(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-10-31
(54)【発明の名称】電気加熱及び冷却ローラー
(51)【国際特許分類】
F16C 13/00 20060101AFI20241024BHJP
【FI】
F16C13/00 C
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2024526525
(86)(22)【出願日】2022-11-04
(85)【翻訳文提出日】2024-06-05
(86)【国際出願番号】 US2022048963
(87)【国際公開番号】W WO2023081358
(87)【国際公開日】2023-05-11
(32)【優先日】2021-11-04
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】524116298
【氏名又は名称】マシューズ インターナショナル コーポレイション
(74)【代理人】
【識別番号】100097456
【氏名又は名称】石川 徹
(72)【発明者】
【氏名】トーマス ハックフォート
(72)【発明者】
【氏名】レネ ウォルターズ
(72)【発明者】
【氏名】トルステン ボーイング
(72)【発明者】
【氏名】ステファン テルビル
(72)【発明者】
【氏名】カルステン クレイングリーズ
【テーマコード(参考)】
3J103
【Fターム(参考)】
3J103AA02
3J103AA36
3J103AA41
3J103BA04
3J103BA05
3J103BA16
3J103BA24
3J103GA02
3J103GA24
(57)【要約】
ローラーの電気加熱及び冷却方法及びシステムについて説明する。システムには、1つ以上の電気加熱素子及び1つ以上の空気チャンネルを備えた1つ以上のローラーが含まれ得る。1つまたは複数の電気加熱素子は、ローラーの少なくとも1つの端部で電気接点を介して電源及び制御回路に一体化され得る。制御回路は、1つ以上の温度センサからの入力をさらに受信し得る。
【選択図】
図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
ローラーであって、
前記ローラーの内側に一体化された1つ以上の電気加熱素子と、
前記1つ以上の電気加熱素子に電気的にインタフェースされた1つ以上の接点と、
1つ以上の空気チャンネルと、
を含む、前記ローラーと、
前記1つ以上の電気加熱素子を制御するように構成された制御回路と、
を含む、システム。
【請求項2】
前記ローラーは長手方向で一連のゾーンに分割される、請求項1に記載のシステム。
【請求項3】
各ゾーンは、前記制御回路に対して固有の電気的インタフェースを有する前記1つ以上の電気加熱素子のそれぞれの電気加熱素子を含む、請求項2に記載のシステム。
【請求項4】
前記それぞれの電気加熱素子の加熱特性は各ゾーン内で変化する、請求項3に記載のシステム。
【請求項5】
1つ以上の温度センサをさらに含む、請求項1~4のいずれかに記載のシステム。
【請求項6】
前記1つ以上の温度センサのうちの少なくとも1つは前記ローラーの外部にある、請求項5に記載のシステム。
【請求項7】
前記1つ以上の温度センサのうちの少なくとも1つは前記ローラーの内部に一体化される、請求項5に記載のシステム。
【請求項8】
1つ以上のアクティブコンポーネントをさらに含み、前記1つ以上のアクティブコンポーネントは、ファン、ブロワ、ポンプ、または圧縮機のうちの少なくとも1つを含み、前記1つ以上のアクティブコンポーネントは前記制御回路にインタフェースされ、前記1つ以上のアクティブコンポーネントは、気体または液体の少なくとも1つを前記1つ以上の空気チャンネルに通して移動させるように構成される、請求項1~7のいずれかに記載のシステム。
【請求項9】
前記1つ以上の電気加熱素子は抵抗性である、請求項1~8のいずれかに記載のシステム。
【請求項10】
前記1つ以上の電気加熱素子は誘導性である、請求項1~8のいずれかに記載のシステム。
【請求項11】
ローラーを製造する方法であって、
前記ローラーを設けることと、
前記ローラー内に一体化された少なくとも1つの電気加熱素子を設けることと、
前記ローラーの少なくとも1つの端部に少なくとも1つの電気接点を設けることと、
前記少なくとも1つの電気加熱素子及び前記少なくとも1つの電気接点を電気的にインタフェースすることと、
前記ローラーの内側に少なくとも1つの空気チャンネルを形成することと、
を含む、前記方法。
【請求項12】
各電気加熱素子は固有の電気接点を有する、請求項11に記載の方法。
【請求項13】
前記ローラー内に一体化された少なくとも1つの温度センサを設けることをさらに含む、請求項11または12のいずれかに記載の方法。
【請求項14】
前記少なくとも1つの温度センサ及び前記少なくとも1つの電気接点を電気的にインタフェースすることをさらに含む、請求項13に記載の方法。
【請求項15】
ローラー内の温度制御を維持する方法であって、
前記ローラー内に一体化され、プロセッサと操作可能に通信する少なくとも1つの温度センサによって、前記ローラーの少なくとも1つの温度を決定することと、
前記プロセッサによって、前記ローラーの前記少なくとも1つの温度を所望の温度と比較することと、
前記ローラーの前記少なくとも1つの温度が前記所望の温度を上回ることに応答して、前記ローラー内の少なくとも1つのチャンネルにインタフェースされた外部冷却システムをアクティブにすることと、
前記ローラーの前記少なくとも1つの温度が前記所望の温度を下回ることに応答して、前記ローラー内に一体化された電気加熱素子をアクティブにすることと、
を含む、前記方法。
【発明の詳細な説明】
【背景技術】
【0001】
関連出願の相互参照
本願は、2021年11月4日に出願された米国仮出願第63/275,845号の優先権及び利益を主張するものであり、その開示は参照により、その全体が本明細書に組み込まれる。
【技術分野】
【0002】
本開示は、一体型ローラーデバイスに関する。より具体的には、本開示は、精密な温度制御によって正確な寸法を維持することができるローラーに関する。
【0003】
シート、フィルム、及びウェブなどの製品の形成、そのような製品の取り扱い、カレンダ加工などの分野では、これらの製品を正確に製造して、厚さのばらつきを最小にする必要が頻繁にある。一方、一部のローラーは全体的なサイズが大きく、ローラー材料に関連する熱膨張と相まって、ローラーのサイズが変化し、製品の厚さ及びその他の寸法に影響することがある。したがって、ロールニップを通過する材料ウェブの均一な厚さを保証する、ロールニップを調節するためのデバイスを提供する必要が長年存在する。これは、ロールニップ全体を通して正確で均一な温度に保つことなどによって、負荷及び外部環境に関係なくロールニップを一定に保つ必要があることを意味する。
【0004】
フィルムプロファイルの正確な厚さも、特にリチウムイオン電池などの電気化学電池の製造分野において重要である。フィルムの厚さは全長にわたって均一でなければならない。これは、円筒形、角柱形、またはポーチ形電池などのリチウムイオン電池の製造中に、電極フィルムが製造され、セパレーター及び集電体などの他の層に積層された後、エンドレス積層フィルム全体が所定の長さに切断されるためである。切断されたラミネートフィルムを巻き取ってリチウムイオンを形成する。フィルムの長さ全体にわたってフィルムの厚さにいずれかの偏差があると、上記のプロセスから生じるフィルムの巻き層のサイズが変わり、円筒形、角柱形、またはポーチ型電池の形成に使用できない不完全な巻回体になる可能性がある。上記の理由から、フィルムの厚さの正確さを確実にするための改良されたシステム、方法、及び装置が必要である。
【0005】
さらに、Liイオン電池などの電気化学電池を形成する場合、正確な温度が重要になる。ドライ電極Liイオン電池の電極を形成する成分は、厚さ及び均一性に関する厳しい仕様を満たす電極層を形成するために、正しい温度及び圧力で処理される必要がある。これらの仕様は、フィルムに均一な厚さ及び特性が与えられるように、特定のローラーの全幅(短手方向)にわたって維持される必要がある。これらの仕様は、ローラーが機械方向に回転する場合にも維持されることにより、形成されたフィルムに均一な厚さ及び特性を与える必要がある。
【0006】
ローラーまたはロールニップの温度を維持するための従来の構造及び技術は様々である。例えば、ローラーには、オイルなどの加熱された流体をローラーまたはロールニップに通して循環させるのに適している内部チャンネル、孔部、または通路を含み得る。これには、均一な加熱を確保するために複雑な流路が必要であること、流体がローラーを通過して熱エネルギーを失う際に流体の温度が低下すること、及び製造中に使用する必要があるローラーの交換に関連する遅延など、欠点がある。ニップローラーを含むローラー、及びそれらのようなローラーの温度を制御することに関連する構造及び技術の改善が必要である。
【発明の概要】
【0007】
1つ以上の温度制御素子を含むローラーが提供され、1つ以上の温度制御素子は、ローラー内で一貫した温度を維持するための電気デバイスである。
【0008】
いくつかの実施形態では、本明細書に記載の技術は、ローラーの内側に一体化された1つ以上の電気加熱素子、1つ以上の電気加熱素子に電気的にインタフェースされた1つ以上の接点、及び1つ以上の空気チャンネルを含むローラーと、1つ以上の電気加熱素子を制御するように構成された制御回路とを含むシステムに関する。
【0009】
いくつかの実施形態では、ローラーは長手方向で一連のゾーンに分割される。
【0010】
いくつかの実施形態では、各ゾーンは、制御回路に対して固有の電気的インタフェースを有する電気加熱素子を含む。
【0011】
いくつかの実施形態では、電気加熱素子の加熱特性は各ゾーンで変化する。
【0012】
いくつかの実施形態では、システムは1つ以上の温度センサをさらに含む。
【0013】
いくつかの実施形態では、1つ以上の温度センサのうちの少なくとも1つはローラーの外部にある。
【0014】
いくつかの実施形態では、1つ以上の温度センサのうちの少なくとも1つはローラーの内部に一体化される。
【0015】
いくつかの実施形態では、システムは、1つ以上のアクティブコンポーネントをさらに含み、1つ以上のアクティブコンポーネントは、ファン、ブロワ、ポンプ、または圧縮機のうちの少なくとも1つを含み、1つ以上のアクティブコンポーネントは制御回路にインタフェースされ、1つ以上のアクティブコンポーネントは、気体または液体の少なくとも1つを1つ以上の空気チャンネルに通して移動させるように構成される。
【0016】
いくつかの実施形態では、電気加熱素子は抵抗性である。
【0017】
いくつかの実施形態では、電気加熱素子は誘導性である。
【0018】
いくつかの実施形態では、本明細書に記載の技術は、ローラーを製造する方法に関し、この方法は、ローラーを設けることと、ローラー内に一体化された少なくとも1つの電気加熱素子を設けることと、ローラーの少なくとも1つの端部に少なくとも1つの電気接点を設けることと、少なくとも1つの電気加熱素子及び少なくとも1つの電気接点を電気的にインタフェースすることと、ローラーの内側に少なくとも1つの空気チャンネルを設けることとを含む。
【0019】
いくつかの実施形態では、少なくとも1つの電気加熱素子のそれぞれは、固有の電気接点を有する。
【0020】
いくつかの実施形態では、方法は、ローラー内に一体化された少なくとも1つの温度センサを設けることをさらに含む。
【0021】
いくつかの実施形態では、方法は、少なくとも1つの温度センサ及び少なくとも1つの電気接点を電気的にインタフェースすることをさらに含む。
いくつかの実施形態では、本明細書に記載の技術は、ローラー内の温度制御を維持する方法に関し、この方法は、ローラー内に一体化され、プロセッサと操作可能に通信する少なくとも1つの温度センサによってローラーの少なくとも1つの温度を決定することと、プロセッサによって、ローラーの少なくとも1つの温度を所望の温度と比較することと、ローラーの少なくとも1つの温度が所望の温度を上回ることに応答して、ローラー内の少なくとも1つのチャンネルにインタフェースされた外部冷却システムをアクティブにすることと、ローラーの少なくとも1つの温度が所望の温度を下回ることに応答して、ローラー内に一体化された電気加熱素子をアクティブにすることとを含む。
【図面の簡単な説明】
【0022】
本明細書に記載の実施形態の態様、特徴、利点及び優位性は、以下の説明、添付の請求項、及び添付の図面を参照すれば明らかとなる。
【0023】
【
図1】実施形態による、一体型ローラー曲げデバイスを示す。
【0024】
【
図2】実施形態による、一体型加熱素子を備えたローラーを示す。
【0025】
【
図3】別の実施形態による、一体型加熱素子を備えたローラーを示す。
【0026】
【
図4】実施形態による、加熱/冷却ゾーンに分割されたローラーを示す。
【発明を実施するための形態】
【0027】
本開示は、記載された特定のシステム、デバイス、及び方法に限定されるものではなく、これらは多様であり得る。本明細書に使用される用語は、特定の変形例または実施形態を記述する目的のみのものであり、範囲を制限することを意図するものではない。
【0028】
文脈上明らかに異なる場合を除き、単数形「a」、「an」、及び「the」は複数の指示対象を含む。別途定義されない限り、本明細書で使用されるすべての技術用語及び科学用語は、当業者が一般的に理解している意味と同じ意味を有する。本開示のいかなる内容も、本開示で説明される実施形態が先行発明によってそのような開示に先行する権利がないことを認めるものとして解釈されるべきではない。この文書で使用されている場合、「含む」という用語は、「含むが、これらに限定されない」ことを意味する。
【0029】
本開示は、ニップローラーによって製造されるフィルムが均一な厚さを有することを確実にするために、一体型ニップローラーのアライメントを維持するための装置について記載する。各ローラーの正確な温度制御によって、熱膨張によるニップの望ましくない変化が排除される。
【0030】
図1は、実施形態による、一体型ローラー曲げデバイスを示す。いくつかの実施形態では、ローラーは約1μmの正確なニップを製造する。この方法では、必要に応じてクラウンを備えたローラーを構成することが可能である。いくつかの実施形態では、クラウンは、ローラーがたわんだり、別の操作を受けたりしても、接触フットプリント、ひいてはフィルムのプロファイルとフィルムの厚さが平坦かつ正確なまま維持されるのを確実にする。クラウンの量は制限されず、特定のフィルムの要件と各ローラーについて選択されたたわみに基づいて選択される。いくつかの実施形態では、ニップローラーのクラウンは、約3μm、約4μm、約5μm、約6μm、約7μm、約8μm、約9μm、約10μm、または上記の値の任意の範囲、例えば約3μm~約10μm、約4μm~約9μm、もしくは約4μm~約8μmである。温度が制御されていない場合、システム内の熱膨張によってこれらの正確な公差を上回る場合がある。
【0031】
図2は、実施形態による、一体型加熱素子201を備えたローラー200を示す。加熱素子201は、ローラー200の既知の運転温度を維持するように構成される。運転温度が既知であるため、ローラーは既知の熱膨張で性能を発揮することが可能になる。いくつかの実施形態では、加熱素子201は抵抗性である。さらなる実施形態では、加熱素子201は抵抗コイルである。代替の実施形態では、加熱素子201は誘導性である。さらに別の実施形態では、個別の加熱素子201は省略され、ローラー全体は誘導加熱素子であるように構成される。当業者であれば、ローラー200内の所定の温度を維持するために、複数のタイプの加熱素子を組み合わせ得ることが認識されよう。いくつかの実施形態では、加熱素子201は、ローラー200の本体を均一に加熱するために、一定の深さでローラー200内に埋め込まれる。さらに他の実施形態では、加熱素子201は、ローラー200の中心軸上に設けられる、またはローラー200の中心軸を囲むキャビティ内に設けられる。
【0032】
加熱素子201の配置は、限定されず、螺旋形状、直線ロッド形状、円筒を中央に形成するループ形状、ジグザグ形状、またはローラー内で所望の温度プロファイルを可能にするその他の任意の物理的形状を含む。
【0033】
いくつかの実施形態では、加熱素子201は電気絶縁体201によってコーティングされるため、電流が加熱素子201内に留まり、ローラー200を介して導電されないことが確保される。電気絶縁体は電気抵抗性である必要があるが、熱伝導性でもある必要がある。電気絶縁体の例としては、シリカ、アルミナ、ステアタイト(ケイ酸マグネシウム鉱物)、菫青石(鉄、マグネシウム、アルミニウム、及びシリコンを含む鉱物であるが、合成形態では鉄を除く)、及びポリマーなどのセラミックスが挙げられる。ポリマーは、使用される場合、アルミナまたは窒化ホウ素など、熱伝導性であるが電気絶縁性である成分を含むことができる。ローラーが運転中に一貫した周期的な曲げを有する実施形態では、絶縁体は、ガラス繊維もしくはポリマーなどの可撓性である必要がある、または誘導加熱素子201を用いることが可能である場合には省略される必要がある。
【0034】
特定の実施形態では、ローラーは、ローラーのケーシングとは異なる材料で構成するコアを含む。さらなる実施形態では、コアは中空であり、空気などの気体を含む。いくつかの実施形態では、電気加熱素子はこのコア内にある。さらに別の実施形態では、コアはローラーの中心軸上に中心が置かれる。いくつかの実施形態では、コアは1つ以上の開口部202を含み得、これら1つ以上の開口部によって、ローラー200の温度を管理するための気体または流体の循環が可能になる。
【0035】
いくつかの実施形態では、加熱素子201は、ローラー200の外部の電源に電気的にインタフェースされる。さらなる実施形態では、インタフェースはローラー200の両方の端部の電気接点である。代替の実施形態では、ローラー200の一端部に電気接点が1つだけある。
【0036】
特定の実施形態では、ローラー200は、1つ以上の空気冷却チャンネルをさらに含んでもよい。いくつかの実施形態では、チャンネルはコアを含む。他の実施形態では、チャンネルはコアに追加されている。チャンネルの一部は、開口部が両方の端部にあるローラー200の長手方向に延在しても、ローラー200の長手方向の一部のみに延在して同じ端部に戻っても、及び/またはローラー200の長手方向の一部に延在して終端してもよい。チャンネルは、直線、螺旋、曲線、またはそれらの任意の組み合わせを含むがこれらに限定されない、ローラー200を通る任意の経路をたどり得る。これらのチャンネルは、ローラー200の外部のシステムを使用して、強制空気、窒素、またはその他の物質などの冷却する気体または液体によってパッシブまたはアクティブに冷却され得る。いくつかのアクティブ冷却の実施形態では、冷却システムのアクティブコンポーネントは、ローラー交換プロセス中にローラー200を取り外す前にのみ、アクティブにされる。特定の実施形態では、アクティブコンポーネントは、ファン、ブロワ、ポンプ、または圧縮機である。特定の実施形態では、冷却ガスは、運転中に循環すると、ローラーの温度をさらに制御する。冷却ガスは、周囲温度(例えば、約18℃~約24℃、または約20℃)、周囲温度よりも高い温度、または周囲温度よりも低い温度で供給されることができる。
【0037】
特定の実施形態では、ローラー200は、温度を測定するための1つ以上のセンサをさらに含んでもよい。さらなる実施形態では、温度センサは抵抗温度センサであってもよい。いくつかの実施形態では、単一温度センサは、ローラー200内の中央、またはローラー200の運転面の近くのどちらかに設置され得る。代替的に、いくつかの実施形態では、温度センサは、ローラー200の外部に設置され、このローラー200から放散する温度を測定する。当業者であれば、本明細書では複数のタイプの温度センサを統合し得ることが認識されよう。
【0038】
特定の実施形態では、加熱素子201、アクティブ冷却素子、及び/または温度センサは、ローラー200の外部の制御回路に一体化されてもよい。制御回路は、1つ以上のプロセッサ、データ及びプログラミング命令/設定を格納するための記憶媒体、及び通信インタフェースを含み得る。
【0039】
図3を参照すると、抵抗加熱素子301を備えたローラー300が実施形態に従って示されている。図示のこの実施形態では、抵抗加熱素子301は、ローラー300の中空中央コア(図示せず)に挿入される螺旋形として構成される。ただし、抵抗加熱素子301の正確な構成は特に限定されず、所望の温度プロファイルを提供する他の形状も適していることが理解される。
【0040】
図4は、実施形態による、加熱/冷却ゾーンに分割されたローラーを示す。いくつかの実施形態では、ローラー400は、ローラー400のスパンにわたる異なる位置で厚さまたは密度が変動する場合がある。追加的にまたは代替的に、いくつかの実施形態では、ローラー400は、表面にわたって不均一な運転接触を有し得る。この不均一な運転接触の結果として、ローラー400の表面温度も不均一になり得る。これらのシナリオに対応するために、いくつかの実施形態では、ローラー400は、ローラー全体の温度が均一になることを確保するように、複数の温度制御ゾーン401/402/403を備え得る。
【0041】
特定の実施形態では、各ゾーン401/402/403は、他のゾーンと重ならない1つ以上の加熱素子を含む。いくつかの実施形態では、個々の加熱素子は、単一電気入力に基づいて異なる温度を発生するように製造される。その結果、個々の加熱素子は、ローラー内で直列に配線され得る。非限定的な例として、抵抗素子は、例えば2つのゾーン間の抵抗が増加する、または減少するなど、材料特性が変化する場合がある。代替的に、各ゾーン401/402/403は、固有の信号接点を備えた別々の加熱素子を含んでもよい。示されている各ゾーンは、必要な温度プロファイル、またはローラーのプロファイル及びパフォーマンスに応じて、異なる熱密度を有することができる。例えば、本開示による一実施形態では、加熱量、ひいてはローラーの中央部分に設けられるコイルの数である。
【0042】
特定の実施形態では、各ゾーンは、1つ以上の温度センサの固有のセットを含み得る。いくつかの実施形態では、各ゾーンの温度センサはローラー400の内部にあってもよい。代替の実施形態では、各ゾーンの温度センサはローラー400の外部にあってもよい。
【0043】
上記の詳細な説明では、本明細書の一部を構成する添付の図面を参照している。図面では、文脈による別段の指示がない限り、類似の記号は通常、類似しているコンポーネントを特定する。詳細な説明、図面、及び請求項に記載されている例示的な実施形態は、限定することを意図したものではない。本明細書で提示された主題の精神または範囲から逸脱することなく、他の実施形態を使用したり、他の変更を加えたりすることができる。本明細書で一般的に説明され、図面に図示されている本開示の態様は、本明細書で明示的に企図されている多種多様な構成で配置、置換、組み合わせ、分離、及び設計できることは、容易に理解されるであろう。
【0044】
本開示は、本出願に記載された特定の実施形態に限定されるものではなく、様々な態様の例示として意図されている。当業者に明らかであるとおり、その精神及び範囲から逸脱することなく、多くの修正及び変形を行うことが可能である。本明細書において列挙されるものだけでなく、本開示の範囲内に含まれる、機能的に等価な方法及び装置が、上記の説明から当業者に明らかであるだろう。そのような修飾及び改変は、添付の特許請求の範囲内に含まれることが意図されている。本開示は、添付の特許請求の範囲の用語、及びそのような特許請求の範囲に権利を有する均等物の全範囲によってのみ限定されるものである。当然のことながら、本開示は、特定の方法、試薬、化合物、組成物、または生体系に限定されず、これらは、当然、変更可能である。また、本明細書において使用される用語は、特定の実施形態を単に記載する目的のためのものであり、限定であることを意図されないことが理解されることになる。
【0045】
本明細書における実質的に任意の複数形及び/または単数形の用語の使用に関しては、当業者は、文脈及び/または用途に応じて、複数形から単数形へ、及び/または単数形から複数形へ変換することができる。明確さのために、本明細書では様々な単数/複数の順列が明示的に示される場合がある。
【0046】
一般的に、本明細書、及び特に特許請求の範囲(例えば、特許請求の範囲の本文)で使用される用語は、概して、「限定されない」用語(例えば、用語「含んでいる」は、「含んでいるがこれに限定されない」、用語「有する」は、「少なくとも有する」、用語「含む」は「含むがこれに限定されない」、等として解釈されるべきである)として意図されることは当業者には理解されるであろう。様々なコンポーネント、方法、及びデバイスが、様々なコンポーネントまたはステップを「含む」(「含むが、これらに限定されない」という意味として解釈される)という観点から説明されている一方で、組成、方法、及びデバイスは、様々なコンポーネント及びステップ「を本質的に含む」または「からなる」場合もあり、そのような用語は、本質的に閉じた要素の集団を定義するものとして解釈されるべきである。導入される請求項の記述の特定の数が意図される場合、かかる意図は請求項に明示的に記述され、かかる記述の欠如が、かかる意図が提示されないことではないことは当業者にはさらに理解されるであろう。
【0047】
例えば、理解への補助として、以下の添付の特許請求の範囲は、請求項の記述を導入する、導入句である「少なくとも1つの」及び「1つまたは複数の」の使用を含む場合がある。しかしながら、かかる句の使用は、不定冠詞「a」または「an」による請求項の記述の導入が、その同じ請求項が導入句「1つ以上の」または「少なくとも1つの」及び「a」または「an」のような不定冠詞を含むときであっても(例えば、「a」及び/または「an」は、「少なくとも1つの」または「1つ以上の」を意味すると解釈されるべきである)、かかる導入された請求項の記述を含む任意の特定の請求項を1つのかかる記述のみを含む実施形態に限定することを暗示するように解釈されるべきではなく、請求項の記述を導入するために使用される定冠詞の使用に対しても同じことが当てはまる。
【0048】
加えて、導入される請求項の記述の特定の数が明示的に記述される場合、当業者は、かかる記述が少なくとも記述された数(例えば、他の修飾語句なしの「2つの記述」の最低限の記述が、少なくとも2つの記述、または2つ以上の記述を意味する)を意味すると解釈されるべきであることを理解するであろう。さらに、「A、B、及びCなどのうちの少なくとも1つ」に類似した規則が使用されている場合、一般に、そのような解釈は、当業者がその規則を理解する意味で意図されている(たとえば、「A、B、及びCのうちの少なくとも1つを含むシステム」には、Aのみ、Bのみ、Cのみ、AとBが一緒に、AとCが一緒に、BとCが一緒に、及び/またはA、B、及びCが一緒、などを有するシステムが含まれるが、これらに限定されない)。「A、B、またはCなどのうちの少なくとも1つ」に類似した規則が使用されている事例の場合、一般に、そのような解釈は、当業者がその規則を理解する意味で意図されている(たとえば、「A、B、またはCのうちの少なくとも1つを含むシステム」には、Aのみ、Bのみ、Cのみ、AとBが一緒に、AとCが一緒に、BとCが一緒に、及び/またはA、B、及びCが一緒、などを有するシステムが含まれるが、これらに限定されない)。さらに、当業者であれば、説明、請求項、図面のいずれにおいても、2つ以上の代替的な用語を提示する実質的に任意の離接語及び/または句は、用語の1つ、用語のいずれか、または両方の用語を含める可能性を企図していると理解されるべきであることを理解するであろう。たとえば、「AまたはB」という語句は、「A」または「B」または「A及びB」の可能性を含むと理解される。
【0049】
また、本開示の特長または態様がマーカッシュ群で記載される場合、当業者は、本開示が、それにより、そのマーカッシュ群の任意の個別の構成要素または構成要素の下位群でも記載されているものと理解するだろう。
【0050】
当業者には当然のことながら、ありとあらゆる目的に関して、特に書面で説明を提供するという点で、本明細書に開示される全ての範囲は、その範囲のありとあらゆる可能な部分範囲及び部分範囲の組み合わせも包含する。挙げられている範囲はどれも、同じ範囲を少なくとも均等な半分、3分の1、4分の1、5分の1、10分の1などに分割されることを十分に記載するものとして、またそれが可能であるものとして容易に認識できる。非限定的な例として、本明細書で説明する各範囲は、下側3分の1、中間の3分の1、上側3分の1などに簡単に分類できる。また、当業者であれば理解できるように、「最大」、「少なくとも」などのすべての言葉は、列挙された数字を含み、その後、上で説明したように部分範囲に細分化できる範囲を指す。最後に、当業者には当然のことながら、範囲は、個々の要素のそれぞれを含む。したがって、たとえば、1~3個の電池を有する集団は、1個、2個、または3個の電池を有する集団を指す。同様に、1~5個の電池を有する集団は、1、2、3、4、または5個の電池を有する集団を指す。
【0051】
様々な上に開示された特徴及び機能、ならびに他の特徴及び機能、またはそれらの代替物は、多くの他の異なるシステムまたはアプリケーションに組み込まれてもよい。開示されている実施形態によって包含されることになることも各々意図される、様々な現在は予見できないまたは予期しないその代替物、修正、変形、または改善は、その後、当業者によって行われ得る。
【国際調査報告】