(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-10-31
(54)【発明の名称】シールアセンブリ
(51)【国際特許分類】
F16K 1/226 20060101AFI20241024BHJP
【FI】
F16K1/226 F
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2024526622
(86)(22)【出願日】2022-11-03
(85)【翻訳文提出日】2024-05-22
(86)【国際出願番号】 EP2022080614
(87)【国際公開番号】W WO2023078967
(87)【国際公開日】2023-05-11
(32)【優先日】2021-11-05
(33)【優先権主張国・地域又は機関】EP
(31)【優先権主張番号】102021212622.7
(32)【優先日】2021-11-10
(33)【優先権主張国・地域又は機関】DE
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】519031896
【氏名又は名称】ヴィテスコ テクノロジーズ ゲー・エム・ベー・ハー
【氏名又は名称原語表記】Vitesco Technologies GmbH
【住所又は居所原語表記】Siemensstrasse 12,93055 Regensburg,Germany
(74)【代理人】
【識別番号】100114890
【氏名又は名称】アインゼル・フェリックス=ラインハルト
(74)【代理人】
【識別番号】100098501
【氏名又は名称】森田 拓
(74)【代理人】
【識別番号】100116403
【氏名又は名称】前川 純一
(74)【代理人】
【識別番号】100134315
【氏名又は名称】永島 秀郎
(74)【代理人】
【識別番号】100162880
【氏名又は名称】上島 類
(72)【発明者】
【氏名】アレクサンドル ポパ
(72)【発明者】
【氏名】カーステン ミコライェク
(72)【発明者】
【氏名】コスミン イオン ベリン
(72)【発明者】
【氏名】ドゥミトル クラシウン
(72)【発明者】
【氏名】ロベルト-マリアン キータク
(72)【発明者】
【氏名】ミハイ ドリエノフスキ
(72)【発明者】
【氏名】デイアン ラスィチ
(72)【発明者】
【氏名】アレクサンドル-イリー イサインク
(72)【発明者】
【氏名】デニス ブルジャン
【テーマコード(参考)】
3H052
【Fターム(参考)】
3H052AA02
3H052BA02
3H052CB14
3H052EA01
(57)【要約】
ハウジング(20)とフラップ(30)とを有する流体弁(10)において使用するためのシールアセンブリ(100)であって、この流体弁は、フラップ(30)の位置を閉鎖位置と開放位置との間で調節することによって流体弁(10)の弁開口を通る流体流を制御するように構成されており、当該シールアセンブリは、保持リング当接区分(111)および複数の脚(112)を有する保持リング(110)と、リング状のフレキシブルなシールエレメント(200)とを有しており、シールエレメントは、環状の半径方向ウェブ(201)と、半径方向ウェブ(201)に隣接する、意図通りに使用されたときに上流側の第1の半径方向面(202)とを有しており、第1の半径方向面は、ハウジング(20)の内壁(21)に設けられた相応の対応センタリング面(23)とのプレス嵌めのためのセンタリング面として機能するように構成されており、半径方向ウェブ(201)の、意図通りに使用されたときに上流側の第1の側面(203)は、ハウジング(20)の内壁(21)の当接面(22)に当接するように設けられており、保持リング当接区分(111)は意図通りに使用されたときに、半径方向ウェブ(201)の、意図通りに使用されたときに下流側の第2の側面(204)に当接するように設けられた保持リング当接面を有しており、複数の脚(112)のうちの少なくとも一部の脚の自由端部は、意図通りに使用されたときに、流体の流れ方向に対して実質的に垂直に延在する、ハウジング(20)の内壁の支持区分(24)に予荷重下で支持されるように設けられている、シールアセンブリ(100)。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
ハウジング(20)とフラップ(30)とを有する流体弁(10)において使用するためのシールアセンブリ(100)であって、前記流体弁は、前記フラップ(30)の位置を閉鎖位置と開放位置との間で調節することによって前記流体弁(10)の弁開口を通る流体流を制御するように構成されており、前記シールアセンブリ(100)は、保持リング当接区分(111)および複数の脚(112)を有する保持リング(110)と、リング状のフレキシブルなシールエレメント(200)とを有しており、前記シールエレメントは、環状の半径方向ウェブ(201)と、前記半径方向ウェブ(201)に隣接する、意図通りに使用した場合に上流側の第1の半径方向面(202)とを有しており、前記第1の半径方向面は、前記ハウジング(20)の内壁(21)に設けられた相応の対応センタリング面(23)とのプレス嵌めのためのセンタリング面として機能するように構成されており、前記半径方向ウェブ(201)の、意図通りに使用されたときに上流側の第1の側面(203)は、前記ハウジング(20)の前記内壁(21)の当接面(22)に当接するように設けられており、前記保持リング当接区分(111)は前記意図通りに使用されたときに、前記半径方向ウェブ(201)の、前記意図通りに使用されたときに下流側の第2の側面(204)に当接するように設けられた保持リング当接面を有しており、前記複数の脚(112)のうちの少なくとも一部の脚の自由端部は、前記意図通りに使用されたときに、流体の流れ方向に対して実質的に垂直に延在する、前記ハウジング(20)の前記内壁の支持区分(24)に予荷重下で支持されるように設けられている、シールアセンブリ(100)。
【請求項2】
前記シールエレメント(200)は、前記意図通りに使用されたときに上流の方向に、かつ前記ハウジング(20)の前記内壁(21)の方向に延在する環状のシールリップ(205)を有しており、前記シールリップの内周面は、前記弁開口を画定する弁座を形成しており、前記弁座は、前記流体弁の前記閉鎖位置で前記フラップ(30)によって接触されるように設けられている、請求項1記載のシールアセンブリ(100)。
【請求項3】
前記シールエレメント(200)の、前記第1の半径方向面(202)を有する区分と、前記シールリップ(205)との間に、凹部(206)が形成されている、請求項2記載のシールアセンブリ(100)。
【請求項4】
前記シールエレメント(200)の、前記第1の半径方向面(202)を有する前記区分の、上流に位置する端部区分は半径方向内側に向かって減径している、請求項3記載のシールアセンブリ(100)。
【請求項5】
前記シールエレメント(200)は、前記半径方向ウェブ(201)に隣接する、意図通りに使用されたときに下流側の第2の半径方向面(207)を有しており、前記第2の半径方向面は、前記第1の半径方向面(202)に対して半径方向内側に向かってずらされている、請求項1から4までのいずれか1項記載のシールアセンブリ(100)。
【請求項6】
前記脚(112)のうちの複数が、前記保持リング当接区分(111)に関して、外側の屈曲区分を介して鈍角をなして半径方向外側に向かって延在している、請求項1から5までのいずれか1項記載のシールアセンブリ(100)。
【請求項7】
前記保持リング(110)は、内側の屈曲区分(113)を有しており、前記内側の屈曲区分は、前記意図通りに使用されたときに前記保持リング当接区分(111)から実質的に下流の方向に向かって延在しており、特に前記半径方向ウェブ(201)の前記第2の半径方向面(207)に対向している、請求項1から6までのいずれか1項記載のシールアセンブリ(100)。
【請求項8】
前記半径方向ウェブ(201)の前記第1の側面(203)および/または前記第2の側面(204)は、構造化された表面として形成されており、かつ/または、少なくとも1つのリング状のリブ(208)を有している、請求項1から7までのいずれか1項記載のシールアセンブリ(100)。
【請求項9】
特に燃料電池および/または自動車駆動装置の特にガス管路のための流体弁であって、前記流体弁は、内壁(21)を有したハウジング(20)と、フラップ(30)と、請求項1から8までのいずれか1項記載のシールアセンブリ(100)とを有しており、前記流体弁は、前記フラップ(30)の位置を閉鎖位置と開放位置との間で調節することによって前記流体弁(10)の弁開口を通る流体流を制御するように構成されており、前記ハウジング(20)の前記内壁(21)は、対応センタリング面(23)、当接面(22)、および支持区分(24)を有しており、前記対応センタリング面(23)には、シールエレメント(200)の第1の半径方向面(202)が予荷重下で当接しており、前記当接面(22)には、半径方向ウェブ(201)の第1の側面(203)が当接しており、前記半径方向ウェブ(201)の第2の側面(204)には、保持リング当接面が当接しており、前記支持区分(24)には、複数の脚(112)のうちの少なくとも一部の脚の自由端部が予荷重下で支持されている、流体弁。
【請求項10】
前記シールエレメント(200)は環状のシールリップ(205)を有しており、前記内壁(21)は、上流側で前記対応センタリング面(23)に続く拡張区分を有しており、前記シールリップ(205)の外周面は、前記拡張区分から離隔され、かつ前記拡張区分に対向している、請求項9記載の流体弁。
【請求項11】
前記内壁(21)は、上流側で前記拡張区分に続く直線区分を有しており、前記直線区分は、流体の流れ方向に対して平行に延在している、請求項10記載の流体弁。
【請求項12】
前記内壁(21)は、下流側で前記対応センタリング面(23)に続く区分を有しており、前記区分は、前記流体の流れ方向に対して垂直に半径方向外側に向かって延在しており、前記当接面(22)を有している、請求項11記載の流体弁。
【請求項13】
前記内壁(21)は、前記対応センタリング面(23)に続く前記区分に下流側で続く別の区分を有しており、前記別の区分は、前記流体の流れ方向に対して平行に延在しており、前記別の区分の部分区分は、前記半径方向ウェブ(201)の外側に向けられた上面に対向し、前記上面から離隔されている、請求項12記載の流体弁。
【請求項14】
前記支持区分(24)は、前記別の区分に下流側で続いており、前記別の区分を起点として半径方向内側に向かって延在している、請求項13記載の流体弁。
【請求項15】
前記内壁(21)は、前記支持区分(24)に下流側で続くさらに別の区分を有しており、前記さらに別の区分は、前記流体の流れ方向に対して平行に延在する、前記支持区分(24)に続く第1の区分と、前記第1の区分に続く第2の拡張区分とを有している、請求項14記載の流体弁。
【請求項16】
特に自動車駆動装置のための燃料電池アセンブリであって、少なくとも1つの燃料電池と、特に前記燃料電池にガスを供給するためのまたは前記燃料電池からガスを導出するための少なくとも1つのガス管路と、フラップ(30)を閉鎖位置へと調節することによって前記ガス管路を遮断するための、請求項9から15までのいずれか1項記載の流体弁とを備えた燃料電池アセンブリ。
【請求項17】
特に、フラップ(30)を閉鎖位置へと調節することによって、自動車の管路、特にガス管路、特に自動車駆動装置管路および/または燃料電池アセンブリ管路を遮断するための、請求項9から15までのいずれか1項記載の少なくとも1つの流体弁を備えた自動車。
【請求項18】
請求項9から15までのいずれか1項記載の流体弁を取り付けるための方法であって、以下のステップ、すなわち、
孔を備えたハウジング(20)を準備するステップと、
前記孔に軸(40)を導入するステップと、
前記ハウジング(20)の下流に位置する側からフラップ(30)を導入し、前記フラップ(30)を前記軸(40)に取り付けるステップと、
半径方向ウェブ(201)の第1の側面(203)が、前記ハウジング(20)の内壁(21)の当接面(22)に当接し、第1の半径方向面(202)が、前記ハウジングの前記内壁(21)の対応センタリング面(23)に当接するように、シールエレメント(200)を前記ハウジング(20)の下流に位置する側から導入するステップと、
保持リング(110)を前記ハウジング(20)の下流に位置する側から導入するステップであって、この導入は、前記半径方向ウェブ(201)が流体の流れ方向に沿って圧縮されるように前記保持リング(110)の保持リング当接面が前記半径方向ウェブ(201)の第2の側面(204)に押し付けられるときに、複数の脚(112)のうちの少なくとも一部の脚の自由端部が、導入中に、前記ハウジング(20)の前記内壁(21)との接触によって弾性的に内側に向かって曲げられ、そして支持区分(24)を通過した後に、前記脚(112)のばね力によって半径方向外側に向かってスナップ運動によって戻るように行われるステップと、
を有している方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ハウジングとフラップとを有する流体弁において使用するためのシールアセンブリ、シールアセンブリを備えた流体弁、流体弁を備えた燃料電池アセンブリ、流体弁を備えた自動車、ならびに流体弁を取り付けるための方法に関する。
【背景技術】
【0002】
社内の慣習により、弁開口を遮断するために弁開口における中心軸線を中心として旋回する(いわゆるバタフライ弁)または横方向のヒンジ軸線を中心として弁座へと送られる(いわゆるヒンジ弁またはドア弁)弁フラップが、ガス管路を遮断するために知られている。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
本発明の一構成の課題は、ハウジングとフラップとを有する流体弁において使用するためのシールアセンブリを改善することである。
【課題を解決するための手段】
【0004】
この課題は、請求項1の特徴を有するシールアセンブリによって解決される。請求項9~15は、流体弁を、請求項16、17および18は、本明細書で説明する流体弁を備えた燃料電池アセンブリまたは自動車ならびに流体弁を取り付けるための方法を特許請求している。
【0005】
本発明の一構成によれば、ハウジングとフラップとを有する流体弁において使用するためのシールアセンブリが設けられており、この流体弁は、フラップの位置を閉鎖位置と開放位置との間で調節することによって流体弁の弁開口を通る流体流を制御するように構成されている。この場合、一構成によるシールアセンブリは、保持リング当接区分および複数の脚を有する保持リングと、リング状のフレキシブルなシールエレメントとを有しており、このシールエレメントは、環状の半径方向ウェブと、半径方向ウェブに隣接する、意図通りに使用されたときに上流側の第1の半径方向面とを有しており、第1の半径方向面は、ハウジングの内壁に設けられた相応の対応センタリング面とのプレス嵌めのためのセンタリング面として機能するように構成されており、半径方向ウェブの、意図通りに使用されたときに上流側の第1の側面は、ハウジングの内壁の当接面に当接するように設けられており、保持リング当接区分は意図通りに使用されたときに、半径方向ウェブの、意図通りに使用されたときに下流側の第2の側面に当接するように設けられた保持リング当接面を有しており、複数の脚のうちの少なくとも一部の脚の自由端部は、意図通りに使用されたときに、流体の流れ方向に対して実質的に垂直に延在する、ハウジングの内壁の支持区分に予荷重下で支持されるように設けられている。
【0006】
本明細書で述べられる開放位置は、一構成では、フラップの(開放)終端位置であってよい。したがって、一構成において、フラップがこの開放位置または開放終端位置に位置するとき、弁装置または弁開口は、完全にまたは最大限に開放されているかまたは開かれている。同様に、本明細書で述べられる開放位置は、閉鎖位置と(開放)終端位置との間に位置していてもよい。
【0007】
フレキシブルなシールエレメントと保持リングとから成る組み合わせを使用することにより、一構成において有利には、一方では、リング状の半径方向ウェブの第1の半径方向面とハウジングの内壁の対応センタリング面との間のプレス嵌めにより生じる(半径方向で作用する)押圧力によって、他方では、ハウジングの内壁の支持区分に予荷重下で支持される、保持リングの脚の自由端部によって生成されるばね力によって、フレキシブルなシールエレメントを保持することができる。さらに、これにより、一構成において、簡単かつ安価に、シールエレメントの半径方向の位置固定を達成することができる
【0008】
シールエレメントは、例えばエチレンプロピレンジエンゴム(EPDM)のような特別な低摩擦材料を含む、一連のフレキシブルな材料から製造することができる。摩擦特性を改善するために、ひいてはシールエレメントの位置固定を改善するために、シールエレメントを適切な材料で付加的に被覆することができる。
【0009】
保持リングは例えば、金属薄板打抜き加工法を使用して製造することができ、または製造されていてよい。一構成において、保持リングは、金属薄板のつながった部分から製作され、この場合、脚は、金属薄板の切断または打抜きによって形成される。この場合、切断/打抜き工程は、一構成において、脚が、その都度の製造方法によって可能であるできるだけ僅かな幅を有するように実施される。この場合、一構成において、切断は、有利には、シールエレメントの損傷の原因となるおそれのある鋭い縁部の形成を阻止するために、保持リング当接区分の側を起点として行われる。保持リングの脚は、一構成または複数の構成では、1つ以上の屈曲部を有しており、かつ/または弾性変形可能である。
【0010】
一構成において、シールエレメントの軸線方向で測定される厚さは、半径方向ウェブの製造誤差と熱的作用の影響とを考慮して、保持リング当接面が半径方向ウェブをハウジングの内壁の当接面に押し付ける場合に、保持リングの(弾性の)脚の自由端部が、組付け時に、ハウジングの内壁との接触によって生じた曲げられた状態を起点として、支持区分で支持するための脚の元の状態に戻ることができることを保証するために、半径方向ウェブが適切な程度の押圧力/抵抗を提供するように選択されている。
【0011】
一構成において、シールエレメントは、意図通りに使用されたときに上流の方向に、かつハウジングの内壁の方向に延在する環状のシールリップを有しており、このシールリップの内周面は、弁開口を画定する弁座を形成しており、この弁座は、流体弁の閉鎖位置でフラップによって接触されるように設けられている。
【0012】
これにより、シールエレメントを機能的に2つの区分に分割することができ、すなわち、一方の、シールリップの内周面を有しており、弁の主要なシール機能のためにならびに流体流の最適化のためにそれ自体を介して規定されている内側の区分と、他方の、ハウジングにより形成される流体のための流路における固定の機能および二次的なシール機能を満たす外側の組付け区分とに分割することができる。
【0013】
一構成では、シールエレメントの、第1の半径方向面を有する区分と、シールリップとの間に、凹部が形成されている。
【0014】
これにより、一構成において、シールエレメント、特にシールリップは、弁開口の開閉のための、流体弁の、特にフラップの運動の際に、ハウジングの内壁の方向に弾性的に膨張することができる。
【0015】
一構成において、凹部は、その基部で、大きな半径を有する丸み付け部を有するように構成されており、これによりこの領域の機械的負荷が減じられ、ひいてはシールエレメントの耐用期間が向上する。この構成により、弁の両側(上流側/下流側)間に差圧を形成することもでき、これにより、どちらの圧力が高いかに応じてフラップに対するシールリップの押付け圧をさらに増大または減少させることができる。
【0016】
一実施形態では、シールエレメントの、第1の半径方向面を有する区分の、上流に位置する端部区分は半径方向内側に向かって減径している。
【0017】
これにより、一構成において、流体弁の組付けの際に、ハウジングの、対応センタリング面を有する区分へのシールエレメントの装着を容易にすることができる。第1の半径方向面と対応センタリング面との間でプレス嵌めが行われるので、シールエレメントとハウジングとの間のシールが保証される。
【0018】
一構成において、シールエレメントは、半径方向ウェブに隣接する、意図通りに使用されたときに下流側の第2の半径方向面を有しており、第2の半径方向面は、第1の半径方向面に対して半径方向内側に向かってずらされている。この場合、第2の半径方向面は、一構成では、流体の流れ方向に対して平行、または少なくともほぼ平行に延在している。
【0019】
この場合、一構成において、シールエレメントの、第2の半径方向面を有する区分の、下流に位置する端部区分は半径方向内側に向かって減径している。
【0020】
さらにこの場合、意図通りに使用されたときに、特に保持リング当接区分を、第2の半径方向面とハウジングの内壁との間に配置することができ、この場合、保持リングは、第2の半径方向面から離隔されて配置されていてよい。
【0021】
一構成において、脚のうちの複数が、(平坦な)保持リング当接区分に関して、外側の屈曲区分を介して鈍角をなして半径方向外側に向かって延在している。
【0022】
この場合、屈曲区分の半径は、ばね作用および屈曲がちょうどこの半径で行われることを保証するために製造の際に、規定されたよりも大きく選択されてよい。この場合、特に、複数の脚のうちの少なくとも一部の脚の自由端部によって規定される、保持リングの外径は、意図通りに使用されたときに組付け状態で保持リングを取り囲む、ハウジングの区分の内径よりも大きい。このようにして、これらの脚は組み付け状態で、弾性的に変形された状態にあり、ひいては一構成において有利には、端部が支持区分で予荷重下で支持されることを保証することができる。
【0023】
保持リングの(屈曲された)脚の幅は、組付け中の塑性変形に対する抵抗に関する、および保持リングの、場合によってはシールエレメントのセンタリングのために、かつ保持リングが、ひいてはシールエレメントが、流体弁の作動中に組付け位置からはずれることを阻止するために、半径方向で作用するばね力に関する相反する要求に応じて選択される。
【0024】
一実施形態では、1つ以上の脚は、製造プロセスのために必要なクランプ面を提供するために相対的に短くなっているかまたは裁断されている。相対的に短い脚の配置は、(相対的に長い)脚によって生じる半径方向のばね力における不均衡を防止するために、円状に均等に分配されるように選択されている。
【0025】
一実施形態では、保持リングは、内側の屈曲区分を有しており、内側の屈曲区分は、意図通りに使用されたときに保持リング当接区分から実質的に下流の方向に延在しており、特に半径方向ウェブの第2の半径方向面に対向している。
【0026】
これにより、一構成において、保持リングの剛性を高めることができる。
【0027】
一構成において、半径方向ウェブの第1の側面および/または第2の側面は、構造化された表面として形成されており、かつ/または少なくとも1つのリング状のリブを有している。
【0028】
これにより、一構成において、半径方向ウェブの第1の側面により、ハウジングの内壁の当接面を押圧する際の軸方向の保持、および流体弁からの空気流出に対する密封性を保証することができ、第2の側面によって、保持リング当接面による圧縮の際の保持を保証することができる。
【0029】
本発明の一構成によれば、特に燃料電池および/または自動車駆動装置の特にガス管路のための流体弁が、内壁を有したハウジングと、フラップと、前述したシールアセンブリとを有しており、流体弁は、フラップの位置を閉鎖位置と開放位置との間で調節することによって流体弁の弁開口を通る流体流を制御するように構成されており、ハウジングの内壁は、対応センタリング面、当接面、および支持区分を有しており、対応センタリング面には、シールエレメントの第1の半径方向面が予荷重下で当接しており、当接面には、半径方向ウェブの第1の側面が当接しており、半径方向ウェブの第2の側面には、保持リング当接面が当接しており、支持区分には、複数の脚のうちの少なくとも一部の脚の自由端部が予荷重下で支持されている。
【0030】
一構成において、シールエレメントは環状のシールリップを有しており、内壁は、上流側で対応センタリング面に続く拡張区分を有しており、シールリップの外周面は、この拡張区分から離隔され、かつ拡張区分に対向している。
【0031】
一構成において、内壁は、上流側で拡張区分に続く直線区分を有しており、直線区分は、流体の流れ方向に対して平行に延在している。
【0032】
これにより、一構成において有利には、シールリップの運動のための空間が提供される。さらに、この場合、内壁の個々の区分間の移行部は、損傷の原因となる鋭い縁部を回避するために丸み付けされていてよい。
【0033】
一構成において、内壁は、下流側で対応センタリング面に続く区分を有しており、この区分は、流体の流れ方向に対して垂直に半径方向外側に向かって延在しており、当接面を有している。
【0034】
この区分により、フラップの閉鎖位置におけるプレス嵌めの誤差が、フラップを動かす軸の回転軸線に対する間隔によって調節される。
【0035】
一構成において、内壁は、対応センタリング面に続く区分に下流側で続く別の区分を有しており、この別の区分は、流体の流れ方向に対して平行に延在しており、別の区分の部分区分は、半径方向ウェブの外側に向けられた上面に対向し、この上面から離隔されている。
【0036】
これにより、一構成において、保持リングの脚の動きを半径方向で制限することができる。
【0037】
一構成において、支持区分は、この別の区分に下流側で続いており、この別の区分を起点として半径方向内側に向かって延在している。
【0038】
一構成において、ハウジングの内壁は、支持区分に下流側で続くさらに別の区分を有しており、このさらに別の区分は、流体の流れ方向に対して平行に延在する、支持区分に続く第1の区分と、この第1の区分に続く第2の拡張区分とを有している。
【0039】
本発明の一構成によれば、特に自動車駆動装置のための燃料電池アセンブリが、少なくとも1つの燃料電池と、特に燃料電池にガスを供給するためのまたは燃料電池からガスを導出するための少なくとも1つのガス管路と、フラップを閉鎖位置へと調節することによってガス管路を遮断するための上述した流体弁と、を有している。
【0040】
本発明の一構成によれば、自動車が、特に、フラップを閉鎖位置へと調節することにより、自動車の管路、特にガス管路、特に自動車駆動装置管路および/または燃料電池アセンブリ管路を遮断するための、上述した少なくとも1つの流体弁を有している。
【0041】
本発明の一構成によれば、上述した流体弁を取り付けるための方法は以下のステップ、すなわち、
孔を備えたハウジングを準備するステップと、
孔に軸を導入するステップと、
ハウジングの下流に位置する側からフラップを導入し、フラップを軸に取り付けるステップと、
半径方向ウェブの第1の側面が、ハウジングの内壁の当接面に当接し、第1の半径方向面が、ハウジングの内壁の対応センタリング面に当接するように、シールエレメントをハウジングの下流に位置する側から導入するステップと、
保持リングをハウジングの下流に位置する側から導入するステップであって、この導入は、半径方向ウェブが流体の流れ方向に沿って圧縮されるように保持リングの保持リング当接面が半径方向ウェブの第2の側面に押し付けられるときに、複数の脚のうちの少なくとも一部の脚の自由端部が、導入中に、ハウジングの内壁との接触により弾性的に内側に向かって曲げられ、そして支持区分を通過した後に、脚のばね力によって半径方向外側に向かってスナップ運動により戻るように行われるステップと、
を有している。
【0042】
さらなる利点および特徴は、従属請求項および実施例から明らかである。実施例について部分的に概略図が示されている。
【図面の簡単な説明】
【0043】
【
図1】本発明の一構成によるシールアセンブリを備えた流体弁を示す断面図である。
【
図2】シールアセンブリの保持リングを示す断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0044】
図1は、本発明の構成によるシールアセンブリを備えた流体弁を示している。
図2は、シールアセンブリの保持リングの横断面図を示している。
図3は、
図2に示した保持リングの平面図を示しており、
図4は、流体弁の斜視断面図を示している。
【0045】
流体弁10は、ハウジング20、フラップ30、およびハウジング20内に収容されたシールアセンブリ100を有しており、この流体弁10が接続されているかまたは組み込まれている流体管路、特にガス管路内の、
図1において矢印Pで示すように上方から下方に向かって流れる流体弁10の弁開口を通る流体の流体流を、
図4に示したようにハウジング20の孔内に導入された、ねじ41によりフラップ30に接続される軸40を用いてフラップ30の位置を閉鎖位置と開放位置との間で調節することによって制御するように形成されている。
【0046】
シールアセンブリ100は、保持リング当接区分111および複数の脚112を有する保持リング110と、リング状のフレキシブルなシールエレメント200とを有しており、シールエレメント200は、環状の半径方向ウェブ201と、半径方向ウェブ201に隣接する、上流側の第1の半径方向面202とを有しており、第1の半径方向面は、ハウジング20の内壁21に設けられた相応の対応センタリング面23とのプレス嵌めのためのセンタリング面として機能する。
【0047】
半径方向ウェブ201の上流側の第1の側面203は、ハウジング20の内壁21の当接面22に当接し、この場合、保持リング当接区分111は、半径方向ウェブ201の下流側の第2の側面204に当接する保持リング当接面を有しており、複数の脚112のうちの少なくとも一部の脚の自由端部は、流体の流れ方向Pに対して実質的に垂直に延在する、ハウジング20の内壁の支持区分24に予荷重下で支持されている。
【0048】
特に
図1および
図2において明らかであるように、複数の脚112は、予荷重をかけられた状態(
図1)と、予荷重をかけられていない状態(
図2)との両方で、保持リング当接区分111に関して、外側の屈曲区分を介して鈍角をなして半径方向外側に向かって延在している。
【0049】
好適には、
図3において明らかであるように、1つ以上の脚112-1は、製造プロセスのために必要なクランプ面を形成するために相対的に短くなっているかまたは裁断されている。この場合、相対的に短い脚112-1の配置は、(相対的に長い)脚112-2によって生じる(半径方向の)ばね力における不均衡を防止するために、円状に均等に分配されている。
【0050】
シールエレメント200はさらに、上流方向およびハウジング20の内壁21の方向に延在する環状のシールリップ205を有しており、シールリップの内周面は、弁開口を画定する弁座を形成しており、この弁座には、
図1に示した流体弁10の閉鎖位置でフラップ30が接触する。
【0051】
この場合、シールエレメント200の、第1の半径方向面202を有する区分と、シールリップ205との間に、凹部206が形成されており、シールエレメント200の、第1の半径方向面202を有する区分の、上流に位置する端部区分は半径方向内側に向かって減径している。
【0052】
ハウジング20の内壁21は、上流側で対応センタリング面23に続く拡張区分28を有しており、シールリップ205の外周面は、拡張区分28から離隔されて、拡張区分に対向している。
【0053】
ハウジング20の内壁21はさらに、上流側で拡張区分28に続く直線区分29を有しており、この直線区分は、流体の流れ方向Pに対して平行に延在している。
【0054】
シールエレメント200はさらに、半径方向ウェブ201に隣接する、下流側の第2の半径方向面207を有しており、この半径方向面は、第1の半径方向面202に対して半径方向内側に向かってずらされている。好ましくは、
図1に示されているように、この場合、半径方向ウェブ201の第1の側面203と第2の側面204とは、構造化された表面として形成されており、かつ/または、少なくとも1つのリング状のリブ208を有している。
【0055】
保持リング110は、内側の屈曲区分113を有しており、この区分は、
図1に示されているように保持リング当接区分111から実質的に下流の方向に向かって延在しており、特にシールエレメント200の第2の半径方向面207に対向している。
【0056】
ハウジングの内壁21はさらに、下流側で対応センタリング面23に続く区分を有しており、この区分は、流体の流れ方向Pに対して垂直に半径方向外側に向かって延在しており、半径方向ウェブ201の第1の側面203が当接する当接面22を有している。
【0057】
さらに、ハウジングの内壁21は、対応センタリング面23に続く区分に下流側で続く別の区分25を有しており、この区分は、流体の流れ方向Pに対して平行に延在しており、別の区分25の部分区分は、半径方向ウェブ201の外側に向けられた上面に対向し、この上面から離隔されている。
【0058】
支持区分24は、別の区分25に下流側で続いており、この別の区分25を起点として半径方向内側に向かって延在している。
【0059】
ハウジング20の内壁21はさらに、支持区分24に下流側で続くさらに別の区分26を有しており、このさらに別の区分は、流体の流れ方向に対して平行に延在する、支持区分24に続く第1の区分と、第1の区分に続く第2の拡張区分とを有している。
【0060】
流体弁10を組付けるために、まずは、孔を有するハウジング20を準備し、軸40をこの孔を通してハウジング20の内部に導入する。次いで、フラップ30を、下流に位置する側からハウジング20の内部に、フラップ30が軸40の平坦な面に接触するまで導入する。この状態で、後に、シールエレメント200のセンタリングのためにも使用される工具によってフラップ30をセンタリングし、この際に、工具の環状のセンタリング面が、ハウジング20の内壁21の表面に接触する。
【0061】
その後、2つのねじ41を、上流に位置する側からハウジング20の内部に導入し、このために軸40に設けられた2つのねじ孔内にねじ込み、必要な調節を実施したあとに締め付ける。
【0062】
次いで、シールエレメント200をハウジング20内に挿入し、対応センタリング面23を含む、ハウジング20のそのために設けられた区分内に、上流側に位置する(構造化された)半径方向ウェブ201の第1の側面203が、ハウジング20の内壁21の当接面22に当接するまで押し込む。この状態で、シールエレメント200はハウジング20内でセンタリングされている。
【0063】
次いで、保持リング110を、下流に位置する側からハウジング20の内部に、保持リング当接面が半径方向ウェブ201の、下流側の第2の(構造化された)側面204に当接するまで導入する。組付けの際に、保持リング110が、フレキシブルなシールエレメント200の半径方向ウェブ201に押し付けられると脚112は弾性的に圧縮され、これにより、保持リング110のさらなる挿入のために十分な遊びスペースが提供され、この遊びスペースは、半径方向ウェブ201が流体の流れ方向に沿って圧縮されるように保持リング110の保持リング当接面が半径方向ウェブ201の第2の側面204に押し付けられるときに、保持リング110の脚112の自由端部が、支持区分24を通過した後に、脚112のばね力によって半径方向外側に向かってスナップ運動によって戻るまで提供される。
【0064】
前述の説明において例示的な構成について説明したが、多数の変更が可能であることに留意されたい。さらに、例示的な実施形態は、保護範囲、用途および構造を決して制限しない単なる例であることに留意されたい。むしろ、当業者には、上述の記載により、少なくとも1つの例示的な構成の実施に関する指針が提供され、この場合、特許請求の範囲およびこのような等価の特徴の組み合わせから生じるような保護範囲を逸脱することなく、様々な変更を、特に上述した構成要素の機能および配置に関して行うことができる。
【符号の説明】
【0065】
10 流体弁
20 ハウジング
21 内壁
22 当接面
23 対応センタリング面
24 支持区分
25 別の区分
26 さらに別の区分
28 拡張区分
29 直線区分
30 フラップ
40 軸
41 ねじ
100 シールアセンブリ
110 保持リング
111 保持リング当接区分
112 脚
112-1 短い脚
112-2 長い脚
113 内側の曲げられた区分
200 シールエレメント
201 半径方向ウェブ
202 第1の半径方向面
203 第1の側面
204 第2の側面
205 シールリップ
206 凹部
207 第2の半径方向面
208 リング状のリブ
【手続補正書】
【提出日】2024-05-22
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
ハウジング(20)とフラップ(30)とを有する流体弁(10)において使用するためのシールアセンブリ(100)であって、前記流体弁は、前記フラップ(30)の位置を閉鎖位置と開放位置との間で調節することによって前記流体弁(10)の弁開口を通る流体流を制御するように構成されており、前記シールアセンブリ(100)は、保持リング当接区分(111)および複数の脚(112)を有する保持リング(110)と、リング状のフレキシブルなシールエレメント(200)とを有しており、前記シールエレメントは、環状の半径方向ウェブ(201)と、前記半径方向ウェブ(201)に隣接する、意図通りに使用した場合に上流側の第1の半径方向面(202)とを有しており、前記第1の半径方向面は、前記ハウジング(20)の内壁(21)に設けられた相応の対応センタリング面(23)とのプレス嵌めのためのセンタリング面として機能するように構成されており、前記半径方向ウェブ(201)の、意図通りに使用されたときに上流側の第1の側面(203)は、前記ハウジング(20)の前記内壁(21)の当接面(22)に当接するように設けられており、前記保持リング当接区分(111)は前記意図通りに使用されたときに、前記半径方向ウェブ(201)の、前記意図通りに使用されたときに下流側の第2の側面(204)に当接するように設けられた保持リング当接面を有しており、前記複数の脚(112)のうちの少なくとも一部の脚の自由端部は、前記意図通りに使用されたときに、流体の流れ方向に対して実質的に垂直に延在する、前記ハウジング(20)の前記内壁の支持区分(24)に予荷重下で支持されるように設けられている、シールアセンブリ(100)。
【請求項2】
前記シールエレメント(200)は、前記意図通りに使用されたときに上流の方向に、かつ前記ハウジング(20)の前記内壁(21)の方向に延在する環状のシールリップ(205)を有しており、前記シールリップの内周面は、前記弁開口を画定する弁座を形成しており、前記弁座は、前記流体弁の前記閉鎖位置で前記フラップ(30)によって接触されるように設けられている、請求項1記載のシールアセンブリ(100)。
【請求項3】
前記シールエレメント(200)の、前記第1の半径方向面(202)を有する区分と、前記シールリップ(205)との間に、凹部(206)が形成されている、請求項2記載のシールアセンブリ(100)。
【請求項4】
前記シールエレメント(200)の、前記第1の半径方向面(202)を有する前記区分の、上流に位置する端部区分は半径方向内側に向かって減径している、請求項3記載のシールアセンブリ(100)。
【請求項5】
前記シールエレメント(200)は、前記半径方向ウェブ(201)に隣接する、意図通りに使用されたときに下流側の第2の半径方向面(207)を有しており、前記第2の半径方向面は、前記第1の半径方向面(202)に対して半径方向内側に向かってずらされている、請求項1記載のシールアセンブリ(100)。
【請求項6】
前記脚(112)のうちの複数が、前記保持リング当接区分(111)に関して、外側の屈曲区分を介して鈍角をなして半径方向外側に向かって延在している、請求項1記載のシールアセンブリ(100)。
【請求項7】
前記保持リング(110)は、内側の屈曲区分(113)を有しており、前記内側の屈曲区分は、前記意図通りに使用されたときに前記保持リング当接区分(111)から実質的に下流の方向に向かって延在しており、特に前記半径方向ウェブ(201)の前記第2の半径方向面(207)に対向している、請求項1記載のシールアセンブリ(100)。
【請求項8】
前記半径方向ウェブ(201)の前記第1の側面(203)および/または前記第2の側面(204)は、構造化された表面として形成されており、かつ/または、少なくとも1つのリング状のリブ(208)を有している、請求項1記載のシールアセンブリ(100)。
【請求項9】
特に燃料電池および/または自動車駆動装置の特にガス管路のための流体弁であって、前記流体弁は、内壁(21)を有したハウジング(20)と、フラップ(30)と、請求項1から8までのいずれか1項記載のシールアセンブリ(100)とを有しており、前記流体弁は、前記フラップ(30)の位置を閉鎖位置と開放位置との間で調節することによって前記流体弁(10)の弁開口を通る流体流を制御するように構成されており、前記ハウジング(20)の前記内壁(21)は、対応センタリング面(23)、当接面(22)、および支持区分(24)を有しており、前記対応センタリング面(23)には、シールエレメント(200)の第1の半径方向面(202)が予荷重下で当接しており、前記当接面(22)には、半径方向ウェブ(201)の第1の側面(203)が当接しており、前記半径方向ウェブ(201)の第2の側面(204)には、保持リング当接面が当接しており、前記支持区分(24)には、複数の脚(112)のうちの少なくとも一部の脚の自由端部が予荷重下で支持されている、流体弁。
【請求項10】
前記シールエレメント(200)は環状のシールリップ(205)を有しており、前記内壁(21)は、上流側で前記対応センタリング面(23)に続く拡張区分を有しており、前記シールリップ(205)の外周面は、前記拡張区分から離隔され、かつ前記拡張区分に対向している、請求項9記載の流体弁。
【請求項11】
前記内壁(21)は、上流側で前記拡張区分に続く直線区分を有しており、前記直線区分は、流体の流れ方向に対して平行に延在している、請求項10記載の流体弁。
【請求項12】
前記内壁(21)は、下流側で前記対応センタリング面(23)に続く区分を有しており、前記区分は、前記流体の流れ方向に対して垂直に半径方向外側に向かって延在しており、前記当接面(22)を有している、請求項11記載の流体弁。
【請求項13】
前記内壁(21)は、前記対応センタリング面(23)に続く前記区分に下流側で続く別の区分を有しており、前記別の区分は、前記流体の流れ方向に対して平行に延在しており、前記別の区分の部分区分は、前記半径方向ウェブ(201)の外側に向けられた上面に対向し、前記上面から離隔されている、請求項12記載の流体弁。
【請求項14】
前記支持区分(24)は、前記別の区分に下流側で続いており、前記別の区分を起点として半径方向内側に向かって延在している、請求項13記載の流体弁。
【請求項15】
前記内壁(21)は、前記支持区分(24)に下流側で続くさらに別の区分を有しており、前記さらに別の区分は、前記流体の流れ方向に対して平行に延在する、前記支持区分(24)に続く第1の区分と、前記第1の区分に続く第2の拡張区分とを有している、請求項14記載の流体弁。
【請求項16】
特に自動車駆動装置のための燃料電池アセンブリであって、少なくとも1つの燃料電池と、特に前記燃料電池にガスを供給するためのまたは前記燃料電池からガスを導出するための少なくとも1つのガス管路と、フラップ(30)を閉鎖位置へと調節することによって前記ガス管路を遮断するための、請求項
9記載の流体弁とを備えた燃料電池アセンブリ。
【請求項17】
特に、フラップ(30)を閉鎖位置へと調節することによって、自動車の管路、特にガス管路、特に自動車駆動装置管路および/または燃料電池アセンブリ管路を遮断するための、請求項
9記載の少なくとも1つの流体弁を備えた自動車。
【請求項18】
請求項
9記載の流体弁を取り付けるための方法であって、以下のステップ、すなわち、
孔を備えたハウジング(20)を準備するステップと、
前記孔に軸(40)を導入するステップと、
前記ハウジング(20)の下流に位置する側からフラップ(30)を導入し、前記フラップ(30)を前記軸(40)に取り付けるステップと、
半径方向ウェブ(201)の第1の側面(203)が、前記ハウジング(20)の内壁(21)の当接面(22)に当接し、第1の半径方向面(202)が、前記ハウジングの前記内壁(21)の対応センタリング面(23)に当接するように、シールエレメント(200)を前記ハウジング(20)の下流に位置する側から導入するステップと、
保持リング(110)を前記ハウジング(20)の下流に位置する側から導入するステップであって、この導入は、前記半径方向ウェブ(201)が流体の流れ方向に沿って圧縮されるように前記保持リング(110)の保持リング当接面が前記半径方向ウェブ(201)の第2の側面(204)に押し付けられるときに、複数の脚(112)のうちの少なくとも一部の脚の自由端部が、導入中に、前記ハウジング(20)の前記内壁(21)との接触によって弾性的に内側に向かって曲げられ、そして支持区分(24)を通過した後に、前記脚(112)のばね力によって半径方向外側に向かってスナップ運動によって戻るように行われるステップと、
を有している方法。
【国際調査報告】