(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-10-31
(54)【発明の名称】スプールを計量するための装置および方法
(51)【国際特許分類】
G01G 11/04 20060101AFI20241024BHJP
G01G 17/02 20060101ALI20241024BHJP
G01G 11/00 20060101ALI20241024BHJP
【FI】
G01G11/04
G01G17/02 Z
G01G11/00 G
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2024529246
(86)(22)【出願日】2022-10-25
(85)【翻訳文提出日】2024-07-16
(86)【国際出願番号】 EP2022079680
(87)【国際公開番号】W WO2023088642
(87)【国際公開日】2023-05-25
(32)【優先日】2021-11-16
(33)【優先権主張国・地域又は機関】SE
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】513102187
【氏名又は名称】バルメット、アクチボラグ
【氏名又は名称原語表記】VALMET AKTIEBOLAG
(74)【代理人】
【識別番号】100120031
【氏名又は名称】宮嶋 学
(74)【代理人】
【識別番号】100127465
【氏名又は名称】堀田 幸裕
(74)【代理人】
【識別番号】100210790
【氏名又は名称】石川 大策
(72)【発明者】
【氏名】パトリック、エーケグレーン
(72)【発明者】
【氏名】ヨハンナ、ピール
(72)【発明者】
【氏名】ミッキー、リンデバール
(72)【発明者】
【氏名】オーラ、アダムソン
(72)【発明者】
【氏名】ラース、ペー、ヘルストレーム
(57)【要約】
計量ステーションでスプール上の連続ウェブ材料のロールを計量するための装置および方法であって、従来の装置および方法よりも機械部品点数が少なく安全に使用される装置および方法が記載される。装置は、一対のガイドレールの少なくとも一方の隣に配置されるとともに、ダンパとロードセルとを備えている。ロードセルは、少なくとも一方のガイドレールに組み込まれている。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
連続プロセスにおいて計量ステーションでスプール(2;102;202)上の連続ウェブ材料のロールを計量するための装置(1;101;201)であって、前記装置は、一対のガイドレール(3;103;203、3’)の少なくとも一方の隣に配置されるとともに、
ダンパ(4;104;204)と、
ロードセル(5;105;205)と、
を備え、
前記ロードセルは、少なくとも一方のガイドレールに組み込まれている、
ことを特徴とする装置。
【請求項2】
ブレーキ装置(106;206)をさらに備える、
請求項1に記載の装置。
【請求項3】
キック装置(207)をさらに備える、
請求項1または2に記載の装置。
【請求項4】
前記ダンパ(4;104;204)は、前記キック装置としても機能する、
請求項3に記載の装置。
【請求項5】
前記ロードセルは、横方向の凹部(108;208)、好適にはV字形状の凹部を有するロードセルである、
請求項1~4のいずれかに記載の装置。
【請求項6】
前記V字形状の前記凹部は、前記ガイドレールに対して直交する方向にある、
請求項5に記載の装置。
【請求項7】
前記スプール(2;102;202)が前記計量ステーションに進入したことを示す能力を有する位置センサ(9;209)を、前記ダンパ(4;104;204)の隣にさらに備える、
請求項1~6のいずれかに記載の装置。
【請求項8】
前記ロードセルは、少なくとも1つのひずみゲージを有する金属製の本体を備える、
請求項1~7のいずれか一項に記載の装置。
【請求項9】
スプール上の連続ウェブ材料のロールを計量するためのシステムであって、前記スプール(2)の両側に1つずつ設けられた横方向に間隔を空けた2つの傾斜したガイドレール(3、3’)と、各ガイドレールの隣に1つずつ設けられた請求項1~8のいずれかに記載の装置(1、1’)2つと、を備えるシステム。
【請求項10】
一対のガイドレール(3;3’)の少なくとも一方の隣に配置された計量装置(1)において、前記一対のガイドレール(3、3’)に沿って搬送されるスプール(2)上の連続ウェブ材料のロールを計量するための方法であって、前記方法は、
i.ダンパ(4)を使用して、前記ガイドレールに沿った前記スプール(2)の搬送速度を0m/sまで減速させるステップと、
ii.前記スプール(2)を前記ガイドレールに組み込まれたロードセル(5)上で計量するステップと、
iii.前記スプールを前記計量装置(1)から排出するステップと、
を備え、
ステップiの後に前記ダンパ(4)がその当初位置に戻ることにより、前記計量ステップiiにおいて、前記ロードセル(5)以外のいずれの部品も、前記スプールに直接的に接触しない、
ことを特徴とする方法。
【請求項11】
一対のガイドレール(103;103’)の少なくとも一方の隣に配置された計量装置(101)において、前記一対のガイドレール(103、103’)に沿って搬送されるスプール(102)上の連続ウェブ材料のロールを計量するための方法であって、前記方法は、
i.ダンパ(104)を使用して、前記ガイドレールに沿った前記スプール(102)の搬送速度を0m/sまで減速させるステップと、
ii.ブレーキ装置(106)を使用して、前記スプールのその軸周りの回転を減速させるステップと、
iii.前記スプールをロードセル(105)上で計量するステップと、
iv.前記スプールを前記計量装置(101)から排出するステップと、
を備え、
ステップiの後に前記ダンパ(104)がその当初位置に戻り、かつステップiiの後に前記ブレーキ(106)がその当初位置に戻ることにより、前記計量ステップiiiにおいて、前記ガイドレールに組み込まれた前記ロードセル以外のいずれの部品も、前記スプールに直接的に接触しない、
ことを特徴とする方法。
【請求項12】
前記計量ステップの前に、前記スプールを前記ロードセル(5)上で位置決めするステップをさらに備える、
請求項10または11に記載の方法。
【請求項13】
キック装置(207)を使用して、前記スプールを計量ステーションから排出する、
請求項10~12のいずれかに記載の方法。
【請求項14】
前記ダンパ(4;104;204)を前記キック装置(207)として使用することにより、前記スプールを前記計量ステーションから排出する、
請求項13に記載の方法。
【請求項15】
前記ロードセルは、前記ガイドレールの方向に対して直交するV字形状の凹部を有する、
請求項10~14のいずれか一項に記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、連続プロセスにおいて計量ステーションでスプール上のロールを計量するための装置および方法に関する。装置は、好適には、一対のガイドレールの少なくとも一方の隣に配置されるとともに、ダンパとロードセルとを備えている。装置および方法は、例えば、連続ウェブ材料、特にペーパー材料を製造するためのシステムで使用され得る。
【背景技術】
【0002】
材料をスプールに巻き取るプロセス(処理)では、プロセスの1つ以上の段階でスプールを計量する必要がある。様々なタイプの計量ステーションが、長年に亘って使用されており、現在も計量ステップを実施するために使用されている。
【0003】
計量ステップを実施するために様々なタイプのスケールが採用されている。これらのスケールのうちの一部は、本質的に完全に機械式である。一方で他のものは、油圧流体を圧送する電気モータに接続可能な油圧システムを採用している。
【0004】
機械式スケールの問題点は、このようなスケールには多くの可動部品が含まれているため、継続的なメンテナンスが必要であるということである。さらに、あらゆる機械式スケールは摩耗するため、定期的に再調整される。これにより、計量ステーションが使用できなくなる。
【0005】
電動流体ポンプを有する油圧システムも、比較的高レベルのメンテナンスならびに定期的な再調整が必要である。US4137977Aは、ペーパーのスプールを計量するためのシステムについて記載している。ここでは、油圧システムを使用して重量が測定される。油圧シリンダには、ロードセル等の力応答装置を有し得る格納可能なピストンが設けられている。このシステムの問題は、重量を記録できる前にスプールをレールから外さなければならないように設計されていることである。
【0006】
US4137977Aでは、他の従来技術のシステムと同様に、スプールを計量のために処理ラインから取り外すことが必要である。スプールを、レールに接触しないように外して別の場所に移動させる、または単に上方に移動させることも、安全上問題がある。スプールを何らかの方法で外す場合、計量中にオペレータがライン付近にいることは安全ではない。
【0007】
使用するシステムのタイプにかかわらず、本分野の従来技術では、典型的に複数の可動部品が存在し、各動作を実行するには一定の時間が必要である。スプールを処理ラインから迂回させる必要のあるシステムでは、計量ステップにより製造プロセスが遅くなる。計量プロセスは、時間的に重要な課題であり、効率的に実施できなければ、次の処理ステップが遅れてしまう。
【0008】
US3190382は、ペーパーロールを、巻取機から通じる軌道から取り外さずに迅速に計量するための計量装置およびシステムについて記載している。ロールは、計量システムの支持パッド上に乗り上げ、流体圧ジャッキを使用することにより、これらのパッドに対して概ね中心合わせをした関係で自動的に停止し、パッドから延びるプッシュロッドの押し下げにより計量される。このタイプのシステムの問題は、上述のように、多数の部品が存在し、これらすべてがシステムを使用可能とするために作動しなければならないことである。計量の精度は、複数の機械的公差および互いに連結された一連の構成要素により左右される。多くの構成部品により、精度が低下し誤差の原因となる。
【0009】
CN110823350Aは、布地用ローラ計量装置について記載している。ここでは、ロールをプラットホームまで上方に移動させ、計量装置の上方に配置された爪まで転げ落とす。爪は、計量中に格納されているが、ロールを次のプラットホームまで上方に移動させるためにその後使用される。上述の他の従来技術と同様に、このシステムも多数の可動部品を含んでいる。さらに、これは重いロールには適さない。なぜならば、重いロールは、爪に落下する際に、爪を傷つけ得る、および/またはアームの機構に大きな影響を及ぼし得るからである。
【0010】
このため、オペレータが安全に使用できる装置およびシステムであって、機械部品が少なくて済むと同時に、効率的で高い精度および再現性を有する装置およびシステムが必要とされている。
【発明の概要】
【0011】
安全かつ効率的であり高い精度を有する解決策は、実際の計量装置がレールに組み込まれていることにより取り外す必要がない、計量用装置である。
【0012】
本発明の第1態様によれば、連続プロセスにおいて計量ステーションでスプール上の連続ウェブ材料のロールを計量するための装置が提供され、前記装置は、一対のガイドレールの少なくとも一方の隣に配置されるとともに、ダンパとロードセルと、を備え、前記ロードセルは、少なくとも一方のガイドレールに組み込まれている。
【0013】
本発明の一実施形態によれば、前記装置には、ブレーキ装置がさらに設けられる。
【0014】
別の実施形態によれば、前記装置には、キック装置がさらに設けられる。
【0015】
一部の実施形態によれば、前記ダンパは、キック装置としても機能する。
【0016】
さらなる実施形態によれば、前記ロードセルは、横方向の凹部、好適にはV字形状の凹部を有するロードセルである。
【0017】
一部の実施形態によれば、前記V字形状の前記凹部は、前記ガイドレールに対して直交する方向にある。
【0018】
別の実施形態によれば、前記装置には、前記スプールが前記計量ステーションに進入したことを示す能力を有する位置センサが、前記ダンパの隣にさらに設けられる。
【0019】
また別の実施形態において、前記ロードセルは、少なくとも1つのひずみゲージを有する金属製の本体を備える。
【0020】
本発明の第2態様によれば、スプール上の連続ウェブ材料のロールを計量するためのシステムであって、前記システムは、前記スプールの両側に1つずつ設けられた横方向に間隔を空けた2つの傾斜したガイドレールと、上述のもののいずれかによる2つの装置と、を備える。2つの装置は、各ガイドレールの隣に1つずつ配置される。
【0021】
本発明の第3態様によれば、一対のガイドレールの少なくとも一方の隣に配置された計量装置において、前記一対のガイドレールに沿って搬送されるスプール上の連続ウェブ材料のロールを計量するための方法が提供され、前記方法は、
i.ダンパを使用して、前記ガイドレールに沿った前記スプールの搬送速度を0m/sまで減速させるステップと、
ii.前記スプールをロードセル上で計量するステップと、
iv.前記スプールを前記計量装置から排出するステップと、
を備え、
ステップiの後に前記ダンパがその当初位置に戻ることにより、前記計量ステップiiにおいて、前記ロードセル以外のいずれの部品も、前記スプールに直接的に接触しない。
【0022】
一部の実施形態によれば、前記方法は、ブレーキステップをさらに備える。ブレーキステップは、ブレーキ装置を使用して、前記スプールのその軸周りの回転を減速させるステップである。前記ブレーキステップの後に前記ブレーキがその当初位置に戻ることにより、前記計量ステップにおいて前記ロードセル以外のいずれの部品も、前記スプールに直接的に接触しない。
【0023】
一部の実施形態によれば、前記方法は、前記計量ステップの前に、前記スプールを前記ロードセル上で位置決めするステップをさらに備える。
【0024】
一部の実施形態によれば、キック装置を使用して、前記スプールを前記計量ステーションから排出する。一部の実施形態によれば、前記ダンパを前記キック装置として使用することにより、前記スプールを前記計量ステーションから排出する。
【0025】
一部の実施形態によれば、前記ロードセルは、前記ガイドレールの前記方向に対して直交するV字形状の凹部を有する。
【0026】
本発明について、添付図面を参照しつつ以下により詳細に説明する。
【図面の簡単な説明】
【0027】
【
図1A】
図1Aは、スプール上で連続ウェブロールを製造するためのシステムの全体斜視図を示す。
【
図1B】
図1Bは、ガイドレール上のスプールの端部の拡大斜視図を示す。
【
図1C】
図1Cは、計量ステーションを備える連続処理システムの上面図を示す。
【
図2A】
図2Aは、ガイドレール上の計量装置の第1実施形態の斜視図を示す。
【
図2B】
図2Bは、ガイドレール上の計量装置の第2実施形態の斜視図を示す。
【
図3A】
図3Aは、計量装置のさらなる実施形態の斜視図を示す。
【
図3B】
図3Bは、計量装置のさらなる実施形態の側面図を示す。
【
図4A】
図4Aは、連続プロセスにおいてスプールを計量する方法における、計量装置の配置を示す。
【
図4B】
図4Bは、連続プロセスにおいてスプールを計量する方法における、計量装置の別の配置を示す。
【
図4C】
図4C、連続プロセスにおいてスプールを計量する方法における、計量装置の別の配置を示す。
【
図4D】
図4Dは、連続プロセスにおいてスプールを計量する方法における、計量装置の別の配置を示す。
【
図4E】
図4Eは、連続プロセスにおいてスプールを計量する方法における、計量装置の別の配置を示す。
【発明を実施するための形態】
【0028】
本発明では、連続プロセスの計量ステーションにおいてスプール上の連続ウェブ材料のロールを計量するための装置について説明する。装置は、一対のガイドレールの少なくとも一方の隣に配置されている。
【0029】
連続プロセスは、多くの用途で利用され得るとともに、ガイドレールに沿って様々なタイプのステーションを備え得る。連続ウェブ材料のロールは、スプール上に配置される。このスプールは、レールに直接的に接触している。連続ウェブ材料のロールは、レールにもシステムの他のいかなる部品にも接触しない。
図1Aは、このようなシステムの全体図を示す。スプール2は、一対のガイドレール3、3’に沿って搬送されるように配置されている。
【0030】
図1Bは、ガイドレール3の一方上にあるスプール2の一端部を拡大して示す。ロードセル5の一種も示されている。使用するロードセルのタイプは、以下で詳細に説明するように変更可能である。本図は、レール3およびロードセルに接触しているのはスプールのみであることを示すように提示されている。
【0031】
本明細書において説明するプロセスは、ペーパー材料を製造するためのプロセスであるが、本装置および本方法は、スプール上で連続ウェブ材料のロールを製造するために使用されるあらゆるシステムにおいて使用することができる。
【0032】
典型的な連続プロセスにおいて、ロールがリールに巻かれ、連続ウェブ材料がコアシャフトまたはリールスプールに巻き取られる。ロールが設定された直径に達すると、スプールは巻取エリアから排出され、ガイドレール上のリールの第1ステーションに、設定された搬送速度で搬送される。ガイドレールは、好適にはわずかな傾斜を有しているため、スプールは外力をまったく必要とせずに前進する。レールの勾配により、スプールは、ブレーキやストッパ等に到達するまで、ガイドレールに沿って回転運動しながら移動する。好適には、材料の巻取は反時計方向に実施され、レール上でのスプールの回転方向は反対方向である。
【0033】
リールに沿ったステーションの個数、ならびにステーションの順番は、処理に応じて変更可能である。本明細書の例は、いかなる限定をも意図するものではない。
【0034】
スプールが計量ステーションに到達すると、重量が計量装置により特定される。その後、スプールは排出されて次のステーションに続く。あるいは、計量ステーションが最終ステーションの場合には、スプールはレールから外されて搬送される、または使用時まで保管される。
【0035】
図1Cに示すシステムにおいて、スプール2は、スプール2の端部が2つのガイドレール3、3’の各々上にそれぞれある状態で、レールに沿って計量ステーションに搬送されてきたところである。スプールを計量するための第1装置1が一方のガイドレール3に配置されており、第2計量装置1’が他方のガイドレール3’に配置されている。
【0036】
図1Cに示すシステムは、各ガイドレールに1つずつある2つの計量装置が示されているが、2つのガイドレールの一方に計量装置を1つ有するシステムも可能である。
【0037】
本発明において、計量装置は、スプール上の材料に決して接触しない。計量装置は、コアシャフトのシャフト端部またはリールスプール(以下「スプール」と称する)にしか接触しない。これは、計量に影響を及ぼし得る装置の部品が存在しないため有利である。例えば計量中にダンパがスプールに接触するシステムでは、ダンパにより、計量装置が記録する重量が変わってしまう惧れがある。
【0038】
計量装置の第1実施形態を、
図2Aに示す。
図2Aの計量装置1は、ダンパ4とロードセル5とを備えている。ロードセルは、少なくとも一方のガイドレール3に組み込まれている。
【0039】
スプールが計量ステーションに進入すると、ダンパ4は、ガイドレールに沿ったスプールの搬送速度を、スプールが完全に停止するまで減速させる。ダンパは、スプールがロードセル上の所定位置にあるとき完全な停止が生じるように配置されている。その後、ダンパはその当初位置に戻る、すなわち格納される。これにより、計量プロセス中にスプールにいかなる他の部品も接触することなく、計量が実施され得る。
【0040】
その後、スプールは、システムがスプールを次のステーションに排出するよう、待ち状態で保留される。
【0041】
計量システムで使用されるロードセルのタイプは、計量するスプールのタイプに応じて変更することができる。ロードセルは、エネルギーをある形態から別の形態に変換する能力を有している。本出願において使用されるロードセルは、圧縮または圧力の運動エネルギーを測定可能な電気信号に変換する。信号の強度は、スプールの重量に比例して変化する。ウェブ材料を含まないスプールの重量は既知であり、ウェブ材料の重量は、ロードセルからの信号により計算され得るとともに、ディスプレイや制御ユニット等に表示され得る。
【0042】
ガイドレールに組み込まれたロードセルを使用することで、連続プロセス用の計量システムで現在使用されているシステムに比較して、可動部品の少ないシステムが得られる。可動部品が少ないため、メンテナンスが少なくて済み、信頼性が高くなる。こうして、計量の精度が良好になる。
【0043】
本実施形態による計量装置の他のすべての部品は、
図1A~
図1Cを参照して先に説明した実施形態のいずれかに記載の通りである。
【0044】
計量装置の第2実施形態を
図2Bに示す。
図2Bの計量装置101は、ダンパ104とロードセル105とを備えている。ロードセル105は、横方向の凹部108、好適にはV字形状の凹部を有している。ロードセル105は、ガイドレール103に組み込まれている。計量装置101は、ガイドレール103の隣に配置されるとともにこれに接続している。
【0045】
ロードセルは、好適には、ガイドレールに対して直交する方向に凹部を有している。スプールがロードセル上の所定位置にある場合、凹部により、いかなる他の部品もスプールに接触することなく、スプールは所定位置に留まり得る。
【0046】
本明細書において説明する実施形態のいずれでも使用できる他のタイプのロードセルは、金属製、好適にはスチール製の本体を備えるとともに、少なくとも1つのひずみゲージを有する。荷重が加えられると、ロードセルの本体はわずかに変形するが、過負荷でない限り、常にその当初形状に戻る。本体の形状変化に応じて、ひずみゲージも形状が変化する。これにより、ひずみゲージの電気抵抗が変化し、これが電圧変化として測定され得る。この出力における変化は、加えられた重量の量に比例するため、ウェブ材料を有するスプールの重量を圧力変化から特定することができる。ロードセルからの信号は、機械制御システムにより、スプールの重量に修正され得る。
【0047】
本実施形態による計量装置の他のすべての部品は、
図1A~
図1Cおよび
図2Aを参照して先に説明した実施形態のいずれかに記載の通りである。
【0048】
システムには、スプールの回転運動を減速させて停止させるブレーキ装置がさらに設けられ得る。ブレーキ装置は、独立型のブレーキ装置であっても、計量装置の一部であってもよい。ブレーキ装置は、本明細書で説明する実施形態のいずれでも使用され得る。
【0049】
図3Aは、ガイドレール203に接続する計量装置201のさらなる実施形態を示す。計量装置201は、ガイドレール203に沿ったスプールの運動を停止させるブレーキ装置206と、ダンパ204と、前記ガイドレール203に組み込まれたロードセル205であって横方向の凹部208を有するロードセル205と、計量の完了後にスプールを排出するキック装置207と、を備えている。
【0050】
上記の他の実施形態を参照して説明したように、スプール(
図3Aに示さず)が移動してロードセルに接近すると、ダンパ204装置はスプールの搬送速度を減速させるため、スプールは停止する。そして、ダンパ204は、その当初位置に戻る、または格納される。これにより、計量プロセス中にスプールにいかなる他の部品も接触することなく、計量が実施され得る。
【0051】
その後、ブレーキ206は、スプール202をダンパ204に対して押し付け、スプールの軸周りの回転の停止を支援する。そして、ブレーキ206は、その当初位置に戻る、すなわちスプールから格納されることにより、スプールの計量中にロードセル以外のいずれの部品もスプールに直接的に接触しない。横方向の凹部208を有するロードセル205を使用する場合、ロードセルの形状により、スプールは、ゆっくりと他のロードセルに向かって後退する。必要に応じて、ブレーキが、スプールをロードセル上で正確に位置決めするために使用され得る。
【0052】
計量装置201には、スプールをロードセルから蹴り出すキック装置207がさらに設けられている。これにより、スプールは、例えば別の次のステーションにガイドレールに沿ってさらに搬送され得る。キック装置は、本明細書で説明する実施形態のいずれでも使用され得る。
【0053】
キッカー装置は、独立型のキック装置であっても、以下に説明するようにブレーキ装置の一部であってもよい。
【0054】
本実施形態による計量装置の他のすべての部品は、
図1A~
図1Cおよび
図2A~
図2Bを参照して先に説明した実施形態のいずれかに記載の通りである。
【0055】
図3Bは、計量装置201の代替実施形態の側面図である。この装置は、スプール(
図3Bに示さず)のガイドレール203に沿った搬送速度を0m/sまで減速させるダンパ204と、
図3Aを参照して説明したスプールのその軸周りの回転を停止させるブレーキ206と、を備えている。
図3Bに示す位置において、ダンパ204は、スプールを減速させるアクティブ位置にある。その後、ブレーキが、スプールをダンパに対して押し付けることにより、その回転軸周りの回転を停止させる。スプールが停止すると、ロードセル205がスプールの重量を記録する。計量が完了すると、ダンパの他方の端部が、スプールをロードセルおよび計量装置上の所定位置から蹴り出すキック装置207として機能する。これにより、スプールはガイドレールに沿って再び移動を開始する。
【0056】
キック装置は、好適には、スプールをステーションから排出するようシステムにコマンドを出すペレータにより制御される。その後、ティッシュスプールは、重力により(傾斜したレールにより)次のステーションまで移動を続ける。
【0057】
この特定の実施形態において、ブレーキ、ダンパ、およびキッカーを移動させる油圧システムの例を示す。ブレーキ206は、ブレーキをスプールに押し付けてスプールの回転運動を停止させるために使用されるブレーキアーム2061に接続している。油圧シリンダ2062が、ブレーキアーム2061を回転させるとともに上方に移動させるように使用される。ダンパ204は、油圧シリンダ2041とバネ2042とを備える油圧ダンパである。この油圧ダンパは、スプールがロードセル上で滑らかに停止するように、スプールの移動を減速させる。スプールがロードセル上に位置すると、ダンパは、バネによりその当初位置に戻る。キッカー装置207は、キッカーアーム2071に接続している。キッカーアーム2071は、油圧シリンダ2072に接続して、計量ステップが完了すると、装置を計量ステーションから蹴り出す。油圧シリンダ2072を使用することで、キックアーム2071は図面において右側に押される。油圧シリンダ2072がキックアーム2071とともにダンパ204を引き下げることにより、スプールは再びレール上を自由に回転することができる。ダンパの後縁部は、スピンドルを加速させるキック装置として使用される。当業者には、他のタイプのブレーキ、ダンパ、キッカー構成体/装置が使用できること、および本装置の範囲を本例に限定することが意図されていないことが理解される。
【0058】
本実施形態による計量装置の他のすべての部品は、
図1A~
図1Cおよび
図2A~
図2Bを参照して先に説明した実施形態のいずれかに記載の通りである。
【0059】
計量装置には、ダンパ4;104;204の隣に位置センサ9;209がさらに設けられ得る。位置センサ9;209は、スプールが計量ステーションに進入したことを示す能力を有している。これにより、スプールが計量ステーションに到着したこと、および計量装置のダンパを始動させるべきであることを把握するシステムの能力が向上する。また、例えばいつ計量が完了したか、およびいつスプールが計量装置から退出したかを把握するように、複数の位置センサをシステムに追加することも可能である。位置センサは、本明細書で説明する実施形態のいずれでも使用され得る。
【0060】
スプール上の連続ウェブ材料のロールを計量するためのシステムは、スプール2;102;202の両側に1つずつ設けられた横方向に間隔を空けた2つの傾斜したガイドレール3;103;203;3’;103’;203’を備えている。一部のシステムにおいて、各ガイドレールの隣に1つずつ設けられた2つの計量装置1;101;201;1’;101’;201’を有することが有利であり得る。したがって、スプールの重量が、スプールの各端部におけるロードセルにより計量され、両ロードセルからの値が機械制御システムに送信される。
【0061】
上述のすべての特徴は、説明した様々な実施形態において互いに組み合わせられ得る。
【0062】
また、本発明は、上述のいずれかに実施形態に従って説明した装置を使用して、スプール上の連続ウェブ材料のロールを計量する方法も対象とする。
【0063】
図4A~
図4Eは、本発明による連続ウェブ材料のスプールを計量する方法における、スプール、ガイドレール、ロードセル、ダンパ、およびキッカーの異なる配置を示す。
【0064】
一対のガイドレール3、3’に沿って搬送されるスプール2上の連続ウェブ材料のロールを計量する方法が提供され、本方法は:
i.前記ダンパ4を使用して、前記ガイドレールに沿った前記スプール2の搬送速度を0m/sまで減速させるステップと;
ii.前記スプールをロードセル5上で計量するステップと;
iii.前記スプールを前記計量装置から排出するステップと;
を少なくとも備え、
ステップiの後に前記ダンパ4がその当初位置に戻ることにより、前記計量ステップiiにおいて、前記ロードセル5以外のいずれの部品も、前記スプール2に直接的に接触しない。
【0065】
本方法は、前記ブレーキ装置106を使用して、スプールのその軸周りの回転を減速させるステップをさらに備え、本方法は:
i.ダンパ4;104;204を使用して、前記ガイドレールに沿った前記スプール2;102;202の搬送速度を0m/sまで減速させるステップと;
ii.ブレーキ装置6;106;206を使用して、前記スプールのその軸周りの回転を減速させるステップと;
iii.前記スプールをロードセル5;105;205上で計量するステップと;
iv.前記スプール2;102;202を前記計量装置1;101;202から排出するステップと;
をこの順序で備え、
ステップiの後に前記ダンパ4がその当初位置に戻り、かつ前記ブレーキ6;106;206がその当初位置に戻ることにより、前記計量ステップiiiにおいて、前記ロードセル5;105;205以外のいずれの部品も、前記スプール2;102;202に直接的に接触しない。
【0066】
本方法は、計量ステップ前に、スプール2;102;202をロードセル5;105;205上に位置決めするステップをさらに備え得る。ブレーキがスプールの回転を減速させた後、ブレーキは、その当初位置に戻る、すなわち格納される。横方向の凹部208を有するロードセルを使用する場合、ロードセルの形状により、スプールは、ゆっくりとロードセルに向かって後退する。ダンパアームを使用してこの移動を開始させてもよく、ブレーキアームを使用してスプールをロードセル内またはロードセル上に案内してもよい。
【0067】
ロードセルが、直交する凹部を有するV字形状のロードセルである場合、ブレーキは、スプールを、ロードセルの中央の凹部内にガイドする。これによる方法は:
i.ダンパ4;104;204を使用して、前記ガイドレールに沿った前記スプール2;102;202の搬送速度を0m/sまで減速させるステップと;
ii.ブレーキ装置6;106;206を使用して、前記スプールのその軸周りの回転を減速させるステップと;
iii.前記スプール2;102;202をロードセル5;105;205上で位置決めするステップと;
iv.前記スプール2;102;202をロードセル5;105;205上で計量するステップと;
v.前記スプール2;102;202を前記計量装置1;101;202から排出するステップと;
をこの順序で備え、
ステップiの後に前記ダンパ4がその当初位置に戻り、かつ前記ブレーキ6;106;206がその当初位置に戻ることにより、前記計量ステップivにおいて、前記ロードセル5;105;205以外のいずれの部品も、前記スプール2;102;202に直接的に接触しない。
【0068】
上述の方法のいずれかによるスプール2;102;202を計量装置から排出するステップは、キック装置7;107;207を使用して実施され得る。ダンパ4;104;204が、キック装置として使用され得る。
【0069】
本方法は、スプール2;102;202がステーションに進入したことを示す任意のステップをさらに備え得る。ダンパに配置された位置センサ9(
図4Bに示す)が、スプールがステーションに進入したことを示し、したがって、上述の方法におけるステップi.と組み合わせて実施され得る。位置センサは、本明細書で説明する実施形態のいずれでも使用され得る。
【0070】
【0071】
図面において、1~9でナンバリングされた部品を有する第1実施形態を参照しつつ本方法を示すが、対応する部品10Xおよび20Xを有する他の実施形態にも適用可能である。計量装置を1として示すが、101または201でもあり得る。スプールを2として示すが、102または202でもあり得る。ガイドレールを3として示すが、103または303でもあり得る、ナンバリングされた残りの部品についても同様である。
【0072】
図4Aは、計量装置1に向かってガイドレール3に沿って、ダンパ4に向かって搬送される途中のスプール2を示す。ダンパ4は、そのアクティブ位置にあって、スプールが所定位置に来るのを待機している。スプールは、ガイドレールに沿って、図面の矢印の方向において移動している。上述のように、スプールはそれ自身の軸周りで反対方向に(反時計方向に)回転している。
【0073】
図4Bは、上述の方法のステップi.における、装置内の様々な手段の位置を示す。図面は、装置の拡大であり、ダンパ4が、ダンパ4を使用してガイドレール3、3’に沿ったスプール2の搬送速度を0m/sまで減速させている。この図面におけるダンパは、スプールに直接的に接触するため、速度が減速され得る。
【0074】
図4Cは、ブレーキ装置6を使用して、スプールのその軸周りの回転を減速させる任意のステップにおける、装置内の様々な手段の位置を示す。この図面において、ブレーキ6がスプール2に直接的に接触するため、スプールが停止するまで回転が減速され得る。
【0075】
図4Dは、計量中における、装置内の様々な手段、特にブレーキ6およびダンパ4の状位置の拡大図を示す。この図面において、ダンパもブレーキもスプール2に直接的に接触しておらず、装置1を参照して説明したように、計量はロードセル5を使用することにより実施され得ることが明瞭に示されている。
【0076】
図4Eは、キック装置7を使用して、スプール2を、計量装置1を備える計量ステーションから押し出す任意のステップにおける、装置内の様々な手段の位置を示す。この図面において、ダンパ4は、ダンパの他方の端部(搬送測度を減速させるために使用される端部の反対側の端部)を使用してキック装置として同様に機能している。
図4Bに示すように、キック装置7は、スプールに直接的に接触して、スプールをロードセル5から蹴り出す/押し出す。位置センサ9は、任意であり上述の通り機能する。
【0077】
スプール2は、適切な装置を使用して計量装置から排出され得るが、キック装置7を使用することが好適である。
【0078】
本発明による装置および方法は、連続ウェブ材料を有するスプールのより安全でより時間効率的な計量手順を提供する。計量手順のいずれのステップにおいても、スプールを外す必要がない。これにより、当然ながらオペレータに安全な環境が提供されるだけでなく、計量手順の時間が短縮されるため、効率が向上する。
【国際調査報告】