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特表2024-540279流体ドレナージデバイス、システム及び方法
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-10-31
(54)【発明の名称】流体ドレナージデバイス、システム及び方法
(51)【国際特許分類】
   A61F 9/007 20060101AFI20241024BHJP
【FI】
A61F9/007 160
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2024526526
(86)(22)【出願日】2022-11-04
(85)【翻訳文提出日】2024-05-22
(86)【国際出願番号】 US2022048960
(87)【国際公開番号】W WO2023081356
(87)【国際公開日】2023-05-11
(31)【優先権主張番号】63/276,170
(32)【優先日】2021-11-05
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(31)【優先権主張番号】17/980,417
(32)【優先日】2022-11-03
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】391028362
【氏名又は名称】ダブリュ.エル.ゴア アンド アソシエイツ,インコーポレイティド
【氏名又は名称原語表記】W.L. GORE & ASSOCIATES, INCORPORATED
(74)【代理人】
【識別番号】100099759
【弁理士】
【氏名又は名称】青木 篤
(74)【代理人】
【識別番号】100123582
【弁理士】
【氏名又は名称】三橋 真二
(74)【代理人】
【識別番号】100128495
【弁理士】
【氏名又は名称】出野 知
(74)【代理人】
【識別番号】100208225
【弁理士】
【氏名又は名称】青木 修二郎
(74)【代理人】
【識別番号】100144417
【弁理士】
【氏名又は名称】堂垣 泰雄
(74)【代理人】
【識別番号】100147212
【弁理士】
【氏名又は名称】小林 直樹
(72)【発明者】
【氏名】ジェフリー シー.トウラー
(72)【発明者】
【氏名】ピーター ジェイ.ローバー
(72)【発明者】
【氏名】ケビン エム.サボリー
(57)【要約】
眼から眼の周囲の組織に流体を排出するための緑内障シャントであって、前記緑内障シャントは眼の組織内にインプラント処置可能であり、前記緑内障シャントは、シャント本体内にリザーバを形成するように配置された微孔質材料から形成されたシャント本体、及び、前記リザーバと流体連通している導管を含み、前記導管は、前記導管の遠位端にある流体が前記導管を通って流れ、前記リザーバ内に蓄積するように眼内に挿入可能であり、前記微孔質材料は、前記リザーバ内に蓄積された流体が前記微孔質材料を通って眼の周囲の組織に拡散するにつれて疎水性状態から親水状態に移行し、前記微孔質材料が疎水性状態から親水性状態に移行するときに可変的な流れ抵抗を提供する。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
眼から眼の周囲の組織に流体を排出するための緑内障シャントであって、前記緑内障シャントは、眼の組織内にインプラント処置可能であり、前記緑内障シャントは、
シャント本体内にリザーバを形成するように配置された微孔質材料から形成されたシャント本体、及び、
前記リザーバと流体連通している導管、
を含み、
前記導管は、前記導管の遠位端の流体が前記導管を通って流れて前記リザーバ内に蓄積できるように眼に挿入可能であり、
前記微孔質材料は、前記リザーバ内に蓄積された流体が前記微孔質材料を通って眼の周囲の組織に拡散するときに30日以内に疎水性状態から親水性状態に移行し、微孔質材料が疎水性状態から親水性状態へ移行するときに可変的な流れ抵抗を提供する、緑内障シャント。
【請求項2】
前記微孔質材料の第一の部分は、3日以内に疎水性状態から親水性状態に移行する、請求項1記載の緑内障シャント。
【請求項3】
前記微孔質材料の第一の部分とは異なる第二の部分は、7日以内に疎水性状態から親水性状態に移行する、請求項2記載の緑内障シャント。
【請求項4】
前記微孔質材料の全体は30日以内に疎水性状態から親水性状態に移行する、請求項1~3のいずれか1項記載の緑内障シャント。
【請求項5】
疎水性状態において、前記微孔質材料は不透明である、請求項1~4のいずれか1項記載の緑内障シャント。
【請求項6】
親水性状態において、前記微孔質材料は透明である、請求項1~5のいずれか1項記載の緑内障シャント。
【請求項7】
前記シャント本体は500μm以下の最大厚さを有する、請求項1~6のいずれか1項記載の緑内障シャント。
【請求項8】
疎水性状態において、前記微孔質材料の表面上に置かれた水滴は、表面に対して90度を超える接触角を形成し、そして親水性状態において、前記微孔質材料の表面に置かれた水滴は、表面に対して90度未満の接触角を形成し、疎水性状態から親水性状態への移行は、接触角の少なくとも10度の減少を構成する、請求項1~7のいずれか1項記載の緑内障シャント。
【請求項9】
前記可変的な流れ抵抗は、親水性状態よりも疎水性状態の方が大きい、請求項1~8のいずれか1項記載の緑内障シャント。
【請求項10】
前記微孔質材料は、疎水性状態よりも親水性状態の方がより半透明である、請求項1~9のいずれか1項記載の緑内障シャント。
【請求項11】
前記シャント本体は、前記リザーバを画定する連続壁と、内部リザーバと連通している前記連続壁内のリザーバ開口部であって、それを通して前記導管が係合して受け入れられる、リザーバ開口部とを有し、
前記連続壁の少なくとも一部は前記微孔質材料からなる壁部分を有し、前記壁部分は、前記内部リザーバに面する内側と、ヒトの眼の外部領域に面する反対側の外側とを有し、前記壁部分の内側は、前記壁部分の内側全体に延在する低多孔性表面を有し、前記壁部分の外側は、交互に並んだ低多孔性表面及び高多孔性表面を有する、請求項1~10のいずれか1項記載の緑内障シャント。
【請求項12】
前記微孔質材料は、第二の微孔質膜と一体化された第一の微孔質膜を有する第一の層と、第四の微孔質膜と一体化された第三の微孔質膜を有する第二の層とを含む、請求項1~11のいずれか1項記載の緑内障シャント。
【請求項13】
前記微孔質材料は延伸ポリテトラフルオロエチレン(ePTFE)を含む、請求項12記載の緑内障シャント。
【請求項14】
前記第一の微孔質膜の第一の微孔質膜透過性は、前記第二の微孔質膜の第二の微孔質膜透過性よりも大きく、前記第四の微孔質膜の第四の微孔質膜透過性は、前記第三の微孔質膜の第三の微孔質膜透過性よりも大きい、請求項13記載の緑内障シャント。
【請求項15】
前記第一の層及び前記第二の層は、前記第一の微孔質膜及び前記第四の微孔質膜が前記シャント本体の最外膜であり、前記第二の微孔質膜及び前記第三の微孔質膜が前記シャント本体の最内膜であり、前記リザーバを画定するように、スタック構成になっている、請求項14記載の緑内障シャント。
【請求項16】
前記第一の微孔質膜は第一の微孔質膜透過性を有し、前記第二の微孔質膜は第二の微孔質膜透過性を有し、前記第三の微孔質膜は第三の微孔質膜透過性を有し、前記第四の微孔質膜は第四の微孔質膜透過性を有し、
前記第二の微孔質膜透過性は前記第三の微孔質膜透過性とほぼ同じであり、前記第一の微孔質膜透過性は前記第四の微孔質膜透過性とほぼ同じであり、
前記第二の微孔質膜透過性及び第三の微孔質膜透過性は、それぞれ、前記第一の微孔質膜透過性及び前記第四の微孔質膜透過性とは異なる、請求項12記載の緑内障シャント。
【請求項17】
前記第二の微孔質膜及び前記第三の微孔質膜は、前記第一の層及び前記第二の層の周縁部に沿って互いに結合されて、前記リザーバを画定し、前記リザーバを前記第二の微孔質膜と前記第三の微孔質膜との間に配置し、
前記第二の微孔質膜及び前記第三の微孔質膜は、組織の内方成長に抵抗するように構成されており、
前記第一の微孔質膜及び前記第四の微孔質膜は、組織の内方成長を可能にするように構成されており、
前記第二の微孔質膜及び前記第三の微孔質膜は、前記第一の層及び前記第二の層の周縁部に隣接して維持される拡張状態を有する、請求項12記載の緑内障シャント。
【請求項18】
前記リザーバは、前記第二の微孔質膜及び前記第三の微孔質膜がその間の流体流に抵抗する崩潰状態と、流体が前記第二の微孔質膜と前記第三の微孔質膜との間を流れることができる拡張状態との間で移動するように構成されている、請求項12記載の緑内障シャント。
【請求項19】
前記リザーバへの流体流は、前記導管の遠位端からチャンバの周縁部に向かって導かれる、請求項18記載の緑内障シャント。
【請求項20】
前記リザーバは、前記導管の遠位端に隣接するリザーバ近位セクションと、前記リザーバ近位セクションの反対側に位置するリザーバ遠位セクションとを有し、
流体の排出中に、前記リザーバ近位セクションは、前記リザーバ遠位セクションより前に膨張するように構成されている、請求項18記載の緑内障シャント。
【請求項21】
前記可変的な流れ抵抗は、経時的な流速に対する圧力の変化率に対応する、請求項1~20のいずれか1項記載の緑内障シャント。
【請求項22】
前記微孔質材料は、第一の流れ抵抗を有する疎水性状態から、第二の流れ抵抗を有する部分親水性状態に移行し、次いで、第三の流れ抵抗を有する親水性状態に移行し、
前記第一の流れ抵抗は、前記第二の流れ抵抗及び前記第三の流れ抵抗の両方よりも大きく、前記第二の流れ抵抗は、前記第三の流れ抵抗よりも大きい、請求項21記載の緑内障シャント。
【請求項23】
前記微孔質材料は、流体による前記微孔質材料の湿潤化に基づいて疎水性状態から親水性状態に移行するように構成されており、
前記微孔質材料は、前記シャント本体の外側部分の湿潤化が前記リザーバの湿潤化の前に起こるように構成されている、請求項1~22のいずれか1項記載の緑内障シャント。
【請求項24】
デバイス本体内にリザーバを形成するように配置された微孔質材料から形成されたデバイス本体を含み、前記リザーバは流体を受け入れて蓄積するように構成されており、
前記微孔質材料は、前記リザーバ内に蓄積された流体が前記微孔質材料を通して前記デバイスの周囲の組織に拡散するときに、30日以内に疎水性状態から親水性状態に移行し、前記微孔質材料が疎水性状態から親水性状態に移行するときに、可変的な流れ抵抗を提供する、房水拡散デバイス。
【請求項25】
前記微孔質材料の第一の部分は、3日以内に疎水性状態から親水性状態に移行する、請求項24記載の房水拡散デバイス。
【請求項26】
前記微孔質材料の第一の部分とは異なる第二の部分は、7日以内に疎水性状態から親水性状態に移行する、請求項25記載の房水拡散デバイス。
【請求項27】
前記微孔質材料の全体は30日以内に疎水性状態から親水性状態に移行する、請求項24~26のいずれか1項記載の房水拡散デバイス。
【請求項28】
疎水性状態において、前記微孔質材料は不透明である、請求項24~27のいずれか1項記載の房水拡散デバイス。
【請求項29】
親水性状態において、前記微孔質材料は透明である、請求項24~28のいずれか1項記載の房水拡散デバイス。
【請求項30】
前記シャント本体は500μm以下の最大厚さを有する、請求項24~29のいずれか1項記載の房水拡散デバイス。
【請求項31】
疎水性状態において、前記微孔質材料の表面上に置かれた水滴は、前記表面に対して90度を超える接触角を形成し、親水性状態において、前記微孔質材料の表面に置かれた水滴は、前記表面に対して90度未満の接触角を形成し、疎水性状態から親水性状態への移行は、接触角の少なくとも10度の減少を構成する、請求項24~30のいずれか1項記載の房水拡散デバイス。
【請求項32】
前記可変的な流れ抵抗は、親水性状態よりも疎水性状態の方が大きい、請求項24~31のいずれか1項記載の房水拡散デバイス。
【請求項33】
前記微孔質材料は、疎水性状態よりも親水性状態の方がより半透明である、請求項24~32のいずれか1項記載の房水拡散デバイス。
【請求項34】
前記微孔質材料は、第二の微孔質膜に結合された第一の微孔質膜を有する第一の層と、第四の微孔質膜に結合された第三の微孔質膜を含む第二の層とを含む、請求項24~33のいずれか1項記載の房水拡散デバイス。
【請求項35】
前記微孔質材料は延伸ポリテトラフルオロエチレン(ePTFE)を含む、請求項34記載の房水拡散デバイス。
【請求項36】
前記第一の微孔質膜の第一の微孔質膜透過性は、前記第二の微孔質膜の第二の微孔質膜透過性よりも大きく、
前記第四の微孔質膜の第四の微孔質膜透過性は、前記第三の微孔質膜の第三の微孔質膜透過性よりも大きい、請求項35記載の房水拡散デバイス。
【請求項37】
前記第一の層及び前記第二の層は、前記第一の微孔質膜及び前記第四の微孔質膜が前記デバイス本体の最外膜であり、前記第二の微孔質膜及び第三の微孔質膜が前記デバイス本体の最内膜であり、前記前記リザーバを画定するように、スタック構成になっている、請求項36記載の房水拡散デバイス。
【請求項38】
前記第一の微孔質膜は第一の微孔質膜透過性を有し、前記第二の微孔質膜は第二の微孔質膜透過性を有し、前記第三の微孔質膜は第三の微孔質膜透過性を有し、前記第四の微孔質膜は第四の微孔質膜透過性を有し、
前記第二の微孔質膜透過性は第三の微孔質膜透過性とほぼ同じであり、前記第一の微孔質膜透過性は第四の微孔質膜透過性とほぼ同じであり、
前記第二の微孔質膜透過性及び第三の微孔質膜透過性は、それぞれ、前記第一の微孔質膜透過性及び前記第四の微孔質膜透過性とは異なる、請求項34記載の房水拡散デバイス。
【請求項39】
前記第二の微孔質膜及び前記第三の微孔質膜は、前記第一の層及び前記第二の層の周縁部に沿って互いに結合されて、前記リザーバを画定し、前記リザーバを前記第二の微孔質膜と前記第三の微孔質膜との間に配置し、
前記第二の微孔質膜及び前記第三の微孔質膜は、組織の内方成長に抵抗するように構成されており、
前記第一の微孔質膜及び前記第四の微孔質膜は、組織の内方成長を可能にするように構成されており、
前記第二の微孔質膜及び前記第三の微孔質膜は、前記第一の層及び前記第二の層の周縁部に隣接して維持される拡張状態を有する、請求項34記載の房水拡散デバイス。
【請求項40】
前記リザーバは、前記第二の微孔質膜及び前記第三の微孔質膜がそれらの間の流体流に抵抗する崩潰状態と、前記第二の微孔質膜と前記第三の微孔質膜の間に流体が流れることができる拡張状態との間で移動するように構成されている、請求項34記載の房水拡散デバイス。
【請求項41】
前記リザーバへの流体流は、前記リザーバの近位部分からチャンバの周縁部に向かって導かれる、請求項40記載の房水拡散デバイス。
【請求項42】
前記リザーバは、流体が受け入れられるリザーバポートに隣接して配置されるように構成されるリザーバ近位セクションと、前記リザーバ近位セクションの反対側に配置されるリザーバ遠位セクションとを有し、
流体の排出中に、前記リザーバ近位セクションは、前記リザーバ遠位セクションより前に膨張するように構成されている、請求項40記載の房水拡散デバイス。
【請求項43】
前記可変的な流れ抵抗は、経時的な流速に対する圧力の変化率に対応する、請求項24~42のいずれか1項記載の房水拡散デバイス。
【請求項44】
前記微孔質材料は、第一の流れ抵抗を有する疎水性状態から、第二の流れ抵抗を有する部分親水性状態に移行し、次いで、第三の流れ抵抗を有する親水性状態に移行し、
前記第一の流れ抵抗は、前記第二の流れ抵抗及び前記第三の流れ抵抗の両方よりも大きく、前記第二の流れ抵抗は、前記第三の流れ抵抗よりも大きい、請求項43記載の房水拡散デバイス。
【請求項45】
前記微孔質材料は、流体による前記微孔質材料の湿潤化に基づいて疎水性状態から親水性状態に移行するように構成されており、
前記微孔質材料は、前記デバイス本体の外側部分の湿潤化が前記リザーバの湿潤化の前に起こるように構成されている、請求項24~44のいずれか1項記載の房水拡散デバイス。
【請求項46】
インプラント処置可能な緑内障ドレナージデバイスを形成するための方法であって、前記方法は、
流体を受け入れて蓄積するように構成されたリザーバが内部に画定されているデバイス本体を形成するように微孔質材料を配置すること、及び、
流体が前記リザーバ内に蓄積されると、流体が前記微孔質材料を通って前記デバイスの周囲の組織に拡散するときに前記微孔質材料が30日以内に疎水性状態から親水性状態に移行し、前記微孔質材料が疎水性状態から親水性状態に移行するときに可変的な流れ抵抗を提供するように、前記リザーバを形成する前記微孔質材料の部分を固定すること、
を含む、方法。
【請求項47】
前記微孔質材料の第一の部分は、3日以内に疎水性状態から親水性状態に移行する、請求項46記載の方法。
【請求項48】
前記微孔質材料の第一の部分とは異なる第二の部分は、7日以内に疎水性状態から親水性状態に移行する、請求項47記載の方法。
【請求項49】
前記微孔質材料の全体は30日以内に疎水性状態から親水性状態に移行する、請求項46~48のいずれか1項記載の方法。
【請求項50】
疎水性状態において、前記微孔質材料は不透明である、請求項46~49のいずれか1項記載の方法。
【請求項51】
親水性状態において、前記微孔質材料は透明である、請求項46~50のいずれか1項記載の方法。
【請求項52】
前記シャント本体は500μm以下の最大厚さを有する、請求項46~51のいずれか1項記載の方法。
【請求項53】
疎水性状態において、前記微孔質材料の表面上に置かれた水滴は、前記表面に対して90度を超える接触角を形成し、親水性状態において、前記微孔質材料の表面に置かれた水滴は、前記表面に対して90度未満の接触角を形成し、疎水性状態から親水性状態への移行は、接触角の少なくとも10度の減少を構成する、請求項46~52のいずれか1項記載の方法。
【請求項54】
前記可変的な流れ抵抗は、親水性状態よりも疎水性状態の方が大きい、請求項46~53のいずれか1項記載の方法。
【請求項55】
前記微孔質材料は、疎水性状態よりも親水性状態の方が半透明である、請求項46~54のいずれか1項記載の方法。
【請求項56】
前記リザーバは、前記デバイス本体のポートを介して流体を受け入れ、
前記方法はさらに、吸入導管を前記ポートにおいて前記デバイス本体に固定することを含み、前記吸入導管は排液を受け入れるように構成されている、請求項46~55のいずれか1項記載の方法。
【請求項57】
前記1つ以上の微孔質材料は、第二の微孔質膜に結合された第一の微孔質膜を有する第一の層と、第四の微孔質膜に結合された第三の微孔質膜を含む第二の層とを含み、
前記1つ以上の微孔質材料の部分を固定することは、前記第二の微孔質膜を前記第三の微孔質膜に結合することを含む、請求項46~56のいずれか1項記載の方法。
【請求項58】
前記第二の微孔質膜及び前記第三の微孔質膜は、前記第一の層及び前記第二の層の周縁部に沿って互いに結合されて、前記リザーバを画定し、前記第二の微孔質膜と前記第三の微孔質膜との間に前記リザーバを配置し、
前記第二の微孔質膜及び前記第三の微孔質膜は、組織の内方成長に抵抗するように構成されており、
前記第一の微孔質膜及び前記第四の微孔質膜は、組織の内方成長を可能にするように構成されており、
前記第二の微孔質膜及び前記第三の微孔質膜は、前記第一の層と前記第二の層の周縁部に隣接して維持される拡張状態を有する、請求項57記載の方法。
【請求項59】
前記微孔質材料の部分を固定することは、前記第一の微孔質膜と前記第四の微孔質膜とを結合することを控えることを含む、請求項57記載の方法。
【請求項60】
前記1つ以上の微孔質材料の部分を固定することは、前記第一の微孔質膜及び前記第四の微孔質膜が前記デバイス本体の最外膜であり、前記第二の微孔質膜及び前記第三の微孔質膜が前記デバイス本体の最内膜であるように、前記第一の層と前記第二の層をスタック構成に配置することを含む、請求項57記載の方法。
【請求項61】
ヒトの眼の内部領域からヒトの眼の外部領域に流体を排出するための緑内障ドレナージデバイスであって、前記緑内障ドレナージデバイスは、
本体内の内部リザーバを画定する連続壁と、前記内部リザーバと連通する壁におけるリザーバ開口部とを有する本体、及び、
前記本体から導管長さだけ延在する導管、ここで、前記導管は、対向する第一の端部及び第二の端部の間に延在している前記導管を通る通路を画定する、対向する第一の端部及び第二の端部を有し、前記導管の第一の端部は前記リザーバ開口部と係合して前記導管の第二の端部と前記リザーバとの間に流体接続を提供し、前記導管長さは、前記導管の第一の端部をヒトの眼の外部領域に配置し、前記導管の第二の端部をヒトの眼の内部領域に配置するのに十分である、
を含み、
前記連続壁の少なくとも一部は、微孔質材料からなる壁部分を有し、前記壁部分は、前記リザーバに面する内側と、ヒトの眼の外部領域に面する反対側の外側とを有し、前記壁部分の内側は、前記壁部分の内側全体に延在している低多孔性表面を有し、前記壁部分の外側は、交互に並んだ低多孔性表面及び高多孔性表面を有し、
前記壁部分は、流体が前記壁部分と係合するときに、最終の親水性状態に30日以内に移行する、初期の疎水性状態を有する、緑内障ドレナージデバイス。
【請求項62】
前記微孔質材料の第一の部分は、3日以内に疎水性状態から親水性状態に移行する、請求項61記載の緑内障ドレナージデバイス。
【請求項63】
前記微孔質材料の第一の部分とは異なる第二の部分は、7日以内に疎水性状態から親水性状態に移行する、請求項62記載の緑内障ドレナージデバイス。
【請求項64】
前記微孔質材料全体は30日以内に疎水性状態から親水性状態に移行する、請求項61~63のいずれか1項記載の緑内障ドレナージデバイス。
【請求項65】
疎水性状態において、前記微孔質材料は不透明である、請求項61~64のいずれか1項記載の緑内障ドレナージデバイス。
【請求項66】
親水性状態において、前記微孔質材料は透明である、請求項61~65のいずれか1項記載の緑内障ドレナージデバイス。
【請求項67】
前記シャント本体は500μm以下の最大厚さを有する、請求項61~66のいずれか1項記載の緑内障ドレナージデバイス。
【請求項68】
疎水性状態において、前記微孔質材料の表面上に置かれた水滴は、前記表面に対して90度を超える接触角を形成し、親水性状態において、前記微孔質材料の表面に置かれた水滴は、前記表面に対して90度未満の接触角を形成し、疎水性状態から親水性状態への移行は、接触角の少なくとも10度の減少を構成する、請求項61~67のいずれか1項記載の緑内障ドレナージデバイス。
【請求項69】
前記可変的な流れ抵抗は、親水性状態よりも疎水性状態の方が大きい、請求項61~68のいずれか1項記載の緑内障ドレナージデバイス。
【請求項70】
前記微孔質材料は、疎水性状態よりも親水性状態の方が半透明である、請求項61~69のいずれか1項記載の緑内障ドレナージデバイス。
【請求項71】
前記壁部分は、前記内側と前記外側との間に延在する壁部分の厚さを画定し、前記壁部分の厚さは、前記内側の低多孔性表面の多孔度と前記外側の高多孔性表面の多孔度との間の移行多孔度を有する前記壁部分の内部領域を画定する、請求項61~70のいずれか1項記載の緑内障ドレナージデバイス。
【請求項72】
前記壁部分は、前記内側と前記外側との間に延在する壁部分の厚さを画定し、前記壁部分の厚さは、前記内側の低多孔性表面と前記外側の低多孔性表面との間に延在する壁部分の内部領域を画定し、前記内部領域は、前記内側及び前記外側の低多孔性表面の多孔度に等しい内部領域多孔度を有する、請求項61~70のいずれか1項記載の緑内障ドレナージデバイス。
【請求項73】
前記壁部分は、前記内側と前記外側との間に延在する壁部分の厚さを画定し、前記壁部分の厚さは、前記内側の低多孔性表面と前記外側の高多孔性表面との間に延在する壁部分の内部領域を画定し、前記内部領域は、前記内側の低多孔性表面の多孔度に等しい内部領域多孔度を有する、請求項61~70のいずれか1項記載の緑内障ドレナージデバイス。
【請求項74】
前記壁部分は、前記内側と前記外側との間に延在する壁部分の厚さを画定し、前記壁部分の厚さは、前記内側の低多孔性表面と前記外側の高多孔性表面との間に延在する壁部分の内部領域を画定し、前記内部領域は、前記外側の高多孔性表面の多孔度に等しい内部領域多孔度を有する、請求項61~70のいずれか1項記載の緑内障ドレナージデバイス。
【請求項75】
前記導管の第二の端部と前記リザーバとの間の流体接続は、前記リザーバから前記微孔質材料を通してさらに延在し、前記リザーバからヒトの眼の外部領域への流体連通を提供する、請求項61~74のいずれか1項記載の緑内障ドレナージデバイス。
【請求項76】
前記流体連通は、前記微孔質材料を通る流路を画定する、請求項75記載の緑内障ドレナージデバイス。
【請求項77】
前記微孔質材料を通る流路は、前記リザーバから遠ざかる方向にある、請求項76記載の緑内障ドレナージデバイス。
【請求項78】
前記微孔質材料を通る流路は、低多孔度を有する微孔質領域から高い多孔度を有する微孔質領域に進む、請求項76記載の緑内障ドレナージデバイス。
【請求項79】
眼から眼の周囲の組織への流体の流れを制御するための方法であって、前記方法は、
リザーバを画定する疎水性材料と係合するように配置された流体で前記リザーバを膨張させること、
流体との係合した後30日以内に前記疎水性材料を親水性材料に移行させること、及び、
前記親水性材料を通して眼の周囲の組織に流体を導くことによって前記リザーバを排液して、眼の流体圧力を軽減すること、
を含み、
前記疎水性材料は第一の流れ抵抗を提供し、
前記移行は、第一の流れ抵抗から前記第一の流れ抵抗よりも低い第二の流れ抵抗まで減少する材料の可変的な流れ抵抗を規定する、方法。
【請求項80】
前記疎水性材料及び前記親水性材料は微孔質材料である、請求項79記載の方法。
【請求項81】
前記疎水性材料は疎水性状態にある微孔質材料である、請求項80記載の方法。
【請求項82】
前記親水性材料は親水性状態にある微孔質材料である、請求項80記載の方法。
【請求項83】
前記微孔質材料は最初は疎水性状態にあり、前記疎水性材料の親水性材料への移行により微孔質材料は疎水性状態から疎水性状態に変化する、請求項80記載の方法。
【請求項84】
前記微孔質材料の第一の部分は、3日以内に疎水性状態から親水性状態に移行する、請求項83記載の方法。
【請求項85】
前記微孔質材料の第一の部分とは異なる第二の部分は、7日以内に疎水性状態から親水性状態に移行する、請求項84記載の方法。
【請求項86】
前記微孔質材料の全体は30日以内に疎水性状態から親水性状態に移行する、請求項83記載の方法。
【請求項87】
疎水性状態において、前記微孔質材料は不透明である、請求項83記載の方法。
【請求項88】
親水性状態において、前記微孔質材料は透明である、請求項83記載の方法。
【請求項89】
前記疎水性材料は500μm以下の最大厚さを有する、請求項79記載の方法。
【請求項90】
疎水性状態において、前記微孔質材料の表面上に置かれた水滴は、前記表面に対して90度を超える接触角を形成し、そして、親水性状態において、前記微孔質材料の表面に置かれた水滴は、前記表面に対して90度未満の接触角を形成し、疎水性状態から親水性状態への移行は、接触角の少なくとも10度の減少を構成する、請求項83記載の方法。
【請求項91】
前記可変的な流れ抵抗は、親水性状態よりも疎水性状態の方が大きい、請求項83記載の方法。
【請求項92】
前記微孔質材料は、疎水性状態よりも親水性状態の方が半透明である、請求項83記載の方法。
【請求項93】
前記リザーバを画定する連続壁と、前記リザーバと連通して前記導管が係合して受け入れられる前記連続壁内のリザーバ開口部とを設けることをさらに含み、
前記連続壁の少なくとも一部は、前記微孔質材料からなる壁部分を有し、前記壁部分は、前記リザーバに面する内側と、眼の外部領域に面する反対側の外側とを有し、前記壁部分の内側は、前記壁部分の内側全体に延在する低多孔性表面を有し、前記壁部分の外側は、交互に並んだ低多孔性表面及び高多孔性表面を有する、請求項80記載の方法。
【請求項94】
前記微孔質材料は、第二の微孔質膜と一体化された第一の微孔質膜を有する第一の層と、第四の微孔質膜と一体化された第三の微孔質膜を有する第二の層とを含む、請求項80記載の方法。
【請求項95】
前記微孔質材料は延伸ポリテトラフルオロエチレン(ePTFE)を含む、請求項94記載の方法。
【請求項96】
前記第一の微孔質膜の第一の微孔質膜透過性は、前記第二の微孔質膜の第二の微孔質膜透過性よりも大きく、前記第四の微孔質膜の第四の微孔質膜透過性は、前記第三の微孔質膜の第三の微孔質膜透過性よりも大きい、請求項95記載の方法。
【請求項97】
前記第一の層及び前記第二の層は、前記第一の微孔質膜及び前記第四の微孔質膜が前記シャント本体の最外膜であり、前記第二の微孔質膜及び前記第三の微孔質膜が前記シャント本体の最内膜であり、前記リザーバを画定するように、スタック構成になっている、請求項96記載の方法。
【請求項98】
前記第一の微孔質膜は第一の微孔質膜透過性を有し、前記第二の微孔質膜は第二の微孔質膜透過性を有し、前記第三の微孔質膜は第三の微孔質膜透過性を有し、前記第四の微孔質膜は第四の微孔質膜透過性を有し、
前記第二の微孔質膜透過性は前記第三の微孔質膜透過性とほぼ同じであり、前記第一の微孔質膜透過性は前記第四の微孔質膜透過性とほぼ同じであり、
前記第二の微孔質膜透過性及び前記第三の微孔質膜透過性は、それぞれ、前記第一の微孔質膜透過性及び前記第四の微孔質膜透過性とは異なる、請求項94記載の方法。
【請求項99】
前記第二の微孔質膜及び第三の微孔質膜は、前記第一の層及び前記第二の層の周縁部に沿って互いに結合されて、前記リザーバを画定し、前記リザーバを前記第二の微孔質膜と第三の微孔質膜との間に配置し、
前記第二の微孔質膜及び前記第三の微孔質膜は、組織の内方成長に抵抗するように構成されており、
前記第一の微孔質膜及び前記第四の微孔質膜は、組織の内方成長を可能にするように構成されており、
前記第二の微孔質膜及び前記第三の微孔質膜は、前記第一の層及び前記第二の層の周縁部に隣接して維持される拡張状態を有する、請求項94記載の方法。
【請求項100】
前記リザーバは、前記第二の微孔質膜及び前記第三の微孔質膜がそれらの間の流体流に抵抗する収縮状態と、流体が前記第二の微孔質膜と前記第三の微孔質膜の間で流れることができる膨張状態との間で移動するように構成されている、請求項94記載の方法。
【請求項101】
前記リザーバへの流体流は、前記導管の遠位端からチャンバの周縁部に向かって導かれる、請求項100記載の方法。
【請求項102】
前記リザーバは、前記導管の遠位端に隣接するリザーバ近位セクションと、前記リザーバ近位セクションの反対側に位置するリザーバ遠位セクションとを有し、
流体の排出中に、前記リザーバ近位セクションは、前記リザーバ遠位セクションより前に膨張するように構成されている、請求項100記載の方法。
【請求項103】
前記可変的な流れ抵抗は、経時的な流速に対する圧力の変化率に対応する、請求項83記載の方法。
【請求項104】
前記微孔質材料は、第一の流れ抵抗を有する疎水性状態から、第二の流れ抵抗を有する部分親水性状態に移行し、次いで、第三の流れ抵抗を有する親水性状態に移行し、
前記第一の流れ抵抗は、前記第二の流れ抵抗及び前記第三の流れ抵抗の両方よりも大きく、前記第二の流れ抵抗は、前記第三の流れ抵抗よりも大きい、請求項103記載の方法。
【請求項105】
前記微孔質材料は、流体による微孔質材料の湿潤化に基づいて疎水性状態から親水性状態に移行するように構成されており、
前記微孔質材料は前記シャント本体の外側部分の湿潤化が前記リザーバの湿潤化の前に起こるように構成されている、請求項83記載の方法。
【請求項106】
眼の流体圧を管理するための方法であって、前記方法は、
眼内にある眼液に関連する眼の望ましくない流体圧力を特定すること、
眼液に流体的に係合する導管を備えた眼の近くのリザーバを膨張させて、眼液を前記リザーバにデリバリーし、リザーバ壁が眼液に係合した後30日以内に初期の疎水性状態から親水性状態に移行する材料を含むリザーバ壁に係合させること、及び、
眼の望ましくない流体圧力を改善するために、前記材料を通して眼の周囲の組織に眼液を導くことによって前記リザーバを排液すること、
を含み、
疎水性状態から親水性状態への移行は、初期の第一の流れ抵抗から前記第一の流れ抵抗よりも低い第二の流れ抵抗まで減少する材料の可変的な流れ抵抗を規定する、方法。
【請求項107】
前記可変的な流れ抵抗は、短期の術後の低眼圧状態の生成を軽減するために最小限の流体圧力を維持するのに十分な流れ抵抗を提供する、請求項106記載の方法。
【請求項108】
前記材料は微孔質材料である、請求項106又は107記載の方法。
【請求項109】
前記微孔質材料の第一の部分は、3日以内に疎水性状態から親水性状態に移行する、請求項108記載の方法。
【請求項110】
前記微孔質材料の第一の部分とは異なる第二の部分は7日以内に疎水性状態から親水性状態に移行する、請求項109記載の方法。
【請求項111】
前記微孔質材料の全体は30日以内に疎水性状態から親水性状態に移行する、請求項108記載の方法。
【請求項112】
疎水性状態において、前記微孔質材料は不透明である、請求項108記載の方法。
【請求項113】
親水性状態において、前記微孔質材料は透明である、請求項108記載の方法。
【請求項114】
疎水性状態の微孔質材料は、500μm以下の最大厚さを有する、請求項108記載の方法。
【請求項115】
疎水性状態において、前記微孔質材料の表面上に置かれた水滴は、前記表面に対して90度を超える接触角を形成し、そして、親水性状態において、前記微孔質材料の表面に置かれた水滴は、前記表面に対して90度未満の接触角を形成し、疎水性状態から親水性状態への移行は、接触角の少なくとも10度の減少を構成する、請求項108記載の方法。
【請求項116】
前記可変的な流れ抵抗は、親水性状態よりも疎水性状態の方が大きい、請求項106記載の方法。
【請求項117】
前記微孔質材料は、疎水性状態よりも親水性状態の方が半透明である、請求項108記載の方法。
【請求項118】
前記リザーバの壁は、前記リザーバと連通し、前記導管が係合して受け入れられるリザーバ開口部を画定し、
前記リザーバ壁の少なくとも一部は、前記微孔質材料からなる壁部分を有し、前記壁部分は、前記リザーバに面する内側と、眼の外部領域に面する反対側の外側とを有し、前記壁部分の内側は、前記壁部分の内側全体に延在する低多孔性表面を有し、前記壁部分の外側は、交互に並んだ低多孔性表面及び高多孔性表面を有する、請求項108記載の方法。
【請求項119】
前記微孔質材料は、第二の微孔質膜と一体化された第一の微孔質膜を有する第一の層と、第四の微孔質膜と一体化された第三の微孔質膜を有する第二の層とを含む、請求項108記載の方法。
【請求項120】
前記微孔質材料は延伸ポリテトラフルオロエチレン(ePTFE)を含む、請求項108記載の方法。
【請求項121】
前記第一の微孔質膜の第一の微孔質膜透過性は、前記第二の微孔質膜の第二の微孔質膜透過性より大きく、前記第四の微孔質膜の第四の微孔質膜透過性は、前記第三の微孔質膜の第三の微孔質膜透過性よりも大きい、請求項120記載の方法。
【請求項122】
前記第一の層及び前記第二の層は、前記第一の微孔質膜及び前記第四の微孔質膜が前記シャント本体の最外膜であり、前記第二の微孔質膜及び前記第三の微孔質膜が前記シャント本体の最内膜であり、前記リザーバを画定するように、スタック構成になっている、請求項121記載の方法。
【請求項123】
前記第一の微孔質膜は第一の微孔質膜透過性を有し、前記第二の微孔質膜は第二の微孔質膜透過性を有し、前記第三の微孔質膜は第三の微孔質膜透過性を有し、前記第四の微孔質膜は第四の微孔質膜透過性を有し、
前記第二の微孔質膜透過性は前記第三の微孔質膜透過性とほぼ同じであり、前記第一の微孔質膜透過性は前記第四の微孔質膜透過性とほぼ同じであり、
前記第二の微孔質膜透過性及び前記第三の微孔質膜透過性は、それぞれ、前記第一の微孔質膜透過性及び前記第四の微孔質膜透過性とは異なる、請求項119記載の方法。
【請求項124】
前記第二の微孔質膜及び前記第三の微孔質膜は、前記第一の層及び前記第二の層の周縁部に沿って互いに結合されて、前記リザーバを画定し、前記リザーバを前記第二の微孔質膜と前記第三の微孔質膜との間に配置し、
前記第二の微孔質膜及び前記第三の微孔質膜は、組織の内方成長に抵抗するように構成されており、
前記第一の微孔質膜及び前記第四の微孔質膜は、組織の内方成長を可能にするように構成されており、
前記第二の微孔質膜及び前記第三の微孔質膜は、前記第一の層及び前記第二の層の周縁部に隣接して維持される拡張状態を有する、請求項119記載の方法。
【請求項125】
前記リザーバは、前記第二の微孔質膜及び前記第三の微孔質膜がそれらの間の流体流に抵抗する収縮状態と、流体が前記第二の微孔質膜と前記第三の微孔質膜の間に流れることができる膨張状態との間で移動するように構成されている、請求項119記載の方法。
【請求項126】
前記リザーバへの流体流は、前記導管の遠位端からチャンバの周縁部に向かって導かれる、請求項125記載の方法。
【請求項127】
前記リザーバは、前記導管の遠位端に隣接するリザーバ近位セクションと、前記リザーバ近位セクションの反対側に位置するリザーバ遠位セクションとを有し、
流体の排出中に、前記リザーバ近位セクションは、前記リザーバ遠位セクションより前に膨張するように構成されている、請求項125記載の方法。
【請求項128】
前記可変的な流れ抵抗は、経時的な流速に対する圧力の変化率に対応する、請求項108記載の方法。
【請求項129】
前記微孔質材料は、第一の流れ抵抗を有する疎水性状態から、第二の流れ抵抗を有する部分親水性状態に移行し、次いで、第三の流れ抵抗を有する親水性状態に移行し、
前記第一の流れ抵抗は、前記第二の流れ抵抗及び前記第三の流れ抵抗の両方よりも大きく、前記第二の流れ抵抗は、前記第三の流れ抵抗よりも大きい、請求項128記載の方法。
【請求項130】
前記微孔質材料は、流体による前記微孔質材料の湿潤化に基づいて疎水性状態から親水性状態に移行するように構成されており、
前記微孔質材料は、前記シャント本体の外側部分の湿潤化が前記リザーバの湿潤化の前に起こるように構成されている、請求項108記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
関連出願への相互参照
本出願は、2021年11月5日に出願された米国仮出願第63/276,170号及び2022年11月3日に出願された米国特許出願第17/980,417号に対する優先権を主張し、それぞれの全体が参照により本明細書に組み込まれる。
【0002】
分野
本開示は、一般に、流体を排出し、流体を体内の他の場所で再吸収されるように方向転換するための装置、システム及び方法に関する。より具体的には、本開示は、体によって再吸収できるように患者の眼の前房から房水を排出するための装置、システム及び方法に関する。
【背景技術】
【0003】
背景
様々な医療介入には、過剰な流体、例えば、体液を体のある部分から排出し、それが再吸収されうる体の別の場所に方向転換することが関与される。特定の例において、この排出は、内視鏡による脳室開窓術(ETV)及び脈絡叢焼灼術(CPC)などの低侵襲手術によって達成される。他の例において、この排出はシャントなどのインプラント可能なメディカルデバイスを介して術後に実行される。様々な医療処置で有用であることが証明されていることだが、様々な形式のシャントは水頭症及び緑内障などの多くの病気の治療に使用されてきた。
【0004】
治療を行わないと、過剰な体液が不健康な圧力の上昇を引き起こす可能性がある。例えば、緑内障は眼圧の上昇を特徴とする進行性眼疾患である。房水は、眼の前房を満たす流体であり、眼圧又は眼内液圧に寄与する。この眼圧の上昇は、通常、体に吸収される房水の量が不十分であることが原因で発生する。幾つかの場合に、房水が十分に早く吸収されないか、あるいはまったく吸収されないことさえあるが、他の場合には、房水が追加的に又は代わりに速く生成されすぎる。眼圧の上昇は、罹患した眼の徐々の、時には永久的な視力喪失を引き起こす。
【0005】
緑内障を治療するために多くの試みがなされてきた。しかしながら、幾つかの従来のデバイスは比較的にかさばり、デバイスと周囲組織との間の相対運動を避けるために必要な可撓性、順応性及びデバイス/組織付着に欠けている。このような動きにより、周囲組織が刺激され続け、インプラント処置部位に刺激を引き起こす可能性がある。次いで、刺激は、慢性炎症組織反応の増加、デバイス部位の過度の瘢痕化、結膜炎及び眼内炎によるデバイス侵食のリスク増加につながる可能性がある。瘢痕組織は、びらんを起こすことなく房水の吸収を効果的に妨げる。これらの合併症により、デバイスが適切に機能するのを妨げることがある。その結果、眼圧が徐々に上昇し、緑内障が進行する。
【発明の概要】
【0006】
要旨
1つの例(「例1」)によれば、眼から眼の周囲の組織に流体を排出するための緑内障シャントが本明細書に開示される。緑内障シャントは、眼の組織内にインプラント処置可能であり、そして、シャント本体内にリザーバを形成するように配置された微孔質材料から形成されたシャント本体、及び、前記リザーバと流体連通している導管を含み、ここで、前記導管は、前記導管の遠位端の流体が前記導管を通って流れて前記リザーバ内に蓄積できるように眼に挿入可能である。微孔質材料は、前記リザーバ内に蓄積された流体が前記微孔質材料を通って眼の周囲の組織に拡散するときに30日以内に疎水性状態から親水性状態に移行し、微孔質材料が疎水性状態から親水性状態へ移行するときに可変的な流れ抵抗を提供する。
【0007】
例1に加えて、別の例(「例2」)によれば、前記微孔質材料の第一の部分は、3日以内に疎水性状態から親水性状態に移行する。
【0008】
例2に加えて、別の例(「例3」)によれば、前記微孔質材料の第一の部分とは異なる第二の部分は、7日以内に疎水性状態から親水性状態に移行する。
【0009】
前述のいずれかの例に加えて、別の例(「例4」)によれば、微孔質材料全体は30日以内に疎水性状態から親水性状態に移行する。
【0010】
前述のいずれかの例に加えて、別の例(「例5」)によれば、疎水性状態において、微孔質材料は不透明である。
【0011】
前述のいずれかの例に加えて、別の例(「例6」)によれば、親水性状態において、微孔質材料は透明である。
【0012】
前述のいずれかの例に加えて、別の例(「例7」)によれば、前記シャント本体は500μm以下の最大厚さを有する。
【0013】
前述のいずれかの例に加えて、別の例(「例8」)によれば、疎水性状態において、前記微孔質材料の表面上に置かれた水滴は、表面に対して90度を超える接触角を形成し、そして親水性状態において、前記微孔質材料の表面に置かれた水滴は、表面に対して90度未満の接触角を形成する。疎水性状態から親水性状態への移行は、接触角の少なくとも10度の減少を構成する。
【0014】
前述のいずれかの例に加えて、別の例(「例9」)によれば、前記可変的な流れ抵抗は、親水性状態よりも疎水性状態の方が大きい。
【0015】
前述のいずれかの例に加えて、別の例(「例10」)によれば、前記微孔質材料は、疎水性状態よりも親水性状態の方がより半透明である。
【0016】
前述のいずれかの例に加えて、別の例(「例11」)によれば、前記シャント本体は、前記リザーバを画定する連続壁と、内部リザーバと連通している前記連続壁内のリザーバ開口部であって、それを通して前記導管が係合して受け入れられる、リザーバ開口部とを有する。前記連続壁の少なくとも一部は、微孔質材料からなる壁部分を有する。前記壁部分は、内部リザーバに面する内側と、ヒトの眼の外部領域に面する反対側の外側とを有する。前記壁部分の内側は、前記壁部分の内側全体に延在する低多孔性表面を有する。前記壁部分の外側は、高多孔性表面の間に配置された低多孔性表面を含む交互表面を有する。
【0017】
前述のいずれかの例に加えて、別の例(「例12」)によれば、前記微孔質材料は、第二の微孔質膜と一体化された第一の微孔質膜を有する第一の層と、第四の微孔質膜と一体化された第三の微孔質膜を有する第二の層とを含む。
【0018】
例12に加えて、別の例(「例13」)によれば、前記微孔質材料は延伸ポリテトラフルオロエチレン(ePTFE)を含む。
【0019】
例13に加えて、別の例(「例14」)によれば、前記第一の微孔質膜の第一の微孔質膜透過性は、前記第二の微孔質膜の第二の微孔質膜透過性よりも大きい。前記第四の微孔質膜の第四の微孔質膜透過性は、前記第三の微孔質膜の第三の微孔質膜透過性よりも大きい。
【0020】
例14に加えて、別の例(「例15」)によれば、前記第一の層及び前記第二の層は、前記第一の微孔質膜及び前記第四の微孔質膜が前記シャント本体の最外膜であり、前記第二の微孔質膜及び前記第三の微孔質膜が前記シャント本体の最内膜であり、前記リザーバを画定するように、スタック構成になっている。
【0021】
例12に加えて、別の例(「例16」)によれば、前記第一の微孔質膜は第一の微孔質膜透過性を有し、前記第二の微孔質膜は第二の微孔質膜透過性を有し、前記第三の微孔質膜は第三の微孔質膜透過性を有し、前記第四の微孔質膜は第四の微孔質膜透過性を有する。前記第二の微孔質膜透過性は第三の微孔質膜透過性とほぼ同じであり、前記第一の微孔質膜透過性は第四の微孔質膜透過性とほぼ同じである。前記第二の微孔質膜透過性及び第三の微孔質膜透過性は、それぞれ、前記第一の微孔質膜透過性及び前記第四の微孔質膜透過性とは異なる。
【0022】
例12に加えて、別の例(「例17」)によれば、前記第二の微孔質膜及び前記第三の微孔質膜は、前記第一の層及び前記第二の層の周縁部に沿って互いに結合されて、前記リザーバを画定し、前記リザーバを前記第二の微孔質膜と前記第三の微孔質膜との間に配置する。前記第二の微孔質膜及び前記第三の微孔質膜は、組織の内方成長に抵抗するように構成されている。前記第二の微孔質膜及び前記第三の微孔質膜は、前記第一の層及び前記第二の層の周縁部に隣接して維持される拡張状態を有する。
【0023】
例12に加えて、別の例(「例18」)によれば、前記リザーバは、前記第二の微孔質膜及び前記第三の微孔質膜がその間の流体の流れに抵抗する崩潰状態と、流体が前記第二の微孔質と前記第三の微孔質膜との間を流れることができる拡張状態との間で移動するように構成されている。
【0024】
例18に加えて、別の例(「例19」)によれば、前記リザーバへの流体流は、前記導管の遠位端からチャンバの周縁部に向かって導かれる。
【0025】
例18に加えて、別の例(「例20」)によれば、前記リザーバは、前記導管の遠位端に隣接するリザーバ近位セクションと、前記リザーバ近位セクションの反対側に位置するリザーバ遠位セクションとを有する。流体の排出中に、前記リザーバ近位セクションは、前記リザーバ遠位セクションより前に膨張するように構成されている。
【0026】
前述のいずれかの例に加えて、別の例(「例21」)によれば、前記可変的な流れ抵抗は、経時的な流速に対する圧力の変化率に対応する。
【0027】
例21に加えて、別の例(「例22」)によれば、前記微孔質材料は、第一の流れ抵抗を有する疎水性状態から、第二の流れ抵抗を有する部分親水性状態に移行し、次いで、第三の流れ抵抗を有する親水性状態に移行する。前記第一の流れ抵抗は、前記第二の流れ抵抗及び前記第三の流れ抵抗の両方よりも大きく、前記第二の流れ抵抗は、前記第三の流れ抵抗よりも大きい。
【0028】
前述のいずれかの例に加えて、別の例(「例23」)によれば、前記微孔質材料は、流体による前記微孔質材料の湿潤化に基づいて疎水性状態から親水性状態に移行するように構成されている。前記微孔質材料は、前記シャント本体の外側部分の湿潤化が前記リザーバの湿潤化の前に起こるように構成されている。
【0029】
別の例(「例24」)によれば、房水拡散デバイスが本明細書に開示される。このデバイスは、デバイス本体内にリザーバを形成するように配置された微孔質材料から形成されたデバイス本体を含み、前記リザーバは流体を受け入れて蓄積するように構成されている。微孔質材料は、前記リザーバ内に蓄積された流体が前記微孔質材料を通して前記デバイスの周囲の組織に拡散するときに、30日以内に疎水性状態から親水性状態に移行し、前記微孔質材料が疎水性状態から親水性状態に移行するときに、可変的な流れ抵抗を提供する。
【0030】
例24に加えて、別の例(「例25」)によれば、前記微孔質材料の第一の部分は、3日以内に疎水性状態から親水性状態に移行する。
【0031】
例25に加えて、別の例(「例26」)によれば、前記微孔質材料の第一の部分とは異なる第二の部分は、7日以内に疎水性状態から親水性状態に移行する。
【0032】
例24~26のいずれか1つに加えて、別の例(「例27」)によれば、前記微孔質材料の全体は30日以内に疎水性状態から親水性状態に移行する。
【0033】
例24~27のいずれか1つに加えて、別の例(「例28」)によれば、疎水性状態において、前記微孔質材料は不透明である。
【0034】
例24~28のいずれか1つに加えて、別の例(「例29」)によれば、親水性状態において、前記微孔質材料は透明である。
【0035】
例24~29のいずれか1つに加えて、別の例(「例30」)によれば、前記シャント本体は、500μm以下の最大厚さを有する。
【0036】
例24~30のいずれか1つに加えて、別の例(「例31」)によれば、疎水性状態において、前記微孔質材料の表面上に置かれた水滴は、前記表面に対して90度を超える接触角を形成する。親水性状態において、前記微孔質材料の表面に置かれた水滴は、前記表面に対して90度未満の接触角を形成する。疎水性状態から親水性状態への移行は、接触角の少なくとも10度の減少を構成する。
【0037】
例24~31のいずれか1つに加えて、別の例(「例32」)によれば、可変的な流れ抵抗は、親水性状態よりも疎水性状態の方が大きい。
【0038】
例24~32のいずれか1つに加えて、別の例(「例33」)によれば、前記微孔質材料は、疎水性状態よりも親水性状態の方がより半透明である。
【0039】
例24~33のいずれか1つに加えて、別の例(「例34」)によれば、前記微孔質材料は、第二の微孔質膜に結合された第一の微孔質膜を有する第一の層と、第四の微孔質膜に結合された第三の微孔質膜を含む第二の層とを含む。
【0040】
例34に加えて、別の例(「例35」)によれば、前記微孔質材料は延伸ポリテトラフルオロエチレン(ePTFE)を含む。
【0041】
例35に加えて、別の例(「例36」)によれば、前記第一の微孔質膜の第一の微孔質膜透過性は、前記第二の微孔質膜の第二の微孔質膜透過性よりも大きい。前記第四の微孔質膜の第四の微孔質膜透過性は、前記第三の微孔質膜の第三の微孔質膜透過性よりも大きい。
【0042】
例36に加えて、別の例(「例37」)によれば、前記第一の層及び前記第二の層は、前記第一の微孔質膜及び前記第四の微孔質膜が前記デバイス本体の最外膜であり、前記第二の微孔質膜及び第三の微孔質膜が前記デバイス本体の最内膜であり、前記前記リザーバを画定するように、スタック構成になっている。
【0043】
例34に加えて、別の例(「例38」)によれば、前記第一の微孔質膜は第一の微孔質膜透過性を有し、前記第二の微孔質膜は第二の微孔質膜透過性を有し、前記第三の微孔質膜は第三の微孔質膜透過性を有し、前記第四の微孔質膜は第四の微孔質膜透過性を有する。前記第二の微孔質膜透過性は前記第三の微孔質膜透過性とほぼ同じであり、前記第一の微孔質膜透過性は前記第四の微孔質膜透過性とほぼ同じである。前記第二の微孔質膜透過性及び前記第三の微孔質膜透過性は、それぞれ、前記第一の微孔質膜透過性及び前記第四の微孔質膜透過性とは異なる。
【0044】
例34に加えて、別の例(「例39」)によれば、前記第二の微孔質膜及び前記第三の微孔質膜は、前記第一の層及び前記第二の層の周縁部に沿って互いに結合されて、前記リザーバを画定し、前記リザーバを前記第二の微孔質膜と前記第三の微孔質膜との間に配置する。前記第二の微孔質膜及び前記第三の微孔質膜は、組織の内方成長に抵抗するように構成されている。前記第一の微孔質膜及び前記第四の微孔質膜は、組織の内方成長を可能にするように構成されている。前記第二の微孔質膜及び前記第三の微孔質膜は、前記第一の層及び前記第二の層の周縁部に隣接して維持される拡張状態を有する。
【0045】
例34に加えて、別の例(「例40」)によれば、前記リザーバは、前記第二の微孔質膜及び前記第三の微孔質膜がそれらの間の流体流に抵抗する崩潰状態と、前記第二の微孔質膜と前記第三の微孔質膜の間に流体が流れることができる拡張状態との間で移動するように構成されている。
【0046】
例40に加えて、別の例(「例41」)によれば、前記リザーバへの流体の流れは、前記リザーバの近位部分からチャンバの周縁部に向かって導かれる。
【0047】
例40に加えて、別の例(「例42」)によれば、前記リザーバは、流体が受け入れられるリザーバポートに隣接して配置されるように構成されるリザーバ近位セクションと、前記リザーバ近位セクションの反対側に配置されるリザーバ遠位セクションとを有する。流体の排出中に、前記リザーバ近位セクションは、前記リザーバ遠位セクションより前に膨張するように構成されている。
【0048】
例24~42のいずれか1つに加えて、別の例(「例43」)によれば、可変的な流れ抵抗は、経時的な流速に対する圧力の変化率に対応する。
【0049】
例43に加えて、別の例(「例44」)によれば、前記微孔質材料は、第一の流れ抵抗を有する疎水性状態から、第二の流れ抵抗を有する部分親水性状態に移行し、次いで、第三の流れ抵抗を有する親水性状態に移行する。前記第一の流れ抵抗は、前記第二の流れ抵抗及び前記第三の流れ抵抗の両方よりも大きく、前記第二の流れ抵抗は、前記第三の流れ抵抗よりも大きい。
【0050】
例24~44のいずれか1つに加えて、別の例(「例45」)によれば、前記微孔質材料は、流体による前記微孔質材料の湿潤化に基づいて疎水性状態から親水性状態に移行するように構成されている。前記微孔質材料は、前記デバイス本体の外側部分の湿潤化が前記リザーバの湿潤化の前に起こるように構成されている。
【0051】
別の例(「例46」)によれば、インプラント処置可能な緑内障ドレナージデバイスを形成するための方法が開示される。この方法は、流体を受け入れて蓄積するように構成されたリザーバが内部に画定されているデバイス本体を形成するように微孔質材料を配置すること、流体が前記リザーバ内に蓄積されると、流体が前記微孔質材料を通って前記デバイスの周囲の組織に拡散するときに前記微孔質材料が30日以内に疎水性状態から親水性状態に移行し、前記微孔質材料が疎水性状態から親水性状態に移行するときに可変的な流れ抵抗を提供するように、前記リザーバを形成する前記微孔質材料の部分を固定することを含む。
【0052】
例46に加えて、別の例(「例47」)によれば、前記微孔質材料の第一の部分は、3日以内に疎水性状態から親水性状態に移行する。
【0053】
例47に加えて、別の例(「例48」)によれば、前記微孔質材料の第一の部分とは異なる第二の部分は、7日以内に疎水性状態から親水性状態に移行する。
【0054】
例46~48のいずれか1つに加えて、別の例(「例49」)によれば、前記微孔質材料の全体が30日以内に疎水性状態から親水性状態に移行する。
【0055】
例46~49のいずれか1つに加えて、別の例(「例50」)によれば、疎水性状態において、前記微孔質材料は不透明である。
【0056】
例46~50のいずれか1つに加えて、別の例(「例51」)によれば、親水性状態において、前記微孔質材料は透明である。
【0057】
例46~51のいずれか1つに加えて、別の例(「例52」)によれば、前記シャント本体は500μm以下の最大厚さを有する。
【0058】
例46~52のいずれか1つに加えて、別の例(「例53」)によれば、疎水性状態において、前記微孔質材料の表面上に置かれた水滴は、前記表面に対して90度を超える接触角を形成する。親水性状態において、前記微孔質材料の表面に置かれた水滴は、前記表面に対して90度未満の接触角を形成する。疎水性状態から親水性状態への移行は、接触角の少なくとも10度の減少を構成する。
【0059】
例46~53のいずれか1つに加えて、別の例(「例54」)によれば、前記可変的な流れ抵抗は、親水性状態よりも疎水性状態の方が大きい。
【0060】
例46~54のいずれか1つに加えて、別の例(「例55」)によれば、前記微孔質材料は、疎水性状態よりも親水性状態の方が半透明である。
【0061】
例46~55のいずれか1つに加えて、別の例(「例56」)によれば、前記リザーバは、前記デバイス本体のポートを介して流体を受け入れる。この方法はさらに、吸入導管を前記ポートにおいて前記デバイス本体に固定することを含み、前記吸入導管は排液を受け入れるように構成されている。
【0062】
例46~56のいずれか1つに加えて、別の例(「例57」)によれば、前記1つ以上の微孔質材料は、第二の微孔質膜に結合された第一の微孔質膜を有する第一の層と、第四の微孔質膜に結合された第三の微孔質膜を含む第二の層とを含む。前記1つ以上の微孔質材料の部分を固定することは、前記第二の微孔質膜を第三の微孔質膜に結合することを含む。
【0063】
例57に加えて、別の例(「例58」)によれば、前記第二の微孔質膜及び前記第三の微孔質膜は、前記第一の層及び前記第二の層の周縁部に沿って互いに結合されて、前記リザーバを画定し、前記第二の微孔質膜と前記第三の微孔質膜との間に前記リザーバを配置する。前記第二の微孔質膜及び前記第三の微孔質膜は、組織内方成長に抵抗するように構成されている。前記第一の微孔質膜及び前記第四の微孔質膜は、組織の内方成長を可能にするように構成されている。前記第二の微孔質膜及び前記第三の微孔質膜は、前記第一の層と前記第二の層の周縁部に隣接して維持される拡張状態を有する。
【0064】
例57に加えて、別の例(「例59」)によれば、前記微孔質材料の部分を固定することは、前記第一の微孔質膜と前記第四の微孔質膜とを結合することを控えることを含む。
【0065】
例57に加え、別の例(「例60」)によれば、前記1つ以上の微孔質材料の部分を固定することは、前記第一の微孔質膜及び前記第四の微孔質膜が前記デバイス本体の最外膜であり、前記第二の微孔質膜及び前記第三の微孔質膜が前記デバイス本体の最内膜であるように、前記第一の層と前記第二の層をスタック構成に配置することを含む。
【0066】
別の例(「例61」)によれば、ヒトの眼の内部領域からヒトの眼の外部領域に流体を排出するための緑内障ドレナージデバイスが本明細書に開示される。前記デバイスは、本体内の内部リザーバを画定する連続壁と、前記内部リザーバと連通する壁におけるリザーバ開口部とを有する本体、及び、前記本体から導管長さだけ延在する導管を含む。前記導管は、対向する第一の端部及び第二の端部の間に延在している前記導管を通る通路を画定する、対向する第一の端部及び第二の端部を有し、前記導管の第一の端部はリザーバ開口部と係合して前記導管の第二の端部と前記リザーバとの間に流体接続を提供し、前記導管長さは、前記第一の導管端をヒトの眼の外部領域に配置し、前記第二の導管端をヒトの眼の内部領域に配置するのに十分である。前記連続壁の少なくとも一部は、微孔質材料からなる壁部分を有する。前記壁部分は、前記リザーバに面する内側と、ヒトの眼の外部領域に面する反対側の外側とを有し、前記壁部分の内側は、前記壁部分の内側全体に延在している低多孔性表面を有する。前記壁部分の外側は、高多孔性表面の間に配置された低多孔性表面を含む交互表面を有する。前記壁部分は、流体が前記壁部分と係合するときに、最終の親水性状態に30日以内に移行する、初期の疎水性状態を有する。
【0067】
例61に加えて、別の例(「例62」)によれば、前記微孔質材料の第一の部分は、3日以内に疎水性状態から親水性状態に移行する。
【0068】
例62に加えて、別の例(「例63」)によれば、前記微孔質材料の第一の部分とは異なる第二の部分は、7日以内に疎水性状態から親水性状態に移行する。
【0069】
例61~63のいずれか1つに加えて、別の例(「例64」)によれば、前記微孔質材料の全体は30日以内に疎水性状態から親水性状態に移行する。
【0070】
例61~64のいずれか1つに加えて、別の例(「例65」)によれば、疎水性状態において、前記微孔質材料は不透明である。
【0071】
例61~65のいずれか1つに加えて、別の例(「例66」)によれば、親水性状態において、前記微孔質材料は透明である。
【0072】
例61~66のいずれか1つに加えて、別の例(「例67」)によれば、前記シャント本体は500μm以下の最大厚さを有する。
【0073】
例61~67のいずれか1つに加えて、別の例(「例68」)によれば、疎水性状態において、前記微孔質材料の表面上に置かれた水滴は、前記表面に対して90度を超える接触角を形成する。親水性状態において、前記微孔質材料の表面に置かれた水滴は、前記表面に対して90度未満の接触角を形成する。疎水性状態から親水性状態への移行は、接触角の少なくとも10度の減少を構成する。
【0074】
例61~68のいずれか1つに加えて、別の例(「例69」)によれば、前記可変的な流れ抵抗は、親水性状態よりも疎水性状態の方が大きい。
【0075】
例61~69のいずれか1つに加えて、別の例(「例70」)によれば、前記微孔質材料は、疎水性状態よりも親水性状態の方が半透明である。
【0076】
例61~70のいずれか1つに加えて、別の例(「例71」)によれば、前記壁部分は、前記内側と前記外側との間に延在する壁部分の厚さを画定する。前記壁部分の厚さは、前記内側の低多孔性表面の多孔度と前記外側の高多孔性表面の多孔度との間の移行多孔度を有する前記壁部分の内部領域を画定する。
【0077】
例61~70のいずれか1つに加えて、別の例(「例72」)によれば、前記壁部分は、前記内側と前記外側との間に延在する壁部分の厚さを画定し、前記壁部分の厚さは、前記内側の低多孔性表面と前記外側の低多孔性表面との間に延在する壁部分の内部領域を画定し、前記内部領域は、前記内側及び前記外側の低多孔性表面の多孔度に等しい内部領域多孔度を有する。
【0078】
例61~70のいずれか1つに加えて、別の例(「例73」)によれば、前記壁部分は、前記内側と前記外側との間に延在する壁部分の厚さを画定する。前記壁部分の厚さは、前記内側の低多孔性表面と前記外側の高多孔性表面との間に延在する壁部分の内部領域を画定する。前記内部領域は、前記内側の低多孔性表面の多孔度に等しい内部領域多孔度を有する。
【0079】
例61~70のいずれか1つに加えて、別の例(「例74」)によれば、前記壁部分は、前記内側と前記外側との間に延在する壁部分の厚さを画定し、前記壁部分の厚さは、前記内側の低多孔性表面と前記外側の高多孔性表面との間に延在する壁部分の内部領域を画定する。前記内部領域は、前記外側の高多孔性表面の多孔度に等しい内部領域多孔度を有する。
【0080】
例61~74のいずれか1つに加えて、別の例(「例75」)によれば、前記導管の第二の端部と前記リザーバとの間の流体接続は、前記リザーバから前記微孔質材料を通してさらに延在し、前記リザーバからヒトの眼の外部領域への流体連通を提供する。
【0081】
例75に加えて、別の例(「例76」)によれば、前記流体連通は、前記微孔質材料を通る流路を画定する。
【0082】
例76に加えて、別の例(「例77」)によれば、前記微孔質材料を通る流路は、前記リザーバから遠ざかる方向にある。
【0083】
例76に加えて、別の例(「例78」)によれば、前記微孔質材料を通る流路は、低多孔度を有する微孔質領域から高い多孔度を有する微孔質領域に進む。
【0084】
別の例(「例79」)によれば、眼から眼の周囲の組織への流体の流れを制御するための方法が開示される。この方法は、リザーバを画定する疎水性材料と係合するように配置された流体で前記リザーバを膨張させること、ここで、前記疎水性材料は第一の流れ抵抗を提供する、流体との係合した後30日以内に前記疎水性材料を親水性材料に移行させること、ここで、前記移行は、第一の流れ抵抗から前記第一の流れ抵抗よりも低い第二の流れ抵抗まで減少する材料の可変的な流れ抵抗を規定する、及び、前記親水性材料を通して眼の周囲の組織に流体を導くことによって、前記リザーバを排液し、眼の流体圧力を軽減することことを含む。
【0085】
例79に加えて、別の例(「例80」)によれば、前記疎水性材料及び前記親水性材料は微孔質材料である。
【0086】
例80に加えて、別の例(「例81」)によれば、前記疎水性材料は疎水性状態にある微孔質材料である。
【0087】
例80に加えて、別の例(「例82」)によれば、前記親水性材料は親水性状態にある微孔質材料である。
【0088】
例80に加えて、別の例(「例83」)によれば、前記微孔質材料は最初は疎水性状態にあり、前記疎水性材料の親水性材料への移行により微孔質材料は疎水性状態から疎水性状態に変化する。
【0089】
例83に加えて、別の例(「例84」)によれば、前記微孔質材料の第一の部分は、3日以内に疎水性状態から親水性状態に移行する。
【0090】
例84に加えて、別の例(「例85」)によれば、前記微孔質材料の第一の部分とは異なる第二の部分は、7日以内に疎水性状態から親水性状態に移行する。
【0091】
例83に加えて、別の例(「例86」)によれば、前記微孔質材料の全体は30日以内に疎水性状態から親水性状態に移行する。
【0092】
例83に加えて、別の例(「例87」)によれば、疎水性状態において、前記微孔質材料は不透明である。
【0093】
例83に加えて、別の例(「例88」)によれば、親水性状態において、前記微孔質材料は透明である。
【0094】
例79に加えて、別の例(「例89」)によれば、前記疎水性材料は500μm以下の最大厚さを有する。
【0095】
例83に加えて、別の例(「例90」)によれば、疎水性状態において、前記微孔質材料の表面上に置かれた水滴は、前記表面に対して90度を超える接触角を形成し、そして、親水性状態において、前記微孔質材料の表面に置かれた水滴は、前記表面に対して90度未満の接触角を形成する。疎水性状態から親水性状態への移行は、接触角の少なくとも10度の減少を構成する。
【0096】
例83に加えて、別の例(「例91」)によれば、前記可変的な流れ抵抗は、親水性状態よりも疎水性状態の方が大きい。
【0097】
例83に加えて、別の例(「例92」)によれば、前記微孔質材料は、疎水性状態よりも親水性状態の方が半透明である。
【0098】
例80に加えて、別の例(「例93」)によれば、本方法は、前記リザーバを画定する連続壁と、前記リザーバと連通して前記導管が係合して受け入れられる前記連続壁内のリザーバ開口部とを設けることを含む。前記連続壁の少なくとも一部は、前記微孔質材料からなる壁部分を有する。前記壁部分は、前記リザーバに面する内側と、眼の外部領域に面する反対側の外側とを有する。前記壁部分の内側は、前記壁部分の内側全体に延在する低多孔性表面を有する。前記壁部分の外側は、交互に並んだ低多孔性表面と高多孔性表面を有する。
【0099】
例80に加えて、別の例(「例94」)によれば、前記微孔質材料は、第二の微孔質膜と一体化された第一の微孔質膜を有する第一の層と、第四の微孔質膜と一体化された第三の微孔質膜を有する第二の層とを含む。
【0100】
例94に加えて、別の例(「例95」)によれば、前記微孔質材料は延伸ポリテトラフルオロエチレン(ePTFE)を含む。
【0101】
例95に加えて、別の例(「例96」)によれば、前記第一の微孔質膜の第一の微孔質膜透過性は、前記第二の微孔質膜の第二の微孔質膜透過性よりも大きい。前記第四の微孔質膜の第四の微孔質膜透過性は、前記第三の微孔質膜の第三の微孔質膜透過性よりも大きい。
【0102】
例96に加えて、別の例(「例97」)によれば、前記第一の層及び前記第二の層は、前記第一の微孔質膜及び前記第四の微孔質膜が前記シャント本体の最外膜であり、前記第二の微孔質膜及び前記第三の微孔質膜が前記シャント本体の最内膜であり、前記リザーバを画定するように、スタック構成になっている。
【0103】
例94に加えて、別の例(「例98」)によれば、前記第一の微孔質膜は第一の微孔質膜透過性を有し、前記第二の微孔質膜は第二の微孔質膜透過性を有し、前記第三の微孔質膜は第三の微孔質膜透過性を有し、前記第四の微孔質膜は第四の微孔質膜透過性を有する。前記第二の微孔質膜透過性は前記第三の微孔質膜透過性とほぼ同じであり、前記第一の微孔質膜透過性は前記第四の微孔質膜透過性とほぼ同じである。前記第二の微孔質膜透過性及び前記第三の微孔質膜透過性は、それぞれ、前記第一の微孔質膜透過性及び前記第四の微孔質膜透過性とは異なる。
【0104】
例94に加えて、別の例(「例99」)によれば、前記第二の微孔質膜及び第三の微孔質膜は、前記第一の層及び前記第二の層の周縁部に沿って互いに結合されて、前記リザーバを画定し、前記リザーバを前記第二の微孔質膜と第三の微孔質膜との間に配置する。前記第二の微孔質膜及び前記第三の微孔質膜は、組織の内方成長に抵抗するように構成されている。前記第一の微孔質膜及び前記第四の微孔質膜は、組織の内方成長を可能にするように構成されている。前記第二の微孔質膜及び前記第三の微孔質膜は、前記第一の層及び前記第二の層の周縁部に隣接して維持される拡張状態を有する。
【0105】
例94に加えて、別の例(「例100」)によれば、前記リザーバは、前記第二の微孔質膜及び前記第三の微孔質膜がそれらの間の流体流に抵抗する収縮状態と、流体が前記第二の微孔質膜と前記第三の微孔質膜の間で流れることができる膨張状態との間で移動するように構成されている。
【0106】
例100に加えて、別の例(「例101」)によれば、前記リザーバへの流体流は、前記導管の遠位端からチャンバの周縁部に向かって導かれる。
【0107】
例100に加えて、別の例(「例102」)によれば、前記リザーバは、前記導管の遠位端に隣接するリザーバ近位セクションと、前記リザーバ近位セクションの反対側に位置するリザーバ遠位セクションとを有する。流体の排出中に、前記リザーバ近位セクションは、前記リザーバ遠位セクションより前に膨張するように構成されている。
【0108】
例83に加えて、別の例(「例103」)によれば、可変的な流れ抵抗は、経時的な流速に対する圧力の変化率に対応する。
【0109】
例103に加えて、別の例(「例104」)によれば、前記微孔質材料は、第一の流れ抵抗を有する疎水性状態から、第二の流れ抵抗を有する部分親水性状態に移行し、次いで、第三の流れ抵抗を有する親水性状態に移行する。前記第一の流れ抵抗は、前記第二の流れ抵抗及び前記第三の流れ抵抗の両方よりも大きく、前記第二の流れ抵抗は、前記第三の流れ抵抗よりも大きい。
【0110】
例83に加えて、別の例(「例105」)によれば、前記微孔質材料は、流体による微孔質材料の湿潤化に基づいて疎水性状態から親水性状態に移行するように構成されている。前記微孔質材料は前記シャント本体の外側部分の湿潤化が前記リザーバの湿潤化の前に起こるように構成されている。
【0111】
別の例(「例106」)によれば、眼の流体圧を管理するための方法が開示される。 この方法は、眼内にある眼液に関連する眼の望ましくない流体圧を特定すること、眼液に流体的に係合する導管を備えた眼の近くのリザーバを膨張させて、眼液を前記リザーバにデリバリーし、リザーバ壁が眼液に係合した後30日以内に初期の疎水性状態から親水性状態に移行する材料を含むリザーバ壁に係合させること、ここで、疎水性状態から親水性状態への移行は、初期の第一の流れ抵抗から前記第一の流れ抵抗よりも低い第二の流れ抵抗まで減少する材料の可変的な流れ抵抗を規定する、及び、眼の望ましくない流体圧を改善するために、前記材料を通して眼の周囲の組織に眼液を導くことによって前記リザーバを排液することを含む。
【0112】
例106に加えて、別の例(「例107」)によれば、前記可変的な流れ抵抗は、短期の術後の低眼圧状態の生成を軽減するために最小限の流体圧力を維持するのに十分な流れ抵抗を提供する。
【0113】
例106又は107に加えて、別の例(「例108」)によれば、前記材料は微孔質材料である。
【0114】
例108に加えて、別の例(「例109」)によれば、前記微孔質材料の第一の部分は、3日以内に疎水性状態から親水性状態に移行する。
【0115】
例109に加えて、別の例(「例110」)によれば、前記微孔質材料の第一の部分とは異なる第二の部分は7日以内に疎水性状態から親水性状態に移行する。
【0116】
例108に加えて、別の例(「例111」)によれば、前記微孔質材料の全体は30日以内に疎水性状態から親水性状態に移行する。
【0117】
例108に加えて、別の例(「例112」)によれば、疎水性状態において、前記微孔質材料は不透明である。
【0118】
例108に加えて、別の例(「例113」)によれば、親水性状態において、前記微孔質材料は透明である。
【0119】
例108に加えて、別の例(「例114」)によれば、疎水性状態の微孔質材料は、500μm以下の最大厚さを有する。
【0120】
例108に加えて、別の例(「例115」)によれば、疎水性状態において、前記微孔質材料の表面上に置かれた水滴は、前記表面に対して90度を超える接触角を形成し、そして、親水性状態において、前記微孔質材料の表面に置かれた水滴は、前記表面に対して90度未満の接触角を形成する。疎水性状態から親水性状態への移行は、接触角の少なくとも10度の減少を構成する。
【0121】
例106に加えて、別の例(「例116」)によれば、可変的な流れ抵抗は、親水性状態よりも疎水性状態の方が大きい。
【0122】
例108に加えて、別の例(「例117」)によれば、前記微孔質材料は、疎水性状態よりも親水性状態の方が半透明である。
【0123】
例108に加えて、別の例(「例118」)によれば、前記リザーバの壁は、前記リザーバと連通し、前記導管が係合して受け入れられるリザーバ開口部を画定する。前記リザーバ壁の少なくとも一部は、前記微孔質材料からなる壁部分を有する。前記壁部分は、前記リザーバに面する内側と、眼の外部領域に面する反対側の外側とを有する。前記壁部分の内側は、前記壁部分の内側全体に延在する低多孔性表面を有する。前記壁部分の外側は、交互に並んだ低多孔性表面及び高多孔性表面を有する。
【0124】
例108に加えて、別の例(「例119」)によれば、前記微孔質材料は、第二の微孔質膜と一体化された第一の微孔質膜を有する第一の層と、第四の微孔質膜と一体化された第三の微孔質膜を有する第二の層とを含む。
【0125】
例108に加えて、別の例(「例120」)によれば、前記微孔質材料は延伸ポリテトラフルオロエチレン(ePTFE)を含む。
【0126】
例120に加えて、別の例(「例121」)によれば、前記第一の微孔質膜の第一の微孔質膜透過性は、前記第二の微孔質膜の第二の微孔質膜透過性より大きく、前記第四の微孔質膜の第四の微孔質膜透過性は、前記第三の微孔質膜の第三の微孔質膜透過性よりも大きい。
【0127】
例121に加えて、別の例(「例122」)によれば、前記第一の層及び前記第二の層は、前記第一の微孔質膜及び前記第四の微孔質膜が前記シャント本体の最外膜であり、前記第二の微孔質膜及び前記第三の微孔質膜が前記シャント本体の最内膜であり、前記リザーバを画定するように、スタック構成になっている。
【0128】
例119に加えて、別の例(「例123」)によれば、前記第一の微孔質膜は第一の微孔質膜透過性を有し、前記第二の微孔質膜は第二の微孔質膜透過性を有し、前記第三の微孔質膜は第三の微孔質膜透過性を有し、前記第四の微孔質膜は第四の微孔質膜透過性を有する。前記第二の微孔質膜透過性は前記第三の微孔質膜透過性とほぼ同じであり、前記第一の微孔質膜透過性は前記第四の微孔質膜透過性とほぼ同じである。前記第二の微孔質膜透過性及び前記第三の微孔質膜透過性は、それぞれ、前記第一の微孔質膜透過性及び前記第四の微孔質膜透過性とは異なる。
【0129】
例119に加えて、別の例(「例124」)によれば、前記第二の微孔質膜及び前記第三の微孔質膜は、前記第一の層及び前記第二の層の周縁部に沿って互いに結合されて、前記リザーバを画定し、前記リザーバを前記第二の微孔質膜と前記第三の微孔質膜との間に配置する。前記第二の微孔質膜及び前記第三の微孔質膜は、組織の内方成長に抵抗するように構成されている。前記第一の微孔質膜及び前記第四の微孔質膜は、組織の内方成長を可能にするように構成されている。前記第二の微孔質膜及び前記第三の微孔質膜は、前記第一の層及び前記第二の層の周縁部に隣接して維持される拡張状態を有する。
【0130】
例119に加えて、別の例(「例125」)によれば、前記リザーバは、前記第二の微孔質膜及び前記第三の微孔質膜がそれらの間の流体流に抵抗する収縮状態と、流体が前記第二の微孔質膜と前記第三の微孔質膜の間に流れることができる膨張状態との間で移動するように構成されている。
【0131】
例125に加えて、別の例(「例126」)によれば、前記リザーバへの流体流は、前記導管の遠位端からチャンバの周縁部に向かって導かれる。
【0132】
例125に加えて、別の例(「例127」)によれば、前記リザーバは、前記導管の遠位端に隣接するリザーバ近位セクションと、前記リザーバ近位セクションの反対側に位置するリザーバ遠位セクションとを有する。流体の排出中に、前記リザーバ近位セクションは、前記リザーバ遠位セクションより前に膨張するように構成されている。
【0133】
例108に加えて、別の例(「例128」)によれば、前記可変的な流れ抵抗は、経時的な流速に対する圧力の変化率に対応する。
【0134】
例128に加えて、別の例(「例129」)によれば、前記微孔質材料は、第一の流れ抵抗を有する疎水性状態から、第二の流れ抵抗を有する部分親水性状態に移行し、次いで、第三の流れ抵抗を有する親水性状態に移行する。前記第一の流れ抵抗は、前記第二の流れ抵抗及び前記第三の流れ抵抗の両方よりも大きく、前記第二の流れ抵抗は、前記第三の流れ抵抗よりも大きい。
【0135】
例108に加えて、別の例(「例130」)によれば、前記微孔質材料は、流体による前記微孔質材料の湿潤化に基づいて疎水性状態から親水性状態に移行するように構成されている。前記微孔質材料は、前記シャント本体の外側部分の湿潤化が前記リザーバの湿潤化の前に起こるように構成されている。
【0136】
前述の例は単なる実施例であり、本開示によって別途提供される本発明の概念の範囲を限定したり又は狭めたりするように解釈されるべきではない。複数の例が開示されているが、さらに他の実施形態は、例示的な例を示し説明する以下の詳細な説明から当業者に明らかになるであろう。したがって、図面及び詳細な説明は、本質的に制限的なものではなく、本質的に例示的なものとして考えられるべきである。
【図面の簡単な説明】
【0137】
図面の簡単な説明
提出された特許又は出願は、カラーで作成された少なくとも1つの図面を含む、2022年11月3日に出願された米国出願第17/980,417号を引用し、優先権を主張する。
【0138】
添付の図面は、本開示のさらなる理解を提供するために含まれており、本明細書に組み込まれてその一部を構成し、実施形態を示し、記載とともに本開示の原理を説明するのに役立つ。
【0139】
図1A図1Aは、本開示の様々な態様と一致する、ドレナージシステムがインプラント処置された眼の図である。
【0140】
図1B図1Bは、図1Aの詳細A1の断面図である。
【0141】
図1C図1Cは、図1Bの詳細A2におけるインプラント処置されたドレナージデバイスの概略図である。
【0142】
図2A図2Aは、本開示の様々な態様と一致する緑内障シャントの形態のドレナージシステムの側面図である。
【0143】
図2B図2Bは、図2Aのドレナージシステムの底面図である。
【0144】
図2C図2Cは、収縮状態にあり、結膜タブを有するドレナージシステムのセクションB-Bで取った図2Aのドレナージシステムの断面図である。
【0145】
図2D図2Dは、収縮状態にあり、異なる微細構造及び厚さを有する第一の層及び第二の層を有するドレナージシステムのセクションC-Cで取った図2Aのドレナージシステム100の断面図である。
【0146】
図2E図2Eは、図2Aのドレナージシステム100の代替の小型実施形態の斜視図である。
【0147】
図3A図3Aは、収縮状態にあるドレナージデバイスの壁の概略図である。
【0148】
図3B図3Bは、膨張状態にあるドレナージデバイスの壁の概略図である。
【0149】
図3C図3Cは、図3A及び3Bのドレナージシステムに概略的に示される微細構造の一部のSEM画像であり、SEM画像は図示のようにスケーリングされている。
【0150】
図4A図4Aは、本開示の様々な態様と一致する製造方法のフローチャートである。
【0151】
図4B図4Bは、本開示の様々な態様と一致する使用方法のフローチャートである。
【0152】
図5図5A及び5B(従来技術)は、それぞれ、緑内障ドレナージ用の従来技術のアーメド緑内障バルブデバイスの概略上面図及び側面図である。
【0153】
図6A図6A(従来技術)は、ポリエチレンシェルで修飾され、当該技術分野で知られている固体プレートを実装した従来技術のアーメド緑内障バルブの上面図の写真である。
【0154】
図6B図6B(従来技術)は、固体プレートの一部を除去して、その中にあるリザーバを示す図6Aの従来技術のアーメド緑内障バルブの側面図の写真である。
【0155】
図6C図6C(従来技術)は、図6Aの従来技術の緑内障バルブに使用される固体プレートの表面の一部のSEM画像である。
【0156】
図7図7A及び7Bは、表面上で実行される液滴法試験の概略側面図である。
【0157】
図8図8A~8Eは、本開示の様々な態様と一致する、疎水性状態から親水性状態へ移行する様々な状態にあるドレナージデバイスのバックライト顕微鏡画像である。
【0158】
図9図9A~9Cは、本開示の様々な態様と一致する、疎水性状態から親水性状態へ移行する様々な状態にあるドレナージデバイスの顕微鏡画像である。
【0159】
図10図10は、湿潤化中の3つの異なる期間にわたる流速対圧力を比較するグラフである。
【0160】
図11A図11Aは、湿潤化の過程にわたるデバイスの%流れ抵抗を比較するグラフである。 そして
【0161】
図11B図11Bは、湿潤化の過程にわたって湿潤化されるデバイスの%面積を比較するグラフである。
【発明を実施するための形態】
【0162】
詳細な説明
定義と用語
本開示は、限定的に読まれることを意図したものではない。例えば、本出願で使用される用語は、その分野の専門家がそのような用語に帰する意味の文脈で広く読まれるべきである。
【0163】
不正確さの用語に関しては、「約」及び「およそ」という用語は、記載された測定値と、記載された測定値に合理的に近い測定値も含む測定値を指すために互換的に使用されうる。記載された測定値に合理的に近い測定値は、関連技術の当業者によって理解され容易に確認されるように、記載された測定値から合理的に小さな量だけ逸脱している。このような逸脱は、測定誤差、測定及び/又は製造装置の校正の違い、測定値の読み取り及び/又は設定における人為的誤り、他の構成要素に関連する測定値の違いを考慮した性能及び/又は構造パラメータを最適化するために行われた微調整、特定の実装シナリオ、人又は機械による対象の不正確な調整及び/又は操作などに起因する可能性がある。関連技術の当業者がそのような合理的に小さな差異の値を容易に確認できないと判断された場合には、「約」及び「およそ」という用語は、記載された値のプラス又はマイナス 10%を意味すると理解できる。
【0164】
様々な実施形態の説明
当業者は、本開示の様々な態様が、意図された機能を発揮するように構成された任意の数の方法及び装置によって実現できることを容易に理解するであろう。また、本明細書で参照される添付の図面は、必ずしも一定の縮尺で描かれているわけではなく、本開示の様々な態様を説明するために誇張されていることがあり、その点において、図面は限定的なものとして解釈されるべきではないことにも留意されたい。
【0165】
図5A及び5Bに示すデバイスはアーメド緑内障バリューモデルFP7(カリフォルニア州ランチョクカモンガのニューワールドメディカル社)であり、シリコーンプレート、シリコーンドレナージチューブ、シリコーンバルブ膜及びポリプロピレン(PP)バルブケーシングを備え、最大厚さが2.1mmである。アーメドデバイスは、排出された流体(房水)が流れるように導かれる表面を画定するプレート本体(「本体」)と、前記プレート本体の表面上で流体(房水)が流れるように導かれるドレナージチューブ(「チューブ」)を含む。プレート本体はある最大厚さ(「厚さ」)を有し、医療グレードのシリコーンから作られ、このシリコーンは硬く、インプラント処置時に眼の曲率に適合するための可撓性に欠けている。したがって、プレート本体は、眼の表面の曲率に近似するように事前に形成された(すなわち、インプラント処置前に形成された)曲率(破線C-Cで規定される)を有する。曲率C-Cは固定されており、同様に設計されたすべてのアーメド緑内障ドレナージデバイスで同じであるため、ある場合には、各患者の眼の固有の曲率に対応できない場合がある。さらに、流体圧力を調整するために、デバイスは、長期間(例えば、何年も)にわたってデバイス内の流体圧力を制御するために、非溶解性及び非生分解性の機械式バルブ構造(「バルブ」)を含める必要がある。バルブは、当該技術分野で知られている特定の例において、術後の低眼圧関連合併症のリスクを低減するために、圧力が7mmHgなどの閾値を超えると閉じることができる。バルブは、示されるように、デバイスの厚さを規定する特定の厚さ及び剛性を有しており、それにより、プレート本体の厚さが増加するだけでなく、インプラント処置時に眼の曲率に適合するためのデバイスの可撓性が欠如する。
【0166】
アーメド緑内障バルブは、流れ抵抗が何年も同じままであるように設計されているが、流速が長期間にわたって減少するにつれて、バルブとしてのデバイスの機能及び性能が変化する可能性があることが以下の文献により理解される。文献: Choudhariら “Is Ahmed Glaucoma Valve Consistent in Performance?” Translational Vision Science & Technology. 2018 Jun 22;7(3):19. doi: 10.1167/tvst.7.3.19. PMID: 29946493; PMCID: PMC6016431; Mossら“Assessment of closing pressure in silicone Ahmed FP7 glaucoma valves.” Journal of Glaucoma. 2008 Sep;17(6):489-93. doi: 10.1097/IJG.0b013e3181622532. PMID: 18794686;及びBochmannら“Intraoperative testing of opening and closing pressure predicts risk of low intraocular pressure after Ahmed glaucoma valve implantation.” Eye (Lond). 2014 Oct;28(10):1184-9. doi: 10.1038/eye.2014.168. Epub 2014 Jul 25. PMID: 25060848; PMCID: PMC4194337。
【0167】
図6A図6Cは、当該技術分野で知られている緑内障ドレナージデバイスの別の例を示している。図示されているとおりのデバイスは、図5A及び5Bに示されているとおりのシリコーンから作られたものなどの2枚の固体プレートを含み、眼の前房(AC)から流体を受け取り、プレート間に形成された内部チャンバ内の内部に貯蔵するための2つの層(「L1」及び「L2」)を形成する。図6A及び6Bに示されるデバイスは、Kimら“Clinical experience with a novel glaucoma drainage implant.” Journal of Glaucoma. 2014 Feb; 23(2):e91-7. DOI: 10.1097/ ijg.0b013e3182955d73. PMID: 23689073に以前に開示されているように、緑内障患者におけるS2モデル及びFP7モデルと比較してドレナージプレート周囲の線維化反応を低減するためのポリエチレンシェルを備えたアーメド緑内障バリューモデルM4(ニューワールドメディカル社、カリフォルニア州ランチョクカモンガ)である。従来技術のデバイスは、眼の曲率に従う多孔質ポリエチレンシェル(例えば、メドポール)などの固体材料の2つの層L1とL2の間に設置されたチューブ(「チューブ」)から作られており、層L1及びL2の間にはリザーバ(「R」)が画定され、チューブは眼からの流体をその中に導く。図6Cの従来技術のデバイスに示すように、図の下部の黒いバーが500μmを表すように縮尺されており、層L1及びL2の表面は組織の一体化を改善するための細孔を含み、その結果、隣接する組織はドレナージデバイスを取り囲むポリエチレンシェルに一体化できるようになっており、さらに、シェルが周囲の組織に過度の応力を与えるのを防ぐために、リザーバR内に保存されている流体は周囲の環境に確実に放出できるようにする。
【0168】
しかしながら、本明細書に記載される様々な実施形態とは対照的に、図6A図6Cに示されるような固体又は剛性の材料片(すなわち、可撓性及び薄さに欠ける材料)を眼内にインプラント処置することは、眼の前房からの圧力を受けると、眼にかかる応力、特に、眼の結膜組織内にかかる応力を増大させ、不快感を引き起こすだけでなく、他の合併症も引き起こされる可能性があり、眼のそのような敏感な領域内の圧力が長時間上昇することがある。
【0169】
本明細書に開示されるデバイス、システム及び方法の様々な特徴は、図1A~1Cに見ることができる。本開示の態様は、体液のためのドレナージデバイス、システム及び方法に関する。より具体的には、本開示は、房水を体の他の場所によって吸収できるように、患者の眼10の前房「AC」から房水を排出するためのデバイス、システム及び方法に関する。そのために、図1Aは、眼10の結膜13と強膜15との間の結膜下空間11を含む眼10の図である。眼10内には、本開示の原理によるドレナージシステム100がインプラント処置されている。図1Bは、図1Aの詳細A1の断面図を示す。図1Cは、図1Bの詳細A2におけるインプラント処置されたドレナージデバイス110の概略図を示す。本開示の一態様において、眼内圧力を低下させるか又はさもなければ安定させるために、眼10の前房「AC」から排出された房水を再吸収するための機構が提供される。しかしながら、当業者であれば、本開示の態様が、体液の排液を体内で方向変換することが望まれる他の用途にも有用であることを理解するであろう。
【0170】
図1A~1Cに示されるドレナージシステム100は緑内障を治療するためのドレナージデバイス110を含む。本明細書に示されるように、この緑内障ドレナージデバイス110は、第一の側114と第二の側116を有する壁112(図1B及び1Cで最もよく分かる)を有する。吸入導管120に関連して以下に説明するが、ドレナージデバイス110は、その一部が流体を(例えば、切開部から直接、流体導管120からなど)受け取るように構成されている限り、独立型の製品であることができ、したがって、本開示の範囲外と考えるべきでないものと理解されたい。ドレナージデバイス110には、吸入導管120が流体的に結合されうる。インプラント処置されると、吸入導管120は、眼10の前房「AC」からドレナージデバイス110まで延在する。次いで、前房「AC」の房水は、吸入導管120を通ってドレナージデバイス110に流入する。
【0171】
ドレナージデバイス110の材料の選択は、当該技術分野で知られている他のデバイスと比較して、その機能性及び相対的薄型化に寄与することができる。ドレナージデバイス110は、後述するように、延伸ポリテトラフルオロエチレン(ePTFE)などの微孔質材料を含む生体適合性材料を含むことができる。吸入導管120は、可撓性があり、長尺部材を構築する際の使用に適した生体適合性材料を含むことができる。幾つかのこのような適切な材料としては、シリコーン、ポリテトラフルオロエチレン、ポリプロピレン、ポリメチルメタクリレート、アクリル、ポリウレタン、シラスティック及び金属を挙げることができる。ドレナージシステム100のそのような構造は、外科的インプラント処置に特に有用である。
【0172】
一般に、ドレナージシステム100などのドレナージデバイスの外科的インプラント処置には、眼10内に異常な圧力がかかるリスクが伴う。例えば、水疱の形成を必要とする手術など、ドレナージデバイスが眼10の外表面組織(すなわち、結膜13)の下で外科的にインプラント処置されるときに(デバイス110の周囲で点線で示すように)は、外科手術による損傷から新たな周囲組織は、十分な創傷治癒が起こるまで房水の流れに対して評価可能な流れ抵抗を提供しない。この手術後の初期期間中に、患者は眼10の低眼圧(例えば、低すぎる眼圧)のリスクにさらされている。低血圧を回避するために、一定期間、ドレナージデバイス110を通る流れを管理するための措置が講じられる。例えば、外科医は伝統的に、吸入導管120の近位端付近の部分を一定期間「結び」、周囲組織が必要な流れ抵抗を提供するように外科的創傷治癒が十分に進行した後に結びを解放する。特定の市販の緑内障シャントデバイスにおいて、流量制限「バルブ」は、プレートセクションが位置する吸入導管120の遠位に追加される。しかしながら、これらのデバイスは比較的硬くてかさばるため、依然として低眼圧を引き起こす可能性がある。逆に、有利には、本開示の原理によるドレナージデバイス、システム及び方法は、例えば、低眼圧を回避するために、30日間などの一定期間にわたって、疎水性の高抵抗の状態から親水性の低抵抗の状態まで流れ抵抗を変化させることにより、手術後早期(手術後約30日間続くことがある術後創傷治癒期間とも呼ばれる)に評価可能な流れ抵抗を生成する、バルブの存在しない薄型デバイスを含む。
【0173】
図1B及び1Cを参照すると、ドレナージシステム100の非限定的なインプラント処置例が示されている。この例において、ドレナージシステム100は、眼10の結膜13と強膜15との間の結膜下空間11に配置されて示されている。ドレナージシステム100は、第一の層114が強膜15に沿って延在し、第二の層116が結膜13に沿って延在するように配向されていることが示されている。後述するように、結膜13と界面形成する第二の層116の部分が組織の内方成長を促進又は許容するように構成されうることが理解されるであろう。また、後述するように、強膜15と界面形成する第一の層114の部分は、追加的又は代替的に、組織の内方成長を促進又は許容するように構成されうることも理解される。このような構成は、ドレナージデバイス110と周囲組織との間の相対的な動きを最小限に抑えるのに役立つ。
【0174】
さらに、ドレナージデバイス110から延在し、強膜アクセス、穿孔又は穴「H」(例えば、既知の方法によるインプラント処置中に医師によって形成される)を通って延在し、その結果、第一の端部122(例えば、近位端)は前房「AC」にアクセスし、ポート271を前房「AC」と連通させるようなっている、吸入導管120を図1B及び1Cに示す。幾つかの実施形態において、インプラント処置されると、房水は吸入導管120の第一の端部122に入り、ドレナージデバイス110と流体連通した吸入導管120の第二の端部124(例えば、遠位端)に移動する。ともに、壁112及び吸入導管120は、排液がドレナージデバイス110を通って流れる流路140を画定することができる。幾つかの実施形態において、第二の端部124は、排出された房水がドレナージデバイス110内に画定されたリザーバ130に入り、そしてドレナージデバイス110の様々な拡散膜を通して貫通するようにドレナージデバイス110内に配置され、次いで、房水は、周囲組織及び/又は内方成長した組織によって吸収されうる。
【0175】
図2A~2Eを参照すると、緑内障シャント110の形態の例示的なドレナージシステム100の様々な態様が示されている。図2Aは、ドレナージシステム100の側面図を示す。図2Bは、図2Aのドレナージシステム100の底面図を示す。図2Cは、ドレナージシステム100(又は、より詳細には、リザーバ130)が体液などのその内液が排液された収縮状態、崩潰状態又は排液状態にあるドレナージシステム100のセクションB-Bで取った図2Aのドレナージシステム100の断面図を示す。このドレナージシステム100は、導管120による結膜13の侵食を防ぐ結膜タブ、導管120が壁112に(例えば、「b」の接着剤を介して)結合されるネック、及び導管120の遠位端でのリザーバ130を示す。図2Dは、収縮状態又は崩潰状態にあるドレナージシステム100のセクションC-Cで取った図2Aのドレナージシステム100の断面図を示す。図2Eは、図2Aのドレナージシステム100の代替の小型実施形態の斜視図を示す。ここで、図1A~1Cの場合と同様に、ドレナージシステム100は、患者の体のある部分から別の部分へ体液を排出することに関する。特に、導管120は、流体が導管120の遠位端124から逃げてリザーバ130を満たすことができるかぎり、図2Cに示すような浅い深さ又は図2Dに示すような深い深さなど、可変的な深さでリザーバ130内に挿入することができる。このようなデバイスは、低眼圧を避けるために、手術後早期に評価可能な流体の流れ抵抗を伴う薄型形状を有することができる。
【0176】
緑内障シャント110であるため、これらの図に示されるドレナージシステム100は、眼から体液を排出するのに有用である。この排液は、眼の内部(例えば、前房)から眼の外部の周囲組織に進むことができる。ドレナージデバイス110は、壁112内に配置されたリザーバ130を画定する壁112を含むことができる。リザーバ130は、眼の内部からリザーバ130内へ排液を受け取るために、眼と流体連通するように構成されうる。壁112は、ドレナージデバイス110の本体に統合されてもよいし、本体を完全に形成してもよい。これに関して、本体は、本体内の内部リザーバ130を画定する壁112及び壁112内に配置された内部リザーバ開口部(例えば、図2Cの接着剤「b」に又はその周囲に)を有することができ、内部リザーバ130と連通することができる。本明細書でしばしば記載されるように、この壁112は連続的であるが(例えば、連続壁112)、密閉された不連続性を有する他のタイプの壁112も考慮される。
【0177】
幾つかの例によれば、ユーザは、眼内にある眼液に関連する眼の望ましくない流体圧力を特定することができる。ユーザは、眼液に流体的に係合する導管120を備えた眼の近くのリザーバ130を膨張させて、眼液をリザーバ130にデリバリーし、リザーバ壁112が眼液と係合した後30日以内に初期の疎水性状態から親水性状態に移行する材料を含むリザーバ壁112に係合させることができる。疎水性状態から親水性状態への移行は、初期の第一の流れ抵抗から前記第一の流れ抵抗よりも低い第二の流れ抵抗まで減少する材料の可変的な流れ抵抗を規定する。続いて、眼の望ましくない流体圧力を改善するために、親水性材料を通して眼の周囲の組織に眼液を導くことによってリザーバ130を排液することができる。親水性材料は、本明細書で説明されるように、親水性状態の壁112であることができる。
【0178】
壁112は、疎水性状態から親水性状態に移行する微孔質材料を含むことができる。例において、壁112は、壁112が疎水性状態から親水性状態に移行するときに、可変的な流れ抵抗を提供するように構成されている。ドレナージデバイス110は、眼の内部から眼の外部の周囲組織への体液の排出を促進するように構成された流路140を含むことができる。特に、流路140は、流路140を通過する排液に対する可変的な流れ抵抗を備えることができる。流路140は、第一の流れ抵抗を有する第一の流れ抵抗部分と、第二の流れ抵抗を有する第二の流れ抵抗部分とを有することができる。場合により、以下により詳細に説明するように、第一の流れ抵抗は第二の流れ抵抗と異なっていることができる。
【0179】
壁112は、1つ以上の微細構造を含む多層構造であることができる。壁112はまた、連続単層構造内に複数の副層を含む、又は、単層構造の第一の側に1つの多孔度及び第二の側に第二の多孔度を示す連続単層構造の対向する側を画定することができる、連続単一層構造であることができる。これに関して、壁112の例は、第二の微孔質膜242と係合する第一の微孔質膜241を有する第一の層114と、第四の微孔質膜244と係合する第三の微孔質膜243を含む第二の層116とを含むことができる。多くの例において、第一の微孔質及び第二の微孔膜241、242ならびに第三の微孔質膜及び第四の微孔質膜243、244の間の係合は、第一の微孔質膜及び第二の微孔質膜241、242と第三の微孔質膜及び第四の微孔質膜243、244がそれぞれ互いに一体的に形成されるように行われる。特定の例において、第一の層114及び第二の層116はより多くの又はより少ない微孔質膜を含むことができ、そのような構成の幾つかは、「緑内障治療のための統合型水性シャント」という発明の名称であり、2018年3月15日に出願された米国特許出願第15/922,692号明細書で論じられており、その全内容は参照により本明細書に組み込まれる。
【0180】
連続単層構造内に様々な微孔質材料を存在させることにより、リザーバ130の動作を容易にすることができる。流体がリザーバ130に流入すると、流体は壁112の微孔質材料と係合することができる。特定の状況下では、第二の微孔質膜及び第三の微孔質膜242、243は、ドレナージデバイス110の周囲縁247に沿って互いに係合されている。例えば、第二の微孔質膜及び第三の微孔質膜242、243は、第一の層及び第二の層114、116の周囲で係合して、第二微孔質膜114及び第三の膜242、243との間に配置されたリザーバを画定することができる。この係合は、リザーバ130の構造的一体性を確保するための、気密シール結合である結合であることができる。特定の例において、第二の微孔質膜及び第三の微孔質膜242、243は、最初にリザーバ130を膨張させるために、流体が第二の微孔質膜242と第三の微孔質膜243との間の界面に係合できるように、最初に互いに接触又は近接していることができる。この点に関して、最初及びその後に、リザーバ130は第二の微孔質膜及び第三の微孔質膜242、243がその間の流体の流れに抵抗する収縮状態(あるいは、代わりに、崩潰状態、排液中状態、排液済み状態)と、第二の微孔質膜及び第三の微孔質膜242、243の間で流体が流れることができる膨張状態(あるいは、代わりに、拡張状態)との間で移動するように構成されうる。特定の例において、第一の微孔質膜及び第四の微孔質膜241、244は、互いに結合しないままにすることができるが、他の場合には、それらを(例えば、第二の微孔質膜及び第三の微孔質膜242、243の係合と同様に)互いに係合させることが有用であることができる。
【0181】
壁部分は、体液が壁部分と係合すると最終的な親水性状態に移行する初期疎水性状態を有する。1つの実施形態において、壁部分内の第一の副層は、第二の初期疎水性状態から第二の最終親水状態に移行する壁部分内の別の第二の副層よりも大きい移行速度で第一の最終親水性状態に移行する第一の初期疎水性状態を有する。幾つかの例において、壁部分が親水性状態にあるときに、リザーバの排液又は空化が起こりうる。例えば、最初の充填時に、第一の層と第二の層との間に形成されたリザーバを満たす流入排液によって、第一の層と第二の層は徐々に分離されうる。排液からの流体が壁部分の内側251に遭遇すると、その多孔性が低いため、この側の微孔質材料は湿潤化するのに長時間かかる可能性があるが、リザーバの遠位部分で完全に湿潤化する前に、リザーバの近位部分で完全に湿潤化することができる。同時に、組織の内方成長は、壁部分の内側251などの低多孔度の領域に達するまで、壁部分の外側253の微細構造を貫通する。壁部分の外側253が壁部分の内側251の多孔度よりも高い多孔度を有するから、周囲組織からの流体は、リザーバ内の排液よりも素早く壁部分の外側253を湿潤化し始めることができる。この作用により、微細構造の厚さ全体に勾配が生じ、微孔質材料の特定の部分(例えば、多孔度の高い部分)が湿潤化し、他の部分よりも素早く疎水性から親水性に移行する。平均して、この勾配は、壁部分の内側251が壁部分の外側253よりも後にこの移行を行う(したがって、可変のより大きな流れ抵抗をもたらす)ようなものである。最終的に、この勾配は、幾つかの例では、微孔質材料を通る排液がかなり一定になる点まで壁部分の内側251及び壁部分の外側253の両方が親水性になるときに消散することになる。
【0182】
壁112を形成するための微孔質材料の配置は、微孔質材料の湿潤化が壁112の内側251よりも前に壁112の外側253で促進されるようにすることができる。この点で、壁112の内側251はリザーバ130を形成することができる。例において、第一の層114及び第二の層116は、第一の微孔質膜241及び第四の微孔質膜244が壁112の最外膜であり、第二の微孔質膜242及び第三の微孔質膜243が壁112の最内膜であるようにスタックされた構成である。
【0183】
例において、微孔質材料はePTFEを含むことができる。これに関して、微孔質材料は、体液による微孔質材料の湿潤化に基づいて疎水性状態から親水性状態に移行するように構成されることができ、微孔質材料は、壁112の外側部分の湿潤化がリザーバ130を画定する表面の湿潤化の前に起こるように構成されている。例において、親水性状態は組織の内方成長を促進する。幾つかのそのような例において、親水性状態は微孔質材料の第一の側を画定することができ、疎水性状態は微孔質材料の第二の側を画定することができる。さらに、ePTFEに類似した他の材料も考えられる。それらの他の材料としては、限定するわけではないが、ポリエチレン、ポリウレタン、ポリスルホン、ポリフッ素ビニリデン(PVDF)、ポリヘキサフルオロプロピレン(PHFP)、ペルフルオロアルコキシポリマー(PFA)、ポリオレフィン、フッ素化エチレンプロピレン(FEP)、アクリルコポリマー及び他の適切なフルオロコポリマーなどのポリマーを挙げることができる。
【0184】
眼の内部からの排液は、図1C及び図2Dに例示されるように、流路140を介してドレナージデバイス110を通って流れることができるが、リザーバ及び/又はチューブを画定している他の図にも、流体がデバイス内に通過できることが示されている。流路140は、壁112の部分(例えば、一部又は全部)、及び、場合により、以下にさらに詳細に説明されるような吸入導管120を含むことができる。これに関して、1つの例において、流体は、吸入導管120を介して又は直接に壁112で受け取られた後に流路140を介して、リザーバ130に流入し、次いで、リザーバ130から流出することができる。例えば、リザーバ130が体液で満たされる第一の例では、リザーバ130は、収縮状態(崩潰状態)から膨張状態(拡張状態)に向かって徐々に移動することができる。次いで、壁112の部分が疎水性状態から親水性状態に移行するまで、体液はリザーバ130内に留まることができる。このような場合には、体液は壁112を貫通して(例えば、壁112の内側251から壁112の外側253又は周縁のいずれかに)、壁112で体の周囲の部分に転向されうる。
【0185】
膜を互いに固定するために結合を部分的又は全体的に使用する実施形態において、微孔質材料の結合は、ドレナージデバイス110内の微孔質膜241、242、243、244の周縁部261、262、263、264で起こりうる。特に、第一の微孔質膜241は第一の周縁部261を備えて示され、第二の微孔質膜242は第二の周縁部262を備えて示され、第三の微孔質膜243は第三の周縁部263を備えて示され、第四の微孔質膜244は第三の周縁部264を備えて示されている。上で示唆したように、これらの微孔質膜241、242、243、244の任意の組み合わせを、それぞれの周縁部261、262、263、264で結合することができる。例えば、第二の微孔質膜及び第三の微孔質膜242、243は、それらの周縁部262、263で結合されて、第二の微孔質膜及び第三の微孔質膜242、243の間にリザーバ130を形成する。幾つかのそのような例において、第一の微孔質膜及び第四の微孔質膜241、244は、それぞれ第二の微孔質膜及び第三の微孔質膜242、243の第二の周縁部及び第三の周縁部262、263から結合されていない。幾つかのそのような例において、第一の微孔質膜及び第四の微孔質膜241、244は、部分的又は全体的に互いに結合されていない。これらの例のいずれにおいても、微孔質膜241、242、243、244の周縁部261、262、263、264における結合は、シール結合とすることができ、場合により、吸入導管120などの追加の構造を収容し、ドレナージデバイス110へシール結合することができる。上述の実施形態と同様の代替の実施形態において、第一の膜及び第二の膜の特性を有する副層を含む単一の一体化層で置き換えることができる、第一の膜241と第二の膜242との間を除いて、また、同様に第三の膜及び第四の膜の特性を有する副層を含む単一の一体化層で置き換えることができる、第三の膜及び第四の膜243と244の間を除いて、上述したように結合を適用することができる。
【0186】
注目すべきことに、連続壁112の少なくとも一部は、微孔質材料から構成される壁部分(例えば、壁112の一部又は全部)を有することができる。壁部分は、内部リザーバ130に面する壁部分内側251、及び、壁部分内側251の反対側にあり、ヒトの眼の外部領域に面する壁部分外側253を有することができる。壁部分内側251は、壁部分内側251全体に延在する低多孔性表面を有することができる。壁部分外側253は、高多孔性表面の間に配置された低多孔性表面を含む交互表面を有することができる。
【0187】
導管120は、本体から導管長さだけ延在するように配置することができる。導管120は、導管120を通る通路を画定する対向する第一の導管端及び第二の導管端122、124を有することができ、その結果、通路は対向する第一の導管端及び第二の導管端122、124の間に延在することができる。第一の導管端122は、内部リザーバ開口部と係合し、第二の導管端124と内部リザーバ130との間の流体接続を提供することができる。導管の長さは、第一の導管端122をヒトの眼の外部領域に配置し、第二の導管端124をヒトの眼の内部領域に配置するのに十分なものとすることができる。例において、第二の導管端124と内部リザーバ130との間の流体接続は、内部リザーバ130から微孔質材料を通ってさらに延び、内部リザーバ130からヒトの眼の外部領域への流体連通を提供する。この流体連通は、微孔質材料を通る流路を画定することができる。以下にさらに説明するように、微孔質材料を通る流路は、内部リザーバ130から離れ、及び/又は低多孔性微孔質領域から高多孔性微孔質領域へ進む方向とすることができる。
【0188】
本開示の様々な態様と一致するドレナージシステム100の別の例の様々な特徴が図2Eに示されている。特に、本明細書の他の場所で論じた他のドレナージデバイスと同様に、図2Eは、内部に画定されたリザーバ130を有する壁112、及び、リザーバ130と流体連通する吸入導管120を有するドレナージシステム100を示す。図1A~1C及び2A~2Dの場合と同様に、ドレナージシステム100は、患者の体のある部分から別の部分へ体液を排出することに関する。このようなデバイスは、低眼圧を避けるために、術後早期に評価可能な流体の流れ抵抗を備えた薄型形状を有することができる。このデバイス110は、サイズ(例えば、長さ、幅及び厚さを含む1つ以上の寸法)が小さいため、図2A~2Dのデバイス110よりも小柄な患者により適している。幾つかの例において、デバイス110の厚さ(すなわち、シャント又はシャント本体110の最大厚さ)は、約25μm~約30μm、約30μm~約40μm、約40μm~約50μm、約50μm~約60μm、約60μm~約70μm、約70μm~約80μm、約80μm~約90μm、約90μm~約100μm、約10μm~約150μm、約150μm~約200μm、約200μm~約250μm、約250μm~約300μm、約300μm~約350μm、約350μm~約400μm、約400μm~約450μm、約450μm~約500μm又はそれらの間の任意の他の適切な値もしくは範囲、及び/又はそれらの範囲の組み合わせであることができる。
【0189】
ここに示すドレナージシステム100は、上で論じたドレナージシステムと多くの点で類似している。例えば、ここに示すドレナージシステム100は、図2A~2Dに関して説明したように、第一の層及び第二の層を含むことができる。これらの層は、図1A~1Cに関して説明したものと同様の吸入導管120の周囲に(例えば、第二の微孔質膜及び第三の微孔質膜で)結合される。特定の位置まで延在するように示されているが、吸入導管120の遠位端はリザーバ130と連通するように配置されうる(例えば、図示されるよりも近位又は遠位に、リザーバ130の間に吊り下げ又はリザーバ130の内側に沿って配置されるなど)。他の変形例も当業者に明らかであろう。
【0190】
上述したように、眼の内部からリザーバ130への排出は、それらの間に流路を形成することによって促進することができる。このような流路を形成するための例示の媒体は吸入導管120を介するものである。吸入導管120は、シャントなど、場合により長尺で可撓性の中空部材とすることができる。吸入導管120は、リザーバ130と流体連通し、場合により、リザーバ130とシール係合するように配置されうる。これに関して、吸入導管120は、リザーバ130と連通する第二の端部と、ポートを画定する対向する第一の端部とを有することができる。したがって、第一の端部は吸入導管120の近位端であることができ、第二の端部は吸入導管120の遠位端であることができる。吸入導管120は、眼の内部からポートを通ってリザーバ130までの排出を促進するために眼内に配置されるように構成されうる。
【0191】
可変的な抵抗を備えた流路の追加構成については、2021年11月5日に出願された「体液ドレナージデバイス、システム及び方法(BIOLOGICAL FLUID DRAINAGE DEVICES, SYSTEMS, AND METHODS)」という発明の名称の米国仮出願第63/276,183号(代理人事件記録番号450385.003251 2400US01)で詳細に説明されており、その全開示はその全体が参照により本明細書に組み込まれる。
【0192】
微孔質材料の詳細については、図3A図3Cを参照してここに説明する。明確にするために、これらの図は導管の図示を省略しているが、本明細書の他の箇所で説明するように、導管をリザーバ130と流体連通して配置できることが理解される。特に、図3A及び3Bは、ドレナージシステムの幅の中央部分に沿って取った、内部にリザーバ130が配置されたドレナージシステムの壁112の断面図を示す。より具体的には、図3Aは、収縮状態又は排液状態(リザーバ130内に流体がほとんど又は全くない状態)にあるドレナージデバイスを示す。図3Bは、膨張状態(リザーバ130を膨張させるためにリザーバ130内に流体が集まっている状態)にあるドレナージデバイスを示す。幾つかの例において、膨張状態は、リザーバ130の壁112が疎水性状態にあるときであり、排液状態は、リザーバ130の内部の流体の排出が親水性状態で行われるようにリザーバ130の壁112が疎水性状態にあるときであり、又は、本明細書で説明されるように壁112が疎水性状態から親水性状態に移行するときである。図3Cは、図3A及び3Bのドレナージシステムにおける微細構造の拡大図である。図3Cの下部に表示されるのは「5.00kV 4.2mm x500 SE 1/23/2018」であり、右下隅に示されているような2つの連続する線の間の距離は10μmである。
【0193】
図3A及び3Bを参照すると、体液が貫通する微細構造は、微孔質材料の部分(例えば、一部又は全部)内に含まれることができる。微細構造は、微孔質材料が多重膜材料となるように、その中に微孔質膜の複数の堆積物を含むことができる。微孔質膜のグループ化又はカップル化した堆積物は微孔質材料の層を形成することができ、それらの層はオーバーラップされ、折り畳まれ、又は同様に配置されることができる。これらの状況下で、リザーバ130は、リザーバ近位セクション231及びリザーバ遠位セクション232を備えて形成されることができ、収集された流体を壁112の外側の周囲組織に拡散することができる。
【0194】
リザーバ130の膨張は、壁112の非結合部分で起こることができる。上述したように、第二の微孔質膜及び第三の微孔質膜242、243は、その内部部分が結合されないように、その周囲で結合されうる。これらの部分は結合されていないので、それらは自由に互いに(又は一方が他方から)分離して、リザーバ130が流体で満たされることを可能にする。リザーバ130は、以下でさらに説明するように、吸入導管の遠位端に隣接して配置されうるリザーバ近位セクション231と、リザーバ近位セクション231の反対側に配置されうるリザーバ遠位セクション232とを有することができる。リザーバ130に入る(又はリザーバ130内の)流体流は吸入導管の遠位端からチャンバの周縁に向けて導かれることができる。これに関して、リザーバ近位セクション231は、リザーバ遠位セクション232より前に膨張するように構成されうる。
【0195】
流体と微孔質材料との係合は、流れ抵抗を与えることができ、その結果、リザーバ130内に圧力が生じることができる。例えば、壁112の第二の微孔質膜及び第三の微孔質膜242、243を互いに隣接して配置することができ、場合により、相互に接触することができる。リザーバ130が満たされると、第二の微孔質膜及び第三の微孔質膜242、243は、リザーバ130に流入する流体によって徐々に引き離されることができる。例えば、リザーバ130の内面は最初は疎水性であることができるので、リザーバ130への流れは、圧力を高め、それによってリザーバ130を強制的に膨張させる(例えば、第二のチャンバ及び第三のチャンバが互いに離れるように強制される)。壁112が疎水性状態から親水性状態に移行し、流体流がリザーバ130と係合すると、流体流に可変的な流れ抵抗を与えることができる。可変流れ抵抗は、時間の経過に伴う流速に対する圧力の変化率に対応することができる。例において、壁112は、第一の流れ抵抗を有する疎水性状態から、第二の流れ抵抗を有する部分親水性状態、そして第三の流れ抵抗を有する親水性状態に移行する。 ここで、第一の流れ抵抗は第二の流れ抵抗及び第三の流れ抵抗の両方より大きく、第二の流れ抵抗は第三の流れ抵抗より大きい。
【0196】
リザーバ130から壁112を通る体液の拡散速度は、流速の影響を受ける可能性があり、流れ抵抗が減少するにつれて増加する。リザーバ130が膨張し、微孔質材料が疎水性状態から親水性状態に移行すると、この拡散は多くの方向(例えば、リザーバ130から半径方向外側に、周縁部の非結合部分を通ってなど)で起こりうる。リザーバ130への流入がリザーバ130からの流出よりも少ないときに、リザーバ130は膨張状態から収縮状態に向かって移動することができる。一方、リザーバ130への流入がリザーバ130からの流出よりも多いときに、リザーバ130は収縮状態から膨張状態に向かって移動することができる。リザーバ130への連続流を仮定すると、リザーバ130は、膨張状態と収縮状態との間の中間状態である膨張状態に留まることができる。これらの例のいずれにおいても、リザーバ130の流量及び/又は充填レベルに関連する圧力が存在する。リザーバ130内の流体の収集後に、流体は、微孔質材料の移行状態によって、様々な速度で壁112を通る浸透を介して拡散することができる。
【0197】
微孔質材料の各層の透過性は、その中の微細構造の寸法(例えば、厚さ又は長さ)にわたって変化しうる。これらの状況下で、特定の例において、第一の微孔質膜241の第一の微孔質膜241透過性は、第二の微孔質膜242の第二の微孔質膜242透過性よりも高くなりうる。同様に、第四の微孔質膜244の第四の微孔質膜244透過性は、第三の微孔質膜243の第三の微孔質膜243透過性よりも高くなりうる。例において、第二の微孔質膜242透過性は、第三の微孔質膜243透過性とほぼ同じであることができる。例において、第一の微孔質膜241透過性は、第四の微孔質膜244透過性とほぼ同じであることができる。幾つかのそのような例において、第二の微孔質膜242透過性及び第三の微孔質膜243透過性は、それぞれ、第一の微孔質膜241透過性及び第四の微孔質膜244透過性とは異なる。
【0198】
微孔質材料内の膜の多孔度は、その部分における組織内方成長能力に影響を与えるように構成することができる。組織内方成長は、壁112のある部分(例えば、壁112の外側253)で起こり、壁112の他の部分(例えば、リザーバ130)では抵抗されることが望ましいことがある。壁112の外側253における組織の内方成長は、デバイスをインプラント処置された位置に固定することができ、リザーバ130における内方成長に抵抗することにより、リザーバ130全体にわたる組織の成長によりリザーバ130が膨張不能になることを抑制することができる。この機能を達成するために、微孔質材料の一方の側の多孔度は、微孔質材料の別の反対側の多孔度よりも大きくすることができる。これに関して、微孔質材料は、緻密な側(例えば、多孔度が大きい)及び開放した側(例えば、多孔度が小さい)を有することができる。例において、第二の微孔質膜及び第三の微孔質膜242、243は、組織の内方成長に抵抗するように構成されうる。幾つかの例において、第一の微孔質膜及び第四の微孔質膜241、244は、組織の内方成長を可能にするように構成され、第二の微孔質膜及び第三の微孔質膜242、243は、第一の層及び第二の層114、116の結合された周縁部に隣接して維持される拡張状態を有する。
【0199】
微細構造の貫通により、流体が微孔質材料に貫通することができる。これらの貫通は、例えば、所与の微孔質膜の機能に基づいて、サイズを変更させることができる。例において、第一の微孔質膜及び第四の微孔質膜241、244のいずれか又は両方は、血管及び他の組織の内方成長を可能にする範囲のサイズ(又は平均サイズ)の貫通部を含むことができる。さらなる例において、第二の微孔質膜及び第三の微孔質膜242、243のいずれか又は両方は、その中の貫通が概して、房水透過性を維持しながら組織の内方成長及び付着を最小限に抑える、抵抗する、又は防止するようなサイズとなるように構成又は選択される。
【0200】
微孔質材料の内部部分は、図3Cに見られるように、様々な多孔度を有することができる。内部部分は、壁の内側251と壁の外側253との間に延在することができる。壁のこれらの部分のいずれにおいても、多孔度は、比較的に、低多孔度(LP)、中低多孔度(MLP)、中多孔度(MP)、中高多孔度(MHP)及び高多孔度(HP)の程度の範囲であることができる。ここでの議論の目的で、排液が、壁部分の内側251、均一な内側部分及び壁部分の外側253の多孔度と順次に係合するように、微孔質材料を通る比較的に直線的な経路に沿って移動すると仮定すると、合成流れ抵抗は、それぞれの多孔度を結びつけることによって表されることができる。例えば、壁部分の内側251は、典型的には、(例えば、リザーバ130への組織の内方成長に抵抗するために)全体にわたって低い多孔度を有し、内部部分及び壁部分の外側253の部分は、前述の程度の多孔度を有することができる。このような状況下で、内部部分が中程度の多孔度を有し、例えば、内部部分が中多孔度を有しかつ壁部分の外側253が高多孔度を有するときに、リザーバ130からデバイスを取り囲む組織まで微孔質材料を通る流路は、LP-MP-HPとして表すことができる。さらなる例については、以下で説明する。
【0201】
微孔質材料内には様々な流路が存在することができる。比較的直線的な流路は、例えば、領域LP1-LP4-LP5、又は、LP3-MHP1-MP1-MLP1を含むことができる。幾つかの条件下、例えばリザーバ130内に高圧が存在する場合に、少なくとも一部の流れは、LP1-LP4-LP5又はLP2-HP1-HP2などの微孔質材料を通る最も直接的な経路を通って進むことができる。幾つかの流路は比較的に直線的であることができるが、非直線的な流路も存在する。例えば、特定の条件下において、少なくとも一部の流れは、LP1-HP1-HP2又はLP3-MHP1-HP1-HP2などの抵抗がますます小さくなる領域を通って流れ続けることができる。理解されるように、微孔質材料の微細構造は、微細構造を通る特定の種類の流れを得るために変性プロセスを受けることができる。例えば、微細構造は、微細構造内の層全体にわたって比較的に均一な層を有することができ、又はここに示されているように、微孔質材料の厚さ全体にわたって可変部分を有することができる。
【0202】
例において、壁部分は、壁部分内側251と壁部分外側253との間に延在する壁部分厚さを画定する。壁部分厚さは、壁部分内側251の低多孔性表面251の多孔度と、壁部分外側253の高多孔性表面の多孔度との間にある移行多孔度を有する壁部分の内部領域を画定することができる。追加的又は代替的に、内部領域は、内側及び外側の低多孔性表面の多孔度に等しい内部領域多孔度を有することができる。追加的又は代替的に、内部領域は、内側の低多孔性表面の多孔度と等しい内部領域多孔度を有することができる。追加的に又は代替的に、内部領域は、外側の高多孔性表面の多孔度と等しい内部領域多孔度を有することができる。
【0203】
図4Aは、本開示の態様と一致する方法400のフローチャートを示す。図示されるように、方法400は、本明細書に開示される緑内障ドレナージデバイスを形成するのに有用であり、ドレナージシステム100を含む、本明細書の他の場所に開示されるドレナージシステムを含むことができる。工程401において、方法400は、第一の微孔質材料の第一の部分を第二の微孔質材料の第二の部分の上に配置することを含むことができる。第一の微孔質材料及び第二の微孔質材料のそれぞれは、疎水性状態から親水性状態に移行する。工程403において、方法400は、第一の部分を第二の部分に固定して、それらの間にリザーバを有する壁を形成することを含むことができる。リザーバは、眼の内部からリザーバへの排液を受け取るために、眼内で流体連通するように構成されうる。壁は、壁が疎水性状態から親水性状態に移行するときに、可変的な流れ抵抗を規定することができる。例において、工程405において、方法400は、第一の部分と第二の部分との間に吸入導管を固定することを含むことができる。吸入導管は、排液を受け取るように構成されうる。
【0204】
ユーザは、ドレナージシステムを構築する際に、特にその結合部分に関係するときに、注意することができる。例において、第一の部分を第二の部分に固定することは、第一の微孔質膜を第四の微孔質膜に結合することを抑制することを含むことができる。例において、第一の部分を第二の部分に固定することは、第一の微孔質膜及び第四の微孔質膜が壁の最外膜であり、第二の微孔質膜及び第三の微孔質膜が壁の最内膜となるように、第一の層及び第二の層をスタック構成に配置することを含むことができる。
【0205】
別の方法450を図4Bに示す。この方法は、ドレナージデバイス110を含む、本明細書の他の場所で開示されるドレナージデバイスの使用方法である。工程451において、方法450は、ヒトの内部からの排液をドレナージデバイス内のリザーバに向かって流すように導くことを含むことができる。工程453において、方法450は、微孔質材料が疎水性状態から部分親水性状態に移行するまで、リザーバ内の排液を収集することを含むことができる。工程455において、方法450は、排液がリザーバから順応性壁を介して眼の外部の体の部分に流れるように導くことを含むことができる。
【0206】
図1A~1Cに示されるシステムは、システムの様々な特徴の例として提供されているが、これらの図示された特徴の組み合わせは明らかに本発明の範囲内であり、その例及びその例示は、本明細書で提供される発明の概念が、より少ない特徴、追加の特徴又は図1A~1Cに示されるそれらの特徴の1つ以上に対する代替の特徴から限定されることを示唆するものではない。例えば、様々な実施形態において、図1A~1Cに示されるシステムの構成要素及び/又は特性は、図2A~2E、3A~3C、ならびに4A及び4Bなどの他の図を参照して説明された構成要素及び特性を含むことができる。また、その逆も同様に当てはまることを理解されるべきである。図1A~1Cに示される構成要素のうちの1つ以上は、図2A~2E、3A~3C、ならびに4A及び4Bに示される構成要素に加えて、又はその代替として使用されうる。これは、あらゆる図、そこに示され、本明細書で参照して説明される構成要素及び特性に当てはまる。
【0207】
図7A及び7Bは、「液滴法」とも呼ばれる、表面が疎水性であるか又は親水性であるかを試験する方法の例を示す。このような試験は、典型的に、手動の機器から完全に自動化されたシステムに至るまで、光学式張力計を使用して実行される。これらの例の両方において、液体又は流体(「液体」)のドロップを試験される表面上に置く。この場合、それは緑内障ドレナージデバイス110の壁112(水平矢印によって表される)である。続いて、高解像度カメラを使用して液滴の画像を撮影することによって、液体の静的接触角(Θ)は表面、すなわち壁112から測定され、そこから任意の適切なソフトウェアを使用して接触角が自動的に決定されうる。図7Aにおいて、接触角は鈍角、すなわち90度より大きく、壁112の表面が疎水性であることを示している。図7Bにおいて、接触角は鋭角、すなわち90度未満であり、壁112の表面が親水性であることを示している。幾つかの例において、疎水性状態から親水性状態への移行は、少なくとも10度、少なくとも15度、少なくとも20度、少なくとも25度、少なくとも30度、少なくとも35度、少なくとも40度、少なくとも45度、少なくとも50度、少なくとも55度、少なくとも60度、少なくとも65度、少なくとも70度、少なくとも75度、少なくとも80度、少なくとも85度、少なくとも90度、又はその間の任意の適切な値又は範囲の接触角の減少を構成する。前に説明したように、壁112、より具体的にはその微孔質材料は、疎水性状態から親水性状態に移行することができ、この移行のスピード又は速度は、この方法を使用して測定することができる。
【0208】
図8A図8Eは、5つの異なるバックライト顕微鏡画像で示されるように、ある状態から別の状態への移行中の壁112の異なる段階を示す。測定値は、以下の工程によって規定されるプロセスを使用して取得することができる:(1)リザーバ130を備えたデバイス110は、圧力センサをインラインに有する任意の適切なマイクロポンプ装置に流体接続される。(2)ポンプ流速を50μL/分に任意に設定し、マイクロポンプ装置を作動させてリザーバ130に流体(液体)を注入することにより所定の圧力を加える。(3)リザーバ130に関して測定された圧力を経時的に記録することができる。(4)測定された圧力の変化は、適切な期間、例えば3日、7日、14日及び30日にわたって検出/記録される。その後、デバイス110は、例において図8A~8Eを作成するために行われたように、観察のためにバックライト付きステージ上に配置されうる。
【0209】
図8Aはリザーバ130が流体で満たされてから0日目に撮影された画像であり、図8Bは3日目に撮影された画像であり、図8Cは7日目に撮影された画像であり、図8Dは14日目に撮影された画像であり、図8Eは30日目に撮影された画像である。図8Aにおいて、参考のためにリザーバ130の外形を白破線で示している。壁112は、比較的暗い領域800及び比較的明るい領域802を含むように示されている。明るい領域802は暗い領域800よりも半透明である壁112の領域を示し、半透明は、湿り、透明度、及び/又は壁112がある状態から別の状態に移行するときの親水性の量を表す。したがって、疎水性状態において、微孔質材料は不透明であり又は半透明性が低く、親水性状態において、微孔質材料は透明であり又は半透明性が高い。以下、用語「不透明」は、例えば、物体の光透過率が20%未満、15%未満、10%未満又は5%未満であるときに使用することができる。「半透明」という用語は、物体の光透過率が「不透明」より大きくかつ「透明」より小さいときに、例えば光透過率が20%~80%であるときに使用されうる。用語「透明」は、例えば、物体の透過率が80%を超える、85%を超える、90%を超える、又は95%を超えるときに使用されうる。幾つかの例において、微孔質材料は、材料を通して物体を観察できるときに透明であることができる。
【0210】
図8Aに示されるように、0日目に、壁112の実質的に全表面が、不透明な暗い領域800を示している。 図8Bに示されるように、3日目に、壁112の一部に半透明の領域(明るい領域802)が現れる。図8Cにおいて、7日目に、半透明の領域(明るい領域802)が広がり、図8Bよりも広い壁112の部分を覆い、図8Dにおいて、14日目に広がり続ける。図8Eにおいて、30日目に、壁112の実質的に全表面が透明な明るい領域802を示している。したがって、30日間の間に、壁112は不透明な疎水性状態から半透明な親水性状態に移行する。
【0211】
図9A図9Cは、3つの異なる顕微鏡画像で示されるように、壁112がある状態から別の状態に移行する間の異なる段階を示す。これらの図において、白い部分は濡れていない領域900であり、図8A~8Eの暗い領域800に対応し、陰影部分は濡れた領域902であり、図8A~8Eの明るい領域802に対応する。図示のとおりのデバイス110の壁112は、定規がセンチメートル(図9A)及びミリメートル(図9C)を示すような縮尺である。したがって、3日目に撮影された画像である図9Aにおいて、壁112の表面の大部分が濡れていないため、全体に分散した濡れた領域902の領域を有する疎水性特性を示す。一方、7日目に撮影された画像である図9Bにおいて、壁112の一部が生体内で濡れ、30日目に撮影された画像である図9C(壁112の周囲を示す点線)において、壁112の実質的に全表面が濡れており、したがって親水性を示す。したがって、30日間にわたって、壁112の微孔質材料の全体が疎水性状態から親水性状態に移行する。幾つかの例において、微孔質材料の第一の部分は、3日以内に疎水性状態から親水性状態に移行する。幾つかの例において、微孔質材料の第一の部分とは異なる第二の部分は、7日以内に疎水性状態から親水性状態に移行する。第一の部分及び第二の部分は、図8Bに示される明るい領域802又は図9Aに示される陰影領域902であることができ、ここで、これらの図は、それぞれリザーバ130に流体を入れて又は湿潤化させてから3日後の壁112を示している。あるいは、第一の部分及び第二の部分は、図8Cに示される明るい領域802であることができ、又は、図9Bに示される陰影領域902であり、ここで、これらの図は、それぞれリザーバ130に流体を入れて又は湿潤化させてから7日後の壁112を示している。幾つかの例において、壁112の表面の10%未満、7%未満、5%未満、3%未満、1%未満又はそれらの間の任意の適切な値もしくは範囲が、3日以内に疎水状態から親水状態に移行した第一の部分であることができる。さらに、幾つかの例において、10%~20%、7%~15%、5%~10%、3%~5%、又はそれらの間の任意の他の適切な値もしくは範囲が、7日以内に疎水性状態から親水性状態に移行した第一の部分及び第二の部分の合計であることができる。
【0212】
図10は、x軸に流速、y軸に圧力を示すグラフ1000を示し、デバイス110が生体内で湿潤化を受けるときのデバイス110の特性の経時的な差異を3つの異なる線を使用して示す。実線1002(正方形で表される)は、ウェットアウトの開始時、すなわちデバイス110の湿潤化を促進するために流体/液体を含む環境に置かれたデバイス110の初期状態を示す。初期状態は、流体/液体環境に置かれた0日目であることができる。点線1004(円で表される)は部分的ウェットアウトの状態を示し、これは0日目と30日目の間、例えば3日目、7日目、14日目又はそれらの間の任意の他の適切な日数であってもよいが、0日目及び30日目を除く。別の点線1006(三角形で表される)は、30日目であることができる全体の又は完全なウェットアウトの状態を示す。グラフ1000は、流れ抵抗を表す線1002、1004及び1006の傾きを比較している。流れ抵抗は、流れ抵抗=圧力/流速として計算されることを理解されたい。したがって、傾きが線1002から線1006まで減少するため、流れ抵抗も湿潤化の初期(0日目)状態から最終(30日目)状態まで減少する。
【0213】
図11Aは、x軸にインプラント処置後の時間を示し、y軸にデバイス110の流れ抵抗の変化率を示すグラフ1100を示す。流れ抵抗は、3日目の100%から30日目のほぼ0%まで時間の経過とともに減少することが示されている。流れ抵抗の経時変化は漸近的に示されているが、幾つかの例において、経時変化はより直線的であることができる。幾つかの例において、流れ抵抗の一部は変化せず、これはデバイスの「潜在的な流れ抵抗」によって表される。変化する流れ抵抗の部分は、デバイスが疎水性状態から親水性状態に移行する際に、デバイスの湿潤化によって影響を受ける構造の部分の流れ抵抗であり、その時点までに、デバイスは潜在的な流れ抵抗を有する。例えば、示されている例において、0%流れ抵抗は、デバイスの可変的な流れ抵抗が0%に達したことを表すが、デバイスが崩壊又は溶解して構造が残らない場合を除いて、物理的なデバイスが現実的に完全に流れ抵抗を完全に取り除くことはできないという事実により、デバイスの潜在的な流れ抵抗は残る。上で説明したように、デバイス110は時間の経過とともに崩壊せず、むしろ湿って親水性状態に移行するため、デバイスは、湿潤化が完了した後、例えば30日経過後でも潜在的な流れ抵抗を保持する。
【0214】
図11Bは、x軸にインプラント処置後の時間を示し、y軸に湿潤化が完了したデバイス110の%面積を示すグラフ1102を示す。グラフ1102は、0日目(湿潤化の開始)からデバイスの面積の100%が完全に湿潤化される時点の30日目まで時間が経過するにつれて湿潤化されたデバイスの%面積の増加を示す。グラフに示されているような幾つかの例において、パーセント増加は時間の経過とともに実質的に線形であるが、幾つかの例において、変化は非線形となることができる。幾つかの例において、「実質的に線形」パーセント増加は、データポイントに基づいて計算される線形回帰モデルに関して、少なくとも0.90、少なくとも0.91、少なくとも0.92、少なくとも0.93、少なくとも0.94、少なくとも0.95又はそれらの間の任意の他の適切な値もしくは範囲であるが、1以下である決定係数(別名R値)を有するパーセントデータポイントのセットとして規定されうる。
【0215】
本出願の発明は、一般的に及び特定の実施形態に関して上で説明された。本開示の範囲から逸脱することなく、実施形態に様々な変更及び変形を加えることができることは、当業者に明らかであろう。したがって、実施形態は、添付の特許請求の範囲及びその均等の範囲内にある限り、本発明の変更及び変形を網羅することが意図されている。
図1A
図1B
図1C
図2A
図2B
図2C
図2D
図2E
図3A
図3B
図3C
図4A
図4B
図5
図6A
図6B
図6C
図7
図8A
図8B
図8C
図8D
図8E
図9A
図9B
図9C
図10
図11A
図11B
【手続補正書】
【提出日】2024-05-22
【手続補正1】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0215
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0215】
本出願の発明は、一般的に及び特定の実施形態に関して上で説明された。本開示の範囲から逸脱することなく、実施形態に様々な変更及び変形を加えることができることは、当業者に明らかであろう。したがって、実施形態は、添付の特許請求の範囲及びその均等の範囲内にある限り、本発明の変更及び変形を網羅することが意図されている。
(態様)
(態様1)
眼から眼の周囲の組織に流体を排出するための緑内障シャントであって、前記緑内障シャントは、眼の組織内にインプラント処置可能であり、前記緑内障シャントは、
シャント本体内にリザーバを形成するように配置された微孔質材料から形成されたシャント本体、及び、
前記リザーバと流体連通している導管、
を含み、
前記導管は、前記導管の遠位端の流体が前記導管を通って流れて前記リザーバ内に蓄積できるように眼に挿入可能であり、
前記微孔質材料は、前記リザーバ内に蓄積された流体が前記微孔質材料を通って眼の周囲の組織に拡散するときに30日以内に疎水性状態から親水性状態に移行し、微孔質材料が疎水性状態から親水性状態へ移行するときに可変的な流れ抵抗を提供する、緑内障シャント。
(態様2)
前記微孔質材料の第一の部分は、3日以内に疎水性状態から親水性状態に移行する、態様1記載の緑内障シャント。
(態様3)
前記微孔質材料の第一の部分とは異なる第二の部分は、7日以内に疎水性状態から親水性状態に移行する、態様2記載の緑内障シャント。
(態様4)
前記微孔質材料の全体は30日以内に疎水性状態から親水性状態に移行する、態様1~3のいずれか1項記載の緑内障シャント。
(態様5)
疎水性状態において、前記微孔質材料は不透明である、態様1~4のいずれか1項記載の緑内障シャント。
(態様6)
親水性状態において、前記微孔質材料は透明である、態様1~5のいずれか1項記載の緑内障シャント。
(態様7)
前記シャント本体は500μm以下の最大厚さを有する、態様1~6のいずれか1項記載の緑内障シャント。
(態様8)
疎水性状態において、前記微孔質材料の表面上に置かれた水滴は、表面に対して90度を超える接触角を形成し、そして親水性状態において、前記微孔質材料の表面に置かれた水滴は、表面に対して90度未満の接触角を形成し、疎水性状態から親水性状態への移行は、接触角の少なくとも10度の減少を構成する、態様1~7のいずれか1項記載の緑内障シャント。
(態様9)
前記可変的な流れ抵抗は、親水性状態よりも疎水性状態の方が大きい、態様1~8のいずれか1項記載の緑内障シャント。
(態様10)
前記微孔質材料は、疎水性状態よりも親水性状態の方がより半透明である、態様1~9のいずれか1項記載の緑内障シャント。
(態様11)
前記シャント本体は、前記リザーバを画定する連続壁と、内部リザーバと連通している前記連続壁内のリザーバ開口部であって、それを通して前記導管が係合して受け入れられる、リザーバ開口部とを有し、
前記連続壁の少なくとも一部は前記微孔質材料からなる壁部分を有し、前記壁部分は、前記内部リザーバに面する内側と、ヒトの眼の外部領域に面する反対側の外側とを有し、前記壁部分の内側は、前記壁部分の内側全体に延在する低多孔性表面を有し、前記壁部分の外側は、交互に並んだ低多孔性表面及び高多孔性表面を有する、態様1~10のいずれか1項記載の緑内障シャント。
(態様12)
前記微孔質材料は、第二の微孔質膜と一体化された第一の微孔質膜を有する第一の層と、第四の微孔質膜と一体化された第三の微孔質膜を有する第二の層とを含む、態様1~11のいずれか1項記載の緑内障シャント。
(態様13)
前記微孔質材料は延伸ポリテトラフルオロエチレン(ePTFE)を含む、態様12記載の緑内障シャント。
(態様14)
前記第一の微孔質膜の第一の微孔質膜透過性は、前記第二の微孔質膜の第二の微孔質膜透過性よりも大きく、前記第四の微孔質膜の第四の微孔質膜透過性は、前記第三の微孔質膜の第三の微孔質膜透過性よりも大きい、態様13記載の緑内障シャント。
(態様15)
前記第一の層及び前記第二の層は、前記第一の微孔質膜及び前記第四の微孔質膜が前記シャント本体の最外膜であり、前記第二の微孔質膜及び前記第三の微孔質膜が前記シャント本体の最内膜であり、前記リザーバを画定するように、スタック構成になっている、態様14記載の緑内障シャント。
(態様16)
前記第一の微孔質膜は第一の微孔質膜透過性を有し、前記第二の微孔質膜は第二の微孔質膜透過性を有し、前記第三の微孔質膜は第三の微孔質膜透過性を有し、前記第四の微孔質膜は第四の微孔質膜透過性を有し、
前記第二の微孔質膜透過性は前記第三の微孔質膜透過性とほぼ同じであり、前記第一の微孔質膜透過性は前記第四の微孔質膜透過性とほぼ同じであり、
前記第二の微孔質膜透過性及び第三の微孔質膜透過性は、それぞれ、前記第一の微孔質膜透過性及び前記第四の微孔質膜透過性とは異なる、態様12記載の緑内障シャント。
(態様17)
前記第二の微孔質膜及び前記第三の微孔質膜は、前記第一の層及び前記第二の層の周縁部に沿って互いに結合されて、前記リザーバを画定し、前記リザーバを前記第二の微孔質膜と前記第三の微孔質膜との間に配置し、
前記第二の微孔質膜及び前記第三の微孔質膜は、組織の内方成長に抵抗するように構成されており、
前記第一の微孔質膜及び前記第四の微孔質膜は、組織の内方成長を可能にするように構成されており、
前記第二の微孔質膜及び前記第三の微孔質膜は、前記第一の層及び前記第二の層の周縁部に隣接して維持される拡張状態を有する、態様12記載の緑内障シャント。
(態様18)
前記リザーバは、前記第二の微孔質膜及び前記第三の微孔質膜がその間の流体流に抵抗する崩潰状態と、流体が前記第二の微孔質膜と前記第三の微孔質膜との間を流れることができる拡張状態との間で移動するように構成されている、態様12記載の緑内障シャント。
(態様19)
前記リザーバへの流体流は、前記導管の遠位端からチャンバの周縁部に向かって導かれる、態様18記載の緑内障シャント。
(態様20)
前記リザーバは、前記導管の遠位端に隣接するリザーバ近位セクションと、前記リザーバ近位セクションの反対側に位置するリザーバ遠位セクションとを有し、
流体の排出中に、前記リザーバ近位セクションは、前記リザーバ遠位セクションより前に膨張するように構成されている、態様18記載の緑内障シャント。
(態様21)
前記可変的な流れ抵抗は、経時的な流速に対する圧力の変化率に対応する、態様1~20のいずれか1項記載の緑内障シャント。
(態様22)
前記微孔質材料は、第一の流れ抵抗を有する疎水性状態から、第二の流れ抵抗を有する部分親水性状態に移行し、次いで、第三の流れ抵抗を有する親水性状態に移行し、
前記第一の流れ抵抗は、前記第二の流れ抵抗及び前記第三の流れ抵抗の両方よりも大きく、前記第二の流れ抵抗は、前記第三の流れ抵抗よりも大きい、態様21記載の緑内障シャント。
(態様23)
前記微孔質材料は、流体による前記微孔質材料の湿潤化に基づいて疎水性状態から親水性状態に移行するように構成されており、
前記微孔質材料は、前記シャント本体の外側部分の湿潤化が前記リザーバの湿潤化の前に起こるように構成されている、態様1~22のいずれか1項記載の緑内障シャント。
(態様24)
デバイス本体内にリザーバを形成するように配置された微孔質材料から形成されたデバイス本体を含み、前記リザーバは流体を受け入れて蓄積するように構成されており、
前記微孔質材料は、前記リザーバ内に蓄積された流体が前記微孔質材料を通して前記デバイスの周囲の組織に拡散するときに、30日以内に疎水性状態から親水性状態に移行し、前記微孔質材料が疎水性状態から親水性状態に移行するときに、可変的な流れ抵抗を提供する、房水拡散デバイス。
(態様25)
前記微孔質材料の第一の部分は、3日以内に疎水性状態から親水性状態に移行する、態様24記載の房水拡散デバイス。
(態様26)
前記微孔質材料の第一の部分とは異なる第二の部分は、7日以内に疎水性状態から親水性状態に移行する、態様25記載の房水拡散デバイス。
(態様27)
前記微孔質材料の全体は30日以内に疎水性状態から親水性状態に移行する、態様24~26のいずれか1項記載の房水拡散デバイス。
(態様28)
疎水性状態において、前記微孔質材料は不透明である、態様24~27のいずれか1項記載の房水拡散デバイス。
(態様29)
親水性状態において、前記微孔質材料は透明である、態様24~28のいずれか1項記載の房水拡散デバイス。
(態様30)
前記シャント本体は500μm以下の最大厚さを有する、態様24~29のいずれか1項記載の房水拡散デバイス。
(態様31)
疎水性状態において、前記微孔質材料の表面上に置かれた水滴は、前記表面に対して90度を超える接触角を形成し、親水性状態において、前記微孔質材料の表面に置かれた水滴は、前記表面に対して90度未満の接触角を形成し、疎水性状態から親水性状態への移行は、接触角の少なくとも10度の減少を構成する、態様24~30のいずれか1項記載の房水拡散デバイス。
(態様32)
前記可変的な流れ抵抗は、親水性状態よりも疎水性状態の方が大きい、態様24~31のいずれか1項記載の房水拡散デバイス。
(態様33)
前記微孔質材料は、疎水性状態よりも親水性状態の方がより半透明である、態様24~32のいずれか1項記載の房水拡散デバイス。
(態様34)
前記微孔質材料は、第二の微孔質膜に結合された第一の微孔質膜を有する第一の層と、第四の微孔質膜に結合された第三の微孔質膜を含む第二の層とを含む、態様24~33のいずれか1項記載の房水拡散デバイス。
(態様35)
前記微孔質材料は延伸ポリテトラフルオロエチレン(ePTFE)を含む、態様34記載の房水拡散デバイス。
(態様36)
前記第一の微孔質膜の第一の微孔質膜透過性は、前記第二の微孔質膜の第二の微孔質膜透過性よりも大きく、
前記第四の微孔質膜の第四の微孔質膜透過性は、前記第三の微孔質膜の第三の微孔質膜透過性よりも大きい、態様35記載の房水拡散デバイス。
(態様37)
前記第一の層及び前記第二の層は、前記第一の微孔質膜及び前記第四の微孔質膜が前記デバイス本体の最外膜であり、前記第二の微孔質膜及び第三の微孔質膜が前記デバイス本体の最内膜であり、前記前記リザーバを画定するように、スタック構成になっている、態様36記載の房水拡散デバイス。
(態様38)
前記第一の微孔質膜は第一の微孔質膜透過性を有し、前記第二の微孔質膜は第二の微孔質膜透過性を有し、前記第三の微孔質膜は第三の微孔質膜透過性を有し、前記第四の微孔質膜は第四の微孔質膜透過性を有し、
前記第二の微孔質膜透過性は第三の微孔質膜透過性とほぼ同じであり、前記第一の微孔質膜透過性は第四の微孔質膜透過性とほぼ同じであり、
前記第二の微孔質膜透過性及び第三の微孔質膜透過性は、それぞれ、前記第一の微孔質膜透過性及び前記第四の微孔質膜透過性とは異なる、態様34記載の房水拡散デバイス。
(態様39)
前記第二の微孔質膜及び前記第三の微孔質膜は、前記第一の層及び前記第二の層の周縁部に沿って互いに結合されて、前記リザーバを画定し、前記リザーバを前記第二の微孔質膜と前記第三の微孔質膜との間に配置し、
前記第二の微孔質膜及び前記第三の微孔質膜は、組織の内方成長に抵抗するように構成されており、
前記第一の微孔質膜及び前記第四の微孔質膜は、組織の内方成長を可能にするように構成されており、
前記第二の微孔質膜及び前記第三の微孔質膜は、前記第一の層及び前記第二の層の周縁部に隣接して維持される拡張状態を有する、態様34記載の房水拡散デバイス。
(態様40)
前記リザーバは、前記第二の微孔質膜及び前記第三の微孔質膜がそれらの間の流体流に抵抗する崩潰状態と、前記第二の微孔質膜と前記第三の微孔質膜の間に流体が流れることができる拡張状態との間で移動するように構成されている、態様34記載の房水拡散デバイス。
(態様41)
前記リザーバへの流体流は、前記リザーバの近位部分からチャンバの周縁部に向かって導かれる、態様40記載の房水拡散デバイス。
(態様42)
前記リザーバは、流体が受け入れられるリザーバポートに隣接して配置されるように構成されるリザーバ近位セクションと、前記リザーバ近位セクションの反対側に配置されるリザーバ遠位セクションとを有し、
流体の排出中に、前記リザーバ近位セクションは、前記リザーバ遠位セクションより前に膨張するように構成されている、態様40記載の房水拡散デバイス。
(態様43)
前記可変的な流れ抵抗は、経時的な流速に対する圧力の変化率に対応する、態様24~42のいずれか1項記載の房水拡散デバイス。
(態様44)
前記微孔質材料は、第一の流れ抵抗を有する疎水性状態から、第二の流れ抵抗を有する部分親水性状態に移行し、次いで、第三の流れ抵抗を有する親水性状態に移行し、
前記第一の流れ抵抗は、前記第二の流れ抵抗及び前記第三の流れ抵抗の両方よりも大きく、前記第二の流れ抵抗は、前記第三の流れ抵抗よりも大きい、態様43記載の房水拡散デバイス。
(態様45)
前記微孔質材料は、流体による前記微孔質材料の湿潤化に基づいて疎水性状態から親水性状態に移行するように構成されており、
前記微孔質材料は、前記デバイス本体の外側部分の湿潤化が前記リザーバの湿潤化の前に起こるように構成されている、態様24~44のいずれか1項記載の房水拡散デバイス。
(態様46)
インプラント処置可能な緑内障ドレナージデバイスを形成するための方法であって、前記方法は、
流体を受け入れて蓄積するように構成されたリザーバが内部に画定されているデバイス本体を形成するように微孔質材料を配置すること、及び、
流体が前記リザーバ内に蓄積されると、流体が前記微孔質材料を通って前記デバイスの周囲の組織に拡散するときに前記微孔質材料が30日以内に疎水性状態から親水性状態に移行し、前記微孔質材料が疎水性状態から親水性状態に移行するときに可変的な流れ抵抗を提供するように、前記リザーバを形成する前記微孔質材料の部分を固定すること、
を含む、方法。
(態様47)
前記微孔質材料の第一の部分は、3日以内に疎水性状態から親水性状態に移行する、態様46記載の方法。
(態様48)
前記微孔質材料の第一の部分とは異なる第二の部分は、7日以内に疎水性状態から親水性状態に移行する、態様47記載の方法。
(態様49)
前記微孔質材料の全体は30日以内に疎水性状態から親水性状態に移行する、態様46~48のいずれか1項記載の方法。
(態様50)
疎水性状態において、前記微孔質材料は不透明である、態様46~49のいずれか1項記載の方法。
(態様51)
親水性状態において、前記微孔質材料は透明である、態様46~50のいずれか1項記載の方法。
(態様52)
前記シャント本体は500μm以下の最大厚さを有する、態様46~51のいずれか1項記載の方法。
(態様53)
疎水性状態において、前記微孔質材料の表面上に置かれた水滴は、前記表面に対して90度を超える接触角を形成し、親水性状態において、前記微孔質材料の表面に置かれた水滴は、前記表面に対して90度未満の接触角を形成し、疎水性状態から親水性状態への移行は、接触角の少なくとも10度の減少を構成する、態様46~52のいずれか1項記載の方法。
(態様54)
前記可変的な流れ抵抗は、親水性状態よりも疎水性状態の方が大きい、態様46~53のいずれか1項記載の方法。
(態様55)
前記微孔質材料は、疎水性状態よりも親水性状態の方が半透明である、態様46~54のいずれか1項記載の方法。
(態様56)
前記リザーバは、前記デバイス本体のポートを介して流体を受け入れ、
前記方法はさらに、吸入導管を前記ポートにおいて前記デバイス本体に固定することを含み、前記吸入導管は排液を受け入れるように構成されている、態様46~55のいずれか1項記載の方法。
(態様57)
前記1つ以上の微孔質材料は、第二の微孔質膜に結合された第一の微孔質膜を有する第一の層と、第四の微孔質膜に結合された第三の微孔質膜を含む第二の層とを含み、
前記1つ以上の微孔質材料の部分を固定することは、前記第二の微孔質膜を前記第三の微孔質膜に結合することを含む、態様46~56のいずれか1項記載の方法。
(態様58)
前記第二の微孔質膜及び前記第三の微孔質膜は、前記第一の層及び前記第二の層の周縁部に沿って互いに結合されて、前記リザーバを画定し、前記第二の微孔質膜と前記第三の微孔質膜との間に前記リザーバを配置し、
前記第二の微孔質膜及び前記第三の微孔質膜は、組織の内方成長に抵抗するように構成されており、
前記第一の微孔質膜及び前記第四の微孔質膜は、組織の内方成長を可能にするように構成されており、
前記第二の微孔質膜及び前記第三の微孔質膜は、前記第一の層と前記第二の層の周縁部に隣接して維持される拡張状態を有する、態様57記載の方法。
(態様59)
前記微孔質材料の部分を固定することは、前記第一の微孔質膜と前記第四の微孔質膜とを結合することを控えることを含む、態様57記載の方法。
(態様60)
前記1つ以上の微孔質材料の部分を固定することは、前記第一の微孔質膜及び前記第四の微孔質膜が前記デバイス本体の最外膜であり、前記第二の微孔質膜及び前記第三の微孔質膜が前記デバイス本体の最内膜であるように、前記第一の層と前記第二の層をスタック構成に配置することを含む、態様57記載の方法。
(態様61)
ヒトの眼の内部領域からヒトの眼の外部領域に流体を排出するための緑内障ドレナージデバイスであって、前記緑内障ドレナージデバイスは、
本体内の内部リザーバを画定する連続壁と、前記内部リザーバと連通する壁におけるリザーバ開口部とを有する本体、及び、
前記本体から導管長さだけ延在する導管、
を含み、
前記導管は、対向する第一の端部及び第二の端部の間に延在している前記導管を通る通路を画定する、対向する第一の端部及び第二の端部を有し、前記導管の第一の端部は前記リザーバ開口部と係合して前記導管の第二の端部と前記リザーバとの間に流体接続を提供し、前記導管長さは、前記導管の第一の端部をヒトの眼の外部領域に配置し、前記導管の第二の端部をヒトの眼の内部領域に配置するのに十分であり、
前記連続壁の少なくとも一部は、微孔質材料からなる壁部分を有し、前記壁部分は、前記リザーバに面する内側と、ヒトの眼の外部領域に面する反対側の外側とを有し、前記壁部分の内側は、前記壁部分の内側全体に延在している低多孔性表面を有し、前記壁部分の外側は、交互に並んだ低多孔性表面及び高多孔性表面を有し、
前記壁部分は、流体が前記壁部分と係合するときに、最終の親水性状態に30日以内に移行する、初期の疎水性状態を有する、緑内障ドレナージデバイス。
(態様62)
前記微孔質材料の第一の部分は、3日以内に疎水性状態から親水性状態に移行する、態様61記載の緑内障ドレナージデバイス。
(態様63)
前記微孔質材料の第一の部分とは異なる第二の部分は、7日以内に疎水性状態から親水性状態に移行する、態様62記載の緑内障ドレナージデバイス。
(態様64)
前記微孔質材料全体は30日以内に疎水性状態から親水性状態に移行する、態様61~63のいずれか1項記載の緑内障ドレナージデバイス。
(態様65)
疎水性状態において、前記微孔質材料は不透明である、態様61~64のいずれか1項記載の緑内障ドレナージデバイス。
(態様66)
親水性状態において、前記微孔質材料は透明である、態様61~65のいずれか1項記載の緑内障ドレナージデバイス。
(態様67)
前記シャント本体は500μm以下の最大厚さを有する、態様61~66のいずれか1項記載の緑内障ドレナージデバイス。
(態様68)
疎水性状態において、前記微孔質材料の表面上に置かれた水滴は、前記表面に対して90度を超える接触角を形成し、親水性状態において、前記微孔質材料の表面に置かれた水滴は、前記表面に対して90度未満の接触角を形成し、疎水性状態から親水性状態への移行は、接触角の少なくとも10度の減少を構成する、態様61~67のいずれか1項記載の緑内障ドレナージデバイス。
(態様69)
前記可変的な流れ抵抗は、親水性状態よりも疎水性状態の方が大きい、態様61~68のいずれか1項記載の緑内障ドレナージデバイス。
(態様70)
前記微孔質材料は、疎水性状態よりも親水性状態の方が半透明である、態様61~69のいずれか1項記載の緑内障ドレナージデバイス。
(態様71)
前記壁部分は、前記内側と前記外側との間に延在する壁部分の厚さを画定し、前記壁部分の厚さは、前記内側の低多孔性表面の多孔度と前記外側の高多孔性表面の多孔度との間の移行多孔度を有する前記壁部分の内部領域を画定する、態様61~70のいずれか1項記載の緑内障ドレナージデバイス。
(態様72)
前記壁部分は、前記内側と前記外側との間に延在する壁部分の厚さを画定し、前記壁部分の厚さは、前記内側の低多孔性表面と前記外側の低多孔性表面との間に延在する壁部分の内部領域を画定し、前記内部領域は、前記内側及び前記外側の低多孔性表面の多孔度に等しい内部領域多孔度を有する、態様61~70のいずれか1項記載の緑内障ドレナージデバイス。
(態様73)
前記壁部分は、前記内側と前記外側との間に延在する壁部分の厚さを画定し、前記壁部分の厚さは、前記内側の低多孔性表面と前記外側の高多孔性表面との間に延在する壁部分の内部領域を画定し、前記内部領域は、前記内側の低多孔性表面の多孔度に等しい内部領域多孔度を有する、態様61~70のいずれか1項記載の緑内障ドレナージデバイス。
(態様74)
前記壁部分は、前記内側と前記外側との間に延在する壁部分の厚さを画定し、前記壁部分の厚さは、前記内側の低多孔性表面と前記外側の高多孔性表面との間に延在する壁部分の内部領域を画定し、前記内部領域は、前記外側の高多孔性表面の多孔度に等しい内部領域多孔度を有する、態様61~70のいずれか1項記載の緑内障ドレナージデバイス。
(態様75)
前記導管の第二の端部と前記リザーバとの間の流体接続は、前記リザーバから前記微孔質材料を通してさらに延在し、前記リザーバからヒトの眼の外部領域への流体連通を提供する、態様61~74のいずれか1項記載の緑内障ドレナージデバイス。
(態様76)
前記流体連通は、前記微孔質材料を通る流路を画定する、態様75記載の緑内障ドレナージデバイス。
(態様77)
前記微孔質材料を通る流路は、前記リザーバから遠ざかる方向にある、態様76記載の緑内障ドレナージデバイス。
(態様78)
前記微孔質材料を通る流路は、低多孔度を有する微孔質領域から高い多孔度を有する微孔質領域に進む、態様76記載の緑内障ドレナージデバイス。
(態様79)
眼から眼の周囲の組織への流体の流れを制御するための方法であって、前記方法は、
リザーバを画定する疎水性材料と係合するように配置された流体で前記リザーバを膨張させること、
流体との係合した後30日以内に前記疎水性材料を親水性材料に移行させること、及び、
前記親水性材料を通して眼の周囲の組織に流体を導くことによって前記リザーバを排液して、眼の流体圧力を軽減すること、
を含み、
前記疎水性材料は第一の流れ抵抗を提供し、
前記移行は、第一の流れ抵抗から前記第一の流れ抵抗よりも低い第二の流れ抵抗まで減少する材料の可変的な流れ抵抗を規定する、方法。
(態様80)
前記疎水性材料及び前記親水性材料は微孔質材料である、態様79記載の方法。
(態様81)
前記疎水性材料は疎水性状態にある微孔質材料である、態様80記載の方法。
(態様82)
前記親水性材料は親水性状態にある微孔質材料である、態様80記載の方法。
(態様83)
前記微孔質材料は最初は疎水性状態にあり、前記疎水性材料の親水性材料への移行により微孔質材料は疎水性状態から疎水性状態に変化する、態様80記載の方法。
(態様84)
前記微孔質材料の第一の部分は、3日以内に疎水性状態から親水性状態に移行する、態様83記載の方法。
(態様85)
前記微孔質材料の第一の部分とは異なる第二の部分は、7日以内に疎水性状態から親水性状態に移行する、態様84記載の方法。
(態様86)
前記微孔質材料の全体は30日以内に疎水性状態から親水性状態に移行する、態様83記載の方法。
(態様87)
疎水性状態において、前記微孔質材料は不透明である、態様83記載の方法。
(態様88)
親水性状態において、前記微孔質材料は透明である、態様83記載の方法。
(態様89)
前記疎水性材料は500μm以下の最大厚さを有する、態様79記載の方法。
(態様90)
疎水性状態において、前記微孔質材料の表面上に置かれた水滴は、前記表面に対して90度を超える接触角を形成し、そして、親水性状態において、前記微孔質材料の表面に置かれた水滴は、前記表面に対して90度未満の接触角を形成し、疎水性状態から親水性状態への移行は、接触角の少なくとも10度の減少を構成する、態様83記載の方法。
(態様91)
前記可変的な流れ抵抗は、親水性状態よりも疎水性状態の方が大きい、態様83記載の方法。
(態様92)
前記微孔質材料は、疎水性状態よりも親水性状態の方が半透明である、態様83記載の方法。
(態様93)
前記リザーバを画定する連続壁と、前記リザーバと連通して前記導管が係合して受け入れられる前記連続壁内のリザーバ開口部とを設けることをさらに含み、
前記連続壁の少なくとも一部は、前記微孔質材料からなる壁部分を有し、前記壁部分は、前記リザーバに面する内側と、眼の外部領域に面する反対側の外側とを有し、前記壁部分の内側は、前記壁部分の内側全体に延在する低多孔性表面を有し、前記壁部分の外側は、交互に並んだ低多孔性表面及び高多孔性表面を有する、態様80記載の方法。
(態様94)
前記微孔質材料は、第二の微孔質膜と一体化された第一の微孔質膜を有する第一の層と、第四の微孔質膜と一体化された第三の微孔質膜を有する第二の層とを含む、態様80記載の方法。
(態様95)
前記微孔質材料は延伸ポリテトラフルオロエチレン(ePTFE)を含む、態様94記載の方法。
(態様96)
前記第一の微孔質膜の第一の微孔質膜透過性は、前記第二の微孔質膜の第二の微孔質膜透過性よりも大きく、前記第四の微孔質膜の第四の微孔質膜透過性は、前記第三の微孔質膜の第三の微孔質膜透過性よりも大きい、態様95記載の方法。
(態様97)
前記第一の層及び前記第二の層は、前記第一の微孔質膜及び前記第四の微孔質膜が前記シャント本体の最外膜であり、前記第二の微孔質膜及び前記第三の微孔質膜が前記シャント本体の最内膜であり、前記リザーバを画定するように、スタック構成になっている、態様96記載の方法。
(態様98)
前記第一の微孔質膜は第一の微孔質膜透過性を有し、前記第二の微孔質膜は第二の微孔質膜透過性を有し、前記第三の微孔質膜は第三の微孔質膜透過性を有し、前記第四の微孔質膜は第四の微孔質膜透過性を有し、
前記第二の微孔質膜透過性は前記第三の微孔質膜透過性とほぼ同じであり、前記第一の微孔質膜透過性は前記第四の微孔質膜透過性とほぼ同じであり、
前記第二の微孔質膜透過性及び前記第三の微孔質膜透過性は、それぞれ、前記第一の微孔質膜透過性及び前記第四の微孔質膜透過性とは異なる、態様94記載の方法。
(態様99)
前記第二の微孔質膜及び第三の微孔質膜は、前記第一の層及び前記第二の層の周縁部に沿って互いに結合されて、前記リザーバを画定し、前記リザーバを前記第二の微孔質膜と第三の微孔質膜との間に配置し、
前記第二の微孔質膜及び前記第三の微孔質膜は、組織の内方成長に抵抗するように構成されており、
前記第一の微孔質膜及び前記第四の微孔質膜は、組織の内方成長を可能にするように構成されており、
前記第二の微孔質膜及び前記第三の微孔質膜は、前記第一の層及び前記第二の層の周縁部に隣接して維持される拡張状態を有する、態様94記載の方法。
(態様100)
前記リザーバは、前記第二の微孔質膜及び前記第三の微孔質膜がそれらの間の流体流に抵抗する収縮状態と、流体が前記第二の微孔質膜と前記第三の微孔質膜の間で流れることができる膨張状態との間で移動するように構成されている、態様94記載の方法。
(態様101)
前記リザーバへの流体流は、前記導管の遠位端からチャンバの周縁部に向かって導かれる、態様100記載の方法。
(態様102)
前記リザーバは、前記導管の遠位端に隣接するリザーバ近位セクションと、前記リザーバ近位セクションの反対側に位置するリザーバ遠位セクションとを有し、
流体の排出中に、前記リザーバ近位セクションは、前記リザーバ遠位セクションより前に膨張するように構成されている、態様100記載の方法。
(態様103)
前記可変的な流れ抵抗は、経時的な流速に対する圧力の変化率に対応する、態様83記載の方法。
(態様104)
前記微孔質材料は、第一の流れ抵抗を有する疎水性状態から、第二の流れ抵抗を有する部分親水性状態に移行し、次いで、第三の流れ抵抗を有する親水性状態に移行し、
前記第一の流れ抵抗は、前記第二の流れ抵抗及び前記第三の流れ抵抗の両方よりも大きく、前記第二の流れ抵抗は、前記第三の流れ抵抗よりも大きい、態様103記載の方法。
(態様105)
前記微孔質材料は、流体による微孔質材料の湿潤化に基づいて疎水性状態から親水性状態に移行するように構成されており、
前記微孔質材料は前記シャント本体の外側部分の湿潤化が前記リザーバの湿潤化の前に起こるように構成されている、態様83記載の方法。
(態様106)
眼の流体圧を管理するための方法であって、前記方法は、
眼内にある眼液に関連する眼の望ましくない流体圧力を特定すること、
眼液に流体的に係合する導管を備えた眼の近くのリザーバを膨張させて、眼液を前記リザーバにデリバリーし、リザーバ壁が眼液に係合した後30日以内に初期の疎水性状態から親水性状態に移行する材料を含むリザーバ壁に係合させること、及び、
眼の望ましくない流体圧力を改善するために、前記材料を通して眼の周囲の組織に眼液を導くことによって前記リザーバを排液すること、
を含み、
疎水性状態から親水性状態への移行は、初期の第一の流れ抵抗から前記第一の流れ抵抗よりも低い第二の流れ抵抗まで減少する材料の可変的な流れ抵抗を規定する、方法。
(態様107)
前記可変的な流れ抵抗は、短期の術後の低眼圧状態の生成を軽減するために最小限の流体圧力を維持するのに十分な流れ抵抗を提供する、態様106記載の方法。
(態様108)
前記材料は微孔質材料である、態様106又は107記載の方法。
(態様109)
前記微孔質材料の第一の部分は、3日以内に疎水性状態から親水性状態に移行する、態様108記載の方法。
(態様110)
前記微孔質材料の第一の部分とは異なる第二の部分は7日以内に疎水性状態から親水性状態に移行する、態様109記載の方法。
(態様111)
前記微孔質材料の全体は30日以内に疎水性状態から親水性状態に移行する、態様108記載の方法。
(態様112)
疎水性状態において、前記微孔質材料は不透明である、態様108記載の方法。
(態様113)
親水性状態において、前記微孔質材料は透明である、態様108記載の方法。
(態様114)
疎水性状態の微孔質材料は、500μm以下の最大厚さを有する、態様108記載の方法。
(態様115)
疎水性状態において、前記微孔質材料の表面上に置かれた水滴は、前記表面に対して90度を超える接触角を形成し、そして、親水性状態において、前記微孔質材料の表面に置かれた水滴は、前記表面に対して90度未満の接触角を形成し、疎水性状態から親水性状態への移行は、接触角の少なくとも10度の減少を構成する、態様108記載の方法。
(態様116)
前記可変的な流れ抵抗は、親水性状態よりも疎水性状態の方が大きい、態様106記載の方法。
(態様117)
前記微孔質材料は、疎水性状態よりも親水性状態の方が半透明である、態様108記載の方法。
(態様118)
前記リザーバの壁は、前記リザーバと連通し、前記導管が係合して受け入れられるリザーバ開口部を画定し、
前記リザーバ壁の少なくとも一部は、前記微孔質材料からなる壁部分を有し、前記壁部分は、前記リザーバに面する内側と、眼の外部領域に面する反対側の外側とを有し、前記壁部分の内側は、前記壁部分の内側全体に延在する低多孔性表面を有し、前記壁部分の外側は、交互に並んだ低多孔性表面及び高多孔性表面を有する、態様108記載の方法。
(態様119)
前記微孔質材料は、第二の微孔質膜と一体化された第一の微孔質膜を有する第一の層と、第四の微孔質膜と一体化された第三の微孔質膜を有する第二の層とを含む、態様108記載の方法。
(態様120)
前記微孔質材料は延伸ポリテトラフルオロエチレン(ePTFE)を含む、態様108記載の方法。
(態様121)
前記第一の微孔質膜の第一の微孔質膜透過性は、前記第二の微孔質膜の第二の微孔質膜透過性より大きく、前記第四の微孔質膜の第四の微孔質膜透過性は、前記第三の微孔質膜の第三の微孔質膜透過性よりも大きい、態様120記載の方法。
(態様122)
前記第一の層及び前記第二の層は、前記第一の微孔質膜及び前記第四の微孔質膜が前記シャント本体の最外膜であり、前記第二の微孔質膜及び前記第三の微孔質膜が前記シャント本体の最内膜であり、前記リザーバを画定するように、スタック構成になっている、態様121記載の方法。
(態様123)
前記第一の微孔質膜は第一の微孔質膜透過性を有し、前記第二の微孔質膜は第二の微孔質膜透過性を有し、前記第三の微孔質膜は第三の微孔質膜透過性を有し、前記第四の微孔質膜は第四の微孔質膜透過性を有し、
前記第二の微孔質膜透過性は前記第三の微孔質膜透過性とほぼ同じであり、前記第一の微孔質膜透過性は前記第四の微孔質膜透過性とほぼ同じであり、
前記第二の微孔質膜透過性及び前記第三の微孔質膜透過性は、それぞれ、前記第一の微孔質膜透過性及び前記第四の微孔質膜透過性とは異なる、態様119記載の方法。
(態様124)
前記第二の微孔質膜及び前記第三の微孔質膜は、前記第一の層及び前記第二の層の周縁部に沿って互いに結合されて、前記リザーバを画定し、前記リザーバを前記第二の微孔質膜と前記第三の微孔質膜との間に配置し、
前記第二の微孔質膜及び前記第三の微孔質膜は、組織の内方成長に抵抗するように構成されており、
前記第一の微孔質膜及び前記第四の微孔質膜は、組織の内方成長を可能にするように構成されており、
前記第二の微孔質膜及び前記第三の微孔質膜は、前記第一の層及び前記第二の層の周縁部に隣接して維持される拡張状態を有する、態様119記載の方法。
(態様125)
前記リザーバは、前記第二の微孔質膜及び前記第三の微孔質膜がそれらの間の流体流に抵抗する収縮状態と、流体が前記第二の微孔質膜と前記第三の微孔質膜の間に流れることができる膨張状態との間で移動するように構成されている、態様119記載の方法。
(態様126)
前記リザーバへの流体流は、前記導管の遠位端からチャンバの周縁部に向かって導かれる、態様125記載の方法。
(態様127)
前記リザーバは、前記導管の遠位端に隣接するリザーバ近位セクションと、前記リザーバ近位セクションの反対側に位置するリザーバ遠位セクションとを有し、
流体の排出中に、前記リザーバ近位セクションは、前記リザーバ遠位セクションより前に膨張するように構成されている、態様125記載の方法。
(態様128)
前記可変的な流れ抵抗は、経時的な流速に対する圧力の変化率に対応する、態様108記載の方法。
(態様129)
前記微孔質材料は、第一の流れ抵抗を有する疎水性状態から、第二の流れ抵抗を有する部分親水性状態に移行し、次いで、第三の流れ抵抗を有する親水性状態に移行し、
前記第一の流れ抵抗は、前記第二の流れ抵抗及び前記第三の流れ抵抗の両方よりも大きく、前記第二の流れ抵抗は、前記第三の流れ抵抗よりも大きい、態様128記載の方法。
(態様130)
前記微孔質材料は、流体による前記微孔質材料の湿潤化に基づいて疎水性状態から親水性状態に移行するように構成されており、
前記微孔質材料は、前記シャント本体の外側部分の湿潤化が前記リザーバの湿潤化の前に起こるように構成されている、態様108記載の方法。
【手続補正2】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
眼から眼の周囲の組織に流体を排出するための緑内障シャントであって、前記緑内障シャントは、眼の組織内にインプラント処置可能であり、前記緑内障シャントは、
シャント本体内にリザーバを形成するように配置された微孔質材料から形成されたシャント本体、及び、
前記リザーバと流体連通している導管、
を含み、
前記導管は、前記導管の遠位端の流体が前記導管を通って流れて前記リザーバ内に蓄積できるように眼に挿入可能であり、
前記微孔質材料は、前記リザーバ内に蓄積された流体が前記微孔質材料を通って眼の周囲の組織に拡散するときに30日以内に疎水性状態から親水性状態に移行し、微孔質材料が疎水性状態から親水性状態へ移行するときに可変的な流れ抵抗を提供する、緑内障シャント。
【請求項2】
前記微孔質材料の第一の部分は、3日以内に疎水性状態から親水性状態に移行する、請求項1記載の緑内障シャント。
【請求項3】
前記微孔質材料の第一の部分とは異なる第二の部分は、7日以内に疎水性状態から親水性状態に移行する、請求項2記載の緑内障シャント。
【請求項4】
前記微孔質材料の全体は30日以内に疎水性状態から親水性状態に移行する、請求項1~3のいずれか1項記載の緑内障シャント。
【請求項5】
疎水性状態において、前記微孔質材料は不透明である、請求項1~のいずれか1項記載の緑内障シャント。
【請求項6】
親水性状態において、前記微孔質材料は透明である、請求項1~のいずれか1項記載の緑内障シャント。
【請求項7】
前記シャント本体は500μm以下の最大厚さを有する、請求項1~のいずれか1項記載の緑内障シャント。
【請求項8】
疎水性状態において、前記微孔質材料の表面上に置かれた水滴は、表面に対して90度を超える接触角を形成し、そして親水性状態において、前記微孔質材料の表面に置かれた水滴は、表面に対して90度未満の接触角を形成し、疎水性状態から親水性状態への移行は、接触角の少なくとも10度の減少を構成する、請求項1~のいずれか1項記載の緑内障シャント。
【請求項9】
前記可変的な流れ抵抗は、親水性状態よりも疎水性状態の方が大きい、請求項1~のいずれか1項記載の緑内障シャント。
【請求項10】
前記微孔質材料は、疎水性状態よりも親水性状態の方がより半透明である、請求項1~のいずれか1項記載の緑内障シャント。
【請求項11】
前記シャント本体は、前記リザーバを画定する連続壁と、内部リザーバと連通している前記連続壁内のリザーバ開口部であって、それを通して前記導管が係合して受け入れられる、リザーバ開口部とを有し、
前記連続壁の少なくとも一部は前記微孔質材料からなる壁部分を有し、前記壁部分は、前記内部リザーバに面する内側と、ヒトの眼の外部領域に面する反対側の外側とを有し、前記壁部分の内側は、前記壁部分の内側全体に延在する低多孔性表面を有し、前記壁部分の外側は、交互に並んだ低多孔性表面及び高多孔性表面を有する、請求項1~のいずれか1項記載の緑内障シャント。
【請求項12】
前記微孔質材料は、第二の微孔質膜と一体化された第一の微孔質膜を有する第一の層と、第四の微孔質膜と一体化された第三の微孔質膜を有する第二の層とを含む、請求項1~のいずれか1項記載の緑内障シャント。
【請求項13】
前記微孔質材料は延伸ポリテトラフルオロエチレン(ePTFE)を含む、請求項12記載の緑内障シャント。
【請求項14】
前記第一の微孔質膜の第一の微孔質膜透過性は、前記第二の微孔質膜の第二の微孔質膜透過性よりも大きく、前記第四の微孔質膜の第四の微孔質膜透過性は、前記第三の微孔質膜の第三の微孔質膜透過性よりも大きい、請求項13記載の緑内障シャント。
【請求項15】
前記第一の層及び前記第二の層は、前記第一の微孔質膜及び前記第四の微孔質膜が前記シャント本体の最外膜であり、前記第二の微孔質膜及び前記第三の微孔質膜が前記シャント本体の最内膜であり、前記リザーバを画定するように、スタック構成になっている、請求項14記載の緑内障シャント。
【請求項16】
前記第一の微孔質膜は第一の微孔質膜透過性を有し、前記第二の微孔質膜は第二の微孔質膜透過性を有し、前記第三の微孔質膜は第三の微孔質膜透過性を有し、前記第四の微孔質膜は第四の微孔質膜透過性を有し、
前記第二の微孔質膜透過性は前記第三の微孔質膜透過性とほぼ同じであり、前記第一の微孔質膜透過性は前記第四の微孔質膜透過性とほぼ同じであり、
前記第二の微孔質膜透過性及び第三の微孔質膜透過性は、それぞれ、前記第一の微孔質膜透過性及び前記第四の微孔質膜透過性とは異なる、請求項12記載の緑内障シャント。
【請求項17】
前記第二の微孔質膜及び前記第三の微孔質膜は、前記第一の層及び前記第二の層の周縁部に沿って互いに結合されて、前記リザーバを画定し、前記リザーバを前記第二の微孔質膜と前記第三の微孔質膜との間に配置し、
前記第二の微孔質膜及び前記第三の微孔質膜は、組織の内方成長に抵抗するように構成されており、
前記第一の微孔質膜及び前記第四の微孔質膜は、組織の内方成長を可能にするように構成されており、
前記第二の微孔質膜及び前記第三の微孔質膜は、前記第一の層及び前記第二の層の周縁部に隣接して維持される拡張状態を有する、請求項12記載の緑内障シャント。
【請求項18】
前記リザーバは、前記第二の微孔質膜及び前記第三の微孔質膜がその間の流体流に抵抗する崩潰状態と、流体が前記第二の微孔質膜と前記第三の微孔質膜との間を流れることができる拡張状態との間で移動するように構成されている、請求項12記載の緑内障シャント。
【請求項19】
前記リザーバへの流体流は、前記導管の遠位端からチャンバの周縁部に向かって導かれる、請求項18記載の緑内障シャント。
【請求項20】
前記リザーバは、前記導管の遠位端に隣接するリザーバ近位セクションと、前記リザーバ近位セクションの反対側に位置するリザーバ遠位セクションとを有し、
流体の排出中に、前記リザーバ近位セクションは、前記リザーバ遠位セクションより前に膨張するように構成されている、請求項18記載の緑内障シャント。
【請求項21】
前記可変的な流れ抵抗は、経時的な流速に対する圧力の変化率に対応する、請求項1~のいずれか1項記載の緑内障シャント。
【請求項22】
前記微孔質材料は、第一の流れ抵抗を有する疎水性状態から、第二の流れ抵抗を有する部分親水性状態に移行し、次いで、第三の流れ抵抗を有する親水性状態に移行し、
前記第一の流れ抵抗は、前記第二の流れ抵抗及び前記第三の流れ抵抗の両方よりも大きく、前記第二の流れ抵抗は、前記第三の流れ抵抗よりも大きい、請求項21記載の緑内障シャント。
【請求項23】
前記微孔質材料は、流体による前記微孔質材料の湿潤化に基づいて疎水性状態から親水性状態に移行するように構成されており、
前記微孔質材料は、前記シャント本体の外側部分の湿潤化が前記リザーバの湿潤化の前に起こるように構成されている、請求項1~のいずれか1項記載の緑内障シャント。
【請求項24】
デバイス本体内にリザーバを形成するように配置された微孔質材料から形成されたデバイス本体を含み、前記リザーバは流体を受け入れて蓄積するように構成されており、
前記微孔質材料は、前記リザーバ内に蓄積された流体が前記微孔質材料を通して前記デバイスの周囲の組織に拡散するときに、30日以内に疎水性状態から親水性状態に移行し、前記微孔質材料が疎水性状態から親水性状態に移行するときに、可変的な流れ抵抗を提供する、房水拡散デバイス。
【請求項25】
前記微孔質材料の第一の部分は、3日以内に疎水性状態から親水性状態に移行する、請求項24記載の房水拡散デバイス。
【請求項26】
前記微孔質材料の第一の部分とは異なる第二の部分は、7日以内に疎水性状態から親水性状態に移行する、請求項25記載の房水拡散デバイス。
【請求項27】
前記微孔質材料の全体は30日以内に疎水性状態から親水性状態に移行する、請求項24~26のいずれか1項記載の房水拡散デバイス。
【請求項28】
疎水性状態において、前記微孔質材料は不透明である、請求項24~26のいずれか1項記載の房水拡散デバイス。
【請求項29】
親水性状態において、前記微孔質材料は透明である、請求項24~26のいずれか1項記載の房水拡散デバイス。
【請求項30】
前記デバイス本体は500μm以下の最大厚さを有する、請求項24~26のいずれか1項記載の房水拡散デバイス。
【請求項31】
疎水性状態において、前記微孔質材料の表面上に置かれた水滴は、前記表面に対して90度を超える接触角を形成し、親水性状態において、前記微孔質材料の表面に置かれた水滴は、前記表面に対して90度未満の接触角を形成し、疎水性状態から親水性状態への移行は、接触角の少なくとも10度の減少を構成する、請求項24~26のいずれか1項記載の房水拡散デバイス。
【請求項32】
前記可変的な流れ抵抗は、親水性状態よりも疎水性状態の方が大きい、請求項24~26のいずれか1項記載の房水拡散デバイス。
【請求項33】
前記微孔質材料は、疎水性状態よりも親水性状態の方がより半透明である、請求項24~26のいずれか1項記載の房水拡散デバイス。
【請求項34】
前記微孔質材料は、第二の微孔質膜に結合された第一の微孔質膜を有する第一の層と、第四の微孔質膜に結合された第三の微孔質膜を含む第二の層とを含む、請求項24~26のいずれか1項記載の房水拡散デバイス。
【請求項35】
前記微孔質材料は延伸ポリテトラフルオロエチレン(ePTFE)を含む、請求項34記載の房水拡散デバイス。
【請求項36】
前記第一の微孔質膜の第一の微孔質膜透過性は、前記第二の微孔質膜の第二の微孔質膜透過性よりも大きく、
前記第四の微孔質膜の第四の微孔質膜透過性は、前記第三の微孔質膜の第三の微孔質膜透過性よりも大きい、請求項35記載の房水拡散デバイス。
【請求項37】
前記第一の層及び前記第二の層は、前記第一の微孔質膜及び前記第四の微孔質膜が前記デバイス本体の最外膜であり、前記第二の微孔質膜及び第三の微孔質膜が前記デバイス本体の最内膜であり、前記前記リザーバを画定するように、スタック構成になっている、請求項36記載の房水拡散デバイス。
【請求項38】
前記第一の微孔質膜は第一の微孔質膜透過性を有し、前記第二の微孔質膜は第二の微孔質膜透過性を有し、前記第三の微孔質膜は第三の微孔質膜透過性を有し、前記第四の微孔質膜は第四の微孔質膜透過性を有し、
前記第二の微孔質膜透過性は第三の微孔質膜透過性とほぼ同じであり、前記第一の微孔質膜透過性は第四の微孔質膜透過性とほぼ同じであり、
前記第二の微孔質膜透過性及び第三の微孔質膜透過性は、それぞれ、前記第一の微孔質膜透過性及び前記第四の微孔質膜透過性とは異なる、請求項34記載の房水拡散デバイス。
【請求項39】
前記第二の微孔質膜及び前記第三の微孔質膜は、前記第一の層及び前記第二の層の周縁部に沿って互いに結合されて、前記リザーバを画定し、前記リザーバを前記第二の微孔質膜と前記第三の微孔質膜との間に配置し、
前記第二の微孔質膜及び前記第三の微孔質膜は、組織の内方成長に抵抗するように構成されており、
前記第一の微孔質膜及び前記第四の微孔質膜は、組織の内方成長を可能にするように構成されており、
前記第二の微孔質膜及び前記第三の微孔質膜は、前記第一の層及び前記第二の層の周縁部に隣接して維持される拡張状態を有する、請求項34記載の房水拡散デバイス。
【請求項40】
前記リザーバは、前記第二の微孔質膜及び前記第三の微孔質膜がそれらの間の流体流に抵抗する崩潰状態と、前記第二の微孔質膜と前記第三の微孔質膜の間に流体が流れることができる拡張状態との間で移動するように構成されている、請求項34記載の房水拡散デバイス。
【請求項41】
前記リザーバへの流体流は、前記リザーバの近位部分からチャンバの周縁部に向かって導かれる、請求項40記載の房水拡散デバイス。
【請求項42】
前記リザーバは、流体が受け入れられるリザーバポートに隣接して配置されるように構成されるリザーバ近位セクションと、前記リザーバ近位セクションの反対側に配置されるリザーバ遠位セクションとを有し、
流体の排出中に、前記リザーバ近位セクションは、前記リザーバ遠位セクションより前に膨張するように構成されている、請求項40記載の房水拡散デバイス。
【請求項43】
前記可変的な流れ抵抗は、経時的な流速に対する圧力の変化率に対応する、請求項24~26のいずれか1項記載の房水拡散デバイス。
【請求項44】
前記微孔質材料は、第一の流れ抵抗を有する疎水性状態から、第二の流れ抵抗を有する部分親水性状態に移行し、次いで、第三の流れ抵抗を有する親水性状態に移行し、
前記第一の流れ抵抗は、前記第二の流れ抵抗及び前記第三の流れ抵抗の両方よりも大きく、前記第二の流れ抵抗は、前記第三の流れ抵抗よりも大きい、請求項43記載の房水拡散デバイス。
【請求項45】
前記微孔質材料は、流体による前記微孔質材料の湿潤化に基づいて疎水性状態から親水性状態に移行するように構成されており、
前記微孔質材料は、前記デバイス本体の外側部分の湿潤化が前記リザーバの湿潤化の前に起こるように構成されている、請求項24~26のいずれか1項記載の房水拡散デバイス。
【請求項46】
インプラント処置可能な緑内障ドレナージデバイスを形成するための方法であって、前記方法は、
流体を受け入れて蓄積するように構成されたリザーバが内部に画定されているデバイス本体を形成するように微孔質材料を配置すること、及び、
流体が前記リザーバ内に蓄積されると、流体が前記微孔質材料を通って前記デバイスの周囲の組織に拡散するときに前記微孔質材料が30日以内に疎水性状態から親水性状態に移行し、前記微孔質材料が疎水性状態から親水性状態に移行するときに可変的な流れ抵抗を提供するように、前記リザーバを形成する前記微孔質材料の部分を固定すること、
を含む、方法。
【請求項47】
前記微孔質材料の第一の部分は、3日以内に疎水性状態から親水性状態に移行する、請求項46記載の方法。
【請求項48】
前記微孔質材料の第一の部分とは異なる第二の部分は、7日以内に疎水性状態から親水性状態に移行する、請求項47記載の方法。
【請求項49】
前記微孔質材料の全体は30日以内に疎水性状態から親水性状態に移行する、請求項46~48のいずれか1項記載の方法。
【請求項50】
疎水性状態において、前記微孔質材料は不透明である、請求項46~48のいずれか1項記載の方法。
【請求項51】
親水性状態において、前記微孔質材料は透明である、請求項46~48のいずれか1項記載の方法。
【請求項52】
前記デバイス本体は500μm以下の最大厚さを有する、請求項46~48のいずれか1項記載の方法。
【請求項53】
疎水性状態において、前記微孔質材料の表面上に置かれた水滴は、前記表面に対して90度を超える接触角を形成し、親水性状態において、前記微孔質材料の表面に置かれた水滴は、前記表面に対して90度未満の接触角を形成し、疎水性状態から親水性状態への移行は、接触角の少なくとも10度の減少を構成する、請求項46~48のいずれか1項記載の方法。
【請求項54】
前記可変的な流れ抵抗は、親水性状態よりも疎水性状態の方が大きい、請求項46~48のいずれか1項記載の方法。
【請求項55】
前記微孔質材料は、疎水性状態よりも親水性状態の方が半透明である、請求項46~48のいずれか1項記載の方法。
【請求項56】
前記リザーバは、前記デバイス本体のポートを介して流体を受け入れ、
前記方法はさらに、吸入導管を前記ポートにおいて前記デバイス本体に固定することを含み、前記吸入導管は排液を受け入れるように構成されている、請求項46~48のいずれか1項記載の方法。
【請求項57】
記微孔質材料は、第二の微孔質膜に結合された第一の微孔質膜を有する第一の層と、第四の微孔質膜に結合された第三の微孔質膜を含む第二の層とを含み、
記微孔質材料の部分を固定することは、前記第二の微孔質膜を前記第三の微孔質膜に結合することを含む、請求項46~48のいずれか1項記載の方法。
【請求項58】
前記第二の微孔質膜及び前記第三の微孔質膜は、前記第一の層及び前記第二の層の周縁部に沿って互いに結合されて、前記リザーバを画定し、前記第二の微孔質膜と前記第三の微孔質膜との間に前記リザーバを配置し、
前記第二の微孔質膜及び前記第三の微孔質膜は、組織の内方成長に抵抗するように構成されており、
前記第一の微孔質膜及び前記第四の微孔質膜は、組織の内方成長を可能にするように構成されており、
前記第二の微孔質膜及び前記第三の微孔質膜は、前記第一の層と前記第二の層の周縁部に隣接して維持される拡張状態を有する、請求項57記載の方法。
【請求項59】
前記微孔質材料の部分を固定することは、前記第一の微孔質膜と前記第四の微孔質膜とを結合することを控えることを含む、請求項57記載の方法。
【請求項60】
記微孔質材料の部分を固定することは、前記第一の微孔質膜及び前記第四の微孔質膜が前記デバイス本体の最外膜であり、前記第二の微孔質膜及び前記第三の微孔質膜が前記デバイス本体の最内膜であるように、前記第一の層と前記第二の層をスタック構成に配置することを含む、請求項57記載の方法。
【請求項61】
ヒトの眼の内部領域からヒトの眼の外部領域に流体を排出するための緑内障ドレナージデバイスであって、前記緑内障ドレナージデバイスは、
本体内の内部リザーバを画定する連続壁と、前記内部リザーバと連通する壁におけるリザーバ開口部とを有する本体、及び、
前記本体から導管長さだけ延在する導管、
を含み、
前記導管は、対向する第一の端部及び第二の端部の間に延在している前記導管を通る通路を画定する、対向する第一の端部及び第二の端部を有し、前記導管の第一の端部は前記リザーバ開口部と係合して前記導管の第二の端部と前記リザーバとの間に流体接続を提供し、前記導管長さは、前記導管の第一の端部をヒトの眼の外部領域に配置し、前記導管の第二の端部をヒトの眼の内部領域に配置するのに十分であり、
前記連続壁の少なくとも一部は、微孔質材料からなる壁部分を有し、前記壁部分は、前記リザーバに面する内側と、ヒトの眼の外部領域に面する反対側の外側とを有し、前記壁部分の内側は、前記壁部分の内側全体に延在している低多孔性表面を有し、前記壁部分の外側は、交互に並んだ低多孔性表面及び高多孔性表面を有し、
前記壁部分は、流体が前記壁部分と係合するときに、最終の親水性状態に30日以内に移行する、初期の疎水性状態を有する、緑内障ドレナージデバイス。
【請求項62】
前記微孔質材料の第一の部分は、3日以内に疎水性状態から親水性状態に移行する、請求項61記載の緑内障ドレナージデバイス。
【請求項63】
前記微孔質材料の第一の部分とは異なる第二の部分は、7日以内に疎水性状態から親水性状態に移行する、請求項62記載の緑内障ドレナージデバイス。
【請求項64】
前記微孔質材料全体は30日以内に疎水性状態から親水性状態に移行する、請求項61~63のいずれか1項記載の緑内障ドレナージデバイス。
【請求項65】
疎水性状態において、前記微孔質材料は不透明である、請求項61~63のいずれか1項記載の緑内障ドレナージデバイス。
【請求項66】
親水性状態において、前記微孔質材料は透明である、請求項61~63のいずれか1項記載の緑内障ドレナージデバイス。
【請求項67】
記本体は500μm以下の最大厚さを有する、請求項61~63のいずれか1項記載の緑内障ドレナージデバイス。
【請求項68】
疎水性状態において、前記微孔質材料の表面上に置かれた水滴は、前記表面に対して90度を超える接触角を形成し、親水性状態において、前記微孔質材料の表面に置かれた水滴は、前記表面に対して90度未満の接触角を形成し、疎水性状態から親水性状態への移行は、接触角の少なくとも10度の減少を構成する、請求項61~63のいずれか1項記載の緑内障ドレナージデバイス。
【請求項69】
可変的な流れ抵抗は、親水性状態よりも疎水性状態の方が大きい、請求項61~63のいずれか1項記載の緑内障ドレナージデバイス。
【請求項70】
前記微孔質材料は、疎水性状態よりも親水性状態の方が半透明である、請求項61~63のいずれか1項記載の緑内障ドレナージデバイス。
【請求項71】
前記壁部分は、前記内側と前記外側との間に延在する壁部分の厚さを画定し、前記壁部分の厚さは、前記内側の低多孔性表面の多孔度と前記外側の高多孔性表面の多孔度との間の移行多孔度を有する前記壁部分の内部領域を画定する、請求項61~63のいずれか1項記載の緑内障ドレナージデバイス。
【請求項72】
前記壁部分は、前記内側と前記外側との間に延在する壁部分の厚さを画定し、前記壁部分の厚さは、前記内側の低多孔性表面と前記外側の低多孔性表面との間に延在する壁部分の内部領域を画定し、前記内部領域は、前記内側及び前記外側の低多孔性表面の多孔度に等しい内部領域多孔度を有する、請求項61~63のいずれか1項記載の緑内障ドレナージデバイス。
【請求項73】
前記壁部分は、前記内側と前記外側との間に延在する壁部分の厚さを画定し、前記壁部分の厚さは、前記内側の低多孔性表面と前記外側の高多孔性表面との間に延在する壁部分の内部領域を画定し、前記内部領域は、前記内側の低多孔性表面の多孔度に等しい内部領域多孔度を有する、請求項61~63のいずれか1項記載の緑内障ドレナージデバイス。
【請求項74】
前記壁部分は、前記内側と前記外側との間に延在する壁部分の厚さを画定し、前記壁部分の厚さは、前記内側の低多孔性表面と前記外側の高多孔性表面との間に延在する壁部分の内部領域を画定し、前記内部領域は、前記外側の高多孔性表面の多孔度に等しい内部領域多孔度を有する、請求項61~63のいずれか1項記載の緑内障ドレナージデバイス。
【請求項75】
前記導管の第二の端部と前記リザーバとの間の流体接続は、前記リザーバから前記微孔質材料を通してさらに延在し、前記リザーバからヒトの眼の外部領域への流体連通を提供する、請求項61~63のいずれか1項記載の緑内障ドレナージデバイス。
【請求項76】
前記流体連通は、前記微孔質材料を通る流路を画定する、請求項75記載の緑内障ドレナージデバイス。
【請求項77】
前記微孔質材料を通る流路は、前記リザーバから遠ざかる方向にある、請求項76記載の緑内障ドレナージデバイス。
【請求項78】
前記微孔質材料を通る流路は、低多孔度を有する微孔質領域から高い多孔度を有する微孔質領域に進む、請求項76記載の緑内障ドレナージデバイス。
【請求項79】
眼から眼の周囲の組織への流体の流れを制御するための方法であって、前記方法は、
リザーバを画定する疎水性材料と係合するように配置された流体で前記リザーバを膨張させること、
流体との係合した後30日以内に前記疎水性材料を親水性材料に移行させること、及び、
前記親水性材料を通して眼の周囲の組織に流体を導くことによって前記リザーバを排液して、眼の流体圧力を軽減すること、
を含み、
前記疎水性材料は第一の流れ抵抗を提供し、
前記移行は、第一の流れ抵抗から前記第一の流れ抵抗よりも低い第二の流れ抵抗まで減少する材料の可変的な流れ抵抗を規定する、方法。
【請求項80】
前記疎水性材料及び前記親水性材料は微孔質材料である、請求項79記載の方法。
【請求項81】
前記疎水性材料は疎水性状態にある微孔質材料である、請求項80記載の方法。
【請求項82】
前記親水性材料は親水性状態にある微孔質材料である、請求項80記載の方法。
【請求項83】
前記微孔質材料は最初は疎水性状態にあり、前記疎水性材料の親水性材料への移行により微孔質材料は疎水性状態から疎水性状態に変化する、請求項80記載の方法。
【請求項84】
前記微孔質材料の第一の部分は、3日以内に疎水性状態から親水性状態に移行する、請求項83記載の方法。
【請求項85】
前記微孔質材料の第一の部分とは異なる第二の部分は、7日以内に疎水性状態から親水性状態に移行する、請求項84記載の方法。
【請求項86】
前記微孔質材料の全体は30日以内に疎水性状態から親水性状態に移行する、請求項83記載の方法。
【請求項87】
疎水性状態において、前記微孔質材料は不透明である、請求項83記載の方法。
【請求項88】
親水性状態において、前記微孔質材料は透明である、請求項83記載の方法。
【請求項89】
前記疎水性材料は500μm以下の最大厚さを有する、請求項79記載の方法。
【請求項90】
疎水性状態において、前記微孔質材料の表面上に置かれた水滴は、前記表面に対して90度を超える接触角を形成し、そして、親水性状態において、前記微孔質材料の表面に置かれた水滴は、前記表面に対して90度未満の接触角を形成し、疎水性状態から親水性状態への移行は、接触角の少なくとも10度の減少を構成する、請求項83記載の方法。
【請求項91】
前記可変的な流れ抵抗は、親水性状態よりも疎水性状態の方が大きい、請求項83記載の方法。
【請求項92】
前記微孔質材料は、疎水性状態よりも親水性状態の方が半透明である、請求項83記載の方法。
【請求項93】
前記リザーバを画定する連続壁と、前記リザーバと連通して導管が係合して受け入れられる前記連続壁内のリザーバ開口部とを設けることをさらに含み、
前記連続壁の少なくとも一部は、前記微孔質材料からなる壁部分を有し、前記壁部分は、前記リザーバに面する内側と、眼の外部領域に面する反対側の外側とを有し、前記壁部分の内側は、前記壁部分の内側全体に延在する低多孔性表面を有し、前記壁部分の外側は、交互に並んだ低多孔性表面及び高多孔性表面を有する、請求項80記載の方法。
【請求項94】
前記微孔質材料は、第二の微孔質膜と一体化された第一の微孔質膜を有する第一の層と、第四の微孔質膜と一体化された第三の微孔質膜を有する第二の層とを含む、請求項80記載の方法。
【請求項95】
前記微孔質材料は延伸ポリテトラフルオロエチレン(ePTFE)を含む、請求項94記載の方法。
【請求項96】
前記第一の微孔質膜の第一の微孔質膜透過性は、前記第二の微孔質膜の第二の微孔質膜透過性よりも大きく、前記第四の微孔質膜の第四の微孔質膜透過性は、前記第三の微孔質膜の第三の微孔質膜透過性よりも大きい、請求項95記載の方法。
【請求項97】
前記第一の層及び前記第二の層は、前記第一の微孔質膜及び前記第四の微孔質膜が前記疎水性材料の最外膜であり、前記第二の微孔質膜及び前記第三の微孔質膜が前記疎水性材料の最内膜であり、前記リザーバを画定するように、スタック構成になっている、請求項96記載の方法。
【請求項98】
前記第一の微孔質膜は第一の微孔質膜透過性を有し、前記第二の微孔質膜は第二の微孔質膜透過性を有し、前記第三の微孔質膜は第三の微孔質膜透過性を有し、前記第四の微孔質膜は第四の微孔質膜透過性を有し、
前記第二の微孔質膜透過性は前記第三の微孔質膜透過性とほぼ同じであり、前記第一の微孔質膜透過性は前記第四の微孔質膜透過性とほぼ同じであり、
前記第二の微孔質膜透過性及び前記第三の微孔質膜透過性は、それぞれ、前記第一の微孔質膜透過性及び前記第四の微孔質膜透過性とは異なる、請求項94記載の方法。
【請求項99】
前記第二の微孔質膜及び第三の微孔質膜は、前記第一の層及び前記第二の層の周縁部に沿って互いに結合されて、前記リザーバを画定し、前記リザーバを前記第二の微孔質膜と第三の微孔質膜との間に配置し、
前記第二の微孔質膜及び前記第三の微孔質膜は、組織の内方成長に抵抗するように構成されており、
前記第一の微孔質膜及び前記第四の微孔質膜は、組織の内方成長を可能にするように構成されており、
前記第二の微孔質膜及び前記第三の微孔質膜は、前記第一の層及び前記第二の層の周縁部に隣接して維持される拡張状態を有する、請求項94記載の方法。
【請求項100】
前記リザーバは、前記第二の微孔質膜及び前記第三の微孔質膜がそれらの間の流体流に抵抗する収縮状態と、流体が前記第二の微孔質膜と前記第三の微孔質膜の間で流れることができる膨張状態との間で移動するように構成されている、請求項94記載の方法。
【請求項101】
前記リザーバへの流体流は、前記導管の遠位端からチャンバの周縁部に向かって導かれる、請求項93記載の方法。
【請求項102】
前記リザーバは、前記導管の遠位端に隣接するリザーバ近位セクションと、前記リザーバ近位セクションの反対側に位置するリザーバ遠位セクションとを有し、
流体の排出中に、前記リザーバ近位セクションは、前記リザーバ遠位セクションより前に膨張するように構成されている、請求項93記載の方法。
【請求項103】
前記可変的な流れ抵抗は、経時的な流速に対する圧力の変化率に対応する、請求項83記載の方法。
【請求項104】
前記微孔質材料は、第一の流れ抵抗を有する疎水性状態から、第二の流れ抵抗を有する部分親水性状態に移行し、次いで、第三の流れ抵抗を有する親水性状態に移行し、
前記第一の流れ抵抗は、前記第二の流れ抵抗及び前記第三の流れ抵抗の両方よりも大きく、前記第二の流れ抵抗は、前記第三の流れ抵抗よりも大きい、請求項103記載の方法。
【請求項105】
前記微孔質材料は、流体による微孔質材料の湿潤化に基づいて疎水性状態から親水性状態に移行するように構成されており、
前記微孔質材料は前記疎水性材料の外側部分の湿潤化が前記リザーバの湿潤化の前に起こるように構成されている、請求項83記載の方法。
【請求項106】
眼の流体圧を管理するための方法であって、前記方法は、
眼内にある眼液に関連する眼の望ましくない流体圧力を特定すること、
眼液に流体的に係合する導管を備えた眼の近くのリザーバを膨張させて、眼液を前記リザーバにデリバリーし、リザーバ壁が眼液に係合した後30日以内に初期の疎水性状態から親水性状態に移行する材料を含むリザーバ壁に係合させること、及び、
眼の望ましくない流体圧力を改善するために、前記材料を通して眼の周囲の組織に眼液を導くことによって前記リザーバを排液すること、
を含み、
疎水性状態から親水性状態への移行は、初期の第一の流れ抵抗から前記第一の流れ抵抗よりも低い第二の流れ抵抗まで減少する材料の可変的な流れ抵抗を規定する、方法。
【請求項107】
前記可変的な流れ抵抗は、短期の術後の低眼圧状態の生成を軽減するために最小限の流体圧力を維持するのに十分な流れ抵抗を提供する、請求項106記載の方法。
【請求項108】
前記材料は微孔質材料である、請求項106又は107記載の方法。
【請求項109】
前記微孔質材料の第一の部分は、3日以内に疎水性状態から親水性状態に移行する、請求項108記載の方法。
【請求項110】
前記微孔質材料の第一の部分とは異なる第二の部分は7日以内に疎水性状態から親水性状態に移行する、請求項109記載の方法。
【請求項111】
前記微孔質材料の全体は30日以内に疎水性状態から親水性状態に移行する、請求項108記載の方法。
【請求項112】
疎水性状態において、前記微孔質材料は不透明である、請求項108記載の方法。
【請求項113】
親水性状態において、前記微孔質材料は透明である、請求項108記載の方法。
【請求項114】
疎水性状態の微孔質材料は、500μm以下の最大厚さを有する、請求項108記載の方法。
【請求項115】
疎水性状態において、前記微孔質材料の表面上に置かれた水滴は、前記表面に対して90度を超える接触角を形成し、そして、親水性状態において、前記微孔質材料の表面に置かれた水滴は、前記表面に対して90度未満の接触角を形成し、疎水性状態から親水性状態への移行は、接触角の少なくとも10度の減少を構成する、請求項108記載の方法。
【請求項116】
前記可変的な流れ抵抗は、親水性状態よりも疎水性状態の方が大きい、請求項106記載の方法。
【請求項117】
前記微孔質材料は、疎水性状態よりも親水性状態の方が半透明である、請求項108記載の方法。
【請求項118】
前記リザーバの壁は、前記リザーバと連通し、前記導管が係合して受け入れられるリザーバ開口部を画定し、
前記リザーバ壁の少なくとも一部は、前記微孔質材料からなる壁部分を有し、前記壁部分は、前記リザーバに面する内側と、眼の外部領域に面する反対側の外側とを有し、前記壁部分の内側は、前記壁部分の内側全体に延在する低多孔性表面を有し、前記壁部分の外側は、交互に並んだ低多孔性表面及び高多孔性表面を有する、請求項108記載の方法。
【請求項119】
前記微孔質材料は、第二の微孔質膜と一体化された第一の微孔質膜を有する第一の層と、第四の微孔質膜と一体化された第三の微孔質膜を有する第二の層とを含む、請求項108記載の方法。
【請求項120】
前記微孔質材料は延伸ポリテトラフルオロエチレン(ePTFE)を含む、請求項108記載の方法。
【請求項121】
前記第一の微孔質膜の第一の微孔質膜透過性は、前記第二の微孔質膜の第二の微孔質膜透過性より大きく、前記第四の微孔質膜の第四の微孔質膜透過性は、前記第三の微孔質膜の第三の微孔質膜透過性よりも大きい、請求項119記載の方法。
【請求項122】
前記第一の層及び前記第二の層は、前記第一の微孔質膜及び前記第四の微孔質膜が前記リザーバ壁の最外膜であり、前記第二の微孔質膜及び前記第三の微孔質膜が前記リザーバ壁の最内膜であり、前記リザーバを画定するように、スタック構成になっている、請求項121記載の方法。
【請求項123】
前記第一の微孔質膜は第一の微孔質膜透過性を有し、前記第二の微孔質膜は第二の微孔質膜透過性を有し、前記第三の微孔質膜は第三の微孔質膜透過性を有し、前記第四の微孔質膜は第四の微孔質膜透過性を有し、
前記第二の微孔質膜透過性は前記第三の微孔質膜透過性とほぼ同じであり、前記第一の微孔質膜透過性は前記第四の微孔質膜透過性とほぼ同じであり、
前記第二の微孔質膜透過性及び前記第三の微孔質膜透過性は、それぞれ、前記第一の微孔質膜透過性及び前記第四の微孔質膜透過性とは異なる、請求項119記載の方法。
【請求項124】
前記第二の微孔質膜及び前記第三の微孔質膜は、前記第一の層及び前記第二の層の周縁部に沿って互いに結合されて、前記リザーバを画定し、前記リザーバを前記第二の微孔質膜と前記第三の微孔質膜との間に配置し、
前記第二の微孔質膜及び前記第三の微孔質膜は、組織の内方成長に抵抗するように構成されており、
前記第一の微孔質膜及び前記第四の微孔質膜は、組織の内方成長を可能にするように構成されており、
前記第二の微孔質膜及び前記第三の微孔質膜は、前記第一の層及び前記第二の層の周縁部に隣接して維持される拡張状態を有する、請求項119記載の方法。
【請求項125】
前記リザーバは、前記第二の微孔質膜及び前記第三の微孔質膜がそれらの間の流体流に抵抗する収縮状態と、流体が前記第二の微孔質膜と前記第三の微孔質膜の間に流れることができる膨張状態との間で移動するように構成されている、請求項119記載の方法。
【請求項126】
前記リザーバへの流体流は、前記導管の遠位端からチャンバの周縁部に向かって導かれる、請求項125記載の方法。
【請求項127】
前記リザーバは、前記導管の遠位端に隣接するリザーバ近位セクションと、前記リザーバ近位セクションの反対側に位置するリザーバ遠位セクションとを有し、
流体の排出中に、前記リザーバ近位セクションは、前記リザーバ遠位セクションより前に膨張するように構成されている、請求項125記載の方法。
【請求項128】
前記可変的な流れ抵抗は、経時的な流速に対する圧力の変化率に対応する、請求項108記載の方法。
【請求項129】
前記微孔質材料は、第一の流れ抵抗を有する疎水性状態から、第二の流れ抵抗を有する部分親水性状態に移行し、次いで、第三の流れ抵抗を有する親水性状態に移行し、
前記第一の流れ抵抗は、前記第二の流れ抵抗及び前記第三の流れ抵抗の両方よりも大きく、前記第二の流れ抵抗は、前記第三の流れ抵抗よりも大きい、請求項128記載の方法。
【請求項130】
前記微孔質材料は、流体による前記微孔質材料の湿潤化に基づいて疎水性状態から親水性状態に移行するように構成されており、
前記微孔質材料は、前記リザーバ壁の外側部分の湿潤化が前記リザーバの湿潤化の前に起こるように構成されている、請求項108記載の方法。
【国際調査報告】