(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-10-31
(54)【発明の名称】電極走行装置
(51)【国際特許分類】
H01M 4/04 20060101AFI20241024BHJP
H01M 4/139 20100101ALI20241024BHJP
【FI】
H01M4/04 Z
H01M4/139
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2024529249
(86)(22)【出願日】2022-12-19
(85)【翻訳文提出日】2024-05-15
(86)【国際出願番号】 KR2022020729
(87)【国際公開番号】W WO2023121185
(87)【国際公開日】2023-06-29
(31)【優先権主張番号】10-2021-0183212
(32)【優先日】2021-12-20
(33)【優先権主張国・地域又は機関】KR
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】521065355
【氏名又は名称】エルジー エナジー ソリューション リミテッド
(74)【代理人】
【識別番号】110000877
【氏名又は名称】弁理士法人RYUKA国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】リー、キョウン ホ
(72)【発明者】
【氏名】キム、ミン キ
(72)【発明者】
【氏名】カン、リェオン ホ
(72)【発明者】
【氏名】クウォン、キ スン
【テーマコード(参考)】
5H050
【Fターム(参考)】
5H050AA19
5H050BA08
5H050BA17
5H050BA18
5H050GA29
5H050HA03
(57)【要約】
本発明は、電極走行装置に関し、電極の種類の変更などにより電極の幅が変更され、電極が通過する電極走行ローラの位置を修正する必要がある場合に、電極走行ローラの位置を一括して調整することで、電極走行ローラを容易に移動させるかまたは同一線上に位置させ、電極走行ローラの再配置に費やされる時間およびエネルギーを減らし、作業を単純化して全体工程の効率性を高めることができる電極走行装置に関する。
本発明に係る、活物質がコーティングされた電極を走行させる電極走行装置は、メインベースと、メインベースに平行に離隔したサブベースと、サブベースからメインベースの反対側に延びたシャフトと、シャフトに対して回転し、電極と接触する電極走行ローラと、メインベースとサブベースとの間に配置され、メインベースとサブベースとの間隔を調節する位置調整器と、を含む。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
活物質がコーティングされた電極を走行させる電極走行装置であって、
メインベースと、
前記メインベースから離隔して配置されるサブベースと、
前記メインベースから遠ざかるように前記サブベースから延びたシャフトと、
前記シャフトを中心に回転し、前記電極と接触する電極走行ローラと、
前記メインベースと前記サブベースとの間に配置され、前記メインベースと前記サブベースとの間隔を調節する位置調整器と、
を含む、電極走行装置。
【請求項2】
前記電極走行ローラは、
前記サブベースに連結され、前記シャフトに対して回転する間に軸方向に固定される、請求項1に記載の電極走行装置。
【請求項3】
前記電極走行ローラは、
大径部と、
前記大径部よりも直径が小さい小径部と、を含み、
前記サブベースと前記大径部との距離は、前記サブベースと前記小径部との距離よりも近い、請求項1に記載の電極走行装置。
【請求項4】
前記電極走行ローラは、
前記大径部と前記小径部を連結し、前記小径部に近づくほど直径が減少するテーパー部をさらに含む、請求項3に記載の電極走行装置。
【請求項5】
前記位置調整器は、
前記メインベースを貫通して備えられたナットと、
前記ナットを貫通して延びるように備えられ、前記ナットと締結されたスクリューシャフトと、を含む、請求項1に記載の電極走行装置。
【請求項6】
前記サブベースを貫通して前記スクリューシャフトと連結され、前記スクリューシャフトと共に回転するハンドルをさらに含む、請求項5に記載の電極走行装置。
【請求項7】
前記サブベースの外面に配置され、前記サブベースと前記メインベースとの距離を示す位置指示器と、
前記メインベースから前記位置指示器を貫通するように延びた基準軸と、をさらに含む、請求項1に記載の電極走行装置。
【請求項8】
前記シャフトに取り付けられ、前記電極走行ローラを間に置いて前記サブベースの反対側に配置されるキャップをさらに含む、請求項1に記載の電極走行装置。
【請求項9】
前記メインベースに連結され、前記サブベースに向かう方向に前記サブベースを貫通して延び、前記サブベースの移動をガイドするガイド軸をさらに含む、請求項1に記載の電極走行装置。
【請求項10】
前記位置調整器に連結され、前記位置調整器の作動を調節するサーボモータをさらに含む、請求項1に記載の電極走行装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本出願は、2021年12月20日付けの韓国特許出願第10-2021-0183212号に基づく優先権の利益を主張し、当該韓国特許出願の文献に開示された全ての内容は、本明細書の一部として組み込まれる。
【0002】
本発明は、電極走行装置に関し、より詳しくは、二次電池の製造に用いられる電極を走行させる電極走行装置に関する。
【背景技術】
【0003】
近年、化石燃料の枯渇によるエネルギー源の価格上昇、環境汚染への関心が増すにつれ、環境に優しい代替エネルギー源に対する要求が未来生活のための必須不可欠な要因となっている。そこで、太陽光、風力、潮力などの多様な電力生産技術に関する研究が持続しており、このように生産された電気エネルギーをさらに効率的に使用するための電池などの電力貯蔵装置への多大な関心も続いている。
【0004】
さらに、電池を使用する電子モバイル機器および電気自動車に関する技術開発および需要が増加するにつれ、エネルギー源としての電池の需要が急激に増加し、それにより、多様な要求に応じ得る電池に関する多くの研究が行われている。
【0005】
一般的に、電気エネルギーを貯蔵する電池は、一次電池と二次電池に区分することができる。一次電池は、使い捨ての消耗性電池であるのに対し、二次電池は、電流と物質との間の酸化および還元過程が繰り返し可能な素材を用いて製造される充電式電池である。すなわち、電流により素材に対する還元反応が行われると電源が充電され、素材に対する酸化反応が行われると電源が放電されるが、このような充電-放電が繰り返し行われることで電気が生成される。
【0006】
特に、材料の面では高いエネルギー密度、放電電圧、出力安定性などの長所を有するリチウムイオン電池、リチウムイオンポリマー電池などのようなリチウム二次電池に対する需要が高い。
【0007】
二次電池は、一次電池とは異なって再充電が可能であり、ケースの形状に応じて、コイン型電池、円筒型電池、角型電池、およびパウチ型電池に分類される。
【0008】
円筒型二次電池は、ゼリーロール状に巻き取った電極組立体と、電極組立体を電解液と共に内部に収容するケースと、ケースの開口を密封するキャップ組立体と、を含んでなる。通常、円筒型二次電池に採用される電極組立体は、正極板、セパレータ、および負極板を含む。正極板は、正極集電体に正極活物質がコーティングされた正極コーティング部と、コーティングされていない正極無地部とからなっており、負極板の場合も同様に、負極集電体に負極活物質がコーティングされた負極コーティング部と、コーティングされていない負極無地部とからなっている。前記正極無地部および負極無地部には、それぞれ電極タブが設けられる。前記正極板と負極板との間には多孔性セパレータが介在するが、前記セパレータは、正極板と負極板との間を互いに絶縁する一方、極板間に活物質イオンが交換できるようにすることで電気化学反応を起こす。前記正極板、セパレータ、および負極板が順次積層されて巻き取られることで、ゼリーロール(Jelly-roll)状の電極組立体が製造される。
【0009】
このように円筒型二次電池に用いられるゼリーロール状の電極組立体などを製造するか、または二次電池に用いられる電極の検査および追加工程のためには、電極を走行させる装置が必要である。
【0010】
電極走行装置は、電極が通過するローラを含むことができるが、従来の電極走行装置は、電極が通過する全てのローラが1つの板に形成されている形態であった。したがって、電極の交換により電極の幅が変更されると、電極の幅に合わせてそれぞれのローラを取り替え、シャフトにおいてそれぞれのローラの位置を個別に調整する方式であった。
【0011】
このような方式は、交換のための対応時間が多く要され、作業が複雑であるため、全体工程の効率を低下させる問題が発生した。
このような問題を解決するために、電極の幅が変更されることでローラの位置を修正する必要がある際に、費やされる時間を減らし、作業を単純化させる方策が必要な状況である。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0012】
本発明は、上記のような問題を解決するために導き出されたものであり、本発明の課題は、電極が通過する電極走行ローラの位置を一括して調整することで、電極走行ローラを容易に移動させるかまたは同一線上に位置させ、電極の幅の変更による電極走行ローラの再配置に費やされる時間を減らし、作業を単純化して全体工程の効率性を高めることにある。また、電極の供給時に蛇行を減らし、安定した製品の生産に役立つ電極走行装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0013】
本発明に係る電極走行装置は、活物質がコーティングされた電極を走行させる電極走行装置であって、メインベースと、メインベースに平行に離隔したサブベースと、サブベースからメインベースの反対側に延びたシャフトと、シャフトに対して回転し、電極と接触する電極走行ローラと、メインベースとサブベースとの間に配置され、メインベースとサブベースとの間隔を調節する位置調整器と、を含むことができる。
【0014】
電極走行ローラは、サブベースに連結され、シャフトに対して回転する間に軸方向に固定されることができる。
電極走行ローラは、大径部と、大径部よりも直径が小さい小径部と、を含み、サブベースと大径部との距離は、サブベースと小径部との距離よりも近くてもよい。
電極走行ローラは、大径部と小径部を連結し、小径部に近づくほど直径が減少するテーパー部をさらに含むことができる。
【0015】
位置調整器は、メインベースを貫通して備えられたナットと、ナットを貫通して延びるように備えられ、ナットと締結されたスクリューシャフトと、を含むことができる。
【0016】
電極走行装置は、サブベースを貫通してスクリューシャフトと連結され、スクリューシャフトと共に回転するハンドルをさらに含むことができる。
電極走行装置は、サブベースの外面に配置され、サブベースとメインベースとの距離を示す位置指示器と、メインベースから位置指示器を貫通するように延びた基準軸と、をさらに含むことができる。
【0017】
電極走行装置は、シャフトに取り付けられ、電極走行ローラを間に置いてサブベースの反対側に配置されるキャップをさらに含むことができる。
電極走行装置は、メインベースに連結され、サブベースに向かう方向にサブベースを貫通して延び、サブベースの移動をガイドするガイド軸をさらに含むことができる。
電極走行装置は、位置調整器に連結され、位置調整器の作動を調節するサーボモータをさらに含むことができる。
【発明の効果】
【0018】
本発明に係る、活物質がコーティングされた電極を走行させる電極走行装置は、メインベースと、メインベースに平行に離隔したサブベースと、サブベースからメインベースの反対側に延びたシャフトと、シャフトに対して回転し、電極と接触する電極走行ローラと、メインベースとサブベースとの間に配置され、メインベースとサブベースとの間隔を調節する位置調整器と、を含む。
【0019】
それにより、電極の種類の変更などにより電極の幅が変更され、電極が通過する電極走行ローラの位置を修正する必要がある場合に、電極走行ローラの位置を一括して調整することで、電極走行ローラを容易に移動させるかまたは同一線上に位置させ、電極走行ローラの再配置に費やされる時間およびエネルギーを減らし、作業を単純化して全体工程の効率性を高めることができる。また、電極の供給時に蛇行を減らし、安定した製品の生産に役立つことができる。
【図面の簡単な説明】
【0020】
【
図1】本発明の一実施形態に係る電極走行装置を概略的に示した正面図である。
【
図2】本発明の一実施形態に係る電極走行装置を概略的に示した側面図である。
【
図3】本発明の一実施形態に係る電極走行装置により走行する電極の幅が増加した場合を概略的に示した側面図である。
【
図4】本発明の他の実施形態に係る電極走行装置を概略的に示した側面図である。
【発明を実施するための形態】
【0021】
以下、添付図面を参照して、本発明が属する技術分野における通常の知識を有する者が容易に実施できるように本発明の好ましい実施形態について詳しく説明する。ただし、本発明は、種々の異なる形態で実現されてもよく、以下の実施形態により制限または限定されるものではない。
【0022】
本発明を明確に説明するために、説明と関係ない部分または本発明の要旨を不要に濁す恐れがある関連の公知技術に関する詳細な説明は省略し、本明細書において、各図面の構成要素に参照符号を付するに際し、明細書の全体にわたって同一または類似の構成要素に対しては、同一または類似の参照符号を付するようにする。
【0023】
また、本明細書および特許請求の範囲で用いられている用語や単語は、通常的もしくは辞書的な意味に限定して解釈してはならず、発明者らは、自分の発明を最善の方法で説明するために、用語の概念を適切に定義することができるという原則に則って、本発明の技術的思想に合致する意味と概念に解釈すべきである。
【0024】
図1は、本発明の一実施形態に係る電極走行装置1を概略的に示した正面図であり、
図2は、本発明の一実施形態に係る電極走行装置1を概略的に示した側面図である。
【0025】
本発明の一実施形態に係る電極走行装置1は、表面の一部に活物質17がコーティングされた電極12を走行させることができる。電極12がロール状に巻き取られた電極ロール11から電極12が供給され、供給された電極12が電極走行ローラ300と接触し、電極走行ローラ300の回転により移動することができる。
【0026】
図1および
図2を参照すると、本発明の一実施形態に係る電極走行装置1は、メインベース10、サブベース100、シャフト200、電極走行ローラ300、および位置調整器400を含むことができる。
【0027】
メインベース10は、電極走行装置1の色々な構成と連結される構成であるため、メインベース10は、表面が平らな板状を有することができる。
従来は、メインベース10に電極を走行させる際に必要な構成が全て形成されていた。したがって、構成を一括して調節し難い構造であった。このような問題を解決するために、本発明の一実施形態に係る電極走行装置1は、特定の構成を一括して調節するためにサブベース100を含むことができる。電極走行装置1は、調節される構成の種類および個数に応じて複数のサブベース100を含むこともできる。
【0028】
サブベース100は、メインベース10に平行に離隔して配置されることができ、メインベース10と同様に表面が平らな板状を有することができる。具体的には、メインベース10から離隔した状態でメインベース10の表面から特定の構成を移動させるため、メインベース10よりも表面の広さが小さい板状を有することができる。
【0029】
電極走行装置1は、電極12を走行させるためのローラが配置され、ローラを回転可能な軸が必要である。このような軸の一例として、本発明の電極走行装置1は、シャフト200を含むことができる。
【0030】
シャフト200は、サブベース100からメインベース10の反対側に延びるように形成されることができる。電極走行ローラ300がシャフト200に対して回転可能でなければならないため、シャフト200は、好ましくは、円柱状を有することができる。ただし、必ずしもこれに限定されるものではない。
【0031】
回転により電極12を走行させる構成の一例として、本発明の電極走行装置1は、電極走行ローラ300を含むことができる。電極走行ローラ300は、シャフト200に連結されることができるが、シャフト200が電極走行ローラ300の中心部を横切って貫通する形態で連結されることができる。このように連結された電極走行ローラ300は、シャフト200に対して回転することができる。
【0032】
電極走行ローラ300は、電極12と接触し、電極12を走行させるために円柱状を有することができる。ただし、必ずしもこれに限定されるものではない。
【0033】
電極走行ローラ300は、電極走行装置1が稼働して電極12が走行する間に回転が持続することができる。電極12が表面に接触して走行するため、電極走行ローラ300は、軸方向の移動の制限が必要である。電極走行ローラ300の軸方向の固定のための方式の一例として、本発明の電極走行ローラ300は、サブベース100に連結され、シャフト200に対して回転する間に軸方向に固定されることができる。
【0034】
電極走行ローラ300は、サブベース100に固定されても、シャフト200に対して回転可能でなければならない。したがって、電極走行ローラ300は、ベアリングなどの部品を用いてサブベース100に連結されることができる。ベアリングを用いて電極走行ローラ300をサブベース100に連結する方式は例示にすぎないため、電極走行ローラ300とサブベース100を連結するための部品および方式はこれに限定されず、他の形態が適用されてもよい。
【0035】
電極12は、表面に活物質17がコーティングされた状態で走行することができる。活物質17は、電極12の表面の一部にコーティングされることができるが、活物質17がコーティングされた部分がコーティング部12aとなり、活物質17がコーティングされていない部分が無地部12bとなることができる。
【0036】
電極12が電極走行装置1により走行する間に、電極12の無地部12bがさらに加工されることができるため、電極走行ローラ300と電極12の無地部12bとの間には余裕空間が必要である。したがって、本発明の電極走行ローラ300は、大径部310および小径部320を含むことができる。
【0037】
小径部320は、大径部310よりも直径が小さく、サブベース100と大径部310との距離がサブベース100と小径部320との距離よりも近いように形成されることができる。
【0038】
大径部310の外周縁は、電極12のコーティング部12aと接触することができ、小径部320の外周縁は、電極12の無地部12bと対向することができる。したがって、電極12のコーティング部12aが大径部310と接触して走行する際に、電極12の無地部12bと小径部320との間に余裕空間が形成されることができる。これにより、無地部12bを容易に加工することができる。
したがって、大径部310および小径部320は、電極12に必要な加工などの追加作業の効率性を増加させる効果を奏することができる。
【0039】
本発明の電極走行装置1は、前述した加工などの追加作業に用いられる加工装置13をさらに含むこともできる。加工の種類に応じて異なるため、それに関する詳しい説明は省略する。
【0040】
本発明の一実施形態に係る電極走行装置1は、サブベース100に連結された構成を一括して調節するための構成の一例として、位置調整器400を含むことができる。
【0041】
位置調整器400は、メインベース10とサブベース100との間に配置され、メインベース10とサブベース100との間隔を調節することができる。すなわち、本発明の電極走行装置1は、電極走行ローラ300がサブベース100の移動に沿って共に移動することができる。したがって、電極走行装置1は、複数の電極走行ローラ300が備えられた場合に、電極12の種類の変更による電極12の幅などが変更されても、それぞれの電極走行ローラ300の取り替えや調整の必要がなく、位置調整器400を用いたサブベース100の移動により電極走行ローラ300の位置を一括して修正することができる。
【0042】
位置調整器400は、サブベース100を移動させ、メインベース10とサブベース100との間隔を調節することができる。したがって、位置調整器400は、メインベース10とサブベース100との間で位置調整器400自体の長さが調節可能な形態であるか、または位置調整器400がメインベース10またはサブベース100を貫通して移動しつつ間隔が調節される形態を有することができる。
電極走行装置1に複数のサブベース100が備えられた場合、サブベース100は、それぞれ他の位置調整器400と連動することができる。
【0043】
前述した形態の例示のうち、位置調整器400がメインベース10を貫通して移動しつつ、メインベース10とサブベース100との間隔を調節する形態の一例として、本発明の位置調整器400は、ボールスクリュー形態を有することができる。具体的に、位置調整器400は、スクリューシャフト410およびナット420を含むことができる。
【0044】
スクリューシャフト410は、サブベース100に固定され、サブベース100と共に移動可能に備えられ、ナット420は、メインベース10に固定されるように備えられることができる。より詳しくは、内周面に螺旋状のネジ溝が形成されたナット420がメインベース10を貫通して備えられることができ、外周面にナット420のネジ溝に対向するネジ溝が形成されたスクリューシャフト410がナット420を貫通して延びるように備えられることができる。
【0045】
したがって、スクリューシャフト410が回転する間に、スクリューシャフト410およびナット420それぞれのネジ溝が互いに噛み合うことで、スクリューシャフト410が軸方向への直線運動をする形態となることができる。このようなスクリューシャフト410の軸方向の直線運動により、メインベース10とサブベース100との間隔が調節されることができる。
【0046】
電極走行装置1の位置調整器400がスクリューシャフト410およびナット420を含むボールスクリュー形態を有すると、メインベース10とサブベース100との間隔が直観的かつ容易に調節される効果を奏することができる。
【0047】
位置調整器400がボールスクリュー形態を有し、スクリューシャフト410が回転しつつ、メインベース10とサブベース100との間隔が調節される場合に、スクリューシャフト410を回転させやすい構成が必要である。このような構成の一例として、本発明の一実施形態に係る電極走行装置1は、ハンドル500をさらに含むことができる。
【0048】
ハンドル500は、サブベース100を貫通してスクリューシャフト410と連結されることができる。したがって、ハンドル500を回転させると、スクリューシャフト410が共に回転することができ、スクリューシャフト410が回転しつつ、スクリューシャフト410とナット420が互いに締結されることができる。すなわち、ハンドル500は、回転によりスクリューシャフト410の直線運動を調節し、さらにはメインベース10とサブベース100との間隔を調節することができる。
【0049】
ハンドル500は、回転しやすいように円形の断面を有することができ、取っ手などの構成が追加されることもできる。ハンドル500は、一般的に自動車または機械装置に用いられる形態を有することができる。
【0050】
電極走行装置1がスクリューシャフト410と連結されるハンドル500を含むと、スクリューシャフト410を容易に回転させることができ、これにより、サブベース100の位置が容易に修正可能な効果を奏することができる。
【0051】
位置調整器400を介してメインベース10とサブベース100との間隔を調節する際に、サブベース100の位置またはメインベース10とサブベース100との距離を知ると、位置調整器400の使用が効率的である。したがって、効率的な位置調整器400の使用のための構成の一例として、本発明の一実施形態に係る電極走行装置1は、基準軸800および位置指示器900をさらに含むことができる。
【0052】
位置指示器900は、メインベース10とサブベース100との距離を示すことができる。例えば、位置指示器900は、メインベース10を基準点としてサブベース100の位置を示すこともできる。位置指示器900が表示する距離に対する数値は、電子式や目盛りの形態で示すことができるが、これは、用いられる位置指示器900の種類に応じて異なり得る。
【0053】
位置指示器900は、サブベース100の移動に沿って共に移動できるようにサブベース100の外面に配置されることができる。好ましくは、位置指示器900は、メインベース10とサブベース100との間隔の調節時に、作業者が位置指示器900を確認しやすいようにサブベース100の上面に配置されることができる。
【0054】
基準軸800は、メインベース10に連結され、メインベース10から位置指示器900を貫通するように延びることができる。したがって、位置指示器900は、基準軸800の軸方向に沿って移動することができる。
【0055】
基準軸800は、位置指示器900を貫通して延びるため、基準軸800の横断面は、位置指示器900に形成された空間の断面と同一の形状を有することができる。基準軸800は、位置指示器900が移動しやすいように円柱状を有することができるが、必ずしもこれに限定されるものではない。
【0056】
作業者が位置指示器900を介してメインベース10とサブベース100との距離を確認できると、サブベース100の位置調節過程が効率的に行われることができる。また、電極12の種類または幅に応じたサブベース100の位置値が累積され、活用可能なデータが形成されることもできる。
【0057】
位置調整器400の他に、メインベース10とサブベース100を連結する構成の一例として、本発明の一実施形態は、ガイド軸700をさらに含むことができる。
【0058】
ガイド軸700は、メインベース10に連結され、サブベース100に向かう方向にサブベース100を貫通して延びることができる。ガイド軸700がサブベース100を貫通する形態であるため、サブベース100は、ガイド軸700の外周面と接触し、ガイド軸700の軸方向に移動することができる。
【0059】
ガイド軸700は、サブベース100の一定の移動をガイドしなければならないため、1つのサブベース100を貫通する複数のガイド軸700が存在する場合には、互いに平行に配置されることができる。また、前述したスクリューシャフト410と共に配置される場合には、スクリューシャフト410と平行に配置されることができる。
【0060】
ガイド軸700は、円柱状に形成されることができるが、必ずしもこれに限定されるものではない。
ガイド軸700は、位置調整器400が負担するサブベース100の荷重を分担することができ、サブベース100の移動を補助することができる。これにより、電極走行装置1全体の安定性を向上させることができる。
【0061】
図3は、本発明の一実施形態に係る電極走行装置1により走行する電極12の幅が増加した場合を概略的に示した側面図である。
本発明の目的の1つは、電極12の種類または電極12の幅などの条件が変わる場合に電極走行ローラ300の位置を一括して修正することであるが、電極12の幅が増加する例示により電極走行ローラ300の一括した修正の形態について説明することができる。
【0062】
図2と
図3を互いに比較すると、前述した工程に用いられた電極12よりも電極12の幅が増加する場合、電極走行ローラ300は、メインベース10に向かう方向に移動することができる。
【0063】
具体的には、既に用いられた電極12の無地部12b端部の位置と、取り替えられた電極12の無地部12b端部の位置とが互いに一致するように、サブベース100および電極走行ローラ300を移動させることができる。電極走行装置1により電極12が走行する間に電極12の無地部12bに形成されるタブが加工されることができるが、タブが加工される位置を同一に維持するために、電極12の無地部12b端部を基準として電極走行ローラ300が移動することができる。その逆に、電極12の幅が減少する場合には、電極走行ローラ300がメインベース10から遠ざかる方向に移動することができる。これは1つの例示にすぎないため、電極12の変化による電極走行ローラ300の移動方向が必ずしもこれに限定されるものではない。
【0064】
図4は、本発明の他の実施形態に係る電極走行装置1を概略的に示した側面図である。
以下、本発明の一実施形態に係る電極走行装置1と同様の構成に関する詳しい説明は省略する。
【0065】
図4を参照すると、本発明の電極走行装置1の電極走行ローラ300は、大径部310と小径部320を連結し、小径部320に近づくほど直径が減少する形態のテーパー部330をさらに含むことができる。テーパー部330は、電極走行装置1を側面から見た際に対角線状に形成されることができ、湾曲状に形成されることもできる。
【0066】
大径部310と小径部320との間にテーパー部330が形成されると、電極走行ローラ300と接触する電極12の表面に発生し得る物理的損傷が減る効果を奏することができる。
【0067】
サブベース100と連結されていないシャフト200の端部を塞ぐための構成の一例として、本実施形態に係る電極走行装置1は、キャップ600をさらに含むことができる。
【0068】
キャップ600は、シャフト200に取り付けられ、電極走行ローラ300を間に置いてサブベース100の反対側に配置されることができる。
キャップ600は、中心部の内部にシャフト200が貫通可能な空間が形成された円柱状を有することができ、小径部320の直径と同一の直径を有することができる。
【0069】
電極走行ローラ300がサブベース100に連結されていない場合、キャップ600により電極走行ローラ300の軸方向の移動が不可能となるように固定されることができる。また、シャフト200の端部を塞ぎ、工程過程でシャフト200の妨害を減らすことができる。
【0070】
電極走行装置1は、位置調整器400を用いたメインベース10とサブベース100との間隔調節を自動化することができる。自動化のための構成の一例として、本実施形態に係る電極走行装置1は、サーボモータ15をさらに含むことができる。
【0071】
サーボモータ15は、位置調整器400に連結され、位置調整器400の作動を調節することができる。この際、前述した位置指示器900を介して累積された電極12の種類または幅に応じたサブベース100の位置値が活用可能なデータとなってサーボモータ15に提供されることができる。
【0072】
本実施形態に係る電極走行装置1は、位置調整器400の作動を自動化するための制御装置16などをさらに含むことができるが、制御装置としては、PLC(Programmable Logic Controller)などを用いることができる。これは1つの例示にすぎないため、自動化に必要な他の構成が追加されることもできる。
【0073】
本発明の電極走行装置1は、電極12が走行する間に行われる工程に必要な追加の構成をさらに含むことができる。例えば、電極12の走行速度を調節するバッファ(Buffer)装置、または電極12の表面を検査するためのビジョン(Vision)装置のような構成をさらに含むことができる。
【0074】
本発明の電極走行装置1は、電極12の種類および電極12の幅が変更されるなどの変化の発生により、電極12が通過する電極走行ローラ300の位置を修正する必要がある場合に、電極走行ローラ300の位置を一括して調整することができる。これにより、電極走行ローラ300の再配置に費やされる時間およびエネルギーを減らし、作業を単純化して全体工程の効率性を高める効果を奏することができる。
【0075】
以上、限定された実施形態および図面により本発明を説明したが、本発明は、これにより限定されず、本発明が属する技術分野における通常の知識を有する者により、本発明の技術思想および後述の特許請求の範囲と均等な範囲内で多様な実施が可能である。
【符号の説明】
【0076】
1:電極走行装置
10:メインベース
11:電極ロール
12:電極
12a:コーティング部
12b:無地部
13:加工装置
14:巻き取り装置
15:サーボモータ
16:制御装置
17:活物質
100:サブベース
200:シャフト
300:電極走行ローラ
310:大径部
320:小径部
330:テーパー部
400:位置調整器
410:スクリューシャフト
420:ナット
500:ハンドル
600:キャップ
700:ガイド軸
800:基準軸
900:位置指示器
【手続補正書】
【提出日】2024-05-15
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
活物質がコーティングされた電極を走行させる電極走行装置であって、
メインベースと、
前記メインベースから離隔して配置されるサブベースと、
前記メインベースから遠ざかるように前記サブベースから延びたシャフトと、
前記シャフトを中心に回転し、前記電極と接触する電極走行ローラと、
前記メインベースと前記サブベースとの間に配置され、前記メインベースと前記サブベースとの間隔を調節する位置調整器と、
を含む、電極走行装置。
【請求項2】
前記電極走行ローラは、
前記サブベースに連結され、前記シャフトに対して回転する間に軸方向に固定される、請求項1に記載の電極走行装置。
【請求項3】
前記電極走行ローラは、
大径部と、
前記大径部よりも直径が小さい小径部と、を含み、
前記サブベースと前記大径部との距離は、前記サブベースと前記小径部との距離よりも近い、請求項1に記載の電極走行装置。
【請求項4】
前記電極走行ローラは、
前記大径部と前記小径部を連結し、前記小径部に近づくほど直径が減少するテーパー部をさらに含む、請求項3に記載の電極走行装置。
【請求項5】
前記位置調整器は、
前記メインベースを貫通して備えられたナットと、
前記ナットを貫通して延びるように備えられ、前記ナットと締結されたスクリューシャフトと、を含む、請求項1に記載の電極走行装置。
【請求項6】
前記サブベースを貫通して前記スクリューシャフトと連結され、前記スクリューシャフトと共に回転するハンドルをさらに含む、請求項5に記載の電極走行装置。
【請求項7】
前記サブベースの外面に配置され、前記サブベースと前記メインベースとの距離を示す位置指示器と、
前記メインベースから前記位置指示器を貫通するように延びた基準軸と、をさらに含む、請求項1に記載の電極走行装置。
【請求項8】
前記シャフトに取り付けられ、前記電極走行ローラを間に置いて前記サブベースの反対側に配置されるキャップをさらに含む、請求項1に記載の電極走行装置。
【請求項9】
前記メインベースに連結され、前記サブベースに向かう方向に前記サブベースを貫通して延び、前記サブベースの移動をガイドするガイド軸をさらに含む、請求項1に記載の電極走行装置。
【請求項10】
前記位置調整器に連結され、前記位置調整器の作動を調節するサーボモータをさらに含む、請求項1
から9のいずれか一項に記載の電極走行装置。
【手続補正2】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0072
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0072】
本実施形態に係る電極走行装置1は、位置調整器400の作動を自動化するための制御装置などをさらに含むことができるが、制御装置としては、PLC(Programmable Logic Controller)などを用いることができる。これは1つの例示にすぎないため、自動化に必要な他の構成が追加されることもできる。
【手続補正3】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0076
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0076】
1:電極走行装置
10:メインベース
11:電極ロール
12:電極
12a:コーティング部
12b:無地部
13:加工装置
14:巻き取り装置
15:サーボモータ
17:活物質
100:サブベース
200:シャフト
300:電極走行ローラ
310:大径部
320:小径部
330:テーパー部
400:位置調整器
410:スクリューシャフト
420:ナット
500:ハンドル
600:キャップ
700:ガイド軸
800:基準軸
900:位置指示器
【国際調査報告】