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特表2024-540466機械的物性及び熱的特性に優れた二次電池分離膜用ポリプロピレンの製造方法
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  • 特表-機械的物性及び熱的特性に優れた二次電池分離膜用ポリプロピレンの製造方法 図1
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-10-31
(54)【発明の名称】機械的物性及び熱的特性に優れた二次電池分離膜用ポリプロピレンの製造方法
(51)【国際特許分類】
   C08F 4/654 20060101AFI20241024BHJP
   H01M 50/417 20210101ALI20241024BHJP
   H01M 50/411 20210101ALI20241024BHJP
   H01M 50/489 20210101ALI20241024BHJP
【FI】
C08F4/654
H01M50/417
H01M50/411
H01M50/489
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2024529298
(86)(22)【出願日】2022-11-04
(85)【翻訳文提出日】2024-05-16
(86)【国際出願番号】 KR2022017250
(87)【国際公開番号】W WO2023090718
(87)【国際公開日】2023-05-25
(31)【優先権主張番号】10-2021-0160619
(32)【優先日】2021-11-19
(33)【優先権主張国・地域又は機関】KR
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】511123485
【氏名又は名称】ロッテ ケミカル コーポレーション
(74)【代理人】
【識別番号】110000729
【氏名又は名称】弁理士法人ユニアス国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】チョン、ソ ニョン
(72)【発明者】
【氏名】ソン、チャン ギュ
(72)【発明者】
【氏名】チョン、ミン ソク
(72)【発明者】
【氏名】チョ、ヒ ウォン
(72)【発明者】
【氏名】イム、ドン ジュン
(72)【発明者】
【氏名】キム、ミン ジ
(72)【発明者】
【氏名】キム、ギョン フン
【テーマコード(参考)】
4J128
5H021
【Fターム(参考)】
4J128AA03
4J128AB03
4J128AC03
4J128AC04
4J128AC05
4J128BA00A
4J128BA02B
4J128BB00A
4J128BB01B
4J128BC14B
4J128BC15B
4J128BC32B
4J128BC34B
4J128BC35B
4J128BC36B
4J128CA16A
4J128CB27A
4J128CB30A
4J128CB44A
4J128CB45A
4J128EA02
4J128EB04
4J128EC01
4J128ED00
4J128ED02
4J128ED08
4J128EF03
4J128EF06
4J128FA01
4J128FA09
4J128GA01
4J128GA06
4J128GA21
5H021EE01
5H021EE04
5H021HH00
5H021HH06
5H021HH07
(57)【要約】
二次電池乾式分離膜用ポリプロピレンを製造するに当たって、従来の素材に比べ機械的物性及び熱的特性を極大化しながらも、樹脂の流動性が向上された二次電池分離膜用ポリプロピレンの製造方法が開示される。本発明は、チーグラー・ナッタ触媒の存在下、プロピレン単量体を重合反応させて二次電池分離膜用ポリプロピレンを製造する方法であって、前記プロピレン単量体の重合反応は、a)第1反応器から重量平均分子量が450,000乃至650,000g/molの高分子量ポリプロピレンを収得するステップと、b)第2反応器から重量平均分子量が150,000乃至300,000g/molの低分子量ポリプロピレンを収得するステップとを含むが、前記ステップa)で添加される助触媒及び電子供与体のモル比を2乃至25に調節して二次電池分離膜用ポリプロピレンを製造する方法を提供する。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
チーグラー・ナッタ触媒の存在下、プロピレン単量体を重合反応させて二次電池分離膜用ポリプロピレンを製造する方法であって、
前記プロピレン単量体の重合反応は、a)第1反応器から重量平均分子量が450,000乃至650,000g/molの高分子量ポリプロピレンを収得するステップと、b)第2反応器から重量平均分子量が150,000乃至300,000g/molの低分子量ポリプロピレンを収得するステップとを含むが、
前記ステップa)で添加される助触媒及び電子供与体のモル比を2乃至25に調節して二次電池分離膜用ポリプロピレンを製造する方法。
【請求項2】
前記助触媒は、トリメチルアルミニウム、トリエチルアルミニウム、トリイソブチルアルミニウム、及びトリオクチルアルミニウムからなる群より選択される1種以上であり、前記電子供与体は、シクロヘキシルメチルジメトキシシラン、ジシクロペンチルジメトキシシラン、ジイソプロピルジメトキシシラン、ビニルトリエトキシシラン、トリエチルメトキシシラン、トリメチルエトキシシラン、ジシクロペンチルジエトキシシラン、エチルトリメトキシラン、メチルトリエトキシシラン、ジフェニルジエトキシシラン、フェニルプロピルジメトキシシラン、フェニルトリメトキシシラン、tert-ブチルトリメトキシシラン、シクロヘキシルエチルジメトキシシラン、シクロヘキシルメチルジメトキシシラン、シクロペンチルトリエトキシシラン、ジイソブチルジエトキシシラン、ジイソブチルトリエトキシシラン、ノルマルプロピルトリメトキシシラン、イソプロピルトリメトキシシラン、シクロへプチルメチルジエトキシシラン、及びジシクロへプチルジエトキシシランからなる群より選択される1種以上であることを特徴とする請求項1に記載の二次電池分離膜用ポリプロピレンを製造する方法。
【請求項3】
前記二次電池分離膜用ポリプロピレンは、下記方法によって測定された重量平均分子量が300,000乃至500,000g/mol、及び分子量分布(Mw/Mn)が6以上、メルトダウン温度が166℃以上、キシレン可溶分(Xylene soluble)が3重量%以下、引張強度が1,300kgf/cm以上、及び穿孔強度が220gf以上であることを特徴とする請求項1に記載の二次電池分離膜用ポリプロピレンを製造する方法:
[分子量特性の測定方法]
ASTM D3536によってゲル浸透クロマトグラフィ(Gel Permeation Chromatography(GPC)、Agilent)を利用して重量平均分子量及び分子量分布(Mw/Mn)を測定する。
[キシレン可溶分の測定方法]
ASTM D5492の規格に従って沸騰するキシレンから試料を溶解した後、不溶性部分を溶液から結晶化させて可溶分を分離し測定する。
[メルトダウン温度の測定方法]
前記分離膜用ポリプロピレンを2軸押出器で220乃至250℃でTダイ方式で押出してシート(sheet)を形成した後、延伸機内でMD及びTD方向に逐次延伸を行って厚さ15μmの単層多孔性フィルムを製造し、製造された多孔性フィルムを利用して製造されたリチウムイオン二次電池をオーブンで2℃/minの速度で加熱しながらリアルタイムで抵抗を測定して10,000Ωを超える時点の温度をシャットダウン温度と評価し、前記シャットダウン温度以降で抵抗が急減する時点の温度をメルトダウン温度と評価する。
[引張強度の測定方法]
前記製造された多孔性フィルム試片(ASTM D638 Type IV規格)に対してASTM D638に従って万能材料試験機を利用し、50mm/minの条件下で測定する。
[穿孔強度の測定方法]
厚さ15μmの分離膜を50×50mmのサイズに切った後、直径10mmの円形穴が形成された板の上に試片を載せ、直径1mm(曲率半径0.5mm)の探針で0.05cm/秒の速度で下降させる際、試片が開く時点の力を測定する。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明はポリプロピレンの製造方法であって、より詳しくは、二次電池乾式分離膜用ポリプロピレンの製造方法に関する。
【0002】
本出願は2021年11月19日付けで出願された韓国特許出願第10-2021-0160619号に対する優先権及び利益を主張し、この出願はその全文が本願に参照として含まれる。
【背景技術】
【0003】
二次電池分離膜の製造に一般に使用されている高分子マトリックスとしては、気孔の形成に有利で安価なポリエチレンやポリプロピレンがある。
【0004】
ポリプロピレンはポリエチレンに比べ低い熱収縮を満足すると共に、優れた機械的物性を有するという長所がある。特許文献1、特許文献2、特許文献3などでは耐熱性に優れ価格競争力のある乾式方法で製造される二次電池分離膜用ポリプロピレンフィルムに関する製造方法が開示されているが、従来の方法は機械的物性及び熱的特性においていずれも満足できる結果を示していない。
【0005】
一方、本出願人は特許文献4で高耐熱性及び高強度の二次電池分離膜用ポリプロピレンとして、特定の方法で製造された触媒とバイモーダル工程を適用して立体規則度、結晶化度、溶融温度、及び屈曲弾性率に関する物性に優れたポリプロピレンを提示したが、機械的物性及び熱的特性を極大化するのには限界があった。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】米国登録特許 第5,385,777号
【特許文献2】米国登録特許 第5,480,745号
【特許文献3】韓国公開特許 第2003-0080007号
【特許文献4】韓国登録特許 第1711261号
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
本発明は二次電池乾式分離膜用ポリプロピレンを製造するに当たって、従来の素材に比べ機械的物性及び熱的特性を極大化しながらも、樹脂の流動性が向上された二次電池分離膜用ポリプロピレンの製造方法を提供しようとする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
前前記課題を解決するために、本発明は、チーグラー・ナッタ触媒の存在下、プロピレン単量体を重合反応させて二次電池分離膜用ポリプロピレンを製造する方法であって、前記プロピレン単量体の重合反応は、a)第1反応器から重量平均分子量が450,000乃至650,000g/molの高分子量ポリプロピレンを収得するステップと、b)第2反応器から重量平均分子量が150,000乃至300,000g/molの低分子量ポリプロピレンを収得するステップとを含むが、前記ステップa)で添加される助触媒及び電子供与体のモル比を2乃至25に調節して二次電池分離膜用ポリプロピレンを製造する方法を提供する。
【0009】
また、前記助触媒は、トリメチルアルミニウム、トリエチルアルミニウム、トリイソブチルアルミニウム、及びトリオクチルアルミニウムからなる群より選択される1種以上であり、前記電子供与体は、シクロヘキシルメチルジメトキシシラン、ジシクロペンチルジメトキシシラン、ジイソプロピルジメトキシシラン、ビニルトリエトキシシラン、トリエチルメトキシシラン、トリメチルエトキシシラン、ジシクロペンチルジエトキシシラン、エチルトリメトキシラン、メチルトリエトキシシラン、ジフェニルジエトキシシラン、フェニルプロピルジメトキシシラン、フェニルトリメトキシシラン、tert-ブチルトリメトキシシラン、シクロヘキシルエチルジメトキシシラン、シクロヘキシルメチルジメトキシシラン、シクロペンチルトリエトキシシラン、ジイソブチルジエトキシシラン、ジイソブチルトリエトキシシラン、ノルマルプロピルトリメトキシシラン、イソプロピルトリメトキシシラン、シクロへプチルメチルジエトキシシラン、及びジシクロへプチルジエトキシシランからなる群より選択される1種以上であることを特徴とする二次電池分離膜用ポリプロピレンを製造する方法を提供する。
【0010】
また、前記二次電池分離膜用ポリプロピレンは、下記方法によって測定された重量平均分子量が300,000乃至500,000g/mol、及び分子量分布(Mw/Mn)が6以上、メルトダウン温度が166℃以上、キシレン可溶分(Xylene soluble)が3重量%以下、引張強度が1,300kgf/cm以上、及び穿孔強度が220gf以上であることを特徴とする二次電池分離膜用ポリプロピレンを製造する方法を提供する。
[分子量特性の測定方法]
ASTM D3536によってゲル浸透クロマトグラフィ(Gel Permeation Chromatography(GPC)、Agilent)を利用して重量平均分子量及び分子量分布(Mw/Mn)を測定する。
[キシレン可溶分の測定方法]
ASTM D5492の規格に従って沸騰するキシレンから試料を溶解した後、不溶性部分を溶液から結晶化させて可溶分を分離し測定する。
[メルトダウン温度の測定方法]
前記分離膜用ポリプロピレンを2軸押出器で220乃至250℃でTダイ方式で押出してシート(sheet)を形成した後、延伸機内でMD及びTD方向に逐次延伸を行って厚さ15μmの単層多孔性フィルムを製造し、製造された多孔性フィルムを利用して製造されたリチウムイオン二次電池をオーブンで2℃/minの速度で加熱しながらリアルタイムで抵抗を測定して10,000Ωを超える時点の温度をシャットダウン温度と評価し、前記シャットダウン温度以降で抵抗が急減する時点の温度をメルトダウン温度と評価する。
[引張強度の測定方法]
前記製造された多孔性フィルム試片(ASTM D638 Type IV規格)に対してASTM D638に従って万能材料試験機を利用し、50mm/minの条件下で測定する。
[穿孔強度の測定方法]
厚さ15μmの分離膜を50×50mmのサイズに切った後、直径10mmの円形穴が形成された板の上に試片を載せ、直径1mm(曲率半径0.5mm)の探針で0.05cm/秒の速度で下降させる際、試片が開く時点の力を測定する。
【発明の効果】
【0011】
本発明によると、二次電池乾式分離膜用ポリプロピレンの製造において、バイモーダル工程を適用し、助触媒及び電子供与体の投入割合において理想的な条件を設定することで、機械的物性及び熱的特性を極大化させながらも、分離膜加工の際に流動性が向上された二次電池分離膜用ポリプロピレンを製造する方法を提供し得る。
【図面の簡単な説明】
【0012】
図1】本発明の試験例における多孔性フィルムを製造する際の加工状態を示す写真である。
【発明を実施するための形態】
【0013】
以下、好ましい実施例を介して本発明を詳細に説明する。その前に、本明細書及び特許請求の範囲で使用された用語や単語は通常的であるか辞書的な意味に限って解釈されてはならず、発明者は自らの発明を最善の方法で説明するために用語の概念を適切に定義し得るとの原則に立脚して、本発明の技術的思想に符合する意味と概念で解釈されるべきである。よって、本明細書に記載された実施例の構成は、本発明の最も好ましい一実施例に過ぎず、本発明の技術的思想を全て代弁するものではないため、本出願の時点において、これらを代替し得る多様な均等物と変形例が存在し得るということを理解すべきである。
【0014】
本発明者らは、二次電池乾式分離膜用ポリプロピレンの製造に当たって、従来の機械的物性及び熱的特性が極大化された素材の開発が必要な状況において、バイモーダル工程を適用するが、特定の助触媒及び電子供与体の投入割合において機械的物性及び熱的特性を極大化させながらも、分離膜加工の際の流動性が向上されるという事実を発見し、本発明に至った。
【0015】
本発明は、チーグラー・ナッタ触媒の存在下、プロピレン単量体を重合反応させて二次電池分離膜用ポリプロピレンを製造する方法であって、前記プロピレン単量体の重合反応は、a)第1反応器から重量平均分子量が450,000乃至650,000g/molの高分子量ポリプロピレンを収得するステップと、b)第2反応器から重量平均分子量が150,000乃至300,000g/molの低分子量ポリプロピレンを収得するステップとを含むが、前記ステップa)で添加される助触媒及び電子供与体のモル比を2乃至25に調節して二次電池分離膜用ポリプロピレンを製造する方法を開示する。
【0016】
本発明において、チーグラー・ナッタ触媒は、例えば、マグネシウム化合物を、炭素数1乃至5のアルキル基に置換または非置換の炭素数3乃至15のアルカンジオール及びベンゾイルハライド化合物と反応させてマグネシウム化合物溶液を製造し、前記マグネシウム化合物溶液と遷移金属化合物を反応させて担持体を製造し、前記担持体を遷移金属化合物と反応させて製造される固体触媒であるが、具体的な製造方法については本出願人名義の韓国登録特許第1711261号が参照として引用される。
【0017】
本発明による二次電池分離膜用ポリプロピレンの製造は、前記固体触媒の存在下でプロピレン単量体を重合反応させるが、バイモーダル工程が適用される。つまり、前記プロピレン単量体の重合反応は、a)第1反応器から重量平均分子量が450,000乃至650,000g/molの高分子量ポリプロピレンを収得するステップと、b)第2反応器から重量平均分子量が150,000乃至300,000g/molの低分子量ポリプロピレンを収得するステップとを含むことで高結晶性のポリプロピレンが収得されるようにする。
【0018】
本発明において、プロピレン重合反応は気相、液相、または溶液相からなり得る。液相で重合反応を行う際には炭化水素溶媒を使用してもよく、プロピレン自体を溶媒として使用してもよい。重合反応の温度は0乃至200℃であり得るが、好ましくは50乃至150℃であり得る。反応温度が0℃未満であれば触媒の活性が低下し得、200℃を超過すれば立体規則性が低下し得る。重合の際の圧力条件は1乃至100気圧で行われ得るが、好ましくは2乃至30気圧の条件で行われ得る。前記圧力が100気圧を超過すれば工業的、経済的側面で好ましくない。重合反応は回分式、半連続式、連続式のうちいずれの方法で行われるが、本発明では連続式バイモーダル工程を適用して、第1反応器から重量平均分子量が450,000乃至650,000g/molの高分子量ポリプロピレンと、第2反応器から重量平均分子量が150,000乃至300,000g/molの低分子量ポリプロピレンが8:2乃至4:6の重量割合で、好ましくは第1反応器から重量平均分子量が500,000乃至600,000g/molの高分子量ポリプロピレンと、第2反応器から重量平均分子量が180,000乃至240,000g/molの低分子量ポリプロピレンが7:3乃至5:5の重量割合で製造され、最終ポリプロピレンの重量平均分子量が300,000乃至500,000g/molで、分子量分布(Mw/Mn)が6乃至10、好ましくは重量平均分子量が350,000乃至450,000g/molで、分子量分布(Mw/Mn)が6.5乃至8、より好ましくは分子量分布(Mw/Mn)が6.5乃至7に製造され得る。つまり、低分子量と高分子量のポリプロピレンが均一に含まれ、後述する特異的助触媒/電子供与体の投入割合を適用することで、ポリプロピレンの極大化された機械的物性及び熱的特性を維持しながらも、分離膜加工の際の流動性を向上させ得るようにする。
【0019】
ここで、前記第1反応器で助触媒及び外部電子供与体が投入され、固体触媒で遷移金属化合物が還元されながら固体触媒内に存在する内部電子供与体の一部が除去され、この空いたところに外部電子供与体が結合して重合反応が行われるようにするが、本発明では投入される助触媒に対する電子供与体の割合を従来に比べ低い水準に適用すれば、バイモーダル工程で製造されるポリプロピレンの機械的物性及び熱的特性が劇的に向上されることを確認した。
【0020】
つまり、本発明では、前記ステップa)で添加される助触媒及び電子供与体のモル比は2乃至25であり得るが、好ましくは3乃至16であり得、より好ましくは4乃至6であり得る。
【0021】
前記助触媒及び電子供与体は通常の二次電池乾式分離膜用ポリプロピレンの製造に使用される成分であれば特に限らないが、例えば、前記助触媒としてはトリメチルアルミニウム、トリエチルアルミニウム、トリイソブチルアルミニウム、トリオクチルアルミニウムなどが使用され得、前記電子供与体としては、シクロヘキシルメチルジメトキシシラン、ジシクロペンチルジメトキシシラン、ジイソプロピルジメトキシシラン、ビニルトリエトキシシラン、トリエチルメトキシシラン、トリメチルエトキシシラン、ジシクロペンチルジエトキシシラン、エチルトリメトキシラン、メチルトリエトキシシラン、ジフェニルジエトキシシラン、フェニルプロピルジメトキシシラン、フェニルトリメトキシシラン、tert-ブチルトリメトキシシラン、シクロヘキシルエチルジメトキシシラン、シクロヘキシルメチルジメトキシシラン、シクロペンチルトリエトキシシラン、ジイソブチルジエトキシシラン、ジイソブチルトリエトキシシラン、ノルマルプロピルトリメトキシシラン、イソプロピルトリメトキシシラン、シクロへプチルメチルジエトキシシラン、ジシクロへプチルジエトキシシランなどが使用さえ得るが、好ましくは前記助触媒としてはトリエチルアルミニウム(TEAL)が、前記電子供与体としてはジシクロペンチルジメトキシシランが使用され得る。
【0022】
一般に汎用ポリプロピレンの結晶化度は50乃至52%程度であるが、本発明によって製造されるポリオレフィンは結晶化度が55%以上の高結晶性ポリプロピレンである。また、立体規則度が97%以上で非常に高いため167℃以上の溶融温度を有し、結晶化温度が高い特性を示し、優れた機械的物性及び熱的特性を有する。
【0023】
前記重合されたポリプロピレンは混錬過程で酸化防止剤、中和剤、核剤などが更に添加され得、押出されたシートを延伸して多孔性フィルムを乾式製造し得る。上述したポリプロピレンに対して乾式法を利用し分離膜製作を行うのに使用される方法は、高分子結晶部分を一定な方向に配向させた後、冷延伸によって相対的に弱い無定形部分を破裂して気孔を形成する方法であり得る。また、高分子結晶の形状の差及び結晶化温度の差によって製作され得るが、このような方法で製作する場合は核剤が添加される。よって、製造される微細気孔膜の特性は高分子結晶部分の配向程度及び高分子結晶の形状によって決定されるだけでなく、添加される添加剤及び改質剤によっても決定されると判断される。
【0024】
例えば、本発明において、分離膜の製造は、前記ポリプロピレンを利用して2軸押出器で200乃至230℃の温度でT-ダイ方式で押出してシートを形成し、延伸機内でMD及びTD方向に同時及び逐次延伸を行って多孔性フィルムを形成し得る。二次電池用分離膜として使用するためにはフィルムの空隙率は最小30%以上が求められるが、穿孔強度(puncture strength)、引張強度(tensile strength)などの機械的物性が使用可能性の可否を決定する重要な因子である。本発明による二次電池分離膜用ポリプロピレンは下記実施例でも確認されるように、二次電池用分離膜の素材として使用されるフィルムの機械的物性と共に熱的特性及び流動性(加工性)を改善し、向上されたメルトダウン温度を示す。
【0025】
詳しくは、本発明による二次電池分離膜用ポリプロピレンは、下記方法によって測定されたメルトダウン温度が166℃以上、好ましくは168℃以上であり、キシレン可溶分が3重量%以下、好ましくは1.5重量%以下、より好ましくは1.2重量%以下であり、引張強度が1,300kgf/cm以上、好ましくは1,400kgf/cm以上であって、穿孔強度が220gf以上、好ましくは230gf以上であり得る。
【実施例
【0026】
以下、具体的な実施例及び比較例によって本発明をより詳細に説明する。
【0027】
[実施例1]
撹拌機とオイル循環ヒータが取り付けられたサイズ2Lの耐圧用ガラス反応器を窒素で十分に換気させ、窒素雰囲気下で無水二塩化マグネシウム、2,4-ペンタンジオール、及びデカンを投入し、130℃で500rpmの回転速度で撹拌した。マグネシウム化合物が完全に溶解されて均質な溶液を生成し、1時間熟成した後、塩化ベンゾイルを30分間投入し、130℃で1時間熟成させ、反応基の温度を25℃に下げてマグネシウム化合物溶液を製造した。次に、撹拌機とオイル循環ヒータが取り付けられたガラス反応器を窒素で十分に換気させ、窒素還流状態でヘキサン800L及び四塩化チタン800Lを投入し、300rpmで撹拌しながら反応器の温度を-20℃に下げて、混合溶媒を用意した。ヘキサン溶媒内に分散されているチタン化合物が投入された反応器に、前記製造された二塩化マグネシウム溶液を4時間にわたって添加した。マグネシウム化合物溶液を投入して1時間維持した後、反応器の温度が20℃になるまで0.25℃/分の速度で昇温させた。反応基の温度が20℃に達したら1時間熟成させ、反応器の温度を73℃まで1℃/分の速度で昇温させており、73℃に達した後は2時間の熟成過程を経て、反応器の沈殿固体を除外した上澄み液を除去して固体担持体を生成した。次に、製造された固体担持体に四塩化チタンを投入して撹拌し、1℃/分の速度で昇温して、110℃で1:1モル比率で混合された2,2’-ジイソブチルフタレート及び1,3-ジエーテルを投入した。次に、1時間熟成させて更に固体触媒を沈殿させた後、上澄み液を除去した。上澄み液が除去された固体触媒を四塩化チタンで更に1回洗浄した後、63℃に減温し、ヘキサン1Lで7回洗浄して、最終スラリー固体触媒を得た。最終触媒スラリーを窒素で乾燥し、固体状のポリプロピレン重合用固体触媒を収得した。
【0028】
ポリプロピレン重合は前記固体触媒とプロピレンを溶媒にし、塊状重合(bulk polymerization)方法でバイモーダル(bimodal)工程を適用して行われた。まず、第1反応器で120℃に加熱された2L窒素雰囲気になるようにした。窒素雰囲気下で反応基の温度を25℃に下げ、プロピレンで換気させて反応基をプロピレン雰囲気状態に維持した。プロピレン気体雰囲気で維持された反応器に1モル濃度でデカン溶媒に希釈されたトリエチルアルミニウム(TEAL)2mmolを投入し、デカン溶媒に希釈されたジシクロペンチルジメトキシシラン(Donor)をモル比率(ジシクロペンチルジメトキシシラン/トリエチルアルミニウム)が4.4乃至5になるように投入した。触媒はデカン溶媒に希釈されて0.005gを基準に投入し、水素1,000mLを投入した後、プロピレン500gを投入し、撹拌機を動作させて5分間前重合を実施した。前重合後、反応器の温度を70℃に加熱し、70℃で1時間重合した後、未反応プロピレンは大気に排出させて、反応器の温度を常温に下げて、相対的に低い溶融指数を有する重量平均分子量が約550,000g/molの高分子量ポリプロピレンを生成した。第2反応器で前記と同じ方法で行うが、重合時間を調節して相対的に低い溶融指数を有する重量平均分子量が約210,000g/molの低分子量ポリプロピレンを生成し、生成された高分子量ポリプロピレン及び低分子量ポリプロピレンを約6:4の重量割合で重合した。生成されたポリプロピレンを50℃の真空オーブンで10時間乾燥してから収得した。
【0029】
[実施例2、比較例1乃至3]
実施例1の重合工程及びTEAL/Donorの比率を下記表1のように調節したことを除いては、実施例1と同じ方法でポリプロピレンを製造した。モノモーダル工程の場合、第1反応器のみを利用して下記表1の重量平均分子量を有するように行われた。
【0030】
[試験例]
前記製造されたポリプロピレンを2軸押出器で220乃至250℃でTダイ方式で押出してシートを生成した後、延伸機内でMD及びTD方向に逐次延伸を行って厚さ15μmの単層多孔性フィルムを製造し、前記ポリプロピレン及びフィルムに対して下記方法によって分子量特性、メルトダウン温度、キシレン可溶分、引張強度、穿孔強度、及び流動性を測定乃至評価し、その結果を下記表1及び図1に示した。
[測定方法]
(1)分子量特性
ASTM D3536によってゲル浸透クロマトグラフィ(Gel Permeation Chromatography(GPC)、Agilent)を利用して重量平均分子量及び分子量分布(Mw/Mn)を測定した。クロロホルム溶媒下、標準物質としてポリスチレンを使用した。
(2)メルトダウン温度
前記製造された多孔性フィルムを利用して製造されたリチウムイオン二次電池をオーブンで2℃/minの速度で加熱しながらリアルタイムで抵抗を測定して10,000Ωを超える時点の温度をシャットダウン温度として評価し、前記シャットダウン温度以降で抵抗が急減する時点の温度をメルトダウン温度として評価した。「シャットダウン」とは、特定温度以上で膜に一部の溶融が発生して気孔を閉鎖する特性を意味し、高温で膜の熱変形によって二次電池の正極及び負極が直接連結される短絡は爆発及び火災事故の主な原因となるが、シャットダウンによってそれを予防し得る。この際、「メルトダウン」(または「破膜」)とは、特定温度以上で膜に溶融が発生して膜の一部が破損する現象を意味し、このような現象が発生したら二次電池の正極及び負極が接合する短絡(short-circuit)によって火災または爆発などの事故が発生し得る。
(3)キシレン可溶分
ASTM D5492の規格に従って沸騰するキシレンから試料を溶解した後、不溶性部分を溶液から結晶化させて可溶分を分離し測定した。
(4)引張強度
試片(ASTM D638 Type IV規格)に対してASTM D638に従って万能材料試験機を利用し、50mm/minの条件下で測定した。
(5)穿孔強度
厚さ15μmの分離膜を50×50mmのサイズに切った後、直径10mmの円形穴が形成された板の上に試片を載せ、直径1mm(曲率半径0.5mm)の探針で0.05cm/秒の速度で下降させる際、試片が開く時点の力を測定した。
(6)流動性
前記製造されたポリプロピレンを2軸押出器で220℃でT-ダイ方式で押出し、この押出物をT-ダイ(T-die)に通過させた後、押出物でメルトフラクチャ及び押出物の欠陥発生可否を確認した。
【0031】
【表1】
【0032】
表1及び図1を参照すると、二次電池乾式分離膜用ポリプロピレンの製造において、本発明によってバイモーダル工程を適用し、特定の助触媒及び電子供与体の投入割合を適用する場合、従来に比べ機械的物性及び熱的特性を極大化させながらも、分離膜加工の際の流動性が向上されたことを確認し得る。
【0033】
それに対し、モノモーダル工程によってポリプロピレンを製造する場合(比較例1及び2)、分子量分布が狭く樹脂の流動性が低下されて押出物からメルトフラクチャなどの欠陥が発生(図1、赤い四角の表示を参照)することで加工性が劣位であることが分かり、バイモーダル工程によってポリプロピレンを製造してもTEAL/Donorの投入比率が従来の方法と同じ水準である場合(比較例3)、機械的物性の低下と共にメルトダウン温度が減少するなど、熱的特性が低下することが分かる。
【0034】
これまで本発明の好ましい実施例を詳細に説明した。本発明の説明は例示のためのものであって、本発明が属する技術分野における通常の知識を有する者は、本発明の技術的思想や必須的特徴を変更せずとも他の具体的な形態に容易に変更し得ることを理解できるはずである。
【0035】
よって、本発明の範囲は、前記詳細な説明よりは後述する特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲の意味、範囲及びその均等概念から導き出される全ての変更または変形された形態が本発明の範囲に含まれると解釈すべきである。
図1
【手続補正書】
【提出日】2024-05-23
【手続補正1】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0027
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0027】
[実施例1]
撹拌機とオイル循環ヒータが取り付けられたサイズ2Lの耐圧用ガラス反応器を窒素で十分に換気させ、窒素雰囲気下で無水二塩化マグネシウム、2,4-ペンタンジオール、及びデカンを投入し、130℃で500rpmの回転速度で撹拌した。マグネシウム化合物が完全に溶解されて均質な溶液を生成し、1時間熟成した後、塩化ベンゾイルを30分間投入し、130℃で1時間熟成させ、反応基の温度を25℃に下げてマグネシウム化合物溶液を製造した。次に、撹拌機とオイル循環ヒータが取り付けられたガラス反応器を窒素で十分に換気させ、窒素還流状態でヘキサン800L及び四塩化チタン800Lを投入し、300rpmで撹拌しながら反応器の温度を-20℃に下げて、混合溶媒を用意した。ヘキサン溶媒内に分散されているチタン化合物が投入された反応器に、前記製造されたマグネシウム化合物溶液を4時間にわたって添加した。マグネシウム化合物溶液を投入して1時間維持した後、反応器の温度が20℃になるまで0.25℃/分の速度で昇温させた。反応基の温度が20℃に達したら1時間熟成させ、反応器の温度を73℃まで1℃/分の速度で昇温させており、73℃に達した後は2時間の熟成過程を経て、反応器の沈殿固体を除外した上澄み液を除去して固体担持体を生成した。次に、製造された固体担持体に四塩化チタンを投入して撹拌し、1℃/分の速度で昇温して、110℃で1:1モル比率で混合された2,2’-ジイソブチルフタレート及び1,3-ジエーテルを投入した。次に、1時間熟成させて更に固体触媒を沈殿させた後、上澄み液を除去した。上澄み液が除去された固体触媒を四塩化チタンで更に1回洗浄した後、63℃に減温し、ヘキサン1Lで7回洗浄して、最終スラリー固体触媒を得た。最終スラリー固体触媒を窒素で乾燥し、固体状のポリプロピレン重合用固体触媒を収得した。
【手続補正2】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0028
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0028】
ポリプロピレン重合は前記固体触媒とプロピレンを溶媒にし、塊状重合(bulk polymerization)方法でバイモーダル(bimodal)工程を適用して行われた。まず、第1反応器で120℃に加熱された2L窒素雰囲気になるようにした。窒素雰囲気下で反応基の温度を25℃に下げ、プロピレンで換気させて反応基をプロピレン雰囲気状態に維持した。プロピレン気体雰囲気で維持された反応器に1モル濃度でデカン溶媒に希釈されたトリエチルアルミニウム(TEAL)2mmolを投入し、デカン溶媒に希釈されたジシクロペンチルジメトキシシラン(Donor)をモル比率(トリエチルアルミニウム/ジシクロペンチルジメトキシシラン)が4.4乃至5になるように投入した。触媒はデカン溶媒に希釈されて0.005gを基準に投入し、水素1,000mLを投入した後、プロピレン500gを投入し、撹拌機を動作させて5分間前重合を実施した。前重合後、反応器の温度を70℃に加熱し、70℃で1時間重合した後、未反応プロピレンは大気に排出させて、反応器の温度を常温に下げて、相対的に低い溶融指数を有する重量平均分子量が約550,000g/molの高分子量ポリプロピレンを生成した。第2反応器で前記と同じ方法で行うが、重合時間を調節して相対的に低い溶融指数を有する重量平均分子量が約210,000g/molの低分子量ポリプロピレンを生成し、生成された高分子量ポリプロピレン及び低分子量ポリプロピレンを約6:4の重量割合で重合した。生成されたポリプロピレンを50℃の真空オーブンで10時間乾燥してから収得した。
【手続補正3】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0030
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0030】
[試験例]
前記製造されたポリプロピレンを2軸押出器で220乃至250℃でTダイ方式で押出してシートを生成した後、延伸機内でMD及びTD方向に逐次延伸を行って厚さ15μmの単層多孔性フィルムを製造し、前記ポリプロピレン及びフィルムに対して下記方法によって分子量特性、メルトダウン温度、キシレン可溶分、引張強度、穿孔強度、及び流動性を測定乃至評価し、その結果を下記表1及び図1に示した。
[測定方法]
(1)分子量特性
ASTM D3536によってゲル浸透クロマトグラフィ(Gel Permeation Chromatography(GPC)、Agilent)を利用して重量平均分子量及び分子量分布(Mw/Mn)を測定した。クロロホルム溶媒下、標準物質としてポリスチレンを使用した。
(2)メルトダウン温度
前記製造された多孔性フィルムを利用して製造されたリチウムイオン二次電池をオーブンで2℃/minの速度で加熱しながらリアルタイムで抵抗を測定して10,000Ωを超える時点の温度をシャットダウン温度として評価し、前記シャットダウン温度以降で抵抗が急減する時点の温度をメルトダウン温度として評価した。「シャットダウン」とは、特定温度以上で膜に一部の溶融が発生して気孔を閉鎖する特性を意味し、高温で膜の熱変形によって二次電池の正極及び負極が直接連結される短絡は爆発及び火災事故の主な原因となるが、シャットダウンによってそれを予防し得る。この際、「メルトダウン」(または「破膜」)とは、特定温度以上で膜に溶融が発生して膜の一部が破損する現象を意味し、このような現象が発生したら二次電池の正極及び負極が接合する短絡(short-circuit)によって火災または爆発などの事故が発生し得る。
(3)キシレン可溶分
ASTM D5492の規格に従って沸騰するキシレンから試料を溶解した後、不溶性部分を溶液から結晶化させて可溶分を分離し測定した。
(4)引張強度
多孔性フィルム試片(ASTM D638 Type IV規格)に対してASTM D638に従って万能材料試験機を利用し、50mm/minの条件下で測定した。
(5)穿孔強度
厚さ15μmの分離膜を50×50mmのサイズに切った後、直径10mmの円形穴が形成された板の上に試片を載せ、直径1mm(曲率半径0.5mm)の探針で0.05cm/秒の速度で下降させる際、試片が開く時点の力を測定した。
(6)流動性
前記製造されたポリプロピレンを2軸押出器で220℃でT-ダイ方式で押出し、この押出物をT-ダイ(T-die)に通過させた後、押出物でメルトフラクチャ及び押出物の欠陥発生可否を確認した。
【手続補正4】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0031
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0031】
【表1】
【手続補正5】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0033
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0033】
それに対し、モノモーダル工程によってポリプロピレンを製造する場合(比較例1及び2)、分子量分布が狭く樹脂の流動性が低下されて押出物からメルトフラクチャなどの欠陥が発生(図1黒い四角の表示を参照)することで加工性が劣位であることが分かり、バイモーダル工程によってポリプロピレンを製造してもTEAL/Donorの投入比率が従来の方法と同じ水準である場合(比較例3)、機械的物性の低下と共にメルトダウン温度が減少するなど、熱的特性が低下することが分かる。
【国際調査報告】