(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-10-31
(54)【発明の名称】医用テーブルに使用するためのセーフティシステム
(51)【国際特許分類】
A61G 13/12 20060101AFI20241024BHJP
【FI】
A61G13/12 Z
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2024529541
(86)(22)【出願日】2022-10-28
(85)【翻訳文提出日】2024-07-17
(86)【国際出願番号】 EP2022080272
(87)【国際公開番号】W WO2023088666
(87)【国際公開日】2023-05-25
(31)【優先権主張番号】102021130310.9
(32)【優先日】2021-11-19
(33)【優先権主張国・地域又は機関】DE
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】523164126
【氏名又は名称】マッケ ゲー・エム・ベー・ハー
【氏名又は名称原語表記】Maquet GmbH
【住所又は居所原語表記】Kehler Strasse 31, D-76437 Rastatt, Germany
(74)【代理人】
【識別番号】100078282
【氏名又は名称】山本 秀策
(74)【代理人】
【識別番号】100113413
【氏名又は名称】森下 夏樹
(74)【代理人】
【識別番号】100181674
【氏名又は名称】飯田 貴敏
(74)【代理人】
【識別番号】100181641
【氏名又は名称】石川 大輔
(74)【代理人】
【識別番号】230113332
【氏名又は名称】山本 健策
(72)【発明者】
【氏名】ヴァインガルト, マルクス シュテファン
(72)【発明者】
【氏名】デル アルカザール フォン ブーフヴァルト, ロドリゴ
(72)【発明者】
【氏名】ゴルデ, ティム
(72)【発明者】
【氏名】ロスコルシュ, ミヒャエル
(72)【発明者】
【氏名】ガイザー, イマヌエル
【テーマコード(参考)】
4C341
【Fターム(参考)】
4C341MM04
4C341MN20
4C341MR20
4C341MS30
(57)【要約】
手術台の動作に対する制約を決定して表示するためのシステムは、手術台の手術台カラムに締結するための患者支持面(600)、手術台の動作に対する制約に関する情報を表示するための表示ユニット(607)、及び評価ユニット(606)を含み、この評価ユニットは、患者が患者支持面(600)上に配置される前に、患者支持面(600)の識別及び/または構成に少なくとも基づいて手術台の動作に対する制約を決定し、これら制約を表示ユニット(607)上に表示する。
【選択図】
図18
【特許請求の範囲】
【請求項1】
手術台の動作に対する制約を決定して表示するためのシステムであって、前記システムは、
前記手術台の手術台カラム上に締結される患者支持面(600)と、
前記手術台の前記動作に対する前記制約に関する一部の情報を表示するための表示ユニット(607)と、
前記患者が前記患者支持面(600)上に配置される前に、前記患者支持面(600)の識別及び/または構成に少なくとも基づいて前記手術台の前記動作に対する制約を決定し、前記制約を前記表示ユニット(607)上に表示するように設計される評価ユニット(606)と、
を含む、システム。
【請求項2】
前記患者支持面(600)は、前記手術台カラムに結合するためのインタフェースを有する主支持面セクション(601)、及び前記主支持面セクション(601)に取り外し可能に接続可能である1つ以上の副支持面セクション(602~605)を含み、前記副支持面セクション(602~605)のうちの少なくとも1つが前記主支持面セクション(601)に接続される場合、信号は前記少なくとも1つの副支持面セクション(602、603)から前記主支持面セクション(601)に送信され、
前記評価ユニット(606)は、前記主支持面セクション(601)に送信される前記信号に基づいて、前記主支持面セクション(601)に接続される前記副支持面セクション(602~605)を決定し、そこから前記手術台の前記動作に対する制約を決定するように設計される、請求項1に記載のシステム。
【請求項3】
前記制約は、前記患者支持面(600)の運動、特に、前記患者支持面(600)全体の前記運動及び/または前記副支持面セクション(602~605)の個々の前記運動に関連する、請求項1または2に記載のシステム。
【請求項4】
前記手術台の前記動作における前記制約は、複数の異なる患者重量範囲に対する制約を含む、先行請求項のいずれか1項に記載のシステム。
【請求項5】
前記手術台上に配置された前記患者重量を入力するための入力ユニット(650)、及び/または前記システムの外部から一部の電子患者重量情報を受信するためのインタフェースをさらに含む、先行請求項のいずれか1項に記載のシステム。
【請求項6】
前記評価ユニット(606)は、前記手術台の前記動作に対する前記制約を決定する場合、前記入力ユニット(650)に入力された前記患者の前記重量及び/または前記インタフェースを介して受信した一部の患者重量情報を考慮するように設計される、請求項5に記載のシステム。
【請求項7】
前記表示ユニット(607)及び前記入力ユニット(650)のうちの少なくとも1つは、リモコンまたは前記患者支持面(600)から物理的に離される表示画面によって提供される、先行請求項のいずれか1項に記載のシステム。
【請求項8】
前記信号は電気信号であり、前記電気信号によって、前記少なくとも1つの副支持面セクション(602、603)、及び/または前記少なくとも1つの副支持面セクション(602、603)に接続された1つ以上の他の副支持面セクション(604、605)に関する少なくとも一部の情報は、前記少なくとも1つの副支持面セクション(602、603)と、前記主支持面セクション(601)との間のインタフェース(609、611)を介して送信される、請求項2から7のいずれか1項に記載のシステム。
【請求項9】
前記少なくとも1つの副支持面セクションは、中間セクション(602、603)であり、第一側部(608、610)上で前記主支持面セクション(601)に、そして第二側部(620、621)上でさらなる中間セクションまたは端部セクション(604、605)に接続され、特に、前記さらなる中間セクションまたは前記端部セクション(604、605)に関する少なくとも一部の情報は、前記電気信号によって、前記主支持面セクション(601)に送信される、請求項8に記載のシステム。
【請求項10】
前記中間セクション(602、603)は、前記端部セクション(604、605)に関する一部の情報を前記主支持面セクション(601)に送信し、前記システムは、これら前記一部の情報を使用して、前記端部セクション(604、605)を識別する、請求項9に記載のシステム。
【請求項11】
前記中間セクション(602、603)は、前記少なくとも一部の情報を前記主支持面セクション(601)に送信する制御ユニット(624、625)を有する、請求項9または10に記載のシステム。
【請求項12】
前記主支持面セクション(902)は、少なくとも1つの光源(930)及び少なくとも1つの検出素子(932、933、934)を有し、
前記1つ以上の副支持面セクション(904、906、908)はそれぞれ1つ以上のライトガイド(940、950、960)を有し、それぞれマーキング素子(943、953、961)を有し、前記マーキング素子は、それぞれの前記副支持面セクション(904、906、908)に特有の方法で光を変化させ、
前記信号は、前記少なくとも1つの光源(930)によって発生する前記光を含み、前記光は、前記ライトガイド(940、950、960)によって、前記主支持面セクションに接続された前記副支持面セクション(904、906、908)の前記マーキング素子(943、953、961)に、そして前記マーキング素子(943、953、961)から前記少なくとも1つの検出素子(932、933、934)にガイドされる、請求項2から7のいずれか1項に記載のシステム。
【請求項13】
前記手術台の前記動作に対する前記制約は、以下の制約、すなわち、前記副支持面セクション(602~605)の前記使用に対する制約、前記副支持面セクション(602~605)の前記構成に対する制約、前記副支持面セクション(602~605)の運動が可能である軸の選択に対する制約、前記副支持面セクション(602~605)が前記軸を中心に運動することができる範囲に対する制約、前記副支持面セクション(602~605)が前記軸を中心に運動することができる速度に対する制約、最大の前記患者重量に対する制約、前記患者支持面(600)の長手方向変位に対する制約、前記患者支持面(600)のトレンデレンブルグチルトに対する制約、前記患者支持面(600)の短手方向チルトに対する制約、前記患者支持面(600)の高さ調整に対する制約、前記手術台のローラの拡張に対する制約、前記手術台の電動搬送に対する制約、及び/または前記患者支持面の短手方向変位に対する制約、のうちの1つ以上を含む、先行請求項のいずれか1項に記載のシステム。
【請求項14】
前記評価ユニット(606)は、患者が前記患者支持面(600)上に位置する前に前記患者の一部の重量情報を受信し、前記患者支持面(600)に対する運動制約を決定する際に前記一部の重量情報を使用するように設計される、先行請求項のいずれか1項に記載のシステム。
【請求項15】
前記表示ユニット(607)は、リモコン、壁の上の表示画面、または天井アーム上の表示画面に設けられ、
前記手術台の前記動作に対する前記制約は、前記患者支持面(600)の前記長手方向変位に対する制約、及び/または前記患者支持面(600)の前記トレンデレンブルグチルトに対する制約を含む、先行請求項のいずれか1項に記載のシステム。
【請求項16】
前記患者支持面(600)は、主支持面セクション(601)及び1つ以上の副支持面セクション(602~605)を含み、前記患者支持面(600)の前記構成は、前記副支持面セクションが互いに、そして前記主支持面セクションに接続される前記構成である、先行請求項のいずれか1項に記載のシステム。
【請求項17】
前記評価ユニット(606)は、前記手術台の前記動作に対する前記制約を決定し、前記手術台及び/または前記患者支持面(600)が動かない静止状態に前記手術台及び/または前記患者支持面(600)がある場合、及び前記手術台及び/または前記患者支持面(600)を動かす信号またはコマンドがペンディングされていない場合、前記制約は前記表示ユニット(607)上に表示される、先行請求項のいずれか1項に記載のシステム。
【請求項18】
前記患者支持面(600)は、主支持面セクション(601)及び1つ以上の副支持面セクション(602~605)を含み、前記患者支持面(600)を識別することによって、前記主支持面セクション(601)に接続されている副支持面セクション(602~605)がわかる、先行請求項のいずれか1項に記載のシステム。
【請求項19】
前記患者支持面(600)は、主支持面セクション(601)及び1つ以上の副支持面セクション(602~605)を含み、前記評価ユニット(606)は、少なくとも、前記主支持面セクション(601)に接続されている副支持面セクション(602~605)を識別し、前記評価ユニット(606)は、前記患者が前記患者支持面(600)上に配置された後、前記識別を使用して、前記患者支持面(600)の将来の運動に対する制約を決定し、表示する、先行請求項のいずれか1項に記載のシステム。
【請求項20】
手術台カラム(510)を有する手術台(500)、及び先行請求項のいずれか1項に記載のシステムを含む手術台システムであって、前記患者支持面(600)は、前記手術台カラム(510)上に締結される、手術台システム。
【請求項21】
少なくとも1つの変数を測定するための複数の荷重センサを有する荷重センサ配置を含み、
前記少なくとも1つの変数から前記荷重センサ配置に作用する荷重が決定され得、
前記荷重センサ配置は、前記手術台の少なくとも2つの部分の間に配置され、
前記少なくとも2つの部分は、基本的に互いに対して不動である、請求項20に記載の手術台システム。
【請求項22】
手術台の前記動作に対する制約を決定して表示するための方法であって、
前記手術台は、手術台カラムの上で締結された患者支持面(600)を有し、
前記患者が前記患者支持面(600)上に配置される前に、前記手術台の前記動作に対する前記制約は前記患者支持面(600)の前記識別及び/または前記構成に少なくとも基づいて決定され、前記制約は表示ユニット(607)によって表示される、方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本出願は、2021年11月19日にGerman Patent and Trademark Officeに出願されたドイツ特許出願第10 2021 130 310.9号の優先権を主張するものである。ドイツ特許出願第10 2021 130 310.9号の開示内容は、本明細書によって本出願の本開示内容に援用されている。
【0002】
本開示は、テーブルトップ及び/またはテーブルトップのセグメントが可動である医用テーブル及び手術台に関する。特に、テーブルトップ及び/またはセグメントの特性及び患者の荷重に基づいて、テーブルトップ及び/またはセグメントの運動を制限するためのシステムだけでなく、使用者に運動制限を表示するためのシステムに関する。
【背景技術】
【0003】
手術台を使用して、例えば外科手技中に、患者を支持する。現在、手術台の設置の柔軟性、付属品の数、及び手術台によって提示される患者位置決めの異なるオプションにより、看護師及び医師は、手術台を適切に使用するために多くの重要な態様を考慮しなければならない。これらの態様のいくつかを以下に列挙する。
-使用される付属品は、患者の重量に適合される必要がある。
-付属品の構成は、同様に、患者の重量に適合される必要がある。
-患者が位置している患者支持面は、許容制限内でのみ動かす必要がある。
-運動制約が適用される場合、常に許容制限を超えないように注意する必要がある。
-手術台を調整する場合、手術台がCアームなどの外部物体と衝突しないように注意する必要がある。
-さらに、手術台を調整する場合、患者が正しく固定され、手術台から落下または滑落しないように注意する必要がある。
【0004】
上記に列挙された点に関する重要な情報は、手術台の使用説明書に記載され得る。使用者が使用説明書を無視する場合、または衝突及び患者に十分な注意を払っていない場合、以下の危険な事象が起こり得る。
-手術台の転倒:患者が落下する場合があり、その結果、永続的な損傷を受ける可能性があり、死亡することもある。
-付属品の構造部品及び手術台の過荷重:これは、構造コンポーネントが永久に曲がる、または破損するという結果をもたらすことがあるため、患者が永続的な損傷を受ける、または死亡することもある。
-電動式継手の過荷重:手術台を動かすことがでないため、可動性の制約を引き起こす。
-手術台の外部物体との衝突:運動中、手術台がCアームなどの高価な機器に衝突して損傷を与える場合がある。
-患者の落下:患者が適切に固定されていない場合、患者は、テーブル運動中に滑り始める場合があり、この結果、最悪の場合、患者が床に落下することがある。
【0005】
手術台の患者支持面は、交換可能で取り外し可能に接続可能なセグメントを有することができる。多くの場合、交換可能なセグメントの一部またはすべては可動である。異なる交換可能なセグメントを使用することにより、単一手術台は、異なる患者及び方法のために異なって再構成されることができる。ただし、これは、患者の安全を確保し、個々のテーブル配置の機械的限界を考慮するために、個々のテーブルのサイズ、形状、寸法、可動域、及び強度が時間によって異なることを意味する。特定の高度なテーブル機能の場合、テーブル制御システムにとって、テーブル拡張部のアイデンティティ及びシーケンスがわかることは有用である。テーブルカラムに接続される、中央患者支持セグメントに直接接続されない第二及び第三レベルまたはステージの拡張部を含む、テーブル拡張部のアイデンティティ及びシーケンスをテーブルシステムが自動的に検出することができることは有用である。
【0006】
文書US2017/0027797A1(特許文献1)では、患者をサポートすることができるパーソナルサポートデバイスが開示されており、このパーソナルサポートデバイスは、パーソナルサポートデバイスの少なくとも1つの取り外し可能なコンポーネントと通信可能に結合することができる制御ユニットを含み、この制御ユニットは、少なくとも1つの取り外し可能なコンポーネントの有無を決定することができ、少なくとも1つの取り外し可能なコンポーネントの有無を決定することに対する反応eとして、パーソナルサポートデバイスの少なくとも1つの運動を非アクティブにする、またはアクティブにすることができる。取り外し可能なコンポーネントは、RFID識別子を含むことができる。また制御ユニットは、有線通信を介して取り外し可能なコンポーネントと通信することができる。しかしながら、US2017/0027797A1は、複数の拡張レベルを有し、本明細書に開示されるような異なるテーブル拡張レベルでの有線通信とRFID通信との両方の有利な組み合わせを使用するモジュラ手術台システムを開示していない。また、それは、医療手技前の手術台構成、及び異なる患者重量範囲のアレイに対する運動制約を決定し、可視で表示するシステムを開示していない。
【0007】
患者を支持するために使用される患者支持面は、モジュラ設計のものであることができ、様々な副支持面セクション上に結合することによって拡張されることができる主支持面セクションを有することができる。この目的のために、主支持面セクション及び副支持面セクションは機械的接続素子を有することができ、これら機械的接続素子を使用して、主支持面セクション及び副支持面セクションを取り外し可能に接続することができる。副支持面セクションは、例えば、脚部セクションまたは頭部セクションであり得る。さらに、副支持面セクションはまた、中間セクションまたは拡張セクションでもあることができ、これらは、例えば、主支持面セクションと頭部セクションとの間に挿入される。
【0008】
副支持面セクションがその位置に調整される、または拡張される場合、副支持面セクションが別の物体と衝突するリスクを可能な限り低くする必要がある。衝突のリスクは、とりわけ、副支持面セクションのタイプに依存する。例えば、脚部セクションは、頭部セクションよりも長いため、頭部セクションとは異なる衝突リスクを有する。したがって、どの副支持面セクションが主支持面セクションに接続されるかを決定し得れば、望ましい。これにより、衝突を回避するために、それぞれの副支持面セクションの動作に対する制約を定義することも可能になる。例えば、患者支持面の構成、すなわち、主支持面セクションと設置された副支持面セクションとの組み合わせに応じて、副支持面セクションの最大拡張距離及び/または最大調整角度を特定することができる。
【0009】
手術台のオペレータは、手術中に計画された手技に対して手術台の正しい構成を作成する責任を負う。以下の基準の一部またはすべてを考慮し得る。
-計画された手術の外科専門領域、
-患者の重量、
-付属品、すなわち、設置された副支持面セクションを含む手術台の計画された許容構成、
-使用される副支持面セクション及び手術台の許容荷重、ならびに
-手術台の計画された運動及び位置。
【0010】
患者の重量を知り、特定の手技に必要とされる手術台の構成とどの位置を組み合わせるかを知ることは、臨床ルーチンの一部である。一方、手術台及び付属品の操作説明書に記載されている、すべての許容可能な組み合わせと荷重状況とを記憶することは、臨床ルーチンの一部ではない。
【0011】
理論上、オペレータは、手術台及び設置された付属品の使用説明書を調べて、計画されたテーブル荷重及び構成を使用して、計画された手技を実施することができることを確認する必要がある。これは高レベルの作業を必要とするため、不利である。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0012】
【特許文献1】米国特許出願公開第2017/0027797号明細書
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0013】
本開示の目的は、荷重センサ配置を有する手術台を提供することであり、荷重センサ配置は、有利なことに、荷重センサ配置に作用する荷重を決定することができる変数を測定するように設計される。
【0014】
本開示の別の目的は、手術台が転倒するリスクを指示する信号を発生させる手術台を提供することである。
【0015】
本開示のさらに別の目的は、手術台及び/または手術台のコンポーネントの過荷重のリスクを指示する信号を発生させる手術台を提供することである。
【0016】
本開示の別の目的は、手術台カラムに締結するための患者支持面を提供することであり、この患者支持面により、どの副支持面セクションを患者支持面の主支持面セクションに連結するかを決定することが可能になる。
【0017】
さらに、手技の開始前に、設置された支持面セクションを有する手術台が動作中に受ける制限に関するフィードバックをオペレータに提供する患者支持面を作成する。
【0018】
本開示の第一態様によれば、手術台は、複数の荷重センサを有する荷重センサ配置を含む。荷重センサ配置は、少なくとも1つの変数、すなわち、正確には1つ以上の変数を測定するように設計され、変数から荷重センサ配置に作用する荷重を決定することができる。
【0019】
荷重センサ配置に作用する荷重は、特に、荷重センサ配置に作用するすべての外力の変数、すなわち力及びトルクを含むことができる。荷重センサは、例えば、力覚センサ、特にロードセルであることができ、それぞれがそれぞれのセンサに作用する力を測定する。このような実施形態では、測定変数は、力覚センサのそれぞれによって測定された力であり得る、すなわち、力覚センサのそれぞれは、対応する変数を測定する。力覚センサはそれぞれ出力信号として、例えば電圧などの電気信号を出力することができ、この出力信号から、測定された力を導出することができる。さらに、力覚センサによって、測定された力の特定の寸法を、例えばデジタル形式で、力覚センサがそれぞれ出力することも提供されることができる。
【0020】
荷重センサ配置が、結果として生じる総力を変数として測定することも考えられ、結果として生じる総力は、異なる力覚センサに作用する個々の力から生じる。この場合、荷重センサ配置は、特に、正確に1つの変数、すなわち、結果として生じる総力を測定することができる。総力は、再度、測定された力を導出することができる電気信号として、例えば、電圧として、または特定の寸法として、例えばデジタル形式で、出力され得る。
【0021】
荷重センサ配置に作用する荷重は、例えば、荷重センサ配置より上に配置された手術台のコンポーネントによって発生する荷重だけでなく、手術台の上に配置された患者または手術台の上に配置された他の物体によって発生する荷重も含む。さらに、人も、例えば、人が手術台の隣に立ち、手または身体の別の部位によって手術台の上で自分自身を支持するという点で、手術台の上に荷重を発生させることができる。さらに、他の方法で発生する外力は、手術台の上に荷重を発生させることができる。これらのような荷重もまた、荷重センサ配置によって測定されることができる。
【0022】
複数の荷重センサを有する荷重センサ配置は、手術台の少なくとも2つの部分の間に配置され得る。少なくとも2つの部分は、基本的に互いに対して不動である。手術台、特に患者支持面が術中に動かされる、または調整される場合、例えば患者支持面が傾く及び/または拡張すると、少なくとも2つの部分は、基本的に相互に対して動かない、すなわち、基本的に相互に対して同じ位置に留まる。これは、少なくとも2つの部分の相互からの距離と、少なくとも2つの部分が相互に形成する角度(複数可)との両方に適用される。
【0023】
しかしながら、少なくとも2つの部分は、荷重センサが重量及び圧力によって物理的に変形する程度まで、互いに対してごくわずかに動くことができる。したがって、「基本的に同じ位置」は、荷重センサの一時的な弾性変形による最大3ミリメートルだけの少なくとも2つの部分の相対運動を含む。代替の表現では、複数の荷重センサまたは少なくとも2つの部分が、互いに対して最大3ミリメートルだけ可動である、及び/または荷重センサを物理的に変形させる程度だけ可動であると言うことができる。
【0024】
手術台の少なくとも2つの部分は、荷重センサ配置の真横または隣に配置され得る。荷重センサ配置は、2つの部分と接触し得る。例えば、荷重センサ配置は、2つの部分のそれぞれに接触し得る。少なくとも手術台の動作中、2つの部分を荷重センサ配置に堅く連結することができる。
【0025】
荷重センサ配置は、手術台内の異なる位置に配置され得る。例えば、荷重センサ配置を手術台カラムに統合することができる。この場合、荷重センサ配置の第一側部は、カラムの少なくとも第一部分に連結され得、荷重センサ配置の第二側部は、特に第一側部の反対側にあり得、カラムの第二部分に連結され得る。カラムの第一部分及び第二部分は、互いに対して可動ではないように設計される。さらに、カラムの第一部分は、カラムの第二部分より上に配置され得る。
【0026】
さらに、荷重センサ配置は、カラムが患者支持面またはスタンド(またはベース)と形成するインタフェースに、またはそれに隣接して配置され得る。その結果、荷重センサ配置は、例えば、患者支持面とカラムとの間に配置され得る。この場合、荷重センサ配置の第一側部は患者支持面の一部分に連結され得、荷重センサ配置の第二側部はカラムの一部分に連結され得、2つの部分は、互いに対して不動である。
【0027】
代わりに、荷重センサ配置は、例えば、カラムとスタンドとの間に配置され得る。この場合、荷重センサ配置の第一側部はカラムの一部分に連結され得、荷重センサ配置の第二側部はスタンドの一部分に連結され得、2つの部分は、互いに対して不動である。
【0028】
手術台の2つ以上の可動ではない構造部分の間に荷重センサを統合することは、他の解決策、特に荷重センサを継手内に統合する解決策よりも複数の利点を有する。例えば、これらのような解決策では、荷重センサが複数の自在継手に統合されることで、荷重センサが相互に対して可動な複数(例えば、3つ)の部分の間に位置していることが考えられる。このような解決策は、動的な効果が正確度の主要な問題をもたらすことから、理想的ではない。さらに、可動部分は経時的に摩耗する傾向があるため、システムの信頼性が低下し、定期的なメンテナンス及び較正が必要になる。これらのような問題は、構造上可動でない少なくとも2つの部分の間に荷重センサを配置することによって、軽減され、またはさらには排除される。
【0029】
荷重センサ配置は、完全な荷重が荷重センサ配置を介して流れる、または伝達されるように、手術台内に統合され得る。特に、荷重センサ配置より上で発生する荷重は、荷重センサ配置を通して流れ得る、または伝達され得る。
【0030】
一実施形態では、荷重センサ配置の荷重センサは、互いに並列で、かつ鏡像に配置され得る。例えば、荷重センサ配置は、合計4つの力覚センサまたはロードセルを有することができる。この設計は、正確度及び信頼性の向上という利点を有する。
【0031】
荷重センサ配置の荷重センサのいくつかまたはすべては、想像上の第一軸に対して鏡面対称に、そして想像上の第二軸に対して鏡面対称に配置され得る。第一軸及び第二軸は、互いに直交してアライメントされ得る。例えば、第一軸は患者支持面の主軸に平行に延在することができ、第二軸は、この主軸に垂直であるが、患者支持面に平行に延在する。この場合、荷重センサ配置は、患者支持面と手術台カラムとの間に位置付けることができる。
【0032】
いくつかの設計では、荷重センサは、「側部」のそれぞれの上に多数の荷重センサを有するグリッドパターンまたはグリッドに配置される。いくつかの実施形態では、すべての荷重センサは共通平面内に配置される。例えば、荷重センサは2×2グリッドに配置され得る。荷重センサは、例えば、各次元に2~4つの荷重センサを有するグリッド配置に配置され得る。
【0033】
鏡面対称に配置された荷重センサは、同じ方向にアライメントされ得る。特に、鏡面対称に配置された荷重センサは、互いに平行にアライメントされ得る。荷重センサはそれぞれ互いに平行にアライメントされる主軸を有することができる。
【0034】
荷重センサ配置の荷重センサは、設計が同一であり得る。
【0035】
いくつかの実施形態では、荷重センサは細長い形状を有する。例えば、荷重センサは、矩形体であり得る。
【0036】
一実施形態では、手術台は、荷重決定ユニットを有することができる。荷重決定ユニットは、荷重センサ配置に結合され、荷重センサ配置から測定された少なくとも1つの変数を受信することができる。測定された少なくとも1つの変数に基づいて、荷重センサ配置は少なくとも、以下の荷重のうちの1つ、及び/または以下の重心のうちの1つを決定することができる。
-測定された荷重及び/または測定された荷重の重心、
-能動荷重及び/または能動荷重の重心、及び
-総荷重及び/または総荷重の重心。
【0037】
荷重センサ配置は、例えば、上述の荷重及び/またはそれらの重心のうちの3つすべてか、上述の3つの荷重及び/またはそれらの重心のうちの2つの選択か、上述の荷重及び/またはそれらの重心のうちの1つだけかいずれかを決定するように設計されることができる。
【0038】
測定された荷重は、荷重センサ配置に作用する荷重である。測定された荷重は、荷重センサより上の手術台上のすべての人、物体、及び力によって発生した荷重に相当する。測定された荷重は、荷重センサ配置によって測定された荷重値に相当する。
【0039】
能動荷重は、手術台に関連しないコンポーネント、ならびに人及び外力によって発生する荷重に相当し、手術台に作用する。手術台に関連するコンポーネントは、手術台によって認識されるコンポーネント、例えば、主テーブル面セクション及び主テーブル面セクション上に締結された副テーブル面セクション、及び/または手術台によって認識される他の付属品である。手術台に関連するコンポーネントの影響は、能動荷重では考慮されない。手術台の残りのコンポーネント、すなわち、手術台に関連しないコンポーネントだけが、能動荷重に寄与する。これらは、例えば、手術台によって認識されない付属品であり得る。さらに、手術台上の患者は、能動荷重に寄与する。また能動荷重は、手術台に作用するすべての外力、例えば、手術台の外側の人及び/または物体によって手術台にかかる力を含む。
【0040】
総荷重は、測定された荷重から、また手術台に関連し、荷重センサ配置より下に位置するコンポーネントによって発生する荷重から得られる荷重である。したがって総荷重は、荷重センサ配置より下に位置し、荷重センサ配置によって測定することができないため、測定された荷重に寄与しないコンポーネントからの荷重を考慮する。したがって総荷重は、手術台全体、患者、手術台に関連するコンポーネント、手術台に関連しないコンポーネント、及び他の外力から発生する荷重である。
【0041】
一実施形態では、手術台は、セーフティユニットをさらに含むことができ、セーフティユニットは、荷重決定ユニットに結合され、荷重決定ユニットから、荷重決定ユニットによって決定された少なくとも1つの荷重値及び/または荷重決定ユニットによって決定された少なくとも1つの重心を受信する。少なくとも1つの荷重及び/または少なくとも1つの重心に基づいて、セーフティユニットは、手術台が安全上危機的な状況にあるかどうかを指示する安全信号を発生することができる。安全上危機的な状況は、例えば、手術台上の患者の安全が危険にさらされている場合に存在する。例えば、これは、手術台が転倒する、または過荷重になるリスクが存在する場合に該当し得る。
【0042】
セーフティユニットは、特に患者支持面が配置される位置を指示する、手術台の位置データ、認識された付属品に関する一部の情報、ならびに認識された付属品の荷重及び重心など、他のパラメータを使用して安全信号を発生させることができる。
【0043】
セーフティユニットは、患者の安全を確保するために、安全上危機的な状況が起こる場合、手術台の使用者に警告することを可能にする。さらに、安全上危機的な状況を避けるまたは防ぐための手段を取ることができる。
【0044】
一実施形態では、セーフティユニットが安全信号を発生させることで、手術台の安全上危機的な状況を指示する場合、1つ以上の手段を取ることができる。例えば、手術台は、音響及び/または光の警告信号を発生させることができる。さらに、警告信号をテキスト形式で発生させることができ、例えば手術台のリモコン上で、使用者に表示することができる。さらに、手術台の運動が制約される場合がある。例えば、患者支持面の拡張及び/またはチルト、及び/または手術台の運動を減速させる、または停止させることができる。さらに、手術台の少なくとも1つの機能は遮断され得る。
【0045】
安全信号が手術台の安全な状況を再度指示すると、取られた手段を減少させる、または取り消すことができる。
【0046】
一実施形態では、セーフティユニットは傾倒防止ユニットを有することができ、傾倒防止ユニットは、総荷重及び/または総荷重の重心に基づいて、手術台が転倒するリスクが存在するかどうかを指示する、傾倒防止信号を発生させる。したがって傾倒防止信号は、セーフティユニットの安全信号である。
【0047】
転倒のリスクがある場合、例えば、音響及び/または視覚的警告を使用者に対して発生させることができる、及び/または手術台が転倒することを防止するための手段を取ることができる。例えば、手術台の運動を遮断することができる、または手術台の速度を低下させることができる。
【0048】
一実施形態では、傾倒防止ユニットは、総荷重及び/または総荷重の重心に基づいて、少なくとも1つの傾倒点についての残留傾倒トルクを決定することができる。さらに、傾倒防止ユニットは、決定された残留傾倒トルクを特定された残留傾倒トルク閾値と比較し、残留傾倒トルクが残留傾倒トルク閾値を下回る場合に転倒リスクを指示するように傾倒安全信号を発生させる。
【0049】
傾倒点は、手術台が傾くことができる点、または場合によっては軸である。例えば、傾倒点は、床に面するベースの下側エッジ上に位置し得る。さらに、ローラによって傾倒点をマーク付けすることができ、それを使用して手術台を床の上で変位させることができる。
【0050】
いくつかの実施形態では、傾倒点は、下にある床に面する(場合によっては触れる)テーブルベースまたはスタンドの周囲に沿ったすべての点として規定され得る。例えば、矩形テーブルベースの外周に沿ったすべての点は傾倒点であり得る。他の実施形態では、例えば、スタンドがそれほど規則的ではない形状を有する場合、傾倒点は、ベースの遠い頂点によって規定された概念的または想像上の多角形の辺に沿ったすべての点として規定され得る。例えば、H字形状のベースの場合、傾倒点はHの4つの頂点、及びHの4つの頂点によって形成される概念的な矩形の辺である。円形のベースの場合、外周上のすべての点は傾倒点である。
【0051】
一般に、総荷重の重心が傾倒点によって境界が定められた面より上にある場合、手術台が安定した状態のままであると言える。しかし、総荷重の重心がこの面の真上にない場合、手術台は転倒する。
【0052】
傾倒点における残留傾倒トルクは、総荷重の重心からの傾倒点の距離を総荷重で乗算することによって決定され得、総荷重は力として特定される。残留傾倒トルクは、英語の文献では「residual tipping torque」と呼ばれる。残留傾倒トルクの決定値が正である場合、これは、手術台がこの傾倒点に対して安定していることを意味する。残留傾倒トルクが負である場合、手術台は転倒する。残留傾倒トルクの値が大きいほど、手術台はより安定する。本実施形態では、残留傾倒トルク閾値が特定され、例えば、225Nmの値を有する。これは、残留傾倒トルクが225Nmを下回ってはならないことを意味する。残留傾倒トルク閾値に達していない場合、手術台は、聴覚または視覚的に使用者に警告することができる。他のオプションは、手術台の運動を遮断すること、または速度を低下させることである。
【0053】
一実施形態では、傾倒防止ユニットは、複数の傾倒点、特に、すべての可能な傾倒点について、それぞれの残留傾倒トルクを決定することができる。傾倒防止ユニットは、これら複数の残留傾倒トルクのそれぞれを残留傾倒トルク閾値と比較することができる。傾倒トルクのうちの1つだけが残留傾倒トルク閾値を下回る場合、傾倒防止ユニットは、転倒リスクを指示するための傾倒安全信号を発生させることができる。これにより、手術台の傾倒に関する高レベルの安全性がもたらされる。
【0054】
一実施形態では、少なくとも1つの傾倒点を通過し、特定された法線ベクトルで特定された角度、いわゆる安定角度を囲む少なくとも1つの仮想線または想像線を特定することができ、傾倒防止ユニットは、総荷重の重心が少なくとも1つの仮想線を通過する場合に転倒リスクを指示するように傾倒安全信号を発生させる。特に、傾倒安全信号は、残留傾倒トルクが低下する方向で総荷重の重心が少なくとも1つの仮想線を通過する場合、転倒リスクを指示することができる。またこの実施形態は、仮想線が平行にシフトされるため、傾倒点を通過しない場合を含む。この場合、転倒リスクを指示することができるように、総荷重の重心もそれに応じてシフトされる必要がある。
【0055】
法線ベクトルは、例えば、手術台が平坦な傾斜のない床の上にある場合、手術台の重量の力のベクトルによって規定され得る。次に法線ベクトルは、床面と垂直にアライメントされる。また法線ベクトルは、例えば通常の位置内のスタンドのベースプレートまたは患者支持面によって、規定され得る。次に法線ベクトルは、通常の位置では、スタンドのベースプレートに垂直方向に、または患者支持面に垂直方向にアライメントされる。
【0056】
一実施形態では、複数の傾倒点、特にすべての可能な傾倒点について、少なくとも1つの仮想線または想像線は、それぞれの傾倒点を通過する場合と、特定された法線ベクトルとの特定された角度、いわゆる安定角度を囲む場合とのそれぞれに特定されることができる。複数の仮想線は空間を画定する。総荷重の重心がこの空間内にある限り、手術台が転倒するリスクがない。総荷重の重心が仮想線によって画定される空間または仮想線に接している空間を離れる場合にのみ、手術台が転倒し得る。したがって、傾倒防止ユニットは、総荷重の重心が仮想線によって画定された空間を離れる場合に転倒リスクを指示するように傾倒安全信号を発生させる。
【0057】
一実施形態では、傾倒点を通る仮想線または想像線が特定された法線ベクトルで囲む特定された安定角度は、傾倒点の性質に依存することができる。例えば、傾倒点がローラによって与えられる場合、安定角度はより大きくなり得る。それと比較して、傾倒点がローラを含まないが、例えばスタンドの下側エッジ上に位置している場合、安定角度はより小さくなり得る。
【0058】
一実施形態では、傾倒点がローラによって与えられる場合、10度の安定角度を選択することができる。他のすべての傾倒点、特に剛性ベースまたは下部構造体の場合、5度の安定角度を選択することができる。
【0059】
いくつかの実施形態では、安定角度は、少なくとも2もしくは少なくとも5度である、または5~15度の範囲内もしくは3~20度の範囲内である。引き込み式車輪またはローラを伴ういくつかの設計では、安定角度は、手術台が床の上にある場合には少なくとも2度であり、手術台が車輪またはローラ上にある場合には少なくとも8度である。特定の安全規則では、医用テーブルが床の上に直接配置される場合には5度の傾斜で、車輪の上に配置される場合には10度の傾斜で安定を保つことが求められる。この技術は、それらのような安全規則を満たすのに有用であるが、この目的に限定されない。
【0060】
残留傾倒トルクが残留傾倒トルク閾値と比較される、または総荷重の重心が少なくとも1つの仮想線を通過するかどうかがチェックされる上記の2つの実施形態は、傾倒安全信号を発生するために、互いから独立して使用され得る。さらに、2つの方法は相互に組み合わされ得る。
【0061】
一実施形態では、セーフティユニットは、規定の荷重及び/または規定の荷重の重心に基づいて過荷重保護信号を発生させる過荷重保護ユニットを有することができる。規定の荷重は、測定荷重、能動荷重、及び総荷重の群からの荷重である。過荷重保護信号は、手術台及び/または手術台の少なくとも1つのコンポーネントに過荷重のリスクがあるかどうかを指示する。
【0062】
過荷重保護信号は、セーフティユニットの安全信号である。
【0063】
過荷重保護ユニットは、手術台に作用する過度の荷重による、手術台のコンポーネントの曲げまたはさらには破損などの損傷を防止する。これにより、患者へのあらゆる危険が防止される。
【0064】
過荷重リスクが決定される手術台の少なくとも1つのコンポーネントは、例えば、患者支持面の副支持面セクション、または手術台の別の付属品、または手術台の別のコンポーネント、例えば、ローラもしくは手術台カラムであってもよい。
【0065】
過荷重のリスクがある場合、例えば、音響及び/または視覚的警告をユーザに発することができ、及び/または手術台に過荷重をかけることを防止するための手段を取ることができる。例えば、手術台の運動を遮断することができる、または手術台の速度を低下させることができる。
【0066】
一実施形態では、過荷重保護ユニットは、規定された荷重を少なくとも1つの特定された過荷重閾値と比較することができる。規定された荷重が少なくとも1つの過荷重閾値を上回る場合、過荷重保護ユニットによって過荷重保護信号が発生することで、過荷重のリスクを指示する。少なくとも1つの過荷重閾値は、手術台及び/または少なくとも1つのコンポーネントに固有であってもよい。その結果、手術台のコンポーネントごとに個別の過荷重閾値を使用することができる。これにより、安定性が異なるコンポーネントの過荷重リスクを決定することが可能になる。
【0067】
一実施形態では、手術台は、患者支持面を有することができる。患者支持面を使用して、例えば外科手技中に、患者を支持する。患者支持面は、モジュラ設計のものであることができ、様々な副支持面セクション上に結合することによって拡張されることができる主支持面セクションを有することができる。この目的のために、主支持面セクション及び副支持面セクションは機械的接続素子を有することができ、これら機械的接続素子によって、主支持面セクション及び副支持面セクションを取り外し可能に接続することができる。副支持面セクションは、例えば、脚部セクションまたは頭部セクションであり得る。さらに、副支持面セクションはまた、拡張セクションまたは中間セクションでもあることができ、これらは、例えば、主支持面セクションと頭部セクションとの間に挿入される。
【0068】
一実施形態では、手術台は、主支持面セクション及び少なくとも1つの副支持面セクションを備えた患者支持面を有することができる。少なくとも1つの副支持面セクションは、主支持面セクションに取り外し可能に接続されることができる。本実施形態では、少なくとも1つの副支持面セクションは、少なくとも1つのコンポーネントである。この設計により、1つ以上の副支持面セクションに対する過荷重のリスクを決定することが可能になる。さらに、いくつかの副支持面セクションについて個々の過荷重リスクを特定することができ、過荷重が起こりそうな場合には適切な手段を取ることができる。
【0069】
副支持面セクションは、個々の荷重制限を有することができる。複数の相互接続された副支持面セクションで構成される配置の場合、個々の副支持面セクションの荷重制限とは異なる荷重制限が存在する場合がある。特に、相互接続された副支持面セクションで構成される配置の荷重制限は、個々の副支持面セクションの荷重制限よりも小さくなり得る。この状況は、一実施形態で考慮される。この目的のために、副支持面セクションを互いに、そして主支持面セクションに接続する配置の過荷重閾値を特定することができる。過荷重保護ユニットは、規定された荷重を、副支持面セクションの配置に特定された過荷重閾値と比較し、規定された荷重が過荷重閾値を上回る場合に過荷重のリスクを指示するような過荷重保護信号を発生させることができる。
【0070】
個々の支持面セクションと副支持面セクションの配置との起こり得る過荷重のリスクに加えて、患者支持面の特定のセクションまたは領域の過荷重のリスクも決定することができる。これらの領域は、例えば、副支持面セクションの外側境界に沿って延在することができる。この場合、領域は特定の数の副支持面セクションを含む。しかしながら、領域境界が副支持面セクションの外側境界に沿って延在しないことも考えられる。この場合、副支持面セクションの一部分は、1つの領域に属し得、副支持面セクションの残りの部分は、隣接する領域に属する。一実施形態では、したがって、患者支持面の少なくとも一部分を、仮想または概念的に複数の領域に分割することができ、領域ごとに過荷重閾値を特定することができる。過荷重保護ユニットは、規定された荷重の重心がどの領域に位置しているかをチェックし、規定された荷重を、この領域に特定された過荷重閾値と比較する。規定された荷重がこの領域に特定された過荷重閾値を上回る場合、過荷重保護ユニットによって過荷重保護信号を発生することができ、過荷重のリスクを指示する。
【0071】
さらに、患者支持面の少なくとも一部分に沿って延在するグラフまたは曲線を特定することができる。グラフまたは曲線は、患者支持面の少なくとも一部分の各点でのそれぞれの過荷重閾値を特定する。グラフまたは曲線は、例えば、直線であり得る。特に、直線は、患者支持面の遠位端部の方に下向きに傾斜することができるため、患者支持面の端部に向かって過荷重閾値が小さくなる。過荷重保護ユニットは、規定された荷重の重心が患者支持面上に位置している点をチェックすることができる。「規定された荷重の重心が患者支持面上に位置している点」という表現は、規定された荷重の重心が患者支持面内にあることを必ずしも意味しない。また重心は、患者支持面の外側に位置付けることもできる。この場合、患者支持面上の対応する点は、例えば患者支持面上への重心の垂直投影によって、決定され得る。過荷重保護ユニットは、規定された荷重を、決定された位置に特定された過荷重閾値と比較し、この位置に特定された過荷重閾値を規定された荷重が上回る場合、過荷重のリスクを指示するような過荷重保護信号を発生させる。
【0072】
一実施形態では、手術台は少なくとも1つのドライブを有することができる。過荷重保護ユニットは、測定された荷重及び/または測定された荷重の重心に基づいて、少なくとも1つのドライブに作用する荷重を決定し、決定された荷重を少なくとも1つの特定された過荷重閾値と比較することができる。決定された荷重が少なくとも1つの過荷重閾値を上回る場合、過荷重保護ユニットによって過荷重保護信号を発生することができ、過荷重のリスクを指示する。これにより、ドライブの過荷重を防ぐことができる。
【0073】
ドライブは特に電気ドライブとすることができ、この電気ドライブを使用して、例えば、患者支持面または患者支持面の個々のコンポーネントを調整し、特に、患者支持面を拡張させる、または傾ける。手術台は複数のドライブも含むことができる。ドライブごとに、それぞれのドライブに固有の個々の過荷重閾値を特定することができる。これにより、ドライブの個々の過荷重のリスクを特定することが可能になる。
【0074】
本開示の第二態様によれば、手術台を操作するための方法が提供される。手術台の荷重センサ配置は、複数の荷重センサを含み、荷重センサ配置に作用する荷重を決定することができる少なくとも1つの変数を測定する。荷重センサ配置は、手術台の少なくとも2つの部分の間に配置される。少なくとも2つの部分は、基本的に互いに対して不動である。
【0075】
第二態様による方法は、第一態様による手術台に関連して本開示に記載されているすべての実施形態を有することができる。
【0076】
本開示の第三態様によれば、手術台は、複数の荷重センサ、荷重決定ユニット、及び傾倒防止ユニットを有する荷重センサ配置を含む。
【0077】
複数の荷重センサを有する荷重センサ配置を使用して、少なくとも1つの変数を測定し、その変数から荷重センサ配置に作用する荷重を決定することができる。荷重決定ユニットは、荷重センサユニットに結合され、測定された少なくとも1つの変数に基づいて、総荷重及び/または総荷重の重心を決定する。総荷重は、荷重センサ配置に作用する荷重と、手術台に関連し、荷重センサ配置より下に位置しているコンポーネントによって発生する荷重とから得られる。傾倒防止ユニットは、総荷重及び/または総荷重の重心に基づいて、手術台が転倒するリスクが存在するかどうかを指示する、傾倒防止信号を発生させる。
【0078】
第三態様による手術台及びそのコンポーネントは、第一態様による手術台及びそのコンポーネントに関連して本開示に記載されているすべての実施形態を有することができる。
【0079】
手術台が転倒リスクを指示するような傾倒防止安全信号を傾倒防止ユニットが発生させる場合、一実施形態では、手術台は、音響及び/または光学警告信号及び/またはテキスト形式の警告信号を発生させることができ、及び/または手術台の運動を減速させる、または停止させることができ、及び/または手術台の少なくとも1つの機能を遮断することができる。
【0080】
一実施形態では、傾倒防止ユニットは、総荷重及び/または総荷重の重心に基づいて、少なくとも1つの傾倒点についての残留傾倒トルクを決定し、この残留傾倒トルクを、特定された残留傾倒トルク閾値と比較することができる。残留傾倒トルクが残留傾倒トルク閾値を下回る場合、傾倒安全信号が発生することで、転倒のリスクを指示する。
【0081】
一実施形態では、傾倒防止ユニットが少なくとも1つの傾倒点から総荷重の重心の距離を総荷重で乗算することから、傾倒防止ユニットは少なくとも1つの傾倒点での残留傾倒トルクを決定することができる。
【0082】
一実施形態では、傾倒防止ユニットは、複数の傾倒点について、特に、すべての可能な傾倒点について、それぞれの残留傾倒トルクを決定し、残留傾倒トルクのそれぞれを、特定された残留傾倒トルク閾値と比較することができる。残留傾倒トルクのうちの少なくとも1つが残留傾倒トルク閾値を下回る場合、傾倒防止ユニットは、転倒のリスクを指示するように傾倒安全信号を発生させることができる。
【0083】
一実施形態では、少なくとも1つの仮想線は、特定されることができ、少なくとも1つの傾倒点を通過し、特定された角度、いわゆる安定角度を特定された法線ベクトルで囲む。傾倒防止ユニットは、総荷重の重心が少なくとも1つの仮想線を通過する場合に転倒リスクを指示するように傾倒安全信号を発生させることができる。
【0084】
一実施形態では、複数の仮想線は、特定されることができ、それぞれが傾倒点を通過し、それぞれが特定された角度、いわゆる安定角度を、特定された法線ベクトルで囲む。複数の仮想線は空間を画定することができる。傾倒防止ユニットは、総荷重の重心が複数の仮想線によって画定された空間を離れる場合に転倒リスクを指示するように傾倒安全信号を発生させる。
【0085】
一実施形態では、傾倒点を通る仮想線が特定された法線ベクトルで囲む特定された安定角度は、傾倒点の性質に依存することができる。
【0086】
一実施形態では、傾倒点がローラによって与えられる場合、安定角度はより大きくなることができる。傾倒点がローラを有しない場合、安定角度はより小さくなることができる。
【0087】
本開示の第四態様によれば、手術台を操作するための方法が提供される。複数の荷重センサを含む手術台の荷重センサ配置は、荷重センサ配置に作用する荷重を決定することができる少なくとも1つの変数を測定する。測定された少なくとも1つの変数に基づいて、荷重センサ配置に作用する荷重から、そして手術台に関連し、荷重センサ配置より下に位置しているコンポーネントによって発生する荷重から得られる、総荷重、及び/または総荷重の重心を決定する。さらに、傾倒防止信号は、総荷重及び/または総荷重の重心に基づいて発生し、手術台が転倒するリスクが存在するかどうかを指示する。
【0088】
第四態様による方法は、第一態様による手術台及び第三態様による手術台に関連して本開示に記載されているすべての実施形態を有することができる。
【0089】
本開示の第五態様によれば、手術台は、複数の荷重センサ、荷重決定ユニット、及び過荷重防止ユニットを有する荷重センサ配置を含む。
【0090】
複数の荷重センサを有する荷重センサ配置を使用して、少なくとも1つの変数を測定し、その変数から荷重センサ配置に作用する荷重を決定することができる。荷重決定ユニットは、荷重センサユニットに結合され、上記で規定された測定荷重、能動荷重または総荷重、及び/または規定された荷重の重心であることができる少なくとも1つの規定された荷重を、測定された少なくとも1つの変数に基づいて決定する。過荷重保護ユニットは、規定された荷重及び/または規定された荷重の重心に基づいて過荷重保護信号を発生させ、この過荷重保護信号は、手術台及び/または手術台の少なくとも1つのコンポーネントに過荷重のリスクがあるかどうかを指示する。
【0091】
第五態様による手術台及びそのコンポーネントは、第一態様による手術台及びそのコンポーネントに関連して本開示に記載されているすべての実施形態を有することができる。
【0092】
手術台及び/または手術台の少なくとも1つのコンポーネントの過荷重のリスクを指示するような過荷重保護信号を過荷重保護ユニットが発生させる場合、一実施形態では、音響及び/または光学警告信号及び/またはテキスト形式の警告信号を発生させることができ、及び/または手術台の運動を減速させる、または停止させることができ、及び/または手術台の少なくとも1つの機能を遮断することができる。
【0093】
一実施形態では、過荷重保護ユニットは、規定された荷重を少なくとも1つの特定された過荷重閾値と比較し、規定された荷重が少なくとも1つの過荷重閾値を上回る場合に過荷重のリスクを指示するような過荷重保護信号を発生させることができる。少なくとも1つの過荷重閾値は、手術台及び/または少なくとも1つのコンポーネントに固有であってもよい。
【0094】
一実施形態では、手術台は、主支持面セクション、及び主支持面セクションに取り外し可能に接続される少なくとも1つの副支持面セクションを有する患者支持面を含むことができ、少なくとも1つのコンポーネントは、少なくとも1つの副支持面セクションである。
【0095】
一実施形態では、患者支持面は、複数の副支持面セクションを有することができ、過荷重閾値は、副支持面セクションが互いに、そして主支持面セクションに接続される配置に特定される。過荷重保護ユニットは、規定された荷重を、副支持面セクションの配置に特定された過荷重閾値と比較し、規定された荷重が過荷重閾値を上回る場合に過荷重のリスクを指示するような過荷重保護信号を発生させることができる。
【0096】
一実施形態では、患者支持面の少なくとも一部分を、仮想で複数の領域に分割することができ、領域ごとに過荷重閾値を特定することができる。過荷重保護ユニットは、規定された荷重の重心がどの領域に位置しているかをチェックし、規定された荷重を、この領域に特定された過荷重閾値と比較することができる。過荷重保護ユニットは、この領域に特定された過荷重閾値を規定された荷重が上回る場合に過荷重のリスクを指示するように、過荷重保護信号を発生させることができる。
【0097】
一実施形態では、それぞれの過荷重閾値は、患者支持面の少なくとも一部分の点ごとに特定されることができる。過荷重保護ユニットは、規定された荷重の重心が患者支持面上に位置している点をチェックし、規定された荷重を、この点に特定された過荷重閾値と比較することができる。過荷重保護ユニットは、この点に特定された過荷重閾値を規定された荷重が上回る場合に過荷重のリスクを指示するように、過荷重保護信号を発生させることができる。
【0098】
一実施形態では、手術台は少なくとも1つのドライブを有することができる。過荷重保護ユニットは、測定された荷重及び/または測定された荷重の重心に基づいて、少なくとも1つのドライブに作用する荷重を決定し、決定された荷重を少なくとも1つの特定された過荷重閾値と比較することができる。過荷重保護信号は、決定された荷重が少なくとも1つの過荷重閾値を上回る場合、過荷重のリスクを指示するように発生することができる。
【0099】
本開示の第六態様によれば、手術台を操作するための方法が提供される。複数の荷重センサを含む手術台の荷重センサ配置は、荷重センサ配置に作用する荷重を決定することができる少なくとも1つの変数を測定する。測定された少なくとも1つの変数に基づいて、測定された荷重、上記で規定された能動荷重または総荷重であり得る少なくとも1つの規定された荷重、及び/または規定された荷重の重心を決定する。過荷重保護信号は、規定された荷重及び/または規定された荷重の重心に基づいて発生し、手術台及び/または手術台の少なくとも1つのコンポーネントに過荷重のリスクがあるかどうかを指示する。
【0100】
第六態様による方法は、第一態様による手術台及び第五態様による手術台に関連して本開示に記載されているすべての実施形態を有することができる。
【0101】
本開示の第七態様によれば、患者支持面は、主支持面セクション、及び主支持面セクションに取り外し可能に接続されることができる1つ以上の副支持面セクションを含む。中間支持面セクションとも呼ばれることができる、主支持面セクションは、患者支持面を手術台カラムに結合するためのインタフェースを有する。
【0102】
患者支持面は、副支持面セクションのうちの少なくとも1つが主支持面セクションに接続される場合、少なくとも一部の情報、すなわち、1つ以上の一部の情報が少なくとも1つの副支持面セクションと主支持面セクションとの間のインタフェースを介して送信されるように設計される。
【0103】
少なくとも1つの副支持面セクションが主支持面セクションとのインタフェースを有するため、少なくとも1つの副支持面セクションは主支持面セクションに直接接続される。1つ以上の他の副支持面セクションは、少なくとも1つの副支持面セクションに結合されることができるため、主支持面セクションに間接的に接続されることができる。
【0104】
少なくとも一部の情報は、主支持面セクションに直接接続される少なくとも1つの副支持面セクション、及び/または主支持面セクションに間接的に接続される1つ以上の他の副支持面セクションに関連する。少なくとも一部の情報は、それが参照するそれぞれの副支持面セクションをより詳細に説明すること、または特徴付けすることができる。例えば、少なくとも一部の情報はそれぞれの副支持面セクションの性質またはタイプを指示することができ、すなわち、少なくとも一部の情報は、例えば、それが頭部セクション、脚部セクション、または中間セクションであるかどうかを指示することができる。さらに、それぞれの副支持面セクションの機能に関する一部の情報、例えば、調整及び拡張オプション、及び/または特に完全引き込み状態及び/または完全拡張状態での、副支持面セクションの寸法は、少なくとも一部の情報に含まれることができる。
【0105】
少なくとも一部の情報は、主支持面セクションの方向に送信される。複数の副支持面セクション、例えば、1つ以上の中間セクション及び脚部または頭部セクションを縦に並べて配置する場合、一部の情報は、外側の副支持面セクションから、さらに内側の副支持面セクションに、そして最後に、主支持面セクションに直接接続された副支持面セクションから主支持面セクションに連続して送信されることができる。したがって、主支持面セクションは、それに直接または間接的に接続されるすべての副支持面セクションからそれぞれの一部の情報を受信することができる。主支持面セクションまたは主支持面セクションに統合されたユニットは、これら一部の情報を使用して、例えば、どの副支持面セクションを主支持面セクションに接続するかを決定することができる。さらに、例えば、副支持面セクションを主支持面セクションに接続する順序または配置を決定することができる。いくつかの実施形態では、主支持面セクションに直接接続されない第一副支持面セクションに関する一部の情報は、主支持面セクションに直接接続される少なくとも1つの第二副支持面セクションを介して主支持面セクションに送信される。
【0106】
少なくとも一部の情報は、好ましくは、中間セクションであり得る少なくとも1つの副支持面セクションと、主支持面セクションとの間のインタフェースを介して電気信号によって送信される。電気信号は、電流信号及び/または電圧信号であることができる。電気信号は、インタフェースを介して有線方式で、特にワイヤを介して送信されることができ、すなわち、少なくとも1つの副支持面セクションから、それに直接隣接して位置している主支持面セクションに送信される電気信号は、特に、エアインタフェースを介して送信される無線信号ではない。
【0107】
一実施形態では、副支持面セクションの少なくとも一部分は、可動及び/または拡張可能であることができる。
【0108】
副支持面セクションはそれぞれ、中間セクションか端部セクションかのいずれかとして設計されることができる。中間セクションは、主支持面セクションと別の副支持面セクションとの間、または2つの他の副支持面セクションの間に配置され得る副支持面セクションである。中間セクションは、レベルN-1またはレベルN-2支持セクションとも呼ばれる。中間セクションは、例えば、患者の肩を支持するために使用される肩部セクション、または拡張セクションであり得る。
【0109】
端部セクションは、一連の支持セクション内で最後に配置される最終セクションである。したがって端部セクションは、主支持面セクションまたは中間セクションに結合されることができる。また端部セクションは、レベルN支持面セクションとも呼ばれる。端部セクションは、例えば、患者の頭または脚を支持するために使用される頭部セクションまたは脚部セクションであり得る。
【0110】
一実施形態では、主支持面セクションとのインタフェースを有する少なくとも1つの副支持面セクションは、中間セクションであり得る。中間セクションは、第一側部、及び特に第一側部の反対側の第二側部を有することができる。中間セクションは、その第一側部上では主支持面セクションに接続されることができ、その第二側部上では別の中間セクションまたは端部セクションに接続されることができる。第一側部は、主支持面セクションの反対側を向いているように配置され得る。さらなる中間セクション及び/または端部セクションに関する一部の情報は、これら一部の情報がさらなる中間セクションまたは端部セクションから、主支持面セクションに直接接続された中間セクションに送信された後、電気信号によって主支持面セクションに送信されることができる。さらに、主支持面セクションに直接接続された中間セクションに関する一部の情報も、電気信号によって主支持面セクションに供給されることができる。このように、そこに直接または間接的に接続された中間セクション及び端部セクションに関する一部の情報のすべてを、主支持面セクションに供給することができる。
【0111】
一実施形態では、中間セクションは、主支持面セクションに電気結合するための第一側部に電気接点ユニット、及びさらなる中間セクションまたは端部セクションに電気結合するために第二側部にさらなる電気接点ユニットを有することができる。第一側部に取り付けられた電気接点ユニットによって、電気信号は主支持面セクションにガイドされることができ、さらなる電気接点ユニットによって、中間セクションはさらなる中間セクションから、または設けられている場合には端部セクションからも電気信号を受信することができる。主支持面セクションのみが電源を有する場合、中間セクション、特に中間セクションの下流にある副支持面セクションの電源は、電気接点ユニットを介して設けられることができる。
【0112】
電気接点ユニットはそれぞれ、ピン接点またはばね接点ピンなど、1つ以上の接点素子または接点を有することができる。
【0113】
2つの中間セクションが主支持面セクションに直列に接続される場合、第一中間セクションの第一側部に取り付けられた電気接点ユニットは、主支持面セクションに電気結合されることができ、第一中間セクションの第二側部に配置された電気接点ユニットは、第二中間セクションの第一側部に配置された電気接点ユニットに電気結合されることができる。
【0114】
一実施形態では、主支持面セクションは、第一中間セクションの第一側部に取り付けられた中間セクションの電気接点ユニットに電気結合するための電気接点ユニットを有することができる。主支持面セクションと中間セクションとの間のインタフェースは、主支持面セクション及び中間セクションが相互に接続される場合、2つのセクションの電気接点ユニットが相互に接触することで、相互に電気的に接触しているように設計されることができる。
【0115】
各中間セクションは、その第一側部に、主支持面セクションまたは別の中間セクションへの取り外し可能な機械的接続のための第一接続素子、及びその第二側部に、別の中間セクションまたは端部セクションへの取り外し可能な機械的接続のための第二接続素子を有することができる。さらに、中間セクションはまた、別の副支持面セクションを中間セクションに接続することができるように、第三接続素子も有することができる。機械的または構造的な接続素子は、支持面セクション間の強力かつレジリエンスな接続を確立することができる。
【0116】
各端部セクションは、主支持面セクションまたは中間セクションへの取り外し可能な機械的接続のために一方の側部にのみ接続素子を有することができる。
【0117】
一実施形態では、接続素子はオス型またはメス型のプラグ可能なアセンブリとして設計されることができ、支持面セクションに締結されたオス型アセンブリは、別の支持面セクションまたは主支持面セクション上のメス型アセンブリの相補的に受容する開口部にプラグインされることができる。オス型アセンブリは例えば、ピン、スタッド、またはプラグアセンブリであることができ、メス型アセンブリは相補的な実施形態、例えば、ソケットアセンブリ、凹状空間、または空の内部を有することができる。
【0118】
特にオス型アセンブリ内に配置されるロック素子は、解放位置とロック位置との間で移動し、意図しない分離に対して2つの支持面セクションの機械的接続を固定することができる。
【0119】
一実施形態では、正確に2つのオス型アセンブリ及び正確に2つの相補的なメス型アセンブリは、2つの支持面セクションの間の接続のために設けられることができ、2つのオス型アセンブリは一方の支持面セクションに締結され、2つのメス型アセンブリは他方の支持面セクション上に配置される。2つの支持面セクションの間の接続を確立するために異なる数のオス型及びメス型アセンブリも考えられる。
【0120】
無線伝送には、従来の送信器-受信器システムを使用することができ、例えば、RFID技術(高周波識別)を使用することができる。結合は、ショートレンジ内のRFIDリーダーでまたは高周波電波で発生する交流磁場によって確立されることができる。したがって、データを送信することができるだけでなく、RFIDトランスポンダにエネルギーを供給することもできる。いくつかの実施形態では、RFIDトランスポンダ及びリーダーは、約125kHzの周波数、例えば110kHz~170kHzの間の周波数で通信するように構成される。アクティブリーダー/パッシブタグRFIDシステムを使用することができると、パッシブRFIDトランスポンダを含むことが多い旧式のテーブル拡張部との「後方互換性」にとって有利になる。いくつかの実施形態では、RFIDリーダーは、パッシブRFIDタグのためにエネルギーを発生させるだけで、モータまたは追加のRFIDリーダーを動作させるためにエネルギーを供給しない。
【0121】
さらに、第一電気接点ユニットは、オス型アセンブリの遠位端部で水密封止素子内に少なくとも部分的に収容されることができる。水密封止素子には、第二電気接点ユニットとの電気接触を確保するために、上記のようにばね荷重をかけることができる。水密性により、中間セクションを水または他の適切な液体で洗浄することが可能になる。
【0122】
一実施形態では、中間セクションは、その第二側部に、さらなる中間セクションまたは端部セクションから無線伝送を受信するために、第三無線伝送ユニット、特にRFIDリーダーを有することができる。この場合、さらなる中間セクションまたは端部セクションは、第四無線伝送ユニット、特にRFIDトランスポンダを有することができる。患者支持面は、第四無線伝送ユニットによって送信され、第三無線伝送ユニットによって受信された一部の情報を、電気信号によって中間セクションと主支持面セクションとの間のインタフェースを介して中間セクションから主支持面セクションに伝えるように設計されることができる。
【0123】
一実施形態では、端部セクションは電気接点ユニットを有しない。この場合、一部の情報は、第四無線伝送ユニットのみによって、端部セクションから中間セクションに、その後主支持面セクションに送信されることができる。
【0124】
代替に、端部セクションから主支持面セクションに一部の情報を送信することができるように、端部セクションが主支持面セクションまたは中間セクションの電気接点ユニットに電気結合するための電気接点ユニットを有することが提供されることができる。
【0125】
一実施形態では、中間セクションは、その第二側部にメス型アセンブリを有することができ、2つの中間セクションの間の取り外し可能な接続を確立するために、このメス型アセンブリ内にさらなる中間セクションのオス型アセンブリが受容可能である。さらに、端部セクションは、中間セクションの第二側部でメス型アセンブリによって受け入れられることができるオス型アセンブリも有することができる。
【0126】
一実施形態では、中間セクションは、少なくとも一部の情報を主支持面セクションに送信することを可能にする制御ユニットを有することができる。制御ユニットは、例えば、電子アセンブリであることができる。制御ユニットは、主支持面セクションから電源を取得することができる。
【0127】
一実施形態では、副支持面セクションはそれぞれストレージユニットを有することができ、ストレージユニットには、それぞれの副支持面セクションに関する少なくとも一部の情報が格納される。少なくとも一部の情報は、患者支持面の動作中にストレージユニットから読み出され、主支持面セクションに送信されることができる。
【0128】
一実施形態では、主支持面セクションに統合される評価ユニットを設けることができ、この評価ユニットを使用して、電気信号によって主支持面セクションに送信された少なくとも一部の情報を評価する。特に、評価ユニットは、どの副支持面セクションが主支持面セクションに接続されるかを決定することができる。さらに、評価ユニットは、1つ以上の副支持面セクションが配置される順序を決定することができる。例えば、評価ユニットによって決定された結果は、ディスプレイなどの表示ユニット上に表示されることができる。
【0129】
一実施形態では、評価ユニットは、患者支持面内ではなく、患者支持面の外側に配置され得る。患者支持面はインタフェースを有することができ、このインタフェースを介してデータを評価ユニットと交換することができる。患者支持面は、無線または有線方式によって評価ユニットと通信することができる。
【0130】
本開示の第八態様によれば、手術台は、第七態様による手術台カラム及び患者支持面を備える。患者支持面は、この目的のために設けられたそのインタフェースを使用して、手術台カラム上に締結されることができる。
【0131】
本開示の第九態様によれば、主支持面セクションは、患者支持面の1つ以上の副支持面セクションに取り外し可能な接続のために設けられる。主支持面セクションが副支持面セクションに接続される場合、主支持面セクションは、少なくとも一部の情報を受信するように設計される。少なくとも一部の情報は、副支持面セクション及び/または副支持面セクションに接続された1つ以上の他の副支持面セクションに関連し、主支持面セクションと副支持面セクションとの間のインタフェースを介して電気信号によって送信される。
【0132】
本開示の第十態様によれば、副支持面セクションは、主支持面セクション、及び/または患者支持面の1つ以上のさらなる副支持面セクションに取り外し可能な接続のために設けられる。副支持面セクションは、本開示に従って設計されることができ、特に中間セクションであり得る。副支持面セクションが主支持面セクションに接続される場合、副支持面セクションは、副支持面セクション及び/または副支持面セクションに接続された1つ以上の他の副支持面セクションに関する少なくとも一部の情報を、副支持面セクションと主支持面セクションとの間のインタフェースを介して電気信号によって送信する。
【0133】
本開示の第十一態様によれば、患者支持面を操作するための方法が明記される。患者支持面は、手術台カラムに締結され、主支持面セクション、及び主支持面セクションに取り外し可能に接続される少なくとも1つの副支持面セクションを備える。この方法によれば、少なくとも1つの副支持面セクション及び/または少なくとも1つの副支持面セクションに接続された1つ以上の他の副支持面セクションに関する少なくとも一部の情報は、少なくとも1つの副支持面セクションと主支持面セクションとの間のインタフェースを介して電気信号によって送信される。
【0134】
第八態様による手術台、第九態様による主支持面セクション、第十態様による副支持面セクション、及び第十一態様による方法は、第七態様による患者支持面に関連して本開示に記載されているすべての実施形態を有することができる。
【0135】
本開示の第十二態様は、手術台の操作に対する制約の高度な決定及び表示システムに関する。システムは患者支持面を含み、患者支持面は、特に、手術台の手術台カラム上に固定して、すなわち、永続的に、または取り外し可能に締結されることができる。さらに、システムは、手術台の動作に対する制約に関する一部の情報を表示することができる表示ユニットを有する。さらに、患者支持面の少なくとも識別及び/または構成に基づいて手術台の動作に対する制約を決定する評価ユニットが設けられる。表示ユニットは、評価ユニットによって決定された制約を表示する。制約は、患者が患者支持面上に配置される前に、表示ユニットに表示される。支持面領域の識別は、患者支持面の異なるサブ領域を指すことができ、サブ領域は相互に取り外し可能に、または固定して接続されることができる。例えば、患者支持面は、頭部、脚部、アーム、及び中間の領域だけでなく、他の適切なサブ領域を含むことができる。識別によって、患者支持面がどのサブ領域を含むかがわかる。構成は、例えば、個々のサブ領域が配置される構成または順序または位置を特定することができる。
【0136】
一実施形態では、患者支持面は、主支持面セクション、及び1つ以上の副支持面セクションを含む。主支持面セクションには、手術台カラムに結合するためのインタフェースが設けられる。主支持面セクションは、インタフェースを介して手術台カラムに固定して、または永続的に、または取り外し可能に結合されることができる。1つ以上の副支持面セクションは、主支持面セクションに取り外し可能に接続されることができる。副支持面セクションのうちの少なくとも1つが主支持面セクションに接続される場合、信号は、少なくとも1つの副支持面セクションから主支持面セクションに送信される。信号は、例えば、電気、無線、RFID、もしくは光信号、または他のタイプの信号であることができる。これらは、例えば、上記のような電気及び/または無線信号配置であり得る。主支持面セクションに送信された信号に基づいて、評価ユニットは、どの副支持面セクション、すなわちどのサブ領域が主支持面セクションに接続されるか、特に、副支持面セクションがどの順序または構成または位置に配置されるかを決定する。評価ユニットは、その知見、すなわち、どの副支持面セクションが主支持面セクションに接続されるか、及び任意選択で、どの順序または構成または位置であるかというナレッジを使用して、手術台の動作における制約または制限に関する一部の情報を生成する。
【0137】
制約は、例えば、患者支持面の可動性、特に、副支持面セクションの適合性及び拡張性に関連することができる。それらは、そのうえまたは代わりに、患者支持面の、縦方向変位性、すなわち、長手方向変位性に関する制限、及び/または患者支持面のトレンデレンブルグ傾斜の程度に関する制限であり得る。どの副支持面セクションが主支持面セクションに接続されるかに応じて、副支持面セクションの適合性及び拡張性に関して他の制約が発生する場合がある。患者支持面の可動性に関する制約は、患者支持面全体の運動及び/または副支持面セクションの個別の運動に関連し得る。
【0138】
いくつかの実施形態では、1つ以上の手術台カラムと互換性があり、それに応じてこれらの手術台カラム上に締結されることができる、異なる患者支持面または患者支持面のタイプを設けることができる。異なる患者支持面または患者支持面のタイプのそれぞれには個々の制約を適用させることができ、これは、異なる制約を異なる患者支持面に適用することを意味する。
【0139】
いくつかの実施形態では、制約は、患者が患者支持面上に置かれることが許容されるために有することができる最大重量に関連する。それより重量の重い患者は、選択された構成で患者支持面上に置かれてはならない。
【0140】
評価ユニットによって生成され、表示ユニット上に表示される一部の情報は、患者支持面のオペレータに、動作中に患者支持面が受ける制約について通知する。これにより、オペレータは、患者支持面の操作説明書を学習するという時間のかかるタスクを節約する。
【0141】
さらに、評価ユニットはまた、どの副支持面セクションが主支持面セクションに接続されるかというナレッジに基づいて、患者支持面の制約を生成する、及び/または監視するように設計されることもできる。この場合、評価ユニットは、患者支持面が副支持面セクションのどの構成でどの制約を受けるかに関する一部の情報を有する。患者支持面の動作中、評価ユニットは、制約が観察されるように、例えば、特定の支持面セクションが対応する構成に許可される以上に拡張しないように、患者支持面の個々のコンポーネントを制御することができる。
【0142】
制約は、患者の重量にも依存し得る。例えば、評価ユニットによって生成される一部の情報は、患者の重量に応じて制約を特定することができる。特に、制約は、複数の異なる重量範囲、例えば、155kg未満の患者重量、155kg~250kgの間の患者重量、250kg~380kgの間の患者重量、及び380kg超の患者重量に特定されることができる。いくつかの実施形態では、特定されたテーブル構成に対する制約は、テーブルまたは評価ユニットが患者の重量を知ることなく、または知る必要がなく、及び/または患者が患者支持面上に位置決めされる前に、様々な異なる重量範囲に対して特定されても、または表示されてもよい。いくつかの実施形態では、テーブルの運動制約は、テーブルによって認識される支持面のサブセクションまたは副支持面セクションのタイプ及び配置に応じて、テーブルによって自動的に選択される、及び/または調整される。いくつかの実施形態では、重量範囲は、テーブルによって認識される支持面のサブセクションまたは副支持面セクションのタイプ及び配置に応じて、テーブルによって自動的に選択される、及び/または調整される。
【0143】
別の実施形態では、患者の重量は、手技の前にテーブルシステムに通信される。例えば、所期の患者に関する一部の重量情報(実際の重量、推定重量、及び/または重量範囲または複数の重量など)をユーザが入力すること、または一部の患者情報を有する外部デジタルシステムが提供することができる。次いで単一セットの制約は、副支持面セクションのタイプ及びレイアウト、ならびに所期の患者の重量仕様に基づいて決定され、表示されることができる。制約は、患者が実際にテーブルの上にいる前に、確認され、表示されることができる。
【0144】
一実施形態では、手術台の動作における制約は、以下の制約のうちの1つ以上を含むことができる。
-副支持面セクションの使用に対する制約であって、例えば、特定の副支持面セクションは患者重量が原因で使用されることができない、制約、
-副支持面セクションの構成に対する制約であって、例えば、特定の副支持面セクションは互いに組み合わされ得ず、例えば、縦に並べて配置される3つの中間セクションは、許可され得ない、制約、
-副支持面セクションの運動が可能になる軸の選択に対する制約であって、例えば、特定の軸を中心とした副支持面セクションの運動は実行されることができない、制約、
-副支持面セクションが軸を中心に可動である範囲または経路または距離に対する制約、
-副支持面セクションが軸を中心に可動である速度に対する制約、
-患者支持面上に置かれることが許容される患者の最大重量に対する制約、
-患者支持面の長手方向変位に対する制約、
-患者支持面のトレンデレンブルグチルトまたは傾斜に対する制約、
-患者支持面の短手方向傾斜またはチルトに対する制約、
-患者支持面の高さ調整に対する制約、
-手術台のローラを拡張させることに対する制約、
-手術台の電動搬送に対する制約、及び/または
-患者支持面の短手方向変位に対する制約。
【0145】
第十二態様によるシステムは、第七態様による患者支持面に関連して本開示に記載されているすべての構成を有することができる。特に、少なくとも1つの副支持面セクションから主支持面セクションに送信される信号は電気信号であることができ、この電気信号によって、少なくとも1つの副支持面セクション及び/または少なくとも1つの副支持面セクションに接続された1つ以上の他の副支持面セクションに関する少なくとも一部の情報は、少なくとも1つの副支持面セクションと主支持面セクションとの間のインタフェースを介して送信される。
【0146】
一実施形態では、少なくとも1つの副支持面セクションは中間セクションであり、この中間セクションは、第一側部で主支持面セクションに接続され、第二側部でさらなる中間セクションまたは端部セクションに接続される。さらなる中間セクションまたは端部セクションに関する少なくとも一部の情報は、その第一側部で主支持面セクションに直接接続された中間セクションを介して主支持面セクションに電気信号によって送信されることができる。
【0147】
システムは、中間セクションから送信される、別の中間セクションまたは端部セクションに関する一部の情報を使用して、別の中間セクションまたは端部セクションを識別することができる。
【0148】
一実施形態では、1つ以上の中間セクションはそれぞれ、一部の情報を主支持面セクションに送信することを可能にする制御ユニットを有することができる。制御ユニットは、例えば、電子アセンブリであることができる。制御ユニットは、主支持面セクションから電源を取得することができる。
【0149】
一実施形態では、副支持面セクションはそれぞれストレージユニットを有することができ、ストレージユニットには、それぞれの副支持面セクションに関する少なくとも一部の情報が格納される。少なくとも一部の情報は、システムの動作中にストレージユニットから読み出され、主支持面セクションに送信されることができる。
【0150】
一実施形態では、手術台の動作に対する制約に関する一部の情報は、表示ユニットによってテキスト形式及び/またはグラフィックで表示される。これにより、手術台のオペレータは、制約を容易に理解することが可能になる。
【0151】
表示ユニットは、ディスプレイの形態で、システムのコンポーネント、例えば手術台のリモコンに統合されることができる。またリモコンは、患者支持面または患者支持面を有するテーブル配置に関する他の一部の情報も表示することができる。またリモコンは、患者支持面または患者支持面を有するテーブル配置を制御するための入力及びコマンドをオペレータから受信することができる。表示ユニットは、手術室用の多目的モニタまたは表示画面でもあり得る。表示ユニットは、例えば、天井吊りアームに、または手術室もしくは別の医療室の壁に取り付けられたモニタまたは表示画面であり得る。同じモニタまたは表示画面を使用して、統合手術室に関する他の一部の情報(例えば、ビデオ、患者のバイタルサイン、及び/または照明、テーブル、及び他の医療機器に関する情報)も表示することができる。表示ユニットを患者支持面に統合することも考えられる。
【0152】
一実施形態では、システムは入力ユニットを含み、入力ユニットに、オペレータは、手術台上で支持されている、または支持される患者の重量を入力することができる。入力ユニットは、例えば、患者支持面上に、患者支持面を支持するテーブルカラム上に、任意選択で制約も表示する(上述の)リモコン上に、または(上述の)多目的手術室モニタもしくは表示画面と組み合わせて設けられることができる。追加または代替に、システムは、システムの外部から一部の電子的な患者重量情報を受信するためのインタフェースを有することができる。
【0153】
一実施形態では、荷重決定ユニットは、システムに統合されることができ、患者支持面に作用する荷重、特に患者支持面上で支持される患者の重量を決定する。荷重決定ユニットは、テーブルカラム、及び/または患者支持面、及び/または手術台の他のコンポーネントに完全または部分的に統合されることができる。例えば、本出願で説明された荷重決定ユニットまたは他の荷重決定ユニットを荷重決定ユニットとして使用することができる。
【0154】
一実施形態では、患者支持面の識別及び/または構成に関する一部の情報に加えて、評価ユニットは、入力ユニットに入力された及び/またはインタフェース介して受信した患者の重量、及び/または荷重決定ユニットによって決定された荷重も使用して、手術台の動作に対する制約に関する情報を生成する。患者の重量または患者支持面に作用する荷重に関する情報を利用して、評価ユニットは、手術台の動作中の制約に関するより具体的な一部の情報をオペレータに提供することができる。追加または代替に、評価ユニットは、患者支持面全体及び/または個々の支持面サブ領域またはセクションの運動を、支持面サブ領域のアイデンティティ及び位置に関する一部の情報と組み合わせた患者の重量及び/または患者支持体に作用する荷重に関する一部の情報に基づいて自動的に制限することができる。
【0155】
一実施形態では、主支持面セクションは、光を発生させるために使用される少なくとも1つの光源、及び少なくとも1つの検出素子を含むことができ、この検出素子を使用して光を検出することができる。
【0156】
1つ以上の副支持面セクションはそれぞれ、1つ以上のライトガイド及び1つのマーキング素子を含むことができる。マーキング素子は、それぞれの副支持面セクションに特有の方法で、マーキング素子に入射する光を変化させる。副支持面セクションの少なくとも一部分、すなわち、利用可能な副支持面セクションのうちの1つ以上が主支持面セクションに接続される場合、少なくとも1つの光源によって発生した光は、ライトガイドによって副支持面セクション内で、主支持面セクションに接続された副支持面セクションのマーキング素子に、そしてマーキング素子から少なくとも1つの検出素子にガイドされる。
【0157】
これらの信号は、少なくとも1つの副支持面セクションから主支持面セクションに送信され、そして信号に基づいて、どの副支持面セクションが主支持面セクションに接続されるかを評価ユニットが決定するが、少なくとも1つの光源によって発生した光を含み、この光は、ライトガイドによって、主支持面セクションに接続された副支持面セクションのマーキング素子に、そしてマーキング素子から少なくとも1つの検出素子にガイドされる。
【0158】
マーキング素子がそれぞれの副支持面セクションに特有の方法で光を変化させるため、評価ユニットは、マーキング素子によって少なくとも1つの検出素子に返され、少なくとも1つの検出素子によって検出される光から、どの副支持面セクションが、特に副支持面セクションがどの順序または構成で主支持面セクションに接続されるかを推定することができる。
【0159】
主支持面セクションに接続された副支持面セクションを検出するために、電子アセンブリを副支持面セクションに統合する必要はない。
【0160】
マーキング素子を使用して、主支持面セクションに接続された副支持面セクションを検出することができる。これを行うために、マーキング素子は、それぞれの副支持面セクションに特有の方法で、マーキング素子に入射する光を変化させる。一実施形態では、マーキング素子は、入射光のスペクトル光特性を変化させることができる。例えば、マーキング素子は、特定の波長領域内の光のみが通過することを可能にする。特定のマーキング素子によって送信される波長領域は、それぞれの副支持面セクションに固有である。一実施形態では、少なくとも1つの光源は白色光を発生させることができ、マーキング素子は、特定色または特定波長領域の光のみが通過することを可能にする光学フィルタであり得る。例えば、マーキング素子はそれぞれ赤色、緑色、または青色の光が通過することを可能にする。少なくとも1つの検出素子によって検出された波長領域に基づいて、どの副支持面セクションが主支持面セクションに接続されるかを決定することができる。
【0161】
波長の代わりに、マーキング素子はまた、他の基準に従って、例えば偏光状態に従って、入射光を選択することもできる。一実施形態では、マーキング素子はそれぞれ、特定の偏光状態または特定の偏光方向を有する光だけを通過させることができる。検出された光の偏光状態に基づいて、評価ユニットは、どの副支持面セクションが主支持面セクションに結合されるかを決定することができる。
【0162】
一実施形態では、同じタイプの副支持面セクションは、同じように光を変化させるマーキング素子を有することができる。例えば、脚部セクション及び頭部セクションはそれぞれ、入射光に同じように作用するマーキング素子を含むことができる。これにより、脚部及び頭部セクションを互いに区別することが可能になる。
【0163】
マーキング素子は、少なくとも1つの光源によって発生した光がそれらを通過するように設計されることができる。マーキング素子は、少なくとも1つの光源によって発生した光を反射させるように設計されることができる。
【0164】
マーキング素子は、それぞれの副支持面セクション内でライトガイドの1つに統合されること、またはライトガイドの1つの端部に配置され得る。さらに、マーキング素子は、別の光学コンポーネント、例えばビームスプリッタの中に統合されること、または光学コンポーネントに隣接して配置され得る。
【0165】
一実施形態では、少なくとも1つの光源は、可視、赤外、及び/または紫外領域内の光を発することができる。一実施形態では、少なくとも1つの光源は白色光を発することができる。少なくとも1つの光源は、1つ以上の発光ダイオードとして設計されることができる。
【0166】
一実施形態では、少なくとも1つの検出素子は複数のフォトダイオードを含むことができ、各フォトダイオードは、異なる波長領域の光を検出する。例えば、1つのフォトダイオードは赤色光を検出するように設計されることができ、別のフォトダイオードは緑色光を検出するように設計されることができ、さらに別のフォトダイオードは青色光を検出するように設計されることができる。
【0167】
2020年5月27日にGerman Patent and Trademark Officeに出願されたドイツ特許出願第10 2020 114 190.4号は、どの副支持面セクションが主支持面セクションに接続されるかを光信号を利用して決定することができる患者支持面のさらなる実施形態を記載している。ドイツ特許出願第10 2020 114 190.4号の開示の内容は、その全体が本出願の本開示の内容に本明細書によって援用されている。
【0168】
本開示の第十三態様によれば、手術台システムは、第十二態様による手術台カラムを有する手術台、及びシステムを含む。システムの患者支持面は、手術台カラム上に取り外し可能または永久的に締結される。
【0169】
一実施形態では、手術台システムは、少なくとも1つの変数を測定するための複数の荷重センサを有する荷重センサ配置を含み得る。荷重センサ配置に作用する荷重は、少なくとも1つの変数から決定され得る。荷重センサ配置は、手術台の少なくとも2つの部分の間に配置され得、少なくとも2つの部分は互いに対して基本的に不動である。説明されている実施形態は、第一態様による手術台に関連して本開示に記載されているすべての実施形態を有し得る。
【0170】
本開示の第十四態様によれば、手術台カラム上に締結された患者支持面を有する手術台の動作に対する制約を決定して表示するための方法が明記される。この方法によれば、手術台の動作に対する制約は、患者支持面の少なくとも識別及び/または構成に基づいて決定される。さらに、決定された制約は、患者が患者支持面上に置かれる前に、表示ユニットによって表示される。さらに、制約に関する一部の情報を使用して、患者支持面全体の運動及び/または支持面の個々のサブセクションの運動を自動的に制限することができる。いくつかの実施形態では、テーブルの運動の制約に関する一部の情報は、患者がテーブルの上に横たわる前にディスプレイに表示され、制約は、後に患者がテーブルの上にいる場合、テーブルに自動的に適用され、測定された患者の重量は考慮される。
【0171】
第十三態様による手術台システム及び第十四態様による方法は、第十二態様によるシステムに関連して本開示に記載されているすべての構成を有することができる。
【0172】
本開示はまた、手術台を制御するための回路及び/または電子インストラクションだけでなく、手術台と共に使用するためのリモコン、ディスプレイ、及びユーザインタフェースを含む。
【0173】
本開示の例示的な実施形態は、図面を参照して以下でより詳細に説明される。
【図面の簡単な説明】
【0174】
【
図1】患者が手術台の患者支持面上に位置決めされている手術台の概略側面図を示す。
【
図2】荷重センサ配置、荷重決定ユニット、及びセーフティユニットを有する本開示による手術台のシステムアーキテクチャの概略図を示す。
【
図3】測定された荷重、能動荷重、及び総荷重を示すために、本開示による手術台の概略図を示す。
【
図4】A~Cは、本開示による手術台の様々な実施形態の概略図を示し、手術台は、互いに対して可動でない2つの部分の間に配置された荷重センサ配置を有する。
【
図5】A~Dは、並列及び鏡面対称に配置された力覚センサを有する、本開示による手術台の様々な実施形態の概略図を示す。
【
図6】A及びBは、力覚センサに作用する力を説明するための概略図を示す。
【
図7】A及びBは、力覚センサの対称配置による横方向の力の低減を説明するための概略図を示す。
【
図8】傾斜した患者支持面の重力ベクトルの決定を説明するための概略図を示す。
【
図9】荷重センサ配置、荷重決定ユニット、及び傾倒防止ユニットを有する本開示による手術台の概略図を示す。
【
図10】A及びBは、それぞれ、チルト点を有するロック位置及びロック解除位置での本開示による手術台の概略図を示す。
【
図11】A及びBは、それぞれ、傾倒点の接触面の内側及び外側の総荷重の重心を有する、本開示による手術台の概略図を示す。
【
図12】仮想の5度または10度の線を有する、本開示による手術台の概略図を示す。
【
図13】荷重センサ配置、荷重決定ユニット、及び過荷重防止ユニットを有する本開示による手術台の概略図を示す。
【
図14】拡張セクションの構成を有する、本開示による手術台の概略図を示す。
【
図15A】セクションまたは点で異なる荷重制限を有する本開示による手術台の概略図を示す。
【
図15B】セクションまたは点で異なる荷重制限を有する本開示による手術台の概略図を示す。
【
図16】極端なトレンデレンブルグ体位にある、本開示による手術台の概略図を示す。
【
図17】異なるレベルで副支持面セクションを有する、本開示による手術台の概略側面図を示す。
【
図18】主支持面セクションと中間セクションとの間のデータ伝送のために設計されたインタフェースを有する、本開示による患者支持面の概略図を示す。
【
図19】A~Dは、支持面セクションを接続するためのオス型及びメス型コンポーネントを有する組み立て状態での本開示による患者支持面の概略図を示す。
【
図21】A~Dは、オス型及びメス型アセンブリの概略図を示す。
【
図22】手術台の動作に対する制約に関する情報を生成するための、本開示による方法のフローチャートの表現を示す。
【
図23】A及びBはディスプレイによって表示される例示的なグラフィックスの表現を示す。
【
図24】主支持面セクションと中間セクションとの間のデータ伝送のために設計されたインタフェースを有する、本開示による患者支持面の概略図を示す。
【発明を実施するための形態】
【0175】
以下の説明では、本開示の例示的な実施形態は、図面を参照して説明される。図面は、必ずしも一定の比率ではなく、それぞれの特徴を概略的に示すことのみを意図したものである。
【0176】
以下に説明される特徴及び構成要素がそれぞれ、単一の実施形態に関連して説明されているかどうかにかかわらず、互いに組み合わされることができることに留意されたい。それぞれの実施形態での特徴の組み合わせは、特許請求されるデバイスの基本的な構造及び機能を説明するためのものにすぎない。
【0177】
図中、同一または同様の要素には、必要に応じて同一の参照記号が提供される。
【0178】
図1は、外科手技中に患者12を支持し、患者を搬送するために使用されることができる移動式手術台10を概略的に示す。移動式手術台10は、下から上へ、手術台10を表面上に設置するためのスタンド14、スタンド14を含む垂直方向に配置された手術台カラム16、及び手術台カラム16の上端部に締結された患者支持面18を含む。患者支持面18は、手術台カラム16に固定して接続されること、または代替に、手術台カラム16に取り外し可能に締結されることができる。
【0179】
患者支持面18は、モジュラであり、患者12を支持するために使用される。患者支持面18は、様々な副支持面セクション上に結合することによって要望通りに拡張することができる、手術台カラム16に接続された主支持面セクション20を含む。
図1では、脚部セクション22、肩部セクション24、及び頭部セクション26は、副支持面セクションとして主支持面セクション10に結合される。
【0180】
手術台10の患者支持面18は、適切な高さに調整されることができ、実施される外科手技のタイプに応じて、傾くことも、傾斜することもできる。
【0181】
手術台カラム16は、高さ調整可能であり、手術台10の患者支持面18の高さを調整するための内部機構を有する。この機構は、ハウジング28内に配置され、コンポーネントを汚染から保護する。
【0182】
スタンド14は、異なる長さの2つのセクション30、32を有する。セクション30は、脚部セクション22の足部端部、すなわち、治療される患者12の両足が置かれる患者支持面18の端部に関連している短いセクションである。セクション32は、患者支持面18の頭部セクション26に関連している長いセクションである。
【0183】
さらに、スタンド14は車輪またはローラを有することができ、これらを使用して、手術台10を床上で移動させることができる。代替に、スタンド14は地面の上にアンカー固定されることができる。
【0184】
より良い説明のために、デカルト座標系X-Y-Zが
図1に示される。X軸及びY軸は水平軸であり、Z軸は垂直軸である。X軸は、互いに隣接して配置された支持面セクション22、24、26に沿って延在する。
【0185】
図2は、本開示による手術台100のシステムアーキテクチャを概略的に示す。手術台100は、荷重センサ装置102、荷重決定ユニット104、セーフティユニット106、監視及び較正ユニット108、データストレージ110、及び手術台100の他のコンポーネント112を有する。さらに、セーフティユニット106は、傾倒防止ユニット114及び過荷重保護ユニット116を含む。
【0186】
荷重センサ配置102は、複数の荷重センサを含み、少なくとも1つの変数を測定するように設計され、その変数から荷重センサ配置102に作用する荷重は決定され得る。本発明の場合、荷重センサは力覚センサであり、それぞれは各センサに作用する力を測定する。個々の力覚センサによって測定された力の値は、荷重センサ配置102によってデジタル形式の信号120として出力される。さらに、荷重センサ配置102は、力覚センサを動作させるのに必要とされる電子コンポーネントを含む。
【0187】
荷重決定ユニット104は、測定された力の値を有する信号120を受信し、そこから、所望の荷重及び/または荷重の重心を決定する。詳細には、荷重決定ユニット104は、測定された荷重、能動荷重、及び/または総荷重だけでなく、関連する荷重の重心を決定することができる。
【0188】
供給された力の値を適切に処理して分析することができるために、荷重決定ユニット104は、手術台100及び付属品の幾何学的形状及び質量または重量に関する何らかのデータを必要とする。これらのデータは、データメモリ110に格納され、信号122によって荷重決定ユニット104に利用可能になる。特に、手術台100の個々のコンポーネント及び付属品の質量及び重心に関する一部の情報は、これらのデータから取得されることができる。データメモリ110は、手術台100の接続モジュールを介して拡張可能である。
【0189】
荷重決定ユニット104は、決定された荷重及び荷重の重心に関する一部の情報を含む信号124を出力信号として発生させる。これら一部の情報はセーフティユニット106に送信され、そこで手術台100及び手術台100によって認識された付属品の荷重、重心、及び位置データを含む、利用可能なすべてのデータが分析される。
【0190】
セーフティユニット106は、手術台100が安全であるかどうか、またはそれが危険な状況にあるかどうかを決定する。セーフティユニット106は、手術台100が安全上危機的な状態にあるかどうかを指示する安全信号126を発生させる。
【0191】
認識された状況の深刻度に応じて、アルゴリズムはそれに応じて反応する。例えば、手術台100は、警告を出力しても、または運動を停止してもよい。警告は、手術台100によって音響信号もしくは光信号を介して、またはリモコンを介したテキスト形式で与えられることができる。これらの手段は、運動速度の減速から、運動の停止、いくつかの機能の遮断まで様々であり得、手術台100が再び安全な状態に達するまで継続され得る。
【0192】
ただし、安全特徴を使用者がいつでも非アクティブにすることができ、手術台100の運動が使用者の自己責任で継続されることができることを条件とすることができる。
【0193】
傾倒防止ユニット114及び過荷重保護ユニット116は、セーフティユニット106のサブユニットである。傾倒防止ユニット114は、総荷重及び/または総荷重の重心に基づいて、手術台100が転倒するリスクが存在するかどうかを指示する、傾倒防止信号128を発生させる。過荷重保護ユニット116は、規定された荷重及び/または規定された荷重の重心に基づいて過荷重保護信号130を発生させ、この過荷重保護信号は、手術台100及び/または手術台100の少なくとも1つのコンポーネントに過荷重のリスクがあるかどうかを指示する。代替に、過荷重保護ユニット116は、測定された荷重または総荷重、及び/またはこれらの荷重のうちの1つの重心を使用して、過荷重保護信号130を発生させ得る。傾倒安全信号128及び過荷重保護信号130の両方は、セーフティユニット106の安全信号である。
【0194】
スタンド14が車輪またはローラを有しなく、代わりに床に固定して接続される場合、傾倒防止ユニット114は、セーフティユニット106では非アクティブにされても、または実装されなくてもよい。
【0195】
システムが危機的な状況を確実に認識するように設計されるため、システムは監視及び較正ユニット108も有する。このソフトウェアモジュールは、測定値の尤度をチェックし、システムがマルファンクションを起こしているかどうか、またはシステムの較正もしくは風袋引きが必要であるかどうかを認識する。監視及び較正ユニット108は、対応する出力信号132、134を発生させ、これらの出力信号は、荷重決定ユニット104または手術台100のコンポーネント112に送信される。
【0196】
手術台100のコンポーネント112は、位置データ、個々のコンポーネントを調整するためのデータ、及び手術台100によって認識される付属品に関する一部の情報を連続して生成する。これらのデータは、信号136を使用してシステムに利用可能になる。
【0197】
図3は、荷重センサユニット102によって供給されたデータに基づいて荷重決定ユニット104が決定することができる様々な荷重を概略的に示す。
図3では、測定された荷重、能動荷重、及び総荷重は、それぞれ参照番号140、142、及び144によって識別される。
【0198】
測定された荷重は、荷重センサ配置102に作用する荷重である。測定された荷重は、荷重センサより上の手術台100上のすべての人、物体、及び力によって発生した荷重に相当する。測定された荷重は、荷重センサ配置102によって測定された荷重値に相当する。
【0199】
能動荷重は、手術台100に関連しないコンポーネント、ならびに人及び外力によって発生する荷重に相当し、手術台100に作用する。手術台100に関連するコンポーネントの影響は、能動荷重では考慮されない。手術台100の残りのコンポーネント、すなわち、手術台100に関連しないコンポーネントだけが、能動荷重に寄与する。これらは、例えば、手術台100によって認識されない付属品であることができる。さらに、手術台100上の患者は、能動荷重に寄与する。また能動荷重は、手術台100に作用するすべての外力、例えば、手術台100の外側の人及び/または物体によって手術台100にかかる力を含む。能動荷重は、基本的に、テーブルトップ部分、認識された付属品などの既知の物体の影響なしで測定された荷重である。
【0200】
総荷重は、測定された荷重から、また手術台100に関連し、荷重センサ配置102より下に位置するコンポーネントによって発生する荷重から得られる荷重である。したがって総荷重は、荷重センサ配置102より下に位置し、荷重センサ配置102によって測定されることができないため、測定された荷重に寄与しないコンポーネントからの荷重を考慮する。したがって総荷重は、手術台100全体、患者、手術台100に関連するコンポーネント、手術台100に関連しないコンポーネント、及び他の外力から発生する荷重である。
【0201】
図4A~
図4Cは、様々な実施形態では、本開示による手術台200を概略的に示す。手術台200は、多くの点で、
図2に概略的に示される手術台100に類似している。手術台100の素子と同一または同様である手術台200の素子には、同一の参照番号が付けられている。
【0202】
手術台200は、本出願の第一態様による手術台であり、第二態様による方法を用いて操作されることができる。
【0203】
手術台200では、複数の荷重センサを有する荷重センサ配置102は、手術台200の少なくとも2つの部分の間に配置される。少なくとも2つの部分は、基本的に互いに対して不動である。手術台200、特に患者支持面18が術中に動かされる、または調整される場合、例えば患者支持面18が傾く及び/または拡張すると、少なくとも2つの部分は、基本的に相互に対して動かない、すなわち、基本的に相互に対して同じ位置に留まる。これは、少なくとも2つの部分の相互からの距離と、少なくとも2つの部分が相互に囲む角度(複数可)との両方に適用される。
【0204】
荷重センサ配置102は、好ましくは、荷重センサより上の総荷重が荷重センサ配置102を介して流れる、または伝達されるように、手術台200に統合される。
【0205】
荷重センサ配置102は、手術台200内の異なる位置に配置され得る。
図4Aに示される実施形態では、荷重センサ配置102はスタンド14と手術台カラム16との間に配置され、
図4Bの荷重センサ配置102は手術台カラム16に統合される。
図4Cでは、荷重センサ配置102は、患者支持面18と手術台カラム16との間のインタフェースに隣接して位置している。
【0206】
図5Aは、患者支持面18と手術台カラム16との間に配置された荷重センサ配置102を有する手術台200を示す。荷重センサ配置102は、4つの同一の力覚センサ1a、1b、2a、及び2bを含み、これらは互いに並列かつ鏡像に配置される。力覚センサ1a、1b、2a、2bの配置の2つの異なる変形は、
図5B及び
図5Cに示される。
図5B及び
図5Cはそれぞれ、
図5Aに示されたラインA-Aに沿った荷重センサ配置102の上面図を示す。
【0207】
力覚センサ1a、1b、2a、2cのアライメントのために、互いに垂直である、第一軸210及び第二軸212が特定される。第一軸210は患者支持面18の主軸に平行に延在し、第二軸212は、この主軸に垂直であるが、患者支持面18に平行に延在する。
【0208】
力覚センサ1a、1b、2a、2cはそれぞれ、
図5Bの第一軸210と平行にアライメントされる主軸を有する。
図5Cでは、力覚センサ1a、1b、2a、2bの主軸は、第二軸212に平行にアライメントされる。さらに、力覚センサ1a、1b、2a、2bはそれぞれ、軸210、212に対して鏡面対称に対で配置される。対(1a、1b)、(1a、2a)、(1b、2b)、及び(2a、2b)はそれぞれ、鏡面対称の力覚センサ対を形成する。いくつかの実施形態では、力覚センサ1a、1b、2a、2bは、示されるように2×2グリッドに配置される。いくつかの実施形態では、グリッド配置は、各側に少なくとも2つの力覚センサ1a、1b、2a、2bを有する。いくつかの実施形態では、力覚センサ1a、1b、2a、2bはすべて、第一軸210及び第二軸212の両方が交差する単一の共通平面内に存在する。
【0209】
また力覚センサは、
図5B及び
図5Cとは異なるセンサ配置102内に配置されることもできる。センサアセンブリ102内の力覚センサのいくつかの例示的な代替の配置を
図5Dに示す。
【0210】
図5Bまたは
図5Cに示されるセンサ配置102の例を使用して、測定された荷重は、センサ1a、1b、2a、2bによって測定されたすべての力を加算することによって計算されることができる。対応する重心は、以下のトルク補償式、ならびに
図6A及び
図6Bに示される力を利用して計算されることができる。
図6Aはx軸に沿った断面図を示し、
図6Bはy軸に沿った断面図を示す。トルクバランス式を両方向に適用することができるため、重心のx成分及びy成分を決定することができる。
F
荷重=F
1a+F
2a+F
1b+F
2b (1)
【数1】
【0211】
式(1)~(3)では、F荷重は、患者によって発生する重量の力である。力F1a、F1b、F2a、及びF2bは、センサ1a、1b、2a、2bによって測定される力である。パラメータa及びbは、それぞれx方向及びy方向でのセンサの距離である。Xcg及びYcgは、患者によって発生する荷重の重心のそれぞれのx座標及びy座標である。
【0212】
能動荷重及び総荷重だけでなくそれらの対応する重心の値は、データメモリ110に格納された手術台200の対応する成分及びそれらの重心の値を加算または減算することによって計算されることができる。
【0213】
図5B及び
図5Cに提案されたセンサ1a、1b、2a、2bの配置により、システムは横方向の力に対してロバストになる。対称配置により、
図7A及び
図7Bに示されるように、横方向の力が打ち消される。
【0214】
また横方向の力の打ち消しにより、記載のシステムは、患者支持面18が傾斜位置にある場合、力及び重心を確実に測定することが可能になる。
図8は、重力ベクトルF
荷重がどのように2つの成分に分割されることができるかを示す。第一成分は、力覚センサの外側に位置しており、上記で説明される効果により、打ち消される。第二成分F
測定は、力覚センサに垂直に延出し、確実に測定される。患者支持面18の傾斜角αが既知である場合、センサ及びそれらの重心より上の実際の荷重を計算することができる。
【0215】
図9では、本開示による手術台300は、概略的に示されており、多くの部分で、
図2に概略的に示される手術台100に類似している。手術台100の素子と同一または同様である手術台300の素子には、同一の参照番号が付けられている。
【0216】
手術台300は、本出願の第三態様による手術台であり、第四態様による方法を用いて操作されることができる。
【0217】
手術台300は、複数の荷重センサを有する荷重センサ配置102、荷重決定ユニット104、及び傾倒防止ユニット114を含む。荷重決定ユニット104は、力覚センサによって測定された力に基づいて、手術台300の総荷重及び総荷重の重心を決定する。傾倒防止ユニット114は、総荷重及び/または総荷重の重心に基づいて、手術台300が傾倒点310付近で転倒するリスクが存在するかどうかを指示する、傾倒防止信号128を発生させる。
【0218】
図10A及び
図10Bはそれぞれ側面及び正面からの手術台300を示す。
図10Aでは、手術台300は降下またはロック位置にあり、すなわち、スタンド14は床の上に静止しているため、手術台300を動かすことができない。この位置では、手術台300は、床に面する、スタンド14の下側エッジを中心に傾くことができる。
【0219】
図10Bでは、手術台300はロック解除位置にあり、すなわち、手術台300はローラ312上に載り、床上で動くことができる。この位置では、可能な傾倒点がローラ312によって設けられる。
【0220】
原理的に、手術台300は、総荷重の重心COGが傾倒点310のフットプリント内に、すなわち、傾倒点310によって境界が定められる面の真上にある限り、安定している。この状況は、
図11Aに示される。しかし、
図11Bに示されるように、総荷重の重心COGが傾倒点310のフットプリントの真上にない場合、手術台300は転倒する。
【0221】
一実施形態では、傾倒防止ユニット114は、傾倒点310と総荷重の重心COGとの間の距離x
1を総荷重で乗算することにより、傾倒点310における残留傾倒トルクM
rを確認する。
図11A及び
図11Bには、総荷重としての力ベクトルF、そのうえ力ベクトルFと傾倒点310との間の距離x
1が示される。したがって、残留傾倒トルクM
rは、M
r=F
*x
1である。残留傾倒トルクM
rの正の値は、手術台300がこの傾倒点310に対して安定していることを意味する(
図11A参照)。距離x
1が減少するにつれて、残留傾倒トルクM
rも低下し、手術台300は安定しなくなる。残留傾倒トルクM
rが負である場合、つまり、重心COG及び力ベクトルFが傾倒点310によって境界が定められた面の真上にない場合、手術台300は転倒する(
図11B参照)。残留傾倒トルクM
rの値が大きいほど、手術台300はより安定する。例えば、225Nmの値を有する残留傾倒トルク閾値が特定される。これは、残留傾倒トルクが225Nmを下回ってはならないことを意味する。残留傾倒トルク閾値に達していない場合、手術台300は、聴覚または視覚的に使用者に警告することができる。他のオプションは、手術台300の運動を遮断すること、または速度を低下させることである。
【0222】
さらに、傾倒防止ユニット114は、すべての可能な傾倒点について、それぞれの残留傾倒トルクを確認し、これらの残留傾倒トルクのそれぞれを残留傾倒トルク閾値と比較することができる。傾倒トルクのうちの1つのみが残留傾倒トルク閾値を下回る場合、傾倒防止ユニット114は、転倒のリスクが増大すると決定することができ、適切な手段を取ることができる。
【0223】
転倒のリスクを決定するためのさらなる実施形態は、規格60601-1の安定性要件に基づいている。規格60601-1は、手術台300が意図された用途のすべての状況下で5度の傾斜で安定したままでなくてはならないこと、及び規定された搬送位置に対してのみ10度の傾斜で安定したままでなくてはならないことを明記する。この要件は、
図12に示されるように、各傾倒点に仮想の5度の線320、及びローラ312を有する各傾倒点に10度の線322内で実施されることができる。5度及び10度の角度は、安定角度と呼ばれることができる。したがって、いくつかの実施形態では、手術台が床上に直接設置される場合の第一安定角度、及び手術台がローラまたは車輪上の搬送位置にある場合のより大きい第二安定角度が存在する。
【0224】
安定角度(例えば、5度または10度)は、特定された法線ベクトル324によって決定される。法線ベクトル324は、例えば、通常位置、すなわち、非拡張位置内のスタンド14のベースプレートまたは患者支持面18によって規定されることができる。法線ベクトル324は、通常位置では、スタンド14のベースプレートに垂直方向に、または患者支持面18に垂直方向にアライメントされる。法線ベクトル324との5度または10度の安定角度の代わりに、仮想線320、322に適切な他の安定角度を選択することができる。
【0225】
総荷重の重心COGが仮想の5度の線320の1つに違反する、すなわち、それを通過する場合、手術台300は、聴覚または視覚的に使用者に警告することができる。他の可能性は、部分的もしくは完全に機能を遮断すること、または手術台300の速度を低下させることである。10度の仮想線322の1つを重心COGが越える場合、手術台300の電動搬送機能を遮断することができる。
【0226】
5度の仮想線320及び10度の仮想線322はそれぞれ三次元空間を画定する。通常、三次元空間の「壁」は、1つが手術台300のベースからさらに上に動くにつれて内向きに傾斜するため、重心COGは、地面により近く低い重心COGよりも高い重心COGで外側にさらに強く制限される。三次元空間の「壁」の内向きの傾斜は、安定角度によって決定される。一実施形態では、傾倒防止ユニット114は、総荷重の重心COGが画定された空間の1つを出る場合、転倒リスクを表示することができる。
【0227】
図13では、本開示による手術台400は、概略的に示されており、多くの部分で、
図2に概略的に示される手術台100に類似している。手術台100の素子と同一または同様である手術台400の素子には、同一の参照番号が付けられている。
【0228】
手術台400は、本出願の第五態様による手術台であり、第六態様による方法を用いて操作されることができる。
【0229】
手術台400は、複数の荷重センサを有する荷重センサ配置102、荷重決定ユニット104、及び過荷重防止ユニット116を含む。荷重決定ユニット104は、力覚センサによって測定された力に基づいて、能動荷重及び/または能動荷重の重心を決定する。過荷重保護ユニット116は、能動荷重及び/または能動荷重の重心に基づいて、過荷重保護信号130を決定する。過荷重保護信号130は、手術台400及び/または手術台400の少なくとも1つのコンポーネントに過荷重のリスクがあるかどうかを指示する。
【0230】
過荷重保護ユニット116は、付属品または付属品の構成が、手術台400に作用する荷重に適していないかどうかを認識することができる。さらに過荷重保護ユニット116は、特定の重量クラスに適用する動作制限を維持するのに役立つ。
【0231】
通常、付属品は、患者の重量に合わせて承認される。付属品を認識するための検出方法が実行されることにより、どの付属品を取り付けるかを手術台400に通知すると、過荷重保護ユニット116は、測定された重量が付属品の重量制限を超えていないかどうかをチェックすることができる。手術台400または付属品の重量制限を超える場合、手術台400は、聴覚または視覚的に使用者に警告することができる。他のオプションは、手術台400の運動を遮断すること、または速度を低下させることである。
【0232】
図13に示される手術台400は、付属品として、頭部セクション402、脚部セクション404、及び2つの拡張セクション406を有し、これらの拡張セクションは、図示の構成では主支持面セクション408に連結される。付属品ごとに、最大許容荷重を
図13に指示する。頭部セクション402は250kgの最大許容荷重を有し、脚部セクション404は135kgの最大許容荷重を有し、拡張セクション406のそれぞれは454kgの最大許容荷重を有し、手術台400全体は545kgの最大許容荷重を有する。過荷重保護ユニット116は、コンポーネントの1つが過荷重になるかどうかをチェックすることができる。
【0233】
また付属品は、付属品が互いに連結される構成が能動荷重に適していない場合も、過荷重になることができる。例えば、
図14に示されるように、3つの拡張セクション406は、縦に並べてカスケード接続されることができる。拡張セクション406のそれぞれが個別に454kgの荷重に適しているが、3つの拡張セクション406の組み合わせ410は155kgにのみ適している。したがって、いくつかの実施形態では、テーブル構成の許容重量は、手術台に連結された複数の拡張セクション406を考慮して決定され、より多くの拡張セクション406の追加は、より少ない拡張セクション406を有する構成と比較して、テーブル構成全体の許容重量を減少させる。
【0234】
能動荷重及び手術台400の構成が分かると、過荷重保護ユニット116は、構成410の許容重量を超えるかどうかを決定することができる。手術台400は、許容重量を超える場合、聴覚または視覚的に使用者に警告することができる。他のオプションは、手術台400の運動を遮断すること、または速度を低下させることである。
【0235】
患者の誤った位置決めによって過荷重状況が引き起こされることも考えられる。例えば、
図15Aでは、患者が頭部セクション402の上に座っており、患者全体の重心が頭部セクション402より上にある場合が示されている。付属品402が重量380kgの患者によって使用されるのに適しているが、付属品402はヘッドレストとしてのみ意図されており、すなわち、その上に座ることは許可されていない。
【0236】
過荷重保護ユニット116は、荷重及びその重心をチェックすることができる。過荷重保護ユニット116は、患者が誤って位置決めされるかどうか、そして付属品または付属品の構成または手術台400全体が過荷重になるかどうかを認識することができる。
【0237】
さらに、過荷重保護ユニット116は、患者支持面18の特定のセクションまたは領域に関する過荷重のリスクも決定することができる。
図15Aでは、患者支持面18は、例として155kg、250kg、及び55kgの最大許容荷重が適用される異なる領域に分割される。過荷重保護ユニット116は、能動荷重の重心がどの領域に位置しているかをチェックし、能動荷重を、この領域に特定された過荷重閾値、すなわち、最大許容荷重と比較する。能動荷重がこの領域に特定された最大許容荷重を上回る場合、過荷重保護ユニット116は、過荷重のリスクを指示するように過荷重保護信号130を発生させることができる。
【0238】
図15Bは、
図15Aに示された手術台400の改良を示す。
図15Bに示される実施形態では、頭部セクション402を含む患者支持面18の前部は、一定の過荷重閾値をそれぞれ有する異なる領域に分割されておらず、代わりに、患者支持面18の前部に沿って延在する直線420が設けられる。直線420は、患者支持面18の前部の点ごとにそれぞれの過荷重閾値を特定する。患者支持面18の頭部端部に向かい、過荷重閾値は小さくなる。線420は、F/M
閾値によって規定され、Fは能動荷重の重心COGでの力であり、M
閾値は定数である。
【0239】
動作中、過荷重保護ユニット116は、患者支持面18上のどの点に能動荷重の重心が位置しているかをチェックし、能動荷重を、この決定された点に特定された過荷重閾値と比較する。能動荷重がこの領域に特定された最大許容荷重を上回る場合、過荷重保護ユニット116は、過荷重のリスクを指示するように過荷重保護信号130を発生させることができる。
【0240】
別の過荷重状況は、手術台400のドライブが過荷重になり、手術台400がその元の位置に戻ることができない場合に発生する。これは、例えば、運動の制約が遵守されていない場合に発生する。例として、
図16は、重量のある患者と組み合わせた極端な長手方向変位及びトレンデレンブルグ体位を示す。これは、長手方向並進運動のドライブ及びトレンデレンブルグドライブが過荷重になるため、手術台400がその開始位置に戻ることができない位置であり得る。特に、トレンデレンブルグドライブは、力F
測定によって発生したトルクを印加することができない。さらに、長手方向変位のドライブは、長手方向の力F
長手方向を発生させることができない。
【0241】
過荷重保護ユニット116は、測定された荷重及び/または測定された荷重の重心に基づいて、各ドライブの荷重を確認することができる。ドライブごとに、超えてはならない荷重制限がある。この制限を超える場合、使用者に警告する。他のオプションは、過荷重ドライブの運動を遮断すること、または手術台400の速度を低下させることである。
【0242】
図17は、異なるステージまたはレベルに配置された付属品または支持面セクションを有する手術台500を概略的に示す。
図17に示される構成では、手術台500は、レベル1、2、及び3を有する。
【0243】
主支持面セクション501の右側に、2つの中間セクション502、503は、それぞれレベル1及び2で縦に並んで締結される。端部セクション504、505は、レベル3の中間セクション503に取り付けられる。主支持面セクション501の左側に、レベル1の中間セクション506がある。主支持面セクション501とは反対側を向いた中間セクション506の側に、端部セクション507、508はレベル2で締結される。
【0244】
さらに、
図17は、手術台500を面上に配置するためのスタンド509、及びスタンド509に締結された手術台カラム510を示し、この手術台カラムの上端部に主支持面セクション501が締結される。
【0245】
図18は、本開示による患者支持面600を概略的に示し、この患者支持面は、特に、手術台の動作に対する制約を決定して表示するためのシステムの一部分であることができる。患者支持面600は、例えば、
図17の手術台500の手術台カラム510に締結されることができる。患者支持面600は、主支持面セクション601、2つの中間セクション602、603、及び2つの端部セクション604、605からなる。
【0246】
患者支持面600は、本出願の第七態様による、そして第十二態様による患者支持面である。患者支持面600は、第十一態様による方法を用いて、または第十四態様による方法を用いて操作されることができる。
図17からのスタンド509及び手術台カラム501と共に、患者支持面600は、第八態様による手術台、または第十三態様による手術台システムを形成することができる。主支持面セクション601は第九態様による主支持面セクションであり、中間セクション602、603及び端部セクション604、605は本出願の第十態様による副支持面セクションである。
【0247】
中間セクション602、603は主支持面セクション601に直接接続されるが、端部セクション604、605は、それぞれ中間セクション602、603のうちの1つに結合されることで、主支持面セクション601に間接的に接続される。
【0248】
中間セクション602、603及び端部セクション604、605が主支持面セクション601に接続される場合、一部の情報は、中間セクション602、603及び端部セクション604、605から主支持面セクション601に送信される。送信された一部の情報はそれぞれの副支持面セクションの性質またはタイプを指示し、すなわち、一部の情報は、送信された情報が由来するそれぞれの副支持面セクションが、例えば頭部、脚部、または中間セクションであるかを指示する。
【0249】
中間セクション602、603及び端部セクション604、605から受信した一部の情報は、主支持面セクション601に統合された評価ユニット606に伝わる。代替に、評価ユニット606は、システムの別のコンポーネントに統合されることもできる。一部の情報に基づいて、評価ユニット606は、どの副支持面セクションが、そして特にどの順序または構成で副支持面セクションが主支持面セクション601に接続されるかを決定することができる。患者支持面600の構成は、ディスプレイ607または一般に表示ユニット上に表示されることができる。例えば、ディスプレイ607は、リモコン、壁上の表示画面、天井アーム上の表示画面、患者支持面600、または手術台システムの別のコンポーネントに統合されることができる。
【0250】
それぞれの一部の情報は、端部セクション604、605から、それぞれの中間セクション602及び603を介して主支持面セクション601に送信される。インタフェース609は、主支持面セクション601と、主支持面セクション601に面する、中間セクション602の第一側部608との間に位置している。それに応じて、インタフェース611は、主支持面セクション601と、主支持面セクション601に面する、中間セクション603の第一側部610との間に位置している。それぞれの一部の情報は、インタフェース609、611を介して、電気信号、例えば電流及び/または電圧信号によって、主支持面セクション601に送信される。
【0251】
それらの第一側部608、610上で、中間セクション602、603はそれぞれ、接点615及び616をそれぞれ有する電気接点ユニットを含む。さらに、主支持面セクション601は、インタフェース609、611にそれぞれ接点617及び618を有する電気接点ユニットを含む。中間セクション602、603が主支持面セクション601に接続される場合、電気接点615、617及び電気接点616、618は互いに接触し、それぞれが電気接点を形成することで、それぞれの一部の情報が電気信号によってインタフェース609または611を介して主支持面セクション601に送信されることが可能になる。さらに、中間セクション602、603には、主支持面セクション601から説明された電気接点を介して電力が供給されることができる。
【0252】
それぞれ第一側部608及び610の反対側を向いている第二側部620、621の上で、中間セクション602、603はそれぞれ接点622及び623を有するそれぞれのさらなる電気接点ユニットをさらに含む。これらの電気接点ユニットは、さらなる中間セクション(
図18には図示せず)を中間セクション602、603に結合し、電気信号によって、さらなる中間セクションから中間セクション602、603にそれぞれの一部の情報を供給してから、それらを主支持面セクション601に伝えることを可能にする。
図18には示されていない他の中間セクションは、中間セクション602、603と同じ構造を有することができる。
【0253】
さらに、制御ユニット624または625は、中間セクション602、603に統合されることにより、一部の情報を主支持面セクション601に送信することが可能になる。さらに、中間セクション602または603に関する一部の情報は、それぞれの制御ユニット624、625またはこれらに接続されたストレージユニットに格納されることもできる。
【0254】
端部セクション604、605から、端部セクション604、605に関する一部の情報は、無線信号を利用して、それぞれ中間セクション602及び603に送信される。この目的のために、端部セクション604、605及び中間セクション602、603は、それぞれ無線伝送ユニットを有する。無線伝送ユニットは、端部セクション604、605内にRFIDトランスポンダ630及び631として、そして中間セクション602、603内にRFIDリーダー632及び633として設計される。端部セクション604、605に関する一部の情報は、それぞれのRFIDトランスポンダ630、631またはそれらに接続されたストレージユニットに格納されることができる。
【0255】
一部の情報の有線伝送に電気接点ユニットを有しないコンポーネントと互換性があるように、中間セクション602、603はそれぞれインタフェース609、610にRFIDトランスポンダ635または636を含み、主支持面セクション601は対応するRFIDリーダー637、638を含む。したがって、中間セクション602、603からの一部の情報は、RFIDリーダー637、638がRFIDトランスポンダ635、636からそれぞれの情報を読み出すことによって、主支持面セクション601に送信されることもできる。
【0256】
例えば、本開示は、1つ以上の中間セクション602、603がそれぞれ1つ以上の電気接点615、616、622、623を含む患者支持面600の配置を含み、各電気接点615、616、622、623は、中間セクション602、603の対向する2つの側部に配置され得る。また本開示は、患者支持面600のこれらの配置も含み、これらの配置では、1つ以上の端部セクション604、605は1つ以上の中間セクション602、603に接続されることができ、各端部セクション604、605は、中間セクション602、603に信号を送信するために対応する無線伝送ユニット630、631を含むが、端部セクション604、605の少なくともいくつかは、電気接点を含まない。
【0257】
上記の例では、
図18を参照すると、端部セクション604、605は、独自の無線伝送ユニット630、631をそれぞれ有する2つの別々に可動な脚部支持体であることができる。
【0258】
【0259】
患者支持面700は、主支持面セクション701、2つの中間セクション702、703、及びヘッドレスト形態の端部セクション704を有する。
図19A~
図19Dでは、患者支持面700は組み立て状態で示され、
図20A~
図20Dでは、患者支持面700の支持面セクションは互いから分離されている。
【0260】
【0261】
支持面セクションの取り外し可能な機械的接続には、オス型アセンブリ710またはメス型アセンブリ711として設計された接続素子が使用され、1つの支持面セクションに締結されたオス型アセンブリ710は、もう1つの支持面セクション上のメス型アセンブリ711の相補的な受容開口部にプラグインされることができる。
【0262】
主支持面セクション701は、対向する2つの側部のそれぞれに2つのメス型アセンブリ711を有する。中間セクション702、703はそれぞれ、1つの側部に2つのオス型アセンブリ710、及び反対側の側部に2つのメス型アセンブリ711を有する。端部セクション704は、1つの側部に2つのオス型アセンブリ710を含む。一般的に言えば、中間セクション702、703が第一側部に1つまたは複数のオス型アセンブリ、及び反対側の第二側部に1つまたは複数のメス型アセンブリを有することができることを想定することができる。1つ以上のオス型アセンブリは、細長い、剛性、及び/または荷重負荷構造体であることができる。
【0263】
中間セクション702は、中間セクション702の一方の側に配置された2つのオス型アセンブリ710を、主支持面セクション701のメス型アセンブリ711の対に挿入することによって、主支持面セクション701上に締結されることができる。同様に、2つのそれぞれのオス型アセンブリ710をメス型アセンブリ711の対に挿入することによって、中間セクション703は中間セクション702上に締結されることができ、端部セクション704は中間セクション703上に締結されることができる。
【0264】
オス型及びメス型アセンブリ710、711の例の詳細を、例として中間セクション702を示す
図21A~
図21Dを参照して以下に説明する。
図21Aは、オス型アセンブリ710の中間セクション702の斜視図を示す。
図21Bは、
図21Aでマーク付けされた詳細715の拡大図を示す。
図21Cは、メス型アセンブリ711の中間セクション702の斜視図を示す。
図21Dは、
図21Cでマーク付けされた詳細716の拡大図を示す。
【0265】
特に
図21Bに示されるように、オス型アセンブリ710は細長く、それらの遠位端部に、それぞれのオス型アセンブリ710の電気接点ユニットに属する3つの接点720を有する。一般に、オス型アセンブリ710は、1つまたは複数の電気接点720を含み、これらの電気接点は、好ましくは、組み立て状態でメス型アセンブリ711内の対応する接点721に接触するようにアライメントされる。さらに、メス型アセンブリ711は、それぞれのメス型アセンブリ711の電気接点ユニットを形成する、3つの接点721も含む。一般に、メス型アセンブリ711は、好ましくは内面上に、1つまたは複数の電気接点721を含み、これら電気接点は好ましくは、組み立て状態でオス型アセンブリ710上の対応する接点720と接触しているように方向付けされる。接点720及び721は、対応するオス型アセンブリ710がメス型アセンブリ711にプラグインされる場合、接点720、721が互いに接触するように配置される。また実施形態は、各インタフェースが電気接点720、721を有する一対のオス型アセンブリ710及びメス型アセンブリ711のみを含み、追加の一対以上のオス型アセンブリ710及びメス型アセンブリ711が電気接点を含まず、物理的接続及び/または支持機能のみを有することも考えられる。
【0266】
信頼性の高いインタフェースロッキングを確保し、特に接点720、721の間の電気接続を確立するために、1つまたは複数の接点720、721には、ばね荷重がかけられることができる。例えば、オス型アセンブリ710の接点720は、ばね式シリンダ725またはばね式スリーブに統合されることができる。
図20Dは、シリンダ725を示し、その右端部に接点720が配置される。シリンダ725は、オス型アセンブリ710の凹部726内にガイドされる。さらに、シリンダ725の少なくとも左側の部分は中空であり、ばね727はキャビティ内に配置される。ばね727の右端部はシリンダ727上に締結され、または支持され、左端部はオス型アセンブリ710またはそれに連結されたコンポーネント上に締結される、または支持される。ばね727のばね張力により、シリンダ725は、除荷状態では凹部726から押し出される。また接点720、721の間の固定接触は、3つのばね接点ピンをメス型アセンブリ711に統合することによって実装される。
【0267】
オス型アセンブリ710が対応するメス型アセンブリ711にプラグインされると、ばね727は、
図19Dに示されるように圧縮される。ばね727と凹部726内の小型ばねとの相互作用により、ロッキングボルトは変位し、ロッキングボールは外向きに押し出される。
【0268】
図18に示される患者支持面600の評価ユニット606がインタフェース609及び611を介して送信される電気信号に基づいて、どの副支持面セクションを主支持面セクション601に接続するか、特に副支持面セクションをどの順序または構成で配置するかを決定することができることを
図18に関連して上述した。主支持面セクション601に接続された副支持面セクションのタイプ及びそれらの構成は、患者支持面600を操作する場合に観察されなければならない、または観察されるべき制約を課す。制約は、例えば、患者支持面600の可動性、特に、副支持面セクションの適合性及び拡張性に関連することができる。どの副支持面セクションが、そしてそれら副支持面セクションがどの構成で、主支持面セクション601に接続されるかに応じて、副支持面セクションの適合性及び拡張性に関して他の制約が発生する場合がある。
【0269】
代替に、システムを使用して、テーブル部分が交換可能ではなく、手技ごとに確認される、または決定される必要がないテーブルシステムに対する制限を決定し、警告することもできる。
【0270】
評価ユニット606は、どの副支持面セクションが主支持面セクション601に接続されるか、そして該当する場合、どの順序であるかのナレッジに基づいて、患者支持面600の動作に対する制約に関する一部の情報を生成することができる。ディスプレイ607は、制約を、例えばテキスト形式及び/またはグラフィックで表示することができる。
【0271】
制約は、患者の重量にも依存し得る。患者の重量が不明である場合、評価ユニット606によって生成される一部の情報は、患者の重量に応じた制約を指示し得る。例えば、異なる重量範囲に対して個々の制約を挙げることができる。
【0272】
患者の重量及び/または患者支持面600に作用する荷重が既知である場合、評価ユニット606は、この情報を考慮して、制約が患者の重量及び/または患者支持面600に作用する荷重に関する一部の情報を生成することができる。
【0273】
例えば、制限または制約は、以下の、患者支持面600全体の長手方向変位、患者支持面600全体のトレンデレンブルグチルト、患者支持面600全体の短手方向チルト、患者支持面600内の個々の継手もしくは副支持面セクション602~605の運動のうちのいくつかもしくはすべてを含むことができ、または制約もしくは条件は、特定の重量範囲、もしくは重量制限超の支持面セクション601~605の特定の構成が許容されないと決定することを含むことができる。また制約または条件は、特定のタイプの運動を完全に禁止すると決定することも含むことができる。
【0274】
図18に示される患者支持面600は、入力ユニット650を有し、この入力ユニットに、オペレータは、患者支持面600上で支持されているまたは支持される患者の重量を入力することができる。入力ユニット650は、例えば、リモコン、またはシステムの別のコンポーネントの中に統合されることができる。代替または追加で、荷重決定ユニットは、患者支持面600及び/または関連する手術台のカラムまたはベースに統合されることができ、患者支持面600に作用する荷重、特に患者支持面600上に支持される患者の重量を決定する。例えば、
図2に示される荷重センサ配置102及び荷重決定ユニット104は、この目的のために使用されることができる。
【0275】
図22は、評価ユニット606が手術台の動作に対する制約に関する一部の情報を決定するために使用することができる方法800のフローチャートを示す。
【0276】
方法が開始された後、決定ステップ801では、手術台及び/または患者支持面600が荷重決定ユニットを有するかどうかというクエリが行われ、この荷重決定ユニットを使用して、患者支持面600に作用する荷重、特に患者の重量が決定され得る。この場合、方法は、決定ステップ802に進み、それ以外の場合、決定ステップ803に進む。
【0277】
決定ステップ802では、患者が患者支持面600上に位置しているかどうかがチェックされる。そうである場合、方法は決定ステップ804に進み、そうでない場合、決定ステップ803に進む。
【0278】
決定ステップ804では、主支持面セクション601に接続された副支持面セクションを検出することができる評価ユニットが存在するかどうかを調べる。そのような評価ユニットが存在する場合、方法はステップ805に進み、そうでない場合、ステップ806に進む。
【0279】
ステップ805では、評価ユニット606は、患者支持面600の動作に対する制約に関する一部の情報を生成し、これら一部の情報は、患者の確認された重量及び/または患者支持面600に作用する荷重に特に関連する。ディスプレイ607はこれら一部の情報を表示することができる。
【0280】
ステップ806では、使用者は、例えばスキャンによって、使用される付属品、特に、主支持面セクション601に接続された副支持面セクションを特定するように促される。その後、方法800はステップ805に進む。
【0281】
決定ステップ803では、決定ステップ804と同様に、主支持面セクション601に接続された副支持面セクションを検出することができる評価ユニットが存在するかどうかを調べる。はいの場合、方法800は決定ステップ807に進み、それ以外の場合、ステップ808に進む。
【0282】
決定ステップ807では、使用者が患者重量を入力ユニット650に入力したかどうかをチェックする。そうである場合、方法800はステップ805に進み、そうでない場合、ステップ809に進む。
【0283】
ステップ809では、評価ユニット606は、異なる重量範囲についての患者支持面600の動作に対する制約に関する一部の情報を生成する。ディスプレイ607はこれら一部の情報を表示することができる。
【0284】
ステップ808は、ステップ806に対応し、すなわち、使用者は、使用される付属品、特に主支持面セクション601に接続された副支持面セクションを特定するように問い合わされる。その後、方法800は決定ステップ807に進む。
【0285】
図23A及び
図23Bは、ディスプレイ607が表示することができる例示的なグラフィックスを示す。表示される一部の情報は、
図22に示される方法800のステップ809で生成され、患者重量の様々な範囲についての患者支持面600の動作に対する制約を指示する。
【0286】
図18に示される患者支持面600は、電気信号を使用して、副支持面セクションから主支持面セクション601に一部の情報を送信するが、
図24に概略的に示される本開示による患者支持面900は、電気信号の代わりに光信号を使用して、情報を送信する。患者支持面900は、主支持面セクション902、及び主支持面セクション902に取り外し可能に接続される3つの副支持面セクション904、906、908を含む。
【0287】
副支持面セクション904、906は中間セクションであり、副支持面セクション908は端部セクションである。
【0288】
副支持面セクション908はレベル3で端部セクションとして配置されるが、副支持面セクション906はレベル2で配置され、副支持面セクション904はレベル1で配置される。例えば、副支持面セクション908は頭部または脚部セクションであってもよく、副支持面セクション904、906はそれぞれ中間または拡張セクションであってもよい。
【0289】
図24では、主支持面セクション902の1つの側部に配置されている、副支持面セクションのみが示されている。さらに、
図24には示されていない、副支持面セクションも主支持面セクション902のもう1つの側部に配置され得る。
【0290】
主支持面セクション902は、その下側にインタフェース910を有し、インタフェースを使用して、主支持面セクション902を手術台カラムに結合することができる。
【0291】
さらに、主支持面セクション902は、外側面912上に1つ以上の接続素子914を含む。また副支持面セクション904、906はそれぞれ、2つの対向する外側面916、918及び920、922にそれぞれ1つ以上の接続素子914も有する。副支持面セクション908は、1つの外側面924のみに1つ以上の接続素子914を有する。接続素子914は、主支持面セクション902及び副支持面セクション904、906、908を互いに機械的に接続することができるように設計される。さらに、接続素子914は、必要に応じて、主支持面セクション902と副支持面セクション904、906、908との間の機械的接続を取り外すことができるように、取り外し可能に設計される。
【0292】
主支持面セクション902は、白色光を発する光源930、及び少なくとも可視領域内の光を検出することができる3つの検出素子932、933、934を含む。主支持面セクション902に統合された制御及び評価ユニット936は、光源930及び検出素子932、933、934に電気結合される。制御及び評価ユニット936を使用して、光源930及び検出素子932、933、934を制御し、検出素子932、933、934によって検出された光を評価する。検出素子932、933、934は、検出された光に関する一部の情報を含む電気信号を、制御及び評価ユニット936に送信する。
【0293】
主支持面セクション902の外側面912上のインタフェース938は、光源930及び検出素子932、933、934の接続部(図示せず)を設ける。光源930及び検出素子932、933、934はインタフェース938に直接接続されることができる、またはライトガイドはインタフェース938から光源930及び検出素子932、933、934に通じることができる。
【0294】
副支持面セクション904は、外側面916から外側面918に通じるライトガイド940を含む。ビームスプリッタ941は、ライトガイド940内に統合され、ライトガイド940からの光はライトガイド942内で結合される。ライトガイド942は、外側面916に通じる。さらに、マーキング素子として設計された光学フィルタ943は、ライトガイド942の端部に配置され、赤色スペクトル領域内の光のみが通過することを可能にするように設計される。さらに、ライトガイド944、945は、外側面918から外側面916に通じる。インタフェース946及び947は、外側面916、918上に配置され、それぞれがライトガイド940、942、944、945の接続部を設ける。
【0295】
副支持面セクション906は、副支持面セクション904と同様に構築される。副支持面セクション906は、外側面920から外側面922に通じるライトガイド950を含む。ビームスプリッタ951は、ライトガイド950内に統合され、ライトガイド950からの光はライトガイド952内で結合される。ライトガイド952は、外側面920に通じる。さらに、マーキング素子として設計された光学フィルタ953は、ライトガイド952の端部に配置され、緑色スペクトル領域内の光のみが通過することを可能にするように設計される。さらに、ライトガイド954、955は、外側面922から外側面920に通じる。インタフェース956及び957は、外側面920、922上に配置され、それぞれがライトガイド950、952、954、955の接続部を設ける。
【0296】
副支持面セクション908は、外側面924上に位置している入力を、同様に外側面924上に配置された出力に結合するライトガイド960を含む。さらに、マーキング素子として設計された光学フィルタ961は、ライトガイド960の端部に配置され、青色スペクトル領域内の光のみが通過することを可能にするように設計される。ライトガイド960の入力及び出力のための接続部を設けるインタフェース962も外側面924上に配置される。
【0297】
主支持面セクション902及び副支持面セクション904、906、908が接続素子914によって互いに締結される場合、インタフェース938、946または947、956または957、962はそれぞれ対で互いに接続される。インタフェース938、946、947、956、957、962は、後述される様々なコンポーネントが互いに結合されるように設計される。
【0298】
詳細には、光源930は、ライトガイド940、950、960に結合される。ライトガイド940、950、960は、光源930によって発生した白色光を副支持面セクション904、906、908にガイドする共通のライトガイドパスを形成する。さらに、インタフェース938、946、947、956、957、962は、光学フィルタ943によって透過する赤色光が検出素子932にガイドされ、光学フィルタ953によって透過する緑色光がライトガイド944によって形成された別個のライトガイドパスを介して検出素子933にガイドされ、光学フィルタ961によって透過する青色光がライトガイド945、954によって形成された別個のライトガイドパスを介して検出素子934にガイドされるように設計される。患者支持面900内の光の伝播方向は、
図24に矢印で示される。
【0299】
患者支持面900の動作では、光源930は白色光を発生させ、白色光は、ライトガイド940、950、960によって形成された共通のライトガイドパスを通って副支持面セクション904、906、908にガイドされる。光の一部分は、ビームスプリッタ941、951によって共通のライトガイドパスから切り離され、副支持面セクション904、906内に配置された光学フィルタ943、953にガイドされる。共通のライトガイドパス内に残る光源930によって発生した白色光の一部分は、ライトガイド960によって、副支持面セクション908に配置された光学フィルタ961にガイドされる。
【0300】
光学フィルタ943、953、961は、それぞれのスペクトル領域のみを通過させることを可能にする。光学フィルタ943によって透過する赤色光は、検出素子932にガイドされる。光学フィルタ953によって透過する緑色光は、検出素子933にガイドされる。光学フィルタ961によって透過する青色光は、検出素子934にガイドされる。
【0301】
検出素子932、933、934は、それぞれの光学フィルタ943、953、961によって透過する光を検出し、対応する電気信号を制御及び評価ユニット936に送信する。
【0302】
制御及び評価ユニット936は、受信した電気信号及びその中に含まれる一部の情報の評価を実行する。検出素子932、933、934によって検出された赤色、緑色、または青色の光に基づいて、制御及び評価ユニット936は、副支持面セクション904、906、908が主支持面セクション902に接続されると決定する。検出素子932、933、934がこの順序で、それぞれ赤色、緑色、及び青色の光を検出したため、制御及び評価ユニット936は、さらに、副支持面セクション904、906、908がこの順序で主支持面セクション902に接続されると決定することができる。制御及び評価ユニット936は、そこから患者支持面900の動作に対する制約に関する一部の情報を生成し、これら一部の情報をディスプレイに伝えることができると、ディスプレイがこれら一部の情報を表示する。
【0303】
本明細書に記載される様々な構造及び機能は、特に好ましい実施形態では合わせて使用可能であることを意図したものである。構造及び機能は、それらの様々な可能な組み合わせ及びサブコンビネーションに開示されると考えられる。本開示は、医用テーブル及び手術台、医用の患者支持面及びテーブルトップ、手術台及び患者支持面と共に使用するためのリモコン及び表示画面を含むシステム、患者支持面の一部分を形成するための個々のモジュラコンポーネント(支持面セクション)、ならびにそれらの使用方法を含む。また本開示は、どのコンポーネント(支持面セクション)を患者支持面に含むかを決定するための様々な開示されたアプローチを含み、それぞれは、患者重量を決定するための様々なアプローチと共に使用されることができ、それぞれを使用して、テーブルの運動を制限すること、傾倒を防止すること、過荷重を防止すること、及び/またはテーブルの運動の制限に関する一部の情報をオペレータに表示することができる。
【国際調査報告】