(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-10-31
(54)【発明の名称】空気循環モジュール及び空気循環モジュールシステム
(51)【国際特許分類】
F24F 1/0043 20190101AFI20241024BHJP
F24F 1/0007 20190101ALI20241024BHJP
F24F 1/0035 20190101ALI20241024BHJP
F24F 7/007 20060101ALI20241024BHJP
F24F 7/013 20060101ALI20241024BHJP
F24F 1/0047 20190101ALI20241024BHJP
F24F 13/20 20060101ALI20241024BHJP
F24F 13/30 20060101ALI20241024BHJP
E06B 9/17 20060101ALI20241024BHJP
【FI】
F24F1/0043 416
F24F1/0007 321
F24F1/0035
F24F7/007 Z
F24F7/013 102B
F24F7/013 102K
F24F1/0047
F24F7/013 101F
F24F7/013 101Y
F24F13/20 205
F24F13/30
E06B9/17 Z
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2024529303
(86)(22)【出願日】2022-11-18
(85)【翻訳文提出日】2024-05-16
(86)【国際出願番号】 EP2022082491
(87)【国際公開番号】W WO2023089136
(87)【国際公開日】2023-05-25
(31)【優先権主張番号】102021130300.1
(32)【優先日】2021-11-19
(33)【優先権主張国・地域又は機関】DE
(31)【優先権主張番号】102022109804.4
(32)【優先日】2022-04-22
(33)【優先権主張国・地域又は機関】DE
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】522004287
【氏名又は名称】エンヴォラ ゲゼルシャフト ミット ベシュレンクテル ハフツング
【氏名又は名称原語表記】ENVOLA GMBH
【住所又は居所原語表記】Max-Born-Strasse 2-4, 89081 Ulm Germarny
(74)【代理人】
【識別番号】110002664
【氏名又は名称】弁理士法人相原国際知財事務所
(72)【発明者】
【氏名】シェヒナー, アレクサンダー
(72)【発明者】
【氏名】イーレ, ゲルハルト
(72)【発明者】
【氏名】クライバー, フェリックス
(72)【発明者】
【氏名】フランツォイ, ニコラ
【テーマコード(参考)】
3L050
【Fターム(参考)】
3L050BA01
3L050BA05
(57)【要約】
内部空間の建物壁(1)に組み込み可能な又は前記内部空間の前記建物壁(1)に固定可能な、新鮮空気添加を伴う空気循環モジュール(5)であって、
- 前記内部空間に面する前面(15)及び反対側の後面(17)、並びに、新鮮空気入口(39)、室内空気入口開口部(33)及び室内空気出口開口部(35)を有するハウジング(13)、
- 前記ハウジング(13)内に配置された熱交換器(43)、
- 前記室内空気入口開口部(33)を通って循環空気(55)として流入する室内空気を、前記熱交換器(43)を通って吸引可能であるよう前記熱交換器(43)に面すると共に軸方向に配置された空気入口を有する、前記ハウジング(13)内に配置された室内空気ラジアルファン(49)、及び
- 前記ハウジング(13)の前記前面(15)と前記後面(17)との間で、横方向において前記室内空気ラジアルファン(49)の隣りに配置された、前記ハウジング(13)内に配置され新鮮空気(53)を供給する新鮮空気ファン(47)、を含み
前記空気循環モジュール(5)は、前記ハウジング(13)内で新鮮空気(53)が前記循環空気(55)に供給され、前記循環空気(55)が添加された前記新鮮空気(53)と共に供給空気(57)として前記室内空気出口開口部(35)から流出するように、設計されている、空気循環モジュール(5)。
【選択図】
図3
【特許請求の範囲】
【請求項1】
内部空間の建物壁(1)に組み込み可能な又は前記内部空間の前記建物壁(1)に固定可能な、新鮮空気添加を伴う空気循環モジュール(5)であって、
- 前記内部空間に面する前面(15)及び反対側の後面(17)、並びに、新鮮空気入口(39)、室内空気入口開口部(33)及び室内空気出口開口部(35)を有するハウジング(13)、
- 前記ハウジング(13)内に配置された熱交換器(43)、
- 前記室内空気入口開口部(33)を通って循環空気(55)として流入する室内空気を、前記熱交換器(43)を通って吸引可能であるよう前記熱交換器(43)に面すると共に軸方向に配置された空気入口を有する、前記ハウジング(13)内に配置された室内空気ラジアルファン(49)、及び
- 前記ハウジング(13)の前記前面(15)と前記後面(17)との間で、横方向において前記室内空気ラジアルファン(49)の隣りに配置された、前記ハウジング(13)内に配置され新鮮空気(53)を供給する新鮮空気ファン(47)、を含み
前記空気循環モジュール(5)は、前記ハウジング(13)内で新鮮空気(53)が前記循環空気(55)に供給され、前記循環空気(55)が添加された前記新鮮空気(53)と共に供給空気(57)として前記室内空気出口開口部(35)から流出するように、設計されている、空気循環モジュール(5)。
【請求項2】
前記新鮮空気(53)が、前記熱交換器(43)を通って吸引可能であり、前記ハウジング(13)内で、特に前記室内空気ラジアルファン(49)内で、前記循環空気(55)と混合されるように設計されている、請求項1に記載の空気循環モジュール(5)。
【請求項3】
前記ハウジング(13)は、対向する長手方向側面(19,21)及び対向する横方向側面(23,25)を有し、前記新鮮空気ファン(47)は、前記新鮮空気ファン(47)及び前記室内空気ラジアルファン(49)が長手方向に沿って互いにオフセットされて配置されるよう、横方向において前記室内空気ラジアルファン(49)の隣りに配置されている、請求項1又は2に記載の空気循環モジュール(5)。
【請求項4】
前記熱交換器(43)は、前面及び後面(15,17)のうち一方の面と、その空気入口がこの面(15,17)に面する前記室内空気ラジアルファン(49)と、の間に配置されている、請求項1又は2に記載の空気循環モジュール(5)。
【請求項5】
前記室内空気ラジアルファン(49)は、前記室内空気ラジアルファン(49)の前記軸方向に配置された空気入口が前記熱交換器(43)に面するよう、前記ハウジング(13)の前記前面(15)と前記後面(17)との間で横方向において互いに隣り合って配置された、特に長手方向に沿って互いにオフセットされた、複数の室内空気ラジアルファン(49)のうちの一つである、請求項1又は2に記載の空気循環モジュール(5)。
【請求項6】
前記室内空気入口開口部(33)及び前記室内空気出口開口部(35)は、前記ハウジング(13)の長手方向側面(19,21)に配置されており、
前記室内空気入口開口部(33)は、前記熱交換器(43)が隣り合う前記前面(15)に隣り合って配置されており、前記室内空気出口開口部(35)は、前記室内空気ラジアルファン(49)が隣り合う前記後面(17)に隣り合って配置されている、
請求項1又は2に記載の空気循環モジュール(5)。
【請求項7】
前記複数の室内空気ラジアルファン(49)及び前記新鮮空気ファン(47)は、前記ハウジング(13)の対向する横方向側面(23,25)の間で、長手方向に沿って横方向に隣り合って配置されており、前記新鮮空気ファン(47)は、外部のファンとして、前記横方向側面(23,25)のうちの1つに隣り合って配置されている、請求項5に記載の空気循環モジュール(5)。
【請求項8】
ラジアルファンとして設計された前記新鮮空気ファン(47)の軸方向に配置された空気入口が、前記後面(17)の開口部として設計された前記新鮮空気入口に面している、請求項1又は2に記載の空気循環モジュール(5)。
【請求項9】
前記新鮮空気ファン(47)から供給された前記新鮮空気(53)を前記熱交換器(43)に導くように設計された流路(51)を含む、請求項1又は2に記載の空気循環モジュール(5)。
【請求項10】
前記流路(51)は、それを通って前記室内空気ラジアルファン(49)により前記新鮮空気(53)が吸引可能な前記熱交換器(43)と、前記ハウジング(13)の長手方向側面(19,21)と、の間を延びる、請求項9に記載の空気循環モジュール(5)。
【請求項11】
新鮮空気流れガイド(61)が、前記新鮮空気ファン(47)の周りを延びると共に、前記新鮮空気ファン(47)から流出する新鮮空気を前記流路(51)内へ導くように設計されている、
及び/又は、
室内空気流れガイド(65)が、前記室内空気ラジアルファン(49)の周りを延びると共に、前記室内空気ラジアルファン(49)から流出する空気を前記室内空気出口開口部(35)に導くように設計されている、
請求項8に記載の空気循環モジュール。
【請求項12】
天井領域(83)に組み込み可能、又は、天井(83)に固定可能である、請求項1又は2に記載の空気循環モジュール(5)。
【請求項13】
請求項1又は2に記載の空気循環モジュール(5)と、前記建物壁(1)に一体化可能であり、前記空気循環モジュール(5)が内部に挿入可能かつ固定可能である取り付けフレーム(11)と、を有する空気循環モジュールシステム。
【請求項14】
挿入された前記空気循環モジュール(5)の前記後面(17)がローラーシャッターケース内部に面するよう、前記取り付けフレーム(11)がローラーシャッターケース(7)内に組み込み可能である、請求項13に記載の空気循環モジュールシステム。
【請求項15】
前記室内空気入口開口部(33)及び前記室内空気出口開口部(35)が、少なくとも部分的に窓開口部の上面を形成する前記ハウジング(13)の下部の長手方向側面(21)にあるよう、前記取り付けフレーム(11)は前記ローラーシャッターケース(7)内に組み込み可能である、請求項14に記載の空気循環モジュールシステム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、建物の内部空間で室内空気を循環させるだけではなく、当該室内空気に新鮮空気を添加することもできる、新鮮空気添加を伴う空気循環モジュールに関する。更に、本発明は、そのような空気循環モジュールと取り付けフレームとを含む、空気循環モジュールシステムに関する。
【背景技術】
【0002】
室内空気を加熱及び冷却するための空調システムを有する密閉された建物及び内部空間では、それにもかかわらず、新鮮空気供給が、滞在快適性の向上に寄与する。
【0003】
特許文献1は、キャビネットサイズの空調設備を開示しており、当該空調設備において、室内空気は、循環空気として、キャビネットを通る第1の経路に沿って流れる。循環空気は、冷却コイル、又は、その後ろにファンであり得る空気移動装置が配置された蒸発器を通って流れる。新鮮空気は、壁開口部を通って空調設備に流入し、循環空気と混合し得る。
【0004】
特許文献2は、フレームに配置された窓のための換気装置であって、外部空間から導入された空気と内部空間から導入された空気との間で混合を伴うことなく熱交換を可能にするために熱交換器モジュールを有する、換気装置を開示している。
【0005】
特許文献3は、床及びその下の空洞を有する部屋を空調するための空調装置を開示している。空調装置によって空洞を介し床を通って部屋内に空気が流れるよう、空洞又は空調装置の下部の領域に通風機が配置されている。混合運転では、新鮮空気及び室内空気が空調装置を通って流れ得る。
【0006】
特許文献4は、蒸発器及び新鮮空気通風機を備える供給空気モジュールと、凝縮器及び第2の通風機を備える排気空気モジュールと、排気空気、供給空気、流出空気及び外気のための接続部と、を備える空調装置を開示している。供給空気モジュールと排気モジュールは、重なり合って配置されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
【特許文献1】米国特許第3831395号明細書
【特許文献2】独国特許出願公開第112011101405号明細書
【特許文献3】独国特許出願公開第102010016077号明細書
【特許文献4】独国実用新案第20313693号明細書
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
課題は、新鮮空気添加によって室内空気を調温するための空気循環モジュールを提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0009】
当該課題は、新鮮空気添加を伴う空気循環モジュール、及び、従属請求項の特徴を有する空気循環モジュールシステムによって、解決される。
【0010】
新鮮空気添加を伴う空気循環モジュールは、内部空間の建物壁に組み込み可能又は内部空間の建物壁に固定可能である。空気循環モジュールは、内部空間に面する前面及び反対側の後面、並びに、新鮮空気入口、室内空気入口開口部及び室内空気出口開口部を有するハウジングを含む。空気循環モジュールは、更に、ハウジング内に配置された熱交換器と、室内空気入口開口部を通って循環空気として流入する室内空気を、熱交換器を通じて吸引可能であるよう熱交換器に面すると共に、軸方向に配置された空気入口を有する、ハウジング内に配置された室内空気ラジアルファンと、を含む。ハウジング内に配置され新鮮空気を供給する新鮮空気ファンは、ハウジングの前面と後面との間で、横方向において室内空気ラジアルファンの隣りに配置されている。空気循環モジュールは、ハウジング内で新鮮空気が循環空気に供給され、循環空気が添加された新鮮空気と共に供給空気として室内空気出口開口部から流出するように、設計されている。
【0011】
循環空気は、空気循環モジュールに流入する室内空気である。供給空気は、空気循環モジュールから内部空間に流入し、新鮮空気が添加された調温された循環空気である。空気循環モジュールは、建物の少なくとも1つの内部空間で室内空気を循環させ、その際に調温するように設計されている。室内気候の改善のために、新鮮空気が添加される。有利には、空気循環モジュールは、新鮮空気が、熱交換器を通って吸引可能であり、ハウジング内で循環空気と混合するように、設計されている。新鮮空気添加により、呼吸する、したがって呼吸空気を消費する人にとっての、滞在快適性が高められる。空気循環モジュールは、通常、建物壁に強固に取り付けられるか、又は、ハウジングの後面が内部空間内部から離れる方向を向くよう、少なくとも部分的に建物壁に埋没させて組み込まれる。建物の温度調節空調システムにおいて、空気循環モジュールは、温度調節及び新鮮空気供給に寄与する。それは、通常、別個の装置として設計されているが、分散型の空調システムのモジュールとして見ることができ、その一部として制御もされ得る。代替的に又は付加的に、スタンドアロン動作が可能である。
【0012】
空気循環モジュールは、建物内部の建物壁に取り付け可能であり、又は有利には、空気循環モジュールを貫流する室内空気と新鮮空気の両方にアクセスできるよう、少なくとも部分的に建物壁内に埋設可能である。空気循環モジュールが取り付けられる建物壁は、有利には、内部空間を外部空間から分離する建物壁である。新鮮空気へのアクセスは、例えば、建物壁の開口部を介して行われ得る。取り付けは、建物壁の開口部、例えば窓又はドア開口部の上面で行うことができ、これは、容易な新鮮空気アクセスを伴う。有利には、取り付けは、巻き上げられたローラーシャッターを収容するためのケース状の部材である、ローラーシャッターケース内で行われる。取り付けは、ローラーシャッターケース及びそのローラーシャッターの機能が損なわれないよう、ローラーシャッターケースのうち内部空間に面する側で行われる。全体として、空気循環モジュールは、矩形の、特に平坦な矩形のハウジングを有し得る、非常にコンパクトな装置であり、その結果、上述した方法で建物内に取り付けられ得る。
【0013】
代替的に又は付加的に、空気循環モジュールは、天井領域に組み込み可能であり、又は、内部空間の天井に固定可能である。一実施例では、空気循環モジュールは、天井内に、例えば吊り天井の上方の天井領域に、配置されている。新鮮空気へのアクセスは、例えば、天井領域の建物外壁の開口部を介して行われ得る。代替的に、それを通って新鮮空気が外部から空気循環モジュールに導かれる、新鮮空気チャネルが設けられている。代替的に、空気循環モジュールは、内部空間に突出するよう、天井に固定され得る。
【0014】
ハウジングは、少なくとも1つの室内空気ラジアルファンと、新鮮空気ファンと、熱交換器とを取り囲む。室内空気入口開口部及び室内空気出口開口部は、それを通って、室内空気が循環空気としてハウジング内に流入するか、又は、循環空気として流入した室内空気の調温及び新鮮空気添加が行われた後に、供給空気としてハウジングから流出する、ハウジングの開口部である。ハウジングは、前面と、反対側の後面と、2つの対向する長手方向側面と、2つの対向する横方向側面と、を有する。長手方向は、有利には長手方向側面に平行に、横方向側面の間を延びる。深さ方向は、前面と後面との間で、長手方向に対して横方向に延びる。
【0015】
室内空気ラジアルファンは、軸方向に配置された空気入口と、径方向の空気出口とを有しており、その結果、熱交換器を通って吸引された循環空気は、室内空気ラジアルファンに軸方向に入り、室内空気出口開口部へ流れる前に径方向に排出される。有利には、室内空気ラジアルファンの周りを延びると共に、室内空気ラジアルファンから流出する空気を室内空気出口開口部に導くように設計された、室内空気流れガイドが設けられている。そのような室内空気流れガイドは、螺旋状ハウジングとして設計され得る。
【0016】
熱交換器は、貫流する空気の熱エネルギーを、貫流する流体流れに又はその逆に伝達するための、空気熱交換器として設計されている。流体流れは、室内空気が外側で近傍を通って流れる熱交換器の配管を貫流し、その結果、エネルギー伝達がもたらされる。夏季には、循環空気の熱エネルギーが熱交換器内の流体流れを介して運び去られることにより、室内空気の冷却が図られ、その結果、循環空気は冷却される。室内空気を加熱するために、熱エネルギーが流体流れから、近傍を通って流れる循環空気に伝達される。熱交換器を貫流した後、調温された循環空気は、室内空気ラジアルファンによって排出され、室内空気出口開口部を通ってハウジングから流出する。有利には、熱交換器は、空気が熱交換器を通って垂直に、すなわち長手方向側面の一方から他方の長手方向側面に流れるように空気を導く、フィンを含む。フィンは、一実施例において、フィン主表面が長手方向に対して垂直に配置された横方向フィンであり、その結果、空気は、深さ方向に流出し得る。しかしながら、これは、前側において、既にハウジングの前面によって防止される。しかしながら、垂直に熱交換器を通って流れる空気は、その後面の室内空気ラジアルファンの空気入口を通って横方向に深さ方向に熱交換器から吸引され得る。
【0017】
新鮮空気入口及び新鮮空気入口に配置され新鮮空気を供給するファンは、調温された循環空気に新鮮空気を添加するために、設けられている。新鮮空気ファンは、調温された循環空気に添加される新鮮空気を、新鮮空気入口を通ってハウジング内に吸引するように設計されている。新鮮空気ファンは、有利には、同様にラジアルファンとして設計されている。新鮮空気ファンは、有利には、横方向において室内空気ラジアルファンの隣りに配置されており、その結果、それらは、長手方向に沿って互いにオフセットして配置されている。有利には、それらは、長手方向に対して平行な線上で一列に整列されている。それらの入口は、反対方向を向いており、有利には、深さ方向に対して平行又は逆平行である。有利には、更に、新鮮空気ファンの周りを延び、新鮮空気ファンから流出する新鮮空気を、熱交換器に通じる流路に導くように設計された、新鮮空気流れガイドが設けられている。そのような新鮮空気流れガイドは、前面と後面との間で新鮮空気ファンの周りを延びる螺旋状の壁を有することができる。壁の開放された側は、流路に開口し、そこで新鮮空気を導き入れる。
【0018】
一実施例において、熱交換器は、前面及び後面のうち一方の面と、その空気入口がこの面に面する室内空気ラジアルファンと、の間に配置されている。室内空気ラジアルファンは、熱交換器と、前面及び後面のうち他方の面と、の間に配置されている。有利には、熱交換器は、前面に配置されており、室内空気ラジアルファンは、後面に配置されている。逆の配置も可能である。有利には、室内空気入口開口部及び室内空気出口開口部は、ハウジングの同一の長手方向側面又は反対側の長手方向側面に配置されている。なぜなら、後面には、既に新鮮空気入口が設けられているからである。ハウジングの前面及び後面は、室内空気流れを熱交換器内へ導き、室内空気ラジアルファンを貫流した後は、室内空気出口開口部の方向に導く。熱交換器が前面に配置され、室内空気ラジアルファンが後面に配置されている場合、室内空気入口開口部は前面に隣り合う長手方向側面に、室内空気出口開口部は有利には後面に隣り合う同一の長手方向側面に、それぞれ配置されている。室内空気は、循環空気として下方からハウジングに流入し、そこで前方から後方へ、次いで下方へ、供給空気としてハウジングから流出する。
【0019】
一実施例において、室内空気ラジアルファンは、室内空気ラジアルファンの軸方向に配置された空気入口が熱交換器に面するよう、ハウジングの前面と後面との間で横方向において互いに隣り合って配置された、複数の室内空気ラジアルファンのうちの一つである。新鮮空気ファンは、横方向側面のうちの1つに隣り合う外部のファンとして配置されている。特に熱交換器の長手方向に沿って配置された複数の室内空気ラジアルファンを設けることによって、良好な性能を有する、ローラーシャッターケース内への組み込みのための長く延びた空気循環モジュールが提供され得る。平面が室内空気ラジアルファンを通って延び、その結果、軸方向に配置された空気入口は、当該平面の同一の側から離れた方を向く。室内空気ラジアルファンの軸方向の回転軸は、寸法公差及び製造公差は別として、平面に対して垂直又はほぼ垂直に延び、有利には、寸法公差及び製造公差は別として、互いに平行に又はほぼ平行に延びる。室内空気ラジアルファンは、平面内で軸方向にオフセットして配置され得るが、それらの空気入口は、有利には、それらが1つの平面内又はほぼ1つの平面内に位置するように整列され、寸法公差及び製造公差は別として、室内空気ラジアルファンの軸方向オフセットは生じない。
【0020】
有利には、空気循環モジュールは、供給された新鮮空気を新鮮空気ファンから熱交換器に導くように設計された流路を備え、当該流路を通って新鮮空気が室内空気ラジアルファンによって吸引可能である。一実施例において、流路は、熱交換器とハウジングの長手方向側面との間を延び、熱交換器に面する側で開いているか又は複数の開口部を有する。この長手方向側面は、有利には、室内空気入口開口部及び室内空気出口開口部のある長手方向側面に対して反対側である。流路は、室内空気ラジアルファンに対する流れ障壁として設計されており、その結果、流路からの空気は、室内空気出口開口部にも室内空気ラジアルファンにも直接的に流れることができず、最初に熱交換器を通って流れなければならない。そのようにして、新鮮空気は、長手方向側面のうちの1つから垂直に、例えば上方から下方へ、熱交換器を通って流れ、室内空気は、反対側の長手方向側面から垂直に、例えば下方から上方へ、熱交換器を通って流れる。室内空気ラジアルファンの吸引効果により、新鮮空気及び室内空気の大部分は、垂直に室内空気ラジアルファンの入口に流れ、室内空気ラジアルファン内で合流する際に混合される。室内空気ラジアルファンによって排出された新鮮空気は、室内空気ラジアルファンが同時に熱交換器を通って吸引した循環空気と混合する。しかしながら、室内空気ラジアルファンの前及び後においても、乱流および偏向に起因して、空気混合が生じる。熱交換器においても、既に、両側から熱交換器に流入する新鮮空気と循環空気との混合が行われる。
【0021】
空気循環モジュールシステムは、上述した空気循環モジュールと、建物壁に一体化可能であり、空気循環モジュールを建物壁に埋没して取り付け可能であるよう、空気循環モジュールを挿入してその中に固定することができる、取り付けフレームと、を含む。そのような取り付けフレームは、乾式フレームであることができ、例えば、プレハブ住宅の建物壁に一体化され得る。
【0022】
有利には、取り付けフレームは、取り付けフレームに挿入された空気循環モジュールの後面がローラーシャッターケース内部に面するよう、ローラーシャッターケース内に組み込み可能である。ローラーシャッターケース内への組み込みは、窓の上方での空気循環モジュールの有利な配置を伴い、ローラーシャッターケースを通っての容易な新鮮空気アクセスを可能にする。
【0023】
一実施例では、取り付けフレームは、室内空気入口開口部及び室内空気出口開口部が、少なくとも部分的に窓開口部の内部空間側の上面を形成する、ハウジングの下部の長手方向側面にあるよう、ローラーシャッターケース内に組み込み可能である。下部の長手方向側面における室内空気入口開口部及び室内空気出口開口部も含めて、この空気循環モジュールは、例えば石膏ボード又は漆喰のような壁の化粧仕上げの下に、完全に隠れることができる。
【0024】
以下において、いくつかの実施例が、図面を参照して詳細に説明される。
【図面の簡単な説明】
【0025】
【
図2】ローラーシャッターケース内の空気循環モジュールの実施例を、概略的な断面図で示す。
【
図3】取り付けフレームを有する空気循環モジュールの実施例の3次元的な背面図である。
【
図4】取り付けフレームを有する空気循環モジュールの実施例の3次元的な正面図である。
【
図5】前方のハウジング壁が取り外された空気循環モジュールの実施例の概略的な正面図である。
【
図6】後側のハウジング壁が取り外された空気循環モジュールの実施例の概略的な背面図である。
【
図8】新鮮空気入口、フィルタ及び新鮮空気ファンの概略的な側断面図である。
【
図9】ハウジング内の新鮮空気ファンの概略的な正面図である。
【
図10】空気循環モジュールの更なる実施例の3次元的な背面図である。
【
図12】空気循環モジュールの更なる縦断面図である。
【
図14】縦断面図に基づいて、空気循環モジュールを通る流れを示す。
【
図15】空気循環モジュールシステムの実施例を示す。
【
図16】空気循環モジュールが挿入された取り付けフレームの上面図である。
【
図17】空気循環モジュールが挿入された取り付けフレームの更なる上面図である。
【
図18】空気循環モジュールシステムの3次元的な詳細図である。
【
図19】空気循環モジュールシステムの3次元的な表現である。
【
図20】空気循環モジュールシステムの天井に取り付けられた実施例を概略的に示す。
【
図22】空気循環モジュールの更なる実施例の3次元的な表現である。
【発明を実施するための形態】
【0026】
図面において、同一の又は機能的に同様に作用する構成要素には、同一の参照符号が付されている。「前」/「後」、「上」/「下」等のような表記は、実施例のより容易かつより明確な理解に寄与するものであって、必ずしも空間内における絶対的な位置を示すものではなく、特徴の互いに対する相対位置を示すものである。
【0027】
図1は、空気循環モジュール5の一実施例が組み込まれた、窓3を有する内部空間の建物壁1の概略的な正面図を示す。
【0028】
窓3を有する建物壁1は、建物の外壁である。このような建物壁1は、プレハブ住宅のプレハブ構造壁として設計され得る。窓開口部の上方に、この実施例では窓の全幅にわたって延びる空気循環モジュール5が配置されている。空気循環モジュール5は、建物壁1に、その中に埋没するように組み込まれている。空気循環モジュール5の前面は、内部空間に面している。空気循環モジュール5の前面は、建物壁1と面一で終端することができ、又は、この実施例のように、例えば石膏ボード若しくは漆喰のような壁の化粧仕上げの下に配置され得る。特に、空気循環モジュール5は、ローラーシャッターケース内に、又は、窓開口部の上方のローラーシャッターケース開口部内に、組み込まれ得る。代替的な実施例において、空気循環モジュール5は、部分的に建物壁1から突出するか、又は、その上に取り付けられ得る。
【0029】
空気循環モジュール5は、内部空間の室内空気を、加熱し、冷却し、新鮮な空気を添加するために、設計されている。空気循環モジュール5は、室内空気入口開口部及び室内空気出口開口部が建物内部の空気循環モジュール5内に配置され、空気循環モジュール5が、例えばローラーシャッターケースを通じて新鮮空気にアクセスできるように、建物壁1の中又は上に取り付け可能である。この実施例において、少なくとも部分的に窓開口部の上部のカバーを形成する空気循環モジュール5の下部の長手方向側面にアクセス可能であり、その結果、室内空気が循環空気として空気循環モジュール5に流入することができ、新鮮空気添加により調温された供給空気が流出することができる。
【0030】
有利には、空気循環モジュール5は、建物壁1に一体化された取り付けフレーム、例えば乾式フレームに組み込み可能である。プレハブ構造壁として設計された建物壁1の場合、そのような取り付けフレームは、有利には、その製造の際に既に組み込まれており、後に組み込まれるべき空気循環モジュール5のためのスペースを提供するため、建物壁1に一体化されている。取り付けフレームは、有利には、ローラーシャッターケースに一体化されている。
【0031】
図2は、空気循環モジュール5がローラーシャッターケース7に取り付けられた実施例を、断面図で概略的に示す。ローラーシャッターケース7は、内部空間と外部空間を互いに分離する建物壁1の窓の上方に配置されている。空気循環モジュール5は、窓3の上方で、ローラーシャッターケース7のうち内部空間に面する側に取り付けられ、その結果、空気循環モジュール5の後面17は、ローラーシャッターケース内部に面し、空気循環モジュール5の下部の長手方向側面21に配置された室内空気入口開口部及び室内空気出口開口部は、内部空間に配置され、下部の長手方向側面21は、少なくとも部分的に窓開口部の上面を形成する。空気循環モジュール5の前面15は、窓3の上方に平坦な壁面を形成するために、壁の化粧仕上げ9、例えば石膏ボードによって覆われている。
【0032】
図3は、取り付けフレーム11を有する空気循環モジュール5の実施例の3次元的な背面図を示す。
【0033】
空気循環モジュール5は、前面15と、反対側の後面17と、上部の長手方向側面19と、反対側の下部の長手方向側面21と、2つの対向する横方向側面23、25と、を有するハウジング13を含む。ハウジング13の基本形状は細長い直方体であり、ローラーシャッターケース7内に組み込み可能又はそれに固定可能であるように寸法決めされている。ハウジング13は、建物壁1内に完全に埋没され得るように、及び、前面15が壁の化粧仕上げ9によって覆われ得るように、平坦に設計されている。
【0034】
ハウジング13の後面17には、開口部として設計された新鮮空気入口39が配置されており、それを通って新鮮空気がハウジング13に流入し得る。開口部は、横方向側面23のうちの1つに隣り合う後面17の領域に設けられている。建物内部には、流入する新鮮空気を浄化するために、開口部の前にフィルタ41が設けられている。
【0035】
取り付けフレーム11は、通常、金属から成る。取り付けフレーム11は、上部の長手方向側面19に沿って延び、横方向側面23、25に平行にかつそれらから隔てられて延びる金属製の舌部27を有し、当該舌部27において、建物壁1に固定され得る。更に、取り付けフレーム11は、空気循環モジュール5の前側及び後側に支柱29を有すると共に、挿入開口部を有し、当該挿入開口部を通って、空気循環モジュール5が下方から取り付けフレーム11内へ挿入可能である。
【0036】
前側の下縁には、建物壁1に組み込まれた空気循環モジュール5を覆う壁の化粧仕上げ9を支持するL字形の輪郭59が設けられている。
【0037】
空気循環モジュール5は、建物壁1に、特にローラーシャッターケース7に一体化可能な取り付けフレーム11内へ、下方から挿入可能である。組み立ての際、空気循環モジュール5は、取り付けフレーム11内へ押し込まれてロックされ、その結果、下方からのみアクセス可能である。
【0038】
ハウジング13の上部の長手方向側面19には、回転可能で平坦なラッチ31があり、その幅は、ハウジング13の幅以下である。取り付けフレーム内への挿入の際、ラッチ31は長手方向に配向されている。挿入の後、空気循環モジュール5は下方からのみアクセス可能である。ラッチ31は回転され、その結果、前側及び/又は後側において長手方向側面13を越えて突出し、取り付けフレーム11内の対応するスリットに嵌り込む。この約4分の1回転は、下方からハウジング13内へ嵌り込む工具によって行われる。外へ旋回されたラッチ31によって、空気循環モジュール5は、取り付けフレーム11内に保持されロックされる。
【0039】
図4は、空気循環モジュール5の実施例の3次元的な正面図を示す。
【0040】
下部の長手方向側面21には、室内空気入口開口部33及び室内空気出口開口部35が配置されており、それらを通って、室内空気は、循環空気としてハウジング13に流入するか、又は、供給空気としてハウジング13から流出する。室内空気入口開口部33は、細長く設計されており、前面15に隣り合って配置されている。室内空気出口開口部35は、細長く設計されており、後面17に隣り合って配置されている。ハウジング内部の構成要素を保護し、流れ挙動に影響を与えるために、室内空気入口開口部33及び室内空気出口開口部35にフィン及びグリル37が設けられており、これは、下方から空気循環モジュール5への容易なアクセスを可能にするために、特に、組み込み又は取り外しの際に取り付けフレーム11内でロック及びアンロックするために、磁気的に固定されている。
【0041】
アクセス可能な下部の長手方向側面21を通って、室内空気は、循環空気として空気循環モジュール5に流入し、加熱又は冷却及び新鮮空気の添加の後、供給空気として空気循環モジュール5から流出する。
【0042】
図5は、前方のハウジング壁が取り外された空気循環モジュール5の正面図を概略的に示す。
【0043】
ハウジング内部には、前面15に沿って延びる熱交換器43が配置されている。熱交換器43は、横方向側面23、25の間を延びるが、それらの近傍にまでは延びないので、横方向側面23、25に隣り合う横方向の縁部領域が、更なる構成要素のためのスペースを提供する。これらの縁部領域では、一方では制御装置45が、他方では新鮮空気ファン47が、熱交換器43の隣りに設けられている。熱交換器43は、平坦な直方体状の基本形状を有し、例示的に横方向フィンを有する。その下面は、室内空気入口開口部33の上方に配置されており、その結果、循環空気として流入する室内空気は熱交換器43に衝突する。
【0044】
横方向側面25に隣り合って、空気循環モジュール5のための電子制御装置45が、前面15と後面17との間で、横方向において熱交換器43の隣りに設けられている。制御装置45は、空気循環モジュール5の動作、特に室内空気の加熱及び冷却、並びに、新鮮空気供給を制御する。制御装置45は、空気循環モジュール5がその一部にすぎない空調システムの他の構成要素とデータ交換することができ、中央制御方式で、又は、適切な(遠隔)制御要素を介して直接的にも、制御され得る。制御装置45には、更なる機能要素が設けられている:空気循環モジュール5の構成要素のための電源、コンピュータ/CPU、及び、温度及び湿度のためのセンサ、並びに、任意選択的に循環空気を加湿するための水接続部。
【0045】
他方の横方向側面23に隣り合って、新鮮空気の吸引及び分配のための新鮮空気ファン47と、流入する新鮮空気を浄化するためのフィルタ41とが、前面15と後面17との間に、かつ、横方向において熱交換器43の隣りに、配置されている。フィルタ41は、新鮮空気入口39と新鮮空気ファン47との間に配置されている。
【0046】
図6は、後方のハウジング壁及びフィルタ41が取り外された空気循環モジュール5の概略的な背面図を示す。
【0047】
ハウジング内部には、それぞれが軸方向に配置された空気入口を有する複数の室内空気ラジアルファン49が、配置されている。この実施例では、4つの室内空気ラジアルファン49が設けられており、これらは後面17に沿って互いに隣り合って配置されており、その結果、それらの空気入口は、熱交換器43に面している。室内空気ラジアルファン49は、長手方向に沿って、新鮮空気ファン47と制御装置45との間で、互いに隣り合って配置されている。平面が室内空気ラジアルファン49を通って延び、その結果、それらの軸方向に配置された空気入口は、当該平面の同一の側から離れて熱交換器43の方を向く。室内空気ラジアルファンは、それぞれ、その周りをファンホイールが回転する回転軸を有する。回転軸、したがって空気入口は、平面に対して垂直に延び、互いに平行に延びる。
【0048】
新鮮空気ファン47もラジアルファンとして設計され、横方向において室内空気ラジアルファン49の列の隣りに配置されており、その結果、これらと横方向側面23との間に配置されている。室内空気ラジアルファン49を通る平面も、新鮮空気ファン47を通って延びる。その軸方向に配置された空気入口は、後面17の新鮮空気入口39に面しており、その結果、新鮮空気ファン47は、室内空気ラジアルファン49の空気入口と反対方向を向く。
【0049】
図7は、空気循環モジュール5の側断面図を示す。当該断面は、室内空気ラジアルファン49のうちの1つを通って延びる。熱交換器43の下方には室内空気入口開口部33が、室内空気ラジアルファン49の下方には室内空気出口開口部35が、それぞれ配置されている。室内空気入口開口部33及び室内空気出口開口部35の上方の開放領域は、空間的に分離されている。熱交換器43の上方において、熱交換器43とハウジング13の上部の長手方向側面19との間には、流路51が長手方向に延びており、当該流路は、新鮮空気53を新鮮空気ファン47から熱交換器43の上面に導く。流路51から室内空気ラジアルファン49への直接的な経路は遮断されており、熱交換器43を通ってのみ可能である。
【0050】
図8は、新鮮空気入口39、フィルタ41及び新鮮空気ファン47の、概略的な側断面図を示す。新鮮空気53は、新鮮空気ファン47によって、開口部として設計された新鮮空気入口39を通って軸方向に吸引される。新鮮空気ファン47に衝突する前に、新鮮空気53はフィルタ41によって浄化される。新鮮空気ファン47は、ハウジング13に流入する空気を径方向に転向させ、その結果、当該空気は流路51内へ導かれる。これは、ハウジング13が新鮮空気ファン47の下方で閉じられており、新鮮空気ファン47と室内空気ラジアルファン49との間に例えば壁のような空間的分離部が設けられていることにより、支援される。
【0051】
図9は、新鮮空気ファン47の正面図を概略的に示す。新鮮空気ファン47は、ハウジング13に流入する新鮮空気53を径方向に転向させ、その結果、当該空気は、横方向側面23に沿って上方へ、新鮮空気ファン47の上方を延びる流路51に流入し、そこから熱交換器43に導かれる。
【0052】
図6及び7は、
図8及び9と同様に、新鮮空気53、循環空気55及び供給空気57に対する矢印に基づいて、空気循環モジュール5の動作を示す。空気循環モジュール5に流入する室内空気は、循環空気55と呼ばれる。空気循環モジュール5から内部空間に流出する空気は、供給空気57と呼ばれる。運転中、室内空気ラジアルファン49は、室内空気入口開口部33を通って及び熱交換器43を通って、室内空気を循環空気として吸引し、当該空気が供給空気57として室内空気出口開口部35を通ってハウジング13から流出するよう、径方向に転向させる。熱交換器43を貫流する際、循環空気55の熱交換器43との相互作用は、室内空気の温度変化をもたらす。冷却モードでは、室内空気は、夏季でも快適に冷たく調温される。冬季には、主として加熱される。
【0053】
室内空気の循環及び調温と並行して、新鮮空気ファン47によって、循環空気55への新鮮空気添加が行われる。新鮮空気ファン47は、ハウジング13の後面17の新鮮空気入口39を通って軸方向に新鮮空気53を吸引し、それを径方向に転向させ、その結果、当該空気は流路51を通って熱交換器43の上面へ導かれる。新鮮空気53も、室内空気ラジアルファン49によって熱交換器43を通って吸引されて径方向に転向され、循環空気55と混合された新鮮空気53は、同様に室内空気出口開口部17を通って供給空気57として流出する。新鮮空気ファン47の縁部側の配置により、新鮮空気53は、主として新鮮空気ファン47に隣り合う室内空気ラジアルファン49によって、熱交換器43を通って吸引される。これは、
図6の参照符号53を有する矢印によって示されている。不均一な分布にもかかわらず、快適な内部空間気候のために十分な混合が生じ、その際、循環空気55と新鮮空気53は、室内空気ラジアルファン49の空気出口と室内空気出口開口部35との間で、室内空気ラジアルファン49から流出する際の乱流によって、付加的に混合される。
【0054】
図10は、取り付けフレームなしの空気循環モジュール5の更なる実施例の3次元的な背面図を示す。
【0055】
空気循環モジュール5は、前面15と、反対側の後面17と、上部の長手方向側面19と、反対側の下部の長手方向側面21と、2つの対向する横方向側面23、25と、を有するハウジング13を含む。ハウジング13の基本形状は細長い直方体であり、有利には、ローラーシャッターケース7内に組み込み可能又はそれに固定可能であるように寸法決めされている。ハウジング13は、建物壁1内に完全に埋没され得るように、及び、前面15が壁の化粧仕上げ9によって覆われ得るように、平坦に設計されている。代替的に、ハウジング13は、建物壁1と面一に延び、例えば壁紙によって容易に覆われ得る。
【0056】
ハウジング13の後面17には、矩形の開口部として設計された新鮮空気入口39が配置されており、それを通って新鮮空気がハウジング13に流入し得る。開口部は、横方向側面23のうちの1つに隣り合う後面17の領域に設けられている。建物内部には、流入する新鮮空気を浄化するために、開口部の前にフィルタ41が設けられている。
【0057】
ハウジング13は、例示的に
図3に関連して説明されたように、取り付けフレーム11を備えることができるが、
図10には示されていない。ハウジング13の上部の長手方向側面19には、回転可能な平坦なラッチ31があり、当該ラッチにより、
図3に関連して既に説明されたように、ハウジング13が取り付けフレーム11内でロック可能である。
【0058】
図10には、3つの切断平面AA、BB及びCCが描かれており、それらの断面図が以下の図に示されている。
【0059】
図11は、空気循環モジュールを通る平面AAにおける縦断面図を示す。
【0060】
下部の長手方向側面21には、室内空気入口開口部33及び室内空気出口開口部35が配置されており、それらを通って、室内空気は、循環空気55としてハウジング13に流入するか、又は、供給空気57としてハウジング13から流出する。
図11に見られる室内空気入口開口部33は、細長く設計されており、前面15に隣り合って配置されている。
【0061】
上部のハウジング領域には、上部の長手方向側面19に沿って延び、前面15と後面17との間の細長い矩形の空洞として設計された流路51が配置されている。
【0062】
横方向側面23のうちの1つに隣り合って、前面15と後面17との間を延びる、新鮮空気ファン47及びフィルタ41のための領域が設けられている。フィルタ41は、流入する新鮮空気53を浄化するように設計されている。フィルタ41(
図11には示されていない)は、新鮮空気入口39と新鮮空気ファン47との間に配置されている。新鮮空気ファン47は、新鮮空気53を吸引し分配するように設計されている。新鮮空気ファン47は、ラジアルファンであり、新鮮空気入口39及びフィルタ41を通って軸方向に新鮮空気53を吸引し、径方向に転向させるように設計されている。新鮮空気ファン47の周りでは、前面と後面との間を、湾曲した壁として設計された新鮮空気流れガイド61が延び、当該新鮮空気流れガイドは、新鮮空気ファン47から径方向に流出する新鮮空気53を、流路51内へ導く。壁は、新鮮空気ファン47の周りを、旋回しながら新鮮空気ファン47から次第に遠ざかる螺旋曲線として延びて、流路51に開口する。その結果、新鮮空気ファン47を通って吸引された新鮮空気53は、上方へ流路51内に導かれる。
【0063】
ハウジング内部には、前面15に熱交換器43が配置されている。熱交換器43は、他方の横方向側面25と、壁によって分離された新鮮空気ファン47との間を長手方向に延び、その結果、新鮮空気53は、新鮮空気ファン47から直接的に熱交換器43へ、長手方向に流れることができない。熱交換器43は、流路51と室内空気入口開口部33との間に配置されている。流路51は、熱交換器43に面する下面において開放されており、その結果、空気が流路51から熱交換器43へ流れることができる。深さ方向において、熱交換器43は、前面15と室内空気ラジアルファン49との間を延びる。
【0064】
熱交換器43は、平坦な直方体状の基本形状を有する。それは、その前面と後面との間を延び、上方から下方へ延びる横方向フィン63を含む。
図11に示されたフィン63の間隔は、縮尺どおりではない。上方から下方へ延びるフィン63によって、熱交換器43を通る空気流は、垂直方向に導かれる。前側又は後側の空気出口は、これらのフィン63において基本的に可能であるが、前側では、ハウジング13の前面15によって阻止される。代替的に又は付加的に、側部からの空気流出を阻止し、適切な開口部によって室内空気ラジアルファン49への深さ方向の空気流出のみを許容する、前側及び後側の熱交換器壁が設けられ得る。
【0065】
流路51と室内空気入口開口部33との間に熱交換器43を位置決めし、そのフィン63を配向することにより、循環空気55として流入する室内空気は、下方から熱交換器43に衝突し、垂直に上方へ導かれる。新鮮空気55は、上方の流路55から、上方から熱交換器43に衝突し、垂直に下方へ導かれる。
【0066】
図12は、空気循環モジュール5を通る平面BBにおける縦断面図を示し、切断面は、空気循環モジュール5の後側の領域を延びる。
【0067】
ハウジング内部には、それぞれが軸方向に配置された空気入口を有する複数の室内空気ラジアルファン49が、配置されている。この実施例では、4つの室内空気ラジアルファン49が設けられており、これらは後面17に沿って互いに隣り合って配置されており、その結果、それらの空気入口は、熱交換器43に面している。室内空気ラジアルファン49は、深さ方向に重なり合って配置された新鮮空気ファン47及びフィルタ41と、新鮮空気ファン47とは反対側の横方向側面25との間で、互いに隣り合って配置されている。室内空気ラジアルファン49は、互いに隣り合って、すなわち長手方向側面19、21に対して平行に延びる長手方向にオフセットして配置されている。
【0068】
室内空気ラジアルファン49の列の軸方向に配置された空気入口は、後面17の新鮮空気入口39に面する新鮮空気ファン47の空気入口に対して反対方向に配置されている。室内空気ラジアルファン49の空気入口は、熱交換器43に面しており、当該熱交換器と後面17との間に、室内空気ラジアルファン49が配置されている。室内空気ラジアルファン49は、流路51の下に配置されている。それに加えて、室内空気ラジアルファン49は、流路51と室内空気出口開口部35との間を長手方向に延びる線に沿って、配置されている。流路51は、室内空気ラジアルファン49に対する流れ障壁ではあるが、熱交換器43への空気の通過を許容するように設計されており、その結果、流路51からの空気は、室内空気ラジアルファン49に直接的に流れることができず、熱交換器43を通って室内空気ラジアルファン49に流れなければならない。
【0069】
室内空気ラジアルファン49を取り囲む領域は、各室内空気ラジアルファン49の周りで後面17と熱交換器43との間を湾曲した壁が延びることにより、それぞれ螺旋状ハウジングの形態の室内空気流れガイド65として設計されており、当該室内空気流れガイドは、室内空気ラジアルファン49から流出する供給空気57を室内空気出口開口部35に導く。壁は、室内空気ラジアルファン49から次第に遠ざかる螺旋曲線として当該室内空気ラジアルファンの周りを延び、室内空気出口開口部35の出口に開口する。そのようにして、室内空気ラジアルファン49から供給空気57として流出する空気は、ハウジング13から内部空間へ導かれる。新鮮空気53と循環空気55との混合物は、室内空気出口開口部35を通って供給空気57としてハウジング13を離れる。
【0070】
室内空気流れガイド65の壁の間の空間は、有利には(
図12にハッチングで示されているように)充填されるか又は少なくとも覆われており、その結果、熱交換器43から深さ方向に流出する空気に対する障壁が形成され、空気は、室内空気流れガイド65内に配置された室内空気ラジアルファン49を通ってのみ、熱交換器43から流出することができる。
【0071】
図13は、空気循環モジュール5を通る平面C-Cにおける側断面図を示す。熱交換器43の下方には室内空気入口開口部33が、室内空気ラジアルファン49の下方には室内空気出口開口部35が、それぞれ配置されている。室内空気入口開口部33及び室内空気出口開口部35の上方の開放領域は、空間的に分離されている。熱交換器43の上方において、熱交換器43とハウジング13の上部の長手方向側面19との間には、流路51が長手方向に延びており、当該流路は、新鮮空気53を新鮮空気ファン47から熱交換器43の上面に導く。流路51から室内空気ラジアルファン49への直接的な経路は遮断されており、その結果、空気は熱交換器43を通ってのみ室内空気ラジアルファン49に流れることができる。
【0072】
加えて、ハウジング13内には空気循環モジュール5のための電子制御装置45が設けられているが、その位置及びコンパクトな寸法の故に図示されていない。
【0073】
図14は、
図11の空気循環モジュール5の縦断面図及び矢印に基づいて、空気循環モジュール5の作動原理を示す。
【0074】
新鮮空気53は、新鮮空気ファン47によって、新鮮空気入口39を通って軸方向に吸引される。新鮮空気ファン47に衝突する前に、新鮮空気53はフィルタ41によって浄化される。新鮮空気ファン47は、ハウジング13に流入する新鮮空気53を径方向に転向させる。新鮮空気53は、新鮮空気流れガイド61によって流路51内に導かれる。これは、ハウジング13が新鮮空気ファン47の下方で閉じられており、新鮮空気ファン47と、熱交換器43及び室内空気ラジアルファン49との間に、バリアとして作用する空間的な分離が設けられていることにより、支援される。
【0075】
新鮮空気53は、熱交換器43の上方の流路51に沿って流れる。新鮮空気ファン47からの距離が増すにつれて、より多くの新鮮空気53が熱交換器43を通って流出し、その結果、新鮮空気53が熱交換器43内で分配される。しかしながら、流出する新鮮空気53の割合は、経路に沿って減少する。フィン63を通って、新鮮空気53は垂直方向に下方へ導かれる。新鮮空気は、室内空気ラジアルファン49によって吸引され、その結果、新鮮空気53は、主に室内空気ラジアルファン49の垂直上方の領域で熱交換器43内へ流れ、フィン63によって垂直に室内空気ラジアルファン49の方向に導かれ、次いで、深さ方向に熱交換器43から新鮮空気を吸い出す。深さ方向は、前面15と後面17との間で長手方向に対して横方向に延びる。
【0076】
室内空気は、循環空気55として、室内空気入口開口部33を通って空気循環モジュールの熱交換器43に流入する。フィン63を通って、室内空気は垂直方向に上方へ導かれる。室内空気ラジアルファン49に導かれる循環空気55として垂直方向に流れる室内空気は、これにより、熱交換器43から排出される。フィン63によって室内空気ラジアルファン49の近傍を通過して、特にそれらの間を貫いて導かれる、循環空気55として垂直方向に流れる室内空気は、流路51に流入する。循環空気55は、流路51を通って方向転換され、室内空気ラジアルファン49によって吸引され、その結果、循環空気55は、主に室内空気ラジアルファン49の垂直上方で熱交換器43に逆流し、次いで室内空気ラジアルファン49を通って排出される。
【0077】
上述した流れは、
図14において、矢印に基づいて示されている。
図13においても、空気流れのための矢印が示されている。供給空気55及び新鮮空気53は、供給空気55が下方から熱交換器43を通って、新鮮空気53が上方から熱交換器43を通って、それぞれ流れるとき、室内空気ラジアルファン49を貫流する際に及びその後に混合し、室内空気ラジアルファン49の空気入口の領域で合流し、深さ方向に室内空気ラジアルファン49に吸引され、これにより排出される。加えて、循環空気55及び新鮮空気53は、特に循環空気55と新鮮空気53が同じ経路を有するとき、すなわち流路51内で下方へ方向転換された循環空気55が、既にそこで下方に流れる新鮮空気53と合流するとき、熱交換器43内で既に室内空気ラジアルファン49の前で部分的に混合する。新鮮空気53と循環空気55との混合物は、室内空気出口開口部35を通って供給空気57としてハウジング13を離れる。
【0078】
循環、及び、同時に新鮮空気53の添加を伴う室内空気の調温により、室内気候が改善される。添加される新鮮空気53の割合は、循環される室内空気と比較して小さい。なぜなら、冷却及び加熱のために、室内空気の大部分は熱交換器43を通って導かれなければならないからである。呼吸する建物居住者及び訪問者の故に更新されなければならない室内空気の割合は、対照的に小さく、調温プロセスにほとんど影響を与えない。添加される新鮮空気の典型的な最大値は、20%である。
【0079】
図15は、取り付けフレーム11及び空気循環モジュール5を有する空気循環モジュールシステムの更なる実施例を、3次元的な表現で示す。
【0080】
取り付けフレーム11は、例えば、乾式フレームとして設計することができ、建物壁1に一体化可能である。取り付けフレーム11は、後に組み込まれるべき空気循環モジュール5のためのスペースを提供する。取り付けフレーム11は、直方体状の基本形状を有し、その下面は、空気循環モジュール5が下方から取り付けフレーム11内に挿入可能であるよう、開放されている。
【0081】
取り付けフレームの前面には、空気循環モジュール5の熱交換器接続部69に接続可能な流体接続部67がある。流体接続部67は、作動モードに応じて冷熱又は温熱を放出することができる作動媒体の、流入及び流出のためのラインに接続されている。流体接続部67は、有利には、空気循環モジュール5が使用されないときに作動媒体の流出を防止する弁を備える。有利には、取り付けフレーム11には、取り付けフレームに導かれるラインに接続可能であり、空気循環モジュール5の供給、通信及び制御を行う、電気供給、通信及び制御の接続部も設けられている。取り付けフレーム11の上面には、空気循環モジュール5の固定手段71に取り外し可能に接続可能な固定手段73がある。
【0082】
空気循環モジュール5は、直方体状のハウジング13を有し、その中に、熱交換器43、室内空気ラジアルファン49及び新鮮空気ファン47(
図15には示されていない)が、例えば先の実施例に関連して説明されたように、配置されている。ハウジング13の上面には、取り付けフレーム11の固定手段73と共に取り外し可能な接続部を形成し得る固定手段71がある。
【0083】
空気循環モジュール5の取り付けは、それを下方から取り付けフレーム11内へ押し込み、次いで、流体接続部67の方向の横方向移動によって移動させ、それによりそれをロックすることによって、行われる。横方向移動により、空気循環モジュール5の固定手段71は、取り付けフレーム11の対応する固定手段73と噛み合い、その結果、互いに噛み合う固定手段71、73によって形状接続が形成され、これにより、空気循環モジュール5の脱落が阻止される。横方向移動の際、熱交換器接続部69及び流体接続部67は接続部を形成し、その結果、作動媒体は熱交換器43を通って流れることができる。一実施例において、熱交換器接続部69と流体接続部67との間の接続部は、クイックカップリングである。対応する電気的な接続手段が電気接続を形成し、その結果、空気循環モジュール5の供給、通信、及び制御が可能となる。代替的に又は付加的に、通信及び制御は、無線ベースで行われ得る。
【0084】
図16及び17は、空気循環モジュール5が既に下方から挿入された取り付けフレーム11の上面図に基づいて、取り付けを示す。固定手段71、73は、対向して配列されており、その結果、空気循環モジュール5のラッチ状の固定手段71が、取り付けフレーム11の固定手段73の開口部に嵌り込む。熱交換器接続部69と流体接続部67とは、対向して配列されている。
【0085】
図17は、横方向移動の後のロックされた状態を示し、ラッチ状の固定手段71が取り付けフレーム11の固定手段73の支持部に押し付けられることにより、固定手段71、73が互いに噛み合っている。空気循環モジュール5は、もはや取り付けフレーム11から脱落する可能性はない。流体接続部67と熱交換器接続部69は、接続されている。電気的な接続も確立されている。
【0086】
図18は、端部領域の下面の3次元的な詳細図を示す。下面には安全装置が設けられており、当該安全装置においては、特に空気循環モジュール5の取り外しの際の空気循環モジュール5の意図しない落下を防止するために、舌状の回転可能な安全プレート75が空気循環モジュール5の下に移動されている。安全プレート75の回転によって、取り付けフレーム11の下面の開口部が解放され、空気循環モジュール5は取り付けフレーム11内へ又はその外へ、移動され得る。
【0087】
取り付けフレーム11と空気循環モジュール5との間の上述した接続は、取り外し可能である。空気循環モジュール5を取り付けフレーム11から取り外すために、熱交換器接続部69と流体接続部67との間の接続は、下方から取り付けフレーム11内に噛み合う工具によって解放される。下面の安全プレート75は逆回転され、空気循環モジュール5は、熱交換器接続部69及び流体接続部67と同様に固定手段71、73を互いに解放する横方向移動の後に、取り付けフレーム11から下方に取り外され得る。
【0088】
図19は、空気循環モジュール5が配置された取り付けフレーム11の3次元的な表現を示す。取り付けフレーム11の下面には、空気流れを導き、負傷及び損傷を防止するためにファンへのアクセスを困難にする、取り外し可能なグリル37がある。
【0089】
この実施例では、少なくとも室内空気ラジアルファン49がモジュール式に設計されており、その結果、ファンモジュール50の一部としてファンモジュール50全体と共にハウジング13から取り外し可能であり、必要に応じて、取り付けフレーム11から空気循環モジュール5全体を取り外して開く必要なく、交換可能である。ファンモジュール50は、室内空気流れガイドと、それを通って空気が流れる下面のモジュールグリル79と、を備える、室内空気ラジアルファン49を取り囲むモジュールハウジング77を含む。新鮮空気ファン47又は室内空気ラジアルファン49のいずれか又は両方のファンタイプが、モジュール式に、したがって個々に取り外し可能に、設計され得る。ファンの一部のみをモジュール式に設計することも考えられる。
【0090】
図20は、空気循環ファン11と、吊り天井81内の取り付けフレーム11と、を有する空気循環モジュールシステムの一実施例の取り付けを示す。
【0091】
天井81は、その下面がスリットに面するように配置された、空気循環モジュール5の給気及び排気のためのスリットを有する。吊り天井81によって下方が境界付けられた天井領域83において、空気循環モジュール5のために取り付けフレーム11が設けられており、その開放された下面はスリットに配列されている。空気循環モジュール5は、例えば先の実施例に関連して説明したように、天井81のスリットを通って取り付けフレーム11に挿入可能である。取り付けフレーム11は、吊り天井81から天井領域83へ突出し、建物の天井に固定され得る。グリル37は、天井8の下側のスリットの前で、取り付けフレーム11に固定されている。
【0092】
取り付けフレームには、新鮮空気アクセス40があり、その位置は、空気循環モジュール5の新鮮空気入口39に対応する。新鮮空気供給は、新鮮空気が外部から流入し得る天井領域83を介して行われる。これは、天井領域83又は建物壁内の別個のファンによって、支援され得る。
【0093】
フレーム新鮮空気入口40は、有利には、新鮮空気を供給する天井領域83内の新鮮空気チャネル85に結合することができ、それによって新鮮空気が空気循環モジュール5に導かれる。室内からの循環空気55及び室内57への供給空気は、矢印によって示されている。
【0094】
図21は、天井領域83内の新鮮空気チャネル85を介して新鮮空気53が供給される、複数の空気循環モジュール5を天井内に有する、換気システムを概略的に示す。新鮮空気チャネル85は、管状又は矩形の断面を有する平坦チャネルとして設計され得る。分岐は、換気システムの空気循環モジュール5につながる。新鮮空気53は、ファンによってフィルタを介して外部から吸引され、新鮮空気チャネル85を通って空気循環モジュール5に、それらの取り付けフレーム11を通って供給される。下流の消音器93は、騒音公害を低減する。
【0095】
図22は、天井領域83での使用に特に適した空気循環モジュール5の実施例を、斜め上から見た3次元的な表現で示す。それは、ハウジング13の上部の側方領域に新鮮空気入口39の複数の開口部を有し、それらを通って、新鮮空気53が、流路51内に、及び流路51を介して熱交換器43に、容易に供給され得る。加えて、新鮮空気チャネル85は、対応する新鮮空気入口を有する取り付けフレーム11の側部に、容易に接続され得る。
【0096】
上述の及び特許請求の範囲に提示された特徴、並びに、図面から読み取り可能な特徴は、個々に及び様々な組み合わせで、有利に実施可能である。本発明は、記載された実施例に限定されず、当業者の能力の範囲内で様々な方法で変更可能である。
【符号の説明】
【0097】
1 建物壁
3 窓
5 空気循環モジュール
7 ローラーシャッターケース
9 壁の化粧仕上げ
11 取り付けフレーム
13 ハウジング
15 前面
17 後面
19 上部の長手方向側面
21 下部の長手方向側面
23,25 横方向側面
27 舌部
29 支柱
31 ラッチ
33 室内空気入口開口部
35 室内空気出口開口部
37 グリル
39 新鮮空気入口
41 フィルタ
43 熱交換器
45 制御装置
47 新鮮空気ファン
49 室内空気ラジアルファン
51 流路
53 新鮮空気
55 循環空気
57 供給空気
59 輪郭
61 新鮮空気流れガイド
63 フィン
65 室内空気流れガイド
67 流体接続部
69 熱交換器接続部
71、73 固定手段
75 安全プレート
77 モジュールハウジング
79 モジュールグリル
81 吊り天井
83 天井領域
85 新鮮空気チャネル
87 ファン
89 フィルタ
91 供給ライン
93 消音器
【国際調査報告】