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特表2024-540550マイクロ流体チップ、そのための液体注入方法、及びその使用
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-10-31
(54)【発明の名称】マイクロ流体チップ、そのための液体注入方法、及びその使用
(51)【国際特許分類】
   G01N 35/02 20060101AFI20241024BHJP
   G01N 37/00 20060101ALI20241024BHJP
   G01N 1/00 20060101ALI20241024BHJP
【FI】
G01N35/02 A
G01N37/00 101
G01N1/00 101G
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2024529624
(86)(22)【出願日】2022-10-08
(85)【翻訳文提出日】2024-06-18
(86)【国際出願番号】 CN2022123905
(87)【国際公開番号】W WO2023087964
(87)【国際公開日】2023-05-25
(31)【優先権主張番号】202111376549.7
(32)【優先日】2021-11-19
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】524186866
【氏名又は名称】ジャンスー、ロジレット、バイオテック、カンパニー、リミテッド
【氏名又は名称原語表記】JIANGSU LOGILET BIOTECH CO., LTD.
(74)【代理人】
【識別番号】100120031
【弁理士】
【氏名又は名称】宮嶋 学
(74)【代理人】
【識別番号】100107582
【弁理士】
【氏名又は名称】関根 毅
(74)【代理人】
【識別番号】100227330
【弁理士】
【氏名又は名称】向井 翼
(72)【発明者】
【氏名】トゥー、ペイ
(72)【発明者】
【氏名】スー、ヤン
(72)【発明者】
【氏名】チャン、ヤン
【テーマコード(参考)】
2G052
2G058
【Fターム(参考)】
2G052AD26
2G052CA13
2G052CA20
2G052DA22
2G058CE02
2G058CE05
2G058EA08
2G058EA14
(57)【要約】
マイクロ流体チップ、そのための液体注入方法、及びその使用が提供される。マイクロ流体チップは、下から上へ順に積み重ねられる、マイクロ流体チップ基板、導電性カバー、及び液体注入ハウジングを備える。液体注入ハウジングには、少なくとも1つの液体注入導管及びオイル吸入導管が提供される。液体注入ハウジングは、オイル注入キャビティ、試料定量キャビティ、及び少なくとも1つの並んで配置された液体注入キャビティを備え、オイル注入キャビティ、試料定量キャビティ、及び少なくとも1つの液体注入キャビティは、それぞれ、オイル・バブル・キャップ、試料定量プラグ、及び少なくとも1つの試薬バブル・キャップを配置するように構成される。少なくとも1つの液体注入導管のうちの対応する1つに接続される液体注入カラムは、少なくとも1つの液体注入キャビティの各々の中に配置され、少なくとも1つの液体注入導管の各々は、液体注入チャネルを形成する。オイル注入カラムは、オイル注入キャビティ内に配置され、オイル吸入導管に接続される。オイル注入キャビティ及び少なくとも1つの液体注入キャビティの表面には、各々対応してスパイク部品が提供される。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
マイクロ流体チップであって、前記マイクロ流体チップが、下から上へ順に積み重ねられる、マイクロ流体チップ基板、導電性カバー、及び液体注入ハウジングを備え、前記液体注入ハウジングには、少なくとも1つの液体注入導管及びオイル吸入導管が提供され、
前記液体注入ハウジングが、オイル注入キャビティ(cavity)、試料定量キャビティ、及び少なくとも1つの並んで配置された液体注入キャビティを備え、前記オイル注入キャビティ、前記試料定量キャビティ、及び前記少なくとも1つの液体注入キャビティが、それぞれ、オイル・バブル・キャップ(oil bubble cap)、試料定量プラグ、及び少なくとも1つの試薬バブル・キャップを配置するために使用され、
前記少なくとも1つの液体注入導管のうちの対応する1つに接続された液体注入カラムが、前記少なくとも1つの液体注入キャビティの各々の中にそれぞれ配置され、前記少なくとも1つの液体注入導管の各々が、液体注入チャネルを形成し、
オイル注入カラムが、前記オイル注入キャビティ内に配置され、前記オイル吸入導管に接続され、
前記オイル注入キャビティ及び前記少なくとも1つの液体注入キャビティの表面には、各々対応してスパイク部品(spike component)が提供されている、マイクロ流体チップ。
【請求項2】
少なくとも1つの通気導管が、前記液体注入ハウジング上に配置され、前記液体注入ハウジングには、少なくとも1つの通気口が提供され、前記少なくとも1つの通気口が、各々、前記少なくとも1つの通気導管のうちの1つと連通している、請求項1に記載のマイクロ流体チップ。
【請求項3】
前記マイクロ流体チップ基板と前記導電性カバーが、前記マイクロ流体チップ基板と前記導電性カバーとの間に周方向に配置された間隙封止剤を使用することによって互いに接続され、閉じたキャビティが、前記マイクロ流体チップ基板、前記導電性カバー、及び前記間隙封止剤によって形成される、請求項1又は2に記載のマイクロ流体チップ。
【請求項4】
前記導電性カバーには、少なくとも1つの貫通孔が提供され、前記少なくとも1つの貫通孔が、前記閉じたキャビティの内部と連通し、前記少なくとも1つの貫通孔が、少なくとも1つの液体吸入孔、試料吸入孔、及びオイル吸入孔を備え、前記少なくとも1つの液体吸入孔及び前記オイル吸入孔が、それぞれ、前記少なくとも1つの液体注入導管及び前記オイル吸入導管と位置合わせされる、請求項3に記載のマイクロ流体チップ。
【請求項5】
前記導電性カバーには、少なくとも1つの貫通孔が提供され、前記少なくとも1つの貫通孔が、前記閉じたキャビティの内部と連通し、前記少なくとも1つの貫通孔が、通気口を備え、前記通気口が、前記液体注入ハウジング上に配置された対応する通気導管と位置合わせされる、請求項3又は4に記載のマイクロ流体チップ。
【請求項6】
前記少なくとも1つの貫通孔が、前記導電性カバーの縁部から0.5~1mmの距離に配置される、請求項4又は5に記載のマイクロ流体チップ。
【請求項7】
前記マイクロ流体チップ基板上の前記少なくとも1つの貫通孔の縁部の突出部が、前記マイクロ流体チップ基板上の電極から少なくとも0.5mmの距離だけ離隔しており、前記少なくとも1つの貫通孔の前記オイル吸入孔が、前記マイクロ流体チップ基板の無電極領域に対応する前記導電性カバーの領域内に形成される、請求項4~6のいずれか一項に記載のマイクロ流体チップ。
【請求項8】
前記導電性カバーが、透明導電性カバーであり、
好ましくは、前記導電性カバーが、ITOガラスなどのガラスで作られている、請求項1~7のいずれか一項に記載のマイクロ流体チップ。
【請求項9】
前記導電性カバーが、接着剤によって前記液体注入ハウジングに接合され、前記液体注入ハウジングの縁部が、接着剤によって前記マイクロ流体チップ基板の縁部に接合されて封止を形成する、請求項1~8のいずれか一項に記載のマイクロ流体チップ。
【請求項10】
前記マイクロ流体チップ基板が、ベース・プレートを備え、マイクロ電極アレイが、前記ベース・プレート上に配置され、誘電体層及び疎水性層が、前記マイクロ電極アレイ上に順に積み重ねられる、請求項1~9のいずれか一項に記載のマイクロ流体チップ。
【請求項11】
前記少なくとも1つの液体注入導管が、各々、前記導電性カバーに形成された対応する貫通孔から延びており、
好ましくは、前記少なくとも1つの液体注入導管の各々が対応する貫通孔から延び出す距離は、0.55~0.7mmであり、
好ましくは、前記液体注入チャネルが、液体吸入端部及び液体排出端部を備え、前記液体排出端部には、流れを誘導するように構成された切り欠きが提供され、
好ましくは、前記液体注入チャネルが傾斜を有し、
好ましくは、前記液体注入チャネルの前記傾斜が、5°~10°であり、
好ましくは、アルミニウム箔が、前記少なくとも1つの試薬バブル・キャップ及び前記オイル・バブル・キャップの各々の中に提供される、請求項1~10のいずれか一項に記載のマイクロ流体チップ。
【請求項12】
請求項1~11のいずれか一項に記載のマイクロ流体チップのための液体注入方法であって、前記液体注入方法が、
液体注入中に、前記液体注入カラムが、対応する試薬バブル・キャップに連続的に入って前記試薬バブル・キャップ内の液体を押圧し、前記試薬バブル・キャップが、前記下方の押圧プロセスにおいて前記液体注入カラムとの封止を形成し、前記それぞれのスパイク部品によって前記試薬バブル・キャップを穿孔し、前記試薬バブル・キャップ内の前記液体が、前記液体注入チャネルを通って前記マイクロ流体チップの前記閉じたキャビティに流れ込み、前記マイクロ流体チップ基板の前記ベース・プレート上に配置された前記マイクロ電極アレイの電圧を、前記試薬バブル・キャップから前記閉じたキャビティに流れる前記液体が指定の位置に到達するように調整することと、
オイル注入中に、前記オイル注入カラムが、前記オイル・バブル・キャップに連続的に入って前記オイル・バブル・キャップ内の液体を押圧し、前記オイル・バブル・キャップが、前記下方の押圧プロセスにおいて前記オイル注入カラムとの封止を形成し、前記それぞれのスパイク部品によって前記オイル・バブル・キャップを穿孔し、前記オイル・バブル・キャップ内の前記液体が、前記オイル吸入孔を通って前記マイクロ流体チップの前記閉じたキャビティに流れ込み、前記マイクロ流体チップ基板の前記ベース・プレート上に配置された前記マイクロ電極アレイの前記電圧を、前記オイル・バブル・キャップから前記閉じたキャビティに流れる前記オイル液体が指定の位置に到達するように調整することと、を含む、液体注入方法。
【請求項13】
前記オイル・バブル・キャップ内の前記液体が前記閉じたキャビティに入り、前記閉じたキャビティの前記底面領域の一部を占めるように、前記オイル・バブル・キャップを第1の速度で押し下げることと、
前記試薬バブル・キャップを押し下げて、前記試薬バブル・キャップ内の前記液体を前記閉じたキャビティに入れることと、
前記オイル・バブル・キャップ内の前記液体が前記閉じたキャビティの前記底面領域全体を占めるように、前記オイル・バブル・キャップを第2の速度で押し下げることであって、前記第2の速度が、前記第1の速度よりも小さい、押し下げることと、を更に含む、請求項12に記載の液体注入方法。
【請求項14】
前記オイル・バブル・キャップを前記第1の速度で押し下げた後、前記オイル・バブル・キャップの押し下げを停止し、前記オイル・バブル・キャップを例えば2mmの距離だけ上方に持ち上げることを更に含む、請求項13に記載の液体注入方法。
【請求項15】
請求項1~11のいずれか一項に記載のマイクロ流体チップのためのオイル注入方法であって、前記オイル注入方法が、
液体注入中に、前記液体注入カラムが、対応する試薬バブル・キャップに連続的に入って前記試薬バブル・キャップ内の液体を押圧し、前記試薬バブル・キャップが、前記下方の押圧プロセスにおいて前記液体注入カラムとの封止を形成し、前記それぞれのスパイク部品によって前記試薬バブル・キャップを穿孔し、前記試薬バブル・キャップ内の前記液体が、前記液体注入チャネルを通って前記マイクロ流体チップの前記閉じたキャビティに流れ込み、前記マイクロ流体チップ基板の前記ベース・プレート上に配置された前記マイクロ電極アレイの電圧を、前記試薬バブル・キャップから前記閉じたキャビティに流れる前記液体が指定の位置に到達するように調整することと、
オイル注入中に、前記オイル・バブル・キャップを前記下方の押圧プロセスにおいて前記それぞれのスパイク部品によって穿孔し、前記オイル・バブル・キャップ内の前記液体が、前記オイル吸入孔を通って前記マイクロ流体チップの前記閉じたキャビティに流れ込むことと、を含む、オイル注入方法。
【請求項16】
前記マイクロ流体チップが、デジタル・マイクロ流体チップの分野で使用される、請求項1~11のいずれか一項に記載のマイクロ流体チップの使用。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、マイクロ流体チップの技術分野に関し、マイクロ流体チップ、そのための液体注入方法、及びその使用に関する。
【背景技術】
【0002】
マイクロ流体チップは、生物学的、化学的、及び医学的分析プロセスにおける試料調製、反応、分離、及び試験などのために構成される基本操作ユニットを、マイクロスケール構造を備えたチップに統合する。チップは、エレクトロウェッティング技術の原理を使用し、電位によって固体-液体表面エネルギーを調整し、表面エネルギーの不均衡によって液体を移動させ、これによりマイクロ液体の精密な制御を実現する。
【0003】
マイクロ流体チップへの液体注入中、オペレータは、典型的に、ピペットによって一定量の液体試料を吸い取り、ピペットを試料入口に位置合わせして、液体を反応キャビティ(cavity)内に完全に注入する必要がある。しかし、試料を注入するためにピペットを使用することは、使用コストを増加させ、オペレータの操作精度に対する高い要件を有する。
【0004】
CN209406357Uは、液体注入を容易にするマイクロ流体チップを開示している。マイクロ流体チップは、基板と、カバー・プレートと、を備える。基板には複数のマイクロ流体チャネルが提供され、基板とカバー・プレートとは一体に接合され、マイクロ流体チャネルは、基板とカバー・プレートとの間に位置している。マイクロ流体チップは、接続導管を更に備え、カバー・プレートには、少なくとも1つの誘導孔が提供され、誘導孔は、マイクロ流体チャネルと連通しており、接続導管は、一端において誘導孔に取り外し可能に接続される。
【0005】
CN107988070Aは、マイクロスケール細胞電気穿孔用マイクロ流体チップ、マイクロスケール細胞電気穿孔選別装置、及びその用途を開示している。マイクロスケール細胞電気穿孔選別装置は、電気穿孔ユニットと、表示画面と、外箱と、電源ユニットと、マイクロ制御ユニットと、一次センサと、を備える。電気穿孔ユニットは、チップを備える。表示画面は、マイクロ制御ユニットに命令を送信し、マイクロ制御ユニット及び一次センサからフィードバックされた情報を受信して表示するように構成される。マイクロ制御ユニットは、表示画面によって送信された命令を受信し、電気穿孔ユニット及び電源ユニットを制御するように構成される。電気穿孔ユニットは、細胞トランスフェクションのプロセスを完了するように構成され、一次センサは、電気穿孔ユニットによってフィードバックされた情報を受信し、それを表示画面及びマイクロ制御ユニットに送信するように構成される。マイクロスケール細胞電気穿孔用マイクロ流体チップは、試料入口と、試料出口と、負圧ダクトと、正圧ダクトと、主チャネルと、を備える。試料出口の後ろには、96ウェル・プレートが配置される。本発明は、トランスフェクションプロセス中に主チャネル内の一貫した状態を確保し、トランスフェクション効率を確保し、96ウェル・プレートによって細胞の品質を確保し、後での細胞培養を容易にすることができる。
【0006】
CN108148752Aは、マイクロ流体チップに基づく統合された薬物スクリーニング及び染色方法を開示している。マイクロ流体チップは、上層としての液体経路制御層と、下層としての気体経路制御層と、底面にあるブランク・ガラス・ベース・プレートと、を有するように構成される。マイクロ流体チップに基づく統合された薬物スクリーニング及び染色方法は、チップ前処理のステップと、細胞接種及び培養のステップと、薬物刺激、及び蛍光染色のステップと、を順に含む。各液体経路層の入口は、気体経路層のバルブによって個別に制御され、異なる種類の細胞の培養、異なる薬物による刺激、異なる抗体による染色が同時に実施され得る。本発明は、マイクロ流体チップ内でマイクロ流体及びマイクロバルブの技術を利用することによって、マイクロ流体チップ上での薬物スクリーニング及び蛍光染色を実現し、これにより、細胞培養、細胞In Situ蛍光染色、及び薬物スクリーニングの研究に、まったく新しい技術プラットフォームが提供されている。この方法は、操作が簡単で便利であり、より少ない細胞及び試薬を使用し、高い統合レベル及び広範な用途を有する。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
従来技術では、96ウェル・プレート及び384ウェル・プレートなどの完全に手動の反応プレート、又はシリンジ・ポンプ、液滴マイクロ流体などを備えた連続マイクロ流体デバイスが使用されている。しかし、従来技術は実際の用途に大きい制限を有し、完全に手動の操作は時間がかかり、労働集約的であり、低い精度を有し、エラーを引き起こす可能性が高い。マイクロ流体デバイス及び液滴マイクロ流体の操作はシリンジ・ポンプに大きく依存しており、より高いコストを有する。加えて、従来技術における試料吸入方法は、通常、ピペット又は外部の機械式ポンプを使用する必要があり、高い製造コスト、複雑な操作手順、高い再現性、限られた使用環境を有する。更に、液体試料吸入プロセスは、煩雑なステップを含み、無駄及び誤操作が発生する可能性が高い。そのため、実際の生産及び生活のニーズを満たすために、マイクロ流体チップ及びそのための方法を設計及び開発することが急務となっている。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本開示の実施形態の第1の態様によれば、マイクロ流体チップが提供され、マイクロ流体チップは、下から上へ順に積み重ねられたマイクロ流体チップ基板、導電性カバー、及び液体注入ハウジングを備える。液体注入ハウジングには、少なくとも1つの液体注入導管及びオイル吸入導管が提供される。液体注入ハウジングは、オイル注入キャビティ、試料定量キャビティ、及び少なくとも1つの並んで配置された液体注入キャビティを備え、オイル注入キャビティ、試料定量キャビティ、及び少なくとも1つの液体注入キャビティは、それぞれ、オイル・バブル・キャップ(oil bubble cap)、試料定量プラグ、及び少なくとも1つの試薬バブル・キャップを配置するように構成される。少なくとも1つの液体注入導管のうちの対応する1つに接続される液体注入カラムは、少なくとも1つの液体注入キャビティの各々の中に配置され、少なくとも1つの液体注入導管の各々は、液体注入チャネルを形成する。オイル注入カラムは、オイル注入キャビティ内に配置され、オイル注入カラムは、オイル吸入導管に接続されている。オイル注入キャビティ及び少なくとも1つの液体注入キャビティの表面には、各々対応してスパイク部品(spike component)が提供される。
【0009】
本開示の実施形態の第2の態様によれば、マイクロ流体チップのための液体注入方法が提供される。液体注入方法は、液体注入中に、液体注入カラムが、対応する試薬バブル・キャップに連続的に入って試薬バブル・キャップ内の液体を押圧し、試薬バブル・キャップが、下方の押圧プロセスにおいて液体注入カラムとの封止を形成し、それぞれのスパイク部品によって試薬バブル・キャップを穿孔し、試薬バブル・キャップ内の液体が、液体注入チャネルを通ってマイクロ流体チップの閉じたキャビティに流れ込み、マイクロ流体チップ基板のベース・プレート上に配置されたマイクロ電極アレイの電圧を、試薬バブル・キャップから閉じたキャビティに流れる液体が指定の位置に到達するように調整することと、オイル注入中に、オイル注入カラムが、オイル・バブル・キャップに連続的に入ってオイル・バブル・キャップ内の液体を押圧し、オイル・バブル・キャップが、下方の押圧プロセスにおいてオイル注入カラムとの封止を形成し、それぞれのスパイク部品によってオイル・バブル・キャップを穿孔し、オイル・バブル・キャップ内の液体が、オイル吸入孔を通ってマイクロ流体チップの閉じたキャビティに流れ込み、マイクロ流体チップ基板のベース・プレート上に配置されたマイクロ電極アレイの電圧を、オイル・バブル・キャップから閉じたキャビティに流れるオイル液体が指定の位置に到達するように調整することと、を含む。
【0010】
本開示の実施形態の第3の態様によれば、マイクロ流体チップのためのオイル注入方法が提供される。オイル注入方法は、液体注入中に、液体注入カラムが、対応する試薬バブル・キャップに連続的に入って試薬バブル・キャップ内の液体を押圧し、試薬バブル・キャップが、下方の押圧プロセスにおいて液体注入カラムとの封止を形成し、それぞれのスパイク部品によって試薬バブル・キャップを穿孔し、試薬バブル・キャップ内の液体が、液体注入チャネルを通ってマイクロ流体チップの閉じたキャビティに流れ込み、マイクロ流体チップ基板のベース・プレート上に配置されたマイクロ電極アレイの電圧を、試薬バブル・キャップから閉じたキャビティに流れる液体が指定の位置に到達するように調整することと、オイル注入中に、オイル・バブル・キャップを下方の押圧プロセスにおいてそれぞれのスパイク部品によって穿孔し、オイル・バブル・キャップ内の液体が、オイル吸入孔を通ってマイクロ流体チップの閉じたキャビティに流れ込むことと、を含む。
【0011】
本開示の第4の態様によれば、第1の態様に記載のマイクロ流体チップの使用が提供される。マイクロ流体チップは、デジタル・マイクロ流体チップの分野で使用される。
【0012】
本開示の実施形態によって提供されるマイクロ流体チップは、試薬を事前に埋め込み、孔注入デバイスと統合され、これにより、手動の液体注入及びオイル注入操作が回避され、信頼性がより高い。
【0013】
本開示の更なる実施形態、並びにその特徴及び利点は、添付の図面と併せて本明細書の説明を参照することによってより明らかになるであろう。
【図面の簡単な説明】
【0014】
図1】本開示のいくつかの実施形態によるマイクロ流体チップの概略構造図である。
図2】本開示のいくつかの実施形態による液体注入ハウジングの正面上面図である。
図3】本開示のいくつかの実施形態による液体注入ハウジングの背面上面図である。
図4】本開示のいくつかの実施形態によるマイクロ流体チップ基板の概略構造図である。
図5】本開示のいくつかの実施形態による導電性カバーが組み立てられた液体注入ハウジングの概略構造図である。
図6】本開示のいくつかの実施形態によるマイクロ流体チップの間隙封止剤及び接着剤接合位置の概略図である。
図7】本開示のいくつかの実施形態によるマイクロ流体チップの概略構造図である。
図8】本開示のいくつかの他の実施形態によるマイクロ流体チップの概略構造図である。
図9】本開示のいくつかの他の実施形態による液体注入ハウジングの正面上面図である。
図10】本開示のいくつかの他の実施形態による液体注入ハウジングの背面上面図である。
図11】本開示のいくつかの他の実施形態によるマイクロ流体チップ基板の概略構造図である。
図12】本開示のいくつかの他の実施形態による導電性カバーが組み付けられた液体注入ハウジングの概略構造図である。
図13】本開示のいくつかの他の実施形態によるマイクロ流体チップの間隙封止剤及び接着剤接合位置の概略図である。
図14】本開示のいくつかの実施形態によるマイクロ流体チップの概略断面図である。
図15】本開示のいくつかの他の実施形態によるマイクロ流体チップの概略断面図である。
図16A】本開示のいくつかの実施形態による試料注入を例示する概略フローチャートである。
図16B】本開示のいくつかの実施形態による試料注入を例示する概略フローチャートである。
図17A】本開示のいくつかの実施形態による液体注入を例示する概略フローチャートである。
図17B】本開示のいくつかの実施形態による液体注入を例示する概略フローチャートである。
図18A】本開示のいくつかの実施形態による液体注入及びオイル注入プロセスを例示する概略図である。
図18B】本開示のいくつかの実施形態による液体注入及びオイル注入プロセスを例示する概略図である。
図18C】本開示のいくつかの実施形態による液体注入及びオイル注入プロセスを例示する概略図である。
図18D】本開示のいくつかの実施形態による液体注入及びオイル注入プロセスを例示する概略図である。
【発明を実施するための形態】
【0015】
図中、同一又は類似の要素は同一の参照符号で示される。
【0016】
本開示の説明において、「中心」、「長手」、「横」、「上」、「下」、「前」、「後」、「左」、「右」、「垂直」、「水平」、「頂」、「底」、「内」、及び「外」などの用語で示される方向又は位置関係は、添付の図面に示される方向又は位置関係に基づいており、参照される装置若しくは要素が特定の向きを有しなければならない、又は特定の向きで構成及び動作されなければならないことを示す又は暗示するものではなく、本開示の説明を容易にし、説明を簡素化するためのものであり、したがって、本開示を制限するものと解釈することはできないことが理解されるべきである。加えて、「第1」及び「第2」などの用語は、説明の目的のみで使用され、相対的な重要性を示す若しくは暗示するもの、又は示された技術的特徴の番号を暗に示すものと解釈されてはならない。したがって、「第1」及び「第2」などで定義される特徴は、明示的に又は暗黙的に1つ又は複数の特徴を含み得る。本開示の説明において、「複数の」は、他に明確に具体的に指定されない限り、2つ以上を意味する。
【0017】
本開示の説明において、他に明確に規定され定義されない限り、「配置され」、「接続され」、及び「接続する」という用語は、広い意味で理解されるべきであり、例えば、それらは、固定された接続、取り外し可能な接続、又は統合された接続であってよいし、機械的接続又は電気的接続であってよいし、直接的接続、中間物による間接的接続、又は2つの要素間の内部連通であってよい。当業者にとっては、本開示における上記の用語の具体的な意味は、具体的な状況に応じて解釈されるべきである。
【0018】
当業者は、本開示が、完全なプロセスを実施するために必要なパイプライン、従来のバルブ、及び一般的なポンプ装置を必然的に含むことを理解すべきである。しかし、上記の内容は本開示の主要な発明点ではない。当業者であれば、技術的プロセス及び装置の構造形態の選択に基づいて、自らレイアウトを追加することができ、これに関して、本開示は特別な要件又は特定の制限を有していない。
【0019】
デジタル・マイクロ流体チップは、生物、化学、医療、及びその他の分野で通常必要とされる試料抽出、希釈、試薬添加、反応、分離、及び検出などの操作プロセスを統合することができる。従来の制御手段に比べ、この技術は、より少ない試料消費量を可能にすることができ、また、高感度、高精度、高スループット、及び高集積化などの利点を有し、生化学反応の全自動統合プロセスをより低いコストで迅速に実施することができ、全プロセスの反応が完全に密閉された環境で交差汚染のない状態で実施されることを可能にし、ボタン一つで操作され得、それによって、オペレータの手を大幅に解放する。
【0020】
本開示の実施形態の第1の態様によれば、マイクロ流体チップが提供される。以下、本開示の技術的解決策は、具体的な実施態様に関して、図面を参照して更に説明される。
【0021】
図1は、本開示のいくつかの実施形態によるマイクロ流体チップの概略構造図である。図1に示されるように、マイクロ流体チップは、下から上へ順に積み重ねられる、マイクロ流体チップ基板1、導電性カバー2、及び液体注入ハウジング3を備える。図7に示されるように、マイクロ流体チップ基板1は、例えば、ベース・プレートを備える。マイクロ電極アレイ21が、ベース・プレート上に配置され、誘電体層23及び疎水性層22が、マイクロ電極アレイ21上には順に積み重ねられている。
【0022】
図2及び図3は、本開示のいくつかの実施形態による液体注入ハウジングの正面上面図及び背面上面図をそれぞれ示している。液体注入ハウジング3は、オイル注入キャビティ8、試料定量キャビティ9、及び少なくとも1つの並んで配置された液体注入キャビティ11、例えば、図2に示されるように、液体注入ハウジング3の一方の側に均一に配置された6つの液体注入キャビティ11を備える。オイル注入キャビティ8は、オイル・バブル・キャップ5を配置するように構成され、すなわち、オイル・バブル・キャップ(シリコーンオイル・バブル・キャップなど)の載置位置として機能する。試料定量キャビティ9は、試料定量プラグ4を配置するように構成されており、少なくとも1つの液体注入キャビティ11は、少なくとも1つの試薬バブル・キャップ6を配置するように構成される。液体注入ハウジング3には、少なくとも1つの液体注入導管14及びオイル吸入導管12が提供される。図3に示されるように、少なくとも1つの液体注入導管14及びオイル吸入導管12は、液体注入ハウジング3の裏側、すなわちオイル注入キャビティ8及び少なくとも1つの液体注入キャビティ11とは反対の方を向いている側に提供される。少なくとも1つの液体注入導管14の対応する1つに接続される液体注入カラム10は、少なくとも1つの液体注入キャビティ11の各々の中に配置され、少なくとも1つの液体注入導管14の各々は、液体注入チャネル13を形成し、液体注入導管14は、集合的に主液体注入チャネルを形成する。環状ピット特徴部が、オイル注入キャビティ8に提供される。図2に示されるように、隆起したオイル注入カラムが、環状ピット特徴部内に配置され、オイル吸入導管12と連通している。オイル注入キャビティ8及び各液体注入キャビティ11の表面には、オイル・バブル・キャップ又は試薬バブル・キャップが押し下げられたときにオイル・バブル・キャップ又は試薬バブル・キャップが穿孔されるように、スパイク部品が各々提供される。
【0023】
例として、図1に示されるように、液体注入ハウジング3のオイル注入キャビティ8、試料定量キャビティ9、及び液体注入キャビティ11は、それぞれ、オイル・バブル・キャップ5、試料定量プラグ4、及び試薬バブル・キャップ6を配置するために使用されてよい。試薬バブル・キャップ6及びオイル・バブル・キャップ5には、両方ともに、試薬及びオイル(シリコーン・オイルなど)を封入するためのフィルム(アルミニウム箔など)が提供される。
【0024】
本開示のいくつかの実施形態によれば、マイクロ流体チップが提供されてよい。マイクロ流体チップは、オイル・バブル・キャップ及び試薬バブル・キャップを配置するための構造と、オイル・バブル・キャップ及び試薬バブル・キャップを穿孔するためのスパイク部品と、オイル及び試薬を対応するチャネルに誘導するための孔構造と、を有する。オイル・バブル・キャップ及び試薬バブル・キャップを事前に埋め込むことによって、液体注入操作が自動で実行され得、マイクロ流体チップの完全に自動化された適用が実施され得る。したがって、オペレータは、必要な試薬、試料、及びオイルを手動で順に注入する必要がなく、オペレータの手が解放され、マイクロ流体チップは、高い信頼性を有し、高い注入効率を有しながら持ち運び可能であり、普及に好適である。
【0025】
本開示によって提供されるマイクロ流体チップは、主にデジタル・マイクロ流体チップとして使用され、検出に必要な試薬及び他の物質(関連する液体、固体、又は固液混合物など)は、試薬キット内に事前に定量的に密封されてよく、試薬キットは、デジタル・マイクロ流体チップと一緒に密封された孔注入デバイス内に事前に埋め込まれており、その結果、ユーザは、試料注入時に手動操作を必要とせず、手動操作エラーによる不都合、故障、及び無駄などが効果的に防止され得る。
【0026】
いくつかの実施形態では、少なくとも1つの通気導管15が、液体注入ハウジング3上に更に配置される。液体注入ハウジング3には、少なくとも1つの通気口が提供され、各々、それぞれの通気導管に接続され、通気導管は、マイクロ流体チップ内の液体の流れのために閉じたキャビティにつながる。通気口を配置することによって、液体(試薬、オイル、又は試料など)がマイクロ流体チップの閉じたキャビティ内に注入されると、閉じたキャビティ内の過剰な気体が排出され得、液体の流れを容易にする。いくつかの他の実施形態では、複数の通気口が、1つの通気導管に接続されてよい。
【0027】
いくつかの例では、例えば図2に示されるように、少なくとも1つの第1の通気口7が、液体注入ハウジング3内のオイル注入キャビティ8の近くに形成され、第1の通気口7は、第1の通気導管15と連通している。いくつかの他の例では、例えば図8及び図9に示されるように、液体注入ハウジング3には、第1の通気口7に加えて、試料定量キャビティ9の近くに位置する第2の通気口25、試料定量キャビティ9と液体注入キャビティ11との間に位置する第3の通気口26、隣接する液体注入キャビティ11の間に位置する第4の通気口27、及び液体注入キャビティ11と液体注入ハウジング3の縁部との間に位置する第5の通気口28が更に提供される。第1の通気口7と同様に、第2の通気口25、第3の通気口26、第4の通気口27、及び第5の通気口28は、各々、通気導管と連通していてよい。例えば図10に示されるように、第3の通気口26は、第3の通気カラム34と連通している。
【0028】
マイクロ流体チップ基板1、導電性カバー2、及び液体注入ハウジング3は、下から上へ順に積み重ねられ、組み立てられてマイクロ流体チップを形成する。例えば、マイクロ流体チップ基板1、導電性カバー2、及び液体注入ハウジング3は、互いに接合されてよい。いくつかの実施形態では、例えば図4に示されるように、マイクロ流体チップ基板1と導電性カバー2は、間隙封止剤17を使用することによって互いに接続される。隙間封止材17は、マイクロ流体チップ基板1と導電性カバー2との間に周方向に配置され、閉じたキャビティ16が、マイクロ流体チップ基板1、導電性カバー2、及び間隙封止剤17によって形成される。導電性カバー2は、接着剤40によって液体注入ハウジング3に接合され、液体注入ハウジング3の縁部は、接着剤24によってマイクロ流体チップ基板1の縁部に接合されて封止を形成する。図6は、マイクロ流体チップ内の液体注入ハウジング3上の、導電性カバーを液体注入ハウジングに接合するための接着剤40の位置、及び液体注入ハウジングをマイクロ流体チップ基板に接合するための接着剤24の位置を例示的に示す。
【0029】
いくつかの実施形態では、導電性カバー2は、透明導電性カバーである。例えば、導電性カバー2は、ITOガラスなどのガラスで作られる。
【0030】
いくつかの実施形態では、導電性カバー2には、少なくとも1つの貫通孔が提供される。貫通孔は、閉じたキャビティ16と連通しており、液体吸入孔19と、試料吸入孔20と、オイル吸入孔18と、を備える。液体吸入孔19及びオイル吸入孔18は、それぞれ、液体注入導管14及びオイル吸入導管12と位置合わせされる。いくつかの他の実施形態では、導電性カバー2の貫通孔は、少なくとも1つの通気口を更に備え、通気口は、それぞれ、液体注入ハウジング3上に配置された対応する通気導管15と位置合わせされる。
【0031】
例えば、液体注入導管14は、液体吸入孔19から一定の距離だけ延び出してよい。液体注入導管が液体吸入孔から延び出す距離は、例えば、0.3~0.5mm、又は例えば、0.55~0.7mmである。この距離は、例えば、0.3mm、0.33mm、0.35mm、0.4mm、0.43mm、又は0.5mmであってよいが、列挙された値に限定されない。この値の範囲内で、列挙されていない他の値も適用可能である。同様に、オイル吸入導管12及び通気導管15も、オイル吸入孔18及び通気口7から一定の距離だけ延び出してよい。
【0032】
貫通孔は、導電性カバーの縁部から0.5~1mmの距離に配置されてよい。ここで、縁部からの距離は安全距離として機能し、安全距離は、例えば、0.5mm、0.6mm、0.7mm、0.8mm、0.9mm、又は1mmであってよいが、列挙された値に限定されないことが留意されるべきである。この値の範囲内で、列挙されていない他の値も適用可能である。加えて、貫通孔間の液体吸入孔19及び試料吸入孔20の配置は、マイクロ流体チップ基板1上の電極の位置と関連しており、マイクロ流体チップ基板上の貫通孔の縁部の突出部は、マイクロ流体チップ基板上の電極から、例えば、少なくとも0.5mmの安全距離だけ離隔している。オイル吸入孔18は、マイクロ流体チップ基板1の無電極領域に対応する導電性カバーの領域に形成される必要があり、すなわち、マイクロ流体チップ基板上のオイル吸入孔18の突出部は、マイクロ流体チップ基板1上の電極と一致しない。
【0033】
本開示の実施形態は、貫通孔のサイズ、形状、及び材料などの構造的特徴に対して特定の要件又は特別な制限を有しないことが留意されるべきである。貫通孔は、試料、試薬、及びオイルを注入するための入口を提供するために使用される。したがって、そのような機能を可能にする他の構造が本開示の実施形態で使用され得、当業者は、使用シナリオ及び試験条件に応じて貫通孔のサイズ、形状、及び材料に適応的な調節を行うことができることが理解され得る。
【0034】
いくつかの実施形態では、液体注入ハウジング3内の液体注入導管14は、例えば、透明導電性カバーの下面から0.55~0.7mmの距離だけ延び出している。液体注入チャネル13は、液体吸入端部と、液体排出端部と、を備える。液体排出端部には、流れを誘導するように構成された切り欠きが提供される。液体注入チャネル13は、傾斜を有する。更に、液体注入チャネル13の傾斜は、5°~10°であり、例えば、5°、6°、7°、8°、9°、又は10°であってよいが、列挙された値に限定されない。この値の範囲内で、列挙されていない他の値も適用可能である。
【0035】
いくつかの実施形態では、液体注入チャネル13は、典型的には、電極に向かって傾斜を有し、液体注入チャネル13は、直線状の孔、傾斜した孔、螺旋状の孔、液体注入カラム10に組み付けられた管状継手などであってよく、チャネルの形状は、液体注入カラム10の上部がチップの間隙キャビティと連通している限り、円形形状に限定されない。当業者は、実際の状況に応じて選択を行うことができる。液体注入チャネルの傾斜した孔は、透明導電性カバーの貫通孔に適合するように設計され、これにより、成功した、かつ安定した液体の注入が保証される。
【0036】
本開示の実施形態によるマイクロ流体チップは、複数の液体試薬又は試料を同時に注入することができ、より高い効率、良好な拡張性、及び利便性を有し、デジタル・マイクロ流体チップの完全自動化の基本的な実現可能性を提供し、その結果、オペレータは必要な試薬、試料、及びオイルを手動で順に注入する必要がなく、オペレータの手が解放される。
【0037】
図8図13は、本開示のいくつかの他の実施形態によるマイクロ流体チップを示す。図8図13において、図1図7と同じ参照番号を有する要素は、同じ又は類似の要素を表記する。
【0038】
図8及び図9に示されるように、オイル・バブル・キャップを配置するためのオイル注入キャビティ8の底部には溝が提供され、オイル出口30が、溝の中央に配置されている。突起部分を有する穿孔特徴部31などのスパイク部品が、オイル出口30の周りに配置され、オイル・バブル・キャップ5は、オイル・バブル・キャップがオイル注入キャビティ8と一致するように、オイル・バブル・キャップ載置位置に載置される。オイル・バブル・キャップ5が押し下げられると、穿孔特徴部31が、オイル・バブル・キャップ5のフィルム(例えば、アルミニウム箔)を穿孔し、オイルは、オイル出口30からオイル注入チャネル及びオイル入口33(図10に示されるように)を通ってマイクロ流体チップの閉じたキャビティ16に流れる。
【0039】
上記のように、図8及び図9に示されるように、第1の通気口7に加えて、液体注入ハウジング3には、第2の通気口25、第3の通気口26、第4の通気口27及び第5の通気口28が更に提供される。第2の通気口25、第3の通気口26、第4の通気口27、及び第5の通気口28は、各々、通気導管と連通してよい。例えば図10に示されるように、第3の通気口26は、第3の通気カラム34と連通している。
【0040】
図11及び図12に示されるように、導電性カバー2には、複数の通気口35~37が更に提供される。第6の通気口35は、典型的には、オイル吸入孔18の対角線上の反対側にある領域内に配置され、マイクロ流体チップ基板1の対応する領域には電極がなく、第7の通気口36及び第8の通気口37は、典型的には、試料吸入孔20の近くに配置される。試料注入中に、第7の通気口36及び第8の通気口37から気体が外方に排出されて、閉じたキャビティ16内の空気圧を維持し、閉じたキャビティ16にバブルが入るのを防止するようにする。
【0041】
いくつかの実施形態では、図14に示されるように、マイクロ流体チップが組み立てられた後、液体注入導管14には、閉じたキャビティ16に向かう切り欠き特徴部38が提供され、閉じたキャビティへの液体の流入を容易にし、切り欠きの深さは、例えば、0.24mmであってよい。
【0042】
本開示の実施形態の第2の態様によれば、マイクロ流体チップのための液体注入方法が提供される。
【0043】
図17A及び図17Bに示されるように、液体注入中に、試薬バブル・キャップ6が押し下げられ、液体注入カラム10が、試薬バブル・キャップ6に連続的に入り、試薬バブル・キャップ6内の液体(例えば、試薬)が押圧され、試薬バブル・キャップ6は、下方の押圧プロセスにおいて液体注入カラム10との封止を形成し、対応するスパイク部品によって穿孔され、試薬バブル・キャップ内の液体は液体注入チャネル13を通ってマイクロ流体チップの閉じたキャビティ16に流れ込み、マイクロ電極アレイ21の電圧が調整され、これにより、試薬バブル・キャップから閉じたキャビティ16に流れる液体が指定の位置に到達する。
【0044】
オイル注入時に、オイル・バブル・キャップ5が押し下げられ、オイル注入カラムがオイル・バブル・キャップ5内に連続的に入り、オイル・バブル・キャップ5内の液体(例えば、オイル)が押圧され、オイル・バブル・キャップ5は、下方の押圧プロセスにおいてオイル注入カラムとの封止を形成し(例えば、オイル・バブル・キャップを載置するためのオイル注入キャビティ8内にオイルが漏れることを防止するように、オイルがオイル注入カラムによってのみ液体注入ハウジングの下側に流れるようにする)、対応するスパイク部品によって穿孔され、オイル・バブル・キャップ内の液体がオイル吸入孔18を通ってマイクロ流体チップの閉じたキャビティ16に流れ込み、マイクロ電極アレイ21の電圧が調整され、これにより、オイル・バブル・キャップから閉じたキャビティ16に流れ込む液体が指定の位置に到達する。
【0045】
代替的に、オイル注入中に、オイル・バブル・キャップ5が押し下げられ、オイル・バブル・キャップ5は、下方の押圧プロセスにおいてスパイク部品によって穿孔され、オイル・バブル・キャップ5内の液体(例えば、オイル)が、オイル吸入孔18を通ってマイクロ流体チップの閉じたキャビティ16に流れ込む。マイクロ電極アレイ21の電圧を調整する必要はない。
【0046】
いくつかの実施形態では、液体注入方法は、
オイル・バブル・キャップ内の液体が閉じたキャビティに入り、閉じたキャビティの底面領域の一部を占めるように、オイル・バブル・キャップを第1の速度で押し下げることと、
試薬バブル・キャップを押し下げて、試薬バブル・キャップ内の液体を閉じたキャビティに入れることと、
オイル・バブル・キャップ内の液体が閉じたキャビティの底面領域全体を占めるように、オイル・バブル・キャップを第2の速度で押し下げることであって、第2の速度が、第1の速度よりも小さい、押し下げることと、含む。
【0047】
いくつかの実施形態では、液体注入方法は、
オイル・バブル・キャップを第1の速度で押し下げた後、オイル・バブル・キャップの押し下げを停止し、オイル・バブル・キャップを、例えば2mmの距離だけ上方に持ち上げることを更に含む。
【0048】
例えば、図18A図18Dに示されるように、オイル注入プロセスにおいて、オイル・バブル・キャップが押し下げられて、オイルがオイル吸入孔から閉じたキャビティ内に入るようになる。図18Aに示されるように、閉じたキャビティ内に流れ込むオイルが、閉じたキャビティの底面領域のおよそ半分を占めると、オイル・バブル・キャップの押し下げは停止され、オイル・バブル・キャップは、例えば2mmの距離だけ上方に持ち上げられる。この場合、液体(試薬)注入操作が開始し、液体が液体注入導管を通って閉じたキャビティに入り、液体注入操作が完了した後、オイル・バブル・キャップは押し下げられ続け、このときのオイル・バブル・キャップの下方の押し下げ速度は、液体注入前の下方の押し下げ速度よりも低くなり、閉じたキャビティ内の空気を通気口(例えば、第6通気口、第7通気口、及び第8通気口)から連続的に排出し、最終的に図18B図18Dに示されるように、閉じたキャビティ16が満たされる。
【0049】
いくつかの実施形態では、図16A図16Bに示されるように、試料注入方法が提供される。試料定量プラグを押し下げることによって、試料は、試料注入カラム内のチャネルを通って閉じたキャビティに流れ込む。
【0050】
本開示の実施形態の第3の態様によれば、第1の態様で説明されたマイクロ流体チップの使用が提供される。マイクロ流体チップは、デジタル・マイクロ流体チップの分野で使用される。
【0051】
本開示の実施形態では、試薬を事前に埋め込み、孔注入デバイスと連携させることによって、液体注入操作は、自動的に実行され得、マイクロ流体チップの完全に自動化された適用が実施され得る。したがって、オペレータは、必要な試薬、試料、及びオイルを手動で順に注入する必要がなく、オペレータの手が解放され、マイクロ流体チップは、高い信頼性を有し、高い注入効率を有しながら持ち運び可能であり、普及に好適である。
【0052】
出願人は、上記の説明は本開示の特定の実施態様に過ぎず、本開示の保護範囲はこれに限定されるものではないことを注記する。関連する技術分野の当業者は、本開示において開示された技術的範囲内で当業者が容易によって想到され得るあらゆる変形又は置換が、本開示の保護範囲に含まれることを理解するであろう。
【符号の説明】
【0053】
1 マイクロ流体チップ基板
2 導電性カバー
3 液体注入ハウジング
4 試料定量プラグ
5 オイル・バブル・キャップ
6 試薬バブル・キャップ
7 第1の通気口
8 オイル注入キャビティ
9 試料定量キャビティ
10 液体注入カラム
11 液体注入キャビティ
12 オイル吸入導管
13 液体注入チャネル
14 液体注入導管
15 通気導管
16 閉じたキャビティ
17 間隙封止剤
18 オイル吸入孔
19 液体吸入孔
20 試料吸入孔
21 マイクロ電極アレイ
22 疎水性層
23 誘電体層
24、40 接着剤
25 第2の通気口
26 第3の通気口
27 第4の通気口
28 第5の通気口
30 オイル出口
31 穿孔特徴部
33 オイル入口
34 通気カラム
35 第6の通気口
36 第7の通気口
37 第8の通気口
38 切り欠き特徴部
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14
図15
図16A
図16B
図17A
図17B
図18A
図18B
図18C
図18D
【手続補正書】
【提出日】2024-06-18
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
マイクロ流体チップであって、前記マイクロ流体チップが、下から上へ順に積み重ねられる、マイクロ流体チップ基板、導電性カバー、及び液体注入ハウジングを備え、前記液体注入ハウジングには、少なくとも1つの液体注入導管及びオイル吸入導管が提供され、
前記液体注入ハウジングが、オイル注入キャビティ(cavity)、試料定量キャビティ、及び少なくとも1つの並んで配置された液体注入キャビティを備え、前記オイル注入キャビティ、前記試料定量キャビティ、及び前記少なくとも1つの液体注入キャビティが、それぞれ、オイル・バブル・キャップ(oil bubble cap)、試料定量プラグ、及び少なくとも1つの試薬バブル・キャップを配置するために使用され、
前記少なくとも1つの液体注入導管のうちの対応する1つに接続された液体注入カラムが、前記少なくとも1つの液体注入キャビティの各々の中にそれぞれ配置され、前記少なくとも1つの液体注入導管の各々が、液体注入チャネルを形成し、
オイル注入カラムが、前記オイル注入キャビティ内に配置され、前記オイル吸入導管に接続され、
前記オイル注入キャビティ及び前記少なくとも1つの液体注入キャビティの表面には、各々対応してスパイク部品(spike component)が提供されている、マイクロ流体チップ。
【請求項2】
少なくとも1つの通気導管が、前記液体注入ハウジング上に配置され、前記液体注入ハウジングには、少なくとも1つの通気口が提供され、前記少なくとも1つの通気口が、各々、前記少なくとも1つの通気導管のうちの1つと連通している、請求項1に記載のマイクロ流体チップ。
【請求項3】
前記マイクロ流体チップ基板と前記導電性カバーが、前記マイクロ流体チップ基板と前記導電性カバーとの間に周方向に配置された間隙封止剤を使用することによって互いに接続され、閉じたキャビティが、前記マイクロ流体チップ基板、前記導電性カバー、及び前記間隙封止剤によって形成される、請求項1又は2に記載のマイクロ流体チップ。
【請求項4】
前記導電性カバーには、少なくとも1つの貫通孔が提供され、前記少なくとも1つの貫通孔が、前記閉じたキャビティの内部と連通し、前記少なくとも1つの貫通孔が、少なくとも1つの液体吸入孔、試料吸入孔、及びオイル吸入孔を備え、前記少なくとも1つの液体吸入孔及び前記オイル吸入孔が、それぞれ、前記少なくとも1つの液体注入導管及び前記オイル吸入導管と位置合わせされる、請求項3に記載のマイクロ流体チップ。
【請求項5】
前記導電性カバーには、少なくとも1つの貫通孔が提供され、前記少なくとも1つの貫通孔が、前記閉じたキャビティの内部と連通し、前記少なくとも1つの貫通孔が、通気口を備え、前記通気口が、前記液体注入ハウジング上に配置された対応する通気導管と位置合わせされる、請求項に記載のマイクロ流体チップ。
【請求項6】
前記少なくとも1つの貫通孔が、前記導電性カバーの縁部から0.5~1mmの距離に配置される、請求項に記載のマイクロ流体チップ。
【請求項7】
前記マイクロ流体チップ基板上の前記少なくとも1つの貫通孔の縁部の突出部が、前記マイクロ流体チップ基板上の電極から少なくとも0.5mmの距離だけ離隔しており、前記少なくとも1つの貫通孔の前記オイル吸入孔が、前記マイクロ流体チップ基板の無電極領域に対応する前記導電性カバーの領域内に形成される、請求項に記載のマイクロ流体チップ。
【請求項8】
前記導電性カバーが、透明導電性カバーであり、
好ましくは、前記導電性カバーが、ITOガラスなどのガラスで作られている、請求項1~のいずれか一項に記載のマイクロ流体チップ。
【請求項9】
前記導電性カバーが、接着剤によって前記液体注入ハウジングに接合され、前記液体注入ハウジングの縁部が、接着剤によって前記マイクロ流体チップ基板の縁部に接合されて封止を形成する、請求項1~2のいずれか一項に記載のマイクロ流体チップ。
【請求項10】
前記マイクロ流体チップ基板が、ベース・プレートを備え、マイクロ電極アレイが、前記ベース・プレート上に配置され、誘電体層及び疎水性層が、前記マイクロ電極アレイ上に順に積み重ねられる、請求項1~2のいずれか一項に記載のマイクロ流体チップ。
【請求項11】
前記少なくとも1つの液体注入導管が、各々、前記導電性カバーに形成された対応する貫通孔から延びており、
好ましくは、前記少なくとも1つの液体注入導管の各々が対応する貫通孔から延び出す距離は、0.55~0.7mmであり、
好ましくは、前記液体注入チャネルが、液体吸入端部及び液体排出端部を備え、前記液体排出端部には、流れを誘導するように構成された切り欠きが提供され、
好ましくは、前記液体注入チャネルが傾斜を有し、
好ましくは、前記液体注入チャネルの前記傾斜が、5°~10°であり、
好ましくは、アルミニウム箔が、前記少なくとも1つの試薬バブル・キャップ及び前記オイル・バブル・キャップの各々の中に提供される、請求項1~2のいずれか一項に記載のマイクロ流体チップ。
【請求項12】
請求項1~2のいずれか一項に記載のマイクロ流体チップのための液体注入方法であって、前記液体注入方法が、
液体注入中に、前記液体注入カラムが、対応する試薬バブル・キャップに連続的に入って前記試薬バブル・キャップ内の液体を押圧し、前記試薬バブル・キャップが、前記下方の押圧プロセスにおいて前記液体注入カラムとの封止を形成し、前記それぞれのスパイク部品によって前記試薬バブル・キャップを穿孔し、前記試薬バブル・キャップ内の前記液体が、前記液体注入チャネルを通って前記マイクロ流体チップの閉じたキャビティに流れ込み、前記マイクロ流体チップ基板のベース・プレート上に配置されたマイクロ電極アレイの電圧を、前記試薬バブル・キャップから前記閉じたキャビティに流れる前記液体が指定の位置に到達するように調整することと、
オイル注入中に、前記オイル注入カラムが、前記オイル・バブル・キャップに連続的に入って前記オイル・バブル・キャップ内の液体を押圧し、前記オイル・バブル・キャップが、前記下方の押圧プロセスにおいて前記オイル注入カラムとの封止を形成し、前記それぞれのスパイク部品によって前記オイル・バブル・キャップを穿孔し、前記オイル・バブル・キャップ内の前記液体が、オイル吸入孔を通って前記マイクロ流体チップの前記閉じたキャビティに流れ込み、前記マイクロ流体チップ基板の前記ベース・プレート上に配置された前記マイクロ電極アレイの前記電圧を、前記オイル・バブル・キャップから前記閉じたキャビティに流れる前記オイル液体が指定の位置に到達するように調整することと、を含む、液体注入方法。
【請求項13】
前記オイル・バブル・キャップ内の前記液体が前記閉じたキャビティに入り、前記閉じたキャビティの前記底面領域の一部を占めるように、前記オイル・バブル・キャップを第1の速度で押し下げることと、
前記試薬バブル・キャップを押し下げて、前記試薬バブル・キャップ内の前記液体を前記閉じたキャビティに入れることと、
前記オイル・バブル・キャップ内の前記液体が前記閉じたキャビティの前記底面領域全体を占めるように、前記オイル・バブル・キャップを第2の速度で押し下げることであって、前記第2の速度が、前記第1の速度よりも小さい、押し下げることと、を更に含む、請求項12に記載の液体注入方法。
【請求項14】
前記オイル・バブル・キャップを前記第1の速度で押し下げた後、前記オイル・バブル・キャップの押し下げを停止し、前記オイル・バブル・キャップを例えば2mmの距離だけ上方に持ち上げることを更に含む、請求項13に記載の液体注入方法。
【請求項15】
請求項1~2のいずれか一項に記載のマイクロ流体チップのためのオイル注入方法であって、前記オイル注入方法が、
液体注入中に、前記液体注入カラムが、対応する試薬バブル・キャップに連続的に入って前記試薬バブル・キャップ内の液体を押圧し、前記試薬バブル・キャップが、前記下方の押圧プロセスにおいて前記液体注入カラムとの封止を形成し、前記それぞれのスパイク部品によって前記試薬バブル・キャップを穿孔し、前記試薬バブル・キャップ内の前記液体が、前記液体注入チャネルを通って前記マイクロ流体チップの閉じたキャビティに流れ込み、前記マイクロ流体チップ基板のベース・プレート上に配置されたマイクロ電極アレイの電圧を、前記試薬バブル・キャップから前記閉じたキャビティに流れる前記液体が指定の位置に到達するように調整することと、
オイル注入中に、前記オイル・バブル・キャップを前記下方の押圧プロセスにおいて前記それぞれのスパイク部品によって穿孔し、前記オイル・バブル・キャップ内の前記液体が、オイル吸入孔を通って前記マイクロ流体チップの前記閉じたキャビティに流れ込むことと、を含む、オイル注入方法。
【請求項16】
前記マイクロ流体チップが、デジタル・マイクロ流体チップの分野で使用される、請求項1~2のいずれか一項に記載のマイクロ流体チップの使用。
【国際調査報告】