(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-10-31
(54)【発明の名称】重荷重物の水中への積み出しのための設備
(51)【国際特許分類】
B63C 3/12 20060101AFI20241024BHJP
B63B 77/00 20200101ALI20241024BHJP
【FI】
B63C3/12
B63B77/00
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2024529612
(86)(22)【出願日】2022-11-10
(85)【翻訳文提出日】2024-07-08
(86)【国際出願番号】 EP2022081531
(87)【国際公開番号】W WO2023088788
(87)【国際公開日】2023-05-25
(32)【優先日】2021-11-17
(33)【優先権主張国・地域又は機関】FR
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】509167338
【氏名又は名称】ソレタンシュ フレシネ
【氏名又は名称原語表記】SOLETANCHE FREYSSINET
(71)【出願人】
【識別番号】524186235
【氏名又は名称】ロール・ホールディング・ベー・フェー
(74)【代理人】
【識別番号】100108453
【氏名又は名称】村山 靖彦
(74)【代理人】
【識別番号】100110364
【氏名又は名称】実広 信哉
(74)【代理人】
【識別番号】100133400
【氏名又は名称】阿部 達彦
(72)【発明者】
【氏名】ブノワ・メラン
(72)【発明者】
【氏名】ルール・ヴェーゼル
(57)【要約】
重荷重物の水中への積み出しのための設備。陸上に位置する重荷重物(10)、特に三脚型または四脚型フロートによって構成された荷重物の水中への積み出しのための設備(1)は、互いに独立しており、それぞれの経路上を移動することができる少なくとも2つの支持構造(20)であって、その各々は、荷重物に引っ掛かるように構成された昇降手段(60)を備え、これらの支持構造の各々は、釣合錘(22)を備える少なくとも2つの支持構造(20)を有し、設備は、荷重物が積出領域に位置決めされるとき、荷重物を水中に下降させるために、支持構造の昇降手段(60)が水の上方に少なくとも部分的に延在することを可能にするように構成される。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
陸上に位置する重荷重物(10)、特に三脚型または四脚型フロートによって構成された荷重物、を水中に積み出すための設備(1)であって、
互いに独立した少なくとも2つの支持構造(20)であって、前記支持構造の各々は、前記荷重物に引っ掛かるように構成された昇降手段(60)を備え、前記支持構造の各々は、釣合錘(22)を備える、支持構造(20)を有し、
前記設備は、前記荷重物が積出領域に位置決めされるとき、前記荷重物を水中に下降させるために、前記支持構造(20)の前記昇降手段(60)が水の上方に少なくとも部分的に延在することを可能にするように構成される、設備。
【請求項2】
前記荷重物に取り付けられるように構成された昇降手段(60)が設けられた、バージ(50)によって支持される少なくとも1つの海上支持構造(20)を有する、請求項1に記載の設備。
【請求項3】
前記バージ(50)は、積出位置に向かう前記荷重物の移動に付随するように移動可能である、請求項2に記載の設備。
【請求項4】
前記バージ(50)は、前記支持構造を水平よりも上に位置させ続けることを可能にする調整可能なバラストまたは釣合錘システムを有する、請求項3に記載の設備。
【請求項5】
前記バージは、前記荷重物(10)がドックから離れて移動するにつれて徐々に巻き出されるように配置された係留線(52、54)によって前記ドックまたは前記支持構造(20)に接続されている、請求項3または4に記載の設備。
【請求項6】
前記荷重物が前記積出領域にあるときに前記荷重物の一部を置くことができる潜水式バージ(50)を有する、請求項1に記載の設備。
【請求項7】
前記設備は、前記荷重物を受け取るための陸上領域から前記荷重物の積み出しのための領域に延在する移動経路を備え、前記潜水式バージは、ドックの前記移動経路(30)のうちの1つに連続して位置決めされ、前記荷重物を前記バージ上に移動させることを可能にするこの経路までの延長部を有する、請求項6に記載の設備。
【請求項8】
前記設備は、前記荷重物を受け取るための陸上領域から前記荷重物の前記積み出しのための領域に延在する移動経路を備え、前記支持構造(20)は、前記移動経路(30)に平行に配向される、請求項1から7のいずれか一項に記載の設備。
【請求項9】
前記設備は、前記荷重物を受け取るための陸上領域から前記荷重物の前記積み出しのための領域に延在する移動経路を備え、前記設備は、各々が昇降手段(60)及び釣合錘(22)を備えた少なくとも3つの支持構造を有し、前記移動経路は、前記積出領域において、前記荷重物を水中に下降させるために、前記支持構造のすべての前記昇降手段が水の上方に少なくとも部分的に位置するように配置される、請求項1に記載の設備。
【請求項10】
前記支持構造は、前記移動経路に対して横方向に配向される、請求項9に記載の設備。
【請求項11】
前記移動経路が沿って延在するパイル上の2つのプラットフォーム(90)または他の構造を有し、前記積出領域は、これらのプラットフォームまたは他の構造の間に延在する、請求項9または10に記載の設備。
【請求項12】
前記支持構造(20)は、前記荷重物が積み出されると前記支持構造を前記荷重物から離れるように移動させることができるように、前記移動経路に対してそれらの長手方向軸に沿って移動可能である、請求項9から11のいずれか一項に記載の設備。
【請求項13】
前記支持構造(20)は、全体的に水平に延在する、請求項1から12のいずれか一項に記載の設備。
【請求項14】
前記設備は、前記荷重物を受け取るための陸上領域から前記荷重物の前記積み出しのための領域に延在する移動経路を備え、前記移動経路は、レール(31;95)を有する、請求項1から13のいずれか一項に記載の設備。
【請求項15】
前記支持構造は、前記荷重物に耐えることができる合成材料、特にエラストマで作製されたシューを有する、請求項1から14のいずれか一項に記載の設備。
【請求項16】
前記設備は、前記荷重物を受け取るための陸上領域から前記荷重物の前記積み出しのための領域に延在する移動経路(30)を備え、前記移動経路(30)は、少なくとも3つである、請求項1から15のいずれか一項に記載の設備。
【請求項17】
前記設備は、前記荷重物を受け取るための陸上領域から前記荷重物の前記積み出しのための領域に延在する移動経路を備え、
前記移動経路は、すべて互いに平行であるか、または異なる方向を有するか、またはその一部に対して平行であり、他の部分に対して異なる方向を有する、請求項1から16のいずれか一項に記載の設備。
【請求項18】
前記設備は、前記荷重物を受け取るための陸上領域から前記荷重物の前記積み出しのための領域に延在する移動経路を備え、
前記移動経路は、レールによってすべて画定されるか、またはレールによって少なくとも部分的に画定される、請求項1から17のいずれか一項に記載の設備。
【請求項19】
前記設備は、前記荷重物を受け取るための陸上領域から前記荷重物の前記積み出しのための領域に延在する移動経路を備え、
前記移動経路の少なくとも一部もしくはいくつかの移動経路は、コンクリート面によって、またはSPMTなどのホイールトランスポータが走行することができるトラックもしくはルートによって画定される、請求項1から18のいずれか一項に記載の設備。
【請求項20】
互いに概して平行に延在し、レール(31)によって画定される3つの移動経路(30)を備え、
前記移動経路は、水に隣接するドックの端部に延在し、
前記荷重物(10)は、前記支持構造(20)の前記昇降手段(60)との前記荷重物の接続の前に、対応する移動経路上を走行するトランスポータによって各々担持される脚部を有する三脚であり、
前記支持構造(20)のうちの1つは、バージ(50)によって担持され、他の2つの前記支持構造(20)は、前記荷重物が所定の領域を過ぎて前進すると前記荷重物に接続され、
前記設備は、2つの前記支持構造(20)の各々が、前記荷重物が走行する移動経路(30)から離れた第1の場所から前記荷重物(10)の背後のこの移動経路(30)上にある第2の場所に移動することを可能にする追加の移動経路(131)を備え、
前記追加の移動経路(131)は、前記荷重物が走行する前記移動経路(30)の前記レール(31)に垂直なレール(250)によって画定される、請求項1から19のいずれか一項に記載の設備。
【請求項21】
前記支持構造(20)が走行する移動経路(30)を備え、
前記移動経路は、前記支持構造(20)が走行するレール(95)によって画定され、
前記支持構造(20)の配向は、これらの移動経路に横方向であり、
一方の移動経路(30)上及び他の移動経路(30)上を走行する2つの支持構造が存在し、
前記設備は、前記移動経路(30)が延在する2つの桟橋(90)を備え、
前記荷重物は、一方の桟橋上にある1つの支持構造及び他方の桟橋(90)上の2つの他の支持構造によって前記桟橋(90)の間の水に対して吊り降ろされ、
前記設備はまた、好ましくは、2つの移動経路(30)であって、前記移動経路に沿って前記荷重物(10)が変位される、移動経路を備え、
2つの前記経路は、レール(82)を備え、
前記荷重物は、同じ移動経路に沿って走行する2つの脚部と、他の前記移動経路の走行する反対側の脚部とを有する三脚である、請求項1から19のいずれか一項に記載の設備。
【請求項22】
前記ドックに概して垂直に互いに平行に走行する2つの移動経路(30)と、他の2つの前記移動経路に概して垂直に走行する少なくとも1つのさらなる移動経路(30)とを備え、
最初の2つの前記移動経路(30)は、レールを備え、
少なくとも1つの前記さらなる経路は、SPMTなどのホイールトランスポータが、前記荷重物(10)の組み立てが完了した第1の場所から水中への前記積み出しのために前記荷重物を前記支持構造(20)によって吊り上げることができる第2の場所に走行することができるコンクリート面であり、
前記設備は、第3の支持構造(20)を担持するバージ(50)を備える、請求項1から19のいずれか一項に記載の設備。
【請求項23】
少なくとも1つの支持構造は、陸上から海上への前記荷重物の搬送中に回転することができる回転可能なクレーンを備える、請求項1から22のいずれか一項に記載の設備。
【請求項24】
陸上から海上への前記荷重物の搬送中に回転することができる回転可能なクレーンを有する少なくとも1つの支持構造と、別の支持構造(20)を担持するバージ(50)とを備え、
好ましくは、前記設備は、陸上から海上への前記荷重物の搬送中に回転することができる回転可能なクレーン(222)を各々が有する2つの支持構造と、第3の支持構造(20)を担持するバージとを備える、請求項23及び請求項1から19のいずれか一項に記載の設備。
【請求項25】
少なくとも1つの支持構造、好ましくはすべての支持構造は、少なくとも1つの第1の阻止要素を備え、前記第1の阻止要素は、前記荷重物が前記昇降手段によって上部位置に持ち上げられると、前記荷重物によって担持される少なくとも1つの第2の阻止要素と干渉し、前記支持構造に対する前記荷重物の側方変位を制限するように構成されており、
少なくとも1つの前記第1の阻止要素は、好ましくは、2つの対向するガイド(212)を備え、前記ガイド間では、少なくとも1つの第2の阻止要素(211)が係合することができ、
少なくとも1つの前記第2の要素は、好ましくは、前記荷重物の昇降ラグの上方に固定されたボックスである、請求項1から24のいずれか一項に記載の設備。
【請求項26】
請求項1から25のいずれか一項に記載の設備(1)を使用した、重荷重物、特に三脚型または四脚型フロートの水中への前記積み出しのための方法であって、
前記昇降手段(60)は、前記荷重物(10)を水中に下降させるように作用され、前記荷重物は、少なくとも3つの点で下降されている間保持され、
少なくとも3つの前記点のうちの少なくとも2つの点は、陸上に位置する前記支持構造(20)の昇降手段に接続され、第3の前記点は、潜水式バージ、バージ(50)によって支持される支持構造、及び陸上に位置する支持構造のうちの1つに接続される、方法。
【請求項27】
SPMTなどのホイールトランスポータ(200)を使用して前記荷重物を組立領域から前記支持構造(20)の前記昇降手段(60)に接続することができるゾーンに搬送するステップを含む、請求項26に記載の方法。
【請求項28】
前記第3の点は、バージ(50)に存在する支持構造に接続され、
前記方法は、前記バージ(50)のバラストに作用し、前記バージに存在する前記支持構造の前記昇降手段に対して前記荷重物によって加えられる力の変動を補償するステップを含む、請求項26または27に記載の方法。
【請求項29】
前記荷重物は、前記積出領域まで陸上に位置する前記支持構造(20)を使用して移動される、請求項26から28のいずれか一項に記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、重荷重物(heavy load)、より具体的には、排他的ではないが、海上風力タービン用のフロートによって構成された重荷重物の水中への積み出し(load-out)に関する。
【背景技術】
【0002】
海上風力タービンの開発は、その出力及びサイズの増加を伴う。
【0003】
海上に浮動風力タービンを設置することは現在一般的であり、前記風力タービンは、全体的または部分的に潜水することができるフロートによって支持されるタワーを有する。
【0004】
したがって、三脚または四脚フロートを有しかつタワーがフロートの脚部のうちの1つまたは中心に置かれている風力タービンが開発されている。
【0005】
そのようなフロートは、金属またはコンクリートから作製されてもよく、かなりの重量及び嵩、例えば4000t以上を有する。
【0006】
それらは、一般に地上で製造され、それらを搬送して水中に積み出すように適合された港湾設備を使用して水中に積み出される。これらの適合された港湾設備は、重荷重物のためのハンドリング手段を有し、風力発電基地から遠く離れて位置することができ、それによって現場への搬送が長くなり、かつ高価になってしまう。
【0007】
風力発電基地に最も近い港湾設備は、小さすぎるか、適切なハンドリング手段を欠いているか、または完成した風力タービンのための発電基地の設置のために前記港湾設備が1回だけ使用される場合には必ずしも有益ではないかなりのインフラストラクチャ作業を必要とするため、適合することができない可能性がある。
【0008】
特許文献1は、風力タービン構造を組み立てるための海上プラットフォームを開示している。プラットフォームは比較的大きく、プラットフォーム上に利用可能なスペースが限られており、かつ陸上よりも利便性が低いため、海上での構造の組み立てはいくつかの困難を引き起こす。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0009】
【特許文献1】中国特許第103693170号明細書
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0010】
その結果、無視できない高さを有する構造などの重荷重物の水中への積み出しを容易にし、重量のある港湾設備の使用を回避するシステムから利益を得る必要がある。
【課題を解決するための手段】
【0011】
本発明は、設備を提案することによってこの目的を達成し、この設備は、陸上に位置する重荷重物、特に三脚型または四脚型フロートによって構成された荷重物の水中への積み出しのための設備であって、
互いに独立しており、それぞれの経路上を移動することができる少なくとも2つの支持構造であって、その各々は、荷重物に引っ掛かるように構成された昇降手段を備え、これらの支持構造の各々は、釣合錘を備える少なくとも2つの支持構造、を有し、
設備は、荷重物が積出領域に位置決めされるとき、荷重物を水中に下降させるために、支持構造の昇降手段が水の上方に少なくとも部分的に延在することを可能にするように構成される。
【0012】
「フロート」は、例えば現場に搬送されている間に、少なくとも一時的に浮動する構造を意味すると理解される。このような構造は、「ジャケット」と呼ばれることもある。
【0013】
「重荷重物」は、典型的には1000t以上、より良好には3000t、さらには4000tの重量を有するが、依然として15000t未満またはそれ以上、例えば50000tである荷重物を意味すると理解される。
【0014】
昇降手段は、支持構造の一端に存在し、反対側の端部に釣合錘(counterweight)が存在してもよい。
【0015】
本発明は、海及び風の条件にあまり依存しない水中への積み出しを可能にし、次いで、港湾構造を補強するための土木工事の量を、水中に積み出されるいくつかの限られた要素に対して制限することを可能にする。
【0016】
したがって、本発明は、風力タービンフロートを建設/組立ドックからそれらの積出領域に移送するための港湾土木工事における高価な投資の特定の問題を解決することを可能にする。
【0017】
また、本発明は、(以下で詳細に説明する潜水式バージの変形例を除いて)ほとんどの機器が水中を移動しないため、積み出し場所での浚渫などの海洋現場に対するメンテナンス作業の数を制限することを可能にする。
【0018】
本発明は、より高いカーボンフットプリントを有する大容量ハンドリング手段の使用を回避することを可能にする。
【0019】
設備は、荷重物を受け取るための陸上領域から前記荷重物を積み出すための領域に延在する移動経路を備えることができる。
【0020】
設備は、その各々が昇降手段及び釣合錘を備えた少なくとも3つの支持構造を有してもよく、可能な移動経路は、積出領域において、荷重物を水中に下降させるために、支持構造のすべての昇降手段が水の上方に少なくとも部分的に位置するように配置される。
【0021】
少なくとも1つの支持構造、好ましくはすべての支持構造は、荷重物が昇降手段によって上部位置に持ち上げられると、荷重物によって担持される少なくとも1つの第2の阻止要素と干渉し、支持構造に対する荷重物の側方変位を制限するように構成された少なくとも1つの第1の阻止要素を備えてもよく、少なくとも1つの第1の阻止要素は、好ましくは、間で少なくとも1つの第2の阻止要素が係合することができる2つの対向するガイドを備える。少なくとも1つの第2の阻止要素は、持ち上げケーブルを荷重物に取り付ける役割を果たすラグの上で荷重物に配置されたケージを備えることができる。そのようなケージは、ケーブルを通すための開口部と、荷重物がその上部位置に達した後にガイドに接触することができる側壁とを備える。このようにして、荷重物は、例えば地面上または風の影響下でのその変位中に支持構造に対して側方に移動することが防止される。しかし、第1の要素と第2の要素との間の協働は、荷重物が昇降手段に接続されている点の高さの違いに起因する小さな動きを許可する場合があり、この小さな動きは、例えば海面またはバージの小さな変動によって引き起こされる(変形例では、バージが使用される)。
【0022】
設備は、荷重物の一部を担持し、荷重物を積出領域に搬送するプロセス全体を支援するためのバージを有するか、または有さないことが可能であり、このバージは、積出領域まで荷重物を運ぶために地上を移動するものと同様の支持構造を有するか、または有さないことが可能である。
【0023】
バージの存在は、バージなしで解決策に対して提供される土木工事を削減することを可能にすることができる。支持構造及び/またはバージは、1つの工業港湾現場から別の工業港湾現場に容易に搬送することができる。したがって、本発明は、使用及び不使用にすることが可能であり、ボートによって移送することができる持ち上げ構造を有する重い持ち上げシステムを有することを可能にする。
【0024】
したがって、本発明の例示的な実施形態では、設備は、少なくとも1つのバージを有する。このバージは、その積出位置に向かう荷重物の移動に付随するように移動可能であり得る。バージは、係留線によって陸上に位置する支持構造及び/またはドックに接続することができ、これらの係留線は、荷重物がドックから離れて移動するにつれて徐々に巻き出されるように配置されてもよい。線がドック縁部に直接当接するのを防止するために、一部の偏差サドルがドック縁部に設けられてもよい。
【0025】
設備は、荷重物に引っ掛かるように構成された昇降手段が一端に設けられた、バージによって支持される少なくとも1つの海上支持構造を有することができる。したがって、荷重物は、少なくとも3つの点で様々な支持構造の昇降手段に接続することができ、そのうちの2つは陸上支持構造によって担持され、1つは海上支持構造によって担持される。
【0026】
バージは、特にバージ上への荷重物の部分的な移送及び/または荷重物の下降中、支持構造を水平よりも上に位置させ続けることを可能にする調整可能なバラストまたは釣合錘システムを有してもよい。
【0027】
バージは、荷重物を水中に上昇または下降させる間にバージを実質的に水平に保つために、水を汲み入れたり汲み出したりする区画を有することができる。バージの動作中、水は、例えば荷重物に隣接する1つの区画から汲み出され、例えば荷重物の反対側の異なる区画に汲み入れられてもよい。
【0028】
設備は、荷重物によって担持される少なくとも1つの傾斜計を備えてもよく、昇降手段は、少なくとも1つの傾斜計によって送達される信号に基づいて持ち上げ中に荷重物を水平に維持するように制御されてもよい。昇降手段の制御はまた、昇降手段に存在する力センサによって送達される信号に基づいてもよい。
【0029】
設備は、バージによって担持される少なくとも1つの傾斜計を備えてもよく、バラストポンプは、持ち上げ動作中にバージを水平に維持するために、この少なくとも1つの傾斜計によって送達される信号に基づいて制御されてもよい。
【0030】
好ましくは、昇降手段は、バラストポンプと共に制御され、持ち上げ動作中、最初の持ち上げから水中への荷重物の浸漬まで、荷重物とバージの両方を水平に維持する。
【0031】
荷重物及び/またはバージの水平度の制御は、安全上の理由から、手動によるオーバーライドの実現性を伴って、自動であってもよい。
【0032】
バージによって担持される支持構造の昇降手段は、潮汐による海面の変動に対応するのに十分な長さのケーブル長を有する。このようにして、荷重物を持ち上げ、低潮時または潮汐を隠すときに地面から一定の距離に保つことができる。潮汐によるレベル変動は、例えば約2m/hであり得るが、昇降手段のケーブルは、例えば約15m/hの速度で上昇させることができる。
【0033】
上述したように、支持構造に対する荷重物の側方移動は、持ち上げた後に荷重物がその上部位置に達すると干渉要素により阻止され得るが、干渉要素は、荷重物がある点ではバージによって担持される支持構造に接続され、他の点では陸上に位置する支持構造に接続される場合、潮汐による小さな垂直移動を可能にするように構成されてもよい。
【0034】
バージは、海面と地面との間の高さの違いを補償するために昇降手段の高さを増加させるように選択された寸法の基部を有する支持構造を備えることができる。そのような基部は、バージの幅に実質的に沿って延在することができる。昇降手段は、基部の長さよりも長い長さであってもよい。基部は、格子構造を有してもよい。
【0035】
変形例として、バージは潜水式であり、ドック上の荷重物の移動経路のうちの1つに連続して位置決めされ、荷重物をバージ上に移動させることを可能にするこの経路までの延長部を有してもよい。この場合、バージは、荷重物が積出領域に完全に達するまで水中で移動し、その後、バージは徐々に潜水し、陸上に位置する支持構造の昇降手段による荷重物の下降に付随する。潜水式である場合、バージは、好ましくは、その長手方向軸がドックに平行になるように配向される。バージには、好ましくは、四隅に安定タワーが設けられる。
【0036】
支持構造は、移動経路に平行に配向されてもよい。そのような解決策は、設備がバージを有する場合に非常に特に適切である。
【0037】
変形例として、支持構造は、移動経路に対して横方向に配向される。そのような解決策は、バージのない設備に非常に特に適しており、ドックは、例えば移動経路が沿って延在するパイル上の2つのプラットフォームまたは他の構造を有し、積出領域は、これらのプラットフォームまたは他の構造の間に延在する。
【0038】
次いで、支持構造は、荷重物が水中に積み出されると支持構造を荷重物から離れるように移動させることができるように、移動経路に対してそれらの長手方向軸に沿って移動可能とすることができる。これは、荷重物を保管領域またはその最終目的地に浮動させることによって荷重物の出発を容易にする。
【0039】
一般に、支持構造は、好ましくは全体的に水平に延在し、例えば格子状大梁を有する。格子状大梁は、斜めの接続要素によって互いに接続された水平梁を有することができる。これらの接続要素は、2つの垂直に重ねられた梁の間で垂直面内に延在してもよい。梁は、上部及び下部横材によって互いに接合されてもよい。
【0040】
移動経路は、レール及び/またはSPMT(自己推進モジュラトランスポータ)タイプの移動手段を有することができ、レールは、APS(エアパッド摺動)タイプの移動システムのためのガイドとして作用することができ、これは、例えば欧州特許第1854746号明細書に記載されているように、摺動摩擦係数を例えば垂直荷重物の1%に低減することを可能にするエアクッション上にシューが設けられた摺動支持システムである。
【0041】
設備は、好ましくは、少なくとも2つ、好ましくは3つの移動経路を備える。
【0042】
移動経路は、すべて互いに平行であってもよく、または変形例では、異なる方向を有してもよく、またはその一部に対して平行であり、他の部分に対して異なる方向を有してもよい。
【0043】
いくつかの実施形態では、移動経路は、レールによってすべて画定されるか、またはレールによって少なくとも部分的に画定される。
【0044】
いくつかの他の実施形態では、移動経路の少なくとも一部もしくはいくつかの移動経路は、レールによって画定されず、例えばコンクリート面によって、またはSPMTなどのホイールトランスポータが走行することができるトラックもしくはルートによって画定される。
【0045】
一実施形態では、設備は、互いに概して平行に延在し、レールによって画定され得る3つの移動経路を備える。これらの移動経路は、水に隣接するドックの端部に延在することができる。荷重物は、支持構造の昇降手段との荷重物の接続の前に、対応する移動経路上を走行するトランスポータによって各々担持される脚部を有する三脚であってもよい。支持構造のうちの1つは、バージによって担持されてもよく、他の2つの支持構造は、荷重物が所定の領域を過ぎて前進すると荷重物に接続されてもよい。設備は、2つの支持構造の各々が、荷重物が走行する移動経路から離れた第1の場所(したがって、荷重物が第1の場所に置かれた支持構造によって妨げられることなく移動経路に沿って移動することを可能にする)から荷重物の背後のこの移動経路上、すなわち荷重物に対してバージとは反対側にある第2の場所(したがって、荷重物が水の方向に進行するのに付随してもよい)に移動することを可能にする追加の移動経路を備えてもよい。追加の移動経路は、荷重物が走行する移動経路のレールに垂直なレールによって画定されてもよい。
【0046】
別の実施形態では、設備は、荷重物が沿って変位される2つの移動経路を備える。これらの2つの経路は、レールを備えることができる。荷重物は、同じ移動経路に沿って走行する2つの脚部と、他の移動経路上を走行する反対側の脚部とを有する三脚であってもよい。設備は、支持構造が走行する2つの追加の移動経路を備えることができる。これらの追加の移動経路は、荷重物が走行する移動経路の外部にあってもよい。追加の移動経路は、荷重物が走行する移動経路に平行に延在してもよい。追加の移動経路は、支持構造が走行するレールによって画定されてもよい。支持構造の配向は、これらの移動経路に横方向であってもよい。1つの追加の移動経路上を走行する2つの支持構造、及び他の追加の移動経路上を走行する1つの支持構造が存在してもよい。設備は、追加の移動経路が延在する2つの桟橋を備えることができる。そのような実施形態では、バージは存在せず、荷重物は、一方の桟橋上にある1つの支持構造及び他方の桟橋上の2つの他の支持構造によって桟橋の間の水に対して吊り下げられる。四脚型の荷重物の場合、各桟橋に対して2つの支持構造が存在する。
【0047】
別の実施形態では、設備は、ドックに概して垂直に互いに平行に走行することができる2つの移動経路と、他の2つの移動経路に概して垂直に走行することができる少なくとも1つのさらなる移動経路とを備える。最初の2つの移動経路は各々、レールを備えることができる。少なくとも1つのさらなる経路は、SPMTなどのホイールトランスポータが、例えば荷重物の組み立てが完了した第1の場所から水中への積み出しのために荷重物を支持構造によって吊り上げることができる第2の場所に走行することができるコンクリート面であってもよい。そのような実施形態では、第3の支持構造を担持するバージを使用することができる。荷重物が第2の場所に達したとき、荷重物は、支持構造の昇降手段によって吊り上げられるまで、SPMTなどのホイールトランスポータ上に置かれてもよい。昇降手段によって吊り上げられると、SPMTなどのホイールトランスポータは、支持構造が移動されて荷重物を水中に積み出す前に第1の場所に戻されてもよい。
【0048】
別の実施形態では、設備は、別の脚部がバージに存在する支持構造によって担持されている間に、陸上で荷重物の2つの脚部を担持するためのSPMTなどのホイールトランスポータを備え、陸上支持構造は、クレーンなどの回転可能な昇降手段を備え、積み出しは、ドックから離れるようにバージを移動させながら2つの昇降手段を回転させることによって実施される。各クレーンは、陸上から海上への荷重物の搬送中、クレーンの長手方向に回転及び並進することができる。クレーンを担持する各支持構造は、マストに対するクレーンの必要な移動を可能にしながらクレーンを支持する、ドックの縁部の近くに位置する静的マストを有することができる。
【0049】
支持構造は、PPU(「プッシュプルユニット」)を備えることができ、これは、特にAPSタイプの移動手段または他の摺動シュー手段の場合、支持構造がスライドレールに沿って移動することを可能にする。
【0050】
支持構造は、荷重物が積出領域に搬送されている間に荷重物を上昇させるように配置されてもよい。
【0051】
移動経路は、荷重物が静的段階中に置かれる支持パッドを備えてもよい。
【0052】
支持構造は、特に荷重物が水中に積み出される前に、荷重物に耐えることができる合成材料から作製されたシュー(またはエラストマ材料で作製された任意の他の支持装置)を有することができる。
【0053】
昇降手段は、ケーブルジャッキ、または例えばウインチを有する任意の他の持ち上げ機器を有することができる。
【0054】
本発明の別の目的は、その別の態様によれば、上記で定義された本発明による設備を使用した、重荷重物、特に三脚型または四脚型フロートの水中への積み出しのための方法であって、
昇降手段は、荷重物を水中に下降させるように作用され、荷重物は、少なくとも3つの点で下降されている間保持され、そのうちの少なくとも2つの点は、陸上に位置する支持構造の昇降手段に接続され、第3の点は、潜水式バージ、バージによって支持される支持構造、及び陸上に位置する支持構造のうちの1つに接続される、
方法である。
【0055】
荷重物は、積出領域まで陸上に位置する支持構造を使用して移動させることができる。
【0056】
支持構造は、同期して移動する。
【0057】
「陸上」は、地上、または水上への前進を構成するプラットフォームもしくは他の種類の桟橋、例えばパイル上に置かれたプラットフォームもしくは他の構造の上を意味すると理解されなければならない。
【0058】
非潜水式バージが使用される場合、方法は、荷重物が積出領域におけるその最終位置に移動される前に、荷重物がこのバージ上に移送されている間、バージを水平に保つようにバラストまたは少なくとも1つの釣合錘の位置に作用するステップを含むことができる。
【0059】
バージが存在しない場合、方法は、その長手方向軸に沿って支持構造を引き戻して荷重物から支持構造を離し、したがってドックから離れる荷重物の移動を容易にするステップを含むことができる。
【0060】
この引き戻し移動は、支持構造を担持する1以上のラムが移動することができる横方向レールによって得ることができる。方法は、支持構造を積出位置に運ぶ役割を果たすレールに係合したラムを後退させるステップと、横方向レールと一直線に残りのラムを位置決めするステップとを含むことができる。
【0061】
方法は、APS及びPPUタイプの移動手段を使用して、荷重物及び支持構造の移動を確実にすることによって実施され得る。
【0062】
したがって、支持構造は、例えば0.5m以下、特に10cm~50cmの高さまで荷重物を上昇させることができ、その間に前記荷重物は積出領域に移動され、移動は、一時的なアンカに接続されたラムを使用して行うことができる。ラムの端部のアンカが作動されると、ラムの延長部は、これらのアンカを押すことによって移動経路のレールの上を摺動するシューを伴うことができ、次いでアンカを作動停止し、ラムを伸長/後退させるサイクルを繰り返す前に、アンカを新しい位置に移動させるようにラムを後退させる。
【0063】
昇降手段は、例えば少なくとも2つ、より良好には少なくとも3つ、さらに良好には少なくとも4つのケーブルジャッキを有する。
【0064】
荷重物は、地面の上の低い高さ、例えば荷重物を取り上げるのに必要な高さで地上で搬送することができる。
【0065】
方法は、荷重物を組立領域から支持構造の昇降手段に接続することができるゾーンに搬送するために、SPMTなどのホイールトランスポータの使用を含むことができる。
【0066】
一実施形態では、前記第3の点は、バージに接続され、方法は、バージのバラストに作用し、バージに存在する支持構造の昇降手段に対して荷重物によって加えられる力の変動を補償するステップを含む。したがって、バラストは、バージを実質的に水平に保つ役割を果たすことができる。方法は、後方の2つの点における荷重物を陸上支持構造に、かつ前方の少なくとも1つの点に対する荷重物をバージによって担持される支持構造に接続するステップと、荷重物が完全に海上になるまで支持構造をドックの縁部に接近させながらドックからバージを遠ざけるステップと、次いで、荷重物を海中に沈めるステップとを含むことができる。
【0067】
本発明は、支持構造の高さよりも高い高さで水荷重物に積み出すのに非常に特に適している。
【0068】
本発明は、その非限定的な例示的な実施形態の以下の詳細な説明を読むこと、及び添付の図面を検討することからよりよく理解され得る。
【図面の簡単な説明】
【0069】
【
図1】非潜水式バージを有する、本発明による設備の第1の例の概略部分斜視図である。
【
図2】荷重物が積出領域に移動された後の、
図1と同様の図である。
【
図3】その積出位置に向かう荷重物の継続的な移動を示す図である。
【
図4】積出領域における荷重物の完全な到達を示す図である。
【
図5】潜水式バージを有する、本発明による設備の第2の例の概略部分斜視図である。
【
図6】荷重物が積出領域に移動された後、バージはドッキングされたままであり、荷重物はバージ上に部分的に移動されている、
図5と同様の図である。
【
図7】バージがドックから離れるように移動している状態である、その積出位置に向かう荷重物の継続的な移動を示す図である。
【
図8】積出領域における荷重物の完全な到達を示す図である。
【
図9】バージが徐々に潜水している、荷重物の下降を示す図である。
【
図12】バージがない、本発明による設備の第3の例の概略部分斜視図である。
【
図14】荷重物を有する支持構造への昇降手段の結合を示す図である。
【
図15】
図12の設備を使用した、積出領域への荷重物の移動を示す図である。
【
図16】積出領域に向かう荷重物の継続的な移動を示す図である。
【
図17】積出領域における荷重物の完全な到達を示す図である。
【
図19】荷重物の潜水後の支持構造の移動を示す図である。
【
図20】引き戻された後の支持構造を示す図である。
【
図21】支持構造の一実施形態の詳細を示す図である。
【
図22】
図12の設備の支持構造の係合解除のための位置決めを示す図である。
【
図23】係合解除するために引き戻された後の支持構造を示す図である。
【
図24】本発明による設備の変形実施形態の斜視図である。
【
図25】対応する移動経路に沿った荷重物の変位中の
図24と同様の図である。
【
図26】支持構造によって吊り上げられるように意図された場所に荷重物が到着した後の
図25と同様の図である。
【
図27】上方からの
図26の位置における荷重物を示す図である。
【
図28】荷重物を吊り上げるための荷重物に隣接する支持構造の位置決めを示す図である。
【
図29】荷重物との支持構造の昇降手段の接続を示す図である。
【
図30】昇降手段に接続された荷重物を示す図である。
【
図31】バージのバラスト区画における水の再分配の一例を示す図である。
【
図32】あるバラスト区画から水を汲み出す間の
図31と同様の図である。
【
図33】バージのバラスト区画におけるレベルを調整する実現性を示す
図31と同様の図である。
【
図34】荷重物がまだSPMT上に置かれている間における、バージに存在する支持構造の昇降手段に接続された荷重物を示す図である。
【
図35】荷重物が上昇された後、潮汐による海面の変動が存在する場合の
図34と同様の図である。
【
図36】荷重物の下からのSPMTの除去を示す上面図である。
【
図38】その最終位置に向かう変位の過程における荷重物を示す
図37と同様の図である。
【
図39】海上の最終位置に達した後の荷重物を示す図である。
【
図40】部分的に沈められた荷重物を示す図である。
【
図42】昇降手段を荷重物に接続するためのいくつかの支持構造の変位を示す図である。
【
図43】バージによって担持される支持構造の昇降手段への接続後の荷重物を示す図である。
【
図44】支持パッド上に置かれた荷重物を示す図である。
【
図46】回転可能なクレーンを備える支持構造を有する変形例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0070】
図14及び
図21は、すべての例に適用可能な支持構造の実施形態の詳細を示す。
【0071】
図1から
図4は、本発明による設備1の第1の例を示しており、これは、例えば図示のように、正三角形の基部の2つの頂点のように配置された2つの脚部11と、第3の頂点のように配置され、風力タービンのタワーを支持するように意図された1つの脚部12とを有する風力タービン用の三脚型フロートによって構成された重荷重物10の水中への積み出しを目的としており、脚部11及び12は、梁アセンブリ14によって接続されている。
【0072】
図示の例では、フロートは鋼から作製されるが、本発明は任意のタイプの重荷重物に適用することができる。
【0073】
それらの基部において、
図14に見られるように、脚部11及び12は、垂直昇降ラグ16を支持するカラー15(「フランジ」または「ベースプレート」とも呼ばれる)を有し、その役割は後述する。
【0074】
場合によってはタワー(図示せず)を担持するように意図された脚部12は、その上面に組立スカート13(「スリーブ」とも呼ばれる)を有することができる。
【0075】
設備1は、それぞれの移動経路30に沿って地上で移動することができる2つの支持構造20を有し、これらの経路30は、スライドレール31及び支持パッド32を有し、この場合「スキッドウェイ」とも呼ばれる。
【0076】
パッド32は、摺動前または摺動後の静的ステップ中に荷重物を支持する一時的な支持装置である。
【0077】
レール31は、例えば、APSタイプの摺動シューのための支持体としての役割を果たすことができる。
【0078】
陸上に位置する各支持構造20は、格子状大梁21を有し、その一端は大梁から上方に突出する釣合錘22を支持し、その他端は昇降手段60を支持する。大梁21の下の高さは数メートルであり、これは、ジャッキ及び軸受シューに集中した荷重物を格子状大梁21に分散するため、またはSPMTを介在させるために必要な要素(クロスビームなど)を収容するのに十分である。したがって、この大梁21は、地面から小さい高さ、例えば5m未満、またはさらには3mもしくは2m未満まで延在する。
【0079】
検討中の例では、これらの2つの支持構造20は、経路30に沿った移動方向に配向されたそれらの長手方向軸を有する。
【0080】
設備1は、脚部12を移動させることができる中央陸上移動経路30に連続して配置されたバージ50を有する。
【0081】
この例では、バージ50は、釣合錘22を有していない点で陸上に位置する支持構造20とは異なる第3の支持構造20を支持する。
【0082】
図示のように、バージ50に存在する支持構造20は、好ましくは実質的に垂直であるケーブル53を介して、昇降手段60及び荷重物10とは反対側のその後端においてバージに接続されてもよい。
【0083】
バージ50は、前方に荷重物を移動させながら支持する重量の変動を補償することを可能にし、したがってバージを実質的に水平に保つことを可能にするバラストシステムを備える。
【0084】
図示のように、第1の対の係留線54は、バージ50の前方に配置されたウインチ57をドックに接続することができ、第2の対の係留線52は、バージ50の後方に配置されたウインチ58をドックに接続することができる。これらの係留線52及び54は、バージ50がドックQから離れて移動するときに巻き出されることができ、バージを所望の配向、特にドックに対して垂直に保つことを可能にする。各対の係留線は、Vを形成するように延在し、最も外側の係留線52は、係留線54よりも大きな角度をそれらの間に形成する。
【0085】
昇降手段60を脚部12の基部のラグ16に取り付けることを可能にするために、バージによって支持される支持構造20は、バージを超えて荷重物に向かってわずかに突出する。
【0086】
支持構造20の昇降手段60は各々、
図14及び
図21に見られるように、ラグ16の開口部19に係合するシャフト68を支持するヨーク63が端部に設けられたケーブルジャッキアセンブリ61を有する。
【0087】
ジャッキの本体66は、より詳細には
図13に見ることができる。この図では、支持構造20の格子状大梁21が、昇降手段60の側に、外側に凹状の全体形状を有する上部保護レール26及び下部保護レール27を有し、これはそれらに面する脚部11または12の円筒形状と実質的に一致することも分かる。
【0088】
これらの保護レール26及び27は、支持構造20との接触時に荷重物10の下降を容易にし、支持構造を使用して荷重物を押すことを可能にし、かつ/または荷重物と支持構造との間の起こり得る衝撃を吸収することを可能にするように、例えばネオプレンなどのエラストマ材料から作製された摺動シュー及び/またはショックアブソーバと嵌合することができる。
【0089】
図21に示されるように、各支持構造20は、移動経路の各レールにおいて、ラム100及び104を有する脚部上に置くことができ、そのロッドの下端には、レールに沿って進行する摺動シュー101が設けられている。
【0090】
可動アンカ110に耐え、対応するレールにアンカをロックするために一時的に作動させることができるピストンラム108は、支持構造を移動させるように(例えば、APSタイプの)摺動シュー101に沿ってラム100-104を摺動させることを可能にするプッシャ(または「PPU」、すなわち「プッシュプルユニット」)を構成する。PPUのラム108は、二重の効果を有し、大きな圧縮性及び低減された引張容量を示し、公称荷重での前進走行を可能にし、かつ解放された支持構造を係合解除するための低減された荷重での後進走行を可能にする。
【0091】
したがって、各支持構造20は、レールを介して、中央ラム104及び2つの隣接するラム100を有する第1のアセンブリ上に、ラム100を有する単一の脚部上に、次いで第1のものと同一の3つのラムを有する第2のアセンブリ上に置くことができる。3つのラムのアセンブリの各々は、反対方向に支持構造を移動させるために、基部の前方及び後方に向かってそれぞれ延在するピストンラム108を有するプッシャのセットを有する。
【0092】
設備1は、構造20の後方をアンカに接続する(電気式、油圧式、または空気圧式)ウインチケーブル29を有することができ、支持構造20が解放されると、比較的迅速に支持構造20をそれらの摺動支持体上で逆方向に進行させることが意図されている。プッシャPPUは、逆方向進行またはより遅い移動にも使用することができ、より大きな力を実現する。
【0093】
設備1は、以下のように動作する。
【0094】
図1に示されるように、最初は完全に陸上に存在していた荷重物10は、適切な手段、例えば以下に説明するようなAPS及びPPUタイプによって、積出領域に向かって移動させることができる。
【0095】
この移動中、支持構造20はレール31に沿って進行し、荷重物10は、レール31上を摺動する(例えば、APSタイプの)摺動シュー101に当接するラム100、104によって取り上げられる。中間停止段階(並進移動間)の間、荷重物10は、経路30の支持パッド32上に置くことができる。
【0096】
バージ50は、中央経路30に連続して配置され、それによって支持される支持構造の昇降手段60は、脚部12の基部に位置するラグ16に取り付けられる。バージ50は、ドックQから徐々に離れて移動することによって、荷重物10の移動に付随する。
【0097】
係留線52及び54は、
図2及び
図3に示されるように、所望の配向にバージ50を保つように巻き出される。
【0098】
図4は、積出領域内のその最終位置に達した後の荷重物10を示す。次いで、陸上に位置する支持構造20の端部には、ドックから延在する昇降手段が設けられている。ドック(図示せず)に存在する停止部は、この位置での支持構造の移動を防止することを可能にすることができる。ケーブルジャッキを徐々に作動させ、荷重物10を水中に下降させることができる。
【0099】
荷重物が潜水すると、すべての支持構造の昇降手段60を荷重物から切り離すことができ、バージ50は、例えば船舶を使用して荷重物から離れるように移動させることができ、一方、荷重物10は、保管領域またはその最終的な場所(例えば風力発電基地)に向かって搬送される。
【0100】
ここで、
図5から
図11を参照して、依然としてバージ50を有するが、今度はバージが潜水式である変形例の設備1について説明する。
【0101】
この例では、バージ50は、その長手方向軸がドックの縁部に実質的に平行であり、中央経路30に垂直に配向される。
【0102】
このバージ50は、荷重物の脚部12が中央経路30に移動することを可能にするように、レール31及び支持パッド32と共に中央経路30に続く延長部を有することができる。
【0103】
バージ50は、上述の例のように、係留線52及び54のセットによってドックに接続されてもよい。
【0104】
図5では、荷重物10は、完全に地上に置かれる位置に示されている。バージ50は、中央経路30に連続して位置決めされる。
【0105】
バージ50は、
図6から
図8に示されるように、積出領域に向かって徐々に移動され、第一に、脚部12は、ドックに保持されている間にバージ50上に摺動する。この目的のために、脚部12を移動させるために使用される(例えば、APSタイプの)摺動シューを支持するレール31は、陸上セクションとバージに存在するセクションとの間で十分に連続している。脚部12が完全にバージ50上にあるとき、バージ50は、脚部11が積出領域に近づくにつれてドックから離れるように移動される。バージ50は、荷重物の陸上移動の影響下で受動的に移動される。
【0106】
図8は、完全に積出領域内にあるときの荷重物10を示し、脚部11に隣接する支持構造20は、ドックから延在する。
【0107】
次いで、これらの支持構造の昇降手段60を作動させて脚部11を下降させることができ、バージ50は、
図10及び
図11に示されるように、脚部12を下降させるように同時に徐々に潜水される。
【0108】
潜水式バージ50の4隅が備えるタワー59は、依然として水から部分的に出ており、潜水するとバージを流体力学的に安定させる。
【0109】
荷重物10が浮動すると、昇降手段60を荷重物10から切り離すことができ、バージ50を荷重物10から離れて移動させることができる。
【0110】
図11は、荷重物10を解放する、下部からのバージ50の係合解除を示している。
【0111】
ここで、
図12を参照して、バージのない変形例の設備1について説明する。
【0112】
この変形例では、ドックには、積出領域の両側で、水上に延在するパイル上のプラットフォーム90などの2つの桟橋が続いている。
【0113】
ドックは、例えば摺動によって荷重物を移動させることができる移動経路80を有し、これらの経路は、例えばスライドレール82及び一時的な支持パッド81を有する。
【0114】
設備1は、3つの支持構造20を有し、そのうちの2つは、第1のプラットフォーム90まで延在するスライドレール95に沿ってその上を進行し、そのうちの第3の支持構造は、第2のプラットフォームまで延在する2つの他のレール95に沿ってその上を進行する。
【0115】
2つの第1の支持構造の昇降手段60は、脚部11の基部のラグ16に取り付けることができ、第3の支持構造の昇降手段は、脚部12の基部のラグ16に取り付けることができる。支持構造20の長手方向軸は、レール95に垂直に配向される。
【0116】
支持構造20の移動を伴う荷重物10の移動が、
図15から
図17に示されている。この移動は、脚部11及び12が昇降手段60に取り付けられ、レール95上の並進移動において支持構造によって上昇されている間に実施される。
【0117】
図17は、積出領域に完全に達した後の荷重物を示す。次いで、荷重物は昇降手段60で吊り下げられる。
【0118】
昇降手段は、
図18に示されるように、荷重物を水中に下降させるために徐々に作動させることができる。
【0119】
荷重物10が浮動すると、昇降手段60は、脚部11及び12から切り離すことができる。
【0120】
昇降手段60が設けられた端部が水上に延在する支持構造20は、荷重物10の通過を可能にし、船舶が荷重物10を保管領域またはその恒久的な場所(例えば風力発電基地)に向かって駆動することを可能にするように引き戻すことができる。
【0121】
図示の例では、この引き戻しは、特に
図21に見ることができる横方向スライドレール94がレール95と垂直に交わることによって実施される。
【0122】
支持構造20が荷重物のための積出位置に到達すると、中央ラム104は、
図22に示されるように、レール94と一直線上に位置決めされる。
【0123】
荷重物10が水中に積み出され、昇降手段が切り離されると、ラム100及び104が支持する必要がある重量は支持構造20単独の重量であり、ラム100は後退させることができ、その結果、支持構造はラム104によってのみ担持される。ラム100は、各レール95内の定位置に留まる一方で、ラム104は、任意の適切なモータ手段によって、例えばラム104の各々について、PPUタイプの追加のラム(図では明らかではない)または横方向レール94から後方に固定されたウインチを使用してレール94内で移動させることができ、したがって、
図23に示されるように、荷重物10から離れるように支持構造を移動させることが可能になる。
【0124】
荷重物10が積出領域から離れて移動されると、次の荷重物10を取り上げるように逆方向に支持構造20を移動させることが可能である。
【0125】
上記のすべての例において、支持構造20は、容易に不使用にすることが可能であり、船舶によって別の現場に持ち去られ得る。
【0126】
言うまでもなく、本発明は、ここで説明した例に限定されない。
【0127】
昇降手段60は、例えば他のジャッキまたはウインチを有するケーブルジャッキとは異なる方法で実現されてもよい。
【0128】
荷重物10は異なるもの、例えば四脚型であってもよく、金属からまたは他の材料で作製されてもよい。したがって、本発明は、任意の形状の金属ジャケットだけでなく、非常に高い金属タワーの有無にかかわらず、その発電機(風力タービンナセル、ロータ、及びブレード)の有無にかかわらず、他のコンクリート構造も取り上げることを可能にする。
【0129】
風力タービンタワーは、浮動脚部によって担持される必要はない。風力タービンタワーは、中央基部によって担持されてもよく、脚部/フロートに接続された格子状構造によって担持されてもよく、または中心にある第4の脚部/フロートによって担持されてもよい。
図1の設備の変形例では、バージ50のバラストシステムは、バージ上を前方から後方に、及びその逆に移動可能な釣合錘システムによって交換及び/または補完される。
【0130】
図において、昇降手段は、脚部の円筒部の基部に存在するカラー上に支持された昇降ラグによって荷重物に取り付けられ、変形例として、取り付けは、異なる方法で、例えば脚部の円筒部に直接取り付けられた昇降ラグによって、またはさらに別の方法で、任意の適切な配置によって実施される。
【0131】
本発明は、荷重物及び/または支持構造を積出領域に向かって移動させるための特定の手段に限定されず、例えば、SPMTタイプの搬送手段、PPU及びPTFEから作製された摺動シューを有する搬送手段などを使用することが可能である。
【0132】
適切な場合には、潜水式バージは、水中に固定された支持システムと相互作用し、その降下を制御することを可能にし、それによってバージが潜水/上昇している間に水への出入りを管理する必要性を回避することを可能にし得る。
【0133】
図24から
図40の変形実施形態では、荷重物10は、組立領域において陸上で組み立てられ、荷重物が支持構造20に接続される第2の領域に地面で搬送される。
【0134】
この搬送は、例えばドックのコンクリート面によって画定される移動経路30に沿って、SPMTなどのホイールトランスポータ200によって行われる。
【0135】
設備は、第1の移動経路に概して垂直に延在し、各々が一対のレールを備えることができる2つの他の移動経路30を備える。
【0136】
図24から
図27に示すように、荷重物が第2の領域に達すると、荷重物10の2つの脚部はレールの上を延在し、レール上を移動する対応する支持構造20に近接し、第3の脚部は支持構造20が設けられたバージ50に近接する。
【0137】
図28及び
図29は、持ち上げ構造20の一方と荷重物10との間の接続を示している。
【0138】
図29に示すように、ボックス211は、ラグ16の上で荷重物に固定され、支持構造20には、荷重物が完全に持ち上げられたときにボックス211の側壁と干渉し、支持構造20に対する荷重物の側方変位(すなわち、支持構造によって吊り上げられている間に荷重物が陸上から海上に移動される方向に概して横方向の方向に)を阻止するように構成された一対のガイド212が設けられている。ガイド212は、ボックス211が上に移動するときにボックス211の間の係合を容易にするために、分岐した下部を有することができる。
【0139】
図28に示すように、ボックス211は、荷重物10上に降ろされて荷重物10に固定される前に、支持構造20によって保持することができる。ボックス211は、後に荷重物10を持ち上げるために使用されるケーブルと同じ昇降手段60のケーブルを使用して下方に移動させることができる。
【0140】
図30及び
図31に見られるように、バージ50によって担持される支持構造20は、バージ50の幅にわたって実質的に延在する基部201を備えることができる。大梁21が基部201上に置かれ、基部の両端を越えて片持ち状に延在する。
【0141】
釣合錘22が、荷重物10に隣接する大梁21の端部の反対側に存在する。
【0142】
図32及び
図33に示すように、バージ50は、バージ50の浮動性を調整するためのバラスト区画500を備える。
【0143】
例えば、バージは、荷重物10に隣接する少なくとも1つの区画501と、荷重物の反対側の少なくとも1つの区画502とを備えることができ、区画502の中には水を汲み入れることができ、一方で水は荷重物の吊り上げによって引き起こされる力を補償するために区画501から汲み出される。
【0144】
バージ50及び荷重物10は、傾斜計及びエフォートゲージ(effort gauge)などのセンサを備えることができ、設備は、これらのセンサから受信した信号に基づいて、バージ及び昇降手段のポンプ、ならびにバージ及び荷重物を水平に維持する釣合錘の位置を制御する少なくとも1つのオートメート(automate)を備えることができる。少なくとも1つのオートメートは、手動によるオーバーライドを可能にすることができる。
【0145】
図34は、ホイールトランスポータ200の上方に持ち上げられる前の荷重物を示す。
【0146】
図35は、海面の変動を示している。昇降手段60のケーブル長は、潮汐による海面の変動にかかわらず荷重物を持ち上げることができることを保証するのに十分な長さであり、荷重物が持ち上げられるかまたは降ろされるときのケーブル速度は、潮汐による海面の変動の速度よりも大きく、例えば、ケーブル速度は約15m/hであり、潮汐による海面の変動は約2m/hである。
【0147】
図36は、荷重物が支持構造20の昇降手段60によって持ち上げられた後のトランスポータ200の取り外しを示している。
【0148】
ホイールトランスポータ200の取り外し後、支持構造20は、
図37から
図39に示すように水に向かって移動させることができる。
【0149】
荷重物10が完全に水の上になると、荷重物10は、
図40に示すように沈められ、次いで昇降手段60から切り離すことができる。
【0150】
図41は、
図1から
図11の実施形態のレール上を走行する支持構造20が二次移動経路131上を移動し、荷重物10の背後に支持構造20を載置することを可能にする実現性を示している。
【0151】
各二次移動経路は、
図42に示すように、移動経路30のレールに垂直に延在する一対のレール250を備えることができる。
【0152】
図43は、バージ50の係留線を陸上を走行する支持構造20に接続する実現性を示している。
【0153】
図44は、持ち上げ前の支持パッド32上に置かれた荷重物10を示す。
【0154】
【0155】
図46は、荷重物10が、各々がマスト221によって担持される回転可能なクレーン222を有する2つの陸上支持構造20の間で、海に隣接するドックの領域にSPMTなどのホイールトランスポータによって陸上で搬送される変形実施形態を示す。
【0156】
荷重物は、第3の点において、バージ50上に置かれた支持構造20に接続される。
【0157】
陸上から海上への荷重物の搬送のために、バージ50がドックから離れて移動され、クレーン222が回転される。クレーンの回転は、
図46の矢印によって示すように、その並進を伴うことができる。
【符号の説明】
【0158】
1 設備、10 重荷重物、11 脚部、12 脚部、13 組立スカート、14 梁アセンブリ、15 カラー、16 垂直昇降ラグ、19 開口部、20 陸上支持構造、持ち上げ構造、21 格子状大梁、22 釣合錘、26 上部保護レール、27 下部保護レール、29 ウインチケーブル、30 中央陸上移動経路、31 スライドレール、32 支持パッド、50 潜水式バージ、52 係留線、53 ケーブル、54 係留線、57 ウインチ、58 ウインチ、59 タワー、60 昇降手段、61 ケーブルジャッキアセンブリ、63 ヨーク、66 本体、68 シャフト、80 移動経路、81 支持パッド、82 スライドレール、90 プラットフォーム、桟橋、94 横方向スライドレール、95 スライドレール、100 ラム、101 摺動シュー、104 中央ラム、108 ピストンラム、110 可動アンカ、131 二次移動経路、200 ホイールトランスポータ、201 基部、211 ボックス、第2の阻止要素、212 ガイド、221 マスト、222 クレーン、250 レール、500 バラスト区画、501 区画、502 区画
【手続補正書】
【提出日】2024-07-08
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
陸上に位置する重荷重
物を水中に積み出すための設
備であって、
互いに独立した少なくとも2つの支持構
造であって、前記支持構造の各々は、前記荷重物に引っ掛かるように構成された昇降手
段を備え、前記支持構造の各々は、釣合
錘を備える、支持構
造を有し、
前記設備は、前記荷重物が積出領域に位置決めされるとき、前記荷重物を水中に下降させるために、前記支持構
造の前記昇降手
段が水の上方に少なくとも部分的に延在することを可能にするように構成される、設備。
【請求項2】
前記荷重物に取り付けられるように構成された昇降手
段が設けられた、バー
ジによって支持される少なくとも1つの海上支持構
造を有する、請求項1に記載の設備。
【請求項3】
前記バー
ジは、積出位置に向かう前記荷重物の移動に付随するように移動可能である、請求項2に記載の設備。
【請求項4】
前記バー
ジは、前記支持構造を水平よりも上に位置させ続けることを可能にする調整可能なバラストまたは釣合錘システムを有する、請求項3に記載の設備。
【請求項5】
前記バージは、前記荷重
物がドックから離れて移動するにつれて徐々に巻き出されるように配置された係留
線によって前記ドックまたは前記支持構
造に接続されている、
請求項3に記載の設備。
【請求項6】
前記荷重物が前記積出領域にあるときに前記荷重物の一部を置くことができる潜水式バー
ジを有する、請求項1に記載の設備。
【請求項7】
前記設備は、前記荷重物を受け取るための陸上領域から前記荷重物の積み出しのための領域に延在する移動経路を備え、前記潜水式バージは、ドックの前記移動経
路のうちの1つに連続して位置決めされ、前記荷重物を前記バージ上に移動させることを可能にするこの経路までの延長部を有する、請求項6に記載の設備。
【請求項8】
前記設備は、前記荷重物を受け取るための陸上領域から前記荷重物の前記積み出しのための領域に延在する移動経路を備え、前記支持構造(20)は、前記移動経
路に平行に配向される、
請求項1に記載の設備。
【請求項9】
前記設備は、前記荷重物を受け取るための陸上領域から前記荷重物の前記積み出しのための領域に延在する移動経路を備え、前記設備は、各々が昇降手
段及び釣合
錘を備えた少なくとも3つの支持構造を有し、前記移動経路は、前記積出領域において、前記荷重物を水中に下降させるために、前記支持構造のすべての前記昇降手段が水の上方に少なくとも部分的に位置するように配置される、請求項1に記載の設備。
【請求項10】
前記支持構造は、前記移動経路に対して横方向に配向される、請求項9に記載の設備。
【請求項11】
前記移動経路が沿って延在するパイル上の2つのプラットフォー
ムまたは他の構造を有し、前記積出領域は、これらのプラットフォームまたは他の構造の間に延在する、
請求項9に記載の設備。
【請求項12】
前記支持構
造は、前記荷重物が積み出されると前記支持構造を前記荷重物から離れるように移動させることができるように、前記移動経路に対してそれらの長手方向軸に沿って移動可能である、
請求項9に記載の設備。
【請求項13】
前記支持構
造は、全体的に水平に延在する、
請求項1に記載の設備。
【請求項14】
前記設備は、前記荷重物を受け取るための陸上領域から前記荷重物の前記積み出しのための領域に延在する移動経路を備え、前記移動経路は、レー
ルを有する、
請求項1に記載の設備。
【請求項15】
前記支持構造は、前記荷重物に耐えることができる合成材料、特にエラストマで作製されたシューを有する、
請求項1に記載の設備。
【請求項16】
前記設備は、前記荷重物を受け取るための陸上領域から前記荷重物の前記積み出しのための領域に延在する移動経
路を備え、前記移動経路(30)は、少なくとも3つである、
請求項1に記載の設備。
【請求項17】
前記設備は、前記荷重物を受け取るための陸上領域から前記荷重物の前記積み出しのための領域に延在する移動経路を備え、
前記移動経路は、すべて互いに平行であるか、または異なる方向を有するか、またはその一部に対して平行であり、他の部分に対して異なる方向を有する、
請求項1に記載の設備。
【請求項18】
前記設備は、前記荷重物を受け取るための陸上領域から前記荷重物の前記積み出しのための領域に延在する移動経路を備え、
前記移動経路は、レールによってすべて画定されるか、またはレールによって少なくとも部分的に画定される、
請求項1に記載の設備。
【請求項19】
前記設備は、前記荷重物を受け取るための陸上領域から前記荷重物の前記積み出しのための領域に延在する移動経路を備え、
前記移動経路の少なくとも一部もしくはいくつかの移動経路は、コンクリート面によって、またはSPMTなどのホイールトランスポータが走行することができるトラックもしくはルートによって画定される、
請求項1に記載の設備。
【請求項20】
互いに概して平行に延在し、レー
ルによって画定される3つの移動経
路を備え、
前記移動経路は、水に隣接するドックの端部に延在し、
前記荷重
物は、前記支持構
造の前記昇降手
段との前記荷重物の接続の前に、対応する移動経路上を走行するトランスポータによって各々担持される脚部を有する三脚であり、
前記支持構
造のうちの1つは、バー
ジによって担持され、他の2つの前記支持構
造は、前記荷重物が所定の領域を過ぎて前進すると前記荷重物に接続され、
前記設備は、2つの前記支持構
造の各々が、前記荷重物が走行する移動経
路から離れた第1の場所から前記荷重
物の背後のこの移動経
路上にある第2の場所に移動することを可能にする追加の移動経
路を備え、
前記追加の移動経
路は、前記荷重物が走行する前記移動経
路の前記レー
ルに垂直なレー
ルによって画定される、
請求項1に記載の設備。
【請求項21】
前記支持構
造が走行する移動経
路を備え、
前記移動経路は、前記支持構
造が走行するレー
ルによって画定され、
前記支持構
造の配向は、これらの移動経路に横方向であり、
一方の移動経
路上及び他の移動経
路上を走行する2つの支持構造が存在し、
前記設備は、前記移動経
路が延在する2つの桟
橋を備え、
前記荷重物は、一方の桟橋上にある1つの支持構造及び他方の桟
橋上の2つの他の支持構造によって前記桟
橋の間の水に対して吊り降ろされ
、
前記荷重物は、同じ移動経路に沿って走行する2つの脚部と、他の前記移動経路の走行する反対側の脚部とを有する三脚である、
請求項1に記載の設備。
【請求項22】
前記ドックに概して垂直に互いに平行に走行する2つの移動経
路と、他の2つの前記移動経路に概して垂直に走行する少なくとも1つのさらなる移動経
路とを備え、
最初の2つの前記移動経
路は、レールを備え、
少なくとも1つの前記さらなる経路は、SPMTなどのホイールトランスポータが、前記荷重
物の組み立てが完了した第1の場所から水中への前記積み出しのために前記荷重物を前記支持構
造によって吊り上げることができる第2の場所に走行することができるコンクリート面であり、
前記設備は、第3の支持構
造を担持するバー
ジを備える、
請求項1に記載の設備。
【請求項23】
少なくとも1つの支持構造は、陸上から海上への前記荷重物の搬送中に回転することができる回転可能なクレーンを備える、
請求項1に記載の設備。
【請求項24】
陸上から海上への前記荷重物の搬送中に回転することができる回転可能なクレーンを有する少なくとも1つの支持構造と、別の支持構
造を担持するバー
ジとを備
える、
請求項1及び23に記載の設備。
【請求項25】
少なくとも1つの支持構
造は、少なくとも1つの第1の阻止要素を備え、前記第1の阻止要素は、前記荷重物が前記昇降手段によって上部位置に持ち上げられると、前記荷重物によって担持される少なくとも1つの第2の阻止要素と干渉し、前記支持構造に対する前記荷重物の側方変位を制限するように構成されて
いる、
請求項1に記載の設備。
【請求項26】
請求項1に記載の設
備を使用した、重荷重
物の水中への前記積み出しのための方法であって、
前記昇降手
段は、前記荷重
物を水中に下降させるように作用され、前記荷重物は、少なくとも3つの点で下降されている間保持され、
少なくとも3つの前記点のうちの少なくとも2つの点は、陸上に位置する前記支持構造(20)の昇降手段に接続され、第3の前記点は、潜水式バージ、バー
ジによって支持される支持構造、及び陸上に位置する支持構造のうちの1つに接続される、方法。
【請求項27】
ホイールトランスポー
タを使用して前記荷重物を組立領域から前記支持構
造の前記昇降手
段に接続することができるゾーンに搬送するステップを含む、請求項26に記載の方法。
【請求項28】
前記第3の点は、バー
ジに存在する支持構造に接続され、
前記方法は、前記バー
ジのバラストに作用し、前記バージに存在する前記支持構造の前記昇降手段に対して前記荷重物によって加えられる力の変動を補償するステップを含む、
請求項26に記載の方法。
【請求項29】
前記荷重物は、前記積出領域まで陸上に位置する前記支持構
造を使用して移動される、
請求項26に記載の方法。
【国際調査報告】