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特表2024-540370標的化された除菌のためのシステムおよび方法
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-10-31
(54)【発明の名称】標的化された除菌のためのシステムおよび方法
(51)【国際特許分類】
   A61L 2/10 20060101AFI20241024BHJP
【FI】
A61L2/10
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2024526878
(86)(22)【出願日】2022-12-30
(85)【翻訳文提出日】2024-05-28
(86)【国際出願番号】 US2022054371
(87)【国際公開番号】W WO2023097124
(87)【国際公開日】2023-06-01
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】524166732
【氏名又は名称】シャイルド エーアイ,インコーポレイテッド
(74)【代理人】
【識別番号】100114775
【弁理士】
【氏名又は名称】高岡 亮一
(74)【代理人】
【識別番号】100121511
【弁理士】
【氏名又は名称】小田 直
(74)【代理人】
【識別番号】100202751
【弁理士】
【氏名又は名称】岩堀 明代
(74)【代理人】
【識別番号】100208580
【弁理士】
【氏名又は名称】三好 玲奈
(74)【代理人】
【識別番号】100191086
【弁理士】
【氏名又は名称】高橋 香元
(72)【発明者】
【氏名】ノシャド,モルテザ
(72)【発明者】
【氏名】ノシャド,モハマド
【テーマコード(参考)】
4C058
【Fターム(参考)】
4C058AA01
4C058BB06
4C058CC02
4C058DD13
4C058KK02
4C058KK12
(57)【要約】
本明細書で説明されるシステム、方法、コンピュータ可読媒体、または技術に従って表面を除菌することは、表面のセンサデータを取得することと、表面のセンサデータに少なくとも部分的に基づいて、1または複数の汚染物質が表面に堆積していると予測することと、1または複数の汚染物質が表面に堆積していると予測することに少なくとも部分的に基づいて、表面に向けて光ビームを誘導することにより、1または複数の汚染物質がある表面を除菌することとを含んでよい。
【選択図】図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
表面を除菌するための方法であって、
(a)1または複数のプロセッサにおいて、前記表面のセンサデータを取得することと、
(b)前記1または複数のプロセッサによって、前記表面の前記センサデータに少なくとも部分的に基づいて、1または複数の汚染物質が前記表面に堆積していると予測することと、
(c)(b)において前記1または複数の汚染物質が前記表面に堆積していると予測することに少なくとも部分的に基づいて、前記1または複数のプロセッサによって、前記表面に向けて光ビームを誘導することにより、前記1または複数の汚染物質がある前記表面を除菌することと
を備える方法。
【請求項2】
(b)において前記1または複数の汚染物質が前記表面に堆積していると予測することは、機械学習モデルの使用を備える、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
(b)において前記1または複数の汚染物質が前記表面に堆積していると予測することは、コンピュータビジョンモデルの使用を備える、請求項2に記載の方法。
【請求項4】
前記光ビームは紫外ビームである、請求項1に記載の方法。
【請求項5】
(b)において前記1または複数の汚染物質が前記表面に堆積していると予測することは、対象者を追跡し、前記対象者が前記表面に前記1または複数の汚染物質を堆積させたと予測することを備える、請求項1に記載の方法。
【請求項6】
前記対象者を前記追跡することは、境界ボックスを用いて前記対象者を追跡することを備える、請求項5に記載の方法。
【請求項7】
前記対象者を前記追跡することは、前記対象者の身体部分を追跡すること、または前記対象者のエアロゾルまたは飛沫の拡散を追跡することを備える、請求項5に記載の方法。
【請求項8】
前記身体部分は手である、請求項7に記載の方法。
【請求項9】
前記エアロゾルまたは前記飛沫の前記拡散は、咳、くしゃみ、喘鳴、吐息、発声、または前記人間の対象者の口または鼻からの空気の排出によって生じる、請求項7に記載の方法。
【請求項10】
前記対象者の前記エアロゾルまたは前記飛沫の前記拡散を追跡することは、前記対象者の前記エアロゾルまたは前記飛沫の前記拡散をシミュレートすることを備える、請求項7に記載の方法。
【請求項11】
(c)の前に、前記表面の優先順位を計算することをさらに備え、前記優先順位は、前記表面の汚染リスクに少なくとも部分的に基づく、請求項1に記載の方法。
【請求項12】
前記表面の前記汚染リスクは、対象者の体温に少なくとも部分的に基づいて決定される、請求項11に記載の方法。
【請求項13】
前記汚染リスクは、対象者が着用しているフェイスカバーの有無に少なくとも部分的に基づいて決定される、請求項11に記載の方法。
【請求項14】
(c)において前記表面に向けて前記光ビームを誘導することは、前記優先順位に従って行われる、請求項11に記載の方法。
【請求項15】
前記1または複数の汚染物質は微生物を備える、請求項1に記載の方法。
【請求項16】
前記微生物は病原体を備える、請求項15に記載の方法。
【請求項17】
前記病原体は細菌またはウイルスを備える、請求項16に記載の方法。
【請求項18】
(c)において前記表面に向けて前記光ビームを誘導することは、
(i)前記表面に少なくとも部分的に基づいて制御信号を生成することと、
(ii)前記制御信号をビームステアラに提供し、前記ビームステアラを前記表面の方に向けることと、
(iii)前記光ビームの光源を作動させることと
を備える、請求項1に記載の方法。
【請求項19】
前記表面は、複数の対象者を備える公共エリア内にある、請求項1に記載の方法。
【請求項20】
前記表面の前記センサデータに少なくとも部分的に基づいて1または複数の汚染物質が前記表面に堆積していると予測することは、
(i)前記表面にスコアを割り当てることと、
(ii)前記スコアに少なくとも部分的に基づいて除菌時間および前記光ビームの強度を調整することと
を備える、請求項1に記載の方法。
【請求項21】
前記スコアは、前記表面が、疾病リスクがある少なくとも1人の対象者を備えるという決定に少なくとも部分的に基づく、請求項20に記載の方法。
【請求項22】
前記決定は、前記少なくとも1人の対象者の体温に少なくとも部分的に基づく、請求項21に記載の方法。
【請求項23】
前記センサデータは、熱センサ、画像センサ、赤外線センサ、レーザ測距センサ、オーディオセンサ、レーダセンサまたは撮像装置、またはそれらの組み合わせを備える1または複数のセンサによって収集される、請求項1に記載の方法。
【請求項24】
前記オーディオセンサはマイクロフォンである、請求項23に記載の方法。
【請求項25】
前記画像センサはカメラである、請求項23に記載の方法。
【請求項26】
前記カメラは、赤色緑色青色(RGB)画像、YUV画像、または深度画像を生成する、請求項25に記載の方法。
【請求項27】
前記光ビームの波長は200~300nmである、請求項1に記載の方法。
【請求項28】
前記波長は250~300nmである、請求項27に記載の方法。
【請求項29】
前記波長は260~270nmである、請求項28に記載の方法。
【請求項30】
限定された場所において表面を除菌するための方法であって、
(a)1または複数のプロセッサによって、前記限定された場所において対象者を追跡し、前記対象者が前記限定された場所内の前記表面に1または複数の汚染物質を堆積させたと予測することと、
(b)前記対象者が前記限定された場所内の前記表面に前記1または複数の汚染物質を堆積させたと予測することに少なくとも部分的に基づいて、前記1または複数のプロセッサによって、前記表面に向けて光ビームを誘導することと
を備える方法。
【請求項31】
(b)は、前記対象者または別の対象者が前記限定された場所に存在する間に行われる、請求項30に記載の方法。
【請求項32】
限定された場所において表面を除菌するためのシステムであって、
(a)前記表面を除菌するのに十分な波長または波長範囲を有する光ビームを供給するように構成された光源と、
(b)前記限定された場所において対象者を追跡するように構成された1または複数のセンサと、
(c)前記光源および前記1または複数のセンサに動作可能に結合された1または複数のコンピュータプロセッサと
を備え、前記1または複数のコンピュータプロセッサは、個々に、または集合的に、
(i)前記1または複数のセンサからのセンサデータに少なくとも部分的に基づいて、前記対象者が前記限定された場所内の前記表面に1または複数の汚染物質を堆積させたと予測し、
(ii)前記対象者が前記限定された場所内の前記表面に前記1または複数の汚染物質を堆積させたと予測することに少なくとも部分的に基づいて、前記表面に前記光ビームを向けるように前記光源を誘導する
ように構成される、システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本出願は、参照によってその全体が本明細書に組み込まれる、2021年11月2日に出願された米国仮特許出願第63/274,529号の優先権を主張するものである。
【背景技術】
【0002】
新しいウイルスや細菌は日々発見され、その多くは、病気や他の症状をもたらす。さらに、これらのウイルスや細菌の一部は、既知の治療法やワクチンがない場合がある。感染した人間は、病気の症状を示す前であってもウイルスおよび細菌を拡散させ得る。これらのウイルスおよび細菌の一部は、空気中および表面上に何時間も残り、感染性が高く阻止するのが難しい場合がある。これらのウイルスおよび細菌は、たとえば病院、空港、オフィス、店舗などの限定された公共空間で特に問題になり得る。これらのウイルスおよび細菌を(たとえば人から人への伝染確率を低減することによって)制御することで、治療法またはワクチンが開発されるまでの時間稼ぎになり得る。
【0003】
紫外線殺菌放射(UVGI)は、短波長の紫外(UV-C)光を用いて核酸を破壊し、DNAを破壊することによってこれらのウイルスおよび細菌(微生物)を死滅させ、または不活性化し、生体細胞機能を行うことを不可能にする。UVGIは、たとえば医療、食品業界、空調、および浄水などの様々な用途において効果的な殺菌技術であり得る。殺菌UV放射の効果は、ウイルスおよび細菌がUV放射に晒される時間の長さ、UV放射の強度、またはUV放射の波長に依存し得る。しかし、UV-C光は、人間の健康に悪影響を及ぼし得るため、公共空間で使用するには危険であり得る。現在のUV-Cシステムは、エリア内の全方向に光を伝搬し得るので、エリア内のあらゆる物体または人間が放射を受ける。
【発明の概要】
【0004】
汚染物質(たとえば病原体、細菌、ウイルス、微生物、感染症など)からの効果的な感染防止は、人が空気または表面と相互作用する前に汚染されている可能性のある空気および表面を除菌(たとえば消毒)するスマートかつインタラクティブなアプローチからの利益を享受し得る。いくつかの実施形態において、人工知能(AI)を用いて、人間および物体が移動すると同時に空気および表面を能動的に除菌する、紫外線(UV)除菌のためのシステム、方法、コンピュータ可読媒体、および技術が提供され得る。
【0005】
いくつかの実施形態において、このシステム、方法、コンピュータ可読媒体、または技術は、人間の接触(たとえば移動、行動など)の影響を受けた表面(たとえばエリア、物体など)を除菌し得る。AIエンジンは、各表面の汚染レベルにスコアを割り当て、それらのスコアに基づいて各表面に対する除菌時間およびUV光強度を調整してよい。いくつかの実施形態において、複数のUVビームが同時に1または複数の表面に誘導され集束してよい。いくつかの実施形態において、システム、方法、コンピュータ可読媒体、または技術は、人間および他の物体が空間を移動すると同時にインタラクティブかつリアルタイムな除菌を実現するものであり得る。いくつかの実施形態において、システム、方法、コンピュータ可読媒体、または技術は、たとえば熱センサおよび撮像装置、赤外線センサおよび撮像装置、カメラ、レーザ測距センサ、マイクロフォン、またはレーダセンサまたは撮像装置などの様々なセンサを利用することによって、人々をUV放射に晒すことを回避し得る。いくつかの実施形態において、AIエンジンは、人間の存在を検出し、それらのエリアにUV光を向けることを回避するために、データを処理および拡大する。いくつかの実施形態において、システム、方法、コンピュータ可読媒体、または技術は、ウイルス、細菌、または他の感染病原体の人から人への拡散を著しく低減し、感染性の高い微生物の拡散を遅延させることができる。
【0006】
いくつかの態様において、本開示は、表面を除菌するための方法であって、(a)1または複数のプロセッサにおいて、表面のセンサデータを取得することと、(b)1または複数のプロセッサによって、表面のセンサデータに少なくとも部分的に基づいて、1または複数の汚染物質が表面に堆積していると予測することと、(c)(b)において1または複数の汚染物質が表面に堆積していると予測することに少なくとも部分的に基づいて、1または複数のプロセッサによって、表面に向けて光ビームを誘導することにより、1または複数の汚染物質がある表面を除菌することとを備える方法を提供する。
【0007】
いくつかの態様において、本開示は、限定された場所において表面を除菌するための方法であって、(a)1または複数のプロセッサによって、限定された場所において対象者を追跡し、対象者が限定された場所内の表面に1または複数の汚染物質を堆積させたと予測することと、(b)対象者が限定された場所内の表面に1または複数の汚染物質を堆積させたと予測することに少なくとも部分的に基づいて、1または複数のプロセッサによって、表面に向けて光ビームを誘導することとを備える方法を提供する。
【0008】
いくつかの態様において、本開示は、限定された場所において表面を除菌するためのシステムであって、(a)表面を除菌するのに十分な波長または波長範囲を有する光ビームを供給するように構成された光源と、(b)限定された場所において対象者を追跡するように構成された1または複数のセンサと、(c)光源および1または複数のセンサに動作可能に結合された1または複数のコンピュータプロセッサとを備えるシステムを提供する。1または複数のコンピュータプロセッサは、個々に、または集合的に、(i)1または複数のセンサからのセンサデータに少なくとも部分的に基づいて、対象者が限定された場所内の表面に1または複数の汚染物質を堆積させたと予測し、(ii)対象者が限定された場所内の表面に1または複数の汚染物質を堆積させたと予測することに少なくとも部分的に基づいて、表面に光ビームを向けるように光源を誘導するように構成される。
【0009】
本開示の追加の態様および利点は、本開示の例示的な実施形態のみが示され説明される以下の詳細な説明から当業者には容易に明らかとなる。理解されるように、本開示は、本開示から逸脱することなく、他の例および異なる例が可能であり、そのいくつかの詳細は、様々な明らかな点で修正が可能である。したがって、図面および説明は、本質的に例示的なものとみなされ、限定的なものとはみなされない。
【0010】
本明細書で言及される全ての刊行物、特許、および特許出願は、個々の刊行物、特許、または特許出願の各々が具体的かつ個別に参照によって組み込まれることが示される場合と同じ範囲で参照によって本明細書に組み込まれる。参照によって組み込まれる刊行物および特許または特許出願が本明細書に含まれる本開示と矛盾する場合、本明細書は、そのような矛盾する資料よりも優先または先行することが意図されている。
【0011】
本発明の新規の特徴は、添付の特許請求の範囲に特に記載される。本発明の特徴および利点のより良い理解は、本発明の原理が利用される事例を記載する以下の詳細な説明および添付図面(本明細書において「図面」および「図」とも称される)を参照して得られる。
【図面の簡単な説明】
【0012】
図1】本開示の特定の例と一致する、標的化されたUVサニタイザシステムのブロック図を示す。
図2】本開示の特定の例と一致する、汚染された可能性がある表面を識別する検出および追跡技術の動作例を示す。
図3】本開示の特定の例と一致する、汚染された可能性がある表面を識別する検出および追跡技術の別の動作例を示す。
図4】本開示の特定の例と一致する、汚染された可能性がある表面を識別する検出および追跡技術の別の動作例を示す。
図5】本開示の特定の例と一致する、表面の能動的な除菌の例を示す。
図6】本開示の特定の例と一致する、表面の能動的な除菌の別の例を示す。
図7】本開示の特定の例と一致する、本明細書で提供される方法を実施するようにプログラムまたは構成されたコンピュータ制御システムを示す。
図8】本開示の特定の例と一致する、表面を除菌するための方法例を示す。
図9】本開示の特定の例と一致する、限定された場所において表面を除菌するための方法例を示す。
【発明を実施するための形態】
【0013】
様々な例において、本明細書に開示されるシステム、方法、コンピュータ可読媒体、または技術は、人から人への汚染物質(たとえば細菌、ウイルス、病原体、微生物など)の拡散を非常に効率的な方法で著しく低減させ、感染性の高い汚染物質の拡散を遅延させ得る。たとえば、場合によっては、本明細書に開示されるシステム、方法、コンピュータ可読媒体、または技術は、物体検出、動き投影、光学感知、赤外線感知、または光ビームステアリングによる技術を組み合わせて、1または複数の対象者(たとえば人間の対象者)の動きを追跡してよい。追跡に基づいて、本明細書に開示されるシステムは、たとえば人々が表面を通過/付近を通過し、表面に触れ、または表面に汚染物質を排出すること(たとえば咳、くしゃみ、喘鳴、吐息、唾など)などによって接触または相互作用した1または複数の表面に光ビーム(たとえばUV-Cなどの紫外(UV)ビーム)を集束させ得る。
【0014】
いくつかの実施形態において、本明細書に開示されるシステム、方法、コンピュータ可読媒体、または技術は、たとえば居住用建物、教育用建物、組織用建物、集会用建物、事業用建物、商業用建物、工業用建物、貯蔵用建物、または危険建築物の1または複数の中または周囲の空間などの限定された空間(たとえば屋内空間、空気の流れが少ない屋外空間など)に適用され得る。
【0015】
本明細書に開示されるシステム、方法、コンピュータ可読媒体、または技術の追加の利点は、医療環境(たとえば病院、医院、救急車など)において患者および医療従事者を保護すること、製造環境において製品(たとえば食品および飲料製品)を滅菌すること、または多くの人々が集まる空間(たとえばオフィス、映画館、空港、学校、食料品店、スタジアム、またはコンベンションセンター)における汚染物質の伝搬率を低減することを含んでよい。さらに、本明細書に開示されるシステム、方法、コンピュータ可読媒体、または技術は、たとえばCOVID-19、インフルエンザ、または他の感染症などの感染症の蔓延を低減する上でも役立ち得る。
【0016】
以下でさらに詳しく説明するように、本明細書に開示されるシステム、方法、コンピュータ可読媒体、または技術の改善された性能は、表面からの汚染物質の伝搬の低減、表面上の汚染物質の数の低減、人間または動物のUV放射への曝露の低減、表面上の汚染物質の存在の正確な予測、または他の性能指標によって特徴付けられ得る。
特定の定義
【0017】
特に定義されない限り、本明細書で使用される全ての技術用語は、本開示の主題事項が属する技術分野の当業者によって一般的に理解されるものと同じ意味を有する。
【0018】
本明細書および添付の特許請求の範囲において使用される場合、「人工知能」、「人工知能技術」、「人工知能動作」、および「人工知能アルゴリズム」という用語は一般に、目標を達成する可能性を向上または最大化するために1または複数の行動をとり得る任意のシステムまたは計算手順を指す。「人工知能」という用語は、「生成モデリング」、「機械学習」(ML)、「連合学習」、または「強化学習」(RL)を含んでよい。
【0019】
本明細書および添付の特許請求の範囲において使用される場合、「人工知能」、「人工知能技術」、「人工知能動作」、および「人工知能アルゴリズム」という用語は一般に、目標を達成する可能性を向上または最大化するために人間の知能プロセスをシミュレートする1または複数の行動をとり得る任意のシステムまたは計算手順を指す。「人工知能」という用語は、「生成モデリング」、「機械学習」(ML)、または「強化学習」(RL)を含んでよい。
【0020】
本明細書および添付の特許請求の範囲において使用される場合、「いくつかの実施形態」、「さらなる実施形態」、または「特定の実施形態」とは、その実施形態に関連して説明される特定の特徴、構造、または特性が少なくとも1つの実施形態に含まれることを意味する。したがって、本明細書を通して様々な箇所に「いくつかの実施形態において」または「さらなる実施形態において」または「特定の実施形態において」という表現が出現する場合、必ずしも全てが同じ実施形態を指すものではない。さらに、特定の特徴、構造、または特性は、1または複数の実施形態において任意の適切な方法で組み合わせられ得る。
【0021】
本明細書および添付の特許請求の範囲において使用される場合、「少なくとも」、「超過」、または「以上」という用語が一連の2つ以上の数値における端の数値に付く場合、「少なくとも」、「超過」、または「以上」という用語は、その一連の数値における数値の各々に適用される。たとえば、1、2、または3以上とは、1以上、2以上、または3以上に等しい。
【0022】
本明細書および添付の特許請求の範囲において使用される場合、「多くとも」、「未満」、または「以下」という用語が一連の2つ以上の数値における端の数値に付く場合、「多くとも」、「未満」、または「以下」という用語は、その一連の数値における数値の各々に適用される。たとえば、3、2、または1以下とは、3以下、2以下、または1以下に等しい。
【0023】
本明細書において使用される場合、「または」とは、「包括的または」または「論理的OR」としても知られるものを意味し、論理的記述において使用される場合、「AまたはB」という表現は、AまたはBのいずれかが真である場合、またはAおよびBの両方が真である場合に真であり、要素の羅列として使用される場合、「A、B、またはC」という表現は、その表現に記載される要素の全ての組み合わせ、たとえばA、B、C、(A、B)、(A、C)、(B、C)、および(A、B、C)から成るグループから選択された要素のいずれかを含むことが意図されており、追加の要素が羅列される場合も同様である。よって、本明細書における「または」への任意の言及は、特に指定されない限り「または」を包含することが意図されている。
【0024】
本明細書および添付の特許請求の範囲において使用される場合、不定冠詞「a」または「an」および対応する関連定冠詞「the」または「said」の各々は、不可能であることが特に記載または暗示されず、物理的に不可能でもない限り、1または複数を意味することが意図されている。また、「AおよびBなどの少なくとも1つ」、「AまたはBなどの少なくとも1つ」、「AおよびBなどから選択される」、および「AまたはBなどから選択される」という表現の各々は、任意の記載された要素を個々に、または2つ以上の要素の組み合わせ、たとえば「A」、「B」、および「AおよびB」などから成るグループからの要素のいずれかを意味することが意図されている。
【0025】
本明細書および添付の特許請求の範囲において使用される場合、「約」または「おおよそ」とは、どのように値が測定または決定されたか、たとえば測定システムの限界に部分的に依存する、値に対する許容可能な誤差範囲内を意味し得る。たとえば、「約」とは、技術分野の慣例に応じて、1以内または1以上の標準偏差を意味してよい。あるいは、「約」とは、所与の値の最大20%、最大10%、最大5%、または最大1%の範囲を意味してよい。本出願および特許請求の範囲において値が説明される場合、特に指定がなければ、特定の値に対する許容可能な誤差範囲内を意味する「約」という用語が想定され得る。
機械学習方法論の例
【0026】
本明細書に開示されるシステム、方法、コンピュータ可読媒体、または技術は、機械学習を使用してよい。場合によっては、機械学習は、一般に、後続のデータに対する予測を容易にするために既存のデータにおけるパターンを識別および認識することを含んでよい。機械学習は、(たとえば機械学習アルゴリズムを含み得る)機械学習モデルを用いてデータを処理することを含んでよい。機械学習は、本質的に分析的であるか統計的であるかにかかわらず、実データまたはシミュレートデータに基づいて演繹的推論またはアブダクション(逆行推論)を提供してよい。
【0027】
機械学習モデルは、訓練されたモデルであってよい。機械学習(ML)は、1または複数の教師付き、半教師付き、自己管理、または教師なし機械学習技術を備えてよい。たとえば、MLモデルは、教師付き学習によって訓練される(たとえば様々なパラメータが重み付けまたはスケーリング係数として決定される)モデルであってよい。
【0028】
機械学習モデルを訓練することは、場合によっては、訓練データセットを用いて訓練するために1または複数の未訓練データモデルを選択することを含んでよい。選択された未訓練データモデルは、教師付き、半教師付き、自己管理、または教師なし機械学習のための任意の種類の未訓練機械学習モデルを含んでよい。選択された未訓練データモデルは、予測変数として使用するための関連パラメータまたは潜在的説明変数として使用するための他の変数を指定する入力(たとえばユーザ入力)に基づいて指定され得る。たとえば、選択された未訓練データモデルは、入力に基づいて出力(たとえば予測)を生成するために指定され得る。たとえば機械学習モデルの複雑性に対する制限、または機械学習モデルの特定の点を超えた精密化に対する制限など、選択された未訓練データモデルから機械学習モデルを訓練するための条件が同様に選択され得る。機械学習モデルは、訓練データセットを用いて(たとえばサーバなどのコンピュータシステムを介して)訓練され得る。場合によっては、機械学習モデルを訓練するために、訓練データセットの第1のサブセットが選択され得る。その後、選択された未訓練データモデルは、選択された機械学習モデルの種類および機械学習モデルを訓練するために指定された任意の条件に基づいて、適切な機械学習技術を用いて訓練データセットの第1のサブセットにおいて訓練され得る。場合によっては、機械学習モデルを訓練するために使用される処理能力により、選択された未訓練データモデルは、追加のコンピューティングリソース(たとえばクラウドコンピューティングリソース)を用いて訓練され得る。そのような訓練は、場合によっては、機械学習モデルの少なくとも1つの態様が検証され、予測モデルとして使用するための選択基準を満たすまで継続し得る。
【0029】
場合によっては、機械学習モデルの1または複数の態様は、機械学習モデルの精度および堅牢性を決定するために(たとえば訓練データセットの第1のサブセットとは異なる)訓練データセットの第2のサブセットを用いて検証され得る。そのような検証は、訓練データの第2のサブセットから導出される予測を行うために、機械学習モデルを訓練データセットの第2のサブセットに適用することを含んでよい。その後、機械学習モデルは、導出された予測に基づいて、性能が十分であるかを決定するために評価され得る。機械学習モデルに適用される十分性基準は、訓練に利用可能な訓練データセットのサイズ、訓練されたモデルの以前の反復の性能、またはユーザ指定の性能目標に依存して変動し得る。機械学習モデルが十分に高い性能を達成しない場合、追加の訓練が行われ得る。追加の訓練は、機械学習モデルの改良、または訓練データセットの異なる第1のサブセットに対する再訓練を含んでよく、その後、新たな機械学習モデルは再び検証および評価され得る。機械学習モデルが十分に高い性能(たとえば特定の閾値を超える予測精度)を達成した場合、場合によっては、機械学習モデルは、現在または今後の使用のために格納され得る。機械学習モデルは、さらなる入力(たとえばさらなる予測変数、さらなる説明変数、さらなるユーザインタラクションデータとして使用するためのさらなる関連パラメータなど)の分析のためにパラメータ値または重みのセットとして格納されてよく、いくつかの例では、分析論理またはモデル有効性の指標も含んでよい。場合によっては、異なるセットの入力データ条件下で予測を生成するために複数の機械学習モデルが格納され得る。いくつかの例では、機械学習モデルは、(たとえばサーバに関連する)データベースに格納され得る。
【0030】
MLは、回帰分析、正則化、分類、次元削減、アンサンブル学習、メタ学習、相関ルール学習、クラスタ分析、異常検出、深層学習、または超深層学習の1または複数を備えてよい。MLは、k平均、k平均クラスタリング、k最近傍、学習ベクトル量子化、線形回帰、非線形回帰、最小二乗回帰、部分最小二乗回帰、ロジスティック回帰、ステップワイズ回帰、多変量適応回帰スプライン、リッジ回帰、主成分回帰、最小絶対収縮および選択演算(LASSO)、最小角度回帰、正準相関分析、因子分析、独立成分分析、線形判別分析、多次元スケーリング、非負行列因子分解、主成分分析、主座標分析、射影追跡、サモンマッピング、t分布確率的近傍埋込み、AdaBoosting、ブースティング、勾配ブースティング、ブートストラップ集約、アンサンブル平均、決定木、条件付き決定木、ブースト決定木、勾配ブースト決定木、ランダムフォレスト、スタック汎化、ベイジアンネットワーク、ベイジアン信念ネットワーク、ナイーブベイズ、ガウスナイーブベイズ、多項式ナイーブベイズ、隠れマルコフモデル、階層的隠れマルコフモデル、サポートベクトルマシン、エンコーダ、デコーダ、オートエンコーダ、スタックオートエンコーダ、パーセプトロン、多層パーセプトロン、人工ニューラルネットワーク、フィードフォワードニューラルネットワーク、畳み込みニューラルネットワーク、再帰型ニューラルネットワーク、長期短期メモリ、深層信念ネットワーク、深層ボルツマンマシン、深層畳み込みニューラルネットワーク、深層再帰型ニューラルネットワーク、または敵対的生成ネットワークの1または複数を備えてよいが、それらに限定されない。
【0031】
本明細書に開示されるシステム、方法、コンピュータ可読媒体、または技術は、1または複数のコンピュータビジョン技術を実装してよい。コンピュータビジョンは、カメラおよびビデオからの1または複数のデジタル画像を処理することによって、コンピュータを用いて少なくとも部分的に視覚世界を解釈および理解する人工知能の分野である。場合によっては、コンピュータビジョンは、深層学習モデル(たとえば畳み込みニューラルネットワーク)を使用してよい。境界ボックスは、コンピュータビジョンにおける物体検出技術に使用され得る。境界ボックスは、画像内の物体の周囲に描かれた注釈マーカであってよい。境界ボックスは、長方形状である場合が多いが、そうでないこともある。境界ボックスは、人間によって訓練データセットに適用され得る。ただし、境界ボックスは、1または複数の異なる物体(たとえば人間、手、顔、車など)を検出するように訓練された訓練済みの機械学習によって画像に適用されてもよい。
UVサニタイザの例
【0032】
図1は、本開示の特定の例と一致する、カメラ支援型能動UV-Cサニタイザシステムの例示的なブロック図を示す。図示するように、システム100は、処理モジュール、感知モジュール、およびビームステアリング(パンおよびチルト)能力を有する1または複数のUV-C光モジュールという3つの主要部分を有する。図示するように、3つのモジュールは、処理ユニット110、カメラ120と、赤外線カメラ122と、マイクロフォン124とを含む様々なセンサ、および複数のUV LED132.1~132.Nと、複数の可視LED134.1~134.Nと、複数の赤外線LED136.1~136.Nとを含む複数のビームステアラ130.1~130.Nとしてシステム100に含まれる。図1の構成要素は例であり、特定の実装を有する任意のハードウェア、ソフトウェア、組込み論理構成要素、またはそのような構成要素の2つ以上の組み合わせの使用または機能の範囲を限定するものではない。
【0033】
まずシステム100の計算的態様に着目すると、システム100は、処理ユニット110を含んでよい。処理ユニット110(たとえば処理システムまたはコンピューティングシステム)は、デバイスに、本開示の方法、コンピュータ可読媒体、または技術のいずれか1または複数を実施または実行させることができる実行可能命令のセットを含んでよい。図示されないが、処理ユニット110は、1または複数のバスを介して互いに通信する1または複数のプロセッサ、メモリ、およびストレージ、ならびに他の構成要素(たとえばセンサ120~124、ビームステアラ130.1~130.Nなど)を含んでよい。
【0034】
バスは、ディスプレイ(不図示)、1または複数の入力デバイス(不図示、たとえばキーパッド、キーボード、マウス、スタイラスなどであってよい)、1または複数の出力デバイス(不図示)、1または複数のストレージデバイス(不図示)、または様々な有形記憶媒体(不図示)もリンクしてよい。これらの要素の1または複数は、直接、または1または複数のインタフェースやアダプタを介して、バスにインタフェース接続してよい。たとえば、様々な有形記憶媒体は、記憶媒体インタフェースを介してバスにインタフェース接続してよい。処理ユニット110は、1または複数の集積回路(IC)、印刷回路基板(PCB)、モバイルハンドヘルドデバイス(たとえばモバイルテレフォンまたはPDAなど)、ラップトップまたはノートブックコンピュータ、分散型コンピュータシステム、コンピューティンググリッド、またはサーバを含むがこれらに限定されない任意の適切な物理的形態を有してよい。
【0035】
処理ユニット110は、機能を実行する1または複数のプロセッサ(たとえば中央処理ユニット(CPU)、汎用グラフィック処理ユニット(GPGPU)、または量子処理ユニット(QPU))を含んでよい。プロセッサは、任意選択的に、命令、データ、またはコンピュータアドレスの一時的なローカルストレージのためのキャッシュメモリユニットを含んでよい。処理ユニット110に含まれるプロセッサは、コンピュータ可読命令の実行を支援するように構成され得る。処理ユニット110は、たとえばメモリ、ストレージ、ストレージデバイス、または記憶媒体などの1または複数の有形コンピュータ可読記憶媒体において具体化される非一時的なプロセッサ実行可能命令をプロセッサが実行した結果として、図1に示す構成要素の機能を提供してよい。処理ユニット110に含まれるコンピュータ可読媒体は、特定の動作を実施するソフトウェアと、ソフトウェアを実行し得るプロセッサとを格納してよい。処理ユニット110に含まれるメモリは、1または複数の他のコンピュータ可読媒体(たとえばマスストレージデバイスなど)から、またはたとえばネットワークインタフェースなどの適切なインタフェースを介して1または複数の他のソースからソフトウェアを読み出してよい。処理ユニット110のソフトウェアは、プロセッサに、本明細書に示される1または複数のプロセスまたは1または複数のプロセスの1または複数の動作を実行させ得る。そのようなプロセスまたは動作の実行は、メモリに格納されたデータ構造を定義すること、およびソフトウェアによって指示されたようにデータ構造を修正することを含んでよい。
【0036】
場合によっては、処理ユニット110がネットワークに接続されると、処理ユニット110は、他のデバイス、特にセンサ120~124またはビームステアラ130.1~130.Nと通信してよい。場合によっては、処理ユニット110は、ネットワークを介して、モバイルデバイスおよび企業システム、分散型コンピューティングシステム、クラウドストレージシステム、クラウドコンピューティングシステムなどとさらに通信してよい。処理ユニット110との相互の通信は、ネットワークインタフェース(不図示)を介して送信され得る。たとえば、ネットワークインタフェースは、ネットワークから1または複数のパケット(たとえばインターネットプロトコル(IP)パケットなど)の形式で入来する通信(たとえば他のデバイス、たとえばセンサ120~124またはビームステアラ130.1~130.Nからの要求または応答など)を受信してよく、処理ユニット110は、入来する通信を処理するためにメモリに格納してよい。処理ユニット110は、同様に、発信する通信(たとえば他のデバイス、たとえばセンサ120~124またはビームステアラ130.1~130.Nへの要求または応答など)を、ネットワークインタフェースからネットワークに通信される、1または複数のパケットの形式でメモリに格納してよい。処理ユニット110のプロセッサは、これらのメモリに格納されたこれらの通信パケットを処理するためにそれらにアクセスしてよい。
【0037】
処理ユニット110とセンサ120~124またはビームステアラ130.1~130.Nとの間の通信を可能にするためのネットワークインタフェースの例は、ネットワークインタフェースカード、モデム、およびそれらの任意の組み合わせを含んでよい。処理ユニット110とセンサ120~124またはビームステアラ130.1~130.Nとの間の通信を可能にするためのネットワークまたはネットワークセグメントの例は、分散型コンピューティングシステム、クラウドコンピューティングシステム、広域ネットワーク(WAN)(たとえばインターネット、企業ネットワーク)、ローカルエリアネットワーク(LAN)(たとえばオフィス、建物、キャンパス、または他の比較的小さな地理的空間に関連付けられたネットワーク)、電話ネットワーク、2つのコンピューティングデバイス間の直接接続、ピアツーピアネットワーク、またはそれらの任意の組み合わせを含んでよい。ネットワークは、有線または無線通信モードを利用してよい。一般に、システム100の様々な構成要素間の通信を可能にするために、任意のネットワークトポロジが使用され得る。
【0038】
追加または代替として、処理ユニット110は、本明細書で説明または図示される1または複数のプロセスまたは1または複数のプロセスの1または複数の動作を実行するためのソフトウェアの代わりに、またはソフトウェアと協働して動作し得る、回路にハードワイヤードされた、または他の方法で回路に具体化された論理の結果として機能を提供してよい。本開示におけるソフトウェアへの言及は、論理を包括してよく、論理への言及は、ソフトウェアを包括してよい。さらに、コンピュータ可読媒体への言及は、実行のためにソフトウェアを格納する回路(たとえばICなど)、実行のために論理を具体化する回路、またはそれら両方を適宜包括してよい。本開示は、ハードウェア、ソフトウェア、またはそれら両方の任意の適切な組み合わせを包括する。本明細書に開示される例に関連して説明される様々な例示的な論理ブロック、モジュール、回路、およびアルゴリズムの動作は、電子ハードウェア、コンピュータソフトウェア、またはそれら両方の組み合わせとして実装され得る。このハードウェアとソフトウェアとの相互置換性を明確に示すために、様々な例示的な構成要素、ブロック、モジュール、回路、および動作は、一般にそれらの機能の観点から上述され得る。本明細書に開示される例に関連して説明される様々な論理ブロック、モジュール、および回路は、本明細書に開示される機能を実行するように設計された汎用プロセッサ、デジタル信号プロセッサ(DSP)、特定用途向け集積回路(ASIC)、フィールドプログラマブルゲートアレイ(FPGA)または他のプログラマブル論理デバイス、ディスクリートゲートまたはトランジスタロジック、個別ハードウェア部品、またはそれらの任意の組み合わせによって実装または実行され得る。処理ユニット110の汎用プロセッサは、マイクロプロセッサであってよいが、代替としてプロセッサは任意のプロセッサ、コントローラ、マイクロコントローラ、またはステートマシンであってもよい。処理ユニット110のプロセッサは、コンピューティングデバイスの組み合わせ、たとえばDSPとマイクロプロセッサとの組み合わせ、複数のマイクロプロセッサ、DSPコアと併用される1または複数のマイクロプロセッサ、または他の任意のそのような構成として実装されてもよい。本明細書に開示される例に関連して説明される方法またはアルゴリズムの動作は、ハードウェアに直接、1または複数のプロセッサによって実行されるソフトウェアモジュールに、またはそれら2つの組み合わせに具体化され得る。処理ユニット110に含まれるソフトウェアモジュールは、RAMメモリ、フラッシュメモリ、ROMメモリ、EPROMメモリ、EEPROMメモリ、レジスタ、ハードディスク、リムーバブルディスク、CD-ROM、または他の任意の形態の適切な記憶媒体に常駐してよい。例示的な記憶媒体は、プロセッサが記憶媒体から情報を読み出し、記憶媒体に情報を書き入れることができるように、プロセッサに結合され得る。あるいは、記憶媒体は、プロセッサに統合され得る。処理ユニット110のプロセッサおよび記憶媒体は、ASICに常駐してよい。ASICはユーザ端末に常駐してよい。あるいは、プロセッサおよび記憶媒体は、ユーザ端末内の個別構成要素として常駐してよい。
【0039】
処理ユニット110は、センサ120~124からデータを受信してよい。カメラ120は、赤色緑色青色(RGB)画像、YUV画像、または深度画像を捕捉してよい。カメラ120は、静止画像またはビデオを捕捉することが可能であってよい。カメラ120は、(約400ナノメートル~約700ナノメートルの範囲内の)可視光を捕捉することが可能であってよい。赤外線カメラ122は、静止画像または赤外線ビデオを捕捉することが可能であってよい。赤外線カメラ122は、(約780ナノメートル~約1000ナノメートルの範囲内の)赤外光を捕捉することが可能であってよい。マイクロフォン124は、オーディオデータを捕捉するための任意の適切な種類のマイクロフォンであってよい。マイクロフォン124は、オーディオデータを電気信号に変換することが可能であってよい。マイクロフォン124は、ダイナミックマイクロフォン、カーボンマイクロフォン、リボンマイクロフォン、圧電マイクロフォン、または他の任意の適切なマイクロフォンの1または複数であってよい。
【0040】
センサ120~124は、カメラ120、赤外線カメラ122、およびマイクロフォン124として図示されているが、追加または代替として、熱センサおよび撮像装置、赤外センサおよび撮像装置、レーザ測距センサ、レーダセンサ、近接センサ、加速度計、ジャイロスコープ、圧力センサ、光センサ、超音波センサ、煙/ガスセンサ、タッチセンサ、カラーセンサ、湿度センサ、傾斜センサ、光電センサ、振動センサ、位置センサ、圧力センサ、または他の適切なセンサを含んでよい。
【0041】
一般に、センサ120~124は、除菌(たとえば消毒)するための表面を識別するために使用され得る。たとえば、カメラ120は、空間を通る人間の動きを追跡し、人間が接触した(たとえば付近を通過した、触れた、咳をした、またはそれ以外に接触した)表面を識別するために使用され得る。別の例では、赤外線カメラ122は、様々な表面に接触する人間の体温を測定するために使用されてよく、人間の体温が正常レベルの範囲外(たとえば約97°F~約99°Fの範囲外)である場合、その人間および人間が接触した表面は、汚染されたリスクが高いと決定され得る。別の例では、マイクロフォン124は、オーディオ位置特定技術を用いて空間を通る人間の位置を追跡するために使用され得る。別の例では、マイクロフォン124は、咳、くしゃみ、発声、喘鳴、唾の吐出、または対象者の口や鼻からの液滴吐出に関連する他の音を識別するために使用され得る。別の例では、マイクロフォン124は、空間に人間や動物がいない場合にそれを予測するために使用され得る。別の例では、(圧力センサ、加速度計、ジャイロスコープ、位置センサなどの1または複数に依拠し得る)動きセンサは、物体が動かされた場合または表面が接触を受けた場合にそれを決定してよい。別の例では、近接センサは、表面が接触を受けた(たとえば特定の距離内を通過した)場合または人間や動物がエリアにいない場合にそれを識別してよい。場合によっては、センサ120~124は、処理ユニット110に近接して(たとえば物理的に接触して、または接触せず付近に)配置され得る。場合によっては、センサ120~124は、除菌され得る1または複数の表面に近接して(たとえば物理的に接触して、または接触せず付近に)配置され得る。
【0042】
上述したように、センサ120~124は、センサデータ(たとえば画像データ、ビデオデータ、熱データ、オーディオデータ、動きデータ、位置データ、配置データなど)、またはセンサデータの表現/概要を処理ユニット110に送信してよい。センサデータを用いて、処理ユニットは、除菌する表面(たとえばエリア、物体など)を識別してよい。処理ユニット110は、対象者が表面に接触した(たとえば付近を通過した、触れた、くしゃみをした、咳をしたなど)か否かに基づいて、どの表面を除菌するかを決定してよい。対象者が表面に接触したかの決定または予測は、たとえば(たとえば上述したような)コンピュータビジョン技術などを介した追跡を用いて行われ得る。たとえば、処理ユニット110は、物体検出または追跡技術(たとえば境界ボックス)を用いて対象者(たとえば人間や動物)を追跡してよい。対象者の追跡は、対象者の全身を追跡すること、または対象者の身体の一部を追跡することを備えてよい。たとえば、処理ユニット110は、対象者の手を追跡してよい。別の例では、処理ユニット110は、対象者の顔や頭を追跡してよい。別の例では、処理ユニット110は、対象者の口を追跡してよい。別の例では、処理ユニット110は、対象者の鼻を追跡してよい。別の例では、処理ユニット110は、対象者の胴体を追跡してよい。場合によっては、対象者を追跡するためのコンピュータビジョン技術は、機械学習の使用を備えてよい。場合によっては、対象者を追跡するための追跡技術は、機械学習を使用しなくてよい。
【0043】
場合によっては、追跡技術は、対象者が過去に接触した場所または現在接触している場所を追跡する以上のことを含んでよい。実際、場合によっては、追跡技術は、対象者が今後接触しそうな場所を予測し得る。たとえば、追跡技術は、たとえば対象者の動きの軌跡に基づいて、対象者が特定の表面に接触するであろうことを予測し得る。別の例では、追跡技術は、たとえば対象者が過去に接触した場所の履歴データに基づいて、対象者が特定の表面に接触するであろうことを予測し得る。別の例では、追跡技術は、たとえば咳やくしゃみのモデル化またはシミュレートに基づいて、液滴の排出を介して対象者が特定の表面に接触することを予測し得る。対象者が今後接触する場所の予測は、機械学習技術を利用してよい。たとえば、機械学習モデルは、対象者が今後どのように空間を移動するか(たとえば対象者が空間内で何と接触するか)を予測するように機械学習モデルを訓練するために、様々な空間を通って移動する対象者のビデオまたは画像データで訓練され得る。
【0044】
場合によっては、処理ユニット110は、上述した追跡技術に基づいて、どの表面を除菌するかを決定してよい。対象者の追跡に基づいてどの表面を除菌するかを決定することには、人工知能または機械学習が使用され得る。他の例では、対象者の追跡に基づいてどの表面を除菌するかを決定することには、人工知能または機械学習が使用されなくてもよい。
【0045】
場合によっては、処理ユニット110は、センサ120~124から受信したセンサデータに基づいて、1または複数の表面の汚染リスクスコアを決定してよい。汚染リスクスコアは、たとえば対象者(たとえば人間や動物)の体温に基づいてよい。表面の汚染リスクスコアは、たとえば、表面に接触した対象者がフェイスカバーを着用しているか否かに基づいてよい。表面の汚染リスクスコアは、たとえば、表面に接触した対象者が咳をしているか、くしゃみをしているか、喘鳴があるか、息が荒いか、話しているか、叫んでいるか、またはそれ以外で口や鼻から液滴を吐出しているか否かに基づいてよい。表面の汚染リスクスコアは、たとえば、表面に接触した対象者が病気を罹患しているか否かに基づいてよい。表面の汚染リスクスコアは、たとえば、表面に接触した対象者がアレルギー、疾患、ウイルス性疾患、または病気を罹患している挙動を示すか否かに基づいてよい。表面の汚染リスクスコアは、たとえば、対象者がどの程度の時間表面に接触したかに基づいてよい。表面の汚染リスクスコアは、たとえば、表面のどの程度の大きさが対象者に接触されたかに基づいてよい。表面の汚染リスクスコアは、たとえば、対象者のどの身体部位が表面に接触したかに基づいてよい(たとえば口は肘よりも高リスクであり得る、など)。表面の汚染リスクスコアは、たとえば、対象者が表面に接触した可能性はどの程度かに基づいてよい。表面の汚染リスクスコアは、たとえば、表面の物理的属性に基づいてよい(たとえば、多孔質表面は非多孔質表面よりも高リスクであり得る、など)。表面の汚染リスクスコアは、たとえば、どの程度の頻度で表面が接触を受けるかに基づいてよい(たとえば、ドアノブのような高頻度の接触点は、部屋の角にある床の一部などの低頻度の接触点よりも高リスクであり得る、など)。表面の汚染リスクスコアは、たとえば、表面が汚染物質にとってどの程度生息し易いかに基づいてよい(たとえば、非常に高温または非常に低温の表面は室温の表面よりも生息しにくく、直射日光を受ける表面は直射日光を受けない表面よりも生息しにくい、など)。表面の汚染リスクスコアは、たとえば、表面の上または付近を通過する空気流量に依存してよい(たとえば、換気性の良いエリアは換気性の悪いエリアよりも低リスクであり得る、など)。表面の汚染リスクスコアは、たとえば、表面が(たとえば清掃員などによって)手動で除菌される頻度、または手動で除菌されてからの期間に基づいてよい。表面の汚染リスクスコアは、たとえば、表面が(i)汚染されている、または(ii)汚染物質を伝搬しているリスクがどの程度であるかを決定し得る他の任意の要因に基づいてよい。
【0046】
場合によっては、汚染リスクスコアに基づいて、処理ユニット110によって優先順位が決定され得る。優先順位は、汚染リスクスコアの降順に表面をランク付けしてよく、より高い汚染リスクスコアを有する表面が、より低い汚染リスクスコアを有する表面よりも上位である。
【0047】
処理ユニット110は、光源(たとえば132.1~136.1、132.2~136.2など)からの光ビームをどこに向けるかに関する命令をビームステアラ130.1~130.Nに送信してよい。処理ユニット110は、決定された優先順位でビームステアラ130.1~130.Nに命令を送信してよい。処理ユニット110は、処理ユニット110が除菌すべき表面を(たとえばリアルタイムで)識別した順にビームステアラ130.1~130.Nに命令を送信してよい。処理ユニット110は、他の任意の適切な順序でビームステアラ130.1~130.Nに命令を送信してよい。処理ユニット110は、たとえば光ビームが接触する、または光ビームの近傍にあるなど、影響を受けるリスクのある人間や動物がいない表面に光ビームを向けるように、ビームステアラ130.1~130.Nに命令を送信してよい。たとえば、人間や動物と、UV放射によって除菌するための表面との間には、安全距離があってよい。場合によっては、UV放射は、人間以外の生物に照射され得る。たとえば、UV放射は、たとえば昆虫、齧歯動物、または他の有害生物を死滅させるなど、有害生物駆除のために使用され得る。
【0048】
ビームステアラ130.1~130.Nは、処理ユニット110からの命令に含まれる表面に光ビームを向けてよい。処理ユニット110は、複数のビームステアラ130.1~130.Nを同時に制御することが可能であってよく、複数の表面を除菌の標的とすることができる。ビームステアラ130.1~130.Nの各々の動作は、他のビームステアラ130.1~130.Nから独立し得る。
【0049】
場合によっては、ビームステアラ130.1~130.Nは、光源132.1~136.1、・・・、132.N~136.Nを誘導する。光源132.1~136.1、・・・、132.N~136.Nは、UV光、可視光、赤外光、または表面を除菌(たとえば消毒)する(たとえば表面上の汚染物質を死滅させる)ために適した他の任意の種類の光を放出してよい。たとえば、光源132.1~136.1、・・・、132.N~136.Nは、UV C光を光ビームとして放出してよい。別の例では、光源132.1~136.1、・・・、132.N~136.Nは、UV AまたはUV B光を光ビームとして放出してよい。
【0050】
上述したように、場合によっては、光ビームは紫外光を備えてよい。場合によっては、光ビームの波長は、約100ナノメートル~約400ナノメートルである。場合によっては、光ビームの波長は、約100ナノメートル~約200ナノメートル、約100ナノメートル~約250ナノメートル、約100ナノメートル~約260ナノメートル、約100ナノメートル~約265ナノメートル、約100ナノメートル~約270ナノメートル、約100ナノメートル~約300ナノメートル、約100ナノメートル~約315ナノメートル、約100ナノメートル~約400ナノメートル、約200ナノメートル~約250ナノメートル、約200ナノメートル~約260ナノメートル、約200ナノメートル~約265ナノメートル、約200ナノメートル~約270ナノメートル、約200ナノメートル~約300ナノメートル、約200ナノメートル~約315ナノメートル、約200ナノメートル~約400ナノメートル、約250ナノメートル~約260ナノメートル、約250ナノメートル~約265ナノメートル、約250ナノメートル~約270ナノメートル、約250ナノメートル~約300ナノメートル、約250ナノメートル~約315ナノメートル、約250ナノメートル~約400ナノメートル、約260ナノメートル~約265ナノメートル、約260ナノメートル~約270ナノメートル、約260ナノメートル~約300ナノメートル、約260ナノメートル~約315ナノメートル、約260ナノメートル~約400ナノメートル、約265ナノメートル~約270ナノメートル、約265ナノメートル~約300ナノメートル、約265ナノメートル~約315ナノメートル、約265ナノメートル~約400ナノメートル、約270ナノメートル~約300ナノメートル、約270ナノメートル~約315ナノメートル、約270ナノメートル~約400ナノメートル、約300ナノメートル~約315ナノメートル、約300ナノメートル~約400ナノメートル、または約315ナノメートル~約400ナノメートルである。場合によっては、光ビームの波長は、約100ナノメートル超過、約200ナノメートル超過、約250ナノメートル超過、約260ナノメートル超過、約265ナノメートル超過、約270ナノメートル超過、約300ナノメートル超過、約315ナノメートル超過、または約400ナノメートル超過である。場合によっては、光ビームの波長は、約100ナノメートル超過、約200ナノメートル超過、約250ナノメートル超過、約260ナノメートル超過、約265ナノメートル超過、約270ナノメートル超過、約300ナノメートル超過、または約315ナノメートル超過である。場合によっては、光ビームの波長は、約200ナノメートル超過、約250ナノメートル超過、約260ナノメートル超過、約265ナノメートル超過、約270ナノメートル超過、約300ナノメートル超過、約315ナノメートル超過、または約400ナノメートル超過である。場合によっては、光ビームの波長は、約100ナノメートル未満、約200ナノメートル未満、約250ナノメートル未満、約260ナノメートル未満、約265ナノメートル未満、約270ナノメートル未満、約300ナノメートル未満、約315ナノメートル未満、または約400ナノメートル未満である。場合によっては、光ビームの波長は、約100ナノメートル未満、約200ナノメートル未満、約250ナノメートル未満、約260ナノメートル未満、約265ナノメートル未満、約270ナノメートル未満、約300ナノメートル未満、または約315ナノメートル未満である。場合によっては、光ビームの波長は、約200ナノメートル未満、約250ナノメートル未満、約260ナノメートル未満、約265ナノメートル未満、約270ナノメートル未満、約300ナノメートル未満、約315ナノメートル未満、または約400ナノメートル未満である。
【0051】
場合によっては、光ビームは全方向性であってよい。場合によっては、光ビームは平行であってよい。場合によっては、光ビームは指向性であってよい。場合によっては、光ビームは、約0度~約180度のビーム広がりを有する。場合によっては、光ビームは、約0度~約1度、約0度~約3度、約0度~約5度、約0度~約10度、約0度~約15度、約0度~約25度、約0度~約45度、約0度~約60度、約0度~約90度、約0度~約120度、約0度~約180度、約1度~約3度、約1度~約5度、約1度~約10度、約1度~約15度、約1度~約25度、約1度~約45度、約1度~約60度、約1度~約90度、約1度~約120度、約1度~約180度、約3度~約5度、約3度~約10度、約3度~約15度、約3度~約25度、約3度~約45度、約3度~約60度、約3度~約90度、約3度~約120度、約3度~約180度、約5度~約10度、約5度~約15度、約5度~約25度、約5度~約45度、約5度~約60度、約5度~約90度、約5度~約120度、約5度~約180度、約10度~約15度、約10度~約25度、約10度~約45度、約10度~約60度、約10度~約90度、約10度~約120度、約10度~約180度、約15度~約25度、約15度~約45度、約15度~約60度、約15度~約90度、約15度~約120度、約15度~約180度、約25度~約45度、約25度~約60度、約25度~約90度、約25度~約120度、約25度~約180度、約45度~約60度、約45度~約90度、約45度~約120度、約45度~約180度、約60度~約90度、約60度~約120度、約60度~約180度、約90度~約120度、約90度~約180度、または約120度~約180度のビーム広がりを有する。場合によっては、光ビームは、約0度超過、約1度超過、約3度超過、約5度超過、約10度超過、約15度超過、約25度超過、約45度超過、約60度超過、約90度超過、約120度超過、または約180度超過のビーム広がりを有する。場合によっては、光ビームは、約0度超過、約1度超過、約3度超過、約5度超過、約10度超過、約15度超過、約25度超過、約45度超過、約60度超過、約90度超過、または約120度超過のビーム広がりを有する。場合によっては、光ビームは、約1度超過、約3度超過、約5度超過、約10度超過、約15度超過、約25度超過、約45度超過、約60度超過、約90度超過、約120度超過、または約180度超過のビーム広がりを有する。場合によっては、光ビームは、約0度未満、約1度未満、約3度未満、約5度未満、約10度未満、約15度未満、約25度未満、約45度未満、約60度未満、約90度未満、約120度未満、または約180度未満のビーム広がりを有する。場合によっては、光ビームは、約0度未満、約1度未満、約3度未満、約5度未満、約10度未満、約15度未満、約25度未満、約45度未満、約60度未満、約90度未満、または約120度未満のビーム広がりを有する。場合によっては、光ビームは、約1度未満、約3度未満、約5度未満、約10度未満、約15度未満、約25度未満、約45度未満、約60度未満、約90度未満、約120度未満、または約180度未満のビーム広がりを有する。
【0052】
場合によっては、処理ユニット110は、ビームステアラ130.1~130.Nへの命令に、除菌時間または光ビームの強度を含んでよい。除菌時間または光ビームの強度は、汚染リスクスコアに少なくとも部分的に基づいてよい。たとえば、第1の表面の汚染リスクスコアが第2の表面の汚染リスクスコアよりも大きい場合、第1の表面に対応する除菌時間または光ビームの強度の一方または両方は、第2の表面に対するものより大きくてよい。光ビームの強度は、光ビームの照度(たとえばフートキャンドル、ルクス、ルーメン単位など)に基づいてよい。除菌時間は、光ビームが表面に光を照射する時間であってよい。場合によっては、除菌時間は、1秒の何分の1かの短さであってよいが、他の例では、除菌時間はより長く、たとえば1秒以上、1分以上、1時間以上であってよい。場合によっては、光ビームの強度を高めることにより、所与の表面に対する除菌時間が低減され得る(逆も同様)。
【0053】
場合によっては、システム100は、光源132.1~136.1、・・・、132.N~136.Nを用いて、ビームステアラ130.1~130.Nを用いて汚染リスクを有する表面に向けられ得る、指向性が高く制御可能な光ビーム(たとえば高度にコリメートされたUV-C光)を供給する。システム100は、場合によっては、AIの力を利用し、処理ユニット110で高度な追跡技術を用いて、動いている人間を検出し、その経路を投影し、人が接触した表面に光ビームを集束させて、別の人間がその表面に接触する前にそれらを除菌する。システム100は、場合によっては、エアロゾルの形態で病人から拡散される汚染物質を(たとえば、エアロゾルによる汚染の可能性が高いエリアを予測またはシミュレートすることによって)死滅させる能力を有してよい。システム100を病院、学校、空港などの輸送ハブ、店舗またはオフィスに配備することにより、システム100が人々の間の空間を除菌し、それらの間の汚染物質の伝搬リスクを低減しながら、人々は日常生活を継続することが可能であり得る。
検出および追跡技術の動作例
【0054】
図2は、本開示の特定の例と一致する、汚染されている可能性のある表面を画像内で識別する検出および追跡技術の動作の例200を示す。例200の検出および追跡技術の動作は、コンピュータ処理(たとえばコンピュータビジョンまたは機械学習技術)を用いて実施され得る。例200の検出および追跡技術の動作は、たとえば処理ユニット110またはセンサ120~124(たとえばカメラ120)など、システム100の1または複数の構成要素を用いて実施され得る。
【0055】
図示するように、例200は、空間を移動する複数の対象者(図示のように人間)を含む。空間は、限定された空間であってよい。空間は屋内であってよい。空間は公共空間であってよい。空間は、たとえば駅のプラットホーム、空港ターミナル、ショッピングモール、またはスーパーマーケットなどの大規模な公共空間であってよい。例200は、画像に重畳された複数の境界ボックス210.1~210.21を含む。図示するように、境界ボックスは、対象者の1つの画像データを包含してよい。したがって、境界ボックスは、対象者の1つの存在、概算位置、および概算寸法を注釈し得る。図示するように、全ての対象者が境界ボックス210.1~210.21の1つによって包含されるわけではない。場合によっては、対象者を追跡するようにコンピュータビジョンアルゴリズムをさらに訓練することによって、コンピュータビジョンアルゴリズムは、(たとえば複数の境界ボックス210.1~210.21を介して)対象者を識別する能力が高くなる。境界ボックス210.1~210.21を用いて図示されたが、検出および追跡技術は、追加または代替として、たとえばセマンティックセグメンテーション、インスタンスセグメンテーション、ポリゴンアノテーション、非ポリゴンアノテーション、ランドマーキング、または3Dキューボイドなど、対象者を検出および追跡技術するための任意の物体検出アノテーション技術を使用してよい。
【0056】
例200において、対象者を追跡することによって、検出および追跡技術は、汚染されている可能性のある表面を予測してよい。検出および追跡技術は、エッジまたはクラウド処理を用いて検出および追跡技術を実行してよい。図示するように、検出および追跡技術は、(境界ボックス210.1~210.21を介して)対象者および対応する複数の移動経路220.1~220.6を検出してよい。複数の移動経路220~220.6は、対象者が通過したおおよその経路の多角形表現を用いて例200の画像上で注釈を付けられ得る。したがって、移動経路220~220.6は、汚染物質が堆積したと予測される表面を表し得る。場合によっては、移動経路220~220.6は、汚染物質が堆積したと予測される表面エリア全体を表す。場合によっては、移動経路220~220.6は、閾値量を超える汚染物質が堆積したと予測される全表面エリアを表す。場合によっては、移動経路220~220.6は、汚染物質が堆積した可能性が閾値を超える表面エリアを表す。場合によっては、移動経路220~220.6は、閾値を超える汚染リスクスコアが関連付けられた表面エリアを表す。
【0057】
図3は、汚染されている可能性のある表面を画像内で識別する検出および追跡技術の動作の別の例300を示す。例300の検出および追跡技術の動作は、機械学習またはコンピュータビジョン技術を用いて実施され得る。例300の検出および追跡技術の動作は、たとえば処理ユニット110またはセンサ120~124(たとえばカメラ120)など、システム100の1または複数の構成要素を用いて実施され得る。例300の検出および追跡技術は、図2に関して説明した検出および追跡技術と同じまたは同様であってよい。
【0058】
図3において、例300は、対象者に対応する画像データを包含する複数の境界ボックス310.1~310.4を含む。さらに、例300は、対象者の手に対応する画像データを包含する複数の境界ボックス320.1L、320.1R、320.2R、および320.4Lを含む。対象者の手が汚染物質を表面に伝搬する場合が多いため、対象者の手を検出および追跡することは、表面が感染しているかを予測する上で有利であり得る。さらに、例300は、対象者のマスクに対応する画像データを包含する複数の境界ボックス330.1、3320.2、および330.4を含む。マスクは、対象者の口および鼻から表面への汚染物質の伝搬を低減し得るため、対象者のマスクの存在を検出することは、表面が感染しているかを予測する上で有利であり得る。例300において、境界ボックスは、対象者、対象者の手、および対象者のマスクに対応する画像データを包含するように示されたが、追加または代替の物体アノテーション(たとえば境界ボックス、セマンティックセグメンテーション、インスタンスセグメンテーション、ポリゴンアノテーション、非ポリゴンアノテーション、ランドマーキング、または3Dキューボイド)が、対象者、対象者の手、対象者のマスク、対象者の頭、対象者の顔、対象者の口、対象者の鼻、対象者のエアロゾル投影などの1または複数に対応する画像データを包含するために使用され得る。
【0059】
図4は、本開示の特定の例と一致する、汚染されている可能性のある表面を画像内で識別する検出および追跡技術の動作の別の例400を示す。例400の検出および追跡技術の動作は、機械学習技術(たとえばコンピュータビジョン技術)を用いて実施され得る。例400の検出および追跡技術の動作は、たとえば処理ユニット110またはセンサ120~124(たとえばカメラ120またはマイクロフォン124)など、システム100の1または複数の構成要素を用いて実施され得る。例400の検出および追跡技術は、図2または図3に関して説明した検出および追跡技術と同じまたは同様であってよい。
【0060】
図4において、例400は、対象者による咳またはくしゃみに応答して除染のために識別された表面に対応する画像データを包含する非ポリゴンアノテーション410を含む。非ポリゴンアノテーション410は、くしゃみまたは咳からの汚染物質(たとえばエアロゾル、液滴など)の予測またはシミュレートされた拡散に基づいてよい。場合によっては、汚染物質の予測またはシミュレートされた拡散は、(たとえばカメラ120などのカメラによって提供される)画像またはビデオデータに基づいてよい。場合によっては、汚染物質の予測またはシミュレートされた拡散は、(たとえばマイクロフォン124などのマイクロフォンによって提供される)オーディオデータに基づいてよい。
【0061】
非ポリゴンアノテーション410は、汚染物質が堆積したと予測される表面を表し得る。場合によっては、非ポリゴンアノテーション410は、汚染物質が堆積したと予測される全表面エリアを表す。場合によっては、非ポリゴンアノテーション410は、閾値量を超える汚染物質が堆積したと予測される表面エリアを表す。場合によっては、非ポリゴンアノテーション410は、汚染物質が堆積した可能性が閾値を超える表面エリアを表す。場合によっては、非ポリゴンアノテーション410は、閾値を超える汚染リスクスコアが関連付けられた表面エリアを表す。非ポリゴンアノテーション410を使用するものとして示されるが、検出および追跡技術は、追加または代替として、たとえば境界ボックス、セマンティックセグメンテーション、インスタンスセグメンテーション、ポリゴンアノテーション、ランドマーキング、または3Dキューボイドなど、汚染物質が堆積したと予測される表面を表すための任意の物体検出アノテーション技術を使用してよい。
表面の能動的除菌の例
【0062】
図5および図6の各々は、それぞれ本開示の特定の例と一致する、表面の能動的除菌の例500および600を示す。例500および600の表面の能動的除菌の動作は、たとえば機械学習技術またはコンピュータビジョン技術などのコンピュータ処理技術を用いて実施され得る。例500および600の表面の能動的除菌の動作は、たとえば処理ユニット110またはセンサ120~124(たとえばカメラ120)など、システム100の1または複数の構成要素を用いて実施され得る。
【0063】
図示するように、例500および600は、空間を移動する対象者(図示のように人間)を含む。空間は、限定された空間であってよい。空間は、屋内であってよい。空間は、公共空間(たとえば例500では空港、例600では店舗など)であってよい。例500は、システム100の1または複数の要素を含み得る光源530を含む。たとえば、光源530は、ビームステアラ(たとえばビームステアラ130.1~130.N)を含んでよい。別の例では、光源530は、1または複数のLED(たとえば、UV LED132.1~132.N、可視LED134.1~134.N、赤外線LED136.1~136.N)を含んでよい。別の例では、光源530は、コンピュータシステムまたはプロセッサ(たとえば処理ユニット110)を含んでよい。別の例では、光源530は、1または複数のセンサ(たとえばセンサ120~124)を含んでよい。
【0064】
図示するように、光源530は、1または複数の表面を除菌(たとえば消毒)するために用いられる光ビームを放出してよい。光ビームは、たとえば図1に関して説明したように、紫外光(たとえばUV-A光、UV-B光、UV-C光など)であってよい。光源530は、たとえば床、壁、天井、座席、ドア、窓、家具、物体などの表面、または他の任意の人間以外または動物以外の表面に(たとえばビームステアラ130.1~130.Nなどのビームステアラを介して)光ビームを向けてよい。光源530は、(たとえば汚染リスクスコアに基づいて)表面を除菌するために表面に光ビームを向けてよい。たとえば、除菌された表面550.1および550.2は、空港内の人間が過去に接触した(たとえば上を歩いた)場所に対応してよい。図示するように、光源530は、除菌されている表面と同じ室内に対象者がいる間に光ビームを放出してよい。図示するように、光源530は、対象者から安全距離にある表面に向けて光ビームを誘導してよい。安全距離は、最小距離(たとえば1フィート、5フィート、10フィート、30フィートなど)であってよい。同様に、例600において、光ビームは、人間(または他の任意の対象者)に光を照射することなく、人間が接触した(たとえば上を歩いた、または触れた)場所に対応する表面650.1および650.2を除菌してよい。
コンピュータシステム例
【0065】
図7は、本明細書に開示されるシステム、方法、コンピュータ可読媒体、または技術(たとえば本明細書に開示される表面を除菌するためのシステムまたは方法など)を動作させるようにプログラムまたは構成されたコンピュータシステム701を示す。コンピュータシステム701は、図1の処理ユニット110と同じであるか、同様であるか、処理ユニット110の実装であるか、または処理ユニット110に含まれてよい。
【0066】
コンピュータシステム701は、本開示の様々な態様を調整し得る。コンピュータシステム701は、ユーザの電子デバイス、または電子デバイスに対して遠隔に位置するコンピュータシステムであってよい。電子デバイスは、モバイル電子デバイスであってよい。
【0067】
コンピュータシステム701は、シングルコアまたはマルチコアプロセッサ、または並列処理のための複数のプロセッサであってよい中央処理システム(CPU、本明細書において「プロセッサ」および「コンピュータプロセッサ」とも称される)を含む。コンピュータシステム701は、メモリまたはメモリ場所710(たとえばランダムアクセスメモリ、読取専用メモリ、フラッシュメモリ)、電子ストレージシステム715(たとえばハードディスク)、1または複数の他のシステムと通信するための通信インタフェース720(たとえばネットワークアダプタ)、およびたとえばキャッシュ、他のメモリ、データストレジまたは電子表示アダプタなどの周辺デバイス725も含む。メモリ710、ストレージシステム715、インタフェース720、および周辺デバイス725は、たとえばマザーボードなどの通信バス(実線)を介してCPU705と通信している。ストレージシステム715は、データを格納するためのデータストレージシステム(またはデータレポジトリ)であってよい。コンピュータシステム701は、通信インタフェース720を用いてコンピュータネットワーク(「ネットワーク」)730に動作可能に結合され得る。ネットワーク730は、インターネット、イントラネットまたはエクストラネット、またはインターネットと通信しているイントラネットまたはエクストラネットであってよい。場合によっては、ネットワーク730は、テレコミュニケーションネットワークまたはデータネットワークである。ネットワーク730は、たとえばクラウドコンピューティングなどの分散型コンピューティングを可能にし得る1または複数のコンピュータサーバを含み得る。ネットワーク730は、場合によってはコンピュータシステム701を用いて、コンピュータシステム701に結合されたデバイスがクライアントまたはサーバとして挙動することを可能にし得るピアツーピアネットワークを実装し得る。
【0068】
CPU705は、プログラムまたはソフトウェアに具体化され得る機械可読命令のシーケンスを実行してよい。命令は、たとえばメモリ710などのメモリ場所に格納され得る。命令は、CPU705に対して指示され、その後、本開示の方法を実施するようにCPU705をプログラムまたは構成してよい。CPU705によって行われる動作の例は、フェッチ、デコード、実行、およびライトバックを含み得る。
【0069】
CPU705は、たとえば集積回路などの回路の一部であってよい。システム701の1または複数の他の構成要素が回路に含まれ得る。場合によっては、回路は、特定用途向け集積回路(ASIC)である。
【0070】
ストレージシステム715は、たとえばドライバ、ライブラリ、および保存されたプログラムなどのファイルを格納してよい。ストレージシステム715は、たとえばユーザ嗜好およびユーザプログラムなどのユーザデータを格納してよい。コンピュータシステム701は、場合によっては、たとえばイントラネットやインターネットを介してコンピュータシステム701と通信しているリモートサーバ上に位置するなど、コンピュータシステム701の外部にある1または複数の追加のデータストレージシステムを含んでよい。
【0071】
コンピュータシステム701は、ネットワーク730を介して1または複数のリモートコンピュータシステムと通信してよい。たとえば、コンピュータシステム701は、ユーザのリモートコンピュータシステムと通信してよい。リモートコンピュータシステムの例は、パーソナルコンピュータ(たとえばポータブルPC)、スレートまたはタブレットPC(たとえばアップル(登録商標)のiPad(登録商標)、サムスン(登録商標)のGalaxy Tab)、電話、スマートフォン(たとえばアップル(登録商標)のiPhone(登録商標)、アンドロイド(登録商標)搭載デバイス、Blackberry(登録商標))、またはパーソナルデジタルアシスタントを含む。ユーザは、ネットワーク730を介してコンピュータシステム701にアクセスすることができる。
【0072】
本明細書に開示される方法は、たとえばメモリ710または電子ストレージシステム715など、コンピュータシステム701の電子記憶場所に格納された機械(たとえばコンピュータプロセッサ)実行可能コードによって実施され得る。機械実行可能または機械可読コードは、ソフトウェアの形態で提供され得る。使用中、コードは、プロセッサ705によって実行され得る。場合によっては、コードは、ストレージシステム715から取り出され、プロセッサ705が容易にアクセスできるようにメモリ710に格納され得る。状況によっては、電子ストレージシステム715は排除されてよく、機械実行可能命令がメモリ710に格納される。
【0073】
コードは、コードを実行するように適合されたプロセッサを有する機械とともに使用するために事前コンパイルおよび構成されてよく、あるいはランタイム中にコンパイルされ得る。コードは、コードが事前コンパイルまたは適時コンパイル形式で実行することを可能にするように選択され得るプログラミング言語で供給され得る。
【0074】
たとえばコンピュータシステム701など、本明細書で提供されるシステムおよび方法の態様は、プログラミングに具体化され得る。様々な技術態様は、典型的には一種の機械可読媒体に担持または具体化される機械(またはプロセッサ)実行可能コードまたは関連データの形態の「製品」または「製造品」と考えられ得る。機械実行可能コードは、たとえばメモリ(たとえば読取専用メモリ、ランダムアクセスメモリ、フラッシュメモリ)またはハードディスクなどの電子ストレージシステムに格納され得る。「ストレージ」型媒体は、コンピュータ、プロセッサなどの有形メモリ、またはたとえば様々な半導体メモリ、テープドライブ、ディスクドライブなどのその関連モジュールのいずれかまたは全てを含んでよく、ソフトウェアプログラミングのための非一時的なストレージをいつでも提供し得る。ソフトウェアの全てまたは一部は、インターネットまたは他の様々なテレコミュニケーションネットワークを介して通信されることがある。そのような通信は、1つのコンピュータまたはプロセッサから別のコンピュータまたはプロセッサに、たとえば管理サーバまたはホストコンピュータからアプリケーションサーバのコンピュータプラットフォームにソフトウェアをロードすることを可能にし得る。したがって、ソフトウェア要素を担持し得る別の種類の媒体は、たとえばローカルデバイス間の物理的インタフェースを介して、有線および光固定回線ネットワークを介して、および様々なエアリンクで使用されるような光、電気、および電磁波を含む。たとえば有線または無線リンク、光リンクなど、そのような波を搬送する物理的要素も、ソフトウェアを担持する媒体と考えられ得る。本明細書で使用される場合、非一時的な有形「記憶」媒体に限定されない限り、たとえばコンピュータまたは機械「可読媒体」などの用語は、実行のために命令をプロセッサに提供することに関与する任意の媒体を指す。
【0075】
したがって、たとえばコンピュータ実行可能コード(たとえばコンピュータ可読媒体)などの機械可読媒体は、有形記憶媒体、搬送波媒体、または物理的伝送媒体を含むがこれらに限定されない多数の形態をとってよい。不揮発性記憶媒体は、たとえば、図面に示されるデータベースの実装などに使用され得るような任意のコンピュータなどにおけるストレージデバイスのいずれかなどの光または磁気ディスクを含む。揮発性記憶媒体は、たとえばそのようなコンピュータプラットフォームのメインメモリなどのダイナミックメモリを含む。有形伝送媒体は、同軸ケーブル、銅線、および光ファイバを含み、コンピュータシステム内のバスを備えるワイヤが含まれる。搬送波伝送媒体は、電気信号または電磁信号、またはたとえば無線周波数(RF)および赤外線(IR)データ通信中に生成されるような音響波または光波の形態をとってよい。したがって、コンピュータ可読媒体の一般的な形態は、たとえばフロッピーディスク、フレキシブルディスク、ハードディスク、磁気テープ、他の任意の磁気媒体、CD-ROM、DVDまたはDVD-ROM、他の任意の光媒体、パンチカード紙テープ、穴のパターンを有する他の任意の物理的記憶媒体、RAM、ROM、PROMおよびEPROM、FLASH-EPROM、他の任意のメモリチップまたはカートリッジ、データまたは命令を搬送する搬送波、そのような搬送波を搬送するケーブルまたはリンク、またはコンピュータがプログラミングコードまたはデータを読み取ることができる他の任意の媒体を含む。これらの形態のコンピュータ可読媒体の多くは、1または複数の命令の1または複数のシーケンスを実行のためにプロセッサに搬送することに関与し得る。
【0076】
コンピュータシステム701は、ユーザインタフェース(UI)740を備える電子ディスプレイ735を含んでよく、またはそれと通信し得る。UIの例は、限定されないが、グラフィカルユーザインタフェース(GUI)およびウェブベースのユーザインタフェースを含む。
【0077】
本開示のシステム、方法、コンピュータ可読媒体、または技術は、1または複数のアルゴリズムによって実装され得る。アルゴリズムは、中央処理システム705によって実行されるとソフトウェアを介して実装され得る。
方法例
【0078】
図8は、本開示の特定の例と一致する、表面を除菌するための例示的な方法800を示す。方法800は、表面のセンサデータを取得すること(ブロック805)と、表面のセンサデータに少なくとも部分的に基づいて、1または複数の汚染物質が表面に堆積していると予測すること(ブロック810)と、1または複数の汚染物質が表面に堆積していると予測することに少なくとも部分的に基づいて、光ビームを表面に向けて誘導することにより、1または複数の汚染物質がある表面を除菌すること(ブロック815)とを含んでよい。方法800は、本明細書に開示されるシステム、方法、コンピュータ可読媒体、または技術の1または複数を実施してよい。
【0079】
場合によっては、方法800は、ブロック805において、表面のセンサデータを取得することから開始してよい。場合によっては、センサデータは、1または複数のセンサによって収集される。場合によっては、センサは、熱センサ、画像センサ、赤外線センサ、レーザ測距センサ、オーディオセンサ、レーダセンサ、またはそれらの組み合わせを備えてよい。場合によっては、オーディオセンサはマイクロフォンであってよい。場合によっては、画像センサはカメラであってよい。場合によっては、カメラは、赤色緑色青色(RGB)画像、YUV画像、または深度画像を生成してよい。場合によっては、表面は、複数の対象者を備える公共エリア内にある。センサデータおよびセンサは、図1に関して(たとえばセンサ120~124を参照して)図示および説明したセンサデータおよびセンサと同じまたは同様であってよい。
【0080】
場合によっては、方法800は、ブロック810において、センサデータに少なくとも部分的に基づいて1または複数の汚染物質が表面に堆積していると予測することを備えてよい。場合によっては、1または複数の汚染物質が表面に堆積していると予測することは、機械学習モデルの使用を備えてよい。場合によっては、1または複数の汚染物質が表面に堆積していると予測することは、コンピュータビジョンモデルの使用を備える。場合によっては、1または複数の汚染物質が表面に堆積していると予測することは、対象者が1または複数の汚染物質を表面に堆積させたと予測するために対象者を追跡することを備える。場合によっては、対象者を追跡することは、境界ボックスを用いて対象者を追跡することを備える。場合によっては、対象者を追跡することは、対象者の身体部分を追跡すること、または対象者のエアロゾルまたは液滴の拡散を追跡することを備える。場合によっては、身体部分は手である。場合によっては、エアロゾルまたは液滴の拡散は、咳、くしゃみ、喘鳴、吐息、発声、または人間の対象者の口や鼻からの空気の排出によって生じる。場合によっては、対象者のエアロゾルまたは液滴の拡散を追跡することは、対象者のエアロゾルまたは液滴の拡散をシミュレートすることを備える。場合によっては、1または複数の汚染物質は微生物を備える。場合によっては、微生物は病原体を備える。場合によっては、病原体は細菌またはウイルスを備える。場合によっては、表面のセンサデータに少なくとも部分的に基づいて1または複数の汚染物質が表面に堆積していると予測することは、(i)表面にスコアを割り当てること、および(ii)スコアに少なくとも部分的に基づいて除菌時間および光ビームの強度を調整することを備える。場合によっては、スコアは、疾病リスクのある少なくとも1人の対象者を備える表面の決定に少なくとも部分的に基づく。場合によっては、この決定は、少なくとも1人の対象者の体温に少なくとも部分的に基づく。表面のセンサデータに少なくとも部分的に基づいて1または複数の汚染物質が表面に堆積していると予測することは、図1に関して(たとえば処理ユニット110を参照して)説明した予測と同じまたは同様であってよい。表面のセンサデータに少なくとも部分的に基づいて1または複数の汚染物質が表面に堆積していると予測することは、図2~6で図示および説明した例500および600と同じまたは同様であってよい。
【0081】
場合によっては、方法800は、ブロック815において、1または複数の汚染物質が表面に堆積していると予測することに少なくとも部分的に基づいて、光ビームを表面に向けて誘導することにより、1または複数の汚染物質がある表面を除菌(たとえば消毒)することを備えてよい。場合によっては、ブロック815の前に、方法800は、表面の優先順位を計算することをさらに備えてよく、優先順位は、表面の汚染リスクに少なくとも部分的に基づく。場合によっては、表面の汚染リスクは、対象者の体温に少なくとも部分的に基づく。場合によっては、汚染リスクは、対象者が着用しているフェイスカバーの有無に少なくとも部分的に基づいて決定される。場合によっては、光ビームを表面に向けて誘導することは、優先順位に従って行われる。場合によっては、光ビームは紫外ビームである。場合によっては、ブロック815において光ビームを表面に向けて誘導することは、(i)表面に少なくとも部分的に基づいて制御信号を生成すること、(ii)ビームステアラに制御信号を提供し、ビームステアラを表面に向けること、および(iii)光ビームの光源を作動させることを備える。場合によっては、光ビームの波長は、200~300nmである。場合によっては、波長は、250~300nmである。場合によっては、波長は、260~270nmである。光ビームは、図1に関して(たとえばビームステアラ130.1~130.Nまたは光源132.1~136.1、・・・、132.N~136.Nを参照して)図示および説明した光ビームおよび光源と同じまたは同様であってよい。光ビームは、図5および図6に関して図示および説明した光ビームと同じまたは同様であってよい。
【0082】
図9は、本開示の特定の例と一致する、限定された場所で表面を除菌するための例示的な方法900を示す。方法900は、限定された場所において対象者を追跡し、対象者が限定された場所内の表面に1または複数の汚染物質を堆積させたと予測すること(ブロック905)と、対象者が限定された場所内の表面に1または複数の汚染物質を堆積させたと予測することに少なくとも部分的に基づいて、光ビームを表面に向けて誘導すること(ブロック910)とを含んでよい。場合によっては、方法900の1または複数の動作は、対象者または別の対象者が、限定された場所に存在する間に行われ得る。方法900は、本明細書に開示されるシステム、方法、コンピュータ可読媒体、または技術の1または複数を実施してよい。方法900は、図8の方法800において図示および説明した動作と同じまたは同様である動作を含んでよい。
追加の考慮事項
【0083】
本明細書において、本発明の様々な実施形態が示され開示されたが、当業者には、そのような実施形態が単に例示のためだけに提供されたことが明らかである。当業者は、本発明から逸脱することなく、多数の変形、変更、および代替を想起し得る。本明細書に開示される本発明の実施形態に対する様々な代案が用いられ得ることを理解すべきである。
【0084】
本明細書に記載される様々な例示的または推奨範囲は、その実施形態例に特有であって、開示される技術の幅または範囲を限定することを意図したものではなく、それぞれの実施形態または使用例に関連する周波数、振幅などの範囲の例を提供するにすぎないことに留意すべきである。
【0085】
本特許において「本明細書で使用される場合、「―」という用語は・・・を意味するものと定義される」という文章または同様の文章を用いて用語が明確に定義されない限り、明示的にも暗示的にもその用語の意味を普通または通常の意味を越えて限定することは意図されず、そのような用語は、本特許の任意のセクションでなされた任意の記述(特許請求の範囲の文言以外)に基づいて範囲を限定されると解釈すべきではないことを理解すべきである。本特許の末尾の特許請求の範囲に記載された任意の用語が、本特許において単一の意味と一致するように言及される限り、それは、読者を混乱させないために明確さのみを目的としたものであり、暗示的か否かにかかわらず、そのような特許請求の範囲の用語がその単一の意味に限定されることを意図したものではない。最後に、「手段」という言葉を記載し、構造を説明せずに機能を記載することによってクレーム要素が定義されない限り、任意のクレーム要素の範囲は、35U.S.C.112条第6段落の適用に基づいて解釈されることは意図されていない。
【0086】
本明細書を通して、複数の例は、単数の例として説明される構成要素、動作、または構造を実装してよい。1または複数の方法の個々の動作は別の動作として図示および説明されるが、個々の動作の1または複数は同時に行われてよく、動作が図示された順序で行われることは必要とされない。構成例において別の構成要素として提示される構造および機能は、組み合わせられた構造または構成要素として実装されてもよい。同様に、単一の構成要素として提示される構造および機能は、別々の構成要素として実装されてもよい。これらのおよび他の変形、修正、追加、および改善は、本明細書における主題事項の範囲に含まれる。
【0087】
また、本明細書において、特定の実施形態は、論理または多数のルーチン、サブルーチン、アプリケーション、または命令を含むものとして説明される。これらは、ソフトウェア(たとえば機械可読媒体に具体化されたコード)またはハードウェアのいずれかを構成してよい。ハードウェアにおいて、ルーチンなどは、特定の動作を行うことが可能な有形ユニットであり、特定の方法で構成または配置され得る。実施形態例において、1または複数のコンピュータシステム(たとえばスタンドアロン、クライアントまたはサーバコンピュータシステム)またはコンピュータシステムの1または複数のハードウェアモジュール(たとえばプロセッサまたはプロセッサのグループ)は、本明細書で説明される特定の動作を行うために動作するハードウェアモジュールとしてソフトウェア(たとえばアプリケーションまたはアプリケーション部分)によって構成され得る。
【0088】
様々な実施形態において、ハードウェアモジュールは、機械的または電子的に実装され得る。たとえば、ハードウェアモジュールは、特定の動作を行うように恒久的に構成された専用回路または論理(たとえばフィールドプログラマブルゲートアレイ(FPGA)または特定用途向け集積回路(ASIC)などの専用プロセッサ)を備えてよい。ハードウェアモジュールは、特定の動作を行うようにソフトウェアによって一時的に構成された(たとえば汎用プロセッサまたは他のプログラマブルプロセッサに包含されるような)プログラマブル論理または回路も備えてよい。ハードウェアモジュールを専用および恒久的に構成された回路に機械的に実装するか、一時的に構成された(たとえばソフトウェアによって構成された)回路に実装するかの決定は、コストおよび時間を検討して行われ得ることが理解される。
【0089】
したがって、ハードウェアモジュールは、有形エンティティを包含してよく、エンティティは、特定の方法で動作するように、または本明細書で説明される特定の動作を行うように物理的に構成され、恒久的に構成(たとえばハードワイヤード)され、または一時的構成(たとえばプログラム)されたものである。ハードウェアモジュールが一時的に構成(たとえばプログラム)される実施形態を考慮すると、ハードウェアモジュールの各々は、時間内のいずれか1つのインスタンスで構成またはインスタンス化される必要はない。たとえば、ハードウェアモジュールが、ソフトウェアを用いて構成された汎用プロセッサを備える場合、汎用プロセッサは、異なる時間にそれぞれの異なるハードウェアモジュールとして構成され得る。それに応じて、ソフトウェアは、ある時間インスタンスにおいて特定のハードウェアモジュールを構成し、異なる時間インスタンスにおいて異なるハードウェアモジュールを構成するようにプロセッサを構成してよい。
【0090】
ハードウェアモジュールは、他のハードウェアモジュールに情報を提供し、他のハードウェアモジュールから情報を受信することができる。したがって、説明されたハードウェアモジュールは、通信可能に結合されているとみなされ得る。そのようなハードウェアモジュールが複数同時に存在する場合、通信は、ハードウェアモジュールを接続する(たとえば適切な回路およびバスを介した)信号送信によって実現され得る。複数のハードウェアモジュールが異なる時間に構成またはインスタンス化される実施形態において、そのようなハードウェアモジュール間の通信は、たとえば複数のハードウェアモジュールがアクセス権を有するメモリ構造における情報の格納および取得によって実現され得る。たとえば、1つのハードウェアモジュールが動作を行い、その動作の出力を、通信可能に結合されたメモリデバイスに格納してよい。次に、さらなるハードウェアモジュールが後にメモリデバイスにアクセスし、格納された出力を取得および処理してよい。ハードウェアモジュールは、入力または出力デバイスとの通信を開始してもよく、リソース(たとえば情報の集合)上で動作することができる。結合または接続されていると説明される要素は、互いに直接接触している(たとえば直接物理的に接触している)か、または互いに直接接触していない(たとえば電気的に接続される、通信可能に結合されるなど)が互いに協働またはインタラクトする2つ以上の要素を指し得る。
【0091】
本明細書で説明される方法例の様々な動作は、少なくとも部分的に、関連する動作を行うように(たとえばソフトウェアによって)一時的に構成された、または恒久的に構成された1または複数のプロセッサによって行われ得る。一時的に構成されるか恒久的に構成されるかにかかわらず、そのようなプロセッサは、1または複数の動作または機能を行うために動作するプロセッサ実装モジュールを構成し得る。本明細書において言及されるモジュールは、いくつかの実施形態例において、プロセッサ実装モジュールを備えてよい。
【0092】
同様に、本明細書で説明される方法またはルーチンは、少なくとも部分的にプロセッサ実装であってよい。たとえば、方法の動作の少なくともいくつかは、1または複数のプロセッサまたはプロセッサ実装ハードウェアモジュールによって行われ得る。特定の動作の実行は、単一の機械に存在するだけではなく複数の機械にわたっても展開された1または複数のプロセッサに分散され得る。いくつかの実施形態例において、プロセッサまたは複数のプロセッサは、単一の場所に(たとえば家庭環境内、オフィス環境内に、またはサーバファームとして)位置してよく、他の実施形態において、プロセッサは、複数の場所に分散され得る。
【0093】
特定の動作の実行は、単一の機械に存在するのではなく複数の機械にわたって展開された1または複数のプロセッサに分散され得る。いくつかの実施形態例において、1または複数のプロセッサまたはプロセッサ実装モジュールは、単一の地理的位置(たとえば家庭環境内、オフィス環境内、またはサーバファーム内)に位置してよい。他の実施形態例において、1または複数のプロセッサまたはプロセッサ実装モジュールは、複数の地理的位置に分散され得る。
【0094】
本発明の好適な実施形態が本明細書において示され開示されたが、当業者には、そのような実施形態が単に例示として提供されたことが明らかである。本発明が、本明細書において提供された特定の例によって限定されることは意図されていない。本発明は、上述の明細書を参照して説明されたが、本明細書における実施形態の説明および図示は、限定的な意味で解釈されることを意図したものではない。当業者は、本発明から逸脱することなく、多数の変形、変更、および代替を想起する。さらに、本発明の全ての態様は、様々な条件および変数に依存する、本明細書に記載される特定の描写、構成、または相対的割合に限定されないことを理解すべきである。本明細書に開示される本発明の実施形態に対する様々な代替例が、本発明を実施する上で利用され得ることを理解すべきである。したがって、本発明は、任意のそのような代替、修正、変形、または均等物も包含するものであると考えられる。以下の特許請求の範囲が本発明の範囲を定義すること、および、それによってこれらの特許請求の範囲における方法および構造とそれらの均等物とが包含されることが意図されている。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
【国際調査報告】