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特表2024-540322SARS-CoV-2によって引き起こされる疾患の予防及び処置に使用するための免疫原性構築物及びワクチン
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-10-31
(54)【発明の名称】SARS-CoV-2によって引き起こされる疾患の予防及び処置に使用するための免疫原性構築物及びワクチン
(51)【国際特許分類】
   C12N 15/50 20060101AFI20241024BHJP
   C07K 14/165 20060101ALI20241024BHJP
   C12N 15/63 20060101ALI20241024BHJP
   C12N 15/86 20060101ALI20241024BHJP
   C12N 5/10 20060101ALI20241024BHJP
   C12N 1/15 20060101ALI20241024BHJP
   C12N 1/19 20060101ALI20241024BHJP
   C12N 1/21 20060101ALI20241024BHJP
   C12P 21/02 20060101ALI20241024BHJP
   A61K 39/215 20060101ALI20241024BHJP
   A61P 31/14 20060101ALI20241024BHJP
   A61P 37/04 20060101ALI20241024BHJP
【FI】
C12N15/50 ZNA
C07K14/165
C12N15/63 Z
C12N15/86 Z
C12N5/10
C12N1/15
C12N1/19
C12N1/21
C12P21/02 C
A61K39/215
A61P31/14
A61P37/04
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2024526682
(86)(22)【出願日】2022-11-03
(85)【翻訳文提出日】2024-06-24
(86)【国際出願番号】 EP2022080679
(87)【国際公開番号】W WO2023079001
(87)【国際公開日】2023-05-11
(31)【優先権主張番号】63/275,015
(32)【優先日】2021-11-03
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(31)【優先権主張番号】63/377,087
(32)【優先日】2022-09-26
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】512330710
【氏名又は名称】ナイコード セラピューティクス アルメン アクスイェ セルスカプ
(71)【出願人】
【識別番号】524162860
【氏名又は名称】アダプティブ バイオテクノロジーズ コーポレイション
(74)【代理人】
【識別番号】100099759
【弁理士】
【氏名又は名称】青木 篤
(74)【代理人】
【識別番号】100123582
【弁理士】
【氏名又は名称】三橋 真二
(74)【代理人】
【識別番号】100117019
【弁理士】
【氏名又は名称】渡辺 陽一
(74)【代理人】
【識別番号】100141977
【弁理士】
【氏名又は名称】中島 勝
(74)【代理人】
【識別番号】100138210
【弁理士】
【氏名又は名称】池田 達則
(72)【発明者】
【氏名】ピーター エーベルト
(72)【発明者】
【氏名】アグネーテ フレードリクセン
(72)【発明者】
【氏名】マーク クリンガー
(72)【発明者】
【氏名】グンステイン ノルハイム
(72)【発明者】
【氏名】エドワード オズボーン
(72)【発明者】
【氏名】モニカ セケルヤ
(72)【発明者】
【氏名】トーマス スナイダー
(72)【発明者】
【氏名】エリザベス ストゥブスル
【テーマコード(参考)】
4B064
4B065
4C085
4H045
【Fターム(参考)】
4B064AG32
4B064CA19
4B064CC24
4B064DA01
4B065AA01X
4B065AA57X
4B065AA72X
4B065AA90X
4B065AB01
4B065AC14
4B065BA02
4B065CA24
4B065CA45
4C085AA03
4C085BA71
4C085CC03
4C085DD23
4C085DD62
4C085EE01
4C085GG01
4H045AA10
4H045AA20
4H045AA30
4H045BA10
4H045BA41
4H045CA01
4H045DA86
4H045EA31
4H045FA74
(57)【要約】
本発明は、重症急性呼吸器コロナウイルス2(SARS-CoV-2)によって引き起こされる疾患の予防的処置及び治療的処置に有用なポリヌクレオチド、ポリペプチド、及び多量体タンパク質などの免疫原性構築物、抗原単位、並びにそのような免疫原性構築物又は抗原単位を含む医薬組成物/ワクチン、並びに免疫原性構築物、抗原単位、及び医薬組成物/ワクチンを製造及び使用するための方法に関する。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
(i)抗原単位をコードするヌクレオチド配列を含むポリヌクレオチドであって、前記抗原単位が、配列番号1~77のアミノ酸配列と少なくとも73%の配列同一性を有するアミノ酸配列を有する少なくとも77個のSARS-CoV-2 T細胞エピトープを含む、ポリヌクレオチド、又は
(ii)(i)で定義される核酸配列によってコードされるポリペプチド
である、免疫原性構築物。
【請求項2】
前記ヌクレオチド配列が、抗原提示細胞を標的化する標的化単位をコードせず、多量体化単位をコードしない、請求項1に記載の免疫原性構築物。
【請求項3】
(i)抗原単位をコードするヌクレオチド配列を含むポリヌクレオチドであって、前記抗原単位が、配列番号1~77のアミノ酸配列と少なくとも73%の配列同一性を有するアミノ酸配列を有する少なくとも77個のSARS-CoV-2 T細胞エピトープを含み、前記ヌクレオチド配列が、抗原提示細胞を標的化する標的化単位及び多量体化単位をさらにコードする、ポリヌクレオチド、又は
(ii)(i)で定義される核酸配列によってコードされるポリペプチド、又は
(iii)(ii)で定義される複数のポリペプチドからなる多量体タンパク質
である、請求項1に記載の免疫原性構築物。
【請求項4】
前記77個のSARS-CoV-2 T細胞エピトープが、配列番号1~77のアミノ酸配列を有する、請求項1~3のいずれか一項に記載の免疫原性構築物。
【請求項5】
前記抗原単位が、配列番号78~96のアミノ酸配列と少なくとも73%の配列同一性を有するアミノ酸配列を有する1個以上のT細胞エピトープをさらに含み、好ましくは、前記抗原単位が、前記T細胞エピトープの全てをさらに含む、請求項1~4のいずれか一項に記載の免疫原性構築物。
【請求項6】
前記1個以上のT細胞エピトープが、配列番号78~96のアミノ酸配列を有する、請求項5に記載の免疫原性構築物。
【請求項7】
前記抗原単位が、配列番号97~160のアミノ酸配列と少なくとも73%の配列同一性を有するアミノ酸配列を有する1個以上のT細胞エピトープをさらに含み、好ましくは、前記抗原単位が、前記T細胞エピトープの全てをさらに含む、請求項1~4のいずれか一項に記載の免疫原性構築物。
【請求項8】
前記1個以上のT細胞エピトープが、配列番号97~160のアミノ酸配列を有する、請求項7に記載の免疫原性構築物。
【請求項9】
前記抗原単位が、配列番号97~160のアミノ酸配列と少なくとも73%の配列同一性を有するアミノ酸配列を有する1個以上のT細胞エピトープをさらに含み、好ましくは前記T細胞エピトープの全てを含む、請求項7又は8に記載の免疫原性構築物。
【請求項10】
前記1個以上のT細胞エピトープが、配列番号97~160のアミノ酸配列を有する、請求項9に記載の免疫原性構築物。
【請求項11】
前記T細胞エピトープのいくつか若しくは全てが単一かつ別個のエピトープとして存在し、及び/又は前記T細胞エピトープのいくつか若しくは全てがT細胞エピトープ群として存在し、各群が少なくとも2個のT細胞エピトープを含む、請求項1~10のいずれか一項に記載の免疫原性構築物。
【請求項12】
前記T細胞エピトープのいくつか又は全てがT細胞エピトープ群として存在し、各群が少なくとも2個のT細胞エピトープを含む、請求項1~11のいずれか一項に記載の免疫原性構築物。
【請求項13】
前記少なくとも2個のT細胞エピトープが、同じSARS-CoV-2タンパク質に由来し、好ましくは同じSARS-CoV-2タンパク質の同じ部分に由来する、請求項12に記載の免疫原性構築物。
【請求項14】
群中の前記T細胞エピトープが順次配置され、任意で、T細胞エピトープリンカーによって分離されている、請求項11~13のいずれか一項に記載の免疫原性構築物。
【請求項15】
群中の前記T細胞エピトープが、前記エピトープが由来する天然に存在するタンパク質の配列に対応するアミノ酸の連続配列を形成するように整列されている、請求項11~13のいずれか一項に記載の免疫原性構築物。
【請求項16】
前記T細胞エピトープの1個以上が、前記エピトープが由来する天然に存在するタンパク質中の前記エピトープに同様に隣接するアミノ酸配列に隣接している、請求項1~15のいずれか一項に記載の免疫原性構築物。
【請求項17】
前記T細胞エピトープの1個以上が、前記エピトープのN末端及び/又はC末端の方向においてアミノ酸配列に隣接している、請求項16に記載の免疫原性構築物。
【請求項18】
そのような隣接配列が、1個以上、2個以上、3個以上、4個以上、5個以上、6個以上、7個以上、8個以上、9個以上、又は10個以上のアミノ酸、好ましくは1~10個のアミノ酸、例えば2~8個のアミノ酸、又は3~7個のアミノ酸、又は4~5個のアミノ酸を含む、請求項16又は17に記載の免疫原性構築物。
【請求項19】
前記T細胞エピトープのいくつか若しくは全て及び/又はT細胞エピトープ群のいくつか若しくは全てが、T細胞エピトープリンカー、好ましくは、フレキシブルリンカーであることが好ましい非免疫原性T細胞エピトープリンカーによって互いに分離されている、請求項1~18のいずれか一項に記載の免疫原性構築物。
【請求項20】
前記抗原単位が、配列番号161、162、163、164、165、166、及び167からなる群から選択されるアミノ酸配列と少なくとも73%の配列同一性を有するアミノ酸配列、例えば配列番号161、162、163、164、165、166、及び167からなる群から選択されるアミノ酸配列と少なくとも75%~80%、好ましくは少なくとも81%~85%、より好ましくは少なくとも86%~90%又は少なくとも91%~95%、最も好ましくは少なくとも96%~99%の配列同一性を有するアミノ酸配列を含む、請求項1~19のいずれか一項に記載の免疫原性構築物。
【請求項21】
前記抗原単位が、配列番号161、162、163、164、165、166、及び167からなる群から選択されるアミノ酸配列を含み、好ましくは前記抗原単位が、配列番号161、162、163、164、165、166、及び167からなる群から選択されるアミノ酸配列を有し、より好ましくは、前記抗原単位が、配列番号167のアミノ酸配列を含み、又はさらにより好ましくは、前記抗原単位が、配列番号167のアミノ酸配列を有する、請求項1~20のいずれか一項に記載の免疫原性構築物。
【請求項22】
前記標的化単位が、前記抗原提示細胞上の表面分子と相互作用する部分であるか、又はそれを含み、好ましくは、前記標的化単位が、ヒト抗原提示細胞上の表面分子と相互作用する部分であるか、又はそれを含む、請求項1~21のいずれか一項に記載の免疫原性構築物。
【請求項23】
前記表面分子が、MHC、CD14、CD40、CLEC9A、ケモカイン受容体、例えばCCR1、CCR3、CCR4、CCR5、CCR6、CCR7、CCR8、及びXCR1、並びにToll様受容体、例えばTLR-2、TLR-4、又はTLR-5からなる群から選択され、好ましくは、前記表面分子が、HLA、hCD14、hCD40、hCLEC9A、ヒトケモカイン受容体、例えばhCCR1、hCCR3、hCCR4、hCCR5、hCCR6、hCCR7、hCCR8、及びhXCR1、並びにToll様受容体、例えばhTLR-2、hTLR-4、又はhTLR-5からなる群から選択される、請求項22に記載の免疫原性構築物。
【請求項24】
前記標的化単位が、可溶性CD40リガンド、好ましくはヒト可溶性CD40リガンド、CCL4及びそのアイソフォーム、好ましくはヒトCCL4及びそのアイソフォーム、CCL5、好ましくはヒトCCL5、CCL19、好ましくはヒトCCL19、CCL20、好ましくはヒトCCL20、CCL21、好ましくはヒトCCL21、マクロファージ炎症性タンパク質アルファのアイソフォームを含むマクロファージ炎症性タンパク質アルファ、例えばマウスCCL3、ヒトCCL3、ヒトCCL3L1、ヒトCCL3L2、及びヒトCCL3L3、XCL1、好ましくはヒトXCL1、XCL2、好ましくはヒトXCL2、フラジェリン、抗HLA-DP、抗HLA-DR、抗汎HLAクラスII、抗CD40、好ましくは抗ヒトCD40、抗TLR-2、好ましくは抗ヒトTLR-2、抗TLR-4、好ましくは抗ヒトTLR-4、抗TLR-5、好ましくは抗ヒトTLR-5、若しくは抗CLEC9A、好ましくは抗ヒトCLEC9Aを含むか、又はそれからなる、請求項1~23のいずれか一項に記載の免疫原性構築物。
【請求項25】
前記標的化単位が、ヒトMIP-1α(LD78β、CCL3L1)を含むか、又はそれからなる、請求項1~24のいずれか一項に記載の免疫原性構築物。
【請求項26】
前記多量体化単位が、二量体化単位、三量体化単位及び四量体化単位からなる群から選択され、前記多量体化単位が、1つ以上の共有結合を形成する能力を有するヒンジ領域を任意で含む、請求項1~25のいずれか一項に記載の免疫原性構築物。
【請求項27】
前記多量体化単位が、三量体化単位、例えばヒトコラーゲン由来の三量体化、例えばヒトコラーゲン由来XVIII由来の三量体化ドメイン及びヒトコラーゲンXV由来の三量体化ドメインからなる群から選択されるヒトコラーゲン由来の三量体化単位、又はT4フィブリチンのC末端ドメインである、請求項26に記載の免疫原性構築物。
【請求項28】
前記多量体化単位が、p53由来のドメインである四量体化単位である、請求項26に記載の免疫原性構築物。
【請求項29】
前記多量体化単位が、1つ以上の共有結合を形成する能力を有するヒンジ領域、好ましくはIg由来のヒンジ領域、好ましくはヒトIg由来のヒンジ領域、例えばhIgG1若しくはhIgG2若しくはhIgG3由来、又はhIgM由来のヒンジ領域を含む、請求項1~28のいずれか一項に記載の免疫原性構築物。
【請求項30】
前記多量体化単位が、二量体化単位であり、前記二量体化単位が、二量体化を促進する別のドメインをさらに含む、請求項26及び29のいずれか一項に記載の免疫原性構築物。
【請求項31】
前記別のドメインが、免疫グロブリンドメインであり、好ましくは免疫グロブリン定常ドメインであり、より好ましくはIgG由来、好ましくはIgG3由来、より好ましくはhIgG3由来のカルボキシ末端Cドメインである、請求項30に記載の免疫原性構築物。
【請求項32】
前記二量体化単位が、二量体化単位リンカー、例えばGGGSSGGGSGなどのグリシン-セリンに富むリンカーをさらに含み、好ましくは、前記二量体化単位リンカーが、前記ヒンジ領域と二量体化を促進する前記別のドメインとを接続する、請求項30又は31に記載の免疫原性構築物。
【請求項33】
前記二量体化単位が、ヒンジエクソンh1及びヒンジエクソンh4、二量体化単位リンカー、並びにヒトIgG3のCH3ドメインを含む、請求項30~32のいずれか一項に記載の免疫原性構築物。
【請求項34】
前記構築物が、前記ポリヌクレオチド(i)である、請求項1~33のいずれか一項に記載の免疫原性構築物。
【請求項35】
前記ポリヌクレオチドが、シグナルペプチドをさらにコードするヌクレオチド配列を含む、請求項34に記載の免疫原性構築物。
【請求項36】
前記シグナルペプチドが、前記標的化単位の天然リーダー配列である、請求項35に記載の免疫原性構築物。
【請求項37】
前記ポリヌクレオチドが、DNA又はRNAである、請求項34~36のいずれか一項に記載の免疫原性構築物。
【請求項38】
前記構築物が、配列番号171、172、173、174、175、176、及び177からなる群から選択されるアミノ酸配列を有するポリペプチド又は2つのそのようなポリペプチドからなる二量体タンパク質であり、好ましくは配列番号177のアミノ酸を有するポリペプチド又は2つのそのようなポリペプチドからなる二量体タンパク質である、請求項1~37のいずれか一項に記載の免疫原性構築物。
【請求項39】
前記構築物が、配列番号178、179、180、181、182、183、及び184からなる群から選択されるアミノ酸配列を有するポリペプチドをコードするヌクレオチド配列を含むポリヌクレオチドであり、好ましくは配列番号184のアミノ酸配列を有するポリペプチドをコードするヌクレオチド配列を含む、請求項1~37のいずれか一項に記載の免疫原性構築物。
【請求項40】
前記構築物が、配列番号185のヌクレオチド配列を含むポリヌクレオチドである、請求項1~37のいずれか一項に記載の免疫原性構築物。
【請求項41】
前記構築物が、配列番号161、162、163、164、165、166、及び167からなる群から選択されるアミノ酸配列を有するポリペプチドである、請求項1~37のいずれか一項に記載の免疫原性構築物。
【請求項42】
前記構築物が、配列番号161、162、163、164、165、166、及び167からなる群から選択されるアミノ酸配列を有するポリペプチドをコードするヌクレオチド配列を含むポリヌクレオチドである、請求項1~37のいずれか一項に記載の免疫原性構築物。
【請求項43】
請求項1~42のいずれか一項で定義されるポリヌクレオチド。
【請求項44】
請求項43に記載のポリヌクレオチドを含むベクター。
【請求項45】
前記ベクターが、a)請求項43に記載のポリヌクレオチド及びb)1つ以上の免疫刺激化合物をコードする1つ以上の核酸配列を含むポリシストロニックベクターであり、前記ベクターが、前記ポリヌクレオチドによってコードされるポリペプチド及び前記1つ以上の免疫刺激化合物を別々の分子として共発現することが可能である、請求項44に記載のベクター。
【請求項46】
前記ベクターが、DNAベクター及びRNAベクター、好ましくはDNAプラスミド及びDNAウイルスベクター、例えばアデノウイルス、ワクシニアウイルス、アデノ随伴ウイルス、サイトメガロウイルス、及びセンダイウイルスからなる群から選択されるDNAウイルスベクター、又は好ましくはRNAプラスミド及びRNAウイルスベクター、例えばアルファウイルス、レンチウイルス、モロニーマウス白血病ウイルス、及びラブドウイルスからなる群から選択されるレトロウイルスベクターからなる群から選択されるDNAベクター及びRNAベクターからなる群から選択され、請求項44又は45に記載のベクター。
【請求項47】
請求項44~46のいずれか一項に記載のベクターを作製する方法であって、
a)インビトロで前記ベクターで細胞をトランスフェクト又は形質導入すること、
b)前記細胞を培養することと、
c)任意で、前記細胞を溶解し、前記細胞から前記ベクターを放出させることと、
d)前記ベクターを単離し、任意で精製することと
を含む、方法。
【請求項48】
請求項43に記載のポリヌクレオチド又は請求項44~46のいずれか一項に記載のベクターを含む宿主細胞。
【請求項49】
請求項1~42のいずれか一項で定義される核酸によってコードされるポリペプチド。
【請求項50】
請求項49に記載の複数のポリペプチドからなる多量体タンパク質。
【請求項51】
請求項49で定義される2つのポリペプチドからなる二量体タンパク質である、請求項50に記載の多量体タンパク質。
【請求項52】
請求項49に記載のポリペプチドを作製する方法であって、
a)請求項43に記載のポリヌクレオチド又はそのようなポリヌクレオチドを含むベクターで細胞をトランスフェクト又は形質導入することと、
b)前記細胞を培養することと、
c)前記細胞から前記ポリペプチドを単離することと、
d)任意で、単離された前記ポリペプチドを精製することと
を含む、方法。
【請求項53】
請求項50又は51に記載の多量体タンパク質を作製する方法であって、
a)請求項43に記載のポリヌクレオチド又はそのようなポリヌクレオチドを含むベクターで細胞をトランスフェクト又は形質導入することと、
b)前記細胞を培養することと、
c)前記細胞から前記多量体タンパク質を単離することと、
d)任意で、単離された前記多量体タンパク質を精製することと
を含む、方法。
【請求項54】
医薬として使用するための、請求項1~42のいずれか一項に記載の免疫原性構築物、又は請求項43に記載のポリヌクレオチド、又は請求項44~46のいずれか一項に記載のベクター、又は請求項49に記載のポリペプチド、又は請求項50若しくは51に記載の多量体タンパク質。
【請求項55】
請求項1~42のいずれか一項に記載の免疫原性構築物、又は請求項43に記載のポリヌクレオチド、又は請求項43~46のいずれか一項に記載のベクター、又は請求項49に記載のポリペプチド、又は請求項50若しくは51に記載の多量体タンパク質、及び薬学的に許容される担体を含む、医薬組成物又はワクチン。
【請求項56】
SARS-CoV-2によって引き起こされる疾患の処置に使用するため請求項55に記載の医薬組成物又はワクチンであって、前記処置が、予防的処置又は治療的処置である、医薬組成物又はワクチン。
【請求項57】
SARS-CoV-2によって引き起こされる疾患を処置する方法であって、前記方法が、以前にSARS-CoV-2ワクチンによるワクチン接種を受けた対象に請求項55又は56に記載の医薬組成物又はワクチンを投与することを含み、前記方法が、予防的処置又は治療的処置である、方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、重症急性呼吸器コロナウイルス2(SARS-CoV-2)によって引き起こされる疾患の予防的処置及び治療的処置に有用な、ポリヌクレオチド、ポリペプチド、及び多量体タンパク質などの免疫原性構築物、抗原単位、並びにそのような免疫原性構築物又は抗原単位を含む医薬組成物/ワクチン、並びに免疫原性構築物、抗原単位、及び医薬組成物/ワクチンを製造及び使用するための方法に関する。
【背景技術】
【0002】
コロナウイルス(CoV)は、ヒトを含む広範囲の宿主に疾患を引き起こし得るエンベロープを有するプラス鎖一本鎖RNAウイルスである。4つの系統(A~D)が一般的に認識されており、そのゲノムは約30kbの長さであって、RNAウイルスの中で最大であることが見出されており、スパイク(S)、エンベロープ(E)、膜(M)、及びヌクレオカプシド(N)という4つの主要な構造タンパク質を含む20を超える推定タンパク質をコードしている。ヒトの季節性CoVは世界中で流行しており、呼吸器感染症を引き起こし、これは典型的には軽度であり、自己制限的である。しかしながら、SARS-CoV及びMERS-CoVの感染によってそれぞれ引き起こされた2003年の重症急性呼吸器症候群(SARS)及び2012年の中東呼吸器症候群(MERS)の発生で、死亡率がより高くなった。
【0003】
中国武漢での呼吸器疾患の発生は2020年1月にWHOによって報告され、新型コロナウイルスによって引き起こされたことが判明し、後に重症急性呼吸器症候群コロナウイルス2(SARS-CoV-2)と改名された。SARS-CoV-2は、SARS-CoV-2スパイクタンパク質のウイルス受容体結合ドメイン(RBD)とヒトの鼻咽頭、肺、及び腸粘膜の表面にあるアンジオテンシン変換酵素2(ACE2)受容体との相互作用によって細胞に侵入する。このウイルスによって引き起こされる疾患は、コロナウイルス感染症2019(COVID-19)と称された。最終的に、この新型ウイルス感染は世界中に急速に広がり、2020年3月に世界保健機関(WHO)によって初めてコロナウイルスの世界的大流行が宣言された。2021年9月までに、世界中で450万人を超える死亡者数を含む2億1800万以上のCOVID-19の症例が確認されたことがWHOに報告された。COVID-19の世界的な流行を報告している。COVID-19に関する感染、入院を防ぎ、重症度及び死亡率を下げるために、集中的なワクチン開発の取り組みが2020年初頭に開始された。SARS-CoV-2スパイクタンパク質のRBD及び他の機能ドメインを標的化する中和抗体は、免疫及びワクチンの有効性を達成するための主要な経路である。
【0004】
関連するコロナウイルスの過去の経験及びスパイク特異的抗体が回復期のCOVID-19患者の中和抗体の大部分を構成しているという理論に基づいて、スパイクベースの防御免疫を誘導するようにワクチン技術を適応させた。したがって、承認済みのワクチン及び開発中のワクチン候補の多くはスパイクタンパク質及びその変異体を主要抗原として標的化している。臨床有効性試験中であった複数のワクチンが、免疫原性が高く、安全であり、感染を防ぎ、並びに/又は重篤な疾患及び死亡を防ぐ効果があることが示された。そのため、世界中の様々な管轄区域において複数のCOVID-19ワクチンの使用が承認されており、2021年9月までに世界中で52億回分を超えるCOVID-19ワクチンが投与されている。
【0005】
SARS-CoV-2に対する最も成功したワクチンプラットフォームは全て、スパイク糖タンパク質に対する免疫の誘導に基づいており、mRNAプラットフォーム、組み換えスパイクタンパク質を有するウイルス様粒子、又はアデノウイルスベクターが含まれる(Khoury et al 2021)。これらの戦略により、SARS-COV-2に対する中和抗体反応の誘発に成功したことが証明されており、多くの研究により、ウイルス中和抗体レベルと症候性(symptomatic)感染の防御との間に相関があることが示されている(Earle et al.,2021;Khoury et al.,2021)。したがって、中和力価はCOVID-19に対する防御の潜在的な代替マーカーとなる。中和抗体は観察された有効性の一部しか説明できないため、T細胞応答と有効性との間の相関を評価する同様の研究が進行中であり(Alter et al.,2021)、これによりT細胞エピトープベースのワクチンの規制機関の承認が加速する可能性がある。
【0006】
2021年9月現在、ワクチンに基づくパンデミック制御における最初の大きな課題は、時間の経過とともに認可又は緊急承認されたワクチンの免疫力が弱まり、その有効性が低下することである。研究により、ワクチンによって誘導される抗体レベル及びSARS-CoV-2感染は感染又はワクチン接種後4~5か月で着実に低下し、ワクチンの有効性に影響を与える可能性があることが示されている。最新のデータにより、例えばEU及び米国で使用が承認されているmRNAワクチンの2回の投与後に防御効果が弱まることが示されている。したがって、いくつかの政府は、高リスクの集団群に対してレジメン完了後6~8か月におけるブースター投与を推奨することを決定した。
【0007】
2つ目の大きな課題は、SARS-COV-2の新しい変異体の出現であり、感染力の増加及び/又は2020年のプロトタイプのスパイクベースのワクチンに基づくワクチンによって生成された中和抗体に対する感受性の低下の可能性がある。獲得した変異のいくつか(スパイクにおけるD614Gなど)により、ARS-CoV-2変異体は、プロトタイプの武漢株の変異体と比較して高い感染性を有し、又は完全にワクチン接種を受けた個体であってもワクチン若しくは疾患誘導性の免疫反応を回避することが可能となった(スパイクにおけるE484Kなど)。したがって、パンデミックは依然として継続しており、SARS-CoV-2ウイルスの懸念される新たな変異体が出現し続け、現在、デルタ変異体が最も高い感染力を有して世界中で優勢であり、ベータ変異体がワクチン誘導性抗体に対する感受性を最も低下させることが示されている。より感染性の高い変異株の場合、集団のパンデミックを制御するためにはより高いワクチンカバー率(coverage)が必要であり、世界的なワクチンへのアクセスはさらに遅れることになる。変異株を綿密に監視することに基づき、国際的に広がっている変異株、疾患の重症度が増すことに関連する変異株、又は中和抗体に対する感受性の低下を示す変異体に特に注意を払うことで、より広範囲に防御するワクチンの設計が可能になる。
【0008】
承認されたワクチンはパンデミックの制御に大きな影響を発揮しており、ワクチンにおけるスパイク又はRBDを最新の変異株に定期的に置き換えることは依然として可能であるが、進行中のパンデミックを制御し、現在及び将来の懸念される変異株に対するより良好な保護を提供し、世界的なワクチン供給を確保するために、広範囲に防御する「ユニバーサル」なSARS-CoV-2ワクチンの開発が依然として緊急に必要とされている。第2に、COVID-19に感染した患者の治療は時間経過とともに改善されているが、疾患進行の初期段階で使用するためのウイルス特異的治療薬も依然として緊急に必要とされている。
【0009】
T細胞免疫とCOVID-19に対する防御との間に相関がある可能性を示す証拠が出始めている(Bertoletti et al.,2021;Meyers et al.,2021)。CD8+細胞傷害性Tリンパ球(CTL)は、中和抗体がアクセスできない細胞内区画からのウイルス除去に寄与し、ウイルスに感染した細胞を除去することによってSARS-CoV-2抗体応答を支援する。それらはまた、感染を妨害する役割も果たしている可能性もある。抗原特異的CD4+T細胞は、B細胞及びCD8+T細胞の生成を支援し、記憶の生成及び間接的又は直接的な細胞傷害活性を支援する。
【0010】
したがって、現在のスパイクベースのワクチンに含まれるエピトープの範囲を超えたエピトープを有する、特異的なT細胞応答を誘導するユニバーサルなSARS-CoV-2ワクチンを開発することが重要である。
【0011】
したがって、本発明は、ワクチンが投与されるヒト個体において細胞性免疫応答(T細胞応答)を誘発する、選択されたSARS-CoV-2 T細胞エピトープを含むワクチンに関する。したがって、ワクチンは、SARS-CoV-2によって引き起こされる疾患の予防的処置及び治療的処置に有用である。
【発明の概要】
【0012】
第1の態様では、本開示は、
(i)抗原提示細胞を標的化する標的化単位、多量体化単位、及び抗原単位をコードするヌクレオチド配列を含むポリヌクレオチドであって、抗原単位が、配列番号1~77のアミノ酸配列と少なくとも73%の配列同一性を有するアミノ酸配列を有する少なくとも77個のSARS-CoV-2 T細胞エピトープを含む、ポリヌクレオチド、又は
(ii)(i)で定義される核酸配列によってコードされるポリペプチド、又は
(iii)(ii)で定義される複数のポリペプチドからなる多量体タンパク質
である、免疫原性構築物に関する。
【0013】
いくつかの実施形態では、本開示は、
(i)抗原提示細胞を標的化する標的化単位、二量体化単位、及び抗原単位をコードするヌクレオチド配列を含むポリヌクレオチドであって、抗原単位が、配列番号1~77のアミノ酸配列と少なくとも73%の配列同一性を有するアミノ酸配列を有する少なくとも77個のSARS-CoV-2 T細胞エピトープを含む、ポリヌクレオチド、又は
(ii)(i)で定義される核酸配列によってコードされるポリペプチド、又は
(iii)(ii)で定義される2つのポリペプチドからなる二量体タンパク質
である、免疫原性構築物に関する。
【0014】
別の態様では、本開示は、本明細書で定義されるポリヌクレオチドを含むベクターに関する。
【0015】
さらに別の態様では、本開示は、本明細書で定義されるベクター又はポリヌクレオチドを含む宿主細胞に関する。
【0016】
さらに別の態様では、本開示は、本明細書で定義される核酸配列によってコードされるポリペプチドに関する。
【0017】
さらに別の態様では、本開示は、本明細書で定義される複数のポリペプチドからなる多量体タンパク質に関する。いくつかの実施形態では、本開示は、本明細書で定義される2つのポリペプチドからなる二量体タンパク質に関する。
【0018】
さらに別の態様では、本開示は、医薬として使用するための、本明細書で定義されるポリヌクレオチド、ベクター、ポリペプチド、又は多量体タンパク質に関する。
【0019】
さらに別の態様では、本開示は、本明細書で定義されるポリヌクレオチド、ベクター、ポリペプチド、又は多量体タンパク質及び薬学的に許容される担体を含む、医薬組成物/ワクチンに関する。
【0020】
さらに別の態様では、本開示は、医薬組成物/ワクチンを調製するための方法、及びSARS-CoV-2によって引き起こされる疾患の予防的処置又は治療的処置を必要とする対象に医薬組成物/ワクチンを投与することなどによるSARS-CoV-2によって引き起こされる疾患の予防的処置又は治療的処置に使用するための医薬組成物/ワクチンの使用に関する。
【0021】
免疫原性構築物又はそのような構築物を含む医薬組成物/ワクチンは、対象に投与したときに迅速で強力かつ持続的なT細胞応答を誘発し、したがってSARS-CoV-2によって引き起こされる疾患の予防的処置又は治療的処置として有用である。
【0022】
一実施形態では、医薬組成物/ワクチンは、スパイクタンパク質を標的化するSARS-CoV-2ワクチンによるワクチン接種を以前に受けたヒト個体に投与されてもよい。そのような個体は、スパイクタンパク質の新しい/将来の変異体に対して十分に保護されない場合があり、本発明のT細胞ワクチンは、以前のワクチンによって誘導されたものであってもよい既存のスパイク特異的T細胞応答を増強することによってSARS-CoV-2に対する個体の免疫応答を強化し、かつ、非スパイク抗原に特異的な追加のT細胞を加えることで、以前のワクチンによって誘発された中和応答に加えて、CD4+/CD8+T細胞免疫を最大限に活用する。
【0023】
別の実施形態では、医薬組成物/ワクチンは、SARS-CoV-2ワクチンによるワクチン接種を未だ受けていないヒト個体に投与されてもよく、CD4+/CD8+T細胞がSARS-CoV-2感染時の防御免疫を提供する。
【0024】
本発明の免疫原性構築物は、ワクシボディ(vaccibody)構築物、すなわち、複数のポリペプチドからなる多量体融合タンパク質(例えば2つのポリペプチドからなる二量体タンパク質)であり、各ポリペプチドは、抗原提示細胞を標的化する標的化単位、多量体化単位、及び抗原単位を含み、これは対象に投与された後、抗原又は抗原単位に含まれるエピトープに対する免疫応答を生ずるのに有効であることが示されている。ワクシボディ構築物は、SARS-CoV-2感染に対するワクチンとして以前から示唆されている(例えば、PCT/EP2021/061602(その内容は参照により本明細書に組み込まれる)及びG.Norheim et al.,bioRvix 2020,doi:https://doi.org/10.1101/2020.12.08.416875を参照のこと)。
【0025】
本明細書に開示された構築物は、ポリペプチドをコードするヌクレオチド配列を含むポリヌクレオチド(例えばDNAプラスミド)の形態で、対象、例えばヒト個体に投与されてもよい。宿主細胞、例えば筋細胞に投与された後、ポリペプチドが発現され、二量体化単位などの多量体化単位により、二量体などの多量体融合タンパク質が形成される。
【0026】
本発明の免疫原性構築物は、ワクチンを対象、すなわちヒト個体に投与することによってSARS-CoV-2によって引き起こされる疾患の予防的処置又は治療的処置に使用するために、ワクチン、すなわち本発明の構築物及び薬学的に許容される担体を含む医薬組成物に使用してもよい。
【0027】
本明細書に記載の抗原単位は、本開示のさらなる態様である。したがって、そのようなさらなる態様では、本開示は、(i)配列番号1~77のアミノ酸配列と少なくとも73%の配列同一性を有するアミノ酸配列を有する少なくとも77個のSARS-CoV-2 T細胞エピトープを含む抗原単位をコードするヌクレオチド配列を含むポリヌクレオチド、又は(ii)(i)で定義される核酸配列によってコードされるポリペプチドを指す。
【0028】
そのような抗原単位(ポリヌクレオチド又はポリペプチドの形態)は、それ自体で、すなわち標的化単位及び多量体化単位がポリヌクレオチド/ポリペプチドに存在しない状態で、薬学的に許容される担体を含む医薬組成物/ワクチンに使用されてもよい。
【0029】
抗原単位は、それ自体で、本明細書に記載のポリヌクレオチドの形態、例えばゲノムDNA、cDNA、mRNAを含むDNA若しくはRNAの形態で、二本鎖若しくは一本鎖のいずれかで使用されてもよく、又はポリペプチドの形態で使用されてもよい。
【0030】
ポリヌクレオチドは、宿主細胞をトランスフェクト又は形質導入するのに好適なベクターに含まれてもよい。抗原単位は、RNAの安定性及び翻訳効率を高めることが示されている配列、例えばポリ(A)テールを含むベクター中に、RNAとして含まれていてもよい。ベクターは、シグナルペプチド又はその断片をコードする配列をさらに含んでもよい。RNA又はベクターは、RNAワクチンとして使用されてもよく、これは本明細書に記載されるように製剤化されてもよい。
【0031】
あるいは、ポリペプチドは、当該技術分野で既知のようにして製剤化され得るペプチドワクチン、すなわち、そのようなペプチドワクチンで使用するために当該技術分野で既知である医薬担体及び任意で賦形剤及び/又はアジュバントを含むペプチドワクチンとして使用してもよい。
【図面の簡単な説明】
【0032】
図1図1は、ポリペプチドであり、N末端開始部及びC末端終了部を有することが記載される本発明の免疫原性構築物を示す。ポリペプチドの単位/要素(ここでは、抗原提示細胞(APC)を標的化する標的化単位(TU)、二量体化単位(DimU)、及び抗原単位)は、抗原単位がポリペプチドのC末端終了部(図1a)又はポリペプチドのN末端開始部(図1b)に位置するようにポリペプチド中で配置されてもよい。さらなる詳細は、「免疫原性構築物」というタイトルのセクションで提供されている。
図2図2は、本出願の実施例のセクションで論じられている本発明の一実施形態であるVB10.COV2構築物の概略図を示す。
図3図3は、C57BL/6-McphlTg(HLA-A2.1)lEnge/Jトランスジェニックマウスにおいて25μgのVB10.COV2 DNAプラスミドを1回投与して誘導されたT細胞応答(PBS陰性対照に対して補正されている)を示す。25μgのVB10.COV2 DNAプラスミドを1回投与してワクチン接種し、それぞれの構築物に存在するヒトHLA-A2.1エピトープ/エピトープ群に対応するペプチドから構成される2μg/mLのペプチド/ペプチドプールで刺激したマウス(n=4)からワクチン接種後14日目に採取した1×10個のプールされた脾細胞あたりのIFN-γ陽性スポットの総数。
図4図4は、C57BL/6-McphlTg(HLA-A2.1)lEnge/Jトランスジェニックマウスにおいて50μgのVB10.COV2 DNAプラスミドを1回投与して誘導されたT細胞応答(PBS陰性対照に対して補正されている)を示す。50μgのVB10.COV2 DNAプラスミドを1回投与してワクチン接種し、それぞれの構築物に存在するヒトHLA-A2.1エピトープ/エピトープ群に対応するペプチドから構成される4μg/mLのペプチド/ペプチドプールで刺激したマウス(n=3)からワクチン接種後14日目に採取した1×10個のプールされた脾細胞あたりのIFN-γ陽性スポットの総数。
図5図5は、BALB/cマウスにおいて25μgのVB10.COV2 DNAプラスミドを1回投与して誘導されたT細胞応答(PBS陰性対照に対して補正されている)を示す。25μgのVB10.COV2 DNAプラスミドでワクチン接種し、それぞれの構築物に存在する全てのエピトープをカバーする15マーの重複ペプチドから構成される2μg/mLのペプチドプールで刺激したマウス(n=3)からワクチン接種後14日目に採取した1×10個のプールされた脾細胞あたりのIFN-γ陽性スポットの総数。
図6図6は、C57BL/6マウスにおける25μgのVB10.COV2 DNAプラスミドを1回投与して誘導されたT細胞応答(PBS陰性対照に対して補正されている)を示す。25μgのVB10.COV2 DNAプラスミドでワクチン接種し、それぞれの構築物に存在する全てのエピトープをカバーする15マーの重複ペプチドから構成される2μg/mLのペプチドプールで刺激したマウス(n=3)からワクチン接種後14日目に採取した1×10個のプールされた脾細胞あたりのIFN-γ陽性スポットの総数。
図7図7は、C57BL/6マウスにおいて25μgのVB2210 DNAプラスミドを1回投与して誘導されたT細胞応答(PBS陰性対照に対して補正されている)を示す。25μgのVB2210をワクチン接種し、構築物に存在するヒトHLA-A2.1エピトープ/エピトープ群に対応するペプチドから構成される4μg/mlのペプチド/ペプチドプールで刺激したマウス(n=3)からワクチン接種後14日目に採取した1×10個のプールされた脾細胞あたりのIFN-γ陽性スポットの総数。
図8図8は、C57BL/6-McphlTg(HLA-A2.1)lEnge/Jトランスジェニックマウスにおいて1μg、5μg、又は25μgのVB2210 DNAプラスミドを1回又は2回投与して誘導されたT細胞応答(PBS陰性対照に対して補正されている)を示す。1μg、5μg、又は25μgのVB2210 DNAプラスミドを1回又は2回投与してワクチン接種し、構築物に含まれる全てのエピトープ/エピトープ群をカバーする15マーの重複ペプチドから構成される2μg/mLのペプチドプールで刺激したマウス(n=4)から1回目又は2回目のワクチン接種(2回目のワクチン接種は21日目)後14日目に採取した1×10個の脾細胞あたりのIFN-γ陽性スポットの総数。データは、応答の合計の平均±SEMとして示される。
図9図9は、C57BL/6-McphlTg(HLA-A2.1)lEnge/Jトランスジェニックマウスにおいて1μg、5μg、又は25μgのVB2210 DNAプラスミドを1回又は2回投与して誘導されたT細胞応答(PBS陰性対照に対して補正されている)を示す。1μg、5μg、又は25μgのVB2210 DNAプラスミドを1回又は2回投与してワクチン接種し、構築物に含まれる特異的なヒトHLA-A2.1エピトープをカバーするペプチドから構成される4μg/mLのペプチドプールで刺激したマウス(n=4)から採取した1×10個の脾細胞あたりのIFN-γ陽性スポットの総数。脾細胞を単回又は2回目のワクチン接種(2回目のワクチン接種は21日目)後14日目に採取した。データは、応答の合計の平均±SEMとして示される。
図10図10は、C57BL/6野生型マウスにおいて1μg、5μg、又は25μgのVB2210 DNAプラスミドを1回又は2回投与して誘導されたT細胞応答を示す。1μg、5μg、又は25μgのVB2210 DNAプラスミドを1回又は2回投与してワクチン接種し、構築物に含まれるエピトープをカバーするペプチドから構成される4μg/mlのペプチドプールで刺激したマウスからから採取した1×10個の脾細胞あたりのIFN-γ陽性スポットの総数。脾細胞を単回投与後84日目又は1回目の投与後85日目(2回目を投与した場合)に採取した。データは、応答の合計の平均±SEMとして示される。
図11図11は、25μgのVB2210 DNAプラスミドを1回又は2回投与してワクチン接種したC57BL/6-McphlTg(HLA-A2.1)lEnge/Jトランスジェニックマウスから得られた1つ又は2つのサイトカインを発現するCD8+T細胞の集団を示す。脾細胞を1回目又は2回目のワクチン接種後14日目に採取し(2回目のワクチン接種は21日目)、構築物に存在する複数のHLA-A2.1エピトープに対応する、以前に実施したELISpotアッセイで同定された免疫原性ペプチドから構成される6μg/mlのペプチドプールで刺激した。刺激された細胞におけるIFN-γ、TNF-α、IL-2、IL-4、IL-17、及びFoxP3の発現を評価するために、マルチカラー染色、続いてマルチパラメータ機能分析を行った。
図12図12は、健常なボランティアにおいて3mgのVB10.2210 DNAプラスミドを2回投与して誘導されたT細胞応答(陰性対照に対して補正されている)を示す。3mgのVB10.2210 DNAプラスミドを2回投与してワクチン接種し、VB10.2210に存在する全てのエピトープをカバーする15マーの重複ペプチド及び選択された最小ペプチドから構成されるペプチドプールで刺激した健常なボランティア(n=11)からのワクチン接種前(ベースライン)及び2回のワクチン接種後(ピーク)の1×10個のPBMCあたりのIFN-γ陽性スポットの総数を示す。ボックスプロットは中央値を表す。ひげは、最小25パーセンタイル(-1.5IQR)及び最大75パーセンタイル(+1.5IQR)を示す。図12aは、スパイクエピトープに対するT細胞応答を示し、図12bは、N、M、ORF1/3/10、及びORF7エピトープに対する総T細胞応答を示す。
図13図13は、健常なボランティアにおいて3mgのVB10.2210 DNAプラスミドを2回投与して誘導されたT細胞応答(陰性対照に対して補正されている)を示す。3mgのVB10.2210 DNAプラスミドを2回投与してワクチン接種し、VB10.2210に存在する全てのエピトープをカバーする15マーの重複ペプチド及び選択された最小ペプチドから構成されるペプチドプールで刺激した健常なボランティア(n=11)からのワクチン接種前(ベースライン)及び2回のワクチン接種後(ピーク)の1×10個のPBMCあたりのIFN-γ陽性スポットの総数を示す。図13aは、スパイクエピトープに対するT細胞応答を示し、図13bは、Mエピトープに対するT細胞応答を示し、図13cは、Nエピトープに対するT細胞応答を示し、図13dは、ORF1/3/10エピトープに対するT細胞応答を示し、図13eは、ORF7エピトープに対するT細胞応答を示す。
図14図14は、2人の別々の対象において3mgのVB10.2210 DNAプラスミドを2回投与した後に誘導されたT細胞応答(陰性対照に対して補正されている)を示す。VB10.2210に存在する全てのエピトープをカバーする15マーの重複ペプチド及び選択された最小ペプチドから構成されるペプチドプールで刺激された健常なボランティアからの、1回目のワクチン接種前(0日目)、1回目のワクチン接種後(21日目)、及び2回目のワクチン接種後(35日目)の1×10個のPBMCあたりのIFN-γ陽性スポットの総数を示す(図14a:参加者番号4;図14b:参加者番号9)。
図15図15は、3mgのVB10.2210 DNAプラスミドを2回投与してワクチン接種した健常なボランティアにおける多機能ワクチン特異的T細胞の表現型を示す。1回目のワクチン接種前(ベースライン)及び2回のワクチン接種後(ピーク)のPBMCを16時間にわたってペプチド刺激した後、表現型マーカー(CD4、CD8)及びサイトカイン産生(TNF-α及びIFN-γ)のための細胞内染色を行い、フローサイトメトリーによるマルチパラメータ分析に供した。図15a及び15bは、それぞれベースライン及びピークでの陰性対照(ペプチドプールに対応するDMSO濃度を有する細胞培地中のPBMCのみ)を示す。図15cは、CD8+T細胞集団のゲーティングを示し、図15dは、非スパイクエピトープ(M、N、及びORF)で刺激されたCD8+T細胞集団のTNF-α及びIFN-γ発現を示す。
【発明を実施するための形態】
【0033】
ポリヌクレオチド、ポリペプチド、及び多量体タンパク質は、本明細書では「免疫原性構築物」又は単に「構築物」として表される。「免疫原性構築物」とは、投与に好適な形態で、かつ、免疫応答を誘発するのに有効な量(すなわち免疫学的に有効な量)で対象に投与されたときに免疫応答を誘発するものである。
【0034】
「対象」とは、ヒト個体を指す。対象は、患者、すなわち治療的処置を必要とするSARS-CoV-2によって引き起こされる疾患に罹患したヒト個体であってもよい。「対象」及び「個体」という用語は、本明細書では互換的に使用される。「ヒト」及び「h」という用語は、ヒトを指すために本明細書では互換的に使用される。
【0035】
「処置」は、予防的処置又は治療的処置である。
【0036】
「予防的処置」は、SARS-CoV-2によって引き起こされる疾患の兆候若しくは症状を示さない、又はSARS-CoV-2によって引き起こされる疾患の初期の兆候若しくは症状のみを示す対象に対して施される処置であり、したがって、処置は、疾患の発症を予防するか又はそのリスクを軽減する目的で施される。予防的処置は、SARS-CoV-2によって引き起こされる疾患に対する予防的処置として、又は疾患のさらなる進行若しくは悪化(enhancement)を抑制若しくは軽減する処置として機能する。「予防的処置」、「予防」、及び「予防する」という用語は、本明細書では互換的に使用される。
【0037】
「治療的処置」とは、SARS-CoV2に対して陽性として検査された対象及び/又はSARS-CoV-2によって引き起こされる疾患の症状若しくは兆候を示す対象に対して施される処置であり、処置は、それらの兆候又は症状を軽減又は除去する目的で対象に施される。
【0038】
「ヌクレオチド配列」は、ヌクレオチドからなる配列である。「ヌクレオチド配列」及び「核酸配列」という用語は、本明細書では互換的に使用される。
【0039】
本明細書で使用されているセクションの見出しは、構成目的のみのためであり、記載される主題を限定するものとして解釈されるべきではない。
【0040】
免疫原性構築物
本発明の免疫原性構築物は、N末端開始部及びC末端終了部を有するポリペプチドとして記載することができる(図1に示す)。ポリペプチドの要素/単位(APCを標的化する標的化単位(TU)、図1の二量体化単位(DimU)などの多量体化単位、及び抗原単位)は、抗原単位がポリペプチドのC末端終了部(図1a)又はポリペプチドのN末端開始部(図1b)に位置するようにポリペプチド中で配置されてもよい。好ましくは、抗原単位は、ポリペプチドのC末端終了部に位置する。
【0041】
抗原単位は、別個のエピトープとして又は1つ以上の群において一緒の群内にあるかのいずれかで少なくとも77個のSARS-CoV-2 T細胞エピトープを含み、別個のT細胞エピトープ、群内のT細胞エピトープ、及び/又はT細胞エピトープ群を互いに分離するリンカー(T細胞エピトープリンカー)を含んでもよい。単位リンカー(UL)は、多量体化単位と抗原単位とを接続してもよい。上記の単位及び要素の順序及び方向は、二量体タンパク質及びポリヌクレオチドで同じである。
【0042】
以下に、構築物の様々な単位及び要素を詳しく論じる。これらは、単位/要素をコードする核酸配列としてポリヌクレオチドに存在し、アミノ酸配列としてポリペプチド又は多量体タンパク質に存在する。読み易くするため、以下では、構築物の単位/要素を、主にポリペプチド/多量体タンパク質との関連で、すなわちアミノ酸配列に基づいて説明する。
【0043】
抗原単位
本発明の構築物に存在する抗原単位は、SARS-CoV-2由来の少なくとも77個のT細胞エピトープを含む。これらの77個のT細胞エピトープを、それらが由来するSARS-CoV-2タンパク質に従って、それぞれのアミノ酸配列及び配列識別子(配列番号)とともに以下の表1にリストした:
【0044】
【表1-1】
【表1-2】
【0045】
抗原単位に含まれる77個のT細胞エピトープの各々は、上記の表1にリストされたアミノ酸配列又は該リストされたアミノ酸配列と少なくとも73%の配列同一性を有するアミノ酸配列のいずれかを有する。したがって、抗原単位は、配列番号1のアミノ酸配列(すなわち、SRTLSYYKLGASQRVAGDS)又はそれと少なくとも73%の配列同一性を有するアミノ酸配列を有するT細胞エピトープ1、配列番号2のアミノ酸配列(すなわち、PKEITVATSRTLSYYKLGA)又はそれと少なくとも73%の配列同一性を有するアミノ酸配列を有するT細胞エピトープ2、及び配列番号3のアミノ酸配列(すなわち、LRIAGHHLGRCDIKDLPKE)又はそれと少なくとも73%の配列同一性を有するアミノ酸配列を有するT細胞エピトープ3を含む。
【0046】
いくつかの実施形態では、77個のSARS-CoV-2 T細胞エピトープは、配列番号1~77のアミノ酸配列と少なくとも73%の配列同一性、例えば少なくとも74%、少なくとも75%、少なくとも76%、少なくとも77%、少なくとも78%、少なくとも79%、少なくとも80%、少なくとも81%、少なくとも82%、少なくとも83%、少なくとも84%、少なくとも85%、少なくとも86%、少なくとも87%、少なくとも88%、少なくとも89%、少なくとも90%、少なくとも91%、少なくとも92%、少なくとも93%、少なくとも94%、少なくとも95%、少なくとも96%、少なくとも97%、少なくとも98%、又は少なくとも99%の配列同一性を有するアミノ酸配列を有する。他の実施形態では、77個のSARS-CoV-2 T細胞エピトープは、配列番号1~77のアミノ酸配列を有する。
【0047】
いくつかの他の実施形態では、77個のSARS-CoV-2 T細胞エピトープは、配列番号1~77のアミノ酸を有し、該配列において、配列番号1~77のアミノ酸配列と比較して、6個以下のアミノ酸、例えば5個以下、4個以下、3個以下、2個以下、又は1個以下のアミノ酸が欠失、付加、又は他のアミノ酸によって置換される。いくつかの実施形態では、8~11個のアミノ酸長を有するT細胞エピトープの場合、配列番号1~77のアミノ酸配列と比較して、3個以下のアミノ酸、好ましくは2個以下のアミノ酸又は1個以下のアミノ酸が欠失、付加、又は他のアミノ酸によって置換される。いくつかの他の実施形態では、13~14個のアミノ酸長を有するT細胞エピトープの場合、配列番号1~77のアミノ酸配列と比較して、4個以下のアミノ酸、好ましくは3個以下のアミノ酸、2個以下のアミノ酸、又は1個以下のアミノ酸が欠失、付加、又は他のアミノ酸によって置換される。さらに他の実施形態では、19~20個のアミノ酸長を有するT細胞エピトープの場合、配列番号1~77のアミノ酸配列と比較して、6個以下のアミノ酸、好ましくは5個以下、4個以下のアミノ酸、3個以下のアミノ酸、2個以下のアミノ酸、又は1個以下のアミノ酸が欠失、付加、又は他のアミノ酸によって置換される。
【0048】
抗原単位に含まれるか又は含まれ得る以下の表2及び3にリストされた77個のSARS-CoV-2 T細胞エピトープ及び任意の追加のSARS-CoV-2 T細胞エピトープは、以下の基準を適用して、COVID-19患者で同定されたT細胞エピトープのプールから選択された:
【0049】
・上記T細胞エピトープの1個のサブセットはHLAクラスI対立遺伝子に結合し、他のサブセットはHLAクラスII対立遺伝子に結合する。好ましくは、抗原単位に含まれるT細胞エピトープのうち、HLAクラスII対立遺伝子よりもHLAクラスI対立遺伝子に結合する割合が高い。一実施形態では、T細胞エピトープの少なくとも60%、例えば少なくとも65%、又は少なくとも66%、又は少なくとも67%、又は少なくとも68%、又は少なくとも69%、又は少なくとも70%、又は少なくとも71%、又は少なくとも72%、又は少なくとも73%、又は少なくとも74%、又は少なくとも75%がHLAクラスI対立遺伝子に結合する。
【0050】
・T細胞エピトープは、世界人口の平均92%(西インド諸島の85%からヨーロッパの99%まで)をカバーする異なるHLAクラスI及びクラスII対立遺伝子に結合することが予想され、したがって、本発明の構築物を含むワクチンは、世界中での処置及び予防の使用に適してはずである。
【0051】
・T細胞エピトープは、世界中の複数の異なるSARSCoV-2株内に保存されたT細胞エピトープである。世界中の試料収集物を使用して計算されたSARS-CoV-2ゲノムの遺伝的多様性を考慮した場合、選択されたエピトープはエントロピーが低い領域に位置する。
【0052】
少なくとも77個のT細胞エピトープを免疫原性構築物に含めることにより、中和を妨げるスパイク表面タンパク質上の重要な抗体エピトープの変異のリスクが高いスパイクのみをベースとしたワクチンと比較して、免疫回避のリスクが低くなることが保証される。
【0053】
本明細書に開示されるT細胞エピトープは、様々なSARS-CoV-2ウイルス構造タンパク質、すなわちN(ヌクレオカプシド)タンパク質、S(スパイク)タンパク質、及びM(膜)タンパク質、並びに様々なSARS-CoV-2ウイルス非構造タンパク質、すなわちORFlab、ORF3a、ORF7a、ORF7b、及びORF10に由来する。特定のSARS-CoV-2タンパク質内では、T細胞エピトープは、タンパク質の同じ部分(例えば同じサブユニット)に由来してもよいし、又は該タンパク質の異なる部分に由来してもよい。一実施形態では、T細胞エピトープは、特定のSARS-CoV-2タンパク質の異なる部分に由来する。例えば、表1にリストされたSタンパク質由来の12個のT細胞エピトープのうち、6個のT細胞エピトープはS1サブユニットに由来し(エピトープ66~71)、6個のT細胞エピトープはS2サブユニットに由来する(エピトープ72~77)。
【0054】
抗原単位において、いくつかの実施形態では、本明細書に開示されるT細胞エピトープのいくつか又は全ては、エピトープが由来する天然に存在するタンパク質中の該エピトープに同様に隣接しているアミノ酸配列に隣接し、例えば、N末端、C末端、又はその両方の方向において該エピトープに隣接するアミノ酸配列に隣接している。そのような隣接配列はそれぞれ、1個以上、2個以上、3個以上、4個以上、5個以上、6個以上、7個以上、8個以上、9個以上、又は10個以上のアミノ酸を含んでもよい。好ましい実施形態では、そのような隣接配列は、1~10個のアミノ酸、例えば2~8個のアミノ酸、又は3~7個のアミノ酸、又は4~5個のアミノ酸を含む。
【0055】
いくつかの実施形態では、抗原単位は、単一かつ別個のエピトープとして、少なくとも77個のT細胞エピトープの全て、並びに任意で、表2及び3にリストされたものから選択される1つ以上の追加のT細胞エピトープを含み、これらはT細胞エピトープリンカーによって互いに分離されていてもよい。
【0056】
いくつかの他の実施形態では、抗原単位は、本明細書に開示されるT細胞エピトープの少なくとも2個、例えば2~20個のエピトープ、好ましくは2~15個のエピトープ、例えば2、3、4、5、6、7、8、8、10、11、12、13、14、又は15個のエピトープを含む、1つ以上の群を含む。群内において、エピトープは、T細胞エピトープリンカーによって互いに分離されていてもよい。あるいは、エピトープ群は、T細胞エピトープリンカーによって互いに分離される。
【0057】
好ましくは少なくとも2個のT細胞エピトープは、同じSARS-CoV-2タンパク質に由来し、より好ましくは同じSARS-CoV-2タンパク質の同じ部分に由来する。例えば、抗原単位は、表1にリストされたMタンパク質に由来する4個のT細胞エピトープ(エピトープ1~4)を含む第1の群、S1サブユニットに由来する6個のT細胞エピトープ(エピトープ66~71)を含む第2の群、及びS2サブユニットに由来する6個のT細胞エピトープ(エピトープ72~77)を含む第3の群を含んでもよい。第1群、第2群、及び第3群のエピトープは、T細胞エピトープリンカーによって互いに分離されていてもよく、第1群、第2群、及び第3群は、T細胞エピトープリンカーによって互いに分離されていてもよい。別の実施形態では、第3の群は、3個のT細胞エピトープ(72~74)を含む第3の群及び3個のT細胞エピトープ(75~77)を含む第4の群の2つの群に分けられてもよい。
【0058】
いくつかの実施形態では、群内のT細胞エピトープは、順次(sequentially)配置される。例として、Mタンパク質由来のエピトープ1~4は、第1群ではエピトープ1-エピトープ2-エピトープ3-エピトープ4の順序で配置されてもよい(又は、上記4つのエピトープの任意の他の組み合わせ若しくは順列であってもよい)。エピトープは、T細胞エピトープリンカーによって互いに分離されていてもよい。
【0059】
好ましくは群内のT細胞エピトープは、エピトープが由来する天然に存在するタンパク質の配列に対応するアミノ酸の連続配列を形成するように整列され、それにより、重複配列が連続配列中に含まれ、したがって、抗原単位中に1回のみ含まれる。例として、Mタンパク質由来のエピトープ1~4が整列され、エピトープ(1~4)の得られる整列された配列が抗原単位中で群として含まれる:
エピトープ3 LRIAGHHLGRCDIKDLPKE
エピトープ4 GRCDIKDLPKEITVATSRT
エピトープ2 PKEITVATSRTLSYYKLGA
エピトープ1 SRTLSYYKLGASQRVAGDS

群の得られる配列:
LRIAGHHLGRCDIKDLPKEITVATSRTLSYYKLGASQRVAGDS
【0060】
上記のそのような群はまた、群の配列が由来する天然に存在するタンパク質中の群の配列に同様に隣接するアミノ酸配列、例えば、N末端、C末端、又はその両方の方向において群の配列に隣接するアミノ酸配列に隣接していてもよい。そのような隣接する配列はそれぞれ、1個以上、2個以上、3個以上、4個以上、5個以上、6個以上、7個以上、8個以上、9個以上、又は10個以上のアミノ酸を含んでもよい。好ましい実施形態では、そのような隣接する配列は、1~10個のアミノ酸、例えば2~8個のアミノ酸、又は3~7個のアミノ酸、又は4~5個のアミノ酸を含む。例として、Mタンパク質由来のエピトープ1~4の群の上記の配列は、以下の隣接するアミノ酸(下線部)を含み得る:
LRIAGHHLGRCDIKDLPKEITVATSRTLSYYKLGASQRVAGDS
【0061】
本明細書に開示される少なくとも2個のT細胞エピトープの整列された配列及び任意で隣接するアミノ酸配列を含むそのような群の得られる長さは、約18個のアミノ酸~約80個のアミノ酸、例えば約20個のアミノ酸~約70個のアミノ酸、又は約21個のアミノ酸~約67個のアミノ酸である。
【0062】
さらにいくつかの他の実施形態では、抗原単位は、本明細書に開示されるT細胞エピトープを、1個以上の別個のT細胞エピトープ(例えば、エピトープ21、85、及び/又は119)、並びに、少なくとも2個のT細胞エピトープ、好ましくは同じSARS-CoV-2タンパク質由来の少なくとも2個のT細胞エピトープ、より好ましくは同じSARS-CoV-2タンパク質の同じ部分由来の少なくとも2個のT細胞エピトープを含む1つ以上の群の形態で含む。
【0063】
いくつかの実施形態では、少なくとも77個のSARS-CoV-2 T細胞エピトープのうち、以下のものが一緒の群内にある:エピトープ1~4、エピトープ5~9(別の実施形態では、この群は2つの群に分けられ、第1の群はエピトープ5~6であり、第2の群はエピトープ7~9である)、エピトープ10~18(別の実施形態では、この群は2つの群に分けられ、第1の群はエピトープ10~16であり、第2の群はエピトープ17~18である)、エピトープ19~20、エピトープ22~23、エピトープ24~26、エピトープ27~39、エピトープ40~43、エピトープ44~47、エピトープ48~58、エピトープ59~65、エピトープ66~71、及びエピトープ72~77(別の実施形態では、この群は2つの群に分けられ、第1群はエピトープ72~74であり、第2の群はエピトープ75~77である)。
【0064】
いくつかの実施形態では、抗原単位は、SARS-CoV-2スパイクタンパク質の受容体結合ドメイン(RED)に由来するT細胞エピトープを含まない。表1にリストされた77個のT細胞エピトープのみを含む(又は表1にリストされた77個のT細胞エピトープ及びRBDに由来しない他のT細胞エピトープ(例えば表3にリストされたSARS-CoV-2 T細胞エピトープの1個以上)のみを含む)抗原単位は、RBDに由来するT細胞エピトープを含まない。
【0065】
いくつかの他の実施形態では、抗原単位は、RBD由来のSARS-CoV-2 T細胞エピトープをさらに含み、好ましくは、配列番号78~96のアミノ酸配列と少なくとも73%の配列同一性を有するアミノ酸配列を有する表2にリストされた19個のSARS-CoV-2 T細胞エピトープの1個以上を含む。
【0066】
【表2】
【0067】
いくつかの実施形態では、抗原単位は、表2にリストされた19個のSARS-CoV-2 T細胞エピトープの1個以上を含み、エピトープは、配列番号78~96のアミノ酸配列と少なくとも73%の配列同一性、例えば少なくとも74%、少なくとも75%、少なくとも76%、少なくとも77%、少なくとも78%、少なくとも79%、少なくとも80%、少なくとも81%、少なくとも82%、少なくとも83%、少なくとも84%、少なくとも85%、少なくとも86%、少なくとも87%、少なくとも88%、少なくとも89%、少なくとも90%、少なくとも91%、少なくとも92%、少なくとも93%、少なくとも94%、少なくとも95%、少なくとも96%、少なくとも97%、少なくとも98%、又は少なくとも99%の配列同一性を有するアミノ酸配列を有する。別の実施形態では、表2にリストされた19個のSARS-CoV-2 T細胞エピトープは、配列番号78~96のアミノ酸配列を有する。
【0068】
他の実施形態では、表2にリストされた19個のSARS-CoV-2 T細胞エピトープは、アミノ酸配列番号78~96を有し、該配列では、配列番号78~96のアミノ酸配列と比較して、6個以下のアミノ酸、例えば5個以下、4個以下、3個以下、2個以下、又は1個以下のアミノ酸が欠失、付加、若しくは他のアミノ酸によって置換される。一実施形態では、8~11個のアミノ酸長を有するT細胞エピトープでは、配列番号78~96のアミノ酸配列と比較して、3個以下のアミノ酸、好ましくは2個以下のアミノ酸、又は1個以下のアミノ酸が欠失、付加、又は他のアミノ酸によって置換される。別の実施形態では、13~14個のアミノ酸長を有するT細胞エピトープでは、配列番号78~96のアミノ酸配列と比較して、4個以下のアミノ酸、好ましくは3個以下のアミノ酸、2個以下のアミノ酸、又は1個以下のアミノ酸が欠失、付加、又は他のアミノ酸によって置換される。さらに別の実施形態では、19~20個のアミノ酸長を有するT細胞エピトープでは、配列番号78~96のアミノ酸配列と比較して、6個以下のアミノ酸、好ましくは5個以下、4個以下のアミノ酸、3個以下のアミノ酸、2個以下のアミノ酸、又は1個以下のアミノ酸が欠失、付加、又は他のアミノ酸によって置換される。
【0069】
いくつかの実施形態では、抗原単位は、表2にリストされた19個のSARS-CoV-2 T細胞エピトープの2個以上を含む。別の実施形態では、抗原単位は、表2にリストされたT細胞エピトープのうち2個以上を含み、以下のエピトープが好ましくは一緒の群内にある:エピトープ78~84(別の実施形態では、この群は2つの群に分けられ、第1の群はエピトープ78及び79であり、第2の群はエピトープ80~84である)、エピトープ86~96(別の実施形態では、この群は2つの群に分けられ、第1の群はエピトープ86~93であり、第2の群はエピトープ94~96である)。
【0070】
さらに他の実施形態では、抗原単位は、表2にリストされた19個のRBD由来のSARS-CoV-2 T細胞エピトープの全てを含む。したがって、本発明による構築物の抗原単位は、配列番号1~96のアミノ酸配列と少なくとも73%の配列同一性を有するアミノ酸配列を有する少なくとも96個のSARSCoV-2由来のT細胞エピトープを含む。
【0071】
抗原単位が表2にリストされたRBD由来のT細胞エピトープの1個以上を含む本発明の免疫原性構築物を含むワクチンは、RBD抗原又はその一部を含むワクチン、好ましくはPCT/EP2021/061602及びG.Norheim et al.,bioRvix 2020,doi:https://doi.org/10.1101/2020.12.08.416875に開示されるRBD抗原又はその一部を含むワクチンによるワクチン接種を以前に受けた個体にブースターワクチンとして投与されることが好ましい。
【0072】
いくつかの実施形態では、抗原は、配列番号97~160のアミノ酸配列と少なくとも73%の配列同一性を有する表3にリストされた64個のSARS-CoV-2 T細胞エピトープの1個以上をさらに含む。
【0073】
【表3-1】
【表3-2】
【0074】
表3にリストされたT細胞エピトープはいずれもRBDに由来するものではない。
【0075】
いくつかの実施形態では、抗原単位は、表3にリストされた64個のSARS-CoV-2 T細胞エピトープを含み、エピトープは、配列番号97~160のアミノ酸配列と少なくとも73%の配列同一性、例えば少なくとも74%、少なくとも75%、少なくとも76%、少なくとも77%、少なくとも78%、少なくとも79%、少なくとも80%、少なくとも81%、少なくとも82%、少なくとも83%、少なくとも84%、少なくとも85%、少なくとも86%、少なくとも87%、少なくとも88%、少なくとも89%、少なくとも90%、少なくとも91%、少なくとも92%、少なくとも93%、少なくとも94%、少なくとも95%、少なくとも96%、少なくとも97%、少なくとも98%、又は少なくとも99%の配列同一性を有するアミノ酸配列を有する。別の実施形態では、表3にリストされた64個のSARS-CoV-2 T細胞エピトープは、配列番号97~160のアミノ酸配列を有する。
【0076】
いくつかの他の実施形態では、表2にリストされた64個のSARS-CoV-2 T細胞エピトープは、配列番号97~160のアミノ酸配列を有し、該配列では、配列番号97~160のアミノ酸配列と比較して、6個以下のアミノ酸、例えば5個以下、4個以下のアミノ酸、3個以下のアミノ酸、2個以下のアミノ酸、又は1個以下のアミノ酸が欠失、付加、又は他のアミノ酸によって置換される。一実施形態では、8~11個のアミノ酸長を有するT細胞エピトープでは、配列番号97~160のアミノ酸配列と比較して、3個以下のアミノ酸、好ましくは2個以下のアミノ酸又は1個以下のアミノ酸が欠失、付加、又は他のアミノ酸によって置換される。他の実施形態では、13~14個のアミノ酸長を有するT細胞エピトープでは、配列番号97~160のアミノ酸配列と比較して、4個以下のアミノ酸、好ましくは3個以下のアミノ酸、2個以下のアミノ酸、又は1個以下のアミノ酸が欠失、付加、又は他のアミノ酸によって置換される。さらにいくつかの他の実施形態では、19~20個のアミノ酸長を有するT細胞エピトープでは、配列番号97~160のアミノ酸配列と比較して、6個以下のアミノ酸、好ましくは5個以下、4個以下のアミノ酸、3個以下のアミノ酸、2個以下のアミノ酸、又は1個以下のアミノ酸が欠失、付加、又は他のアミノ酸によって置換される。
【0077】
いくつかの他の実施形態では、抗原単位は、表3にリストされたT細胞エピトープの2個以上を含む。別の実施形態では、抗原単位は、表3にリストされたT細胞エピトープの2個以上を含み、以下のエピトープが好ましくは一緒の群内にある:エピトープ97~102、エピトープ103~109、エピトープ110~111、エピトープ112~113、エピトープ114~118(他の実施形態では、この群は2つの群に分けられ、第1群はエピトープ114~115であり、第2の群はエピトープ116~118である)、エピトープ120~123、エピトープ124~129、エピトープ130~134、エピトープ135~137、エピトープ138~140、エピトープ141~146(他の実施形態では、この群は2つの群に分けられ、第1の群はエピトープ141~143であり、第2の群はエピトープ144~146である)、エピトープ147~152(いくつかの他の実施形態では、この群は2つの群に分けられ、第1の群はエピトープ147~149であり、第2の群はエピトープ150~152である)、エピトープ153~160(いくつかの他の実施形態では、この群は2つの群に分けられ、第1の群はエピトープ153~157であり、第2の群はエピトープ158~160である)。
【0078】
さらにいくつかの他の実施形態では、表1及び表3のエピトープは、例えばエピトープ24~26及び114~118を含む群において、一緒の群内にある。
【0079】
さらにいくつかの他の実施形態では、抗原単位は、表3にリストされた64個のSARS-CoV-2由来のT細胞エピトープの全てを含む。したがって、本発明による構築物の抗原単位は、配列番号1~77のアミノ酸配列及び97~160と少なくとも73%の配列同一性を有するアミノ酸配列を有する少なくとも141個のSARSCoV-2由来T細胞エピトープを含む。いくつかの実施形態では、上記の抗原単位は、SARS-CoV-2スパイクタンパク質の受容体結合ドメイン(RBD)に由来するT細胞エピトープを含まない。いくつかの他の実施形態では、上記の抗原単位は、表2にリストされた19個のRBD由来のT細胞エピトープの1個以上を追加で含む。
【0080】
さらにいくつかの他の実施形態では、抗原単位は、表3にリストされたSARS-CoV-2由来のT細胞エピトープの全て及び表2にリストされたRBD由来のT細胞エピトープの全てを含む。したがって、本発明による構築物の抗原単位は、配列番号1~160のアミノ酸配列と少なくとも73%の配列同一性を有するアミノ酸配列を有する少なくとも160個のSARSCoV-2由来T細胞エピトープを含む。
【0081】
抗原単位のさらなる実施形態
いくつかの実施形態では、T細胞エピトープ又はT細胞エピトープ群は、抗原単位中でランダムに配置される。いくつかの他の実施形態では、T細胞エピトープは、最も疎水性のT細胞エピトープが抗原単位の中央又は中央近くに位置し、最も親水性のT細胞エピトープが抗原単位のN末端及びC末端部分又はそれらの近くに位置するように、抗原単位中で配置される。さらにいくつかの他の実施形態では、最も疎水性の配列を有するT細胞エピトープ群は抗原単位の中央又は中央近くに位置し、最も親水性の配列を有するT細胞エピトープ群は抗原単位のN末端及びC末端部分又はそれらの近くに位置する。いくつかの実施形態では、最も疎水性のT細胞エピトープ又はT細胞エピトープ群は抗原単位の実質的に中央に位置してもよく、最も親水性のT細胞エピトープ又はT細胞エピトープ群は抗原単位のN末端及びC末端部分の近くに位置してもよい。
【0082】
抗原単位を中央に真位置決めすること(true positioning)は、抗原単位が奇数のT細胞エピトープ又はT細胞エピトープ群を含む場合にのみ可能であるため、この文脈における「実質的に」という用語は、最も疎水性のT細胞エピトープが可能な限り中央近くに位置している偶数のT細胞エピトープ又はT細胞エピトープ群を含む抗原単位を指す。
【0083】
あるいは、T細胞エピトープ又はT細胞エピトープ群は、親水性及び疎水性のT細胞エピトープ/T細胞エピトープ群間で交互に配置されてもよい。好ましくは、GCに富むT細胞エピトープ又はT細胞エピトープ群は、GCクラスターを回避するように配置される。いくつかの実施形態では、GCに富むT細胞エピトープ又はT細胞エピトープ群は、それらの間に少なくとも1つのGCに富なまい(non-GC rich)T細胞エピトープ/T細胞エピトープ群が存在するように配置される。
【0084】
抗原単位におけるリンカー
いくつかの実施形態では、T細胞エピトープ又はT細胞エピトープ群は、T細胞エピトープリンカー(以下、「リンカー」ともいう)によって互いに分離されている。T細胞エピトープリンカーはまた、抗原単位のN末端又はC末端に含まれてもよい。
【0085】
いくつかの他の実施形態では、T細胞エピトープリンカーは、非免疫原性であるように設計される。T細胞エピトープリンカーは、リジッドなリンカーであってもよく、これは、該リンカーが接続する2つのアミノ酸配列が互いに実質的に自由に移動できないことを意味する。あるいは、T細胞エピトープリンカーは、フレキシブルなリンカー、すなわち、該リンカーが接続する2つのアミノ酸配列が互いに実質的に自由に移動できるようにするリンカーであってもよい。どちらのタイプのリンカーも有用である。
【0086】
いくつかの実施形態では、T細胞エピトープリンカーは、フレキシブルなリンカーであり、該リンカーは、抗原単位が多数のT細胞エピトープを含む場合であってもT細胞エピトープ又はT細胞エピトープ群を免疫系に最適な様式で提示することができる。
【0087】
いくつかの実施形態では、T細胞エピトープリンカーは、4~40個のアミノ酸、例えば35、30、25、又は20個のアミノ酸、例えば5~20個のアミノ酸、又は5~15個のアミノ酸、又は8~20個のアミノ酸、又は8~15個のアミノ酸、10~15個のアミノ酸、又は8~12個のアミノ酸からなるペプチドである。いくつかの他の実施形態では、T細胞エピトープリンカーは、10個のアミノ酸からなる。好ましくは、T細胞エピトープリンカーは、4~20個のアミノ酸、例えば5~18個のアミノ酸、又は6~15個のアミノ酸、又は7~10個のアミノ酸からなるペプチドである。特に好ましい実施形態では、T細胞エピトープリンカーは、5~7個のアミノ酸又は8~12個のアミノ酸、例えば5、6、7、8、9、又は10個のアミノ酸からなる。
【0088】
一実施形態では、抗原単位に含まれる全てのT細胞エピトープリンカーが同一である。しかしながら、T細胞エピトープ又はT細胞エピトープ群の1つ以上がリンカーの配列に類似した配列を含む場合、隣接するT細胞エピトープリンカーを異なる配列のリンカーに置き換えることが有利であり得る。また、T細胞エピトープ/リンカー接合部がそれ自体でエピトープを構成すると予測される場合、異なる配列のT細胞エピトープリンカーを使用することが好ましい。別の実施形態では、抗原単位は、いくつかの異なるT細胞エピトープリンカー、例えば2、3、4、又は5つの異なるT細胞エピトープリンカーを含む。
【0089】
いくつかの実施形態では、T細胞エピトープリンカーは、フレキシブルなリンカーであり、好ましくは、小さな非極性(例えばグリシン、アラニン、又はロイシン)又は極性(例えばセリン又はスレオニン)アミノ酸を含むフレキシブルなリンカーである。これらのアミノ酸のサイズが小さいことにより、柔軟性がもたらされ、接続されたアミノ酸配列が動くことが可能になる。セリン又はスレオニンを組み込むことにより、水分子と水素結合を形成することによって水溶液中のリンカーの安定性が維持され、したがって、リンカーと抗原との間の好ましくない相互作用が減少する。いくつかの実施形態では、フレキシブルなリンカーは、セリン(S)及び/又はグリシン(G)に富むリンカー、すなわち、いくつかのセリン残基及び/又はいくつかのグリシン残基を含むリンカーである。
【0090】
以下では、mは、1~5の整数(例えば1、2、3、4、又は5)である。いくつかの実施形態では、mは、2である。
【0091】
好ましくは、T細胞エピトープリンカーは、セリン(S)及び/又はグリシン(G)に富むリンカー、すなわち、いくつかのセリン残基及び/又はいくつかのグリシン残基を含むリンカーである。好ましい例は、GGGGS(配列番号186)、GGGSS(配列番号187)、GGGSG(配列番号188)、GGSGG(配列番号189)、SGSSGS(配列番号190)、又はそれらの複数の変異体、例えばGGGGSGGGGS(配列番号191)、(GGGGS)m(配列番号192)、(GGGSS)m(配列番号193)、(GGSGG)m(配列番号194)、(GGGSG)m(配列番号195)、若しくは(SGSSGS)m(配列番号196)である。
【0092】
別の実施形態では、セリン及び/又はグリシンに富むリンカーは、少なくとも1個のロイシン(L)残基、例えば少なくとも1個又は少なくとも2個又は少なくとも3個のロイシン残基、例えば1、2、3、又は4個のロイシン残基をさらに含む。
【0093】
いくつかの実施形態では、T細胞エピトープリンカーは、LGGGS(配列番号197)、GLGGS(配列番号198)、GGLGS(配列番号199)、GGGLS(配列番号200)、若しくはGGGGL(配列番号201)を含むか、又はそれからなる。他の実施形態では、リンカーは、LGGSG(配列番号202)、GLGSG(配列番号203)、GGLSG(配列番号204)、GGGLG(配列番号205)、若しくはGGGSL(配列番号206)を含むか、又はそれからなる。さらにいくつかの他の実施形態では、リンカーは、LGGSS(配列番号207)、GLGSS(配列番号208)、若しくはGGLSS(配列番号209)を含むか、又はそれからなる。
【0094】
さらにいくつかの他の実施形態では、T細胞エピトープリンカーは、LGLGS(配列番号210)、GLGLS(配列番号211)、GLLGS(配列番号212)、LGGLS(配列番号213)、若しくはGLGGL(配列番号214)を含むか、又はそれからなる。さらにいくつかの他の実施形態では、リンカーは、LGLSG(配列番号215)、GLLSG(配列番号216)、GGLSL(配列番号217)、GGLLG(配列番号218)、若しくはGLGSL(配列番号219)を含むか、又はそれからなる。さらにいくつかの他の実施形態では、リンカーは、LGLSS(配列番号220)若しくはGGLLS(配列番号221)を含むか、又はそれからなる。
【0095】
いくつかの他の実施形態では、T細胞エピトープリンカーは、10個のアミノ酸長を有し、1又は2個のロイシン残基を含むセリン-グリシンリンカーである。
【0096】
いくつかの実施形態では、T細胞エピトープリンカーは、LGGGSGGGGS(配列番号222)、GLGGSGGGGS(配列番号223)、GGLGSGGGGS(配列番号224)、GGGLSGGGGS(配列番号225)若しくはGGGGLGGGGS(配列番号226)を含むか、又はそれからなる。いくつかの他の実施形態では、LGGSGGGGSG(配列番号227)、GLGSGGGGSG(配列番号228)、GGLSGGGGSG(配列番号229)、GGGLGGGGSG(配列番号230)若しくはGGGSLGGGSG(配列番号231)を含むか、又はそれからなる。さらにいくつかの他の実施形態では、リンカーは、LGGSSGGGSS(配列番号232)、GLGSSGGGSS(配列番号233)、GGLSSGGGSS(配列番号234)、GGGLSGGGSS(配列番号235)、又はGGGSLGGGSS(配列番号236)を含むか、又はそれからなる。
【0097】
さらなる実施形態では、T細胞エピトープリンカーは、LGGGSLGGGS(配列番号237)、GLGGSGLGGS(配列番号238)、GGLGSGGLGS(配列番号239)、GGGLSGGGLS(配列番号240)、若しくはGGGGLGGGGL(配列番号241)を含むか、又はそれからなる。いくつかの他の実施形態では、リンカーは、LGGSGLGGSG(配列番号242)、GLGSGGLGSG(配列番号243)、GGLSGGGLSG(配列番号244)、GGGLGGGGLG(配列番号245)、若しくはGGGSLGGGSL(配列番号246)を含むか、又はそれからなる。さらにいくつかの他の実施形態では、リンカーは、LGGSSLGGSS(配列番号247)、GLGSSGLGSS(配列番号248)、若しくはGGLSSGGLSS(配列番号249)を含むか、又はそれからなる。
【0098】
さらにいくつかの他の実施形態では、T細胞エピトープリンカーは、GSGGGA(配列番号250)、GSGGGAGSGGGA(配列番号251)、GSGGGAGSGGGAGSGGGA(配列番号252)、GSGGGAGSGGGAGSGGGAGSGGGA(配列番号253)、若しくはGENLYFQSGG(配列番号254)を含むか、又はそれからなる。さらにいくつかの他の実施形態では、リンカーは、SGGGSSGGGS(配列番号255)、SSGGGSSGGG(配列番号256)、GGSGGGGSGG(配列番号257)、GSGSGSGSGS(配列番号258)、GGGSSGGGSG(配列番号259)、GGGSSS(配列番号260)、GGGSSGGGSSGGGSS(配列番号261)、若しくはGLGGLAAA(配列番号262)を含むか、又はそれからなる。
【0099】
いくつかの他の実施形態では、リンカーは、リジッドなリンカーである。そのようなリジッドなリンカーは、(より大きな)抗原を効率的に分離し、それらが互いに干渉するのを防ぐのに役立ち得る。いくつかの実施形態では、リンカーは、KPEPKPAPAPKP(配列番号263)、AEAAAKEAAAKA(配列番号264)、(EAAAK)m(配列番号265)、PSRLEEELRRRLTEP(配列番号266)、若しくはSACYCELS(配列番号267)を含むか、又はそれからなる。さらに他の実施形態では、リンカーは、TQKSLSLSPGKGLGGL(配列番号268)を含むか、又はそれからなる。さらにいくつかの他の実施形態では、リンカーは、SLSLSPGKGLGGL(配列番号269)を含むか、又はそれからなる。
【0100】
さらにいくつかの他の実施形態では、リンカーは、GGSAGGSGSGSSGGSSGASGTGTAGGTGSGSGTGSG(配列番号270)、若しくはGGSGGGSEGGGSEGGGSEGGGSEGGGSEGGGSGGGS(配列番号271)、若しくはELKTPLGDTTHT(配列番号272)、若しくはEPKSCDTPPPCPRCP(配列番号273)を含むか、又はそれからなる。
【0101】
T細胞エピトープリンカーの例は、参照により本明細書に組み込まれるWO2020/176797A1の段落[0098]~[0099]及び記載された配列、並びに参照により本明細書に組み込まれるUS2019/0022202A1の段落[0135]~[0139]に開示されている。
【0102】
抗原単位の設計
本明細書に開示されたT細胞エピトープは、高度なバイオインフォマティクスワークフローの助けで同定された。インシリコで予測されたT細胞エピトープの免疫原性の検証は通常、生きたT細胞を必要とし、かつ、感度及びスループットが制限される細胞免疫応答アッセイを使用して行われる。簡潔に述べると、SARS-CoV-2抗原の場合、共同出願人のAdaptive Biotechnologies Corporationが、自社のMIRA(登録商標)(受容体抗原特異性同定のためのマルチプレックスアッセイ(Multiplexed Assay for Identification of Receptor Antigen-specificity))(Klinger et al.,2015)及びCOVID-19と診断された個体由来の血液試料を使用して、T細胞受容体(TCR)をSARS-CoV-2の11個のオープンリーディングフレーム(ORF)の全てに由来する500超のクラスI及びクラスIIペプチドにマッピングした。並行して、Adaptiveはまた、これらのSARS-CoV-2 ORFをカバーする遺伝子導入構築物を使用した。
【0103】
これらのデータをAdaptiveのimmunoSEQ(登録商標)アッセイを使用して生成された症例対照比較のデータと組み合わせて、SARS-CoV-2免疫応答に関係する公開されているTCRクロノタイプを同定し、TCRクロノタイプをSARS-CoV-2エピトープ/HLAに機能的にマッピングした(Snyder et al.,2020)。最も免疫原性の高い77個のSARS-CoV-2 T細胞エピトープが同定され、加えて、最も免疫原性の高い19個のSARS-CoV-2 RBD由来のT細胞エピトープが同定され、さらに免疫原性が高い64個のSARS-CoV-2 T細胞エピトープが同定された。
【0104】
利用可能なデータベースの遺伝的多様性データを使用して、これらのエピトープの保存性を評価した。この分析の時点では、合計700,000個のSARS-CoV-2配列を利用可能であり、考慮した。さらに、報告された全ての懸念する変異体(https://outbreak.info/)の各々を定義する報告された全ての一塩基多型(SNP)の分布を160個のT細胞エピトープ全体にわたって調べた。本発明による全ての免疫原性構築物に存在する77個のT細胞エピトープのうち、4個及び3個のエピトープのみが、それぞれデルタ(B.1.617.2)及びガンマ(P.1)変異体を規定するSNPのうちのいくつかを含んでいた。
【0105】
選択されたT細胞エピトープによるHLA多様性のカバー率を評価するために、MHCクラスI結合予測ツールNetMHCpan v4.1(www.services.healthtech.dtu.dk/service.php?NetMHCpan-4.1)を使用して、世界で最も広く存在する(prevalent)19個のHLA対立遺伝子(表4)に対する結合親和性を予測した。
【0106】
【表4】
【0107】
選択されたT細胞エピトープが世界の人口をどのようにカバーするかをさらに調べるために、エピトープ免疫データベースの人口カバー率ツール(www.tools.iedb.org/population/)を使用した。分析に基づき、96個のエピトープの含まれるセットは世界人口の平均92.2%をカバーすることが保証される(表5)。
【0108】
【表5】
【0109】
予測HLAエピトープ結合アプローチによる人口カバー率の評価に加えて、AdaptiveのMIRAデータのメタ分析を使用して、同定された免疫ドミナントエピトープに対する仮説の(hypothesized)HLA拘束を決定した(Snyder et al.,2020)。
【0110】
より具体的には、実施した各MIRA実験では、SARS-CoV-2ゲノム全体にわたるエピトープに応答する特有のT細胞系譜の数を、評価された数百人の個体において定義した。これらのT細胞の読み出しに加えて、ドナー材料のHLAタイピングを4桁の精度で行い、これにより、抗原特異的TCRの収量増加と相関する対立遺伝子を検索することによって、測定されたT細胞応答の推定HLA拘束を評価することが可能となった。この分析は、3人以上のドナーに存在する各HLA対立遺伝子に対してウィルコクソン片側検定を使用して行われ、HLA陽性ドナーセットとHLA陰性ドナーセットとの間のTCR応答中央値の2倍のエンリッチメント(enrichment)を示すことを各関連性に必要とすることにより、HLA特異性についてさらにエンリッチした。HLA連鎖不平衡について補正は行わず、ボンフェローニ補正後に残ったHLA関連性のみが報告された。このアプローチを使用して、合計で44個のHLAクラスI拘束性エピトープ及び14個のHLAクラスII拘束性エピトープが同定された。
【0111】
数千人の症例対照免疫シーケンシングコホート(case-control immune sequencing cohort)を使用して、SARS-CoV-2感染に関連する共有のパブリックなT細胞受容体を同定した。フィッシャーの正確検定を使用して、症例においてはエンリッチされ、対照においてはエンリッチされないTCRb配列を表す、「増強された配列(enhanced sequences)」のセットを定義した。これらの増強された配列は、非常にパブリックであり、かつ、SARS-CoV-2に特異的である可能性が高い受容体を含むはずであり、最近又は過去の感染を監視するためのツールとして一緒に検証されている(Dalai et al.,2021)。関心のある候補エピトープのさらなる優先順位付けとして、これらの増強された配列とMIRAデータとの間の重複分析を行い、これらのSARS-CoV-2関連受容体の抗原特異性を正確に特定した。重複する増強された配列の数が最も多いエピトープは、HLAの広い存在(prevalence)に対応する非常にパブリックなT細胞応答を生じさせることができるため、優先して本発明の免疫原性構築物及び組成物に含めた。したがって、本発明による免疫原性構築物及び組成物は、ヒトにおいて強力なT細胞応答を誘導することが検証されているSARS-CoV-2 T細胞エピトープの特有の大きなセットを含む。
【0112】
いくつかのT細胞ワクチン候補が開発され、様々なマウスモデルで試験されている。これらは、ヒト化トランスジェニックマウスであるHLA-DRマウス(Meyers et al.,2021)、HLA-A2.1マウス(Gauttier et al.,2020)、及びCD34マウス(Somogyi et al.,2020)、並びにBALB/cマウス(Gritstone COVID-19 Vaccine Technical Information,2021)においてSARS-CoV-2 T細胞エピトープに対する特異的細胞免疫を誘導することができた。さらに、これらのT細胞ワクチン候補のいくつかは臨床開発に進んでいるか又は試験開始に近づいている。これらと比較して、本発明による免疫原性構築物及びワクチンは、前にヒトにおいても強力なT細胞応答を誘導することが検証されているSARS-CoV-2 T細胞エピトープの特有のより大きなセットを有している。
【0113】
好ましい抗原単位は、配列番号161~167と少なくとも73%の配列同一性を有するアミノ酸配列を有するものである。
【0114】
したがって、一実施形態では、抗原単位は、配列番号161、162、163、164、165、166、及び167からなる群から選択されるアミノ酸配列と少なくとも73%の配列同一性を有するアミノ酸配列を含む。
【0115】
好ましい実施形態では、抗原単位は、配列番号161、162、163、164、165、166、及び167からなる群から選択されるアミノ酸配列と少なくとも73%の配列同一性、例えば少なくとも74%、少なくとも75%、少なくとも76%、少なくとも77%、少なくとも78%、少なくとも79%、少なくとも80%、少なくとも81%、少なくとも82%、少なくとも83%、少なくとも84%、少なくとも85%、少なくとも86%、少なくとも87%、少なくとも88%、少なくとも89%、少なくとも90%、少なくとも91%、少なくとも92%、少なくとも93%、少なくとも94%、少なくとも95%、少なくとも96%、少なくとも97%、少なくとも98%、又は少なくとも99%の配列同一性を有するアミノ酸配列を含む。
【0116】
別の実施形態では、77個のSARS-CoV-2 T細胞エピトープは、配列番号1~77のアミノ酸配列を有する。
【0117】
より好ましい実施形態では、抗原単位は、配列番号161、162、163、164、165、166、及び167からなる群から選択されるアミノ酸配列を含む。
【0118】
別のより好ましい実施形態では、抗原単位は、配列番号161、162、163、164、165、166、及び167からなる群から選択されるアミノ酸配列からなる。
【0119】
標的化単位
本発明の構築物は、樹状細胞(DC)及びそのサブセットを含む抗原提示細胞(APC)を標的化する標的化単位を含む。
【0120】
本明細書で使用される「標的化単位」という用語は、CD4+T細胞に対するMHCクラスII拘束の提示のため、又はCD8+T細胞に対するMHCクラスI拘束による交差提示を提供するために、本明細書に開示される構築物を抗原提示細胞に送達する単位を指す。
【0121】
標的化単位に因り、本明細書に開示された構築物は、DC、好中球、及び他の免疫細胞を誘引する。したがって、構築物は、その中に含まれる抗原単位を特定の細胞に対して標的化するだけでなく、さらに、構築物を含むワクチンの投与部位に特定の免疫細胞を動員することによって応答増幅効果(アジュバント効果)を促す。この特有のメカニズムは臨床現場で非常に重要であり、その理由は、ワクチンに含まれる構築物がアジュバント効果を提供するため、いかなるアジュバントも含む必要がないワクチンの形態で構築物を対象に投与することができるためである。
【0122】
標的化単位は、APC上で発現される表面分子、例えばDCのサブセット上で専ら発現される分子に対して、本発明の構築物を標的化するように設計される。
【0123】
APC上のそのような表面分子の例は、HLA、分化クラスター14(CD14)、分化クラスター40(CD40)、CLEC9A、ケモカイン受容体、及びToll様受容体(TLR)である。ケモカイン受容体には、C-Cモチーフケモカイン受容体1(CCR1)、C-Cモチーフケモカイン受容体3(CCR3)、C-Cモチーフケモカイン受容体4(CCR4)、C-Cモチーフケモカイン受容体5(CCR5)、C-Cモチーフケモカイン受容体6(CCR6)、C-Cモチーフケモカイン受容体7(CCR7)、C-Cモチーフケモカイン受容体8(CCR8)、及びXCR1が含まれる。Toll様受容体には、TLR-2、TLR-4、TLR-5が含まれる。一実施形態では、標的化単位は、これらの表面分子と相互作用する部分であるか、又はそれを含む。
【0124】
したがって、いくつかの実施形態では、標的化単位は、MHC/HLA、CD14、CD40、CLEC9Aに対して特異性を有する抗体可変ドメイン(VL及びVH)などの抗体結合領域、又は好ましくはヒト(h)CD14、hCD40、hCLEC9Aに対して特異性を有するToll様受容体、若しくはヒトToll様受容体を含むか、又はそれからなる。いくつかの他の実施形態では、標的化単位は、合成リガンド若しくは天然リガンドを含むか、又はそれからなる。例には、可溶性CD40リガンド(CD40L)、好ましくはhCD40L、ケモカインなどの天然リガンド、好ましくはヒト型のものなど、例えばケモカインリガンド5(C-Cモチーフリガンド5(CCL5又はRANTES)とも呼ばれる)、好ましくはhCCL5、例えば配列番号43のhCCL5、マクロファージ炎症性タンパク質α及びそのアイソフォーム(マウスCCL3(又はMIP-1α)並びにヒトアイソフォームhCCL3、hCCL3L1、hCCL3L2、及びhCCL3L3を含む)、ケモカインリガンド4(CCL4)及びそのアイソフォームCCL4L、好ましくはhCCL4及びhCCL4L、ケモカインリガンド19(CCL19)、好ましくはhCCL19、ケモカインリガンド20(CCL20)、好ましくはhCCL20、ケモカインリガンド21(CCL21)、好ましくはhCCL21、ケモカインモチーフリガンド1又は2(XCL1又はXCL2)、好ましくはhXCL1又はhXCL2、並びに細菌抗原、例えばフラジェリンが含まれる。
【0125】
いくつかの実施形態では、標的化単位は、MHCクラスIIタンパク質に対する親和性を有する。したがって、いくつかの実施形態では、標的化単位は、抗HLA-DP、抗HLA-DR、及び抗汎HLAクラスIIからなる群から選択されるMHCクラスIIタンパク質に対する特異性を有する抗体可変ドメイン(VL及びVH)などの抗体結合領域を含むか、又はそれからなる。
【0126】
いくつかの他の実施形態では、標的化単位は、CD14、CD40、TLR-2、TLR-4、及びTLR-5からなる群から選択される表面分子に対する親和性を有し、好ましくはhCD14、hCD40、hTLR-2、hTLR-4、及びhTLR-5からなる群から選択される表面分子に対する親和性を有する。したがって、いくつかの実施形態では、標的化単位は、抗CD14、抗CD40、抗TLR-2、抗TLR-4、又は抗TLR-5などの、CD14、CD40、TLR-2、TLR-4、又はTLR-5に対する特異性を有する抗体可変ドメイン(VL及びVH)、好ましくは、抗hCD14、抗hCD40、抗hTLR-2、抗hTLR-4、又はhTLR-5などの、hCD14、hCD40、hTLR-2、hTLR-4、又はhTLR-5に対する特異性を有する抗体可変ドメイン(VL及びVH)などの抗体結合領域を含むか、又はそれからなる。
【0127】
さらにいくつかの他の実施形態では、標的化単位は、TLR-5、例えばhTLR-5に対する親和性を有するフラジェリンを含むか、又はそれからなる。さらに他の実施形態では、標的化単位は、CLEC9Aに特異性を有する抗体結合領域、例えば抗CLEC9A若しくはその変異体、例えば抗CLEC9A Fvを含むか、若しくはそれからなり、又は標的化単位は、CLEC9リガンド、例えば配列番号274を有する核酸配列若しくは当該核酸配列によってコードされるアミノ酸配列を含むか、若しくはそれからなるCLEC9リガンドを含むか、若しくはそれからなる。好ましい実施形態では、標的化単位は、hCLEC9Aに特異性を有する抗体結合領域、例えば抗hCLEC9A若しくはその変異体、例えば抗hCLEC9A Fvを含むか、若しくはそれらからなり、又は、標的化単位は、ヒトCLEC9リガンドを含むか、若しくはそれからなる。
【0128】
好ましくは、標的化単位は、CCR1、CCR3、CCR5、及びCCR7から選択されるケモカイン受容体に対する親和性を有し、より好ましくはCCR1、CCR3、及びCCR5から選択されるケモカイン受容体に対する親和性を有する。さらに好ましい実施形態では、標的化単位は、hCCR1、hCCR3、hCCR5、及びhCCR7から選択されるケモカイン受容体に対する親和性を有し、より好ましくはhCCR1、hCCR3、及びhCCR5から選択されるケモカイン受容体に対する親和性を有する。
【0129】
いくつかの実施形態では、標的化単位は、ケモカイン受容体CCR7に対する親和性を有し、好ましくはヒトケモカイン受容体CCR7に対する親和性を有する。いくつかの他の実施形態では、標的化単位は、CCL19、例えば、配列番号275のヌクレオチド配列を含むか若しくはそれからなるCCL19又は該ヌクレオチド配列によってコードされるアミノ酸配列、又はCCL21、例えば、CCL19又はCCL21のヒト形態を含むか又はそれからなる。
【0130】
好ましくは、標的化は、APCの細胞表面上で発現するCCR1、CCR3、及びCCR5を含む同族受容体に結合するケモカインヒトマクロファージ炎症性タンパク質アルファ(ヒトMIP-1α(hMIP-1α)変異体、LD78β又はCCL3L1とも呼ばれる)を含むか、又はそれからなる。標的化単位がその同族受容体に結合することによって、多量体タンパク質がAPCに内在化され、タンパク質が小さなペプチドに分解され、これがMHC分子に装填され、CD4+及びCD8+T細胞に提示されて、特定の免疫応答が誘導される。刺激を受けると、活性化されたCD4+T細胞の助けを借りて、CD8+T細胞は、同じ抗原を発現する細胞、例えば同じ抗原を発現するがん細胞を標的化し、死滅させる。
【0131】
好ましい一実施形態では、標的化単位は、配列番号168のアミノ酸配列24~93と少なくとも80%の配列同一性を有するアミノ酸配列を含む。さらに好ましい実施形態では、標的化単位は、配列番号168のアミノ酸配列24~93と少なくとも85%の配列同一性、例えば少なくとも86%又は少なくとも87%、88%、89%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、又は少なくとも99%の配列同一性を有するアミノ酸配列を含む。さらに好ましい実施形態では、標的化単位は、配列番号168のアミノ酸配列26~93を含むか、又は配列番号168のアミノ酸配列24~93を含む。
【0132】
より好ましい実施形態では、標的化単位は、配列番号168のアミノ酸配列24~93と少なくとも80%の配列同一性を有するアミノ酸配列からなる。
【0133】
さらに好ましい実施形態では、標的化単位は、配列番号168のアミノ酸配列24~93と少なくとも85%の配列同一性、例えば少なくとも86%又は少なくとも87%、88%、89%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、又は少なくとも99%の配列同一性を有するアミノ酸配列からなる。さらに別の好ましい実施形態では、標的化単位は、配列番号168のアミノ酸配列26~93を有するか、又は配列番号168のアミノ酸配列24~93を有する。
【0134】
別の実施形態では、標的化単位は、抗汎HLAクラスIIを含むか、又は抗汎HLAクラスIIである。
【0135】
好ましい一実施形態では、標的化単位は、配列番号169のアミノ酸配列20~260と少なくとも80%の配列同一性を有するアミノ酸配列を含む。
【0136】
さらに好ましい実施形態では、標的化単位は、配列番号169のアミノ酸配列20~260と少なくとも85%の配列同一性、例えば少なくとも86%又は少なくとも87%、88%、89%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、又は少なくとも99%の配列同一性を有するアミノ酸配列を含む。さらに好ましい実施形態では、標的化単位は、配列番号169のアミノ酸配列20~260を有する。
【0137】
より好ましい実施形態では、標的化単位は、配列番号169のアミノ酸配列20~260と少なくとも80%の配列同一性を有するアミノ酸配列からなる。
【0138】
さらに好ましい実施形態では、標的化単位は、配列番号169のアミノ酸配列20~260と少なくとも85%の配列同一性、例えば少なくとも86%又は少なくとも87%、88%、89%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、又は少なくとも99%の配列同一性を有するアミノ酸配列からなる。さらに別の好ましい実施形態では、標的化単位は、配列番号169のアミノ酸配列20~260からなる。
【0139】
多量体化単位/二量体化単位
本発明の構築物は、二量体化単位などの多量体化単位を含む。
【0140】
本明細書で使用される「多量体化単位」という用語は、抗原単位と標的化単位との間のヌクレオチド配列又はアミノ酸配列を指し、これは、抗原単位と標的化単位を接続することに加えて、複数のポリペプチド、例えば2つ、3つ、4つ、又はそれ以上のポリペプチドの多量体化を促進し、それらを結合して多量体タンパク質、例えば二量体タンパク質、三量体タンパク質、又は四量体タンパク質にする。さらに、多量体化単位はまた、多量体タンパク質に柔軟性を提供し、表面分子が様々な距離に位置する場合であっても標的化単位がAPC上の表面分子に最適に結合できるようにする。多量体化単位は、これらの要件の1つ以上を満たす任意の単位であってもよい。
【0141】
2つ以上のポリペプチドの多量体化を促進する/結合する多量体化単位。いくつかの実施形態では、多量体化単位は、コラーゲン由来の三量体化単位、ヒトコラーゲン由来の三量体化ドメイン、ヒトコラーゲンXVIII由来の三量体化ドメイン(例えばA.Alvarez-Cienfuegos et al.,Sci Rep 6,28643 (2016)を参照のこと)又はヒトコラーゲンXV由来の三量体化ドメインなどの三量体化単位である。したがって、いくつかの実施形態では、多量体化単位は、配列番号276の核酸配列若しくは該核酸配列によってコードされるアミノ酸配列を含むか又はそれからなる三量体化単位である。いくつかの他の実施形態では、三量体化単位は、T4フィブリチンのC末端ドメインである。したがって、いくつかの実施形態では、多量体化単位は、配列番号277のアミノ酸配列を含むか又はそれからなる三量体化単位である。いくつかの実施形態では、三量体化単位は、以下に記載されるヒンジ領域をさらに含む。いくつかの他の実施形態では、多量体化単位は、p53由来のドメインなどの四量体化単位であり、任意で、以下に記載されるヒンジ領域をさらに含む。したがって、いくつかの実施形態では、多量体化単位は、配列番号278の核酸配列若しくは該核酸配列によってコードされるアミノ酸配列を含むか又はそれらからなる四量体化単位であり、任意で、以下に記載されるヒンジ領域をさらに含む。
【0142】
二量体化単位
本明細書で使用される「二量体化単位」という用語は、抗原単位と標的化単位との間のヌクレオチド配列又はアミノ酸配列を指す。抗原単位と標的化単位を接続することに加えて、二量体化単位は、2つのポリペプチドの二量体化を促進し、それらを結合して二量体タンパク質にする。二量体化単位はまた、二量体タンパク質に柔軟性を提供し、表面分子が様々な距離に位置している場合であっても標的化単位がAPC上の表面分子に最適に結合できるようにする。二量化単位は、これらの要件を満たす任意の単位であってもよい。
【0143】
したがって、いくつかの実施形態では、本発明の構築物は、ヒンジ領域を含む二量体化単位を含む。いくつかの他の実施形態では、二量体化単位は、ヒンジ領域及び二量体化を促進する別のドメインを含む。さらにいくつかの他の実施形態では、二量体化単位は、ヒンジ領域、二量体化単位リンカー、及び二量体化を促進する別のドメインを含み、二量体化単位リンカーは、ヒンジ領域と二量体化を促進する他のドメインとを接続する。いくつかの実施形態では、二量体化単位リンカーは、グリシン-セリンに富むリンカー、好ましくはGGGSSGGGSG(配列番号259)であり、すなわち、二量体化単位は、グリシン-セリンに富む二量体化単位リンカーを含み、好ましくは二量体化単位リンカーGGGSSGGGSGを含む。
【0144】
「ヒンジ領域」という用語は、2つのポリペプチドの結合に寄与する、すなわち二量体タンパク質の形成を促進する二量体化単位に含まれるアミノ酸配列を指す。さらに、ヒンジ領域は、フレキシブルなスペーサーとして機能し、これにより、表面分子が様々な距離に位置する場合であっても二量体タンパク質の2つの標的化単位がAPC上の2つの表面分子に同時に結合できるようになる。3つ以上のポリペプチドの多量体化を促進する/結合する多量体化単位の文脈では、「ヒンジ領域」という用語は、3つ以上のポリペプチド、例えば3つ又は4つのポリペプチドを結合すること及び/又はフレキシブルなスペーサーとして機能することに寄与し、これにより、表面分子が様々な距離に位置する場合であっても多量体タンパク質の複数の標的化単位がAPC上の複数の表面分子に同時に結合できるようにする、そのような多量体化単位に含まれるアミノ酸配列を指す。
【0145】
ヒンジ領域は、Ig由来、例えばIgG由来、例えばIgGl又はIgG2又はIgG3由来、例えばhlg由来、例えばヒトIgG由来、例えばhIgGl又はhIgG2又はhIgG3由来であってもよい。いくつかの実施形態では、ヒンジ領域は、IgM由来、例えばヒトIgM由である。いくつかの実施形態では、ヒンジ領域は、配列番号279のヌクレオチド配列又は該核酸配列によってコードされるアミノ酸配列を含むか、又はそれからなる。ヒンジ領域は、共有結合、例えばシステイン間のジスルフィド結合の形成により二量体化に寄与してもよい。したがって、いくつかの実施形態では、ヒンジ領域は、1つ以上の共有結合を形成する能力を有する。好ましくは、共有結合は、ジスルフィド架橋である。
【0146】
いくつかの実施形態では、二量体化単位は、ヒンジエクソンh1及びヒンジエクソンh4(ヒトヒンジ領域1及びヒトヒンジ領域4)、好ましくはIgG3由来のヒンジエクソンh1及びヒンジエクソンh4(より好ましくは配列番号168のアミノ酸配列94~120と少なくとも80%の配列同一性を有するアミノ酸配列を有するもの)を含むか、又はそれからなる。
【0147】
好ましい実施形態では、二量体化単位は、配列番号168のアミノ酸配列94~120と少なくとも85%の配列同一性、例えば少なくとも86%、例えば少なくとも87%、例えば少なくとも88%、例えば少なくとも89%、例えば少なくとも90%、例えば少なくとも91%、例えば少なくとも92%、例えば少なくとも93%、例えば少なくとも94%、例えば少なくとも95%、例えば少なくとも96%、例えば少なくとも97%、例えば少なくとも98%、若しくは例えば少なくとも99%の配列同一性を有するアミノ酸配列を有するヒンジエクソンh1及びヒンジエクソンh4を含むか、又はそれからなる。
【0148】
好ましい実施形態では、二量体化単位は、配列番号168のアミノ酸配列94~120を有するヒンジエクソンh1及びヒンジエクソンh4を含むか、又はそれからなる。
【0149】
好ましい一実施形態では、二量体化単位は、最大4個のアミノ酸、例えば最大3個のアミノ酸、例えば最大2個のアミノ酸、又は例えば最大1個のアミノ酸が置換、欠失、又は挿入されていることを除き、配列番号168のアミノ酸配列94~120を含むか、又はそれからなる。
【0150】
好ましい一実施形態では、二量体化単位は、配列番号280の核酸配列と少なくとも80%の配列同一性を有する核酸配列を含むか、又はそれからなる。
【0151】
さらに好ましい実施形態では、二量体化単位は、配列番号280の核酸配列と少なくとも85%の配列同一性、例えば少なくとも86%若しくは少なくとも87%、88%、89%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、若しくは少なくとも99%の配列同一性を有する核酸配列を含むか、又はそれからなる。
【0152】
なおさらに好ましい実施形態では、二量体化単位は、配列番号280の核酸配列を含むか、又はそれからなる。
【0153】
いくつかの他の実施形態では、二量体化単位は、二量体化を促進する別のドメインを含み、当該別のドメインは、免疫グロブリンドメイン、例えば免疫グロブリン定常ドメイン(Cドメイン)、例えばCH1ドメイン、CH2ドメイン、若しくはカルボキシ末端Cドメイン(すなわち、CH3ドメイン)、又はそのようなCドメインと実質的に同一の配列若しくはその変異体である。好ましくは、二量体化を促進する他のドメインは、IgG、例えばヒトIgG3に由来するカルボキシ末端Cドメインである。より好ましくは二量体化を促進する他のドメインは、IgG3、例えばヒトIgG3由来のカルボキシ末端Cドメインである。
【0154】
いくつかの実施形態では、二量体化単位は、配列番号168のアミノ酸配列131~237と少なくとも80%の配列同一性を有するアミノ酸配列を有するIgG3由来のカルボキシ末端Cドメインを含むか、又はそれからなる。
【0155】
好ましい実施形態では、二量体化単位は、配列番号168のアミノ酸配列131~237と少なくとも85%の配列同一性、例えば少なくとも86%、例えば少なくとも87%、例えば少なくとも88%、例えば少なくとも89%、例えば少なくとも90%、例えば少なくとも91%、例えば少なくとも92%、例えば少なくとも93%、例えば少なくとも94%、例えば少なくとも95%、例えば少なくとも96%、例えば少なくとも97%、例えば少なくとも98%、若しくは例えば少なくとも99%の配列同一性を有するアミノ酸配列を有するIgG3由来のカルボキシ末端Cドメインを含むか、又はそれからなる。
【0156】
好ましい実施形態では、二量体化単位は、配列番号168のアミノ酸配列131~237を有するIgG3由来のカルボキシ末端Cドメインを含むか、又はそれからなる。
【0157】
好ましい一実施形態では、二量体化単位は、最大16個のアミノ酸、例えば最大15、14、13、12、11、10、9、8、7、6、5、4、3、2、又は1個のアミノ酸が置換、欠失、又は挿入されていることを除き、配列番号168のアミノ酸配列131~237を含むか、又はそれからなる。
【0158】
好ましい一実施形態では、二量体化単位は、配列番号281の核酸配列と少なくとも80%の配列同一性を有する核酸配列を含むか、又はそれからなる。
【0159】
さらに好ましい実施形態では、二量体化単位は、配列番号281の核酸配列と少なくとも85%の配列同一性、例えば少なくとも86%若しくは少なくとも87%、88%、89%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、若しくは少なくとも99%の配列同一性を有する核酸配列を含むか、又はそれからなる。さらに好ましい実施形態では、二量体化単位は、配列番号281の核酸配列を含むか、又はそれからなる。
【0160】
免疫グロブリンドメインは、疎水性相互作用などの非共有結合相互作用により二量体化に寄与する。したがって、一実施形態では、免疫グロブリンドメインは、非共有結合相互作用により二量体を形成する能力を有する。好ましくは、非共有結合相互作用は、疎水性相互作用である。
【0161】
二量体化単位がCH3ドメインを含む場合、二量体化単位はCH2ドメインを含まないことが好ましく、その逆も同様である。
【0162】
好ましい実施形態では、二量体化単位は、ヒンジエクソンh1、ヒンジエクソンh4、二量体化単位リンカー、及びヒトIgG3のCH3ドメインを含む。さらに好ましい実施形態では、二量体化単位は、ヒンジエクソンh1、ヒンジエクソンh4、二量体化単位リンカー、及びヒトIgG3のCH3ドメインからなるポリペプチドを含む。別の好ましい実施形態では、二量体化単位は、ヒンジエクソンh1、ヒンジエクソンh4、二量体化単位リンカー、及びヒトIgG3のCH3ドメインからなるポリペプチドからなる。
【0163】
いくつかの実施形態では、二量化単位リンカーは、グリシン-セリンに富むリンカー、好ましくはGGGSSGGGSGであり、すなわち、二量化単位は、グリシン-セリンに富む二量化単位リンカー、好ましくは二量化単位リンカーGGGSSGGGSGを含む。
【0164】
いくつかの実施形態では、二量体化単位は、配列番号168の94~237のアミノ酸配列と少なくとも80%の配列同一性を有するアミノ酸配列を含む。
【0165】
好ましい実施形態では、二量体化単位は、配列番号168のアミノ酸配列94~237と少なくとも85%の配列同一性、例えば少なくとも86%、例えば少なくとも87%、例えば少なくとも88%、例えば少なくとも89%、例えば少なくとも90%、例えば少なくとも91%、例えば少なくとも92%、例えば少なくとも93%、例えば少なくとも94%、例えば少なくとも95%、例えば少なくとも96%、例えば少なくとも97%、例えば少なくとも98%、又は例えば少なくとも99%の配列同一性を有するアミノ酸配列を含む。
【0166】
より好ましい実施形態では、二量体化単位は、配列番号168のアミノ酸配列94~237と少なくとも80%の配列同一性、例えば少なくとも85%、例えば少なくとも86%、例えば少なくとも87%、例えば少なくとも88%、例えば少なくとも89%、例えば少なくとも90%、例えば少なくとも91%、例えば少なくとも92%、例えば少なくとも93%、例えば少なくとも94%、例えば少なくとも95%、例えば少なくとも96%、例えば少なくとも97%、例えば少なくとも98%、又は例えば少なくとも99%の配列同一性を有するアミノ酸配列からなる。
【0167】
さらに好ましい実施形態では、二量体化単位は、配列番号168のアミノ酸配列94~237からなる。
【0168】
好ましい一実施形態では、二量体化単位は、最大28個のアミノ酸、例えば最大25、20、15、14、13、12、11、10、9、8、7、6、5、4、3、2、又は1個のアミノ酸が置換、欠失、又は挿入されていることを除き、配列番号168のアミノ酸配列94~237を含むか、又はそれからなる。
【0169】
好ましい一実施形態では、二量体化単位は、配列番号282の核酸配列と少なくとも80%の配列同一性を有する核酸配列を含むか、又はそれからなる。
【0170】
さらに好ましい実施形態では、二量体化単位は、配列番号282の核酸配列と少なくとも85%の配列同一性、例えば少なくとも86%若しくは少なくとも87%、88%、89%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、若しくは少なくとも99%の配列同一性を有する核酸配列を含むか、又はそれからなる。なおさらに好ましい実施形態では、二量体化単位は、配列番号282の核酸配列を含むか、又はそれからなる。
【0171】
単位リンカー
いくつかの実施形態では、本明細書に開示される構築物は、単位リンカーを含む。いくつかの実施形態では、抗原単位は、単位リンカーによって標的化単位又は多量体化単位に接続されている。したがって、いくつかの実施形態では、本明細書に開示される構築物は、抗原単位を標的化単位又は多量体化単位に接続する単位リンカーを含む。いくつかの実施形態では、単位リンカーは、非免疫原性リンカー及び/又はフレキシブルなリンカー若しくはリジッドなリンカーである。
【0172】
単位リンカーは、第1の核酸配列の構築を促進するために制限部位を含んでもよい。いくつかの実施形態では、単位リンカーは、GLGGL(配列番号214)又はGLSGL(配列番号283)である。他の実施形態では、単位リンカーは、GGGGS(配列番号186)、GGGGSGGGGS(配列番号191)、(GGGGS)m(配列番号192)、EAAAK(配列番号284)、(EAAAK)m(配列番号265)、(EAAAK)mGS(配列番号285)、(EAAK)mGS(配列番号286)、GPSRLEEELRRRLTEPG(配列番号287)、AAY若しくはHEYGAEALERAG(配列番号288)を含むか、又はそれからなる。mは、1~5の整数、例えば1、2、3、4、又は5である。いくつかの実施形態では、mは、2である。
【0173】
シグナルペプチド
好ましい実施形態では、本発明の構築物は、シグナルペプチドをさらにコードするヌクレオチド配列を含むポリヌクレオチドである。シグナルペプチドは、ポリペプチド中の標的化単位の方向に応じて、標的化単位のN末端又は標的化単位のC末端のいずれかに位置する(図1)。シグナルペプチドは、ポリヌクレオチドでトランスフェクトされた細胞からポリヌクレオチドに含まれる核酸によってコードされるポリペプチドを分泌することができるように設計されている。好ましくは、シグナルペプチドは、本明細書に記載の標的化単位のうちのいずれかのN末端に天然に存在するもの(天然リーダー配列とも呼ばれる)である。
【0174】
任意の好適なシグナルペプチドが使用され得る。好適なペプチドの例は、Ig VHシグナルペプチド、好ましくはヒトIg VHシグナルペプチド、配列番号170などのヒトTPAシグナルペプチド、及びヒトMIP1-αシグナルペプチドである。
【0175】
好ましい実施形態では、ポリヌクレオチドは、ヒトMIP1-αシグナルペプチドをコードするヌクレオチド配列を含み、好ましくはヒトMIP1-α標的化単位をコードするヌクレオチド配列を含む。
【0176】
さらに好ましい実施形態では、ポリヌクレオチドは、配列番号168のアミノ酸配列1~23と少なくとも85%の配列同一性、例えば少なくとも86%、例えば少なくとも87%、例えば少なくとも88%、例えば少なくとも89%、例えば少なくとも90%、例えば少なくとも91%、例えば少なくとも92%、例えば少なくとも93%、例えば少なくとも94%、例えば少なくとも95%、例えば少なくとも96%、例えば少なくとも97%、例えば少なくとも98%、又は例えば少なくとも99%の配列同一性を有するアミノ酸配列を含むシグナルペプチドをコードするヌクレオチド配列を含む。
【0177】
別の好ましい実施形態では、ポリヌクレオチドは、配列番号168のアミノ酸配列1~23を含むシグナルペプチドをコードするヌクレオチド配列を含む。
【0178】
より好ましい実施形態では、ポリヌクレオチドは、配列番号168のアミノ酸配列1~23と少なくとも80%の配列同一性、好ましくは少なくとも85%、例えば少なくとも86%、例えば少なくとも87%、例えば少なくとも88%、例えば少なくとも89%、例えば少なくとも90%、例えば少なくとも91%、例えば少なくとも92%、例えば少なくとも93%、例えば少なくとも94%、例えば少なくとも95%、例えば少なくとも96%、例えば少なくとも97%、例えば少なくとも98%、又は例えば少なくとも99%の配列同一性を有するアミノ酸配列からなるシグナルペプチドをコードするヌクレオチド配列を含む。
【0179】
別の好ましい実施形態では、ポリヌクレオチドは、配列番号168のアミノ酸配列1~23を有するシグナルペプチドをコードするヌクレオチド配列を含む。
【0180】
別の好ましい実施形態では、ポリヌクレオチドは、Ig VHシグナルペプチドをコードするヌクレオチド配列を含み、好ましくは抗汎HLAクラスII標的化単位をコードするヌクレオチド配列を含む。
【0181】
さらに好ましい実施形態では、ポリヌクレオチドは、配列番号169のアミノ酸配列1~19と少なくとも85%の配列同一性、例えば少なくとも86%、例えば少なくとも87%、例えば少なくとも88%、例えば少なくとも89%、例えば少なくとも90%、例えば少なくとも91%、例えば少なくとも92%、例えば少なくとも93%、例えば少なくとも94%、例えば少なくとも95%、例えば少なくとも96%、例えば少なくとも97%、例えば少なくとも98%、又は例えば少なくとも99%の配列同一性を有するアミノ酸配列を含むシグナルペプチドをコードするヌクレオチド配列を含む。
【0182】
別の好ましい実施形態では、ポリヌクレオチドは、配列番号169のアミノ酸配列1~19を含むシグナルペプチドをコードするヌクレオチド配列を含む。
【0183】
より好ましい実施形態では、ポリヌクレオチドは、配列番号169のアミノ酸配列1~19と少なくとも80%の配列同一性、好ましくは少なくとも85%、例えば少なくとも86%、例えば少なくとも87%、例えば少なくとも88%、例えば少なくとも89%、例えば少なくとも90%、例えば少なくとも91%、例えば少なくとも92%、例えば少なくとも93%、例えば少なくとも94%、例えば少なくとも95%、例えば少なくとも96%、例えば少なくとも97%、例えば少なくとも98%、又は例えば少なくとも99%の配列同一性を有するアミノ酸配列からなるシグナルペプチドをコードするヌクレオチド配列を含む。
【0184】
別の好ましい実施形態では、ポリヌクレオチドは、配列番号169のアミノ酸配列1~19を有するシグナルペプチドをコードするヌクレオチド配列を含む。
【0185】
好ましい免疫原性構築物
好ましい免疫原性構築物は、以下の単位を含むものである:
【0186】
標的化単位:
標的化単位は、配列番号168のアミノ酸配列24~93と少なくとも80%の配列同一性を有するアミノ酸配列を含む。
【0187】
さらに好ましい実施形態では、標的化単位は、配列番号168のアミノ酸配列24~93と少なくとも85%の配列同一性、例えば少なくとも86%又は少なくとも87%、88%、89%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、又は少なくとも99%の配列同一性を有するアミノ酸配列を含む。なおさらに好ましい実施形態では、標的化単位は、配列番号168のアミノ酸配列24~93を含むか、又は配列番号168のアミノ酸配列26~93を含む。
【0188】
より好ましい実施形態では、標的化単位は、配列番号168のアミノ酸配列24~93と少なくとも80%の配列同一性を有するアミノ酸配列からなる。
【0189】
さらに好ましい実施形態では、標的化単位は、配列番号168のアミノ酸配列24~93と少なくとも85%の配列同一性、例えば少なくとも86%又は少なくとも87%、88%、89%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、又は少なくとも99%の配列同一性を有するアミノ酸配列からなる。なおさらに別の好ましい実施形態では、標的化単位は、配列番号168のアミノ酸配列24~93からなるか、又は配列番号168のアミノ酸配列26~93からなる。
【0190】
二量化単位:
二量体化単位は、配列番号168の94~237のアミノ酸配列と少なくとも80%の配列同一性を有するアミノ酸配列を含む。
【0191】
好ましい実施形態では、二量体化単位は、配列番号168のアミノ酸配列94~237と少なくとも85%の配列同一性、例えば少なくとも86%、例えば少なくとも87%、例えば少なくとも88%、例えば少なくとも89%、例えば少なくとも90%、例えば少なくとも91%、例えば少なくとも92%、例えば少なくとも93%、例えば少なくとも94%、例えば少なくとも95%、例えば少なくとも96%、例えば少なくとも97%、例えば少なくとも98%、又は例えば少なくとも99%の配列同一性を有するアミノ酸配列を含む。さらに好ましい実施形態では、二量体化単位は、配列番号168のアミノ酸配列94~237を含む。
【0192】
より好ましい実施形態では、二量体化単位は、配列番号168のアミノ酸配列94~237と少なくとも80%の配列同一性、例えば少なくとも85%、例えば少なくとも86%、例えば少なくとも87%、例えば少なくとも88%、例えば少なくとも89%、例えば少なくとも90%、例えば少なくとも91%、例えば少なくとも92%、例えば少なくとも93%、例えば少なくとも94%、例えば少なくとも95%、例えば少なくとも96%、例えば少なくとも97%、例えば少なくとも98%、又は例えば少なくとも99%の配列同一性を有するアミノ酸配列からなる。
【0193】
さらにより好ましい実施形態では、二量体化単位は、配列番号168のアミノ酸配列94~237からなる。
【0194】
抗原単位
以下の実施形態は、(医薬組成物中の予防又は治療使用のための)免疫原性構築物に含まれる抗原単位又は抗原単位自体(すなわち、標的化単位及び二量体化単位などの多量体化単位が存在しない)の好ましい実施形態である。
【0195】
抗原単位は、配列番号161、162、163、164、165、166、及び167からなる群から選択される配列と少なくとも80%の配列同一性を有するアミノ酸配列を含む。
【0196】
好ましい実施形態では、抗原単位は、配列番号161、162、163、164、165、166、及び167からなる群から選択されるアミノ酸配列と少なくとも85%の配列同一性、例えば少なくとも86%又は少なくとも87%、88%、89%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、又は少なくとも99%の配列同一性を有するアミノ酸配列を含む。
【0197】
より好ましい実施形態では、抗原単位は、配列番号161、162、163、164、165、166、及び167からなる群から選択されるアミノ酸配列を含む。
【0198】
別の実施形態では、抗原単位は、配列番号161、162、163、164、165、166、及び167からなる群から選択される配列と少なくとも80%の配列同一性を有するアミノ酸配列からなる。
【0199】
好ましい実施形態では、抗原単位は、配列番号161、162、163、164、165、166、及び167からなる群から選択されるアミノ酸配列と少なくとも85%の配列同一性、例えば少なくとも86%又は少なくとも87%、88%、89%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、又は少なくとも99%の配列同一性を有するアミノ酸配列からなる。
【0200】
より好ましい実施形態では、抗原単位は、配列番号161、162、163、164、165、166、及び167からなる群から選択されるアミノ酸配列を有する。
【0201】
最も好ましい実施形態では、免疫原性構築物は、配列番号171、172、173、174、175、176、及び177からなる群から選択されるアミノ酸配列を有するポリペプチド、又は2つのそのようなポリペプチドからなる二量体タンパク質である。別の最も好ましい実施形態では、免疫原性構築物は、配列番号178、179、180、181、182、183、及び184からなる群から選択されるアミノ酸配列を有するポリペプチドをコードするヌクレオチド配列を含むポリヌクレオチドである。
【0202】
さらに最も好ましい実施形態では、免疫原性構築物は、配列番号177のアミノ酸配列を有するポリペプチド、又は2つのそのようなポリペプチドからなる二量体タンパク質である。さらに別の最も好ましい実施形態では、免疫原性構築物は、配列番号184のアミノ酸配列を有するポリペプチドをコードするヌクレオチド配列を含むポリヌクレオチドである。なおさらに別の最も好ましい実施形態では、免疫原性構築物は、配列番号185のヌクレオチド配列を含むポリヌクレオチドである。
【0203】
配列同一性
配列同一性は以下のように決定され得る:配列同一性の高いレベルは、第2の配列が代1の配列に由来する可能性が高いことを示す。アミノ酸配列の同一性は、2つの整列された配列間において同一のアミノ酸配列を必要とする。したがって、参照配列と70%のアミノ酸同一性を共有する候補配列は、整列後に、候補配列中のアミノ酸の70%が参照配列中の対応するアミノ酸と同一である必要がある。同一性は、コンピュータ分析、例えば限定するものではないが、ClustalWコンピュータ整列プログラム(Higgins D.,Thompson J.,Gibson T.,Thompson J.D.,Higgins D.G.,Gibson T.J.,1994.CLUSTAL W:improving the sensitivity of progressive multiple sequence alignment through sequence weighting,position-specific gap penalties and weight matrix choice.Nucleic Acids Res.22:4673-4680)及びそこで提案されているデフォルトのパラメータの支援によって決定され得る。デフォルト設定を用いてこのプログラムを使用することにより、クエリ及び参照ポリペプチドの成熟した(生物活性)部分が整列される。完全に保存された残基の数を数え、参照ポリペプチドの長さで割る。そうすることに際して、クエリ配列の一部を形成する任意のタグ又は融合タンパク質配列は、整列及びその後の配列同一性の決定において考慮されない。
【0204】
ClustalWアルゴリズムを同様に使用してヌクレオチド配列を整列してもよい。配列同一性は、アミノ酸配列で示した場合と同様の方法で計算され得る。
【0205】
配列の比較に使用される別の好ましい数学的アルゴリズムは、Myers and Miller,CABIOS(1989)のアルゴリズムである。そのようなアルゴリズムは、FASTA配列整列ソフトウェアパッケージ(Pearson WR,Methods Mol Biol,2000,132:185-219)の一部であるALIGNプログラム(バージョン2.0)に組み込まれている。ALIGNは、グローバルアライメントに基づいて配列の同一性を計算する。Align0は、配列の末端におけるギャップに対してペナルティを課さない。アミノ酸配列を比較するためにALIGN及びAlign0プログラムを使用する場合、ギャップ開始/延長ペナルティが-12/-2であるBLOSUM50置換マトリックスが好ましくは使用される。
【0206】
ポリヌクレオチド
本発明の構築物は、本明細書に記載のポリヌクレオチドの形態であってもよい。
【0207】
本発明のさらなる態様は、抗原提示細胞を標的化する標的化単位、二量体化単位などの多量体化単位、及び抗原単位をコードするヌクレオチド配列を含むポリヌクレオチドであり、抗原単位が、配列番号1~77のアミノ酸配列と少なくとも73%の配列同一性を有するアミノ酸配列を有する少なくとも77個のSARS-CoV-2 T細胞エピトープを含む、ポリヌクレオチドである。
【0208】
本発明のなおさらなる別の態様は、抗原単位をコードするヌクレオチド配列を含むポリヌクレオチドであって、抗原単位が、配列番号1~77のアミノ酸配列と少なくとも73%の配列同一性を有するアミノ酸配列を有する少なくとも77個のSARS-CoV-2 T細胞エピトープを含む、ポリヌクレオチドである。
【0209】
ポリヌクレオチドは、二本鎖又は一本鎖のいずれかのゲノムDNA、cDNA、mRNAを含む、DNA又はRNAである。好ましい実施形態では、ポリヌクレオチドは、DNAである。
【0210】
いくつかの実施形態では、ポリヌクレオチドは、ヒトコドン最適化されている。
【0211】
ベクター
いくつかの実施形態では、本明細書に記載のポリヌクレオチドはベクターに含まれる。
【0212】
したがって、本開示のさらなる態様は、抗原提示細胞を標的化する標的化単位、二量体化単位などの多量体化単位、及び抗原単位をコードするヌクレオチド配列を含むポリヌクレオチドを含むベクターであって、抗原単位が、配列番号1~77のアミノ酸配列と少なくとも73%の配列同一性を有するアミノ酸配列を有する少なくとも77個のSARS-CoV-2 T細胞エピトープを含む、ベクターである。
【0213】
本開示のなおさらなる別の態様は、抗原単位をコードするヌクレオチド配列を含むポリヌクレオチドを含むベクターであって、抗原単位が、配列番号1~77のアミノ酸配列と少なくとも73%の配列同一性を有するアミノ酸配列を有する少なくとも77個のSARS-CoV-2 T細胞エピトープを含む、ベクターである。
【0214】
ベクターは、DNA又はRNAなどの外来核酸配列をそれらが発現される細胞に(インビトロ又はインビボで)送達するのに好適である任意の分子、すなわち、発現ベクターであってもよい。
【0215】
いくつかの実施形態では、ベクターは、DNAベクター、例えばDNAプラスミド又はDNAウイルスベクター、例えばアデノウイルス、ワクシニアウイルス、アデノ随伴ウイルス、サイトメガロウイルス、及びセンダイウイルスからなる群から選択されるDNAウイルスベクターである。
【0216】
いくつかの他の実施形態では、ベクターは、RNAベクター、例えばRNAプラスミド又はRNAウイルスベクター、例えばレトロウイルスベクター、例えばアルファウイルス、レンチウイルス、モロニーマウス白血病ウイルス、及びラブドウイルスからなる群から選択されるレトロウイルスベクターである。
【0217】
好ましい実施形態では、ベクターはDNAプラスミドであり、ポリヌクレオチドはDNAである。
【0218】
ポリシストロニックベクター
いくつかの実施形態では、上記のベクターは、別々の分子として本明細書に開示されたポリペプチド又は抗原単位の発現及びさらに1つ以上の免疫刺激化合物の発現を可能にするポリシストロニックベクターである。
【0219】
本開示のさらなる態様は、
(A)抗原提示細胞を標的化する標的化単位、二量体化単位などの多量体化単位、及び抗原単位を含むポリペプチドをコードするヌクレオチド配列を含むポリヌクレオチドであって、抗原単位が、配列番号1~77のアミノ酸配列と少なくとも73%の配列同一性を有するアミノ酸配列を有する少なくとも77個のSARS-CoV-2 T細胞エピトープを含む、ポリヌクレオチド、及び
(B)1つ以上の免疫刺激化合物をコードする1つ以上の核酸配列
を含むベクターであって、ポリペプチド及び1つ以上の免疫刺激化合物を別々の分子として共発現することが可能である、ベクターである。
【0220】
本開示のなおさらなる態様は、
(A)抗原単位をコードするヌクレオチド配列を含むポリヌクレオチドであって、抗原単位が、配列番号1~77のアミノ酸配列と少なくとも73%の配列同一性を有するアミノ酸配列を有する少なくとも77個のSARS-CoV-2 T細胞エピトープを含む、ポリヌクレオチド、及び
(B)1つ以上の免疫刺激化合物をコードする1つ以上の核酸配列
を含むベクターであって、抗原単位及び1つ以上の免疫刺激化合物を別々の分子として共発現することが可能である、ベクターである。
【0221】
標的化単位、二量体化単位などの多量体化単位、及び抗原単位を含むポリペプチドをコードするヌクレオチド配列を含むポリヌクレオチド並びに1つ以上の免疫刺激化合物をコードする1つ以上の核酸配列を含むポリシストロニックベクターであって、ポリペプチド及び1つ以上の免疫刺激化合物を別々の分子として共発現させる、ポリシストロニックベクターが、PCT/EP2022/062665(その開示は参照により本明細書に組み込まれる)において出願人により開示されている。
【0222】
ポリシストロニックベクターは、DNA又はNAなどの外来核酸配列をそれらが発現される細胞に(インビトロ又はインビボで)送達するのに好適である任意の分子、すなわち、発現ベクターであってもよい。
【0223】
いくつかの実施形態では、ポリシストロニックベクターは、DNAベクター、例えばDNAプラスミド又はDNAウイルスベクター、例えばアデノウイルス、ワクシニアウイルス、アデノ随伴ウイルス、サイトメガロウイルス、及びセンダイウイルスからなる群から選択されるDNAウイルスベクターである。
【0224】
いくつかの他の実施形態では、ポリシストロニックベクターは、RNAベクター、例えばRNAプラスミド又はRNAウイルスベクター、例えばレトロウイルスベクター、例えばアルファウイルス、レンチウイルス、モロニーマウス白血病ウイルス、及びラブドウイルスからなる群から選択されるレトロウイルスベクターである。
【0225】
好ましい実施形態では、ベクターは、ポリシストロニックDNAプラスミドである。本開示のポリシストロニックベクターは、プラスミド、例えばDNAプラスミド(すなわち、ポリシストロニックDNAプラスミド)について論じて例示したが、その議論は他のポリシストロニックベクター、例えばウイルスベクターにも適用されることが理解される。
【0226】
ポリシストロニックプラスミドは、当該技術分野で既知であり、したがって、当業者は本開示のポリシストロニックプラスミドを設計及び構築することができる。
【0227】
好ましい実施形態では、本開示のポリシストロニックプラスミドは、1つ以上の共発現要素、すなわち、ポリペプチド/抗原単位及び1つ以上の免疫刺激化合物を別々の分子としてプラスミドから共発現することが可能である核酸配列を含む。
【0228】
本開示のいくつかの実施形態では、ポリシストロニックプラスミドは、ポリペプチド/抗原単位及び1つ以上の免疫刺激化合物が単一の転写物上に転写されるが独立して翻訳されることを生じさせる、共発現要素を含む。したがって、共発現要素の存在により、別々の翻訳産物が最終的に生成される。
【0229】
いくつかの実施形態では、そのような共発現要素は、IRES要素(内部リボソーム進入部位)である。他の実施形態では、そのような共発現要素は、2A自己切断ペプチド(2Aペプチド)である。両方の共発現要素が当該技術分野で既知である。2つ以上の免疫刺激化合物が本開示のポリシストロニックプラスミドから発現される場合、IRES要素及び/又は2Aペプチドは、プラスミド中に、例えば免疫刺激化合物をコードする各核酸配列の上流に存在する必要がある。
【0230】
他の実施形態では、ポリシストロニックプラスミドは、ポリペプチド/抗原単位及び1つ以上の免疫刺激化合物が別々の転写物として転写されて、別々の転写産物、したがって別々のタンパク質が生成されることを生じさせる、共発現要素を含む。
【0231】
いくつかの実施形態では、そのような共発現要素は、双方向性プロモーターである。他の実施形態では、そのような共発現要素は、様々なプロモーターであり、すなわち、ポリシストロニックプラスミドは、ポリペプチド又は1つ以上の免疫刺激化合物のいずれかをコードする核酸配列の各々に対するプロモーターを含む。両方の共発現要素が当該技術分野で既知である。
【0232】
上記の共発現要素は、任意の様式で組み合わせることができ、すなわち、本開示のポリシストロニックプラスミドは、そのような同じ又は異なる共発現要素の1つ以上を含んでもよい。
【0233】
免疫刺激化合物
本開示のポリシストロニックプラスミドは、1つ以上の免疫刺激化合物をコードする1つ以上の核酸配列を含む。本開示のいくつかの実施形態では、免疫刺激化合物は、APCを刺激する化合物であり、刺激によって、例えばAPCの誘引、活性化、成熟、及び/又は増殖が生じる。
【0234】
第1の実施形態では、免疫刺激化合物は、APCを誘引するものであり、好ましくはAPC上の次の表面分子と相互作用できるものである:CCR1(C-Cモチーフケモカイン受容体1)、CCR3(C-Cモチーフケモカイン受容体3)、CCR4(C-Cモチーフケモカイン受容体4)、CCR5(C-Cモチーフケモカイン受容体5)、CCR6(C-Cモチーフケモカイン受容体6)、CCR7(Cモチーフケモカイン受容体7)、CCR8(Cモチーフケモカイン受容体8)、又はXCR1(X-Cモチーフケモカイン受容体1)。
【0235】
他の実施形態では、免疫刺激化合物は、CCL4、CCL5、CCL19、CCL20、CCL21、XCL1、又はXCL2からなるリストから選択される。
【0236】
第2の実施形態では、免疫刺激化合物は、APCの活性化及び/又は成熟を促進するものである。いくつかの実施形態では、免疫刺激化合物は、APC上の次の表面分子と相互作用することができる:CD40(分化クラスター40)、CD137(4-1BB)、CD27、ICOSL(CD275)、又はRANKを含む、TNF受容体スーパーファミリーの受容体。
【0237】
そのような免疫刺激化合物は、CD40L(CD40リガンド、CD154)、CD137L(4-1BBL、4-1BBリガンド)、CD70、ICOS(CD278)、又はRANKLからなるリストから選択されてもよい。
【0238】
他の実施形態では、免疫刺激化合物は、IL-2、IL-10、IL-12、TNFα、及びIFN-γから選択されるサイトカインである。他の実施形態では、免疫刺激化合物は、TLR受容体を介して活性化するMyD88及びTRIFなどの免疫シグナル伝達分子であり得る。
【0239】
他の実施形態では、免疫刺激化合物は、例えばRIG-1及びMDA-5などのウイルス感染センサーであり得る。
【0240】
他の実施形態では、免疫刺激化合物は、APC上のパターン認識受容体、例えばTLR2、TLR4、又はTLR5を含むToll様受容体と相互作用することができる。そのような免疫刺激化合物は、病原体関連分子パターン(PAMP)、例えばフラジェリン、又はタンパク質ダメージ関連分子パターン(DAMP)、例えばHMGB1、HSP(熱ショックタンパク質)、カルレクティキュリン(Calrecticulin)、及びアネキシンA1からなるリストから選択されてもよい。PAMP/DAMPには、本開示のDNAプラスミド中に核酸配列として含めることができ、かつ、翻訳後修飾によって導入された官能基を含んでもよい機能性タンパク質として発現されるものが含まれる。上記の分子は、APC上の次の受容体を活性化する:RAGE、TLR4、TLR9、TIM-3(HMGB1の場合)、FPR(アネキシンAlの場合)、SREC1、LOX1、CD91(HSPの場合)。
【0241】
第3の実施形態では、免疫刺激化合物は、APCの成長及び/又は増殖を促進するものである。いくつかの実施形態では、免疫刺激化合物は、APC上の次の表面分子と相互作用することができる:GM-CSF受容体(顆粒球マクロファージコロニー刺激因子受容体、CD116)、FLT-3R(fms様チロシンキナーゼ3、CD135)、IL-15R、又はIL-4R。
【0242】
他の実施形態では、免疫刺激化合物は、GM-CSF(顆粒球マクロファージコロニー刺激因子)、FLT-3L、IL-15、又はIL-4などの成長因子である。
【0243】
いくつかの実施形態では、ポリシストロニックベクターは、2、3、4、5、6、7、又は8つの免疫刺激化合物をコードする核酸配列を含む。好ましい実施形態では、ポリシストロニックベクターは、2~6つの免疫刺激化合物、すなわち、2つ又は3つ又は4つ又は5つ又は6つの異なる免疫刺激化合物をコードする核酸配列を含む。免疫刺激化合物は、同じであっても又は異なっていてもよく、好ましくは異なる。
【0244】
好ましい実施形態では、異なる免疫刺激化合物はまた、免疫系を多くの異なるレベルで刺激し、それにより、本開示の構築物の治療効果又は予防効果を最大化するために、APCに異なる影響を与える。
【0245】
一例として、ポリシストロニックベクターは、2つの異なる免疫刺激化合物をコードする核酸を含み、1つ目はDCの成長を促進する免疫刺激化合物(例えばFLT-3L)であり、2つ目はDCの活性化を促進する免疫刺激化合物(例えばCD40L)である。
【0246】
ベクター及び宿主細胞の作製
本明細書に開示されるベクターは、一般に、本明細書に開示されるポリペプチド/抗原単位の発現のために、及びポリペプチドが発現される場合、複数のそのようなポリペプチドからなる多量体タンパク質の形成のために、例えば2つのそのようなポリペプチドからなる二量体タンパク質の形成のために、宿主細胞をトランスフェクトするのに好適である。
【0247】
したがって、本開示のさらなる態様は、抗原提示細胞を標的化する標的化単位、二量体化単位などの多量体化単位、及び抗原単位をコードするヌクレオチド配列を含むポリヌクレオチドを含むベクターを含む宿主細胞であって、抗原単位が、配列番号1~77のアミノ酸配列と少なくとも73%の配列同一性を有するアミノ酸配列を有する少なくとも77個のSARS-CoV-2 T細胞エピトープを含む、宿主細胞である。
【0248】
したがって、本開示のなおさらなる態様は、抗原単位をコードするヌクレオチド配列を含むポリヌクレオチドを含むベクターを含む宿主細胞であって、抗原単位が、配列番号1~77のアミノ酸配列と少なくとも73%の配列同一性を有するアミノ酸配列を有する少なくとも77個のSARS-CoV-2 T細胞エピトープを含む、宿主細胞である。
【0249】
いくつかの実施形態では、ベクターを含む宿主細胞は、細胞培養の細胞、例えば細菌細胞であり、ベクターによってコードされるポリペプチド/抗原単位は、インビトロで発現される。いくつかの他の実施形態では、本発明のベクターを含む宿主細胞は、対象の細胞であり、ベクターによってコードされるポリペプチド/抗原単位は、対象にベクターを投与した結果として上記対象において、すなわちインビボで発現される。インビトロトランスフェクションに好適な宿主細胞には、原核細胞、酵母細胞、昆虫細胞、又は高等真核細胞が含まれる。インビボトランスフェクションに好適な宿主細胞には、例えばヒト筋肉細胞が含まれる。
【0250】
いくつかの実施形態では、ベクターは、上記の様々な単位、特に抗原単位の容易な交換を可能にする。いくつかの実施形態では、ベクターは、pUMVC4aベクター又はNTC9385Rベクター骨格を含むベクターである。抗原単位は、SfiI制限酵素カセットによって制限される抗原単位カセットと交換されてもよく、5’部位はGLGGL(配列番号214)又はGLSGL(配列番号283)単位リンカーをコードするヌクレオチド配列に組み込まれ、3’部位はベクター中の停止コドンの後に含まれる。
【0251】
ベクター、例えばDNA及びRNAプラスミドなどの発現ベクター又はウイルスベクターの操作及び作製方法は周知であり、当業者はそのような既知の方法を使用して本明細書に開示されたベクターを設計/作製することができるであろう。さらに、様々な商業メーカーがベクターの設計及び作製のサービスを提供している。
【0252】
一態様では、本開示は、抗原提示細胞を標的化する標的化単位、二量体化単位などの多量体化単位、及び抗原単位をコードするヌクレオチド配列を含むポリヌクレオチドを含むベクターを作製する方法であって、抗原単位が、配列番号1~77のアミノ酸配列と少なくとも73%の配列同一性を有するアミノ酸配列を有する少なくとも77個のSARS-CoV-2 T細胞エピトープを含み、
a)インビトロでベクターで細胞をトランスフェクトすることと、
b)上記細胞を培養することと、
c)任意で、細胞を溶解し、細胞からベクターを放出させることと、
d)ベクターを単離し、任意で精製することと
を含む、方法に関する。
【0253】
さらなる態様では、本開示は、抗原単位をコードするヌクレオチド配列を含むポリヌクレオチドを含むベクターを作製する方法であって、抗原単位が、配列番号1~77のアミノ酸配列と少なくとも73%の配列同一性を有するアミノ酸配列を有する少なくとも77個のSARS-CoV-2 T細胞エピトープを含み、
a)インビトロでベクターで細胞をトランスフェクトすること、
b)上記細胞を培養すること、
c)任意で、細胞を溶解し、ベクターを細胞から放出させること、
d)ベクターを単離し、任意で精製することと
を含む、方法に関する。
【0254】
ポリペプチド/抗原単位
本発明の構築物は、本明細書に記載のポリヌクレオチドに含まれるヌクレオチド配列によってコードされるポリペプチドの形態であってもよい。
【0255】
本発明のさらなる態様は、抗原提示細胞を標的化する標的化単位、二量体化単位などの多量体化単位、及び抗原単位を含むポリペプチドであって、抗原単位が、配列番号1~77のアミノ酸配列と少なくとも73%の配列同一性を有するアミノ酸配列を有する少なくとも77個のSARS-CoV-2 T細胞エピトープを含む、ポリペプチドである。
【0256】
ポリペプチドは、例えばそのようなポリペプチドを含むワクチンなどの医薬組成物の作製のために、インビトロで発現されてもよい。あるいは、ポリペプチドは、本明細書に記載のポリヌクレオチドを対象に投与した結果としてインビボで発現されてもよい。
【0257】
さらなる態様では、本開示は、配列番号1~77のアミノ酸配列と少なくとも73%の配列同一性を有するアミノ酸配列を有する少なくとも77個のSARS-CoV-2 T細胞エピトープを含む、抗原単位に関する。
【0258】
抗原単位は、例えばそのような抗原単位を含むワクチンなどの医薬組成物の製造のために、インビトロで発現されてもよい。抗原単位は、例えば抗原単位が発現されるように抗原単位をコードするヌクレオチド配列を含むポリヌクレオチドで細胞をトランスフェクト又は形質導入し、細胞を培養し、細胞から抗原単位を単離し(これは、抗原単位が細胞から培地に分泌される場合、細胞培地中の細胞から抗原単位を単離することを意味してもよい)、任意で抗原単位を精製することにより、インビトロで生成されてもよい。
【0259】
したがって、本発明のさらなる態様は、配列番号1~77のアミノ酸配列と少なくとも73%の配列同一性を有するアミノ酸配列を有する少なくとも77個のSARS-CoV-2 T細胞エピトープを含む抗原単位を調製するための方法であって、
a)抗原単位をコードするヌクレオチド配列を含むポリヌクレオチドで細胞をトランスフェクト又は形質導入することと、
b)細胞を培養することと、
c)細胞から抗原単位を単離することと、
d)任意で、抗原単位を精製することと
を含む、方法である。
【0260】
あるいは、抗原単位は、本明細書に記載されるそのような抗原単位をコードするポリヌクレオチドを対象に投与する結果としてインビボで発現されてもよい。
【0261】
多量体タンパク質/二量体タンパク質
本発明のさらなる態様は、複数のポリペプチドからなる多量体タンパク質であって、その各々が、抗原提示細胞を標的化する標的化単位、多量体化単位、及び抗原単位を含み、抗原単位が、配列番号1~77のアミノ酸配列と少なくとも73%の配列同一性を有するアミノ酸配列を有する少なくとも77個のSARS-CoV-2 T細胞エピトープを含む、多量体タンパク質である。
【0262】
いくつかの実施形態では、本開示は、2つのポリペプチドからなる二量体タンパク質であって、その各々が、標的化単位、二量体化単位、及び抗原単位を含み、抗原単位が、配列番号1~77のアミノ酸配列と少なくとも73%の配列同一性を有するアミノ酸配列を有する少なくとも77個のSARS-CoV-2 T細胞エピトープを含む、二量体タンパク質に関する。
【0263】
多量体タンパク質は、ホモ多量体又はヘテロ多量体であってもよい。例えば、多量体タンパク質が二量体タンパク質である場合、該二量体タンパク質は、ホモ二量体、すなわち2つの同一のポリペプチド分子(同一の単位/要素を含む)によって形成される二量体タンパク質であってもよい。あるいは、上記二量体タンパク質は、2つの異なるポリペプチドによって形成されたヘテロ二量体であってもよく、例えばポリペプチド1及び2は同じ標的化単位及び二量体化単位を含むが、各々は異なる抗原単位を含む。ヘテロ多量体タンパク質は、2つの異なるベクター(1つはポリペプチド1をコードするポリヌクレオチドを含み、もう1つはポリペプチド1とは異なるポリペプチド2をコードするポリヌクレオチドを含む)で細胞を共トランスフェクトし、ポリペプチドが発現されてヘテロ多量体タンパク質が形成された後にヘテロ多量体タンパク質を単離することによって生成することができる。抗原単位に含まれるT細胞エピトープの数が抗原単位の上限サイズを超える場合、ヘテロ多量体タンパク質が適切であり得る。多量体タンパク質は、ホモ多量体タンパク質であることが好ましい。
【0264】
多量体/二量体タンパク質は、例えばポリペプチドが発現され、多量体タンパク質/二量体タンパク質を形成するように、インビトロで、ポリペプチドをコードするヌクレオチド配列を含むポリヌクレオチドで細胞をトランスフェクト又は形質導入することによってポリペプチドを発現させ、細胞を培養し、細胞から多量体タンパク質/二量体タンパク質を単離し(これは、タンパク質が細胞から培地に分泌される場合、細胞培地中の細胞からタンパク質を単離することを意味してもよい)、任意でタンパク質を精製することによって調製することができる。
【0265】
したがって、本発明のさらなる態様は、複数のポリペプチドからなる多量体タンパク質を調製するための方法であって、その各々が、抗原提示細胞を標的化する標的化単位、多量体化単位、及び抗原単位を含み、抗原単位が、配列番号1~77のアミノ酸配列と少なくとも73%の配列同一性を有するアミノ酸配列を有する少なくとも77個のSARS-CoV-2 T細胞エピトープを含み、
a)ポリペプチドをコードするヌクレオチド配列を含むポリヌクレオチドで細胞をトランスフェクト又は形質導入することと、
b)細胞を培養することと、
c)細胞から多量体タンパク質を単離することと、
d)任意で、多量体タンパク質を精製することと
を含む、方法である。
【0266】
いくつかの実施形態では、方法は、2つのポリペプチドからなる二量体タンパク質を調製するためのものであり、各ポリペプチドは、抗原提示細胞を標的化する標的化単位、二量体化単位、及び抗原単位を含み、抗原単位は、配列番号1~77のアミノ酸配列と少なくとも73%の配列同一性を有するアミノ酸配列を有する少なくとも77個のSARS-CoV-2 T細胞エピトープを含み、方法は、
a)ポリペプチドをコードするヌクレオチド配列を含むポリヌクレオチドで細胞をトランスフェクト又は形質導入することと、
b)細胞を培養することと、
c)細胞から二量体タンパク質を単離することと、
d)任意で、二量体タンパク質を精製することと
を含む。
【0267】
ポリペプチド/多量体タンパク質の単離及び任意での精製は、沈殿、差次的可溶化(differential solubilization)、及びクロマトグラフィーを含む当該技術分野で既知の方法によって行うことができる。
【0268】
ポリヌクレオチドは、トランスフェクション用のプラスミド又は形質導入用のベクターに含まれていてもよい。
【0269】
上記の多量体/二量体タンパク質は、SARS-CoV-2によって引き起こされる疾患の予防又は処置のためにタンパク質ワクチンにおける活性成分として使用されてもよい。
【0270】
医薬
本開示のいくつかの実施形態では、本明細書に開示される構築物(すなわち、ポリヌクレオチド、ポリペプチド/多量体タンパク質)、抗原単位、及びベクターは、医薬として使用するためのものである。
【0271】
医薬組成物及びワクチン
本発明の構築物は、構築物(例えばポリヌクレオチド、ベクター、又は多量体タンパク質の形態)及び薬学的に許容される担体を含む医薬組成物の形態、例えばワクチンの形態で対象に投与されてもよい。
【0272】
あるいは、本明細書に記載の抗原単位は、抗原単位(例えばポリヌクレオチド、ベクター、又はポリペプチドの形態)及び薬学的に許容される担体を含む医薬組成物の形態、例えばワクチンの形態で対象に投与されてもよい。
【0273】
本明細書において使用される「ワクチン」は、本明細書に開示される構築物及び薬学的に許容される担体を含む医薬組成物であり、これはワクチンのための典型的な賦形剤をさらに含んでもよい。
【0274】
本発明のさらなる態様は、薬学的に許容される担体及び
(i)抗原提示細胞を標的化する標的化単位、二量体化単位などの多量体化単位、及び抗原単位をコードするヌクレオチド配列を含むポリヌクレオチドであって、抗原単位が、配列番号1~77のアミノ酸配列と少なくとも73%の配列同一性を有するアミノ酸配列を有する少なくとも77個のSARS-CoV-2 T細胞エピトープを含む、ポリヌクレオチド、又は
(ii)(i)で定義される核酸配列によってコードされるポリペプチド、又は
(iii)(ii)で定義される複数のポリペプチドからなる多量体タンパク質、例えば(ii)で定義される2つのポリペプチドからなる二量体タンパク質
を含む、ワクチンである。
【0275】
本発明のさらなる態様は、薬学的に許容される担体及び
(i)抗原提示細胞を標的化する標的化単位、二量体化単位などの多量体化単位、及び抗原単位をコードするヌクレオチド配列を含むポリヌクレオチドであって、抗原単位が、配列番号1~77のアミノ酸配列と少なくとも73%の配列同一性を有するアミノ酸配列を有する少なくとも77個のSARS-CoV-2 T細胞エピトープを含む、ポリヌクレオチド、又は
(ii)(i)で定義される核酸配列によってコードされるポリペプチド、又は
(iii)(ii)で定義される複数のポリペプチドからなる多量体タンパク質、例えば(ii)で定義される2つのポリペプチドからなる二量体タンパク質
を含む、医薬組成物である。
【0276】
本発明のさらなる態様は、薬学的に許容される担体及び
(i)抗原単位をコードするヌクレオチド配列を含むポリヌクレオチドであって、抗原単位が、配列番号1~77のアミノ酸配列と少なくとも73%の配列同一性を有するアミノ酸配列を有する少なくとも77個のSARS-CoV-2 T細胞エピトープを含む、ポリヌクレオチド、又は
(ii)(i)で定義される核酸配列によってコードされるポリペプチド
を含む、ワクチンである。
【0277】
本発明のさらなる態様は、薬学的に許容される担体及び
(i)抗原単位をコードするヌクレオチド配列を含むポリヌクレオチドであって、抗原単位が、配列番号1~77のアミノ酸配列と少なくとも73%の配列同一性を有するアミノ酸配列を有する少なくとも77個のSARS-CoV-2 T細胞エピトープを含む、ポリヌクレオチド、又は
(ii)(i)で定義される核酸配列によってコードされるポリペプチド
を含む、医薬組成物である。
【0278】
好適な薬学的に許容される担体には、生理食塩水、緩衝生理食塩水、例えばPBS、デキストロース、水、グリセロール、エタノール、水性緩衝液、例えば等張水性緩衝液又はタイロード緩衝液、及びそれらの組み合わせが含まれるが、これらに限定されない。
【0279】
いくつかの実施形態では、薬学的に許容される担体は、水性緩衝液である。いくつかの他の実施形態では、水性緩衝液は、タイロード緩衝液、例えば140mM NaCl、6mM KCl、3mM CaCl2、2mM MgCl2、10mM 4-(2-ヒドロキシエチル)-1-ピペラジンエタンスルホン酸(Hepes)(pH7.4)、及び10mMグルコースを含むタイロード緩衝液である。医薬組成物又はワクチンは、アジュバントをさらに含んでもよい。
【0280】
いくつかの実施形態では、本明細書に記載の多量体タンパク質又はポリペプチドを含むワクチンは、ポリICLC、1018ISS、アルミニウム塩、アンプリバックス(Amplivax)、AS15、BCG、CP-870、893、CpG7909、CyaA、dSLIM、GM-CSF、IC30、IC31、イミキモド(Imiquimod)、イムファクト(ImuFact)EV1P321、ISパッチ(IS Patch)、ISS、ISCOMATRIX、Juvlmmune、LipoVac、MF59、モノホスホリル脂質A、モンタニド(Montanide)IMS1312、モンタニドISA206、モンタニドISA50V、モンタニドISA-51、OK-432、OM-174、OM-197-MP-EC、ONTAK、PLGA微粒子、レシキモド、SRL172、ビロソーム、及び他のウイルス様粒子、YF-17D、VEGFトラップ、R848、ベータグルカン、Pam3Cys、AquilaのQS21スティムロン、バディメザン、並びに/又はAsA404(DMXAA)を含むがこれらに限定されない、薬学的に許容されるアジュバントをさらに含む。
【0281】
ポリヌクレオチド又はベクターを含む医薬組成物/ワクチンの場合、医薬組成物/ワクチンは、ポリヌクレオチド又はベクターでの細胞のトランスフェクション/形質導入を促進する分子、例えば対象の筋細胞のトランスフェクションを促進する1つ以上のトランスフェクション剤を含んでもよい。ポリヌクレオチドのトランスフェクション剤は当該技術分野で既知であり、該トランスフェクション剤には、DNA又はRNAなどの負に帯電した分子と相互作用して正に帯電したトランスフェクション剤-DNA又はトランスフェクション剤-RNA複合体を形成する、正に帯電した分子が含まれる。そのような複合体は、負に帯電した細胞膜と相互作用することができ、これにより複合体の取り込み及びDNA又はRNAの細胞内への送達が可能になる。
【0282】
ポリヌクレオチドがRNA、例えばmRNAである場合、RNAは、脂質、ナノ粒子、ミセル、リポプレックスナノ粒子(粒子を全身投与、特に静脈内投与に好適なものとする直径を有し、典型的には1000ナノメートル未満の直径を有し、異なる脂質の組み合わせから構成される粒子)、若しくはリポソーム(特に静脈内投与のためのもの)中で、又はそれとともに製剤化されてもよい。一実施形態では、リポプレックスナノ粒子又はリポソームには、RNAをカプセル化する多層構造を形成する1つ以上の脂質が含まれる。別の実施形態では、1つ以上の脂質には、少なくとも1つのカチオン性脂質及び少なくとも1つのヘルパー脂質が含まれる。いくつかの実施形態では、1つ以上の脂質には、(R)-N,N,N-トリメチル-2,3-ジオレイルオキシ-1-プロパナミニウムクロリド(DOTMA)及び1,2-ジオレオイル-sn-グリセロ-3-ホスホエタノールアミン(DOPE)が含まれる。mRNA分子はまた、好適な注射用緩衝液中で裸のmRNA分子として製剤化されてもよい。
【0283】
いくつかの特定の実施形態では、医薬組成物/ワクチンは、ポリ(エチレンオキシド)及びポリプロピレンオキシドのブロックを含む薬学的に許容される両親媒性ブロック共重合体を含む。
【0284】
本明細書において使用される「両親媒性ブロック共重合体」とは、ポリ(エチレンオキシド)(「PEO」)のブロック及びポリ(プロピレンオキシド)(「PPO」)のブロックを含むか又はそれらからなる直鎖状又は分岐状の共重合体である。有用なPEO-PPO両親媒性ブロック共重合体の典型的な例には、一般構造としてPEO-PPO-PEO(ポロキサマー)、PPO PEO PPO、(PEO PPO-)4ED(ポロキサミン)、(PPO PEO-)4ED(逆ポロキサミン)が含まれ、ここで、「ED」はエチレンジアミニル基である。
【0285】
「ポロキサマー」は、1つのPEOブロックに結合された1つのポリ(プロピレンオキシド)ブロックに結合された1つのポリ(エチレンオキシド)ブロックによって構成される(すなわち、式EOa-POb-EOaの構造の)直鎖状両親媒性ブロック共重合体であり、ここで、EOはエチレンオキシドであり、POはプロピレンオキシドであり、aは2~130の整数であり、bは15~67の整数である。ポロキサマーは、慣用的に3桁の識別子を使用して命名され、最初の2桁に100を掛けることによりPPO含有量のおおよその分子量が示され、最後の1桁に10を掛けることによりPEO含有量のおおよその割合が示される。例えば、「ポロキサマー188」は、約1800の分子量のPPOブロック(約31のPPOのbに相当する)及び約80%(w/w)のPEO(約82のaに相当する)を含むポリマーを指す。しかしながら、値はある程度変動することが既知であり、製造元のデータシートによればどちらもポロキサマー188である研究グレードのLutrol(登録商標)F68及び臨床グレードのKolliphor(登録商標)P188などの市販製品は分子量に大きな変動(7,680~9,510)があり、これらの特定の製品に提供されているa及びbの値はそれぞれ約79及び28であることが示されている。これはブロック共重合体の異質性(heterogeneous nature)を反映しており、a及びbの値は最終的な配合で見出される平均値であることを意味する。
【0286】
「ポロキサミン」又は「連続ポロキサミン(sequential poloxamine)」(Tetronic(登録商標)の商標名で市販されている)は、PEO-PPOアームに含まれる遊離OH基とエチレンジアミン部分における第一級アミン基との間の結合を介して中央のエチレンジアミン部分に結合された4つのPEO-PPOアームを有するX形状のブロック共重合体である。逆ポロキサミンも同様に、PPO-PEOアームに含まれる遊離OH基とエチレンジアミンにおける第一級アミン基との間の結合を介して中央のエチレンジアミン部分に結合された4つのPPO-PEOアームを有するX形状のブロック共重合体である。
【0287】
好ましい両親媒性ブロック共重合体は、ポロキサマー又はポロキサミンである。
ポロキサマー407及び188が好ましく、ポロキサマー188が特に好ましい。好ましいポロキサミンは、式(PEO-PPO)4-EDの連続ポロキサミンである。特に好ましいポロキサミンは、それぞれ登録商標Tetronic(登録商標)904、704、及び304で市販されているものである。これらのポロキサミンの特徴は次のとおりである:Tetronic(登録商標)904は、6700の総平均分子量、4020のPPO単位の総平均重量、及び約40%のPEOの割合を有する;Tetronic(登録商標)704は、5500の総平均分子量、3300のPPO単位の総平均重量、及び約40%のPEOの割合を有する;Tetronic(登録商標)304は、1650の総平均分子量、990のPPO単位の総平均重量、及び約40%のPEOの割合を有する。
【0288】
いくつかの実施形態では、医薬組成物は、0.2%w/v~20%w/v、例えば0.2%w/v~18%w/v、0.2%w/v~16%w/v、0.2%w/v~14%w/v、0.2%w/v~12%w/v、0.2%w/v~10%w/v、0.2%w/v~8%w/v、0.2%w/v~6%w/v、0.2%w/v~4%w/v、0.4%w/v~18%w/v、0.6%w/v~18%w/v、0.8%w/v~18%w/v、1%w/v~18%w/v、2%w/v~18%w/v、1%w/v~5%w/v、又は2%w/v~4%w/vの量の両親媒性ブロック共重合体を含む。0.5%w/v~5%w/vの範囲の量が特に好ましい。いくつかの他の実施形態では、医薬組成物は、2%w/v~5%w/v、例えば約3%w/vの量の両親媒性ブロック共重合体を含む。
【0289】
医薬組成物/ワクチンは、皮内注射用又は筋肉内注射用などの注射用液体製剤などの対象への投与に好適な任意の方法で製剤化されてもよい。
【0290】
医薬組成物/ワクチンは、皮内、筋肉内、若しくは皮下注射、又は鼻腔内若しくは経口などの粘膜若しくは上皮への適用などの対象への投与に好適な任意の方法で投与されてもよい。
【0291】
好ましい実施形態では、医薬組成物/ワクチンは、例えばベクターに含まれるポリヌクレオチドを含み、筋肉内又は皮内注射によって投与される。
【0292】
本発明の医薬組成物/ワクチンは、典型的には、0.1~10mgの範囲、例えば約0.1、0.2、0.3、0.4、0.5、0.6、0.7、0.8、0.9、若しくは1mg、又は例えば2、3、4、5、6、7、8、9、若しくは10mgのポリヌクレオチドを含む。本発明のワクチンは、典型的には、5μg~5mgの範囲のポリペプチド/多量体タンパク質を含む。
【0293】
ポリヌクレオチド/ポリペプチド/二量体タンパク質の量は、医薬組成物/ワクチンが予防的処理若しくは治療的処置のために投与されるかどうか、感染した個体の疾患の重症度、並びに年齢、体重、性別、病歴、及び既往症などのパラメータに応じて変動してもよい。
【0294】
医薬組成物/ワクチンを調製するための方法
本発明による医薬組成物/ワクチンを調製するための好適な方法は、参照により本明細書に組み込まれるWO2004/076489A1、WO2011/161244A1、WO2013/092875A1、及びWO2017/118695A1に開示されており、そこに記載される方法によってポリヌクレオチド、ベクター、ポリペプチド、又は多量体タンパク質を調製することと、それらを本明細書の前のセクションに記載されているような薬学的に許容される担体及び任意でさらなる薬学的に許容される賦形剤と混合することとを含む。
【0295】
好ましい実施形態では、ポリヌクレオチド、ベクター、ポリペプチド、又は多量体タンパク質は、上記薬学的に許容される担体に溶解される。
【0296】
処置
本発明の医薬組成物/ワクチンは、SARS-CoV-2によって引き起こされる疾患を処置するために使用されてもよく、そのような処置は予防目的又は治療目的のいずれかであってもよい。
【0297】
医薬組成物/ワクチンは、そのようなワクチンをワクチン接種した/そのような医薬組成物を投与された個体において、免疫保護応答(予防的処置の場合)又は免疫治療応答(治療的処置の場合)を誘導するように投与される。そのような応答は、1回のワクチン接種/投与又は数回のワクチン接種/投与のいずれか、例えば初回のワクチン接種及び十分な間隔を置いた1回又は数回のブースターワクチン接種によって誘導される。
【0298】
さらなる態様では、本発明は、SARS-CoV-2によって引き起こされる疾患を有する対象又はそのような疾患の予防を必要とする対象を処置するための方法であって、薬学的に許容される担体及び
(i)抗原提示細胞を標的化する標的化単位、多量体化単位、及び抗原単位をコードするヌクレオチド配列を含むポリヌクレオチドであって、抗原単位が、配列番号1~77のアミノ酸配列と少なくとも73%の配列同一性を有するアミノ酸配列を有する少なくとも77個のSARS-CoV-2 T細胞エピトープを含む、ポリヌクレオチド、又は
(ii)(i)で定義される核酸配列によってコードされるポリペプチド、又は
(iii)(ii)で定義される複数のポリペプチドからなる多量体タンパク質
を含む、医薬組成物/ワクチンを対象に投与することを含む、方法を提供する。
【0299】
いくつかの実施形態では、多量体化単位は二量体化単位であり、多量体タンパク質は2つのポリペプチドからなる二量体タンパク質である。
【0300】
さらに、本開示は、SARS-CoV-2によって引き起こされる疾患を有する対象又はそのような疾患の予防を必要とする対象を処置する方法であって、薬学的に許容される担体及び
(i)抗原単位をコードするヌクレオチド配列を含むポリヌクレオチドであって、抗原単位が、配列番号1~77のアミノ酸配列と少なくとも73%の配列同一性を有するアミノ酸配列を有する少なくとも77個のSARS-CoV-2 T細胞エピトープを含む、ポリヌクレオチド、又は
(ii)(i)で定義される核酸配列によってコードされるポリペプチド
を含む、医薬組成物/ワクチンを対象に投与することを含む、方法を提供する。
【0301】
本明細書では、SARS-CoV-2によって引き起こされる疾患の予防的処置又は治療的処置に使用するための医薬組成物/ワクチンであって、薬学的に許容される担体及び
(i)抗原提示細胞を標的化する標的化単位、多量体化単位、及び抗原単位をコードするヌクレオチド配列を含むポリヌクレオチドであって、抗原単位が、配列番号1~77のアミノ酸配列と少なくとも73%の配列同一性を有するアミノ酸配列を有する少なくとも77個のSARS-CoV-2 T細胞エピトープを含む、ポリヌクレオチド、又は
(ii)(i)で定義される核酸配列によってコードされるポリペプチド、又は
(iii)(ii)で定義される複数のポリペプチドからなる多量体タンパク質
を含む、医薬組成物/ワクチンも開示される。
【0302】
いくつかの実施形態では、多量体化単位は二量体化単位であり、多量体タンパク質は2つのポリペプチドからなる二量体タンパク質である。
【0303】
さらに、本開示は、SARS-CoV-2によって引き起こされる疾患の予防的処置又は治療的処置に使用するための医薬組成物/ワクチンであって、薬学的に許容される担体及び
(i)抗原単位をコードするヌクレオチド配列を含むポリヌクレオチドであって、抗原単位が、配列番号1~77のアミノ酸配列と少なくとも73%の配列同一性を有するアミノ酸配列を有する少なくとも77個のSARS-CoV-2 T細胞エピトープを含む、ポリヌクレオチド、又は
(ii)(i)で定義される核酸配列によってコードされるポリペプチド
を含む、医薬組成物/ワクチンを提供する。
【0304】
本明細書では、対象におけるSARS-CoV-2によって引き起こされる疾患の予防的処置又は治療的処置に使用するための医薬組成物/ワクチンを製造するための、
(i)抗原提示細胞を標的化する標的化単位、多量体化単位、及び抗原単位をコードするヌクレオチド配列を含むポリヌクレオチドであって、抗原単位が、配列番号1~77のアミノ酸配列と少なくとも73%の配列同一性を有するアミノ酸配列を有する少なくとも77個のSARS-CoV-2 T細胞エピトープを含む、ポリヌクレオチド、又は
(ii)(i)で定義される核酸配列によってコードされるポリペプチド、又は
(iii)(ii)で定義される複数のポリペプチドからなる多量体タンパク質
の使用であって、医薬組成物/ワクチンが薬学的に許容される担体を含み、該医薬組成物/ワクチンが上記対象に投与される、使用が開示される。
【0305】
いくつかの実施形態では、多量体化単位は二量体化単位であり、多量体タンパク質は2つのポリペプチドからなる二量体タンパク質である。
【0306】
本明細書では、対象におけるSARS-CoV-2によって引き起こされる疾患の予防的処置又は治療的処置に使用するための医薬組成物/ワクチンを製造するための、
(i)抗原単位をコードするヌクレオチド配列を含むポリヌクレオチドであって、抗原単位が、配列番号1~77のアミノ酸配列と少なくとも73%の配列同一性を有するアミノ酸配列を有する少なくとも77個のSARS-CoV-2 T細胞エピトープを含む、ポリヌクレオチド、又は
(ii)(i)で定義される核酸配列によってコードされるポリペプチド
の使用であって、医薬組成物/ワクチンが薬学的に許容される担体を含み、該医薬組成物/ワクチンが上記対象に投与される、使用も開示される。
【0307】
本明細書では、SARS-CoV-2によって引き起こされる疾患を有する対象又はそのような疾患の予防を必要とする対象を処置するための、薬学的に許容される担体及び
(i)抗原提示細胞を標的化する標的化単位、多量体化単位、及び抗原単位をコードするヌクレオチド配列を含むポリヌクレオチドであって、抗原単位が、配列番号1~77のアミノ酸配列と少なくとも73%の配列同一性を有するアミノ酸配列を有する少なくとも77個のSARS-CoV-2 T細胞エピトープを含む、ポリヌクレオチド、又は
(ii)(i)で定義される核酸配列によってコードされるポリペプチド、又は
(iii)(ii)で定義される複数のポリペプチドからなる多量体タンパク質
を含む、医薬組成物/ワクチンも開示される。
【0308】
いくつかの実施形態では、多量体化単位は二量体化単位であり、多量体タンパク質は2つのポリペプチドからなる二量体タンパク質である。
【0309】
本明細書では、SARS-CoV-2によって引き起こされる疾患を有する対象又はそのような疾患の予防を必要とする対象を処置するための、薬学的に許容される担体及び
(i)抗原単位をコードするヌクレオチド配列を含むポリヌクレオチドであって、抗原単位が、配列番号1~77のアミノ酸配列と少なくとも73%の配列同一性を有するアミノ酸配列を有する少なくとも77個のSARS-CoV-2 T細胞エピトープを含む、ポリヌクレオチド、又は
(ii)(i)で定義される核酸配列によってコードされるポリペプチド
を含む、医薬組成物/ワクチンの使用も開示される。
【0310】
本明細書では、SARS-CoV-2によって引き起こされる疾患の予防的処置又は治療的処置に使用される場合の、薬学的に許容される担体及び
(i)抗原提示細胞を標的化する標的化単位、多量体化単位、及び抗原単位をコードするヌクレオチド配列を含むポリヌクレオチドであって、抗原単位が、配列番号1~77のアミノ酸配列と少なくとも73%の配列同一性を有するアミノ酸配列を有する少なくとも77個のSARS-CoV-2 T細胞エピトープを含む、ポリヌクレオチド、又は
(ii)(i)で定義される核酸配列によってコードされるポリペプチド、又は
(iii)(ii)で定義される複数のポリペプチドからなる多量体タンパク質
を含む、医薬組成物/ワクチンも開示される。
【0311】
いくつかの実施形態では、多量体化単位は二量体化単位であり、多量体タンパク質は2つのポリペプチドからなる二量体タンパク質である。
【0312】
本明細書では、SARS-CoV-2によって引き起こされる疾患の予防又は処置に使用される場合の、薬学的に許容される担体及び
(i)抗原単位をコードするヌクレオチド配列を含むポリヌクレオチドであって、抗原単位が、配列番号1~77のアミノ酸配列と少なくとも73%の配列同一性を有するアミノ酸配列を有する少なくとも77個のSARS-CoV-2 T細胞エピトープを含む、ポリヌクレオチド、又は
(ii)(i)で定義される核酸配列によってコードされるポリペプチド
を含む、医薬組成物/ワクチンも開示される。
【0313】
本明細書では、SARS-CoV-2によって引き起こされる疾患の治療的処置又は予防的処置のための、薬学的に許容される担体及び
(i)抗原提示細胞を標的化する標的化単位、多量体化単位、及び抗原単位をコードするヌクレオチド配列を含むポリヌクレオチドであって、抗原単位が、配列番号1~77のアミノ酸配列と少なくとも73%の配列同一性を有するアミノ酸配列を有する少なくとも77個のSARS-CoV-2 T細胞エピトープを含む、ポリヌクレオチド、又は
(ii)(i)で定義される核酸配列によってコードされるポリペプチド、又は
(iii)(ii)で定義される複数のポリペプチドからなる多量体タンパク質
を含む、医薬組成物/ワクチンの使用も開示される。
【0314】
いくつかの実施形態では、多量体化単位は二量体化単位であり、多量体タンパク質は2つのポリペプチドからなる二量体タンパク質である。
【0315】
本明細書では、SARS-CoV-2によって引き起こされる疾患の治療的処置又は予防的処置のための、薬学的に許容される担体及び
(i)抗原単位をコードするヌクレオチド配列を含むポリヌクレオチドであって、抗原単位が、配列番号1~77のアミノ酸配列と少なくとも73%の配列同一性を有するアミノ酸配列を有する少なくとも77個のSARS-CoV-2 T細胞エピトープを含む、ポリヌクレオチド、又は
(ii)(i)で定義された核酸配列によってコードされるポリペプチド
を含む、医薬組成物/ワクチンの使用も開示される。
【0316】
本明細書では、薬学的に許容される担体及び
(i)抗原提示細胞を標的化する標的化単位、多量体化単位、及び抗原単位をコードするヌクレオチド配列を含むポリヌクレオチドであって、抗原単位が、配列番号1~77のアミノ酸配列と少なくとも73%の配列同一性を有するアミノ酸配列を有する少なくとも77個のSARS-CoV-2 T細胞エピトープを含む、ポリヌクレオチド、又は
(ii)(i)で定義される核酸配列によってコードされるポリペプチド、又は
(iii)(ii)で定義される複数のポリペプチドからなる多量体タンパク質
を含む医薬を対象に投与することにより、SARS-CoV-2によって引き起こされる疾患を該疾患を有する対象又は該疾患の予防を必要とする対象において処置又は予防するための医薬も開示される。
【0317】
いくつかの実施形態では、多量体化単位は二量体化単位であり、多量体タンパク質は2つのポリペプチドからなる二量体タンパク質である。
【0318】
本明細書では、薬学的に許容される担体及び
(i)抗原単位のヌクレオチド配列を含むポリヌクレオチドであって、抗原単位が、配列番号1~77のアミノ酸配列と少なくとも73%の配列同一性を有するアミノ酸配列を有する少なくとも77個のSARS-CoV-2 T細胞エピトープを含む、ポリヌクレオチド、又は
(ii)(i)で定義される核酸配列によってコードされるポリペプチド
を含む医薬を対象に投与することにより、SARS-CoV-2によって引き起こされる疾患を該疾患を有する対象又は該疾患の予防を必要とする対象において処置又は予防するための医薬も開示される。
【0319】
上記に開示された方法及び使用のいくつかの実施形態では、医薬組成物/ワクチン/医薬は、ベクター中のポリヌクレオチドを含む。
【0320】
本明細書に開示される医薬組成物/ワクチン/医薬の処置/使用の方法において、該医薬組成物/ワクチン/医薬は、好ましくは治療有効量又は予防有効量で投与される。そのような量は、1回の投与(one administration)、すなわち1回の投与(one dose)で投与されてもよいし、又は数回の投与、すなわち反復投与、すなわち一連の投与、例えば数日、数週間、若しくは数ヶ月にわたって投与されてもよい。
【0321】
投与される実際の投与量は、処置が予防的処置又は治療的処置的であるか、対象の年齢、体重、性別、病歴、既往症、及び全身健康状態、処置される疾患の重症度、並びに医療専門家の判断によって変動し、それらに依存し得る。
【0322】
本明細書に開示される医薬組成物/ワクチン/医薬の処置/使用の方法において、該医薬組成物/ワクチン/医薬は、本明細書に記載の方法、例えば「医薬組成物/ワクチン」のセクションに記載される方法で投与されてもよい。
【0323】
本明細書に開示される医薬組成物/ワクチン/薬剤の処置/使用の方法は、患者の治療を監督する臨床医がその方法が有効であり、処置が必要であると判断する限り、継続することができる。
【実施例
【0324】
上記の記載は、当業者が本発明を実施するのに十分であると考えられる。以下の実施例は例示目的のみに提供され、本発明の範囲を何ら限定するものではない。実際、本明細書に示されたもの及び記載されたものに加えて、本発明の様々な変更は、上記の記載から当業者に明らかであり、付随する特許請求の範囲内に含まれる。
【0325】
実施例1
本発明によるDNA免疫原性構築物の設計及び作製
7つのDNAプラスミド構築物(以下、総称してVB10.COV2とも呼ぶ)を設計、作製、及び試験した。全ての構築物は、ヒトMIP-1α(hMIP-1α)標的化単位(そのシグナルペプチドを含む)、IgG3由来のヒンジエクソン1及び4並びにヒトIgG3由来のCH3ドメインを含む二量体化単位(配列番号168のアミノ酸配列を有するシグナルペプチド、標的化単位、及び二量体化単位)、並びに表1に記載される配列番号1~77のアミノ酸配列を有する少なくとも77個のSARS CoV2 T細胞エピトープを含む抗原単位をコードする核酸配列を含む。
【0326】
各構成要素の詳細は以下の通りである:
VB2193は、配列番号1~160のアミノ酸配列を有する160個のT細胞エピトープを含む配列番号161の抗原単位をコードする核酸配列を含み、エピトープ又はエピトープ群は、GGGGSGGGGS T細胞エピトープリンカーによって互いに分離されている。VB2193は、配列番号178のアミノ酸配列を有するポリペプチドをコードする核酸配列を含む。
【0327】
VB2194は、配列番号1~160のアミノ酸配列を有する160個のT細胞エピトープを含む配列番号162の抗原単位をコードする核酸配列を含み、エピトープ又はエピトープ群は、GGGGSGGGGS T細胞エピトープリンカーによって互いに分離されている。VB2194は、配列番号179のアミノ酸配列を有するポリペプチドをコードする核酸配列を含む。
【0328】
VB2196は、配列番号1~77及び97~160のアミノ酸配列を有する141個のT細胞エピトープを含む配列番号163の抗原単位をコードする核酸配列を含み、エピトープ又はエピトープ群は、GGGGSGGGGS T細胞エピトープリンカーによって互いに分離されている。VB2196は、配列番号180のアミノ酸配列を有するポリペプチドをコードする核酸配列を含む。
【0329】
VB2197は、配列番号1~96のアミノ酸配列を有する96個のT細胞エピトープを含む配列番号164の抗原単位をコードする核酸配列を含み、エピトープ又はエピトープ群は、GGGGSGGGGS T細胞エピトープリンカーによって互いに分離されている。VB2197は、配列番号181のアミノ酸配列を有するポリペプチドをコードする核酸配列を含む。
【0330】
VB2207は、配列番号1~77及び97~160のアミノ酸配列を有する141個のT細胞エピトープを含む配列番号165の抗原単位をコードする核酸配列を含み、エピトープ又はエピトープ群は、SGSSGS又はGGSGG T細胞エピトープリンカーによって互いに分離されている。VB2207は、配列番号182のアミノ酸配列を有するポリペプチドをコードする核酸配列を含む。
【0331】
VB2208は、アミノ酸配列配列番号1~77及び97~160を有する141個のT細胞エピトープを含む配列番号166の抗原単位をコードする核酸を含み、エピトープ又はエピトープ群は、SGSSGS又はGGSGG T細胞エピトープリンカーによって互いに分離されている。VB2208は、配列番号183のアミノ酸配列を有するポリペプチドをコードする核酸配列を含む。
【0332】
VB2210は、配列番号1~196のアミノ酸配列を有する96個のT細胞エピトープを含む配列番号167の抗原単位をコードする核酸を含み、エピトープ又はエピトープ群は、GGSGG及びSGSSGS T細胞エピトープリンカーによって分離されている。VB2210は、配列番号184のアミノ酸配列を有するポリペプチドをコードする核酸配列を含む。VB2210は、配列番号185の核酸配列を含む。
【0333】
全ての構築物をGenscript(860 Centennial Ave.,Piscataway,NJ08854,USA)から注文し、上記のシグナルペプチド、標的化単位、及び二量体化単位、並びにそれぞれの抗原単位の好都合な交換を可能にする制限部位を含む単位リンカー(GLGGL)の配列を含む、発現ベクターpUMVC4aにクローニングした。
【0334】
実施例2
VB10.COV2 DNAプラスミドでのHEK293細胞のトランスフェクション後に生成されたVB10.COV2タンパク質の特性評価
目的:
研究の目的は、哺乳動物細胞を様々なVB10.COV2 DNAプラスミドでのインビトロでの一過的なトランスフェクション後のVB10.COV2タンパク質を特性評価することであった。ヒトMIP-1α(標的化単位)及びヒトIgG3 CH3ドメイン(捕捉抗体としての二量体化単位)に結合する抗体によるELISAアッセイにより、細胞上清中の機能的なVB10.COV2タンパク質の存在を検証した。
【0335】
方法/材料:
VB10.COV2 DNAプラスミドでのHEK293細胞の一過的なトランスフェクション
【0336】
HEK293細胞をATCCから購入し、VB10.COV2 DNAで一過的にトランスフェクトした。簡単に述べると、2×l0個の細胞/ウェルを10%FBS増殖培地を含む24ウェル組織培養プレートに播種し、Lipofectamine(登録商標)2000試薬を使用して、製造元(Invitrogen by Life Technologies)が示唆する条件下で、1μgのVB10.COV2 DNAプラスミドでトランスフェクトした。次いで、トランスフェクトされた細胞を最大6日間、37℃、5%CO2で維持し、VB10.COV2タンパク質の特性評価のために細胞上清を採取した。
【0337】
hMIP-1α及びhIgG3に結合するモノクローナル抗体を用いたELISA:
HEK293細胞によって生成され、細胞上清中に分泌されたVB10.COV2タンパク質の量を確認するためにELISAを行った。簡単に述べると、MaxiSorp Nunc-免疫プレートを、1×PBS中の1μg/mlの抗ヒトIgG3 CH3(MCA878G、BioRad)により100μl/ウェルでコーティングし、プレートを4℃で一晩インキュベートした。マイクロタイターウェルを1×PBS中の200μl/ウェル 4%BSAを添加することによってブロッキングした。VB10.COV2タンパク質を含むトランスフェクトされたHEK293細胞の100μlの細胞上清をプレートに添加した。検出抗体のために、抗ヒトMIP-1α(ビオチン化)を添加し、インキュベートした。次いで、strep-HRP(1:3000)を添加し、インキュベートした。特に指定しない限り、全てのインキュベーションを37℃で1時間行い、続いてPBS-Tween(登録商標)で3回洗浄した。その後、100μl/ウェルのTMB溶液を添加し、100μl/ウェルの1M HClを添加してから5~15分後に発色を停止した。自動プレートリーダー(Thermo Scientific Multiscan GO)で、450nmでの光学密度を決定した。
【0338】
結果:
機能的なVB10.COV2タンパク質の発現及び分泌が成功したことが全ての構築物で観察された。全てのVB10.COV2タンパク質のコンフォメーションが正確であること(Conformational correctness)を、ELISAで、hMIP-1α及びヒトIgG3のCH3ドメインを検出する抗体に結合することにより確認した。
【0339】
実施例3
そのような構築物でのワクチン接種による、VB10.COV2 DNAプラスミドに含まれるT細胞エピトープに特異的なIFN-γ T細胞応答の誘導
目的:
研究の目的は、そのような構築物をワクチン接種したマウスにおけるVB10.COV2 DNAに含まれるT細胞エピトープに対する細胞免疫応答(T細胞応答)を評価することであった。
【0340】
方法/材料:
一般的な研究設計:
16週齢の雌BALB/cマウス及び10週齢のC57BL/6マウスをJanvier Labs(フランス)から入手し、6~9週齢のC57BL/6-McphlTg(HLA-A2.1)lEnge/JマウスをJackson Laboratory(米国)から入手した。後者は、Tg(HLA-A2.1)lEnge導入遺伝子を有するホモ接合マウスである。これらのマウスは、脾臓、骨髄、及び胸腺の細胞上で大量のヒトHLA-A2.1クラスI分子を発現する。マウスMHCクラスI及びIIを発現する他のマウスモデルは構築物に含まれるヒトT細胞エピトープに対して最適に応答しないため、このトランスジェニックモデルを使用して、VB10.COV2 DNA構築物に含まれるヒトHLA-A2.1 T細胞エピトープに対する応答を具体的に評価した。全ての動物はオスロ大学(Oslo,ノルウェー)のDomus Medicaの動物施設で飼育された。全ての動物プロトコルは、ノルウェー食品安全局(Norwegian Food Safety Authority)(Oslo,ノルウェー)によって承認された。ワクチン接種前にマウスを麻酔し、剃毛した。研究では、マウスは、ブーストレジメンのために(表6のワクチン接種スケジュールを参照のこと)、0日目及び21日目に1、5、25、又は50μgDNAの用量のVB10.COV2を筋肉内に受けた。VB10.COV2 DNAプラスミドを針注射によって前脛骨筋に(各脚に滅菌PBS中の25μLの溶液として)投与し、続いて110~450Vの3セットのパルスからなるAgilePulseインビボエレクトロポレーション(BTX,米国)を行った。PBS(ビヒクルのみ)を投与したマウスを各実験において陰性対照群として含めた。14日目又は35日目に脾臓を採取した。
【0341】
【表6】
【0342】
IFN-γ ELISpotアッセイ:
VB10.COV2 DNAプラスミドによるワクチン接種を受けたマウス由来の新鮮な脾細胞に対して、IFN-γ ELISpotアッセイを行った。動物を14日目及び35日目に犠牲死させ、脾臓を無菌で採取した。脾臓を潰し、細胞懸濁液を1×ACKバッファーとともにインキュベートし、洗浄し、再懸濁して6×l0個の細胞濃度とした。さらに、細胞を3つ組で播種し(6×10個の細胞/ウェル)、以下のようにペプチド又はペプチドプールのPBS溶液を用いて24時間刺激した:ヒトHLA2-2.1クラスI分子を発現するトランスジェニックC57BL/6-McphlTg(HLA-A2.1)lEnge/Jマウス由来の脾臓細胞に対して行ったアッセイでは、a)別個のT細胞エピトープ若しくはエピトープ群中の唯一のHLA-A2.1エピトープとしてそれぞれの構築物に含まれるHLA-A2.1エピトープに対応する個々のペプチド、又はb)それぞれの構築物に存在するエピトープ群(このような群は2つ以上のHLA-A2.1エピトープを含む)に含まれるHLA-A2.1エピトープに対応するペプチドのプールで刺激を行った。野生型BALB/cマウス又は野生型C57BL/6マウス由来の脾細胞に対して行ったアッセイでは、それぞれの構築物に存在する全てのエピトープ/エピトープ群をカバーする15マーの重複ペプチドから構成される使用されるペプチドプールで刺激を行った。
【0343】
PBS/ペプチド刺激なしを陰性対照として使用した。IFN-γ ELISpot Plusキット(Mabtech AB,スウェーデン)を使用して、刺激された脾臓細胞をIFN-γ応答について分析した。CTL ELISpotリーダーであるCellular TechnologyのImmunoSpot5.0.3で、スポット形成細胞を測定した。
【0344】
結果:
ヒトHLA2-2.1クラスI分子を発現するトランスジェニックC57BL/6-McphlTg(HLA-A2.1)lEnge/Jマウスに、25μgの4つの様々なVB10.COV2 DNA構築物(VB2193、VB2194、VB2197、及びVB2210)を1回投与してワクチン接種した。上記のペプチド/ペプチドプールを使用したワクチン接種後14日目のIFN-γ ELISpotアッセイでは、これらの構築物がこのような構築物内に存在するヒトHLA.A2.1エピトープに対する迅速かつ強力なT細胞応答をトランスジェニックマウスにおいて特異的に誘発することが示された(図3)。
【0345】
別の実験では、トランスジェニックC57BL/6-McphlTg(HLA-A2.1)lEnge/Jマウスに、50μgの7つのVB10.COV2構築物の各々を1回投与してワクチン接種し、IFN-γ ELISpotアッセイを前の段落で記載したように行った。結果により、7つのVB10.COV2構築物の全てがヒトHLA-A2.1分子に特異的なT細胞エピトープに対する迅速かつ強力なT細胞応答をトランスジェニックマウスにおいて誘導し(図4)、VB2197、VB2207、及びVB2210によって誘導される応答は他の4つの構築物よりも約2倍強かったことが示された。
【0346】
7つのVB10.COV2構築物の全てを野生型BALB/cマウスでも試験し、該マウスに25μgの各構築物を1回投与してワクチン接種した。ワクチン接種後14日目において、この実験のELISpotアッセイでは、脾臓細胞の刺激に使用されたペプチドプールはそれぞれの構築物に含まれる全てのエピトープ/エピトープ群をカバーする15マーの重複ペプチドから構成される。結果により、7つのVB10.COV2構築物の全てが迅速かつ強力なT細胞応答を野生型マウスモデルでも誘導することができ(図5)、VB2193、VB2194、VB2197、及びVB2210はこのマウスモデルにおいて他の3つの構築物よりも強い応答を引き起こすことが示された。
【0347】
25μgのVB2210構築物の1回投与を使用して、C57BL/6野生型マウスモデルにワクチン接種した。ワクチン接種後14日目に、構築物に含まれる全てのエピトープ/エピトープ群をカバーする15マーの重複ペプチドから構成されるペプチドプールを使用したELISpotアッセイにおいて、VB2210が強力な特異的T細胞応答を誘導したことが結果により示された(図6)。応答の強さは、2つの野生型マウスモデルであるBALB/c(図6、3163SFU/10個の細胞)とC57BL/6(図7、7414SFU/10個の細胞)との間で異なり、これは予想通りであり、別個のMHCハプロタイプを発現する2つのマウス系統の異なる遺伝的背景によるものである。VB2210をワクチン接種したC57BL/6野生型マウス由来の脾臓細胞を用いて、ヒトHLA-A2.1エピトープに対応するペプチドから構成されるペプチド及びペプチドプールを使用してELISpotアッセイを行ったとき、T細胞応答はより低く(図7)、これは予想通りであり、その理由は、VB2210構築物に存在する全てのエピトープ/エピトープ群をカバーする15マーの重複ペプチドプールを使用してアッセイを行うときに、刺激のために使用される96個のエピトープの合計数と比較して、VB2210中のHLA-A2.1特異的エピトープの数が少ないためである。
【0348】
纏めると、25μg又は50μgのVB10.COV2構築物を1回投与してワクチン接種することにより、ワクチン接種後14日目に3つのマウスモデルにおいて複数のエピトープに対して強力かつ一貫した特異的T細胞応答を誘導した。
【0349】
さらに、1、5、及び25μgの3つの投与量レベルのVB2210によって誘導される応答を1回又は2回の投与レジメンのいずれかでC57BL/6-McphlTg(HLA-A2.1)lEnge/Jトランスジェニックマウスにおいて評価した。2回目の投与(ブーストワクチン接種)を1回目のワクチン接種から21日後に行った。構築物に含まれるSARS-CoV-2由来の特異的なT細胞エピトープに対する細胞応答を、1回目のワクチン接種後14日目(1回のみ投与した場合)又はブーストワクチン接種後14日目(2回投与した場合)に、個々のマウス由来の脾臓細胞において評価した。ELISpotアッセイでは、全てのエピトープ/エピトープ群をカバーする15マーの重複ペプチドから構成されるペプチドプール(図8)、又は構築物に含まれるヒトHLA-A2.1エピトープに対応するペプチドから構成されるペプチド及びペプチドプール(図9)を使用した。用量依存的な免疫応答が結果により示され、より低い用量と比較して、25μgのVB2210によってより強い応答(用量応答)が誘導された。結果により、21日目の2回目のワクチン接種によってT細胞応答が大幅に増強されたことをさらに示され、ブーストの重要な役割が明らかになった(図8及び図9)。再び、予想した通り、VB2210構築物に存在する全てのエピトープ/エピトープ群をカバーする15マーの重複するペプチドプールで刺激を行った場合(図8)と比較して、ヒトHLA-A2.1エピトープに対応するペプチドをアッセイで使用した場合には全体的なT細胞応答は低い(図9)。
【0350】
1、5、及び25μgの3つの投与量レベルのVB2210によって誘導される応答を1回又は2回の投与レジメンのいずれかでC57BL/6野生型マウスにおいて評価した。2回目の投与(ブーストワクチン接種)を1回目のワクチン接種から21日後に行った。構築物に含まれるSARS-CoV-2由来の特異的なT細胞エピトープに対する細胞応答を、ワクチン接種後84日目(1回のみ投与した場合)又はワクチン接種後85日(2回投与した場合)に個々のマウス由来の脾臓細胞において評価した。ELISpotアッセイでは、構築物に含まれる複数のエピトープ/エピトープ群をカバーする15マーの重複ペプチド/ペプチドから構成される選択されたペプチドプールを使用した。図10に示す結果は、5μg又は25μgのVB2210の単回投与によって持続的なT細胞応答が誘導されたことを示している。21日目のブーストワクチン接種により、5μg又は25μgの投与によって誘導される免疫の強さが増加した。ワクチン接種後12週間まで検出される持続的なT細胞免疫は、免疫記憶が確立されたことを示している。
【0351】
実施例4
トランスジェニックHLA-A2.1マウスにおけるVB2210 DNA構築物に含まれるT細胞エピトープに特異的な多機能CD8+細胞の誘導
フローサイトメトリーのための細胞刺激及び染色:
C57BL/6-McphlTg(HLA-A2.1)lEnge/Jトランスジェニックマウスに、25μgのVB2210を1回又は2回投与して(21日目にブーストワクチン接種)ワクチン接種した。ワクチン接種を受けたマウス由来の脾細胞を単回及びブーストワクチン接種後14日目にそれぞれ採取し、群(n=4)にプールし、構築物に存在する複数のHLA-A2.1エピトープに対応する、以前に行ったELISpotアッセイで同定された免疫原性ペプチドから構成される6μg/mLのペプチドプールで刺激した。刺激された細胞を、TNF-α、IFN-γ、IL-4、IL-17、IL-2、及びFoxP3のフェノタイピング及び細胞内発現のために染色し、さらにフローサイトメトリーによるマルチパラメータ機能分析に供した。
【0352】
結果:
T細胞のフローサイトメトリー分析により、VB2210中のT細胞エピトープに特異的なCD8+応答が示された(図11)。CD8+特異的T細胞の集団は、2回目のワクチン接種後に総脾臓細胞の1.3%から3%に増加し、これは21日目におけるブーストワクチン接種の強い効果を示している。CD8+特異的T細胞は、炎症誘発応答に典型的なサイトカインプロファイルであるIFN-γ又はIFN-γ及びTNF-αの組み合わせの生成によって優勢となり、これはVB2210がSARS-CoV-2に特異的な細胞傷害性T細胞応答を誘導し得ることを示唆している。
【0353】
結論:
データにより、全てのVB10.COV2 DNA構築物が、3つの異なるマウスモデルにおいて、迅速で強力な、かつVB2210では用量依存的なT細胞応答を誘導したことが示される。これらの一貫して強力なT細胞応答は、試験されたVB10.COV2構築物が多様なMHC/HLAハプロタイプに対してT細胞応答を誘導することができることを示している。さらに、フローサイトメトリー分析により、多機能T細胞応答がCD8+及び炎症誘発性プロファイルに偏っていることが示された。したがって、全ての構築物は、SARS CoV2ウイルスによって引き起こされる疾患の予防及び/又は処置のための有望なT細胞ワクチン候補である。
【0354】
実施例5
VB10.2210 DNAプラスミドを用いたヒト臨床試験
ヒトにおける安全性、反応源性(reactogenicity)、及び免疫原性を確認するために、第1/2相、非盲検、用量漸増臨床試験を行った。
【0355】
承認されたCovid-19ワクチンであるComirnaty(Pfizer/BioNTech)又はSpikevax(Moderna)を試験参加の少なくとも8週間前に少なくとも2回投与してワクチン接種した34人の健常なボランティア(18~60歳)が、3つの投与量レベルのコホートに登録された。Comirnaty及びSpikevaxは、脂質ナノ粒子中にカプセル化されたmRNAを含み、これは、ワクチン接種した際にmRNAを細胞に送達し、完全長SARS-CoV2スパイクタンパク質(タンパク質を好ましい融合前コンフォメーションに固定するための2つの点変異を有する)の直接的かつ一過的な発現を誘導する。
【0356】
参加者には、0日目及び21日目(ブースター)に、0.3、1、又は3mgのVB10.2210 DNAプラスミド(本明細書で言及するDNAプラスミドVB2210と同一である)を2回投与して筋肉内にワクチン接種した。
【0357】
エクソビボIFN-γ ELISpotアッセイ及びフローサイトメトリーによるエクソビボ細胞内染色を行い、細胞免疫原性を決定した。
【0358】
エクソビボIFN-γ ELISpotアッセイ:
IFN-γ ELISpotアッセイを、製造元の指示(Mabtech AB,スウェーデン)に従って、VB10.2210プラスミドによるワクチン接種を受けた参加者の末梢血単核細胞(PBMC)に対して行った。ウイルスタンパク質S、N、M、ORF7、及びORF1/3/10由来のVB10.2210に含まれるエピトープをカバーする5つのペプチドプールを使用して刺激を行った。最小ペプチドの選択に加えてVB10.2210に存在する全てのエピトープをカバーする15マーの重複ペプチドを使用した。ペプチドプールで使用されるDMSO濃度に対応するDMSO濃度(<0.5%DMSO)を有する細胞培地中のPBMCのみを陰性対照として使用した。刺激されたPBMCを、ヒトIFN-γ ELISpot Plusキット(Mabtech AB,スウェーデン)を使用してIFN-γ応答について分析した。MabtechAB(スウェーデン)のIRIS ELISpotリーダーで、スポット形成細胞を測定した。
【0359】
エクスビボ細胞内染色(ICS)フローサイトメトリー
3つのペプチドプール(M+N、ORF、及びS)に分けられたELISpotのために、VB10.2210をワクチン接種した参加者由来のPBMCを対応するペプチドで刺激した。PBMCを16時間ペプチド刺激した後、表現型マーカー(CD4及びCD8)、TNF-α、及びIFN-γについて細胞内染色を行い、フローサイトメトリーによるマルチパラメータ分析に供した。
【0360】
結果:
安全性:
VB10.2210は、最高用量の3mgまで安全かつ良好な忍容性であり、用量制限有害事象はなかった。致命的又は重篤な有害事象及び特に注目すべき有害事象は観察又は報告されなかった。局所反応は、主に軽度の注射部位反応(痛み、圧痛、及びあざ)であった。全身反応は主に軽度又は中等度であり、持続期間は短いものであった。2回目の投与後、有害事象又は反応源性の増加の兆候はなかった。
【0361】
細胞免疫原性:
VB10.2210は、Sars-CoV-2スパイクタンパク質に対するT細胞応答を増幅し、7つの非スパイクSars-CoV2タンパク質(M、N、ORF1ab、ORF3a、ORF7a、ORF7b、及びORF10)の全てのエピトープに対する新しいT細胞応答を誘導した。応答は用量依存的であり、最大かつ最も広範な応答は最高用量(3mg)を受けた群で観察された(図12及び図13)。
【0362】
3mgのVB10.2210をワクチン接種した参加者の82%(11人のうちの9人)が少なくとも1つのペプチドプールに応答し(表7)、参加者は全てのペプチドプールに対して応答を示し(表8)、これは、選択されたエピトープがこの研究集団において区別しないことを示している。2人の参加者は全てのペプチドプールに応答した。「応答者」は、ワクチン接種後の試料(28日目又は35日目)において、ベースライン(ワクチン接種前)からIFN-γ ISFU/10個のPBMCが2倍の増加を超えるエクソビボELISpotでの応答を示すものと定義した。
【0363】
【表7】
【0364】
【表8】
【0365】
参加者は1回目のワクチン接種後に強いT細胞応答を示し、2回目のワクチン接種後にはT細胞応答がさらに増強された(図14)。T細胞応答は、IFN-γ及びTNF-αを発現するCD8+T細胞によるものが優勢であった(図15)。
【0366】
結論:データは、健常なボランティアにVB10.2210 DNAプラスミドをワクチン接種することにより、CD8+T細胞応答が優勢である幅広いT細胞応答がもたらされることを示している。ワクチンは良好な忍容性であり、好ましい安全性プロファイルであった。
【0367】
配列番号161
VB2193の抗原単位
SEHDYQIGGYTEKWESGVKDCVVLHSYFTSDYYQLYSTQLSTDTGVEHVTFFIGGGGSGGGGSLPNNTASWFTALTQHGKEDLKFPRGQGVPINTNSSPDDQIGYYRRATRRIRGGSSGGGSSGGGHLRIAGHHLGRCDIKDLPKEITVATSRTLSYYKLGASQRVAGDSGGGSSGGGSSGSTQLSTDTGVEHVTFFIYNKIVDEPEGGGGSGGGGSDGKMKDLSPRWYFYYLGTGPEAGGGGSGGGGSVEGFNCYFPLQSYGFQPTNGVGGGGSGGGGSKRFDNPVLPFNDGVYFASTEKSNIIRGSSGGGSSGGGFGMSRIGMEVTPSGTWLTYTGAIKLDDKDPNFKDQVILLNKHIDAYKTFPPTEGGGGSGGGGSAGAAAYYVGYLQPRTFLLKYNENGSSGGGSSGGGPSIISNEKQEILGTVSWNLREMLAHGGSGGGGSGGEGNSPFHPLADNKFALTCFSTQFAFACPDGVKHVYQLRARSVSPKLFIGGGGSGGGGSMFVFLVLLPLVSSQCVNLTTRTQLPPAYTNSFTRGVYYPDKVFRSSVLHSTQDLFLPFFSSGGGGSGGGGKKRWQLALSKGVHFVCNLLLLSGGGGSGGGGFIRQEEVQELYSPIFLIVAAIVFIGGGGSGGGGSYIIKLIFLWLLWPVTLACFVLAAVYRINWGGGGSGGGGSMIELSLIDFYLCFLAFLLFLVLIMLIIFWFSSGGGGSGGGGLLLVAAGLEAPFLYLYALVYFLQSINFVRIIMRLWLCWKGGGGSGGGGSMGYINVFAFPFTIYSLLLCRMNGGGGSGGGGSSFNPETNILLNVPLHGTILTRPLLESELVIGAVILRGHLRIAGHHGGGGSGGGGSIILFLALITLATCELYHYQECVRGTTVGGGGSGGGGSKDFGGFNFSQILPDPSKPSKRSFIEDLLFNKVTLADAGFIKQYGDCLGDIAARDLICAQKFGGGGSGGGGSMLAKALRKVPTDNYITTYPGQGLGSGGGGSGGGQTSNFRVQPTESIVRFPNITNLCPFGEVFNATRFASVYAWNRKRISNCVADYSVLYNSASFSTFKGGGGSGGGGSFYSKWYIRVGARKSAPLIELCVDEAGSKSPIQYIDIGNYSGGGGSGGGGAFEYYHTTDPSFLGRYMSALNGGGGSGGGGSMESEFRVYSSANNCTFEYVSQPFLMDLEGKQGNFKNLREFVFKNIDGYFKIYSKHTPINLVRDLPQGSSGGGSSGGGICGDSTECSNLLLQYGSFCTQLNRALTGIAVEQDKNTQEVFAQVKQIYKTPPIKDFGGFNFGGGGSGGGGSCLYRNRDVDTDFVNEFYAYLRKHFGGGGSGGGGSKLPDDFTGCVIAWNSNNLDSKVGGNYNYLYRLFRKSNLKPFERDISTEIYQAGSTPCNGVEGGGGSGGGGSWKCRSKNPLLYDANYFLCWHTNCYD
【0368】
配列番号162
VB2194の抗原単位
SEHDYQIGGYTEKWESGVKDCVVLHSYFTSGGGGSGGGGNLDSKVGGNYNYLYRLFRKSNLKPFERDISTEIYQAGSTPCNGVEGGGGSGGGGSWKCRSKNPLLYDANYFLCWHTNCYDGGGGSGGGGSHLRIAGHHLGRCDIKDLPKEITVATSRTLSYYKLGASQRVAGDSGSSGGGSSGGGKLPDDFTGCVIAWNSNNLDSKVGGNYNYLSGGGGSGGGGDGKMKDLSPRWYFYYLGTGPEAGGSGGGGSGGQGNFKNLREFVFKNIDGYFKIYSKHTPINLVRDLPQGSSGGGSSGGGVEGFNCYFPLQSYGFQPTNGVGGGGSGGGGSFGMSRIGMEVTPSGTWLTYTGAIKLDDKDPNFKDQVIGGGGSGGGGSFYSKWYIRVGARKSAPLIELCVDEAGSKSPIQYIDIGNYSGGGGSGGGGLDDKDPNFKDQVILLNKHIDAYKTFPPTEGGGGSGGGGSQTSNFRVQPTESIVRFPNITNLCPFGEVFNATRSGGGGSGGGGMLAKALRKVPTDNYITTYPGQGLGSGGGGSGGGPPAYTNSFTRGVYYPDKVFRSSVLHSTQDLFLPFFSSGGGGSGGGGKDFGGFNFSQILPDPSKPSKRSFIEDLLFNKVTLADAGGGGSGGGGSIILFLALITLATCELYHYQECVRGTTVGGGGSGGGGSKKRWQLALSKGVHFVCNLLLLSGGGGSGGGGMGYINVFAFPFTIYSLLLCRMNGGGGSGGGGSLLLVAAGLEAPFLYLYALVYFLQSINFVRIIMRLWLCWKGGGGSGGGGSMIELSLIDFYLCFLAFLLFLVLIMLIIFWFSSGGGGSGGGGYIIKLIFLWLLWPVTLACFVLAAVYRINWGGGGSGGGGSFIRQEEVQELYSPIFLIVAAIVFIGGGGSGGGGSMFVFLVLLPLVSSQCVNLTTRTQLPPAYTNSFTRGVGGGGSGGGGSSFNPETNILLNVPLHGTILTRPLLESELVIGAVILRGHLRIAGHHGGGGSGGGGSEGNSPFHPLADNKFALTCFSTQFAFACPDGVKHVYQLRARSVSPKLFIGGGGSGGGGSEDLLFNKVTLADAGFIKQYGDCLGDIAARDLICAQKFGGGGSGGGGSPSIISNEKQEILGTVSWNLREMLAHSGGGGSGGGGALTGIAVEQDKNTQEVFAQVKQIYKTPPIKDFGGFNFGGGGSGGGGSAGAAAYYVGYLQPRTFLLKYNENGSSGGGSSGGGLPNNTASWFTALTQHGKEDLKFPRGQGVPGGGGSGGGGSKRFDNPVLPFNDGVYFASTEKSNIIRGSSGGGSSGGGFNATRFASVYAWNRKRISNCVADYSVLYNSASFSTFKGGGGSGGGGSAFEYYHTTDPSFLGRYMSALNGGGGSGGGGSMESEFRVYSSANNCTFEYVSQPFLMDLEGKQGNFKNLREFVFKGGGGSGGGGSSTQLSTDTGVEHVTFFIYNKIVDEPEGGGGSGGGGSCLYRNRDVDTDFVNEFYAYLRKHFGGGGSGGGGSGVKDCVVLHSYFTSDYYQLYSTQLSTDTGVEHVTFFIGGGGSGGGGSICGDSTECSNLLLQYGSFCTQLNRALTGIAVEQDKNTSGGGGSGGGGKEDLKFPRGQGVPINTNSSPDDQIGYYRRATRRIRGG
【0369】
配列番号163
VB2196の抗原単位
SEHDYQIGGYTEKWESGVKDCVVLHSYFTSGGGGSGGGGICGDSTECSNLLLQYGSFCTQLNRALTGIAVEQDKNTGSGGGGSGGGGVKDCVVLHSYFTSDYYQLYSTQLSTDTGVEHVTFFIGGGGSGGGGSCLYRNRDVDTDFVNEFYAYLRKHFGGGGSGGGGSDGKMKDLSPRWYFYYLGTGPEAGGSGGGGSGGQGNFKNLREFVFKNIDGYFKIYSKHTPINLVRDLPQGSSGGGSSGGGFGMSRIGMEVTPSGTWLTYTGAIKLDDKDPNFKDQVIGGGGSGGGGSFYSKWYIRVGARKSAPLIELCVDEAGSKSPIQYIDIGNYSGGGGSGGGGLPNNTASWFTALTQHGKEDLKFPRGQGVPGGGGSGGGGSALTGIAVEQDKNTQEVFAQVKQIYKTPPIKDFGGFNFGGGGSGGGGSPSIISNEKQEILGTVSWNLREMLAHSGGGGSGGGGKDFGGFNFSQILPDPSKPSKRSFIEDLLFNKVTLADAGGGGSGGGGSEGNSPFHPLADNKFALTCFSTQFAFACPDGVKHVYQLRARSVSPKLFIGGGGSGGGGSSFNPETNILLNVPLHGTILTRPLLESELVIGAVILRGHLRIAGHHGGGGSGGGGSMFVFLVLLPLVSSQCVNLTTRTQLPPAYTNSFTRGVGGGGSGGGGSFIRQEEVQELYSPIFLIVAAIVFIGGGGSGGGGSYIIKLIFLWLLWPVTLACFVLAAVYRINWGGGGSGGGGSMIELSLIDFYLCFLAFLLFLVLIMLIIFWFSSGGGGSGGGGLLLVAAGLEAPFLYLYALVYFLQSINFVRIIMRLWLCWKGGGGSGGGGSMGYINVFAFPFTIYSLLLCRMNGGGGSGGGGSKKRWQLALSKGVHFVCNLLLLSGGGGSGGGGIILFLALITLATCELYHYQECVRGTTVGGGGSGGGGSEDLLFNKVTLADAGFIKQYGDCLGDIAARDLICAQKFGGGGSGGGGSPPAYTNSFTRGVYYPDKVFRSSVLHSTQDLFLPFFSSGGGGSGGGGMLAKALRKVPTDNYITTYPGQGLGGGSGGGGSGAGAAAYYVGYLQPRTFLLKYNENGSSGGGSSGGGLDDKDPNFKDQVILLNKHIDAYKTFPPTEGGGGSGGGGSKRFDNPVLPFNDGVYFASTEKSNIIRGSSGGGSSGGGAFEYYHTTDPSFLGRYMSALNGGGGSGGGGSMESEFRVYSSANNCTFEYVSQPFLMDLEGKQGNFKNLREFVFKGGGGSGGGGSSTQLSTDTGVEHVTFFIYNKIVDEPEGGGGSGGGGSHLRIAGHHLGRCDIKDLPKEITVATSRTLSYYKLGASQRVAGDSGSSGGGSSGGGWKCRSKNPLLYDANYFLCWHTNCYDGGGGSGGGGSKEDLKFPRGQGVPINTNSSPDDQIGYYRRATRRIRGG
【0370】
配列番号164
VB2197の抗原単位
GVKDCVVLHSYFTSDYYQLYSTQLSSGGGGSGGGGKLPDDFTGCVIAWNSNNLDSKVGGNYNYLYRLFRKSNLKPFERDISTEIYQAGSTPCNGVEGGGGSGGGGSDGKMKDLSPRWYFYYLGTGPEAGGGGSGGGGSVEGFNCYFPLQSYGFQPTNGVGGGGSGGGGSFGMSRIGMEVTPSGTWLTYTGAIKLDDKDPNFKDQVILLNKHIDAYKTFPPTEGGGGSGGGGSPSIISNEKQEILGTVSWNLREMLAHGGSGGGGSGGEGNSPFHPLADNKFALTCFSTQFAFACPDGVKHVYQLRARSVSPKLFIGGGGSGGGGSMGYINVFAFPFTIYSLLLCRMNGGGGSGGGGSMIELSLIDFYLCFLAFLLFLVLIMLIIFWFSSGGGGSGGGGLLLVAAGLEAPFLYLYALVYFLQSINFVRIIMRLWLCWKGGGGSGGGGSIILFLALITLATCELYHYQECVRGTTVGGGGSGGGGSKDFGGFNFSQILPDPSKPSKRSFIEDLLFNKVTLADAGFIKQYGDCLGDIAARDLICAQKFGGGGSGGGGSQTSNFRVQPTESIVRFPNITNLCPFGEVFNATRFASVYAWNRKRISNCVADYSVLYNSASFSTFKGGGGSGGGGSKRFDNPVLPFNDGVYFASTEKSNIIRGSSGGGSSGGGAFEYYHTTDPSFLGRYMSALNGGGGSGGGGSHLRIAGHHLGRCDIKDLPKEITVATSRTLSYYKLGASQRVAGDSGSSGGGSSGGGLPNNTASWFTALTQHGKEDLKFPRGQGVPINTNSSPDDQIGYYRRATRRIRGG
【0371】
配列番号165
VB2207の抗原単位
MSFNPETNILLNVPLHGTILTRPLLESELVIGAVILRGHLRIAGHHSGSSGSKDFGGFNFSQILPDPSKPSKRSFIEDLLFNKVTLADAGFIKQYGDCLGDIAARDLICAQKFSGSSGSSTQLSTDTGVEHVTFFIYNKIVDEPESGSSGSMESEFRVYSSANNCTFEYVSQPFLMDLEGKQGNFKNLREFVFKNIDGYFKIYSKHTPINLVRDLPQGSGSSGSAFEYYHTTDPSFLGRYMSALNSGSSGSLLLVAAGLEAPFLYLYALVYFLQSINFVRIIMRLWLCWKSGSSGSFIRQEEVQELYSPIFLIVAAIVFISGSSGSSEHDYQIGGYTEKWESGVKDCVVLHSYFTSDYYQLYSTQLSTDTGVEHVTFFIGGSGGYIIKLIFLWLLWPVTLACFVLAAVYRINWGGSGGCLYRNRDVDTDFVNEFYAYLRKHFGGSGGKRFDNPVLPFNDGVYFASTEKSNIIRGSGSSGSFYSKWYIRVGARKSAPLIELCVDEAGSKSPIQYIDIGNYGGSGGMIELSLIDFYLCFLAFLLFLVLIMLIIFWFSGGSGGICGDSTECSNLLLQYGSFCTQLNRALTGIAVEQDKNTQEVFAQVKQIYKTPPIKDFGGFNFSGSSGSHLRIAGHHLGRCDIKDLPKEITVATSRTLSYYKLGASQRVAGDSGGGSGGDGKMKDLSPRWYFYYLGTGPEAGGSGGPSIISNEKQEILGTVSWNLREMLAHGGSGGWKCRSKNPLLYDANYFLCWHTNCYDGGSGGKKRWQLALSKGVHFVCNLLLLSGSSGSMLAKALRKVPTDNYITTYPGQGLSGSSGSMGYINVFAFPFTIYSLLLCRMNGGSGGMFVFLVLLPLVSSQCVNLTTRTQLPPAYTNSFTRGVYYPDKVFRSSVLHSTQDLFLPFFSGGSGGAGAAAYYVGYLQPRTFLLKYNENGGGSGGEGNSPFHPLADNKFALTCFSTQFAFACPDGVKHVYQLRARSVSPKLFIGGSGGFGMSRIGMEVTPSGTWLTYTGAIKLDDKDPNFKDQVILLNKHIDAYKTFPPTESGSSGSIILFLALITLATCELYHYQECVRGTTVSGSSGSLPNNTASWFTALTQHGKEDLKFPRGQGVPINTNSSPDDQIGYYRRATRRIRGGSGSSGS
【0372】
配列番号166
VB2208の抗原単位
MCLYRNRDVDTDFVNEFYAYLRKHFSGSSGSKDFGGFNFSQILPDPSKPSKRSFIEDLLFNKVTLADASGSSGSAFEYYHTTDPSFLGRYMSALNGGSGGEDLLFNKVTLADAGFIKQYGDCLGDIAARDLICAQKFGGSGGICGDSTECSNLLLQYGSFCTQLNRALTGIAVEQDKNTGGSGGDGKMKDLSPRWYFYYLGTGPEAGGSGGKRFDNPVLPFNDGVYFASTEKSNIIRGSGSSGSMESEFRVYSSANNCTFEYVSQPFLMDLEGKQGNFKNLREFVFKSGSSGSMIELSLIDFYLCFLAFLLFLVLIMLIIFWFSSGSSGSFIRQEEVQELYSPIFLIVAAIVFISGSSGSKKRWQLALSKGVHFVCNLLLLSGSSGSIILFLALITLATCELYHYQECVRGTTVGGSGGMFVFLVLLPLVSSQCVNLTTRTQLPPAYTNSFTRGVGGSGGSFNPETNILLNVPLHGTILTRPLLESELVIGAVILRGHLRIAGHHGGSGGMLAKALRKVPTDNYITTYPGQGLSGSSGSLLLVAAGLEAPFLYLYALVYFLQSINFVRIIMRLWLCWKGGSGGLDDKDPNFKDQVILLNKHIDAYKTFPPTEGGSGGYIIKLIFLWLLWPVTLACFVLAAVYRINWSGSSGSQGNFKNLREFVFKNIDGYFKIYSKHTPINLVRDLPQGSGSSGSPPAYTNSFTRGVYYPDKVFRSSVLHSTQDLFLPFFSSGSSGSGVKDCVVLHSYFTSDYYQLYSTQLSTDTGVEHVTFFISGSSGSALTGIAVEQDKNTQEVFAQVKQIYKTPPIKDFGGFNFGGSGGAGAAAYYVGYLQPRTFLLKYNENGSGSSGSFYSKWYIRVGARKSAPLIELCVDEAGSKSPIQYIDIGNYGGSGGWKCRSKNPLLYDANYFLCWHTNCYDGGSGGMGYINVFAFPFTIYSLLLCRMNSGSSGSLPNNTASWFTALTQHGKEDLKFPRGQGVPGGSGGFGMSRIGMEVTPSGTWLTYTGAIKLDDKDPNFKDQVISGSSGSEGNSPFHPLADNKFALTCFSTQFAFACPDGVKHVYQLRARSVSPKLFIGGSGGSEHDYQIGGYTEKWESGVKDCVVLHSYFTSGSSGSKEDLKFPRGQGVPINTNSSPDDQIGYYRRATRRIRGGGGSGGSTQLSTDTGVEHVTFFIYNKIVDEPEGGSGGHLRIAGHHLGRCDIKDLPKEITVATSRTLSYYKLGASQRVAGDSGGGSGGPSIISNEKQEILGTVSWNLREMLAHSGSSGS
【0373】
配列番号167
VB2210の抗原単位
MFGMSRIGMEVTPSGTWLTYTGAIKLDDKDPNFKDQVIGGSGGQTSNFRVQPTESIVRFPNITNLCPFGEVFNATRSGSSGSMGYINVFAFPFTIYSLLLCRMNGGSGGFNATRFASVYAWNRKRISNCVADYSVLYNSASFSTFKSGSSGSNLDSKVGGNYNYLYRLFRKSNLKPFERDISTEIYQAGSTPCNGVESGSSGSVEGFNCYFPLQSYGFQPTNGVGGSGGLDDKDPNFKDQVILLNKHIDAYKTFPPTESGSSGSGVKDCVVLHSYFTSDYYQLYSTQLSSGSSGSEGNSPFHPLADNKFALTCFSTQFAFACPDGVKHVYQLRARSVSPKLFISGSSGSDGKMKDLSPRWYFYYLGTGPEASGSSGSMIELSLIDFYLCFLAFLLFLVLIMLIIFWFSGGSGGAFEYYHTTDPSFLGRYMSALNSGSSGSKLPDDFTGCVIAWNSNNLDSKVGGNYNYLGGSGGKRFDNPVLPFNDGVYFASTEKSNIIRGGGSGGLLLVAAGLEAPFLYLYALVYFLQSINFVRIIMRLWLCWKGGSGGEDLLFNKVTLADAGFIKQYGDCLGDIAARDLICAQKFGGSGGIILFLALITLATCELYHYQECVRGTTVSGSSGSHLRIAGHHLGRCDIKDLPKEITVATSRTLSYYKLGASQRVAGDSGGGSGGLPNNTASWFTALTQHGKEDLKFPRGQGVPGGSGGKDFGGFNFSQILPDPSKPSKRSFIEDLLFNKVTLADASGSSGSKEDLKFPRGQGVPINTNSSPDDQIGYYRRATRRIRGGSGSSGSPSIISNEKQEILGTVSWNLREMLAHGGSGG
【0374】
配列番号168
ヒトMIP1-α(CCL3L1)のシグナルペプチドのアミノ酸配列(アミノ酸1~23)、ヒトMIP1-α(CCL3L1)(アミノ酸24~93)、IgG3由来ヒンジエクソンh1(アミノ酸94~105)、IgG3のヒンジエクソンh4(アミノ酸106~120)、二量体化単位リンカー(アミノ酸121~130)、IgG3のヒトCH3ドメイン(アミノ酸131~237)、及び単位リンカー(238~242):
QVSTAALAVLLCTMALCNQVLS2324PLAADTPTACCFSYTSRQIPQNFIADYFETSSQCSKPSVIFLTKRGRQVCADPSEEWVQKYVSDLELSA9394LKTPLGDTTHT105106PKSCDTPPPCPRCP120121GGSSGGGSG130131QPREPQVYTLPPSREEMTKNQVSLTCLVKGFYPSDIAVEWESSGQPENNYNTTPPMLDSDGSFFLYSKLTVDKSRWQQGNIFSCSVMHEALHNRFTQKSLSLSPGK237GLGGL242
【0375】
配列番号169
Ig VHシグナルペプチドを有する抗汎HLAクラスII(アミノ酸1~19)、抗汎HLAクラスII VL(アミノ酸20~127)、リンカー(アミノ酸128~142)、及び抗汎HLAクラスIIのVH(アミノ酸143~260):
NFGLRLIFLVLTLKGVQC1920IQMTQTTSSLSASLGDRVTISCSASQDINNYLNWYQQKPDGTVKLLIYYTSSLHSGVPSRFSGSGSGTDYSLTISNLEPEDIATYYCQQYSKFPRTFGGGTKLEIKR127128GGGSGGGGSGGGGS142143IQLVQSGPELKKPGETVKISCKASGYTFINYGMNWVKQTPGKGLKWMGWINTYSGEPTYPDDFKGRFAFSLETSASTAYLQLNNLKNEDMATYFCARGDYYGPFDNWGQGTTLTVSS260
【0376】
配列番号170
ヒトTPAシグナルペプチドのアミノ酸配列:
MDAMKRGLCCVLLLCGAVFVSP
【0377】
配列番号171
APLAADTPTACCFSYTSRQIPQNFIADYFETSSQCSKPSVIFLTKRGRQVCADPSEEWVQKYVSDLELSAELKTPLGDTTHTEPKSCDTPPPCPRCPGGGSSGGGSGGQPREPQVYTLPPSREEMTKNQVSLTCLVKGFYPSDIAVEWESSGQPENNYNTTPPMLDSDGSFFLYSKLTVDKSRWQQGNIFSCSVMHEALHNRFTQKSLSLSPGKGLGGLSEHDYQIGGYTEKWESGVKDCVVLHSYFTSDYYQLYSTQLSTDTGVEHVTFFIGGGGSGGGGSLPNNTASWFTALTQHGKEDLKFPRGQGVPINTNSSPDDQIGYYRRATRRIRGGSSGGGSSGGGHLRIAGHHLGRCDIKDLPKEITVATSRTLSYYKLGASQRVAGDSGGGSSGGGSSGSTQLSTDTGVEHVTFFIYNKIVDEPEGGGGSGGGGSDGKMKDLSPRWYFYYLGTGPEAGGGGSGGGGSVEGFNCYFPLQSYGFQPTNGVGGGGSGGGGSKRFDNPVLPFNDGVYFASTEKSNIIRGSSGGGSSGGGFGMSRIGMEVTPSGTWLTYTGAIKLDDKDPNFKDQVILLNKHIDAYKTFPPTEGGGGSGGGGSAGAAAYYVGYLQPRTFLLKYNENGSSGGGSSGGGPSIISNEKQEILGTVSWNLREMLAHGGSGGGGSGGEGNSPFHPLADNKFALTCFSTQFAFACPDGVKHVYQLRARSVSPKLFIGGGGSGGGGSMFVFLVLLPLVSSQCVNLTTRTQLPPAYTNSFTRGVYYPDKVFRSSVLHSTQDLFLPFFSSGGGGSGGGGKKRWQLALSKGVHFVCNLLLLSGGGGSGGGGFIRQEEVQELYSPIFLIVAAIVFIGGGGSGGGGSYIIKLIFLWLLWPVTLACFVLAAVYRINWGGGGSGGGGSMIELSLIDFYLCFLAFLLFLVLIMLIIFWFSSGGGGSGGGGLLLVAAGLEAPFLYLYALVYFLQSINFVRIIMRLWLCWKGGGGSGGGGSMGYINVFAFPFTIYSLLLCRMNGGGGSGGGGSSFNPETNILLNVPLHGTILTRPLLESELVIGAVILRGHLRIAGHHGGGGSGGGGSIILFLALITLATCELYHYQECVRGTTVGGGGSGGGGSKDFGGFNFSQILPDPSKPSKRSFIEDLLFNKVTLADAGFIKQYGDCLGDIAARDLICAQKFGGGGSGGGGSMLAKALRKVPTDNYITTYPGQGLGSGGGGSGGGQTSNFRVQPTESIVRFPNITNLCPFGEVFNATRFASVYAWNRKRISNCVADYSVLYNSASFSTFKGGGGSGGGGSFYSKWYIRVGARKSAPLIELCVDEAGSKSPIQYIDIGNYSGGGGSGGGGAFEYYHTTDPSFLGRYMSALNGGGGSGGGGSMESEFRVYSSANNCTFEYVSQPFLMDLEGKQGNFKNLREFVFKNIDGYFKIYSKHTPINLVRDLPQGSSGGGSSGGGICGDSTECSNLLLQYGSFCTQLNRALTGIAVEQDKNTQEVFAQVKQIYKTPPIKDFGGFNFGGGGSGGGGSCLYRNRDVDTDFVNEFYAYLRKHFGGGGSGGGGSKLPDDFTGCVIAWNSNNLDSKVGGNYNYLYRLFRKSNLKPFERDISTEIYQAGSTPCNGVEGGGGSGGGGSWKCRSKNPLLYDANYFLCWHTNCYD
【0378】
配列番号172
APLAADTPTACCFSYTSRQIPQNFIADYFETSSQCSKPSVIFLTKRGRQVCADPSEEWVQKYVSDLELSAELKTPLGDTTHTEPKSCDTPPPCPRCPGGGSSGGGSGGQPREPQVYTLPPSREEMTKNQVSLTCLVKGFYPSDIAVEWESSGQPENNYNTTPPMLDSDGSFFLYSKLTVDKSRWQQGNIFSCSVMHEALHNRFTQKSLSLSPGKGLGGLSEHDYQIGGYTEKWESGVKDCVVLHSYFTSGGGGSGGGGNLDSKVGGNYNYLYRLFRKSNLKPFERDISTEIYQAGSTPCNGVEGGGGSGGGGSWKCRSKNPLLYDANYFLCWHTNCYDGGGGSGGGGSHLRIAGHHLGRCDIKDLPKEITVATSRTLSYYKLGASQRVAGDSGSSGGGSSGGGKLPDDFTGCVIAWNSNNLDSKVGGNYNYLSGGGGSGGGGDGKMKDLSPRWYFYYLGTGPEAGGSGGGGSGGQGNFKNLREFVFKNIDGYFKIYSKHTPINLVRDLPQGSSGGGSSGGGVEGFNCYFPLQSYGFQPTNGVGGGGSGGGGSFGMSRIGMEVTPSGTWLTYTGAIKLDDKDPNFKDQVIGGGGSGGGGSFYSKWYIRVGARKSAPLIELCVDEAGSKSPIQYIDIGNYSGGGGSGGGGLDDKDPNFKDQVILLNKHIDAYKTFPPTEGGGGSGGGGSQTSNFRVQPTESIVRFPNITNLCPFGEVFNATRSGGGGSGGGGMLAKALRKVPTDNYITTYPGQGLGSGGGGSGGGPPAYTNSFTRGVYYPDKVFRSSVLHSTQDLFLPFFSSGGGGSGGGGKDFGGFNFSQILPDPSKPSKRSFIEDLLFNKVTLADAGGGGSGGGGSIILFLALITLATCELYHYQECVRGTTVGGGGSGGGGSKKRWQLALSKGVHFVCNLLLLSGGGGSGGGGMGYINVFAFPFTIYSLLLCRMNGGGGSGGGGSLLLVAAGLEAPFLYLYALVYFLQSINFVRIIMRLWLCWKGGGGSGGGGSMIELSLIDFYLCFLAFLLFLVLIMLIIFWFSSGGGGSGGGGYIIKLIFLWLLWPVTLACFVLAAVYRINWGGGGSGGGGSFIRQEEVQELYSPIFLIVAAIVFIGGGGSGGGGSMFVFLVLLPLVSSQCVNLTTRTQLPPAYTNSFTRGVGGGGSGGGGSSFNPETNILLNVPLHGTILTRPLLESELVIGAVILRGHLRIAGHHGGGGSGGGGSEGNSPFHPLADNKFALTCFSTQFAFACPDGVKHVYQLRARSVSPKLFIGGGGSGGGGSEDLLFNKVTLADAGFIKQYGDCLGDIAARDLICAQKFGGGGSGGGGSPSIISNEKQEILGTVSWNLREMLAHSGGGGSGGGGALTGIAVEQDKNTQEVFAQVKQIYKTPPIKDFGGFNFGGGGSGGGGSAGAAAYYVGYLQPRTFLLKYNENGSSGGGSSGGGLPNNTASWFTALTQHGKEDLKFPRGQGVPGGGGSGGGGSKRFDNPVLPFNDGVYFASTEKSNIIRGSSGGGSSGGGFNATRFASVYAWNRKRISNCVADYSVLYNSASFSTFKGGGGSGGGGSAFEYYHTTDPSFLGRYMSALNGGGGSGGGGSMESEFRVYSSANNCTFEYVSQPFLMDLEGKQGNFKNLREFVFKGGGGSGGGGSSTQLSTDTGVEHVTFFIYNKIVDEPEGGGGSGGGGSCLYRNRDVDTDFVNEFYAYLRKHFGGGGSGGGGSGVKDCVVLHSYFTSDYYQLYSTQLSTDTGVEHVTFFIGGGGSGGGGSICGDSTECSNLLLQYGSFCTQLNRALTGIAVEQDKNTSGGGGSGGGGKEDLKFPRGQGVPINTNSSPDDQIGYYRRATRRIRGG
【0379】
配列番号173
APLAADTPTACCFSYTSRQIPQNFIADYFETSSQCSKPSVIFLTKRGRQVCADPSEEWVQKYVSDLELSAELKTPLGDTTHTEPKSCDTPPPCPRCPGGGSSGGGSGGQPREPQVYTLPPSREEMTKNQVSLTCLVKGFYPSDIAVEWESSGQPENNYNTTPPMLDSDGSFFLYSKLTVDKSRWQQGNIFSCSVMHEALHNRFTQKSLSLSPGKGLGGLSEHDYQIGGYTEKWESGVKDCVVLHSYFTSGGGGSGGGGICGDSTECSNLLLQYGSFCTQLNRALTGIAVEQDKNTGSGGGGSGGGGVKDCVVLHSYFTSDYYQLYSTQLSTDTGVEHVTFFIGGGGSGGGGSCLYRNRDVDTDFVNEFYAYLRKHFGGGGSGGGGSDGKMKDLSPRWYFYYLGTGPEAGGSGGGGSGGQGNFKNLREFVFKNIDGYFKIYSKHTPINLVRDLPQGSSGGGSSGGGFGMSRIGMEVTPSGTWLTYTGAIKLDDKDPNFKDQVIGGGGSGGGGSFYSKWYIRVGARKSAPLIELCVDEAGSKSPIQYIDIGNYSGGGGSGGGGLPNNTASWFTALTQHGKEDLKFPRGQGVPGGGGSGGGGSALTGIAVEQDKNTQEVFAQVKQIYKTPPIKDFGGFNFGGGGSGGGGSPSIISNEKQEILGTVSWNLREMLAHSGGGGSGGGGKDFGGFNFSQILPDPSKPSKRSFIEDLLFNKVTLADAGGGGSGGGGSEGNSPFHPLADNKFALTCFSTQFAFACPDGVKHVYQLRARSVSPKLFIGGGGSGGGGSSFNPETNILLNVPLHGTILTRPLLESELVIGAVILRGHLRIAGHHGGGGSGGGGSMFVFLVLLPLVSSQCVNLTTRTQLPPAYTNSFTRGVGGGGSGGGGSFIRQEEVQELYSPIFLIVAAIVFIGGGGSGGGGSYIIKLIFLWLLWPVTLACFVLAAVYRINWGGGGSGGGGSMIELSLIDFYLCFLAFLLFLVLIMLIIFWFSSGGGGSGGGGLLLVAAGLEAPFLYLYALVYFLQSINFVRIIMRLWLCWKGGGGSGGGGSMGYINVFAFPFTIYSLLLCRMNGGGGSGGGGSKKRWQLALSKGVHFVCNLLLLSGGGGSGGGGIILFLALITLATCELYHYQECVRGTTVGGGGSGGGGSEDLLFNKVTLADAGFIKQYGDCLGDIAARDLICAQKFGGGGSGGGGSPPAYTNSFTRGVYYPDKVFRSSVLHSTQDLFLPFFSSGGGGSGGGGMLAKALRKVPTDNYITTYPGQGLGGGSGGGGSGAGAAAYYVGYLQPRTFLLKYNENGSSGGGSSGGGLDDKDPNFKDQVILLNKHIDAYKTFPPTEGGGGSGGGGSKRFDNPVLPFNDGVYFASTEKSNIIRGSSGGGSSGGGAFEYYHTTDPSFLGRYMSALNGGGGSGGGGSMESEFRVYSSANNCTFEYVSQPFLMDLEGKQGNFKNLREFVFKGGGGSGGGGSSTQLSTDTGVEHVTFFIYNKIVDEPEGGGGSGGGGSHLRIAGHHLGRCDIKDLPKEITVATSRTLSYYKLGASQRVAGDSGSSGGGSSGGGWKCRSKNPLLYDANYFLCWHTNCYDGGGGSGGGGSKEDLKFPRGQGVPINTNSSPDDQIGYYRRATRRIRGG
【0380】
配列番号174
APLAADTPTACCFSYTSRQIPQNFIADYFETSSQCSKPSVIFLTKRGRQVCADPSEEWVQKYVSDLELSAELKTPLGDTTHTEPKSCDTPPPCPRCPGGGSSGGGSGGQPREPQVYTLPPSREEMTKNQVSLTCLVKGFYPSDIAVEWESSGQPENNYNTTPPMLDSDGSFFLYSKLTVDKSRWQQGNIFSCSVMHEALHNRFTQKSLSLSPGKGLGGLGVKDCVVLHSYFTSDYYQLYSTQLSSGGGGSGGGGKLPDDFTGCVIAWNSNNLDSKVGGNYNYLYRLFRKSNLKPFERDISTEIYQAGSTPCNGVEGGGGSGGGGSDGKMKDLSPRWYFYYLGTGPEAGGGGSGGGGSVEGFNCYFPLQSYGFQPTNGVGGGGSGGGGSFGMSRIGMEVTPSGTWLTYTGAIKLDDKDPNFKDQVILLNKHIDAYKTFPPTEGGGGSGGGGSPSIISNEKQEILGTVSWNLREMLAHGGSGGGGSGGEGNSPFHPLADNKFALTCFSTQFAFACPDGVKHVYQLRARSVSPKLFIGGGGSGGGGSMGYINVFAFPFTIYSLLLCRMNGGGGSGGGGSMIELSLIDFYLCFLAFLLFLVLIMLIIFWFSSGGGGSGGGGLLLVAAGLEAPFLYLYALVYFLQSINFVRIIMRLWLCWKGGGGSGGGGSIILFLALITLATCELYHYQECVRGTTVGGGGSGGGGSKDFGGFNFSQILPDPSKPSKRSFIEDLLFNKVTLADAGFIKQYGDCLGDIAARDLICAQKFGGGGSGGGGSQTSNFRVQPTESIVRFPNITNLCPFGEVFNATRFASVYAWNRKRISNCVADYSVLYNSASFSTFKGGGGSGGGGSKRFDNPVLPFNDGVYFASTEKSNIIRGSSGGGSSGGGAFEYYHTTDPSFLGRYMSALNGGGGSGGGGSHLRIAGHHLGRCDIKDLPKEITVATSRTLSYYKLGASQRVAGDSGSSGGGSSGGGLPNNTASWFTALTQHGKEDLKFPRGQGVPINTNSSPDDQIGYYRRATRRIRGG
【0381】
配列番号175
APLAADTPTACCFSYTSRQIPQNFIADYFETSSQCSKPSVIFLTKRGRQVCADPSEEWVQKYVSDLELSAELKTPLGDTTHTEPKSCDTPPPCPRCPGGGSSGGGSGGQPREPQVYTLPPSREEMTKNQVSLTCLVKGFYPSDIAVEWESSGQPENNYNTTPPMLDSDGSFFLYSKLTVDKSRWQQGNIFSCSVMHEALHNRFTQKSLSLSPGKGLGGLMSFNPETNILLNVPLHGTILTRPLLESELVIGAVILRGHLRIAGHHSGSSGSKDFGGFNFSQILPDPSKPSKRSFIEDLLFNKVTLADAGFIKQYGDCLGDIAARDLICAQKFSGSSGSSTQLSTDTGVEHVTFFIYNKIVDEPESGSSGSMESEFRVYSSANNCTFEYVSQPFLMDLEGKQGNFKNLREFVFKNIDGYFKIYSKHTPINLVRDLPQGSGSSGSAFEYYHTTDPSFLGRYMSALNSGSSGSLLLVAAGLEAPFLYLYALVYFLQSINFVRIIMRLWLCWKSGSSGSFIRQEEVQELYSPIFLIVAAIVFISGSSGSSEHDYQIGGYTEKWESGVKDCVVLHSYFTSDYYQLYSTQLSTDTGVEHVTFFIGGSGGYIIKLIFLWLLWPVTLACFVLAAVYRINWGGSGGCLYRNRDVDTDFVNEFYAYLRKHFGGSGGKRFDNPVLPFNDGVYFASTEKSNIIRGSGSSGSFYSKWYIRVGARKSAPLIELCVDEAGSKSPIQYIDIGNYGGSGGMIELSLIDFYLCFLAFLLFLVLIMLIIFWFSGGSGGICGDSTECSNLLLQYGSFCTQLNRALTGIAVEQDKNTQEVFAQVKQIYKTPPIKDFGGFNFSGSSGSHLRIAGHHLGRCDIKDLPKEITVATSRTLSYYKLGASQRVAGDSGGGSGGDGKMKDLSPRWYFYYLGTGPEAGGSGGPSIISNEKQEILGTVSWNLREMLAHGGSGGWKCRSKNPLLYDANYFLCWHTNCYDGGSGGKKRWQLALSKGVHFVCNLLLLSGSSGSMLAKALRKVPTDNYITTYPGQGLSGSSGSMGYINVFAFPFTIYSLLLCRMNGGSGGMFVFLVLLPLVSSQCVNLTTRTQLPPAYTNSFTRGVYYPDKVFRSSVLHSTQDLFLPFFSGGSGGAGAAAYYVGYLQPRTFLLKYNENGGGSGGEGNSPFHPLADNKFALTCFSTQFAFACPDGVKHVYQLRARSVSPKLFIGGSGGFGMSRIGMEVTPSGTWLTYTGAIKLDDKDPNFKDQVILLNKHIDAYKTFPPTESGSSGSIILFLALITLATCELYHYQECVRGTTVSGSSGSLPNNTASWFTALTQHGKEDLKFPRGQGVPINTNSSPDDQIGYYRRATRRIRGGSGSSGS
【0382】
配列番号176
APLAADTPTACCFSYTSRQIPQNFIADYFETSSQCSKPSVIFLTKRGRQVCADPSEEWVQKYVSDLELSAELKTPLGDTTHTEPKSCDTPPPCPRCPGGGSSGGGSGGQPREPQVYTLPPSREEMTKNQVSLTCLVKGFYPSDIAVEWESSGQPENNYNTTPPMLDSDGSFFLYSKLTVDKSRWQQGNIFSCSVMHEALHNRFTQKSLSLSPGKGLGGLMCLYRNRDVDTDFVNEFYAYLRKHFSGSSGSKDFGGFNFSQILPDPSKPSKRSFIEDLLFNKVTLADASGSSGSAFEYYHTTDPSFLGRYMSALNGGSGGEDLLFNKVTLADAGFIKQYGDCLGDIAARDLICAQKFGGSGGICGDSTECSNLLLQYGSFCTQLNRALTGIAVEQDKNTGGSGGDGKMKDLSPRWYFYYLGTGPEAGGSGGKRFDNPVLPFNDGVYFASTEKSNIIRGSGSSGSMESEFRVYSSANNCTFEYVSQPFLMDLEGKQGNFKNLREFVFKSGSSGSMIELSLIDFYLCFLAFLLFLVLIMLIIFWFSSGSSGSFIRQEEVQELYSPIFLIVAAIVFISGSSGSKKRWQLALSKGVHFVCNLLLLSGSSGSIILFLALITLATCELYHYQECVRGTTVGGSGGMFVFLVLLPLVSSQCVNLTTRTQLPPAYTNSFTRGVGGSGGSFNPETNILLNVPLHGTILTRPLLESELVIGAVILRGHLRIAGHHGGSGGMLAKALRKVPTDNYITTYPGQGLSGSSGSLLLVAAGLEAPFLYLYALVYFLQSINFVRIIMRLWLCWKGGSGGLDDKDPNFKDQVILLNKHIDAYKTFPPTEGGSGGYIIKLIFLWLLWPVTLACFVLAAVYRINWSGSSGSQGNFKNLREFVFKNIDGYFKIYSKHTPINLVRDLPQGSGSSGSPPAYTNSFTRGVYYPDKVFRSSVLHSTQDLFLPFFSSGSSGSGVKDCVVLHSYFTSDYYQLYSTQLSTDTGVEHVTFFISGSSGSALTGIAVEQDKNTQEVFAQVKQIYKTPPIKDFGGFNFGGSGGAGAAAYYVGYLQPRTFLLKYNENGSGSSGSFYSKWYIRVGARKSAPLIELCVDEAGSKSPIQYIDIGNYGGSGGWKCRSKNPLLYDANYFLCWHTNCYDGGSGGMGYINVFAFPFTIYSLLLCRMNSGSSGSLPNNTASWFTALTQHGKEDLKFPRGQGVPGGSGGFGMSRIGMEVTPSGTWLTYTGAIKLDDKDPNFKDQVISGSSGSEGNSPFHPLADNKFALTCFSTQFAFACPDGVKHVYQLRARSVSPKLFIGGSGGSEHDYQIGGYTEKWESGVKDCVVLHSYFTSGSSGSKEDLKFPRGQGVPINTNSSPDDQIGYYRRATRRIRGGGGSGGSTQLSTDTGVEHVTFFIYNKIVDEPEGGSGGHLRIAGHHLGRCDIKDLPKEITVATSRTLSYYKLGASQRVAGDSGGGSGGPSIISNEKQEILGTVSWNLREMLAHSGSSGS
【0383】
配列番号177
APLAADTPTACCFSYTSRQIPQNFIADYFETSSQCSKPSVIFLTKRGRQVCADPSEEWVQKYVSDLELSAELKTPLGDTTHTEPKSCDTPPPCPRCPGGGSSGGGSGGQPREPQVYTLPPSREEMTKNQVSLTCLVKGFYPSDIAVEWESSGQPENNYNTTPPMLDSDGSFFLYSKLTVDKSRWQQGNIFSCSVMHEALHNRFTQKSLSLSPGKGLGGLMFGMSRIGMEVTPSGTWLTYTGAIKLDDKDPNFKDQVIGGSGGQTSNFRVQPTESIVRFPNITNLCPFGEVFNATRSGSSGSMGYINVFAFPFTIYSLLLCRMNGGSGGFNATRFASVYAWNRKRISNCVADYSVLYNSASFSTFKSGSSGSNLDSKVGGNYNYLYRLFRKSNLKPFERDISTEIYQAGSTPCNGVESGSSGSVEGFNCYFPLQSYGFQPTNGVGGSGGLDDKDPNFKDQVILLNKHIDAYKTFPPTESGSSGSGVKDCVVLHSYFTSDYYQLYSTQLSSGSSGSEGNSPFHPLADNKFALTCFSTQFAFACPDGVKHVYQLRARSVSPKLFISGSSGSDGKMKDLSPRWYFYYLGTGPEASGSSGSMIELSLIDFYLCFLAFLLFLVLIMLIIFWFSGGSGGAFEYYHTTDPSFLGRYMSALNSGSSGSKLPDDFTGCVIAWNSNNLDSKVGGNYNYLGGSGGKRFDNPVLPFNDGVYFASTEKSNIIRGGGSGGLLLVAAGLEAPFLYLYALVYFLQSINFVRIIMRLWLCWKGGSGGEDLLFNKVTLADAGFIKQYGDCLGDIAARDLICAQKFGGSGGIILFLALITLATCELYHYQECVRGTTVSGSSGSHLRIAGHHLGRCDIKDLPKEITVATSRTLSYYKLGASQRVAGDSGGGSGGLPNNTASWFTALTQHGKEDLKFPRGQGVPGGSGGKDFGGFNFSQILPDPSKPSKRSFIEDLLFNKVTLADASGSSGSKEDLKFPRGQGVPINTNSSPDDQIGYYRRATRRIRGGSGSSGSPSIISNEKQEILGTVSWNLREMLAHGGSGG
【0384】
配列番号178
MQVSTAALAVLLCTMALCNQVLSAPLAADTPTACCFSYTSRQIPQNFIADYFETSSQCSKPSVIFLTKRGRQVCADPSEEWVQKYVSDLELSAELKTPLGDTTHTEPKSCDTPPPCPRCPGGGSSGGGSGGQPREPQVYTLPPSREEMTKNQVSLTCLVKGFYPSDIAVEWESSGQPENNYNTTPPMLDSDGSFFLYSKLTVDKSRWQQGNIFSCSVMHEALHNRFTQKSLSLSPGKGLGGLSEHDYQIGGYTEKWESGVKDCVVLHSYFTSDYYQLYSTQLSTDTGVEHVTFFIGGGGSGGGGSLPNNTASWFTALTQHGKEDLKFPRGQGVPINTNSSPDDQIGYYRRATRRIRGGSSGGGSSGGGHLRIAGHHLGRCDIKDLPKEITVATSRTLSYYKLGASQRVAGDSGGGSSGGGSSGSTQLSTDTGVEHVTFFIYNKIVDEPEGGGGSGGGGSDGKMKDLSPRWYFYYLGTGPEAGGGGSGGGGSVEGFNCYFPLQSYGFQPTNGVGGGGSGGGGSKRFDNPVLPFNDGVYFASTEKSNIIRGSSGGGSSGGGFGMSRIGMEVTPSGTWLTYTGAIKLDDKDPNFKDQVILLNKHIDAYKTFPPTEGGGGSGGGGSAGAAAYYVGYLQPRTFLLKYNENGSSGGGSSGGGPSIISNEKQEILGTVSWNLREMLAHGGSGGGGSGGEGNSPFHPLADNKFALTCFSTQFAFACPDGVKHVYQLRARSVSPKLFIGGGGSGGGGSMFVFLVLLPLVSSQCVNLTTRTQLPPAYTNSFTRGVYYPDKVFRSSVLHSTQDLFLPFFSSGGGGSGGGGKKRWQLALSKGVHFVCNLLLLSGGGGSGGGGFIRQEEVQELYSPIFLIVAAIVFIGGGGSGGGGSYIIKLIFLWLLWPVTLACFVLAAVYRINWGGGGSGGGGSMIELSLIDFYLCFLAFLLFLVLIMLIIFWFSSGGGGSGGGGLLLVAAGLEAPFLYLYALVYFLQSINFVRIIMRLWLCWKGGGGSGGGGSMGYINVFAFPFTIYSLLLCRMNGGGGSGGGGSSFNPETNILLNVPLHGTILTRPLLESELVIGAVILRGHLRIAGHHGGGGSGGGGSIILFLALITLATCELYHYQECVRGTTVGGGGSGGGGSKDFGGFNFSQILPDPSKPSKRSFIEDLLFNKVTLADAGFIKQYGDCLGDIAARDLICAQKFGGGGSGGGGSMLAKALRKVPTDNYITTYPGQGLGSGGGGSGGGQTSNFRVQPTESIVRFPNITNLCPFGEVFNATRFASVYAWNRKRISNCVADYSVLYNSASFSTFKGGGGSGGGGSFYSKWYIRVGARKSAPLIELCVDEAGSKSPIQYIDIGNYSGGGGSGGGGAFEYYHTTDPSFLGRYMSALNGGGGSGGGGSMESEFRVYSSANNCTFEYVSQPFLMDLEGKQGNFKNLREFVFKNIDGYFKIYSKHTPINLVRDLPQGSSGGGSSGGGICGDSTECSNLLLQYGSFCTQLNRALTGIAVEQDKNTQEVFAQVKQIYKTPPIKDFGGFNFGGGGSGGGGSCLYRNRDVDTDFVNEFYAYLRKHFGGGGSGGGGSKLPDDFTGCVIAWNSNNLDSKVGGNYNYLYRLFRKSNLKPFERDISTEIYQAGSTPCNGVEGGGGSGGGGSWKCRSKNPLLYDANYFLCWHTNCYD
【0385】
配列番号179
MQVSTAALAVLLCTMALCNQVLSAPLAADTPTACCFSYTSRQIPQNFIADYFETSSQCSKPSVIFLTKRGRQVCADPSEEWVQKYVSDLELSAELKTPLGDTTHTEPKSCDTPPPCPRCPGGGSSGGGSGGQPREPQVYTLPPSREEMTKNQVSLTCLVKGFYPSDIAVEWESSGQPENNYNTTPPMLDSDGSFFLYSKLTVDKSRWQQGNIFSCSVMHEALHNRFTQKSLSLSPGKGLGGLSEHDYQIGGYTEKWESGVKDCVVLHSYFTSGGGGSGGGGNLDSKVGGNYNYLYRLFRKSNLKPFERDISTEIYQAGSTPCNGVEGGGGSGGGGSWKCRSKNPLLYDANYFLCWHTNCYDGGGGSGGGGSHLRIAGHHLGRCDIKDLPKEITVATSRTLSYYKLGASQRVAGDSGSSGGGSSGGGKLPDDFTGCVIAWNSNNLDSKVGGNYNYLSGGGGSGGGGDGKMKDLSPRWYFYYLGTGPEAGGSGGGGSGGQGNFKNLREFVFKNIDGYFKIYSKHTPINLVRDLPQGSSGGGSSGGGVEGFNCYFPLQSYGFQPTNGVGGGGSGGGGSFGMSRIGMEVTPSGTWLTYTGAIKLDDKDPNFKDQVIGGGGSGGGGSFYSKWYIRVGARKSAPLIELCVDEAGSKSPIQYIDIGNYSGGGGSGGGGLDDKDPNFKDQVILLNKHIDAYKTFPPTEGGGGSGGGGSQTSNFRVQPTESIVRFPNITNLCPFGEVFNATRSGGGGSGGGGMLAKALRKVPTDNYITTYPGQGLGSGGGGSGGGPPAYTNSFTRGVYYPDKVFRSSVLHSTQDLFLPFFSSGGGGSGGGGKDFGGFNFSQILPDPSKPSKRSFIEDLLFNKVTLADAGGGGSGGGGSIILFLALITLATCELYHYQECVRGTTVGGGGSGGGGSKKRWQLALSKGVHFVCNLLLLSGGGGSGGGGMGYINVFAFPFTIYSLLLCRMNGGGGSGGGGSLLLVAAGLEAPFLYLYALVYFLQSINFVRIIMRLWLCWKGGGGSGGGGSMIELSLIDFYLCFLAFLLFLVLIMLIIFWFSSGGGGSGGGGYIIKLIFLWLLWPVTLACFVLAAVYRINWGGGGSGGGGSFIRQEEVQELYSPIFLIVAAIVFIGGGGSGGGGSMFVFLVLLPLVSSQCVNLTTRTQLPPAYTNSFTRGVGGGGSGGGGSSFNPETNILLNVPLHGTILTRPLLESELVIGAVILRGHLRIAGHHGGGGSGGGGSEGNSPFHPLADNKFALTCFSTQFAFACPDGVKHVYQLRARSVSPKLFIGGGGSGGGGSEDLLFNKVTLADAGFIKQYGDCLGDIAARDLICAQKFGGGGSGGGGSPSIISNEKQEILGTVSWNLREMLAHSGGGGSGGGGALTGIAVEQDKNTQEVFAQVKQIYKTPPIKDFGGFNFGGGGSGGGGSAGAAAYYVGYLQPRTFLLKYNENGSSGGGSSGGGLPNNTASWFTALTQHGKEDLKFPRGQGVPGGGGSGGGGSKRFDNPVLPFNDGVYFASTEKSNIIRGSSGGGSSGGGFNATRFASVYAWNRKRISNCVADYSVLYNSASFSTFKGGGGSGGGGSAFEYYHTTDPSFLGRYMSALNGGGGSGGGGSMESEFRVYSSANNCTFEYVSQPFLMDLEGKQGNFKNLREFVFKGGGGSGGGGSSTQLSTDTGVEHVTFFIYNKIVDEPEGGGGSGGGGSCLYRNRDVDTDFVNEFYAYLRKHFGGGGSGGGGSGVKDCVVLHSYFTSDYYQLYSTQLSTDTGVEHVTFFIGGGGSGGGGSICGDSTECSNLLLQYGSFCTQLNRALTGIAVEQDKNTSGGGGSGGGGKEDLKFPRGQGVPINTNSSPDDQIGYYRRATRRIRGG
【0386】
配列番号180
MQVSTAALAVLLCTMALCNQVLSAPLAADTPTACCFSYTSRQIPQNFIADYFETSSQCSKPSVIFLTKRGRQVCADPSEEWVQKYVSDLELSAELKTPLGDTTHTEPKSCDTPPPCPRCPGGGSSGGGSGGQPREPQVYTLPPSREEMTKNQVSLTCLVKGFYPSDIAVEWESSGQPENNYNTTPPMLDSDGSFFLYSKLTVDKSRWQQGNIFSCSVMHEALHNRFTQKSLSLSPGKGLGGLSEHDYQIGGYTEKWESGVKDCVVLHSYFTSGGGGSGGGGICGDSTECSNLLLQYGSFCTQLNRALTGIAVEQDKNTGSGGGGSGGGGVKDCVVLHSYFTSDYYQLYSTQLSTDTGVEHVTFFIGGGGSGGGGSCLYRNRDVDTDFVNEFYAYLRKHFGGGGSGGGGSDGKMKDLSPRWYFYYLGTGPEAGGSGGGGSGGQGNFKNLREFVFKNIDGYFKIYSKHTPINLVRDLPQGSSGGGSSGGGFGMSRIGMEVTPSGTWLTYTGAIKLDDKDPNFKDQVIGGGGSGGGGSFYSKWYIRVGARKSAPLIELCVDEAGSKSPIQYIDIGNYSGGGGSGGGGLPNNTASWFTALTQHGKEDLKFPRGQGVPGGGGSGGGGSALTGIAVEQDKNTQEVFAQVKQIYKTPPIKDFGGFNFGGGGSGGGGSPSIISNEKQEILGTVSWNLREMLAHSGGGGSGGGGKDFGGFNFSQILPDPSKPSKRSFIEDLLFNKVTLADAGGGGSGGGGSEGNSPFHPLADNKFALTCFSTQFAFACPDGVKHVYQLRARSVSPKLFIGGGGSGGGGSSFNPETNILLNVPLHGTILTRPLLESELVIGAVILRGHLRIAGHHGGGGSGGGGSMFVFLVLLPLVSSQCVNLTTRTQLPPAYTNSFTRGVGGGGSGGGGSFIRQEEVQELYSPIFLIVAAIVFIGGGGSGGGGSYIIKLIFLWLLWPVTLACFVLAAVYRINWGGGGSGGGGSMIELSLIDFYLCFLAFLLFLVLIMLIIFWFSSGGGGSGGGGLLLVAAGLEAPFLYLYALVYFLQSINFVRIIMRLWLCWKGGGGSGGGGSMGYINVFAFPFTIYSLLLCRMNGGGGSGGGGSKKRWQLALSKGVHFVCNLLLLSGGGGSGGGGIILFLALITLATCELYHYQECVRGTTVGGGGSGGGGSEDLLFNKVTLADAGFIKQYGDCLGDIAARDLICAQKFGGGGSGGGGSPPAYTNSFTRGVYYPDKVFRSSVLHSTQDLFLPFFSSGGGGSGGGGMLAKALRKVPTDNYITTYPGQGLGGGSGGGGSGAGAAAYYVGYLQPRTFLLKYNENGSSGGGSSGGGLDDKDPNFKDQVILLNKHIDAYKTFPPTEGGGGSGGGGSKRFDNPVLPFNDGVYFASTEKSNIIRGSSGGGSSGGGAFEYYHTTDPSFLGRYMSALNGGGGSGGGGSMESEFRVYSSANNCTFEYVSQPFLMDLEGKQGNFKNLREFVFKGGGGSGGGGSSTQLSTDTGVEHVTFFIYNKIVDEPEGGGGSGGGGSHLRIAGHHLGRCDIKDLPKEITVATSRTLSYYKLGASQRVAGDSGSSGGGSSGGGWKCRSKNPLLYDANYFLCWHTNCYDGGGGSGGGGSKEDLKFPRGQGVPINTNSSPDDQIGYYRRATRRIRGG
【0387】
配列番号181
MQVSTAALAVLLCTMALCNQVLSAPLAADTPTACCFSYTSRQIPQNFIADYFETSSQCSKPSVIFLTKRGRQVCADPSEEWVQKYVSDLELSAELKTPLGDTTHTEPKSCDTPPPCPRCPGGGSSGGGSGGQPREPQVYTLPPSREEMTKNQVSLTCLVKGFYPSDIAVEWESSGQPENNYNTTPPMLDSDGSFFLYSKLTVDKSRWQQGNIFSCSVMHEALHNRFTQKSLSLSPGKGLGGLGVKDCVVLHSYFTSDYYQLYSTQLSSGGGGSGGGGKLPDDFTGCVIAWNSNNLDSKVGGNYNYLYRLFRKSNLKPFERDISTEIYQAGSTPCNGVEGGGGSGGGGSDGKMKDLSPRWYFYYLGTGPEAGGGGSGGGGSVEGFNCYFPLQSYGFQPTNGVGGGGSGGGGSFGMSRIGMEVTPSGTWLTYTGAIKLDDKDPNFKDQVILLNKHIDAYKTFPPTEGGGGSGGGGSPSIISNEKQEILGTVSWNLREMLAHGGSGGGGSGGEGNSPFHPLADNKFALTCFSTQFAFACPDGVKHVYQLRARSVSPKLFIGGGGSGGGGSMGYINVFAFPFTIYSLLLCRMNGGGGSGGGGSMIELSLIDFYLCFLAFLLFLVLIMLIIFWFSSGGGGSGGGGLLLVAAGLEAPFLYLYALVYFLQSINFVRIIMRLWLCWKGGGGSGGGGSIILFLALITLATCELYHYQECVRGTTVGGGGSGGGGSKDFGGFNFSQILPDPSKPSKRSFIEDLLFNKVTLADAGFIKQYGDCLGDIAARDLICAQKFGGGGSGGGGSQTSNFRVQPTESIVRFPNITNLCPFGEVFNATRFASVYAWNRKRISNCVADYSVLYNSASFSTFKGGGGSGGGGSKRFDNPVLPFNDGVYFASTEKSNIIRGSSGGGSSGGGAFEYYHTTDPSFLGRYMSALNGGGGSGGGGSHLRIAGHHLGRCDIKDLPKEITVATSRTLSYYKLGASQRVAGDSGSSGGGSSGGGLPNNTASWFTALTQHGKEDLKFPRGQGVPINTNSSPDDQIGYYRRATRRIRGG
【0388】
配列番号182
MQVSTAALAVLLCTMALCNQVLSAPLAADTPTACCFSYTSRQIPQNFIADYFETSSQCSKPSVIFLTKRGRQVCADPSEEWVQKYVSDLELSAELKTPLGDTTHTEPKSCDTPPPCPRCPGGGSSGGGSGGQPREPQVYTLPPSREEMTKNQVSLTCLVKGFYPSDIAVEWESSGQPENNYNTTPPMLDSDGSFFLYSKLTVDKSRWQQGNIFSCSVMHEALHNRFTQKSLSLSPGKGLGGLMSFNPETNILLNVPLHGTILTRPLLESELVIGAVILRGHLRIAGHHSGSSGSKDFGGFNFSQILPDPSKPSKRSFIEDLLFNKVTLADAGFIKQYGDCLGDIAARDLICAQKFSGSSGSSTQLSTDTGVEHVTFFIYNKIVDEPESGSSGSMESEFRVYSSANNCTFEYVSQPFLMDLEGKQGNFKNLREFVFKNIDGYFKIYSKHTPINLVRDLPQGSGSSGSAFEYYHTTDPSFLGRYMSALNSGSSGSLLLVAAGLEAPFLYLYALVYFLQSINFVRIIMRLWLCWKSGSSGSFIRQEEVQELYSPIFLIVAAIVFISGSSGSSEHDYQIGGYTEKWESGVKDCVVLHSYFTSDYYQLYSTQLSTDTGVEHVTFFIGGSGGYIIKLIFLWLLWPVTLACFVLAAVYRINWGGSGGCLYRNRDVDTDFVNEFYAYLRKHFGGSGGKRFDNPVLPFNDGVYFASTEKSNIIRGSGSSGSFYSKWYIRVGARKSAPLIELCVDEAGSKSPIQYIDIGNYGGSGGMIELSLIDFYLCFLAFLLFLVLIMLIIFWFSGGSGGICGDSTECSNLLLQYGSFCTQLNRALTGIAVEQDKNTQEVFAQVKQIYKTPPIKDFGGFNFSGSSGSHLRIAGHHLGRCDIKDLPKEITVATSRTLSYYKLGASQRVAGDSGGGSGGDGKMKDLSPRWYFYYLGTGPEAGGSGGPSIISNEKQEILGTVSWNLREMLAHGGSGGWKCRSKNPLLYDANYFLCWHTNCYDGGSGGKKRWQLALSKGVHFVCNLLLLSGSSGSMLAKALRKVPTDNYITTYPGQGLSGSSGSMGYINVFAFPFTIYSLLLCRMNGGSGGMFVFLVLLPLVSSQCVNLTTRTQLPPAYTNSFTRGVYYPDKVFRSSVLHSTQDLFLPFFSGGSGGAGAAAYYVGYLQPRTFLLKYNENGGGSGGEGNSPFHPLADNKFALTCFSTQFAFACPDGVKHVYQLRARSVSPKLFIGGSGGFGMSRIGMEVTPSGTWLTYTGAIKLDDKDPNFKDQVILLNKHIDAYKTFPPTESGSSGSIILFLALITLATCELYHYQECVRGTTVSGSSGSLPNNTASWFTALTQHGKEDLKFPRGQGVPINTNSSPDDQIGYYRRATRRIRGGSGSSGS
【0389】
配列番号183
MQVSTAALAVLLCTMALCNQVLSAPLAADTPTACCFSYTSRQIPQNFIADYFETSSQCSKPSVIFLTKRGRQVCADPSEEWVQKYVSDLELSAELKTPLGDTTHTEPKSCDTPPPCPRCPGGGSSGGGSGGQPREPQVYTLPPSREEMTKNQVSLTCLVKGFYPSDIAVEWESSGQPENNYNTTPPMLDSDGSFFLYSKLTVDKSRWQQGNIFSCSVMHEALHNRFTQKSLSLSPGKGLGGLMCLYRNRDVDTDFVNEFYAYLRKHFSGSSGSKDFGGFNFSQILPDPSKPSKRSFIEDLLFNKVTLADASGSSGSAFEYYHTTDPSFLGRYMSALNGGSGGEDLLFNKVTLADAGFIKQYGDCLGDIAARDLICAQKFGGSGGICGDSTECSNLLLQYGSFCTQLNRALTGIAVEQDKNTGGSGGDGKMKDLSPRWYFYYLGTGPEAGGSGGKRFDNPVLPFNDGVYFASTEKSNIIRGSGSSGSMESEFRVYSSANNCTFEYVSQPFLMDLEGKQGNFKNLREFVFKSGSSGSMIELSLIDFYLCFLAFLLFLVLIMLIIFWFSSGSSGSFIRQEEVQELYSPIFLIVAAIVFISGSSGSKKRWQLALSKGVHFVCNLLLLSGSSGSIILFLALITLATCELYHYQECVRGTTVGGSGGMFVFLVLLPLVSSQCVNLTTRTQLPPAYTNSFTRGVGGSGGSFNPETNILLNVPLHGTILTRPLLESELVIGAVILRGHLRIAGHHGGSGGMLAKALRKVPTDNYITTYPGQGLSGSSGSLLLVAAGLEAPFLYLYALVYFLQSINFVRIIMRLWLCWKGGSGGLDDKDPNFKDQVILLNKHIDAYKTFPPTEGGSGGYIIKLIFLWLLWPVTLACFVLAAVYRINWSGSSGSQGNFKNLREFVFKNIDGYFKIYSKHTPINLVRDLPQGSGSSGSPPAYTNSFTRGVYYPDKVFRSSVLHSTQDLFLPFFSSGSSGSGVKDCVVLHSYFTSDYYQLYSTQLSTDTGVEHVTFFISGSSGSALTGIAVEQDKNTQEVFAQVKQIYKTPPIKDFGGFNFGGSGGAGAAAYYVGYLQPRTFLLKYNENGSGSSGSFYSKWYIRVGARKSAPLIELCVDEAGSKSPIQYIDIGNYGGSGGWKCRSKNPLLYDANYFLCWHTNCYDGGSGGMGYINVFAFPFTIYSLLLCRMNSGSSGSLPNNTASWFTALTQHGKEDLKFPRGQGVPGGSGGFGMSRIGMEVTPSGTWLTYTGAIKLDDKDPNFKDQVISGSSGSEGNSPFHPLADNKFALTCFSTQFAFACPDGVKHVYQLRARSVSPKLFIGGSGGSEHDYQIGGYTEKWESGVKDCVVLHSYFTSGSSGSKEDLKFPRGQGVPINTNSSPDDQIGYYRRATRRIRGGGGSGGSTQLSTDTGVEHVTFFIYNKIVDEPEGGSGGHLRIAGHHLGRCDIKDLPKEITVATSRTLSYYKLGASQRVAGDSGGGSGGPSIISNEKQEILGTVSWNLREMLAHSGSSGS
【0390】
配列番号184
MQVSTAALAVLLCTMALCNQVLSAPLAADTPTACCFSYTSRQIPQNFIADYFETSSQCSKPSVIFLTKRGRQVCADPSEEWVQKYVSDLELSAELKTPLGDTTHTEPKSCDTPPPCPRCPGGGSSGGGSGGQPREPQVYTLPPSREEMTKNQVSLTCLVKGFYPSDIAVEWESSGQPENNYNTTPPMLDSDGSFFLYSKLTVDKSRWQQGNIFSCSVMHEALHNRFTQKSLSLSPGKGLGGLMFGMSRIGMEVTPSGTWLTYTGAIKLDDKDPNFKDQVIGGSGGQTSNFRVQPTESIVRFPNITNLCPFGEVFNATRSGSSGSMGYINVFAFPFTIYSLLLCRMNGGSGGFNATRFASVYAWNRKRISNCVADYSVLYNSASFSTFKSGSSGSNLDSKVGGNYNYLYRLFRKSNLKPFERDISTEIYQAGSTPCNGVESGSSGSVEGFNCYFPLQSYGFQPTNGVGGSGGLDDKDPNFKDQVILLNKHIDAYKTFPPTESGSSGSGVKDCVVLHSYFTSDYYQLYSTQLSSGSSGSEGNSPFHPLADNKFALTCFSTQFAFACPDGVKHVYQLRARSVSPKLFISGSSGSDGKMKDLSPRWYFYYLGTGPEASGSSGSMIELSLIDFYLCFLAFLLFLVLIMLIIFWFSGGSGGAFEYYHTTDPSFLGRYMSALNSGSSGSKLPDDFTGCVIAWNSNNLDSKVGGNYNYLGGSGGKRFDNPVLPFNDGVYFASTEKSNIIRGGGSGGLLLVAAGLEAPFLYLYALVYFLQSINFVRIIMRLWLCWKGGSGGEDLLFNKVTLADAGFIKQYGDCLGDIAARDLICAQKFGGSGGIILFLALITLATCELYHYQECVRGTTVSGSSGSHLRIAGHHLGRCDIKDLPKEITVATSRTLSYYKLGASQRVAGDSGGGSGGLPNNTASWFTALTQHGKEDLKFPRGQGVPGGSGGKDFGGFNFSQILPDPSKPSKRSFIEDLLFNKVTLADASGSSGSKEDLKFPRGQGVPINTNSSPDDQIGYYRRATRRIRGGSGSSGSPSIISNEKQEILGTVSWNLREMLAHGGSGG
【0391】
配列番号185
VB2210の塩基配列ATGCAGGTCTCCACTGCTGCCCTTGCCGTCCTCCTCTGCACCATGGCTCTCTGCAACCAGGTCCTCTCTGCACCACTTGCTGCTGACACGCCGACCGCCTGCTGCTTCAGCTACACCTCCCGACAGATTCCACAGAATTTCATAGCTGACTACTTTGAGACGAGCAGCCAGTGCTCCAAGCCCAGTGTCATCTTCCTAACCAAGAGAGGCCGGCAGGTCTGTGCTGACCCCAGTGAGGAGTGGGTCCAGAAATACGTCAGTGACCTGGAGCTGAGTGCCGAGCTCAAAACCCCACTTGGTGACACAACTCACACAGAGCCCAAATCTTGTGACACACCTCCCCCGTGCCCAAGGTGCCCAGGCGGTGGAAGCAGCGGAGGTGGAAGTGGAGGACAGCCCCGAGAACCACAGGTGTACACCCTGCCCCCATCCCGGGAGGAGATGACCAAGAACCAGGTCAGCCTGACCTGCCTGGTCAAAGGCTTCTACCCCAGCGACATCGCCGTGGAGTGGGAGAGCAGCGGGCAGCCGGAGAACAACTACAACACCACGCCTCCCATGCTGGACTCCGACGGCTCCTTCTTCCTCTACAGCAAGCTCACCGTGGACAAGAGCAGGTGGCAGCAGGGGAACATCTTCTCATGCTCCGTGATGCATGAGGCTCTGCACAACCGCTTCACGCAGAAGAGCCTCTCCCTGTCTCCGGGTAAAGGCCTCGGTGGCCTGATGTTCGGCATGTCACGGATAGGTATGGAAGTCACGCCGAGTGGAACATGGCTAACTTATACTGGGGCCATAAAACTTGATGACAAGGATCCCAATTTTAAGGACCAAGTGATCGGCGGCAGCGGTGGACAGACCTCCAACTTCAGAGTGCAACCAACAGAGTCTATCGTTAGGTTCCCTAACATTACTAACCTATGTCCCTTTGGAGAGGTGTTCAACGCTACACGCTCGGGAAGTTCTGGCAGTATGGGATATATTAACGTCTTCGCTTTTCCGTTCACGATCTATAGCCTATTGCTCTGTAGGATGAACGGTGGTTCCGGTGGCTTTAACGCGACACGATTCGCGTCGGTCTATGCATGGAACCGTAAACGCATCTCTAACTGCGTTGCAGATTATAGTGTGCTCTACAACAGCGCGTCCTTCAGTACCTTTAAGTCGGGCAGCTCAGGGAGCAACCTCGACAGTAAAGTAGGTGGTAATTATAACTACCTGTATCGCTTATTCCGCAAGAGTAATCTCAAGCCGTTTGAGCGAGACATATCCACGGAAATCTACCAAGCTGGGTCTACCCCATGTAATGGCGTAGAATCAGGCTCTTCAGGTTCGGTCGAAGGATTCAATTGTTACTTTCCTTTACAAAGCTATGGATTCCAGCCAACTAACGGGGTGGGCGGTAGTGGAGGGCTAGACGACAAAGACCCTAATTTCAAAGATCAGGTGATACTCCTCAACAAGCACATTGATGCCTACAAGACCTTTCCACCAACCGAGAGTGGGTCGTCGGGTTCGGGCGTAAAAGATTGCGTCGTGTTACATTCTTACTTCACGTCCGACTACTACCAGTTGTACTCGACTCAGCTTAGTAGCGGTTCTTCCGGCAGTGAAGGTAACTCGCCCTTTCACCCTTTAGCCGACAATAAATTCGCATTAACTTGTTTTAGTACTCAATTTGCGTTCGCGTGTCCAGACGGAGTGAAACATGTGTATCAGTTACGGGCAAGAAGTGTCTCTCCTAAACTATTCATCTCAGGATCATCCGGGAGCGATGGCAAAATGAAGGACTTGAGTCCACGCTGGTACTTCTACTATTTGGGCACAGGACCAGAAGCATCGGGGAGTTCAGGGTCCATGATCGAACTCAGTCTTATCGATTTCTATCTATGTTTTCTCGCCTTCCTTCTATTTCTAGTCCTAATCATGCTCATCATCTTTTGGTTCTCCGGCGGTTCAGGCGGAGCATTCGAATACTATCATACAACGGACCCATCGTTCCTAGGCCGGTATATGAGCGCACTTAACAGTGGCTCGTCCGGGTCAAAACTGCCTGACGACTTCACCGGGTGCGTCATCGCCTGGAACTCTAATAACCTGGATAGCAAAGTGGGAGGCAATTACAATTACTTAGGCGGGTCTGGCGGGAAACGGTTTGACAATCCCGTGCTGCCATTCAATGATGGAGTGTATTTCGCTAGTACAGAAAAGTCCAATATCATCAGGGGCGGCGGAAGTGGCGGTCTGCTCTTAGTGGCCGCTGGATTAGAAGCGCCGTTCTTATATCTGTATGCCCTCGTTTATTTCCTGCAGTCAATCAACTTTGTGCGGATTATTATGCGGCTGTGGTTGTGTTGGAAGGGAGGGTCGGGTGGAGAAGACCTGCTTTTCAATAAGGTGACCTTAGCTGATGCGGGTTTCATTAAGCAGTACGGCGATTGTCTTGGCGACATTGCAGCTAGGGATCTCATCTGTGCGCAAAAGTTTGGAGGCTCCGGAGGAATTATCCTCTTCCTGGCCCTTATCACACTTGCCACATGCGAGCTGTACCACTATCAGGAATGCGTGCGAGGCACTACAGTGTCCGGTAGCTCTGGATCACATCTGAGAATCGCTGGCCACCACTTGGGACGCTGCGATATCAAGGACCTACCTAAAGAGATCACCGTGGCTACCTCACGTACCCTCTCATACTACAAACTGGGCGCTAGCCAGAGAGTTGCCGGGGACAGCGGAGGTGGATCGGGAGGCCTACCCAATAATACCGCTTCATGGTTTACAGCACTGACACAGCATGGGAAAGAGGACCTCAAATTCCCACGAGGCCAAGGGGTGCCAGGAGGGTCAGGAGGTAAAGACTTCGGAGGGTTTAACTTTAGTCAGATTTTACCCGATCCTAGTAAGCCAAGCAAACGCTCTTTCATCGAAGATCTGCTATTTAACAAGGTTACACTGGCTGACGCTTCGGGATCAAGCGGGAGTAAGGAGGATCTTAAGTTTCCTCGCGGACAGGGTGTGCCGATAAATACCAATAGCTCCCCAGACGATCAGATCGGATATTACAGGCGCGCGACGAGGAGAATTCGGGGCGGCTCGGGCTCTAGCGGCTCACCATCTATTATCAGCAATGAGAAACAGGAGATTCTGGGAACAGTTTCTTGGAACTTGCGTGAAATGCTGGCTCATGGCGGATCTGGTGGGTAA
【0392】
実施形態
1.(i)抗原単位をコードするヌクレオチド配列を含むポリヌクレオチドであって、前記抗原単位が、配列番号1~77のアミノ酸配列と少なくとも73%の配列同一性を有するアミノ酸配列を有する少なくとも77個のSARS-CoV-2 T細胞エピトープを含む、ポリヌクレオチド、又は
(ii)(i)で定義される核酸配列によってコードされるポリペプチド、好ましくは前記ヌクレオチド配列が、抗原提示細胞を標的化する標的化単位をコードせず、多量体化単位をコードする、ポリヌクレオチド
である、免疫原性構築物。
【0393】
2.(i)抗原単位をコードするヌクレオチド配列を含むポリヌクレオチドであって、前記抗原単位が、配列番号1~77のアミノ酸配列と少なくとも73%の配列同一性を有するアミノ酸配列を有する少なくとも77個のSARS-CoV-2 T細胞エピトープを含み、前記ヌクレオチド配列が、抗原提示細胞を標的化する標的化単位及び多量体化単位をさらにコードする、ポリヌクレオチド、又は
(ii)(i)で定義される核酸配列によってコードされるポリペプチド、又は
(iii)(ii)で定義される複数のポリペプチドからなる多量体タンパク質
である、実施形態1に記載の免疫原性構築物。
【0394】
3.前記多量体化単位が、二量体化単位であり、前記多量体タンパク質が、(ii)で定義される2つのポリペプチドからなる二量体タンパク質である、実施形態2に記載の免疫原性構築物。
【0395】
4.前記抗原単位が、配列番号1~77のアミノ酸配列と少なくとも75%~80%、好ましくは少なくとも81%~85%、より好ましくは少なくとも86%~90%又は少なくとも91%~95%、最も好ましくは少なくとも96%~99%の配列同一性を有するアミノ酸配列を有する少なくとも77個のSARS-CoV-2 T細胞エピトープを含む、実施形態1~3のいずれか1つに記載の免疫原性構築物。
【0396】
5.前記77個のSARS-CoV-2 T細胞エピトープが、配列番号1~77のアミノ酸配列を有する、実施形態1~4のいずれか1つに記載の免疫原性構築物。
【0397】
6.前記抗原単位が、配列番号78~96のアミノ酸配列と少なくとも73%の配列同一性を有するアミノ酸配列を有する1個以上のT細胞エピトープ、好ましくは前記T細胞エピトープの全てをさらに含む、実施形態1~5のいずれか1つに記載の免疫原性構築物。
【0398】
7.前記1個以上のT細胞エピトープが、配列番号78~96のアミノ酸配列と少なくとも75%~80%、好ましくは少なくとも81%~85%、より好ましくは少なくとも86%~90%又は少なくとも91%~95%、最も好ましくは少なくとも96%~99%の配列同一性を有するアミノ酸配列を有する、実施形態6に記載の免疫原性構築物。
【0399】
8.前記1個以上のT細胞エピトープが、配列番号78~96のアミノ酸配列を有する、実施形態6に記載の免疫原性構築物。
【0400】
9.前記抗原単位が、配列番号97~160のアミノ酸配列と少なくとも73%の配列同一性を有するアミノ酸配列を有する1個以上のT細胞エピトープをさらに含み、好ましくは前記T細胞エピトープの全てを含む、実施形態1~5のいずれか1つに記載の免疫原性構築物。
【0401】
10.前記1個以上のT細胞エピトープが、配列番号97~160のアミノ酸配列と少なくとも75%~80%、好ましくは少なくとも81%~85%、より好ましくは少なくとも86%~90%又は少なくとも91%~95%、最も好ましくは少なくとも96%~99%の配列同一性を有するアミノ酸配列を有する、実施形態9に記載の免疫原性構築物。
【0402】
11.前記1個以上のT細胞エピトープが、配列番号97~160のアミノ酸配列を有する、実施形態9に記載の免疫原性構築物。
【0403】
12.前記抗原単位が、配列番号97~160のアミノ酸配列と少なくとも73%の配列同一性を有するアミノ酸配列を有する1個以上のT細胞エピトープ、好ましくは前記T細胞エピトープの全てをさらに含む、実施形態6~8のいずれか1つに記載の免疫原性構築物。
【0404】
13.前記1個以上のT細胞エピトープが、配列番号97~160のアミノ酸配列と少なくとも75%~80%、好ましくは少なくとも81%~85%、より好ましくは少なくとも86%~90%又は少なくとも91%~95%、最も好ましくは少なくとも96%~99%の配列同一性を有するアミノ酸配列を有する、実施形態12に記載の免疫原性構築物。
【0405】
14.前記1個以上のT細胞エピトープが、配列番号97~160のアミノ酸配列を有する、実施形態12に記載の免疫原性構築物。
【0406】
15.前記T細胞エピトープのいくつか又は全てが、単一かつ別個のエピトープとして存在する、実施形態1~14のいずれか1つに記載の免疫原性構築物。
【0407】
16.前記T細胞エピトープの1個以上が、前記エピトープが由来する天然に存在するタンパク質中の前記エピトープに同様に隣接するアミノ酸配列に隣接している、実施形態15に記載の免疫原性構築物。
【0408】
17.前記T細胞エピトープの1個以上が、前記エピトープのN末端及び/又はC末端の方向においてアミノ酸配列に隣接している、実施形態16に記載の免疫原性構築物。
【0409】
18.そのような隣接配列が、1個以上、2個以上、3個以上、4個以上、5個以上、6個以上、7個以上、8個以上、9個以上、又は10個以上のアミノ酸、好ましくは1~10個のアミノ酸、例えば2~8個のアミノ酸、又は3~7個のアミノ酸、又は4~5個のアミノ酸を含む、実施形態16又は17に記載の免疫原性構築物。
【0410】
19.前記T細胞エピトープのいくつか又は全てが、T細胞エピトープ群として存在し、各群が、少なくとも2個のT細胞エピトープを含む、実施形態1~14のいずれか1つに記載の免疫原性構築物。
【0411】
20.各群が、2~20個のT細胞エピトープ、好ましくは2~15個のT細胞エピトープ、例えば2、3、4、5、6、7、8、8、10、11、12、13、14、又は15個のT細胞エピトープを含む、実施形態19に記載の免疫原性構築物。
【0412】
21.少なくとも2個のT細胞エピトープが、同じSARS-CoV-2タンパク質に由来し、好ましくは同じSARS-CoV-2タンパク質の同じ部分に由来する、実施形態19又は20に記載の免疫原性構築物。
【0413】
22.群内の前記T細胞エピトープが、順次配置され、任意で、T細胞エピトープリンカーによって分離されている、実施形態19~21のいずれか1つに記載の免疫原性構築物。
【0414】
23.群内の前記T細胞エピトープが、前記エピトープが由来する天然に存在するタンパク質の配列に対応するアミノ酸の連続配列を形成するように整列されている、実施形態19~22のいずれか1つに記載の免疫原性構築物。
【0415】
24.前記T細胞エピトープ群の1つ以上が、前記T細胞エピトープ群が由来する天然に存在するタンパク質中の群に同様に隣接するアミノ酸配列に隣接している、実施形態19~23のいずれか1つに記載の免疫原性構築物。
【0416】
25.前記T細胞エピトープ群の1つ以上が、前記エピトープ群のN末端及び/又はC末端の方向においてアミノ酸配列に隣接している、実施形態24に記載の免疫原性構築物。
【0417】
26.そのような隣接配列が、1個以上、2個以上、3個以上、4個以上、5個以上、6個以上、7個以上、8個以上、9個以上、又は10個以上のアミノ酸、好ましくは1~10個のアミノ酸、例えば2~8個のアミノ酸、又は3~7個のアミノ酸、又は4~5個のアミノ酸を含む、実施形態24又は25に記載の免疫原性構築物。
【0418】
27.エピトープ群及び隣接配列の得られる長さが、約18個のアミノ酸~約80個のアミノ酸、例えば18個のアミノ酸~80個のアミノ酸である、実施形態24~26のいずれか1つに記載の免疫原性構築物。
【0419】
28.前記T細胞エピトープのいくつかが単一かつ別個のエピトープとして存在し、他のいくつかがT細胞エピトープ群として存在し、各群が少なくとも2個のT細胞エピトープを含む、実施形態1~14のいずれか1つに記載の免疫原性構築物。
【0420】
29.各群が、2~20個のT細胞エピトープ、好ましくは2~15個のT細胞エピトープ、例えば2、3、4、5、6、7、8、8、10、11、12、13、14、又は15個のT細胞エピトープを含む、実施形態28に記載の免疫原性構築物。
【0421】
30.前記少なくとも2個のT細胞エピトープが、同じSARS-CoV-2タンパク質に由来し、好ましくは同じSARS-CoV-2タンパク質の同じ部分に由来する、実施形態28また29に記載の免疫原性構築物。
【0422】
31.群内の前記T細胞エピトープが、順次配置されている、実施形態27~30のいずれか1つに記載の免疫原性構築物。
【0423】
32.群内の前記T細胞エピトープが、前記エピトープが由来する天然に存在するタンパク質の配列に対応するアミノ酸の連続配列を形成するように整列されている、実施形態28~31のいずれか1つに記載の免疫原性構築物。
【0424】
33.前記T細胞エピトープの1個以上及び/又はT細胞エピトープ群の前記1つ以上が、前記エピトープ又はエピトープ群が由来する天然に存在するタンパク質中の前記エピトープ又はエピトープ群に同様に隣接するアミノ酸配列に隣接している、実施形態28~32のいずれか1つに記載の免疫原性構築物。
【0425】
34.前記T細胞エピトープの1個以上及び/又は前記T細胞エピトープ群の1つ以上が、前記エピトープ/エピトープ群のN末端及び/又はC末端の方向においてアミノ酸配列に隣接している、実施形態33に記載の免疫原性構築物。
【0426】
35.そのような隣接配列が、1個以上、2個以上、3個以上、4個以上、5個以上、6個以上、7個以上、8個以上、9個以上、又は10個以上のアミノ酸、好ましくは1~10個のアミノ酸、例えば2~8個のアミノ酸、又は3~7個のアミノ酸、又は4~5個のアミノ酸を含む、実施形態33又は34に記載の免疫原性構築物。
【0427】
36.前記エピトープ群及び隣接配列の得られる長さが、約18個のアミノ酸~約80個のアミノ酸、例えば18個のアミノ酸~80個のアミノ酸である、実施形態33~35のいずれか1つに記載の免疫原性構築物。
【0428】
37.以下のT細胞エピトープ:配列番号1~4のエピトープ、配列番号5~9のエピトープ、配列番号10~18のエピトープ、配列番号19~20のエピトープ、配列番号22~23のエピトープ、配列番号24~26のエピトープ、配列番号27~39のエピトープ、配列番号40~43のエピトープ、配列番号44~47のエピトープ、配列番号48~58のエピトープ、配列番号59~65のエピトープ、配列番号66~71のエピトープ、及び配列番号72~77のエピトープ、又は上記の配列番号と少なくとも73%の配列同一性を有するアミノ酸配列を有する上記のT細胞エピトープが一緒の群内にある、実施形態1~36のいずれか1つに記載の免疫原性構築物。
【0429】
38.配列番号5~9のT細胞エピトープを含む群が2つの群に分けられ、第1の群が配列番号5~6のT細胞エピトープを含み、第2の群が配列番号7~9のT細胞エピトープを含み、又は上記のT細胞エピトープは上記の配列番号と少なくとも73%の配列同一性を有するアミノ酸配列を有する、実施形態37に記載の免疫原性構築物。
【0430】
39.配列番号10~18のT細胞エピトープを含む群が2つの群に分けられ、第1の群が配列番号10~16のT細胞エピトープを含み、第2の群が配列番号17~18のT細胞エピトープ又は上記の配列番号と少なくとも73%の配列同一性を有するアミノ酸配列を有する上記のT細胞エピトープを含む、実施形態37又は38に記載の免疫原性構築物。
【0431】
40.配列番号72~77のT細胞エピトープを含む群が2つの群に分けられ、第1の群が、配列番号72~74のT細胞エピトープを含み、第2の群が、配列番号75~77のT細胞エピトープ又は上記の配列番号と少なくとも73%の配列同一性を有するアミノ酸配列を有する上記のT細胞エピトープを含む、実施形態37~39のいずれか1つに記載の免疫原性構築物。
【0432】
41.前記抗原単位が、配列番号97~160のT細胞エピトープ又は配列番号97~160と少なくとも73%の配列同一性を有するアミノ酸配列を有するT細胞エピトープの1つ以上の群をさらに含み、以下のT細胞エピトープ:配列番号97~102のエピトープ、配列番号103~109のエピトープ、配列番号110~111のエピトープ、配列番号112~113のエピトープ、配列番号114~118のエピトープ、配列番号120~123のエピトープ、配列番号124~129のエピトープ、配列番号130~134のエピトープ、配列番号135~137のエピトープ、配列番号138~140のエピトープ、配列番号141~146のエピトープ、配列番号147~152のエピトープ、配列番号153~160のエピトープ、又は上記の配列番号と少なくとも73%の配列同一性を有するアミノ酸配列を有する上記のT細胞エピトープが一緒の群内にある、実施形態37~40のいずれか1つに記載の免疫原性構築物。
【0433】
42.配列番号114~118のT細胞エピトープを含む群が2つの群に分けられ、第1の群が、配列番号114~115のT細胞エピトープを含み、第2の群が、配列番号116~118のT細胞エピトープ又は上記の配列番号と少なくとも73%の配列同一性を有するアミノ酸配列を有する上記のT細胞エピトープを含む、実施形態41に記載の免疫原性構築物。
【0434】
43.配列番号141~146のT細胞エピトープを含む群が2つの群に分けられ、第1の群が、配列番号141~143のT細胞エピトープを含み、第2の群が、配列番号144~146のT細胞エピトープ又は上記の配列番号と少なくとも73%の配列同一性を有するアミノ酸配列を有する上記のT細胞エピトープを含む、実施形態41又は42に記載の免疫原性構築物。
【0435】
44.配列番号147~152のT細胞エピトープを含む群が2つの群に分けられ、第1の群が、配列番号147~149のT細胞エピトープを含み、第2の群が、配列番号150~152のT細胞エピトープ又は上記の配列番号と少なくとも73%の配列同一性を有するアミノ酸配列を有する上記のT細胞エピトープを含む、実施形態41~43のいずれか1つに記載の免疫原性構築物。
【0436】
45.配列番号153~160のT細胞エピトープを含む群が2つの群に分けられ、第1の群が、配列番号153~157のT細胞エピトープを含み、第2の群が、配列番号158~160のT細胞エピトープ又は上記の配列番号と少なくとも73%の配列同一性を有するアミノ酸配列を有する上記のT細胞エピトープを含む、実施形態41~44のいずれか1つに記載の免疫原性構築物。
【0437】
46.前記抗原単位が、配列番号78~96のT細胞エピトープ又は配列番号78~96と少なくとも73%の配列同一性を有するアミノ酸配列を有するT細胞エピトープの1つ以上の群をさらに含み、以下のT細胞エピトープ:配列番号78~84のエピトープ及び配列番号86~96のエピトープ又は上記の配列番号と少なくとも73%の配列同一性を有するアミノ酸配列を有する上記のT細胞エピトープが一緒の群内にある、実施形態37~45のいずれか1つに記載の免疫原性構築物。
【0438】
47.配列番号78~84のT細胞エピトープを含む群が2つの群に分けられ、第1の群が、配列番号78~79のT細胞エピトープを含み、第2の群が、配列番号80~84のT細胞エピトープ又は上記の配列番号と少なくとも73%の配列同一性を有するアミノ酸配列を有する上記のT細胞エピトープを含む、実施形態46に記載の免疫原性構築物。
【0439】
48.配列番号86~96のT細胞エピトープを含む群が2つの群に分けられ、第1の群が、配列番号86~93のT細胞エピトープを含み、第2の群が、配列番号94~96のT細胞エピトープ又は上記の配列番号と少なくとも73%の配列同一性を有するアミノ酸配列を有する上記のT細胞エピトープを含む、実施形態46又は47に記載の免疫原性構築物。
【0440】
49.前記抗原単位が、単一かつ別個のエピトープとして、配列番号21のT細胞エピトープ又は配列番号21と少なくとも73%の配列同一性を有するアミノ酸配列を有するT細胞エピトープをさらに含む、実施形態37~48のいずれか1つに記載の免疫原性構築物。
【0441】
50.前記抗原単位が、単一かつ別個のエピトープとして、以下のエピトープ:配列番号85のT細胞エピトープ及び配列番号119のT細胞エピトープ又は配列番号85及び配列番号119と少なくとも73%の配列同一性を有するアミノ酸配列を有するT細胞エピトープをさらに含む、実施形態49に記載の免疫原性構築物。
【0442】
51.前記T細胞エピトープのいくつか若しくは全て及び/又は前記T細胞エピトープ群のいくつか若しくは全てが、T細胞エピトープリンカーによって互いに分離されている、実施形態1~50のいずれか1つに記載の免疫原性構築物。
【0443】
52.前記T細胞エピトープリンカーが、非免疫原性であり、好ましくはフレキシブルである、実施形態51に記載の免疫原性構築物。
【0444】
53.前記抗原単位に含まれる全てのT細胞エピトープリンカーが同一である、実施形態51又は52に記載の免疫原性構築物。
【0445】
54.前記T細胞エピトープリンカーが、セリン及び/又はグリシンに富むリンカーである、実施形態51~53のいずれか1つに記載の免疫原性構築物。
【0446】
55.前記T細胞エピトープリンカーが、少なくとも1個のロイシン残基をさらに含む、セリン及び/又はグリシンに富むリンカーである、実施形態51~54のいずれか1つに記載の免疫原性構築物。
【0447】
56.前記抗原単位が、配列番号161、162、163、164、165、166、及び167からなる群から選択されるアミノ酸配列と少なくとも73%の配列同一性を有するアミノ酸配列を含む、実施形態1~55のいずれか1つに記載の免疫原性構築物。
【0448】
57.前記抗原単位が、配列番号161、162、163、164、165、166、及び167と75%~80%、好ましくは少なくとも81%~85%、より好ましくは少なくとも86%~90%又は少なくとも91%~95%、最も好ましくは少なくとも96%~99%の配列同一性を有するアミノ酸配列を含む、実施形態56に記載の免疫原性構築物。
【0449】
58.前記抗原単位が、配列番号161、162、163、164、165、166、及び167からなる群から選択されるアミノ酸配列を含み、好ましくは前記抗原単位が、配列番号161、162、163、164、165、166、及び167からなる群から選択されるアミノ酸配列を有し、より好ましくは前記抗原単位が、配列番号167のアミノ酸配列を含み、又はさらに好ましくは前記抗原単位が、配列番号167のアミノ酸配列を有する、実施形態56に記載の免疫原性構築物。
【0450】
59.前記標的化単位が、抗原提示細胞上の表面分子と相互作用する部分であるか、又はそれを含み、好ましくは前記標的化単位が、ヒト抗原提示細胞上の表面分子と相互作用する部分であるか、又はそれを含む、実施形態1~58のいずれか1つに記載の免疫原性構築物。
【0451】
60.前記表面分子が、MHC、CD14、CD40、CLEC9A、ケモカイン受容体、例えばCCR1、CCR3、CCR4、CCR5、CCR6、CCR7、CCR8、及びXCR1、並びにToll様受容体、例えばTLR-2、TLR-4、又はTLR-5からなる群から選択され、好ましくは前記表面分子が、HLA、hCD14、hCD40、hCLEC9A、ヒトケモカイン受容体、例えばhCCR1、hCCR3、hCCR4、hCCR5、hCCR6、hCCR7、hCCR8、及びhXCR1、並びにToll様受容体、例えばhTLR-2、hTLR-4、又はhTLR-5からなる群から選択される、実施形態59に記載の免疫原性構築物。
【0452】
61.前記標的化単位が、可溶性CD40リガンド、好ましくはヒト可溶性CD40リガンド、CCL4及びそのアイソフォーム、好ましくはヒトCCL4及びそのアイソフォーム、CCL5、好ましくはヒトCCL5、CCL19、好ましくはヒトCCL19、CCL20、好ましくはヒトCCL20、CCL21、好ましくはアイソフォームを含むマクロファージ炎症性タンパク質アルファ、例えばヒトCCL21、マウスCCL3、ヒトCCL3、ヒトCCL3L1、ヒトCCL3L2、及びヒトCCL3L3、XCL1、好ましくはヒトXCL1、XCL2、好ましくはヒトXCL2、フラジェリン、抗HLA-DP、抗HLA-DR、抗汎HLAクラスII、抗CD40、好ましくは抗ヒトCD40、抗TLR-2、好ましくは抗ヒトTLR-2、抗TLR-4、好ましくは抗ヒトTLR-4、抗TLR-5、好ましくは抗ヒトTLR-5又は抗CLEC9A、好ましくは抗ヒトCLEC9Aを含むか、又はそれからなる、実施形態59又は60に記載の免疫原性構築物。
【0453】
62.前記標的化単位が、ヒトMIP-1α(LD78β、CCL3L1)を含むか、又はそれからなる、実施形態61に記載の免疫原性構築物。
【0454】
63.前記標的化単位が、配列番号168のアミノ酸配列24~93と少なくとも80%の配列同一性を有するアミノ酸配列を含み、例えば配列番号168のアミノ酸配列26~93を含むか、又は配列番号168のアミノ酸配列28~93を含む、実施形態62に記載の免疫原性構築物。
【0455】
64.前記標的化単位が、配列番号168のアミノ酸配列24~93と少なくとも80%の配列同一性を有するアミノ酸配列からなり、例えば配列番号168のアミノ酸配列26~93からなるか、又は配列番号168のアミノ酸配列28~93からなる、実施形態63に記載の免疫原性構築物。
【0456】
65.前記標的化単位が、配列番号168のアミノ酸配列24~93からなるか、又は配列番号168のアミノ酸配列26~93からなる、実施形態64に記載の免疫原性構築物。
【0457】
66.前記標的化単位が、配列番号169のアミノ酸配列20~260と少なくとも80%の配列同一性を有するアミノ酸配列を含み、例えば配列番号169のアミノ酸配列20~260を含む、実施形態61に記載の免疫原性構築物。
【0458】
67.前記標的化単位が、配列番号169のアミノ酸配列20~260と少なくとも80%の配列同一性を有するアミノ酸配列からなり、例えば配列番号169のアミノ酸配列20~260からなる、実施形態66に記載の免疫原性構築物。
【0459】
68.前記標的化単位が、配列番号169のアミノ酸配列20~260からなる、実施形態67に記載の免疫原性構築物。
【0460】
69.前記多量体化単位が、二量体化単位、三量体化単位、及び四量体化単位からなる群から選択され、前記多量体化単位が、1つ以上の共有結合を形成する能力を有するヒンジ領域を任意で含む、実施形態2~68のいずれか1つに記載の免疫原性構築物。
【0461】
70.前記多量体化単位が、三量体化単位、例えばヒトコラーゲン由来の三量体化、又はT4フィブリチンのC末端ドメインである、実施形態69に記載の免疫原性構築物。
【0462】
71.前記多量体化単位が、ヒトコラーゲン由来の三量体化単位であり、好ましくはヒトコラーゲン由来XVIII由来の三量体化ドメイン及びヒトコラーゲンXV由来の三量体化ドメインからなる群から選択される1つである、実施形態70に記載の免疫原性構築物。
【0463】
72.前記多量体化単位が、p53由来のドメインである四量体化単位である、実施形態69に記載の免疫原性構築物。
【0464】
73.前記多量体化単位が、1つ以上の共有結合を形成する能力を有するヒンジ領域を含む、実施形態69~72のいずれか1つに記載の免疫原性構築物。
【0465】
74.前記ヒンジ領域が、Ig由来、例えばヒトIg由来、例えばhIgG1若しくはhIgG2若しくはhIgG3由来、又はhIgM由来である、実施形態69~73のいずれか1つに記載の免疫原性構築物。
【0466】
75.前記多量体化単位が、二量体化単位であり、前記二量体化単位が、二量体化を促進する別のドメインをさらに含む、実施形態69及び73~74のいずれか1つに記載の免疫原性構築物。
【0467】
76.前記別のドメインが、免疫グロブリンドメイン、好ましくは免疫グロブリン定常ドメインである、実施形態75に記載の免疫原性構築物。
【0468】
77.前記別のドメインが、IgG由来、好ましくはIgG3由来、より好ましくはhIgG3由来のカルボキシ末端Cドメインである、実施形態75又は76に記載の免疫原性構築物。
【0469】
78.前記二量体化単位が、グリシン-セリンに富むリンカー、例えばGGGSSGGGSGなどの二量体化単位リンカーをさらに含む、実施形態75~77のいずれか1つに記載の免疫原性構築物。
【0470】
79.前記二量体化単位リンカーが、前記ヒンジ領域と二量体化を促進する前記別のドメインとを接続する、実施形態78に記載の免疫原性構築物。
【0471】
80.前記二量体化単位が、ヒンジエクソンh1及びヒンジエクソンh4、二量体化単位リンカー、並びにヒトIgG3のCH3ドメインを含む、実施形態75~79のいずれか1つに記載の免疫原性構築物。
【0472】
81.前記二量体化単位が、配列番号168のアミノ酸配列94~237と少なくとも80%の配列同一性を有するアミノ酸配列を含む、実施形態80に記載の免疫原性構築物。
【0473】
82.前記二量体化単位が、配列番号168のアミノ酸配列94~237と少なくとも80%の配列同一性を有するアミノ酸配列からなる、実施形態81に記載の免疫原性構築物。
【0474】
83.前記二量体化単位が、配列番号168のアミノ酸配列94~237からなる、実施形態82に記載の免疫原性構築物。
【0475】
84.前記構築物が、ポリヌクレオチド(i)であり、好ましくは、前記ポリヌクレオチドが、シグナルペプチドをさらにコードするヌクレオチド配列を含む、実施形態1~83のいずれか1つに記載の免疫原性構築物。
【0476】
85.前記シグナルペプチドが、前記標的化単位の天然リーダー配列である、実施形態84に記載の免疫原性構築物。
【0477】
86.前記シグナルペプチドが、Ig VHシグナルペプチド、ヒトTPAシグナルペプチド又はヒトMIP1-α(CCL3L1)シグナルペプチドであり、好ましくは、前記ポリヌクレオチドが、ヒトMIP-1α(LD78β、CCL3L1)を含むか又はそれからなる標的化単位をコードするヌクレオチド配列を含み、前記シグナルペプチドが、ヒトMIP1-α(CCL3L1)シグナルペプチドである、実施形態85に記載の免疫原性構築物。
【0478】
87.前記ポリヌクレオチドが、配列番号168のアミノ酸配列24~93と少なくとも80%の配列同一性を有するアミノ酸配列を含む標的化単位、例えば配列番号168のアミノ酸配列26~93を含むか又は配列番号168のアミノ酸配列28~93を含む標的化単位をコードし、配列番号168のアミノ酸配列1~23と少なくとも85%の配列同一性を有するアミノ酸配列を含むシグナルペプチドをさらにコードするヌクレオチド配列を含む、実施形態84~86のいずれか1つに記載の免疫原性構築物。
【0479】
88.前記構築物が、ポリヌクレオチドである、実施形態1~87のいずれか1つに記載の免疫原性構築物。
【0480】
89.前記ポリヌクレオチドが、実施形態1~87のいずれか1つで定義されるヌクレオチド配列である、実施形態88に記載の免疫原性構築物。
【0481】
90.前記ポリヌクレオチドが、DNA又はRNAである、実施形態88又は89に記載の免疫原性構築物。
【0482】
91.実施形態1~90、124、125、及び127のいずれか1つで定義されるポリヌクレオチド。
【0483】
92.実施形態91に記載のポリヌクレオチドを含むベクター。
【0484】
93.前記ベクターが、a)実施形態91に記載のポリヌクレオチド及びb)1つ以上の免疫刺激化合物をコードする1つ以上の核酸配列を含むポリシストロニックベクターであり、前記ベクターが、前記ポリヌクレオチドによってコードされるポリペプチド及び前記1つ以上の免疫刺激化合物を別々の分子として共発現することが可能である、実施形態92に記載のベクター。
【0485】
94.前記ベクターが、1つ以上の共発現要素、例えばIRES要素、2Aペプチド、プロモーター、及び双方向性プロモーターからなる群から選択される共発現要素を含む、実施形態93に記載のベクター。
【0486】
95.前記1つ以上の免疫刺激化合物が、APCを刺激する化合物であり、前記刺激により、APCが誘引され、活性化され、成熟され、及び/又は増殖される、実施形態92又は93に記載のベクター。
【0487】
96.前記ベクターが、DNAベクター及びRNAベクターからなる群から選択される、実施形態92~94のいずれか1つに記載のベクター。
【0488】
97.前記ベクターが、DNAベクター、例えばDNAプラスミド又はDNAウイルスベクター、例えばアデノウイルス、ワクシニアウイルス、アデノ随伴ウイルス、サイトメガロウイルス、及びセンダイウイルスからなる群から選択されるDNAウイルスベクターである、実施形態96に記載のベクター。
【0489】
98.前記ベクターが、RNAベクター、例えばRNAプラスミド又はRNAウイルスベクター、例えばレトロウイルスベクター、例えばアルファウイルス、レンチウイルス、モロニーマウス白血病ウイルス、及びラブドウイルスからなる群から選択されるレトロウイルスベクターである、実施形態96に記載のベクター。
【0490】
99.実施形態92~98のいずれか1つで定義されるベクターを作製する方法であって、a)インビトロで前記ベクターで細胞をトランスフェクト又は形質導入することと、
b)前記細胞を培養することと、
c)任意で、前記細胞を溶解し、前記ベクターを前記細胞から放出させることと、
d)前記ベクターを単離し、任意で精製することと
を含む、方法。
【0491】
100.実施形態91に記載のポリヌクレオチド又は実施形態92~98のいずれか1つに記載のベクターを含む宿主細胞。
【0492】
101.実施形態1~83のいずれか1つで定義される核酸並びに実施形態123及び126で定義される核酸によってコードされるポリペプチド。
【0493】
102.実施形態101に記載の複数のポリペプチドからなる多量体タンパク質。
【0494】
103.請求項101で定義される2つのポリペプチドからなる二量体タンパク質であり、例えばホモ二量体タンパク質又はヘテロ二量体タンパク質、好ましくはホモ二量体タンパク質である、実施形態102に記載の多量体タンパク質。
【0495】
104.実施形態101に記載のポリペプチドを作製する方法であって、
a)請求項91に記載のポリヌクレオチド又はそのようなポリヌクレオチドを含むベクターで細胞をトランスフェクト又は形質導入することと、
b)前記細胞を培養することと、
c)前記細胞から前記ポリペプチドを単離することと、
d)任意で、単離された前記ポリペプチドを精製することと
を含む、方法。
【0496】
105.実施形態102又は103に記載の多量体タンパク質を調製する方法であって、
a)請求項91に記載のポリヌクレオチド又はそのようなポリヌクレオチドを含むベクターで細胞をトランスフェクト又は形質導入することと、
b)前記細胞を培養することと、
c)前記細胞から前記多量体タンパク質を単離することと、
d)任意で、単離された前記多量体タンパク質を精製することと
を含む、方法。
【0497】
106.医薬として使用するための、実施形態1~90及び123~127のいずれか1つに記載の免疫原性構築物、若しくは実施形態91に記載のポリヌクレオチド、若しくは実施形態92~98のいずれか1つに記載のベクター、若しくは実施形態101に記載のポリペプチド、又は実施形態102若しくは103に記載の多量体タンパク質。
【0498】
107.実施形態1~90及び123~127のいずれか1つに記載の免疫原性構築物、又は実施形態91に記載のポリヌクレオチド、又は実施形態92~98のいずれか1つに記載のベクター、又は実施形態101に記載のポリペプチド、又は実施形態102若しくは103に記載の多量体タンパク質、及び薬学的に許容される担体を含む、医薬組成物又はワクチン。
【0499】
108.薬学的に許容される担体及び実施形態92~98のいずれか1つに記載のベクターを含む、実施形態107に記載の医薬組成物又はワクチン。
【0500】
109.前記薬学的に許容される担体が、生理食塩水、緩衝生理食塩水、例えばPBS、デキストロース、水、グリセロール、エタノール、水性緩衝液、例えば等張水性緩衝液又はタイロード緩衝液、及びそれらの組み合わせからなる群から選択される、実施形態107又は108に記載の医薬組成物又はワクチン。
【0501】
110.前記組成物又はワクチンが、ポリヌクレオチド又はベクターでの細胞のトランスフェクションを促進する分子をさらに含む、実施形態107~109のいずれか1つに記載の医薬組成物又はワクチン。
【0502】
111.前記組成物又はワクチンが、ポリ(エチレンオキシド)及びポリプロピレンオキシドのブロックを含む薬学的に許容される両親媒性ブロック共重合体をさらに含み、例えば0.2%w/v~20%w/vの量の前記薬学的に許容される両親媒性ブロック共重合体を含む、実施形態107~110のいずれか1つに記載の医薬組成物又はワクチン。
【0503】
112.前記組成物又はワクチンが、5μg~5mgの範囲の前記ポリペプチド又は前記多量体タンパク質を含む、実施形態107及び109~110のいずれか1つに記載の医薬組成物又はワクチン。
【0504】
113.前記組成物又はワクチンが、0.1~10mgの範囲、例えば約0.1、0.2、0.3、0.4、0.5、0.6、0.7、0.8、0.9、若しくは1mg、又は例えば2、3、4、5、6、7、8、9、若しくは10mgの前記ポリヌクレオチド又は前記ベクターを含む、実施形態107~111のいずれか1つに記載の医薬組成物。
【0505】
114.SARS-CoV-2によって引き起こされる疾患の処置に使用するための、実施形態107~113のいずれか1つに記載の医薬組成物又はワクチン。
【0506】
115.前記処置が、予防的処置である、実施形態114に記載の医薬組成物又はワクチン。
【0507】
116.前記処置が、治療的処置である、実施形態114に記載の医薬組成物又はワクチン。
【0508】
117.SARS-CoV-2によって引き起こされる疾患を処置する方法であって、実施形態107~113のいずれか1つに記載の医薬組成物又はワクチンを対象に投与することを含む、方法。
【0509】
118.前記対象が、そのような疾患の予防を必要としており、前記方法が、予防的処置である、実施形態117に記載の方法。
【0510】
119.前記対象が、そのような疾患を有し、前記方法が、治療的処置である、実施形態117に記載の方法。
【0511】
120.SARS-CoV-2によって引き起こされる疾患を処置する方法であって、前記方法が、以前にSARS-CoV-2ワクチンによるワクチン接種を受けた対象に、実施形態107~113のいずれか1つに記載の医薬組成物又はワクチンを投与することを含む、方法。
【0512】
121.前記方法が、予防的処置である、実施形態120に記載の方法。
【0513】
122.前記方法が、治療的処置である、実施形態120に記載の方法。
【0514】
123.前記構築物が、配列番号171、172、173、174、175、176、及び177からなる群から選択されるアミノ酸配列を有するポリペプチド又は2つのそのようなポリペプチドからなる二量体タンパク質であり、好ましくは配列番号177のアミノ酸を有するポリペプチド又は2つのそのようなポリペプチドからなる二量体タンパク質である、実施形態1~90のいずれか1つに記載の免疫原性構築物。
【0515】
124.前記構築物が、配列番号178、179、180、181、182、183、及び184からなる群から選択されるアミノ酸配列を有するポリペプチドをコードするヌクレオチド配列を含むポリペプチドであり、好ましくは配列番号184のアミノ酸配列を有するポリペプチドをコードするヌクレオチド配列を含むポリペプチドである、実施形態1~90のいずれか1つに記載の免疫原性構築物。
【0516】
125.前記構築物が、配列番号185のヌクレオチド配列を含むポリヌクレオチドである、実施形態1~90のいずれか1つに記載の免疫原性構築物。
【0517】
126:前記構築物が、配列番号161、162、163、164、165、166、及び167からなる群から選択されるアミノ酸配列を有するポリペプチドである、実施形態1~90のいずれか1つに記載の免疫原性構築物。
【0518】
127.前記構築物が、配列番号161、162、163、164、165、166、及び167からなる群から選択されるアミノ酸配列を有するポリペプチドをコードするヌクレオチド配列を含むポリヌクレオチドである、実施形態1~90のいずれか1つに記載の免疫原性構築物。
【0519】
128.実施形態123~127のいずれか1つに記載の免疫原性構築物及び薬学的に許容される担体を含む、医薬組成物/ワクチン。
【0520】
129.実施形態125に記載の免疫原性構築物を含むベクター及び薬学的に許容される担体を含む、実施形態128に記載の医薬組成物/ワクチン。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12-1】
図12-2】
図13-1】
図13-2】
図13-3】
図13-4】
図13-5】
図14-1】
図14-2】
図15-1】
図15-2】
図15-3】
図15-4】
【配列表】
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【国際調査報告】