(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-10-31
(54)【発明の名称】色素を除去するシステム及び方法
(51)【国際特許分類】
A61N 5/067 20060101AFI20241024BHJP
【FI】
A61N5/067
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2024529597
(86)(22)【出願日】2022-11-17
(85)【翻訳文提出日】2024-06-18
(86)【国際出願番号】 US2022050309
(87)【国際公開番号】W WO2023091603
(87)【国際公開日】2023-05-25
(32)【優先日】2021-11-18
(33)【優先権主張国・地域又は機関】EP
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】524186095
【氏名又は名称】エピレディ 2000 リミティド ライアビリティ カンパニー
(74)【代理人】
【識別番号】100099759
【氏名又は名称】青木 篤
(74)【代理人】
【識別番号】100123582
【氏名又は名称】三橋 真二
(74)【代理人】
【識別番号】100112357
【氏名又は名称】廣瀬 繁樹
(74)【代理人】
【識別番号】100114018
【氏名又は名称】南山 知広
(74)【代理人】
【識別番号】100153729
【氏名又は名称】森本 有一
(72)【発明者】
【氏名】ヤニブ ヤコブ
【テーマコード(参考)】
4C082
【Fターム(参考)】
4C082RA01
4C082RC09
4C082RE22
4C082RE23
4C082RG06
4C082RJ07
4C082RL02
4C082RL13
4C082RL24
(57)【要約】
本発明は、少なくともシステム及び方法を提供する。本発明は、ターゲットデータを抽出するように構成された少なくとも1つの撮像要素と、少なくとも1つの放射要素と、を含む。システムは、位置決め要素をさらに含み、この位置決め要素は、ターゲットデータに基づいて放射要素を位置決めするように構成される。そのような実施形態では、システムは、CPU等のデータ処理要素をさらに備えている。データ処理要素、撮像要素、及び放射要素は、ハンドヘルド型装置に取付けられるように構成されている。
【選択図】
図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
システムであって、前記システムは、
ターゲットデータを抽出するように構成された少なくとも1つの撮像要素と、
少なくとも1つの放射要素と、
前記ターゲットデータに基づいて前記放射要素を位置決めするように構成された、少なくとも1つの位置決め要素と、を備えるシステム。
【請求項2】
前記システムは、データ処理要素をさらに備えており、
前記データ処理要素は、前記ターゲットデータを、前記撮像要素から前記位置決め要素に伝送するように構成されており、さらに、前記ターゲットデータは、少なくとも1つの画像要素を含んでいる、請求項1に記載のシステム。
【請求項3】
前記放射要素は、少なくとも1つのレーザ源を備えており、
前記レーザ源は、少なくとも1つのダイオードレーザを備えている、請求項1又は2に記載のシステム。
【請求項4】
前記少なくとも1つのダイオードレーザは、0.1~4Wの範囲の、例えば0.5~2Wの範囲の、好ましくは0.8Wの出力を備えている、請求項1から3のいずれか一項に記載のシステム。
【請求項5】
前記放射要素は、レーザビームを有するように構成された少なくとも1つの前記レーザ源を備えており、前記レーザビームの幅は、10~500ミクロンの範囲であり、例えば50~200ミクロンの範囲である、請求項1から4のいずれか一項に記載のシステム。
【請求項6】
少なくとも1つの前記レーザ源は、波長が350~1000nmの範囲である放射を含んでいる、請求項1から5のいずれか一項に記載のシステム。
【請求項7】
前記放射要素は、少なくとも1つのレーザビームを持続的にターゲットに送達するように構成されており、前記レーザビームの強度は、少なくとも8kW/cm
2である、請求項1から6のいずれか一項に記載のシステム。
【請求項8】
前記システムは、請求項5に記載の特徴を有し、
前記レーザ源は、100~1500J/cm
2の範囲であり、例えば500~1200J/cm
2の範囲であり、好ましくは800J/cm
2である、皮膚深部におけるレーザパルスのフルエンスを含む、請求項1から7のいずれか一項に記載のシステム。
【請求項9】
前記放射要素は、前記ターゲットを、その斑点が例えば摂氏50~200度の範囲内の瞬間温度である温度を有するように、熱するように構成されている、請求項1から8のいずれか一項に記載のシステム。
【請求項10】
前記レーザ源は、好ましくは前記ターゲットの温度を少なくとも摂氏50度まで上げることによって、少なくとも1つの切除トンネルを作り出すように構成されている、請求項1から9のいずれか一項に記載のシステム。
【請求項11】
前記システムは、好ましくは前記ターゲットの温度を少なくとも摂氏50度まで上げることによって、色素を壊して少なくとも1つの断片にするようにさらに構成されている、請求項1から10のいずれか一項に記載のシステム。
【請求項12】
前記少なくとも1つの断片は、少なくとも1ミクロンの径を、例えば6ミクロンの径を有しており、
さらに、前記システムは、好ましくは前記切除トンネルを介して、前記少なくとも1つの断片を排出させるように構成されている、請求項11に記載のシステム。
【請求項13】
方法であって、
少なくとも1つの撮像要素によってターゲットデータを抽出することと、
少なくとも1つの放射要素を設けることと、を含む方法。
【請求項14】
前記方法は、好ましくはターゲットの温度を少なくとも摂氏50度まで上げることによって、前記ターゲット内に少なくとも1つの切除トンネルを形成することを含み、前記切除トンネルを介して色素の少なくとも1つの断片を排出させることをさらに含む、請求項13に記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、皮膚の色素沈着を除去するためのレーザシステム及び方法に、好ましくはハンドヘルド型システムに、向けられている。
【背景技術】
【0002】
皮膚の色素沈着の除去は、様々なツールを用いて実施されてきた。そばかす、にきび痕、黒子、肝斑、タトゥー、老人性色素斑、炎症後色素沈着(PIH)等の色素沈着は、一般的には永久的なものであると考えられることが多いが、現在では、完全又は部分的に、それらを除去することが可能である。例えば、タトゥー除去の標準モダリティは、Qスイッチレーザを用いたタトゥー色素の非侵襲的除去である。色素の特定の光吸収スペクトルに応じて異なる色の色素をターゲットとするために、異なるタイプのQスイッチレーザが用いられる。典型的には、黒色及び他の暗い色のセクションは、Qスイッチレーザを用いて完全に除去することができるが、黄色及び緑色といったより明るい色は、依然として除去が困難である。成功するかどうかは、皮膚の色、インクの色、及びインクが塗布された深度を含む広範な要因次第であり得る。
【0003】
ロシア国特許出願公開第2692936号明細書(特許文献1)によれば、医学に関する装置が、即ちコスメトロジー及び皮膚科学に関する装置が、皮膚上のタトゥーを除去するように用いられ得る。エネルギー密度5.5J/cm2、レーザフラッシュ生成周波数1Hz、レーザビームスポット径4-5mmのQスイッチNd YAGレーザを用いて、タトゥーを有する皮膚表面に、分画効果が実行される。皮膚へのレーザの効果は、2つの段階で千鳥状に(in a staggered manner)実行される。第1の段階では、皮膚におけるレーザビームの照射領域同士の間の距離が治療部位の径と等しいという規律が順守され、その後の第2の段階では、48時間後に、第1のセッションでは処置されていないタトゥー領域に対して、同じモードのレーザが適用される。タトゥーの再処置が、2か月以上の時間の経過後に繰り返される。この方法は、皮膚の火傷の防止をもたらす。即ち、チェッカーボードパターンの皮膚領域で高エネルギー密度を有するレーザを皮膚に照射することによる、タトゥー除去の時間の減少がもたらされる。
【0004】
イスラエル国の企業LIGHTSENSE LTD.は、国際公開第2020/003138号(特許文献2)を出願し、例えば望まぬタトゥー又は他の皮膚の色素沈着を除去するための、皮膚科学的レーザ治療の方法及び装置を開示した。単一のパルスレーザビームを用いた複数の色の除去が、約50GW/cm2を超える強度を用いて達成できる。レーザによるタトゥー除去に伴う痛み及び組織損傷を軽減する方法には、2mm未満のスポットサイズ、0.5~10J/cm2の範囲のフルエンスを用いることが含まれる。治療されるべき皮膚の領域をレーザビームで走査することにより、皮膚の治療部分からの熱の急速な拡散を促進するように計算された走査パターンを用いて、それらの領域を正確に治療することが可能になる。レーザのダウンタイムを最小限に抑えるために、ビームのトグル、分割、又はパルスピックを行うことで、単一パルスの治療用レーザが複数の治療室を受け持つことができる。
【0005】
独国特許出願公開第102004006500号明細書(特許文献3)は、タトゥーを入れるため又は永久的な皮膚のメークアップのために皮膚に塗布された染料の色を決定する。それにより、皮膚の検査領域には測定光が照射され、その結果である反射光が分析される。タトゥーのインク又は皮膚に対する永久的なメーキャップを適用するためのインクの色値を決定する方法は、以下のステップを有する。即ち、皮膚の検査領域に照射するための光ビームを生成するステップと、多数のスペクトル範囲にわたる感知が可能な検出器を用いて、表面から反射された測定光を捕捉するステップと、皮膚に対して適用されたタトゥーの色又は永久的なメーキャップの色を計算するための処理ユニットを用いて、測定光の値を自動処理するステップと、を有する。独立請求項は、タトゥーのインク又は皮膚の永久的なメークアップのインクの色値を決定するための装置のために設けられている。
【0006】
米国特許出願公開第2007/197883号明細書(特許文献4)は、レーザを用いたタトゥー除去のための補助として、分光学的診断装置を開示している。分光学的診断装置は、レーザを用いたタトゥー除去の補助として開示されている。該装置は、レーザ治療の前又はその最中に、タトゥーを有する皮膚の分光学的な分析を実施する。この分析により、レーザ治療プロトコルを自動又は手動で最適化するための、タトゥー色素の組成情報及び皮膚の測光情報が、提供される。この装置はまた、選択されたレーザタイプについての治療のシミュレーション結果も提供する。
【0007】
PCT/BR2008/000250号(特許文献5)は、レーザエネルギーを皮下組織に伝達するために使用される球状先端を有する光ファイバーを用いてターゲット組織を熱的に刺激するか又は破壊することを通じて、皺、血管腫、毛包、及びタトゥーを除去するための、外科用皮下レーザ装置を示している。この光ファイバーは、ハンドピース装置に接続され得るニードル又はカテーテルを通っている。光ファイバーは表皮層を貫通して任意の所望の皮膚深部に導入され、これにより、レーザをターゲット組織に直接適用することが可能になる。
【0008】
スペイン国特許出願公開第2340566号明細書(特許文献6)は、皮膚上の色素性ステイン及びタトゥーを除去する手順に関するものであり、該手順は、可視スペクトル内に含まれる離散的な波長値に合わせられた固体色素レーザシステムによって放出されたレーザ光を治療領域に適用することを少なくとも含むことを、特徴とする。当該発明の他の目的は、同明細書中に記載の手順に従う、皮膚上の色素性ステイン及びタトゥーを除去するための同じ固体色素レーザ放射システムと、レーザ光を生成及び放出するために該システム内で利用される活性媒体と、によって構成される。該活性媒体は、少なくとも1つのポリマーから成る固体マトリックスに埋め込まれた少なくとも1つの色素を含んでおり、各色素マトリックスの組み合わせによって特定の波長が放出されることを、特徴とする。
【0009】
ロシア国特許出願公開第2550012号明細書(特許文献7)は、タトゥー色素の粒子が埋め込まれた生体皮膚組織をサンプリングする方法を開示している。サンプルは、タトゥー色素の深さを決定するために使用される。最も効果的なレーザ波長が、組織サンプルにさまざまな波長のレーザ光を照射することによって決定される。サンプルは着色され、タトゥー色素に最も深刻な損傷を受けたものが検出される。測定されたタトゥー色素の深さが0.7mm以下である場合には、タトゥー色素のレーザ除去が開始される。測定されたタトゥー色素の深さが0.7mm~2.0mmの範囲内であった場合には、表面的な破壊に続いてタトゥー色素のレーザ除去が行われることが予想される。サンプリングされた生体組織によって決定された最も効果的なレーザ波長が、除去手順を実行するために指定されるのである。
【0010】
PCT/US1996/011384号(特許文献8)は、生きたヒトの皮膚から血管病変及び色素性病変を除去するレーザ治療の方法を開示している。この方法は、改良された光学装置を利用する、注意深く設計された治療プロトコルを含んでいる。該装置は、最適な治療の選択性のために設計された、改良されたダイオードレーザシステムである。
【0011】
すべての既存の方法及びシステムは、フィッツパトリックのスキンタイプテストに依存したものである。このことは、色素の検出が、レシピエントの皮膚の色又は色素の色に依存したものであることを意味している。加えて、従来の方法及びシステムは、タトゥー色素を除去する際に特に有害であり得る。通常、タトゥーのインクは、そのインクをセグメントに分解するエネルギーを用いてターゲティングされる。これらのインクセグメントは、その後、血液中に見出される。血液中におけるこれらのセグメントの存在は、それらがリンパ節内に蓄積することにつながるおそれがあり、リンパ節の腫大及び場合によっては血栓が引き起こされ得る。また、タトゥーインクの成分は多くが未知であり規制されているため、さらなる健康被害の可能性がある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0012】
【特許文献1】ロシア国特許出願公開第2692936号明細書
【特許文献2】国際公開第2020/003138号
【特許文献3】独国特許出願公開第102004006500号明細書
【特許文献4】米国特許出願公開第2007197883号明細書
【特許文献5】PCT/BR2008/000250号(国際公開第2010/020021号)
【特許文献6】スペイン国特許出願公開第2340566号明細書
【特許文献7】ロシア国特許出願公開第2550012号明細書
【特許文献8】PCT/US1996/011384号(国際公開第97/002862号)
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0013】
上記内容に照らすと、本発明の目的は、先行技術の欠点を克服するか又は少なくとも軽減することである。より詳細には、本発明の目的は、少なくとも皮膚特性を分析するためのシステム及び方法を提供することである。本発明のさらなる目的は、皮膚の色素を能率的かつ少ない痛みで除去することである。
【課題を解決するための手段】
【0014】
これらの目的は、本発明によって達成される。本発明は、500~1000nmの範囲の近赤外(NIR)の波長を有するレーザビームに基づき得る。レーザビームは、20~200ミクロンの幅を備え得る。その後、これらのレーザビームは、皮膚の真皮層にヒットし得る。真皮層は、色素沈着を含有し得る。レーザビームは、皮膚を貫通し、色素を温め得る。このレーザビームは、さらに、色素に沿って周囲の皮膚を温め得る。幾つかの実施形態では、これは、皮膚に刻まれた数百ミクロンのトンネル幅に繋がり得る。本方法は、皮膚の修正においても効果的であり得る。幾つかの実施形態では、これはさらに、色素を体外に排出することであり得る。幾つかの実施形態では、この排出することは、2~3週間までの治癒期間を要し得る。
【0015】
幾つかの実施形態では、システムは、1Wの、最大で3Wの、ダイオードレーザを備えており、このことは、皮膚からの色素の排出のために特に有利であり得る。さらに、システムは、少なくとも2つのレーザビームを少なくとも1つのターゲットに集中させるように構成され得るのであって、そのような実施形態では、該ターゲットは、皮膚の単一の領域を含み得る。このことは、皮膚の単位面積ごとの、光学的出力による色素の排出を引き起こし得る。
【0016】
幾つかの実施形態では、システムはスマートホームデバイスに適合するように構成され得るのであって、皮膚の写真撮影を含み得る。ホームデバイスは、さらに、顕微鏡を有するように構成され得る。ホームデバイスは、画像認識アルゴリズムを用いてターゲット領域を分析するように、さらに構成され得る。さらに、マイクロエンジンシステムによってターゲットに対して自動的にレーザビームのターゲティングを行うように構成され得る。
【0017】
記載するまでもないことであるが、色素は、自然物である場合もあれば人工物である場合もある、任意の種類の皮膚色素を含み得る。例えば、タトゥーインク、毛細血管静脈、老人性色素斑、日光斑、尋常性座瘡等である。幾つかの実施形態では、ターゲットは、皮膚領域を、特に、レーザビームの少なくとも一回の照射によってカバーされ得る皮膚領域を含み得る。そのような実施形態では、ターゲットのサイズは、80mm2であり得る。さらに、少なくとも1回の照射に最大で3~5秒を要し得る。
【0018】
本発明の特に有利な点の1つは、システムがレーザビームの形態でエネルギーを送達するように構成され得ることである。このエネルギーは、該エネルギーが色素及び周囲の皮膚組織によって吸収されるような形で送達され得るのである。そのような実施形態では、エネルギーは光放射エネルギーである。これは、皮膚にミクロン大の傷を生じさせ得る。
【0019】
以下の表には、本発明の各種実施形態が示されている。
【0020】
【0021】
上記の表を、以下のように要約する。幾つかの実施形態では、レーザビームの波長は、フィッツパトリックのスキンタイプに基づいて決定されるように構成され得る。例えば、400~550nmの範囲の波長は、フィッツパトリックのスキンタイプ1及び/又はフィッツパトリックのスキンタイプ2の色素沈着を除去するように用いることができる。
【0022】
一実施形態では、システムは、ターゲットデータを抽出するように構成された少なくとも1つの撮像要素と、少なくとも1つの放射要素と、を備える。システムは、位置決め要素をさらに備え得るのであって、該位置決め要素は、ターゲットデータに基づいて放射要素を位置決めするように構成され得る。そのような実施形態では、システムは、CPU等のデータ処理要素をさらに備え得る。データ処理要素、撮像要素、及び放射要素は、ハンドヘルド型装置に取付けられるように構成され得る。
【0023】
さらに、データ処理要素は、RAM等のメモリを備え得る。データ処理要素はまた、ストレージも備え得る。このストレージは、ローカルなものであってもよいし、リモートサーバ上のものであってもよい。幾つかの実施形態では、データ処理要素は、ターゲットデータを撮像要素から位置決め要素へと伝送するように、さらに構成され得る。そのような実施形態では、システムは、撮像要素と位置決め要素とデータ処理要素の間でのデータ交換を容易化するため、1つ以上の既存の通信プロトコルをさらに備え得る。
【0024】
幾つかの実施形態では、位置決め要素は、少なくともXY位置決めステージ及び少なくともXYZ位置決めステージのうち少なくとも一方を備え得る。このステージは、位置決め装置に正確な位置を提供することに有利であり得る。撮像要素によって抽出されたターゲットデータは、画像要素をさらに含み得るのであって、この画像要素は、位置決め要素のXYZ位置を決定する画素をさらに含み得る。幾つかの実施形態では、データ処理要素は、画像要素をXYZ位置決め画素の観点でフォーマットするように構成され得る。幾つかの実施形態では、該画像要素は、1~100mmの範囲の、例えば5~50mmの範囲の、好ましくは10~20mmの範囲を含み得る画像要素長さを含み得る。この範囲は、色素のサイズ又は少なくとも色素の一部分のサイズを含み得る。さらに、画像要素は、1~100mmの範囲の、例えば5~50mmの範囲の、好ましくは10~20mmの範囲であり得る画像要素幅を含み得る。
【0025】
幾つかの実施形態では、データ処理要素は、ターゲットデータのパラメタに基づいて位置決め範囲を決定するように構成され得る。この際、ターゲットデータのパラメタは、少なくとも画像要素の長さ及び少なくとも画像要素の幅のうち少なくとも一方を備え得る。ターゲットデータは、少なくとも1つのターゲットについてのXY座標及び/又はXYZ座標ならびに/又は画素データを、さらに含み得る。
【0026】
幾つかの実施形態では、放射要素は、少なくとも1つのレーザ源を備え得る。幾つかのさらなる実施形態では、放射要素は、少なくとも1つの複数レーザ源を備え得る。レーザ源のうち少なくとも1つは、ダイオードレーザをさらに含み得る。当該レーザ源は、ダイオードレーザを含み得るのであって、その際には、そのダイオードレーザは、0.1~4Wの範囲の、例えば0.5~2Wの範囲の、好ましくは0.8Wの出力を備えている。
【0027】
幾つかの実施形態では、放射要素は、少なくとも1つのレーザ源を備え得るのであって、そのような実施形態では、レーザ源は、10~500ミクロンの、例えば50~200ミクロンの幅を有するレーザビームを有するようにさらに構成され得る。さらに、その少なくとも1つのレーザ源は、近赤外範囲の波長を、例えば500nm~1000nmの波長を備え得る。幾つかのさらなる実施形態では、少なくとも1つのレーザ源は、可視範囲の波長を有するレーザを備え得る。
【0028】
幾つかの実施形態では、放射要素は上記のレーザ源を備えるように構成され得るのであって、この際、該レーザ源は、レーザビームのアレイを少なくとも1つ有するように、さらに構成され得る。そのような実施形態では、システムは、レーザビームがターゲットに送達されるように、レーザ源を位置決めするように構成され得る。そのような実施形態では、位置決め要素は、放射要素を、XYZステージング/XYステージングを用いて位置決めするように構成され得る。そのような実施形態では、ターゲットは、ターゲットデータに基づいて、データ処理要素によって配置され得る。幾つかの実施形態では、ターゲットは、データ処理要素によって自動的に決定され得る。
【0029】
幾つかの実施形態では、ターゲットは斑点(spot)を含み得るのであって、そのような実施形態では、その斑点は、0.01~1mmの範囲の、例えば0.1mmの径を備え得る。このスポットは、皮膚上の位置及び/又は画像要素中の位置にあり得る。位置決め要素は、そのスポットに基づいて、レーザビームを位置決めするように、さらに構成され得る。
【0030】
幾つかの実施形態では、放射要素は、事前決定された照射時間の間だけ、ターゲットに対してレーザビームを持続的又は部分的には持続的に送達するように構成され得る。そのような実施形態では、データ処理要素は、ターゲットデータに基づいて照射時間を決定するように構成され得る。そのような実施形態では、事前決定された照射時間は、50mS~500mSの範囲の、例えば80mS~250mSの範囲の、好ましくは100mSの、時間を含み得る。
【0031】
さらに、ターゲットデータは、色素の色を少なくとも含み得る。幾つかの実施形態では、ターゲットデータは、皮膚の色を少なくとも含み得る。幾つかの実施形態では、レーザ源は、少なくとも8kW/cm2のレーザビーム強度を含み得る。上記のパラメタは、放射光を集中的に送達するのに有利であり得る。幾つかの実施形態では、少なくとも1つのレーザビーム及び/又レーザビームのアレイは、持続的なレーザビームを含み得る。
【0032】
幾つかの実施形態では、レーザ源は、100~1500J/cm2の範囲である、例えば500~1200J/cm2の範囲である、好ましくは800J/cm2である、皮膚深部におけるレーザパルスのフルエンスを備え得る。そのような実施形態では、レーザビームは、最大で0.5mm2のスポットサイズを含み得る。
【0033】
幾つかの実施形態では、各レーザパルスのフルエンス及び/又はレーザビームのスポットサイズは、そのフルエンスが少なくとも24J/cm2であるように、データ処理要素によって決定されるように構成され得る。幾つかのさらなる実施形態では、データ処理要素は、スポットサイズを決定するようにさらに構成され得る。
【0034】
幾つかのさらなる実施形態では、斑点は、その斑点が温度を、例えば摂氏50~200度の範囲内の瞬間温度を有するように、放射要素によって加熱されるように構成され得る。
【0035】
幾つかの実施形態では、システムは、レーザビーム及び/又はレーザビームのアレイを事前決定された深さのターゲットへと送達するように構成され得る。そのような実施形態では、レーザビームからの光放射エネルギーは、ターゲットの少なくとも一部によって吸収されるように構成されている。事前決定された深さは、レーザビームが少なくとも表皮の外へと貫通するように、少なくとも100μmを有し得る。さらに、事前決定された深さは、最大で1900μmを有し得る。
【0036】
幾つかの実施形態では、放射光源は、好ましくはターゲットの温度を少なくとも摂氏50度まで上げることによって、少なくとも1つの切除トンネルを作り出すように、さらに構成され得る。上記トンネルは、放射要素の光放射エネルギーによって引き起こされた加熱によって、皮膚内にミクロン大の傷を作り出すことによって作り出され得る。
【0037】
幾つかの実施形態では、レーザ源は、好ましくはターゲットの温度を少なくとも摂氏50度まで上げることによって、少なくとも1つの複数切除トンネルを作り出すように構成され得る。幾つかのさらなる実施形態では、切除トンネルは、加熱によって皮膚内に作り出され得るのであって、そのような実施形態では、色素は壊されて少なくとも1つの断片にされ得る。放射要素は、好ましくは色素を加熱することによって、かつ/又はターゲットの温度を少なくとも摂氏50度まで上げることによって、色素を壊して断片にするように構成され得る。
【0038】
幾つかの実施形態では、色素は壊されて1つ以上の断片にされ得るのであって、その際、その断片は、少なくとも1ミクロンの、例えば6ミクロンの径を有する。このことは、このサイズの断片はリンパ系によって吸収され得ないので、特に有利であり得る。幾つかの実施形態では、システムは、少なくとも1つの断片を、好ましくは切除トンネルを介して排出するように、さらに構成され得る。この排出は、蒸発によるものであり得る。幾つかの実施形態では、この排出は手動で行われ得る。幾つかのさらなる実施形態では、システムは、セキュリティ要素を備え得る。このセキュリティ要素は、1つ以上の容量性センシング装置及び/又は光電センシング装置及び/又は電磁誘導センシング装置を有するように構成され得る。このセキュリティ要素は、1つ以上の加速度計、及び/又はジャイロスコープ、コンパスを有するように、さらに構成され得る。幾つかのさらなる実施形態では、システムは冷却要素を備え得る。
【0039】
第2の実施形態では、方法が開示され、該方法は、上記のシステム上で実行されるように構成されている。
【0040】
本技術は、以下の数字を付された実施形態によっても定められる。
【0041】
以下では、システムの実施形態が論じられる。これらの実施形態は、文字「S」の後に数字を付して略記される。本明細書において、「システムの実施形態」が参照される際は、常にこれらの実施形態を意味する。
【0042】
(S1)システムであって、
ターゲットデータを抽出するように構成された少なくとも1つの撮像要素と、
少なくとも1つの放射要素と、を備えるシステム。
【0043】
(S2)位置決め要素が、前記ターゲットデータに基づいて前記放射要素を位置決めするように構成されている、実施形態S1に記載のシステム。
【0044】
(S3)前記システムは、データ処理要素をさらに備えている、実施形態S2に記載のシステム。
【0045】
(S4)前記データ処理要素は、前記ターゲットデータを、前記撮像要素から位置決め要素に伝送するように構成されている、実施形態S1からS3のいずれか1つに記載のシステム。
【0046】
(S5)前記位置決め要素は、XY位置決めステージ及び/又はXYZ位置決めステージを含んでいる、実施形態S4に記載のシステム。
【0047】
(S6)前記ターゲットデータは画像要素を含んでおり、前記画像要素の長さは、1~100mmの範囲を、例えば5~50mmの範囲を、好ましくは10~20mmの範囲を含んでいる、実施形態S1からS5のいずれか1つに記載のシステム。
【0048】
(S7)前記ターゲットデータは、前記画像要素を含んでおり、前記画像要素の幅は、1~100mmの範囲を、例えば5~50mmの範囲を、好ましくは10~20mmの範囲を含んでいる、実施形態S1からS6のいずれか1つに記載のシステム。
【0049】
(S8)前記データ処理要素は、前記ターゲットデータのパラメタに基づいて位置決め範囲を決定するように構成されている、実施形態S1からS7のいずれか1つに記載のシステム。
【0050】
(S9)前記ターゲットデータは、少なくとも1つの前記ターゲットについてのXY座標データ及び/又はXYZ座標データを含んでいる、実施形態S1からS8のいずれか1つに記載のシステム。
【0051】
(S10)前記放射要素は、少なくとも1つのレーザ源を備えている、実施形態S1からS9のいずれか1つに記載のシステム。
【0052】
(S11)前記放射要素は、少なくとも1つの複数レーザ源を備えている、実施形態S1からS10のいずれか1つに記載のシステム。
【0053】
(S12)少なくとも1つの前記レーザ源は、ダイオードレーザを含んでいる、実施形態S1からS11のいずれか1つに記載のシステム。
【0054】
(S13)少なくとも1つの前記レーザ源はダイオードレーザを含んでおり、前記ダイオードレーザは、0.1~4Wの範囲の、例えば0.5~2Wの範囲の、好ましくは0.8Wの、出力を備えている、実施形態S1からS12のいずれか1つに記載のシステム。
【0055】
(S14)前記放射要素は、10~500ミクロンの範囲の、例えば50~200ミクロンの範囲の幅を有するレーザビームを含む少なくとも1つのレーザ源を備えている、実施形態S1からS13のいずれか1つに記載のシステム。
【0056】
(S15)少なくとも1つの前記レーザ源は、NIR(近赤外)範囲の、例えば350nm~1000nmの範囲の波長を含んでいる、実施形態S1からS14のいずれか1つに記載のシステム。
【0057】
(S16)少なくとも1つの前記レーザ源は、可視範囲の波長を含んでいる、実施形態S1からS15のいずれか1つに記載のシステム。
【0058】
(S17)前記レーザ源は、レーザビームのアレイを少なくとも1つ含んでいる、実施形態S1からS16のいずれか1つに記載のシステム。
【0059】
(S18)前記位置決め要素は、前記レーザビームがターゲットに送達されるように、前記レーザ源を位置決めするようにさらに構成されている、実施形態S1からS17のいずれか1つに記載のシステム。
【0060】
(S19)前記ターゲットは、前記ターゲットデータに基づいて、前記データ処理要素によって自動的に決定されている、実施形態S1からS18のいずれか1つに記載のシステム。
【0061】
(S20)前記ターゲットは斑点を含んでおり、前記斑点は0.01mm~1mmの範囲内の、例えば0.1mmの径を有する、実施形態S1からS19のいずれか1つに記載のシステム。
【0062】
(S21)前記放射要素は、事前決定された照射時間の間だけ、前記レーザビームを前記ターゲットに持続的に送達するように構成されている、実施形態S1からS20のいずれか1つに記載のシステム。
【0063】
(S22)前記事前決定された照射時間は、前記ターゲットデータに基づき、前記データ処理要素によって決定されるように構成されている、実施形態S21に記載のシステム。
【0064】
(S23)前記事前決定された照射時間は、50mS~500mSの範囲の、例えば80mS~250mSの範囲の、好ましくは100mSの、時間を含む、実施形態S1からS22のいずれか1つに記載のシステム。
【0065】
(S24)前記レーザ源は、少なくとも8kW/cm2のレーザビーム強度を含む、実施形態S1からS23のいずれか1つに記載のシステム。
【0066】
(S25)少なくとも1つの前記レーザビーム及び/又はレーザビームのアレイは、持続的なレーザビームを含む、実施形態S1からS24のいずれか1つに記載のシステム。
【0067】
(S26)前記レーザ源は、100~1500J/cm2の範囲である、例えば500~1200J/cm2の範囲である、好ましくは800J/cm2である、皮膚深部におけるレーザパルスのフルエンスを備える、実施形態S1からS25のいずれか1つに記載のシステム。
【0068】
(S27)前記レーザビームは、最大で0.5mm2のスポットサイズを含む、実施形態S1からS26のいずれか1つに記載のシステム。
【0069】
(S28)各レーザパルスの前記フルエンス及び/又は前記レーザビームの前記スポットサイズは、前記フルエンスが少なくとも24J/cm2であるように、前記データ処理要素によって決定されるように構成されている、実施形態S1からS27のいずれか1つに記載のシステム。
【0070】
(S29)前記システムは、実施形態S19に記載の特徴を有し、前記データ処理要素は、前記斑点を決定するように構成され得る、実施形態S1からS28のいずれか1つに記載のシステム。
【0071】
(S30)前記放射要素は、前記斑点が温度を、例えば摂氏50~200度の範囲内の瞬間温度を有するように、前記ターゲットを加熱するように構成されている、実施形態S1からS29のいずれか1つに記載のシステム。
【0072】
(S31)前記システムは、前記レーザビーム及び/又は前記レーザビームの前記アレイを事前決定された深さの前記ターゲットへと送達するようにさらに構成されている、実施形態S1からS30のいずれか1つに記載のシステム。
【0073】
(S32)前記レーザビームからの放射光は、前記ターゲットによって吸収されるように構成されている、実施形態S1からS31のいずれか1つに記載のシステム。
【0074】
(S33)前記事前決定された深さは、少なくとも100μmを有する、実施形態S32に記載のシステム。
【0075】
(S34)前記システムは、実施形態S32及びS33に記載の特徴を有し、前記事前決定された深さは、最大で1900μmを有する、実施形態S1からS33のいずれか1つに記載のシステム。
【0076】
(S35)前記レーザ源は、好ましくは前記ターゲットの前記温度を少なくとも摂氏50度まで上げることによって、少なくとも1つの切除トンネルを作り出すように構成されている、実施形態S1からS34のいずれか1つに記載のシステム。
【0077】
(S36)前記レーザ源は、好ましくは前記ターゲットの前記温度を少なくとも摂氏50度まで上げることによって、少なくとも1つの複数切除トンネルを作り出すように構成されている、実施形態S1からS35のいずれか1つに記載のシステム。
【0078】
(S37)前記システムは、好ましくは前記ターゲットの前記温度を少なくとも摂氏50度まで上げることによって、色素を壊して少なくとも1つの断片にするようにさらに構成されている、実施形態S1からS36のいずれか1つに記載のシステム。
【0079】
(S38)前記レーザ源は、前記色素を壊して少なくとも1つの前記断片にするようにさらに構成されている、実施形態S1からS37のいずれか1つに記載のシステム。
【0080】
(S39)少なくとも1つの前記断片は、少なくとも1ミクロンの、例えば6ミクロンの径を有する、実施形態S37又はS38に記載のシステム。
【0081】
(S40)少なくとも1つの前記断片は、最大で6μmの径を有する、実施形態S1からS39のいずれか1つに記載のシステム。
【0082】
(S41)前記システムは、少なくとも1つの前記断片を、好ましくは前記切除トンネルを介して排出するように、さらに構成されている、実施形態S1からS40のいずれか1つに記載のシステム。
【0083】
(S42)前記システムは、少なくとも1つのセキュリティ要素を備えている、実施形態S1からS41のいずれか1つに記載のシステム。
【0084】
(S43)前記セキュリティ要素は、前記ターゲットを感知するように構成された、少なくとも1つの容量性センサを備えている、実施形態S42に記載のシステム。
【0085】
(S44)前記システムは、少なくとも1つの冷却要素を備えている、実施形態S1から43のいずれか1つに記載のシステム。
【0086】
以下では、方法の実施形態が論じられる。これらの実施形態は、文字「M」の後に数字を付して略記される。本明細書において、「方法の実施形態」が参照される際は、常にこれらの実施形態を意味する。
【0087】
(M1)方法であって、
ターゲットデータを抽出することと、
少なくとも1つの放射要素を設けることと、を含む方法。
【0088】
(M2)前記方法は、前記ターゲットデータに基づき、位置決め要素を用いて前記放射要素を位置決めすることをさらに含んでいる、実施形態M1に記載の方法。
【0089】
(M3)前記方法は、データ処理要素を提供することを含んでいる、実施形態M1又はM2に記載の方法。
【0090】
(M4)前記データ処理要素は、前記ターゲットデータを撮像要素から前記位置決め要素へと伝送することを含んでいる、実施形態M1からM3のいずれか1つに記載の方法。
【0091】
(M5)前記ターゲットデータは、画像要素を含んでおり、前記画像要素の長さは、1~100mmの範囲を、例えば5~50mmの範囲を、好ましくは10~20mmの範囲を含んでいる、実施形態M1からM4のいずれか1つに記載の方法。
【0092】
(M6)前記ターゲットデータは、前記画像要素を含んでおり、前記画像要素の幅は、1~100mmの範囲を、例えば5~50mmの範囲を、好ましくは10~20mmの範囲を含んでいる、実施形態M1からM5のいずれか1つに記載の方法。
【0093】
(M7)前記データ処理要素は、前記ターゲットデータのパラメタに基づき、位置決め範囲を決定することを含んでいる、実施形態M1からM6のいずれか1つに記載の方法。
【0094】
(M8)前記方法は、少なくとも1つのターゲットについてのXY座標データ及び/又はXYZ座標データを含む前記ターゲットデータを提供することを含んでいる、実施形態M1からM7のいずれか1つに記載の方法。
【0095】
(M9)前記方法は、少なくとも1つのレーザ源を有する前記放射要素を提供することを含んでいる、実施形態M1からM8のいずれか1つに記載の方法。
【0096】
(M10)前記方法は、少なくとも1つの複数レーザ源を有する前記放射要素を提供することを含んでいる、実施形態M1からM9のいずれか1つに記載の方法。
【0097】
(M11)前記方法は、ダイオードレーザを有する少なくとも1つの前記レーザ源を提供することを含んでいる、実施形態M1からM10のいずれか1つに記載の方法。
【0098】
(M12)前記方法は、ダイオードレーザを有する少なくとも1つの前記レーザ源を提供することを含んでおり、前記ダイオードレーザは、0.1~4Wの範囲の、例えば0.5~2Wの範囲の、好ましくは0.8Wの、出力を備えている、実施形態M1からM11のいずれか1つに記載の方法。
【0099】
(M13)前記方法は、レーザビームを有する少なくとも1つのレーザ源を有する前記放射要素を提供することを含んでおり、前記レーザビームは、10~500ミクロンの範囲の、例えば20~200ミクロンの範囲の幅を有している、実施形態M1からM12のいずれか1つに記載の方法。
【0100】
(M14)前記方法は、NIR(近赤外)範囲及び/又は可視範囲の、例えば400nm~1000nmの波長を有するレーザ光を有する少なくとも1つの前記レーザ源を提供することを含んでいる、実施形態M1からM13のいずれか1つに記載の方法。
【0101】
(M15)前記方法は、レーザビームのアレイを少なくとも1つ有するレーザ源を提供することを含んでいる、実施形態M1からM14のいずれか1つに記載の方法。
【0102】
(M16)前記位置決め要素は、前記レーザビームがターゲットに送達されるように、前記レーザ源を位置決めすることを含んでいる、実施形態M1からM15のいずれか1つに記載の方法。
【0103】
(M17)前記データ処理要素は、前記ターゲットデータに基づき、前記ターゲットによって自動的に決定することを含んでいる、実施形態M1からM16のいずれか1つに記載の方法。
【0104】
(M18)前記方法は、斑点を有する前記ターゲットを提供することを含んでおり、前記斑点は、0.01~0.1mmの範囲内の、例えば0.1mmの径を有している、実施形態M1からM17のいずれか1つに記載の方法。
【0105】
(M19)前記方法は、事前決定された照射時間の間だけ、前記ターゲットに対して前記レーザビームを持続的に送達することを含んでいる、実施形態M1からM18のいずれか1つに記載の方法。
【0106】
(M20)前記データ処理要素は、前記事前決定された照射時間を前記ターゲットデータに基づいて決定することを含んでいる、実施形態M19に記載の方法。
【0107】
(M21)前記方法は、前記事前決定された照射時間を、50mS~500mSの範囲に、例えば80mS~250mSの範囲に、好ましくは100mSに決定することを含んでいる、実施形態M1からM20のいずれか1つに記載の方法。
【0108】
(M22)前記方法は、少なくとも8KW/cm2のレーザビーム強度を有する前記レーザ源を提供することを含んでいる、実施形態M1からM21のいずれか1つに記載の方法。
【0109】
(M23)前記方法は、持続的なレーザビームを含む、少なくとも1つのレーザビーム及び/又はレーザビームのアレイを提供することを含んでいる、実施形態M1からM22のいずれか1つに記載の方法。
【0110】
(M24)前記方法は、100~1500J/cm2の範囲である、例えば500~1200J/cm2の範囲である、好ましくは800J/cm2である、皮膚深部におけるレーザパルスのフルエンスを備える、前記レーザ源を提供することを含んでいる、実施形態M1からM23のいずれか1つに記載の方法。
【0111】
(M25)前記方法は、最大で0.5mm2のスポットサイズを有する前記レーザビームを提供することを含んでいる、実施形態M1からM24のいずれか1つに記載の方法。
【0112】
(M26)前記データ処理要素は、各レーザパルスの前記フルエンス及び/又は前記レーザビームの前記スポットサイズのうち少なくとも1つを、前記フルエンスが100~1500J/cm2の範囲に、例えば500~1200J/cm2の範囲に、好ましくは800J/cm2になるように、決定することを含んでいる、実施形態M1からM25のいずれか1つに記載の方法。
【0113】
(M27)前記方法は、実施形態M18に記載の特徴を有し、前記データ処理要素は、前記スポットサイズを、前記斑点が摂氏50~200度の範囲内の温度を有するように、決定することを含んでいる、実施形態M1からM26のいずれか1つに記載の方法。
【0114】
(M28)前記方法は、前記レーザビーム及び/又は前記レーザビームの前記アレイを事前決定された深さの前記ターゲットへと送達することをさらに含んでいる、実施形態M1からM27のいずれか1つに記載の方法。
【0115】
(M29)前記方法は、前記事前決定された深さを、少なくとも100μmを有するように提供することを含んでいる、実施形態M28に記載の方法。
【0116】
(M30)前記方法は、実施形態28及び29に記載の特徴を有し、前記事前決定された深さは、最大で1900μmを有する、実施形態M1からM29のいずれか1つに記載の方法。
【0117】
(M31)前記方法は、前記ターゲットの前記温度を少なくとも摂氏50度まで上げることによって、少なくとも1つの切除トンネルを作り出すことを含んでいる、実施形態M1からM30のいずれか1つに記載の方法。
【0118】
(M32)前記方法は、好ましくは前記ターゲットの前記温度を少なくとも摂氏50度まで上げることによって、少なくとも1つの複数切除トンネルを作り出すことをさらに含んでいる、実施形態M1からM31のいずれか1つに記載の方法。
【0119】
(M33)前記方法は、好ましくは前記ターゲットの前記温度を少なくとも摂氏50度まで上げることによって、色素を壊して少なくとも1つの断片にすることをさらに含んでいる、実施形態M1からM32のいずれか1つに記載の方法。
【0120】
(M34)前記方法は、前記放射要素を用いて、色素を壊して少なくとも1つの断片にすることをさらに含んでいる、実施形態M1からM33のいずれか1つに記載の方法。
【0121】
(M35)前記方法は、少なくとも1ミクロンの、例えば6ミクロンの径を有する少なくとも1つの断片を提供することを含んでいる、実施形態M33又はM34に記載の方法。
【0122】
(M36)少なくとも1つの前記断片は、最大で6μmの前記径を有している、実施形態M1からM35のいずれか1つに記載の方法。
【0123】
(M37)前記方法は、好ましくは前記切除トンネルを介して、少なくとも1つの前記断片を排出することをさらに含んでいる、実施形態M1からM36のいずれか1つに記載の方法。
【0124】
(M38)前記方法は、少なくとも1つのセキュリティ要素を提供することを含んでいる、実施形態M1からM37のいずれか1つに記載の方法。
【0125】
(M39)前記方法は、前記ターゲットを感知するように構成された少なくとも1つの容量性センサを有する前記セキュリティ要素を提供することを含んでいる、実施形態M38に記載の方法。
【0126】
(M40)前記方法は、少なくとも1つの冷却要素を提供することを含んでいる、実施形態M1からM39のいずれか1つに記載の方法。
【0127】
以下では、使用方法の実施形態が論じられる。これらの実施形態は、文字「U」の後に数字を付して略記される。本明細書において、「使用方法の実施形態」が参照される際は、常にこれらの実施形態を意味する。
【0128】
(U1)前記実施形態のいずれか1つに記載のシステムの使用方法であって、前記方法の実施形態のいずれか1つに記載の方法を実行するための使用方法。
【0129】
(U2)前記方法の実施形態のいずれか1つに記載の方法及び前記実施形態のいずれか1つに記載のシステムの使用方法であって、皮膚の色素沈着を除去するための使用方法。
【0130】
以下では、プログラムの実施形態が論じられる。これらの実施形態は、文字「C」の後に数字を付して略記される。本明細書において、「プログラムの実施形態」が参照される際は、常にこれらの実施形態を意味する。
【0131】
(C1)命令を格納したコンピュータ実装プログラムであって、前記プログラムは、ユーザデバイスによって実行されるときに、前記方法の実施形態のいずれか1つに記載の方法ステップを前記ユーザデバイスに実行させる、プログラム。
【0132】
(C2)命令を格納したコンピュータ実装プログラムであって、前記プログラムは、サーバによって実行されるときに、前記方法の実施形態のいずれか1つに記載の方法ステップを少なくとも1つの前記サーバに実行させる、プログラム。
【0133】
(C3)命令を格納したコンピュータ実装プログラムであって、前記プログラムは、ユーザデバイスによって実行されたときに、前記方法の実施形態のいずれか1つに記載の方法ステップを前記ユーザデバイス及びサーバに実行させる、プログラム。
【0134】
以下、本発明は、本発明の実施形態を例示する添付の図面を参照しつつ、記述される。これらの実施形態は単に本発明を例示するものであって、限定するものではないとされたい。
【図面の簡単な説明】
【0135】
【
図2】
図2は、本発明の一実施形態を示しており、該実施形態では、本発明はハンドヘルド型装置であり得る。
【
図6】
図6は、本発明の使用結果の一実施形態を示している。
【
図7】
図7は、本発明の使用結果の一実施形態を示している。
【発明を実施するための形態】
【0136】
図1は、システム1000を示しており、システム1000は、エネルギーを放出する放射要素を有するように構成されており、それは例えばターゲット(真皮b)内に含まれる色素粒子t上へのレーザ100である。レーザ100は、ターゲット(表皮a)を通過する際に屈折させられることがある。この屈折は、真皮aの吸収特性に依存し得る。システム1000は、データ処理要素を有するように構成され得るのであって、ターゲットの光学特性を決定するようにも用いることができる。このデータ処理要素は、演算ユニットを含み得る。該演算ユニットは、バス接続を含み得る内部通信チャネルを通じて、第1のデータストレージユニット、第2のデータストレージユニット、及び第3のデータストレージユニットにアクセスできる。データストレージユニットのうち少なくとも1つは、ターゲットデータを含み得る。データストレージユニットのうち少なくとも1つは、ナレッジベースを含み得る。
【0137】
上記演算ユニットは、単一のプロセッサであってもよいし、複数のプロセッサであってもよく、さらに、限定されるわけではないものの、CPU(central processing unit)、GPU(graphical processing unit)、DSP(digital signal processor)、APU(accelerator processing unit)、ASIC(application-specific integrated circuit)、ASIP(application-specific instruction-set processor)、又はFPGA(field programmable gate array)であってよい。第1のデータストレージユニット30Aは、単一であってもよいし複数であってもよい。さらに、限定されるわけではないが、RAM(random-access memory)、DRAM(Dynamic RAM)、SDRAM(Synchronous Dynamic RAM)、SRAM(static RAM)、フラッシュメモリ、MRAM(Magneto-resistive RAM)、F-RAM(Ferroelectric RAM)、又はP-RAM(Parameter RAM)等の揮発性又は不揮発性のメモリであってよい。
【0138】
第2のデータストレージユニットは、単一であってもよいし複数であってもよい。さらに、限定されるわけではないが、RAM、DRAM、SDRAM、SRAM、フラッシュメモリ、MRAM、F-RAM、又はP-RAM等の揮発性又は不揮発性のメモリであってよい。
【0139】
第3のデータストレージユニットは、単一であってもよいし複数であってもよい。さらに、限定されるわけではないが、RAM、DRAM、SDRAM、SRAM、フラッシュメモリ、MRAM、F-RAM、又はP-RAM等の揮発性又は不揮発性のメモリであってよい。
【0140】
一般的には、第1のデータストレージユニット、第2のデータストレージユニット30B、及び第3のデータストレージユニット30Cは、同じメモリの一部であってもよいことは、理解されたい。即ち、それぞれのターゲットデータ及びナレッジベースを格納するように構成され得る、単一の総合データストレージユニット30が装置ごとに設けられ得る。
【0141】
データ処理要素は、さらなるメモリ要素140を備え得る。さらなるメモリ要素140は、単一であっても複数であってもよいし、限定されるわけではないが、RAM、DRAM、SDRAM、SRAM、フラッシュメモリ、MRAM、又はF-RAM、又はP-RAM等の揮発性又は不揮発性のメモリであってよい。メモリ要素はまた、内部通信チャネルを通じて、データ処理要素の他の構成要素(演算要素等)と接続され得る。
【0142】
さらに、データ処理要素は、外部通信要素を備え得る。外部通信要素は、アンテナ(例:WIFIアンテナ、NFCアンテナ、2G/3G/4G/5Gアンテナ)、USBポート/プラグ、LANポート/プラグ、電気的接続を提供する接触パッド等を含み得る。外部通信要素は、データの送信及び/又は受信のための命令を備え得る通信プロトコルに基づいて、データの送信及び/又は受信を行うことができる。
【0143】
加えて、データ処理要素は、そのデータ処理要素のユーザがデータ処理要素に対して少なくとも1つの入力(例:命令)を提供できるようにする、入力用ユーザインターフェースを備え得る。例えば、入力用ユーザインターフェースは、ボタン、キーボード、トラックパッド、マウス、タッチスクリーン、ジョイスティック等を含み得る。
【0144】
加えて、データ処理要素は、さらに、データ処理要素がユーザに表示を提供することができるようにし得る出力用ユーザインターフェースを備え得る。例えば、その出力用ユーザインターフェースは、LED、ディスプレイ、スピーカー等であり得る。
【0145】
出力用及び入力用ユーザインターフェースはまた、装置の内部通信要素を通じて、内部要素に接続され得る。データ処理要素は、リモートデータ処理要素を備え得る。
【0146】
図2は、システム1、ハンドル2、電源スイッチ4を有するように構成され得る操作パネル3、の概略図である。この装置は、単一及び/又は複数のバッテリー表示器6をさらに備え得る。バッテリー表示器6は、バッテリーの充電状態(SoC)又は消費状態(DoD)の視覚的表示を表示するように構成され得る。バッテリー表示器6は、LEDバッテリーレベル表示器であってよいし、棒グラフの形態をとる電子ディスプレイであってもよい。この装置は、開口部11と、好ましくは開口部11の周縁にあるターゲティングシステム12と、をさらに備え得る。バッテリー表示器6はまた、レーザの出力も表示し得る。装置は、放射光が通過できるように構成され得るレーザ開口10をさらに備え得る。
【0147】
図3及び4は、本発明の一実施形態を示している。システム1000は、レーザビームをターゲットtに送達することができる。ターゲットtは、撮像要素500によって決定され得る。システム1000からのレーザビーム100の波長は、500~1000nmのNIRであり得る。レーザビーム100は、数ミクロンの幅を備え得る。レーザビーム100は、タトゥーインクtを覆う真皮層bにヒットし、皮膚を貫通してインク及び周囲の皮膚を温め得る。結果として、数百ミクロンのトンネル深度200が皮膚に刻まれ得る。この手順は、2~3週間の治癒期間後の皮膚の修正及びタトゥーインクの体外排出において効果的であり得る。本発明は、例えば1Wまでの低出力ダイオードレーザ100を含み得る。さらに、本発明は、2~10のビームを単一の小さな面積の斑点に集中させることによって使用され、非常に多くの光学的出力を単位面積に届けることができる。この事実によって、小さなスマートホームデバイス内にシステム1000を実装することが可能になり得る。
【0148】
図5は、本発明の一実施形態を示しており、該実施形態では、レーザビームのスポットサイズZ、Z’が、2つのスポットサイズの間の距離Y、Y’と比較されている。本図から見ることができるように、幾つかの実施形態では、Z及びZ’は、Y及びY’に等しい。幾つかのさらなる実施形態では、それらが異なる場合もある。
【0149】
図6及び7は、本発明の使用例を示している。システム1000は、タトゥー除去のために用いられ得る。この実施形態では、フィッツパトリックのスキンタイプ4を有する36歳の男性が見られ得る。肩のブラックタトゥーが、それまでは治療されていなかった。このタトゥーは、3週間の間隔をおいて3度治療され、図示されている結果を得ることができた。レーザ100が送達された領域は、覆われないままにしておくことができる。195日後の最終経過観察では、色素沈着又は低色素沈着は観察されなかった。正常な発毛を含めた、正常な皮膚の再生が見られた。
【0150】
以下の記述では、一連の特徴及び/又はステップが記載される。当業者であれば、明示的に必要とされない限り、かつ/又は文脈が要求しない限り、特徴及びステップの順番は、結果生じる構成及びその効果にとって重要ではないことを、理解できよう。さらに、当業者にとっては、特徴及びステップの順番によらず、ステップ間の時間遅延の存在又は非存在が、記載されたステップのうち幾つかの間又はすべての間に存在し得ることは、明らかであろう。
【0151】
すべての図がすべての参照符号を含有しているわけではないことには、注意されたい。代わりに、一部図面においては、一部参照符号が、図示の明瞭性及び単純性のために省略されている。以下、本発明の実施形態が、添付の図面を参照しつつ記述される。
【0152】
上では、好ましい実施形態が添付の図面を参照しつつ記述されていたが、当業者であれば、このような実施形態は説明の目的のみのために提供されたものであり、本発明の範囲を限定するように解釈されるべきではなく、本発明の範囲は請求項によって定められることを、理解できよう。
【0153】
請求項において、実施形態において記載された特徴及び添付の図面において図示された特徴を特定する、括弧の間に見られる参照符号は、特許請求されている主題の例示として、読者への補助として提供されている。そのような参照符号を包含することによって請求項の範囲に制限が加えられていると解釈されるべきではない。
【0154】
「第1のオプションと第2のオプションのうち少なくとも一方」という表現は、第1のオプション、又は第2のオプション、又は、第1及び第2のオプション、を意味することを意図されている。
【0155】
本明細書において、「約」、「実質的に」、又は「概ね」等の相対的な語が使用された場合は常に、そのような語は、正確な語も含むものと解釈されるべきである。即ち、例えば、「実質的にまっすぐである」は、「(正確に)まっすぐである」を含むものと解釈されるべきである。
【0156】
ステップが上で記載された場合又は添付の請求項に記載された際には、常に、本テキストでステップが記載された順番は非本質的なものであり得ることに注意されたい。即ち、指定されたか又は当業者にとって明らかであるという場合以外では、ステップが記載された順番は、非本質的なものであり得る。即ち、本書類が、例えば、方法はステップ(A)及び(B)を含む、と述べているときには、これは、ステップ(A)がステップ(B)に先行することを必ずしも意味せず、ステップ(A)がステップ(B)と(少なくとも部分的には)同時的に実施される可能性もあれば、ステップ(B)がステップ(A)に先行する可能性もある。さらに、ステップ(X)が他のステップ(Z)に先行すると言われている際、これは、ステップ(X)と(Z)の間にはステップが存在しないことを示唆してはいない。即ち、ステップ(X)がステップ(Z)に先行するということは、ステップ(X)がステップ(Z)の直前に実施されるという状況を包含するが、ステップ(X)が1つ以上のステップ(Y1)に先立って実施され、その後にステップ(Z)が続くという状況も包含する。「後」又は「前」といった語が用いられるときにも、対応する考慮が適用される。
【手続補正書】
【提出日】2024-06-18
【手続補正1】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0156
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0156】
ステップが上で記載された場合又は添付の請求項に記載された際には、常に、本テキストでステップが記載された順番は非本質的なものであり得ることに注意されたい。即ち、指定されたか又は当業者にとって明らかであるという場合以外では、ステップが記載された順番は、非本質的なものであり得る。即ち、本書類が、例えば、方法はステップ(A)及び(B)を含む、と述べているときには、これは、ステップ(A)がステップ(B)に先行することを必ずしも意味せず、ステップ(A)がステップ(B)と(少なくとも部分的には)同時的に実施される可能性もあれば、ステップ(B)がステップ(A)に先行する可能性もある。さらに、ステップ(X)が他のステップ(Z)に先行すると言われている際、これは、ステップ(X)と(Z)の間にはステップが存在しないことを示唆してはいない。即ち、ステップ(X)がステップ(Z)に先行するということは、ステップ(X)がステップ(Z)の直前に実施されるという状況を包含するが、ステップ(X)が1つ以上のステップ(Y1)に先立って実施され、その後にステップ(Z)が続くという状況も包含する。「後」又は「前」といった語が用いられるときにも、対応する考慮が適用される。
また、本発明は、以下の態様を含む。
〔態様1〕
システムであって、前記システムは、
ターゲットデータを抽出するように構成された少なくとも1つの撮像要素と、
少なくとも1つの放射要素と、
前記ターゲットデータに基づいて前記放射要素を位置決めするように構成された、少なくとも1つの位置決め要素と、を備えるシステム。
〔態様2〕
前記システムは、データ処理要素をさらに備えており、
前記データ処理要素は、前記ターゲットデータを、前記撮像要素から前記位置決め要素に伝送するように構成されており、さらに、前記ターゲットデータは、少なくとも1つの画像要素を含んでいる、態様1に記載のシステム。
〔態様3〕
前記放射要素は、少なくとも1つのレーザ源を備えており、
前記レーザ源は、少なくとも1つのダイオードレーザを備えている、態様1又は2に記載のシステム。
〔態様4〕
前記少なくとも1つのダイオードレーザは、0.1~4Wの範囲の、例えば0.5~2Wの範囲の、好ましくは0.8Wの出力を備えている、態様1から3のいずれか一つに記載のシステム。
〔態様5〕
前記放射要素は、レーザビームを有するように構成された少なくとも1つの前記レーザ源を備えており、前記レーザビームの幅は、10~500ミクロンの範囲であり、例えば50~200ミクロンの範囲である、態様1から4のいずれか一つに記載のシステム。
〔態様6〕
少なくとも1つの前記レーザ源は、波長が350~1000nmの範囲である放射を含んでいる、態様1から5のいずれか一つに記載のシステム。
〔態様7〕
前記放射要素は、少なくとも1つのレーザビームを持続的にターゲットに送達するように構成されており、前記レーザビームの強度は、少なくとも8kW/cm
2
である、態様1から6のいずれか一つに記載のシステム。
〔態様8〕
前記システムは、態様5に記載の特徴を有し、
前記レーザ源は、100~1500J/cm
2
の範囲であり、例えば500~1200J/cm
2
の範囲であり、好ましくは800J/cm
2
である、皮膚深部におけるレーザパルスのフルエンスを含む、態様1から7のいずれか一つに記載のシステム。
〔態様9〕
前記放射要素は、前記ターゲットを、その斑点が例えば摂氏50~200度の範囲内の瞬間温度である温度を有するように、熱するように構成されている、態様1から8のいずれか一つに記載のシステム。
〔態様10〕
前記レーザ源は、好ましくは前記ターゲットの温度を少なくとも摂氏50度まで上げることによって、少なくとも1つの切除トンネルを作り出すように構成されている、態様1から9のいずれか一つに記載のシステム。
〔態様11〕
前記システムは、好ましくは前記ターゲットの温度を少なくとも摂氏50度まで上げることによって、色素を壊して少なくとも1つの断片にするようにさらに構成されている、態様1から10のいずれか一つに記載のシステム。
〔態様12〕
前記少なくとも1つの断片は、少なくとも1ミクロンの径を、例えば6ミクロンの径を有しており、
さらに、前記システムは、好ましくは前記切除トンネルを介して、前記少なくとも1つの断片を排出させるように構成されている、態様11に記載のシステム。
〔態様13〕
方法であって、
少なくとも1つの撮像要素によってターゲットデータを抽出することと、
少なくとも1つの放射要素を設けることと、を含む方法。
〔態様14〕
前記方法は、好ましくはターゲットの温度を少なくとも摂氏50度まで上げることによって、前記ターゲット内に少なくとも1つの切除トンネルを形成することを含み、前記切除トンネルを介して色素の少なくとも1つの断片を排出させることをさらに含む、態様13に記載の方法。
【手続補正2】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
システムであって、前記システムは、
ターゲットデータを抽出するように構成された少なくとも1つの撮像要素と、
少なくとも1つの放射要素と、
前記ターゲットデータに基づいて前記放射要素を位置決めするように構成された、少なくとも1つの位置決め要素と、を備えるシステム。
【請求項2】
前記システムは、データ処理要素をさらに備えており、
前記データ処理要素は、前記ターゲットデータを、前記撮像要素から前記位置決め要素に伝送するように構成されており、さらに、前記ターゲットデータは、少なくとも1つの画像要素を含んでいる、請求項1に記載のシステム。
【請求項3】
前記放射要素は、少なくとも1つのレーザ源を備えており、
前記レーザ源は、少なくとも1つのダイオードレーザを備えている、請求項1又は2に記載のシステム。
【請求項4】
前記少なくとも1つのダイオードレーザは、0.1~4Wの範囲の、例えば0.5~2Wの範囲の、好ましくは0.8Wの出力を備えている、請求項
3に記載のシステム。
【請求項5】
前記放射要素は、レーザビームを有するように構成された少なくとも1つの前記レーザ源を備えており、前記レーザビームの幅は、10~500ミクロンの範囲であり、例えば50~200ミクロンの範囲である、請求項
3に記載のシステム。
【請求項6】
少なくとも1つの前記レーザ源は、波長が350~1000nmの範囲である放射を含んでいる、請求項
5に記載のシステム。
【請求項7】
前記放射要素は、少なくとも1つのレーザビームを持続的にターゲットに送達するように構成されており、前記レーザビームの強度は、少なくとも8kW/cm
2である、請求項
5に記載のシステム。
【請求項8】
前記レーザ源は、100~1500J/cm
2の範囲であり、例えば500~1200J/cm
2の範囲であり、好ましくは800J/cm
2である、皮膚深部におけるレーザパルスのフルエンスを含む、請求項
5に記載のシステム。
【請求項9】
前記放射要素は、前記ターゲットを、その斑点が例えば摂氏50~200度の範囲内の瞬間温度である温度を有するように、熱するように構成されている、請求項
7に記載のシステム。
【請求項10】
前記レーザ源は、好ましくは前記ターゲットの温度を少なくとも摂氏50度まで上げることによって、少なくとも1つの切除トンネルを作り出すように構成されている、請求項
9に記載のシステム。
【請求項11】
前記システムは、好ましくは前記ターゲットの温度を少なくとも摂氏50度まで上げることによって、色素を壊して少なくとも1つの断片にするようにさらに構成されている、請求項
10に記載のシステム。
【請求項12】
前記少なくとも1つの断片は、少なくとも1ミクロンの径を、例えば6ミクロンの径を有しており、
さらに、前記システムは、好ましくは前記切除トンネルを介して、前記少なくとも1つの断片を排出させるように構成されている、請求項11に記載のシステム。
【請求項13】
システムを操作する方法であって、
少なくとも1つの撮像要素によってターゲットデータを抽出することと、
少なくとも1つの放射要素を設けることと、を含む
、システムを操作する方法。
【請求項14】
前記
システムを操作する方法は、好ましくはターゲットの温度を少なくとも摂氏50度まで上げることによって、前記ターゲット内に少なくとも1つの切除トンネルを形成することを含み、前記切除トンネルを介して色素の少なくとも1つの断片を排出させることをさらに含む、請求項13に記載の
システムを操作する方法。
【国際調査報告】