(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-10-31
(54)【発明の名称】閉ループ地熱システムにおいて流体損失または流入を軽減すること
(51)【国際特許分類】
F24T 10/10 20180101AFI20241024BHJP
E21B 43/00 20060101ALI20241024BHJP
【FI】
F24T10/10
E21B43/00 C
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2024529382
(86)(22)【出願日】2021-11-17
(85)【翻訳文提出日】2024-07-10
(86)【国際出願番号】 IB2021060674
(87)【国際公開番号】W WO2023089357
(87)【国際公開日】2023-05-25
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】518327729
【氏名又は名称】エバー・テクノロジーズ・インコーポレーテッド
(74)【代理人】
【識別番号】100108453
【氏名又は名称】村山 靖彦
(74)【代理人】
【識別番号】100110364
【氏名又は名称】実広 信哉
(74)【代理人】
【識別番号】100133400
【氏名又は名称】阿部 達彦
(72)【発明者】
【氏名】マイケル・ホームズ
(72)【発明者】
【氏名】マシュー・テーブス
(57)【要約】
方法が、地下領域に存在する地熱井と、熱交換器またはタービンのうちの少なくとも一方と、の間の閉ループにおいて、熱伝達作動流体を循環させるステップを含む。井は、地下領域への作動流体の流体損失を制限するために実質的に封止される。作動流体を循環させる間、地下領域と地熱井との間の流体の流れに関連して、作動流体の粘度、または、作動流体と地下領域との間の圧力差のうちの少なくとも一方が制御される。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
地下領域に存在する地熱井と、熱交換器またはタービンのうちの少なくとも一方と、の間の閉ループにおいて、熱伝達作動流体を循環させるステップであって、前記地熱井は、前記地下領域への前記作動流体の流体損失を制限するために実質的に封止される、ステップと、
前記作動流体を循環させる間、前記地下領域と前記地熱井との間の流体の流れに関連して、前記作動流体の粘度、および、前記作動流体と前記地下領域との間の圧力差のうちの少なくとも一方を制御するステップと、
を含む、方法。
【請求項2】
地熱井が、地表面から前記地下領域へと延びる表面坑井と、前記地下領域における前記表面坑井から延びる側方坑井と、を備え、前記作動流体を循環させるステップは、閉ループ内の前記作動流体を、前記熱交換器と前記表面坑井と前記側方坑井との間で循環させることを含む、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記側方坑井の少なくとも一部分が、前記地下領域に埋め込まれた封止剤で封止される、請求項2に記載の方法。
【請求項4】
前記表面坑井は実質的に鉛直である、請求項2に記載の方法。
【請求項5】
前記表面坑井の長さの少なくとも一部分がケーシング保護され、前記側方坑井の長さの大部分が裸坑である、請求項2に記載の方法。
【請求項6】
前記側方坑井の長さの少なくとも一部分がケーシング保護される、請求項2に記載の方法。
【請求項7】
前記作動流体はずり減粘性である、請求項1から6のいずれか一項に記載の方法。
【請求項8】
前記作動流体を循環させるステップは、前記作動流体を、前記表面坑井において、前記側方坑井においてよりも高い平均ずり速度の下で循環させることを含む、請求項2から6のいずれか一項に記載の方法。
【請求項9】
前記側方坑井における流体流れのレイノルズ数が3,000を上回る、請求項2から6のいずれか一項に記載の方法。
【請求項10】
前記作動流体内の気体を乳化させることで、前記作動流体と前記地下領域との間の前記圧力差を目標圧力差に向けて制御するステップを含む、請求項1から6のいずれか一項に記載の方法。
【請求項11】
低密度の粒子を前記作動流体に追加することで、前記作動流体と前記地下領域との間の前記圧力差を目標圧力差に向けて制御するステップを含む、請求項1から6のいずれか一項に記載の方法。
【請求項12】
前記作動流体より高い密度を有する材料を前記作動流体に追加することで、前記作動流体と前記地下領域との間の前記圧力差を目標圧力差に向けて制御するステップを含む、請求項1から6のいずれか一項に記載の方法。
【請求項13】
前記作動流体と共に、前記作動流体とは異なる密度を有する第2の流体を流すことで、前記作動流体と前記地下領域との間の前記圧力差を目標圧力差に向けて制御するステップを含む、請求項1から6のいずれか一項に記載の方法。
【請求項14】
前記作動流体の温度を制御することで、前記作動流体と前記地下領域との間の前記圧力差を目標圧力差に向けて制御するステップを含む、請求項1から6のいずれか一項に記載の方法。
【請求項15】
前記作動流体が循環させられる圧力を制御することで、前記作動流体と前記地下領域との間の前記圧力差を目標圧力差に向けて制御するステップを含む、請求項1から6のいずれか一項に記載の方法。
【請求項16】
前記地熱井において特定の流れ特性を有する流体流れ制限を使用して、前記作動流体と前記地下領域との間の前記圧力差を目標圧力差に向けて制御するステップを含む、請求項1から6のいずれか一項に記載の方法。
【請求項17】
前記地熱井の中の前記作動流体の流体高さを、表面に近接する、前記地熱井の中の前記流体高さの上方の蒸気空間に関連して調整することで、前記作動流体と前記地下領域との間の前記圧力差を目標圧力差に向けて制御するステップを含む、請求項1から6のいずれか一項に記載の方法。
【請求項18】
前記作動流体の循環速度を制御することで、前記作動流体と前記地下領域との間の前記圧力差を目標圧力差に向けて制御するステップを含む、請求項1から6のいずれか一項に記載の方法。
【請求項19】
前記表面坑井または前記側方坑井の特定の直径を選択することで、前記作動流体と前記地下領域との間の前記圧力差を目標圧力差に向けて制御するステップを含む、請求項2から6のいずれか一項に記載の方法。
【請求項20】
地下領域への作動流体の損失を制御するために、粘度を呈するように前記作動流体を選択するステップであって、前記損失は、前記作動流体が、前記地下領域に存在する地熱井と、熱交換器またはタービンのうちの少なくとも一方と、の間の閉ループにおいて循環させられる間に生じる、ステップと、
前記熱交換器で、前記作動流体が前記閉ループ内を循環している間、前記作動流体から熱を抽出するステップと、
を含む、方法。
【請求項21】
前記作動流体を選択するステップは、ずり減粘性流体を前記作動流体として選択することを含む、請求項20に記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、閉ループ地熱システムに関する。
【背景技術】
【0002】
閉ループ地熱システムは、地下領域へと掘削された坑井の中で循環させられる作動流体を含む。作動流体は地下領域から熱を吸収し、その熱は、電気を生成するために、または他の用途のために、回収することができる。システムは、地下領域の周囲の累層との流体の交換を制限し、理想的には防止するように構築される点において、閉ループである。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】米国特許出願公開第2019/0346181号明細書
【特許文献2】米国特許出願公開第2020/0011151号明細書
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本開示は、閉ループ地熱システムに関する。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本明細書における主題の特定の態様が方法として実施され得る。方法は、地下領域に存在する地熱井と、熱交換器またはタービンのうちの少なくとも一方と、の間の閉ループにおいて、熱伝達作動流体を循環させるステップを含む。地熱井は、地下領域への作動流体の流体損失を制限するために実質的に封止される。作動流体を循環させる間、地下領域と地熱井との間の流体の流れに関連して、作動流体の粘度、または、作動流体と地下領域との間の圧力差のうちの少なくとも一方が制御される。
【0006】
他の態様のうちのいずれかと組み合わせ可能な態様が、以下の特徴を含み得る。地熱井が、地表面から地下領域へと延びる表面坑井と、地下領域における表面坑井から延びる側方坑井と、を備え得る。作動流体を循環させるステップは、閉ループにおける作動流体を、熱交換器と表面坑井と側方坑井との間で循環させることを含み得る。
【0007】
他の態様のうちのいずれかと組み合わせ可能な態様が、以下の特徴を含み得る。側方坑井の少なくとも一部分が、地下領域に埋め込まれた封止剤で封止され得る。
【0008】
他の態様のうちのいずれかと組み合わせ可能な態様が、以下の特徴を含み得る。表面坑井は実質的に鉛直であり得る。
【0009】
他の態様のうちのいずれかと組み合わせ可能な態様が、以下の特徴を含み得る。表面坑井の長さの少なくとも一部分がケーシング保護されてもよく、側方坑井の長さの大部分が裸坑とできる。
【0010】
他の態様のうちのいずれかと組み合わせ可能な態様が、以下の特徴を含み得る。側方坑井の長さの少なくとも一部分がケーシング保護され得る。
【0011】
他の態様のうちのいずれかと組み合わせ可能な態様が、以下の特徴を含み得る。作動流体はずり減粘性であり得る。
【0012】
他の態様のうちのいずれかと組み合わせ可能な態様が、以下の特徴を含み得る。作動流体を循環させるステップは、作動流体を、表面坑井において、側方坑井においてよりも高い平均ずり速度の下で循環させることを含み得る。
【0013】
他の態様のうちのいずれかと組み合わせ可能な態様が、以下の特徴を含み得る。側方坑井における流体流れのレイノルズ数が3,000を上回り得る。
【0014】
他の態様のうちのいずれかと組み合わせ可能な態様が、以下の特徴を含み得る。作動流体内の気体を乳化させることで、作動流体と地下領域との間の圧力差は目標圧力差に向けて制御され得る。
【0015】
他の態様のうちのいずれかと組み合わせ可能な態様が、以下の特徴を含み得る。低密度の粒子を作動流体に追加することで、作動流体と地下領域との間の圧力差は目標圧力差に向けて制御され得る。
【0016】
他の態様のうちのいずれかと組み合わせ可能な態様が、以下の特徴を含み得る。作動流体より高い密度を有する材料を作動流体に追加することで、作動流体と地下領域との間の圧力差は目標圧力差に向けて制御され得る。
【0017】
他の態様のうちのいずれかと組み合わせ可能な態様が、以下の特徴を含み得る。作動流体と共に、作動流体とは異なる密度を有する第2の流体を流すことで、作動流体と地下領域との間の圧力差は目標圧力差に向けて制御され得る。
【0018】
他の態様のうちのいずれかと組み合わせ可能な態様が、以下の特徴を含み得る。作動流体の温度を制御することで、作動流体と地下領域との間の圧力差は目標圧力差に向けて制御され得る。
【0019】
他の態様のうちのいずれかと組み合わせ可能な態様が、以下の特徴を含み得る。作動流体が循環させられる圧力を制御することで、作動流体と地下領域との間の圧力差は目標圧力差に向けて制御され得る。
【0020】
井において特定の流れ特性を有する流体流れ制限を使用して、作動流体と地下領域との間の圧力差は目標圧力差に向けて制御され得る。
【0021】
他の態様のうちのいずれかと組み合わせ可能な態様が、以下の特徴を含み得る。作動流体と地下領域との間の圧力差は、井の中の作動流体の流体高さを、表面に近接する、井の中の流体高さの上方の蒸気空間に関連して調整することで、目標圧力差に向けて制御され得る。
【0022】
他の態様のうちのいずれかと組み合わせ可能な態様が、以下の特徴を含み得る。作動流体の循環速度を制御することで、作動流体と地下領域との間の前記圧力差は目標圧力差に向けて制御され得る。
【0023】
他の態様のうちのいずれかと組み合わせ可能な態様が、以下の特徴を含み得る。表面坑井または側方坑井の特定の直径を選択することで、作動流体と地下領域との間の圧力差は目標圧力差に向けて制御され得る。
【0024】
本明細書における主題の特定の態様が方法として実施され得る。方法は、地下領域への作動流体の損失を制御するために、粘度を呈するように作動流体を選択するステップを含む。損失は、作動流体が、地下領域に存在する地熱井と、熱交換器またはタービンのうちの少なくとも一方との間の閉ループにおいて循環させられる間に生じる。作動流体から熱が、作動流体が閉ループにおいて循環している間に、熱交換器で抽出される。
【0025】
他の態様のうちのいずれかと組み合わせ可能な態様が、以下の特徴を含み得る。作動流体を選択するステップは、ずり減粘性流体を作動流体として選択することを含み得る。
【図面の簡単な説明】
【0026】
【
図1】本明細書における概念による閉ループ地熱システムの概略図である。
【
図2】本明細書における概念による側方坑井の一部分の概略図である。
【
図3】ずり減粘性添加物の追加の前後における、閉ループシステムからの時間に伴う流体体積の測定された損失のグラフである。
【
図4】表面下の流れ制限を伴う閉ループシステムの概略図である。
【
図5】目標流体高さを伴う閉ループシステムの概略図である。
【
図6】本明細書における概念による方法の過程流れ図である。
【発明を実施するための形態】
【0027】
閉ループ地熱システムにおいて、作動流体が、表面下の井と、熱を使用のために抽出するように構成される表面または(少なくとも部分的に)表面下の施設と、を含む閉ループの中で循環させられる。特例の例では、施設は、熱を抽出し、電気を発生させるランキンサイクル(例えば、有機ランキンサイクル)もしくは他の熱サイクル、産業用の蒸気発生過程、農業用もしくは住居用の使用、または他の過程など、関連する過程へと熱を伝えるための熱交換器を含む。特定の例では、施設は、加熱された作動流体を、発電機を駆動する膨張器(例えば、タービン)を通過させること、または、作動流体の熱を、産業用、農業用、もしくは住居用の過程で直接的に使用することなどで、直接的に使用する。このような閉ループシステムでは、作動流体と地下領域の自然流体(例えば、地下水)との間の接触は、配管、坑井ケーシング、坑井封止剤、およびシステムの他の構成要素または特徴によって、実質的に排除または最小化される。
【0028】
本明細書における概念によれば、特定の例において、閉ループシステムは、1つ以上の入口坑井と1つ以上の出口坑井とを備え、それら入口坑井と出口坑井とは、入口坑井から分岐し、出口坑井に交差する、および/または、(例えば、坑井同士の間で延びる割れ目によって)出口坑井にそうでない場合には流体的に連結される1つ以上の側方坑井によって接続される。特定の例では、側方坑井は、水平であるか、鉛直に対して鋭角もしくは鈍角であるか、またはそうでない場合には非鉛直である。入口坑井と出口坑井とは複数の側方坑井のネットワークによって連結され得る。特定の例では、1つの側方坑井、または複数の側方坑井のうちの一部もしくは全部が、ケーシング保護され得ないかまたはそうでない場合には裸坑とされ得るが、例えば、坑井が掘削される地下領域に埋め込まれる封止剤によってなどで、システムの中または外への流体の流れに抗して(全体的または実質的に)封止され得る。しかしながら、封止剤によって作り出される封止は完全に不浸透性ではない可能性があるため、および/または、封止剤によって作り出される封止における亀裂、他の割れ、もしくは浸透性のため、一部の流体がシステムの中または外へ漏れる可能性がある。システムの中または外への流体のこのような流れは、作動流体の体積の低下および/または希釈をもたらす可能性がある。流体のこのような交換は、地熱システムの効率の低下、および/または他の望ましくない効果をもたらす可能性がある。本明細書における概念のいくつかの例によれば、閉ループシステムの中または外への流体のこのような流れが排除または低減させることができる。
【0029】
図1は、本明細書における概念による閉ループ地熱システムを示している。特定の例では、閉ループ地熱坑井システムは、例えば、地下領域と熱を交換する封止された側方坑井のネットワークを含む、Calgary、AlbertaのEavor Technologies Inc.によって開発されたものなどのシステムであり得る。
【0030】
図1を参照すると、システム100は、地下領域104の中に掘削された井102を有する閉ループシステムを備える。図示されている例では、井102は、地面と地下領域104との間で各々が延び、1つ以上の側方坑井140によって地下領域104の中で接続されている近接した入口表面坑井120および出口表面坑井130を備える。図示されている例では、側方坑井140は、先端142において交差する複数の側方坑井の複数の対、つまり、閉ループにおいて、入口表面坑井120から分かれ、地下領域104へとある距離で延び、先端142から出口表面坑井130に向けて戻る(および、出口表面坑井130へと戻って結合する)複数の側方坑井の複数の対を含む。他の例では、入口表面坑井および出口表面坑井が、それらを側方坑井が表面下で接続してU字形の構成を形成する状態で、より長い距離で分離されてもよい。
【0031】
図示されている例では、入口表面坑井120および出口表面坑井130は、実質的に真っ直ぐに掘削された(つまり、傾斜掘削の方法または機器の使用がない)鉛直の坑井である。側方坑井140は、傾斜掘削の方法および機器を使用するなどして、実質的に水平に掘削され、鉛直からの開始において始まる側方坑井140の通り道において湾曲を含む。他の例では、入口表面坑井および/または出口表面坑井は、鉛直以外である、および/または、傾斜掘削の使用で掘削されてもよい。いくつかの例では、側方坑井のうちの一部または全部が水平以外である。いくつかの(すべてではない)例では、側方坑井140は、地下領域における累層の地質学的傾斜に追従するように掘削される。いくつかの例では、側方坑井140は、長さにおいて2000メートルから8000メートルまで、またはそれ以上で、表面からの深さが1000メートルから8000メートルまでのいずれかとできる。
【0032】
いくつかの例では、入口表面坑井120および出口表面坑井130の長さの大部分はケーシング保護され、側方坑井140は裸坑である。いくつかの例では、側方坑井140の全長が裸坑とでき、他の例では、側方坑井は、側方坑井140が入口表面坑井120および出口表面坑井130と交わる結合部において(および/または、先端142において)裸坑とでき、それらの結合部同士および/または先端同士の間の距離の少なくとも一部分にわたって裏打ちされ得る(例えば、断層のため、および/または層を成していない地質学的材料のため、地下領域が崩壊しやすい部分において裏打ちされ得るが、そうでない場合は裸坑であり得る)。
図2を参照してさらに詳細に説明されるが、いくつかの例では、側方坑井140の長さの一部または全部が、側方坑井と地下領域との間に、実質的に流体に対して不浸透性である境界面を形成することで、ケーシングの使用なしで実質的に封止できる。
【0033】
図示されている例では、システム100は、入口表面坑井120と出口表面坑井130との間に配置される施設110をさらに含む。井102は封止でき、作動流体が閉ループに追加され、熱を地下領域104から吸収するようにシステムにおいて循環させられる。特定の例では、施設110は、熱を作動流体から抽出し、電気を発生させるランキンサイクル(例えば、有機ランキンサイクル)もしくは他の熱サイクル、産業用の蒸気発生過程、農業用もしくは住居用の使用、または他の過程など、関連する過程へと熱を伝えるための熱交換器を含む。特定の例では、熱交換器の代替または追加で、施設110は、加熱された作動流体を、発電機を駆動する膨張器(例えば、タービン)を通過させること、または、作動流体の熱を、産業用、農業用、もしくは住居用の過程で直接的に使用することなどで、直接的に使用する。いくつかの例では、施設110は地表面またはその近くに配置され、他の例では、施設110は表面下の場所の中に部分的または完全に配置され得る。
【0034】
いくつかの例では、作動流体は、流体と地下領域104との間での温度差および熱伝達を最大にするために、非線形の温度エンタルピ関係を伴う流体であり得る。いくつかの例では、作動流体は、特許文献1に記載されているような水性電解質であり得る。いくつかの例では、作動流体は水に基づかれ得る。いくつかの例では、作動流体は、高い熱容量(つまり、3.0kJ/kg-Kより大きい、および/または、高い熱膨張係数(つまり、10-4K-1より大きい))を有し得る。その高い熱伝達特性に加えて、作動流体は、環境的に無害であり得、非毒性であり得、高温高圧において安定であり得、流れることができ、表面下の累層に圧縮強度を提供することができる。
【0035】
図1の閉ループシステムでは、作動流体は、環境への作動流体の損失無しで、または実質的に損失無しで、システムへの環境からの自然流体(例えば、地表水または地下水)の流れ無しで、または実質的に流れ無しで、システムの中で循環し、表面下または表面流体から隔離される(封止剤によってであるが、特定の例では、隔離は、代替または追加で、配管、ケーシング、および/または他の方法によって作り出されてもよい)。閉ループシステムの定期的な調整および保守は、システムがそうでない場合には閉じられたままの状態で、作動流体がシステムに追加されること、システムから除去されること、またはそうでない場合には調整されること(例えば、体積、圧力、および/または組成に関して)を必要とする可能性がある。
【0036】
図2は、本明細書における概念による側方坑井140の一部分の概略図である。
図2を参照すると、側方坑井140は、
図1を参照して先に記載されているように、地下領域104を通じて形成されている。図示されている例では、側方坑井140は、地下領域に埋め込まれている封止剤204で封止されている。このような封止は様々な方法によって行うことができる。例えば、いくつかの例では岩石との接触において固体へと凝結し、実質的に不浸透性の封止を作り出す掘削流体が、掘削動作の間に使用できる。いくつかの例では、封止剤材料を堆積させることの追加または代替で、掘削流体は、坑井を包囲する岩石に損傷をもたらし、岩石の浸透性を低下させる可能性がある。いくつかのこのような方法が、特許文献2に記載されている。いくつかの例では、封止剤を伴う流体のスラグが、掘削の間に掘削流体に加えられ得る。いくつかの例では、側方坑井140は、掘削動作の間の封止の代替または追加で、掘削の後に井を処理することで封止される。いくつかの例では、側方坑井140の全部または一部がケーシング保護される。側方坑井140の一部分(全部ではない)がケーシング保護されるいくつかの例では、側方坑井140のケーシング保護されない部分の一部または全部が、先に記載されているように、地下領域に埋め込まれている封止剤204で封止される。
【0037】
側方坑井140を掘削した後、
図1を参照して先に記載されているように、側方坑井140を通じて流れ、システムを通じて循環する作動流体202が導入される。封止剤204によって作り出された封止が完全に不浸透性ではない可能性があるため、および/または、封止剤204の埋め込まれた堆積における亀裂210、他の割れ、もしくは他の穴のため、いくらかの作動流体202が側方坑井140から地下領域104へと漏れる可能性がある(「漏出」)、および/または、いくらかの累層の流体が地下領域104から側方坑井140へと漏れる可能性がある。閉ループシステムでは、地下領域へのこのような流れ、または、地下領域からのこのような流れは、(例えば)作動流体202の体積の低下および/または希釈をもたらし得るため、望ましくない可能性がある。
【0038】
本開示のいくつかの例では、システムからの流出は作動流体の粘度を増加させることで軽減させることができるが、これは、粘度の増加が、亀裂もしくは割れ(亀裂210など)を通る流体の流れ、ならびに/または、封止剤204および/もしくは地下領域104を通る流体の流れを、流体が浸み込める度合いまで低下させる効果を有するためである。粘度におけるこのような増加は、所望の粘度を呈する適切な作動流体を選択することで、および/または、粘度を増加させるために作動流体に材料を追加することで、達成することができる。例えば、いくつかの例では、地下領域104における井102について、作動流体の適切な粘度は、60kg/sの質量流量、および各々が8.5インチの直径を伴う12本の側方坑井を仮定すると、約10センチポアズ(cP)となる。粘度を増加させるための適切な添加物には、いくつかの例では、デンプン、部分的に加水分解されたポリアクリルアミド(PHPA)ポリマ、またはヒドロキシエチルセルロース(HEC)であり得る。
【0039】
本開示のいくつかの例では、作動流体の粘度は、ずり減粘性挙動を呈する作動流体に添加物を加えることで増加させることができる。ずり減粘性は流体の非ニュートン挙動であり、粘度がより小さいせん断歪みの下で増加し、より大きいせん断歪みの下で低下する。本開示のいくつかの例における適切なずり減粘性添加物の例は、1m
3の作動流体あたりで約0.6kgの添加物の濃度のキサンタンゴムである。作動流体に作用するせん断歪み力は、坑井の形状など(大きさおよび形など)の因子に依存して、閉ループシステムの異なる位置または区分の中で変化することができる。例えば、入口表面坑井120および出口表面坑井130が実質的に鉛直であり、側方坑井140が実質的に水平である
図1に示されているものなどの閉ループシステムの例では、井102の中のずり減粘性流体は、実質的に鉛直な坑井においてより高い流れ粘度のため(表面坑井において側方坑井と同じ直径および同じ流体温度を仮定している)、側方坑井140においてではなく、入口表面坑井120および出口表面坑井130においてより低い平均粘度を呈することになる。作動流体のより高い粘度は、動力生成システムにおける液圧を増加させる欠点を有するため(延いては、無駄なエネルギーを結果的にもたらすため)、このようなずり減粘性挙動は、(少なくとも部分的に)ケーシング保護され得る実質的に鉛直の坑井と、裸坑であり得る実質的に水平の坑井とを利用する、
図1に示されているものなどのシステムにおいて特に有利であり、ケーシング保護されていない区域(
図1に示されている例では側方坑井140など)における比較的高い粘度は、ケーシング保護されていない坑井から地下領域への作動流体の損失を最小限にするが、流体損失の懸念がより小さい少なくとも部分的にケーシング保護されている区域(
図1の実質的に鉛直の表面坑井120および130など)では、より小さい粘度はそれらの区域においてこのような液圧損失を最小限にする。
【0040】
さらに、作動流体の層流と乱流とが検討され得る。3000を上回るレイノルズ数において、ループの熱性能は粘度によって最小限の影響しか受けないようにでき、3000のレイノルズ数を下回ると、粘度はシステム性能に有害な影響を有する可能性がある。好ましくは、いくつかの例では、
図2の作動流体202へのずり減粘性添加物によって、作動流体202は、3,000を上回るレイノルズ数を側方坑井において維持する一方で、地下領域への損失を最小限にするのに十分な粘度を表面坑井において呈することができる。
【0041】
図3は、粘度を増加させるずり減粘性添加物の追加の前後における、閉ループシステムからの時間に伴う流体体積の測定された損失のグラフである。
図3に示されている測定は、地下領域における側方坑井によって接続された実質的に鉛直の入口表面坑井と実質的に鉛直の出口表面坑井とを伴い、側方坑井が裸坑であるが、地下領域に埋め込まれた封止層によって、システムに出入りする流体の流れに対して実質的に封止されている閉ループ地熱システムからのものである。測定の第1のグループ302から見て取れるように、地下領域における封止にも拘らず、システムからの1日あたり0.5立方メートルから0.6立方メートルの間の作動流体の体積における変化(つまり、損失)がある。この損失は、側方坑井の中の封止層において、不完全な封止および/または封止剤の浸透性に少なくとも一部で起因させられる可能性がある。第1のグループ302についての作動流体の平均粘度は約1cPであった。時間304における点において、ずり減粘性添加物(キサンタンゴム)が作動流体に追加されており、作動流体の平均粘度を約2cPまで増加させた。測定の第2のグループ306は、システムからの1日あたり0.4立方メートルから0.5立方メートルの間の体積における損失、つまり、第1のグループ302からの損失より小さい損失を示している。後の時間308における点において、作動流体の平均粘度を約10cPまで増加させるために、追加のキサンタンゴムが作動流体に追加された。測定の第3のグループ310は、1日あたり0.4立方メートル未満の損失、つまり、第2のグループ306より小さい損失を示している。したがって、粘度を増加させるずり減粘性材料の追加は、システムからの作動流体の損失を低下させるのに効果的であった。
【0042】
いくつかの例では、先に記載されているように作動流体の粘度を制御することの代替または追加で、
図1および
図2を参照して記載されているものなどの閉ループシステムの中および外への流体の流れは、作動流体と地下領域との間の圧力差を制御することで軽減することができる。望まれるように、システムの中および外への流体の流れが十分に低減または軽減される目標圧力差が確立できる。いくつかの例では、例えば、作動流体と地下領域との間の目標圧力差は、作動流体圧力が地下領域の圧力(累層圧力)より若干高い状態で、100キロパスカル(kPa)未満である。いくつかの例では、作動流体と地下領域との間の目標圧力差はゼロkPaである。他の例では、他の圧力差が目標とされてもよい。
【0043】
いくつかの例では、作動流体と地下領域との間の圧力差は、作動流体の密度を制御することで制御でき、それによって井における流体の静水頭を上昇または低下させる。明確には、目標圧力差を達成することが作動流体の圧力を低下させることを必要とする状況では、作動流体の密度を低下させることで、
図1のシステムの表面入口坑井および表面出口坑井の一方または両方における流体柱の重量を低下させ、それによって、側方坑井における作動流体の圧力を低下させることができる。同様に、目標圧力差を達成することが作動流体の圧力を増加させることを必要とする状況では、作動流体の密度を増加させることで、流体柱の重量を増加させ、それによって、側方坑井における作動流体の圧力を増加させることができる。
【0044】
例えば、ある例では、作動流体の密度は、作動流体の温度を低下または増加させることで(それぞれ)増加または低下させることができる。例えば、作動流体が水である場合、目標密度は980kg/m3であり、基準入口温度は20度であり、水温度は目標密度を達成するために66℃へと加熱させられ得る。
【0045】
作動流体の密度は、いくつかの例では、作動流体より低い密度のものである作動流体の中の気体を乳化させることで低下させることができる。一例では、例えば、1,000kg/m3の密度を伴う水に基づく作動流体の重量での98.8%が、100kg/m3の密度を有する乳化された気体の重量での1.2%と組み合わされ、900kg/m3の混合密度を生み出すことができる。いくつかの例では、添加物は、空気または他の気体が流体に取り込まれ、それによって泡またはそうでない場合には気体を含ませた混合物を形成することができるように、作動流体に追加され得る。代替または追加で、マイクロセルおよび/または他の中空もしくは軽量のガラス球体などの低密度の粒子が作動流体に追加され得る。
【0046】
作動流体の密度は、いくつかの例では、重晶石または他の高密度材料を作動流体に追加することで増加させることができる。一例では、例えば、1,000kg/m3の密度を伴う水に基づく作動流体の重量での88.3%が、4,480kg/m3の密度を有する重晶石溶液の重量での11.7%と組み合わされ、1,100kg/m3の混合密度を生み出すことができる。
【0047】
作動流体の密度は、いくつかの例では、第2の流体をシステムにおいて流すことで制御することができる。いくつかの例では、例えば、異なる密度を伴う第2の流体は、作動流体の残りと混ぜることができ、したがって混合物の全体の密度を変化させる。このような流体は、表面において追加でき、作動流体の残りとともに追加できる、または、すでに循環している作動流体に注入することができる。他の例では、このような混合物の代替または追加で、作動流体の残りとは異なる密度を伴う流体のスラグがシステムに追加できる。例えば、軽量で低密度のスラグが、表面入口坑井を通じて下方へ進んでいる作動流体の上方で、および/または、表面出口坑井を通じて上方へ進んでいる作動流体の上方で注入させ、それによって、それぞれの坑井の静水頭を低下させることができる。このようなスラグは、表面に近接する注入部位を介して、または、他の適切な場所における送り込み管または他の適切な運搬を介して、注入されてもよい。
【0048】
いくつかの例では、作動流体が循環させられる圧力を制御することで、作動流体と地下領域との間の圧力差が制御され得る。圧力は、例えば作動流体が入口坑井へと注入される圧力を制御することで、制御することができる。一例では、例えば、目標坑底圧力が40,000kPaであり、参照事例の表面圧力が200kPaであり、参照事例の坑底圧力が39,000kPaである場合、表面圧力は、坑底圧力を目標の40,000kPaへと増加させるために、1,200kPaへと増加させることができる。このような増加は、ポンプによって、または、熱サイフォン圧力の利用を含め、様々な方法で達成することができる。
【0049】
いくつかの例では、作動流体が循環させられる速度を制御することで、作動流体と地下領域との間の圧力差が制御され得る。循環速度は、例えば、井の鉛直区域における液圧損失が、目標坑底圧力を維持するのに十分なほど圧力を低下させるように、表面において流れ制御弁を利用することで制御できる。一例では、例えば、目標坑底圧力が55,000kPaであり、参考事例の坑底圧力が55,500kPaである場合、流れは、鉛直区域における液圧低下が500kPaだけ増加することで目標坑底圧力が達成されるように、増加させることができる。
【0050】
いくつかの例では、本明細書に記載されている他の方法の追加または代替で、作動流体と地下領域との間の圧力差が、表面下の流れ制限を閉ループ地熱システムの坑井に追加することで制御することができる。
図4は、このような表面下の流れ制限を伴う、本明細書における概念による閉ループ地熱システムの概略図である。
図4のシステム400は、
図1および
図2を参照して記載されているように作動流体202が通って循環させられる入口表面坑井120と、出口表面坑井130と、側方坑井140と、を備える閉ループ地熱システムを備える。システム400は、入口表面坑井120の中に位置決めされた流れ制限402をさらに備える。流れ制限402は、作動流体が表面坑井120から側方坑井140へと循環させられるときの圧力を低下させ、それによって作動流体202と地下領域104との間の圧力差を制御することができる縮小した直径のオリフィス、調整可能な制御弁、または他の固定もしくは調整可能な制限を備え得る。流れ制限402の大きさ、形、および他の特性は、所望の圧力差をもたらすために、特定の度合いの流体制限または圧力低下を作り出すように選択することができる。入口坑井におけるより狭い制限は、より広い制限と比べて、制限の下流の側方坑井において作動流体のより大きな圧力低下をもたらすことができる。例えば、781kPaの坑底圧力低下が、14インチのオリフィス直径を伴う円形のオリフィス板、5kg/sの質量流量、1.0の流量係数、および1,000kg/m
3の作動流体密度で達成することができる。
【0051】
いくつかの例では、流れ制限402の追加または代替で、入口表面坑井120の直径、出口表面坑井130の直径、および/または側方坑井140の直径が、作動流体と地下領域との間の差圧を制御するように選択することができる。例えば、216mmの直径、4.5kmの長さ、および60℃において80kg/sの水循環速度を伴う鉛直坑井が、43,400kPaの坑底圧力を提供する。目標坑底圧力が42,000kPaである場合、鉛直坑井の直径は、目標坑底圧力を達成するために、176mmへと低減することができる。
【0052】
いくつかの例では、本明細書に記載されている他の方法の追加または代替で、作動流体と地下領域との間の差圧は、井の中の作動流体の流体高さを、表面に近接する、坑井の中の流体高さの上方の蒸気空間に関連して調整することで制御することができる。
図5は、このような調整された流体高さを伴う、本明細書における概念による閉ループ地熱システムの概略図である。
図5のシステム500は、
図1および
図2を参照して記載されているように、作動流体202が通って循環させられる入口表面坑井120と、出口表面坑井130と、側方坑井140と、を備える閉ループ地熱システムを備える。入口表面坑井120の中の流体高さ502は、蒸気空間506を形成する蒸気504の存在によって調整される(下降させられる)。一例では、例えば、参考事例の坑底圧力(蒸気空間なしの場合)は65,000kPaであり、目標坑底圧力は62,000kPaであり、作動流体密度は1,000kg/m
3であり、蒸気密度は10kg/m
3である。この例では、305mの蒸気空間が目標坑底圧力を達成することになる。
【0053】
図6は、本明細書における概念による方法の過程流れ図である。方法はステップ602において始まり、井は、地下領域において適切な坑井を掘削することで形成される。
図1に示されている例では、井102は、入口表面坑井120と出口表面坑井130とを掘削し、それらの表面坑井を、従来の傾斜掘削技術を使用して1つ以上の側方坑井140を掘削することによって連結することで形成される。いくつかの例では、表面坑井はケーシング保護されるが、側方坑井は裸坑のままとされる。ステップ604へと進み、側方坑井は、坑井の中または外への流体の流れを低減または実質的に排除するために封止される。いくつかの例では、封止は、封止剤(
図2を参照して記載されているような封止剤204など)を地下領域に埋め込むことで遂行され得る。
【0054】
ステップ606へと進み、作動流体(
図2を参照して記載されている作動流体202など)が選択され、システムの中で循環させられる。封止剤が完全に不浸透性ではない可能性があるため、および/または、封止剤における亀裂、他の割れ、もしくは孔のため、一部の流体がシステムの中または外へ漏れる可能性がある。ステップ608へと進み、作動流体を循環させる間、作動流体の粘度、または、作動流体と地下領域との間の圧力差のうちの少なくとも一方が、先に記載されているような技術または方法のうちの1つ以上を使用して制御され、それによって、地下領域と井との間の流体の流れを軽減する。ステップ610において、熱エネルギーがシステムから抽出され(例えば、熱交換器を用いて)、電力発生または他の用途のために使用される。
【0055】
本開示は多くの特定の実施の詳細を含むが、これらは、主題における限定として、または、請求され得ることへの限定として解釈されるべきではなく、具体的な実施に特有であり得る特徴の記載として解釈されるべきである。別々の実施の状況で本開示において記載されている特定の特徴は、組み合わせで、または単一の実施で、実施することもできる。逆に、単一の実施の状況で記載されている様々な特徴は、複数の実施において別々に、または、任意の適切な部分組み合わせで、実施することもできる。さらに、先に記載されている特徴が、特定の組み合わせに作用するとして記載され、そのようなものとして初めに請求され得るとしても、請求されている組み合わせからの1つ以上の特徴は、いくつかの場合で組み合わせから切り取ることができ、請求されている組み合わせは、部分組み合わせ、または部分組み合わせの変形に向けられてもよい。
【0056】
主題の具体的な実施が説明された。それでもなお、様々な変形、代用、および修正が行えることは、理解されるものである。動作は、具体的な順番で図面または請求項において記載されているが、これは、所望の結果を達成するために、このような動作が、示されている具体的な順番で、もしくは連続的な順番で実施されること、または、すべての示されている動作が実施される(いくつかの動作は任意選択と見なされ得る)ことを必要とするとして理解されるべきではない。したがって、先に記載されている例の実施は、本開示を定めることはない、または制約することはない。
【符号の説明】
【0057】
100 システム
102 井
104 地下領域
110 施設
120 入口表面坑井
130 出口表面坑井
140 側方坑井
142 先端
202 作動流体
204 封止剤
210 亀裂
302 測定の第1のグループ
304 時間
306 測定の第2のグループ
308 時間
310 測定の第3のグループ
400 システム
402 流れ制限
500 システム
502 流体高さ
【国際調査報告】