いくつかの実施例において、前記方法は、前記CAR-T細胞の前記投与後約291日間の追跡期間に、約35%の比率で、微小残存病変(MRD)陰性の完全奏効又は微小残存病変(MRD)陰性の厳格な完全奏効を効果的に得る。
【0024】
一態様では、被験者を治療する方法を提供し、前記方法は、該被験者に、キメラ抗原受容体(CAR)を含む治療有効量のT細胞を含む組成物を投与することを含み、該キメラ抗原受容体は、
(a)
(1) 配列番号18のアミノ酸配列を含有する第1の相補性決定領域(CDR1)と、配列番号19のアミノ酸配列を含有する第2の相補性決定領域(CDR2)と、配列番号20のアミノ酸配列を含有する第3の相補性決定領域(CDR3)とを含む第1の抗BCMA結合部分と、
(2) 配列番号21のアミノ酸配列を含有する第1の相補性決定領域(CDR1)と、配列番号22のアミノ酸配列を含有する第2の相補性決定領域(CDR2)と、配列番号23のアミノ酸配列を含有する第3の相補性決定領域(CDR3)とを含む第2のBCMA結合部分とを含む細胞外抗原結合ドメインと、
(b) 膜貫通ドメインと、
(c) 細胞内シグナル伝達ドメインとを含み、
それにより、CARを発現するT細胞(CAR-T細胞)を一定の用量で該被験者に送達し、
ここで、前記被験者は、多発性骨髄腫に罹患しており、以前に早期再発があり、且つすでに1種類の以前の治療ラインによる以前の治療を受け、前記1種類の以前の治療ラインは、プロテアソーム阻害剤と免疫調節薬とを含む少なくとも2種類の薬物による治療を含む。
【0025】
いくつかの実施例において、被験者は、さらに抗CD38抗体で治療される。いくつかの実施例において、多発性骨髄腫は、少なくとも1種類の薬物に対して難治性である。
【0026】
いくつかの実施例において、前記方法は、前記CAR-T細胞の前記投与後に、骨髄において評定される前記被験者の微小残存病変(MRD)陰性状態を効果的に得る。いくつかの実施例において、前記微小残存病変(MRD)陰性状態は、前記CAR-T細胞の前記投与後約35日から約58日までの第1の追跡期間に、骨髄において評定される。いくつかの実施例において、前記方法は、前記CAR-T細胞の前記投与後約78日から約359日までの第2の追跡期間に、骨髄において評定される前記被験者の前記微小残存病変(MRD)陰性状態を効果的に維持し、さらにここで、前記第1の追跡期間は前記第2の追跡期間より早い。
【0027】
いくつかの実施例において、前記方法は、10-4又は10-5の感度閾値レベルにおいて約26%~約74%の比率で、又は10-6の感度閾値レベルにおいて約17%~約64%の比率で、前記微小残存病変(MRD)陰性状態を効果的に得る。いくつかの実施例において、前記方法は、10-4又は10-5の感度閾値レベルにおいて約50%の比率で、又は10-6の感度閾値レベルにおいて約39%の比率で、前記微小残存病変(MRD)陰性状態を効果的に得る。
【0028】
いくつかの実施例において、前記方法は、10-5の感度閾値レベルにおいて、評価可能な試料を有する被験者において、約66%~約100%の比率で前記微小残存病変(MRD)陰性状態を効果的に得る。いくつかの実施例において、前記方法は、10-5の感度閾値レベルにおいて、評価可能な試料を有する被験者において、約100%の比率で前記微小残存病変(MRD)陰性状態を効果的に得る。
【0029】
いくつかの実施例において、前記方法は、前記CAR-T細胞の前記投与後、被験者における少なくとも1種類の奏効を効果的に得、ここで、前記少なくとも1種類の奏効は、良いものから悪いものへの順序で、厳格な完全奏効、完全奏効、最良部分奏効、部分奏効又は最小奏効を含む。
【0030】
いくつかの実施例において、前記方法は、前記CAR-T細胞の前記投与後約27日から約78日までの期間前に、初回奏効を効果的に得る。いくつかの実施例において、前記方法は、前記CAR-T細胞の前記投与後約27日から約47日までの期間前に、初回奏効を効果的に得る。いくつかの実施例において、前記方法は、前記CAR-T細胞の前記投与後約33日前に、初回奏効を効果的に得る。いくつかの実施例において、前記方法は、前記CAR-T細胞の前記投与後約28日前に、初回奏効を効果的に得る。
【0031】
いくつかの実施例において、前記方法は、最小奏効、部分奏効、最良部分奏効、完全奏効又は厳格な完全奏効のうちのいずれか一つの最良効果を効果的に得る。いくつかの実施例において、前記方法は、約65%~約99%の比率で、前記最小奏効、部分奏効、最良部分奏効、完全奏効又は厳格な完全奏効のうちのいずれか一つの最良効果を効果的に得る。いくつかの実施例において、前記方法は、約89%の比率で、前記最小奏効、部分奏効、最良部分奏効、完全奏効又は厳格な完全奏効のうちのいずれか一つの最良効果を効果的に得る。
【0032】
いくつかの実施例において、前記方法は、部分奏効、最良部分奏効、完全奏効又は厳格な完全奏効のうちのいずれか一つの最良効果を効果的に得る。いくつかの実施例において、前記方法は、約65%~約99%の比率で、前記部分奏効、最良部分奏効、完全奏効又は厳格な完全奏効のうちのいずれか一つの最良効果を効果的に得る。いくつかの実施例において、前記方法は、約89%の比率で、前記部分奏効、最良部分奏効、完全奏効又は厳格な完全奏効のうちのいずれか一つの最良効果を効果的に得る。
【0033】
いくつかの実施例において、前記方法は、最良部分奏効、完全奏効又は厳格な完全奏効のうちのいずれか一つの最良効果を効果的に得る。いくつかの実施例において、前記方法は、約41%~約87%の比率で、前記最良部分奏効、完全奏効又は厳格な完全奏効のうちのいずれか一つの最良効果を効果的に得る。いくつかの実施例において、前記方法は、約67%の比率で、前記最良部分奏効、完全奏効又は厳格な完全奏効のうちのいずれか一つの最良効果を効果的に得る。
【0034】
いくつかの実施例において、前記方法は、完全奏効又は厳格な完全奏効の最良効果を効果的に得る。いくつかの実施例において、前記方法は、約10%~約54%の比率で、前記完全奏効又は厳格な完全奏効の最良効果を効果的に得る。いくつかの実施例において、前記方法は、約28%の比率で、前記完全奏効又は厳格な完全奏効の最良効果を効果的に得る。
【0035】
いくつかの実施例において、前記方法は、厳格な完全奏効の最良効果を効果的に得る。いくつかの実施例において、前記方法は、約6%~約48%の比率で、前記厳格な完全奏効の最良効果を効果的に得る。いくつかの実施例において、前記方法は、約22%の比率で、前記厳格な完全奏効の最良効果を効果的に得る。
【0036】
いくつかの実施例において、前記方法は、被験者の無増悪生存期間を効果的に得る。いくつかの実施例において、前記方法は、前記CAR-T細胞の前記投与から前記CAR-T細胞の前記投与後約182日までの期間に、前記被験者の前記無増悪生存期間を効果的に得る。
【0037】
いくつかの実施例において、前記方法は、前記CAR-T細胞の前記投与後約6ヶ月の追跡期間に、約100%の比率で、前記無増悪生存期間を効果的に得る。いくつかの実施例において、前記方法は、前記CAR-T細胞の前記投与後約9ヶ月又は約12ヶ月の追跡期間に、約5%~約95%の比率で前記無増悪生存期間を効果的に得る。いくつかの実施例において、前記方法は、前記CAR-T細胞の前記投与後約9ヶ月又は約12ヶ月の追跡期間に、約67%の比率で、前記無増悪生存期間を効果的に得る。
【0038】
いくつかの実施例において、前記方法は、前記CAR-T細胞の前記投与から約3日を超えて前記被験者のサイトカイン放出症候群を治療することをさらに含む。いくつかの実施例において、前記方法は、前記サイトカイン放出症候群が初めて観察されてから約7日の期間に、前記サイトカイン放出症候群の約1%~約100%の回復率を効果的に得る。
【0039】
いくつかの実施例において、前記方法は、前記CAR-T細胞の前記投与後約27日から約354日までの期間前に、前記最良効果を効果的に得る。いくつかの実施例において、前記方法は、前記CAR-T細胞の前記投与後約27日から約155日までの期間前に、前記最良効果を効果的に得る。いくつかの実施例において、前記方法は、前記CAR-T細胞の前記投与後約71日前に、前記最良効果を効果的に得る。いくつかの実施例において、前記方法は、前記CAR-T細胞の前記投与後約42日前に、前記最良効果を効果的に得る。
【0040】
いくつかの実施例において、前記方法は、前記初回奏効の時点から前記CAR-T細胞の前記投与後約156日までの追跡期間に、被験者における奏効を効果的に維持する。いくつかの実施例において、前記方法は、前記CAR-T細胞の前記投与後約6ヶ月、約9ヶ月又は約12ヶ月の追跡期間に、約5%~約95%の比率で奏効を効果的に維持する。いくつかの実施例において、前記方法は、前記CAR-T細胞の前記投与後約6ヶ月、約9ヶ月又は約12ヶ月の追跡期間に、約67%の比率で奏効を効果的に維持する。
【0041】
いくつかの実施例において、前記方法はさらに、前記CAR-T細胞の前記投与時点から前記CAR-T細胞の前記投与後約3ヶ月までの間に、10-5の感度閾値レベルにおいて、骨髄において評定される前記被験者の微小残存病変(MRD)陰性状態を効果的に得る。いくつかの実施例において、前記方法は、前記CAR-T細胞の前記投与後約141日間の追跡期間に、約1%~約35%の比率で、微小残存病変(MRD)陰性の完全奏効又は微小残存病変(MRD)陰性の厳格な完全奏効を効果的に得る。いくつかの実施例において、前記方法は、前記CAR-T細胞の前記投与後約141日間の追跡期間に、約11%の比率で、微小残存病変(MRD)陰性の完全奏効又は微小残存病変(MRD)陰性の厳格な完全奏効を効果的に得る。
【0042】
一態様では、被験者を治療する方法を提供し、前記方法は、該被験者に、キメラ抗原受容体(CAR)を含む治療有効量のT細胞を含む組成物を投与することを含み、該キメラ抗原受容体は、
(a)
(1) 配列番号18のアミノ酸配列を含有する第1の相補性決定領域(CDR1)と、配列番号19のアミノ酸配列を含有する第2の相補性決定領域(CDR2)と、配列番号20のアミノ酸配列を含有する第3の相補性決定領域(CDR3)とを含む第1の抗BCMA結合部分と、
(2) 配列番号21のアミノ酸配列を含有する第1の相補性決定領域(CDR1)と、配列番号22のアミノ酸配列を含有する第2の相補性決定領域(CDR2)と、配列番号23のアミノ酸配列を含有する第3の相補性決定領域(CDR3)とを含む第2のBCMA結合部分とを含む細胞外抗原結合ドメインと、
(b) 膜貫通ドメインと、
(c) 細胞内シグナル伝達ドメインとを含み、
それにより、CARを発現するT細胞(CAR-T細胞)を一定の用量で該被験者に送達し、
ここで、前記被験者は、多発性骨髄腫に罹患しており、且つすでに少なくとも1種類の以前の治療ラインを受け、該少なくとも1種類の以前の治療ラインは、非細胞BCMA標的薬物を含む少なくとも4種類の薬物による治療を含む。
【0043】
いくつかの実施例において、前記少なくとも4種類の薬物は、プロテアソーム阻害剤と、免疫調節薬と、抗CD38抗体とをさらに含む。
【0044】
いくつかの実施例において、被験者は、少なくとも2種類の以前の治療ラインによる以前の治療を受けた。いくつかの実施例において、被験者は、少なくとも4種類の以前の治療ラインによる以前の治療を受けた。いくつかの実施例において、被験者は、少なくとも8種類の以前の治療ラインによる以前の治療を受けた。いくつかの実施例において、被験者は、少なくとも12種類の以前の治療ラインによる以前の治療を受けた。いくつかの実施例において、被験者は、前記少なくとも1種類の以前の治療ラインの後に再発した。
【0045】
いくつかの実施例において、前記方法は、前記CAR-T細胞の前記投与後に、骨髄において評定される前記被験者の微小残存病変(MRD)陰性状態を効果的に得る。いくつかの実施例において、前記微小残存病変(MRD)陰性状態は、前記CAR-T細胞の前記投与後約56日から約58日までの第1の追跡期間に、骨髄において評定される。いくつかの実施例において、前記方法は、前記CAR-T細胞の前記投与後約183日から約186日までの第2の追跡期間に、骨髄において評定される前記被験者の前記微小残存病変(MRD)陰性状態を効果的に維持し、さらにここで、前記第1の追跡期間は前記第2の追跡期間より早い。
【0046】
いくつかの実施例において、前記方法は、10-4の感度閾値レベルにおいて約9%~約49%の比率で、10-5の感度閾値レベルにおいて約6%~約44%の比率で、又は10-6の感度閾値レベルにおいて約1%~約31%の比率で、前記微小残存病変(MRD)陰性状態を効果的に得る。いくつかの実施例において、前記方法は、10-4の感度閾値レベルにおいて約25%の比率で、10-5の感度閾値レベルにおいて約20%の比率で、又は10-6の感度閾値レベルにおいて約10%の比率で、前記微小残存病変(MRD)陰性状態を効果的に得る。
【0047】
いくつかの実施例において、前記方法は、10-5の感度閾値レベルにおいて、評価可能な試料を有する被験者において、約22%~約96%の比率で前記微小残存病変(MRD)陰性状態を効果的に得る。いくつかの実施例において、前記方法は、10-5の感度閾値レベルにおいて、評価可能な試料を有する被験者において、約67%の比率で前記微小残存病変(MRD)陰性状態を効果的に得る。
【0048】
いくつかの実施例において、前記方法は、前記CAR-T細胞の前記投与後、被験者における少なくとも1種類の奏効を効果的に得、ここで、前記少なくとも1種類の奏効は、良いものから悪いものへの順序で、厳格な完全奏効、完全奏効、最良部分奏効、部分奏効又は最小奏効を含む。
【0049】
いくつかの実施例において、前記方法は、前記CAR-T細胞の前記投与後約27日から約153日までの期間前に、初回奏効を効果的に得る。いくつかの実施例において、前記方法は、前記CAR-T細胞の前記投与後約27日から約88日までの期間前に、初回奏効を効果的に得る。いくつかの実施例において、前記方法は、前記CAR-T細胞の前記投与後約43日前に、初回奏効を効果的に得る。いくつかの実施例において、前記方法は、前記CAR-T細胞の前記投与後約28日前に、初回奏効を効果的に得る。
【0050】
いくつかの実施例において、前記方法は、最小奏効、部分奏効、最良部分奏効、完全奏効又は厳格な完全奏効のうちのいずれか一つの最良効果を効果的に得る。いくつかの実施例において、前記方法は、約23%~約69%の比率で、前記最小奏効、部分奏効、最良部分奏効、完全奏効又は厳格な完全奏効のうちのいずれか一つの最良効果を効果的に得る。いくつかの実施例において、前記方法は、約45%の比率で、前記最小奏効、部分奏効、最良部分奏効、完全奏効又は厳格な完全奏効のうちのいずれか一つの最良効果を効果的に得る。
【0051】
いくつかの実施例において、前記方法は、部分奏効、最良部分奏効、完全奏効又は厳格な完全奏効のうちのいずれか一つの最良効果を効果的に得る。いくつかの実施例において、前記方法は、約19%~約64%の比率で、前記部分奏効、最良部分奏効、完全奏効又は厳格な完全奏効のうちのいずれか一つの最良効果を効果的に得る。いくつかの実施例において、前記方法は、約40%の比率で、前記部分奏効、最良部分奏効、完全奏効又は厳格な完全奏効のうちのいずれか一つの最良効果を効果的に得る。
【0052】
いくつかの実施例において、前記方法は、最良部分奏効、完全奏効又は厳格な完全奏効のうちのいずれか一つの最良効果を効果的に得る。いくつかの実施例において、前記方法は、約15%~約59%の比率で、前記最良部分奏効、完全奏効又は厳格な完全奏効のうちのいずれか一つの最良効果を効果的に得る。いくつかの実施例において、前記方法は、約35%の比率で、前記最良部分奏効、完全奏効又は厳格な完全奏効のうちのいずれか一つの最良効果を効果的に得る。
【0053】
いくつかの実施例において、前記方法は、完全奏効又は厳格な完全奏効の最良効果を効果的に得る。いくつかの実施例において、前記方法は、約3%~約38%の比率で、前記完全奏効又は厳格な完全奏効の最良効果を効果的に得る。
【0054】
いくつかの実施例において、前記方法は、厳格な完全奏効の最良効果を効果的に得る。いくつかの実施例において、前記方法は、約1%~約32%の比率で、前記厳格な完全奏効の最良効果を効果的に得る。
【0055】
いくつかの実施例において、前記方法は、被験者の無増悪生存期間を効果的に得る。いくつかの実施例において、前記方法は、前記CAR-T細胞の前記投与から前記CAR-T細胞の前記投与後約15日までの期間に、前記被験者の前記無増悪生存期間を効果的に得る。いくつかの実施例において、前記方法は、前記CAR-T細胞の前記投与から前記CAR-T細胞の前記投与後約44日までの期間に、前記被験者の前記無増悪生存期間を効果的に得る。いくつかの実施例において、前記方法は、前記CAR-T細胞の前記投与から前記CAR-T細胞の前記投与後約159日までの期間に、前記被験者の前記無増悪生存期間を効果的に得る。いくつかの実施例において、前記方法は、前記CAR-T細胞の前記投与後約6ヶ月又は約9ヶ月の追跡期間に、約29%~約75%の比率で前記無増悪生存期間を効果的に得る。いくつかの実施例において、前記方法は、前記CAR-T細胞の前記投与後約6ヶ月又は約9ヶ月の追跡期間に、約55%の比率で、前記無増悪生存期間を効果的に得る。
【0056】
いくつかの実施例において、前記方法は、サイトカイン放出症候群の約60%~約99%の比率を効果的に得る。いくつかの実施例において、前記方法は、前記CAR-T細胞の前記投与から約3日を超えて前記被験者のサイトカイン放出症候群を治療することをさらに含む。
【0057】
いくつかの実施例において、前記方法は、免疫エフェクター細胞に関連する神経毒性の約20%~約99%の比率を効果的に得る。
【0058】
いくつかの実施例において、前記方法は、前記CAR-T細胞の前記投与後約27日から約171日までの期間前に、前記最良効果を効果的に得る。いくつかの実施例において、前記方法は、前記CAR-T細胞の前記投与後約27日から約133日までの期間前に、前記最良効果を効果的に得る。いくつかの実施例において、前記方法は、前記CAR-T細胞の前記投与後約78日前に、前記最良効果を効果的に得る。いくつかの実施例において、前記方法は、前記CAR-T細胞の前記投与後約56日前に、前記最良効果を効果的に得る。
【0059】
いくつかの実施例において、前記方法は、前記初回奏効の時点から前記CAR-T細胞の前記投与後約132日までの追跡期間に、被験者における奏効を効果的に維持し、さらにここで、前記初回奏効は、前記CAR-T細胞の前記投与時点から前記CAR-T細胞の前記投与後約131日までの間に得られる。いくつかの実施例において、前記方法は、前記CAR-T細胞の前記投与後約6ヶ月の追跡期間に、約20%~約96%の比率で奏効を効果的に維持する。いくつかの実施例において、前記方法は、前記CAR-T細胞の前記投与後約6ヶ月の追跡期間に、約80%の比率で奏効を効果的に維持する。
【0060】
いくつかの実施例において、多発性骨髄腫は、少なくとも2種類の薬物に対して難治性である。いくつかの実施例において、多発性骨髄腫は、少なくとも3種類の薬物に対して難治性である、いくつかの実施例において、多発性骨髄腫は、少なくとも4種類の薬物に対して難治性である。いくつかの実施例において、多発性骨髄腫は、少なくとも5種類の薬物に対して難治性である。
【0061】
いくつかの実施例において、被験者は、前記CAR-T細胞の前記投与前に、約10%~約30%の骨髄形質細胞を有する。
【0062】
いくつかの実施例において、用量は、前記被験者の質量1キログラムあたりに1.0 × 105~5.0 × 106個の前記CAR-T細胞を含む。いくつかの実施例において、用量は、前記被験者の質量1キログラムあたりに5.0 × 105~1.0 × 106個の前記CAR-T細胞を含む。いくつかの実施例において、用量は、前記被験者の質量1キログラムあたりに約0.75 × 106個の前記CAR-T細胞を含む。いくつかの実施例において、用量は、被験者あたりに1.0 × 108個未満の前記CAR-T細胞を含む。
【0063】
いくつかの実施例において、前記CAR-T細胞の前記投与は、単回静脈内注入によるものである。いくつかの実施例において、前記単回静脈内注入は、1バッグの前記CAR-T細胞を用いて投与する。いくつかの実施例において、前記1バッグの前記CAR-T細胞の前記投与は、前記1バッグのCAR-T細胞の解凍時点から前記1バッグのCAR-T細胞の解凍後3時間までの間に完了する。いくつかの実施例において、前記単回静脈内投与は、2バッグの前記CAR-T細胞を用いて投与する。いくつかの実施例において、前記2バッグの前記CAR-T細胞のうちの各バッグの前記投与は、前記2バッグCAR-T細胞のうちの1バッグ目の解凍時点から前記1バッグ目のCAR-T細胞の解凍後3時間までの間に完了する。
【0064】
いくつかの実施例において、リンパ枯渇レジメンは、前記CAR-T細胞投与前の約5日~約7日に行われる。いくつかの実施例において、前記リンパ枯渇レジメンは、静脈内投与によるものである。いくつかの実施例において、前記リンパ枯渇レジメンは、シクロホスファミドの投与又はフルダラビンの投与を含む。いくつかの実施例において、前記シクロホスファミドは、300 mg/m2で静脈内投与される。いくつかの実施例において、前記フルダラビンは、30 mg/m2で静脈内投与される。いくつかの実施例において、シクロホスファミドの300 mg/m2での静脈内投与とフルダラビンの30 mg/m2での静脈内投与とを含むリンパ枯渇レジメンは、前記CAR-T細胞投与前の約5日~約7日に行われる。
【0065】
いくつかの実施例において、被験者はさらに、架橋療法を受け、ここで、前記架橋療法は、アフェレシスと前記リンパ枯渇レジメンとの間の少なくとも一つの架橋薬物による短期治療を含み、且つここで、前記少なくとも一つの架橋薬物は、以前に、被験者の疾患安定、最小奏効、部分奏効、最良部分奏効、完全奏効又は厳格な完全奏効の結果がすでに得られた。いくつかの実施例において、被験者は、前記架橋療法を受けているにもかかわらず、腫瘍負荷が増加した。いくつかの実施例において、被験者は、前記架橋療法を受けているにもかかわらず、腫瘍負荷が約25%以上増加した。
【0066】
いくつかの実施例において、前記方法は、前記CAR-T細胞のインビボ増幅を有意に減少させることなく、前記CAR-T細胞の前記投与から約3日を超えて前記被験者のサイトカイン放出症候群を治療することをさらに含む。いくつかの実施例において、前記サイトカイン放出症候群の治療は、被験者にIL-6R阻害剤を投与することを含む。いくつかの実施例において、前記IL-6R阻害剤は、抗体である。いくつかの実施例において、前記抗体は、IL-6Rの細胞外ドメインに結合することによってIL-6Rを阻害する。いくつかの実施例において、前記IL-6R阻害剤は、IL-6とIL-6Rとの結合を阻止する。いくつかの実施例において、IL-6R阻害剤は、トシリズマブである。
【0067】
いくつかの実施例において、前記被験者は、前記CAR-T細胞の前記投与前多くとも約1時間に、解熱剤と抗ヒスタミン剤とを含む投与プロドラッグで治療される。いくつかの実施例において、前記解熱剤は、パラセタモール又はアセトアミノフェンを含む。いくつかの実施例において、前記解熱剤は被験者に経口投与又は静脈内投与される。いくつかの実施例において、前記解熱剤は、650 mg~1000 mgの用量で被験者に投与される。いくつかの実施例において、前記抗ヒスタミン剤は、ジフェンヒドラミンを含む。いくつかの実施例において、前記抗ヒスタミン剤は、被験者に経口投与又は静脈内投与される。いくつかの実施例において、前記抗ヒスタミン剤は、25 mg~50 mgの用量又はその等価用量で投与される。いくつかの実施例において、前記解熱剤は、パラセタモール又はアセトアミノフェンを含み、且つ前記解熱剤は、650 mg~1000 mgの用量で、被験者に経口投与又は静脈内投与され、且つここで、前記抗ヒスタミン剤は、ジフェンヒドラミンを含み、且つ前記抗ヒスタミン剤は、25 mg~50 mgの用量又はその等価用量で被験者に経口投与又は静脈内投与される。
【0068】
いくつかの実施例において、被験者に投与される、CAR-T細胞を含む組成物は、ジメチルスルホキシド又はデキストラン-40から選択される賦形剤をさらに含む。
【0069】
いくつかの実施例において、第1のBCMA結合部分及び/又は第2のBCMA結合部分は、抗BCMA VHHである。いくつかの実施例において、第1のBCMA結合部分は、第1の抗BCMA VHHであり、且つ第2のBCMA結合部分は、第2の抗BCMA VHHである。いくつかの実施例において、第1のBCMA結合部分は、配列番号2のアミノ酸配列を含む。いくつかの実施例において、第1のBCMA結合部分は、配列番号10の核酸配列によりコードされるポリペプチドを含む。いくつかの実施例において、第2のBCMA結合部分は、配列番号4のアミノ酸配列を含む。いくつかの実施例において、第2のBCMA結合部分は、配列番号12の核酸配列によりコードされるポリペプチドを含む。
【0070】
いくつかの実施例において、第1のBCMA結合部分と第2のBCMA結合部分は、ペプチドリンカーを介して互いに連結される。いくつかの実施例において、ペプチドリンカーは、配列番号3のアミノ酸配列を含む。いくつかの実施例において、ペプチドリンカーは、配列番号11の核酸配列によりコードされるポリペプチドを含む。
【0071】
いくつかの実施例において、CARポリペプチドは、前記ポリペプチドのN末端に位置するシグナルペプチドをさらに含む。いくつかの実施例において、シグナルペプチドは、CD8αに由来するものである。いくつかの実施例において、シグナルペプチドは、配列番号1のアミノ酸配列を含む。いくつかの実施例において、シグナルペプチドは、配列番号9の核酸配列によりコードされるポリペプチドを含む。
【0072】
いくつかの実施例において、膜貫通ドメインは、配列番号6のアミノ酸配列を含む。いくつかの実施例において、膜貫通ドメインは、配列番号14の核酸配列によりコードされるポリペプチドを含む。
【0073】
いくつかの実施例において、細胞内シグナル伝達ドメインは、免疫エフェクター細胞の一次細胞内シグナル伝達ドメインを含む。いくつかの実施例において、細胞内シグナル伝達ドメインは、CD3ζに由来するものである。いくつかの実施例において、細胞内シグナル伝達ドメインは、少なくとも一つの共刺激シグナル伝達ドメインを含む。いくつかの実施例において、細胞内シグナル伝達ドメインは、配列番号8のアミノ酸配列を含む。いくつかの実施例において、細胞内シグナル伝達ドメインは、配列番号16の核酸配列によりコードされるポリペプチドを含む。いくつかの実施例において、細胞内シグナル伝達ドメインは、配列番号7のアミノ酸配列を含む。いくつかの実施例において、細胞内シグナル伝達ドメインは、配列番号15の核酸配列によりコードされるポリペプチドを含む。
【0074】
いくつかの実施例において、CARポリペプチドは、細胞外抗原結合ドメインのC末端と膜貫通ドメインのN末端との間に位置するヒンジドメインをさらに含む。いくつかの実施例において、ヒンジドメインは、配列番号5のアミノ酸配列を含む。いくつかの実施例において、ヒンジドメインは、配列番号13の核酸配列によりコードされるポリペプチドを含む。
【0075】
いくつかの実施例において、CARは、配列番号17のアミノ酸配列を含む。
【0076】
いくつかの実施例において、T細胞は、自家T細胞である。いくつかの実施例において、T細胞は、同種異系T細胞である。
【0077】
いくつかの実施例において、被験者は、ヒトである。
【0078】
いくつかの実施例において、被験者は、以前にBCMA標的薬物に曝露されていなかった。
【0079】
いくつかの実施例において、多発性骨髄腫は進行性である。
【図面の簡単な説明】
【0080】
3.図面の簡単な説明
【
図1】BCMA抗原の、リンパ節におけるGC、記憶細胞及び形質芽細胞表面、骨髄LN及びMALTにおける長寿命形質細胞表面並びに多発性骨髄腫細胞での発現を示した図である。BAFF-R抗原は、形質芽細胞、長寿命形質細胞又は多発性骨髄腫細胞で発現しない。TACIは、記憶細胞及び形質芽細胞、長寿命形質細胞並びに多発性骨髄腫細胞で発現する。CD138は、長寿命形質細胞及び多発性骨髄腫細胞のみで発現する。
【0081】
【
図2】シルタカブタジンオートルーセル(ciltacabtagene autoleucel)CARの設計を示した図である。シルタカブタジンオートルーセルは、様々な他のCARで発現する単一のVLドメイン及び単一のVHドメインではなく、二つのVHHドメインを含む。シルタカブタジンオートルーセルは、細胞内CD137とヒトCD3ζドメインとを含む。
【0082】
【
図3】シルタカブタジンオートルーセルCARをコードするウイルスを製造し、ウイルスを患者からのT細胞中に形質導入し、且つそしてシルタカブタジンオートルーセルを発現するCAR T細胞を製造するための概略図である。
【0083】
【
図4】シルタカブタジンオートルーセルCAR T細胞の研究設計を示した概略図である。患者集団は、再発性又は難治性多発性骨髄腫に罹患しており、3種類の前ライン又はPI/IMiDの両方に対して難治性であり、以前にPI、IMiD、抗CD38に曝露された患者を含む。主な目標は、安全性とRP2Dの確立、例えば、有害事象の発生率と重症度(ステージ1b)の調査である。別の主な目標は、有効性である:IMWGで定義されている(ステージ2)ように、ORR-PR又はより良いものである。以下は副次的な目標である:有害事象の発生率及び重症度(ステージ2)並びに任意のさらなる有効性の特徴づけ。
【0084】
【
図5】全ての治療解析集団におけるコーホートAの奏効者の疾患負荷(測定可能な疾患のタイプ、即ち血清Mタンパク質、尿中Mタンパク質、又は損なわれた遊離軽鎖と損なわれていない遊離軽鎖(dFLC)との間の差異を表す)の減少を示した図である。「a」は、ベースラインにおけるベンスジョーンズタンパク(Bence-Jones proteinuria)を表し、ここで、架橋療法中に一過性奏効が起こり、出力はdFLC値を表す。
【0085】
【
図6】全ての治療解析集団におけるコーホートBの奏効者の疾患負荷(測定可能な疾患のタイプ、即ち血清Mタンパク質、尿中Mタンパク質、又は損なわれた遊離軽鎖と損なわれていない遊離軽鎖(dFLC)との間の差異を表す)の減少を示した図である。
【0086】
【
図7】全ての治療解析集団におけるコーホートCの奏効者の疾患負荷(測定可能な疾患のタイプ、即ち血清Mタンパク質、尿中Mタンパク質、又は損なわれた遊離軽鎖と損なわれていない遊離軽鎖(dFLC)との間の差異を表す)の減少を示した図である。「a」は、ベースラインにおけるベンスジョーンズタンパクを表し、ここで、架橋療法中に一過性奏効が起こり、出力はdFLC値を表す。「b」は、推定不能の(NE)測定可能な疾患タイプを表し、出力はdFLC値を表す。
【0087】
【
図8】全ての治療解析集団におけるコーホートAの奏効者の奏効評定及び奏効持続期間を示した図である。
【0088】
【
図9】全ての治療解析集団におけるコーホートBの奏効者の奏効評定及び奏効持続期間を示した図である。
【0089】
【
図10】全ての治療解析集団におけるコーホートCの奏効者の奏効評定及び奏効持続期間を示した図である。
【0090】
【
図11】全ての治療解析集団におけるコーホートAの奏効者の奏効持続期間を評定するKaplan-Meier図である。
【0091】
【
図12】全ての治療解析集団におけるコーホートBの奏効者の奏効持続期間を評定するKaplan-Meier図である。
【0092】
【
図13】全ての治療解析集団におけるコーホートAの奏効者の奏効持続期間を評定するKaplan-Meier図である。
【0093】
【
図14】全ての治療解析集団におけるコーホートAの奏効者の無増悪生存期間を評定するKaplan-Meier図である。
【0094】
【
図15】全ての治療解析集団におけるコーホートBの奏効者の無増悪生存期間を評定するKaplan-Meier図である。
【0095】
【
図16】全ての治療解析集団におけるコーホートCの奏効者の無増悪生存期間を評定するKaplan-Meier図である。
【発明を実施するための形態】
【0096】
4.詳細な説明
本開示は、多発性骨髄腫に罹患している患者をCAR-T細胞により治療する方法を提供する。いくつかの実施例において、これらの方法は、以前の治療を受け、全生存率が約50%以下である、多発性骨髄腫に罹患している患者を治療することに関する。本開示は、関連する核酸、組換え発現ベクター、宿主細胞、細胞集団、抗体又はその抗原結合部分及び医薬組成物をさらに提供し、それは、本開示の免疫細胞及びCAR発現T細胞に関する。用量プロトコル及び剤形も提供される。
【0097】
以下では、本発明のいくつかの態様を、説明のみを目的とした例を参照して説明する。理解すべきこととして、本開示の十分な理解を提供するために、多くの特定の詳細、関係及び方法が記述されている。しかしながら、当業者であれば容易に認識できるように、本開示は、一つ又は複数の特定の詳細なしに実践され、又は他の方法、レジメン、試薬、細胞株及び動物を用いて実践され得る。本開示は、一部の動作が、異なる順序で発生し、及び/又は他の動作又は事象と同時に発生し得るため、説明される動作又は事象の順序に限定されない。なお、本開示による方法を実施するためには、説明される全ての動作、ステップ又は事象が必要とされるわけではない。
【0098】
特に定義しない限り、本明細書で使用される当分野の全ての用語、注釈及び他の科学用語又は語彙は、いずれも当業者に一般に理解される意味を有することが意図される。いくつかの場合に、明確さ及び/又は参照の便宜のために、本明細書は、一般的に理解される意味を有する用語を定義し、且つこのような定義を含む本明細書は、必ずしも、当分野で一般的に理解される意味と有意な差異を示すものとして解釈されるべきではない。さらに理解されるように、用語(一般的な辞書で定義されているような用語)は、関連分野の文脈におけるその意味と一致する意味及び/又は本明細書で別途定義される意味を有するものとして解釈されるべきである。
【0099】
4.1. 定義
「約」(「about」)又は「大体」(「approximately」)という用語は、統計学的に有意な値の範囲内に含まれる。このような範囲は、所定の値又は範囲のオーダー内であってもよく、好ましくは50%内であり、より好ましくは20%内であり、さらにより好ましくは10%内であり、且つなおさらに好ましくは5%内である。「約」(「about」)又は「大体」(「approximately」)という用語に包含される許容可能な変化は、研究対象の特定の系に依存し、且つ当業者に容易に理解され得る。
【0100】
本明細書で使用される「タンパク質」又は「ポリペプチド」という用語は、全ての種類の、天然に存在するタンパク質及び合成タンパク質を包含し、全ての長さのタンパク質断片、融合タンパク質及び修飾されたタンパク質を含み、糖タンパク質及び全ての他のタイプの修飾されたタンパク質(例えば、リン酸化、アセチル化、ミリストイル化、パルミトイル化、グリコシル化、酸化、ホルミル化、アミド化、ポリグルタミル化、ADP-リボシル化、ペグ化、ビオチン化などによって産生されるタンパク質)を含むが、それらに限らない。
【0101】
別段の説明がない限り、「核酸」、「ヌクレオチド」及び「ポリヌクレオチド」という用語は、DNA及びRNAの両方を包含する。「核酸配列」又は「ヌクレオチド配列」は、アミノ酸をコードする核酸配列を意味し、これらの用語は、また、クローン生成物として付加される任意のアミノ酸(リンカーによりコードされる任意のアミノ酸を含む)をコードする部分を含む核酸配列を指すことができる。
【0102】
「抗体」という用語は、モノクローナル抗体(全長4鎖抗体又は全長重鎖のみの抗体(免疫グロブリンFc領域を有する)を含む)と、ポリエピトープ特異性を有する抗体組成物と、多重特異性抗体(例えば、二重特異性抗体、ダイアボディー及び単鎖分子)と、抗体断片(例えば、Fab、F(ab´)2及びFv)とを含む。「免疫グロブリン」(Ig)と「抗体」という用語は、本明細書で交換可能に使用される。本明細書で考慮される抗体は、単一ドメイン抗体、例えば、重鎖のみ抗体を含む。「抗体(antibody及びantibodies)」という用語は、モノクローナル抗体、多重特異性抗体、ヒト抗体、ヒト化抗体、キメラ抗体、単鎖Fv(scFv)、単鎖抗体、Fab断片、F(ab′)断片、ジスルフィド結合を介して連結されるFv(sdFv)、細胞内抗体、ミニ抗体、ダイアボディー及び抗イディオタイプ(抗Id)抗体(例えば、抗原特異的TCRに対する抗Id抗体を含む)、及び上記のいずれかのエピトープ結合断片を指す。「抗体(antibody及びantibodies)」という用語はさらに、共有結合型ダイアボディー(例えば、米国特許出願公開第2007/0004909号に開示されるもの)及びIg-DARTS(例えば、米国特許出願公開第2009/0060910号に開示されるもの)を指す。免疫グロブリン分子は、任意のタイプ(例えば、IgG、IgE、IgM、IgD、IgA及びIgY)、クラス(例えば、IgG1、IgG2、IgG3、IgG4、IgM1、IgM2、IgA1及びIgA2)又はサブクラスであってもよい。
【0103】
「全長抗体」は、ジスルフィド結合を介して互いに連結される二本の重鎖(HC)と二本の軽鎖(LC)及びそれらの多量体(例えば、IgM)からなる。各本の重鎖は、重鎖可変ドメイン(VH)及び重鎖定常ドメインからなり、重鎖定常ドメインは、サブドメインCH1、ヒンジ、CH2及びCH3からなる。各本の軽鎖は、軽鎖可変ドメイン(VL)及び軽鎖定常ドメイン(CL)からなる。VH及びVLは、超可変領域にさらに細分されてもよく、それは、相補性決定領域(CDR)と呼ばれ、フレームワーク領域(FW)が散在している。各VH及びVLは、三つのCDR及び四つのFWセグメントからなり、それらは、アミノ基からカルボキシ末端まで、FW1、CDR1、FW2、CDR2、FW3、CDR3及びFW4の順で並べられている。
【0104】
「相補性決定領域(CDR)」は、抗体における抗原結合部位である。CDRは、様々な用語で定義されてもよく、(i) 相補性決定領域(CDR)(VHにおける三つ(HCDR1、HCDR2、HCDR3)及びVLにおける三つ(LCDR1、LCDR2、LCDR3))は、配列可変性に基づく(Wu及びKabat, J. Exp. Med. 132:211-50, 1970;Kabatら, Sequences of Proteins of Immunological Interest, 5th Ed. Public Health Service, National Institutes of Health, Bethesda, Md., 1991)。(ii) 「超可変領域」、「HVR」又は「HV」(VHにおける三つ(H1、H2、H3)及びVLにおける三つ(L1、L2、L3))は、構造が高度に可変な抗体可変ドメインの領域を指し、Chothia及びLeskにより定義されたとおりである(Chothia及びLesk, Mol. Biol. 196:901-17, 1987)。国際ImMunoGeneTics(IMGT)データベース(http://www_imgt_org)は、抗原結合部位の標準番号付け及び定義を提供する。CDR、HV及びIMGT記述の間の対応関係は、Lefrancら, Dev. Comparat. Immunol. 27:55-77, 2003に記述されている。本明細書で使用されるように、「CDR」、「HCDR1」、「HCDR2」、「HCDR3」、「LCDR1」、「LCDR2」及び「LCDR3」という用語は、本明細書で別段の明確な指示がない限り、以上に説明した任意の方法、Kabat、Chothia又はIMGTにより定義されるCDRを含む。フレームワーク領域(FW)は、VL(LFW1、LFW2、LFW3、LFW4)及びVH(HFW1、HFW2、HFW3、HFW4)におけるCDRのいずれかにも隣接しており、これらのCDRの間に位置する。
【0105】
「重鎖のみ抗体」又は「HCAb」という用語は、機能性抗体を含み、それは、重鎖を含むが、通常、4鎖抗体に見られる軽鎖を欠く。ラクダ科動物(例えば、ラクダ、ラマ、アルパカ)は、HCAbを産生することが知られている。
【0106】
「単一ドメイン抗体」又は「sdAb」という用語は、三つの相補性決定領域(CDR)を有する単一抗原結合ポリペプチドを指す。単独のsdAbは、抗原に結合することができるが、CDR含有の対応するポリペプチドとペアリングしない。いくつかの場合に、単一ドメイン抗体は、ラクダHCAbからエンジニアリングされ、且つその重鎖可変ドメインは、本明細書で「VHH」と呼ばれる。いくつかのVHHは、「ナノ抗体」とも呼ばれる。ラクダsdAbは、既知の最も小さい抗原結合抗体断片の一つである(例えば、Hamers-Castermanら, Nature 363:446-8 (1993)、Greenbergら, Nature 374:168-73 (1995)、Hassanzadeh-Ghassabehら, Nanomedicine (Lond), 8:1013-26 (2013)を参照されたい)。基本的なVHHは、N末端からC末端へ、FR1-CDR1-FR2-CDR2-FR3-CDR3-FR4構造を有し、ここで、FR1からFR4は、それぞれフレームワーク領域1~4を指し、且つここで、CDR1からCDR3は、相補性決定領域1~3を指す。
【0107】
抗体の「可変領域」又は「可変ドメイン」は、該抗体の重鎖又は軽鎖のアミノ末端ドメインを指す。重鎖と軽鎖の可変ドメインは、それぞれ「VH」と「VL」と呼ばれてもよい。これらのドメインは、通常、抗体の最も可変な部分(同じクラスの他の抗体と比較する)であり、且つ抗原結合部位を含有する。ラクダ種からの重鎖のみ抗体は、「VHH」と呼ばれる単一の重鎖可変領域を有する。そのため、VHHは、特殊なタイプのVHである。
【0108】
「可変」という用語は、可変ドメインのいくつかのセグメントの配列が抗体間で大きく異なるという事実を指す。Vドメイン(即ち可変ドメイン)は、抗原結合を媒介し、特定の抗体のその特定の抗原に対する特異性を定義する。しかしながら、可変性は、可変ドメインの全スパンにわたって均一に分布しない。逆に、それは、軽鎖と重鎖可変ドメイン中の超可変領域(HVR)と呼ばれる三つのセグメントに集中している。可変ドメインのより保存的な部分は、フレームワーク領域(FR)と呼ばれる。天然重鎖及び軽鎖の可変ドメインは、それぞれ、主にβシート構造を用いる、三つのHVRを介して連結される四つのFR領域を含み、この三つのHVRは、連結して、βシート構造を連結するループを形成し、且ついくつかの場合にβシート構造の一部を形成する。各本の鎖におけるHVRは、FR領域によって緊密に保持され、且つ抗体の抗原結合部位(抗体がsdAbではない場合、別の鎖からHVRを用いる)の形成に役立つ(Kabatら, Sequences of Immunological Interest, 第五版, National Institute of Health, Bethesda, Md.(1991)を参照されたい)。定常ドメインは、抗体と抗原との結合に直接関与しないが、抗体依存性細胞傷害での抗体の関与などの様々なエフェクター機能を示す。
【0109】
「抗体の断片」、「抗体断片」、「抗体の機能断片」及び「抗原結合部分」という用語は、本明細書に交換可能に使用され、抗体の一つ又は複数の断片又は部分を意味し、これらの断片又は部分は、抗原に特異的に結合する能力を保持する(通常、Holligerら, Nat. Biotech., 23(9): 1 126-1129 (2005)を参照されたい)。本明細書に開示される核酸配列によりコードされるCARの抗原認識部分は、任意のBCMA結合抗体断片を含有してもよい。抗体断片は、望ましくは例えば、一つ又は複数のCDR、可変領域(又はその一部)、定常領域(又はその一部)又はそれらの組み合わせを含む。抗体断片の例は、 (i) VL、VH、CL及びCHIドメインで構成される1価断片であるFab断片と、(ii) ヒンジ領域位置のジスルフィド結合により連結される二つのFab断片を含む2価断片であるF(ab´)2断片と、(iii) 抗体の単一アームのVLとVHドメインで構成されるFv断片と、(iv)合成リンカーを介して連結されるFv断片の二つのドメイン(即ちVLとVH)で構成される1価分子である単鎖Fv(scFv)であって、該合成リンカーは、二つのドメインを単一のポリペプチド鎖に合成することができる(例えば、Birdら, Science, 242: 423-426 (1988)、Hustonら, Proc. Natl. Acad. Sci. USA, 85: 5879-5883 (1988)、及びOsbournら, Nat. Biotechnol, 16: 778 (1998)を参照されたい)と、 (v) ポリペプチド鎖の二量体であるダイアボディーであって、各ポリペプチド鎖は、ペプチドリンカーを介してVLに連結されるVHを含み、該ペプチドリンカーは、同一のポリペプチド鎖におけるVHとVLとの間のペアリングを可能にするには短すぎ、それによって異なるVH-VLポリペプチド鎖における相補的ドメインの間のペアリングを駆動して、二つの機能的抗原結合部位を有する二量体分子を産生するダイアボディーとを含むが、それらに限らない。抗体断片は、当分野で既知のものであり、且つ例えば、米国特許出願公開第2009/0093024 A1号により詳しく記述されている。抗原結合断片は、合成されたポリペプチド、酵素的に入手可能なポリペプチド又は遺伝子操作されたポリペプチドであってもよく、且つ抗原に結合する免疫グロブリンの一部、例えば、VH、VL、VH及びVL、Fab、Fab´、F(ab´)2、Fd及びFv断片、一つのVHドメイン又は一つのVLドメインからなるドメイン抗体(dAb)、サメ可変IgNARドメイン、ラクダ化VHドメイン、VHHドメイン、抗体CDRを模倣するアミノ酸残基からなる最小認識単位(例えば、FR3-CDR3-FR4部分)、HCDR1、HCDR2及び/又はHCDR3及びLCDR1、LCDR2及び/又はLCDR3、抗原に結合する代替足場、並びに抗原結合断片を含む多重特異性タンパク質を含む。抗原結合断片(例えば、VH及びVL)は、合成リンカーを介して一緒に連結されて様々なタイプの単一抗体設計を形成することができ、ここで、VH/VLドメインは、分子内でペアリングするか、又はVH及びVLドメインが別々の単鎖により発現される場合に分子の間でペアリングすることができ、それによって1価の抗原結合ドメイン、例えば、単鎖Fv(scFv)又はダイアボディーを形成する。抗原結合断片はさらに、他の抗体、タンパク質、抗原結合断片又は代替足場(それは、単一特異性又は多重特異性であってもよい)にコンジュゲートされて、二重特異性及び多重特異性タンパク質をエンジニアリングすることができる。
【0110】
本明細書で使用されるように、「特異的結合」、「特異的認識」又は「……に対して特異性を有する」という用語は、測定と再現が可能である相互作用を指し、例えば、標的と抗原結合タンパク質(例えば、CAR又はVHH)との結合であり、それは、生体分子を含むヘテロ分子集団の存在下での標的の存在を決定する。
【0111】
「特異性」という用語は、抗原結合タンパク質(例えば、CAR又はVHH)による抗原の特定のエピトープに対する選択的認識を指す。例えば、天然抗体は、単一特異的である。「多重特異性」という用語は、抗原結合タンパク質(例えば、CAR又は抗体)が、二つ又はそれ以上の抗原結合部位を有することを示し、ここで、少なくとも二つの抗原結合部位が、異なる抗原結合特異性に結合する。本明細書で使用されるように、「二重特異性」は、抗原結合タンパク質(例えば、CAR又は抗体)が、二つの異なる抗原結合特異性を有することを示す。
【0112】
本明細書で使用されるように、用語「作動可能に連結される」及び同様の語句は、核酸又はアミノ酸を指すために用いられる場合、それぞれ核酸配列又はアミノ酸配列の作動可能な連結を指し、それらは互いに機能的関係に置かれている。例えば、プロモーター、エンハンサーエレメント、オープンリーディングフレーム、5´及び3´UTR並びにターミネーター配列が作動可能に連結されると、核酸分子(例えば、RNA)の正確な産生が起こる。いくつかの実施例において、作動可能に連結された核酸エレメントは、オープンリーディングフレームの転写を引き起こし、最終的にポリペプチドの産生(即ち、オープンリーディングフレームの発現)を引き起こす。別の例として、作動可能に連結されたペプチドは、その機能ドメインが互いに適切な距離に置かれており、各ドメインに所期の機能を付与するペプチドである。
【0113】
「キメラ抗原受容体」又は「CAR」は、人工的に構築されたハイブリッドタンパク質又はポリペプチドであり、それは、T細胞シグナル伝達ドメインに連結される少なくとも一つの抗体(又は抗体断片)の抗原結合ドメインを含有する。CARの特徴は、選択された標的に、T細胞の特異性と反応性を非MHC拘束的にリダイレクトする能力(モノクローナル抗体の抗原結合特性を利用する)を含んでもよい。非MHC拘束的な抗原認識は、CARを発現するT細胞に、抗原を認識する能力を与える(抗原プロセシングに依存しない)ため、腫瘍エスケープの主なメカニズムを回避した。なお、T細胞で発現する場合、CARは、内因性T細胞受容体(TCR)α及びβ鎖と二量体化しないことに有利である。CARを発現するT細胞は、本明細書において、CAR T細胞、CAR-T細胞又はCAR修飾T細胞と呼ばれ、且つこれらの用語は、本明細書に交換可能に使用される。該細胞は、遺伝子修飾されてその表面で少なくとも一つの抗原抗体結合ドメインを安定的に発現することによって、MHCに依存しない新規抗原特異性を付与することができる。「BCMA CAR」は、BCMAに対して特異な細胞外結合ドメインを有するCARを指す。「二重エピトープCAR」は、抗原(例えば、BCMA)の二つの異なるエピトープに対して特異的細胞外結合ドメインを有するCARを指す。
【0114】
「T細胞」及び「Tリンパ球」という用語は、本明細書において交換し同義的に使用され得る。本明細書で使用されるように、T細胞は、胸腺細胞、ナイーブTリンパ球、未熟Tリンパ球、成熟Tリンパ球、休止Tリンパ球又は活性化Tリンパ球を含む。T細胞は、Tヘルパー(Th)細胞、例えば、Tヘルパー1(Th1)又はTヘルパー2(Th2)細胞であってもよい。T細胞は、ヘルパーT細胞(HTL;CD4+ T細胞)CD4+ T細胞、細胞傷害性T細胞(CTL;CD8+ T細胞)、腫瘍浸潤細胞傷害性T細胞(TIL;CD8+ T細胞)、CD4+CD8+ T細胞、又は任意の他のT細胞サブグループであってもよい。特定の実施例での使用に適した他の例示的T細胞集団は、ナイーブT細胞と記憶T細胞とを含む。「NKT細胞」をさらに含み、それは、半不変αβ T細胞受容体を発現するが、典型的にはNK細胞に関連する様々な分子マーカー(例えば、NK1.1)をも発現する特殊なT細胞集団を指す。NKT細胞は、NK1.1+及びNK1.1-、並びにCD4+、CD4-、CD8+及びCD8-細胞を含む。NKT細胞におけるTCRは、MHC I様分子CD1dが提示した糖脂質抗原を認識するため、独特である。NKT細胞は、炎症又は免疫寛容を促進するサイトカインを産生することができるため、保護作用又は有害作用を有することができる。「γ-δ T細胞(γδ T細胞)」をさらに含み、それは、特殊な集団を指し、その表面に独特のTCRがあるごく一部のT細胞であり、且つほとんどのT細胞と異なっており、ほとんどのT細胞におけるTCRは、二本の糖タンパク質鎖(α-及びβ-TCR鎖と呼ばれる)からなり、γδ T細胞におけるTCRは、一本のγ-鎖と一本のδ-鎖からなる。γδ T細胞は、免疫監視及び免疫調節において役割を果たすことができ、且つIL-17の重要な供給源であり、強力なCD8+細胞傷害性T細胞反応を誘導することが発見される。「制御性T細胞」又は「Treg」をさらに含み、それは、異常又は過剰な免疫反応を抑制し、免疫寛容において役割を果たすT細胞を指す。Tregは、典型的には、転写因子Foxp3陽性CD4+T細胞であり、且つ転写因子Foxp3陰性の制御性T細胞(IL-10を産生するCD4+T細胞)を含んでもよい。
【0115】
「シルタカブタジンオートルーセル」(「cilta-cel」)は、キメラ抗原受容体T細胞(CAR-T)療法であり、それは、B細胞成熟抗原(BCMA)に対するアビディティを付与するように設計される、BCMAを標的とする二つのVHHドメインを含む。cilta-celは、シルタカブタジンオートルーセルCAR(レンチウイルスベクターによりコードされるCAR)により形質導入されたTリンパ球を含んでもよい。該CARは、ヒトB細胞成熟抗原(抗BCMA CAR)を標的とする。
図2は、cilta-cel CARをコードするレンチウイルスベクターの概略図を提供した。cilta-cel CARのアミノ酸配列は、配列番号17のアミノ酸配列である。
【0116】
「腫瘍細胞」又は「癌細胞」は、インビボ、エクスビボ又は組織培養における癌性細胞、前癌細胞又は形質転換細胞であり、それは、自然発生的又は誘導された表現型変化を有する。これらの変化は、新規遺伝物質の取り込みに関与するとは限らない。形質転換は、形質転換ウイルスの感染及び新規ゲノム核酸の取り込み、外因性核酸の取り込みによって引き起こされ得るが、自然に発生するか又は発癌物質に曝露した(それによって内因性遺伝子を突然変異させる)後に生じることもある。形質転換/癌は、インビトロ、インビボ、及びエクスビボでの形態学的変化、細胞不死化、異常な増殖制御、病変形成、増殖、悪性腫瘍、腫瘍特異的マーカーレベルの調節、侵襲性、ヌードマウスのような適切な動物宿主における腫瘍増殖などによって例示される。
【0117】
「発現(expressとexpression)」という用語は、遺伝子又はDNA配列における情報の生成を許容する、又は引き起こすことを意味する。例えば、発現は、対応する遺伝子又はDNA配列の転写と翻訳に関与する細胞機能を活性化することによってタンパク質を産生する形態を用い得る。DNA配列は、細胞において、又は細胞発現によって、タンパク質などの「発現生成物」を形成する。発現生成物自体、例えば、得られたタンパク質は、細胞により「発現」されるとも呼ばれ得る。発現生成物は、細胞内、細胞外又は膜貫通として特徴付けられてもよい。
【0118】
「治療(treat又はtreatment)」という用語は、治療性治療を指し、ここで、目的は、望ましくない生理的変化もしくは疾患を緩和もしくは軽減し、又は治療期間に有益なもしくは望ましい臨床結果を提供することである。有益な又は望ましい臨床結果は、症状の軽減、疾患程度の低下、疾患状態の安定化(即ち、悪化の停止)、疾患進行の遅延又は減速、疾患状態の改善又は緩和、及び/又は寛解(部分的寛解又は完全寛解、及び検出可能又は検出不可能にかかわらず)を含む。「治療」はさらに、被験者が治療を受けていない場合の予想生存期間と比較して生存期間を延長することを意味してもよい。治療を必要とする被験者は、望ましくない生理的変化又は疾患にすでに罹患している被験者、及び生理的変化又は疾患に罹患する傾向がある被験者を含む。治療は、本明細書で「薬物(medicament又はmedication)」と呼ばれる治療剤に関してもよく、それは、その作用によって、関心のある有益な又は望ましい臨床結果の実現に役立つことを意図してもよい。治療剤又は薬物は、多くの経路を介して被験者に投与することができ、少なくとも静脈内と経口経路を含む。治療剤又は薬物の投与に関連する用語「静脈内」は、一つ又は複数の静脈内に前記治療剤又は薬物を投与することを指す。治療剤又は薬物の投与に関連する用語「経口」は、口などの口腔通路を介して前記治療剤又は薬物を投与することを指す。
【0119】
本明細書に使用されるように、「被験者」という用語は、動物を指す。「被験者」と「患者」という用語は、被験者を言及する場合に、本明細書に交換可能に使用される。そのため、「被験者」は、患者として疾患を治療しているか又は疾患を予防している人を指す。本明細書に記載の方法は、任意の分類に属する動物被験者を治療するために用いられてもよい。このような動物の例は、哺乳動物を含む。哺乳動物は、マウスとハムスターなどの齧歯目(order Rodentia)哺乳動物、及びウサギなどの兎形目(order Logomorpha)哺乳動物を含むが、それらに限らない。哺乳動物は、ネコ科動物(ネコ)とイヌ科動物(イヌ)を含む食肉目(order Carnivora)であってもよい。哺乳動物は、ウシ科動物(ウシ)とブタ科動物(ブタ)とを含む偶蹄目(order Artiodactyla)、又はウマ科動物(ウマ)を含む奇蹄目(order Perssodactyla)であってもよい。哺乳動物は、霊長目(order Primate)、セボイド目(order Ceboid)又はシモイド目(order Simoid)(サル)又は類人猿目(order Anthropoid)(ヒト及びサル)であってもよい。いくつかの実施例において、哺乳動物はヒトである。
【0120】
用量又は量に適用される用語「有効」は、それを必要とする被験者に投与された後に、望ましい活性を産生するのに十分な化合物又は薬物組成物の量を指す。なお、活性成分の組み合わせを投与する場合、組み合わせの有効量は、個々に投与される場合に有効となる各成分の量を含んでもよいし、含まなくてもよい。必要とされる正確な量は、被験者によって変化し、被験者の種、年齢及び一般的な状況、治療される病態の重症度、用いられる一つの又は複数の特定の薬物、投与パターンなどに依存する。
【0121】
本明細書に記載の組成物と結合して使用される語句「薬学的に許容される」は、生理学的に許容され且つ哺乳動物(例えば、ヒト)に投与される場合に有害反応を典型的に生じない、組成物の分子実体及び他の成分を指す。好ましくは、「薬学的に許容される」という用語は、米国連邦もしくは州政府の規制当局によって承認されるか、又は動物、より具体的にはヒトにおける使用のために米国薬局方もしくは他の一般に認められた薬局方に列挙されることを意味する。
【0122】
本明細書の治療方法と結合して使用される用語「治療ライン」は、計画された治療手順の一つ又は複数のサイクルを指し、それは、単一薬剤療法又は組み合わせ療法の一つ又は複数の計画サイクル及び計画の方式で投与される治療順序で構成され得る。例えば、誘導療法、続いて自家由来幹細胞移植、続いて維持される計画治療方法は、一つの治療ラインである。疾患進行、再発又は毒性のため、計画された治療コースを、他の治療剤又は薬物(単独又は組み合わせ)を含むように修正した場合、新な治療ラインを開始したと考えられる。新な治療ラインは、計画された療法後の観察期が、疾患に対して追加の治療を行う必要があるため中断した場合に、既に開始されたと考えられる。
【0123】
本明細書において特定の治療剤又は薬物又は治療ラインによる治療と組み合わせて使用される「難治性」という用語は、前記治療剤又は薬物又は治療ラインに奏効しない疾患又は疾患被験者を指す。「難治性骨髄腫」という語句は、主要又は救急療法では奏効しないか又は最後の療法から60日以内に進行した多発性骨髄腫を指す。
【0124】
「不応性疾患」という語句は、療法において最小奏効が達成されないか又は疾患進行まで発展するものを指す。
【0125】
「増強」又は「促進」又は「増加」又は「拡大」又は「改善」は、通常、ビヒクル又は対照分子/組成物による応答に比べて、本明細で考慮した組成物がより大きな生理学的応答(即ち下流効果)を生成し、誘発するか又は引き起こす能力を指す。測定可能な生理学的応答は、T細胞増幅、活性化、エフェクター機能、持続的増加及び/又は癌細胞死滅殺傷能力の増加、及び当分野の理解及び本明細書の記述から明らかなものを含む。いくつかの実施例において、「増加した」又は「増強した」量は、「統計学的に有意な」量であってもよく、且つビヒクル又は対照組成物による応答の1.1倍、1.2倍、1.5倍、2倍、3倍、4倍、5倍、6倍、7倍、8倍、9倍、10倍、15倍、20倍、30倍又はそれ以上(例えば、500倍、1000倍)(その間の1より大きい全ての整数及び小数点、例えば、1.5、1.6、1.7、1.8などを含む)の増加を含んでもよい。
【0126】
「減少」又は「低減」又は「軽減」又は「低下」又は「減弱」は、通常、ビヒクル又は対照分子/組成物による応答に比べて、本明細書で考慮した組成物がより小さい生理学的応答(即ち下流効果)を生成し、誘発するか又は引き起こす能力を指す。いくつかの実施例において、「減少した」又は「低下した」量は、「統計学的に有意な」量であってもよく、且つビヒクル、対照組成物による応答(基準応答)又は特定の細胞株における応答の1.1倍、1.2倍、1.5倍、2倍、3倍、4倍、5倍、6倍、7倍、8倍、9倍、10倍、15倍、20倍、30倍又はそれ以上(例えば、500倍、1000倍)(その間の1より大きい全ての整数及び小数点、例えば、1.5、1.6、1.7、1.8などを含む)の減少を含んでもよい。
【0127】
本明細書で使用される用語は、特定の実施例を説明する目的のためだけであり、限定することを意図していない。本明細書に使用されるように、不定冠詞「一つ/種(a/an)」と「該/前記」は、文脈が別途明確に指示しない限り、複数の参照を含むと理解されるべきである。
【0128】
開示全体を通じて、本開示の各態様は、範囲の形で提示され得る。理解すべきこととして、範囲形式の記述は、単に便宜及び簡潔性のためのものであり、本開示の範囲に対する不柔軟な制限として解釈されるべきではない。そのため、範囲の記述は、正確に開示された全ての可能なサブ範囲及び該範囲内の個々の数値を有すると見なされるべきである。例えば、1~6などの範囲の記述は、1~3、1~4、1~5、2~4、2~6、3~6などの正確に開示されたサブ範囲、及び該範囲内の個々の数字、例えば、1、2、2.7、3、4、5、5.3、及び6を有すると見なされるべきである。別の例として、例えば、95%~99%の同一性の範囲は、95%、96%、97%、98%又は99%の同一性を有するものを含み、且つ96%~99%、96%~98%、96%~97%、97%~99%、97%~98%及び98%~99%の同一性などのサブ範囲を含む。これは、範囲の幅に関わらず適用される。
【0129】
4.2. ベクター
標準組換え技術を用いて、本出願に記載のCARをコードするポリヌクレオチド配列を得ることができる。ハイブリドーマ細胞などの抗体産生細胞から、所望のポリヌクレオチド配列を単離し配列決定することができる。代替的に、ヌクレオチド合成装置又はPCR技術を用いて、ポリヌクレオチドを合成することができる。
【0130】
本開示は、本明細書に開示されるCARをコードする核酸配列を含むベクターをさらに提供した。ベクターは、例えば、プラスミド、コスミド、ウイルスベクター(例えば、レトロウイルス又はアデノウイルス)又はファージであってもよい。適切なベクターとベクター製造方法は、当分野でよく知られているものである(例えば、SambrookらとAusubelらを参照されたい)。
【0131】
本明細書に開示されるCARをコードする核酸配列以外、ベクターは、好ましくは、宿主細胞において核酸配列の発現を提供する発現制御配列、例えば、プロモーター、エンハンサー、ポリアデニル化シグナル、転写ターミネーター、内部リボソーム進入部位(IRES)などを含む。例示的な発現制御配列は、当分野で既知のものであり、且つ例えば、Goeddel, Gene Expression Technology: Methods in Enzymology, Vol. 185, Academic Press, San Diego, Calif. (1990)に記述されている。
【0132】
いくつかの実施例において、ベクターは、プロモーターを含む。多くの潜在的な宿主細胞に認識される多数のプロモーターは周知である。選択されたプロモーターは、制限酵素消化により、ソースDNAからプロモーターを除去し、単離されたプロモーター配列を本出願のベクターに挿入することによって、本明細書に開示されるCARをコードするシストロンDNAに操作可能に連結され得る。多くの異なるソースからの多数のプロモーターは、構成性、誘導性及び阻害性プロモーターを含むことが当分野でよく知られている。代表的なプロモーターソースは、例えば、ウイルス、哺乳動物、昆虫、植物、酵母及び細菌を含み、且つこれらのソースからの適切なプロモーターは、容易に入手可能であり、又は例えば、ATCCのような寄託センター及び他の商業的もしくは個人的ソースからの公的に利用可能な配列に基づいて合成して製造することができる。プロモーターは、一方向性(即ち、一つの方向に転写を開始する)又は二方向性(即ち、3´又は5´方向に転写を開始する)であり得る。プロモーターの非限定的例としては、例えば、T7細菌発現系、pBAD(araA)細菌発現系、サイトメガロウイルス(CMV)プロモーター、SV40プロモーター及びRSVプロモーターが挙げられる。誘導性プロモーターは、例えば、Tet系(米国特許第5,464,758と5,814,618号)、エクジソン誘導性系(Noら, Proc. Natl. Acad. Sci., 93: 3346-3351 (1996))、T-REX(商標)系(Invitrogen, Carlsbad, CA)、LACSWITCH(商標)系(Stratagene, San Diego, CA)及びCre-ERTタモキシフェン誘導性リコンビナーゼ系(Indraら, Nuc. Acid. Res., 27: 4324- 4327 (1999)、Nuc. Acid. Res., 28: e99 (2000)、米国特許第7,112,715号、及びKramerとFussenegger, Methods Mol. Biol, 308: 123-144 (2005))を含む。
【0133】
いくつかの実施例において、ベクターは、「エンハンサー」を含む。本明細書に使用されるように、「エンハンサー」という用語は、例えば、それに操作可能に連結される核酸配列の転写を増加させるDNA配列を指す。エンハンサーは、核酸配列のコード領域から数キロベース離れて位置してもよく、且つ調節因子の結合、DNAメチル化パターン又はDNA構造の変化を媒介することができる。多くの異なるソースからの多数のエンハンサーは、当分野でよく知られており、且つクローニングされたポリヌクレオチドとして又はクローニングされたポリヌクレオチド内で(例えば、ATCCなどの寄託センター及び他の商業的ソース又は個人的ソースから)入手可能である。プロモーター(例えば、一般的に使用されるCMVプロモーター)を含む多くのポリヌクレオチドは、エンハンサー配列をも含む。エンハンサーは、コード配列の上流、内部又は下流に位置し得る。「Igエンハンサー」という用語は、エンハンサー領域に由来するエンハンサー要素を指し、該エンハンサー領域は、免疫グロブリン(Ig)遺伝子座内にマップされる。このようなIgエンハンサーは、例えば、重鎖(μ)5´エンハンサー、軽鎖(κ)5´エンハンサー、κ及びμイントロンエンハンサー、並びに3´エンハンサーを含む(通常、Paul W.E. (ed), Fundamental Immunology, 3rd Edition, Raven Press, New York (1993), pages 353-363、及び米国特許第5,885,827号を参照されたい)。
【0134】
いくつかの実施例において、ベクターは、「選択可能マーカー遺伝子」を含む。本明細書に使用されるように、「選択可能マーカー遺伝子」という用語は、核酸配列を発現する細胞が、対応する選択剤の存在下で特異的に選択されるか、又は標的とされることを可能にする核酸配列を指す。適切な選択可能マーカー遺伝子は、当分野で既知であり、且つ例えば、国際特許出願公報WO 1992/08796とWO 1994/28143、Wiglerら, Proc. Natl. Acad. Sci. USA, 77: 3567 (1980)、O´Hareら, Proc. Natl. Acad. Sci. USA, 78: 1527 (1981)、MulliganとBerg, Proc. Natl. Acad. Sci. USA, 78: 2072 (1981)、Colberre-Garapinら, J. Mol. Biol., 150: 1 (1981)、Santerreら, Gene, 30: 147 (1984)、Kentら, Science, 237: 901-903 (1987)、Wiglerら, Cell, IP. 223 (1977)、SzybalskaとSzybalski, Proc. Natl. Acad. Sci. USA, 48: 2026 (1962)、Lowyら, Cell, 22: 817 (1980)、及び米国特許第5,122,464と5,770,359号に記述されている。
【0135】
いくつかの実施例において、ベクターは、「エピソーム発現ベクター」又は「エピソーム」であり、それは、宿主細胞において複製可能であり、適切な選択圧の存在下で、宿主細胞内のDNAの染色体外セグメントとして存続する(例えば、Coneseら, Gene Therapy, 11: 1735-1742 (2004)を参照されたい)。代表的な市販のエピソーム発現ベクターは、エプスタイン-バーウイルス核抗原1(EBNA1)とエプスタイン-バーウイルス(EBV)複製始点(oriP)を利用するエピソームプラスミドを含むが、それらに限らない。Invitrogen(Carlsbad, CA)からのベクターpREP4、pCEP4、pREP7及びpcDNA3.1並びにStratagene(La Jolla, CA)からのpB-CMVは、EBNAlとoriPの代わりに、T抗原とSV40複製始点を使用するエピソームベクターの非限定的例を示す。
【0136】
いくつかの実施例において、ベクターは、「組込み発現ベクター」であり、それは、宿主細胞のDNA中にランダムに組込まれ得るか、又は発現ベクターと宿主細胞の染色体DNAにおける特定の部位との間の組換えを可能にするように、組換え部位を含んでもよい。このような組込み発現ベクターは、宿主細胞染色体の内因性発現制御配列を利用して所望のタンパク質の発現を実現することができる。部位特異的な方式で組込まれるベクターの例としては、例えば、Invitrogen(Carlsbad, CA)からのflp-in系の成分(例えば、pcDNATM5/FRT)、又は例えば、Stratagene(La Jolla, CA)からのpExchange-6コアベクターから見だされ得るcre-lox系が挙げられる。宿主細胞染色体にランダムに組込まれたベクターの例としては、例えば、Invitrogen(Carlsbad, CA)からのpcDNA3.1(T抗原が存在しない場合に導入される)、及びPromega(Madison, WI)からのpCI又はpFNI OA (ACT) FLEXITMが挙げられる。
【0137】
いくつかの実施例において、ベクターは、ウイルスベクターである。代表的なウイルス発現ベクターは、アデノウイルスベースのベクター(例えば、Crucell, Inc.(Leiden, The Netherlands)から入手可能なアデノウイルスベースのPer.C6系)、レンチウイルスベースのベクター(例えば、Life Technologies(Carlsbad, CA)からのレンチウイルスベースのpLPl)及びレトロウイルスベースのベクター(例えば、Stratagene(La Jolla, CA)からのpFB-ERVプラスpCFB-EGSH)を含むが、それらに限らない。好ましい実施例において、ベクターは、レンチウイルスベクターである。
【0138】
いくつかの実施例において、本明細書に開示されるCARをコードする核酸を含むベクターを、異種核酸を含有し得る宿主細胞に導入する。本明細書で使用されるように、「宿主細胞」という用語は、異種核酸を含有する任意の細胞を意味する。異種核酸は、ベクター(例えば、発現ベクター)であってもよい。例えば、宿主細胞は、任意の生体からの細胞であってもよく、任意の方式で選択され、修飾され、形質転換され、増殖し、使用されるか又は操作され、細胞、例えば、細胞発現遺伝子、DNA又はRNA配列、タンパク質又は酵素によって物質を産生するためのものである。適切な宿主は確定され得る。例えば、ベクター骨格及び所望の結果に基づいて宿主細胞を選択することができる。例えば、プラスミド又はコスミドを原核宿主細胞に導入して、いくつかのタイプのベクターを複製することができる。DH5α、JM109及びKCB、SURE(登録商標)コンピテント細胞及びSOLOPACK Gold細胞のような(それらに限らない)細菌細胞は、ベクターを複製及び/又は発現するための宿主細胞として用いられてもよい。また、大腸菌LE392のような細菌細胞は、ファージウイルスの宿主細胞として用いられてもよい。宿主細胞として用いられ得る真核細胞は、酵母(例えば、YPH499、YPH500及びYPH501)、昆虫及び哺乳動物を含むが、それらに限らない。ベクターを複製及び/又は発現するための哺乳動物真核宿主細胞の例は、HeLa、NIH3T3、Jurkat、293、COS、CHO、Saos及びPC12を含むが、それらに限らない。好ましくは、宿主細胞は、発現ベクターを含有する細胞であってもよい。好ましい実施例において、宿主細胞は、容易且つ確実に増殖することができ、非常に速い増殖速度を有し、良好に特徴付けられた発現系を有し、且つ容易且つ効果的に形質転換又はトランスフェクトされ得るものである。宿主細胞は、真核細胞、例えば、植物、動物、真菌もしくは藻類であってもよく、又は原核細胞、例えば、細菌もしくは原生動物であってもよい。宿主細胞は、培養細胞又は初代細胞、即ち生体例えば、ヒトから直接単離されたものであってもよい。宿主細胞は、接着細胞又は浮遊細胞、即ち浮遊液中で増殖する細胞であってもよい。適切な宿主細胞は、当分野で既知であり、例えば、DH5α大腸菌細胞、チャイニーズハムスター卵巣細胞、サルVERO細胞、COS細胞、HEK 293細胞などを含む。好ましい実施例において、宿主細胞は、HEK 293細胞である。いくつかの実施例において、HEK 293細胞は、ATCC SD-3515系に由来するものである。いくつかの実施例において、HEK 293細胞は、IU-VPF MCB系に由来するものである。いくつかの実施例において、HEK 293細胞は、IU-VPF MWCB系に由来するものである。いくつかの実施例において、宿主細胞は、末梢血リンパ球(PBL)、末梢血単核細胞(PBMC)又はナチュラルキラー細胞(NK)であってもよい。好ましくは、宿主細胞は、ナチュラルキラー(NK)細胞である。さらに好ましくは、宿主細胞は、T細胞である。
【0139】
組換え発現ベクターを増幅又は複製するために、宿主細胞は、原核細胞、例えば、DH5α細胞であってもよい。ウイルス発現ベクターからウイルスを産生するために、宿主細胞は、真核細胞、例えば、HEK 293細胞であってもよい。組換えCARを産生するために、宿主細胞は、哺乳動物細胞であってもよい。哺乳動物宿主細胞は、好ましくは、ヒト細胞である。宿主細胞は、任意の細胞タイプであってもよく、任意のタイプの組織からのものであってもよく、且つ任意の発生段階のものであってもよい。適切な哺乳動物宿主細胞を選択するための方法、及び細胞を形質転換、培養、増幅、スクリーニング、精製するための方法は、当分野で既知である。
【0140】
いくつかの実施例において、本開示は、本明細書に記載のCARをコードする核酸配列を発現する、単離された宿主細胞を提供する。
【0141】
いくつかの実施例において、宿主細胞は、T細胞である。本開示のT細胞は、任意のT細胞、例えば、培養されたT細胞、例えば、初代T細胞、又は培養されたT細胞株からのT細胞、又は哺乳動物から得られたT細胞であってもよい。哺乳動物から得られた場合、T細胞は、多くのソースから得ることができ、血液、骨髄、リンパ節、胸腺、又は他の組織もしくは体液を含むが、それらに限らない。さらに、T細胞を濃縮又は精製してもよい。T細胞は、好ましくは、ヒトT細胞(例えば、ヒトから単離されるもの)である。T細胞は、任意の発生段階であってもよく、CD4+/CD8+ダブルポジティブT細胞、CD4+ヘルパーT細胞、例えば、ThとTh2細胞、CD8+T細胞(例えば、細胞傷害性T細胞)、腫瘍浸潤細胞、記憶T細胞、ナイーブT細胞などを含むが、それらに限らない。一実施例において、T細胞は、CD8+ T細胞又はCD4+ T細胞である。T細胞株は、例えば、アメリカンタイプカルチャーコレクション(ATCC, Manassas, VA)とドイツ微生物細胞培養コレクション(DSMZ)から入手可能であり、且つ例えば、Jurkat細胞(ATCC TIB- 152)、Sup-Tl細胞(ATCC CRL-1942)、RPMI 8402細胞(DSMZ ACC-290)、Karpas 45細胞(DSMZ ACC-545)及びその誘導体を含む。
【0142】
いくつかの実施例において、宿主細胞は、ナチュラルキラー(NK)細胞である。NK細胞は、先天性免疫系において機能する細胞傷害性リンパ球である。NK細胞は、大顆粒リンパ球として定義され、共通リンパ前駆細胞から分化した第3クラスの細胞を構成し、該共通リンパ前駆細胞は、またBリンパ球及びTリンパ球を産生する(例えば、Immunobiology, 5th ed., Janewayら, eds., Garland Publishing, New York, NY (2001)を参照されたい)。NK細胞は、骨髄、リンパ節、脾臓、扁桃体、胸腺で分化し成熟する。成熟した後、NK細胞は、独特の細胞傷害性顆粒を有する大リンパ球としてサイクルに入る。NK細胞は、いくつかの異常な細胞、例えば、いくつかの腫瘍細胞とウイルスに感染した細胞を認識し死滅することができ、且つ細胞内の病原体に対する先天性免疫防御において重要であると考えられる。以上でT細胞に関して述べたように、NK細胞は、任意のNK細胞、例えば、培養されたNK細胞、例えば、初代NK細胞、又は培養されたNK細胞株からのNK細胞、又は哺乳動物から得られたNK細胞であってもよい。哺乳動物から得られた場合、NK細胞は、多くのソースから得ることができ、血液、骨髄、リンパ節、胸腺、又は他の組織もしくは体液を含むが、それらに限らない。さらに、NK細胞を濃縮又は精製してもよい。NK細胞は、好ましくは、ヒトNK細胞(例えば、ヒトから単離されたもの)である。NK細胞株は、例えば、アメリカンタイプカルチャーコレクション(ATCC, Manassas, VA)から入手可能であり、例えば、NK-92細胞(ATCC CRL-2407)、NK92MI細胞(ATCC CRL-2408)及びその誘導体を含む。
【0143】
本明細書に開示されるCARをコードする核酸配列は、「トランスフェクション」、「形質転換」又は「形質導入」によって細胞に導入され得る。本明細書に使用されるように、「トランスフェクション」、「形質転換」又は「形質導入」は、物理的又は化学的方法を使用することによって、一つ又は複数の外因性ポリヌクレオチドを宿主細胞に導入することを指す。
【0144】
「形質転換」という用語は、例えば、ジメチルスルホキシド、2価のカチオン(例えば、カルシウム)又はポリエチレングリコールを使用することにより、一つ又は複数の外因性ポリヌクレオチドを、すでに形質転換能力を有する細菌細胞に導入することを意味する。多くの形質転換技術は、当分野で既知のものであり、且つ熱ショックと電気ショックとを含む。
【0145】
「トランスフェクション」という用語は、組換えDNA技術を用いて「外来」(即ち、外因性又は細胞外)核酸を細胞に導入することを意味する。「遺伝子修飾」という用語は、「外来」(即ち、外因性又は細胞外)遺伝子、DNA又はRNA配列を宿主細胞に導入し、それにより宿主細胞が、導入された遺伝子又は配列を発現させて初望の物質、典型的には導入された遺伝子又は配列によりコードされるタンパク質又は酵素を産生することを意味する。導入された遺伝子又は配列は、「クローン」又は「外来」遺伝子又は配列と呼ばれてもよく、キメラ抗原受容体をコードするポリヌクレオチドに操作可能に連結される調節又は制御配列、例えば、開始配列、終結配列、プロモーター配列、シグナル配列、分泌配列又は細胞の遺伝機構に使用される他の配列を含んでもよい。遺伝子又は配列は、非機能性配列又は既知の機能のない配列を含んでもよい。導入されたDNA又はRNAを受け取り、発現させる宿主細胞は、すでに「遺伝子操作された」。宿主細胞に導入されるDNA又はRNAは、宿主細胞と同じ属又は種である細胞、又は異なる属又は種からの細胞を含む任意の供給源に由来してもよい。多くのトランスフェクション技術は、当分野で既知のものであり、且つ例えば、リン酸カルシウムDNA共沈殿(例えば、Murray E.J. (ed.), Methods in Molecular Biology, Vol. 7, Gene Transfer and Expression Protocols, Humana Press (1991)を参照されたい)、DEAE-デキストラン、エレクトロポレーション、カチオン性リポソーム媒介トランスフェクト、タングステン粒子促進微粒子衝撃(Johnston, Nature, 346: 776-777 (1990))、及びストロンチウムホスフェートDNA共沈殿(Brashら, Mol. Cell Biol., 7: 2031-2034 (1987))を含む。
【0146】
「形質導入」という用語は、ウイルスベクターを用いて外来核酸を細胞に導入することを意味する。ファージ又はウイルスベクターは、感染性ウイルス粒子の形質導入を介して宿主細胞に導入され得る。前記感染性ウイルス粒子は、適切なパッケージング細胞中で増殖することができ、ここで、多くのパッケージング細胞は、市販されており、且つ当分野で既知のものである。
【0147】
「調節エレメント」という用語は、核酸配列の発現を制御するいくつかの態様の任意のシス作用性遺伝エレメントを指す。いくつかの実施例において、「プロモーター」という用語は、転写開始に必要な最小配列を実質的に含む。いくつかの実施例において、「プロモーター」という用語は、転写を開始する配列を含み、且つまた、通常それぞれ「エンハンサーエレメント」と「リプレッサーエレメント」と呼ばれる、転写を上方制御又は下方制御できる配列をさらに含む。
【0148】
4.3. 抗体及びその誘導タンパク質
抗体を製造する適切な方法は、当分野で既知のものである。例えば、標準ハイブリドーマ方法は、例えば、Kohler及びMilstein, Eur. J. Immunol., 5, 511-519 (1976)、HarlowとLane (eds.), Antibodies: A Laboratory Manual, CSH Press (1988)、及びC. A. Janewayら (eds.), Immunobiology, 5th Ed., Garland Publishing, New York, N.Y. (2001)に記述されている。代替的に、他の方法、例えば、EBV-ハイブリドーマ方法(HaskardとArcher, J. Immunol. Methods, 74(2), 361-67 (1984)、及びRoderら, Methods Enzymol., 121, 140-67 (1986))、及びファージベクター発現系(例えば、Huseら, Science, 246, 1275-81 (1989)を参照されたい)は、当分野で既知のものである。また、非ヒト動物で抗体を産生する方法は、例えば、米国特許第5,545,806号、5,569,825号及び5,714,352号、並びに米国特許出願公開第2002/0197266 A1号に記述されている。
【0149】
ファージディスプレイは、抗体の生成に用いられてもよい。これに関して、抗体の抗原結合可変(V)ドメインをコードするファージライブラリーは、標準的な分子生物学及び組換えDNA技術を用いて生成することができる(例えば、Sambrookら, 同上、及びAusubelら, 同上を参照されたい)。所望の特異性を有する可変領域をコードするファージを選択して所望の抗原に特異的に結合させ、選択された可変ドメインを含む完全又は部分抗体を再構築する。再構築抗体をコードする核酸配列を適切な細胞株(例えば、ハイブリドーマを産生するための骨髄腫細胞)に導入し、それによりモノクローナル抗体特徴を有する抗体は細胞から分泌される(例えば、Janewayら, 同上、Huseら, 同上、及び米国特許第6,265,150号を参照されたい)。
【0150】
本開示の実施例の抗体、ポリペプチド及びタンパク質(機能的部分及び機能的変異体を含む)は、翻訳後修飾されてもよい。それらは、例えば、ジスルフィド架橋による環化、又は酸付加塩に変換されることを介してグリコシル化、エステル化、N-アシル化、アミド化、カルボキシル化、リン酸化され得る。いくつかの実施例において、それらは、二量体化されるか又は重合されるか、又はコンジュゲート化されたものである。
【0151】
本開示の実施例の抗体、ポリペプチド及び/又はタンパク質(その機能的部分及び機能的変異体を含む)は、当分野で既知の方法で得られ得る。ポリペプチド及びタンパク質をデノボ合成する適切な方法は、以下の参考文献、例えば、Chanら, Fmoc Solid Phase Peptide Synthesis, Oxford University Press, Oxford, United Kingdom, 2000、Peptide and Protein Drug Analysis, ed. Reid, R., Marcel Dekker, Inc., 2000、及びEpitope Mapping, ed. Westwoodら, Oxford University Press, Oxford, United Kingdom, 2001に記述されている。なお、産生されたポリペプチド及びタンパク質は、本明細書に記載の核酸を用いて標準組換え方法により組換えられ得る。例えば、Sambrookら, Molecular Cloning: A Laboratory Manual, 3rd ed., Cold Spring Harbor Press, Cold Spring Harbor, N.Y.2001、及びAusubelら, Current Protocols in Molecular Biology, Greene Publishing Associates and John Wiley & Sons, NY, 1994を参照されたい。また、本開示のいくつかの抗体、ポリペプチド及びタンパク質(その機能的部分及び機能的変異体を含む)は、供給源(例えば、植物、細菌、昆虫、哺乳動物など)から単離及び/又は精製され得る。単離及び精製の方法は、当分野で既知のものである。代替的に、本明細書に記載の抗体、ポリペプチド及び/又はタンパク質(その機能的部分及び機能的変異体を含む)は、商業的に合成され得る。これに関して、抗体、ポリペプチド及びタンパク質は、合成され、組換えられ、単離され及び/又は精製されたものであってもよい。
【0152】
4.4. キメラ抗原受容体
国際特許第WO 2018/028647号は、全体として参照により本明細書に組み込まれる。米国特許第2018/0230225号は、全体として参照により本明細書に組み込まれる。国際特許出願第PCT/CN2020/133598号は、全体として参照により本明細書に組み込まれる。
【0153】
本開示は、キメラ抗原受容体(CAR)を発現する細胞で被験者を治療する方法を提供した。CARは、一つ又は複数の単一ドメイン抗体を含有する細胞外抗原結合ドメインを含む。様々な実施例において、BCMAを標的とするCAR(本明細書において「BCMA CAR」とも呼ばれる)を提供し、それは、ポリペプチドを含み、該ポリペプチドは、(a) 抗BCMA結合部分を含む細胞外抗原結合ドメインと、(b) 膜貫通ドメインと、(c) 細胞内シグナル伝達ドメインとを含む。いくつかの実施例において、抗BCMA結合部分は、ラクダ、キメラ、ヒト又はヒト化である。いくつかの実施例において、細胞内シグナル伝達ドメインは、免疫エフェクター細胞(例えば、T細胞)の一次細胞内シグナル伝達ドメインを含む。いくつかの実施例において、一次細胞内シグナル伝達ドメインは、CD4に由来するものである。いくつかの実施例において、一次細胞内シグナル伝達ドメインは、CD3ζに由来するものである。いくつかの実施例において、細胞内シグナル伝達ドメインは、共刺激シグナル伝達ドメインを含む。いくつかの実施例において、共刺激シグナル伝達ドメインは、CD27、CD28、CD137、OX40、CD30、CD40、CD3、LFA-1、ICOS、CD2、CD7、LIGHT、NKG2C、B7-H3、CD83のリガンド及びそれらの組み合わせからなる群から選択される共刺激分子に由来する。いくつかの実施例において、共刺激シグナル伝達ドメインは、CD137に由来するものである。
【0154】
いくつかの実施例において、BCMA CARは、細胞外抗原結合ドメインのC末端と膜貫通ドメインのN末端との間に位置するヒンジドメイン(例えば、CD8αヒンジドメイン)をさらに含む。いくつかの実施例において、BCMA CARは、ポリペプチドのN末端に位置するシグナルペプチド(例えば、CD8αシグナルペプチド)をさらに含む。いくつかの実施例において、ポリペプチドは、N末端からC末端まで、CD8αシグナルペプチド、細胞外抗原結合ドメイン、CD8αヒンジドメイン、CD28膜貫通ドメイン、CD28に由来する第1の共刺激シグナル伝達ドメイン、CD137に由来する第2の共刺激シグナル伝達ドメイン及びCD4に由来する一次細胞内シグナル伝達ドメインを含む。いくつかの実施例において、ポリペプチドは、N末端からC末端まで、CD8αシグナルペプチド、細胞外抗原結合ドメイン、CD8αヒンジドメイン、CD8α膜貫通ドメイン、CD137に由来する第2の共刺激シグナル伝達ドメイン及びCD3ζに由来する一次細胞内シグナル伝達ドメインを含む。いくつかの実施例において、BCMA CARは、単一特異性である。いくつかの実施例において、BCMA CARは1価である。
【0155】
本出願は、BCMAなどの抗原に特異的に結合する二つ以上(2、3、4、5、6又はより多くのうちのいずれか一つを含むが、それらに限らない)の結合部分を有するCARをさらに提供した。いくつかの実施例において、一つ又は複数の結合部分は、抗原結合断片である。いくつかの実施例において、一つ又は複数の結合部分は、単一ドメイン抗体を含む。いくつかの実施例において、一つ又は複数の結合部分は、VHHを含む。
【0156】
いくつかの実施例において、CARは、ポリペプチドを含む多価(例えば、2価、3価又はより高い価数の)CARであり、該ポリペプチドは、(a)抗原(例えば、腫瘍抗原)に特異的に結合する複数(例えば、少なくとも約2、3、4、5、6又はより多くのうちのいずれか一つ)の結合部分を含む細胞外抗原結合ドメインと、(b) 膜貫通ドメインと、(c) 細胞内シグナル伝達ドメインとを含む。
【0157】
いくつかの実施例において、結合部分、例えば、VHH(複数のVHH、又は第1のVHH及び/又は第2のVHHを含む)は、ラクダ、キメラ、ヒト又はヒト化である。いくつかの実施例において、結合部分又はVHHは、ペプチド結合又はペプチドリンカーを介して互いに連結される。いくつかの実施例において、各ペプチドリンカーの長さは、約50(例えば、約35、25、20、15、10又は5のうちのいずれか一つ以下)個のアミノ酸以下である。
【0158】
いくつかの実施例において、第1のBCMA結合部分及び/又は第2のBCMA結合部分は、抗BCMA VHHである。いくつかの実施例において、第1のBCMA結合部分は、第1の抗BCMA VHHであり、且つ第2のBCMA結合部分は、第2の抗BCMA VHHである。
【0159】
いくつかの実施例において、第1の抗BCMA結合部分は、配列番号18のアミノ酸配列を含有する第1の相補性決定領域(CDR1)を含む。いくつかの実施例において、第1の抗BCMA結合部分は、配列番号19のアミノ酸配列を含有する第2の相補性決定領域(CDR2)を含む。いくつかの実施例において、第1の抗BCMA結合部分は、配列番号20のアミノ酸配列を含有する第3の相補性決定領域(CDR3)を含む。いくつかの実施例において、第1のBCMA結合部分は、配列番号2のアミノ酸配列を含む。いくつかの実施例において、第1のBCMA結合部分は、配列番号10の核酸配列によりコードされるポリペプチドを含む。いくつかの実施例において、第1の抗BCMA結合部分は、配列番号18、配列番号19、配列番号20及び配列番号2のうちの一つもしくは複数又は全てを含む。これらの配列は、cilta-celに存在する配列に対応している。
【0160】
いくつかの実施例において、第2のBCMA結合部分は、配列番号21のアミノ酸配列を含有する第1の相補性決定領域(CDR1)を含む。いくつかの実施例において、第2のBCMA結合部分は、配列番号22のアミノ酸配列を含有する第2の相補性決定領域(CDR2)を含む。いくつかの実施例において、第2のBCMA結合部分は、配列番号23のアミノ酸配列を含有する第3の相補性決定領域(CDR3)を含む。いくつかの実施例において、第2のBCMA結合部分は、配列番号4のアミノ酸配列を含む。いくつかの実施例において、第2のBCMA結合部分は、配列番号12の核酸配列によりコードされるポリペプチドを含む。いくつかの実施例において、第2の抗BCMA結合部分は、配列番号21、配列番号22、配列番号23及び配列番号4のうちの一つもしくは複数又は全てを含む。これらの配列は、cilta-celに存在する配列に対応している。
【0161】
いくつかの実施例において、第1のBCMA結合部分と第2のBCMA結合部分は、ペプチドリンカーを介して互いに連結される。いくつかの実施例において、ペプチドリンカーは、配列番号3のアミノ酸配列を含む。いくつかの実施例において、ペプチドリンカーは、配列番号11の核酸配列によりコードされるポリペプチドを含む。
【0162】
いくつかの実施例において、CARは、細胞外抗原結合ドメインのC末端と膜貫通ドメインのN末端との間に位置するヒンジドメイン(例えば、CD8αヒンジドメイン)をさらに含む。いくつかの実施例において、CARは、ポリペプチドのN末端に位置するシグナルペプチド(例えば、CD8αシグナルペプチド)をさらに含む。
【0163】
理論に束縛されることを望むものではないが、多価CAR又は第1のBCMA結合部分と第2のBCMA結合部分を含有する細胞外抗原結合ドメインを含むそれらのCARは、異なる抗原結合部位の相乗結合を介して多量体抗原を標的とすることに特に適し、又は抗原に対する結合親和性又はアビディティを強化することに適し得る。改善されたアビディティは、治療効果を実現するために必要なCAR-T細胞の用量を有意に低下させることを可能にすることができ、例えば、範囲は、4.0 × 104~1.0 × 106個のCAR-T細胞/キログラムの被験者の質量、又は合計3.0 × 106~1.0 × 108個のCAR-T発現細胞の用量である。1価CAR、例えば、bb2121は、同等な効果を実現するために、これらの量の5~10倍で投与する必要があり得る。様々な実施例において、低下した用量範囲は、サイトカイン放出症候群(CRS)とCAR-T療法の他の潜在的危険な副作用の有意な減少を提供することができる。
【0164】
本明細書に記載のCARにおける様々な結合部分(例えば、第1のBCMA結合部分と第2のBCMA結合部分とを含む細胞外抗原結合ドメイン)は、ペプチドリンカーを介して互いに連結され得る。異なる結合部分(例えば、VHH)を連結するペプチドリンカーは、同じであってもよく、又は異なってもよい。CARの異なるドメインもペプチドリンカーを介して互いに連結され得る。いくつかの実施例において、結合部分(例えば、VHH)は、いかなるペプチドリンカーもなしに、互いに直接連結される。
【0165】
本明細書に記載のCARにおけるペプチドリンカーは、任意の適切な長さを有してもよい。いくつかの実施例において、ペプチドリンカーの長さは、少なくとも約以下のうちのいずれか一つであり、1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、16、17、18、19、20、25、30、35、40、50、75、100個又はより多くのアミノ酸。いくつかの実施例において、ペプチドリンカーの長さは、約以下のうちのいずれか一つ以下であり、100、75、50、40、35、30、25、20、19、18、17、16、15、14、13、12、11、10、9、8、7、6、5個又はより少ないアミノ酸。いくつかの実施例において、ペプチドリンカーの長さは、約1個のアミノ酸から約10個のアミノ酸、約1個のアミノ酸から約20個のアミノ酸、約1個のアミノ酸から約30個のアミノ酸、約5個のアミノ酸から約15個のアミノ酸、約10個のアミノ酸から約25個のアミノ酸、約5個のアミノ酸から約30個のアミノ酸、約10個のアミノ酸から約30個のアミノ酸、約30個のアミノ酸から約50個のアミノ酸、約50個のアミノ酸から約100個のアミノ酸又は約1個のアミノ酸から約100個のアミノ酸のうちのいずれか一つである。
【0166】
本出願のCARは、細胞外抗原結合ドメインに直接又は間接的に連結され得る膜貫通ドメインを含む。
【0167】
CARは、T細胞活性化部分を含んでもよい。T細胞活性化部分は、任意の適切な分子に由来するか又は得られた任意の適切な部分であってもよい。一実施例において、例えば、T細胞活性化部分は、膜貫通ドメインを含む。膜貫通ドメインは、当分野で既知の任意の分子に由来するか又は得られた任意の膜貫通ドメインであってもよい。例えば、膜貫通ドメインは、CD8α分子又はCD28分子から得られたか又はそれに由来したものであってもよい。理論に束縛されることを望むものではないが、CD8は、膜貫通糖タンパク質であり、T細胞受容体(TCR)の共受容体として機能し、且つ主に細胞傷害性T細胞の表面で発現する。CD8の最も一般的な形態は、CD8αとCD8β鎖から構成される二量体として存在する。CD28は、T細胞で発現し、T細胞の活性化に必要な共刺激シグナルを提供する。CD28は、CD80(B7.1)とCD86(B7.2)の受容体である。好ましい実施例において、CD8αとCD28は、ヒトである。
【0168】
膜貫通ドメインに加えて、T細胞活性化部分は、細胞内(intracellular、即ちcytoplasmic)T細胞シグナル伝達ドメインをさらに含んでもよい。細胞間T細胞シグナル伝達ドメインは、CD28分子、CD3ζ分子又はその修飾形態、ヒトFc受容体γ(FcRγ)鎖、CD27分子、OX40分子、4-1BB分子又は当分野で既知の他の細胞内シグナル伝達分子から得られたか又はそれらに由来するものであってもよい。理論に束縛されることを望むものではないが、(1) CD28は、T細胞共刺激に重要なT細胞マーカーであり、(2) CD3ζは、TCRと会合してシグナルを産生し、免疫受容体チロシンに基づく活性化モチーフ(ITAM)を含有し、且つ (3) 4-1BBは、CD137とも呼ばれ、強力な共刺激シグナルをT細胞に伝達し、Tリンパ球の分化を促進し、且つTリンパ球の長期生存期間を向上させる。好ましい実施例において、CD28、CD3ζ、4-IBB、OX40及びCD27は、ヒトである。
【0169】
本明細書に開示される核酸配列によりコードされるCARのT細胞活性化ドメインは、任意の組み合わせのいずれか一つの上記膜貫通ドメインと、いずれか一つ又は複数の上記細胞間T細胞シグナル伝達ドメインとを含んでもよい。例えば、本明細書に開示される核酸配列は、CD28膜貫通ドメインと、CD28及びCD3ζの細胞内T細胞シグナル伝達ドメインとを含むCARをコードすることができる。代替的に、例えば、本明細書に開示される核酸配列は、CD8α膜貫通ドメインと、CD28、CD3ζ、Fc受容体γ(FcRy)鎖及び/又は4-1 BBの細胞内T細胞シグナル伝達ドメインとを含むCARをコードすることができる。
【0170】
いくつかの実施例において、CARポリペプチドは、前記ポリペプチドのN末端に位置するシグナルペプチドをさらに含む。いくつかの実施例において、シグナルペプチドは、CD8α(CD8α SP)に由来するものである。いくつかの実施例において、シグナルペプチドは、配列番号1のアミノ酸配列を含む。いくつかの実施例において、シグナルペプチドは、配列番号9の核酸配列によりコードされるポリペプチドを含む。
【0171】
いくつかの実施例において、膜貫通ドメインは、配列番号6のアミノ酸配列を含む。いくつかの実施例において、膜貫通ドメインは、配列番号14の核酸配列によりコードされるポリペプチドを含む。
【0172】
いくつかの実施例において、細胞内シグナル伝達ドメインは、免疫エフェクター細胞の一次細胞内シグナル伝達ドメインを含む。いくつかの実施例において、細胞内シグナル伝達ドメインは、CD3ζに由来するものである。いくつかの実施例において、細胞内シグナル伝達ドメインは、少なくとも一つの共刺激シグナル伝達ドメインを含む。いくつかの実施例において、細胞内シグナル伝達ドメインは、配列番号8のアミノ酸配列を含む。いくつかの実施例において、細胞内シグナル伝達ドメインは、配列番号16の核酸配列によりコードされるポリペプチドを含む。いくつかの実施例において、細胞内シグナル伝達ドメインは、配列番号7のアミノ酸配列を含む。いくつかの実施例において、細胞内シグナル伝達ドメインは、配列番号15の核酸配列によりコードされるポリペプチドを含む。
【0173】
いくつかの実施例において、CARポリペプチドは、細胞外抗原結合ドメインのC末端と膜貫通ドメインのN末端との間に位置するヒンジドメインをさらに含む。いくつかの実施例において、ヒンジドメインは、配列番号5のアミノ酸配列を含む。いくつかの実施例において、ヒンジドメインは、配列番号13の核酸配列によりコードされるポリペプチドを含む。
【0174】
いくつかの実施例において、CARは、配列番号1、配列番号2、配列番号3、配列番号4、配列番号5、配列番号6、配列番号7、配列番号8、配列番号18、配列番号19、配列番号20、配列番号21、配列番号22及び配列番号23のうちの一つ又は複数又は全部を含む。一実施例において、CARは、配列番号17を含む。いくつかの実施例において、CARは、配列番号9、配列番号10、配列番号11、配列番号12、配列番号13、配列番号 :14、配列番号15及び配列番号16のうちの一つもしくは複数又は全ての核酸配列によりコードされるポリペプチドを含む。
【0175】
4.5. 免疫エフェクター細胞組成物
「免疫エフェクター細胞」は、免疫エフェクター機能を発揮し得る免疫細胞を指す。いくつかの実施例において、免疫エフェクター細胞は、少なくともFcγRIIIを発現し、且つADCCエフェクター機能を発揮する。ADCCを媒介する免疫エフェクター細胞の例としては、末梢血単核細胞(PBMC)、ナチュラルキラー(NK)細胞、単核細胞、細胞傷害性T細胞、好中球、及び好酸球が挙げられる。いくつかの実施例において、免疫エフェクター細胞は、T細胞である。いくつかの実施例において、T細胞は、自家T細胞である。いくつかの実施例において、T細胞は、同種異系T細胞である。いくつかの実施例において、T細胞は、CD4+/CD8-、CD4-/CD8+、CD4+/CD8+、CD4-/CD8-、又はそれらの組み合わせである。いくつかの実施例において、T細胞は、CARを発現し標的細胞(例えば、CD20+又はCD19+腫瘍細胞)と結合した後に、IL-2、TFN及び/又はTNFを産生する。いくつかの実施例において、CD8+ T細胞は、CARを発現し標的細胞に結合した後に、抗原特異性標的細胞を溶解する。
【0176】
ベクターを免疫エフェクター細胞に導入する生物学的方法は、DNAとRNAベクターを用いることを含む。ウイルスベクターは、遺伝子を哺乳動物、例えば、ヒトの細胞に挿入するための最も広く使用されている方法となっている。ベクターを免疫エフェクター細胞に導入するための化学的方法は、高分子複合体、ナノカプセル、マイクロスフェア、ビーズなどのコロイド分散系と、水中油型エマルジョン、ミセル、混合ミセル及びリポソームを含む脂質ベースの系とを含む。インビトロ送達ビヒクルとしての例示的なコロイド系は、リポソーム(例えば、人工膜小胞)である。
【0177】
本明細書は、3.0 × 107~1.0 × 108個のCAR-T細胞を含む剤形を提供し、これらのCAR-T細胞は、ポリペプチドを含有するCARを含み、該ポリペプチドは、(a) BCMAの第1のエピトープに特異的に結合する第1のBCMA結合部分と、BCMAの第2のエピトープに特異的に結合する第2のBCMA結合部分とを含む細胞外抗原結合ドメインと、(b) 膜貫通ドメインと、(c) 細胞内シグナル伝達ドメインとを含み、ここで、第1のエピトープと第2のエピトープとは異なっている。いくつかの実施例において、3.0 × 107~1.0 × 108個のエンジニアリングされた免疫エフェクター細胞(例えば、T細胞)を含む剤形を提供し、これらのエンジニアリングされた免疫エフェクター細胞は、ポリペプチドを含有するCARを含み、該ポリペプチドは、(a) BCMAの第1のエピトープに特異的に結合する第1の抗BCMA VHHと、BCMAの第2のエピトープに特異的に結合する第2の抗BCMA VHHとを含む細胞外抗原結合ドメインと、(b) 膜貫通ドメインと、(c) 細胞内シグナル伝達ドメインとを含み、ここで、第1のエピトープと第2のエピトープとは異なっている。いくつかの実施例において、剤形は、3.0 × 107~4.0 × 107個のCAR-T細胞を含む。いくつかの実施例において、剤形は、3.5 × 107~4.5 × 107個のCAR-T細胞を含む。いくつかの実施例において、剤形は、4.0 × 107~5.0 × 107個のCAR-T細胞を含む。いくつかの実施例において、剤形は、4.5 × 107~5.5 × 107個のCAR-T細胞を含む。いくつかの実施例において、剤形は、5.0 × 107~6.0 × 107個のCAR-T細胞を含む。いくつかの実施例において、剤形は、5.5 × 107~6.5 × 107個のCAR-T細胞を含む。いくつかの実施例において、剤形は、6.0 × 107~7.0 × 107個のCAR-T細胞を含む。いくつかの実施例において、剤形は、6.5 × 107~7.5 × 107個のCAR-T細胞を含む。いくつかの実施例において、剤形は、7.0 × 107~8.0 × 107個のCAR-T細胞を含む。いくつかの実施例において、剤形は、7.5 × 107~8.5 × 107個のCAR-T細胞を含む。いくつかの実施例において、剤形は、8.0 × 107~9.0 × 107個のCAR-T細胞を含む。いくつかの実施例において、剤形は、8.5 × 107~9.5 × 107個のCAR-T細胞を含む。いくつかの実施例において、剤形は、9.0 × 107~1.0 × 108個のCAR-T細胞を含む。
【0178】
いくつかの実施例において、本明細書に記載のCAR-T剤形の細胞集団は、例えば、分化の異なる段階、T細胞又はT細胞集団を含む。T細胞分化の段階は、最低の分化度から最高の分化度までのナイーブT細胞、幹中央記憶T細胞、中央記憶T細胞、エフェクター記憶T細胞及び最終エフェクターT細胞を含む。抗原曝露後、ナイーブT細胞は、増殖し、記憶T細胞、例えば、幹中央記憶T細胞と中央記憶T細胞に分化し、そしてエフェクター記憶T細胞に分化する。適切なT細胞受容体、共刺激シグナルと炎症シグナルを受けた後、記憶T細胞は、最終エフェクターT細胞にさらに分化する。例えば、Restifo. Blood. 124.4(2014):476-77、とJoshiら J. Immunol. 180.3(2008):1309-15を参照されたい。
【0179】
ナイーブT細胞は、細胞表面マーカーの以下の発現パターンを有し得る:CCR7+、CD62L+、CD45RO-、CD95-。幹中央記憶T細胞(Tscm)は、細胞表面マーカーの以下の発現パターンを有し得る:CCR7+、CD62L+、CD45RO-、CD95+。中央記憶T細胞(Tcm)は、細胞表面マーカーの以下の発現パターンを有し得る:CCR7+、CD62L+、CD45RO+、CD95+。エフェクター記憶T細胞(Tem)は、細胞表面マーカーの以下の発現パターンを有し得る:CCR7-、CD62L-、CD45RO+、CD95+。最終エフェクターT細胞(Teff)は、細胞表面マーカーの以下の発現パターンを有し得る:CCR7-、CD62L-、CD45RO-、CD95+。例えば、Gattinoniら Nat. Med. 17(2011):1290-7、とFlynnら Clin. Translat. Immunol. 3(2014):e20を参照されたい。
【0180】
4.6. 医薬組成物及び製剤
本出願は、医薬組成物をさらに提供し、それは、本開示のいずれか一つの抗BCMA抗体を含むか、又は本明細書に記載のいずれか一つのCAR(例えば、BCMA CAR)のいずれか一つのエンジニアリングされた免疫エフェクター細胞と、薬学的に許容されるキャリア剤とを含む。医薬組成物は、本明細書に記載の、所望の純度を有する任意の免疫エフェクター細胞を、任意選択的な薬学的に許容されるキャリア剤、賦形剤又は安定化剤(Remington´s Pharmaceutical Sciences 16th edition, Osol, A. Ed. (1980))と混合し、凍結乾燥製剤又は水溶液の形態で製造され得る。いくつかの実施例において、CAR-T細胞の薬物組成物は、ジメチルスルホキシド又はデキストラン-40から選択される賦形剤をさらに含む。
【0181】
本明細書に記載の組成物は、一つ又は複数のキャリア剤を含む医薬組成物の一部として投与され得る。キャリア剤の選択は、本明細書に開示されるCARを発現する特定の核酸配列、ベクター又は宿主細胞、及び本明細書に開示されるCARを発現する核酸配列、ベクター又は宿主細胞を投与するための特定の方法によって部分的に決定される。そのため、本開示の医薬組成物の複数の適切な製剤が存在する。
【0182】
例えば、薬物組成物は、防腐剤を含有してもよい。適切な防腐剤は、例えば、メチルパラベン、プロピルパラベン、安息香酸ナトリウム及び塩化ベンザルコニウムを含んでもよい。二つ又はより多くの防腐剤の混合物を任意選択に用いてもよい。防腐剤又はその混合物は、典型的に、総組成物の重量に対して、約0.0001%から約2%の量で存在する。
【0183】
また、組成物に緩衝剤を使用してもよい。適切な緩衝剤は、例えば、クエン酸、クエン酸ナトリウム、リン酸、リン酸カリウム及び様々な他の酸と塩を含む。二つ又はより多くの緩衝剤の混合物を任意選択に用いてもよい。緩衝剤又はその混合物は、典型的に、総組成物の重量に対して、約0.001%から約4%の量で存在する。
【0184】
本明細書に開示されるCARをコードする核酸配列又は本明細書に開示されるCARを発現する宿主細胞を含む組成物は、包接複合体、例えば、シクロデキストリン包接複合体、又はリポソームとして製剤化されてもよい。リポソームは、宿主細胞(例えば、T細胞又はNK細胞)又は本明細書に開示される核酸配列を特定の組織に標的化するために用いられてもよい。リポソームはまた、本明細書に開示される核酸配列の半減期を増加させるために用いられてもよい。例えば、Szokaら, Ann. Rev. Biophys. Bioeng., 9: 467 (1980)、並びに米国特許第4,235,871号、4,501,728号、4,837,028号、及び5,019,369号に記述されているもののような、多くの方法は、リポソームの製造に用いられ得る。組成物は、本明細書に開示される組成物の送達が治療対象部位の感作前に発生し、且つ治療対象部位の感作を引き起こすのに十分な時間を有するように、時限放出送達システム、遅延放出送達システム及び持続放出送達システムを用いてもよい。多くのタイプの放出送達システムは、利用可能であり、当業者に知られているものである。このようなシステムは、組成物の反復投与を回避することによって、被験者及び医師に対する利便性を増加させ、且つ本開示のいくつかの組成物の実施例に特に適することができる。
【0185】
いくつかの実施例において、CAR-T細胞は、約1.0 × 105~2.0 × 105個の細胞/kg、1.5 × 105~2.5 × 105個の細胞/kg、2.0 × 105~3.0 × 105個の細胞/kg、2.5 × 105~3.5 × 105個の細胞/kg、3.0 × 105~4.0 × 105個の細胞/kg、3.5 × 105~4.5 × 105個の細胞/kg、4.0 × 105~5.0 × 105個の細胞/kg、4.5 × 105~5.5 × 105個の細胞/kg、5.0 × 105~6.0 × 105個の細胞/kg、5.5 × 105~6.5 × 105個の細胞/kg、6.0 × 105~7.0 × 105個の細胞/kg、6.5 × 105~7.5 × 105個の細胞/kg、7.0 × 105~8.0 × 105個の細胞/kg、7.5 × 105~8.5 × 105個の細胞/kg、8.0 × 105~9.0 × 105個の細胞/kg、8.5 × 105~9.5 × 105個の細胞/kg、9.0 × 105~1.0 × 106個の細胞/kgの用量で製剤化される。好ましい実施例において、用量は、約0.75 × 106個の細胞/kgで製剤化される。いくつかの実施例において、CAR-T細胞は、1.0 × 108個の細胞/被験者より少ない用量で製剤化される。
【0186】
4.7. 被験者を治療する方法
本出願はさらに、細胞免疫療法に使用するための方法と組成物に関する。いくつかの実施例において、細胞免疫療法は、被験者の癌を治療するためのものであり、血液悪性腫瘍と固形腫瘍とを含むが、それらに限らない。いくつかの実施例において、被験者は、ヒトである。いくつかの実施例において、これらの方法は、成人と小児科集団を治療するのに適しており、全ての年齢サブグループを含み、且つ第1のライン又は後続のラインを含む任意の治療ラインとして使用され得る。
【0187】
本明細書に記載の任意の抗BCMA VHH、CAR及びエンジニアリングされた免疫エフェクター細胞(例えば、CAR-T細胞)は、癌を治療する方法での使用のために用いることができる。いくつかの実施例において、免疫エフェクター細胞は、自家由来である。いくつかの実施例において、免疫エフェクター細胞は、同種異系である。
【0188】
いくつかの実施例において、CAR-T細胞は、約1.0 × 105~2.0 × 105個の細胞/kg、1.5 × 105~2.5 × 105個の細胞/kg、2.0 × 105~3.0 × 105個の細胞/kg、2.5 × 105~3.5 × 105個の細胞/kg、3.0 × 105~4.0 × 105個の細胞/kg、3.5 × 105~4.5 × 105個の細胞/kg、4.0 × 105~5.0 × 105個の細胞/kg、4.5 × 105~5.5 × 105個の細胞/kg、5.0 × 105~6.0 × 105個の細胞/kg、5.5 × 105~6.5 × 105個の細胞/kg、6.0 × 105~7.0 × 105個の細胞/kg、6.5 × 105~7.5 × 105個の細胞/kg、7.0 × 105~8.0 × 105個の細胞/kg、7.5 × 105~8.5 × 105個の細胞/kg、8.0 × 105~9.0 × 105個の細胞/kg、8.5 × 105~9.5 × 105個の細胞/kg、9.0 × 105~1.0 × 106個の細胞/kg、1.0 × 106~2.0 × 106個の細胞/kg、1.5 × 106~2.5 × 106個の細胞/kg、2.0 × 106~3.0 × 106個の細胞/kg、2.5 × 106~3.5 × 106個の細胞/kg、3.0 × 106~4.0 × 106個の細胞/kg、3.5 × 106~4.5 × 106個の細胞/kg、4.0 × 106~5.0 × 106個の細胞/kg、4.5 × 106~5.5 × 106個の細胞/kg又は5.0 × 106~6.0 × 106個の細胞/kgの用量で投与される。好ましい実施例において、用量は、約0.75 × 106個の細胞/kgである。いくつかの実施例において、CAR-T細胞は、約1.0 × 108個の細胞/被験者の用量で投与される。
【0189】
いくつかの実施例において、CAR-T細胞は、1.0 × 108個の細胞/被験者より少ない用量で投与される。いくつかの実施例において、CAR-T細胞は、約3.0~4.0 × 107個の細胞の用量で投与される。いくつかの実施例において、CAR-T細胞は、約3.5~4.5 × 107個の細胞の用量で投与される。いくつかの実施例において、CAR-T細胞は、約4.0~5.0 × 107個の細胞の用量で投与される。いくつかの実施例において、CAR-T細胞は、約4.5~5.5 × 107個の細胞の用量で投与される。いくつかの実施例において、CAR-T細胞は、約5.0~6.0 × 107個の細胞の用量で投与される。いくつかの実施例において、CAR-T細胞は、約5.5~6.5 × 107個の細胞の用量で投与される。いくつかの実施例において、CAR-T細胞は、約6.0~7.0 × 107個の細胞の用量で投与される。いくつかの実施例において、CAR-T細胞は、約6.5~7.5 × 107個の細胞の用量で投与される。いくつかの実施例において、CAR-T細胞は、約7.0~8.0 × 107個の細胞の用量で投与される。いくつかの実施例において、CAR-T細胞は、約7.5~8.5 × 107個の細胞の用量で投与される。いくつかの実施例において、CAR-T細胞は、約8.0~9.0 × 107個の細胞の用量で投与される。いくつかの実施例において、CAR-T細胞は、約8.5~9.5 × 107個の細胞の用量で投与される。いくつかの実施例において、CAR-T細胞は、約9.0 × 107~1.0 × 108個の細胞の用量で投与される。
【0190】
いくつかの実施例において、CAR-T細胞は、約0.693 × 106個のCAR陽性生T細胞/kgの用量で投与される。いくつかの実施例において、CAR-T細胞は、約0.52 × 106個のCAR陽性生T細胞/kgの用量で投与される。いくつかの実施例において、CAR-T細胞は、約0.94 × 106個のCAR陽性生T細胞/kgの用量で投与される。いくつかの実施例において、CAR-T細胞は、約0.709 × 106個のCAR陽性生T細胞/kgの用量で投与される。いくつかの実施例において、CAR-T細胞は、約0.51 × 106個のCAR陽性生T細胞/kgの用量で投与される。いくつかの実施例において、CAR-T細胞は、約0.95 × 106個のCAR陽性生T細胞/kgの用量で投与される。いくつかの実施例において、CAR-T細胞は、外来診療環境で投与される。
【0191】
いくつかの実施例において、一回又は複数回の静脈内注入において、CAR-T細胞を(例えば、任意の上記の用量で)投与する。いくつかの実施例において、前記CAR-T細胞の前記投与は、単回静脈内注入によるものである。いくつかの実施例において、前記単回静脈内注入は、1バッグの前記CAR-T細胞を用いて投与する。いくつかの実施例において、前記1バッグの前記CAR-T細胞の前記投与は、前記1バッグのCAR-T細胞の解凍時点から前記1バッグのCAR-T細胞の解凍後3時間までの間に完了する。いくつかの実施例において、単回静脈内投与は、2バッグの前記CAR-T細胞を用いて投与する。いくつかの実施例において、前記2バッグの前記CAR-T細胞のうちの各バッグの前記投与は、前記2バッグCAR-T細胞のうちの1バッグ目の解凍時点から前記1バッグ目のCAR-T細胞の解凍後3時間までの間に完了する。
【0192】
いくつかの実施例において、初期のアフェレシスからCAR-T細胞の投与までの時間は、41、47、54、61、68、75、82、89、96、103、110、117、124、131、138、145、152、159、166又は167日より短い。いくつかの実施例において、初期のアフェレシスからCAR-T細胞の投与までの時間は、41、47、54、61、68、75、82、89、96、103、110、117、124、131、138、145、152、159、166又は167日より長い。
【0193】
標準投与技術を用いて、組成物を哺乳動物に投与してもよく、該組成物は、本明細書に開示されるCARコード核酸配列を発現する宿主細胞、又は本明細書に開示されるCARコード核酸配列を含むベクターを含み、これらの標準投与技術は、経口、静脈内、腹膜内、皮下、肺、経皮、筋肉内、鼻腔内、経頬、舌下、又は坐薬投与を含む。組成物は、好ましくは、非経口投与に適する。本明細書に使用されるように、「非経口」という用語は、静脈内、筋肉内、皮下、直腸、膣内と腹膜内投与を含む。さらに好ましくは、末梢性全身送達を用いて、静脈内、腹膜内又は皮下注射により、組成物を哺乳動物に投与する。最も好ましくは、組成物は、静脈内注入により投与される。
【0194】
本明細書に開示されるCARコード核酸配列を発現する宿主細胞又は本明細書に開示されるCARコード核酸配列を含むベクターを含む組成物は、一つの又は複数の別の治療剤と共に投与することができ、これらの治療剤は、哺乳動物に共投与され得る。「共投与」は、本明細書に開示されるCARが一つの又は複数の他の治療剤の効果を強化することができ、又はその逆も同様であるように、一つの又は複数の別の治療剤と、本明細書に開示される宿主細胞又は本明細書に開示されるベクターを含む組成物を、十分に近い時間で投与することを指す。この態様では、まず本明細書に開示される宿主細胞又は本明細書に開示されるベクターを含む組成物を投与してもよく、且つ次に一つの又は複数の別の治療剤を投与してもよく、又はその逆も同様である。
【0195】
本明細書に記載のCAR発現細胞と少なくとも一つの別の治療剤を、同時に(同じ又は個別の組成物で)、又は順次投与してもよい。順次投与の場合、まず本明細書に記載のCAR発現細胞を投与してもよく、且つ次に別の薬剤を投与してもよく、又は投与順序を逆にしてもよい。
【0196】
いくつかの実施例において、リンパ枯渇レジメンは、前記CAR-T細胞投与前の約5日~約7日に行われる。いくつかの実施例において、リンパ枯渇レジメンは、静脈内投与によるものである。いくつかの実施例において、前記リンパ枯渇レジメンは、シクロホスファミドの投与又はフルダラビンの投与を含む。いくつかの実施例において、前記シクロホスファミドは、300 mg/m2で静脈内投与される。いくつかの実施例において、前記フルダラビンは、30 mg/m2で静脈内投与される。いくつかの実施例において、シクロホスファミドの300 mg/m2での静脈内投与とフルダラビンの30 mg/m2での静脈内投与とを含むリンパ枯渇レジメンは、前記CAR-T細胞投与の約5日から約7日前に行われる。
【0197】
いくつかの実施例において、被験者はさらに、架橋療法を受け、ここで、前記架橋療法は、アフェレシスと前記リンパ枯渇レジメンとの間の少なくとも一つの架橋薬物による短期治療を含み、且つここで、前記少なくとも一つの架橋薬物は、以前に、被験者の疾患安定、最小奏効、部分奏効、最良部分奏効、完全奏効又は厳格な完全奏効の結果がすでに得られた。いくつかの実施例において、前記架橋療法が行われたにもかかわらず、被験者の腫瘍負荷が増加した。いくつかの実施例において、被験者は、前記架橋療法を受けているにもかかわらず、腫瘍負荷が約25%以上増加した。
【0198】
いくつかの実施例において、被験者は、前記CAR-T細胞の前記投与前多くとも約1時間に、解熱剤と抗ヒスタミン剤とを含む投与プロドラッグで治療される。いくつかの実施例において、前記解熱剤は、パラセタモール又はアセトアミノフェンを含む。いくつかの実施例において、前記解熱剤は、被験者に経口投与又は静脈内投与される。いくつかの実施例において、前記解熱剤は、650 mg~1000 mgの用量で被験者に投与される。いくつかの実施例において、前記抗ヒスタミン剤は、ジフェンヒドラミンを含む。いくつかの実施例において、前記抗ヒスタミン剤は、被験者に経口投与又は静脈内投与される。いくつかの実施例において、前記抗ヒスタミン剤は、25 mg~50 mgの用量又はその等価用量で投与される。いくつかの実施例において、前記解熱剤は、パラセタモール又はアセトアミノフェンを含み、且つ前記解熱剤は、650 mg~1000 mgの用量で、被験者に経口投与又は静脈内投与され、且つここで、前記抗ヒスタミン剤は、ジフェンヒドラミンを含み、且つ前記抗ヒスタミン剤は、25 mg~50 mgの用量又はその等価用量で被験者に経口投与又は静脈内投与される。
【0199】
いくつかの実施例において、該方法は、前記被験者のサイトカイン放出症候群(CRS)を診断することをさらに含む。好ましい実施例において、診断は、以前に米国血液骨髄移植学会(ASBMT)であった米国移植細胞治療学会(ASTCT)コンセンサス分類に基づいて行われる。表30は、CRS診断のためのASTCTコンセンサス分類の非限定的まとめを提供した。いくつかの実施例において、IL-6、IL-10、IFN-γ、C反応性タンパク質(CRP)とフェリチンのうちの一つの又は複数又は全てのレベルを評価することによってCRSを評定する。
【0200】
いくつかの実施例において、該方法は、前記被験者のサイトカイン放出症候群(CRS)を治療することをさらに含む。いくつかの実施例において、解熱剤でCRSを治療する。いくつかの例において、抗サイトカイン療法でCRSを治療する。いくつかの実施例において、CRSの治療は、注入から約3日超経過した後に発生する。いくつかの実施例において、CRSの治療は、CAR-T細胞のインビボ増幅を有意に減少させることなく行われる。いくつかの実施例において、前記方法は、前記CAR-T細胞のインビボ増幅を有意に減少させることなく、前記CAR-T細胞の前記投与から約3日を超えて前記被験者のサイトカイン放出症候群を治療することをさらに含む。いくつかの実施例において、CRSの治療は、被験者にIL-6R阻害剤を投与することを含む。いくつかの実施例において、IL-6R阻害剤は、抗体である。いくつかの実施例において、抗体は、IL-6Rの細胞外ドメインとの結合によってIL-6Rを阻害する。いくつかの実施例において、IL-6R阻害剤は、IL-6とIL-6Rとの結合を阻止する。いくつかの実施例において、IL-6R阻害剤は、トシリズマブである。いくつかの実施例において、抗サイトカイン療法は、トシリズマブの投与を含む。いくつかの実施例において、抗サイトカイン療法は、ステロイドの投与を含む。いくつかの実施例において、CRSの治療は、トシリズマブ以外のモノクローナル抗体による治療を含む。いくつかの実施例において、トシリズマブ以外の抗体は、サイトカインを標的とする。いくつかの実施例において、トシリズマブ以外の抗体により標的化されるサイトカインは、IL-1である。いくつかの実施例において、IL-1を標的とする抗体は、アナキンラである。いくつかの実施例において、トシリズマブ以外の抗体により標的化されるサイトカインは、TNFαである。いくつかの実施例において、CRSの治療は、被験者にコルチコステロイドを投与することを含む。いくつかの実施例において、CRS的治療は、血管収縮薬の使用を含む。いくつかの実施例において、CRSの治療は、挿管又は機械的換気を含む。いくつかの実施例において、CRSの治療は、被験者にシクロホスファミドを投与することを含む。いくつかの実施例において、CRSの治療は、被験者にエタネルセプトを投与することを含む。いくつかの実施例において、CRSの治療は、被験者にレベチラセタムを投与することを含む。いくつかの実施例において、CRSの治療は、サポートケアを含む。
【0201】
いくつかの実施例において、該方法は、前記被験者の免疫細胞エフェクター関連神経毒性(ICANS)を診断することをさらに含む。いくつかの実施例において、診断は、米国国立がん研究所有害事象共通用語規準(NCI CTCAE)の規準に基づいて行われる。いくつかの実施例において、診断は、NCI CTCAE規準バージョン5.0に基づいて行われる。いくつかの実施例において、診断は、米国移植細胞治療学会(ASTCT)コンセンサス分類システムに基づいて行われる。いくつかの実施例において、実施例は、ICANと一致する神経毒性を有する。表31は、ICANS診断のためのASTCTコンセンサス分類システムの非限定的まとめを提供した。いくつかの実施例において、ICANSの治療は、被験者にIL-6R阻害剤を投与することを含む。いくつかの実施例において、IL-6R阻害剤は、抗体である。いくつかの実施例において、抗体は、IL-6Rの細胞外ドメインとの結合によってIL-6Rを阻害する。いくつかの実施例において、IL-6R阻害剤は、IL-6とIL-6Rとの結合を阻止する。いくつかの実施例において、IL-6R阻害剤は、トシリズマブである。いくつかの実施例において、ICANSの治療は、被験者にIL-1阻害剤を投与することを含む。いくつかの実施例において、IL-1阻害剤は、抗体である。好ましい実施例において、IL-1阻害性抗体は、アナキンラである。いくつかの実施例において、ICANSの治療は、被験者にコルチコステロイドを投与することを含む。いくつかの実施例において、ICANSの治療は、被験者にレベチラセタムを投与することを含む。いくつかの実施例において、ICANSの治療は、被験者にデキサメタゾンを投与することを含む。いくつかの実施例において、ICANSの治療は、被験者にメチルプレドニゾロンコハク酸エステルナトリウムを投与することを含む。いくつかの実施例において、ICANSの治療は、被験者にペチジンを投与することを含む。いくつかの実施例において、ICANSの治療は、被験者にトシリズマブ、アナキンラ、コルチコステロイド、レベチラセタム、デキサメタゾン、メチルプレドニゾロンコハク酸エステルナトリウム又はペチジンのうちの一つのもしくは複数又は全てを投与することを含む。
【0202】
いくつかの実施例において、該方法は、前記被験者の血球減少を診断することをさらに含む。いくつかの実施例において、血球減少は、リンパ球減少、好中球減少と血小板減少のうちの一つの又は複数又は全てを含む。理論に束縛されるものではないが、グレード2以下ではなくグレード3又はグレード4のリンパ球減少は、リンパ球数が0.5 × 109個の細胞/リットルの被験者血液試料未満であることを特徴とし、グレード2以下ではなくグレード3又はグレード4の好中球減少は、好中球数が1000個の細胞/マイクロリットルの被験者血液試料未満であることを特徴とし、且つグレード2以下ではなくグレード3又はグレード4の血小板減少は、血小板数が50,000個の細胞/マイクロリットルの被験者血液試料未満であることを特徴とする。いくつかの実施例において、CAR-T細胞投与後にグレード3又はグレード4のリンパ球減少に罹患した被験者の75%超は、CAR-T細胞投与後60日目にグレード2以下のリンパ球減少に回復した。いくつかの実施例において、CAR-T細胞投与後にグレード3又はグレード4のリンパ球減少に罹患した被験者の80%超は、CAR-T細胞投与後60日目にグレード2以下のリンパ球減少に回復した。いくつかの実施例において、CAR-T細胞投与後にグレード3又はグレード4のリンパ球減少に罹患した被験者の85%超は、CAR-T細胞投与後60日目にグレード2以下のリンパ球減少に回復した。いくつかの実施例において、CAR-T細胞投与後にグレード3又はグレード4のリンパ球減少に罹患した被験者の90%超は、CAR-T細胞投与後60日目にグレード2以下のリンパ球減少に回復した。いくつかの実施例において、CAR-T細胞投与後にグレード3又はグレード4の好中球減少に罹患した被験者の70%超は、CAR-T細胞投与後60日目にグレード2以下の好中球減少に回復した。いくつかの実施例において、CAR-T細胞投与後にグレード3又はグレード4の好中球減少に罹患した被験者の75%超は、CAR-T細胞投与後60日目にグレード2以下の好中球減少に回復した。いくつかの実施例において、CAR-T細胞投与後にグレード3又はグレード4の好中球減少に罹患した被験者の80%超は、CAR-T細胞投与後60日目にグレード2以下の好中球減少に回復した。いくつかの実施例において、CAR-T細胞投与後にグレード3又はグレード4の好中球減少に罹患した被験者の85%超は、CAR-T細胞投与後60日目にグレード2以下の好中球減少に回復した。いくつかの実施例において、CAR-T細胞投与後にグレード3又はグレード4の血小板減少に罹患した被験者の30%超は、CAR-T細胞投与後60日目にグレード2以下の血小板減少に回復した。いくつかの実施例において、CAR-T細胞投与後にグレード3又はグレード4の血小板減少に罹患した被験者の34%超は、CAR-T細胞投与後60日目にグレード2以下の血小板減少に回復した。いくつかの実施例において、CAR-T細胞投与後にグレード3又はグレード4の血小板減少に罹患した被験者の38%超は、CAR-T細胞投与後60日目にグレード2以下の血小板減少に回復した。いくつかの実施例において、CAR-T細胞投与後にグレード3又はグレード4の血小板減少に罹患した被験者の42%超は、CAR-T細胞投与後60日目にグレード2以下の血小板減少に回復した。
【0203】
本明細書に開示されるCARコード核酸配列を発現する宿主細胞又は本明細書に開示されるCARコード核酸配列を含むベクターを含む組成物を哺乳動物(例えば、ヒト)に投与すると、当分野で既知の任意の適切な方法によってCARの生物学的活性を測定することができる。本明細書に開示される方法によると、CARは、多発性骨髄腫細胞におけるBCMAに結合し、且つこれらの多発性骨髄腫細胞は破壊される。CARと多発性骨髄腫細胞表面におけるBCMAとの結合は、例えば、ELISAとフローサイトメトリーを含む、当分野で既知の任意の適切な方法によって測定することができる。CARが多発性骨髄腫細胞を破壊する能力は、例えば、Kochenderferら, J. Immunotherapy, 32(7):689-702 (2009)及びHermanらJ. Immunological Methods, 285(1):25-40 (2004)に記述されている細胞傷害性アッセイなどの当分野で既知の任意の適切な方法来によって測定することができる。CARの生物学的活性はまた、いくつかのサイトカイン、例えば、CD 107a、IFNγ、IL-2及びTNFの発現のアッセイによって測定することができる。
【0204】
本明細書に記載の方法は、固形癌と液体癌とを含む様々な癌の治療に用いられ得る。いくつかの実施例において、これらの方法は、多発性骨髄腫を治療するためのものである。本明細書に記載の方法は、補助治療又は新規な補助治療において、第1の療法、第2の療法、第3の療法又は当分野で既知の他のタイプの癌療法(例えば、化学療法、手術、放射線、遺伝子療法、免疫療法、骨髄移植、幹細胞移植、標的療法、凍結療法、超音波療法、光線力学的療法、ラジオ波焼灼など)との組み合わせ療法として用いられてもよい。
【0205】
いくつかの実施例において、癌は、多発性骨髄腫である。いくつかの実施例において、癌は、Durie-Salmon分類系に基づくステージI、ステージII又はステージIII、及び/又はステージA又はステージBの多発性骨髄腫である。いくつかの実施例において、癌は、国際骨髄腫ワーキンググループ(IMWG)によって公表された国際分類系に基づくステージI、ステージII又はステージIIIの多発性骨髄腫である。いくつかの実施例において、多発性骨髄腫は進行性である。
【0206】
いくつかの実施例において、被験者は、少なくとも1種類の以前の治療ラインによる以前の治療を受けた。いくつかの実施例において、少なくとも1種類の以前の治療ラインは、薬物による治療を含み、該薬物はプロテアソーム阻害剤(PI)である。PIの非限定的例は、ボルテゾミブと、カルベンゾミブと、イゾミブとを含む。いくつかの実施例において、少なくとも1種類の以前の治療ラインは、薬物による治療を含み、該薬物は免疫調節薬(IMiD)である。IMiDの非限定的例としては、レナリドミド、ポマリドミド及びサリドマイドが挙げられる。いくつかの実施例において、少なくとも1種類の以前の治療ラインは、薬物による治療を含み、該薬物はコルチコステロイドである。コルチコステロイドの非限定的例としては、デキサメタゾンとプレドニゾンが挙げられる。いくつかの実施例において、少なくとも1種類の以前の治療ラインは、薬物による治療を含み、該薬物はアルキル化剤である。いくつかの実施例において、少なくとも1種類の以前の治療ラインは、薬物による治療を含み、該薬物はアントラサイクリンである。いくつかの実施例において、少なくとも1種類の以前の治療ラインは、薬物による治療を含み、該薬物は抗CD38抗体である。抗CD38抗体の非限定的例としては、ダラツムマブ、イサツキシマブ及び研究抗体TAK-079が挙げられる。いくつかの実施例において、少なくとも1種類の以前の治療ラインは、薬物による治療を含み、該薬物はエロツズマブである。いくつかの実施例において、少なくとも1種類の以前の治療ラインは、薬物による治療を含み、該薬物はパノビノスタットである。いくつかの実施例において、被験者は、前記少なくとも1種類の以前の治療ラインの後に再発した。いくつかの実施例において、癌は、ボルテゾミブ、カルベンゾミブ、イゾミブ、レナリドミド、ポマリドミド、サリドマイド、デキサメタゾン、プレドニゾン、アルキル化剤、ダラツムマブ、イサツキシマブ、TAK-079、エロツズマブ及びパノビノスタットのうちの一つもしくは複数又は全てに対して難治性である。いくつかの実施例において、以前の治療ラインは、手術、放射線療法、又は自家移植もしくは同種異系移植、又はこのような治療の任意の組み合わせを含む。
【0207】
いくつかの実施例において、多発性骨髄腫は、少なくとも2種類の薬物に対して難治性である。いくつかの実施例において、多発性骨髄腫は、少なくとも3種類の薬物に対して難治性である、いくつかの実施例において、多発性骨髄腫は、少なくとも4種類の薬物に対して難治性である。いくつかの実施例において、多発性骨髄腫は、少なくとも5種類の薬物に対して難治性である。
【0208】
いくつかの実施例において、被験者は、前記CAR-T細胞の前記投与前に、約10%~約30%の骨髄形質細胞を有する。
【0209】
いくつかの実施例において、骨髄吸引又は生検は、臨床評定のために行われてもよく、又は骨髄吸引は、バイオマーカー評価のために行われてもよい。いくつかの実施例において、臨床分類(形態学、細胞遺伝学、免疫組織化学又は免疫蛍光又はフローサイトメトリー)を行ってもよい。いくつかの実施例において、骨髄吸引物の一部に対して免疫表現型分析を行い、BCMA、CD138陽性多発性骨髄腫細胞におけるチェックポイントリガンド発現及びT細胞におけるチェックポイント発現をモニタリングしてもよい。いくつかの実施例において、骨髄吸引物DNAの次世代シーケンシング(NGS)を用いて、被験者において微小残存病変(MRD)をモニタリングすることができる。骨髄吸引物DNAのNGSは、当業者に知られているものである。いくつかの実施例において、clonoSEQを介してNGSを行う。いくつかの実施例において、ベースライン骨髄吸引物を用いて骨髄腫クローンを定義することができ、且つ治療後試料を用いてMRD陰性を評価することができる。いくつかの実施例において、MRD陰性状態は、評価可能な試料に基づくものであってもよい。いくつかの実施例において、評価可能な試料は、補正、品質管理及び特定の感度レベル下で評価可能な細胞十分性のうちの一つもしくは複数又は全てによるものである。いくつかの実施例において、感度レベルは、10-6である。いくつかの実施例において、感度レベルは、10-6であり、感度レベルは、10-5である。いくつかの実施例において、感度レベルは、10-4である。いくつかの実施例において、感度レベルは、10-3である。
【0210】
いくつかの実施例において、国際骨髄腫ワーキンググループ(IMWG)に基づく効果基準を用いて、治療方法に対する被験者の奏効を評定し、該効果基準は、表2にまとめられている。いくつかの実施例において、奏効を厳格な完全奏効(sCR)に分類してもよい。いくつかの実施例において、奏効を完全奏効(CR)に分類してもよく、それは、厳格な完全奏効(sCR)よりも悪い。いくつかの実施例において、奏効を最良部分奏効(VGPR)に分類してもよく、それは、完全奏効(CR)よりも悪い。いくつかの実施例において、奏効を部分奏効(PR)に分類してもよく、それは、最良部分奏効(VGPR)よりも悪い。いくつかの実施例において、奏効を最小奏効(MR)に分類してもよく、それは、部分奏効(PR)よりも悪い。いくつかの実施例において、奏効を疾患安定(SD)に分類してもよく、それは、最小奏効(MR)よりも悪い。いくつかの実施例において、奏効を疾患進行(PD)に分類してもよく、それは、疾患安定よりも悪い。
【0211】
いくつかの実施例において、国際骨髄腫ワーキンググループ(IMWG)に基づく効果基準を評定するための試験は、血清と尿における骨髄腫タンパク質(M-タンパク質)の測定、アルブミンに対して補正された血清カルシウム、骨髄検査、骨調査と髄外性形質細胞腫の文書記録である。
【0212】
血液と尿におけるM-タンパク質測定のための試験の非限定的な例は、当業者に知られているものであり、且つ血清定量Ig、血清タンパク質電気泳動(SPEP)、血清免疫固定電気泳動、血清FLCアッセイ、24時間尿Mタンパク質電気泳動定量(UPEP)、尿免疫固定電気泳動及び血清β2-ミクログロブリンを含む。
【0213】
高カルシウム血症を検出するために、血液試料における、アルブミンに対して補正された血清カルシウムを計算することは、当業者に知られているものである。理論に束縛されることを望むものではないが、カルシウムは、アルブミンに結合し、且つ結合していない(遊離している)カルシウムのみは、生物学的活性を有し、そのため、異常なアルブミンレベルに対して、血清カルシウムレベルを調整しなければならない(「補正された血清カルシウム」)。
【0214】
いくつかの実施例において、頭蓋骨、脊柱全体、骨盤、胸部、上腕骨、大腿骨及び任意の他の骨のうちのいずれか一つ又は全ての骨調査を行い、IV造影を使用することなく、X線撮影(「X線」)又は低線量コンピュータ断層撮影(CT)診断品質スキャンによって評価することができ、この両方は、当業者に知られているものである。いくつかの実施例において、T細胞投与後と疾患進行が確認される前に、症状に基づく臨床指示の有無にかかわらず、奏効又は進行を記録するために、X線又はCTスキャンを局所的に行ってもよい。いくつかの実施例において、磁気共鳴画像法(MRI)は、骨疾患を評価するために用いられてもよいが、骨調査を代替するものではない。MRIは、当業者に知られているものである。いくつかの実施例において、完全な骨調査に加えて、スクリーニング時に放射性核種骨スキャンを使用すれば、二つの方法で疾患状態を記録することができる。放射性核種骨スキャンは、当業者に知られているものである。いくつかの実施例において、放射性核種骨スキャンと完全な骨調査は、同時に行われてもよい。いくつかの実施例において、放射性核種骨スキャンは、完全な骨調査を代替しない可能性がある。いくつかの実施例において、被験者が骨の変化で疼痛症状により表される疾患進行を示した場合、被験者が経験する症状に応じて、骨調査又は他の放射線撮影によって疾患進行を記録することができる。
【0215】
いくつかの実施例において、臨床検査又はMRIによって髄外性形質細胞腫を記録することができる。いくつかの実施例において、IV造影使用の禁忌症がない場合、CTスキャンによって髄外性形質細胞腫を記録することができる。いくつかの実施例において、CT部分が十分な診断品質を有する場合、陽電子放出断層撮影(PET)スキャンとCTスキャンとの融合によって髄外性形質細胞腫を記録することができる。いくつかの実施例において、確診されたCR又は確診された疾患進行が発生するまで、被験者の髄外疾患の測定可能部位に対する評定を、4週間ごとに局所的に行い、測定又は評価することができる。いくつかの実施例において、髄外性形質細胞腫の評価を12週間ごとに行ってもよい。
【0216】
いくつかの実施例において、VGPR又はPR又はMRに適合するために、従来の髄外性形質細胞腫の垂直直径の積の合計を、それぞれ90%超又は少なくとも50%減少させてもよい。いくつかの実施例において、疾患進行に適合するために、従来の髄外性形質細胞腫の垂直直径の積の合計は、少なくとも50%増加しなければならないか、又は(短軸で)> 1 cmである以前の病巣の最長直径は、少なくとも50%増加しなければならないか、又は新たな形質細胞腫が発生していなければならない。いくつかの実施例において、存在する全ての髄外性形質細胞腫がいずれも報告されるとは限らない場合、疾患進行に適合するために、報告された形質細胞腫の垂直直径の積の合計は、少なくとも50%増加した。いくつかの実施例において、研究治療が免疫固定アッセイを干渉する場合、CRは、免疫固定時に、多発性骨髄腫に関連するオリジナルのMタンパク質が消失すると定義されてもよい。
【0217】
いくつかの実施例において、疾患負荷又は腫瘍負荷の変化に基づいて、治療方法に対する被験者における奏効を評定する。疾患負荷又は腫瘍負荷は、被験者における測定可能疾患のタイプを表す。いくつかの実施例において、治療後パラタンパク質レベルの変化に基づいて、腫瘍負荷の変化を評定することができる。いくつかの実施例において、パラタンパク質は、血清におけるM-タンパク質である。いくつかの実施例において、パラタンパク質は、血清におけるM-タンパク質である。いくつかの実施例において、損なわれた遊離軽鎖と損なわれていない遊離軽鎖(dFLC)との間の差異に基づいて、腫瘍負荷の変化を評定することができる。いくつかの実施例において、ベースラインに対する(即ちCAR-T細胞を投与する前に対する)最大パラタンパク質減少に基づいて、腫瘍負荷の変化を評定する。いくつかの実施例において、CAR-T細胞投与後28日以上のメジアン追跡期間に腫瘍負荷の変化を評定する。いくつかの実施例において、CAR-T細胞投与後1ヶ月以上のメジアン追跡期間に腫瘍負荷の変化を評定する。いくつかの実施例において、CAR-T細胞投与後3ヶ月以上のメジアン追跡期間に腫瘍負荷の変化を評定する。いくつかの実施例において、CAR-T細胞投与後6ヶ月以上のメジアン追跡期間に腫瘍負荷の変化を評定する。いくつかの実施例において、CAR-T細胞投与後9ヶ月以上のメジアン追跡期間に腫瘍負荷の変化を評定する。いくつかの実施例において、CAR-T細胞投与後12ヶ月以上のメジアン追跡期間に腫瘍負荷の変化を評定する。
【0218】
いくつかの実施例において、第2の用量のCAR-T細胞の第2の静脈内注入による投与によって、被験者を再治療する。いくつかの実施例において、再治療用量は、被験者の質量1キログラムあたりに1.0 × 105~5.0 × 106個のCAR-T細胞を含む。いくつかの実施例において、再治療用量は、被験者の質量1キログラムあたりに約0.75 × 105個のCAR-T細胞を含む。いくつかの実施例において、被験者は、CAR-T細胞の最初注入後、最小奏効又はより良好な奏効の最良効果後に疾患進行を示す場合に、再治療される。いくつかの実施例において、CAR-T細胞の最初の注入から疾患進行の検出までの時間は、少なくとも六ヶ月を含む。
【0219】
4.8. レナリドミドに対して難治性である被験者を治療する方法
一態様では、被験者を治療する方法を提供し、前記方法は、該被験者に、キメラ抗原受容体(CAR)を含む治療有効量のT細胞を含む組成物を投与することを含み、ここで、前記被験者は、多発性骨髄腫に罹患しており、且つレナリドミドに対して難治性である。いくつかの実施例において、被験者は、1種類、2種類又は3種類の以前の治療ラインによる以前の治療を受けた。
【0220】
いくつかの実施例において、多発性骨髄腫は、最後の治療ラインに対して難治性である。いくつかの実施例において、被験者は、前記1種類、2種類又は3種類の以前の治療ラインの後に再発した。いくつかの実施例において、被験者は、少なくとも1種類の以前の治療ラインによる以前の治療を受け、該少なくとも1種類の以前の治療ラインは、レナリドミド及び少なくとも1種類の非レナリドミド薬物による治療を含み、前記少なくとも1種類の非レナリドミド薬物は、プロテアソーム阻害剤、免疫調節薬又は抗CD38抗体のうちの少なくとも一つを含む。いくつかの実施例において、被験者は、以前にBCMA標的薬物に曝露されていなかった。いくつかの実施例において、被験者は、少なくとも2種類の以前の治療ラインによる以前の治療を受けた。いくつかの実施例において、被験者は、3種類の以前の治療ラインによる以前の治療を受けた。
【0221】
いくつかの実施例において、被験者は、デキサメタゾン、アルキル化剤又はダラツムマブによる以前の治療を受けた。いくつかの実施例において、多発性骨髄腫は、3種類の薬物に対して難治性である。
【0222】
いくつかの実施例において、治療方法は、被験者において、減少した腫瘍負荷を効果的に得る。いくつかの実施例において、治療方法は、被験者において、約1%~約100%、約60%~約100%、約65%~約100%、約70%~約100%、約75%~約100%、約80%~約100%、約85%~約100%、約90%~約100%、約92%~約100%、約95%~約100%、約96%~約100%、約97%~約100%、約98%~約100%、又は約99%~約100%の腫瘍負荷低減を効果的に得る。いくつかの実施例において、治療方法は、被験者において、約100%の腫瘍負荷低減を効果的に得る。いくつかの実施例において、治療方法は、被験者において、約1%~約100%の比率で約1%~約100%の腫瘍負荷低減を効果的に得る。いくつかの実施例において、治療方法は、被験者において、約1%~約100%の比率で、約60%~約100%の腫瘍負荷低減を効果的に得る。いくつかの実施例において、治療方法は、被験者において、約1%~約92%の比率で、約65%~約100%の腫瘍負荷低減を効果的に得る。いくつかの実施例において、治療方法は、被験者において、約1%~約88%の比率で、約70%~約100%の腫瘍負荷低減を効果的に得る。いくつかの実施例において、治療方法は、被験者において、約1%~約88%の比率で、約90%~約100%の腫瘍負荷低減を効果的に得る。いくつかの実施例において、治療方法は、被験者において、約1%~約88%の比率で、約95%~約100%の腫瘍負荷低減を効果的に得る。いくつかの実施例において、治療方法は、被験者において、約1%~約88%の比率で、約99%~約100%の腫瘍負荷低減を効果的に得る。いくつかの実施例において、治療方法は、被験者において、約1%~約83%の比率で、約100%の腫瘍負荷低減を効果的に得る。
【0223】
いくつかの実施例において、治療方法は、被験者において、微小残存病変(MRD)の陰性状態を効果的に得るか、又は前記微小残存病変(MRD)の状態を効果的に維持する。
【0224】
いくつかの実施例において、治療方法は、被験者において、微小残存病変(MRD)の陰性状態を効果的に得る。いくつかの実施例において、治療方法は、被験者において、10-6の感度レベルにおいて、微小残存病変(MRD)陰性状態を効果的に得る。いくつかの実施例において、治療方法は、被験者において、10-5の感度レベルにおいて、微小残存病変(MRD)陰性状態を効果的に得る。いくつかの実施例において、治療方法は、被験者において、10-4の感度レベルにおいて、微小残存病変(MRD)陰性状態を効果的に得る。いくつかの実施例において、治療方法は、被験者において、10-3の感度レベルにおいて、微小残存病変(MRD)陰性状態を効果的に得る。いくつかの実施例において、骨髄において評定する場合、治療方法は、MRD陰性状態を効果的に得る。いくつかの実施例において、評価可能な骨髄試料で評定する場合、治療方法は、MRD陰性状態を効果的に維持する。いくつかの実施例において、骨髄DNAで評定する場合、治療方法は、MRD陰性状態を効果的に得る。いくつかの実施例において、前記方法は、前記CAR-T細胞の前記投与後約29日以上、前記CAR-T細胞の前記投与後約2ヶ月以上、前記CAR-T細胞の前記投与後約3ヶ月以上、前記CAR-T細胞の前記投与後約6ヶ月以上、前記CAR-T細胞の前記投与後約9ヶ月以上、又は前記CAR-T細胞の前記投与後約12ヶ月以上の追跡期間に骨髄において評定された前記被験者の微小残存病変(MRD)の陰性状態を効果的に得る。いくつかの実施例において、前記微小残存病変(MRD)陰性状態は、前記CAR-T細胞の前記投与後約29日から約184日までの第1の追跡期間に得られる。
【0225】
いくつかの実施例において、治療方法は、被験者において、初めて得られた微小残存病変(MRD)陰性状態を効果的に維持する。いくつかの実施例において、治療方法は、10-5の感度レベルにおいて、MRD陰性状態を効果的に維持する。いくつかの実施例において、治療方法は、被験者において、10-6の感度レベルにおいて、微小残存病変(MRD)陰性状態を効果的に得る。いくつかの実施例において、治療方法は、10-4の感度レベルにおいて、MRD陰性状態を効果的に維持する。いくつかの実施例において、治療方法は、10-3の感度レベルにおいて、MRD陰性状態を効果的に維持する。いくつかの実施例において、骨髄試料で評定する場合、治療方法は、MRD陰性状態を効果的に維持する。いくつかの実施例において、評価可能な骨髄試料で評定する場合、治療方法は、MRD陰性状態を効果的に維持する。いくつかの実施例において、骨髄DNAで評定する場合、治療方法は、MRD陰性状態を効果的に維持する。いくつかの実施例において、前記方法は、前記CAR-T細胞の前記投与後約29日から約291日、前記CAR-T細胞の前記投与後約29日から約9ヶ月、前記CAR-T細胞の前記投与後約29日から約6ヶ月、前記CAR-T細胞の前記投与後約29日から約3ヶ月、又は前記CAR-T細胞の前記投与後約29日から約2ヶ月までの追跡期間に骨髄において評定される前記被験者の前記微小残存病変(MRD)陰性状態を効果的に維持する。いくつかの実施例において、前記方法は、前記CAR-T細胞の前記投与後約57日から約191日までの第2の追跡期間に、骨髄において評定される前記被験者の前記微小残存病変(MRD)陰性状態を効果的に維持し、さらにここで、前記第1の追跡期間は前記第2の追跡期間より早い。
【0226】
いくつかの実施例において、MRD陰性状態を有する被験者の割合を評価することによって、治療方法の有効性を評定する。いくつかの実施例において、10-6の感度レベルでMRD陰性状態を有する被験者の割合を評価することによって、治療方法の有効性を評定する。いくつかの実施例において、10-5の感度レベルでMRD陰性状態を有する被験者の割合を評価することによって、治療方法の有効性を評定する。いくつかの実施例において、10-4の感度レベルでMRD陰性状態を有する被験者の割合を評価することによって、治療方法の有効性を評定する。いくつかの実施例において、10-3の感度レベルでMRD陰性状態を有する被験者の割合を評価することによって、治療方法の有効性を評定する。いくつかの実施例において、CAR-T細胞投与からCAR-T細胞投与後約291日、CAR-T細胞投与からCAR-T細胞投与後約9ヶ月、CAR-T細胞投与からCAR-T細胞投与後約6ヶ月、CAR-T細胞投与からCAR-T細胞投与後約3ヶ月、CAR-T細胞投与からCAR-T細胞投与後約2ヶ月、又はCAR-T細胞投与からCAR-T細胞投与後約29日までのメジアン追跡期間に、MRD陰性状態を有する被験者の割合を評価することによって治療方法の有効性を評定する。いくつかの実施例において、前記方法は、10-4、10-5又は10-6の感度閾値レベルにおいて約24%又はそれ未満の比率で、前記微小残存病変(MRD)陰性状態を効果的に得る。いくつかの実施例において、前記方法は、10-4、10-5又は10-6の感度閾値レベルにおいて約41%又はそれ未満の比率で、前記微小残存病変(MRD)陰性状態を効果的に得る。いくつかの実施例において、前記方法は、10-4、10-5又は10-6の感度閾値レベルにおいて約61%又はそれ未満の比率で、前記微小残存病変(MRD)陰性状態を効果的に得る。いくつかの実施例において、前記方法は、10-4、10-5又は10-6の感度閾値レベルにおいて約24%~約61%の比率で、前記微小残存病変(MRD)陰性状態を効果的に得る。いくつかの実施例において、前記方法は、10-4、10-5又は10-6の感度閾値レベルにおいて約41%の比率で、前記微小残存病変(MRD)陰性状態を効果的に得る。
【0227】
いくつかの実施例において、評価可能な骨髄とMRD陰性状態を有する被験者の割合を評価することによって、治療方法の有効性を評定する。いくつかの実施例において、10-6の感度レベルで評価可能な骨髄とMRD陰性状態を有する被験者の割合を評価することによって、治療方法の有効性を評定する。いくつかの実施例において、10-5の感度レベルで評価可能な骨髄とMRD陰性状態を有する被験者の割合を評価することによって、治療方法の有効性を評定する。いくつかの実施例において、10-4の感度レベルで評価可能な骨髄とMRD陰性状態を有する被験者の割合を評価することによって、治療方法の有効性を評定する。いくつかの実施例において、10-3の感度レベルで評価可能な骨髄とMRD陰性状態を有する被験者の割合を評価することによって、治療方法の有効性を評定する。いくつかの実施例において、CAR-T細胞投与からCAR-T細胞投与後約291日、CAR-T細胞投与からCAR-T細胞投与後約9ヶ月、CAR-T細胞投与からCAR-T細胞投与後約6ヶ月、CAR-T細胞投与からCAR-T細胞投与後約3ヶ月、CAR-T細胞投与からCAR-T細胞投与後約2ヶ月、又はCAR-T細胞投与からCAR-T細胞投与後約29日までのメジアン追跡期間に、評価可能な骨髄とMRD陰性状態を有する被験者の割合を評価することによって、治療方法の有効性を評定する。いくつかの実施例において、前記方法は、10-5の感度閾値レベルにおいて、評価可能な試料を有する被験者において、約64%又はそれ未満の比率で、前記微小残存病変(MRD)陰性状態を効果的に得る。いくつかの実施例において、前記方法は、10-5の感度閾値レベルにおいて、評価可能な試料を有する被験者において、約92%又はそれ未満の比率で、前記微小残存病変(MRD)陰性状態を効果的に得る。いくつかの実施例において、前記方法は、10-5の感度閾値レベルにおいて、評価可能な試料を有する被験者において、約99%又はそれ未満の比率で、前記微小残存病変(MRD)陰性状態を効果的に得る。いくつかの実施例において、前記方法は、10-5の感度閾値レベルにおいて、評価可能な試料を有する被験者において、約64%~約99%の比率で前記微小残存病変(MRD)陰性状態を効果的に得る。いくつかの実施例において、前記方法は、10-5の感度閾値レベルにおいて、評価可能な試料を有する被験者において、約92%の比率で前記微小残存病変(MRD)陰性状態を効果的に得る。
【0228】
いくつかの実施例において、前記方法は、前記CAR-T細胞の前記投与後、被験者における少なくとも1種類の奏効を効果的に得、ここで、前記少なくとも1種類の奏効は、良いものから悪いものへの順序で、厳格な完全奏効、完全奏効、最良部分奏効、部分奏効又は最小奏効を含む。
【0229】
いくつかの実施例において、前記方法は、前記CAR-T細胞の前記投与後約21日以内又はそれ以上の期間に初回奏効を効果的に得る。いくつかの実施例において、前記方法は、前記CAR-T細胞の前記投与後約30日以内又はそれ以上の期間に初回奏効を効果的に得る。いくつかの実施例において、前記方法は、前記CAR-T細胞の前記投与後約36日以内又はそれ以上の期間に初回奏効を効果的に得る。いくつかの実施例において、前記方法は、前記CAR-T細胞の前記投与後約56日以内又はそれ以上の期間に初回奏効を効果的に得る。いくつかの実施例において、前記方法は、前記CAR-T細胞の前記投与後約99日以内又はそれ以上の期間に初回奏効を効果的に得る。いくつかの実施例において、前記方法は、前記CAR-T細胞の前記投与後約21日から約99日までの期間前に、初回奏効を効果的に得る。いくつかの実施例において、前記方法は、前記CAR-T細胞の前記投与後約21日から約55日までの期間前に、初回奏効を効果的に得る。いくつかの実施例において、前記方法は、前記CAR-T細胞の前記投与後約36日前に、初回奏効を効果的に得る。いくつかの実施例において、前記方法は、前記CAR-T細胞の前記投与後約30日前に、初回奏効を効果的に得る。
【0230】
いくつかの実施例において、厳格な完全奏効を有する被験者の割合を評価することによって、治療方法の有効性を評定する。いくつかの実施例において、完全奏効又はより良好な奏効を有する被験者の割合を評価することによって、治療方法の有効性を評定する。いくつかの実施例において、最良部分奏効又はより良好な奏効を有する被験者の割合を評価することによって、治療方法の有効性を評定する。いくつかの実施例において、部分奏効又はより良好な奏効を有する被験者の割合を評価することによって、治療方法の有効性を評定する。いくつかの実施例において、最小奏効又はより良好な奏効を有する被験者の割合を評価することによって、治療方法の有効性を評定する。
【0231】
いくつかの実施例において、前記方法は、最小奏効、部分奏効、最良部分奏効、完全奏効又は厳格な完全奏効のうちのいずれか一つの最良効果、即ち最小奏効又はより良好な奏効の最良効果を効果的に得る。いくつかの実施例において、前記方法が最小奏効又はより良好な奏効の最良効果を効果的に得る比率は、臨床的有用率と称される。いくつかの実施例において、前記方法は、約52%又はそれ未満の比率で、前記最小奏効又はより良好な奏効の最良効果を効果的に得る。いくつかの実施例において、前記方法は、約72%又はそれ未満の比率で、前記最小奏効又はより良好な奏効の最良効果を効果的に得る。いくつかの実施例において、前記方法は、約87%又はそれ未満の比率で、前記最小奏効又はより良好な奏効の最良効果を効果的に得る。いくつかの実施例において、前記方法は、約52%~約87%の比率で、前記最小奏効、部分奏効、最良部分奏効、完全奏効又は厳格な完全奏効のうちのいずれか一つの最良効果を効果的に得る。いくつかの実施例において、前記方法は、約72%の比率で、前記最小奏効、部分奏効、最良部分奏効、完全奏効又は厳格な完全奏効のうちのいずれか一つの最良効果を効果的に得る。
【0232】
いくつかの実施例において、前記方法は、部分奏効、最良部分奏効、完全奏効又は厳格な完全奏効のうちのいずれか一つの最良効果、即ち部分奏効又はより良好な奏効の最良効果を効果的に得る。いくつかの実施例において、前記方法が部分奏効又はより良好な奏効の最良効果を効果的に得る比率を全体生存率又は全奏効率と称する。いくつかの実施例において、前記方法は、約49%又はそれ未満の比率で、前記部分奏効又はより良好な奏効の最良効果を効果的に得る。いくつかの実施例において、前記方法は、約69%又はそれ未満の比率で、前記部分奏効又はより良好な奏効の最良効果を効果的に得る。いくつかの実施例において、前記方法は、約84%又はそれ未満の比率で、前記部分奏効又はより良好な奏効の最良効果を効果的に得る。いくつかの実施例において、前記方法は、約49%~約84%の比率で、前記部分奏効、最良部分奏効、完全奏効又は厳格な完全奏効のうちのいずれか一つの最良効果を効果的に得る。いくつかの実施例において、前記方法は、約69%の比率で、前記部分奏効、最良部分奏効、完全奏効又は厳格な完全奏効のうちのいずれか一つの最良効果を効果的に得る。
【0233】
いくつかの実施例において、前記方法が、最良部分奏効、完全奏効又は厳格な完全奏効のうちのいずれか一つの最良効果、即ち最良部分奏効又はより良好な奏効の最良効果を効果的に得る。いくつかの実施例において、前記方法は、約49%又はそれ未満の比率で、前記最良部分奏効又はより良好な奏効の最良効果を効果的に得る。いくつかの実施例において、前記方法は、約69%又はそれ未満の比率で、前記最良部分奏効又はより良好な奏効の最良効果を効果的に得る。いくつかの実施例において、前記方法は、約84%又はそれ未満の比率で、前記最良部分奏効又はより良好な奏効の最良効果を効果的に得る。いくつかの実施例において、前記方法は、約49%~約84%の比率で、前記最良部分奏効、完全奏効又は厳格な完全奏効のうちのいずれか一つの最良効果を効果的に得る。いくつかの実施例において、前記方法は、約69%の比率で、前記最良部分奏効、完全奏効又は厳格な完全奏効のうちのいずれか一つの最良効果を効果的に得る。
【0234】
いくつかの実施例において、前記方法は、完全奏効又は厳格な完全奏効の最良効果、即ち完全奏効又はより良好な奏効の最良効果を効果的に得る。いくつかの実施例において、前記方法は、約39%又はそれ未満の比率で、前記完全奏効又はより良好な奏効の最良効果を効果的に得る。いくつかの実施例において、前記方法は、約58%又はそれ未満の比率で、前記完全奏効又はより良好な奏効の最良効果を効果的に得る。いくつかの実施例において、前記方法は、約76%又はそれ未満の比率で、前記完全奏効又はより良好な奏効の最良効果を効果的に得る。いくつかの実施例において、前記方法は、約39%~約76%の比率で、前記完全奏効又は厳格な完全奏効の最良効果を効果的に得る。いくつかの実施例において、前記方法は、約58%の比率で、前記完全奏効又は厳格な完全奏効の最良効果を効果的に得る。
【0235】
いくつかの実施例において、前記方法は、厳格な完全奏効の最良効果を効果的に得る。いくつかの実施例において、前記方法は、約33%又はそれ未満の比率で、前記厳格な完全奏効の最良効果を効果的に得る。いくつかの実施例において、前記方法は、約52%又はそれ未満の比率で、前記厳格な完全奏効の最良効果を効果的に得る。いくつかの実施例において、前記方法は、約70%又はそれ未満の比率で、前記厳格な完全奏効の最良効果を効果的に得る。いくつかの実施例において、前記方法は、約33%~約70%の比率で、前記厳格な完全奏効の最良効果を効果的に得る。いくつかの実施例において、前記方法は、約52%の比率で、前記厳格な完全奏効の最良効果を効果的に得る。
【0236】
いくつかの実施例において、前記方法は、前記CAR-T細胞の前記投与後約27日又はそれ以上の期間に前記最良効果を効果的に得る。いくつかの実施例において、前記方法は、前記CAR-T細胞の前記投与後約87日又はそれ以上の期間に前記最良効果を効果的に得る。いくつかの実施例において、前記方法は、前記CAR-T細胞の前記投与後約109日又はそれ以上の期間に前記最良効果を効果的に得る。いくつかの実施例において、前記方法は、前記CAR-T細胞の前記投与後約172日又はそれ以上の期間に前記最良効果を効果的に得る。いくつかの実施例において、前記方法は、前記CAR-T細胞の前記投与後約237日又はそれ以上の期間に前記最良効果を効果的に得る。いくつかの実施例において、前記方法は、前記CAR-T細胞の前記投与後約27日から約237日までの期間前に、前記最良効果を効果的に得る。いくつかの実施例において、前記方法は、前記CAR-T細胞の前記投与後約46日から約172日までの期間前に、前記最良効果を効果的に得る。いくつかの実施例において、前記方法は、前記CAR-T細胞の前記投与後約109日前に、前記最良効果を効果的に得る。いくつかの実施例において、前記方法は、前記CAR-T細胞の前記投与後約87日前に、前記最良効果を効果的に得る。
【0237】
いくつかの実施例において、前記方法は、前記初回奏効の時点から前記CAR-T細胞の前記投与後約270日までの追跡期間に、被験者における奏効を効果的に維持する。いくつかの実施例において、前記方法は、前記CAR-T細胞の前記投与後約6ヶ月の追跡期間に、約70%~約99%の比率で奏効を効果的に維持する。いくつかの実施例において、前記方法は、前記CAR-T細胞の前記投与後約6ヶ月の追跡期間に、約95%の比率で奏効を効果的に維持する。いくつかの実施例において、前記方法は、前記CAR-T細胞の前記投与後約9ヶ月の追跡期間に、約7%~約92%の比率で奏効を効果的に維持する。いくつかの実施例において、前記方法は、前記CAR-T細胞の前記投与後約9ヶ月の追跡期間に、約63%の比率で奏効を効果的に維持する。
【0238】
いくつかの実施例において、ここで、前記方法は、前記CAR-T細胞の前記投与後約269日以内又はそれ以前に、前記初回奏効を効果的に得て、前記方法は、前記初回奏効の時点から前記CAR-T細胞の前記投与後約270日までの追跡期間に、被験者における奏効を効果的に維持する。いくつかの実施例において、前記方法は、前記CAR-T細胞の前記投与後6ヶ月の追跡期間に、約70%又はそれ未満の比率で奏効を効果的に維持する。いくつかの実施例において、前記方法は、前記CAR-T細胞の前記投与後6ヶ月の追跡期間に、約95%又はそれ未満の比率で奏効を効果的に維持する。いくつかの実施例において、前記方法は、前記CAR-T細胞の前記投与後6ヶ月の追跡期間に、約99%又はそれ未満の比率で奏効を効果的に維持する。いくつかの実施例において、前記方法は、前記CAR-T細胞の前記投与後9ヶ月の追跡期間に、約63%又はそれ未満の比率で奏効を効果的に維持する。いくつかの実施例において、前記方法は、前記CAR-T細胞の前記投与後9ヶ月の追跡期間に、約92%又はそれ未満の比率で奏効を効果的に維持する。
【0239】
いくつかの実施例において、前記方法はさらに、前記CAR-T細胞の前記投与時点から前記CAR-T細胞の前記投与後約3ヶ月までの間に、10-5の感度閾値レベルにおいて、骨髄において評定される前記被験者の微小残存病変(MRD)陰性状態を効果的に得る。いくつかの実施例において、前記方法は、前記CAR-T細胞の前記投与後約291日間の追跡期間に、約18%又はそれ未満の比率で、微小残存病変(MRD)陰性の完全奏効又は微小残存病変(MRD)陰性の厳格な完全奏効を効果的に得る。いくつかの実施例において、前記方法は、前記CAR-T細胞の前記投与後約291日間の追跡期間に、約35%又はそれ未満の比率で、微小残存病変(MRD)陰性の完全奏効又は微小残存病変(MRD)陰性の厳格な完全奏効を効果的に得る。いくつかの実施例において、前記方法は、前記CAR-T細胞の前記投与後約291日間の追跡期間に、約54%又はそれ未満の比率で、微小残存病変(MRD)陰性の完全奏効又は微小残存病変(MRD)陰性の厳格な完全奏効を効果的に得る。いくつかの実施例において、前記方法は、前記CAR-T細胞の前記投与後約291日間の追跡期間に、約18%~約54%の比率で、微小残存病変(MRD)陰性の完全奏効又は微小残存病変(MRD)陰性の厳格な完全奏効を効果的に得る。いくつかの実施例において、前記方法は、前記CAR-T細胞の前記投与後約291日間の追跡期間に、約35%の比率で、微小残存病変(MRD)陰性の完全奏効又は微小残存病変(MRD)陰性の厳格な完全奏効を効果的に得る。
【0240】
いくつかの実施例において、前記方法は、被験者の無増悪生存期間を効果的に得る。いくつかの実施例において、前記方法は、前記CAR-T細胞の前記投与から前記CAR-T細胞の前記投与後約55日までの期間に、前記被験者の前記無増悪生存期間を効果的に得る。いくつかの実施例において、前記方法は、前記CAR-T細胞の前記投与から前記CAR-T細胞の前記投与後約297日までの期間に、前記被験者の前記無増悪生存期間を効果的に得る。いくつかの実施例において、前記方法は、前記CAR-T細胞の前記投与後約6ヶ月又は約9ヶ月の追跡期間に、約62%又はそれ未満の比率で、前記無増悪生存期間を効果的に得る。いくつかの実施例において、前記方法は、前記CAR-T細胞の前記投与後約6ヶ月又は約9ヶ月の追跡期間に、約86%又はそれ未満の比率で、前記無増悪生存期間を効果的に得る。いくつかの実施例において、前記方法は、前記CAR-T細胞の前記投与後約6ヶ月又は約9ヶ月の追跡期間に、約95%又はそれ未満の比率で、前記無増悪生存期間を効果的に得る。いくつかの実施例において、前記方法は、前記CAR-T細胞の前記投与後約6ヶ月又は約9ヶ月の追跡期間に、約62%~約95%の比率で前記無増悪生存期間を効果的に得る。いくつかの実施例において、前記方法は、前記CAR-T細胞の前記投与後約6ヶ月又は約9ヶ月の追跡期間に、約86%の比率で、前記無増悪生存期間を効果的に得る。
【0241】
いくつかの実施例において、前記方法は、前記CAR-T細胞の前記投与から約3日を超えて前記被験者のサイトカイン放出症候群を治療することをさらに含む。いくつかの実施例において、前記サイトカイン放出症候群が初めて観察されてから7日後に、サイトカイン放出症候群の回復率は約90%又はそれ未満である。いくつかの実施例において、前記方法は、前記サイトカイン放出症候群が初めて観察されてから約7日の期間に、前記サイトカイン放出症候群の約1%~約90%の回復率を効果的に得る。
【0242】
いくつかの実施例において、免疫エフェクター細胞に関連する神経毒性の比率は約20%又はそれ以上である。いくつかの実施例において、前記方法は、免疫エフェクター細胞に関連する神経毒性の約20%~約99%の比率を効果的に得る。
4.9. 以前に早期再発があった被験者を治療する方法
【0243】
一態様では、被験者を治療する方法を提供し、前記方法は、該被験者に、キメラ抗原受容体(CAR)を含む治療有効量のT細胞を含む組成物を投与することを含み、ここで、前記被験者は、多発性骨髄腫に罹患しており、且つ以前に早期再発があった。「以前の早期再発」という用語は、国際骨髄腫ワーキンググループ(IMWG)による効果基準に基づいて、(i) すでに自家造血幹細胞移植(ASCT)を受けた参加者に対して、自家造血幹細胞移植(ASCT)治療時点から前記自家造血幹細胞移植(ASCT)治療後約12ヶ月まで、又は (ii) 自家造血幹細胞移植(ASCT)を受けていない参加者に対して、抗骨髄腫療法の開始時点から抗骨髄腫療法の開始後約12ヶ月までの期間での疾患進行を意味する。
【0244】
いくつかの実施例において、被験者は、すでに1種類の以前の治療ラインによる以前の治療を受けた。いくつかの実施例において、前記1種類の以前の治療ラインは、少なくとも2種類の薬物による治療を含む。いくつかの実施例において、前記少なくとも2種類の薬物は、プロテアソーム阻害剤と、免疫調節薬とを含む。いくつかの実施例において、被験者は、さらに抗CD38抗体で治療される。いくつかの実施例において、被験者は、以前にBCMA標的薬物に曝露されていなかった。いくつかの実施例において、多発性骨髄腫は、少なくとも1種類の薬物に対して難治性である。
【0245】
いくつかの実施例において、治療方法は、被験者において、減少した腫瘍負荷を効果的に得る。いくつかの実施例において、治療方法は、被験者において、約1%~約100%、約60%~約100%、約65%~約100%、約70%~約100%、約75%~約100%、約80%~約100%、約85%~約100%、約90%~約100%、約92%~約100%、約95%~約100%、約96%~約100%、約97%~約100%、約98%~約100%、又は約99%~約100%の腫瘍負荷低減を効果的に得る。いくつかの実施例において、治療方法は、被験者において、約100%の腫瘍負荷低減を効果的に得る。いくつかの実施例において、治療方法は、被験者において、約1%~約100%の比率で、約1%~約100%の腫瘍負荷低減を効果的に得る。いくつかの実施例において、治療方法は、被験者において、約1%~約100%の比率で、約80%~約100%の腫瘍負荷低減を効果的に得る。いくつかの実施例において、治療方法は、被験者において、約1%~約100%の比率で、約85%~約100%の腫瘍負荷低減を効果的に得る。いくつかの実施例において、治療方法は、被験者において、約1%~約88%の比率で、約90%~約100%の腫瘍負荷低減を効果的に得る。いくつかの実施例において、治療方法は、被験者において、約1%~約88%の比率で、約95%~約100%の腫瘍負荷低減を効果的に得る。いくつかの実施例において、治療方法は、被験者において、約1%~約82%の比率で、約96%~約100%の腫瘍負荷低減を効果的に得る。いくつかの実施例において、治療方法は、被験者において、約1%~約82%の比率で、約99%~約100%の腫瘍負荷低減を効果的に得る。いくつかの実施例において、治療方法は、被験者において、約1%~約76%の比率で、約100%の腫瘍負荷低減を効果的に得る。
【0246】
いくつかの実施例において、治療方法は、被験者において、微小残存病変(MRD)の陰性状態を効果的に得るか、又は前記微小残存病変(MRD)の状態を効果的に維持する。
【0247】
いくつかの実施例において、治療方法は、被験者において、微小残存病変(MRD)の陰性状態を効果的に得る。いくつかの実施例において、治療方法は、被験者において、10-6の感度レベルにおいて、微小残存病変(MRD)陰性状態を効果的に得る。いくつかの実施例において、治療方法は、被験者において、10-5の感度レベルにおいて、微小残存病変(MRD)陰性状態を効果的に得る。いくつかの実施例において、治療方法は、被験者において、10-4の感度レベルにおいて、微小残存病変(MRD)陰性状態を効果的に得る。いくつかの実施例において、治療方法は、被験者において、10-3の感度レベルにおいて、微小残存病変(MRD)陰性状態を効果的に得る。いくつかの実施例において、骨髄において評定する場合、治療方法は、MRD陰性状態を効果的に得る。いくつかの実施例において、評価可能な骨髄試料で評定する場合、治療方法は、MRD陰性状態を効果的に維持する。いくつかの実施例において、骨髄DNAで評定する場合、治療方法は、MRD陰性状態を効果的に得る。いくつかの実施例において、前記方法は、前記CAR-T細胞の前記投与後約35日以上、前記CAR-T細胞の前記投与後約2ヶ月以上、前記CAR-T細胞の前記投与後約3ヶ月以上、前記CAR-T細胞の前記投与後約6ヶ月以上、前記CAR-T細胞の前記投与後約9ヶ月以上、又は前記CAR-T細胞の前記投与後約12ヶ月以上の追跡期間に骨髄において評定された前記被験者の微小残存病変(MRD)の陰性状態を効果的に得る。いくつかの実施例において、前記微小残存病変(MRD)陰性状態は、前記CAR-T細胞の前記投与後約35日から約58日までの第1の追跡期間に、骨髄において評定される。
【0248】
いくつかの実施例において、治療方法は、被験者において、初めて得られた微小残存病変(MRD)陰性状態を効果的に維持する。いくつかの実施例において、治療方法は、10-5の感度レベルにおいて、MRD陰性状態を効果的に維持する。いくつかの実施例において、治療方法は、被験者において、10-6の感度レベルにおいて、微小残存病変(MRD)陰性状態を効果的に得る。いくつかの実施例において、治療方法は、10-4の感度レベルにおいて、MRD陰性状態を効果的に維持する。いくつかの実施例において、治療方法は、10-3の感度レベルにおいて、MRD陰性状態を効果的に維持する。いくつかの実施例において、骨髄試料で評定する場合、治療方法は、MRD陰性状態を効果的に維持する。いくつかの実施例において、評価可能な骨髄試料で評定する場合、治療方法は、MRD陰性状態を効果的に維持する。いくつかの実施例において、骨髄DNAで評定する場合、治療方法は、MRD陰性状態を効果的に維持する。いくつかの実施例において、前記方法は、前記CAR-T細胞の前記投与後約35日から約359日、前記CAR-T細胞の前記投与後約35日から約9ヶ月、前記CAR-T細胞の前記投与後約35日から約6ヶ月、前記CAR-T細胞の前記投与後約35日から約3ヶ月、又は前記CAR-T細胞の前記投与後約35日から約2ヶ月までの追跡期間に骨髄において評定される前記被験者の前記微小残存病変(MRD)陰性状態を効果的に維持する。いくつかの実施例において、前記方法は、前記CAR-T細胞の前記投与後約78日から約359日までの第2の追跡期間に、骨髄において評定される前記被験者の前記微小残存病変(MRD)陰性状態を効果的に維持し、さらにここで、前記第1の追跡期間は前記第2の追跡期間より早い。
【0249】
いくつかの実施例において、MRD陰性状態を有する被験者の割合を評価することによって、治療方法の有効性を評定する。いくつかの実施例において、10-6の感度レベルでMRD陰性状態を有する被験者の割合を評価することによって、治療方法の有効性を評定する。いくつかの実施例において、10-5の感度レベルでMRD陰性状態を有する被験者の割合を評価することによって、治療方法の有効性を評定する。いくつかの実施例において、10-4の感度レベルでMRD陰性状態を有する被験者の割合を評価することによって、治療方法の有効性を評定する。いくつかの実施例において、10-3の感度レベルでMRD陰性状態を有する被験者の割合を評価することによって、治療方法の有効性を評定する。
【0250】
いくつかの実施例において、CAR-T細胞投与からCAR-T細胞投与後約141日、CAR-T細胞投与からCAR-T細胞投与後約4ヶ月、CAR-T細胞投与からCAR-T細胞投与後約3ヶ月、CAR-T細胞投与からCAR-T細胞投与後約2ヶ月、又はCAR-T細胞投与からCAR-T細胞投与後約35日までのメジアン追跡期間に、MRD陰性状態を有する被験者の割合を評価することによって、治療方法の有効性を評定する。いくつかの実施例において、前記方法は、10-4又は10-5の感度閾値レベルにおいて約26%又はそれ未満の比率で、又は10-6の感度閾値レベルにおいて約17%又はそれ未満の比率で、前記微小残存病変(MRD)陰性状態を効果的に得る。いくつかの実施例において、前記方法は、10-4又は10-5の感度閾値レベルにおいて約50%又はそれ未満の比率で、又は10-6の感度閾値レベルにおいて約39%又はそれ未満の比率で、前記微小残存病変(MRD)陰性状態を効果的に得る。いくつかの実施例において、前記方法は、10-4又は10-5の感度閾値レベルにおいて約74%又はそれ未満の比率で、又は10-6の感度閾値レベルにおいて約64%又はそれ未満の比率で、前記微小残存病変(MRD)陰性状態を効果的に得る。いくつかの実施例において、前記方法は、10-4又は10-5の感度閾値レベルにおいて約26%~約74%の比率で、又は10-6の感度閾値レベルにおいて約17%~約64%の比率で、前記微小残存病変(MRD)陰性状態を効果的に得る。いくつかの実施例において、前記方法は、10-4又は10-5の感度閾値レベルにおいて約50%の比率で、又は10-6の感度閾値レベルにおいて約39%の比率で、前記微小残存病変(MRD)陰性状態を効果的に得る。
【0251】
いくつかの実施例において、評価可能な骨髄とMRD陰性状態を有する被験者の割合を評価することによって、治療方法の有効性を評定する。いくつかの実施例において、10-6の感度レベルで評価可能な骨髄とMRD陰性状態を有する被験者の割合を評価することによって、治療方法の有効性を評定する。いくつかの実施例において、10-5の感度レベルで評価可能な骨髄とMRD陰性状態を有する被験者の割合を評価することによって、治療方法の有効性を評定する。いくつかの実施例において、10-4の感度レベルで評価可能な骨髄とMRD陰性状態を有する被験者の割合を評価することによって、治療方法の有効性を評定する。いくつかの実施例において、10-3の感度レベルで評価可能な骨髄とMRD陰性状態を有する被験者の割合を評価することによって、治療方法の有効性を評定する。いくつかの実施例において、CAR-T細胞投与からCAR-T細胞投与後約141日、CAR-T細胞投与からCAR-T細胞投与後約4ヶ月、CAR-T細胞投与からCAR-T細胞投与後約3ヶ月、CAR-T細胞投与からCAR-T細胞投与後約2ヶ月、又はCAR-T細胞投与からCAR-T細胞投与後約35日までのメジアン追跡期間に、評価可能な骨髄とMRD陰性状態を有する被験者の割合を評価することによって、治療方法の有効性を評定する。いくつかの実施例において、前記方法は、10-5の感度閾値レベルにおいて、評価可能な試料を有する被験者において、約66%又はそれ未満の比率で、前記微小残存病変(MRD)陰性状態を効果的に得る。いくつかの実施例において、前記方法は、10-5の感度閾値レベルにおいて、評価可能な試料を有する被験者において、約100%又はそれ未満の比率で、前記微小残存病変(MRD)陰性状態を効果的に得る。いくつかの実施例において、前記方法は、10-5の感度閾値レベルにおいて、評価可能な試料を有する被験者において、約66%~約100%の比率で前記微小残存病変(MRD)陰性状態を効果的に得る。いくつかの実施例において、前記方法は、10-5の感度閾値レベルにおいて、評価可能な試料を有する被験者において、約100%の比率で前記微小残存病変(MRD)陰性状態を効果的に得る。
【0252】
いくつかの実施例において、前記方法は、前記CAR-T細胞の前記投与後、被験者における少なくとも1種類の奏効を効果的に得、ここで、前記少なくとも1種類の奏効は、良いものから悪いものへの順序で、厳格な完全奏効、完全奏効、最良部分奏効、部分奏効又は最小奏効を含む。
【0253】
いくつかの実施例において、前記方法は、前記CAR-T細胞の前記投与後約27日又はそれ以上の期間に、初回奏効を効果的に得る。いくつかの実施例において、前記方法は、前記CAR-T細胞の前記投与後約28日又はそれ以上の期間に、初回奏効を効果的に得る。いくつかの実施例において、前記方法は、前記CAR-T細胞の前記投与後約33日又はそれ以上の期間に、初回奏効を効果的に得る。いくつかの実施例において、前記方法は、前記CAR-T細胞の前記投与後約46日又はそれ以上の期間に、初回奏効を効果的に得る。いくつかの実施例において、前記方法は、前記CAR-T細胞の前記投与後約78日又はそれ以上の期間に、初回奏効を効果的に得る。いくつかの実施例において、前記方法は、前記CAR-T細胞の前記投与後約27日から約78日までの期間前に、初回奏効を効果的に得る。いくつかの実施例において、前記方法は、前記CAR-T細胞の前記投与後約27日から約47日までの期間前に、初回奏効を効果的に得る。いくつかの実施例において、前記方法は、前記CAR-T細胞の前記投与後約33日前に、初回奏効を効果的に得る。いくつかの実施例において、前記方法は、前記CAR-T細胞の前記投与後約28日前に、初回奏効を効果的に得る。
【0254】
いくつかの実施例において、厳格な完全奏効を有する被験者の割合を評価することによって、治療方法の有効性を評定する。いくつかの実施例において、完全奏効又はより良好な奏効を有する被験者の割合を評価することによって、治療方法の有効性を評定する。いくつかの実施例において、最良部分奏効又はより良好な奏効を有する被験者の割合を評価することによって、治療方法の有効性を評定する。いくつかの実施例において、部分奏効又はより良好な奏効を有する被験者の割合を評価することによって、治療方法の有効性を評定する。いくつかの実施例において、最小奏効又はより良好な奏効を有する被験者の割合を評価することによって、治療方法の有効性を評定する。
【0255】
いくつかの実施例において、前記方法は、最小奏効、部分奏効、最良部分奏効、完全奏効又は厳格な完全奏効のうちのいずれか一つの最良効果、即ち最小奏効又はより良好な奏効の最良効果を効果的に得る。いくつかの実施例において、前記方法が最小奏効又はより良好な奏効の最良効果を効果的に得る比率は、臨床的有用率と称される。いくつかの実施例において、前記方法は、約65%又はそれ未満の比率で、前記最小奏効又はより良好な奏効の最良効果を効果的に得る。いくつかの実施例において、前記方法は、約89%又はそれ未満の比率で、前記最小奏効又はより良好な奏効の最良効果を効果的に得る。いくつかの実施例において、前記方法は、約99%又はそれ未満の比率で、前記最小奏効又はより良好な奏効の最良効果を効果的に得る。いくつかの実施例において、前記方法は、約65%~約99%の比率で、前記最小奏効、部分奏効、最良部分奏効、完全奏効又は厳格な完全奏効のうちのいずれか一つの最良効果を効果的に得る。いくつかの実施例において、前記方法は、約89%の比率で、前記最小奏効、部分奏効、最良部分奏効、完全奏効又は厳格な完全奏効のうちのいずれか一つの最良効果を効果的に得る。
【0256】
いくつかの実施例において、前記方法は、部分奏効、最良部分奏効、完全奏効又は厳格な完全奏効のうちのいずれか一つの最良効果、即ち部分奏効又はより良好な奏効の最良効果を効果的に得る。いくつかの実施例において、前記方法が部分奏効又はより良好な奏効の最良効果を効果的に得る比率を全体生存率又は全奏効率と称する。いくつかの実施例において、前記方法は、約65%又はそれ未満の比率で、前記部分奏効又はより良好な奏効の最良効果を効果的に得る。いくつかの実施例において、前記方法は、約89%又はそれ未満の比率で、前記部分奏効又はより良好な奏効の最良効果を効果的に得る。いくつかの実施例において、前記方法は、約99%又はそれ未満の比率で、前記部分奏効又はより良好な奏効の最良効果を効果的に得る。いくつかの実施例において、前記方法は、約65%~約99%の比率で、前記部分奏効、最良部分奏効、完全奏効又は厳格な完全奏効のうちのいずれか一つの最良効果を効果的に得る。いくつかの実施例において、前記方法は、約89%の比率で、前記部分奏効、最良部分奏効、完全奏効又は厳格な完全奏効のうちのいずれか一つの最良効果を効果的に得る。
【0257】
いくつかの実施例において、前記方法が、最良部分奏効、完全奏効又は厳格な完全奏効のうちのいずれか一つの最良効果、即ち最良部分奏効又はより良好な奏効の最良効果を効果的に得る。いくつかの実施例において、前記方法は、約41%又はそれ未満の比率で、前記最良部分奏効又はより良好な奏効の最良効果を効果的に得る。いくつかの実施例において、前記方法は、約67%又はそれ未満の比率で、前記最良部分奏効又はより良好な奏効の最良効果を効果的に得る。いくつかの実施例において、前記方法は、約87%又はそれ未満の比率で、前記最良部分奏効又はより良好な奏効の最良効果を効果的に得る。いくつかの実施例において、前記方法は、約41%~約87%の比率で、前記最良部分奏効、完全奏効又は厳格な完全奏効のうちのいずれか一つの最良効果を効果的に得る。いくつかの実施例において、前記方法は、約67%の比率で、前記最良部分奏効、完全奏効又は厳格な完全奏効のうちのいずれか一つの最良効果を効果的に得る。
【0258】
いくつかの実施例において、前記方法は、完全奏効又は厳格な完全奏効の最良効果、即ち完全奏効又はより良好な奏効の最良効果を効果的に得る。いくつかの実施例において、前記方法は、約10%又はそれ未満の比率で、前記完全奏効又はより良好な奏効の最良効果を効果的に得る。いくつかの実施例において、前記方法は、約28%又はそれ未満の比率で、前記完全奏効又はより良好な奏効の最良効果を効果的に得る。いくつかの実施例において、前記方法は、約54%又はそれ未満の比率で、前記完全奏効又はより良好な奏効の最良効果を効果的に得る。いくつかの実施例において、前記方法は、約10%~約54%の比率で、前記完全奏効又は厳格な完全奏効の最良効果を効果的に得る。いくつかの実施例において、前記方法は、約28%の比率で、前記完全奏効又は厳格な完全奏効の最良効果を効果的に得る。
【0259】
いくつかの実施例において、前記方法は、厳格な完全奏効の最良効果を効果的に得る。いくつかの実施例において、前記方法は、約6%又はそれ未満の比率で、前記厳格な完全奏効の最良効果を効果的に得る。いくつかの実施例において、前記方法は、約22%又はそれ未満の比率で、前記厳格な完全奏効の最良効果を効果的に得る。いくつかの実施例において、前記方法は、約48%又はそれ未満の比率で、前記厳格な完全奏効の最良効果を効果的に得る。いくつかの実施例において、前記方法は、約6%~約48%の比率で、前記厳格な完全奏効の最良効果を効果的に得る。いくつかの実施例において、前記方法は、約22%の比率で、前記厳格な完全奏効の最良効果を効果的に得る。
【0260】
いくつかの実施例において、前記方法は、前記CAR-T細胞の前記投与後約27日又はそれ以上の期間に前記最良効果を効果的に得る。いくつかの実施例において、前記方法は、前記CAR-T細胞の前記投与後約42日又はそれ以上の期間に前記最良効果を効果的に得る。いくつかの実施例において、前記方法は、前記CAR-T細胞の前記投与後約71日又はそれ以上の期間に前記最良効果を効果的に得る。いくつかの実施例において、前記方法は、前記CAR-T細胞の前記投与後約154日又はそれ以上の期間に前記最良効果を効果的に得る。いくつかの実施例において、前記方法は、前記CAR-T細胞の前記投与後約354日又はそれ以上の期間に前記最良効果を効果的に得る。いくつかの実施例において、前記方法は、前記CAR-T細胞の前記投与後約27日から約354日までの期間前に、前記最良効果を効果的に得る。いくつかの実施例において、前記方法は、前記CAR-T細胞の前記投与後約27日から約155日までの期間前に、前記最良効果を効果的に得る。いくつかの実施例において、前記方法は、前記CAR-T細胞の前記投与後約71日前に、前記最良効果を効果的に得る。いくつかの実施例において、前記方法は、前記CAR-T細胞の前記投与後約42日前に、前記最良効果を効果的に得る。
【0261】
いくつかの実施例において、前記方法は、前記初回奏効の時点から前記CAR-T細胞の前記投与後約156日までの追跡期間に、被験者における奏効を効果的に維持する。いくつかの実施例において、前記方法は、前記CAR-T細胞の前記投与後約6ヶ月、約9ヶ月又は約12ヶ月の追跡期間に、約5%~約95%の比率で奏効を効果的に維持する。いくつかの実施例において、前記方法は、前記CAR-T細胞の前記投与後約6ヶ月、約9ヶ月又は約12ヶ月の追跡期間に、約67%の比率で奏効を効果的に維持する。
【0262】
いくつかの実施例において、ここで、前記方法は、前記CAR-T細胞の前記投与後約269日以内又はそれ以前に、前記初回奏効を効果的に得て、前記方法は、前記初回奏効の時点から前記CAR-T細胞の前記投与後約156日までの追跡期間に、被験者における奏効を効果的に維持する。いくつかの実施例において、前記方法は、前記CAR-T細胞の前記投与後6ヶ月、9ヶ月又は12ヶ月の追跡期間に、約5%又はそれ未満の比率で奏効を効果的に維持する。いくつかの実施例において、前記方法は、前記CAR-T細胞の前記投与後6ヶ月、9ヶ月又は12ヶ月の追跡期間に、約67%又はそれ未満の比率で奏効を効果的に維持する。いくつかの実施例において、前記方法は、前記CAR-T細胞の前記投与後6ヶ月、9ヶ月又は12ヶ月の追跡期間に、約95%又はそれ未満の比率で奏効を効果的に維持する。
【0263】
いくつかの実施例において、前記方法はさらに、前記CAR-T細胞の前記投与時点から前記CAR-T細胞の前記投与後約3ヶ月までの間に、10-5の感度閾値レベルにおいて、骨髄において評定される前記被験者の微小残存病変(MRD)陰性状態を効果的に得る。いくつかの実施例において、前記方法は、前記CAR-T細胞の前記投与後約141日間の追跡期間に、約1%又はそれ未満の比率で、微小残存病変(MRD)陰性の完全奏効又は微小残存病変(MRD)陰性の厳格な完全奏効を効果的に得る。いくつかの実施例において、前記方法は、前記CAR-T細胞の前記投与後約141日間の追跡期間に、約11%又はそれ未満の比率で、微小残存病変(MRD)陰性の完全奏効又は微小残存病変(MRD)陰性の厳格な完全奏効を効果的に得る。いくつかの実施例において、前記方法は、前記CAR-T細胞の前記投与後約141日間の追跡期間に、約35%又はそれ未満の比率で、微小残存病変(MRD)陰性の完全奏効又は微小残存病変(MRD)陰性の厳格な完全奏効を効果的に得る。いくつかの実施例において、前記方法は、前記CAR-T細胞の前記投与後約141日間の追跡期間に、約1%~約35%の比率で、微小残存病変(MRD)陰性の完全奏効又は微小残存病変(MRD)陰性の厳格な完全奏効を効果的に得る。いくつかの実施例において、前記方法は、前記CAR-T細胞の前記投与後約141日間の追跡期間に、約11%の比率で、微小残存病変(MRD)陰性の完全奏効又は微小残存病変(MRD)陰性の厳格な完全奏効を効果的に得る。
【0264】
いくつかの実施例において、前記方法は、被験者の無増悪生存期間を効果的に得る。いくつかの実施例において、前記方法は、前記CAR-T細胞の前記投与から前記CAR-T細胞の前記投与後約182日までの期間に、前記被験者の前記無増悪生存期間を効果的に得る。いくつかの実施例において、前記方法は、前記CAR-T細胞の前記投与後6ヶ月の追跡期間に、約100%又はそれ未満の比率で、前記無増悪生存期間を効果的に得る。いくつかの実施例において、前記方法は、前記CAR-T細胞の前記投与後約9ヶ月又は約12ヶ月の追跡期間に、約5%又はそれ未満の比率で、前記無増悪生存期間を効果的に得る。いくつかの実施例において、前記方法は、前記CAR-T細胞の前記投与後約9ヶ月又は約12ヶ月の追跡期間に、約67%又はそれ未満の比率で、前記無増悪生存期間を効果的に得る。いくつかの実施例において、前記方法は、前記CAR-T細胞の前記投与後約9ヶ月又は約12ヶ月の追跡期間に、約95%又はそれ未満の比率で、前記無増悪生存期間を効果的に得る。いくつかの実施例において、前記方法は、前記CAR-T細胞の前記投与後約6ヶ月の追跡期間に、約100%の比率で、前記無増悪生存期間を効果的に得る。いくつかの実施例において、前記方法は、前記CAR-T細胞の前記投与後約9ヶ月又は約12ヶ月の追跡期間に、約5%~約95%の比率で前記無増悪生存期間を効果的に得る。いくつかの実施例において、前記方法は、前記CAR-T細胞の前記投与後約9ヶ月又は約12ヶ月の追跡期間に、約67%の比率で、前記無増悪生存期間を効果的に得る。
【0265】
いくつかの実施例において、前記サイトカイン放出症候群が初めて観察されてから7日後に、サイトカイン放出症候群の回復率は約100%又はそれ未満である。いくつかの実施例において、前記方法は、前記サイトカイン放出症候群が初めて観察されてから約7日の期間に、前記サイトカイン放出症候群の約1%~約100%の回復率を効果的に得る。
【0266】
4.10. 以前に非細胞BCMA標的治療を受けた被験者を治療する方法
一態様では、被験者を治療する方法を提供し、前記方法は、該被験者に、キメラ抗原受容体(CAR)を含む治療有効量のT細胞を含む組成物を投与することを含み、ここで、前記被験者は、多発性骨髄腫に罹患しており、且つすでに非細胞BCMA標的薬物による治療を含む少なくとも1種類の以前の治療ラインを受けた。いくつかの実施例において、前記少なくとも1種類の以前の治療ラインは、非細胞BCMA標的薬物を含む少なくとも4種類の薬物による治療を含む。いくつかの実施例において、前記少なくとも4種類の薬物は、プロテアソーム阻害剤と、免疫調節薬と、抗CD38抗体とをさらに含む。
【0267】
いくつかの実施例において、被験者は、少なくとも2種類の以前の治療ライン、少なくとも3種類の以前の治療ライン、少なくとも4種類の以前の治療ライン、少なくとも5種類の以前の治療ライン、少なくとも6種類の以前の治療ライン、少なくとも7種類の以前の治療ライン、少なくとも8種類の以前の治療ライン、少なくとも9種類の以前の治療ライン、少なくとも10種類の以前の治療ライン、少なくとも11種類の以前の治療ライン又は少なくとも12種類の以前の治療ラインによる以前の治療を受けた。いくつかの実施例において、被験者は、前記少なくとも1種類の以前の治療ライン、少なくとも2種類の以前の治療ライン、少なくとも3種類の以前の治療ライン、少なくとも4種類の以前の治療ライン、少なくとも5種類の以前の治療ライン、少なくとも6種類の以前の治療ライン、少なくとも7種類の以前の治療ライン、少なくとも8種類の以前の治療ライン、少なくとも9種類の以前の治療ライン、少なくとも10種類の以前の治療ライン、少なくとも11種類の以前の治療ライン又は少なくとも12種類の以前の治療ラインの後に再発した。
【0268】
いくつかの実施例において、治療方法は、被験者において、減少した腫瘍負荷を効果的に得る。いくつかの実施例において、治療方法は、被験者において、約1%~約100%、約20%~約100%、約60%~約100%、約65%~約100%、約70%~約100%、約75%~約100%、約80%~約100%、約85%~約100%、約90%~約100%、約92%~約100%、約95%~約100%、約96%~約100%、約97%~約100%、約98%~約100%、又は約99%~約100%の腫瘍負荷低減を効果的に得る。いくつかの実施例において、治療方法は、被験者において、約100%の腫瘍負荷低減を効果的に得る。いくつかの実施例において、治療方法は、被験者において、約1%~約83%の比率で、約1%~約100%の腫瘍負荷低減を効果的に得る。いくつかの実施例において、治療方法は、被験者において、約1%~約77%の比率で、約5%~約100%の腫瘍負荷低減を効果的に得る。いくつかの実施例において、治療方法は、被験者において、約1%~約77%の比率で、約20%~約100%の腫瘍負荷低減を効果的に得る。いくつかの実施例において、治療方法は、被験者において、約1%~約77%の比率で、約30%~約100%の腫瘍負荷低減を効果的に得る。いくつかの実施例において、治療方法は、被験者において、約1%~約77%の比率で、約40%~約100%の腫瘍負荷低減を効果的に得る。いくつかの実施例において、治療方法は、被験者において、約1%~約77%の比率で、約50%~約100%の腫瘍負荷低減を効果的に得る。いくつかの実施例において、治療方法は、被験者において、約1%~約72%の比率で、約60%~約100%の腫瘍負荷低減を効果的に得る。いくつかの実施例において、治療方法は、被験者において、約1%~約72%の比率で、約70%~約100%の腫瘍負荷低減を効果的に得る。いくつかの実施例において、治療方法は、被験者において、約1%~約67%の比率で、約80%~約100%の腫瘍負荷低減を効果的に得る。いくつかの実施例において、治療方法は、被験者において、約1%~約67%の比率で、約90%~約100%の腫瘍負荷低減を効果的に得る。いくつかの実施例において、治療方法は、被験者において、約1%~約61%の比率で、約95%~約100%の腫瘍負荷低減を効果的に得る。いくつかの実施例において、治療方法は、被験者において、約1%~約50%の比率で、約100%の腫瘍負荷低減を効果的に得る。
【0269】
いくつかの実施例において、治療方法は、被験者において、微小残存病変(MRD)の陰性状態を効果的に得るか、又は前記微小残存病変(MRD)の状態を効果的に維持する。
【0270】
いくつかの実施例において、治療方法は、被験者において、微小残存病変(MRD)の陰性状態を効果的に得る。いくつかの実施例において、治療方法は、被験者において、10-6の感度レベルにおいて、微小残存病変(MRD)陰性状態を効果的に得る。いくつかの実施例において、治療方法は、被験者において、10-5の感度レベルにおいて、微小残存病変(MRD)陰性状態を効果的に得る。いくつかの実施例において、治療方法は、被験者において、10-4の感度レベルにおいて、微小残存病変(MRD)陰性状態を効果的に得る。いくつかの実施例において、治療方法は、被験者において、10-3の感度レベルにおいて、微小残存病変(MRD)陰性状態を効果的に得る。いくつかの実施例において、骨髄において評定する場合、治療方法は、MRD陰性状態を効果的に得る。いくつかの実施例において、評価可能な骨髄試料で評定する場合、治療方法は、MRD陰性状態を効果的に維持する。いくつかの実施例において、骨髄DNAで評定する場合、治療方法は、MRD陰性状態を効果的に得る。いくつかの実施例において、前記方法は、前記CAR-T細胞の前記投与後約27日以上、前記CAR-T細胞の前記投与後約2ヶ月以上、前記CAR-T細胞の前記投与後約3ヶ月以上、前記CAR-T細胞の前記投与後約6ヶ月以上、前記CAR-T細胞の前記投与後約9ヶ月以上、又は前記CAR-T細胞の前記投与後約12ヶ月以上の追跡期間に骨髄において評定された前記被験者の微小残存病変(MRD)の陰性状態を効果的に得る。いくつかの実施例において、前記微小残存病変(MRD)陰性状態は、前記CAR-T細胞の前記投与後約56日から約58日までの第1の追跡期間に、骨髄において評定される。
【0271】
いくつかの実施例において、治療方法は、被験者において、初めて得られた微小残存病変(MRD)陰性状態を効果的に維持する。いくつかの実施例において、治療方法は、10-5の感度レベルにおいて、MRD陰性状態を効果的に維持する。いくつかの実施例において、治療方法は、被験者において、10-6の感度レベルにおいて、微小残存病変(MRD)陰性状態を効果的に得る。いくつかの実施例において、治療方法は、10-4の感度レベルにおいて、MRD陰性状態を効果的に維持する。いくつかの実施例において、治療方法は、10-3の感度レベルにおいて、MRD陰性状態を効果的に維持する。いくつかの実施例において、骨髄試料で評定する場合、治療方法は、MRD陰性状態を効果的に維持する。いくつかの実施例において、評価可能な骨髄試料で評定する場合、治療方法は、MRD陰性状態を効果的に維持する。いくつかの実施例において、骨髄DNAで評定する場合、治療方法は、MRD陰性状態を効果的に維持する。いくつかの実施例において、前記方法は、前記CAR-T細胞の前記投与後約27日から約186日、前記CAR-T細胞の前記投与後約29日から約6ヶ月、前記CAR-T細胞の前記投与後約29日から約3ヶ月、又は前記CAR-T細胞の前記投与後約29日から約2ヶ月までの追跡期間に、骨髄において評定される前記被験者の前記微小残存病変(MRD)陰性状態を効果的に維持する。いくつかの実施例において、前記方法は、前記CAR-T細胞の前記投与後約183日から約186日までの第2の追跡期間に、骨髄において評定される前記被験者の前記微小残存病変(MRD)陰性状態を効果的に維持し、さらにここで、前記第1の追跡期間は前記第2の追跡期間より早い。
【0272】
いくつかの実施例において、MRD陰性状態を有する被験者の割合を評価することによって、治療方法の有効性を評定する。いくつかの実施例において、10-6の感度レベルでMRD陰性状態を有する被験者の割合を評価することによって、治療方法の有効性を評定する。いくつかの実施例において、10-5の感度レベルでMRD陰性状態を有する被験者の割合を評価することによって、治療方法の有効性を評定する。いくつかの実施例において、10-4の感度レベルでMRD陰性状態を有する被験者の割合を評価することによって、治療方法の有効性を評定する。いくつかの実施例において、10-3の感度レベルでMRD陰性状態を有する被験者の割合を評価することによって、治療方法の有効性を評定する。いくつかの実施例において、CAR-T細胞投与からCAR-T細胞投与後約186日、CAR-T細胞投与からCAR-T細胞投与後約6ヶ月、CAR-T細胞投与からCAR-T細胞投与後約3ヶ月、CAR-T細胞投与からCAR-T細胞投与後約2ヶ月、又はCAR-T細胞投与からCAR-T細胞投与後約27日までのメジアン追跡期間に、MRD陰性状態を有する被験者の割合を評価することによって、治療方法の有効性を評定する。いくつかの実施例において、前記方法は、10-4の感度閾値レベルにおいて約9%又はそれ未満の比率で、10-5の感度閾値レベルにおいて約6%又はそれ未満の比率で、又は10-6の感度閾値レベルにおいて約1%又はそれ未満の比率で、前記微小残存病変(MRD)陰性状態を効果的に得る。いくつかの実施例において、前記方法は、10-4の感度閾値レベルにおいて約25%又はそれ未満の比率で、10-5の感度閾値レベルにおいて約20%又はそれ未満の比率で、又は10-6の感度閾値レベルにおいて約10%又はそれ未満の比率で、前記微小残存病変(MRD)陰性状態を効果的に得る。いくつかの実施例において、前記方法は、10-4の感度閾値レベルにおいて約49%又はそれ未満の比率で、10-5の感度閾値レベルにおいて約44%又はそれ未満の比率で、又は10-6の感度閾値レベルにおいて約31%又はそれ未満の比率で、前記微小残存病変(MRD)陰性状態を効果的に得る。いくつかの実施例において、前記方法は、10-4の感度閾値レベルにおいて約9%~約49%の比率で、10-5の感度閾値レベルにおいて約6%~約44%の比率で、又は10-6の感度閾値レベルにおいて約1%~約31%の比率で、前記微小残存病変(MRD)陰性状態を効果的に得る。いくつかの実施例において、前記方法は、10-4の感度閾値レベルにおいて約25%の比率で、10-5の感度閾値レベルにおいて約20%の比率で、又は10-6の感度閾値レベルにおいて約10%の比率で、前記微小残存病変(MRD)陰性状態を効果的に得る。
【0273】
いくつかの実施例において、評価可能な骨髄とMRD陰性状態を有する被験者の割合を評価することによって、治療方法の有効性を評定する。いくつかの実施例において、10-6の感度レベルで評価可能な骨髄とMRD陰性状態を有する被験者の割合を評価することによって、治療方法の有効性を評定する。いくつかの実施例において、10-5の感度レベルで評価可能な骨髄とMRD陰性状態を有する被験者の割合を評価することによって、治療方法の有効性を評定する。いくつかの実施例において、10-4の感度レベルで評価可能な骨髄とMRD陰性状態を有する被験者の割合を評価することによって、治療方法の有効性を評定する。いくつかの実施例において、10-3の感度レベルで評価可能な骨髄とMRD陰性状態を有する被験者の割合を評価することによって、治療方法の有効性を評定する。いくつかの実施例において、CAR-T細胞投与からCAR-T細胞投与後約186日、CAR-T細胞投与からCAR-T細胞投与後約6ヶ月、CAR-T細胞投与からCAR-T細胞投与後約3ヶ月、CAR-T細胞投与からCAR-T細胞投与後約2ヶ月、又はCAR-T細胞投与からCAR-T細胞投与後約27日までのメジアン追跡期間に、評価可能な骨髄とMRD陰性状態を有する被験者の割合を評価することによって、治療方法の有効性を評定する。いくつかの実施例において、前記方法は、10-5の感度閾値レベルにおいて、評価可能な試料を有する被験者において、約22%又はそれ未満の比率で、前記微小残存病変(MRD)陰性状態を効果的に得る。いくつかの実施例において、前記方法は、10-5の感度閾値レベルにおいて、評価可能な試料を有する被験者において、約67%又はそれ未満の比率で、前記微小残存病変(MRD)陰性状態を効果的に得る。いくつかの実施例において、前記方法は、10-5の感度閾値レベルにおいて、評価可能な試料を有する被験者において、約96%又はそれ未満の比率で、前記微小残存病変(MRD)陰性状態を効果的に得る。いくつかの実施例において、前記方法は、10-5の感度閾値レベルにおいて、評価可能な試料を有する被験者において、約22%~約96%の比率で前記微小残存病変(MRD)陰性状態を効果的に得る。いくつかの実施例において、前記方法は、10-5の感度閾値レベルにおいて、評価可能な試料を有する被験者において、約67%の比率で前記微小残存病変(MRD)陰性状態を効果的に得る。
【0274】
いくつかの実施例において、前記方法は、前記CAR-T細胞の前記投与後、被験者における少なくとも1種類の奏効を効果的に得、ここで、前記少なくとも1種類の奏効は、良いものから悪いものへの順序で、厳格な完全奏効、完全奏効、最良部分奏効、部分奏効又は最小奏効を含む。
【0275】
いくつかの実施例において、前記方法は、前記CAR-T細胞の前記投与後約27日又はそれ以上の期間に、初回奏効を効果的に得る。いくつかの実施例において、前記方法は、前記CAR-T細胞の前記投与後約28日又はそれ以上の期間に、初回奏効を効果的に得る。いくつかの実施例において、前記方法は、前記CAR-T細胞の前記投与後約43日又はそれ以上の期間に、初回奏効を効果的に得る。いくつかの実施例において、前記方法は、前記CAR-T細胞の前記投与後約87日又はそれ以上の期間に、初回奏効を効果的に得る。いくつかの実施例において、前記方法は、前記CAR-T細胞の前記投与後約153日又はそれ以上の期間に、初回奏効を効果的に得る。いくつかの実施例において、前記方法は、前記CAR-T細胞の前記投与後約27日から約153日までの期間前に、初回奏効を効果的に得る。いくつかの実施例において、前記方法は、前記CAR-T細胞の前記投与後約27日から約88日までの期間前に、初回奏効を効果的に得る。いくつかの実施例において、前記方法は、前記CAR-T細胞の前記投与後約43日前に、初回奏効を効果的に得る。いくつかの実施例において、前記方法は、前記CAR-T細胞の前記投与後約28日前に、初回奏効を効果的に得る。
【0276】
いくつかの実施例において、厳格な完全奏効を有する被験者の割合を評価することによって、治療方法の有効性を評定する。いくつかの実施例において、完全奏効又はより良好な奏効を有する被験者の割合を評価することによって、治療方法の有効性を評定する。いくつかの実施例において、最良部分奏効又はより良好な奏効を有する被験者の割合を評価することによって、治療方法の有効性を評定する。いくつかの実施例において、部分奏効又はより良好な奏効を有する被験者の割合を評価することによって、治療方法の有効性を評定する。いくつかの実施例において、最小奏効又はより良好な奏効を有する被験者の割合を評価することによって、治療方法の有効性を評定する。
【0277】
いくつかの実施例において、前記方法は、最小奏効、部分奏効、最良部分奏効、完全奏効又は厳格な完全奏効のうちのいずれか一つの最良効果、即ち最小奏効又はより良好な奏効の最良効果を効果的に得る。いくつかの実施例において、前記方法が最小奏効又はより良好な奏効の最良効果を効果的に得る比率は、臨床的有用率と称される。いくつかの実施例において、前記方法は、約23%又はそれ未満の比率で、前記最小奏効又はより良好な奏効の最良効果を効果的に得る。いくつかの実施例において、前記方法は、約45%又はそれ未満の比率で、前記最小奏効又はより良好な奏効の最良効果を効果的に得る。いくつかの実施例において、前記方法は、約68%又はそれ未満の比率で、前記最小奏効又はより良好な奏効の最良効果を効果的に得る。いくつかの実施例において、前記方法は、約23%~約69%の比率で、前記最小奏効、部分奏効、最良部分奏効、完全奏効又は厳格な完全奏効のうちのいずれか一つの最良効果を効果的に得る。いくつかの実施例において、前記方法は、約45%の比率で、前記最小奏効、部分奏効、最良部分奏効、完全奏効又は厳格な完全奏効のうちのいずれか一つの最良効果を効果的に得る。
【0278】
いくつかの実施例において、前記方法は、部分奏効、最良部分奏効、完全奏効又は厳格な完全奏効のうちのいずれか一つの最良効果、即ち部分奏効又はより良好な奏効の最良効果を効果的に得る。いくつかの実施例において、前記方法が部分奏効又はより良好な奏効の最良効果を効果的に得る比率を全体生存率又は全奏効率と称する。いくつかの実施例において、前記方法は、約19%又はそれ未満の比率で、前記部分奏効又はより良好な奏効の最良効果を効果的に得る。いくつかの実施例において、前記方法は、約40%又はそれ未満の比率で、前記部分奏効又はより良好な奏効の最良効果を効果的に得る。いくつかの実施例において、前記方法は、約63%又はそれ未満の比率で、前記部分奏効又はより良好な奏効の最良効果を効果的に得る。いくつかの実施例において、前記方法は、約19%~約64%の比率で、前記部分奏効、最良部分奏効、完全奏効又は厳格な完全奏効のうちのいずれか一つの最良効果を効果的に得る。いくつかの実施例において、前記方法は、約40%の比率で、前記部分奏効、最良部分奏効、完全奏効又は厳格な完全奏効のうちのいずれか一つの最良効果を効果的に得る。
【0279】
いくつかの実施例において、前記方法が、最良部分奏効、完全奏効又は厳格な完全奏効のうちのいずれか一つの最良効果、即ち最良部分奏効又はより良好な奏効の最良効果を効果的に得る。いくつかの実施例において、前記方法は、約15%又はそれ未満の比率で、前記最良部分奏効又はより良好な奏効の最良効果を効果的に得る。いくつかの実施例において、前記方法は、約35%又はそれ未満の比率で、前記最良部分奏効又はより良好な奏効の最良効果を効果的に得る。いくつかの実施例において、前記方法は、約59%又はそれ未満の比率で、前記最良部分奏効又はより良好な奏効の最良効果を効果的に得る。いくつかの実施例において、前記方法は、約15%~約59%の比率で、前記最良部分奏効、完全奏効又は厳格な完全奏効のうちのいずれか一つの最良効果を効果的に得る。いくつかの実施例において、前記方法は、約35%の比率で、前記最良部分奏効、完全奏効又は厳格な完全奏効のうちのいずれか一つの最良効果を効果的に得る。
【0280】
いくつかの実施例において、前記方法は、完全奏効又は厳格な完全奏効の最良効果、即ち完全奏効又はより良好な奏効の最良効果を効果的に得る。いくつかの実施例において、前記方法は、約3%又はそれ未満の比率で、前記完全奏効又はより良好な奏効の最良効果を効果的に得る。いくつかの実施例において、前記方法は、約15%又はそれ未満の比率で、前記完全奏効又はより良好な奏効の最良効果を効果的に得る。いくつかの実施例において、前記方法は、約38%又はそれ未満の比率で、前記完全奏効又はより良好な奏効の最良効果を効果的に得る。いくつかの実施例において、前記方法は、約3%~約38%の比率で、前記完全奏効又は厳格な完全奏効の最良効果を効果的に得る。いくつかの実施例において、前記方法は、約15%の比率で、前記完全奏効又は厳格な完全奏効の最良効果を効果的に得る。
【0281】
いくつかの実施例において、前記方法は、厳格な完全奏効の最良効果を効果的に得る。いくつかの実施例において、前記方法は、約1%又はそれ未満の比率で、前記厳格な完全奏効の最良効果を効果的に得る。いくつかの実施例において、前記方法は、約10%又はそれ未満の比率で、前記厳格な完全奏効の最良効果を効果的に得る。いくつかの実施例において、前記方法は、約32%又はそれ未満の比率で、前記厳格な完全奏効の最良効果を効果的に得る。いくつかの実施例において、前記方法は、約1%~約32%の比率で、前記厳格な完全奏効の最良効果を効果的に得る。いくつかの実施例において、前記方法は、約10%の比率で、前記厳格な完全奏効の最良効果を効果的に得る。
【0282】
いくつかの実施例において、前記方法は、前記CAR-T細胞の前記投与後約27日又はそれ以上の期間に前記最良効果を効果的に得る。いくつかの実施例において、前記方法は、前記CAR-T細胞の前記投与後約56日又はそれ以上の期間に前記最良効果を効果的に得る。いくつかの実施例において、前記方法は、前記CAR-T細胞の前記投与後約77日又はそれ以上の期間に前記最良効果を効果的に得る。いくつかの実施例において、前記方法は、前記CAR-T細胞の前記投与後約132日又はそれ以上の期間に前記最良効果を効果的に得る。いくつかの実施例において、前記方法は、前記CAR-T細胞の前記投与後約171日又はそれ以上の期間に前記最良効果を効果的に得る。いくつかの実施例において、前記方法は、前記CAR-T細胞の前記投与後約27日から約171日までの期間前に、前記最良効果を効果的に得る。いくつかの実施例において、前記方法は、前記CAR-T細胞の前記投与後約27日から約133日までの期間前に、前記最良効果を効果的に得る。いくつかの実施例において、前記方法は、前記CAR-T細胞の前記投与後約78日前に、前記最良効果を効果的に得る。いくつかの実施例において、前記方法は、前記CAR-T細胞の前記投与後約56日前に、前記最良効果を効果的に得る。
【0283】
いくつかの実施例において、前記方法は、前記初回奏効の時点から前記CAR-T細胞の前記投与後約132日までの追跡期間に、被験者における奏効を効果的に維持し、さらにここで、前記初回奏効は、前記CAR-T細胞の前記投与時点から前記CAR-T細胞の前記投与後約131日までの間に得られる。いくつかの実施例において、前記方法は、前記CAR-T細胞の前記投与後約6ヶ月の追跡期間に、約20%~約96%の比率で奏効を効果的に維持する。いくつかの実施例において、前記方法は、前記CAR-T細胞の前記投与後約6ヶ月の追跡期間に、約80%の比率で奏効を効果的に維持する。
【0284】
いくつかの実施例において、ここで、前記方法は、前記CAR-T細胞の前記投与後約131日以内又はそれ以前に、前記初回奏効を効果的に得て、前記方法は、前記初回奏効の時点から前記CAR-T細胞の前記投与後約132日までの追跡期間に、被験者における奏効を効果的に維持する。いくつかの実施例において、前記方法は、前記CAR-T細胞の前記投与後6ヶ月の追跡期間に、約20%又はそれ未満の比率で奏効を効果的に維持する。いくつかの実施例において、前記方法は、前記CAR-T細胞の前記投与後6ヶ月の追跡期間に、約80%又はそれ未満の比率で奏効を効果的に維持する。いくつかの実施例において、前記方法は、前記CAR-T細胞の前記投与後6ヶ月の追跡期間に、約96%又はそれ未満の比率で奏効を効果的に維持する。
【0285】
いくつかの実施例において、前記方法は、被験者の無増悪生存期間を効果的に得る。いくつかの実施例において、前記方法は、前記CAR-T細胞の前記投与から前記CAR-T細胞の前記投与後約15日までの期間に、前記被験者の前記無増悪生存期間を効果的に得る。いくつかの実施例において、前記方法は、前記CAR-T細胞の前記投与から前記CAR-T細胞の前記投与後約44日までの期間に、前記被験者の前記無増悪生存期間を効果的に得る。いくつかの実施例において、前記方法は、前記CAR-T細胞の前記投与から前記CAR-T細胞の前記投与後約159日までの期間に、前記被験者の前記無増悪生存期間を効果的に得る。いくつかの実施例において、前記方法は、前記CAR-T細胞の前記投与後6ヶ月又は9ヶ月の追跡期間に、約29%又はそれ未満の比率で、前記無増悪生存期間を効果的に得る。いくつかの実施例において、前記方法は、前記CAR-T細胞の前記投与後6ヶ月又は9ヶ月の追跡期間に、約55%又はそれ未満の比率で、前記無増悪生存期間を効果的に得る。いくつかの実施例において、前記方法は、前記CAR-T細胞の前記投与後6ヶ月又は9ヶ月の追跡期間に、約75%又はそれ未満の比率で、前記無増悪生存期間を効果的に得る。いくつかの実施例において、前記方法は、前記CAR-T細胞の前記投与後約6ヶ月又は約9ヶ月の追跡期間に、約29%~約75%の比率で前記無増悪生存期間を効果的に得る。いくつかの実施例において、前記方法は、前記CAR-T細胞の前記投与後約6ヶ月又は約9ヶ月の追跡期間に、約55%の比率で、前記無増悪生存期間を効果的に得る。
【0286】
いくつかの実施例において、サイトカイン放出症候群の比率は、約60%又はそれ以上である。いくつかの実施例において、前記方法は、サイトカイン放出症候群の約60%~約99%の比率を効果的に得る。いくつかの実施例において、前記方法は、前記CAR-T細胞の前記投与から約3日を超えて前記被験者のサイトカイン放出症候群を治療することをさらに含む。
【0287】
いくつかの実施例において、免疫エフェクター細胞に関連する神経毒性の比率は約20%又はそれ以上である。いくつかの実施例において、前記方法は、免疫エフェクター細胞に関連する神経毒性の約20%~約99%の比率を効果的に得る。
【0288】
4.11. キット(kit)及び製品
本明細書に記載の任意の組成物は、キットに含まれていてもよい。いくつかの実施例において、エンジニアリングされた不死化CAR-T細胞は、キットにおいて提供され、該キットは、細胞の増幅に適した試薬、例えば、培地をさらに含んでもよい。
【0289】
非限定的例において、キメラ受容体発現構築体、キメラ受容体発現構築体を産生するための一つ又は複数の試薬、発現構築体をトランスフェクトするための細胞、及び/又は発現構築体をトランスフェクトするための不死化T細胞を得るための一つ又は複数の機器(このような機器は、シリンジ、ピペット、鉗子及び/又はこのような医学的に承認された任意の装置であってもよい)である。
【0290】
いくつかの態様では、キットは、細胞エレクトロポレーションのための試薬又は装置を含む。
【0291】
いくつかの実施例において、キットは、人工抗原提示細胞を含む。
【0292】
キットは、適切に等分された一つの又は複数の本開示の組成物又は本開示の組成物を産生するための試薬を含んでもよい。キットの成分は、水性媒体又は凍結乾燥の形式で包装されてもよい。キットの容器装置は、少なくとも一つのバイアル、試験管、フラスコ、ボトル、シリンジ又は他の容器装置を含んでもよい(成分は、その中に入れることができ、且つ好ましくは適切に等分される)。キットに一つより多くの成分が存在する場合、キットは、通常、第2、第3又は他の追加の容器(追加の成分をその中に別々に入れることができる)をさらに含む。しかしながら、成分の様々な組み合わせは、バイアルに含まれ得る。本開示のキットは、典型的には、キメラ受容体構築体を収容するための装置と、商業的に販売するための他の任意の密閉された試薬容器とをさらに含む。このような容器は、例えば、所望のバイアルがその中に保持されている、射出成形又はブロー成形されたプラスチック容器を含んでもよい。
【0293】
4.12. 特定の実施例
本開示の特定の実施例は、以下の番号の段落に記述されている:
1. 被験者を治療する方法であって、前記方法は、前記被験者に、キメラ抗原受容体(CAR)を含む治療有効量のT細胞を含む組成物を投与することを含み、前記キメラ抗原受容体は、
(a)
(1) 配列番号18のアミノ酸配列を含有する第1の相補性決定領域(CDR1)と、配列番号19のアミノ酸配列を含有する第2の相補性決定領域(CDR2)と、配列番号20のアミノ酸配列を含有する第3の相補性決定領域(CDR3)とを含む第1の抗BCMA結合部分と、
(2) 配列番号21のアミノ酸配列を含有する第1の相補性決定領域(CDR1)と、配列番号22のアミノ酸配列を含有する第2の相補性決定領域(CDR2)と、配列番号23のアミノ酸配列を含有する第3の相補性決定領域(CDR3)とを含む第2のBCMA結合部分とを含む細胞外抗原結合ドメインと、
(b) 膜貫通ドメインと、
(c) 細胞内シグナル伝達ドメインとを含み、
それにより、CARを発現するT細胞(CAR-T細胞)を一定の用量で前記被験者に送達し、
ここで、前記被験者は、
(i) 多発性骨髄腫に罹患しており、
(ii) すでに1種類、2種類又は3種類の以前の治療ラインによる以前の治療を受け、
(iii) レナリドミドに対して難治性である、方法。
2. 被験者を治療する方法であって、前記方法は、前記被験者に、キメラ抗原受容体(CAR)を含む治療有効量のT細胞を含む組成物を投与することを含み、前記キメラ抗原受容体は、
(a)
(1) 配列番号18のアミノ酸配列を含有する第1の相補性決定領域(CDR1)と、配列番号19のアミノ酸配列を含有する第2の相補性決定領域(CDR2)と、配列番号20のアミノ酸配列を含有する第3の相補性決定領域(CDR3)とを含む第1の抗BCMA結合部分と、
(2) 配列番号21のアミノ酸配列を含有する第1の相補性決定領域(CDR1)と、配列番号22のアミノ酸配列を含有する第2の相補性決定領域(CDR2)と、配列番号23のアミノ酸配列を含有する第3の相補性決定領域(CDR3)とを含む第2のBCMA結合部分とを含む細胞外抗原結合ドメインと、
(b) 膜貫通ドメインと、
(c) 細胞内シグナル伝達ドメインとを含み、
それにより、CARを発現するT細胞(CAR-T細胞)を一定の用量で前記被験者に送達し、
ここで、前記被験者は、
(i) 多発性骨髄腫に罹患しており、
(ii) すでに1種類の以前の治療ラインによる以前の治療を受け、前記1種類の以前の治療ラインは、プロテアソーム阻害剤と免疫調節薬物とを含む少なくとも2種類の薬物による治療を含み、
(iii) 以前に早期再発があった、方法。
3. 被験者を治療する方法であって、前記方法は、前記被験者に、キメラ抗原受容体(CAR)を含む治療有効量のT細胞を含む組成物を投与することを含み、前記キメラ抗原受容体は、
(a)
(1) 配列番号18のアミノ酸配列を含有する第1の相補性決定領域(CDR1)と、配列番号19のアミノ酸配列を含有する第2の相補性決定領域(CDR2)と、配列番号20のアミノ酸配列を含有する第3の相補性決定領域(CDR3)とを含む第1の抗BCMA結合部分と、
(2) 配列番号21のアミノ酸配列を含有する第1の相補性決定領域(CDR1)と、配列番号22のアミノ酸配列を含有する第2の相補性決定領域(CDR2)と、配列番号23のアミノ酸配列を含有する第3の相補性決定領域(CDR3)とを含む第2のBCMA結合部分とを含む細胞外抗原結合ドメインと、
(b) 膜貫通ドメインと、
(c) 細胞内シグナル伝達ドメインとを含み、
それにより、CARを発現するT細胞(CAR-T細胞)を一定の用量で前記被験者に送達し、
ここで、前記被験者は、
(i) 多発性骨髄腫に罹患しており、
(ii) すでに少なくとも1種類の以前の治療ラインを受け、前記少なくとも1種類の以前の治療ラインは、非細胞BCMA標的薬物を含む少なくとも4種類の薬物による治療を含む、方法。
4. 前記被験者は、少なくとも1種類の以前の治療ラインによる以前の治療を受け、前記少なくとも1種類の以前の治療ラインは、レナリドミド及び少なくとも1種類の非レナリドミド薬物による治療を含み、前記少なくとも1種類の非レナリドミド薬物は、
(a) プロテアソーム阻害剤、
(b) 免疫調節薬、又は、
(c) 抗CD38抗体のうちの少なくとも一つを含む、段落1に記載の方法。
5. 前記被験者は、少なくとも2種類の以前の治療ラインによる以前の治療を受けた、段落1又は段落4に記載の方法。
6. 前記被験者は、3種類の以前の治療ラインによる以前の治療を受けた、段落1、段落4又は段落5に記載の方法。
7. 前記被験者は、デキサメタゾン、アルキル化剤又はダラツムマブによる以前の治療を受けた、段落1又は4~6のいずれか一項に記載の方法。
8. 前記多発性骨髄腫は、最後の治療ラインに対して難治性である、段落1又は4~7のいずれか一項に記載の方法。
9. 前記被験者は、前記1種類、2種類又は3種類の以前の治療ライン後に再発した、段落1又は4~8のいずれか一項に記載の方法。
10. 前記多発性骨髄腫は、3種類の薬物に対して難治性である、段落1又は4~9のいずれか一項に記載の方法。
11. 前記方法は、前記CAR-T細胞の前記投与後に、骨髄において評定される前記被験者の微小残存病変(MRD)陰性状態を効果的に得る、段落1又は4~10のいずれか一項に記載の方法。
12. 前記微小残存病変(MRD)陰性状態は、前記CAR-T細胞の前記投与後約29日から約184日までの第1の追跡期間に得られる、段落11に記載の方法。
13. 前記方法は、前記CAR-T細胞の前記投与後約57日から約191日までの第2の追跡期間に、前記骨髄において評定される前記被験者の前記微小残存病変(MRD)陰性状態を効果的に維持し、さらにここで、前記第1の追跡期間は前記第2の追跡期間より早い、段落12に記載の方法。
14. 前記方法は、10-4、10-5又は10-6の感度閾値レベルにおいて約24%~約61%の比率で、前記微小残存病変(MRD)陰性状態を効果的に得る、段落11に記載の方法。
15. 前記方法は、10-4、10-5又は10-6の感度閾値レベルにおいて約41%の比率で、前記微小残存病変(MRD)陰性状態を効果的に得る、段落11に記載の方法。
16. 前記方法は、10-5の感度閾値レベルにおいて、評価可能な試料を有する被験者において、約64%~約99%の比率で、前記微小残存病変(MRD)陰性状態を効果的に得る、段落11に記載の方法。
17. 前記方法は、10-5の感度閾値レベルにおいて、評価可能な試料を有する被験者において、約92%の比率で、前記微小残存病変(MRD)陰性状態を効果的に得る、段落11に記載の方法。
18. 前記方法は、前記CAR-T細胞の前記投与後、前記被験者における少なくとも1種類の奏効を効果的に得、ここで、前記少なくとも1種類の奏効は、良いものから悪いものへの順序で、
(i) 厳格な完全奏効、
(ii) 完全奏効、
(iii) 最良部分奏効、
(iv) 部分奏効、又は、
(v) 最小奏効を含む、段落1又は4~17に記載の方法。
19. 前記方法は、前記CAR-T細胞の前記投与後約21日から約99日までの期間前に、初回奏効を効果的に得る、段落18に記載の方法。
20. 前記方法は、前記CAR-T細胞の前記投与後約21日から約55日までの期間前に、初回奏効を効果的に得る、段落18に記載の方法。
21. 前記方法は、前記CAR-T細胞の前記投与後約36日前に、初回奏効を効果的に得る、段落18に記載の方法。
22. 前記方法は、前記CAR-T細胞の前記投与後約30日前に、初回奏効を効果的に得る、段落18に記載の方法。
23. 前記方法は、最小奏効、部分奏効、最良部分奏効、完全奏効又は厳格な完全奏効のうちのいずれか一つの最良効果を効果的に得る、段落18~22のいずれか一項に記載の方法。
24. 前記方法は、約52%~約87%の比率で、前記最小奏効、部分奏効、最良部分奏効、完全奏効又は厳格な完全奏効のうちのいずれか一つの最良効果を効果的に得る、段落23に記載の方法。
25. 前記方法は、約72%の比率で、前記最小奏効、部分奏効、最良部分奏効、完全奏効又は厳格な完全奏効のうちのいずれか一つの最良効果を効果的に得る、段落23に記載の方法。
26. 前記方法は、部分奏効、最良部分奏効、完全奏効又は厳格な完全奏効のうちのいずれか一つの最良効果を効果的に得る、段落18~25のいずれか一項に記載の方法。
27. 前記方法は、約49%~約84%の比率で、前記部分奏効、最良部分奏効、完全奏効又は厳格な完全奏効のうちのいずれか一つの最良効果を効果的に得る、段落26に記載の方法。
28. 前記方法は、約69%の比率で、前記部分奏効、最良部分奏効、完全奏効又は厳格な完全奏効のうちのいずれか一つの最良効果を効果的に得る、段落26に記載の方法。
29. 前記方法は、最良部分奏効、完全奏効又は厳格な完全奏効のうちのいずれか一つの最良効果を効果的に得る、段落18~28のいずれか一項に記載の方法。
30. 前記方法は、約49%~約84%の比率で、前記最良部分奏効、完全奏効又は厳格な完全奏効のうちのいずれか一つの最良効果を効果的に得る、段落29に記載の方法。
31. 前記方法は、約69%の比率で、前記最良部分奏効、完全奏効又は厳格な完全奏効のうちのいずれか一つの最良効果を効果的に得る、段落29に記載の方法。
32. 前記方法は、完全奏効又は厳格な完全奏効の最良効果を効果的に得る、段落18~31のいずれか一項に記載の方法。
33. 前記方法は、約39%~約76%の比率で、前記完全奏効又は厳格な完全奏効の最良効果を効果的に得る、段落32に記載の方法。
34. 前記方法は、約58%の比率で、前記完全奏効又は厳格な完全奏効の最良効果を効果的に得る、段落32に記載の方法。
35. 前記方法は、厳格な完全奏効の最良効果を効果的に得る、段落18~34のいずれか一項に記載の方法。
36. 前記方法は、約33%~約70%の比率で、前記厳格な完全奏効の最良効果を効果的に得る、段落35に記載の方法。
37. 前記方法は、約52%の比率で、前記厳格な完全奏効の最良効果を効果的に得る、段落35に記載の方法。
38. 前記方法は、前記被験者の無増悪生存期間を効果的に得る、段落1又は4~37のいずれか一項に記載の方法。
39. 前記方法は、前記CAR-T細胞の前記投与から前記CAR-T細胞の前記投与後約55日までの期間に、前記被験者の前記無増悪生存期間を効果的に得る、段落38に記載の方法。
40. 前記方法は、前記CAR-T細胞の前記投与から前記CAR-T細胞の前記投与後約297日までの期間に、前記被験者の前記無増悪生存期間を効果的に得る、段落38に記載の方法。
41. 前記方法は、前記CAR-T細胞の前記投与後約6ヶ月又は約9ヶ月の追跡期間に、約62%~約95%の比率で前記無増悪生存期間を効果的に得る、段落38に記載の方法。
42. 前記方法は、前記CAR-T細胞の前記投与後約6ヶ月又は約9ヶ月の追跡期間に、約86%の比率で前記無増悪生存期間を効果的に得る、段落38に記載の方法。
43. 前記方法は、前記CAR-T細胞の前記投与から約3日を超えて前記被験者のサイトカイン放出症候群を治療することをさらに含む、段落1又は4~42のいずれか一項に記載の方法。
44. 前記方法は、前記サイトカイン放出症候群が初めて観察されてから約7日の期間に、前記サイトカイン放出症候群の約1%~約90%の回復率を効果的に得る、段落43に記載の方法。
45. 前記方法は、免疫エフェクター細胞に関連する神経毒性の約20%~約99%の比率を効果的に得る、段落1又は4~44のいずれか一項に記載の方法。
46. 前記方法は、前記CAR-T細胞の前記投与後約27日から約237日までの期間前に、前記最良効果を効果的に得る、段落23~45のいずれか一項に記載の方法。
47. 前記方法は、前記CAR-T細胞の前記投与後約46日から約172日までの期間前に、前記最良効果を効果的に得る、段落23~45のいずれか一項に記載の方法。
48. 前記方法は、前記CAR-T細胞の前記投与後約109日前に、前記最良効果を効果的に得る、段落23~45のいずれか一項に記載の方法。
49. 前記方法は、前記CAR-T細胞の前記投与後約87日前に、前記最良効果を効果的に得る、段落23~45のいずれか一項に記載の方法。
50. 前記方法は、前記初回奏効の時点から前記CAR-T細胞の前記投与後約270日までの追跡期間に、前記被験者における奏効を効果的に維持する、段落19~49のいずれか一項に記載の方法。
51. 前記方法は、前記CAR-T細胞の前記投与後約6ヶ月の追跡期間に、約70%~約99%の比率で奏効を効果的に維持する、段落18~50のいずれか一項に記載の方法。
52. 前記方法は、前記CAR-T細胞の前記投与後約6ヶ月の追跡期間に、約95%の比率で奏効を効果的に維持する、段落18~50のいずれか一項に記載の方法。
53. 前記方法は、前記CAR-T細胞の前記投与後約9ヶ月の追跡期間に、約7%~約92%の比率で奏効を効果的に維持する、段落18~50のいずれか一項に記載の方法。
54. 前記方法は、前記CAR-T細胞の前記投与後約9ヶ月の追跡期間に、約63%の比率で奏効を効果的に維持する、段落18~50のいずれか一項に記載の方法。
55. さらに、前記方法は、前記CAR-T細胞の前記投与時点から前記CAR-T細胞の前記投与後約3ヶ月までの間に、10-5の感度閾値レベルにおいて、前記骨髄において評定される前記被験者の微小残存病変(MRD)陰性状態を効果的に得る、段落32~54のいずれか一項に記載の方法。
56. 前記方法は、前記CAR-T細胞の前記投与後約291日の追跡期間に、約18%~約54%の比率で、微小残存病変(MRD)陰性完全奏効又は微小残存病変(MRD)陰性厳格な完全奏効を効果的に得る、段落55に記載の方法。
57. 前記方法は、前記CAR-T細胞の前記投与後約291日間の追跡期間に、約35%の比率で、微小残存病変(MRD)陰性の完全奏効又は微小残存病変(MRD)陰性の厳格な完全奏効を効果的に得る、段落55に記載の方法。
58. 前記被験者は、さらに抗CD38抗体で治療される、段落2に記載の方法。
59. 前記多発性骨髄腫は、少なくとも1種類の薬物に対して難治性である、段落2又は段落58に記載の方法。
60. 前記方法は、前記CAR-T細胞の前記投与後に、骨髄において評定される前記被験者の微小残存病変(MRD)陰性状態を効果的に得る、段落2又は58~59のいずれか一項に記載の方法。
61. 前記微小残存病変(MRD)陰性状態は、前記CAR-T細胞の前記投与後約35日から約58日までの第1の追跡期間に、前記骨髄において評定される、段落60に記載の方法。
62. 前記方法は、前記CAR-T細胞の前記投与後約78日から約359日までの第2の追跡期間に、前記骨髄において評定される前記被験者の前記微小残存病変(MRD)陰性状態を効果的に維持し、さらにここで、前記第1の追跡期間は前記第2の追跡期間より早い、段落61に記載の方法。
63. 前記方法は、10-4又は10-5の感度閾値レベルにおいて約26%~約74%の比率で、又は10-6の感度閾値レベルにおいて約17%~約64%の比率で、前記微小残存病変(MRD)陰性状態を効果的に得る、段落60に記載の方法。
64. 前記方法は、10-4又は10-5の感度閾値レベルにおいて約50%の比率で、又は10-6の感度閾値レベルにおいて約39%の比率で、前記微小残存病変(MRD)陰性状態を効果的に得る、段落60に記載の方法。
65. 前記方法は、10-5の感度閾値レベルにおいて、評価可能な試料を有する被験者において、約66%~約100%の比率で、前記微小残存病変(MRD)陰性状態を効果的に得る、段落60に記載の方法。
66. 前記方法は、10-5の感度閾値レベルにおいて、評価可能な試料を有する被験者において、約100%の比率で、前記微小残存病変(MRD)陰性状態を効果的に得る、段落60に記載の方法。
67. 前記方法は、前記CAR-T細胞の前記投与後、前記被験者における少なくとも1種類の奏効を効果的に得、ここで、前記少なくとも1種類の奏効は、良いものから悪いものへの順序で、
(i) 厳格な完全奏効、
(ii) 完全奏効、
(iii) 最良部分奏効、
(iv) 部分奏効、又は、
(v) 最小奏効を含む、段落2又は58~66のいずれか一項に記載の方法。
68. 前記方法は、前記CAR-T細胞の前記投与後約27日から約78日までの期間前に、初回奏効を効果的に得る、段落67に記載の方法。
69. 前記方法は、前記CAR-T細胞の前記投与後約27日から約47日までの期間前に、初回奏効を効果的に得る、段落67に記載の方法。
70. 前記方法は、前記CAR-T細胞の前記投与後約33日前に、初回奏効を効果的に得る、段落67に記載の方法。
71. 前記方法は、前記CAR-T細胞の前記投与後約28日前に、初回奏効を効果的に得る、段落67に記載の方法。
72. 前記方法は、最小奏効、部分奏効、最良部分奏効、完全奏効又は厳格な完全奏効のうちのいずれか一つの最良効果を効果的に得る、段落67~71のいずれか一項に記載の方法。
73. 前記方法は、約65%~約99%の比率で、前記最小奏効、部分奏効、最良部分奏効、完全奏効又は厳格な完全奏効のうちのいずれか一つの最良効果を効果的に得る、段落72に記載の方法。
74. 前記方法は、約89%の比率で、前記最小奏効、部分奏効、最良部分奏効、完全奏効又は厳格な完全奏効のうちのいずれか一つの最良効果を効果的に得る、段落72に記載の方法。
75. 前記方法は、部分奏効、最良部分奏効、完全奏効又は厳格な完全奏効のうちのいずれか一つの最良効果を効果的に得る、段落67~74のいずれか一項に記載の方法。
76. 前記方法は、約65%~約99%の比率で、前記部分奏効、最良部分奏効、完全奏効又は厳格な完全奏効のうちのいずれか一つの最良効果を効果的に得る、段落75に記載の方法。
77. 前記方法は、約89%の比率で、前記部分奏効、最良部分奏効、完全奏効又は厳格な完全奏効のうちのいずれか一つの最良効果を効果的に得る、段落75に記載の方法。
78. 前記方法は、最良部分奏効、完全奏効又は厳格な完全奏効のうちのいずれか一つの最良効果を効果的に得る、段落67~77のいずれか一項に記載の方法。
79. 前記方法は、約41%~約87%の比率で、前記最良部分奏効、完全奏効又は厳格な完全奏効のうちのいずれか一つの最良効果を効果的に得る、段落78に記載の方法。
80. 前記方法は、約67%の比率で、前記最良部分奏効、完全奏効又は厳格な完全奏効のうちのいずれか一つの最良効果を効果的に得る、段落78に記載の方法。
81. 前記方法は、完全奏効又は厳格な完全奏効の最良効果を効果的に得る、段落67~80のいずれか一項に記載の方法。
82. 前記方法は、約10%~約54%の比率で、前記完全奏効又は厳格な完全奏効の最良効果を効果的に得る、段落81に記載の方法。
83. 前記方法は、約28%の比率で、前記完全奏効又は厳格な完全奏効の最良効果を効果的に得る、段落81に記載の方法。
84. 前記方法は、厳格な完全奏効の最良効果を効果的に得る、段落67~83のいずれか一項に記載の方法。
85. 前記方法は、約6%~約48%の比率で、前記厳格な完全奏効の最良効果を効果的に得る、段落84に記載の方法。
86. 前記方法は、約22%の比率で、前記厳格な完全奏効の最良効果を効果的に得る、段落84に記載の方法。
87. 前記方法は、前記被験者の無増悪生存期間を効果的に得る、段落2又は58~86のいずれか一項に記載の方法。
88. 前記方法は、前記CAR-T細胞の前記投与から前記CAR-T細胞の前記投与後約182日までの期間に、前記被験者の前記無増悪生存期間を効果的に得る、段落87に記載の方法。
89. 前記方法は、前記CAR-T細胞の前記投与後約6ヶ月の追跡期間に、約100%の比率で前記無増悪生存期間を効果的に得る、段落87に記載の方法。
90. 前記方法は、前記CAR-T細胞の前記投与後約9ヶ月又は約12ヶ月の追跡期間に、約5%~約95%の比率で前記無増悪生存期間を効果的に得る、段落87に記載の方法。
91. 前記方法は、前記CAR-T細胞の前記投与後約9ヶ月又は約12ヶ月の追跡期間に、約67%の比率で前記無増悪生存期間を効果的に得る、段落87に記載の方法。
92. 前記方法は、前記CAR-T細胞の前記投与から約3日を超えて前記被験者のサイトカイン放出症候群を治療することをさらに含む、段落2又は58~91のいずれか一項に記載の方法。
93. 前記方法は、前記サイトカイン放出症候群が初めて観察されてから約7日の期間に、前記サイトカイン放出症候群の約1%~約100%の回復率を効果的に得る、段落92に記載の方法。
94. 前記方法は、前記CAR-T細胞の前記投与後約27日から約354日までの期間前に、前記最良効果を効果的に得る、段落72~93のいずれか一項に記載の方法。
95. 前記方法は、前記CAR-T細胞の前記投与後約27日から約155日までの期間前に、前記最良効果を効果的に得る、段落72~93のいずれか一項に記載の方法。
96. 前記方法は、前記CAR-T細胞の前記投与後約71日前に、前記最良効果を効果的に得る、段落72~93のいずれか一項に記載の方法。
97. 前記方法は、前記CAR-T細胞の前記投与後約42日前に、前記最良効果を効果的に得る、段落72~93のいずれか一項に記載の方法。
98. 前記方法は、前記初回奏効の時点から前記CAR-T細胞の前記投与後約156日までの追跡期間に、前記被験者における奏効を効果的に維持する、段落68~97のいずれか一項に記載の方法。
99. 前記方法は、前記CAR-T細胞の前記投与後約6ヶ月、約9ヶ月又は約12ヶ月の追跡期間に、約5%~約95%の比率で奏効を効果的に維持する、段落68~98のいずれか一項に記載の方法。
100. 前記方法は、前記CAR-T細胞の前記投与後約6ヶ月、約9ヶ月又は約12ヶ月の追跡期間に、約67%の比率で奏効を効果的に維持する、段落68~98のいずれか一項に記載の方法。
101. さらに、前記方法は、前記CAR-T細胞の前記投与時点から前記CAR-T細胞の前記投与後約3ヶ月までの間に、10-5の感度閾値レベルにおいて、前記骨髄において評定される前記被験者の微小残存病変(MRD)陰性状態を効果的に得る、段落81~100のいずれか一項に記載の方法。
102. 前記方法は、前記CAR-T細胞の前記投与後の約141日間の追跡期間に、約1%~約35%の比率で、微小残存病変(MRD)陰性の完全奏効又は微小残存病変(MRD)陰性の厳格な完全奏効を効果的に得る、段落101に記載の方法。
103. 前記方法は、前記CAR-T細胞の前記投与後約141日間の追跡期間に、約11%の比率で、微小残存病変(MRD)陰性完全奏効又は微小残存病変(MRD)陰性厳格な完全奏効を効果的に得る、段落101に記載の方法。
104. 前記被験者は、少なくとも2種類の以前の治療ラインによる以前の治療を受けた、段落3に記載の方法。
105. 前記被験者は、少なくとも4種類の以前の治療ラインによる以前の治療を受けた、段落3又は段落104に記載の方法。
106. 前記被験者は、少なくとも8種類の以前の治療ラインによる以前の治療を受けた、段落3又は104~105のいずれか一項に記載の方法。
107. 前記被験者は、少なくとも12種類の以前の治療ラインによる以前の治療を受けた、段落3又は104~106のいずれか一項に記載の方法。
108. 前記被験者は、前記少なくとも1種類の以前の治療ラインの後に再発した、段落3又は104~107のいずれか一項に記載の方法。
109. 前記方法は、前記CAR-T細胞の前記投与後に、骨髄において評定される前記被験者の微小残存病変(MRD)陰性状態を効果的に得る、段落3又は104~108のいずれか一項に記載の方法。
110. 前記微小残存病変(MRD)陰性状態は、前記CAR-T細胞の前記投与後約56日から約58日までの第1の追跡期間に、前記骨髄において評定される、段落109に記載の方法。
111. 前記方法は、前記CAR-T細胞の前記投与後約183日から約186日までの第2の追跡期間に、前記骨髄において評定される前記被験者の前記微小残存病変(MRD)陰性状態を効果的に維持し、さらにここで、前記第1の追跡期間は前記第2の追跡期間より早い、段落110に記載の方法。
112. 前記方法は、10-4の感度閾値レベルにおいて約9%~約49%の比率で、10-5の感度閾値レベルにおいて約6%~約44%の比率で、又は10-6の感度閾値レベルにおいて約1%~約31%の比率で、前記微小残存病変(MRD)陰性状態を効果的に得る、段落109に記載の方法。
113. 前記方法は、10-4の感度閾値レベルにおいて約25%の比率で、10-5の感度閾値レベルにおいて約20%の比率で、又は10-6の感度閾値レベルにおいて約10%の比率で、前記微小残存病変(MRD)陰性状態を効果的に得る、段落109に記載の方法。
114. 前記方法は、10-5の感度閾値レベルにおいて、評価可能な試料を有する被験者において、約22%~約96%の比率で、前記微小残存病変(MRD)陰性状態を効果的に得る、段落109に記載の方法。
115. 前記方法は、10-5の感度閾値レベルにおいて、評価可能な試料を有する被験者において、約67%の比率で、前記微小残存病変(MRD)陰性状態を効果的に得る、段落109に記載の方法。
116. 前記方法は、前記CAR-T細胞の前記投与後、前記被験者における少なくとも1種類の奏効を効果的に得、ここで、前記少なくとも1種類の奏効は、良いものから悪いものへの順序で、
(i) 厳格な完全奏効、
(ii) 完全奏効、
(iii) 最良部分奏効、
(iv) 部分奏効、又は、
(v) 最小奏効を含む、段落3又は104~115のいずれか一項に記載の方法。
117. 前記方法は、前記CAR-T細胞の前記投与後約27日から約153日までの期間前に、初回奏効を効果的に得る、段落116に記載の方法。
118. 前記方法は、前記CAR-T細胞の前記投与後約27日から約88日までの期間前に、初回奏効を効果的に得る、段落116に記載の方法。
119. 前記方法は、前記CAR-T細胞の前記投与後約43日前に、初回奏効を効果的に得る、段落116に記載の方法。
120. 前記方法は、前記CAR-T細胞の前記投与後約28日前に、初回奏効を効果的に得る、段落116に記載の方法。
121. 前記方法は、最小奏効、部分奏効、最良部分奏効、完全奏効又は厳格な完全奏効のうちのいずれか一つの最良効果を効果的に得る、段落116~120のいずれか一項に記載の方法。
122. 前記方法は、約23%~約69%の比率で、前記最小奏効、部分奏効、最良部分奏効、完全奏効又は厳格な完全奏効のうちのいずれか一つの最良効果を効果的に得る、段落121に記載の方法。
123. 前記方法は、約45%の比率で、前記最小奏効、部分奏効、最良部分奏効、完全奏効又は厳格な完全奏効のうちのいずれか一つの最良効果を効果的に得る、段落121に記載の方法。
124. 前記方法は、部分奏効、最良部分奏効、完全奏効又は厳格な完全奏効のうちのいずれか一つの最良効果を効果的に得る、段落116~123のいずれか一項に記載の方法。
125. 前記方法は、約19%~約64%の比率で、前記部分奏効、最良部分奏効、完全奏効又は厳格な完全奏効のうちのいずれか一つの最良効果を効果的に得る、段落124に記載の方法。
126. 前記方法は、約40%の比率で、前記部分奏効、最良部分奏効、完全奏効又は厳格な完全奏効のうちのいずれか一つの最良効果を効果的に得る、段落124に記載の方法。
127. 前記方法は、最良部分奏効、完全奏効又は厳格な完全奏効のうちのいずれか一つの最良効果を効果的に得る、段落116~126のいずれか一項に記載の方法。
128. 前記方法は、約15%~約59%の比率で、前記最良部分奏効、完全奏効又は厳格な完全奏効のうちのいずれか一つの最良効果を効果的に得る、段落127に記載の方法。
129. 前記方法は、約35%の比率で、前記最良部分奏効、完全奏効又は厳格な完全奏効のうちのいずれか一つの最良効果を効果的に得る、段落127に記載の方法。
130. 前記方法は、完全奏効又は厳格な完全奏効の最良効果を効果的に得る、段落116~129のいずれか一項に記載の方法。
131. 前記方法は、約3%~約38%の比率で、前記完全奏効又は厳格な完全奏効の最良効果を効果的に得る、段落130に記載の方法。
132. 前記方法は、厳格な完全奏効の最良効果を効果的に得る、段落116~131のいずれか一項に記載の方法。
133. 前記方法は、約1%~約32%の比率で、前記厳格な完全奏効の最良効果を効果的に得る、段落132に記載の方法。
134. 前記方法は、前記被験者の無増悪生存期間を効果的に得る、段落3又は104~133のいずれか一項に記載の方法。
135. 前記方法は、前記CAR-T細胞の前記投与から前記CAR-T細胞の前記投与後約15日までの期間に、前記被験者の前記無増悪生存期間を効果的に得る、段落134に記載の方法。
136. 前記方法は、前記CAR-T細胞の前記投与から前記CAR-T細胞の前記投与後約44日までの期間に、前記被験者の前記無増悪生存期間を効果的に得る、段落134に記載の方法。
137. 前記方法は、前記CAR-T細胞の前記投与から前記CAR-T細胞の前記投与後約159日までの期間に、前記被験者の前記無増悪生存期間を効果的に得る、段落134に記載の方法。
138. 前記方法は、前記CAR-T細胞の前記投与後約6ヶ月又は約9ヶ月の追跡期間に、約29%~約75%の比率で前記無増悪生存期間を効果的に得る、段落134に記載の方法。
139. 前記方法は、前記CAR-T細胞の前記投与後約6ヶ月又は約9ヶ月の追跡期間に、約55%の比率で前記無増悪生存期間を効果的に得る、段落134に記載の方法。
140. 前記方法は、サイトカイン放出症候群の約60%~約99%の比率を効果的に得る、段落3又は104~139のいずれか一項に記載の方法。
141. 前記方法は、前記CAR-T細胞の前記投与から約3日を超えて前記被験者のサイトカイン放出症候群を治療することをさらに含む、段落140に記載の方法。
142. 前記方法は、免疫エフェクター細胞に関連する神経毒性の約20%~約99%の比率を効果的に得る、段落3又は104~141のいずれか一項に記載の方法。
143. 前記少なくとも4種類の薬物は、プロテアソーム阻害剤と、免疫調節薬と、抗CD38抗体とをさらに含む、段落3又は104~142のいずれか一項に記載の方法。
144. 前記方法は、前記CAR-T細胞の前記投与後約27日から約171日までの期間前に、前記最良効果を効果的に得る、段落121~143のいずれか一項に記載の方法。
145. 前記方法は、前記CAR-T細胞の前記投与後約27日から約133日までの期間前に、前記最良効果を効果的に得る、段落121~143のいずれか一項に記載の方法。
146. 前記方法は、前記CAR-T細胞の前記投与後約78日前に、前記最良効果を効果的に得る、段落121~143のいずれか一項に記載の方法。
147. 前記方法は、前記CAR-T細胞の前記投与後約56日前に、前記最良効果を効果的に得る、段落121~143のいずれか一項に記載の方法。
148. 前記方法は、前記初回奏効の時点から前記CAR-T細胞の前記投与後約132日までの追跡期間に、前記被験者における奏効を効果的に維持し、さらにここで、前記初回奏効は、前記CAR-T細胞の前記投与時点から前記CAR-T細胞の前記投与後約131日までの間に得られる、段落117~147のいずれか一項に記載の方法。
149. 前記方法は、前記CAR-T細胞の前記投与後約6ヶ月の追跡期間に、約20%~約96%の比率で奏効を効果的に維持する、段落117~147のいずれか一項に記載の方法。
150. 前記方法は、前記CAR-T細胞の前記投与後約6ヶ月の追跡期間に、約80%の比率で奏効を効果的に維持する、段落117~147のいずれか一項に記載の方法。
151. 前記多発性骨髄腫は、少なくとも2種類の薬物に対して難治性である、段落1~150のいずれか一項に記載の方法。
152. 前記多発性骨髄腫は、少なくとも3種類の薬物に対して難治性である、段落1~151のいずれか一項に記載の方法。
153. 前記多発性骨髄腫は、少なくとも4種類の薬物に対して難治性である、段落1~152のいずれか一項に記載の方法。
154. 前記多発性骨髄腫は、少なくとも5種類の薬物に対して難治性である、段落1~153のいずれか一項に記載の方法。
155. 前記被験者は、前記CAR-T細胞の前記投与前に約10%~約30%の骨髄形質細胞を有する、段落1~154のいずれか一項に記載の方法。
156. 前記用量は、前記被験者の質量1キログラムあたりに1.0 × 105~5.0 × 106個の前記CAR-T細胞を含む、段落1~155のいずれか一項に記載の方法。
157. 前記用量は、前記被験者の質量1キログラムあたりに5.0 × 105~1.0 × 106個の前記CAR-T細胞を含む、段落1~156のいずれか一項に記載の方法。
158. 前記用量は、前記被験者の質量1キログラムあたりに約0.75 × 106個の前記CAR-T細胞を含む、段落1~157のいずれか一項に記載の方法。
159. 前記用量は、被験者あたりに1.0 × 108個未満の前記CAR-T細胞を含む、段落1~158のいずれか一項に記載の方法。
160. 前記CAR-T細胞の前記投与は、単回静脈内注入によるものである、段落1~159のいずれか一項に記載の方法。
161. 前記単回静脈内注入は、1バッグの前記CAR-T細胞を用いて投与する、段落160に記載の方法。
162. 前記1バッグの前記CAR-T細胞の前記投与は、前記1バッグのCAR-T細胞の解凍時点から前記1バッグのCAR-T細胞の解凍後3時間までの間に完了する、段落161に記載の方法。
163. 前記単回静脈内投与は、2バッグの前記CAR-T細胞を用いて投与する、段落160に記載の方法。
164. 前記2バッグの前記CAR-T細胞のうちの各バッグの前記投与は、前記2バッグのCAR-T細胞のうちの1バッグ目の解凍時点から前記1バッグ目のCAR-T細胞の解凍後3時間までの間に完了する、段落163に記載の方法。
165. リンパ枯渇レジメンは、前記CAR-T細胞投与前の約5日~約7日に行われる、段落1~164のいずれか一項に記載の方法。
166. 前記リンパ枯渇レジメンは、静脈内投与によるものである、段落165に記載の方法。
167. 前記リンパ枯渇レジメンは、
(a) シクロホスファミドの投与、又は、
(b) フルダラビンの投与を含む、段落166に記載の方法。
168. 前記シクロホスファミドは、300 mg/m2で静脈内投与される、段落167に記載の方法。
169. 前記フルダラビンは、30 mg/m2で静脈内投与される、段落167に記載の方法。
170. シクロホスファミドの300 mg/m2での静脈内投与とフルダラビンの30 mg/m2での静脈内投与とを含むリンパ枯渇レジメンは、前記CAR-T細胞投与前の約5日~約7日に行われる、段落1~169のいずれか一項に記載の方法。
171. 前記被験者はさらに、架橋療法を受け、ここで、前記架橋療法は、アフェレシスと前記リンパ枯渇レジメンとの間の少なくとも一つの架橋薬物による短期治療を含み、且つここで、前記少なくとも一つの架橋薬物は、以前に、被験者の疾患安定、最小奏効、部分奏効、最良部分奏効、完全奏効又は厳格な完全奏効の結果がすでに得られた、段落165~170のいずれか一項に記載の方法。
172. 前記被験者は、前記架橋療法を受けているにもかかわらず、腫瘍負荷が増加した、段落171に記載の方法。
173. 前記被験者は、前記架橋療法を受けているにもかかわらず、腫瘍負荷が約25%以上増加した、段落171に記載の方法。
174. 前記方法は、前記CAR-T細胞のインビボ増幅を有意に減少させることなく、前記CAR-T細胞の前記投与から約3日を超えて前記被験者のサイトカイン放出症候群を治療することをさらに含む、段落43~44、92~93又は141のいずれか一項に記載の方法。
175. 前記サイトカイン放出症候群の治療は、前記被験者にIL-6R阻害剤を投与することを含む、段落43~44、92~93、141又は174のいずれか一項に記載の方法。
176. 前記IL-6R阻害剤は、抗体である、段落175に記載の方法。
177. 前記抗体は、IL-6Rの細胞外ドメインとの結合によってIL-6Rを阻害する、段落176に記載の方法。
178. 前記IL-6R阻害剤は、IL-6とIL-6Rとの結合を阻止する、段落175~177のいずれか一項に記載の方法。
179. 前記IL-6R阻害剤は、トシリズマブである、段落175~178のいずれか一項に記載の方法。
180. 前記被験者は、前記CAR-T細胞の前記投与前多くとも約1時間に、解熱剤と抗ヒスタミン剤とを含む投与プロドラッグで治療される、段落1~179のいずれか一項に記載の方法。
181. 前記解熱剤は、パラセタモール又はアセトアミノフェンを含む、段落180に記載の方法。
182. 前記解熱剤は、前記被験者に経口投与又は静脈内投与される、段落180に記載の方法。
183. 前記解熱剤は、650 mg~1000 mgの用量で前記被験者に投与される、段落180に記載の方法。
184. 前記抗ヒスタミン剤は、ジフェンヒドラミンを含む、段落180に記載の方法。
185. 前記抗ヒスタミン剤は、前記被験者に経口投与又は静脈内投与される、段落180に記載の方法。
186. 前記抗ヒスタミン剤は、25 mg~50 mgの用量又はその等価用量で投与される、段落180に記載の方法。
187. 前記解熱剤は、パラセタモール又はアセトアミノフェンを含み、且つ前記解熱剤は、650 mg~1000 mgの用量で前記被験者に経口投与又は静脈内投与され、且つここで、前記抗ヒスタミン剤はジフェンヒドラミンを含み、且つ前記抗ヒスタミン剤は、25 mg~50 mgの用量又はその等価用量で前記被験者に経口投与又は静脈内投与される、段落180に記載の方法。
188. 前記被験者に投与される、CAR-T細胞を含む前記組成物は、ジメチルスルホキシド又はデキストラン-40から選択される賦形剤をさらに含む、段落1~187のいずれか一項に記載の方法。
189. 前記第1のBCMA結合部分及び/又は前記第2のBCMA結合部分は、抗BCMA VHHである、段落1~188のいずれか一項に記載の方法。
190. 前記第1のBCMA結合部分は、第1の抗BCMA VHHであり、且つ前記第2のBCMA結合部分は、第2の抗BCMA VHHである、段落189に記載の方法。
191. 前記第1のBCMA結合部分は、配列番号2のアミノ酸配列を含む、段落1~190のいずれか一項に記載の方法。
192. 前記第1のBCMA結合部分は、配列番号10の核酸配列によりコードされるポリペプチドを含む、段落1~191のいずれか一項に記載の方法。
193. 前記第2のBCMA結合部分は、配列番号4のアミノ酸配列を含む、段落1~192のいずれか一項に記載の方法。
194. 前記第2のBCMA結合部分は、配列番号12の核酸配列によりコードされるポリペプチドを含む、段落1~193のいずれか一項に記載の方法。
195. 前記第1のBCMA結合部分と前記第2のBCMA結合部分は、ペプチドリンカーを介して互いに連結される、段落1~194のいずれか一項に記載の方法。
196. 前記ペプチドリンカーは、配列番号3のアミノ酸配列を含む、段落195に記載の方法。
197. 前記ペプチドリンカーは、配列番号11の核酸配列によりコードされるポリペプチドを含む、段落195に記載の方法。
198. 前記CARポリペプチドは、前記ポリペプチドのN末端に位置するシグナルペプチドをさらに含む、段落1~197のいずれか一項に記載の方法。
199. 前記シグナルペプチドは、CD8αに由来するものである、段落198に記載の方法。
200. 前記シグナルペプチドは、配列番号1のアミノ酸配列を含む、段落198に記載の方法。
201. 前記シグナルペプチドは、配列番号9の核酸配列によりコードされるポリペプチドを含む、段落198に記載の方法。
202. 前記膜貫通ドメインは、配列番号6のアミノ酸配列を含む、段落1~201のいずれか一項に記載の方法。
203. 前記膜貫通ドメインは、配列番号14の核酸配列によりコードされるポリペプチドを含む、段落1~202のいずれか一項に記載の方法。
204. 前記細胞内シグナル伝達ドメインは、免疫エフェクター細胞の一次細胞内シグナル伝達ドメインを含む、段落1~203のいずれか一項に記載の方法。
205. 前記細胞内シグナル伝達ドメインは、CD3ζに由来するものである、段落1~204のいずれか一項に記載の方法。
206. 前記細胞内シグナル伝達ドメインは、少なくとも一つの共刺激シグナル伝達ドメインを含む、段落1~205のいずれか一項に記載の方法。
207. 前記細胞内シグナル伝達ドメインは、配列番号8のアミノ酸配列を含む、段落1~206のいずれか一項に記載の方法。
208. 前記細胞内シグナル伝達ドメインは、配列番号16の核酸配列によりコードされるポリペプチドを含む、段落1~207のいずれか一項に記載の方法。
209. 前記細胞内シグナル伝達ドメインは、配列番号7のアミノ酸配列を含む、段落1~208のいずれか一項に記載の方法。
210. 前記細胞内シグナル伝達ドメインは、配列番号15の核酸配列によりコードされるポリペプチドを含む、段落1~209のいずれか一項に記載の方法。
211. 前記CARポリペプチドは、前記細胞外抗原結合ドメインのC末端と前記膜貫通ドメインのN末端との間に位置するヒンジドメインをさらに含む、段落1~210のいずれか一項に記載の方法。
212. 前記ヒンジドメインは、配列番号5のアミノ酸配列を含む、段落211に記載の方法。
213. 前記ヒンジドメインは、配列番号13の核酸配列によりコードされるポリペプチドを含む、段落211に記載の方法。
214. 前記CARは、配列番号17のアミノ酸配列を含む、段落1~213のいずれか一項に記載の方法。
215. 前記T細胞は、自家T細胞である、段落1~214のいずれか一項に記載の方法。
216. 前記T細胞は、同種異系T細胞である、段落1~215のいずれか一項に記載の方法。
217. 前記被験者は、ヒトである、段落1~216のいずれか一項に記載の方法。
218. 前記被験者は、以前にBCMA標的薬物に曝露されていなかった、段落1~103のいずれか一項に記載の方法。
219. 前記多発性骨髄腫は進行性である、段落1~218のいずれか一項に記載の方法。
【0294】
5. 例
以下の例は、本明細書に開示されるいくつかの実施例をさらに説明するために提供される。例は、開示される実施例を限定するものではなく、説明することを意図している。
【0295】
5.1. 例1:シルタカブタジンオートルーセル
B細胞成熟抗原(BCMAであり、CD269とTNFRSF17とも呼ばれる)は、20キロダルトンのIII型膜タンパク質であり、それは、腫瘍壊死受容体スーパーファミリーの一部である。BCMAは、主にB系細胞において高レベルで発現する細胞表面抗原である。
図1は、様々な免疫由来細胞でのBCMAの発現を示す。比較研究によると、BCMAはほとんどの正常な組織で欠乏し、CD34陽性造血幹細胞では発現しない。BCMAは、B細胞の増殖を誘導する2つのリガンドに結合し、B細胞の成熟と後続の形質細胞への分化において肝心な役割を果たす。BCMAは、選択的発現及び骨髄腫細胞の増殖と生存に対する生物学的重要性により、CAR-Tに基づく免疫療法(シルタカブタジンオートルーセル)の有望な標的となった。
【0296】
シルタカブタジンオートルーセルは、BCMAを標的とする自家キメラ抗原受容体T細胞(CAR-T)療法である。シルタカブタジンオートルーセルキメラ抗原受容体(CAR)は、アビディティを付与するように設計され、B細胞成熟抗原(BCMA)を標的とする二つのVHHドメインを含む。
図2は、構築体のチャートを示した。
【0297】
5.2. 例2:シルタカブタジンオートルーセルでコーホートA、コーホートB及びコーホートCを治療する方法
マルチコホート、オープンラベル、第2相研究では、発明者らは、様々な臨床環境において、早急に治療する必要がある、全生存率が約50%以下である、多発性骨髄腫に罹患している患者に対するcilta-celの安全性及び有効性を評定した。
図4では、研究フローチャートの概略的要約が記述されており、それは、cilta-cel注入前のリンパ枯渇レジメンからなる。
【0298】
末梢血単核細胞(PBMC)を収集するために、条件を満たす被験者に対してアフェレシスを行った。試験に参加することは、アフェレシス当日と定義された。シルタカブタジンオートルーセル薬物製品(DP)は、アフェレシスから選択されたT細胞により産生された。アフェレシス又は生産に失敗した被験者がアフェレシスを再び試みることを許容する。
【0299】
臨床的指示がある場合に(即ち、シルタカブタジンオートルーセルの製造を待っている間、疾患の安定性を維持するために)、架橋療法(アフェレシスと第1の用量コンディショニングレジメンとの間の抗形質細胞指向治療)は許容された。被験者の臨床状態及びCAR-T製品の利用可能な時間に基づいて、追加のサイクルの架橋療法を考慮した。架橋療法は、以前に被験者に少なくとも疾患安定奏効を引き起こした短期治療として定義される。
【0300】
治療の安全基準を満たした後、被験者によるリンパ枯渇の実現を補助し、CAR-T細胞の増幅を促進するために、被験者にコンディショニングレジメンを投与した。リンパ枯渇レジメンは、シクロホスファミド300 mg/m2とフルダラビン30 mg/m2を、3日間にわたり毎日静脈内(IV)投与することを含む。cilta-cel注入前のシクロホスファミド300 mg/m2及びフルダラビン30 mg/m2は、市販のCAR-T製品Kymriah及びYescartaに使用されるリンパ枯渇レジメンと一致した。
【0301】
コンディショニングレジメン開始から5~7日後、
図3に示すようにウイルス形質導入を介してアフェレシス材料から製造されたcilta-celを、1日目と定義された日に投与した。cilta-cel注入前の約1時間に、被験者は、前投薬(premedication)を受けた。コルチコステロイドは、注入前の間に使用されなかった。注入プロドラッグは、表1にリストされている。注入プロドラッグで治療した後、0.75 × 10
6個のCAR陽性生T細胞/kg(範囲:0.5~1.0 × 10
6個のCAR陽性生T細胞/kg)の総目標用量でcilta-celを単回注入投与し、最大総用量は1.0 × 10
8個のCAR陽性生T細胞であった。
【0302】
冷凍保存された1つ又は2つの患者指定輸液バッグには、一定の用量のシルタカブタジンオートルーセルが含有されていた。cilta-celの解凍時間は、注入時間と一致した。注入時間を予め確認し、患者の準備ができた時に注入のためのcilta-celが得られるように解凍開始時間を調整した。1バッグ以上を受けて治療注入を行う場合、一度に1バッグ解凍した 。前のバッグが安全に投与されると確定してから、次のバッグを解凍/注入した。
【0303】
5.3. 例3:シルタカブタジンオートルーセルを用いてコーホートA、コーホートB及びコーホートCを治療する方法の有効性評価
表2にまとめられているIMWGに基づく効果基準を用い、本研究は、奏効を良いものから悪いものへの順序で、厳格な完全奏効(sCR)、完全奏効(CR)、最良部分奏効(VGPR)、部分奏効(PR)、最小奏効(MR)、疾患安定又は疾患進行に分けた。疾患進行は、臨床研究の現場にわたって一貫して記録された。IMWGに基づく効果基準を評定するために行われた試験は以下のとおりである:
・ 血清及び尿における骨髄腫タンパク質の測定:血液と24時間尿サンプルからの以下の試験を用いて、骨髄腫タンパク質(Mタンパク質)の測定を行う:血清定量Ig、血清タンパク質電気泳動(SPEP)、血清免疫固定電気泳動、血清FLCアッセイ(CR/sCRが疑われる被験者及び血清FLC疾患のみに罹患している被験者に対して毎回の疾患評定を行う)、24時間尿Mタンパク質電気泳動定量(UPEP)、尿免疫固定電気泳動、血清β2-ミクログロブリン。少なくとも一回の反復研究により、一つのみの実験室試験に基づく疾患進行を証明した。CRから再発した後、疾患進行が確認されるまで、疾患の評価を継続した。スクリーニング時及びこの後にCRが疑われる時(血清又は24時間尿Mタンパク質電気泳動[SPEP又はUPEPによる]が0又は定量不可能である場合)に、血清と尿免疫固定及び血清遊離軽鎖(FLC)アッセイを行った。軽鎖多発性骨髄腫に罹患している被験者に対して、一般的には、血清と尿免疫固定試験を行った。
・ アルブミンに対して補正された血清カルシウム:証明された疾患進行が進行するまで、アルブミンに対して補正された血清カルシウムを計算するための血液サンプルを収集し分析し、任意の他の原因がない場合、高カルシウム血症(補正された血清カルシウム> 11.5 mg/dL [> 2.9 mmol/L])の進行は、疾患進行又は再発を指示する可能性がある。カルシウムは、アルブミンに結合し、且つ結合していない(遊離している)カルシウムのみは、生物学的活性を有し、そのため、異常なアルブミンレベルに対して、血清カルシウムレベルを調整しなければならない(「補正された血清カルシウム」)。
・ 骨髄検査:臨床評定のために骨髄吸引又は生検を行った。バイオマーカー評価のために骨髄吸引を行った。臨床分類(形態学、細胞遺伝学、免疫組織化学又は免疫蛍光又はフローサイトメトリー)を行った。骨髄吸引物の一部に対して免疫表現型分析を行い、BCMA、CD138陽性多発性骨髄腫細胞におけるチェックポイントリガンド発現及びT細胞におけるチェックポイント発現をモニタリングした。可能であれば、CRとsCR及び疾患進行を確認するために骨髄吸引を行った。なお、微小残存病変(MRD)陰性が、多発性骨髄腫治療におけるPFSとOSの潜在的代替物であると評価されるため、骨髄吸引物DNAに対して次世代シーケンシング(NGS)を使用して被験者におけるMRDをモニタリングした。ベースライン骨髄吸引物を用いて骨髄腫クローンを定義し、且つ治療後試料を用いてMRD陰性を評価した。第1剤のコンディショニングレジメン前に(≦ 7日)新鮮な骨髄吸引物を収集した。
・ 骨調査:スクリーニング段階に骨調査(頭蓋骨、脊柱全体、骨盤、胸部、上腕骨、大腿骨及び研究者により疾患に関すると疑われる任意の他の骨を含む)を行い、IV造影剤を使用することなく、X線撮影(「X線」)又は低線量コンピュータ断層撮影(CT)スキャンによって評価した。CTスキャンを使用する場合、診断品質を有する。cilta-cel注入後、且つ疾患進行を確認する前、症状に基づく臨床指示の有無にかかわらず、奏効又は進行を記録するために、X線又はCTスキャンを局所的に行った。磁気共鳴画像法(MRI)は、骨疾患を評価するための許容可能な方法であり、必要に応じて組み込まれ、しかしながら、それは骨調査を代替していなかった。完全な骨調査に加えて、スクリーニング時に放射性核種骨スキャンを使用すれば、二つの方法で疾患状態を記録した。これらの試験は、同時に行われた。放射性核種骨スキャンは、完全な骨調査を代替できない。被験者が骨の変化で疼痛症状により表される疾患進行を示した場合、被験者が経験する症状に応じて、骨調査又は他の放射線撮影によって疾患進行を記録した。放射線学的調査によって疾患進行を明らかに診断できる場合、反復的な確認性X線を行う必要があると考えられなかった。変化が明確ではない場合、1~3週間内に反復的なX線を行った。
・ 髄外性形質細胞腫の文書記録:第1剤のコンディショニングレジメン前≦ 14日に、既知の髄外性形質細胞腫の部位を記録した。臨床検査又はMRIを用いて疾患の髄外部位を記録した。IV造影使用の禁忌症がない場合、CTスキャン評価は、許容可能な代替レジメンであると考えられた。陽電子放出断層撮影スキャン又は超音波試験は、髄外性形質細胞腫の大きさを記録することができない。しかしながら、PET/CT融合スキャンのCT部分は、十分な診断品質を有する場合、PET/CT融合スキャンは、任意選択的に、髄外性形質細胞腫を記録するためのものであった。形質細胞腫病歴を有するか又は第1剤のコンディショニングレジメン前≦14日に臨床指示を受けた全ての被験者に対して、臨床検査又は放射線画像化によって髄外性形質細胞腫を評定した。形質細胞腫病歴を有する被験者又は治療中に臨床指示を受けた他の被験者に対して、確診されたCR又は確診された疾患進行が発生するまで、髄外疾患の測定可能部位の局所的評定、測定又は評価を、(身体検査のために)4週間ごとに行った。放射線学的評定のみを行い得る場合、髄外性形質細胞腫の評価を12週間ごとに行った。放射線照射されたか又は切除された病巣は、測定不可能であると考えられ、且つ疾患進行のみをモニタリングした。VGPR又はPR/最小奏効(MR)に適合するために、従来の髄外性形質細胞腫の垂直直径の積の合計は、それぞれ90%超又は少なくとも50%減少しなければならず、且つ新たな形質細胞腫が発生しないようにしなければならなかった。疾患進行に適合するために、従来の髄外性形質細胞腫の垂直直径の積の合計は、少なくとも50%増加しなければならないか、又は> 1 cmである以前の病巣の最長直径は、少なくとも50%増加しなければならないか(短軸)、又は新たな形質細胞腫が発生していなければならなかった。存在する全ての髄外性形質細胞腫がいずれも報告されるわけではないが、報告された形質細胞腫の垂直直径の積の合計が少なくとも50%増加した場合、疾患進行基準に適合した。
【0304】
研究治療が免疫固定アッセイを干渉すると確認した場合、CRは、免疫固定時に、多発性骨髄腫に関連するオリジナルのMタンパク質が消失すると定義され、且つCRの確定は、研究治療に続発する、関連しないMタンパク質に影響されなかった。
【0305】
研究のエンドポイントは、(独立審査委員会(IRC)に評定されたように)以下のとおりである:
・ 全奏効率(ORR)は、IMWG基準に基づいてPR又はより良好な奏効に達した被験者の割合であると定義された。
・ VGPR又はより良好な奏効(sCR+CR+VGPR)の奏効率は、IMWG基準に基づいてVGPR又はより良好な奏効に達した被験者の割合であると定義された。
・ 奏効持続期間(DOR)は、奏効者(PR又はより良好な奏効を有する)において、奏効(PR又はより良好な奏効)の初期記録日から進行疾患(IMWG基準に定義されたように)の証拠が最初に記録された日までの時間から計算された。陽性免疫固定又は微量Mタンパク質によるCRからの再発は、疾患進行であると考えられなかった。CRから再発した後、疾患進行が確認されるまで、疾患の評価を継続した。
・ 奏効期間(TTR)は、cilta-celの初期注入日から被験者がPR又はより良好な奏効の全ての基準を満たす初回の有効性評価までの時間であると定義された。
・ 無増悪生存期間(PFS)は、cilta-celの初期注入日から疾患進行(IMWG基準に定義されたように)又は任意の原因による死亡(先に発生したものに準じる)が最初に記録された日までの時間であると定義された。
・ 全生存期間(OS)は、cilta-celの初期注入日から被験者が死亡した日まで測定された。
【0306】
ORRに対して、奏効率及びその95%正確な信頼区間(CI)は、二項分布に基づいて計算され、信頼区間の下限が30%を超える場合、帰無仮説を棄却した。VGPR又はより良好な奏効の奏効率、DOR、PFS及びOSの分析は、ORRと同じカットオフ値で行われた。DORの分布(メジアンとKaplan-Meier曲線)は、Kaplan-Meier推定値を用いて提供された。OS、PFS及びTTRに対して類似した分析を行った。
【0307】
5.4. 例4:シルタカブタジンオートルーセルを用いてコーホートA、コーホートB及びコーホートCを治療する方法の安全性評価
米国国立がん研究所有害事象共通用語規準(NCI-CTCAE バージョン5.0)に従って、CRS及びCAR-T細胞に関連する神経毒性(例えば、ICANS)を除く有害事象に対して追跡、報告及び分類を行った。表30にまとめられているASTCTコンセンサス分類に基づいてCRSを評価した。最初のCRS徴候(例えば、発熱)があった場合、被験者はすぐに入院して評価した。他の発熱原因が排除された場合、発熱の症状を呈する被験者の治療に必要に応じてトシリズマブ介入を使用した。トシリズマブは、重症CRSのリスクが高い被験者の早期治療(例えば、高ベースライン腫瘍負荷、早期に開始する発熱又は対症療法24時間後の持続的発熱)に必要に応じて使用された。特にCRSがトシリズマブに反応しない場合、サイトカインを標的とする他のモノクローナル抗体(例えば、抗IL1及び/又は抗TNFα)を任意選択的に使用した。
【0308】
表31にまとめられているASTCTコンセンサス分類を用いて、CAR-T細胞に関連する神経毒性(例えば、ICANS)を分類した。なお、CRS(例えば、発熱、低血圧)とICANS(例えば、意識レベル低下、癲癇)の全ての個体症状は、いずれも個体有害事象として得られ、CTCAE基準に基づいて分類された。CRSに一時的に関連しない神経毒性又はICANSに適合しない任意の他の神経系有害事象を、CTCAE基準に基づいて分類した。NCI CTCAE バージョン5.0に列挙されていない任意の有害事象又は重篤な有害事象を、研究者の臨床的判断に基づいて、以下の基準グレードで分類した:
・ グレード1:軽度、無症状または軽度の症状、臨床的又は診断的観察のみ、介入は指示されていない。
・ グレード2:中度、最小限の、局所的な、又は非侵襲的な介入を指示し、年齢に合った日常生活の道具的な活動を制限する。
・ グレード3:重篤であるか、又は医学的に有意であるが、直ちに生命に危険を及ぼすものではなく、入院又は入院期間の延長を指示し、障害、セルフケアの日常生活活動を制限する。
・ グレード4:命を危険にさらす結果、緊急介入を指示する。
・ グレード5:有害事象に関連する死亡。
【0309】
5.5. 例5:シルタカブタジンオートルーセルの、1~3種類の以前の治療ライン後にレナリドミドに対して難治性である進行性多発性骨髄腫患者(コーホートA)における有効性及び安全性
レナリドミド及び/又はプロテアソーム阻害剤(PI)に対して難治性である進行性多発性骨髄腫(MM)患者の治療選択は限られている。コーホートAにおける患者は、1~3種類の以前の治療ライン(PIと免疫調節薬(IMiD)とを含む)後に進行性MMを罹患し、レナリドミドに対して難治性であり、且つ以前にBCMA標的薬剤に曝露されていなかった。リンパ枯渇(シクロホスファミド[300 mg/m2]及びフルダラビン[30 mg/m2]を3日間続けて毎日投与する)開始から5~7日後に単回cilta-cel注入(目標用量0.75 × 106個のCAR+生T細胞/kg)を行った。アフェレシス後に架橋療法を行うことを可能にした。主なエンドポイントは、10-5の感度レベルでの微小残存病変(MRD)陰性であった。副次的エンドポイントは、全奏効率(ORR = 部分奏効又はより良好な奏効の奏効率)、奏効持続期間、MRD陰性の時間及び持続期間、並びに有害事象の発生率及び重症度であった。MRDは、次世代シーケンシングによって評定され、奏効は、IMWG基準に基づいて評定され、且つ米国国立がん研究所有害事象共通用語規準バージョン5.0(CTCAEv5.0)を用いて有害事象を分類した。サイトカイン放出症候群[CRS]、及び免疫エフェクター細胞に関連する神経毒性[ICANS]は、米国移植細胞治療学会(ASTCT)コンセンサス分類系に基づいて分類された。
【0310】
2021年4月15日のデータカットオフ(メジアン追跡期間:9.7ヶ月、範囲3.3~13.4ヶ月)まで、20名の患者(65%男性;年齢中央値:60歳[範囲38~75歳])はcilta-celを受け、1名の患者は外来診療環境で治療を受けた。患者は、以前の治療ライン(種類中央値:2、範囲1~3)を受け、60%の患者は1~2種類の以前の治療ラインを受けたが、40%の患者は3種類の以前の治療ラインを受けた。全ての患者はPI、IMiD及びデキサメタゾンに曝露され、95%の患者はアルキル化剤に曝露され、65%の患者はダラツムマブに曝露された。全ての患者において、95%の患者は、最後の治療ラインに対して難治性であり、40%の患者は、3種類の薬物に対して難治性であった。
【0311】
以下の有効性パラメータを評定した:
・ 腫瘍負荷:cilta-cel注入時の腫瘍負荷は、cilta-cel注入当日又はそれ以前、及びアフェレシス後の最後の非欠損値に基づくものである。血清Mタンパク質及び尿中Mタンパク質で測定できる疾患に罹患している被験者は、腫瘍負荷変化における最悪状況を示し、即ち、腫瘍負荷の増加が観察される被験者は、腫瘍負荷の増加が最も大きく、且つ腫瘍負荷の減少が観察された被験者は、腫瘍負荷の減少が最も小さかった。
図5は、全ての治療解析集団におけるコーホートAの奏効者の疾患負荷(測定可能な疾患のタイプ、即ち血清Mタンパク質、尿中Mタンパク質、又は損なわれた遊離軽鎖と損なわれていない遊離軽鎖(dFLC)との間の差異を表す)の減少を示した図である。「a」は、ベースラインにおけるベンスジョーンズタンパクを表し、ここで、架橋療法中に一過性奏効が起こり、出力はdFLC値を表す。表3は、全ての治療解析集団において、コーホートA奏効者のスクリーニングからcilta-cel注入までの腫瘍負荷変化を示した。
・ 微小残存病変(MRD):表6は、全ての治療解析集団におけるコーホートA奏効者のMRDデータリストを示した。研究日数はcilta-celの再治療(1日目)を参照されたい。表9は、全ての治療解析集団においてコーホートA奏効者の骨髄における全体MRD陰性率のまとめを示した。表12は、10
-5の感度レベルにおいて、全ての治療解析集団において、評価可能な試料を有するコーホートA奏効者の骨髄における全体MRD陰性率のまとめを示した。評価可能な試料は、較正され品質管理された試料であり、且つそれぞれの試験閾値下で評価するための十分な細胞を有する。データカットオフ時、10
-5でMRD評価可能試料を有する13名の患者において、12名の患者(92.3% [96% CI 64%~100%])はMRD陰性であった。
・ 奏効:国際骨髄腫ワーキンググループ(IMWG)コンセンサス基準(2016)に基づいて奏効を評定した。パーセントは、全ての治療解析集団における被験者の数を分母として計算された。MRD陰性CR/sCRの評定について、CR/sCRを達成から死亡、進行又は後続療法(cilta-celを含まない)までの3ヶ月以内のMRD評定のみを(10
-5試験閾値で)考慮した。表15は、cilta-celの初期注入日(1日目)を参照する全ての治療解析集団におけるコーホートA奏効者の疾患奏効評定リストを示した。
図8は、全ての治療解析集団におけるコーホートA奏効者の奏効及び奏効持続期間を示した。表18は、全ての治療解析集団におけるコーホートA奏効者の総合最良効果を示した。ORRは95%(95% CI 75~100)であり、≧CR比率は85%(95% CI 62~97)であり、≧VGPR比率は95%(95% CI 75~100)であった。表21は、全ての治療解析集団におけるコーホートA奏効者の初回奏効、最良効果及び完全奏効又はより良好な奏効の時間を示した。初回奏効のメジアン期間は1.0ヶ月(範囲0.7~3.3)であり、最良効果のメジアン期間は3.3ヶ月(範囲0.9~7.9)であった。表24は、全ての治療解析集団におけるコーホートA奏効者の奏効持続期間の評定を示した。
図11は、全ての治療解析集団におけるコーホートAの奏効者の奏効持続期間を評定するKaplan-Meier図を示した。奏効持続期間中央値に達していなかった。
・ 無増悪生存期間(PFS):
図14は、全ての治療解析集団におけるコーホートAの奏効者の無増悪生存期間を評定するKaplan-Meier図を示した。表27は、全ての治療解析集団におけるコーホートA奏効者の無増悪生存期間の評定を示した。
【0312】
さらに安全性パラメータを評定した。≧20%の患者の血液学的有害事象は、好中球減少(95%、グレード3/4 95%)、血小板減少(80%、グレード3/4 35%)、貧血(75%、グレード3/4 45%)、リンパ球減少(65%、グレード3/4 60%)及び白血球減少(55%、グレード3/4 55%)であった。95%の患者はCRS(グレード3/4:10%)を示した。CRS発症のメジアン期間は、7日(範囲5~9)であり、ここで、持続期間中央値は4.0日間(範囲2~11)であった。90%の患者のCRSは、7日以内に寛解した。4名(20%)の患者(3名グレード1/2)は、CAR T細胞神経毒性を示した。3名の患者(15%)はICANS(いずれもグレード1/2)を罹患し、発症のメジアン期間は、8日(範囲7~10日)であり、且つ持続期間中央値は3日間(範囲1~3日)であった。1名の患者は、グレード2顔面麻痺に罹患し、発症時間は29日であり、持続期間は51日間であった。運動又は神経認知有害事象は観察されなかった。COVID-19による死亡が1例発生した(治療に関連すると研究者により評定された)。外来診療環境で治療する患者において、安全性特徴は制御可能であった。
【0313】
要するに、メジアン追跡期間が9.7ヶ月である場合、単回cilta-cel注入は、1~3種類の以前の治療ラインを受けた、レナリドミドに対して難治性である、多発性骨髄腫に罹患している患者に早期及び深い奏効を引き出した。時間の経過とともに、奏効は深くなり、ここで、93%の患者はデータカットオフ時にMRD 10-5陰性に達した。安全性特徴は制御可能であり、ここで、ほとんどのCRSは、グレード1/2であり、且つ運動又は神経認知有害事象が観察されず、これは、本明細書に開示される臨床研究計画における第2/3相研究にわたって実施されるモニタリング及び患者管理ポリシーの成功を示した。該患者集団の早期及び深い奏効は、標準ケア治療ラインの予想結果よりも予想外に優れていた。
【0314】
5.6. 例6:シルタカブタジンオートルーセルの、フロントライン療法後に早期再発した患者(コーホートB)における有効性及び安全性
多発性骨髄腫(MM)に罹患している患者の標準フロントライン療法は、プロテアソーム阻害剤(PI)と免疫調節薬(IMiD)とを含む。しかしながら、いくつかの患者は、自家造血幹細胞移植(ASCT)又はフロントライン療法開始後≦12ヶ月に早期再発を経験し、それを疾患進行として定義した。これらの患者は、全生存率が低く、且つ不良転帰のリスクが高いことが証明された。ここで、本発明者らは、コーホートB(即ち1種類の以前の治療ライン(PIとIMiDとを含む)後に早期再発した患者)の結果を示した。
【0315】
適格な患者は、すでに国際骨髄腫ワーキンググループ(IMWG)基準に基づいて多発性骨髄腫を記録し、1種類の以前の治療ライン(PIとIMiDとを含む)を受け、ASCT後≦12ヶ月又は抗骨髄腫療法開始後≦12ヶ月に(ASCTを行っていなかった患者に対して)疾患進行し(IMWG基準に基づく)、且つ以前にCAR-T又はBCMA標的治療に曝露していなかった。リンパ枯渇(300 mg/m2シクロホスファミド及び30 mg/m2フルダラビンを3日間続けて毎日投与)開始から5~7日後に単回cilta-cel注入(目標用量0.75 × 106個のCAR+生T細胞/kg)を行った。臨床的に必要であれば、アフェレシス後の架橋療法は許容された。主な目標は、次世代シーケンシングにより評定されたように、10-5での微小残存病変(MRD)陰性であった。副次的な結果は、全奏効率(ORR)、奏効持続期間、奏効期間及び有害事象の発生率及び重症度であった。CTCAEv5.0を用いて、有害事象を分類した(ASTCTのCRS及びICANS)。
【0316】
2021年4月15日のデータカットオフ(メジアン追跡期間:4.7ヶ月[範囲、0.6~13.5ヶ月])まで、18名の患者(年齢中央値:57.0歳[範囲、44~67歳]、78%男性)はcilta-celを受け、72%の患者のベースライン骨髄形質細胞は≦30%であった。該コーホートにおいて、89%の患者は架橋療法を受け、架橋療法を行ったが、38%の患者の腫瘍負荷は≧25%増加した。
【0317】
以下の有効性パラメータを評定した:
・ 腫瘍負荷:cilta-cel注入時の腫瘍負荷は、cilta-cel注入当日又はそれ以前、及びアフェレシス後の最後の非欠損値に基づくものである。血清Mタンパク質及び尿中Mタンパク質で測定できる疾患に罹患している被験者は、腫瘍負荷変化における最悪状況を示し、即ち、腫瘍負荷の増加が観察される被験者は、腫瘍負荷の増加が最も大きく、且つ腫瘍負荷の減少が観察された被験者は、腫瘍負荷の減少が最も小さかった。
図6は、全ての治療解析集団におけるコーホートBの奏効者の疾患負荷(測定可能な疾患のタイプ、即ち血清Mタンパク質、尿中Mタンパク質、又は損なわれた遊離軽鎖と損なわれていない遊離軽鎖(dFLC)との間の差異を表す)の減少を示した図である。「a」は、ベースラインにおけるベンスジョーンズタンパクを表し、ここで、架橋療法中に一過性奏効が起こり、出力はdFLC値を表す。表4は、全て治療解析集団において、コーホートB奏効者のスクリーニングからcilta-cel注入までの腫瘍負荷変化を示した。
・ 微小残存病変(MRD):表7は、全ての治療解析集団におけるコーホートB奏効者のMRDデータリストを示した。研究日数はcilta-celの再治療(1日目)を参照されたい。表10は、全ての治療解析集団において、コーホートB奏効者の骨髄における全体MRD陰性率のまとめを示した。表13は、10
-5の感度レベルにおいて、全ての治療解析集団において、評価可能な試料を有するコーホートB奏効者の骨髄における全体MRD陰性率のまとめを示した。評価可能な試料は、較正され品質管理された試料であり、且つそれぞれの試験閾値下で評価するための十分な細胞を有する。
・ 奏効:国際骨髄腫ワーキンググループ(IMWG)コンセンサス基準(2016)に基づいて奏効を評定した。パーセントは、全ての治療解析集団における被験者の数を分母として計算された。MRD陰性CR/sCRの評定について、CR/sCRを達成から死亡、進行又は後続療法(cilta-celを含まない)までの3ヶ月以内のMRD評定のみを(10
-5試験閾値で)考慮した。表16は、cilta-celの初期注入日(1日目)を参照する全ての治療解析集団におけるコーホートB奏効者の疾患奏効評定リストを示した。
図9は、全ての治療解析集団におけるコーホートB奏効者の奏効及び奏効持続期間を示した。表19は、全ての治療解析集団におけるコーホートB奏効者の総合最良効果を示した。ORRは88.9%(95% CI:65.3%~98.6%)であった。27.8%の患者(95% CI:9.7%~53.5%)は完全奏効又はより良好な奏効(≧CR)に達し、且つ66.7%の患者(95% CI:41.0%~86.7%)は最良部分奏効又はより良好な奏効に達した。表22は、全ての治療解析集団におけるコーホートB奏効者の初回奏効、最良効果及び完全奏効又はより良好な奏効の時間を示した。初回奏効のメジアン期間は0.9ヶ月(範囲、0.9~2.6ヶ月)であり、最良効果のメジアン期間は1.4ヶ月(範囲、0.9~11.8ヶ月)であり、≧CRのメジアン期間は1.8ヶ月(範囲、0.9~11.6ヶ月)であった。表25は、全ての治療解析集団におけるコーホートB奏効者の奏効持続期間の評定を示した。
図12は、全ての治療解析集団におけるコーホートBの奏効者の奏効持続期間を評定するKaplan-Meier図を示した。
・ 無増悪生存期間(PFS):
図15は、全ての治療解析集団におけるコーホートBの奏効者の無増悪生存期間を評定するKaplan-Meier図を示した。表28は、全ての治療解析集団におけるコーホートB奏効者の無増悪生存期間の評定を示した。
【0318】
さらに安全性パラメータを評定した。≧20%の患者の血液学的治療に発生した有害事象は、好中球減少(88.9%、グレード3/4:83.3%)、血小板減少(61.1%、グレード3/4:27.8%)、貧血(50%、グレード3/4:44.4%)、白血球減少(27.8%、いずれもグレード3/4)及びリンパ球減少(22.2%、いずれもグレード3/4)であった。15名(83.3%)の患者(1名がグレード3/4)からCRSを観察した。CRS発症のメジアン期間は8日(範囲、5~11日)であり、且つCRS持続期間中央値は4日間(範囲、1~7日間)であった。全ての患者のCRSは、いずれも7日内に寛解した。1名(5.6%)の患者からグレード1のICANSが観察され、発症のメジアン期間は11日であり、持続期間中央値は4日間であった。1名の患者にグレード4の運動及び神経認知治療に現れる有害事象が発生し、運動緩慢と運動機能障害を示し、該患者は、複数の療法のいずれにも難治性であり、架橋療法を行ったが、スクリーニングとベースラインとの間に疾患進行を示した。該患者は、高用量のメチルプレドニゾロン、血漿交換法及びIV免疫グロブリンによる治療を受け、且つ現在、病症が安定していることが報告されている。運動及び神経認知治療に現れる有害事象のリスクを可能な限り低下させるために、ベースライン腫瘍負荷を低減するための有効な架橋療法、CRS及びICANSの早期積極治療、神経毒性症状を早期検出するための手書き評定ツール並びにcilta-cel注入後のCAR-T細胞神経毒性のモニタリング及び報告時間を最大1年に延長することを含む、いくつかの患者管理ポリシーが実施された。コーホートBには死亡報告がなかった。
【0319】
要するに、単回cilta-cel注入は、フロントライン療法(PIとIMiDとを含む)を受けた後に早期再発した患者に早期及び深い奏効を引き起こし、安全性特徴が制御できる。cilta-celに関連する神経毒性は、警戒的モニタリングによって検出することができ、且つ早期発見時には、通常、成功した患者管理ポリシーによって制御することができる。該患者集団の早期及び深い奏効は、標準ケア治療ラインの予想結果よりも予想外に優れていた。
【0320】
5.7. 例7:シルタカブタジンオートルーセルの、他のBCMA標的薬剤に曝露された後に進行性多発性骨髄腫に罹患した患者(コーホートC)における有効性及び安全性
抗B細胞成熟抗原(BCMA)療法は、多発性骨髄腫(MM)に対する有望な新規治療である。しかしながら、これらの療法後に、患者は依然として再発し、且つさらなる治療選択肢が限られている。本明細書に記載のマルチコホート、オープンラベル第 2 相研究では、本発明者らは、様々な臨床環境において、多発性骨髄腫患者に対するcilta-celの安全性及び有効性を評価し、様々なBCMA指向薬剤の治療順序を検討した。ここで、本発明者らは、先前に他の抗BCMA薬剤に曝露されたコーホートC患者の初期結果を提示した。
【0321】
適格な患者は、プロテアソーム阻害剤、免疫調節薬、抗CD38抗体及びBCMA標的薬(非細胞療法)による治療を受けた後に進行性MMに罹患した≧ 18歳の患者である。リンパ枯渇(シクロホスファミド[300 mg/m2]及びフルダラビン[30 mg/m2]を3日間続けて毎日投与する)開始から5~7日後に単回cilta-cel注入(目標用量0.75 × 106個のCAR+生T細胞/kg)を行った。主な目標は、微小残存病変(MRD)陰性(10-5、次世代シーケンシングにより評定される)であった。副次的な結果は、有効性(IMWG基準に基づく)及びCTCAEに基づく有害事象(ASTCTのCRS及びICANS)であった。
【0322】
2021年4月15日のデータカットオフ(メジアン追跡期間:6.2ヶ月、範囲0.4~10.5ヶ月)まで、コーホートC中の20名の患者(60%男性、年齢中央値63歳[範囲44~81歳])はcilta-celを受けた。患者は、以前の治療ライン(種類中央値:8、範囲4~13)を受けた。全ての患者は、以前に抗BCMA薬剤に曝露され、40%の患者は、抗BCMA二重特異性抗体(Ab)を受け、且つ65%の患者は、抗BCMA抗体-薬物コンジュゲート(ADC)を受けた。90%の患者は、最後の治療ラインに対して難治性であり、90%の患者は、3種類の薬物に対して難治性であり、且つ80%の患者は、抗BCMA薬剤に対して難治性であった。全ての患者は、ベースライン(BL)時にいずれも可溶性BCMA発現を有し、53%の患者のBL骨髄形質細胞は≦30%であった。ほとんどの患者(90%)は、架橋療法を受け、架橋療法中に、35%の患者の腫瘍負荷は≧ 25%増加した。
・ 腫瘍負荷:cilta-cel注入時の腫瘍負荷は、cilta-cel注入当日又はそれ以前、及びアフェレシス後の最後の非欠損値に基づくものである。血清Mタンパク質及び尿中Mタンパク質で測定できる疾患に罹患している被験者は、腫瘍負荷変化における最悪状況を示し、即ち、腫瘍負荷の増加が観察される被験者は、腫瘍負荷の増加が最も大きく、且つ腫瘍負荷の減少が観察された被験者は、腫瘍負荷の減少が最も小さかった。
図7は、全ての治療解析集団におけるコーホートCの奏効者の疾患負荷(測定可能な疾患のタイプ、即ち血清Mタンパク質、尿中Mタンパク質、又は損なわれた遊離軽鎖と損なわれていない遊離軽鎖(dFLC)との間の差異を表す)の減少を示した図である。「a」は、ベースラインにおけるベンスジョーンズタンパクを表し、ここで、架橋療法中に一過性奏効が起こり、出力はdFLC値を表す。表5は、全ての治療解析集団において、コーホートC奏効者のスクリーニングからcilta-cel注入までの腫瘍負荷変化を示した。
・ 微小残存病変(MRD):表8は、全ての治療解析集団におけるコーホートC奏効者のMRDデータリストを示した。研究日数はcilta-celの再治療(1日目)を参照されたい。表11は、全ての治療解析集団において、コーホートC奏効者の骨髄における全体MRD陰性率のまとめを示した。表14は、10
-5の感度レベルにおいて、全ての治療解析集団において、評価可能な試料を有するコーホートC奏効者の骨髄における全体MRD陰性率のまとめを示した。評価可能な試料は、較正され品質管理された試料であり、且つそれぞれの試験閾値下で評価するための十分な細胞を有する。データカットオフ時、10
-5でMRD評価可能試料を有する6名の患者において、4名の患者(67% [96% CI 22%~96%])はMRD陰性であった。
・ 奏効:国際骨髄腫ワーキンググループ(IMWG)コンセンサス基準(2016)に基づいて奏効を評定した。パーセントは、全ての治療解析集団における被験者の数を分母として計算された。MRD陰性CR/sCRの評定について、CR/sCRを達成から死亡、進行又は後続療法(cilta-celを含まない)までの3ヶ月以内のMRD評定のみを(10
-5試験閾値で)考慮した。表17は、cilta-celの初期注入日(1日目)を参照する全ての治療解析集団におけるコーホートC奏効者の疾患奏効評定リストを示した。
図10は、全ての治療解析集団におけるコーホートC奏効者の奏効及び奏効持続期間を示した。表20は、全ての治療解析集団におけるコーホートC奏効者の総合最良効果を示した。ORRは40%であり、ここで、35%は≧ VGPRに達した。表23は、全ての治療解析集団におけるコーホートC奏効者の初回奏効、最良効果及び完全奏効又はより良好な奏効の時間を示した。初回奏効のメジアン期間は0.9ヶ月(範囲0.9~5.1ヶ月)であった。以前に二重特異性Abを受けた患者の半分以上(57%)及び以前にADC療法を受けた患者の38%は、cilta-celに奏効した(即ち、それらは奏効者であった)。表26は、全ての治療解析集団におけるコーホートC奏効者の奏効持続期間の評定を示した。
図13は、全ての治療解析集団におけるコーホートCの奏効者の奏効持続期間を評定するKaplan-Meier図を示した。
・ 無増悪生存期間(PFS):
図16は、全ての治療解析集団におけるコーホートCの奏効者の無増悪生存期間を評定するKaplan-Meier図を示した。表29は、全ての治療解析集団におけるコーホートC奏効者の無増悪生存期間の評定を示した。
【0323】
表32は、コーホートCにおいてcilta-celに対する奏効を示し、これは以前の抗BCMA曝露のパラメータに依存する。非奏効者に比べて、奏効者の奏効の潜在的な予測因子は、以前の抗BCMA療法への曝露の持続期間中央値が短いことと、以前の暴露とアフェレシス及び以前の曝露と注入との間の間隔が長いことと(表)を含む。ベースラインでの血清BCMA発現は、以前の抗BCMA療法を受けた患者の後続の治療に対する奏効を予測するようであり、非奏効者(< 25 ng/mL)に比べて、cilta-cel奏効者のベースライン血清BCMAレベルは高かった(> 25 ng/mL)。非奏効者に比べて、奏効者のCAR T細胞増幅はより高く、ここで、以前にADC療法を受けた患者に比べて、二重特異性Abを受けた患者のCAR T細胞増幅はより堅調であった。
【0324】
安全性特徴は、通常、制御可能であった。グレード3/4の血液学的有害事象は、好中球減少(80%)、血小板減少(65%)、貧血(55%)、白血球減少(50%)、及びリンパ球減少(30%)であった。12名(60%)の患者にはCRSが発生し、全ての患者はグレード1/2であった。CRS発症のメジアン期間は7.5日(範囲2~10日)であり、持続期間中央値は7日間(範囲2~11日間)であった。4名の患者(20%、2名がグレード3/4である)にはCAR T細胞神経毒性が発生し、3名の患者はICANS(2名がグレード3/4である)に罹患しており、発症のメジアン期間は11日(範囲10~13日)であり、持続期間中央値は9日間(範囲4~14日間)であった。運動及び神経認知治療に現れる有害事象は発生しなかった。4名の患者は研究中に死亡した:疾患進行、急性呼吸不全(Covid-19)、クモ膜下出血及び治療に関連するクロストリジオイデス・ディフィシル(C. difficile)大腸炎はそれぞれ1例であった。
【0325】
要するに、cilta-celは、以前に他のBCMA標的療法に曝露した患者に早期及び効果的な奏効を引き起こし、以前に二重特異性Ab及びADC療法を受けた患者に堅調な奏効を引き起こすことを含む。該患者集団の早期及び効果的な奏効は、標準ケア治療ラインの予想結果よりも予想外に優れていた。
【0326】
本明細書に援用された全ての特許、開示された出願及び参照文献の教示は、いずれも全体として参照により本明細書に組込まれる。
【0327】
例示的な実施例が特に示され、説明されたが、当業者であれば理解できるように、添付の特許請求の範囲に包含される実施例の範囲から逸脱することなく、形態及び詳細において様々な変更がなされ得る。
テーブル
【表1】
【表2】
【表3】
【表4】
【表5】
【表6】
【表7】
【表8】
【表9】
【表10】
【表11】
【表12】
【表13】
【表14】
【表15】
【表16】
【表17】
【表18】
【表19】
【表20】
【表21】
【表22】
【表23】
【表24】
【表25】
【表26】
【表27】
【表28】
【表29】
【表30】
【表31】
【表32】
配列
配列番号1 - シルタカブタジンオートルーセルCAR CD8αシグナルペプチド、CD8α SPアミノ酸配列
MALPVTALLLPLALLLHAARP
配列番号2 - シルタカブタジンオートルーセルCAR BCMA結合ドメイン、VHH1アミノ酸配列
QVKLEESGGGLVQAGRSLRLSCAASEHTFSSHVMGWFRQAPGKERESVAVIGWRDISTSYADSVKGRFTISRDNAKKTLYLQMNSLKPEDTAVYYCAARRIDAADFDSWGQGTQVTVSS
配列番号3 - シルタカブタジンオートルーセルCAR BCMA結合ドメイン、G4Sリンカーアミノ酸配列
GGGGS
配列番号4 - シルタカブタジンオートルーセルCAR BCMA結合ドメイン、VHH2アミノ酸配列
EVQLVESGGGLVQAGGSLRLSCAASGRTFTMGWFRQAPGKEREFVAAISLSPTLAYYAESVKGRFTISRDNAKNTVVLQMNSLKPEDTALYYCAADRKSVMSIRPDYWGQGTQVTVSS
配列番号5 - シルタカブタジンオートルーセルCAR CD8αヒンジアミノ酸配列
TTTPAPRPPTPAPTIASQPLSLRPEACRPAAGGAVHTRGLDFACD
配列番号6 - シルタカブタジンオートルーセルCAR CD8α膜貫通アミノ酸配列
IYIWAPLAGTCGVLLLSLVITLYC
配列番号7 - シルタカブタジンオートルーセルCAR CD137細胞内アミノ酸配列
KRGRKKLLYIFKQPFMRPVQTTQEEDGCSCRFPEEEEGGCEL
配列番号8 - シルタカブタジンオートルーセルCAR CD3z細胞内アミノ酸配列
RVKFSRSADAPAYQQGQNQLYNELNLGRREEYDVLDKRRGRDPEMGGKPRRKNPQEGLYNELQKDKMAEAYSEIGMKGERRRGKGHDGLYQGLSTATKDTYDALHMQALPPR
配列番号9 - シルタカブタジンオートルーセルCAR CD8αシグナルペプチドCD8α SP核酸配列
ATGGCTCTGCCCGTCACCGCTCTGCTGCTGCCTCTGGCTCTGCTGCTGCACGCTGCTCGCCCT
配列番号10 - シルタカブタジンオートルーセルCAR BCMA結合ドメイン、VHH1核酸配列
CAGGTCAAACTGGAAGAATCTGGCGGAGGCCTGGTGCAGGCAGGACGGAGCCTGCGCCTGAGCTGCGCAGCATCCGAGCACACCTTCAGCTCCCACGTGATGGGCTGGTTTCGGCAGGCCCCAGGCAAGGAGAGAGAGAGCGTGGCCGTGATCGGCTGGAGGGACATCTCCACATCTTACGCCGATTCCGTGAAGGGCCGGTTCACCATCAGCCGGGACAACGCCAAGAAGACACTGTATCTGCAGATGAACAGCCTGAAGCCCGAGGACACCGCCGTGTACTATTGCGCAGCAAGGAGAATCGACGCAGCAGACTTTGATTCCTGGGGCCAGGGCACCCAGGTGACAGTGTCTAGC
配列番号11 - シルタカブタジンオートルーセルCAR BCMA結合ドメイン、G4Sリンカー核酸配列
GGAGGAGGAGGATCT
配列番号12 - シルタカブタジンオートルーセルCAR BCMA結合ドメイン、VHH2核酸配列
GAGGTGCAGCTGGTGGAGAGCGGAGGCGGCCTGGTGCAGGCCGGAGGCTCTCTGAGGCTGAGCTGTGCAGCATCCGGAAGAACCTTCACAATGGGCTGGTTTAGGCAGGCACCAGGAAAGGAGAGGGAGTTCGTGGCAGCAATCAGCCTGTCCCCTACCCTGGCCTACTATGCCGAGAGCGTGAAGGGCAGGTTTACCATCTCCCGCGATAACGCCAAGAATACAGTGGTGCTGCAGATGAACTCCCTGAAACCTGAGGACACAGCCCTGTACTATTGTGCCGCCGATCGGAAGAGCGTGATGAGCATTAGACCAGACTATTGGGGGCAGGGAACACAGGTGACCGTGAGCAGC
配列番号13 - シルタカブタジンオートルーセルCAR CD8αヒンジ核酸配列
ACCACGACGCCAGCGCCGCGACCACCAACACCGGCGCCCACCATCGCGTCGCAGCCCCTGTCCCTGCGCCCAGAGGCGTGCCGGCCAGCGGCGGGGGGCGCAGTGCACACGAGGGGGCTGGACTTCGCCTGTGAT
配列番号14 - シルタカブタジンオートルーセルCAR CD8α膜貫通核酸配列
ATCTACATCTGGGCGCCCTTGGCCGGGACTTGTGGGGTCCTTCTCCTGTCACTGGTTATCACCCTTTACTGC
配列番号15 - シルタカブタジンオートルーセルCAR CD137細胞内核酸配列
AAACGGGGCAGAAAGAAACTCCTGTATATATTCAAACAACCATTTATGAGACCAGTACAAACTACTCAAGAGGAAGATGGCTGTAGCTGCCGATTTCCAGAAGAAGAAGAAGGAGGATGTGAACTG
配列番号16 - シルタカブタジンオートルーセルCAR CD3z細胞内核酸配列
AGAGTGAAGTTCAGCAGGAGCGCAGACGCCCCCGCGTACCAGCAGGGCCAGAACCAGCTCTATAACGAGCTCAATCTAGGACGAAGAGAGGAGTACGATGTTTTGGACAAGAGACGTGGCCGGGACCCTGAGATGGGGGGAAAGCCGAGAAGGAAGAACCCTCAGGAAGGCCTGTACAATGAACTGCAGAAAGATAAGATGGCGGAGGCCTACAGTGAGATTGGGATGAAAGGCGAGCGCCGGAGGGGCAAGGGGCACGATGGCCTTTACCAGGGTCTCAGTACAGCCACCAAGGACACCTACGACGCCCTTCACATGCAGGCCCTGCCCCCTCGCTAA
配列番号17 - シルタカブタジンオートルーセルCARアミノ酸配列
MALPVTALLLPLALLLHAARPQVKLEESGGGLVQAGRSLRLSCAASEHTFSSHVMGWFRQAPGKERESVAVIGWRDISTSYADSVKGRFTISRDNAKKTLYLQMNSLKPEDTAVYYCAARRIDAADFDSWGQGTQVTVSSGGGGSEVQLVESGGGLVQAGGSLRLSCAASGRTFTMGWFRQAPGKEREFVAAISLSPTLAYYAESVKGRFTISRDNAKNTVVLQMNSLKPEDTALYYCAADRKSVMSIRPDYWGQGTQVTVSSTSTTTPAPRPPTPAPTIASQPLSLRPEACRPAAGGAVHTRGLDFACDIYIWAPLAGTCGVLLLSLVITLYCKRGRKKLLYIFKQPFMRPVQTTQEEDGCSCRFPEEEEGGCELRVKFSRSADAPAYQQGQNQLYNELNLGRREEYDVLDKRRGRDPEMGGKPRRKNPQEGLYNELQKDKMAEAYSEIGMKGERRRGKGHDGLYQGLSTATKDTYDALHMQALPPR
配列番号18 - シルタカブタジンオートルーセルCAR BCMA結合ドメイン、VHH1 CDR1アミノ酸配列
SHVMG
配列番号19 - シルタカブタジンオートルーセルCAR BCMA結合ドメイン、VHH1 CDR2アミノ酸配列
VIGWRDISTSYADSVKG
配列番号20 - シルタカブタジンオートルーセルCAR BCMA結合ドメイン、VHH1 CDR3アミノ酸配列
ARRIDAADFDS
配列番号21 - シルタカブタジンオートルーセルCAR BCMA結合ドメイン、VHH2 CDR1アミノ酸配列
TFTMG
配列番号22 - シルタカブタジンオートルーセルCAR BCMA結合ドメイン、VHH2 CDR2アミノ酸配列
AISLSPTLAYYAESVKG
配列番号23 - シルタカブタジンオートルーセルCAR BCMA結合ドメイン、VHH2 CDR3アミノ酸配列
ADRKSVMSIRPDY
【配列表】
【国際調査報告】