(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-10-31
(54)【発明の名称】ハイブリッド電気航空機におけるDCバス電圧の安定化のためのシステムおよび方法
(51)【国際特許分類】
B64D 27/33 20240101AFI20241024BHJP
B64D 31/18 20240101ALI20241024BHJP
B64D 41/00 20060101ALI20241024BHJP
【FI】
B64D27/33
B64D31/18
B64D41/00
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2024529311
(86)(22)【出願日】2022-11-17
(85)【翻訳文提出日】2024-07-12
(86)【国際出願番号】 US2022050303
(87)【国際公開番号】W WO2023091600
(87)【国際公開日】2023-05-25
(32)【優先日】2021-11-17
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】520051953
【氏名又は名称】ヴェルデゴ エアロ,インコーポレイテッド
(74)【代理人】
【識別番号】100107766
【氏名又は名称】伊東 忠重
(74)【代理人】
【識別番号】100229448
【氏名又は名称】中槇 利明
(72)【発明者】
【氏名】スピッツァー,デイヴィッド,エヌ.
(72)【発明者】
【氏名】リクリック,マーク
(72)【発明者】
【氏名】アンダーソン,リチャード,パット
(72)【発明者】
【氏名】バルチュ,エリック,リチャード
(57)【要約】
ハイブリッド電気ジェンセット(ハイブリッド電気発電機)は、直流(DC)バスと、エンジンと、エンジンから機械的電力を受け取って第1の交流(AC)電力を生成するように構成された発電機とを含む。ハイブリッド電気ジェンセットは、第1のAC電力をDC電力に変換してDC電力をDCバスに出力するように構成されるインバータをさらに含む。ハイブリッド電気ジェンセットは、発電機によるAC電力出力を増加または減少させるためにエンジンを制御するように構成されるコントローラをさらに含む。DCバスは、少なくとも1つのバッテリパックまたはスーパーコンデンサに取り付けられるように構成される。少なくとも1つのバッテリパックまたはスーパーコンデンサは、DCバスの公称電圧を少なくとも1つのバッテリパックの公称バッテリパック電圧にほぼ維持するように構成される。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
ハイブリッド電気ジェンセットと、
航空機コンポーネントと、を含み、
前記ハイブリッド電気ジェンセットは、
直流(DC)バスと、
エンジンと、
前記エンジンから機械的電力を受け取り、第1の交流(AC)電力を生成するように構成される、発電機と、
前記第1のAC電力をDC電力に変換し、前記DC電力を前記DCバスに出力するように構成される、第1のインバータと、
前記発電機によって出力される前記AC電力を増加または減少させるために前記エンジンを制御するように構成される、第1のコントローラと、を含み、
前記航空機コンポーネントは、
電気モータと、
前記DCバスからDC電力を受け取り、前記電気モータによる使用のために前記DC電力を第2のAC電力に変換するように構成される、第2のインバータと、
前記DCバスに接続される少なくとも1つのバッテリパックと、を含み、前記少なくとも1つのバッテリパックは、前記DCバスの公称電圧を、前記少なくとも1つのバッテリパックの公称バッテリパック電圧にほぼ維持するように構成される、
システム。
【請求項2】
前記航空機コンポーネントは、前記第1のコントローラと通信する第2のコントローラをさらに含む、請求項1に記載のシステム。
【請求項3】
前記第1のコントローラは、前記少なくとも1つのバッテリパックの充電状態、前記電気モータの現在の電力消費量、または前記電気モータの推定される将来の電力消費量のうちの少なくとも1つに関する情報を含む、前記第2のコントローラからの通信を受信するように構成される、請求項2に記載のシステム。
【請求項4】
前記第1のコントローラは、前記通信に基づいて、前記ハイブリッド電気ジェンセットの所望の電力出力を達成するために前記エンジンをどのように調整するかを決定するように構成される、請求項3に記載のシステム。
【請求項5】
前記第1のコントローラは、前記所望の電力出力を達成するために前記エンジンの出力を調整するようにさらに構成される、請求項4に記載のシステム。
【請求項6】
前記第1のコントローラは、前記DCバス上のまたは前記DCバスを通過する電力の特性の測定値を受信するように構成される、請求項1に記載のシステム。
【請求項7】
前記特性は、前記DCバスの実際の電圧または前記DCバスを通じて流れる電流である、請求項6に記載のシステム。
【請求項8】
前記第1のコントローラは、前記測定値に基づいて、前記ハイブリッド電気ジェンセットの所望の電力出力を達成するために前記エンジンをどのように調整するかを決定するように構成される、請求項6に記載のシステム。
【請求項9】
前記第1のコントローラは、前記所望の電力出力を達成するために前記エンジンの出力を調整するようにさらに構成される、請求項8に記載のシステム。
【請求項10】
前記DC電力は、第1のDC電力であり、さらに、前記ハイブリッド電気ジェンセットは、前記DCバスから第2のDC電力を受け取り、前記発電機による使用のために前記第2のDC電力を第3のAC電力に変換するように構成される、第3のインバータをさらに含む、請求項1に記載のシステム。
【請求項11】
前記電気モータは、航空機の推進機構を駆動するように構成される、請求項1に記載のシステム。
【請求項12】
前記ハイブリッド電気ジェンセットおよび前記航空機コンポーネントは、それぞれ、単一の航空機に装着される、請求項1に記載のシステム。
【請求項13】
前記少なくとも1つのバッテリパックは、前記DCバスに直接電気的に接続される、請求項1に記載のシステム。
【請求項14】
前記少なくとも1つのバッテリパックは、29ファラド(F)、58F、または87Fの公称キャパシタンスを有する、請求項1に記載のシステム。
【請求項15】
直流(DC)バスと、
エンジンと、
前記エンジンから機械的電力を受け取り、第1の交流(AC)電力を生成するように構成される、発電機と、
前記第1のAC電力をDC電力に変換し、前記DC電力を前記DCバスに出力するように構成される、インバータと、
前記発電機によって出力される前記AC電力を増加または減少させるために前記エンジンを制御するように構成される、コントローラと、を含み、
前記DCバスは、少なくとも1つのバッテリパックまたはスーパーコンデンサに取り付けられるように構成され、
前記少なくとも1つのバッテリパックまたはスーパーコンデンサは、前記DCバスの公称電圧を、前記少なくとも1つのバッテリパックの公称バッテリパック電圧にほぼ維持するように構成される、
ハイブリッド電気ジェンセット。
【請求項16】
前記DCバスは、航空機の推進機構に電力を供給するように構成される少なくとも1つの電気モータに取り付けられるようにさらに構成される、請求項15に記載のハイブリッド電気ジェンセット。
【請求項17】
前記コントローラは、
前記DCバス上のまたは前記DCバスを通過する電力の特性の測定値を受信し、
前記少なくとも1つのバッテリパックの充電状態、前記電気モータの現在の電力消費量、または前記電気モータの推定される将来の電力消費量のうちの少なくとも1つに関する情報を含む、第2のコントローラからの通信を受信する、
ように構成される、
請求項15に記載のハイブリッド電気ジェンセット。
【請求項18】
前記コントローラは、前記測定値または前記通信に基づいて、所望の電力出力を達成するために前記エンジンの出力を調整するようにさらに構成される、請求項17に記載のハイブリッド電気ジェンセット。
【請求項19】
航空機のDCバスの電圧を制御する方法であって、
少なくとも1つのバッテリパックまたはスーパーコンデンサを前記DCバスに接続することであって、前記少なくとも1つのバッテリパックまたはスーパーコンデンサは、前記DCバスに電気的に直接接続される、接続することと、
コントローラによって、発電機へのエンジンによる機械的電力出力を制御することであって、前記発電機は、前記エンジンの前記機械的電力出力から第1の交流(AC)電力を出力する、制御することと、
第1のインバータによって、前記発電機からの前記第1のAC電力を直流(DC)電力に変換することと、
前記第1のインバータから前記DCバスに前記DC電力を出力することと、
前記コントローラによって、前記DCバスからの前記DC電力を第2のAC電力に変換するように構成される第2のインバータを制御すること、および前記第2のAC電力を供給して前記航空機の電気モータを駆動させることと、を含み、
少なくとも1つのバッテリパックまたはスーパーコンデンサが、前記DCバスの公称電圧を、前記少なくとも1つのバッテリパックの公称バッテリパック電圧にほぼ維持するように構成される、
方法。
【請求項20】
前記少なくとも1つのバッテリパックまたはスーパーコンデンサが、低充電を有すること、
前記電気モータによって使用される前記第2のAC電力が、所定の閾値を現在上回っているか、あるいは上回るであろうこと、または、
前記DCバスの実際の電圧または前記DCバスを通じて流れる実際の電流が、所定の望ましい範囲を外れていること、
を決定することをさらに含む、
請求項19に記載の方法。
【請求項21】
前記少なくとも1つのバッテリパックまたはスーパーコンデンサが、前記低充電を有すること、
前記電気モータによって使用される前記第2のAC電力が、前記所定の閾値を現在上回っているか、あるいは上回るであろうこと、または、
前記DCバスの前記実際の電圧または前記DCバスを通じて流れる前記実際の電流が、前記所定の望ましい範囲を外れていること
の前記決定に基づいて、
前記コントローラによって、所望の電力出力を達成するために、前記エンジンの前記機械的電力出力を調節することをさらに含む、
請求項20に記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
(関連出願の参照)
本出願は、2021年11月17日に出願された米国仮特許出願第63/280,585号の利益を主張するものであり、その内容全体が参照により本明細書に組み込まれる。
【背景技術】
【0002】
新しい航空機設計は、多種多様な理由で推進用の電動モータをますます使用するようになっている。電気モータは、高い出力対重量比、好ましいトルク曲線、および機械的単純さを有し、それらは全て、垂直離着陸(VTOL)および/または固定翼航空機のような航空宇宙用途に役立つ。電気モータは、大量の電力を使用し、それらは、重量が最適化され、信頼性の高い、航空機に搭載される電力源を必要とすることがある。ハイブリッド電気パワートレインシステムは、利用可能なバッテリ化学を有するバッテリパックよりも有意に多くのエネルギを送達することができる。
【発明の概要】
【0003】
例示的なハイブリッド電気ジェンセット(ハイブリッド電気発電機)(HYBRID-ELECTRIC GENSET)は、直流(DC)バスと、エンジンと、エンジンから機械的電力を受け取って、第1の交流(AC)電力を生成するように構成された、発電機とを含む。ハイブリッド電気ジェンセットは、第1のAC電力をDC電力に変換して、DC電力をDCバスに出力するように構成された、インバータをさらに含む。ハイブリッド電気ジェンセットは、発電機によるAC電力出力を増加または減少させるようにエンジンを制御するように構成されたコントローラをさらに含む。DCバスは、少なくとも1つのバッテリパックまたはスーパーコンデンサに取り付けるように構成される。少なくとも1つのバッテリパックまたはスーパーコンデンサは、DCバスの公称電圧を少なくとも1つのバッテリパックの公称バッテリパック電圧にほぼ維持するように構成される。
【図面の簡単な説明】
【0004】
【
図1】例示的な実施形態による、安定した電圧を有する直流(DC)バスを提供するための例示的なシステムの概略図である。
【0005】
【
図2】例示的な実施形態による、航空機レベルのコントローラからの通信に基づいて安定したDCバス電圧を維持するための例示的な方法を示すフローチャートである。
【0006】
【
図3】例示的な実施形態による、ハイブリッド電気ジェンセットレベルのコントローラによる測定値に基づいて安定したDCバス電圧を維持するための例示的な方法を示すフローチャートである。
【0007】
【
図4】例示的な実施形態による、コンピューティング環境の一例の概略図である。
【発明を実施するための形態】
【0008】
本明細書に記載されているのは、ハイブリッド電気航空機を実装するための様々な実施形態である。そのような航空機は、航空機の推進機構のためのモータのような、航空機の様々なコンポーネントに電力を分配するために、高電圧電気バスを利用することがある。そのようなハイブリッド電気航空機では、推進モータが十分に作動することがあるように、特定の所定の電圧範囲(例えば、公称電圧レベル付近)内で高圧電気バスを安定化させることが望ましい。本明細書に記載される様々な実施形態は、特に直流(DC)バスを使用することがあるので、所望のDC電圧範囲を維持することが望ましいことがある。有利には、本明細書における様々な実施形態は、少なくとも1つのバッテリまたはスーパーコンデンサ(スーパーキャパシタ)をDCバスに直接接続し、さらに、DCバス上の所望のDC電圧範囲を維持するために少なくとも1つのバッテリまたはスーパーコンデンサ上で十分な充電を維持することによって、DCバス上の所望のDC電圧範囲を効率的に維持することを提供する。そのような実施形態は、ハイブリッド電気または電気航空機のコンポーネント(例えば、推進のための電気モータおよびインバータ)を損傷することがある電圧スパイクを防止することがあり、航空機または航空機のシステムの信頼性および/または性能および安全性に悪影響を及ぼすことがある電圧スパイクまたはサグ(SAGS)を回避することがある。
【0009】
通電航空学(ELECTRIFIED AVIATION)において、全体的なアーキテクチャの様々な実施形態は、高電圧DCバスへの低インピーダンス接続を介して接続され、電力およびエネルギをそのバスに供給する、1つ以上の電気動力生成デバイス(ELECTRIC POWER CREATION DEVICES)(例えば、発電機)を含むことがある。同じ車両において、その同じDCバスに取り付けられるのは、そのDCバスから電力およびエネルギを受け取る1つ以上の電力消費デバイス(例えば、電気モータ)であることがある。通電された航空機の様々な実施形態は、バス電圧およびバッテリパック電圧に依存して所望に電力を受け取りあるいは送達することがある、バッテリパックまたはコンデンサ(例えば、スーパーコンデンサ)のようなエネルギ貯蔵デバイスを含んでもよい。
【0010】
高電圧発電機がDC電力を直接生成しているか、あるいは受動整流器を通じて作動しているならば、例えば、モータによって生成されるDC電圧は、主として、発電機を回転させるシャフトの毎分モータ回転数(RPM)の関数であることがある。例えば、永久磁石電気モータは、回転速度(RPM)に基づいて電圧を生成することがある。多くの用途において、RPMとの電圧の結合は、システム内のその電気モータの値を制限するモータ制御についての問題を生じさせることがある。永久磁石のないブラシレスモータから追加の有用性を得るために、外部電圧基準(EXTERNAL VOLTAGE REFERENCE)が、所望の電圧レベルを維持するために使用されることがある。航空学における特異な問題は、飛行の安全性が、(電気ブラシレス発電機のような)寄与物の特性にマッチしないことがある広範囲の飛行条件(ファン、プロペラ、または他のデバイスを駆動する電気モータ)に亘って電力消費物を正確な制御を必要とすることである。使用される高電圧生成器が何らかの理由で予想されるよりも遅く回転しているならば、バス電圧は、所望のものよりも低いことがあり、そのバス上のあらゆるモータは、期待値よりも低く作動することがあり、それは安全でないまたは望ましくない状態を招くことがある。そのような高電圧生成器が予想よりも速く回転しているならば、バス電圧は、高くなることがあり、モータ性能は、再び予想値または所望値を外れることがある。よって、共通のバスを共有する発電機およびモータの用途にとっては、使用される発電機およびモータを相応して設計することが望ましい。通電航空学について、任意のモータを精密に制御することは、航空機のために揚力、推力、航空機姿勢などを提供するために望ましい。よって、他の非航空関係の実施形態と比較して、モータに供給される電力を所望の性能レベルで作動するモータを維持する電圧に維持することによって、(例えば、DCバスを通じて)任意のモータに供給される電力をより良好に制御することが望ましい。加えて、モータに供給される電力は、航空機のパイロットまたは制御システムが、必要に応じて広範囲の使用に亘ってモータを制御することがあるように(例えば、パイロットまたは制御システムに、モータを制御することがある柔軟で広いレンジ(範囲)を提供することがあるように)、迅速に調節可能であることがある。様々な実施形態では、インバータを使用して、高電圧バスに供給するために使用されることがある上流の発電機の出力電圧を調整してよい。インバータは、様々な負荷条件の下で下流モータを精密に制御するために使用されてもよい。
【0011】
インバータは、システム設計者が、電流を制御することによって、任意のモータおよび/または発電機の動作包絡線を拡張することを可能にすることがある。これらのインバータが適切に機能するために、インバータへのバス電圧供給電力は、有利には、モータRPM以外の他の方法によって設定されかつ維持されてよい(何故ならば、バス上の電圧は、モータRPMのみが使用される場合に精密に制御することが困難だからである)。バス電圧の維持は、全てのシステム動作条件の下で存在するキャパシタンスおよび負荷の予想される変動に関連する。そのバスが、例えば、急速に変化する負荷または低すぎる(類似の機械システムでは慣性のように作用する)キャパシタンスを有するならば、高電圧バスおよび電力電子システムは、不安定になることがある。
【0012】
様々な実施形態において、バス電圧は、バッテリパック、コンデンサ、またはそれらの任意の組み合わせを使用して確立されかつ維持されてよい。そのようなデバイスは、バスにキャパシタンスおよび/または電気的慣性を付加することがあり、受動的であることがあり、それは、それらの意図された機能が物理学によって完全に支配され、(例えば、コントローラまたは制御システムによる)制御または介入を必要としない場合があることを意味する。スーパーコンデンサ(またはウルトラコンデンサ)は、典型的には有意なエネルギ貯蔵を欠くが、高キャパシタンスという望ましい構成を追加的に有する。スーパーコンデンサは、膨大な電力(例えば、時間の経過に亘るエネルギ)を伴う非常に急激な変動に応答することがある。要するに、それらは、比較的短い持続時間、低い振幅、またはそれらの2つの値の積が比較的低い場合の変動について、バスに安定性を提供することがある。バッテリが望ましいこともある。何故ならば、それらは、バス安定性のための有意なキャパシタンスを有し、高エネルギを貯蔵する場合があるからである。バッテリは、スーパーコンデンサほど迅速には電圧の変化に応答できないことがある。何故ならば、バッテリは、しばしば、特に(放電電力容量が充電容量よりもしばしば10X以上より高い)充電において、より制限されたレート(RATE)の電力用途を有するからである。例えば、所望の電圧レベルを維持する(例えば、バッテリを充電する)ためにバスから電流を引き出すことが必要であるならば、バッテリは、(選択されたバッテリの特別な特性に依存して)特定の実施形態において所望されるように迅速にはその電流を吸収しないことがある。しかしながら、幾つかの実施形態では、1つ以上のバッテリパックのみが、バス上の所望の電圧レベルを維持するのに十分なことがある。
【0013】
従って、DCバス上の所望の電圧を維持するために適切な設計を有するバッテリパックおよび/またはスーパーコンデンサを追加することによって、1つまたは複数の上流の発電機および下流のモータの独立した制御を可能にする様々な実施形態が、本明細書に記載されている。それらの貯蔵要素の電圧およびキャパシタンスがバス上のメインモータ制御要素に直接電気的に接続され(かつ他のスイッチ、充電器、または類似のデバイスによって遮蔽されない)アーキテクチャでは、バッテリパックおよび/またはスーパーコンデンサバンクは、高電圧DCバスのための軽量かつ効果的なアンカまたはセットポイントを提供する。
【0014】
航空機内のバッテリパックは、飛行物品に適用されるシステム安全基準をサポートするためにハイブリッド発電システムと共に展開されてよい。これらのバッテリパックおよび/またはスーパーコンデンサが、必要な電力またはエネルギを供給するためだけでなく、正しいまたは所望の電圧に設定され、高圧モータコントローラに接続されるためにも選択されるならば、バッテリパックおよび/またはスーパーコンデンサバンクは、バッテリパックおよび/またはスーパーコンデンサバンクをDCバスに直接接続することによって、バス安定化の第2の貴重な利点を提供することがある。バッテリパックおよび/またはスーパーコンデンサバンクは、それがターゲット電圧を有するように所与の航空機のために有利に選択されてもよいが、バス上の実際の電圧は、充電状態(SOC)および変動する電気負荷で自然に変動することがある。バッテリパックおよび/またはスーパーコンデンサバンクは、実際の電圧が所望の範囲を外れる可能性が低いように有利に選択されてもよい。実際の電圧が所望の範囲から外れる場合、または所望の範囲から外れることが予想される場合、航空機のコントローラまたは航空機内のハイブリッド電気ジェンセット(ハイブリッド電気発電機)(HYBRID-ELECTRIC GENSET)は、発電機に供給される電力(例えば、トルク)を調整して、DCバスに供給される電力を追加または減少させて、電圧を適切な所望の範囲内に維持してよい。RPMは、さらに、一定のまたは比較的一定のレベルにあるいは所定の範囲内に維持されてよい。従って、発電機に供給されるあるいは別の方法で動力シャフトに出力される電力は、エンジンの出力のRPMの調整を通じてではなく、エンジンによって出力されるトルクを調整することによって、調整されてよい。さらに、航空機の電気モータまたは他のコンポーネントを作動させるための所望の許容範囲内に留まる範囲で変動することがある実際の電圧設定点を維持することが望ましいことがある。加えて、バッテリパックは、ハイブリッド電気ジェネセットの発電機または他のコンポーネントの故障の事態において、航空機のモータまたは他のコンポーネントを駆動するための補助的な動力源として有利に役立つことがある。従って、これは、システム安全性およびフォールトトレランス(FAULT TOLERANCE)のレベルを追加することがある。
【0015】
図1は、例示的な実施形態による、安定した電圧を有する直流(DC)バスを提供するための例示的なシステム100の概略図である。システム100は、コントローラ162と、シャフト164によって発電機165に接続されたエンジン163と、インバータ166と、直流(DC)バス167とを含む、ハイブリッド電気ジェンセット161(HYBRID-ELECTRIC GENSET)を含む。エンジン163は、シャフト164を介して発電機165に機械的(例えば、回転的)電力を供給することがあるので、発電機165は、電力(例えば交流(AC)電力)を生成することがある。発電機165からのAC電力は、インバータ166によってDC電力に変換され、DCバス167に供給される。インバータ166は、DCバス167からのAC電力をAC電力に変換することもできることがあり、AC電力は、(例えば、発電機165が、推進機構のような航空機のコンポーネント(構成要素)に電力供給するモータの機能を果たす場合に)、シャフトに電力出力を提供するために発電機165が使用されることがある。コントローラ162は、ハイブリッド電気ジェンセット161のコンポーネントのいずれかを制御する(例えば、発電機165に出力されるRPMを制御する)ことがある。コントローラ162は、DCバス上の電圧および/またはDCバス167を通じて流れる電流のような、DCバス167の特性を測定することもある。
【0016】
システム100は、DCバス167に接続されたインバータ172および176、インバータ172および176に接続された電気モータ174および178、コントローラ180、ならびにバッテリパック182および184のような、航空機コンポーネントをさらに含む。様々な実施形態において、航空機コンポーネントは、バッテリパック182および184の代わりに、またはそれらに加えて、スーパーコンデンサ(SUPERCAPACITORS)を有してよい。様々な実施形態では、1つ以上のバッテリパックおよび/またはスーパーコンデンサが、ハイブリッド電気ジェンセット161の一部として含まれてよく、航空機コンポーネントが別個のバッテリおよび/またはスーパーコンデンサを有するかどうかにかかわらず、ハイブリッド電気ジェンセット161内のDCバスに直接接続されてよい。
図1は、ハイブリッド電気ジェンセット161のDCバス167から航空機コンポーネント170に走る複数の接続部を示すが、航空機コンポーネント170の別のバスへの単一の接続部またはDCバス167自体が航空機コンポーネント170の一部である場合のような他の構成も、本明細書では考えられる。コントローラ180は、制御装置162と通信可能であってよい。このようにして、コントローラ180は、インバータ172および176、電気モータ174および178が、現時点でどのように制御/使用されているか、またはコントローラがこれらのコンポーネントを将来どのように使用するように計画しているかについての情報を、コントローラ162に送信することがある。コントローラ180は、バッテリパック182および184の状態を監視および測定し、その状態に関連する情報(例えば、充電状態、電圧、バッテリへのまたはバッテリから出入りして流れる電流などに関連する任意の測定値)をコントローラ162に送信してもよい。バッテリまたはスーパーコンデンサがハイブリッド電気ジャンセット161に含まれる実施形態において、コントローラ162は、類似の情報についてそのようなコンポーネントを監視することがある。
【0017】
バッテリパック182および184は、単一のバッテリモジュールを表すことがあり、あるいは2つ以上の分離可能なモジュールであることがある。フォームファクタにかかわらず、バッテリセル、パック、モジュールなどは、本明細書に記載されるようにDCバス電圧を維持するように組み合わされてよい。例えば、例示的な航空機において、バッテリは、400ボルト(V)、800Vなどのような、等公称電圧を維持することがある。例えば、バッテリシステムが、バッテリシステムおよびDCバスの電圧を設定するために直列に接続された1つ以上のバッテリであってよい。例えば、バッテリモジュールが、200ボルト(V)であってよく、よって、1つのバッテリモジュールが、200Vシステムを有するように使用されてよく、2つのモジュールが、400Vシステムを有するように直列に使用されてよく、4つのモジュールが、800Vシステムを有するように直列に使用されてよいなどである。それらのモジュール群は、所望の電圧でバッテリシステムから利用可能な電力を増加させるために、他のバッテリモジュール群と並列にさらに接続されてよい。バッテリは、電力がDCバスに入力されている(例えば、モータ/発電機によって生成されている)および/または電力がDCバスから出力されている(例えば、推進システムの電気モータによって消費されている)間でさえも、バッテリシステムが本明細書に記載されるようにDCバス上で公称電圧を効果的に維持できるように、所望のキャパシタンス(静電容量)を有するように設計または選択されてよい。例えば、800Vシステムのために直列に接続された4つのバッテリモジュールのセットは、バッテリがDCバスに接続されたコンデンサとして機能するように、29ファラッド(F)のキャパシタンスを有してよい。4つの直列接続されたバッテリモジュールの2つのセットが、800Vシステムでより多くの電力を提供するために並列に接続されるならば、それら2つのセットは、一緒に58Fのキャパシタンスを有してよい。4つの直列接続されたバッテリモジュールの3つのセットが、800Vシステムにおいてさらにより多くの電力を提供するために並列に接続されるならば、それらの2つのセットは、87Fのキャパシタンスを有してよい。よって、様々な例において、バッテリの異なる構成は、20~110ファラド(F)のキャパシタンスをDCバスに提供してよくあるいは110Fよりもはるかに高いキャパシタンスをDCバスに提供してよい。何故ならば、本明細書に記載される例は、例示的であるにすぎないからである。このようにして、バッテリは、航空機DCバスのための特定のキャパシタンスを所望に提供するようにサイズ決定および設計されてよい。
【0018】
様々な実施形態では、
図1に示されたものより少ない要素、追加的な要素、または異なる要素が、航空機に含められることがある。
【0019】
図2は、例示的な実施形態による、航空機レベルのコントローラからの通信に基づいて、安定したDCバス電圧を維持するための例示的な方法200を示すフローチャートである。動作202で、コントローラ(例えば、
図1のコントローラ162)が、航空機コントローラ(例えば、
図1のコントローラ180)からの電力消費情報またはバッテリス状態情報を含む通信を受信してよい。電力消費情報は、電力が、例えば、航空機のインバータまたは電気モータによって現在どのように使用されているかに関連してよい。消費電力情報は、航空機のインバータまたは電動機によってどのように使用されるか(例えば、制御装置が、将来、特定の時間にモータに供給される電力をどのように増加または減少させる意図を有するかに関する情報)に関連してもよい。バッテリ状態情報は、システムのバッテリまたはスーパーコンデンサ(SUPERCAPACITORS)に流入するあるいはそこから流出する電流の充電状態、実際の電圧、および/または電流を含んでよい。
【0020】
従って、動作204で、コントローラは、ハイブリッド電気ジェンセットの電力出力が、DCバス上の所望の電圧範囲を維持するために、どのように調整されるべきかを決定することができてよい。例えば、バッテリの充電レベルが低すぎて所望の電圧を維持できない恐れがあるならば、コントローラは、バッテリを充電するのに十分な電力があるように、ハイブリッド電気ジェンセットの電力出力を増加させるために、動作206で命令を送信してよい。別の例では、航空機のモータが現在使用しているか、あるいは現在使用されているよりも有意に多くの電力を必要とすると予想されるならば、コントローラは、ハイブリッド電気ジェンセットの電力出力を増加させるために、動作206で命令を送信してよい。電力出力も、同様に低減されてよい。いずれの場合においても、コントローラは、エンジンによって発電機に供給されるRPMを変化させることによって、DCバスへのこの全体的な電力出力を調整してよい。よって、バッテリパックおよび/またはスーパーコンデンサは、所望の電圧レベルにDCバスを維持することができるので、バッテリパックおよびスーパーコンデンサは、ハイブリッド電気ジェネセットの電力出力にリアルタイム調整を提供する必要性を減らすことがあるが、RPMの何らかの制御または調整が、様々な実施形態において依然として望ましいことがある。
【0021】
図3は、例示的な実施形態による、ハイブリッド電気ゲンセットレベルのコントローラによる測定値に基づいて、安定したDCバス電圧を維持するための例示的な方法300を示すフローチャートである。方法300は、別のコントローラ(例えば、
図1のコントローラ180のような航空機システム全体のコントローラ)からそのような測定値または情報を受信するのではなく、ハイブリッド電気ゲンセットコントローラ(例えば、コントローラ162)自体によって行われることがある測定を意図する点を除いて、方法200に類似する。
【0022】
動作302で、DCバスで利用可能なまたはDCバスを通って流れる電力の態様が、コントローラによって測定される。DCバスがシステムワイド航空機コントローラによって測定可能であるならば、動作302は、システムワイド航空機コントローラによっても実行されることがある。同様に、バッテリおよび/またはスーパーコンデンサが、全体的な航空機システムの一部として位置付けられるのではなく、ハイブリッド電気ジェンセットの一部としてパッケージ化されるならば、コントローラは、動作302で、バッテリ/スーパーコンデンサの状態(例えば、充電状態、電流、電圧など)も測定することがある。動作304で、コントローラは、ハイブリッド電気ジェンセットの電力出力が測定値に基づいてどのように調整されるべきかを決定する。例えば、DCバス電圧が所望の範囲外に近づきつつあるならば、DCバス電圧が所望の電圧範囲内に留まることを確実にするために、動作304での決定に基づいてハイブリッド電気ジェンセットの電力出力を調整するように、動作306でハイブリッド電気ジェンセットのコンポーネントに命令を送信することが望ましいことがある。
【0023】
図4は、デスクトップコンピュータ、ラップトップ、スマートフォン、タブレット、または、例えば、非一時的なコンピュータ読取可能媒体内に記憶される命令のような、命令を実行する能力を有する任意の他のそのようなデバイスのような、汎用コンピューティングシステム環境100を含む、コンピューティング環境の一例の概略図である。本明細書に開示されるような様々なコンピューティングデバイス(例えば、コントローラ162、コントローラ180、または航空機の他のコンポーネントの一部であることがあるそれらのコントローラと通信する任意の他のコンピューティングデバイス)は、コンピューティングシステム100と同様であってよく、あるいはコンピューティングシステム100の幾つかのコンポーネントを含んでよい。さらに、単一のコンピューティングシステム100の文脈で記載されかつ図示されているが、当業者は、以下に記載される様々なタスクが、実行可能な命令が複数のコンピューティングシステム100のうちの1つ以上と関連付けられることがあるおよび/または複数のコンピューティングシステム100によって実行されることがあるローカルまたはワイドエリアネットワークを介してリンクされた複数のコンピューティングシステム100を有する分散環境で実行される場合があることも理解するであろう。
【0024】
その最も基本的な構成において、コンピューティングシステム環境100は、典型的には、バス106を介してリンクされることがある少なくとも1つの処理ユニット102および少なくとも1つのメモリ104を含む。コンピューティングシステム環境の正確な構成およびタイプに依存して、メモリ104は、(RAM110のような)揮発性、(ROM108、フラッシュメモリなどのような)不揮発性、またはこれら2つの組み合わせであってよい。コンピューティングシステム環境100は、追加の構成および/または機能性を有してよい。例えば、コンピューティングシステム環境100は、磁気ディスクまたは光ディスク、テープドライブおよび/またはフラッシュドライブを含むが、これらに限定されない、追加の記憶装置(取り外し可能および/または取り外し不能)を含んでよい。そのような追加のメモリデバイスは、例えば、ハードディスクドライブインターフェース112、磁気ディスクドライブインターフェース114、および/または光ディスクドライブインターフェース116によって、コンピューティングシステム環境100にアクセス可能とされてよい。理解されるように、システムバス306にそれぞれリンクされるこれらのデバイスは、ハードディスク118からの読み取りおよびハードディスク118への書き込み、リムーバブル磁気ディスク120からの読み取りまたはリムーバブル磁気ディスク120への書き込み、および/またはCD/DVD ROMまたは他の光媒体のようなリムーバブル光ディスク122からの読み取りまたはリムーバブル光ディスク122への書き込みを可能にする。駆動インターフェースおよびそれらの関連するコンピュータ読取可能媒体は、コンピュータ読取可能命令、データ構造、プログラムモジュール、およびコンピューティングシステム環境100のための他のデータの不揮発性記憶を可能にする。当業者は、データを記憶することができる他のタイプのコンピュータ読取可能媒体が、この同じ目的のために使用される場合があることをさらに理解するであろう。そのような媒体デバイスの例は、磁気カセット、フラッシュメモリカード、デジタルビデオディスク、ベルヌーイカートリッジ、ランダムアクセスメモリ、ナノドライブ、メモリスティック、他の読取/書込および/または読取専用メモリ、および/またはコンピュータ読取り可能命令、データ構造、プログラムモジュールまたは他のデータのような情報の記憶のための任意の他の方法または技術を含むが、これらに限定されない。あらゆるそのようなコンピュータ記憶媒体は、コンピューティングシステム環境100の一部であってよい。
【0025】
多数のプログラムモジュールが、メモリ/媒体デバイスの1つ以上に記憶されてよい。例えば、起動中のような、コンピューティングシステム環境100内の要素間で情報を転送するのを助ける基本ルーチンを含む、基本入出力システム(BIOS)124が、ROM108に格納されてよい。同様に、RAM110、ハードドライブ118、および/または周辺メモリデバイスは、オペレーティングシステム126、(例えば、本明細書に開示される機能性を含むことがある)1つ以上のアプリケーションプログラム128、他のプログラムモジュール130、および/またはプログラムデータ122を含む、コンピュータ実行可能命令を記憶するために使用されることがある。さらに、コンピュータ実行可能命令は、例えば、ネットワーク接続を介して、必要に応じて、コンピューティング環境100にダウンロードされてよい。
【0026】
エンドユーザは、キーボード134および/またはポインティングデバイス136のような入力デバイスを通じてコマンドおよび情報をコンピューティングシステム環境100に入力してよい。図示されていないが、他の入力デバイスは、マイクロホン、ジョイスティック、ゲームパッド、スキャナなどを含んでよい。これらのおよび他の入力デバイスは、典型的には、周辺インターフェース138によって処理ユニット102に接続され、周辺インターフェース138は、次に、バス106に結合される。入力デバイスは、例えば、パラレルポート、ゲームポート、ファイアワイヤ、またはユニバーサルシリアルバス(USB)のようなインターフェースを介して、プロセッサ102に直接的または間接的に接続されてよい。コンピューティングシステム環境100から情報を見るために、モニタ140または他のタイプのディスプレイデバイスが、インターフェースを介して、例えば、ビデオアダプタ132を介して、バス106に接続されてもよい。モニタ140に加えて、コンピューティングシステム環境100は、スピーカおよびプリンタのような、図示されていない他の周辺出力デバイスを含むこともある。
【0027】
コンピューティングシステム環境100は、1つ以上のコンピューティングシステム環境への論理接続を利用してもよい。コンピューティングシステム環境100と遠隔コンピューティングシステム環境との間の通信は、ネットワークルーティングの責任を負う、ネットワークルータ152のような、さらなる処理デバイスを介して交換されてよい。ネットワークルータ152との通信は、ネットワークインターフェースコンポーネント154を介して行われてよい。よって、そのようなネットワーク化された環境、例えば、インターネット、ワールドワイドウェブ、LAN、または他の同様のタイプの有線または無線ネットワーク内では、コンピューティングシステム環境100またはその一部に関して図示されたプログラムモジュールが、コンピューティングシステム環境100のメモリ記憶装置に記憶されてよいことが理解されるであろう。
【0028】
コンピューティングシステム環境100は、コンピューティングシステム環境100の場所を決定するためのローカライゼーション(場所特定)ハードウェア186を含んでもよい。幾つかの例において、ローカライゼーションハードウェア156は、ほんの一例として、GPSアンテナ、RFIDチップまたはリーダ、WIFIアンテナ、またはコンピューティングシステム環境100の場所を決定するために使用されることがある信号をキャプチャまたは送信するために使用されることがある他のコンピューティングハードウェアを含んでよい。
【0029】
本開示は、特定の実施形態を記載してきたが、特許請求の範囲に明示的に記載されている場合を除き、特許請求の範囲がこれらの実施形態に限定されることは意図されていないことが理解されるであろう。逆に、本開示は、本開示の精神および範囲内に含まれることがある代替物、修正物および等価物をカバーすることが意図されている。さらに、本開示の詳細な記述では、開示される実施形態の完全な理解を提供するために、多数の特定の詳細が記載されている。しかしながら、本開示に合致するシステムおよび方法が、これらの特定の詳細なしに実施される場合があることが、当業者に自明であろう。他の例では、よく知られている方法、手順、コンポーネント、および回路は、本開示の様々な態様を不必要に不明瞭にしないように詳細に記載されていない。
【0030】
本開示の詳細な説明の幾つかの部分は、手順、論理ブロック、処理、およびコンピュータまたはデジタルシステムメモリ内のデータビット上の動作の他の記号表現に関して提示されている。これらの説明および表現は、データ処理技術の当業者が、自らの作業の内容を当業者に最も効果的に伝達するために使用する手段である。手順、論理ブロック、プロセスなどは、本明細書では、一般に、所望の結果を導くステップまたは命令の自己無どう着シーケンスであると考えられる。ステップとは、物理量の物理的操作を必要とするステップである。通常、これらの物理的操作は、必ずしも必要ではないが、コンピュータシステムまたは類似の電子計算装置に記憶、転送、結合、比較、およびその他の方法で操作することができる電気的または磁気的データの形態をとる。便宜上、そして共通の用法に関して、このようなデータは、現在開示されている様々な実施形態に関して、ビット、値、要素、記号、文字、用語、数字などと呼ばれる。
【0031】
しかしながら、これらの用語は、物理的操作および量を参照するものとして解釈されるべきであり、当該技術分野で一般的に使用されている用語の観点からさらに解釈されるべき単なる便利なラベルであることが留意されるべきである。特に断りのない限り、本明細書の議論から明らかなように、本実施形態の議論を通して、「決定する」または「出力する」または「送信する」または「記録する」または「配置する」または「記憶する」または「表示する」または「受信する」または「認識する」または「利用する」または「生成する」または「提供する」または「アクセスする」または「確認する」または「通知する」または「配信する」などのような用語を使用する議論は、データを操作しかつ変換するコンピューティングシステムまたは類似の電子コンピューティングデバイスの動作およびプロセスを指すことが理解されよう。データは、コンピュータシステムのレジスタおよびメモリ内の物理的(電子的)量として表され、コンピュータシステムメモリまたはレジスタ内の物理的量として同様に表される他のデータ、または本明細書に記載されるかあるいはさもなければ当業者に理解される他のそのような情報記憶デバイス、送信デバイス、またはディスプレイデバイスに変換される。
【0032】
例示的な実施形態では、本明細書に記載される動作のいずれも、少なくとも部分的には、コンピュータ読取可能媒体またはメモリに格納されるコンピュータ読取可能命令として実装されてよい。プロセッサによるコンピュータ読取可能命令の実行後に、コンピュータ読取可能命令は、コンピューティングデバイスに演算を実行させることがある。
【0033】
例示的な実施形態の前述の記述は、図示および記述の目的のために提示されている。それは、開示された正確な形態に関して網羅的または限定的であることを意図するものではなく、修正および変形が、上記教示に照らしてまたは開示された実施形態の実施から可能である。本発明の範囲は、本明細書に添付された特許請求の範囲およびそれらの均等物によって定義されることが意図されている。
【国際調査報告】