(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-10-31
(54)【発明の名称】車両の外部視覚ユニットのための調整装置
(51)【国際特許分類】
B60R 1/07 20060101AFI20241024BHJP
【FI】
B60R1/07
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2024527334
(86)(22)【出願日】2022-11-22
(85)【翻訳文提出日】2024-06-05
(86)【国際出願番号】 NL2022050672
(87)【国際公開番号】W WO2023096482
(87)【国際公開日】2023-06-01
(32)【優先日】2021-11-23
(33)【優先権主張国・地域又は機関】NL
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】510126416
【氏名又は名称】エムシーアイ(ミラー コントロールズ インターナショナル)ネザーランド ベー.フェー.
(74)【代理人】
【識別番号】100126572
【氏名又は名称】村越 智史
(72)【発明者】
【氏名】ファン スティファウト, パウルス ヘラルドゥス マリア
(72)【発明者】
【氏名】ド フリース, ヘンドリック アルフレット シメオン
(72)【発明者】
【氏名】ファン ザイレン, マリヌス ヤコブス マリア
(72)【発明者】
【氏名】ヤンセン, エミエル セバスティアン
(72)【発明者】
【氏名】ベッカー, アンネ カタリナ マーサ
(72)【発明者】
【氏名】ジャンセン, トム アドリアーン
(72)【発明者】
【氏名】デ カン, アリー アンソニー
【テーマコード(参考)】
3D053
【Fターム(参考)】
3D053FF13
3D053GG06
3D053GG12
3D053HH18
3D053HH52
3D053KK02
3D053KK12
3D053LL05
3D053LL08
(57)【要約】
本開示は、第1ピボット軸および第2ピボット軸を中心に車両の外部視覚要素の向きを調整するための調整装置に関する。調整装置は、車両に連結するためのベースと、第1ピボット軸および第2ピボット軸を中心として枢動可能にベースに結合されたフレームと、第1ピボット軸および前記第2ピボット軸を中心にフレームを枢軸駆動する駆動ユニットとを備える。駆動ユニットは、第1ピボット軸を中心にフレームを回転駆動するための第1被駆動要素に接続された第1電気モーターと、第2ピボット軸を中心にフレームを回転駆動するための第2被駆動要素に接続された第2電気モーターとから構成される。第2電気モーターは、第1電気モーターの最大消費電力と比較して、より低い最大消費電力を有する。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1ピボット軸および第2ピボット軸を中心に車両の外部視覚要素の向きを調整するための調整装置であって、
車両に連結するためのベースと、
前記ベースに枢動可能に結合されたフレームであって、前記第1ピボット軸を中心に前記ベースに対して枢動可能な第1フレーム部と、前記第2ピボット軸を中心に前記第1フレーム部に対して枢動可能な第2フレーム部とを有するフレームと、
前記第1ピボット軸および前記第2ピボット軸を中心に前記フレームを枢軸駆動する駆動ユニットと
を備え、
前記駆動ユニットは、
前記第1ピボット軸を中心に前記第1フレーム部を前記ベースに対して駆動するための第1被駆動要素に第1変速機を介して接続された第1電気モーターを有する、前記第1フレーム部と前記ベースとの間で作動する第1パワートレインと、
前記第2ピボット軸を中心に前記第2フレーム部を前記第1フレーム部に対して駆動するための第2被駆動要素に第2変速機を介して接続された第2電気モーターを有する、前記第1フレーム部と前記第2フレーム部との間で作動する第2パワートレインと
を含み、
前記第2電気モーターは、前記第1電気モーターの定格電力と比較して低い定格電力を有し、前記第2変速機は、前記第2電気モーターから前記第2被駆動要素に第2速度低減変速比を適用し、当該第2速度低減変速比は、前記第1変速機によって提供される第1変速比よりも大きな速度低減を提供する、
調整装置。
【請求項2】
前記第2電気モーターは、前記第1電気モーターに比べて小さいフォームファクターを有し、特に、前記第2電気モーターの体積は、前記第1電気モーターの体積よりも1.1倍から4倍小さい、請求項1に記載の装置。
【請求項3】
前記第2電気モーターの最大消費電力が、前記第1電気モーターの最大消費電力よりも1.1倍から4倍低い、請求項1または2に記載の装置。
【請求項4】
前記第1および第2電気モーターが、前記車両の共通のドア制御モジュールによって電力を供給される、請求項1から3のいずれかに記載の装置。
【請求項5】
前記第1電気モーターおよび前記第2電気モーターが低電力電気モーター、特に低電力DC電気モーターである、請求項1から4のいずれかに記載の装置。
【請求項6】
前記第1電気モーターと前記第2電気モーターとを合わせた最大消費電流が、最大で1アンペアから2アンペアの間、好ましくは最大で1.5アンペアである、請求項1から5のいずれかに記載の装置。
【請求項7】
前記第1ピボット軸と前記第2ピボット軸が互いに非平行である、請求項1から6のいずれかに記載の装置。
【請求項8】
前記第2変速機は、前記第2電気モーターの出力速度を前記第2被駆動要素の低減された速度まで減速するための少なくとも3つの減速ステージを含む、請求項1から7のいずれかに記載の装置。
【請求項9】
前記第2変速機は、前記第2電気モーターの出力から一次中間伝達部材までの入力変速ステージと、前記一次中間伝達部材と二次中間伝達部材との間の中間変速ステージと、前記二次中間伝達部材から前記第2被駆動要素までの出力変速ステージとを含む、請求項8に記載の装置。
【請求項10】
前記第2変速機は、エボロイドおよび/またはエボロイドギアを含む、請求項9に記載の装置。
【請求項11】
前記第1変速機が、前記第1電気モーターの出力から前記第1被駆動要素までの単一の変速ステージを含む、請求項1から10のいずれかに記載の装置。
【請求項12】
前記第1フレーム部が、前記第1ピボット軸のみを中心に前記ベースに対して枢動可能であり、および/または、前記第2フレーム部が、前記第2ピボット軸のみを中心に前記第1フレーム部に対して枢動可能である、請求項11に記載の装置。
【請求項13】
前記第1電気モーターの出力軸が前記第1ピボット軸に平行であり、および/または、前記第2電気モーターの出力軸が前記第1ピボット軸に平行である、請求項1から12のいずれかに記載の装置。
【請求項14】
前記第1電気モーターの出力軸が前記第2ピボット軸に平行であり、および/または、前記第2電気モーターの出力軸が前記第2ピボット軸に平行である、請求項1から13のいずれかに記載の装置。
【請求項15】
前記フレームは、前記駆動ユニットを保持するためのキャビティを画定するシェル形状のカバーを含み、当該シェル形状のカバーは、使用時に前記車両に近接して配置される近位側と、当該近位側に対向する遠位側とを含み、前記第1電気モーターおよび前記第2電気モーターは、前記キャビティ内で互いに隣接して配置され、前記第1電気モーターは前記近位側に配置され、前記第2電気モーターは前記遠位側に配置される、請求項1から14のいずれかに記載の装置。
【請求項16】
請求項1から15のいずれかに記載の調整装置と、前記フレームに取り付けられた視覚要素とを備える、車両用の外部視覚ユニット。
【請求項17】
請求項1から15のいずれかに記載の調整装置または請求項16に記載の外部視覚ユニットと、前記調整装置に電力信号を送るために前記調整装置に動作可能に接続されたドア制御モジュールとを備えるシステムであって、特に、前記電力信号は、前記第1電気モーターに電力を供給するための少なくとも5ワット、特に少なくとも10ワットの1つの高電力信号のみを含み、任意選択的に、前記電力信号は、前記第2電気モーターに電力を供給するための最大5ワット、例えば最大2ワットの低電力信号を含む、システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、車両の外部バックミラーやカメラなどの外部視覚要素の向きを調整する装置に関する。
【背景技術】
【0002】
車両用外部視覚ユニットのための調整装置は、通常、ミラー、カメラおよび/またはディスプレイなどの視覚要素を含む。これらは、車両に対する視覚要素の向きを、通常、水平軸と鉛直軸回りに調整するように構成されており、車両の運転者が後方視界を適切に微調整できるようになっている。
【0003】
調整装置は、例えば車両の外部視覚ユニットの一部とすることができ、視覚要素は多くの場合、フレームによって担持される。フレームはベースに対して調整可能で、このベースは車体に取り付けられるように構成されている。
【0004】
多くの場合、外部視覚ユニットはさらに、フレームが車両と実質的に平行に延びる折り畳み位置、すなわち駐車位置と、フレームが車両から実質的に外側に延びる伸展位置との間で調整可能である。この動作はしばしば電動格納作動と呼ばれる。電動格納作動は、専用の電動格納アクチュエーターによって駆動することができ、この電動格納アクチュエーターは、外部視覚ユニットの伸展位置で運転者の後方視界を微調整するための微調整用調整装置とは別個のものである。
【0005】
ある実施態様では、調整装置は、2つのそれぞれの軸の回りに視覚要素の向きを微調整することに加えて、折り畳み位置と伸展位置との間で電動格納作動を駆動するように配置され得る。このような調整装置は、電動格納機能を追加した従来のミラー調整装置、または多軸電動格納アクチュエーターと見なすことができる。このような装置の一例が欧州特許第3218226号に記載されており、この中で視覚要素の調整は、鉛直軸回りの調整用の第一のものと、水平軸回りの調整用の第二のものとの、2つの別々の電気モーターによって駆動される。しかしながら、このような調整装置を調整位置に保持するために必要なクランプ力は比較的大きいため、両電気モーターは比較的強力である必要がある。このため、調整装置に関連する全体的なコストが増加する。
【発明の概要】
【0006】
本発明は、上記の問題を改善する調整装置を提供することを目的とする。特に、本発明は、コストを削減した調整装置を提供することを目的とする。一態様によれば、本発明は、第1ピボット軸および第2ピボット軸を中心に車両の外部視覚要素の向きを調整するための調整装置を提供する。調整装置は、車両に連結するためのベースと、前記ベースに枢動可能に結合されたフレームであって、前記第1ピボット軸を中心に前記ベースに対して枢動可能な第1フレーム部と、前記第2ピボット軸を中心に前記第1フレーム部に対して枢動可能な第2フレーム部とを有するフレームと、前記第1ピボット軸および前記第2ピボット軸を中心に前記フレームを枢軸駆動する駆動ユニットとを備える。前記駆動ユニットは、前記第1ピボット軸を中心に前記第1フレーム部を前記ベースに対して駆動するための第1被駆動要素に第1変速機を介して接続された第1電気モーターを有する、前記第1フレーム部と前記ベースとの間の第1パワートレインと、前記第2ピボット軸を中心に前記第2フレーム部を前記第1フレーム部に対して駆動するための第2被駆動要素に第2変速機を介して接続された第2電気モーターを有する、前記第1フレーム部と前記第2フレーム部との間の第2パワートレインとを含む。前記第2電気モーターは、前記第1電気モーターの定格電力と比較して低い定格電力を有する。したがって、前記第2電気モーターは、前記第1電気モーターの最大消費電力と比較して、より低い最大消費電力を有してもよい。前記第2変速機は、前記第2電気モーターから前記第2被駆動要素に第2速度低減変速比を適用し、当該第2速度低減変速比は、前記第1変速機によって提供される第1変速比、例えば速度低減変速比よりも大きな速度低減を提供する。したがって、この装置は、専ら第1ピボット軸を中心にフレームを枢動させるために使用される、比較的高出力の第1電気モーターと第1変速機とを含む第1パワートレインと、専ら第2ピボット軸を中心にフレームを枢動させるために使用される、比較的低出力の第2電気モーターと第2変速機とを含む別の第2パワートレインとから構成される。
【0007】
そのため、調整装置は比較的高出力の電気モーターを1つだけ含むことができ、これにより、調整装置を制御するための高電力制御出力を1つだけ有し得る最新の標準的な車両のドア制御モジュールによって、調整装置を制御することができる。したがって、高い定格電力を有する第1電気モーターは、最新の標準的なドア制御モジュールのただ1つの高電力制御出力によって制御される一方、低い定格電力を有する第2電気モーターは、最新の標準的なドア制御モジュールの低電力制御出力によって制御され得る。第2電気モーターの低出力を補うため、第2電気モーターと第2被駆動要素との間に第2変速機が動作可能に配置され、この第2変速機は、第2被駆動要素におけるトルク増大のために、第2ピボット軸を中心とする調整速度をトレードオフする。実際には、2つのピボット軸のうちの1つ、例えば水平方向に延びるピボット軸を中心とする調整速度が比較的低くても差し支えない。第1ピボット軸は、特に、調整フレームが折り畳み位置から伸展位置まで枢動する際の軸である電動格納軸に対応してもよい。このようにして、電動格納作動は、比較的高出力の電気モーターによって、比較的高い調整速度で駆動することができる。したがって、第1ピボット軸は、例えば、使用時に鉛直方向に延びてもよい。第2ピボット軸は、例えば、第1ピボット軸に対して非平行に、例えば、第1ピボット軸に対して横方向に延びてもよい。使用時には、第2ピボット軸は水平方向に延びてもよい。
【0008】
第1被駆動要素はベースの一部であってもよく、例えばベースと一体的に形成された歯車や、ベースの残部に堅固に固定された歯車であってもよい。第2被駆動要素は、第2フレーム部の一部であってもよく、例えば、第2フレーム部と一体的に形成された歯車や、第2フレーム部の残部に堅固に固定された歯車であってもよい。
【0009】
第2電気モーターの最大消費電力は、特に、第1電気モーターの最大消費電力よりも2倍から20倍、例えば5倍から15倍、例えば10倍低くてもよい。第1アクチュエーターの最大消費電力は、例えば10ワットから20ワット、例えば約12ワットであり、第2電気モーターの最大消費電力は、例えば1ワットから5ワット、例えば約2ワットである。したがって、ドア制御モジュールは、対応するそれぞれの電力信号を第1電気モーターおよび/または第2電気モーターに送り得ることが理解されよう。
【0010】
駆動ユニットを収納するスペースは限られている。したがって、第2電気モーターは、第1電気モーターと比較して、より小さなフォームファクターを有してもよい。特に、第2電気モーターの体積は、第1電気モーターの体積よりも、例えば1.1倍から4倍小さくてもよい。第2電気モーターの体積は、例えば第1電気モーターの体積より50%小さくてもよい。小型の電気モーターによって節約されたスペースは、例えば、適切な減速比を提供するための第2変速機の追加部品によって占有されてもよい。
【0011】
第1および第2電気モーターは、車両の共通のドア制御モジュールによって電力を供給されてもよい。ドア制御モジュールは、第1電気モーターと第2電気モーターの両方を制御することができる。第1電気モーターだけが、比較的高い電力を必要とし、例えば比較的高い電流を得てもよい。第2電気モーターは、第1電気モーターが消費する電力のわずか数分の1を必要としてもよい。第1電気モーターと第2電気モーターは、特に低出力の電気モーター、特に低出力の直流電気モーターとすることができる。
【0012】
第1電気モーターと第2電気モーターとを合わせた最大消費電流は、最大で1アンペアから2アンペアの間、好ましくは最大で1.5アンペアである。第2アクチュエーターは、第1アクチュエーターが得る電流のわずか数分の1、例えば第1電気モーターが得る電流のわずか50%を得てもよい。
【0013】
第1ピボット軸と第2ピボット軸は、互いに非平行に延びていてもよい。第1ピボット軸は、例えば、電動格納軸、例えば、外部視覚ユニットが折り畳み位置と伸展位置との間で枢動する際の軸である、使用時の鉛直軸に対応してもよい。第2ピボット軸は、第1ピボット軸に対して実質的に横向きであってもよい。
【0014】
第2変速比は、例えば、第2電気モーターの出力と第2被駆動要素との間に大きな減速を適用することができ、例えば、少なくとも1:5の減速比、例えば、1:5と1:10との間の減速比を適用することができる。ここで、第2変速機は、エボロイドおよび/またはエボロイドギアで構成されてもよい。例えば、第2変速機の変速ステージは、エボロイドとエボロイドギアとの噛み合いによって得られる。エボロイドは、例えば、1本だけ、2本だけ、あるいは6本より少ない任意の本数などの、わずか数本の歯を有してもよい。エボロイド、すなわちエボロイドの歯を持つ歯車、およびエボロイドと噛み合うように構成されたエボロイドギアは、例えばRothによるISBN3-540-64236-6の2頁に記載されている。
【0015】
第2変速機は、第2電気モーターの出力速度を第2被駆動要素の低減された速度まで減速するための少なくとも2つの減速ステージ、例えば、少なくとも3つの減速ステージを含んでもよい。例えば、第2変速機は、第2電気モーターの出力から中間伝達部材、例えば中間シャフトまでの入力変速ステージと、中間伝達部材と第2被駆動要素との間の中間変速ステージとを含んでもよい。第2変速機は、特に、3つの変速ステージ、すなわち、第2電気モーターの出力から一次中間伝達部材、例えば、一次中間シャフトまでの入力変速ステージと、一次中間伝達部材と二次中間伝達部材、例えば、二次中間シャフトとの間の中間変速ステージと、前記二次中間伝達部材から前記第2被駆動要素までの出力変速ステージとを含んでもよい。
【0016】
第1変速機は、比較的高出力の第1電気モーターに連結されているため、第2変速比に比べて小さな減速比を適用してもよい。よって、第1変速機は、任意選択的に、第1電気モーターの出力から第1被駆動要素までの、最大で2つの変速ステージ、例えば2つの変速ステージ、または1つの変速ステージのみを含むことができる。第1電気モーターから第1被駆動要素への直接駆動結合も可能である。第1変速比は、例えば減速比、あるいはユニタリー変速比とすることができる。任意選択的に、第1フレーム部は、第1ピボット軸のみを中心にベースに対して枢動可能であり、および/または、第2フレーム部は、第2ピボット軸のみを中心に第1フレーム部に対して枢動可能である。第1電気モーターと第2電気モーターは、互いに隣接して配置されてもよい。例えば、特定のコンパクトな構成の場合、第1電気モーターの出力軸と第2電気モーターの出力軸は互いに平行に延びている。第1電気モーターは、例えば、第1出力軸を中心に回転駆動される第1出力部材、例えばシャフトを含んでいてもよい。同様に、第2電気モーターは、例えば、第2出力軸を中心に回転駆動される第2出力部材、例えばシャフトを含んでいてもよい。第1および第2変速機のそれぞれの歯車、例えばウォームは、それぞれの出力部材に固定されていてもよい。電気モーターは、互いに対して、並びに第1および第2のピボット軸に対して、様々な向きに配置され得る。例えば、第1電気モーターの出力軸が第1ピボット軸に平行であってもよく、および/または、第2電気モーターの出力軸が第1ピボット軸に平行であってもよい。第1電気モーターの出力軸が第2ピボット軸に平行であってもよく、および/または、第2電気モーターの出力軸が第2ピボット軸に平行であってもよい。任意選択的に、フレームは、駆動ユニットを保持するためのキャビティを画定するシェル形状のカバーを含む。このシェル形状のカバーは、フレーム、特に第2フレーム部と一体化されていてもよい。シェル形状のカバーは、使用時に車両に近接して配置される近位側と、当該近位側に対向する遠位側とを含み、第1電気モーターおよび第2電気モーターは、キャビティ内で互いに隣接して配置され、第1電気モーターは近位側に配置され、第2電気モーターは遠位側に配置されてもよい。シェル形状のカバーは、空気力学的特性を向上させるために、遠位端に向かって先細りになるなど、非対称形状のキャビティを画定してもよい。したがって、先細り状の遠位端は、電気モーターとそれに結合された変速機とを収容するためのスペースがほとんどない可能性がある。しかしながら、第2電気モーターは、第1電気モーターに対して比較的低出力であるため、比較的小さなフォームファクターを有するように設計することができ、それゆえシェル形状のカバーの遠位端に保持することができる。第2電気モーターの出力軸は、第1ピボット軸と平行に延びていてもよい。特定のコンパクトな構成の場合、第2電気モーターは、第2電気モーターの出力軸が第1ピボット軸に対して横方向に、例えば第2ピボット軸に対して平行に延びる向きでキャビティ内に配置することができる。
【0017】
別の態様によれば、車両用の外部視覚ユニットが提供される。視覚ユニットは、本明細書に記載されているような調整装置と、フレームに取り付けられたミラー、カメラおよび/またはディスプレイなどの視覚要素とから構成することができる。視覚要素は特に第2フレーム部に取り付けられてもよい。
【0018】
一態様によれば、本明細書に記載の調整装置と、調整装置に電力信号を送信するために調整装置に動作可能に接続されたドア制御モジュールとを備えるシステムが提供される。任意選択的に、電力信号は、第1電気モーターに電力を供給するための、少なくとも5ワット、特に少なくとも10ワットの1つの高電力信号のみを含む。任意選択的に、電力信号は、第2電気モーターに電力を供給するための、最大5ワット、例えば最大2ワットの低電力信号を含む。
【0019】
一態様によれば、本明細書に記載の調整装置と、調整装置に動作可能に接続されたドア制御モジュールとを備えるシステムが提供される。ドア制御モジュールは、第1電気モーターおよび/または第2電気モーターに電力を供給するために、調整装置に電力信号を送るように構成されてもよい。ドア制御モジュールは、特に、第1電気モーターを第1速度で動作させるための第1電力信号と、第1電気モーターをより低い第2速度で動作させるための第2電力信号とを選択的に第1電気モーターに送るように構成されていてもよい。したがって、制御モジュールは、少なくとも2つの仮想変速比に従って選択的に作動可能な仮想変速機を、第1パワートレインに提供すると考えることができる。第2電力信号は、第1電気モーターへの平均供給電力を低減するための、パルス幅変調電力信号などの変調電力信号であってもよい。例えば、ドア制御モジュールは、フレームが第1ピボット軸を中心とする所定の角度範囲内の位置にある場合、例えばフレームが伸展位置に近い場合にのみ、この範囲内の位置で第1ピボット軸を中心とする調整速度を低下させるために、例えばパルス幅変調または電圧低下によって、第1電気モーターへの電力供給を低下させるようにのみ構成されてもよい。ここで、このシステムは、例えば、フレームの位置、特にベースに対する第1フレーム部の位置、および/または第2フレーム部に対する第1フレーム部の位置を感知するためのセンサーを備えてもよい。このセンサーは、例えば、ベースに対するフレームの位置を決定するための電位差計またはリップルカウンターから構成することができる。ドア制御モジュールは、このセンサーに接続され、このセンサーからフレームの位置を示すセンサー信号を受信するように構成されてもよい。ドア制御モジュールは、受信したセンサー信号に基づいて、電力信号を変調し、変調した電力信号を、例えば第1電気モーターに送信するように構成されてもよい。
【0020】
任意選択的に、このシステムは、ドア制御モジュールと第1電気モーターおよび/または第2電気モーターとの間に相互接続された中間制御ユニットを備える。中間制御ユニットは、調整装置の一部とみなすことができる。中間制御ユニットは、例えば、シェル形状のカバーによって形成されたキャビティ内に収容することができる。中間制御ユニットは、ドア制御モジュールから第1電気モーターおよび/または第2電気モーターへの電力信号を変調するように構成されていてもよい。例えば、ローカルの制御ユニットは、ドア制御モジュールから電力信号を受信し、受信した電力信号に基づいて、変調された電力信号を第1電気モーターに送信するように構成されてもよい。特に、変調信号は、受信した電力信号よりも電力が低くてもよい。例えば、中間制御ユニットは、ドア制御モジュールから受信した電力信号の電圧を下げることができる。変調信号は、例えばパルス変調信号でもよい。
【0021】
中間制御ユニットは、フレームの位置、例えばベースに対する、および/または第2フレーム部に対する第1フレーム部の位置にさらに基づいて、変調された電力信号を第1電気モーターに送信するように構成されてもよい。例えば、中間制御ユニットは、フレームが第1ピボット軸を中心とする所定の角度範囲内の位置にある場合、例えばフレームが伸展位置に近い場合、この範囲内の位置で第1ピボット軸を中心とする調整速度を低下させるために、第1電気モーターへの電力供給を低下させるようにのみ構成されてもよい。ここで、このシステムは、例えば、フレームの位置、特にベースに対する第1フレーム部の位置、および/または第2フレーム部に対する第1フレーム部の位置を感知するためのセンサーを備えてもよい。中間制御ユニットは、このセンサーに接続され、このセンサーからフレームの位置を示すセンサー信号を受信するように構成されてもよい。中間制御ユニットは、受信したセンサー信号に基づいて、受信した電力信号を変調し、変調した電力信号を、例えば第1電気モーターに送信するように構成されてもよい。別の態様によれば、本明細書に記載の調整装置、システム、または外部視覚ユニットを備える車両、特に自動車が提供される。
【0022】
本明細書に記載された態様、特徴、およびオプションの何れも組み合わせが可能であることが明らかとなるであろう。特に、調整装置の観点から説明された態様、特徴およびオプションのいずれもが、外部視覚ユニットに等しく適用され、逆もまた同様であることが理解されるであろう。調整装置の観点で説明された態様、特徴およびオプションのいずれもが、車両に等しく適用され得ることが理解されるであろう。
【図面の簡単な説明】
【0023】
本発明の実施形態を添付の図面を参照して以下に説明する。
【発明を実施するための形態】
【0024】
図1は、最新式の外部視覚ユニットのための調整装置44の一例を示している。
図2~5は、本発明による調整装置の例を示す。装置44はベース74を含み、このベース74はここでは自動車などの車体に取り付けられるように配置されている。フレーム46、48は、第1ピボット軸50を中心にベース74に対して枢動可能に配置されている。この例では、フレームは第1フレーム部46と第2フレーム部48から構成されている。第1フレーム部46および第2フレーム部48は、共通して第1ピボット軸を中心に枢動可能である。第2フレーム部48は第1フレーム部46に移動可能に結合されている。より具体的には、第1フレーム部46および第2フレーム部48は、この例では、第2ピボット軸52を中心に互いに対して枢動可能である。第1フレーム部46は、この例では、第1ピボット軸50を中心にベース74に対してのみ枢動可能である。第1フレーム部46は、第2ピボット軸52を中心にベースに対して枢動不能である。第2フレーム部48は、第1ピボット軸50および第2ピボット軸52を中心にベース74に対して枢動可能である。第2フレーム部48は、特に、第2ピボット軸52を中心に第1フレーム部46に対して枢動可能である。
【0025】
フレーム46、48は、例えば、ミラー、カメラ、LIDARおよび/またはディスプレイなどの視覚要素を覆うためのシェル形状のカバーを含むか、またはこれに結合されてもよい。シェル形状のカバーは、特に第2フレーム部48と一体的に形成されてもよい。視覚要素は、フレーム46、48に結合されることによって、第1ピボット軸50および第2ピボット軸52を中心に調整可能である。視覚要素は特に第2フレーム部46に結合されてもよい。
【0026】
調整装置44は、フレーム46、48が実質的に車両と平行に延びる折り畳み位置と、フレーム46、48が実質的に車両から外側に延びる伸展位置との間で移動可能である。
図1は、調整装置が伸展位置にある状態を示している。調整装置は、フレーム46、48を第1ピボット軸50を中心にベース74に対して枢動させることにより、折り畳み位置と伸展位置との間で移動させることができる。
【0027】
調整装置44は、2つの電気アクチュエーター、すなわち2つの電気モーター、具体的には第1電気モーター100と第2電気モーター200を含む駆動ユニットで構成される。
図1では、電気モーター100および200は省略されている。第1パワートレイン23は、フレーム46、48を第1ピボット軸50を中心にベースに対して枢動させるために設けられている。第1パワートレイン23は、第1変速機22を介して第1被駆動要素10に連結された第1電気モーター100を含む。第2パワートレイン25は、第2ピボット軸52を中心にフレーム46、48、特にフレーム部46、48を互いに対して枢動させるために設けられている。第2パワートレイン25は第2アクチュエーター200を含み、この第2アクチュエーターは第2変速機24を介して第2被駆動要素20に連結されている。第1パワートレイン23と第2パワートレイン25は互いに分離している。この例では、第1被駆動要素10は、ベース74に固定された歯車75を含む。第2被駆動要素20は、この例では、第2フレーム部48に固定された歯車72を含む。
【0028】
本発明に従い、
図2~5に示すように、第2電気モーター200は、第1電気モーター100の最大消費電力と比較して、より低い最大消費電力を有する。例えば、第1電気モーター100は最大1アンペアの電流を得るように構成され、第2電気モーター200は最大0.5アンペアの電流を得るように構成される。より出力の小さい第2電気モーター200を使用して、調整装置44が調整後に所定の位置に保持される際のクランプ力を上回るために、第2変速機24は、第2電気モーター200から第2被駆動要素20までの間に、第1変速機22と比較して付加的な減速を適用する。第2変速機24によって提供される付加的な減速は、第2電気モーター200から第2被駆動要素20へのトルク伝達の増大を伴う。
【0029】
図3Aは調整装置44の正面図であり、
図3Bは調整装置44の上面図である。
図3Aでは、第1変速機22および第2変速機24の詳細を示すため、フレーム46、48の一部が省略されている。
図3Bでは、同じ理由で、電気モーター100、200が省略されている。
【0030】
第1変速機22は、この例では2つの変速ステージで構成されている。第1入力変速ステージ41は、第1電気モーター100の出力101、ここでは第1入力ウォーム81を備えるシャフト82と、第1変速機中間部材、ここでは第1ウォームギア70および第1出力ウォーム71を備えるシャフト11との間に設けられる。ここで、第1電気モーター100によって回転駆動される第1入力ウォーム81は、第1ウォームギア70と噛み合って中間部材にトルクを伝達する。第1出力ウォーム71は、第1ウォームギア70と共に回転し、ベース74のベースギア75と噛み合って第1出力変速ステージ42を構成する。
【0031】
第1変速機22と比較して、第2変速機24は付加的な変速ステージで構成される。第2変速機24は、第2変速機200の出力201、ここでは第2入力ウォーム31を備えるシャフト32と、第2変速機一次中間部材、ここではウォームギア61およびエボロイド62を備えるシャフト60との間に、第2入力変速ステージ91を備える。一次中間部材のウォームギア61は、第2入力ウォーム31と噛み合い、第2入力変速ステージ91を構成する。
【0032】
ここではシャフト60を含む一次中間部材と、ここではエボロイドギア29および第2出力ウォーム28を備えたシャフト21を含む二次中間部材との間に、中間変速ステージ92が設けられる。一次中間伝達部材のエボロイド62は、二次中間伝達部材のエボロイドギア29と噛み合うので、中間変速ステージ92を構成する。
【0033】
ここではシャフト21を含む第2中間部材と第2被駆動要素20との間に、第2出力変速ステージ93が設けられている。エボロイドギア29と共に回転する第2出力ウォーム28は、第2被駆動要素20、ここではフレーム、特に第2フレーム部48の歯車72と噛み合って、第2出力変速ステージ93を構成する。第2被駆動要素20を駆動すると、特に、第2フレーム部48が第2ピボット軸52を中心にベース74に対して枢動する。
【0034】
この例では、第2変速機24は約1:8の変速比を適用し、例えば、毎秒約30度の入力角速度が毎秒約4度の出力角速度に減速される。
【0035】
エボロイド62はわずか1歯または2歯といった非常に少ない歯を有することができるため、エボロイド62とエボロイドギア29の噛み合いは、大きな減速比を適用するのに特に効果的である。この例では、エボロイド62はわずかに3つの歯を有する。
【0036】
電気モーター100、200は、この例では、起立位置に配置され、電気モーターの出力101、201は、平行軸102、202を中心に回転駆動され、使用中に鉛直方向に、および第1ピボット軸に対して平行に延びる。しかし、電気モーター100、200の他の向きも可能であることは理解されよう。
【0037】
図4は、調整装置44の駆動ユニットを保持するためのキャビティ360を画定するシェル形状のカバー350を有する、車両の外部視覚ユニット300の例を示す。シェル形状のカバー350は、フレーム46、48の一部であってもよいし、それに固定されていてもよく、特に第2フレーム部48に固定されていてもよい。シェル形状のカバー350は、使用時に車両に近接する近位端310と、近位端310とは反対側の遠位端320とを有する。シェル形状のカバー350は、主に空気力学的な理由から、遠位端320に向かって先細りになっている。したがって、
図3Aにも示すように、第1および第2電気モーター100、200は互いに隣接して配置することができ、第1電気モーター100はキャビティ360内の近位端310に近い位置に収容され、第2電気モーター200はシェル形カバー350の遠位端320に近い位置に収容される。
【0038】
図5Aおよび
図5Bは、外部視覚ユニット300と制御モジュール、特に車両371のドア制御モジュール370とから構成されるシステム400の概略例を示す。ドア制御モジュール370は、車両371に対する外部視覚要素の向きを制御するために接続されている。制御モジュール370は、調整装置44に電力信号を送るために、調整装置に接続されてもよい。
【0039】
ドア制御モジュール370は、第1電気モーター100および/または第2電気モーター200に電力を供給するために、調整装置44に電力信号を送るように構成されてもよい。ドア制御モジュールは、例えば、10ワットから20ワットの高電力信号5を外部視覚ユニット300の第1電気モーター100に送り、例えば、1ワットから2ワットの低電力信号6を外部視覚ユニット300の第2電気モーター200に送ることができる。ドア制御モジュール370は、特に、1つの高電力信号5のみを調整装置に送信するように構成されてもよい。
【0040】
この例では、ドア制御モジュール370は、第1電気モーター100を第1速度で動作させるための第1電力信号と、第1電気モーター100をより低い第2速度で動作させるための第2電力信号とを選択的に第1電気モーター100に送るように構成されている。第1電気モーター100を異なる速度で選択的に動作させるために、第2電力信号は、第1電力信号よりも実質的に低くてもよい。したがって、ドア制御モジュール370は、第1パワートレインが少なくとも2つの仮想変速比に従って選択的に動作可能であるように、第1パワートレインに仮想変速機を提供すると考えることができる。2つの仮想変速比のうちの第1のものは、第1電力信号に関連付けられ、2つの仮想変速比のうちの第2のものは、より低い第2電力信号に関連付けられる。システム400は必ずしも
図2~4に示すような調整装置を含む必要はなく、代わりに別の調整装置、例えば
図1に示すような従来技術の調整装置または別の調整装置を含み得ることが理解されよう。
【0041】
第2電力信号は、第1電気モーター100への平均供給電力を低減するための、パルス幅変調電力信号などの変調電力信号7であってもよい。一実施形態では、ドア制御モジュール370は、フレーム46、48が第1ピボット軸50を中心とする所定の角度範囲内の位置にある場合、例えばフレーム46、48が伸展位置に近い場合にのみ、この範囲内の位置で第1ピボット軸50を中心とする調整速度を低下させるために、例えばパルス幅変調または電圧低下によって、第1電気モーター100への電力供給を低下させるようにのみ構成される。ここで、この例のシステム400は、フレーム46、48の位置、特にベース74に対する第1フレーム部46の位置、および/または第2フレーム部48に対する第1フレーム部46の位置を感知するためのセンサー56を備える。センサー56は、例えば、ベース74に対するフレーム46、48の位置を決定するための電位差計またはリップルカウンターから構成することができる。ドア制御モジュール370は、ここではセンサー56に接続され、センサー56からフレーム46、48の位置を示すセンサー信号を受信するように構成されている。ドア制御モジュール370は、この例では、受信したセンサー信号に基づいて、例えば変調された電力信号を第1電気モーター100に送るように構成されている。
【0042】
図5Bの例では、システムは、ドア制御モジュール370と第1電気モーター100および/または第2電気モーター200との間に相互接続された中間制御ユニット380を備える。中間制御ユニット380は、外部視覚ユニット300の一部と見なすことができる。中間制御ユニット380は、例えば、シェル形状のカバー350によって形成されたキャビティ360内に収容することができる。中間制御ユニット380は、ここでは、ドア制御モジュール370から受け取る電力信号5を変調し、変調された電力信号を第1電気モーター100および/または第2電気モーター200に送るように構成されている。例えば、ローカルの中間制御ユニット380は、ドア制御モジュール380から高電力信号5を受信し、受信した電力信号5に基づいて、変調された電力信号7を第1電気モーター100に送信するように構成されてもよい。変調信号7は、受信した電力信号5よりも平均電力が低くてもよい。例えば、中間制御ユニット380は、ドア制御モジュールから受信した電力信号5の電圧を下げることができる。変調信号は、例えば、パルス幅変調信号などのパルス変調信号である。
【0043】
本明細書では、本発明の各実施形態の具体的な例を参照して本発明が説明されている。ただし、本発明において、本発明の本質から逸脱することなく、様々な変更および変形が可能であることは明白であろう。説明を明確化するおよび簡潔にする目的で、特徴は、同じまたは別個の実施形態の一部として本明細書に記載されているが、これらの別個の実施形態に記載される特徴の全てまたはいくつかの組み合わせを有する代替の実施形態も想定される。
【0044】
その他の変更、変形例および代替例が可能である。従って、各仕様、図面、および例は、制限的な意味ではなく、例示的な意味で解釈されるべきである。
【0045】
明瞭化および簡潔な説明のために、特徴は、同じまたは別個の実施形態の一部として本明細書に記載されるが、本発明の範囲は、記載された特徴のすべてまたは一部の組み合わせを有する実施形態を含み得る。
【0046】
特許請求の範囲において、括弧内のいかなる参照符号も、請求項を限定するものとは解釈されないものとする。「備える(comprising)」という用語は、請求項に列挙されたもの以外の特徴または工程の存在を排除するものではない。また、単語「a」および「an」は、「1つだけ」に限定されると解釈されるべきではなく、「少なくとも1つ」を意味するために用いられ、複数を排除しない。単に特定の複数の手段が相互に異なる請求項に記載されているという事実は、これらの手段の組み合わせが有利に使用できないことを示すものではない。
【手続補正書】
【提出日】2024-07-16
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1ピボット軸および第2ピボット軸を中心に車両の外部視覚要素の向きを調整するための調整装置であって、
車両に連結するためのベースと、
前記ベースに枢動可能に結合されたフレームであって、前記第1ピボット軸を中心に前記ベースに対して枢動可能な第1フレーム部と、前記第2ピボット軸を中心に前記第1フレーム部に対して枢動可能な第2フレーム部とを有するフレームと、
前記第1ピボット軸および前記第2ピボット軸を中心に前記フレームを枢軸駆動する駆動ユニットと
を備え、
前記駆動ユニットは、
前記第1ピボット軸を中心に前記第1フレーム部を前記ベースに対して駆動するための第1被駆動要素に第1変速機を介して接続された第1電気モーターを有する、前記第1フレーム部と前記ベースとの間で作動する第1パワートレインと、
前記第2ピボット軸を中心に前記第2フレーム部を前記第1フレーム部に対して駆動するための第2被駆動要素に第2変速機を介して接続された第2電気モーターを有する、前記第1フレーム部と前記第2フレーム部との間で作動する第2パワートレインと
を含み、
前記第2電気モーターは、前記第1電気モーターの定格電力と比較して低い定格電力を有し、前記第2変速機は、前記第2電気モーターから前記第2被駆動要素に第2速度低減変速比を適用し、当該第2速度低減変速比は、前記第1変速機によって提供される第1変速比よりも大きな速度低減を提供する、
調整装置。
【請求項2】
前記第2電気モーターは、前記第1電気モーターに比べて小さいフォームファクターを有し、特に、前記第2電気モーターの体積は、前記第1電気モーターの体積よりも1.1倍から4倍小さい、請求項1に記載の装置。
【請求項3】
前記第2電気モーターの最大消費電力が、前記第1電気モーターの最大消費電力よりも1.1倍から4倍低い、請求項
1に記載の装置。
【請求項4】
前記第1および第2電気モーターが、前記車両の共通のドア制御モジュールによって電力を供給される、請求項
1に記載の装置。
【請求項5】
前記第1電気モーターおよび前記第2電気モーターが低電力電気モーター、特に低電力DC電気モーターである、請求項
1に記載の装置。
【請求項6】
前記第1電気モーターと前記第2電気モーターとを合わせた最大消費電流が、最大で1アンペアから2アンペアの間、好ましくは最大で1.5アンペアである、請求項
1に記載の装置。
【請求項7】
前記第1ピボット軸と前記第2ピボット軸が互いに非平行である、請求項
1に記載の装置。
【請求項8】
前記第2変速機は、前記第2電気モーターの出力速度を前記第2被駆動要素の低減された速度まで減速するための少なくとも3つの減速ステージを含む、請求項
1に記載の装置。
【請求項9】
前記第2変速機は、前記第2電気モーターの出力から一次中間伝達部材までの入力変速ステージと、前記一次中間伝達部材と二次中間伝達部材との間の中間変速ステージと、前記二次中間伝達部材から前記第2被駆動要素までの出力変速ステージとを含む、請求項8に記載の装置。
【請求項10】
前記第2変速機は、エボロイドおよび/またはエボロイドギアを含む、請求項9に記載の装置。
【請求項11】
前記第1変速機が、前記第1電気モーターの出力から前記第1被駆動要素までの単一の変速ステージを含む、請求項
1に記載の装置。
【請求項12】
前記第1フレーム部が、前記第1ピボット軸のみを中心に前記ベースに対して枢動可能であり、および/または、前記第2フレーム部が、前記第2ピボット軸のみを中心に前記第1フレーム部に対して枢動可能である、請求項11に記載の装置。
【請求項13】
前記第1電気モーターの出力軸が前記第1ピボット軸に平行であり、および/または、前記第2電気モーターの出力軸が前記第1ピボット軸に平行である、請求項
1に記載の装置。
【請求項14】
前記第1電気モーターの出力軸が前記第2ピボット軸に平行であり、および/または、前記第2電気モーターの出力軸が前記第2ピボット軸に平行である、請求項
1に記載の装置。
【請求項15】
前記フレームは、前記駆動ユニットを保持するためのキャビティを画定するシェル形状のカバーを含み、当該シェル形状のカバーは、使用時に前記車両に近接して配置される近位側と、当該近位側に対向する遠位側とを含み、前記第1電気モーターおよび前記第2電気モーターは、前記キャビティ内で互いに隣接して配置され、前記第1電気モーターは前記近位側に配置され、前記第2電気モーターは前記遠位側に配置される、請求項
1に記載の装置。
【請求項16】
請求項1から15のいずれかに記載の調整装置と、前記フレームに取り付けられた視覚要素とを備える、車両用の外部視覚ユニット。
【請求項17】
請求項1から15のいずれかに記載の調整装
置と、前記調整装置に電力信号を送るために前記調整装置に動作可能に接続されたドア制御モジュールとを備えるシステムであって、特に、前記電力信号は、前記第1電気モーターに電力を供給するための少なくとも5ワット、特に少なくとも10ワットの1つの高電力信号のみを含み、任意選択的に、前記電力信号は、前記第2電気モーターに電力を供給するための最大5ワット、例えば最大2ワットの低電力信号を含む、システム。
【請求項18】
請求項16に記載の外部視覚ユニットと、前記調整装置に電力信号を送るために前記調整装置に動作可能に接続されたドア制御モジュールとを備えるシステムであって、特に、前記電力信号は、前記第1電気モーターに電力を供給するための少なくとも5ワット、特に少なくとも10ワットの1つの高電力信号のみを含み、任意選択的に、前記電力信号は、前記第2電気モーターに電力を供給するための最大5ワット、例えば最大2ワットの低電力信号を含む、システム。
【国際調査報告】