(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-10-31
(54)【発明の名称】分注装置のためのキャリア装置
(51)【国際特許分類】
G01N 35/10 20060101AFI20241024BHJP
【FI】
G01N35/10 D
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2024526978
(86)(22)【出願日】2022-10-26
(85)【翻訳文提出日】2024-05-02
(86)【国際出願番号】 EP2022079880
(87)【国際公開番号】W WO2023078748
(87)【国際公開日】2023-05-11
(32)【優先日】2021-11-06
(33)【優先権主張国・地域又は機関】LU
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】524167810
【氏名又は名称】ディスペンディックス ゲーエムベーハー
(74)【代理人】
【識別番号】100107766
【氏名又は名称】伊東 忠重
(74)【代理人】
【識別番号】100229448
【氏名又は名称】中槇 利明
(72)【発明者】
【氏名】マザール,ウマイル
(72)【発明者】
【氏名】アッシュマン ヘーフレ,トリスタン
【テーマコード(参考)】
2G058
【Fターム(参考)】
2G058CC02
2G058CD23
2G058ED02
2G058ED20
2G058GB10
(57)【要約】
本発明は、分注装置(2)のためのキャリア装置(1)に関し、キャリア装置(1)は、デカルト座標系(10)のx,y座標格子構造(5)の格子線(4)に沿って配置された複数の孔(3)と、分注する液体が孔(3)を通って落下したかどうかを検出するための複数の検出装置(6)とを含み、検出装置(6)は、波を放射する波源ユニット(7)と、放射した波を受け取る受波ユニット(8)とを含み、少なくとも2つの検出装置(6)が線(9)に沿って配置され、検出装置(6)は、線(9)と格子構造の格子線(4)との間の角度が35°~55°の間、特に40°~50°の間、好ましくは45°になるように配置され、及び/又は、検出装置(6)は、少なくとも2つの検出装置(6)が、デカルト座標系(10)のz座標方向にオフセットして特に交互に配置されるように配置される。
【選択図】
図2a
【特許請求の範囲】
【請求項1】
分注装置(2)のためのキャリア装置(1)であって、当該キャリア装置(1)は、
デカルト座標系(10)のx,y座標格子構造(5)の格子線(4)に沿って配置された複数の孔(3)と、
分注する液体が孔(3)を通って落下したかどうかを検出するための複数の検出装置(6)と、を含み、
該検出装置(6)は、波を放射する波源ユニット(7)と、該放射した波を受け取る受波ユニット(8)とを含み、少なくとも2つの検出装置(6)が線(9)に沿って配置され、
a. 前記検出装置(6)は、前記線(9)と前記格子構造の格子線(4)との間の角度が35°~55°の間、特に40°~50°の間、好ましくは45°になるように配置され、及び/又は
b. 前記検出装置(6)は、前記少なくとも2つの検出装置(6)が、デカルト座標系(10)のz座標方向にオフセットして特に交互に配置されるように配置される、
キャリア装置(1)。
【請求項2】
少なくとも2つの更なる検出装置(6)が更なる線(11)に沿って配置され、前記線(9)及び前記更なる線(11)は互いに平行である、請求項1に記載のキャリア装置(1)。
【請求項3】
a. 少なくとも2つの孔(3)が前記線(9)に沿って配置され、及び/又は
b. 検出装置(6)が格子線(4)に沿って配置されていない、及び/又は
c. 前記検出装置(6)は、前記格子構造(5)に沿って規則的及び/又は不規則なパターンを形成している、請求項1又は2に記載のキャリア装置(1)。
【請求項4】
前記孔(3)は、当該キャリア装置(1)の格子部分(12)に配置されており、
a. 前記格子部分(12)の周縁が、前記孔(3)によって形成され、及び/又は
b. 前記格子部分(12)は長方形の形状を有する、請求項1乃至3のいずれか一項に記載のキャリア装置(1)。
【請求項5】
a. 前記波源ユニット(7)は目に見えない波を放射し、及び/又は
b. 前記波源ユニット(7)によって放射される前記波には、780nm~1000nmの間、特に850nm~950nmの間、好ましくは900nmの波長が含まれる、請求項1乃至4のいずれか一項に記載のキャリア装置(1)。
【請求項6】
前記キャリア装置(1)はプリント回路基板である、請求項1乃至5のいずれか一項に記載のキャリア装置(1)。
【請求項7】
a. 当該キャリア装置(1)は、少なくとも1つの、特にいくつかの電気部品(16)を有する電気部品部分(15)を含み、該電気部品部分(15)は、前記キャリア装置(1)の格子部分(12)に隣接して配置され、及び/又は
b. 前記格子部分(12)には、前記検出装置(6)以外の電気部品(16)が配置されていない、請求項1乃至6のいずれか一項に記載のキャリア装置(1)。
【請求項8】
当該キャリア装置(1)は、電気コネクタ(17)及び貫通孔(18a)を含み、
a. 前記電気コネクタ(17)は、前記分注装置(2)、特に該分注装置(2)の制御ユニットに接続可能であり、及び/又は
b. 前記電気コネクタ(17)は前記貫通孔(18a)内に部分的に突出している、請求項1乃至7のいずれか一項に記載のキャリア装置(1)。
【請求項9】
当該キャリア装置(1)は更なる電気コネクタ(17)を含み、
a. 前記更なる電気コネクタ(17)は、分注ヘッド(31)に対向する、別のキャリア側(21)の反対側のキャリア側(20)からアクセス可能であるように配置され、及び/又は
b. 前記更なる電気コネクタ(17)は、別の制御ユニットに接続可能である、請求項1乃至8のいずれか一項に記載のキャリア装置(1)。
【請求項10】
当該キャリア装置(1)はキャリア要素(14)を含み、該キャリア要素(14)は少なくとも1つの把持部分(22)を含み、
a. 該把持部分(22)は前記キャリア要素(14)の境界に配置され、及び/又は
b. 前記把持部分(22)は前記キャリア要素(14)の窪みに対応する、請求項1乃至9のいずれか一項に記載のキャリア装置(1)。
【請求項11】
a. 当該キャリア装置(1)は、前記キャリア要素(14)の一部を覆うためのカバー装置(28)を含み、又は
b. 当該キャリア装置(1)は、前記キャリア要素(14)を覆うためのカバー装置(28)を含み、該カバー装置(28)は、前記カバー装置(28)をキャリア要素(14)に配置するときに、前記孔(3)と同軸に配置されるいくつかの貫通孔(18)を含む、請求項11又は12に記載のキャリア装置(1)。
【請求項12】
a. 前記カバー装置(28)は、前記検出装置(6)を受け入れるための少なくとも1つの凹部(24)を含む、又は
b. 前記カバー装置(28)は少なくとも1つの凹部(24)を含み、前記カバー装置をキャリア要素(14)に配置するときに、前記検出装置(6)は前記少なくとも1つの凹部(24)に配置される、請求項1に記載のキャリア装置(1)。
【請求項13】
a. 前記凹部(24)は前記キャリア要素(14)に向けて開いており、及び/又は
b. 前記カバー装置(28)は、前記凹部(24)をウェル・キャリアユニット(30)から分離する凹部壁(25)を含む、請求項12に記載のキャリア装置(1)。
【請求項14】
前記孔(3)の数が97~1536個、特に384個の孔(3)である、請求項1乃至13のいずれか一項に記載のキャリア装置(1)。
【請求項15】
液体を分注するための分注装置(2)であって、当該分注装置(2)は、ウェル・キャリアユニット(30)を受け入れるためのソースキャリア(29)と、液体を分注するために前記ウェル・キャリアユニット(30)に圧力を加える分注ヘッド(31)と、請求項1乃至14のいずれか一項に記載のキャリア装置(1)とを含む、
分注装置(2)。
【請求項16】
前記キャリア装置(1)は、前記分注ヘッド(31)とは反対側の、前記ソースキャリア(29)の側に配置される、請求項15に記載の分注装置(2)。
【請求項17】
a. 前記キャリア装置(1)は、前記ソースキャリア(29)の凹部(24)に配置され、又は
b. 前記キャリア装置(1)は、該キャリア装置(1)が前記ソースキャリア(29)と面一に配置されるように、前記ソースキャリア(29)の凹部(24)に配置される、請求項15及び/又は16に記載の分注装置(2)。
【請求項18】
a. 前記ソースキャリア(29)は、前記ウェル・キャリアユニット(30)を受け入れるためのキャリア貫通孔(19)を含む、又は
b. 前記ソースキャリア(29)は、前記ウェル・キャリアユニット(30)を受け入れるためのキャリア貫通孔(19)を含み、前記ウェル・キャリアユニット(30)を前記キャリア貫通孔(19)に配置するときに、前記ウェル・キャリアユニット(30)は前記キャリア装置(1)と接触する、請求項15乃至17のいずれか一項に記載の分注装置(2)。
【請求項19】
a. 前記ソースキャリア(29)は移動可能に構成され、及び/又は
b. 前記分注ヘッド(31)は移動可能に構成される、請求項1乃至18のいずれか一項に記載の分注装置(2)。
【請求項20】
前記分注装置(2)は前記ウェル・キャリアユニット(30)を含み、液体を受け入れるためのウェルが、液体を挿入するための入口開口部(33)と、液体を分注するための出口開口部(34)とを含む、請求項15乃至19のいずれか一項に記載の分注装置(2)。
【請求項21】
請求項1乃至14のいずれか一項に記載のキャリア装置(1)を含む、請求項15乃至20のいずれか一項に記載の分注装置(2)のためのソースキャリア(29)であって、当該ソースキャリア(29)は、前記キャリア装置(1)の電気コネクタ(17)を受け入れるための貫通孔(18b)、特に前記キャリア装置(1)の貫通孔(18a)に対応する孔を含む、ソースキャリア(29)。
【請求項22】
孔(3)の各位置について、請求項1乃至14のいずれか一項に記載のキャリア装置(1)の少なくとも1つの孔(3)から生じる少なくとも1つの液滴を検出及び/又は計数及び/又は検証するための方法であって、当該方法は、
前記少なくとも1つの液滴が前記キャリア装置(1)の少なくとも1つの検出装置(6)を通過するときに、液滴を検出するために光強度の変化を識別するステップ、液滴の数を計数するステップ、及び/又は液滴を検証するステップを含み、信号を制御ユニットに伝達し、オプションで結果をコンピュータ可読形式で出力するステップを含む、
方法。
【請求項23】
前記キャリア装置(1)は、請求項15乃至19のいずれか一項に記載の液体を分注するための分注装置(2)に配置される、請求項22に記載の方法。
【請求項24】
当該方法は、
a. 前記少なくとも1つの液滴の脱イオン化制御の更なるステップ、及び/又は
b. 湿度制御ステップ及び/又は温度制御ステップをさらに含む、請求項22又は23に記載の方法。
【請求項25】
特にゲートウェイ接続(35)、特にIOTゲートウェイ及び/又はイーサネットゲートウェイを介したデータ共有のステップを含む、請求項22~24のいずれか一項に記載の方法。
【請求項26】
液体を分注するための分注装置、特に請求項15乃至20のいずれか一項に記載の分注装置(2)における、請求項1乃至14のいずれか一項に記載のキャリア装置(1)の使用であって、特に非接触分析、ゲノミクス及びプロテオミクス、CRISPR反応、Covid19のモニタリング又は同定、高スループットスクリーニング(HTS)プロトコル、高スループットスクリーニングのインデックス作成、ゲノムサーベイランス、合成生物学分析、及び細胞分注の少なくとも1つの使用。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、分注(dispensing:吐出)装置のためのキャリア装置に関する。さらに、本発明は、キャリア装置と、キャリア装置を含むソースキャリア(source carrier:供給源キャリア)とを含む、液体を分注するための分注装置に関する。さらに、本発明は、個々の位置毎にキャリア装置の少なくとも1つの孔から生じる少なくとも1つの液滴を検出、計数及び検証する方法、及びキャリア装置の使用に関する。
【背景技術】
【0002】
ドロップオンデマンド技術は、現代のライフサイエンス研究室における最適化した非接触液体ハンドリング及び分析タスクのニーズを満たすために、長年に亘って開発されてきた。ライフサイエンス目的の最新の診断装置は、マイクロアレイ又はマイクロプレート上の最大数千の隣接するプローブを高速で分析する必要がある。これらの分析に使用するマイクロプレートは、通常、射出成形した使い捨てのポリプロピレン又はポリスチレンで作製される。マイクロプレートは、特にウェルの体積及び数に関して、様々なデザイン及びサイズで入手できる。ウェル数の範囲は、慣習的に、96、384から1536ウェルまでである。ドロップオンデマンド技術システムは、個別に制御される圧力チャネルを使用して、少なくとも1つのウェルの底にある小さな孔から異なる体積の液滴を生成する。この技術により、液滴をターゲットプレートに吐出することができる。特にバイオ技術では、さらにサンプルサイズが小さいことがよくある。これは、高価な物質、希少物質、又はサンプルの取り扱いが危険であることが要因である可能性がある。さらに、高速自動分析と、キャリーオーバ及び相互汚染の排除も必要である。ドロップオンデマンド技術は、特に高スループットスクリーニングアッセイ(HTS)又はワークフローに関連する。HTSアッセイの高品質な設計は、HTS実験において非常に重要である。高速自動化と汚染の排除の必要性を考慮すると、高品質のHTSアッセイの開発には、品質管理のための実験的アプローチと計算的アプローチとの両方を統合する必要がある。高品質のHTSアッセイ又はワークフローで考慮すべき最も重要な態様は、(i)適切なプレート設計、(ii)効果的な陽性及び陰性の化学的/生物学的対照(controls)の選択、及び(iii)効果的な品質管理指標の開発、及びデータ品質が劣ったアッセイを特定できる分化(区別)の程度を測定するプロセスである。優れたプレート設計は、系統的エラー(特にウェルの位置に関連するエラー)を特定し、品質管理とヒット選択との両方に対する系統的エラーの影響を除去/軽減するためにどのような正規化を使用すべきかを決定するのに役立つ。陽性対照(positive control)と陰性対照(negative control)等の陰性リファレンスとの間の明確な区別は、品質の良さの指標となる。さらに、従来技術では、陽性対照と陰性リファレンスとの間の分化の程度を測定するための多くの品質評価尺度が提案されている。こうして、HTSアッセイ又はワークフローにおける信頼性の高い検出、ウェル位置同士の間の区別、液滴の検証、及び相互汚染の防止は、信頼性の高いスクリーニング結果にとって重要である。
【0003】
ドロップオンデマンド分析のための従来の方法及び機器は当技術分野で知られている。独国特許出願公開第10 2007 041 071号公報は、互いに独立して生成される少量の可変量の液体を個別に、又はキャリア上に直接塗布するか、二次汚染無しにサンプルホルダ上の自由に選択可能な位置に同時に塗布できる機器及び方法を提供することを目的としている。この目的のために、独国特許出願公開第10 2007 041 071号公報は、液体を保持するための装置、及び(液体を受け取るための装置のホルダを含む)サンプルキャリアに液体を塗布するための装置を提供しており、この機器は1つ又は複数のウェルを含み、少なくとも1つ、いくつか、又は全てのウェルの底部が少なくとも1つのボアを有しており、それぞれのボア内の毛管圧力がそれぞれの凹部内の流体圧力によって生成可能な圧力よりも大きくなるように少なくとも1つのボアが設計され、この機器は、圧力パルスを発生させる手段、少なくとも1つのサンプルキャリアのためのホルダ、液体を受け取るための装置を移動させるための少なくとも1つの移動装置、及び/又は圧力パルスを生成するための装置を移動させるための横移動手段、及び/又は少なくとも1つのサンプルキャリアの支持体を移動させるための横移動手段を含み、上記圧力パルスを発生させるための手段及びマウントが、液体を受け取るための装置のホルダの下の少なくとも1つのサンプル支持体に対して配置され、圧力パルスを発生させるための手段が、圧力パルスを発生させるための速動バルブを有する。
【0004】
上記のニーズに加えて、液滴をターゲットキャリアに分注することを実際に確認することが望ましい。
【0005】
独国特許第10 2016 215 240号は、並列マルチチャネルシステムで液滴又は液体ジェットを自動で繰り返し分注するための方法及び手段を提供することを目的としており、分注する液体の種類及び品質は自動的に継続的にチェックされ、必要に応じて希望の値に補償することが可能である。この目的を達成するために、独国特許第10 2016 215 240号は、マルチチャネルマイクロ薬注装置上に断続的に分注される液滴又は液体ジェットを光学的に制御するための装置を開示しており、この装置は、各薬注チャネルに割り当てられたマイクロ薬注装置の各薬注チャネルの少なくとも1つと、それぞれが共通のキャリア上に直接配置された光バリアユニットとを含み、それぞれが不均一なビームプロファイルを有する光源と、光源のプロファイルされた光ビームが投影されるセンサ表面を含む光センサとで構成され、プロファイルされた光ビームは、分注する液滴又は液体ジェットの伝播方向に対して横方向に進み、制御される液滴又は液体ジェットよりも幅広になる。
【0006】
既知のキャリアに配置される光キャリアユニットの欠点は、光キャリアユニットが取り付けにかなりのスペースを必要とし、96ウェルを超えるマイクロプレート体積では分解能が低下するため、その使用が96ウェルより小さいマイクロプレートに限定されることである。
【発明の概要】
【発明が解決しようする課題】
【0007】
従って、本発明の目的は、液滴の信頼性が高く迅速な検出、特に液滴検証ドロップオンデマンド用途を可能にし、既存の解決策に比べてより多様なマイクロプレートの体積及びサイズで使用できるキャリア装置を提供することであり、これにより、特に少なくとも384ウェルのマイクロプレートを使用して、高スループットスクリーニング(HTS)分析、サンプルのワークフロー、及び取り扱いが既存の解決策と比較してさらに効率的になる。
【課題を解決するための手段】
【0008】
この目的は、請求項1に記載のキャリア装置によって解決される。特に、この目的は、分注装置のためのキャリア装置によって解決され、キャリア装置は、デカルト座標系x,y座標の格子構造の格子線に沿って配置された複数の孔を含む。キャリア装置は、分注する液体が孔を通って落下したかどうかを検出するための複数の検出装置を含み、検出装置は、波を放射する波源ユニットと、放射した波を受け取る受波ユニットとを含む。少なくとも2つの検出装置が線に沿って配置され、検出装置が、線と格子構造の格子線との間の角度が35°~55°の間、特に40°~50°の間、好ましくは45°になるように配置される。加えて又は代わりに、検出装置は、少なくとも2つの検出装置がデカルト座標系のz座標方向にオフセットして特に交互に配置されるように、配置される。
【0009】
本発明によるキャリア装置のおかげで、特に外形が標準化された幾何学的形状を有するマイクロプレートアレイの容量を増大させ、既存の解決策と比較して4倍以上の供給源位置から分注することが可能であり、こうして、液滴の検出、特に検証がより効率的になる。独国特許第10 2016 215 240号に例示的な形式で記載される既存の解決策は、光バリアユニットの幾何学的形状及びその位置に基づいて検出装置に割り当てるためにキャリア上で比較的多くのスペースを必要とするため、既知の解決策はドロップオンデマンド用途について96ウェルに制限される。本発明によるキャリアは、既知の解決策と比較して、検出装置の小型化、及びキャリア装置上での検出装置のより高密度の配置を可能にする。こうして、本発明のキャリア装置は、少なくとも個別の384個の位置のうちのそれぞれの個別の位置から来る液滴の正確な検出、計数、及び検証を可能にし、それにより、高スループットスクリーニング(HTS)分析、サンプルワークフロー、及び取り扱いが、既存の解決策と比較してさらに効率的になる。
【0010】
検出装置がz座標においてオフセットして配置される実施形態では、第1の検出装置は、分注装置の分注ヘッドに対向する第1のキャリア装置表面に配置され、第2の検出装置は、液体を分注するターゲットキャリアに対向する第2のキャリア装置表面に配置される。
【0011】
検出装置は互いに交互に配置することができる。つまり、格子線に沿って第1の検出装置が第1のキャリア装置表面に配置され、格子線に沿って第1の検出装置に隣接して配置された第2の検出装置が第2のキャリア装置表面に配置される。検出装置を異なる所定のパターンで配置することも可能であり、例えば取り付けスペースの要件に合わせて構造的に容易に調整することができる。
【0012】
格子構造は、複数の、特に仮想的な格子線によって形成される。特に、格子線は、互いに平行であり、x方向に沿って延びることができる。さらに、格子線は、互いに平行であり、y方向に沿って延びることができる。格子線及び更なる格子線は、ある角度、特に90°で互いに交差することができる。
【0013】
一実施形態によれば、少なくとも2つの更なる検出装置を更なる線に沿って配置することができ、線及び更なる線は互いに平行である。キャリア装置は、例えば、線に沿って配置された少なくとも2つの孔を含むことができる。加えて又は代わりに、キャリア装置は、格子線に沿って検出装置を配置しないように構成することができる。換言すれば、格子線に沿った一連の検出装置にはギャップが存在する可能性がある。加えて又は代わりに、検出装置は、格子構造に沿って規則的及び/又は不規則なパターンを形成している。それ以降の線についても同様である。
【0014】
さらに、キャリア装置の孔は、キャリアの格子部分に配置することができ、格子部分の周縁が孔によって形成される。格子部分はオプションで長方形の形状を有することができる。加えて又は代わりに、1つ又は複数の格子線は、それぞれの格子部分に対して平行に向き合わせされる。これにより、キャリア装置上のスペースの最適な使用が可能になる。
【0015】
更なる実施形態では、波源ユニットは目に見えない波を放射する。加えて又は代わりに、波源ユニットによって放射される波には、780nm~1000nmの間、特に850nm~950nmの間、好ましくは900nmの波長が含まれる。これには、そのスペクトル範囲で液滴がさらに正確に検出されるという利点がある。さらに、近赤外光は、このスペクトル範囲での吸収が低減されるため、生物製剤の分析に理想的であることが証明されている。これは、IR光のエネルギが最も低いため、生細胞又は光に敏感な化合物に対する破壊性が最も低いという事実によるものである。
【0016】
更なる実施形態では、本発明によるキャリア装置はプリント回路基板であってもよい。これにより、比較的低コストで大量生産可能で再加工が容易で広く入手可能なプリント基板を使用しながら、キャリア装置のコンパクトなサイズ及び体積が可能になる。さらに、プリント回路基板の設計は、キャリア装置及び/又は分注装置のニーズに合わせて容易に調整することができる。さらに、プリント回路基板は、本発明によるキャリア装置を機械的に支持することもできる。
【0017】
更なる実施形態では、本発明によるキャリア装置は、少なくとも1つの、特にいくつかの電気部品を有する電気部品部分を含むことができ、電気部品部分は、キャリアの格子部分に隣接して配置される。加えて又は代わりに、検出装置以外の電気部品は格子部分に配置されない。これにより、本発明によるキャリア装置のさらにコンパクトな設計が可能になる。
【0018】
キャリア装置は、電気コネクタ及び貫通孔をさらに含むことができ、電気コネクタは、分注装置、特に分注装置の制御ユニットに接続可能である。加えて又は代わりに、電気コネクタは貫通孔内に部分的に突出している。貫通孔により、プラグとソケットの接続、例えば、ケーブル等のコネクタと分注装置の制御ユニットとの接続を容易に確立できる。
【0019】
更なる実施形態では、キャリア装置は更なる電気コネクタを含むことができ、更なる電気コネクタは、分注ヘッドに対向する、別のキャリア側とは反対側のキャリア側からアクセス可能であるように配置される。キャリア側は、液体を分注できるターゲットキャリアに対向することができる。
【0020】
加えて又は代わりに、更なる電気コネクタは、別の制御ユニットに接続可能である。これには、例えば、接続ケーブルをキャリア装置に容易に接続して、コンピュータ等の外部装置へのデータの直接転送を容易にすることができるという更なる利点がある。これにより、HTSアッセイ又はワークフローの安全で、効率的で、高速なデータ転送及びモニタリングが可能になる。従って、ユーザは、接続を確立するために制御ユニット又はプリント回路基板を取り外す必要がなく、例えば、自分のコンピュータ又は他の電子装置を制御ユニット、特にプリント回路基板の底面又は下面に容易に接続することができる。これは、デバッグとテストの目的、又はメンテナンスと更新の目的の開発者にとって特に興味深いものである。特に、全ての構成要素のサイズ及び体積が小さいことが好ましい自動化されたHTSワークフローでは、取り付けスペースを最適化して安全に使用するための電気コネクタとしてポゴピンを使用することが好ましい。
【0021】
キャリア装置はキャリア要素をさらに含むことができ、キャリア要素は少なくとも1つの把持部分を含み、把持部分はキャリアの境界に配置される。加えて又は代わりに、把持部分はキャリアの窪み(indentation)に対応する。これには、HTSアッセイ又はワークフローでの取り扱いが容易になるという利点がある。これにより、キャリア装置を搬送するためのロボットグリッパー又はロボットアーム等による、特に容易な自動化処理が可能になる。キャリア要素は、キャリア装置の電気部品を担持するように構成される。加えて又は代わりに、キャリア要素は上で議論した格子部分を有する。
【0022】
更なる実施形態では、キャリア装置は、キャリア要素の一部を覆うためのカバー装置を含む。あるいはまた、キャリア装置は、キャリア要素の一部を覆うカバー装置を含み、カバー装置は、カバー装置をキャリアに配置するときに、キャリア要素の孔と同軸に配置されるいくつかの貫通孔を含む。カバー装置は、検出装置を受け入れるための少なくとも1つの凹部を含むことができる。特に、カバー装置は少なくとも1つの凹部を含み、カバー装置をキャリア要素に配置するときに、検出装置は少なくとも1つの凹部に配置される。カバー装置は、波源ユニットを受け入れるための第1の凹部と、受波ユニットを受け入れるための第2の凹部とを含むことができる。凹部はキャリア要素に向けて開いた状態にすることができ、及び/又はカバー装置はウェル・キャリアユニットから凹部を分離する凹部壁を含むことができる。
【0023】
このようなカバー装置は、検出装置が、誤った液滴検出又は検証データにつながる可能性がある、別の検出装置から等の別の放射源の信号を受信しないのを保証することにより、検出精度をさらに向上させることができる。こうして、カバー装置は、検出装置が、検出装置を通過する液滴に対応する信号のみを報告するのを容易な方法で保証することを可能にする。従来の解決策で知られているように、もはやカバーに孔を開ける必要はない。一般に知られている解決策にあるこれらの孔により、可視スペクトルの波長を使用する場合に、ユーザは検出のための光を見ることができる。管理として、もはや人間がウェルを監視する必要はなくなった。プレート上のウェルの数が多いことが好ましいため、この視覚的な制御はかなり不正確である。さらに、既知の解決策の視覚的管理の排除には汚染のリスクがあり、カバー装置は、検出装置の隣接する孔の干渉を排除することにより全体の検出精度をさらに向上させる。カバー装置は、溶融堆積モデリング(FDM)、又は好ましくは高解像度のステレオリソグラフィ(SLA)印刷技術を使用した3D印刷装置にすることができる。
【0024】
別の実施形態では、本発明によるキャリア装置では、孔の数は、96個、特に96個を超えて1536個まで、特に384個の孔とすることができる。
【0025】
本発明の一態様によれば、本発明によるキャリア装置を含むソースキャリアが提供され、ソースキャリアは、特にキャリア装置の貫通孔に対応する及び/又は貫通孔と同軸に配置される、電気コネクタを受け入れるためのキャリア貫通孔を含む。これにより、更なる制御ユニットへの接続が容易になり、特にキャリア装置を分注装置の制御ユニットに容易に接続できるようになる。対応する貫通孔により、取り付け及び接続スペースの最適化が可能になる。これにより、本発明のキャリア装置は分注装置と連通することができる。
【0026】
本発明の一態様によれば、液体を分注するための分注装置が提供され、分注装置は、ウェル・キャリアユニットを受け入れるためのソースキャリアと、液体を分注するためにウェル・キャリアユニットに圧力を加える分注ヘッドと、本発明によるキャリア装置とを含む。分注ヘッドは、圧力インパルスを生成し、システムに分注ウェルから液滴を分注させることができる。例えば、分注ヘッドは、対応するアクチュエータを含む空気圧システムを含むことができ、この目的のためにバルブを使用することができる。有利には、各分注ウェルには、液体の並行分注のために対応するバルブを設けることができる。また、制御ユニットは各バルブを独立して調整でき、液滴の制御した分注を生成するための専用アルゴリズムを使用できる。例えば、分注プロセスの精度を高めるために、分注ウェル内の圧力を継続的に測定し、目標と実際の性能を比較してインパルス毎に各バルブの圧力及びオン時間を調整できる。液滴の生成は、90Hz~110Hzの間で行うことができ、好ましくは100Hzである。
【0027】
ウェル内に配置された液体を分注するための分注ヘッドは、ホルダ及び/又は本発明の機器及び/又は本発明のシステムに対して移動可能である。この目的のために、分注装置は、分注ヘッドを移動させるモータが設けられたデカルト座標ロボットを使用することができる。
【0028】
このような流体を分注するための分注装置は知られている。分注装置は、空気圧式又は容積式のいずれかを使用して、制御した方法で流体を分注することができる。空気圧ベースの分注装置は、空気圧縮機又は同様の装置によって出力される空気圧を使用して、ピストン又はピストン状の構成要素を押し、バレル内の流体をノズルから押し出す。一方、容積式分注装置は圧縮空気を使用しない。それら容積式分注装置は、通常、電動ステッピングモータによって生成され得る機械的な力を利用して、バレル内のピストンを押す。それら容積式分注装置は、一般的に時間の経過とともに粘度が変化する液体や、分注される液体の流量及び体積を正確に制御する場合等に最適である。
【0029】
分注装置のセットアップは、ウェル内に位置する液体サンプルを分注するために使用される分注ヘッドを含むことが一般に知られている。ウェルは、分注装置の受容手段に配置されたウェルキャリアによって担持される。ウェル・キャリアユニットは、通常、いわゆるマルチウェルプレート又は装置として形成され、マトリクス状に配置された複数のウェルを含む。液体をウェル内に挿入した後に、分注ヘッドは分注位置に移動し、そこで分注ヘッドがウェル内に圧力を加え、通常ウェル・キャリアユニットの下に配置されるターゲットキャリア内に液体が分注される。分注ヘッドは、複数のウェルからの液体を同時に分注できるように構成できる。分注ヘッドが1つ又は複数のウェルから液体を分注した後に、その分注ヘッドは、別の分注位置に移動し、そこで他のウェルから液体を分注する。
【0030】
ウェルは、底部に出口開口部を含む液体リザーバであり、その開口部を通って液体がウェルの外に分注される。ウェルは、明確に規定した圧力パルスをウェルの上部に適用する場合にのみ、液体サンプルをターゲットプレート上に保持及び放出することができる。前に述べたように、圧力パルスは分注装置の分注ヘッドによって提供される。ウェルに圧力パルスが加えられていない場合に、毛細管力によって液体サンプルがキャビティ内に保持されるため、液体サンプルは放出されない。ウェルは、ポリマー(例えば、ポリプロピレン)、金属(例えば、アルミニウム、銅)、及び/又はガラスで作製することができる。ウェルの寸法は標準化されており、既知である。
【0031】
ウェルキャリアが96個のウェル又は96個未満のウェルを有する実施形態では、ウェルは、ウェルキャリアの貫通孔内に解放可能な方法で配置され得る。つまり、ウェル及び/又はウェルキャリアを破壊することなく、ウェルとウェルキャリアとの間の接続を切断することができる。さらに、ウェルは、ツールを使用せずに貫通孔に挿入される、又は貫通孔から取り外すことができる。
【0032】
ウェルキャリアが96個を超えるウェル、特に384個のウェルを有する実施形態では、ウェルキャリアは貫通ウェルを有しており、ウェルキャリアの一端にフォイル(箔)が取り付けられる。フォイルは、ウェルキャリアの端部を形成し、開口部を有する。つまり、ウェルキャリアが384個のウェルを有するウェルキャリアである場合に、フォイルは少なくとも384個の出口開口部を有する。ウェルキャリアの他端は開いており、液体をその端部を介してウェルキャリア内に挿入することができる。以下では、明示的に言及しない限り、「ウェルキャリア」という表現の使用は、前述の2つのウェルキャリアのうちの1つを意味するものとする。
【0033】
ウェル・キャリアユニットが分注装置に配置される場合に、圧力パルスがウェルの上部に印加されると、液滴又は液体ジェットがウェル・キャリアユニットの下に配置されたターゲットキャリアに放出される。
【0034】
ウェルの出口開口部の直径は、60μm(マイクロメートル)~200μm、特に100μmにすることができる。分注する液体サンプルは、液滴又は液体ジェットとすることができ、及び/又は少なくとも10ナノリットルの体積を有することができる。ウェルに毎秒最大100パルスを印加すると、より大きな体積が得られる。ウェル毎に分注される液体の最大量はウェル体積である。ウェルの体積は80マイクロリットル~500マイクロリットルの間である。
【0035】
ウェル・キャリアユニットは、1つ又は複数のウェルを有することができる。複数のウェルを含むウェル・キャリアユニットはマルチウェルプレートとしても示される。特に、6、12、24、48、96、384、1536、及び3456個のウェルを有するウェル・キャリアユニットが知られている。本発明においては、96個、特に96個を超えて1536個まで、特に384個のウェルが好ましい。ウェルは、ウェル・キャリアユニット上、特にキャリアの貫通孔内にマトリックス構造で配置される。
【0036】
一実施形態では、キャリア装置は、分注装置の分注ヘッドとは反対側の、ソースキャリアの側に配置される。その実施形態では、ウェル・キャリアユニットは、特にキャリア装置に直接配置することができる。
【0037】
本発明による分注装置は、水溶液、DMSO(最大100%)及びグリセロール(最大50%)、オリゴ、酵素バッファ、PCRバッファ、ゲノムDNA、及びマトリゲル、BME、又はEHSマトリックスに懸濁された細胞を含む、複数の液体クラスをオンデマンドで分注することができ、これらは全て、3D細胞培養及び組織工学に適した生体分子を含む細胞基質として機能する膜状マトリックスの商品名である。
【0038】
分注装置の一実施形態では、キャリア装置はソースキャリアの凹部に配置される。あるいはまた、キャリア装置は、キャリア装置がソースキャリアと面一に配置されるように、ソースキャリアの凹部に配置される。
【0039】
分注装置の一実施形態では、ソースキャリアは、ウェル・キャリアユニットを受け入れるためのキャリア貫通孔を含む。あるいはまた、ソースキャリアは、ウェル・キャリアユニットを受け入れるためのキャリア貫通孔を含み、ウェル・キャリアユニットをキャリア貫通孔に配置するときに、ウェル・キャリアユニットはキャリア装置と接触する。
【0040】
分注装置の一実施形態では、ソースキャリアは移動可能に構成される。加えて又は代わりに、分注ヘッドは移動可能に構成される。
【0041】
分注装置の一実施形態では、分注装置は、液体を受け取るためのウェルを含むウェル・キャリアユニットを含み、ウェルは、液体を挿入するための入口開口部と、液体を分注するための出口開口部とを含む。
【0042】
本発明の別の態様では、本発明によるキャリア装置を含む、本発明の分注装置のためのソースキャリアが提供され、ソースキャリアは、特にキャリア装置の貫通孔に対応する、電気コネクタを受け入れるための貫通孔を含む。
【0043】
本発明の別の態様では、キャリア装置の少なくとも1つの孔から生じる少なくとも1つの液滴を検出及び/又は計数及び/又は検証するための方法が提供される。この方法は、キャリア装置の孔の各位置について、液滴を検出するために光強度の変化を識別するステップ、液滴の数を計数するステップ、及び/又は液滴を検証するステップを含む。この方法は、信号を制御ユニットに伝達し、オプションで結果をコンピュータ可読形式で出力する更なるステップを含む。結果は、好ましくは色分けした形式で表示できるように構成される。
【0044】
キャリア装置は、好ましくは、本発明による液体を分注するための分注装置に配置される。この方法は、ウェル内に配置された液体を分注するための分注装置を用いて分注動作を実行するステップをさらに含むことができる。本方法の更なるオプションのステップでは、宛先(送り先)トレイはXY可動性を有しており、こうして、プールステップのサンプルピッキングにおいて、ユーザによって予め定められた通りにサンプルをソースキャリアからピッキングして宛先トレイにプールできるように移動することができる。
【0045】
この方法は、少なくとも1つの液滴又は分注領域又は領域全体の脱イオン化制御のステップをさらに含むことができる。このステップは、完全なキャリア装置及びターゲットキャリアを脱イオン化するステップを含むこともできる。この方法は、オプションで、湿度制御ステップをさらに含むことができる。加えて又は代わりに、この方法は、温度制御ステップをさらに含むことができる。この方法は、特にゲートウェイ接続、特にIOTゲートウェイ又はイーサネットゲートウェイを介したデータ通信のステップをさらに含むことができる。
【0046】
本発明の更なる態様では、液体を分注するための分注装置、特に本発明による分注装置によるキャリア装置の使用であって、特に非接触分析、ゲノミクス及びプロテオミクス、CRISPR反応、Covid19のモニタリング又は同定、高スループットスクリーニング(HTS)プロトコル、高スループットスクリーニングのインデックス作成、ゲノムサーベイランス、合成生物学分析、細胞分注分析のうちの少なくとも1つの使用。
【図面の簡単な説明】
【0047】
図面では、本発明の主題が概略的に示されており、同一及び/又は同様に作用する要素には通常同じ参照符号が与えられる。
【
図2a】本発明の一実施形態によるキャリア装置の斜視図である。
【
図3】本発明の別の実施形態によるキャリア装置のためのキャリアの側断面図である。
【
図6】キャリア装置が取り付けられたソースキャリアの一部の断面図である。
【
図7】
図5に示したソースキャリアの斜視図である。
【
図9】一例による、少なくとも1つの液滴の検出、計数、及び検証のための方法のフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0048】
図1は、分注ヘッド31を含む分注装置2の概略図を示す。分注装置2は、ソースキャリア29のキャリア貫通孔19に配置されたウェル・キャリアユニット30のウェル内に位置する液体を分注するように構成される。分注装置2は分注ヘッド31を含む。分注ヘッド31は、ウェル(図示せず)内にある液体を分注するように構成される。さらに、分注ヘッド31は、空気圧システム(図示せず)を含んでおり、このシステムによって、ウェル・キャリアユニット30の少なくとも1つのウェル又はいくつかのウェル(図示せず)に圧力インパルスを与えて、液体を、それぞれのウェルの出口開口部(図示せず)からソースキャリア29の下に配置されたターゲットキャリア(図示せず)内に滴下させることができる。
【0049】
また、分注装置2はソースキャリア29を含み、このソースキャリア29に、ウェル・キャリアユニット30が取り外し可能に取り付けられ、分注ヘッド31はモータシステム(図示せず)によってソースキャリア29に対して移動可能である。特に、分注ヘッド31は、異なるウェルの液体を順番に分注できるように、ウェル・キャリアユニット30に対して移動することができる。
【0050】
分注ヘッド31内の構成要素の過熱を避けるために、少なくとも1つの冷却ファン(図示せず)が分注ヘッド31のハウジング37内に配置される。有利には、ハウジング37の側面には格子38が設けられる。
【0051】
図2aは、本発明の一実施形態によるキャリア装置1の斜視図を示し、
図2bは、キャリア装置1の格子部分12の拡大部分を示す。キャリア装置1は、
図1に示されるソーストレイ29に取り付けられる。特に、キャリア装置1は、分注ヘッド31から遠いソーストレイ29の側でソーストレイ29に取り付けられる。
【0052】
分注装置2のためのキャリア装置1は、デカルト座標系10のx,y座標格子構造5の格子線4に沿って配置された複数の孔3を含む。キャリア装置1は、分注する液体がキャリア装置1の孔3を通って落下したかどうかを検出するための複数の検出装置6をさらに含む。検出装置6は、波を放射する波源ユニット7と、放射した波を受け取る受波ユニット8とを含む。こうして、検出装置6は、波バリア、特に光バリアとして機能し、孔3を通過する液滴を検出する。孔3及び検出装置6は、キャリア装置1の格子部分12に配置される。格子部分12は、
図2aでは点線で示される。
【0053】
図2bから示されるように、格子構造5は、x方向に沿って延びる複数の格子線4と、y方向に沿って延びる複数の格子線4とによって形成される。x方向に沿って延びる格子線は互いに平行であり、y方向に延びる格子線は互いに平行である。x方向及びy方向に沿って延びる格子線は、互いに90°以下で交差する。
【0054】
キャリア装置1は、線9に沿って配置された少なくとも2つの検出装置6を含む。これは、検出装置の部分、すなわち波源ユニット7及び受波ユニット8が線9上に配置されることを意味する。さらに、それぞれの検出装置によって検出される孔3も、線9上に配置される。
図2bに示されるように、検出装置6は、線9と格子構造5の格子線4との間の角度が35°~55°の間、特に40°~50°の間、好ましくは45°になるように配置される。線9と格子線4との間の角度は、x方向に延びる格子線4又はy方向に延びる格子線に対応することができる。
【0055】
図2bから明らかなように、キャリア装置1は、更なる線11上に配置された更なる検出装置6を含むことができる。更なる線11は、線9に平行である。
【0056】
加えて又は代わりに、
図3に示されるように、検出装置6は、少なくとも2つの検出装置6がデカルト座標系10のz座標方向にオフセットして特に交互に配置されるように、配置することができる。
図3は、本発明の別の実施形態によるキャリア装置1の一部の斜視図を示す。この実施形態では、格子線4に沿って隣接して配置される検出装置6は、異なるキャリア装置側に配置される。
図3では、x方向に沿って延びる格子線4が示されている。しかしながら、加えて又は代わりに、検出装置6は、格子線4がy方向に沿って延びる場合に、異なるキャリア装置側に交互に配置することもできる。
【0057】
図2aのキャリア装置1はプリント回路基板である。キャリア装置1のキャリア要素14は、プリント回路基板の能動部品、受動部品、又は電気機械部品等のプリント回路基板の電気部品16を含む電気部品部分15を担持し、さらに貫通孔18a及び把持部分22を含む。把持部分22によって、特に自動搬送のためのロボットアームを用いて、HTSワークフローにおける自動ハンドリング(取り扱い)が可能になる。
図2aに示されるキャリア装置は、好ましくは384個の孔3を有する。孔3の数は、96個、又は96個を超えて1536個の間、特に384個の孔3とすることができる。
【0058】
更なる電気コネクタ17は、分注装置2の分注ヘッド31に面する別のキャリア側21の反対側のキャリア側20(
図4を参照)からアクセス可能であるように、キャリア装置1上に配置される。加えて又は代わりに、更なる電気コネクタ17は、図示していない別の制御ユニットに接続可能である。ユーザは、例えば、プラグとソケットの接続を確立するために制御ユニット又はプリント回路基板を取り外す必要がなく、コンピュータ又は他の電子装置を制御ユニットの底面又は下側、特にプリント回路基板に容易に接続できる。電気コネクタ17は、例えばポゴピンとすることができる。これには、電気コネクタがキャリア装置1の表面から突出しないという利点がある。
【0059】
図4は、
図2aによる実施形態のキャリア装置1の背面図を示す。プリント回路基板、特にキャリア要素14は、貫通孔18a及び把持部分22を含む。これにより、更なる制御ユニットへの容易な接続、特にキャリア装置を分注装置2の制御ユニットに容易に接続することが可能になる。対応する貫通孔18により、キャリア装置1が分注装置2と連通できるようにする接続の取り付け及び接続スペースが最適化される。
【0060】
図5は、キャリア装置1のカバー装置28の下側の図を示す。カバー装置28は、検出装置6を受け入れるためのいくつかの凹部24を含む。特に、波源ユニット7及び受波ユニット8は、それぞれ凹部に配置される。
図5から明らかなように、凹部24は、波源ユニット7から放射した波が孔を通過して受波ユニット8で受け取られるように、孔と接続されるように形成される。
【0061】
図6から明らかなように、カバー装置28は、カバー装置8に取り付けられたウェル・キャリアユニット30から凹部24を分離する凹部壁25をその上側に含む。特に、ウェル・キャリアユニット30は、カバー装置28の上側に配置される。
【0062】
図6は、キャリア装置1が取り付けられるソースキャリア29の一部の断面図を示す。特に、キャリア装置1は、
図1に示される分注ヘッド31とは反対側のソースキャリア29の側に取り付けられる。キャリア装置1は、ソースキャリア28の更なる凹部13に配置される。更なる凹部13は、キャリア装置1を更なる凹部13に配置するときに、キャリア装置1がソースキャリア29と面一になるように構成される。キャリア装置1は、
図1、2、及び4に示される実施形態、又は
図3に示される実施形態であり得る。
【0063】
カバー装置28は、キャリア装置1に配置される。特に、カバー装置28は、ソースキャリア29のキャリア貫通孔19に配置される。カバー装置28は、検出装置6を含むカバー装置28の少なくとも一部を覆う。さらに、カバー装置28は、キャリア装置1の孔3と同軸に配置されるように配置されたいくつかの貫通孔を含む。さらに、孔は、ウェル・キャリアユニット30が、キャリア貫通孔19に挿入され、こうしてキャリア装置1のカバー装置28に配置されるときに、ウェル出口開口部と同軸に配置される。
【0064】
図7は、
図6に示される実施形態のソースキャリア29の斜視図を示す。キャリア装置1はソースキャリア29に取り付けられ、カバー装置28はキャリア装置1に配置され、及び/又は貫通孔19に配置される。
図8は、
図6によるソースキャリア29の背面図を示す。ソースキャリア29の貫通孔18bは、キャリア装置1の貫通孔18aと同軸に配置される。
【0065】
図9は、一例による、検出、計数、及び/又は検証のための方法のフローチャートを示す。
【0066】
孔3の位置毎に、キャリア装置1の少なくとも1つの孔3から生じる少なくとも1つの液滴を検出、計数及び/又は検証するための方法100は、液滴を検出するために光強度の変化を識別するステップS101、液滴の数を計数するステップS102、及び液滴を検証するステップS103を含む。この方法は、制御ユニットに信号を伝達するステップS104をさらに含む。さらに、この方法は、結果をコンピュータ可読形式で出力するステップS105(図示せず)を含むことができる。
【0067】
この方法は、湿度制御ステップ及び/又は温度制御ステップをさらに含むことができる。加えて又は代わりに、この方法は、特にゲートウェイ接続35、特にIOTゲートウェイ又はイーサネットゲートウェイを介したデータ通信のステップをさらに含むことができる。イーサネットゲートウェイは、好ましくはケーブル等のコネクタを介して外部コンピュータ等の更なる制御ユニットに接続されるイーサネットポートである。ケーブルは、ソースキャリア29及びキャリア装置1の貫通孔18a,bを介してイーサネットポートに容易に接続できる。こうして、貫通孔18a,bにより、特にソースキャリアを分解することなく、コンピュータ等の追加の電子装置等の更なる制御ユニットとの容易な接続が可能になる。これにより、HTSワークフロー中のデータ通信が非常に効率的で時間を節約できるようになる。
【符号の説明】
【0068】
1 キャリア装置
2 分注装置
3 孔
4 格子線
5 格子構造
6 検出装置
7 波源ユニット
8 受波ユニット
9 線
10 デカルト座標系
11 更なる線
12 格子部分
13 更なる凹部
14 キャリア要素
15 電気部品部分
16 電気部品
17 電気コネクタ
18a 貫通孔
18b 貫通孔
19 キャリア貫通孔
20 キャリア側
21 別のキャリア側
22 把持部分
24 凹部
25 凹部壁
28 カバー装置
29 ソースキャリア
30 ウェル・キャリアユニット
31 分注ヘッド
37 ハウジング
38 格子
100 方法
S101 方法のステップ
S102 方法のステップ
S103 方法のステップ
S104 方法のステップ
S105 方法のステップ
【手続補正書】
【提出日】2024-05-13
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
分注装置(2)のためのキャリア装置(1)であって、当該キャリア装置(1)は、
デカルト座標系(10)のx,y座標格子構造(5)の格子線(4)に沿って配置された複数の孔(3)と、
分注する液体が孔(3)を通って落下したかどうかを検出するための複数の検出装置(6)と、を含み、
該検出装置(6)は、波を放射する波源ユニット(7)と、該放射した波を受け取る受波ユニット(8)とを含み、少なくとも2つの検出装置(6)が線(9)に沿って配置され、
a. 前記検出装置(6)は、前記線(9)と前記格子構造の格子線(4)との間の角度が35°~55°の間、特に40°~50°の間、好ましくは45°になるように配置され、及び/又は
b. 前記検出装置(6)は、前記少なくとも2つの検出装置(6)が、デカルト座標系(10)のz座標方向にオフセットして特に交互に配置されるように配置される、
キャリア装置(1)。
【請求項2】
少なくとも2つの更なる検出装置(6)が更なる線(11)に沿って配置され、前記線(9)及び前記更なる線(11)は互いに平行である、請求項1に記載のキャリア装置(1)。
【請求項3】
a. 少なくとも2つの孔(3)が前記線(9)に沿って配置され、及び/又は
b. 検出装置(6)が格子線(4)に沿って配置されていない、及び/又は
c. 前記検出装置(6)は、前記格子構造(5)に沿って規則的及び/又は不規則なパターンを形成している、請求項
1に記載のキャリア装置(1)。
【請求項4】
前記孔(3)は、当該キャリア装置(1)の格子部分(12)に配置されており、
a. 前記格子部分(12)の周縁が、前記孔(3)によって形成され、及び/又は
b. 前記格子部分(12)は長方形の形状を有する、請求項
1に記載のキャリア装置(1)。
【請求項5】
a. 前記波源ユニット(7)は目に見えない波を放射し、及び/又は
b. 前記波源ユニット(7)によって放射される前記波には、780nm~1000nmの間、特に850nm~950nmの間、好ましくは900nmの波長が含まれる、請求項
1に記載のキャリア装置(1)。
【請求項6】
前記キャリア装置(1)はプリント回路基板である、請求項
1に記載のキャリア装置(1)。
【請求項7】
a. 当該キャリア装置(1)は、少なくとも1つの、特にいくつかの電気部品(16)を有する電気部品部分(15)を含み、該電気部品部分(15)は、前記キャリア装置(1)の格子部分(12)に隣接して配置され、及び/又は
b. 前記格子部分(12)には、前記検出装置(6)以外の電気部品(16)が配置されていない、請求項
1に記載のキャリア装置(1)。
【請求項8】
当該キャリア装置(1)は、電気コネクタ(17)及び貫通孔(18a)を含み、
a. 前記電気コネクタ(17)は、前記分注装置(2)、特に該分注装置(2)の制御ユニットに接続可能であり、及び/又は
b. 前記電気コネクタ(17)は前記貫通孔(18a)内に部分的に突出している、請求項
1に記載のキャリア装置(1)。
【請求項9】
当該キャリア装置(1)は更なる電気コネクタ(17)を含み、
a. 前記更なる電気コネクタ(17)は、分注ヘッド(31)に対向する、別のキャリア側(21)の反対側のキャリア側(20)からアクセス可能であるように配置され、及び/又は
b. 前記更なる電気コネクタ(17)は、別の制御ユニットに接続可能である、請求項
1に記載のキャリア装置(1)。
【請求項10】
当該キャリア装置(1)はキャリア要素(14)を含み、該キャリア要素(14)は少なくとも1つの把持部分(22)を含み、
a. 該把持部分(22)は前記キャリア要素(14)の境界に配置され、及び/又は
b. 前記把持部分(22)は前記キャリア要素(14)の窪みに対応する、請求項
1に記載のキャリア装置(1)。
【請求項11】
a. 当該キャリア装置(1)は、前記キャリア要素(14)の一部を覆うためのカバー装置(28)を含み、又は
b. 当該キャリア装置(1)は、前記キャリア要素(14)を覆うためのカバー装置(28)を含み、該カバー装置(28)は、前記カバー装置(28)をキャリア要素(14)に配置するときに、前記孔(3)と同軸に配置されるいくつかの貫通孔(18)を含む、請求項
10に記載のキャリア装置(1)。
【請求項12】
a. 前記カバー装置(28)は、前記検出装置(6)を受け入れるための少なくとも1つの凹部(24)を含む、又は
b. 前記カバー装置(28)は少なくとも1つの凹部(24)を含み、前記カバー装置をキャリア要素(14)に配置するときに、前記検出装置(6)は前記少なくとも1つの凹部(24)に配置される、請求項
11に記載のキャリア装置(1)。
【請求項13】
a. 前記凹部(24)は前記キャリア要素(14)に向けて開いており、及び/又は
b. 前記カバー装置(28)は、前記凹部(24)をウェル・キャリアユニット(30)から分離する凹部壁(25)を含む、請求項12に記載のキャリア装置(1)。
【請求項14】
前記孔(3)の数が97~1536個、特に384個の孔(3)である、請求項
1に記載のキャリア装置(1)。
【請求項15】
液体を分注するための分注装置(2)であって、当該分注装置(2)は、ウェル・キャリアユニット(30)を受け入れるためのソースキャリア(29)と、液体を分注するために前記ウェル・キャリアユニット(30)に圧力を加える分注ヘッド(31)と、請求項
1に記載のキャリア装置(1)とを含む、
分注装置(2)。
【請求項16】
前記キャリア装置(1)は、前記分注ヘッド(31)とは反対側の、前記ソースキャリア(29)の側に配置される、請求項15に記載の分注装置(2)。
【請求項17】
a. 前記キャリア装置(1)は、前記ソースキャリア(29)の凹部(24)に配置され、又は
b. 前記キャリア装置(1)は、該キャリア装置(1)が前記ソースキャリア(29)と面一に配置されるように、前記ソースキャリア(29)の凹部(24)に配置される、請求項15に記載の分注装置(2)。
【請求項18】
a. 前記ソースキャリア(29)は、前記ウェル・キャリアユニット(30)を受け入れるためのキャリア貫通孔(19)を含む、又は
b. 前記ソースキャリア(29)は、前記ウェル・キャリアユニット(30)を受け入れるためのキャリア貫通孔(19)を含み、前記ウェル・キャリアユニット(30)を前記キャリア貫通孔(19)に配置するときに、前記ウェル・キャリアユニット(30)は前記キャリア装置(1)と接触する、請求項1
5に記載の分注装置(2)。
【請求項19】
a. 前記ソースキャリア(29)は移動可能に構成され、及び/又は
b. 前記分注ヘッド(31)は移動可能に構成される、請求項
15に記載の分注装置(2)。
【請求項20】
前記分注装置(2)は前記ウェル・キャリアユニット(30)を含み、液体を受け入れるためのウェルが、液体を挿入するための入口開口部(33)と、液体を分注するための出口開口部(34)とを含む、請求項1
5に記載の分注装置(2)。
【請求項21】
請求項1乃至14のいずれか一項に記載のキャリア装置(1)を含む、請求項15乃至20のいずれか一項に記載の分注装置(2)のためのソースキャリア(29)であって、当該ソースキャリア(29)は、前記キャリア装置(1)の電気コネクタ(17)を受け入れるための貫通孔(18b)、特に前記キャリア装置(1)の貫通孔(18a)に対応する孔を含む、ソースキャリア(29)。
【請求項22】
孔(3)の各位置について、請求項
1に記載のキャリア装置(1)の少なくとも1つの孔(3)から生じる少なくとも1つの液滴を検出及び/又は計数及び/又は検証するための方法であって、当該方法は、
前記少なくとも1つの液滴が前記キャリア装置(1)の少なくとも1つの検出装置(6)を通過するときに、液滴を検出するために光強度の変化を識別するステップ、液滴の数を計数するステップ、及び/又は液滴を検証するステップを含み、信号を制御ユニットに伝達し、オプションで結果をコンピュータ可読形式で出力するステップを含む、
方法。
【請求項23】
前記キャリア装置(1)は、
液体を分注するための請求項15乃至19のいずれか一項に記載
の分注装置(2)に配置される、請求項22に記載の方法。
【請求項24】
当該方法は、
a. 前記少なくとも1つの液滴の脱イオン化制御の更なるステップ、及び/又は
b. 湿度制御ステップ及び/又は温度制御ステップをさらに含む、請求項2
2に記載の方法。
【請求項25】
特にゲートウェイ接続(35)、特にIOTゲートウェイ及び/又はイーサネットゲートウェイを介したデータ共有のステップを含む、請求項2
2に記載の方法。
【請求項26】
液体を分注するための分注装置、特に請求項15乃至20のいずれか一項に記載の分注装置(2)における、請求項1乃至14のいずれか一項に記載のキャリア装置(1)の使用であって、特に非接触分析、ゲノミクス及びプロテオミクス、CRISPR反応、Covid19のモニタリング又は同定、高スループットスクリーニング(HTS)プロトコル、高スループットスクリーニングのインデックス作成、ゲノムサーベイランス、合成生物学分析、及び細胞分注の少なくとも1つの使用。
【国際調査報告】