(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-10-31
(54)【発明の名称】静脈内血液セット・フット・ポンプ
(51)【国際特許分類】
A61M 5/142 20060101AFI20241024BHJP
A61M 5/14 20060101ALI20241024BHJP
【FI】
A61M5/142 508
A61M5/14 500
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2024529616
(86)(22)【出願日】2022-11-17
(85)【翻訳文提出日】2024-07-08
(86)【国際出願番号】 US2022050305
(87)【国際公開番号】W WO2023096821
(87)【国際公開日】2023-06-01
(32)【優先日】2021-11-23
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】505403186
【氏名又は名称】ケアフュージョン 303、インコーポレイテッド
(74)【代理人】
【識別番号】110000855
【氏名又は名称】弁理士法人浅村特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】グェン、ヴィンセント ヴィン
(72)【発明者】
【氏名】パサックカッド、ラーフル ラジャン
(72)【発明者】
【氏名】クリシュナン、アビシューク
(72)【発明者】
【氏名】デサイー、アマン
(72)【発明者】
【氏名】スマン、カウシク
(72)【発明者】
【氏名】ペディ、スリニヴァス ラーマクリシュナラオ
(72)【発明者】
【氏名】ラージパル、スミト
【テーマコード(参考)】
4C066
【Fターム(参考)】
4C066AA07
4C066BB01
4C066CC01
4C066DD06
4C066HH07
4C066HH08
(57)【要約】
IV血液セット・フット・ポンプは、ベース・プレートと、枢動部材によってベース・プレートに移動可能に連結された圧迫プレートと、ベース・プレート及び圧迫プレートに連結された付勢部材と、を含む。付勢部材は、付勢部材が圧縮状態にあるときに圧迫プレートに対して付勢力を及ぼすように構成されている。ベース・プレート及び圧迫プレートのうちの一方が、IVポンプ・バルブを受容するように構成されたキャビティを備える。IV血液セット・フット・ポンプを備えたIVセット、及びIV血液セット・フット・ポンプを操作する方法も提供される。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
静脈内(IV)血液セット・フット・ポンプであって、
ベース・プレートと、
前記ベース・プレートに枢動部材によって移動可能に連結された圧迫プレートと、
前記ベース・プレート及び前記圧迫プレートに連結された付勢部材と、を備え、前記付勢部材は、前記付勢部材が圧縮状態にあるときに前記圧迫プレートに対して付勢力を及ぼすように構成されており、
前記ベース・プレート及び前記圧迫プレートのうちの一方が、IVポンプ・バルブを受容するように構成されたキャビティを備える、IV血液セット・フット・ポンプ。
【請求項2】
前記キャビティが、標準IVハンド・ポンプ・バルブを受容するように構成されている、請求項1に記載のIV血液セット・フット・ポンプ。
【請求項3】
前記枢動部材が、ヒンジ・ピンである、請求項1に記載のIV血液セット・フット・ポンプ。
【請求項4】
前記枢動部材が、前記ベース・プレート及び前記圧迫プレートと一体的に形成された弾性ヒンジである、請求項1に記載のIV血液セット・フット・ポンプ。
【請求項5】
前記付勢部材が、圧縮バネである、請求項1に記載のIV血液セット・フット・ポンプ。
【請求項6】
IV血液セットであって、
請求項1に記載のIV血液セット・フット・ポンプと、
ポンプ・バルブと、
前記ポンプ・バルブの入口に連結された第1のIVチューブと、
前記ポンプ・バルブの出口に連結された第2のIVチューブと、を備える、IV血液セット。
【請求項7】
IV血液セット・フット・ポンプを操作する方法であって、前記方法が、
IVセットを流体源に連結することと、
前記IVセットのポンプ・バルブを請求項1に記載のIV血液セット・フット・ポンプ内に挿入することと、
前記圧迫プレートを足で押して、前記圧迫プレートを前記ベース・プレートに向かって圧縮することと、
前記圧迫プレートが前記付勢部材からの前記付勢力に基づいて既定位置に戻ることを可能にするように、前記圧迫プレートの圧力を前記足で解放することと、
前記押圧ステップ及び前記解放ステップを繰り返して、前記流体源から前記IVセットを通して、前記IVセット自体の最大開放流流体流量を超える流体流量で前記流体を圧送することと、を含む、方法。
【請求項8】
静脈内(IV)血液セット・フット・ポンプであって、
ハウジングであって、
流体キャビティと、
入口ポートと、
出口ポートと、を備える、ハウジングと、
前記ハウジングに連結された圧迫部材と、
前記ハウジング及び前記圧迫部材に連結された付勢部材と、を備え、前記付勢部材は、前記付勢部材が圧縮状態にあるときに前記圧迫部材に対して付勢力を及ぼすように構成されており、
前記入口ポートが、IVセットの第1のIVチューブに連結されるように構成されており、前記出口ポートが、前記IVセットの第2のIVチューブに連結されるように構成されている、IV血液セット・フット・ポンプ。
【請求項9】
前記入口ポートに連結された入口コネクタと、
前記入口コネクタ内に配設された逆止弁と、を更に備え、
前記逆止弁は、流体が前記入口ポートを通って前記ハウジングに流入することを可能にし、流体が前記入口ポートを通って前記ハウジングから流出することを阻止するように構成されている、請求項8に記載のIV血液セット・フット・ポンプ。
【請求項10】
前記出口ポートに連結された出口コネクタと、
前記出口コネクタ内に配設された逆止弁と、を更に備え、
前記逆止弁は、流体が前記出口ポートを通って前記ハウジングから流出することを可能にし、前記出口ポートを通して前記ハウジングに流体が流入することを阻止するように構成されている、請求項8に記載のIV血液セット・フット・ポンプ。
【請求項11】
前記圧迫部材に連結された固定部材を更に備え、前記固定部材が、前記圧迫部材を前記ハウジングに固定するように構成されている、請求項8に記載のIV血液セット・フット・ポンプ。
【請求項12】
前記圧迫部材が、弾性ダイヤフラムであり、前記付勢部材が、バネである、請求項8に記載のIV血液セット・フット・ポンプ。
【請求項13】
前記流体キャビティ内及び前記付勢部材の周りに配設された内側ブラダーを更に備え、前記内側ブラダーが、それぞれ、前記入口及び出口ポートに連結された入口及び出口コネクタに直接連結されており、
前記内側ブラダー、前記入口コネクタ、及び前記出口コネクタが、取り外し可能に配設されるように構成されており、前記IV血液セット・フット・ポンプの残りの部分が、再利用可能であり、且つ新しい内側ブラダー、入口コネクタ、及び出口コネクタを受容するように構成されている、請求項8に記載のIV血液セット・フット・ポンプ。
【請求項14】
IV血液セット・フット・ポンプを操作する方法であって、前記方法が、
IVセットを流体源に連結することと、
前記流体源から請求項8に記載のIV血液セット・フット・ポンプ内に流体を流すことと、
前記圧迫部材を足で押して前記圧迫部材を前記ハウジングに向かって圧縮して、前記流体キャビティ内の圧力を増加させて、前記流体を前記出口ポートから迅速に送り出すことと、
前記圧迫部材が前記付勢部材からの前記付勢力に基づいて既定位置に戻るように移動することを可能にするように、前記圧迫部材に対する圧力を前記足で解放することであって、前記圧迫部材の前記戻り移動が、前記流体キャビティに向かって内側の吸引圧力を引き起こして、前記IV血液セット・フット・ポンプの上流の流体を前記入口ポートに迅速に流入するように送り出す、解放することと、
前記押圧ステップ及び前記解放ステップを繰り返して、前記流体源から前記IVセットを通して、前記IVセット自体の最大開放流流体流量を超える流体流量で前記流体を圧送することと、を含む、方法。
【請求項15】
静脈内(IV)血液セット・フット・ポンプであって、
IVポールに取り外し可能に連結されるように構成されたフレームであって、前記フレームが、
空気入口ポートと、
ピストン・スロットと、
IVセットのダイヤフラム・ポンプ・セグメントを受容するように構成されたポンプ・スロットと、を備え、
前記ピストン・スロットを通して前記フレームに移動可能に連結されたピストンと、
空気ホースであって、前記空気ホースの第1の端部が、前記フレームの前記空気入口ポートに連結されている、空気ホースと、
前記空気ホースの第2の端部に連結されたフット・ポンプと、を備える、IV血液セット・フット・ポンプ。
【請求項16】
前記フレームが、前記空気入口ポート及び前記ピストン・スロットに接続されたフレーム・シリンダを備える、請求項15に記載のIV血液セット・フット・ポンプ。
【請求項17】
前記ピストンが、
第1の端部及び第2の端部を有するシャフトであって、前記シャフトが、前記ピストン・スロット内に摺動可能に配設されている、シャフトと、
前記シャフトの前記第1の端部にあるヘッドであって、前記ヘッドが、前記フレーム・シリンダ内に移動可能に配設されている、ヘッドと、
前記シャフトの前記第2の端部にあるピストン・スナップであって、前記ピストン・スナップが、前記IVセットの前記ダイヤフラム・ポンプ・セグメントのポンプ・スナップと係合するように構成されている、ピストン・スナップと、
前記シャフトの前記第2の端部にあるスナップ・リリースであって、前記ピストン・スナップと前記ポンプ・スナップとの前記係合を解放するように構成されている、スナップ・リリースと、を備える、請求項16に記載のIV血液セット・フット・ポンプ。
【請求項18】
前記フレームが、前記ポンプ・スロット内に配設されたポンプ・グリップの延長部材と、前記ポンプ・スロットの外部側に配設された前記ポンプ・グリップの保持部材と、前記ポンプ・スロットの内部側に配設された前記ダイヤフラム・ポンプ・セグメントのチャンバと、を有する前記ダイヤフラム・ポンプ・セグメントを受容するように構成されている、請求項17に記載のIV血液セット・フット・ポンプ。
【請求項19】
IV血液セット・フット・ポンプを操作する方法であって、前記方法が、
IVセットを流体源に連結することと、
請求項18に記載のIV血液セット・フット・ポンプの前記フレーム内に前記IVセットのダイヤフラム・ポンプ・セグメントを挿入することと、
前記ピストンの前記ピストン・スナップを前記ダイヤフラム・ポンプ・セグメントのポンプ・スナップに連結することと、
前記フット・ポンプを足で押して、前記空気ホースと前記フレームの前記空気入口ポートとを通して前記フレーム・シリンダに空気を送り込み、前記ピストンを前記フレーム内で内向きに移動させ、前記ダイヤフラム・ポンプ・セグメントのチャンバに連結されたダイヤフラムを圧縮させて、前記チャンバ内の流体を、前記ダイヤフラム・ポンプ・セグメントの出口ポートから送り出し、前記ダイヤフラム・ポンプ・セグメントの下流の前記IVセットに通すことと、
前記ピストンの前記シャフトに連結されたバネからの付勢力、並びに前記フレーム・シリンダから引き出されて、前記空気入口ポート及び前記空気ホースを通って前記フット・ポンプ内に入る空気からの吸引力のうちの少なくとも一方に基づいて、前記ピストンが前記フレーム内の既定位置に戻るように移動することを可能にするように、前記フット・ポンプに対する圧力を前記足で解放することであって、前記ピストンの前記戻り移動は、前記ダイヤフラムが前記チャンバから外側に引っ張られるようにし、前記チャンバに向かって内側の吸引圧を引き起こし、前記ダイヤフラム・ポンプ・セグメントの上流の流体を前記ダイヤフラム・ポンプ・セグメントの入口ポートを通して前記チャンバに迅速に送り込む、解放することと、
前記フット・ポンプの前記押圧及び解放ステップを繰り返して、前記IVセット自体の最大開放流流体流量を超える流体流量で前記流体源から前記IVセットを通して流体を圧送することと、を含む、方法。
【請求項20】
IV血液セットであって、
請求項15に記載のIV血液セット・フット・ポンプと、
ダイヤフラム・ポンプ・セグメントであって、
チャンバと、
前記チャンバの第1の側面に連結されたダイヤフラムと、
前記ダイヤフラムに連結されたポンプ・スナップと、
前記チャンバの第2の側面に連結されたポンプ・グリップと、
入口ポートと、
出口ポートと、を備える、ダイヤフラム・ポンプ・セグメントと、
前記ダイヤフラム・ポンプ・セグメントの前記入口ポートに連結された第1のIVチューブと、
前記ダイヤフラム・ポンプ・セグメントの出口ポートに連結された第2のIVチューブと、を備える、IV血液セット。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本出願は、2021年11月23日に出願され、「INTRAVENOUS BLOOD SET FOOT PUMP」と題された米国仮特許出願第63/282,408号の優先権の利益を主張し、その全体が参照により本明細書に組み込まれる。
【0002】
本開示は、一般に、静脈内(IV:intravenous)セット、詳細には、IV血液セットのためのフット・ポンプに関する。
【背景技術】
【0003】
医療治療は、一般に「IVセット」と称される可撓性の配管及び継手の構成を通して、流体源、例えば、IV血液バッグに接続されるIVカテーテルを使用して、患者に医療用流体(例えば、血液、血漿)を注入することを含むことが多い。手術中は、輸血までの時間が短いほど外傷患者の死亡リスクが減少するため、流量を大幅に増加した医療用流体が迅速に必要になる場合がある。典型的なIV血液セットは、手動のハンド・ポンプ・バルブ又は可撓性の容器を使用し、これを手で圧迫することによって流体の流量を急速に増加させるため、筋肉疲労が生じる。
【0004】
これらの理由から、手の筋肉の疲労をなくし、ユーザの手を自由にするために、足で操作するIV血液セットポンプを提供することが望まれている。
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0005】
1つ又は複数の実施例では、IV血液セット・フット・ポンプは、ベース・プレートと、ベース・プレートに枢動部材によって移動可能に連結された圧迫プレートと、ベース・プレート及び圧迫プレートに連結された付勢部材と、を備え、付勢部材は、付勢部材が圧縮状態にあるときに圧迫プレートに対して付勢力を及ぼすように構成されており、ベース・プレート及び圧迫プレートのうちの一方が、IVポンプ・バルブを受容するように構成されたキャビティを備える。
【0006】
1つ又は複数の実施例では、IV血液セット・フット・ポンプは、流体キャビティと、入口ポートと、出口ポートと、を備える、ハウジングと、ハウジングに連結された圧迫部材と、ハウジング及び圧迫部材に連結された付勢部材と、を備え、付勢部材は、付勢部材が圧縮状態にあるときに圧迫部材に対して付勢力を及ぼすように構成されており、入口ポートが、IVセットの第1のIVチューブに連結されるように構成されており、出口ポートが、IVセットの第2のIVチューブに連結されるように構成されている。
【0007】
1つ又は複数の実施例では、IV血液セット・フット・ポンプは、IVポールに取り外し可能に連結されるように構成されたフレームであって、空気入口ポートと、ピストン・スロットと、IVセットのダイヤフラム・ポンプ・セグメントを受容するように構成されたポンプ・スロットと、を備えるフレームと、ピストン・スロットを通してフレームに移動可能に連結されたピストンと、空気ホースであって、空気ホースの第1の端部が、フレームの空気入口ポートに連結されている、空気ホースと、空気ホースの第2の端部に連結されたフット・ポンプと、を備える。
【0008】
開示された実施例の上記及び他の特徴、態様、利点は、以下の詳細な説明及び添付の図面から更に明らかになるであろう。
【0009】
本開示の更なる理解を提供するために含まれ、本明細書に組み込まれ、本明細書の一部を構成する添付図面は、本開示の実施例を例示し、説明とともに、本開示の原理を説明するのに役立つ。
【図面の簡単な説明】
【0010】
【
図1】4つの流体注入ポンプを有する患者ケア・システムの実例の斜視図であり、ポンプの各々が、流体供給部の内容物を患者に圧送するために、それぞれの流体供給部に接続されている図である。
【
図2】ハンド・ポンプを備えた典型的な組み立てられたIV注入セットの上面図である。
【
図3】本開示の態様によるIV血液セット・フット・ポンプの正面図である。
【
図4】本開示の態様によるフット・ポンプを備えたIV血液セットの斜視図である。
【
図5】本開示の態様による注入ポンプを患者に接続するIV血液セット・フット・ポンプの斜視図である。
【
図6】本開示の態様によるIV血液セット・フット・ポンプの斜視図である。
【
図7】本開示の態様による
図6のIV血液セット・フット・ポンプの斜視分解図である。
【
図8】本開示の態様によるフット・ポンプとともに使用するためのIV血液セットの斜視図である。
【
図9】本開示の態様によるフット・ポンプを備えたIV血液セットの斜視図である。
【
図10】本開示の態様によるIVセット・フット・ポンプ及びIVポールを有するIVセットの斜視図である。
【
図11】本開示の態様によるIVポール上のIVセット・フット・ポンプの斜視図である。
【
図12】本開示の態様による
図11のIVセット・フット・ポンプの分解斜視図である。
【
図13】本開示の態様によるIVセット・フット・ポンプのフレームの断面斜視図である。
【
図14】本開示の態様によるIVセット・フット・ポンプのピストンの正面図である。
【
図15】本開示の態様によるIVセットのダイヤフラム・ポンプ・セグメントの正面図である。
【
図16】本開示の態様によるIVポール上のIVセット・フット・ポンプの斜視図である。
【
図17】本開示の態様による、
図16のIVセット・フット・ポンプのピストンから切り離されたIVセットのダイヤフラム・ポンプ・セグメントの斜視図である。
【
図18】本開示の態様による、
図16のIVセット・フット・ポンプのピストンに連結されたIVセットのダイヤフラム・ポンプ・セグメントの斜視図である。
【
図19】本開示の態様によるダイヤフラム・ポンプ・セグメントの設計のための式の図である。
【
図20】本開示の態様による
図19の式の例示的な使用の図である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
以下に記載する詳細な説明は、主題技術の様々な構成を説明するものであり、主題技術を実施できる唯一の構成を表すことを意図するものではない。詳細な説明は、主題技術の完全な理解を提供する目的で具体的な詳細を含む。したがって、非限定的な例として、特定の態様に関する寸法が提供される。しかしながら、これらの具体的な詳細がなくても主題技術を実施できることは、当業者には明らかであろう。場合によっては、主題技術の概念を不明瞭にしないように、よく知られた構造及びコンポーネントがブロック図形式で示される。
【0012】
本開示は、主題技術の実例を含み、添付の請求項の範囲を制限するものではないことを理解されたい。次に、主題技術の様々な態様が、特定的であるが非限定的な実例に従って開示される。本開示に記載される様々な実施例は、異なる方式及び変形形態において、所望の用途又は実装形態に従って実行され得る。
【0013】
次に、図面を詳細に参照すると、図中の同じ参照番号は、複数の図の間で同じ又は対応する要素を指しており、
図1には、4つの注入ポンプ22、24、26、及び28を有する患者ケア・システム20が示されており、注入ポンプの各々は、上流流体ライン30、32、34、及び36にそれぞれ流体接続されている。4つの注入ポンプ22、24、26、及び28の各々は、下流流体ライン31、33、35、及び37にもそれぞれ流体接続されている。流体ラインは、IV投与セットなど、流体が流れることができる任意のタイプの流体導管とすることができる。注射器ポンプを含む様々なポンプ機構のいずれかを使用できることは理解されるべきである。
【0014】
液体供給部38、40、42、及び44は、様々な形態をとり得るが、この場合はボトルとして、逆さまにされ、ポンプの上方から垂下されて示されている。液体供給部はまた、バッグ又は注射器を含む他のタイプの容器の形状をとってもよい。患者ケア・システム20と流体供給部38、40、42、及び44とは、ローラ・スタンド、IVポール46、テーブル・トップなどに装着されている。
【0015】
流体供給部の流体の各々を患者に注入するために、別々の注入ポンプ22、24、26、及び28が使用される。注入ポンプは、それぞれの流体ラインに作用して、流体を流体供給部から流体ラインを通して患者48へ移動させる流れ制御デバイスである。個々のポンプが使用されるため、各ポンプは、それぞれの流体供給部からの特定の医療用流体を、その流体に対して医師が処方した特定の速度で患者に注入するために必要な圧送又は動作パラメータに、個々に設定することができる。このような医療用流体は、薬物、栄養剤、又はその他の流体を含み得る。注入ポンプ22、24、26、及び28は、ポンプ制御ユニット60によって制御される。
【0016】
流体供給部38、40、42、及び44は、それぞれ、電子データタグ81、83、85、及び87又は電子送信機に各々連結される。注入システムに関連付けられた任意のデバイス又はコンポーネントは、電子データタグ、リーダ、又は送信機を備え得る。
【0017】
典型的な注入セットは、注入ポンプの使用を必要としない重力セットでもあり得る。例えば、流体供給部38、40、42、及び44のいずれかが、重力IVセットを介して患者48に直接接続されてもよく、この場合、重力により、流体は、ポンプの補助を伴わずに注入セットを通って患者48に流入する。
【0018】
典型的には、医療用流体投与セットは、
図2に示すように、
図1に示すよりも多くの部品を有する。IVセットは、注入コンポーネントと配管との任意の組み合わせから形成され得る。典型的には、注入コンポーネント及び配管は、一度使用したら廃棄される使い捨て製品である。注入コンポーネント及び配管は、任意の好適な材料(例えば、プラスチック、シリコーン、ゴム)から形成されてもよく、その多く又はすべては、内部の流体の流れ又はレベルが見えるように透明又は半透明である。
【0019】
図2に示すように、IVセット120は、配管160によって一緒に接続されたドリップ・チャンバ130、ハンド・ポンプ140、及びローラ・クランプ150を含み得る。IVセット120はまた、ニードルレス・コネクタ175とのY字形接合部を有するY字部位170、及びIVセット120の端部にあるルアー・ロック・コネクタ180を含み得る。ルアー・ロック・コネクタ180は、例えば、患者に挿入されたカテーテルへの接続に使用され得る。IVセット120は、追加の注入コンポーネントを含み得、コンポーネントと配管160との任意の組み合わせから形成され得る。
【0020】
使用時、IVセット120は、ドリップ・チャンバ130を介してIV血液バッグに接続され、ルアー・ロック・コネクタ180は、患者の静脈内に配置されるカテーテルに接続される。したがって、血液は、血液バッグからドリップ・チャンバ130を通ってハンド・ポンプ140に流れ、IVセット120の残りの部分を通ってルアー・ロック・コネクタ180から出る。ハンド・ポンプ140が圧迫されると、ハンド・ポンプ140の本体142内に含まれる血液の体積は、出口逆止弁144から送り出され、IVセット120を通って下流に流れる。ハンド・ポンプ140が解放されると(例えば、圧迫を停止すると)、ハンド・ポンプ140の本体142は再び膨張し、入口逆止弁146を通して新しい体積の血液を引き込む。この圧迫サイクルは、1つ又は複数の血液バッグから患者にできるだけ迅速に血液を移動させるために必要な回数だけ繰り返すことができる。
【0021】
本開示の態様では、ハンド・ポンプは、フット・ポンプに置き換えられてもよい。脚の筋肉は手の筋肉に比べてそれほど迅速に疲労しないので、ユーザ(例えば、臨床医)は、ハンド・ポンプの代わりにフット・ポンプを使用して、より高速でより長時間血液を圧送することができる。これにより、血液を圧送することによる手の疲労もなくなり、ユーザの手は他の操作のために自由になる。
【0022】
本開示の態様では、フット・ポンプは、例えば、ベッドのベースに装着されてもよいし、手術台のベースに装着されてもよいし、IVポールのベースに装着されてもよいし、床面に設置されてもよい。フット・ポンプは、手の疲労を伴わずに血液を圧送するために、標準的な血液セット・ハンド・ポンプ・バルブを受容するように構成され得る。圧送頻度及び対応する流量は、フット・ポンプがどれだけ迅速に、どれだけ強く操作されるかに基づいて、臨床医によって選択され得る。ここで、ハンド・ポンプ・バルブは、ハンド・ポンプ・バルブがフット・ポンプ表面の間に位置付けられ、ハンド・ポンプ・バルブを圧迫して圧送動作を引き起こすように、フット・ポンプに挿入され得る。
【0023】
図3に示すように、本開示の態様によれば、IV血液セット・フット・ポンプ200が提供される。IV血液セット・フット・ポンプ200は、ベース・プレート210、圧迫プレート220、及び付勢部材230を含むクラムシェル設計の形態であり得る。ベース・プレート210及び圧迫プレート220は、枢動部材215(例えば、弾性ヒンジ、ヒンジ・ピン)によって移動可能に連結され得る。ベース・プレート210及び/又は圧迫プレート220は、標準的なハンド・ポンプ・バルブ又はシリンダを受容するように構成されたキャビティ又はくぼみを有し得る。
【0024】
付勢部材230は、バネ、弾性ヒンジ、圧縮チャンバ、又は任意のその他の好適な付勢デバイスであり得る。
図3に示すように、付勢部材230は、ベース・プレート210と圧迫プレート220との両方に連結された圧縮バネである。したがって、圧迫プレート220の上面222を踏むユーザ(例えば、臨床医)によって、圧迫プレート220がベース・プレート210に向かって押し下げられると、付勢部材230は圧縮される。圧縮された付勢部材230は、圧迫プレート220に対して付勢力Fを及ぼす。ここで、圧迫プレート220に対するユーザの圧力が解放されると(例えば、ユーザが足を離すか、又は緩めると)、付勢力Fにより、圧迫プレート220は、枢動部材215において枢動することによって、ベース・プレート210から離れる方向に移動する。
【0025】
図4に示すように、IV血液セット・フット・ポンプ200は、IV血液セット250の一部であり得る。IV血液セット250は、血液バッグ190と、ドリップ・チャンバ130と、ポンプ・バルブ240、ローラ・クランプ150と、ニードルレス・ポート175を有するY字形接合部170と、ルアーコネクタ180と、を含み得、これらはすべてIV配管160によって一緒に連結されている。
【0026】
本開示の態様では、IV血液セット・フット・ポンプ200は、必要に応じてポンプ・バルブ240を受容する別々のデバイスである。例えば、IV血液セット250は、患者の処置中に重力セット又は注入ポンプ・セットとして使用されていてもよく、その後、血流を大幅に増加させる必要がある問題が発生した場合、ポンプ・バルブ240をIV血液セット・フット・ポンプに挿入又は配置してもよく、臨床医は、足によるIV血液セット・フット・ポンプ200の圧送を開始することができる。ここで、IV血液セット250は、必要なときにIV血液セット・フット・ポンプ200に連結するだけでよい。別の実例として、IV血液セット250が使用に供されるとき、ポンプ・バルブ240をIV血液セット・フット・ポンプ200に挿入することができ、これにより、必要なときにIV血液セット・フット・ポンプをすぐに使用することが可能になる。
【0027】
本開示の態様では、IV血液セット・フット・ポンプ200は、再利用可能なデバイスであり得る。例えば、IV血液セット・フット・ポンプ200は、IV血液セット250を通って流れる血液と直接接触しないため、ポンプ・バルブ240をIV血液セット・フット・ポンプ200から取り外し、交換用のIV血液セット250のポンプ・バルブ240を挿入することができる。したがって、IV血液セット・フット・ポンプ200は、洗浄の間に複数の処置若しくはIV血液セットの交換に使用されてもよく、又はIV血液セット・フット・ポンプ200は、保健規約及び医療用デバイス洗浄プロトコルによって指示されるように、使用ごとに洗浄されてもよい。
【0028】
使用時、IVセット(例えば、IVセット250)のバルブ(例えば、ポンプ・バルブ240)が、IV血液セット・フット・ポンプ200内に挿入又は配置され、ポンプ・バルブ240が、ベース・プレート210と圧迫プレート220との間に位置付けられる。IVセット250は、医療用流体(例えば、血液)を含む流体容器(例えば、流体バッグ190)に連結される。非作動状態では、IV血液セット・フット・ポンプ200はポンプ・バルブ240を圧縮しなくてもよいので、血液は、流れコントローラ(例えば、ローラ・クランプ150)によって設定された速度でIVセット250を通って流れることが可能になる。より迅速な流体の流れが必要な場合、IV血液セット・フット・ポンプ200を足で圧縮し、これにより、ポンプ・バルブ240から流体を迅速に圧迫押し出しすることができる。
【0029】
本開示の態様では、IV血液セット・フット・ポンプ200は、IV血液セット250の使い捨てのコンポーネントであり得る。例えば、IV血液セット・フット・ポンプ200は、一体型又は連結型のポンプ・バルブ240を含み得る。ここで、IV血液セット・フット・ポンプ200のポンプ・バルブ240は、IV配管160を介してIV血液セット250にインラインで連結され得る。したがって、使い捨てのIV血液セット・フット・ポンプ200は、IV血液セットの寿命の間(例えば、24時間、72時間、7日間)だけ使用され、その後、IV血液セット・フット・ポンプ200は、関連するIV血液セット250とともに廃棄される。
【0030】
使用時、使い捨てのIV血液セット・フット・ポンプ200を備えたIVセット250は、医療用流体(例えば、血液)を含む流体容器(例えば、流体バッグ190)に連結される。非作動状態では、IV血液セット・フット・ポンプ200は一体型/連結型ポンプ・バルブ240を圧縮しなくてもよいので、血液は、流れコントローラ(例えば、ローラ・クランプ150)によって設定された速度でIVセット250を通って流れることが可能になる。より迅速な流体の流れが必要な場合、IV血液セット・フット・ポンプ200を足で圧縮して、一体型/連結型ポンプ・バルブ240から流体を迅速に圧迫押し出しすることができる。
【0031】
図5に示すように、IV血液セット250及びIV血液セット・フット・ポンプ200は、流体源38、2つの注入ポンプ262及びコントローラ264を有する注入ポンプ260システム、及び患者280に挿入されたカテーテル270に連結され得る。ここで、注入ポンプシステム260からの最大流体流量が十分でない場合、IV血液セット・フット・ポンプ200を起動して(例えば、踏んで)、流体をより迅速に送り出すことができる。例えば、IV血液セット・フット・ポンプ200を使用する前に、IV血液セット250を注入ポンプシステム260から迅速に切り離してもよく、且つ/又は、IV血液セット・フット・ポンプ200を使用する前に、注入ポンプシステム260を中立位置に設定して、流体源38からの流体の流れを妨げないことを可能にしてもよい。
【0032】
図6及び
図7に示すように、本開示の態様に従って、IV血液セット・フット・ポンプ300が提供される。IV血液セット・フット・ポンプ300は、ハウジング310と、ハウジング310に連結された圧迫部材320(例えば、ダイヤフラム)と、ハウジング310及び圧迫部材320に連結された付勢部材330(例えば、バネ)と、を含み得る。圧迫部材320は、固定部材325を介してハウジング310に固定されてもよい。ハウジング310は、入口ポート312と、出口ポート314と、を含み得る。入口コネクタ316は、入口ポート312に連結されてもよく、ハウジング310への流体の流入のみを可能にするように構成された逆止弁317を含み得、一方、出口コネクタ318は、出口ポート314に連結され得、ハウジング310からの流体の流出のみを可能にするように構成された逆止弁319を含み得る。
【0033】
圧迫部材320は、可撓性であり得、圧迫部材320を内側に押すと、ハウジング310及び圧迫部材320によって画定されるキャビティ311内の圧力(例えば、空気圧、流体圧)が増加するように構成され得る。キャビティ311内の増加した圧力は、出口逆止弁319のクラッキング圧力を超え、キャビティ311内の流体を出口コネクタ318から迅速に送り出すことができ、一方、入口逆止弁317は、流体が入口コネクタ316から流出するのを阻止する。圧迫部材320が解放されると、付勢部材330の付勢力Fにより、圧迫部材320が非圧縮状態に戻って膨張し、キャビティ311に向かって内側の吸引圧が生じる。ここで、吸引圧が入口逆止弁317のクラッキング圧を超え、流体を入口コネクタ316を通ってキャビティ311に迅速に流入させることができ、一方、出口逆止弁319は、流体が出口コネクタ318を通って逆流してキャビティ311に入ることを阻止する。
【0034】
本開示の態様では、IV血液セット・フット・ポンプ300は、再利用可能なデバイスであり得る。例えば、IV血液セット250に類似したIV血液セット350(
図8を参照)は、使い捨ての内側ブラダー340(例えば、ポンプ・バルブ240と同様である)を有し得、これは、キャビティ311内に配設され、入口コネクタ316及び出口コネクタ318に直接連結されるように構成されるとともに、付勢部材330(例えば、ドーナツ形状)の周りに配設されている。したがって、内側ブラダー340を除いて、IV血液セット・フット・ポンプ300のハウジング310及び圧迫部材320は、IV血液セット350を通って流れる流体(例えば、血液)と直接接触せず、そのため、内側ブラダー340をIV血液セット・フット・ポンプ300から取り外し、交換用のIV血液セット350の内側ブラダー340を挿入することができる。したがって、IV血液セット・フット・ポンプ300は、洗浄の間に複数の処置若しくはIV血液セットの交換に使用されてもよく、又はIV血液セット・フット・ポンプ300は、保健規約及び医療用デバイス洗浄プロトコルによって指示されるように、使用ごとに洗浄されてもよい。
【0035】
使用時、IVセット(例えば、IVセット350)のブラダー(例えば、内側ブラダー340)がIV血液セット・フット・ポンプ300内に挿入又は配置され、内側ブラダー340は、ハウジング310と圧迫部材320との間に位置付けられる。IVセット350は、医療用流体(例えば、血液)を含む流体容器(例えば、流体バッグ190)に連結される。非作動状態では、IV血液セット・フット・ポンプ300は内側ブラダー340を圧縮しなくてもよいので、血液は、流れコントローラ(例えば、ローラ・クランプ150)によって設定された速度でIVセット350を通って流れることが可能になる。より迅速な流体の流れが必要な場合、IV血液セット・フット・ポンプ300を足で圧縮して、内側ブラダー340から流体を迅速に圧迫押し出しすることができる。
【0036】
本開示の態様では、IV血液セット・フット・ポンプ300は、IV血液セット350aの使い捨てのコンポーネントであり得る。例えば、流体は、IV血液セット・フット・ポンプ300のキャビティ311に直接流入及びキャビティ311から流出することができ、IV血液セット350aの操作中にハウジング310及び圧迫部材320が流体と接触するようになる。ここで、IV血液セット・フット・ポンプ300の使い捨てのバージョンは、IV血液セット350aが廃棄及び交換されるときに廃棄される。
【0037】
使用時、IV血液セット350と類似するIVセット350a(
図9を参照)は、医療用流体(例えば血液)を含む流体容器(例えば流体バッグ190)に連結された使い捨てのIV血液セット・フット・ポンプ300を有し得る。非作動状態では、IV血液セット・フット・ポンプ300は圧迫部材320を圧縮しなくてもよいので、血液は、流れコントローラ(例えばローラ・クランプ150)によって設定された速度で、IVセット350aを通って、且つIV血液セット・フット・ポンプ300のキャビティ311を通って流れることが可能になる。より迅速な流体の流れが必要な場合、IV血液セット・フット・ポンプ300を足で圧縮して、キャビティ311から流体を迅速に圧迫押し出しすることができる。
【0038】
本開示の態様では、IV血液セット・フット・ポンプ200、300は、IV血液セット・フット・ポンプ200、300をIVポール46のベース、ベッドのベース、及び床面などに装着するための任意の好適な留め具を含み得る。例えば、留め具は、ネジ、リベット、ブラケット、ハンガー、フック、Velcro(登録商標)、接着剤、及び/又は任意の他の好適な留め具であり得る。
【0039】
本開示の1つ又は複数の実施例では、足で操作する圧送機構は、再利用可能なデバイスを含み得、このデバイスは、IVポールに固定されたままで、それ自体を血液セットのダイヤフラムに基づくポンプ・セグメントに取り付ける。ここで、ダイヤフラムに基づくポンプ・セグメントは、典型的なハンド・ポンプ(例えば、ハンド・ポンプ140)に代わるものであり、流体の流れの増加が必要なときに、再利用可能なフット・ポンプに挿入することができる。この配置により、より迅速で効率的な血液注入が可能となり、臨床医の手が他の処置のために自由になる。
【0040】
再利用可能なフット・ポンプは、IVポールに取り付けられたままであり、バネ仕掛けのフット・ペダルと、IVポールに取り付ける固定プレートと、フット・ペダルに空気圧で接続される移動プレートと、から構成され得る。固定プレートは、バネ仕掛けのガイドを有し得、このガイドは、移動プレートとともに血液セット・ポンプ・セグメントの迅速な補充を可能にする。ダイヤフラム・ポンプ・セグメントは、移動プレートに取り付けるダイヤフラムを有し得る。移動プレートの押圧移動により、ダイヤフラムが押され、ポンプ・セグメントのチャンバから血液を圧送する。移動プレートの引っ張り移動により、ダイヤフラムが引っ張られ、チャンバを補充する。ポンプ・セグメントはまた、あらゆる逆流を阻止するためのボール弁を有し得る。
【0041】
図10に示すように、IVセット450(例えば、IV血液セット)及びIVセット・フット・ポンプ400は、IVポール46の延長フック195から垂下した流体源190(例えば、血液バッグ)に連結され得る。例えば、IVセット450は、ドリップ・チャンバ130と、Y字形接合部170と、ダイヤフラム・ポンプ・セグメント440と、IV配管160と、ローラ・クランプ150と、ポート172と、を含み得る。IVセット450は、上述のように、患者の静脈内に配置されるカテーテルに下流側で接続され得る。本開示の態様では、IVセット450及びIVセット・フット・ポンプ400は、血液の注入に使用され得る。本開示の態様では、IVセット450及びIVセット・フット・ポンプ400は、任意の好適な流体(例えば、生理食塩水、薬物)の送達に使用され得る。
【0042】
図11~
図18に示すように、IVセット・フット・ポンプ400は、IVポール46に固定又は連結されるように構成されるフレーム410を含み得る。フレーム410は、フレーム410をIVポール46に固定する(例えば、連結チャネル412をIVポール46にスナップ留めする)ためのIVポール連結チャネル412を含み得る。ここで、フレーム410を引っ張って連結チャネル412をIVポール46からスナップ解除することによって、フレーム410をIVポール46から切り離すことができる。フレーム410は、ダイヤフラム・ポンプ・セグメント440のポンプ・グリップ442を受容して保持するように構成されたポンプ・スロット414も含み得る。例えば、ポンプ・グリップ442は、ポンプ・スロット414に摺動可能に受容される延長部材441と、延長部材441がポンプ・スロット414を通って引き出されるのを阻止する保持部材443と、を有し得る。
【0043】
フレーム410は、ピストン420のシャフト422を摺動可能に受容するように構成されたピストン・スロット416と、ピストン420のヘッド424を受容するように構成されたフレーム・シリンダ418と、を含み得る。ここで、フレーム・シリンダ418は、空気入口ポート419とピストン・スロット416との両方に接続される、フレーム410内の区画であり得る。例えば、ヘッド424がフレーム・シリンダ418内で上下に移動するにつれて、シャフト422は、それに応じてピストン・スロット416を通って摺動する。フレーム410の空気入口ポート419は、空気ホース460を介してフット・ポンプ430と連結するように構成されている。したがって、フット・ポンプ430の圧縮又は起動により、空気ホース460を通って空気が送り出され、空気入口ポート419を介してフレーム・シリンダ418に入る。ピストン420のヘッド424に対する空気の圧力により、ヘッド424が空気入口ポート419から離れるように押され、これにより、ピストン420のシャフト422がピストン・スロット416を通って摺動し、更にフレーム410に入る。逆に、フット・ポンプ430の解放は吸引力を引き起こし、これにより、空気は空気入口ポート419を通ってフレーム・シリンダ418から引き戻される。吸引力は、シャフト422に連結又は装着されたバネ426からの付勢力とともに、シャフト422をピストン・スロット416を通して逆方向に摺動させて、ヘッド424をフレーム・シリンダ418内の空気入口ポート419に向かって移動させる。
【0044】
ダイヤフラム・ポンプ・セグメント440は、チャンバ446上に配設されたダイヤフラム444を含み得、ダイヤフラム444は、シャフト422上に配設された1つ又は複数のピストン・スナップによって、チャンバ446から引き出され(例えば、膨張し)、チャンバ446に向かって押し込まれる(例えば、収縮する)ように構成され、このピストン・スナップは、シャフト422の摺動可能な移動に基づいて、ダイヤフラム444から延長するポンプ・スナップ448と係合する。各ピストン・スナップ428のスナップ・リリース429は、シャフト422及び/又は対応するピストン・スナップ428に連結され得る。ダイヤフラム・ポンプ・セグメント440はまた、流体入口445と、流体出口447と、を含み、これらは各々、チャンバ446上に、例えば、チャンバ446の反対側の端部などに配設される。流体入口445及び流体出口447は、IVセット450のIV配管160に連結され得る。
【0045】
使用時、IVセット・フット・ポンプ400の圧送が必要とされるか又は望まれる場合、ダイヤフラム・ポンプ・セグメント440は、ポンプ・グリップ442の延長部材441がフレーム410内に提供されたポンプ・スロット414内に正しく適合し、及び保持部材443及びチャンバ446がポンプ・スロット414の相対する側に配設されるように、フレーム410内に配置される。これにより、ポンプ動作中にダイヤフラム・ポンプ・セグメント440が所定の位置に留まることが保証される。ポンプ・スナップ448は、ダイヤフラム444上にオーバーモールドされた押出特徴部であり得、ポンプ・スナップ448は、ピストン・スナップ428を使用してピストン420をダイヤフラム444にスナップ係止するように提供される。ダイヤフラム・ポンプ・セグメント440をフレーム410から取り外す場合、ピストン420の押出部として提供され得るスナップ・リリース429を圧迫して、ピストン・スナップ428をポンプ・スナップ448から係合解除し、ダイヤフラム・ポンプ・セグメント440をフレーム410から引き出すことが可能になり得る。
【0046】
ダイヤフラム・ポンプ・セグメント440の圧送操作中、フット・ポンプ430からの空気は、空気入口ポート419を通ってフレーム・シリンダ418に入り、その結果、ヘッド424(例えば、ピストン420の上面)に力を及ぼす。これにより、ピストン420のシャフト422がピストン・スロット416を通ってダイヤフラム・ポンプ・セグメント440に向かって移動し、次いで、ダイヤフラム444が圧縮される。この動作により、流体がチャンバ446から流体出口447を通って送り出され、ダイヤフラム・ポンプ・セグメント440の下流側に配設されたIVセット450に至る。フット・ポンプ430に対する力が解放されると、バネ426の付勢力と組み合わされる吸引力が生成され、その結果、ピストン420がダイヤフラム・ポンプ・セグメント440から離れる外側への動きが生じ、その結果、ダイヤフラム444が、チャンバ446から外側に引っ張られる。この結果、流体は、ダイヤフラム・ポンプ・セグメント440の上流に配設されたIVセット450を介して、流体源190から流体入口445を通ってチャンバ446内に吸引される。
【0047】
図19に示すように、ダイヤフラム444を一定の距離だけ撓ませるのに必要な圧力及び力を計算するために、式1を使用することができる。例えば、ダイヤフラム444は、ゴム又は他の弾性材料で形成され得、このヤング率は3.5MPaであり、ダイヤフラムの厚さは1.5mmであり、ポアソン比は0.5であり、ダイヤフラムの撓みは18mmであり、直径は80mmであり、ダイヤフラム444を撓ませるのに必要な力は、
図20に示すように、2.968Nであり、ストロークあたりの流体の体積は30mlである。
【0048】
1つ又は複数の実施例では、IV血液セット・フット・ポンプは、ベース・プレートと、ベース・プレートに枢動部材によって移動可能に連結された圧迫プレートと、ベース・プレート及び圧迫プレートに連結された付勢部材と、を備え、付勢部材は、付勢部材が圧縮状態にあるときに圧迫プレートに対して付勢力を及ぼすように構成されており、ベース・プレート及び圧迫プレートのうちの一方が、IVポンプ・バルブを受容するように構成されたキャビティを備える。
【0049】
本開示の態様では、キャビティは、標準IVハンド・ポンプ・バルブを受容するように構成されている。本開示の態様では、枢動部材は、ヒンジ・ピンである。本開示の態様では、枢動部材は、ベース・プレート及び圧迫プレートと一体的に形成された弾性ヒンジである。本開示の態様では、付勢部材は、圧縮バネである。
【0050】
本開示の態様では、IV血液セットは、ポンプ・バルブと、ポンプ・バルブの入口に連結された第1のIVチューブと、ポンプ・バルブの出口に連結された第2のIVチューブと、IV血液セット・フット・ポンプと、を備え、IV血液セット・フット・ポンプは、ベース・プレートと、ベース・プレートに枢動部材によって移動可能に連結された圧迫プレートと、ベース・プレート及び圧迫プレートに連結された付勢部材と、を備え、付勢部材は、付勢部材が圧縮状態にあるときに圧迫プレートに対して付勢力を及ぼすように構成されており、ベース・プレート及び圧迫プレートのうちの一方が、IVポンプ・バルブを受容するように構成されたキャビティを備える。
【0051】
本開示の態様では、IV血液セット・フット・ポンプを操作する方法は、IVセットを流体源に連結することと、IVセットのポンプ・バルブをIV血液セット・フット・ポンプ内に挿入することであって、IV血液セット・フット・ポンプが、ベース・プレートと、ベース・プレートに枢動部材によって移動可能に連結された圧迫プレートと、ベース・プレート及び圧迫プレートに連結された付勢部材と、を備え、付勢部材は、付勢部材が圧縮状態にあるときに圧迫プレートに対して付勢力を及ぼすように構成されており、ベース・プレート及び圧迫プレートのうちの一方が、IVポンプ・バルブを受容するように構成されたキャビティを備える、挿入することと、圧迫プレートを足で押して、圧迫プレートをベース・プレートに向かって圧縮することと、圧迫プレートが付勢部材からの付勢力に基づいて既定位置に戻ることを可能にするように、圧迫プレートの圧力を足で解放することと、押圧及び解放ステップを繰り返して、流体源からIVセットを通して、IVセット自体の最大開放流流体流量を超える流体流量で流体を圧送することと、を含む。
【0052】
1つ又は複数の実施例では、IV血液セット・フット・ポンプは、流体キャビティと、入口ポートと、出口ポートと、を備える、ハウジングと、ハウジングに連結された圧迫部材と、ハウジング及び圧迫部材に連結された付勢部材と、を備え、付勢部材は、付勢部材が圧縮状態にあるときに圧迫部材に対して付勢力を及ぼすように構成されており、入口ポートが、IVセットの第1のIVチューブに連結されるように構成されており、出口ポートが、IVセットの第2のIVチューブに連結されるように構成されている。
【0053】
本開示の態様では、入口コネクタが、入口ポートに連結されており、逆止弁が、入口コネクタ内に配設されており、逆止弁は、流体が入口ポートを通ってハウジングに流入することを可能にし、流体が入口ポートを通ってハウジングから流出することを阻止するように構成されている。本開示の態様では、出口コネクタが、出口ポートに連結されており、逆止弁が、出口コネクタ内に配設されており、逆止弁は、流体が出口ポートを通ってハウジングから流出することを可能にし、流体が出口ポートを通ってハウジングに流入することを阻止するように構成されている。本開示の態様では、固定部材が、圧迫部材に連結されており、固定部材は、圧迫部材をハウジングに固定するように構成されている。
【0054】
本開示の態様では、圧迫部材は、弾性ダイヤフラムであり、付勢部材は、バネである。本開示の態様では、内側ブラダーが、キャビティ内及び付勢部材の周りに配設されており、内側ブラダーは、それぞれ、入口及び出口ポートに連結された入口及び出口コネクタに直接連結されており、内側ブラダー、入口コネクタ、及び出口コネクタは、取り外し可能に配設されるように構成されており、IV血液セット・フット・ポンプの残りの部分は、再利用可能であり、且つ新しい内側ブラダー、入口コネクタ、及び出口コネクタを受容するように構成されている。
【0055】
本開示の態様では、IV血液セット・フット・ポンプを操作する方法は、IVセットを流体源に連結することと、流体源からIV血液セット・フット・ポンプ内に流体を流すことであって、IV血液セット・フット・ポンプが、ハウジングであって、流体キャビティと、入口ポートと、出口ポートと、を備える、ハウジングと、ハウジングに連結された圧迫部材と、ハウジング及び圧迫部材に連結された付勢部材と、を備え、付勢部材は、付勢部材が圧縮状態にあるときに圧迫部材に対して付勢力を及ぼすように構成されており、入口ポートが、IVセットの第1のIVチューブに連結されており、出口ポートが、IVセットの第2のIVチューブに連結されている、流体を流すことと、圧迫部材を足で押して圧迫部材をハウジングに向かって圧縮して、キャビティ内の圧力を増加させて、流体を出口ポートから迅速に送り出すことと、圧迫部材が付勢部材からの付勢力に基づいて既定位置に戻るように移動することを可能にするように、圧迫部材に対する圧力を足で解放することであって、圧迫部材の戻り移動が、キャビティに向かって内側の吸引圧力を引き起こして、IV血液セット・フット・ポンプの上流の流体を入口ポートに迅速に流入するように送り出す、解放することと、押圧及び解放ステップを繰り返して、流体源からIVセットを通して、IVセット自体の最大開放流流体流量を超える流体流量で流体を圧送することと、を含む。
【0056】
1つ又は複数の実施例では、IV血液セット・フット・ポンプは、IVポールに取り外し可能に連結されるように構成されたフレームであって、空気入口ポートと、ピストン・スロットと、IVセットのダイヤフラム・ポンプ・セグメントを受容するように構成されたポンプ・スロットと、を備える、フレームと、ピストン・スロットを通してフレームに移動可能に連結されたピストンと、空気ホースであって、空気ホースの第1の端部が、フレームの空気入口ポートに連結されている、空気ホースと、空気ホースの第2の端部に連結されたフット・ポンプと、を備える。
【0057】
本開示の態様では、フレームは、空気入口ポート及びピストン・スロットに接続されたフレーム・シリンダを備える。本開示の態様では、ピストンは、第1の端部及び第2の端部を有するシャフトであって、シャフトが、ピストン・スロット内に摺動可能に配設されている、シャフトと、シャフトの第1の端部にあるヘッドであって、ヘッドが、フレーム・シリンダ内に移動可能に配設されている、ヘッドと、シャフトの第2の端部にあるピストン・スナップであって、ピストン・スナップが、IVセットのダイヤフラム・ポンプ・セグメントのポンプ・スナップと係合するように構成されている、ピストン・スナップと、シャフトの第2の端部にあるスナップ・リリースであって、スナップ・リリースが、ピストン・スナップとポンプ・スナップとの係合を解除するように構成されている、スナップ・リリースと、を備える。本開示の態様では、フレームは、ポンプ・スロット内にポンプ・グリップの延長部材が配設され、ポンプ・スロットの外部側にポンプ・グリップの保持部材が配設され、ポンプ・スロットの内部側にダイヤフラム・ポンプ・セグメントのチャンバが配設されている状態で、ダイヤフラム・ポンプ・セグメントを受容するように構成されている。
【0058】
本開示の態様では、IV血液セット・フット・ポンプを操作する方法は、IVセットを流体源に連結することと、IV血液セット・フット・ポンプのフレーム内にIVセットのダイヤフラム・ポンプ・セグメントを挿入することであって、IV血液セット・フット・ポンプが、IVポールに取り外し可能に連結されるように構成されたフレームであって、空気入口ポートと、ピストン・スロットと、IVセットのダイヤフラム・ポンプ・セグメントを受容するように構成されたポンプ・スロットと、を備えるフレームと、ピストン・スロットを通してフレームに移動可能に連結されたピストンと、空気ホースであって、空気ホースの第1の端部が、フレームの空気入口ポートに連結されている、空気ホースと、空気ホースの第2の端部に連結されたフット・ポンプと、を備える、挿入することと、ピストンのピストン・スナップをダイヤフラム・ポンプ・セグメントのポンプ・スナップに連結することと、フット・ポンプを足で押して、空気ホースとフレームの空気入口ポートとを通してフレームのフレーム・シリンダに空気を送り込み、ピストンをフレーム内で内向きに移動させ、ダイヤフラム・ポンプ・セグメントのチャンバに連結されたダイヤフラムを圧縮させて、チャンバ内の流体を、ダイヤフラム・ポンプ・セグメントの出口ポートから送り出し、ダイヤフラム・ポンプ・セグメントの下流のIVセットに通すことと、ピストンのシャフトに連結されたバネからの付勢力、並びにフレーム・シリンダから引き出されて、空気入口ポート及び空気ホースを通ってフット・ポンプ内に入る空気からの吸引力のうちの少なくとも一方に基づいて、ピストンがフレーム内の既定位置に戻るように移動することを可能にするように、フット・ポンプに対する圧力を足で解放することであって、ピストンの戻り移動は、ダイヤフラムがチャンバから外側に引っ張られるようにし、チャンバに向かって内側の吸引圧を引き起こし、ダイヤフラム・ポンプ・セグメントの上流の流体をダイヤフラム・ポンプ・セグメントの入口ポートを通してチャンバに迅速に送り込む、解放することと、フット・ポンプの押圧及び解放のステップを繰り返して、IVセット自体の最大開放流流体流量を超える流体流量で流体源からIVセットを通して流体を圧送することと、を含む。
【0059】
開示されたプロセスの方法におけるブロックのあらゆる特定の順序又は階層は、例示的なアプローチを例示するものであることが理解されよう。設計又は実装の好みに基づいて、プロセス内のブロックの特定の順序又は階層は再配置できること、又は例示されたすべてのブロックを実行できることが理解されよう。いくつかの実装では、ブロックのうちのいずれかは、同時に実行され得る。
【0060】
本開示は、あらゆる当業者が本明細書に記載された様々な態様を実施できるようにするために提供される。本開示は、主題技術の様々な実例を提供し、主題技術はこれらの実例に限定されない。これらの態様に対する様々な変更は、当業者には容易に明らかであり、本明細書で定義された一般的な原理は、他の態様に適用することができる。
【0061】
単数形の要素への言及は、特に別段の記載がない限り、「1つ及び1つだけ」を意味することを意図しているものではなく、「1つ又は複数」を意味することを意図している。特に別段の記載がない限り、「いくつか」という用語は、1つ又は複数を指す。男性形の代名詞(例えば、彼の)には、女性形及び中性形(例えば、彼女の及びそれの)が含まれ、逆もまた同様である。見出し及び小見出しは、存在する場合、便宜上のみ使用され、本発明を限定するものではない。
【0062】
「例示的」という単語は、本明細書では、「実例又は例示として役立つこと」を意味するために使用される。「例示的」として本明細書に記載されている任意の態様又は設計は、必ずしも他の態様又は設計よりも好ましい又は有利であると解釈される必要はない。一態様では、本明細書に記載される様々な代替構成及び操作は、少なくとも均等であると見なすことができる。
【0063】
本明細書で使用される場合、一連の項目の前にある「のうちの少なくとも1つ」という表現は、任意の項目を区切る「又は」という用語とともに、リストの各々の項目ではなくリスト全体を修飾する。「のうちの少なくとも1つ」という語句は、少なくとも1つの項目を選択する必要はなく、むしろ、この語句は、項目のいずれか1つの少なくとも1つ、及び/又は項目の任意の組み合わせの少なくとも1つ、及び/又は項目の各々の少なくとも1つを含む意味を許容する。例として、「A、B、又はCのうちの少なくとも1つ」という語句は、Aのみ、Bのみ、若しくはCのみ、又はA、B、及びCの任意の組み合わせを指すことができる。
【0064】
「態様」などの語句は、そのような態様が主題技術に不可欠であること、又はそのような態様が主題技術のすべての構成に適用されることを意味するものではない。一態様に関する開示は、すべての構成、又は1つ若しくは複数の構成に適用することができる。一態様は、1つ又は複数の実例を提供することができる。一態様などの語句は、1つ又は複数の態様を指すことができ、その逆も同様である。「実施例」などの語句は、そのような実施例が主題技術に不可欠であること、又はそのような実施例が主題技術のすべての構成に適用されることを意味するものではない。一実施例に関する開示は、すべての実施例、又は1つ若しくは複数の実施例に適用することができる。一実施例は、1つ又は複数の実例を提供することができる。一実施例のような語句は、1つ又は複数の実施例を指すことができ、逆もまた同様である。「構成」などの語句は、そのような構成が主題技術に不可欠であること、又はそのような構成が主題技術のすべての構成に適用されることを意味するものではない。構成に関する開示は、すべての構成、又は1つ又は複数の構成に適用することができる。一構成は、1つ又は複数の実例を提供することができる。このような一構成のような語句は、1つ又は複数の構成を指すことができ、逆もまた同様である。
【0065】
本明細書で使用される場合、「決定する」又は「決定すること」という用語は、広範な動作を包含する。例えば、「決定すること」は、ユーザの介入なしにハードウェア要素を介して、算出すること、計算すること、処理すること、導出すること、生成すること、取得すること、調べること(例えば、テーブル、データベース、又は別のデータ構造内で調べること)、及び確認することなどを含み得る。また、「決定すること」は、ユーザの介入なしにハードウェア要素を介して、受信すること(例えば、情報を受信すること)、及びアクセスすること(例えば、メモリ内のデータにアクセスすること)などを含み得る。「決定すること」には、ユーザの介入なしにハードウェア要素を介して、解決すること、選定すること、選択すること、及び確立することなどを含み得る。
【0066】
本明細書で使用される場合、「提供する」又は「提供すること」という用語は、広範な動作を包含する。例えば、「提供すること」には、後続の検索のために値を記憶装置の場所に保存すること、少なくとも1つの有線又は無線通信媒体を介して受信者に値を直接送信すること、値への参照を送信又は保存することなどを含み得る。「提供すること」は、ハードウェア要素を介して、エンコードすること、デコードすること、暗号化すること、解読すること、認証すること、検証すること、及び挿入することなども含み得る。
【0067】
一態様では、別段の記載がない限り、すべての測定値、値、評価、位置、大きさ、サイズ、及び以下の請求項を含む本明細書に記載されているその他の仕様は概算であり、正確ではない。一態様では、それらは、それらが関係する機能及びそれらが関係する技術分野で通例のものと一致する合理的な範囲を有することを意図している。
【0068】
開示されるステップ、操作、又はプロセスの特定の順序又は階層は、例示的なアプローチの例示であることが理解されよう。設計の好みに基づいて、ステップ、操作、又はプロセスの特定の順序又は階層を再配置できることが理解されよう。ステップ、操作、又はプロセスのうちの一部は、同時に実行され得る。ステップ、操作、又はプロセスの一部又はすべては、ユーザの介入なしに自動的に実行され得る。添付の方法請求項は、存在する場合には、様々なステップ、操作、又はプロセスの要素をサンプルの順序で示しており、提示された特定の順序又は階層に限定されることを意味するものではない。
【0069】
当業者に知られている、又は後に知られるようになる、本開示を通じて説明される様々な態様の要素に対するすべての構造的及び機能的均等物は、参照により本明細書に明示的に組み込まれ、請求項に包含されることが意図される。更に、本明細書に開示されたものは、かかる開示が請求項に明示的に記載されているかどうかに関係なく、一般に公開されることを意図したものではない。請求項の要素は、その要素が「ための手段」という語句を使用して明示的に記載されていないか、方法請求項の場合には、その要素が「ためのステップ」という語句を使用して記載されていない限り、米国特許法112条(f)の規定に基づいて解釈されるべきではない。更に、「含む」、又は「有する」などの用語が使用される範囲において、そのような用語は、「備える」が請求項において転換語として採用される場合に解釈されるときの「備える」と同様の様式で包括的であることを意図している。
【0070】
本開示の発明の名称、背景技術、発明の概要、図面の簡単な説明、及び要約は、本開示に組み込まれ、限定的な説明としてではなく、本開示の例示的な実例として提供される。それらは、請求項の範囲又は意味を制限するために使用されないことを理解した上で提出される。また、発明を実施するための形態では、説明が例示的な実例を提供し、本開示を簡素化する目的で、様々な特徴が様々な実施例にまとめられていることがわかる。この開示方法は、特許請求された主題が、各々の請求項で明示的に記載されているよりも多くの特徴を必要とするという意図を反映していると解釈されるべきではない。むしろ、以下の請求項が反映するように、本発明の主題は、開示された単一の構成又は操作のすべての特徴よりも少ない特徴にある。以下の請求項は、発明を実施するための形態に組み込まれ、各々の請求項は別々に請求される主題として独立している。
【0071】
請求項は、本明細書に記載された態様に限定されることを意図したものではなく、文言上の請求項と一致する完全な範囲が与えられ、すべての法的均等物を包含するものである。それにもかかわらず、いずれの請求項も、米国特許法第101条、同第102条、又は同第103条の要件を満たさない主題を包含することを意図しておらず、またそのように解釈されるべきでもない。
【国際調査報告】