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特表2024-540311皮膚処置のための高強度集束超音波プローブの製造方法
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-10-31
(54)【発明の名称】皮膚処置のための高強度集束超音波プローブの製造方法
(51)【国際特許分類】
   A61N 7/02 20060101AFI20241024BHJP
【FI】
A61N7/02
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2024526635
(86)(22)【出願日】2022-11-02
(85)【翻訳文提出日】2024-05-02
(86)【国際出願番号】 KR2022016969
(87)【国際公開番号】W WO2023090699
(87)【国際公開日】2023-05-25
(31)【優先権主張番号】10-2021-0158796
(32)【優先日】2021-11-17
(33)【優先権主張国・地域又は機関】KR
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】519069383
【氏名又は名称】ヴィオル カンパニー リミテッド
(71)【出願人】
【識別番号】509272698
【氏名又は名称】大邱慶北科學技術院
【氏名又は名称原語表記】DAEGU GYEONGBUK INSTITUTE OF SCIENCE AND TECHNOLOGY
(71)【出願人】
【識別番号】517287040
【氏名又は名称】ドン イル テクノロジー リミテッド
(74)【代理人】
【識別番号】100125450
【弁理士】
【氏名又は名称】河野 広明
(72)【発明者】
【氏名】チャン ジンホ
(72)【発明者】
【氏名】キム ジンウ
(72)【発明者】
【氏名】キム ジュファン
(72)【発明者】
【氏名】ナ ジョンジュ
(72)【発明者】
【氏名】イ ドッキュ
(72)【発明者】
【氏名】キム ジョンピル
【テーマコード(参考)】
4C160
【Fターム(参考)】
4C160JJ33
(57)【要約】
本開示の一実施例による高強度集束超音波プローブの製造方法は、電気的信号の入力を受けて超音波を発生させるトランスデューサモジュールから発生した超音波の集束方向である第1軸方向に凹んだ(concave)形態を有する複数のトランスデューサ素子がカーフ(kerf)を間に置いて第1軸方向に垂直な第2軸方向に配置されるようにトランスデューサモジュールを製作する段階及びトランスデューサモジュールに電気的信号を入力する回路を配置する段階を含み、複数のトランスデューサ素子それぞれは電気的信号の入力を受けて発生する超音波が所定の地点に集束するように惹起する幾何学的構造に形成され、第1軸方向及び前記第2軸方向に垂直な第3軸方向の長さが第2軸方向の長さよりも長い形状を有することができる。
【選択図】図3
【特許請求の範囲】
【請求項1】
電気的信号の入力を受けて超音波を発生させるトランスデューサモジュールから発生した超音波の集束方向である第1軸方向に凹んだ(concave)形態を有する複数のトランスデューサ素子がカーフ(kerf)を間に置いて前記第1軸方向に垂直な第2軸方向に配置されるようにトランスデューサモジュールを製作する段階;及び
前記トランスデューサモジュールに電気的信号を入力する回路を配置する段階;を含み、
前記複数のトランスデューサ素子それぞれは電気的信号の入力を受けて発生する超音波が所定の地点に集束するように惹起する幾何学的構造に形成され、前記第1軸方向及び前記第2軸方向に垂直な第3軸方向の長さが前記第2軸方向の長さよりも長い形状を有する、
高強度集束超音波(HIFU)プローブの製造方法。
【請求項2】
前記トランスデューサモジュールの超音波出力エネルギは集束地点で0.5J/cm以上である、
請求項1に記載の高強度集束超音波(HIFU)プローブの製造方法。
【請求項3】
前記カーフに分離部材を配置する段階をさらに含み、
前記分離部材の前記第1軸方向の長さは前記トランスデューサ素子の前記第1軸方向の長さよりも長い、
請求項1に記載の高強度集束超音波(HIFU)プローブの製造方法。
【請求項4】
前記複数のトランスデューサ素子それぞれの超音波集束方向と反対方向の後面に電気的信号を印加する信号線をはんだ付け(soldering)で連結する段階をさらに含む、
請求項3に記載の高強度集束超音波(HIFU)プローブの製造方法。
【請求項5】
摂氏300度以上の熱安定性を有する物質で構成された分離部材を前記カーフに配置する段階をさらに含む、
請求項1に記載の高強度集束超音波(HIFU)プローブの製造方法。
【請求項6】
前記分離部材はポリイミドで構成される、
請求項5に記載の高強度集束超音波(HIFU)プローブの製造方法。
【請求項7】
前記トランスデューサモジュールを製作する段階は、
前記複数のトランスデューサ素子それぞれが前記第2軸方向に直接連結されないように前記複数のトランスデューサ素子を形成する段階を含む、
請求項1に記載の高強度集束超音波(HIFU)プローブの製造方法。
【請求項8】
前記トランスデューサモジュールを製作する段階は、
前記複数のトランスデューサ素子それぞれの前記第3軸方向の両末端のうち少なくともいずれか一端は互いに連結されるように前記複数のトランスデューサ素子を形成する段階を含む、
請求項1に記載の高強度集束超音波(HIFU)プローブの製造方法。
【請求項9】
前記複数のトランスデューサ素子それぞれの超音波集束方向前面の少なくとも一部にグランド電極を形成する段階をさらに含む、
請求項8に記載の高強度集束超音波(HIFU)プローブの製造方法。
【請求項10】
前記複数のトランスデューサ素子それぞれの前記第3軸方向の両末端のうち少なくともいずれか一端の延長部は、超音波集束方向と反対方向に折曲された折曲部を形成する段階をさらに含む、
請求項9に記載の高強度集束超音波(HIFU)プローブの製造方法。
【請求項11】
電気的信号の入力を受けて超音波を発生させるトランスデューサモジュールを形成する段階;及び
前記トランスデューサモジュールに電気的信号を入力する回路を配置する段階;を含み、
前記トランスデューサモジュールを形成する段階は、
発生した超音波の集束方向である第1軸方向に凹んだ(concave)形態を有する曲面型トランスデューサ部を形成する段階;
前記曲面型トランスデューサ部に前記第1軸方向に垂直な第2軸方向に複数個形成され、前記第1軸方向及び前記第2軸方向に垂直な方向である第3軸方向に長さ延長されて形成され、前記曲面型トランスデューサ部の少なくとも一部を分離して複数部位のトランスデューサ素子を形成するカーフ(kerf)部を形成する段階;及び
前記曲面型トランスデューサ部の前記第3軸方向の両末端のうち少なくともいずれか一端に超音波集束方向と反対方向に折曲された折曲部を形成する段階;を含む、
高強度集束超音波(HIFU)プローブの製造方法。
【請求項12】
前記曲面型トランスデューサ部において超音波集束方向前面の少なくとも一部にグランド電極を形成する段階;
前記曲面型トランスデューサ部において前記前面と反対である後面の少なくとも一部に電気的信号を印加する信号線をはんだ付け(soldering)で連結する段階;及び
分離部材として、前記分離部材の前記第1軸方向の長さが前記曲面型トランスデューサ部の前記第1軸方向の長さよりも長い前記分離部材を前記カーフに配置する段階;をさらに含む、
請求項11に記載の高強度集束超音波(HIFU)プローブの製造方法。
【請求項13】
第1軸方向の所定の第1厚さ及び前記第1軸方向に凹んだ(concave)所定の曲率を有し、前記第1軸方向に垂直な第3軸方向に長さ延長された形態を有する複数のトランスデューサ素子を提供する段階;
所定の第2厚さを有する複数の板状分離部材を提供する段階;及び
前記第1軸方向及び前記第3軸方向に垂直な第2軸方向に複数の前記トランスデューサ素子と複数の前記板状分離部材を交互に積層する段階;を含む、
高強度集束超音波(HIFU)プローブの製造方法。
【請求項14】
第2軸方向の所定の第1厚さを有する複数の板状トランスデューサ素子を提供する段階;
所定の第2厚さを有する複数の板状分離部材を提供する段階;
前記第2軸方向に複数の前記板状トランスデューサ素子と複数の前記分離部材を交互に積層して複合体を形成する段階;及び
複数の前記板状トランスデューサ素子が前記第2軸方向に垂直な第1軸方向に凹んだ(concave)所定の曲率を有し、前記第1軸方向及び前記第2軸方向に垂直な第3軸方向に延長された形状を有するように前記複合体の前記第1軸方向に垂直な一面又は両面を研削する段階;を含む、
高強度集束超音波(HIFU)プローブの製造方法。
【請求項15】
少なくとも一部が超音波の集束方向である第1軸方向に凹んだ(concave)形態を有する曲面型トランスデューサ部及び前記曲面型トランスデューサ部の前記第1軸方向に垂直な第3軸方向の両末端に超音波集束方向と反対方向に折曲されて形成された折曲部を含むトランスデューサ素子を提供する段階;及び
前記曲面型トランスデューサ部に前記第3軸方向に長さ延長され、前記第1軸方向及び前記第3軸方向に垂直な第2軸方向に複数個のカーフ(kerf)部を前記曲面型トランスデューサ部の少なくとも一部を切削して形成する段階;を含む、
高強度集束超音波(HIFU)プローブの製造方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、高強度集束超音波(High Intensive Focused Ultrasound:HIFU)プローブの製造方法に関するものであり、より詳しくは、トランスデューサ素子の幾何学的構造に基づいて皮膚処置のための高強度超音波を集束させることができる高強度集束超音波プローブの製造方法に関するものである。
【背景技術】
【0002】
最近、高強度集束超音波(High Intensive Focused Ultrasound:HIFU)をスキンリフティング(lifting)及びスキンタイトニング(tightening)のような皮膚処置に使用することが多くの関心を集めている。
【0003】
高強度集束超音波は、体内の局所部位に高強度の音響エネルギを集束させて集束地点の局所部位温度を上昇させ熱変異を発生させることにより病変を治療する技術である。皮膚に使用する場合、微細な超音波が集束する局所部位に熱変異による損傷を与えて変性された組織が再生しながら、しわ除去及び皮膚弾力回復を図る効果を利用している。
【0004】
従来の高強度集束超音波機器は、超音波を発生させるトランスデューサ(transducer)であり、円形の単一素子超音波トランスデューサを用いて治療部位に強い超音波エネルギを伝達する方法を用いる。広い部位に皮膚処置のための超音波エネルギを伝達するために集束地点を複数形成しなければならないため、従来の単一素子超音波トランスデューサは多様な体内部位に超音波を集束させることができるように単一素子超音波トランスデューサを機械的に移動させる方式を用いる。
【0005】
よって、従来の高強度集束超音波は、円形の単一素子超音波トランスデューサを採択することにより、処置深さ(集束地点)を異なるように適用する場合、超音波周波数とトランスデューサの幾何学的構造が異なるように設計されたハンドピースを毎回取り替えなければならないという問題点がある。このような問題点を解決するために、先行技術1は、ハンドピースチップにレバー又はモータやスキャナを装着して手動、半自動、全自動とターゲット部位の深さを使用者が任意に選択して超音波を集束させることができるように調節している。しかし、先行技術1は、相変わらずモータを用いたトランスデューサを移動させなければならないため、依然として機械的な動きを必要とするとの問題点がある。また、これにより、治療時間が長くなり、治療深さを変化させるために機械的にハンドピース内の超音波トランスデューサの位置を変更しなければならないため、治療効果の向上に限界がある。
【0006】
これに比べて、発生する超音波のエネルギが小さい診断用超音波機器の場合、図1のように配列素子形態の超音波変換器を用いる。すなわち、側方向(Lateral direction;x方向)の複数の超音波変換器の送信時間を電気的に制御することにより所望の位置に超音波を集束し、反射した超音波を受信して映像化する。このとき、診断解像度の向上のために、高度方向(Elevation direction;y方向)は高い超音波エネルギを焦点に伝達するために集束技術を利用することができ、その方法として図14(a)のようにナチュラル集束(natural focusing)又は図14(b)のように音響レンズ集束(lens focusing)を利用する方法が存在する。
【0007】
従来、診断用超音波機器の場合にも製作工程の困難により配列素子超音波変換器に幾何学的集束(gometrical focusing)を使用することができず、先に説明したように治療用超音波機器である高強度集束超音波機器は単一超音波トランスデューサ素子を用いているのが実情である。
【0008】
このような問題点にもかかわらず、配列型超音波トランスデューサ素子を用いて高強度集束超音波機器を具現するのは難しいことである。ナチュラル集束はエネルギが分散して不向きであるため、病変の温度上昇のためには音響レンズ集束又は幾何学的集束が適している。しかし、レンズ集束の場合、レンズに使われる物質による超音波減衰によって処置部位まで高強度エネルギが伝達しにくく、幾何学的集束が可能になるように配列型超音波トランスデューサ(配列型超音波トランスデューサの電気的送信時間の制御のためには少なくとも集束可能な幾何学的構造を有する少なくとも数十個の超音波トランスデューサを構成しなければならない)の幾何学的構造を形成するのが難しいという問題点がある。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
本開示の一実施例は、幾何学的構造に基づいて幾何学的集束が可能な複数のトランスデューサが配列形態に構成される高強度集束超音波プローブ及びその製造方法を提供する。
【0010】
本開示の他の実施例は、廉価かつ容易に製造可能で幾何学的集束が可能な複数のトランスデューサが配列形態に構成される高強度集束超音波プローブ及びその製造方法を提供する。
【0011】
本開示の他の実施例は、グレーティングローブ(grating lobe)を減らしながらも高いエネルギを処置部位に伝達することができる幾何学的集束が可能な複数のトランスデューサが配列形態に構成される高強度集束超音波プローブ及びその製造方法を提供する。
【0012】
本開示の他の実施例は、各超音波トランスデューサ素子の送信時間を電気的に制御でき、機械的な移動なしに治療時間を短縮可能な複数のトランスデューサが配列形態に構成される高強度集束超音波プローブ及びその製造方法を提供する。
【課題を解決するための手段】
【0013】
本開示の一実施例は、高強度集束超音波プローブ及びその製造方法を提供する。
【0014】
本開示の一実施例による高強度集束超音波プローブは、電気的信号の入力を受けて超音波を発生させるトランスデューサモジュール及びトランスデューサモジュールに電気的信号を入力する回路を含み、トランスデューサモジュールは発生した超音波の集束方向である第1軸方向に凹んだ(concave)形態を有する複数のトランスデューサ素子がカーフ(kerf)を間に置いて第1軸方向に垂直な第2軸方向に配置された形態であり、複数のトランスデューサ素子それぞれは電気的信号の入力を受けて発生する超音波が所定の地点に集束するように惹起する幾何学的構造に形成され、第1軸方向及び第2軸方向に垂直な第3軸方向の長さが第2軸方向の長さよりも長い形状を有することができる。
【0015】
本開示の一実施例による高強度集束超音波プローブの製造方法は、電気的信号の入力を受けて超音波を発生させるトランスデューサモジュールから発生した超音波の集束方向である第1軸方向に凹んだ(concave)形態を有する複数のトランスデューサ素子がカーフ(kerf)を間に置いて第1軸方向に垂直な第2軸方向に配置されるようにトランスデューサモジュールを製作する段階及びトランスデューサモジュールに電気的信号を入力する回路を配置する段階を含み、複数のトランスデューサ素子それぞれは電気的信号の入力を受けて発生する超音波が所定の地点に集束するように惹起する幾何学的構造に形成され、第1軸方向及び前記第2軸方向に垂直な第3軸方向の長さが第2軸方向の長さよりも長い形状を有することができる。
【0016】
本開示の一実施例による高強度集束超音波プローブは、電気的信号の入力を受けて超音波を発生させるトランスデューサモジュール及びトランスデューサモジュールに電気的信号を入力する回路を含み、トランスデューサモジュールは、発生した超音波の集束方向である第1軸方向に凹んだ形態を有する曲面型トランスデューサ部、曲面型トランスデューサ部に第1軸方向に垂直な第2軸方向に複数個形成され、第1軸方向及び第2軸方向に垂直な方向である第3軸方向に長さ延長されて形成され、曲面型トランスデューサ部の少なくとも一部を分離して複数部位のトランスデューサ素子を形成するカーフ部及び曲面型トランスデューサ部の第3軸方向の両末端のうち少なくともいずれか一端に超音波集束方向と反対方向に折曲されて形成された折曲部を含むことができる。
【0017】
本開示の一実施例による高強度集束超音波プローブの製造方法は、電気的信号の入力を受けて超音波を発生させるトランスデューサモジュールを形成する段階及びトランスデューサモジュールに電気的信号を入力する回路を配置する段階を含み、トランスデューサモジュールを形成する段階は、発生した超音波の集束方向である第1軸方向に凹んだ(concave)形態を有する曲面型トランスデューサ部を形成する段階、曲面型トランスデューサ部に第1軸方向に垂直な第2軸方向に複数個形成され、第1軸方向及び第2軸方向に垂直な方向である第3軸方向に長さ延長されて形成され、曲面型トランスデューサ部の少なくとも一部を分離して複数部位のトランスデューサ素子を形成するカーフ(kerf)部を形成する段階及び曲面型トランスデューサ部の第3軸方向の両末端のうち少なくともいずれか一端に超音波集束方向と反対方向に折曲された折曲部を形成する段階を含むことができる。
【0018】
本開示の一実施例による高強度集束超音波プローブ製造方法は、第1軸方向の所定の第1厚さ及び前記第1軸方向に凹んだ所定の曲率を有し、第1軸方向に垂直な第3軸方向に長さ延長された形態を有する複数のトランスデューサ素子を提供する段階、所定の第2厚さを有する複数の板状分離部材を提供する段階及び第1軸方向及び第3軸方向に垂直な第2軸方向に複数のトランスデューサ素子と複数の分離部材を交互に積層する段階を含むことができる。
【0019】
本開示の一実施例による高強度集束超音波プローブ製造方法は、第2軸方向の所定の第1厚さを有する複数の板状トランスデューサ素子を提供する段階、所定の第2厚さを有する複数の板状分離部材を提供する段階、第2軸方向に複数のトランスデューサ素子と複数の分離部材を交互に積層して複合体を形成する段階及び複数の板状トランスデューサ素子が第2軸方向に垂直な第1軸方向に凹んだ所定の曲率を有し、第1軸方向及び第2軸方向に垂直な第3軸方向に延長された形状を有するように複合体の前記第1軸方向に垂直な一面又は両面を研削する段階を含むことができる。
【0020】
本開示の一実施例による高強度集束超音波プローブ製造方法は、少なくとも一部が超音波の集束方向である第1軸方向に凹んだ形態を有する曲面型トランスデューサ部及び曲面型トランスデューサ部の第1軸方向に垂直な第3軸方向の両末端に超音波集束方向と反対方向に折曲されて形成された折曲部を含むトランスデューサ素子を提供する段階及び曲面型トランスデューサ部に第3軸方向に長さ延長され、第1軸方向及び第3軸方向に垂直な第2軸方向に複数個のカーフ部を前記曲面型トランスデューサ部の少なくとも一部を切削して形成する段階を含むことができる。
【発明の効果】
【0021】
本開示の実施例による高強度集束超音波プローブ及びその製造方法は、複数の高強度集束超音波トランスデューサが幾何学的構造に基づいて幾何学的集束が可能で、電気的に送信時間を制御できることにより、廉価かつ容易に高強度集束超音波配列型プローブを提供することができ、治療効果は向上させながらも治療時間を短縮することができる。
【図面の簡単な説明】
【0022】
図1】本開示の一実施例による高強度集束超音波プローブの実施環境を説明する図面である。
図2】本開示の一実施例による高強度集束超音波プローブの構成を簡略に示したブロック図である。
図3】本開示の一実施例による配列型高強度集束超音波プローブにおいてトランスデューサモジュールを表示した斜視図及び平面図である。
図4】本開示の一実施例による配列型高強度集束超音波プローブにおいてトランスデューサモジュールを表示した斜視図及び側面図である。
図5】本開示の一実施例による配列型高強度集束超音波プローブのカーフ間隔を実験した結果である。
図6】本開示の一実施例による配列型高強度集束超音波プローブの素子幅を実験した結果である。
図7】本開示の一実施例による配列型高強度集束超音波プローブにおいてトランスデューサモジュールを表示した斜視図である。
図8】本開示の一実施例による配列型高強度集束超音波プローブを製造する方法を説明するためのフローチャートである。
図9】本開示の一実施例による配列型高強度集束超音波プローブを製造する方法を説明するための図面である。
図10】本開示の一実施例による配列型高強度集束超音波プローブを製造する方法を説明するためのフローチャートである。
図11】本開示の一実施例による配列型高強度集束超音波プローブを製造する方法を説明するための図面である。
図12】本開示の一実施例による配列型高強度集束超音波プローブを製造する方法を説明するためのフローチャートである。
図13】本開示の一実施例による配列型高強度集束超音波プローブを製造する方法を説明するための図面である。
図14】従来の診断用超音波映像診断機器で使用するプローブの集束方法を説明する図面である。
【発明を実施するための形態】
【0023】
以下、添付図面を参照して本明細書に開示の実施例を詳しく説明する。図面符号にかかわらず同一又は類似の構成要素は同一の参照番号を付与し、これに関して重複する説明は省略することにする。以下の説明で使われる構成要素に対する接尾辞「モジュール」及び「部」は、明細書作成の容易性のみ考慮されて付与又は混用されるものであり、それ自体で相互区別される意味又は役割を有するものではない。また、本明細書に開示の実施例を説明するにあたって関連する公知技術についての具体的な説明が本明細書に開示の実施例の要旨を不明確にし得ると判断される場合は、その詳しい説明を省略する。また、添付図面は、本明細書に開示の実施例を容易に理解できるようにするためのものであるだけであって、添付図面によって本明細書に開示の技術的思想が制限されるものではなく、本発明の思想及び技術範囲に含まれるすべての変更、均等物ないし代替物を含むものと理解されなければならない。
【0024】
第1、第2などのように序数を含む用語は多様な構成要素を説明するのに使われることがあるが、前記構成要素は前記用語によって限定されない。前記用語は一つの構成要素を他の構成要素から区別する目的のみで使われる。
【0025】
ある構成要素が他の構成要素に「連結されて」いる又は「接続されて」いると言及されたときは、その他の構成要素に直接連結されている又は接続されていてもよく、中間に他の構成要素が存在してもよいと理解されなければならない。その反面、ある構成要素が他の構成要素に「直接連結されて」いる又は「直接接続されて」いると言及されたときは、中間に他の構成要素が存在しないものと理解されなければならない。
【0026】
図1を参照して本開示の一実施例による高強度集束超音波プローブ100の実施環境を説明する。
【0027】
図1を参照すると、本開示の実施例による高強度集束超音波装置200は、高強度集束超音波プローブ100を制御して高強度集束超音波プローブ100で発生した超音波を身体内部の特定地点に集束させて音響エネルギを伝達することができる。高強度集束超音波装置200は、高強度集束超音波プローブ100のトランスデューサモジュールに含まれた配列型(array)トランスデューサ素子の送信時間を電気的に制御して集束地点を変更することができる。高強度集束超音波装置200は、非侵襲的フェイスリフティング(face lifting)施術、スキンタイトニング(skin tightening)施術、非侵襲的皮下脂肪層の減少又は除去施術などのために身体内部に高強度集束超音波エネルギを伝達することができる。
【0028】
高強度集束超音波装置200は、集束地点変更のために高強度集束超音波プローブ100のトランスデューサ素子の超音波送信時間遅延(delay)を計算するためのプロセッサを含む制御部を含むことができる。
【0029】
一実施例において、高強度集束超音波装置200は、使用者の入力のための入力部又は出力部を含むことができる。
【0030】
入力部は、マイクロホン、使用者から情報を入力されるためのタッチインタフェースを含む使用者インタフェース(UI:User Interface)を含み、使用者インタフェースは、マウス、キーボードだけでなく装置に具現された機械式、電子式インタフェースなどを含むことができ、使用者の命令を入力可能なものならば特にその方式と形態を限定しない。電子式インタフェースはタッチ入力可能なディスプレイを含む。
【0031】
出力部は、高強度集束超音波装置200の出力を外部に表出して使用者に情報を伝達するためのものであり、視覚的出力、聴覚的出力又は触覚的出力を表出するためのディスプレイ、LED、スピーカなどを含むことができる。ディスプレイは、高強度集束超音波プローブ100がイメージングトランスデューサ素子モジュールを含む場合、身体内部組織の超音波映像を表示することができる。
【0032】
高強度集束超音波装置200は、多様な種類の連結された外部機器とのデータ伝送のための周辺装置インタフェース部を含んでもよく、メモリカード(memory card)ポート、外部装置I/O(Input/Output)ポート(port)などを含んでもよい。
【0033】
高強度集束超音波装置200は、高強度集束超音波プローブ100とケーブル又は無線連結されて高強度集束超音波プローブ100を制御することができる。
【0034】
一実施例において、高強度集束超音波プローブ100は、ハンドピース(又はワンドとも呼ばれる)100b及びカートリッジ100aを含むことができる。この場合、超音波トランスデューサモジュールは、カートリッジ100a内に具現されてもよい。他の実施例において、高強度集束超音波プローブ200は、ハンドピース100b及びカートリッジ100aが一体化されて具現されてもよい。
【0035】
ハンドピース100b及びカートリッジ100aが別々に具現される場合、カートリッジ100aがハンドピース100bに結合可能になるように電気的連結端子及び物理的結合のためのガイド部がハンドピース100bに具現されてもよい。一実施例において、ガイド部はハンドピース100bの前端部にカートリッジ100aが結合される方向に突出したバー(bar)又は突起などの形状で具現されてもよい。
【0036】
図2を参照して本開示の一実施例による高強度集束超音波プローブ100の構成を説明する。
【0037】
高強度集束超音波プローブ100は、電気的信号の入力を受けて超音波を発生させるトランスデューサモジュール110及びトランスデューサモジュール110に電気的信号を入力する回路120を含むことができる。
【0038】
一実施例において、高強度集束超音波プローブ100は、トランスデューサモジュール110のトランスデューサ素子が少ない個数のアレイで構成される場合、ハンドピース100bの軸方向である前後方向に移動させて多数の集束地点に超音波を集束させるために(すなわち、超音波集束地点が同一線上に沿って一定間隔で複数の地点をなすように)トランスデューサモジュール110を一次元移動させることができるステッピングモータを含むことができる。一実施例において、トランスデューサモジュール110の位置を判断することができるセンサ130を含むことができる。センサ130は、光学センサ、ローラーボールセンサなどであってもよい。他の実施例として、センサ130を使わず、トランスデューサモジュール110を移動させるためのモータにエンコーダ(encoder)を連結して移動変位を計算し、現在のトランスデューサモジュール110の位置を判断することができる。センサ130は、トランスデューサモジュール110の移動だけでなくハンドピース100bとカートリッジ100aとの結合感知(この場合、圧力センサ又は電気的連結を感知するスイッチであってもよい)、ハンドピース100bの地面に対する角度、使用者のハンドピース100bのグリップ(grip)などを感知する色々な用途のセンサが多様に使われることができる。
【0039】
他の実施例として、トランスデューサ素子が多数のアレイで構成される場合、複数のトランスデューサ素子の一部を順番に制御し、制御されるトランスデューサ素子の送信時間を異にすることにより、ハンドピース100bの軸方向である前後方向に多数の集束地点に超音波を集束させることができる。この場合、トランスデューサモジュール110の移動が不要であり得る。
【0040】
他の実施例として、トランスデューサ素子が多数のアレイで構成される場合、モータを用いてハンドピースの長手方向の軸を中心に複数のトランスデューサ素子(トランスデューサモジュール)を一定角度回転させることができる。
【0041】
他の実施例として、トランスデューサ素子の一次元配列でトランスデューサ素子が結合された方向の軸がハンドピース100bの長手方向の軸と直交してもよい。よって、この場合、配列型複数のトランスデューサ素子がハンドピース100bの長手方向の軸に沿って移動するように(すなわち、図3を参照すると、第3軸方向に沿って移動するように)トランスデューサモジュールを移動させることができる。この場合、より広い面積に同時に超音波エネルギを伝達することにより治療時間を短縮させることができる。
【0042】
図3を参照して、本開示の一実施例による配列型高強度集束超音波トランスデューサモジュールを説明する。
【0043】
本明細書では、複数のトランスデューサ素子から超音波が発生して集束する地点を向く軸を第1軸(height方向、axial方向の軸とも言う)、複数のトランスデューサ素子が配列された方向を第2軸(lateral方向、側方向の軸とも言う)、各トランスデューサ素子が延長された長手方向であり且つ第1軸及び第2軸と直角をなす軸を第3軸(elevation方向軸、高度方向軸とも言う)として説明する。第1軸、第2軸及び第3軸は互いに直交する。
【0044】
本開示の一実施例による配列型高強度集束超音波トランスデューサモジュールは、カーフ(kerf)113を間に置いて一次元配列形態で第2軸方向に複数のトランスデューサ素子111が配置された形態であってもよい。カーフは、後述するが、トランスデューサ素子間の間隔を意味し、カーフとトランスデューサ素子111の第2軸方向の幅を含んで素子間隔(pitch)と言える。素子間隔及びカーフの大きさによってグレーティングローブ(grating lobe)の大きさ及び身体内部に伝達されるエネルギの大きさが変わり得る。よって、配列素子形態の高強度集束超音波トランスデューサは、メインローブ(main lobe)の大きさが増加しグレーティングローブの大きさが最小になるように最適の超音波素子間隔の選定が先行されなければならない。
【0045】
各トランスデューサ素子111は第1軸方向に凹んだ(concave)幾何学的形態を有してもよく、このような幾何学的構造はトランスデューサ素子111から発生する超音波の集束地点の設定と係わっている。各トランスデューサ素子111が電気的信号の入力を受けて発生させた超音波は凹んだ方向に進行して身体内部の特定深さ地点に集束しエネルギを伝達することができる。
【0046】
各トランスデューサ素子111は第3軸方向に長く延長された形態であり得る。よって、各トランスデューサ素子111の第2軸方向の幅よりも第3軸方向の長さが長い形状であり得る。
【0047】
各トランスデューサ素子111が電気的信号の入力を受けて発生させた超音波が凹んだ方向に進行して身体内部の特定深さ地点に集束し伝達されるエネルギ(すなわち、トランスデューサモジュールの超音波出力エネルギ)は集束地点で0.5J/cm以上であり得る。よって、身体内部集束地点の温度が約摂氏60度以上になるようにエネルギを伝達して身体内部の集束地点に熱変異を生成することができる。
【0048】
図4を参照して本開示の一実施例による配列型高強度集束超音波トランスデューサモジュールを説明する。
【0049】
本開示の一実施例による配列型高強度集束超音波トランスデューサモジュールは、高強度集束超音波トランスデューサ素子111間のカーフ113に配置された分離部材115を含むことができる。
【0050】
一実施例において、高強度集束超音波トランスデューサ素子111は、互いに直接連結されて配列形態で配置されるのではなく分離部材115を介して固定される形態で結合されることができる。
【0051】
一実施例において、分離部材115は摂氏300度以上の熱安定性を有する物質で構成されることができ、例示的にポリイミド(Polyimide:PI)であり得る。よって、分離部材115ははんだ付け方法で信号線をトランスデューサ素子111に連結するとき、分離部材115が熱変形することを防止できるように、高温に長期間露出しても物性変化が少ない物質で構成されることができる。
【0052】
本開示の一実施例による配列型高強度集束超音波トランスデューサモジュールの複数のトランスデューサ素子は、それぞれの超音波集束方向と反対方向の後面に電気的信号を印加する信号線がはんだ付け(soldering)で連結されることができる。高強度集束超音波トランスデューサ素子は、所望の病変に熱変異を起こすほどの高いエネルギの信号を印加するため、瞬間的に高い熱を発生させることができ、信号線をトランスデューサ素子に連結するためには約摂氏300度以上の融点を有するはんだ付け方法を利用することができる。
【0053】
一実施例において、分離部材115の第1軸方向の長さはトランスデューサ素子111の第1軸方向の長さ(厚さ)よりも長い形態であり得る。よって、分離部材115は、はんだ付け方法で信号線をトランスデューサ素子111に連結するとき、溶融された鉛が他の素子と連結される現象を防止するダムの役割をすることができる。
【0054】
図5を参照して本開示の一実施例による配列型高強度集束超音波トランスデューサモジュールのカーフ幅(大きさ)とトランスデューサ素子の幅を説明する。
【0055】
図5は、カーフ幅によるグレーティングローブの大きさに対するシミュレーション結果を示している。該当シミュレーションは、トランスデューサ素子幅を約460um(マイクロメートル)に固定し、カーフ幅を20umから160umまで20um間隔でシミュレーションを行った。このとき、グレーティングローブの大きさが最大エネルギに対して約-15dB未満となるカーフ幅の範囲を設定した。図5(a)は、カーフ幅が40umであるときのビームプロファイル(Beam profile)を示し、図5(b)は、カーフ幅が160umであるときのビームプロファイルを示している。図5(c)は、カーフ幅が40um、160umであるときの線形プロット(Line plot)を示している。図5(d)は、カーフ幅の変化によるグレーティングローブの相対的な大きさをグラフで表している。カーフ幅の大きさが100umであるときにグレーティングローブの相対的な大きさが約-15.34dBになることを確認することができ、120umであるときに-14.74dBになって、-15dBよりも大きくなることを確認することができる。よって、該当条件ではカーフ幅を約100umまで増加できることが分かる。
【0056】
図6は、図5とは逆にカーフ幅を40umに固定し、素子幅を400umから600umまで50um間隔で変更しながらシミュレーションを行った。これを通して、グレーティングローブの相対的な大きさが約-15dB未満となる素子幅の範囲を設定した。図6(a)は、素子幅が450umであるときのビームプロファイルを示し、 図6(b)は、素子幅が600umであるときのビームプロファイルを示している。図6(c)は、素子幅が450um、600umであるときの線形プロットを示している。図6(d)は、素子幅の変化によるグレーティングローブの相対的な大きさをグラフで表している。素子幅の大きさが500umであるときにグレーティングローブの相対的な大きさが約-16.26dBになることを確認することができ、550umであるときは-14.35dBになって、-15dBよりも大きくなることを確認することができ、該当条件では素子幅を約500~550umまで増加できることが分かる。
【0057】
図5及び図6で遂行したシミュレーションは素子幅とカーフ幅を固定し、単一周波数(4MHz)の場合に遂行したシミュレーションの結果であり、色々な条件の変化によって設定した範囲が変わり得る。図5及び図6のシミュレーションを通して、素子及びカーフ幅の増加によりグレーティングローブの大きさが大きくなって全体エネルギは減少し得るため、全体エネルギが最も大きくなることができるように素子幅とカーフ幅、素子間隔を決定することができる。
【0058】
図7を参照して本開示の一実施例による配列型高強度集束超音波プローブの他の実施例を説明する。
【0059】
先に説明した部分と重複する部分は詳しい説明を省略し、トランスデューサモジュールを中心に説明する。
【0060】
高強度集束超音波プローブ100はトランスデューサモジュールを含むことができ、トランスデューサモジュールは超音波を発生する部分であるトランスデューサ素子311がカーフ313によって曲面型トランスデューサ部310、320の複数の部位に形成されることができる。
【0061】
トランスデューサモジュールは、曲面型トランスデューサ部310、320及び曲面型トランスデューサ部310、320の第3軸方向の両末端の少なくとも一方に超音波集束方向と反対方向に折曲されて平面を形成する折曲部315a、315bを含むことができる。曲面型トランスデューサ部310、320は、超音波の集束方向である第1軸方向に凹んだ形態を有することができる。
【0062】
一実施例において、カーフ313によって曲面型トランスデューサ部310、320の一部が分離されて複数の部位に形成された複数部位のトランスデューサ素子311に電気的信号を印加して超音波を発生させることができ、電気的信号を印加する信号線は超音波集束方向の反対である後面310においてトランスデューサ素子311にはんだ付けで連結されることができる。一実施例において、カーフ313に図4のような分離部材が配置されることができる。
【0063】
一実施例において、グランド電極は曲面型トランスデューサ部において超音波集束方向前面320の少なくとも一部に形成されることができ、スパッタリング方式で形成されて超音波の減衰を減らすことができる。グランド電極は複数部位のトランスデューサ素子311の超音波集束方向である前面320の少なくとも一部に形成されることができる。
【0064】
曲面型トランスデューサ部310、320の一部が分離されて複数の部位に形成された複数部位のトランスデューサ素子311は、第3軸方向に沿って長さ延長されて形成されたカーフ313によって分離された部分を意味し、よってトランスデューサ素子311の第3軸方向の両末端のうち少なくともいずれか一端は互いに連結されていてもよい。
【0065】
図8乃至図13を参照して本開示の一実施例による配列型高強度集束超音波プローブの製造方法を説明する。
【0066】
先ず、図8及び図9を参照して積層方式で高強度集束超音波プローブを製造する方法を説明する。
【0067】
電気的信号が印加される場合に超音波が発生して集束する方向である第1軸方向に所定の厚さを有すると共に第1軸方向に凹んだ所定の曲率を有し、第1軸方向に垂直な第3軸方向に長さ延長された形態を有する複数のトランスデューサ素子911が提供される(S810)。
【0068】
所定の第2厚さを有する複数の板状分離部材が提供され(S820)、板状分離部材は摂氏300度以上の熱安定性を有する物質で構成されることができ、例示的にポリイミドであり得る。
【0069】
第1軸方向及び第3軸方向と直交する第2軸方向に複数の曲率型トランスデューサ素子と複数の板状分離部材を交互に積層し(S830)、板状分離部材がカーフ911に配置されるようにトランスデューサモジュールを製造し、この後、はんだ付け方式で複数の曲率型トランスデューサ素子の後面(超音波集束方向と反対側の面)に信号線を連結し、前面にグランド電極を形成することができる。積層方式は製作の容易性に優れているとの効果がある。
【0070】
図10及び図11を参照して研削(polishing、grinding)方式で高強度集束超音波プローブを製造する方法を説明する。
【0071】
第2軸方向の所定の厚さを有する複数の板状トランスデューサ素子1111が提供(S1010)され、所定の異なる厚さを有する複数の板状分離部材1113が提供(S1020)される。以後、第2軸方向に複数のトランスデューサ素子1111と複数の前記分離部材1113を交互に積層して複合体を形成(S1030)し、複合体の第1軸方向に垂直な一面又は両面を研削機1123で研削1121する(S1040)。このとき、研削機1123の研削刃の曲率は超音波集束地点を考慮した幾何学的構造を有するように設定する。一面は超音波が発生して集束する方向である第1軸方向に所定の厚さを有すると共に第1軸方向に凹んだ所定の曲率を有するように研削し、その反対方向の他面である後面(超音波集束方向と反対側の面)は第1軸方向に凸んだ所定の曲率を有するように研削することができる。研削方式は、製作の容易性に優れ、敏感度が低いとの効果がある。
【0072】
図12及び図13を参照して切削方式で高強度集束超音波プローブを製造する方法を説明する。
【0073】
少なくとも一部が超音波の集束方向である第1軸方向に凹んだ形態を有する曲面型トランスデューサ部1331、1333及び曲面型トランスデューサ部1331、1333の第1軸方向に垂直な第3軸方向の両末端に超音波集束方向と反対方向に折曲されて形成された折曲部1310a、1310bを含むトランスデューサ素子1300を提供(S1210)する。
【0074】
曲面型トランスデューサ部1331、1333に第3軸方向に長さ延長され、第1軸方向及び第3軸方向に垂直な第2軸方向に複数個のカーフ部1313を曲面型トランスデューサ部1331、1333の少なくとも一部を切削機1340で切削して形成(S122)する。
【0075】
カーフ1313によって曲面型トランスデューサ部1331、1333の一部が分離されて複数の部位に形成された複数部位のトランスデューサ素子1311に電気的信号を印加して超音波を発生させることができ、電気的信号を印加する信号線は超音波集束方向の反対である後面1333においてトランスデューサ素子1311にはんだ付けで連結されることができる。一実施例において、カーフ1313に図4のような分離部材が配置されることができる。一実施例において、曲面型トランスデューサ部1331、1333の前面1331にグランド電極がスパッタリング方式で形成されることができる。
【0076】
本開示の明細書(特に、特許請求の範囲)において「前記」との用語及びこれと類似の指示用語の使用は単数及び複数いずれにも該当し得る。また、本開示で範囲(range)を記載した場合、前記範囲に属する個別的な値を適用した発明を含むものであり(これに反する記載がなければ)、発明の詳細な説明に前記範囲を構成する各個別的な値を記載したことと同じである。
【0077】
本開示による方法を構成する段階について明白に順序を記載するか反する記載がなければ、前記段階は適当な順序で行われることができる。必ずしも前記段階の記載順序によって本開示が限定されるものではない。本開示ですべての例又は例示的な用語(例えば、等々)の使用は、単純に本開示を詳しく説明するためのものであり、特許請求の範囲によって限定されない限り、前記例又は例示的な用語によって本開示の範囲が限定されるものではない。また、通常の技術者は、多様な修正、組み合わせ及び変更が付加された特許請求の範囲又はその均等物の範疇内で設計条件及び因子(factor)に応じて構成できることが分かる。
【0078】
よって、本開示の思想は、前記説明された実施例に局限されて定められてはならず、後述する特許請求の範囲だけでなく、この特許請求の範囲と均等な又はそれから等価的に変更されたすべての範囲は本開示の思想の範疇に属すると言える。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
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図13
図14
【国際調査報告】