(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-10-31
(54)【発明の名称】音波信号を用いて路面の種類を推定して管理する装置およびその方法
(51)【国際特許分類】
G01W 1/00 20060101AFI20241024BHJP
G08G 1/00 20060101ALI20241024BHJP
【FI】
G01W1/00 J
G08G1/00 J
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2024529497
(86)(22)【出願日】2022-11-11
(85)【翻訳文提出日】2024-05-15
(86)【国際出願番号】 KR2022017680
(87)【国際公開番号】W WO2023090758
(87)【国際公開日】2023-05-25
(31)【優先権主張番号】10-2021-0158459
(32)【優先日】2021-11-17
(33)【優先権主張国・地域又は機関】KR
(31)【優先権主張番号】10-2021-0158464
(32)【優先日】2021-11-17
(33)【優先権主張国・地域又は機関】KR
(31)【優先権主張番号】10-2021-0158479
(32)【優先日】2021-11-17
(33)【優先権主張国・地域又は機関】KR
(31)【優先権主張番号】10-2022-0089328
(32)【優先日】2022-07-20
(33)【優先権主張国・地域又は機関】KR
(31)【優先権主張番号】10-2022-0089329
(32)【優先日】2022-07-20
(33)【優先権主張国・地域又は機関】KR
(31)【優先権主張番号】10-2022-0089330
(32)【優先日】2022-07-20
(33)【優先権主張国・地域又は機関】KR
(31)【優先権主張番号】10-2022-0089331
(32)【優先日】2022-07-20
(33)【優先権主張国・地域又は機関】KR
(31)【優先権主張番号】10-2022-0133387
(32)【優先日】2022-10-17
(33)【優先権主張国・地域又は機関】KR
(31)【優先権主張番号】10-2022-0133397
(32)【優先日】2022-10-17
(33)【優先権主張国・地域又は機関】KR
(31)【優先権主張番号】10-2022-0133405
(32)【優先日】2022-10-17
(33)【優先権主張国・地域又は機関】KR
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】524184600
【氏名又は名称】モバホイール インコーポレイテッド
【氏名又は名称原語表記】MOVEAWHEEL, INC.
【住所又は居所原語表記】203Ho, H-Sil, Shinhan Squarebridge Daejeon S2, 10 Daehak-ro 155beon-gil Yuseong-gu Daejeon 34138 Republic of Korea
(74)【代理人】
【識別番号】110002262
【氏名又は名称】TRY国際弁理士法人
(72)【発明者】
【氏名】キム ミンヒョン
【テーマコード(参考)】
5H181
【Fターム(参考)】
5H181AA01
5H181CC04
5H181CC11
5H181EE11
5H181EE13
5H181MA48
(57)【要約】
様々な実施形態によれば、音波信号を用いた路面を分類する電子装置およびそれを用いた路面分類方法が開示される。また、路面分類によって路面を管理する装置および方法が開示される。一方、路面分類方法を実現するためのインフラを道路上に設置するための方法が開示される。その他の様々な実施形態が可能である。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
音波信号を用いて路面を分類する電子装置であって、
音波信号を送受信するように構成された送受信機と、
大気センサと、
前記送受信機および前記大気センサと電気的に接続された少なくとも1つのプロセッサと、を含み、
前記少なくとも1つのプロセッサは、
前記送受信機を用いて、前記電子装置から第1距離だけ離間した対象路面に向かって音波信号を送信し、
前記送受信機を用いて、前記対象路面に対する前記音波信号の反射信号を受信し、
前記大気センサを用いて、前記音波信号に関連する大気情報を取得し、
前記受信した反射信号に対する第1データを取得し、
前記大気情報に基づいて前記第1データを補正することによって、第2データを生成し、
前記第2データに基づいて前記第2データの周波数ドメイン情報に関連する第3データを取得し、
前記第3データおよび路面分類人工ニューラルネットワークに基づいて前記対象路面の種類を判断するように構成され、
前記路面分類人工ニューラルネットワークは、前記第1距離とは異なる第2距離の路面で反射した音波信号に基づいて生成された周波数ドメインデータセットで学習されることを特徴とする電子装置。
【請求項2】
前記第2データは、前記大気情報および前記第1距離に基づいて前記第1データを補正することによって生成されることを特徴とする請求項1に記載の電子装置。
【請求項3】
前記第1距離は、前記音波信号の送信時点および前記反射信号の受信時点に基づいて推定されることを特徴とする請求項1に記載の電子装置。
【請求項4】
前記第3データは、前記第2データを短時間フーリエ変換して取得されることを特徴とする請求項1に記載の電子装置。
【請求項5】
前記少なくとも1つのプロセッサは、
前記判断された対象路面の種類に基づいて、前記対象路面に設けられた路面管理装置を制御する信号を生成するように構成され、
前記路面管理装置は、熱線または食塩水噴射装置を含むことを特徴とする請求項1に記載の電子装置。
【請求項6】
前記少なくとも1つのプロセッサは、
予め設定された気象条件が満たされているかどうかを判断し、
前記予め設定された気象条件を満たす場合、前記路面管理装置を制御する信号を生成し、
第1時点で判断された対象路面の種類が第2時点で変更されたかどうかを確認し、
前記第1時点で前記対象路面の種類と判断された第1クラスと前記第2時点で前記対象路面の種類と判断された第2クラスが異なる場合、第3時点で判断される対象路面の種類に基づいて、前記対象路面に設けられた装置に対する制御信号の生成可否を決定するように構成されることを特徴とする請求項5に記載の電子装置。
【請求項7】
前記対象路面の種類は第1周期ごとに判断され、
前記少なくとも1つのプロセッサは、
前記対象路面の種類が第1クラスと判断される場合、前記対象路面の種類を第2周期ごとに判断するように構成されることを特徴とする請求項1に記載の電子装置。
【請求項8】
前記電子装置は、前記対象路面の温度情報を取得するIRセンサまたは前記対象路面の映像情報を取得するビジョンセンサのうちの少なくとも1つをさらに含み、
前記少なくとも1つのプロセッサは、前記温度情報または前記映像情報に基づいて前記対象路面の種類を判断するように構成されることを特徴とする請求項1に記載の電子装置。
【請求項9】
電子装置によって実行される音波信号を用いて路面を分類する方法において、
前記電子装置から第1距離だけ離間した対象路面に向かって音波信号を送信するステップと、
前記対象路面に対する前記音波信号の反射信号を受信するステップと、
前記音波信号に関連する大気情報を取得するステップと、
前記受信した反射信号に対する第1データを取得するステップと、
前記大気情報に基づいて前記第1データを補正することによって、第2データを生成するステップと、
前記第2データに基づいて前記第2データの周波数ドメイン情報に関連する第3データを取得するステップと、
前記第3データおよび路面分類人工ニューラルネットワークに基づいて前記対象路面の種類を判断するステップと、を含み、
前記路面分類人工ニューラルネットワークは、前記第1距離とは異なる第2距離の路面で反射した音波信号に基づいて生成された周波数ドメインデータセットで学習されることを特徴とする、方法。
【請求項10】
前記第2データを生成するステップは、前記大気情報に基づいて補正された前記第1データを前記第1距離に基づいて補正するステップをさらに含むことを特徴とする請求項9に記載の方法。
【請求項11】
前記音波信号の送信時点および前記反射信号の受信時点に基づいて前記第1距離を推定するステップをさらに含むことを特徴とする請求項9に記載の方法。
【請求項12】
前記第3データは、前記第2データを短時間フーリエ変換して取得されることを特徴とする請求項9に記載の方法。
【請求項13】
前記判断された対象路面の種類に基づいて、前記対象路面に設けられた路面管理装置を制御する信号を生成するステップをさらに含み、
前記路面管理装置は、熱線または食塩水噴射装置を含むことを特徴とする請求項9に記載の方法。
【請求項14】
前記路面管理装置を制御する信号を生成するステップは、
予め設定された気象条件が満たされているかどうかを判断するステップと、
前記予め設定された気象条件を満たす場合、第1時点で判断された対象路面の種類が第2時点で変更されたかどうかを確認するステップと、
前記第1時点で前記対象路面の種類と判断された第1クラスと前記第2時点で前記対象路面の種類と判断された第2クラスが互いに異なる場合、第3時点で判断される対象路面の種類に基づいて、前記対象路面に設けられた装置に対する制御信号の生成可否を決定するステップと、を含むことを特徴とする請求項13に記載の方法。
【請求項15】
前記対象路面の種類を判断するステップは、さらに前記対象路面の温度情報または前記対象路面の映像情報に基づいて前記対象路面の種類を判断するステップを含み、
前記対象路面の種類は第1周期ごとに判断され、
前記対象路面の種類が第1クラスと判断される場合、前記対象路面の種類は第2周期ごとに判断されることを特徴とする請求項9に記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、音波信号を用いて路面の種類を推定する装置およびそれを用いた路面の分類および管理方法に関し、より詳細には、人工ニューラルネットワークを用いて路面に反射した音波信号を分類し、分類された路面の種類に基づいて路面ないし移動体を制御する装置およびそれを用いた路面の管理方法に関する。
【背景技術】
【0002】
一般的に地面上を移動する地上移動体は移動している地面、すなわち路面の摩擦係数に応じて加減速制御を行うことになるので、安定性制御側面と最大運動性能制御側面から路面摩擦係数を正確に推定することが重要である。
【0003】
冬季急増しているブラックアイス事故は、これを認知できない状況で路面摩擦係数の急激な変化によって発生するという点で路面摩擦係数推定技術の必要性がよく表れた例といえる。
【0004】
また、近年商用化されている電気自動車はエネルギー効率を高めるための回生ブレーキ技術が不可欠であるが、回生ブレーキが適用される場合の走行安定性確保のための側面から路面の摩擦係数を予め推定する技術の必要性が拡大している。
【0005】
このような路面状態またはそれに基づく路面摩擦係数を推定するための方法として、従来は、車両の動的情報を利用する方法とセンシング情報を利用する方法が主に用いられてきた。
【0006】
車両の動的情報を利用する方法の場合、車両に搭載された各種センサの測定情報を車両動力学モデルに代入して推定する。このとき、定められたモデリングを外れる状況で正確度が低下する欠点があるだけでなく、路面を過ぎてから測定が可能であるため、路面の摩擦係数を予め推定できない限界がある。
【0007】
また、映像情報のような電磁波センサに基づく方式の場合には路面の摩擦係数を遠隔から推定することができるが、このために高価なセンサ機器とそれに対する信号処理装置が必要であり、センサの装着位置や方向によって結果が変わり得る限界が存在する。
【0008】
一方、音響情報を用いた路面推定技術も活発に議論されているが、従来は、地面とタイヤ間の摩擦音に基づいて路面状態を推定する技術に焦点が合わされており、正確度が不足するだけでなく路面を通過する前には前方の路面状態を確認できない限界がある。
【0009】
したがって、既存の方式では路面状態を予め判断できないか、または判断プロセスが非経済的で不正確であり、上述した問題を効率的に解決できない限界があった。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0010】
本開示は、上記の問題を解決するために、音波信号を用いた路面の種類の推定装置およびその方法を提供することを目的とする。
【0011】
また、本開示による路面の種類の推定を通じてリアルタイムで路面を制御して管理する装置およびその方法を提供することを目的とする。
【0012】
一方、本開示で解決しようとする課題は上記の課題に限定されるものではなく、言及されない課題は、本明細書および添付図面から本開示に含まれる開示が属する技術分野において通常の知識を有する者に明確に理解できるであろう。
【課題を解決するための手段】
【0013】
本開示の様々な実施形態によれば、音波信号を用いて路面を分類する電子装置は、音波信号を送受信するように構成された送受信機と、大気センサと、前記送受信機および前記大気センサと電気的に接続された少なくとも1つのプロセッサと、を含み、前記少なくとも1つのプロセッサは、前記送受信機を用いて、前記電子装置から第1距離だけ離間した対象路面に向かって音波信号を送信し、前記送受信機を用いて、前記対象路面に対する前記音波信号の反射信号を受信し、前記大気センサを用いて、前記音波信号に関連する大気情報を取得し、前記受信した反射信号に対する第1データを取得し、前記大気情報に基づいて前記第1データを補正することによって、第2データを生成し、前記第2データに基づいて前記第2データの周波数ドメイン情報に関連する第3データを取得し、前記第3データおよび路面分類人工ニューラルネットワークに基づいて前記対象路面の種類を判断するように構成され、前記路面分類人工ニューラルネットワークは、前記第1距離とは異なる第2距離の路面で反射した音波信号に基づいて生成された周波数ドメインデータセットで学習され得る。
【0014】
本開示の一実施形態によれば、前記第2データは、前記大気情報および前記第1距離に基づいて前記第1データを補正することによって生成してもよい。
【0015】
また、前記第1距離は、前記音波信号の送信時点および前記反射信号の受信時点に基づいて推定してもよい。
【0016】
本開示の一実施形態によれば、前記第3データは、前記第2データをSTFT(Short-Time Fourier Transformation)変換して取得してもよい。
【0017】
本開示の一実施形態によれば、前記少なくとも1つのプロセッサは、前記判断された対象路面の種類に基づいて、前記対象路面に設けられた路面管理装置を制御する信号を生成するように構成されてもよい。
【0018】
本開示の様々な実施形態による前記路面管理装置は、熱線または食塩水噴射装置を含んでもよい。
【0019】
本開示の一実施形態によれば、前記少なくとも1つのプロセッサは、予め設定された気象条件が満たされているかどうかを判断し、前記予め設定された気象条件を満たす場合、前記路面管理装置を制御する信号を生成するように構成されてもよい。
【0020】
また、前記少なくとも1つのプロセッサは、第1時点で判断された対象路面の種類が第2時点で変更されたかどうかを確認し、前記第1時点で前記対象路面の種類と判断された第1クラスと前記第2時点で前記対象路面の種類と判断された第2クラスが異なる場合、第3時点で判断される対象路面の種類に基づいて、前記対象路面に設けられた装置に対する制御信号の生成可否を決定するように構成されてもよい。
【0021】
本開示の一実施形態によれば、前記対象路面の種類は第1周期ごとに判断され、前記少なくとも1つのプロセッサは、前記対象路面の種類が第1クラスと判断される場合、前記対象路面の種類を第2周期ごとに判断するように構成されてもよい。
【0022】
本開示の一実施形態によれば、前記電子装置は、前記対象路面の温度情報を取得するIRセンサまたは前記対象路面の映像情報を取得するビジョンセンサのうちの少なくとも1つをさらに含み、前記少なくとも1つのプロセッサは、前記温度情報または前記映像情報に基づいて前記路面の種類を判断するように構成されてもよい。
【0023】
本開示の様々な実施形態によれば、電子装置によって実行される音波信号を用いて路面を分類する方法は、前記電子装置から第1距離だけ離間した対象路面に向かって音波信号を送信するステップと、前記対象路面に対する前記音波信号の反射信号を受信するステップと、前記音波信号に関連する大気情報を取得するステップと、前記受信した反射信号に対する第1データを取得するステップと、前記大気情報に基づいて前記第1データを補正することによって、第2データを生成するステップと、前記第2データに基づいて前記第2データの周波数ドメイン情報に関連する第3データを取得するステップと、前記第3データおよび路面分類人工ニューラルネットワークに基づいて前記対象路面の種類を判断するステップと、を含み、前記路面分類人工ニューラルネットワークは、前記第1距離とは異なる第2距離の路面で反射した音波信号に基づいて生成された周波数ドメインデータセットで学習され得る。
【発明の効果】
【0024】
本開示によれば、超音波信号に基づいて路面の種類を迅速かつ正確に分類することによって、分類された路面による路面の制御または車両の制御を通じて未然の事故を防止することができる。
【0025】
また、本開示によれば、路面の分類情報を用いて路面管理を自動的に制御することによって、経済的かつ効率的に路面を管理することができる。
【0026】
また、本開示は、路面に対する情報をリアルタイムで取得することによって、使用者により効果的な交通網情報を提供することができる。
【0027】
一方、本開示の効果は上述の効果に限定されるものではなく、言及されていない効果は、本明細書および添付図面から本開示が属する技術分野において通常の知識を有する者に明確に理解され得る。
【図面の簡単な説明】
【0028】
【
図1】本開示の様々な実施形態による路面分類装置のブロック図を示す図である。
【
図2】本開示の一実施形態による路面分類装置が道路インフラに設置されて運用されることを示す図である。
【
図3】本開示による路面分類装置によって実行される方法を示すフローチャートである。
【
図4】本開示の様々な実施形態による路面分類装置から送信される音波信号を時間軸に示した図である。
【
図5】本開示の一実施形態による音波信号の送信区間および反射信号の受信区間を示す図である。
【
図6】本開示の様々な実施形態による路面分類装置が設けられる対象を示す図である。
【
図7】本開示の様々な実施形態による路面分類人工ニューラルネットワークを学習するためのデータセットを取得する方法を例示する図である。
【
図8】本開示の様々な実施形態による路面分類装置が受信した反射信号を前処理するプロセスを示すフローチャートである。
【
図9】本開示の一実施形態によるマルチモード(multi-modal)人工ニューラルネットワークを示す図である。
【
図10】本開示の一実施形態による路面分類装置が予め決まった制御変更トリガーに基づいて制御動作を変更する動作を示すフローチャートである。
【
図11】本開示の一実施形態による路面分類結果が変化するシナリオを例示する図である。
【
図12】本開示の様々な実施形態による路面分類装置による路面管理方法を示す図である。
【
図13】本開示の一実施形態による路面分類装置が交通情報を収集することを示す図である。
【
図14】本開示の一実施形態による路面種類推定装置の構成図である。
【
図15】本開示の一実施形態による音波を用いた路面種類推定装置における送信信号および受信信号を説明するための図である。
【
図16】本開示の一実施形態による音波を用いた路面種類推定装置における信号変換器を例示的に説明するための図である。
【
図17】本開示の一実施形態による音波を用いた路面種類推定装置における人工ニューラルネットワークを説明するための図である。
【
図18】コンボリューション実行部の動作を説明するための図である。
【
図19】本開示の音波を用いた路面種類推定装置のコンボリューション実行部のコードを説明するための図である。
【
図20】本開示の一実施形態による音波のドメイン変換を用いた路面種類推定方法のフローチャートである。
【
図21】本開示による音波を用いた路面種類推定方法の一実施形態を示すフローチャートである。
【
図22】本開示の一実施形態による大気減衰量が補正された音波を用いた路面種類推定方法を示すフローチャートである。
【
図23】本開示の一実施形態によるビジョンセンサと音波センサとを備えた道路状態モニタリングシステムを説明するための図である。
【
図24】本開示の一実施形態によるビジョンセンサと音波センサとを備えた道路状態モニタリングシステムの構成図である。
【
図25】本開示の一実施形態によるビジョンセンサと音波センサとを備えた道路状態モニタリングシステムにおいて均一な路面の状態を認識することを例示的に説明する図である。
【
図26】本開示の一実施形態によるビジョンセンサと音波センサとを備えた道路状態モニタリングシステムにおいて不均一な路面の状態を認識することを例示的に説明する図である。
【
図27】本開示の一実施形態によるビジョンセンサと音波センサとを備えた道路状態モニタリングシステムにおいて音波センサの感知領域がどんなセグメンテーション領域であるかを見つける方法を説明するための図である。
【
図28】本開示の一実施形態によるビジョンセンサと音波センサとを備えた道路状態モニタリングシステムの人工ニューラルネットワークの一例を説明するための図である。
【
図29】本開示の一実施形態によるビジョンセンサと音波センサとを備えた道路状態モニタリングシステムのセグメンテーション処理部の一例を説明するための図である。
【
図30】本開示によるビジョンセンサと音波センサとを備えた道路状態モニタリングシステムにおけるモニタリング方法の一実施形態のフローチャートである。
【
図31】
図30の融合分析ステップ3050の一実施形態の詳細なフローチャートである。
【
図32】本開示の他の実施形態によるビジョンセンサと音波センサとを備えた道路状態モニタリングシステムの構成図である。
【
図33】本開示によるビジョンセンサと音波センサとを備えた道路状態モニタリングシステムにおけるモニタリング方法の他の実施形態のフローチャートである。
【
図34】本開示の一実施形態による道路の熱線装置の制御システムの動作を説明するための図である。
【
図35】本開示の一実施形態による道路の氷結予防装置の制御システムの構成図である。
【
図36】本開示の他の実施形態による道路の氷結予防装置の制御システムの構成図である。
【
図37a-37c】本開示の一実施形態による道路の氷結予防装置の制御システムで使用される人工知能分析モデルを説明するための図である。
【
図38】本開示による道路の氷結予防装置の制御方法の一実施形態のフローチャートである。
【
図39】本開示による道路の氷結予防装置が熱線装置である場合、
図38の制御信号生成ステップ3850の一実施形態の詳細なフローチャートである。
【
図40】本開示による道路の氷結予防装置が食塩水噴射装置である場合、
図38の制御信号生成ステップ3850の一実施形態の詳細なフローチャートである。
【
図41】本開示の一実施形態による道路インフラセンサ施工構造物を概略的に示す斜視図である。
【
図42】本開示の一実施形態による道路インフラセンサ施工構造物を概略的に示す側面図である。
【
図43】本開示の一実施形態による音波センサ部を概略的に示す斜視図(a)および部分断面斜視図(b)である。
【
図44】本開示の一実施形態による音波センサ部を概略的に示す部分側断面図である。
【
図45】本開示の他の実施形態による道路インフラセンサ施工構造物を概略的に示す斜視図である。
【
図46】本開示の他の実施形態による道路インフラセンサ施工構造物を概略的に示す側面図である。
【
図47】本開示の他の実施形態による道路インフラセンサ施工構造物を概略的に示す部分拡大斜視図(a)、底面斜視図(b)および部分断面斜視図(c)である。
【
図48】本開示の他の実施形態による音波センサ部を概略的に示す部分側断面図である。
【
図49】本開示の好ましい実施形態による道路インフラセンサ施工構造物の施工方法を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0029】
以下、本開示の実施形態について図面を参照しながら詳細に説明する。実施形態を説明するにあたり、本開示が属する技術分野でよく知られており、本開示と直接関連しない技術内容については説明を省略する。これは、不要な説明を省略することにより、本開示の要旨をぼかすことなく、より明確に伝えるためである。
【0030】
同様の理由で添付の図面において、一部の構成要素は誇張、省略または概略的に示されている。また、各構成要素の大きさは実際の大きさを完全に反映するものではない。各図面中の同一または対応する構成要素には同じ参照符号を付した。
【0031】
本開示の利点および特徴、ならびにそれらを達成する方法は、添付の図面と共に詳細に後述される実施形態によって明らかになるであろう。しかし、図面から開示される事項は、様々な実施形態を特定または限定することを意図するものではなく、様々な実施形態の精神および技術範囲に含まれる全ての変更、均等物ないし代替物を含むと理解されるべきである。様々な実施形態について、特定の構造的ないし機能的説明は、単に様々な実施形態による説明のための目的として例示されており、本開示の実施形態は様々な形態で実施することができ、本明細書または出願に明らかに説明された実施形態に限定されると解釈されるべきではない。
【0032】
すなわち、本開示の実施形態は、本開示が完全になるようにし、本開示が属する技術分野において通常の知識を有する者に本開示の範疇を知らせるために提供されるものであり、本開示の発明は請求項の範疇によって定義されるだけである。明細書全体にわたって、同一の参照符号は同一の構成要素を指す。
【0033】
「第1」および/または「第2」などの用語は様々な構成要素を説明するのに使用することができるが、前記構成要素は前記用語によって限定されるべきではない。前記用語は、ある構成要素を他の構成要素から区別する目的でのみ、例えば本開示の概念による権利範囲から逸脱することなく、第1構成要素を第2構成要素と命名することができ、同様に第2構成要素を第1構成要素とも命名することができる。
【0034】
ある構成要素が他の構成要素に「連結されている」または「接続されている」と言及されている場合、他の構成要素に直接連結されているか、または、直接接続されている可能性もあるが、他の構成要素が中間に存在する可能性もあると理解されるべきである。一方、ある構成要素が他の構成要素に「直接連結されている」または「直接接続されている」と言及されている場合、他の構成要素が中間に存在しないことで理解されるべきである。構成要素間の関係を説明する他の表現、すなわち「~間に」と「直接~間に」または「~隣接する」と「~に直接隣接する」なども同様に解釈されるべきである。
【0035】
図面における処理フローチャート図の各ブロックとフローチャート図との組み合わせは、コンピュータプログラム命令によって実行することができる。これらのコンピュータプログラム命令は、汎用コンピュータ、専用コンピュータ、または他のプログラム可能なデータ処理装置のプロセッサに搭載することができるので、コンピュータまたは他のプログラム可能なデータ処理装置のプロセッサを介して実行されるその命令はフローチャートブロックで説明された機能を行う手段を生成することになる。これらのコンピュータプログラム命令は、特定の方式で機能を実現するためにコンピュータまたは他のプログラム可能なデータ処理装置を指向できるコンピュータ利用可能またはコンピュータ読み取り可能メモリに格納することも可能であり、したがって、そのコンピュータ利用可能またはコンピュータ読み取り可能メモリに格納された命令は、フローチャートブロックで説明された機能を行う命令手段を内包する製造品目を生産することも可能であり得る。コンピュータプログラム命令は、コンピュータまたは他のプログラム可能なデータ処理装置に搭載されることも可能であるため、コンピュータまたは他のプログラム可能なデータ処理装置上で一連の動作ステップが実行され、コンピュータで実行されるプロセスを生成してコンピュータまたは他のプログラム可能なデータ処理装置を行う命令は、フローチャートブロックで説明された機能を実行するためのステップを提供することも可能であり得る。
【0036】
また、各ブロックは、特定の論理機能を実行するための1つ以上の実行可能な命令を含むモジュール、セグメントまたはコードの一部を表すことができる。また、いくつかの代替実行例では、ブロックで言及された機能が順序外で発生することも可能であることに留意されたい。例えば、相次いで図示されている2つのブロックは実際には実質的に同時に実行されてもよく、またはブロックが時々該当する機能に従って逆順に実行されてもよい。
【0037】
本開示で使用される「~部(unit)」という用語は、ソフトウェアまたはフィールドプログラマブルゲートアレイ(Field Programmable Gate Array,FPGA)または特定用途向け集積回路(Application Specific Integrated Circuit,ASIC)などのハードウェア構成要素を意味する。「~部」は特定の役割を果たすが、ソフトウェアまたはハードウェアに限定される意味ではない。「~部」は、アドレス可能な記憶媒体にあるように構成されてもよく、または1つ以上のプロセッサを再生するように構成されてもよい。したがって、一部の実施形態によれば、「~部」は、ソフトウェア構成要素、オブジェクト指向ソフトウェア構成要素、クラス構成要素およびタスク構成要素などの構成要素と、プロセス、関数、属性、プロシーザー、サブルーチン、プログラムコードのセグメント、ドライバー、ファームウェア、マイクロコード、回路、データ、データベース、データ構造、テーブル、アレイおよび変数を含む。構成要素および「~部」の中で提供される機能は、より少ない数の構成要素および「~部」で組み合わせるか、または追加の構成要素と「~部」にさらに分離することができる。さらに、構成要素および「~部」は、デバイスまたはセキュリティマルチメディアカード内の1つまたは複数のCPUを再生するように構成され得る。また、本開示の様々な実施形態によれば、「~部」は1つ以上のプロセッサを含むことができる。
【0038】
以下、添付の図面を参照して本開示の動作原理を詳細に説明する。以下において、本開示を説明する際に関連する公知の機能または構成に対する具体的な説明が本開示の要旨を不必要にぼやけることができると判断される場合には、その詳細な説明を省略する。そして後述する用語は、本開示における機能を考慮して定義された用語であり、これは使用者、オペレータの意図または慣例などに応じて変わり得る。したがって、その定義は、本明細書全体にわたる内容に基づいて行われるべきである。
【0039】
本開示は、音波信号を用いて路面を分類し、それによって路面や車両の運行を管理するシステムに関する。
【0040】
本開示の一実施形態による路面分類装置は、道路インフラまたは移動体などに設置され、路面の種類や状態を判断する装置を含むことができる。
【0041】
本開示のさらに他の実施形態による路面分類装置は、道路インフラまたは移動体などに設置された装置から受信した情報に基づいて路面の種類や状態を判断するサーバー装置を含むことができる。
【0042】
図1は、本開示の様々な実施形態による路面分類装置のブロック図を示す図である。
【0043】
図1を参照すると、本開示の一実施形態による路面分類装置100は、送受信部110、感知部120、および制御部130を含むことができる。一方、本開示の様々な実施形態による路面分類装置は、上記のハードウェア構成要素に加えて追加の構成要素を含むことができ、
図1に示される構成要素に限定されない。
図1は、本開示の路面分類装置100を構成するハードウェア構成要素を例示するためのものであり、本開示のさらに他の実施形態による路面分類装置は、
図1に示す構成要素のうち一部を省略して構成されてもよい。
【0044】
送受信部110は、音波信号を送受信するように構成されるハードウェア構成要素として、送信機(図示せず)および受信機(図示せず)または送受信機(図示せず)を含むことができる。以下では、送受信部110を構成する送信機および受信機のそれぞれについて詳細に説明する。
【0045】
送信機は、音波信号を生成して発射する装置であり、音波信号が路面に向かって発射する方向に配置されてもよい。このとき、発射される音波信号は、高周波の超音波信号を含むことができる。
【0046】
一方、生成される音波信号の周波数は、送信機の種類に応じて固定されてもよく、使用者入力によって設定または可変であってもよい。また、音波信号は、使用者入力、制御部やサーバーの制御、または予め決まった規則に従って単発的に送信されてもよいし、1周期中に1つまたは複数の信号を周期的に送信してもよい。このとき、送信される音波の数や送信周期などは可変であり得る。
【0047】
受信機は、音波信号を受信する装置であり、路面から反射される音波信号を受信するように構成されてもよい。
【0048】
一方、受信機は、反射信号に加えて、隣接する送信機から送出された音波信号を直接受信することもできる。送信機から直接受信された信号は、本開示の路面分類装置を介して判断しようとする路面の分類とは無関係の信号であるため、ノイズと見なすことができ、このようなノイズ信号をクロストーク(cross-talk)という。
【0049】
本開示の一実施形態によれば、クロストークの発生を減らすために送信機と受信機を離間して設置することができる。また、本開示のさらに他の実施形態によれば、送信機と受信機との間で発生する可能性がある信号の乱れ(例えば、クロストーク)の発生を減らすために、送信機と受信機との間に吸音材ないし防音材などの構造体をさらに配置してもよい。前記構造体は、音波を減衰または吸収する物理的特性を有する素材または構造で形成されてもよく、そのような物理的特性を実現するように構成された電子装置であってもよい。
【0050】
一方、送信機と受信機は、本開示の路面分類装置内で必ずしも物理的に区別されるべきではなく、一体に一体化された形態、例えば送受信機として実現されてもよい。以下の説明において、送受信機は、送信機、受信機、または送受信機の全てを含む用語であり、送受信機は、送信機と受信機が一体に一体化されたハードウェア装置を意味することができ、物理的に区別される送信機と受信機の両方を含む、またはそれぞれを指すことを意味することもできる。
【0051】
送受信機は、ハードウェア性能に応じた指向角(angle of view)範囲内で音波を送信または受信することができる。本開示の様々な実施形態による路面分類装置100は、路面分類装置が設けられる対象や環境を考慮して指向角の異なる送受信機を使用することができる。例えば、道路インフラに配置される路面分類装置に使用される送受信機の指向角は、車両に設置される路面分類装置に使用される送受信機の指向角より小さくてもよい。
【0052】
路面分類装置内で送信機と受信機とを区別して構成する場合、本開示の様々な実施形態による送信機と受信機は、相互間の指向角を考慮して配置することができる。本開示の一実施形態による受信機は、送信機の指向角範囲外に配置することができ、それによって送信機から発せられる指向角の最外角音波信号が受信機に感知されないこともある。本開示のさらに他の実施形態による受信機は、受信機で感知されるクロストーク信号が基準値以下になるように、送信機の指向角中心を基準として外角側に配置することができる。
【0053】
一方、本開示の様々な実施形態による送受信機は、路面に対する反射波の特定の周波数特性にのみ応答するように設計または配置することができる。
【0054】
感知部120は、測定を通じて本開示による路面分類に必要な情報を取得するハードウェア構成要素であり、本開示による感知部120は大気センサ、カメラおよび/またはIRセンサを含むことができる。
【0055】
本開示の様々な実施形態による感知部120は大気センサを含むことができる。大気センサは、大気状態に関する情報を取得するハードウェア装置であり、大気センサが測定または取得する大気情報は、温度、湿度、または気圧のうちの少なくとも1つを含むことができる。また、大気情報は風に関する情報をさらに含むことができる。このとき、風に関する情報は、風速、風量、または風向などの風に関連する物理量を含むことができる。本明細書における大気センサは、温度センサ、湿度センサ、または気圧センサのうちの少なくとも1つを含む装置を意味することができる。また、大気センサは、互いに異なる複数の大気情報をセンシングできる装置を意味することができる。本開示の一実施形態による大気センサは、路面分類装置が配置されている場所の温度、湿度、気圧および/または風速を測定することができる。
【0056】
本開示の様々な実施形態による感知部120は、カメラおよび/またはIRセンサをさらに含むことができる。カメラは、イメージを取得する装置として路面に対する映像情報を取得することができ、IRセンサは、路面から放出される輻射熱を感知して路面の温度情報を取得することができる。IRセンサが取得する温度情報は路面に対する温度情報であり、大気センサが取得する温度情報は大気に関する温度情報であるため、互いに異なるセンサによって取得される各温度情報が指示する値は異なる場合がある。
【0057】
本開示の感知部120によって測定または取得された様々な情報は、路面分類の正確度を向上させるために互いに組み合わせて活用することができる。すなわち、本開示の様々な実施形態による路面分類装置100によって出力される路面分類結果は、複数の情報に基づいて生成することができ、これに対する具体的な実施形態については後述する。
【0058】
一方、本開示の実施形態によって感知部120に含まれるカメラおよび/またはIRセンサは例示的なものであり、感知部120は上記の大気センサ、カメラまたはIRセンサ以外にも路面を分類するのに活用できる情報を取得するための任意の感知装置をさらに含んでもよい。
【0059】
制御部130は、本開示の路面分類装置によって実行される方法を行うように構成されたハードウェアであり、論理回路と演算回路とを含む少なくとも1つのプロセッサを含むことができる。制御部130は、メモリ(図示せず)から提供されたプログラムおよび/または命令に従ってデータを処理し、処理結果に応じて制御信号を生成することができる。
【0060】
様々な実施形態によれば、制御部130は、例えば、制御部130に接続された路面分類装置100の少なくとも1つの他の構成要素(例えば、ハードウェアまたはソフトウェア構成要素)を制御することができ、様々なデータ処理または演算を実行することができる。一実施形態によれば、データ処理または演算の少なくとも一部として、制御部130は、他の構成要素(例えば、受信機120または感知部120)から受信した命令またはデータを揮発性メモリ(図示せず)に格納し、揮発性メモリ(図示せず)に格納された命令またはデータを処理し、結果データを不揮発性メモリ(図示せず)に格納することができる。一例として、受信機120を介して取得された信号は、制御部130に含まれるアナログデジタルコンバータ(analog to digital converter,ADC)回路を介してデジタル信号に変換して処理され得る。また、変換されたデジタル信号は、人工ニューラルネットワークに入力するための入力データで前処理することができる。本開示の受信した信号および/またはデータを処理する具体的な方法については後述する。
【0061】
一実施形態によれば、制御部130は、メインプロセッサ(例えば、中央処理装置(CPU)またはアプリケーションプロセッサ(AP))またはそれとは独立的にまたは一緒に動作可能な補助プロセッサ(例えば、グラフィック処理装置(GPU)、ニューラルネットワーク処理装置(NPU:neural processing unit)、画像信号プロセッサ、センサハブプロセッサ、またはコミュニケーションプロセッサ)を含むことができる。例えば、路面分類装置100がメインプロセッサおよび補助プロセッサを含む場合、補助プロセッサは、メインプロセッサよりも低電力を使用するか、または指定された機能に特化するように構成することができる。補助プロセッサは、メインプロセッサとは別に、またはその一部として実現することができる。
【0062】
本開示の様々な実施形態による路面分類装置は、通信部(図示せず)を含むことができる。前記通信部は、使用者または他の外部機器から入力された命令またはデータを受信するか、または路面分類装置によって生成された命令またはデータを外部に伝送するか、または路面分類装置の他の構成要素から命令またはデータを送信または受信するハードウェア構成要素を意味するものであり、有無線通信モジュールおよび/または入出力インターフェースを含むことができる。本開示の実施形態による路面分類装置は、前記通信部を介して外部電子装置(例えば、路面分類装置の外部に設置される制御器(control box)や管理サーバー)から情報を受信したり、前記外部電子装置に路面分類装置が取得または生成した情報を送信したりすることができる。一方、前記通信部は、本開示の様々な実施形態による路面分類装置内で制御部130とは別に実現することができ、制御部130に含まれる回路要素によって実現され、制御部130に含まれることができる。すなわち、本開示の様々な実施形態による路面分類装置は、外部電子装置と連動して路面を分類するために必要な情報を提供する装置であり得る。
【0063】
本開示の一実施形態によれば、本開示の路面を分類するための人工ニューラルネットワーク(図示せず)は、路面分類装置において、ソフトウェアオンチップ(software-on-chip,SOC)ないしマイクロコントローラユニット(micro controller unit,MCU)として制御部130に含まれて提供することができる。または、前記人工ニューラルネットワークは、前記制御部130によって動作するソフトウェアの形態で提供され、外部サーバーからの通信または使用者入力によって更新されてもよい。
【0064】
一方、本開示の様々な実施形態による人工ニューラルネットワークは、外部電子装置(例えば、前記制御器または前記サーバー)で実現することができ、この場合、路面分類装置の制御部130で音波信号に基づいて生成したデータおよび大気情報などの路面分類に必要なデータが外部電子装置に送信され、外部電子装置は路面分類装置から受信したデータに基づいて路面を分類することができる。
【0065】
本開示のさらに他の実施形態によれば、路面分類装置はサーバー装置であり得る。この場合、路面分類装置は、音波送受信部110および感知部120を含まなくてもよく、通信部(図示せず)を介して外部電子装置から路面分類に必要なデータを受信し、受信したデータに基づいて制御部130を介して路面を分類することができる。また、分類された路面分類結果および/またはそれに関連する制御情報を外部電子装置に送信することができる。
【0066】
図2は、本開示の一実施形態による路面分類装置が道路インフラに設置されて運用されることを示す図である。
【0067】
図2を参照すると、前記路面分類装置100は、道路インフラ200で分類しようとする路面230に向かうように設置することができる。
【0068】
本開示において、道路インフラ200は、道路上または道路辺に設置される信号灯、街灯、道路案内標識板、または映像情報処理機器などの支柱型構造物210を含む交通設備を総称する用語であり、道路上に路面分類装置を設置することができる構造物を意味し、上記の例に限定されない。本開示の一実施形態によれば、路面分類装置100が道路インフラ200に設置されるということは、支柱型構造物210の上端部に設置されることを意味することができるが、これらに限定されない。
【0069】
道路インフラ200は、支柱型構造物210に設置される電子機器を制御するための制御器220を含むことができる。前記支柱型構造物210に設置される前記電子機器は、街灯や信号灯に使用される発光装置、CCTV、交通情報収集カメラ、または本開示の路面分類装置を含むことができる。
【0070】
制御器220は、前記支柱型構造物210に設けられる電子機器を制御する装置であって、例えば、支柱型構造物が街灯である場合、街灯の作動を制御する街灯制御器であってもよく、支柱型構造物が信号灯である場合、信号灯の信号を制御する交通信号制御器であってもよい。
【0071】
本開示の様々な実施形態による制御器220は、本開示の路面分類装置100の動作を制御することができ、路面分類装置100から取得した路面分類情報または命令に基づいて道路インフラ200が位置する路面を制御することができる。
【0072】
本開示の様々な実施形態による制御器220は、路面分類装置100と管理サーバー(図示せず)との間のゲートウェイとして機能することができる。すなわち、制御器220は、有無線通信モジュールを含むことができ、管理サーバーに路面分類装置から取得した情報を伝送したり、管理サーバーから路面分類装置または道路を制御するための命令やデータを受信したりすることができる。
【0073】
本開示の様々な実施形態による制御器220は、本開示の人工ニューラルネットワークを含むことができ、それによって路面分類装置から取得した情報に基づいて直接路面を分類することができる。この場合、制御器220に含まれるプロセッサやメモリの性能が路面分類装置のプロセッサやメモリの性能より優れることがあるので、制御器220に提供される人工ニューラルネットワークは路面分類装置100に提供される人工ニューラルネットワークより性能が優れている。
【0074】
本開示の様々な実施形態による制御器220は、路面を管理するために分類された路面に基づいて道路に設置された路面管理装置250を制御することができる。
【0075】
本開示の様々な実施形態による路面管理装置250は、道路に設置される熱線または食塩水噴射装置などの除雪装置や、あるいは排水施設などを含むことができる。本開示の様々な実施形態による路面管理装置の動作に対する具体的な内容については後述する。
【0076】
以下では、本開示による路面分類装置が路面を分類する方法について詳細に説明する。
【0077】
一般に、異なる物質は異なる音響インピーダンスを有するので、同じ音波入射信号に対する反射信号は物質ごとに変わることになる。したがって、このような物理的特性を利用して、反射信号を分析して物質を区別することができる。特に、音響インピーダンスは周波数特性を有する物理量であるため、反射信号を周波数領域で分析すると、反射面の材質をより精巧に分類することができる。
【0078】
本開示の様々な実施形態による音波反射信号を用いた路面分類方法を実行するために人工ニューラルネットワークを使用することができる。
【0079】
本開示の様々な実施形態による人工ニューラルネットワークのニューラルネットワークモデルは、複数の層またはレイヤーを含むことができる。
【0080】
ニューラルネットワークモデルは、路面分類情報を生成する分類器(classifier)の形態で構成することができる。分類器は多重分類を実行することができる。例えば、ニューラルネットワークモデルは、入力データに対する結果を複数のクラスに分類する多重分類モデルであり得る。
【0081】
本開示の一実施形態によるニューラルネットワークモデルは、入力層、複数の隠れ層および出力層を含む多層パーセプトロン(Multi-Layer Perceptron)アルゴリズムの深層ニューラルネットワーク(DNN;Deep Neural Network)を含むことができる。
【0082】
本開示のさらに他の実施形態によるニューラルネットワークモデルは、畳み込みニューラルネットワーク(CNN;Convolutional Neural Network)を含むことができる。CNN構造として、AlexNet,LENET,NIN,VGGNet,ResNet,WideResnet,GoogleNet,FractaNet,DenseNet,FitNet,RitResNet,HighwayNet,MobileNet,DeeplySupervisedNetのうちの少なくとも1つを使用することができる。ニューラルネットワークモデルは、複数のCNN構造を使用して実現することができる。
【0083】
一例として、ニューラルネットワークモデルは、複数のVGGNetブロックを含むように実現することができる。より具体的な例として、ニューラルネットワークモデルは、3×3サイズの64個のフィルターを有するCNN層、バッチ正規化(Batch Normalization,BN)層およびReLU層が順次結合された第1構造、および3×3サイズの128個のフィルターを有するCNN層、ReLU層およびBNレイヤーが順次結合された第2ブロックを組み合わせて設けることができる。
【0084】
ニューラルネットワークモデルは、各CNNブロックに引き続き、最大値プーリング層を含み、終端にはグローバル平均プーリング(Global Average pooling,GAP)層、全結合(Fully Connected,FC)層および活性化層(例えば、シグモイド、ソフトマックスなど)を含むことができる。
【0085】
本開示の様々な実施形態による人工ニューラルネットワークは、音波信号の周波数変換信号から特性を抽出して路面を分類するためのニューラルネットワークモデルを意味するものであり、上記の例に限定されない。
【0086】
本開示の様々な実施形態による路面分類人工ニューラルネットワークは、反射信号の周波数ドメインデータを入力値として学習することができ、学習された人工ニューラルネットワークは、対象信号の周波数ドメインデータを入力値として対象信号が反射した路面を分類することができる。
【0087】
前記周波数ドメインデータは、反射信号のADCサンプリングを通じて変換されたデジタル信号に対して周波数ドメイン変換を行って取得したデータを意味することができる。
【0088】
本開示の様々な実施形態による周波数ドメイン変換方法として、短時間フーリエ変換(Short-Time Fourier Transform,STFT)、高速フーリエ変換(Fast Fourier Transform,FFT)、ケプストラム(cepstruam)変換、ウェーブレット(Wavelet)変換、相互相関(cross-correlation)方法、コンボリューション(convolution)変換などを利用することができる。上記の周波数ドメイン変換方法は例示的なものであり、列挙された変換方法に限定されず、時間領域での音波信号を周波数領域で分析するための様々な変換または分析方法を利用することができる。
【0089】
本開示の様々な実施形態による周波数ドメインデータの一例として、STFT変換を通じて取得したスペクトログラムデータが含まれ得る。
【0090】
本開示の様々な実施形態による周波数ドメインデータのさらに他の例として、cross-correlation方法を適用して取得したデータが含まれ得る。この場合、入力データに対するcross-correlation合成は、データをコンボリューションレイヤーに入力するステップと対応することができるので、それを用いてCNNベースの学習および分類が可能である。
【0091】
一方、学習のために使用される周波数ドメインデータは、路面分類に必要な情報を一緒にラベル付けすることができる。このとき、ラベル付けされる情報は、路面の種類、および/または大気情報を含むことができる。
【0092】
本開示の一実施形態によれば、路面分類人工ニューラルネットワークを学習させるために、学習データセットは、周波数ドメインデータに各データが取得された路面の種類がラベル付けされたデータセットを含むことができる。
【0093】
本開示の一実施形態による路面分類装置によって分類される路面の種類(クラス)は、アスファルト、セメント、土、氷、大理石、ペイント、スラッシュ(水と氷が混合した状態)、雪、および水などのクラスを含むことができる。列挙されたクラスの種類は例示的なものであり、本開示の様々な実施形態において状況に合わせて分類されるべきクラスの数またはグループが変わり得る。一方、このような直接ラベル付け方式やグループ名を使用する代わりに、第1クラス、第2クラスなど、各入力データを任意の方式でグループ化することができる。このような任意方式のグループ化は、学習データにラベルが含まれていない教師なし方式の人工ニューラルネットワークを利用する場合の分類結果であり得るが、これらに限定されない。
【0094】
図3は、本開示による路面分類装置によって実行される方法を示すフローチャートである。様々な実施形態によれば、
図3に示される動作は、示される順序に限定されず、様々な順序で実行され得る。また、様々な実施形態によれば、
図3に示す動作よりも多くの動作が実行されてもよく、またはより少ない少なくとも1つの動作が実行されてもよい。
図4~
図12は、
図3に示す動作を敷衍して説明するための図面として参照することができる。
【0095】
図3を参照すると、本開示の様々な実施形態による路面分類装置は、ステップ301で、送信機を使用して分類対象路面に向かって音波信号を送信または発射することができる。ステップ301において、音波信号は少なくとも1回送信されてもよく、使用者の入力や予め設定された条件またはサーバーの制御に応じて信号の送信回数や送信周期などが変更されてもよい。音波信号が1つの判断周期内で複数回送信される場合、路面の分類または状態を判断するための複数のデータを取得することができるため、路面分類の正確度を向上させることができる。音波信号を送信する周期および1つの周期内で複数回送信する動作の具体的な実施形態については、
図4を参照して後述する。
【0096】
ステップ302で、路面分類装置は、受信機を使用して対象路面から反射された信号を受信することができる。前記反射された信号は送信された音波信号に対する反射信号であるため、音波信号と反射信号は互いに対応することができる。複数の音波信号が送信される場合、それに対する反射信号は複数回受信されてもよい。
【0097】
本開示の様々な実施形態による路面分類装置は、音波信号が送信されると、感知部120の大気センサを介して大気情報を取得することができる。この場合、大気情報が取得される時点は必ずしも音波信号の送信時点と一致する必要はなくて、一定の時間間隔内に互いに対応関係が存在することを意味する。すなわち、路面分類装置は、1つの音波信号に対応する大気情報を取得したり、複数の音波信号に対応する1つの大気情報を取得したりすることができる。本開示の様々な実施形態による路面分類装置は、発射された音波信号に対応する大気情報に基づいて、音波信号に対応する反射信号を処理することができる。
【0098】
一方、1つの音波信号が送信機から送信されてから路面によって反射された後、その反射信号が受信機で受信されるまでの時間を飛行時間(time of flight,ToF)と定義することができる。特定の気象条件で音波の大気中の伝搬速度を決定することができるので、ToFおよび大気情報に基づいて路面分類装置と対象路面との距離を測定することができる。逆に、路面分類装置と対象路面との距離を予め知っている場合にはToFを推定することができる。したがって、本開示の様々な実施形態による路面分類装置は、送信機から送信される音波信号と対応する受信信号を識別することができる。すなわち、送信機から送信される音波信号と対応する受信信号の受信区間を定めて、該当時区間で受信される信号を、送信された音波信号に対する反射信号として決定することができ、その以外の時区間で受信される信号は、ノイズと見なすか、または他の音波信号に対する反射信号と見なすことができる。これを用いてノイズ信号を制御する路面分類装置の制御方法に対する詳細な実施形態については、
図5を参照して後述する。
【0099】
ステップ303において、路面分類装置100は、本開示による路面分類人工ニューラルネットワークに入力するためのデータを取得するために、受信した反射信号を制御部によって前処理することができる。本開示において、信号の前処理とは、受信された反射信号に基づいて人工ニューラルネットワークに入力するためのデータを取得するプロセス一切を意味し、ステップ303の前処理動作は、アナログ信号をデジタル信号にサンプリングする動作、サンプリングされた信号に対する減衰量補正やToF補正、周波数ドメイン変換動作などを含むことができる。本開示の様々な実施形態による路面分類人工ニューラルネットワークに対する入力データを取得するための前処理プロセスについては、
図6~
図8を参照して詳細に説明する。
【0100】
ステップ304において、前処理プロセスによって取得された入力データは路面分類人工ニューラルネットワークに入力することができる。一方、本開示の様々な実施形態による路面分類人工ニューラルネットワークは、路面を分類するために様々な路面に対して取得された複数のデータからなる学習データセットで学習することができる。学習された路面分類人工ニューラルネットワークは、入力データに基づいて結果を出力することができる。
【0101】
本開示の一実施形態による出力結果は、路面の分類クラスのそれぞれに対する確率値に関する情報を含むことができる。人工ニューラルネットワークモデルが路面を複数の種類に分けるように学習された場合、対象路面が複数の路面種類のそれぞれに対し該当する確率を数値で表現して出力することができる。このとき、出力される路面のクラスは、確率が高い順に1つ以上のクラスを出力することができる。
【0102】
本開示のさらに他の実施形態による出力結果は、複数のクラスの中から特定のクラスを決定して出力することができる。この場合、特定のクラスは、該当クラスに対する確率値が閾値以上であるか、または2順位クラスとの確率差が閾値以上である場合であってもよい。
【0103】
一方、本開示の様々な実施形態による路面分類人工ニューラルネットワークの出力結果は、路面の材質または状態に関する情報であり、上述の例に限定されず、人工ニューラルネットワークの設計に従って使用者に必要な形態で出力することができる。
【0104】
ステップ305において、路面分類装置は、出力結果に応じて様々な動作を実行することができる。路面分類結果に基づいた制御動作を変更または追加することによって、結果の正確度または路面管理の効率性を向上させることができる。
【0105】
本開示の様々な実施形態によれば、出力結果が直前の出力結果と異なる場合、路面状態の変化が気象状態の変化によるものであるか、出力エラーであるかを区別するために、出力結果による路面制御に先立って直後の出力結果と比較するプロセスを実行することができる。これに関する具体的な実施形態は、
図10および
図11を参照して詳細に説明する。この場合、路面分類装置は、出力結果に応じて音波信号の送信周期または回数を変更することができる。
【0106】
本開示の様々な実施形態によれば、出力結果が特定のクラス(例えば、雪、氷、またはスラッシュ)に関連する場合、路面管理装置を介して路面を制御するようにする命令または信号を生成し、それを送信することができる。出力結果に従って路面を管理する実施形態については、
図12を参照して詳細に説明する。
【0107】
図4は、本開示の様々な実施形態による路面分類装置から送信される音波信号を時間軸に示す図である。
【0108】
図4を参照すると、音波信号は1つの送信周期内で複数回発射することができる。本開示では、路面状態を判断するために1つの送信周期内で送信される音波信号の集合をバースト(burst)と呼ぶ。
【0109】
1つのバーストに含まれる音波信号の数は、使用者設定または予め決まった規則に従って変更することができる。また、1つのバーストに含まれる音波信号間の間隔は、使用者設定または予め設定された規則に従って変更することができる。バーストに含まれる音波信号間の間隔は一定であってもなくてもよい。また、1つのバーストに含まれる音波信号の強度は同じでも異なってもよい。
【0110】
本開示では、1つのバーストに含まれる音波信号の数、間隔、強度およびバーストの持続時間をバースト構成と呼ぶ。本開示では、異なるバーストはバースト構成が同じでも異なってもよい。各バーストに対するバースト構成は、使用者設定または予め決まった規則に従って変更することができる。
【0111】
本開示の一実施形態によるバーストに含まれる音波信号の数は1つであり得る。
【0112】
本開示のさらに他の実施形態によるバーストに含まれる音波信号の数は複数であり得る。
【0113】
本開示における送信周期とは、路面分類装置が対象路面に対する状態または材質を分類するためのバーストの送信間隔を意味する。バーストが1つの信号からなる場合、すなわち、単一の信号のみを送信する場合、送信周期は、規則的に送信される隣接する音波信号間の時間間隔を意味することができる。
図4を参照すると、送信周期は、1つのバースト(burst 1)に含まれる最初信号1aと次のバースト(burst 2)に含まれる最初信号2aとの間の時間間隔に対応することができる。送信周期は、使用者設定または予め決まった規則に従って変更することができる。
【0114】
本開示の様々な実施形態によれば、路面分類の結果または気象条件に従ってバーストに含まれる音波信号の数および/または送信周期を変更することができる。例えば、雪が降ったり気温が0度以下である場合など、特定の気象条件では、路面分類の正確度を向上させるために送信する音波信号の数を増やしたり、送信周期を短く変更したりすることができる。これに関する具体的な実施形態は、
図10および
図11を参照して詳細に説明する。
【0115】
一方、本開示の様々な実施形態によれば、路面分類装置が設置される位置またはオブジェクトに応じて送信周期を変えることができる。これは、路面から反射された受信信号と送信機から送信された信号によって発生するクロストーク信号とを区別するためのものであり、道路インフラに設置される路面分類装置の送信周期は、車両に設置される路面分類装置の送信周期よりも長いことができる。したがって、道路インフラに設置される路面分類装置の判断周期は、車両に設置される路面分類装置の判断周期よりも長くてもよい。
【0116】
本開示の様々な実施形態によれば、路面分類装置は、対象路面または物体に対するToFを測定または決定することができる。例えば、路面分類装置は、1つまたは複数の音波信号を送信し、これに対する受信信号に基づいて、対象路面または物体に対するToFを決定することができる。または、路面分類装置と対象路面との距離に基づいてToFを決定してもよい。
【0117】
本開示の様々な実施形態による路面分類装置は、決定されたToFに基づいて適切な送信周期とバースト構成を決定し、決定された送信周期とバースト構成で送信することができる。本開示の一実施形態による送信周期は、路面に対するToFより長く設定されてもよい。本開示の一実施形態によるバーストの持続時間は、送信周期より短く設定されてもよい。
【0118】
本開示の様々な実施形態による路面分類装置によれば、対象路面に対する路面分類結果は、1つのバーストに対応する1つの結果を出力することができる。または、路面分類装置は、1つのバーストに含まれる全ての音波信号に対する分類結果を表示してもよい。1つの結果が出力される場合、その結果は、バーストに含まれる複数の音波信号のそれぞれに対する複数の分類結果に基づいて出力されてもよい。
【0119】
図4を参照すると、第1結果(result 1)は、第1バースト(burst 1)が路面に対して反射された信号に基づいて取得された路面分類結果である。このとき、第1結果は、第1バーストに含まれる各信号1a、1b、1c、1dの路面分類結果に基づいて取得された結果であり得る。例えば、1a、1b、1c、1dの結果の最頻値を結果として出力してもよい。または、1a、1b、1c、1dの結果を合計した平均値に基づいて、第1バーストに対する路面分類結果を出力してもよい。
【0120】
本開示では、隣接したバーストの路面分類結果の間の時間間隔、すなわち第1結果と第2結果との時間間隔を路面分類に対する判断周期と呼ぶことができる。判断周期は送信周期と一致し得る。しかし、判断プロセスの場合、信号を処理する演算によって、その出力時点が不規則である可能性があるため、判断周期は一定でなくてもよく、送信周期と一致しなくてもよい。
【0121】
本開示の様々な実施形態による路面分類装置は、判断周期を変更するために送信周期を変更することができる。または、判断周期は、使用者設定または予め決まった規則に従って変更されてもよい。判断周期を変更する具体的な実施形態については、
図10および
図11を参照して詳細に説明する。
【0122】
図5は、本開示の一実施形態による音波信号の送信区間および反射信号の受信区間を示す図である。
【0123】
図5を参照すると、路面分類装置は送信区間でバーストまたは音波信号を送信することができる。
図5では、説明の便宜上、1つの信号を送信する場合を例示したが、本開示はこれに限定されない。すなわち、本開示における路面分類装置が音波信号を送信することは、1つの信号を単発で発射するだけでなく、複数の信号からなるバーストを周期で送信することを含むことが理解される。
【0124】
上述したように、本開示の様々な実施形態による路面分類装置は、送信された音波信号の路面に対するToFを決定することができるので、1つの送信区間に対して対応する受信区間を予め決定することができる。
【0125】
本開示の様々な実施形態によれば、受信区間の前に受信機で信号が感知されると、路面分類装置はそれをノイズ信号またはクロストーク信号と見なすことができ、これを低減するために路面分類装置の送信機を制御することができる。
【0126】
具体的には、
図5を参照すると、受信区間の前に受信される第1信号の強度が第1閾値より大きいか、または受信区間で受信される第2信号の強度と受信区間の前に受信される第1信号の強度との差が第2閾値より小さい場合、それを制御するために送信機に供給される電力を変更することができる。第1閾値および/または第2閾値は予め決定されてもよく、使用者入力または外部装置によって設定されてもよい。
【0127】
例えば、第1信号の強度が第1閾値より大きい場合、クロストークの影響が大きいと判断して送信機の振動を低減するように制御することができる。または、第2信号の強度が第1信号の強度に比べて小さい場合、受信信号に対する外部環境によるノイズが大きいと判断して送信機の振動を増加させるように制御することができる。本開示の一実施形態によれば、前記送信機の振動は、送信機に供給される電力の大きさを調整することによって制御することができる。
【0128】
図6は、本開示の様々な実施形態による路面分類装置が設けられる対象を示す図である。
【0129】
図6を参照すると、本開示の様々な実施形態による路面分類装置100は、移動体610または道路インフラ620などに設置されてもよい。このとき、車両などの移動体610に設置される路面分類装置100aと道路インフラ620に設置される路面分類装置100bとは、路面に対する高さが異なるため、送信音波のToFも互いに異なる。
【0130】
音波は空間を通って伝播するので、波源から距離が離れるほど振幅が減少するだけでなく、空気中で進める場合には媒体による減衰が発生する。したがって、異なるToFを有する路面に対する反射信号の特性は、同じ状態の路面であっても互いに異なることができる。
【0131】
一方、本開示の路面分類装置は、路面に対する反射信号に基づいて路面を分類するために人工ニューラルネットワークを利用するため、人工ニューラルネットワークを学習させるための多くのデータセットが必要である。
【0132】
図7は、本開示の様々な実施形態による路面分類人工ニューラルネットワークを学習させるためのデータセットを取得する方法を例示する図である。
【0133】
図7を参照すると、本開示の様々な実施形態による路面分類人工ニューラルネットワークを学習させるための学習データセットは、移動型測定機器700に含まれる送受信機を用いて路面分類(クラス)ごとに様々な路面に対して取得されてもよい。一般に、人工ニューラルネットワークの分類性能を向上させるためには、様々な地形や環境で多くのデータを収集することが重要であるため、このためには移動性の容易な機器を用いてデータを収集することが重要である。
【0134】
本開示の移動型測定機器700は、自転車、自動車、またはスクーターなどの道路上を移動する機器に搭載されたセンサ装置を意味し、人間や機械装置によって移動可能な機器を含むことができる。
【0135】
一方、移動型測定機器700が収集する学習データのToFは、
図6の車両のような移動体610に設置される路面分類装置100aのToFと同様であり得る。または、移動型測定機器の地面に対する位置は、移動体に設置される路面分類装置の地面に対する位置を考慮して設置されてもよい。この場合、本開示の様々な実施形態による移動型測定機器によって取得された学習データセットで学習された路面分類人工ニューラルネットワークは、移動体に設置される路面分類装置100aで反射信号に対する特別な補正なしに直接使用することができる。
【0136】
しかし、
図6のように路面分類装置が道路インフラなどの移動体と異なる高さに設置される場合(100b)、路面分類装置が取得する反射信号を路面分類人工ニューラルネットワークにそのまま入力すると、対象路面に対する分類正確度が低下する可能性がある。
【0137】
図8は、本開示の様々な実施形態による路面分類装置が受信した反射信号を前処理するプロセスを示すフローチャートである。
図8の前処理プロセスは、本開示の技術的思想を表すための例示的なものであり、様々な実施形態によれば、
図8に示す動作よりも多くの動作を実行するか、またはより少ない少なくとも1つの動作を実行することができる。
【0138】
ステップ801において、本開示の様々な実施形態による路面分類装置は、受信された反射信号に基づいて第1データを取得することができる。
【0139】
上述したように、受信機を介して受信された反射信号はアナログ信号であり得るので、本開示の路面分類装置は、制御部130に含まれるADC回路を介して反射信号をデジタル信号に変換(conversion)することができる。または、本開示の一実施形態による路面分類装置に含まれる送受信機が路面を介して反射された反射信号をデジタル信号の形態に処理して第1データを取得することができる。
【0140】
ステップ802において、本開示の様々な実施形態による路面分類装置は、デジタル信号に変換されたデータに大気補正(atmospheric correction)を適用して第2データを取得することができる。
【0141】
音波は大気中で伝播し、媒体の影響で減衰し、減衰量は伝播距離(propagation distance)と減衰係数によって決定される。一方、減衰係数は、温度、湿度、気圧および音波の振動数に基づいて決定される数値であるため、本開示の様々な実施形態による路面分類装置は、それに基づいて音波の減衰量を計算することができる。
【0142】
本開示の様々な実施形態による路面分類装置は、大気センサを介して取得する温度、湿度、および気圧などの大気情報に基づいて受信する反射信号の減衰量を補正した第2データを生成することができる。
【0143】
一方、大気補正に必要な音波の伝播距離は、使用者によって予め入力されてもよく、ToFに基づいて取得されてもよい。すなわち、路面分類装置が設置されている位置に応じて、路面に対する距離情報が予め入力されてもよく、または上述したように路面分類装置によって取得されるToF情報と大気情報に基づいて路面に対する距離情報が取得されてもよい。
【0144】
ステップ803において、本開示の様々な実施形態による路面分類装置は、大気減衰量が補正された第2データに対して距離補正を適用して第3データを取得することができる。
【0145】
上述したように、
図6および
図7を参照すると、本開示の様々な実施形態による路面分類人工ニューラルネットワークの学習データの基礎となる音波信号は、路面に対してd1の距離で反射して取得された信号であり得る。したがって、d1とは異なる高さd2に設けられた路面分類装置100bの分類性能を高めるために、d2で取得された音波信号をd1で取得された音波信号のように補正することができる。
【0146】
一方、ステップ802とステップ803は1つの手順で実行することができる。すなわち、本開示の様々な実施形態によれば、ステップ801で取得したデジタル信号について、大気情報および距離情報に基づいて大気減衰量と路面に対する距離が補正された音波データを取得することができる。
【0147】
また、本開示の様々な実施形態による路面分類装置の設置位置に応じて、ステップ802および/またはステップ803の補正手順を省略することができる。
【0148】
ステップ804において、本開示の様々な実施形態による路面分類装置は、補正された音波データを周波数領域で分析するために変換(transformation)を実行して周波数ドメインデータを取得することができる。本開示の様々な実施形態による周波数ドメイン変換方法は上述した通りである。取得された周波数ドメインデータは、本開示の様々な実施形態による路面分類人工ニューラルネットワークへの入力データであり、周波数ドメインデータが路面分類人工ニューラルネットワークに入力されると、路面分類人工ニューラルネットワークは対象路面に対する路面分類結果を出力することができる。
【0149】
本開示の様々な実施形態による路面分類装置は、音波信号以外の追加的な情報に基づいて結果を出力することができる。音波信号に加えてさらに取得できる他の情報は、ビジョンセンサ(カメラ)を介して取得する映像情報、IRセンサを介して取得する路面温度情報、通信部を介して取得する環境情報などを含むことができる。
【0150】
本開示の一実施形態によれば、路面分類装置は、2つ以上の異なる判断基準を組み合わせることができる。
【0151】
音波を通じて確認できる領域は路面の一部の領域に該当することができるので、より広い領域の状態を確認できる映像情報を路面分類結果に補助的に利用することができる。例えば、映像情報を通じて確認される結果と路面分類人工ニューラルネットワークの出力値が一致する場合にのみ有効な路面情報と判断することができる。一方、本開示の様々な実施形態による路面分類装置は、映像情報に対する路面分類結果を取得するための別々のイメージベースの路面分類人工ニューラルネットワークをさらに含むことができる。
【0152】
また、本開示の様々な実施形態によれば、路面分類装置は特定の温度条件を追加して特定の路面状態に対する結果値を検証することができる。例えば、路面温度が0℃より高い場合、大気圧条件で物理的に氷を形成することができないため、該当温度条件で路面分類結果が氷などに分類される場合はエラーに該当すると判断することができる。したがって、感知部のIRセンサまたは大気センサを介して取得した路面や大気温度が特定の温度以上であると確認される場合、路面分類結果が指す路面の状態が氷に関連していると出ると、その結果を出力する代わりに追加の動作を行うことができる。または、路面温度が特定の温度以上または以下である場合に、映像情報に対する結果をさらに活用して結果を出力するように構成されてもよい。
【0153】
また、本開示の様々な実施形態によれば、路面分類装置は、気象環境情報をさらに考慮して路面分類結果を出力することができる。例えば、雪や雨が降った場合など、天気に関する気象環境情報を受信した場合、その天気で分類される可能性が高いクラスに対する路面分類結果の順位を調整することができる。
【0154】
一方、上述の映像情報と温度情報は路面の状態を分類するのに有用な情報であるため、路面分類人工ニューラルネットワークは音波信号に基づくデータのみで学習されるのではなく、関連する追加データを一緒に入力して学習性能および分類性能を強化することができる。
【0155】
図9は、本開示の一実施形態によるmulti-modal人工ニューラルネットワークを示す図である。
【0156】
図9を参照すると、本開示の様々な実施形態による路面分類人工ニューラルネットワークは、multi-modal人工ニューラルネットワークを含むことができる。multi-modal人工ニューラルネットワークは、音波信号に関連する入力データに加えて、イメージ情報、大気情報、または路面温度情報のうち少なくともいずれかを一緒に入力することによって、異なる情報に基づく分類器を介して単一の分類器として機能することができる。このような対応学習により、1つの路面状態に関連する複数の情報を一緒に入力して、より正確な路面分類結果を取得することができる。すなわち、本開示の様々な実施形態による路面分類装置は、複数の情報を組み合わせて路面結果を出力することができる。一方、
図9に示す入力データは例示的なものであり、イメージ情報、大気情報および/または路面温度情報の一部のみを活用したり、追加的な情報をさらに活用したりしてもよい。
【0157】
図10は、本開示の一実施形態による路面分類装置が予め決まった制御変更トリガーに基づいて制御動作を変更する動作を示すフローチャートである。
【0158】
本開示における制御変更トリガー(trigger)とは、本開示の様々な実施形態による路面分類装置の動作を変更する状況または条件を意味するものであり、使用者によって予め設定されてもよく、外部装置からの命令などによって設定されてもよい。
【0159】
一方、制御変更トリガーによって路面分類装置の制御動作が変更されるとは、バースト構成、送信周期、判断周期、路面分類結果出力方式など、路面分類装置において制御変更トリガーの発生前に設定された方式が変更されることを意味する。
【0160】
制御変更トリガーは、路面分類結果(クラス)の変化ないし特定のクラスの出力、気象条件、時間条件、または地理条件などを含むことができ、上記の例に限定されない。
【0161】
制御変更トリガーの一例として、路面分類結果が変化した場合、路面分類装置の動作が変更されてもよい。
【0162】
図11は、本開示の一実施形態による路面分類結果が変化するシナリオを例示する図である。
【0163】
図11を参照すると、本開示の一実施形態による路面分類装置の路面分類結果は、第1時点t1で第1クラスR1であり、第2時点t2で第2クラスR2に変更することができる。前記第2クラスは、前記第1クラスとは異なるクラスであり得る。
【0164】
本開示の一実施形態によれば、前記第2クラスは氷に関連する路面状態を表すことができ、前記第1クラスは他の路面状態に関連する分類結果であり得る。
【0165】
路面の状態が変更する場合、本開示の様々な実施形態による路面分類装置は制御動作の変更を必要とすることもある。
【0166】
例えば、路面の分類結果が直前の分類結果と異なる場合、路面分類結果にエラーがあることを確認するために、路面分類装置は送信周期を変更してもよく、バースト構成を変更してもよい。すなわち、送信周期をさらに短くして判断回数を増やすか、またはバーストに含まれる音波信号の数を増やして判断回数を増やすことができる。または、送信周期またはバースト構成を直接変更する代わりに、後続の判断に基づいて送信周期またはバースト構成の変更の有無を決定してもよい。
【0167】
図11を参照して上記例を詳細に説明すると、第2時点の結果が第1時点の結果と異なり(R1≠R2)、本開示の一実施形態による路面分類装置は、送信周期を短く変更するように制御することができ、短い時間間隔の間(t3~t6)より多くの結果を取得することができる。一方、該当時間間隔の間(t3~t6)第2クラスへの判断回数が第1クラスへの判断回数より多いので、路面分類装置は第2クラスへの判断が正しいと判断し、再び送信周期を元の状態に変更し、変更された送信周期による時点である第7時点t7で結果を出力することができる。
【0168】
本開示の様々な実施形態により、先行判断が異なる場合、後行判断に基づいて制御動作を変更する例であり、第1時点t1で第1クラスR1と判断され、第2時点t2で第1クラスと異なる第2クラスR2と判断される場合、直ちに送信周期を変更する代わりに、次の判断時点である第3時点で第3クラスの結果に基づいて第2クラスに対する判断の正確度や送信周期などの変更の有無を決定してもよい。すなわち、第3クラスの結果がR2と判断される場合、第2時点で変更されたクラスが正しいと判断し、送信周期を変更しない場合があり、第3クラスの結果がR2と判断されない場合、R2の判断をエラーと判断し、送信周期を変更することができる。
【0169】
一方、各時点における判断結果は、本開示の様々な実施形態による各バーストに対応する判断結果であり得る。
【0170】
本開示の様々な実施形態による路面分類装置は、変更された制御動作における複数の判断の結果に基づいて、路面管理に関連する動作をさらに実行することができる。例えば、変更された特定のクラスの正確度の判断の後、そのクラスに対する判断が正しいと見なされ、変更されたクラスに関連する路面管理動作を実行することができる。路面管理動作に関する詳細については、
図12を参照して説明する。
【0171】
制御変更トリガーの別の例として、気象条件や時間条件が変更された場合、路面分類装置の動作を変更することができる。
【0172】
気象条件の例として、温度が0度以下であるか、または0度以下の温度に予定された場合、本開示の様々な実施形態による路面分類装置は、ブラックアイスの発生の有無を迅速に判断するために送信周期を短くするか、またはバースト内の送信回数を増やすなどで制御動作を変更することができる。気象条件のさらに別の例として、強風や雨天、大雪などの気象環境があり得、そのような気象環境に関する情報は、路面分類装置に含まれる大気センサを介して取得するか、または通信部を介して外部装置から取得してもよい。
【0173】
時間条件の例として、昼より夜にブラックアイスがより簡単に発生する可能性があるので、このような点を考慮して特定の時間に送信周期またはバースト構成を変更することができる。時間条件のさらに別の例として、夏季は冬季よりも路面状態の変化が少ない可能性があるため、電力消耗を減らすために送信周期を長くするか、またはバースト内の送信回数を減らすなどで制御動作を変更することができる。
【0174】
制御変更トリガーのさらに別の例として、地理条件が変更される場合、路面分類装置の動作を変更することができる。路面分類装置が道路インフラに設置されている場合、地理的条件を変更することはできないが、地域的条件ごとに送信周期またはバースト構成を変えることができる。路面分類装置が車両などの移動体に設置される場合、特定の地域に進入する際に、送信周期またはバースト構成を異なるようにすることができる。例えば、ブラックアイスが脆弱区間に進入する場合、路面分類装置が該当情報を受信すると、上述したように制御動作を変更することができる。
【0175】
一方、上述の気象条件、時間条件、または地理条件に関連する制御変更トリガーは、例示的なものであり、これに限定されず、使用者入力またはサーバー装置などの外部電子装置から受信される信号によって設定されてもよい。
【0176】
図12は、本開示の様々な実施形態による路面分類装置による路面管理方法を示す図である。
【0177】
図12を参照すると、ステップ1201において、路面分類装置は路面の制御に関する情報を取得することができる。本開示の様々な実施形態によれば、路面の制御に関連する情報は、
図3のステップ304で取得した結果または
図10の制御動作変更によって取得した最終結果を含むことができる。また、路面の制御に関する情報は、路面分類装置が取得する気象情報および/または路面温度情報を含むことができる。
【0178】
ステップ1202において、本開示の様々な実施形態による路面分類装置は、取得した情報に基づいて路面制御のための稼動条件を満たすかどうかを判断することができる。
【0179】
例えば、ステップ1201で取得した路面分類結果がブラックアイスに関連する場合、すなわち氷に関連したクラスを取得した場合、路面分類装置は、路面の氷状態を解消または防止するために路面に設置された路面管理装置を稼動させるための条件を満足したと判断できる。
【0180】
または、取得した路面分類結果と気象情報を組み合わせて路面制御の稼動条件を判断することができる。例えば、気象情報が特定の条件を満たす場合、氷が発生する危険性が高いと判断し、路面の氷状態を解消または防止するために路面に設置された路面管理装置を稼動させるための条件を満足したと判断できる。
【0181】
路面管理装置を稼動させるための気象情報の例として、以下のような条件を含むことができる。
(1)雪、雨、みぞれ、または霜が降りるか、または降りることが予報された場合
(2)道路の表面温度が0度以下である場合
(3)時間帯が夜明けの場合
(4)温度が急激に下落している場合
(5)強風が吹いている場合
【0182】
前記気象条件のうち少なくとも1つ以上が満足されると、路面分類結果が特定のクラス(例えば、水、スラッシュ、氷)で取得された場合には路面制御が必要であると判断することができる。
【0183】
本開示の様々な実施形態による路面管理装置は、食塩水噴射装置または熱線を含むことができるが、これらに限定されない。
【0184】
ステップ1203において、本開示の様々な実施形態による路面分類装置は、取得した情報および判断に基づいて路面制御信号を生成することができる。路面制御信号は、路面に設置された路面管理装置を制御するために必要な信号または命令を含むことができる。
【0185】
本開示の様々な実施形態による路面分類装置は、道路に設置された路面管理装置と連動することができる。路面分類装置が路面管理装置と直接連動している場合、路面分類装置は路面管理装置を制御するための命令信号を生成して路面管理装置に送信することができる。または、路面分類装置が外部サーバーを介して路面管理装置と間接的に連動している場合、路面分類装置は路面管理装置の制御を指示する信号を生成して外部サーバーに送信することができる。
【0186】
一方、路面管理装置が路面制御信号を受信した場合、路面制御信号に基づいて路面を制御する動作を行うことができる。例えば、路面管理装置は、路面制御信号に基づいて食塩水を噴射したり、熱線を稼動させたりすることができる。
【0187】
本開示の路面管理に対する別の実施形態では、路面分類装置は路面の破損の危険性を判断することができる。
【0188】
アスファルトは、特定の重量を超える車両の繰り返し通行により破損する可能性がある。特に、ある冬にアスファルトの間に染み込んだ水が氷に凍る場合、体積が膨張し、このとき、トラックなどの大型車両が通過すると路面が破損する可能性がある。
【0189】
本開示の様々な実施形態に従って道路インフラに設置された路面分類装置は、路面に対するToFを周期的に感知することができるので、これに基づいて通行車両情報や通行量などの交通情報を測定することができる。
【0190】
図13は、本開示の一実施形態による路面分類装置が交通情報を収集することを示す図である。
【0191】
図13を参照すると、路面分類装置は、ToFの測定に基づいて路面の交通情報を収集することができる。本開示の様々な実施形態による路面分類装置が収集する交通情報は、路面の破損程度または交通量に関する情報を含むことができる。
【0192】
上述したように、路面分類装置は、路面分類装置の設置高さに対する情報を取得することができるので、路面分類装置の設置高さに対応するToFを基準ToFとして決定することができる。すなわち、路面から反射する反射信号のToFを基準ToFとすることができる。
【0193】
したがって、本開示の一実施形態による路面分類装置は、路面分類装置が取得したToFが基準ToFに対応すると識別された場合、路面に車両がないと判断することができる。また、取得したToFが基準ToFより短いと識別される場合、路面に車両があると判断することができる。また、取得したToFに基づいて推定される路面上の物体の大きさ(高さ)に対する情報を取得することができる。
【0194】
ToF値が短いほど路面から高い物体があることを意味することができるので、路面分類装置は、ToFが短い信号に対して大型車両が通過したと判断することができる。大型車両に対する判断基準は、使用者入力または外部装置の信号によって予め設定されてもよい。
【0195】
本開示の様々な実施形態による路面分類装置は、予め決まった時間間隔の間に取得されるToF値に基づいて、その時間の間に路面を通過する交通量を推定することができる。また、本開示の路面分類装置が取得する交通量情報は、通行した車両のサイズに関する情報をさらに含むことができる。
【0196】
図13を参照すると、大型車両が通過している(a)のToF 1は、小型車両が通過している(b)のToF 2よりも小さく測定される。
【0197】
本開示の様々な実施形態による路面分類装置は、路面状態情報および/または気象情報を取得することができるので、取得した情報と交通量情報を組み合わせて路面の破損の危険性を判断し、それを外部に知らせることができる。路面状態情報は、路面分類結果および/または路面温度情報を含むことができる。
【0198】
例えば、路面分類結果が氷に関連するクラスであると判断される期間中に大型車両の通行回数に対する情報を測定し、それに関連する情報を使用者または外部装置に提供することができる。外部装置は、道路を管理する機関のサーバー装置を含むことができる。または、路面温度が特定の温度以下に測定されている期間に車両の通行量に関する情報を取得し、それを外部装置に送信することができる。この場合、特定の路面分類結果または特定の気象条件での大型車両の通行量に基づいて路面の破損程度を推定することができる。または、取得した大型車両の通行量情報を外部装置に提供することによって路面の破損の危険性を管理することができる。
【0199】
本開示の様々な実施形態による路面分類装置は、取得した受信信号のToFに基づいて路面分類に活用するか、または交通量情報を収集するために活用するかを決定することができる。すなわち、取得した受信信号のToFが基準ToFと誤差範囲内である場合、これを路面に対する反射信号と判断して路面分類に活用することができ、取得した受信信号のToFが基準ToFより短い場合、車両から取得したものであると判断してそれに基づいて交通情報を取得することができる。
【0200】
交通量情報を収集するために、路面分類装置は、音波信号の送信周期を路面分類のための送信周期より短くすることができる。すなわち、音波信号の送信周期は、使用者の必要に応じて様々に設定することができ、取得される信号は目的に応じて様々に処理することができる。
【0201】
一方、本開示の路面分類装置は、路面種類推定装置を含むことができる。以下の路面種類推定装置は、本開示の路面分類装置の様々な実施形態であり、本開示の一実施形態による路面種類推定装置を介して実行される動作は、本開示の様々な実施形態による路面分類装置によって実行できることは明らかである。
【0202】
図14は、本開示の一実施形態による路面種類推定装置の構成図である。
【0203】
図14に示すように、本開示の一実施形態による音波を利用した路面種類推定装置は、音波送受信部1410、信号変換器1420、人工ニューラルネットワーク1430、および制御部(MCU)1440を含むことができる。一方、路面種類推定装置は、大気減衰量補正部(図示せず)と大気情報測定部(図示せず)とをさらに含むことができる。
【0204】
音波送受信部1410は、種類を分かろうとする該当路面に音波信号を送信した後、反射された信号を受信することができる。
【0205】
前記音波送受信部1410は、前記制御部1440の制御に従って送信信号を出力する音波送信機1411と、前記送信信号が任意の面に反射して戻ってくる反射信号を受信する音波受信機1412と、を含むことができる。
【0206】
信号変換器1420は、前記受信した信号の時間ドメイン上の既定領域に対して周波数変換を行い、周波数ドメイン信号(例えば、スペクトログラム)を取得することができる。
【0207】
前記信号変換器1420は、STFT(Short-Time Fourier Transform)変換器、FFT(Fast Fourier Transform)、ケプストラム(cepstruam)、またはウェーブレット変換器(Wavelet Transform)を含むことができる。このとき、前記周波数ドメイン信号(スペクトログラム)は2Dまたは3Dであり得る。
【0208】
前記人工ニューラルネットワーク1430は、前記周波数ドメイン信号(スペクトログラム)を入力信号とし、学習された路面分類モデルに基づいて前記入力信号の特性を抽出し、分類して前記路面の種類を推定することができる。
【0209】
一方、前記信号変換器1420は、アナログデジタル変換器(ADC)を含むことができる。ADCは、前記受信した信号のアナログ信号をデジタル信号に変換することができる。
【0210】
大気減衰量補正部(図示せず)は、前記デジタル信号の大気中減衰量を計算して補正することができる。
【0211】
前記人工ニューラルネットワーク1430は、前記変換された信号または補正されたデジタル信号を入力信号として、学習された路面分類モデルに基づいて前記入力信号に対してコンボリューションを行い、分類して前記路面の種類を推定することができる。
【0212】
一方、前記人工ニューラルネットワーク1430では、決定木(decision trees)、線形判別分析(discriminant analysis)、ロジスティック回帰分類器(logistic regression classifiers)、単純ベイズ分類器(Naive Bayes classifier)、サポートベクトルマシン(support vector machine)、最近傍分類器(nearest neighbor classifiers)、アンサンブル分類器(ensemble classifiers)のうち少なくとも1つ以上を用いて分類および学習することができる。
【0213】
決定木(decision trees)には、Fine tree、Medium tree、Coarse tree、All tree、Optimizable treeが含まれ、線形判別分析(discriminant analysis)には、Linear discriminant、Quadratic discriminant、All discriminants、Optimizable discriminantが含まれ、単純ベイズ分類器(Naive Bayes classifier)には、Gaussian Naive Bayes、Kernel Naive Bayes、All Naive Bayes、Optimizable Naive Bayesが含まれ、サポートベクトルマシン(support vector machine,SVM)には、Linear SVM、Quadratic SVM、Cubic SVM、Fine Gaussian SVM、Medium Gaussian SVM、Coarse Gaussian SVM、All SVM、Optimizable SVMが含まれ、最近傍分類器(nearest neighbor classifiers)には、Fine KNN、Medium KNN、Coarse KNN、Cosine KNN、Cubic KNN、Weighted KNN、All KNN、Optimizable KNNが含まれ、アンサンブル分類器(ensemble classifiers)には、Boosted trees、Bagged trees、Subspace Discriminant、Subspace KNN、RUSBoosted trees、All Ensembles、Optimizable Ensembleが含まれ得る。
【0214】
前記制御部(MCU)1440は、前記音波送受信部1410、前記信号変換器1420、および前記人工ニューラルネットワーク1430の動作を制御することができる。
【0215】
前記信号変換器1420および前記人工ニューラルネットワーク1430は、プログラムで実現されたソフトウェアを構成要素として表現したものである。
【0216】
一方、図面には示されていないが、本開示の様々な実施形態による音波を用いた路面種類推定装置は、前記学習された路面分類モデルと、前記プログラムで実現されたソフトウェアが記憶される記憶装置(メモリ)とを含む。前記記憶装置(メモリ)は、前記制御部(MCU)に含まれて構成されてもよい。
【0217】
一方、本開示による音波を用いた路面種類推定装置は、大気中の温度、湿度および気圧を測定できる大気センサ(図示せず)をさらに含むことができる。
【0218】
前記制御部1440の制御に応じて、前記温度、湿度および気圧を含む大気情報は、前記大気減衰量補正部で使用されてもよく、または人工ニューラルネットワーク1430の入力に伝達されてもよい。
【0219】
図15は、本開示の一実施形態による音波を利用した路面種類推定装置で送信信号および受信信号を説明するための図である。
【0220】
図15に示すように、制御部(MCU)1440は、既定の大きさ(v:trigger voltage)で予め設定された伝送周期(p:transmission period)を有するトリガー信号を音波送受信部1410に伝達することができる。
【0221】
そして、前記音波送受信部1410の音波送信機1411は、特定の周波数、例えば40kHzを有する音波信号1501を、種類を分かろうとする該当路面に出力することができる。
【0222】
その後、前記音波送受信部1410の音波受信機1412は、前記路面に反射して戻ってくる反射信号を受信することができる。
【0223】
ここで、前記音波信号1501のようなタイムラインに受信される信号1502は、前記音波送受信部1410が送信した音波信号のクロストーク信号であってもよい。また、前記制御部1440は、伝送遅延後に受信した振幅(amplitude)が最も大きい点から既定時間の間の信号1503を受信信号として決定することができる。
【0224】
例えば、クロストーク信号の後に受信した信号の振幅が最も大きい時点をt_0とすると、t_0-a[ms]からt_0+b[ms]までの合計(a+b)msを観察することができ、
図15の受信信号203は、aが0.2であり、bが5である。環境や条件に応じて、aとbは調整可能な可変数値である。
【0225】
図15の例では、送信された音波信号が十分に消えるまでの時間である10msを1伝送周期とし、音波送受信部1410のサンプリング周波数は40kHz音波周波数の25倍でサンプリングする1MHzとした。
【0226】
一方、上述したように、伝送周期に応じて複数の受信された信号を感知して路面の状態を感知することもでき、音波を1回送信後に受信された1回の反射信号を処理して路面の状態を感知することもできる。
【0227】
図16は、本開示の一実施形態による音波を用いた路面種類推定装置における信号変換器を例示的に説明するための図である。
【0228】
図16では、信号変換器1420としてSTFT変換器を使用したことを例に説明する。
【0229】
図16に示すように、STFT変換器は、
図15で受信した反射信号のうち、前記音波送受信部1410が送信した音波信号のクロストーク信号1502を除き、伝送遅延後に受信した既定時間の間の信号1503、1601に対してショートタイムフーリエ変換(Short-Time Fourier Transform)して2Dスペクトログラム1602を取得することができる。
【0230】
1周期の間の信号1503をフーリエ変換してもよく、多周期の間の受信信号をフーリエ変換してもよい。
【0231】
本開示では、音響インピーダンスと表面粗さ情報などを用いて材質を区別することができる。音響インピーダンスは定数ではなく、音波が振動する周波数ごとにその値が変わることがある。したがって、周波数ドメインでの分析が有用であり得る。タイムドメインの受信信号を周波数ドメイン信号に変換するためのいくつかの方法のうちの1つであるフーリエ変換(Time Fourier Transform)を使用することができる。また、各時間(サンプリング時間)ごとのFFTを確認するためにショートタイムフーリエ変換(Short-Time Fourier Transform)を使用することができる。
【0232】
また、ショートタイムフーリエ変換(Short-Time Fourier Transform)だけでなくウェーブレット(Wavelet)などを用いて周波数分析が可能であり、本開示の一実施形態では、例示的に、計算量を減らすとともに十分なデータを確保するためにSTFTを使用することで説明した。
【0233】
ショートタイムフーリエ変換(STFT)は、既存のフーリエ変換で解決できなかった時間の変化を考慮するために考案された方法である。STFTは、時間とともに変化する長い信号を短い時間単位で分割した後にフーリエ変換を適用することである。
【0234】
STFTは、信号をウインドウ長(Window length)に応じて分離するので、フーリエ変換に使用される信号の長さを短縮し、それによって周波数の解像度(Resolution)を劣化させる可能性がある。一方、ウインドウ長(Window length)を増加させて周波数の解像度を向上させる場合、却って時間解像度(Resolution)を劣化させる可能性がある。このような周波数と時間のトレードオフ(Trade off)関係による解像度の限界を克服するために、ウェーブレット変換(Wavelet Transform,WT)を使用することができる。
【0235】
STFTでWindow lengthが決まっていると、WTはWindow lengthを変えながら何度もSTFTをすることである。また、STFTで基本関数として時間的に無限大に拡張するサイン曲線を用いる場合、ウェーブレットは有限期間の間に存在するいくつかの種類の関数がある。ウェーブレット関数として、Morlet、Daubechies、Coiflets、Biorthogonal、Mexican Hat、およびSymletsなどがある。
【0236】
図17は、本開示の一実施形態による音波を用いた路面種類推定装置における人工ニューラルネットワークを説明するための図である。
【0237】
図17に示すように、人工ニューラルネットワークは、入力層1701、複数の隠れ層1702および出力層1703を含む多層パーセプトロン(Multi-Layer Perceptron)アルゴリズムの深層ニューラルネットワーク(DNN:Deep Neural Network)を含むことができる。また、本開示の様々な実施形態による人工ニューラルネットワークは、コンボリューション実行部(図示せず)をさらに含む多層パーセプトロン(Multi-Layer Perceptron)アルゴリズムの深層コンボリューションニューラルネットワーク(DCNN:Deep Convolution Neural Network)を含むことができる。
【0238】
前記入力層1701は、前記スペクトログラム1702のデータを平面化(flatten)して1Dで入力することができる。
【0239】
前記入力層1701に入力されるデータは、複数の隠れ層1702を介して特性抽出および分類することができる。
【0240】
前記出力層1703は、学習した路面の各種類に対する確率値を出力することができる。
【0241】
前記人工ニューラルネットワークは、ソフトマックス1704を用いて、前記出力層1703から出力される確率値のうちで最も高い確率を有する路面の種類を決定して出力することができる。
【0242】
一方、前記人工ニューラルネットワークは、大気情報(温度、湿度、気圧情報)を受け取って前記入力層1701の入力としても使用することができる。
【0243】
また、前記人工ニューラルネットワークは、前記路面に送信された音波信号1501をフーリエ変換して前記入力層1701の入力としても使用ことができる。
【0244】
一方、前記人工ニューラルネットワークがDCNNである場合、前記コンボリューション実行部は、伝達されたデジタル入力信号に対してコンボリューション演算を複数回進行し、各コンボリューション演算ごとに配置正規化(Batch Normalization)、活性化(ReLU)関数、およびマックスプーリング(MaxpPooling)関数を実行し、最後のコンボリューション演算でフラット化されたデータを前記転送層に出力することができる。
【0245】
このとき、前記転送層はCNNの入力層1701であり、前記コンボリューション実行部のフラット化された出力データを1次元(1D)で入力されることができ、以降の動作は上記と同様である。
【0246】
図18は、コンボリューション実行部の動作を説明するための図である。
【0247】
コンボリューション実行部は、入力信号に対して1Dコンボリューション演算を複数回(例えば、5回)進め、各コンボリューション演算ごとに配置正規化(Batch Normalization)、活性化(ReLU)関数、およびマックスプーリング(MaxpPooling)関数を実行することができ、最後のコンボリューション演算の出力はフラット化されたデータであり得る。
【0248】
例示的に
図18を参照すると、入力信号1801は、7msの間の受信信号約7000個となり、第1コンボリューション実行結果1802は、前記入力信号1801に1D conv(64,16)、BN、ReLU、およびMP(8)を実行した結果であり、第2コンボリューション実行結果1803は、前記第1コンボリューション実行結果1802に1D conv(32,32)、BN、ReLU、およびMP(8)を実行した結果であり、第3コンボリューション実行結果1804は、前記第2コンボリューション実行結果403に1D conv(16,64)、BN、ReLU、およびMP(8)を実行した結果であり、第4コンボリューション実行結果1805は、前記第3コンボリューション実行結果1804に1D conv(8,128)、BN、およびReLUを実行した結果であり、第5コンボリューション実行結果1806は、前記第4コンボリューション実行結果1805に1D conv(4,2568)、BN、およびReLUを実行した結果である。
【0249】
図19は、本開示の音波を用いた路面種類推定装置のコンボリューション実行部のコードを説明するための図である。
【0250】
図19は、
図18に示すコンボリューション実行部の一部をソフトウェアで実現したコードである。
【0251】
前記コードは、複数の配置正規化(BatchNorm)関数、およびマックスプーリング関数(MaxPool)を含むことができる。
【0252】
本開示の一実施形態による使用可能な一例として、1次元コンボリューション後、1次元配置正規化を行い、その後、マックスプーリングを進行することを一組として4セット分繰り返し、最後は全結合層(fully connected layer)を通じて分類しようとする路面の数だけの値を出力し、路面ごとに確率を出力させる。
【0253】
一方、本開示では、1次元(1D)コンボリューション演算を実行する方法を一例として説明したが、コンボリューション演算は1Dだけでなく、2Dおよび3Dも可能である。
【0254】
図20は、本開示の一実施形態による音波のドメイン変換を利用した路面種類推定方法のフローチャートである。
【0255】
まず、本開示による音波のドメイン変換を用いた路面種類推定方法を実行するためには、まず学習ステップ2001が先行して路面分類モデルを生成することができる。
【0256】
学習ステップ2001では、複数種類の路面に対して音波信号を送信した後、反射された信号を受信し、該当信号を周波数ドメイン信号(例えば、スペクトログラム)に変換し、前記周波数ドメイン信号(スペクトログラム)を前記人工ニューラルネットワークに入力して前記路面分類モデルを学習させ得る。
【0257】
ここで、周波数ドメインの周波数ドメイン信号に変換するためにSTFT(Short-Time Fourier Transform)変換器、FFT(Fast Fourier Transform)、ケプストラム(cepstruam)、またはウェーブレット変換器(Wavelet Transform)を使用することができる。前記周波数ドメイン信号は2Dまたは3Dであり得る。
【0258】
その後、制御部の制御に応じて、種類を分かろうとする該当路面に音波信号を送信した後、反射された信号を受信することができる(2002)。
【0259】
その後、制御部の制御に応じて、前記受信した信号の既定領域に対して信号変換を行って周波数ドメイン信号を取得することができる(2003)。
【0260】
前記周波数ドメイン信号取得ステップ2003では、前記受信した信号から、前記送信した音波信号のクロストーク信号を除き、前記音波信号の周期ごとに、伝送遅延後に受信した既定時間の間の信号に対しドメイン変換して前記周波数ドメイン信号を取得することができる。
【0261】
その後、制御部の制御に応じて、前記周波数ドメイン信号を人工ニューラルネットワークの入力信号とし、学習された路面分類モデルに基づいて、前記入力信号の特性を抽出し、分類して前記路面の種類を決定することができる(2004)。
【0262】
前記人工ニューラルネットワークは、入力層1701、複数の隠れ層1702および出力層1703を含む多層パーセプトロン(Multi-Layer Perceptron)アルゴリズムの深層ニューラルネットワーク(DNN:Deep Neural Network)を含むことができる。このとき、前記出力層1703は、学習した路面の各種類に対する確率値を出力することができ、前記人工ニューラルネットワークは、ソフトマックス(softmax)1704を用いて、最も高い確率を有する路面の種類を決定して出力することができる。
【0263】
前記人工ニューラルネットワークは、大気情報(温度、湿度、気圧情報)を受け取り、前記入力層の入力としても使用することができる。
【0264】
また、前記人工ニューラルネットワークは、前記路面に送信された音波信号をフーリエ変換して前記入力層の入力としても使用することができる。
【0265】
図21は、本開示による音波を用いた路面種類推定方法の一実施形態を示すフローチャートである。
【0266】
まず、本開示による音波を用いた路面種類推定方法を実行するためには、まず学習ステップ2101が先行して路面分類モデルを生成することができる。
【0267】
学習ステップ2101では、複数種類の路面に対して音波信号を送信した後、反射された信号を受信し、該当信号をデジタル信号に変換し、前記変換されたデジタル信号を人工ニューラルネットワークに入力して複数回のコンボリューション演算を実行して前記路面分類モデルを学習させることができる。
【0268】
その後、制御部の制御に応じて、種類を分かろうとする該当路面に音波信号を送信した後、反射された信号を受信することができる(2102)。
【0269】
その後、制御部の制御に応じて、前記受信した信号の既定領域に対してアナログ信号をデジタル信号に変換することができる(2103)。
【0270】
前記信号変換ステップ2103では、前記受信した信号において、前記送信した音波信号のクロストーク信号を除き、前記音波信号の周期ごとに、伝送遅延後に受信した信号の振幅が最も大きい点を基準として既定時間中の信号に対してデジタル信号に変換することができる。
【0271】
例えば、クロストーク信号の後に受信した信号の振幅が最も大きい時点をt_0とすると、t_0-a[ms]からt_0+b[ms]までの合計(a+b)msを観察することができ、環境や条件に応じて、aとbは可変に調整することができる。
【0272】
その後、制御部の制御に応じて、前記デジタル信号を受け取って前記人工ニューラルネットワークで複数回のコンボリューション演算を実行することができる(2104)。
【0273】
前記コンボリューション演算ステップ2104では、前記デジタル信号に対してコンボリューション演算を複数回進行し、各コンボリューション演算ごとに配置正規化(Batch Normalization)、活性化(ReLU)関数、およびマックスプーリング(MaxpPooling)関数を実行することができ、最後のコンボリューション演算の出力はフラット化されたデータである。
【0274】
一方、本開示では、1次元(1D)コンボリューション演算を実行する方法を一例として説明したが、コンボリューション演算は1Dだけでなく、2Dおよび3Dも可能である。
【0275】
その後、制御部の制御に応じて、前記人工ニューラルネットワークで学習された路面分類モデルに基づいて、前記コンボリューション演算された信号(フラット化されたデータ)の特性を抽出し、分類して前記路面の種類を決定することができる(2105)。
【0276】
前記人工ニューラルネットワークは、前記デジタル信号を入力して複数回のコンボリューション演算を実行するコンボリューション実行部、転送層、複数の隠れ層および出力層を含む多層パーセプトロン(Multi-Layer Perceptron)アルゴリズムの深層コンボリューションニューラルネットワーク(DCNN:Deep Convolution Neural Network)を含むことができる。このとき、前記出力層は、学習した路面の各種類に対する確率値を出力することができ、前記人工ニューラルネットワークは、ソフトマックス(softmax)を用いて、最も高い確率を有する路面の種類を決定して出力することができる。
【0277】
前記人工ニューラルネットワークは、大気情報(温度、湿度、気圧情報)を受け取り、前記コンボリューション実行部の入力としても使用することができる。
【0278】
また、前記人工ニューラルネットワークは、前記路面に送信された音波信号を前記コンボリューション実行部の入力としても使用することができる。
【0279】
図22は、本開示の一実施形態による大気減衰量が補正された音波を用いた路面種類推定方法を示すフローチャートである。
【0280】
まず、本開示による音波を用いた路面種類推定方法を実行するためには、まず学習ステップ2201が先行して路面分類モデルを生成することができる。
【0281】
前記学習ステップ2201では、複数種類の路面に対して音波信号を送信した後、反射された信号を受信し、該当信号をデジタル信号に変換し、前記変換されたデジタル信号に対して大気中減衰量を補正した後、周波数ドメイン信号に変換し、前記周波数ドメイン信号をニューラルネットワークに入力して路面分類モデルを学習させることができる。
【0282】
ここで、前記学習ステップ2201において、前記周波数ドメイン信号に変換するためにSTFT(Short-Time Fourier Transform)変換器、FFT(Fast Fourier Transform)、ケプストラム(cepstruam)、またはウェーブレット変換器(Wavelet Transform)を使用することができる。前記周波数ドメイン信号は2Dまたは3Dであり得る。
【0283】
その後、制御部の制御に応じて、種類を分かろうとする該当路面に音波信号を送信した後、反射された信号を受信することができる(2202)。
【0284】
その後、前記制御部の制御に応じて、前記受信された信号の既定領域に対してアナログ信号をデジタル信号に変換することができる(2203)。
【0285】
前記信号変換ステップ2203では、前記受信した信号において、前記送信された音波信号のクロストーク信号を除き、前記音波信号の周期ごとに、伝送遅延後に受信した信号の振幅が最も大きい点を基準として既定時間中の信号に対してデジタル信号に変換する。
【0286】
例えば、クロストーク信号の後に受信した信号の振幅が最も大きい時点をt_0とすると、t_0-a[ms]からt_0+b[ms]までの合計(a+b)msを観察することができ、環境や条件に応じて、aとbは調整可能である。
【0287】
その後、制御部の制御に応じて、前記デジタル信号の大気中減衰量を計算して補正することができる(2204)。
【0288】
前記大気減衰量補正ステップ2204では、以下の<数学式1>~<数学式8>を用いて大気中減衰量を計算してこれを補正することができる。前記大気減衰量補正ステップは、制御部またはプログラムで実現されたソフトウェアである大気減衰量補正部によって実行されてもよい。
【0289】
まず、飽和圧力Psatは、下記の<数学式1>を用いて計算することができる。
【0290】
【0291】
ここで、To1は大気の三重点[K]であり、Tは現在の温度[K]である。
【0292】
絶対湿度(h)は、下記の<数学式2>を用いて計算することができる。
【0293】
【0294】
ここで、hrinは相対湿度[%]であり、Psatは飽和圧力[単位]であり、Psは静圧[atm]である。
【0295】
一方、大気の78%を占める窒素の拡張された緩和周波数(FrN:scaled relaxation frequency for Nitrogen)は、下記の<数学式3>を用いて計算することができる。
【0296】
【0297】
ここで、Toは基準温度[K]であり、Tは現在温度[K]である。
【0298】
一方、大気の21%を占める酸素の拡張された緩和周波数(FrO:scaled relaxation frequency for Oxygen)は、下記の<数学式4>を用いて計算することができる。
【0299】
【0300】
ここで、hは絶対湿度である。
【0301】
一方、減衰係数(α:attenuation coefficient [nepers/m]])は、下記の<数学式5>を用いて計算することができる。
【0302】
【0303】
ここで、Psは静圧であり、Fは音波信号(送信音波信号)の周波数であり、Tは現在温度[K]であり、Toは基準温度[K]であり、FrOは酸素の拡張された緩和周波数であり、FrNは窒素の拡張された緩和周波数である。
【0304】
一方、音波信号の減衰比(A、単位:dB)は、下記の<数学式6>を用いて計算することができる。
【0305】
【0306】
ここで、αは減衰係数であり、dは音波送受信機100と種類を分かろうとする該当路面との間の距離である。
【0307】
前記dは、送信機から送信されて路面に反射して受信機で感知されるまでの所要時間t(time of flight)と大気中音速(Vair)を用いて下記の<数学式7>を用いて計算することができる。
【0308】
【0309】
ここで、tは所要時間であり、Vairは大気中音速[m/s]である。
【0310】
一方、大気中音速は、下記の<数学式8>を用いて計算することができる。
【0311】
【0312】
ここで、Ksは物体の等エントロピー的体積膨脹率(coefficient of stiffness)であり、ρは物体(大気)の密度である。
【0313】
このとき、空気(大気)を理想気体と仮定すると、Ks=γPであり、γは熱容量比(空気の場合、1.4)であり、Pは圧力であり、Rは理想気体定数であり、Tは絶対温度[K]である。温度を除くと定数であるため、近似的に表現することもできる。
【0314】
前記大気中音速は、大気の温度、気圧および湿度に応じて補正して減衰補償に利用することもできる。
【0315】
その後、制御部の制御に応じて、前記補正されたデジタル信号の既定領域に対して信号変換を行い、周波数ドメイン信号を取得することができる(2205)。
【0316】
前記周波数ドメイン信号取得ステップ2205では、前記補正されたデジタル信号から前記送信された音波信号のクロストーク信号を除いて、前記音波信号の周期ごとに、伝送遅延後に受信した既定時間の間の信号に対して信号変換器で周波数変換して前記周波数ドメイン信号を取得することができる。
【0317】
その後、制御部の制御に応じて、前記周波数ドメイン信号をニューラルネットワークの入力信号とし、学習された路面分類モデルに基づいて、前記入力信号の特性を抽出し、分類して前記路面の種類を決定することができる(2206)。
【0318】
前記ニューラルネットワークは、入力層、複数の隠れ層および出力層を含む多層パーセプトロン(Multi-Layer Perceptron)アルゴリズムの深層ニューラルネットワーク(DNN:Deep Neural Network)を含むことができる。このとき、前記出力層は、学習した路面の各種類に対する確率値を出力し、前記ニューラルネットワークは、ソフトマックス(softmax)を用いて、最も高い確率を有する路面の種類を決定して出力することができる。
【0319】
一方、前記ニューラルネットワークの構造は、上記の言及したDNNに限定されない。
【0320】
前記ニューラルネットワークは、大気情報(温度、湿度、気圧情報)を受け取り、前記入力層の入力としても使用することができる。
【0321】
また、前記ニューラルネットワークは、前記路面に送信された音波信号を周波数変換して前記入力層の入力としても使用することができる。
【0322】
一方、前記周波数ドメイン信号取得ステップで周波数ドメイン信号を取得して人工ニューラルネットワークに入力する代わりに、制御部の制御に応じて、大気中減衰量が補正されたデジタル信号を伝達され、前記人工ニューラルネットワークで複数回のコンボリューション演算を行うことができる。
【0323】
前記コンボリューション演算ステップでは、前記大気中減衰量が補正されたデジタル信号に対して1Dコンボリューション演算を複数回進行し、各コンボリューション演算ごとに配置正規化(Batch Normalization)、活性化(ReLU)関数、およびマックスプーリング(MaxpPooling)関数を実行することができ、最後のコンボリューション演算の出力はフラット化されたデータである。
【0324】
その後、制御部の制御に応じて、前記人工ニューラルネットワークで学習された路面分類モデルに基づいて、前記コンボリューション演算された信号(フラット化されたデータ)の特性を抽出し、分類して前記路面の種類を決定することができる。
【0325】
コンボリューションを行う場合、前記人工ニューラルネットワークは、前記デジタル信号を受け取って複数回のコンボリューション演算を行うコンボリューション実行部をさらに含む多層パーセプトロン(Multi-Layer Perceptron)アルゴリズムの深層コンボリューションニューラルネットワーク(DCNN:Deep Convolution Neural Network)を含むことができる。前記出力層は、学習した路面の各種類に対する確率値を出力でき、前記人工ニューラルネットワークは、ソフトマックス(softmax)を用いて、最も高い確率を有する路面の種類を決定して出力することができる。
【0326】
一方、前記人工ニューラルネットワークの構造は、上記の言及したDCNNに限定されない。
【0327】
前記人工ニューラルネットワークは、大気情報(温度、湿度、気圧情報)を受け取り、前記コンボリューション実行部の入力としても使用することができる。
【0328】
また、前記人工ニューラルネットワークは、前記路面に送信された音波信号を前記コンボリューション実行部の入力としても使用することができる。
【0329】
以下では、本開示の一実施形態による路面分類装置が道路インフラに設置されて運用される具体的な実施形態についてより詳細に説明する。
【0330】
図23は、本開示の一実施形態によるビジョンセンサと音波センサとを備えた道路状態モニタリングシステムを説明するための図である。
図23は、
図2に示す道路インフラの具体的な一実施形態である。
【0331】
図23に示すように、道路2300上または近傍に構造物2301が位置し、前記構造物2301には音波センサ2310およびビジョンセンサ2320が設けられている。
【0332】
前記音波センサ2310は、道路2300において車両の走行路上に位置し、道路面に垂直になるように前記構造物2301に設けられ、前記ビジョンセンサ2320は道路の全領域が撮影されるように、前記構造物2301に設置することができる。
【0333】
一方、
図23には、前記音波センサ2310および前記ビジョンセンサ2320から取得したデータを制御部(図示せず)で伝達するための通信部2350が示されている。
【0334】
ビジョンセンサ2320は、人工ニューラルネットワークの発展と共に産業全分野で人工知能モデルと組み合わせたソリューションが広がっており、物体認識、検出、セグメンテーションの分野における主流技術のうちの1つである。人工知能技術の発展により、人が写真(イメージ)から直観的に対象を認識して領域を区別する方式と同様にビジョンセンサ2320が動作できるアルゴリズムが実現されている。
【0335】
一方、音波センサ2310を用いた物体の認識は、音波を利用して認識対象表面を打撃後に反射される信号の波形分析により可能であり、反射がなされる対象表面の音響インピーダンスや表面粗さに応じて反射波が決定される原理を利用する。すなわち、音波センサ2310は、広い範囲の音波スペクトルを利用すると、外部ノイズに強くなり、路面のブラックアイス認識が可能である。
【0336】
一実施形態は、広い領域に対する直観的認識区分が可能なビジョンセンサの利点と、対象オブジェクトの物性を利用して光源の影響を受けずに正確に対象を認識できる音波センサ技術を融合して広い範囲の路面を正確に認知する方法を開示することを含む。
【0337】
図24は、本開示の一実施形態によるビジョンセンサと音波センサとを備えた道路状態モニタリングシステムの構成図である。
【0338】
図24に示すように、本開示の一実施形態によるビジョンセンサと音波センサとを備えた道路状態モニタリングシステムは、音波センサ2410、ビジョンセンサ2420、人工ニューラルネットワーク2430、セグメンテーション処理部2440、および制御部2470を含むことができる。
【0339】
前記音波センサ2410は、道路状態モニタリングのために予め設定された点に音波信号を送信した後、反射された信号を受信することができる。
【0340】
前記ビジョンセンサ2420は、前記予め設定された点を含む道路面の映像を取得することができる。
【0341】
前記人工ニューラルネットワーク2430は、前記音波センサ2410が取得した反射された信号を入力信号として学習された路面分類モデルに基づいて前記予め設定された点の路面状態を分類することができる。前記路面状態は、乾いた路面(dry)、水(water)、ブラックアイス(ice)、および雪(snow)などを含むことができる。
【0342】
前記セグメンテーション処理部2440は、前記ビジョンセンサ2420によって取得したイメージを入力信号としてセグメンテーションモデルに基づいて複数の区分されたセグメンテーション領域に分割することができる。
【0343】
前記制御部2470は、前記音波センサ2410、前記ビジョンセンサ2420、前記人工ニューラルネットワーク2430および前記セグメンテーション処理部2440の動作を制御し、前記人工ニューラルネットワーク2430から出力される前記予め設定された点の路面状態、および前記セグメンテーション処理部2440から出力される複数のセグメンテーションされた領域を融合して該当道路の路面状態を決定することができる。
【0344】
前記制御部2470が該当道路の路面状態を決定するプロセスは、
図27を参照して詳細に説明する。
【0345】
前記制御部2470は、音波センサが地面を打撃した点を含むセグメンテーション領域を算出することができる。ただし、本開示によるシステムの設置時点で、音波センサの地面打撃点(感知領域)は路面で常湿氷結区間に設定することが好ましく、該当感知領域の位置はシステムで既に知っていることができる。
【0346】
最終的に、音波センサが地面を打撃した点(感知領域)を含むセグメンテーション領域に波形データの分類クラス(路面の種類)を割り当てたイメージ情報を出力することができる。
【0347】
図25は、本開示の一実施形態によるビジョンセンサと音波センサとを備えた道路状態モニタリングシステムにおいて均一な路面の状態を認識することを例示的に説明する図である。
【0348】
図25を参照すると、(a)はビジョンセンサ2420の撮影イメージであり、音波センサ2410の感知領域(予め設定された領域)2500の位置を表示した。(b)は(a)の撮影イメージをセグメンテーションしてセグメンテーションされた領域が表示されたことを示した。(c)は学習した路面分類モデル(人工知能モデル)に基づいて路面の種類を分類して前記感知領域2500の路面状態を感知する。(d)は(c)で感知した領域2500を含むセグメンテーション領域を(b)のセグメンテーション領域から探して最終的にブラックアイス領域が表示されたイメージを示した。
【0349】
ここで、(b)は道路の全領域が1つのセグメンテーション領域に区分され、音波センサ2410を介して路面を感知した感知領域2500はブラックアイスとして感知されたため、最終的に(d)のような結果を出力することができる。
【0350】
図26は、本開示の一実施形態によるビジョンセンサと音波センサとを備えた道路状態モニタリングシステムにおいて、不均一な路面の状態を認識することを例示的に説明する図である。
【0351】
図26を参照すると、(a)はビジョンセンサ2420の撮影イメージであり、音波センサ2410の感知領域(予め設定された領域)2600の位置を表示した。(b)は(a)の撮影イメージをセグメンテーションしてセグメンテーションされた領域が表示されたことを示した。(c)は学習した路面分類モデル(人工知能モデル)に基づいて路面の種類を分類して前記感知領域300の路面状態を感知する。(d)は(c)で感知した領域2600を含むセグメンテーション領域を(b)のセグメンテーション領域から探して最終的にブラックアイス領域が表示されたイメージを図示した。
【0352】
ここで、(b)は道路が濡れた領域と乾いた領域を含む複数のセグメンテーション領域に区分され、音波センサ2410を介して路面を感知した感知領域2600はブラックアイスとして感知されたため、最終的に(d)のような結果を出力することができる。
【0353】
言い換えれば、本開示は、音波センサによって正確に認識された路面情報がビジョンセンサによって得られた路面映像のどの部分/領域まで該当するかに関する問題についてビジョンセンサを介して信頼度をもって確定することができる技術を含むことができる。
【0354】
本開示では、路面感知アルゴリズムの動作は周期的(分、秒単位)または非同期的な要請によって実行することができ、路面の滑り危険感知は音波センサおよびビジョンセンサを介してデータを取得し、音波センサで取得したデータに基づいて路面の種類(状態)を感知し、ビジョンセンサで確保した映像でイメージセグメンテーションを通じて音波センサの感知部分を含む領域を検出することができる。
【0355】
すなわち、路面でブラックアイスなどの危険が感知される場合、セグメンテーションの結果として領域分割されたイメージで危険情報を結合して管理者(管制サーバー)に路面危険区間に対するお知らせを伝送する形式で活用することができる。
【0356】
図27は、本開示の一実施形態によるビジョンセンサと音波センサとを備えた道路状態モニタリングシステムにおいて、音波センサの感知領域がどのセグメンテーション領域であるかを見つける方法を説明するための図である。
【0357】
制御部は、人工ニューラルネットワークから出力される前記予め設定された点の路面状態と、前記セグメンテーション処理部2440から出力される複数のセグメンテーションされた領域とを融合して該当道路の路面状態を決定することができる。
【0358】
前記制御部は、前記各セグメンテーションされた領域の中点の位置を算出し、各セグメンテーションされた領域に含まれる複数の線分(各セグメンテーションされた領域を形成する複数の線分)に対して直線の方程式を計算し、前記各セグメンテーションされた領域について、前記直線の方程式を用いて該当領域の中点と前記複数の線分のそれぞれに対する第1相対的正負関係を判断し、前記各セグメンテーションされた領域について、前記直線の方程式を用いて前記予め設定された点と前記複数の線分のそれぞれに対する第2相対的正負関係を判断し、前記第2相対的正負関係と前記第1相対的正負関係が一致するセグメンテーション領域を、前記予め設定された点が含まれる領域として決定することができる。
【0359】
図27を参照して詳細に説明すると、入力RGBイメージがセグメンテーション処理されてから複数の領域に分割されており、そのうちA領域とB領域が図のように分かれているものとする。
【0360】
A領域の中点は「2701」、B領域の中点は「2702」、音波センサの感知領域(予め設定された点)は「2700」で示した。
【0361】
図27において、正負関係は、イメージの一番左側上部の点(0,0)を基準として右側と下側が(+)方向であり、左側と上側が(-)方向であるとする。
【0362】
A領域は五角形に形成され、線分14、45、56、67、および71からなる。
【0363】
A領域の中点2701とA領域の各線分14、45、56、67、および71に対する正負関係は、それぞれ(-)、(-)、(-)、(+)、(+)になる。
【0364】
B領域は四角形に形成され、線分12、23、34、および41からなる。
【0365】
B領域の中点2702とB領域の各線分12、23、34、および41に対する正負関係は、それぞれ(+)、(-)、(-)、(+)になる。
【0366】
このとき、音波センサの感知領域(予め設定された点)2700とA領域の各線分14、45、56、67、および71に対する正負関係は、それぞれ(+)、(-)、(-)、(+)、(+)となり、B領域の各線分12、23、34、および41に対する正負関係は、それぞれ(+)、(-)、(-)、(+)となる。
【0367】
したがって、音波センサの感知領域(予め設定された点)2700はB領域に含まれる。
【0368】
図28は、本開示の一実施形態によるビジョンセンサと音波センサとを備えた道路状態モニタリングシステムの人工ニューラルネットワークの一例を説明するための図である。
【0369】
図28を参照すると、前記人工ニューラルネットワークは、1D CNN(Conventional Neural Network)またはANN(Artificial Neural Network)のいずれかで実現された人工知能モデルで形成することができる。
【0370】
前記人工ニューラルネットワークの入力は音波センサを介して受信された反射波であり、出力は音波センサの予め設定された感知領域の路面の種類であり得る。
【0371】
図29は、本開示の一実施形態によるビジョンセンサと音波センサとを備えた道路状態モニタリングシステムのセグメンテーション処理部の一例を説明するための図である。
【0372】
図29を参照すると、前記セグメンテーション処理部は、オートエンコーダー(Auto-Encoder)またはユーネット(U-Net)で実現される畳み込み人工ニューラルネットワーク(CNN:Conventional Neural Network)ベースのイメージセグメンテーションモデル(image segmentation model)で形成することができる。
【0373】
前記セグメンテーション処理部の入力はビジョンセンサを介して取得したRGBイメージであり、出力は該当イメージに区分される領域が表示されるセグメンテーションイメージとなる。
【0374】
図30は、本開示によるビジョンセンサと音波センサとを備えた道路状態モニタリングシステムにおけるモニタリング方法の一実施形態のフローチャートである。
【0375】
まず、道路状態モニタリングのために音波センサが予め設定された点に音波信号を送信した後、反射された信号を受信することができる(3010)。
【0376】
その後、前記音波センサが取得した反射された信号を入力信号として学習した路面分類モデルに基づいて、前記予め設定された点の路面状態を分類することができる(3020)。
【0377】
一方、前記音波センサが音波を送信した後に反射した信号を受信している間、ビジョンセンサは、前記予め設定された点を含む道路面の映像を取得することができる(3030)。
【0378】
その後、前記ビジョンセンサによって取得されたイメージをセグメンテーションモデルに基づいて複数の区分されたセグメンテーション領域に分割することができる(3040)。
【0379】
その後、前記予め設定された点の路面状態と前記複数の区分されたセグメンテーションされた領域とを融合して路面の状態を分析することができる(3050)。
【0380】
その後、前記融合分析ステップ3050の分析に従って該当道路の路面状態を決定することができる(3060)。
【0381】
その後、該当道路の路面状態で危険が感知されたか否かを判断することができる(3070)。
【0382】
前記危険判断ステップ3070の判断結果、該当道路の路面状態で危険が感知されないので、周期的にステップ3010およびステップ3030に進行することができる。
【0383】
一方、前記危険判断ステップ3070の判断結果、該当道路の路面状態で危険が感知されるにつれて、管制サーバーに危険を知らせる信号を伝達することができる(3080)。
【0384】
一方、前記危険お知らせステップ3080では、前記複数の区分されたセグメンテーションされた領域を含むイメージに危険領域が表示され、前記管制サーバーに伝送することができる。
【0385】
図31は、
図30の融合分析ステップ3050の一実施形態の詳細なフローチャートである。
【0386】
前記融合分析ステップ3050は、以下のステップを実行することを含み得る。
【0387】
まず、セグメンテーションされたイメージにおいて、前記各セグメンテーションされた領域の中点の位置を算出する(3051)。
【0388】
その後、各セグメンテーションされた領域に含まれる複数の線分(各セグメンテーションされた領域を形成する複数の線分)について直線の方程式を計算する(3052)。
【0389】
その後、前記各セグメンテーションされた領域について、前記直線の方程式を用いて該当領域の中点と前記複数の線分のそれぞれに対する第1相対的正負関係を判断する(3053)。
【0390】
その後、前記各セグメンテーションされた領域について、前記直線の方程式を用いて前記予め設定された点と前記複数の線分のそれぞれに対する第2相対的正負関係を判断する(3054)。
【0391】
その後、前記第2相対的正負関係と前記第1相対的正負関係が一致するセグメンテーション領域を、前記予め設定された点が含まれる領域として決定する(3055)。
【0392】
図32は、本開示のさらに他の実施形態によるビジョンセンサと音波センサとを備えた道路状態モニタリングシステムの構成図である。
【0393】
図32に示すように、本開示の一実施形態によるビジョンセンサと音波センサとを備えた道路状態モニタリングシステムは、音波センサ3210、ビジョンセンサ3220、第1特徴抽出部3281、第2特徴抽出部3282、組合せ人工ニューラルネットワーク(joint classifier)3290、および制御部3270を含むことができる。
【0394】
前記音波センサ3210は、道路状態モニタリングのために予め設定された点に音波信号を送信した後、反射された信号を受信することができる。
【0395】
前記ビジョンセンサ3220は、前記予め設定された点を含む道路面のイメージを取得することができる。
【0396】
前記第1特徴抽出部3281は、前記音波センサ3210が取得した反射された信号から第1特徴を抽出することができる。
【0397】
前記第2特徴抽出部3282は、前記ビジョンセンサ3220によって取得されたイメージから第2特徴を抽出することができる。
【0398】
前記組合せ人工ニューラルネットワーク3290は、前記第1特徴および第2特徴を入力とし、前記音波センサ3210が取得した信号および前記ビジョンセンサ3220によって取得されたイメージから抽出された特徴から学習された路面データ組合せ分類モデルに基づいて、該当道路の路面状態を分類することができる。前記路面状態は乾いた路面(dry)、水(water)、ブラックアイス(ice)、および雪(snow)などを含むことができる。
【0399】
前記制御部3270は、前記音波センサ3210、前記ビジョンセンサ3220、前記第1特徴抽出部3281、前記第2特徴抽出部3282、および前記組合せ人工ニューラルネットワーク3290の動作を制御することができる。
【0400】
前記組合せ人工ニューラルネットワーク3290において、前記反射された信号から抽出した前記第1特徴および前記イメージから抽出された前記第2特徴は、それぞれ別々の重みを有する分類モデル(データ組合せ分類モデル)によって学習および分類され得る。
【0401】
前記反射された信号から抽出した前記第1特徴および前記イメージから抽出された前記第2特徴の値は、相関関係(Correspondence)を用いてイメージデータと音波データの入力組み合わせで物体(路面種類)分類を学習することができる。また、データの特性を分析して、イメージデータに基づく分類器の重みおよび影響力と、音波データに基づく分類器の重みおよび影響力とを調整して最終意思決定(予測)ができるように訓練することができる。
【0402】
図33は、本開示によるビジョンセンサと音波センサとを備えた道路状態モニタリングシステムにおけるモニタリング方法の他の実施形態のフローチャートである。
【0403】
まず、道路状態モニタリングのために音波センサが予め設定された点に音波信号を送信した後、反射された信号を受信することができる(3310)。
【0404】
その後、前記反射された信号の第1特徴を抽出することができる(3320)。
【0405】
一方、前記音波センサが音波を送信した後に反射された信号を受信している間、ビジョンセンサは前記予め設定された点を含む道路面のイメージを取得することができる(3330)。
【0406】
その後、前記イメージの第2特徴を抽出することができる(3340)。
【0407】
その後、前記反射された信号から抽出した前記第1特徴および前記イメージから抽出された前記第2特徴を組み合わせて学習された分類モデルに基づいて、該当道路の路面状態を分析することができる(3350)。
【0408】
ここで、前記反射された信号から抽出した前記第1特徴および前記イメージから抽出された前記第2特徴は、それぞれ別々の重みを有する分類モデルによって学習および分類することができる。
【0409】
その後、前記路面状態分析ステップ3350の分析に従って、該当道路の路面状態を決定することができる(3360)。
【0410】
その後、該当道路の路面状態で危険が感知されたか否かを判断することができる(3370)。
【0411】
前記危険判断ステップ3370の判断結果、該当道路の路面状態で危険が感知されないので、周期的にステップ3310およびステップ3330に進行することができる。
【0412】
一方、前記危険判断ステップ3370の判断結果、該当道路の路面状態で危険が感知されるにつれて、管制サーバーに危険を知らせる信号を伝達することができる(3380)。
【0413】
一方、前記危険お知らせステップ3380では、前記複数の区分されるセグメンテーションされた領域を含むイメージに危険領域が表示され、前記管制サーバーに伝送することができる。
【0414】
以下では、本開示の一実施形態による路面管理装置の一例として、熱線装置または食塩水噴射装置を制御する具体的な実施形態についてより詳細に説明する。
【0415】
図34は、本開示の一実施形態による道路の熱線装置の制御システムの動作を説明するための図である。
図34は、
図2に示す道路インフラの具体的な一実施形態である。
【0416】
図34に示すように、本開示の一実施形態による道路の熱線装置の制御システムは、道路上に構造物3401が位置しており、前記構造物3401は音波センサ3410および通信部3420などを含むことができ、音波センサ3410の感知データに基づいて制御サーバー3440の制御により氷結予防装置3400で熱線3470を制御する自動制御ボックス3460を制御することができる。
【0417】
前記音波センサ3410は、道路内の車両の走行路上に位置し、道路面に垂直になるように前記構造物3401に設置されてもよいが、これに限定されない。
【0418】
前記構造物3401は、街灯のように道路上に音波センサ3410を設置できることを意味する。
【0419】
前記音波センサ3410は、道路状態感知のために予め設定された点に音波信号を送信した後、反射された信号を受信することができる。
【0420】
一方、前記通信部3420は、前記音波センサ3410を介して取得したデータを制御サーバー3440に伝達することができる。
【0421】
また、前記制御サーバー3440は、前記音波センサ3410の故障の有無(異常)を感知すると、管理者端末3450にお知らせを伝達することができる。
【0422】
氷結予防装置において、熱線方式では、熱線を必要な時間より過度に作動させてアスファルトに火災が発生する問題が発生する可能性があって熱線をどれだけ作動させるべきかが重要である。
【0423】
本開示では、熱線加熱による路面の温度変化を音波センサで感知して氷結予防装置を精密に制御することが可能である。
【0424】
具体的には、様々な温度が適用された路面環境で蓄積された音波センシングデータに基づいて学習された人工知能モデルを生成し、人工知能モデルに基づいて取得した音波センサの波形を分析して路面の温度変化を感知し、熱線装置の動作を自動的に制御することが可能である。
【0425】
例えば、音波センサの波形分析により路面が乾燥しているか凍ったかを把握した後、熱線の稼動を開始し、音波センサ出力上の路面温度が4度以上維持される場合、すなわち温度が水の凍る点以上の場合、熱線の稼動を中止するように構成してもよい。
【0426】
また、本開示によれば、食塩水噴射装置の動作中に食塩水が路面にどれだけ噴射されたかを感知することができる。
【0427】
具体的には、食塩水噴射精度が様々に分布した路面環境で蓄積された音波センシングデータに基づいて学習された人工知能モデルを生成し、人工知能モデルに基づいて取得した音波センサの波形を分析して路面に食塩水が噴射された(分布した)精度(噴射精度)を把握することができる。食塩水が路面に既定範囲以上に分布する場合、食塩水噴射を中断するように構成されてもよい。
【0428】
本開示は、設置/動作中の道路熱線装置または食塩水噴射装置を適時に作動させることができる路面感知および連動制御技術に関するもので、従来の路面表面にセンサなどを装着する温度/湿度センサで路面情報を取得する方式ではなく、音波センサに基づいて路面状態認識および融雪条件を判別して前記熱線装置または食塩水噴射装置の動作を正確に制御することができる。
【0429】
既存の融雪機器モニタリング/制御システムに大きな修正なしにプラグイン(Plug-in)方式で連動でき、既存の融雪システムよりも正確な路面危険お知らせに基づいて融雪機器の動作効率を高めることができるサービスを提供することができる。
【0430】
融雪実施可否を判断するアルゴリズムは、制御サーバー(サービスサーバー)3440内に構築するか、または音波センサ3410とともに備えられる制御部(MCU)に構築されてもよく、通信部を介して氷結予防装置3400の自動制御ボックス3460に伝達する形態であってもよい。
【0431】
路面状態感知は、音波センサの故障などの理由で音波センサの復旧が必要な時点まで周期的に繰り返して実行される。音波センサ3410から反射波(センサ値)を取得した後、通信部を介して制御サーバー3440(サービスサーバー)に伝達されると、センサ状態が正常であるとき、前記制御サーバー3440では該当反射波をビッグデータベースの人工知能モデルを用いて分析し、現在の融雪作業が必要かどうかを判断し、該当氷結予防装置の稼動の有無を制御する。
【0432】
一方、伝達されたセンサ値を介して音波センサの異常の有無を判断し、センサ状態が異常である場合、氷結予防装置3400の自動制御ボックス3460に作動停止命令を伝達し、管理者端末3450に異常発生に対するプッシュアラームを伝送し、管制サーバー(図示せず)には故障による作動停止履歴を伝送する。
【0433】
図35は、本開示の一実施形態による道路の氷結予防装置の制御システムの構成図である。
図35の制御システムは、本開示の実施形態による路面管理装置の具体的な一例である。
【0434】
図35に示すように、本開示の一実施形態による道路の氷結予防装置の制御システムは、音波センサ3510、制御サーバー3540、通信部3520、および氷結予防装置3500を含むことができる。
【0435】
前記音波センサ3510は、道路状態感知のために予め設定された点に音波信号を送信した後、反射された信号を受信することができる。
【0436】
前記制御サーバー3540は、前記音波センサ3510が取得した反射された信号を入力信号として学習された人工知能分析モデルに基づいて、前記予め設定された点の路面状態データを感知し、前記予め設定された点の路面状態データに応じて、前記氷結予防装置3500の動作の有無を制御する信号を生成することができる。
【0437】
前記路面状態データは、気象状態、路面の種類、路面の温度、および塩分噴射量(噴射精度、分布)などを含むことができる。
【0438】
前記通信部3520は、前記音波センサ3510が取得した反射された信号を前記制御サーバー3540に伝達することができる。
【0439】
前記氷結予防装置3500は、前記制御サーバー3540によって制御され、前記道路の氷結を予防するための動作を実行する。前記氷結予防装置3500は、熱線装置または食塩水噴射装置のうち少なくとも1つ以上を含むことができる。
【0440】
詳細には、前記制御サーバー3540は、気象状態が「雨」または「雪」であり、前記分類された路面の種類が「濡れた道路」または「雪が積もった道路」または「凍った道路」であり、前記感知した路面の温度が4℃未満の場合に前記熱線装置を稼動する制御信号を生成し、前記熱線装置が稼動した後、前記感知した路面の温度が4℃以上である場合に前記熱線装置の動作を停止する制御信号を生成することができる。
【0441】
一方、前記制御サーバー3540は、前記気象状態が「雨」または「雪」であり、前記分類された路面の種類が「濡れた道路」または「雪が積もった道路」または「凍った道路」であり、前記感知した路面の温度が4℃未満の場合に前記食塩水噴射装置を稼動する制御信号を生成し、前記食塩水噴射装置が稼動した後、前記感知した食塩水の噴射量が80%以上である場合に前記食塩水噴射装置の動作を停止する制御信号を生成することができる。
【0442】
一方、前記制御サーバー3540は、前記音波センサ3510の状態に異常があることが感知されるにつれて、管理者端末3550にお知らせメッセージを伝達し、管制サーバー3580に前記音波センサ3510の状態お知らせ信号を伝達することができる。
【0443】
図36は、本開示の他の実施形態による道路の氷結予防装置の制御システムの構成図である。
【0444】
図36に示すように、本開示の一実施形態による道路の氷結予防装置の制御システムは、音波センサ3610、制御部3630、通信部3620、および氷結予防装置3600を含む。
【0445】
前記音波センサ3610は、道路状態感知のために予め設定された点に音波信号を送信した後、反射された信号を受信することができる。
【0446】
前記制御部3630は、前記音波センサ3610が取得した反射された信号を入力信号として学習された人工知能分析モデルに基づいて前記予め設定された点の路面状態データを感知し、前記予め設定された点の路面状態データにより前記氷結予防装置3600の動作の有無を制御する信号を生成することができる。
【0447】
前記路面状態データは、気象状態、路面の種類、路面の温度、および塩分噴射量(噴射精度、分布)などを含むことができる。
【0448】
前記通信部3620は、前記制御部3630が生成した制御信号を前記氷結予防装置3600で伝達することができる。
【0449】
前記氷結予防装置3600は、前記制御部3630によって制御され、前記道路の氷結を予防するための動作を実行する。前記氷結予防装置3600は、熱線装置または食塩水噴射装置のうち少なくとも1つ以上を含むことができる。
【0450】
詳細には、前記制御部3630は、気象状態が「雨」または「雪」であり、前記分類された路面の種類が「濡れた道路」または「雪が積もった道路」または「凍った道路」であり、前記感知した路面の温度が4℃未満の場合に前記熱線装置を稼動する制御信号を生成し、前記熱線装置が稼動した後、前記感知した路面の温度が4℃以上である場合に前記熱線装置の動作を停止する制御信号を生成することができる。
【0451】
一方、前記制御部3630は、前記気象状態が「雨」または「雪」であり、前記分類された路面の種類が「濡れた道路」または「雪が積もった道路」または「凍った道路」であり、前記感知した路面の温度が4℃未満の場合に前記食塩水噴射装置を稼動する制御信号を生成し、前記食塩水噴射装置が稼動した後、前記感知した食塩水の噴射量が80%以上である場合に前記食塩水噴射装置の動作を停止する制御信号を生成することができる。
【0452】
一方、前記制御部3630は、前記音波センサ3610の状態に異常があることが感知されると、管理者端末3650にお知らせメッセージを伝達し、管制サーバー3680に前記音波センサ3610の状態お知らせ信号を伝達することができる。
【0453】
図37a~
図37cは、本開示の一実施形態による道路の氷結予防装置の制御システムで使用される人工知能分析モデルを説明するための図である。
【0454】
前記人工知能分析モデルは、音波センサが取得した反射された信号に基づいて気象状態を分類する気象状態分類モデル、および音波センサが取得した反射された信号に基づいて路面の種類を分類する路面種類分類モデルを含むことができる。
【0455】
氷結予防装置が熱線装置である場合、前記人工知能分析モデルは、前記音波センサが取得した反射された信号と路面の温度を一緒に学習させ、前記音波センサが取得した反射された信号に基づいて該当する路面の温度を出力する路面温度回帰モデルをさらに含むことができる。
【0456】
前記氷結予防装置が前記食塩水噴射装置である場合、前記人工知能分析モデルは、前記音波センサが取得した反射された信号と路面の温度を一緒に学習させ、前記音波センサが取得した反射された信号に基づいて該当する路面の温度を出力する路面温度回帰モデル、および前記音波センサが取得した反射された信号と食塩水の噴射量(分布精度)を一緒に学習させ、前記音波センサが取得した反射された信号に基づいて該当する食塩水の噴射量(分布精度)を出力する食塩水噴射量回帰モデルをさらに含むことができる。
【0457】
すなわち、本開示による人工知能分析モデルは、基本的に気象状態分類モデル、路面種類分類モデルおよび路面温度回帰モデルを含み、前記氷結予防装置が前記食塩水噴射装置を含む場合、食塩水噴射量回帰モデルをさらに含むことができる。
【0458】
図37aは、路面種類分類モデルの構造を示しており、前記路面種類分類モデルは、音波センサの取得信号(反射波)を一定時間にわたって合計T回サンプリングし、該当する路面の種類情報を一緒に学習して構成する。
【0459】
例えば、1秒間1ms単位でサンプリングされたデータ1000個(x1,x2,...,x1000)に該当する路面の種類情報を学習する。
【0460】
図37aに示すように、音波センサの取得信号(反射波)を入力して該当する路面の種類を乾いた道路(dry)、濡れた道路(wet)、凍った道路(iced)、および雪が積もった道路(snow)などのクラスに分類することができる。
【0461】
一方、図面には示されていないが、前記音波センサが取得した反射された信号に基づいて気象状態を分類する気象状態分類モデルもさらに含むことができ、さらに、前記音波センサの取得信号および気象情報を一緒に学習させて構成する。
【0462】
図37bは、熱線装置を制御するために、音波センサが取得した反射された信号に基づいて該当する路面の温度を出力する路面温度回帰モデルを説明するための図であり、
図37cは、食塩水制御装置を制御するために、音波センサが取得した反射された信号に基づいて該当する食塩水の分布量(分布精度)(%)を出力する食塩水噴射量回帰モデルを説明するための図である。
【0463】
図37bにおいて、音波センサの取得データXと路面の温度との関係が2次元(平面)グラフではなく、Xは複数の値の集合である超平面(hyperplane)の概念で形成されるデータセット(dataset)である。
【0464】
これに伴い、学習された路面温度回帰モデルは、前記音波センサが取得した反射された信号に基づいて該当する路面の温度を出力する。
【0465】
図37cも
図37bと同様に、音波センサの取得データXと食塩水噴射量(分布精度)との関係が2次元(平面)グラフではなく、Xは複数の値の集合である超平面(hyperplane)の概念で形成されるデータセット(dataset)である。
【0466】
これに伴い、学習された食塩水噴射量回帰モデルは、前記音波センサが取得した反射された信号に基づいて該当する食塩水の噴射量(分布精度)を出力する。
【0467】
図38は、本開示による道路の氷結予防装置の制御方法の一実施形態のフローチャートである。
【0468】
まず、音波センサの測定データを収集する(3810)。
【0469】
前記収集したデータに基づいて人工知能分析モデルを生成する(3820)。
【0470】
前記人工知能分析モデル生成ステップ3820は、前記音波センサが取得した反射された信号に基づいて気象状態を分類する気象状態分類モデルを生成し、前記音波センサが取得した反射された信号に基づいて路面の種類を分類する路面種類分類モデルを生成し、前記音波センサが取得した反射された信号と路面の温度を一緒に学習させ、前記音波センサが取得した反射された信号に基づいて該当する路面の温度を出力する路面温度回帰モデルを生成する。
【0471】
一方、前記氷結予防装置が食塩水噴射装置である場合、前記人工知能分析モデル生成ステップ3820は、前記音波センサによって取得した反射された信号と食塩水の噴射量(分布精度)を一緒に学習させ、前記音波センサが取得した反射された信号に基づいて該当する食塩水の噴射量(分布精度)を出力する食塩水噴射量回帰モデルを生成する。
【0472】
すなわち、本開示による人工知能分析モデルは、基本的に気象状態分類モデル、路面種類分類モデルおよび路面温度回帰モデルを生成して含み、前記氷結予防装置が前記食塩水噴射装置を含む場合、食塩水噴射量回帰モデルをさらに生成する。
【0473】
もちろん、前記生成された人工知能分析モデルは、制御サーバーまたは制御部に搭載されなければならない。
【0474】
その後、前記音波センサを用いて道路の状態モニタリングのために予め設定された点に音波信号を送信した後、反射された信号を受信する(3830)。
【0475】
その後、前記制御サーバーまたは前記制御部では、伝達された前記音波センサが取得した反射された信号を入力信号として前記人工知能分析モデルに基づいて前記予め設定された点の路面状態データを感知する。
【0476】
前記路面状態データ感知ステップ3840は、気象状態、路面の種類、路面の温度、および塩分噴射量(分布精度)などを感知する。
【0477】
その後、前記制御サーバーまたは前記制御部では、前記路面状態データに基づいて前記氷結予防装置の動作の有無を制御する制御信号を生成する(3850)。
【0478】
その後、前記制御サーバーまたは前記制御部では、前記音波センサの状態に異常があることが感知されるにつれて、管理者端末にお知らせメッセージを伝達し、管制サーバーに前記音波センサの状態お知らせ信号を伝達する(3860)。
【0479】
図39は、本開示による道路の氷結予防装置が熱線装置である場合、
図38の制御信号生成ステップ3850の一実施形態の詳細なフローチャートである。
【0480】
氷結予防装置が熱線装置である場合、前記制御信号生成ステップ3850は、まず、感知した気象状態が「雨(rain)」または「雪(snow)」であるかどうかを判断する(3910)。
【0481】
前記判断ステップ3910の判断結果、気象状態が「雨(rain)」または「雪(snow)」でない場合、ステップ3840に進み、路面状態データを感知する。
【0482】
一方、前記判断ステップ3910の判断結果、気象状態が「雨」または「雪」である場合、分類された路面の種類が「濡れた道路(wet)」または「雪が積もった道路(snow)」または「凍った道路(iced)」であるか否かを判断する(3920)。
【0483】
前記判断ステップ3920の判断結果、気象状態が「雨」または「雪」である場合、分類された路面の種類が「濡れた道路(wet)」または「雪が積もった道路(snow)」または「凍った道路(iced)」でないと、ステップ3840に進み、路面状態データを感知する。
【0484】
一方、前記判断ステップ3920の判断結果、気象状態が「雨」または「雪」である場合、分類された路面の種類が「濡れた道路(wet)」または「雪が積もった道路(snow)」または「凍った道路(iced)」であると、感知した路面の温度が4℃未満であるか否かを判断する(3930)。
【0485】
前記判断ステップ3930の判断結果、路面の温度が4℃未満でない場合、ステップS540に進み、路面状態データを感知する。
【0486】
一方、判断ステップ3930の判断結果、路面の温度が4℃未満であると、熱線装置を稼動する制御信号を生成する(3940)。
【0487】
その後、路面状態データ感知ステップ3940に進み、路面状態データを感知する。
【0488】
前記熱線装置が稼動した後、前記感知した路面の温度が4℃以上であるか否かを判断する(3950)。
【0489】
前記判断ステップ3950の判断結果、路面の温度が4℃以上でない場合、ステップS540に進み、路面状態データを感知する。
【0490】
一方、前記判断ステップ3950の判断結果、路面の温度が4℃以上であると、熱線装置の動作を停止する制御信号を生成する(3960)。
【0491】
その後、路面状態データ感知ステップ3840に進み、路面状態データを感知する。
【0492】
すなわち、前記気象状態が「雨」または「雪」であり、前記分類された路面の種類が「濡れた道路」または「雪が積もった道路」または「凍った道路」であり、前記感知した路面の温度が4℃未満である場合に、前記熱線装置を稼動し、前記熱線装置が稼動した後に、前記感知した路面の温度が4℃以上である場合に前記熱線装置の動作を停止する。
【0493】
図40は、本開示による道路の氷結予防装置が食塩水噴射装置である場合、
図38の制御信号生成ステップ3850の一実施形態の詳細なフローチャートである。
【0494】
道路の氷結予防装置が食塩水噴射装置である場合、前記制御信号生成ステップ3850は、まず、感知した気象状態が「雨(rain)」または「雪(snow)」であるか否かを判断する(4010)。
【0495】
前記判断ステップ4010の判断結果、気象状態が「雨」または「雪」でない場合、ステップS540に進み、路面状態データを感知する。
【0496】
一方、前記判断ステップ4010の判断結果、気象状態が「雨」または「雪」であると、分類された路面の種類が「濡れた道路(wet)」または「雪が積もった道路(snow)」または「凍った道路(iced)」であるか否かを判断する(4020)。
【0497】
前記判断ステップ4020の判断結果、気象状態が「雨」または「雪」である場合、分類された路面の種類が「濡れた道路(wet)」または「雪が積もった道路(snow)」または「凍った道路(iced)」でないと、ステップ3840に進み、路面状態データを感知する。
【0498】
一方、前記判断ステップ4020の判断結果、気象状態が「雨」または「雪」である場合、分類された路面の種類が「濡れた道路(wet)」または「雪が積もった道路(snow)」または「凍った道路(iced)」であると、感知した路面の温度が4℃未満であるか否かを判断する(4030)。
【0499】
前記判断ステップ4030の判断結果、路面の温度が4℃未満でない場合、ステップ3840に進み、路面状態データを感知する。
【0500】
一方、判断ステップ4030の判断結果、路面の温度が4℃未満であると、食塩水噴射装置を稼動する制御信号を生成する(4040)。
【0501】
その後、路面状態データ感知ステップ3840に進み、路面状態データを感知する。
【0502】
前記食塩水噴射装置が稼動した後、食塩水噴射量(噴射精度)が80%以上であるか否かを判断する(4050)。
【0503】
前記判断ステップ4050の判断結果、食塩水噴射量(噴射精度)が80%以上でない場合、ステップ3840に進み、路面状態データを感知する。
【0504】
一方、前記判断ステップ4050の判断結果、食塩水噴射量(噴射精度)が80%以上であると、食塩水噴射装置の動作を停止する制御信号を生成する(4060)。
【0505】
その後、路面状態データ感知ステップ3840に進み、路面状態データを感知する。
【0506】
すなわち、前記気象状態が「雨」または「雪」であり、前記分類された路面の種類が「濡れた道路」または「雪が積もった道路」または「凍った道路」であり、前記感知した路面の温度が4℃未満である場合に、前記食塩水噴射装置を稼動し、前記食塩水噴射装置が稼動した後には、前記感知した食塩水噴射量が80%以上である場合に前記食塩水噴射装置の動作を停止する。
【0507】
一方、前記食塩水噴射装置の動作を停止させるようにする食塩水噴射量(噴射精度、分布)が80%以上であると説明したが、これに限定されない。
【0508】
一方、前記食塩水噴射装置の動作を制御するために路面温度回帰モデルおよび食塩水噴射量回帰モデルの両方を併用するものとして例を挙げたが、食塩水噴射量回帰モデルのみを用いて前記食塩水噴射装置の動作を制御することも可能である。
【0509】
上記では道路の氷結予防装置として熱線装置または食塩水噴射装置を含むことを例に挙げたが、本開示がこれに限定されるものではなく、熱線装置および食塩水噴射装置を共に備えるシステムを制御することも可能である。
【0510】
以上、本開示の実施形態による方法は、方法を実現するためのプログラムが記憶されたコンピュータ読み取り可能記録媒体および/または方法を実現するためのコンピュータ読み取り可能記録媒体に記憶されたプログラムによって実現可能であることは言うまでもない。
【0511】
すなわち、本開示の実施形態による方法を実現するための命令語のプログラムが有形的に実現されることによって、コンピュータを介して読み取ることができる記録媒体に含まれて提供され得ることを当業者は容易に理解できるであろう。換言すれば、様々なコンピュータ手段を介して実行することができるプログラム命令の形態で実現され、コンピュータ読み取り可能記録媒体に記録することができる。前記コンピュータ読み取り可能記録媒体は、プログラム命令、データファイル、データ構造などを単独でまたは組み合わせて含むことができる。
【0512】
本開示の方法をソフトウェアで実現する場合、1つ以上のプログラム(ソフトウェアモジュール)を記憶するコンピュータ読み取り可能記憶媒体を提供することができる。コンピュータ読み取り可能記憶媒体に記憶される1つ以上のプログラムは、電子装置(device)内の1つ以上のプロセッサによって実行可能に構成される(configured for execution)。1つ以上のプログラムは、電子装置に本開示の請求項または明細書に記載された実施形態による方法を実行させる命令語(instructions)を含む。
【0513】
このようなプログラム(ソフトウェアモジュール、ソフトウェア)は、ランダムアクセスメモリ(random access memory)、フラッシュ(flash)メモリを含む不揮発性(non-volatile)メモリ、ロム(ROM:Read Only Memory)、電気的削去可能プログラム可能ROM(EEPROM:Electrically Erasable Programmable Read Only Memory)、磁気ディスク記憶装置(magnetic disc storage device)、コンパクトディスクROM(CD-ROM:Compact Disc-ROM)、デジタル多目的ディスク(DVDs:Digital Versatile Discs)または他の形態の光記憶装置、磁気カセット(magnetic cassette)に記憶することができる。または、それらの一部または全部の組み合わせからなるメモリに記憶することができる。また、各構成のメモリは複数個含まれてもよい。
【0514】
また、プログラムは、インターネット(Internet)、イントラネット(Intranet)、LAN(Local Area Network)、WLAN(Wide LAN)、またはSAN(Storage Area Network)などの通信ネットワーク、またはそれらの組み合わせからなる通信ネットワークを介してアクセス(access)できる付着可能な(attachable)記憶装置(storage device)に記憶することができる。そのような記憶装置は、外部ポートを介して本開示の実施形態を実行する装置に接続することができる。また、通信ネットワーク上の別々の記憶装置が本開示の実施形態を実行する装置に接続することもできる。
【0515】
以下では、本開示の道路インフラを道路に設置する方法について例示的に説明する。より具体的に、以下の説明における構造物は、
図2、
図23、および
図34の構造物であり、本開示の構造物の構造および設置方法に関する。
【0516】
以下、本開示の実施形態を示す
図41~
図49を参照して具体的に説明すると、以下の通りである。
【0517】
本開示の一実施形態によれば、本開示の道路インフラセンサ施工構造物の主な構成要素である構造物4100は、道路または道路の端に立設された垂直フレーム4110と、前記垂直フレーム4110の上部に前記道路の幅方向に設置される水平フレーム4120とを含んで構成され、一例として、「「」字型の街灯や電光掲示板を設置するための「コ」字型の構造物またはハイパスIC構造物であってもよく、道路の上部に水平フレーム4120が位置していればどのような構造物でも構わず、後で詳細に説明される音波センサ部4200が前記水平フレーム4120の下部に設置され、道路の上部に位置されてもよい。上述したように、本開示の音波センサ部の位置は例示的なものであり、本開示に記載された位置に限定されない。
【0518】
本開示の一実施形態によれば、本開示の道路インフラセンサ施工構造物の主な構成要素である音波センサ部4200は、前記構造物4100の水平フレーム4120の下部に設置され、前記道路の上部に位置するように設置され、道路の路面に音波を照射し、前記道路の路面から反射される音波を受信して音波情報を生成することで、受信された音波情報を後述する制御部4300に伝達して前記制御部4300で音波情報を周波数に変換して路面の状態を把握することができる。
【0519】
このような、本開示の音波センサ部4200は、道路の路面に音波信号を発信した後に反射された音波信号を受信し、制御部4300の制御に従って発信信号を出力する送信機と、前記発信信号が任意の路面に反射して戻ってくる反射信号を受信する受信機と、を含んで構成することができる。
【0520】
本開示の音波センサ部4200では、前記送信機と受信機が直線状に音波が発信され反射された音波を受信できるように配置されているが、以下で説明される音波センサ4240は、送信機と受信機が集積された状態で構成されると表現する。
【0521】
一方、路面の状態を把握するための音波を利用した方式は、一定の角度で送信機と受信機が固定設置されることで道路の路面のうち非常に狭い面積のみ状態が把握されるので、本開示では複数個の音波センサ部4200で構成される一実施形態と発信され、反射された音波信号を相互に受信できる第1送受信部材4250と第2送受信部材4260とからなる音波センサ部4200の他の実施形態を介して従来よりも比較的広い道路の路面状態を把握でき、道路の状態を信頼度高く推定できるようにしている。
【0522】
具体的に、一実施形態の音波センサ部4200は、前記構造物4100の水平フレーム4120の下部に設置され、前記道路の幅方向に複数個設置されることにより、従来に比べて広い路面の状態を把握でき、路面の状態把握の信頼度を向上させることができる効果を得ることができる。
【0523】
このとき、一実施形態で設けられた複数のセンサ部4200は、道路の路面に照射され反射される音波の到着時間が全て同じになるように音波の発信時間がそれぞれ設定されることを特徴とするが、これは道路の路面の高さが異なるだけでなく、破損などによる変数などによって反射される音波の到着時間が全て異なることができ、最初の基準となる正常な路面状態の音波の特性が比較的同様に抽出され比較できるように音波の発信時間をそれぞれ設定して到着時間を同じにすることで、路面の状態の把握が早くできるようにするためである。
【0524】
なお、音波の発信時間をそれぞれ設定して到着時間を同じにする理由は、音波の発信時間と到着時間を用いて音波情報を生成する際に、同じ機器の音波センサ部4200が複数個設置される場合、音波の速度が同じであるため、道路の路面の高さなどによる変数などによって発信時間が全て同じであると、反射される音波の到着時間が全て異なり、それぞれの音波センサ部4200で生成された音波情報を分析しなければならないが、音波の到着時間のみを有しても容易に音波情報を生成できるようにするために、路面の高さなどによる変数によって音波の到着時間が全て同じになるようにそれぞれの音波センサ部4200の音波発信時間を調整すると、到着時間が異なる音波情報の差が早く把握され、容易に路面の状態の把握が早くできるためである。
【0525】
一例として、路面の高さに応じた複数の音波センサ部4200の音波の発信時間をそれぞれ設定して到着時間を同一にすると、路面が一般状態のとき、音波の到着時間が全て同一であり、路面の状態が破損またはブラックアイスなどの状態であるときは、音波の到着時間が予め設定された音波の到着時間と異なり、路面全体の状態が異なることを容易に把握することができるが、複数の音波センサ部4200のうち一部の音波到着時間が予め設定された音波の到着時間と異なる場合、路面の全体のうち一部の状態が異なることをより早く確認できるようになる。
【0526】
また、一実施形態の複数の音波センサ部4200は、いずれかの音波センサ部4200から音波が送信され路面に反射して戻ってくる時間、すなわち、音波飛行周期をtとしたとき、t/2時間内にn個のセンサが路面に音波を順次合計n回以上送信し、残りのt/2時間の間反射された音波を受信することで路面情報や交通量情報を定められた周期内にn倍以上の総合道路情報をサンプリングすることを特徴とする。
【0527】
すなわち、一実施形態の音波センサ部4200は、複数の音波センサ部4200を介してより多くの量の路面情報と交通量情報などの音波情報をサンプリングして生成することによって、向上した信頼度で路面の状態を把握できるようにする効果を実現させる。このとき、後で詳細に説明される他の実施形態の音波センサ部4200も、音波を介して路面情報や交通量情報などの音波情報をサンプリングして生成することは明らかであろう。
【0528】
また、一実施形態の音波センサ部4200は、前記構造物4100の水平フレーム4120の下部に上部が結合される結合束4210と、前記結合束4210の下部に上部が前後および左右方向に回転可能にヒンジ結合される連結棒4220と、前記連結棒4220の下部の末端に結合される本体4230と、前記本体4230の下部に設けられた音波センサ4240と、を含んで構成される。このとき、前記前後方向は道路の長さ方向を意味し、左右方向は道路の幅方向を意味し、後述する前後および左右方向(横方向)も、このような方向を意味する。
【0529】
前記結合束4210は、下部に形成された下部収容溝4212と、前記下部収容溝4212の内側に設けられたボールベアリングとを含んで構成され、前記連結棒4220は、上部の末端に前記結合束4210の下部収容溝4212の内側に挿入されて結合される上部球体4224を含んで構成されるので、前後および左右方向に回転可能にボールヒンジ形態で結合される。
【0530】
このとき、前記下部収容溝4212は、前記連結棒4220の上部球体4224と対応する形状に形成されることは自明であり、前記連結棒4220は前記結合束4210の下部に上部がボールヒンジ構造に結合されて前後および左右方向に回転可能であり、車両通行および外部の振動によって構造物4100に振動が発生する場合、揺れが防止される。
【0531】
すなわち、前記連結棒4220の下部の末端に結合される本体4230と、前記本体4230の下部に設けられた音波センサ4240とは、前記連結棒4220の揺れが防止されることによって共に揺れが防止され、前記音波センサ4240で設定された路面に照射される音波を安定して照射できるようにする効果を得ることができる。
【0532】
前記本体4230は、一実施形態の音波センサ部4200と、後で詳細に説明される他の実施形態の音波センサ部4200において、音波センサ4240を安定的に設けて後で詳細に説明される制御部4300と接続され、前記制御部4300により制御されるようになる。前記音波センサ4240は、上記に説明された通り、送信部と受信部とから構成され、道路の路面に音波を照射した後に反射される音波を受信して音波情報を生成し、前記制御部4300に生成された音波情報を伝達する。
【0533】
次に、他の実施形態の音波センサ部4200は、前記構造物4100の水平フレーム4120の下部の一側に設けられ、前記道路の路面に音波を照射または受信する第1送受信部材4250と、前記構造物4100の水平フレーム4120の下部の他側に設けられ、前記道路の路面に音波を照射または受信する第2送受信部材4260とを含んで構成される。
【0534】
このとき、前記第1送受信部材4250は、前記第2送受信部材4260で道路に照射され反射された音波を受信できる角度で設けられ、前記第2送受信部材4260は、前記第1送受信部材4250で道路に照射され反射された音波を受信できる角度で設けられることを特徴とする。
【0535】
すなわち、他の実施形態の音波センサ部4200は、第1送受信部材4250または第2送受信部材4260のうちいずれか一方から路面に音波を発信するようにし、反射された音波を第2送受信部材4260または第1送受信部材4250が受信するようにすることで、第1送受信部材4250または第2送受信部材4260のうちいずれか一方の音波送信部が故障した場合、他方の音波送信部を用いて道路の路面状態を円滑に把握できる効果を実現させる。
【0536】
また、他の実施形態の音波センサ部4200は、前記第1送受信部材4250と第2送受信部材4260のうちいずれか一方の角度を調整し、調整された角度に応じて音波を受信できるように第2送受信部材4260または第1送受信部材4250を移動できるようにすることで、従来に比べて広い路面の状態を把握できるようにする。
【0537】
より詳細に説明すると、他の実施形態の実施例1として、音波センサ部4200が設置されるための前記構造物4100の水平フレーム4120は、下部前方に長さ方向に設置される第1レール4122と、前記第1レール4122に結合され、前記制御部4300により制御されて前記第1レール4122を回転させる回転モータ4126と、を含んで構成される。
【0538】
他の実施形態の実施例1の音波センサ部4200、すなわち、第1送受信部材4250と第2送受信部材4260は、前記第1レール4122の一方側と他方側に設けられ、前記第1レール4122の回転に応じて互いに反対方向に移動する結合束4210と、前記結合束4210の下部に上部が前後および左右方向に回転可能に結合される連結棒4220と、前記連結棒4220の下部の末端に結合される本体4230と、前記本体4230の下部に設けられ、前記制御部4300により制御される駆動モータ4270と、前記駆動モータ4270の下部に設けられ、前記駆動モータ4270により前記道路の幅方向に回転して角度が調整される音波センサ4240と、を含んで構成される。
【0539】
すなわち、他の実施形態の実施例1の音波センサ部4200は、最初に設定された道路の路面区域の音波を受信し、制御部4300によって第1送受信部材4250と第2送受信部材4260の角度および道路の幅方向位置を調整することで、最初に設定された道路の路面区域でない他の路面区域の音波を受信できるようにして、従来に比べて広い路面の状態を把握できて路面の状態把握の信頼度を向上させることができる効果が得られる。
【0540】
このとき、前記第1レール4122と結合束4210の結合関係は、前記第1レール4122の一方側と他方側の外周縁にねじ山の方向が異なるように形成され、前記結合束4210に前記第1レール4122の一方側と他方側とが貫通してねじ結合されることで、前記回転モータ4126によって回転される第1レール4122に沿って前記結合束4210が横方向、すなわち、一方側または他方側方向に移動し、前記第1レール4122の両側外周縁に形成されたねじ山に沿って一対の結合束4210が互いに反対方向に移動される。
【0541】
また、他の実施形態の実施例2をより詳細に説明すると、音波センサ部4200が設置されるための前記構造物4100の水平フレーム4120は、下部前方に長さ方向に設置される第1レール4122と、下部後方に長さ方向に設置される第2レール4124と、前記第1レール4122および第2レール4124にそれぞれ結合され、後述する制御部4300によって制御され、前記第1レール4122と第2レール4124を回転させる回転モータ4126と、を含んで構成される。
【0542】
他の実施形態の実施例2の音波センサ部4200、すなわち、第1送受信部材4250と第2送受信部材4260は、前記第1レール4122または第2レール4124のうちいずれか一方にそれぞれ設けられて前記第1レール4122または第2レール4124の回転に応じて移動する結合束4210と、前記結合束4210の下部に設けられる本体4230と、前記本体4230の下部に設けられ、前記制御部4300によって制御される駆動モータ4270と、前記駆動モータ4270の下部に設けられ、前記駆動モータ4270によって前記道路の幅方向に回転して角度が調整される音波センサ4240と、を含んで構成される。
【0543】
すなわち、他の実施形態の実施例2の音波センサ部4200は、他の実施形態の実施例1と同様に、最初に設定された道路の路面区域の音波を受信し、制御部4300により第1送受信部材4250と第2送受信部材4260の角度および道路幅方向位置を調整することで、最初設定された道路の路面区域でない他の路面区域の音波を受信できるようにして、従来に比べて広い路面の状態を把握でき、路面の状態把握の信頼度を向上させることができる効果が得られる。
【0544】
このとき、前記第1レール4122と第2レール4124および結合束4210との結合関係として、前記第1レール4122と第2レール4124の外周縁にねじ山が形成され、前記結合束4210に前記第1レール4122と第2レール4124が貫通してねじ結合されることで、前記回転モータ4126によって回転される第1レール4122と第2レール4124に沿って前記結合束4210が横方向、すなわち、一方側または他方側方向に移動する。
【0545】
また、他の実施形態の実施例1と実施例2の前記駆動モータ4270と音波センサ4240との結合関係は、作動により左右に回転する駆動モータ4270と前記音波センサ4240がギアボックス4280を介して結合され、後で詳細に説明される制御部4300によって前記駆動モータ4270が制御されることで、音波センサ4240の設置された角度が調整される。
【0546】
また、他の実施形態の実施例1と実施例2の第1送受信部材4250と第2送受信部材4260は、前述した一実施形態の音波センサ部4200と同様に前記結合束4210に前後および左右方向に回転可能にヒンジ結合される連結棒4220を含んで構成することができる。
【0547】
より詳細に説明すると、他の実施形態の実施例1と実施例2の前記第1送受信部材4250と第2送受信部材4260は、前記結合束4210の下部に上部が前後および左右方向に回転可能に結合される連結棒4220を含んで構成され、前記第1送受信部材4250と第2送受信部材4260の本体4230は、前記連結棒4220の下部の末端に結合されることで、一実施形態の音波センサ部4200の結合束4210と連結棒4220および本体の構造と同じ構造を有する。このとき、前記結合束4210と連結棒4220は、先の一実施形態の音波センサ部4200における構成と同様に構成される。
【0548】
すなわち、他の実施形態の実施例1と実施例2の音波センサ部4200、すなわち、第1送受信部材4250と第2送受信部材4260も、前記連結棒4220によって構造物4100に振動が発生する場合、前記連結棒4220と本体および音波センサ4240の揺れが防止され、より安定的に音波の照射および受信ができるようにする効果が得られる。
【0549】
なお、一実施形態とは異なる実施形態の実施例1と実施例2の本体4230は、上部に形成される上部収容溝4234と、前記上部収容溝4234の内側に設けられたボールベアリングとを含んで構成され、前記連結棒4220は、下部の末端に前記本体4230の上部収容溝4234の内側に挿入して結合される下部球体4226を含んで構成することができ、それによって、前記本体4230が前記連結棒4220に前後および左右方向に回転可能にボールヒンジ状に結合されて揺れを2次に防止することで、より安定的に音波センサ4240から音波の発信および受信ができるようにする。
【0550】
また、一実施形態とは異なる実施形態の実施例1と実施例2の連結棒4220は、上部外周縁に結合され、中央が貫通するように結合され、前記音波センサ4240の上部に位置し、中央が上部に凸の曲面の円形に形成され、下部が開放される一方、内側面に音波の反射が可能な反射層4222aが形成される保護部材4222を含んで構成される。
【0551】
すなわち、前記保護部材4222は、前記連結棒4220が中央を貫通して結合されるが、前記音波センサ4240の上部に位置するように結合されることにより、路面から反射された音波の信号が音波センサ4240によって直接受信されなくても、前記反射層4222aによって反射され受信されるようにして、できるだけ多くの音波信号を受信できるようにする。
【0552】
これは、通常、可視線(line of sight)方向に直進運動する音波をできるだけ多くの数が受信されるようにすることで、音波による測定信頼度を向上させ、結果として路面の状態の把握の信頼度を向上できるようにする効果が得られる。
【0553】
また、前記保護部材4222は、前記音波センサ4240の上部を保護して、前記音波センサ4240が紫外線または雨水による破損または鳥の排泄物によって音波の受信が妨げられることを最小化することができる。
【0554】
このとき、前記保護部材4222が含まれて構成されることにより、前記本体4230は上部に設置された複数の補助受信センサ4232を含んで構成されるが、前記補助受信センサ4232は前記保護部材4222の反射層によって反射された音波が前記音波センサ4240の上部に位置する本体4230によって受信されにくいため、反射された音波をより安定的に受信できるようにする効果を実現する。
【0555】
また、他の実施形態の実施例1と実施例2の回転モータ4126は、前記第1レール4122と第2レール4124にそれぞれ回転ロッドが連結されて結合され、前記水平フレーム4120の下部に上部が固定結合される。
【0556】
一方、本開示の一実施形態とは異なる実施形態の音波センサ部4200は、道路の路面に音波を照射する際、制御部4300を介して音波の周波数を予め設定された時間ごとに異ならせて照射することを特徴とするが、これは他の周波数によって路面の状態をより詳細に判断できる音波情報を生成できるようにすることで、より信頼度の高い路面の状態を把握できる効果を得ることができる。
【0557】
一例として、本開示の一実施形態とは異なる実施形態の音波センサ部4200は、通常40kHzの音波を路面に照射し、予め設定された時間に達すると、制御部4300により80kHzの音波を路面に照射し、再び予め設定された時間に達すると、制御部4300により120kHzの音波を路面に照射して、より詳細な路面の状態を判断することができる音波情報を生成できるようにする。
【0558】
すなわち、本開示の一実施形態とは異なる実施形態の音波センサ部4200は、道路の路面に音波を照射する際、音波の周波数を予め設定された時間ごとに異なるように照射するが、予め設定されたn回にわたって照射することにより、路面の状態をより詳細に判断することで、路面の状態把握の信頼度をさらに向上させることができる効果を実現する。
【0559】
本開示の道路インフラセンサ施工構造物の主な構成要素である制御部4300は、前記構造物4100の垂直フレーム4110に設けられ、前記音波センサ部4200から音波情報を伝達されて中央管理サーバーに送信するものであり、具体的には前記音波センサ4240から伝達された音波情報から音波信号の特性を抽出し、分類して前記路面の状態を把握した後、路面の状態を推定し、推定された路面の状態を中央管理サーバーに送信することにより、路面の現在の状態による事故を未然に防止できる措置が取れるようにする。
【0560】
このような本開示の制御部4300は、上述した音波センサ4240を制御するだけでなく、回転モータ4126および駆動モータ4270を予め設定された入力値で自動制御するか、または中央管理サーバーの入力情報によって制御する。
【0561】
また、本開示の制御部4300は、音波センサ4240から伝達された音波情報のドメイン上の既定領域に対して周波数変換を行って周波数ドメイン信号を取得する信号変換器と、前記周波数ドメイン信号を入力信号として学習された路面分類モデルに基づいて前記入力信号の特性を抽出し、分類して路面の状態を推定する人工ニューラルネットワークなどを含んで構成することができ、それらを制御する。
【0562】
すなわち、本開示の制御部4300は、配電盤または端子箱に含まれて一緒に構造物4100の垂直フレーム4110に設置されることができ、中央管理サーバーに音波情報を送信できるように有線または無線の通信部を含んで構成することができる。
【0563】
以上のような本開示の道路インフラセンサ施工構造物を施工する方法について、以下に具体的に説明する。
【0564】
本開示の道路インフラセンサ施工構造物の施工方法は、道路に構造物4100を設置する構造物設置ステップ4S10と、前記構造物4100に音波センサ部4200を設置するセンサ設置ステップ4S20と、前記構造物4100に制御部4300を設置する端子箱設置ステップ4S30と、を含んで構成される。
【0565】
前記構造物設置ステップ4S10は、道路または道路の端に垂直フレーム4110を立設し、前記垂直フレーム4110の上部に道路の幅方向に前記水平フレーム4120を結合して前記垂直フレーム4110と水平フレーム4120とを含む構造物4100を設置する。
【0566】
このとき、前記構造物4100が
図41~
図44に示す街灯のような「「」字型の場合、上記と同様の方法で設置し、
図45~
図48に示す広告看板構造物のような「コ」字型の場合、一対の垂直フレーム4110を立設し、前記一対の垂直フレーム4110の上部を連結する水平フレーム4120を設ける。
【0567】
また、前述の他の実施形態の音波センサ部4200が設置される場合、前記水平フレーム4120の下部に第1レール4122と第2レール4124が設けられていることは明らかであろう。
【0568】
一方、本開示の構造物設置ステップ4910は、街灯や電光掲示板構造物などの構造物4100が既に設けられている場合、先行して実施されたことであるので省略することができる。
【0569】
前記センサ設置ステップ4920は、前記構造物設置ステップ4910以降、道路の路面に音波を照射した後に反射される音波を受信して音波情報を生成する音波センサ部4200を前記構造物4100の水平フレーム4120に設置することで、上述した結合束4210を前記水平フレーム4120の下部に設置する。
【0570】
このとき、前記結合束4210は、一実施形態の音波センサ部4200が設置される場合、水平フレーム4120の下部に固定結合され、他の実施形態の音波センサ部4200が設置される場合、水平フレーム4120の下部に設置された第1レール4122と第2レール4124にそれぞれ移動可能に設けられる。
【0571】
前記結合束4210は、一実施形態の音波センサ部4200が設置される場合、下部に結合される連結棒4220と、前記連結棒4220の外周縁に設置される保護部材4222と、前記連結棒4220の下部に結合される本体4230と、前記本体4230の上部に結合される複数の補助受信センサ4232と、前記本体4230の下部に結合される音波センサ4240と、を含むか、または他の実施形態の音波センサ部4200が設置される場合、下部に結合される連結棒4220と、前記連結棒4220の外周縁に設置される保護部材4222と、前記連結棒4220の下部に結合される本体4230と、前記本体4230の上部に結合される複数の補助受信センサ4232と、前記本体4230の下部に結合される駆動モータ4270と、前記駆動モータ4270の下部に結合される音波センサ4240と、から構成される音波センサ部4200が既に結合されている状態である。
【0572】
前記端子箱設置ステップ4930は、前記センサ設置ステップ4920以降、前記構造物4100の垂直フレーム4110に前記音波センサ部4200と接続され、中央管理サーバーと有線または無線に接続される制御部4300を設置することで、前記制御部4300によって音波センサ部4200を制御できるように電気的に接続される。
【0573】
このとき、前記端子箱設置ステップ4930は、一実施形態の音波センサ部4200が設けられている場合、複数の音波センサ部4200に反射されて受信される音波の到着時間が全て同じになるように音波発信時間をそれぞれ設定するか、または他の実施形態の音波センサ部4200が設けられている場合、最初に設置される第1送受信部材4250と第2送受信部材4260が相互に発信された音波を受信できるように構成する初期発信設定ステップをさらに含んで構成される。
【0574】
その結果、本開示の道路インフラセンサシステム施工構造物およびその施工方法は、音波によって接触することなく路面の状態を円滑に把握できるだけでなく、従来に比べて広い測定範囲による路面の状態把握に応じた路面の状態推定の信頼度を向上させることができ、直進性を有する音波の特性上、小さな外乱にも受信が難しい問題を反射層4222aが形成された保護部材4222を介して多くの音波が受信されるようにすることにより、音波による測定信頼度を高めることができ、車両の通行または外乱による構造物4100の振動発生時のボールヒンジ構造を通じて音波センサ部4200の揺れを最小化するとともに構造物4100の振動によって発生する固有周波数が保護部材4222を介して受信されることを最小化することにより、測定誤差を最小化してより高い測定信頼度を向上させることができる効果を得ることができる。
【0575】
上記の本開示の具体的な実施形態では、開示に含まれる構成要素は、提示された具体的な実施形態に従って単数または複数として表されている。ただし、単数または複数の表現は、説明の便宜のために提示した状況に適合するように選択されたものであり、本開示が単数または複数の構成要素に限定されるものではなく、複数で表される構成要素であっても単数で構成されるか、または単数で表される構成要素であっても複数で構成されることができる。
【0576】
一方、本明細書と図面に開示された本開示の実施形態は、本開示の技術内容を容易に説明し、本開示の理解を助けるために特定の例を提示したものに過ぎず、本開示の範囲を限定しようとするものではない。すなわち、本開示の技術的思想に基づく他の変形例が実施可能であることは、本開示の属する技術分野において通常の知識を有する者にとって明らかである。また、本明細書に開示された各実施形態は、必要に応じて互いに組み合わせて運用することができる。例えば、本開示の一実施形態とは異なる一実施形態の一部を互いに組み合わせて本明細書に記載されていない実施形態の形態で実施することができる。
【0577】
一方、本開示の方法を説明する面では、説明の順序は必ずしも実行の順序と対応しているわけではなく、前後関係を変更したり、並列に実行したりすることができる。
【0578】
または、本開示の方法を説明する図面は、本開示の本質を損なわない範囲内で一部の構成要素が省略され、一部の構成要素のみを含むことができる。
【0579】
また、本開示の方法は、開示の本質を損なわない範囲内で、各実施形態に含まれる内容の一部または全部を組み合わせて実行することもできる。
【国際調査報告】