(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-10-31
(54)【発明の名称】クランプ型半導体ウエハ及び半導体装置
(51)【国際特許分類】
H01L 25/07 20060101AFI20241024BHJP
H01L 21/3205 20060101ALI20241024BHJP
【FI】
H01L25/08 Y
H01L21/88 S
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2024529316
(86)(22)【出願日】2023-04-10
(85)【翻訳文提出日】2024-05-16
(86)【国際出願番号】 US2023018010
(87)【国際公開番号】W WO2023200699
(87)【国際公開日】2023-10-19
(32)【優先日】2022-04-11
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】504056130
【氏名又は名称】ウェスタン デジタル テクノロジーズ インコーポレーテッド
(74)【代理人】
【識別番号】100207837
【氏名又は名称】小松原 寿美
(72)【発明者】
【氏名】ペリヤナン、キルバカラン
(72)【発明者】
【氏名】リネン、ダニエル
(72)【発明者】
【氏名】パチャムトゥ、ジャヤベル
【テーマコード(参考)】
5F033
【Fターム(参考)】
5F033HH07
5F033HH11
5F033HH12
5F033HH19
5F033JJ19
5F033MM18
5F033NN30
5F033PP06
5F033PP14
5F033PP15
5F033PP27
5F033PP28
5F033QQ73
5F033QQ75
5F033VV07
5F033VV16
(57)【要約】
クランプ型半導体ウエハ及びクランプ型半導体装置は、固化して前記ウエハ/装置の輸送又は保管を可能にする流動性金属で充填されたリザーバを含む。前記固化した金属は、液体に戻るようにリフローして、前記半導体ウエハを一緒にクランプし、前記半導体パッケージを一緒にクランプすることを可能にすることもできる。前記流動性金属は、液体又はペーストとして前記リザーバ内に充填できる。その後、前記流動性金属は、冷却してクランプ部材として固化することができる。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
半導体ウエハであって、
対向する第1と第2主面と、
前記第1主面に隣接する誘電体層と、
前記誘電体層内に形成された集積回路と、
前記第1主面内のボンドパッドであって、前記集積回路に電気的に結合されたボンドパッドと、
前記誘電体層内に形成され前記第1主面で開いている1組の1つ又は複数のリザーバであって、流動性金属を受け入れて、前記1組の1つ又は複数のリザーバ内の前記流動性金属が固化する上で前記半導体ウエハを第2半導体ウエハにクランプするように構成された1組の1つ又は複数のリザーバと、を含む、前記半導体ウエハ。
【請求項2】
前記1組の1つ又は複数のリザーバからのリザーバは、前記第1主面から離れるベース部、及び前記ベース部よりも前記第1主面に近いネック部を含み、前記ベース部が前記ネック部より広い、請求項1に記載の半導体ウエハ。
【請求項3】
前記1組の1つ又は複数のリザーバは、前記誘電体層の深さを部分的に貫通した深さに延在する、請求項1に記載の半導体ウエハ。
【請求項4】
前記1組の1つ又は複数のリザーバは、前記集積回路及びボンドパッドの位置と干渉しないように位置決めされる、請求項1に記載の半導体ウエハ。
【請求項5】
前記集積回路を含む半導体ダイを更に含み、前記1組の1つ又は複数のリザーバは、前記半導体ダイのフットプリントを囲む複数のリザーバを含む、請求項1に記載の半導体ウエハ。
【請求項6】
前記集積回路を含む半導体ダイを更に含み、前記1組の1つ又は複数のリザーバは、前記半導体ダイのフットプリント内の1つ又は複数のリザーバを含む、請求項1に記載の半導体ウエハ。
【請求項7】
前記1組の1つ又は複数のリザーバ内の流動性金属を更に含み、前記流動性金属は、第1温度で液体又はペーストとなり、前記第1温度より低い第2温度で固体となるように構成される、請求項1に記載の半導体ウエハ。
【請求項8】
前記流動性金属は、前記第1温度で前記1組の1つ又は複数のリザーバ内に注ぎ込まれる、請求項7に記載の半導体ウエハ。
【請求項9】
前記流動性金属は、前記ウエハにおける前記1組の1つ又は複数のリザーバの第1リザーバの少なくとも一部を充填し、前記第2ウエハの第2リザーバを少なくとも部分的に充填するように構成され、前記第1と第2リザーバが互いに位置合わせされて、前記流動性金属が前記第2温度である時に前記ウエハを前記第2ウエハにクランプする、請求項7に記載の半導体ウエハ。
【請求項10】
前記流動性金属は、前記第1温度から前記第2温度へ移動する時に収縮して前記ウエハと前記第2ウエハを一緒に緊密に引き寄せるように構成される、請求項7に記載の半導体ウエハ。
【請求項11】
前記集積回路は、メモリアレイ及びCMOS論理回路の一方を含み、前記第2ウエハは、前記メモリアレイ及びCMOS論理回路の他方を含む、請求項1に記載の半導体ウエハ。
【請求項12】
半導体ダイであって、
対向する第1と第2主面と、
前記第1主面に隣接する誘電体層と、
前記誘電体層内に形成された集積回路と、
前記第1主面内のボンドパッドであって、前記集積回路に電気的に結合されたボンドパッドと、
前記誘電体層内に形成され前記第1主面で開いている1組の1つ又は複数のリザーバであって、流動性金属を受け入れて、前記1組の1つ又は複数のリザーバ内の前記流動性金属が固化する上で前記半導体ダイを第2半導体ダイにクランプするように構成された1組の1つ又は複数のリザーバと、を含む、前記半導体ダイ。
【請求項13】
前記集積回路は、前記半導体ダイのアクティブ領域内にあり、前記1組の1つ又は複数のリザーバは、前記アクティブ領域周囲の1つ又は複数の境界における複数のリザーバを含む、請求項12に記載の半導体ダイ。
【請求項14】
前記集積回路は、前記半導体ダイのアクティブ領域内にあり、前記1組の1つ又は複数のリザーバは、前記ダイの前記アクティブ領域における1つ又は複数のリザーバを含む、請求項12に記載の半導体ダイ。
【請求項15】
前記1組の1つ又は複数のリザーバからのリザーバは、前記第1主面から離れるベース部、及び前記ベース部よりも前記第1主面に近いネック部を含み、前記ベース部が前記ネック部より広い、請求項12に記載の半導体ダイ。
【請求項16】
半導体装置であって、
対向する第1と第2主面を含む信号搬送媒体と、
前記信号搬送媒体中で形成され前記第1及び第2主面の一方で開いている1組の1つ又は複数のリザーバであって、流動性金属を受け入れて、前記1組の1つ又は複数のリザーバ内の前記流動性金属が固化する上で前記半導体装置を第2半導体装置にクランプするように構成された1組の1つ又は複数のリザーバと、を含む、前記半導体装置。
【請求項17】
前記半導体装置及び第2半導体装置の一方はプリント回路基板であり、前記半導体装置及び第2半導体装置の他方は、1つ又は複数の半導体ダイを含む半導体パッケージである、請求項16に記載の半導体装置。
【請求項18】
前記1組の1つ又は複数のリザーバ内の流動性金属を更に含み、前記流動性金属は、第1温度で液体又はペーストとなり、前記第1温度より低い第2温度で固体となるように構成される、請求項16に記載の半導体装置。
【請求項19】
前記流動性金属は、前記半導体装置における前記1組の1つ又は複数のリザーバの第1リザーバの少なくとも一部を充填し、前記第2半導体装置の第2リザーバを少なくとも部分的に充填するように構成され、前記第1及び第2リザーバが互いに位置合わせされて、前記流動性金属が前記第2温度である時に前記半導体装置を前記第2半導体装置にクランプする、請求項18に記載の半導体装置。
【請求項20】
第3組の1つ又は複数のリザーバを含む第3半導体装置を更に含み、前記流動性金属が前記第3組の1つ又は複数のリザーバの1つに流入して、前記流動性金属が前記第2温度である時に前記第3半導体装置を前記半導体装置及び前記第2半導体装置にクランプする、請求項19に記載の半導体ウエハ。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
(関連出願の相互参照)
本出願は、2022年4月11日に出願した、発明の名称が「クランプ型半導体ウエハ及び半導体装置」である米国仮出願第17/718,021号の優先権を主張し、その全ての内容があらゆる目的で参照によって本出願に組み込まれる。
【背景技術】
【0002】
ポータブル家電製品に対する需要が急速に増加するに伴い、大容量記憶装置に対するニーズが高まっている。フラッシュメモリ記憶カードのような不揮発性半導体メモリ装置は、デジタル情報の記憶及び交換に対するこのますます増加する需要を満たすために、広く使用されている。このようなメモリ装置は、その携帯性、多用性及び堅牢な設計、並びにその高信頼性及び大容量により、多種多様の電子機器、例えば、デジタルカメラ、デジタル音楽プレーヤー、ビデオゲーム機、携帯電話及びソリッドステートドライブ等における使用に理想的なものとなる。
【0003】
最近、層状に形成されたメモリセルのストリングを有する3D積層メモリアレイ構造を使用する超高密度メモリ装置が提案されている。このような記憶装置は、Bit Cost Scalable(BiCS)アーキテクチャと呼ばれる場合がある。層状メモリセルに加えて、3Dメモリ装置は、メモリセルへの読み取り/書き込みを制御する論理回路も含む。論理回路は、相補型金属酸化物半導体(CMOS)技術を使用して製造されることが多く、典型的に、半導体ウエハ内の積層メモリ層の下に形成され得る。
【0004】
メモリアレイ構造をCMOS論理回路と一緒に製造する困難を考慮して、これらの回路を異なるウエハ上に製造し、その後ウエハを貼り合わせて一体型メモリモジュールを形成することが知られている。Cu-Cu接合のような、それぞれのウエハを一緒に貼り合わせるいくつかの方法が既知であるが、これらの方法には欠点がある。例えば、部品を再加工するために、貼り合わせられたウエハ又はダイを分離し、その後、ウエハ又はダイを再取り付けることが必要である場合がある。従来の貼り合わせ方法では、このプロセスを十分に満たすことができない。
【0005】
半導体ダイ(BICS 3Dメモリダイ等)がウエハからダイシングされると、基板上に装着し、パッケージ化メモリ装置として使用することができる。ときには、複数のこのような基板及び/又はパッケージ化メモリ装置を一緒に積層することが望ましい場合もある。また、従来の基板を互いに貼り合わせる方法にも、例えば、基板の分離、再加工及び再取り付けができない等の欠点がある。
【図面の簡単な説明】
【0006】
【
図1】本技術の実施形態に係る半導体装置を形成するためのフローチャートである。
【0007】
【
図2】本技術の実施形態に係る第1半導体ウエハ、及びその第1半導体ダイの上面図である。
【0008】
【
図3】本技術の実施形態に係る第2半導体ウエハ、及びその第2半導体ダイの上面図である。
【0009】
【
図4】本技術の代替実施形態に係る第1半導体ウエハ、及びその第1半導体ダイの上面図である。
【0010】
【
図5】本技術の代替実施形態に係る第2半導体ウエハ、及びその第2半導体ダイの上面図である。
【0011】
【
図6】本技術の実施形態に係る第1半導体ダイのエッジ断面図である。
【0012】
【
図7】本技術の実施形態に係る第2半導体ダイのエッジ断面図である。
【0013】
【
図8】本技術の実施形態に係る、第2半導体ダイにクランプされるべき第1半導体ダイを含む一体型メモリモジュールのエッジ断面図である。
【0014】
【
図9】本技術の実施形態に係る、第2半導体ダイにクランプされた第1半導体ダイを含む一体型メモリモジュールのエッジ断面図である。
【0015】
【
図10】本技術の代替実施形態に係る、第2半導体ダイにクランプされるべき第1半導体ダイのエッジ断面図である。
【0016】
【
図11】本技術の代替実施形態に係る、第2半導体ダイにクランプされた第1半導体ダイのエッジ断面図である。
【0017】
【
図12-15】本技術の代替実施形態に係る、リザーバを含む第1及び第2半導体ダイのエッジ断面図である。
【0018】
【
図17】本技術の実施形態に係る一体型メモリモジュールを示すエッジ図及び斜視図である。
【0019】
【
図18】本技術の実施形態に係るいくつかの積層一体型メモリモジュールを含む半導体装置の例である。
【0020】
【
図19】本技術の実施形態に係る、プリント回路基板等のような電子部品にクランプされるべき半導体装置のエッジ図である。
【0021】
【
図21】本技術の実施形態に係る、半導体装置及びプリント回路基板であって、流動性金属を受け入れて該装置と回路基板を一緒にクランプするためのリザーバを含むものの平面図である。
【0022】
【
図23】本技術の実施形態に係る、半導体装置内のリザーバの異なる構成のエッジ断面図である。
【0023】
【
図25】本技術の実施形態に係る、プリント回路基板内のリザーバの異なる構成のエッジ断面図である。
【0024】
【
図26】本技術の実施形態に係る、プリント回路基板等のような電子部品に半導体装置をクランプするためのリザーバの拡大エッジ断面図である。
【0025】
【
図27】本技術の実施形態に係る、プリント回路基板等のような電子部品に半導体装置をクランプする準備のために互いに隣接するように位置決めされたリザーバの拡大エッジ断面図である。
【0026】
【
図28】本技術の実施形態に係る、プリント回路基板等のような電子部品に半導体装置をクランプしているリザーバの拡大エッジ断面図である。
【0027】
【
図29-31】本技術の実施形態に係る、リザーバ内で使用するためのアンカーの断面図及び上面図である。
【0028】
【
図32】本技術の代替実施形態に係る、プリント回路基板等のような電子部品に半導体装置をクランプするためのリザーバの拡大エッジ断面図である。
【0029】
【
図33】本技術の代替実施形態に係る、プリント回路基板等のような電子部品に半導体装置をクランプしているリザーバの拡大エッジ断面図である。
【0030】
【
図34】本技術の代替実施形態に係る、3つの分離装置を一緒にクランプするためのリザーバの拡大エッジ断面図である。
【0031】
【
図35】本技術の代替実施形態に係る、3つの分離装置を一緒にクランプしているリザーバの拡大エッジ断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0032】
ここで、実施形態においてクランプ型半導体ウエハ及びクランプ型半導体装置、及びその形成方法に関連する図面を参照しながら、本技術を説明する。本技術の一態様において、2つ以上の半導体ウエハは、隣接ウエハ上の対応する位置でリザーバを形成することによって、一緒にクランプされ得る。クランプされるべきウエハの一方又は両方上のリザーバは、ペースト又は液体としての、後続で冷却及び固化する流動性金属で充填され得る。その後、ウエハは、連結して加熱することによって、一緒にクランプされ得る。加熱された金属は、リフローして隣接ウエハ間の界面を通過する。ウエハが再度冷却されると、金属は固化してウエハを一緒にクランプする。
【0033】
ウエハを連結することに加えて、金属の冷却時の収縮により、緊密な接続が確保され、ウエハの一方又は両方の互いの反りが防止される。実施形態において、一方のウエハにメモリアレイ構造を形成し、他方のウエハにCMOS論理回路を形成して一体型メモリモジュールのウエハを形成してもよい。しかし、他のタイプの半導体ウエハを一緒に連結してもよい。
【0034】
本技術の第2態様において、2つ以上の半導体装置は一緒にクランプされ得る。リザーバ又は開口は、1対の半導体装置の基板上の対応する位置に形成され得る。連結されるべき一方又は両方の半導体装置の基板におけるリザーバ/開口は、ペースト又は液体としての後続で冷却し固化する流動性金属で充填され得る。その後、半導体装置は、連結して加熱することによって、一緒にクランプされ得る。加熱された金属は、リフローして隣接半導体装置間の界面を通過する。半導体装置が再度冷却されると、金属は固化して装置を一緒にクランプする。連結されたウエハと同様に、冷却中の金属は収縮して半導体装置間の緊密な接続を確保する。
【0035】
本発明は、多数の異なる形態で具体化でき、本明細書に記載の実施形態に限定されるものと解釈すべきではないことが理解される。むしろ、これらの実施形態は、本開示が徹底的で完全になり、本発明が当業者に十分に伝わるように、提供される。実際に、本発明は、添付の特許請求の範囲によって規定されるように本発明の範囲及び精神内に含まれるこれらの実施形態の代替、修飾及び均等物を包含することを意図する。更に、以下の本発明の詳細な説明において、本発明を徹底的に理解させるために、多くの具体的な詳細が記載される。しかし、本発明はこうした具体的な詳細無しでも実施できることは、当業者にとって自明であろう。
【0036】
用語「頂部」と「底部」、「上部」と「下部」、及び「垂直」と「水平」及びそれらの形態は、本明細書で使用され得るように、例示及び図示のみを目的としており、参照項目の位置及び向きが交換できるため、技術の説明を限定することが意図されない。また、本明細書で使用されるように、用語「実質的」及び/又は「約」は、指定された寸法又はパラメータが所与の用途に対して許容可能な製造公差内で変動し得ることを意味する。1つの実施形態において、許容可能な製造公差は、所与の寸法±1.5mmであり、あるいは、±2.5%である。
【0037】
本開示の目的のために、接続は、直接接続又は間接接続(例えば、1つ又は複数の他の部分を介した)であってもよい。いくつかのケースでは、第1要素が第2要素に接続、貼合、装着又は結合されると記載されると、第1及び第2要素は、互いに直接接続、貼合、装着又は結合されてもよいし、互いに間接的に接続、貼合、装着又は結合されてもよい。第1要素が第2要素に直接接続、貼合、装着又は結合されると記載される場合、第1と第2要素の間に介在要素がない(第1及び第2要素の接続、貼合、装着又は結合に使用される可能性のある接着剤又は溶融金属を除く)。
【0038】
ここで
図1のフローチャート及び
図2~18の視図を参照しながら本技術の第1実施形態を説明する。ステップ200で、第1半導体ウエハ100を、
図2に示すように、多数の第1半導体ダイ102に加工してもよい。第1半導体ウエハ100は、チョクラルスキー(CZ)又はフローティングゾーン(FZ)プロセスに従って成長させた単結晶シリコンであり得るウエハ材料のインゴットとして開始され得る。しかし、第1ウエハ100は、更なる実施形態において他の材料から、他のプロセスによって形成され得る。
【0039】
半導体ウエハ100は、インゴットから切り離され、第1主平面103、及び面103に対向する第2主平面104(
図6)の両方とも研磨されて、滑らかな表面を提供してもよい。第1主面103は、ウエハ100を各第1半導体ダイ102に分割し、及び第1主面103上及び/又は内に各第1半導体ダイ102の集積回路を形成するために、様々な処理ステップを経てもよい。
【0040】
一例において、第1半導体ダイ102は、
図6のエッジ断面図に示すように、層124及び126を含む誘電体基板内に形成された集積回路メモリセルアレイ122を含むようにそれぞれ加工されてもよい。実施形態において、メモリセルアレイ122は、層状に形成されたメモリセルのストリングを有する3D積層メモリ構造として形成されてもよい。しかし、第1半導体ダイ102は、3D積層メモリ構造以外の集積回路を含むように加工されてもよいことが理解される。パッシベーション層128は、上部誘電体膜層126の頂部に形成されてもよい。
【0041】
メモリセルアレイ122の形成後、ステップ204で第1半導体ダイ102内に内部電気接続を形成してもよい。内部電気接続は、誘電体膜126の層を通過して順次形成された複数層の金属相互接続部130及びビア131を含んでもよい。当分野で既知のように、金属相互接続部130、ビア131及び誘電体膜層126は、フォトリソグラフィー及び薄膜堆積プロセスを使用して一度に1層ずつ形成されてもよい。フォトリソグラフィープロセスは、例えばパターン規定、プラズマ、化学若しくは乾式エッチング及び研磨を含んでもよい。薄膜堆積プロセスは、例えば、スパッタリング及び/又は化学蒸着を含んでもよい。金属相互接続部130は、当分野で既知のように、例えば、銅合金を含む様々な導電性金属から形成されてもよく、ビア131は、当分野で既知のように、例えば、タングステン及び銅合金を含む様々な導電性金属でライニング及び/又は充填されてもよい。誘電体層124、126は、二酸化ケイ素から形成されてもよい。
【0042】
ステップ208で、ボンドパッドを第1半導体ダイ102の主平面103上に形成してもよい。
図2及び6に示すように、これらのボンドパッドは、単一行のボンドパッド106及び複数行のフリップチップボンドパッド108を含んでもよい。以下に説明するように、フリップチップボンドパッド108は、第2半導体ダイ112の表面上のボンドパッド118の同様のパターンにフリップチップ接合するために設けられる。以下にまた説明するように、ボンドパッド106は、1対の半導体ダイ102、112とホスト装置の間で信号を伝達するために設けられる。
【0043】
図2は、ウエハ100上の半導体ダイ102、及び半導体ダイ102の一方上の格子パターンのボンドパッド106、108を示す。
図2のウエハ100上に示す第1半導体ダイ102の数は、図示のためのものであり、ウエハ100は、更なる実施形態において図示より多くの第1半導体ダイ102を含んでもよい。同様に、第1半導体ダイ102上の、ボンドパッド106、108のパターン及びボンドパッド106、108の数も、図示の目的で示されている。第1ダイ102の各々は、更なる実施形態において図示より多くのボンドパッド106、108を含んでもよく、ボンドパッド106、108の他の様々なパターンを含んでもよい。
【0044】
例えば
図2及び6に示す本技術の態様によれば、ステップ208でリザーバ105もウエハ100内で形成及び充填され得る。これらのリザーバは、第1主平面103を通過して誘電体層126内に形成されてもよい。実施形態において、リザーバ105は、集積回路メモリアレイ層内に延在しないが、更なる実施形態においてリザーバはそのように延在してもよい。一例において、各リザーバは、面103でより広いベース部及びより狭いネック部を有するほぼ「T」字形に形成されてもよい。しかし、以下に説明するように、リザーバ105は、異なる実施形態において異なる形状及び構成を有してもよい。
【0045】
これらのリザーバは、形成されると、流動性金属で充填してもよい。
図6は、理解の便宜上、1つの未充填のリザーバ105及び充填された残りのリザーバを示しているが、ウエハ100内のリザーバ105のいずれも充填されてもよい。本明細書で使用されるように、流動性金属は、加熱又は通電によって金属が流動できる液体状態にすることができるものであって、冷却又は非通電によって金属が固体で構造的に硬い固体状態にすることができるものである。流動性金属は、展性のある中間ペースト様状態を有し得る。更なる実施形態において、流動性金属は、液体状態と固体状態の間で複数回変換できるものである。一例において、流動性金属は、銅、又は、鉛、錫及び/若しくはインジウムのような金属を含む半田混合物であり得るが、他の軟質金属を使用してもよい。一般に、流動性金属に選択される金属は、ウエハ100内の金属相互接続部130、ビア131、ボンドパッド106、108及び他の部品の融点より低い融点を有するものである。
【0046】
金属相互接続部130及びビア131と同様に、リザーバ105は、フォトリソグラフィー及び薄膜堆積プロセスを使用して一度に1つずつ形成されてもよい。よって、リザーバ105のより広いベース部分は最初に形成されてもよく、リザーバ105のより狭い表面部分は、次に形成されてもよい。フォトリソグラフィープロセスは、例えば、パターン規定、プラズマ、化学若しくは乾式エッチング及び研磨を含んでもよい。
【0047】
リザーバ105は、形成されると、例えば、タングステン又は銅合金のようなめっき材料でめっきしてもよい。リザーバ105をめっきするための薄膜堆積プロセスは、例えば、スパッタリング及び/又は化学蒸着を含んでもよい。リザーバ105のめっきは、更なる実施形態において省略してもよい。リザーバ105の形成及びめっきは、金属相互接続部130及びビア131の形成と並行して行ってもよいが、これらのプロセスは更なる実施形態において別々に行ってもよい。
【0048】
リザーバ105は、形成及びめっき(適用できる場合)されると、流動性金属で充填してもよい。流動性金属は、例えば化学蒸着及び原子層堆積を含む様々な堆積プロセスを使用して堆積してもよい。他の堆積プロセスは可能である。堆積プロセスによってリザーバ全体を充填する代わりに、堆積プロセスは、リザーバ105内に流動性金属の層を形成するために使用してもよく、その後、リザーバの残り部分は、流動性金属をリザーバ内にめっきするめっきプロセスを使用して充填してもよい。
【0049】
更なる実施形態において、上記のプロセスのかわりに又はそれに加えて、リザーバ105は、圧力により流動性金属をリザーバ内に押し込むことよって流動性金属で充填してもよい。この例において、流動性金属は、液体と固体状態の間の液体又はペーストとして塗布されてもよい。そして、かかる流動性金属は、例えばスクリーン又はステンシル印刷技法を使用してリザーバ105内に押し込んでもよい。更なる例において、流動性金属は、加圧気体形態でリザーバ内に押し込んでもよく、そして、ウエハを加熱して該気体を純粋な流動性金属に分離してもよい。その後、リザーバから主面103上に漏れたいかなる金属も、研磨又はエッチングによって除去できる。図は流動性金属で完全に充填されたリザーバ105を示しているが、以下に説明するように、流動性金属のない空隙は、リザーバの機能に影響することなくリザーバ105内に存在し得る。
【0050】
例において、流動性金属のごく一部は、主平面103上でリザーバから突出してもよい。以下に説明するように、本明細書でクラウンと呼ばれる流動性金属の該ごく一部は、第1ウエハ100内のリザーバ105を第2ウエハ内の対応するリザーバに位置合わせするために使用される。
【0051】
例えば
図2から見られるように、リザーバ105は、ウエハ100上の各半導体ダイ102を囲んでもよく、いくつかのリザーバ105はまた、各半導体ダイ102のフットプリント内に形成しされもよい。例えば
図6に示すように、リザーバ105がダイ102のフットプリント内に形成される場合、それらは、金属相互接続部130、ビア131及び/又はボンドパッド106、108の位置と干渉しない、誘電体層126における位置で形成されてもよい。
【0052】
以下に説明するように、ウエハ100上にダイ102を製造した後、ウエハは、例えばステルスレーザーダイシングによってダイシングされてもよい。かかるダイシング技法は、ダイシング後に各ダイ102を囲むリザーバ105を残すことができる。特に、メモリアレイ122は、ダイ102のアクティブ領域内に形成されてもよい。以下に説明するウエハからダイシングされると、ダイのアクティブ領域を囲む境界が形成され得る。リザーバ105は、この境界に形成されてもよい。しかし、更なる実施形態において、半導体ダイ102を囲む少なくともいくつかのリザーバ105は、ウエハ100がダイシングされる場合に除去されてもよい。このような実施形態において、半導体ダイのフットプリント内のリザーバ105は残る。
【0053】
更なる実施形態において、リザーバ105は、ウエハ100内の半導体ダイ間のカーフ幅でのみ形成されてもよい。このような実施形態は
図4に示す。この実施形態は、例えばリザーバがダイシング後に半導体ダイ102の周囲に残る場合に使用され得る。この実施形態は、例えばウエハが、例えばデータセンターにおけるソリッドステートドライブ(SSD)のような、ダイシングを経ていない全体としてのメモリ装置として使用される場合にも、使用され得る。
【0054】
しかし、
図2、4及び6に示すリザーバ105のパターン及び数は単に例として示されていることが理解される。ウエハ100は、ダイ102の内側及び外側又は単にダイ102の外側に、他の数のリザーバ及び他のパターンのリザーバを有してもよい。
【0055】
ウエハ100上の第1半導体ダイ102及びリザーバ105の形成前、後又はそれと並行して、ステップ210~218で第2半導体ウエハ110を、
図3に示すように、多数の第2半導体ダイ112及びリザーバ115を含むように加工してもよい。半導体ウエハ110は、CZ、FZ又は他のプロセスに従って成長させた単結晶シリコンのインゴットとして開始されてもよい。第2半導体ウエハ110は、切断され、第1主面113、及び面113に対向する第2主面114(
図7)の両方とも研磨されて、滑らかな表面を提供してもよい。第1主面113は、第2ウエハ110をそれぞれの第2半導体ダイ112に分割し、及び第1主面113上及び/又は内にそれぞれの第2半導体ダイ112の集積回路を形成するために、様々な加工ステップを経てもよい。
【0056】
1つの実施形態において、第2半導体ダイ112は、
図7のエッジ断面図に示すように、層134及び136を含む誘電体基板内に形成された集積回路132を含むように加工されてもよい。集積回路132は、1つ又は複数の一体型メモリセルアレイへの読取り/書込み操作を制御する論理回路として構成されてもよい。論理回路は、CMOS技術を使用して製造できるが、更なる実施形態において論理回路は、他の技術を使用して製造されてもよい。第2半導体ダイ112は、更なる実施形態において他の及び/又は追加の集積回路を含んでもよい。パッシベーション層138は、上部誘電体膜層136の頂部に形成されてもよい。
【0057】
集積回路132の形成後、ステップ214で内部電気接続を、第2半導体ダイ112内に形成してもよい。内部電気接続は、誘電体膜136の層を通過して順次形成された複数層の金属相互接続部140及びビア142を含んでもよい。金属相互接続部140及びビア142は、(パターンが異なるが)上述した相互接続部130及びビア131と同じ材料から、同様のプロセスによって形成されてもよい。
【0058】
ステップ218で、ボンドパッドを、第2半導体ダイ112の主平面113上に形成してもよい。
図3及び7に示すように、これらのボンドパッドは、フリップチップボンドパッド118を含んでもよい。ボンドパッド118は、パターン、サイズ、ピッチ及び数がボンドパッド108に一致してもよい。ボンドパッド118は、上述した第1半導体ダイ102上のボンドパッド108と同じ材料から、同じ方式で形成されてもよい。第2半導体ダイ112の集積回路132は、金属相互接続部140及びビア142によってボンドパッド118に電気的に接続されてもよい。
【0059】
図3は、ウエハ110上の第2半導体ダイ112、及び第2半導体ダイ112の1つ上のボンドパッド118の格子パターンを示す。
図3のウエハ110上に示す第2半導体ダイ112の数は、図示の目的のものであり、ウエハ110は、更なる実施形態において図示より多くの第2半導体ダイ112を含んでもよい。同様に、第2半導体ダイ112上の、ボンドパッド118のパターン及びボンドパッド118の数も、図示の目的で示されている。各第2ダイ112は、更なる実施形態において図示より多くのボンドパッド118を含んでもよく、第1ダイ102上のボンドパッド108のパターンに一致するボンドパッド118の様々な他のパターンを含んでもよい。
【0060】
例えば
図3及び7に示す本技術の態様によれば、ステップ218でリザーバ115もウエハ110内に形成され得る。これらのリザーバは、第1主平面113を通過して誘電体層136内に形成されてもよい。実施形態において、リザーバ115は、CMOS回路を含む層内に延在しないが、更なる実施形態においてそのように延在してもよい。
【0061】
リザーバ105及び115の位置は、ウエハの一方が反転されて他方の上に位置する場合、リザーバ105及び115の位置が互いに合っているように、対応する位置にマッピングされてもよい。上記のように、リザーバ115の位置は、単に例として示されており、更なる実施形態において変動し得る。
図3及び7に示す実施形態において、リザーバは、ダイ112の外周及びダイ112のフットプリント内に設けられる。
図5の代替実施形態において、リザーバは、ダイ112の外周にのみ設けられ、ダイ112のフットプリント内には設けられていない。
【0062】
一例において、リザーバ115は、リザーバ105と同じ形状、例えば、ベースがより広く表面113がより狭いほぼ「T」字形を有してもよい。リザーバ115は、更なる実施形態においてリザーバ105と同じ又は異なる様々な形状を有してもよい。リザーバ115は、リザーバ105について上述した同じ方式で形成されてもよい。
図7及び8に示す実施形態において、リザーバ115は、充填されていない。リザーバ115は、めっきされてもなくてもよい。
【0063】
第1及び第2半導体ウエハ100、110の製造が完了すると、ステップ220で第1及び第2半導体ウエハを互いに貼り合わせてもよい。本技術の態様によれば、これは、リザーバ105及び115を使用してウエハ100及び110をクランプすることによって実現される。本明細書で使用されるように、クランプとは、部品の隣接リザーバ内の流動性金属による部品のステープリング、連結、接合、アンカリング、ステッチング又は貼合を指す。
【0064】
上述した実施形態において、流動性金属はリザーバ105を充填する。流動性金属がリザーバ105に塗布される場合、流動性液体は、冷却によって固化するか、又は固体に硬化し得る。流動性金属がペーストとして塗布される場合、それも、冷却、乾燥によって固化するか、又は固体に硬化し得る。リザーバ105内の固化した状態の流動性金属により、ウエハ100は、そのまま輸送及び/又は保管し、その後第2ウエハ110と貼り合わせることができる。この例において、流動性液体は、第2ウエハ110と一緒にされた第1ウエハ100内で固化し、次に、流動性液体は、再度流動性形態に変換され、リザーバ105からリザーバ115に流入する。その後、流動性金属は再度固化する。更なる例において、流動性金属は、リザーバ105内に注ぎ込まれ、ウエハ100及び110は一緒にされ、流動性金属はリザーバ105からリザーバ115内に流入し、流動性金属は固化する。かかる例において、流動性金属は、ウエハ100及び110が一緒にクランプされる時に初めて固化してもよい。
【0065】
流動性金属が最初に液体である場合、それを冷却によって固化させるか又は硬化させ、液体に戻るように加熱してウエハを連結又は分離し、次に固体に戻るように固化させてもよい。流動性金属の液体と固体の間でのこの変換は、複数回発生してもよい。流動性金属が最初にペーストである場合、それを冷却、乾燥によって固化させるか又は硬化させてもよい。その後、固化した材料は、例えば流動性金属を加熱して、最初のペーストの作製を補助した溶媒を蒸発させることによって、液体金属に変換させてもよい。その後、流動性金属の液体と固体の間での変換は複数回発生してもよい。
【0066】
ウエハ100及び110を一緒にクランプするために、ウエハの一方、例えばウエハ100を反転してウエハ110の頂部に位置させてもよく、それによって、
図8に示すように、主面103及び113は互いに隣接し、リザーバ105及び115は互いに位置合わせされるようになる。リザーバ105内の流動性金属中のクラウンは、リザーバ105をリザーバ115に位置合わせすることを助ける。
図8に示すように、半導体ダイ112のサイズは、半導体ダイ102のサイズより僅かに小さくてもよく、それによって、ダイ102上のボンドパッド106は覆われないままになる。しかし、リザーバ105及び115のパターンは、ウエハ100及び110の各々において同じであってもよい。
【0067】
ウエハ100、110が
図8に示すように互いに隣接するように位置決めされると、ウエハを加熱してリザーバ105内の流動性金属の状態を固体又はペーストから液体に変更してもよい。この時点で、流動性金属は、
図9に示すように、リザーバ105からリザーバ115に流入する。流動性液体は、毛細管作用及び/又は重力によりリザーバ115内に流入してもよい。流動性金属がリザーバ115に流入していると、ウエハを冷却させてもよく、1対のリザーバ105、115内の流動性金属が固化する。この時点で、各対の隣接するリザーバ内の固化した金属は、ウエハ100、110を一緒にクランプするクランプ部材を形成する。
【0068】
図9に示す流動及び固化した金属の配置は、単に例として示されており、更なる例において異なっていてもよい。しかし、一般に、流動及び固化した金属は、リザーバ105の拡大したベース部分に残る一部があり、リザーバ115の拡大したベース内に入っている一部があり、リザーバ105、115のより狭い表面部分に残る一部もある。よって、リザーバ105、115内の固化した金属は、リザーバの非垂直面に当たってウエハ100、110及び半導体ダイ102、112を一緒に堅牢にクランプする。また、流動した金属は冷却につれて収縮する。これにより、ウエハ100と110の間の界面での強いクランプ力が確保される。この強いクランプ力により、ウエハ及びダイは一緒に緊密に保持され、従来の貼り合わせ技法において発生し得るウエハ及び/又はダイの互いの反りは防止される。
【0069】
上述した実施形態において、ウエハ100内のリザーバ105が、ウエハ110内の空のリザーバ115内に流入する流動性金属を有する。更なる実施形態において、これは逆にしてもよく、それによってウエハ110内のリザーバ115が、ウエハ100内の空のリザーバ105内に流入する流動性金属を有するようになる。
【0070】
図10及び11は、本技術の代替実施形態に係るリザーバを含むウエハ100及び110からのダイ102及び112の概略視図である。特に、この実施形態において、リザーバ115も、リザーバ105内で使用される流動性金属で少なくとも部分的に充填され得る。流動性金属は、流動性金属をリザーバ105に添加するための上記方法のいずれかによってリザーバ115内に添加され得る。この実施形態において、流動性金属は、ウエハ100及び110内のリザーバ105及び115内に入れられてもよく、そして、流動性金属は、ウエハ100、110の輸送又は保管を可能にするように固化させてもよい。その後、ウエハ100、110は、一緒にされてもよく、流動性金属が液体に戻り、ウエハが連結される。更なる例において、流動性金属は、リザーバ105及び115内に注ぎ込まれ、ウエハ100及び110は一緒にされ、流動性金属はリザーバ105とリザーバ115の間で混合され、流動性金属は固化する。かかる例において、流動性金属は、ウエハ100及び110が一緒にクランプされた時に初めて固化してもよい。
【0071】
上記で指摘した通り、リザーバ105内の流動性金属は、クラウンを有し得る。したがって、
図10に示すように、リザーバ115内の流動性金属は、流動性金属が溢れることなくリザーバを一緒にすることができるように、リザーバ全体を充填しなくてもよい。クラウンが省略される実施形態において、リザーバ115は、完全に充填されてもなくてもよい。
【0072】
ウエハ100、110が
図11に示すように互いに隣接して位置決めされると、ウエハを加熱してリザーバ105、115内の流動性金属の状態を固体又はペーストから液体に変更してもよい。この時点で、リザーバ105及び115からの流動性金属は混合される。リザーバ105、115内の流動性金属が混合されていると、ウエハを冷却させてもよく、流動性金属は固化してリザーバ105、115でウエハ100、110を一緒に連結する。上記で指摘した通り、冷却中の金属は収縮してウエハ100、110及びダイ102、112間の緊密な界面を確保してウエハ及び/又はダイの互いの任意の反りを防止する。
【0073】
指摘したように、
図6~11に示すリザーバ105、115の形状は、単に一例に過ぎず、リザーバは、更なる実施形態において様々な他の形状を有してもよい。このような更なる実施形態は、
図12~15中のウエハ100、110からのダイ102、112の概略視図に示す。これらの実施形態において、リザーバ105及び115は併せてほぼ三叉形の開口を形成し、ウエハ100、110を連結し加熱すると、各リザーバ内の流動性金属は、ウエハ100と110の間を延在しそれらを連結する複数のフィンガーを有するクランプを形成する。
図12~13の実施形態は、上述したようなほぼ「T」字形の中央部分、及び上に延在してリザーバ105、115の一方内の該中央部分に向かって内側に曲がる左と右フィンガーを含む。
図14~15の実施形態は、上述したようなほぼ「T」字形であり得る中央部分、及び上に延在してクロスバーに入って同様にほぼ「T」字形のリザーバ部分を形成する左と右フィンガーを含む。
【0074】
上述した構成の各々において、リザーバは、ウエハ100、110の主面103及び113に平行な表面部品を有する誘電体層126及び136内に埋め込まれた内側部を含む。流動性金属が各ウエハ100、110内のこれらの表面部品に対して固化すると、これらの表面は、主面103、113に垂直なクランプ部材に力を及ぼしてウエハ及び/又はダイの分離を防止する。
【0075】
リザーバを互いに位置合わせすることに加えて、1組のリザーバ内の流動性金属上のクラウンにより、ダイ102上のダイボンドパッド108がダイ112上のダイボンドパッド118に位置合わせされるように確保される。実施形態において、ダイボンドパッド108及び118は、例えばCu-Cu接合によって互いに接合されてもよいが、かかる接合は更なる実施形態において省略されてもよい。
【0076】
ウエハが一緒に連結されると、ウエハを、例えばステップ222のステルスレーザーダイシングプロセスでダイシングしてもよい。かかる実施形態において、第1のウエハ(例えばウエハ110)がチャック上で支持されている状態で、レーザーエネルギーをウエハ100の第1と第2主面103、104の間の点に集中させて、レーザーパルスを他のウエハ(この例におけるウエハ100)に印加してもよい。そして、バックグラインドステップ224でウエハ100を薄くしてウエハ100を最終の厚さにすることができる。バックグラインドステップ前又は最中に、レーザーポイントによって画定された線に沿ってクラックが発生し、結晶面に沿って表面103、104に向かって伝播してダイ102をウエハ100から分離させる。ステップ226でダイアタッチフィルム(DAF)の層をウエハ100の第2主面104に塗布してもよい。
【0077】
次に、1対のウエハを、ウエハ100のDAF層がチャック上で支持されている状態で反転してもよく、ステルスレーザーダイシングプロセス及びバックグラインドプロセスを、ウエハ110に実施してダイ112をダイシングしてもよい。ウエハ100及び110は、更なる実施形態においてステルスレーザーダイシング以外の技術でダイシングしてもよい。半導体ダイ102及び112の各ウエハ上での位置は、ウエハ100がダイシングされる垂直線及び水平線が、ウエハ110がダイシングされる垂直線及び水平線と同じ位置に対応するように、マッピングされてもよい。
【0078】
指摘したように、実施形態において、ダイ102はメモリアレイを含み得、ダイ112はCMOS論理回路を含み得る。かかる実施形態において、接合された各対のダイ102及び112は、単一の完全一体型フラッシュメモリ、例えばBiCSフラッシュメモリとして機能する一体型メモリモジュール120を形成し得る。一体型メモリモジュール120の例は上述した
図8、及び
図16と17のエッジ視図と斜視図に示す。図示のように、ボンドパッド106は、結合されると、一体型メモリモジュール120をホスト装置又は他の部品に接続できるように、露出したままとなり得る。その後、一体型メモリモジュール120は、複数の一体型メモリモジュール120を含み得る半導体装置としてパッケージ化してもよい。
【0079】
様々なパッケージング構成が既知であるが、
図18は、パッケージ化半導体装置150のかかる例の1つを示す。
図18は、ボンドワイヤ154が各モジュール120上の露出したダイボンドパッド106に貼り合わせられ得るように、基板152上で互いにオフセット積層された多数の一体型メモリモジュール120を示す。装置150は、成形コンパウンド156内に封入してもよく、任意に半導体装置150をプリント回路基板(PCB)等のホスト装置に装着するための半田ボール158を含んでもよい。
【0080】
半導体装置150に組み込む前又は後に、一体型メモリモジュール120をそのそれぞれのダイ102、112に分解する必要がある場合がある。本技術は、半導体ダイ102、112を加熱してクランプ部材の金属を軟化させ、それによりダイを互いに分離させることができるのを特徴とする。これらの同じダイは、その後、上述したように、リザーバ105、115内の流動性金属を使用して再度互いに貼り合わせられ得る。
【0081】
図1~18を参照して説明した本技術の実施形態において、流動性金属は、ウエハ及び/又はダイを一緒に貼り合わせるために、半導体ウエハ及び/又はダイ上のリザーバに含まれてもよい。本技術の更なる実施形態において、リザーバ又は他の開口は、それらの装置を一緒に連結するために、信号搬送媒体を含む半導体装置の基板内に形成されてもよい。かかる実施形態は以下に
図19~30を参照しながら説明する。
【0082】
まず
図19を参照し、例えば基板であり得る信号搬送媒体164に装着された半導体ダイ162を含む半導体パッケージの形態での半導体装置160が示される。半導体装置160は、異なるタイプ及び数の半導体ダイ、及びパッケージ化半導体装置内に含まれると知られている他の受動及び能動部品を含み得ることが理解される。半導体装置160は、例えばPCBのような信号搬送媒体の形態での第2半導体装置170に連結される。しかし、半導体装置170は、信号搬送媒体上に装着された半導体ダイ及び他の受動と能動部品を含む、装置160と同様の装置であってもよい。本明細書で使用されるように、PCB自体が半導体ダイを含み得るか否かにも関わらず、PCBは半導体装置の例である。
【0083】
図20は、半導体装置160内で使用される信号搬送媒体164の平面図を示す。本明細書で使用される信号搬送媒体は、1つ又は複数の誘電体コアを挟む1つ、2つ又はそれ以上の導電層を含む。本明細書で使用される信号搬送媒体は、その上に装着された半導体ダイとホスト装置の間で信号を転送する。本明細書で使用される信号搬送媒体は、本明細書で使用される半導体ダイではない。
【0084】
以下に単に基板164とも呼ばれる信号搬送媒体164は、コンタクトパッド165、トレース166及びビア168を含む。トレース166及びビア168は、コンタクトパッド165へ及びそこから信号を転送するために使用され得る。コンタクトパッド165、トレース166及びビア168の具体的なパターンは単に例として示されており、更なる実施形態において変動し得る。基板164の対向面(図示せず)は同様に、コンタクトパッド165、トレース166及びビア168のパターンを含んでもよい。
【0085】
本技術の態様によれば、基板164は、流動性金属を受け入れて基板164を以下に示す電子部品170に連結するための多数のリザーバ172を更に含んでもよい。
図20は、基板164の隅における4つのこのようなリザーバ172を示す。しかし、基板164は、更なる実施形態において、他の位置により多い又はより少ないリザーバを含み得る。実施形態において、リザーバ172の位置は、コンタクトパッド165、トレース166又はビア168のレイアウトと重ならない又は干渉しないように設けてもよい。
【0086】
図21は、以下に記載の実施形態においてPCB等の信号搬送媒体であり得る電子部品170の平面図を示す。単にPCB170とも呼ばれる電子部品170は、コンタクトパッド174、トレース176及びビア178を含む。トレース176及びビア178は、コンタクトパッド174へ及びそこから信号を転送するために使用され得る。コンタクトパッド174、トレース176及びビア178の具体的なパターンは、単に例として示されており、更なる実施形態において変動し得る。PCB170の対向面(図示せず)は同様に、コンタクトパッド174、トレース176及びビア178のパターンを含んでもよい。
【0087】
本技術の態様によれば、PCB170は、流動性金属を受け入れてPCB170を以下に記載の半導体装置160の基板164に連結するためのリザーバ180を更に含んでもよい。
図21は、PCB170の隅における4つのこのようなリザーバ180を示す。しかし、PCB170は、更なる実施形態において、他の位置でより多い又はより少ないリザーバを含み得る。PCB170内のリザーバ180の数及び位置は、基板164内のリザーバ172の数及び位置に一致してもよい。実施形態において、リザーバ180の位置は、コンタクトパッド174、トレース176又はビア178のレイアウトと重ならない又は干渉しないように設けてもよい。
【0088】
図22及び23は、基板164内のリザーバ172の2つの可能な構成の拡大断面視図である。これらの例において、リザーバ172は、基板164の頂面及び底面の両方で開いている。リザーバの上部は、傾斜壁184(
図22)、又は方形壁186(
図23)によって画定され得る。リザーバ172の上部は、他の輪郭を有してもよく、かかる輪郭は、基板164(
図20)の主平面に垂直な力を及ぼすことができる非垂直面を含む。リザーバ172の下部は、上部より狭くてもよく、垂直壁(例えば、基板164の主平面に直交する壁)によって画定され得る。下部の壁は更なる実施形態において垂直である必要がない。
【0089】
図24及び25は、PCB170内のリザーバ180の2つの可能な構成の拡大断面視図である。これらの例において、リザーバ180は、PCB170の厚さを部分的に貫通して形成される。
図24において、リザーバ180は、ほぼ「T」字形断面を有する。
図25は、傾斜側壁を有する以外に、同様である。リザーバ180の側壁は、他の輪郭を有してもよく、かかる輪郭は、PCB170(
図21)の主平面に垂直な力を及ぼすことができる非垂直面を含む。リザーバ172の下部は、上部より狭くてもよく、垂直壁(例えば、PCB170の主平面に直交する壁)によって画定され得る。下部の壁は、更なる実施形態において垂直である必要がない。
【0090】
リザーバ172、180の上部部分及び下部部分は、削孔、焼結、3D印刷及び他の技法を含む様々な方法によって形成され得る。基板164及び/又はPCB170は、基板及びPCBの厚さ全体を貫通して様々な輪郭のリザーバ172及び180を容易に形成できるように、一度に1層ずつ組み立てられてもよい。実施形態において、リザーバ172、180の側壁は、層188(
図22~25の灰色の太線で示される)でめっきされてもよいが、更なる実施形態においてめっきは省略してもよい。
【0091】
ここで
図26~28を参照し、基板164をPCB170と連結するために、基板164内のリザーバ172を流動性金属で充填してもよい。一例において、流動性金属は、
図26に示すスキージ185で基板164内のリザーバ172内に押し込まれるペーストであり得る。かかる実施形態において、流動性金属は、半田をリザーバ172内に押し込み可能なペーストとすることができる溶媒と混合された半田であり得る。この同じペーストは、
図1~18の実施形態において使用される流動性金属に使用できる。液体形態の流動性金属は、代替的に、液体金属が固体に固化するまでリザーバ172の底部部分が閉鎖されている状態で、リザーバ172に注がれてもよい。かかる実施形態において、流動性金属は、溶融するまで加熱され、そして流動し、リザーバ172内に注がれ、注入され、又は入れられる半田であり得る。この同じ液体は、
図1~18の実施形態において使用される流動性金属に使用できる。流動性金属は、更に代替的に、本明細書に記載の任意の他の方法でリザーバ172に充填されてもよい。
【0092】
上述した実施形態において、流動性金属はリザーバ172を充填する。流動性金属がリザーバ172内に塗布される場合、流動性液体は、冷却によって固化するか、又は固体に硬化し得る。流動性金属がペーストとして塗布される場合、それも、冷却、乾燥によって固化するか、又は固体に硬化し得る。リザーバ172内の流動性金属が固化した状態で、基板164はそのまま輸送及び/又は保管し、その後、PCB170に貼り合わせることができる。この例において、流動性液体は、PCB170と一緒にされた基板164内で固化し、そして、流動性液体は、リザーバ172からリザーバ180内に流入する流動性形態に再度変換される。その後、流動性金属は再度固化する。更なる例において、流動性金属は、リザーバ172内に注ぎ込まれ、基板164及びPCB170は一緒にされ、流動性金属はリザーバ172からリザーバ180内に流入し、流動性金属は固化する。かかる例において、流動性金属は、基板164及びPCB170が一緒にクランプされた時に初めて固化してもよい。
【0093】
上述した実施形態のように、流動性金属が最初に液体である場合、それは冷却によって固化するか又は硬化し、液体に戻るように加熱して基板及びPCBを連結又は分離させ、そして固体に戻るように固化することができる。流動性金属の液体と固体の間のこの変換は、複数回発生してもよい。流動性金属が最初にペーストである場合、それは、冷却、乾燥によって固化するか又は硬化することができる。その後、固化した材料は、例えば流動性金属を加熱して、最初のペーストの作製を補助した溶媒を蒸発させることによって、液体金属に変換させてもよい。その後、流動性金属の液体と固体の間の変換は複数回発生してもよい。
【0094】
リザーバが流動性金属で充填された後、基板164は、
図27に示すように、リザーバ172、180が互いに位置合わせされている状態でPCB170の頂部に位置決めされてもよい。前の実施形態のように、流動性金属は、基板164とPCB170の位置合わせを補助するために、基板164の底部から突出するクラウンを有するように形成されてもよいが、クラウンは、更なる実施形態において省略してもよい。
【0095】
基板164及びPCB170が
図27に示すように互いに隣接して位置決めされると、リザーバ172内の流動性金属を加熱して、流動性金属の状態を固体又はペーストから液体に変更してもよい。この時点で、流動性金属は、
図28に示すように、リザーバ172からリザーバ180に流入する。流動性液体は、毛細管作用及び/又は重力によりリザーバ180に流入してもよい。流動性金属がリザーバ180内に流入していると、流動性金属を冷却させて、基板164及びPCB170を一緒に連結する固化クランプ部材を形成してもよい。
【0096】
図28に示す流動及び固化した金属の配置は、単に例として示されており、更なる例において異なっていてもよい。しかし、一般に、流動及び固化した金属は、リザーバ172の拡大部分に残る一部があり、リザーバ180の拡大ベース部内に入っている一部があり、リザーバ172、180のより狭い表面部分に残る一部もある。よって、リザーバ172、180内の固化した金属は、基板164及びPCB170を一緒に堅牢に連結するクランプを形成する。また、流動した金属は冷却につれて収縮する。これにより、基板164とPCB170の間の界面での強いクランプ力が確保される。この強いクランプ力により、基板164及びPCB170は一緒に緊密に保持され、従来の貼り合わせ技法において発生し得る基板及び/又はPCBの反りが防止される。
【0097】
上述した実施形態において、基板164内のリザーバ172が、PCB170内の空のリザーバ180内に流入する流動性金属を有する。更なる実施形態において、これは逆にしてもよく、それによってリザーバ180が、基板164内の空のリザーバ172に流入する流動性金属を有するようになる。
【0098】
上述した実施形態において、リザーバ172は、基板164がPCB170上に位置決めされる前に流動性金属で充填される。更なる実施形態において、基板164は、PCB170上に位置決めされてもよく、そして、液体又はペースト形態の流動性金属は、基板164のリザーバ172及びPCB170のリザーバ180の両方に注がれてもよい。次に、リザーバ内の流動性金属は、冷却して基板及びPCBを一緒に接合し得る。この実施形態において、流動性金属は、リザーバ172及び180内に入れられてもよく、そして、流動性金属は、固化して基板164及び/又はPCB170の輸送又は保管を可能にすることができる。その後、基板164及びPCB170は、流動性金属が液体に戻って基板及びPCBが連結されるように、一緒にされてもよい。更なる例において、流動性金属は、リザーバ172及び180内に注ぎ込まれ、基板164及びPCB170は、一緒にされ、流動性金属は、リザーバ172とリザーバ180の間で混合され、流動性金属は固化する。かかる例において、流動性金属は、基板164及びPCB170が一緒にクランプされた時に初めて固化してもよい。
【0099】
実施形態において、リザーバ172、180内の固化した金属は、基板164及びPCB170を一緒に貼り合わせるクランプ部材を形成する。しかし、更なる実施形態において、追加のアンカーを使用して、固化した流動性金属で形成されたクランプ部材の構造的剛性を更に高めてもよい。
図29~31は、基板164内のリザーバ172内に嵌合するように構成されたアンカー190を示す。アンカー190は、アンカーをリザーバ172内の所定の箇所に固定するトップキャップ192を含んでもよい。流動性金属は、アンカー190のクロスバー194の周りを流れてもよく、それによって、流動性金属がクロスバーの周りで固化した時、アンカー190は、クランプ部材の一部を形成し、クランプ部材の強度を更に高める。同様のアンカーは、PCB170のリザーバ180に適合し得る。
【0100】
図32及び33は、本技術の代替実施形態に係るリザーバ172、180の視図である。特に、この実施形態において、リザーバ180も、リザーバ172内で使用される流動性金属で少なくとも部分的に充填され得る。流動性金属は、流動性金属をリザーバ172に添加する上述の方法のいずれかによってリザーバ180内に添加されてもよい。
【0101】
上記で指摘した通り、リザーバ172内の流動性金属は、クラウンを有し得る。したがって、リザーバ180内の流動性金属は、
図32に示すように、流動性金属が溢れることなくリザーバを一緒にするために、リザーバ全体を充填しなくてもよい。クラウンが省略される実施形態において、リザーバ180は、完全に充填されてもなくてもよい。
【0102】
基板164及びPCB170が
図33に示すように互いに隣接して位置決めされると、リザーバ172、180内の流動性金属を加熱して、流動性金属の状態を固体又はペーストから液体に変更してもよい。この時点で、リザーバ172及び180からの流動性金属は混合される。リザーバ172、180内の流動性金属が混合されていると、流動性金属を冷却・固化させることで、基板164及びPCB170を一緒に連結してもよい。上記で指摘した通り、冷却中の金属は収縮して基板164とPCB170の間の緊密な界面を確保して基板164及び/又はPCB170の任意の反りを防止する。
【0103】
上述した実施形態において、1対の隣接リザーバ内の流動性金属は、2つの装置を一緒にクランプするために使用され得る。しかし、本技術は、2つより多くの装置を一緒にクランプするために使用できることが理解される。例えば、
図34は、互いに貼り合わせるべき3つの装置を示す。最初の2つは、上記の基板164及びPCB170を含む半導体装置160であり得る。第3の装置196は、例えば装置160と同様の別の半導体装置、又はPCB170と同様の別のPCBを含む別の電子部品であり得る。
【0104】
図示のように、貼り合わせるべき各装置内の3つのリザーバ172、180及び198は、装置が積み重ねられる場合に互いに位置合わせされるように、全て装置内に形成されてもよい。この実施形態において、半導体装置160内のリザーバ172は、上述と同様であり得る。この実施形態において、PCB170内のリザーバ180は、PCB170全体を貫通して開いている以外は、上述と同様であり得る。この実施形態において、装置196内のリザーバ198は、リザーバ172に対して反転される以外は、上記のリザーバ172と同様であり得る。装置は、上述したように、めっき188でめっきされてもよいし、又はめっきは省略されてもよい。
【0105】
流動性金属は、装置160、170及び196が互いに位置合わせされる前(又は後)にリザーバ172、180、198のうちの1つ又は複数に挿入されてもよい。上述したように、流動性金属は、ペーストとして、又は液体金属が固化するまでリザーバの底部が密閉されている状態で液体として、塗布されてもよい。3つの装置160、170及び196は、
図35に示すように一緒にされてもよく、液体金属は、混合され及び/又はリザーバ172、180、198の全てに流入して冷却により固化するまで、加熱される。装置160、170及び196の各々内のリザーバ172、180、198は、装置の主面に垂直な力に対抗できる表面を含み、それによって、流動性金属が固化すると、装置160、170及び196を一緒に堅牢に保持することができる。指摘したように、冷却中の金属の収縮は、装置の各々間の緊密な界面を更に提供する。
【0106】
前の実施形態と同様に、装置160、170及び196のうちの2つ以上を一緒に貼り合わせるために使用すれば、本技術は、装置の2つ以上が一緒にクランプされた後に、液体金属を加熱することによって分離できるという利点を有する。その後、装置を、上記のように、リザーバ内の液体金属を使用して互いに再取り付けることができる。
【0107】
要約すると、本技術の例は、半導体ウエハであって、対向する第1と第2主面と、前記第1主面に隣接する誘電体層と、前記誘電体層内に形成された集積回路と、前記第1主面内のボンドパッドであって、前記集積回路に電気的に結合されたボンドパッドと、前記誘電体層内に形成され前記第1主面で開いている1組の1つ又は複数のリザーバであって、流動性金属を受け入れて、前記1組の1つ又は複数のリザーバ内の前記流動性金属が固化する上で前記半導体ウエハを第2半導体ウエハにクランプするように構成された1組の1つ又は複数のリザーバと、を含む、前記半導体ウエハに関する。
【0108】
更なる例において、本技術は、半導体ダイであって、対向する第1と第2主面と、前記第1主面に隣接する誘電体層と、前記誘電体層内に形成された集積回路と、前記第1主面内のボンドパッドであって、前記集積回路に電気的に結合されたボンドパッドと、前記誘電体層内に形成され前記第1主面で開いている1組の1つ又は複数のリザーバであって、流動性金属を受け入れて、前記1組の1つ又は複数のリザーバ内の流動性金属が固化する上で半導体ダイを第2半導体ダイにクランプするように構成された1組の1つ又は複数のリザーバと、を含む、前記半導体ダイに関する。
【0109】
別の例において、本技術は、半導体装置であって、対向する第1と第2主面を含む信号搬送媒体と、前記信号搬送媒体内に形成され前記第1及び第2主面の一方で開いている1組の1つ又は複数のリザーバであって、流動性金属を受け入れて、前記1組の1つ又は複数のリザーバ内の流動性金属が固化する上で前記半導体装置を第2半導体装置にクランプするように構成された1組の1つ又は複数のリザーバと、を含む、前記半導体装置に関する。
【0110】
本発明の以上の詳細な説明は、例示及び説明の目的で提示される。それは、網羅的であること、又は本発明を開示された精確な形態に限定することを意図するものではない。上記の教示に照らして、多くの修飾及び変形が可能である。記載された実施形態は、本発明の原理及びその実際の応用を最良に説明することで、他の当業者が、意図された特定の用途に適した様々な修飾を伴い、様々な実施形態において本発明を最良に利用できるようにするために、選択されたものである。本発明の範囲はその添付の特許請求の範囲に規定されるよう意図される。
【国際調査報告】