(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-10-31
(54)【発明の名称】殺菌性組成物
(51)【国際特許分類】
A01N 43/72 20060101AFI20241024BHJP
A01P 3/00 20060101ALI20241024BHJP
A01N 43/836 20060101ALI20241024BHJP
【FI】
A01N43/72
A01P3/00
A01N43/836
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2024529419
(86)(22)【出願日】2022-11-17
(85)【翻訳文提出日】2024-05-16
(86)【国際出願番号】 EP2022082228
(87)【国際公開番号】W WO2023089007
(87)【国際公開日】2023-05-25
(32)【優先日】2021-11-19
(33)【優先権主張国・地域又は機関】EP
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】520222106
【氏名又は名称】シンジェンタ クロップ プロテクション アクチェンゲゼルシャフト
(74)【代理人】
【識別番号】100103610
【氏名又は名称】▲吉▼田 和彦
(74)【代理人】
【識別番号】100109070
【氏名又は名称】須田 洋之
(74)【代理人】
【識別番号】100119013
【氏名又は名称】山崎 一夫
(74)【代理人】
【識別番号】100111796
【氏名又は名称】服部 博信
(74)【代理人】
【識別番号】100123766
【氏名又は名称】松田 七重
(72)【発明者】
【氏名】ロワズルール オリヴィエ
(72)【発明者】
【氏名】ウルフ ハンノ クリスチャン
【テーマコード(参考)】
4H011
【Fターム(参考)】
4H011AA01
4H011AA03
4H011BA01
4H011BB10
4H011DA13
4H011DE15
4H011DF04
(57)【要約】
成分(A)及び(B)の混合物を含む殺菌性組成物であって、成分(A)及び(B)において、成分(A)はオーレオバシジンであり、並びに、植物病原性微生物、好ましくは真菌による植物の感染を防除又は予防するための、農業又は園芸における組成物の使用。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
有効成分として成分(A)及び(B)の混合物を含む殺菌性組成物であって、成分(A)は、式(I-A1)の環式デプシペプチド
【化1】
又はその立体異性体を含み;及び
成分(B)は、ヒストン脱アセチル化酵素阻害剤:
エチル1-[[4-[5-(トリフルオロメチル)-1,2,4-オキサジアゾール-3-イル]フェニル]メチル]ピラゾール-4-カルボキシレート、N-メトキシ-N-[[4-[5-(トリフルオロメチル)-1,2,4-オキサジアゾール-3-イル]フェニル]メチル]シクロプロパンカルボキサミド、N,2-ジメトキシ-N-[[4-[5-(トリフルオロメチル)-1,2,4-オキサジアゾール-3-イル]フェニル]メチル]プロパンアミド、N-エチル-2-メチル-N-[[4-[5-(トリフルオロメチル)-1,2,4-オキサジアゾール-3-イル]フェニル]メチル]プロパンアミド、1-メトキシ-3-メチル-1-[[4-[5-(トリフルオロメチル)-1,2,4-オキサジアゾール-3-イル]フェニル]メチル]尿素、1,3-ジメトキシ-1-[[4-[5-(トリフルオロメチル)-1,2,4-オキサジアゾール-3-イル]フェニル]メチル]尿素、3-エチル-1-メトキシ-1-[[4-[5-(トリフルオロメチル)-1,2,4-オキサジアゾール-3-イル]フェニル]メチル]尿素、N-[[4-[5-(トリフルオロメチル)-1,2,4-オキサジアゾール-3-イル]フェニル]メチル]プロパンアミド、4,4-ジメチル-2-[[4-[5-(トリフルオロメチル)-1,2,4-オキサジアゾール-3-イル]フェニル]メチル]イソキサゾリジン-3-オン、5,5-ジメチル-2-[[4-[5-(トリフルオロメチル)-1,2,4-オキサジアゾール-3-イル]フェニル]メチル]イソキサゾリジン-3-オン、N,N-ジメチル-1-[[4-[5-(トリフルオロメチル)-1,2,4-オキサジアゾール-3-イル]フェニル]メチル]-1,2,4-トリアゾール-3-アミン、(3-メチルイソキサゾール-5-イル)-[4-[5-(トリフルオロメチル)-1,2,4-オキサジアゾール-3-イル]フェニル]メタノン、(5-メチル-2-ピリジル)-[4-[5-(トリフルオロメチル)-1,2,4-オキサジアゾール-3-イル]フェニル]メタノン、2-オキソ-N-プロピル-2-[4-[5-(トリフルオロメチル)-1,2,4-オキサジアゾール-3-イル]フェニル]アセトアミド、エチル1-[[5-[5-(トリフルオロメチル)-1,2,4-オキサジアゾール-3-イル]-2-チエニル]メチル]ピラゾール-4-カルボキシレート、N-(2-フルオロフェニル)-4-[5-(トリフルオロメチル)-1,2,4-オキサジアゾール-3-イル]ベンズアミド、N-メチル-4-[5-(トリフルオロメチル)-1,2,4-オキサジアゾール-3-イル]ベンズアミド、N-メチル-4-[5-(トリフルオロメチル)-1,2,4-オキサジアゾール-3-イル]ベンゼンカルボチオアミド、N-[(E)-メトキシイミノメチル]-4-[5-(トリフルオロメチル)-1,2,4-オキサジアゾール-3-イル]ベンズアミド、N-[(Z)-メトキシイミノメチル]-4-[5-(トリフルオロメチル)-1,2,4-オキサジアゾール-3-イル]ベンズアミド、N-[(E)-N-メトキシ-C-メチル-カルボンイミドイル]-4-[5-(トリフルオロメチル)-1,2,4-オキサジアゾール-3-イル]ベンズアミド、N-[(Z)-N-メトキシ-C-メチル-カルボンイミドイル]-4-[5-(トリフルオロメチル)-1,2,4-オキサジアゾール-3-イル]ベンズアミド、4-[5-(トリフルオロメチル)-1,2,4-オキサジアゾール-3-イル]安息香酸、エチル1-[[4-[[2-(トリフルオロメチル)-1,3-ジオキソラン-2-イル]メトキシ]フェニル]メチル]-1H-ピラゾール-4-カルボキシレート又はエチル1-[[4-[[(1Z)-2-エトキシ-3,3,3-トリフルオロ-1-プロペン-1-イル]オキシ]フェニル]メチル]-1H-ピラゾール-4-カルボキシレート
又は、その塩、鏡像異性体、互変異性体若しくはN-オキシド
からなる群から選択される、組成物。
【請求項2】
(A)対(B)の質量比は、100:1~1:1000、好ましくは100:1~1:500、より好ましくは50:1~1:200、さらにより好ましくは50:1~1:20、さらにより好ましくは30:1~1:1、さらにより好ましくは10:1~3:1である、請求項1に記載の組成物。
【請求項3】
成分(A)は、オーレオバシジンAとは異なる、1種以上の他の式(I-A)の環式デプシペプチド:
【化2】
(式中、
R
1はメチル又はエチルであり;
X
1、X
2及びX
3は各々水素であるか、又は、X
1、X
2及びX
3は、水素、フッ素又はヒドロキシルであり、ただし、X
1、X
2及びX
3の1つのみがフッ素又はヒドロキシルであり;
X
4は、S、メチレン又はヒドロキシメチレンであり;
A
3は、N-メチル-L-フェニルアラニン(L-MePhe)、L-フェニルアラニン(L-Phe)、β-ヒドロキシ-N-メチル-L-フェニルアラニン(L-β-OH-MePhe)、オルト-フルオロ-N-メチル-L-フェニルアラニン(L-o-F-MePhe)、メタ-フルオロ-N-メチル-L-フェニルアラニン(L-m-F-MePhe)、パラ-フルオロ-N-メチル-L-フェニルアラニン(L-p-F-MePhe)、メタ-ブロモ-N-メチル-L-フェニルアラニン(L-m-Br-MePhe)、パラ-ブロモ-N-メチル-L-フェニルアラニン(L-p-Br-MePhe)、メタ-ヨード-N-メチル-L-フェニルアラニン(L-m-I-MePhe)、パラ-ヨード-N-メチル-L-フェニルアラニン(L-p-I-MePhe)、3-フェニル-N-メチル-L-フェニルアラニン、4-フェニル-N-メチル-L-フェニルアラニン、3-(4-フルオロフェニル)-N-メチル-L-フェニルアラニン、4-(4-フルオロフェニル)-N-メチル-L-フェニルアラニン、3-(4-ピリジニル)-N-メチル-L-フェニルアラニン、4-(4-ピリジニル)-N-メチル-L-フェニルアラニン、3-(1-ピリジニル)-N-メチル-L-フェニルアラニン、4-(1-ピリジニル)-N-メチル-L-フェニルアラニン、4-(2-クロロ-4-ピリジニル)-N-メチル-L-フェニルアラニン、3-(2-クロロ-5-ピリジニル)-N-メチル-L-フェニルアラニン、4-(2-クロロ-5-ピリジニル)-N-メチル-L-フェニルアラニン、3-[4-(ピペラジン-1-イル)フェニル]フェニル-N-メチル-L-フェニルアラニン、4-[4-(ピペラジン-1-イル)フェン-1-イル]フェニル-N-メチル-L-フェニルアラニン、3-[4-(4-メチルピペラジン-1-イル)フェニル]フェニル-N-メチル-L-フェニルアラニン、4-[4-(4-メチルピペラジン-1-イル)フェン-1-イル]フェニル-N-メチル-L-フェニルアラニン、β-オキソ-N-メチル-L-フェニルアラニン(L-β-オキソ-MePhe)、β-アセトキシ-N-メチル-L-フェニルアラニン(L-β-AcO-MePhe)、N-メチル-L-チロシン(L-MeTyr)、O-メチル-N-メチル-L-チロシン[L-MeTyr(Me)]、N-メチル-L-アラニン(L-MeAla)、N-メチル-L-セリン(L-MeSer)、N-メチル-D-フェニルアラニン(D-MePhe)、N-メチル-D-アラニン(D-MeAla)、N-メチル-D-バリン(D-MeVal)、N-メチル-D-セリン(D-MeSer)及びN-メチル-L-セリン(L-MeSer)残基からなる群から選択されるα-アミノ酸残基であり;
A
5は、L-アロ-イソロイシン(L-AIle)、L-ロイシン(L-Leu)、L-ノルロイシン(L-Nle)、L-ノルバリン(L-Nva)及びL-バリン(L-Val)残基からなる群から選択されるα-アミノ酸残基であり;
A
6は、N-メチル-L-バリン(L-MeVal)、N-メチル-L-ロイシン(L-MeLeu)、N-メチル-L-アロ-イソロイシン(L-MeAIle)及びL-バリン(L-Val)残基からなる群から選択されるα-アミノ酸残基であり;
A
7は、L-ロイシン(L-Leu)、L-アロ-イソロイシン(L-AIle)及びL-ノルバリン(L-Nva)残基からなる群から選択されるα-アミノ酸残基であり;並びに
A
8は、β-ヒドロキシ-N-メチル-L-バリン(L-β-OH-MeVal)、γ-ヒドロキシ-N-メチル-L-バリン(L-γ-OH-MeVal)、N-メチル-L-バリン(L-MeVal)、L-バリン(L-Val)、N-メチル-2,3-ジデヒドロ-L-バリン(L-MeDH
2,3Val)、N-メチル-3,4-ジデヒドロ-L-バリン(L-MeDH
3,4Val)、N-メチル-L-フェニルアラニン(L-MePhe)、β-ヒドロキシ-N-メチル-L-フェニルアラニン(L-β-OH-MePhe)、N-メチル-L-スレオニン(L-MeThr)、サルコシン(Sar)及びN,β-ジメチル-L-アスパラギン酸(L-N,β-MeAsp)残基からなる群から選択されるα-アミノ酸残基である)
又は、その立体異性体をさらに含む、請求項1又は請求項2に記載の組成物。
【請求項4】
成分(A)は、オーレオバシジンE及び/又はオーレオバシジンGをさらに含む、請求項1~3のいずれか一項に記載の組成物。
【請求項5】
成分(A)は:
10%~99.9質量%、好ましくは20%~99.9質量%、より好ましくは40%~99.9質量%の式(I-A1)の環式デプシペプチド又はその立体異性体;及び
0.1%~90質量%、好ましくは0.1%~80質量%、より好ましくは0.1%~60質量%の、オーレオバシジンAとは異なる、1種以上の他の式(I-A)の環式デプシペプチド又はその立体異性体
を含む、請求項1~4のいずれか一項に記載の組成物。
【請求項6】
成分(A)は、1種以上の式(I-B)の環式デプシペプチド:
【化3】
(式中、
R
1はメチル又はエチルであり;
X
4は、S、メチレン、又はヒドロキシメチレンであり;
A
5は、L-アロ-イソロイシン(L-AIle)、L-ロイシン(L-Leu)、L-ノルロイシン(L-Nle)及びL-バリン(L-Val)残基からなる群から選択されるα-アミノ酸残基であり;
A
6は、N-メチル-L-バリン(L-MeVal)、N-メチル-L-ロイシン(L-MeLeu)、L-アロ-イソロイシン(L-AIle)及びN-メチル-L-アロ-イソロイシン(L-MeAIle)残基からなる群から選択されるα-アミノ酸残基であり;
A
7は、L-ロイシン(L-Leu)、L-アロ-イソロイシン(L-AIle)及びL-ノルバリン(L-Nva)残基からなる群から選択されるα-アミノ酸残基であり;並びに
A
8は、β-ヒドロキシ-N-メチル-L-バリン(L-β-OH-MeVal)、γ-ヒドロキシ-N-メチル-L-バリン(L-γ-OH-MeVal)、N-メチル-L-バリン(L-MeVal)、N-メチル-2,3-ジデヒドロ-L-バリン(L-MeDH
2,3Val)、N-メチル-3,4-ジデヒドロ-L-バリン(L-MeDH
3,4Val)、N-メチル-L-フェニルアラニン(L-MePhe)、β-ヒドロキシ-N-メチル-L-フェニルアラニン(L-β-OH-MePhe)、N-メチル-L-スレオニン(L-MeThr)、サルコシン(Sar)及びN,β-ジメチル-L-アスパラギン酸(L-N,β-MeAsp)残基からなる群から選択されるα-アミノ酸残基である)
又はその立体異性体をさらに含む、請求項1~5のいずれか一項に記載の組成物。
【請求項7】
農学的に許容可能なキャリア及び/又は配合補助剤、並びに、任意に界面活性剤をさらに含む、請求項1~6のいずれか一項に記載の組成物。
【請求項8】
有用な植物又はその繁殖材料における、特に植物病原性真菌による植物病原性病害を防除又は予防する方法であって、前記有用な植物、その生息地又はその繁殖材料に、請求項1~7のいずれか一項に記載の組成物を適用することを含む、方法。
【請求項9】
前記成分(A)は、10g a.i./ha~500g a.i./haの成分(B)を伴って、25g a.i./ha~500g a.i./haの量で適用される、請求項8に記載の方法。
【請求項10】
前記植物病原性真菌は、アルテルナリア(Alternaria)、ボトリチス(Botrytis)、セルコスポラ(Cercospora)、コレトトリカム(Colletotrichum)、コリネスポラ(Corynespora)、ガイグナルディア(Guignardia)、マイコスファエレラ(Mycosphaerella)、モニリニア(Monilinia)、ペニシリウム(Penicillium)、ファコプソラ(Phakopsora)、ホモプシス(Phomopsis)、ポドスファエラ(Podosphaera)、シュードペジクラ(Pseudopezicula)、セプトリア(Septoria)、ウンシヌラ(Uncinula)及びベンチュリア(Venturia)からなる群から選択される、請求項8又は請求項9に記載の方法。
【請求項11】
前記有用な植物は、穀実、果実及び高木堅果、野菜、農作物、油種子作物、飼料作物、森林植物、園芸作物、花卉園芸、温室及び苗床植物、繁殖材料、料理用ハーブ及びスパイス、並びに、薬草から選択される、請求項8~10のいずれか一項に記載の方法。
【請求項12】
前記有用な植物は、コムギ、オオムギ、イネ、ダイズ、リンゴ、アーモンド、サクラ、ラズベリー、ブドウ、キュウリ、ピーナッツ、トマト、イチゴ、柑橘類及びバナナからなる群から選択される、請求項8~11のいずれか一項に記載の方法。
【請求項13】
ダイズ植物における、アルテルナリア(Alternaria)、セルコスポラ(Cercospora)、コレトトリカム(Colletotrichum)、コリネスポラ(Corynespora)、マイコスファエレラ(Mycosphaerella)、ファコプソラ(Phakopsora)、ホモプシス(Phomopsis)及びセプトリア(Septoria)からなる群から選択される植物病原性真菌を防除又は予防をする、請求項8~12のいずれか一項に記載の方法。
【請求項14】
請求項1~7のいずれか一項に記載されている前記成分(A)及び(B)は順次に適用される、請求項8~13のいずれか一項に記載の方法。
【請求項15】
殺菌剤としての請求項1~7のいずれか一項に記載の成分(A)及び成分(B)を含む組成物の使用。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、特に植物病原性真菌による有用な植物に係る植物病原性病害を処置するための新規殺菌性組成物、並びに、有用な植物に係るこのような病害及び/又は真菌の防除方法に関する。
【背景技術】
【0002】
様々な異なる化学的分類に属する多くの殺菌性化合物が、有用な植物の作物の殺菌剤としての使用のために開発されている/開発中であるものの、特定の植物病原性真菌に対する作物の耐性及び有効性は、農業の実践に係る要求を多くの点において必ずしも満たしていない。国際公開第2018/102345号には、植物及び種子における真菌性感染症を処置、予防又は防除するための農業用殺菌剤としてのオーレオバシジンAの使用が開示されている。オーレオバシジンAは、アウレオバシジウムプルランス(Aureobasidium pullulans)により生成される抗真菌性環式デプシペプチド抗菌剤である。例えば、Takesako et al.,The Journal of Antibiotics,1991,44,919-924を参照のこと。
【0003】
しかしながら、植物病原性真菌による植物に対する外寄生の防除又は予防に用いられる、優れた生物学的特性を有する新規組成物を見出す必要性が引き続き存在している。例えば、より広い活性スペクトラム、改善された作物の耐性、相乗的相互作用若しくは増強特性を有する組成物、又はより迅速な作用の発現を示す、若しくはより長く継続する残存活性を有する、若しくは植物病原体の効果的な防除のために必要とされる化合物及び組成物の適用回数の削減及び/若しくは施用量の削減を可能し、それにより有益な耐性管理の実施、低減された環境への影響、及び低減された作業者への曝露を可能にする組成物。
【0004】
異なる作用機構を有する異なる殺菌性化合物の混合物を含有する組成物を使用すると、これらの要求のいくつかに応えることができる(例えば活性の異なるスペクトラムを有する殺菌剤を組み合わせることにより)。
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明によれば、有効成分として成分(A)及び(B)の混合物を含む殺菌性組成物が提供されており、ここで、成分(A)は、式(I-A1)の環式デプシペプチド:
【化1】
又はその立体異性体を含み;及び
成分(B)は、ヒストン脱アセチル化酵素阻害剤:
エチル1-[[4-[5-(トリフルオロメチル)-1,2,4-オキサジアゾール-3-イル]フェニル]メチル]ピラゾール-4-カルボキシレート、N-メトキシ-N-[[4-[5-(トリフルオロメチル)-1,2,4-オキサジアゾール-3-イル]フェニル]メチル]シクロプロパンカルボキサミド、N,2-ジメトキシ-N-[[4-[5-(トリフルオロメチル)-1,2,4-オキサジアゾール-3-イル]フェニル]メチル]プロパンアミド、N-エチル-2-メチル-N-[[4-[5-(トリフルオロメチル)-1,2,4-オキサジアゾール-3-イル]フェニル]メチル]プロパンアミド、1-メトキシ-3-メチル-1-[[4-[5-(トリフルオロメチル)-1,2,4-オキサジアゾール-3-イル]フェニル]メチル]尿素、1,3-ジメトキシ-1-[[4-[5-(トリフルオロメチル)-1,2,4-オキサジアゾール-3-イル]フェニル]メチル]尿素、3-エチル-1-メトキシ-1-[[4-[5-(トリフルオロメチル)-1,2,4-オキサジアゾール-3-イル]フェニル]メチル]尿素、N-[[4-[5-(トリフルオロメチル)-1,2,4-オキサジアゾール-3-イル]フェニル]メチル]プロパンアミド、4,4-ジメチル-2-[[4-[5-(トリフルオロメチル)-1,2,4-オキサジアゾール-3-イル]フェニル]メチル]イソキサゾリジン-3-オン、5,5-ジメチル-2-[[4-[5-(トリフルオロメチル)-1,2,4-オキサジアゾール-3-イル]フェニル]メチル]イソキサゾリジン-3-オン、N,N-ジメチル-1-[[4-[5-(トリフルオロメチル)-1,2,4-オキサジアゾール-3-イル]フェニル]メチル]-1,2,4-トリアゾール-3-アミン、(3-メチルイソキサゾール-5-イル)-[4-[5-(トリフルオロメチル)-1,2,4-オキサジアゾール-3-イル]フェニル]メタノン、(5-メチル-2-ピリジル)-[4-[5-(トリフルオロメチル)-1,2,4-オキサジアゾール-3-イル]フェニル]メタノン、2-オキソ-N-プロピル-2-[4-[5-(トリフルオロメチル)-1,2,4-オキサジアゾール-3-イル]フェニル]アセトアミド、エチル1-[[5-[5-(トリフルオロメチル)-1,2,4-オキサジアゾール-3-イル]-2-チエニル]メチル]ピラゾール-4-カルボキシレート、N-(2-フルオロフェニル)-4-[5-(トリフルオロメチル)-1,2,4-オキサジアゾール-3-イル]ベンズアミド、N-メチル-4-[5-(トリフルオロメチル)-1,2,4-オキサジアゾール-3-イル]ベンズアミド、N-メチル-4-[5-(トリフルオロメチル)-1,2,4-オキサジアゾール-3-イル]ベンゼンカルボチオアミド、N-[(E)-メトキシイミノメチル]-4-[5-(トリフルオロメチル)-1,2,4-オキサジアゾール-3-イル]ベンズアミド、N-[(Z)-メトキシイミノメチル]-4-[5-(トリフルオロメチル)-1,2,4-オキサジアゾール-3-イル]ベンズアミド、N-[(E)-N-メトキシ-C-メチル-カルボンイミドイル]-4-[5-(トリフルオロメチル)-1,2,4-オキサジアゾール-3-イル]ベンズアミド、N-[(Z)-N-メトキシ-C-メチル-カルボンイミドイル]-4-[5-(トリフルオロメチル)-1,2,4-オキサジアゾール-3-イル]ベンズアミド、4-[5-(トリフルオロメチル)-1,2,4-オキサジアゾール-3-イル]安息香酸、エチル1-[[4-[[2-(トリフルオロメチル)-1,3-ジオキソラン-2-イル]メトキシ]フェニル]メチル]-1H-ピラゾール-4-カルボキシレート又はエチル1-[[4-[[(1Z)-2-エトキシ-3,3,3-トリフルオロ-1-プロペン-1-イル]オキシ]フェニル]メチル]-1H-ピラゾール-4-カルボキシレート
又は、その塩、鏡像異性体、互変異性体若しくはN-オキシド
からなる群から選択される。
【0006】
好ましくは、殺菌性組成物は、有効成分として成分(A)及び(B)の混合物を含み、ここで、成分(A)は、式(I-A1)の環式デプシペプチド:
【化2】
又はその立体異性体を含み、
成分(B)は、ヒストン脱アセチル化酵素阻害剤:
エチル1-[[4-[5-(トリフルオロメチル)-1,2,4-オキサジアゾール-3-イル]フェニル]メチル]ピラゾール-4-カルボキシレート、N-メトキシ-N-[[4-[5-(トリフルオロメチル)-1,2,4-オキサジアゾール-3-イル]フェニル]メチル]シクロプロパンカルボキサミド、N,2-ジメトキシ-N-[[4-[5-(トリフルオロメチル)-1,2,4-オキサジアゾール-3-イル]フェニル]メチル]プロパンアミド、N-エチル-2-メチル-N-[[4-[5-(トリフルオロメチル)-1,2,4-オキサジアゾール-3-イル]フェニル]メチル]プロパンアミド、1-メトキシ-3-メチル-1-[[4-[5-(トリフルオロメチル)-1,2,4-オキサジアゾール-3-イル]フェニル]メチル]尿素、1,3-ジメトキシ-1-[[4-[5-(トリフルオロメチル)-1,2,4-オキサジアゾール-3-イル]フェニル]メチル]尿素、3-エチル-1-メトキシ-1-[[4-[5-(トリフルオロメチル)-1,2,4-オキサジアゾール-3-イル]フェニル]メチル]尿素及びN-[[4-[5-(トリフルオロメチル)-1,2,4-オキサジアゾール-3-イル]フェニル]メチル]プロパンアミド、又は、その塩、鏡像異性体、互変異性体若しくはN-オキシドからなる群から選択される。
【0007】
成分(A)及び(B)の混合物を含む組成物が本明細書に開示されており、ここで、成分Aは、式(I)の環式デプシペプチド:
【化3】
(式中、
R
1は、メチル、エチル、1-ヒドロキシエチル又は2-ヒドロキシエチルであり;
A
1は、N-メチル-L-バリン(L-MeVal)及びL-バリン(L-Val)残基からなる群から選択されるα-アミノ酸残基であり;
A
2は、L-フェニルアラニン(L-Phe)、オルト-フルオロ-L-フェニルアラニン(L-o-FPhe)、メタ-フルオロ-L-フェニルアラニン(L-m-FPhe)、L-チロシン(L-Tyr)、L-シクロヘキシルアラニン(L-Cha)、O-アセチル-L-チロシン[L-Tyr(Ac)]、O-n-ヘキサノイル-L-チロシン[L-Tyr(n-ヘキサノイル)]、O-ベンゾイル-L-チロシン[L-Tyr(Bzl)]及びペルセファニン(persephanine)残基からなる群から選択されるα-アミノ酸残基であり;
A
3は、N-メチル-L-フェニルアラニン(L-MePhe)、L-フェニルアラニン(L-Phe)、β-ヒドロキシ-N-メチル-L-フェニルアラニン(L-β-OH-MePhe)、オルト-フルオロ-N-メチル-L-フェニルアラニン(L-o-F-MePhe)、メタ-フルオロ-N-メチル-L-フェニルアラニン(L-m-F-MePhe)、パラ-フルオロ-N-メチル-L-フェニルアラニン(L-p-F-MePhe)、メタ-ブロモ-N-メチル-L-フェニルアラニン(L-m-Br-MePhe)、パラ-ブロモ-N-メチル-L-フェニルアラニン(L-p-Br-MePhe)、メタ-ヨード-N-メチル-L-フェニルアラニン(L-m-I-MePhe)、パラ-ヨード-N-メチル-L-フェニルアラニン(L-p-I-MePhe)、3-フェニル-N-メチル-L-フェニルアラニン、4-フェニル-N-メチル-L-フェニルアラニン、3-(4-フルオロフェニル)-N-メチル-L-フェニルアラニン、4-(4-フルオロフェニル)-N-メチル-L-フェニルアラニン、3-(4-ピリジニル)-N-メチル-L-フェニルアラニン、4-(4-ピリジニル)-N-メチル-L-フェニルアラニン、3-(1-ピリジニル)-N-メチル-L-フェニルアラニン、4-(1-ピリジニル)-N-メチル-L-フェニルアラニン、4-(2-クロロ-4-ピリジニル)-N-メチル-L-フェニルアラニン、3-(2-クロロ-5-ピリジニル)-N-メチル-L-フェニルアラニン、4-(2-クロロ-5-ピリジニル)-N-メチル-L-フェニルアラニン、3-[4-(ピペラジン-1-イル)フェニル]フェニル-N-メチル-L-フェニルアラニン、4-[4-(ピペラジン-1-イル)フェン-1-イル]フェニル-N-メチル-L-フェニルアラニン、3-[4-(4-メチルピペラジン-1-イル)フェニル]フェニル-N-メチル-L-フェニルアラニン、4-[4-(4-メチルピペラジン-1-イル)フェン-1-イル]フェニル-N-メチル-L-フェニルアラニン、β-オキソ-N-メチル-L-フェニルアラニン(L-β-オキソ-MePhe)、β-アセトキシ-N-メチル-L-フェニルアラニン(L-β-AcO-MePhe)、N-メチル-L-チロシン(L-MeTyr)、O-メチル-N-メチル-L-チロシン[L-MeTyr(Me)]、N-メチル-L-アラニン(L-MeAla)、N-メチル-L-セリン(L-MeSer)、N-メチル-D-フェニルアラニン(D-MePhe)、N-メチル-D-アラニン(D-MeAla)、N-メチル-D-バリン(D-MeVal)、N-メチル-D-セリン(D-MeSer)、N-メチル-サルコシン(MeSar)及びN-メチル-L-セリン(L-MeSer)残基からなる群から選択されるα-アミノ酸残基であり;
A
4は、L-プロライン(L-Pro)、L-チオプロリン(L-SPro)及び4-ヒドロキシ-L-プロライン(L-4Hyp)残基からなる群から選択されるα-アミノ酸残基であり;
A
5は、L-アロ-イソロイシン(L-AIle)、L-ロイシン(L-Leu)、L-ノルロイシン(L-Nle)、L-ノルバリン(L-Nva)及びL-バリン(L-Val)残基からなる群から選択されるα-アミノ酸残基であり;
A
6は、N-メチル-L-バリン(L-MeVal)、N-メチル-L-ロイシン(L-MeLeu)、N-メチル-L-アロ-イソロイシン(L-MeAIle)及びL-バリン(L-Val)残基からなる群から選択されるα-アミノ酸残基であり;
A
7は、L-ロイシン(L-Leu)、L-アロ-イソロイシン(L-AIle)及びL-ノルバリン(L-Nva)残基からなる群から選択されるα-アミノ酸残基であり;並びに
A
8は、β-ヒドロキシ-N-メチル-L-バリン(L-β-OH-MeVal)、γ-ヒドロキシ-N-メチル-L-バリン(L-γ-OH-MeVal)、N-メチル-L-バリン(L-MeVal)、L-バリン(L-Val)、N-メチル-2,3-ジデヒドロ-L-バリン(L-MeDH
2,3Val)、N-メチル-3,4-ジデヒドロ-L-バリン(L-MeDH
3,4Val)、N-メチル-L-フェニルアラニン(L-MePhe)、β-ヒドロキシ-N-メチル-L-フェニルアラニン(L-β-OH-MePhe)、N-メチル-L-スレオニン(L-MeThr)、サルコシン(Sar)及びN,β-ジメチル-L-アスパラギン酸(L-N,β-MeAsp)残基からなる群から選択されるα-アミノ酸残基である)
又はその立体異性体を含み;並びに
成分(B)は、ヒストン脱アセチル化酵素阻害剤:
エチル1-[[4-[5-(トリフルオロメチル)-1,2,4-オキサジアゾール-3-イル]フェニル]メチル]ピラゾール-4-カルボキシレート、N-メトキシ-N-[[4-[5-(トリフルオロメチル)-1,2,4-オキサジアゾール-3-イル]フェニル]メチル]シクロプロパンカルボキサミド、N,2-ジメトキシ-N-[[4-[5-(トリフルオロメチル)-1,2,4-オキサジアゾール-3-イル]フェニル]メチル]プロパンアミド、N-エチル-2-メチル-N-[[4-[5-(トリフルオロメチル)-1,2,4-オキサジアゾール-3-イル]フェニル]メチル]プロパンアミド、1-メトキシ-3-メチル-1-[[4-[5-(トリフルオロメチル)-1,2,4-オキサジアゾール-3-イル]フェニル]メチル]尿素、1,3-ジメトキシ-1-[[4-[5-(トリフルオロメチル)-1,2,4-オキサジアゾール-3-イル]フェニル]メチル]尿素、3-エチル-1-メトキシ-1-[[4-[5-(トリフルオロメチル)-1,2,4-オキサジアゾール-3-イル]フェニル]メチル]尿素、N-[[4-[5-(トリフルオロメチル)-1,2,4-オキサジアゾール-3-イル]フェニル]メチル]プロパンアミド、4,4-ジメチル-2-[[4-[5-(トリフルオロメチル)-1,2,4-オキサジアゾール-3-イル]フェニル]メチル]イソキサゾリジン-3-オン、5,5-ジメチル-2-[[4-[5-(トリフルオロメチル)-1,2,4-オキサジアゾール-3-イル]フェニル]メチル]イソキサゾリジン-3-オン、N,N-ジメチル-1-[[4-[5-(トリフルオロメチル)-1,2,4-オキサジアゾール-3-イル]フェニル]メチル]-1,2,4-トリアゾール-3-アミン、(3-メチルイソキサゾール-5-イル)-[4-[5-(トリフルオロメチル)-1,2,4-オキサジアゾール-3-イル]フェニル]メタノン、(5-メチル-2-ピリジル)-[4-[5-(トリフルオロメチル)-1,2,4-オキサジアゾール-3-イル]フェニル]メタノン、2-オキソ-N-プロピル-2-[4-[5-(トリフルオロメチル)-1,2,4-オキサジアゾール-3-イル]フェニル]アセトアミド、エチル1-[[5-[5-(トリフルオロメチル)-1,2,4-オキサジアゾール-3-イル]-2-チエニル]メチル]ピラゾール-4-カルボキシレート、N-(2-フルオロフェニル)-4-[5-(トリフルオロメチル)-1,2,4-オキサジアゾール-3-イル]ベンズアミド、N-メチル-4-[5-(トリフルオロメチル)-1,2,4-オキサジアゾール-3-イル]ベンズアミド、N-メチル-4-[5-(トリフルオロメチル)-1,2,4-オキサジアゾール-3-イル]ベンゼンカルボチオアミド、N-[(E)-メトキシイミノメチル]-4-[5-(トリフルオロメチル)-1,2,4-オキサジアゾール-3-イル]ベンズアミド、N-[(Z)-メトキシイミノメチル]-4-[5-(トリフルオロメチル)-1,2,4-オキサジアゾール-3-イル]ベンズアミド、N-[(E)-N-メトキシ-C-メチル-カルボンイミドイル]-4-[5-(トリフルオロメチル)-1,2,4-オキサジアゾール-3-イル]ベンズアミド、N-[(Z)-N-メトキシ-C-メチル-カルボンイミドイル]-4-[5-(トリフルオロメチル)-1,2,4-オキサジアゾール-3-イル]ベンズアミド、4-[5-(トリフルオロメチル)-1,2,4-オキサジアゾール-3-イル]安息香酸、エチル1-[[4-[[2-(トリフルオロメチル)-1,3-ジオキソラン-2-イル]メトキシ]フェニル]メチル]-1H-ピラゾール-4-カルボキシレート、又はエチル1-[[4-[[(1Z)-2-エトキシ-3,3,3-トリフルオロ-1-プロペン-1-イル]オキシ]フェニル]メチル]-1H-ピラゾール-4-カルボキシレート
又は、その塩、鏡像異性体、互変異性体若しくはN-オキシドからなる群から選択される。
【0008】
一般に、成分(A)対成分(B)の質量比は、100:1~1:1000、好ましくは100:1~1:500、より好ましくは50:1~1:200、さらにより好ましくは50:1~1:20、さらにより好ましくは30:1~1:1、さらにより好ましくは10:1~3:1であり得る。
【0009】
本発明のいくつかの好ましい実施形態において、成分(A)対成分(B)の質量比は、1:1、又は1:2、又は1:4、又は1:8、又は2:1、又は4:1、又は8:1、又は16:1、又は20:1、又は1:200、又は1:100、又は1:50、又は1:25、又は1:20、又は1:12.5、又は1:10、又は1:6.2、又は1:5、又は1:2.5、又は2:1、又は3:1、又は10:1、又は20:1、又は30:1であり得る。
【0010】
本発明の第2の態様によれば、有用な植物又はその繁殖材料における、特に植物病原性真菌による植物病原性病害を防除又は予防する方法であって、有用な植物、その生息地又はその繁殖材料に本発明に定義されている組成物を適用することを含む方法が提供されている。本発明に係る組成物を、有用な植物又はその生息地に、より好ましくは有用な植物に適用することを含む方法が好ましい。有用な植物の繁殖材料に本発明に係る組成物を適用することを含む方法がさらに好ましい。
【0011】
本発明の第3の態様によれば、本発明に定義されている成分(A)及び成分(B)を含む組成物の殺菌剤としての使用が提供されている。
【0012】
式(I-A-1)の化合物と、組み合わせた成分(B)の化合物、及び、任意に成分(C)の化合物とを併用することで、意外なことに、及び、実質的に、真菌に対する式(I-A-1)の化合物の有効性が高められ得、逆もまた同様であることが見出された。また、本発明の組成物の使用は、単独で用いられた場合に個々の有効成分で駆除可能であるものよりも、幅広い範囲のこのような真菌に対して有効であり得る。
【0013】
本発明による特定の殺菌性組成物によって付与される利益には、特には、真菌によって引き起こされる病害から植物を保護するための有利なレベルの生物学的活性、又は農薬有効成分としての使用のために優れた特性(例えば高い生物学的活性、有利な活性スペクトラム、増加した安全性プロファイル、改善された物理化学的特性、又は増加した生分解性)が含まれ得る。
【発明を実施するための形態】
【0014】
本明細書において用いられるところ、「環式デプシペプチド」という用語は、連続する、2-ヒドロキシ-3-メチルアルカン酸に由来する単位とα-アミノ酸A1、A2、A3、A4、A5、A6、A7及びA8に由来する単位とからなる環式ペプチドを指し、ここで、α-アミノ酸残基A8は、エステル基を介して2-ヒドロキシ-3-メチルアルカン酸の-OCH(CH(CH3)R1)部分と結合して-C(=O)OCH(CH(CH3)R1)部分を形成し、並びに、α-アミノ酸残基A1、A2、A3、A4、A5、A6、A7及びA8は、ペプチド結合を介して相互に結合されている。2-ヒドロキシ-3-メチルアルカン酸は、2(R)-ヒドロキシ-3(R)-メチルペンタン酸又は2(R)-ヒドロキシ-3-メチルブタン酸であることが可能である。
【0015】
本明細書において用いられるところ、「ヒドロキシル」又は「ヒドロキシ」という用語は、-OH基を意味する。
【0016】
本明細書において用いられるところ、「C1~C4アルキル」という用語は、単に炭素及び水素原子からなり、不飽和を含有せず、1~4個の炭素原子を有し、並びに、単結合で分子の残部に結合している直鎖又は分岐鎖炭化水素鎖ラジカルを指す。C1~C4アルキル基の例としては、これらに限定されないが、メチル、エチル、n-プロピル、1-メチルエチル(イソプロピル)、n-ブチル、及び1,1-ジメチルエチル(t-ブチル)が挙げられる。「C1~C4アルキレン」基は、C1~C4アルキルの対応する定義を指すが、ただし、このような基は、2つの単結合で分子の残部に結合している。C1~C4アルキレン基の例は、メチレン(-CH2-)及びヒドロキシメチレン(-CH(OH)-)である。
【0017】
本発明において開示されるのは、1種以上の式(I-A)の環式デプシペプチド:
【化4】
(式中、
R
1はメチル又はエチルであり;
X
1、X
2及びX
3の各々は水素であるか、又は、X
1、X
2及びX
3は、水素、フッ素若しくはヒドロキシルであり、ただし、X
1、X
2及びX
3の1つのみがフッ素又はヒドロキシルであり;
X
4は、S、メチレン、又はヒドロキシメチレンであり;
A
3は、N-メチル-L-フェニルアラニン(L-MePhe)、L-フェニルアラニン(L-Phe)、β-ヒドロキシ-N-メチル-L-フェニルアラニン(L-β-OH-MePhe)、オルト-フルオロ-N-メチル-L-フェニルアラニン(L-o-F-MePhe)、メタ-フルオロ-N-メチル-L-フェニルアラニン(L-m-F-MePhe)、パラ-フルオロ-N-メチル-L-フェニルアラニン(L-p-F-MePhe)、メタ-ブロモ-N-メチル-L-フェニルアラニン(L-m-Br-MePhe)、パラ-ブロモ-N-メチル-L-フェニルアラニン(L-p-Br-MePhe)、メタ-ヨード-N-メチル-L-フェニルアラニン(L-m-I-MePhe)、パラ-ヨード-N-メチル-L-フェニルアラニン(L-p-I-MePhe)、3-フェニル-N-メチル-L-フェニルアラニン、4-フェニル-N-メチル-L-フェニルアラニン、3-(4-フルオロフェニル)-N-メチル-L-フェニルアラニン、4-(4-フルオロフェニル)-N-メチル-L-フェニルアラニン、3-(4-ピリジニル)-N-メチル-L-フェニルアラニン、4-(4-ピリジニル)-N-メチル-L-フェニルアラニン、3-(1-ピリジニル)-N-メチル-L-フェニルアラニン、4-(1-ピリジニル)-N-メチル-L-フェニルアラニン、4-(2-クロロ-4-ピリジニル)-N-メチル-L-フェニルアラニン、3-(2-クロロ-5-ピリジニル)-N-メチル-L-フェニルアラニン、4-(2-クロロ-5-ピリジニル)-N-メチル-L-フェニルアラニン、3-[4-(ピペラジン-1-イル)フェニル]フェニル-N-メチル-L-フェニルアラニン、4-[4-(ピペラジン-1-イル)フェン-1-イル]フェニル-N-メチル-L-フェニルアラニン、3-[4-(4-メチルピペラジン-1-イル)フェニル]フェニル-N-メチル-L-フェニルアラニン、4-[4-(4-メチルピペラジン-1-イル)フェン-1-イル]フェニル-N-メチル-L-フェニルアラニン、β-オキソ-N-メチル-L-フェニルアラニン(L-β-オキソ-MePhe)、β-アセトキシ-N-メチル-L-フェニルアラニン(L-β-AcO-MePhe)、N-メチル-L-チロシン(L-MeTyr)、O-メチル-N-メチル-L-チロシン[L-MeTyr(Me)]、N-メチル-L-アラニン(L-MeAla)、N-メチル-L-セリン(L-MeSer)、N-メチル-D-フェニルアラニン(D-MePhe)、N-メチル-D-アラニン(D-MeAla)、N-メチル-D-バリン(D-MeVal)、N-メチル-D-セリン(D-MeSer)及びN-メチル-L-セリン(L-MeSer)残基からなる群から選択されるα-アミノ酸残基であり;
A
5は、L-アロ-イソロイシン(L-AIle)、L-ロイシン(L-Leu)、L-ノルロイシン(L-Nle)、L-ノルバリン(L-Nva)及びL-バリン(L-Val)残基からなる群から選択されるα-アミノ酸残基であり;
A
6は、N-メチル-L-バリン(L-MeVal)、N-メチル-L-ロイシン(L-MeLeu)、N-メチル-L-アロ-イソロイシン(L-MeAIle)及びL-バリン(L-Val)残基からなる群から選択されるα-アミノ酸残基であり;
A
7は、L-ロイシン(L-Leu)、L-アロ-イソロイシン(L-AIle)及びL-ノルバリン(L-Nva)残基からなる群から選択されるα-アミノ酸残基であり;並びに
A
8は、β-ヒドロキシ-N-メチル-L-バリン(L-β-OH-MeVal)、γ-ヒドロキシ-N-メチル-L-バリン(L-γ-OH-MeVal)、N-メチル-L-バリン(L-MeVal)、L-バリン(L-Val)、N-メチル-2,3-ジデヒドロ-L-バリン(L-MeDH
2,3Val)、N-メチル-3,4-ジデヒドロ-L-バリン(L-MeDH
3,4Val)、N-メチル-L-フェニルアラニン(L-MePhe)、β-ヒドロキシ-N-メチル-L-フェニルアラニン(L-β-OH-MePhe)、N-メチル-L-スレオニン(L-MeThr)、サルコシン(Sar)及びN,β-ジメチル-L-アスパラギン酸(L-N,β-MeAsp)残基からなる群から選択されるα-アミノ酸残基である)
を含む、化合物(A)である。
【0018】
式(I)の化合物は、表A(以下)に列挙されている化合物1.001~1.035又は表B(以下)に列挙されている化合物2.001~2.045から選択される。
【0019】
以下のリストは、式(I)の化合物に関する置換基R1、A1、A2、A3、A4、A5、A6、A7及びA8に係る好ましい定義を含む定義を提供する。これらの置換基のいずれか1つについて、以下に示される定義のいずれかが、本明細書中以下又は他の箇所に示されるいずれかの他の置換基のいずれかの定義と組み合わされ得る。
【0020】
表A:この表は35種の式(I)の化合物を開示するものであって、ここで、R1、A1、A2、A3、A4、A5、A6、A7及びA8は、以下の表Aに記載されているとおりである。
【0021】
【0022】
表B:この表は45種の式(I)の化合物を開示するものであって、ここで、R1はエチルであり、A1はL-MeValであり、A4はL-Proであり、A6はL-MeValであり、及び、A7はL-Leuであり、並びに、A2、A3、A5及びA8は、以下の表Bに記載されているとおりである。
【0023】
【0024】
本発明のこの第1の実施形態の第1の変形例において、成分(A)は、本明細書中下記においてオーレオバシジンAと称される、式(I-A1)の環式デプシペプチド:
【化5】
又はその立体異性体であることが好ましい。
【0025】
本明細書において用いられるところ、「オーレオバシジンA」という用語は、連続する、2(R)-ヒドロキシ-3(R)-メチルペンタン酸((2R,3R)-Hmp)、N-メチル-L-バリン(L-MeVal)、L-フェニルアラニン(L-Phe)、N-メチル-L-フェニルアラニン(L-MePhe)、L-プロライン(L-Pro)、L-アロ-イソロイシン(L-AIle)、N-メチル-L-バリン(L-MeVal)、L-ロイシン(L-Leu)及びβ-ヒドロキシ-N-メチル-L-バリン(L-β-OH-MeVal)に由来する単位からなる式(I-A1)の環式デプシペプチド又はその立体異性体を表す。
【0026】
成分(A)はさらに、本明細書中下記においてオーレオバシジンEと称される、式(I-A2)の環式デプシペプチド:
【化6】
又はその立体異性体を含み得る。
【0027】
本明細書において用いられるところ、「オーレオバシジンE」という用語は、連続する、2(R)-ヒドロキシ-3(R)-メチルペンタン酸((2R,3R)-Hmp)、N-メチル-L-バリン(L-MeVal)、L-フェニルアラニン(L-Phe)、β-ヒドロキシ-N-メチル-L-フェニルアラニン(L-β-OH-MePhe)、L-プロライン(L-Pro)、L-アロ-イソロイシン(L-AIle)、N-メチル-L-バリン(L-MeVal)、L-ロイシン(L-Leu)及びβ-ヒドロキシ-N-メチル-L-バリン(L-β-OH-MeVal)に由来する単位からなる式(I-A2)の環式デプシペプチド又はその立体異性体を表す。
【0028】
成分(A)は、さらに、本明細書中下記においてオーレオバシジンGと称される、式(I-A3)の環式デプシペプチド:
【化7】
又はその立体異性体を含み得る。
【0029】
本明細書において用いられるところ、「オーレオバシジンG」という用語は、連続する、2(R)-ヒドロキシ-3(R)-メチルペンタン酸((2R,3R)-Hmp)、N-メチル-L-バリン(L-MeVal)、L-フェニルアラニン(L-Phe)、N-メチル-L-フェニルアラニン(L-MePhe)、L-プロライン(L-Pro)、L-アロ-イソロイシン(L-AIle)、N-メチル-L-バリン(L-MeVal)、L-ロイシン(L-Leu)及びN-メチル-L-バリン(L-MeVal)に由来する単位からなる式(I-A3)の環式デプシペプチド又はその立体異性体を表す。
【0030】
成分(A)は、上記に定義されている2種以上の式(I-A)の環式デプシペプチド又はその立体異性体をさらに含み得る。
【0031】
成分(A)は、オーレオバシジンAと、上記に定義されている1種以上の式(I-A)の他の環式デプシペプチド又はその立体異性体とをさらに含み得る。
【0032】
成分(A)は、オーレオバシジンEと、上記に定義されている1種以上の式(I-A)の他の環式デプシペプチド又はその立体異性体とをさらに含み得る。
【0033】
本発明に係る好ましい実施形態において、成分(A)は、オーレオバシジンAと、表Aに記載されている化合物1.001~1.004及び1.006~1.035からなる群から選択される1種以上の式(I)の環式デプシペプチド又はその立体異性体とを含む。好ましくは、成分(A)は、オーレオバシジンAと、オーレオバシジンE及びオーレオバシジンGからなる群から選択される少なくとも1種の式(I-A)の他の環式デプシペプチド又はその立体異性体とを含む。
【0034】
本発明に係る実施形態において、成分(A)は、オーレオバシジンAとオーレオバシジンEとを含む。本発明に係る他の実施形態において、成分(A)は、オーレオバシジンAとオーレオバシジンGとを含む。本発明に係る他の実施形態において、成分(A)は、オーレオバシジンA、オーレオバシジンE及びオーレオバシジンGを含む。
【0035】
本発明に係る他の好ましい実施形態において、成分(A)は、オーレオバシジンAと、表Bに記載されている化合物2.001~2.045からなる群から選択される1種以上の式(I-A)の環式デプシペプチド又はその立体異性体とを含む。
【0036】
成分(A)がオーレオバシジンAと、1種以上の式(I-A)の他の環式デプシペプチド又はその立体異性体とを含む実施形態において、前記成分(A)は、典型的には:
10%~99.9質量%、好ましくは20%~99.9質量%、より好ましくは40%~99.9質量%のオーレオバシジンAと、
0.1%~90質量%、好ましくは0.1%~80質量%、より好ましくは0.1%~60質量%の1種以上の式(I-A)の他の環式デプシペプチド又はその立体異性体と
を含む。
【0037】
成分(A)がオーレオバシジンEと、1種以上の式(I-A)の他の環式デプシペプチド又はその立体異性体とを含む実施形態において、前記成分(A)は、典型的には:
10%~99.9質量%、好ましくは20%~99.9質量%、より好ましくは40%~99.9質量%のオーレオバシジンEと、
0.1%~90質量%、好ましくは0.1%~80質量%、より好ましくは0.1%~60質量%の1種以上の式(I-A)の他の環式デプシペプチド又はその立体異性体と
を含む。
【0038】
本発明に係る一実施形態において、成分(A)は、典型的には:
60%~99.5質量%のオーレオバシジンAと、
0.05%~5質量%のオーレオバシジンEと、
任意に、0.1%~30質量%のオーレオバシジンGと、
任意に、0.1%~10質量%の1種以上の式(I-A)の他の環式デプシペプチド又はその立体異性体と
を含む。
【0039】
本発明の第2の実施形態において、成分(A)はさらに、1種以上の式(I-B)の環式デプシペプチド:
【化8】
(式中、
R
1はメチル又はエチルであり;
X
4は、S、メチレン、又はヒドロキシメチレンであり;
A
5は、L-アロ-イソロイシン(L-AIle)、L-ロイシン(L-Leu)、L-ノルロイシン(L-Nle)及びL-バリン(L-Val)残基からなる群から選択されるα-アミノ酸残基であり;
A
6は、N-メチル-L-バリン(L-MeVal)、N-メチル-L-ロイシン(L-MeLeu)、L-アロ-イソロイシン(L-AIle)及びN-メチル-L-アロ-イソロイシン(L-MeAIle)残基からなる群から選択されるα-アミノ酸残基であり;
A
7は、L-ロイシン(L-Leu)、L-アロ-イソロイシン(L-AIle)及びL-ノルバリン(L-Nva)残基からなる群から選択されるα-アミノ酸残基であり;並びに
A
8は、β-ヒドロキシ-N-メチル-L-バリン(L-β-OH-MeVal)、γ-ヒドロキシ-N-メチル-L-バリン(L-γ-OH-MeVal)、N-メチル-L-バリン(L-MeVal)、N-メチル-2,3-ジデヒドロ-L-バリン(L-MeDH
2,3Val)、N-メチル-3,4-ジデヒドロ-L-バリン(L-MeDH
3,4Val)、N-メチル-L-フェニルアラニン(L-MePhe)、β-ヒドロキシ-N-メチル-L-フェニルアラニン(L-β-OH-MePhe)、N-メチル-L-スレオニン(L-MeThr)、サルコシン(Sar)及びN,β-ジメチル-L-アスパラギン酸(L-N,β-MeAsp)残基からなる群から選択されるα-アミノ酸残基である)
又はその立体異性体を含む。
【0040】
本明細書において用いられるところ、「ペルセファニン(persephanine)残基」という用語は、式:
【化9】
のα-アミノ酸残基を表す。
【0041】
例えば、成分(A)はさらに、本明細書中下記においてPersephacin Aと称される、式(I-B1)の環式デプシペプチド:
【化10】
又はその立体異性体を含む。
【0042】
本明細書において用いられるところ、「Persephacin A」という用語は、連続する、2(R)-ヒドロキシ-3(R)-メチルペンタン酸((2R,3R)-Hmp)、N-メチル-L-バリン(L-MeVal)、L-ペルセファニン(persephanine)、サルコシン(Sar)、L-プロライン(L-Pro)、L-アロ-イソロイシン(L-AIle)、N-メチル-L-バリン(L-MeVal)、L-ロイシン(L-Leu)及びβ-ヒドロキシ-N-メチル-L-バリン(L-β-OH-MeVal)に由来する単位からなる式(I-B1)の環式デプシペプチド又はその立体異性体を表す。
【0043】
成分(A)は、本明細書中下記においてPersephacin Bと称される、式(I-B2)の環式デプシペプチド:
【化11】
又はその立体異性体をさらに含み得る。
【0044】
本明細書において用いられるところ、「Persephacin B」という用語は、連続する、2(R)-ヒドロキシ-3(R)-メチルペンタン酸((2R,3R)-Hmp)、N-メチル-L-バリン(L-MeVal)、L-ペルセファニン(persephanine)、サルコシン(Sar)、L-プロライン(L-Pro)、L-アロ-イソロイシン(L-AIle)、L-アロ-イソロイシン(L-AIle)、L-ロイシン(L-Leu)及びβ-ヒドロキシ-N-メチル-L-バリン(L-β-OH-MeVal)に由来する単位からなる式(I-B2)の環式デプシペプチド又はその立体異性体を表す。
【0045】
成分(A)は、本明細書中下記においてPersephacin Cと称される、式(I-B3)の環式デプシペプチド:
【化12】
又はその立体異性体をさらに含み得る。
【0046】
本明細書において用いられるところ、「Persephacin C」という用語は、連続する、2(R)-ヒドロキシ-3(R)-メチルペンタン酸((2R,3R)-Hmp)、N-メチル-L-バリン(L-MeVal)、L-ペルセファニン(persephanine)、サルコシン(Sar)、L-プロライン(L-Pro)、L-アロ-イソロイシン(L-AIle)、N-メチル-L-バリン(L-MeVal)、L-ロイシン(L-Leu)及びN-メチル-L-バリン(L-MeVal)に由来する単位からなる式(I-B3)の環式デプシペプチド又はその立体異性体を表す。
【0047】
上記に定義されている2種以上の式(I-B)の環式デプシペプチド又はその立体異性体をさらに含む成分(A)が本明細書に開示されている。
【0048】
Persephacin Aと、上記に定義されている1種以上の他の式(I-B)の環式デプシペプチド又はその立体異性体とをさらに含む成分(A)が本明細書にさらに開示されている。
【0049】
本発明に係る他の実施形態において、成分(A)は、式(I-A1)の環式デプシペプチド又はその立体異性体と、上記に定義されている1種以上の式(I-B)の環式デプシペプチド又はその立体異性体とを含む。
【0050】
本発明の本実施形態の変形例において、成分(A)は、オーレオバシジンAと、上記に定義されている1種以上の式(I-B)の環式デプシペプチド又はその立体異性体とを含む。
【0051】
本発明の本実施形態の他の変形例において、成分(A)は、オーレオバシジンAと、上記に定義されている1種以上の式(I-A)の他の環式デプシペプチド又はその立体異性体と、上記に定義されている1種以上の式(I-B)の環式デプシペプチド又はその立体異性体とを含む。
【0052】
本発明の本実施形態の他の変形例において、成分(A)は、オーレオバシジンAと、オーレオバシジンE及びオーレオバシジンGからなる群から選択される少なくとも1種の式(I-A)の他の環式デプシペプチド又はその立体異性体と、上記に定義されている1種以上の式(I-B)の環式デプシペプチド又はその立体異性体とを含む。
【0053】
アウレオバシジウムプルランス(Aureobasidium pullulans)の菌株、一般に、International Patent Organisms Depositaryに受入番号FERM BP-1938で寄託されたアウレオバシジウムプルランス(Aureobasidium pullulans)R106の菌株、又は、China General Microbiological Culture Collection Centerに受入番号CGMCC No.20887で寄託されたアウレオバシジウムプルランス(Aureobasidium pullulans)の菌株をさらに含む成分(A)が本明細書に開示されている。
【0054】
上記に定義されている1種以上の式(I-A)の環式デプシペプチド又はその立体異性体は、アウレオバシジウムプルランス(Aureobasidium pullulans)の菌株、一般に、International Patent Organisms Depositaryに受入番号FERM BP-1938で寄託されているアウレオバシジウムプルランス(Aureobasidium pullulans)R106の菌株、又は、China General Microbiological Culture Collection Centerに受入番号CGMCC No.20887で寄託されているアウレオバシジウムプルランス(Aureobasidium pullulans)の菌株の発酵液体培地から入手可能であることが、本発明の範囲を限定することなく理解される。
【0055】
本発明に係る他の実施形態において、成分(A)は、スファセロマコリリ(Sphaceloma coryli)の菌株又は遺伝子操作された菌株をさらに含む。
【0056】
本発明の範囲を限定することなく、上記に定義されている1種以上の式(I-B)の環式デプシペプチド又はその立体異性体は、スファセロマコリリ(Sphaceloma coryli)の菌株又は遺伝子操作された菌株の発酵ブロスから入手可能であることが理解される。
【0057】
本明細書において用いられるところ、「発酵ブロス」という用語は、菌株の発酵プロセスから得られる組成物を指す。
【0058】
本発明に係る他の実施形態において、成分(A)は、上記に定義されている2種以上の式(I)の環式デプシペプチド又はその立体異性体を含む発酵ブロスをさらに含む。
【0059】
本発明の本実施形態の第1の変形例において、成分(A)は、上記に定義されている2種以上の式(I-A)の環式デプシペプチド又はその立体異性体を含む発酵ブロスをさらに含む。
【0060】
本発明に係る一実施形態において、成分(A)は、オーレオバシジンAと、上記に定義されている1種以上の式(I-A)の他の環式デプシペプチド又はその立体異性体とを含む発酵ブロスをさらに含む。
【0061】
本発明に係る他の実施形態において、成分(A)は、オーレオバシジンEと、上記に定義されている1種以上の式(I-A)の他の環式デプシペプチド又はその立体異性体とを含む発酵ブロスをさらに含む。
【0062】
成分(B)の化合物は、公知であると共に、市販されており、並びに/又は、技術分野において公知である手法及び/若しくは文献において報告されている手法を用いて調製可能である。
【0063】
成分(B)中に1個以上の不斉炭素原子の存在が可能であるとは、その化合物が、光学異性形態、すなわち、鏡像異性形態又はジアステレオ異性形態で生じ得ることを意味する。また、アトロプ異性体は、単結合に係る回転の制限の結果生じ得る。本発明は、成分(B)に係るこれらの可能性のある異性形態(例えば幾何異性体)のすべて、及び、その混合物を含む。本発明は、成分(B)に係る可能性のある互変異性形態のすべて、及び、ラセミ化合物、すなわち、実質的に50:50の比での少なくとも2種の鏡像異性体の混合物をも含む。
【0064】
各事例において、本発明に係る成分(B)は、遊離形態、N-オキシドとしての酸化型、又は、例えば農学的に使用可能な塩形態といった塩形態である。
【0065】
N-オキシドは、第三級アミンの酸化型、又は、窒素含有芳香族複素環式化合物の酸化型である。これらは、例えば、書籍“Heterocyclic N-oxides”,A.Albini and S.Pietra,CRC Press,Boca Raton 1991に記載されている。
【0066】
成分(B)は、以下の表Cに定義されている化合物B.01、B.02、B.03、B.04、B.05、B.06、B.07、B.08、B.09、B.10、B.11、B.12、B.13、B.14、B.15、B.16、B.17、B.18、B.19、B.20、B.21、B.22、B.23、B.24又はB.25から選択される化合物を含む。より好ましくは、成分(B)は、以下の表Cに定義されている化合物B.01、B.02、B.03、B.04、B.05、B.06、B.07又はB.08から選択される化合物である。さらにより好ましくは、成分(B)は、以下の表Cに定義されている化合物B.01、B.02、B.03、B.04、B.05、B.06又はB.07から選択される化合物である。
【0067】
【0068】
上記の表Cに定義されている化合物B.01、B.02、B.03、B.04、B.05、B.06、B.07、B.08、B.09、B.10、B.11、B.12、B.13、B.14、B.15、B.16、B.17、B.18、B.19、B.20、B.21、B.22、B.23、B.24又はB.25のいずれかに不斉炭素原子が存在しているとは、これらの化合物は、キラルエナンチオマー型、すなわち、(R)-及び(S)-鏡像異性体で生じ得ることを意味する。
【0069】
鏡像異性体的に純粋な最終化合物は、逆相キラルクロマトグラフィなどの標準的な物理的分離技術を介して、又は、例えばキラル出発材料を用いることによる立体選択的合成技術で、適切なラセミ出発材料から入手し得る。
【0070】
本発明に係る好ましい組成物において、成分(A)は、上記に定義されている1種以上の式(I-A1)の環式デプシペプチド又はその立体異性体を含み、並びに、成分(B)は、エチル1-[[4-[5-(トリフルオロメチル)-1,2,4-オキサジアゾール-3-イル]フェニル]メチル]ピラゾール-4-カルボキシレート、N-メトキシ-N-[[4-[5-(トリフルオロメチル)-1,2,4-オキサジアゾール-3-イル]フェニル]メチル]シクロプロパンカルボキサミド、N,2-ジメトキシ-N-[[4-[5-(トリフルオロメチル)-1,2,4-オキサジアゾール-3-イル]フェニル]メチル]プロパンアミド、N-エチル-2-メチル-N-[[4-[5-(トリフルオロメチル)-1,2,4-オキサジアゾール-3-イル]フェニル]メチル]プロパンアミド、1-メトキシ-3-メチル-1-[[4-[5-(トリフルオロメチル)-1,2,4-オキサジアゾール-3-イル]フェニル]メチル]尿素、1,3-ジメトキシ-1-[[4-[5-(トリフルオロメチル)-1,2,4-オキサジアゾール-3-イル]フェニル]メチル]尿素及び3-エチル-1-メトキシ-1-[[4-[5-(トリフルオロメチル)-1,2,4-オキサジアゾール-3-イル]フェニル]メチル]尿素からなる群から選択される化合物であり、ここで、成分(A)対成分(B)の質量比は、100:1~1:1000、好ましくは100:1~1:500、より好ましくは50:1~1:200、さらにより好ましくは50:1~1:20、さらにより好ましくは30:1~1:1、さらにより好ましくは10:1~3:1である。
【0071】
本発明に係る他の好ましい組成物において、成分(A)はオーレオバシジンAであり、並びに、成分(B)は、エチル1-[[4-[5-(トリフルオロメチル)-1,2,4-オキサジアゾール-3-イル]フェニル]メチル]ピラゾール-4-カルボキシレート、N-メトキシ-N-[[4-[5-(トリフルオロメチル)-1,2,4-オキサジアゾール-3-イル]フェニル]メチル]シクロプロパンカルボキサミド、N,2-ジメトキシ-N-[[4-[5-(トリフルオロメチル)-1,2,4-オキサジアゾール-3-イル]フェニル]メチル]プロパンアミド、N-エチル-2-メチル-N-[[4-[5-(トリフルオロメチル)-1,2,4-オキサジアゾール-3-イル]フェニル]メチル]プロパンアミド、1-メトキシ-3-メチル-1-[[4-[5-(トリフルオロメチル)-1,2,4-オキサジアゾール-3-イル]フェニル]メチル]尿素、1,3-ジメトキシ-1-[[4-[5-(トリフルオロメチル)-1,2,4-オキサジアゾール-3-イル]フェニル]メチル]尿素及び3-エチル-1-メトキシ-1-[[4-[5-(トリフルオロメチル)-1,2,4-オキサジアゾール-3-イル]フェニル]メチル]尿素からなる群から選択される化合物であり、ここで、成分(A)対成分(B)の質量比は、50:1~1:200である。
【0072】
本発明に係る他の好ましい組成物において、成分(A)はオーレオバシジンAであり、並びに、成分(B)は、エチル1-[[4-[5-(トリフルオロメチル)-1,2,4-オキサジアゾール-3-イル]フェニル]メチル]ピラゾール-4-カルボキシレート、N-メトキシ-N-[[4-[5-(トリフルオロメチル)-1,2,4-オキサジアゾール-3-イル]フェニル]メチル]シクロプロパンカルボキサミド、N,2-ジメトキシ-N-[[4-[5-(トリフルオロメチル)-1,2,4-オキサジアゾール-3-イル]フェニル]メチル]プロパンアミド、N-エチル-2-メチル-N-[[4-[5-(トリフルオロメチル)-1,2,4-オキサジアゾール-3-イル]フェニル]メチル]プロパンアミド、1-メトキシ-3-メチル-1-[[4-[5-(トリフルオロメチル)-1,2,4-オキサジアゾール-3-イル]フェニル]メチル]尿素、1,3-ジメトキシ-1-[[4-[5-(トリフルオロメチル)-1,2,4-オキサジアゾール-3-イル]フェニル]メチル]尿素及び3-エチル-1-メトキシ-1-[[4-[5-(トリフルオロメチル)-1,2,4-オキサジアゾール-3-イル]フェニル]メチル]尿素からなる群から選択される化合物であり、ここで、成分(A)対成分(B)の質量比は、50:1~1:20である。
【0073】
本発明に係る他の好ましい組成物において、成分(A)はオーレオバシジンAであり、並びに、成分(B)は、エチル1-[[4-[5-(トリフルオロメチル)-1,2,4-オキサジアゾール-3-イル]フェニル]メチル]ピラゾール-4-カルボキシレート、N-メトキシ-N-[[4-[5-(トリフルオロメチル)-1,2,4-オキサジアゾール-3-イル]フェニル]メチル]シクロプロパンカルボキサミド、N,2-ジメトキシ-N-[[4-[5-(トリフルオロメチル)-1,2,4-オキサジアゾール-3-イル]フェニル]メチル]プロパンアミド、N-エチル-2-メチル-N-[[4-[5-(トリフルオロメチル)-1,2,4-オキサジアゾール-3-イル]フェニル]メチル]プロパンアミド、1-メトキシ-3-メチル-1-[[4-[5-(トリフルオロメチル)-1,2,4-オキサジアゾール-3-イル]フェニル]メチル]尿素、1,3-ジメトキシ-1-[[4-[5-(トリフルオロメチル)-1,2,4-オキサジアゾール-3-イル]フェニル]メチル]尿素及び3-エチル-1-メトキシ-1-[[4-[5-(トリフルオロメチル)-1,2,4-オキサジアゾール-3-イル]フェニル]メチル]尿素からなる群から選択される化合物であり、ここで、成分(A)対成分(B)の質量比は、30:1~1:1である。
【0074】
本発明に係る他の好ましい組成物において、成分(A)はオーレオバシジンAであり、並びに、成分(B)は、エチル1-[[4-[5-(トリフルオロメチル)-1,2,4-オキサジアゾール-3-イル]フェニル]メチル]ピラゾール-4-カルボキシレート、N-メトキシ-N-[[4-[5-(トリフルオロメチル)-1,2,4-オキサジアゾール-3-イル]フェニル]メチル]シクロプロパンカルボキサミド、N,2-ジメトキシ-N-[[4-[5-(トリフルオロメチル)-1,2,4-オキサジアゾール-3-イル]フェニル]メチル]プロパンアミド、N-エチル-2-メチル-N-[[4-[5-(トリフルオロメチル)-1,2,4-オキサジアゾール-3-イル]フェニル]メチル]プロパンアミド、1-メトキシ-3-メチル-1-[[4-[5-(トリフルオロメチル)-1,2,4-オキサジアゾール-3-イル]フェニル]メチル]尿素、1,3-ジメトキシ-1-[[4-[5-(トリフルオロメチル)-1,2,4-オキサジアゾール-3-イル]フェニル]メチル]尿素及び3-エチル-1-メトキシ-1-[[4-[5-(トリフルオロメチル)-1,2,4-オキサジアゾール-3-イル]フェニル]メチル]尿素からなる群から選択される化合物であり、ここで、成分(A)対成分(B)の質量比は、10:1~3:1である。
【0075】
本発明に係る他の好ましい組成物において、成分(A)はオーレオバシジンEであり、並びに、成分(B)は、エチル1-[[4-[5-(トリフルオロメチル)-1,2,4-オキサジアゾール-3-イル]フェニル]メチル]ピラゾール-4-カルボキシレート、N-メトキシ-N-[[4-[5-(トリフルオロメチル)-1,2,4-オキサジアゾール-3-イル]フェニル]メチル]シクロプロパンカルボキサミド、N,2-ジメトキシ-N-[[4-[5-(トリフルオロメチル)-1,2,4-オキサジアゾール-3-イル]フェニル]メチル]プロパンアミド、N-エチル-2-メチル-N-[[4-[5-(トリフルオロメチル)-1,2,4-オキサジアゾール-3-イル]フェニル]メチル]プロパンアミド、1-メトキシ-3-メチル-1-[[4-[5-(トリフルオロメチル)-1,2,4-オキサジアゾール-3-イル]フェニル]メチル]尿素、1,3-ジメトキシ-1-[[4-[5-(トリフルオロメチル)-1,2,4-オキサジアゾール-3-イル]フェニル]メチル]尿素及び3-エチル-1-メトキシ-1-[[4-[5-(トリフルオロメチル)-1,2,4-オキサジアゾール-3-イル]フェニル]メチル]尿素からなる群から選択される化合物であり、ここで、成分(A)対成分(B)の質量比は、50:1~1:200である。
【0076】
本発明に係る他の好ましい組成物において、成分(A)はオーレオバシジンEであり、並びに、成分(B)は、エチル1-[[4-[5-(トリフルオロメチル)-1,2,4-オキサジアゾール-3-イル]フェニル]メチル]ピラゾール-4-カルボキシレート、N-メトキシ-N-[[4-[5-(トリフルオロメチル)-1,2,4-オキサジアゾール-3-イル]フェニル]メチル]シクロプロパンカルボキサミド、N,2-ジメトキシ-N-[[4-[5-(トリフルオロメチル)-1,2,4-オキサジアゾール-3-イル]フェニル]メチル]プロパンアミド、N-エチル-2-メチル-N-[[4-[5-(トリフルオロメチル)-1,2,4-オキサジアゾール-3-イル]フェニル]メチル]プロパンアミド、1-メトキシ-3-メチル-1-[[4-[5-(トリフルオロメチル)-1,2,4-オキサジアゾール-3-イル]フェニル]メチル]尿素、1,3-ジメトキシ-1-[[4-[5-(トリフルオロメチル)-1,2,4-オキサジアゾール-3-イル]フェニル]メチル]尿素及び3-エチル-1-メトキシ-1-[[4-[5-(トリフルオロメチル)-1,2,4-オキサジアゾール-3-イル]フェニル]メチル]尿素からなる群から選択される化合物であり、ここで、成分(A)対成分(B)の質量比は、50:1~1:20である。
【0077】
本発明に係る他の好ましい組成物において、成分(A)はオーレオバシジンEであり、並びに、成分(B)は、エチル1-[[4-[5-(トリフルオロメチル)-1,2,4-オキサジアゾール-3-イル]フェニル]メチル]ピラゾール-4-カルボキシレート、N-メトキシ-N-[[4-[5-(トリフルオロメチル)-1,2,4-オキサジアゾール-3-イル]フェニル]メチル]シクロプロパンカルボキサミド、N,2-ジメトキシ-N-[[4-[5-(トリフルオロメチル)-1,2,4-オキサジアゾール-3-イル]フェニル]メチル]プロパンアミド、N-エチル-2-メチル-N-[[4-[5-(トリフルオロメチル)-1,2,4-オキサジアゾール-3-イル]フェニル]メチル]プロパンアミド、1-メトキシ-3-メチル-1-[[4-[5-(トリフルオロメチル)-1,2,4-オキサジアゾール-3-イル]フェニル]メチル]尿素、1,3-ジメトキシ-1-[[4-[5-(トリフルオロメチル)-1,2,4-オキサジアゾール-3-イル]フェニル]メチル]尿素及び3-エチル-1-メトキシ-1-[[4-[5-(トリフルオロメチル)-1,2,4-オキサジアゾール-3-イル]フェニル]メチル]尿素からなる群から選択される化合物であり、ここで、成分(A)対成分(B)の質量比は、30:1~1:1である。
【0078】
本発明に係る他の好ましい組成物において、成分(A)はオーレオバシジンEであり、並びに、成分(B)は、エチル1-[[4-[5-(トリフルオロメチル)-1,2,4-オキサジアゾール-3-イル]フェニル]メチル]ピラゾール-4-カルボキシレート、N-メトキシ-N-[[4-[5-(トリフルオロメチル)-1,2,4-オキサジアゾール-3-イル]フェニル]メチル]シクロプロパンカルボキサミド、N,2-ジメトキシ-N-[[4-[5-(トリフルオロメチル)-1,2,4-オキサジアゾール-3-イル]フェニル]メチル]プロパンアミド、N-エチル-2-メチル-N-[[4-[5-(トリフルオロメチル)-1,2,4-オキサジアゾール-3-イル]フェニル]メチル]プロパンアミド、1-メトキシ-3-メチル-1-[[4-[5-(トリフルオロメチル)-1,2,4-オキサジアゾール-3-イル]フェニル]メチル]尿素、1,3-ジメトキシ-1-[[4-[5-(トリフルオロメチル)-1,2,4-オキサジアゾール-3-イル]フェニル]メチル]尿素及び3-エチル-1-メトキシ-1-[[4-[5-(トリフルオロメチル)-1,2,4-オキサジアゾール-3-イル]フェニル]メチル]尿素からなる群から選択される化合物であり、ここで、成分(A)対成分(B)の質量比は、10:1~3:1である。
【0079】
本発明に係る他の好ましい組成物において、成分(A)は、オーレオバシジンAと、表Aに記載の化合物1.001~1.004及び1.006~1.035からなる群から選択される1種以上の式(I)の環式デプシペプチド又はその立体異性体とを含み、好ましくは、成分(A)は、オーレオバシジンAと、オーレオバシジンE及びオーレオバシジンGからなる群から選択される少なくとも1種の他の式(I-A)の環式デプシペプチド又はその立体異性体とを含み、並びに、成分(B)は、エチル1-[[4-[5-(トリフルオロメチル)-1,2,4-オキサジアゾール-3-イル]フェニル]メチル]ピラゾール-4-カルボキシレート、N-メトキシ-N-[[4-[5-(トリフルオロメチル)-1,2,4-オキサジアゾール-3-イル]フェニル]メチル]シクロプロパンカルボキサミド、N,2-ジメトキシ-N-[[4-[5-(トリフルオロメチル)-1,2,4-オキサジアゾール-3-イル]フェニル]メチル]プロパンアミド、N-エチル-2-メチル-N-[[4-[5-(トリフルオロメチル)-1,2,4-オキサジアゾール-3-イル]フェニル]メチル]プロパンアミド、1-メトキシ-3-メチル-1-[[4-[5-(トリフルオロメチル)-1,2,4-オキサジアゾール-3-イル]フェニル]メチル]尿素、1,3-ジメトキシ-1-[[4-[5-(トリフルオロメチル)-1,2,4-オキサジアゾール-3-イル]フェニル]メチル]尿素及び3-エチル-1-メトキシ-1-[[4-[5-(トリフルオロメチル)-1,2,4-オキサジアゾール-3-イル]フェニル]メチル]尿素からなる群から選択される化合物であり、ここで、成分(A)対成分(B)の質量比は、50:1~1:200である。
【0080】
本明細書に開示の組成物において、成分(A)は、オーレオバシジンAと、表Aに記載の化合物1.001~1.004及び1.006~1.035からなる群から選択される1種以上の式(I)の環式デプシペプチド又はその立体異性体とを含み、好ましくは、成分(A)は、オーレオバシジンAと、オーレオバシジンE及びオーレオバシジンGからなる群から選択される少なくとも1種の他の式(I-A)の環式デプシペプチド又はその立体異性体とを含み、並びに、成分(B)は、エチル1-[[4-[5-(トリフルオロメチル)-1,2,4-オキサジアゾール-3-イル]フェニル]メチル]ピラゾール-4-カルボキシレート、N-メトキシ-N-[[4-[5-(トリフルオロメチル)-1,2,4-オキサジアゾール-3-イル]フェニル]メチル]シクロプロパンカルボキサミド、N,2-ジメトキシ-N-[[4-[5-(トリフルオロメチル)-1,2,4-オキサジアゾール-3-イル]フェニル]メチル]プロパンアミド、N-エチル-2-メチル-N-[[4-[5-(トリフルオロメチル)-1,2,4-オキサジアゾール-3-イル]フェニル]メチル]プロパンアミド、1-メトキシ-3-メチル-1-[[4-[5-(トリフルオロメチル)-1,2,4-オキサジアゾール-3-イル]フェニル]メチル]尿素、1,3-ジメトキシ-1-[[4-[5-(トリフルオロメチル)-1,2,4-オキサジアゾール-3-イル]フェニル]メチル]尿素及び3-エチル-1-メトキシ-1-[[4-[5-(トリフルオロメチル)-1,2,4-オキサジアゾール-3-イル]フェニル]メチル]尿素からなる群から選択される化合物であり、ここで、成分(A)対成分(B)の質量比は、50:1~1:20である。
【0081】
本明細書に開示の組成物において、成分(A)は、オーレオバシジンAと、表Aに記載の化合物1.001~1.004及び1.006~1.035からなる群から選択される1種以上の式(I)の環式デプシペプチド又はその立体異性体とを含み、好ましくは、成分(A)は、オーレオバシジンAと、オーレオバシジンE及びオーレオバシジンGからなる群から選択される少なくとも1種の他の式(I-A)の環式デプシペプチド又はその立体異性体とを含み、並びに、成分(B)は、エチル1-[[4-[5-(トリフルオロメチル)-1,2,4-オキサジアゾール-3-イル]フェニル]メチル]ピラゾール-4-カルボキシレート、N-メトキシ-N-[[4-[5-(トリフルオロメチル)-1,2,4-オキサジアゾール-3-イル]フェニル]メチル]シクロプロパンカルボキサミド、N,2-ジメトキシ-N-[[4-[5-(トリフルオロメチル)-1,2,4-オキサジアゾール-3-イル]フェニル]メチル]プロパンアミド、N-エチル-2-メチル-N-[[4-[5-(トリフルオロメチル)-1,2,4-オキサジアゾール-3-イル]フェニル]メチル]プロパンアミド、1-メトキシ-3-メチル-1-[[4-[5-(トリフルオロメチル)-1,2,4-オキサジアゾール-3-イル]フェニル]メチル]尿素、1,3-ジメトキシ-1-[[4-[5-(トリフルオロメチル)-1,2,4-オキサジアゾール-3-イル]フェニル]メチル]尿素及び3-エチル-1-メトキシ-1-[[4-[5-(トリフルオロメチル)-1,2,4-オキサジアゾール-3-イル]フェニル]メチル]尿素からなる群から選択される化合物であり、ここで、成分(A)対成分(B)の質量比は、30:1~1:1である。
【0082】
本明細書に開示されている組成物において、成分(A)は、オーレオバシジンAと、表Aに記載の化合物1.001~1.004及び1.006~1.035からなる群から選択される1種以上の式(I)の環式デプシペプチド又はその立体異性体とを含み、好ましくは、成分(A)は、オーレオバシジンAと、オーレオバシジンE及びオーレオバシジンGからなる群から選択される少なくとも1種の他の式(I-A)の環式デプシペプチド又はその立体異性体とを含み、並びに、成分(B)は、エチル1-[[4-[5-(トリフルオロメチル)-1,2,4-オキサジアゾール-3-イル]フェニル]メチル]ピラゾール-4-カルボキシレート、N-メトキシ-N-[[4-[5-(トリフルオロメチル)-1,2,4-オキサジアゾール-3-イル]フェニル]メチル]シクロプロパンカルボキサミド、N,2-ジメトキシ-N-[[4-[5-(トリフルオロメチル)-1,2,4-オキサジアゾール-3-イル]フェニル]メチル]プロパンアミド、N-エチル-2-メチル-N-[[4-[5-(トリフルオロメチル)-1,2,4-オキサジアゾール-3-イル]フェニル]メチル]プロパンアミド、1-メトキシ-3-メチル-1-[[4-[5-(トリフルオロメチル)-1,2,4-オキサジアゾール-3-イル]フェニル]メチル]尿素、1,3-ジメトキシ-1-[[4-[5-(トリフルオロメチル)-1,2,4-オキサジアゾール-3-イル]フェニル]メチル]尿素及び3-エチル-1-メトキシ-1-[[4-[5-(トリフルオロメチル)-1,2,4-オキサジアゾール-3-イル]フェニル]メチル]尿素からなる群から選択される化合物であり、ここで、成分(A)対成分(B)の質量比は、10:1~3:1である。
【0083】
本明細書に開示の組成物は、アウレオバシジウムプルランス(Aureobasidium pullulans)の菌株、一般にアウレオバシジウムプルランス(Aureobasidium pullulans)R106の菌株をさらに含み得、並びに、成分(B)は、エチル1-[[4-[5-(トリフルオロメチル)-1,2,4-オキサジアゾール-3-イル]フェニル]メチル]ピラゾール-4-カルボキシレート、N-メトキシ-N-[[4-[5-(トリフルオロメチル)-1,2,4-オキサジアゾール-3-イル]フェニル]メチル]シクロプロパンカルボキサミド、N,2-ジメトキシ-N-[[4-[5-(トリフルオロメチル)-1,2,4-オキサジアゾール-3-イル]フェニル]メチル]プロパンアミド、N-エチル-2-メチル-N-[[4-[5-(トリフルオロメチル)-1,2,4-オキサジアゾール-3-イル]フェニル]メチル]プロパンアミド、1-メトキシ-3-メチル-1-[[4-[5-(トリフルオロメチル)-1,2,4-オキサジアゾール-3-イル]フェニル]メチル]尿素、1,3-ジメトキシ-1-[[4-[5-(トリフルオロメチル)-1,2,4-オキサジアゾール-3-イル]フェニル]メチル]尿素及び3-エチル-1-メトキシ-1-[[4-[5-(トリフルオロメチル)-1,2,4-オキサジアゾール-3-イル]フェニル]メチル]尿素からなる群から選択される化合物であり、ここで、成分(A)対成分(B)の質量比は、100:1~1:1000、好ましくは100:1~1:500、より好ましくは50:1~1:200、さらにより好ましくは50:1~1:20、さらにより好ましくは30:1~1:1、さらにより好ましくは10:1~3:1である。
【0084】
本明細書に開示の組成物は、上記に定義されている式(I-A1)の環式デプシペプチド又はその立体異性体を含む発酵液体培地さらに含み得、並びに、成分(B)は、エチル1-[[4-[5-(トリフルオロメチル)-1,2,4-オキサジアゾール-3-イル]フェニル]メチル]ピラゾール-4-カルボキシレート、N-メトキシ-N-[[4-[5-(トリフルオロメチル)-1,2,4-オキサジアゾール-3-イル]フェニル]メチル]シクロプロパンカルボキサミド、N,2-ジメトキシ-N-[[4-[5-(トリフルオロメチル)-1,2,4-オキサジアゾール-3-イル]フェニル]メチル]プロパンアミド、N-エチル-2-メチル-N-[[4-[5-(トリフルオロメチル)-1,2,4-オキサジアゾール-3-イル]フェニル]メチル]プロパンアミド、1-メトキシ-3-メチル-1-[[4-[5-(トリフルオロメチル)-1,2,4-オキサジアゾール-3-イル]フェニル]メチル]尿素、1,3-ジメトキシ-1-[[4-[5-(トリフルオロメチル)-1,2,4-オキサジアゾール-3-イル]フェニル]メチル]尿素及び3-エチル-1-メトキシ-1-[[4-[5-(トリフルオロメチル)-1,2,4-オキサジアゾール-3-イル]フェニル]メチル]尿素からなる群から選択される化合物であり、ここで、成分(A)対成分(B)の質量比は、100:1~1:1000、好ましくは100:1~1:500、より好ましくは50:1~1:200、さらにより好ましくは50:1~1:20、さらにより好ましくは30:1~1:1、さらにより好ましくは10:1~3:1である。
【0085】
本発明に係る他の好ましい組成物において、成分(A)は、上記に定義されているオーレオバシジンA又はその立体異性体を含む発酵液体培地であり、並びに、成分(B)は、エチル1-[[4-[5-(トリフルオロメチル)-1,2,4-オキサジアゾール-3-イル]フェニル]メチル]ピラゾール-4-カルボキシレート、N-メトキシ-N-[[4-[5-(トリフルオロメチル)-1,2,4-オキサジアゾール-3-イル]フェニル]メチル]シクロプロパンカルボキサミド、N,2-ジメトキシ-N-[[4-[5-(トリフルオロメチル)-1,2,4-オキサジアゾール-3-イル]フェニル]メチル]プロパンアミド、N-エチル-2-メチル-N-[[4-[5-(トリフルオロメチル)-1,2,4-オキサジアゾール-3-イル]フェニル]メチル]プロパンアミド、1-メトキシ-3-メチル-1-[[4-[5-(トリフルオロメチル)-1,2,4-オキサジアゾール-3-イル]フェニル]メチル]尿素、1,3-ジメトキシ-1-[[4-[5-(トリフルオロメチル)-1,2,4-オキサジアゾール-3-イル]フェニル]メチル]尿素及び3-エチル-1-メトキシ-1-[[4-[5-(トリフルオロメチル)-1,2,4-オキサジアゾール-3-イル]フェニル]メチル]尿素からなる群から選択される化合物であり、ここで、成分(A)対成分(B)の質量比は、100:1~1:1000、好ましくは100:1~1:500、より好ましくは50:1~1:200、さらにより好ましくは50:1~1:20、さらにより好ましくは30:1~1:1、さらにより好ましくは10:1~3:1である。
【0086】
本明細書に開示の組成物は、一定の状況下において、成分(B)とは異なる追加の有効成分である成分(C)を含み得、ここで、成分(C)は、本発明に従って定義される成分(B)のリストから選択される。
【0087】
組成物が成分(A)、成分(B)及び成分(C)を含む場合、成分(A)対成分(B)及び成分(C)の和の質量比は、100:1~1:1000、好ましくは100:1~1:500、より好ましくは50:1~1:200、さらにより好ましくは50:1~1:20、さらにより好ましくは30:1~1:1、さらにより好ましくは10:1~3:1であり得る。
【0088】
成分(A)対成分(B)及び成分(C)の和の質量比は、1:1、又は1:2、又は1:4、又は1:8、又は2:1、又は4:1、又は8:1、又は16:1、又は20:1、又は1:200、又は1:100、又は1:50、又は1:25、又は1:20、又は1:12.5、又は1:10、又は1:6.2、又は1:5、又は1:2.5、又は2:1、又は3:1、又は10:1、又は20:1、又は30:1であり得る。
【0089】
式(I)の化合物又はその立体異性体は、当業者に公知の方法により調製可能である。式(I)の化合物は、購入可能であるか、又は、合成若しくは半合成化学又は発酵プロセスを用いて調製可能である。例えば、式(I-A)化合物又はその立体異性体は、Takesako et al.,The Journal of Antibiotics,1991,44,919-924、Takesako et al.,Tetrahedron,1996,52,4327-4346、及び、Maharani et al.Tetrahedron,2014,70,2351-2358における公知の方法により調製可能である。1種以上の式(I-A)の化合物又はその立体異性体を含む発酵ブロスは、アウレオバシジウムプルランス(Aureobasidium pullulans)の菌株、一般に、アウレオバシジウムプルランス(Aureobasidium pullulans)R106の菌株の発酵プロセスから入手可能である。1種以上の式(I-B)の化合物又はその立体異性体を含む発酵ブロスは、スファセロマコリリ(Sphaceloma coryli)の菌株の発酵プロセスから入手可能である。発酵ブロスは、精製が必要とされない場合がある。或いは、1種以上の式(I)の化合物は、最終純度を達成するために、例えば、吸着剤(例えば、シリカ及び逆相シリカゲル、光学的活性吸着剤、樹脂)若しくは1種以上の溶剤(例えば、分割、向流分離、多相溶剤の混合物)を用いるクロマトグラフィ又は他の化学的手段(例えば、結晶化、再結晶化、塩形成及び沈殿)により、発酵ブロスから単離及び精製可能である。式(I)の化合物又はその立体異性体の純度は、特に限定されないが、10%~20%、又は、20%~30%、又は、30%~40%、又は、40%~50%、又は、50%~60%、又は、60%~70%、又は、70%~80%、又は、80%~90%、又は、90%~100%の範囲を含むことが可能である。式(I)の化合物又はその立体異性体の純度は、NMR、質量分光測定、液体クロマトグラフィ質量分光測定(LCMS)、高性能液体クロマトグラフィ(HPLC)及び他の分析手段を含む当業者に公知であるいずれかの技術により計測が可能である。
【0090】
「殺菌剤」という用語は、本明細書において用いられるところ、真菌の増殖を防除し、変性させ、又は、防止する化合物を意味する。「殺菌的に有効な量」という用語は、真菌の増殖に効果をもたらすことが可能である、このような化合物又はこのような化合物の組み合わせの量を意味する。防除又は変性効果は、死滅、遅滞等などの自然の発育からの逸脱のすべてを含み、予防は、真菌による感染を予防するための植物におけるバリア又は他の防御形成を含む。
【0091】
「植物」という用語は、種子、実生、苗、根、塊茎、茎、柄、群葉及び果実を含む植物のすべての物理的な部分を指す。
【0092】
「植物繁殖材料」という用語は、例えば種子又は挿し木若しくは塊茎などの植物の成長する一部といった植物の生殖力のあるすべての部分を意味する。これには、厳密な意味での種子だけでなく、根、果実、塊茎、鱗茎、根茎、及び植物の部分が含まれる。
【0093】
本明細書において用いられるところ、「生息地」という用語は、植物が成長している圃場、又は、栽培されている植物の種子が播種される圃場、又は、種子が土壌に蒔かれることになる圃場を意味する。これには、土壌、種子及び実生、並びに、確立した植生が含まれる。
【0094】
本明細書全体を通じて、「組成物」という表現は、成分(A)と(B)の様々な混合物又は組み合わせ(上で規定した実施形態を含む)を意味し、例えば、単一の「調合済み」形態、単一の有効成分要素の個々の配合物から組成される「タンク混合物」などの複合型噴霧混合物、及び、逐次的(すなわち、数時間又は数日間などの適度に短時間のうちに次々と)に適用される場合には単一の有効成分の併用である。成分(A)及び(B)を適用する順番は本発明の作用のためには重要ではない。
【0095】
本発明の組成物は、植物病原性病害を引き起こす微生物などの有害な微生物に対して、特には植物病原性の真菌及び細菌に対して効果的である。
【0096】
本発明の組成物は、担子菌、子嚢菌、卵菌及び/又は不完全菌類、ブラソクラディオマイセート(Blasocladiomycete)、ツボカビ綱(Chrytidiomycete)、グロムス門(Glomeromycete)及び/又はケカビ(Mucoromycete)分類における広範囲の真菌性植物病原体によって引き起こされる植物病害を防除するために用いられ得る:
卵菌綱(Oomycete)であって、以下を含む:フィトフトラカプシシ(Phytophthora capsici)、フィトフトラインフェスタンス(Phytophthora infestans)、フィトフトラソヤエ(Phytophthora sojae)、フィトフトラフラガリエ(Phytophthora fragariae)、フィトフトラニコチアネ(Phytophthora nicotianae)、フィトフトラシンナモミ(Phytophthora cinnamomi)、フィトフトラシトリコラ(Phytophthora citricola)、フィトフトラシトロフトラ(Phytophthora citrophthora)及びフィトフトラエリトロセプチカ(Phytophthora erythroseptica)によって引き起こされるものなどのフィトフトラ(Phytophthora)病害;ピシウムアファニデルマツム(Pythium aphanidermatum)、ピシウムアレノマネス(Pythium arrhenomanes)、ピシウムグラミニコラ(Pythium graminicola)、ピシウムイレグラレ(Pythium irregulare)及びピシウムウルチマム(Pythium ultimum)によって引き起こされるものなどのピシウム(Pythium)病害;ペロノスポラデストルクトル(Peronospora destructor)、ペロノスポラパラシティカ(Peronospora parasitica)、ペロノスポラマンシュリカ(Peronospora manshurica)、ペロノスポラ タバシナ(Peronospora tabacina)、プラズモパラビチコーラ(Plasmopara viticola)、プラズモパラハルステジイ(Plasmopara halstedii)、シュードペロノスポラクベンシス(Pseudoperonospora cubensis)、アルブゴカンジダ(Albugo candida)、スクレログトラマクロスポラ(Sclerophthora macrospora)及びブレミアラクツカエ(Bremia lactucae)などのツユカビ目(Peronosporales)によって引き起こされる病害;並びに、アファノミセスコクリオイデス(Aphanomyces cochlioides)、ラビリンツラゾステラエ(Labyrinthula zosterae)、ペロノスクレロスポラソルギ(Peronosclerospora sorghi)及びスクレロスポラグラミニコラ(Sclerospora graminicola)などの他のもの;
子嚢菌綱(Ascomycetes)であって、例えば、ステムフィリウムソラニ(Stemphylium solani)、スタゴノスポラタイナネンシス(Stagonospora tainanensis)、スピロカエアオレアギネア(Spilocaea oleaginea)、セトスファエリアツルシカ(Setosphaeria turcica)、ピレノカエタリコペリシチ(Pyrenochaeta lycoperisici)、プレオスポラヘルバルム(Pleospora herbarum)、フォマデストルクティバ(Phoma destructiva)、ファエオスファエリアヘルポトリコイデス(Phaeosphaeria herpotrichoides)、ファエオクリプトクスガエウマンニイ(Phaeocryptocus gaeumannii)、オフィオスファエレラグラミニコラ(Ophiosphaerella graminicola)、オフィボルスグラミニス(Ophiobolus graminis)、レプトスファエリアマクランス(Leptosphaeria maculans)、ヘンデルソニアクレベリマ(Hendersonia creberrima)、ヘルミントスポリウムトリティシレペンティス(Helminthosporium triticirepentis)、ドレックスレラグリシネス(Drechslera glycines)、ジディメラブリオニエ(Didymella bryoniae)、シクロコニウムオレアギネウム(Cycloconium oleagineum)、コリネスポラカッシイコラ(Corynespora cassiicola)、コクリオボルスサチブス(Cochliobolus sativus)、ビポラリスカクティボラ(Bipolaris cactivora)、リンゴ黒星病菌(Venturia inaequalis)、ピレノホラテレス(Pyrenophora teres)、コムギ黄斑病菌(Pyrenophora tritici-repentis)、アルテルナリアアルテナタ(Alternaria alternata)、アルテルナリアブラッシシコラ(Alternaria brassicicola)、アルテルナリア ソラニ(Alternaria solani)及びアルテルナリアトマトフィラ(Alternaria tomatophila)などのプレオスポラ目(Pleosporales);セプトリア トリティシ(Septoria tritici)、セプトリアノドルム(Septoria nodorum)、セプトリアグリシネス(Septoria glycines)、セルコスポラアラキディコーラ(Cercospora arachidicola)、セルコスポラベチコラ(Cercospora beticola)、セルコスポラソジナ(Cercospora sojina)、セルコスポラセアエマイディス(Cercospora zeae-maydis)、セルコスポレラカプセラエ(Cercosporella capsellae)及びセルコスポレラヘルポトリコイデス(Cercosporella herpotrichoides)などのカプノディウム目(Capnodiales);クラドスポリウムカルポフィルム(Cladosporium carpophilum)、クラドスポリウムエフスム(Cladosporium effusum)、パッサロラフルバ(Passalora fulva)、クラドスポリウムオキシスポルム(Cladosporium oxysporum)、ドチストロマッセプトスポルム(Dothistroma septosporum)、イサリオプシスクラビスポラ(Isariopsis clavispora)、マイコスファエレラフィジエンシス(Mycosphaerella fijiensis)、コムギ葉枯病菌(Mycosphaerella graminicola)、マイコベロシエラコエプケイイ(Mycovellosiella koepkeii)、ファエオイサリオプシスバタチコラ(Phaeoisariopsis bataticola)、シュードセルコスポラビチス(Pseudocercospora vitis)、シュードセルコスポレラヘルポトリコイド(Pseudocercosporella herpotrichoides)、ラムラリアベチコラ(Ramularia beticola)、ラムラリアコロシグニ(Ramularia collo-cygni)、ゲーウマノミセスグラミニス(Gaeumannomyces graminis)、マグナポルテグリセア(Magnaporthe grisea)、イネいもち病菌(Magnaporthe oryzae)などのマグナポルテ目(Magnaporthales);アニソグラマアノマラ(Anisogramma anomala)、アピオグノモニアエラブンダ(Apiognomonia errabunda)、サイトスポラプラタニ(Cytospora platani)、ジアポルテファセオロルム(Diaporthe phaseolorum)、ディスクラデストルクティバ(Discula destructiva)、グノモニアフルクティコーラ(Gnomonia fructicola)、グリネリアウビコーラ(Greeneria uvicola)、メランコニウムジュグランディヌム(Melanconium juglandinum)、ホモプシスビティコーラ(Phomopsis viticola)、シロコッカスクラビギグネンティ-ジュグランダセアラム(Sirococcus clavigignenti-juglandacearum)、ツバキアドリイナ(Tubakia dryina)、ディカルペラ属の種(Dicarpella spp.)、バルサセラトスペルマ(Valsa ceratosperma)などのジアポルテ目(Diaporthales);並びに、アクチノチリウムグラミニス(Actinothyrium graminis)、アスコキタピシ(Ascochyta pisi)、アスペルギルスフラブス(Aspergillus flavus)、アスペルギルスフミガーツス(Aspergillus fumigatus)、アスペルギルスニズランス(Aspergillus nidulans)、アスペリスポリウムカリカエ(Asperisporium caricae)、ブルメリエラジャアピイ(Blumeriella jaapii)、カンジダ属の種(Candida spp.)、カプノジウムラモスム(Capnodium ramosum)、セファロアスクス属の種(Cephaloascus spp.)、セファロスポリウムグラミネウム(Cephalosporium gramineum)、セラトシスティスパラドクサ(Ceratocystis paradoxa)、キトミウム属の種(Chaetomium spp.)、ヒメノシフスシュードアルビヅス(Hymenoscyphus pseudoalbidus)、コッシディオイデス属の種(Coccidioides spp.)、シリンドロスポリウムパディ(Cylindrosporium padi)、ジプロカルポンマラエ(Diplocarpon malae)、ドレパノペジザカンペストリス(Drepanopeziza campestris)、エルシノエアンペリナ(Elsinoe ampelina)、エピコッカムニグラム(Epicoccum nigrum)、エピデルモフィトン属の種(Epidermophyton spp.)、ユーチパラタ(Eutypa lata)、ゲオトリクムカンジズム(Geotrichum candidum)、ギベリナセレアリス(Gibellina cerealis)、グロエオセルコスポラソルギ(Gloeocercospora sorghi)、グロエオデスポミゲナ(Gloeodes pomigena)、グロエオスポリウムペレナンス(Gloeosporium perennans)などの他のものによって引き起こされるものといった汚斑病、斑点病、イモチ病又は胴枯れ病及び/又は腐敗病;グロエオチニアテムレンタ(Gloeotinia temulenta)、グリフォスパエリアコルチコラ(Griphospaeria corticola)、カバチエラリニ(Kabatiella lini)、レプトグラフィウムミクロスポルム(Leptographium microsporum)、レプトスファエルリニアクラッスアスカ(Leptosphaerulinia crassiasca)、ロフォデルミウムセディチオスム(Lophodermium seditiosum)、マルソニナグラミニコラ(Marssonina graminicola)、コムギ赤かび病菌(Microdochium nivale)、モニリニアフルクティコーラ(Monilinia fructicola)、モニリニアラクサ(Monilinia laxa)、モニリニアフルクティゲナ(Monilinia fructigena)、モノグラフェラアルベセンス(Monographella albescens)、モノスポラスクスカノンバルス(Monosporascus cannonballus)、ナエマシクルス属の種(Naemacyclus spp.)、オフィオストマノボウルミ(Ophiostomanovo-ulmi)、パラコシジオイデスブラジリエンシス(Paracoccidioides brasiliensis)、ペニシリウムエクスパンスム(Penicillium expansum)、ペスタロチアロドデンドリ(Pestalotia rhododendri)、ペトリエリジウム属の種(Petriellidium spp.)、ペジクラ属の種(Pezicula spp.)、フィアロホラグレガタ(Phialophora gregata)、フィアロホラテトラスポラ(Phialophora tetraspora)、フィラコラポミゲナ(Phyllachora pomigena)、フィマトトリクムオムニボラ(Phymatotrichum omnivora)、フィサロスポラアブディタ(Physalospora abdita)、プレクトスポリウムタバシヌム(Plectosporium tabacinum)、ポリシタルムプスツランス(Polyscytalum pustulans)、シュードペジザメディカギニス(Pseudopeziza medicaginis)、ピレノペジザブラッシカエ(Pyrenopeziza brassicae)、ラムリスポラソルギ(Ramulispora sorghi)、ラブドクリンシュードツガエ(Rhabdocline pseudotsugae)、リンコスポリウムセカリス(Rhynchosporium secalis)、イネ葉しょう腐敗病菌(Sacrocladium oryzae)、スケドスポリウム属の種(Scedosporium spp.)、スキゾチリウムポミ(Schizothyrium pomi)、スクレロチニアスクレロティオルム(Sclerotinia sclerotiorum)、スクレロチニアミノル(Sclerotinia minor)、スクレロチウム属の種(Sclerotium spp)、チフライシカリエンシス(Typhula ishikariensis)、セイマトスポリウムマリエ(Seimatosporium mariae)、レプテウチパクプレッシ(Lepteutypa cupressi)、セプトシタルボルム(Septocyta ruborum)、スファセロマペルセー(Sphaceloma perseae)、スポロネ
マファシディオイデス(Sporonema phacidioides)、スティグミナパルミボラ(Stigmina palmivora)、タペシアヤルンデ(Tapesia yallundae)、タフリナブラタ(Taphrina bullata)、チエビオプシスバシコラ(Thielviopsis basicola)、トリコセプトリアグルクチゲナ(Trichoseptoria fructigena)、ジゴフィアラジャミセンシス(Zygophiala jamaicensis);例えばブルメリアグラミニス(Blumeria graminis)、エリシフェポリゴニ(Erysiphe polygoni)、ウンシヌラネカトル(Uncinula necator)、スファエロテカフリゲナ(Sphaerotheca fuligena)、リンゴうどんこ病菌(Podosphaera leucotricha)、ポドスパエラマクラリス(Podospaera macularis)、ポドスパエラパンノサ(Podosphaera pannosa)、ゴロビノマイセスシコラセルム(Golovinomyces cichoracearum)、レベイルラタウリカ(Leveillula taurica)、ミクロスファエラディフッサ(Microsphaera diffusa)、オイディオプシスゴッシピイ(Oidiopsis gossypii)、フィラクチニアグッタタ(Phyllactinia guttata)及びオイジウムアラキディス(Oidium arachidis)などのウドンコカビ目(Erysiphales)によって引き起こされるものといったウドンコ病病害;例えばドチオレラアロマチカ(Dothiorella aromatica)、ジプロディアセリアタ(Diplodia seriata)、ガイグナルディアビドウェリイ(Guignardia bidwellii)、ボトリチス シネレア(Botrytis cinerea)、ボトリチストラケイフィラ(Botrytis tracheiphila)、ボトリオチニアアリイ(Botryotinia allii)、ボトリオチニアファビ(Botryotinia fabae)、フシコクムアミグダリ(Fusicoccum amygdali)、ラシオジプロディアテオブロマエ(Lasiodiplodia theobromae)、マクロフォーマテイコラ(Macrophoma theicola)、マクロフォミナファセオリナ(Macrophomina phaseolina)、フィロスティクタククルビタセアルム(Phyllosticta cucurbitacearum)などのボトリオスフェリア目(Botryosphaeriales)によって引き起こされるものといったかび類;例えばコレトトリカムグロエオスポリオイデス(Colletotrichum gloeosporioides)、コレトトリカムラゲナリウム(Colletotrichum lagenarium)、コレトトリカムゴッシピイ(Colletotrichum gossypii)、グロメレラシングラタ(Glomerella cingulata)及びコレトトリカムグラミニコラ(Colletotrichum graminicola)などのグロメレラレス属(Glommerelales)によって引き起こされるものといった炭疽病;並びに、例えばアクレモニウムストリクツム(Acremonium strictum)、クラビセプスプルプレア(Claviceps purpurea)、フザリウムクルモルム(Fusarium culmorum)、フザリウムグラミネアルム(Fusarium graminearum)、フザリウムブラシリエンセ(Fusarium brasiliense)、フザリウムツクマニエ(Fusarium tucumaniae)、フザリウムクネイロストルム(Fusarium cuneirostrum)、フザリウムビルグリホルメ(Fusarium virguliforme)、フザリウム オキシスポルム(Fusarium oxysporum)、フザリウムスブグルチナンス(Fusarium subglutinans)、フザリウム オキシスポルム(Fusarium oxysporum f.sp.cubense)、ゲルラキアニバレ(Gerlachia nivale)、ギベレラフジクロイ(Gibberella fujikuroi)、ギベレラゼアエ(Gibberella zeae)、グリオクラジウム属の種(Gliocladium spp.)、ミロテシウムベルカリア(Myrothecium verrucaria)、ネクトリアラムラライエ(Nectria ramulariae)、トリコデルマビリデ(Trichoderma viride)、トリコテシウムロセウム(Trichothecium roseum)及びベルチシリウムテオブロマエ(Verticillium theobromae)などの肉座菌目(Hypocreales)によって引き起こされるものといった萎凋病又は胴枯れ病;
例えばウスチラギノイデアビレンス(Ustilaginoidea virens)、ウスチラゴヌダ(Ustilago nuda)、ウスチラゴトリティシ(Ustilago tritici)、ウスチラゴゼアエ(Ustilago zeae)などのクロボキン目(Ustilaginales)によって引き起こされるものといった黒穂病菌を含む担子菌綱(Basidiomycete)、例えばセロテリウムフィチ(Cerotelium fici)、クリソミクサアルクトスタフィリ(Chrysomyxa arctostaphyli)、コレオスポリウムイポモエアエ(Coleosporium ipomoeae)、ヘミレイアバスタトリクス(Hemileia vastatrix)、プッシニアアラキディス(Puccinia arachidis)、プッシニアカカバタ(Puccinia cacabata)、プッシニアグラミニス(Puccinia graminis)、プッシニアレコンディタ(Puccinia recondita)、プッシニアソルギ(Puccinia sorghi)、プッシニアホルデイ(Puccinia hordei)、プッシニアストリイフォルミス(Puccinia striiformis f.sp.Hordei)、プッシニアストリイフォルミス(Puccinia striiformis f.sp.Secalis)、プッシニアストルムコリリ(Pucciniastrum coryli)などのサビキン目(Pucciniales)、又は、クロナルチウムリビコラ(Cronartium ribicola)、ジムノスポランギウムジュニペリ-ビジニアネ(Gymnosporangium juniperi-viginianae)、メランプソラメデュサエ(Melampsora medusae)、ファコプソラ パチリジ(Phakopsora pachyrhizi)、ファコプソラメイボミエ(Phakopsora meibomiae)、フラグミジウムムクロナツム(Phragmidium mucronatum)、フィソペラアンペロシディス(Physopella ampelosidis)、トランスケリアディスコロル(Tranzschelia discolor)及びウロマイセスビシエ-ファビエ(Uromyces viciae-fabae)などのサビキン目(Uredinales)によって引き起こされるものといったサビ病菌;並びに、クリプトコックス属の種(Cryptococcus spp.)、エクソバシジウムベクサンス(Exobasidium vexans)、マラスミエルスイノデルマ(Marasmiellus inoderma)、マイセナ属の種(Mycena spp.)、スファセロテカレイリアナ(Sphacelotheca reiliana)、チフライシカリエンシス(Typhula ishikariensis)、ウロシスチスアグロピリ(Urocystis agropyri)、イテルソニリアハペルプレキサンス(Itersonilia haperplexans)、クルチシウムインビスム(Corticium invisum)、ラエチサリアフシホルミス(Laetisaria fuciformis)、ワイテアシルシナタ(Waitea circinata)、イネ紋枯病菌(Rhizoctonia solani)、テンサイ根腐病菌(Thanetephorus cucurmeris)、エンチロマダリアエ(Entyloma dahliae)、エンチロメラミクロスポラ(Entylomella microspora)、ネオボシアモリニアエ(Neovossia moliniae)及びチレチアカリエス(Tilletia caries)によって引き起こされるものなどの他の腐敗病及び病害;
フィソデルママイディス(Physoderma maydis)などのコウマクノウキン目(Blastocladiomycetes);及び
コアネフォラククリビタルム(Choanephora cucurbitarum);ムコール属の種(Mucor spp.);リゾプスアルヒズス(Rhizopus arrhizus)、リゾプスオリザエ(Rhizopus oryzae)、リゾプスストロニフェラ(Rhizopus stolonifera)、リゾプスニグリカンス(Rhizopus nigricans)などのケカビ(Mucoromycetes)、並びに、上記に列挙されているものと近縁の他の種及び属によって引き起こされる病害。
【0097】
その殺菌活性に追加して、組成物はまた、エルウィニアアミロボラ(Erwinia amylovora)、エルウィニアカラトボラ(Erwinia caratovora)、キサントモナスカムペストリス(Xanthomonas campestris)、シュードモナスシリンガエ(Pseudomonas syringae)、ストレプトマイセススカビイス(Streptomyces scabies)などのバクテリア及び他の関連する種、並びに、一定の原生動物に対する活性を有し得る。
【0098】
本発明に係る組成物は、子嚢菌綱(Ascomycetes)(例えばベンチュリア(Venturia)、アルテルナリア(Alternaria)、ポドスファエラ(Podosphaera)、エリシフェ(Erysiphe)、マグナポルテ(Magnaporthe)、モニリニア(Monilinia)、ミコスファエレラ(Mycosphaerella)、ウンシヌラ(Uncinula));担子菌綱(Basidiomycetes)(例えばへミレイア(Hemileia)属、リゾクトニア(Rhizoctonia)、ファコプソラ(Phakopsora)、プッシニア(Puccinia)、ウスチラゴ(Ustilago)、チレチア(Tilletia));不完全菌類(Fungi imperfecti)(別名Deuteromycetes;例えばボトリチス(Botrytis)、コレトトリカム(Colletotrichum)、ヘルミントスポリウム(Helminthosporium)、リンコスポリウム(Rhynchosporium)、フザリウム(Fusarium)、セプトリア(Septoria)、セルコスポラ(Cercospora)、アルテルナリア(Alternaria)、ペニシリウム(Penicillium)、ピリキュラリア(Pyricularia)、及びシュードセルコスポレラ(Pseudocercosporella));卵菌綱(Oomycetes)(例えばフィトフトラ(Phytophthora)、ペロノスポラ(Peronospora)、シュードペロノスポラ(Pseudoperonospora)、アルブゴ(Albugo)、ブレミア(Bremia)、ピシウム(Pythium)、シュードスクレロスポラ(Pseudosclerospora)、プラスモパラ(Plasmopara))の分類に属する植物病原菌に対して特に効果的である。
【0099】
好ましくは、本発明に係る組成物は、アルテルナリア(Alternaria)、アスコキタ(Ascochyta)、ボトリチス(Botrytis)、セルコスポラ(Cercospora)、コクリオボルスサチブス(Cochliobolus sativus)、コレトトリカム(Colletotrichum)、コレトトリカムラゲナリウム(Colletotrichum lagenarium)、コリネスポラ(Corynespora)、エリシフェ(Erysiphe)、エリシフェシコラセルム(Erysiphe cichoracearum)、スファエロテカフリギネア(Sphaerotheca fuliginea)、フザリウム(Fusarium)、フザリウム オキシスポルム(Fusarium oxysporum)、ゲーウマノミセスグラミニス(Gaeumannomyces graminis)、ガイグナルディア(Guignardia)、ヘルミントスポリウム(Helminthosporium)、ヘミレイアバスタトリクス(Hemileia vastatrix)、マグナポルテ(Magnaporthe)、イネいもち病菌(Magnaporthe oryzae)、モニリニア(Monilinia)、マイコスファエレラ(Mycosphaerella)、マイコスファエレラアラキディス(Mycosphaerella arachidis)、ファコプソラ(Phakopsora)、フォーマ(Phoma)、ホモプシス(Phomopsis)、プッシニア(Puccinia)、シュードセルコスポレラ(Pseudocercosporella)、シュードペジクラ(Pseudopezicula)、フラグミジウムムクロナツム(Phragmidium mucronatum)、ポドスファエラ(Podosphaera)、ピレノフォラ(Pyrenophora)、ピレノホラテレス(Pyrenophora teres)、ピリキュラリア(Pyricularia)、イネいもち病菌(Pyricularia oryzae)、ラムラリア(Ramularia)、ラムラリアコロシグニ(Ramularia collo-cygni)、リゾクトニア(Rhizoctonia)、イネ紋枯病菌(Rhizoctonia solani)、リンコスポリウムセカリス(Rhynchosporium secalis)、スクレロチニア(Sclerotinia)、セプトリア(Septoria)、セプトリア トリティシ(Septoria tritici)、スファセロテカレイリアナ(Sphacelotheca reilliana)、ティレチア(Tilletia)、ウロシスティスオクルタ(Urocystis occulta)、ウンシヌラ(Uncinula)、ウスチラゴ(Ustilago)、ベンチュリア(Venturia)、モニリア(Monilia)及びペニシリウム(Penicillium)からなる群から選択される植物病原性真菌に対して効果的であり得る。
【0100】
本発明の組成物は、アルテルナリア(Alternaria)、ボトリチス(Botrytis)、セルコスポラ(Cercospora)、コレトトリカム(Colletotrichum)、コリネスポラ(Corynespora)、ガイグナルディア(Guignardia)、マイコスファエレラ(Mycosphaerella)、モニリニア(Monilinia)、ペニシリウム(Penicillium)、ファコプソラ(Phakopsora)、ホモプシス(Phomopsis)、ポドスファエラ(Podosphaera)、シュードペジクラ(Pseudopezicula)、セプトリア(Septoria)、ウンシヌラ(Uncinula)及びベンチュリア(Venturia)からなる群から選択される植物病原性真菌に対して特に効果的であり得る。
【0101】
本発明の組成物は、アルテルナリア ソラニ(Alternaria solani)、アルテルナリアアルテナタ(Alternaria alternata)、アルテルナリアポリ(Alternaria porri)、ボトリチス シネレア(Botrytis cinerea)、ボトリチスアリイ(Botrytis allii)、ボトリチススクアモサ(Botrytis squamosa)、セルコスポラカプシシ(Cercospora capsici)、コレトトリカムラゲナリウム(Colletotrichum lagenarium)、コリネスポラカッシイコラ(Corynespora cassiicola)、ガイグナルディアビドウェリイ(Guignardia bidwellii)、モニリニアフルクティコーラ(Monilinia fructicola)、モニリニアフルクティゲナ(Monilinia fructigena)、モニリニアラクサ(Monilinia laxa)、ミドリカビ病菌(Penicillium digitatum)、ペニシリウムイタリクム(Penicillium italicum)、ペニシリウムエクスパンスム(Penicillium expansum)、ホモプシスビティコーラ(Phomopsis viticola)、リンゴうどんこ病菌(Podosphaera leucotricha)、ポドスファエラザンチイ(Podosphaera xanthii)、シュードペジクラトラケイフィラ(Pseudopezicula tracheiphila)、セプトリア トリティシ(Septoria tritici)、ウンシヌラネカトル(Uncinula necator)及びリンゴ黒星病菌(Venturia inaequalis)からなる群から選択される植物病原性真菌に対して特に効果的であり得る。
【0102】
本発明によれば、「有用な植物」は、典型的には、以下の多年生又は一年生植物を含む:
穀類、例えばオオムギ、トウモロコシ(コーン)、キビ、カラスムギ、イネ、ライ麦、モロコシ属(sorghum)、ライコムギ、トリトルデュラム(tritordeum)及びコムギ、アマランス、ソバ、チア、キヌア及びカニューアなどの穀実;
ブドウ(テーブルグレープ及びワイン用ブドウ)、アーモンド、リンゴ、アンズ、アボカド、バナナ、セイヨウヤブイチゴ、ブルーベリー、パンノキ、カカオ、カシュー、チェリモヤ、サクラ、クリ(堅果)、ザイフリボク、柑橘類(グレープフルーツ、ライム、レモン、オレンジ、カラマンシーを含む)、ココナツ、コーヒー、クランベリー、スグリ、ナツメヤシ、フェイジョア果実、イチジク、ハシバミ(ヘーゼルナッツ)、グズベリー、グアバ、キウイ、ライチー、マカダミア、マンゴー、ネクタリン、オリーブ、パパイヤ、パッションフルーツ、モモ、セイヨウナシ、ペカン、カキ、パイナップル、ピスタチオ、セイヨウスモモ(プルーンを含む)、ザクロ、マルメロ、ラズベリー、イチゴ、スリナムチェリー、及びクルミなどの果実及び高木堅果;
チョウセンアザミ、アスパラガス、インゲン(スナップビーン、サヤインゲン、ドライビーン、食用インゲン)、ビート(表)、ブロッコリ/イタリナカブラ、メキャベツ、キャベツ(ハクサイを含む)、ニンジン、カリフラワー、セルリアック、セロリ、ヒヨコマメ、チャイブ、チリメンキャベツ(ケールを含む)、キュウリ、エダマメ、ナス、エンダイブ、エンドウマメ(エンドウ(garden pea)、乾燥エンドウ、食用エンドウ)、ニンニク、セイヨウワサビ、カブキャベツ、リーキ、レンズマメ、レタス、メロン、キノコ(栽培種)、マスタード及び他の葉物、オクラ、タマネギ、パセリ、アメリカボウフウ、コショウ、ジャガイモ、ウチワサボテンの実、カボチャ(pumpkin)、ダイコン、ダイオウ、ルタバガ、セイヨウゴボウ、ホウレンソウ、カボチャ(squash)(夏カボチャ及び冬カボチャ)、スイートコーン、サツマイモ、フダンソウ、タロイモ、トマト/オオブドウホオズキ、カブラ及びスイカなどの野菜;
サトウダイコン、サトウキビ、タバコ、ピーナッツ、ダイズなどの農作物;
アブラナ(カノーラ)、マスタード、カメリナ、ハマナ、ヒマワリ、ケシ、ゴマ及びベニバナなどの油種子作物;
例えばアルファルファ、クローバ、ササゲ、カラスノエンドウ、イガマメ、ルピナス、飼料ビート、ドクムギ、ケンタッキーブルーグラス、ウシノケグサ、オーチャードグラスといった飼料作物;
綿、亜麻、アサ、ジュート及びサイザルなどの繊維作物;
例えばカラマツ、モミ又はマツ、温帯性及び熱帯性硬材(例えばオーク、カバノキ、ブナ、チーク又はマホガニー)といった針葉樹種、並びに、例えばユーカリノキといった乾燥地帯における樹種を含む森林植物;
ホップ、カエデ(メープルシロップ)、茶、天然ゴム植物及び芝草(例えばベントグラス、ケンタッキーブルーグラス、ドクムギ、ウシノケグサ、ギョウギシバ、センチピードグラス、クレステッドヘアグラス(crested hairgrass)、チカラシバ、セントオーガスチングラス、ノシバ、アオイゴケ、オオアワガエリ、ヒロハノコメススキなどの園芸作物;
例として、ベゴニア、ダリア、ゼラニウム、ホウセンカ、ペチュニア、コリウス、マリーゴールド、パンジー、キンギョソウ、セントポーリア、アザレア、キク、花の球根、アジサイ、ユリ、ラン、ポインセチア、バラ、アスチルベ、キンケイギク、ヒエンソウ、ナデシコ、ヒューケラ、ギボウシ、フロックス、ルドベキア、サルビア、ビンカ、オダマキ、オオバギボウシ、キク(garden chrysanthemum)、ツタ、装飾用の芝、シャクヤク、ヒエンソウ属(delphinium)、グラジオラス、アヤメ、キンギョソウ、チューリップ、ユーカリ、トベラ属、シダ、アンスリウム、ディーフェンバキア、ドラセナ、イチジク属、フィロデンドロン属、スパティフィラム、アナナス、サボテン、ヤシ、バルサムモミ、ブンゲントウヒ、米マツ、フレーザーモミ、ノーブルファー、ヨーロッパアカマツ、シロマツ、ホオノキ、トネリコ、ニレ、観賞用のサクラ、観賞用のセイヨウスモモ、サンザシ、アメリカハナズオウ及びナナカマドの実といった花、闊葉樹又は常緑樹を含む花卉園芸、温室及び苗床植物;
裸苗、切穂、ライナー、セル成型苗、種子、組織培養小植物及びプレフィニッシュドプランツ(prefinished plants)などの繁殖材料;
例えばオールスパイス、アンジェリカ属の種(Angelica spp.)、アニス、ベニノキ、キバナスズシロ、アギ、バジル(全種)、ゲッケイジュ(栽培種)、ブラダーラック(海藻)、ボリビアンコリアンダー、ルリジサ、キンセンカ(ハーブとしての用途)、キャンドルナッツ、ケーパー、キャラウェー、カルダモン、カシアスパイス、シナモン、クラリセージ、チョウジ、イヌハッカ、カミツレ、チャービル、チコリー、シセリー、シラントロ、コンフリー、コリアンダー、カラシナ、クミン、カレー、ディル、ウイキョウ、コロハ、フィレ(栽培種)、フィンガールート、ガランガル、ショウガ、ホップ、ニガハッカ、ヒソップ、ラベンダー、レモン香油、レモンタイム、ラベージ、メース、マハレブ、マラバトルム、マジョラム、ミント(全種)、ヨモギ、ニクズク、オレガノ、オリス根、パプリカ、パセリ、コショウ、ローズマリー、ルー、サフラン、セージ(全種)、セイボリー(全種)、カタバミ、タラゴン、タイム、ウコン、バニラ、ワサビ及びオランダガラシといった料理用ハーブ及びスパイス;並びに
例えばアルム、ヨモギ属の種(Artemisia spp.)、アストラガルス、ボルドー、コンフリー、コーンフラワー(coneflower)、コロハ、ナツシロギク、キツネノテブクロ、イチョウ、朝鮮人参、ゴーツルー、ヒドラスチス、ジプシーワート、ニガハッカ、ツクシ、ラベンダー、カンゾウ、ウスベニタチアオイ、ビロードモウズイカ、イラクサ、トケイソウ、パチョリ、ボレイハッカ、ヨウシュヤマゴボウ、タツナミソウ、カタバミ、セイヨウオトギリソウ、センナ、ノゲシ、ステビア、ヨモギギク、マンサク、カッコウチョロギ、ニガヨモギ、ノコギリソウ、イエルバブエナ及びイランイランノキといった薬草。
【0103】
このリストは如何なる限定をも表すものではないが、しかしながら、好ましくは、有用な植物は、コムギ、オオムギ、イネ、ダイズ、リンゴ、アーモンド、サクラ、ラズベリー、ブドウ、キュウリ、ピーナッツ、トマト、イチゴ、柑橘類及びバナナからなる群から選択され得る。
【0104】
「有用な植物」という用語は、従来の交配又は遺伝子操作方法によって、ブロモキシニルのような除草剤、又は、ある分類の除草剤(例えば、HPPD阻害剤、ALS阻害剤、例えばプリミスルフロン、プロスルフロン及びトリフロキシスルフロン、EPSPS(5-エノール-ピロビル-シキメート-3-リン酸塩-シンターゼ)阻害剤、GS(グルタミンシンテターゼ)阻害剤など)に対する耐性がもたらされた有用な植物をも含むと理解されるべきである。従来の交配方法(突然変異誘発)によって、例えばイマザモックスといったイミダゾリノンに対する耐性がもたらされた作物の一例は、Clearfield(登録商標)夏ナタネ(カノーラ)である。遺伝子操作方法によって除草剤又はあるクラスの除草剤に対する耐性がもたらされた作物の例としては、商品名RoundupReady(登録商標)、Herculex I(登録商標)及びLibertyLink(登録商標)で市販されているグリホサート-及びグルホシネート-耐性トウモロコシ品種が挙げられる。
【0105】
「有用な植物」という用語は、例えばトキシン-産生バクテリア由来の公知のものなどの1種以上の選択的に作用するトキシンを合成可能であるよう、組み換えDNA技術を用いて形質転換された有用な植物をも含むと共に、理解されるべきである。発現される可能性があるトキシンの例としては、δ-エンドトキシン、栄養型殺虫性タンパク質(Vip)、線虫共生バクテリアの殺虫性タンパク質、並びに、サソリ、蛛形類、大型のハチ(wasp)及び真菌によって産生されるトキシンが挙げられる。
【0106】
バチルスチューリンゲンシス(Bacillus thuringiensis)トキシンを発現するよう変性された作物の一例は、BtトウモロコシKnockOut(登録商標)(Syngenta Seeds)である。殺虫性耐性をコードする2種以上の遺伝子を含み、それ故、2種以上のトキシンを発現する作物の一例は、VipCot(登録商標)(Syngenta Seeds)である。作物又はその種子材料もまた、複数種の有害生物に対して耐性であることが可能である(いわゆる、遺伝子修飾により形成される場合の重畳的なトランスジェニックイベント)。例えば、植物は、例えばHerculex I(登録商標)(Dow AgroSciences,Pioneer Hi-Bred International)のように除草剤耐性であると同時に、殺虫性タンパク質の発現能を有していることが可能である。
【0107】
このような遺伝子組み換え植物によって発現されることが可能であるトキシンとしては、例えば殺虫性タンパク質であって、例えばバチルスセレウス(Bacillus cereus)又はバチルスポプリエ(Bacillus popliae)由来の殺虫性タンパク質;又は、例えばCryIA(b)、CryIA(c)、CryIF、CryIF(a2)、CryIIA(b)、CryIIIA、CryIIIB(b1)若しくはCry9cといったδ-エンドトキシンなどのバチルスチューリンゲンシス(Bacillus thuringiensis)由来の殺虫性タンパク質、又は、例えばVIP1、VIP2、VIP3又はVIP3Aといった栄養型殺虫性タンパク質(VIP);又は、フォトラブダスルミネッセンス(Photorhabdus luminescens)、ゼノラブダスネマトフィルス(Xenorhabdus nematophilus)などの、例えばフォトラブダス属の種(Photorhabdus spp.)若しくはゼノラブダス属の種(Xenorhabdus spp.)といった線虫共生バクテリアの殺虫性タンパク質;サソリトキシン、クモトキシン、大型のハチ(wasp)トキシン及び他の昆虫特異的神経トキシンなどの動物によって生成されるトキシン;ストレプトミセス(Streptomycete)トキシンなどの真菌によって生成されるトキシン、エンドウマメレクチン、オオムギレクチン又はマツユキソウレクチンなどの植物レクチン;アグルチニン;トリプシン阻害剤、セリンタンパク分解酵素阻害剤、パタチン、シスタチン、パパイン阻害剤などのプロテイナーゼ阻害剤;リシン、トウモロコシ-RIP、アブリン、ルフィン、サポリン又はブリオジンなどのリボソーム-不活性化タンパク質(RIP);3-ヒドロキシステロイドキシダーゼ、エクジステロイド-UDP-グリコシル-トランスフェラーゼ、コレステロールオキシダーゼ、エクジソン阻害剤、HMG-COA-レダクターゼなどのステロイド代謝酵素、ナトリウム又はカルシウム遮断剤などのイオンチャネル遮断剤、幼虫ホルモンエステラーゼ、利尿ホルモン受容体、スチルベンシンターゼ、ビベンジルシンターゼ、キチナーゼ及びグルカナーゼが挙げられる。
【0108】
本発明に関連して、例えばCryIA(b)、CryIA(c)、CryIF、CryIF(a2)、CryIIA(b)、CryIIIA、CryIIIB(b1)若しくはCry9cといったδ-エンドトキシン、又は、例えばVIP1、VIP2、VIP3若しくはVIP3Aといった栄養型殺虫性タンパク質(VIP)とは、特にハイブリッドトキシン、切断型トキシン及び修飾トキシンでもあることが理解されるべきである。ハイブリッドトキシンは、これらのタンパク質の異なるドメインの新たな組み合わせによって組み換えで生成される(例えば、国際公開第02/15701号を参照のこと)。切断型トキシンに係る一例は、以下に記載のとおり、Syngenta Seed SAS製のBt11トウモロコシにおいて発現される切断型CryIA(b)である。修飾トキシンの場合、天然トキシンの1種以上のアミノ酸が置換される。このようなアミノ酸置換において、好ましくは自然に存在しないタンパク分解酵素認識配列がトキシンに挿入され、例えば、CryIIIA055の場合には、カテプシンD-認識配列がCryIIIAトキシンに挿入される(国際公開第03/018810号を参照のこと)。
【0109】
このようなトキシン、又は、このようなトキシンを合成可能な遺伝子組み換え植物の例が、例えば、欧州特許出願公開第A-0 374 753号明細書、国際公開第93/07278号、国際公開第95/34656号、欧州特許出願公開第A-0 427 529号明細書、欧州特許出願公開第A-451 878号明細書及び国際公開第03/052073号に開示されている。
【0110】
このような遺伝子組み換え植物の調製プロセスは一般に当業者に公知であり、例えば、上記の刊行物において記載されている。CryI-タイプデオキシリボ核酸及びその調製は、例えば、国際公開第95/34656号、欧州特許出願公開第A-0 367 474号明細書、欧州特許出願公開第A-0 401 979号明細書及び国際公開第90/13651号から公知である。
【0111】
遺伝子組み換え植物に含有されるトキシンは、有害な昆虫に対する耐性を植物に付与する。このような昆虫は昆虫の分類群のいずれかのものであることが可能であるが、特に、甲虫(鞘翅目)、双翅昆虫(双翅目)及び蝶(鱗翅目)に通例見出される。
【0112】
殺虫耐性をコードし、1種以上のトキシンを発現する1種以上の遺伝子を含有する遺伝子組み換え植物は公知であり、そのいくつかは市販されている。このような植物の例は以下のとおりである:YieldGard(登録商標)(CryIA(b)トキシンを発現するトウモロコシ品種);YieldGard Rootworm(登録商標)(CryIIIB(b1)トキシンを発現するトウモロコシ品種);YieldGard Plus(登録商標)(CryIA(b)及びCryIIIB(b1)トキシンを発現するトウモロコシ品種);Starlink(登録商標)(Cry9(c)トキシンを発現するトウモロコシ品種);Herculex I(登録商標)(CryIF(a2)トキシン及び酵素ホスフィノトリシンN-アセチルトランスフェラーゼ(PAT)を発現して除草剤グルホシネートアンモニウムに対する耐性を達成しているトウモロコシ品種);NuCOTN 33B(登録商標)(CryIA(c)トキシンを発現する綿品種);Bollgard I(登録商標)(CryIA(c)トキシンを発現する綿品種);Bollgard II(登録商標)(CryIA(c)及びCryIIA(b)トキシンを発現する綿品種);VIPCOT(登録商標)(VIPトキシンを発現する綿品種);NewLeaf(登録商標)(CryIIIAトキシンを発現するジャガイモ品種);NatureGard(登録商標)及びProtecta(登録商標)。
【0113】
このような遺伝子組み換え作物のさらなる例は以下のとおりである。
1.Syngenta Seed SAS,Chemin de l’Hobit 27,F-31 790 St.Sauveur,France製Bt11トウモロコシ、登録番号C/FR/96/05/10。切断型CryIA(b)トキシンのトランスジェニック発現により、アワノメイガ(ヨーロッパアワノメイガ(Ostrinia nubilalis)及びセサミアノナグリオイデス(Sesamia nonagrioides))に対する耐性が付与された遺伝子操作されたトウモロコシ(Zea mays)。Bt11トウモロコシはまた、酵素PATをトランスジェニック発現して除草剤グルホシネートアンモニウムに対する耐性を達成している。
【0114】
2.Syngenta Seed SAS,Chemin de l’Hobit 27,F-31 790 St.Sauveur,France製Bt176トウモロコシ、登録番号C/FR/96/05/10。CryIA(b)トキシンのトランスジェニック発現によって、アワノメイガ(ヨーロッパアワノメイガ(Ostrinia nubilalis)及びセサミアノナグリオイデス(Sesamia nonagrioides))に対する耐性が付与された遺伝子操作されたトウモロコシ(Zea mays)。Bt176トウモロコシはまた、酵素PATをトランスジェニック発現して除草剤グルホシネートアンモニウムに対する耐性を達成している。
【0115】
3.Syngenta Seed SAS,Chemin de l’Hobit 27,F-31 790 St.Sauveur,France製MIR604トウモロコシ、登録番号C/FR/96/05/10。修飾CryIIIAトキシンのトランスジェニック発現により昆虫耐性が付与されたトウモロコシ。このトキシンは、カテプシン-D-タンパク分解酵素認識配列の挿入により修飾されたCry3A055である。このような遺伝子組み換えトウモロコシ植物の調製は、国際公開第03/018810号に記載されている。
【0116】
4.Monsanto Europe S.A.270-272 Avenue de Tervuren,B-1150 Brussels,Belgium製MON863トウモロコシ、登録番号C/DE/02/9。MON863は、CryIIIB(b1)トキシンを発現し、一定の鞘翅目昆虫に対する耐性を有する。
【0117】
5.Monsanto Europe S.A.270-272 Avenue de Tervuren,B-1150 Brussels,Belgium製IPC531綿、登録番号C/ES/96/02。
【0118】
6.Pioneer Overseas Corporation,Avenue Tedesco,7 B-1160 Brussels,Belgium製1507トウモロコシ、登録番号C/NL/00/10。一定の鱗翅目昆虫に対する耐性を達成するタンパク質Cry1Fの発現、及び、除草剤グルホシネートアンモニウムに対する耐性を達成するためのPATタンパク質の発現のために遺伝子操作されたトウモロコシ。
【0119】
7.Monsanto Europe S.A.270-272 Avenue de Tervuren,B-1150 Brussels,Belgium製NK603×MON810トウモロコシ、登録番号C/GB/02/M3/03。遺伝子操作品種NK603及びMON810を交配させることによる従来交配型ハイブリッドトウモロコシ品種からなる。NK603×MON810トウモロコシは、アグロバクテリウム属の一種(Agrobacterium sp.)の菌株CP4から得られるタンパク質CP4 EPSPSをトランスジェニック発現し、これにより、除草剤Roundup(登録商標)(グリホサートを含有)に対する耐性が付与され、また、バチルスチューリンゲンシス(Bacillus thuringiensis subsp.kurstaki)から得られるCryIA(b)トキシンをトランスジェニック発現し、これにより、アワノメイガを含む一定の鱗翅目に対する耐性がもたらされる。
【0120】
「有用な植物」という用語は、例えば、いわゆる「感染特異的タンパク質」(PRP、例えば欧州特許出願公開第A-0 392 225号明細書を参照のこと)などの選択的な作用を有する抗病原性物質を合成することが可能であるよう、DNA組み換え技術を用いて遺伝子組み換えされた有用な植物をも含むと理解されるべきである。このような抗病原性物質を合成することが可能であるこのような抗病原性物質及び遺伝子組み換え植物の例は、例えば、欧州特許出願公開第A-0 392 225号明細書、国際公開第95/33818号及び欧州特許出願公開第A-0 353 191号明細書から公知である。このような遺伝子組み換え植物を生成する方法は、一般的に当業者に公知であると共に、例えば上記の刊行物に記載されている。
【0121】
このような遺伝子組み換え植物によって発現されることが可能である抗病原性物質としては、例えば、例えばウイルス性KP1、KP4又はKP6トキシンといったナトリウム及びカルシウムチャネル遮断剤などのイオンチャネル遮断剤;スチルベンシンターゼ;ビベンジルシンターゼ;キチナーゼ;グルカナーゼ;いわゆる「感染特異的タンパク質」(PRP;例えば、欧州特許出願公開第A-0 392 225号明細書を参照のこと);例えばペプチド抗生物質又は複素環式抗生物質(例えば国際公開第95/33818号を参照のこと)、又は、植物病原体防衛に関与するタンパク質若しくはポリペプチド因子(いわゆる、国際公開第03/000906号に記載されている「耐植物病害遺伝子」)といった微生物により産生される抗病原性物質が挙げられる。
【0122】
本発明に係る組成物は、以下のとおり、穀実、果実及び高木堅果、野菜、農作物、油種子作物、飼料作物、森林植物、園芸作物、花卉園芸、温室及び苗床植物、繁殖材料、料理用ハーブ及びスパイス、並びに、薬草において、一定の植物病原性真菌により引き起こされる、特にウドンコ病、サビ病、葉斑病、夏疫病又はカビといった植物病原性病害の防除又は予防に特に効果的である。
好ましくはトマトにおける、アルテルナリア ソラニ(Alternaria solani)。
【0123】
好ましくはナスにおける、アルテルナリアアルテナタ(Alternaria alternata)。
【0124】
好ましくはタマネギにおける、アルテルナリアポリ(Alternaria porri)。
【0125】
好ましくはトマト、トウガラシ、タマネギ、仁果、石果、キウイ、ブルーベリー、サトウダイコン又はブドウにおける、ボトリチス シネレア(Botrytis cinerea)。
【0126】
好ましくはタマネギにおける、ボトリチスアリイ(Botrytis allii)。
【0127】
好ましくはタマネギにおける、ボトリチススクアモサ(Botrytis squamosa)。
【0128】
好ましくはトウガラシにおける、セルコスポラカプシシ(Cercospora capsici)。
【0129】
好ましくはトマトにおける、コリネスポラカッシイコラ(Corynespora cassiicola)。
【0130】
好ましくはブドウにおける、ガイグナルディアビドウェリイ(Guignardia bidwellii)。
【0131】
好ましくはサクラ、モモ、セイヨウスモモ、プルーン、ネクタリン又はアーモンドにおける、モニリニアフルクティコーラ(Monilinia fructicola)。
【0132】
好ましくはサクラ、モモ、セイヨウスモモ、プルーン、ネクタリン又はアーモンドにおける、モニリニアフルクティゲナ(Monilinia fructigena)。
【0133】
好ましくはサクラ、モモ、セイヨウスモモ、プルーン、ネクタリン又はアーモンドにおける、モニリニアラクサ(Monilinia laxa)。
【0134】
好ましくはブドウにおける、ホモプシスビティコーラ(Phomopsis viticola)。
【0135】
好ましくはリンゴにおける、リンゴうどんこ病菌(Podosphaera leucotricha)。
【0136】
好ましくはウリ科植物における、ポドスファエラザンチイ(Podosphaera xanthii)。
【0137】
好ましくはブドウにおける、シュードペジクラトラケイフィラ(Pseudopezicula tracheiphila)。
【0138】
好ましくはブドウにおける、ウンシヌラネカトル(Uncinula necator)。
【0139】
好ましくはリンゴにおける、リンゴ黒星病菌(Venturia inaequalis)。
【0140】
さらに、本発明に係る組成物は、アルテルナリア属の種(Alternaria spp.)、アスコキタ属の種(Ascochyta spp.)、ボトリチス シネレア(Botrytis cinerea)、セルコスポラ属の種(Cercospora spp.)、麦角菌(Claviceps purpurea)、イネ科斑点病菌、コレトトリカム属の種(Colletotrichum spp.)、エピコックム属の種(Epicoccum spp.)、フザリウム グラミネアルム(Fusarium graminearum)、イネ馬鹿苗病菌(Fusarium moniliforme)、フザリウム オキシスポルム(Fusarium oxysporum)、フザリウムプロリフェラツム(Fusarium proliferatum)、フザリウムソラニ(Fusarium solani)、フザリウムスブグルチナンス(Fusarium subglutinans)、立枯病菌(Gaeumannomyces graminis)、ヘルミントスポリウム属の種(Helminthosporium spp.)、マイクロドキウムニバル(Microdochium nivale)、フォーマ属の種(Phoma spp.)、オオムギ斑葉病菌(Pyrenophora graminea)、イモチ病菌(Pyricularia oryzae)、リゾクトニア ソラニ(Rhizoctonia solani)、リゾクトニアセレアリス(Rhizoctonia cerealis)、キツネノワンタケ属の種(Sclerotinia spp.)、セプトリア属の種(Septoria spp.)、スファセロテカレイリアナ(Sphacelotheca reilliana)、ティレチア属の種(Tilletia spp.)、チフラインカルナタ(Typhula incarnata)、ウロシスティスオクルタ(Urocystis occulta)、ウスチラゴ属の種(Ustilago spp.)又はベルティシリウム属の種(Verticillium spp.)などの種子伝染病及び土壌伝染病に対して;特にコムギ、オオムギ、ライ麦又はカラスムギなどの穀類の病原体;トウモロコシ;イネ;綿;ダイズ;芝生;サトウダイコン;油種子セイヨウアブラナ;ジャガイモ;エンドウマメ、レンズマメ又はヒヨコマメなどのしゅく穀作物;並びに、ヒマワリに対して特に有効である。
【0141】
さらに、本発明に係る組成物は、ボトリチス シネレア(Botrytis cinerea)、コレトトリカムムサエ(Colletotrichum musae)、クルブラリアルナタ(Curvularia lunata)、フザリウムセミテクム(Fusarium semitecum)、ゲオトリクムカンジズム(Geotrichum candidum)、モニリニアフルクティコーラ(Monilinia fructicola)、リンゴ灰星病菌(Monilinia fructigena)、果樹灰星病菌(Monilinia laxa)、ムコルピリホルミス(Mucor piriformis)、アオカビ病菌(Penicilium italicum)、ペニシリウムソリツム(Penicilium solitum)、ミドリカビ病菌(Penicillium digitatum)又はペニシリウムエクスパンスム(Penicillium expansum)などの、特に、例えばリンゴ及びセイヨウナシなどの仁果、例えばモモ及びセイヨウスモモなどの石果、柑橘類、メロン、パパイヤ、キウイ、マンゴー、例えばイチゴといった液果類、アボカド、ザクロ及びバナナ、並びに、堅果などの果実の病原体に対する収穫後の病害に対して特に有効である。
【0142】
本発明の組成物は、作物の強化においても使用することができる。本発明において、「作物の強化」とは、植物の活力の改善、植物の品質の改善、ストレス因子に対する改善された耐性、及び/又は改善されたインプット使用効率を意味する。
【0143】
本発明において、「植物の活力の改善」とは、本発明の方法が存在しない同じ条件下で成長させた対照の植物中の同じ形質と比較した場合に特定の形質が定性的に又は定量的に改善されることを意味する。
【0144】
本発明において、「植物の品質の改善」とは、本発明の方法が存在しない同じ条件下で成長させた対照の植物中の同じ形質と比較した場合に特定の形質が定性的に又は定量的に改善されることを意味する。本発明において、「ストレス因子に対する改善された耐性」とは、本発明の方法が存在しない同じ条件下で成長させた対照の植物中の同じ形質と比較した場合に特定の形質が定性的に又は定量的に改善されることを意味する。本発明において、「改善されたインプット使用効率」とは、本発明の方法が存在しない同じ条件下で成長させた対照の植物の成長と比較して所定のインプットレべルを使用してより効率的に植物が成長できることを意味する。
【0145】
本発明の他の作物の強化としては、より少ないバイオマス及びより少ない分けつを有することが望ましい作物又は条件における有益な特徴である、植物の丈の減少、又は分けつの減少が含まれる。
【0146】
本発明に係るいくつかの組成物は浸透移行作用を有すると共に、葉、土壌及び種子処理殺菌剤として使用可能である。
【0147】
本発明に係る組成物では、異なる有用な植物における植物又は植物の部分(果実、花、葉、茎、塊茎、根)において発生する植物病原性微生物を阻害又は駆除することが可能であるが、その上で、同時に、その後において成長する植物の部分もまた植物病原性微生物による攻撃から保護される。
【0148】
本発明に係る組成物は、植物病原性微生物、微生物による攻撃に脅かされている有用な植物、その生息地、その繁殖材料、保管用品又は技術的材料に適用が可能である。
【0149】
本発明に係る組成物は、微生物による有用な植物、その繁殖材料、保管用品又は技術的材料の感染の前又は後に適用され得る。
【0150】
成分(A)を成分(B)との組み合わせで含む組成物は、例えば、単一の「調合済み」形態で、単一の有効成分の個々の配合物から構成される「タンク混合物」などの複合型噴霧混合物で、及び、逐次的に、すなわち、数時間又は数日間などの適度に短時間のうちに次々と適用される場合には単一の有効成分を併用して適用され得る。成分(A)の化合物及び成分(B)の有効成分を適用する順番は、本発明の作用について重要ではない。
【0151】
本発明に係る組成物は、低施用量であっても、有害生物防除の分野において、予防的及び/又は治療的に役立つ有効成分である。
【0152】
有用な植物に適用される場合、成分(A)は、10g a.i./ha~500g a.i./haの成分(B)を伴って、25g a.i./ha~500g a.i./haの量で適用される。本発明の他の実施形態において、有用な植物に適用される場合、成分(A)は、25g a.i./ha~500g a.i./haの成分(B)を伴って、25g a.i./ha~500g a.i./haの量で適用される。本発明の他の実施形態において、有用な植物に適用される場合、成分(A)は、25g a.i./ha~250g a.i./haの成分(B)を伴って、25g a.i./ha~250g a.i./haの量で適用される。
【0153】
本発明の好ましい実施形態において、有用な植物又はその繁殖材料における特に植物病原性真菌による植物病原性病害を防除又は予防する方法は、有用な植物、その生息地又はその繁殖材料に、本発明に定義されている組成物を適用することを含み、ここで、成分(A)は、10g a.i./ha~500g a.i./haの成分(B)を伴って、25g a.i./ha~500g a.i./haの量で適用される。
【0154】
本発明の他の実施形態において、有用な植物又はその繁殖材料における植物病原性病害、特に植物病原性真菌を防除又は予防する方法は、有用な植物、その生息地又はその繁殖材料に、本発明に係る組成物を適用するステップを含み、ここで、成分(A)は、25g a.i./ha~500g a.i./haの成分(B)を伴って、25g a.i./ha~500g a.i./haの量で適用される。
【0155】
本発明の他の実施形態において、有用な植物又はその繁殖材料における特に植物病原性真菌による植物病原性病害を防除又は予防する方法は、有用な植物、その生息地又はその繁殖材料に本発明に定義されている組成物を適用することを含み、ここで、成分(A)は、25g a.i./ha~250g a.i./haの成分(B)を伴って、25g a.i./ha~250g a.i./haの量で適用される。
【0156】
本発明に係る植物病原性病害を防除又は予防する方法は、アルテルナリア(Alternaria)、ボトリチス(Botrytis)、セルコスポラ(Cercospora)、コレトトリカム(Colletotrichum)、コリネスポラ(Corynespora)、ガイグナルディア(Guignardia)、マイコスファエレラ(Mycosphaerella)、モニリニア(Monilinia)、ペニシリウム(Penicillium)、ファコプソラ(Phakopsora)、ホモプシス(Phomopsis)、ポドスファエラ(Podosphaera)、シュードペジクラ(Pseudopezicula)、セプトリア(Septoria)、ウンシヌラ(Uncinula)及びベンチュリア(Venturia)からなる群から選択される植物病原性真菌に対して特に効果的であり得る。
【0157】
本発明に係る植物病原性病害を防除又は予防する方法は、アルテルナリア ソラニ(Alternaria solani)、アルテルナリアアルテナタ(Alternaria alternata)、アルテルナリアポリ(Alternaria porri)、ボトリチス シネレア(Botrytis cinerea)、ボトリチスアリイ(Botrytis allii)、ボトリチススクアモサ(Botrytis squamosa)、セルコスポラカプシシ(Cercospora capsici)、コレトトリカムラゲナリウム(Colletotrichum lagenarium)、コリネスポラカッシイコラ(Corynespora cassiicola)、ガイグナルディアビドウェリイ(Guignardia bidwellii)、モニリニアフルクティコーラ(Monilinia fructicola)、モニリニアフルクティゲナ(Monilinia fructigena)、モニリニアラクサ(Monilinia laxa)、ミドリカビ病菌(Penicillium digitatum)、ペニシリウムイタリクム(Penicillium italicum)、ペニシリウムエクスパンスム(Penicillium expansum)、ホモプシスビティコーラ(Phomopsis viticola)、リンゴうどんこ病菌(Podosphaera leucotricha)、ポドスファエラザンチイ(Podosphaera xanthii)、シュードペジクラトラケイフィラ(Pseudopezicula tracheiphila)、セプトリア トリティシ(Septoria tritici)、ウンシヌラネカトル(Uncinula necator)及びリンゴ黒星病菌(Venturia inaequalis)からなる群から選択される植物病原性真菌に対して特に効果的であり得る。
【0158】
本発明に係る組成物を、穀実、果実及び高木堅果、野菜、農作物、油種子作物、飼料作物、森林植物、園芸作物、花卉園芸、温室及び苗床植物、繁殖材料、料理用ハーブ及びスパイス、並びに、薬草からなる群から選択される有用な植物に適用することを含む、特に植物病原性真菌による植物病原性病害を防除又は予防する方法が好ましい。
【0159】
本発明に係る組成物を、コムギ、オオムギ、イネ、ダイズ、リンゴ、アーモンド、サクラ、ラズベリー、ブドウ、キュウリ、ピーナッツ、トマト、イチゴ、柑橘類及びバナナからなる群から選択される有用な植物に適用することを含む、特に植物病原性真菌による植物病原性病害を防除又は予防する方法がさらに好ましい。
【0160】
本発明の実施形態において、本発明に係る植物病原性病害を防除又は予防する方法は、ダイズ植物において、アルテルナリア(Alternaria)、セルコスポラ(Cercospora)、コレトトリカム(Colletotrichum)、コリネスポラ(Corynespora)、マイコスファエレラ(Mycosphaerella)、ファコプソラ(Phakopsora)、ホモプシス(Phomopsis)及びセプトリア(Septoria)からなる群から選択される植物病原性真菌に対して特に効果的であり得る。
【0161】
本発明の実施形態において、本発明に係る植物病原性病害を防除又は予防する方法は、ダイズ植物において、アルテルナリア属の種(Alternaria spp.)、セルコスポラキクチイ(Cercospora kikuchii)、セルコスポラソジナ(Cercospora sojina)、ファコプソラ パチリジ(Phakopsora pachyrhizi)及びセプトリアグリシネス(Septoria glycines)からなる群から選択される植物病原性真菌に対して特に効果的であり得る。
【0162】
本発明はまた、上記の成分(A)及び(B)の組み合わせを相乗的に有効な量で、農学的に許容可能なキャリア、及び、任意に界面活性剤と共に含む殺菌性組成物を提供する。前記組成物において、(A)対(B)の質量比は、上記において本明細書に記載のとおり、好ましくは100:1~1:1000、好ましくは100:1~1:500、より好ましくは50:1~1:200、さらにより好ましくは50:1~1:20、さらにより好ましくは30:1~1:1、さらにより好ましくは10:1~3:1である。
【0163】
意外なことに、成分(A)対成分(B)の一定の質量比は、相乗的活性をもたらすことが可能であることが見出された。従って、本発明のさらなる態様は、成分(A)及び成分(B)が相乗的効果がもたらされる量で組成物中に存在する組成物である。この相乗的活性は、成分(A)及び成分(B)を含む組成物の殺菌活性が、成分(A)及び成分(B)の殺菌活性の和よりも大きいという事実から明らかである。この相乗的活性は、二通りに、成分(A)及び成分(B)の作用範囲を拡張する。第1に、作用が同等に良好なままに成分(A)及び成分(B)の施用量が低減され、これは、2種の個々の成分が完全に無効となるような低施用量範囲においても、有効成分混合物はなお、植物病原体の防除を高いレベルで達成することを意味する。第2に、防除可能となる植物病原体の範囲が実質的に拡大されることである。
【0164】
相乗的効果は、有効成分の組み合わせの作用が、個々の成分の作用の和よりも大きい場合に常に存在する。所定の有効成分の組み合わせについての見込まれる活性Eは、いわゆるCOLBYの式に従い、次のとおりに計算することができる(COLBY,S.R.”Calculating synergistic and antagonistic responses of herbicide combination”.Weeds,Vol.15,pages20-22;1967):
ppm=噴霧混合物1リットル当たりの有効成分(=a.i)のミリグラム
X=p ppmの有効成分を使用した有効成分(A)による作用%
Y=q ppmの有効成分を使用した有効成分(B)による作用%。
【0165】
COLBYによれば、p+q ppmの有効成分を使用した有効成分(A)+(B)の見込まれる(活性)作用は:
【数1】
である。
【0166】
実際に観察された作用(O)が見込まれる作用(E)よりも大きい場合に、組み合わせの作用は超相加的である、すなわち相乗効果が存在する。数学的な用語では、相乗作用は、(O-E)の差の正の値に対応する。活性の純粋な相補加算(見込まれる活性)の場合、前記差(O-E)はゼロである。前記差(O-E)の負の値は、見込まれる活性と比較して活性が失われることを示す。
【0167】
しかし、殺菌活性に関する実際の相乗作用とは別に、本発明の組成物は、さらに驚くべき有利な特性も有し得る。挙げることができるそのような有利な特性の例は:より有利な分解性;改善された毒性学的及び/又は生体毒性学的挙動;又は、有用な植物の改善された特性(発芽、作物収穫高、より発達した根系、分けつの増加、植物丈の増加、より大きな葉身、より少ない根出葉、より強力な分けつ、より緑の葉色、より少ない必要とされる肥料、より少ない必要とされる種子、より生産的な分けつ、より早い開花、早い穀実、より少ない植物の転倒(plant verse)(倒伏)、増加したシュートの成長、改善された植物の活力、及び早い発芽など)である。
【0168】
以下の実施例は、本発明を例示するためのものであり、本発明の限定を如何様にも意味するものではない。
【実施例】
【0169】
生物学的実施例
本発明に係る組成物を、成分(A)が、10g a.i./ha~500g a.i./haの成分(B)を伴って、25g a.i./ha~500g a.i./haの量で適用される施用量を用いて、その生物学的(殺菌)活性についてテストする。
【0170】
本発明に係る組成物を、以下の実施例に記載のプロトコルの1つ以上を用いて、ジメチルスルホキシド(DMSO)溶液としてのその生物学的(殺菌)活性をテストする。液体培養テストの標準的な説明が実施例1になされている。
【0171】
オーレオバシジンA及びその合成は、Takesako et al.,The Journal of Antibiotics,1991,44,919-924から公知である。オーレオバシジンAは、酢酸エチルによる抽出、これに続く、MeOH:H2O(80体積%)及びシクロヘキサン(20体積%)の混合物による酢酸エチル濃縮物の抽出、並びに、シリカゲルカラムクロマトグラフィ(シリカゲル、ヘキサン:酢酸エチルによる溶出)による精製、これに続く、逆相カラムクロマトグラフィ(RP18、アセトニトリル:H2Oによる溶出)により、発酵ブロスから分離される。既述のとおり、組成物の成分(B)は公知であり、市販されているか、及び/又は、技術分野において公知である手法及び/又は文献において報告されている手法を用いて調製可能である。
【0172】
実施例1:ウェルプレートにおける液体培地テスト
テスト対象である化合物をDMSO溶液(最大10mg/mL)として調製し、これらを吹付け直前に0.025% TWEEN 20(登録商標)界面活性剤で適切な濃度に希釈した。ダイズ葉片をマルチウェルプレート(24ウェル型)中の寒天上に置き、テスト溶液を噴霧した。24時間乾燥させた後、葉片に真菌の胞子懸濁液を接種した。化合物又は混合物に係る病害の重篤度を接種から12日後に評価し、未処理の確認用葉片を基準とした有効性割合として記載した。
【0173】
結果
上記に概説したテストの結果を下記の表1~8に示す。これらのデータは、オーレオバシジンAと、成分(B)の他の有効成分との組み合わせで、ダイズにおいてファコプソラ パチリジ(Phakopsora pachyrhizi)により引き起こされるダイズさび病に対して、一定の質量比で、相乗的殺菌活性が観察されることを示す。
【0174】
COLBYによれば、数学的においては、相乗作用因子(SF)はO/Eに相当する。実際の農業において、1.0超のSFは活性の純粋に補完的な加算(想定される活性)を超えた顕著な向上を示し、一方で、実際の適用ルーチンにおける0.9以下のSFは、想定される活性と比して活性の損失を示す。
【0175】
【0176】
【0177】
【0178】
【0179】
【0180】
【0181】
【0182】
【国際調査報告】