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特表2024-540477ハンチントン病を治療するためのHTTモジュレータとしてのN-(2H-インダゾール-5-イル)ピラジン-2-カルボキサミド誘導体及び類似化合物
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-10-31
(54)【発明の名称】ハンチントン病を治療するためのHTTモジュレータとしてのN-(2H-インダゾール-5-イル)ピラジン-2-カルボキサミド誘導体及び類似化合物
(51)【国際特許分類】
   C07D 403/14 20060101AFI20241024BHJP
   A61P 25/14 20060101ALI20241024BHJP
   A61P 43/00 20060101ALI20241024BHJP
   A61K 45/00 20060101ALI20241024BHJP
   A61K 31/497 20060101ALI20241024BHJP
   C07D 413/14 20060101ALI20241024BHJP
   C07D 407/14 20060101ALI20241024BHJP
   C07D 471/10 20060101ALI20241024BHJP
   C07D 471/04 20060101ALI20241024BHJP
   A61K 31/4985 20060101ALI20241024BHJP
   C07D 487/04 20060101ALI20241024BHJP
   A61K 31/5377 20060101ALI20241024BHJP
【FI】
C07D403/14
A61P25/14
A61P43/00 121
A61K45/00
A61K31/497
C07D413/14 CSP
C07D407/14
C07D471/10 101
C07D471/04 108A
C07D471/04 106A
C07D471/04 101
A61K31/4985
C07D487/04 144
A61K31/5377
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2024529320
(86)(22)【出願日】2022-11-16
(85)【翻訳文提出日】2024-07-12
(86)【国際出願番号】 US2022050058
(87)【国際公開番号】W WO2023091456
(87)【国際公開日】2023-05-25
(31)【優先権主張番号】63/280,551
(32)【優先日】2021-11-17
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】511027183
【氏名又は名称】シーエイチディーアイ ファウンデーション,インコーポレーテッド
(74)【代理人】
【識別番号】110002572
【氏名又は名称】弁理士法人平木国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】リウ,ロンビン
(72)【発明者】
【氏名】ドミンゲス,セリア
(72)【発明者】
【氏名】プロトニコフ,ニコライ ブイ.
(72)【発明者】
【氏名】ホーハン,アラン
(72)【発明者】
【氏名】ストット,アンドリュー
(72)【発明者】
【氏名】コスグローブ,ブレット
(72)【発明者】
【氏名】クリソルド,コール
(72)【発明者】
【氏名】ベーター,ヒュー
(72)【発明者】
【氏名】スペンサー,ジョナサン
(72)【発明者】
【氏名】エスミュー,ウィリアム
(72)【発明者】
【氏名】マラグ,カリネ
(72)【発明者】
【氏名】チェンバーズ,マーク
【テーマコード(参考)】
4C084
4C086
【Fターム(参考)】
4C084AA19
4C084NA05
4C084ZA221
4C084ZA222
4C084ZC751
4C086AA01
4C086AA02
4C086AA03
4C086BC48
4C086BC70
4C086CB02
4C086CB05
4C086GA02
4C086GA07
4C086GA09
4C086GA13
4C086GA16
4C086MA01
4C086MA02
4C086MA04
4C086MA05
4C086NA05
4C086NA14
4C086ZA22
4C086ZC75
(57)【要約】
本発明は、ハンチントン病を治療するためのHTTモジュレータとしての式(I)の化合物に言及する。例示的な化合物は例えば実施例1:(R)-5-(3-(シクロプロピルアミノ)ピロリジン-1-イル)-N-(2-メチル-6-(オキサゾール-5-イルメトキシ)-2H-インダゾール-5-イル)ピラジン-2-カルボキサミドである。本発明は例示的な化合物の合成及び特性評価、並びにその薬理学的データを開示する。
【化1】
【選択図】なし
【特許請求の範囲】
【請求項1】
式Iの化合物
【化1】
又はその同位体濃縮アナログ、薬学的に許容される塩、プロドラッグ、互変異性体、立体異性体若しくは立体異性体の混合物
(式中、
X1、X2、X3及びX4はCR4又はNであり、ここでX1、X2、X3及びX4の少なくとも2つであるが3つ以下はNであり、
各R4は独立して、水素、ハロ、ヒドロキシ、C1~6アルキル、C1~6ハロアルキル又はC1~6アルコキシであり、
Y1はCR5又はNであり、
R5は水素、ヘテロシクリルオキシ、又はC2~6アルキニル、アリール、C1~6アルコキシ、ヘテロアリール、ヘテロシクリル、若しくはシアノによって置換されているC1~6アルコキシであり、
Y2は存在しないか、CR6又はNであり、
R6は水素、シアノ、ハロ、ヒドロキシ、C1~6アルキル、C1~6ハロアルキル、C1~6アルキルチオ、C1~6アルコキシ、C1~6ハロアルコキシ、ヘテロシクリル、-NH2、-NHR17又は-N(R17)2であり、利用可能な窒素原子上でC1~6アルキル又はC1~6ハロアルキルによって、場合により置換されており、
Y3はCR3又はNであり、
R3は水素、シアノ、ハロ、ヒドロキシ、C1~6アルキル、C1~6ハロアルキル、C1~6アルキルチオ、C1~6アルコキシ、C1~6ハロアルコキシ、ヘテロシクリル、-NH2、-NHR17又は-N(R17)2であり、利用可能な窒素原子上でC1~6アルキル又はC1~6ハロアルキルによって、場合により置換されており、
各R17は独立してC1~4アルキルであり、又は2つのR17が、任意の介在する原子と共に連結して3~6員ヘテロシクリルを形成しており、
Z1及びZ2の各々はC又はNであり、
環A及び環Bは一緒に、1~3個の環窒素原子を含有する9又は10員二環式ヘテロアリールを形成しており、
環BはN、O及びSから独立して選択される1~3個のヘテロ原子を含有し、利用可能な炭素原子上でハロ、ヒドロキシ、C1~6アルキル、C1~6ハロアルキル、C1~6アルコキシ及びC1~6ハロアルコキシから独立して選択される1~3個の置換基によって、場合により置換されており、利用可能な窒素原子上でC1~6アルキル又はC1~6ハロアルキルによって、場合により置換されており、
R1は-L1-R11であり、ここで、L1は-O-、-S-、-S(O)-、-S(O)2-、-N(R12)-、-C1~3アルキレン-、-O-C1~3アルキレン-、-N(R12)-C1~3アルキレン-であり、又は存在せず、R11はC2~6アルキニル、C3~10シクロアルキル、C6~10アリール、ヘテロアリール又はヘテロシクリルであり、ここで、R11は1~4個のR13基によって場合により置換されており、
R12は水素又はC1~6アルキルであり、
各R13は独立して、ハロ、シアノ、ヒドロキシ、R16によって場合により置換されているC1~6アルキル、C1~6ハロアルキル、C1~6ヒドロキシアルキル、R16によって場合により置換されているC3~10シクロアルキル、R16によって場合により置換されているC3~10シクロアルキル-C1~6アルキル、R16によって場合により置換されているC6~10アリール、R16によって場合により置換されているC6~10アリール-C1~6アルキル、R16によって場合により置換されているヘテロアリール、R16によって場合により置換されているヘテロアリール-C1~6アルキル、R16によって場合により置換されているヘテロシクリル、R16によって場合により置換されているヘテロシクリル-C1~6アルキル、OR14、-NH2、-NHR14、-N(R14)2、-C1~6アルキレン-NH2、-C1~6アルキレン-NHR14、-C1~6アルキレン-N(R14)2、-C(O)R15、-C(O)OR15、-C(O)NHR15、-C(O)N(C1~4アルキル)R15、-S(O)2R15、-S(O)R15、-NHC(O)R15、-N(C1~4アルキル)C(O)R15、-NHS(O)R15、-N(C1~4アルキル)S(O)R15、-NHS(O)2R15及び-N(C1~4アルキル)S(O)2R15から選択され、
各R14は独立してC1~6アルキル、C3~10シクロアルキル、C6~10アリール、ヘテロアリール及びヘテロシクリルから選択され、各R14は1~6個のハロ、C1~3アルキル、C1~3アルコキシ、C3~10シクロアルキル又は-NHSO2-アリール-N(CH3)2によって、場合により置換されており、
各R15は独立して水素、-OH、C1~6アルキル、C1~6ハロアルキル、C3~10シクロアルキル、C6~10アリール、ヘテロアリール又はヘテロシクリルであり、
各R16は独立してハロ、シアノ、ヒドロキシ、-NH2、-NHR21、-N(R21)2、C1~6アルキル、C1~6ハロアルキル、OR21又はC3~10シクロアルキルであり、
各R21は独立して、C1~6アルキル、C3~10シクロアルキル、C6~10アリール、ヘテロアリール、ヘテロシクリル、及び-CH2C(O)NHR22から選択され、各R21は1~6個のハロ又はC1~3アルコキシによって、場合により置換されており、R22はヘテロシクリル及びN3によって置換されているC1~6アルキルであり、
R2は水素又はC1~6アルキルであり、
但し、R5が水素である場合、R1は-OCH2C(O)NHR22によって置換されているヘテロシクリル-C1~6アルキルによって置換されているヘテロシクリルである)。
【請求項2】
式Iaの請求項1に記載の化合物
【化2】
又はその同位体濃縮アナログ、薬学的に許容される塩、プロドラッグ、互変異性体、立体異性体若しくは立体異性体の混合物。
【請求項3】
式Ibの請求項1に記載の化合物
【化3】
又はその同位体濃縮アナログ、薬学的に許容される塩、プロドラッグ、互変異性体、立体異性体若しくは立体異性体の混合物。
【請求項4】
式Icの請求項1に記載の化合物
【化4】
又はその同位体濃縮アナログ、薬学的に許容される塩、プロドラッグ、互変異性体、立体異性体若しくは立体異性体の混合物。
【請求項5】
R8が水素、ハロ、ヒドロキシ、C1~6アルキル、C1~6ハロアルキル、C1~6アルコキシ、又はC1~6ハロアルコキシである、式IIaの請求項1に記載の化合物
【化5】
又はその同位体濃縮アナログ、薬学的に許容される塩、プロドラッグ、互変異性体、立体異性体若しくは立体異性体の混合物。
【請求項6】
R10が水素、C1~6アルキル、又はC1~6ハロアルキルである、式IIbの請求項1に記載の化合物
【化6】
又はその同位体濃縮アナログ、薬学的に許容される塩、プロドラッグ、互変異性体、立体異性体若しくは立体異性体の混合物。
【請求項7】
R8が水素、ハロ、ヒドロキシ、C1~6アルキル、C1~6ハロアルキル、C1~6アルコキシ、又はC1~6ハロアルコキシである、式IIIaの請求項1に記載の化合物
【化7】
又はその同位体濃縮アナログ、薬学的に許容される塩、プロドラッグ、互変異性体、立体異性体若しくは立体異性体の混合物。
【請求項8】
R8が水素、ハロ、ヒドロキシ、C1~6アルキル、C1~6ハロアルキル、C1~6アルコキシ、又はC1~6ハロアルコキシである、式IIIbの請求項1に記載の化合物
【化8】
又はその同位体濃縮アナログ、薬学的に許容される塩、プロドラッグ、互変異性体、立体異性体若しくは立体異性体の混合物。
【請求項9】
R8が水素、ハロ、ヒドロキシ、C1~6アルキル、C1~6ハロアルキル、C1~6アルコキシ、又はC1~6ハロアルコキシである、式IIIcの請求項1に記載の化合物
【化9】
又はその同位体濃縮アナログ、薬学的に許容される塩、プロドラッグ、互変異性体、立体異性体若しくは立体異性体の混合物。
【請求項10】
R11がハロ、C1~6アルキル、C1~6ハロアルキル、C3~10シクロアルキル、ヘテロアリール、ヘテロシクリル、ヘテロシクリル-C1~6アルキル、-NH2、-NHR14、-N(R14)2、-C1~6アルキレン-NH2、-C1~6アルキレン-NHR14、-C1~6アルキレン-N(R14)2及び-C(O)OR15から独立して選択される、1~4個の基によって場合により置換されているヘテロシクリルであり、ここで、各R14が独立してC1~6アルキル、C3~10シクロアルキル及びヘテロシクリルから選択され、各R14が1~3個のハロによって場合により置換されており、ここで、R15がC1~6アルキルである、請求項1から9のいずれか一項に記載の化合物。
【請求項11】
R11
【化10】
であり、環Cが、1~4個のR13基によって場合により置換されている、0、1又は2個の追加の環窒素原子を含有する3~10員ヘテロシクリルである、請求項1から10のいずれか一項に記載の化合物。
【請求項12】
環Cが、1~4個のR13基によって場合により置換されている、1個の追加の環窒素原子を含有する5~10員スピロ二環式ヘテロシクリルである、請求項11に記載の化合物。
【請求項13】
R11
【化11】
から選択され、その各々が1~4個のR13基によって場合により置換されている、請求項1から10のいずれか一項に記載の化合物。
【請求項14】
R11
【化12】
から選択され、その各々が1~4個のR13基によって場合により置換されている、請求項1から10のいずれか一項に記載の化合物。
【請求項15】
R3がハロである、請求項1から14のいずれか一項に記載の化合物。
【請求項16】
R3が水素である、請求項1から14のいずれか一項に記載の化合物。
【請求項17】
各R4が水素である、請求項1から16のいずれか一項に記載の化合物。
【請求項18】
R5がヘテロシクリルオキシである、請求項1から17のいずれか一項に記載の化合物。
【請求項19】
R5がC2~6アルキニル、アリール、C1~6アルコキシ、ヘテロアリール、ヘテロシクリル、又はシアノによって置換されているC1~6アルコキシである、請求項1から17のいずれか一項に記載の化合物。
【請求項20】
R5が水素である、請求項1から17のいずれか一項に記載の化合物。
【請求項21】
R2が水素である、請求項1から20のいずれか一項に記載の化合物。
【請求項22】
L1が存在しない、請求項1から21のいずれか一項に記載の化合物。
【請求項23】
Y1がCR5である、請求項1から22のいずれか一項に記載の化合物。
【請求項24】
Y2がCR6である、請求項1から23のいずれか一項に記載の化合物。
【請求項25】
Y3がCR3である、請求項1から24のいずれか一項に記載の化合物。
【請求項26】
環Bが
【化13】
であり、R7が水素であり、R8がC1~6アルキルである、請求項1から25のいずれか一項に記載の化合物。
【請求項27】
環Bが
【化14】
であり、R7が水素であり、R10がC1~6アルキルである、請求項1から25のいずれか一項に記載の化合物。
【請求項28】
表1のものから選択される化合物、又はその同位体濃縮アナログ、薬学的に許容される塩、プロドラッグ、互変異性体、立体異性体若しくは立体異性体の混合物。
【請求項29】
表2のものから選択される化合物、又はその同位体濃縮アナログ、薬学的に許容される塩、プロドラッグ、互変異性体、立体異性体若しくは立体異性体の混合物。
【請求項30】
請求項1から29のいずれか一項に記載の化合物、又はその同位体濃縮アナログ、薬学的に許容される塩、プロドラッグ、互変異性体、立体異性体若しくは立体異性体の混合物と、薬学的に許容される賦形剤とを含む医薬組成物。
【請求項31】
ハンチントン病の治療を必要とする患者におけるハンチントン病を治療する方法であって、治療有効量の請求項1から29のいずれか一項に記載の化合物又は請求項30に記載の医薬組成物を患者に投与することを含む、方法。
【請求項32】
ハンチントン病の治療を必要とする患者におけるハンチントン病を治療する方法であって、治療有効量の請求項1から29のいずれか一項に記載の化合物又は請求項30に記載の医薬組成物を、第2の活性剤と組み合わせて患者に投与することを含む、方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
関連出願の相互参照
この出願は、米国特許法第119条(e)のもと、2021年11月17日に出願された米国仮特許出願第63/280,551号の利益を主張し、その内容は参照によりその全体が本明細書に組み込まれる。
【0002】
本開示は、HTTのモジュレータ、及び神経変性疾患又は状態を予防及び/又は治療する方法に関する。
【背景技術】
【0003】
ハンチントン病(HD)は、運動、認知及び精神医学的欠陥、並びに線条体及び皮質において始まり、他の皮質下脳領域に拡大する神経変性及び脳萎縮を特徴とする、顕性遺伝性進行性神経変性障害である。HDは、世界で100,000人当たり5~10例の有病率を有し、最も一般的な遺伝性単一遺伝子神経変性疾患となっている。
【0004】
神経変性疾患及び状態、例えばハンチントン病は、それが生じている人の人生に対する重大な悪影響を有する。ハンチントン病への現在の治療は緩和的であり、症状の重症度を和らげることを狙いとしている。利用可能な疾患修飾治療はない。
【0005】
ハンチントン病は、ハンチンチン遺伝子(HTT)のエクソン1中のCAG反復ドメインの伸長によって起こり、これはタンパク質のアミノ末端ドメインに伸長したポリグルタミン領域を含有する、変異体ハンチンチンタンパク質(mHTT)として発現する。HDは単一遺伝子性且つ常染色体顕性であるけれども、病原論の分子経路が全面的に理解されているわけではない。そのため、mHTTを低減することは、原因遺伝子の遺伝子産物を標的とする明快な治療戦略である。実際に、アンチセンスオリゴヌクレオチド(ASO)又はAAV-miRによって媒介されるHTT RNAの分解を介した、mHTT低減を対象とする複数の治療戦略が、HDにおける臨床試験を通じて進展しており、治療された患者のCSFにおけるmHTTレベルの低減が実証されている。
【発明の概要】
【0006】
これらのモダリティは大きな有望さを示す一方で、これらは侵襲性であり(反復的な髄腔内注射を伴う)、すべての患部領域に向けて脳全体にわたって分散することは確実ではなく、広範に分布するmHTTが原因であり得るいずれの末梢性機能不全にも対処しない。そのため、全身に非侵襲的に送達することができる小分子HTT低減剤は、追求するのに魅力的なHTT低減治療である。したがって、HTTタンパク質の小分子モジュレータが必要とされている。このような分子は、ハンチントン病の症状の治療及び/又は疾患進行を遅延させることへの使用を見出すことができる。
【0007】
本開示は全般に、例えば疾患、例えばハンチントン病の治療における、HTTの小分子モジュレータ、及び治療剤としてのその使用に関する。
【0008】
したがって、ハンチントン病の治療に有用である化合物、又は化合物の同位体濃縮アナログ、薬学的に許容される塩、プロドラッグ、互変異性体、立体異性体若しくは立体異性体の混合物が、本明細書において提供される。
【0009】
ある特定の実施形態では、神経変性疾患に関わるタンパク質又はタンパク質断片、例えばHTTタンパク質をモジュレートする化合物が提供される。
【0010】
ある特定の実施形態では、本明細書において記載される化合物、又はその同位体濃縮アナログ、薬学的に許容される塩、プロドラッグ、互変異性体、立体異性体若しくは立体異性体の混合物と、薬学的に許容される賦形剤とを含む医薬組成物が提供される。
【0011】
本開示はまた、医薬組成物を含む組成物、化合物を含むキット、及び化合物を使用(又は投与)及び作製する方法を提供する。本開示はさらに、神経変性疾患に関わるタンパク質又はタンパク質断片によって少なくとも部分的に媒介される、疾患又は状態を治療する方法に使用するための化合物又はその組成物を提供する。さらに、本開示は、神経変性疾患に関わるタンパク質又はタンパク質断片によって少なくとも部分的に媒介される、疾患又は状態の治療のための医薬の製造における、化合物又はその組成物の使用を提供する。
【発明を実施するための形態】
【0012】
以下の記載は、本技術の例示的な実施形態を説明する。しかしながら、このような記載は、本開示の範囲を限定するものとして意図されてはおらず、むしろ例示的な実施形態の記載として提供されることが認識されるべきである。
【0013】
定義
本明細書において使用される場合、以下の単語、語句及び略号は、これらが使用される文脈が別段の指示をしている範囲を除いて、一般に以下に説明する意味を有することが意図される。
【0014】
本明細書において記載される化合物は、式I、式Ia、式Ib、式Ic、式IIa、式IIb、式IIIa、式IIIb、式IIIc、又は例を含む本明細書におけるいずれかの箇所に記載される化合物、又は表1、表2、若しくは表2Aの化合物を含む、本明細書において記載される任意の式の化合物、又はその同位体標識アナログ、薬学的に許容される塩、溶媒和物、プロドラッグ、立体異性体若しくは立体異性体の混合物を指す。
【0015】
2つの文字又は略号の間ではないダッシュ(「-」)は、置換基の場合、親構造への結合点を示すために使用される。例えば、-C(O)NH2は、炭素原子を通じて親構造に結合する。化学基の前又は後ろのダッシュは利便性のための事項であり、化学基は、1つ以上のダッシュを伴って記述されても伴わずに記述されてもよく、通常の意味を失わない。構造中の結合を通して引かれた波線又は点線は、特定の結合点を示す。化学的又は構造的に要求されない限り、化学基が書かれる又は指定される順序によって、異方性又は立体化学が指示又は示唆されるものではない。
【0016】
「Cu~v」という接頭辞は、さらなる置換を除いて、後続の基がu~v個の炭素原子を有することを示す。例えば、「C1~6アルキル」は、1~6個の炭素原子を有するアルキル基を示す。
【0017】
本明細書における「約」ある値又はパラメータという言及は、その値又はパラメータそれ自体を対象とする実施形態を含む(及び記載している)。ある特定の実施形態では、「約」という用語は指定の量±10%を含む。他の実施形態では、「約」という用語は指定の量±5%を含む。ある特定の他の実施形態では、「約」という用語は指定の量±1%を含む。やはり、「約X」という用語は、「X」の記載を含む。やはり、単数形「a」及び「the」は、文脈が明白に別段の規定をしない限り、複数の参照事項を含む。したがって、例えば「化合物(the compound)」への言及は複数のそのような化合物(compounds)を含み、「アッセイ(the assay)」への言及は、1種以上のアッセイ及び当業者に公知であるその等価物への言及を含む。
【0018】
「アルキル」は、非分枝状又は分枝状の飽和炭化水素鎖を指す。本明細書で使用される場合、アルキルは、1~20個の炭素原子(すなわちC1~20アルキル)、1~12個の炭素原子(すなわちC1~12アルキル)、1~9個の炭素原子(すなわちC1~9アルキル)、1~8個の炭素原子(すなわちC1~8アルキル)、1~6個の炭素原子(すなわちC1~6アルキル)又は1~4個の炭素原子(すなわちC1~4アルキル)を有する。アルキル基の例としては、例えば、メチル、エチル、プロピル、イソプロピル、n-ブチル、sec-ブチル、イソブチル、tert-ブチル、ペンチル、2-ペンチル、イソペンチル、ネオペンチル、ヘキシル、2-ヘキシル、3-ヘキシル及び3-メチルペンチルが挙げられる。特定の個数の炭素を有するアルキル残基が化学名によって指定される、又は分子式によって識別される場合、その炭素数を有するすべての位置異性体が包含されてもよく、したがって、例えば、「ブチル」はn-ブチル(すなわち-(CH2)3CH3)、sec-ブチル(すなわち-CH(CH3)CH2CH3)、イソブチル(すなわち-CH2CH(CH3)2)及びtert-ブチル(すなわち-C(CH3)3)を含み、「プロピル」はn-プロピル(すなわち-(CH2)2CH3)及びイソプロピル(すなわち-CH(CH3)2)を含む。
【0019】
当業者に公知の代替的な化学名が、本明細書において提供される用語の代わりに使用されることもある。例えば二価基、例えば二価「アルキル」基又は二価「アリール」基等は、それぞれ「アルキレン」又は「アリーレン」基と称されることもある。やはり、明示的に別段指示されない限り、基の組合せが本明細書において1つの部分として言及される場合、例えばアリールアルキル又はアラルキルでは、最後に言及された基が、その部分を分子の残りに結合させる原子を含有する。
【0020】
「アルケニル」は、少なくとも1つの炭素間二重結合を含有し、2~20個の炭素原子(すなわちC2~20アルケニル)、2~8個の炭素原子(すなわちC2~8アルケニル)、2~6個の炭素原子(すなわちC2~6アルケニル)又は2~4個の炭素原子(すなわちC2~4アルケニル)を有するアルキル基を指す。アルケニル基の例としては、例えば、エテニル、プロペニル、ブタジエニル(1,2-ブタジエニル及び1,3-ブタジエニルを含む)並びにイソプレニルが挙げられる。
【0021】
「アルキニル」は、少なくとも1つの炭素間三重結合を含有し、2~20個の炭素原子(すなわちC2~20アルキニル)、2~8個の炭素原子(すなわちC2~8アルキニル)、2~6個の炭素原子(すなわちC2~6アルキニル)又は2~4個の炭素原子(すなわちC2~4アルキニル)を有するアルキル基を指す。「アルキニル」という用語は、1つの三重結合及び1つの二重結合を有する基も含む。
【0022】
「アルコキシ」は「アルキル-O-」基を指す。アルコキシ基の例としては、例えば、メトキシ、エトキシ、n-プロポキシ、イソプロポキシ、n-ブトキシ、tert-ブトキシ、sec-ブトキシ、n-ペントキシ、n-ヘキソキシ及び1,2-ジメチルブトキシが挙げられる。
【0023】
「アルキルアミノ」は「アルキル-NH-」基を指す。アルキルアミノ基の例としては、例えば、メチルアミノ、エチルアミノ、イソプロピルアミノ、tert-ブチルアミノ及びn-ヘキシルアミノが挙げられる。「ジアルキルアミノ」は「(アルキル)2N-」基を指す。ジアルキルアミノ基の例としては、例えば、ジメチルアミノ、ジエチルアミノ、(イソプロピル)(メチル)アミノ、(n-ペンチル)(tert-ブチル)アミノ及びジ-n-ヘキシルアミノが挙げられる。
【0024】
「アルキルチオ」は「アルキル-S-」基を指す。「アルキルスルフィニル」は「アルキル-S(O)-」基を指す。「アルキルスルホニル」は「アルキル-S(O)2-」基を指す。
【0025】
「アシル」は-C(O)Ry基を指し、式中、Ryは水素、アルキル、アルケニル、アルキニル、シクロアルキル、ヘテロシクリル、アリール、ヘテロアルキル又はヘテロアリールであり、本明細書において定義される通り、その各々は場合により置換されていてもよい。アシルの例としては、例えば、ホルミル、アセチル、シクロヘキシルカルボニル、シクロヘキシルメチル-カルボニル及びベンゾイルが挙げられる。
【0026】
「アミド」は、-C(O)NRyRz基を指す「C-アミド」基及び-NRyC(O)Rz基を指す「N-アミド」基の両方を指し、式中、Ry及びRzは独立して、水素、アルキル、アルケニル、アルキニル、ハロアルキル、シクロアルキル、ヘテロシクリル、アリール、ヘテロアルキル若しくはヘテロアリールであり、本明細書において定義される通り、その各々は場合により置換されていてもよく、又はRy及びRzが一緒になってシクロアルキル若しくはヘテロシクリルを形成し、本明細書において定義される通り、その各々は場合により置換されていてもよい。
【0027】
「アミノ」は-NRyRz基を指し、式中、Ry及びRzは独立して、水素、アルキル、アルケニル、アルキニル、ハロアルキル、シクロアルキル、ヘテロシクリル、アリール、ヘテロアルキル又はヘテロアリールであり、本明細書において定義される通り、その各々は場合により置換されていてもよい。一部の実施形態では、「アミノ」はNH2基を指す。
【0028】
「アミジノ」は-C(NRy)(NRz 2)基を指し、式中、Ry及びRzは独立して、水素、アルキル、アルケニル、アルキニル、ハロアルキル、シクロアルキル、ヘテロシクリル、アリール、ヘテロアルキル又はヘテロアリールであり、本明細書において定義される通り、その各々は場合により置換されていてもよい。
【0029】
「アリール」は、縮合系を含む、単一の環(例えば単環式)又は複数の環(例えば二環式若しくは三環式)を有する芳香族炭素環式基を指す。本明細書で使用される場合、アリールは6~20個の環炭素原子(すなわちC6~20アリール)又は6~10個の炭素環原子(すなわちC6~10アリール)を有する。アリール基の例としては、例えば、フェニル、ナフチル、フルオレニル及びアントリルが挙げられる。しかしながら、アリールは決して、下に定義されるヘテロアリールを包含せず、又はヘテロアリールと重複しない。1つ以上のアリール基がヘテロアリールと縮合する場合、得られる環系はヘテロアリールである。1つ以上のアリール基がヘテロシクリルと縮合する場合、得られる環系はヘテロシクリルである。
【0030】
「アリールアルキル」又は「アラルキル」は「アリール-アルキル-」基を指す。
【0031】
「カルバモイル」は、-O-C(O)NRyRz基を指す「O-カルバモイル」基及び-NRyC(O)ORz基を指す「N-カルバモイル」基の両方を指し、式中、Ry及びRzは独立して、水素、アルキル、アルケニル、アルキニル、ハロアルキル、シクロアルキル、ヘテロシクリル、アリール、ヘテロアルキル又はヘテロアリールであり、本明細書において定義される通り、その各々は場合により置換されていてもよい。
【0032】
「カルボキシルエステル」又は「エステル」は、-OC(O)Rx及び-C(O)ORxの両方を指し、式中、Rxはアルキル、アルケニル、アルキニル、ハロアルキル、シクロアルキル、ヘテロシクリル、アリール、ヘテロアルキル又はヘテロアリールであり、本明細書において定義される通り、その各々は場合により置換されていてもよい。
【0033】
「シクロアルキル」は、飽和した又は部分的に不飽和の、単一の環又は縮合、架橋及びスピロ環系を含む複数の環を有する環状アルキル基を指す。「シクロアルキル」という用語は、シクロアルケニル基(すなわち、少なくとも1つの二重結合を有する環式基)、及び少なくとも1つのsp3環炭素原子(すなわち、少なくとも1つの非芳香環)を有する炭素環式縮合環系を含む。本明細書で使用される場合、シクロアルキルは、3~20個の環炭素原子(すなわちC3~20シクロアルキル)、3~12個の環炭素原子(すなわちC3~12シクロアルキル)、3~10個の環炭素原子(すなわちC3~10シクロアルキル)、3~8個の環炭素原子(すなわちC3~8シクロアルキル)又は3~6個の環炭素原子(すなわちC3~6シクロアルキル)を有する。単環式基としては、例えば、シクロプロピル、シクロブチル、シクロペンチル、シクロヘキシル、シクロヘキセニル、シクロヘプチル及びシクロオクチルが挙げられる。多環式基としては、例えば、ビシクロ[2.2.1]ヘプタニル、ビシクロ[2.2.2]オクタニル、アダマンチル、ノルボルニル、ノルボルネニル、デカリニル、7,7-ジメチル-ビシクロ[2.2.1]ヘプタニル等が挙げられる。さらに、シクロアルキルという用語は、分子の残りへの結合とは関係なく、縮合アリール環を含んでもよい任意の非芳香環系を包含することが意図される。その上さらに、シクロアルキルとしては、「スピロシクロアルキル」、例えば、スピロ[2.5]オクタニル、スピロ[4.5]デカニル又はスピロ[5.5]ウンデカニルも挙げられる。親構造の1つの炭素原子上に置換のための2つの位置がある場合、置換基としてのシクロアルキルはスピロシクロアルキルを含んでもよい。シクロアルキルは、親構造への結合の炭素原子において置換されてもよい。
【0034】
「シクロアルコキシ」は「-O-シクロアルキル」基を指す。
【0035】
「シクロアルキルアルキル」は「シクロアルキル-アルキル-」基を指す。
【0036】
「グアニジノ」は-NRyC(=NRz)(NRyRz)を指し、式中、各Ry及びRzは独立して、水素、アルキル、アルケニル、アルキニル、ハロアルキル、シクロアルキル、ヘテロシクリル、アリール、ヘテロアルキル又はヘテロアリールであり、本明細書において定義される通り、その各々は場合により置換されていてもよい。
【0037】
「イミノ」は-C(NRy)Rz基を指し、式中、Ry及びRzは各々独立して、水素、アルキル、アルケニル、アルキニル、ハロアルキル、シクロアルキル、ヘテロシクリル、アリール、ヘテロアルキル又はヘテロアリールであり、本明細書において定義される通り、その各々は場合により置換されていてもよい。
【0038】
「イミド」は-C(O)NRyC(O)Rz基を指し、式中、Ry及びRzは各々独立して、水素、アルキル、アルケニル、アルキニル、ハロアルキル、シクロアルキル、ヘテロシクリル、アリール、ヘテロアルキル又はヘテロアリールであり、本明細書において定義される通り、その各々は場合により置換されていてもよい。
【0039】
「ハロゲン」又は「ハロ」は、周期律表のVIIA族の置換基原子、例えば、フルオロ、クロロ、ブロモ又はヨードを指す。
【0040】
「ハロアルキル」は、1個以上(例えば、1~6個又は1~3個)の水素原子、最大で上限を含むすべての水素原子がハロゲンによって置き換えられている、上に定義される非分枝状又は分枝状のアルキル基を指す。例えば、残基が2個以上のハロゲンによって置換されている場合、結合しているハロゲン部分の数に対応する接頭辞を使用することによって称され得る。ジハロアルキル及びトリハロアルキルは、2個(「ジ」)又は3個(「トリ」)のハロ基によって置換されているアルキルを指し、必須ではないが、これらは同じハロゲンであってもよい。ペルハロアルキル基は、すべての水素置換基がハロによって置き換えられているハロアルキル基である。ハロアルキルの例としては、例えば、トリフルオロメチル、ジフルオロメチル、フルオロメチル、トリクロロメチル、2,2,2-トリフルオロエチル、1,2-ジフルオロエチル、3-ブロモ-2-フルオロプロピル、1,2-ジブロモエチル等が挙げられる。
【0041】
「ハロアルコキシ」は、1個以上(例えば、1~6個又は1~3個)の水素原子、最大で上限を含むすべての水素原子がハロゲンによって置き換えられている、上に定義されるアルコキシ基を指す。
【0042】
「ヒドロキシアルキル」は、1個以上(例えば、1~6個又は1~3個)の水素原子がヒドロキシ基によって置き換えられている、上に定義されるアルキル基を指す。
【0043】
「ヘテロアルキル」は、アルキル鎖の炭素原子の1個以上(及び任意の関係する水素原子)が、分子の残りへの結合点が炭素原子を通るという条件で、各々独立して同じ又は異なるヘテロ原子基によって置き換えられているアルキル基を指す。「ヘテロアルキル」という用語は、炭素及びヘテロ原子を有する非分枝状又は分枝状の飽和鎖を含む。例としては、1、2又は3個の炭素原子が独立して、同じ又は異なるヘテロ原子基によって置き換えられていてもよい。ヘテロ原子基としては、限定するものではないが、-NRy-、-O-、-S-、-S(O)-、-S(O)2-等が挙げられ、ここで、Ryは水素、アルキル、アルケニル、アルキニル、ハロアルキル、シクロアルキル、ヘテロシクリル、アリール、ヘテロアルキル又はヘテロアリールであり、本明細書において定義される通り、その各々は場合により置換されていてもよい。ヘテロアルキル基の例としては、例えば、エーテル(例えば-CH2OCH3、-CH(CH3)OCH3、-CH2CH2OCH3、-CH2CH2OCH2CH2OCH3等)、チオエーテル(例えば-CH2SCH3、-CH(CH3)SCH3、-CH2CH2SCH3、-CH2CH2SCH2CH2SCH3等)、スルホン(例えば-CH2S(O)2CH3、-CH(CH3)S(O)2CH3、-CH2CH2S(O)2CH3、-CH2CH2S(O)2CH2CH2OCH3等)及びアミノアルキル(例えば-CH2NRyCH3、-CH(CH3)NRyCH3、-CH2CH2NRyCH3、-CH2CH2NRyCH2CH2NRyCH3等、ここで、Ryは水素、アルキル、アルケニル、アルキニル、ハロアルキル、シクロアルキル、ヘテロシクリル、アリール、ヘテロアルキル又はヘテロアリールであり、本明細書において定義される通り、その各々は場合により置換されていてもよい)が挙げられる。本明細書で使用される場合、ヘテロアルキルは、1~10個の炭素原子、1~8個の炭素原子又は1~4個の炭素原子、及び1~3個のヘテロ原子、1~2個のヘテロ原子又は1個のヘテロ原子を含む。
【0044】
「ヘテロアリール」は、単一の環又は複数の縮合環を有する芳香族基を指し、1個以上の環ヘテロ原子が独立して、窒素、酸素及び硫黄から選択され、1つ以上(例えば1~3つ)のN-オキシド(-O-)部分を含んでもよい。本明細書で使用される場合、ヘテロアリールは、1~20個の環炭素原子(すなわちC1~20ヘテロアリール)、3~12個の環炭素原子(すなわちC3~12ヘテロアリール)又は3~8個の炭素環原子(すなわちC3~8ヘテロアリール)、及び独立して窒素、酸素及び硫黄から選択される、1~5個の環ヘテロ原子、1~4個の環ヘテロ原子、1~3個の環ヘテロ原子、1~2個の環ヘテロ原子又は1個の環ヘテロ原子を含む。ある特定の例では、ヘテロアリールとしては、独立して窒素、酸素及び硫黄から選択される、各々独立して1~4個の環ヘテロ原子、1~3個の環ヘテロ原子、1~2個の環ヘテロ原子又は1個の環ヘテロ原子を有する、5~10員環系、5~7員環系又は5~6員環系が挙げられる。ヘテロアリール基の例としては、例えば、アクリジニル、ベンズイミダゾリル、ベンゾチアゾリル、ベンズインドリル(benzindolyl)、ベンゾフラニル、ベンゾチアゾリル、ベンゾチアジアゾリル、ベンゾナフトフラニル、ベンゾオキサゾリル、ベンゾチエニル(ベンゾチオフェニル)、ベンゾトリアゾリル、イミダゾ[1,2-a]ピリジル、カルバゾリル、シンノリニル、ジベンゾフラニル、ジベンゾチオフェニル、フラニル、イソチアゾリル、イミダゾリル、インダゾリル、インドリル、インダゾリル、イソインドリル、イソキノリル、イソオキサゾリル、ナフチリジニル、オキサジアゾリル、オキサゾリル、1-オキシドピリジニル、1-オキシドピリミジニル、1-オキシドピラジニル、1-オキシドピリダジニル、フェナジニル、フタラジニル、プテリジニル、プリニル、ピロリル、ピラゾリル、ピリジニル、ピラジニル、ピリミジニル、ピリダジニル、キナゾリニル、キノキサリニル、キノリニル、キヌクリジニル、イソキノリニル、チアゾリル、チアジアゾリル、トリアゾリル、テトラゾリル及びトリアジニルが挙げられる。縮合ヘテロアリール環の例としては、限定するものではないが、ベンゾ[d]チアゾリル、キノリニル、イソキノリニル、ベンゾ[b]チオフェニル、インダゾリル、ベンゾ[d]イミダゾリル、ピラゾロ[1,5-a]ピリジニル及びイミダゾ[1,5-a]ピリジニルが挙げられ、ここで、ヘテロアリールは縮合系のいずれの環を介しても結合することができる。少なくとも1個のヘテロ原子を含有する単一又は複数の縮合環を有する芳香環系はいずれも、分子の残りへの結合とは関係なく(すなわち、縮合環のいずれの1つを通じていても)、ヘテロアリールであると考えられる。ヘテロアリールは、上に定義されるアリールを包含せず、又はアリールと重複しない。
【0045】
「ヘテロアリールアルキル」は「ヘテロアリール-アルキル-」基を指す。
【0046】
「ヘテロシクリル」は、1個以上の環ヘテロ原子が独立して、窒素、酸素及び硫黄から選択される、飽和した又は部分的に不飽和の環状アルキル基を指し、ここで、窒素又は硫黄原子は場合により酸化されて、N-オキシド、スルフィニル(-S(O)-)又はスルホキシド(-S(O)2-)を形成する。「ヘテロシクリル」という用語は、ヘテロシクロアルケニル基(すなわち、少なくとも1つの環内又は環外二重結合を有するヘテロシクリル基)、架橋ヘテロシクリル基、縮合ヘテロシクリル基、オキソ-ヘテロシクリル(すなわち、少なくとも1つのオキソを含むヘテロシクリル)及びスピロ-ヘテロシクリル基を含む。ヘテロシクリルは、単一環であっても複数の環であってもよく、ここで、複数の環は縮合、架橋又はスピロであり得る。列挙された置換基とは関係なく、別段述べられていない限り、ヘテロシクリルは、1つ以上(例えば1~3つ)のオキソ(=O)又はN-オキシド(-O-)部分を含んでもよい。ヘテロシクリルは、結合価が許容する場合、炭素原子又はヘテロ原子を通じて結合することができる。さらに、ヘテロシクリルという用語は、分子の残りへの結合とは関係なく、少なくとも1個のヘテロ原子を含有する非芳香環を含む任意の環系を包含し、この環はアリール又はヘテロアリール環に縮合してもよい。ヘテロシクリルは、芳香族である電荷共鳴構造を有してもよい(例えば、ピリジン-2(1H)-オン-1-イル)。本明細書で使用される場合、ヘテロシクリルは、1~5個の環ヘテロ原子、1~4個の環ヘテロ原子、1~3個の環ヘテロ原子、1~2個の環ヘテロ原子又は1個の環ヘテロ原子を有する、3~14個の環原子、3~10個の環原子、3~6個の環原子若しくは5~6個の環原子、及び/又は2~12個の環炭素原子(すなわちC2~12ヘテロシクリル)、2~10個の環炭素原子(すなわちC2~10ヘテロシクリル)、2~8個の環炭素原子(すなわちC2~8ヘテロシクリル)、3~12個の環炭素原子(すなわちC3~12ヘテロシクリル)、3~8個の環炭素原子(すなわちC3~8ヘテロシクリル)若しくは3~6個の環炭素原子(すなわちC3~6ヘテロシクリル)を含んでもよい。ヘテロシクリル基の例としては、例えば、アゼチジニル、アゼピニル、ベンゾジオキソリル、ベンゾ[b][1,4]ジオキセピニル、1,4-ベンゾジオキサニル、ベンゾピラニル、ベンゾジオキシニル、ベンゾピラノニル、ベンゾフラノニル、ジオキソラニル、ジヒドロピラニル、ヒドロピラニル、チエニル[1,3]ジチアニル、デカヒドロイソキノリル、フラノニル、イミダゾリニル、イミダゾリジニル、インドリニル、インドリジニル、イソインドリニル、イソチアゾリジニル、イソオキサゾリジニル、モルホリニル、オクタヒドロインドリル、オクタヒドロイソインドリル、2-オキソピペラジニル、2-オキソピペリジニル、2-オキソピロリジニル、オキサゾリジニル、オキシラニル、オキセタニル、フェノチアジニル、フェノキサジニル、ピペリジニル、ピペラジニル、4-ピペリドニル、ピロリジニル、ピラゾリジニル、キヌクリジニル、チアゾリジニル、テトラヒドロフリル、テトラヒドロピラニル、トリチアニル、テトラヒドロキノリニル、チオフェニル(すなわちチエニル)、テトラヒドロピラニル、チオモルホリニル、チアモルホリニル、1-オキソ-チオモルホリニル及び1,1-ジオキソ-チオモルホリニルが挙げられる。「ヘテロシクリル」という用語は「スピロヘテロシクリル」も含む。スピロヘテロシクリル環の例としては、例えば、二環式及び三環式環系、例えば、2-オキサ-7-アザスピロ[3.5]ノナニル、2-オキサ-6-アザスピロ[3.4]オクタニル及び6-オキサ-1-アザスピロ[3.3]ヘプタニルが挙げられる。架橋ヘテロシクリル環の例としては、限定するものではないが、2,5-ジアザビシクロ[2.2.1]ヘプタン、2-オキサ-5-アザビシクロ[2.2.1]ヘプタニルが挙げられる。親構造の1つの炭素原子上に置換のための2つの位置がある場合、置換基としてのヘテロシクリルはスピロヘテロシクリルを含んでもよい。縮合ヘテロシクリル環の例としては、限定するものではないが、1,2,3,4-テトラヒドロイソキノリニル、4,5,6,7-テトラヒドロチエノ[2,3-c]ピリジニル、インドリニル及びイソインドリニルが挙げられ、ここで、ヘテロシクリルは縮合系のいずれの環を介しても結合することができる。
【0047】
「ヘテロシクリルアルキル」は「ヘテロシクリル-アルキル-」基を指す。
【0048】
「ヘテロシクリルオキシ」は「ヘテロシクリル-O-」基を指す。
【0049】
「オキシム」は-CRy(=NOH)基を指し、式中、Ryは水素、アルキル、アルケニル、アルキニル、ハロアルキル、シクロアルキル、ヘテロシクリル、アリール、ヘテロアルキル又はヘテロアリールであり、本明細書において定義される通り、その各々は場合により置換されていてもよい。
【0050】
「スルホニル」は-S(O)2Ry基を指し、式中、Ryは水素、アルキル、アルケニル、アルキニル、ハロアルキル、シクロアルキル、ヘテロシクリル、アリール、ヘテロアルキル又はヘテロアリールであり、本明細書において定義される通り、その各々は場合により置換されていてもよい。スルホニルの例はメチルスルホニル、エチルスルホニル、フェニルスルホニル及びトルエンスルホニルである。
【0051】
「スルフィニル」は-S(O)Ry基を指し、式中、Ryは水素、アルキル、アルケニル、アルキニル、ハロアルキル、シクロアルキル、ヘテロシクリル、アリール、ヘテロアルキル又はヘテロアリールであり、本明細書において定義される通り、その各々は場合により置換されていてもよい。スルフィニルの例はメチルスルフィニル、エチルスルフィニル、フェニルスルフィニル及びトルエンスルフィニルである。
【0052】
「スルホンアミド」は-SO2NRyRz及び-NRySO2Rz基を指し、式中、Ry及びRzは各々独立して、水素、アルキル、アルケニル、アルキニル、ハロアルキル、シクロアルキル、ヘテロシクリル、アリール、ヘテロアルキル又はヘテロアリールであり、本明細書において定義される通り、その各々は場合により置換されていてもよい。
【0053】
「場合による(optional)」又は「場合により(optionally)」という用語は、続いて記載される事象又は状況が起こることも起こらないこともあり、記載が、前記事象又は状況が起こる例、及びそれが起こらない例を含むことを意味する。やはり、「場合により置換されている」という用語は、置換されていない又は置換されている基を指す。
【0054】
本明細書で使用される「置換されている」という用語は、任意の1個以上(例えば、1~5個又は1~3個)の水素原子が、非水素基、例えば、限定するものではないが、アルキル、アルケニル、アルキニル、アルコキシ、アルキルチオ、アシル、アミド、アミノ、アミジノ、アリール、アリールアルキル、アジド、カルバモイル、カルボキシル、カルボキシルエステル、シアノ、シクロアルキル、シクロアルコキシ、シクロアルキルアルキル、グアニジノ、ハロ、ハロアルキル、ハロアルコキシ、ヒドロキシアルキル、ヘテロアルキル、ヘテロアリール、ヘテロアリールアルキル、ヘテロシクリル、ヘテロシクリルアルキル、-NHNH2、=NNH2、イミノ、イミド、ヒドロキシ、オキソ、オキシム、ニトロ、スルホニル、スルフィニル、アルキルスルホニル、アルキルスルフィニル、チオシアネート、-S(O)OH、-S(O)2OH、スルホンアミド、チオール、チオキソ、N-オキシド又は-Si(Ry)3(式中、各Ryは独立して水素、アルキル、アルケニル、アルキニル、ハロアルキル、ヘテロアルキル、シクロアルキル、アリール、ヘテロアリール又はヘテロシクリルである)によって置き換えられている基を指す。
【0055】
ある特定の実施形態では、「置換されている」は、1個以上(例えば、1~5個又は1~3個)の水素原子が独立して、重水素、ハロ、シアノ、ヒドロキシル、イミノ、ニトロ、アジド、オキソ、チオキソ、アルキル、アルケニル、アルキニル、ハロアルキル、アルコキシ、チオアルキル、ハロアルコキシ、シクロアルキル、ヘテロシクリル、N-ヘテロシクリル、ヘテロシクリルアルキル、アリール、アリールアルキル、ヘテロアリール、ヘテロアリールアルキル、-NRgRh、-NRgC(=O)Rh、-NRgC(=O)NRgRh、-NRgC(=O)ORh、-NRgS(=O)1~2Rh、-C(=O)Rg、-C(=O)ORg、-OC(=O)ORg、-OC(=O)Rg、-C(=O)NRgRh、-OC(=O)NRgRh、-ORg、-SRg、-S(=O)Rg、-S(=O)2Rg、-OS(=O)1~2Rg、-S(=O)1~2ORg、-NRgS(=O)1~2NRgRh、=NSO2Rg、=NORg、-S(=O)1~2NRgRh、-SF5又は-SCF3によって置き換えられている基を指す。ある特定の実施形態では、「置換されている」は、1個以上(例えば、1~5個又は1~3個)の水素原子が-C(=O)Rg、-C(=O)ORg、-C(=O)NRgRh、-CH2SO2Rg又は-CH2SO2NRgRhによって置き換えられている基も意味する。上記において、Rg及びRhは同じであり又は異なり、独立して水素、アルキル、アルケニル、アルキニル、アルコキシ、チオアルキル、アリール、アリールアルキル、シクロアルキル、シクロアルキルアルキル、ハロアルキル、ヘテロシクリル、ヘテロシクリルアルキル、ヘテロアリール及び/又はヘテロアリールアルキルであり、或いはRg及びRhの2つが、これらが結合している原子と一緒になって、オキソ、ハロ、又はオキソ、ハロ、アミノ、ヒドロキシル若しくはアルコキシによって場合により置換されているアルキルによって場合により置換されている、ヘテロシクリル環を形成している。
【0056】
無限に付加されたさらなる置換基を有する置換基(例えば、置換ヘテロアルキル基によってさらに置換されている、置換アリール基によってそれ自体置換されている置換アルキルを有する、置換アリール等)を定義することによって到達する、ポリマー又は同様の不定形構造が、上記定義から生じることは意図されない。別段の注記がない限り、本明細書において記載される化合物において、連続置換の最大数は3である。例えば、2つの他の置換アリール基による置換アリール基の連続置換は、((置換アリール)置換アリール)置換アリールまでに限定される。同様に、上記の定義では、化学的に実現できない又は単離できない置換パターンを有する化合物(例えば、5個のフッ素によって置換されているメチル、又は3個の連続する酸素環原子を有するヘテロアリール基)を包含することは意図されない。このような許容されない置換パターンは、当業者には周知である。化学基を修飾するために使用される場合、「置換されている」という用語は、本明細書において定義される他の化学基を記載していることもある。
【0057】
ある特定の実施形態では、本明細書で使用される場合、「1つ以上」という語句は、1~5つを指す。ある特定の実施形態では、本明細書で使用される場合、「1つ以上」という語句は、1~3つを指す。
【0058】
本明細書において与えられる化合物又は構造はいずれも、化合物の非標識形態及び「同位体濃縮アナログ」を表すことが意図される。化合物の同位体濃縮形態はまた、「標識」と称されることもある。同位体濃縮アナログは、1個以上の原子が、選択された原子質量又は質量数を有する同位体で濃縮されていることを除いて、本明細書において記述される構造を有する。本明細書において記載される化合物に組み込むことができる同位体の例としては、水素、炭素、窒素、酸素、リン、フッ素、塩素、及びヨウ素の同位体、例えば、それぞれ2H、3H、11C、13C、14C、13N、15N、15O、17O、18O、31P、32P、35S、18F、36Cl、123I及び125Iが挙げられる。一般に、同位体濃縮アナログとしては、同位体の天然存在度(例えば地表面における)を超える任意の同位体濃縮度を有する化合物が挙げられる。様々な同位体標識化合物、例えば、放射性同位体、例えば、3H、18F、11C、13C及び14Cが組み込まれた化合物が、本開示に含まれる。18F、3H又は11Cによって標識された化合物は、代謝の研究、反応速度論の研究、薬物若しくは基質組織分布アッセイを含む検出若しくはイメージング技法、例えば、陽電子放射断層撮影(PET)若しくは単一光子放射断層撮影(SPECT)において、又は患者の放射線治療において有用であり得る。
【0059】
「同位体濃縮アナログ」という用語は、1個以上の水素、例えば炭素原子上の水素が重水素によって置き換えられている、本明細書において記載される化合物の「重水素化アナログ」を含む。このような化合物は、代謝に対して上昇した耐性を呈することがあり、したがって、哺乳動物、特にヒトに投与された場合、任意の化合物の半減期を増加させるために有用であり得る。例えば、Foster、「Deuterium Isotope Effects in Studies of Drug Metabolism」、Trends Pharmacol. Sci. 5(12):524~527 (1984)を参照されたい。このような化合物は、当技術分野において周知の手段によって、例えば、1個以上の水素が重水素によって置き換えられている出発材料を用いることによって合成される。
【0060】
重水素によって標識又は置換されている本開示の治療化合物は、分布、代謝及び排泄(ADME)に関して改善されたDMPK(薬物代謝及び薬物動態)特性を有し得る。より重い同位体、例えば重水素による置換は、より高い代謝安定性から生じるある特定の治療上の利点、例えば、in vivo半減期の増加、用量要求の軽減及び/又は治療指数の改善をもたらすことがある。この開示の同位体標識化合物及びそのプロドラッグは、一般に、スキームに開示される手順を行うことによって、又は下に記載される例及び調製において、容易に入手可能な同位体標識試薬で非同位体標識試薬を置換することによって調製することができる。化合物が重水素化アナログとして記載される場合、化合物は、置換基として重水素を用いて得ることができる。
【0061】
このような重同位体、具体的には重水素の濃度は、同位体濃縮係数によって定義され得る。この開示の化合物において、特定の同位体として具体的に指定されない任意の原子は、その原子の任意の安定同位体を表すことを意味する。別段述べられていない限り、ある位置が具体的に「H」又は「水素」として指定される場合、その位置は、水素及びその同位体をそれらの天然存在度で有するものと理解される。
【0062】
多くの場合、この開示の化合物は、アミノ基及び/若しくはカルボキシル基、又はそれらの同様の基の存在によって、酸塩及び/又は塩基塩を形成することができる。
【0063】
本明細書において記載される化合物の同位体濃縮アナログ、薬学的に許容される塩、プロドラッグ、互変異性体、立体異性体及び立体異性体の混合物も提供される。「薬学的に許容される」又は「生理学的に許容される」は、獣医学的又はヒトへの薬学的使用に好適な医薬組成物を調製するのに有用な化合物、塩、組成物、剤形及び他の材料を指す。
【0064】
本明細書において記載される化合物の「薬学的に許容される塩」という用語は、所与の化合物の生物有効性及び特性を保持しており、生物学的に又は他の点で望ましくないことがない塩を指す。本明細書において記載される化合物の「薬学的に許容される塩」又は「生理学的に許容される塩」としては、例えば、塩基性官能基を有する化合物を酸と相互作用させることによって得られる酸付加塩、及び酸性官能基を有する化合物を塩基と相互作用させることによって得られる塩基付加塩が挙げられる。化合物が酸付加塩として得られる場合、酸塩の溶液を塩基化することによって遊離塩基を得ることができる。反対に、化合物が(例えばアミンの)遊離塩基である場合、遊離塩基を好適な有機溶媒中に溶解させること、及び溶液を酸で処理することによって、付加塩が生成され得る。当業者は、非毒性の薬学的に許容される付加塩を調製するために使用してよい様々な合成の方法論を認識するであろう。本明細書において記載される化合物の薬学的に許容される酸付加塩は、無機及び有機酸から調製され得る。好適な無機酸としては、例えば、塩酸、臭化水素酸、硫酸、硝酸、リン酸等が挙げられる。好適な有機酸としては、例えば、酢酸、プロピオン酸、グルコン酸、グリコール酸、ピルビン酸、シュウ酸、リンゴ酸、マロン酸、コハク酸、マレイン酸、フマル酸、酒石酸、クエン酸、安息香酸、ケイ皮酸、マンデル酸、メタンスルホン酸、エタンスルホン酸、p-トルエン-スルホン酸、サリチル酸等が挙げられる。同様に、薬学的に許容される塩基付加塩は、無機及び有機塩基から調製することができる。無機塩基から誘導される塩としては、例として挙げるにすぎないが、ナトリウム、カリウム、リチウム、アルミニウム、アンモニウム、カルシウム及びマグネシウムの塩が挙げられる。有機塩基から誘導される塩としては、限定するものではないが、第一級、第二級及び第三級アミンの塩、例えば、アルキルアミン(すなわちNH2(アルキル))、ジアルキルアミン(すなわちHN(アルキル)2)、トリアルキルアミン(すなわちN(アルキル)3)、置換アルキルアミン(すなわちNH2(置換アルキル))、ジ(置換アルキル)アミン(すなわちHN(置換アルキル)2)、トリ(置換アルキル)アミン(すなわちN(置換アルキル)3)、アルケニルアミン(すなわちNH2(アルケニル))、ジアルケニルアミン(すなわちHN(アルケニル)2)、トリアルケニルアミン(すなわちN(アルケニル)3)、置換アルケニルアミン(すなわちNH2(置換アルケニル))、ジ(置換アルケニル)アミン(すなわちHN(置換アルケニル)2)、トリ(置換アルケニル)アミン(すなわちN(置換アルケニル)3)、モノ-、ジ-若しくはトリ-シクロアルキルアミン(すなわちNH2(シクロアルキル)、HN(シクロアルキル)2、N(シクロアルキル)3)、モノ-、ジ-若しくはトリ-アリールアミン(すなわち、NH2(アリール)、HN(アリール)2、N(アリール)3)、環式アミン(例えば、ピペリジン、ピペラジン、1,4-ジアザビシクロ[2.2.2]オクタン)、芳香族アミン(例えば、ピリジン、キノリン)、又は混合アミン等が挙げられる。好適なアミンの具体例としては、例として挙げるにすぎないが、イソプロピルアミン、トリメチルアミン、ジエチルアミン、トリ(イソプロピル)アミン、トリ(n-プロピル)アミン、エタノールアミン、2-ジメチルアミノエタノール、ピペラジン、ピペリジン、モルホリン、N-エチルピペリジン等が挙げられる。
【0065】
本明細書において記載されるいくつかの化合物は、互変異性体として存在することもある。例えば、化合物がアミドを含むものとして描かれる場合、その化合物はイミド酸互変異性体として存在することもあり、化合物がケトンを含むものとして描かれる場合、その化合物はやはりエノール互変異性体として存在することもある。いずれの互変異性体が示されているかとは関係なく、且つ互変異性体の間の平衡の性質とは関係なく、化合物は両方の互変異性体を含むことが、当業者によって理解される。したがって、例えば、アミド含有化合物はそのイミド酸互変異性体を含むことが理解され、イミド酸含有化合物はそのアミド互変異性体を含むことが理解される。
【0066】
本明細書において記載される化合物は不斉中心を含むことがあり、したがって、アミノ酸の場合は絶対立体化学の観点から(R)-若しくは(S)-として、又は(D)-若しくは(L)-として定義することができる、エナンチオマー、ジアステレオマー及び他の立体異性体形態を生じることがある。本明細書において記載される化合物は、すべてのこのような可能な異性体、並びにラセミ形態及び光学的に純粋な形態を含むことを意味する。光学活性(+)及び(-)、(R)-及び(S)-又は(D)-及び(L)-異性体は、キラルシントン若しくはキラル試薬を使用して調製することができ、又は従来技法、例えば、クロマトグラフィー及び分別結晶化を使用して分割することができる。個々のエナンチオマーの調製/単離のための従来技法としては、好適な光学的に純粋な前駆体からのキラル合成、或いは例えばキラル高速液体クロマトグラフィー(HPLC)を使用する、ラセミ化合物(又は塩若しくは誘導体のラセミ化合物)の分割が挙げられる。本明細書において記載される化合物が二重結合又は他の幾何学的不斉中心を含有する場合、別段特定されない限り、化合物はシス及びトランス又はE-及びZ-幾何異性体の両方を含むことが意図される。
【0067】
「立体異性体」は、同じ結合によって結合された同じ原子で構成されるが、異なる三次元構造を有する化合物の組の1つを指す。「エナンチオマー」を含む様々な立体異性体及びその混合物が企図され、エナンチオマーは、互いに重ね合わせることができない鏡像である立体異性体化合物を指す。
【0068】
「ジアステレオマー」は、互いの鏡像ではない、少なくとも2つの不斉原子を有する立体異性体の組の1つである。
【0069】
「プロドラッグ」は、プロドラッグが哺乳動物の対象に投与された場合に、本明細書において記載される化合物による、活性であると推定される親薬物をin vivoで放出する任意の分子である。プロドラッグは、修飾がin vivoで切断されて親化合物を放出し得るように修飾された、本明細書において記載される化合物の一形態であり得る。プロドラッグは、ルーチン操作又はin vivoのいずれかで修飾が切断されて親化合物となるように、本明細書において記載される化合物中に存在する官能基を修飾することによって調製され得る。プロドラッグとしては、本明細書において記載される化合物中のヒドロキシ、アミノ、カルボキシル又はスルフヒドリル基が任意の基に結合しており、これがin vivoで切断されてそれぞれ遊離したヒドロキシ、アミノ又はスルフヒドリル基を再生し得る、本明細書において記載される化合物が挙げられる。プロドラッグの例としては、限定するものではないが、本明細書において記載される化合物中のヒドロキシ官能基のエステル(例えば、酢酸エステル、ギ酸エステル及び安息香酸エステル誘導体)、アミド、グアニジン、カルバメート(例えばN,N-ジメチルアミノカルボニル)等が挙げられる。プロドラッグの調製、選択及び使用は、T. Higuchi及びV. Stella、「Pro-drugs as Novel Delivery Systems」、A.C.S. Symposium Seriesの第14巻、「Design of Prodrugs」、H. Bundgaard編、Elsevier、1985、並びにBioreversible Carriers in Drug Design、Edward B. Roche編、American Pharmaceutical Association及びPergamon Press、1987において論じられており、これらの各々は、これにより参照により全体が本明細書に組み込まれる。
【0070】
本明細書で使用される場合、「基(group)」、「部分(moiety)」、「基(radical)」、「置換基(substituent)」及び「断片(fragment)」という用語は同義語であり、例えば、指定の結合点又は結合を通じて、分子の他の部分に結合可能な分子の部分を示すことが意図される。
【0071】
「活性剤」という用語は、疾患又は状態の治療、改善又は予防における生物活性を有する化合物を示すために使用される。一部の実施形態では、「活性剤」は、薬学的実用性を有する、化合物又はその同位体標識アナログ、薬学的に許容される塩、溶媒和物、プロドラッグ、立体異性体若しくは立体異性体の混合物である。例えば、活性剤は、抗神経変性治療用であり得る。
【0072】
「有効量」という用語は、個体又は患者における所望の応答をもたらすのに十分な、例えば、本明細書において記載される化合物の量を意味する。「治療有効量」という用語は、ヒト又は非ヒト患者に投与される場合に治療上の利益、例えば、症状の改善、疾患進行の減速又は疾患の予防を提供するために有効な量を意味し、例えば、治療有効量は、本明細書において記載される疾患の症状を減少させるのに十分な量であり得る。(治療)有効量は、対象、治療される疾患又は状態、対象の体重及び年齢、疾患又は状態の重症度、並びに当業者が決定することができる投与の様式に応じて変動し得る。
【0073】
「ハンチンチンタンパク質」又は「HTTタンパク質」という用語は、本明細書で使用される場合、第4染色体の短(p)腕上に16.3位において位置する、ヒトハンチンチン遺伝子(HTT遺伝子)によってコードされるタンパク質を指す。より正確には、HTTタンパク質についてコードするIT15遺伝子は、第4染色体上の塩基対3,076,407から塩基対3,245,686に位置する。
【0074】
「タンパク質凝集体」という用語は、本明細書で使用される場合、例えば、ミスフォールディングされたHTTタンパク質分子(「HTTタンパク質凝集体」)又はミスフォールディングされたβアミロイドタンパク質分子(「βアミロイド凝集体」)を含む、不溶性繊維状アミロイドであり得るタンパク質の凝集を指す。「神経変性疾患に関わるタンパク質」は、野生型若しくは変異型において、このような凝集体を形成することができるタンパク質であり得、又は神経変性疾患に関する病理学的プロセスに関与するタンパク質であり得る。
【0075】
一部の実施形態では、「神経変性疾患」という用語は、対象の神経系の機能が損なわれる疾患又は状態を指す。神経変性疾患の例としては、本明細書において記載されるものが挙げられる。
【0076】
「治療」又は「治療すること」は、
a)疾患を抑制すること(例えば、疾患若しくは状態から生じる1つ以上の症状を軽減すること、及び/又は疾患若しくは状態の範囲を減少させること)、
b)疾患又は状態に関係する臨床症状の発症を減速又は阻止すること(例えば、疾患若しくは状態を安定化すること、疾患若しくは状態の悪化若しくは進行を予防する若しくは遅延させること、及び/又は疾患若しくは状態の拡大(例えば転移)を予防する若しくは遅延させること)、並びに/或いは
c)疾患を取り除くこと、すなわち、臨床症状を逆行させること(例えば、疾患の様相を改善すること、疾患若しくは状態の部分的若しくは全面的な寛解をもたらすこと、別の投薬の効果を増強すること、疾患の進行を遅延させること、生活の質を向上させること、及び/又は生存を延長すること)
を含む、患者における疾患の様相の任意の治療を意味する。
【0077】
「予防」又は「予防すること」は、疾患又は状態の臨床症状を発症させない、疾患又は状態の任意の治療を意味する。化合物は、一部の実施形態では、危険性を抱える(例えば、疾患又は状態に関係する、遺伝的若しくは後成的マーカーを有する、活動に関与している又は環境的条件に曝露されている)、或いは疾患又は状態の家族歴を有する対象(ヒトを含む)に投与され得る。
【0078】
「対象」又は「患者」は、治療、観察又は実験の客体である、又は客体になる動物、例えば哺乳動物を指す。本明細書において記載される方法は、ヒトの治療及び獣医学的用途の両方において有用であり得る。一部の実施形態では、対象又は患者は哺乳動物である。一部の実施形態では、対象又は患者はヒトである。
【0079】
本明細書において記載される方法は、in vivo又はex vivoで細胞集団に適用することができる。「in vivo」は、動物内又はヒト内として、生きている個体内を意味する。この文脈において、本明細書において記載される方法は、個体における治療に使用され得る。「ex vivo」は、生きている個体の外を意味する。ex vivo細胞集団の例としては、in vitro細胞培養物及び個体から得られる流体又は組織試料を含む生物試料が挙げられる。このような試料は、当技術分野において周知の方法によって得ることができる。例示的な生物流体試料としては、血液、脳脊髄液、尿及び唾液が挙げられる。この文脈において、本明細書において記載される化合物及び組成物は、治療及び実験目的を含む多様な目的のために使用され得る。例えば、本明細書において記載される化合物及び組成物は、所与の効能、細胞型、個体及び他のパラメータについて、本開示の化合物の投与の最適なスケジュール及び/又は投与を決定するために、ex vivoで使用してもよい。このような使用から収集される情報は、実験目的のために、又は臨床においてin vivo処置についてのプロトコルを設定するために使用され得る。本明細書において記載される化合物及び組成物が好適であり得る他のex vivo使用は、下に記載されている、又は当業者には明らかとなるであろう。選択された化合物を、ヒト又は非ヒト対象における安全性又は許容用量を検査するために、さらに特徴付けてもよい。このような特性は、当業者には一般に公知の方法を使用して検査され得る。
【0080】
明快にするために別々の実施形態の文脈において記載される、本明細書において記載される複数のある特定の特性は、単一の実施形態において組み合わせて提供されてもよいことが理解される。反対に、簡潔にするために単一の実施形態の文脈において記載される、本明細書において記載される様々な特性は、やはり別々に提供されても、任意の好適な下位の組合せにおいて提供されてもよい。式Iが含有する可変要素によって表される化学基に関係する、実施形態のすべての組合せは、このような組合せが安定な化合物(すなわち、単離、特性評価、及び生物活性についての試験が可能な化合物)を生じる範囲で、まさにあらゆる組合せが個々に明示的に列挙されているかのように、本明細書において具体的に取り入れられる。加えて、このような可変要素を記載している実施形態において列挙される化学基のすべての下位の組合せ、並びに本明細書において記載される使用及び医薬的効能のすべての下位の組合せも、まさにあらゆる化学基の下位の組合せ、並びに使用及び医薬的効能の下位の組合せが、本明細書において個々に明示的に列挙されているかのように、本明細書において具体的に取り入れられる。加えて、一部の実施形態は、あらゆる組合せが個々に明示的に列挙されているかのように、本明細書において開示される1種以上の追加の薬剤のすべての組合せを含む。
【0081】
化合物
HTTをモジュレートするための化合物が、本明細書において提供される。ある特定の実施形態では、式Iの化合物
【0082】
【化1】
又はその同位体濃縮アナログ、薬学的に許容される塩、プロドラッグ、互変異性体、立体異性体若しくは立体異性体の混合物
(式中、
X1、X2、X3及びX4はCR4又はNであり、ここでX1、X2、X3及びX4の少なくとも2つであるが3つ以下はNであり、
各R4は独立して、水素、ハロ、ヒドロキシ、C1~6アルキル、C1~6ハロアルキル又はC1~6アルコキシであり、
Y1はCR5又はNであり、
R5は水素、ヘテロシクリルオキシ、又はC2~6アルキニル、アリール、C1~6アルコキシ、ヘテロアリール、ヘテロシクリル、若しくはシアノによって置換されているC1~6アルコキシであり、
Y2は存在しないか、CR6、又はNであり、
R6は水素、シアノ、ハロ、ヒドロキシ、C1~6アルキル、C1~6ハロアルキル、C1~6アルキルチオ、C1~6アルコキシ、C1~6ハロアルコキシ、ヘテロシクリル、-NH2、-NHR17又は-N(R17)2であり、利用可能な窒素原子上でC1~6アルキル又はC1~6ハロアルキルによって、場合により置換されており、
Y3はCR3又はNであり、
R3は水素、シアノ、ハロ、ヒドロキシ、C1~6アルキル、C1~6ハロアルキル、C1~6アルキルチオ、C1~6アルコキシ、C1~6ハロアルコキシ、ヘテロシクリル、-NH2、-NHR17又は-N(R17)2であり、利用可能な窒素原子上でC1~6アルキル又はC1~6ハロアルキルによって、場合により置換されており、
各R17は独立してC1~4アルキルであり、又は2つのR17が、任意の介在する原子と共に連結して3~6員ヘテロシクリルを形成しており、
Z1及びZ2の各々はC又はNであり、
環A及び環Bは一緒に、1~3個の環窒素原子を含有する9又は10員二環式ヘテロアリールを形成しており、
環BはN、O及びSから独立して選択される1~3個のヘテロ原子を含有し、利用可能な炭素原子上でハロ、ヒドロキシ、C1~6アルキル、C1~6ハロアルキル、C1~6アルコキシ及びC1~6ハロアルコキシから独立して選択される1~3個の置換基によって、場合により置換されており、利用可能な窒素原子上でC1~6アルキル又はC1~6ハロアルキルによって、場合により置換されており、
R1は-L1-R11であり、ここで、L1は-O-、-S-、-S(O)-、-S(O)2-、-N(R12)-、-C1~3アルキレン-、-O-C1~3アルキレン-、-N(R12)-C1~3アルキレン-であり、又は存在せず、R11はC2~6アルキニル、C3~10シクロアルキル、C6~10アリール、ヘテロアリール又はヘテロシクリルであり、ここで、R11は1~4個のR13基によって場合により置換されており、
R12は水素又はC1~6アルキルであり、
各R13は独立して、ハロ、シアノ、ヒドロキシ、R16によって場合により置換されているC1~6アルキル、C1~6ハロアルキル、C1~6ヒドロキシアルキル、R16によって場合により置換されているC3~10シクロアルキル、R16によって場合により置換されているC3~10シクロアルキル-C1~6アルキル、R16によって場合により置換されているC6~10アリール、R16によって場合により置換されているC6~10アリール-C1~6アルキル、R16によって場合により置換されているヘテロアリール、R16によって場合により置換されているヘテロアリール-C1~6アルキル、R16によって場合により置換されているヘテロシクリル、R16によって場合により置換されているヘテロシクリル-C1~6アルキル、OR14、-NH2、-NHR14、-N(R14)2、-C1~6アルキレン-NH2、-C1~6アルキレン-NHR14、-C1~6アルキレン-N(R14)2、-C(O)R15、-C(O)OR15、-C(O)NHR15、-C(O)N(C1~4アルキル)R15、-S(O)2R15、-S(O)R15、-NHC(O)R15、-N(C1~4アルキル)C(O)R15、-NHS(O)R15、-N(C1~4アルキル)S(O)R15、-NHS(O)2R15及び-N(C1~4アルキル)S(O)2R15から選択され、
各R14は独立してC1~6アルキル、C3~10シクロアルキル、C6~10アリール、ヘテロアリール及びヘテロシクリルから選択され、各R14は1~6個のハロ、C1~3アルキル、C1~3アルコキシ、C3~10シクロアルキル又は-NHSO2-アリール-N(CH3)2によって、場合により置換されており、
各R15は独立して水素、-OH、C1~6アルキル、C1~6ハロアルキル、C3~10シクロアルキル、C6~10アリール、ヘテロアリール又はヘテロシクリルであり、
各R16は独立してハロ、シアノ、ヒドロキシ、-NH2、-NHR21、-N(R21)2、C1~6アルキル、C1~6ハロアルキル、OR21又はC3~10シクロアルキルであり、
各R21は独立して、C1~6アルキル、C3~10シクロアルキル、C6~10アリール、ヘテロアリール、ヘテロシクリル、及び-CH2C(O)NHR22から選択され、各R21は1~6個のハロ又はC1~3アルコキシによって、場合により置換されており、R22はヘテロシクリル及びN3によって置換されているC1~6アルキルであり、
R2は水素又はC1~6アルキルであり、
但し、R5が水素である場合、R1は-OCH2C(O)NHR22によって置換されているヘテロシクリル-C1~6アルキルによって置換されているヘテロシクリルである)
が提供される。
【0083】
ある特定の実施形態では、式Iaの化合物
【0084】
【化2】
又はその同位体濃縮アナログ、薬学的に許容される塩、プロドラッグ、互変異性体、立体異性体若しくは立体異性体の混合物が提供され、ここで、環A、環B、R1、R2、R3、Y1、Y2、Z1、及びZ2は本明細書において定義される通りである。
【0085】
ある特定の実施形態では、式Ibの化合物
【0086】
【化3】
又はその同位体濃縮アナログ、薬学的に許容される塩、プロドラッグ、互変異性体、立体異性体若しくは立体異性体の混合物が提供され、ここで、環A、環B、R1、R2、R3、Y1、Y2、Z1、及びZ2は本明細書において定義される通りである。
【0087】
ある特定の実施形態では、式Icの化合物
【0088】
【化4】
又はその同位体濃縮アナログ、薬学的に許容される塩、プロドラッグ、互変異性体、立体異性体若しくは立体異性体の混合物が提供され、ここで、環A、環B、R1、R2、R3、Y1、Y2、Z1、及びZ2は本明細書において定義される通りである。
【0089】
ある特定の実施形態では、式IIaの化合物
【0090】
【化5】
又はその同位体濃縮アナログ、薬学的に許容される塩、プロドラッグ、互変異性体、立体異性体若しくは立体異性体の混合物が提供され、ここで、R1、R2、R3、X1、X2、X3、X4、及びY1は本明細書において定義される通りであり、R8は水素、ハロ、ヒドロキシ、C1~6アルキル、C1~6ハロアルキル、C1~6アルコキシ、又はC1~6ハロアルコキシである。
【0091】
ある特定の実施形態では、式IIaの化合物が提供され、ここで、R1、R2、R3、X1、X2、X3、及びX4は本明細書において定義される通りであり、Y1はCR5であり、R5は本明細書において定義される通りであり、R8は水素、ハロ、ヒドロキシ、C1~6アルキル、C1~6ハロアルキル、C1~6アルコキシ、又はC1~6ハロアルコキシである。
【0092】
ある特定の実施形態では、式IIbの化合物
【0093】
【化6】
又はその同位体濃縮アナログ、薬学的に許容される塩、プロドラッグ、互変異性体、立体異性体若しくは立体異性体の混合物が提供され、ここで、R1、R2、R3、X1、X2、X3、X4、及びY1は本明細書において定義される通りであり、R10は水素、C1~6アルキル、又はC1~6ハロアルキルである。
【0094】
ある特定の実施形態では、式IIbの化合物が提供され、ここで、R1、R2、R3、X1、X2、X3、及びX4は本明細書において定義される通りであり、Y1はCR5であり、R5はヘテロシクリルオキシ、又はC2~6アルキニル、アリール、C1~6アルコキシ、ヘテロアリール、ヘテロシクリル、若しくはシアノによって置換されているC1~6アルコキシであり、R10は水素、C1~6アルキル、又はC1~6ハロアルキルである。
【0095】
ある特定の実施形態では、式IIIaの化合物
【0096】
【化7】
又はその同位体濃縮アナログ、薬学的に許容される塩、プロドラッグ、互変異性体、立体異性体若しくは立体異性体の混合物が提供され、ここで、R1、R2、R3、及びY1は本明細書において定義される通りであり、R8は水素、ハロ、ヒドロキシ、C1~6アルキル、C1~6ハロアルキル、C1~6アルコキシ、又はC1~6ハロアルコキシである。
【0097】
ある特定の実施形態では、式IIIbの化合物
【0098】
【化8】
又はその同位体濃縮アナログ、薬学的に許容される塩、プロドラッグ、互変異性体、立体異性体若しくは立体異性体の混合物が提供され、ここで、R1、R2、R3、及びY1は本明細書において定義される通りであり、R8は水素、ハロ、ヒドロキシ、C1~6アルキル、C1~6ハロアルキル、C1~6アルコキシ、又はC1~6ハロアルコキシである。
【0099】
ある特定の実施形態では、式IIIcの化合物
【0100】
【化9】
又はその同位体濃縮アナログ、薬学的に許容される塩、プロドラッグ、互変異性体、立体異性体若しくは立体異性体の混合物が提供され、ここで、R1、R2、R3、及びY1は本明細書において定義される通りであり、R8は水素、ハロ、ヒドロキシ、C1~6アルキル、C1~6ハロアルキル、C1~6アルコキシ、又はC1~6ハロアルコキシである。
【0101】
ある特定の実施形態では、R11はハロ、C1~6アルキル、C1~6ハロアルキル、C3~10シクロアルキル、ヘテロアリール、ヘテロシクリル、ヘテロシクリル-C1~6アルキル、-NH2、-NHR14、-N(R14)2、-C1~6アルキレン-NH2、-C1~6アルキレン-NHR14、-C1~6アルキレン-N(R14)2、及び-C(O)OR15から独立して選択される1~4個の基によって場合により置換されているヘテロシクリルであり、ここで、各R14は独立して、C1~6アルキル、C3~10シクロアルキル、及びヘテロシクリルから選択され、各R14は1~3個のハロによって場合により置換されており、R15はC1~6アルキルである。
【0102】
ある特定の実施形態では、R11はC1~6アルキル、R16によって場合により置換されているヘテロシクリル-C1~6アルキル、及び-NHR14から独立して選択される1~4個の基によって場合により置換されているヘテロシクリルであり、ここで、各R14は独立して、C1~6アルキル及びC3~10シクロアルキルから選択される。
【0103】
ある特定の実施形態では、R11はシクロプロピルアミノ、メチル、(3-(2-((2-(3-(2-アジドエチル)-3H-ジアジリン-3-イル)エチル)アミノ)-2-オキソエトキシ)アゼチジン-1-イル)メチル、及びメチルアミノから独立して選択される1~4個の基によって場合により置換されている。
【0104】
ある特定の実施形態では、R11
【0105】
【化10】
であり、環Cは、1~4個のR13基によって場合により置換されている、0、1又は2個の追加の環窒素原子を含有する3~10員ヘテロシクリルである。
【0106】
ある特定の実施形態では、環Cは、1~4個のR13基によって場合により置換されている、1個の追加の環窒素原子を含有する5~10員二環式ヘテロシクリルである。
【0107】
ある特定の実施形態では、環Cは、1~4個のR13基によって場合により置換されている、1個の追加の環窒素原子を含有する5~10員スピロ二環式ヘテロシクリルである。
【0108】
ある特定の実施形態では、環Cは、1~4個のR13基によって場合により置換されている、1個の追加の環窒素原子を含有する5~10員縮合二環式ヘテロシクリルである。
【0109】
ある特定の実施形態では、R11
【0110】
【化11】
から選択され、その各々は1~4個のR13基によって場合により置換されている。
【0111】
ある特定の実施形態では、R11
【0112】
【化12】
から選択され、その各々は1~4個のR13基によって場合により置換されている。
【0113】
ある特定の実施形態では、R3はハロである。ある特定の実施形態では、R3は水素である。
【0114】
ある特定の実施形態では、各R4は水素である。
【0115】
ある特定の実施形態では、R11
【0116】
【化13】
であり、その各々は1~4個のR13基によって場合により置換されており、R5はヘテロシクリルオキシ、又はC2~6アルキニル、アリール、C1~6アルコキシ、ヘテロアリール、ヘテロシクリル、若しくはシアノによって置換されているC1~6アルコキシである。
【0117】
ある特定の実施形態では、R5はヘテロシクリルオキシ、又はC2~6アルキニル、アリール、C1~6アルコキシ、ヘテロアリール、ヘテロシクリル、若しくはシアノによって置換されているC1~6アルコキシである。
【0118】
ある特定の実施形態では、R5はヘテロシクリルオキシである。
【0119】
ある特定の実施形態では、R5はC2~6アルキニル、アリール、C1~6アルコキシ、ヘテロアリール、ヘテロシクリル、又はシアノによって置換されているC1~6アルコキシである。
【0120】
ある特定の実施形態では、R5は水素である。
【0121】
ある特定の実施形態では、R2は水素である。
【0122】
ある特定の実施形態では、L1は存在しない。
【0123】
ある特定の実施形態では、Y1はCR5である。ある特定の実施形態では、Y1はNである。
【0124】
ある特定の実施形態では、Y2はCR6である。
【0125】
ある特定の実施形態では、Y3はCR3である。
【0126】
ある特定の実施形態では、環Bは1~3個の窒素原子を含有する5員ヘテロアリールである。
【0127】
ある特定の実施形態では、環Bは
【0128】
【化14】
であり、R7は水素であり、R8はC1~6アルキルである。ある特定の実施形態では、環Bは
【0129】
【化15】
であり、R7は水素であり、R8はC1~3アルキルである。
【0130】
ある特定の実施形態では、環Bは
【0131】
【化16】
であり、R7は水素であり、R10はC1~6アルキルである。ある特定の実施形態では、環Bは
【0132】
【化17】
であり、R7は水素であり、R10はC1~3アルキルである。
【0133】
ある特定の実施形態では、本明細書において記載される化合物、又はその同位体濃縮アナログ、薬学的に許容される塩、プロドラッグ、互変異性体、立体異性体若しくは立体異性体の混合物と、薬学的に許容される賦形剤とを含む医薬組成物が提供される。
【0134】
ある特定の実施形態では、ハンチントン病の治療を必要とする患者におけるハンチントン病を治療する方法であって、治療有効量の本明細書において記載される化合物又は医薬組成物を患者に投与することを含む、方法が提供される。
【0135】
ある特定の実施形態では、ハンチントン病の治療を必要とする患者におけるハンチントン病を治療する方法であって、治療有効量の本明細書において記載される化合物又は医薬組成物を、第2の活性剤と組み合わせて患者に投与することを含む、方法が提供される。
【0136】
表1から選択される化合物、又はその同位体濃縮アナログ、薬学的に許容される塩、プロドラッグ、互変異性体、立体異性体若しくは立体異性体の混合物もまた提供される:
【0137】
【表1】
【0138】
表2から選択される化合物、又はその同位体濃縮アナログ、薬学的に許容される塩、プロドラッグ、互変異性体、立体異性体若しくは立体異性体の混合物もまた提供される:
【0139】
【表2】
【0140】
表2Aから選択される化合物、又はその同位体濃縮アナログ、薬学的に許容される塩、プロドラッグ、互変異性体、立体異性体若しくは立体異性体の混合物もまた提供される:
【0141】
【表3】
【0142】
適応(indications)及び治療方法
本明細書に記載の化合物は、神経変性疾患に関わるタンパク質により少なくとも部分的に媒介される疾患又は状態を治療するのに有用となり得る。一部の実施形態では、本明細書に記載の化合物は、HTTタンパク質により少なくとも部分的に媒介される疾患又は状態を検出するのに有用である。一部の実施形態では、神経変性疾患に関わるタンパク質により少なくとも部分的に媒介される疾患又は状態の治療は本明細書に記載の化合物の投与を含み得る。治療は、本明細書に記載の化合物並びに1種以上の他の活性剤及び/又は治療法を同時に施すことを含み得る。
【0143】
一部の実施形態では、神経変性疾患に関わるタンパク質により少なくとも部分的に媒介される疾患又は状態の治療又は予防を必要とする患者において、神経変性疾患に関わるタンパク質により少なくとも部分的に媒介される疾患又は状態を治療又は予防する方法であって、患者に、治療有効量の本明細書に記載の化合物を投与することを含む方法が提供される。
【0144】
例示的な疾患又は状態は以下の通りである。
【0145】
ハンチントン病(HD)
ハンチントン病(HD)は、運動、認知、及び精神医学的欠陥並びに神経変性及び脳萎縮を特徴とする遺伝性進行性神経変性状態である。萎縮は、線条体及び皮質において開始し、他の皮質下脳領域へと延長し得る。HDは神経変性疾患のファミリーに属し、この神経変性疾患では、拡張したCAG反復領域がコードされたタンパク質においてポリグルタミン(ポリQ)の長い伸長を結果として生じる。このファミリーはまた歯状核赤核淡蒼球ルイ体萎縮症(DRPLA)、脊髄及び延髄の筋萎縮症(SBMA)及び脊髄小脳変性症(SCA)も含む。HDでは、線条体のγ-アミノ酪酸放出棘状突起ニューロンの選択的神経変性が観察されているが、多くの他の脳領域におけるニューロン損失もまた報告されている。HDの症状は運動制御の損失、精神医学的症状、記憶及び/又は認知機能障害を含む。
【0146】
ハンチンチンタンパク質(HTTタンパク質)は、そのアミノ末端において多形のグルタミン/プロリンが豊富なドメインを含有する348kDa多ドメインタンパク質である。これらをコードするIT15遺伝子におけるCAG反復の数は健康な個体において6~35まで異なる;36以上の反復はHDアレルを明示する。CAG増大の長さは疾患開始の年齢と逆に相関し、若年性の開始の症例は60反復超の増大を特徴とする。浸透度の減少は36~39反復の間で見られる。本明細書でその全体が参照により組み込まれている、McColgan Pら、Huntington's disease: a clinical review, Eur. J. Neurology、2017年、25巻、24~34頁を参照されたい。より長いポリQドメインは、HTTタンパク質における構造変化を誘発し、多くのHTTタンパク質において核封入として現れる細胞内凝集物の形成を引き起こすと考えられている。しかし、凝集物はまた核の外側にて形成することもできる。HTTタンパク質は、ニューロンの核、細胞体、樹状突起及び神経終末に存在し、またゴルジ体、小胞体及びミトコンドリアを含むいくつかの細胞器官にも関連する。
【0147】
ハンチントン病の診断は、確認された家族歴又は陽性遺伝子検査及びハンチントン病統一スケール(Unified HD Rating Scale(UHDRS))全運動スコア(TMS)診断用信頼スコアで定義されているような運動妨害の開始に基づく。このスコアは、0(HDを示唆する運動異常なし)から4(≧99%、HDが原因である)の範囲であり、スコア4は、運動の開始又はHDの「発症」であると定義される。しかし、微妙な運動、認知及び精神医学的欠陥は、疾患の発症の開始前の10~15年まで特定することができ、これは疾患の発症前段階と呼ばれる。
【0148】
ハンチントン病(HD)段階は、例えば、本明細書でその全体が参照により組み込まれている、Winder, J.Y.ら、Assessment Scales for Patients with Advanced Huntington's Disease: Comparison of the UHDRS and UHDRS-FAP, Mov Disord Clin Pract.、2018年、9~10月; 5巻(5号): 527~533頁に記載されている。HDは、初期段階(ステージ1又は2 全機能(TFC)スコア)、中間段階(ステージ3 TFCスコア)、又は後期段階(ステージ4又は5 TFCスコア)に分類され得る。例えば、Shoulson, I.ら、Huntington disease: Clinical care and evaluation, Neurology、1979年、29巻(1号)、1頁; Shoulson, I.、Huntington disease: functional capacities in patients treated with neuroleptic and antidepressant drugs、Neurology、1981年、31巻(10号)、1333~35頁を参照されたい。生物学的、臨床的、及び機能的評価に基づいて、HDの段階を決定する新しいフレームワーク(HD-ISS)が最近発表された(Tabriziら、Huntington's Disease Regulatory Science Consortium (HD-RSC), A biological classification of Huntington's disease: the Integrated Staging System. Lancet Neurol. 2022年、21巻、632~644頁)。HDにより最も影響を受ける脳の部分、よってHTTタンパク質の異常を含有する可能性が最も高いと考えられるのは、総合的に基底核として公知の脳の基部にある神経細胞の群である。基底核は身体の筋肉駆動運動、又は「運動動作」を組織化する。基底核の主成分は尾状核及び被殻(これらは一緒になって線条体として公知)及び淡蒼球(外部及び内部領域)である。黒質及び視床下核もまた多くの場合、基底核の一部として含まれる。
【0149】
基底核は、主に運動制御、並びに他の役割、例えば、運動学習、実行機能及び挙動、及び感情に関与している皮質下核の群である。基底核ネットワークの破壊は、いくつかの運動障害に寄与すると考えられている。基底核の正常な機能は、任意の所与の瞬間における運動円滑化又は阻害の程度を決定するために、各核内のニューロン興奮性の微調整が必要となる。これは線条体の複雑な組織により媒介され、そこで中間棘状ニューロン興奮性は、いくつかのシナプス前及びシナプス後の機序並びに介在ニューロン活性により制御され、いくつかの反復性の又は内部基底核回路により固定される。基底核の運動回路は、2つのエントリーポイントである線条体及び視床下核、並びに出力口である淡蒼球内節を有し、これが運動視床を介して皮質に接続している。
【0150】
本明細書に記載の化合物は、対象に投与される場合、ニューロン変性を阻害し得る。一部の実施形態では、ニューロン変性の阻害は、ニューロンにおけるアクソン又はニューロン変性を阻害することを含み得る。ニューロン全体又はその一部分、例えば、ニューロン細胞体、アクソン及び樹状突起に関するこのような阻害。これは、例えば、当技術分野で公知の方法に従い神経系の機能の分析により評価することができる。
【0151】
本明細書に記載の化合物の投与は、本明細書に記載されている疾患又は状態の1種以上の症状における救済、例えば、少なくとも10%(例えば、少なくとも15%、20%、25%、30%、35%、40%、45%、50%、55%、60%、65%、70%、75%、80%、85%、90%又は100%)の減少をもたらし得る。疾患又は状態は、神経系の他に第1次作用を有する、疾患、状態、若しくは療法に続発する神経系の障害;物理的、機械的若しくは化学物質外傷により引き起こされる神経系の損傷;自己免疫性の神経変性;感染症に続発する神経変性;及び/又は眼の神経変性であってもよい。神経変性の症状として、例えば、振戦、動作の緩慢、運動失調、平衡感覚の損失、うつ病、認知機能の低減、短期記憶損失、長期記憶損失、混乱、人格の変化、言語問題、感覚性認知の損失、接触過敏症、手足のしびれ、筋力低下、筋肉麻痺、筋肉の痙攣、筋けいれん、食習慣の著しい変化、過剰な不安又は懸念、不眠症、妄想、幻覚、疲労、背痛、胸痛、消化の問題、頭痛、急速な心拍数、めまい、かすみ目、影又は視力が欠損した領域、変視症、色覚の障害、明るい光への曝露後の視覚機能回復の低減、及び視覚コントラスト感度の損失が挙げられる。
【0152】
本明細書に記載の化合物の投与は、本明細書に記載されている1種以上の化合物が投与されていないニューロン集団又は対象において変性するニューロン(又はそのニューロン体、アクソン、又は樹状突起)の数と比較して、ニューロン集団又は対象において変性するニューロン(又はそのニューロン体、アクソン、又は樹状突起)の数の少なくとも10%(例えば、少なくとも15%、20%、25%、30%、35%、40%、45%、50%、55%、60%、65%、70%、75%、80%、85%、90%、95%、又は100%)の低減をもたらすことができる。
【0153】
ニューロンは、組織及び器官からの情報を中枢神経系(求心性神経又は感覚ニューロン)に伝え、シグナルを中枢神経系からエフェクター細胞(遠心性又は運動ニューロン)へと伝達することができる。他のニューロン、指定された介在ニューロンは、ニューロンを中枢神経系(脳及び脊柱)内で接続する。本開示による治療に供することができるニューロンの種類のある特定の具体例として、小脳の顆粒ニューロン、後根神経節ニューロン、PNSニューロン(例えば感覚ニューロン)、及び皮質ニューロンが挙げられる。本開示による治療に供することができる細胞型の他の例として、アストロサイト及びミクログリアが挙げられる。
【0154】
神経変性疾患は対象の神経系の機能が損なわれる疾患又は状態である。神経変性疾患の例として、例えば、アレキサンダー病、アルパース病、アルツハイマー病、筋萎縮性側索硬化症、運動失調末梢血管拡張症、バッテン病(スピルマイヤーフォークトシェーグレンバッテン病としても公知)、牛海綿状脳症(BSE)、カナバン病、コケイン症候群、皮質基底核変性症、クロイツフェルトヤコブ病、前頭側頭認知症、ゲルストマンストロイスラーシャインカー症候群、ハンチントン病、HIVに伴う認知症、ケネディ病、クラッベ病、クールー、レビー小体認知症、マシャドジョセフ病(脊髄小脳変性症3型)、多発性硬化症、多系統萎縮症、ナルコレプシー、神経ボレリア症、パーキンソン病、ペリツェウスメルツバッハー病、ピック病、原発性側索硬化症、プリオン病、レフサム病、サンドホフ病、シルダー病、悪性貧血に続発する亜急性連合性脊髄変性症、統合失調症、脊髄小脳変性症、脊髄性筋萎縮症、スティールリチャードソンオルゼウスキー病、インスリン抵抗性又は脊髄癆が挙げられる。
【0155】
一部の実施形態では、疾患又は状態は、ハンチントン病(HD)、歯状核赤核淡蒼球ルイ体萎縮症、脊髄及び延髄の筋萎縮症、脊髄小脳変性症、脊髄及び/又は脳傷害、慢性肺高血圧、パーキンソン病、筋萎縮性側索硬化症、脳の海綿状血管奇形、心血管疾患、アルツハイマー病(AD)、緑内障、多発性硬化症(MS)、角膜病変、糖尿病、慢性及び/又は神経障害性疼痛、脳卒中、虚血、網膜症、脊髄性筋萎縮症(SMA)、勃起不全、腎症(非高血圧)、高血圧腎症、高血圧症(高血圧)、視神経病変、肝臓線維症、ループス、移植後の肝不全、脳脊髄炎、てんかん、及び神経膠芽腫から選択される。
【0156】
さらに、本明細書に記載されている化合物は記憶損失の予防又は治療に使用することができる。損失により影響を受ける可能性があり、よって本開示により治療され得る記憶の種類として、エピソード記憶、意味記憶、短期記憶、及び長期記憶が挙げられる。
【0157】
一部の実施形態では、疾患又は状態は、アルツハイマー病、筋萎縮性側索硬化症、ハンチントン病、パーキンソン病、プリオン病及び脊髄小脳変性症から選択される神経変性疾患である。一部の実施形態では、神経変性疾患はトリヌクレオチド反復障害として分類される。一部の実施形態では、トリヌクレオチド反復障害は、カテゴリーI、カテゴリーII、又はカテゴリーIIIに属するように分類される。
【0158】
一部の実施形態では、神経変性疾患はハンチントン病である。
【0159】
本明細書に記載されている疾患又は状態の診断、予防、又は治療における使用のための、医薬の製造に対する本明細書に記載の化合物の使用もまた提供される。例えば、疾患又は状態はハンチントン病であってよい。
【0160】
医薬組成物及びその投与
本明細書に提供されている化合物は医薬組成物の形態で投与され得る。よって、本明細書に記載の化合物及び薬学的に許容される賦形剤を含有する医薬組成物もまた本明細書に提供されている。
【0161】
適切な薬学的に許容される賦形剤として、例えば、不活性な固形希釈剤及び充填剤、滅菌水溶液及び様々な有機溶媒を含む希釈剤、透過促進剤、可溶化剤及びアジュバントを挙げることができる。このような組成物は、薬学分野で周知の方式で調製される。例えば、Remington's Pharmaceutical Sciences、Mace Publishing Co.、Philadelphia、Pa.第17版(1985年);及びModern Pharmaceutics、Marcel Dekker, Inc.第3版(G.S. Banker & C.T. Rhodes編)を参照されたい。
【0162】
医薬組成物は、例えば、経口、直腸、口腔、鼻腔及び経皮的経路を含む様々な方法による投与に対して製剤化されてもよい。ある特定の実施形態では、医薬組成物は、動脈内注射、静脈内、腹腔内、非経口的、筋肉内、皮下、経口的、局所的又は吸入剤として投与することができる。
【0163】
医薬組成物は注射による投与に対して製剤化されてもよい。本明細書に記載されている医薬組成物が注射による投与のために組み込まれ得る形態として、例えば、水性又はゴマ油、トウモロコシ油、綿実油、若しくはピーナッツ油を有する油性懸濁液、又は乳剤、並びにエリキシル剤、マンニトール、ブドウ糖、又は滅菌水溶液、及び類似の医薬賦形剤が挙げられる。
【0164】
医薬組成物は、滅菌注射用の水性又は油性の懸濁液の形態であってよい。この懸濁液は適切な分散剤又は湿潤剤及び懸濁化剤を使用した公知の技術に従い製剤化されてもよい。滅菌の注射用調製物はまた、例えば、1,3-ブタンジオール中溶液としての、無毒性の非経口的に許容されるビヒクル中の注射可能な滅菌溶液又は懸濁液であってもよい。利用することができる許容されるビヒクルの中には水、リンガー液、及び等張性塩化ナトリウム溶液がある。加えて、滅菌の、不揮発性油が溶媒又は懸濁媒として慣例的に利用されている。この目的のために、合成モノグリセリド又はジグリセリドを含む、任意の無刺激の不揮発性油が利用され得る。加えて、脂肪酸、例えば、オレイン酸は注射剤の調製に有用となり得る。このような溶液は、0.01%~10%等張液、pH5~7として、適当な塩を用いて製剤化されてもよい。
【0165】
本明細書に記載の化合物は滅菌媒体中で非経口的に投与されてもよい。非経口投与は、皮下注射、静脈内、筋肉内、髄腔内注射又は点滴技術を含む。使用されるビヒクル及び濃度に応じて本明細書に記載の化合物は、ビヒクル中に懸濁又は溶解させることができる。有利なことには、アジュバント、例えば、局所麻酔剤、保存剤及び緩衝剤をビヒクル中に溶解することができる。非経口投与のための多くの医薬組成物において、担体は全組成物の少なくとも90重量%を構成する。一部の実施形態では、非経口投与用の担体は、プロピレングリコール、オレイン酸エチル、ピロリドン、エタノール、及びゴマ油から選択される。
【0166】
医薬組成物、例えば、注射用の医薬組成物は、シクロデキストリンを含んでもよい。シクロデキストリンは、例えば、ヒドロキシプロピルシクロデキストリン又はスルホブチルエーテルシクロデキストリンであってもよい。シクロデキストリンは、例えば、α-シクロデキストリン、β-シクロデキストリン、又はγ-シクロデキストリンであってもよい。
【0167】
本明細書に記載の化合物はまた、血液を含むある特定の組織内に配置されるマイクロスフェア、リポソーム、他のミクロ粒子デリバリーシステム又は徐放性製剤を介して投与されてもよい。徐放性担体の適切な例として、共用商品の形態の半浸透性ポリマーマトリックス、例えば、坐剤又はマイクロカプセルが挙げられる。例は、例えば、これらの全体の開示が本明細書に参照により組み込まれている、Remington's Pharmaceutical Sciences、第18版、Gennaro, A. R.、Lippincott Williams & Wilkins;第20版(2000年12月15日) ISBN 0-912734-04-3及びPharmaceutical Dosage Forms and Drug Delivery Systems; Ansel, N.C.ら、第7版、ISBN 0-683305-72-7に見出すことができる。
【0168】
医薬組成物は、経口投与に対して製剤化されてもよい。医薬組成物は、例えば、カプセル剤又は錠剤の形態であってもよい。経口製剤は腸溶コーティングを含み得る。医薬組成物を作製する場合、本明細書に記載の化合物は普通賦形剤で希釈され、及び/又はカプセル、サシェ、紙又は他の容器の形態であることができるような担体内に封入される。賦形剤が希釈剤としての機能を果たす場合、それは固体、半固体、又は液体材料の形態であることができ、これらは活性成分に対してビヒクル、担体又は媒体として作用する。よって、組成物は、錠剤、丸剤、散剤、ロゼンジ剤、サシェ剤、カシェ剤、エリキシル剤、懸濁液、乳剤、液剤、シロップ剤、エアゾール剤(固体として又は液体媒体において)、例えば、10重量%までの活性化合物を含有する軟膏剤、軟質及び硬質ゼラチンカプセル、注射可能な滅菌溶液、及びパッケージされた滅菌散剤の形態であることができる。
【0169】
適切な賦形剤の一部の例として、例えば、ラクトース、ブドウ糖、スクロース、ソルビトール、マンニトール、デンプン、アラビアゴム、リン酸カルシウム、アルギン酸塩、トラガカント、ゼラチン、ケイ酸カルシウム、微結晶性セルロース、ポリビニルピロリドン、セルロース、滅菌水、シロップ及びメチルセルロースが挙げられる。医薬組成物は、滑沢剤、例えば、タルク、ステアリン酸マグネシウム及び鉱油;湿潤剤;乳化剤及び懸濁化剤;保存剤、例えば、ヒドロキシ安息香酸メチル及びヒドロキシ安息香酸プロピル;甘味剤;並びに香味剤をさらに含むことができる。
【0170】
医薬組成物は、当技術分野で公知の手順を利用することにより対象へ投与した後、活性成分の急速放出、徐放性又は遅延放出を提供するよう製剤化されてもよい。経口投与のための制御放出性ドラッグデリバリーシステムは、ポリマーコーティングしたリザーバー又は薬物-ポリマーマトリックス製剤を含有する浸透圧ポンプシステム及び溶解システムを含む。本明細書で開示されている方法で使用するための別の製剤は経皮的デリバリーデバイス(「パッチ」)を利用する。このような経皮パッチを使用して、本明細書に記載されている化合物の制御された量での連続又は非連続注入を提供することができる。薬剤の送達のための経皮パッチの構築及び使用は当技術分野で周知である。このようなパッチは、薬剤の連続的、パルス的、又はオンデマンド送達に対して構築することができる。
【0171】
固体組成物、例えば、錠剤を調製するために、本明細書に記載の化合物は、医薬賦形剤と混合して、均質な混合物を含有する固体の予備製剤組成物を形成することができる。これら予備製剤組成物が均質であると言及された場合、化合物は、組成物全体にわたり均一に分散されていることによって、組成物を同等に有効な単位剤形、例えば、錠剤、丸剤及びカプセル剤へと容易に分割することが可能となっている。
【0172】
本明細書に記載されている化合物の錠剤又は丸剤は、コーティング又はさもなければ混ぜ合わせて、長期作用の利点をもたらす剤形を提供する又は胃の酸性条件から保護することができる。例えば、錠剤又は丸剤は内剤及び外剤成分を含むことができ、後者は前者の上の外被の形態である。2つの成分は、胃内で分解に抵抗する働きをし、内側の成分を無傷のまま腸に届ける、又は放出を遅延させることを可能にする腸溶層により分離されていてもよい。様々な材料をこのような腸溶層又はコーティングに対して使用することができ、このような材料として、いくつかのポリマー酸及びポリマー酸と、材料、例えば、セラック、セチルアルコール及び酢酸セルロース等との混合物が挙げられる。
【0173】
本明細書に記載の化合物は、経口用液体調製物、例えば、水性又は油性懸濁液、液剤、乳剤、シロップ剤、又はエリキシル剤等に組み込むことができる。さらに、本明細書に記載の化合物を含有する医薬組成物は、使用前、水又は他の適切なビヒクルを用いた構成のための、乾燥生成物としても提示され得る。このような液体調製物は、従来の添加剤、例えば、懸濁化剤(例えば、ソルビトールシロップ、メチルセルロース、グルコース/糖、シロップ、ゼラチン、ヒドロキシエチルセルロース、カルボキシメチルセルロース、ステアリン酸アルミニウムゲル、及び水素添加された食用の脂肪)、乳化剤(例えば、レシチン、モノオレイン酸ソルビタン、又はアカシア)、食用油(例えば、アーモンド油、分画されたヤシ油、シリルエステル、プロピレングリコール及びエチルアルコール)を含むことができる非水性ビヒクル、及び保存剤(例えば、メチル又はプロピルp-ヒドロキシベンゾエート及びソルビン酸)を含有することができる。
【0174】
吸入又は吹送法のための組成物は、薬学的に許容される、水性又は有機溶媒、又はこれらの混合物中の液剤及び懸濁剤、並びに散剤を含み得る。液体又は固体組成物は、本明細書に記載されているような適切な薬学的に許容される賦形剤を含有し得る。一部の実施形態では、組成物は、局所性又は全身性作用のための経口の又は経鼻呼吸経路により投与される。他の実施形態では、薬学的に許容される溶媒中の組成物は不活性ガスの使用により噴霧されてもよい。噴霧溶液は噴霧装置から直接吸入されてもよいし、又は噴霧装置はフェイスマスクテント、若しくは間欠的陽圧呼吸機器に結合していてもよい。液剤、懸濁剤、又は散剤組成物は、好ましくは製剤を適当な方式で送達するデバイスから経口的に又は経鼻的に投与され得る。
【0175】
本明細書に記載の化合物、又はその医薬組成物は情報を持つ医師により決定された、適当な用量で投与されてもよい。化合物又は医薬組成物は、単回用量又は複数回用量で投与されてもよく、単一剤形又は複数の剤形(例えば、錠剤2錠又はカプセル剤3錠)で投与されてもよい。任意の特定の対象に対して、適当な用量は、利用する特定の化合物の活性、対象の年齢、体重、全般的な健康状態、性別、食事、投与時間、投与経路、排出速度、組み合わせて使用される活性剤、及び特定の疾患又は状態の重症度を含む様々な要因に依存する。例えば、用量は、対象の体重1キログラム当たり(mg/kg)、1日当たり、本明細書に記載の化合物数ミリグラムと表現することができる。約0.1~約150mg/kgの用量が適切であり得る。一部の実施形態では、約0.1~約100mg/kgの用量が適切であり得る。一部の実施形態では、1日当たり、体重1kg当たり約0.0001~約100mg、体重1kg当たり約0.001~約50mgの化合物、又は体重1kg当たり約0.01~約10mgの化合物の用量が適切であり得る。一部の実施形態では、用量は、1日当たり複数回投与、例えば、1日当たり1回の投与、1日当たり2回の投与、又は1日当たり3回の投与で投与され得る。一部の実施形態では、用量は2日に1回、3日に1回、4日に1回、又は週に1回投与されてもよい。対象の体重に従い正規化することは、例えば、薬物を子供と成人のヒトの両方で使用する場合又は非ヒト対象、例えば、イヌ等において有効な用量を、ヒト対象に適した用量へと変換する場合等に起こるような、サイズが広く異なる対象間での用量の調節を行う場合、特に有用である。
【0176】
キット
本明細書に記載の化合物及び適切な包装を含むキットもまた本明細書に提供されている。ある特定の実施形態では、キットは使用説明書をさらに含む。一態様では、キットは、本明細書に記載の化合物、並びに本明細書に記載されている疾患又は状態の治療における化合物の使用のためのラベル及び/又は説明書を含む。
【0177】
本明細書に記載の化合物を適切な容器内に含む製造物品もまた本明細書に提供されている。容器はバイアル、瓶、アンプル、予め充填されたシリンジ及び/又は静注用バッグであってもよい。
【0178】
併用療法
一部の実施形態では、本明細書に記載の化合物は、1種以上の追加の活性剤と組み合わせて投与される。
【0179】
本明細書に記載されている方法は、本明細書に記載されている疾患又は状態、例えば、ハンチントン病を検出する、治療する又は予防するための方法であって、対象に、同時に又は逐次的に、本明細書に記載の化合物及び1種以上の追加の活性剤を投与することを含む方法を含む。同時投与を使用する方法において、薬剤は、組み合わせた組成物中に存在することもできるし、又は別々に投与することもできる。1種以上の追加の活性剤と組み合わせて使用した場合、本明細書に記載の化合物は追加の活性剤の投与前、投与と並行して、又は投与後に投与することができる。投与は同じ経路により又は異なる経路により行うことができる。
【0180】
本明細書に記載の化合物及びハンチントン病の治療に使用されている1種以上の追加の薬剤、例えば、これらに限定されないが、カルバマゼピン、クロナゼパム、ジアゼパム、フルオキセチン、エスシタロプラム、バルプロエート、ラモトリジン、アミトリプチリン、イミプラミン、デシプラミン、ノルトリプチリン、パロキセチン、フルオキセチン、セルトラリン、テトラベナジン、ハロペリドール、クロルプロマジン、チオリダジン、スルピリド、クエチアピン、クロザピン、及びリスペリドンを含む医薬組成物もまた提供される。同様に、本明細書に記載の化合物を含む医薬組成物、及びハンチントン病の治療に使用されている1種以上の追加の薬剤、例えば、これらに限定されないが、カルバマゼピン、クロナゼパム、ジアゼパム、フルオキセチン、エスシタロプラム、バルプロエート、ラモトリジン、アミトリプチリン、イミプラミン、デシプラミン、ノルトリプチリン、パロキセチン、フルオキセチン、セルトラリン、テトラベナジン、ハロペリドール、クロルプロマジン、チオリダジン、スルピリド、クエチアピン、クロザピン、及びリスペリドンを含む別の組成物を含有する包装された医薬組成物もまた提供される。一部の実施形態では、活性剤はカルバマゼピン、クロナゼパム、ジアゼパム、フルオキセチン、エスシタロプラム、バルプロエート、ラモトリジン、アミトリプチリン、イミプラミン、デシプラミン、ノルトリプチリン、パロキセチン、フルオキセチン、セルトラリン、テトラベナジン、ハロペリドール、クロルプロマジン、チオリダジン、スルピリド、クエチアピン、クロザピン、又はリスペリドンである。
【0181】
アルツハイマー病に関連する記憶及び/又は認知機能障害を治療することを含む、アルツハイマー病を治療する又は予防するための方法であって、対象に、同時に又は逐次的に、本明細書に記載の化合物及び1種以上の追加の薬剤を投与することを含む方法もまた提供される。一部の実施形態では、活性剤はReminyl(登録商標)、Cognex(登録商標)、Aricept(登録商標)、Exelon(登録商標)、Akatinol(登録商標)、Neotropin(商標)、Eldepryl(登録商標)、Estrogen又はClioquinolである。
【0182】
一部の実施形態では、本明細書に記載されている化合物は、パーキンソン病を治療するための活性剤、例えば、Lドパ、ドーパミンアゴニスト(例えば、ブロモクリプチン、ペルゴリド、プラミペキソール、ロピニロール、カベルゴリン、アポモルフィン、及びリスリド)、ドーパデカルボキシラーゼ阻害剤(例えば、レボドパ、ベンセラジド、及びカルビドパ)、及び/又はMAO-B阻害剤(例えば、セレギリン及びラサギリン)と共に投与することができる。一部の実施形態では、本明細書に記載されている化合物は、アルツハイマー病を治療するための活性剤、例えば、アセチルコリンエステラーゼ阻害剤(例えば、ドネペジル、ガランタミン、及びリバスチグミン)及び/又はNMDA受容体アンタゴニスト(例えば、メマンチン)と共に投与することができる。
【0183】
化合物の合成
本明細書に記載の化合物は本明細書で開示されている方法及びその所定の変化形を使用して調製することができ、これは本明細書の開示及び当技術分野で周知の方法を考慮すると明らかである。本明細書での教示に加えて、従来及び周知の合成法を使用することができる。本明細書に記載の典型的な化合物の合成は、以下の実施例に記載されている通り達成することができる。入手可能な場合、試薬は、例えば、Sigma Aldrich又は他の化学薬品供給者から商業的に購入することができる。
【0184】
本明細書に記載の化合物は、例えば、以下の一般的な方法及び手順を使用して容易に入手できる出発材料から調製することができる。典型的な又は好ましいプロセス条件(すなわち、反応温度、時間、反応物質のモル比、溶媒、圧力等)が付与されている場合、特に述べられていない限り、他のプロセス条件もまた使用することができることを認識されたい。最適な反応条件は使用される特定の反応物質又は溶媒と共に変動し得るが、このような条件は当業者により所定の最適化手順で決定することができる。
【0185】
さらに、当業者には明らかなように、ある特定の官能基が所望しない反応を受けるのを防止するために従来の保護基が必要となり得る。様々な官能基に対する適切な保護基並びに特定の官能基を保護及び脱保護するために適切な条件は当技術分野で周知である。例えば、多くの保護基は、Wuts, P. G. M.、Greene, T. W.、& Greene, T. W. (2006年), Greene's protective groups in organic synthesis. Hoboken, N.J.、Wiley-Interscience及びその中に引用された文献に記載されている。
【0186】
さらに、本明細書に記載の化合物は1種以上の非対称的(「キラル」)中心を含有し得る。したがって、所望する場合、このような化合物は、純粋な立体異性体、すなわち、個々のエナンチオマー若しくはジアステレオマーとして、又は立体異性体を豊富に含む混合物として調製又は単離することができる。すべてのこのような立体異性体(及び豊富に含む混合物)は、他に指摘されていない限り、本開示の範囲内に含まれている。純粋な立体異性体(又は豊富に含む混合物)は、例えば、当技術分野で周知の光学活性な出発材料又は立体選択的な試薬を使用して調製することができる。代わりに、このような化合物のラセミ混合物は、例えば、キラルカラムクロマトグラフィー、超臨界流体クロマトグラフィー、キラル分割剤等を使用して分離することもできる。エナンチオマーとして純粋な又は豊富に含む化合物が所望される場合、キラルクロマトグラフィー及び/又はエナンチオマーとして純粋な又は豊富に含む出発材料は、当技術分野で慣例的に使用されているように、又は実施例に記載されているように利用することができる。
【0187】
以下の反応に対する出発材料は一般的に公知の化合物であるか、又は公知の手順又はその明らかな変化形により調製することができる。例えば、出発材料の多くは、業者、例えば、Sigma Aldrich、Alfa Aesar等から入手可能である。その他は、標準的参考書、例えば、Fieser and Fieser's Reagents for Organic Synthesis、1~15巻(John Wiley, and Sons、1991年)、Rodd's Chemistry of Carbon Compounds、1~5巻、及び補足(Elsevier Science Publishers、1989年) organic Reactions、1~40巻(John Wiley, and Sons、1991年)、March's Advanced Organic Chemistry, (John Wiley, and Sons、第5版、2001年)、及びLarock's Comprehensive Organic Transformations (VCH Publishers Inc.、1989年)に記載されている手順又はその明らかな変化形により調製することができる。
【0188】
「溶媒」、「不活性な有機溶媒」及び「不活性溶媒」という用語は、それと同時に記載されている反応の条件下で不活性な溶媒(例えば、ベンゼン、トルエン、アセトニトリル、テトラヒドロフラン(「THF」)、ジメチルホルムアミド(「DMF」)、クロロホルム、塩化メチレン(又はジクロロメタン)、ジエチルエーテル、メタノール、ピリジン等を含む)を指す。一般的には、不活性という用語は、溶媒に関して本明細書で使用される場合、炭素-炭素結合を形成する反応を通して、目的とする標的化合物を形成する反応を生じない材料を指す。反対の意味であることが特定されていない限り、本開示の反応に使用される溶媒は不活性な有機溶媒であり、反応は不活性ガス、好ましくは窒素又はアルゴン下で行われる。
【0189】
「適量(q.s.)」という用語は、述べられている機能を達成する、例えば、溶液を所望の容量にする(すなわち、100%)のに十分な量を加えることを意味する。
【0190】
以下のスキームのそれぞれにおいて、任意の置換基の付加は、いくつかの異性体の生成物(これらに限定されないが、エナンチオマー又は1種以上のジアステレオマーを含む)の生成をもたらすことができ、これらのいずれか又はすべては、従来の技術を使用して、単離及び精製されてもよいこともまた認識されたい。
【0191】
同位体標識、例えば、重水素原子の本明細書に記載の化合物への組込みは、適当な出発材料(複数可)を、放射性同位体を含む試薬と反応させることにより行うことができる。方法は通常、標準的な有機化学反応と同じ原理に従い、本開示で提供されているものを含めて、当業者に公知の任意の方法により行うことができる。
【0192】
スキーム1は、本明細書に提供されている化合物(例えば、式Iの化合物)の合成に対して例示的な合成経路を提供する。式Iの化合物、又は本明細書で開示されている他の式又は化合物は、通常最初に式Va及びVbを準備し、次いで適切な条件(例えば、アミド結合形成、求核性芳香族置換、又はクロスカップリング)を使用して所望の置換基を結合することにより調製される。
【0193】
一部の実施形態では、式Iの化合物の合成は、スキーム1に従い進行する。式Iの化合物の合成は、化合物Vaの化合物Vbとのカップリングにより化合物Vcを形成し、化合物Vcの化合物Vdとのカップリング、及び1つ以上のその後のステップにより式Iの化合物を調製することにより進行することができる。
【0194】
【化18】
【0195】
スキーム1において、R1、R2、R3、X1、X2、X3、X4、Y1、及びY2は本明細書で定義された通りである。A1、A2、及びA3は以下に定義された通りであり、Z3-Z4-Z5はN-CR7=CR8又はC=CR7-NR10である。
【0196】
スキーム1では、化合物Vaは、A1における脱離基及び化合物Vbのアミンを介してアミド結合の形成により化合物Vbと連結することができる(スキーム1に示されている通り)。A1は適切な脱離基、例えば、ハロゲン化物、擬ハロゲン化物、カルボン酸又はカルボキシレートであってもよい。化合物Vaは、A1において、カルボキシル基を活性化するための活性化剤(例えば、クロロ-N,N,N',N'-テトラメチルホルムアミジニウムヘキサフルオロホスフェート、HATU、HBTU)により、場合によって、塩基(例えば、1-メチルイミダゾール、トリエチルアミン、ジイソプロピルエチルアミン)の存在下で、及び適切な溶媒(例えば、極性非プロトン性溶媒、例えば、アセトニトリル、DMF、又はジクロロメタン)中で活性化され得る。代わりに、A1においてカルボキシレートは、最初に活性化剤(例えば、塩化オキサリル)で活性化し、次いで塩基(例えば、トリエチルアミン、ジイソプロピルエチルアミン)の存在下で化合物Vbと合わせてもよい。このような実施形態では、化合物Vaの活性化形態(例えば、A1がハロゲン化物、例えば、塩化物である場合)は単離する必要はなく、反応は1つのポット内で行うことができる。
【0197】
スキーム1では、式Iの化合物を調製することができる。よって、化合物Vcは、カップリング反応、例えば、求核剤の添加による、例えば、A2において化合物Vcへの求核性芳香族置換によるカップリング反応において化合物Vdと連結することができる。このような実施形態では、A2は適切な脱離基(例えば、ハロゲン化物、例えば、塩化物又はフッ化物、又は擬ハロゲン化物、例えば、スルホニル)であってよく、A3は水素原子であってもよいし、又は、R1がアニオンとして存在する場合、カチオン(例えば、ナトリウムイオン、カリウムイオン)であってもよい。求核性芳香族置換は、加熱して(例えば、温度50~200℃へ)、塩基(例えば、トリエチルアミン、炭酸セシウム、NaH、炭酸カリウム、ピリジン)の存在下、及び適切な溶媒(例えば、ジオキサン、DMF、アセトニトリル、DMSO)中で行ってもよい。代わりに、化合物Vcは、カップリング反応(例えば、金属触媒によるカップリング反応)で化合物Vdと連結されてもよい。このような実施形態では、例えば、A2は脱離基(例えば、ハロゲン化物、例えば、塩化物又は臭化物、又は擬ハロゲン化物、例えば、スルホニル)であってよく、R1は、適切なカップリング官能基(例えば、炭素炭素二重結合)を含んでもよく、A3はA2に対する相補的カップリングパートナーであってもよい(例えば、水素原子又はスズ若しくはホウ素含有基)。反応は触媒(例えば、ビス(トリフェニルホスフィン)パラジウム(II)ジクロリド)を用いて、及び場合によって塩基(例えば、炭酸ナトリウム)の存在下で行われてもよい。
【0198】
一部の実施形態では、A2はR1であってよく、化合物Vcは、式Iの化合物に直接変換することもできる(化合物Vdとの反応なしで)。
【0199】
化合物Va、Vb、Vc、及び/又はVdにおいて、R1、R2、R3、X1、X2、X3、X4、Y1、Y2、Z4、及びZ5のいずれかは、例えばアミン又はヒドロキシル基において保護された形態で存在することもできる。アミン保護基は、当技術分野で公知のもの、及び本明細書に記載されているものを含み、例えば、tert-ブトキシカルボニル基が含まれる。このような実施形態では、脱保護の追加のステップが必要とされ得る。例えば、保護基がtert-ブトキシカルボニル基である場合、式Iの化合物を調製するためには、酸性の脱保護ステップ(例えば、ジオキサン又はTFAにおいてHClを使用する)が必要とされ得る。
【0200】
当技術分野の当業者であれば、化合物Va、Vb、Vc、又はVdのいずれかは特定の実施形態に対して業者から入手可能であり得ることを認識している。化合物Va、Vb、Vc、又はVdの代替の合成は、本明細書に記載されている通りであり、又は当業者に公知の通りであり得る。
【実施例
【0201】
次の実施例は、本開示の具体的な実施形態を示すために含まれる。次の実施例において開示される技法は、本開示の実行において十分に機能する技法を表し、したがって、その実行のための具体的な様式を構成すると判断され得ることは当業者には分かるはずである。しかしながら、当業者は、本開示に照らして、本開示の意図及び範囲から逸脱することなく、開示されている具体的な実施形態において多くを変化させることができ、それでも、類似又は同様の結果を得ることができることが分かるはずである。
【0202】
分析方法
酸性QC法
AcHSSC18 - 標準的な酸性UPLC-MS
【0203】
【表4】
【0204】
10cm_ギ酸_AQ - 標準的な酸性UPLC-MS
【0205】
【表5】
【0206】
酸性1 - 標準的な酸性UPLC-MS
【0207】
【表6】
【0208】
塩基性QC法
BicarbBEHC18 - 標準的な塩基性UPLC-MS
【0209】
【表7】
【0210】
10cm_Bicarb_AQ - 標準的な塩基性UPLC-MS
【0211】
【表8】
【0212】
一般手順
化合物は、Chemdraw 18.1構造命名ツールを用いて命名した。空気又は湿度感受性試薬を伴う反応はすべて、窒素雰囲気下で、乾燥した溶媒及びガラス器具を使用して行った。
【0213】
実施例1:(R)-5-(3-(シクロプロピルアミノ)ピロリジン-1-イル)-N-(2-メチル-6-(オキサゾール-5-イルメトキシ)-2H-インダゾール-5-イル)ピラジン-2-カルボキサミド
【0214】
【化19】
【0215】
テトラヒドロフラン(20mL)中の2-メチル-5-ニトロ-インダゾール-6-オール(500mg、2.59mmol)の溶液に、トリフェニルホスフィン(1018mg、3.88mmol)及びオキサゾール-4-イルメタノール(256mg、2.59mmol)を添加した。混合物を0℃に冷却し、アゾジカルボン酸ジイソプロピル(0.76mL、3.88mmol)を滴下添加し、反応混合物を室温で18時間撹拌した。
【0216】
LCMSの証拠は、反応が約60%完了したことを示した。さらなるトリフェニルホスフィン(339mg、1.29mmol)、続いてアゾジカルボン酸ジイソプロピル(0.25mL、1.29mmol)を室温で添加し、反応物を室温でさらに3時間撹拌した。
【0217】
LCMSの証拠は、反応が完了したことを示した。反応混合物をシリカ上で濃縮し、シリカクロマトグラフィー(40g、EtOAc/シクロヘキサン0~100%で溶離)により精製して、5-(((2-メチル-5-ニトロ-2H-インダゾール-6-イル)オキシ)メチル)オキサゾールを得た。
【0218】
室温の酢酸エチル(10mL)及びジクロロメタン(10mL)中の5-(((2-メチル-5-ニトロ-2H-インダゾール-6-イル)オキシ)メチル)オキサゾール(300mg、1.09mmol)の溶液に、塩化スズ(II)二水和物(987mg、4.38mmol)を添加し、反応混合物を室温で18時間撹拌した。
【0219】
LCMSは、混合物が主に出発材料であることを示した。多量の不溶性物質を観察した。溶解性を促進するために、MeOH(3mL)を添加した。さらなる塩化スズ(II)二水和物(987mg、4.38mmol)を添加し、反応混合物を室温で18時間撹拌した。
【0220】
LCMSは、反応が完了したことを示した。セライトを通して反応物を濾過し、セライトをDCM/MeOH(3:1)で洗浄した。溶媒を真空中で除去して、粗製の物質を得て、これをシリカクロマトグラフィー(25g、EtOAc/MeOH 0~10%で溶離)により精製して、Ph3POが混入した、LCMSにより約75%純度の2-メチル-6-(オキサゾール-5-イルメトキシ)-2H-インダゾール-5-アミンを得た。粗製の物質をさらに精製せずに次のステップで使用した。
【0221】
2-メチル-6-(オキサゾール-5-イルメトキシ)-2H-インダゾール-5-アミン(50mg、0.205mmol)及び5-[(3R)-3-[tert-ブトキシカルボニル(シクロプロピル)アミノ]ピロリジン-1-イル]ピラジン-2-カルボン酸(76mg、0.218mmol)をアセトニトリル(2mL)に溶解した。1-メチルイミダゾール(0.049mL、0.614mmol)、続いてクロロ-N,N,N',N'-テトラメチルホルムアミジニウムヘキサフルオロホスフェート(86mg、0.307mmol)を添加した。反応物を室温で18時間撹拌した。固体を濾過により収集して、tert-ブチル(R)-シクロプロピル(1-(5-((2-メチル-6-(オキサゾール-5-イルメトキシ)-2H-インダゾール-5-イル)カルバモイル)ピラジン-2-イル)ピロリジン-3-イル)カルバメートを得た。
【0222】
tert-ブチル(R)-シクロプロピル(1-(5-((2-メチル-6-(オキサゾール-5-イルメトキシ)-2H-インダゾール-5-イル)カルバモイル)ピラジン-2-イル)ピロリジン-3-イル)カルバメート(32mg、0.0557mmol)をジクロロメタン(3mL)に溶解し、トリフルオロ酢酸(1.0mL、13.1mmol)を室温で添加した。反応物を室温で1時間撹拌した。溶媒を真空中で除去し、残渣の油状物を真空炉内で終夜乾燥した。SCXカラム(1g、MeOH、次いで、10% MeOH中7M NH3/MeOHで溶離)に通すことによって、残渣を遊離塩基化した。アンモニア画分を合わせ、溶媒を真空中で除去して、標題化合物を得た。LCMS (ES+) 475.2 (M+H)+, RT 2.48分 (分析方法AcHSSC18); 1H NMR (400 MHz, DMSO-d6) d 10.06 (s, 1H), 8.73 (d, J=1.3 Hz, 1H), 8.66 (s, 1H), 8.46 (s, 1H), 8.31 (s, 1H), 8.22 (s, 1H), 7.94 (d, J=1.3 Hz, 1H), 7.31 (s, 1H), 5.25 (s, 2H), 4.09 (s, 3H), 3.73 - 3.60 (m, 2H), 3.59 - 3.48 (m, 2H), 3.44 - 3.39 (m, 1H), 2.18 - 2.11 (m, 2H), 1.98 - 1.90 (m, 1H), 0.42 (m, 2H), 0.29 - 0.23 (m, 2H).
【0223】
実施例2:(R)-5-(3-(シクロプロピルアミノ)ピロリジン-1-イル)-N-(2-メチル-6-((テトラヒドロ-2H-ピラン-4-イル)オキシ)-2H-インダゾール-5-イル)ピラジン-2-カルボキサミド
【0224】
【化20】
【0225】
テトラヒドロフラン(20mL)中の2-メチル-5-ニトロ-インダゾール-6-オール(300mg、1.55mmol)の溶液に、トリフェニルホスフィン(611mg、2.33mmol)及びテトラヒドロ-4-ピラノール(0.15mL、1.55mmol)を添加し、得られた混合物を0℃で撹拌した。アゾジカルボン酸ジイソプロピル(0.46mL、2.33mmol)を滴下添加し、反応混合物を室温で18時間撹拌した。溶媒を真空中で除去し、残渣をシリカクロマトグラフィー(25g、EtOAc/シクロヘキサン0~100%で溶離)により精製して、2-メチル-5-ニトロ-6-((テトラヒドロ-2H-ピラン-4-イル)オキシ)-2H-インダゾールを得た。
【0226】
2-メチル-5-ニトロ-6-テトラヒドロピラン-4-イルオキシ-インダゾール(192mg、0.692mmol)及び塩化スズ(II)二水和物(625mg、2.77mmol)を酢酸エチル(10mL)、ジクロロメタン(10mL)及び酢酸(1mL)に懸濁した。混合物を室温で48時間撹拌した。溶媒を真空中で除去して、残渣を得て、これをMeOHに溶解し、SCXカラム(10g、MeOH、次いで、10% MeOH中7M NH3/MeOHで溶離)上にロードした。アンモニア画分を合わせ、溶媒を真空中で除去して、2-メチル-6-((テトラヒドロ-2H-ピラン-4-イル)オキシ)-2H-インダゾール-5-アミンを得た。
【0227】
2-メチル-6-テトラヒドロピラン-4-イルオキシ-インダゾール-5-アミン(100mg、0.404mmol)をアセトニトリル(5mL)に溶解し、5-[(3R)-3-[tert-ブトキシカルボニル(シクロプロピル)アミノ]ピロリジン-1-イル]ピラジン-2-カルボン酸(150mg、0.431mmol)及び1-メチルイミダゾール(0.097mL、1.21mmol)を添加した。クロロ-N,N,N',N'-テトラメチルホルムアミジニウムヘキサフルオロホスフェート(170mg、0.607mmol、1.50eq)を添加し、反応物を室温で18時間撹拌した。溶媒を真空中で除去し、残渣を分取HPLCにより精製して、tert-ブチル(R)-シクロプロピル(1-(5-((2-メチル-6-((テトラヒドロ-2H-ピラン-4-イル)オキシ)-2H-インダゾール-5-イル)カルバモイル)ピラジン-2-イル)ピロリジン-3-イル)カルバメートを得た。
【0228】
tert-ブチル(R)-シクロプロピル(1-(5-((2-メチル-6-((テトラヒドロ-2H-ピラン-4-イル)オキシ)-2H-インダゾール-5-イル)カルバモイル)ピラジン-2-イル)ピロリジン-3-イル)カルバメート(63mg、0.109mmol)をジクロロメタン(3mL)に溶解し、トリフルオロ酢酸(1.0mL、13.1mmol)を室温で添加した。反応物を室温で1時間撹拌した。溶媒を真空中で除去して、残渣の油状物を得て、これを真空炉内で終夜乾燥した。SCXカラム(1g、MeOH、次いで、10% MeOH中7M NH3/MeOHで溶離)に通すことによって、残渣を遊離塩基化した。アンモニア画分を合わせ、溶媒を真空中で除去して、標題化合物を得た。LCMS (ES+) 478.2 (M+H)+, RT 2.67分 (分析方法AcHSSC18); 1H NMR (400 MHz, DMSO-d6) d 10.26 (s, 1H), 8.74 (d, J=1.3 Hz, 1H), 8.66 (s, 1H), 8.21 (s, 1H), 7.99 (d, J=1.5 Hz, 1H), 7.21 (s, 1H), 4.90 - 4.83 (m, 1H), 4.08 (s, 3H), 3.96 - 3.88 (m, 2H), 3.71 - 3.49 (m, 6H), 3.44 - 3.41 (m, 1H), 2.13 - 2.04 (m, 4H), 1.96 - 1.90 (m, 1H), 1.75 (m, 2H), 0.41 (m, 2H), 0.27 - 0.21 (m, 2H) NHは観察されなかった.
【0229】
実施例3:(R)-N-(6-(ブタ-2-イン-1-イルオキシ)-2-メチル-2H-インダゾール-5-イル)-5-(3-(シクロプロピルアミノ)ピロリジン-1-イル)ピラジン-2-カルボキサミド
【0230】
【化21】
【0231】
2-メチル-5-ニトロ-インダゾール-6-オール(200mg、1.04mmol)をテトラヒドロフラン(20mL)に溶解し、トリフェニルホスフィン(543mg、2.07mmol)及び2-ブチン-1-オール(0.085mL、1.14mmol)を添加した。混合物を0℃に冷却し、アゾジカルボン酸ジイソプロピル(0.41mL、2.07mmol)を滴下添加した。反応混合物を室温で18時間撹拌した。溶媒を真空中で除去し、残渣をシリカクロマトグラフィー(25g、EtOAc/シクロヘキサン0~100%で溶離)により精製して、6-(ブタ-2-イン-1-イルオキシ)-2-メチル-5-ニトロ-2H-インダゾールを得た。物質は、トリフェニルホスフィンオキシド不純物を含み、LCMSにより純度60%であった。さらに精製せずに次のステップで使用した。
【0232】
6-(ブタ-2-イン-1-イルオキシ)-2-メチル-5-ニトロ-2H-インダゾール(490mg、1.20mmol)を酢酸エチル(10mL)及びジクロロメタン(10mL)に溶解し、塩化スズ(II)二水和物(1082mg、4.80mmol)を室温で添加した。反応物を室温で48時間撹拌した。溶媒を真空中で除去して、残渣を得て、これをMeOHに溶解し、SCXカラム(10g、MeOH、次いで、10% MeOH中7M NH3/MeOHで溶離)上にロードした。アンモニア画分を合わせ、溶媒を真空中で除去して、6-(ブタ-2-イン-1-イルオキシ)-2-メチル-2H-インダゾール-5-アミンを得た。
【0233】
6-(ブタ-2-イン-1-イルオキシ)-2-メチル-2H-インダゾール-5-アミン(168mg、0.780mmol)をアセトニトリル(5mL)に溶解し、5-[(3R)-3-[tert-ブトキシカルボニル(シクロプロピル)アミノ]ピロリジン-1-イル]ピラジン-2-カルボン酸(272mg、0.780mmol)及び1-メチルイミダゾール(0.19mL、2.34mmol)を添加した。クロロ-N,N,N',N'-テトラメチルホルムアミジニウムヘキサフルオロホスフェート(328mg、1.17mmol)を添加し、反応物を室温で18時間撹拌した。溶媒を真空中で除去して、残渣を得て、これを分取HPLCにより精製して、tert-ブチル(R)-(1-(5-((6-(ブタ-2-イン-1-イルオキシ)-2-メチル-2H-インダゾール-5-イル)カルバモイル)ピラジン-2-イル)ピロリジン-3-イル)(シクロプロピル)カルバメートを得た。
【0234】
tert-ブチル(R)-(1-(5-((6-(ブタ-2-イン-1-イルオキシ)-2-メチル-2H-インダゾール-5-イル)カルバモイル)ピラジン-2-イル)ピロリジン-3-イル)(シクロプロピル)カルバメート(97mg、0.179mmol)をジクロロメタン(3mL)に溶解し、トリフルオロ酢酸(1mL)を室温で添加した。反応物を室温で1時間撹拌した。溶媒を真空中で除去して、残渣の油状物を得て、これを真空炉内で終夜乾燥した。SCXカラム(1g、MeOH、次いで、10% MeOH中7M NH3/MeOHで溶離)に通すことによって、残渣を遊離塩基化した。アンモニア画分を合わせ、溶媒を真空中で除去して、標題化合物を得た。LCMS (ES+) 446.2 (M+H)+, RT 4.09分 (分析方法BicarbBEHC18); 1H NMR (400 MHz, DMSO-d6) d 9.99 (s, 1H), 8.74 (d, J=1.3 Hz, 1H), 8.68 (s, 1H), 8.22 (s, 1H), 8.01 (d, J=1.5 Hz, 1H), 7.18 (s, 1H), 5.00 - 4.97 (m, 2H), 4.09 (s, 3H), 3.72 - 3.50 (m, 4H), 3.45 - 3.40 (m, 1H), 2.15 - 2.10 (m, 2H), 1.98 - 1.89 (m, 1H), 1.87 - 1.85 (m, 3H), 0.43 - 0.39 (m, 2H), 0.28 - 0.22 (m, 2H) NHは観察されなかった.
【0235】
実施例4:(R)-N-(2-メチル-6-(プロパ-2-イン-1-イルオキシ)-2H-インダゾール-5-イル)-5-(3-(メチルアミノ)ピロリジン-1-イル)ピラジン-2-カルボキサミド
【0236】
【化22】
【0237】
テトラヒドロフラン(20mL)中の5-ニトロ-2H-インダゾール-6-オール(500mg、2.79mmol、1.00eq)、トリフェニルホスフィン(1098mg、4.19mmol、1.50eq)、プロパルギルアルコール(0.16mL、2.79mmol、1.00eq)を0℃で撹拌した。アゾジカルボン酸ジイソプロピル(0.82mL、4.19mmol、1.50eq)を滴下添加し、反応混合物を室温で終夜撹拌した。水を添加し、生成物を酢酸エチルに抽出した。有機相を疎水性フリットで乾燥し、減圧下で濃縮した。シクロヘキサン中0~100%酢酸エチルを使用して、残渣をシリカゲルクロマトグラフィーにより精製した。適切な画分を合わせ、減圧下で濃縮して、5-ニトロ-6-プロパ-2-インオキシ-1H-インダゾールを得た。LCMS: ES+ 218.3. 1H NMR (400 MHz, DMSO-d6) 13.49 (1H, s), 8.51 (1H, s), 8.27 (1H, s), 7.39 (1H, s), 5.11 (2H, d, J=2.4 Hz), 3.76 (1H, t, J=2.4 Hz).
【0238】
酢酸エチル(10.00mL)中の5-ニトロ-6-プロパ-2-インオキシ-1H-インダゾール(480mg、2.21mmol、1.00eq)を0℃で撹拌した。トリメチルオキソニウムテトラフルオロボレート(327mg、2.21mmol、1.00eq)を分割添加し、終夜撹拌しながら、反応混合物を室温に温めた。水を添加し、有機相を分離した。有機相を疎水性フリットで乾燥し、減圧下で濃縮した。シクロヘキサン中0~100%酢酸エチルを使用して、残渣をシリカゲルクロマトグラフィーにより精製した。適切な画分を合わせ、減圧下で濃縮して、2-メチル-5-ニトロ-6-プロパ-2-インオキシ-インダゾールを得て、これを次のステップで粗製で使用した。
【0239】
酢酸エチル(10mL)及びジクロロメタン(10mL)中の2-メチル-5-ニトロ-6-プロパ-2-インオキシ-インダゾール(460mg、1.99mmol、1.00eq)、塩化スズ(II)二水和物(1796mg、7.96mmol、4.00eq)を室温で終夜撹拌した。セライトを通して反応混合物を濾過し、減圧下で濃縮して、2-メチル-6-プロパ-2-インオキシ-インダゾール-5-アミンを得た。LCMS: ES+ 202.2. 1H NMR (400 MHz, DMSO-d6) 7.86 (1H, s), 6.98 (1H, s), 6.71 (1H, s), 4.90 (2H, d, J=2.7 Hz), 4.63 (2H, s), 4.05 (3H, s), 3.65 (1H, t, J=2.7 Hz).
【0240】
アセトニトリル(2mL)中の2-メチル-6-プロパ-2-インオキシ-インダゾール-5-アミン(50mg、0.248mmol、1.00eq)、5-[(3R)-3-[tert-ブトキシカルボニル(メチル)アミノ]ピロリジン-1-イル]ピラジン-2-カルボン酸(80mg、0.248mmol、1.00eq)、クロロ-N,N,N',N'-テトラメチルホルムアミジニウムヘキサフルオロホスフェート(105mg、0.373mmol、1.50eq)、1-メチルイミダゾール(0.059mL、0.745mmol、3.00eq)を室温で終夜撹拌した。酢酸エチル及び水を添加し、有機相を分離し、疎水性フリットで乾燥し、減圧下で濃縮して、tert-ブチルN-メチル-N-[(3R)-1-[5-[(2-メチル-6-プロパ-2-インオキシ-インダゾール-5-イル)カルバモイル]ピラジン-2-イル]ピロリジン-3-イル]カルバメートを得た。LCMS: ES+ 506.5.
【0241】
tert-ブチルN-メチル-N-[(3R)-1-[5-[(2-メチル-6-プロパ-2-インオキシ-インダゾール-5-イル)カルバモイル]ピラジン-2-イル]ピロリジン-3-イル]カルバメート(80mg、0.158mmol、1.00eq)、トリフルオロ酢酸(0.12mL、1.58mmol、10.0eq)をジクロロメタン(2mL)中で合わせ、室温で2時間撹拌した。反応混合物を減圧下で濃縮し、分取HPLCにより精製した。これにより、(R)-N-(2-メチル-6-(プロパ-2-イン-1-イルオキシ)-2H-インダゾール-5-イル)-5-(3-(メチルアミノ)ピロリジン-1-イル)ピラジン-2-カルボキサミドを得た。LCMS (ES+) 406.2 (M+H)+, RT 2.74分 (分析方法AcHSSC18). 1H NMR (400 MHz, DMSO-d6) 10.02 (1H, s), 8.76 (1H, d, J=1.4 Hz), 8.71 (1H, s), 8.26 (1H, s), 8.04 (1H, d, J=1.4 Hz), 7.23 (1H, s), 5.08 - 5.03 (2H, m), 4.12 - 4.10 (3H, m), 3.71 - 3.56 (5H, m), 3.48 - 3.40 (2H, m), 2.35 (3H, s), 2.19 - 2.10 (1H, m), 1.93 (1H, d, J=5.6 Hz).
【0242】
実施例5:(R)-5-(3-(シクロプロピルアミノ)ピロリジン-1-イル)-N-(2-メチル-6-(プロパ-2-イン-1-イルオキシ)-2H-インダゾール-5-イル)ピラジン-2-カルボキサミド
【0243】
【化23】
【0244】
2-メチル-6-プロパ-2-インオキシ-インダゾール-5-アミン(50mg、0.248mmol、1.00eq)及び5-[(3R)-3-[tert-ブトキシカルボニル(シクロプロピル)アミノ]ピロリジン-1-イル]ピラジン-2-カルボン酸(75mg、0.215mmol、0.866eq)を室温でアセトニトリル(2mL)に溶解した。クロロ-N,N,N',N'-テトラメチルホルムアミジニウムヘキサフルオロホスフェート(108mg、0.385mmol、1.55eq)及び1-メチルイミダゾール(0.060mL、0.753mmol、3.03eq)を添加し、反応混合物を24時間撹拌した。得られた沈殿物を濾過により収集して、tert-ブチルN-シクロプロピル-N-[(3R)-1-[5-[(2-メチル-6-プロパ-2-インオキシ-インダゾール-5-イル)カルバモイル]ピラジン-2-イル]ピロリジン-3-イル]カルバメートを得た。LCMS(ES+) 532(M+H)+.
【0245】
tert-ブチルN-シクロプロピル-N-[(3R)-1-[5-[(2-メチル-6-プロパ-2-インオキシ-インダゾール-5-イル)カルバモイル]ピラジン-2-イル]ピロリジン-3-イル]カルバメート(132mg、0.249mmol、1.00eq)をジクロロメタン(5mL)に懸濁した。トリフルオロ酢酸(1.5mL、19.6mmol、78.8eq)を添加し、混合物を室温で80分間撹拌した。反応混合物をメタノールでクエンチし、減圧下で濃縮した。残渣を分取HPLC、続いてアキラルSFCにより精製して、標題化合物を得た。LCMS (ES+) 432.2 (M+H)+, RT 2.66分 (分析方法AcHSSC18) 1H NMR (400 MHz, DMSO-d6) d 10.03 (s, 1H), 8.73 (s, 1H), 8.28 (s, 1H), 8.05 (d, J=1.3 Hz, 1H), 7.25 (s, 1H), 5.08 (d, J=2.4 Hz, 2H), 4.13 (s, 3H), 3.76 - 3.51 (m, 6H), 3.44 - 3.38 (m, 1H), 2.16 - 2.06 (m, 2H), 1.94 (s, 1H), 0.43 - 0.39 (m, 2H), 0.28 - 0.19 (m, 2H).
【0246】
実施例6:(R)-5-(3-(シクロプロピルアミノ)ピロリジン-1-イル)-N-(2-メチル-6-((テトラヒドロ-2H-ピラン-4-イル)メトキシ)-2H-インダゾール-5-イル)ピラジン-2-カルボキサミド
【0247】
【化24】
【0248】
5-ニトロ-1H-インダゾール-6-オール(2.00g、11.2mmol、1eq)、トリメチルオキソニウムテトラフルオロボレート(1.98g、13.4mmol、1.20eq)及び酢酸エチル(100mL)を合わせ、室温で4日間撹拌した。次いで、混合物をEtOACで希釈し、水で洗浄し、硫酸マグネシウムで乾燥し、真空中で濃縮して、2-メチル-5-ニトロ-インダゾール-6-オールを得た。1H NMR (400 MHz, DMSO-d6) 10.45 (1H, s), 8.54 (1H, s), 8.46 (1H, s), 7.02 (1H, s), 4.15 (3H, s).
【0249】
2-メチル-5-ニトロ-インダゾール-6-オール(405mg、2.10mmol、1eq)、tert-ブチルジメチルシリルクロリド(348mg、2.31mmol、1.1eq)、水素化ナトリウム(60%、92mg、2.31mmol、1.1eq)及びテトラヒドロフラン(10mL)を合わせ、室温で窒素雰囲気下で90分間撹拌した。次いで、混合物を真空中でシリカ上で濃縮し、フラッシュクロマトグラフィーにより精製して、tert-ブチル-ジメチル-(2-メチル-5-ニトロ-インダゾール-6-イル)オキシ-シランを得た。1H NMR (400 MHz, CDCl3) 8.17 (1H, s), 8.01 (1H, s), 7.11 (1H, s), 4.21 (3H, s), 1.01 (9H, s), 0.29 (6H, s).
【0250】
tert-ブチル-ジメチル-(2-メチル-5-ニトロ-インダゾール-6-イル)オキシ-シラン(510mg、1.66mmol、1eq)、酢酸エチル(50mL)及び炭素上の10%パラジウムを合わせ、水素雰囲気下で20時間撹拌した。次いで、セライトプラグを通して濾過することにより触媒を除去し、混合物を真空中で濃縮して、6-[tert-ブチル(ジメチル)シリル]オキシ-2-メチル-インダゾール-5-アミンを得た。1H NMR (400 MHz, CDCl3) 7.55 (1H, s), 6.98 (1H, s), 6.76 (1H, s), 4.09 (3H, s), 3.83 - 3.74 (2H, m), 1.04 (9H, s), 0.31 (6H, s).
【0251】
6-[tert-ブチル(ジメチル)シリル]オキシ-2-メチル-インダゾール-5-アミン(200mg、0.721mmol、1eq)、5-[(3R)-3-[tert-ブトキシカルボニル(シクロプロピル)アミノ]ピロリジン-1-イル]ピラジン-2-カルボン酸(251mg、0.721mmol、1eq)、HBTU(273mg、0.721mmol、1eq)、N,N-ジメチルホルムアミド(4mL)及びトリエチルアミン(0.50mL、3.59mmol、4.98eq)を合わせ、室温で90分間撹拌した。次いで、混合物を真空中でシリカ上で濃縮し、シクロヘキサン中0~100%EtOAc、次いで、EtOAc中10%MeOHで溶離するフラッシュクロマトグラフィーにより精製して、tert-ブチルN-シクロプロピル-N-[(3R)-1-[5-[(6-ヒドロキシ-2-メチル-インダゾール-5-イル)カルバモイル]ピラジン-2-イル]ピロリジン-3-イル]カルバメートを得た。1H NMR (400 MHz, DMSO-d6) 10.49 (1H, s), 10.13 (1H, s), 8.77 (1H, d, J=1.3 Hz), 8.64 (1H, s), 8.17 (1H, s), 8.09 (1H, s), 6.94 (1H, s), 4.40 (1H, dd, J=7.8, 7.8 Hz), 4.06 (3H, s), 3.87 - 3.80 (2H, m), 3.62 (1H, dd, J=8.3, 10.8 Hz), 3.54 - 3.46 (1H, m), 2.46 - 2.40 (2H, m), 2.29 - 2.23 (1H, m), 1.43 (9H, s), 0.79 - 0.74 (2H, m), 0.67 - 0.63 (2H, m).
【0252】
tert-ブチルN-シクロプロピル-N-[(3R)-1-[5-[(6-ヒドロキシ-2-メチル-インダゾール-5-イル)カルバモイル]ピラジン-2-イル]ピロリジン-3-イル]カルバメート(120mg、0.243mmol、1eq)、炭酸カリウム(40mg、0.292mmol、1.20eq)、アセトン(20mL)及び4-(ブロモメチル)テトラヒドロピラン(44mg、0.243mmol、1eq)を合わせ、50℃に3日間ホットブロック加熱した。次いで、カリウムtert-ブトキシド(27mg、0.243mmol、1eq)を添加し、混合物を50℃でさらに24時間撹拌した。次いで、混合物を室温に冷却し、セライトプラグを通して濾過することによりカリウム塩を除去し、溶液を真空中で濃縮した。残渣を分取HPLCにより精製して、部分的に精製されたtert-ブチル(R)-シクロプロピル(1-(5-((2-メチル-6-((テトラヒドロ-2H-ピラン-4-イル)メトキシ)-2H-インダゾール-5-イル)カルバモイル)ピラジン-2-イル)ピロリジン-3-イル)カルバメートを得て、これをさらに精製せずに続くステップで使用した。
【0253】
tert-ブチルN-シクロプロピル-N-[(3R)-1-[5-[[2-メチル-6-(テトラヒドロピラン-4-イルメトキシ)インダゾール-5-イル]カルバモイル]ピラジン-2-イル]ピロリジン-3-イル]カルバメート(27mg、0.0448mmol、1.00eq)、メチルアルコール(2mL)、及びジオキサン中4M塩化水素(2.0mL、8.00mmol、179eq)を合わせ、室温で1時間撹拌した。次いで、混合物を真空中で濃縮し、分取HPLCにより精製して、(R)-5-(3-(シクロプロピルアミノ)ピロリジン-1-イル)-N-(2-メチル-6-((テトラヒドロ-2H-ピラン-4-イル)メトキシ)-2H-インダゾール-5-イル)ピラジン-2-カルボキサミドをギ酸塩として得た。LCMS (ES+) 492.2 (M+H)+, RT 2.82分 (分析方法AcHSSC18) 1H NMR (400 MHz, DMSO-d6) 10.29 (1H, s), 8.73 (1H, d, J=1.1 Hz), 8.60 (1H, s), 8.22 (1H, s), 8.20 (1H, s), 7.88 (1H, d, J=1.4 Hz), 7.08 (1H, s), 4.08 (3H, s), 4.06 - 3.95 (5H, m), 3.70 - 3.53 (6H, m), 2.16 - 2.09 (3H, m), 1.97 - 1.94 (1H, m), 1.82 - 1.78 (2H, m), 1.58 - 1.49 (2H, m), 0.42 - 0.39 (2H, m), 0.27 - 0.21 (2H, m).
【0254】
実施例7:(R)-N-(6-(シアノメトキシ)-2-メチル-2H-インダゾール-5-イル)-5-(3-(シクロプロピルアミノ)ピロリジン-1-イル)ピラジン-2-カルボキサミド
【0255】
【化25】
【0256】
tert-ブチルN-シクロプロピル-N-[(3R)-1-[5-[(6-ヒドロキシ-2-メチル-インダゾール-5-イル)カルバモイル]ピラジン-2-イル]ピロリジン-3-イル]カルバメート(100mg、0.203mmol、1eq、合成は実施例6に記載される)、炭酸カリウム(34mg、0.243mmol、1.20eq)、アセトン(10mL)及びブロモアセトニトリル(0.014mL、0.203mmol、1.00eq)を密閉管内で合わせ、50℃にホットブロック加熱した。反応混合物を室温に冷却した。濾過することによりカリウム塩を除去し、濾液を真空中で濃縮した。残渣を分取HPLCにより精製し、中間体をそのまま次のステップで使用した。
【0257】
tert-ブチルN-[(3R)-1-[5-[[6-(シアノメトキシ)-2-メチル-インダゾール-5-イル]カルバモイル]ピラジン-2-イル]ピロリジン-3-イル]-N-シクロプロピル-カルバメート(23mg、0.0430mmol、1eq)、ジクロロメタン(2mL)及びトリフルオロ酢酸(1mL、13.1mmol、304eq)を合わせ、室温で撹拌した。反応混合物を真空中で濃縮した。残渣を分取HPLC、続いてアキラルSFC精製により精製した。LCMS (ES+) 433.2 (M+H)+, RT 3.66分 (分析方法BicarbBEHC18). 1H NMR (400 MHz, DMSO-d6) 9.96 (1H, s), 8.80 (1H, d, J=1.3 Hz), 8.71 (1H, s), 8.31 (1H, s), 8.11 (1H, s), 7.37 (1H, s), 5.44 (2H, s), 4.13 (3H, s), 3.86 - 3.81 (2H, m), 3.76 - 3.60 (3H, m), 2.95 - 2.91 (1H, m), 2.36 - 2.17 (2H, m), 1.17 (2H, t, J=7.3 Hz), 0.67 - 0.59 (3H, m).
【0258】
実施例8:(R)-N-(6-(ベンジルオキシ)-2-メチル-2H-インダゾール-5-イル)-5-(3-(メチルアミノ)ピロリジン-1-イル)ピラジン-2-カルボキサミド
【0259】
【化26】
【0260】
テトラヒドロフラン(20mL)中の5-ニトロ-2H-インダゾール-6-オール(500mg、2.79mmol、1.00eq)、トリフェニルホスフィン(1098mg、4.19mmol、1.50eq)、及びベンジルアルコール(0.29mL、2.79mmol、1.00eq)を0℃で撹拌した。アゾジカルボン酸ジイソプロピル(0.82mL、4.19mmol、1.50eq)を滴下添加し、反応混合物を室温に終夜温めた。水を添加し、生成物を酢酸エチルに抽出した。有機相を疎水性フリットで乾燥し、減圧下で濃縮した。シクロヘキサン中0~100%酢酸エチルを使用して、残渣をシリカゲルクロマトグラフィーにより精製した。適切な画分を合わせ、減圧下で濃縮して、6-ベンジルオキシ-5-ニトロ-1H-インダゾールを得た。LCMS: ES+ 268.1. 1H NMR (400 MHz, CDCl3) 10.04 (1H, s), 8.33 (1H, s), 8.12 (0H, s), 7.52 - 7.34 (5H, m), 7.05 (1H, s), 5.28 (2H, s).
【0261】
酢酸エチル(10mL)中の6-ベンジルオキシ-5-ニトロ-1H-インダゾール(371mg、1.42mmol、1.00eq)を0℃で撹拌した。トリメチルオキソニウムテトラフルオロボレート(209mg、1.42mmol、1.00eq)を分割添加し、反応混合物を室温に温め、室温で終夜撹拌した。水を添加し、有機相を分離した。有機相をブラインで洗浄し、疎水性フリットで乾燥し、減圧下で濃縮して、6-ベンジルオキシ-2-メチル-5-ニトロ-インダゾールを得た。LCMS: ES+ 284.1. 1H NMR (400 MHz, CDCl3) 8.22 (1H, s), 8.01 (1H, s), 7.51 - 7.47 (2H, m), 7.41 - 7.31 (3H, m), 7.15 (1H, s), 5.25 (2H, s), 4.20 (3H, s).
【0262】
ジクロロメタン(10mL)及び酢酸エチル(10mL)中の6-ベンジルオキシ-2-メチル-5-ニトロ-インダゾール(390mg、1.38mmol、1.00eq)及び塩化スズ(II)二水和物(1243mg、5.51mmol、4.00eq)を室温で終夜撹拌した。セライトを通して混合物を濾過し、減圧下で濃縮して、6-ベンジルオキシ-2-メチル-インダゾール-5-アミンを得て、これを次のステップで粗製で使用した。
【0263】
アセトニトリル(2mL)中の6-ベンジルオキシ-2-メチル-インダゾール-5-アミン(50mg、0.197mmol、1.00eq)、5-[(3R)-3-[tert-ブトキシカルボニル(メチル)アミノ]ピロリジン-1-イル]ピラジン-2-カルボン酸(80mg、0.248mmol、1.00eq)、クロロ-N,N,N',N'-テトラメチルホルムアミジニウムヘキサフルオロホスフェート(105mg、0.373mmol、1.50eq)、及び1-メチルイミダゾール(0.059mL、0.745mmol、3.00eq)を室温で終夜撹拌した。水及び酢酸エチルを添加し、有機相を分離し、疎水性フリットで乾燥した。有機相を減圧下で濃縮して、tert-ブチルN-[(3R)-1-[5-[(6-ベンジルオキシ-2-メチル-インダゾール-5-イル)カルバモイル]ピラジン-2-イル]ピロリジン-3-イル]-N-メチル-カルバメートを得て、これを次のステップで粗製で使用した。
【0264】
ジクロロメタン(2mL)中のtert-ブチルN-[(3R)-1-[5-[(6-ベンジルオキシ-2-メチル-インダゾール-5-イル)カルバモイル]ピラジン-2-イル]ピロリジン-3-イル]-N-メチル-カルバメート(180mg、0.323mmol、1.00eq)及びトリフルオロ酢酸(0.25mL、3.23mmol、10.0eq)を室温で2時間撹拌した。反応混合物を減圧下で濃縮し、分取HPLC、続いてアキラルSFCにより精製して、(R)-N-(6-(ベンジルオキシ)-2-メチル-2H-インダゾール-5-イル)-5-(3-(メチルアミノ)ピロリジン-1-イル)ピラジン-2-カルボキサミドを得た。LCMS (ES+) 458.2 (M+H)+, RT 3.23分 (分析方法AcHSSC18). 1H NMR (400 MHz, DMSO-d6) 10.30 (1H, s), 8.76 (1H, d, J=1.4 Hz), 8.68 (1H, s), 8.24 (1H, s), 7.94 (1H, d, J=1.5 Hz), 7.63 - 7.61 (2H, m), 7.53 - 7.48 (2H, m), 7.41 - 7.37 (1H, m), 7.22 (1H, s), 5.36 (2H, s), 4.10 (3H, s), 3.71 - 3.57 (3H, m), 3.44 - 3.39 (1H, m), 3.31 - 3.28 (1H, m), 2.35 - 2.31 (3H, m), 2.16 - 2.10 (1H, m), 1.95 - 1.87 (2H, m).
【0265】
実施例9:(R)-5-(3-(シクロプロピルアミノ)ピロリジン-1-イル)-N-(6-(2-メトキシエトキシ)-2-メチル-2H-インダゾール-5-イル)ピラジン-2-カルボキサミド
【0266】
【化27】
【0267】
テトラヒドロフラン(20mL)中の5-ニトロ-2H-インダゾール-6-オール(500mg、2.79mmol、1.00eq)、2-メトキシエタノール(0.22mL、2.79mmol、1.00eq)、及びエチレンビス(ジフェニルホスフィン)(834mg、2.09mmol、0.750eq)を0℃で撹拌した。アゾジカルボン酸ジイソプロピル(0.82mL、4.19mmol、1.50eq)を滴下添加し、反応混合物を室温に終夜温めた。水を添加し、生成物を酢酸エチルに抽出した。有機相を疎水性フリットで乾燥し、シクロヘキサン中0~100%酢酸エチルの勾配を使用してシリカ上でのフラッシュクロマトグラフィーにより精製した。適切な画分を合わせ、減圧下で濃縮して、6-(2-メトキシエトキシ)-5-ニトロ-1H-インダゾールを得た。1H NMR (400 MHz, DMSO-d6) 13.42 - 13.38 (1H, m), 8.46 (1H, s), 8.24 (1H, s), 7.29 (1H, s), 4.38 - 4.34 (2H, m), 3.78 - 3.75 (2H, m), 3.37 (3H, s).
【0268】
酢酸エチル(10.00mL)中の6-(2-メトキシエトキシ)-5-ニトロ-1H-インダゾール(380mg、1.44mmol、1.00eq)を0℃で撹拌した。トリメチルオキソニウムテトラフルオロボレート(213mg、1.44mmol、1.00eq)を分割添加し、反応混合物を室温に温めた。反応混合物を室温で終夜撹拌した。水を添加し、生成物を酢酸エチルに抽出した。有機相を疎水性フリットで乾燥し、減圧下で濃縮して、6-(2-メトキシエトキシ)-2-メチル-5-ニトロ-インダゾールを得た。1H NMR (400 MHz, DMSO-d6) 8.59 (1H, s), 8.45 - 8.44 (1H, m), 7.32 - 7.31 (1H, m), 4.32 - 4.29 (2H, m), 4.21 (3H, s), 3.76 - 3.73 (2H, m), 3.37 (3H, s).
【0269】
酢酸エチル(5mL)及びジクロロメタン(5mL)中の6-(2-メトキシエトキシ)-2-メチル-5-ニトロ-インダゾール(340mg、1.35mmol、1.00eq)及び塩化スズ(II)二水和物(1221mg、5.41mmol、4.00eq)を室温で終夜撹拌した。セライトを通して反応混合物を濾過し、減圧下で濃縮して、6-(2-メトキシエトキシ)-2-メチル-インダゾール-5-アミンを得た。LCMS(ES+) 222(M+H).
【0270】
アセトニトリル(2mL)中の6-(2-メトキシエトキシ)-2-メチル-インダゾール-5-アミン(50mg、0.226mmol、1.00eq)、[5-[(3R)-3-[tert-ブトキシカルボニル(シクロプロピル)アミノ]ピロリジン-1-イル]ピラジン-2-カルボニル]オキシリチウム(80mg、0.226mmol、1.00eq)、クロロ-N,N,N',N'-テトラメチルホルムアミジニウムヘキサフルオロホスフェート(95mg、0.339mmol、1.50eq)、及び1-メチルイミダゾール(0.05mL、0.68mmol、3.0eq)を室温で終夜撹拌した。水を添加し、生成物を酢酸エチルに抽出した。有機相を疎水性フリットで乾燥し、減圧下で濃縮して、tert-ブチルN-シクロプロピル-N-[(3R)-1-[5-[[6-(2-メトキシエトキシ)-2-メチル-インダゾール-5-イル]カルバモイル]ピラジン-2-イル]ピロリジン-3-イル]カルバメートを得た。LCMS(ES+) 552(M+H)+.
【0271】
1,4-ジオキサン(2mL)中のtert-ブチルN-シクロプロピル-N-[(3R)-1-[5-[[6-(2-メトキシエトキシ)-2-メチル-インダゾール-5-イル]カルバモイル]ピラジン-2-イル]ピロリジン-3-イル]カルバメート(95mg、0.17mmol、1.0eq)、及び1,4-ジオキサン中4M塩化水素(0.43mL、1.72mmol、10.0eq)を室温で4時間撹拌した。反応混合物を減圧下で濃縮し、DMSOに溶解し、分取HPLCにより精製して、(R)-5-(3-(シクロプロピルアミノ)ピロリジン-1-イル)-N-(6-(2-メトキシエトキシ)-2-メチル-2H-インダゾール-5-イル)ピラジン-2-カルボキサミドを得た。LCMS (ES+) 452.5 (M+H)+, RT 2.51分 (分析方法AcHSSC18). 1H NMR (400 MHz, DMSO-d6) 10.15 (1H, s), 8.73 (1H, d, J=1.4 Hz), 8.67 - 8.66 (1H, m), 8.21 - 8.20 (1H, m), 7.96 (1H, d, J=1.3 Hz), 7.11 (1H, s), 4.31 - 4.27 (2H, m), 4.08 (3H, s), 3.83 - 3.79 (2H, m), 3.72 - 3.47 (4H, m), 3.40 - 3.39 (4H, m), 2.13 - 2.09 (2H, m), 1.96 - 1.89 (1H, m), 0.42 - 0.38 (2H, m), 0.27 - 0.20 (2H, m). 1つのピークはDMSO又はH2Oとの重複のため見えなかった。
【0272】
実施例10:N-(6-(ベンジルオキシ)-2-メチル-2H-インダゾール-5-イル)-5-(6-メチル-2,6-ジアザスピロ[3.5]ノナン-2-イル)ピラジン-2-カルボキサミド
【0273】
【化28】
【0274】
1,4-ジオキサン(10mL)中の6-メチル-2,6-ジアザスピロ[3.5]ノナン;塩酸塩(500mg、2.83mmol、1.00eq)及びトリエチルアミン(1.2mL、8.49mmol、3.00eq)の懸濁液に、メチル5-クロロ-2-ピラジンカルボキシレート(488mg、2.83mmol、1.00eq)を添加した。反応混合物を100℃に2時間加熱した。水酸化ナトリウム(170mg、4.24mmol、1.50eq)及び水(10mL)を添加し、混合物を50℃で4時間撹拌した。反応物を1MのHCl水溶液で酸性化し、SCXカートリッジ上にロードした。カートリッジをメタノールで洗浄し、生成物をメタノール中7Nアンモニアで溶離した。溶液を減圧下で濃縮して、5-(8-メチル-2,8-ジアザスピロ[3.5]ノナン-2-イル)ピラジン-2-カルボン酸を得た。LCMS(ES-) 261(M-H)-.
【0275】
アセトニトリル(2mL)中の6-ベンジルオキシ-2-メチル-インダゾール-5-アミン(100mg、0.395mmol、1.00eq)、5-(8-メチル-2,8-ジアザスピロ[3.5]ノナン-2-イル)ピラジン-2-カルボン酸(104mg、0.395mmol、1.00eq)、クロロ-N,N,N',N'-テトラメチルホルムアミジニウムヘキサフルオロホスフェート(166mg、0.592mmol、1.50eq)、及び1-メチルイミダゾール(0.094mL、1.18mmol、3.00eq)を室温で終夜撹拌した。反応混合物を酢酸エチル及び水で希釈した。有機相を分離し、疎水性フリットで乾燥し、減圧下で濃縮した。残渣を分取HPLCにより精製して、N-(6-(ベンジルオキシ)-2-メチル-2H-インダゾール-5-イル)-5-(6-メチル-2,6-ジアザスピロ[3.5]ノナン-2-イル)ピラジン-2-カルボキサミドを得た。LCMS (ES+) 498.2 (M+H)+, RT 3.18分 (分析方法AcHSSC18). 1H NMR (400 MHz, DMSO-d6) 10.30 (1H, s), 8.73 (1H, d, J=1.3 Hz), 8.67 (1H, s), 8.25 - 8.24 (1H, m), 7.84 (1H, d, J=1.4 Hz), 7.63 - 7.60 (2H, m), 7.53 - 7.48 (2H, m), 7.41 - 7.37 (1H, m), 7.23 (1H, s), 5.36 (2H, s), 4.10 (3H, s), 3.93 - 3.85 (4H, m), 2.47 - 2.44 (2H, m), 2.22 - 2.20 (5H, m), 1.69 - 1.65 (2H, m), 1.57 - 1.51 (2H, m).
【0276】
実施例11:N-(2-メチル-6-(プロパ-2-イン-1-イルオキシ)-2H-インダゾール-5-イル)-5-(6-メチル-2,6-ジアザスピロ[3.5]ノナン-2-イル)ピラジン-2-カルボキサミド
【0277】
【化29】
【0278】
アセトニトリル(2mL)中の2-メチル-6-プロパ-2-インオキシ-インダゾール-5-アミン(100mg、0.497mmol、1eq)、5-(8-メチル-2,8-ジアザスピロ[3.5]ノナン-2-イル)ピラジン-2-カルボン酸(130mg、0.497mmol、1eq)、クロロ-N,N,N',N'-テトラメチルホルムアミジニウムヘキサフルオロホスフェート(209mg、0.745mmol、1.5eq)、及び1-メチルイミダゾール(0.12mL、1.49mmol、3eq)の溶液を室温で終夜撹拌した。酢酸エチル及び水を添加した。有機相を分離し、疎水性フリットで乾燥し、減圧下で濃縮した。残渣を分取HPLCにより精製して、N-(2-メチル-6-(プロパ-2-イン-1-イルオキシ)-2H-インダゾール-5-イル)-5-(6-メチル-2,6-ジアザスピロ[3.5]ノナン-2-イル)ピラジン-2-カルボキサミドを得た。LCMS (ES+) 446.2 (M+H)+, RT 2.7分 (分析方法AcHSSC18). 1H NMR (400 MHz, DMSO-d6) 10.00 (1H, s), 8.73 (1H, d, J=1.4 Hz), 8.70 (1H, s), 8.26 (1H, s), 7.92 (1H, d, J=1.4 Hz), 7.23 (1H, s), 5.06 (2H, d, J=2.4 Hz), 4.11 (3H, s), 3.91 - 3.83 (4H, m), 3.68 (1H, t, J=2.3 Hz), 2.50 - 2.39 (2H, m), 2.29 - 2.20 (5H, m), 1.65 - 1.65 (2H, m), 1.57 - 1.51 (2H, m).
【0279】
実施例12:N-(4-フルオロ-2-メチルベンゾ[d]オキサゾール-6-イル)-5-(3-((イソプロピルアミノ)メチル)アゼチジン-1-イル)ピラジン-2-カルボキサミド
【0280】
【化30】
【0281】
tert-ブチル3-ホルミルアゼチジン-1-カルボキシレート(300mg、1.62mmol)をジクロロメタン(15mL)に溶解し、イソプロピルアミン(0.14mL、1.62mmol)を室温で添加した。トリアセトキシ水素化ホウ素ナトリウム(755mg、3.56mmol)を添加し、反応物を室温で18時間撹拌した。反応物を飽和炭酸水素ナトリウムでクエンチし、20分間撹拌した。相分離器を使用して層を分離し、DCM×3を使用して水層をさらに抽出した。DCMを真空中で除去して、tert-ブチル3-((イソプロピルアミノ)メチル)アゼチジン-1-カルボキシレートを得た。物質をさらに精製せずに次のステップで使用した。
【0282】
tert-ブチル3-((イソプロピルアミノ)メチル)アゼチジン-1-カルボキシレート(350mg、1.53mmol)をジクロロメタン(3mL)に溶解し、トリフルオロ酢酸(1.0mL、13.1mmol)を室温で添加した。反応物を室温で2時間撹拌し、溶媒を真空中で除去して、N-(アゼチジン-3-イルメチル)プロパン-2-アミン;ビス-2,2,2-トリフルオロ酢酸を得た。粗製の生成物をさらに精製せずに次のステップで使用した。
【0283】
メチル5-クロロ-2-ピラジンカルボキシレート(140mg、0.814mmol)及びN-(アゼチジン-3-イルメチル)プロパン-2-アミン;ビス-2,2,2-トリフルオロ酢酸(290mg、0.814mmol)をアセトニトリル(10mL)に溶解し、トリエチルアミン(0.45mL、3.26mmol)を添加した。反応物を45℃に18時間加熱した。反応物を室温に冷却し、溶媒を真空中で除去して、残渣を得た。残渣をDCMに溶解し、飽和炭酸水素ナトリウムで洗浄した。相分離器を使用してDCMを分離し、DCM層を真空中で濃縮して、残渣を得た。残渣をシリカクロマトグラフィー(10g、シクロヘキサン中EtOAc 0~100%で溶離)により精製して、メチル5-(3-((イソプロピルアミノ)メチル)アゼチジン-1-イル)ピラジン-2-カルボキシレートを得た。
【0284】
メチル5-[3-[(イソプロピルアミノ)メチル]アゼチジン-1-イル]ピラジン-2-カルボキシレート(215mg、0.814mmol)をジクロロメタン(10mL)に溶解し、二炭酸ジ-tert-ブチル(0.21mL、0.895mmol)及び4-(ジメチルアミノ)ピリジン(10mg、0.081mmol)を添加した。反応物を室温で18時間撹拌した。溶媒を真空中で除去し、残渣をシリカクロマトグラフィー(10g、シクロヘキサン中EtOAc 0~100%で溶離)により精製して、メチル5-(3-(((tert-ブトキシカルボニル)(イソプロピル)アミノ)メチル)アゼチジン-1-イル)ピラジン-2-カルボキシレートを得た。
【0285】
メチル5-[3-[[tert-ブトキシカルボニル(イソプロピル)アミノ]メチル]アゼチジン-1-イル]ピラジン-2-カルボキシレート(130mg、0.357mmol)をメチルアルコール(3mL)及び水(1.5mL)に溶解し、水酸化リチウム(9.4mg、0.392mmol)を室温で添加した。反応物を室温で18時間撹拌した。溶媒を真空中で除去して、残渣を得た。水(1mL)を残渣に添加し、pHを1M HClで約3に調整した。水層をEtOAc×3で抽出し、疎水性フリットに通すことによって有機層を乾燥した。溶媒を真空中で除去して、5-(3-(((tert-ブトキシカルボニル)(イソプロピル)アミノ)メチル)アゼチジン-1-イル)ピラジン-2-カルボン酸を得た。粗製の物質をさらに精製せずに次のステップで使用した。
【0286】
5-[3-[[tert-ブトキシカルボニル(イソプロピル)アミノ]メチル]アゼチジン-1-イル]ピラジン-2-カルボン酸(95mg、0.271mmol)及び4-フルオロ-2-メチル-1,3-ベンゾオキサゾール-6-アミン(45mg、0.271mmol)をアセトニトリル(3mL)に溶解した。1-メチルイミダゾール(0.065mL、0.813mmol)、続いてクロロ-N,N,N',N'-テトラメチルホルムアミジニウムヘキサフルオロホスフェート(84mg、0.298mmol)を添加した。反応物を室温で18時間撹拌した。反応混合物を濾過して固体を収集し、固体をアセトニトリル及び水で洗浄して、tert-ブチル((1-(5-((4-フルオロ-2-メチルベンゾ[d]オキサゾール-6-イル)カルバモイル)ピラジン-2-イル)アゼチジン-3-イル)メチル)(イソプロピル)カルバメートを得た。物質をさらに精製せずに次のステップで使用した。
【0287】
tert-ブチルN-[[1-[5-[(4-フルオロ-2-メチル-1,3-ベンゾオキサゾール-6-イル)カルバモイル]ピラジン-2-イル]アゼチジン-3-イル]メチル]-N-イソプロピル-カルバメート(82mg、0.164mmol)をジクロロメタン(3mL)に溶解し、トリフルオロ酢酸(1.0mL、13.1mmol)を添加した。反応物を室温で1時間撹拌した。試料に窒素を吹き込むことによって溶媒を除去し、試料を真空炉内で終夜さらに乾燥した。得られた残渣をDCM/MeOH 9:1(2mL)に溶解し、MP-カーボネートを添加し、試料を室温で18時間放置した。MP-カーボネートを濾過により除去し、溶媒を真空中で除去して、標題化合物を得た。LCMS (ES+) 399.2 (M+H)+, RT 2.91分 (分析方法AcHSSC18); 1H NMR (400 MHz, DMSO-d6) d 10.57 (s, 1H), 8.72 (d, J=1.3 Hz, 1H), 8.18 (d, J=1.5 Hz, 1H), 7.85 - 7.80 (m, 2H), 4.23 (dd, J=8.3, 8.3 Hz, 2H), 3.88 (dd, J=5.1, 9.1 Hz, 2H), 2.87 - 2.76 (m, 4H), 2.61 (s, 3H), 1.00 (d, J=6.3 Hz, 6H) NHは観察されなかった; ); 19F NMR (400 MHz, DMSO-d6) d -126.11 (d, J= 12.5 Hz, 1F).
【0288】
実施例13:5-((3S,4R)-3-(シクロプロピルアミノ)-4-メチルピロリジン-1-イル)-N-(8-フルオロ-2-メチルイミダゾ[1,2-a]ピリジン-6-イル)ピラジン-2-カルボキサミド
【0289】
【化31】
【0290】
tert-ブチルN-[(3S,4R)-4-メチルピロリジン-3-イル]カルバメート(125mg、0.624mmol)及び5-クロロ-N-(8-フルオロ-2-メチル-イミダゾ[1,2-a]ピリジン-6-イル)ピラジン-2-カルボキサミド(191mg、0.624mmol)をアセトニトリル(5mL)に溶解し、トリエチルアミン(0.26mL、1.87mmol)を添加した。反応物を45℃で18時間加熱した。反応物を室温に冷却し、溶媒を真空中で除去して、残渣を得て、これをシリカクロマトグラフィー(10g、EtOAc/シクロヘキサンで溶離)により精製して、tert-ブチル((3S,4R)-1-(5-((8-フルオロ-2-メチルイミダゾ[1,2-a]ピリジン-6-イル)カルバモイル)ピラジン-2-イル)-4-メチルピロリジン-3-イル)カルバメートを得た。
【0291】
tert-ブチル((3S,4R)-1-(5-((8-フルオロ-2-メチルイミダゾ[1,2-a]ピリジン-6-イル)カルバモイル)ピラジン-2-イル)-4-メチルピロリジン-3-イル)カルバメート(220mg、0.469mmol)をジクロロメタン(3mL)に溶解し、トリフルオロ酢酸(1.0mL)を室温で添加し、反応物を1時間撹拌した。溶媒を真空中で除去して、残渣を得た。残渣をSCXクロマトグラフィー(10g、MeOH、次いで10% MeOH中7M NH3/MeOHで溶離)により精製した。アンモニア画分を真空中で濃縮して、5-((3S,4R)-3-アミノ-4-メチルピロリジン-1-イル)-N-(8-フルオロ-2-メチルイミダゾ[1,2-a]ピリジン-6-イル)ピラジン-2-カルボキサミドを得た。
【0292】
5-((3S,4R)-3-アミノ-4-メチルピロリジン-1-イル)-N-(8-フルオロ-2-メチルイミダゾ[1,2-a]ピリジン-6-イル)ピラジン-2-カルボキサミド(173mg、0.468mmol)をメチルアルコール(10mL)に溶解し、酢酸(0.029mL、0.515mmol)を室温で添加した。(1-エトキシシクロプロポキシ)トリメチルシラン(0.094mL、0.468mmol)を添加し、反応物を室温で18時間撹拌した。シアノ水素化ホウ素ナトリウム(32mg、0.515mmol)を室温で添加し、反応物を室温でさらに18時間撹拌した。反応物を飽和炭酸水素ナトリウムの添加によりクエンチし、DCM×3で抽出した。相分離器を使用して層を分離し、溶媒を真空中で除去して、残渣を得て、これを分取HPLC、続いてアキラルSFCにより精製して、標題化合物を得た。LCMS (ES+) 410.2 (M+H)+, RT 2.15分 (分析方法AcHSSC18); 1H NMR (400 MHz, DMSO-d6) d 10.41 (s, 1H), 9.18 (d, J=1.5 Hz, 1H), 8.73 (d, J=1.3 Hz, 1H), 7.95 (d, J=1.1 Hz, 1H), 7.88 (d, J=2.9 Hz, 1H), 7.55 (dd, J=1.6, 13.1 Hz, 1H), 3.93 - 3.77 (m, 2H), 3.38 - 3.30 (m, 1H), 3.19 - 3.12 (m, 1H), 3.04 - 3.02 (m, 1H), 2.53 (dd, J=2.4, 6.2 Hz, 1H), 2.33 (s, 3H), 2.19 - 2.15 (m, 2H), 1.07 (d, J=6.8 Hz, 3H), 0.44 - 0.40 (m, 2H), 0.28 - 0.20 (m, 2H); 19F NMR (400 MHz, DMSO-d6) d -132.19 (dd, J= 3.5, 12.7 Hz, 1F).
【0293】
実施例14:N-(4-フルオロ-2-メチルベンゾ[d]オキサゾール-6-イル)-5-(メチル(ピペリジン-4-イル)アミノ)ピラジン-2-カルボキサミド
【0294】
【化32】
【0295】
4-アミノ-1-Boc-ピペリジン(671mg、3.35mmol)、メチル5-クロロ-2-ピラジンカルボキシレート(578mg、3.35mmol)、炭酸セシウム(2194mg、6.73mmol)及び1,4-ジオキサン(35mL)を合わせ、還流状態で18時間加熱した。反応物を室温に冷却し、セライトを通して濾過することによって固体を除去した。溶媒を真空中で除去して、残渣を得て、これをシリカクロマトグラフィー(25g、EtOAc/シクロヘキサン0~100%で溶離)により精製して、メチル5-((1-(tert-ブトキシカルボニル)ピペリジン-4-イル)アミノ)ピラジン-2-カルボキシレートを得た。
【0296】
メチル5-[(1-tert-ブトキシカルボニル-4-ピペリジル)アミノ]ピラジン-2-カルボキシレート(534mg、1.59mmol)をN,N-ジメチルホルムアミド(15mL)に溶解し、水素化ナトリウム(60%、95mg、2.38mmol)を室温で添加し、1時間撹拌した。ヨードメタン(0.15mL、2.38mmol)を添加し、反応物を室温でさらに18時間撹拌した。反応物をMeOH(エステル加水分解を回避するために使用)でクエンチし、溶媒を真空中で除去して、メチル5-((1-(tert-ブトキシカルボニル)ピペリジン-4-イル)(メチル)アミノ)ピラジン-2-カルボキシレートを得た。物質をさらに精製せずに次のステップで使用した。
【0297】
メチル5-[(1-tert-ブトキシカルボニル-4-ピペリジル)-メチル-アミノ]ピラジン-2-カルボキシレート(556mg、1.59mmol)をメチルアルコール(12mL)及び水(6mL)に溶解した。水酸化リチウム(57mg、2.38mmol)を添加し、反応物を室温で18時間撹拌した。溶媒を真空中で除去して、水溶液を得た。pHを1M HClで約3に調整して、固体を得た。固体を濾過により収集し、水で洗浄し、真空炉内で終夜乾燥して、5-((1-(tert-ブトキシカルボニル)ピペリジン-4-イル)(メチル)アミノ)ピラジン-2-カルボン酸を得た。物質をさらに精製せずに次のステップで使用した。
【0298】
4-フルオロ-2-メチル-1,3-ベンゾオキサゾール-6-アミン(80mg、0.481mmol)、5-[(1-tert-ブトキシカルボニル-4-ピペリジル)-メチル-アミノ]ピラジン-2-カルボン酸(100mg、0.297mmol)、及び1-メチルイミダゾール(0.12mL、1.44mmol)をアセトニトリル(8mL)に懸濁し、クロロ-N,N,N',N'-テトラメチルホルムアミジニウムヘキサフルオロホスフェート(149mg、0.530mmol)を添加し、室温で18時間撹拌した。溶媒を真空中で除去し、残渣をシリカクロマトグラフィー(10g、EtOAc/シクロヘキサン0~100%で溶離)により精製して、tert-ブチル4-((5-((4-フルオロ-2-メチルベンゾ[d]オキサゾール-6-イル)カルバモイル)ピラジン-2-イル)(メチル)アミノ)ピペリジン-1-カルボキシレートを得た。
【0299】
tert-ブチル4-[[5-[(4-フルオロ-2-メチル-1,3-ベンゾオキサゾール-6-イル)カルバモイル]ピラジン-2-イル]-メチル-アミノ]ピペリジン-1-カルボキシレート(82mg、0.169mmol)をジクロロメタン(3mL)に溶解し、トリフルオロ酢酸(1.0mL、13.1mmol)を室温で添加した。反応物を室温で1時間撹拌した。溶媒を真空中で除去して、残渣を得て、これを真空炉内で終夜乾燥した。得られた残渣をDCM/MeOH 9:1(2mL)に溶解し、MP-カーボネートを添加し、試料を室温で18時間放置した。MP-カーボネートを濾過により除去し、溶媒を真空中で除去して、残渣を得て、これをアキラルSFCにより精製して、標題化合物を得た。LCMS (ES+) 385.2 (M+H)+, RT 2.69分 (分析方法AcHSSC18); 1H NMR (400 MHz, DMSO-d6) d 10.54 (s, 1H), 8.75 (d, J=1.3 Hz, 1H), 8.18 (d, J=1.5 Hz, 1H), 8.15 (d, J=1.3 Hz, 1H), 7.82 (dd, J=1.7, 12.8 Hz, 1H), 4.63 - 4.55 (m, 1H), 3.06 - 2.99 (m, 5H), 2.63 - 2.55 (m, 5H), 2.34 - 2.18 (m, 1H), 1.71 - 1.54 (m, 4H); 19F NMR (400 MHz, DMSO-d6) d -126.11 (d, J= 12.5 Hz, 1F).
【0300】
実施例A:N-(7-クロロ-2-メチルピラゾロ[1,5-a]ピリジン-5-イル)-5-(3-((シクロプロピルアミノ)メチル)アゼチジン-1-イル)ピラジン-2-カルボキサミド
【0301】
【化33】
【0302】
4-アミノピリジン(3g、31.9mmol)をEtOAcに溶解し、二炭酸ジ-tert-ブチル(7.3mL、31.9mmol)を添加した。反応混合物を室温で1.5時間撹拌した。反応混合物をEtOAcと水との間で分配した。水相をEtOAc(×3)で抽出し、合わせた有機相を、疎水性フリットを通して濾過した。溶媒を真空中で濃縮して、所望の生成物を得た。LCMS (ES+) 195.3 (M+H)+, R.T. 1.06分. 1H NMR (400 MHz, CDCl3) δ 8.44 (dd, J=1.5, 4.8 Hz, 2H), 7.33 - 7.29 (m, 2H), 6.83 (s, 1H), 1.53 (s, 9H).
【0303】
4-(Boc-アミノ)ピリジン(7.22g、37.1mmol)をN,N-ジメチルホルムアミド(50.00mL)に溶解し、O-(2,4-ジニトロフェニル)ヒドロキシルアミン(8.14g、40.9mmol)を室温で添加した。反応混合物を室温で16時間撹拌し、これを次のステップで直接使用した。LCMS(ES+) 210(M+H)+, R.T. 1.05分(ブロードシグナル).
【0304】
N,N-ジメチルホルムアミド(50mL)中のtert-ブチルN-(1-アミノピリジン-1-イウム-4-イル)カルバメート2,4-ジニトロフェノレート(14g、35.6mmol)に、2-ブチン酸エチル(2.0mL、17.2mmol)及び炭酸カリウム(7.38g、53.4mmol)を室温で添加した。反応物を室温で48時間撹拌した。反応混合物を濾過し、沈殿物をEtOAcで洗浄した。濾液を真空中で濃縮して、残渣を得た。粗製物をシリカゲル上でのカラムクロマトグラフィーにより、EtOAc/シクロヘキサン0~100%で溶離して精製し、所望の生成物を得た。LCMS(ES+) 319(M+H)+, R.T. 1.66分.
【0305】
エチル5-(tert-ブトキシカルボニルアミノ)-2-メチル-ピラゾロ[1,5-a]ピリジン-3-カルボキシレート(537mg、1.68mmol)を乾燥THF(10mL)中で-80℃で撹拌した。これに、n-ブチルリチウム溶液(1.4mL、3.53mmol、2.5M)を滴下添加し、反応物を-80℃で15分間撹拌した。乾燥THF(1mL)中のp-トルエンスルホニルクロリド(1.3g、6.73mmol)を反応物に-80℃で添加した。反応物を5分間撹拌し、氷浴を除去した。反応物をさらに20分間撹拌した。反応混合物をEtOAcで希釈し、ブラインで洗浄した。有機層を疎水性フリットに通し、真空中で濃縮して、粗製の生成物を得た。LCMS(ES+) 353(M+H)+, R.T. 1.75分.
【0306】
エチル5-(tert-ブトキシカルボニルアミノ)-7-クロロ-2-メチル-ピラゾロ[1,5-a]ピリジン-3-カルボキシレート(420mg、1.19mmol)及び臭化水素(48%、1.8mL、15.9mmol)を一緒に17時間還流した。反応混合物を真空中で濃縮し、残渣を5g SCXカートリッジ(MeOHで事前調整)上にロードした。残渣をMeOH、次いでMeOH中NH3(7M)で溶離した。アンモニア画分を真空中で濃縮して、所望の生成物を得た。LCMS(ES+) 181(M+H)+, R.T. 1.14分.
【0307】
MeCN(8mL)中の7-クロロ-2-メチル-ピラゾロ[1,5-a]ピリジン-5-アミン(150mg、0.826mmol)、5-クロロ-2-ピラジンカルボン酸(131mg、0.826mmol)、クロロ-N,N,N',N'-テトラメチルホルムアミジニウムヘキサフルオロホスフェート(348mg、1.24mmol)、及び1-メチルイミダゾール(0.20mL、2.48mmol)を室温で1時間、窒素下で撹拌した。反応混合物を真空中で濃縮し、DCMで希釈し、重炭酸ナトリウム水溶液で洗浄した。有機層をシリカ上で濃縮し、カラムクロマトグラフィーにより、シクロヘキサン及びEtOAc(0~35%勾配)で溶離して精製した。適切な画分を合わせ、真空中で濃縮して、所望の生成物を得た。LCMS (ES+) 322 (M+H)+, R.T. 1.52分. 1H NMR (400 MHz, CDCl3) δ 9.52 (s, 1H), 9.28 (d, J=1.5 Hz, 1H), 8.60 (d, J=1.3 Hz, 1H), 8.07 (d, J=2.0 Hz, 1H), 7.13 (d, J=2.0 Hz, 1H), 6.42 (s, 1H), 2.55 (s, 3H).
【0308】
トリエチルアミン(0.035mL、0.251mmol)、5-クロロ-N-(7-クロロ-2-メチル-ピラゾロ[1,5-a]ピリジン-5-イル)ピラジン-2-カルボキサミド(27mg、0.0838mmol)、及びN-(アゼチジン-3-イルメチル)シクロプロパンアミン(11mg、0.0838mmol)をMeCN(6mL)中で合わせ、40℃で1時間撹拌した。反応を停止し、混合物を真空中で濃縮した。得られた粗製の物質を精製のためにアキラルSFCに掛けた。LCMS (ES+) 412 (M+H)+, R.T. 2.86分 (分析方法AcHSSC18. NMR:1H NMR (400 MHz, DMSO-d6) δ 10.55 (s, 1H), 8.71 (d, J=1.4 Hz, 1H), 8.27 (d, J=2.0 Hz, 1H), 7.83 (d, J=1.3 Hz, 1H), 7.63 (d, J=2.1 Hz, 1H), 6.48 (s, 1H), 4.22 (dd, J=8.3, 8.3 Hz, 2H), 3.88 - 3.79 (m, 2H), 2.89 - 2.84 (m, 3H), 2.39 (s, 3H), 2.08 - 2.03 (m, 1H), 0.39 - 0.34 (m, 2H), 0.22 - 0.18 (m, 2H).
【0309】
市販の又は合成されたアミンから、実施例Aに記載されるのと同じ化学を使用して、さらなるアナログを調製した。最終生成物を分取HPLCにより単離した。
【0310】
【表9】
【0311】
実施例B:5-(3-((シクロプロピルアミノ)メチル)アゼチジン-1-イル)-N-(6-エトキシ-2-メチル-2H-インダゾール-5-イル)ピラジン-2-カルボキサミド
【0312】
【化34】
【0313】
DMF(1.50mL)中の5-クロロ-N-(6-エトキシ-2-メチル-インダゾール-5-イル)ピラジン-2-カルボキサミド(50mg、0.151mmol)、N-(アゼチジン-3-イルメチル)シクロプロパンアミンジヒドロクロリド(39mg、0.196mmol)及び炭酸セシウム(196mg、0.603mmol)の懸濁液を100℃で終夜加熱した。反応混合物を室温に冷却し、濾過し、精製のためにアキラル逆相HPLCに送り(Xbridge Phenyl 19×150mm、10μm 40~100%MeOH/H2O(10mM NH4CO3)、20mL/分、RT)、5-[3-[(シクロプロピルアミノ)メチル]アゼチジン-1-イル]-N-(6-エトキシ-2-メチル-インダゾール-5-イル)ピラジン-2-カルボキサミドを得た。LCMS (ES+) 422.4 [M+H]+, RT 2.70分 (分析方法AcHSSC18). 1H NMR (400 MHz, DMSO-d6) δ 10.12 (s, 1H), 8.70 (d, J=1.3 Hz, 1H), 8.65 (s, 1H), 8.20 (s, 1H), 7.88 (d, J=1.3 Hz, 1H), 7.07 (s, 1H), 4.25 - 4.17 (m, 4H), 4.08 (s, 3H), 3.84 (dd, J=4.8, 8.9 Hz, 2H), 2.89 - 2.84 (m, 3H), 2.37 - 2.32 (m, 1H), 2.09 - 2.03 (m, 1H), 1.46 (t, J= 6.9 Hz, 3H), 0.39 - 0.34 (m, 2H), 0.22 - 0.17 (m, 2H).
【0314】
1-(アゼチジン-3-イルメチル)-3-フルオロ-アゼチジンジヒドロクロリドを使用して、実施例Bに記載されるのと同じ化学を使用して、さらなるアナログを調製した。最終生成物を分取HPLCにより単離した。
【0315】
【表10】
【0316】
(R)-N-シクロプロピルピロリジン-3-アミン.2HClを使用して、実施例14に記載されるのと同じ化学を使用して、さらなるアナログを調製した。最終生成物を分取HPLCにより単離した。
【0317】
【表11】
【0318】
実施例19:(R)-N-(8-フルオロ-2-メチル-[1,2,4]トリアゾロ[1,5-a]ピリジン-6-イル)-5-(3-(メチルアミノ)ピロリジン-1-イル)ピラジン-2-カルボキサミド
【0319】
【化35】
【0320】
N,N-ジメチルアセトアミドジメチルアセタール(2.7mL、18.7mmol)を、N,N-ジメチルホルムアミド(10mL)中の5-ブロモ-3-フルオロ-ピリジン-2-アミン(1.02g、5.34mmol)の溶液に添加した。反応混合物を130℃で16時間加熱した。冷却後、粗製の反応混合物を真空中で濃縮した。残渣をMeOH(15mL)に溶解し、続いてピリジン(5mL)を添加した。反応混合物を0℃に冷却し、ヒドロキシルアミン-O-スルホン酸(966mg、8.54mmol)を添加し、氷浴を除去し、反応物を室温で16時間撹拌した。反応混合物を真空中で濃縮し、残渣を酢酸エチルで希釈し、重炭酸ナトリウム水溶液で洗浄した。有機層をシリカ上で濃縮し、カラムクロマトグラフィーにより、シクロヘキサン中酢酸エチル(0~70%)で溶離して精製した。適切な画分を合わせ、真空中で濃縮して、所望の生成物を得た。LCMS (ES+) 230.0 (M+H)+, R.T. 1.31分. 1H NMR (400 MHz, DMSO-d6) d 9.25 (d, J=0.8 Hz, 1H), 7.98 (dd, J=1.5, 10.1 Hz, 1H), 2.55 (s, 3H). 19F NMR (376 MHz, DMSO-d6) d -128.54 (d, J=10.1 Hz, 1F).注記:30%の出発材料がNMR特性評価により確認された。
【0321】
トルエン(3mL)中のtert-ブチルN-[(3R)-1-(5-カルバモイルピラジン-2-イル)ピロリジン-3-イル]-N-メチル-カルバメート(190mg、0.591mmol)、6-ブロモ-8-フルオロ-2-メチル-[1,2,4]トリアゾロ[1,5-a]ピリジン(177mg、0.769mmol)、ヨウ化銅(I)(11mg、0.0591mmol)、炭酸カリウム(123mg、0.887mmol)及びN,N'-ジメチルエチレンジアミン(0.013mL、0.118mmol)を合わせ、窒素で10分間脱気した。反応混合物を100℃で16時間撹拌した。冷却後、反応混合物をセライトに通し、酢酸エチルで希釈し、ブラインで洗浄した。合わせた有機物をシリカ上で濃縮し、生成物をカラムクロマトグラフィーにより、シクロヘキサン/酢酸エチル(0~100%)勾配で溶離して精製した。適切な画分を合わせ、真空中で濃縮した。LCMS(ES+) 471.4(M+H)+, R.T. 1.58分.
【0322】
tert-ブチルN-[(3R)-1-[5-[(8-フルオロ-2-メチル-[1,2,4]トリアゾロ[1,5-a]ピリジン-6-イル)カルバモイル]ピラジン-2-イル]ピロリジン-3-イル]-N-メチル-カルバメート(125mg、0.266mmol)、トリフルオロ酢酸(0.66mL、8.64mmol)及びDCM(5mL)を室温で3時間撹拌した。反応混合物をSCXカートリッジに通し、MeOH中NH3(7M)で溶離して、生成物を回収した。適切な画分を真空中で濃縮して、粗製の生成物を得て、これをアキラル逆相精製により精製した。LCMS (ES+) 371.2 (M+H)+, RT 2.18分 (分析方法AcHSSC18). 1H NMR (400 MHz, DMSO-d6) d 10.73 (s, 1H), 9.45 (d, J=1.6 Hz, 1H), 8.77 (d, J=1.3 Hz, 1H), 8.11 (dd, J=1.8, 12.4 Hz, 1H), 7.99 (d, J=1.3 Hz, 1H), 3.71 - 3.56 (m, 3H), 3.45 - 3.38 (m, 2H), 2.50 (s, 3H), 2.33 (s, 3H), 2.16 - 2.07 (m, 1H), 2.01 - 1.82 (m, 2H). 19F NMR (376 MHz, DMSO-d6) d -130.19 (d, J=12.5 Hz, 1F).
【0323】
実施例20:(R)-5-(3-((4,5-ジヒドロ-1H-イミダゾール-2-イル)アミノ)ピロリジン-1-イル)-N-(8-フルオロ-2-メチルイミダゾ[1,2-a]ピリジン-6-イル)ピラジン-2-カルボキサミド
【0324】
【化36】
【0325】
(R)-3-(Boc-アミノ)ピロリジン(96mg、0.517mmol)、トリエチルアミン(0.22mL、1.55mmol)、及び5-クロロ-N-(8-フルオロ-2-メチル-イミダゾ[1,2-a]ピリジン-6-イル)ピラジン-2-カルボキサミド(158mg、0.517mmol)をMeCN(6mL)中で合わせ、65℃で1時間撹拌した。反応を停止し、真空中で濃縮し、DCMに溶解し、ブラインで洗浄した。有機層を真空中で濃縮して、所望の生成物を得た。LCMS(ES+) 456.5(M+H)+, R.T. 1.49分.
【0326】
tert-ブチルN-[(3R)-1-[5-[(8-フルオロ-2-メチル-イミダゾ[1,2-a]ピリジン-6-イル)カルバモイル]ピラジン-2-イル]ピロリジン-3-イル]カルバメート(280mg、0.615mmol)、TFA(1.5mL、20.0mmol)及びDCM(5mL)を室温で3時間撹拌した。反応混合物をSCXカートリッジに通し、MeOH中NH3(7M)で溶離して、生成物を回収した。適切な画分を真空中で濃縮して、所望の生成物を得た。LCMS(ES+) 356(M+H)+, R.T. 1.10分.
【0327】
5-[(3R)-3-アミノピロリジン-1-イル]-N-(8-フルオロ-2-メチル-イミダゾ[1,2-a]ピリジン-6-イル)ピラジン-2-カルボキサミド(67mg、0.189mmol)、4,5-ジヒドロ-1H-イミダゾール-2-スルホン酸(37mg、0.245mmol)を1-ブタノール(5mL)中で合わせた。反応物を室温で2時間撹拌し、反応混合物を真空中で濃縮し、アキラルSFCに掛けて、所望の生成物を得た。LCMS(ES+) 423(M+H)+, R.T. 1.18分.
【0328】
MeOH(1mL)中の5-[(3R)-3-(4,5-ジヒドロ-1H-イミダゾール-2-イルアミノ)ピロリジン-1-イル]-N-(8-フルオロ-2-メチル-イミダゾ[1,2-a]ピリジン-6-イル)ピラジン-2-カルボキサミド(18mg、0.0434mmol)及びHCl(0.011mL、0.0434mmol、4M)を室温で3時間撹拌した。反応を停止し、窒素を試料に2時間通した。化合物を高真空炉内で24時間さらに乾燥して、所望のHCl塩生成物を得た。LCMS (ES+) 424.2 (M+H)+, RT 1.82分 (分析方法AcHSSC18). 1H NMR (400 MHz, DMSO-d6) δ 10.48 (s, 1H), 9.20 (s, 1H), 8.81 - 8.77 (m, 2H), 8.05 (s, 1H), 7.92 (d, J=2.6 Hz, 1H), 7.60 (d, J=12.5 Hz, 1H), 4.32 - 4.26 (m, 1H), 3.85 (dd, J=5.6, 11.5 Hz, 1H), 3.70 (t, J=7.0 Hz, 2H), 3.64 (s, 3H), 3.60 (dd, J=3.8, 11.9 Hz, 1H), 2.36 - 2.29 (m, 3H), 2.12 - 2.06 (m, 1H). 19F NMR (376 MHz, DMSO-d6) δ -132.11 (dd, J=3.0, 12.4 Hz, 1F).
【0329】
実施例21:(R)-N-(8-フルオロ-2,7-ジメチルイミダゾ[1,2-a]ピリジン-6-イル)-5-(3-(メチルアミノ)ピロリジン-1-イル)ピラジン-2-カルボキサミド
【0330】
【化37】
【0331】
DCM(20mL)中の3-フルオロ-4-メチル-ピリジン-2-アミン(348mg、2.76mmol)及びN-ブロモスクシンイミド(491mg、2.76mmol)を室温で1時間撹拌した。反応混合物を真空中で濃縮し、酢酸エチルを残渣に添加し、沈殿物を濾液から単離して、所望の生成物を得た。1H NMR (400 MHz, DMSO-d6) δ 7.90 (s, 1H), 6.40 - 6.33 (m, 2H), 2.26 (d, J=2.5 Hz, 3H).19F NMR (376 MHz, DMSO-d6) δ -138.44 (s, 1F).
【0332】
5-ブロモ-3-フルオロ-4-メチル-ピリジン-2-アミン(500mg、2.44mmol)、1-ブロモ-2,2-ジメトキシプロパン(0.49mL、3.66mmol)、p-トルエンスルホン酸ピリジニウム(61mg、0.244mmol)、及び2-プロパノール(15mL)を密閉管内で合わせ、85℃にホットブロック加熱した。沈殿物を真空濾過により収集して、所望の生成物を得た。1H NMR (400 MHz, DMSO-d6) δ 9.09 (s, 1H), 7.98 (s, 1H), 2.49 (d, J=0.7 Hz, 3H), 2.46 (d, J=3.0 Hz, 3H).19F NMR (376 MHz, DMSO-d6) δ -132.66 (s, 1F).
【0333】
tert-ブチルN-[(3R)-1-(5-カルバモイルピラジン-2-イル)ピロリジン-3-イル]-N-メチル-カルバメート(111mg、0.345mmol)、6-ブロモ-8-フルオロ-2,7-ジメチル-イミダゾ[1,2-a]ピリジン(109mg、0.449mmol)、ヨウ化銅(I)(6.6mg、0.0345mmol)、炭酸カリウム(72mg、0.518mmol)、N,N'-ジメチルエチレンジアミン(0.0074mL、0.0691mmol)、及びトルエン(3mL)を合わせ、反応混合物を窒素で10分間脱気し、100℃で24時間撹拌した。反応混合物を水で希釈し、EtOAc(×3)で洗浄した。合わせた有機物をシリカ上で濃縮し、生成物をカラムクロマトグラフィーにより、シクロヘキサン/酢酸エチル(0~90%)勾配で溶離して精製した。適切な画分を合わせ、真空中で濃縮して、生成物を得た。LCMS(ES+) 484.4(M+H)+, R.T. 1.56分.
【0334】
tert-ブチル-N-[(3R)-1-[5-[(8-フルオロ-2,7-ジメチル-イミダゾ[1,2-a]ピリジン-6-イル)カルバモイル]ピラジン-2-イル]ピロリジン-3-イル]-N-メチル-カルバメート(86mg、0.178mmol)、DCM(5mL)、及びTFA(34mg、0.534mmol)を室温で1時間撹拌した。反応を停止し、SCXカートリッジに通し、MeOH中NH3(7M)で溶離した。適切な画分を真空中で濃縮して、粗製の生成物を得て、これをアキラル精製により精製して、所望の化合物を得た。LCMS (ES+) 384.2 (M+H)+, RT 1.91分 (分析方法AcHSSC18). 1H NMR (400 MHz, DMSO-d6) δ 9.89 (s, 1H), 8.72 (d, J=1.3 Hz, 1H), 8.68 (s, 1H), 8.03 (d, J=1.4 Hz, 1H), 7.78 (d, J=2.8 Hz, 1H), 3.70 - 3.57 (m, 3H), 3.40 (d, J=10.4 Hz, 1H), 2.35 (d, J=0.8 Hz, 3H), 2.32 (s, 3H), 2.22 (d, J=2.5 Hz, 3H), 2.14 - 2.07 (m, 1H), 1.96 - 1.86 (m, 2H). 19F NMR (376 MHz, DMSO-d6) δ -136.76 (s, 1F).
【0335】
実施例22:(R)-N-(4-メトキシ-2-メチルベンゾ[d]オキサゾール-6-イル)-5-(3-(メチルアミノ)ピロリジン-1-イル)ピラジン-2-カルボキサミド
【0336】
【化38】
【0337】
メチル5-[(3R)-3-[tert-ブトキシカルボニル(メチル)アミノ]ピロリジン-1-イル]ピラジン-2-カルボキシレート(1.50g、4.46mmol)をメタノール(5mL)に溶解し、アンモニア(メタノール中7M、34mL、0.237mol)で処理した。反応混合物を管内で密閉し、80℃で3日間撹拌した。室温に冷却した後、反応物を真空中で濃縮して、粗製のtert-ブチルN-[(3R)-1-(5-カルバモイルピラジン-2-イル)ピロリジン-3-イル]-N-メチル-カルバメートを得て、これをさらに精製せずに使用した。
【0338】
tert-ブチルN-[(3R)-1-(5-カルバモイルピラジン-2-イル)ピロリジン-3-イル]-N-メチル-カルバメート(106mg、0.330mmol)、6-ブロモ-4-メトキシ-2-メチル-1,3-ベンゾオキサゾール(107mg、0.442mmol)、ヨウ化銅(I)(12mg、0.0604mmol)、炭酸カリウム(66mg、0.478mmol)、及びN,N'-ジメチルエチレンジアミン(0.013mL、0.119mmol)をトルエン(3mL)に懸濁し、N2を10分間スパージした。混合物を管内で密閉し、100℃で4日間撹拌した。室温に冷却した後、混合物を20mLの水で希釈し、3×30mLのEtOAcで抽出した;合わせた有機物を20mLのブラインで洗浄し、乾燥し(Na2SO4)、濃縮した。残渣をSFCにより精製して、粗製のtert-ブチルN-[(3R)-1-[5-[(4-メトキシ-2-メチル-1,3-ベンゾオキサゾール-6-イル)カルバモイル]ピラジン-2-イル]ピロリジン-3-イル]-N-メチル-カルバメートを得て、これをさらに精製せずに使用した。
【0339】
tert-ブチルN-[(3R)-1-[5-[(4-メトキシ-2-メチル-1,3-ベンゾオキサゾール-6-イル)カルバモイル]ピラジン-2-イル]ピロリジン-3-イル]-N-メチル-カルバメート(22mg、0.0456mmol)をジクロロメタン(1.5mL)に室温で溶解した。トリフルオロ酢酸(0.47mL、6.14mmol)を添加した。室温で15分間撹拌した後、TFAの大部分を減圧での蒸発により除去し、残渣を5mlのMeOHに溶解した。
【0340】
0.97gのMP-カーボネートビーズを添加した(3mmol/g)。混合物を室温で20分間撹拌し、次いで濾過し、濃縮した。残渣を別の、より小さい(2分の1スケール)実験と合わせ、SFCにより精製して、(R)-N-(4-メトキシ-2-メチルベンゾ[d]オキサゾール-6-イル)-5-(3-(メチルアミノ)ピロリジン-1-イル)ピラジン-2-カルボキサミドを得た。LCMS (ES+) 383.2 (M+H)+, RT 2.53分 (分析方法AcHSSC18); 1H NMR (400 MHz, DMSO-d6) δ 10.31 (s, 1H), 8.74 (d, J=1.3 Hz, 1H), 7.97 - 7.95 (m, 2H), 7.49 (d, J=1.5 Hz, 1H), 3.94 (s, 3H), 3.68 - 3.57 (m, 3H), 3.40 - 3.35 (m, 1H), 2.55 (s, 3H), 2.31 (s, 3H), 2.14 - 2.05 (m, 1H), 1.94 - 1.82 (m, 2H). 1つのNHは観察されなかった。
【0341】
実施例23:5-(6-(エチルアミノ)-3-アザビシクロ[3.1.0]ヘキサン-3-イル)-N-(8-フルオロ-2-メチルイミダゾ[1,2-a]ピリジン-6-イル)ピラジン-2-カルボキサミド
【0342】
【化39】
【0343】
メチル5-[6-(tert-ブトキシカルボニルアミノ)-3-アザビシクロ[3.1.0]ヘキサン-3-イル]ピラジン-2-カルボキシレート(375mg、1.12mmol、1.00eq)、水素化ナトリウム(60%、54mg、1.35mmol、1.20eq)、N,N-ジメチルホルムアミド(10mL)、及びヨードエタン(0.11mL、1.35mmol、1.20eq)を窒素雰囲気下で合わせ、室温で終夜撹拌した。混合物をEtOAcで希釈し、水(3×)で洗浄し、真空中で濃縮して、メチル5-[6-[tert-ブトキシカルボニル(エチル)アミノ]-3-アザビシクロ[3.1.0]ヘキサン-3-イル]ピラジン-2-カルボキシレートを得て、これを次のステップで直接使用した。LCMS(ES+) 363(M+H)+.
【0344】
メチル5-[6-[tert-ブトキシカルボニル(エチル)アミノ]-3-アザビシクロ[3.1.0]ヘキサン-3-イル]ピラジン-2-カルボキシレート(前のステップからの粗製物、1.12mmol、1.00eq)、水酸化リチウム一水和物(56mg、1.35mmol、1.20eq)、メチルアルコール(30mL)及び水(3mL)を合わせ、50℃に終夜ホットブロック加熱した。混合物を真空中で濃縮して、MeOHを除去し、EtOAcと水/AcOHとの間で分配した。有機物を乾燥し(MgSO4)、真空中で濃縮し、真空炉内で乾燥して、5-[6-[tert-ブトキシカルボニル(エチル)アミノ]-3-アザビシクロ[3.1.0]ヘキサン-3-イル]ピラジン-2-カルボン酸を得て、これを次のステップで直接使用した。LCMS(ES+) 349(M+H)+.
【0345】
5-[6-[tert-ブトキシカルボニル(エチル)アミノ]-3-アザビシクロ[3.1.0]ヘキサン-3-イル]ピラジン-2-カルボン酸(95mg、0.273mmol、1.00eq)、8-フルオロ-2-メチル-イミダゾ[1,2-a]ピリジン-6-アミン(45mg、0.273mmol、1.00eq)、HBTU(103mg、0.273mmol、1.00eq)、N,N-ジメチルホルムアミド(2mL)、及びトリエチルアミン(0.50mL、3.59mmol、13.2eq)を合わせ、室温で3時間撹拌した。次いで、反応混合物を分取HPLCにより精製して、tert-ブチルN-エチル-N-[3-[5-[(8-フルオロ-2-メチル-イミダゾ[1,2-a]ピリジン-6-イル)カルバモイル]ピラジン-2-イル]-3-アザビシクロ[3.1.0]ヘキサン-6-イル]カルバメートを得て、これを次のステップで直接使用した。LCMS(ES+) 496(M+H)+.
【0346】
tert-ブチルN-エチル-N-[3-[5-[(8-フルオロ-2-メチル-イミダゾ[1,2-a]ピリジン-6-イル)カルバモイル]ピラジン-2-イル]-3-アザビシクロ[3.1.0]ヘキサン-6-イル]カルバメート(81mg、0.163mmol、1.00eq)、メチルアルコール(2mL)、及びジオキサン中4M塩化水素(2.0mL、8.00mmol、48.9eq)を合わせ、室温で2時間撹拌した。混合物を真空中で濃縮し、分取HPLCにより精製して、標題化合物を得た。LCMS (ES+) 396.2 (M+H)+, RT 1.8分 (分析方法AcHSSC18). 1H NMR (400 MHz, DMSO-d6) d 10.43 (s, 1H), 9.19 (d, J=1.6 Hz, 1H), 8.74 (d, J=1.1 Hz, 1H), 7.94 (d, J=1.4 Hz, 1H), 7.89 (d, J=2.8 Hz, 1H), 7.56 (dd, J=1.6, 13.1 Hz, 1H), 3.78 (d, J=11.2 Hz, 2H), 3.64 - 3.57 (m, 2H), 2.61 (q, J=7.2 Hz, 2H), 2.35 (s, 3H), 2.19 (s, 1H), 1.90 (dd, J=2.2, 2.2 Hz, 1H), 1.72 (s, 2H), 1.02 (dd, J=7.2, 7.2 Hz, 3H). 19F NMR (376 MHz, DMSO-d6) d -132.17 (dd, J = 3.8 Hz, J = 13.5 Hz).
【0347】
実施例24:5-(6-アミノ-3-アザビシクロ[3.1.0]ヘキサン-3-イル)-N-(8-フルオロ-2-メチル-イミダゾ[1,2-a]ピリジン-6-イル)ピラジン-2-カルボキサミド
【0348】
【化40】
【0349】
5-クロロ-N-(8-フルオロ-2-メチル-イミダゾ[1,2-a]ピリジン-6-イル)ピラジン-2-カルボキサミド(120mg、0.393mmol、1.00eq)、6-(Boc-アミノ)-3-アザビシクロ[3.1.0]ヘキサン(198211-38-0)(78mg、0.393mmol、1.00eq)、炭酸セシウム(192mg、0.589mmol、1.50eq)、及びN,N-ジメチルホルムアミド(3mL)を密閉管内で合わせ、100℃に1時間ホットブロック加熱した。反応物を室温に冷却し、濾過して、セシウム塩を除去した。粗製物を分取HPLCにより精製して、tert-ブチルN-[3-[5-[(8-フルオロ-2-メチル-イミダゾ[1,2-a]ピリジン-6-イル)カルバモイル]ピラジン-2-イル]-3-アザビシクロ[3.1.0]ヘキサン-6-イル]カルバメートを得た。LCMS (ES+) 468 (M+H)+. 1H NMR (400 MHz, DMSO-d6) d 10.43 (s, 1H), 9.19 (d, J=1.5 Hz, 1H), 8.75 (d, J=1.1 Hz, 1H), 7.98 (d, J=1.3 Hz, 1H), 7.90 (d, J=2.8 Hz, 1H), 7.56 (dd, J=1.6, 13.1 Hz, 1H), 7.21 - 7.17 (m, 1H), 3.84 (d, J=11.2 Hz, 2H), 3.63 (d, J=11.0 Hz, 2H), 2.35 (s, 3H), 2.28 - 2.25 (m, 1H), 1.87 (s, 2H), 1.41 (s, 9H).
【0350】
tert-ブチルN-[3-[5-[(8-フルオロ-2-メチル-イミダゾ[1,2-a]ピリジン-6-イル)カルバモイル]ピラジン-2-イル]-3-アザビシクロ[3.1.0]ヘキサン-6-イル]カルバメート(100mg、0.214mmol、1.00eq)、メチルアルコール(2mL)、及びジオキサン中4M塩化水素(2.0mL、8.00mmol、37.4eq)を合わせ、室温で1時間撹拌した。反応混合物を真空中で濃縮し、分取HPLCにより精製して、5-(6-アミノ-3-アザビシクロ[3.1.0]ヘキサン-3-イル)-N-(8-フルオロ-2-メチル-イミダゾ[1,2-a]ピリジン-6-イル)ピラジン-2-カルボキサミドを得た。LCMS (ES+) 368.2 (M+H)+, RT 1.98分 (分析方法AcHSSC18). 1H NMR (400 MHz, DMSO-d6) d 10.42 (s, 1H), 9.19 (d, J=1.6 Hz, 1H), 8.73 (d, J=1.1 Hz, 1H), 7.93 (d, J=1.3 Hz, 1H), 7.89 (d, J=2.8 Hz, 1H), 7.56 (dd, J=1.7, 13.0 Hz, 1H), 3.75 (d, J=11.2 Hz, 2H), 3.63 - 3.56 (m, 2H), 2.35 (s, 3H), 2.02 (dd, J=2.1, 2.1 Hz, 1H), 1.98 (s, 1H), 1.66 (s, 2H).
【0351】
以下の化合物は、適切な出発材料から同様の方法で合成した。
【0352】
【表12】
【0353】
実施例29:N-(8-フルオロ-2-メチル-イミダゾ[1,2-a]ピリジン-6-イル)-5-[6-(メチルアミノ)-3-アザビシクロ[3.1.0]ヘキサン-3-イル]ピラジン-2-カルボキサミド
【0354】
【化41】
【0355】
メチル5-クロロ-2-ピラジンカルボキシレート(223mg、1.29mmol、1.00eq)、6-(Boc-アミノ)-3-アザビシクロ[3.1.0]ヘキサン(256mg、1.29mmol、1.00eq)(Cas番号198211-38-0)、炭酸セシウム(631mg、1.94mmol、1.50eq)、及びアセトニトリル(15mL)を密閉管内で合わせ、80℃に4時間ホットブロック加熱した。反応混合物を室温に冷却し、シリカゲル上で真空中で濃縮し、フラッシュクロマトグラフィーにより精製して、メチル5-[6-(tert-ブトキシカルボニルアミノ)-3-アザビシクロ[3.1.0]ヘキサン-3-イル]ピラジン-2-カルボキシレートを得た。LCMS(ES+) 335(M+H)+.
【0356】
メチル5-[6-(tert-ブトキシカルボニルアミノ)-3-アザビシクロ[3.1.0]ヘキサン-3-イル]ピラジン-2-カルボキシレート(119mg、0.356mmol、1.00eq)、水素化ナトリウム(60%、17mg、0.427mmol、1.20eq)、N,N-ジメチルホルムアミド(3mL)、及びヨードメタン(0.044mL、0.712mmol、2.00eq)を窒素雰囲気下で合わせ、週末の間、室温で撹拌した。反応混合物をEtOAcで希釈し、水で洗浄し、真空中で濃縮して、メチル5-[6-[tert-ブトキシカルボニル(メチル)アミノ]-3-アザビシクロ[3.1.0]ヘキサン-3-イル]ピラジン-2-カルボキシレートを得て、これを次のステップで直接使用した。LCMS(ES+) 349(M+H)+.
【0357】
メチル5-[6-[tert-ブトキシカルボニル(メチル)アミノ]-3-アザビシクロ[3.1.0]ヘキサン-3-イル]ピラジン-2-カルボキシレート(124mg、0.355mmol、1.00eq)、水酸化リチウム一水和物(18mg、0.426mmol、1.20eq)、メチルアルコール(10mL)、及び水(1mL)を合わせ、50℃に2日間ホットブロック加熱した。反応混合物を真空中で濃縮して、[5-[6-[tert-ブトキシカルボニル(メチル)アミノ]-3-アザビシクロ[3.1.0]ヘキサン-3-イル]ピラジン-2-カルボニル]オキシリチウムを得て、これを次のステップで直接使用した。酸について、LCMS(ES+) 335(M+H)+.
【0358】
5-[6-[tert-ブトキシカルボニル(メチル)アミノ]-3-アザビシクロ[3.1.0]ヘキサン-3-イル]ピラジン-2-カルボン酸(45mg、0.135mmol、1.00eq)、8-フルオロ-2-メチル-イミダゾ[1,2-a]ピリジン-6-アミン(22mg、0.135mmol、1.00eq)、HBTU(51mg、0.135mmol、1.00eq)、N,N-ジメチルホルムアミド(1mL)、及びトリエチルアミン(0.25mL、1.79mmol、13.3eq)を合わせ、室温で1時間撹拌した。反応混合物を分取HPLCにより精製して、tert-ブチルN-[3-[5-[(8-フルオロ-2-メチル-イミダゾ[1,2-a]ピリジン-6-イル)カルバモイル]ピラジン-2-イル]-3-アザビシクロ[3.1.0]ヘキサン-6-イル]-N-メチル-カルバメートを得た。LCMS(ES+) 482(M+H)+.
【0359】
tert-ブチルN-[3-[5-[(8-フルオロ-2-メチル-イミダゾ[1,2-a]ピリジン-6-イル)カルバモイル]ピラジン-2-イル]-3-アザビシクロ[3.1.0]ヘキサン-6-イル]-N-メチル-カルバメート(49mg、0.102mmol、1.00eq)、メチルアルコール(1mL)、及びジオキサン中4M塩化水素(1.0mL、4.00mmol、39.3eq)を合わせ、室温で2時間撹拌した。次いで、反応混合物を真空中で濃縮し、分取HPLCにより精製して、標題化合物を得た。LCMS (ES+) 382.2 (M+H)+, RT 1.74分 (分析方法AcHSSC18). 1H NMR (400 MHz, DMSO-d6) d 10.43 (s, 1H), 9.19 (d, J=1.6 Hz, 1H), 8.74 (d, J=1.3 Hz, 1H), 7.95 (d, J=1.3 Hz, 1H), 7.89 (d, J=2.8 Hz, 1H), 7.56 (dd, J=1.9, 13.1 Hz, 1H), 3.77 (d, J=11.2 Hz, 2H), 3.64 - 3.57 (m, 2H), 2.35 (d, J=1.1 Hz, 3H), 2.32 (s, 3H), 2.21 (s, 1H), 1.85 (dd, J=2.1, 2.1 Hz, 1H), 1.72 (s, 2H). 19F NMR (376 MHz, DMSO-d6) d -132.18 (dd, J = 3 Hz, J = 13.6 Hz).
【0360】
実施例30:5-(6-アミノ-3-アザビシクロ[3.1.0]ヘキサン-3-イル)-N-(6-メトキシ-2-メチル-インダゾール-5-イル)ピラジン-2-カルボキサミド
【0361】
【化42】
【0362】
メチル5-[6-(tert-ブトキシカルボニルアミノ)-3-アザビシクロ[3.1.0]ヘキサン-3-イル]ピラジン-2-カルボキシレート(223mg、0.667mmol、1.00eq)、水酸化リチウム一水和物(34mg、0.800mmol、1.20eq)、メチルアルコール(20mL)、及び水(2mL)を合わせ、55℃に終夜ホットブロック加熱した。反応混合物を真空中で濃縮して、[5-[6-(tert-ブトキシカルボニルアミノ)-3-アザビシクロ[3.1.0]ヘキサン-3-イル]ピラジン-2-カルボニル]オキシリチウムを得て、これを次のステップで直接使用した。酸について、LCMS(ES+) 321(M+H)+.
【0363】
[5-[6-(tert-ブトキシカルボニルアミノ)-3-アザビシクロ[3.1.0]ヘキサン-3-イル]ピラジン-2-カルボニル]オキシリチウム(104mg、0.319mmol、1.00eq)、6-メトキシ-2-メチル-インダゾール-5-アミン(56mg、0.319mmol、1.00eq)、HBTU(121mg、0.319mmol、1.00eq)、N,N-ジメチルホルムアミド(2mL)、及びトリエチルアミン(0.50mL、3.59mmol、11.3eq)を合わせ、室温で2時間撹拌した。反応混合物を真空中で濃縮し、水でトリチュレートし、濾過して除去し、真空炉内で乾燥して、tert-ブチルN-[3-[5-[(6-メトキシ-2-メチル-インダゾール-5-イル)カルバモイル]ピラジン-2-イル]-3-アザビシクロ[3.1.0]ヘキサン-6-イル]カルバメートを得て、これを次のステップで直接使用した。LCMS(ES+) 480(M+H)+.
【0364】
tert-ブチルN-[3-[5-[(6-メトキシ-2-メチル-インダゾール-5-イル)カルバモイル]ピラジン-2-イル]-3-アザビシクロ[3.1.0]ヘキサン-6-イル]カルバメート(111mg、0.231mmol、1.00eq)、メチルアルコール(2mL)、及びジオキサン中4M塩化水素(2.0mL、8.00mmol、34.6eq)を合わせ、室温で1時間撹拌した。反応混合物を真空中で濃縮した。水を添加し、得られた沈殿物を濾過し、水ですすぎ、真空炉内で乾燥して、標題化合物を得た。LCMS (ES+) 380.2 (M+H)+, RT 2.43分 (分析方法AcHSSC18). 1H NMR (400 MHz, DMSO-d6) d 10.05 (s, 1H), 8.74 (d, J=1.0 Hz, 1H), 8.68 (s, 1H), 8.23 (s, 1H), 8.02 (d, J=1.3 Hz, 1H), 7.11 (s, 1H), 4.10 (s, 3H), 3.98 (s, 3H), 3.74 (d, J=11.2 Hz, 2H), 3.59 (dd, J=2.3, 9.0 Hz, 2H), 2.09 - 2.08 (m, 2H), 2.01 (dd, J=2.2, 2.2 Hz, 1H), 1.66 (s, 2H).
【0365】
実施例31:5-[(3R)-3-[(シクロプロピルアミノ)メチル]ピロリジン-1-イル]-N-(7-フルオロ-2,8-ジメチル-イミダゾ[1,2-a]ピリジン-6-イル)ピラジン-2-カルボキサミド
【0366】
【化43】
【0367】
5-クロロ-2-ピラジンカルボン酸(159mg、1.00mmol、1.00eq)、ジクロロメタン(5mL)、塩化オキサリル、GMP(0.17mL、2.00mmol、2.00eq)、及び1滴のDMFを合わせ、室温で窒素雰囲気下で終夜撹拌した。次いで、反応混合物を真空中で濃縮して、5-クロロピラジン-2-カルボニルクロリドを得て、これを次のステップで直接使用した。
【0368】
5-クロロピラジン-2-カルボニルクロリド(177mg、1.00mmol、1.00eq)、7-フルオロ-2,8-ジメチル-イミダゾ[1,2-a]ピリジン-6-アミン(197mg、1.10mmol、1.10eq)、ジクロロメタン(10mL)、及びトリエチルアミン(0.50mL、3.59mmol、3.59eq)を合わせ、室温で30分間撹拌した。次いで、反応混合物を真空中で濃縮して、5-クロロ-N-(7-フルオロ-2,8-ジメチル-イミダゾ[1,2-a]ピリジン-6-イル)ピラジン-2-カルボキサミドを得て、これを次のステップで直接使用した。LCMS(ES+) 320/322(M+H)+.
【0369】
5-クロロ-N-(7-フルオロ-2,8-ジメチル-イミダゾ[1,2-a]ピリジン-6-イル)ピラジン-2-カルボキサミド(250mg、0.782mmol、1.00eq)、N-[[(3S)-ピロリジン-3-イル]メチル]シクロプロパンアミン(195mg、1.39mmol、1.78eq)、炭酸セシウム(510mg、1.56mmol、2.00eq)、及びN,N-ジメチルホルムアミド(4mL)を合わせ、100℃に3時間ホットブロック加熱した。反応物を室温に冷却し、濾過して、セシウム塩を除去した。粗製物を分取HPLC、続いてSFCにより精製して、5-[(3R)-3-[(シクロプロピルアミノ)メチル]ピロリジン-1-イル]-N-(7-フルオロ-2,8-ジメチル-イミダゾ[1,2-a]ピリジン-6-イル)ピラジン-2-カルボキサミドを得た。LCMS (ES+) 424.2 (M+H)+, RT 2.1分 (分析方法AcHSSC18). 1H NMR (400 MHz, DMSO-d6) d 9.82 (s, 1H), 8.99 (d, J=7.0 Hz, 1H), 8.75 (d, J=1.1 Hz, 1H), 8.05 (d, J=1.3 Hz, 1H), 7.74 (s, 1H), 3.78 - 3.66 (m, 2H), 3.58 - 3.40 (m, 1H), 3.29 (dd, J=7.2, 11.2 Hz, 1H), 2.75 - 2.62 (m, 2H), 2.56 - 2.48 (m, 1H), 2.42 (d, J=1.9 Hz, 3H), 2.35 (s, 3H), 2.16 - 2.08 (m, 2H), 1.76 - 1.74 (m, 1H), 0.40 (dd, J=1.6, 6.5 Hz, 2H), 0.27 - 0.23 (m, 2H).
【0370】
実施例32:N-(8-フルオロ-2-メチル-イミダゾ[1,2-a]ピリジン-6-イル)-5-(6-ピロリジン-1-イル-3-アザビシクロ[3.1.0]ヘキサン-3-イル)ピラジン-2-カルボキサミド
【0371】
【化44】
【0372】
メチル5-[6-(tert-ブトキシカルボニルアミノ)-3-アザビシクロ[3.1.0]ヘキサン-3-イル]ピラジン-2-カルボキシレート(457mg、1.37mmol、1.00eq)、メチルアルコール(5mL)、及びジオキサン中4M塩化水素(5.0mL、20.0mmol、14.6eq)を合わせ、室温で2時間撹拌した。反応混合物を真空中で濃縮して、メチル5-(6-アミノ-3-アザビシクロ[3.1.0]ヘキサン-3-イル)ピラジン-2-カルボキシレート;塩酸塩を得て、これを次のステップで直接使用した。LCMS(ES+) 235(M+H)+.
【0373】
メチル5-(6-アミノ-3-アザビシクロ[3.1.0]ヘキサン-3-イル)ピラジン-2-カルボキシレート;塩酸塩(1.36mmol、1.00eq)、1,4-ジブロモブタン(0.16mL、1.36mmol、1.00eq)、アセトニトリル(30mL)、及びトリエチルアミン(2mL)を合わせ、反応物を週末の間、80℃にホットブロック加熱した。反応物を室温に冷却し、EtOAcで希釈し、濾過して、カリウム塩を除去し、真空中で濃縮した。粗製の生成物を分取HPLCにより精製して、メチル5-(6-ピロリジン-1-イル-3-アザビシクロ[3.1.0]ヘキサン-3-イル)ピラジン-2-カルボキシレートを得て、これを次のステップで直接使用した。LCMS(ES+) 289(M+H)+.
【0374】
メチル5-(6-ピロリジン-1-イル-3-アザビシクロ[3.1.0]ヘキサン-3-イル)ピラジン-2-カルボキシレート(49mg、0.170mmol、1.00eq)、水酸化リチウム一水和物(7.8mg、0.187mmol、1.10eq)、メチルアルコール(5mL)、及び水(0.5000mL)を密閉管内で合わせ、週末の間、50℃にホットブロック加熱した。反応物を室温に冷却し、真空中で濃縮し、真空炉内で終夜乾燥して、[5-(6-ピロリジン-1-イル-3-アザビシクロ[3.1.0]ヘキサン-3-イル)ピラジン-2-カルボニル]オキシリチウムを得て、これを次のステップで直接使用した。酸として、LCMS(ES+) 275(M+H)+.
【0375】
[5-(6-ピロリジン-1-イル-3-アザビシクロ[3.1.0]ヘキサン-3-イル)ピラジン-2-カルボニル]オキシリチウム(48mg、0.170mmol、1.00eq)、8-フルオロ-2-メチル-イミダゾ[1,2-a]ピリジン-6-アミン(28mg、0.170mmol、1.00eq)、HBTU(64mg、0.170mmol、1.00eq)、N,N-ジメチルホルムアミド(2mL)、及びトリエチルアミン(0.024mL、0.170mmol、1.00eq)を合わせ、室温で2時間撹拌した。反応混合物を分取HPLCにより精製して、標題化合物を得た。LCMS (ES+) 422.2 (M+H)+, RT 1.86分 (分析方法AcHSSC18). 1H NMR (400 MHz, DMSO-d6) d 10.43 (s, 1H), 9.19 (d, J=1.6 Hz, 1H), 8.74 (d, J=1.1 Hz, 1H), 7.96 (d, J=1.3 Hz, 1H), 7.89 (d, J=2.8 Hz, 1H), 7.57 (dd, J=1.5, 13.3 Hz, 1H), 3.80 (d, J=11.2 Hz, 2H), 3.60 (dd, J=2.2, 9.0 Hz, 2H), 2.60 (s, 5H), 2.35 (s, 3H), 1.84 (s, 2H), 1.68 (d, J=3.0 Hz, 4H). 19F NMR (376 MHz, DMSO-d6) d -132.17 (dd, J = 3.9 Hz, J = 13.2 Hz).
【0376】
実施例33:5-(4-((シクロプロピルアミノ)メチル)ピペリジン-1-イル)-N-(8-フルオロ-2-メチルイミダゾ[1,2-a]ピリジン-6-イル)ピラジン-2-カルボキサミド
【0377】
【化45】
【0378】
N,N-ジメチルホルムアミド(1mL)中のN-(4-ピペリジルメチル)シクロプロパンアミン(50mg、0.327mmol)、5-クロロ-N-(8-フルオロ-2-メチル-イミダゾ[1,2-a]ピリジン-6-イル)ピラジン-2-カルボキサミド(100mg、0.327mmol)、及び炭酸セシウム(213mg、0.654mmol、2.00eq)を100℃で18時間撹拌した。反応混合物をDMSOで希釈し、分取HPLCにより精製した。これにより5-(4-((シクロプロピルアミノ)メチル)ピペリジン-1-イル)-N-(8-フルオロ-2-メチルイミダゾ[1,2-a]ピリジン-6-イル)ピラジン-2-カルボキサミドを得た。LCMS (ES+) 424.2 (M+H)+, RT 2.03分 (分析方法AcHSSC18); 1H NMR (400 MHz, DMSO-d6) 10.41 (1H, s), 9.17 (1H, d, J=1.6 Hz), 8.71 (1H, d, J=1.3 Hz), 8.31 (1H, d, J=1.4 Hz), 7.88 (1H, dd, J=0.6, 3.1 Hz), 7.55 (1H, dd, J=1.6, 13.1 Hz), 4.55 - 4.47 (2H, m), 3.04 - 2.95 (2H, m), 2.48 - 2.46 (2H, m), 2.34 - 2.33 (4H, m), 2.08 - 2.01 (1H, m), 1.83 - 1.71 (3H, m), 1.18 - 1.07 (2H, m), 0.37 - 0.32 (2H, m), 0.21 - 0.16 (2H, m); 19F NMR (376 MHz, DMSO-d6) d -132.19 (dd, J = 12.5, 2.6 Hz).
【0379】
実施例34:5-(6-(エチルアミノ)-3-アザビシクロ[3.1.0]ヘキサン-3-イル)-N-(8-メトキシ-2-メチルイミダゾ[1,2-a]ピラジン-6-イル)ピラジン-2-カルボキサミド
【0380】
【化46】
【0381】
5-[6-[tert-ブトキシカルボニル(エチル)アミノ]-3-アザビシクロ[3.1.0]ヘキサン-3-イル]ピラジン-2-カルボン酸(102mg、0.293mmol、1.00eq)、8-メトキシ-2-メチル-イミダゾ[1,2-a]ピラジン-6-アミン(52mg、0.293mmol、1.00eq)、HBTU(111mg、0.293mmol、1.00eq)、N,N-ジメチルホルムアミド(2mL)、及びトリエチルアミン(0.54mL、3.85mmol、13.2eq)を合わせ、室温で3時間撹拌した。次いで、混合物を室温に冷却し、分取HPLCにより精製して、tert-ブチルエチル(3-(5-((8-メトキシ-2-メチルイミダゾ[1,2-a]ピラジン-6-イル)カルバモイル)ピラジン-2-イル)-3-アザビシクロ[3.1.0]ヘキサン-6-イル)カルバメートを得た。LCMS (ES+) 509.2 (M+H)+, RT 4.45分 (分析方法AcHSSC18). 1H NMR (400 MHz, DMSO-d6) 9.52 (1H, s), 8.91 (1H, s), 8.76 (1H, d, J=1.5 Hz), 8.06 (1H, d, J=1.3 Hz), 7.95 (1H, d, J=0.9 Hz), 4.07 (3H, s), 3.87 (2H, d, J=11.4 Hz), 3.70 - 3.66 (2H, m), 3.28 - 3.22 (2H, m), 2.36 (3H, s), 2.28 - 2.25 (1H, m), 2.09 (2H, bs), 1.45 (9H, s), 1.09 - 1.04 (3H, m).
【0382】
tert-ブチルN-エチル-N-[3-[5-[(8-メトキシ-2-メチル-イミダゾ[1,2-a]ピラジン-6-イル)カルバモイル]ピラジン-2-イル]-3-アザビシクロ[3.1.0]ヘキサン-6-イル]カルバメート(21mg、0.0422mmol、1.00eq)、メチルアルコール(2mL)、及びジオキサン中4M塩化水素(2.0mL、8.00mmol、190eq)を合わせ、室温で90分間撹拌した。混合物を真空中で濃縮し、分取HPLC、続いてSFCにより精製して、5-(6-(エチルアミノ)-3-アザビシクロ[3.1.0]ヘキサン-3-イル)-N-(8-メトキシ-2-メチルイミダゾ[1,2-a]ピラジン-6-イル)ピラジン-2-カルボキサミドを得た。LCMS (ES+) 409.2 (M+H)+, RT 2.06分 (分析方法AcHSSC18). 1H NMR (400 MHz, DMSO-d6) 9.51 (1H, s), 8.90 (1H, s), 8.74 (1H, d, J=1.4 Hz), 8.01 (1H, d, J=1.6 Hz), 7.95 (1H, d, J=0.8 Hz), 4.07 (3H, s), 3.77 (2H, d, J=11.7 Hz), 3.63 - 3.59 (2H, m), 2.63 - 2.60 (2H, m), 2.35 (3H, s), 2.19 (1H, bs), 1.91 - 1.88 (1H, m), 1.73 (2H, bs), 1.02 (3H, t, J=6.7 Hz).
【0383】
実施例35及び実施例36:5-((1S)-1-アミノ-3-アザビシクロ[3.1.0]ヘキサン-3-イル)-N-(8-フルオロ-2-メチルイミダゾ[1,2-a]ピリジン-6-イル)ピラジン-2-カルボキサミド及び5-((1R)-1-アミノ-3-アザビシクロ[3.1.0]ヘキサン-3-イル)-N-(8-フルオロ-2-メチルイミダゾ[1,2-a]ピリジン-6-イル)ピラジン-2-カルボキサミド
【0384】
【化47】
【0385】
炭酸セシウム(394mg、1.21mmol、1.50eq)、5-クロロ-N-(8-フルオロ-2-メチル-イミダゾ[1,2-a]ピリジン-6-イル)ピラジン-2-カルボキサミド(247mg、0.807mmol、1.00eq)、tert-ブチルN-(3-アザビシクロ[3.1.0]ヘキサン-1-イル)カルバメート(160mg、0.807mmol、1.00eq)、及びN,N-ジメチルホルムアミド(4mL)を密閉管内で合わせ、100℃に90分間ホットブロック加熱した。次いで、混合物を室温に冷却し、濾過することによりセシウム塩を除去し、残渣を分取HPLCにより精製して、tert-ブチルN-(3-(5-((8-フルオロ-2-メチルイミダゾ[1,2-a]ピリジン-6-イル)カルバモイル)ピラジン-2-イル)-3-アザビシクロ[3.1.0]ヘキサン-1-イル)カルバメートを得た。LCMS (ES+) 419.2 (M+H)+, RT 1.81分 (分析方法AcHSSC18). 1H NMR (400 MHz, DMSO-d6) 10.47 (1H, s), 9.19 (1H, d, J=1.7 Hz), 8.75 (1H, d, J=1.3 Hz), 8.00 (1H, d, J=1.0 Hz), 7.90 (1H, dd, J=1.0, 3.0 Hz), 7.62 - 7.55 (2H, m), 3.98 (1H, d, J=10.8 Hz), 3.80 - 3.72 (2H, m), 3.58 - 3.55 (1H, m), 2.35 (3H, s), 1.42 (9H, s), 1.13 - 1.08 (1H, m), 0.90 - 0.88 (1H, m), 0.73 - 0.70 (1H, m).
【0386】
tert-ブチルN-[3-[5-[(8-フルオロ-2-メチル-イミダゾ[1,2-a]ピリジン-6-イル)カルバモイル]ピラジン-2-イル]-3-アザビシクロ[3.1.0]ヘキサン-1-イル]カルバメート(199mg、0.426mmol、1.00eq)、メチルアルコール(2mL)、及びジオキサン中4M塩化水素(2.0mL、8.00mmol、18.8eq)を合わせ、室温で24時間撹拌した。混合物を真空中で濃縮し、分取HPLC、続いてSFCにより精製して、2つの化合物を得た:エナンチオマー2, LCMS (ES+) 368.2 (M+H)+, RT 2.92分 (分析方法AcHSSC18 BicarbBEHC18) 1H NMR (400 MHz, DMSO-d6) d 10.45 (s, 1H), 9.19 (d, J=1.4 Hz, 1H), 8.76 (d, J=1.4 Hz, 1H), 7.99 (d, J=1.4 Hz, 1H), 7.91 - 7.90 (m, 1H), 7.56 (dd, J=1.5, 13.6 Hz, 1H), 4.04 (d, J=11.5 Hz, 1H), 3.78 - 3.71 (m, 2H), 3.57 (d, J=10.1 Hz, 1H), 2.35 (s, 3H), 1.81 (bs, 1H), 1.18 - 1.14 (m, 1H), 0.68 - 0.65 (m, 1H), NH2は観察されなかった;及びエナンチオマー1, LCMS (ES+) 368.2 (M+H)+, RT 2.93分 (分析方法AcHSSC18 BicarbBEHC18) 1H NMR (400 MHz, DMSO-d6) 10.45 (1H, s), 9.19 (1H, d, J=1.6 Hz), 8.75 (1H, d, J=1.6 Hz), 7.99 (1H, d, J=1.5 Hz), 7.91 - 7.89 (1H, m), 7.57 (1H, dd, J=1.8, 13.2 Hz), 4.02 (1H, d, J=10.6 Hz), 3.77 - 3.70 (2H, m), 3.55 (1H, d, J=10.6 Hz), 2.35 (3H, s), 1.74 (1H, s), 1.15 - 1.10 (1H, m), 0.64 - 0.61 (1H, m), NH2は観察されなかった.
【0387】
実施例37:5-[6-(シクロプロピルアミノ)-3-アザビシクロ[3.1.0]ヘキサン-3-イル]-N-(8-フルオロ-2-メチル-イミダゾ[1,2-a]ピリジン-6-イル)ピラジン-2-カルボキサミド
【0388】
【化48】
【0389】
5-(6-アミノ-3-アザビシクロ[3.1.0]ヘキサン-3-イル)-N-(8-フルオロ-2-メチル-イミダゾ[1,2-a]ピリジン-6-イル)ピラジン-2-カルボキサミド(220mg、0.600mmol、1.00eq)、(1-エトキシシクロプロポキシ)トリメチルシラン(0.097mL、0.480mmol、0.800eq)、シアノ水素化ホウ素ナトリウム(57mg、0.900mmol、1.50eq)、メチルアルコール(15mL)、及び酢酸(0.2000mL)を合わせ、50℃に終夜ホットブロック加熱した。反応混合物を室温に冷却し、真空中で濃縮し、分取HPLC及びSFC精製により精製して、標題化合物を得た。LCMS (ES+) 408.2 (M+H)+, RT 1.87分 (分析方法AcHSSC18). 1H NMR (400 MHz, DMSO-d6) d 10.41 (s, 1H), 9.18 (d, J=1.5 Hz, 1H), 8.72 (d, J=1.1 Hz, 1H), 7.94 (d, J=1.3 Hz, 1H), 7.88 (d, J=2.6 Hz, 1H), 7.55 (dd, J=1.7, 13.1 Hz, 1H), 3.78 (d, J=11.2 Hz, 2H), 3.59 (dd, J=2.0, 9.0 Hz, 2H), 2.67 (dd, J=1.8, 3.6 Hz, 1H), 2.33 (s, 3H), 2.16 - 2.10 (m, 1H), 1.96 (dd, J=2.3, 2.3 Hz, 1H), 1.72 (s, 2H), 0.38 - 0.33 (m, 2H), 0.25 - 0.21 (m, 2H). 19F NMR (376 MHz, DMSO-d6) d -132.17 (dd, J = 2.8 Hz, J = 13.5 Hz).
【0390】
方法Q:ホルムアルデヒド還元的アミノ化
アミン(1eq)、ホルムアルデヒド(37%溶液、50eq)、メタノール(1mL)、及びトリアセトキシ水素化ホウ素ナトリウム(2eq)を合わせ、得られた混合物を室温で16時間撹拌した。混合物をDCMと飽和重炭酸ナトリウムとの間で分配し、乾燥し、蒸発させた。粗製の物質をアキラルSFC又は分取HPLCにより精製した。
【0391】
実施例38及び実施例39:(S*)-5-(3-(ジメチルアミノ)-2-オキソピロリジン-1-イル)-N-(8-フルオロ-2-メチルイミダゾ[1,2-a]ピリジン-6-イル)ピラジン-2-カルボキサミド及び(R*)-5-(3-(ジメチルアミノ)-2-オキソピロリジン-1-イル)-N-(8-フルオロ-2-メチルイミダゾ[1,2-a]ピリジン-6-イル)ピラジン-2-カルボキサミド
【0392】
【化49】
【0393】
前に報告された5-(3-アミノ-2-オキソピロリジン-1-イル)-N-(8-フルオロ-2-メチルイミダゾ[1,2-a]ピリジン-6-イル)ピラジン-2-カルボキサミド(100mg、0.27mmol)からの方法Q(ホルムアルデヒド還元的アミノ化)の後、キラルSFCによって精製して、エナンチオマー2, LCMS (ES+) 398.2 (M+H)+, RT 1.72分 (分析方法AcHSSC18). RT 2.01分 (SFC1, LUX CELLULOSE-3 + 0.1% DEAISO 30% ACN/ IPA SOL4). 1H NMR (400 MHz, DMSO-d6) d 10.91 (s, 1H), 9.72 (d, J=1.5 Hz, 1H), 9.23 (d, J=1.6 Hz, 1H), 9.13 (d, J=1.4 Hz, 1H), 7.94 (d, J=2.8 Hz, 1H), 7.59 (dd, J=1.6, 13.0 Hz, 1H), 4.12 - 4.06 (m, 1H), 3.83 - 3.74 (m, 2H), 2.38 (d, J=11.7 Hz, 9H), 2.30 - 2.22 (m, 1H), 2.16 - 2.04 (m, 1H). 19F NMR (400 MHz, DMSO-d6) d -131.85 (dd, J= 2.7, 12.3 Hz);及びエナンチオマー1, LCMS (ES+) 398.2 (M+H)+, RT 1.72分 (分析方法AcHSSC18). RT 4.69分 (SFC1, LUX CELLULOSE-3 + 0.1% DEAISO 30% ACN/ IPA SOL4). 1H NMR (400 MHz, DMSO-d6) d 10.91 (s, 1H), 9.72 (d, J=1.5 Hz, 1H), 9.23 (d, J=1.6 Hz, 1H), 9.13 (d, J=1.5 Hz, 1H), 7.94 (d, J=2.8 Hz, 1H), 7.59 (dd, J=1.9, 13.0 Hz, 1H), 4.12 - 4.06 (m, 1H), 3.83 - 3.75 (m, 2H), 2.39 (s, 6H), 2.36 (d, J=0.7 Hz, 3H), 2.31 - 2.23 (m, 1H), 2.16 - 2.04 (m, 1H). 19F NMR (400 MHz, DMSO-d6) d -131.85 (dd, J= 2.7, 12.3 Hz)を得た。
【0394】
実施例40及び実施例41:(R*)-5-(4-((シクロプロピルアミノ)メチル)-2-オキソピロリジン-1-イル)-N-(8-フルオロ-2-メチルイミダゾ[1,2-a]ピリジン-6-イル)ピラジン-2-カルボキサミド及び(S*)-5-(4-((シクロプロピルアミノ)メチル)-2-オキソピロリジン-1-イル)-N-(8-フルオロ-2-メチルイミダゾ[1,2-a]ピリジン-6-イル)ピラジン-2-カルボキサミド.
【0395】
【化50】
【0396】
アセトニトリル(14.04mL)中の4-(ブロモメチル)ピロリジン-2-オン(500mg、2.81mmol、1eq)、シクロプロピルアミン(0.29mL、4.21mmol、1.5eq)、炭酸カリウム(776mg、5.62mmol、2eq)、及び4-(ジメチルアミノ)ピリジン(69mg、0.562mmol、0.2eq)の混合物をAce耐圧管内に入れ、100℃に加熱した。ブラストシールドをセットアップの周囲に置き、混合物を終夜、撹拌したままにした。反応混合物を室温に冷却し、溶媒を真空中で蒸発させ、残渣をクロマトグラフィー(シリカゲル、勾配溶離 酢酸エチル+MeOH中7N NH3 1:0から84:16)により精製した。1H NMR (400 MHz, CDCl3) d , 5.87 - 5.86 (brs, 1H), 3.50 (dd, J=8.7, 8.7 Hz, 1H), 3.13 (dd, J=5.7, 9.7 Hz, 1H), 2.82 - 2.61 (m, 3H), 2.45 (dd, J=8.8, 16.9 Hz, 1H), 2.14 - 2.01 (m, 2H), 0.48 - 0.41 (m, 2H), 0.33 - 0.28 (m, 2H).
【0397】
1,4-ジオキサン(2.14mL)中の5-クロロ-N-(8-フルオロ-2-メチル-イミダゾ[1,2-a]ピリジン-6-イル)ピラジン-2-カルボキサミド(99mg、0.324mmol、1eq)及び4-[(シクロプロピルアミノ)メチル]ピロリジン-2-オン(50mg、0.324mmol、1eq)の溶液に炭酸セシウム(158mg、0.486mmol、1.5eq)を添加し、20分間N2スパージング下で混合物を脱気した。キサントホス(19mg、0.0324mmol、0.1eq)及びトリス(ジベンジリデンアセトン)ジパラジウム(0)(7.4mg、8.11μmol、0.025eq)を添加し、混合物を100℃に不活性雰囲気下で24時間加熱した。反応混合物を冷却し、真空中で濃縮した。残渣をクロマトグラフィー(シリカゲル、勾配溶離 15カラム体積にわたり酢酸エチル/イソプロパノール1:0から80:20の緩慢な勾配、次いで、均一濃度)により精製し、その後、キラルSFC分離を行い、エナンチオマー1, LCMS (ES+) 424.2 (M+H)+, RT 1.83分 (分析方法AcHSSC18) 1H NMR (400 MHz, DMSO-d6) d 10.89 (s, 1H), 9.69 (d, J=1.4 Hz, 1H), 9.24 (d, J=1.5 Hz, 1H), 9.12 (d, J=1.5 Hz, 2H), 7.95 (d, J=2.8 Hz, 1H),7.60 (dd, J=1.8, 12.7 Hz, 1H), 4.14 (dd, J=7.7, 11.1 Hz, 1H), 3.78 (dd, J=5.6, 11.2 Hz, 1H), 2.84 - 2.63 (m, 4H), 2.38 (s, 3H), 2.13 - 2.07 (m, 1H), 0.42 - 0.38 (m, 2H), 0.26 - 0.21 (m, 2H); 19F NMR (376 MHz, DMSO-d6) d -131.86 (dd, J =2.4, 12.2 Hz, 1F);及びエナンチオマー2, LCMS (ES+) 424.2 (M+H)+, RT 1.84分 (分析方法AcHSSC18) 1H NMR (400 MHz, DMSO-d6) d 10.89 (s, 1H), 9.69 (d, J=1.4 Hz, 1H), 9.24 (d, J=1.5 Hz, 1H), 9.12 (d, J=1.5 Hz, 2H), 7.95 (d, J=2.8 Hz, 1H),7.60 (dd, J=1.8, 12.7 Hz, 1H), 4.14 (dd, J=7.7, 11.1 Hz, 1H), 3.78 (dd, J=5.6, 11.2 Hz, 1H), 2.84 - 2.63 (m, 4H), 2.38 (s, 3H), 2.13 - 2.07 (m, 1H), 0.42 - 0.38 (m, 2H), 0.26 - 0.21 (m, 2H); 19F NMR (376 MHz, DMSO-d6) d -131.86 (dd, J =2.4, 12.2 Hz, 1F)を得た。
【0398】
実施例42:5-(3-アミノ-3-メチル-ピロリジン-1-イル)-N-(8-フルオロ-2-メチル-イミダゾ[1,2-a]ピリジン-6-イル)ピラジン-2-カルボキサミド、ラセミ体
【0399】
【化51】
【0400】
3-メチルピロリジン-3-アミン;二塩酸塩(121mg、0.699mmol、1.00eq)、5-クロロ-N-(8-フルオロ-2-メチル-イミダゾ[1,2-a]ピリジン-6-イル)ピラジン-2-カルボキサミド(214mg、0.699mmol、1.00eq)、炭酸セシウム(456mg、1.40mmol、2.00eq)、及びN,N-ジメチルホルムアミド(5mL)を密閉管内で合わせ、80℃に終夜ホットブロック加熱した。反応物を室温に冷却し、濾過してセシウム塩を除去し、分取HPLCにより精製して、ラセミ体の標題化合物を得た。LCMS (ES+) 370.519 (M+H)+, RT 1.72分 (分析方法AcHSSC18). 1H NMR (400 MHz, DMSO-d6) d 10.42 (s, 1H), 9.20 (d, J=1.5 Hz, 1H), 8.74 (s, 1H), 7.94 (s, 1H), 7.90 (d, J=2.8 Hz, 1H), 7.57 (dd, J=1.7, 13.1 Hz, 1H), 3.75 - 3.61 (m, 2H), 3.42 - 3.37 (m, 2H), 2.35 (s, 3H), 1.88 - 1.88 (m, 4H), 1.30 (s, 3H). 19F NMR (400 MHz, DMSO-d6) d -132.18 (dd, J = 2.6 Hz, J = 13.5 Hz).
【0401】
実施例43及び実施例44:(R)-5-(3-(シクロプロピルアミノ)-2-オキソピロリジン-1-イル)-N-(8-フルオロ-2-メチルイミダゾ[1,2-a]ピリジン-6-イル)ピラジン-2-カルボキサミド及び(S)-5-(3-(シクロプロピルアミノ)-2-オキソピロリジン-1-イル)-N-(8-フルオロ-2-メチルイミダゾ[1,2-a]ピリジン-6-イル)ピラジン-2-カルボキサミド
【0402】
【化52】
【0403】
3-ブロモピロリジン-2-オン(250mg、1.52mmol、1.00eq)、シクロプロピルアミン(0.13mL、1.83mmol、1.20eq)、トリエチルアミン(0.64mL、4.57mmol、3.00eq)、及び4-(ジメチルアミノ)ピリジン(37mg、0.305mmol、0.200eq)をアセトニトリル(7.62mL)中で合わせ、密閉し、100℃に18時間加熱した。冷却した反応混合物を真空中で濃縮し、DCM中でロードし、酢酸エチル100%からメタノール中アンモニア(7N)2.5%で溶離した。生成物を単離し(HNMRによりDMAP 20%が混入)、さらに精製せずに使用した。
【0404】
1,4-ジオキサン(5.16mL)中の5-クロロ-N-(8-フルオロ-2-メチル-イミダゾ[1,2-a]ピリジン-6-イル)ピラジン-2-カルボキサミド(473mg、1.55mmol、1.00eq)及びtert-ブチル3-オキソ-1,2,3a,4,6,6a-ヘキサヒドロピロロ[3,4-c]ピロール-5-カルボキシレート(350mg、1.55mmol、1.00eq)の溶液に炭酸セシウム(756mg、2.32mmol、1.50eq)を添加し、20分間N2スパージング下で混合物を脱酸素化した。キサントホス(90mg、0.155mmol、0.100eq)及びトリス(ジベンジリデンアセトン)ジパラジウム(0)(35mg、0.0387mmol、0.0250eq)を添加し、混合物を100℃に不活性雰囲気下で24時間加熱した。冷却した反応混合物を濃縮し(3-(シクロプロピルアミノ)ピロリジン-2-オンの60mgスケールでの同一反応物と合わせ)、次いで、DCM/アセトンで希釈し、酢酸エチル/イソプロピルアルコール(0~5%)を使用して12gシリカゲルカラムで溶離した。ラセミ体生成物を単離し、これをSFC YMC Amylose-C 10×250mm、5um 55/45 ACN/IPA(0.1%DEA)/CO2、15ml/分、120bar、40℃、DAD 270nmによりさらに精製して、生成物を得た:エナンチオマー1, 97.3% Rt = 1.86, ee, 100%, Rt = 5.41. LCMS (ES+) 410.2 (M+H)+, RT 1.85分 (分析方法AcHSSC18) 1H NMR (400 MHz, DMSO-d6) d 10.90 (s, 1H), 9.72 (d, J=1.4 Hz, 1H), 9.24 (d, J=1.6 Hz, 1H), 9.13 (d, J=1.4 Hz, 1H), 8.33 - 8.19 (m, 1H), 7.94 (d, J=2.8 Hz, 1H), 7.59 (dd, J=1.6, 13.0 Hz, 1H), 4.14 - 4.09 (m, 1H), 3.86 - 3.78 (m, 2H), 2.99 - 2.90 (m, 2H), 2.36 (s, 3H), 2.00 - 1.92 (m, 1H), 0.47 - 0.44 (m, 2H), 0.36 - 0.30 (m, 2H);及びエナンチオマー2, 95.23% Rt = 1.86, ee, 98.3%, Rt = 13.15. LCMS (ES+) 410.2 (M+H)+, RT 1.85分 (分析方法AcHSSC18) 1H NMR (400 MHz, DMSO-d6) d 10.90 (s, 1H), 9.72 (d, J=1.4 Hz, 1H), 9.24 (d, J=1.6 Hz, 1H), 9.13 (d, J=1.4 Hz, 1H), 8.33 - 8.19 (m, 1H), 7.94 (d, J=2.8 Hz, 1H), 7.59 (dd, J=1.6, 13.0 Hz, 1H), 4.14 - 4.09 (m, 1H), 3.86 - 3.78 (m, 2H), 2.99 - 2.90 (m, 2H), 2.36 (s, 3H), 2.00 - 1.92 (m, 1H), 0.47 - 0.44 (m, 2H), 0.36 - 0.30 (m, 2H).
【0405】
実施例45:5-(3-((3-(2-(ジメチルアミノ)-2-オキソエトキシ)アゼチジン-1-イル)メチル)アゼチジン-1-イル)-N-(8-フルオロ-2-メチルイミダゾ[1,2-a]ピリジン-6-イル)ピラジン-2-カルボキサミド
【0406】
【化53】
【0407】
ブロモ酢酸エチル(1.9mL、17.3mmol、1eq)及び水素化ナトリウム(60%、0.83g、20.8mmol、1.2eq)をテトラヒドロフラン(40mL)中で合わせた。この後、撹拌しながら2分以内にテトラヒドロフラン(10mL)中の1-Boc-3-ヒドロキシアゼチジン(3.00g、17.3mmol、1eq)の溶液を滴下添加した。得られた溶液を室温で2時間撹拌した。次いで、反応物を水(20mL)の添加によりクエンチした。得られた溶液を水(20mL)で希釈した。得られた溶液を酢酸エチル(3×40mL)で抽出し、有機層を合わせた。得られた混合物を飽和塩化ナトリウム水溶液(3×40mL)で洗浄した。混合物を無水硫酸マグネシウムで乾燥し、真空下で濃縮した。フラッシュシリカクロマトグラフィー(80g Interchimカートリッジ、c-hex中20%EtOAcから100%EtOAc)による精製により、tert-ブチル3-(2-エトキシ-2-オキソ-エトキシ)アゼチジン-1-カルボキシレートを得た。1H NMR (400 MHz, CDCl3) d , 4.37 - 4.31 (m, 1H), 4.23 (q, J=7.2 Hz, 2H), 4.09 (dd, J=6.7, 10.2 Hz, 2H), 4.04 (s, 2H), 3.92 (dd, J=4.4, 10.1 Hz, 2H), 1.44 (s, 9H), 1.29 (t, J=7.2 Hz, 3H).
【0408】
tert-ブチル3-(2-エトキシ-2-オキソ-エトキシ)アゼチジン-1-カルボキシレート(500mg、1.93mmol、1eq)及びトリフルオロ酢酸(0.74mL、9.64mmol、5eq)をジクロロメタン(20mL)中で合わせ、室温で17時間撹拌した。反応混合物を濃縮乾固して、エチル2-(アゼチジン-3-イルオキシ)アセテートを得た。1H NMR (400 MHz, CDCl3) d 8.80 (s, 1H), 8.33 (s, 1H), 4.58 - 4.50 (m, 1H), 4.41 - 4.31 (m, 2H), 4.29 - 4.19 (m, 4H), 4.14 (s, 2H), 1.30 - 1.26 (m, 3H).
【0409】
tert-ブチル3-ホルミルアゼチジン-1-カルボキシレート(339mg、1.83mmol、1eq)、トリアセトキシ水素化ホウ素ナトリウム(776mg、3.66mmol、2eq)、及びエチル2-(アゼチジン-3-イルオキシ)アセテート;2,2,2-トリフルオロ酢酸(500mg、1.83mmol、1eq)をジクロロメタン(20mL)中で合わせ、室温で終夜撹拌した。反応混合物を飽和NaHCO3(aq)(50mL)でクエンチし、有機物を分離し、水及びブラインで洗浄した。有機物を硫酸マグネシウムで乾燥し、濾過し、濃縮乾固し、その後、SCXカートリッジ(10g)に通し、DCM:MeOH:7Mメタノール含有アンモニア(10:10:1)で溶離した。収集した画分を濃縮乾固して、tert-ブチル3-[[3-(2-エトキシ-2-オキソ-エトキシ)アゼチジン-1-イル]メチル]アゼチジン-1-カルボキシレートを得た。1H NMR (400 MHz, CDCl3) d , 4.24 - 4.16 (m, 3H), 4.01 (s, 2H), 3.97 (t, J=8.1 Hz, 2H), 3.71 - 3.55 (m, 4H), 3.03 - 2.98 (m, 2H), 2.68 - 2.65 (m, 2H), 2.56 - 2.44 (m, 1H), 1.43 (s, 9H), 1.29 (t, J=6.4 Hz, 3H).
【0410】
トリフルオロ酢酸(3mL、39mmol、39eq)及びtert-ブチル3-[[3-(2-エトキシ-2-オキソ-エトキシ)アゼチジン-1-イル]メチル]アゼチジン-1-カルボキシレート(330mg、1mmol、1eq)をジクロロメタン(20mL)中で合わせ、室温で72時間撹拌した。反応混合物を濃縮乾固し、SCXカートリッジ(5g)に通し、DCM:MeOH:7Mメタノール含有アンモニア(9:9:1)で溶離した。溶離した画分を濃縮乾固して、エチル2-[1-(アゼチジン-3-イルメチル)アゼチジン-3-イル]オキシアセテートを得た。1H NMR (400 MHz, CDCl3) d , 4.24 - 4.00 (m, 6H), 3.75 - 3.56 (m, 4H), 3.39 (t, J=7.3 Hz, 1H), 3.06 - 2.89 (m, 2H), 2.71 - 2.61 (m, 3H), 1.31 - 1.24 (m, 3H), NHは観察されなかった.
【0411】
エチル2-[1-(アゼチジン-3-イルメチル)アゼチジン-3-イル]オキシアセテート(130mg、0.569mmol、1eq)、5-クロロ-N-(8-フルオロ-2-メチル-イミダゾ[1,2-a]ピリジン-6-イル)ピラジン-2-カルボキサミド(174mg、0.569mmol、1eq)、及びトリエチルアミン(0.16mL、1.14mmol、2eq)をアセトニトリル(1mL)中で合わせ、55℃で6日間撹拌した。反応混合物を濃縮乾固し、DCMと水との間で分配し、有機物を相分離器により収集した。有機物を濃縮乾固し、フラッシュシリカクロマトグラフィー(DCM中5%MeOH[+1% 7Mメタノール含有アンモニア])により精製して、エチル2-[1-[[1-[5-[(8-フルオロ-2-メチル-イミダゾ[1,2-a]ピリジン-6-イル)カルバモイル]ピラジン-2-イル]アゼチジン-3-イル]メチル]アゼチジン-3-イル]オキシアセテートを得た。LCMS (ES+) 498.3 (M+H)+. 1H NMR (400 MHz, CDCl3) d 9.25 - 9.20 (m, 1H), 9.06 (t, J=1.8 Hz, 1H), 8.89 - 8.86 (m, 1H), 7.59 - 7.58 (m, 1H), 7.43 - 7.41 (m, 1H), 6.85 - 6.79 (m, 1H), 4.30 - 4.19 (m, 5H), 4.03 (s, 2H), 3.92 - 3.85 (m, 2H), 3.74 - 3.64 (m, 2H), 3.10 - 3.01 (m, 2H), 2.91 - 2.82 (m, 1H), 2.80 (d, J=7.3 Hz, 2H), 2.47 (s, 3H), 1.29 (t, J=8.2 Hz, 3H).
【0412】
エチル2-[1-[[1-[5-[(8-フルオロ-2-メチル-イミダゾ[1,2-a]ピリジン-6-イル)カルバモイル]ピラジン-2-イル]アゼチジン-3-イル]メチル]アゼチジン-3-イル]オキシアセテート(40mg、0.0804mmol、1eq)及び2M水酸化ナトリウム水溶液(0.40mL、0.804mmol、10eq)をテトラヒドロフラン(1mL)及びメチルアルコール(1mL)中で合わせ、50℃で17時間撹拌した。反応混合物を濃縮乾固し、分取HPLCにより精製して、2-[1-[[1-[5-[(8-フルオロ-2-メチル-イミダゾ[1,2-a]ピリジン-6-イル)カルバモイル]ピラジン-2-イル]アゼチジン-3-イル]メチル]アゼチジン-3-イル]オキシ酢酸を得た。LCMS(ES+) 470.3(M+H)+.
【0413】
テトラヒドロフラン(1mL)中の2-[1-[[1-[5-[(8-フルオロ-2-メチル-イミダゾ[1,2-a]ピリジン-6-イル)カルバモイル]ピラジン-2-イル]アゼチジン-3-イル]メチル]アゼチジン-3-イル]オキシ酢酸(7.4mg、0.0158mmol、1eq)の溶液に、暗所でTHF(1mL)中のN-(3-ジメチルアミノプロピル)-N'-エチルカルボジイミド(0.0028mL、0.0158mmol、1eq)、1-ヒドロキシベンゾトリアゾール(2.1mg、0.0158mmol、1eq)、N,N-ジイソプロピルエチルアミン(0.0055mL、0.0315mmol、2eq)、及び2-[3-(2-アジドエチル)ジアジリン-3-イル]エタンアミン(2.4mg、0.0158mmol、1eq)を添加した。混合物を室温で5日間撹拌し、その後、追加の2-[3-(2-アジドエチル)ジアジリン-3-イル]エタンアミン(2.4mg、0.0158mmol、1eq)を添加し、室温で2日間撹拌した。反応は33%で失速した。反応混合物を濃縮乾固し、分取HPLCにより精製して、5-[3-[[3-[2-[2-[3-(2-アジドエチル)ジアジリン-3-イル]エチルアミノ]-2-オキソ-エトキシ]アゼチジン-1-イル]メチル]アゼチジン-1-イル]-N-(8-フルオロ-2-メチル-イミダゾ[1,2-a]ピリジン-6-イル)ピラジン-2-カルボキサミドを得た。LCMS (ES+) 606.2 (M+H)+, RT 2.38分 (分析方法AcHSSC18). 1H NMR (400 MHz, CD3CN) d 9.46 (s, 1H), 9.07 (d, J=2.3 Hz, 1H), 8.77 (d, J=1.8 Hz, 1H), 7.74 (d, J=1.5 Hz, 1H), 7.64 (d, J=3.3 Hz, 1H), 7.18 (dd, J=1.4, 12.5 Hz, 1H), 6.93 (s, 1H), 4.25 (t, J=8.8 Hz, 2H), 4.22 - 4.16 (m, 1H), 3.87 (dd, J=5.5, 9.6 Hz, 2H), 3.83 (s, 2H), 3.61 - 3.56 (m, 2H), 3.22 (t, J=6.5 Hz, 2H), 3.14 (dd, J=6.9, 13.2 Hz, 2H), 3.05 - 3.00 (m, 2H), 2.89 - 2.79 (m, 1H), 2.76 (d, J=6.8 Hz, 2H), 2.41 (s, 3H), 1.71 (t, J=6.7 Hz, 2H), 1.65 (t, J=6.9 Hz, 2H).
【0414】
実施例46:5-(4-((シクロプロピルアミノ)メチル)-1H-ピラゾール-1-イル)-N-(8-フルオロ-2-メチルイミダゾ[1,2-a]ピリジン-6-イル)ピラジン-2-カルボキサミド
【0415】
【化54】
【0416】
室温のジクロロメタン(100mL)中のtert-ブチル4-ホルミル-1H-ピラゾール-1-カルボキシレート(2.00g、10.2mmol)及びシクロプロパンアミン(1.75g、30.6mmol)の混合物にトリアセトキシ水素化ホウ素ナトリウム(6.48g、30.6mmol)を添加した。混合物を室温で18時間撹拌した。この後、重炭酸ナトリウム水溶液(水中10%、10mL)を添加し、混合物を減圧下で濃縮した。得られた残渣をクロマトグラフィー(シリカゲル;酢酸エチルからメタノール;勾配溶離)により精製して、不純なtert-ブチル4-((シクロプロピルアミノ)メチル)-1H-ピラゾール-1-カルボキシレートを得て、これをさらに精製せずに次のステップで使用した。
【0417】
ジクロロメタン(100mL)中のtert-ブチル4-((シクロプロピルアミノ)メチル)-1H-ピラゾール-1-カルボキシレート(3.40g、14.3mmol)及びトリエチルアミン(2.90g、28.7mmol)の混合物に室温で二炭酸ジ-tert-ブチル(3.75g、17.2mmol)を添加した。混合物を18時間撹拌した。この後、溶媒を減圧下で除去し、得られた残渣をクロマトグラフィー(シリカゲル;ヘキサンから酢酸エチル;勾配溶離)により精製して、不純なtert-ブチル4-(((tert-ブトキシカルボニル)(シクロプロピル)アミノ)メチル)-1H-ピラゾール-1-カルボキシレートを得て、これをさらに精製せずに次のステップで使用した。
【0418】
室温のメタノール(100mL)中のtert-ブチル4-(((tert-ブトキシカルボニル)(シクロプロピル)アミノ)メチル)-1H-ピラゾール-1-カルボキシレート(4.82g、14.3mmol)に炭酸カリウム(5.92g、42.9mmol)を添加し、混合物を室温で18時間撹拌した。この後、揮発性物質を減圧下で除去し、得られた残渣をクロマトグラフィー(シリカゲル;酢酸エチルからメタノール;勾配溶離)により精製して、tert-ブチル((1H-ピラゾール-4-イル)メチル)-(シクロプロピル)カルバメートを得た、1H NMR (500 MHz, DMSO-d6) δ 12.65 (br s, 1H), 7.80-7.10 (br m, 2H), 4.18 (s, 2H), 2.40-2.25 (m, 1H), 1.40 (s, 9H), 0.70-0.60 (m, 2H), 0.60-0.50 (m, 2H).
【0419】
室温のアセトニトリル(10mL)中のtert-ブチル((1H-ピラゾール-4-イル)メチル)(シクロプロピル)カルバメート(0.0466g、0.196mmol)及び5-クロロ-N-(8-フルオロ-2-メチルイミダゾ[1,2-a]ピリジン-6-イル)ピラジン-2-カルボキサミド(0.0400g、0.131mmol)の混合物に炭酸カリウム(0.0362g、0.262mmol)を添加した。混合物を82℃で48時間加熱した。この後、揮発性物質を減圧下で除去し、得られた残渣をクロマトグラフィー(シリカゲル;ヘキサンから酢酸エチル;勾配溶離)により精製して、tert-ブチルシクロ-プロピル((1-(5-((8-フルオロ-2-メチルイミダゾ[1,2-a]ピリジン-6-イル)カルバモイル)ピラジン-2-イル)-1H-ピラゾール-4-イル)メチル)カルバメートを得た、1H NMR(500 MHz, CDCl3) δ 9.42(s, 1H), 9.26(d, J = 1.4 Hz, 1H), 9.22(d, J = 1.3 Hz, 1H), 9.08(d, J = 1.6 Hz, 1H), 8.49(d, J = 0.5 Hz, 1H), 7.82(s, 1H), 7.45(dd, J = 2.9, 0.6 Hz, 1H), 6.90(dd, J = 10.8, 1.7 Hz, 1H), 4.37(s, 2H), 2.55-2.40(m, 1H), 2.48(d, J = 0.6 Hz, 3H), 1.49(s, 9H), 0.83-0.75(m, 2H), 0.72-0.65(m, 2H); MS(ESI) m/z: [M + H]+ C25H28FN8O3についての計算値507.2; 実測値507.5.
【0420】
ジクロロメタン(3mL)中のtert-ブチルシクロプロピル((1-(5-((8-フルオロ-2-メチルイミダゾ[1,2-a]ピリジン-6-イル)-カルバモイル)ピラジン-2-イル)-1H-ピラゾール-4-イル)メチル)カルバメート(0.070g、1.4mmol)の溶液にトリフルオロ酢酸(1mL)を添加し、混合物を室温で1時間撹拌した。この後、揮発性物質を減圧下で除去し、得られた残渣を重炭酸ナトリウム(10%、1mL)で処理した。混合物を減圧下で濃縮し、クロマトグラフィー(シリカゲル;酢酸エチルからメタノール;勾配溶離)により精製した。不純な生成物をXBridge Prep C18 OBDカラム(5μm、250×19mm)上での分取HPLCにより再精製し、方法4に従って溶離した。MP-カーボネート(5g)カラム上でメタノールで溶離することによって、単離された生成物を遊離塩基に変換し、次いで、再度、XBridge Prep C18 OBDカラム(5μm、250×19mm)上での分取HPLCにより精製し、方法5に従って溶離して、5-(4-((シクロプロピルアミノ)メチル)-1H-ピラゾール-1-イル)-N-(8-フルオロ-2-メチルイミダゾ[1,2-a]ピリジン-6-イル)-ピラジン-2-カルボキサミドを得た、mp 194~196℃; 1H NMR (500 MHz, DMSO-d6) δ 10.96 (s, 1H), 9.25 (s, 1H), 9.22 (s, 1H), 9.13 (s, 1H), 8.58 (s, 1H), 8.00-7.85 (m, 2H), 7.58 (d, J = 12.8 Hz, 1H), 3.71 (s, 2H), 2.34 (s, 3H), 2.15-2.00 (m, 1H), 0.42-0.32 (m, 2H), 0.32-0.20 (m, 2H); 19F NMR (471 MHz, DMSO-d6) δ -131.79; MS (ESI) m/z: [M + H]+ C20H20FN8Oについての計算値407.2; 実測値407.4; UHPLC: 方法2, tR = 2.22分, >99% (AUC) 254及び215nmにて; UHPLC-MS: 方法3, tR = 1.16分, >99% (AUC), MS (ESI) m/z: [M + H]+ C20H20FN8Oについての計算値407.2; 実測値407.5.
【0421】
【表13】
【0422】
【表14】
【0423】
本明細書に記載されている他の化合物は、本明細書に記載されている方法に従って調製した。
【0424】
生物学的アッセイ例
時間分解FRETアッセイ:Q48-ハンチンチン及び全ハンチントンの検出
Weissらから適合させたプロトコルを使用して、細胞溶解物中の内因性HTTタンパク質の検出を実施した。Weiss Aら、(2009年). Single-step detection of mutant huntingtin in animal and human tissues: a bioassay for Huntington's disease. Anal. Biochem. 395巻(1号):8~15頁を参照されたい。
【0425】
HDドナーのヒト胚盤胞からGenea Biocellにより得られたヒト胚幹細胞(突然変異体48Q反復アレルを有するGEN020 hESC)において、多重アッセイを実施した。Bradley CKら、(2011年). Derivation of Huntington's disease-affected human embryonic stem cell lines、Stem Cells Dev. 2011年3月;20巻(3号):495~502頁。細胞を384ウェルのコラーゲンコーティングプレート(ウェル1個当たり細胞10,000個)にプレーティングし、24時間静置して付着させ、次いで試験化合物を48時間(37℃、5%CO2)にわたり添加し、次いで細胞を溶解し、溶解物をブラック384ウェルアッセイプレートに移した。
【0426】
アッセイプレートは、HTTタンパク質の別個の領域を認識するために添加されたHTRF標識されたモノクローナル抗体の組合せを含み、Tb「ドナー」抗体(2B7-Tb:0.2ng/ウェル)はタンパク質のN末端での配列を認識し、Alexa488「受容体1」抗体(MW1-Alexa488:30ng/ウェル)はポリQ領域内の領域を認識するのに対して、d2「受容体2」抗体(MAB2166-d2:6ng/ウェル)はポリQ領域を超えた配列を認識する。これら検出試薬を室温で4~6時間細胞溶解物と共にインキュベートしてから、これらの蛍光を615nm(ドナー)及び535nm及び665nm(それぞれ受容体1及び2)で定量化した。これらのシグナル間のドナー/受容体比は、mHTT及びtHTTの相対的な量を示した。
【0427】
本明細書に記載されている様々な化合物に対する結果が以下の表に提供されている。本アッセイのtHTT活性は、10~20μM(-);1~10μM(+);0.5~1μM(++);0.1~0.5μM(+++);<0.1μM(++++)として分類される。
【0428】
【表15】
【0429】
他に定義されていない限り、本明細書で使用されているすべての技術的及び科学的用語は、本開示が属する技術分野の当業者により共通して理解されている意味と同じ意味を有する。
【0430】
本明細書に例示的に記載されている開示は、本明細書で具体的に開示されていない、いかなる要素、制限の非存在下でも、適切に実施され得る。よって、例えば、「含む(comprising)」「含む(including)」、「含有する(containing)」等の用語は、広く及び制限なしで読み取るものとする。さらに、本明細書で利用されている用語及び表現は、制限を課するものではなく、説明の用語として使用されているものであり、このような用語及び表現の使用において、示されている及び記載されている特徴又はその部分のあらゆる同等物を除外することを意図せず、様々な変化形が本開示の範囲内で可能であることが認識されている。
【0431】
本明細書に記述されているすべての公開、特許出願、特許、及び他の参考文献は、これら全体が、それぞれがまるで個々に参照により組み込まれているかのように、明示的に参照により組み込まれている。矛盾する場合、定義を含めて本明細書が優先される。
【国際調査報告】