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特表2024-540516血管内血液ポンプ、モータ、および流体制御
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-10-31
(54)【発明の名称】血管内血液ポンプ、モータ、および流体制御
(51)【国際特許分類】
   A61M 60/13 20210101AFI20241024BHJP
   A61M 60/237 20210101ALI20241024BHJP
   A61M 60/414 20210101ALI20241024BHJP
   A61M 60/808 20210101ALI20241024BHJP
   A61M 60/816 20210101ALI20241024BHJP
   A61M 60/829 20210101ALI20241024BHJP
   A61M 60/857 20210101ALI20241024BHJP
【FI】
A61M60/13
A61M60/237
A61M60/414
A61M60/808
A61M60/816
A61M60/829
A61M60/857
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2024529500
(86)(22)【出願日】2022-11-21
(85)【翻訳文提出日】2024-07-02
(86)【国際出願番号】 US2022080240
(87)【国際公開番号】W WO2023092122
(87)【国際公開日】2023-05-25
(31)【優先権主張番号】63/264,355
(32)【優先日】2021-11-19
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】512052029
【氏名又は名称】シファメド・ホールディングス・エルエルシー
(74)【代理人】
【識別番号】100118902
【弁理士】
【氏名又は名称】山本 修
(74)【代理人】
【識別番号】100106208
【弁理士】
【氏名又は名称】宮前 徹
(74)【代理人】
【識別番号】100196508
【弁理士】
【氏名又は名称】松尾 淳一
(74)【代理人】
【識別番号】100137039
【弁理士】
【氏名又は名称】田上 靖子
(72)【発明者】
【氏名】バルガイ,ダニエル
(72)【発明者】
【氏名】ライアン,アリ
(72)【発明者】
【氏名】ダリワル,ハーシビア
【テーマコード(参考)】
4C077
【Fターム(参考)】
4C077AA04
4C077BB10
4C077CC03
4C077CC04
4C077DD10
4C077EE01
4C077FF04
(57)【要約】
血管内血液ポンプシステムおよび使用方法。血液ポンプシステムは、1つまたは複数の遠位折り畳み可能羽根車を伴う遠位血液ポンプを有するカテーテル部分を含む。本システムは、きれいな流体を血液ポンプへと遠位に運ぶためにきれいなパージ流体通路、ならびに戻り流体を外部モータ内へ、およびモータの近位端の外へ、および任意選択的に廃棄物リザーバへ近位に運ぶためにパージ流体戻り通路を含み得る。
【選択図】図12D
【特許請求の範囲】
【請求項1】
血液ポンプに結合される遠位端を有するカテーテルであって、前記血液ポンプは、前記血液ポンプの1つまたは複数の羽根車に回転可能に結合される駆動シャフトを有する、カテーテルと、
前記カテーテルに結合される遠位部分を有し、前記駆動シャフトに回転可能に結合されるモータを含むモータアセンブリと、を備え、
前記モータアセンブリの前記遠位部分は、結合部材を含み、
前記結合部材は、
流体を、前記カテーテルを介して前記モータアセンブリから前記血液ポンプの方へ方向付けるように構成される1つまたは複数の流体チャネル、および
1つまたは複数の細長い構成要素を、前記カテーテルを介して前記血液ポンプから前記モータアセンブリの方へ方向付けるように各々構成される1つまたは複数のアクセスチャネルを備える、血液ポンプシステム。
【請求項2】
前記1つまたは複数の細長い構成要素は、1つまたは複数の電線、1つまたは複数の光ファイバ、および1つまたは複数の空気管のうちの1つまたは複数を含む、請求項1に記載の血液ポンプシステム。
【請求項3】
前記1つまたは複数の流体チャネルおよび前記1つまたは複数のアクセスチャネルは、前記結合部材の外表面に沿った長手方向の切り欠きである、請求項1に記載の血液ポンプシステム。
【請求項4】
前記結合部材の外表面に固定して結合される1つまたは複数の管カバーをさらに備え、前記1つまたは複数の流体チャネルおよび前記1つまたは複数のアクセスチャネルは、前記1つまたは複数の管カバーと前記結合部材との間に空間を提供する、請求項1に記載の血液ポンプシステム。
【請求項5】
前記カテーテルは、駆動シャフト管、カテーテルシャフト管、および外側シースを含み、前記駆動シャフト管は、前記カテーテルシャフト管内に半径方向で位置付けられ、前記カテーテルシャフト管は、前記外側シース内に半径方向で位置付けられる、請求項1に記載の血液ポンプシステム。
【請求項6】
前記1つまたは複数の流体チャネルは、流体を前記カテーテルシャフト管と前記外側シースとの間に方向付けるように構成され、前記1つまたは複数のアクセスチャネルは、前記1つまたは複数の細長い構成要素を前記駆動シャフト管と前記カテーテルシャフト管との間に方向付けるように構成される、請求項5に記載の血液ポンプシステム。
【請求項7】
前記結合部材は、駆動シャフト管を取り囲むハイポチューブに固定して結合され、前記駆動シャフト管は、その中に前記駆動シャフトを収容する、請求項1に記載の血液ポンプシステム。
【請求項8】
前記モータアセンブリの前記遠位部分は、カプラアセンブリをさらに含み、前記カプラアセンブリは、流体を前記血液ポンプシステムの外部コンソールから前記結合部材の方へ方向付けるように構成される流体入口ポートを含む、請求項1に記載の血液ポンプシステム。
【請求項9】
前記血液ポンプに対して近位の第2の結合部材をさらに備え、前記第2の結合部材は、
流体を前記カテーテルから前記血液ポンプの方へ方向付けるように構成される1つまたは複数の1つまたは複数の第2の流体チャネル、および
1つまたは複数の細長い構成要素を前記血液ポンプから前記カテーテルの方へ方向付けるように各々構成される1つまたは複数の第2のアクセスチャネルを含む、請求項1に記載の血液ポンプシステム。
【請求項10】
前記第2の1つまたは複数のアクセスチャネルは、センサホルダを含み、前記センサホルダは、その中に1つまたは複数のセンサを支持するように構成される、請求項9に記載の血液ポンプシステム。
【請求項11】
前記1つまたは複数のセンサは、圧力センサを含む、請求項10に記載の血液ポンプシステム。
【請求項12】
駆動シャフトに回転可能に結合されるモータを含むモータアセンブリと、
前記モータアセンブリに結合される近位部分を含むカテーテルと、を備え、
前記カテーテルは、血液ポンプに結合される遠位部分を含み、前記血液ポンプは、前記駆動シャフトに回転可能に結合される1つまたは複数の羽根車を有し、前記カテーテルの前記遠位部分は、結合部材を備え、
前記結合部材は、
流体を、前記カテーテルを介して前記モータアセンブリから前記血液ポンプの方へ方向付けるように構成される1つまたは複数の流体チャネル、および
1つまたは複数の細長い構成要素を、前記カテーテルを介して前記血液ポンプから前記モータアセンブリの方へ方向付けるように各々構成される1つまたは複数のアクセスチャネルを備える、血液ポンプシステム。
【請求項13】
前記1つまたは複数の細長い構成要素は、1つまたは複数の電線、1つまたは複数の光ファイバ、および1つまたは複数の空気管のうちの1つまたは複数を含む、請求項12に記載の血液ポンプシステム。
【請求項14】
前記1つまたは複数のアクセスチャネルは、センサホルダを含み、前記センサホルダは、その中に1つまたは複数のセンサを支持するように構成される、請求項12に記載の血液ポンプシステム。
【請求項15】
前記1つまたは複数のセンサは、圧力センサを含む、請求項14に記載の血液ポンプシステム。
【請求項16】
前記1つまたは複数の流体チャネルおよび前記1つまたは複数のアクセスチャネルは、前記結合部材の外表面に沿った長手方向の切り欠きである、請求項12に記載の血液ポンプシステム。
【請求項17】
前記結合部材の外表面に固定して結合される1つまたは複数の管カバーをさらに備え、前記1つまたは複数の流体チャネルおよび前記1つまたは複数のアクセスチャネルは、前記1つまたは複数の管カバーと前記結合部材との間に空間を提供する、請求項12に記載の血液ポンプシステム。
【請求項18】
前記カテーテルは、駆動シャフト管、カテーテルシャフト管、および外側シースを含み、前記駆動シャフト管は、前記カテーテルシャフト管内に半径方向で位置付けられ、前記カテーテルシャフト管は、前記外側シース内に半径方向で位置付けられる、請求項12に記載の血液ポンプシステム。
【請求項19】
前記1つまたは複数の流体チャネルは、流体を前記カテーテルシャフト管と前記外側シースとの間から前記血液ポンプの方へ方向付けるように構成され、前記1つまたは複数のアクセスチャネルは、前記1つまたは複数の細長い構成要素を前記駆動シャフト管と前記カテーテルシャフト管との間に方向付けるように構成される、請求項18に記載の血液ポンプシステム。
【請求項20】
前記結合部材は、前記駆動シャフトを取り囲む駆動シャフト管に固定して結合される、請求項12に記載の血液ポンプシステム。
【請求項21】
血液ポンプシステムを製造する方法であって、前記血液ポンプシステムは、遠位端および遠位端を有するカテーテルを含み、前記方法は、
第1の結合部材を前記カテーテルの前記近位端およびモータアセンブリの遠位部分に結合するステップを含み、前記結合部材は、
流体を、前記カテーテルを介して前記モータアセンブリから前記血液ポンプの方へ方向付けるように構成される1つまたは複数の第1の流体チャネル、および
1つまたは複数の細長い構成要素を、前記カテーテルを介して前記カテーテルの遠位端における血液ポンプから前記モータアセンブリの方へ方向付けるように各々構成される1つまたは複数の第1のアクセスチャネルを含む、方法。
【請求項22】
第2の結合部材を前記カテーテルの前記遠位端および前記血液ポンプの近位部分に結合するステップをさらに含み、前記第2の結合部材は、
流体を、前記カテーテルを介して前記モータアセンブリから前記血液ポンプの方へ方向付けるように構成される1つまたは複数の第2の流体チャネル、および
1つまたは複数の細長い構成要素を、前記カテーテルを介して前記血液ポンプから前記モータアセンブリの方へ方向付けるように各々構成される1つまたは複数の第2のアクセスチャネルを含む、請求項21に記載の方法。
【請求項23】
ハンドル部分と、
前記ハンドル部分の第1および第2の流体入口と、
前記第1および第2の流体入口に流体結合される1つまたは複数の流体源と、
前記ハンドル部分に配設されるモータアセンブリと、
前記ハンドル部分に結合される近位部分および血液ポンプ部分に結合される遠位部分を有する細長いカテーテルシャフトと
を備える、血液ポンプシステムであって、前記細長いカテーテルシャフトは、
駆動ケーブル管と、
前記駆動ケーブル管に配設され、前記モータアセンブリに動作可能に結合される駆動ケーブルと、
カテーテル管であって、前記カテーテル管と前記駆動ケーブル管の間に第1の環状空間を形成するように前記駆動ケーブル管を覆って配設される、カテーテル管と、
外側シースであって、前記外側シースと前記カテーテル管の間に第2の環状空間を形成するように前記カテーテル管を覆って配設される、外側シースと、を含み、
前記1つまたは複数の流体源からの第1の流体流は、前記第1の流体入口を通過し、前記細長いカテーテルシャフトの長さに沿って前記カテーテル管と前記駆動ケーブル管との間の前記第1の環状空間を遠位に流れ、その後、前記第1の流体流の大部分は、前記駆動ケーブル管を通って前記モータアセンブリの方へ近位に流れるように方向転換され、
前記1つまたは複数の流体源からの第2の流体流は、前記第2の流体入口を通過し、前記外側シースと前記カテーテル管との間の前記第2の環状空間を通って遠位に流れる、血液ポンプシステム。
【請求項24】
前記カテーテル管および前記駆動ケーブル管の遠位端に対して遠位に配設される軸受アセンブリをさらに備え、前記第1の流体流の前記大部分は、前記軸受アセンブリに対して近位の位置において前記モータアセンブリの方へ近位に流れるように方向転換する、請求項23に記載の血液ポンプシステム。
【請求項25】
前記第1の流体流の小部分は、前記軸受アセンブリを通って遠位に流れ続け、前記血液ポンプ部分の出口を通って出る、請求項24に記載の血液ポンプシステム。
【請求項26】
前記カテーテル管および前記駆動ケーブル管の遠位端に配設される遠位結合要素をさらに備え、前記遠位結合要素は、前記駆動ケーブル管に対する前記カテーテル管の間隔を維持するように構成される、請求項23に記載の血液ポンプシステム。
【請求項27】
前記遠位結合要素に隣接して位置付けられるパージチャネル管をさらに備え、前記パージチャネル管は、前記第1の流体流が前記第1の環状空間から前記パージチャネル管を通過することを可能にするように構成される1つまたは複数の流体チャネルを備える、請求項26に記載の血液ポンプシステム。
【請求項28】
前記第1の流体流は、それが前記パージチャネル管を通過した後に、前記モータアセンブリの方へ近位に流れるように方向転換する、請求項27に記載の血液ポンプシステム。
【請求項29】
前記パージチャネル管は、センサハウジングアセンブリをさらに備える、請求項27に記載の血液ポンプシステム。
【請求項30】
前記センサハウジングアセンブリを前記カテーテル管と前記駆動ケーブル管との間の前記第1の環状空間に接続する前記パージチャネル管内の傾斜路をさらに備える、請求項29に記載の血液ポンプシステム。
【請求項31】
前記パージチャネル管の前記傾斜路に配設されるセンサワイヤをさらに備える、請求項30に記載の血液ポンプシステム。
【請求項32】
前記モータアセンブリは、
回転子と、
回転子の周りに配設されるケーシング部材であって、前記ケーシング部材の内側と前記回転子との間に第3の環状空間を形成する、ケーシング部材と、
前記ケーシング部材の周りに配設される固定子と、
前記固定子の周りに配設される外側ハウジングと、を備える、請求項23に記載の血液ポンプシステム。
【請求項33】
前記第1の流体流は、前記ケーシング部材の内側と前記回転子との間の前記第3の環状空間内の前記モータアセンブリを通って近位に流れる、請求項32に記載の血液ポンプシステム。
【請求項34】
前記ケーシング部材は、前記第1の流体流が前記固定子に接触するのを防ぐ、請求項33に記載の血液ポンプシステム。
【請求項35】
モータアセンブリを備えるハンドル部分と、
前記モータアセンブリから延在する細長いカテーテルと、
前記細長いカテーテルに配設される1つまたは複数の流体路と、
前記細長いカテーテルの遠位部分の近くに配設される結合アセンブリであって、前記結合アセンブリは、センサハウジング、前記1つまたは複数の流体路に結合される1つまたは複数の流体チャネル、および前記センサハウジングを前記1つまたは複数の流体路に接続するセンサワイヤチャネルを含む、結合アセンブリと
を備える、血液ポンプシステム。
【請求項36】
前記1つまたは複数の流体路は、前記細長いカテーテルのカテーテル管と前記細長いカテーテルの駆動ケーブル管との間の第1の環状空間を備える、請求項35に記載の血液ポンプシステム。
【請求項37】
前記センサワイヤチャネルは、センサワイヤを受容するように構成される、請求項35に記載の血液ポンプシステム。
【請求項38】
前記センサワイヤチャネルは、前記第1の環状空間と流体連通状態にある、請求項36に記載の血液ポンプシステム。
【請求項39】
前記1つまたは複数の流体路は、前記第1の環状空間に結合されて、前記第1の環状空間内の流体が前記結合アセンブリを通過することを可能にする、請求項36に記載の血液ポンプシステム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
優先権の主張
[0001]本特許出願は、「INTRAVASCULAR BLOOD PUMPS, MOTORS, AND FLUID CONTROL」という表題の、2021年11月19日に出願された米国仮特許出願第63/264,355号の優先権を主張するものであり、参照によりその全体が本明細書に組み込まれる。
参照による組み込み
[0002]本明細書に記載されるすべての刊行物および特許出願は、あたかも各々個々の刊行物または特許出願が参照により組み込まれるように具体的および個々に示される場合と同じ程度まで、参照により本明細書に組み込まれる。
【0002】
[0003]本開示は、概して、血管内血液ポンプ、1つもしくは複数の羽根車などの1つもしくは複数の流体制御部材を回転させるように構成されるモータ、および/またはその中の1つもしくは複数の流体通路(例えば、パージ流体、潤滑流体)に関連する。
【背景技術】
【0003】
[0004]心疾患のある患者は、血流を心臓および血管系に送り出す能力が重度に障害されている場合があり、例えば、バルーン血管形成およびステント送達などの修正処置の間に相当なリスクを示す。特に修正処置の間、これらの患者の心臓性流出の量または安定性を向上させる方法が必要とされている。
【0004】
[0005]大動脈内バルーンポンプ(IABP)は、一般的に、心不全患者を治療することなど、循環機能を支援するために使用される。IABPの使用は、高リスクの経皮的冠動脈形成術(HRPCI)中に患者を支援すること、心原性ショック後に患者血流を安定させること、急性心筋梗塞(AMI)と関連した患者を治療すること、または非代償性心不全を治療することなど、心不全患者の治療に一般的である。そのような循環支援は、単独で、または薬物治療と一緒に使用され得る。
【0005】
[0006]IABPは、一般的に、大動脈内に置かれ、心収縮とのカウンターパルゼーション方式で膨らませたりしぼませたりされることによって動作し、機能のうちの1つは、循環系に追加支援を提供しようとすることである。
【0006】
[0007]さらに近年では、低侵襲回転式血液ポンプが開発されており、これは、患者の心臓の左側の本来の血液ポンピング能力に追加するために、左心室から大動脈内へ動脈血をポンピングすることなど、心臓血管系と接続して身体内へ挿入され得る。別の知られている方法は、患者の心臓の右側の本来の血液ポンピング能力に追加するために、右心室から肺動脈へ静脈血をポンピングすることである。全体的目的は、心臓に追加のストレスを及ぼし得る医療処置の間などに患者を安定させるため、心臓移植前に患者を安定させるため、または患者の継続的支援のために、患者の心筋に対する作業負荷を低減することである。
【0007】
[0008]現在利用可能な最小の回転式血液ポンプは、アクセスシースを通じて患者の血管系に経皮的に挿入され得、これにより外科的介入を必要としないか、または血管アクセス移植片を通じて挿入され得る。このタイプのデバイスの一種は、経皮的に挿入される心室支援デバイスである。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
[0009]心血流障害を治療するための心室支援デバイスおよび類似の血液ポンプの分野にさらなる改善を提供する必要がある。
【課題を解決するための手段】
【0009】
[0010]本開示は、血管内血液ポンプなどの流体移動デバイス、およびそれらの使用方法に関する。
【0010】
[0011]本開示の1つの態様は、血液ポンプに結合される遠位端を有するカテーテルであって、血液ポンプは、血液ポンプの1つまたは複数の羽根車に回転可能に結合される駆動シャフトを有する、カテーテルと、カテーテルに結合される遠位部分を有し、駆動シャフトに回転可能に結合されるモータを含むモータアセンブリと、を備え、モータアセンブリの遠位部分は、結合部材を含み、結合部材は、流体を、カテーテルを介してモータアセンブリから血液ポンプの方へ方向付けるように構成される1つまたは複数の流体チャネル、および1つまたは複数の細長い構成要素を、カテーテルを介して血液ポンプからモータアセンブリの方へ方向付けるように各々構成される1つまたは複数のアクセスチャネルを備える、血液ポンプシステムである。
【0011】
[0012]この態様において、1つまたは複数の細長い構成要素は、1つまたは複数の電線、1つまたは複数の光ファイバ、および1つまたは複数の空気管のうちの1つまたは複数を含み得る。
【0012】
[0013]この態様において、1つまたは複数の流体チャネルおよび1つまたは複数のアクセスチャネルは、結合部材の外表面に沿った長手方向の切り欠きであり得る。
【0013】
[0014]この態様において、血液ポンプシステムは、結合部材の外表面に固定して結合される1つまたは複数の管カバーをさらに備え得、1つまたは複数の流体チャネルおよび1つまたは複数のアクセスチャネルは、1つまたは複数の管カバーと結合部材との間に空間を提供する。
【0014】
[0015]この態様において、カテーテルは、駆動シャフト管、カテーテルシャフト管、および外側シースを含み得、駆動シャフト管は、カテーテルシャフト管内に半径方向で位置付けられ、カテーテルシャフト管は、外側シース内に半径方向で位置付けられる。
【0015】
[0016]この態様において、1つまたは複数の流体チャネルは、流体をカテーテルシャフト管と外側シースの間に方向付けるように構成され得、1つまたは複数のアクセスチャネルは、1つまたは複数の細長い構成要素を駆動シャフト管とカテーテルシャフト管との間に方向付けるように構成される。
【0016】
[0017]この態様において、結合部材は、駆動シャフト管を取り囲むハイポチューブに固定して結合され得、駆動シャフト管は、その中に駆動シャフトを収容する。
【0017】
[0018]この態様において、モータアセンブリの遠位部分は、カプラアセンブリをさらに含み得、カプラアセンブリは、流体を血液ポンプシステムの外部コンソールから結合部材の方へ方向付けるように構成される流体入口ポートを含む。
【0018】
[0019]この態様において、血液ポンプシステムは、血液ポンプの近位に第2の結合部材をさらに備え得、第2の結合部材は、流体をカテーテルから血液ポンプの方へ方向付けるように構成される1つまたは複数の1つまたは複数の第2の流体チャネル、および1つまたは複数の細長い構成要素を血液ポンプからカテーテルの方へ方向付けるように各々構成される1つまたは複数の第2のアクセスチャネルを含む。
【0019】
[0020]この態様において、第2の1つまたは複数のアクセスチャネルは、センサホルダを含み得、センサホルダは、その中に1つまたは複数のセンサを支持するように構成される。
【0020】
[0021]この態様において、1つまたは複数のセンサは、圧力センサを含み得る。
【0021】
[0022]本開示の1つの態様は、駆動シャフトに回転可能に結合されるモータを含むモータアセンブリと、モータアセンブリに結合される近位部分を含むカテーテルと、を備え、カテーテルは、血液ポンプに結合される遠位部分を含み、血液ポンプは、駆動シャフトに回転可能に結合される1つまたは複数の羽根車を有し、カテーテルの遠位部分は、結合部材を備え、結合部材は、流体を、カテーテルを介してモータアセンブリから血液ポンプの方へ方向付けるように構成される1つまたは複数の流体チャネル、および1つまたは複数の細長い構成要素を、カテーテルを介して血液ポンプからモータアセンブリの方へ方向付けるように各々構成される1つまたは複数のアクセスチャネルを備える、血液ポンプシステムである。
【0022】
[0023]この態様において、1つまたは複数の細長い構成要素は、1つまたは複数の電線、1つまたは複数の光ファイバ、および1つまたは複数の空気管のうちの1つまたは複数を含み得る。
【0023】
[0024]この態様において、1つまたは複数のアクセスチャネルは、センサホルダを含み得、センサホルダは、その中に1つまたは複数のセンサを支持するように構成される。
【0024】
[0025]この態様において、1つまたは複数のセンサは、圧力センサを含み得る。
【0025】
[0026]この態様において、1つまたは複数の流体チャネルおよび1つまたは複数のアクセスチャネルは、結合部材の外表面に沿った長手方向の切り欠きであり得る。
【0026】
[0027]この態様において、血液ポンプシステムは、結合部材の外表面に固定して結合される1つまたは複数の管カバーをさらに備え得、1つまたは複数の流体チャネルおよび1つまたは複数のアクセスチャネルは、1つまたは複数の管カバーと結合部材との間に空間を提供する。
【0027】
[0028]この態様において、カテーテルは、駆動シャフト管、カテーテルシャフト管、および外側シースを含み、駆動シャフト管は、カテーテルシャフト管内に半径方向で位置付けられ、カテーテルシャフト管は、外側シース内に半径方向で位置付けられる。
【0028】
[0029]この態様において、1つまたは複数の流体チャネルは、流体をカテーテルシャフト管と外側シースとの間から血液ポンプの方へ方向付けるように構成され得、1つまたは複数のアクセスチャネルは、1つまたは複数の細長い構成要素を駆動シャフト管とカテーテルシャフト管との間に方向付けるように構成される。
【0029】
[0030]この態様において、結合部材は、駆動シャフトを取り囲む駆動シャフト管に固定して結合され得る。
【0030】
[0031]血液ポンプシステムを製造する方法も提供され、血液ポンプシステムは、遠位端および遠位端を有するカテーテルを含み、本方法は、第1の結合部材をカテーテルの近位端およびモータアセンブリの遠位部分に結合するステップを含み、結合部材は、流体を、カテーテルを介してモータアセンブリから血液ポンプの方へ方向付けるように構成される1つまたは複数の第1の流体チャネル、および1つまたは複数の細長い構成要素を、カテーテルを介してカテーテルの遠位端における血液ポンプからモータアセンブリの方へ方向付けるように各々構成される1つまたは複数の第1のアクセスチャネルを含む。
【0031】
[0032]この態様において、本方法は、第2の結合部材をカテーテルの遠位端および血液ポンプの近位部分に結合するステップをさらに含み得、第2の結合部材は、流体を、カテーテルを介してモータアセンブリから血液ポンプの方へ方向付けるように構成される1つまたは複数の第2の流体チャネル、および1つまたは複数の細長い構成要素を、カテーテルを介して血液ポンプからモータアセンブリの方へ方向付けるように各々構成される1つまたは複数の第2のアクセスチャネルを含む。
【0032】
[0033]いくつかの実施形態において、モータアセンブリを備えるハンドル部分と、モータアセンブリから延在する細長いカテーテルと、細長いカテーテルに配設される1つまたは複数の流体路と、細長いカテーテルの遠位部分の近くに配設される結合アセンブリであって、結合アセンブリは、センサハウジング、1つまたは複数の流体路に結合される1つまたは複数の流体チャネル、およびセンサハウジングを1つまたは複数の流体路に接続するセンサワイヤチャネルを含む、結合アセンブリと、を備える、血液ポンプシステムが提供される。
【0033】
[0034]いくつかの実施形態において、1つまたは複数の流体路は、細長いカテーテルのカテーテル管と細長いカテーテルの駆動ケーブル管との間の第1の環状空間を備える。
【0034】
[0035]1つの実施形態において、センサワイヤチャネルは、センサワイヤを受容するように構成される。
【0035】
[0036]センサワイヤチャネルは、第1の環状空間と流体連通状態にある。
【0036】
[0037]いくつかの態様において、1つまたは複数の流体路は、第1の環状空間に結合されて、第1の環状空間内の流体が結合アセンブリを通過することを可能にする。
【0037】
[0038]これらおよび他の態様は、本明細書内で説明される。
【図面の簡単な説明】
【0038】
図1】[0039]導管、複数の羽根車、拡張可能部材を含む例示的なポンプ部分の側面図である。
図2】[0040]導管、複数の羽根車、複数の拡張可能部材を含む例示的なポンプ部分の側面図である。
図3】[0041]導管、複数の拡張可能部材、および複数の羽根車を含むポンプ部分の例示的な配置を例証する図である。
図4A】[0042]ガイドワイヤ通路および少なくとも1つの流体パージ通路を含む例示的な血液ポンプを例証する図である。
図4B】ガイドワイヤ通路および少なくとも1つの流体パージ通路を含む例示的な血液ポンプを例証する図である。
図4C】ガイドワイヤ通路および少なくとも1つの流体パージ通路を含む例示的な血液ポンプを例証する図である。
図4D】ガイドワイヤ通路および少なくとも1つの流体パージ通路を含む例示的な血液ポンプを例証する図である。
図5A】[0043]流体連通状態にないガイドワイヤ通路および少なくとも2つの流体パージ通路を含む例示的な血液ポンプを例証する図である。
図5B】流体連通状態にないガイドワイヤ通路および少なくとも2つの流体パージ通路を含む例示的な血液ポンプを例証する図である。
図6A】[0044]例示的な血液ポンプを使用する例示的な方法に基づいて実行され得るステップの例示的なシーケンスを例証する図である。
図6B】例示的な血液ポンプを使用する例示的な方法に基づいて実行され得るステップの例示的なシーケンスを例証する図である。
図6C】例示的な血液ポンプを使用する例示的な方法に基づいて実行され得るステップの例示的なシーケンスを例証する図である。
図6D】例示的な血液ポンプを使用する例示的な方法に基づいて実行され得るステップの例示的なシーケンスを例証する図である。
図6E】例示的な血液ポンプを使用する例示的な方法に基づいて実行され得るステップの例示的なシーケンスを例証する図である。
図6F】例示的な血液ポンプを使用する例示的な方法に基づいて実行され得るステップの例示的なシーケンスを例証する図である。
図7A】[0045]血管内血液ポンプを含む例示的な血液ポンプシステムの少なくとも一部分を例証する図である。
図7B】[0046]図7Aの例示的な血液ポンプシステムの少なくとも一部分を通る例示的な流体通路を例証する図である。
図8A】[0047]血管内血液ポンプのための例示的な外部モータを例証する、モータの中を通る例示的な流体通路を示すモータの断面図である。
図8B】血管内血液ポンプのための例示的な外部モータを例証する、モータの外部側面図である。
図9】[0048]例示的な流体通路、および固定子モータ構成要素へ向かう潜在的な流体侵入を示す、血管内血液ポンプのための例示的な外部モータの断面図である。
図10】[0049]固定子モータ構成要素へ向かう流体の侵入を防ぐための例示的な隔離構成要素を示す、血管内血液ポンプのための例示的な外部モータの断面図である。
図11A】[0050]ポンプ部分、軸受アセンブリ、およびカテーテル部分を含む血液ポンプシステムの1つの実施形態を例証する図である。
図11B】ポンプ部分、軸受アセンブリ、およびカテーテル部分を含む血液ポンプシステムの1つの実施形態を例証する図である。
図11C】ポンプ部分、軸受アセンブリ、およびカテーテル部分を含む血液ポンプシステムの1つの実施形態を例証する図である。
図12A】[0051]流体送達を管理するための結合部材を含む例示的なモータアセンブリの遠位部分を例証する図である。
図12B】流体送達を管理するための結合部材を含む例示的なモータアセンブリの遠位部分を例証する図である。
図12C】流体送達を管理するための結合部材を含む例示的なモータアセンブリの遠位部分を例証する図である。
図12D】流体送達を管理するための結合部材を含む例示的なモータアセンブリの遠位部分を例証する図である。
図12E】流体送達を管理するための結合部材を含む例示的なモータアセンブリの遠位部分を例証する図である。
図12F】流体送達を管理するための結合部材を含む例示的なモータアセンブリの遠位部分を例証する図である。
図12G】流体送達を管理するための結合部材を含む例示的なモータアセンブリの遠位部分を例証する図である。
図12H】流体送達を管理するための結合部材を含む例示的なモータアセンブリの遠位部分を例証する図である。
図13A】[0052]流体送達を管理するための結合部材を含む例示的な血液ポンプの近位部分を例証する図である。
図13B】流体送達を管理するための結合部材を含む例示的な血液ポンプの近位部分を例証する図である。
図13C】流体送達を管理するための結合部材を含む例示的な血液ポンプの近位部分を例証する図である。
【発明を実施するための形態】
【0039】
[0053]本開示は、医療デバイス、システム、ならびに使用および製造の方法に関する。本明細書内の医療デバイスは、生理的脈管内に配設されるように適合および構成されるポンプ部分を含み得、ポンプは、流体に対して作用する1つまたは複数の構成要素を含む。例えば、本明細書内のポンプ部分は、1つまたは複数の羽根車を含み得、1つまたは複数の羽根車は、回転されるとき、それらが血液などの流体の運動を促進するように構成される。
【0040】
[0054]図1は、ポンプ部分1600を含む例示的な血管内流体ポンプの遠位部分を例証する側面図であり、ポンプ部分1600は、近位羽根車1606および任意選択の遠位羽根車1616を含み、これらの両方が、駆動ケーブル1612と連動状態にある。図1の実施形態は、2つの羽根車(例えば、近位および遠位)を示すが、他の実施形態は、単一の近位羽根車のみ(または代替的に、単一の遠位羽根車のみ)を含み得るということを理解されたい。ポンプ部分1600は、図1では拡張構成にあるが、それがより低いプロファイルで送達され得るように送達構成へと折り畳まれるように適合される。羽根車は、直接的または間接的に、駆動ケーブル1612と回転連通状態にあり得る。駆動ケーブル1612は、図示されない外部モータと連動状態にあり、細長いシャフト1610を通って延在する。「ポンプ部分」および「作用部分」(またはその派生語)という表現は、逆のことが示されない限り、本明細書内では同義で使用され得る。例えば、限定しないが、「ポンプ部分」1600は、本明細書内では「作用部分」とも称され得る。
【0041】
[0055]図2は、流体運動システムの例示的な実施形態の遠位部分の展開構成(体外に示される)を例証する側面図である。例示的なシステム1100は、ポンプ部分1104(本明細書内に明記されるように、ポンプ部分と本明細書では称され得る)、およびポンプ部分1104から延在する細長い部分1106を含む。細長い部分1106は、明確性のために図示されない、システムのより近位の領域まで延在することができ、それは、例えば、モータを含み得る。ポンプ部分1104は、ポンプ部分1104の長手方向軸LAに沿って軸方向に離間される第1の拡張可能部材1108および第2の拡張可能部材1110を含む。この文脈における軸方向の離間とは、第1の拡張可能部材全体がポンプ部分1104の長手方向軸LAに沿って第2の拡張可能部材全体から軸方向に離間されることを指す。第1の拡張可能部材1108の第1の端1122は、第2の拡張可能部材1110の第1の端1124から軸方向に離間される。本明細書内のいくつかの「拡張可能部材」は、本明細書ではバスケットとも称され得る。
【0042】
[0056]第1および第2の拡張可能部材1108および1110は、一般的には各々が、複数のアパーチャ1130を画定するために互いに対して配設される複数の細長い区域を含み、複数のアパーチャのうちの1つのみが、第2の拡張可能部材1110においてラベル付けされる。拡張可能部材は、様々な構成を有し得、例えば、限定されないが、米国特許第7,841,976号における構成もしくは構造のうちのいずれか、または、自己拡張型金属内部人工器官材料として説明される、米国特許第6,533,716号における管など、様々な方法で構築され得る。例えば、限定されないが、拡張可能部材の一方または両方は、編組構造を有し得るか、または、管状要素をレーザ切断することによって少なくとも部分的に形成され得る。
【0043】
[0057]ポンプ部分1104はまた、この実施形態では第1の拡張可能部材1108および第2の拡張可能部材1110によって支持される血流導管1112を含む。導管1112はまた、展開構成において第1の拡張可能部材1108と第2の拡張可能部材1110との間に軸方向に延在する。導管1112の中央領域1113は、ポンプ部分に第1および第2の拡張可能部材1108および1110がない軸方向距離1132に及ぶ。中央領域1113は、拡張可能部材の間に軸方向にあると見なされ得る。導管1112の遠位端1126は、第2の拡張可能部材1110の遠位端1125ほど遠位には延在せず、また導管1128の近位端は、第1の拡張可能部材1108の近位端1121ほど近位には延在しない。
【0044】
[0058]本明細書における開示が、拡張可能部材に結合されている導管に言及するとき、この文脈における結合されるという用語は、導管が拡張可能部材に物理的に接触するように、導管が拡張可能部材に直接装着されることを必要としない。しかしながら、直接装着されないとしても、この文脈における結合されるという用語は、拡張可能部材が拡張する、または折り畳めるように導管および拡張可能部材が互いに接合されていることを指し、導管はまた、異なる構成および/またはサイズへ移行し始める。したがって、この文脈における結合されるとは、導管が結合される拡張可能部材が、拡張構成と折り畳み構成との間で移行するときに動く導管を指す。本明細書内の導管は、流体が移動される通路を作成すると見なされ、ポンプ部分の1つまたは複数の構成要素によって画定され得る。
【0045】
[0059]本明細書内の導管のうちのいずれかは、ある程度変形可能であり得る。例えば、導管1112は、例えば、使用中に、ポンプ部分1104が図2に示される構成の方へ展開されると、弁組織(例えば、弁尖)または置換弁からの力に応答して、導管の中央領域1113がある程度半径方向内向きに(LAの方へ)変形することを可能にする1つまたは複数の材料で作製され得る細長い部材1120を含む。導管は、いくつかの実施形態において、拡張可能部材の間でピンと張られ得る。導管は、代替的に、より大きなコンプライアンスを引き起こす緩みをもって設計され得る。これは、ポンプ部分が大動脈弁などの壊れやすい構造体にまたがって配設されるときに望ましい場合があり、これにより弁が、弁内の点応力を最小限にする方法で導管を圧縮することを可能にし得る。いくつかの実施形態において、導管は、近位および遠位拡張可能部材に装着される膜を含み得る。本明細書内の任意の導管に使用され得る例示的な材料は、限定しないが、ウレタンゴム、シリコーンゴム、アクリルゴム、延伸ポリテトラフルオロエチレン、ポリエチレン、ポリエチレンテレフタレート、それらの任意の組み合わせを含む。
【0046】
[0060]本明細書内の導管のいずれかは、例えば、12.7~508マイクロメートル(0.5~20 1/1000インチ(サウ))、25.4~381マイクロメートル(1~15サウ)、または38.1~381マイクロメートル(1.5~15サウ)、38.1~254マイクロメートル(1.5~10サウ)、または50.8~254マイクロメートル(2~10サウ)など、の厚さを有し得る。
【0047】
[0061]本明細書内の導管のうちのいずれか、または導管の少なくとも一部分は、血液不浸透性であり得る。図2では、ポンプ部分1104は、導管1112の遠位端1126から延在し、かつ導管1112の近位端1128まで延在する管腔を含む。管腔は、中央領域1113内の導管1112によって画定されるが、中央領域1113に軸方向に隣接する領域内の導管および拡張可能部材の部分の両方によって画定されると考えられ得る。しかしながら、この実施形態では、管腔を存在させ、血液が導管を通過することを防ぐのは、導管材料である。
【0048】
[0062]1つまたは複数の拡張可能部材に固定される本明細書内の導管のうちのいずれかは、逆のことが示されない限り、導管が、1つもしくは複数の拡張可能部材の半径方向外側に、1つもしくは複数の拡張可能部材の半径方向内側に、またはその両方に配設されるように固定され得、拡張可能部材は、導管材料を含浸され得る。
【0049】
[0063]近位および遠位拡張可能部材は、導管に半径方向支持を提供すると同時に、各々が以下に説明される羽根車のための作用環境も作り出すことによって、導管を開構成に維持することを助ける。拡張可能部材の各々は、展開構成にあるとき、それぞれの羽根車に対して離間した関係に維持され、これにより羽根車が、拡張可能部材に接触することなく拡張可能部材内で回転することを可能にする。ポンプ部分1104は、第1の羽根車1116および任意選択の第2の羽根車1118を含み得、第1の羽根車1116は、第1の拡張可能部材1108内に半径方向に配設され、任意選択の第2の羽根車1118は、第2の拡張可能部材1110内に半径方向に配設される。2つの羽根車を伴う実施形態において、2つの羽根車は、たとえそれらが異なる別の羽根車であるとしても、共通の駆動機序(例えば、駆動ケーブル1117)と連動状態にあり、その結果として、駆動機序が作動されるとき、2つの羽根車は一緒に回転する。ポンプが単一の近位羽根車または単一の遠位羽根車のみを含む実施形態において、駆動機序は、羽根車と連動状態にある。この展開構成では、羽根車1116および1118は、拡張可能部材1108および1110が軸方向に離間されるのと同じように、長手方向軸LAに沿って軸方向に離間される。
【0050】
[0064]羽根車1116および1118はまた、それぞれ拡張可能部材1108および1110の端内に軸方向にある(拡張可能部材1108および1110内で半径方向にあることに加えて)。本明細書内の羽根車は、拡張可能部材が、拡張可能部材の中央領域からポンプ部分の長手方向軸の方へ延在する支柱(例えば、側面から見ると先細の支柱)を含むとしても、拡張可能部材内で軸方向にあると見なされ得る。図2では、第2の拡張可能部材1110は、第1の端1124(近位端)から第2の端1125(遠位端)まで延在する。
【0051】
[0065]図2では、羽根車1118の遠位部分は、導管1112の遠位端1126を越えて遠位に延在し、羽根車1116の近位部分は、導管1112の近位端1128を越えて近位に延在する。この図では、各羽根車の部分は、この展開構成においては導管内に軸方向にある。
【0052】
[0066]図2に示される例示的な実施形態において、羽根車1116および1118は、共通の駆動機序1117と連動状態にあり、この実施形態において、羽根車は各々、シャフト1119およびポンプ部分1104を通って延在する駆動機序1117に結合される。駆動機序1117は、例えば、回転したときに羽根車を回転させる、細長い駆動ケーブルであり得る。この例では、示されるように、駆動機序1117は、遠位先端1114まで延在し、またこれに対して軸方向に固定されるが、それは、作動されるとき遠位先端1114に対して回転するように適合される。したがって、この実施形態において、羽根車および駆動機序1117は、駆動機序が回転されるとき、一緒に回転する。任意の数の知られている機序が、モータ(例えば、外部モータ)を用いるなどして、駆動機序を回転させるために使用され得る。
【0053】
[0067]拡張可能部材および導管は、羽根車および駆動機序と回転連動状態にない。この実施形態において、近位拡張可能部材1108の近位端1121は、シャフト1119に結合され、このシャフトは、細長い部分1106のシャフト(例えば、外側カテーテルシャフト)であり得る。近位拡張可能部材1108の遠位端1122は、中央管状部材1133に結合され、これを通って駆動機序1117が延在する。中央管状部材1133は、導管1112内で近位拡張可能部材1108から遠位に延在し、また、遠位拡張可能部材1110の近位端1124に結合される。駆動機序1117は、したがって、中央管状部材1133内で、およびこれに対して回転する。中央管状部材1133は、近位拡張可能部材1108から遠位拡張可能部材1110まで軸方向に延在する。遠位拡張可能部材1110の遠位端1125は、示されるように、遠位先端1114に結合される。駆動機序1117は、先端1114に対して回転するように適合されるが、先端1114に対して軸方向に固定される。
【0054】
[0068]ポンプ部分1104は、その展開構成(図2に示される)よりも小さいプロファイルへと折り畳まれるように適合および構成される。これは、ポンプ部分1104が折り畳み可能でなかった場合に必要とされるよりも低いプロファイルの送達デバイス(より小さいフレンチサイズ)を使用してポンプ部分1104が送達されることを可能にする。本明細書内に具体的に記載されないとしても、拡張可能部材および羽根車のうちのいずれかは、ある程度までより小さい送達構成へと折り畳み可能であるように適合および構成され得る。
【0055】
[0069]本明細書内のポンプ部分は、ポンプ部分に対して可動である外側シースを用いる(例えば、シースおよびポンプ部分の一方または両方を軸方向に動かすことによって)など、従来の技術を使用して、折り畳んだ送達構成へと折り畳まれ得る。例えば、限定しないが、以下の参考文献:米国特許第7841,976号または米国特許第8,052,749号において示されるシステム、デバイス、または方法のうちのいずれかは、本明細書内のポンプ部分の折り畳みを促進するために使用され得、これらの開示は、あらゆる目的のために参照により本明細書に組み込まれる。
【0056】
[0070]代替の実施形態において、本明細書内の羽根車のうちのいずれかの少なくとも一部分は、流体管腔の外側に延在し得る。例えば、羽根車の一部分のみが、近位方向または遠位方向のいずれかにおいて流体管腔の端部を越えて延在し得る。いくつかの実施形態において、流体管腔の外側に延在する羽根車の一部分は、羽根車の近位部分であり、近位端を含む(例えば、図2内の近位羽根車を参照)。いくつかの実施形態において、流体管腔の外側に延在する羽根車の部分は、羽根車の遠位部分であり、遠位端を含む(例えば、図2内の遠位羽根車を参照)。本明細書における開示が、流体管腔の外側に(または端部を越えて)延在する羽根車に言及するとき、それは、図2などの側面図または上面図において最も容易に見ることができる、構成要素の相対的軸方向位置に言及することを意味する。
【0057】
[0071]しかしながら、流体管腔の別の端部における任意選択の第2の羽根車は、流体管腔を越えて延在しない場合がある。例えば、例証的な代替の設計は、流体管腔の近位端を越えて近位に延在する近位羽根車(図2内の近位羽根車のように)を含み得、流体管腔は、遠位羽根車の遠位端を越えて遠位に延在しない。代替的に、遠位羽根車の遠位端は、流体管腔の遠位端を越えて遠位に延在し得るが、近位羽根車の近位端は、流体管腔の近位端を越えて近位に延在しない。本明細書内のポンプ部分のうちのいずれかにおいて、いずれの羽根車も流体管腔の端部を越えて延在しない場合がある。
【0058】
[0072]特定の例示的な場所が本明細書に示され得るが、流体ポンプは、身体内の様々な場所において使用されることができてよい。配置のためのいくつかの例示的な場所は、弁を跨り、弁の片側または両側に位置付けられることなど、大動脈弁または肺動脈弁の近くへの配置を含み、ならびに大動脈弁の場合は、任意選択的に、上行大動脈内に位置付けられる部分を含む。いくつかの他の実施形態において、例えば、ポンプは、使用中、下行大動脈内に配設されるなど、さらに下流に位置付けられ得る。
【0059】
[0073]図3は、図2からのシステム1000からのポンプ部分1104の例示的な配置を例証し、また本明細書内のポンプ部分のうちのいずれかのための例示的な配置場所を例証する。図3に示される1つの違いは、導管が、少なくとも羽根車の端のところまで延在することである。図3は、大動脈弁を横切って(換言すれば、またいで)適所に位置付けられる、展開構成にあるポンプ部分1104を示す。ポンプ部分1104は、例えば、限定しないが、大腿動脈アクセス(知られているアクセス処置)により、示されるように送達され得る。明確性のために示されないが、システム1000はまた、ポンプ部分1104が大動脈弁近くの場所への送達の間配設される外側シースまたはシャフトを含み得る。シースまたはシャフトは、ポンプ部分1104の展開および拡張を可能にするために、近位に(上行大動脈「AA」の方へ、および左心室「LV」から離れて)動かされ得る。例えば、シースは、第1の拡張可能部材1108が拡張することを可能にする継続した近位運動と共に、第2の拡張可能部材1110の拡張を可能にするために引っ込められ得る。
【0060】
[0074]この実施形態では、第2の拡張可能部材1110は、遠位端1125が左心室「LV」内に、大動脈弁尖「VL」に対して遠位に、ならびに弁輪に対して遠位にあるように、拡張され、展開構成に位置付けられている。近位端1124はまた、弁尖VLに対して遠位に位置付けられているが、いくつかの方法では、近位端1124は、弁尖VL内でわずかに軸方向に延在し得る。この実施形態は、第2の拡張可能部材1110の少なくとも半分が、その長さに沿って測定される(長手方向軸に沿って測定される)場合に、左心室内に存在する方法の例である。また示されるように、これはまた、第2の拡張可能部材1110全体が左心室内に存在する方法の例である。これはまた、第2の羽根車1118の少なくとも半分が左心室内に位置付けられる方法の例、およびまた、第2の羽根車1118全体が左心室内に位置付けられる実施形態である。しかしながら、いくつかの実施形態は、単一の羽根車のみ(例えば、近位羽根車1116のみ)を含み、左心室内に位置付けられる第2の羽根車1118を含まないということを理解されたい。
【0061】
[0075]外側シャフトまたはシースの継続した引き戻し(および/または外側シースもしくはシャフトに対する作用端1104の遠位運動)は、中央領域1113が解放および展開されるまで、導管1112を解放し続ける。拡張可能部材1108および1110の拡張は、図3に示されるように、導管1112により開いた構成をとらせる。したがって、この実施形態では、導管1112は、拡張可能部材と同じ自己拡張型性質を有さないが、導管は、作用端が展開されるとき、展開した、より開いた構成をとることになる。導管1112の中央領域1113の少なくとも一部分は、大動脈弁接合(coaptation)領域に位置付けられる。
【0062】
[0076]外側シャフトまたはシースの継続した引き戻し(および/または外側シースもしくはシャフトに対する作用端1104の遠位運動)は、第1の拡張可能部材1108を展開する。この実施形態では、第1の拡張可能部材1108は、近位端1121が上行大動脈AA内にあり、かつ弁尖「VL」に対して近位であるように、拡張され、展開構成に位置付けられている(示されるように)。遠位端1122はまた、弁尖VLに対して近位に位置付けられているが、いくつかの方法では、遠位端1122は、弁尖VL内でわずかに軸方向に延在し得る。この実施形態は、第1の拡張可能部材1110の少なくとも半分が、その長さに沿って測定される(長手方向軸に沿って測定される)場合に、上行大動脈内に存在する方法の例である。また示されるように、これはまた、第1の拡張可能部材1110全体がAA内に存在する方法の例である。これはまた、第1の羽根車1116の少なくとも半分がAA内に位置付けられる方法の例、およびまた、第1の羽根車1116全体がAA内に位置付けられる実施形態である。
【0063】
[0077]ポンプ部分1104の展開中または展開後のどんな時にも、ポンプ部分の位置は、蛍光透視法下など、何らかの方法でアクセスされ得る。ポンプ部分の位置は、展開中または展開後のどんな時にも調節され得る。例えば、第2の拡張可能部材1110が解放された後だが、第1の拡張可能部材1108が解放される前、ポンプ部分1104は、ポンプ部分を再位置付けするために軸方向に(遠位または近位に)動かされ得る。加えて、例えば、ポンプ部分は、作用部分全体がシースから所望の最終位置へと解放された後、再位置付けされ得る。
【0064】
[0078]図3に示される(生体構造に対する)構成要素の位置は、初期展開後に発生した再位置付けがあったとしても、作用部分1104の異なる構成要素についての例示的な最終位置と見なされることを理解されたい。
【0065】
[0079]本明細書内の1つまたは複数の拡張可能部材は、自己拡張、機械的作動(例えば、拡張可能部材内に軸方向に位置付けられ、拡張可能部材に対して半径方向外向きに押すように膨らまされる別個のバルーンにより拡張される、拡張可能部材に対する1つまたは複数の軸方向に向けられた力)、またはそれらの組み合わせなどの、様々な方法で拡張されるように構成され得、またそのように拡張され得る。
【0066】
[0080]本明細書で使用される場合、拡張は、概して、1つまたは複数の構成要素が拡張される特定の様式にかかわらず、より大きい半径方向に最も外側の寸法(長手方向軸に対する)を有するより大きいプロファイルへの再構成を指す。例えば、自己拡張する、および/または半径方向外向きの力の影響下にあるステントは、本明細書内でその用語が使用される場合、「拡張」することができる。広がる、または開くデバイスもまた、より大きいプロファイルをとり得、本明細書内でその用語が使用される場合、拡張すると見なされ得る。
【0067】
[0081]1つまたは複数の羽根車は、同様に、それらの構造に応じて、様々な方法で拡張されるように適合および構成され得、またそのように拡張され得る。例えば、1つまたは複数の羽根車は、シースからの解放時、羽根車設計の材料および/または構造に起因して、異なるより大きいプロファイル構成へ、またはそれに向かって、自動的に戻ることができる(例えば、米国特許第6,533,716号または米国特許第7,393,181号を参照されたく、これらの両方があらゆる目的のために参照により本明細書に組み込まれる)。したがって、外側拘束の引き戻しは、いくつかの実施形態において、拡張可能部材および羽根車の両方が、いかなるさらなる作動もなしに、より大きいプロファイル、展開構成へと自然に戻ることを可能にし得る。
【0068】
[0082]図3の例に示されるように、ポンプ部分は、大動脈弁の両側に離間され得る第1の(近位)羽根車および任意選択の第2の(遠位)羽根車を含み、これらは各々、別個の拡張可能部材内に配設される。これは、作用部分が単一の細長い拡張可能部材を含むいくつかの設計(図1など)と対照的である。弁をまたいでずっと延在する単一の略管状の拡張可能部材ではなく、例証した例は、拡張可能部材1108と1110との間に延在する導管1112を含む作用端1104を有する。導管は、羽根車の場所におけるポンプよりも可撓性で変形しやすく、これにより、拡張可能部材が大動脈弁尖に広がる場合に発生するものよりも、弁尖の場所におけるポンプ部分のさらなる変形を可能にし得る。より可撓性の中央領域を有することはまた、ポンプ部分が対象内で展開された後の弁尖に対する損傷を少なくし得る。
【0069】
[0083]加えて、弁尖からの単一の拡張可能部材の中央領域に対する力は、拡張可能部材の他の領域へ軸方向に転換する場合があり、おそらくは1つまたは複数の羽根車の場所における拡張可能部材の望ましくない変形を引き起こす。これは、外側の拡張可能部材が羽根車に接触することを引き起こし得、羽根車の回転を不必要に妨げる。各羽根車の周りに別個の拡張可能部材を含む設計は、特に各拡張可能部材および各羽根車が両端(すなわち、遠位および近位)で支持される場合、拡張可能部材に対して羽根車を位置付けることにおいて高レベルの精度を結果としてもたらす。2つの別個の拡張可能部材は、単一の拡張可能部材と比較してそれらの展開構成をより確実に保持することができる場合がある。
【0070】
[0084]したがって、本明細書内の実施形態は、十分に高い流量を維持しながらより小さい送達プロファイルを達成することができる一方で、作用部分のより変形しやすくかつ可撓性の中央領域を作成し、これらの例示的な利益は、上に説明される(例えば、繊細な弁尖と整合すること)。
【0071】
[0085]本明細書内の導管のうちのいずれかは、第1の端(例えば、遠位端)と第2の端(例えば、近位端)との間に流体管腔を作成するように、作用する、構成される、およびそれを作る材料で作製される。流体は、流入領域内へ、流体管腔を通って、その後、流出領域から外へ流れる。流入領域内への流れは、本明細書では「I」とラベル付けされ得、流出領域における外への流れは、「O」とラベル付けされ得る。本明細書内の導管のうちのいずれかは、不浸透性であり得る。本明細書内の導管のうちのいずれかは、代替的に、半透性であり得る。本明細書内の導管のうちのいずれかはまた、多孔性であり得るが、そこを通る流体管腔を依然として画定する。いくつかの実施形態において、導管は、膜であるか、または、他の比較的薄い層状部材である。本明細書内の導管のうちのいずれかは、逆のことが示されない限り、拡張可能部材に固定され得、その結果として、導管は、それが固定される場合、拡張可能部材の半径方向内側および/または外側にあり得る。例えば、導管は、拡張可能部材内に半径方向に延在し得、その結果として、導管の内表面は、それが拡張可能部材に固定される場合、半径方向に拡張可能部材内にある。
【0072】
[0086]本明細書内の拡張可能部材のうちのいずれかは、様々な材料で、および様々な方法で構築され得る。例えば、拡張可能部材は、編組構造を有し得るか、またはそれは、レーザ加工によって形成され得る。材料は、ニチノールなど、変形可能であり得る。拡張可能部材は、自己拡張型であり得るか、または少なくとも部分的に能動的に拡張されるように適合され得る。
【0073】
[0087]いくつかの実施形態において、拡張可能部材は、送達カテーテル、ガイドカテーテル、またはアクセスシースなどの含有する管状部材内から解放されるとき、自己拡張するように適合される。いくつかの代替の実施形態において、拡張可能部材は、拡張可能部材の遠位端および近位端のうちの少なくとも一方を互いの方へ動かすプルロッドの動作など、能動的拡張によって拡張するように適合される。代替の実施形態において、展開構成は、1つまたは複数の拡張可能な構造体の構成によって影響を及ぼされ得る。いくつかの実施形態において、1つまたは複数の拡張可能部材は、少なくとも部分的に、導管を通って流れる血液の影響により、展開され得る。展開の上記機序の任意の組み合わせが使用され得る。
【0074】
[0088]本明細書内の血液ポンプおよび流体運動デバイス、システム、ならびに方法は、身体内の様々な場所で、使用され、位置付けられ得る。特定の例が本明細書には提供され得るが、作用部分は、本明細書に具体的に説明されるものとは異なる身体領域に位置付けられ得ることを理解されたい。
【0075】
[0089]実施形態のうちのいずれかにおいて、または遠位羽根車および近位羽根車を含む本明細書内の説明の任意の部分において、近位羽根車の遠位端と遠位羽根車の近位端との間の軸方向離間は、ポンプ部分の長手方向軸に沿って、または流体管腔を含むハウジング部分の長手方向軸に沿って1.5cm~25cm(包括的)であり得る。この距離は、任意の羽根車を含むポンプ部分が拡張構成にあるときに測定され得る。この例示的な範囲は、ポンプ部分が生体構造の湾曲部分、例えば、大動脈を介して大動脈弁などを通って送達されるとき、本明細書に説明される例示的な可撓性の利益を提供することができる。3つ以上の羽根車が存在し得る実施形態では、任意の2つの隣接する羽根車(すなわち、それらの間に任意の他の回転羽根車を有さない羽根車)は、本明細書に説明される軸方向離間距離のうちのいずれかだけ軸方向に離間され得る。
【0076】
[0090]いくつかの実施形態は、軸に沿って遠位羽根車近位端から1.5cm~25cm軸方向に離間される近位羽根車遠位端を含み、本明細書内の開示はまた、1.5cm~25cmのその全体範囲内の部分範囲である任意の軸方向離間を含む。すなわち、本開示は、その範囲内で1.5以上からの任意の下限を有するすべての範囲、および25cm以下からの任意の上限を有するすべての部分範囲を含む。以下の例は、例示的な部分範囲を提供する。いくつかの実施形態において、近位羽根車遠位端は、軸に沿って遠位羽根車近位端から、1.5cm~20cm、1.5cm~15cm、1.5cm~10cm、1.5cm~7.5cm、1.5cm~6cm、1.5cm~4.5cm、1.5cm~3cm軸方向に離間される。いくつかの実施形態において、軸方向離間は、2cm~20cm、2cm~15cm、2cm~12cm、2cm~10cm、2cm~7.5cm、2cm~6cm、2cm~4.5cm、2cm~3cmである。いくつかの実施形態において、軸方向離間は、2.5cm~15cm、2.5cm~12.5cm、2.5cm~10cm、2.5cm~7.5cm、または2.5cm~5cm(例えば、3cm)である。いくつかの実施形態において、軸方向離間は、3cm~20cm、3cm~15cm、3cm~10cm、3cm~7.5cm、3cm~6cm、または3cm~4.5cmである。いくつかの実施形態において、軸方向離間は、4cm~20cm、4cm~15cm、4cm~10cm、4cm~7.5cm、4cm~6cm、または4cm~4.5cmである。いくつかの実施形態において、軸方向離間は、5cm~20cm、5cm~15cm、5cm~10cm、5cm~7.5cm、または5cm~6cmである。いくつかの実施形態において、軸方向離間は、6cm~20cm、6cm~15cm、6cm~10cm、または6cm~7.5cmである。いくつかの実施形態において、軸方向離間は、7cm~20cm、7cm~15cm、または7cm~10cmである。いくつかの実施形態において、軸方向離間は、8cm~20cm、8cm~15cm、または8cm~10cmである。いくつかの実施形態において、軸方向離間は、9cm~20cm、9cm~15cm、または9cm~10cmである。様々な実施形態において、羽根車間の流体管腔は、相対的に支持されていない。
【0077】
[0091]本明細書内の実施形態のうちのいずれかにおいて、1つまたは複数の羽根車は、5cm~10cm、またはそれらの任意の部分範囲の、羽根車遠位端と羽根車近位端との間で軸方向に測定されるような長さを有し得る。以下の例は、例示的な部分範囲を提供する。いくつかの実施形態において、羽根車軸方向長さは、0.5cm~7.5cm、0.5cm~5cm、0.5cm~4cm、0.5cm~3cm、0.5cm~2、または0.5cm~1.5cmである。いくつかの実施形態において、羽根車軸方向長さは、0.8cm~7.5cm、0.8cm~5cm、0.8cm~4cm、0.8cm~3cm、0.8cm~2cm、または0.8cm~1.5cmである。いくつかの実施形態において、羽根車軸方向長さは、1cm~7.5cm、1cm~5cm、1cm~4cm、1cm~3cm、1cm~2cm、または1cm~1.5cmである。いくつかの実施形態において、羽根車軸方向長さは、1.2cm~7.5cm、1.2cm~5cm、1.2cm~4cm、1.2cm~3cm、1.2~2cm、または1.2cm~1.5cmである。いくつかの実施形態において、羽根車軸方向長さは、1.5cm~7.5cm、1.5cm~5cm、1.5cm~4cm、1.5cm~3cm、または1.5cm~2cmである。いくつかの実施形態において、羽根車軸方向長さは、2cm~7.5cm、2cm~5cm、2cm~4cm、または2cm~3cmである。いくつかの実施形態において、羽根車軸方向長さは、3cm~7.5cm、3cm~5cm、または3cm~4cmである。いくつかの実施形態において、羽根車軸方向長さは、4cm~7.5cm、または4cm~5cmである。
【0078】
[0092]本明細書内の実施形態のうちのいずれかにおいて、流体管腔は、遠位端から近位端までの長さを有し得る。いくつかの実施形態において、流体管腔長さは、4cm~40cm、またはその任意の部分範囲である。例えば、いくつかの実施形態において、長さは、4cm~30cm、4cm~20cm、4cm~18cm、4cm~16cm、4cm~14cm、4cm~12cm、4cm~10cm、4cm~8cm、4cm~6cmであり得る。
【0079】
[0093]本明細書内の実施形態のうちのいずれかにおいて、ハウジングは、少なくとも羽根車の場所及び任意選択的に羽根車間の場所に、展開した直径を有し得る。いくつかの実施形態において、展開した直径は、0.3cm~1.5cm、またはその任意の部分範囲であり得る。例えば、Dpは、0.4cm~1.4cm、0.4cm~1.2cm、0.4cm~1.0cm、0.4cm~0.8cm、または0.4cm~0.6cmであり得る。いくつかの実施形態において、展開した直径は、0.5cm~1.4cm、0.5cm~1.2cm、0.5cm~1.0cm、0.5cm~0.8cm、または0.5cm~0.6cmであり得る。いくつかの実施形態において、展開した直径は、0.6cm~1.4cm、0.6cm~1.2cm、0.6cm~1.0cm、または0.6cm~0.8cmであり得る。いくつかの実施形態において、展開した直径は、0.7cm~1.4cm、0.7cm~1.2cm、0.7cm~1.0cm、または0.7cm~0.8cmであり得る。
【0080】
[0094]本明細書内の実施形態のうちのいずれかにおいて、羽根車は、展開した直径を有し得る。いくつかの実施形態において、羽根車の展開した直径は、1mm~30mm、またはその任意の部分範囲であり得る。例えば、いくつかの実施形態において、羽根車の展開した直径は、1mm~15mm、2mm~12mm、2.5mm~10mm、または3mm~8mmであり得る。
【0081】
[0095]本明細書内の実施形態のうちのいずれかにおいて、先端隙間は、羽根車外径と流体管腔内径との間に延在する。いくつかの実施形態において、先端隙間は、0.05mm~0.8mmなど、または0.1mm~0.5mmなど、0.01mm~1mmであり得る。
【0082】
[0096]本明細書内の実施形態のうちのいずれかにおいて、少なくとも流れ拡散器(複数可)および固定子(複数可)のうちの少なくとも1つが、カテーテルシャフトに沿って2つ以上の羽根車の間に位置し、これらのうちの任意の1つは、羽根車間の流体圧力を増大させ、流体の渦を低減し、および/または複数の羽根車の効率性をまとめて増大させることができる。
【0083】
[0097]本明細書内の実施形態のうちのいずれかにおいて、拡張可能シュラウドバスケットまたは拡張可能部材の流体出口における特徴は、血液の流れ方向を変えるように方向付けられるねじれを伴ったブレード形状であり得る、カテーテルシャフト外のり寸法と拡張可能部材外のり寸法との間の付着部におけるステント様の支柱など、流れ拡散器として作用するように成形される。本明細書内の実施形態のうちのいずれかにおいて、羽根車の下流のカテーテルシャフトの1つまたは複数の部分は、血流の角度を変えて、本来の大動脈血流により近い速度へと血流の減速を引き起こすために、より大きい直径へと広がり得る。羽根車の下流のより大きい直径のための例示的な場所は、拡張可能シュラウドバスケットがカテーテルシャフトに付着する領域のところ、もしくはその近く、および/または、羽根車に隣接する、もしくは内部モータ上もしくはそれに隣接する、軸受ハウジングのところにあり得る。
【0084】
[0098]いくつかの実施形態において、ポンプ部分は、近位羽根車と遠位羽根車との間に軸方向に配設される1つまたは複数の中央部材を含み得る。1つまたは複数の中央部材は、互いと直接的に結合され得るか、またはそうでなくてもよい。1つまたは複数の中央部材は、以下の例示的な機能:構造的支持、流れ変更、および羽根車整列の維持のうちの1つまたは複数を提供し得る。1つまたは複数の中央部材が構造的支持を提供する場合、1つまたは複数の中央部材は、構造的支持を、外側導管(本明細書では「ハウジング」と称され得る)および/または1つまたは複数の羽根車に提供し得る。例えば、それらは、1つまたは複数の羽根車における先端隙間を維持するのを助け得る。以下に続く説明において、1つまたは複数の中央部材は、逆のことが示されない限り、羽根車と回転動作状態にない。本明細書で使用される場合、用語「中央部材」またはその派生語は、部材が2つの羽根車の間の少なくとも中点に位置することを示唆するものではなく、単に、中央部材が、2つの羽根車の間の軸方向のどこかにあることを示唆する。「中央部材」は、したがって、本明細書内では、用語「中間部材」と同義に使用され得る。
【0085】
[0099]上の実施形態のうちのいくつかは、折り畳み可能かつ拡張可能(または、少なくとも折り畳み構成と拡張構成との間で移動可能)であるポンプ部分または構成要素を説明し、それらの実施形態のうちのいずれかにおいて、構成要素および拡張可能外側ハウジングは、拡張不可能かつ折り畳み不可能でもあり得る。すなわち、それらの実施形態における構成要素のうちのいずれかは、存在し得るが、この構成要素は、それらの構成要素の拡張不可能な変形例であり得る。例えば、上の羽根車は、拡張可能ではなく、拡張不可能であってもよい。
【0086】
[0100]本明細書内の血管内ポンプのうちのいずれかなど、血液ポンプは、流体がデバイスを通って流れることができる1つまたは複数の流体路を有することから恩恵を受け得る。例えば、限定しないが、血液ポンプは、これらの例示的な機能:回転構成要素(例えば、駆動ケーブル)を冷却してそれらの過熱を防ぐこと、回転構成要素(例えば、駆動ケーブル)を中断させ得る小さい微粒子を洗い流して、回転構成要素が小さい微粒子により損傷されることを防ぐこと、回転構成要素(例えば、1つまたは複数の軸受)を潤滑化すること、およびポンプ内(例えば、ポンプの遠位端近く、またはポンプの遠位端)への血液侵入を防ぐこと、のうちのいずれかを実施するために、流体が通って流れることができる1つまたは複数の流体路を有することから恩恵を受け得る。1つまたは複数の流路を通じた流体送達は、任意の数のこれらの機能を提供し得る。
【0087】
[0101]図4A図4Dは、流体入口ポートおよび流体出口ポートを有する例示的な流体ポンプ(例えば、血液ポンプ)に組み込まれる流体送達システムの例示的な実施形態を例証する。図4Aは、1つまたは複数の羽根車に対して近位にあるデバイスの一部分を例証し、この実施形態では、カテーテルの近位端、駆動ケーブルおよび羽根車の回転を引き起こすモータアセンブリ、流体入口ポートおよび流体出口ポート、ならびにガイドワイヤ通路または管腔へのアクセスを可能にするガイドワイヤポートを含む。
【0088】
[0102]図4Bは、図4Aに示される領域に対して遠位にあるデバイスの領域を示すが、図4Aに示されるカテーテル構成要素のうちのいくつかを含む。図4Cは、図4B内の領域に対して遠位のデバイスの領域を示し、図4Dは、図15Cで見えるものに対して遠位のデバイスの領域を示す。
【0089】
[0103]図4A図4Dは、例示的な血液ポンピングデバイスの異なる区域を例証するが、代替の実施形態において、システムの態様は、様々であり得るということを理解されたい。例えば、代替の実施形態において、羽根車を有するデバイスの部分は、様々であり得、単一の羽根車のみを含み得るか、または羽根車の周りの拡張可能ハウジングが、様々な構成を有し得る。デバイスの個々の領域は、それら自身が、様々な異なる種類の血液ポンプに組み込まれ得るということを理解されたい。
【0090】
[0104]この例示的な実施形態の1つの態様は、流体ポート、この実施形態では流体出口ポート、としても機能するガイドワイヤアクセスポートを含む。モータ密閉キャップ138は、ガイドワイヤチャネル137が中に形成されてこれを含み、このガイドワイヤチャネル137は、デバイスの外側からチャネル137へのアクセスを提供する半径方向側面にガイドワイヤポートを含む。モータ密閉キャップは、任意選択の構成要素であり得、ガイドワイヤチャネル137は、代替的に、デバイスの異なる部分に形成され得る(例えば、モータ密閉キャップとして機能しない場合がある)。本デバイスはまた、ガイドワイヤ通路の一部分であるガイドワイヤチャネル136が中に形成されてこれを含む駆動ケーブルカプラ135を含む。駆動ケーブルカプラ135は、モータによって回転され、駆動ケーブル143の回転を引き起こし、これが、ポンプ部分における1つまたは複数の羽根車の回転を引き起こす。したがって、これらの構成要素は、回転連通状態にあると見なされる。ガイドワイヤポートを含むチャネル137は、デバイス内に形成され、モータが回転するときに回転するように適合されない。駆動ケーブルカプラ135内に形成されるチャネル136は、駆動ケーブルカプラが回転するときに回転する。駆動ケーブルカプラ135が、図4Aに示される位置にあるとき、チャネル137は、チャネル136と整列状態にあり、このことより、ガイドワイヤが、チャネル137を通じて前進されること、またはこれから除去されること、およびチャネル136を通じて前進されることを可能にする。ガイドワイヤが挿入されている場合、ガイドワイヤは、以下により詳細に説明されるように、デバイス全体を通じてさらに遠位に前進されて遠位端から出ることができる。また以下により詳細に説明されるように、ガイドワイヤアクセスポートは、戻り流体が戻り領域139から出口ポートの外へ流れることを可能にする流体出口ポートとして作用する。
【0091】
[0105]ガイドワイヤアクセスポート(チャネル137の部分)を、この実施形態においてそれが存在する場所に有する利点の1つは、ポンプ部分が患者内のある場所にすでに前進された後、必要な場合に、ガイドワイヤが、ポート内へ再挿入され、遠位端までずっと挿入されてその外へ出ることができるということである。重要なことには、ガイドワイヤは、いくつかの迅速交換設計と同様にデバイスの大半を患者から除去する必要なしに、およびモータアセンブリを除去する必要なしに、再挿入され得る。したがって、この例示的な実施形態は、モータアセンブリを除去する必要なしに、およびデバイスを対象から除去する必要なしに、ガイドワイヤの容易な再進入を可能にする。
【0092】
[0106]使用中にガイドワイヤを再挿入することができることは、例えば、限定しないが、所望の場合または必要な場合に、ポンプ部分の再位置付けを可能にすることができることから、有利であり得る。例えば、ポンプ部分が、解剖学的ランドマーク(例えば、大動脈弁)に対して適所をはずれて動く場合、ガイドワイヤは、解剖学的ランドマークに対してそれを安全に再位置付けするために挿入される必要があり得る。
【0093】
[0107]ガイドワイヤ経路は、回転式構成要素(例えば、駆動ケーブルカプラ135)を通って延在することから、ガイドワイヤは、回転構成要素がアクティブであるときに、ガイドワイヤ経路内に存在しないことが重要である。本明細書内の装置はまた、ガイドワイヤ通路内のガイドワイヤの存在を検出するために自動検知機序、および/またはガイドワイヤが管腔内にある場合にモータが始動されることを防ぐ防止機序を含み得る。例えば、限定しないが、ガイドワイヤ通路内のガイドワイヤの存在を選択的に検出し、モータが始動されることを防ぐコントローラにそのことを通信することができるセンサが存在してもよい。
【0094】
[0108]この実施形態では、流体がデバイス内へ送達され得る単一の流体入口チャネルまたは管腔131が存在する。図4Bは、デバイスの一領域を例証し、また、流体がデバイス内へ送達された後にとることができる異なる通路を例証する。流体が流体入口ポートチャネル131(入口ポートを含む)内へ前進された後、流体は、きれいなパージ管141と駆動ケーブル管142との間の空間147を通って進む。これは、きれいな入力流体と見なされる。この通路は、遠位カテーテルキャップ149で行き止まりになる。流体は、図4Bに示されるような駆動ケーブル管142の遠位領域内に形成される1つまたは複数のアパーチャ146を通過し、駆動ケーブル管142と駆動ケーブル143との間の環状空間内へ入る。この流体の一部(任意選択的に流体の大半)は、この環状空間を通って近位方向に戻り、駆動ケーブル143を潤滑化および冷却し、その通路に沿って潜在的な微粒子を洗い流す。この戻り流体は、近位に、および図4Aに示される領域139内へ流れ続け、また、チャネル137を通じて、流体ポート(ガイドワイヤアクセスポートでもある)の外へ流れ続ける。したがって、流体出口ポートは、この実施形態では、ガイドワイヤアクセスポートとしても機能する。
【0095】
[0109]流体の大半が、領域139へ近位に戻るが、流体の一部は、アパーチャ146を通過した後、駆動ケーブル143の遠位端を越えて遠位に続く。流体の一部は、血液侵入を防ぐために、整列軸受162を通って近位軸受経路160を辿る。経路160に沿って軸受162に向かう流体の流れは、例えば、デバイスの近位領域における戻り流体の入力流れ圧力および絞りを制御することによって、制御され得る。
【0096】
[0110]流体の一部は、アパーチャ146を通過した後、駆動ケーブル143を通って、経路161に沿って流れることになり、また、以下により詳細に説明されるように、任意の回転表面を潤滑化するため、および血液侵入を防ぐために、デバイスを通って(例えば、ハイポチューブ144を通って)、および穴の外へ、遠位に続くことになる。したがって、ガイドワイヤ管腔145は、遠位軸受流体流路としても機能するように位置付けられる。
【0097】
[0111]一部の流体は、図4Cに示されるように、経路161に沿って遠位に流れ、軸受162、スラスト軸受177、および整列軸受178のうちの1つまたは複数を潤滑化するために、経路163沿った穴を通過する。流体の一部は、図4Cに示される矢印164の方向に、羽根車165(この実施形態では近位羽根車である)を通って、遠位に続く。流体の一部は、本明細書内の中央または中間部材のうちのいずれかを含む、折り畳み可能支持部材のうちのいずれかであり得る、中央部材171を支持する任意選択の整列軸受172を潤滑化するために、経路167に沿ったアパーチャを通過する。一部の流体は、矢印168の方向にガイドワイヤ管腔を通って、任意選択の遠位羽根車173を通って、遠位に続く。一部の流体は、遠位羽根車に対して遠位である軸受174を潤滑化するために、経路169に沿った穴を通過する。流体の一部はまた、弁175を通って、およびデバイスの遠位端の外へ流れることができ、血液侵入を防ぐのを助ける。
【0098】
[0112]この例示的な実施形態において、管状部材を通って流れる単一の流路(図4Bに示されるガイドワイヤ管腔を通って遠位に延在する経路161)は、3つの軸方向に離間した軸受領域を潤滑化した、少なくとも3つの遠位に位置する軸受潤滑化流体経路163、167、および169につながる(それと流体連通状態にある)。いくつかの代替の実施形態において、軸受およびしたがって潤滑化を必要とする拡張可能ハウジング内に配設される構造体の数に応じて、潤滑化される単一の軸受領域、潤滑化される2つの軸受領域、または潤滑化される4つ以上の軸受領域が存在してもよい。
【0099】
[0113]図4A~D内のデバイスを使用する例示的な方法は、標的部位の近くに(例えば、大腿動脈アクセスを介して左心室内へ)ガイドワイヤを挿入すること、次いで、ガイドワイヤを通じて遠位ガイドワイヤポートを供給すること、およびガイドワイヤを通じてデバイスを標的部位(例えば、大動脈弁)の方へ前進させることを含む。本方法はまた、ガイドワイヤをガイドワイヤ経路から除去すること、ならびに図4Aに示される近位部分を、それぞれ入口および出口流体位置にある流体入口カプラおよび流体出口カプラに結合することを含み得る。モータは、1つまたは複数の羽根車を始動するために始動され得る。ガイドワイヤが再挿入される必要があった場合、流体出力コネクタは除去され得、ガイドワイヤが再挿入され得る(例えば、再位置付けのため)。次いで、ガイドワイヤが除去され得、流体出口カプラは再び、ガイドワイヤ通路と流体連通状態にされ得る。これらの方法またはそれらのうちのいずれかは、図5Aおよび図5B内のデバイスなど、本明細書内の好適なデバイスのうちのいずれかの使用に組み込まれ得る。加えて、以下にあるものなど、本明細書内の例示的な使用方法のうちのいずれかにおけるステップのうちのいずれかは、この実施形態における血液ポンプの使用に組み込まれ得る。
【0100】
[0114]図5Aおよび図5Bは、第1の流体入口ポートおよび第1の流体出口ポートを有する第1の流路を有する例示的な流体ポンプ(例えば、血液ポンプ)に組み込まれる流体送達システムの例示的な実施形態を例証する。しかしながら、この実施形態では、第1の流路と流体連通状態にない第2の流体流路も存在する。図5Aおよび図5B内のデバイス180は、図4A~D内の実施形態に示されるものと類似しているが、ただし、この実施形態では、図4Bからの流体経路161は、駆動ケーブルを通って流れる流体として生じるものではない。この実施形態では、ガイドワイヤ管腔を含む流体流路(図5B内の流体経路196を参照)は、図5Aに示されるように、ガイドワイヤアクセスポートとして機能するように同様に位置する別個かつ第2の流体入口ポート189と流体連通状態にある。駆動ケーブル183は、遠位軸受流路196(ガイドワイヤ管腔を通る)を密閉するために、その内表面に駆動ケーブルライナ187を有する。この実施形態では、ガイドワイヤアクセスポートは、図4A~Dのように流体出口として機能しないが、流体入口ポートとして機能し、したがって依然として、流体ポートまたは流体アクセスとして機能する。
【0101】
[0115]血液ポンプはまた、図5Aに示されるような入口ポート181および出口ポート182を含む第1の流体経路を含む。この流路は、図4A~D内の経路に非常に類似しているが、ただし、それは、駆動ケーブルおよびハイポチューブを通る経路を含まない(すなわち、ガイドワイヤ管腔を含まない)。流体は、ポート入口ポート181を通って前進され、きれいなパージ管185と駆動ケーブル管184との間にある図5B内の経路197に沿って遠位に流れる。この経路は、図4A~D内の実施形態と同様に、遠位カテーテルキャップで行き止まりになる。流体は、駆動ケーブル管184内の穴を通って流れ、駆動ケーブル管184と駆動ケーブル183との間の環状空間内を近位に戻る。経路のこの部分では、流体は、駆動ケーブルを潤滑化および冷却し、その経路に沿って潜在的な微粒子を洗い流して、それらを図5Aに示される流体退出ポート182へ近位に運ぶ。シール200は、密閉するために、流体が近位に通ることを防ぐ。
【0102】
[0116]第1の流体経路を通って流れる流体は、したがって、駆動ケーブルを潤滑化および冷却し、ならびに、潜在的な微粒子を洗い流し、退出ポート182へ戻る。第2の流体経路を通って流れる流体は、システムを通ってさらに遠位に進み、図4A~D内の実施形態と同様に、1つまたは複数の遠位軸受を潤滑化する。例えば、図5Bに示される経路199は、その軸受領域内の軸受を潤滑化する、図4C内の経路163と同じである。示されないが、図5Bに示される図に対して遠位の流体流路は、図4Dにあるものと全く同じであり得、したがって、さらなる軸受を潤滑化し、任意選択的に、デバイスの遠位端にある弁を通って出る。したがって、この第2の流路もまた、血液の侵入を防ぐことができ、これは、図4A~D内でより詳細に説明される。
【0103】
[0117]本明細書内のデバイスのうちのいずれかにおいて、ポンプ部分は、ガイドワイヤが除去された後に遠位ガイドワイヤポートを密閉するために、羽根車に対して遠位の遠位端弁を含み得るが、ガイドワイヤがそこを通って再挿入することを可能にする。
【0104】
[0118]以下の開示は、本明細書に説明される血液ポンプまたはその部分のうちのいずれかを使用するときに実施され得る例示的な方法ステップを提供する。ステップのすべてが実施される必要があるわけではなく、むしろステップは例証的な手順であることが意図されるということを理解されたい。好ましい場合、時には1つまたは複数のステップの順序は異なり得るということも意図される。
【0105】
[0119]使用前、血液ポンプは、任意の流体ラインからいかなる気泡も除去するために、管腔(任意の環状空間を含む)およびポンプアセンブリを滅菌溶液(例えば、ヘパリン化生理的食塩水)でプライミングすることにより使用のために準備され得る。次いで、任意の数のパージ線を含むカテーテルが、コンソールに接続され得る。代替的に、カテーテルは、カテーテルをプライミングして気泡を除去するために使用されるコンソールおよび/または別個のポンプに接続され得る。
【0106】
[0120]カテーテルをプライミングした後、患者の血管系へのアクセスが、適切にサイズ決定されたイントロデューサシースを使用して獲得され得る(例えば、限定しないが、大腿部アクセスにより)。標準の弁横断技術を使用して、次いで診断ピグテールカテーテルが、ピグテールカテーテルが標的部位(例えば、左心室)内に安全に位置付けられるまで、例えば、0.0889cm(0.035インチ)ガイドワイヤを通じて前進され得る。次いで、ガイドワイヤが除去され得、第2のワイヤ320(例えば、0.04572cm(0.018インチ)ワイヤ)が、ピグテールカテーテルを通って挿入され得る。次いでピグテールカテーテルが除去され得(図6Aを参照)、血液ポンプ321(カテーテル、カテーテルシース、およびシース内のポンプ部分を含む、図6Bを参照)が、例えば、血液ポンプを位置付けるために1つまたは複数のX線不透過性マーカを使用して、第2のワイヤを通じて、大動脈弁「AV」に広がることなど、標的部位の方へ、および標的部位(例えば、左心室「LV」)内へ前進され得る。
【0107】
[0121]適切な配置が確認されると、カテーテルシース322(図6Cを参照)は、引き戻され得、まずポンプ部分の遠位領域を露出する。図6Cでは、拡張可能ハウジングの遠位領域は、遠位羽根車324のように、シース322から解放されており、拡張される。ハウジング323の近位端および近位羽根車は、シース322からまだ解放されていない。ハウジング323の近位端を越えたシース322の継続した引き戻しが、ハウジング323および近位羽根車325が拡張することを可能にする(図6Dを参照)。流入領域(羽根車はまだ回転していないが矢印で示される)および遠位羽根車は、左心室内にある。流出部(羽根車はまだ回転していないが矢印で示される)および近位羽根車は、上行大動脈AA内にある。本明細書により詳細に説明されるように、羽根車を取り囲むハウジング領域よりも可撓性であり得る、2つの羽根車の間の外側ハウジングの領域は、大動脈弁AVに広がる。示されるような例示的な動作位置において、ポンプ部分の入口部分は、左心室内で大動脈弁に対して遠位にあり、ポンプ部分の出口は、上行大動脈(「AA」)内で大動脈弁の近位にある。
【0108】
[0122]次いで、第2のワイヤ(例えば、0.04572cm(0.018インチ)ガイドワイヤ)が、ポンプアセンブリの動作の前に動かされ得る(図6Eを参照)。所望される場合または必要な場合、ポンプ部分は、図6Fに例証されるように、本明細書に説明されるような1つまたは複数の場所で(能動的または受動的に)偏向され得る。例えば、2つの羽根車の間の領域は、2つの羽根車の間の場所まで延在する伸張部材を伸張させることによって偏向され得る。偏向は、特定の生体構造に合わせることが所望され得る、または必要とされ得る。必要に応じて、ポンプ部分は、例えば、第1の羽根車を心臓弁の一方の側に、第2の羽根車を心臓弁の第2の側に有することなど、意図した配置を達成するために再位置付けされ得る。図6Fでは、ポンプ部分は、図からは、僧帽弁を妨げる、またはそれと相互作用するように見える場合があるとしても、いかようにもそのようなことはないということを理解されたい。
【0109】
[0123]次いで、任意の数のパージ線が、患者の外側に配設される血液ポンプの近位部分に装着され得る。例えば、流体入口線および流体出口線が、血液ポンプの近位部分における1つまたは複数の流体ポートに装着され得る。次いで、パージプロセスが開始されて、少なくとも1つの流体通路を通じて流体を血液ポンプ内へ移動させ得る。1つまたは複数の確認ステップが、ポンプをオンにする前にパージが意図したように動作していることを確認するために実施され得る。次いで、ポンプアセンブリが動作され得、1つまたは複数の羽根車の回転を引き起こす。流量、圧力、およびモータ動作のうちのいずれか1つは常に監視され得る。
【0110】
[0124]図7Aは、例示的な血液ポンプシステム3600の少なくとも一部分を概略的に例証する。本明細書に説明される血液ポンプシステムのいずれかは、システム3600の配置を有し得る。例示的な血液ポンプシステム3600は、外部コンソール3606、モータアセンブリ3604、およびカテーテル部分3608を含み得る。カテーテル部分3608の遠位端は、血管内血液ポンプ3602を含み得る。血管内血液ポンプ3602は、コンソール3606およびモータアセンブリ3604が患者の身体の外側に留まる一方で、患者の血管系に入って、患者の身体内の血液をポンピングするように構成され得る。コンソール3606は、モータアセンブリ3604および血液ポンプ3602の態様を制御するための1つまたは複数のコントローラ(例えば、コンピュータの一部として)を含み得る。コンソール3606は、ユーザとインタラクトするためのユーザインターフェース(例えば、コンピュータディスプレイ)を含み得る。コンソール3606は、例えば、1つもしくは複数の電線および/または1つもしくは複数の流体チャネルを介して、モータアセンブリ3604と流体連通および/または電気通信状態にあり得る。いくつかの例では、コンソール3606は、1つもしくは複数の電線および/または1つもしくは複数の流体チャネルを介して、(例えば、モータアセンブリ3604を迂回して)カテーテル部分3608と流体連通および/または電気通信状態にあり得る。モータアセンブリ3604は、血液ポンプ3602の1つまたは複数の内部駆動シャフト(本明細書では駆動ケーブルとも称される)と回転連通状態にある1つまたは複数のモータを含み得る。本明細書内の任意の駆動シャフトおよび/または駆動ケーブルは、モータから血液ポンプの1つまたは複数の羽根車へ回転を伝える回転駆動機序の一部と見なされ得る。場合によっては、モータアセンブリ3604は、血液ポンプ3602を制御するためのハンドルの一部である。他の場合において、モータアセンブリ3604は、ハンドルからの別個の構造実体である。
【0111】
[0125]図7Bは、例示的なカテーテル部分3608の少なくとも一部分の拡大断面図を概略的に例証し、またその中の例示的なおよび任意選択の流体通路を例証する。カテーテル部分3608は、中空駆動シャフト3620、駆動シャフト管3622、カテーテルシャフト3624、および外側シース3626を含む一連の同軸管状構成要素を含み得る。中空駆動シャフト3620は、血液ポンプ3602のポンプ部分の1つまたは複数の羽根車と回転連通状態にあり得る。中空駆動シャフト3620は、モータアセンブリ3604のモータに回転可能に結合されることによって回転するように構成され得る。中空駆動シャフト3620は、例えばガイドワイヤを収容するために内腔を含み得る。場合によっては、中空駆動シャフト3620の少なくとも一部分は、多孔質材料を含み得、そこを通じて何らかの流体(例えば、生理食塩水、ブドウ糖、戻り流体など)が、駆動シャフト3620の壁を通って駆動シャフト3620の内腔に入り込み得る。いくつかの例において、駆動シャフト3620壁は、メッシュ材料を含み得る。駆動シャフト管3622は、回転可能な駆動シャフト3620を収容するように構成され得る。カテーテルシャフト3624(単にカテーテルと称され得、材料の1つまたは複数の層を含み得る)は、血液ポンプ3602の1つまたは複数の軸受アセンブリなど、カテーテル3624の遠位部分における血液ポンプ3602の構成要素を収納し得る。外側シース3626は、例えば、患者内の標的部位への血液ポンプ3602の送達中、シース3626の遠位部分内に血液ポンプ3602のポンプ部分の一部またはすべてを収容し得る。適所につくと、シース3626は、血液ポンプ3602の拡張可能部分の拡張を可能にするために引き戻され得る。場合によっては、モータアセンブリ3604は、駆動シャフト3620を回転させるように適合され得、駆動シャフト管3622、カテーテルシャフト3624、および/またはシース366を回転させるように適合されなくてもよい。
【0112】
[0126]カテーテル部分の特定の設計に応じて、カテーテル部分は、カテーテル部分3608の構成要素の各々の間の環状空間内に流体が流れることを可能にする1つまたは複数の流体通路を含み得る。例えば、きれいな(換言すれば、クリーンまたは清浄な)流体(例えば、きれいな生理食塩水)は、(例えば、ポンプによりポンピングされることによって)シース3626とカテーテルシャフト3624との間のシース流体通路3630を介して血液ポンプ3602の方へ流れ得る。シース流体通路3630を通る流体流は、血液が、シース3626の遠位端においてシース3626とカテーテルシャフト3624との間の環状空間内で停滞すること、および血栓を形成することを防ぎ得る。シース流体通路3630からの流体は、実質的な戻り流体通路なしに患者の身体に入り得る。きれいな流体(例えば、コンソール内の生理食塩水バッグからポンピングされる生理食塩水)もまた、(例えば、ポンピングされることによって)カテーテルシャフト3624と駆動シャフト管3622との間のカテーテル流体通路3632を介して血液ポンプ3602の方へ流れ得る。カテーテル流体通路3632内の流体の一部またはすべては、戻り流体通路3634(本明細書内の任意の実施形態においては廃棄流体通路と称され得る)を介して血液ポンプ3602から戻り得る。カテーテル流体通路3632および戻り流体通路3634を通る流体の流れは、血液ポンプ3602内の動く構成要素(例えば、回転駆動シャフト3620および軸受)を冷却および/または潤滑化し得る。カテーテル流体通路3632および戻り流体通路3634は、(例えば、動く構成要素からの)潜在的なごみを洗い流し、患者の身体に入らないようにし得る。いくつかの例において、駆動シャフト3620の壁がいくらかの多孔性を有する場合、戻り流体通路3634内の流体は、駆動シャフト3620の内腔に入り得る。
【0113】
[0127]任意選択的に、シース流体通路3630およびカテーテル流体通路3632のためのきれいな流体は、1つまたは複数のきれいな流体源(例えば、生理食塩水バッグ)およびきれいな流体を血液ポンプ3602の方へ押すためのポンプアセンブリ(例えば、蠕動ポンプアセンブリ)を含み得るコンソール3606によって提供され得る。いくつかの例において、きれいな流体は、モータアセンブリ3604と血液ポンプ3602との間のカテーテル流体入口およびシース流体入口を通じて提供され得る。場合によっては、カテーテル流体入口およびシース流体入口の両方が、モータアセンブリ3604の一部である(またはこれに接続される)。いくつかの例において、戻り流体通路3634は、モータアセンブリ3604を通って廃棄リザーバの方へ流れ得、廃棄リザーバは、任意選択的に、コンソール3606(またはその一部)に、固定されることによってなど、接続され得る。
【0114】
[0128]いくつかの例において、モータアセンブリ3604は、モータアセンブリ3604の様々な内部構成要素を冷却する、潤滑化する、または洗い流すために、流体がそこを通ることを可能にし、ならびに任意選択的に、システムを通る戻り流体の少なくとも一部のための通路を提供する。図8Aおよび図8Bは、例示的なモータアセンブリ3704を例証し、そこを通る例示的な流体通路を示す。きれいな流体(例えば、コンソールからの)は、この場合はモータアセンブリ3704の遠位部分にある、入口3715に入り得る。きれいなパージ流体3732は、カテーテルシャフト3724と駆動シャフト管3722との間の環状空間内で血液ポンプに向かって遠位方向に移動し得る。駆動シャフト3720は、血液ポンプの1つまたは複数の羽根車と回転可能に結合され得る。いくつかの例において、血液ポンプの方へ押されるきれいなパージ流体3732は、参照により本明細書に組み込まれるポンプ区域のいずれかなどのポンプ区域内の駆動シャフトおよび/または1つもしくは複数の軸受など、血液ポンプの1つまたは複数の構成要素を冷却する、潤滑化する、および/または洗い流すためのカテーテル流体通路を形成する。
【0115】
[0129]きれいなパージ流体3732の少なくとも一部(例えば、名目上すべて)は、駆動シャフト管3722を通って戻りパージ流体3734として血液ポンプから戻る。中空駆動シャフト3720は、駆動シャフト管3722内の流体の一部が中空駆動シャフト3720の内腔へ染み出すように、流体に対して少なくとも部分的に透過性であり得る。戻りパージ流体3734は、駆動シャフト管3722を通って近位に移動し、交差領域3717を出ることができる。
【0116】
[0130]交差領域3717から、戻り流体は、中空駆動シャフト3720に回転可能に結合される中空モータシャフト3713の周りの環状空間内で方向付けられ得る。戻りパージ流体は、次いで、第1の軸受の回転要素(例えば、ボール)の間の空間を通って、モータ3705の固定子3707と回転子3709との間の環状空間内へ方向付けられ得る。モータ3705は、中空駆動シャフト3720に回転可能に結合される中空モータシャフト3713を回転させるように構成され得る。さらに近位に移動すると、戻りパージ流体は、第2の軸受の回転要素(例えば、ボール)の間の空間を通ってモータ3705から出て、モータアセンブリ3704の近位端から出ることができる。一旦モータアセンブリ3704から出ると、戻り流体は、例えば、血液ポンプシステムの外部コンソールにおける、廃棄リザーバへ方向付けられ得る。
【0117】
[0131]いくつかの例において、モータアセンブリ3704は、任意選択的に、流体がモータ3705内の中空モータシャフト3713に入るのを防ぎ得る1つまたは複数の一方向弁(例えば、3722aおよび3722b)を含み得る。これは、ガイドワイヤが中空モータシャフト3713の内腔を通り血液ポンプを通って遠位に戻される必要がある場合、この内腔をきれいに保ち得る。
【0118】
[0132]図8Aおよび図8Bに示される構成の例示的な利益は、モータ3705を通過する戻りパージ流体3734が、モータ軸受3711を潤滑状態に維持し得ることである。戻りパージ流体3734は、軸受3711内のごみを洗い流し得る。いくつかの例において、モータ3705が、密封された電子機器を有し得、パージ流体を充填される間正常に機能し得ることから、回転密封は必ずしも必要とされない。この例では、モータ3705を通る戻り流体路は、ある程度のモータ冷却を提供し得るが、戻り流体が血液ポンプシステムから外へ流れるための通路を作成することは、より重要な設計特徴であり得る。
【0119】
[0133]図9は、血管内血液ポンプの例示的なモータアセンブリ3804を示し、固定子3807への潜在的な流体侵入部位を例証する。この例では、流体は、固定子3807のワイヤ接続領域3825の周りで固定子3807に入り得、ワイヤ接続領域3825は、ワイヤ3829が固定子3807から出る場所である。例えば、流体は、ポッティング3831が十分な流体不透性シールを提供しない場合、ワイヤ3829とモータ3805を取り囲むハウジングとの間の空間に入り得る。流体侵入の別の潜在的な経路は、例示的な周縁溶接接合部3833など、モータ3805を取り囲むハウジングの部分どうしの間の接合部にあり得る。そのような溶接領域が不適切に形成される場合、これらの領域もまた、流体が固定子3807に入ることを可能にし得る。固定子3807内への流体侵入は、電気的短絡を引き起こし得、および/または固定子3807を腐食させ得る。
【0120】
[0134]図10は、固定子を流体通路から流体的に隔離するように構成され、以て、図9に関して説明される流体侵入問題を解決する例示的なモータアセンブリ3904を例証する。この例では、流体不透過層3955は、固定子3907と回転子3909との間に位置付けられる。流体不透過層3955は、モータ内の流体通路からの流体が固定子3907に到達することを防ぐためにバリアとして作用し得る。流体不透過層3955は、円筒形状を有し得、流体不透過層3955の内腔内に回転子3907が位置付けられる。流体不透過層3955は、モータ3905の機能との干渉を防ぐために非導電性材料で作製され得る。場合によっては、流体不透過層3955は、ポリマー材料を備える。示されるように、流体(例えば、戻りパージ流体)は、半径方向で不透過層3955の内側に、且つ半径方向で回転子3909の外側に流れ得る。
【0121】
[0135]流体不透過層3955は、モータアセンブリ3904内で適所に固定され得る。例えば、モータアセンブリ3904のハウジング3957は、その中に配設される流体不透過層3955と共に結合される(例えば、接着される、溶接される、または別途結合される)複数の区域を含み得る。示される非限定的な例において、ハウジング3957は、第1のハウジング部分3957aおよび第2のハウジング部分3957bを含み、これらは、周縁溶接部3965によって互いに結合され、以て、ハウジング3957内に流体不透過層3955を閉じ込める(換言すれば、包み込む)。代替の例において、ハウジングは、(1つまたは複数の結合場所において)互いに結合されてその中に流体不透過層を固定する複数のハウジング部分の他の配置を含み得る。例えば、ハウジングは、互いに結合される3つ以上のハウジング部分を含み得る。追加的に、例えば、第1のハウジング部分3975aおよび第2のハウジング部分3975bは、モータアセンブリの遠位部分内で結合(例えば、溶接)され得る。
【0122】
[0136]モータアセンブリ3904は、流体が固定子3907に到達することを防ぐために戦略的に置かれる1つまたは複数の密封要素または部材(例えば、1つまたは複数のO-リング)を含み得る。例示的なモータアセンブリ3904は、固定子3907に対して近位に位置する第1の密封要素(例えば、この例ではO-リング)3950a、および固定子3907に対して遠位に位置する第2のO-リング3950bを含む。固定子3907の両側に位置付けられるこれらのO-リング3950aおよび3950bは、流体が軸方向から固定子3907に到達することを防ぐためにサイズ決定および位置付けされ得る。O-リング3950aおよび3950bは、モータアセンブリハウジング3957の環状溝3940aおよび3940b内に位置付けられ得る。いくつかの例において、O-リング3950aおよび3950bは、流体不透過層3955と接触状態にあり、またこれと密封を形成する。
【0123】
[0137]いくつかの例において、固定子3907のためのワイヤ3929は、流体侵入の容易な入口点であり得る固定子3907内へのワイヤ3929の入口点が、流体路から離れたところに位置するように、固定子3907から外向きに半径方向に延在するように構成され得る。ワイヤ3929は、モータアセンブリハウジング3957の外側部分のスロットを通って延在し得る。いくつかの例において、ワイヤ3929は、密封されたハンドル区画に入る。
【0124】
[0138]血液ポンプから例示的なモータアセンブリ3904を通る戻り流体の例となる流体通路は、図10において矢印で示される。示されるように、戻り流体は、回転可能な駆動シャフト3920を囲む駆動シャフト管3922を介して、モータ3905の遠位側(コンソールに対して)から入り得る。駆動シャフト3920は、駆動シャフト管3922内のいくらかの流体が駆動シャフト3920の内腔内に入ることができるように、流体に対して透過性であり得る。駆動シャフト管3922および駆動シャフト3920からの戻り流体は、モータ3905を通る2つの異なる流体通路を進行する。第1の流体通路において、流体は、遠位軸受3911bを通って(例えば、遠位軸受3911bを冷却する、潤滑化する、および/または洗い流すように)、流体不透過層3955と回転子3929との間の環状空間内を(例えば、回転子3909および/または固定子3907を冷却する、潤滑化する、および/または洗い流すように)、近位軸受3911aを通って(例えば、近位軸受3911aを冷却する、潤滑化する、および/または洗い流すように)、ならびにモータアセンブリ3904の近位端の外へ、移動し得る。
【0125】
[0139]モータ3905を通る第2の流体通路内で、流体は、(示されるように)駆動シャフト3920に回転可能に結合されるハイポチューブ3945を通って、およびモータアセンブリ3904の近位端の外へ移動し得る。ハイポチューブ3945は、回転子3909に回転可能に結合される中空モータシャフト3913の内腔内に位置付けられ得る。ハイポチューブ3945は、そこを通る流体通過に対して不透性であり得、以て、流体がハイポチューブ3945と中空モータシャフト3913との間の環状空間に入ることを防ぐ。ハイポチューブ3945は、カプラ3960aおよび3960bによって中空モータシャフト3913に回転可能に結合され得、カプラ3960aおよび3960bは、そこを通って位置付けられるハイポチューブ3945を収容するために環状形状を有し得る。ハイポチューブ3945は、そこを通るガイドワイヤを収容するように構成され得る。モータアセンブリ3904の近位側から出る戻り流体は、例えば、廃棄流体リザーバに向かって廃棄流体ラインへ移動し得る。
【0126】
[0140]パージ流体は、本明細書内で使用される場合、潤滑流体、洗浄(換言すれば、フラッシング)流体、および/または冷却流体とも称され得、その逆もまた然りである。
【0127】
[0141]図11A図11Cは、ポンプ部分1102、軸受アセンブリ1104、および遠位カテーテル部分1106を含み得る血液ポンプシステム1100の別の実施形態を例証する。ポンプ部分は、例えば、羽根車シャフト1108、近位羽根車1110、および拡張可能スキャホールドまたはシュラウド1112を含み得る。軸受アセンブリ1104は、近位軸受ハウジング1114および遠位軸受ハウジング1116を含み得る。これらの軸受ハウジングは、羽根車シャフトの周りで回転するように構成され得る。軸受ハウジングの各々は、同じく羽根車シャフトの周りで回転する外側軸受1118を含み得る。中央アセンブリ1120は、適所に固定され得、また、適所に固定される中央アセンブリの両側の一対のスラスト軸受1122を含み得、中央アセンブリ1120内のスラスト軸受の間で回転する中央軸受1124を有する。
【0128】
[0142]遠位カテーテル部分1106は、きれいなパージ管1128、きれいなパージ管内に配設される駆動ケーブル管1130、および駆動ケーブル管内に配設される駆動ケーブル1132を備え得る。遠位カテーテル部分は、遠位カプラ1134、近位センサハウジング(以下に説明される)を含むパージチャネル管1136、ならびにパージチャネル管1136および中央アセンブリ1120に接続される(例えば、溶接される)スキャホールドスリーブ1138をさらに含み得る。カテーテルの外側からのパージ流体の流路は、駆動ケーブル管ときれいなパージ管との間の環状空間内へ送達され得る。このパージ流体は、この環状空間から、パージチャネル管内の流体チャネルを介してパージチャネル管を通過し得る。
【0129】
[0143]ポンプ部分1102は、複数の支柱1126により軸受アセンブリ1104に接合され得る(例えば、中央アセンブリ1120への支柱の結合)。
【0130】
[0144]図11Bは、遠位カプラ1134、パージチャネル管1136、および近位センサ1148を含む血液ポンプシステム1100の別の図である。矢印1150は、スキャホールドスリーブ(例えば、スキャホールドスリーブ1138)がどこに位置付けられるかを示すが、この図では、流れチャネル1152を含め、パージチャネル管1136のさらなる詳細を示すために例証されない。上に説明されるように、スキャホールドスリーブは、パージチャネル管1136を中央アセンブリに接続するように構成されるということに留意されたい。
【0131】
[0145]図11Cは、遠位カプラ1132の断面図である。示されるように、遠位カプラは、駆動ケーブル管1130およびきれいなパージ管1128を適所に保持するように、かつきれいなパージ管と駆動ケーブル管との間の環状空間を維持するように作用し得る。追加的に、遠位カプラ1132は、センサワイヤをセンサ(図11Bに示されるような)から駆動ケーブル管1130ときれいなパージ管1128との間の環状空間(例えば、駆動ケーブル管ときれいなパージ管との間の流体チャネル内)へルーティング(換言すれば、案内)するように構成されるセンサワイヤ傾斜路1133を含み得る。
【0132】
[0146]図12A図12Hは、モータアセンブリ4004の遠位領域を例証し、様々な流体制御特徴を示す。上に説明されるように、モータアセンブリ4004は、カテーテルデバイスの態様を制御するためのハンドルの一部であり得る。図12Aは、モータアセンブリ4004の遠位領域を示し、管通路の様々な層を含むカテーテル4008が、モータアセンブリ4004に入る。図12Bは、モータアセンブリ4004の遠位領域を示し、ハウジング支持回路4070の部分およびO-リング4050は、カプラアセンブリ4070を示すために除去されている。この例では、カプラアセンブリ4070の少なくとも一部分は、モータ4005の遠位軸受4011bに対して遠位に位置する。カプラアセンブリは、モータ4005に物理的に接続され、また圧縮および張力下でモータ4005と一緒に作用するように構成され得る。カプラアセンブリ4070は、きれいな流体をコンソール(例えば、3606)からカテーテル4008の方へ遠位に(例えば、図7Bのカテーテル流体通路3632および/またはシース流体通路3630を介して)ルーティング(換言すれば、送達)するための流体入口ポート4071を含む。カプラアセンブリ4070は、カテーテル4008の流体通路および駆動シャフト(例えば、図7Bの3620)をモータ4005に接続するための手段を提供する。
【0133】
[0147]図12Cおよび図12Dは、近位管カバー4075、遠位管カバー4076、およびカプラアセンブリ4070の部分が除去された状態で、モータアセンブリ4004の遠位領域を例証する。上に説明されるように、カテーテル4008は、駆動シャフト管4022、カテーテルシャフト4024、および外側シース4026を含む。結合部材4080は、中にハイポチューブ4081を収容する中央内腔を有する。そして、ハイポチューブ4081は、中に駆動シャフト管4022を含み、駆動シャフト管4022は、中に回転駆動シャフトを収容する。結合部材4080は、ハイポチューブ4081に固定して結合(例えば、溶接)され得、ハイポチューブ4081は、駆動シャフト管4022に固定して結合(例えば、接着)され得る。いくつかの例において、駆動シャフト管4022は、ポリマー(例えば、ポリイミド)材料で作製され、ハイポチューブ4081は、1つまたは複数の金属材料で作製される。
【0134】
[0148]図12E図12Fは、結合部材4080の遠位部分の周りに位置付けられる遠位管カバー4076を示し、図40Fは、結合部材4080の近位部分の周りに位置付けられる近位管カバー4075を示す。近位管カバー4075および遠位管カバー4076は、結合部材4080の外表面に固定して結合(例えば、溶接)され得る。いくつかの例において、近位管カバー4075および遠位管カバー4076は、1つまたは複数の金属材料で作製される。結合部材4080は、近位管カバー4075および遠位管カバー4076と軸方向に整列するように、ハイポチューブ4081の任意の部分に沿って固定して結合され得る。このやり方では、ハイポチューブ4081は、近位管カバー4075および遠位管カバー4076の軸長に関連した製造公差を補償する役割りを果たし得る。
【0135】
[0149]図12Gは、結合部材4080の拡大図を示す。結合部材4080は、いくつかのアクセスチャネル4088a、4088b、4088c、4088dを含み、これらは、流体(例えば、生理食塩水)および/または細長い要素(例えば、1つもしくは複数のワイヤ、1つもしくは複数の光ファイバ、および/または1つもしくは複数の流体もしくは空気管)がモータアセンブリ4004から/へ、およびカテーテル4008から/へ通過するためのアクセスを提供するように構成される。この例では、アクセスチャネルは、結合部材4080の外表面に沿った長手方向の切り欠きに対応し、これにより結合部材4080の外表面と近位管カバー4075および遠位管カバー4076との間に空間を提供する(図12Fを参照されたい)。この例では、結合部材4080は、5つのアクセスチャネル(例えば、図12Gにおいては、結合部材4080の反対側に1つの追加アクセスチャネル)を含むが、任意の数のアクセスチャネルが使用され得る。例えば、結合部材4080は、1、2、3、4、5、6、7、8、またはそれ以上のアクセスチャネルを含み得る。
【0136】
[0150]場合によっては、アクセスチャネルは、異なる構成要素のためにアクセスを提供するように構成され得る。例えば、アクセスチャネル4088b、4088c、および4088dは、流体を収容するように構成され得る(流体チャネルと称される)一方、アクセスチャネル4088aは、1つまたは複数の細長い構成要素(例えば、センサのための電線、1つもしくは複数の光ファイバ、および/または1つもしくは複数の空気管)を収容するように構成され得る。いくつかの例において、アクセスチャネル4088b、4088c、および4088dは、きれいなパージ流体をカプラアセンブリ4070からカテーテル4008へ方向付けるように構成される。このやり方では、流体アクセスチャネル4088b、4088c、および4088dは、流体が結合部材4080を遠位に通り抜けるための手段を提供し得る。いくつかの例において、アクセスチャネル4088aは、センサ(例えば、温度センサ、圧力センサなど)のための1つまたは複数のワイヤを収容するように構成され得る。図12Hに示される例では、アクセスチャネル4088aは、1つまたは複数のワイヤを回路基板4091の方へ外向きに半径方向に方向付けるように構成される傾斜路4090を含み、ワイヤは、1つまたは複数の回路基板構成要素にはんだ付けされ得る。
【0137】
[0151]図13A図13Cは、例示的な血液ポンプ4100の近位部分を例証し、パージチャネル管1336、遠位カプラ1334、血液ポンプ4100近くのスキャホールドスリーブ1338の追加の図を示す。図41Aに示されるように、センサホルダ4185は、パージチャネル管1336内に、スキャホールドスリーブ1338と遠位カプラとの間に位置し得る。
【0138】
[0152]図13Bは、パージチャネル管1336を示すために、遠位カプラ1334およびスキャホールドスリーブ1338を除去して示す。遠位カプラおよびスキャホールドスリーブは、パージチャネル管の外表面に固定して結合(例えば、溶接)され得る。パージチャネル管は、パージチャネル管の外表面に沿った長手方向の切り欠きに対応し得るアクセスチャネル4188a、4188b、4188c、4188dを含み得る。この例では、パージチャネル管は4つのアクセスチャネルを含むが、任意の数のアクセスチャネルが使用され得る。例えば、パージチャネル管は、1、2、3、4、5、6、7、8、またはそれ以上のアクセスチャネルを含み得る。
【0139】
[0153]この例では、アクセスチャネル4188aは、センサホルダ4185を含み、これは、その中に1つまたは複数のセンサ(例えば、圧力センサ)を支持するようにサイズ決定および成形される。いくつかの例において、センサは、接着剤を使用してセンサホルダ4185内に固定して結合され得る。示されるように、アクセスチャネル4188aは、開いた近位端を含み、その結果として、1つまたは複数のワイヤは、センサホルダ4185から近位に、およびモータアセンブリ(例えば、図12A図12Hの4004)の方へパージチャネル管から外へ近位に延在し得る。そのようなワイヤは、駆動シャフト管4022の外表面に結合(例えば、積層)され、故に、駆動シャフト管4022とカテーテルシャフト管4024との間に位置付けられ得る。故に、そのようなワイヤは、(駆動シャフト管4022内の)駆動シャフトと、カテーテルシャフト管4024と外側シース4026との間を運ばれる流体との間に位置付けられ得る。アクセスチャネル4188b、4188c、および4188dは、流体を収容し、これを血液ポンプ4104から/へ、およびカテーテル4008から/へ方向付けるように構成され得る。
【0140】
[0154]図13Cは、どのようにパージチャネル管1336が駆動シャフト管4022の周りに位置付けられるかを示す。パージチャネル管は、駆動シャフト管4022に固定して結合(例えば、接着)され得る。パージチャネル管の遠位端は、駆動シャフト管4022の遠位端と整列され得る。
【0141】
[0155]1つの実施形態に関して本明細書に説明される任意の特徴は、別の実施形態に関して説明される任意の特徴に代わるものであるか、またはこれと組み合わされ得るということを理解されたい。
【0142】
[0156]特徴または要素が、本明細書において、別の特徴または要素の「上に」あるものとして言及されるとき、それは、他の特徴もしくは要素の上に直接あるか、または介在する特徴および/もしくは要素も存在し得る。対照的に、特徴または要素が、別の特徴または要素の「上に直接」あるものとして言及されるとき、介在する特徴または要素は存在しない。特徴または要素が、別の特徴または要素に「接続される」、「装着される」、または「結合される」ものとして言及されるとき、それは、他の特徴または要素に直接的に接続、装着、もしくは結合されるか、または介在する特徴もしくは要素が存在し得るということを理解されたい。対照的に、特徴または要素が、別の特徴または要素に「直接的に接続される」、「直接的に装着される」、または「直接的に結合される」ものとして言及されるとき、介在する特徴または要素は存在しない。1つの実施形態に関して説明される、または示されるが、そのように説明される、または示される特徴および要素は、他の実施形態にも当てはまり得る。また、別の特徴に「隣接して」配設される構造体または特徴への言及は、隣接する特徴に重複する、またはその下にある部分を有し得るということが当業者により理解されるものとする。
【0143】
[0157]本明細書で使用される用語は、特定の実施形態を説明する目的のためにすぎず、本発明の限定であることは意図されない。例えば、本明細書で使用される場合、単数形「1つの(a)」、「1つの(an)」、および「その(the)」は、文脈が別途明白に示さない限り、複数形も同様に含むことが意図される。用語「備える(comprises)」および/または「備えること(comprising)」は、本明細書内で使用されるとき、述べた特徴、ステップ、動作、要素、および/または構成要素の存在を指定するが、1つまたは複数の他の特徴、ステップ、動作、要素、構成要素、および/またはそれらの群の存在または追加を除外しないということをさらに理解されたい。本明細書で使用される場合、用語「および/または」は、関連付けられた列挙項目のうちの1つまたは複数の任意およびすべての組み合わせを含み、「/」と短縮され得る。
【0144】
[0158]「下(under)」、「下(below)」、「下方(lower)」、「上(over)」、「上方(upper)」、および同様のものなど、空間関連の用語は、図に例証されるような、1つの要素または特徴の、別の要素または特徴との関係性を説明するため、説明を簡単にするために本明細書内で使用され得る。空間関連の用語は、図に描写される配向に加えて、使用または動作中のデバイスの異なる配向を包含することが意図されるということを理解されたい。例えば、図内のデバイスが逆向きにされる場合、他の要素または特徴の「下」または「真下」と説明される要素は、他の要素または特徴の「上」に配向され得る。故に、例示的な用語「下(under)」は、上および下の両方の配向を包含し得る。デバイスは、別途配向され得(90℃回転されるか、または他の配向にあり)、本明細書で使用される空間関連の説明は、それに従って解釈される。同様に、用語「内向きに」、「下向きに」、「垂直」、「水平」、および同様のものは、別途具体的に示されない限り、本明細書では説明の目的のために使用される。
【0145】
[0159]用語「第1の」および「第2の」は、様々な特徴/要素(ステップを含む)を説明するために本明細書で使用され得るが、これらの特徴/要素は、文脈が別途示さない限り、これらの用語によって制限されるべきではない。これらの用語は、1つの特徴/要素を別の特徴/要素と区別するために使用され得る。故に、本発明の教示から逸脱することなく、以下で論じられる第1の特徴/要素は、第2の特徴/要素と呼ばれてもよく、同様に、以下で論じられる第2の特徴/要素は、第1の特徴/要素と呼ばれてもよい。
【0146】
[0160]本明細書およびそれに続くクレームの全体を通して、文脈が別のことを要求しない限り、「備える(comprise)」という言葉、ならびに「備える(comprises)」および「備えること(comprising)」などの変異形は、様々な構成要素が方法および物品(例えば、デバイスを含む組成および装置ならびに方法)において共同して用いられ得ることを意味する。例えば、用語「備えること(comprising)」は、任意の述べられた要素またはステップの包含を示唆するが、任意の他の要素またはステップの除外を示唆しないということを理解されたい。
【0147】
[0161]本明細書およびクレームで使用される場合、例で使用される場合を含め、また別途明示的に記載のない限り、すべての数字は、「約」または「およそ」という言葉が、たとえそれらの用語が明示的に登場しないとしても、あたかも前置されるかのように読まれ得る。「約」または「およそ」という表現は、説明される値および/または位置が値および/または位置の合理的な予想範囲内であることを示すために、大きさおよび/または位置を説明するときに使用され得る。例えば、数値は、述べられた値(または値の範囲)の+/-0.1%、述べられた値(または値の範囲)の+/-1%、述べられた値(または値の範囲)の+/-2%、述べられた値(または値の範囲)の+/-5%、述べられた値(または値の範囲)の+/-10%などである値を有し得る。本明細書内で提供される任意の数値は、文脈が別のことを示さない限り、約またはおよそのその値を含むと理解されるべきである。例えば、値「10」が開示される場合、「約10」も開示される。本明細書に列挙される任意の数範囲は、そこに組み入れられるすべての部分範囲を含むことが意図される。ある値が、その値「以下」であることが開示されるとき、当業者により適切に理解されるように、「その値以上」、および値の間の可能な範囲も開示されるということも理解されたい。例えば、値「X」が、「X以下」であると開示される場合、「X以上」も同様に開示される(例えば、Xが数値である場合)。本出願全体を通して、データは、いくつかの異なる形式で提供されること、またこのデータは、終点および開始点、ならびにデータ点の任意の組み合わせのための範囲を表すということも理解されたい。例えば、特定のデータ点「10」および特定のデータ点「15」が開示される場合、10および15超、以上、未満、以下、およびこれに等しいということは、10~15の間も同様に開示されると見なされるということを理解されたい。2つの特定の単数の間の各単数も開示されるということも理解されたい。例えば、10および15が開示される場合、11、12、13、および14も開示される。
【0148】
[0162]本発明の好ましい実施形態が本明細書に示され説明されているが、そのような実施形態は単に例として提供されるということは当業者には明白である。多数の変異形、変更、および代替が、本発明から逸脱することなく、当業者により想起される。本明細書に説明される本発明の実施形態に対する様々な代替案が、本発明を実践する際に用いられ得るということを理解されたい。以下のクレームが本発明の範囲を規定すること、また、これらのクレームの範囲内の方法および構造体ならびにそれらの等価物がこれにより網羅されることが意図される。
図1
図2
図3
図4A
図4B
図4C
図4D
図5A
図5B
図6A
図6B
図6C
図6D
図6E
図6F
図7A
図7B
図8A
図8B
図9
図10
図11A
図11B
図11C
図12A
図12B
図12C
図12D
図12E
図12F
図12G
図12H
図13A
図13B
図13C
【国際調査報告】