(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-10-31
(54)【発明の名称】生体計測取り込みシステム、及び関連の方法
(51)【国際特許分類】
A61B 5/1171 20160101AFI20241024BHJP
【FI】
A61B5/1171 200
A61B5/1171 300
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2024527070
(86)(22)【出願日】2022-10-21
(85)【翻訳文提出日】2024-06-06
(86)【国際出願番号】 PT2022050027
(87)【国際公開番号】W WO2023080802
(87)【国際公開日】2023-05-11
(32)【優先日】2021-11-04
(33)【優先権主張国・地域又は機関】PT
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】524168574
【氏名又は名称】ビジョン ボックス-ソルソエス デ ヴィサオ ポル コンピュタドール,エス.エー.
(74)【代理人】
【識別番号】100091683
【氏名又は名称】▲吉▼川 俊雄
(74)【代理人】
【識別番号】100179316
【氏名又は名称】市川 寛奈
(72)【発明者】
【氏名】ライトマン,ミゲル ギリェルメ
【テーマコード(参考)】
4C038
【Fターム(参考)】
4C038VA07
4C038VB03
4C038VB04
4C038VC05
(57)【要約】
本発明は、個人の登録、照合、または識別のための、生体計測取り込みシステムに関係し、それは、スクリーン(1)と、垂直誘導デバイス(3)に沿って移動するよう構成された画像取り込みモジュール(2)と、スクリーン(1)の上縁部と垂直誘導デバイス(3)の基部との間に配設された境界面(5)と、を備える。デジタル視覚要素(4)は、スクリーン(1)に表示される。視覚要素(6)は、画像取り込みモジュール(2)に表示される。生体計測取り込みシステムは、人の焦点を維持するために、デジタル視覚要素(4)と視覚要素(6)との間で、境界面(5)を通して同期的に移行を実施するよう構成される。本発明は、非自然的で知られていない生体計測取り込みプロセス中に人の挙動を自然に取り扱い、使用者との対話処理をより容易かつ迅速にする解決策を提供する。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
個人の登録、照合、または識別のための生体計測取り込みシステムであって、
処理ユニット、
前記処理ユニットに接続され、個人の生体計測取り込みのための作業手順を開始するよう構成された、スクリーン(1)、
生体計測データを感知して入力するために、前記処理ユニットに接続された、生体計測カメラ、
前記生体計測カメラから入力された生体計測データを取り込むための、画像取り込みモジュール(2)であって、生体計測データを感知して入力するための前記生体計測カメラが含まれて、前記処理ユニットに接続される、画像取り込みモジュール(2)、ならびに
基部及び垂直軌道を備えた、垂直誘導デバイス(3)であって、前記垂直誘導デバイス(3)の前記垂直軌道は、前記画像取り込みモジュール(2)に接続され、前記画像取り込みモジュール(2)は、前記垂直軌道に沿って垂直に動くよう構成された、垂直誘導デバイス(3)、
を備え、
前記スクリーン(1)の上縁部と、前記垂直誘導デバイス(3)の基部との間に配設された、境界面(5)、
をさらに備え、
デジタル視覚要素(4)は前記スクリーン(1)に表示され、
視覚要素(6)は前記画像取り込みモジュール(2)に表示され、
前記生体計測取り込みシステムは、前記デジタル視覚要素(4)と前記視覚要素(6)との間において、人の焦点を維持するために、境界面(5)を通して同期的な移行を実施するよう構成され、
ここで前記生体計測取り込みシステムは、
人の焦点を維持するよう、前記スクリーン(1)において前記デジタル視覚要素(4)を表示するために、前記処理ユニットが第1の指示を送信するよう構成されること、
前記デジタル視覚要素(4)を、前記スクリーン(1)の上縁部まで動かすために、前記処理ユニットが第2の指示を送信するよう構成されること、
前記画像取り込みモジュール(2)を、前記垂直誘導デバイス(3)の前記基部から前記境界面(5)まで動かすために、前記処理ユニットが第3の指示を送信するよう構成され、ここで前記画像取り込みモジュール(2)が、人の焦点を維持するために、前記境界面(5)かつ前記デジタル視覚要素(4)の隣に設置されたとき、前記視覚要素(6)を表示するようさらに構成されること、
前記画像取り込みモジュール(2)を、前記垂直誘導デバイス(3)に沿って上方へ動かし、同期的に前記デジタル視覚要素(4)をオフにするために、前記処理ユニットが第4の指示を送信するよう構成され、ここで前記画像取り込みモジュール(2)がその位置を、個人の身長に関する生体計測データを取り込み、その一方で視覚要素(6)が人の焦点を維持するために、前記垂直誘導デバイス(3)上で調整するようさらに構成されること、
生体計測データ取り込みが終了した後で、前記垂直誘導デバイス(3)に沿って下方へ、前記境界面(5)まで前記画像取り込みモジュール(2)を動かし、前記画像取り込みモジュール(2)が前記境界面(5)に達したとき、人の焦点を維持するために、前記スクリーン(1)の上縁部において、同調的に前記デジタル視覚要素(4)をオンにするために、前記処理ユニットが第5の指示を送信するよう構成されること、ならびに
人の焦点を維持するために、前記デジタル視覚要素(4)を前記スクリーン(1)の上縁部から離すよう動かし、かつ同期的に前記視覚要素(6)をオフにするために、前記処理ユニットが第6の指示を送信するよう構成されること、
を特徴とする、個人の登録、照合、または識別のための生体計測取り込みシステム。
【請求項2】
前記スクリーン(1)はタッチスクリーンである、請求項1に記載の、個人の登録、照合、または識別のための生体計測取り込みシステム。
【請求項3】
前記生体計測データは、登録、照合、または識別のための、顔の特徴的形状または虹彩スキャンから成るグループから選択された1つまたは複数である、請求項1または2に記載の、個人の登録、照合、または識別のための生体計測取り込みシステム。
【請求項4】
前記デジタル視覚要素(4)は、デジタル画像またはマルチメディアのアイコンから成るグループから選択された1つまたは複数である、請求項1~3の内いずれか一項に記載の、個人の登録、照合、または識別のための生体計測取り込みシステム。
【請求項5】
前記スクリーン(1)は、前記垂直誘導デバイス(3)の軸に対して斜めの角度で配設される、請求項1~4の内いずれか一項に記載の、個人の登録、照合、または識別のための生体計測取り込みシステム。
【請求項6】
少なくとも1つの入力デバイスまたはプリンタユニットは、前記処理ユニットに接続され、前記入力デバイスは、使用者がアルファベット文字を入力するよう構成されたキーボード、光学読み取りコードを読み取るよう構成されたコードリーダーデバイス、及び個人の身分証明書リーダー、から成るグループから選択され、前記プリンタユニットは書類を具現化する、請求項1~5の内いずれか一項に記載の、個人の登録、照合、または識別のための生体計測取り込みシステム。
【請求項7】
請求項1~6の内いずれか一項に記載の生体計測取り込みシステムを使用した、個人の照合、識別、または登録のための方法であって、
a)個人の生体計測取り込みの作業手順を開始するために、スクリーン(1)を提供するステップ、
b)人の焦点を維持するよう、前記スクリーン(1)にデジタル視覚要素(4)を表示するために、処理ユニットが第1の指示を送信するステップ、
c)前記デジタル視覚要素(4)を前記スクリーン(1)の上縁部まで動かすために、前記処理ユニットが第2の指示を送信するステップ、
d)画像取り込みモジュール(2)を、垂直誘導デバイス(3)の基部から境界面(5)まで動かすために、前記処理ユニットが第3の指示を送信するステップであって、前記境界面(5)は、前記スクリーン(1)の上縁部と前記垂直誘導デバイス(3)の基部との間に配設され、前記画像取り込みモジュール(2)が、人の焦点を維持するために、前記境界面(5)かつ前記デジタル視覚要素(4)の隣に設置されたとき、前記画像取り込みモジュール(2)は、視覚要素(6)を表示するようさらに構成された、前記処理ユニットが第3の指示を送信するステップ、
e)前記画像取り込みモジュール(2)を、前記垂直誘導デバイス(3)に沿って上方へ動かし、同期的にデジタル前記視覚要素(4)をオフにするために、前記処理ユニットが第4の指示を送信するステップであって、前記画像取り込みモジュール(2)はその位置を、個人の身長に関する生体計測データを取り込むために、前記垂直誘導デバイス(3)上で調整するようさらに構成され、その一方で前記視覚要素(6)は人の焦点を維持する、前記処理ユニットが第4の指示を送信するステップ、
f)前記画像取り込みモジュール(2)が、生体計測センサから入力された生体計測データを取り込むステップ、
g)生体計測データ取り込みが終了した後で、前記垂直誘導デバイス(3)に沿って下方へ、前記境界面(5)まで前記画像取り込みモジュール(2)を動かし、前記画像取り込みモジュール(2)が前記境界面(5)に達したとき、人の焦点を維持するよう、前記スクリーン(1)の上縁部において、同調的に前記デジタル視覚要素(4)をオンにするために、前記処理ユニットが第5の指示を送信するステップ、
h)人の焦点を維持するために、前記デジタル視覚要素(4)を前記スクリーン(1)の上縁部から離すよう動かし、かつ同期的に前記視覚要素(6)をオフにするために、前記処理ユニットが第6の指示を送信するステップ、
を含むことを特徴とする、個人の照合、識別、または登録のための方法。
【請求項8】
生体計測データは、顔の特徴的形状または虹彩スキャンから成るグループから選択された1つまたは複数である、請求項7に記載の、個人の照合、識別、または登録のための方法。
【請求項9】
前記デジタル視覚要素(4)は、デジタル画像またはマルチメディアのアイコンから成るグループから選択された1つまたは複数である、請求項8または9に記載の、個人の照合、識別、または登録のための方法。
【請求項10】
少なくとも1つの周辺ユニットは、前記処理ユニットに接続され、前記周辺ユニットは、身分証明書リーダー、接触式カードリーダー、非接触式カードリーダー、バーコードスキャナ、指紋スキャナ、署名パッド、アクセス可能キーパッド、及びプリンタユニット、から成るグループから選択される、請求項8~10の内いずれか一項に記載の、個人の照合、識別、または登録のための方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、生体計測データに基づいて個人の識別を自動制御するための、生体計測取り込みシステムに関する。
【0002】
本発明は、出入国管理、旅行中の旅客の処理、または身分証明書の発行など、登録、照合、または識別のための生体計測取り込みが必要とされる、任意の状況に対して適用可能である。
【背景技術】
【0003】
背景技術で公知である、生体計測取り込みプロセス及び関連のシステムは、人にとって非自然的なプロセス及びデバイスであり、使用者は、使用中にデバイスを如何にして適切に使用するかを学習する必要があり、そのプロセスを、押しつけがましくて時間がかかるものにする。例えば、出入国管理施設における、特定のデバイスを如何にして使用するかについての精通の欠如は、旅客から適切に生体計測データを取り込むために、より長い処理時間をもたらし得る。先行技術の非自然的なシステムは、旅客の長い列をもたらすか、または出入国管理施設を増加させる前に、対話処理中の人に対して許容できる流れを維持するために、並行して作業するために設定される機械への投資を増加させる原因となる。
【0004】
生体計測取り込みためのシステム及びデバイスは、単純なカメラから、高品質のカメラセンサを伴う複合的なタッチポイントまで向上されており、カメラの高さ及び光状態の調整を可能にし、完璧な取り込みを実現している。しかし、これら先行技術におけるデバイスのほとんどは、使用者との、かなりの対話処理を必要とする。使用者は通常、機械の前に立ち、処理における彼または彼女の役割が何か、すなわち彼または彼女がいつ及びどこで、取り込まれるためにカメラに向くべきか、を理解するよう努める。先行技術のデバイスは、明確な命令を使用者に送り、使用者がカメラを見なければならないことを要求することを特徴とする。この命令は、スクリーンに表示され、この命令を受け取った後、慣れていない使用者は、機械のカメラ位置を探すよう努めて、一般的にある程度の時間をかけてカメラの箇所を識別する。これらの課題は、使用者がデータを入力して命令を受け取るディスプレイと、生体計測データを取り込むためのカメラと、の間の物理的な離隔を備えたシステムにおいて頻出する。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
このように、処理時間を改善するため、及び作動領域の有効性を向上させるための、市場からの継続的な要望が存在する。さらに、ISO39794-5など、生体計測プロセスにおける、取り込んだ画像の品質を向上させようという、変わらない傾向が存在する。
【0006】
人によって使用されるよう、途切れのない自然な生体計測取り込みシステムを開発すること、使用者体験を増加させること、スループットを増加させること、及び生体計測取り込みが要求される動作の効率を最適化すること、に対する要望が存在する。生体計測取り込みプロセスに関する、学習曲線を低減することによって、先行技術における課題を解決するシステムを開発する要望が存在する。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明は、使用者が生体計測のタッチポイントを用いて対話処理するときに、デバイス間の移行に貢献して連続的な体験を使用者に提供する、生体計測取り込みシステムを開発することによって、先行技術における課題を解決する。
【0008】
本発明の目的は、使用者の焦点がディスプレイまたはスクリーンから、生体計測取り込みの物理的要素に向けて、同様にその反対に、生体計測取り込みの物理的要素から、ディスプレイに向けて、移行を実施しなければならないときに、自然な動きを提供することである。
【0009】
使用者に、生体計測取り込みデバイスを見るよう指示するために、例えばアニメーション化されたアイコンなどのデジタル視覚要素(4)と、色彩豊かなグラフィック要素と、の組み合わせを使用した視覚要素が、スクリーン(1)に提示されて、旅客の焦点を捉える。デジタル視覚要素(4)は、スクリーン(1)から消えるまで上方にスライドする。同時に、関連の視覚要素(6)を示す物理的要素は、垂直誘導デバイス(3)上で点灯し、そこに画像取り込みモジュール(2)が位置される。本発明による最も好ましい実施形態において、スクリーン(1)に示されるデジタル視覚要素(4)、及び垂直誘導デバイス(3)に表示される視覚要素(6)は、様々な形状及び色で作ることができる、類似の視覚表示物を提示する。視覚要素(2)を包含した物理的要素を備えた、画像取り込みモジュール(2)は、その最下位置から上方にスライドして垂直方向に動き、スクリーン(1)の延長部分に視覚効果を作り出す。本発明による最も好ましい実施形態において、物理的要素に包含された視覚要素(6)は、その最下位置にあるときに使用者には視認できない。
【0010】
生体計測取り込みプロセス後、使用者にスクリーン(1)を再び見るよう指示するために、視覚要素(6)を提示する画像取り込みモジュール(2)は、スクリーン(1)の背後に消えるまで下方へスライドする。同時に、関連のデジタル視覚要素(4)がスクリーン(1)の上部に現われ、人の焦点を維持するために、スクリーン(1)の上縁部から離れるようスライドする。本発明によるいくつかの実施形態において、関連のデジタル視覚要素(4)は、スクリーン(1)の中心領域までスライドする。
【0011】
本発明による他の実施形態において、視覚要素(6)が下方へスライドしてスクリーン(1)の背後に消えたとき、別のデジタル視覚要素(4)がスクリーン(1)に提示され、使用者を作業手順の次のステップに誘導し得る。
【0012】
本発明は、デバイス間の移行を伴う連続的な体験に寄与し、それは、スクリーン(1)及び画像取り込みモジュール(2)で提示される両方の視覚要素(4、6)の動きを同期させることで実現され、スクリーン(1)から画像取り込みモジュール(2)への、及び画像取り込みモジュール(2)からスクリーン(1)への、自然で滑らかな動きの移行効果を作り出す。
【発明の効果】
【0013】
本発明のシステムは、顔データまたは虹彩データなど、様々な生体計測データを取り込むために適用可能であり、セルフサービスまたは援助されて、生体計測取り込みを実施する、任意のタッチポイントに適用することができる。
【0014】
特に有利な態様は、非自然的かつ知られていない生体計測取り込みプロセス中の、人の挙動を自然に取り扱う、独特の解決策を提供することに関し、それは、使用者がより容易かつ迅速に対話処理をして、最小限の煩わしさでプロセスを終了させる。
【0015】
このように、本発明のシステムは、より迅速な取り込み方法も可能にし、それは特定の期間における使用者数に関する処理容量、すなわち、本発明のシステムが出入国管理施設、空港、及び他の旅行ターミナル、または識別管理事務所に設定されたときに、処理容量を増加させる。
【0016】
別の特に有利な実施形態において、本発明のシステムは、デジタル画像に示される個々の個人データを含んだデータベースを用いてクロスチェックすることによって、個人の生体計測認証を可能にする。
【0017】
本発明のシステムは、軽量なハードウェア要素も備えることができ、それは現地における実際の設定を促進し、特定の場所における社会基盤に最小限の影響しか与えない。
【0018】
本発明の実施形態による原理の理解を促進する目的で、図に例示された実施形態、及びそれらを説明するために使用される言語を参照する。いずれにしろ、本発明の範囲を、図の内容に限定することを意図しないことは、理解しなければならない。当業者が本説明を読んだときに、一般的に生じるであろう、本明細書で例示された本発明の特徴の、任意の代替またはその後の変更、ならびに、示された本発明の原理及び実施形態の、任意の追加適用は、本発明の特許請求の範囲内であるものと考えられる。
【図面の簡単な説明】
【0019】
【
図1】個人の登録、照合、または識別のための、生体計測取り込みシステムの実施形態を示す図である。
【
図2】人の焦点を維持するための、スクリーン(1)におけるデジタル視覚要素(4)の表示を示す図である。
【
図3】デジタル視覚要素(4)の、スクリーン(1)の上縁部への動きを示す図である。
【
図4】スクリーン(1)に表示されたデジタル視覚要素(4)と、画像取り込みモジュール(2)によって表示された視覚要素(6)と、の間の境界面(5)における移行を示す図である。
【
図5】視覚要素(6)が人の焦点を維持しながら、画像取り込みモジュール(2)の、垂直誘導デバイス(3)に沿った上方への動きを示す図である。
【
図6】生体計測データ取り込みの終了後、垂直誘導デバイス(3)に沿って下方へ、境界面(5)までの画像取り込みモジュール(2)の動きと、画像取り込みモジュール(2)が境界面(5)に達したとき、人の焦点を維持するために、スクリーン(1)の上縁部における同調したデジタル視覚要素(4)の起動と、を示す図である。
【
図7】人の焦点を維持するための、スクリーン(1)の中心に向けたデジタル視覚要素(4)の動きを示す図である。
【
図8】本発明のシステムと使用者との間の対話処理を示す図である。
【
図9】垂直誘導デバイス(3)の実施形態を示す図である。
【
図10】タッチポイントに含まれたシステムの実施形態を示す図である。
【
図11】複数の周辺ユニットに接続されたシステムを示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0020】
第1の態様において、本発明は、個人の登録、照合、または識別のための、生体計測取り込みシステムに関係し、それは:
処理ユニット;
上記の処理ユニットに接続された、スクリーン(1);
上記の処理ユニットに接続された、生体計測データを感知して入力するための生体計測カメラ;
生体計測カメラから入力された生体計測データを取り込むための、上記の処理ユニットに接続された画像取り込みモジュール(2);
基部及び垂直軌道を備えた、垂直誘導デバイス(3)であって、この垂直誘導デバイス(3)の垂直軌道は、画像取り込みモジュール(2)に接続され、かつ、この垂直軌道に沿って垂直に動くよう構成された、垂直誘導デバイス(3)、
を備え、
ここで生体計測取り込みシステムは:
スクリーン(1)の上縁部と、垂直誘導デバイス(3)の基部との間に配設された、境界面(5);及び
垂直誘導デバイス(3)の基部、
をさらに備え、
デジタル視覚要素(4)はスクリーン(1)に表示され;
視覚要素(6)は画像取り込みモジュール(2)に表示され;
生体計測取り込みシステムは、人の焦点を維持するために、デジタル視覚要素(4)と視覚要素(6)との間における同期的な移行を、境界面(5)を通して実施するよう構成される。
【0021】
第2の態様において、本発明は、生体計測取り込みシステムを使用した、個人の照合、識別、または登録のための方法に関係し、以下のステップを含む:
a)個人の生体計測取り込みの作業手順を開始するために、スクリーン(1)を提供するステップ;
b)人の焦点を維持するため、スクリーン(1)にデジタル視覚要素(4)を表示するために、処理ユニットが第1の指示を送信するステップ;
c)デジタル視覚要素(4)をスクリーン(1)の上縁部まで動かすために、処理ユニットが第2の指示を送信するステップ;
d)画像取り込みモジュール(2)を、垂直誘導デバイス(3)の基部から境界面(5)まで動かすために、処理ユニットが第3の指示を送信するステップであって、境界面(5)は、スクリーン(1)の上縁部と垂直誘導デバイス(3)の基部との間に配設され、画像取り込みモジュール(2)が、境界面(5)かつデジタル視覚要素(4)の隣に設置されたとき、人の焦点を維持するために視覚要素(6)を表示するようさらに構成された、処理ユニットが第3の指示を送信するステップ;
e)画像取り込みモジュール(2)を、垂直誘導デバイス(3)に沿って上方へ動かし、同期的にデジタル視覚要素(4)をオフにするために、処理ユニットが第4の指示を送信するステップであって、画像取り込みモジュール(2)はその位置を、個人の身長に関する生体計測データを取り込み、その一方で視覚要素(6)が人の焦点を維持するために、垂直誘導デバイス(3)で調整するようさらに構成された、処理ユニットが第4の指示を送信するステップ;
f)画像取り込みモジュール(2)が、生体計測センサから入力された生体計測データを取り込むステップ;
g)生体計測データ取り込みが終了した後で、垂直誘導デバイス(3)に沿って下方へ、境界面(5)まで画像取り込みモジュール(2)を動かし、画像取り込みモジュール(2)が境界面(5)に達したとき、人の焦点を維持するために、スクリーン(1)の上縁部において同調的にデジタル視覚要素(4)をオンにするために、処理ユニットが第5の指示を送信するステップ;
h)人の焦点を維持するために、デジタル視覚要素(4)をスクリーン(1)の上縁部から離すよう動かし、かつ同期的に視覚要素(6)をオフにするために、処理ユニットが第6の指示を送信するステップ。
【0022】
本発明の好ましい実施形態において、ステップd)では、画像取り込みモジュール(2)が境界面(5)まで動かされる。境界面(5)は、垂直誘導デバイス(3)における画像取り込みモジュール(2)の最下位置に相当する。より好ましくは、垂直誘導デバイス(3)における画像取り込みモジュール(2)の最下位置は、スクリーン(1)の背後の位置に配設され、それは、画像取り込みモジュール(2)が、使用者の視点から隠されて視認される状況をもたらす。
【0023】
本発明の好ましい実施形態において、個人の登録または識別のための生体計測取り込みシステムに備えられた処理ユニットは:
図2または
図8に例示されるように、人の焦点を維持するよう、スクリーン(1)のデジタル視覚要素(4)を表示するために、第1の指示を送信するよう構成され、ここで最も好ましい実施形態において、デジタル視覚要素(4)の位置がスクリーン(1)の中心に置かれ、;
図3に例示されるように、デジタル視覚要素(4)を、スクリーン(1)の上縁部まで動かすための、第2の指示を送信するよう構成され;
図4または
図8に例示されるように、画像取り込みモジュール(2)を、垂直誘導デバイス(3)の基部から境界面(5)まで動かすために、第3の指示を送信するよう構成され、ここで画像取り込みモジュール(2)が、人の焦点を維持するために、境界面(5)かつデジタル視覚要素(4)の隣に設置されたとき、視覚要素(6)を表示するようさらに構成され;
図5または
図8に例示されるように、画像取り込みモジュール(2)を、垂直誘導デバイス(3)に沿って上方へ動かし、同期的にデジタル視覚要素(4)をオフにするために、第4の指示を送信するよう構成され、ここで個人の身長に関する生体計測データを取り込み、その一方で視覚要素(6)が人の焦点を維持するために、画像取り込みモジュール(2)はその位置を、垂直誘導デバイス(3)上で調整するようさらに構成され;
図6または
図8に例示されるように、生体計測データ取り込みが終了した後で、垂直誘導デバイス(3)に沿って下方へ、境界面(5)まで画像取り込みモジュール(2)を動かし、画像取り込みモジュール(2)が境界面(5)に達したとき、人の焦点を維持するために、スクリーン(1)の上縁部において、同調的にデジタル視覚要素(4)をオンにするために、第5の指示を送信するよう構成され;ならびに
図7または
図8に例示されるように、人の焦点を維持するために、デジタル視覚要素(4)をスクリーン(1)の上縁部から離すよう動かし、かつ同期的に視覚要素(6)をオフにするために、第6の指示を送信するよう構成される。
【0024】
本発明の好ましい実施形態において、本発明の第2の態様に従った生体計測取り込みシステムを使用した、個人の照合、識別、または登録のための方法は、本発明の第1の態様に従った生体計測取り込みシステムを使用する。
【0025】
個人の登録、照合、または識別のための生体計測取り込みシステムは、ソフトウェア層を備え、それは3つの主なモジュール:作業手順制御器モジュール(WC)、タッチポイント制御器モジュール(TC)、及びユーザインターフェース制御器モジュール(UI)、を含む。
【0026】
作業手順制御器モジュール(WC)は、生体計測取り込みにおける編成の役割を担う。タッチポイント制御器モジュール(TC)は、タッチポイントデバイス(生体計測カメラ、スクリーン(1)、照明、画像取り込みンモジュール(2)、視覚要素(6)、及びカメラアクチュエータ、ならびに生体計測取り込みパイプラインの実現)を制御する役割を担う。このレベルにおいて、本システムは生体計測エンジンと一体化され、生体計測画像の品質を制御する。ユーザインターフェース制御器(UI)モジュールは、メディアの役を務め、かつ使用者を誘導する命令を受信する。
【0027】
図10に例示されるように、タッチポイント(TP)で具現化された、本発明のシステムの構造における好ましい実施形態において、作業手順制御器モジュール(WC)が生体計測取り込みの作業手順を実施するよう指示されたとき、メディアの役を務める命令が、ユーザインターフェース制御器モジュール(UI)に送信される。視覚要素(6)が即座にスクリーン(1)に表示され、移行時間を設定する所定の期間の後に、作業手順制御器モジュール(WC)は、新しい命令を、この場合はタッチポイント制御モジュール(TC)に送信し、それによって視覚要素(6)はオンになり、画像取り込みモジュール(2)は所定の位置まで移動する。画像取り込みモジュール(2)の所定の位置は、カメラの初期設定位置として垂直誘導デバイス(3)の基部に設置される。設定可能な様々な移行時間は、デジタル視覚要素(4)と物理的な視覚要素(6)との間の、滑らかな移行の精細なチューニングを可能にする。
【0028】
利用可能な別の実施は、物理的視覚要素(6)への、デジタル視覚要素(4)の移行効果を制御する異なる取り組みをもたらす。それは、この場合はユーザインターフェース制御器モジュール(UI)から作業手順制御器モジュール(WC)まで戻る通知を使用する。この通知は、デジタル視覚要素(4)が、移行位置として画定されたスクリーン(1)の特定の位置にあるときに送信される。通知が作業手順制御器モジュール(WC)によって受信されたとき、作業手順制御器モジュール(WC)は、物理的視覚(6)をオンにして、画像取り込みモジュール(2)を、カメラ初期設定位置として画定された初期設定位置まで移動させ始める命令を、タッチポイント制御器モジュール(TC)へ即座に送信する。
【0029】
処理ユニットは、3つの主なモジュール、すなわち作業手順制御器モジュール(WC)、タッチポイント制御器モジュール(TC)、及びユーザインターフェース制御器モジュール(UI)、への指示を送信するよう構成される。
【0030】
本発明の好ましい実施形態において、スクリーン(1)はタッチスクリーンであり、それは、個人データ及び作業手順中に要求された他の情報を入力するために、使用者によって使用される。ディスプレイは、使用者のための対話処理における1次モードである。作業手順の、全ての関連ステップは、フロントエンドアプリケーションを介してディスプレイに提示される。好ましくは、スクリーン(1)は、使用者との対話処理中に人間工学的に作用するために、垂直誘導デバイス(3)の軸に対して斜めの角度で配設される。
【0031】
一旦、個人の識別または取り込みの処理が開始すると、スクリーン(1)で提示されたデジタル視覚要素(4)は、画像取り込みモジュール(2)の方向に向けて移動し、同時に画像取り込みモジュール(2)は、デジタル視覚要素(4)と同期し、デジタル視覚要素(4)がスクリーン(1)の境界に達したとき、デジタルデバイスと物理的な生体計測取り込みデバイスとの間で、滑らかな移行が行われる。好ましくは、デジタル視覚要素(4)は、デジタル画像またはマルチメディアのアイコンから成るグループから、1つまたは複数が選択される。
【0032】
一旦、デジタルから物理的なものまでの移行が終了したら、
図8に例示されるように、画像取り込みモジュール(2)は、その視覚要素(6)によって、使用者を適切な高さに誘導する。本発明の好ましい実施形態において、画像取り込みモジュール(2)は、生体計測データを適切な品質で取り込むために、適切な調整が可能なセンサを備えた、任意のデジタルカメラである。画像取り込みモジュール(2)は、垂直誘導デバイス(3)におけるその位置を調整して、個人の身長に従った生体計測データを取り込むよう、その一方で視覚要素(6)が人の焦点を維持するよう、構成される。
【0033】
好ましくは、画像取り込みモジュール(2)によって取り込まれた生体計測データは、登録、照合、または識別のための、顔の特徴的形状または虹彩スキャンから成るグループから、1つまたは複数が選択される。
【0034】
生体計測データの取り込みが終了したとき、画像取り込みモジュール(2)のデバイスはスクリーン(1)の方向に戻る。視覚要素(6)は、生体計測データの取り込みが終了したことを視覚的に知らせるために、例えば色、形状、またはちらつき効果に関する様々なパターンを提示する。好ましくは、視覚要素(6)は複数のLEDを備える。
【0035】
画像取り込みモジュール(2)が、例えばスクリーン(1)の上部境界である境界面(5)に達したとき、ここでは物理的からデジタル的なものまでの、別の移行を行なう。デジタル視覚要素(4)が完全にスクリーン(1)において利用可能であるとき、デジタル視覚要素(4)は、使用者の注意をスクリーン(1)に戻すよう駆動する。このように、作業手順は元の状態に進むことができる。
【0036】
本発明による好ましい実施形態において、
図9に例示されるように、カバー(7)が垂直誘導デバイス(3)の前側に接続され、画像取り込みモジュール(2)及び垂直軌道は、垂直誘導デバイス(3)に沿って設置された凹部(8)の中に配設される。このように、画像取り込みモジュール(2)は、カバー(7)またはプレートの背後に配設される。好ましくは、カバー(7)は、透明または半透明の材料で作られ、このカバーはプレートの形状を提示し得る。
【0037】
本発明の他の実施形態において、
図11に示されるように、少なくとも1つの周辺ユニットが処理ユニットに接続される。この周辺ユニットは、身分証明書リーダー(IDR)、接触式カードリーダー(CCR)、非接触式カードリーダー(LCR)、バーコードスキャナ(BS)、指紋スキャナ(FS)、署名パッド(SP)、アクセス可能キーパッド(AK)、及びプリンタユニット(PR)、から成るグループから選択される。
【0038】
本明細書で使用される表現「約(about)」及び「概ね(approximately)」は、明記された数字のおおよそ10%の範囲の値を指す。
【0039】
本明細書で使用される表現「実質的に(substantially)」は、実際の値が、所望の値、変数または関連した制限値の約10%の区間内、特に所望の値、変数、または関連した制限値の約5%内、または特に所望の値、変数、または関連した制限値の約1%内、であることを意味する。
【0040】
本明細書で使用されるとき、「顔の識別」という表現は、特徴の抽出に基づいて、1つまたは複数の画像に取り込まれた個々の顔に対する独特の識別コードのインデクス化を含み、そこにおいて独特の識別コードは、個々の個人データを含まない。
【0041】
本明細書で使用されるとき、「顔の取り込み」という表現は、個々の1つまたは複数の画像から抽出された特徴のためのデータベースで検索した後の、個々の識別を含み、個々の顔または虹彩は事前に識別されており、データベースは、複数の個人の顔または網膜のデジタル画像の特徴に対してインデクス化された個人データを含む。
【0042】
さらに、用語「または(or)」は、排他的な「または」ではなく包括的な「または」を意味するよう意図される。すなわち、別様に明記しない限り、または文脈から明確ではない限り、「XはAまたはBを利用する。」という文は、任意の自然な包括的順列を意味するよう意図される。すなわち、「XはAまたはBを利用する。」の文は、以下の例のいずれも満たす:XはAを利用する;XはBを利用する;または、XはA及びBの両方を利用する。
【0043】
上述の本願発明は、本発明の例示として提供され、本発明を限定するものと解釈してはならない。本発明による、特定の実施形態を説明する目的で使用される専門用語は、本発明を限定するものと解釈してはならない。本明細書で使用される、定冠詞及び不定冠詞は、それらの単数形において、本明細書の文脈で、逆であることを明確に示さない限り、解釈において複数形を含むことを意図する。用語「備える(comprise)」及び「含む(include)」は、本明細書で使用されるとき、特徴、要素、構成要素、ステップ、及び関連の動作の存在を明確にするが、他の特徴、要素、構成要素、ステップ、及び動作の可能性も、企図することから排除しないものと理解されたい。
【0044】
以下の「特許請求の範囲」の基本的な特徴を変更しないものとすると、全ての変更は、本発明の保護範囲内であると考慮するべきである。
【符号の説明】
【0045】
1 スクリーン
2 画像取り込みモジュール
3 垂直誘導デバイス
4 デジタル視覚要素
5 境界面
6 視覚要素
7 カバー
8 凹部
PU 処理ユニット
UI ユーザインターフェース制御器モジュール
WC 作業手順制御器モジュール
TC タッチポイント制御器モジュール
CA カメラアクチュエータ
TP タッチポイント
IDR 身分証明書リーダー
CCR 接触式カードリーダー
LCR 非接触式カードリーダー
BS バーコードスキャナ
FS 指紋スキャナ
SP 署名パッド
AK アクセス可能キーパッド
PR プリンタユニット
【国際調査報告】