(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-10-31
(54)【発明の名称】内臓痛の処置
(51)【国際特許分類】
A61K 38/16 20060101AFI20241024BHJP
A61K 35/742 20150101ALI20241024BHJP
A61P 25/04 20060101ALI20241024BHJP
【FI】
A61K38/16
A61K35/742
A61P25/04
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2024529772
(86)(22)【出願日】2022-11-21
(85)【翻訳文提出日】2024-06-19
(86)【国際出願番号】 GB2022052947
(87)【国際公開番号】W WO2023089338
(87)【国際公開日】2023-05-25
(32)【優先日】2021-11-22
(33)【優先権主張国・地域又は機関】GB
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】517340507
【氏名又は名称】イプセン バイオファーム リミテッド
【氏名又は名称原語表記】IPSEN BIOPHARM LIMITED
(74)【代理人】
【識別番号】110000774
【氏名又は名称】弁理士法人 もえぎ特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】メーネル,ジャクリーヌ キャロリーヌ
(72)【発明者】
【氏名】レズミ,ステファン
(72)【発明者】
【氏名】マーティン,ヴィンセント
【テーマコード(参考)】
4C084
4C087
【Fターム(参考)】
4C084AA01
4C084AA02
4C084BA01
4C084BA22
4C084CA04
4C084MA66
4C084NA14
4C084ZA08
4C087AA01
4C087AA02
4C087BC68
4C087CA16
4C087MA66
4C087NA14
4C087ZA08
(57)【要約】
本発明は、患者の内臓痛を抑制する方法に使用するためのクロストリジウム神経毒を提供する。本方法は、(a)前記内臓痛を引き起こしている患者の臓器を同定すること、(b)以下の指示に従って前記臓器を特定のデルマトーム神経に位置づけ、それによって、前記臓器を1つ以上の具体的に指定されたデルマトーム神経に対応させること:膀胱は、T11、T12、L1、S1、S2、S3、及び/又はS4デルマトーム神経に位置づけられる;卵管は、T11デルマトーム神経に位置づけられる;子宮は、T12、及び/又はL1デルマトーム神経に位置づけられる;子宮頸部は、S2、S3、及び/又はS4デルマトーム神経に位置づけられる;胃は、T8、T9、及び/又はT10デルマトーム神経に位置づけられる;肝臓は、T8、T9、T10、及び/又はT11デルマトーム神経に位置づけられる;胆嚢は、T8、T9、T10、及び/又はT11デルマトーム神経に位置づけられる;膵臓は、T7、T8、T9、T10、T11、及び/又はT12デルマトーム神経に位置づけられる;小腸は、T10、T11、及び/又はT12デルマトーム神経に位置づけられる;結腸は、T11、S1、S2、S3、及び/又はS4デルマトーム神経に位置づけられる;腎臓は、T10、T11、T12、及び/又はL1デルマトーム神経に位置づけられる;尿管は、T11、T12、及び/又はL1デルマトーム神経に位置づけられる;卵巣は、T11デルマトーム神経に位置づけられる;精巣は、T10、T11、L1、L2、S1、S2、S3、及び/又はS4デルマトーム神経に位置づけられる;精巣上体は、T10、T11、L1、L2、S1、S2、S3、及び/又はS4デルマトーム神経に位置づけられる;ならびに(c)クロストリジウム神経毒の治療上有効量を前記の1つ以上の具体的に指定されたデルマトーム神経に近接した部位に投与することを含み、ここで、患者への前記クロストリジウム神経毒の投与後に、前記クロストリジウム神経毒は、逆行性軸索輸送によって脊髄に輸送され、その場所で感覚求心性神経細胞に結合し、受容体媒介性エンドサイトーシスによって前記細胞に入り、それからの神経伝達物質放出を抑制し、それによって、前記内臓痛を抑制する。
【選択図】
図7
【特許請求の範囲】
【請求項1】
患者の内臓痛を抑制する方法に使用するためのクロストリジウム神経毒であって、当該方法は、以下を含む:
a. 前記内臓痛を引き起こしている患者の臓器を同定すること;
b. 以下の指示に従って前記臓器を特定のデルマトーム神経に位置づけ、それによって、前記臓器を1つ以上の具体的に指定されたデルマトーム神経に対応させること:
i. 膀胱は、T11、T12、L1、S1、S2、S3、及び/又はS4デルマトーム神経に位置づけられる;
ii. 卵管は、T11デルマトーム神経に位置づけられる;
iii. 子宮は、T12及び/又はL1デルマトーム神経に位置づけられる;
iv. 子宮頸部は、S2、S3、及び/又はS4デルマトーム神経に位置づけられる;
v. 胃は、T8、T9、及び/又はT10デルマトーム神経に位置づけられる;
vi. 肝臓は、T8、T9、T10、及び/又はT11デルマトーム神経に位置づけられる;
vii. 胆嚢は、T8、T9、T10、及び/又はT11デルマトーム神経に位置づけられる;
viii. 膵臓は、T7、T8、T9、T10、T11、及び/又はT12デルマトーム神経に位置づけられる;
ix. 小腸は、T10、T11、及び/又はT12デルマトーム神経に位置づけられる;
x. 結腸は、T11、S1、S2、S3、及び/又はS4デルマトーム神経に位置づけられる;
xi. 腎臓は、T10、T11、T12、及び/又はL1デルマトーム神経に位置づけられる;
xii. 尿管は、T11、T12、及び/又はL1デルマトーム神経に位置づけられる;
xiii. 卵巣は、T11デルマトーム神経に位置づけられる;
xiv. 精巣は、T10、T11、L1、L2、S1、S2、S3、及び/又はS4デルマトーム神経に位置づけられる;
xv. 精巣上体は、T10、T11、L1、L2、S1、S2、S3、及び/又はS4デルマトーム神経に位置づけられる;ならびに
c. クロストリジウム神経毒の治療上有効量を前記の1つ以上の具体的に指定されたデルマトーム神経に近接した部位に投与すること、ここで、患者への前記クロストリジウム神経毒の投与後に、前記クロストリジウム神経毒は、逆行性軸索輸送によって脊髄に輸送され、その場所で感覚求心性神経細胞に結合し、受容体媒介性エンドサイトーシスによって前記細胞に入り、それからの神経伝達物質放出を抑制し、それによって、前記内臓痛を抑制し;
ここで、クロストリジウム神経毒は、皮内投与によって投与される。
【請求項2】
患者の内臓痛を抑制する方法であって、当該方法は、以下を含む:
a. 前記内臓痛を引き起こしている患者の臓器を同定すること;
b. 以下の指示に従って前記臓器を特定のデルマトーム神経に位置づけ、それによって、前記臓器を1つ以上の具体的に指定されたデルマトーム神経に対応させること:
i. 膀胱は、T11、T12、L1、S1、S2、S3、及び/又はS4デルマトーム神経に位置づけられる;
ii. 卵管は、T11デルマトーム神経に位置づけられる;
iii. 子宮は、T12、及び/又はL1デルマトーム神経に位置づけられる;
iv. 子宮頸部は、S2、S3、及び/又はS4デルマトーム神経に位置づけられる;
v. 胃は、T8、T9、及び/又はT10デルマトーム神経に位置づけられる;
vi. 肝臓は、T8、T9、T10、及び/又はT11デルマトーム神経に位置づけられる;
vii. 胆嚢は、T8、T9、T10、及び/又はT11デルマトーム神経に位置づけられる;
viii. 膵臓は、T7、T8、T9、T10、T11、及び/又はT12デルマトーム神経に位置づけられる;
ix. 小腸は、T10、T11、及び/又はT12デルマトーム神経に位置づけられる;
x. 結腸は、T11、S1、S2、S3、及び/又はS4デルマトーム神経に位置づけられる;
xi. 腎臓は、T10、T11、T12、及び/又はL1デルマトーム神経に位置づけられる;
xii. 尿管は、T11、T12、及び/又はL1デルマトーム神経に位置づけられる;
xiii. 卵巣は、T11デルマトーム神経に位置づけられる;
xiv. 精巣は、T10、T11、L1、L2、S1、S2、S3、及び/又はS4デルマトーム神経に位置づけられる;
xv. 精巣上体は、T10、T11、L1、L2、S1、S2、S3、及び/又はS4デルマトーム神経に位置づけられる;ならびに
c. クロストリジウム神経毒の治療上有効量を前記の1つ以上の具体的に指定されたデルマトーム神経に近接した部位に投与すること、ここで、患者への前記クロストリジウム神経毒の投与後に、前記クロストリジウム神経毒は、逆行性軸索輸送によって脊髄に輸送され、その場所で感覚求心性神経細胞に結合し、受容体媒介性エンドサイトーシスによって前記細胞に入り、それからの神経伝達物質放出を抑制し、それによって、前記内臓痛を抑制し;
ここで、クロストリジウム神経毒は、皮内投与によって投与される。
【請求項3】
患者の内臓痛を抑制するための医薬の製造におけるクロストリジウム神経毒の使用であって、内臓痛を抑制することは、以下を含む:
a. 前記内臓痛を引き起こしている患者の臓器を同定すること;
b. 以下の指示に従って前記臓器を特定のデルマトーム神経に位置づけ、それによって、前記臓器を1つ以上の具体的に指定されたデルマトーム神経に対応させること:
i. 膀胱は、T11、T12、L1、S1、S2、S3、及び/又はS4デルマトーム神経に位置づけられる;
ii. 卵管は、T11デルマトーム神経に位置づけられる;
iii. 子宮は、T12、及び/又はL1デルマトーム神経に位置づけられる;
iv. 子宮頸部は、S2、S3、及び/又はS4デルマトーム神経に位置づけられる;
v. 胃は、T8、T9、及び/又はT10デルマトーム神経に位置づけられる;
vi. 肝臓は、T8、T9、T10、及び/又はT11デルマトーム神経に位置づけられる;
vii. 胆嚢は、T8、T9、T10、及び/又はT11デルマトーム神経に位置づけられる;
viii. 膵臓は、T7、T8、T9、T10、T11、及び/又はT12デルマトーム神経に位置づけられる;
ix. 小腸は、T10、T11、及び/又はT12デルマトーム神経に位置づけられる;
x. 結腸は、T11、S1、S2、S3、及び/又はS4デルマトーム神経に位置づけられる;
xi. 腎臓は、T10、T11、T12、及び/又はL1デルマトーム神経に位置づけられる;
xii. 尿管は、T11、T12、及び/又はL1デルマトーム神経に位置づけられる;
xiii. 卵巣は、T11デルマトーム神経に位置づけられる;
xiv. 精巣は、T10、T11、L1、L2、S1、S2、S3、及び/又はS4デルマトーム神経に位置づけられる;
xv. 精巣上体は、T10、T11、L1、L2、S1、S2、S3、及び/又はS4デルマトーム神経に位置づけられる;ならびに
c. クロストリジウム神経毒の治療上有効量を前記の1つ以上の具体的に指定されたデルマトーム神経に近接した部位に投与すること、ここで、患者への前記クロストリジウム神経毒の投与後に、前記クロストリジウム神経毒は、逆行性軸索輸送によって脊髄に輸送され その場所で感覚求心性神経細胞に結合し、受容体媒介性エンドサイトーシスによって前記細胞に入り、それからの神経伝達物質放出を抑制し、それによって、前記内臓痛を抑制し;
ここで、クロストリジウム神経毒は、皮内投与によって投与される。
【請求項4】
前記内臓痛が、膀胱痛症候群(間質性膀胱炎)、膀胱結石、硬変、セリアック病、クローン病、子宮内膜症、胆嚢結石、胃潰瘍、過敏性腸症候群、腎結石、膵炎、腹膜炎、及び潰瘍性大腸炎から選択される状態によって引き起こされる、請求項1に記載の使用のためのクロストリジウム神経毒、請求項2に記載の方法、又は請求項3に記載の使用。
【請求項5】
前記内臓痛が、膀胱痛症候群(間質性膀胱炎)によって引き起こされる、前記の請求項のいずれか一項に記載の、使用のためのクロストリジウム神経毒、方法、又は使用。
【請求項6】
前記デルマトーム神経が、T12、L1、S2、S3、及びS4デルマトーム神経から選択される、請求項5に記載の、使用のためのクロストリジウム神経毒、方法、又は使用。
【請求項7】
前記内臓痛が、子宮内膜症によって引き起こされる、請求項1から4のいずれか一項に記載の、使用のためのクロストリジウム神経毒、方法又は使用。
【請求項8】
内臓痛が、月経困難症、慢性骨盤痛(CPP)、性交疼痛症、及び/又は慢性背痛として認知される、請求項7に記載の、使用のためのクロストリジウム神経毒、方法、又は使用。
【請求項9】
前記デルマトーム神経が、T11、T12、L1、S2、S3、及びS4デルマトーム神経から選択される、請求項7又は請求項8に記載の、使用のためのクロストリジウム神経毒、方法、又は使用。
【請求項10】
前記内臓痛が、異痛症を含む、又はからなる、前記の請求項のいずれか一項に記載の、使用のためのクロストリジウム神経毒、方法又は使用。
【請求項11】
前記内臓痛が、クロストリジウム神経毒の投与後、少なくとも30日間抑制される、前記の請求項のいずれか一項に記載の、使用のためのクロストリジウム神経毒、方法、又は使用。
【請求項12】
前記内臓痛が、クロストリジウム神経毒の投与後、少なくとも40日間抑制される、前記の請求項のいずれか一項に記載の、使用のためのクロストリジウム神経毒、方法、又は使用。
【請求項13】
クロストリジウム神経毒が、内臓痛の一因となっていると同定される臓器に位置づけられる1つより多いデルマトーム神経に投与される、前記の請求項のいずれか一項に記載の、使用のためのクロストリジウム神経毒、方法、又は使用。
【請求項14】
クロストリジウム神経毒が、処置セッションあたり4以上の注射部位に投与される、前記の請求項のいずれか一項に記載の、使用のためのクロストリジウム神経毒、方法、又は使用。
【請求項15】
クロストリジウム神経毒が、ボツリヌス神経毒(BoNT)である、前記の請求項のいずれか一項に記載の、使用のためのクロストリジウム神経毒、方法、又は使用。
【請求項16】
クロストリジウム神経毒が、ボツリヌス神経毒血清型A(BoNT/A)である、前記の請求項のいずれか一項に記載の、使用のためのクロストリジウム神経毒、方法又は使用。
【請求項17】
クロストリジウム神経毒が、キメラ神経毒である、前記の請求項のいずれか一項に記載の、使用のためのクロストリジウム神経毒、方法、又は使用。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、患者において、より詳しくは、クロストリジウム神経毒の投与によって内臓痛を処置する方法に関する。
【背景技術】
【0002】
内臓痛は、普通、基礎疾患によって引き起こされる臓器への損傷又は侵襲の存在のために胃、膀胱、子宮又は直腸などの内臓から生じる疼痛である。例えば、内臓痛(侵害受容性疼痛の一種)は、臓器に炎症、圧迫又は他の種類の損傷をもたらす医学的状態によって引き起こされる場合がある。膀胱感染症によって引き起こされる骨盤痛及び過敏性腸症候群によって引き起こされる腹痛は、内臓痛の一種である。それは広範囲にわたる医学的問題に相当し、実際に世界人口の20%超が人生のある時点で内臓痛に苦しむと報告されている。
【0003】
内臓痛が一般的である1つの理由は、このような疼痛を引き起こし得る多種多様の種々の状態/疾患のためであり、これとして、クローン病、潰瘍性大腸炎、過敏性腸症候群、セリアック病、子宮内膜症、胃潰瘍、腎結石及び膀胱結石、胆嚢結石、膵炎及び腹膜炎が挙げられる。内臓から発せられる/生じる疼痛を処置するために特別に調整された処置はほとんどなく、代替として疼痛の根本原因の治療法が求められることが多い。例として、腹膜炎(感染による腹膜の炎症)が腹部臓器の疼痛を引き起こす場合には、炎症の原因を取り除くことを目的として、例えば、抗生物質投与によって患者を処置する場合がある。
【0004】
当然ながら、このような根本的な侵襲を取り除くためにかなりの量の時間が必要である場合があり、その結果、そうでなければ患者の生活の質の大幅な低下につながる可能性がある内臓痛を抑えることが依然として必要である。これは、内臓が対象にとって「内部である」という本質のために困難となり、その結果、内臓(臓器)を標的とすることは通常、侵襲性であり、著しく不快な投与経路を必要とする。実際の疼痛(内臓痛)を抑える必要は、根本的な状態が「長期間」存在する(内臓痛にも「長期間」苦しんでいる)場合には特に重要であり、状態が治癒可能ではない場合にはなおさらそうである。このような状態(治癒可能ではない)の一例として、子宮内膜症があり、これは、代わりに関連症状を緩和する一助となる処置に頼っている。この関連で、クロストリジウム神経毒処置(BoNT/A)は、急性月経困難症(dysmenorrhoea)(月経けいれん)及び子宮起源の骨盤痛症候群と関連する疼痛を軽減するためにこれまでに試験されており、BoNT/Aが投与された患者の大部分において生活の質のスコアの改善が可能になった。しかし、このような処置は、子宮鏡管理下での子宮筋壁中への直接的なボツリヌス毒素の注射を必要とした。特にこのような治らない疾患シナリオでは長期間にわたって反復投与が必要である可能性があるので、これは高度に侵襲性であり、不便である。
【0005】
したがって、内臓痛を軽減するための疼痛緩和戦略に対する満たされていない要求があり、特に、満たされていない要求は、最小に侵襲性である療法に対する要求によって表される。
【0006】
本発明は、上記の問題のうち1つ以上を解決する。
【発明の概要】
【0007】
より詳細には、本発明は、内臓痛の一因となる胸部、骨盤部又は腹部臓器/内臓に位置づけられるデルマトーム(皮膚分節)神経へのクロストリジウム神経毒の投与(例えば、皮内投与)が、内臓痛抑制をもたらすという驚くべき知見に基づいている。
【0008】
本発明者らは、患者のデルマトーム/デルマトーム神経へのクロストリジウム神経毒の投与の際、(より詳しくは、本明細書においてデルマトーム神経とも呼ばれる脊髄神経を介した)神経毒の逆行性軸索輸送によって、神経毒が脊髄へ送達され、内臓痛が統合される脊髄後角中の同一区域で作用する(例えば、SNAREタンパク質切断を引き起こす)又はそれを標的とすることが可能になることを証明するためのデータを提供した。内臓(膀胱)痛のげっ歯類モデルを使用して疼痛抑制に関する実験を実施した。このげっ歯類モデルデータを補完するために、本発明者らはまた、デルマトーム中へのクロストリジウム神経毒の投与後のブタの脊髄におけるSNAP-25切断を分析した。ブタは、有利なことに、構造、厚み及び神経の神経支配(ならびに色素沈着、コラーゲン及び脂質組成、創傷治癒及び免疫応答などの他の特性)の点でヒト皮膚と類似性を共有する。
【0009】
注目すべきことに、デルマトームへのクロストリジウム神経毒の皮内投与後の試験された両動物モデル(げっ歯類及びブタ)の脊髄においてSNAP-25切断(クロストリジウム神経毒輸送及び活性の読み取りとして使用される)が検出され、切断されたSNAP-25を有する脊髄区域は、クロストリジウム神経毒が注射されたデルマトームと、特に、同側後角において一致した。ひとたび、クロストリジウム神経毒が脊髄の適当な区域に入ると、内臓痛の統合に関与する機序は神経毒の活性によって阻害される。このようにして、患者によって認知される疼痛の強さが低減される(言い換えれば、内臓痛は抑制又は低減される)。
【0010】
クロストリジウム神経毒を注射する適当なデルマトームを選択することによって、任意の所与の内臓/臓器から生じる内臓痛を抑制又は低減することができる。これは、特定のデルマトームからの感覚神経線維(例えば、骨髄神経)が、特定の内臓/臓器からの一般的な内臓求心性線維と同じ脊髄レベルで集まるためである。例として、脊髄をそれぞれ名前の付いたデルマトーム(すなわち、それぞれT8、T9及びT10デルマトーム)に繋げる骨髄神経T8、T9及びT10は、脊髄の同じレベルで胃からの内臓求心性線維と収束する。したがって、クロストリジウム神経毒をT8、T9及び/又はT10デルマトームに投与することによって、胃からの内臓求心性線維が見出され得る脊髄の同じレベルに神経毒を送達することができる(デルマトーム/脊髄神経を介した逆行性輸送)。クロストリジウム神経毒はひとたびそこにあると、脊髄においてこの内臓求心性線維の活性を阻害し、従って、胃痛の統合を抑制できる。認知される疼痛の抑制はこのように起きる。
【0011】
例えば、関連痛の現象への研究から種々の特定のデルマトーム-内臓相互作用がこれまでに詳細に明らかにされている(例えば、上記のT8/T9/T10-胃相互作用に加えて)。実際、皮膚分節図(dermatome map)は、骨髄神経病変が疑われる患者の病態の部位(複数可)を実証するために臨床的に使用される。臨床的に使用されるべき一般的な皮膚分節図として、脊髄損傷の神経学的分類の国際基準(International Standards for Neurological Classification of Spinal Cord Injury)(ISNCSCI)として作成された米国脊髄損傷協会(American Spinal Injury Association)(ASIA)のワークシートがある。本明細書の執筆時点では、前記ワークシートの2019年度版は以下から入手可能である: https://asia-spinalinjury.org/wp-content/uploads/2019/10/ASIA-ISCOS-Worksheet_10.2019_PRINT-Page-1-2.pdf。種々のデルマトーム-内臓相互作用の例示は、
図1の左下に提供されている。
【0012】
クロストリジウム神経毒の簡潔な概要をここで提供する(詳細な情報は、以下で概説する)。クロストリジウム属(Clostridia)の細菌は、高度に強力な、特定のタンパク質毒素を産生し、これは、ニューロン及びそれらが送達される他の細胞の機能を(一時的に)損なうことができる。このようなクロストリジウム毒素の例として、C.テタニ(tetani)(TeNT)によって産生される神経毒、及びC.ボツリヌム(botulinum)によって産生される(BoNT)血清型A~G及びX(WO2018/009903 A2を参照されたい)、ならびにC.バラティ(baratii)及びC.ブチリカム(butyricum)によって産生されるものが挙げられる。テタヌス及びボツリヌス毒素の両方とも、冒されたニューロンの機能、具体的には、神経伝達物質の放出を阻害することによって作用する。
【0013】
天然では、クロストリジウム神経毒は、単鎖ポリペプチドとして合成され、これがタンパク質分解による切断事象によって翻訳後修飾されて、ジスルフィド結合によって一緒につなげられた2つのポリペプチド鎖を形成する。切断は、鎖間ジスルフィド結合を提供するシステイン残基間に位置する、活性化部位と呼ばれることが多い特定の切断部位で起こる。毒素の活性形態は、この二本鎖形態である。2つの鎖は、およそ100kDaの分子量を有する重鎖(H鎖)及びおよそ50kDaの分子量を有する軽鎖(L鎖)と呼ばれる。H鎖は、N末端転位置成分(HNドメイン)及びC末端標的化成分(HCドメイン)を含む。切断部位は、L鎖と転位置ドメイン成分の間に位置する。HCドメインのその標的ニューロンへの結合及びエンドソームによる結合された毒素の細胞への内部移行後、HNドメインは、L鎖をエンドソーム膜を越えてサイトゾル中に転位置し、L鎖は、プロテアーゼ機能を提供する(非細胞傷害性プロテアーゼとしても知られる)。
【0014】
クロストリジウム神経毒は、非細胞傷害性プロテアーゼ活性を提供する。非細胞傷害性プロテアーゼは、SNAREタンパク質(例えば、SNAP-25、VAMP又はシンタキシン)として知られる細胞内輸送タンパク質をタンパク質分解性に切断することによって作用する。頭字語SNAREは、可溶性NSF付着受容体(Soluble NSF Attachment Receptor)という用語に由来し、ここで、NSFは、N-エチルマレイミド感受性因子を意味する。SNAREタンパク質は、細胞内小胞融合にとって、ひいては、細胞からの小胞輸送を介した分子の分泌にとって不可欠である。プロテアーゼ機能は、亜鉛依存性エンドペプチダーゼ活性であり、SNAREタンパク質に対して高い基質特異性を示す。したがって、ひとたび所望の標的細胞に送達されると、非細胞傷害性プロテアーゼは、標的細胞からの細胞性分泌を阻害可能である。クロストリジウム神経毒のL鎖プロテアーゼは、SNAREタンパク質を切断する非細胞傷害性プロテアーゼである。
【0015】
SNAREタンパク質の遍在性を考慮して、ボツリヌス神経毒などのクロストリジウム神経毒は、広範な療法において成功裏に使用されている。本発明者らは、例えば、脊髄での内臓痛統合を抑制することによる内臓痛の抑制においてクロストリジウム神経毒の驚くべき有用性を実証した。
【発明を実施するための形態】
【0016】
本発明の広範な態様は、以下のいずれかを提供する:
- 内臓痛を抑制する方法において使用するためのクロストリジウム神経毒;
- 患者の内臓痛を抑制する方法であって、患者にクロストリジウム神経毒を投与することを含む方法;
- 患者の内臓痛を抑制するための医薬の製造におけるクロストリジウム神経毒の使用。
【0017】
内臓痛は、胸部、骨盤部又は腹部内臓(臓器)及び腺の侵害受容器の活性化に起因する疼痛である。したがって、本開示を通じて使用されるような「内臓痛」という用語は、胸部、骨盤部又は腹部内臓及び/又は腺によって与えられる疼痛を意味する場合がある。このような内臓(臓器)の例として、膀胱、子宮、胃、肝臓、胆嚢、膵臓、小腸、結腸、腎臓、尿管、卵巣、卵管、子宮頸部、精巣及び/又は精巣上体が挙げられる。
【0018】
本発明の方法は、前記内臓痛を引き起こしている患者の臓器を同定することを含む場合があり、好ましくは、前記臓器は、膀胱、子宮、胃、肝臓、胆嚢、膵臓、小腸、結腸、腎臓、尿管、卵巣、卵管、子宮頸部、精巣及び精巣上体から選択される。本発明の方法は、例えば、以下の指示に従って前記臓器を特定のデルマトーム神経に位置づけ、それによって、前記臓器を1つ以上の具体的に指定されたデルマトーム神経に対応させることを含み得る:
i. 膀胱は、T11、T12、L1、S1、S2、S3及び/又はS4デルマトーム神経に位置づけられる;
ii. 子宮は、T12及び/又はL1デルマトーム神経に位置づけられる;
iii. 胃は、T8、T9及び/又はT10デルマトーム神経に位置づけられる;
iv. 肝臓は、T8、T9、T10及び/又はT11デルマトーム神経に位置づけられる;
v. 胆嚢は、T8、T9、T10及び/又はT11デルマトーム神経に位置づけられる;
vi. 膵臓は、T7、T8、T9、T10、T11及び/又はT12デルマトーム神経に位置づけられる;
vii. 小腸は、T10、T11及び/又はT12デルマトーム神経に位置づけられる;
viii. 結腸は、T11、S1、S2、S3及び/又はS4デルマトーム神経に位置づけられる;
ix. 腎臓は、T10、T11、T12及び/又はL1デルマトーム神経に位置づけられる;
x. 尿管は、T11、T12及び/又はL1デルマトーム神経に位置づけられる;
xi. 卵巣は、T11デルマトーム神経に位置づけられる;
xii. 卵管は、T11デルマトーム神経に位置づけられる;
xiii. 子宮頸部は、S2、S3及び/又はS4デルマトーム神経に位置づけられる;
xiv. 精巣は、T10、T11、L1、L2、S1、S2、S3及び/又はS4デルマトーム神経に位置づけられる;
xv. 精巣上体は、T10、T11、L1、L2、S1、S2、S3及び/又はS4デルマトーム神経に位置づけられる。
【0019】
クロストリジウム神経毒を、「デルマトーム神経」に神経毒を投与することを目指して「デルマトーム」(又はその近位)に投与でき、この場合には、方法は、上記の段落に概説される指示に従って、前記臓器を特定のデルマトームに位置づけ、それによって、前記臓器を1つ以上の具体的に指定されるデルマトームに対応させることを含み得る。
【0020】
本発明の方法は、クロストリジウム神経毒の治療上有効量を前記の1つ以上の具体的に指定されたデルマトーム神経に近接する部位に投与することを含み得る。本発明の方法は、クロストリジウム神経毒の治療上有効量を前記の1つ以上の具体的に指定されたデルマトーム神経に投与することを含み得る。本発明の方法は、クロストリジウム神経毒の治療上有効量を前記の1つ以上の具体的に指定されたデルマトームに近接した部位に投与することを含み得る。本発明の方法は、クロストリジウム神経毒の治療上有効量を前記の1つ以上の具体的に指定されたデルマトームに投与することを含み得る。
【0021】
クロストリジウム神経毒は、投与後に内臓痛を抑制する可能性がある。適宜、患者への前記クロストリジウム神経毒の投与後に、クロストリジウム神経毒は、逆行性軸索輸送によって脊髄(例えば、後角)に輸送され、その場所で感覚求心性神経細胞に結合し、前記細胞に入り(例えば、受容体媒介性エンドサイトーシスによって)、それからの神経伝達物質放出を抑制し、それによって、前記内臓痛を抑制する。
【0022】
より特定の態様は、患者の内臓痛を抑制する方法に使用するためのクロストリジウム神経毒を提供し、当該方法は以下を含む:
a. 前記内臓痛を引き起こしている患者の臓器を同定すること;
b. 以下の指示に従って前記臓器を特定のデルマトーム神経に位置づけ、それによって、前記臓器を1つ以上の具体的に指定されたデルマトーム神経に対応させること:
i. 膀胱は、T11、T12、L1、S1、S2、S3及び/又はS4デルマトーム神経に位置づけられる;
ii. 子宮は、T12及び/又はL1デルマトーム神経に位置づけられる;
iii. 胃は、T8、T9及び/又はT10デルマトーム神経に位置づけられる;
iv. 肝臓は、T8、T9、T10及び/又はT11デルマトーム神経に位置づけられる;
v. 胆嚢は、T8、T9、T10及び/又はT11デルマトーム神経に位置づけられる;
vi. 膵臓は、T7、T8、T9、T10、T11及び/又はT12デルマトーム神経に位置づけられる;
vii. 小腸は、T10、T11及び/又はT12デルマトーム神経に位置づけられる;
viii. 結腸は、T11、S1、S2、S3及び/又はS4デルマトーム神経に位置づけられる;
ix. 腎臓は、T10、T11、T12及び/又はL1デルマトーム神経に位置づけられる;
x. 尿管は、T11、T12及び/又はL1デルマトーム神経に位置づけられる;
xi. 卵巣は、T11デルマトーム神経に位置づけられる;
xii. 卵管は、T11デルマトーム神経に位置づけられる;
xiii. 子宮頸部は、S2、S3及び/又はS4デルマトーム神経に位置づけられる;
xiv. 精巣は、T10、T11、L1、L2、S1、S2、S3及び/又はS4デルマトーム神経に位置づけられる;
xv. 精巣上体は、T10、T11、L1、L2、S1、S2、S3及び/又はS4デルマトーム神経に位置づけられる;ならびに
c. クロストリジウム神経毒の治療上有効量を前記の1つ以上の具体的に指定されたデルマトーム神経に近接した部位に投与すること、ここで、患者への前記クロストリジウム神経毒の投与後に、クロストリジウム神経毒が、逆行性軸索輸送によって脊髄(例えば、後角)に輸送され、その場所でそれ(クロストリジウム神経毒)が感覚求心性神経細胞に結合し、前記細胞に入り(例えば、受容体媒介性エンドサイトーシスによって)、それからの神経伝達物質放出を抑制し、それによって、前記内臓痛を抑制する。
【0023】
一態様は、患者の内臓痛を抑制する方法を提供し、当該方法は以下を含む:
a. 前記内臓痛を引き起こしている患者の臓器を同定すること;
b. 以下の指示に従って前記臓器を特定のデルマトーム神経に位置づけ、それによって、前記臓器を1つ以上の具体的に指定されたデルマトーム神経に対応させること:
i. 膀胱は、T11、T12、L1、S1、S2、S3及び/又はS4デルマトーム神経に位置づけられる;
ii. 子宮は、T12及び/又はL1デルマトーム神経に位置づけられる;
iii. 胃は、T8、T9及び/又はT10デルマトーム神経に位置づけられる;
iv. 肝臓は、T8、T9、T10及び/又はT11デルマトーム神経に位置づけられる;
v. 胆嚢は、T8、T9、T10及び/又はT11デルマトーム神経に位置づけられる;
vi. 膵臓は、T7、T8、T9、T10、T11及び/又はT12デルマトーム神経に位置づけられる;
vii. 小腸は、T10、T11及び/又はT12デルマトーム神経に位置づけられる;
viii. 結腸は、T11、S1、S2、S3及び/又はS4デルマトーム神経に位置づけられる;
ix. 腎臓は、T10、T11、T12及び/又はL1デルマトーム神経に位置づけられる;
x. 尿管は、T11、T12及び/又はL1デルマトーム神経に位置づけられる;
xi. 卵巣は、T11デルマトーム神経に位置づけられる;
xii. 卵管は、T11デルマトーム神経に位置づけられる;
xiii. 子宮頸部は、S2、S3及び/又はS4デルマトーム神経に位置づけられる;
xiv. 精巣は、T10、T11、L1、L2、S1、S2、S3及び/又はS4デルマトーム神経に位置づけられる;
xv. 精巣上体は、T10、T11、L1、L2、S1、S2、S3及び/又はS4デルマトーム神経に位置づけられる;ならびに
c. クロストリジウム神経毒の治療上有効量を前記の1つ以上の具体的に指定されたデルマトーム神経に近接した部位に投与すること、ここで、患者への前記クロストリジウム神経毒の投与後に、クロストリジウム神経毒が、逆行性軸索輸送によって脊髄(例えば、後角)に輸送され、その場所でそれ(クロストリジウム神経毒)が感覚求心性神経細胞に結合し、前記細胞に入り(例えば、受容体媒介性エンドサイトーシスによって)、それからの神経伝達物質放出を抑制し、それによって、前記内臓痛を抑制する。
【0024】
患者の内臓痛を抑制するための医薬の製造におけるクロストリジウム神経毒の使用も提供され、内臓痛を抑制することは:
a. 前記内臓痛を引き起こしている患者の臓器を同定すること;
b. 以下の指示に従って前記臓器を特定のデルマトーム神経に位置づけ、それによって、前記臓器を1つ以上の具体的に指定されたデルマトーム神経に対応させること:
i. 膀胱は、T11、T12、L1、S1、S2、S3及び/又はS4デルマトーム神経に位置づけられる;
ii. 卵管は、T11デルマトーム神経に位置づけられる;
iii. 子宮は、T12及び/又はL1デルマトーム神経に位置づけられる;
iv. 子宮頸部は、S2、S3及び/又はS4デルマトーム神経に位置づけられる;
v. 胃は、T8、T9及び/又はT10デルマトーム神経に位置づけられる;
vi. 肝臓は、T8、T9、T10及び/又はT11デルマトーム神経に位置づけられる;
vii. 胆嚢は、T8、T9、T10及び/又はT11デルマトーム神経に位置づけられる;
viii. 膵臓は、T7、T8、T9、T10、T11及び/又はT12デルマトーム神経に位置づけられる;
ix. 小腸は、T10、T11及び/又はT12デルマトーム神経に位置づけられる;
x. 結腸は、T11、S1、S2、S3及び/又はS4デルマトーム神経に位置づけられる;
xi. 腎臓は、T10、T11、T12及び/又はL1デルマトーム神経に位置づけられる;
xii. 尿管は、T11、T12及び/又はL1デルマトーム神経に位置づけられる;
xiii. 卵巣は、T11デルマトーム神経に位置づけられる;
xiv. 精巣は、T10、T11、L1、L2、S1、S2、S3及び/又はS4デルマトーム神経に位置づけられる;
xv. 精巣上体は、T10、T11、L1、L2、S1、S2、S3及び/又はS4デルマトーム神経に位置づけられる;ならびに
c. クロストリジウム神経毒の治療上有効量を前記の1つ以上の具体的に指定されたデルマトーム神経に近接する部位に投与することを含み、ここで、患者への前記クロストリジウム神経毒の投与後に、クロストリジウム神経毒が、逆行性軸索輸送によって脊髄に輸送され、その場所で感覚求心性神経細胞に結合し、受容体媒介性エンドサイトーシスによって前記細胞に入り、それからの神経伝達物質放出を抑制し、それによって、前記内臓痛を抑制する。
【0025】
本明細書を通じて、「感覚求心性神経細胞」という用語は、「内臓求心性神経細胞」という用語と同意語として使用され得る。内臓求心性神経細胞(内臓求心性線維又は一般内臓求心性(GVA)線維としても知られる)は、内臓(例えば、内臓、線)から中枢神経系へ知覚刺激(普通、疼痛又は反射性感覚)を伝達する。
【0026】
一態様は、患者の内臓痛を抑制する方法に使用するためのクロストリジウム神経毒を提供し、当該方法は以下を含む:
a. 前記内臓痛を引き起こしている患者の臓器を同定すること;
b. 以下の指示に従って前記臓器を特定のデルマトーム神経に位置づけ、それによって、前記臓器を1つ以上の具体的に指定されたデルマトーム神経に対応させること:
i. 膀胱は、T11、T12、L1、S1、S2、S3及び/又はS4デルマトーム神経に位置づけられる;
ii. 子宮は、T12及び/又はL1デルマトーム神経に位置づけられる;
iii. 胃は、T8、T9及び/又はT10デルマトーム神経に位置づけられる;
iv. 肝臓は、T8、T9、T10及び/又はT11デルマトーム神経に位置づけられる;
v. 胆嚢は、T8、T9、T10及び/又はT11デルマトーム神経に位置づけられる;
vi. 膵臓は、T7、T8、T9、T10、T11及び/又はT12デルマトーム神経に位置づけられる;
vii. 小腸は、T10、T11及び/又はT12デルマトーム神経に位置づけられる;
viii. 結腸は、T11、S1、S2、S3及び/又はS4デルマトーム神経に位置づけられる;
ix. 腎臓は、T10、T11、T12及び/又はL1デルマトーム神経に位置づけられる;
x. 尿管は、T11、T12及び/又はL1デルマトーム神経に位置づけられる;
xi. 卵巣は、T11デルマトーム神経に位置づけられる;
xii. 卵管は、T11デルマトーム神経に位置づけられる;
xiii. 子宮頸部は、S2、S3及び/又はS4デルマトーム神経に位置づけられる;
xiv. 精巣は、T10、T11、L1、L2、S1、S2、S3及び/又はS4デルマトーム神経に位置づけられる;
xv. 精巣上体は、T10、T11、L1、L2、S1、S2、S3及び/又はS4デルマトーム神経に位置づけられる;ならびに
c. クロストリジウム神経毒の治療上有効量を前記の1つ以上の具体的に指定されたデルマトーム神経に近接する部位に投与すること、ここで、患者への前記クロストリジウム神経毒の投与後に、クロストリジウム神経毒が、逆行性軸索輸送によって脊髄(例えば、後角)に輸送され、その場所でそれ(クロストリジウム神経毒)が内臓求心性神経細胞に結合し、前記細胞に入り(例えば、受容体媒介性エンドサイトーシスによって)、それからの神経伝達物質放出を抑制し、それによって、前記内臓痛を抑制する。
【0027】
一態様は、患者の内臓痛を抑制する方法を提供し、当該方法は以下を含む:
a. 前記内臓痛を引き起こしている患者の臓器を同定すること;
b. 以下の指示に従って前記臓器を特定のデルマトーム神経に位置づけ、それによって、前記臓器を1つ以上の具体的に指定されたデルマトーム神経に対応させること:
i. 膀胱は、T11、T12、L1、S1、S2、S3及び/又はS4デルマトーム神経に位置づけられる;
ii. 子宮は、T12及び/又はL1デルマトーム神経に位置づけられる;
iii. 胃は、T8、T9及び/又はT10デルマトーム神経に位置づけられる;
iv. 肝臓は、T8、T9、T10及び/又はT11デルマトーム神経に位置づけられる;
v. 胆嚢は、T8、T9、T10及び/又はT11デルマトーム神経に位置づけられる;
vi. 膵臓は、T7、T8、T9、T10、T11及び/又はT12デルマトーム神経に位置づけられる;
vii. 小腸は、T10、T11及び/又はT12デルマトーム神経に位置づけられる;
viii. 結腸は、T11、S1、S2、S3及び/又はS4デルマトーム神経に位置づけられる;
ix. 腎臓は、T10、T11、T12及び/又はL1デルマトーム神経に位置づけられる;
x. 尿管は、T11、T12及び/又はL1デルマトーム神経に位置づけられる;
xi. 卵巣は、T11デルマトーム神経に位置づけられる;
xii. 卵管は、T11デルマトーム神経に位置づけられる;
xiii. 子宮頸部は、S2、S3及び/又はS4デルマトーム神経に位置づけられる;
xiv. 精巣は、T10、T11、L1、L2、S1、S2、S3及び/又はS4デルマトーム神経に位置づけられる;
xv. 精巣上体は、T10、T11、L1、L2、S1、S2、S3及び/又はS4デルマトーム神経に位置づけられる;ならびに
c. クロストリジウム神経毒の治療上有効量を、前記の1つ以上の具体的に指定されたデルマトーム神経に近接する部位に投与すること、ここで、患者への前記クロストリジウム神経毒の投与後に、クロストリジウム神経毒が、逆行性軸索輸送によって脊髄(例えば、後角)に輸送され、その場所でそれ(クロストリジウム神経毒)が内臓求心性神経細胞に結合し、前記細胞に入り(例えば、受容体媒介性エンドサイトーシスによって)、それからの神経伝達物質放出を抑制し、それによって、前記内臓痛を抑制する。
【0028】
一態様は、患者の内臓痛を抑制するための医薬の製造におけるクロストリジウム神経毒の使用を提供し、内臓痛を抑制することは:
a. 前記内臓痛を引き起こしている患者の臓器を同定すること;
b. 以下の指示に従って前記臓器を特定のデルマトーム神経に位置づけ、それによって、前記臓器を1つ以上の具体的に指定されたデルマトーム神経に対応させること:
i. 膀胱は、T11、T12、L1、S1、S2、S3及び/又はS4デルマトーム神経に位置づけられる;
ii. 卵管は、T11デルマトーム神経に位置づけられる;
iii. 子宮は、T12及び/又はL1デルマトーム神経に位置づけられる;
iv. 子宮頸部は、S2、S3及び/又はS4デルマトーム神経に位置づけられる;
v. 胃は、T8、T9及び/又はT10デルマトーム神経に位置づけられる;
vi. 肝臓は、T8、T9、T10及び/又はT11デルマトーム神経に位置づけられる;
vii. 胆嚢は、T8、T9、T10及び/又はT11デルマトーム神経に位置づけられる;
viii. 膵臓は、T7、T8、T9、T10、T11及び/又はT12デルマトーム神経に位置づけられる;
ix. 小腸は、T10、T11及び/又はT12デルマトーム神経に位置づけられる;
x. 結腸は、T11、S1、S2、S3及び/又はS4デルマトーム神経に位置づけられる;
xi. 腎臓は、T10、T11、T12及び/又はL1デルマトーム神経に位置づけられる;
xii. 尿管は、T11、T12及び/又はL1デルマトーム神経に位置づけられる;
xiii. 卵巣は、T11デルマトーム神経に位置づけられる;
xiv. 精巣は、T10、T11、L1、L2、S1、S2、S3及び/又はS4デルマトーム神経に位置づけられる;
xv. 精巣上体は、T10、T11、L1、L2、S1、S2、S3及び/又はS4デルマトーム神経に位置づけられる;ならびに
c. クロストリジウム神経毒の治療上有効量を、前記の1つ以上の具体的に指定されたデルマトーム神経に近接する部位に投与することを含み、ここで、患者への前記クロストリジウム神経毒の投与後に、クロストリジウム神経毒が、逆行性軸索輸送によって脊髄に輸送され、その場所で内臓求心性神経細胞に結合し、受容体媒介性エンドサイトーシスによって前記細胞に入り、それからの神経伝達物質放出を抑制し、それによって、前記内臓痛を抑制する。
【0029】
一態様は、患者の内臓痛を抑制する方法に使用するためのクロストリジウム神経毒を提供し、当該方法は以下を含む:
a. 前記内臓痛を引き起こしている患者の臓器を同定すること;
b. 以下の指示に従って前記臓器を特定のデルマトームに位置づけ、それによって、前記臓器を1つ以上の具体的に指定されたデルマトームに対応させること:
i. 膀胱は、T11、T12、L1、S1、S2、S3及び/又はS4デルマトームに位置づけられる;
ii. 子宮は、T12及び/又はL1デルマトームに位置づけられる;
iii. 胃は、T8、T9及び/又はT10デルマトームに位置づけられる;
iv. 肝臓は、T8、T9、T10及び/又はT11デルマトームに位置づけられる;
v. 胆嚢は、T8、T9、T10及び/又はT11デルマトームに位置づけられる;
vi. 膵臓は、T7、T8、T9、T10、T11及び/又はT12デルマトームに位置づけられる;
vii. 小腸は、T10、T11及び/又はT12デルマトームに位置づけられる;
viii. 結腸は、T11、S1、S2、S3及び/又はS4デルマトームに位置づけられる;
ix. 腎臓は、T10、T11、T12及び/又はL1デルマトームに位置づけられる;
x. 尿管は、T11、T12及び/又はL1デルマトームに位置づけられる;
xi. 卵巣は、T11デルマトームに位置づけられる;
xii. 卵管は、T11デルマトームに位置づけられる;
xiii. 子宮頸部は、S2、S3及び/又はS4デルマトームに位置づけられる;
xiv. 精巣は、T10、T11、L1、L2、S1、S2、S3及び/又はS4デルマトームに位置づけられる;
xv. 精巣上体は、T10、T11、L1、L2、S1、S2、S3及び/又はS4デルマトームに位置づけられる;ならびに
c. クロストリジウム神経毒の治療上有効量を、前記の1つ以上の具体的に指定されたデルマトームに近接する部位に投与すること、ここで、患者への前記クロストリジウム神経毒の投与後に、クロストリジウム神経毒が、逆行性軸索輸送によって脊髄(例えば、後角)に輸送され、その場所でそれ(クロストリジウム神経毒)が感覚求心性神経細胞に結合し、前記細胞に入り(例えば、受容体媒介性エンドサイトーシスによって)、それからの神経伝達物質放出を抑制し、それによって、前記内臓痛を抑制する。
【0030】
一態様は、患者の内臓痛を抑制する方法を提供し、当該方法は以下を含む:
a. 前記内臓痛を引き起こしている患者の臓器を同定すること;
b. 以下の指示に従って前記臓器を特定のデルマトームに位置づけ、それによって、前記臓器を1つ以上の具体的に指定されたデルマトームに対応させること:
i. 膀胱は、T11、T12、L1、S1、S2、S3及び/又はS4デルマトームに位置づけられる;
ii. 子宮は、T12及び/又はL1デルマトームに位置づけられる;
iii. 胃は、T8、T9及び/又はT10デルマトームに位置づけられる;
iv. 肝臓は、T8、T9、T10及び/又はT11デルマトームに位置づけられる;
v. 胆嚢は、T8、T9、T10及び/又はT11デルマトームに位置づけられる;
vi. 膵臓は、T7、T8、T9、T10、T11及び/又はT12デルマトームに位置づけられる;
vii. 小腸は、T10、T11及び/又はT12デルマトームに位置づけられる;
viii. 結腸は、T11、S1、S2、S3及び/又はS4デルマトームに位置づけられる;
ix. 腎臓は、T10、T11、T12及び/又はL1デルマトームに位置づけられる;
x. 尿管は、T11、T12及び/又はL1デルマトームに位置づけられる;
xi. 卵巣は、T11デルマトームに位置づけられる;
xii. 卵管は、T11デルマトームに位置づけられる;
xiii. 子宮頸部は、S2、S3及び/又はS4デルマトームに位置づけられる;
xiv. 精巣は、T10、T11、L1、L2、S1、S2、S3及び/又はS4デルマトームに位置づけられる;
xv. 精巣上体は、T10、T11、L1、L2、S1、S2、S3及び/又はS4デルマトームに位置づけられる;ならびに
c. クロストリジウム神経毒の治療上有効量を、前記の1つ以上の具体的に指定されたデルマトームに近接する部位に投与すること、ここで、患者への前記クロストリジウム神経毒の投与後に、クロストリジウム神経毒が、逆行性軸索輸送によって脊髄(例えば、後角)に輸送され、その場所でそれ(クロストリジウム神経毒)が感覚求心性神経細胞に結合し、前記細胞に入り(例えば、受容体媒介性エンドサイトーシスによって)、それからの神経伝達物質放出を抑制し、それによって、前記内臓痛を抑制する。
【0031】
一態様は、患者の内臓痛を抑制するための医薬の製造におけるクロストリジウム神経毒の使用を提供し、内臓痛を抑制することは:
a. 前記内臓痛を引き起こしている患者の臓器を同定すること;
b. 以下の指示に従って前記臓器を特定のデルマトームに位置づけ、それによって、前記臓器を1つ以上の具体的に指定されたデルマトームに対応させること:
i. 膀胱は、T11、T12、L1、S1、S2、S3及び/又はS4デルマトームに位置づけられる;
ii. 子宮は、T12及び/又はL1デルマトームに位置づけられる;
iii. 胃は、T8、T9及び/又はT10デルマトームに位置づけられる;
iv. 肝臓は、T8、T9、T10及び/又はT11デルマトームに位置づけられる;
v. 胆嚢は、T8、T9、T10及び/又はT11デルマトームに位置づけられる;
vi. 膵臓は、T7、T8、T9、T10、T11及び/又はT12デルマトームに位置づけられる;
vii. 小腸は、T10、T11及び/又はT12デルマトームに位置づけられる;
viii. 結腸は、T11、S1、S2、S3及び/又はS4デルマトームに位置づけられる;
ix. 腎臓は、T10、T11、T12及び/又はL1デルマトームに位置づけられる;
x. 尿管は、T11、T12及び/又はL1デルマトームに位置づけられる;
xi. 卵巣は、T11デルマトームに位置づけられる;
xii. 卵管は、T11デルマトームに位置づけられる;
xiii. 子宮頸部は、S2、S3及び/又はS4デルマトームに位置づけられる;
xiv. 精巣は、T10、T11、L1、L2、S1、S2、S3及び/又はS4デルマトームに位置づけられる;
xv. 精巣上体は、T10、T11、L1、L2、S1、S2、S3及び/又はS4デルマトームに位置づけられる;ならびに
c. クロストリジウム神経毒の治療上有効量を、前記の1つ以上の具体的に指定されたデルマトームに近接した部位に投与することを含み、ここで、患者への前記クロストリジウム神経毒の投与後に、クロストリジウム神経毒が、逆行性軸索輸送によって脊髄(例えば、後角)に輸送され、その場所でそれ(クロストリジウム神経毒)が感覚求心性神経細胞に結合し、前記細胞に入り(例えば、受容体媒介性エンドサイトーシスによって)、それからの神経伝達物質放出を抑制し、それによって、前記内臓痛を抑制する。
【0032】
一態様は、患者の内臓痛を抑制する方法に使用するためのクロストリジウム神経毒を提供し、当該方法は以下を含む:
a. 前記内臓痛を引き起こしている患者の臓器を同定すること
b. 以下の指示に従って前記臓器を特定のデルマトームに位置づけ、それによって、前記臓器を1つ以上の具体的に指定されたデルマトームに対応させること:
i. 膀胱は、T11、T12、L1、S1、S2、S3及び/又はS4デルマトームに位置づけられる;
ii. 子宮は、T12及び/又はL1デルマトームに位置づけられる;
iii. 胃は、T8、T9及び/又はT10デルマトームに位置づけられる;
iv. 肝臓は、T8、T9、T10及び/又はT11デルマトームに位置づけられる;
v. 胆嚢は、T8、T9、T10及び/又はT11デルマトームに位置づけられる;
vi. 膵臓は、T7、T8、T9、T10、T11及び/又はT12デルマトームに位置づけられる;
vii. 小腸は、T10、T11及び/又はT12デルマトームに位置づけられる;
viii. 結腸は、T11、S1、S2、S3及び/又はS4デルマトームに位置づけられる;
ix. 腎臓は、T10、T11、T12及び/又はL1デルマトームに位置づけられる;
x. 尿管は、T11、T12及び/又はL1デルマトームに位置づけられる;
xi. 卵巣は、T11デルマトームに位置づけられる;
xii. 卵管は、T11デルマトームに位置づけられる;
xiii. 子宮頸部は、S2、S3及び/又はS4デルマトームに位置づけられる;
xiv. 精巣は、T10、T11、L1、L2、S1、S2、S3及び/又はS4デルマトームに位置づけられる;
xv. 精巣上体は、T10、T11、L1、L2、S1、S2、S3及び/又はS4デルマトームに位置づけられる;ならびに
c. クロストリジウム神経毒の治療上有効量を、前記の1つ以上の具体的に指定されたデルマトームに近接する部位に投与すること、ここで、患者への前記クロストリジウム神経毒の投与後に、クロストリジウム神経毒が、逆行性軸索輸送によって脊髄(例えば、後角)に輸送され、その場所でそれ(クロストリジウム神経毒)が内臓求心性神経細胞に結合し、前記細胞に入り(例えば、受容体媒介性エンドサイトーシスによって)、それからの神経伝達物質放出を抑制し、それによって、前記内臓痛を抑制する。
【0033】
一態様は、患者の内臓痛を抑制する方法を提供し、当該方法は以下を含む:
a. 前記内臓痛を引き起こしている患者の臓器を同定すること;
b. 以下の指示に従って前記臓器を特定のデルマトームに位置づけ、それによって、前記臓器を1つ以上の具体的に指定されたデルマトームに対応させること:
i. 膀胱は、T11、T12、L1、S1、S2、S3及び/又はS4デルマトームに位置づけられる;
ii. 子宮は、T12及び/又はL1デルマトームに位置づけられる;
iii. 胃は、T8、T9及び/又はT10デルマトームに位置づけられる;
iv. 肝臓は、T8、T9、T10及び/又はT11デルマトームに位置づけられる;
v. 胆嚢は、T8、T9、T10及び/又はT11デルマトームに位置づけられる;
vi. 膵臓は、T7、T8、T9、T10、T11及び/又はT12デルマトームに位置づけられる;
vii. 小腸は、T10、T11及び/又はT12デルマトームに位置づけられる;
viii. 結腸は、T11、S1、S2、S3及び/又はS4デルマトームに位置づけられる;
ix. 腎臓は、T10、T11、T12及び/又はL1デルマトームに位置づけられる;
x. 尿管は、T11、T12及び/又はL1デルマトームに位置づけられる;
xi. 卵巣は、T11デルマトームに位置づけられる;
xii. 卵管は、T11デルマトームに位置づけられる;
xiii. 子宮頸部は、S2、S3及び/又はS4デルマトームに位置づけられる;
xiv. 精巣は、T10、T11、L1、L2、S1、S2、S3及び/又はS4デルマトームに位置づけられる;
xv. 精巣上体は、T10、T11、L1、L2、S1、S2、S3及び/又はS4デルマトームに位置づけられる;ならびに
c. クロストリジウム神経毒の治療上有効量を、前記の1つ以上の具体的に指定されたデルマトームに近接する部位に投与すること、ここで、患者への前記クロストリジウム神経毒の投与後に、クロストリジウム神経毒が、逆行性軸索輸送によって脊髄(例えば、後角)に輸送され、その場所でそれ(クロストリジウム神経毒)が内臓求心性神経細胞に結合し、前記細胞に入り(例えば、受容体媒介性エンドサイトーシスによって)、それからの神経伝達物質放出を抑制し、それによって、前記内臓痛を抑制する。
【0034】
一態様は、患者の内臓痛を抑制するための医薬の製造におけるクロストリジウム神経毒の使用を提供し、内臓痛を抑制することは、
a. 前記内臓痛を引き起こしている患者の臓器を同定すること;
b. 以下の指示に従って前記臓器を特定のデルマトームに位置づけ、それによって、前記臓器を1つ以上の具体的に指定されたデルマトームに対応させること:
i. 膀胱は、T11、T12、L1、S1、S2、S3及び/又はS4デルマトームに位置づけられる;
ii. 子宮は、T12及び/又はL1デルマトームに位置づけられる;
iii. 胃は、T8、T9及び/又はT10デルマトームに位置づけられる;
iv. 肝臓は、T8、T9、T10及び/又はT11デルマトームに位置づけられる;
v. 胆嚢は、T8、T9、T10及び/又はT11デルマトームに位置づけられる;
vi. 膵臓は、T7、T8、T9、T10、T11及び/又はT12デルマトームに位置づけられる;
vii. 小腸は、T10、T11及び/又はT12デルマトームに位置づけられる;
viii. 結腸は、T11、S1、S2、S3及び/又はS4デルマトームに位置づけられる;
ix. 腎臓は、T10、T11、T12及び/又はL1デルマトームに位置づけられる;
x. 尿管は、T11、T12及び/又はL1デルマトームに位置づけられる;
xi. 卵巣は、T11デルマトームに位置づけられる;
xii. 卵管は、T11デルマトームに位置づけられる;
xiii. 子宮頸部は、S2、S3及び/又はS4デルマトームに位置づけられる;
xiv. 精巣は、T10、T11、L1、L2、S1、S2、S3及び/又はS4デルマトームに位置づけられる;
xv. 精巣上体は、T10、T11、L1、L2、S1、S2、S3及び/又はS4デルマトームに位置づけられる;ならびに
c. クロストリジウム神経毒の治療上有効量を、前記の1つ以上の具体的に指定されたデルマトームに近接する部位に投与することを含み、ここで、患者への前記クロストリジウム神経毒の投与後に、クロストリジウム神経毒が、逆行性軸索輸送によって脊髄(例えば、後角)に輸送され、その場所でそれ(クロストリジウム神経毒)が内臓求心性神経細胞に結合し、前記細胞に入り(例えば、受容体媒介性エンドサイトーシスによって)、それからの神経伝達物質放出を抑制し、それによって、前記内臓痛を抑制する。
【0035】
上記のように、本発明の広範な態様は、以下のいずれかを提供する:
- 内臓痛を抑制する方法において使用するためのクロストリジウム神経毒;
- 患者の内臓痛を抑制する方法であって、患者にクロストリジウム神経毒を投与することを含む方法;
- 患者の内臓痛を抑制するための医薬の製造におけるクロストリジウム神経毒の使用。
【0036】
例えば、本発明の方法は、前記内臓痛に「の一因となっている」(他では、「引き起こしている」)患者の臓器を同定することを含み得る。本発明の方法は、前記臓器を、例えば、以下の組合せから選択される特定のデルマトーム神経に位置づけることを含み得る:
i. 胃は、T8、T9及び/又はT10デルマトームに位置づけられる;
ii. 肝臓は、T8、T9、T10及び/又はT11デルマトーム(好ましくは、T8、T9及び/又はT10デルマトーム)に位置づけられる;
iii. 胆嚢は、T8、T9、T10及び/又はT11デルマトーム(好ましくは、T8、T9及び/又はT10デルマトーム)に位置づけられる;
iv. 膵臓は、T7、T8、T9、T10、T11及び/又はT12デルマトームに位置づけられる;
v. 小腸は、T10、T11及び/又はT12デルマトームに位置づけられる;
vi. 結腸は、T11、S1、S2、S3及び/又はS4デルマトーム(好ましくは、S1、S2、S3及び/又はS4デルマトーム)に位置づけられる;
vii. 腎臓は、T10、T11、T12及び/又はL1デルマトーム(好ましくは、T11、T12及び/又はL1デルマトーム)に位置づけられる;
viii. 尿管は、T11、T12及び/又はL1デルマトームに位置づけられる;
ix. 膀胱は、T12、L1、S2、S3及び/又はS4デルマトームに位置づけられる;
x. 卵巣は、T11デルマトームに位置づけられる;
xi. 卵管は、T11デルマトームに位置づけられる;
xii. 子宮は、T12及び/又はL1デルマトームに位置づけられる;
xiii. 子宮頸部は、S2、S3及び/又はS4デルマトームに位置づけられる;
xiv. 精巣は、T10、T11、L1、L2、S1、S2、S3及び/又はS4デルマトーム(好ましくは、T11、L1、L2、S1、S2、S3及び/又はS4デルマトーム)に位置づけられる;
xv. 精巣上体は、T10、T11、L1、L2、S1、S2、S3及び/又はS4デルマトーム(好ましくは、T11、L1、L2、S1、S2、S3及び/又はS4デルマトーム)に位置づけられる;
xvi. 心臓は、T3及び/又はT4デルマトームに位置づけられる;
xvii. 食道は、T4及び/又はT5デルマトームに位置づけられる。
【0037】
本発明の方法は、クロストリジウム神経毒を、内臓痛の一因となっていると同定される臓器に位置づけられる同一の1つ以上のデルマトーム神経に近接する部位に投与することを含み得る。クロストリジウム神経毒は、投与後に内臓痛を抑制する可能性がある。適宜、患者への前記クロストリジウム神経毒の投与後に、神経毒は、逆行性軸索輸送によって脊髄(例えば、後角)に輸送され、根本的な内臓痛統合を抑制する。
【0038】
より特定の態様は、患者の内臓痛を抑制する方法に使用するためのクロストリジウム神経毒を提供し、当該方法は以下を含む:
a. 前記内臓痛の一因となっている患者の臓器を同定すること;
b. 前記臓器を、以下の組合せから選択される特定のデルマトーム神経に位置づけること:
i. 胃は、T8、T9及び/又はT10デルマトームに位置づけられる;
ii. 肝臓は、T8、T9、T10及び/又はT11デルマトーム(好ましくは、T8、T9及び/又はT10デルマトーム)に位置づけられる;
iii. 胆嚢は、T8、T9、T10及び/又はT11デルマトーム(好ましくは、T8、T9及び/又はT10デルマトーム)に位置づけられる;
iv. 膵臓は、T7、T8、T9、T10、T11及び/又はT12デルマトームに位置づけられる;
v. 小腸は、T10、T11及び/又はT12デルマトームに位置づけられる;
vi. 結腸は、T11、S1、S2、S3及び/又はS4デルマトーム(好ましくは、S1、S2、S3及び/又はS4デルマトーム)に位置づけられる;
vii. 腎臓は、T10、T11、T12及び/又はL1デルマトーム(好ましくは、T11、T12及び/又はL1デルマトーム)に位置づけられる;
viii. 尿管は、T11、T12及び/又はL1デルマトームに位置づけられる;
ix. 膀胱は、T12、L1、S2、S3及び/又はS4デルマトームに位置づけられる;
x. 卵巣は、T11デルマトームに位置づけられる;
xi. 卵管は、T11デルマトームに位置づけられる;
xii. 子宮は、T12及び/又はL1デルマトームに位置づけられる;
xiii. 子宮頸部は、S2、S3及び/又はS4デルマトームに位置づけられる;
xiv. 精巣は、T10、T11、L1、L2、S1、S2、S3及び/又はS4デルマトーム(好ましくは、T11、L1、L2、S1、S2、S3及び/又はS4デルマトーム)に位置づけられる;
xv. 精巣上体は、T10、T11、L1、L2、S1、S2、S3及び/又はS4デルマトーム(好ましくは、T11、L1、L2、S1、S2、S3及び/又はS4デルマトーム)に位置づけられる;ならびに
c. クロストリジウム神経毒を、内臓痛の一因となっていると同定される臓器に位置づけられる同一の1つ以上のデルマトーム神経に近接する部位に投与すること、ここで、患者への前記クロストリジウム神経毒の投与後に、クロストリジウム神経毒が、逆行性軸索輸送によって脊髄(例えば、後角)に輸送され、根本的な内臓痛統合を抑制する。
【0039】
言い換えれば、一態様は、それを必要とする患者の内臓痛を抑制する方法を提供し、当該方法は以下を含む:
a. 前記内臓痛の一因となっている患者の臓器を同定すること;
b. 前記臓器を、以下の組合せから選択される特定のデルマトーム神経に位置づけること:
i. 胃は、T8、T9及び/又はT10デルマトームに位置づけられる;
ii. 肝臓は、T8、T9、T10及び/又はT11デルマトーム(好ましくは、T8、T9及び/又はT10デルマトーム)に位置づけられる;
iii. 胆嚢は、T8、T9、T10及び/又はT11デルマトーム(好ましくは、T8、T9及び/又はT10デルマトーム)に位置づけられる;
iv. 膵臓は、T7、T8、T9、T10、T11及び/又はT12デルマトームに位置づけられる;
v. 小腸は、T10、T11及び/又はT12デルマトームに位置づけられる;
vi. 結腸は、T11、S1、S2、S3及び/又はS4デルマトーム(好ましくは、S1、S2、S3及び/又はS4デルマトーム)に位置づけられる;
vii. 腎臓は、T10、T11、T12及び/又はL1デルマトーム(好ましくは、T11、T12及び/又はL1デルマトーム)に位置づけられる;
viii. 尿管は、T11、T12及び/又はL1デルマトームに位置づけられる;
ix. 膀胱は、T12、L1、S2、S3及び/又はS4デルマトームに位置づけられる;
x. 卵巣は、T11デルマトームに位置づけられる;
xi. 卵管は、T11デルマトームに位置づけられる;
xii. 子宮は、T12及び/又はL1デルマトームに位置づけられる;
xiii. 子宮頸部は、S2、S3及び/又はS4デルマトームに位置づけられる;
xiv. 精巣は、T10、T11、L1、L2、S1、S2、S3及び/又はS4デルマトーム(好ましくは、T11、L1、L2、S1、S2、S3及び/又はS4デルマトーム)に位置づけられる;
xv. 精巣上体は、T10、T11、L1、L2、S1、S2、S3及び/又はS4デルマトーム(好ましくは、T11、L1、L2、S1、S2、S3及び/又はS4デルマトーム)に位置づけられる;ならびに
c. クロストリジウム神経毒を、内臓痛の一因となっていると同定される臓器に位置づけられる同一の1つ以上のデルマトーム神経に近接する部位に投与すること、ここで、患者への前記クロストリジウム神経毒の投与後に、クロストリジウム神経毒が、逆行性軸索輸送によって脊髄(例えば、後角)に輸送され、根本的な内臓痛統合を抑制する。
【0040】
一態様は、患者の内臓痛を抑制するための医薬の製造におけるクロストリジウム神経毒の使用を提供し、内臓痛を抑制することは:
a. 前記内臓痛の一因となっている患者の臓器を同定すること;
b. 前記臓器を、以下の組合せから選択される特定のデルマトーム神経に位置づけること:
i. 胃は、T8、T9及び/又はT10デルマトームに位置づけられる;
ii. 肝臓は、T8、T9、T10及び/又はT11デルマトーム(好ましくは、T8、T9及び/又はT10デルマトーム)に位置づけられる;
iii. 胆嚢は、T8、T9、T10及び/又はT11デルマトーム(好ましくは、T8、T9及び/又はT10デルマトーム)に位置づけられる;
iv. 膵臓は、T7、T8、T9、T10、T11及び/又はT12デルマトームに位置づけられる;
v. 小腸は、T10、T11及び/又はT12デルマトームに位置づけられる;
vi. 結腸は、T11、S1、S2、S3及び/又はS4デルマトーム(好ましくは、S1、S2、S3及び/又はS4デルマトーム)に位置づけられる;
vii. 腎臓は、T10、T11、T12及び/又はL1デルマトーム(好ましくは、T11、T12及び/又はL1デルマトーム)に位置づけられる;
viii. 尿管は、T11、T12及び/又はL1デルマトームに位置づけられる;
ix. 膀胱は、T12、L1、S2、S3及び/又はS4デルマトームに位置づけられる;
x. 卵巣は、T11デルマトームに位置づけられる;
xi. 卵管は、T11デルマトームに位置づけられる;
xii. 子宮は、T12及び/又はL1デルマトームに位置づけられる;
xiii. 子宮頸部は、S2、S3及び/又はS4デルマトームに位置づけられる;
xiv. 精巣は、T10、T11、L1、L2、S1、S2、S3及び/又はS4デルマトーム(好ましくは、T11、L1、L2、S1、S2、S3及び/又はS4デルマトーム)に位置づけられる;
xv. 精巣上体は、T10、T11、L1、L2、S1、S2、S3及び/又はS4デルマトーム(好ましくは、T11、L1、L2、S1、S2、S3及び/又はS4デルマトーム)に位置づけられる;ならびに
c. クロストリジウム神経毒を、内臓痛の一因となっていると同定される臓器に位置づけられる同一の1つ以上のデルマトーム神経に近接する部位に投与することを含み、ここで、患者への前記クロストリジウム神経毒の投与後に、クロストリジウム神経毒が、逆行性軸索輸送によって脊髄(例えば、後角)に輸送され、根本的な内臓痛統合を抑制する。
【0041】
上記のように、デルマトーム神経への(例えば、デルマトームへの)クロストリジウム神経毒の投与の際、神経毒の逆行性軸索輸送(より詳しくは、脊髄神経求心路を介した)によって、内臓痛が統合される脊髄中の同一区域で作用する、又はそれを標的とすることが可能になると考えられる。例えば、実施例において証明されるように、クロストリジウム神経毒の脊髄への送達(デルマトームへの投与後)は、SNAREタンパク質(例えば、SNAP-25)切断を引き起こし得る。これは、患者への前記クロストリジウム神経毒の投与(クロストリジウム神経毒が、逆行性軸索輸送によって脊髄に輸送される)後に、クロストリジウム神経毒が、感覚求心性神経細胞に結合し、前記細胞に入り(例えば、受容体媒介性エンドサイトーシスによって)、例えば、SNAREタンパク質の切断によってそれからの神経伝達物質放出を抑制し、それによって、前記内臓痛を抑制する可能性があるためである。
【0042】
例えば、クロストリジウムのL鎖中のプロテアーゼドメインを介して、クロストリジウム神経毒は、SNAREタンパク質を切断できる(したがって、神経伝達物質放出を抑制し、それによって、前記内臓痛を抑制する)。SNAREタンパク質の例として、シナプトブレビン(そうでなければ、小胞関連膜タンパク質(VAMP)として知られる)、SNAP-25及びシンタキシンが挙げられる。例えば、BoNT/B、BoNT/D、BoNT/F、BoNT/G及びTeNTは、シナプトブレビン、そうでなければ、小胞関連膜タンパク質(VAMP)として知られるものを切断し、BoNT/A、BoNT/C及びBoNT/Eは、25kDaのシナプトソーム関連タンパク質(「SNAP-25」)を切断し、BoNT/Cは、シンタキシンを切断する。
【0043】
SNAREタンパク質は、分泌小胞の膜と、又は細胞膜と会合し、分泌小胞の細胞膜との融合を媒介することによって分子のエキソサイトーシスを促進し、このようにして小胞の内容物が細胞から排出されることを可能にする。このようなSNAREタンパク質の切断によって、このようなエキソサイトーシスが阻害され、したがって、このようなニューロンからの神経伝達物質の放出が阻害される。その結果として、中枢神経系への内臓痛の統合が抑制され得る、言い換えれば、内臓痛が抑制され得る。
【0044】
「逆行性軸索輸送」は、軸索輸送(別名、軸索原形質輸送又は軸索流)の一形態であり、軸索原形質と呼ばれる、その軸索の原形質を介したニューロンの細胞体への及びそれからの、ミトコンドリア、脂質、シナプス小胞、タンパク質及び他のオルガネラの移動を通常担う細胞プロセスである。軸索は、数メートルほどの長さであり、その結果、ニューロンは、拡散に頼って核及びオルガネラの産物をその軸索の末端に運ぶことができないため、軸索輸送が使用される。軸索輸送はまた、分解される運命にある分子を軸索から細胞体へ戻すことも担っており、そこでそれらはリソソームによって分解される。細胞体へ向けた移動は、「逆行性輸送」と呼ばれ、シナプスへ向けた移動は、「順行性輸送」と呼ばれる。本発明は、小胞逆行性輸送を利用してクロストリジウム神経毒を脊髄へ移動し、中枢効果を発揮する。
【0045】
したがって、「脊髄への逆行性軸索輸送」という用語は、脊髄の近くに位置している神経細胞体に向けたクロストリジウム神経毒の軸索輸送と定義することができる。
【0046】
「デルマトーム神経」という用語は、「脊髄神経」及び/又は「脊髄神経求心路」という用語と同意語として使用できる。骨髄神経は、特定のデルマトームを神経支配し(例えば、デルマトーム神経を提供する)、骨髄神経に関するさらなる詳細を以下に提供する。以下により詳細に説明されるように、「デルマトーム」は、任意の所与の脊髄神経によって供給される皮膚の区域と定義できる。便宜上、本発明によって標的とされる神経を、標的とされる神経(複数可)とデルマトーム(複数可)の間の繋がりを例示する「デルマトーム神経」(複数可)と呼ぶことができる。とはいうものの、本開示全体を通じて、「デルマトーム神経」は(例えば、代替的に)「脊髄神経」及び/又は「脊髄神経求心路」とも呼ばれる場合があることに留意すべきである。例えば、「T10デルマトーム神経」は、「T10脊髄神経」と呼ばれる場合があり、本明細書に記載される任意のデルマトーム神経についても同様。
【0047】
クロストリジウム神経毒は、クロストリジウム神経毒のデルマトーム神経(例えば、脊髄神経)への投与及びその後のクロストリジウム神経毒の脊髄への逆行性軸索輸送を可能にする任意の経路によって投与できる。適した投与経路の例として、皮内及びくも膜下腔内投与が挙げられる。
【0048】
好ましい実施形態では、クロストリジウム神経毒は、皮内投与によって(例えば、デルマトームへの)投与される。このようにして、クロストリジウム神経毒は、内臓で侵襲によって引き起こされる疼痛を標的化しながら最小に侵襲性の、そうでなければ患者の身体の内部領域にアクセスする必要があるであろう方法で投与され得る。皮内投与によって提供される利便性に加えて、皮内投与は、代替投与経路(例えば、筋肉内又は皮下投与)と比較した場合に効果の増強を提供することがさらに考えられる。特に好ましい実施形態では、クロストリジウム神経毒は、皮内投与によってデルマトームに投与される。言い換えれば、クロストリジウム神経毒は、皮内投与によって、内臓痛の一因となっている内臓に位置づけられるデルマトーム神経を有するデルマトームに投与されることが好ましい。
【0049】
クロストリジウム神経毒は、処置セッションあたり最大20又は15の注射部位に(例えば、皮内注射によって)投与され得る。好ましくは、クロストリジウム神経毒は、処置セッションあたり最大10注射部位に、例えば、処置セッションあたり最大9、8、7、6、5、4、3又は2部位に(例えば、皮内注射によって)投与され得る。一実施形態では、クロストリジウム神経毒は、処置セッションあたり1~10、3~10、5~10又は7~10注射部位に投与され得る。
【0050】
「デルマトーム(dermatome)」(別名「末梢神経領域(peripheral nerve field)」)は、任意の所与の脊髄神経の後根から求心性神経線維によって主に供給される皮膚の区域と定義できる。デルマトームは、皮膚の脊髄神経の神経支配のパターンをたどる。例えば、胸部及び腹部のデルマトームは、個体を形成する円板の積み重ねとして存在する。腕及び脚に沿って、デルマトームは、縦方向に走る。デルマトームの一般的なパターンは、すべての個人の間で共有される。脊髄の各分節(神経)が身体の異なる領域を神経支配するので、身体表面上にデルマトームを正確に位置づけられる。臨床上使用されるヒト対象のデルマトームの典型的な図(map)は、脊髄損傷の神経学的分類の国際基準(ISNCSCI)として作成された米国脊髄損傷協会(ASIA)のワークシートに概説されている。本明細書の執筆時点では、前記ワークシートの2019年度版は以下から入手可能である: https://asia-spinalinjury.org/wp-content/uploads/2019/10/ASIA-ISCOS-Worksheet_10.2019_PRINT-Page-1-2.pdf。皮膚分節図はまた、Wall and Melzackの「Textbook of Pain」(McMahon et al.編;第6版)-第53章及び
図53-1を参照(
図1Bとして本明細書において部分的に翻案された)においてなど、教本にも記載されている。この図は、内臓神経支配の分節レベル及び種々の内臓の対応するデルマトーム、例えば、内臓に「位置づけ」されるデルマトームを例示する。
【0051】
各デルマトームは、単一の脊髄神経によって通常供給される。したがって「デルマトーム」は、上記のように本明細書においてデルマトーム神経とも呼ばれる任意の所与の脊髄神経によって供給される皮膚の区域と定義することができる。より詳しくは、上記のように、「デルマトーム」は、任意の所与の脊髄神経の後根から求心性神経線維によって供給される皮膚の区域を指す場合がある。ヒトでは、30デルマトームがある(C1脊髄神経は通常感覚根を有さず、結果として、デルマトームは脊髄神経C2で始まるので、骨髄神経の数よりも1少ない)。
【0052】
本開示を通じて、デルマトームに与えられた名称は、便宜上、前記デルマトームを神経支配する特定の脊髄神経(本明細書においてデルマトーム神経とも呼ばれる)の名称に対応する。例えば、C3脊髄神経(C3デルマトーム神経とも呼ばれる)によって神経支配されるデルマトームは、便宜上、「C3デルマトーム」と呼ばれる。同様に、T1脊髄神経(T1デルマトーム神経とも呼ばれる)によって神経支配されるデルマトームは、便宜上、「T1デルマトーム」と呼ばれる。
【0053】
内臓は通常、内臓における侵害受容性受容体の刺激後、内臓侵害受容情報を内臓求心性線維を介して中枢神経系(例えば、脊髄)に伝達する。脊髄の内臓求心性神経の神経支配は、頚髄から仙髄分節まで分布している。二次骨髄ニューロンは、内臓求心性入力を受け取り、内臓痛を統合する。内臓求心性入力を受け取る脊髄中の前記二次ニューロン(別名「内臓感覚ニューロン」)は、主に表層骨髄層に、より深部のV層(TL脊髄中の中間帯外側細胞柱及び仙髄副交感核を含む)中、及び中心管の背側の内側LS脊髄(X層)中に位置している。
【0054】
各内臓は、内臓痛(前記内臓が一因となっている)が参照され得る対応するデルマトームを含む。これは、脊髄への内臓求心性入力(例えば、感覚入力)がまた、収束を特徴とするためである。すなわち、内臓入力(求心性/感覚入力)を受け取る二次骨髄ニューロンはまた、皮膚/デルマトームからの収束性体性(又は皮膚)入力を受け取り、これによって、内臓感覚を体性部位へ伝えること(例えば、アンギナを伴って首、肩又は顎へ放散する深部胸骨後痛)の説明が提供される。実際、内臓からの関連痛の分布は、内臓求心路と同レベルで脊髄に入る体性求心路の皮節性分布によって予測できる。脊髄での体性(例えば、デルマトーム神経)及び内臓神経の収束は、「体性内臓収束」と呼ばれる場合もある。
【0055】
理論に捉われようとは思わないが、本明細書において本発明者らによって達成される内臓痛抑制は、デルマトーム神経(例えば、骨髄神経/求心路)を使用することによって二次骨髄ニューロンへのこのような体性内臓収束を利用して、クロストリジウム神経毒を、前記デルマトーム神経が内臓求心路と収束する脊髄の領域へ送達する(逆行性輸送によって)と考えられる。したがって、クロストリジウム神経毒は、脊髄において効果を発揮して(後角において同定されるSNAP-25切断によって証明されるように)、内臓求心路から二次骨髄ニューロンへのシグナル伝達(例えば、神経伝達物質分泌による)を阻害し、したがって、中枢神経系への内臓痛統合を阻害できると考えられる。
【0056】
内臓求心性線維は、後根神経節(DRG)中にその細胞体を有し、骨髄後角で終結し、それから内臓感覚情報が、対側性脊髄視床路(STT)又は同側性脊柱(DC)において脊髄上位部位(脳)へ吻側に伝達されると理解される。言い換えれば、「上行性伝達」がある。この吻側(又は「上行性」)伝達のために、脊髄の任意の所与の分節での内臓痛の抑制はまた、より吻側分節での内臓痛統合も抑制する場合があると考えられる。例として、デルマトームのL1分節での内臓痛統合の抑制を提供するためにクロストリジウム神経毒をL1デルマトームに投与することによって、T12分節(L1の吻側である)での内臓痛統合の抑制も提供される場合がある。
【0057】
内臓求心性入力を受け取るニューロンは、「内臓感覚骨髄ニューロン」と呼ばれる場合がある。
【0058】
したがって、「1つ以上の具体的に指定されたデルマトーム神経」という用語は、脊髄において、内臓痛の一因となっている(例えば、引き起こしている)と同定された臓器/内臓からの内臓求心路と収束するデルマトーム神経(例えば、脊髄神経求心路)を指す場合がある。クロストリジウム神経毒は、神経毒を「デルマトーム神経」に投与することを目指して「デルマトーム」に投与される場合があり、この場合には、方法は、特許請求の範囲に概説される指示に従って前記臓器を特定のデルマトームに位置づけ、それによって、前記臓器を1つ以上の具体的に指定されたデルマトームに対応させることを含み得る。「1つ以上の具体的に指定されるデルマトーム」という用語は、脊髄において、内臓痛の一因となると同定された臓器/内臓からの内臓求心路と収束する脊髄神経によって神経支配されるデルマトームを指す場合がある。
【0059】
上記で示されるように、求心性入力の収束は、内臓感覚骨髄ニューロンの特徴である。通常、すべての内臓感覚骨髄ニューロンは、収束性体性入力を受け取ると考えられる。例えば、「関連痛」の現象への研究によって、任意の所与の内臓に対応する(例えば、位置づけられる)デルマトーム(複数可)/デルマトーム神経(複数可)が詳細に明らかにされている。実際、内臓からの関連痛の分布は、内臓求心路と同レベルで脊髄に入る体性求心路の皮節性分布によって予測できる。本発明者らは、従って、このような皮節性マッピング(dermatomal mapping)を利用し、適当なデルマトーム/デルマトーム神経へのクロストリジウム神経毒の投与を介して内臓痛統合を標的とし、抑制した。
【0060】
「内臓痛の一因となっていると同定された臓器に位置づけられる1つ以上のデルマトーム神経」という用語は、脊髄において、内臓痛の一因となっている(例えば、引き起こしている)と同定された臓器/内臓からの内臓求心路と収束するデルマトーム神経(例えば、脊髄神経求心路)を指す場合がある。言い換えれば、「内臓痛の一因となっていると同定された臓器に位置づけられる1つ以上のデルマトーム」という用語は、脊髄において、内臓痛の一因となると同定された臓器/内臓からの内臓求心路と収束する脊髄神経によって神経支配されるデルマトームを指す場合がある。上記で示されたように、求心性入力の収束は、内臓感覚骨髄ニューロンの特徴である。通常、すべての内臓感覚骨髄ニューロンは、収束性体性入力を受け取ると考えられる。「関連痛」の現象への研究によって、任意の所与の内臓に対応するデルマトームが詳細に明らかにされている。実際、内臓からの関連痛の分布は、内臓求心路と同レベルで脊髄に入る体性求心路の皮節性分布によって予測できる。本発明者らは、従って、このような皮節性マッピングを利用し、適当なデルマトームへのクロストリジウム神経毒の投与を介して内臓痛統合を標的とし、抑制した。
【0061】
「根本的な内臓痛統合」という用語は、内臓求心性入力を受け取る二次骨髄ニューロン(別名、内臓感覚ニューロン)の活性化を指す場合がある。侵害受容性刺激は、侵害受容性受容体によって内臓で検出され、侵害受容性情報は、中枢神経系に伝達され、これは、情報を疼痛として認知される不快な感覚に処理する。上記で概説されるように、二次骨髄ニューロン(別名、内臓感覚ニューロン)は、内臓求心性入力によって活性化され、内臓痛を統合する。本発明者らによって実証される(実施例を参照されたい)疼痛抑制は、例えば、そうでなければ前記内臓求心路と内臓感覚ニューロンの間のシナプスを通過して、内臓感覚ニューロン上の対応する受容体に結合するであろう内臓求心路からの神経伝達物質分泌を阻害することによって、脊髄における内臓求心路から内臓感覚ニューロンへのシグナル伝達を抑制することによって達成されると考えられる。実際、デルマトームのクロストリジウム神経毒の投与後に脊髄においてSNAREタンパク質(より詳しくは、SNAP-25)切断が検出されており、前記切断は、内臓痛抑制と相関する。
【0062】
任意の所与のデルマトームの定義におけるその関与のために、骨髄神経(本開示を通じてデルマトーム神経とも呼ばれる)の考察を以下に提供する。
【0063】
骨髄神経は、CNSを身体の残部と繋げる末梢神経系(PNS)の一部である。ヒトでは、31対の骨髄神経がある。それらは脊髄から分岐する神経根から形成される。骨髄神経は、それと関連する脊椎の区域によって名付けられ、グループ化される。骨髄神経の5つのグループ、すなわち、以下がある:
- 頸椎神経。C1~C8と番号付けされた、8対のこれらの頸椎神経がある。それらは首(例えば、首の脊椎)から始まる;
- 胸神経。T1~T12と番号付けされた、12対の胸神経がある。それらは、胴体を構成する脊椎の部分で始まる;
- 腰神経。L1~L5と番号付けされた、5対の腰骨髄神経がある。それらは、腰背部を構成する脊椎の部分に由来する;
- 仙骨神経。S1~S5と番号付けされた、5対の仙髄神経がある。それらは、骨盤中に見られる骨の1つである仙骨と関連している;
- 尾骨神経。単一対の尾髄神経がある。この対の神経は、尾骨(coccyx)又は尾骨(tailbone)の領域から始まる。
【0064】
これらの神経の各々は、皮膚の特定の領域(すなわち、デルマトーム)から脳へ感覚(疼痛を含む)を中継する。胸部及び腹部に沿って、デルマトームは、異なる脊髄神経によって各々供給される、ヒトを形成する円板の積み重ねのようである。腕及び脚に沿って、パターンは異なり、デルマトームは、四肢に沿って縦方向に走る。すべての人において一般的なパターンは同様である。
【0065】
「前記の1つ以上の具体的に指定されたデルマトーム神経に近接する部位に」という用語は、前記の具体的に指定されたデルマトーム神経の5mm、4mm、3mm、2mm又は1mm以内(及びそれを含む)に位置する部位を意味する場合がある。好ましくは、「前記の1つ以上の具体的に指定されたデルマトーム神経に近接する部位に」は、クロストリジウム神経毒が前記の具体的に指定されたデルマトーム神経に投与されることを意味する。
【0066】
「前記の1つ以上の具体的に指定されたデルマトーム神経に近接する部位に」という用語は、前記の1つ以上の具体的に指定されたデルマトーム神経のデルマトームの5mm、4mm、3mm、2mm又は1mm以内(及びそれを含む)に位置する部位を意味する場合がある。好ましくは、「前記の1つ以上の具体的に指定されたデルマトーム神経に近接する部位に」とは、クロストリジウム神経毒が前記の具体的に指定されたデルマトーム神経のデルマトームに投与されることを意味する。
【0067】
「前記の1つ以上の具体的に指定されたデルマトームに近接した部位に」という用語は、前記の1つ以上の具体的に指定されたデルマトームの5mm、4mm、3mm、2mm又は1mm以内(及びそれを含む)に位置する部位を意味する場合がある。好ましくは、「前記の1つ以上の具体的に指定されたデルマトーム神経に近接する部位に」とは、クロストリジウム神経毒が前記の1つ以上の具体的に指定されたデルマトーム神経に投与されることを意味する。
【0068】
以下は、任意の所与の神経のデルマトームに属する身体上の位置と一緒の、骨髄神経(本明細書においてデルマトーム神経としても知られる)の一覧である:
C2 - 頭蓋骨の付け根の後頭隆起から少なくとも1cm外側。あるいは、耳の後ろ少なくとも3cmの点。
C3 - 鎖骨中線で、鎖骨上窩中。
C4 - 肩鎖関節の上。
C5 - 肘のすぐ近位で、肘前窩の外側(橈骨側)。
C6 - 親指の近位指骨の背側表面上。
C7 - 中指の近位指骨の背側表面上。
C8 - 小指近位指骨の背側表面上。
T1 - 上腕骨内側上顆のすぐ近位の、肘前窩の内側(尺骨)側。
T2 - 腋窩の頂点。
T3 - 鎖骨中線と第3の肋間腔の交点。
T4 - 乳頭のレベルに位置する、鎖骨中線と第4の肋間腔の交点。
T5 - 乳首のレベルと剣状突起のレベルの間の中間に水平に位置する、鎖骨中線と第5の肋間腔の交点。
T6 - 鎖骨中線と剣状突起の水平レベルとの交点。
T7 - 鎖骨中線と、剣状突起のレベルと臍のレベルの間の距離の4分の1の水平レベルとの交点。
T8 - 鎖骨中線と、剣状突起のレベルと臍のレベルの間の距離の2分の1の水平レベルとの交点。
T9 - 鎖骨中線と、剣状突起のレベルと臍のレベルの間の距離の4分の3の水平レベルとの交点。
T10 - 臍の水平レベルの、鎖骨中線の交点。
T11 - 臍のレベルと鼠径靭帯の間の中間の水平レベルの、鎖骨中線の交点。
T12 - 鎖骨中線と鼠径靭帯の中点の交点。
L1 - T12及びL2の重要な感覚点の間の中間点。
L2 - 鼠径靭帯の中点と大腿骨内側上顆を結ぶ線の中点の、前内側大腿上。
L3 - 大腿骨内側上顆。
L4 - 内側踝の上。
L5 - 第3の中足指節関節の、足の背側上。
S1 - 踵骨の外側面上。
S2 - 膝窩の中点。
S3 - 坐骨の結節又は下殿溝(infragluteal fold)の上。
S4及びS5 - 皮膚粘膜ゾーンから外側1cm未満の、肛門区域中。
【0069】
したがって、クロストリジウム神経毒を以下に投与するために:
i. C2デルマトーム、クロストリジウム神経毒を、頭蓋骨の付け根の後頭隆起から少なくとも1cm外側に近接して投与できる(追加的に、又は、代替的に、耳の後ろ少なくとも3cmの点に近接して);
ii. C3デルマトーム、クロストリジウム神経毒を、鎖骨中線で、鎖骨上窩に近接して投与できる;
iii. C4デルマトーム、クロストリジウム神経毒を、肩鎖関節の上に近接して投与できる;
iv. C5デルマトーム、クロストリジウム神経毒を、肘のすぐ近位で、肘前窩の外側(橈骨側)に近接して投与できる;
v. C6デルマトーム、クロストリジウム神経毒を、親指の近位指骨の背側表面に近接して投与できる;
vi. C7デルマトーム、クロストリジウム神経毒を、中指の近位指骨の背側表面に近接して投与できる;
vii. C8デルマトーム、クロストリジウム神経毒を、小指近位指骨の背側表面に近接して投与できる;
viii. T1デルマトーム、クロストリジウム神経毒を、上腕骨内側上顆のすぐ近位の、肘前窩の内側(尺骨)側に近接して投与できる;
ix. T2デルマトーム、クロストリジウム神経毒を、腋窩の頂点に近接して投与できる;
x. T3デルマトーム、クロストリジウム神経毒を、鎖骨中線と第3の肋間腔の交点に近接して投与できる;
xi. T4デルマトーム、クロストリジウム神経毒を、乳頭のレベルに位置する、鎖骨中線と第4の肋間腔の交点に近接して投与できる;
xii. T5デルマトーム、クロストリジウム神経毒を、乳首のレベルと剣状突起のレベルの間の中間に水平に位置する、鎖骨中線と第5の肋間腔の交点に近接して投与できる;
xiii. T6デルマトーム、クロストリジウム神経毒を、鎖骨中線と剣状突起の水平レベルとの交点に近接して投与できる;
xiv. T7デルマトーム、クロストリジウム神経毒を、鎖骨中線と、剣状突起のレベルと臍のレベルの間の距離の4分の1の水平レベルとの交点に近接して投与できる;
xv. T8デルマトーム、クロストリジウム神経毒を、鎖骨中線と、剣状突起のレベルと臍のレベルの間の距離の2分の1の水平レベルとの交点に近接して投与できる;
xvi. T9デルマトーム、クロストリジウム神経毒を、鎖骨中線と、剣状突起のレベルと臍のレベルの間の距離の4分の3の水平レベルとの交点に近接して投与できる;
xvii. T10デルマトーム、クロストリジウム神経毒を、臍の水平レベルの、鎖骨中線の交点に近接して投与できる;
xviii. T11デルマトーム、クロストリジウム神経毒を、臍のレベルと鼠径靭帯の間の中間の水平レベルの、鎖骨中線の交点に近接して投与できる;
xix. T12デルマトーム、クロストリジウム神経毒を、鎖骨中線と鼠径靭帯の中点の交点に近接して投与できる;
xx. L1デルマトーム、クロストリジウム神経毒を、T12及びL2の重要な感覚点の間の中間点に近接して投与できる;
xxi. L2デルマトーム、クロストリジウム神経毒を、鼠径靭帯の中点と大腿骨内側上顆を結ぶ線の中点の、前内側大腿に近接して投与できる;
xxii. L3デルマトーム、クロストリジウム神経毒を、大腿骨内側上顆に近接して投与できる;
xxiii. L4デルマトーム、クロストリジウム神経毒を、内側踝の上に近接して投与できる;
xxiv. L5デルマトーム、クロストリジウム神経毒を、第3の中足指節関節の、足の背側に近接して投与できる;
xxv. S1デルマトーム、クロストリジウム神経毒を、踵骨の外側面に近接して投与できる;
xxvi. S2デルマトーム、クロストリジウム神経毒を、膝窩の中点に近接して投与できる;
xxvii. S3デルマトーム、クロストリジウム神経毒を、坐骨の結節又は下殿溝の上に近接して投与できる;
xxviii. S4及び/又はS5デルマトーム、クロストリジウム神経毒を、皮膚粘膜ゾーンから外側1cm未満の、肛門区域に近接して投与できる。
【0070】
クロストリジウム神経毒を以下に投与するために:
i. C2デルマトーム神経、クロストリジウム神経毒を、頭蓋骨の付け根の後頭隆起から少なくとも1cm外側に近接して投与できる(追加的に、又は、代替的に、耳の後ろ少なくとも3cmの点に近接して);
ii. C3デルマトーム神経、クロストリジウム神経毒を、鎖骨中線で、鎖骨上窩に近接して投与できる;
iii. C4デルマトーム神経、クロストリジウム神経毒を、肩鎖関節の上に近接して投与できる;
iv. C5デルマトーム神経、クロストリジウム神経毒を、肘のすぐ近位で、肘前窩の外側(橈骨側)に近接して投与できる;
v. C6デルマトーム神経、クロストリジウム神経毒を、親指の近位指骨の背側表面に近接して投与できる;
vi. C7デルマトーム神経、クロストリジウム神経毒を、中指の近位指骨の背側表面に近接して投与できる;
vii. C8デルマトーム神経、クロストリジウム神経毒を、小指近位指骨の背側表面に近接して投与できる;
viii. T1デルマトーム神経、クロストリジウム神経毒を、上腕骨内側上顆のすぐ近位の、肘前窩の内側(尺骨)側に近接して投与できる;
ix. T2デルマトーム神経、クロストリジウム神経毒を、腋窩の頂点に近接して投与できる;
x. T3デルマトーム神経、クロストリジウム神経毒を、鎖骨中線と第3の肋間腔の交点に近接して投与できる;
xi. T4デルマトーム神経、クロストリジウム神経毒を、乳頭のレベルに位置する、鎖骨中線と第4の肋間腔の交点に近接して投与できる;
xii. T5デルマトーム神経、クロストリジウム神経毒を、乳首のレベルと剣状突起のレベルの間の中間に水平に位置する、鎖骨中線と第5の肋間腔の交点に近接して投与できる;
xiii. T6デルマトーム神経、クロストリジウム神経毒を、鎖骨中線と剣状突起の水平レベルとの交点に近接して投与できる;
xiv. T7デルマトーム神経、クロストリジウム神経毒を、鎖骨中線と、剣状突起のレベルと臍のレベルの間の距離の4分の1の水平レベルとの交点に近接して投与できる;
xv. T8デルマトーム神経、クロストリジウム神経毒を、鎖骨中線と、剣状突起のレベルと臍のレベルの間の距離の2分の1の水平レベルとの交点に近接して投与できる;
xvi. T9デルマトーム神経、クロストリジウム神経毒を、鎖骨中線と、剣状突起のレベルと臍のレベルの間の距離の4分の3の水平レベルとの交点に近接して投与できる;
xvii. T10デルマトーム神経、クロストリジウム神経毒を、臍の水平レベルの、鎖骨中線の交点に近接して投与できる;
xviii. T11デルマトーム神経、クロストリジウム神経毒を、臍のレベルと鼠径靭帯の間の中間の水平レベルの、鎖骨中線の交点に近接して投与できる;
xix. T12デルマトーム神経、クロストリジウム神経毒を、鎖骨中線と鼠径靭帯の中点の交点に近接して投与できる;
xx. L1デルマトーム神経、クロストリジウム神経毒を、T12及びL2の重要な感覚点の間の中間点に近接して投与できる;
xxi. L2デルマトーム神経、クロストリジウム神経毒を、鼠径靭帯の中点と大腿骨内側上顆を結ぶ線の中点の、前内側大腿に近接して投与できる;
xxii. L3デルマトーム神経、クロストリジウム神経毒を、大腿骨内側上顆に近接して投与できる;
xxiii. L4デルマトーム神経、クロストリジウム神経毒を、内側踝の上に近接して投与できる;
xxiv. L5デルマトーム神経、クロストリジウム神経毒を、第3の中足指節関節の、足の背側に近接して投与できる;
xxv. S1デルマトーム神経、クロストリジウム神経毒を、踵骨の外側面に近接して投与できる;
xxvi. S2デルマトーム神経、クロストリジウム神経毒を、膝窩の中点に近接して投与できる;
xxvii. S3デルマトーム神経、クロストリジウム神経毒を、坐骨の結節又は下殿溝の上に近接して投与できる;
xxviii. S4及び/又はS5デルマトーム神経、クロストリジウム神経毒を、皮膚粘膜ゾーンから外側1cm未満の、肛門区域に近接して投与できる。
【0071】
「前記の1つ以上の具体的に指定されたデルマトーム神経に近接した部位に」という用語は、前記の1つ以上の具体的に指定されたデルマトーム神経のデルマトームに属する身体上の前記位置の5mm、4mm、3mm、2mm又は1mm以内(及びそれを含む)に位置する部位を意味する場合がある。
【0072】
「前記の1つ以上の具体的に指定されたデルマトームに近接した部位に」という用語は、前記の1つ以上の具体的に指定されたデルマトームに属する身体上の前記位置の5mm、4mm、3mm、2mm又は1mm以内(及びそれを含む)に位置する部位を意味する場合がある。
【0073】
上記のように、内臓とデルマトーム(複数可)の間の関連は、例えば、「関連痛」の現象への研究から広く詳細に明らかにされている。関連痛では、デルマトームからの感覚神経線維が、一般的な内臓求心性線維、例えば、心臓からのものと同じ脊髄レベルで集まる場合がある。一般的な内臓感覚線維が刺激されると、中枢神経系は、疼痛が体壁から来るものか、内臓から来るものであるかを明確に識別せず、そのために、疼痛を体壁上のどこかから来る、例えば、左腕/手の疼痛、顎の疼痛と認知する。そのため、疼痛は、同一骨髄分節の関連デルマトーム「と関連する」。
【0074】
したがって、所与の内臓/臓器における疼痛の抑制を目指したクロストリジウム神経毒の投与を受け取るための適したデルマトーム/デルマトーム神経を同定することが可能である。デルマトームと種々の内臓の間の相互作用の例示は、
図1に提供されている。
【0075】
例えば、以下への投与(クロストリジウム神経毒の):
- T8、T9又はT10デルマトームのうち1つ以上は、胃が内臓痛の一因となっている内臓痛を抑制する可能性がある;
- T8、T9、T10及び/又はT11デルマトーム(好ましくは、T8、T9及び/又はT10デルマトーム)のうち1つ以上は、肝臓が内臓痛の一因となっている内臓痛を抑制する可能性がある;
- T8、T9、T10及び/又はT11デルマトーム(好ましくは、T8、T9及び/又はT10デルマトーム)のうち1つ以上は、胆嚢が内臓痛の一因となっている内臓痛を抑制する可能性がある;
- T7、T8、T9、T10、T11及び/又はT12デルマトームのうち1つ以上は、膵臓が内臓痛の一因となっている内臓痛を抑制する可能性がある;
- T10、T11及び/又はT12デルマトームのうち1つ以上は、小腸が内臓痛の一因となっている内臓痛を抑制する可能性がある;
- T11、S1、S2、S3及び/又はS4デルマトーム(好ましくは、S1、S2、S3及び/又はS4デルマトーム)のうち1つ以上は、結腸が内臓痛の一因となっている内臓痛を抑制する可能性がある;
- T11、S1、S2、S3及び/又はS4デルマトーム(好ましくは、S1、S2、S3及び/又はS4デルマトーム)のうち1つ以上は、直腸が内臓痛の一因となっている内臓痛を抑制する可能性がある;
- T10、T11、T12及び/又はL1デルマトーム(好ましくは、T11、T12及び/又はL1デルマトーム)のうち1つ以上は、腎臓が内臓痛の一因となっている内臓痛を抑制する可能性がある;
- T11、T12及び/又はL1デルマトームのうち1つ以上は、尿管が内臓痛の一因となっている内臓痛を抑制する可能性がある;
- T11、T12、L1、S1、S2、S3及び/又はS4デルマトーム(好ましくは、T12、L1、S1、S2、S3及び/又はS4デルマトーム)のうち1つ以上は、膀胱(bladder)(膀胱(urinary bladder))が内臓痛の一因となっている内臓痛を抑制する可能性がある;
- T11デルマトームは、卵巣が内臓痛の一因となっている内臓痛を抑制する可能性がある;
- T11デルマトームは、卵管が内臓痛の一因となっている内臓痛を抑制する可能性がある;
- T12及び/又はL1デルマトームのうち1つ以上は、子宮が内臓痛の一因となっている内臓痛を抑制する可能性がある;
- S2、S3及び/又はS4デルマトームのうち1つ以上は、子宮頸部が内臓痛の一因となっている内臓痛を抑制する可能性がある;
- T10、T11、L1、L2、S1、S2、S3及び/又はS4デルマトーム(好ましくは、T11、L1、L2、S1、S2、S3及び/又はS4デルマトーム)のうち1つ以上は、精巣が内臓痛の一因となっている内臓痛を抑制する可能性がある;
- T10、T11、L1、L2、S1、S2、S3及び/又はS4デルマトーム(好ましくは、T11、L1、L2、S1、S2、S3及び/又はS4デルマトーム)のうち1つ以上は、精巣上体が内臓痛の一因となっている内臓痛を抑制する可能性がある;
- T3及び/又はT4デルマトームのうち1つ以上は、心臓が内臓痛の一因となっている内臓痛を抑制する可能性がある;
- T4及び/又はT5デルマトームのうち1つ以上は、食道が内臓痛の一因となっている内臓痛を抑制する可能性がある。
【0076】
例えば、以下への投与(クロストリジウム神経毒の):
- T8、T9又はT10デルマトーム神経のうち1つ以上は、胃が内臓痛の一因となっている内臓痛を抑制する可能性がある;
- T8、T9、T10及び/又はT11デルマトーム神経(好ましくは、T8、T9及び/又はT10デルマトーム神経)のうち1つ以上は、肝臓が内臓痛の一因となっている内臓痛を抑制する可能性がある;
- T8、T9、T10及び/又はT11デルマトーム神経(好ましくは、T8、T9及び/又はT10デルマトーム神経)のうち1つ以上は、胆嚢が内臓痛の一因となっている内臓痛を抑制する可能性がある;
- T7、T8、T9、T10、T11及び/又はT12デルマトーム神経のうち1つ以上は、膵臓が内臓痛の一因となっている内臓痛を抑制する可能性がある;
- T10、T11及び/又はT12デルマトーム神経のうち1つ以上は、小腸が内臓痛の一因となっている内臓痛を抑制する可能性がある;
- T11、S1、S2、S3及び/又はS4デルマトーム神経(好ましくは、S1、S2、S3及び/又はS4デルマトーム神経)のうち1つ以上は、結腸が内臓痛の一因となっている内臓痛を抑制する可能性がある;
- T11、S1、S2、S3及び/又はS4デルマトーム神経(好ましくは、S1、S2、S3及び/又はS4デルマトーム)のうち1つ以上は、直腸が内臓痛の一因となっている内臓痛を抑制する可能性がある;
- T10、T11、T12及び/又はL1デルマトーム神経(好ましくは、T11、T12及び/又はL1デルマトーム神経)のうち1つ以上は、腎臓が内臓痛の一因となっている内臓痛を抑制する可能性がある;
- T11、T12及び/又はL1デルマトーム神経のうち1つ以上は、尿管が内臓痛の一因となっている内臓痛を抑制する可能性がある;
T11、T12、L1、S1、S2、S3及び/又はS4デルマトーム神経(好ましくは、T12、L1、S1、S2、S3及び/又はS4デルマトーム神経)のうち1つ以上は、膀胱(bladder)(膀胱(urinary bladder))が内臓痛の一因となっている内臓痛を抑制する可能性がある;
- T11デルマトーム神経は、卵巣が内臓痛の一因となっている内臓痛を抑制する可能性がある;
- T11デルマトーム神経は、卵管が内臓痛の一因となっている内臓痛を抑制する可能性がある;
- T12及び/又はL1デルマトーム神経のうち1つ以上は、子宮が内臓痛の一因となっている内臓痛を抑制する可能性がある;
- S2、S3及び/又はS4デルマトーム神経のうち1つ以上は、子宮頸部が内臓痛の一因となっている内臓痛を抑制する可能性がある;
- T10、T11、L1、L2、S1、S2、S3及び/又はS4デルマトーム神経(好ましくは、T11、L1、L2、S1、S2、S3及び/又はS4デルマトーム神経)のうち1つ以上は、精巣が内臓痛の一因となっている内臓痛を抑制する可能性がある;
- T10、T11、L1、L2、S1、S2、S3及び/又はS4デルマトーム神経(好ましくは、T11、L1、L2、S1、S2、S3及び/又はS4デルマトーム神経)のうち1つ以上は、精巣上体が内臓痛の一因となっている内臓痛を抑制する可能性がある;
- T3及び/又はT4デルマトーム神経のうち1つ以上は、心臓が内臓痛の一因となっている内臓痛を抑制する可能性がある;
- T4及び/又はT5デルマトーム神経のうち1つ以上は、食道が内臓痛の一因となっている内臓痛を抑制する可能性がある。
【0077】
注目すべきは、いくつかのデルマトーム/デルマトーム神経が、任意の所与の内臓に位置づけられる場合があり、異なる内臓に位置づけられるデルマトームに重複がある場合があるということである。これは、内臓の脊髄神経支配(例えば、内臓求心路)が頸部から仙髄分節まで脊椎全体に分布しているためである。実際、骨髄の内臓求心性入力は、骨髄の入口分節から吻側及び尾側のいくつかの分節に広がると実証されている。例として、胃からの内臓求心路(胃からの侵害受容性シグナルを脊髄に中継する)は、脊髄のT8、T9及びT10分節の各々を神経支配する場合がある。したがって、(神経線維、より詳しくは、脊髄神経求心路を介して)T8、T9及びT10分節のいずれかに位置づけられるデルマトームを、クロストリジウム神経毒を投与して、胃の内臓求心路から中枢神経系(より詳しくは、脊髄)への疼痛の統合を抑制することにおいて本発明において使用できる。肝臓からの内臓求心性線維もまたT8、T9及びT10分節を神経支配し、従って、内臓に位置づけられるデルマトームは別のものに位置づけられる場合もある。
【0078】
一実施形態では、クロストリジウム神経毒は、T8、T9及び/又はT10デルマトーム(又はデルマトーム神経)に(又はそれに近接して)投与される。例えば、クロストリジウム神経毒は、T8デルマトーム(又はデルマトーム神経)に(又はそれに近接して)投与され得る。追加的に、又は、代替的に、クロストリジウム神経毒は、T9デルマトーム(又はデルマトーム神経)に(又はそれに近接して)投与され得る。追加的に、又は、代替的に、クロストリジウム神経毒は、T10デルマトーム(又はデルマトーム神経)に(又はそれに近接して)投与され得る。クロストリジウム神経毒は、T8、T9及びT10デルマトームから選択される少なくとも2つのデルマトーム(又はデルマトーム神経)に(又はそれに近接して)投与され得る。例えば、クロストリジウム神経毒は、T8、T9及びT10デルマトーム(又はデルマトーム神経)の各々に(又はそれに近接して)投与され得る。前記デルマトームは、胃に位置づけられる。
【0079】
一実施形態では、クロストリジウム神経毒は、T8、T9、T10及び/又はT11(例えば、T8、T9及び/又はT10)デルマトーム(又はデルマトーム神経)に(又はそれに近接して)投与される。例えば、クロストリジウム神経毒は、T8デルマトーム(又はデルマトーム神経)に(又はそれに近接して)投与され得る。追加的に、又は、代替的に、クロストリジウム神経毒は、T9デルマトーム(又はデルマトーム神経)に(又はそれに近接して)投与され得る。追加的に、又は、代替的に、クロストリジウム神経毒は、T10デルマトーム(又はデルマトーム神経)に(又はそれに近接して)投与され得る。追加的に、又は、代替的に、クロストリジウム神経毒は、T11デルマトーム(又はデルマトーム神経)に(又はそれに近接して)投与され得る。クロストリジウム神経毒は、T8、T9、T10及びT11から選択される少なくとも2つ又は3つのデルマトーム(又はデルマトーム神経)(例えば、T8、T9、及び/又はT10)デルマトーム(又はデルマトーム神経)に(又はそれに近接して)投与され得る。例えば、クロストリジウム神経毒は、T8、T9、T10及びT11の各々(例えば、T8、T9及び/又はT10)デルマトーム(又はデルマトーム神経)に(又はそれに近接して)投与され得る。前記デルマトーム(又はデルマトーム神経)は、肝臓に位置づけられる。追加的に、又は、代替的に、前記デルマトームは、胆嚢に位置づけられる。
【0080】
一実施形態では、クロストリジウム神経毒は、T7、T8、T9、T10、T11及び/又はT12デルマトーム(又はデルマトーム神経)に(又はそれに近接して)投与される。例えば、クロストリジウム神経毒は、T7デルマトーム(又はデルマトーム神経)に(又はそれに近接して)投与され得る。追加的に、又は、代替的に、クロストリジウム神経毒は、T8デルマトーム(又はデルマトーム神経)に(又はそれに近接して)投与され得る。追加的に、又は、代替的に、クロストリジウム神経毒は、T9デルマトーム(又はデルマトーム神経)に(又はそれに近接して)投与され得る。追加的に、又は、代替的に、クロストリジウム神経毒は、T10デルマトーム(又はデルマトーム神経)に(又はそれに近接して)投与され得る。追加的に、又は、代替的に、クロストリジウム神経毒は、T11デルマトーム(又はデルマトーム神経)に(又はそれに近接して)投与され得る。追加的に、又は、代替的に、クロストリジウム神経毒は、T12デルマトーム(又はデルマトーム神経)に(又はそれに近接して)投与され得る。クロストリジウム神経毒は、T7、T8、T9、T10、T11及びT12デルマトーム(又はデルマトーム神経)から選択される少なくとも2つのデルマトームに(又はそれに近接して)投与され得る。例えば、クロストリジウム神経毒は、T7、T8、T9、T10、T11及びT12デルマトーム(又はデルマトーム神経)の各々に(又はそれに近接して)投与され得る。前記デルマトーム(又はデルマトーム神経)は、膵臓に位置づけられる。
【0081】
一実施形態では、クロストリジウム神経毒は、T10、T11及び/又はT12デルマトーム(又はデルマトーム神経)に(又はそれに近接して)に投与される。例えば、クロストリジウム神経毒は、T10デルマトーム(又はデルマトーム神経)に(又はそれに近接して)投与され得る。追加的に、又は、代替的に、クロストリジウム神経毒は、T11デルマトーム(又はデルマトーム神経)に(又はそれに近接して)投与され得る。追加的に、又は、代替的に、クロストリジウム神経毒は、T12デルマトーム(又はデルマトーム神経)に(又はそれに近接して)投与され得る。クロストリジウム神経毒は、T10、T11及びT12デルマトーム(又はデルマトーム神経)から選択される少なくとも2つのデルマトーム(又はデルマトーム神経)に(又はそれに近接して)投与され得る。例えば、クロストリジウム神経毒は、T10、T11及びT12デルマトーム(又はデルマトーム神経)の各々に(又はそれに近接して)投与され得る。前記デルマトーム(又はデルマトーム神経)は、小腸に位置づけられる。
【0082】
一実施形態では、クロストリジウム神経毒は、T11、S1、S2、S3及び/又はS4デルマトーム(又はデルマトーム神経)(好ましくは、S1、S2、S3及び/又はS4デルマトーム(又はデルマトーム神経))に(又はそれに近接して)投与される。例えば、クロストリジウム神経毒は、T11デルマトーム(又はデルマトーム神経)に(又はそれに近接して)投与され得る。追加的に、又は、代替的に、クロストリジウム神経毒は、S1デルマトーム(又はデルマトーム神経)に(又はそれに近接して)投与され得る。追加的に、又は、代替的に、クロストリジウム神経毒は、S2デルマトーム(又はデルマトーム神経)に(又はそれに近接して)投与され得る。追加的に、又は、代替的に、クロストリジウム神経毒は、S3デルマトーム(又はデルマトーム神経)に(又はそれに近接して)投与され得る。追加的に、又は、代替的に、クロストリジウム神経毒は、S4デルマトーム(又はデルマトーム神経)に(又はそれに近接して)投与され得る。クロストリジウム神経毒は、T11、S1、S2、S3及びS4から選択される少なくとも2つ、3つ又は4つのデルマトーム(又はデルマトーム神経)(例えば、S1、S2、S3及びS4)デルマトーム(又はデルマトーム神経)に(又はそれに近接して)投与され得る。例えば、クロストリジウム神経毒は、T11、S1、S2、S3及びS4(例えば、S1、S2、S3及びS4)デルマトーム(又はデルマトーム神経)の各々に(又はそれに近接して)投与され得る。前記デルマトーム(又はデルマトーム神経)は、結腸に位置づけられる。
【0083】
一実施形態では、クロストリジウム神経毒は、T10、T11、T12及び/又はL1(例えば、T11、T12及び/又はL1)デルマトーム(又はデルマトーム神経)に(又はそれに近接して)投与される。例えば、クロストリジウム神経毒は、T10デルマトーム(又はデルマトーム神経)に(又はそれに近接して)投与され得る。追加的に、又は、代替的に、クロストリジウム神経毒は、T11デルマトーム(又はデルマトーム神経)に(又はそれに近接して)投与され得る。追加的に、又は、代替的に、クロストリジウム神経毒は、T12デルマトーム(又はデルマトーム神経)に(又はそれに近接して)投与され得る。追加的に、又は、代替的に、クロストリジウム神経毒は、L1デルマトーム(又はデルマトーム神経)に(又はそれに近接して)投与され得る。クロストリジウム神経毒は、T10、T11、T12及びL1(例えば、T11、T12及び/又はL1)デルマトーム(又はデルマトーム神経)から選択される少なくとも2つ又は3つのデルマトームに(又はそれに近接して)投与され得る。例えば、クロストリジウム神経毒は、T10、T11、T12及びL1(例えば、T11、T12及びL1)デルマトーム(又はデルマトーム神経)の各々に(又はそれに近接して)投与され得る。前記デルマトーム(又はデルマトーム神経)は、腎臓に位置づけられる。
【0084】
一実施形態では、クロストリジウム神経毒は、T11、T12、L1、S1、S2、S3及び/又はS4(例えば、T12、L1、S1、S2、S3及び/又はS4)デルマトーム(又はデルマトーム神経)に(又はそれに近接して)投与される。例えば、クロストリジウム神経毒は、T11デルマトーム(又はデルマトーム神経)に(又はそれに近接して)投与され得る。追加的に、又は、代替的に、クロストリジウム神経毒は、T12デルマトーム(又はデルマトーム神経)に(又はそれに近接して)投与され得る。追加的に、又は、代替的に、クロストリジウム神経毒は、L1デルマトーム(又はデルマトーム神経)に(又はそれに近接して)投与され得る。追加的に、又は、代替的に、クロストリジウム神経毒は、S1デルマトーム(又はデルマトーム神経)に(又はそれに近接して)投与され得る。追加的に、又は、代替的に、クロストリジウム神経毒は、S2デルマトーム(又はデルマトーム神経)に(又はそれに近接して)投与され得る。追加的に、又は、代替的に、クロストリジウム神経毒は、S3デルマトーム(又はデルマトーム神経)に(又はそれに近接して)投与され得る。追加的に、又は、代替的に、クロストリジウム神経毒は、S4デルマトーム(又はデルマトーム神経)に(又はそれに近接して)投与され得る。クロストリジウム神経毒は、T11、T12、L1、S1、S2、S3及びS4(例えば、T12、L1、S1、S2、S3及び/又はS4)デルマトーム(又はデルマトーム神経)から選択される少なくとも2つ、3つ又は4つ又は5つのデルマトーム(又はデルマトーム神経)に(又はそれに近接して)投与され得る。例えば、クロストリジウム神経毒は、T11、T12、L1、S1、S2、S3及びS4(例えば、T12、L1、S1、S2、S3及びS4)デルマトーム(又はデルマトーム神経)の各々に(又はそれに近接して)投与され得る。前記デルマトーム(又はデルマトーム神経)は、膀胱(bladder)(膀胱(urinary bladder))に位置づけられる。
【0085】
一実施形態では、クロストリジウム神経毒は、T11デルマトーム(又はデルマトーム神経)に(又はそれに近接して)投与される。前記デルマトーム(又はデルマトーム神経)は、卵巣(単数/複数)に位置づけられる。追加的に、又は、代替的に、前記デルマトーム(又はデルマトーム神経)は、卵管に位置づけられる。
【0086】
一実施形態では、クロストリジウム神経毒は、T12及び/又はL1デルマトーム(又はデルマトーム神経)に(又はそれに近接して)投与される。例えば、クロストリジウム神経毒は、T12デルマトーム(又はデルマトーム神経)に(又はそれに近接して)投与され得る。追加的に、又は、代替的に、クロストリジウム神経毒は、L1デルマトーム(又はデルマトーム神経)に(又はそれに近接して)投与され得る。クロストリジウム神経毒は、T12及びL1デルマトーム(又はデルマトーム神経)の各々に(又はそれに近接して)投与され得る。前記デルマトーム(又はデルマトーム神経)は、子宮に位置づけられる。
【0087】
一実施形態では、クロストリジウム神経毒は、S2、S3及び/又はS4デルマトーム(又はデルマトーム神経)に(又はそれに近接して)投与される。例えば、クロストリジウム神経毒は、S2デルマトーム(又はデルマトーム神経)に(又はそれに近接して)投与され得る。追加的に、又は、代替的に、クロストリジウム神経毒は、S3デルマトーム(又はデルマトーム神経)に(又はそれに近接して)投与され得る。追加的に、又は、代替的に、クロストリジウム神経毒は、S4デルマトーム(又はデルマトーム神経)に(又はそれに近接して)投与され得る。クロストリジウム神経毒は、S2、S3及びS4デルマトーム(又はデルマトーム神経)から選択される少なくとも2つのデルマトーム(又はデルマトーム神経)に(又はそれに近接して)投与され得る。例えば、クロストリジウム神経毒は、S2、S3及びS4デルマトーム(又はデルマトーム神経)の各々に(又はそれに近接して)投与され得る。前記デルマトーム(又はデルマトーム神経)は、子宮頸部に位置づけられる。
【0088】
一実施形態では、クロストリジウム神経毒は、T10、T11、L1、L2、S1、S2、S3及び/又はS4(例えば、T11、L1、L2、S1、S2、S3及び/又はS4)デルマトーム(又はデルマトーム神経)に(又はそれに近接して)投与される。例えば、クロストリジウム神経毒は、T10デルマトーム(又はデルマトーム神経)に(又はそれに近接して)投与され得る。追加的に、又は、代替的に、クロストリジウム神経毒は、T11デルマトーム(又はデルマトーム神経)に(又はそれに近接して)投与され得る。追加的に、又は、代替的に、クロストリジウム神経毒は、L1デルマトーム(又はデルマトーム神経)に(又はそれに近接して)投与され得る。追加的に、又は、代替的に、クロストリジウム神経毒は、L2デルマトーム(又はデルマトーム神経)に(又はそれに近接して)投与され得る。追加的に、又は、代替的に、クロストリジウム神経毒は、S1デルマトーム(又はデルマトーム神経)に(又はそれに近接して)投与され得る。追加的に、又は、代替的に、クロストリジウム神経毒は、S2デルマトーム(又はデルマトーム神経)に(又はそれに近接して)投与され得る。追加的に、又は、代替的に、クロストリジウム神経毒は、S3デルマトーム(又はデルマトーム神経)に(又はそれに近接して)投与され得る。追加的に、又は、代替的に、クロストリジウム神経毒は、S4デルマトーム(又はデルマトーム神経)に(又はそれに近接して)投与され得る。クロストリジウム神経毒は、T10、T11、L1、L2、S1、S2、S3及びS4(例えば、T11、L1、L2、S1、S2、S3及び/又はS4)デルマトーム(又はデルマトーム神経)から選択される少なくとも2つ、3つ、4つ、5つ、6つ又は7つのデルマトーム(又はデルマトーム神経)に(又はそれに近接して)投与され得る。例えば、クロストリジウム神経毒は、T10、T11、L1、L2、S1、S2、S3及びS4(例えば、T11、L1、L2、S1、S2、S3及びS4)デルマトーム(又はデルマトーム神経)の各々に(又はそれに近接して)投与され得る。前記デルマトーム(又はデルマトーム神経)は、精巣に位置づけられる。追加的に、又は、代替的に、前記デルマトーム(又はデルマトーム神経)は、精巣上体に位置づけられる。
【0089】
したがって、内臓痛の一因となっていると同定されるいくつかの臓器において、内臓痛を抑制できる。
【0090】
いくつかの疾患/状態は、内臓に損傷又は侵襲をを引き起こし、内臓痛の不快な感覚につながり、これは、慢性であることが多く、管理することが重要である場合がある(例えば、疾患自体が治癒するのに時間がかかる場合があるので)。例えば、クローン病では、胃及び腸などの消化器系の一部が炎症を起こし、前記臓器からの疼痛の発生につながる。したがって、本発明には、さまざまな異なる疾患/状態によって引き起こされる内臓痛症状の抑制において有利な有用性があることになる。
【0091】
一実施形態では、内臓痛は、膀胱痛症候群(間質性膀胱炎)、慢性機能性腹痛(CFAP)、機能性便秘、機能性消化不良、非心臓性胸痛(NCCP)、慢性腹痛、胃炎、炎症性腸疾患、例えば、クローン病、潰瘍性大腸炎、顕微鏡的大腸炎、憩室炎及び胃腸炎のようなもの;間質性膀胱炎;腸管虚血;胆嚢炎;虫垂炎;胃食道逆流;潰瘍、腎結石症、尿路感染症、膵炎、ヘルニア、例えば、サルコイドーシス及び血管炎を含む自己免疫性疼痛;例えば、腸の外傷性、炎症性もしくは変性病変に起因する疼痛又は感覚神経支配を侵害する腫瘍によって生成される疼痛を含む器質性内臓痛;例えば、化学療法による療法に付随する疼痛又は放射線療法に付随する疼痛を含む処置誘発性内臓痛;クローン病、潰瘍性大腸炎、硬変、過敏性腸症候群、セリアック病、子宮内膜症、胃潰瘍、腎結石、膀胱結石、胆嚢結石及び/又は腹膜炎であり得る。
【0092】
好ましい実施形態では、内臓痛は、膀胱痛症候群(間質性膀胱炎)、硬変、クローン病、潰瘍性大腸炎、過敏性腸症候群、セリアック病、子宮内膜症、胃潰瘍、腎結石、膀胱結石、胆嚢結石、膵炎及び腹膜炎から選択される状態によって引き起こされる。
【0093】
言い換えれば、内臓痛は、間質性膀胱炎疼痛、硬変疼痛、クローン病疼痛、潰瘍性大腸炎疼痛、過敏性腸症候群疼痛、セリアック病疼痛、子宮内膜症疼痛、胃潰瘍疼痛、腎結石疼痛、膀胱結石疼痛、胆嚢結石疼痛、膵炎疼痛及び/又は腹膜炎疼痛であり得る。
【0094】
内臓痛は、血管障害によって引き起こされる、又はそれと関連する場合がある。
【0095】
内臓痛の例として、以下が挙げられる:
A. 機能性内臓痛
機能性内臓痛には、例えば、過敏性腸症候群及び慢性機能性腹痛(CFAP)、機能性便秘及び機能性消化不良、非心臓性胸痛(NCCP)及び慢性腹痛が含まれる。
B. 慢性胃腸炎
慢性胃腸炎には、例えば、胃炎、炎症性腸疾患、クローン病、潰瘍性大腸炎、顕微鏡的大腸炎、憩室炎及び胃腸炎のようなもの、間質性膀胱炎、腸管虚血、胆嚢炎、虫垂炎、胃食道逆流、潰瘍、腎結石症、尿路感染症、膵炎及びヘルニアが含まれる。
C. 自己免疫性疼痛
自己免疫性疼痛には、例えば、サルコイドーシス及び血管炎が含まれる。
D. 器質性内臓痛
器質性内臓痛には、腸の外傷性、炎症性もしくは変性病変に起因する疼痛又は感覚神経支配を侵害する腫瘍によって生成される疼痛が含まれる。
E. 処置誘発性内臓痛
処置誘発性内臓痛には、化学療法による療法に付随する疼痛又は放射線療法に付随する疼痛が含まれる。
【0096】
内臓痛は、子宮内膜症疼痛、膵炎疼痛、胃腸痛及び血管障害によって引き起こされる、又はそれと関連する内臓痛から選択され得る(より好ましくは、子宮内膜症疼痛)。
【0097】
例えば、内臓痛は、膀胱痛症候群(間質性膀胱炎)によって引き起こされる場合がある。この場合には、クロストリジウム神経毒は、T12、L1、S2、S3及び/又はS4デルマトーム(又はデルマトーム神経)に投与され得る。言い換えれば、膀胱痛症候群(間質性膀胱炎)によって引き起こされた内臓痛を抑制するために、本発明の方法は、(a)前記内臓痛の一因となっている患者中の臓器として膀胱を同定すること、(b)以下の指示に従って前記臓器を特定のデルマトーム神経に位置づけ、それによって、前記臓器を1つ以上の具体的に指定されたデルマトーム神経に対応させること:膀胱は、T11、T12、L1、S1、S2、S3及び/又はS4デルマトーム神経に位置づけられる、ならびに(c)クロストリジウム神経毒の治療上有効量を前記の1つ以上の具体的に指定されたデルマトーム神経に近接する部位に投与することを含む場合があり、患者への前記クロストリジウム神経毒の投与後に、クロストリジウム神経毒が、逆行性軸索輸送によって脊髄に輸送され、その場所で感覚求心性神経細胞に結合し、受容体媒介性エンドサイトーシスによって前記細胞に入り、それからの神経伝達物質放出を抑制し、それによって、前記内臓痛を抑制する。
【0098】
一実施形態では、内臓痛は、硬変(肝硬変)によって引き起こされる場合がある。この場合には、クロストリジウム神経毒は、T8、T9、T10及び/又はT11デルマトーム神経に投与され得る。言い換えれば、硬変によって引き起こされた内臓痛を抑制するために、本発明の方法は、(a)前記内臓痛の一因となっている患者中の臓器として肝臓を同定すること、(b)以下の指示に従って前記臓器を特定のデルマトーム神経に位置づけ、それによって、前記臓器を1つ以上の具体的に指定されたデルマトーム神経に対応させること:肝臓は、T8、T9、T10及び/又はT11デルマトーム神経に位置づけられる、ならびに(c)クロストリジウム神経毒の治療上有効量を前記の1つ以上の具体的に指定されたデルマトーム神経に投与することを含む場合があり、患者への前記クロストリジウム神経毒の投与後に、クロストリジウム神経毒が、逆行性軸索輸送によって脊髄に輸送され、その場所で感覚求心性神経細胞に結合し、受容体媒介性エンドサイトーシスによって前記細胞に入り、それからの神経伝達物質放出を抑制し、それによって、前記内臓痛を抑制する。
【0099】
一実施形態では、内臓痛は、胆嚢結石によって引き起こされる場合がある。この場合には、クロストリジウム神経毒は、T8、T9、T10及び/又はT11デルマトーム神経に投与され得る。言い換えれば、硬変によって引き起こされた内臓痛を抑制するために、本発明の方法は、(a)前記内臓痛の一因となっている患者中の臓器として肝臓を同定すること、(b)以下の指示に従って前記臓器を特定のデルマトーム神経に位置づけ、それによって、前記臓器を1つ以上の具体的に指定されたデルマトーム神経に対応させること:胆嚢は、T8、T9、T10及び/又はT11デルマトーム神経に位置づけられる、ならびに(c)クロストリジウム神経毒の治療上有効量を、前記の1つ以上の具体的に指定されたデルマトーム神経に投与することを含む場合があり、患者への前記クロストリジウム神経毒の投与後に、クロストリジウム神経毒が、逆行性軸索輸送によって脊髄に輸送され、その場所で感覚求心性神経細胞に結合し、受容体媒介性エンドサイトーシスによって前記細胞に入り、それからの神経伝達物質放出を抑制し、それによって、前記内臓痛を抑制する。
【0100】
一実施形態では、内臓痛は、クローン病によって引き起こされる場合がある。この場合には、クロストリジウム神経毒は、T8、T9、T10、T11、T12、S1、S2、S3及び/又はS4デルマトームに投与され得る。言い換えれば、クローン病によって引き起こされた内臓痛を抑制するために、本発明の方法は、(a)前記内臓痛の一因となっている患者中の臓器として胃、小腸及び/又は結腸を同定すること、(b)以下の指示に従って前記臓器を特定のデルマトーム神経に位置づけ、それによって、前記臓器を1つ以上の具体的に指定されたデルマトーム神経に対応させること:胃は、T8、T9及び/又はT10デルマトーム神経に位置づけられる、小腸は、T10、T11及び/又はT12デルマトーム神経に位置づけられる、結腸は、T11、S1、S2、S3及び/又はS4デルマトーム神経に位置づけられる、ならびに(c)クロストリジウム神経毒の治療上有効量を前記の1つ以上の具体的に指定されたデルマトーム神経に近接する部位に投与することを含む場合があり、患者への前記クロストリジウム神経毒の投与後に、クロストリジウム神経毒が、逆行性軸索輸送によって脊髄に輸送され、その場所で感覚求心性神経細胞に結合し、受容体媒介性エンドサイトーシスによって前記細胞に入り、それからの神経伝達物質放出を抑制し、それによって、前記内臓痛を抑制する。
【0101】
クローン病の5つの主な型が存在し、各々通常は、消化管中の炎症の位置によって定義されることは留意すべきである。クローン病の型には、回結腸炎(例えば、小腸/回腸の末端及び大腸/結腸の一部分に炎症を起こす)、回腸炎(例えば、小腸/回腸の最後のセクションに炎症を起こす)、胃十二指腸クローン病(例えば、胃及び小腸/十二指腸の開始部に炎症を起こす)、空回腸炎(例えば、小腸/空腸の中央部分に炎症を起こす)及びクローン(肉芽腫性)結腸炎(例えば、結腸に炎症を起こす)が含まれる。
【0102】
したがって、回結腸炎によって引き起こされた内臓痛を抑制するために、本発明の方法は、(a)前記内臓痛の一因となっている患者中の臓器として小腸及び/又は結腸を同定すること、(b)以下の指示に従って前記臓器を特定のデルマトーム神経に位置づけ、それによって、前記臓器を1つ以上の具体的に指定されたデルマトーム神経に対応させること:小腸は、T10、T11及び/又はT12デルマトーム神経に位置づけられる、結腸は、T11、S1、S2、S3及び/又はS4デルマトーム神経に位置づけられる、ならびに(c)クロストリジウム神経毒の治療上有効量を前記の1つ以上の具体的に指定されたデルマトーム神経に近接する部位に投与することを含む場合があり、患者への前記クロストリジウム神経毒の投与後に、クロストリジウム神経毒が、逆行性軸索輸送によって脊髄に輸送され、その場所で感覚求心性神経細胞に結合し、受容体媒介性エンドサイトーシスによって前記細胞に入り、それからの神経伝達物質放出を抑制し、それによって、前記内臓痛を抑制する。
【0103】
回腸炎によって引き起こされた内臓痛を抑制するために、本発明の方法は、(a)前記内臓痛の一因となっている患者中の臓器として小腸を同定すること、(b)以下の指示に従って前記臓器を特定のデルマトーム神経に位置づけ、それによって、前記臓器を1つ以上の具体的に指定されたデルマトーム神経に対応させること:小腸は、T10、T11及び/又はT12デルマトーム神経に位置づけられる、ならびに(c)クロストリジウム神経毒の治療上有効量を前記の1つ以上の具体的に指定されたデルマトーム神経に近接する部位に投与することを含む場合があり、患者への前記クロストリジウム神経毒の投与後に、クロストリジウム神経毒が、逆行性軸索輸送によって脊髄に輸送され、その場所で感覚求心性神経細胞に結合し、受容体媒介性エンドサイトーシスによって前記細胞に入り、それからの神経伝達物質放出を抑制し、それによって、前記内臓痛を抑制する。
【0104】
胃十二指腸クローン病によって引き起こされた内臓痛を抑制するために、本発明の方法は、(a)前記内臓痛の一因となっている患者中の臓器として胃及び/又は小腸を同定すること、(b)以下の指示に従って前記臓器を特定のデルマトーム神経に位置づけ、それによって、前記臓器を1つ以上の具体的に指定されたデルマトーム神経に対応させること:胃は、T8、T9及び/又はT10デルマトーム神経に位置づけられる、小腸は、T10、T11及び/又はT12デルマトーム神経に位置づけられる、ならびに(c)クロストリジウム神経毒の治療上有効量を前記の1つ以上の具体的に指定されたデルマトーム神経に近接する部位に投与することを含む場合があり、患者への前記クロストリジウム神経毒の投与後に、クロストリジウム神経毒が、逆行性軸索輸送によって脊髄に輸送され、その場所で感覚求心性神経細胞に結合し、受容体媒介性エンドサイトーシスによって前記細胞に入り、それからの神経伝達物質放出を抑制し、それによって、前記内臓痛を抑制する。
【0105】
空回腸炎によって引き起こされた内臓痛を抑制するために、本発明の方法は、(a)前記内臓痛の一因となっている患者中の臓器として小腸を同定すること、(b)以下の指示に従って前記臓器を特定のデルマトーム神経に位置づけ、それによって、前記臓器を1つ以上の具体的に指定されたデルマトーム神経に対応させること:小腸は、T10、T11及び/又はT12デルマトーム神経に位置づけられる、ならびに(c)クロストリジウム神経毒の治療上有効量を前記の1つ以上の具体的に指定されたデルマトーム神経に近接する部位に投与することを含む場合があり、患者への前記クロストリジウム神経毒の投与後に、クロストリジウム神経毒が、逆行性軸索輸送によって脊髄に輸送され、その場所で感覚求心性神経細胞に結合し、受容体媒介性エンドサイトーシスによって前記細胞に入り、それからの神経伝達物質放出を抑制し、それによって、前記内臓痛を抑制する。
【0106】
クローン(肉芽腫性)結腸炎によって引き起こされた内臓痛を抑制するために、本発明の方法は、(a)前記内臓痛の一因となっている患者中の臓器として結腸を同定すること、(b)以下の指示に従って前記臓器を特定のデルマトーム神経に位置づけ、それによって、前記臓器を1つ以上の具体的に指定されたデルマトーム神経に対応させること:結腸は、T11、S1、S2、S3及び/又はS4デルマトーム神経に位置づけられる、ならびに(c)クロストリジウム神経毒の治療上有効量を前記の1つ以上の具体的に指定されたデルマトーム神経に近接した部位に投与することを含む場合があり、患者への前記クロストリジウム神経毒の投与後に、クロストリジウム神経毒が、逆行性軸索輸送によって脊髄に輸送され、その場所で感覚求心性神経細胞に結合し、受容体媒介性エンドサイトーシスによって前記細胞に入り、それからの神経伝達物質放出を抑制し、それによって、前記内臓痛を抑制する。
【0107】
一実施形態では、内臓痛は、潰瘍性大腸炎によって引き起こされる場合がある。この場合には、クロストリジウム神経毒は、S1、S2、S3及び/又はS4デルマトームに投与され得る。言い換えれば、潰瘍性大腸炎によって引き起こされた内臓痛を抑制するために、本発明の方法は、(a)前記内臓痛の一因となっている患者中の臓器として結腸及び/又は直腸を同定すること、(b)以下の指示に従って前記臓器を特定のデルマトーム神経に位置づけ、それによって、前記臓器を1つ以上の具体的に指定されたデルマトーム神経に対応させること:結腸は、T11、S1、S2、S3及び/又はS4デルマトーム神経に位置づけられる、直腸は、T11、S1、S2、S3及び/又はS4デルマトーム神経に位置づけられる、ならびに(c)クロストリジウム神経毒の治療上有効量を前記の1つ以上の具体的に指定されたデルマトーム神経に近接した部位に投与することを含む場合があり、患者への前記クロストリジウム神経毒の投与後に、クロストリジウム神経毒は、逆行性軸索輸送によって脊髄に輸送され、その場所で感覚求心性神経細胞に結合し、受容体媒介性エンドサイトーシスによって前記細胞に入り、それからの神経伝達物質放出を抑制し、それによって、前記内臓痛を抑制する。
【0108】
一実施形態では、内臓痛は、過敏性腸症候群によって引き起こされる場合がある。この場合には、クロストリジウム神経毒は、S1、S2、S3及び/又はS4デルマトームに投与され得る。言い換えれば、本発明の方法は、(a)前記内臓痛の一因となっている患者中の臓器として大腸を同定すること、(b)以下の指示に従って前記臓器を特定のデルマトーム神経に位置づけ、それによって、前記臓器を1つ以上の具体的に指定されたデルマトーム神経に対応させること:大腸は、T11、S1、S2、S3及び/又はS4デルマトーム神経に位置づけられる、ならびに(c)クロストリジウム神経毒の治療上有効量を前記の1つ以上の具体的に指定されたデルマトーム神経に近接する部位に投与することを含む場合があり、患者への前記クロストリジウム神経毒の投与後に、クロストリジウム神経毒が、逆行性軸索輸送によって脊髄に輸送され、その場所で感覚求心性神経細胞に結合し、受容体媒介性エンドサイトーシスによって前記細胞に入り、それからの神経伝達物質放出を抑制し、それによって、前記内臓痛を抑制する。
【0109】
一実施形態では、内臓痛は、セリアック病によって引き起こされる場合がある。この場合には、クロストリジウム神経毒は、T10、T11及び/又はT12デルマトームに投与され得る。言い換えれば、セリアック病によって引き起こされた内臓痛を抑制するために、本発明の方法は、(a)前記内臓痛の一因となっている患者中の臓器として小腸を同定すること、(b)以下の指示に従って前記臓器を特定のデルマトーム神経に位置づけ、それによって、前記臓器を1つ以上の具体的に指定されたデルマトーム神経に対応させること:小腸は、T10、T11及び/又はT12デルマトーム神経に位置づけられる、ならびに(c)クロストリジウム神経毒の治療上有効量を前記の1つ以上の具体的に指定されたデルマトーム神経に近接する部位に投与することを含む場合があり、患者への前記クロストリジウム神経毒の投与後に、クロストリジウム神経毒が、逆行性軸索輸送によって脊髄に輸送され、その場所で感覚求心性神経細胞に結合し、受容体媒介性エンドサイトーシスによって前記細胞に入り、それからの神経伝達物質放出を抑制し、それによって、前記内臓痛を抑制する。
【0110】
一実施形態では、内臓痛は、胃潰瘍によって引き起こされる場合がある。この場合には、クロストリジウム神経毒は、T8、T9及び/又はT10デルマトームに投与され得る。言い換えれば、胃潰瘍によって引き起こされた内臓痛を抑制するために、本発明の方法は、(a)前記内臓痛の一因となっている患者中の臓器として胃を同定すること、(b)以下の指示に従って前記臓器を特定のデルマトーム神経に位置づけ、それによって、前記臓器を1つ以上の具体的に指定されたデルマトーム神経に対応させること:胃は、T8、T9及び/又はT10デルマトーム神経に位置づけられる、ならびに(c)クロストリジウム神経毒の治療上有効量を前記の1つ以上の具体的に指定されたデルマトーム神経に近接する部位に投与することを含む場合があり、患者への前記クロストリジウム神経毒の投与後に、クロストリジウム神経毒が、逆行性軸索輸送によって脊髄に輸送され、その場所で感覚求心性神経細胞に結合し、受容体媒介性エンドサイトーシスによって前記細胞に入り、それからの神経伝達物質放出を抑制し、それによって、前記内臓痛を抑制する。
【0111】
一実施形態では、内臓痛は、膵炎によって引き起こされる場合がある。この場合には、クロストリジウム神経毒は、T7、T8、T9、T10、T11及び/又はT12デルマトームに投与され得る。言い換えれば、膵炎によって引き起こされた内臓痛を抑制するために、本発明の方法は、(a)前記内臓痛の一因となっている患者中の臓器として膵臓を同定すること、(b)以下の指示に従って前記臓器を特定のデルマトーム神経に位置づけ、それによって、前記臓器を1つ以上の具体的に指定されたデルマトーム神経に対応させること:膵臓は、T7、T8、T9、T10、T11及び/又はT12デルマトーム神経に位置づけられる、ならびに(c)クロストリジウム神経毒の治療上有効量を前記の1つ以上の具体的に指定されたデルマトーム神経に近接する部位に投与することを含む場合があり、患者への前記クロストリジウム神経毒の投与後に、クロストリジウム神経毒が、逆行性軸索輸送によって脊髄に輸送され、その場所で感覚求心性神経細胞に結合し、受容体媒介性エンドサイトーシスによって前記細胞に入り、それからの神経伝達物質放出を抑制し、それによって、前記内臓痛を抑制する。
【0112】
一実施形態では、内臓痛は、腹膜炎(例えば、内臓腹膜の腹膜炎)によって引き起こされる場合がある。
【0113】
腹膜炎は、内部腹壁と腹部臓器(内臓)を覆う膜である腹膜の炎症である。腹膜及びそれが覆う臓器(内臓)は、同一の感覚神経節及び脊髄分節を共有する。したがって、腹膜炎によって引き起こされる内臓痛を抑制するために標的とする適当なデルマトームは、(炎症を起こした)腹膜が覆う臓器に応じて異なる。例えば、(炎症を起こした)腹膜が胃を覆う場合には、本発明の方法は、(a)前記内臓痛の一因となっている患者中の臓器として胃を同定すること(例えば、腹膜の炎症のために)、(b)以下の指示に従って前記臓器を特定のデルマトーム神経に位置づけ、それによって、前記臓器を1つ以上の具体的に指定されたデルマトーム神経に対応させること:胃は、T8、T9及び/又はT10デルマトーム神経に位置づけられる、ならびに(c)クロストリジウム神経毒の治療上有効量を前記の1つ以上の具体的に指定されたデルマトーム神経に近接する部位に投与することを含む場合があり、患者への前記クロストリジウム神経毒の投与後に、クロストリジウム神経毒が、逆行性軸索輸送によって脊髄に輸送され、その場所で感覚求心性神経細胞に結合し、受容体媒介性エンドサイトーシスによって前記細胞に入り、それからの神経伝達物質放出を抑制し、それによって、前記内臓痛を抑制する。
【0114】
好ましい実施形態では、内臓痛は、子宮内膜症によって引き起こされる。例えば、月経困難症、慢性骨盤痛(CPP)、性交疼痛症、便秘、排便障害及び慢性背痛から選択される症状を伴う子宮内膜症。
【0115】
子宮内膜症は、慢性骨盤痛及び不妊症を特徴とする慢性の衰弱性状態である。子宮内膜症には大きな臨床的負担があり、世界中で10人の女性のうちおよそ1人が罹患している。子宮内膜症は、生産性の喪失及び直接の医療費において年間220億ドルを米国経済に負担させる相当な社会的及び経済的負担と関連している。子宮内膜症は、子宮腔の外側の異常な又は異所性位置、例えば、卵巣及び卵管などの異所性位置における子宮内膜腺及び間質の存在として定義され得る。子宮内膜症は、不妊症の女性の20~50%及び慢性骨盤痛を有する女性の71~87%において生じる。
【0116】
子宮内膜症は、通常子宮の内側を覆う組織の層である子宮内膜中のものと同様の細胞が、子宮の外側で増殖する女性生殖器系の疾患である。ほとんどの場合、これは、卵巣、卵管ならびに子宮及び卵巣の周囲の組織であるが、身体の他の部分において生じる場合もある。例えば、異所性「子宮内膜」は、膀胱、骨盤靭帯を含み、横隔膜まで、内臓腔の極めて異なる区域において増殖する可能性があり、関連する疼痛が、月経期間外に感じられる場合がある。子宮内膜症は、従って、子宮内膜症的増殖の部位に応じて種々のデルマトームが目的のものである可能性がある病態である。
【0117】
子宮内膜症の最も一般的な症状は、月経困難症、慢性骨盤痛(CPP)、性交疼痛症、便秘、排便障害及び慢性背痛である。この関連で、クロストリジウム神経毒処置(BoNT/A)は、急性月経困難症(dysmenorrhoea)(月経けいれん)及び子宮起源の骨盤痛症候群と関連する疼痛(例えば、子宮内膜症によって引き起こされる)を軽減するためにこれまでに試験されており、患者の大部分において生活の質のスコアの改善が可能になった。しかし、このような処置は、子宮鏡管理下での子宮筋壁中への直接的なボツリヌス毒素の注射を必要とした。特にこのような治らない疾患シナリオでは長期間にわたって反復投与が必要である場合があるので、これは高度に侵襲性であり、不便である。したがって、本発明は、そうでなければ医薬の侵襲性投与を必要とする内臓痛(例えば、子宮内膜症によって引き起こされた内臓痛の場合におけるように)を軽減するための特に有利な疼痛緩和戦略に相当する。
【0118】
上記のように、子宮内膜症疼痛は、いくつかの異なる臓器に影響を及ぼす場合があり、したがって、子宮内膜症的増殖の部位、したがって、内臓痛の一因となっている臓器に応じて投与経路として種々のデルマトームを有利に利用できる病態に相当する。例えば、患者が子宮内膜症を患っている場合、内臓痛の一因となっている臓器として膀胱が同定される場合があり、したがって、クロストリジウム神経毒を膀胱に位置づけられる特定のデルマトーム神経に投与できる。
【0119】
子宮内膜症によって引き起こされる内臓痛の抑制に向けられた実施形態では、クロストリジウム神経毒が、T11、T12、L1、S2、S3及び/又はS4デルマトームに投与され得る。言い換えれば、子宮内膜症によって引き起こされた内臓痛を抑制するために、本発明の方法は、(a)前記内臓痛の一因となっている患者中の臓器として卵巣、卵管、子宮及び/又は子宮頸部を同定すること、(b)以下の指示に従って前記臓器を特定のデルマトーム神経に位置づけ、それによって、前記臓器を1つ以上の具体的に指定されたデルマトーム神経に対応させること:卵巣は、T11デルマトーム神経に位置づけられる、卵管は、T11デルマトーム神経に位置づけられる、子宮は、T12及び/又はL1デルマトーム神経に位置づけられる、子宮頸部は、S2、S3及び/又はS4デルマトーム神経に位置づけられる、ならびに(c)クロストリジウム神経毒の治療上有効量を前記の1つ以上の具体的に指定されたデルマトーム神経に近接した部位に投与することを含む場合があり、患者への前記クロストリジウム神経毒の投与後に、クロストリジウム神経毒が、逆行性軸索輸送によって脊髄に輸送され、その場所で感覚求心性神経細胞に結合し、受容体媒介性エンドサイトーシスによって前記細胞に入り、それからの神経伝達物質放出を抑制し、それによって、前記内臓痛を抑制する。
【0120】
子宮内膜症では、女性の生殖器系の特定の臓器(例えば、卵巣、卵管、子宮及び/又は子宮頸部のうち1つ以上)が内臓痛の一因となる場合があることは留意すべきである。
【0121】
卵巣における子宮内膜症によって引き起こされた内臓痛を抑制するために、本発明の方法は、(a)前記内臓痛の一因となっている患者中の臓器として卵巣を同定すること、(b)以下の指示に従って前記臓器を特定のデルマトーム神経に位置づけ、それによって、前記臓器を1つ以上の具体的に指定されたデルマトーム神経に対応させること:卵巣は、T11デルマトーム神経に位置づけられる、ならびに(c)クロストリジウム神経毒の治療上有効量を前記の1つ以上の具体的に指定されたデルマトーム神経に近接した部位に投与することを含む場合があり、患者への前記クロストリジウム神経毒の投与後に、クロストリジウム神経毒が、逆行性軸索輸送によって脊髄に輸送され、その場所で感覚求心性神経細胞に結合し、受容体媒介性エンドサイトーシスによって前記細胞に入り、それからの神経伝達物質放出を抑制し、それによって、前記内臓痛を抑制する。
【0122】
卵管における子宮内膜症によって引き起こされた内臓痛を抑制するために、本発明の方法は、(a)前記内臓痛の一因となっている患者中の臓器として卵管を同定すること、(b)以下の指示に従って前記臓器を特定のデルマトーム神経に位置づけ、それによって、前記臓器を1つ以上の具体的に指定されたデルマトーム神経に対応させること:卵管は、T11デルマトーム神経に位置づけられる、ならびに(c)クロストリジウム神経毒の治療上有効量を前記の1つ以上の具体的に指定されたデルマトーム神経に近接した部位に投与することを含む場合があり、患者への前記クロストリジウム神経毒の投与後に、クロストリジウム神経毒が、逆行性軸索輸送によって脊髄に輸送され、その場所で感覚求心性神経細胞に結合し、受容体媒介性エンドサイトーシスによって前記細胞に入り、それからの神経伝達物質放出を抑制し、それによって、前記内臓痛を抑制する。
【0123】
子宮における子宮内膜症によって引き起こされた内臓痛を抑制するために、本発明の方法は、(a)前記内臓痛の一因となっている患者中の臓器として子宮を同定すること、(b)以下の指示に従って前記臓器を特定のデルマトーム神経に位置づけ、それによって、前記臓器を1つ以上の具体的に指定されたデルマトーム神経に対応させること:子宮は、T12及び/又はL1デルマトーム神経に位置づけられる、ならびに(c)クロストリジウム神経毒の治療上有効量を前記の1つ以上の具体的に指定されたデルマトーム神経に近接した部位に投与することを含む場合があり、患者への前記クロストリジウム神経毒の投与後に、クロストリジウム神経毒が、逆行性軸索輸送によって脊髄に輸送され、その場所で感覚求心性神経細胞に結合し、受容体媒介性エンドサイトーシスによって前記細胞に入り、それからの神経伝達物質放出を抑制し、それによって、前記内臓痛を抑制する。
【0124】
子宮頸部における子宮内膜症によって引き起こされた内臓痛を抑制するために、本発明の方法は、(a)前記内臓痛の一因となっている患者中の臓器として子宮頸部を同定すること、(b)以下の指示に従って前記臓器を特定のデルマトーム神経に位置づけ、それによって、前記臓器を1つ以上の具体的に指定されたデルマトーム神経に対応させること:子宮頸部は、S2、S3及び/又はS4デルマトーム神経に位置づけられる、ならびに(c)クロストリジウム神経毒の治療上有効量を前記の1つ以上の具体的に指定されたデルマトーム神経に近接した部位に投与することを含む場合があり、患者への前記クロストリジウム神経毒の投与後に、クロストリジウム神経毒が、逆行性軸索輸送によって脊髄に輸送され、その場所で感覚求心性神経細胞に結合し、受容体媒介性エンドサイトーシスによって前記細胞に入り、それからの神経伝達物質放出を抑制し、それによって、前記内臓痛を抑制する。
【0125】
一実施形態では、内臓痛は、異痛症を含む場合がある、又はそれからなる場合がある。言い換えれば、内臓痛は、異痛症であり得る。
【0126】
異痛症は、「他の疼痛」を意味する。通常有痛性ではない刺激に起因する疼痛である。例として、ひどい日焼けを患っている対象は、軽く触れただけで強い疼痛を経験する場合がある。より詳細には、日光曝露が皮膚を過度に増感させる場合があり、その結果、シャツを着ること又はシャワーを浴びることが極めて有痛性であることもある。したがって、接触性異痛症(別名、静的接触性異痛症又は機械的異痛症とも呼ばれる)の患者は、枕に頭を乗せるとき、帽子、イヤリング、ネックレスをつけるときなど、触ると疼痛を経験する場合がある。同様に、動的異痛症の患者は、髪を軽くブラシをかけることから、又はひげをそることから疼痛を経験する場合がある。異痛症は、通常よりも有痛性である疼痛刺激である痛覚過敏とは異なる状態である。実際、上記のように、異痛症は、痛覚過敏(通常疼痛を誘発する刺激からの疼痛の増大)とは対照的に、「普通は疼痛を誘発しない刺激による疼痛」というまさにその定義による。異痛症はまた、本明細書において「過敏症」と呼ばれることもある。
【0127】
内臓痛に関して、異痛症は、特に、胃腸障害、例えば、食道炎、胃食道逆流疾患、非潰瘍性消化不良、胃不全麻痺及び過敏性腸症候群(IBS)の結果として生じることが多い。内臓異痛症/過敏症はまた、非胃腸障害、例えば、間質性膀胱炎及び尿管疝痛、腹痛(例えば、尿路結石)において生じる場合がある。内臓異痛症/過敏症は、患者における内臓痛の感覚の強度の増大及び閾値の低下と定義され得る。
【0128】
本発明者らは、本発明を使用して、痛覚過敏を抑制することとは異なる方法で異痛症を抑制できることを実証した。これは、付随する実施例においてにおいて実証され、これでは異痛症及び痛覚過敏の種類の内臓痛の両方の軽減におけるクロストリジウム神経毒のデルマトーム注射の効果を試験するために実験が設計された。より詳細には、内臓痛(膀胱における)のげっ歯類モデルでは、内臓痛を、下腹部(膀胱近く)に、5秒の刺激間隔で漸増する力(1、2、4、6、8、10、15及び26g)の8本の較正済みフォンフライフィラメントのセットを適用することによって盲検法で評価した。1~6gの力は、低(例えば、健康なげっ歯類では、通常疼痛を引き起こさないので)と考えられ、したがって、異痛症における疼痛知覚につながる非毒性刺激を模倣する。6g超の力は、痛覚過敏と一致する疼痛を呼び起こすために使用した。
図5に実証されるように、クロストリジウム神経毒(例えば、ディスポート(Dysport))投与は、「異痛症範囲」の力(例えば、1~6g)において侵害受容スコアの著しい低下(疼痛知覚の低減を示す)につながったが、「痛覚過敏範囲」の力(例えば、9~32g)では、疼痛抑制はあまり著しくなかった。
【0129】
異痛症を標的とする利点のうち特に1つとして、(「急性」)侵害受容を抑えながら慢性疼痛を処置する能力がある。これは、急性疼痛を感じる能力が、ある特定の危険に対して個体に警告し、損傷から私たちを保護することに関与する生理学的プロセスであり、鎮痛処置戦略の一部としてでさえ一般的な急性疼痛知覚を(少なくともある特定のレベル)保持することが好ましい場合があるためである。
【0130】
したがって、一実施形態では、異痛症は抑制され、痛覚過敏は抑制されない。一実施形態では、慢性疼痛は急性疼痛よりも大きな程度に抑制される。
【0131】
さらに、本発明者らは、ボツリヌス神経毒などのクロストリジウム神経毒を投与することによって達成可能な長期的効果を利用して、クロストリジウム神経毒の投与が内臓痛を長期間にわたって抑制し得ることを実証した。このような効果は、慢性疼痛を軽減するために特に有利である。内臓痛は、クロストリジウム神経毒の投与後、少なくとも4、8、12、16、20、24、28、32、36、40、44、48、52、56又は60日間抑制され得る。例えば、前記内臓痛は、クロストリジウム神経毒の投与後、少なくとも60、64、68、72、76、80、84又は88日間抑制され得る。
【0132】
内臓痛は、クロストリジウム神経毒の投与後、少なくとも1、2、3、4、5、7、8又は9か月間抑制され得る。例えば、前記内臓痛は、クロストリジウム神経毒の投与後、最大9か月間抑制され得る。
【0133】
前記内臓痛は、クロストリジウム神経毒の投与後、少なくとも10日間低減され得る。好ましくは、内臓痛は、クロストリジウム神経毒の投与後、少なくとも30日間低減され得る。より好ましくは、前記内臓痛は、クロストリジウム神経毒の投与後、少なくとも50日間低減され得る。
【0134】
内臓痛は、クロストリジウム神経毒の投与後、少なくとも1日以内、例えば、クロストリジウム神経毒の投与後、1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11又は12日以内抑制され得る。好ましくは、内臓痛は、クロストリジウム神経毒の投与後、少なくとも7日以内抑制され得る。より好ましくは、内臓痛は、クロストリジウム神経毒の投与後、少なくとも10日以内抑制され得る。
【0135】
上記のある特定の用語を、以下により詳細に論じる。
【0136】
「患者」(「対象」という用語と同意語として使用され得る)は、本明細書で使用される場合、哺乳動物、例えば、ヒト又は他の哺乳動物であり得る。好ましくは、「患者」とは、ヒト対象を意味する。患者は、平均よりも低い(基礎)神経免疫応答を有する患者、例えば、免疫系を抑制する可能性のある代替療法、例えば、化学療法を受けている患者であり得る。
【0137】
「障害」という用語はまた、本明細書で使用される場合、「疾患」を包含する。一実施形態では、障害は疾患である。
【0138】
「抑制する(こと)(suppressing)」という用語は、本明細書において「処置する(こと)(treating)」という用語と同意語として使用され得る。したがって、本発明は、患者において内臓痛を処置するための方法を包含し、前記方法は、内臓痛を患っている患者へのクロストリジウムの治療上有効量の投与を含む。本発明はまた、対応する治療用途、すなわち、患者において内臓痛を処置することにおいて使用するためのクロストリジウム神経毒を包含する。
【0139】
抑制する(suppress)」又は「抑制する(こと)(suppressing)」又は「処置する(treat)」又は「処置する(こと)(treating)」という用語は、本明細書で使用される場合、予防的抑制及び処置(例えば、内臓痛の発生を妨げるため)ならびに矯正的抑制及び処置(すでに内臓痛を患っている対象の抑制及び処置)を包含する。好ましい実施形態では、「抑制する」又は「抑制している」という用語は、本明細書で使用される場合、矯正的処置を意味する。好ましい実施形態では、「処置する」又は「処置すること」という用語は、本明細書で使用される場合、矯正的処置を意味する。「抑制する」又は「抑制すること」又は「処置する」又は「処置すること」という用語は、内臓痛及びその症状の両方を抑制すること及び処置することを包含する。一部の実施形態では、「抑制する」又は「抑制すること」又は「処置する」又は「処置すること」という用語は、内臓痛の症状に言及する。
【0140】
一実施形態では、本発明のクロストリジウム神経毒は、そうではなくクロストリジウム神経毒を欠く同一の投与(例えば、媒体のみの投与)よりも少なくとも10%又は少なくとも20%又は少なくとも30%又は少なくとも40%又は少なくとも50%又は少なくとも60%又は少なくとも70%又は少なくとも80%又は少なくとも90%又は100%よりも多く内臓痛を抑制する。
【0141】
一実施形態では、本発明のクロストリジウム神経毒は、内臓痛を、クロストリジウム神経毒の投与前に患者によって認知された内臓痛と比較して、少なくとも10%又は少なくとも20%又は少なくとも30%又は少なくとも40%又は少なくとも50%又は少なくとも60%又は少なくとも70%又は少なくとも80%又は少なくとも90%又は100%抑制する。
【0142】
疼痛を抑制すること(又は処置すること)は、「疼痛を低減すること」と同意語として使用され得る。言い換えれば、本発明のクロストリジウム神経毒の投与は、対象において内臓痛を低減できる。
【0143】
より詳細には、(内臓痛に関して)「低減された(reduced)」又は「低減する(こと)(reducing)」への言及は、好ましくは、投与前(投与前)に対象によって認知された内臓痛のレベルと比較して、内臓痛のレベルの低下が、本発明のクロストリジウム神経毒を用いる投与後(投与後)に対象によって認知されることを意味する。例えば、認知される内臓痛のレベルは、投与前に対して投与後に少なくとも15%、25%、35%、45%、55%、65%、75%、85%又は95%低減され得る。例えば、認知される内臓痛のレベルは、投与後に少なくとも75%、好ましくは、少なくとも85%、より好ましくは、少なくとも95%低減され得る。
【0144】
疼痛知覚を評価するためのさまざまな手段が、当業者に公知である。例えば、機械的異痛症(静的又は動的のいずれか)の評価は、参照により本明細書に組み込まれる、Pogatzki-Zahn et. al. (Pain Rep. 2017 Mar; 2(2): e588)に記載されるようなヒト疼痛研究において日常的に使用されている。
【0145】
対象において疼痛知覚を評価するための適した(制限されないものではあるが)方法として、数値評価スケール(Numerical Rating Scale)(NRS)スコアが挙げられる、ただし、当業者は、感覚閾値、疼痛知覚閾値、静的機械的異痛症、動的機械的異痛症、時間的加重、圧痛閾値、条件付けされた疼痛調節及び温度閾値などの追加的又は代替的に使用できる他の方法を承知している。
【0146】
疼痛知覚尺度の他の限定されない例として、予定された各時点でのSF-36スコアのベースラインからの変化、研究の間に服用された救急薬(rescue medication)の量及び救急薬の最初の摂取までの時間が挙げられる。これらは、「探索性」エンドポイント又は疼痛知覚評価尺度と考えることができる。
【0147】
したがって、好ましい実施形態では、本発明のクロストリジウム神経毒の投与後、(a)数値評価スケール(NRS)、(b)刺激誘発性NRS、(c)有痛性区域の温度、(d)有痛性区域のサイズ、(e)鎮痛作用の発生までの時間、(f)ピーク鎮痛作用、(g)ピーク鎮痛作用までの時間、(h)鎮痛作用の持続期間及び(i)SF-36生活の質評価のうち1つ以上によって疼痛知覚を評価できる。
【0148】
当業者は、疼痛知覚を評価するためのこのような方法を承知している。便宜上、数的評価スコア及び生活の質についての質問票Short Form-36のさらなる説明を以下に提供する。
【0149】
数値評価スケール(NRS):通常、本発明に従う疼痛知覚は、数値評価スケール(NRS)を使用する。NRSは、対象の疼痛知覚を評価するための11点スケールである。対象は、その疼痛強度に最良に当てはまる0から10の間の数字を与えるように問われる。ゼロは、「疼痛が全くない」を表し、上限の10は、「あり得る最悪の疼痛」を表す。
【0150】
NRSを使用して、自発的な平均的な疼痛、自発的な最悪の疼痛及び自発的な現在の疼痛を含む、疼痛の多数の面を評価できる。自発的な平均的な疼痛は、一定時間、例えば、少なくとも6時間、12時間、24時間又は少なくとも48時間にわたる対象の平均的な疼痛(例えば、認知された疼痛)を最良に説明する数字を選択するように対象に問うことによって評価される。自発的な最悪の疼痛は、指定の期間、例えば、少なくとも過去6時間、12時間、24時間又は過去48時間の間で最悪での対象の疼痛を最良に説明する数字を選択するように対象に問うことによって評価される。自発的な現在の疼痛は、評価の時点で対象にどの程度疼痛があるかを最良に説明する数字を選択するように対象に問うことによって評価される。
【0151】
また、NRSを使用して、さまざまな異なる刺激に応じた対象の疼痛知覚を評価できる。刺激に応じた疼痛知覚を評価するために、対象は、有痛性区域に適用される種々の性質の刺激に付される。対象は、投薬前及び刺激後に現在のNRSスコアがどれほどであるかを問われる。
【0152】
使用される刺激の例として、以下が挙げられる:(i)軽い接触(本明細書において記載されるようなフォンフライフィラメントの適用後に放射状スポーク上の有痛性区域の表面で疼痛を測定することによって評価できる)、(ii)圧力(圧痛閾値)、これは、圧痛計を使用して漸増圧力をかけるにつれ、NRSスコアを与えるように対象に問うことによって評価できる、及び(iii)温度(有痛性区域に適用されるサーモードを使用して温、冷及び熱刺激のNRSスコアを対象に問うことによって評価できる)。
【0153】
好ましくは、本発明のクロストリジウム神経毒の投与は、対象の投与前NRSスコアと比較した場合に、対象の投与後NRSスコアを低減する(例えば、≧7の評点から≦6の評点へ)。
【0154】
生活の質についての質問票Short Form-36(SF-36):SF-36生活の質についての質問票を使用して、対象の疼痛知覚を評価する場合もある。SF-36は、対象の健康の36項目の対象報告調査である。SF-36は、8つの尺度のスコア(活力、身体機能、体の痛み、全体的健康感、身体的役割機能、情緒的役割機能、社会的役割機能及び心の健康)からなる。各スケールは、各質問が等しく重要であるという過程の下に0~100スケールに直接的に変換される。SF-36においてより高いスコアが記録されるほど、身体障害が少ない。
【0155】
疼痛の処置のために臨床試験において一般的に試験される関連パラメータは、当技術分野で公知であり、当業者は容易に選択できるであろう。このようなパラメータの例として、それだけには限らないが、NRS、刺激誘発性NRS、有痛性区域の温度、有痛性区域のサイズ、鎮痛作用の発生までの時間、ピーク鎮痛作用、ピーク鎮痛作用までの時間、鎮痛作用の持続期間及び/又は本明細書で記載されるようなSF-36生活の質が挙げられる。これらのパラメータを評価するための方法も当技術分野で公知であり、当業者によって日常的な方法及び手順を使用して実施できる。
【0156】
好ましくは、本発明のクロストリジウム神経毒の投与は、対象の投与前NRSスコアと比較した場合に、対象の投与後SF-36スコアを増大させる(例えば、≦50のスコアから≧50のスコアに)。
【0157】
クロストリジウム神経毒は、治療上有効量又は予防上有効量で対象に投与され得る。
【0158】
「治療上有効量」とは、内臓痛(又はその症状)を抑制/処置するために対象に単独又は組み合わせて投与された場合に、内臓痛又はその症状のこのような抑制/処置を達成するのに十分である、クロストリジウム神経毒の任意の量である。
【0159】
「予防上有効量」とは、対象に単独又は組み合わせて投与された場合に、内臓痛(又はその症状)の発生又は再発を阻害又は遅延する、クロストリジウム神経毒の任意の量である。一部の実施形態では、予防上有効量は、内臓痛の発生又は再発を完全に防ぐ。発生を「阻害すること」とは、内臓痛発生(又はその症状)の可能性を減少させること、又は発生を完全に防ぐことのいずれかを意味する。
【0160】
クロストリジウム神経毒
【0161】
本発明のクロストリジウム神経毒を、それらを例えば、医薬組成物に製剤化できる方法の詳細と一緒に以下により詳細に説明する。
【0162】
本発明のクロストリジウム神経毒は、対象への投与のために任意の適した方法で、例えば、医薬組成物の一部として製剤化できる。したがって、一態様では、本発明は、本明細書で記載される処置の任意の方法で使用するための医薬組成物を提供し、医薬組成物は、本発明のクロストリジウム神経毒及び薬学的に許容される担体、賦形剤、アジュバント、噴射剤及び/又は塩を含む。
【0163】
一部の実施形態では、本発明のクロストリジウム神経毒は、単鎖形態である場合があり、他の実施形態では、クロストリジウム神経毒は、二本鎖形態である場合があり、例えば、2つの鎖は、ジスルフィド橋によって連結される。好ましくは、クロストリジウム神経毒は、二本鎖形態である。
【0164】
本発明のクロストリジウム神経毒は、好ましくは、例えば、皮内注射による対象への注射のために製剤化できる。注射に適した組成物は、溶液、懸濁液又はエマルジョン又は使用前に適した媒体に溶解もしくは懸濁される乾燥散剤の形態であり得る。
【0165】
本発明のクロストリジウム神経毒の投与のための投与量範囲は、所望の治療効果及び/又は予防効果をもたらすものである。必要とされる投与量範囲は、クロストリジウム神経毒又は組成物の正確な性質、投与経路、製剤の性質、対象の年齢、対象の状態の性質、程度又は重症度、禁忌、あるとすれば、主治医の判断に応じて変わることは認められよう。これらの投与量レベルの変動は、最適化のための標準的な経験的ルーチンを使用して調整できる。
【0166】
一実施形態では、クロストリジウム神経毒の投与量は、一定用量である。一定用量は、50pg~250μg、好ましくは、100pg~100μgの範囲にある場合がある。一実施形態では、一定用量は、少なくとも50pg、100pg、500pg、1ng、50ng、100ng、500ng、1μg又は50μgである場合がある。前記用量は、単一の一定用量である場合がある。
【0167】
医師の便宜上、クロストリジウム神経毒は、単位用量によって投与される場合がある。前記単位用量は、単一部位で投与される場合がある、あるいは、投与部位で単位用量未満が投与される場合がある(例えば、2つ以上の投与部位があり、用量が前記部位の間で(均等に又は不均等に)分割される場合)。一実施形態では、本発明を実施する場合に注射されるデルマトームあたり、単一の単位用量が投与される場合がある。
【0168】
適した単位用量は、5pg~17,000pgのクロストリジウム神経毒であり得る。単位用量範囲の上限は、16,500、15,500、14,500、13,500、12,500、11,500、10,500、9,500、8,500、7,500、6,500、5,500、4,500、3,500、2,500、1,500又は500pgのクロストリジウム神経毒である場合があり、好ましくは、上限は16,000pgである。単位用量範囲の下限は、10、20、30、50、100、200、250、350、450、550、650、750、850、950、1,000、1,500、2,000、2,500、3,000、3,500、4,000、4,500又は5,000pgのクロストリジウム神経毒である場合があり、好ましくは、下限は1,000pgである。好ましくは、単位用量は、750pg~17,000pgのクロストリジウム神経毒である。より好ましくは、クロストリジウム神経毒の単位用量は、1,000pg~16,000pgの(例えば、改変された)BoNT/A、例えば、4,000pg~6,000pgである。
【0169】
処置セッションあたりに投与される総用量は、最大255,000pgのクロストリジウム神経毒であり得る。これは、15倍の単位用量に相当し得る。言い換えれば、所与の処置セッションで投与されるクロストリジウム神経毒の総量は、最大255,000pgであり得る。総用量は、最大240,000、220,000、200,000、180,000、160,000、140,000,110,000、100,000、90,000、80,000、70,000、60,000、50,000、40,000、30,000、20,000、10,000又は5,000pgである場合がある。好ましくは、総用量は、最大240,000pgのクロストリジウム神経毒であり得る。総用量は、少なくとも900、1,000、2,000、3,000、4,000、5,000、7,500、10,000、12,500、15,000、20,000、30,000、40,000、50,000、60,000、70,000、80,000、90,000、100,000、120,000、150,000、175,000、200,000又は220,000pgである場合がある。好ましくは、総用量は、少なくとも1,500pg、より好ましくは、少なくとも2,000pgのクロストリジウム神経毒、例えば、少なくとも12,000pgであり得る。総用量は、2,000~240,000pg、好ましくは、128,000~240,000pgであり得る。より好ましくは、投与される総用量は、15,000~240,000pgである。
【0170】
所与の処置において投与される単位用量の総数は、最大15倍の単位用量であり得る。例えば、投与される単位用量の総数は、最大14倍、13倍、12倍、11倍、10倍、9倍、8倍又は7倍であり得る。投与される単位用量の総数は、単位用量の少なくとも2倍、3倍、4倍、5倍、6倍、7倍、好ましくは、少なくとも2倍であり得る。投与される単位用量の総数は、2倍~15倍、7倍~15倍又は10倍~14倍であり得る。好ましくは、投与される単位用量の数は、15倍である。
【0171】
「最大」という用語は、値に関連して使用される場合(例えば、最大255,000pg)、列挙される値まで、及び列挙される値を含むことを意味する。したがって、例として、「最大255,000pg」のクロストリジウム神経毒を投与することへの言及は、255,000pgの(例えば、改変された)BoNT/Aの投与ならびに255,000pg未満のクロストリジウム神経毒の投与を包含する。
【0172】
本発明のクロストリジウム神経毒は、処置レジメンの一部として反復して(例えば、最大5、10、15又は20回)投与される場合がある(例えば、連続処置の間に少なくとも1日おいて異なる日になど)。反復投与は、少なくとも2回、例えば、少なくとも5、10、15又は20回の投与を意味する。したがって、一実施形態では、本発明のクロストリジウム神経毒は、対象の内臓痛を抑制/処置するために2回以上投与される場合がある。進行中の処置が通常必要である慢性状態、例えば、慢性疼痛の処置にとって、これは、特に妥当である。一実施形態では、本発明のクロストリジウム神経毒は、毎週、月に2回、毎月、2ヶ月毎に、6ヶ月毎に、又は毎年、好ましくは、年に少なくとも2回又は毎年投与される場合がある。一実施形態では、本発明のクロストリジウム神経毒は、10年、5年、2年又は1年の期間で2回以上投与される。好ましくは、本発明のクロストリジウム神経毒は、1年の期間で2回以上投与される。処置は、少なくとも6ヶ月、1年、2年、3年、5年、10年、15年、20年、25年又は30年間継続する場合がある。
【0173】
クロストリジウム神経毒は、軽鎖及び重鎖に加えてさらなる治療薬又は診断薬(例えば、核酸、タンパク質、ペプチド又は小分子治療薬又は診断薬)と一緒に投与されないことが好ましい。例えば、一実施形態では、クロストリジウム神経毒は、さらなる鎮痛剤とともに投与されない。一実施形態では、本発明のクロストリジウム神経毒は、共有結合によって結合された治療薬と一緒に投与されない。一実施形態では、本発明のクロストリジウム神経毒は、非共有結合によって結合された治療薬と一緒に投与されない。
【0174】
流体投与形は、通常、クロストリジウム神経毒及び発熱物質不含滅菌媒体を使用して調製される。クロストリジウム神経毒は、使用される媒体及び濃度に応じて、媒体中に溶解されるか、又は懸濁される場合がある。溶液の調製では、クロストリジウム神経毒を媒体中に溶解することができ、溶液を、必要に応じて塩化ナトリウムの添加によって等張性にし、無菌技術を使用して滅菌フィルターを通して濾過することによって滅菌し、その後、適した滅菌バイアル又はアンプル中に充填し、密閉する。あるいは、溶液安定性が十分である場合には、その密閉された容器中の溶液をオートクレーブ処理によって滅菌してもよい。有利なことに、緩衝剤、可溶化剤、安定化剤、防腐剤又は殺菌剤、懸濁剤又は乳化剤などの添加剤及び/又は局所麻酔剤を、媒体に溶解できる。
【0175】
無菌区域において事前滅菌された成分を無菌技術を使用して滅菌容器中に充填することによって、使用前に適した媒体中に溶解又は懸濁される乾燥散剤を調製できる。あるいは成分を無菌区域において無菌技術を使用して適切な容器に溶解してもよい。次いで、製品を凍結乾燥し、容器を無菌的に密閉する。
【0176】
本明細書に記載される投与経路に適した非経口懸濁液は、滅菌構成成分を、滅菌媒体中に溶解する代わりに懸濁し、滅菌を濾過によって達成することができない点を除いて、実質的に同一の方法で調製する。構成成分は、滅菌状態で単離される場合も、あるいは、単離された後に、例えば、ガンマ照射によって滅菌される場合もある。
【0177】
有利なことに、構成成分の均一な分布を容易にするために、組成物中に懸濁剤、例えば、ポリビニルピロリドンが含まれる。
【0178】
クロストリジウム神経毒は、内臓痛の発生の前に、それと同時に、又はその後に投与され得る。クロストリジウム神経毒は、内臓痛を引き起こす状態/疾患の発生の前に、それと同時に、又はその後に投与され得る。例えば、内臓痛が感染によって引き起こされる場合には、内臓痛を抑制するために感染の検出後にクロストリジウム神経毒を投与してもよい。
【0179】
本開示中の別の場所により詳細に説明されるように、「クロストリジウム神経毒」という用語は、そのクロストリジウム神経毒断片を包含する。
【0180】
クロストリジウム神経毒及び本発明において使用するための適した神経毒に関するさらなる情報をここで以下に提供する。
【0181】
「クロストリジウム神経毒」という用語は、C.ボツリヌム(botulinum)によって(ボツリヌス神経毒血清型A、B、C1、D、E、F、G、H及びX)、C.テタニ(tetani)によって(テタヌス神経毒)、C.ブチリカム(butyricum)によって(ボツリヌス神経毒血清型E)及びC.バラティー(baratii)によって(ボツリヌス神経毒血清型F)産生された毒素ならびに改変クロストリジウム神経毒又は前記のいずれかに由来する誘導体を包含する。
【0182】
ボツリヌス神経毒(BoNT)は、C.ボツリヌム(botulinum)によって、いくつかのアクセサリータンパク質と複合体形成されたBoNT自体からなる大きなタンパク質複合体の形態で産生される。現在8種の異なるクラスのボツリヌス神経毒、すなわち、ボツリヌス神経毒血清型A、B、C1、D、E、F、G及びXがあり、そのすべてが、類似構造及び作用様式を共有している。異なるBoNT血清型は、特異的中和抗血清による不活性化に基づいて区別することができ、このような血清型による分類は、アミノ酸レベルでの配列同一性パーセンテージと相関する。所与の血清型のBoNTタンパク質は、アミノ酸配列同一性パーセンテージに基づいて異なる亜型にさらにわけられる。
【0183】
BoNTは、胃腸管において吸収され、全身循環に入ったのち、コリン作動性神経末端のシナプス前膜と結合し、その神経伝達物質アセチルコリンの放出を妨げる。BoNT/B、BoNT/D、BoNT/F及びBoNT/Gは、シナプトブレビン/小胞関連膜タンパク質(VAMP)を切断し、BoNT/C1、BoNT/A及びBoNT/Eは、25kDaのシナプトソーム関連タンパク質(SNAP-25)を切断し、BoNT/C1は、シンタキシンを切断する。BoNT/Xは、SNAP-25、VAMP1、VAMP2、VAMP3、VAMP4、VAMP5、Ykt6及びシンタキシン1を切断するとわかっている。
【0184】
破傷風菌毒素は、C.テタニ(tetani)によって単一血清型で産生される。C.ブチリカム(butyricum)は、BoNT/Eを産生し、C.バラティー(baratii)は、BoNT/Fを産生する。
【0185】
クロストリジウム神経毒は、BoNT/A、BoNT/B、BoNT/C、BoNT/D、BoNT/E、BoNT/F、BoNT/G、BoNT/X及びTeNT(テタヌス神経毒)から選択され得る。好ましくは、クロストリジウム神経毒は、ボツリヌス神経毒、例えば、BoNT/A、BoNT/B、BoNT/C、BoNT/D、BoNT/E、BoNT/F、BoNT/G及びBoNT/Xから選択されるボツリヌス神経毒である。
【0186】
一実施形態では、クロストリジウム神経毒は、BoNT/Aである場合がある。参照BoNT/A配列は、配列番号51として示されている(追加的に、又は、代替的に、参照BoNT/A配列は、配列番号62として示されるものであり得る)。別の実施形態では、クロストリジウム神経毒は、BoNT/Bである場合がある。参照BoNT/B配列は、配列番号52として示されている。別の実施形態では、クロストリジウム神経毒は、BoNT/Cである場合がある。参照BoNT/C配列は、配列番号53として示されている。別の実施形態では、クロストリジウム神経毒は、BoNT/Dである場合がある。参照BoNT/D配列は、配列番号54として示されている。別の実施形態では、クロストリジウム神経毒は、BoNT/Eである場合がある。参照BoNT/E配列は、配列番号55として示されている。別の実施形態では、クロストリジウム神経毒は、BoNT/Fである場合がある。参照BoNT/F配列は、配列番号56として示されている。別の実施形態では、クロストリジウム神経毒は、BoNT/Gである場合がある。参照BoNT/G配列は、配列番号57として示されている。別の実施形態では、クロストリジウム神経毒は、TeNTである場合がある。参照TeNT配列は、配列番号58として示されている。別の実施形態では、クロストリジウム神経毒は、BoNT/Xである場合がある。参照BoNT/X配列は、配列番号59として示されている。
【0187】
「クロストリジウム神経毒」という用語は、全長神経毒(クロストリジウム神経毒L鎖及びクロストリジウム神経毒H鎖を含む)ならびにその断片の両方を包含するものとする。例えば、「クロストリジウム神経毒」とは、クロストリジウム神経毒L鎖、クロストリジウム神経毒転位置ドメイン(HN)及び/又はクロストリジウム神経毒受容体結合ドメイン(HC)ドメインを含む、又はそれからなるポリペプチドを指す場合がある。「クロストリジウム神経毒」とは、クロストリジウム神経毒L鎖、クロストリジウム神経毒転位置ドメイン(HN)及び/又はクロストリジウム神経毒受容体結合ドメイン(HC)ドメインを含む、又はそれからなるポリペプチドを指す場合があり、ポリペプチドがクロストリジウム神経毒L鎖を含む場合には、L鎖は、触媒的に不活性である。言い換えれば、本発明は、任意選択で、クロストリジウム神経毒L鎖が触媒的に不活性であるという条件で、クロストリジウム神経毒L鎖及びクロストリジウム神経毒H鎖を含む全長クロストリジウム神経毒の使用を包含し得る。
【0188】
有利なことに、クロストリジウム神経毒断片の使用によって、クロストリジウム神経毒の非毒性の(又は実質的に非毒性の)断片の使用が可能になり、断片は、より小さいサイズ(全長H鎖又は全長クロストリジウム神経毒と比較して)を考慮すると、前記断片を投与された対象において有害な免疫応答(断片に対する)を惹起する可能性が低い。さらに、非毒性の(又は実質的に非毒性の)断片は、全長クロストリジウム神経毒よりも製造するためにあまり費用がかからず、及び/又はあまり複雑ではない。さらに、非毒性の(又は実質的に非毒性の)断片は、全長クロストリジウム毒素よりもより十分に定義された治療薬を構成し、ポリペプチドのより短い長さを考慮すると、例えば、ドメイン間のシステインシャッフリングの可能性が低減される。
【0189】
クロストリジウム神経毒の特定のドメインを指す実施形態では、分子は、便宜上「ポリペプチド」と呼ばれる場合がある。すなわち、「クロストリジウム神経毒」という用語は、「ポリペプチド」という用語と置換される場合がある。
【0190】
したがって、本明細書で言及されるクロストリジウム神経毒は、クロストリジウム神経毒軽鎖(L鎖)、クロストリジウム神経毒転位置ドメイン(HNドメイン)及び/又はクロストリジウム神経毒受容体結合ドメイン(HCドメイン)を含む(又はからなる)ポリペプチドである場合がある。本明細書で言及されるクロストリジウム神経毒は、クロストリジウム神経毒軽鎖(L鎖)、クロストリジウム神経毒転位置ドメイン(HNドメイン)及び/又はクロストリジウム神経毒受容体結合ドメイン(HCドメイン)を含む(又はからなる)ポリペプチドである場合があり、ポリペプチドがクロストリジウム神経毒L鎖を含む場合には、L鎖は、触媒的に不活性である。
【0191】
したがって、本発明の態様は、以下のうちいずれかを提供する:
- 内臓痛を抑制する方法において使用するためのポリペプチド;
- 患者の内臓痛を抑制する方法であって、患者にポリペプチドを投与することを含む方法;
- 患者の内臓痛を抑制するための医薬の製造におけるポリペプチドの使用;
ここで、前記ペプチドは、クロストリジウム神経毒軽鎖(L鎖)、クロストリジウム神経毒転位置ドメイン(HNドメイン)及び/又はクロストリジウム神経毒受容体結合ドメイン(HCドメイン)を含み(又はからなり)、任意選択で、ポリペプチドがクロストリジウム神経毒L鎖を含む場合には、L鎖は触媒的に不活性である。
【0192】
一実施形態では、本発明のクロストリジウム神経毒は、配列番号1、3、5、7、9、11、13、15、17、19、21、23、25、27、29、31、33、35、37、39、41、43、45、47、49又は60のいずれか1つに対して少なくとも70%の配列同一性を有するヌクレオチド配列によってコードされ得る。一実施形態では、本発明のクロストリジウム神経毒は、配列番号1、3、5、7、9、11、13、15、17、19、21、23、25、27、29、31、33、35、37、39、41、43、45、47、49又は60のいずれか1つに対して少なくとも80%、90%、95%又は98%の配列同一性を有するヌクレオチド配列によってコードされ得る。好ましくは、本発明のクロストリジウム神経毒は、配列番号1、3、5、7、9、11、13、15、17、19、21、23、25、27、29、31、33、35、37、39、41、43、45、47、49又は60のいずれか1つを含むヌクレオチド配列によってコードされ得る。
【0193】
一実施形態では、本発明のクロストリジウム神経毒は、配列番号2、4、6、8、10、12、14、16、18、20、22、24、26、28、30、32、34、36、38、40、42、44、46、48、50、51、52、53、54、55、56、57、58、59、61、62、63、64又は65のいずれか1つに対して少なくとも70%の配列同一性を有するクロストリジウム神経毒配列を含み得る。一実施形態では、本発明のクロストリジウム神経毒は、配列番号2、4、6、8、10、12、14、16、18、20、22、24、26、28、30、32、34、36、38、40、42、44、46、48、50、51、52、53、54、55、56、57、58、59、61、62、63、64又は65のいずれか1つに対して少なくとも80%、90%、95%又は98%の配列同一性を有するクロストリジウム神経毒配列を含み得る。好ましくは、本発明のクロストリジウム神経毒は、配列番号2、4、6、8、10、12、14、16、18、20、22、24、26、28、30、32、34、36、38、40、42、44、46、48、50、51、52、53、54、55、56、57、58、59、61、62、63、64又は65のいずれか1つのクロストリジウム神経毒配列を含み得る。
【0194】
一実施形態では、本発明のクロストリジウム神経毒は、配列番号51、52、53、54、55、56、57、58又は59(好ましくは、配列番号51、52、53、54、55、56、57又は59)のいずれか1つに対して少なくとも70%の配列同一性を有するクロストリジウム神経毒配列を含み得る。一実施形態では、本発明のクロストリジウム神経毒は、配列番号51、52、53、54、55、56、57、58又は59(好ましくは、配列番号51、52、53、54、55、56、57又は59)のいずれか1つに対して少なくとも80%、90%、95%又は98%の配列同一性を有するクロストリジウム神経毒配列を含み得る。好ましくは、本発明のクロストリジウム神経毒は、配列番号51、52、53、54、55、56、57、58又は59(好ましくは、配列番号51、52、53、54、55、56、57又は59)のいずれか1つのクロストリジウム神経毒配列を含み得る。一実施形態では、本発明のクロストリジウム神経毒は、配列番号51に対して少なくとも70%の配列同一性を有するクロストリジウム神経毒配列を含み得る。一実施形態では、本発明のクロストリジウム神経毒は、配列番号51に対して少なくとも80%、90%、95%又は98%の配列同一性を有するクロストリジウム神経毒配列を含み得る。好ましくは、本発明のクロストリジウム神経毒は、配列番号51のクロストリジウム神経毒配列を含み得る。
【0195】
「クロストリジウム神経毒」という用語はまた、それだけには限らないが、以下に記載されるものを含む、改変クロストリジウム神経毒及びその誘導体を包含するものとする。改変クロストリジウム神経毒又は誘導体は、クロストリジウム神経毒の天然(非改変)形態と比較して改変されている1個以上のアミノ酸を含有する場合がある、又はクロストリジウム神経毒の天然(非改変)形態中に存在しない1個以上の挿入されたアミノ酸を含有する場合がある。例として、改変クロストリジウム神経毒は、天然(非改変)クロストリジウム神経毒配列と比較して、1つ以上のドメイン中に改変されたアミノ酸配列を有する場合がある。このような改変は、毒素の機能性面、例えば、生物活性又は残留性を改変する場合がある。したがって、一実施形態では、本発明のクロストリジウム神経毒は、改変クロストリジウム神経毒又は改変クロストリジウム神経毒誘導体又はクロストリジウム神経毒誘導体である。
【0196】
改変クロストリジウム神経毒は、重鎖のアミノ酸配列中に1つ以上の改変を有する場合があり(例えば、改変HCドメイン)、前記改変重鎖は、天然(非改変)クロストリジウム神経毒よりも高い又は低い親和性で標的神経細胞に結合する。HCドメイン中のこのような改変は、標的神経細胞のガングリオシド受容体及び/又はタンパク質受容体への結合を変更する、HCドメインのガングリオシド結合部位中又はタンパク質(SV2又はシナプトタグミン)結合部位中の残基を改変することを含み得る。このような改変クロストリジウム神経毒の例は、WO2006/027207及びWO2006/114308に記載されており、両方ともその全文で参照により本明細書に組み込まれる。
【0197】
改変クロストリジウム神経毒は、軽鎖のアミノ酸配列中に1つ以上の改変を、例えば、改変されたL鎖のSNAREタンパク質特異性を変更又は改変し得る、基質結合又は触媒ドメイン中の改変を有し得る。このような改変クロストリジウム神経毒の例は、WO2010/120766及びUS2011/0318385に記載されており、両方ともその全文で参照により本明細書に組み込まれる。
【0198】
改変クロストリジウム神経毒は、改変クロストリジウム神経毒の生物活性及び/又は生物学的残留性を増大又は減少させる1つ以上の改変を含み得る。例えば、改変クロストリジウム神経毒は、ロイシン-又はチロシン-ベースのモチーフを含む場合があり、前記モチーフは、改変クロストリジウム神経毒の生物活性及び/又は生物学的残留性を増大又は減少させる。適したロイシン-ベースのモチーフとして、xDxxxLL、xExxxLL、xExxxIL及びxExxxLM(式中、xは、任意のアミノ酸である)が挙げられる-例えば、配列番号66~69。適したチロシン-ベースのモチーフとして、Y-x-x-Hy(式中、Hyは、疎水性アミノ酸である)が挙げられる-例えば、配列番号70。ロイシン-及びチロシン-ベースのモチーフを含む改変クロストリジウム神経毒の例は、参照によりその全文が本明細書に組み込まれるWO2002/08268に記載されている。
【0199】
上記のように、改変クロストリジウム神経毒(又はクロストリジウム神経毒断片)は、前記の1つ以上の改変を欠く同等の非改変クロストリジウム神経毒と比較した場合にクロストリジウム神経毒の等電点を増大する1つ以上の改変を含むものであり得る。適した改変クロストリジウム神経毒は、参照により本明細書に組み込まれるWO2015/004461 A1及びWO2016/110662 A1に記載されている。例示的配列として、本明細書に記載される配列番号61及び42が挙げられる。
【0200】
改変クロストリジウム神経毒は、好ましくは、配列番号61の配列を含む、又はそれからなる場合がある。
【0201】
「クロストリジウム神経毒」という用語は、ハイブリッド及びキメラクロストリジウム神経毒を包含するものとする。ハイブリッドクロストリジウム神経毒は、あるクロストリジウム神経毒又はその亜型に由来する軽鎖の少なくとも一部分及び別のクロストリジウム神経毒又はクロストリジウム神経毒亜型に由来する重鎖の少なくとも一部分を含む。一実施形態では、ハイブリッドクロストリジウム神経毒は、あるクロストリジウム神経毒亜型に由来する軽鎖の全軽鎖及び別のクロストリジウム神経毒亜型に由来する重鎖を含有し得る。別の実施形態では、キメラクロストリジウム神経毒は、あるクロストリジウム神経毒亜型の重鎖の一部分(例えば、結合ドメイン)を含有し、重鎖の別の部分は、別のクロストリジウム神経毒亜型に由来し得る。同様に、又はあるいは、治療要素は、異なるクロストリジウム神経毒に由来する軽鎖部分を含み得る。このようなハイブリッド又はキメラクロストリジウム神経毒は、例えば、このようなクロストリジウム神経毒の治療的有用性を、所与のクロストリジウム神経毒亜型に対して免疫学的に耐性である対象に、所与のクロストリジウム神経毒重鎖結合ドメインに対する平均濃度よりも低い受容体を有し得る対象に、又は膜もしくは小胞毒素基質(例えば、SNAP-25、VAMP及びシンタキシン)のプロテアーゼ耐性バリアントを有し得る対象に送達する手段として有用である。ハイブリッド及びキメラクロストリジウム神経毒は、US8,071,110に記載されており、この刊行物は、参照によりその全文が本明細書に組み込まれる。したがって、一実施形態では、本発明のクロストリジウム神経毒(又はその断片)は、ハイブリッドクロストリジウム神経毒又はキメラクロストリジウム神経毒である。
【0202】
特に好ましい実施形態では、本発明のポリペプチドは、BoNT/A軽鎖及び転位置ドメイン及びBoNT/B受容体結合ドメイン(HCドメイン)又はその一部分(例えば、BoNT/A LHN-BoNT/B HC)を含む(好ましくは、からなる)キメラクロストリジウム神経毒であり得る。適したキメラ及び/又はハイブリッドクロストリジウム神経毒は、参照により本明細書に組み込まれるWO2017/191315 A1において教示されるものであり得る。このような好ましい配列として、配列番号44、63及び64が挙げられる。
【0203】
例えば、キメラクロストリジウム神経毒は、配列番号64の配列(触媒的に不活性のL鎖を含むと言える)を含む(好ましくは、からなる)場合がある。
【0204】
好ましい実施形態では、キメラクロストリジウム神経毒は、配列番号63の配列を含む(好ましくは、からなる)場合がある。
【0205】
BoNT/A LHNドメインが、BoNT/B HCドメインに共有結合によって連結される場合がある。前記キメラBoNT/Aはまた、本明細書において「BoNT/AB」又は「BoNT/ABキメラ」とも呼ばれる。
【0206】
LHNドメインのC末端アミノ酸残基は、BoNT/AのLHN及びHCドメインを分ける310ヘリックスの第1のアミノ酸残基に対応する場合があり、HCドメインのN末端アミノ酸残基は、BoNT/B中のLHN及びHCドメインを分ける310ヘリックスの第2のアミノ酸残基に対応する場合がある。
【0207】
「BoNT/AのLHN及びHCドメインを分ける310ヘリックスの第1のアミノ酸残基」への本明細書における言及は、LHN及びHCドメインを分ける310ヘリックスのN末端残基を意味する。
【0208】
「BoNT/BのLHN及びHCドメインを分ける310ヘリックスの第2のアミノ酸残基」への本明細書における言及は、LHN及びHCドメインを分ける310ヘリックスのN末端残基に続くアミノ酸残基を意味する。
【0209】
「310ヘリックス」は、α-ヘリックス、β-シート及び逆向ターンとともにタンパク質及びポリペプチドに見られる二次構造の1種である。310ヘリックス中のアミノ酸は、右巻きのらせん構造に配置されており、各完全回転は3つの残基と、それらの間の分子内水素結合を分離する10個の原子によって完了する。各アミノ酸は、ヘリックス中の120°の回転(すなわち、ヘリックスは、回転あたり3個の残基を有する)、らせん軸に沿った2.0Å(=0.2nm)の移動に対応し、水素結合を形成することによって形成された環内に10個の原子を有する。最も重要なことに、アミノ酸のN-H基は、3残基前のアミノ酸のC=O基と水素結合を形成し、この繰り返されるi+3→i水素結合が310ヘリックスを規定する。310ヘリックスは、構造生物学における標準的な概念であり、当業者は精通している。
【0210】
この310ヘリックスは、実際のヘリックスを形成する4個の残基及びこれら4個の残基の各末端にある1個である2個のキャップ(又は遷移)残基に対応する。「LHN及びHCドメインを分ける310ヘリックス」という用語は、本明細書で使用される場合、それらの6個の残基からなる。
【0211】
構造分析及び配列アラインメントを実施することによって、LHN及びHCドメインを分ける310ヘリックスを同定した。この310ヘリックスは、そのN末端で(すなわち、LHNドメインのC末端部分で)α-ヘリックスによって、またそのC末端で(すなわち、HCドメインのN末端部分で)β-ストランドによって囲まれている。310ヘリックスの第1の(N末端)残基(キャップ又は遷移残基)はまた、このα-ヘリックスのC末端残基に対応する。
【0212】
LHN及びHCドメインを分ける310ヘリックスは、例えば、ボツリヌス神経毒の公的に入手可能な結晶構造、例えば、それぞれボツリヌス神経毒A1及びB1の3BTA(http://www.rcsb.org/pdb/explore/explore.do?structureId=3BTA)及び1EPW(http://www.rcsb.org/pdb/explore/explore.do?structureId=1EPW)から決定できる。
【0213】
また、公的に入手可能なインシリコモデリング及びアラインメントツールを使用して、他の神経毒においてLHN及びHCドメインを分ける310ヘリックスの位置を決定できる、例えば、相同性モデリングサーバーLOOPP(Learning, Observing and Outputting Protein Patterns, http://loopp.org)、PHYRE(Protein Homology/analogY Recognition Engine, http://www.sbg.bio.ic.ac.uk/phyre2/)及びRosetta(https://www.rosettacommons.org/)、タンパク質重ね合わせサーバーSuperPose(http://wishart.biology.ualberta.ca/superpose/)、アラインメントプログラムClustal Omega(http://www.clustal.org/omega/)及びInternet Resources for Molecular and Cell Biologists(http://molbiol-tools.ca/)で収載されるいくつかの他のツール/サービス。特に、「HN/HCN」接合部の周囲の領域は構造的に高度に保存されており、そのため、異なる血清型を重ねるための理想的な領域となる。
【0214】
例えば、以下の方法論を使用して、他の神経毒においてこの310ヘリックスの配列を決定できる:
1.構造的相同性モデリングツールLOOP(http://loopp.org)を使用して、BoNT/A1結晶構造(3BTA.pdb)に基づいて他のBoNT血清型の予測される構造を得た;
2.このように得られた構造(pdb)ファイルを、HCNドメインのN末端及びその前の約80残基(HNドメインの一部である)のみを含み、それによって、構造的に高度に保存されている「HN/HCN」領域を保持するように編集した;
3.タンパク質重ね合わせサーバーSuperPose(http://wishart.biology.ualberta.ca/superpose/)を使用して、3BTA.pdb構造に各血清型を重ねた;
4.重ねられたpdbファイルを調査して、310ヘリックスをBoNT/A1のHCドメインの開始部分に位置付け、次いで他の血清型中の対応する残基を同定した;
5.他のBoNT血清型配列をClustal Omegaを用いてアラインし、対応する残基が正しいことを調べた。
【0215】
この方法によって決定されたLH
N、H
C及び3
10ヘリックスドメインの例を以下に示す:
【表A-1】
【表A-2】
【0216】
構造分析及び配列アラインメントを使用して、LHN及びHCドメインを分ける310ヘリックス後のβ-ストランドは、すべてのボツリヌス及びテタヌス神経毒において保存された構造であり、LHN及びHCドメインを分ける310ヘリックスの第1の残基から出発した場合に8番目の残基で始まる(例えば、BoNT/A1の残基879で)ことがわかった。
【0217】
BoNT/ABキメラは、BoNT/B由来のHCドメインに共有結合によって連結されたBoNT/A由来のLHNドメインを含む場合があり;
- LHNドメインのC末端アミノ酸残基は、BoNT/AのHCドメインの始まり(N末端)に位置するβ-ストランドのN末端の8番目のアミノ酸残基に対応し;
- HCドメインのN末端アミノ酸残基は、BoNT/BのHCドメインの始まり(N末端)に位置するβ-ストランドのN末端の7番目のアミノ酸残基に対応する。
BoNT/ABキメラは、BoNT/B由来のHCドメインに共有結合によって連結されたBoNT/A由来のLHNドメインを含む場合があり;
・LHNドメインのC末端アミノ酸残基は、BoNT/AのLHNドメインの末端(C末端)に位置するα-ヘリックスのC末端アミノ酸残基に対応し;
・HCドメインのN末端アミノ酸残基は、BoNT/BのLHNドメインの末端(C末端)に位置するα-ヘリックスのC末端アミノ酸残基のすぐC末端のアミノ酸残基に対応する。
【0218】
BoNT/ABキメラの設計プロセスの理論的根拠は、二次構造が損なわれず、それによって三次構造への、及び各ドメインの機能への何らかの変化を最小にすることを確実にしようとすることであった。理論に捉われようとは思わないが、BoNT/ABキメラ中の310ヘリックスの4個の中心のアミノ酸残基を破壊しないことによって、キメラ神経毒の最適なコンホメーションが確保され、それによって、キメラ神経毒がその機能をその完全能力まで発揮することが可能になると仮定される。
【0219】
BoNT/A由来のLHNドメインは、配列番号62のアミノ酸残基1~872、又はそれに対して少なくとも70%の配列同一性を有するポリペプチド配列に対応する場合がある。BoNT/A由来のLHNドメインは、配列番号62のアミノ酸残基1~872、又はそれに対して少なくとも80%、90%もしくは95%の配列同一性を有するポリペプチド配列に対応する場合がある。好ましくは、BoNT/A由来のLHNドメインは、配列番号62のアミノ酸残基1~872に対応する。
【0220】
BoNT/B由来のHCドメインは、配列番号52のアミノ酸残基860~1291、又はそれに対して少なくとも70%の配列同一性を有するポリペプチド配列に対応する場合がある。BoNT/B由来のHCドメインは、配列番号52のアミノ酸残基860~1291、又はそれに対して少なくとも80%、90%もしくは95%の配列同一性を有するポリペプチド配列に対応する場合がある。好ましくは、BoNT/B由来のHCドメインは、配列番号52のアミノ酸残基860~1291に対応する。
【0221】
好ましくは、BoNT/ABキメラは、BoNT/A LHNドメイン及びBoNT/B HCドメインを含む。より好ましくは、LHNドメインは、BoNT/Aのアミノ酸残基1~872(配列番号62)に対応し、HCドメインは、BoNT/Bのアミノ酸残基860~1291(配列番号52)に対応する。
【0222】
好ましくは、BoNT/B HCドメインは、HCCサブドメイン中に少なくとも1つのアミノ酸残基置換、付加又は欠失をさらに含み、天然BoNT/B配列と比較して、ヒトSyt IIに対するBoNT/B神経毒の結合親和性を増大する効果を有する。BoNT/B HCCサブドメイン中の適したアミノ酸残基置換、付加又は欠失は、WO2013/180799に、及びWO2016/154534に開示されている(両方とも参照により本明細書に組み込まれる)。
【0223】
BoNT/B HCCサブドメイン中の適したアミノ酸残基置換、付加又は欠失には、V1118M、Y1183M、E1191M、E1191I、E1191Q、E1191T、S1199Y、S1199F、S1199L、S1201V、E1191C、E1191V、E1191L、E1191Y、S1199W、S1199E、S1199H、W1178Y、W1178Q、W1178A、W1178S、Y1183C、Y1183P及びそれらの組合せからなる群から選択される置換突然変異が含まれる。
【0224】
BoNT/B HCCサブドメイン中の適したアミノ酸残基置換、付加又は欠失には、E1191M及びS1199L、E1191M及びS1199Y、E1191M及びS1199F、E1191Q及びS1199L、E1191Q及びS1199Y、E1191Q及びS1199F、E1191M及びS1199W、E1191M及びW1178Q、E1191C及びS1199W、E1191C及びS1199Y、E1191C及びW1178Q、E1191Q及びS1199W、E1191V及びS1199W、E1191V及びS1199Y又はE1191V及びW1178Qからなる群から選択される2つの置換突然変異の組合せがさらに含まれる。
【0225】
BoNT/B HCCサブドメイン中の適したアミノ酸残基置換、付加又は欠失にはまた、E1191M、S1199W及びW1178Qである3つの置換突然変異の組合せが含まれる。
【0226】
好ましくは、BoNT/B HCCサブドメイン中の適したアミノ酸残基置換、付加又は欠失には、E1191M及びS1199Yである2つの置換突然変異の組合せが含まれる。
【0227】
改変は、配列番号52として示される非改変BoNT/Bと比較した場合の改変である場合があり、アミノ酸残基番号付けは、配列番号52とのアラインメントによって決定される。配列番号52の1位にメチオニン残基が存在することは任意であるので、当業者は、アミノ酸残基番号付けの決定の場合にはメチオニン残基の存在/非存在を考慮するであろう。例えば、配列番号52がメチオニンを含む場合には、位置番号付けは上記で定義されるとおりとなる(例えば、E1191は、配列番号52のE1191となる)。あるいは、メチオニンが配列番号52に存在しない場合には、アミノ酸残基番号付けは、-1だけ改変されなければならない(例えば、E1191は、配列番号52のE1190となる)。本明細書に記載される他のポリペプチド配列の1位にメチオニンが存在する/存在しない場合に同様の考慮が適用され、当業者は、当技術分野で日常的な技術を使用して正確なアミノ酸残基番号付けを容易に決定するであろう。
【0228】
したがって、一態様では、本発明は、対象における神経免疫応答を促進することによる脳障害の処置において使用するためのクロストリジウム神経毒を提供し、クロストリジウム神経毒は、配列番号63又は64に対して少なくとも70%の配列同一性を有するポリペプチド配列を含む(好ましくは、クロストリジウム神経毒は、配列番号63に対して少なくとも70%の配列同一性を有するポリペプチド配列を含む)。
【0229】
関連態様では、対象において内臓痛を抑制する方法が提供され、当該方法は、クロストリジウム神経毒を対象に投与することを含み、クロストリジウム神経毒は、配列番号63又は64に対して少なくとも70%の配列同一性を有するポリペプチド配列を含む(好ましくは、クロストリジウム神経毒は、配列番号63に対して少なくとも70%の配列同一性を有するポリペプチド配列を含む)。
【0230】
関連態様では、対象において内臓痛を抑制する方法が提供され、当該方法は、クロストリジウム神経毒を対象に投与することを含み、クロストリジウム神経毒は、配列番号63又は64に対して少なくとも70%の配列同一性を有するポリペプチド配列を含む(好ましくは、クロストリジウム神経毒は、配列番号63に対して少なくとも70%の配列同一性を有するポリペプチド配列を含む)。
【0231】
一実施形態では、本発明に従って使用するためのクロストリジウム神経毒は、配列番号63又は64に対して少なくとも80%、90%、95%又は98%の配列同一性を有するポリペプチド配列を含む。好ましくは、本発明に従って使用するためのクロストリジウム神経毒は、配列番号63又は64として示されるポリペプチド配列を含む(より好ましくは、からなる)。
【0232】
例えば、本発明に従って使用するためのクロストリジウム神経毒は、配列番号64に対して少なくとも80%、90%、95%又は98%の配列同一性を有するポリペプチド配列を含む場合がある。クロストリジウム神経毒は、配列番号64として示されるポリペプチド配列を含む(より好ましくは、からなる)場合がある。
【0233】
好ましい実施形態では、本発明に従って使用するためのクロストリジウム神経毒は、配列番号64に対して少なくとも80%、90%、95%又は98%の配列同一性を有するポリペプチド配列を含む場合がある。例えば、特に適したクロストリジウム神経毒は、配列番号63として示されるポリペプチド配列を含む(より好ましくは、からなる)場合がある。
【0234】
好ましくは、配列番号63に対して少なくとも70%の配列同一性を有するポリペプチド配列を含むクロストリジウム神経毒は、触媒的に不活性のL鎖、例えば、配列番号64を含む。
【0235】
本発明において使用するためのキメラ及び/又はハイブリッドクロストリジウム神経毒は、BoNT/Aポリペプチドの一部分及びBoNT/Bポリペプチドの一部分を含む場合があり、その例として、配列番号44として本明細書で記載されるポリペプチドが挙げらえる。
【0236】
適したキメラクロストリジウム神経毒は、BoNT/FAを含む場合がある。実際、特に好ましい実施形態では、本発明のクロストリジウム神経毒(例えば、キメラクロストリジウム神経毒)は、BoNT/FA又はその断片を含む場合がある。BoNT/FAの触媒的に不活性の形態は、配列番号26及び34として本明細書で記載されている。BoNT/FAの適した断片は、配列番号28、30及び32として本明細書で記載されている。
【0237】
「クロストリジウム神経毒」という用語はまた、非クロストリジウム属の微生物によって発現される新規に発見されたボツリヌス神経毒タンパク質ファミリーメンバー、例えば、BoNT/Xに最も近い配列同一性を有するエンテロコッカス属(Enterococcus)によってコードされる毒素、W89-W90でVAMP2を切断するBoNT/Woと呼ばれるワイセラ・オリゼ(Weissella oryzae)によってコードされる毒素(NCBI参照配列:WP_027699549.1)、VAMP2及びSNAP25を切断するエンテロコッカス・フェシウム(Enterococcus faecium)によってコードされる毒素(GenBank:OTO22244.1)ならびにクリセオバクテリウム・ピペロ(Chryseobacterium pipero)によってコードされる毒素(NCBI参照場配列:WP_034687872.1)も包含し得る。
【0238】
本発明のクロストリジウム神経毒は、クロストリジウム神経毒の機能性HCドメインを欠き、また任意の機能的に同等の外因性リガンド標的化部分(TM)も欠く場合がある。
【0239】
本発明のクロストリジウム神経毒は、再標的化されたクロストリジウム神経毒である場合がある。代替実施形態では、本発明のクロストリジウム神経毒は、再標的化されたクロストリジウム神経毒ではない。再標的化されたクロストリジウム神経毒では、クロストリジウム神経毒は、標的化部分(TM)として知られる外因性リガンドを含むように改変される。TMは、所望の標的細胞に対する結合特異性を提供するように選択され、再標的化プロセスの一部として、クロストリジウム神経毒(例えば、HCドメイン又はHCCドメイン)の天然結合部分が除去される場合もある。再標的化技術は、例えば、EP-B-0689459、WO1994/021300、EP-B-0939818、US6,461,617、US7,192,596、WO1998/007864、EP-B-0826051、US5,989,545、US6,395,513、US6,962,703、WO1996/033273、EP-B-0996468、US7,052,702、WO1999/017806、EP-B-1107794、US6,632,440、WO2000/010598、WO2001/21213、WO2006/059093、WO2000/62814、WO2000/04926、WO1993/15766、WO2000/61192及びWO1999/58571に記載されており、それらのすべては、その全文で参照により本明細書に組み込まれる。
【0240】
上記で論じたように、(全長)クロストリジウム神経毒は、2つのポリペプチド鎖、およそ100kDaの分子量を有する重鎖(H鎖)、及びおよそ50kDaの分子量を有する軽鎖(L鎖)から形成される。H鎖はC末端標的化構成成分(受容体結合ドメイン又はHCドメイン)及びN末端転位置構成成分(HNドメイン)を含む。
【0241】
一実施形態では、本発明のクロストリジウム神経毒は、BoNT/Aの断片又はBoNT/Fの断片を含む。別の実施形態では、本発明のクロストリジウム神経毒は、BoNT/A又はBoNT/Fの触媒的に不活性のL鎖を含む。例えば、本発明のクロストリジウム神経毒は、BoNT/Aの触媒的に不活性のL鎖を含む場合がある。
【0242】
本明細書に記載されるクロストリジウム神経毒が精製のためのタグ(例えば、His-タグ)及び/又はリンカーを有する実施形態では、前記タグ及び/又はリンカーは任意選択である。
【0243】
適した全長クロストリジウム神経毒は、本明細書に記載されている。
【0244】
一実施形態では、本発明のクロストリジウム神経毒は、配列番号2、10、12、14、16、18、26、34、51、52、53、54、55、56、57、58、59、61、62、63、64又は65のいずれか1つに対して少なくとも70%の配列同一性を有するポリペプチド配列を含む場合があり、好ましくは、ただし、前記クロストリジウム神経毒のクロストリジウム神経毒L鎖が触媒的に不活性である。一実施形態では、本発明のクロストリジウム神経毒は、配列番号2、10、12、14、16、18、26、34、51、52、53、54、55、56、57、58、59、61、62、63、64又は65のいずれか1つに対して少なくとも80%、90%、95%又は98%の配列同一性を有するポリペプチド配列を含む場合があり、好ましくは、ただし、前記クロストリジウム神経毒のクロストリジウム神経毒L鎖が触媒的に不活性である。好ましくは、本発明のクロストリジウム神経毒は、配列番号2、10、12、14、16、18、26、34、51、52、53、54、55、56、57、58、59、61、62、63、64又は65のいずれか1つを含むポリペプチド配列を含む場合があり、好ましくは、ただし、前記クロストリジウム神経毒のクロストリジウム神経毒L鎖が触媒的に不活性である。
【0245】
一実施形態では、本発明のクロストリジウム神経毒は、配列番号1、9、11、13、15、17、25、33又は60のいずれか1つに対して少なくとも70%の配列同一性を有するヌクレオチド配列によってコードされるものである場合があり、好ましくは、ただし、前記クロストリジウム神経毒のクロストリジウム神経毒L鎖が触媒的に不活性である。一実施形態では、本発明のクロストリジウム神経毒は、配列番号1、9、11、13、15、17、25、33又は60のいずれか1つに対して少なくとも80%、90%、95%又は98%の配列同一性を有するヌクレオチド配列によってコードされるものであり、好ましくは、ただし、前記クロストリジウム神経毒のクロストリジウム神経毒L鎖が触媒的に不活性である。好ましくは、本発明のクロストリジウム神経毒は、配列番号1、9、11、13、15、17、25、33又は60のいずれか1つを含むヌクレオチド配列によってコードされるものであり、好ましくは、ただし、前記クロストリジウム神経毒のクロストリジウム神経毒L鎖が触媒的に不活性である。
【0246】
一実施形態では、本発明のクロストリジウム神経毒は、配列番号2、10、12、14、16、18、26、34、64又は65のいずれか1つに対して少なくとも70%の配列同一性を有するポリペプチド配列を含む場合があり、好ましくは、ただし、前記クロストリジウム神経毒のクロストリジウム神経毒L鎖が触媒的に不活性である。一実施形態では、本発明のクロストリジウム神経毒は、配列番号2、10、12、14、16、18、26、34、64又は65のいずれか1つに対して少なくとも80%、90%、95%又は98%の配列同一性を有するポリペプチド配列を含み、好ましくは、ただし、前記クロストリジウム神経毒のクロストリジウム神経毒L鎖が触媒的に不活性である。好ましくは、本発明のクロストリジウム神経毒は、配列番号2、10、12、14、16、18、26、34、64又は65のいずれか1つを含み、好ましくは、ただし、前記クロストリジウム神経毒のクロストリジウム神経毒L鎖が触媒的に不活性である。
【0247】
一実施形態では、本発明のクロストリジウム神経毒は、BoNT/A、BoNT/B、BoNT/C、BoNT/D、BoNT/E、BoNT/F、BoNT/G、BoNT/X及びTeNTから選択される全長クロストリジウム神経毒である。
【0248】
一実施形態では、本発明のクロストリジウム神経毒は、BoNT/B、BoNT/C、BoNT/D、BoNT/E、BoNT/F、BoNT/G、BoNT/X及びTeNTから選択される全長クロストリジウム神経毒である。
【0249】
一実施形態では、本発明のクロストリジウム神経毒は、配列番号51~59、61又は63のいずれか1つに対して少なくとも70%の配列同一性を有するポリペプチド配列を含む場合がある。一実施形態では、本発明のクロストリジウム神経毒は、配列番号51~59、61又は63のいずれか1つに対して少なくとも80%、90%、95%又は98%の配列同一性を有するポリペプチド配列を含む場合がある。一実施形態では、本発明のクロストリジウム神経毒は、配列番号51~59、61又は63のいずれか1つに対して少なくとも99%又は99.9%の配列同一性を有するポリペプチド配列を含む場合がある。好ましくは、本発明のクロストリジウム神経毒は、配列番号51~59、61又は63のいずれか1つを含むポリペプチド配列を含む(より好ましくは、からなる)場合がある。
【0250】
一実施形態では、本発明のクロストリジウム神経毒は、配列番号52~59、61又は63のいずれか1つに対して少なくとも70%の配列同一性を有するポリペプチド配列を含む場合がある。一実施形態では、本発明のクロストリジウム神経毒は、配列番号52~59、61又は63のいずれか1つに対して少なくとも80%、90%、95%又は98%の配列同一性を有するポリペプチド配列を含む場合がある。一実施形態では、本発明のクロストリジウム神経毒は、配列番号52~59、61又は63のいずれか1つに対して少なくとも99%又は99.9%の配列同一性を有するポリペプチド配列を含む場合がある。好ましくは、本発明のクロストリジウム神経毒は、配列番号52~59、61又は63のいずれか1つを含むポリペプチド配列を含む(より好ましくは、からなる)場合がある。
【0251】
一実施形態では、本発明のクロストリジウム神経毒は、全長の触媒的に活性なクロストリジウム神経毒ではない、例えば、全長の触媒的に活性なBoNT/Aではない。
【0252】
本発明のクロストリジウム神経毒は、クロストリジウム神経毒の断片、例えば、本明細書で記載される任意の全長クロストリジウム神経毒の断片を含む(又はからなる)場合がある。
【0253】
一実施形態では、本発明のクロストリジウム神経毒は、配列番号2、10、12、14、16、18、26、34、51、52、53、54、55、56、57、58、59、61、62、63、64又は65のいずれか1つに対して少なくとも70%の配列同一性を有するポリペプチド配列の断片を含む場合がある。一実施形態では、本発明のクロストリジウム神経毒は、配列番号2、10、12、14、16、18、26、34、51、52、53、54、55、56、57、58、59、61、62、63、64又は65のいずれか1つに対して少なくとも80%、90%、95%又は98%の配列同一性を有するポリペプチド配列の断片を含む場合がある。好ましくは、本発明のクロストリジウム神経毒は、配列番号2、10、12、14、16、18、26、34、51、52、53、54、55、56、57、58、59、61、62、63、64又は65のいずれか1つを含むポリペプチド配列の断片を含む場合がある。
【0254】
一実施形態では、本発明のクロストリジウム神経毒は、クロストリジウム神経毒L鎖又はその断片を含む(又はからなる)。クロストリジウム神経毒L鎖の断片は、クロストリジウム神経毒L鎖の≦400、≦350、≦300、≦250、≦200、≦150、≦100又は≦50のアミノ酸残基を有する場合がある。一実施形態では、クロストリジウム神経毒L鎖の断片は、クロストリジウム神経毒L鎖の少なくとも20、30、40、50、60、70、80、90、100、120、150又は200個のアミノ酸残基を有する。例えば、クロストリジウム神経毒L鎖の断片は、クロストリジウム神経毒L鎖の20~400、50~300又は100~200個のアミノ酸残基を有する場合がある。
【0255】
L鎖参照配列の例として、以下が挙げられる:
ボツリヌスA型神経毒:アミノ酸残基1~448
ボツリヌスB型神経毒:アミノ酸残基1~440
ボツリヌスC1型神経毒:アミノ酸残基1~441
ボツリヌスD型神経毒:アミノ酸残基1~445
ボツリヌスE型神経毒:アミノ酸残基1~422
ボツリヌスF型神経毒:アミノ酸残基1~439
ボツリヌスG型神経毒:アミノ酸残基1~441
テタヌス神経毒:アミノ酸残基1~457
【0256】
最近同定されたBoNT/Xについては、L鎖は、そのアミノ酸1~439に対応し、L鎖境界は、およそ25個のアミノ酸だけ変わる可能性がある(例えば、1~414又は1~464)と報告されている。
【0257】
亜血清型に従ってわずかな変動が生じ得るので、上記で同定された参照配列はガイドと考えられなければならない。例として、US2007/0166332(参照によりその全文で本明細書に組み込まれる)では、わずかに異なるクロストリジウム配列を引用している:
ボツリヌスA型神経毒:アミノ酸残基M1~K448
ボツリヌスB型神経毒:アミノ酸残基M1~K441
ボツリヌスC1型神経毒:アミノ酸残基M1~K449
ボツリヌスD型神経毒:アミノ酸残基M1~R445
ボツリヌスE型神経毒:アミノ酸残基M1~R422
ボツリヌスF型神経毒:アミノ酸残基M1~K439
ボツリヌスG型神経毒:アミノ酸残基M1~K446
テタヌス神経毒:アミノ酸残基M1~A457
【0258】
適したクロストリジウム神経毒L鎖は、本明細書で記載されている。
【0259】
クロストリジウム神経毒L鎖は、配列番号6、24、32又は40のいずれか1つ又はその断片に対して少なくとも70%の配列同一性を有するポリペプチド配列を含む場合がある。一実施形態では、クロストリジウム神経毒L鎖は、配列番号6、24、32又は40のいずれか1つ又はその断片に対して少なくとも80%、90%、95%又は98%の配列同一性を有するポリペプチド配列を含む。好ましくは、クロストリジウム神経毒L鎖は、配列番号6、24、32又は40のいずれか1つ又はその断片を含むポリペプチド配列を含む(より好ましくは、からなる)。
【0260】
クロストリジウム神経毒L鎖は、配列番号5、23、31又は39のいずれか1つ又はその断片に対して少なくとも70%の配列同一性を有するヌクレオチド配列によってコードされるものである場合がある。一実施形態では、クロストリジウム神経毒L鎖は、配列番号5、23、31又は39のいずれか1つ又はその断片に対して少なくとも80%、90%、95%又は98%の配列同一性を有するヌクレオチド配列によってコードされるものである。好ましくは、クロストリジウム神経毒L鎖は、配列番号5、23、31又は39のいずれか1つ又はその断片を含むヌクレオチド配列によってコードされるものである。
【0261】
一実施形態では、本発明のクロストリジウム神経毒は、クロストリジウム神経毒H鎖の断片を含む(又はからなる)。クロストリジウム神経毒H鎖の断片は、クロストリジウム神経毒H鎖の≦800、≦700、≦600、≦500、≦400、≦350、≦300、≦250、≦200、≦150、≦100又は≦50個のアミノ酸残基を有する場合がある。一実施形態では、クロストリジウム神経毒H鎖の断片は、クロストリジウム神経毒H鎖の少なくとも20、30、40、50、60、70、80、90、100、120、150又は200個のアミノ酸残基を有する。例えば、クロストリジウム神経毒H鎖の断片は、クロストリジウム神経毒H鎖の20~800、30~600、40~400、50~300又は100~200個のアミノ酸残基を有する場合がある。
【0262】
クロストリジウム神経毒H鎖は、2つの構造性/機能性ドメイン:転位置ドメイン(HN)及び受容体結合ドメイン(HC)を含む。
【0263】
一実施形態では、本発明のクロストリジウム神経毒は、クロストリジウム神経毒転位置ドメイン又はその断片を含む(又はからなる)。クロストリジウム神経毒転位置ドメインの断片は、クロストリジウム神経毒転位置ドメインの≦400、≦350、≦300、≦250、≦200、≦150、≦100又は≦50個のアミノ酸残基を有する場合がある。一実施形態では、クロストリジウム神経毒転位置ドメインの断片は、クロストリジウム神経毒転位置ドメインの少なくとも20、30、40、50、60、70、80、90、100、120、150又は200個のアミノ酸残基を有する。例えば、クロストリジウム神経毒転位置ドメインの断片は、クロストリジウム神経毒転位置ドメインの20~400、50~300又は100~200個のアミノ酸残基を有する場合がある。
【0264】
転位置ドメインは、H鎖のアミノ末端の半分とほぼ同等のクロストリジウム神経毒のH鎖の断片、又は無処置のH鎖中のその断片に対応するドメインである。一実施形態では、H鎖のHC機能は、HCアミノ酸配列の欠失(ヌクレアーゼ又はプロテアーゼ処置によって、DNA合成レベルで、又は合成後レベルで)によって除去されている場合がある。あるいは、HC機能は、化学的又は生物学的処置によって不活化されている場合がある。したがって、一部の実施形態では、H鎖は、天然クロストリジウム神経毒(すなわち、ホロ毒素)が結合する標的細胞上の結合部位に結合できない場合がある。
【0265】
適した(参照)転位置ドメインの例として以下が挙げられる:
ボツリヌスA型神経毒-アミノ酸残基(449~871)
ボツリヌスB型神経毒-アミノ酸残基(441~858)
ボツリヌスC型神経毒-アミノ酸残基(442~866)
ボツリヌスD型神経毒-アミノ酸残基(446~862)
ボツリヌスE型神経毒-アミノ酸残基(423~845)
ボツリヌスF型神経毒-アミノ酸残基(440~864)
ボツリヌスG型神経毒-アミノ酸残基(442~863)
テタヌス神経毒-アミノ酸残基(458~879)。
【0266】
亜血清型に従ってわずかな変動が生じ得るので、上記で同定された参照配列は、ガイドと考えられなければならない。例として、US2007/0166332(参照により本明細書に組み込まれる)は、わずかに異なるクロストリジウム配列を引用している:
ボツリヌスA型神経毒-アミノ酸残基(A449~K871)
ボツリヌスB型神経毒-アミノ酸残基(A442~S858)
ボツリヌスC型神経毒-アミノ酸残基(T450~N866)
ボツリヌスD型神経毒-アミノ酸残基(D446~N862)
ボツリヌスE型神経毒-アミノ酸残基(K423~K845)
ボツリヌスF型神経毒-アミノ酸残基(A440~K864)
ボツリヌスG型神経毒-アミノ酸残基(S447~S863)
テタヌス神経毒-アミノ酸残基(S458~V879)
【0267】
本発明に関連して、本発明の態様において、転位置ドメインを含む種々のクロストリジウム神経毒HN領域は有用であり得る。一実施形態では、これらの活性断片は、細胞内小胞から標的細胞の細胞質への非細胞傷害性プロテアーゼ(例えば、クロストリジウムのL鎖)の放出を促進し、ひいては、クロストリジウム神経毒が基質をタンパク質分解性に切断する全体的な細胞機序の実行に参加できる。クロストリジウム神経毒の重鎖に由来するHN領域は、およそ410~430個のアミノ酸長であり、転位置ドメインを含む。研究によって、クロストリジウム神経毒重鎖由来のHN領域の全長が、転位置ドメインの転位置活性にとって必要であるわけではないことが示されている。したがって、この実施形態の態様は、例えば、少なくとも350個のアミノ酸、少なくとも375個のアミノ酸、少なくとも400個のアミノ酸及び少なくとも425個のアミノ酸の長さを有する転位置ドメインを含むクロストリジウム神経毒HN領域を含む場合がある。この実施形態の他の態様は、例えば、多くとも350個のアミノ酸、多くとも375個のアミノ酸、多くとも400個のアミノ酸及び多くとも425個のアミノ酸の長さを有する転位置ドメインを含むクロストリジウム神経毒HN領域を含む場合がある。
【0268】
クロストリジウム・ボツリヌム(Clostridium・botulinum)及びC.テタニ(tetani)における毒素生成の遺伝学的基礎に関するさらなる詳細については、Henderson et al (1997) in The Clostridia: Molecular Biology and Pathogenesis, Academic pressを参照されたい。
【0269】
HNという用語は、天然に生じる神経毒HN部分ならびに天然では生じないアミノ酸配列及び/又は合成アミノ酸残基を有する改変されたHN部分を包含する。一実施形態では前記改変されたHN部分は、上記の転位置機能を依然として実証する。
【0270】
好ましい実施形態では、本発明のクロストリジウム神経毒は、クロストリジウム神経毒受容体結合ドメイン(HC)又はその断片を含む(又はからなる)。クロストリジウム神経毒受容体結合ドメイン(HC)の断片は、クロストリジウム神経毒受容体結合ドメイン(HC)の≦350、≦300、≦250、≦200、≦150、≦100又は≦50個のアミノ酸残基を有する場合がある。一実施形態では、クロストリジウム神経毒受容体結合ドメイン(HC)の断片は、クロストリジウム神経毒受容体結合ドメイン(HC)の少なくとも20、30、40、50、60、70、80、90、100、120、150又は200個のアミノ酸残基を有する。例えば、クロストリジウム神経毒受容体結合ドメイン(HC)の断片は、クロストリジウム神経毒受容体結合ドメイン(HC)の20~350、50~300又は100~200個のアミノ酸残基を有する場合がある。
【0271】
クロストリジウム神経毒受容体結合ドメイン(HC)参照配列の例として、以下が挙げられる:
BoNT/A - N872~L1296
BoNT/B - E859~E1291
BoNT/C1 - N867~E1291
BoNT/D - S863~E1276
BoNT/E - R846~K1252
BoNT/F - K865~E1274
BoNT/G - N864~E1297
TeNT - I880~D1315。
【0272】
最近同定されたBoNT/Xについては、HCドメインは、そのアミノ酸893~1306に対応し、ドメイン境界は、およそ25個のアミノ酸だけ変わる可能性がある(例えば、868~1306又は918~1306)と報告されている。
【0273】
クロストリジウム神経毒H鎖は、転位置促進ドメインをさらに含む場合がある。前記ドメインは、L鎖の標的細胞のサイトゾルへの送達を促進し、例えば、各々、参照により本明細書に組み込まれるWO08/008803及びWO08/008805に記載されている。
【0274】
例として、転位置促進ドメインは、クロストリジウム神経毒HCNドメイン又はその断片又はバリアントを含む場合がある。より詳細には、クロストリジウム毒素HCN転位置促進ドメインは、少なくとも200個のアミノ酸、少なくとも225個のアミノ酸、少なくとも250個のアミノ酸、少なくとも275個のアミノ酸の長さを有する場合がある。この関連で、クロストリジウム毒素HCN転位置促進ドメインは、好ましくは、多くとも200個のアミノ酸、多くとも225個のアミノ酸、多くとも250個のアミノ酸又は多くとも275個のアミノ酸の長さを有する。具体的な(参照)例として、以下が挙げられる:
ボツリヌスA型神経毒 - アミノ酸残基(872~1110)
ボツリヌスB型神経毒 - アミノ酸残基(859~1097)
ボツリヌスC型神経毒 - アミノ酸残基(867~1111)
ボツリヌスD型神経毒 - アミノ酸残基(863~1098)
ボツリヌスE型神経毒 - アミノ酸残基(846~1085)
ボツリヌスF型神経毒 - アミノ酸残基(865~1105)
ボツリヌスG型神経毒 - アミノ酸残基(864~1105)
テタヌス神経毒 - アミノ酸残基(880~1127)
【0275】
上記の配列位置は、血清型/亜型に従ってわずかに変わる可能性があり、適した(参照)クロストリジウム神経毒HCNドメインのさらなる例として、以下が挙げられる:
ボツリヌスA型神経毒 - アミノ酸残基(874~1110)
ボツリヌスB型神経毒 - アミノ酸残基(861~1097)
ボツリヌスC型神経毒 - アミノ酸残基(869~1111)
ボツリヌスD型神経毒 - アミノ酸残基(865~1098)
ボツリヌスE型神経毒 - アミノ酸残基(848~1085)
ボツリヌスF型神経毒 - アミノ酸残基(867~1105)
ボツリヌスG型神経毒 - アミノ酸残基(866~1105)
テタヌス神経毒 - アミノ酸残基(882~1127)。
【0276】
適したクロストリジウム神経毒HCドメインは、本明細書で記載されている。
【0277】
クロストリジウム神経毒HCドメインは、配列番号8、22、30、38、42、44、46、48又は50のいずれか1つ又はその断片に対して少なくとも70%の配列同一性を有するポリペプチド配列を含む場合がある。一実施形態では、クロストリジウム神経毒HCドメインは、配列番号8、22、30、38、42、44、46、48又は50のいずれか1つ又はその断片に対して少なくとも80%、90%、95%又は98%の配列同一性を有するポリペプチド配列を含む。好ましくは、クロストリジウム神経毒HCドメインは、配列番号8、22、30、38、42、44、46、48又は50のいずれか1つ又はその断片を含むポリペプチド配列を含む(より好ましくは、からなる)。
【0278】
クロストリジウム神経毒HCドメインは、配列番号7、21、29、37、41、43、45、47又は49のいずれか1つ又はその断片に対して少なくとも70%の配列同一性を有するヌクレオチド配列によってコードされるものである場合がある。一実施形態では、クロストリジウム神経毒HCドメインは、配列番号7、21、29、37、41、43、45、47又は49のいずれか1つ又はその断片に対して少なくとも80%、90%、95%又は98%の配列同一性を有するヌクレオチド配列によってコードされるものである。好ましくは、クロストリジウム神経毒HCドメインは、配列番号7、21、29、37、41、43、45、47又は49のいずれか1つ又はその断片を含むヌクレオチド配列によってコードされるものである。
【0279】
一実施形態では、本発明において使用するためのクロストリジウム神経毒HCドメインは、バリアントBoNT/A HCドメインである。前記バリアントBoNT/A HCドメインは、Y1117、F1252、H1253及びL1278から選択される1個以上のアミノ酸残基の改変を含む場合がある。例えば、バリアントBoNT/A HCドメインは、以下の改変Y1117V、F1252Y、H1253K及びL1278F又はL1278Hのうち1つ以上(好ましくは、2つ以上)を含む場合がある。
【0280】
一実施形態では、バリアントBoNT/A HCドメインは、以下の改変:Y1117V及びH1253K;又はY1117V、F1252Y、H1253K及びL1278F;又はY1117V、F1252Y、H1253K及びL1278Hを含む。
【0281】
好ましくは、バリアントBoNT/A HCドメインは、以下の改変:Y1117V及びH1253K;又はY1117V、F1252Y、H1253K及びL1278Hを含む。
【0282】
改変は、配列番号62として示される非改変BoNT/Aと比較した場合の改変である場合があり、アミノ酸残基番号付けは、配列番号62とのアラインメントによって決定される。配列番号62の1位にメチオニン残基が存在することは任意であるので、当業者は、アミノ酸残基番号付けの決定の場合にはメチオニン残基の存在/非存在を考慮するであろう。例えば、配列番号62がメチオニンを含む場合には、位置番号付けは上記で定義されるとおりとなる(例えば、Y1117は、配列番号62のY1117となる)。あるいは、メチオニンが配列番号62に存在しない場合には、アミノ酸残基番号付けは、-1だけ改変されなければならない(例えば、Y1117は、配列番号52のY1116に対してアラインされる)。本明細書に記載される他のポリペプチド配列の1位にメチオニンが存在する/存在しない場合に同様の考慮が適用され、当業者は、当技術分野で日常的な技術を使用して正確なアミノ酸残基番号付けを容易に決定するであろう。
【0283】
バリアントBoNT/A HCドメインは、配列番号46、48又は50のいずれか1つ又はその断片に対して少なくとも70%の配列同一性を有するポリペプチド配列を含む場合があるが、ただし、バリアントBoNT/A HCドメインは、上記のような改変を含む。一実施形態では、バリアントBoNT/A HCドメインは、配列番号46、48又は50のいずれか1つ又はその断片に対して少なくとも80%、90%、95%又は98%の配列同一性を有するポリペプチド配列を含むが、ただし、バリアントBoNT/A HCドメインは、上記のような改変を含む。一実施形態では、バリアントBoNT/A HCドメインは、配列番号46、48又は50のいずれか1つ又はその断片に対して少なくとも99%又は99.9%の配列同一性を有するポリペプチド配列を含むが、ただし、バリアントBoNT/A HCドメインは、上記のような改変を含む。好ましくは、バリアントBoNT/A HCドメインは、配列番号46、48又は50のいずれか1つ又はその断片を含むポリペプチド配列を含む(より好ましくは、からなる)。
【0284】
バリアントBoNT/A HCドメインは、配列番号46又は50のいずれか1つ又はその断片に対して少なくとも70%の配列同一性を有するポリペプチド配列を含む場合があるが、ただし、バリアントBoNT/A HCドメインは、上記のような改変を含む。一実施形態では、バリアントBoNT/A HCドメインは、配列番号46又は50のいずれか1つ又はその断片に対して少なくとも80%、90%、95%又は98%の配列同一性を有するポリペプチド配列を含むが、ただし、バリアントBoNT/A HCドメインは、上記のような改変を含む。一実施形態では、バリアントBoNT/A HCドメインは、配列番号46又は50のいずれか1つ又はその断片に対して少なくとも99%又は99.9%の配列同一性を有するポリペプチド配列を含むが、ただし、バリアントBoNT/A HCドメインは、上記のような改変を含む。好ましくは、バリアントBoNT/A HCドメインは、配列番号46又は50のいずれか1つ又はその断片を含むポリペプチド配列を含む(より好ましくは、からなる)。
【0285】
バリアントBoNT/A HCドメインは、配列番号45、47又は49のいずれか1つ又はその断片に対して少なくとも70%の配列同一性を有するヌクレオチド配列によってコードされるものである場合があるが、ただし、バリアントBoNT/A HCドメインは、上記のような改変を含む。一実施形態では、バリアントBoNT/A HCドメインは、配列番号45、47又は49のいずれか1つ又はその断片に対して少なくとも80%、90%、95%又は98%の配列同一性を有するヌクレオチド配列によってコードされるものである場合があるが、ただし、バリアントBoNT/A HCドメインは、上記のような改変を含む。一実施形態では、バリアントBoNT/A HCドメインは、配列番号45、47又は49のいずれか1つ又はその断片に対して少なくとも99%又は99.9%の配列同一性を有するヌクレオチド配列によってコードされるものである場合があるが、ただし、バリアントBoNT/A HCドメインは、上記のような改変を含む。好ましくは、バリアントBoNT/A HCドメインは、配列番号45、47又は49のいずれか1つ又はその断片によってコードされるものである場合がある。
【0286】
バリアントBoNT/A HCドメインは、配列番号45又は49のいずれか1つ又はその断片に対して少なくとも70%の配列同一性を有するヌクレオチド配列によってコードされるものである場合があるが、ただし、バリアントBoNT/A HCドメインは、上記のような改変を含む。一実施形態では、バリアントBoNT/A HCドメインは、配列番号45又は49のいずれか1つ又はその断片に対して少なくとも80%、90%、95%又は98%の配列同一性を有するヌクレオチド配列によってコードされるものである場合があるが、ただし、バリアントBoNT/A HCドメインは、上記のような改変を含む。一実施形態では、バリアントBoNT/A HCドメインは、配列番号45又は49のいずれか1つ又はその断片に対して少なくとも99%又は99.9%の配列同一性を有するヌクレオチド配列によってコードされるものである場合があるが、ただし、バリアントBoNT/A HCドメインは、上記のような改変を含む。好ましくは、バリアントBoNT/A HCドメインは、配列番号45又は49のいずれか1つ又はその断片によってコードされるものである場合がある。
【0287】
上記の促進ドメインのいずれも、本発明において使用するのに適しているこれまでに記載された転位置ドメインペプチドのいずれかと組み合わせることができる。したがって、例として、非クロストリジウムの促進ドメインを、非クロストリジウムの転位置ドメインペプチドと、又はクロストリジウムの転位置ドメインペプチドと組み合わせることができる。あるいは、クロストリジウム神経毒HCN転位置促進ドメインを、非クロストリジウムの転位置ドメインペプチドと組み合わせることができる。あるいは、クロストリジウム神経毒HCN促進ドメインを、クロストリジウムの転位置ドメインペプチドと組み合わせることができ、その例として、以下が挙げられる:
ボツリヌスA型神経毒 - アミノ酸残基(449~1110)
ボツリヌスB型神経毒 - アミノ酸残基(442~1097)
ボツリヌスC型神経毒 - アミノ酸残基(450~1111)
ボツリヌスD型神経毒 - アミノ酸残基(446~1098)
ボツリヌスE型神経毒 - アミノ酸残基(423~1085)
ボツリヌスF型神経毒 - アミノ酸残基(440~1105)
ボツリヌスG型神経毒 - アミノ酸残基(447~1105)
テタヌス神経毒 - アミノ酸残基(458~1127)。
【0288】
一部の実施形態では、本発明のクロストリジウム神経毒は、クロストリジウム神経毒の機能性HCドメインを欠く場合がある。一実施形態では、クロストリジウム神経毒は、好ましくは、クロストリジウム神経毒ホロ毒素の最後の50個のC末端アミノ酸を欠く。別の実施形態では、クロストリジウム神経毒は、クロストリジウム神経毒ホロ毒素の好ましくは、最後の100個、好ましくは、最後の150個、より好ましくは、最後の200個、特に好ましくは、最後の250個、最も好ましくは、最後の300個のC末端アミノ酸残基を欠く。あるいは、HC結合活性は、突然変異誘発によって無効にされる/低減される場合がある - 例として、便宜上BoNT/Aに言及すると、ガングリオシド結合ポケット中の1つ又は2つのアミノ酸残基突然変異(W1266からL及びY1267からF)の改変が、HC領域にその受容体結合機能を失わせる。類似の突然変異を非血清型Aクロストリジウムのペプチド構成成分に行うことができる、例えば、突然変異(W1262からL及びY1263からF)を有するボツリヌスB又はボツリヌスE(W1224からL及びY1225からF)をベースとする構築物。活性部位への他の突然変異は、同じHC受容体結合活性の消失を達成する、例えば、ボツリヌスA型毒素におけるY1267S及び他のクロストリジウム神経毒における対応する高度に保存された残基。この及び他の突然変異の詳細は、参照により本明細書に組み込まれる、Rummel et al (2004) (Molecular Microbiol. 51:631-634)に記載されている。
【0289】
天然クロストリジウム神経毒のHCペプチドは、およそ400~440個のアミノ酸残基を含み、各々およそ25kDaの2つの機能的に別個のドメイン、すなわち、N末端領域(HCNペプチド又はドメインと一般に呼ばれる)及びC末端領域(HCCペプチド又はドメインと一般に呼ばれる)からなる。この事実は、各々、その全文で参照により本明細書に組み込まれる以下の刊行物によって確認されている:Umland TC (1997) Nat. Struct. Biol. 4: 788-792; Herreros J (2000) Biochem. J. 347: 199-204; Halpern J (1993) J. Biol. Chem. 268: 15, pp. 11188-11192; Rummel A (2007) PNAS 104: 359-364; Lacey DB (1998) Nat. Struct. Biol. 5: 898-902; Knapp (1998) Am. Cryst. Assoc. Abstract Papers 25: 90; Swaminathan and Eswaramoorthy (2000) Nat. Struct. Biol. 7: 1751-1759;及びRummel A (2004) Mol. Microbiol. 51(3), 631-643。さらに、C末端の160~200個のアミノ酸残基を構成するC末端領域(HCC)は、クロストリジウム神経毒のその天然細胞受容体、すなわち、神経筋接合部の神経終末への結合に関与しているということは十分に実証されており、この事実もまた、上記の刊行物によって確認されている。したがって、本明細書を通じて、機能性重鎖HCペプチド(又はドメイン)を欠き、その結果、重鎖が天然クロストリジウム神経毒が結合する細胞表面受容体に結合できないようなクロストリジウムの重鎖への言及は、クロストリジウムの重鎖が機能性HCCペプチドを単に欠くことを意味する。言い換えれば、HCCペプチド領域は、神経筋接合部で神経終末に対するその天然結合能を低減するように、部分的もしくは全体的に欠失している場合がある、又はそうではなく(例えば、従来の化学的又はタンパク質分解性処置によって)改変される場合がある。
【0290】
したがって、一実施形態では、本発明のクロストリジウム神経毒HNペプチドは、クロストリジウム神経毒のC末端ペプチド部分(HCC)の一部を欠き、したがって、天然クロストリジウム神経毒のHC結合機能を欠く。例として、一実施形態では、C末端に伸長されるクロストリジウムのHNペプチドは、クロストリジウム神経毒重鎖のC末端の40個のアミノ酸残基、又はC末端の60個のアミノ酸残基、又はC末端の80個のアミノ酸残基、又はC末端の100個のアミノ酸残基、又はC末端の120個のアミノ酸残基、又はC末端の140個のアミノ酸残基、又はC末端の150個のアミノ酸残基、又はC末端の160個のアミノ酸残基を欠く。別の実施形態では、本発明のクロストリジウムのHNペプチドは、クロストリジウム神経毒の全C末端ペプチド部分(HCC)を欠き、従って、天然クロストリジウム神経毒のHC結合機能を欠く。例として、一実施形態では、クロストリジウムのHNペプチドは、クロストリジウム神経毒重鎖のC末端の165個のアミノ酸残基、又はC末端の170個のアミノ酸残基、又はC末端の175個のアミノ酸残基、又はC末端の180個のアミノ酸残基、又はC末端の185個のアミノ酸残基、又はC末端の190個のアミノ酸残基、又はC末端の195個のアミノ酸残基を欠く。例として、本発明のクロストリジウムのHNペプチドは、以下からなる群から選択されるクロストリジウムのHCC参照配列を欠く:
ボツリヌスA型神経毒 - アミノ酸残基(Y1111~L1296)
ボツリヌスB型神経毒 - アミノ酸残基(Y1098~E1291)
ボツリヌスC型神経毒 - アミノ酸残基(Y1112~E1291)
ボツリヌスD型神経毒 - アミノ酸残基(Y1099~E1276)
ボツリヌスE型神経毒 - アミノ酸残基(Y1086~K1252)
ボツリヌスF型神経毒 - アミノ酸残基(Y1106~E1274)
ボツリヌスG型神経毒 - アミノ酸残基(Y1106~E1297)
テタヌス神経毒 - アミノ酸残基(Y1128~D1315)。
【0291】
亜血清型に従ってわずかな変動が生じ得るので、上記で同定された参照配列は、ガイドと考えられなければならない。
【0292】
好ましい実施形態では、本発明のクロストリジウム神経毒は、クロストリジウム神経毒L鎖又はその断片クロストリジウム神経毒H鎖の断片を含む(又はからなる)。例えば、クロストリジウム神経毒は、クロストリジウム神経毒L鎖又はその断片及びクロストリジウム神経毒転位置ドメイン(HN)を含む(又はからなる)場合がある。好ましくは、クロストリジウム神経毒は、クロストリジウム神経毒受容体結合ドメイン(HC)又は少なくともクロストリジウム神経毒受容体結合ドメインのC末端部分(HCC)をさらに含まない。したがって、一実施形態では、本発明のクロストリジウム神経毒は、クロストリジウム神経毒受容体結合ドメインのC末端部分(HCC)を欠く。有利なことに、このようなクロストリジウム神経毒は、内因性クロストリジウム神経毒受容体結合能を欠き、従って、前記クロストリジウム神経毒を投与された対象において、より少ないオフターゲット効果を示す。
【0293】
一実施形態では、本発明のクロストリジウム神経毒は、本質的に、クロストリジウム神経毒L鎖又はその断片及び/又はクロストリジウム神経毒H鎖の断片からなる。「本質的にからなる」という用語は、この文脈において使用される場合、クロストリジウム神経毒が、例えば、対象に投与された場合に、クロストリジウム神経毒に追加の機能性を付与する1個以上のアミノ酸残基をさらに含まないことを意味する。言い換えれば、「本質的にクロストリジウム神経毒L鎖又はその断片及び/又はクロストリジウム神経毒H鎖の断片からなる」クロストリジウム神経毒は、(クロストリジウム神経毒L鎖又はその断片及び/又はクロストリジウム神経毒H鎖の断片のものに)1個以上のアミノ酸残基をさらに含む場合があるが、前記の1個以上のさらなるアミノ酸残基は、例えば、対象に投与された場合に、クロストリジウム神経毒に追加の機能性を付与しない。追加の機能性には、酵素活性、結合活性及び/又は何であれ任意の生理学的活性が含まれ得る。
【0294】
一実施形態では、クロストリジウム神経毒は、任意のクロストリジウム神経毒配列に加えて非クロストリジウム神経毒配列を含む場合がある。非クロストリジウム神経毒配列は、好ましくは、本発明のクロストリジウム神経毒の神経免疫応答を促進する能力を破壊しない。好ましくは、非クロストリジウム神経毒配列は、触媒活性、例えば、酵素活性を有するものではない。好ましくは、非クロストリジウムの配列は、細胞受容体に結合するものではない。言い換えれば、非クロストリジウムの配列は、細胞受容体のリガンドではないことが最も好ましい。細胞受容体は、タンパク質性細胞受容体、例えば、膜内在性タンパク質である場合がある。細胞受容体の例は、https://www.guidetopharmacology.org/download.jsp#db_reportsで入手可能な、IUPHAR Guide to Pharmacology Database、2019年4月版に見出すことができる。非クロストリジウム神経毒配列は、精製において役立つタグ、例えば、His-タグを含む場合がある。前記クロストリジウム神経毒中に含まれる任意のクロストリジウム神経毒配列が、クロストリジウム神経毒L鎖又はその断片及び/又はクロストリジウム神経毒H鎖の断片からなることが好ましい。一実施形態では、前記クロストリジウム神経毒中に含まれるクロストリジウム神経毒配列は、クロストリジウム神経毒L鎖からなる場合がある。一実施形態では、前記クロストリジウム神経毒中に含まれるクロストリジウム神経毒配列は、クロストリジウム神経毒転位置ドメインからなる場合がある。一実施形態では、前記クロストリジウム神経毒中に含まれるクロストリジウム神経毒配列は、クロストリジウム神経毒受容体結合ドメインからなる場合がある。一実施形態では、前記クロストリジウム神経毒中に含まれるクロストリジウム神経毒配列は、クロストリジウム神経毒L鎖及びクロストリジウム神経毒転位置ドメインからなる場合がある。
【0295】
クロストリジウム神経毒L鎖及び転位置ドメインを含む(又はからなる)適したクロストリジウム神経毒が、本明細書に記載されている。
【0296】
クロストリジウム神経毒L鎖及び転位置ドメインを含む(又はからなる)クロストリジウム神経毒は、配列番号4、20、28又は36のいずれか1つ又はその断片に対して少なくとも70%の配列同一性を有するポリペプチド配列を含む場合がある。一実施形態では、クロストリジウム神経毒L鎖及び転位置ドメインを含む(又はからなる)クロストリジウム神経毒は、配列番号4、20、28又は36のいずれか1つ又はその断片に対して少なくとも80%、90%、95%又は98%の配列同一性を有するポリペプチド配列を含む。好ましくは、クロストリジウム神経毒L鎖及び転位置ドメインを含む(又はからなる)クロストリジウム神経毒は、配列番号4、20、28又は36のいずれか1つ又はその断片を含むポリペプチド配列を含む(又はからなる)。
【0297】
クロストリジウム神経毒L鎖及び転位置ドメインを含む(又はからなる)クロストリジウム神経毒は、配列番号3、19、27又は35のいずれか1つ又はその断片に対して少なくとも70%の配列同一性を有するヌクレオチド配列によってコードされるものである場合がある。一実施形態では、クロストリジウム神経毒L鎖及び転位置ドメインを含む(又はからなる)クロストリジウム神経毒は、配列番号3、19、27又は35のいずれか1つ又はその断片に対して少なくとも80%、90%、95%又は98%の配列同一性を有するヌクレオチド配列によってコードされるものである場合がある。好ましくは、クロストリジウム神経毒L鎖及び転位置ドメインを含む(又はからなる)クロストリジウム神経毒は、配列番号3、19、27又は35のいずれか1つ又はその断片を含むヌクレオチド配列によってコードされるものである。
【0298】
本発明のクロストリジウム神経毒は、天然に存在するクロストリジウム神経毒複合体中に存在する複合体形成タンパク質を含まない場合がある。
【0299】
本発明のクロストリジウム神経毒は、組換え核酸技術を使用して生成できる。したがって、一実施形態では、クロストリジウム神経毒(上記のような)は、組換えクロストリジウム神経毒である。
【0300】
一実施形態では、本発明のクロストリジウム神経毒はクロストリジウム神経毒L鎖を含む。L鎖は触媒的に不活性であることが好ましい。
【0301】
活性クロストリジウム神経毒L鎖は、非細胞傷害性プロテアーゼ活性を有する。具体的には、活性クロストリジウム神経毒L鎖は、エンドペプチダーゼ活性を有し、標的細胞中の細胞外融合装置のタンパク質を切断可能である。細胞外融合装置のタンパク質は、好ましくは、SNAREタンパク質、例えば、SNAP-25、シナプトブレビン/VAMP又はシンタキシンである。
【0302】
「触媒的に不活性の」という用語は、クロストリジウム神経毒L鎖に関して本明細書で使用される場合、前記L鎖が非細胞傷害性プロテアーゼ活性を実質的に示さないことを意味し、好ましくは、「触媒的に不活性の」という用語は、クロストリジウム神経毒L鎖に関して本明細書で使用される場合、前記L鎖が非細胞傷害性プロテアーゼ活性を示さないことを意味する。一実施形態では、触媒的に不活性のクロストリジウム神経毒L鎖は、標的細胞中の細胞外融合装置のタンパク質を切断しないものである。「実質的に非細胞傷害性プロテアーゼ活性がない」とは、クロストリジウム神経毒L鎖が、触媒的に活性なクロストリジウム神経毒L鎖(好ましくは、配列番号6として示される天然BoNT/AのL鎖)の5%未満の非細胞傷害性プロテアーゼ活性、例えば、触媒的に活性なクロストリジウム神経毒L鎖の非細胞傷害性プロテアーゼ活性の2%、1%未満又は好ましくは、0.1%未満を有することを意味する。非細胞傷害性プロテアーゼ活性は、試験クロストリジウム神経毒L鎖をSNAREタンパク質と共にインキュベートすること及び同一条件下で触媒的に活性なクロストリジウム神経毒L鎖によって切断されたSNAREタンパク質の量と比較した場合の、試験クロストリジウム神経毒L鎖によって切断されたSNAREタンパク質の量を比較することによって、in vitroで決定できる。SDS-PAGE及びウエスタンブロッティングなどの日常的な技術を使用して、切断されたSNAREタンパク質の量を定量化できる。適したin vitroアッセイは、参照により本明細書に組み込まれる、WO2019/145577 A1に記載されている。
【0303】
また、細胞ベースの及びin vivoアッセイを使用して、L鎖ならびに機能性細胞結合及び転位置ドメインを含むクロストリジウム神経毒が、非細胞傷害性プロテアーゼ活性を有するか否かを決定することもできる。指外転スコア(Digital Abduction Score)(DAS)、後根神経節(DRG)アッセイ、脊髄ニューロン(SCN)アッセイ及びマウス横隔神経半横隔膜(PNHD)アッセイ等のアッセイは、当技術分野で日常的である。非細胞傷害性プロテアーゼ活性を決定するための適したアッセイとして、参照により本明細書に組み込まれる、Donald et al (2018), Pharmacol Res Perspect, e00446, 1-14に記載されるものが挙げられる。
【0304】
触媒的に不活性のL鎖は、前記触媒活性を不活化する1つ以上の突然変異を有する場合がある。例えば、触媒的に不活性のBoNT/A L鎖は、活性部位残基、例えば、His223、Glu224、His227、Glu262及び/又はTyr366の突然変異を含む場合がある。位置番号付けは、配列番号62のアミノ酸位置に対応し、ポリペプチドを配列番号62とアラインすることによって決定できる。配列番号62の1位にメチオニン残基が存在することは任意であるので、当業者は、アミノ酸残基番号付けの決定の場合にはメチオニン残基の存在/非存在を考慮するであろう。例えば、配列番号62がメチオニンを含む場合には、位置番号付けは上記で定義されるとおりとなる(例えば、His223は、配列番号62のHis223となる)。あるいは、メチオニンが配列番号62に存在しない場合には、アミノ酸残基番号付けは、-1だけ改変されなければならない(例えば、His223は、配列番号62のHis222となる)。本明細書に記載される他のポリペプチド配列の1位にメチオニンが存在する/存在しない場合に同様の考慮が適用され、当業者は、当技術分野で日常的な技術を使用して正確なアミノ酸残基番号付けを容易に決定するであろう。
【0305】
特に好ましい実施形態では、本発明のクロストリジウム神経毒は、改変BoNT/A又はその断片(好ましくは、BoNT/A HCドメイン又はその断片)を含む場合がある。改変BoNT/A又はその断片は、ASN886、ASN905、GLN915、ASN918、GLU920、ASN930、ASN954、SER955、GLN991、GLU992、GLN995、ASN1006、ASN1025、ASN1026、ASN1032、ASN1043、ASN1046、ASN1052、ASP1058、HIS1064、ASN1080、GLU1081、GLU1083、ASP1086、ASN1188、ASP1213、GLY1215、ASN1216、GLN1229、ASN1242、ASN1243、SER1274及びTHR1277から選択される1個以上のアミノ酸残基で改変を含むものである場合がある。このような改変BoNT/A又はその断片は、既知BoNT/Aの使用と比較して、副作用の低減、又はそれが存在しないことを実証する。本発明の改変BoNT/Aの組織保持特性の増大によって、作用の効力及び/又は持続期間の増大が提供される場合があり、既知クロストリジウム毒素治療薬と比較して使用されるべき投与量の低減(又は何らかの追加の有害作用を伴わない投与量の増大)を可能にでき、さらなる利点が提供される。
【0306】
改変は、配列番号62として示される非改変BoNT/Aと比較した場合の改変である場合があり、アミノ酸残基番号付けは、配列番号62とのアラインメントによって決定される。配列番号62(ならびに本明細書で記載される改変BoNT/Aポリペプチド又はその断片に対応する配列番号)の1位にメチオニン残基が存在することは任意であるので、当業者は、アミノ酸残基番号付けの決定の場合にはメチオニン残基の存在/非存在を考慮するであろう。例えば、配列番号62がメチオニンを含む場合には、位置番号付けは上記で定義されるとおりとなる(例えば、ASN886は、配列番号62のASN886となる)。あるいは、メチオニンが配列番号62に存在しない場合には、アミノ酸残基番号付けは、-1だけ改変されなければならない(例えば、ASN886は、配列番号62のASN885となる)。本明細書に記載される他のポリペプチド配列の1位にメチオニンが存在する/存在しない場合に同様の考慮が適用され、当業者は、当技術分野で日常的な技術を使用して正確なアミノ酸残基番号付けを容易に決定するであろう。
【0307】
上記の改変のために示されたアミノ酸残基(複数可)は、表面に露出したアミノ酸残基(複数可)である。
【0308】
改変BoNT/A又はその断片は、ASN886、ASN930、ASN954、SER955、GLN991、ASN1025、ASN1026、ASN1052、ASN1188、ASP1213、GLY1215、ASN1216、GLN1229、ASN1242、ASN1243、SER1274及びTHR1277から選択される1個以上のアミノ酸残基で修飾を含む場合がある。
【0309】
「1個以上のアミノ酸残基」という用語は、改変BoNT/A又はその断片の文脈で使用される場合には、好ましくは、示されたアミノ酸残基のうち少なくとも2、3、4、5、6又は7個を意味する。したがって、改変BoNT/Aは、示されたアミノ酸残基に少なくとも2、3、4、5、6又は7つ(好ましくは、7つの)改変を含む場合がある。改変BoNT/A又はその断片は、1~30、3~20又は5~10のアミノ酸改変を含む場合がある。より好ましくは、「1個以上のアミノ酸残基」という用語は、改変BoNT/A又はその断片の文脈で使用される場合、示されたアミノ酸残基のすべてを意味する。
【0310】
好ましくは、示されたアミノ酸残基での1つ以上のアミノ酸改変以外に、改変BoNT/A又はその断片は、配列番号62と比較した場合にさらなるアミノ酸改変を全く含有しない。
【0311】
改変は、以下から選択され得る:
i. 酸性の表面に露出したアミノ酸残基の、塩基性アミノ酸残基との置換;
ii. 酸性の表面に露出したアミノ酸残基の、無電荷アミノ酸残基との置換;
iii. 無電荷の表面に露出したアミノ酸残基の、塩基性アミノ酸残基との置換;
iv. 塩基性アミノ酸残基の挿入;及び
v. 酸性の表面に露出したアミノ酸残基の欠失。
【0312】
上記で示されるような改変は、対応する非改変BoNT/A又はその断片と比較した場合に正の表面電荷の増大及び等電点の増大を有する改変BoNT/A又はその断片をもたらす。
【0313】
等電点(pI)は、所与のタンパク質の特定の特性である。当技術分野で周知のように、タンパク質は、アミノ酸の特定の配列(タンパク質中ではアミノ酸残基とも呼ばれる)から製造される。20種の標準セットの各アミノ酸は、異なる側鎖(又はR基)を有し、これは、タンパク質中の各アミノ酸残基が、異なる化学的特性、例えば、電荷及び疎水性を呈することを意味する。これらの特性は、周囲の化学環境、例えば、温度及びpHによって影響を受ける場合がある。タンパク質の全体的な化学的な特徴は、これらの種々の因子の合計に応じて変わる。
【0314】
ある特定のアミノ酸残基(以下に詳述される)は、イオン化可能な側鎖を有し、周囲のpHに応じて電荷を呈する可能性がある。このような側鎖が所与のpHで電荷を有するか否かは、関連するイオン化可能な部分のpKaに応じて変わり、pKaは共役塩基からの特定のプロトンの酸解離定数(Ka)の負の対数である。
【0315】
例えば、アスパラギン酸及びグルタミン酸などの酸性残基は、側鎖カルボン酸基を有し、およそ4.1のpKa値を有する(正確なpKa値は温度、イオン化可能な基のイオン強度及び微小環境に応じて変わり得る)。したがって、これらの側鎖は、7.4のpHで負電荷を示す(「生理学的pH」と呼ばれることが多い)。これらの側鎖は、低pH値ではプロトン化されることとなり、その電荷を失う。
【0316】
逆に、リジン及びアルギニンなどの塩基性残基は、窒素含有側鎖基を有し、およそ10~12のpKa値を有する。したがって、これらの側鎖は7.4のpHで正電荷を示す。これらの側鎖は、高pH値で脱プロトン化されることとなり、その電荷を失う。
【0317】
タンパク質分子の全体的な(正味の)電荷は、タンパク質中に存在する酸性及び塩基性残基の数(及びその表面露出程度)に、及び周囲のpHに応じて変わる。周囲のpHを変えることは、タンパク質上の全体的な電荷を変える。したがって、どのタンパク質についても、正電荷及び負電荷の数が等しく、タンパク質が全体的な正味電荷を呈さない所与のpHがある。この点は、等電点(pI)として知られている。等電点は、タンパク質生化学において標準的な概念であり、当業者は精通しているであろう。
【0318】
したがって、等電点(pI)は、タンパク質がゼロの正味電荷を呈するpH値と定義される。pIの増大は、ゼロの正味電荷を呈するためにタンパク質にとってより高いpH値が必要であることを意味する。したがって、pIの増大は、所与のpHでのタンパク質の正味の正電荷の増大を表す。逆に、pIの低下は、ゼロの正味電荷を呈するためにタンパク質にとってより低いpH値が必要であることを意味する。したがって、pIの低下は、所与のpHでのタンパク質の正味の正電荷の減少を表す。
【0319】
タンパク質のpIを決定する方法は、当技術分野で公知であり、当業者は精通しているであろう。例として、タンパク質のpIは、タンパク質中に存在する各アミノ酸の平均pKa値から算出できる(「算出pI」)。このような算出は、当技術分野で公知のコンピュータプログラム、例えば、ExPASy製のCompute pI/MWツールを使用して実施でき(https://web.expasy.org/compute_pi/)、これは、本発明に従ってpIを算出するための好ましい方法である。異なる分子間のpI値の比較は、同じ算出技術/プログラムを使用して行われなければならない。
【0320】
適切な場合には、タンパク質の算出されたpIを、等電点電気泳動の技術を使用して実験的に確認できる(「実測pI」)。この技術は、タンパク質をそのpIに従って分離する電気泳動を使用する。等電点電気泳動は通常、固定されたpH勾配を有するゲルを使用して実施される。電場がかけられると、タンパク質は、ゼロの正味電荷を有するpHに到達するまでpH勾配によって移動し、この点がタンパク質のpIである。等電点電気泳動によって提供される結果は通常、本来比較的低解像度であり、したがって、本発明者らは算出pI(上記のように)によって提供される結果が、使用するのにより適当であると考える。
【0321】
本明細書を通じて、「pI」は、特に断りのない限り「算出pI」を意味する。
【0322】
タンパク質のpIは、その表面に提示される塩基性及び/又は酸性基の数を変更することによって増大又は低下させることができる。これは、タンパク質の1個以上のアミノ酸を改変することによって達成できる。例えば、pIの増大は、酸性残基の数を低減することによって、又は塩基性残基の数を増大させることによって提供できる。
【0323】
本発明の改変BoNT/A又はその断片は、非改変BoNT/A(例えば、配列番号62)又はその断片のものよりも少なくとも0.2、0.4、0.5又は1のpI単位高いpI値を有する場合がある。好ましくは、改変BoNT/A又はその断片は、少なくとも6.6、例えば、少なくとも6.8のpIを有する場合がある。
【0324】
20種の標準アミノ酸の特性は、以下の表に示されている:
【表B】
【0325】
以下のアミノ酸は荷電アミノ酸と考えられる:アスパラギン酸(負)、グルタミン酸(負)、アルギニン(正)及びリジン(正)。
【0326】
7.4のpHで、アスパラギン酸(pKa3.1)及びグルタミン酸(pKa4.1)の側鎖は、負電荷を有し、アルギニン(pKa12.5)及びリジン(pKa10.8)の側鎖は、正電荷を有する。アスパラギン酸及びグルタミン酸は、酸性アミノ酸残基と呼ばれる。アルギニン及びリジンは、塩基性アミノ酸残基と呼ばれる。
【0327】
以下のアミノ酸は、無電荷、極性(それらは水素結合に関与する可能性があることを意味する)アミノ酸と考えらえる:アスパラギン、グルタミン、ヒスチジン、セリン、スレオニン、チロシン、システイン、メチオニン及びトリプトファン。
【0328】
以下のアミノ酸は、無電荷、疎水性アミノ酸と考えられる:アラニン、バリン、ロイシン、イソロイシン、フェニルアラニン、プロリン及びグリシン。
【0329】
アミノ酸挿入では、追加のアミノ酸残基(通常存在しないもの)がBoNT/Aポリペプチド配列又はその断片中に組み込まれ、従って、前記配列中のアミノ酸残基の総数が増大する。アミノ酸欠失では、アミノ酸残基がクロストリジウム毒素アミノ酸配列から除去され、従って、前記配列中のアミノ酸残基の総数が低減する。
【0330】
好ましくは、改変は置換であり、これは有利なことに、改変BoNT/A又はその断片中の同数のアミノ酸残基を維持する。アミノ酸置換では、BoNT/Aポリペプチド配列又はその断片の一部を形成するアミノ酸残基は、異なるアミノ酸残基と置き換えられる。置き換えアミノ酸残基は、上記のような20種の標準アミノ酸の1つであり得る。あるいは、アミノ酸置換中の置き換えアミノ酸は、非標準アミノ酸(上記の20種の標準セットの一部ではないアミノ酸)である場合もある。例として、置き換えアミノ酸は、塩基性非標準アミノ酸、例えば、L-オルニチン、L-2-アミノ-3-グアニジノプロピオン酸又はリジン、アルギニン及びオルニチンのD-イソマー)であり得る。非標準アミノ酸をタンパク質中に導入する方法は、当技術分野で公知であり、大腸菌(E. coli)栄養要求性発現宿主を使用する組換えタンパク質合成が含まれる。
【0331】
一実施形態では、置換は、酸性アミノ酸残基の塩基性アミノ酸残基との置換、酸性アミノ酸残基の無電荷アミノ酸残基との置換及び無電荷アミノ酸残基の塩基性アミノ酸残基との置換から選択される。置換が、酸性アミノ酸残基の無電荷アミノ酸残基との置換である一実施形態では、酸性アミノ酸残基がその対応する無電荷アミドアミノ酸残基と置き換えられる(すなわち、アスパラギン酸が、アスパラギンと置き換えられ、グルタミン酸がグルタミンと置き換えられる)。
【0332】
好ましくは、塩基性アミノ酸残基は、リジン残基又はアルギニン残基である。言い換えれば、置換は、リジン又はアルギニンとの置換である。最も好ましくは、改変は、リジンとの置換である。
【0333】
好ましくは、本発明において使用するための改変BoNT/A又はその断片は、クロストリジウム毒素HCNドメイン中に位置する4から40の間のアミノ酸改変を含む。前記改変BoNT/A又はその断片はまた、好ましくは、少なくとも6.6のpIを有する。前記改変BoNT/Aは好ましくは、ASN886、ASN930、ASN954、SER955、GLN991、ASN1025、ASN1026及びASN1052から選択される少なくとも4個のアミノ酸の改変を含み、前記改変は、アミノ酸のリジン残基又はアルギニン残基との置換を含む。例えば、前記改変BoNT/A又はその断片は、ASN886、ASN930、ASN954、SER955、GLN991、ASN1025、ASN1026、ASN1052及びGLN1229から選択される少なくとも5個のアミノ酸の改変を含む場合があり、前記改変は、アミノ酸のリジン残基又はアルギニン残基との置換を含む。
【0334】
アミノ酸残基の置換、挿入又は欠失によってタンパク質を改変する方法は、当技術分野で公知である。例として、アミノ酸改変は、ポリペプチドをコードする(例えば、非改変 BoNT/A又はその断片をコードする)DNA配列の改変によって導入できる。これは、標準的な分子クローニング技術を使用して、例えば、ポリメラーゼ酵素を使用して元のコード配列を置き換えるために所望のアミノ酸(複数可)をコードするDNAの短い鎖(オリゴヌクレオチド)が使用される位置指定突然変異誘発によって、又は種々の酵素(例えば、リガーゼ及び制限エンドヌクレアーゼ)を用いて遺伝子の一部を挿入/欠失することによって達成できる。あるいは、改変遺伝子配列を化学的に合成できる。
【0335】
一実施形態では、本発明に従って使用するためのクロストリジウム神経毒は、配列番号42に対して少なくとも80%、90%、95%又は98%の配列同一性を有するポリペプチド配列を含む。好ましくは、本発明に従って使用するためのクロストリジウム神経毒は、配列番号42として示されるポリペプチド配列を含む。
【0336】
一実施形態では、本発明に従って使用するためのクロストリジウム神経毒は、配列番号41に対して少なくとも80%、90%、95%又は98%の配列同一性を有するヌクレオチド配列によってコードされるポリペプチド配列を含む。好ましくは、本発明に従って使用するためのクロストリジウム神経毒は、配列番号41として示されるヌクレオチド配列によってコードされるポリペプチド配列を含む。
【0337】
一実施形態では、本発明に従って使用するためのクロストリジウム神経毒(例えば、配列番号42を含む、又は配列番号41によってコードされる)は、配列番号61又は65に対して少なくとも70%の配列同一性を有するポリペプチドの一部分である場合がある。したがって、一実施形態では、本発明に従って使用するためのクロストリジウム神経毒は、配列番号61又は65に対して少なくとも80%、90%、95%又は98%の配列同一性を有するポリペプチド配列を含む場合がある。好ましくは、本発明に従って使用するためのクロストリジウム神経毒は、配列番号61又は65を含む(より好ましくは、からなる)場合がある。一実施形態では、クロストリジウム神経毒は、触媒的に不活性のL鎖(例えば、配列番号65のように)を含む。
【0338】
一実施形態では、本発明に従って使用するためのクロストリジウム神経毒(例えば、配列番号42を含む、又は配列番号41によってコードされる)は、配列番号60に対して少なくとも70%の配列同一性を有するヌクレオチド配列によってコードされる場合がある。したがって、一実施形態では、本発明に従って使用するためのクロストリジウム神経毒は、配列番号60に対して少なくとも80%、90%、95%又は98%の配列同一性を有するヌクレオチド配列によってコードされる場合がある。好ましくは、本発明に従って使用するためのクロストリジウム神経毒は、配列番号60を含む(より好ましくは、からなる)ヌクレオチド配列によってコードされる場合がある。一実施形態では、クロストリジウム神経毒は、触媒的に不活性のL鎖を含む。
【0339】
配列番号42は、改変BoNT/A断片の一例であり、配列番号61及び65は、それぞれ、触媒的に活性である及び不活性である改変BoNT/Aポリペプチドの例である。このような改変BoNT/Aポリペプチド及び断片は、本発明において使用するために特に好ましい。配列番号42、61及び65として示されるポリペプチドは、野生型BoNT/Aと比較した場合にいくつかのアミノ酸改変(例えば、置換)を有し、これはポリペプチドの等電点を増大する。理論に捉われようとは思わないが、正味の正電荷の増大が、ポリペプチドとアニオン性細胞外構成成分の間の静電相互作用を促進し、それによって、ポリペプチドと細胞表面の間の結合が促進され、従って、投与部位での保持及び/又は作用の持続期間が増大されると考えられる。したがって、配列番号42、61及び65の神経免疫応答促進特性は、前記改変を欠く同等のポリペプチドと比較して改善されると予想される。
【0340】
上記の触媒的に活性な改変BoNT/Aポリペプチド(例えば、配列番号61)について、これらの有利な特性(治療係数の増大を表す)を定義することができる1つの方法は、改変BoNT/Aの安全率の観点である。この関連で、関連動物モデル(例えば、体重の減少が投与の数日以内に検出されるマウス)において体重減少パーセンテージを測定することによって、クロストリジウム神経毒の望まれない効果(投与の部位から離れた毒素の拡散によって引き起こされる)を実験的に評価できる。逆に、クロストリジウム神経毒の所望のオンターゲット効果は、筋肉麻痺の尺度である指外転スコア(Digital Abduction Score)(DAS)アッセイによって実験的に評価できる。DASアッセイは、マウス腓腹筋/ヒラメ筋複合体中への、ゼラチンリン酸バッファーで製剤化された20μlのクロストリジウム神経毒の注射と、それに続くAokiの方法(Aoki KR, Toxicon 39: 1815-1820; 2001)を使用する指外転スコアの評価によって実施できる。DASアッセイでは、マウスが後肢を伸ばし、後指を外転させる特徴的な驚愕反応を引き出すために、マウスを尾によって短時間吊り下げる。クロストリジウム神経毒注射後、様々な程度の指外転が5点スケール(指外転及び脚伸長における、0=正常~4=最大の低減)でスコア化される。
【0341】
次いで、クロストリジウム神経毒の安全率を、体重の10%低下に必要な毒素の量(マウスにおいて投薬後最初の7日以内のピーク効果で測定される)と、2のDASスコアにとって必要な毒素の量の間の比として表すことができる。したがって、高い安全率スコアが望まれ、望まれないオフターゲット効果をほとんど伴わずに標的筋肉を効果的に麻痺させることが可能である毒素を示す。本発明の触媒的に活性な改変BoNT/Aは、同等の非改変(天然)ボツリヌス毒素(例えば、配列番号82)の安全率よりも高い安全率を有する場合がある。
【0342】
したがって、一実施形態では、本発明の触媒的に活性な改変BoNT/Aは、少なくとも8(例えば、少なくとも8、9、10、15、20、25、30、35、40、45又は50)の安全率を有し、安全率は、DAS ED50(pg/マウス)によって除された-10%の体重変化(pg/マウス)に必要な毒素の用量[ED50=2のDASスコアをもたらすために必要な用量]として算出される。
【0343】
一実施形態では、本発明の触媒的に活性な改変BoNT/Aは、少なくとも10の安全率を有する。一実施形態では、本発明の改変BoNT/A又はその断片は、少なくとも15の安全率を有する。
【0344】
配列番号61に対して少なくとも70%の配列同一性を含むクロストリジウム神経毒は、その全文で参照により本明細書に組み込まれる、WO2015/004461 A1に記載されている。
【0345】
一実施形態では、配列番号42、61もしくは65に対して少なくとも70%の配列同一性を有するポリペプチド配列を含む、及び/又は配列番号41もしくは60に対して少なくとも70%の配列同一性を有するヌクレオチド配列によってコードされるポリペプチド配列を含むクロストリジウム神経毒は、930、955、991、1026、1052、1229及び886位のうち1つ以上で(好ましくは、2つ以上、3つ以上、4つ以上、5つ以上又は6つ以上、より好ましくは、すべてで)置換を含む。位置番号付けは、配列番号62の位置に対応し、ポリペプチド配列を配列番号62(非改変/野生型BoNT/A)とアラインすることによって決定できる。配列番号62の1位にメチオニン残基が存在することは任意であるので、当業者は、アミノ酸残基番号付けの決定の場合にはメチオニン残基の存在/非存在を考慮するであろう。例えば、配列番号62がメチオニンを含む場合には、位置番号付けは上記で定義されるとおりとなる(例えば、886位は、配列番号62のASN886となる)。あるいは、メチオニンが配列番号62に存在しない場合には、アミノ酸残基番号付けは、-1だけ改変されなければならない(例えば、886位は、配列番号62のASN885となる)。本明細書に記載される他のポリペプチド配列の1位にメチオニンが存在する/存在しない場合に同様の考慮が適用され、当業者は、当技術分野で日常的な技術を使用して正確なアミノ酸残基番号付けを容易に決定するであろう。
【0346】
好ましくは、配列番号42、61もしくは65に対して少なくとも70%の配列同一性を有するポリペプチド配列を含む、及び/又は配列番号41もしくは60に対して少なくとも70%の配列同一性を有するヌクレオチド配列によってコードされるポリペプチド配列を含むクロストリジウム神経毒は、930、955、991、1026、1052、1229及び886位のうち1つ以上にリジン又はアルギニン(より好ましくは、リジン)を含む。一実施形態では、クロストリジウム神経毒は、930、955、991、1026、1052、1229及び886位のうち少なくとも2つ、3つ、4つ、5つ、6つ又はすべてにリジン又はアルギニン(より好ましくは、リジン)を含む。最も好ましくは、クロストリジウム神経毒は、930、955、991、1026、1052、1229及び886位のすべてにリジン又はアルギニン(より好ましくは、リジン)を含む。
【0347】
本発明の種々の治療的使用に関連する実施形態は、本発明の処置の方法、ポリペプチドに同等に適用されるように意図され、逆もまた同様である。
【0348】
配列相同性
【0349】
限定するものではないが、グローバル法、ローカル法及びハイブリッド法、例えば、セグメントアプローチ法などを含む種々の配列アラインメント法のいずれも、同一性パーセントを決定するために使用され得る。同一性パーセントを決定するためのプロトコールは、当業者の範囲内の常法である。グローバル法は、分子の開始から最後まで配列をアラインし、個々の残基対のスコアを合計することによって、及びギャップペナルティーを課すことによって最良アラインメントを決定する。限定されない方法として、例えば、CLUSTAL W、例えば、Julie D. Thompson et al., CLUSTAL W: Improving the Sensitivity of Progressive Multiple Sequence Alignment Through Sequence Weighting, Position- Specific Gap Penalties and Weight Matrix Choice, 22(22) Nucleic Acids Research 4673-4680 (1994)を参照されたい、及び反復改良、例えば、Osamu Gotoh, Significant Improvement in Accuracy of Multiple Protein. Sequence Alignments by Iterative Refinement as Assessed by Reference to Structural Alignments, 264(4) J. MoI. Biol. 823-838 (1996)を参照されたい、が挙げられる。ローカル法は、インプット配列のすべてによって共有される1以上の保存されたモチーフを同定することによって配列をアラインする。限定されない方法として、例えば、Match-box、例えば、Eric Depiereux and Ernest Feytmans, Match-Box: A Fundamentally New Algorithm for the Simultaneous Alignment of Several Protein Sequences, 8(5) CABIOS 501 -509 (1992)を参照されたい、Gibbsサンプリング、例えば、C. E. Lawrence et al., Detecting Subtle Sequence Signals: A Gibbs Sampling Strategy for Multiple Alignment, 262(5131 ) Science 208-214 (1993)を参照されたい、Align-M、例えば、Ivo Van WaIIe et al., Align-M-A New Algorithm for Multiple Alignment of Highly Divergent Sequences, 20(9) Bioinforma:1428-1435 (2004)を参照されたい、が挙げられる。
【0350】
したがって、配列同一性パーセントは、従来法によって決定される。例えば、Altschul et al., Bull. Math. Bio. 48: 603-16, 1986及びHenikoff and Henikoff, Proc. Natl. Acad. Sci. USA 89:10915-19, 1992を参照されたい。手短には、2つのアミノ酸配列が、10のギャップ開始ペナルティー、1のギャップ伸長ペナルティー及び以下に示されるようなHenikoff and Henikoff(同書)の「blosum 62」スコアリングマトリックス(アミノ酸は標準一文字コードによって示される)を使用してアラインメントスコアを最適化するようにアラインされる。
【0351】
2つ以上の核酸又はアミノ酸配列間の「配列同一性パーセント」は、配列によって共有される同一位置数の関数である。したがって、同一性%は、ヌクレオチド/アミノ酸の総数によって除され、100が乗じられた同一ヌクレオチド/アミノ酸数として算出され得る。配列同一性%の算出はまた、2つ以上の配列のアラインメントを最適化するために導入される必要があるギャップの数及び各ギャップの長さも考慮する場合がある。2つ以上の配列間の配列比較及び同一性パーセントの決定は、当業者が精通するであろう特定の数学的アルゴリズム、例えば、BLASTを使用して実施され得る。
【0352】
配列同一性を決定するためのアラインメントスコア
【数1】
【0353】
次いで、同一性パーセントは、以下として算出される:
[同定されたマッチの総数×100] / [長い方の配列の長さ及び2つの配列をアラインするために長い方の配列中に導入されたギャップの数]
【0354】
実質的に相同なポリペプチドは、1つ以上のアミノ酸置換、欠失又は付加を有すると,特性決定される。これらの変化は、好ましくは、保存的アミノ酸置換(以下を参照されたい)及びポリペプチドのフォールディングもしくは活性に有意に影響を及ぼさない他の置換、通常1個~約30個のアミノ酸の小さい欠失、及び小さいアミノ-もしくはカルボキシル-末端伸長、例えば、アミノ末端メチオニン残基、最大約20~25残基の小さいリンカーペプチド又は親和性タグである小さい性質のものである。
【0355】
保存的アミノ酸置換
塩基性:
アルギニン
リジン
ヒスチジン
酸性:
グルタミン酸
アスパラギン酸
極性:
グルタミン
アスパラギン
疎水性:
ロイシン
イソロイシン
バリン
芳香族:
フェニルアラニン
トリプトファン
チロシン
小さい:
グリシン
アラニン
セリン
スレオニン
メチオニン
【0356】
20個の標準アミノ酸に加えて、非標準アミノ酸(例えば、4-ヒドロキシプロリン、6-N-メチルリジン、2-アミノイソ酪酸、イソバリン及びα-メチルセリン)が、本発明のポリペプチドのアミノ酸残基と置換され得る。限られた数の非保存的アミノ酸、遺伝暗号によってコードされないアミノ酸及び非天然アミノ酸が、ポリペプチドアミノ酸残基と置換され得る。本発明のポリペプチドはまた、天然に存在しないアミノ酸残基を含み得る。
【0357】
天然に存在しないアミノ酸として、限定するものではないが、トランス-3-メチルプロリン、2,4-メタノ-プロリン、シス-4-ヒドロキシプロリン、トランス-4-ヒドロキシ-プロリン、N-メチルグリシン、アロ-スレオニン、メチル-スレオニン、ヒドロキシ-エチルシステイン、ヒドロキシエチルホモ-システイン、ニトロ-グルタミン、ホモグルタミン、ピペコリン酸、t-ロイシン、ノルバリン、2-アザフェニルアラニン、3-アザフェニル-アラニン、4-アザフェニル-アラニン及び4-フルオロフェニルアラニンが挙げられる。天然に存在しないアミノ酸残基をタンパク質中に組み込むためのいくつかの方法が、当技術分野で公知である。例えば、ナンセンス突然変異が、化学的にアミノアシル化されたサプレッサーtRNAを使用して抑制されるin vitro系が使用され得る。アミノ酸を合成し、tRNAをアミノアシル化する方法は、当技術分野で公知である。ナンセンス突然変異を含有するプラスミドの転写及び翻訳は、大腸菌(E.coli)S30抽出物及び市販の酵素及び他の試薬を含む無細胞系において実施される。タンパク質は、クロマトグラフィーによって精製される。例えば、Robertson et al., J. Am. Chem. Soc. 113:2722, 1991、Ellman et al., Methods Enzymol. 202:301, 1991, Chung et al., Science 259:806-9, 1993及び Chung et al., Proc. Natl. Acad. Sci. USA 90:10145-9, 1993)を参照のこと。第2の方法では、翻訳は、突然変異されたmRNA及び化学的にアミノアシル化されたサプレッサーtRNAのマイクロインジェクションによってアフリカツメガエル卵母細胞において実施される(Turcatti et al., J. Biol. Chem. 271:19991-8, 1996)。第3の方法内で、大腸菌(E.coli)細胞は、置き換えられるべき天然アミノ酸(例えば、フェニルアラニン)の不在下及び所望の天然に存在しないアミノ酸(複数可)(例えば、2-アザフェニルアラニン、3-アザフェニルアラニン、4-アザフェニルアラニン又は4-フルオロフェニルアラニン)の存在下で培養される。天然に存在しないアミノ酸は、その天然の対応物の代わりにポリペプチド中に組み込まれる。Koide et al., Biochem. 33:7470-6, 1994を参照されたい。天然に存在するアミノ酸残基は、in vitro化学修飾によって天然に存在しない種に変換され得る。置換の範囲をさらに拡大するために、化学修飾が部位特異的突然変異誘発と組み合わされることもある(Wynn and Richards, Protein Sci. 2:395-403, 1993)。
【0358】
限られた数の非保存的アミノ酸、遺伝暗号によってコードされないアミノ酸、天然に存在しないアミノ酸及び非天然アミノ酸が、本発明のポリペプチドのアミノ酸残基と置換され得る。
【0359】
本発明のポリペプチド中の必須アミノ酸は、当技術分野で公知の手順、例えば、部位特異的突然変異誘発又はアラニンスキャニング突然変異誘発に従って同定され得る(Cunningham and Wells, Science 244: 1081-5, 1989)。推定接触部位アミノ酸の突然変異とともに、生物学的相互作用の部位も、核磁気共鳴、結晶学、電子回折又は光親和性標識のような技術によって決定されるような構造の物理的分析によって決定され得る。例えば、de Vos et al., Science 255:306-12, 1992、Smith et al., J. Mol. Biol. 224:899-904, 1992、Wlodaver et al., FEBS Lett. 309:59-64, 1992を参照されたい。必須アミノ酸の同一性はまた、本発明のポリペプチドの関連構成成分(例えば、転位置又はプロテアーゼ構成成分)との相同性の分析から推論され得る。
【0360】
突然変異誘発及びスクリーニングの公知の方法、例えば、Reidhaar-Olson and Sauer (Science 241:53-7, 1988)又はBowie and Sauer (Proc. Natl. Acad. Sci. USA 86:2152-6, 1989)によって開示されるものを使用して、複数のアミノ酸置換を行い、試験できる。手短には、これらの著者は、ポリペプチド中の2つ以上の位置を同時にランダム化し、機能的ポリペプチドを選択し、次いで、突然変異誘発されたポリペプチドを配列決定して、各位置で許容可能な置換の範囲を決定する方法を開示している。使用できる他の方法として、ファージディスプレイ(例えば、Lowman et al., Biochem. 30:10832-7, 1991、Ladner et al., 米国特許第5,223,409号、Huse, WIPO公開WO 92/06204)及び領域によって指示される突然変異誘発(Derbyshire et al., Gene 46:145, 1986、Ner et al., DNA 7:127, 1988)が挙げられる。
【0361】
別に定義されない限り、本明細書において使用されるすべての技術及び科学用語は、本開示が属する技術分野における当業者によって一般に理解されるものと同じ意味を有する。Singleton, et al., DICTIONARY OF MICROBIOLOGY AND MOLECULAR BIOLOGY, 20 ED., John Wiley and Sons, New York (1994)及びHale & Marham, THE HARPER COLLINS DICTIONARY OF BIOLOGY, Harper Perennial, NY (1991)は、当業者に、本開示において使用される用語の多くの一般的な辞書を提供する。
【0362】
本開示は、本明細書において開示される例示的方法及び材料によって限定されず、本明細書において記載されるものと同様又は同等の任意の方法及び材料が、本開示の実施形態の実施又は試験において使用され得る。数値範囲には、範囲を定義する数値が含まれる。特に断りのない限り、それぞれ、任意の核酸配列が、5'から3'配向で左から右に書かれ、アミノ酸配列は、アミノからカルボキシ配向で左から右に書かれる。
【0363】
本明細書において提供された見出しは、本開示の種々の態様又は実施形態の制限ではない。
【0364】
アミノ酸は、アミノ酸の名称、三文字略語又は一文字略語を使用して本明細書において言及される。「タンパク質」という用語は、本明細書において使用される場合、タンパク質、ポリペプチド及びペプチドを含む。本明細書において使用される場合、「アミノ酸配列」という用語は、「ポリペプチド」という用語及び/又は「タンパク質」という用語と同義である。一部の例では、「アミノ酸配列」という用語は、「ペプチド」という用語と同義である。一部の例では、「アミノ酸配列」という用語は、「酵素」という用語と同義である。「タンパク質」及び「ポリペプチド」という用語は、本明細書において同義的に使用される。本開示及び特許請求の範囲では、従来のアミノ酸残基の一文字及び三文字コードが使用され得る。生化学的命名法に関するIUPACIUB合同委員会(JCBN)に準拠して定義されたアミノ酸の3文字コード。また、ポリペプチドは、遺伝暗号の縮重のために1つより多いヌクレオチド配列によってコードされ得るということも理解される。
【0365】
用語の他の定義が、本明細書を通して現れる場合もある。例示的実施形態がより詳細に記載される前に、本開示は、記載される特定の実施形態に限定されず、そのようなものとして変わり得るということは理解されるべきである。本開示の範囲は添付の特許請求の範囲によってのみ定義されるので、本明細書において使用される技術用語は、単に特定の実施形態を説明するためであって、限定であることを意図しないということも理解されるべきである。
【0366】
値の範囲が提供される場合には、その範囲の上限と下限との間の、文脈が明確に別段の指示をしない限り下限の単位の10分の1までの各介在値もまた、具体的に開示されることは理解される。任意の記載された値又は記載された範囲内の介在値と、その記載された範囲内の任意の他の記載された値又は介在する値との間のそれぞれのより小さい範囲は、本開示内に包含される。これらのより小さい範囲の上限及び下限は独立に、範囲に含まれる場合も、除外される場合もあり、両限界の一方がより小さい範囲に含まれる、両方が含まれない、又は両方が含まれる場合の各範囲も、本開示内に包含され、記載された範囲中の任意の具体的に除外された限界に次第である。記載された範囲が限界の一方又は両方を含む場合には、それらの含まれる限界の一方又は両方を除外する範囲も本開示に含まれる。
【0367】
本明細書において、及び添付の特許請求の範囲においてで使用される場合、単数形「1つの(a)」、「1つの(an)」及び「その(the)」は、文脈が明確に別に示さない限り複数の言及を含むということは注記されなければならない。したがって、例えば、「クロストリジウム神経毒」への言及は、複数のこのような神経毒を含み、「クロストリジウム神経毒」への言及は、1つ以上のクロストリジウム神経毒及び当業者に公知のその等価物などへの言及を含む。
【0368】
本明細書において論じられた刊行物は、単に本出願の出願日より前のその開示のために提供されている。本明細書のいかなるものも、そのような刊行物が本明細書に添付された特許請求の範囲の先行技術を構成することを認めるものと解釈されるべきではない。
【0369】
本発明の実施形態を、以下の図及び実施例を参照してここで単に例として記載する。
【図面の簡単な説明】
【0370】
【
図1】
図1.A、デルマトームの図解(出典、Beilin, Daniel. “The Physiology of Dynamic Thermometric Analysis of the Skin in Visceral Health & Disease.” (2014)-その
図3を参照されたい)-ここで異なる臓器に位置づけられるある特定のデルマトームの例が示されており、例えば、Bのように多数の他のマッピングが公知である;及び(B)それらが関連する内臓(出典、Wall and Melzack’s “Textbook of Pain”(McMahon et al.編;第6版)-その第53章及び
図53-1を参照されたい)、C、デルマトーム及びエンテロトーム(enterotome)(及びミオトーム)の間の関係の図解;本発明は、デルマトームへのクロストリジウム神経毒の投与を介した、デルマトームから標的である内臓痛統合の区域への逆行性輸送を利用する(出典、Beilin, Daniel. “The Physiology of Dynamic Thermometric Analysis of the Skin in Visceral Health & Disease.” (2014)-その
図1を参照されたい)を示す図である。
【
図3】
図3は、雌のラットの尾腹面図を示し、クロストリジウム神経毒が注射された区域(丸)を例証する。
【
図4】
図4は、D0とD6の間の反復CYP注射(40mg/kg、i.p.)が、内臓痛を誘発したことを示す図であり、それをD7及びD10に評価した。gでの侵害受容閾値(A)、%での侵害受容スコア(B)及び1から6gの間で算出されたAUC(C)又は6から26gの間で算出されたAUC(D)、媒体群内の事前(D0、「基礎」)及びCYP注射後(D7及びD10)。結果は、平均±SEMとして表されている。Friedman検定、両因子による二元配置RM ANOVA又はDunn、DunnettもしくはHolm-Sidakの基礎に対する事後検定を用いる一元配置RM ANOVA、
## P<0.01及び
#### P<0.0001。媒体=生理食塩水、20μL、i.d.、n=10、D-10に1回。
【
図5】
図5は、Dysport(登録商標)(25U/kg、i.d.)が、CYP誘導性慢性異痛症を減少させたことを示す図である。Dysport(登録商標)及び媒体群における、gでの侵害受容閾値、事前(D0、「基礎」)及びCYP注射後(D7及びD10)。結果は、平均±SEMとして表されている。ns P>0.05及び
*P<0.05、Mann Whitney検定又は独立t検定。媒体=生理食塩水、20μL、i.d.、n=10、D-10に1回。Dysport(登録商標)=25U/kg、i.d.、n=10、D-10に1回。
【
図6】
図6は、Dysport(登録商標)(25U/kg、i.d.)が、CYP誘導性慢性内臓痛(侵害受容スコア)を低減したことを示す図である。Dysport(登録商標)及び媒体群における、%での侵害受容スコア、事前(D0、「基礎」)(A)及びCYP注射後;D7(B)及びD10(C)。結果は、平均±SEMとして表されている。ns P>0.05及び
*P<0.05、二元配置RM ANOVA。媒体=生理食塩水、20μL、i.d.、n=10、D-10に1回。Dysport(登録商標)=25U/kg、i.d.、n=10、D-10に1回。
【
図7】
図7は、Dysport(登録商標)(25U/kg、i.d.)が、CYP誘導性異痛症(AUC1~6g)及び痛覚過敏(AUC6~26g)を減少させたことを示す図である。Dysport(登録商標)及び媒体群における、1から6gの間で(A)及び6から26gの間で(B)算出されたAUC、事前(D0、「基礎」)及びCYP注射後(D7及びD10)。結果は、平均±SEMとして表されている。ns P>0.05及び
*P<0.05、Mann Whitney検定又は独立t検定。媒体=生理食塩水、20μL、i.d.、n=10、D-10に1回。Dysport(登録商標)=25U/kg、i.d.、n=10、D-10に1回。
【
図8】
図8は、胸髄におけるc-SNAP25 IHC結果を示す図である。0~20のIHCスコアリング(5つの最も強く染色された切片に各0~4のスコアが付けられる)。生理食塩水処置動物ではc-SNAP25染色は観察されなかった。
【
図9】
図9は、腰仙髄におけるc-SNAP25 IHC結果を示す図である。0~20のIHCスコアリング(5つの最も強く染色された切片に各0~4のスコアが付けられる)。生理食塩水処置動物ではc-SNAP25染色は観察されなかった。
【
図10】
図10は、腰髄(L1~L6)全体における、切断された(a)SNAP-25及び(b)グリア線維酸性タンパク質(GFAP)免疫染色の定量化を示す図である。腰髄のL3~L4及びL5~L6分節では、GFAP染色の著しい減少が見られ、これは、後角におけるC-SNAP25の高いレベルと関連していた。
【0371】
配列表
【0372】
最初のMetアミノ酸残基又は対応する最初のコドンが、以下の配列番号のいずれかにおいて示される場合には、前記残基/コドンは任意である。
【0373】
配列番号1 - 組換えの触媒的に不活性のBoNT/A(rBoNT/A(0))のヌクレオチド配列
配列番号2 - rBoNT/A(0)のポリペプチド配列
配列番号3 - rLHN/A(軽鎖及び転位置ドメインのみ)のヌクレオチド配列
配列番号4 - rLHN/Aのポリペプチド配列
配列番号5 - rL/A(軽鎖のみ)のヌクレオチド配列
配列番号6 - rL/Aのポリペプチド配列
配列番号7 - rHC/Aのヌクレオチド配列
配列番号8 - rHC/Aのポリペプチド配列
配列番号9 - rBoNT/B(0)のヌクレオチド配列
配列番号10 - rBoNT/B(0)のポリペプチド配列
配列番号11 - rBoNT/C(0)のヌクレオチド配列
配列番号12 - rBoNT/C(0)のポリペプチド配列
配列番号13 - rBoNT/E(0)のヌクレオチド配列
配列番号14 - rBoNT/E(0)のポリペプチド配列
配列番号15 - rBoNT/F(0)のヌクレオチド配列
配列番号16 - rBoNT/F(0)のポリペプチド配列
配列番号17 - rBoNT/A(0)(Hisタグ付き)のヌクレオチド配列
配列番号18 - rBoNT/A(0)(Hisタグ付き)のポリペプチド配列
配列番号19 - rLHN/A(Hisタグ付き)のヌクレオチド配列
配列番号20 - rLHN/A(Hisタグ付き)のポリペプチド配列
配列番号21 - rHC/A(Hisタグ付き)のヌクレオチド配列
配列番号22 - rHC/A(Hisタグ付き)のポリペプチド配列
配列番号23 - rLC/A(Hisタグ付き)のヌクレオチド配列
配列番号24 - rLC/A(Hisタグ付き)のポリペプチド配列
配列番号25 - rBoNT/FA(0)(Hisタグ付き)のヌクレオチド配列
配列番号26 - rBoNT/FA(0)(Hisタグ付き)のポリペプチド配列
配列番号27 - rLHN/FA(Hisタグ付き)のヌクレオチド配列
配列番号28 - rLHN/FA(Hisタグ付き)のポリペプチド配列
配列番号29 - rHC/FA(Hisタグ付き)のヌクレオチド配列
配列番号30 - rHC/FA(Hisタグ付き)のポリペプチド配列
配列番号31 - rLC/FA(Hisタグ付き)のヌクレオチド配列
配列番号32 - rLC/FA(Hisタグ付き)のポリペプチド配列
配列番号33 - rBoNT/F(0)(Hisタグ付き)のヌクレオチド配列
配列番号34 - rBoNT/F(0)(Hisタグ付き)のポリペプチド配列
配列番号35 - rLHN/F(Hisタグ付き)のヌクレオチド配列
配列番号36 - rLHN/F(Hisタグ付き)のポリペプチド配列
配列番号37 - rHC/F(Hisタグ付き)のヌクレオチド配列
配列番号38 - rHC/F(Hisタグ付き)のポリペプチド配列
配列番号39 - rLC/F(Hisタグ付き)のヌクレオチド配列
配列番号40 - rLC/F(Hisタグ付き)のポリペプチド配列
配列番号41 - カチオン性rHC/A(Hisタグ付き)のヌクレオチド配列
配列番号42 - カチオン性rHC/A(Hisタグ付き)のポリペプチド配列
配列番号43 - rHC/AB(Hisタグ付き)のヌクレオチド配列
配列番号44 - rHC/AB(Hisタグ付き)のポリペプチド配列
配列番号45 - rHC/AバリアントY1117V H1253K(Hisタグ付き)のヌクレオチド配列
配列番号46 - rHC/AバリアントY1117V H1253K(Hisタグ付き)のポリペプチド配列
配列番号47 - rHC/AバリアントY1117V F1252Y H1253K L1278F (Hisタグ付き)のヌクレオチド配列
配列番号48 - rHC/AバリアントY1117V F1252Y H1253K L1278F(Hisタグ付き)のポリペプチド配列
配列番号49 - rHC/AバリアントY1117V F1252Y H1253K L1278H(Hisタグ付き)のヌクレオチド配列
配列番号50 - rHC/AバリアントY1117V F1252Y H1253K L1278H (Hisタグ付き)のポリペプチド配列
配列番号51 - BoNT/A - UniProt P10845のポリペプチド配列
配列番号52 - BoNT/B - UniProt P10844のポリペプチド配列
配列番号53 - BoNT/C - UniProt P18640のポリペプチド配列
配列番号54 - BoNT/D - UniProt P19321のポリペプチド配列
配列番号55 - BoNT/E - UniProt Q00496のポリペプチド配列
配列番号56 - BoNT/F - UniProt A7GBG3のポリペプチド配列
配列番号57 - BoNT/G - UniProt Q60393のポリペプチド配列
配列番号58 - TeNT - UniProt P04958のポリペプチド配列
配列番号59 - BoNT/Xのポリペプチド配列
配列番号60 - mrBoNT/Aのヌクレオチド配列
配列番号61 - mrBoNT/Aのポリペプチド配列
配列番号62 - 非改変BoNT/A1のポリペプチド配列
配列番号63 - mrBoNT/ABのポリペプチド配列
配列番号64 - mrBoNT/AB(0)のポリペプチド配列
配列番号65 - mrBoNT/A(0)のポリペプチド配列
【0374】
配列番号1 - ヌクレオチド配列, rBoNT/A(0)
ATGCCATTCGTCAACAAGCAATTCAACTACAAAGACCCAGTCAACGGCGTCGACATCGCATACATCAAGATTCCGAACGCCGGTCAAATGCAGCCGGTTAAGGCTTTTAAGATCCACAACAAGATTTGGGTTATCCCGGAGCGTGACACCTTCACGAACCCGGAAGAAGGCGATCTGAACCCGCCACCGGAAGCGAAGCAAGTCCCTGTCAGCTACTACGATTCGACGTACCTGAGCACGGATAACGAAAAAGATAACTACCTGAAAGGTGTGACCAAGCTGTTCGAACGTATCTACAGCACGGATCTGGGTCGCATGCTGCTGACTAGCATTGTTCGCGGTATCCCGTTCTGGGGTGGTAGCACGATTGACACCGAACTGAAGGTTATCGACACTAACTGCATTAACGTTATTCAACCGGATGGTAGCTATCGTAGCGAAGAGCTGAATCTGGTCATCATTGGCCCGAGCGCAGACATTATCCAATTCGAGTGCAAGAGCTTTGGTCACGAGGTTCTGAATCTGACCCGCAATGGCTATGGTAGCACCCAGTACATTCGTTTTTCGCCGGATTTTACCTTCGGCTTTGAAGAGAGCCTGGAGGTTGATACCAATCCGTTGCTGGGTGCGGGCAAATTCGCTACCGATCCGGCTGTCACGCTGGCCCATcAACTGATCtACGCAGGCCACCGCCTGTACGGCATTGCCATCAACCCAAACCGTGTGTTCAAGGTTAATACGAATGCATACTACGAGATGAGCGGCCTGGAAGTCAGCTTCGAAGAACTGCGCACCTTCGGTGGCCATGACGCTAAATTCATTGACAGCTTGCAAGAGAATGAGTTCCGTCTGTACTACTATAACAAATTCAAAGACATTGCAAGCACGTTGAACAAGGCCAAAAGCATCGTTGGTACTACCGCGTCGTTGCAGTATATGAAGAATGTGTTTAAAGAGAAGTACCTGCTGTCCGAGGATACCTCCGGCAAGTTTAGCGTTGATAAGCTGAAGTTTGACAAACTGTACAAGATGCTGACCGAGATTTACACCGAGGACAACTTTGTGAAATTCTTCAAAGTGTTGAATCGTAAAACCTATCTGAATTTTGACAAAGCGGTTTTCAAGATTAACATCGTGCCGAAGGTGAACTACACCATCTATGACGGTTTTAACCTGCGTAACACCAACCTGGCGGCGAACTTTAACGGTCAGAATACGGAAATCAACAACATGAATTTCACGAAGTTGAAGAACTTCACGGGTCTGTTCGAGTTCTATAAGCTGCTGTGCGTGCGCGGTATCATCACCAGCAAAACCAAAAGCCTGGACAAAGGCTACAACAAGGCGCTGAATGACCTGTGCATTAAGGTAAACAATTGGGATCTGTTCTTTTCGCCATCCGAAGATAATTTTACCAACGACCTGAACAAGGGTGAAGAAATCACCAGCGATACGAATATTGAAGCAGCGGAAGAGAATATCAGCCTGGATCTGATCCAGCAGTACTATCTGACCTTTAACTTCGACAATGAACCGGAGAACATTAGCATTGAGAATCTGAGCAGCGACATTATCGGTCAGCTGGAACTGATGCCGAATATCGAACGTTTCCCGAACGGCAAAAAGTACGAGCTGGACAAGTACACTATGTTCCATTACCTGCGTGCACAGGAGTTTGAACACGGTAAAAGCCGTATCGCGCTGACCAACAGCGTTAACGAGGCCCTGCTGAACCCGAGCCGTGTCTATACCTTCTTCAGCAGCGACTATGTTAAGAAAGTGAACAAAGCCACTGAGGCCGCGATGTTCCTGGGCTGGGTGGAACAGCTGGTATATGACTTCACGGACGAGACGAGCGAAGTGAGCACTACCGACAAAATTGCTGATATTACCATCATTATCCCGTATATTGGTCCGGCACTGAACATTGGCAACATGCTGTACAAAGACGATTTTGTGGGTGCCCTGATCTTCTCCGGTGCCGTGATTCTGCTGGAGTTCATTCCGGAGATTGCGATCCCGGTGTTGGGTACCTTCGCGCTGGTGTCCTACATCGCGAATAAGGTTCTGACGGTTCAGACCATCGATAACGCGCTGTCGAAACGTAATGAAAAATGGGACGAGGTTTACAAATACATTGTTACGAATTGGCTGGCGAAAGTCAATACCCAGATCGACCTGATCCGTAAGAAAATGAAAGAGGCGCTGGAGAATCAGGCGGAGGCCACCAAAGCAATTATCAACTACCAATACAACCAGTACACGGAAGAAGAGAAGAATAACATTAACTTCAATATCGATGATTTGAGCAGCAAGCTGAATGAATCTATCAACAAAGCGATGATCAATATCAACAAGTTTTTGAATCAGTGTAGCGTTTCGTACCTGATGAATAGCATGATTCCGTATGGCGTCAAACGTCTGGAGGACTTCGACGCCAGCCTGAAAGATGCGTTGCTGAAATACATTTACGACAATCGTGGTACGCTGATTGGCCAAGTTGACCGCTTGAAAGACAAAGTTAACAATACCCTGAGCACCGACATCCCATTTCAACTGAGCAAGTATGTTGATAATCAACGTCTGTTGAGCACTTTCACCGAGTATATCAAAAACATCATCAATACTAGCATTCTGAACCTGCGTTACGAGAGCAATCATCTGATTGATCTGAGCCGTTATGCAAGCAAGATCAACATCGGTAGCAAGGTCAATTTTGACCCGATCGATAAGAACCAGATCCAGCTGTTTAATCTGGAATCGAGCAAAATTGAGGTTATCCTGAAAAACGCCATTGTCTACAACTCCATGTACGAGAATTTCTCCACCAGCTTCTGGATTCGCATCCCGAAATACTTCAACAGCATTAGCCTGAACAACGAGTATACTATCATCAACTGTATGGAGAACAACAGCGGTTGGAAGGTGTCTCTGAACTATGGTGAGATCATTTGGACCTTGCAGGACACCCAAGAGATCAAGCAGCGCGTCGTGTTCAAGTACTCTCAAATGATCAACATTTCCGATTACATTAATCGTTGGATCTTCGTGACCATTACGAATAACCGTCTGAATAACAGCAAGATTTACATCAATGGTCGCTTGATCGATCAGAAACCGATTAGCAACCTGGGTAATATCCACGCAAGCAACAACATTATGTTCAAATTGGACGGTTGCCGCGATACCCATCGTTATATCTGGATCAAGTATTTCAACCTGTTTGATAAAGAACTGAATGAGAAGGAGATCAAAGATTTGTATGACAACCAATCTAACAGCGGCATTTTGAAGGACTTCTGGGGCGATTATCTGCAATACGATAAGCCGTACTATATGCTGAACCTGTATGATCCGAACAAATATGTGGATGTCAATAATGTGGGTATTCGTGGTTACATGTATTTGAAGGGTCCGCGTGGCAGCGTTATGACGACCAACATTTACCTGAACTCTAGCCTGTACCGTGGTACGAAATTCATCATTAAGAAATATGCCAGCGGCAACAAAGATAACATTGTGCGTAATAACGATCGTGTCTACATCAACGTGGTCGTGAAGAATAAAGAGTACCGTCTGGCGACCAACGCTTCGCAGGCGGGTGTTGAGAAAATTCTGAGCGCGTTGGAGATCCCTGATGTCGGTAATCTGAGCCAAGTCGTGGTTATGAAGAGCAAGAACGACCAGGGTATCACTAACAAGTGCAAGATGAACCTGCAAGACAACAATGGTAACGACATCGGCTTTATTGGTTTCCACCAGTTCAACAATATTGCTAAACTGGTAGCGAGCAATTGGTACAATCGTCAGATTGAGCGCAGCAGCCGTACTTTGGGCTGTAGCTGGGAGTTTATCCCGGTCGATGATGGTTGGGGCGAACGTCCGCTG
【0375】
配列番号2 - ポリペプチド配列, rBoNT/A(0)
MPFVNKQFNYKDPVNGVDIAYIKIPNAGQMQPVKAFKIHNKIWVIPERDTFTNPEEGDLNPPPEAKQVPVSYYDSTYLSTDNEKDNYLKGVTKLFERIYSTDLGRMLLTSIVRGIPFWGGSTIDTELKVIDTNCINVIQPDGSYRSEELNLVIIGPSADIIQFECKSFGHEVLNLTRNGYGSTQYIRFSPDFTFGFEESLEVDTNPLLGAGKFATDPAVTLAHQLIYAGHRLYGIAINPNRVFKVNTNAYYEMSGLEVSFEELRTFGGHDAKFIDSLQENEFRLYYYNKFKDIASTLNKAKSIVGTTASLQYMKNVFKEKYLLSEDTSGKFSVDKLKFDKLYKMLTEIYTEDNFVKFFKVLNRKTYLNFDKAVFKINIVPKVNYTIYDGFNLRNTNLAANFNGQNTEINNMNFTKLKNFTGLFEFYKLLCVRGIITSKTKSLDKGYNKALNDLCIKVNNWDLFFSPSEDNFTNDLNKGEEITSDTNIEAAEENISLDLIQQYYLTFNFDNEPENISIENLSSDIIGQLELMPNIERFPNGKKYELDKYTMFHYLRAQEFEHGKSRIALTNSVNEALLNPSRVYTFFSSDYVKKVNKATEAAMFLGWVEQLVYDFTDETSEVSTTDKIADITIIIPYIGPALNIGNMLYKDDFVGALIFSGAVILLEFIPEIAIPVLGTFALVSYIANKVLTVQTIDNALSKRNEKWDEVYKYIVTNWLAKVNTQIDLIRKKMKEALENQAEATKAIINYQYNQYTEEEKNNINFNIDDLSSKLNESINKAMININKFLNQCSVSYLMNSMIPYGVKRLEDFDASLKDALLKYIYDNRGTLIGQVDRLKDKVNNTLSTDIPFQLSKYVDNQRLLSTFTEYIKNIINTSILNLRYESNHLIDLSRYASKINIGSKVNFDPIDKNQIQLFNLESSKIEVILKNAIVYNSMYENFSTSFWIRIPKYFNSISLNNEYTIINCMENNSGWKVSLNYGEIIWTLQDTQEIKQRVVFKYSQMINISDYINRWIFVTITNNRLNNSKIYINGRLIDQKPISNLGNIHASNNIMFKLDGCRDTHRYIWIKYFNLFDKELNEKEIKDLYDNQSNSGILKDFWGDYLQYDKPYYMLNLYDPNKYVDVNNVGIRGYMYLKGPRGSVMTTNIYLNSSLYRGTKFIIKKYASGNKDNIVRNNDRVYINVVVKNKEYRLATNASQAGVEKILSALEIPDVGNLSQVVVMKSKNDQGITNKCKMNLQDNNGNDIGFIGFHQFNNIAKLVASNWYNRQIERSSRTLGCSWEFIPVDDGWGERPL
【0376】
配列番号3 - ヌクレオチド配列, rLHN/A
atggagttcgttaacaaacagttcaactataaagacccagttaacggtgttgacattgcttacatcaaaatcccgaacgctggccagatgcagccggtaaaggcattcaaaatccacaacaaaatctgggttatcccggaacgtgatacctttactaacccggaagaaggtgacctgaacccgccaccggaagcgaaacaggtgccggtatcttactatgactccacctacctgtctaccgataacgaaaaggacaactacctgaaaggtgttactaaactgttcgagcgtatttactccaccgacctgggccgtatgctgctgactagcatcgttcgcggtatcccgttctggggcggttctaccatcgataccgaactgaaagtaatcgacactaactgcatcaacgttattcagccggacggttcctatcgttccgaagaactgaacctggtgatcatcggcccgtctgctgatatcatccagttcgagtgtaagagctttggtcacgaagttctgaacctcacccgtaacggctacggttccactcagtacatccgtttctctccggacttcaccttcggttttgaagaatccctggaagtagacacgaacccactgctgggcgctggtaaattcgcaactgatcctgcggttaccctggctcacgaactgattcatgcaggccaccgcctgtacggtatcgccatcaatccgaaccgtgtcttcaaagttaacaccaacgcgtattacgagatgtccggtctggaagttagcttcgaagaactgcgtacttttggcggtcacgacgctaaattcatcgactctctgcaagaaaacgagttccgtctgtactactataacaagttcaaagatatcgcatccaccctgaacaaagcgaaatccatcgtgggtaccactgcttctctccagtacatgaagaacgtttttaaagaaaaatacctgctcagcgaagacacctccggcaaattctctgtagacaagttgaaattcgataaactttacaaaatgctgactgaaatttacaccgaagacaacttcgttaagttctttaaagttctgaaccgcaaaacctatctgaacttcgacaaggcagtattcaaaatcaacatcgtgccgaaagttaactacactatctacgatggtttcaacctgcgtaacaccaacctggctgctaattttaacggccagaacacggaaatcaacaacatgaacttcacaaaactgaaaaacttcactggtctgttcgagttttacaagctgctgtgcGTCGACGGCATCATTACCTCCAAAACTAAATCTGACGATGACGATAAAAACAAAGCGCTGAACCTGCAGtgtatcaaggttaacaactgggatttattcttcagcccgagtgaagacaacttcaccaacgacctgaacaaaggtgaagaaatcacctcagatactaacatcgaagcagccgaagaaaacatctcgctggacctgatccagcagtactacctgacctttaatttcgacaacgagccggaaaacatttctatcgaaaacctgagctctgatatcatcggccagctggaactgatgccgaacatcgaacgtttcccaaacggtaaaaagtacgagctggacaaatataccatgttccactacctgcgcgcgcaggaatttgaacacggcaaatcccgtatcgcactgactaactccgttaacgaagctctgctcaacccgtcccgtgtatacaccttcttctctagcgactacgtgaaaaaggtcaacaaagcgactgaagctgcaatgttcttgggttgggttgaacagcttgtttatgattttaccgacgagacgtccgaagtatctactaccgacaaaattgcggatatcactatcatcatcccgtacatcggtccggctctgaacattggcaacatgctgtacaaagacgacttcgttggcgcactgatcttctccggtgcggtgatcctgctggagttcatcccggaaatcgccatcccggtactgggcacctttgctctggtttcttacattgcaaacaaggttctgactgtacaaaccatcgacaacgcgctgagcaaacgtaacgaaaaatgggatgaagtttacaaatatatcgtgaccaactggctggctaaggttaatactcagatcgacctcatccgcaaaaaaatgaaagaagcactggaaaaccaggcggaagctaccaaggcaatcattaactaccagtacaaccagtacaccgaggaagaaaaaaacaacatcaacttcaacatcgacgatctgtcctctaaactgaacgaatccatcaacaaagctatgatcaacatcaacaagttcctgaaccagtgctctgtaagctatctgatgaactccatgatcccgtacggtgttaaacgtctggaggacttcgatgcgtctctgaaagacgccctgctgaaatacatttacgacaaccgtggcactctgatcggtcaggttgatcgtctgaaggacaaagtgaacaataccttatcgaccgacatcccttttcagctcagtaaatatgtcgataaccaacgccttttgtccactctagaagcaCACCATCATCACcaccatcaccatcaccat
【0377】
配列番号4 - ポリペプチド配列, rLHN/A
MEFVNKQFNYKDPVNGVDIAYIKIPNAGQMQPVKAFKIHNKIWVIPERDTFTNPEEGDLNPPPEAKQVPVSYYDSTYLSTDNEKDNYLKGVTKLFERIYSTDLGRMLLTSIVRGIPFWGGSTIDTELKVIDTNCINVIQPDGSYRSEELNLVIIGPSADIIQFECKSFGHEVLNLTRNGYGSTQYIRFSPDFTFGFEESLEVDTNPLLGAGKFATDPAVTLAHELIHAGHRLYGIAINPNRVFKVNTNAYYEMSGLEVSFEELRTFGGHDAKFIDSLQENEFRLYYYNKFKDIASTLNKAKSIVGTTASLQYMKNVFKEKYLLSEDTSGKFSVDKLKFDKLYKMLTEIYTEDNFVKFFKVLNRKTYLNFDKAVFKINIVPKVNYTIYDGFNLRNTNLAANFNGQNTEINNMNFTKLKNFTGLFEFYKLLCVDGIITSKTKSDDDDKNKALNLQCIKVNNWDLFFSPSEDNFTNDLNKGEEITSDTNIEAAEENISLDLIQQYYLTFNFDNEPENISIENLSSDIIGQLELMPNIERFPNGKKYELDKYTMFHYLRAQEFEHGKSRIALTNSVNEALLNPSRVYTFFSSDYVKKVNKATEAAMFLGWVEQLVYDFTDETSEVSTTDKIADITIIIPYIGPALNIGNMLYKDDFVGALIFSGAVILLEFIPEIAIPVLGTFALVSYIANKVLTVQTIDNALSKRNEKWDEVYKYIVTNWLAKVNTQIDLIRKKMKEALENQAEATKAIINYQYNQYTEEEKNNINFNIDDLSSKLNESINKAMININKFLNQCSVSYLMNSMIPYGVKRLEDFDASLKDALLKYIYDNRGTLIGQVDRLKDKVNNTLSTDIPFQLSKYVDNQRLLSTLEAHHHHHHHHHH
【0378】
配列番号5 - ヌクレオチド配列, rL/A
ATGCCATTCGTCAACAAGCAATTCAACTACAAAGACCCAGTCAACGGCGTCGACATCGCATACATCAAGATTCCGAACGCCGGTCAAATGCAGCCGGTTAAGGCTTTTAAGATCCACAACAAGATTTGGGTTATCCCGGAGCGTGACACCTTCACGAACCCGGAAGAAGGCGATCTGAACCCGCCACCGGAAGCGAAGCAAGTCCCTGTCAGCTACTACGATTCGACGTACCTGAGCACGGATAACGAAAAAGATAACTACCTGAAAGGTGTGACCAAGCTGTTCGAACGTATCTACAGCACGGATCTGGGTCGCATGCTGCTGACTAGCATTGTTCGCGGTATCCCGTTCTGGGGTGGTAGCACGATTGACACCGAACTGAAGGTTATCGACACTAACTGCATTAACGTTATTCAACCGGATGGTAGCTATCGTAGCGAAGAGCTGAATCTGGTCATCATTGGCCCGAGCGCAGACATTATCCAATTCGAGTGCAAGAGCTTTGGTCACGAGGTTCTGAATCTGACCCGCAATGGCTATGGTAGCACCCAGTACATTCGTTTTTCGCCGGATTTTACCTTCGGCTTTGAAGAGAGCCTGGAGGTTGATACCAATCCGTTGCTGGGTGCGGGCAAATTCGCTACCGATCCGGCTGTCACGCTGGCCCATGAACTGATCCACGCAGGCCACCGCCTGTACGGCATTGCCATCAACCCAAACCGTGTGTTCAAGGTTAATACGAATGCATACTACGAGATGAGCGGCCTGGAAGTCAGCTTCGAAGAACTGCGCACCTTCGGTGGCCATGACGCTAAATTCATTGACAGCTTGCAAGAGAATGAGTTCCGTCTGTACTACTATAACAAATTCAAAGACATTGCAAGCACGTTGAACAAGGCCAAAAGCATCGTTGGTACTACCGCGTCGTTGCAGTATATGAAGAATGTGTTTAAAGAGAAGTACCTGCTGTCCGAGGATACCTCCGGCAAGTTTAGCGTTGATAAGCTGAAGTTTGACAAACTGTACAAGATGCTGACCGAGATTTACACCGAGGACAACTTTGTGAAATTCTTCAAAGTGTTGAATCGTAAAACCTATCTGAATTTTGACAAAGCGGTTTTCAAGATTAACATCGTGCCGAAGGTGAACTACACCATCTATGACGGTTTTAACCTGCGTAACACCAACCTGGCGGCGAACTTTAACGGTCAGAATACGGAAATCAACAACATGAATTTCACGAAGTTGAAGAACTTCACGGGTCTGTTCGAGTTCTATAAGCTGCTGggtctagaagcaCACCATCATCACcaccatcaccatcaccat
【0379】
配列番号6 - ポリペプチド配列, rL/A
MPFVNKQFNYKDPVNGVDIAYIKIPNAGQMQPVKAFKIHNKIWVIPERDTFTNPEEGDLNPPPEAKQVPVSYYDSTYLSTDNEKDNYLKGVTKLFERIYSTDLGRMLLTSIVRGIPFWGGSTIDTELKVIDTNCINVIQPDGSYRSEELNLVIIGPSADIIQFECKSFGHEVLNLTRNGYGSTQYIRFSPDFTFGFEESLEVDTNPLLGAGKFATDPAVTLAHELIHAGHRLYGIAINPNRVFKVNTNAYYEMSGLEVSFEELRTFGGHDAKFIDSLQENEFRLYYYNKFKDIASTLNKAKSIVGTTASLQYMKNVFKEKYLLSEDTSGKFSVDKLKFDKLYKMLTEIYTEDNFVKFFKVLNRKTYLNFDKAVFKINIVPKVNYTIYDGFNLRNTNLAANFNGQNTEINNMNFTKLKNFTGLFEFYKLLGLEAHHHHHHHHHH
【0380】
配列番号7 - ヌクレオチド配列, rHC/A
ATGCATCATCACCATCACCACAAAAACATCATCAATACTAGCATTCTGAACCTGCGTTACGAGAGCAATCATCTGATTGATCTGAGCCGTTATGCAAGCAAGATCAACATCGGTAGCAAGGTCAATTTTGACCCGATCGATAAGAACCAGATCCAGCTGTTTAATCTGGAATCGAGCAAAATTGAGGTTATCCTGAAAAACGCCATTGTCTACAACTCCATGTACGAGAATTTCTCCACCAGCTTCTGGATTCGCATCCCGAAATACTTCAACAGCATTAGCCTGAACAACGAGTATACTATCATCAACTGTATGGAGAACAACAGCGGTTGGAAGGTGTCTCTGAACTATGGTGAGATCATTTGGACCTTGCAGGACACCCAAGAGATCAAGCAGCGCGTCGTGTTCAAGTACTCTCAAATGATCAACATTTCCGATTACATTAATCGTTGGATCTTCGTGACCATTACGAATAACCGTCTGAATAACAGCAAGATTTACATCAATGGTCGCTTGATCGATCAGAAACCGATTAGCAACCTGGGTAATATCCACGCAAGCAACAACATTATGTTCAAATTGGACGGTTGCCGCGATACCCATCGTTATATCTGGATCAAGTATTTCAACCTGTTTGATAAAGAACTGAATGAGAAGGAGATCAAAGATTTGTATGACAACCAATCTAACAGCGGCATTTTGAAGGACTTCTGGGGCGATTATCTGCAATACGATAAGCCGTACTATATGCTGAACCTGTATGATCCGAACAAATATGTGGATGTCAATAATGTGGGTATTCGTGGTTACATGTATTTGAAGGGTCCGCGTGGCAGCGTTATGACGACCAACATTTACCTGAACTCTAGCCTGTACCGTGGTACGAAATTCATCATTAAGAAATATGCCAGCGGCAACAAAGATAACATTGTGCGTAATAACGATCGTGTCTACATCAACGTGGTCGTGAAGAATAAAGAGTACCGTCTGGCGACCAACGCTTCGCAGGCGGGTGTTGAGAAAATTCTGAGCGCGTTGGAGATCCCTGATGTCGGTAATCTGAGCCAAGTCGTGGTTATGAAGAGCAAGAACGACCAGGGTATCACTAACAAGTGCAAGATGAACCTGCAAGACAACAATGGTAACGACATCGGCTTTATTGGTTTCCACCAGTTCAACAATATTGCTAAACTGGTAGCGAGCAATTGGTACAATCGTCAGATTGAGCGCAGCAGCCGTACTTTGGGCTGTAGCTGGGAGTTTATCCCGGTCGATGATGGTTGGGGCGAACGTCCGCTG
【0381】
配列番号8 - ポリペプチド配列, rHC/A
MHHHHHHKNIINTSILNLRYESNHLIDLSRYASKINIGSKVNFDPIDKNQIQLFNLESSKIEVILKNAIVYNSMYENFSTSFWIRIPKYFNSISLNNEYTIINCMENNSGWKVSLNYGEIIWTLQDTQEIKQRVVFKYSQMINISDYINRWIFVTITNNRLNNSKIYINGRLIDQKPISNLGNIHASNNIMFKLDGCRDTHRYIWIKYFNLFDKELNEKEIKDLYDNQSNSGILKDFWGDYLQYDKPYYMLNLYDPNKYVDVNNVGIRGYMYLKGPRGSVMTTNIYLNSSLYRGTKFIIKKYASGNKDNIVRNNDRVYINVVVKNKEYRLATNASQAGVEKILSALEIPDVGNLSQVVVMKSKNDQGITNKCKMNLQDNNGNDIGFIGFHQFNNIAKLVASNWYNRQIERSSRTLGCSWEFIPVDDGWGERPL
【0382】
配列番号9 - ヌクレオチド配列, rBoNT/B(0)
ATGCCGGTGACGATTAACAACTTCAACTACAACGACCCGATTGACAACAACAACATTATCATGATGGAACCGCCGTTTGCACGCGGCACGGGCCGTTATTACAAAGCGTTTAAAATCACCGATCGTATTTGGATTATCCCGGAACGCTACACGTTTGGTTATAAACCGGAAGACTTCAACAAAAGCTCTGGCATCTTCAACCGTGATGTTTGCGAATACTACGATCCGGACTACCTGAACACCAACGATAAGAAAAACATTTTTCTGCAAACGATGATCAAACTGTTCAATCGCATTAAAAGCAAACCGCTGGGTGAAAAACTGCTGGAAATGATTATCAATGGCATTCCGTATCTGGGTGATCGTCGCGTGCCGCTGGAAGAATTTAACACCAATATCGCGAGTGTTACGGTCAACAAACTGATTTCCAATCCGGGTGAAGTCGAACGTAAAAAAGGCATCTTCGCCAACCTGATCATCTTCGGCCCGGGTCCGGTGCTGAACGAAAATGAAACCATTGATATCGGTATTCAGAACCATTTTGCCTCACGCGAAGGCTTCGGCGGTATTATGCAAATGAAATTTTGCCCGGAATATGTGTCGGTTTTCAACAATGTTCAGGAAAACAAAGGTGCAAGCATCTTTAATCGTCGCGGCTATTTCTCTGATCCGGCTCTGATCCTGATGCACcAACTGATTtATGTGCTGCACGGCCTGTATGGTATCAAAGTGGATGACCTGCCGATCGTTCCGAACGAGAAAAAATTTTTCATGCAGAGCACCGACGCAATTCAAGCTGAAGAACTGTATACGTTTGGCGGTCAGGACCCGTCTATTATCACCCCGAGCACCGACAAAAGCATCTACGATAAAGTGCTGCAAAACTTTCGTGGCATTGTTGACCGCCTGAATAAAGTCCTGGTGTGTATCTCTGATCCGAACATCAACATCAACATCTACAAAAACAAATTCAAAGACAAATACAAATTCGTTGAAGATTCTGAAGGCAAATATAGTATTGACGTCGAATCCTTTGATAAACTGTACAAAAGTCTGATGTTCGGTTTCACCGAAACGAACATCGCGGAAAACTACAAAATCAAAACCCGCGCCTCCTATTTCAGCGACTCTCTGCCGCCGGTTAAAATCAAAAATCTGCTGGATAACGAAATTTATACGATCGAAGAAGGTTTCAACATCAGCGATAAAGACATGGAAAAAGAATACCGTGGCCAGAATAAAGCAATCAACAAACAGGCGTATGAAGAAATTAGTAAAGAACATCTGGCGGTCTACAAAATTCAGATGTGCAAATCCGTGAAAGCCCCGGGTATTTGTATCGATGTTGACAATGAAGACCTGTTTTTCATCGCCGATAAAAACAGTTTTTCCGATGACCTGTCAAAAAATGAACGCATCGAATACAACACCCAATCGAACTACATCGAAAACGATTTCCCGATCAACGAACTGATTCTGGATACGGACCTGATTAGTAAAATCGAACTGCCGTCAGAAAACACCGAATCGCTGACGGACTTTAATGTTGATGTCCCGGTGTATGAAAAACAGCCGGCAATTAAGAAAATTTTTACCGATGAAAACACGATCTTCCAGTACCTGTACAGCCAAACCTTTCCGCTGGACATTCGCGATATCTCTCTGACGAGTTCCTTTGATGACGCACTGCTGTTCAGCAACAAAGTGTACTCCTTTTTCTCAATGGATTACATCAAAACCGCTAACAAAGTGGTTGAAGCGGGCCTGTTTGCCGGTTGGGTGAAACAGATCGTTAACGATTTCGTCATCGAAGCCAACAAAAGTAACACGATGGATAAAATTGCTGATATCTCCCTGATTGTCCCGTATATTGGCCTGGCACTGAATGTGGGTAACGAAACGGCGAAAGGCAATTTTGAAAACGCCTTCGAAATTGCAGGCGCTTCAATCCTGCTGGAATTTATTCCGGAACTGCTGATCCCGGTCGTGGGTGCGTTCCTGCTGGAATCTTACATCGACAACAAAAACAAAATCATCAAAACCATTGATAACGCGCTGACGAAACGTAACGAAAAATGGTCAGATATGTACGGCCTGATTGTTGCCCAGTGGCTGAGCACCGTCAACACGCAATTTTACACCATCAAAGAAGGTATGTACAAAGCGCTGAATTATCAGGCGCAAGCCCTGGAAGAAATCATCAAATACCGCTACAACATCTACAGCGAAAAAGAAAAATCTAACATCAACATCGACTTTAATGATATCAACAGCAAACTGAACGAAGGTATCAACCAGGCAATCGATAACATCAACAACTTCATCAACGGCTGCTCAGTGTCGTATCTGATGAAGAAAATGATCCCGCTGGCTGTTGAAAAACTGCTGGATTTTGACAACACCCTGAAGAAAAACCTGCTGAACTACATCGATGAAAACAAACTGTACCTGATCGGCTCAGCCGAATACGAAAAATCGAAAGTGAACAAATACCTGAAAACCATCATGCCGTTTGACCTGAGTATTTACACCAACGATACGATCCTGATCGAAATGTTCAACAAATACAACTCCGAAATTCTGAACAATATTATCCTGAACCTGCGTTACAAAGACAACAATCTGATCGATCTGAGCGGCTATGGTGCAAAAGTTGAAGTCTACGACGGTGTCGAACTGAACGATAAAAACCAGTTCAAACTGACCTCATCGGCTAACTCAAAAATTCGTGTGACGCAGAACCAAAACATCATCTTCAACTCGGTCTTTCTGGACTTCAGCGTGTCTTTCTGGATTCGCATCCCGAAATATAAAAATGATGGCATCCAGAACTACATCCATAACGAATACACCATCATCAACTGTATGAAAAACAACAGTGGTTGGAAAATTTCCATCCGTGGCAACCGCATTATCTGGACCCTGATTGATATCAATGGTAAAACGAAAAGCGTGTTTTTCGAATACAACATCCGTGAAGATATCTCTGAATACATCAATCGCTGGTTTTTCGTGACCATTACGAACAATCTGAACAATGCGAAAATCTATATCAACGGCAAACTGGAAAGTAATACCGACATCAAAGATATTCGTGAAGTTATCGCCAACGGTGAAATCATCTTCAAACTGGATGGCGACATCGATCGCACCCAGTTCATTTGGATGAAATACTTCTCCATCTTCAACACGGAACTGAGTCAGTCCAATATCGAAGAACGCTACAAAATCCAATCATACTCGGAATACCTGAAAGATTTCTGGGGTAACCCGCTGATGTACAACAAAGAATACTACATGTTCAACGCGGGCAACAAAAACTCATACATCAAACTGAAAAAAGATTCGCCGGTGGGTGAAATCCTGACCCGTAGCAAATACAACCAGAACTCTAAATACATCAACTATCGCGATCTGTACATTGGCGAAAAATTTATTATCCGTCGCAAAAGCAACTCTCAGAGTATTAATGATGACATCGTGCGTAAAGAAGACTACATCTATCTGGATTTCTTTAATCTGAACCAAGAATGGCGCGTTTATACCTACAAATACTTCAAAAAAGAAGAAGAGAAACTGTTCCTGGCCCCGATTAGCGACAGCGATGAATTTTACAACACCATCCAGATCAAAGAATACGATGAACAGCCGACGTATAGTTGCCAACTGCTGTTCAAAAAAGACGAAGAATCCACCGATGAAATTGGCCTGATTGGTATCCACCGTTTCTATGAAAGCGGTATCGTTTTCGAAGAATACAAAGATTACTTCTGTATCTCTAAATGGTATCTGAAAGAAGTCAAACGCAAACCGTACAACCTGAAACTGGGCTGCAACTGGCAATTTATCCCGAAAGACGAAGGCTGGACCGAA
【0383】
配列番号10 - ポリペプチド配列, rBoNT/B(0)
MPVTINNFNYNDPIDNNNIIMMEPPFARGTGRYYKAFKITDRIWIIPERYTFGYKPEDFNKSSGIFNRDVCEYYDPDYLNTNDKKNIFLQTMIKLFNRIKSKPLGEKLLEMIINGIPYLGDRRVPLEEFNTNIASVTVNKLISNPGEVERKKGIFANLIIFGPGPVLNENETIDIGIQNHFASREGFGGIMQMKFCPEYVSVFNNVQENKGASIFNRRGYFSDPALILMHQLIYVLHGLYGIKVDDLPIVPNEKKFFMQSTDAIQAEELYTFGGQDPSIITPSTDKSIYDKVLQNFRGIVDRLNKVLVCISDPNININIYKNKFKDKYKFVEDSEGKYSIDVESFDKLYKSLMFGFTETNIAENYKIKTRASYFSDSLPPVKIKNLLDNEIYTIEEGFNISDKDMEKEYRGQNKAINKQAYEEISKEHLAVYKIQMCKSVKAPGICIDVDNEDLFFIADKNSFSDDLSKNERIEYNTQSNYIENDFPINELILDTDLISKIELPSENTESLTDFNVDVPVYEKQPAIKKIFTDENTIFQYLYSQTFPLDIRDISLTSSFDDALLFSNKVYSFFSMDYIKTANKVVEAGLFAGWVKQIVNDFVIEANKSNTMDKIADISLIVPYIGLALNVGNETAKGNFENAFEIAGASILLEFIPELLIPVVGAFLLESYIDNKNKIIKTIDNALTKRNEKWSDMYGLIVAQWLSTVNTQFYTIKEGMYKALNYQAQALEEIIKYRYNIYSEKEKSNINIDFNDINSKLNEGINQAIDNINNFINGCSVSYLMKKMIPLAVEKLLDFDNTLKKNLLNYIDENKLYLIGSAEYEKSKVNKYLKTIMPFDLSIYTNDTILIEMFNKYNSEILNNIILNLRYKDNNLIDLSGYGAKVEVYDGVELNDKNQFKLTSSANSKIRVTQNQNIIFNSVFLDFSVSFWIRIPKYKNDGIQNYIHNEYTIINCMKNNSGWKISIRGNRIIWTLIDINGKTKSVFFEYNIREDISEYINRWFFVTITNNLNNAKIYINGKLESNTDIKDIREVIANGEIIFKLDGDIDRTQFIWMKYFSIFNTELSQSNIEERYKIQSYSEYLKDFWGNPLMYNKEYYMFNAGNKNSYIKLKKDSPVGEILTRSKYNQNSKYINYRDLYIGEKFIIRRKSNSQSINDDIVRKEDYIYLDFFNLNQEWRVYTYKYFKKEEEKLFLAPISDSDEFYNTIQIKEYDEQPTYSCQLLFKKDEESTDEIGLIGIHRFYESGIVFEEYKDYFCISKWYLKEVKRKPYNLKLGCNWQFIPKDEGWTE
【0384】
配列番号11 - ヌクレオチド配列, rBoNT/C(0)
ATGCCGATCACGATTAATAATTTCAACTATAGCGATCCGGTGGACAATAAGAATATTCTGTATCTGGATACTCATCTGAATACGCTGGCTAACGAACCGGAGAAAGCGTTCCGCATCACAGGCAACATCTGGGTTATTCCCGATCGCTTTTCACGCAACAGCAACCCTAATCTGAACAAACCTCCTCGTGTCACCAGTCCTAAATCCGGTTATTACGACCCAAACTATCTGAGTACGGATAGCGATAAAGATCCCTTTCTGAAAGAGATCATTAAGCTGTTCAAACGCATTAACTCTCGCGAAATTGGGGAAGAGCTGATCTATCGGCTTTCGACAGATATCCCGTTCCCAGGTAACAATAATACCCCGATTAATACTTTCGACTTTGATGTTGATTTCAATTCTGTGGATGTGAAAACGCGTCAAGGCAATAATTGGGTGAAAACTGGTAGCATTAACCCGAGTGTAATTATCACAGGTCCCCGTGAGAACATCATCGACCCGGAAACCTCTACCTTCAAGCTGACGAACAACACGTTTGCTGCACAGGAAGGGTTTGGTGCCCTGTCAATCATTTCCATCTCACCGCGTTTCATGTTAACCTACTCCAATGCCACAAATGATGTTGGCGAAGGACGTTTTAGCAAATCAGAATTTTGCATGGACCCAATTCTCATTCTGATGggCacGCTGAACaATGCGATGCACAACTTGTATGGCATTGCTATTCCAAACGATCAAACCATTAGCTCCGTTACCAGTAATATCTTCTATAGCCAGTATAATGTCAAATTGGAGTATGCCGAAATTTACGCCTTTGGAGGCCCGACCATTGACCTGATTCCGAAATCTGCACGCAAATACTTCGAAGAAAAGGCGTTAGATTACTATCGCAGCATCGCGAAACGCCTGAACTCGATTACCACGGCCAATCCGTCGTCGTTCAACAAATACATTGGTGAATATAAACAGAAACTGATTCGCAAATATCGGTTTGTCGTAGAAAGCTCTGGTGAAGTGACTGTAAACCGCAACAAATTTGTCGAACTCTACAACGAGTTGACCCAAATCTTTACCGAGTTTAACTACGCAAAGATCTATAACGTACAGAACCGCAAGATTTATCTTAGCAATGTATACACACCGGTTACTGCGAACATCTTAGACGACAATGTGTATGATATTCAGAATGGCTTTAACATCCCGAAATCAAATCTGAACGTTCTGTTTATGGGCCAGAACCTGAGTCGTAATCCAGCACTGCGTAAAGTGAACCCGGAAAATATGCTCTACTTGTTTACCAAATTTTGCCACAAAGCGATTGATGGCCGCTCTCTCTATAACAAAACGCTGGATTGTCGTGAGTTACTTGTGAAGAACACTGATTTACCGTTCATTGGGGATATCTCCGACGTGAAAACCGATATCTTCCTGCGCAAAGACATTAATGAAGAAACGGAAGTCATCTATTACCCCGACAATGTGAGCGTTGATCAGGTCATTTTATCGAAGAACACCTCCGAACATGGTCAGTTGGATTTGCTGTACCCTAGCATTGACTCGGAGAGTGAAATCCTTCCGGGCGAAAATCAAGTGTTTTACGACAACCGTACCCAAAATGTTGATTATTTGAATTCTTATTACTACCTGGAATCTCAGAAATTGAGCGACAATGTGGAAGATTTCACGTTCACACGCTCCATTGAGGAAGCGCTGGATAATAGCGCGAAAGTGTATACGTATTTCCCTACCTTGGCGAATAAAGTAAATGCTGGTGTCCAGGGAGGCTTATTTCTGATGTGGGCGAATGATGTGGTAGAAGATTTTACGACCAATATTTTGCGTAAGGACACCTTAGATAAAATTAGCGATGTTAGCGCCATCATCCCCTATATTGGCCCAGCACTGAATATCTCGAACTCTGTGCGTCGCGGAAACTTCACCGAAGCATTTGCGGTGACCGGGGTTACTATTCTGTTGGAAGCCTTTCCGGAGTTTACTATTCCGGCGCTGGGTGCGTTTGTGATTTATTCGAAAGTACAAGAACGCAATGAAATTATCAAAACCATCGATAATTGCCTGGAACAACGCATTAAACGCTGGAAGGATTCTTATGAATGGATGATGGGCACCTGGTTATCCCGTATTATCACACAGTTTAACAACATCTCGTATCAGATGTACGATTCACTGAACTACCAAGCAGGGGCGATCAAAGCCAAGATCGACTTAGAATACAAGAAATATTCAGGTAGCGATAAAGAGAATATTAAAAGCCAGGTTGAAAACCTGAAGAACTCTCTGGATGTCAAAATTTCAGAGGCTATGAACAACATTAACAAATTTATCCGCGAATGTAGCGTCACGTATCTGTTTAAAAACATGCTCCCGAAAGTGATTGATGAGCTCAACGAGTTTGATCGCAACACAAAGGCCAAACTGATTAACCTGATTGATAGTCACAATATTATTTTAGTCGGTGAAGTTGACAAGCTGAAGGCTAAGGTCAATAACAGCTTTCAGAACACTATTCCGTTTAATATTTTCTCCTATACGAACAATAGTCTGCTGAAAGACATTATCAACGAATACTTCAACAATATTAATGACAGCAAAATTCTGAGCCTGCAGAATCGTAAGAATACGCTGGTAGATACCAGTGGATATAATGCGGAAGTCTCAGAAGAGGGTGATGTACAGCTGAACCCGATCTTTCCGTTCGACTTTAAACTGGGGTCTAGTGGTGAAGATCGCGGTAAAGTGATCGTTACCCAAAACGAGAACATTGTGTATAACAGCATGTACGAGAGTTTCTCAATTTCTTTCTGGATTCGCATCAATAAATGGGTTTCTAATTTGCCTGGCTATACCATCATTGATAGCGTCAAAAACAACTCGGGCTGGTCGATTGGCATTATTAGCAACTTTCTGGTGTTTACCCTGAAACAGAATGAGGATTCGGAACAGAGCATTAACTTCTCCTACGACATCAGCAACAATGCACCAGGGTATAACAAATGGTTCTTCGTAACGGTGACGAACAATATGATGGGCAATATGAAAATCTACATTAACGGGAAACTTATCGACACCATTAAAGTGAAAGAGCTTACTGGGATCAATTTTAGTAAAACCATTACCTTTGAGATCAACAAAATTCCGGACACGGGTCTGATTACCTCCGATTCGGATAATATCAATATGTGGATTCGCGACTTTTATATCTTCGCCAAAGAACTTGATGGCAAAGATATCAACATTTTGTTTAATTCCCTGCAGTATACCAATGTCGTTAAGGACTATTGGGGCAATGATCTCCGCTACAATAAAGAATACTACATGGTTAACATCGACTATCTCAATCGCTACATGTATGCTAACTCGCGTCAAATTGTGTTTAACACACGTCGTAACAACAACGATTTTAACGAAGGTTATAAAATCATTATCAAACGGATCCGCGGCAATACGAACGATACTCGTGTTCGTGGCGGTGACATTCTGTATTTCGACATGACGATTAATAATAAAGCGTACAATCTGTTCATGAAGAACGAAACCATGTACGCCGATAACCATTCCACTGAAGATATCTACGCAATCGGACTTCGCGAACAGACCAAAGACATTAACGACAACATCATCTTTCAGATTCAACCGATGAATAATACCTACTACTATGCCTCCCAGATCTTCAAAAGTAATTTCAACGGCGAAAACATTTCAGGCATTTGCTCAATCGGCACTTATCGGTTCCGGTTAGGTGGTGATTGGTATCGTCACAACTACCTTGTTCCCACAGTGAAACAAGGCAACTATGCATCGCTCTTAGAAAGCACATCTACGCATTGGGGTTTTGTGCCAGTCAGTGAA
【0385】
配列番号12 - ポリペプチド配列, rBoNT/C(0)
MPITINNFNYSDPVDNKNILYLDTHLNTLANEPEKAFRITGNIWVIPDRFSRNSNPNLNKPPRVTSPKSGYYDPNYLSTDSDKDPFLKEIIKLFKRINSREIGEELIYRLSTDIPFPGNNNTPINTFDFDVDFNSVDVKTRQGNNWVKTGSINPSVIITGPRENIIDPETSTFKLTNNTFAAQEGFGALSIISISPRFMLTYSNATNDVGEGRFSKSEFCMDPILILMGTLNNAMHNLYGIAIPNDQTISSVTSNIFYSQYNVKLEYAEIYAFGGPTIDLIPKSARKYFEEKALDYYRSIAKRLNSITTANPSSFNKYIGEYKQKLIRKYRFVVESSGEVTVNRNKFVELYNELTQIFTEFNYAKIYNVQNRKIYLSNVYTPVTANILDDNVYDIQNGFNIPKSNLNVLFMGQNLSRNPALRKVNPENMLYLFTKFCHKAIDGRSLYNKTLDCRELLVKNTDLPFIGDISDVKTDIFLRKDINEETEVIYYPDNVSVDQVILSKNTSEHGQLDLLYPSIDSESEILPGENQVFYDNRTQNVDYLNSYYYLESQKLSDNVEDFTFTRSIEEALDNSAKVYTYFPTLANKVNAGVQGGLFLMWANDVVEDFTTNILRKDTLDKISDVSAIIPYIGPALNISNSVRRGNFTEAFAVTGVTILLEAFPEFTIPALGAFVIYSKVQERNEIIKTIDNCLEQRIKRWKDSYEWMMGTWLSRIITQFNNISYQMYDSLNYQAGAIKAKIDLEYKKYSGSDKENIKSQVENLKNSLDVKISEAMNNINKFIRECSVTYLFKNMLPKVIDELNEFDRNTKAKLINLIDSHNIILVGEVDKLKAKVNNSFQNTIPFNIFSYTNNSLLKDIINEYFNNINDSKILSLQNRKNTLVDTSGYNAEVSEEGDVQLNPIFPFDFKLGSSGEDRGKVIVTQNENIVYNSMYESFSISFWIRINKWVSNLPGYTIIDSVKNNSGWSIGIISNFLVFTLKQNEDSEQSINFSYDISNNAPGYNKWFFVTVTNNMMGNMKIYINGKLIDTIKVKELTGINFSKTITFEINKIPDTGLITSDSDNINMWIRDFYIFAKELDGKDINILFNSLQYTNVVKDYWGNDLRYNKEYYMVNIDYLNRYMYANSRQIVFNTRRNNNDFNEGYKIIIKRIRGNTNDTRVRGGDILYFDMTINNKAYNLFMKNETMYADNHSTEDIYAIGLREQTKDINDNIIFQIQPMNNTYYYASQIFKSNFNGENISGICSIGTYRFRLGGDWYRHNYLVPTVKQGNYASLLESTSTHWGFVPVSE
【0386】
配列番号13 - ヌクレオチド配列, rBoNT/E(0)
atgccgaaaatcaactctttcaactacaacgacccggttaacgaccgtaccatcctgtatatcaaaccgggtggttgccaggagttctacaaatctttcaacatcatgaaaaacatctggatcatcccggaacgtaacgttatcggtaccaccccgcaggacttccacccgccgacctctctgaaaaacggtgactcttcttactacgacccgaactacctccagtctgacgaagaaaaagaccgtttcctgaaaatcgttaccaaaatcttcaaccgtatcaacaacaacctgtctggtggtatcctgctggaagaactgtctaaagctaacccgtacctgggtaacgacaacaccccggacaaccagttccacatcggtgacgcttctgctgttgaaatcaaattctctaacggttctcaggacatcctgctgccgaacgttatcatcatgggtgctgaaccggacctgttcgaaaccaactcttctaacatctctctgcgtaacaactacatgccgtctaaccacggtttcggttctatcgctatcgttaccttctctccggaatactctttccgtttcaacgacaacagcatgaacgagttcatccaggacccggctctgaccctgatgcaccaactgatctactctctgcacggtctgtacggtgctaaaggtatcaccaccaaatacaccatcacccagaaacagaacccgctgatcaccaacatccgtggtaccaacatcgaagagttcctgaccttcggtggtaccgacctgaacatcatcacctctgctcagtctaacgacatctacaccaacctgctggctgactacaaaaaaatcgcttctaaactgtctaaagttcaggtttctaacccgctgctgaacccgtacaaagacgttttcgaagctaaatacggtctggacaaagacgcttctggtatctactctgttaacatcaacaaattcaacgacatcttcaaaaaactgtactctttcaccgagttcgacctggcgaccaaattccaggttaaatgccgtcagacctacatcggtcagtacaaatacttcaaactgtctaacctgctgaacgactctatctacaacatctctgaaggttacaacatcaacaacctgaaagttaacttccgtggtcagaacgctaacctgaacccgcgtatcatcaccccgatcaccggtcgtggtctggttaaaaaaatcatccgtttctgcAAGAATATTGTAAGCGTTAAAGGAATAAGAAAAAGTATCtgcatcgaaatcaacaacggtgaactgttcttcgttgcttctgaaaactcttacaacgacgacaacatcaacaccccgaaagaaatcgacgacaccgttacctctaacaacaactacgaaaacgacctggaccaggttatcctgaacttcaactctgaatctgctccgggtctgtctgacgaaaaactgaacctgaccatccagaacgacgcttacatcccgaaatacgactctaacggtacctctgacatcgaacagcacgacgttaacgaactgaacgttttcttctacctggacgctcagaaagttccggaaggtgaaaacaacgttaacctgacctcttctatcgacaccgctctgctggaacagccgaaaatctacaccttcttctcttctgagttcatcaacaacgttaacaaaccggttcaggctgctctgttcgtttcttggattcagcaggttctggttgacttcaccaccgaagctaaccagaaatctaccgttgacaaaatcgctgacatctctatcgttgttccgtacatcggtctggctctgaacatcggtaacgaagctcagaaaggtaacttcaaagacgctctggaactgctgggtgctggtatcctgctggagttcgaaccggaactgctgatcccgaccatcctggttttcaccatcaaatctttcctgggttcttctgacaacaaaaacaaagttatcaaagctatcaacaacgctctgaaagaacgtgacgaaaaatggaaagaagtttactctttcatcgtttctaactggatgaccaaaatcaacacccagttcaacaaacgtaaagaacagatgtaccaggctctccagaaccaggttaacgctatcaaaaccatcatcgaatctaaatacaactcttacaccctggaagaaaaaaacgaactgaccaacaaatacgacatcaaacagatcgaaaacgaactgaaccagaaagtttctatcgctatgaacaacatcgaccgtttcctgaccgaatcttctatctcttacctgatgaaactcatcaacgaagttaaaatcaacaaactgcgtgaatacgacgaaaacgttaaaacctacctgctgaactacatcatccagcacggttctatcctgggtgaatctcagcaggaactgaactctatggttaccgacaccctgaacaactctatcccgttcaaactgtcttcttacaccgacgacaaaatcctGATCTCTTACTTCAACAAATTCTTTAAAcgcATTAAGAGTTCATCGGTTctgaatATGCGGTACAAAAATGATAAAtatGTCGATACTTCTGGATATgatAGCAATATCAACATTAACGGCGACGTGTATAAATATccgACAAATAAAAACCAGTTTGGGATATATAACGACAAGctgTCGGAGGTCAATattTCTCAAAACGACtatATCattTACGATAATaaaTATAAAAACTTTAGCATTAGTtttTGGGTTcgtATACCTAATtatGACAATaaaattGTAAATGTGAATAACGAGTATACCATTATAAACTGTATGcgcGACAATAACAGTGGTTGGAAGGTATCGctgAACCATAATGAGATTATCTGGACCctgcagGATAATgcaGGTATAAACCAGAAACTGGCTTTTAACTATGGAAACGCAAATGGGATCTCAGATTACATTaataaaTGGatttttGTTaccATTACGAACGATcgcTTAGGCGACTCAAAACTTTATATTAATggcAATctgATAGATCAGAAATCAATCTTAAATTTGGGCAATATTCATGTCTCTgatAACATCTTGTTCAAGATCGTTAATTGCAGTTACACTcgtTATATTGGCATTCGTTACTTTAATATCTTCgataaaGAActgGACGAGACGGAAATCcagACTCTGTATTCAAACGAGCCCAATACTAATATATTGAAAGATTTTTGGGGTAACTATCTTTTATATGATAAAGAATACTATCTCCTGaatGTATTGAAGCCAAACAATTTCATAGATAGACGCAAGGATAGCACATTAAGTATCAACAATATCAGATCTACTATActgttaGCAAATCGCCTcTACTCCggtATTAAAGTGAAGATTcagCGGGTTAATAACTCCAGTACCAATGATAATCTGGTCCGTAAGAACGATCAGGTATACATCaatTTCGTCGCGAGCAAAACTcatCTCTTCCCGCTTTACGCCgatACAGCTACGACAAACAAGGAAAAAACCATAAAAATTTCCAGCTCCGGAAACAGATTCAATCAAGTAGTTGTAATGAACTCTGTGGGTaatAATTGTACGATGAACTTTaagAATAACAATGGGAACAATattGGACTTTTGGGCTTcAAAGCCGACACAGTGGTGGCGTCCACCTGGTATTACACGcacATGcggGACCATACGAATTCGAACGGTTGCTTCTGGAACTTTATCTCGGAAgaaCACGGGTGGCAAGAAAAA
【0387】
配列番号14 - ポリペプチド配列, rBoNT/E(0)
MPKINSFNYNDPVNDRTILYIKPGGCQEFYKSFNIMKNIWIIPERNVIGTTPQDFHPPTSLKNGDSSYYDPNYLQSDEEKDRFLKIVTKIFNRINNNLSGGILLEELSKANPYLGNDNTPDNQFHIGDASAVEIKFSNGSQDILLPNVIIMGAEPDLFETNSSNISLRNNYMPSNHGFGSIAIVTFSPEYSFRFNDNSMNEFIQDPALTLMHQLIYSLHGLYGAKGITTKYTITQKQNPLITNIRGTNIEEFLTFGGTDLNIITSAQSNDIYTNLLADYKKIASKLSKVQVSNPLLNPYKDVFEAKYGLDKDASGIYSVNINKFNDIFKKLYSFTEFDLATKFQVKCRQTYIGQYKYFKLSNLLNDSIYNISEGYNINNLKVNFRGQNANLNPRIITPITGRGLVKKIIRFCKNIVSVKGIRKSICIEINNGELFFVASENSYNDDNINTPKEIDDTVTSNNNYENDLDQVILNFNSESAPGLSDEKLNLTIQNDAYIPKYDSNGTSDIEQHDVNELNVFFYLDAQKVPEGENNVNLTSSIDTALLEQPKIYTFFSSEFINNVNKPVQAALFVSWIQQVLVDFTTEANQKSTVDKIADISIVVPYIGLALNIGNEAQKGNFKDALELLGAGILLEFEPELLIPTILVFTIKSFLGSSDNKNKVIKAINNALKERDEKWKEVYSFIVSNWMTKINTQFNKRKEQMYQALQNQVNAIKTIIESKYNSYTLEEKNELTNKYDIKQIENELNQKVSIAMNNIDRFLTESSISYLMKLINEVKINKLREYDENVKTYLLNYIIQHGSILGESQQELNSMVTDTLNNSIPFKLSSYTDDKILISYFNKFFKRIKSSSVLNMRYKNDKYVDTSGYDSNININGDVYKYPTNKNQFGIYNDKLSEVNISQNDYIIYDNKYKNFSISFWVRIPNYDNKIVNVNNEYTIINCMRDNNSGWKVSLNHNEIIWTLQDNAGINQKLAFNYGNANGISDYINKWIFVTITNDRLGDSKLYINGNLIDQKSILNLGNIHVSDNILFKIVNCSYTRYIGIRYFNIFDKELDETEIQTLYSNEPNTNILKDFWGNYLLYDKEYYLLNVLKPNNFIDRRKDSTLSINNIRSTILLANRLYSGIKVKIQRVNNSSTNDNLVRKNDQVYINFVASKTHLFPLYADTATTNKEKTIKISSSGNRFNQVVVMNSVGNNCTMNFKNNNGNNIGLLGFKADTVVASTWYYTHMRDHTNSNGCFWNFISEEHGWQEK
【0388】
配列番号15 - ヌクレオチド配列, rBoNT/F(0)
ATGCCGGTGGTCATCAACAGCTTCAACTACAACGACCCAGTAAACGACGACACGATCCTGTATATGCAAATCCCGTATGAAGAGAAGAGCAAGAAGTACTATAAGGCCTTTGAAATCATGCGCAATGTGTGGATTATTCCGGAGCGTAATACGATTGGTACTGACCCAAGCGACTTCGATCCACCTGCGTCTTTGGAAAACGGCTCGTCCGCATATTACGACCCGAATTACCTGACCACCGATGCGGAGAAAGATCGTTATTTGAAAACCACCATCAAGCTGTTCAAACGCATTAACAGCAATCCGGCAGGTGAGGTCCTGCTGCAAGAGATTAGCTACGCAAAGCCTTATCTGGGTAATGAGCATACGCCTATTAACGAGTTTCACCCGGTTACCCGCACTACCAGCGTTAACATCAAGTCCTCGACCAACGTGAAGTCTAGCATTATCCTGAACCTGCTGGTTCTGGGTGCCGGTCCGGACATCTTCGAAAACTCTAGCTACCCGGTGCGTAAACTGATGGATAGCGGCGGTGTTTATGACCCGAGCAATGACGGTTTTGGCAGCATCAATATCGTGACGTTTAGCCCGGAGTACGAGTACACCTTCAATGATATCAGCGGTGGTTACAATTCTTCTACCGAGAGCTTCATCGCCGACCCGGCGATCAGCCTGGCACACCAACTGATCTATGCATTGCATGGCTTGTACGGTGCCCGTGGTGTGACGTATAAAGAGACTATCAAGGTTAAGCAGGCACCTCTGATGATTGCGGAAAAGCCGATTCGCCTGGAAGAGTTCCTGACCTTCGGCGGTCAAGATTTGAACATCATTACCTCGGCCATGAAAGAGAAAATCTATAACAATTTGCTGGCCAACTATGAAAAGATTGCAACGCGCTTGTCTCGTGTTAACTCCGCTCCGCCGGAATACGACATTAATGAGTACAAAGACTACTTTCAATGGAAATATGGCCTGGACAAAAATGCGGATGGTTCTTATACCGTGAATGAAAACAAATTCAATGAAATCTACAAGAAACTGTACAGCTTCACCGAAATCGATCTGGCGAACAAGTTCAAAGTCAAATGTCGTAATACCTACTTCATCAAATATGGCTTCCTGAAAGTCCCGAACCTGCTGGACGATGACATCTATACCGTCAGCGAAGGCTTCAACATCGGCAATCTGGCCGTGAATAATCGTGGTCAGAACATCAAACTGAATCCGAAAATCATTGACTCCATCCCAGACAAGGGCCTGGTTGAGAAAATCGTGAAGTTCTGCAAAAGCGTTATTCCGCGTAAAGGTACGAAAGCACCGCCTCGCCTGTGCATTCGCGTTAACAACCGTGAGTTGTTCTTTGTGGCATCTGAAAGCAGCTACAACGAGAACGACATCAACACCCCTAAAGAAATTGATGATACCACGAACCTGAATAACAATTATCGCAACAATCTGGACGAGGTGATCCTGGATTACAATTCGGAAACCATTCCGCAAATTAGCAATCAGACGCTGAACACCCTGGTTCAGGACGATAGCTACGTTCCGCGTTACGACTCCAATGGTACTAGCGAGATTGAAGAACACAACGTAGTGGACTTGAACGTTTTCTTTTATCTGCACGCCCAGAAGGTTCCGGAGGGCGAAACCAATATTAGCCTGACCAGCTCGATCGACACCGCGCTGTCTGAGGAGAGCCAAGTCTACACCTTTTTCAGCAGCGAGTTTATCAACACTATTAACAAGCCAGTTCATGCTGCATTGTTTATCTCTTGGATTAACCAGGTGATTCGCGACTTTACGACGGAGGCGACCCAGAAGTCTACCTTCGACAAAATTGCAGACATCTCCCTGGTCGTCCCATACGTCGGCCTGGCGTTGAATATTGGCAATGAAGTTCAAAAAGAGAACTTCAAAGAAGCGTTCGAGCTGCTGGGTGCAGGCATCCTGCTGGAGTTCGTGCCGGAACTGTTGATCCCGACCATCCTGGTGTTCACCATTAAGAGCTTCATTGGATCCTCCGAGAATAAGAACAAGATCATCAAGGCGATCAATAACAGCCTGATGGAGCGTGAAACGAAGTGGAAAGAAATCTATAGCTGGATTGTTAGCAATTGGCTGACTCGTATTAACACGCAATTCAACAAGCGTAAAGAGCAAATGTACCAAGCCCTGCAAAACCAAGTTGACGCCATCAAAACGGTAATTGAATACAAGTACAACAATTACACGAGCGATGAGCGCAACCGCCTGGAAAGCGAATACAACATCAACAACATTCGCGAAGAATTGAACAAGAAAGTGAGCCTGGCGATGGAGAACATTGAGCGTTTTATCACCGAAAGCAGCATCTTTTACCTGATGAAATTGATTAATGAGGCGAAAGTCTCGAAACTGCGTGAGTACGACGAAGGTGTGAAAGAGTATCTGCTGGATTACATTAGCGAGCACCGTAGCATCTTGGGTAACTCGGTTCAGGAGCTGAACGATCTGGTGACCTCTACCCTGAACAATAGCATCCCGTTCGAACTGAGCAGCTATACCAATGACAAGATTCTGATTCTGTATTTCAATAAACTGTATAAGAAGATCAAGGATAACAGCATTCTGGATATGCGTTACGAAAACAATAAGTTTATCGACATTTCTGGTTACGGCAGCAACATTTCCATCAATGGCGATGTCTACATCTACAGCACCAATCGCAACCAGTTCGGCATCTACTCTAGCAAACCGAGCGAAGTTAACATCGCACAGAACAATGATATTATTTATAACGGTCGTTATCAAAACTTCTCTATCAGCTTTTGGGTCCGTATCCCGAAGTACTTCAATAAAGTCAATCTGAATAATGAATACACGATCATCGACTGCATTCGCAATAACAACAGCGGTTGGAAAATCAGCCTGAATTACAACAAAATTATTTGGACCCTGCAAGATACGGCGGGTAACAATCAGAAACTGGTGTTTAACTACACGCAAATGATCAGCATTTCTGACTATATCAACAAGTGGATCTTTGTTACCATCACCAATAATCGTCTGGGCAATAGCCGTATTTACATCAACGGTAACCTGATTGATGAGAAAAGCATCAGCAACCTGGGCGATATTCACGTCAGCGACAACATTCTGTTCAAAATTGTTGGTTGTAACGATACCCGTTACGTCGGCATCCGTTATTTCAAGGTTTTCGATACGGAGCTGGGTAAAACGGAAATCGAAACGTTGTACTCCGATGAACCAGATCCGAGCATTCTGAAGGACTTTTGGGGTAACTACTTGCTGTACAATAAACGTTACTATCTGCTGAATCTGTTGCGCACCGACAAGAGCATTACCCAAAACAGCAATTTCCTGAACATTAATCAGCAACGCGGCGTATACCAAAAACCGAACATCTTCAGCAATACGCGCCTGTATACTGGTGTTGAAGTGATCATTCGTAAGAACGGTAGCACCGACATTAGCAACACGGACAATTTCGTCCGTAAGAATGACCTGGCGTACATTAACGTCGTGGACCGTGATGTCGAGTATCGTCTGTACGCAGACATCAGCATTGCGAAACCGGAAAAGATTATCAAGCTGATCCGTACCAGCAACAGCAACAACAGCCTGGGTCAGATCATTGTGATGGACAGCATTGGTAATAACTGCACGATGAACTTCCAGAACAACAATGGTGGTAATATCGGTCTGCTGGGTTTTCACAGCAATAATCTGGTTGCTTCCAGCTGGTACTACAATAACATTCGTAAAAACACGTCTAGCAATGGTTGTTTTTGGAGCTTTATCAGCAAAGAGCACGGCTGGCAAGAAAAT
【0389】
配列番号16 - ポリペプチド配列, rBoNT/F(0)
MPVVINSFNYNDPVNDDTILYMQIPYEEKSKKYYKAFEIMRNVWIIPERNTIGTDPSDFDPPASLENGSSAYYDPNYLTTDAEKDRYLKTTIKLFKRINSNPAGEVLLQEISYAKPYLGNEHTPINEFHPVTRTTSVNIKSSTNVKSSIILNLLVLGAGPDIFENSSYPVRKLMDSGGVYDPSNDGFGSINIVTFSPEYEYTFNDISGGYNSSTESFIADPAISLAHQLIYALHGLYGARGVTYKETIKVKQAPLMIAEKPIRLEEFLTFGGQDLNIITSAMKEKIYNNLLANYEKIATRLSRVNSAPPEYDINEYKDYFQWKYGLDKNADGSYTVNENKFNEIYKKLYSFTEIDLANKFKVKCRNTYFIKYGFLKVPNLLDDDIYTVSEGFNIGNLAVNNRGQNIKLNPKIIDSIPDKGLVEKIVKFCKSVIPRKGTKAPPRLCIRVNNRELFFVASESSYNENDINTPKEIDDTTNLNNNYRNNLDEVILDYNSETIPQISNQTLNTLVQDDSYVPRYDSNGTSEIEEHNVVDLNVFFYLHAQKVPEGETNISLTSSIDTALSEESQVYTFFSSEFINTINKPVHAALFISWINQVIRDFTTEATQKSTFDKIADISLVVPYVGLALNIGNEVQKENFKEAFELLGAGILLEFVPELLIPTILVFTIKSFIGSSENKNKIIKAINNSLMERETKWKEIYSWIVSNWLTRINTQFNKRKEQMYQALQNQVDAIKTVIEYKYNNYTSDERNRLESEYNINNIREELNKKVSLAMENIERFITESSIFYLMKLINEAKVSKLREYDEGVKEYLLDYISEHRSILGNSVQELNDLVTSTLNNSIPFELSSYTNDKILILYFNKLYKKIKDNSILDMRYENNKFIDISGYGSNISINGDVYIYSTNRNQFGIYSSKPSEVNIAQNNDIIYNGRYQNFSISFWVRIPKYFNKVNLNNEYTIIDCIRNNNSGWKISLNYNKIIWTLQDTAGNNQKLVFNYTQMISISDYINKWIFVTITNNRLGNSRIYINGNLIDEKSISNLGDIHVSDNILFKIVGCNDTRYVGIRYFKVFDTELGKTEIETLYSDEPDPSILKDFWGNYLLYNKRYYLLNLLRTDKSITQNSNFLNINQQRGVYQKPNIFSNTRLYTGVEVIIRKNGSTDISNTDNFVRKNDLAYINVVDRDVEYRLYADISIAKPEKIIKLIRTSNSNNSLGQIIVMDSIGNNCTMNFQNNNGGNIGLLGFHSNNLVASSWYYNNIRKNTSSNGCFWSFISKEHGWQEN
【0390】
配列番号17 - ヌクレオチド配列, rBoNT/A(0) (His-タグ付き)
ATGCCGTTTGTGAACAAGCAGTTCAACTATAAAGATCCGGTTAATGGTGTGGATATCGCCTATATCAAAATTCCGAATGCAGGTCAGATGCAGCCGGTTAAAGCCTTTAAAATCCATAACAAAATTTGGGTGATTCCGGAACGTGATACCTTTACCAATCCGGAAGAAGGTGATCTGAATCCGCCTCCGGAAGCAAAACAGGTTCCGGTTAGCTATTATGATAGCACCTATCTGAGCACCGATAACGAGAAAGATAACTATCTGAAAGGTGTGACCAAACTGTTTGAACGCATTTATAGTACCGATCTGGGTCGTATGCTGCTGACCAGCATTGTTCGTGGTATTCCGTTTTGGGGTGGTAGCACCATTGATACCGAACTGAAAGTTATTGACACCAACTGCATTAATGTGATTCAGCCGGATGGTAGCTATCGTAGCGAAGAACTGAATCTGGTTATTATTGGTCCGAGCGCAGATATCATTCAGTTTGAATGTAAAAGCTTTGGCCACGAAGTTCTGAATCTGACCCGTAATGGTTATGGTAGTACCCAGTATATTCGTTTCAGTCCGGATTTTACCTTTGGCTTTGAAGAAAGCCTGGAAGTTGATACAAATCCGCTGTTAGGTGCAGGTAAATTTGCAACCGATCCGGCAGTTACCCTGGCACACCAGCTGATTTATGCCGGTCATCGTCTGTATGGTATTGCCATTAATCCGAATCGTGTGTTCAAAGTGAATACCAACGCCTATTATGAAATGAGCGGTCTGGAAGTGAGTTTTGAAGAACTGCGTACCTTTGGTGGTCATGATGCCAAATTTATCGATAGCCTGCAAGAAAATGAATTTCGCCTGTACTACTATAACAAATTCAAGGATATTGCGAGCACCCTGAATAAAGCCAAAAGCATTGTTGGCACCACCGCAAGCCTGCAGTATATGAAAAATGTGTTTAAAGAAAAATATCTGCTGAGCGAAGATACCAGCGGTAAATTTAGCGTTGACAAACTGAAATTCGATAAACTGTACAAGATGCTGACCGAGATTTATACCGAAGATAACTTCGTGAAGTTTTTCAAAGTGCTGAACCGCAAAACCTACCTGAACTTTGATAAAGCCGTGTTCAAAATCAACATCGTGCCGAAAGTGAACTATACCATCTATGATGGTTTTAACCTGCGCAATACCAATCTGGCAGCAAACTTTAATGGTCAGAACACCGAAATCAACAACATGAACTTTACCAAACTGAAGAACTTCACCGGTCTGTTCGAATTTTACAAACTGCTGTGTGTTCGTGGCATTATTACCAGCAAAACCAAAAGTCTGGATAAAGGCTACAATAAAGCCCTGAATGATCTGTGCATTAAGGTGAATAATTGGGACCTGTTTTTTAGCCCGAGCGAGGATAATTTCACCAACGATCTGAACAAAGGCGAAGAAATTACCAGCGATACCAATATTGAAGCAGCCGAAGAAAACATTAGCCTGGATCTGATTCAGCAGTATTATCTGACCTTCAACTTCGATAATGAGCCGGAAAATATCAGCATTGAAAACCTGAGCAGCGATATTATTGGCCAGCTGGAACTGATGCCGAATATTGAACGTTTTCCGAACGGCAAAAAATACGAGCTGGATAAATACACCATGTTCCATTATCTGCGTGCCCAAGAATTTGAACATGGTAAAAGCCGTATTGCACTGACCAATAGCGTTAATGAAGCACTGCTGAACCCGAGCCGTGTTTATACCTTTTTTAGCAGCGATTACGTGAAAAAGGTTAACAAAGCAACCGAAGCAGCCATGTTTTTAGGTTGGGTTGAACAGCTGGTTTATGATTTCACCGATGAAACCAGCGAAGTTAGCACCACCGATAAAATTGCAGATATTACCATCATCATCCCGTATATCGGTCCGGCACTGAATATTGGCAATATGCTGTATAAAGACGATTTTGTGGGTGCCCTGATTTTTAGCGGTGCAGTTATTCTGCTGGAATTTATTCCGGAAATTGCCATTCCGGTTCTGGGCACCTTTGCACTGGTGAGCTATATTGCAAATAAAGTTCTGACCGTGCAGACCATCGATAATGCACTGAGCAAACGTAACGAAAAATGGGATGAAGTGTACAAGTATATCGTGACCAATTGGCTGGCAAAAGTTAACACCCAGATTGACCTGATTCGCAAGAAGATGAAAGAAGCACTGGAAAATCAGGCAGAAGCAACCAAAGCCATTATCAACTATCAGTATAACCAGTACACCGAAGAAGAGAAAAATAACATCAACTTCAACATCGACGATCTGTCCAGCAAACTGAACGAAAGCATCAACAAAGCCATGATTAACATTAACAAATTTCTGAACCAGTGCAGCGTGAGCTATCTGATGAATAGCATGATTCCGTATGGTGTGAAACGTCTGGAAGATTTTGATGCAAGCCTGAAAGATGCCCTGCTGAAATATATCTATGATAATCGTGGCACCCTGATTGGTCAGGTTGATCGTCTGAAAGATAAAGTGAACAACACCCTGAGTACCGATATTCCTTTTCAGCTGAGCAAATATGTGGATAATCAGCGTCTGCTGTCAACCTTTACCGAATACATTAAGAACATCATCAACACCAGCATTCTGAACCTGCGTTATGAAAGCAATCATCTGATTGATCTGAGCCGTTATGCCAGCAAAATCAATATAGGCAGCAAGGTTAACTTCGACCCGATTGACAAAAATCAGATACAGCTGTTTAATCTGGAAAGCAGCAAAATTGAGGTGATCCTGAAAAACGCCATTGTGTATAATAGCATGTACGAGAATTTCTCGACCAGCTTTTGGATTCGTATCCCGAAATACTTTAATAGCATCAGCCTGAACAACGAGTACACCATTATTAACTGCATGGAAAACAATAGCGGCTGGAAAGTTAGCCTGAATTATGGCGAAATTATCTGGACCCTGCAGGATACCCAAGAAATCAAACAGCGTGTGGTTTTCAAATACAGCCAGATGATTAATATCAGCGACTATATCAACCGCTGGATTTTTGTGACCATTACCAATAATCGCCTGAATAACAGCAAGATCTATATTAACGGTCGTCTGATTGACCAGAAACCGATTAGTAATCTGGGTAATATTCATGCGAGCAACAACATCATGTTTAAACTGGATGGTTGTCGTGATACCCATCGTTATATTTGGATCAAGTACTTCAACCTGTTCGATAAAGAGTTGAACGAAAAAGAAATTAAAGACCTGTATGATAACCAGAGCAACAGCGGTATTCTGAAGGATTTTTGGGGAGATTATCTGCAGTATGACAAACCGTATTATATGCTGAATCTGTACGACCCGAATAAATACGTGGATGTGAATAATGTTGGCATCCGTGGTTATATGTACCTGAAAGGTCCGCGTGGTAGCGTTATGACCACAAACATTTATCTGAATAGCAGCCTGTATCGCGGAACCAAATTCATCATTAAAAAGTATGCCAGCGGCAACAAGGATAATATTGTGCGTAATAATGATCGCGTGTACATTAACGTTGTGGTGAAGAATAAAGAATATCGCCTGGCAACCAATGCAAGCCAGGCAGGCGTTGAAAAAATTCTGAGTGCCCTGGAAATTCCGGATGTTGGTAATCTGAGCCAGGTTGTTGTGATGAAAAGCAAAAATGATCAGGGCATCACCAACAAGTGCAAAATGAATCTGCAGGACAATAACGGCAACGATATTGGTTTTATTGGCTTCCACCAGTTCAACAATATTGCGAAACTGGTTGCAAGCAATTGGTATAATCGTCAGATTGAACGTAGCAGTCGTACCCTGGGTTGTAGCTGGGAATTTATCCCTGTGGATGATGGTTGGGGTGAACGTCCGCTGGAAAACCTGTATTTTCAAGGTGCAAGTCATCATCACCATCACCACCATCATTAA
【0391】
配列番号18 - ポリペプチド配列, rBoNT/A(0) (His-タグ付き)
MPFVNKQFNYKDPVNGVDIAYIKIPNAGQMQPVKAFKIHNKIWVIPERDTFTNPEEGDLNPPPEAKQVPVSYYDSTYLSTDNEKDNYLKGVTKLFERIYSTDLGRMLLTSIVRGIPFWGGSTIDTELKVIDTNCINVIQPDGSYRSEELNLVIIGPSADIIQFECKSFGHEVLNLTRNGYGSTQYIRFSPDFTFGFEESLEVDTNPLLGAGKFATDPAVTLAHQLIYAGHRLYGIAINPNRVFKVNTNAYYEMSGLEVSFEELRTFGGHDAKFIDSLQENEFRLYYYNKFKDIASTLNKAKSIVGTTASLQYMKNVFKEKYLLSEDTSGKFSVDKLKFDKLYKMLTEIYTEDNFVKFFKVLNRKTYLNFDKAVFKINIVPKVNYTIYDGFNLRNTNLAANFNGQNTEINNMNFTKLKNFTGLFEFYKLLCVRGIITSKTKSLDKGYNKALNDLCIKVNNWDLFFSPSEDNFTNDLNKGEEITSDTNIEAAEENISLDLIQQYYLTFNFDNEPENISIENLSSDIIGQLELMPNIERFPNGKKYELDKYTMFHYLRAQEFEHGKSRIALTNSVNEALLNPSRVYTFFSSDYVKKVNKATEAAMFLGWVEQLVYDFTDETSEVSTTDKIADITIIIPYIGPALNIGNMLYKDDFVGALIFSGAVILLEFIPEIAIPVLGTFALVSYIANKVLTVQTIDNALSKRNEKWDEVYKYIVTNWLAKVNTQIDLIRKKMKEALENQAEATKAIINYQYNQYTEEEKNNINFNIDDLSSKLNESINKAMININKFLNQCSVSYLMNSMIPYGVKRLEDFDASLKDALLKYIYDNRGTLIGQVDRLKDKVNNTLSTDIPFQLSKYVDNQRLLSTFTEYIKNIINTSILNLRYESNHLIDLSRYASKINIGSKVNFDPIDKNQIQLFNLESSKIEVILKNAIVYNSMYENFSTSFWIRIPKYFNSISLNNEYTIINCMENNSGWKVSLNYGEIIWTLQDTQEIKQRVVFKYSQMINISDYINRWIFVTITNNRLNNSKIYINGRLIDQKPISNLGNIHASNNIMFKLDGCRDTHRYIWIKYFNLFDKELNEKEIKDLYDNQSNSGILKDFWGDYLQYDKPYYMLNLYDPNKYVDVNNVGIRGYMYLKGPRGSVMTTNIYLNSSLYRGTKFIIKKYASGNKDNIVRNNDRVYINVVVKNKEYRLATNASQAGVEKILSALEIPDVGNLSQVVVMKSKNDQGITNKCKMNLQDNNGNDIGFIGFHQFNNIAKLVASNWYNRQIERSSRTLGCSWEFIPVDDGWGERPLENLYFQGASHHHHHHHH
【0392】
配列番号19 - ヌクレオチド配列, rLHN/A (His-タグ付き)
ATGCCGTTTGTGAACAAGCAGTTCAACTATAAAGATCCGGTTAATGGTGTGGATATCGCCTATATCAAAATTCCGAATGCAGGTCAGATGCAGCCGGTTAAAGCCTTTAAAATCCATAACAAAATTTGGGTGATTCCGGAACGTGATACCTTTACCAATCCGGAAGAAGGTGATCTGAATCCGCCTCCGGAAGCAAAACAGGTTCCGGTTAGCTATTATGATAGCACCTATCTGAGCACCGATAACGAGAAAGATAACTATCTGAAAGGTGTGACCAAACTGTTTGAACGCATTTATAGTACCGATCTGGGTCGTATGCTGCTGACCAGCATTGTTCGTGGTATTCCGTTTTGGGGTGGTAGCACCATTGATACCGAACTGAAAGTTATTGACACCAACTGCATTAATGTGATTCAGCCGGATGGTAGCTATCGTAGCGAAGAACTGAATCTGGTTATTATTGGTCCGAGCGCAGATATCATTCAGTTTGAATGTAAATCCTTTGGCCACGAAGTTCTGAATCTGACCCGTAATGGTTATGGTAGTACCCAGTATATTCGTTTCAGTCCGGATTTTACCTTTGGCTTTGAAGAAAGCCTGGAAGTTGATACAAATCCGCTGTTAGGTGCAGGTAAATTTGCAACCGATCCGGCAGTTACCCTGGCACATGAACTGATTCATGCCGGTCATCGTCTGTATGGTATTGCAATTAATCCGAACCGTGTGTTCAAAGTGAATACCAACGCATATTATGAAATGAGCGGTCTGGAAGTGTCATTTGAAGAACTGCGTACCTTTGGTGGTCATGATGCCAAATTTATCGATAGCCTGCAAGAAAATGAATTTCGCCTGTACTACTATAACAAATTCAAGGATATTGCGAGCACCCTGAATAAAGCCAAAAGCATTGTTGGCACCACCGCAAGCCTGCAGTATATGAAAAATGTGTTTAAAGAAAAATATCTGCTGAGCGAAGATACCAGCGGTAAATTTAGCGTTGACAAACTGAAATTCGATAAACTGTACAAGATGCTGACCGAGATTTATACCGAAGATAACTTCGTGAAGTTTTTCAAAGTGCTGAACCGCAAAACCTACCTGAACTTTGATAAAGCCGTGTTCAAAATCAACATCGTGCCGAAAGTGAACTATACCATCTATGATGGTTTTAACCTGCGCAATACCAATCTGGCAGCAAACTTTAATGGTCAGAACACCGAAATCAACAACATGAACTTTACCAAACTGAAGAACTTCACCGGTCTGTTCGAATTTTACAAACTGCTGTGTGTTCGTGGCATTATTACCAGCAAAACCAAAAGTCTGGATAAAGGCTACAATAAAGCCCTGAATGATCTGTGCATTAAGGTGAATAATTGGGACCTGTTTTTTAGCCCGAGCGAGGATAATTTCACCAACGATCTGAACAAAGGCGAAGAAATTACCAGCGATACCAATATTGAAGCAGCCGAAGAAAACATTAGCCTGGATCTGATTCAGCAGTATTATCTGACCTTCAACTTCGATAATGAGCCGGAAAATATCAGCATTGAAAACCTGAGCAGCGATATTATTGGCCAGCTGGAACTGATGCCGAATATTGAACGTTTTCCGAACGGCAAAAAATACGAGCTGGATAAATACACCATGTTCCATTATCTGCGTGCCCAAGAATTTGAACATGGTAAAAGCCGTATTGCACTGACCAATAGCGTTAATGAAGCACTGCTGAACCCGAGCCGTGTTTATACCTTTTTTAGCAGCGATTACGTGAAAAAGGTTAACAAAGCAACCGAAGCAGCCATGTTTTTAGGTTGGGTTGAACAGCTGGTTTATGATTTCACCGATGAAACCAGCGAAGTTAGCACCACCGATAAAATTGCAGATATTACCATCATCATCCCGTATATCGGTCCGGCACTGAATATTGGCAATATGCTGTATAAAGACGATTTTGTGGGTGCCCTGATTTTTAGCGGTGCAGTTATTCTGCTGGAATTTATTCCGGAAATTGCCATTCCGGTTCTGGGCACCTTTGCACTGGTGAGCTATATTGCAAATAAAGTTCTGACCGTGCAGACCATCGATAATGCACTGAGCAAACGTAACGAAAAATGGGATGAAGTGTACAAGTATATCGTGACCAATTGGCTGGCAAAAGTTAACACCCAGATTGACCTGATTCGCAAGAAGATGAAAGAAGCACTGGAAAATCAGGCAGAAGCAACCAAAGCCATTATCAACTATCAGTATAACCAGTACACCGAAGAAGAGAAAAATAACATCAACTTCAACATCGACGATCTGTCCAGCAAACTGAACGAAAGCATCAACAAAGCCATGATTAACATTAACAAATTTCTGAACCAGTGCAGCGTGAGCTATCTGATGAATAGCATGATTCCGTATGGTGTGAAACGTCTGGAAGATTTTGATGCAAGCCTGAAAGATGCCCTGCTGAAATATATCTATGATAATCGTGGCACCCTGATTGGTCAGGTTGATCGTCTGAAAGATAAAGTGAACAACACCCTGAGTACCGATATTCCTTTTCAGCTGAGCAAATATGTGGATAATCAGCGTCTGCTGTCAACCGAAAATCTGTATTTCCAGGGTGCAAGTCATCATCACCATCACCACCATCATTAA
【0393】
配列番号20 - ポリペプチド配列, rLHN/A (His-タグ付き)
MPFVNKQFNYKDPVNGVDIAYIKIPNAGQMQPVKAFKIHNKIWVIPERDTFTNPEEGDLNPPPEAKQVPVSYYDSTYLSTDNEKDNYLKGVTKLFERIYSTDLGRMLLTSIVRGIPFWGGSTIDTELKVIDTNCINVIQPDGSYRSEELNLVIIGPSADIIQFECKSFGHEVLNLTRNGYGSTQYIRFSPDFTFGFEESLEVDTNPLLGAGKFATDPAVTLAHELIHAGHRLYGIAINPNRVFKVNTNAYYEMSGLEVSFEELRTFGGHDAKFIDSLQENEFRLYYYNKFKDIASTLNKAKSIVGTTASLQYMKNVFKEKYLLSEDTSGKFSVDKLKFDKLYKMLTEIYTEDNFVKFFKVLNRKTYLNFDKAVFKINIVPKVNYTIYDGFNLRNTNLAANFNGQNTEINNMNFTKLKNFTGLFEFYKLLCVRGIITSKTKSLDKGYNKALNDLCIKVNNWDLFFSPSEDNFTNDLNKGEEITSDTNIEAAEENISLDLIQQYYLTFNFDNEPENISIENLSSDIIGQLELMPNIERFPNGKKYELDKYTMFHYLRAQEFEHGKSRIALTNSVNEALLNPSRVYTFFSSDYVKKVNKATEAAMFLGWVEQLVYDFTDETSEVSTTDKIADITIIIPYIGPALNIGNMLYKDDFVGALIFSGAVILLEFIPEIAIPVLGTFALVSYIANKVLTVQTIDNALSKRNEKWDEVYKYIVTNWLAKVNTQIDLIRKKMKEALENQAEATKAIINYQYNQYTEEEKNNINFNIDDLSSKLNESINKAMININKFLNQCSVSYLMNSMIPYGVKRLEDFDASLKDALLKYIYDNRGTLIGQVDRLKDKVNNTLSTDIPFQLSKYVDNQRLLSTENLYFQGASHHHHHHHH
【0394】
配列番号21 - ヌクレオチド配列, rHC/A (His-タグ付き)
atgcatcatcaccatcaccacGAAAATCTATACTTCCAAGGAaaaaacatcatcaatactagcattctgaacctgcgttacgagagcaatcatctgattgatctgagccgttatgcaagcaagatcaacatcggtagcaaggtcaattttgacccgatcgataagaaccagatccagctgtttaatctggaatcgagcaaaattgaggttatcctgaaaaacgccattgtctacaactccatgtacgagaatttctccaccagcttctggattcgcatcccgaaatacttcaacagcattagcctgaacaacgagtatactatcatcaactgtatggagaacaacagcggttggaaggtgtctctgaactatggtgagatcatttggaccttgcaggacacccaagagatcaagcagcgcgtcgtgttcaagtactctcaaatgatcaacatttccgattacattaatcgttggatcttcgtgaccattacgaataaccgtctgaataacagcaagatttacatcaatggtcgcttgatcgatcagaaaccgattagcaacctgggtaatatccacgcaagcaacaacattatgttcaaattggacggttgccgcgatacccatcgttatatctggatcaagtatttcaacctgtttgataaagaactgaatgagaaggagatcaaagatttgtatgacaaccaatctaacagcggcattttgaaggacttctggggcgattatctgcaatacgataagccgtactatatgctgaacctgtatgatccgaacaaatatgtggatgtcaataatgtgggtattcgtggttacatgtatttgaagggtccgcgtggcagcgttatgacgaccaacatttacctgaactctagcctgtaccgtggtacgaaattcatcattaagaaatatgccagcggcaacaaagataacattgtgcgtaataacgatcgtgtctacatcaacgtggtcgtgaagaataaagagtaccgtctggcgaccaacgcttcgcaggcgggtgttgagaaaattctgagcgcgttggagatccctgatgtcggtaatctgagccaagtcgtggttatgaagagcaagaacgaccagggtatcactaacaagtgcaagatgaacctgcaagacaacaatggtaacgacatcggctttattggtttccaccagttcaacaatattgctaaactggtagcgagcaattggtacaatcgtcagattgagcgcagcagccgtactttgggctgtagctgggagtttatcccggtcgatgatggttggggcgaacgtccgctgtaa
【0395】
配列番号22 - ポリペプチド配列, rHC/A (His-タグ付き)
MHHHHHHENLYFQGKNIINTSILNLRYESNHLIDLSRYASKINIGSKVNFDPIDKNQIQLFNLESSKIEVILKNAIVYNSMYENFSTSFWIRIPKYFNSISLNNEYTIINCMENNSGWKVSLNYGEIIWTLQDTQEIKQRVVFKYSQMINISDYINRWIFVTITNNRLNNSKIYINGRLIDQKPISNLGNIHASNNIMFKLDGCRDTHRYIWIKYFNLFDKELNEKEIKDLYDNQSNSGILKDFWGDYLQYDKPYYMLNLYDPNKYVDVNNVGIRGYMYLKGPRGSVMTTNIYLNSSLYRGTKFIIKKYASGNKDNIVRNNDRVYINVVVKNKEYRLATNASQAGVEKILSALEIPDVGNLSQVVVMKSKNDQGITNKCKMNLQDNNGNDIGFIGFHQFNNIAKLVASNWYNRQIERSSRTLGCSWEFIPVDDGWGERPL
【0396】
配列番号23 - ヌクレオチド配列, rLC/A (His-タグ付き)
ATGCCGTTTGTGAACAAGCAGTTCAACTATAAAGATCCGGTTAATGGTGTGGATATCGCCTATATCAAAATTCCGAATGCAGGTCAGATGCAGCCGGTTAAAGCCTTTAAAATCCATAACAAAATTTGGGTGATTCCGGAACGTGATACCTTTACCAATCCGGAAGAAGGTGATCTGAATCCGCCTCCGGAAGCAAAACAGGTTCCGGTTAGCTATTATGATAGCACCTATCTGAGCACCGATAACGAGAAAGATAACTATCTGAAAGGTGTGACCAAACTGTTTGAACGCATTTATAGTACCGATCTGGGTCGTATGCTGCTGACCAGCATTGTTCGTGGTATTCCGTTTTGGGGTGGTAGCACCATTGATACCGAACTGAAAGTTATTGACACCAACTGCATTAATGTGATTCAGCCGGATGGTAGCTATCGTAGCGAAGAACTGAATCTGGTTATTATTGGTCCGAGCGCAGATATCATTCAGTTTGAATGTAAATCCTTTGGCCACGAAGTTCTGAATCTGACCCGTAATGGTTATGGTAGTACCCAGTATATTCGTTTCAGTCCGGATTTTACCTTTGGCTTTGAAGAAAGCCTGGAAGTTGATACAAATCCGCTGTTAGGTGCAGGTAAATTTGCAACCGATCCGGCAGTTACCCTGGCACATGAACTGATTCATGCCGGTCATCGTCTGTATGGTATTGCAATTAATCCGAACCGTGTGTTCAAAGTGAATACCAACGCATATTATGAAATGAGCGGTCTGGAAGTGTCATTTGAAGAACTGCGTACCTTTGGTGGTCATGATGCCAAATTTATCGATAGCCTGCAAGAAAATGAATTTCGCCTGTACTACTATAACAAATTCAAGGATATTGCGAGCACCCTGAATAAAGCCAAAAGCATTGTTGGCACCACCGCAAGCCTGCAGTATATGAAAAATGTGTTTAAAGAAAAATATCTGCTGAGCGAAGATACCAGCGGTAAATTTAGCGTTGACAAACTGAAATTCGATAAACTGTACAAGATGCTGACCGAGATTTATACCGAAGATAACTTCGTGAAGTTTTTCAAAGTGCTGAACCGCAAAACCTACCTGAACTTTGATAAAGCCGTGTTCAAAATCAACATCGTGCCGAAAGTGAACTATACCATCTATGATGGTTTTAACCTGCGCAATACCAATCTGGCAGCAAACTTTAATGGTCAGAACACCGAAATCAACAACATGAACTTTACCAAACTGAAGAACTTCACCGGTCTGTTTGAAGAGAATCTGTATTTCCAGGGTGCAAGTCATCATCACCATCACCACCATCATTAA
【0397】
配列番号24 - ポリペプチド配列, rLC/A (His-タグ付き)
MPFVNKQFNYKDPVNGVDIAYIKIPNAGQMQPVKAFKIHNKIWVIPERDTFTNPEEGDLNPPPEAKQVPVSYYDSTYLSTDNEKDNYLKGVTKLFERIYSTDLGRMLLTSIVRGIPFWGGSTIDTELKVIDTNCINVIQPDGSYRSEELNLVIIGPSADIIQFECKSFGHEVLNLTRNGYGSTQYIRFSPDFTFGFEESLEVDTNPLLGAGKFATDPAVTLAHELIHAGHRLYGIAINPNRVFKVNTNAYYEMSGLEVSFEELRTFGGHDAKFIDSLQENEFRLYYYNKFKDIASTLNKAKSIVGTTASLQYMKNVFKEKYLLSEDTSGKFSVDKLKFDKLYKMLTEIYTEDNFVKFFKVLNRKTYLNFDKAVFKINIVPKVNYTIYDGFNLRNTNLAANFNGQNTEINNMNFTKLKNFTGLFEENLYFQGASHHHHHHHH
【0398】
配列番号25 - ヌクレオチド配列, rBoNT/FA(0) (His-タグ付き)
ATGCCGGTTGTGATTAACAGCTTCAATTATGATGATCCGGTGAACGATAACACCATCATTTATATCCGTCCGCCTTATTATGAAACCAGCAACACCTATTTCAAAGCCTTCCAGATTATGGATAACGTGTGGATTATTCCGGAACGTTATCGTCTGGGTATTGATCCGAGCCTGTTTAATCCGCCTGTTAGCCTGAAAGCAGGTAGTGATGGTTATTTTGATCCGAATTATCTGAGCACCAACACCGAGAAAAACAAATACCTGCAGATTATGATCAAGCTGTTCAAACGCATTAATAGCAAACCGGCAGGTCAGATTCTGCTGGAAGAAATCAAAAATGCAATTCCGTATCTGGGCAACAGCTATACCCAAGAAGAACAGTTTACCACCAATAATCGTACCGTGAGCTTTAATGTTAAACTGGCCAATGGTAATATCGTTCAGCAGATGGCAAATCTGATTATTTGGGGTCCGGGTCCTGATCTGACCACAAATAAAACCGGTGGTATCATCTATAGCCCGTATCAGAGCATGGAAGCAACCCCGTATAAAGATGGTTTTGGTAGCATTATGACCGTGGAATTTAGTCCGGAATATGCAACCGCCTTTAACGATATTTCAATTGCAAGCCATAGTCCGTCGCTGTTTATCAAAGATCCGGCACTGATTCTGATGCACCAGCTGATTTATGTTCTGCATGGTCTGTATGGCACCTATATCACCGAATACAAAATTACCCCGAATGTGGTTCAGAGCTATATGAAAGTTACCAAACCGATTACCAGCGCAGAATTTCTGACCTTTGGTGGTCGTGATCGCAATATTGTTCCGCAGAGCATTCAGAGCCAGCTGTATAACAAAGTTCTGAGCGATTATAAACGTATTGCCAGCCGTCTGAATAAAGTTAATACCGCAACCGCACTGATCAACATCGATGAATTCAAAAACCTGTACGAGTGGAAATACCAGTTTGCCAAAGATAGCAATGGTGTGTATAGCGTGGATCTGAACAAATTTGAGCAGCTGTACAAAAAAATCTATAGCTTCACCGAATTCAACCTGGCCTATGAGTTTAAAATCAAAACCCGTCTGGGTTATCTGGCCGAAAATTTTGGTCCGTTTTATCTGCCGAATCTGCTGGATGATAGCATTTATACCGAAGTGGATGGTTTTAACATTGGTGCACTGAGCATTAACTATCAGGGTCAGAATATTGGCAGCGATATCAACAGCATCAAAAAACTGCAAGGTCAGGGTGTTGTTAGCCGTGTTGTTCGTCTGTGTAGCAATAGCAATACCAAAAACAGCCTGTGCATTACCGTTAATAATCGCGACCTGTTTTTTATCGCAAGCCAAGAAAGCTATGGCGAGAATACCATTAACACCTATAAAGAGATTGACGATACCACCACACTGGATCCGAGCTTTGAAGATATTCTGGATAAAGTGATCCTGAACTTCAACGAACAGGTTATTCCGCAGATGCCGAATCGTAATGTTAGCACCGATATTCAGAAAGACAACTACATCCCGAAATACGATTATAACCGCACCGACATTATCGATAGCTATGAAGTTGGTCGCAACTACAACACCTTTTTCTATCTGAATGCCCAGAAATTTAGCCCGAACGAAAGCAATATTACCCTGACCAGCAGCTTTGATACAGGTCTGTTAGAAGGTAGCAAAGTGTATACCTTTTTCAGCAGCGATTTCATTAACAACATCAACAAACCGGTTCAGGCCCTGCTGTTTATTGAATGGGTTAAACAGGTGATTCGCGATTTTACCACCGAAGCAACCAAAACCTCAACCGTTGATAAACTGAAAGATATTAGCCTGGTGGTGCCGTATATTGGTCTGGCACTGAATATTGGTGATGAGATCTACAAACAGCATTTTGCAGAAGCAGTTGAACTGGTTGGTGCAGGTCTGCTGCTGGAATTTTCACCGGAATTTCTTATTCCGACGCTGCTGATTTTTACCATCAAAGGTTATCTGACCGGTAGCATTCGCGATAAAGACAAAATCATTAAAACCCTGGATAACGCCCTGAATGTTCGTGATCAGAAATGGAAAGAACTGTATCGTTGGGTTGTTAGCAAATGGCTGACCACCATTAATACGCAGTTCAACAAACGCAAAGAACAAATGTACAAAGCCCTGAAAAATCAGGCCACCGCCATTAAAAAGATCATCGAGAACAAATATAACAACTATACCACCGATGAAAAAAGCAAGATCGATAGCAGCTATAACATCAACGAAATTGAACGCACCCTGAACGAAAAAATCAATCTGGCCATGAAAAACATCGAGCAGTTTATTACCGAAAGCAGCATTGCCTATCTGATCAATATCATCAACAACGAAACGATCCAGAAACTGAAAAGCTATGATGACCTGGTTCGTCGTTATCTGCTGGGTTATATTCGTAATCATAGCAGCATTCTGGGCAATAGCGTTGAAGAACTGAATTCCAAAGTGAACAACCATCTGGATAATGGCATTCCGTTTGAACTGAGCAGTTATACCAATGATAGCCTGCTGATCCGCTACTTCAATAAAAACTATGGCGAACTGAAGTACAACTGCATTCTGAACATCAAATATGAGATGGATCGTGACAAACTGGTTGATAGCAGCGGTTATCGTAGCCGTATCAATATTGGTACAGGCGTCAAATTTAGCGAGATCGATAAAAATCAAGTGCAGCTGAGCAATCTGGAATCCAGCAAAATTGAAGTCATTCTGAATAACGGCGTCATCTATAACAGCATGTATGAAAACTTTTCGACCAGCTTTTGGATTCGCATTCCGAAATACTTTCGCAACATCAATAACGAGTACAAGATCATCAGCTGTATGCAGAATAATAGCGGTTGGGAAGTGAGCCTGAATTTTAGCAATATGAACTCGAAAATCATCTGGACCCTGCAGGATACCGAAGGTATCAAAAAAACCGTTGTGTTTCAGTACACCCAGAACATTAACATTAGCGACTATATCAACCGCTGGATCTTTGTGACCATTACAAATAATCGTCTGAGCAACAGCAAAATCTACATTAATGGTCGCCTGATCAACGAAGAAAGCATTAGCGATCTGGGTAATATCCATGCCAGCAACAACATTATGTTTAAACTGGATGGTTGCCGTGATCCGCATCGTTATATCTGGATTAAATACTTTAACCTGTTTGACAAAGAGCTGAACAAGAAAGAAATTAAAGATCTGTACGACAACCAGAGCAATAGCGGTATTCTGAAAGATTTCTGGGGTGATTATCTGCAGTATGACAAACCGTATTATATGCTGAATCTGTATGACCCGAATAAGTATCTGGATGTGAATAATGTTGGCATCCGTGGCTATATGTATCTGAAAGGTCCGCGTGGTCGTATTGTGACCACCAACATTTATCTGAATAGCACCCTGTATATGGGCACCAAATTCATCATTAAGAAATATGCCAGCGGCAACAAAGATAACATTGTGCGTAATAATGATCGCGTGTATATTAACGTGGTGGTGAAGAATAAAGAATATCGCCTGGCAACCAATGCAAGCCAGGCAGGCGTTGAAAAAATTCTGAGCGCAGTTGAAATCCCGGATGTTGGTAATCTGAGCCAGGTTGTTGTGATGAAAAGCGAAAATGATCAGGGCATTCGCAACAAGTGTAAAATGAATCTGCAAGACAATAACGGCAACGATATTGGCTTTATCGGCTTTCACCAGTTTAATAACATTGCAAAACTGGTGGCCAGCAACTGGTATAACCGTCAGATTGGTAAAGCAAGCCGTACCTTTGGTTGTAGCTGGGAATTTATCCCGGTTGATGATGGTTGGGGTGAAAGCAGCCTGGAAAATCTGTATTTCCAGGGTGCCAGTCATCATCACCACCATCACCATCACTGA
【0399】
配列番号26 - ポリペプチド配列, rBoNT/FA(0) (His-タグ付き)
MPVVINSFNYDDPVNDNTIIYIRPPYYETSNTYFKAFQIMDNVWIIPERYRLGIDPSLFNPPVSLKAGSDGYFDPNYLSTNTEKNKYLQIMIKLFKRINSKPAGQILLEEIKNAIPYLGNSYTQEEQFTTNNRTVSFNVKLANGNIVQQMANLIIWGPGPDLTTNKTGGIIYSPYQSMEATPYKDGFGSIMTVEFSPEYATAFNDISIASHSPSLFIKDPALILMHQLIYVLHGLYGTYITEYKITPNVVQSYMKVTKPITSAEFLTFGGRDRNIVPQSIQSQLYNKVLSDYKRIASRLNKVNTATALINIDEFKNLYEWKYQFAKDSNGVYSVDLNKFEQLYKKIYSFTEFNLAYEFKIKTRLGYLAENFGPFYLPNLLDDSIYTEVDGFNIGALSINYQGQNIGSDINSIKKLQGQGVVSRVVRLCSNSNTKNSLCITVNNRDLFFIASQESYGENTINTYKEIDDTTTLDPSFEDILDKVILNFNEQVIPQMPNRNVSTDIQKDNYIPKYDYNRTDIIDSYEVGRNYNTFFYLNAQKFSPNESNITLTSSFDTGLLEGSKVYTFFSSDFINNINKPVQALLFIEWVKQVIRDFTTEATKTSTVDKLKDISLVVPYIGLALNIGDEIYKQHFAEAVELVGAGLLLEFSPEFLIPTLLIFTIKGYLTGSIRDKDKIIKTLDNALNVRDQKWKELYRWVVSKWLTTINTQFNKRKEQMYKALKNQATAIKKIIENKYNNYTTDEKSKIDSSYNINEIERTLNEKINLAMKNIEQFITESSIAYLINIINNETIQKLKSYDDLVRRYLLGYIRNHSSILGNSVEELNSKVNNHLDNGIPFELSSYTNDSLLIRYFNKNYGELKYNCILNIKYEMDRDKLVDSSGYRSRINIGTGVKFSEIDKNQVQLSNLESSKIEVILNNGVIYNSMYENFSTSFWIRIPKYFRNINNEYKIISCMQNNSGWEVSLNFSNMNSKIIWTLQDTEGIKKTVVFQYTQNINISDYINRWIFVTITNNRLSNSKIYINGRLINEESISDLGNIHASNNIMFKLDGCRDPHRYIWIKYFNLFDKELNKKEIKDLYDNQSNSGILKDFWGDYLQYDKPYYMLNLYDPNKYLDVNNVGIRGYMYLKGPRGRIVTTNIYLNSTLYMGTKFIIKKYASGNKDNIVRNNDRVYINVVVKNKEYRLATNASQAGVEKILSAVEIPDVGNLSQVVVMKSENDQGIRNKCKMNLQDNNGNDIGFIGFHQFNNIAKLVASNWYNRQIGKASRTFGCSWEFIPVDDGWGESSLENLYFQGASHHHHHHHH
【0400】
配列番号27 - ヌクレオチド配列, rLHN/FA (His-タグ付き)
ATGCCGGTTGTGATTAACAGCTTCAATTATGATGATCCGGTGAACGATAACACCATCATTTATATCCGTCCGCCTTATTATGAAACCAGCAACACCTATTTCAAAGCCTTCCAGATTATGGATAACGTGTGGATTATTCCGGAACGTTATCGTCTGGGTATTGATCCGAGCCTGTTTAATCCGCCTGTTAGCCTGAAAGCAGGTAGTGATGGTTATTTTGATCCGAATTATCTGAGCACCAACACCGAGAAAAACAAATACCTGCAGATTATGATCAAGCTGTTCAAACGCATTAATAGCAAACCGGCAGGTCAGATTCTGCTGGAAGAAATCAAAAATGCAATTCCGTATCTGGGCAACAGCTATACCCAAGAAGAACAGTTTACCACCAATAATCGTACCGTGAGCTTTAATGTTAAACTGGCCAATGGTAATATCGTTCAGCAGATGGCAAATCTGATTATTTGGGGTCCGGGTCCTGATCTGACCACAAATAAAACCGGTGGTATCATCTATAGCCCGTATCAGAGCATGGAAGCAACCCCGTATAAAGATGGTTTTGGTAGCATTATGACCGTGGAATTTAGTCCGGAATATGCAACCGCCTTTAACGATATTTCAATTGCAAGCCATAGTCCGTCGCTGTTTATCAAAGATCCGGCACTGATTCTGATGCATGAACTGATTCATGTTCTGCATGGTCTGTATGGCACCTATATTACCGAATACAAAATTACCCCGAATGTGGTGCAGAGCTATATGAAAGTTACCAAACCGATTACCAGCGCAGAATTTCTGACCTTTGGTGGTCGTGATCGCAATATTGTTCCGCAGAGCATTCAGAGCCAGCTGTATAACAAAGTTCTGAGCGATTATAAACGTATTGCCAGCCGTCTGAATAAAGTTAATACCGCAACCGCACTGATCAACATCGATGAATTCAAAAACCTGTACGAGTGGAAATACCAGTTTGCCAAAGATAGCAATGGTGTGTATAGCGTGGATCTGAACAAATTTGAGCAGCTGTACAAAAAAATCTATAGCTTCACCGAATTCAACCTGGCCTATGAGTTTAAAATCAAAACCCGTCTGGGTTATCTGGCCGAAAATTTTGGTCCGTTTTATCTGCCGAATCTGCTGGATGATAGCATTTATACCGAAGTGGATGGTTTTAACATTGGTGCACTGAGCATTAACTATCAGGGTCAGAATATTGGCAGCGATATCAACAGCATCAAAAAACTGCAAGGTCAGGGTGTTGTTAGCCGTGTTGTTCGTCTGTGTAGCAATAGCAATACCAAAAACAGCCTGTGCATTACCGTTAATAATCGCGACCTGTTTTTTATCGCAAGCCAAGAAAGCTATGGCGAGAATACCATTAACACCTATAAAGAGATTGACGATACCACCACACTGGATCCGAGCTTTGAAGATATTCTGGATAAAGTGATCCTGAACTTCAACGAACAGGTTATTCCGCAGATGCCGAATCGTAATGTTAGCACCGATATTCAGAAAGACAACTACATCCCGAAATACGATTATAACCGCACCGACATTATCGATAGCTATGAAGTTGGTCGCAACTACAACACCTTTTTCTATCTGAATGCCCAGAAATTTAGCCCGAACGAAAGCAATATTACCCTGACCAGCAGCTTTGATACAGGTCTGTTAGAAGGTAGCAAAGTGTATACCTTTTTCAGCAGCGATTTCATTAACAACATCAACAAACCGGTTCAGGCCCTGCTGTTTATTGAATGGGTTAAACAGGTGATTCGCGATTTTACCACCGAAGCAACCAAAACCTCAACCGTTGATAAACTGAAAGATATTAGCCTGGTGGTGCCGTATATTGGTCTGGCACTGAATATTGGTGATGAGATCTACAAACAGCATTTTGCAGAAGCAGTTGAACTGGTTGGTGCAGGTCTGCTGCTGGAATTTTCACCGGAATTTCTTATTCCGACGCTGCTGATTTTTACCATCAAAGGTTATCTGACCGGTAGCATTCGCGATAAAGACAAAATCATTAAAACCCTGGATAACGCCCTGAATGTTCGTGATCAGAAATGGAAAGAACTGTATCGTTGGGTTGTTAGCAAATGGCTGACCACCATTAATACGCAGTTCAACAAACGCAAAGAACAAATGTACAAAGCCCTGAAAAATCAGGCCACCGCCATTAAAAAGATCATCGAGAACAAATATAACAACTATACCACCGATGAAAAAAGCAAGATCGATAGCAGCTATAACATCAACGAAATTGAACGCACCCTGAACGAAAAAATCAATCTGGCCATGAAAAACATCGAGCAGTTTATTACAGAAAGCAGCATTGCCTACCTGATCAATATCATCAACAACGAAACCATTCAGAAACTGAAAAGCTATGATGACCTGGTTCGTCGTTATCTGCTGGGTTATATTCGTAATCATAGCAGCATTCTGGGCAATAGCGTTGAAGAACTGAATTCCAAAGTGAACAACCATCTGGATAATGGCATTCCGTTTGAACTGAGCAGTTATACCAATGATAGCCTGCTGATCCGCTACTTCAATAAAAACTATGGCGAAGAGAACCTGTATTTCCAGGGTGCCAGTCATCATCACCACCATCACCATCACTGA
【0401】
配列番号28 - ポリペプチド配列, rLHN/FA (His-タグ付き)
MPVVINSFNYDDPVNDNTIIYIRPPYYETSNTYFKAFQIMDNVWIIPERYRLGIDPSLFNPPVSLKAGSDGYFDPNYLSTNTEKNKYLQIMIKLFKRINSKPAGQILLEEIKNAIPYLGNSYTQEEQFTTNNRTVSFNVKLANGNIVQQMANLIIWGPGPDLTTNKTGGIIYSPYQSMEATPYKDGFGSIMTVEFSPEYATAFNDISIASHSPSLFIKDPALILMHELIHVLHGLYGTYITEYKITPNVVQSYMKVTKPITSAEFLTFGGRDRNIVPQSIQSQLYNKVLSDYKRIASRLNKVNTATALINIDEFKNLYEWKYQFAKDSNGVYSVDLNKFEQLYKKIYSFTEFNLAYEFKIKTRLGYLAENFGPFYLPNLLDDSIYTEVDGFNIGALSINYQGQNIGSDINSIKKLQGQGVVSRVVRLCSNSNTKNSLCITVNNRDLFFIASQESYGENTINTYKEIDDTTTLDPSFEDILDKVILNFNEQVIPQMPNRNVSTDIQKDNYIPKYDYNRTDIIDSYEVGRNYNTFFYLNAQKFSPNESNITLTSSFDTGLLEGSKVYTFFSSDFINNINKPVQALLFIEWVKQVIRDFTTEATKTSTVDKLKDISLVVPYIGLALNIGDEIYKQHFAEAVELVGAGLLLEFSPEFLIPTLLIFTIKGYLTGSIRDKDKIIKTLDNALNVRDQKWKELYRWVVSKWLTTINTQFNKRKEQMYKALKNQATAIKKIIENKYNNYTTDEKSKIDSSYNINEIERTLNEKINLAMKNIEQFITESSIAYLINIINNETIQKLKSYDDLVRRYLLGYIRNHSSILGNSVEELNSKVNNHLDNGIPFELSSYTNDSLLIRYFNKNYGEENLYFQGASHHHHHHHH
【0402】
配列番号29 - ヌクレオチド配列, rHC/FA (His-タグ付き)
ATGCTGAAGTATAACTGCATCCTGAACATCAAATATGAGATGGATCGTGATAAACTGGTTGATAGCAGCGGTTATCGTAGCCGTATCAATATTGGCACCGGTGTGAAATTTAGCGAGATCGATAAAAATCAGGTGCAGCTGAGCAATCTGGAAAGCAGCAAAATTGAAGTGATTCTGAATAACGGCGTGATCTACAATAGCATGTATGAAAACTTTTCGACCAGCTTCTGGATTCGCATTCCGAAATACTTTCGCAACATCAACAACGAGTACAAGATTATCAGCTGTATGCAGAATAATAGCGGTTGGGAAGTTAGCCTGAATTTCAGCAATATGAACAGCAAAATCATTTGGACCCTGCAGGATACCGAAGGTATCAAAAAAACCGTTGTGTTTCAGTACACCCAGAACATTAACATCAGCGATTACATTAACCGCTGGATCTTTGTGACCATTACCAATAATCGTCTGAGCAACAGCAAGATCTATATTAACGGTCGCCTGATTAACGAAGAGAGCATTAGCGATCTGGGTAATATTCATGCCAGCAACAACATCATGTTTAAACTGGATGGTTGTCGTGATCCGCATCGTTATATTTGGATCAAATACTTCAACCTGTTTGATAAAGAACTGAACAAAAAAGAAATCAAAGACCTGTATGATAACCAGAGCAATAGCGGCATTCTGAAAGATTTTTGGGGTGATTATCTGCAGTATGACAAACCGTATTACATGCTGAATCTGTACGATCCGAACAAATATCTGGATGTGAATAATGTGGGTATCCGTGGCTATATGTATCTGAAAGGTCCGCGTGGTCGTATTGTTACCACCAACATTTATCTGAATAGCACCCTGTATATGGGCACCAAATTCATCATTAAAAAGTATGCCAGCGGCAACAAAGATAACATTGTGCGTAATAATGATCGCGTGTATATCAATGTGGTGGTGAAGAATAAAGAATATCGTCTGGCCACCAATGCAAGCCAGGCAGGCGTTGAAAAAATTCTGAGCGCAGTTGAAATTCCGGATGTTGGTAATCTGAGCCAGGTTGTTGTTATGAAAAGCGAAAATGATCAGGGCATTCGCAACAAATGCAAAATGAATCTGCAGGACAATAACGGCAACGATATTGGTTTTATTGGCTTCCACCAGTTCAACAACATTGCAAAACTGGTGGCGAGCAATTGGTATAATCGTCAGATTGGTAAAGCAAGCCGTACCTTTGGTTGTAGCTGGGAATTTATTCCGGTTGATGATGGTTGGGGTGAAAGCAGCCTGGAAAATCTGTATTTTCAGGGTGCAAGTCATCATCACCACCATCACCATCATTAA
【0403】
配列番号30 - ポリペプチド配列, rHC/FA (His-タグ付き)
MLKYNCILNIKYEMDRDKLVDSSGYRSRINIGTGVKFSEIDKNQVQLSNLESSKIEVILNNGVIYNSMYENFSTSFWIRIPKYFRNINNEYKIISCMQNNSGWEVSLNFSNMNSKIIWTLQDTEGIKKTVVFQYTQNINISDYINRWIFVTITNNRLSNSKIYINGRLINEESISDLGNIHASNNIMFKLDGCRDPHRYIWIKYFNLFDKELNKKEIKDLYDNQSNSGILKDFWGDYLQYDKPYYMLNLYDPNKYLDVNNVGIRGYMYLKGPRGRIVTTNIYLNSTLYMGTKFIIKKYASGNKDNIVRNNDRVYINVVVKNKEYRLATNASQAGVEKILSAVEIPDVGNLSQVVVMKSENDQGIRNKCKMNLQDNNGNDIGFIGFHQFNNIAKLVASNWYNRQIGKASRTFGCSWEFIPVDDGWGESSLENLYFQGASHHHHHHHH
【0404】
配列番号31 - ヌクレオチド配列, rLC/FA (His-タグ付き)
ATGCCGGTTGTGATTAACAGCTTCAATTATGATGATCCGGTGAACGATAACACCATCATTTATATCCGTCCGCCTTATTATGAAACCAGCAACACCTATTTCAAAGCCTTCCAGATTATGGATAACGTGTGGATTATTCCGGAACGTTATCGTCTGGGTATTGATCCGAGCCTGTTTAATCCGCCTGTTAGCCTGAAAGCAGGTAGTGATGGTTATTTTGATCCGAATTATCTGAGCACCAACACCGAGAAAAACAAATACCTGCAGATTATGATCAAGCTGTTCAAACGCATTAATAGCAAACCGGCAGGTCAGATTCTGCTGGAAGAAATCAAAAATGCAATTCCGTATCTGGGCAACAGCTATACCCAAGAAGAACAGTTTACCACCAATAATCGTACCGTGAGCTTTAATGTTAAACTGGCCAATGGTAATATCGTTCAGCAGATGGCAAATCTGATTATTTGGGGTCCGGGTCCTGATCTGACCACAAATAAAACCGGTGGTATCATCTATAGCCCGTATCAGAGCATGGAAGCAACCCCGTATAAAGATGGTTTTGGTAGCATTATGACCGTGGAATTTAGTCCGGAATATGCAACCGCCTTTAACGATATTTCAATTGCAAGCCATAGTCCGTCGCTGTTTATCAAAGATCCGGCACTGATTCTGATGCATGAACTGATTCATGTTCTGCATGGTCTGTATGGCACCTATATTACCGAATACAAAATTACCCCGAATGTGGTGCAGAGCTATATGAAAGTTACCAAACCGATTACCAGCGCAGAATTTCTGACCTTTGGTGGTCGTGATCGCAATATTGTTCCGCAGAGCATTCAGAGCCAGCTGTATAACAAAGTTCTGAGCGATTATAAACGTATTGCCAGCCGTCTGAATAAAGTTAATACCGCAACCGCACTGATCAACATCGATGAATTCAAAAACCTGTACGAGTGGAAATACCAGTTTGCCAAAGATAGCAATGGTGTGTATAGCGTGGATCTGAACAAATTTGAGCAGCTGTACAAAAAAATCTATAGCTTCACCGAATTCAACCTGGCCTATGAGTTTAAAATCAAAACCCGTCTGGGTTATCTGGCCGAAAATTTTGGTCCGTTTTATCTGCCGAATCTGCTGGATGATAGCATTTATACCGAAGTGGATGGTTTTAACATTGGTGCACTGAGCATTAACTATCAGGGTCAGAATATTGGCAGCGATATCAACAGCATCAAAAAACTGCAAGGTCAGGGTGTTGTTAGCCGTGTTGTTCGTCTGTGTAGCAATAGCGAAAATCTGTATTTTCAGGGTGCCAGTCATCATCACCACCATCACCATCACTGA
【0405】
配列番号32 - ポリペプチド配列, rLC/FA (His-タグ付き)
MPVVINSFNYDDPVNDNTIIYIRPPYYETSNTYFKAFQIMDNVWIIPERYRLGIDPSLFNPPVSLKAGSDGYFDPNYLSTNTEKNKYLQIMIKLFKRINSKPAGQILLEEIKNAIPYLGNSYTQEEQFTTNNRTVSFNVKLANGNIVQQMANLIIWGPGPDLTTNKTGGIIYSPYQSMEATPYKDGFGSIMTVEFSPEYATAFNDISIASHSPSLFIKDPALILMHELIHVLHGLYGTYITEYKITPNVVQSYMKVTKPITSAEFLTFGGRDRNIVPQSIQSQLYNKVLSDYKRIASRLNKVNTATALINIDEFKNLYEWKYQFAKDSNGVYSVDLNKFEQLYKKIYSFTEFNLAYEFKIKTRLGYLAENFGPFYLPNLLDDSIYTEVDGFNIGALSINYQGQNIGSDINSIKKLQGQGVVSRVVRLCSNSENLYFQGASHHHHHHHH
【0406】
配列番号33 - ヌクレオチド配列, rBoNT/F(0) (His-タグ付き)
ATGCCGGTTGTGATTAACAGCTTCAATTATAACGATCCGGTGAACGATGATACCATCCTGTATATGCAGATTCCGTATGAAGAGAAAAGCAAAAAGTACTACAAAGCCTTTGAGATCATGCGCAACGTTTGGATTATTCCGGAACGTAATACCATTGGCACCGATCCGAGCGATTTTGATCCGCCTGCAAGCCTGGAAAATGGTAGCAGCGCATATTATGATCCGAATTATCTGACCACCGATGCCGAAAAAGATCGTTATCTGAAAACCACCATCAAACTGTTCAAACGCATTAATAGCAATCCGGCAGGCGAAGTTCTGCTGCAAGAAATTAGCTATGCAAAACCGTATCTGGGCAATGAACATACCCCGATTAATGAATTTCATCCGGTTACACGTACCACGAGCGTTAACATTAAAAGCAGCACCAATGTGAAGTCCAGCATTATTCTGAATCTGCTGGTTTTAGGTGCAGGTCCGGATATTTTTGAAAATTCAAGCTATCCGGTGCGCAAACTGATGGATAGCGGTGGTGTGTATGATCCGTCAAATGATGGTTTTGGCAGCATTAACATTGTGACCTTTAGTCCGGAATATGAATACACCTTCAACGATATTAGCGGTGGCTATAATAGCAGCACCGAAAGTTTTATTGCAGATCCGGCAATTAGCCTGGCACACCAGCTGATTTATGCACTGCATGGTCTGTATGGTGCACGTGGTGTTACCTATAAAGAAACCATTAAAGTTAAACAGGCACCGCTGATGATTGCGGAAAAACCGATTCGTCTGGAAGAATTTCTGACCTTTGGTGGTCAGGATCTGAACATTATTACCAGCGCAATGAAAGAGAAAATCTATAATAACCTGCTGGCCAACTATGAGAAAATTGCAACCCGTCTGAGCCGTGTTAATAGCGCACCTCCTGAATATGATATCAACGAGTATAAAGACTATTTTCAGTGGAAATACGGCCTGGATAAAAATGCAGATGGTAGCTATACCGTGAACGAGAACAAATTTAACGAGATCTACAAAAAACTGTATAGCTTCACCGAAATCGATCTGGCCAACAAATTCAAAGTGAAATGCCGCAACACCTACTTCATCAAATATGGCTTTCTGAAAGTTCCGAACCTGCTTGATGATGATATCTATACCGTTAGCGAAGGCTTTAACATTGGTAATCTGGCCGTTAATAATCGCGGTCAGAACATTAAACTGAACCCGAAAATTATCGATAGCATCCCGGATAAAGGCCTGGTTGAAAAAATTGTGAAATTCTGCAAAAGCGTGATTCCGCGTAAAGGCACCAAAGCACCGCCTCGTCTGTGTATTCGTGTGAATAATCGTGAACTGTTTTTTGTTGCAAGCGAGAGCAGCTATAACGAGAATGATATTAACACCCCGAAAGAGATTGACGATACCACCAATCTGAATAACAACTATCGCAACAATCTGGATGAAGTGATCCTGGATTATAACAGCGAAACCATTCCGCAGATTAGCAATCAGACCCTGAATACCCTGGTTCAGGATGATAGCTATGTTCCGCGTTATGATAGCAATGGCACCAGCGAAATTGAAGAACATAATGTGGTTGATCTGAACGTGTTCTTTTATCTGCATGCACAGAAAGTGCCGGAAGGTGAAACCAATATTAGCCTGACCAGCAGCATTGATACCGCACTGAGCGAAGAAAGCCAGGTTTATACCTTTTTTAGCAGCGAATTCATCAACACCATTAACAAACCGGTTCATGCAGCACTGTTTATTAGCTGGATTAATCAGGTGATTCGCGATTTTACCACCGAAGCAACCCAGAAAAGCACCTTTGATAAAATTGCCGATATTAGTCTGGTGGTGCCGTATGTTGGTCTGGCACTGAATATTGGTAATGAAGTGCAGAAAGAGAACTTTAAAGAAGCCTTCGAACTGTTAGGTGCCGGTATTCTGCTGGAATTTGTGCCGGAACTGCTGATTCCGACCATTCTGGTTTTTACCATTAAGAGCTTTATTGGCAGCAGCGAGAACAAGAACAAAATCATTAAAGCCATCAACAACAGCCTGATGGAACGCGAAACCAAATGGAAAGAAATTTACAGCTGGATTGTGAGCAATTGGCTGACCCGTATCAATACCCAGTTTAACAAACGCAAAGAACAAATGTATCAGGCCCTGCAGAATCAGGTTGATGCAATTAAAACCGTGATCGAATACAAATACAACAACTATACCAGCGACGAACGTAATCGCCTGGAAAGCGAATACAACATTAATAACATTCGCGAAGAACTGAACAAAAAAGTGAGCCTGGCAATGGAAAACATCGAACGTTTTATTACCGAAAGCAGCATCTTCTACCTGATGAAACTGATTAACGAAGCCAAAGTTAGCAAACTGCGCGAATATGATGAAGGCGTTAAAGAATATCTGCTGGACTATATTAGCGAACATCGTAGCATTCTGGGTAATAGCGTTCAAGAGCTGAATGATCTGGTTACCAGCACACTGAATAATAGCATTCCGTTTGAACTGAGCAGCTACACCAACGATAAAATCCTGATCCTGTACTTCAACAAACTGTACAAGAAGATCAAGGACAACAGCATACTGGATATGCGCTATGAAAACAACAAGTTCATTGATATCAGCGGCTATGGTAGCAACATTAGCATTAATGGTGATGTGTATATCTACAGCACCAACCGCAATCAGTTTGGTATTTATAGCAGCAAACCGAGCGAAGTTAATATTGCGCAGAATAACGATATCATCTACAACGGTCGCTATCAGAACTTTAGCATTAGCTTTTGGGTTCGCATTCCGAAATACTTTAACAAGGTGAACCTGAACAACGAGTACACCATTATTGATTGCATTCGCAATAATAACAGCGGCTGGAAAATCAGCCTGAACTATAACAAAATTATCTGGACCCTGCAGGATACCGCAGGTAATAATCAGAAACTGGTGTTTAACTACACCCAGATGATTAGCATCAGCGACTATATCAACAAATGGATCTTTGTGACCATTACCAACAATCGTCTGGGTAACAGCCGCATTTATATCAATGGCAATCTGATCGACGAAAAAAGCATTTCAAATCTGGGCGATATTCACGTGAGCGATAACATTCTGTTCAAAATTGTTGGCTGCAACGATACCCGTTATGTTGGTATTCGTTACTTCAAAGTGTTTGATACGGAACTGGGCAAAACGGAAATTGAAACCCTGTATAGTGATGAACCGGATCCGAGCATTCTGAAAGATTTTTGGGGTAATTATCTGCTGTACAACAAACGCTACTATCTGCTGAACCTGCTGCGTACCGATAAAAGCATTACACAGAATAGCAACTTTCTGAACATCAATCAGCAGCGTGGTGTTTATCAGAAACCGAACATTTTTAGCAACACCCGTCTGTATACCGGTGTGGAAGTTATTATTCGTAAAAACGGTAGCACCGATATCAGCAACACCGATAACTTTGTGCGTAAAAATGACCTGGCCTATATTAACGTTGTTGATCGTGATGTTGAGTATCGTCTGTATGCGGATATTAGCATTGCCAAACCGGAAAAGATTATCAAACTGATCCGTACCAGCAACAGCAATAATTCACTGGGTCAGATTATCGTGATGGACAGCATTGGTAACAATTGCACCATGAATTTCCAGAACAATAACGGTGGTAATATTGGCCTGCTGGGCTTTCATAGCAATAATCTGGTTGCAAGCAGCTGGTATTACAACAACATCCGTAAAAATACCAGCAGTAATGGTTGCTTTTGGAGCTTTATCAGTAAAGAACATGGCTGGCAAGAAAACGAGAACCTGTATTTTCAGGGTGCAAGTCATCATCACCATCACCACCATCATTAA
【0407】
配列番号34 - ポリペプチド配列, rBoNT/F(0) (His-タグ付き)
MPVVINSFNYNDPVNDDTILYMQIPYEEKSKKYYKAFEIMRNVWIIPERNTIGTDPSDFDPPASLENGSSAYYDPNYLTTDAEKDRYLKTTIKLFKRINSNPAGEVLLQEISYAKPYLGNEHTPINEFHPVTRTTSVNIKSSTNVKSSIILNLLVLGAGPDIFENSSYPVRKLMDSGGVYDPSNDGFGSINIVTFSPEYEYTFNDISGGYNSSTESFIADPAISLAHQLIYALHGLYGARGVTYKETIKVKQAPLMIAEKPIRLEEFLTFGGQDLNIITSAMKEKIYNNLLANYEKIATRLSRVNSAPPEYDINEYKDYFQWKYGLDKNADGSYTVNENKFNEIYKKLYSFTEIDLANKFKVKCRNTYFIKYGFLKVPNLLDDDIYTVSEGFNIGNLAVNNRGQNIKLNPKIIDSIPDKGLVEKIVKFCKSVIPRKGTKAPPRLCIRVNNRELFFVASESSYNENDINTPKEIDDTTNLNNNYRNNLDEVILDYNSETIPQISNQTLNTLVQDDSYVPRYDSNGTSEIEEHNVVDLNVFFYLHAQKVPEGETNISLTSSIDTALSEESQVYTFFSSEFINTINKPVHAALFISWINQVIRDFTTEATQKSTFDKIADISLVVPYVGLALNIGNEVQKENFKEAFELLGAGILLEFVPELLIPTILVFTIKSFIGSSENKNKIIKAINNSLMERETKWKEIYSWIVSNWLTRINTQFNKRKEQMYQALQNQVDAIKTVIEYKYNNYTSDERNRLESEYNINNIREELNKKVSLAMENIERFITESSIFYLMKLINEAKVSKLREYDEGVKEYLLDYISEHRSILGNSVQELNDLVTSTLNNSIPFELSSYTNDKILILYFNKLYKKIKDNSILDMRYENNKFIDISGYGSNISINGDVYIYSTNRNQFGIYSSKPSEVNIAQNNDIIYNGRYQNFSISFWVRIPKYFNKVNLNNEYTIIDCIRNNNSGWKISLNYNKIIWTLQDTAGNNQKLVFNYTQMISISDYINKWIFVTITNNRLGNSRIYINGNLIDEKSISNLGDIHVSDNILFKIVGCNDTRYVGIRYFKVFDTELGKTEIETLYSDEPDPSILKDFWGNYLLYNKRYYLLNLLRTDKSITQNSNFLNINQQRGVYQKPNIFSNTRLYTGVEVIIRKNGSTDISNTDNFVRKNDLAYINVVDRDVEYRLYADISIAKPEKIIKLIRTSNSNNSLGQIIVMDSIGNNCTMNFQNNNGGNIGLLGFHSNNLVASSWYYNNIRKNTSSNGCFWSFISKEHGWQENENLYFQGASHHHHHHHH
【0408】
配列番号35 - ヌクレオチド配列, rLHN/F (His-タグ付き)
ATGCCGGTTGTGATTAACAGCTTCAATTATAACGATCCGGTGAACGATGATACCATCCTGTATATGCAGATTCCGTATGAAGAGAAAAGCAAAAAGTACTACAAAGCCTTTGAGATCATGCGCAACGTTTGGATTATTCCGGAACGTAATACCATTGGCACCGATCCGAGCGATTTTGATCCGCCTGCAAGCCTGGAAAATGGTAGCAGCGCATATTATGATCCGAATTATCTGACCACCGATGCCGAAAAAGATCGTTATCTGAAAACCACCATCAAACTGTTCAAACGCATTAATAGCAATCCGGCAGGCGAAGTTCTGCTGCAAGAAATTAGCTATGCAAAACCGTATCTGGGCAATGAACATACCCCGATTAATGAATTTCATCCGGTTACACGTACCACGAGCGTTAACATTAAAAGCAGCACCAATGTGAAGTCCAGCATTATTCTGAATCTGCTGGTTTTAGGTGCAGGTCCGGATATTTTTGAAAATTCAAGCTATCCGGTGCGCAAACTGATGGATAGCGGTGGTGTGTATGATCCGTCAAATGATGGTTTTGGCAGCATTAACATTGTGACCTTTAGTCCGGAATATGAATACACCTTCAACGATATTAGCGGTGGCTATAATAGCAGCACCGAAAGTTTTATTGCAGATCCGGCAATTAGCCTGGCACATGAACTGATTCATGCACTGCATGGTCTGTATGGTGCACGTGGTGTTACCTATAAAGAAACCATTAAAGTTAAACAGGCACCGCTGATGATTGCGGAAAAACCGATTCGTCTGGAAGAATTTCTGACCTTTGGTGGTCAGGATCTGAACATTATTACCAGCGCAATGAAAGAGAAAATCTATAATAACCTGCTGGCCAACTATGAGAAAATTGCAACCCGTCTGAGCCGTGTTAATAGCGCACCTCCTGAATATGATATCAACGAGTATAAAGACTATTTTCAGTGGAAATACGGCCTGGATAAAAATGCAGATGGTAGCTATACCGTGAACGAGAACAAATTTAACGAGATCTACAAAAAACTGTATAGCTTCACCGAAATCGATCTGGCCAACAAATTCAAAGTGAAATGCCGCAACACCTACTTCATCAAATATGGCTTTCTGAAAGTTCCGAACCTGCTTGATGATGATATCTATACCGTTAGCGAAGGCTTTAACATTGGTAATCTGGCCGTTAATAATCGCGGTCAGAACATTAAACTGAACCCGAAAATTATCGATAGCATCCCGGATAAAGGCCTGGTTGAAAAAATTGTGAAATTCTGCAAAAGCGTGATTCCGCGTAAAGGCACCAAAGCACCGCCTCGTCTGTGTATTCGTGTGAATAATCGTGAACTGTTTTTTGTTGCAAGCGAGAGCAGCTATAACGAGAATGATATTAACACCCCGAAAGAGATTGACGATACCACCAATCTGAATAACAACTATCGCAACAATCTGGATGAAGTGATCCTGGATTATAACAGCGAAACCATTCCGCAGATTAGCAATCAGACCCTGAATACCCTGGTTCAGGATGATAGCTATGTTCCGCGTTATGATAGCAATGGCACCAGCGAAATTGAAGAACATAATGTGGTTGATCTGAACGTGTTCTTTTATCTGCATGCACAGAAAGTGCCGGAAGGTGAAACCAATATTAGCCTGACCAGCAGCATTGATACCGCACTGAGCGAAGAAAGCCAGGTTTATACCTTTTTTAGCAGCGAATTCATCAACACCATTAACAAACCGGTTCATGCAGCACTGTTTATTAGCTGGATTAATCAGGTGATTCGCGATTTTACCACCGAAGCAACCCAGAAAAGCACCTTTGATAAAATTGCCGATATTAGTCTGGTGGTGCCGTATGTTGGTCTGGCACTGAATATTGGTAATGAAGTGCAGAAAGAGAACTTTAAAGAAGCCTTCGAACTGTTAGGTGCCGGTATTCTGCTGGAATTTGTGCCGGAACTGCTGATTCCGACCATTCTGGTTTTTACCATTAAGAGCTTTATTGGCAGCAGCGAGAACAAGAACAAAATCATTAAAGCCATCAACAACAGCCTGATGGAACGCGAAACCAAATGGAAAGAAATTTACAGCTGGATTGTGAGCAATTGGCTGACCCGTATCAATACCCAGTTTAACAAACGCAAAGAACAAATGTATCAGGCCCTGCAGAATCAGGTTGATGCAATTAAAACCGTGATCGAATACAAATACAACAACTATACCAGCGACGAACGTAATCGCCTGGAAAGCGAATACAACATTAATAACATTCGCGAAGAACTGAACAAAAAAGTGAGCCTGGCAATGGAAAACATCGAACGTTTTATTACCGAAAGCAGCATCTTCTACCTGATGAAACTGATTAACGAAGCCAAAGTTAGCAAACTGCGCGAATATGATGAAGGCGTTAAAGAATATCTGCTGGACTATATTAGCGAACATCGTAGCATTCTGGGTAATAGCGTTCAAGAGCTGAATGATCTGGTTACCAGCACACTGAATAATAGCATTCCGTTTGAACTGAGCAGCTACACCAACGATAAAATCCTGATCCTGTACTTCAACAAACTGTACAAGAAAGAAAACCTGTATTTTCAGGGTGCAAGCCATCATCACCACCATCACCATCATTAA
【0409】
配列番号36 - ポリペプチド配列, rLHN/F (His-タグ付き)
MPVVINSFNYNDPVNDDTILYMQIPYEEKSKKYYKAFEIMRNVWIIPERNTIGTDPSDFDPPASLENGSSAYYDPNYLTTDAEKDRYLKTTIKLFKRINSNPAGEVLLQEISYAKPYLGNEHTPINEFHPVTRTTSVNIKSSTNVKSSIILNLLVLGAGPDIFENSSYPVRKLMDSGGVYDPSNDGFGSINIVTFSPEYEYTFNDISGGYNSSTESFIADPAISLAHELIHALHGLYGARGVTYKETIKVKQAPLMIAEKPIRLEEFLTFGGQDLNIITSAMKEKIYNNLLANYEKIATRLSRVNSAPPEYDINEYKDYFQWKYGLDKNADGSYTVNENKFNEIYKKLYSFTEIDLANKFKVKCRNTYFIKYGFLKVPNLLDDDIYTVSEGFNIGNLAVNNRGQNIKLNPKIIDSIPDKGLVEKIVKFCKSVIPRKGTKAPPRLCIRVNNRELFFVASESSYNENDINTPKEIDDTTNLNNNYRNNLDEVILDYNSETIPQISNQTLNTLVQDDSYVPRYDSNGTSEIEEHNVVDLNVFFYLHAQKVPEGETNISLTSSIDTALSEESQVYTFFSSEFINTINKPVHAALFISWINQVIRDFTTEATQKSTFDKIADISLVVPYVGLALNIGNEVQKENFKEAFELLGAGILLEFVPELLIPTILVFTIKSFIGSSENKNKIIKAINNSLMERETKWKEIYSWIVSNWLTRINTQFNKRKEQMYQALQNQVDAIKTVIEYKYNNYTSDERNRLESEYNINNIREELNKKVSLAMENIERFITESSIFYLMKLINEAKVSKLREYDEGVKEYLLDYISEHRSILGNSVQELNDLVTSTLNNSIPFELSSYTNDKILILYFNKLYKKENLYFQGASHHHHHHHH
【0410】
配列番号37 - ヌクレオチド配列, rHC/F (His-タグ付き)
ATGATCAAGGATAACAGCATTCTGGATATGCGCTATGAGAACAACAAATTCATTGATATTAGCGGCTATGGCAGCAACATTAGCATTAATGGTGATGTGTATATCTACAGCACCAACCGTAATCAGTTTGGCATTTATAGCAGCAAACCGAGCGAAGTTAATATTGCCCAGAACAACGATATCATCTATAACGGTCGCTATCAGAACTTCAGCATTAGCTTTTGGGTTCGCATTCCGAAATACTTCAATAAGGTGAACCTGAACAACGAGTATACCATCATTGATTGCATTCGCAATAATAACAGCGGCTGGAAAATTAGCCTGAACTACAACAAAATTATCTGGACCCTGCAGGATACCGCAGGTAATAATCAGAAACTGGTGTTTAACTACACCCAGATGATTAGCATCAGCGACTATATCAACAAATGGATCTTTGTGACCATTACCAATAATCGCCTGGGTAATAGCCGCATTTATATCAATGGTAACCTGATCGATGAGAAAAGCATTAGCAATCTGGGTGATATTCATGTGAGCGATAACATCCTGTTTAAAATCGTGGGTTGTAACGATACCCGTTATGTTGGTATTCGCTACTTCAAAGTGTTTGATACCGAACTGGGTAAAACCGAAATTGAAACCCTGTATAGTGATGAACCGGATCCGAGCATTCTGAAAGATTTTTGGGGTAATTATCTGCTGTACAACAAACGCTACTATCTGCTGAATCTGCTGCGTACCGATAAATCAATTACCCAGAATAGCAACTTCCTGAACATTAATCAGCAGCGTGGTGTTTATCAGAAACCGAACATTTTTAGCAACACCCGTCTGTATACCGGTGTGGAAGTTATTATTCGTAAAAATGGCAGCACCGATATCAGCAACACCGATAACTTTGTTCGCAAAAATGATCTGGCGTATATCAACGTTGTTGATCGTGATGTTGAATATCGTCTGTATGCCGATATTAGCATTGCCAAACCGGAAAAAATCATCAAACTGATCCGTACCAGCAACAGCAATAATTCACTGGGTCAGATTATTGTGATGGATAGCATTGGTAATAACTGCACCATGAACTTTCAGAACAATAACGGTGGTAATATTGGTCTGCTGGGCTTTCATAGTAATAATCTGGTTGCAAGCAGCTGGTATTATAACAACATCCGTAAAAATACCAGCAGCAATGGTTGCTTTTGGAGCTTTATTAGCAAAGAACATGGCTGGCAAGAAAACGAGAATCTGTATTTTCAGGGTGCAAGTCATCATCACCACCATCACCATCATTAA
【0411】
配列番号38 - ポリペプチド配列, rHC/F (His-タグ付き)
MIKDNSILDMRYENNKFIDISGYGSNISINGDVYIYSTNRNQFGIYSSKPSEVNIAQNNDIIYNGRYQNFSISFWVRIPKYFNKVNLNNEYTIIDCIRNNNSGWKISLNYNKIIWTLQDTAGNNQKLVFNYTQMISISDYINKWIFVTITNNRLGNSRIYINGNLIDEKSISNLGDIHVSDNILFKIVGCNDTRYVGIRYFKVFDTELGKTEIETLYSDEPDPSILKDFWGNYLLYNKRYYLLNLLRTDKSITQNSNFLNINQQRGVYQKPNIFSNTRLYTGVEVIIRKNGSTDISNTDNFVRKNDLAYINVVDRDVEYRLYADISIAKPEKIIKLIRTSNSNNSLGQIIVMDSIGNNCTMNFQNNNGGNIGLLGFHSNNLVASSWYYNNIRKNTSSNGCFWSFISKEHGWQENENLYFQGASHHHHHHHH
【0412】
配列番号39 - ヌクレオチド配列, rLC/F (His-タグ付き)
ATGCCGGTTGTGATTAACAGCTTCAATTATAACGATCCGGTGAACGATGATACCATCCTGTATATGCAGATTCCGTATGAAGAGAAAAGCAAAAAGTACTACAAAGCCTTTGAGATCATGCGCAACGTTTGGATTATTCCGGAACGTAATACCATTGGCACCGATCCGAGCGATTTTGATCCGCCTGCAAGCCTGGAAAATGGTAGCAGCGCATATTATGATCCGAATTATCTGACCACCGATGCCGAAAAAGATCGTTATCTGAAAACCACCATCAAACTGTTCAAACGCATTAATAGCAATCCGGCAGGCGAAGTTCTGCTGCAAGAAATTAGCTATGCAAAACCGTATCTGGGCAATGAACATACCCCGATTAATGAATTTCATCCGGTTACACGTACCACGAGCGTTAACATTAAAAGCAGCACCAATGTGAAGTCCAGCATTATTCTGAATCTGCTGGTTTTAGGTGCAGGTCCGGATATTTTTGAAAATTCAAGCTATCCGGTGCGCAAACTGATGGATAGCGGTGGTGTGTATGATCCGTCAAATGATGGTTTTGGCAGCATTAACATTGTGACCTTTAGTCCGGAATATGAATACACCTTCAACGATATTAGCGGTGGCTATAATAGCAGCACCGAAAGTTTTATTGCAGATCCGGCAATTAGCCTGGCACATGAACTGATTCATGCACTGCATGGTCTGTATGGTGCACGTGGTGTTACCTATAAAGAAACCATTAAAGTTAAACAGGCACCGCTGATGATTGCGGAAAAACCGATTCGTCTGGAAGAATTTCTGACCTTTGGTGGTCAGGATCTGAACATTATTACCAGCGCAATGAAAGAGAAAATCTATAATAACCTGCTGGCCAACTATGAGAAAATTGCAACCCGTCTGAGCCGTGTTAATAGCGCACCTCCTGAATATGATATCAACGAGTATAAAGACTATTTTCAGTGGAAATACGGCCTGGATAAAAATGCAGATGGTAGCTATACCGTGAACGAGAACAAATTTAACGAGATCTACAAAAAACTGTATAGCTTCACCGAAATCGATCTGGCCAACAAATTCAAAGTGAAATGCCGCAACACCTACTTCATCAAATATGGCTTTCTGAAAGTTCCGAACCTGCTTGATGATGATATCTATACCGTTAGCGAAGGCTTTAACATTGGTAATCTGGCCGTTAATAATCGCGGTCAGAACATTAAACTGAACCCGAAAATTATCGATAGCATCCCGGATAAAGGCCTGGTTGAAAAAATTGTGAAATTCTGCAAAAGCGAGAACCTGTATTTTCAGGGTGCAAGTCATCATCACCATCACCACCATCATTAA
【0413】
配列番号40 - ポリペプチド配列, rLC/F (His-タグ付き)
MPVVINSFNYNDPVNDDTILYMQIPYEEKSKKYYKAFEIMRNVWIIPERNTIGTDPSDFDPPASLENGSSAYYDPNYLTTDAEKDRYLKTTIKLFKRINSNPAGEVLLQEISYAKPYLGNEHTPINEFHPVTRTTSVNIKSSTNVKSSIILNLLVLGAGPDIFENSSYPVRKLMDSGGVYDPSNDGFGSINIVTFSPEYEYTFNDISGGYNSSTESFIADPAISLAHELIHALHGLYGARGVTYKETIKVKQAPLMIAEKPIRLEEFLTFGGQDLNIITSAMKEKIYNNLLANYEKIATRLSRVNSAPPEYDINEYKDYFQWKYGLDKNADGSYTVNENKFNEIYKKLYSFTEIDLANKFKVKCRNTYFIKYGFLKVPNLLDDDIYTVSEGFNIGNLAVNNRGQNIKLNPKIIDSIPDKGLVEKIVKFCKSENLYFQGASHHHHHHHH
【0414】
配列番号41 - ヌクレオチド配列, Cationic rHC/A (His-タグ付き)
ATGATCATCAACACCAGCATTCTGAACCTGCGTTATGAAAGCAAACATCTGATTGATCTGAGCCGTTATGCCAGCAAAATCAATATAGGCAGCAAGGTTAACTTCGACCCGATTGACAAAAATCAGATACAGCTGTTTAATCTGGAAAGCAGCAAAATTGAGGTGATCCTGAAAAAAGCGATCGTGTATAATAGCATGTACGAGAATTTTTCGACCAGCTTTTGGATTCGCATCCCGAAATACTTTAACAAGATTAGCCTGAACAACGAGTATACCATCATTAACTGCATGGAAAACAATAGCGGTTGGAAAGTCAGCCTGAATTATGGCGAAATTATCTGGACCCTGCAGGATACCAAAGAAATCAAACAGCGTGTGGTGTTCAAATACAGCCAGATGATTAATATCAGCGACTATATCAACCGCTGGATTTTTGTGACCATTACCAATAATCGGCTGAACAAGAGCAAGATCTATATTAACGGTCGTCTGATTGACCAGAAACCGATTAGTAATCTGGGTAATATTCATGCGAGCAACAAAATCATGTTTAAACTGGATGGTTGCCGTGATACCCATCGTTATATTTGGATCAAATACTTCAACCTGTTCGATAAAGAGTTGAACGAAAAAGAAATTAAAGACCTGTACGATAACCAGAGCAATAGCGGCATACTGAAAGATTTTTGGGGAGATTATCTGCAGTATGACAAACCGTATTATATGCTGAATCTGTACGACCCGAATAAATACGTGGATGTTAATAATGTGGGCATCCGTGGTTATATGTACCTGAAAGGTCCGCGTGGTAGCGTTATGACCACAAACATTTATCTGAATAGCAGCCTGTATCGCGGAACCAAATTCATCATTAAAAAGTATGCCAGCGGCAACAAGGATAATATTGTGCGTAATAATGATCGCGTGTACATTAACGTTGTGGTGAAGAATAAAGAATATCGCCTGGCAACCAATGCAAGCCAGGCAGGCGTTGAAAAAATTCTGAGTGCCCTGGAAATTCCGGATGTTGGTAATCTGAGCCAGGTTGTTGTGATGAAAAGCAAAAACGATAAAGGCATCACCAACAAATGCAAGATGAATCTGCAGGACAATAACGGCAATGATATTGGCTTCATTGGCTTTCACCAGTTTAACAACATTGCAAAACTGGTTGCGAGCAATTGGTATAATCGTCAGATTGAACGTAGCAGTCGTACCCTGGGTTGTAGCTGGGAATTTATCCCTGTGGATGATGGTTGGGGTGAACGTCCGCTGAAGCTTGCGGCCGCACTCGAGCACCACCACCACCACCACTGA
【0415】
配列番号42 - ポリペプチド配列, Cationic rHC/A (His-タグ付き)
MIINTSILNLRYESKHLIDLSRYASKINIGSKVNFDPIDKNQIQLFNLESSKIEVILKKAIVYNSMYENFSTSFWIRIPKYFNKISLNNEYTIINCMENNSGWKVSLNYGEIIWTLQDTKEIKQRVVFKYSQMINISDYINRWIFVTITNNRLNKSKIYINGRLIDQKPISNLGNIHASNKIMFKLDGCRDTHRYIWIKYFNLFDKELNEKEIKDLYDNQSNSGILKDFWGDYLQYDKPYYMLNLYDPNKYVDVNNVGIRGYMYLKGPRGSVMTTNIYLNSSLYRGTKFIIKKYASGNKDNIVRNNDRVYINVVVKNKEYRLATNASQAGVEKILSALEIPDVGNLSQVVVMKSKNDKGITNKCKMNLQDNNGNDIGFIGFHQFNNIAKLVASNWYNRQIERSSRTLGCSWEFIPVDDGWGERPLKLAAALEHHHHHH
【0416】
配列番号43 - ヌクレオチド配列, rHC/AB (His-タグ付き)
ATGATTCTGAACAATATTATCCTGAACCTGCGTTACAAAGACAACAATCTGATCGATCTGAGCGGCTATGGTGCAAAAGTTGAAGTCTACGACGGTGTCGAACTGAACGATAAAAACCAGTTCAAACTGACCTCATCGGCTAACTCAAAAATTCGTGTGACGCAGAACCAAAACATCATCTTCAACTCGGTCTTTCTGGACTTCAGCGTGTCTTTCTGGATTCGCATCCCGAAATATAAAAATGATGGCATCCAGAACTACATCCATAACGAATACACCATCATCAACTGTATGAAAAACAACAGTGGTTGGAAAATTTCCATCCGTGGCAACCGCATTATCTGGACCCTGATTGATATCAATGGTAAAACGAAAAGCGTGTTTTTCGAATACAACATCCGTGAAGATATCTCTGAATACATCAATCGCTGGTTTTTCGTGACCATTACGAACAATCTGAACAATGCGAAAATCTATATCAACGGCAAACTGGAAAGTAATACCGACATCAAAGATATTCGTGAAGTTATCGCCAACGGTGAAATCATCTTCAAACTGGATGGCGACATCGATCGCACCCAGTTCATTTGGATGAAATACTTCTCCATCTTCAACACGGAACTGAGTCAGTCCAATATCGAAGAACGCTACAAAATCCAATCATACTCGGAATACCTGAAAGATTTCTGGGGTAACCCGCTGATGTACAACAAAGAATACTACATGTTCAACGCGGGCAACAAAAACTCATACATCAAACTGAAAAAAGATTCGCCGGTGGGTGAAATCCTGACCCGTAGCAAATACAACCAGAACTCTAAATACATCAACTATCGCGATCTGTACATTGGCGAAAAATTTATTATCCGTCGCAAAAGCAACTCTCAGAGTATTAATGATGACATCGTGCGTAAAGAAGACTACATCTATCTGGATTTCTTTAATCTGAACCAAGAATGGCGCGTTTATACCTACAAATACTTCAAAAAAGAAGAAATGAAACTGTTCCTGGCCCCGATTTACGACAGCGATGAATTTTACAACACCATCCAGATCAAAGAATACGATGAACAGCCGACGTATAGTTGCCAACTGCTGTTCAAAAAAGACGAAGAATCCACCGATGAAATTGGCCTGATTGGTATCCACCGTTTCTATGAAAGCGGTATCGTTTTCGAAGAATACAAAGATTACTTCTGTATCTCTAAATGGTATCTGAAAGAAGTCAAACGCAAACCGTACAACCTGAAACTGGGCTGCAACTGGCAATTTATCCCGAAAGACGAAGGCTGGACCGAAAAGCTTGCGGCCGCACTCGAGCACCACCACCACCACCACTGA
【0417】
配列番号44 - ポリペプチド配列, rHC/AB (His-タグ付き)
MILNNIILNLRYKDNNLIDLSGYGAKVEVYDGVELNDKNQFKLTSSANSKIRVTQNQNIIFNSVFLDFSVSFWIRIPKYKNDGIQNYIHNEYTIINCMKNNSGWKISIRGNRIIWTLIDINGKTKSVFFEYNIREDISEYINRWFFVTITNNLNNAKIYINGKLESNTDIKDIREVIANGEIIFKLDGDIDRTQFIWMKYFSIFNTELSQSNIEERYKIQSYSEYLKDFWGNPLMYNKEYYMFNAGNKNSYIKLKKDSPVGEILTRSKYNQNSKYINYRDLYIGEKFIIRRKSNSQSINDDIVRKEDYIYLDFFNLNQEWRVYTYKYFKKEEMKLFLAPIYDSDEFYNTIQIKEYDEQPTYSCQLLFKKDEESTDEIGLIGIHRFYESGIVFEEYKDYFCISKWYLKEVKRKPYNLKLGCNWQFIPKDEGWTEKLAAALEHHHHHH
【0418】
配列番号45 - ヌクレオチド配列, rHC/A バリアント Y1117V H1253K (His-タグ付き)
ATGATCATCAATACTAGCATTCTGAACCTGCGTTACGAGAGCAATCATCTGATTGATCTGAGCCGTTATGCAAGCAAGATCAACATCGGTAGCAAGGTCAATTTTGACCCGATCGATAAGAACCAGATCCAGCTGTTTAATCTGGAATCGAGCAAAATTGAGGTTATCCTGAAAAACGCCATTGTCTACAACTCCATGTACGAGAATTTCTCCACCAGCTTCTGGATTCGCATCCCGAAATACTTCAACAGCATTAGCCTGAACAACGAGTATACTATCATCAACTGTATGGAGAACAACAGCGGTTGGAAGGTGTCTCTGAACTATGGTGAGATCATTTGGACCTTGCAGGACACCCAAGAGATCAAGCAGCGCGTCGTGTTCAAGTACTCTCAAATGATCAACATTTCCGATTACATTAATCGTTGGATCTTCGTGACCATTACGAATAACCGTCTGAATAACAGCAAGATTTACATCAATGGTCGCTTGATCGATCAGAAACCGATTAGCAACCTGGGTAATATCCACGCAAGCAACAACATTATGTTCAAATTGGACGGTTGCCGCGATACCCATCGTTATATCTGGATCAAGTATTTCAACCTGTTTGATAAAGAACTGAATGAGAAGGAGATCAAAGATTTGTATGACAACCAATCTAACAGCGGCATTTTGAAGGACTTCTGGGGCGATTATCTGCAATACGATAAGCCGTACTATATGCTGAACCTGgtTGATCCGAACAAATATGTGGATGTCAATAATGTGGGTATTCGTGGTTACATGTATTTGAAGGGTCCGCGTGGCAGCGTTATGACGACCAACATTTACCTGAACTCTAGCCTGTACCGTGGTACGAAATTCATCATTAAGAAATATGCCAGCGGCAACAAAGATAACATTGTGCGTAATAACGATCGTGTCTACATCAACGTGGTCGTGAAGAATAAAGAGTACCGTCTGGCGACCAACGCTTCGCAGGCGGGTGTTGAGAAAATTCTGAGCGCGTTGGAGATCCCTGATGTCGGTAATCTGAGCCAAGTCGTGGTTATGAAGAGCAAGAACGACCAGGGTATCACTAACAAGTGCAAGATGAACCTGCAAGACAACAATGGTAACGACATCGGCTTTATTGGTTTCaAaCAGTTCAACAATATTGCTAAACTGGTAGCGAGCAATTGGTACAATCGTCAGATTGAGCGCAGCAGCCGTACTTTGGGCTGTAGCTGGGAGTTTATCCCGGTCGATGATGGTTGGGGCGAACGTCCGCTGCaCcatcaccatCaCcatcaccatCaCcatT
【0419】
配列番号46 - ポリペプチド配列, rHC/A バリアント Y1117V H1253K (His-タグ付き)
MIINTSILNLRYESNHLIDLSRYASKINIGSKVNFDPIDKNQIQLFNLESSKIEVILKNAIVYNSMYENFSTSFWIRIPKYFNSISLNNEYTIINCMENNSGWKVSLNYGEIIWTLQDTQEIKQRVVFKYSQMINISDYINRWIFVTITNNRLNNSKIYINGRLIDQKPISNLGNIHASNNIMFKLDGCRDTHRYIWIKYFNLFDKELNEKEIKDLYDNQSNSGILKDFWGDYLQYDKPYYMLNLVDPNKYVDVNNVGIRGYMYLKGPRGSVMTTNIYLNSSLYRGTKFIIKKYASGNKDNIVRNNDRVYINVVVKNKEYRLATNASQAGVEKILSALEIPDVGNLSQVVVMKSKNDQGITNKCKMNLQDNNGNDIGFIGFKQFNNIAKLVASNWYNRQIERSSRTLGCSWEFIPVDDGWGERPLHHHHHHHHHH
【0420】
配列番号47 - ヌクレオチド配列, rHC/A バリアント Y1117V F1252Y H1253K L1278F (His-タグ付き)
ATGATCATCAATACTAGCATTCTGAACCTGCGTTACGAGAGCAATCATCTGATTGATCTGAGCCGTTATGCAAGCAAGATCAACATCGGTAGCAAGGTCAATTTTGACCCGATCGATAAGAACCAGATCCAGCTGTTTAATCTGGAATCGAGCAAAATTGAGGTTATCCTGAAAAACGCCATTGTCTACAACTCCATGTACGAGAATTTCTCCACCAGCTTCTGGATTCGCATCCCGAAATACTTCAACAGCATTAGCCTGAACAACGAGTATACTATCATCAACTGTATGGAGAACAACAGCGGTTGGAAGGTGTCTCTGAACTATGGTGAGATCATTTGGACCTTGCAGGACACCCAAGAGATCAAGCAGCGCGTCGTGTTCAAGTACTCTCAAATGATCAACATTTCCGATTACATTAATCGTTGGATCTTCGTGACCATTACGAATAACCGTCTGAATAACAGCAAGATTTACATCAATGGTCGCTTGATCGATCAGAAACCGATTAGCAACCTGGGTAATATCCACGCAAGCAACAACATTATGTTCAAATTGGACGGTTGCCGCGATACCCATCGTTATATCTGGATCAAGTATTTCAACCTGTTTGATAAAGAACTGAATGAGAAGGAGATCAAAGATTTGTATGACAACCAATCTAACAGCGGCATTTTGAAGGACTTCTGGGGCGATTATCTGCAATACGATAAGCCGTACTATATGCTGAACCTGgtTGATCCGAACAAATATGTGGATGTCAATAATGTGGGTATTCGTGGTTACATGTATTTGAAGGGTCCGCGTGGCAGCGTTATGACGACCAACATTTACCTGAACTCTAGCCTGTACCGTGGTACGAAATTCATCATTAAGAAATATGCCAGCGGCAACAAAGATAACATTGTGCGTAATAACGATCGTGTCTACATCAACGTGGTCGTGAAGAATAAAGAGTACCGTCTGGCGACCAACGCTTCGCAGGCGGGTGTTGAGAAAATTCTGAGCGCGTTGGAGATCCCTGATGTCGGTAATCTGAGCCAAGTCGTGGTTATGAAGAGCAAGAACGACCAGGGTATCACTAACAAGTGCAAGATGAACCTGCAAGACAACAATGGTAACGACATCGGCTTTATTGGTTaCaAaCAGTTCAACAATATTGCTAAACTGGTAGCGAGCAATTGGTACAATCGTCAGATTGAGCGCAGCAGCCGTACTTTtGGCTGTAGCTGGGAGTTTATCCCGGTCGATGATGGTTGGGGCGAACGTCCGCTGCaCcatcaccatCaCcatcaccatCaCcatTAA
【0421】
配列番号48 - ポリペプチド配列, rHC/A バリアント Y1117V F1252Y H1253K L1278F (His-タグ付き)
MIINTSILNLRYESNHLIDLSRYASKINIGSKVNFDPIDKNQIQLFNLESSKIEVILKNAIVYNSMYENFSTSFWIRIPKYFNSISLNNEYTIINCMENNSGWKVSLNYGEIIWTLQDTQEIKQRVVFKYSQMINISDYINRWIFVTITNNRLNNSKIYINGRLIDQKPISNLGNIHASNNIMFKLDGCRDTHRYIWIKYFNLFDKELNEKEIKDLYDNQSNSGILKDFWGDYLQYDKPYYMLNLVDPNKYVDVNNVGIRGYMYLKGPRGSVMTTNIYLNSSLYRGTKFIIKKYASGNKDNIVRNNDRVYINVVVKNKEYRLATNASQAGVEKILSALEIPDVGNLSQVVVMKSKNDQGITNKCKMNLQDNNGNDIGFIGYKQFNNIAKLVASNWYNRQIERSSRTFGCSWEFIPVDDGWGERPLHHHHHHHHHH
【0422】
配列番号49 - ヌクレオチド配列, rHC/A バリアント Y1117V F1252Y H1253K L1278H (His-タグ付き)
ATGATCATCAATACTAGCATTCTGAACCTGCGTTACGAGAGCAATCATCTGATTGATCTGAGCCGTTATGCAAGCAAGATCAACATCGGTAGCAAGGTCAATTTTGACCCGATCGATAAGAACCAGATCCAGCTGTTTAATCTGGAATCGAGCAAAATTGAGGTTATCCTGAAAAACGCCATTGTCTACAACTCCATGTACGAGAATTTCTCCACCAGCTTCTGGATTCGCATCCCGAAATACTTCAACAGCATTAGCCTGAACAACGAGTATACTATCATCAACTGTATGGAGAACAACAGCGGTTGGAAGGTGTCTCTGAACTATGGTGAGATCATTTGGACCTTGCAGGACACCCAAGAGATCAAGCAGCGCGTCGTGTTCAAGTACTCTCAAATGATCAACATTTCCGATTACATTAATCGTTGGATCTTCGTGACCATTACGAATAACCGTCTGAATAACAGCAAGATTTACATCAATGGTCGCTTGATCGATCAGAAACCGATTAGCAACCTGGGTAATATCCACGCAAGCAACAACATTATGTTCAAATTGGACGGTTGCCGCGATACCCATCGTTATATCTGGATCAAGTATTTCAACCTGTTTGATAAAGAACTGAATGAGAAGGAGATCAAAGATTTGTATGACAACCAATCTAACAGCGGCATTTTGAAGGACTTCTGGGGCGATTATCTGCAATACGATAAGCCGTACTATATGCTGAACCTGgtTGATCCGAACAAATATGTGGATGTCAATAATGTGGGTATTCGTGGTTACATGTATTTGAAGGGTCCGCGTGGCAGCGTTATGACGACCAACATTTACCTGAACTCTAGCCTGTACCGTGGTACGAAATTCATCATTAAGAAATATGCCAGCGGCAACAAAGATAACATTGTGCGTAATAACGATCGTGTCTACATCAACGTGGTCGTGAAGAATAAAGAGTACCGTCTGGCGACCAACGCTTCGCAGGCGGGTGTTGAGAAAATTCTGAGCGCGTTGGAGATCCCTGATGTCGGTAATCTGAGCCAAGTCGTGGTTATGAAGAGCAAGAACGACCAGGGTATCACTAACAAGTGCAAGATGAACCTGCAAGACAACAATGGTAACGACATCGGCTTTATTGGTTaCaAaCAGTTCAACAATATTGCTAAACTGGTAGCGAGCAATTGGTACAATCGTCAGATTGAGCGCAGCAGCCGTACTcatGGCTGTAGCTGGGAGTTTATCCCGGTCGATGATGGTTGGGGCGAACGTCCGCTGCaCcatcaccatCaCcat
【0423】
配列番号50 - ポリペプチド配列, rHC/A バリアント Y1117V F1252Y H1253K L1278H (His-タグ付き)
MIINTSILNLRYESNHLIDLSRYASKINIGSKVNFDPIDKNQIQLFNLESSKIEVILKNAIVYNSMYENFSTSFWIRIPKYFNSISLNNEYTIINCMENNSGWKVSLNYGEIIWTLQDTQEIKQRVVFKYSQMINISDYINRWIFVTITNNRLNNSKIYINGRLIDQKPISNLGNIHASNNIMFKLDGCRDTHRYIWIKYFNLFDKELNEKEIKDLYDNQSNSGILKDFWGDYLQYDKPYYMLNLVDPNKYVDVNNVGIRGYMYLKGPRGSVMTTNIYLNSSLYRGTKFIIKKYASGNKDNIVRNNDRVYINVVVKNKEYRLATNASQAGVEKILSALEIPDVGNLSQVVVMKSKNDQGITNKCKMNLQDNNGNDIGFIGYKQFNNIAKLVASNWYNRQIERSSRTHGCSWEFIPVDDGWGERPLHHHHHH
【0424】
配列番号51 - ポリペプチド配列, BoNT/A - UniProt P10845
MPFVNKQFNYKDPVNGVDIAYIKIPNVGQMQPVKAFKIHNKIWVIPERDTFTNPEEGDLN
PPPEAKQVPVSYYDSTYLSTDNEKDNYLKGVTKLFERIYSTDLGRMLLTSIVRGIPFWGG
STIDTELKVIDTNCINVIQPDGSYRSEELNLVIIGPSADIIQFECKSFGHEVLNLTRNGY
GSTQYIRFSPDFTFGFEESLEVDTNPLLGAGKFATDPAVTLAHELIHAGHRLYGIAINPN
RVFKVNTNAYYEMSGLEVSFEELRTFGGHDAKFIDSLQENEFRLYYYNKFKDIASTLNKA
KSIVGTTASLQYMKNVFKEKYLLSEDTSGKFSVDKLKFDKLYKMLTEIYTEDNFVKFFKV
LNRKTYLNFDKAVFKINIVPKVNYTIYDGFNLRNTNLAANFNGQNTEINNMNFTKLKNFT
GLFEFYKLLCVRGIITSKTKSLDKGYNKALNDLCIKVNNWDLFFSPSEDNFTNDLNKGEE
ITSDTNIEAAEENISLDLIQQYYLTFNFDNEPENISIENLSSDIIGQLELMPNIERFPNG
KKYELDKYTMFHYLRAQEFEHGKSRIALTNSVNEALLNPSRVYTFFSSDYVKKVNKATEA
AMFLGWVEQLVYDFTDETSEVSTTDKIADITIIIPYIGPALNIGNMLYKDDFVGALIFSG
AVILLEFIPEIAIPVLGTFALVSYIANKVLTVQTIDNALSKRNEKWDEVYKYIVTNWLAK
VNTQIDLIRKKMKEALENQAEATKAIINYQYNQYTEEEKNNINFNIDDLSSKLNESINKA
MININKFLNQCSVSYLMNSMIPYGVKRLEDFDASLKDALLKYIYDNRGTLIGQVDRLKDK
VNNTLSTDIPFQLSKYVDNQRLLSTFTEYIKNIINTSILNLRYESNHLIDLSRYASKINI
GSKVNFDPIDKNQIQLFNLESSKIEVILKNAIVYNSMYENFSTSFWIRIPKYFNSISLNN
EYTIINCMENNSGWKVSLNYGEIIWTLQDTQEIKQRVVFKYSQMINISDYINRWIFVTIT
NNRLNNSKIYINGRLIDQKPISNLGNIHASNNIMFKLDGCRDTHRYIWIKYFNLFDKELN
EKEIKDLYDNQSNSGILKDFWGDYLQYDKPYYMLNLYDPNKYVDVNNVGIRGYMYLKGPR
GSVMTTNIYLNSSLYRGTKFIIKKYASGNKDNIVRNNDRVYINVVVKNKEYRLATNASQA
GVEKILSALEIPDVGNLSQVVVMKSKNDQGITNKCKMNLQDNNGNDIGFIGFHQFNNIAK
LVASNWYNRQIERSSRTLGCSWEFIPVDDGWGERPL
【0425】
配列番号52 - ポリペプチド配列, BoNT/B - UniProt P10844
MPVTINNFNYNDPIDNNNIIMMEPPFARGTGRYYKAFKITDRIWIIPERYTFGYKPEDFNKSSGIFNRDVCEYYDPDYLNTNDKKNIFLQTMIKLFNRIKSKPLGEKLLEMIINGIPYLGDRRVPLEEFNTNIASVTVNKLISNPGEVERKKGIFANLIIFGPGPVLNENETIDIGIQNHFASREGFGGIMQMKFCPEYVSVFNNVQENKGASIFNRRGYFSDPALILMHELIHVLHGLYGIKVDDLPIVPNEKKFFMQSTDAIQAEELYTFGGQDPSIITPSTDKSIYDKVLQNFRGIVDRLNKVLVCISDPNININIYKNKFKDKYKFVEDSEGKYSIDVESFDKLYKSLMFGFTETNIAENYKIKTRASYFSDSLPPVKIKNLLDNEIYTIEEGFNISDKDMEKEYRGQNKAINKQAYEEISKEHLAVYKIQMCKSVKAPGICIDVDNEDLFFIADKNSFSDDLSKNERIEYNTQSNYIENDFPINELILDTDLISKIELPSENTESLTDFNVDVPVYEKQPAIKKIFTDENTIFQYLYSQTFPLDIRDISLTSSFDDALLFSNKVYSFFSMDYIKTANKVVEAGLFAGWVKQIVNDFVIEANKSNTMDKIADISLIVPYIGLALNVGNETAKGNFENAFEIAGASILLEFIPELLIPVVGAFLLESYIDNKNKIIKTIDNALTKRNEKWSDMYGLIVAQWLSTVNTQFYTIKEGMYKALNYQAQALEEIIKYRYNIYSEKEKSNINIDFNDINSKLNEGINQAIDNINNFINGCSVSYLMKKMIPLAVEKLLDFDNTLKKNLLNYIDENKLYLIGSAEYEKSKVNKYLKTIMPFDLSIYTNDTILIEMFNKYNSEILNNIILNLRYKDNNLIDLSGYGAKVEVYDGVELNDKNQFKLTSSANSKIRVTQNQNIIFNSVFLDFSVSFWIRIPKYKNDGIQNYIHNEYTIINCMKNNSGWKISIRGNRIIWTLIDINGKTKSVFFEYNIREDISEYINRWFFVTITNNLNNAKIYINGKLESNTDIKDIREVIANGEIIFKLDGDIDRTQFIWMKYFSIFNTELSQSNIEERYKIQSYSEYLKDFWGNPLMYNKEYYMFNAGNKNSYIKLKKDSPVGEILTRSKYNQNSKYINYRDLYIGEKFIIRRKSNSQSINDDIVRKEDYIYLDFFNLNQEWRVYTYKYFKKEEEKLFLAPISDSDEFYNTIQIKEYDEQPTYSCQLLFKKDEESTDEIGLIGIHRFYESGIVFEEYKDYFCISKWYLKEVKRKPYNLKLGCNWQFIPKDEGWTE
【0426】
配列番号53 - ポリペプチド配列, BoNT/C - UniProt P18640
MPITINNFNYSDPVDNKNILYLDTHLNTLANEPEKAFRITGNIWVIPDRFSRNSNPNLNKPPRVTSPKSGYYDPNYLSTDSDKDPFLKEIIKLFKRINSREIGEELIYRLSTDIPFPGNNNTPINTFDFDVDFNSVDVKTRQGNNWVKTGSINPSVIITGPRENIIDPETSTFKLTNNTFAAQEGFGALSIISISPRFMLTYSNATNDVGEGRFSKSEFCMDPILILMHELNHAMHNLYGIAIPNDQTISSVTSNIFYSQYNVKLEYAEIYAFGGPTIDLIPKSARKYFEEKALDYYRSIAKRLNSITTANPSSFNKYIGEYKQKLIRKYRFVVESSGEVTVNRNKFVELYNELTQIFTEFNYAKIYNVQNRKIYLSNVYTPVTANILDDNVYDIQNGFNIPKSNLNVLFMGQNLSRNPALRKVNPENMLYLFTKFCHKAIDGRSLYNKTLDCRELLVKNTDLPFIGDISDVKTDIFLRKDINEETEVIYYPDNVSVDQVILSKNTSEHGQLDLLYPSIDSESEILPGENQVFYDNRTQNVDYLNSYYYLESQKLSDNVEDFTFTRSIEEALDNSAKVYTYFPTLANKVNAGVQGGLFLMWANDVVEDFTTNILRKDTLDKISDVSAIIPYIGPALNISNSVRRGNFTEAFAVTGVTILLEAFPEFTIPALGAFVIYSKVQERNEIIKTIDNCLEQRIKRWKDSYEWMMGTWLSRIITQFNNISYQMYDSLNYQAGAIKAKIDLEYKKYSGSDKENIKSQVENLKNSLDVKISEAMNNINKFIRECSVTYLFKNMLPKVIDELNEFDRNTKAKLINLIDSHNIILVGEVDKLKAKVNNSFQNTIPFNIFSYTNNSLLKDIINEYFNNINDSKILSLQNRKNTLVDTSGYNAEVSEEGDVQLNPIFPFDFKLGSSGEDRGKVIVTQNENIVYNSMYESFSISFWIRINKWVSNLPGYTIIDSVKNNSGWSIGIISNFLVFTLKQNEDSEQSINFSYDISNNAPGYNKWFFVTVTNNMMGNMKIYINGKLIDTIKVKELTGINFSKTITFEINKIPDTGLITSDSDNINMWIRDFYIFAKELDGKDINILFNSLQYTNVVKDYWGNDLRYNKEYYMVNIDYLNRYMYANSRQIVFNTRRNNNDFNEGYKIIIKRIRGNTNDTRVRGGDILYFDMTINNKAYNLFMKNETMYADNHSTEDIYAIGLREQTKDINDNIIFQIQPMNNTYYYASQIFKSNFNGENISGICSIGTYRFRLGGDWYRHNYLVPTVKQGNYASLLESTSTHWGFVPVSE
【0427】
配列番号54 - ポリペプチド配列, BoNT/D - UniProt P19321
MTWPVKDFNYSDPVNDNDILYLRIPQNKLITTPVKAFMITQNIWVIPERFSSDTNPSLSKPPRPTSKYQSYYDPSYLSTDEQKDTFLKGIIKLFKRINERDIGKKLINYLVVGSPFMGDSSTPEDTFDFTRHTTNIAVEKFENGSWKVTNIITPSVLIFGPLPNILDYTASLTLQGQQSNPSFEGFGTLSILKVAPEFLLTFSDVTSNQSSAVLGKSIFCMDPVIALMHELTHSLHQLYGINIPSDKRIRPQVSEGFFSQDGPNVQFEELYTFGGLDVEIIPQIERSQLREKALGHYKDIAKRLNNINKTIPSSWISNIDKYKKIFSEKYNFDKDNTGNFVVNIDKFNSLYSDLTNVMSEVVYSSQYNVKNRTHYFSRHYLPVFANILDDNIYTIRDGFNLTNKGFNIENSGQNIERNPALQKLSSESVVDLFTKVCLRLTKNSRDDSTCIKVKNNRLPYVADKDSISQEIFENKIITDETNVQNYSDKFSLDESILDGQVPINPEIVDPLLPNVNMEPLNLPGEEIVFYDDITKYVDYLNSYYYLESQKLSNNVENITLTTSVEEALGYSNKIYTFLPSLAEKVNKGVQAGLFLNWANEVVEDFTTNIMKKDTLDKISDVSVIIPYIGPALNIGNSALRGNFNQAFATAGVAFLLEGFPEFTIPALGVFTFYSSIQEREKIIKTIENCLEQRVKRWKDSYQWMVSNWLSRITTQFNHINYQMYDSLSYQADAIKAKIDLEYKKYSGSDKENIKSQVENLKNSLDVKISEAMNNINKFIRECSVTYLFKNMLPKVIDELNKFDLRTKTELINLIDSHNIILVGEVDRLKAKVNESFENTMPFNIFSYTNNSLLKDIINEYFNSINDSKILSLQNKKNALVDTSGYNAEVRVGDNVQLNTIYTNDFKLSSSGDKIIVNLNNNILYSAIYENSSVSFWIKISKDLTNSHNEYTIINSIEQNSGWKLCIRNGNIEWILQDVNRKYKSLIFDYSESLSHTGYTNKWFFVTITNNIMGYMKLYINGELKQSQKIEDLDEVKLDKTIVFGIDENIDENQMLWIRDFNIFSKELSNEDINIVYEGQILRNVIKDYWGNPLKFDTEYYIINDNYIDRYIAPESNVLVLVQYPDRSKLYTGNPITIKSVSDKNPYSRILNGDNIILHMLYNSRKYMIIRDTDTIYATQGGECSQNCVYALKLQSNLGNYGIGIFSIKNIVSKNKYCSQIFSSFRENTMLLADIYKPWRFSFKNAYTPVAVTNYETKLLSTSSFWKFISRDPGWVE
【0428】
配列番号55 - ポリペプチド配列, BoNT/E - UniProt Q00496
MPKINSFNYNDPVNDRTILYIKPGGCQEFYKSFNIMKNIWIIPERNVIGTTPQDFHPPTSLKNGDSSYYDPNYLQSDEEKDRFLKIVTKIFNRINNNLSGGILLEELSKANPYLGNDNTPDNQFHIGDASAVEIKFSNGSQDILLPNVIIMGAEPDLFETNSSNISLRNNYMPSNHRFGSIAIVTFSPEYSFRFNDNCMNEFIQDPALTLMHELIHSLHGLYGAKGITTKYTITQKQNPLITNIRGTNIEEFLTFGGTDLNIITSAQSNDIYTNLLADYKKIASKLSKVQVSNPLLNPYKDVFEAKYGLDKDASGIYSVNINKFNDIFKKLYSFTEFDLRTKFQVKCRQTYIGQYKYFKLSNLLNDSIYNISEGYNINNLKVNFRGQNANLNPRIITPITGRGLVKKIIRFCKNIVSVKGIRKSICIEINNGELFFVASENSYNDDNINTPKEIDDTVTSNNNYENDLDQVILNFNSESAPGLSDEKLNLTIQNDAYIPKYDSNGTSDIEQHDVNELNVFFYLDAQKVPEGENNVNLTSSIDTALLEQPKIYTFFSSEFINNVNKPVQAALFVSWIQQVLVDFTTEANQKSTVDKIADISIVVPYIGLALNIGNEAQKGNFKDALELLGAGILLEFEPELLIPTILVFTIKSFLGSSDNKNKVIKAINNALKERDEKWKEVYSFIVSNWMTKINTQFNKRKEQMYQALQNQVNAIKTIIESKYNSYTLEEKNELTNKYDIKQIENELNQKVSIAMNNIDRFLTESSISYLMKIINEVKINKLREYDENVKTYLLNYIIQHGSILGESQQELNSMVTDTLNNSIPFKLSSYTDDKILISYFNKFFKRIKSSSVLNMRYKNDKYVDTSGYDSNININGDVYKYPTNKNQFGIYNDKLSEVNISQNDYIIYDNKYKNFSISFWVRIPNYDNKIVNVNNEYTIINCMRDNNSGWKVSLNHNEIIWTFEDNRGINQKLAFNYGNANGISDYINKWIFVTITNDRLGDSKLYINGNLIDQKSILNLGNIHVSDNILFKIVNCSYTRYIGIRYFNIFDKELDETEIQTLYSNEPNTNILKDFWGNYLLYDKEYYLLNVLKPNNFIDRRKDSTLSINNIRSTILLANRLYSGIKVKIQRVNNSSTNDNLVRKNDQVYINFVASKTHLFPLYADTATTNKEKTIKISSSGNRFNQVVVMNSVGNCTMNFKNNNGNNIGLLGFKADTVVASTWYYTHMRDHTNSNGCFWNFISEEHGWQEK
【0429】
配列番号56 - ポリペプチド配列, BoNT/F - UniProt A7GBG3
MPVVINSFNYNDPVNDDTILYMQIPYEEKSKKYYKAFEIMRNVWIIPERNTIGTDPSDFDPPASLENGSSAYYDPNYLTTDAEKDRYLKTTIKLFKRINSNPAGEVLLQEISYAKPYLGNEHTPINEFHPVTRTTSVNIKSSTNVKSSIILNLLVLGAGPDIFENSSYPVRKLMDSGGVYDPSNDGFGSINIVTFSPEYEYTFNDISGGYNSSTESFIADPAISLAHELIHALHGLYGARGVTYKETIKVKQAPLMIAEKPIRLEEFLTFGGQDLNIITSAMKEKIYNNLLANYEKIATRLSRVNSAPPEYDINEYKDYFQWKYGLDKNADGSYTVNENKFNEIYKKLYSFTEIDLANKFKVKCRNTYFIKYGFLKVPNLLDDDIYTVSEGFNIGNLAVNNRGQNIKLNPKIIDSIPDKGLVEKIVKFCKSVIPRKGTKAPPRLCIRVNNRELFFVASESSYNENDINTPKEIDDTTNLNNNYRNNLDEVILDYNSETIPQISNQTLNTLVQDDSYVPRYDSNGTSEIEEHNVVDLNVFFYLHAQKVPEGETNISLTSSIDTALSEESQVYTFFSSEFINTINKPVHAALFISWINQVIRDFTTEATQKSTFDKIADISLVVPYVGLALNIGNEVQKENFKEAFELLGAGILLEFVPELLIPTILVFTIKSFIGSSENKNKIIKAINNSLMERETKWKEIYSWIVSNWLTRINTQFNKRKEQMYQALQNQVDAIKTVIEYKYNNYTSDERNRLESEYNINNIREELNKKVSLAMENIERFITESSIFYLMKLINEAKVSKLREYDEGVKEYLLDYISEHRSILGNSVQELNDLVTSTLNNSIPFELSSYTNDKILILYFNKLYKKIKDNSILDMRYENNKFIDISGYGSNISINGDVYIYSTNRNQFGIYSSKPSEVNIAQNNDIIYNGRYQNFSISFWVRIPKYFNKVNLNNEYTIIDCIRNNNSGWKISLNYNKIIWTLQDTAGNNQKLVFNYTQMISISDYINKWIFVTITNNRLGNSRIYINGNLIDEKSISNLGDIHVSDNILFKIVGCNDTRYVGIRYFKVFDTELGKTEIETLYSDEPDPSILKDFWGNYLLYNKRYYLLNLLRTDKSITQNSNFLNINQQRGVYQKPNIFSNTRLYTGVEVIIRKNGSTDISNTDNFVRKNDLAYINVVDRDVEYRLYADISIAKPEKIIKLIRTSNSNNSLGQIIVMDSIGNNCTMNFQNNNGGNIGLLGFHSNNLVASSWYYNNIRKNTSSNGCFWSFISKEHGWQEN
【0430】
配列番号57 - ポリペプチド配列, BoNT/G - UniProt Q60393
MPVNIKXFNYNDPINNDDIIMMEPFNDPGPGTYYKAFRIIDRIWIVPERFTYGFQPDQFNASTGVFSKDVYEYYDPTYLKTDAEKDKFLKTMIKLFNRINSKPSGQRLLDMIVDAIPYLGNASTPPDKFAANVANVSINKKIIQPGAEDQIKGLMTNLIIFGPGPVLSDNFTDSMIMNGHSPISEGFGARMMIRFCPSCLNVFNNVQENKDTSIFSRRAYFADPALTLMHELIHVLHGLYGIKISNLPITPNTKEFFMQHSDPVQAEELYTFGGHDPSVISPSTDMNIYNKALQNFQDIANRLNIVSSAQGSGIDISLYKQIYKNKYDFVEDPNGKYSVDKDKFDKLYKALMFGFTETNLAGEYGIKTRYSYFSEYLPPIKTEKLLDNTIYTQNEGFNIASKNLKTEFNGQNKAVNKEAYEEISLEHLVIYRIAMCKPVMYKNTGKSEQCIIVNNEDLFFIANKDSFSKDLAKAETIAYNTQNNTIENNFSIDQLILDNDLSSGIDLPNENTEPFTNFDDIDIPVYIKQSALKKIFVDGDSLFEYLHAQTFPSNIENLQLTNSLNDALRNNNKVYTFFSTNLVEKANTVVGASLFVNWVKGVIDDFTSESTQKSTIDKVSDVSIIIPYIGPALNVGNETAKENFKNAFEIGGAAILMEFIPELIVPIVGFFTLESYVGNKGHIIMTISNALKKRDQKWTDMYGLIVSQWLSTVNTQFYTIKERMYNALNNQSQAIEKIIEDQYNRYSEEDKMNINIDFNDIDFKLNQSINLAINNIDDFINQCSISYLMNRMIPLAVKKLKDFDDNLKRDLLEYIDTNELYLLDEVNILKSKVNRHLKDSIPFDLSLYTKDTILIQVFNNYISNISSNAILSLSYRGGRLIDSSGYGATMNVGSDVIFNDIGNGQFKLNNSENSNITAHQSKFVVYDSMFDNFSINFWVRTPKYNNNDIQTYLQNEYTIISCIKNDSGWKVSIKGNRIIWTLIDVNAKSKSIFFEYSIKDNISDYINKWFSITITNDRLGNANIYINGSLKKSEKILNLDRINSSNDIDFKLINCTDTTKFVWIKDFNIFGRELNATEVSSLYWIQSSTNTLKDFWGNPLRYDTQYYLFNQGMQNIYIKYFSKASMGETAPRTNFNNAAINYQNLYLGLRFIIKKASNSRNINNDNIVREGDYIYLNIDNISDESYRVYVLVNSKEIQTQLFLAPINDDPTFYDVLQIKKYYEKTTYNCQILCEKDTKTFGLFGIGKFVKDYGYVWDTYDNYFCISQWYLRRISENINKLRLGCNWQFIPVDEGWTE
【0431】
配列番号58 - ポリペプチド配列, TeNT - UniProt P04958
MPITINNFRYSDPVNNDTIIMMEPPYCKGLDIYYKAFKITDRIWIVPERYEFGTKPEDFNPPSSLIEGASEYYDPNYLRTDSDKDRFLQTMVKLFNRIKNNVAGEALLDKIINAIPYLGNSYSLLDKFDTNSNSVSFNLLEQDPSGATTKSAMLTNLIIFGPGPVLNKNEVRGIVLRVDNKNYFPCRDGFGSIMQMAFCPEYVPTFDNVIENITSLTIGKSKYFQDPALLLMHELIHVLHGLYGMQVSSHEIIPSKQEIYMQHTYPISAEELFTFGGQDANLISIDIKNDLYEKTLNDYKAIANKLSQVTSCNDPNIDIDSYKQIYQQKYQFDKDSNGQYIVNEDKFQILYNSIMYGFTEIELGKKFNIKTRLSYFSMNHDPVKIPNLLDDTIYNDTEGFNIESKDLKSEYKGQNMRVNTNAFRNVDGSGLVSKLIGLCKKIIPPTNIRENLYNRTASLTDLGGELCIKIKNEDLTFIAEKNSFSEEPFQDEIVSYNTKNKPLNFNYSLDKIIVDYNLQSKITLPNDRTTPVTKGIPYAPEYKSNAASTIEIHNIDDNTIYQYLYAQKSPTTLQRITMTNSVDDALINSTKIYSYFPSVISKVNQGAQGILFLQWVRDIIDDFTNESSQKTTIDKISDVSTIVPYIGPALNIVKQGYEGNFIGALETTGVVLLLEYIPEITLPVIAALSIAESSTQKEKIIKTIDNFLEKRYEKWIEVYKLVKAKWLGTVNTQFQKRSYQMYRSLEYQVDAIKKIIDYEYKIYSGPDKEQIADEINNLKNKLEEKANKAMININIFMRESSRSFLVNQMINEAKKQLLEFDTQSKNILMQYIKANSKFIGITELKKLESKINKVFSTPIPFSYSKNLDCWVDNEEDIDVILKKSTILNLDINNDIISDISGFNSSVITYPDAQLVPGINGKAIHLVNNESSEVIVHKAMDIEYNDMFNNFTVSFWLRVPKVSASHLEQYGTNEYSIISSMKKHSLSIGSGWSVSLKGNNLIWTLKDSAGEVRQITFRDLPDKFNAYLANKWVFITITNDRLSSANLYINGVLMGSAEITGLGAIREDNNITLKLDRCNNNNQYVSIDKFRIFCKALNPKEIEKLYTSYLSITFLRDFWGNPLRYDTEYYLIPVASSSKDVQLKNITDYMYLTNAPSYTNGKLNIYYRRLYNGLKFIIKRYTPNNEIDSFVKSGDFIKLYVSYNNNEHIVGYPKDGNAFNNLDRILRVGYNAPGIPLYKKMEAVKLRDLKTYSVQLKLYDDKNASLGLVGTHNGQIGNDPNRDILIASNWYFNHLKDKILGCDWYFVPTDEGWTND
【0432】
配列番号59 - ポリペプチド配列, BoNT/X
MKLEINKFNYNDPIDGINVITMRPPRHSDKINKGKGPFKAFQVIKNIWIVPERYNFTNNT
NDLNIPSEPIMEADAIYNPNYLNTPSEKDEFLQGVIKVLERIKSKPEGEKLLELISSSIP
LPLVSNGALTLSDNETIAYQENNNIVSNLQANLVIYGPGPDIANNATYGLYSTPISNGEG
TLSEVSFSPFYLKPFDESYGNYRSLVNIVNKFVKREFAPDPASTLMHELVHVTHNLYGIS
NRNFYYNFDTGKIETSRQQNSLIFEELLTFGGIDSKAISSLIIKKIIETAKNNYTTLISE
RLNTVTVENDLLKYIKNKIPVQGRLGNFKLDTAEFEKKLNTILFVLNESNLAQRFSILVR
KHYLKERPIDPIYVNILDDNSYSTLEGFNISSQGSNDFQGQLLESSYFEKIESNALRAFI
KICPRNGLLYNAIYRNSKNYLNNIDLEDKKTTSKTNVSYPCSLLNGCIEVENKDLFLISN
KDSLNDINLSEEKIKPETTVFFKDKLPPQDITLSNYDFTEANSIPSISQQNILERNEELY
EPIRNSLFEIKTIYVDKLTTFHFLEAQNIDESIDSSKIRVELTDSVDEALSNPNKVYSPF
KNMSNTINSIETGITSTYIFYQWLRSIVKDFSDETGKIDVIDKSSDTLAIVPYIGPLLNI
GNDIRHGDFVGAIELAGITALLEYVPEFTIPILVGLEVIGGELAREQVEAIVNNALDKRD
QKWAEVYNITKAQWWGTIHLQINTRLAHTYKALSRQANAIKMNMEFQLANYKGNIDDKAK
IKNAISETEILLNKSVEQAMKNTEKFMIKLSNSYLTKEMIPKVQDNLKNFDLETKKTLDK
FIKEKEDILGTNLSSSLRRKVSIRLNKNIAFDINDIPFSEFDDLINQYKNEIEDYEVLNL
GAEDGKIKDLSGTTSDINIGSDIELADGRENKAIKIKGSENSTIKIAMNKYLRFSATDNF
SISFWIKHPKPTNLLNNGIEYTLVENFNQRGWKISIQDSKLIWYLRDHNNSIKIVTPDYI
AFNGWNLITITNNRSKGSIVYVNGSKIEEKDISSIWNTEVDDPIIFRLKNNRDTQAFTLL
DQFSIYRKELNQNEVVKLYNYYFNSNYIRDIWGNPLQYNKKYYLQTQDKPGKGLIREYWS
SFGYDYVILSDSKTITFPNNIRYGALYNGSKVLIKNSKKLDGLVRNKDFIQLEIDGYNMG
ISADRFNEDTNYIGTTYGTTHDLTTDFEIIQRQEKYRNYCQLKTPYNIFHKSGLMSTETS
KPTFHDYRDWVYSSAWYFQNYENLNLRKHTKTNWYFIPKDEGWDED
【0433】
配列番号60 - ヌクレオチド配列, mrBoNT/A
ATGCCATTCGTCAACAAGCAATTCAACTACAAAGACCCAGTCAACGGCGTCGACATCGCATACATCAAGATTCCGAACGCCGGTCAAATGCAGCCGGTTAAGGCTTTTAAGATCCACAACAAGATTTGGGTTATCCCGGAGCGTGACACCTTCACGAACCCGGAAGAAGGCGATCTGAACCCGCCACCGGAAGCGAAGCAAGTCCCTGTCAGCTACTACGATTCGACGTACCTGAGCACGGATAACGAAAAAGATAACTACCTGAAAGGTGTGACCAAGCTGTTCGAACGTATCTACAGCACGGATCTGGGTCGCATGCTGCTGACTAGCATTGTTCGCGGTATCCCGTTCTGGGGTGGTAGCACGATTGACACCGAACTGAAGGTTATCGACACTAACTGCATTAACGTTATTCAACCGGATGGTAGCTATCGTAGCGAAGAGCTGAATCTGGTCATCATTGGCCCGAGCGCAGACATTATCCAATTCGAGTGCAAGAGCTTTGGTCACGAGGTTCTGAATCTGACCCGCAATGGCTATGGTAGCACCCAGTACATTCGTTTTTCGCCGGATTTTACCTTCGGCTTTGAAGAGAGCCTGGAGGTTGATACCAATCCGTTGCTGGGTGCGGGCAAATTCGCTACCGATCCGGCTGTCACGCTGGCCCATGAACTGATCCACGCAGGCCACCGCCTGTACGGCATTGCCATCAACCCAAACCGTGTGTTCAAGGTTAATACGAATGCATACTACGAGATGAGCGGCCTGGAAGTCAGCTTCGAAGAACTGCGCACCTTCGGTGGCCATGACGCTAAATTCATTGACAGCTTGCAAGAGAATGAGTTCCGTCTGTACTACTATAACAAATTCAAAGACATTGCAAGCACGTTGAACAAGGCCAAAAGCATCGTTGGTACTACCGCGTCGTTGCAGTATATGAAGAATGTGTTTAAAGAGAAGTACCTGCTGTCCGAGGATACCTCCGGCAAGTTTAGCGTTGATAAGCTGAAGTTTGACAAACTGTACAAGATGCTGACCGAGATTTACACCGAGGACAACTTTGTGAAATTCTTCAAAGTGTTGAATCGTAAAACCTATCTGAATTTTGACAAAGCGGTTTTCAAGATTAACATCGTGCCGAAGGTGAACTACACCATCTATGACGGTTTTAACCTGCGTAACACCAACCTGGCGGCGAACTTTAACGGTCAGAATACGGAAATCAACAACATGAATTTCACGAAGTTGAAGAACTTCACGGGTCTGTTCGAGTTCTATAAGCTGCTGTGCGTGCGCGGTATCATCACCAGCAAAACCAAAAGCCTGGACAAAGGCTACAACAAGGCGCTGAATGACCTGTGCATTAAGGTAAACAATTGGGATCTGTTCTTTTCGCCATCCGAAGATAATTTTACCAACGACCTGAACAAGGGTGAAGAAATCACCAGCGATACGAATATTGAAGCAGCGGAAGAGAATATCAGCCTGGATCTGATCCAGCAGTACTATCTGACCTTTAACTTCGACAATGAACCGGAGAACATTAGCATTGAGAATCTGAGCAGCGACATTATCGGTCAGCTGGAACTGATGCCGAATATCGAACGTTTCCCGAACGGCAAAAAGTACGAGCTGGACAAGTACACTATGTTCCATTACCTGCGTGCACAGGAGTTTGAACACGGTAAAAGCCGTATCGCGCTGACCAACAGCGTTAACGAGGCCCTGCTGAACCCGAGCCGTGTCTATACCTTCTTCAGCAGCGACTATGTTAAGAAAGTGAACAAAGCCACTGAGGCCGCGATGTTCCTGGGCTGGGTGGAACAGCTGGTATATGACTTCACGGACGAGACGAGCGAAGTGAGCACTACCGACAAAATTGCTGATATTACCATCATTATCCCGTATATTGGTCCGGCACTGAACATTGGCAACATGCTGTACAAAGACGATTTTGTGGGTGCCCTGATCTTCTCCGGTGCCGTGATTCTGCTGGAGTTCATTCCGGAGATTGCGATCCCGGTGTTGGGTACCTTCGCGCTGGTGTCCTACATCGCGAATAAGGTTCTGACGGTTCAGACCATCGATAACGCGCTGTCGAAACGTAATGAAAAATGGGACGAGGTTTACAAATACATTGTTACGAATTGGCTGGCGAAAGTCAATACCCAGATCGACCTGATCCGTAAGAAAATGAAAGAGGCGCTGGAGAATCAGGCGGAGGCCACCAAAGCAATTATCAACTACCAATACAACCAGTACACGGAAGAAGAGAAGAATAACATTAACTTCAATATCGATGATTTGAGCAGCAAGCTGAATGAATCTATCAACAAAGCGATGATCAATATCAACAAGTTTTTGAATCAGTGTAGCGTTTCGTACCTGATGAATAGCATGATTCCGTATGGCGTCAAACGTCTGGAGGACTTCGACGCCAGCCTGAAAGATGCGTTGCTGAAATACATTTACGACAATCGTGGTACGCTGATTGGCCAAGTTGACCGCTTGAAAGACAAAGTTAACAATACCCTGAGCACCGACATCCCATTTCAACTGAGCAAGTATGTTGATAATCAACGTCTGTTGAGCACTTTCACCGAGTATATCAAAAACATCATCAATACTAGCATTCTGAACCTGCGTTACGAGAGCAAGCATCTGATTGATCTGAGCCGTTATGCTAGCAAGATCAACATCGGTAGCAAGGTCAATTTTGACCCGATCGATAAGAACCAGATCCAGCTGTTTAATCTGGAATCGAGCAAAATTGAGGTTATCCTGAAAAAGGCCATTGTCTACAACTCCATGTACGAGAATTTCTCCACCAGCTTCTGGATTCGCATCCCGAAATACTTCAACAAGATTAGCCTGAACAACGAGTATACTATCATCAACTGTATGGAGAACAACAGCGGTTGGAAGGTGTCTCTGAACTATGGTGAGATCATTTGGACCTTGCAGGACACCAAAGAGATCAAGCAGCGCGTCGTGTTCAAGTACTCTCAAATGATCAACATTTCCGATTACATTAATCGTTGGATCTTCGTGACCATTACGAATAACCGTCTGAATAAGAGCAAGATTTACATCAATGGTCGCTTGATCGATCAGAAACCGATTAGCAACCTGGGTAATATCCACGCAAGCAACAAGATTATGTTCAAATTGGACGGTTGCCGCGATACCCATCGTTATATCTGGATCAAGTATTTCAACCTGTTTGATAAAGAACTGAATGAGAAGGAGATCAAAGATTTGTATGACAACCAATCTAACAGCGGCATTTTGAAGGACTTCTGGGGCGATTATCTGCAATACGATAAGCCGTACTATATGCTGAACCTGTATGATCCGAACAAATATGTGGATGTCAATAATGTGGGTATTCGTGGTTACATGTATTTGAAGGGTCCGCGTGGCAGCGTTATGACGACCAACATTTACCTGAACTCTAGCCTGTACCGTGGTACGAAATTCATCATTAAGAAATATGCCAGCGGCAACAAAGATAACATTGTGCGTAATAACGATCGTGTCTACATCAACGTGGTCGTGAAGAATAAAGAGTACCGTCTGGCGACCAACGCTTCGCAGGCGGGTGTTGAGAAAATTCTGAGCGCGTTGGAGATCCCTGATGTCGGTAATCTGAGCCAAGTCGTGGTTATGAAGAGCAAGAACGACAAGGGTATCACTAACAAGTGCAAGATGAACCTGCAAGACAACAATGGTAACGACATCGGCTTTATTGGTTTCCACCAGTTCAACAATATTGCTAAACTGGTAGCGAGCAATTGGTACAATCGTCAGATTGAGCGCAGCAGCcGTACTTTGGGCTGTAGCTGGGAGTTTATCCCGGTCGATGATGGTTGGGGCGAACGTCCGCTG
【0434】
配列番号61 - ポリペプチド配列, mrBoNT/A
MPFVNKQFNYKDPVNGVDIAYIKIPNAGQMQPVKAFKIHNKIWVIPERDTFTNPEEGDLNPPPEAKQVPVSYYDSTYLSTDNEKDNYLKGVTKLFERIYSTDLGRMLLTSIVRGIPFWGGSTIDTELKVIDTNCINVIQPDGSYRSEELNLVIIGPSADIIQFECKSFGHEVLNLTRNGYGSTQYIRFSPDFTFGFEESLEVDTNPLLGAGKFATDPAVTLAHELIHAGHRLYGIAINPNRVFKVNTNAYYEMSGLEVSFEELRTFGGHDAKFIDSLQENEFRLYYYNKFKDIASTLNKAKSIVGTTASLQYMKNVFKEKYLLSEDTSGKFSVDKLKFDKLYKMLTEIYTEDNFVKFFKVLNRKTYLNFDKAVFKINIVPKVNYTIYDGFNLRNTNLAANFNGQNTEINNMNFTKLKNFTGLFEFYKLLCVRGIITSKTKSLDKGYNKALNDLCIKVNNWDLFFSPSEDNFTNDLNKGEEITSDTNIEAAEENISLDLIQQYYLTFNFDNEPENISIENLSSDIIGQLELMPNIERFPNGKKYELDKYTMFHYLRAQEFEHGKSRIALTNSVNEALLNPSRVYTFFSSDYVKKVNKATEAAMFLGWVEQLVYDFTDETSEVSTTDKIADITIIIPYIGPALNIGNMLYKDDFVGALIFSGAVILLEFIPEIAIPVLGTFALVSYIANKVLTVQTIDNALSKRNEKWDEVYKYIVTNWLAKVNTQIDLIRKKMKEALENQAEATKAIINYQYNQYTEEEKNNINFNIDDLSSKLNESINKAMININKFLNQCSVSYLMNSMIPYGVKRLEDFDASLKDALLKYIYDNRGTLIGQVDRLKDKVNNTLSTDIPFQLSKYVDNQRLLSTFTEYIKNIINTSILNLRYESKHLIDLSRYASKINIGSKVNFDPIDKNQIQLFNLESSKIEVILKKAIVYNSMYENFSTSFWIRIPKYFNKISLNNEYTIINCMENNSGWKVSLNYGEIIWTLQDTKEIKQRVVFKYSQMINISDYINRWIFVTITNNRLNKSKIYINGRLIDQKPISNLGNIHASNKIMFKLDGCRDTHRYIWIKYFNLFDKELNEKEIKDLYDNQSNSGILKDFWGDYLQYDKPYYMLNLYDPNKYVDVNNVGIRGYMYLKGPRGSVMTTNIYLNSSLYRGTKFIIKKYASGNKDNIVRNNDRVYINVVVKNKEYRLATNASQAGVEKILSALEIPDVGNLSQVVVMKSKNDKGITNKCKMNLQDNNGNDIGFIGFHQFNNIAKLVASNWYNRQIERSSRTLGCSWEFIPVDDGWGERPL
【0435】
配列番号62 - ポリペプチド配列, 非改変/天然 BoNT/A1
MPFVNKQFNYKDPVNGVDIAYIKIPNAGQMQPVKAFKIHNKIWVIPERDTFTNPEEGDLNPPPEAKQVPVSYYDSTYLSTDNEKDNYLKGVTKLFERIYSTDLGRMLLTSIVRGIPFWGGSTIDTELKVIDTNCINVIQPDGSYRSEELNLVIIGPSADIIQFECKSFGHEVLNLTRNGYGSTQYIRFSPDFTFGFEESLEVDTNPLLGAGKFATDPAVTLAHELIHAGHRLYGIAINPNRVFKVNTNAYYEMSGLEVSFEELRTFGGHDAKFIDSLQENEFRLYYYNKFKDIASTLNKAKSIVGTTASLQYMKNVFKEKYLLSEDTSGKFSVDKLKFDKLYKMLTEIYTEDNFVKFFKVLNRKTYLNFDKAVFKINIVPKVNYTIYDGFNLRNTNLAANFNGQNTEINNMNFTKLKNFTGLFEFYKLLCVRGIITSKTKSLDKGYNKALNDLCIKVNNWDLFFSPSEDNFTNDLNKGEEITSDTNIEAAEENISLDLIQQYYLTFNFDNEPENISIENLSSDIIGQLELMPNIERFPNGKKYELDKYTMFHYLRAQEFEHGKSRIALTNSVNEALLNPSRVYTFFSSDYVKKVNKATEAAMFLGWVEQLVYDFTDETSEVSTTDKIADITIIIPYIGPALNIGNMLYKDDFVGALIFSGAVILLEFIPEIAIPVLGTFALVSYIANKVLTVQTIDNALSKRNEKWDEVYKYIVTNWLAKVNTQIDLIRKKMKEALENQAEATKAIINYQYNQYTEEEKNNINFNIDDLSSKLNESINKAMININKFLNQCSVSYLMNSMIPYGVKRLEDFDASLKDALLKYIYDNRGTLIGQVDRLKDKVNNTLSTDIPFQLSKYVDNQRLLSTFTEYIKNIINTSILNLRYESNHLIDLSRYASKINIGSKVNFDPIDKNQIQLFNLESSKIEVILKNAIVYNSMYENFSTSFWIRIPKYFNSISLNNEYTIINCMENNSGWKVSLNYGEIIWTLQDTQEIKQRVVFKYSQMINISDYINRWIFVTITNNRLNNSKIYINGRLIDQKPISNLGNIHASNNIMFKLDGCRDTHRYIWIKYFNLFDKELNEKEIKDLYDNQSNSGILKDFWGDYLQYDKPYYMLNLYDPNKYVDVNNVGIRGYMYLKGPRGSVMTTNIYLNSSLYRGTKFIIKKYASGNKDNIVRNNDRVYINVVVKNKEYRLATNASQAGVEKILSALEIPDVGNLSQVVVMKSKNDQGITNKCKMNLQDNNGNDIGFIGFHQFNNIAKLVASNWYNRQIERSSRTLGCSWEFIPVDDGWGERPL
【0436】
配列番号63 - ポリペプチド配列, mrBoNT/AB
MPFVNKQFNYKDPVNGVDIAYIKIPNAGQMQPVKAFKIHNKIWVIPERDTFTNPEEGDLNPPPEAKQVPVSYYDSTYLSTDNEKDNYLKGVTKLFERIYSTDLGRMLLTSIVRGIPFWGGSTIDTELKVIDTNCINVIQPDGSYRSEELNLVIIGPSADIIQFECKSFGHEVLNLTRNGYGSTQYIRFSPDFTFGFEESLEVDTNPLLGAGKFATDPAVTLAHELIHAGHRLYGIAINPNRVFKVNTNAYYEMSGLEVSFEELRTFGGHDAKFIDSLQENEFRLYYYNKFKDIASTLNKAKSIVGTTASLQYMKNVFKEKYLLSEDTSGKFSVDKLKFDKLYKMLTEIYTEDNFVKFFKVLNRKTYLNFDKAVFKINIVPKVNYTIYDGFNLRNTNLAANFNGQNTEINNMNFTKLKNFTGLFEFYKLLCVRGIITSKTKSLDKGYNKALNDLCIKVNNWDLFFSPSEDNFTNDLNKGEEITSDTNIEAAEENISLDLIQQYYLTFNFDNEPENISIENLSSDIIGQLELMPNIERFPNGKKYELDKYTMFHYLRAQEFEHGKSRIALTNSVNEALLNPSRVYTFFSSDYVKKVNKATEAAMFLGWVEQLVYDFTDETSEVSTTDKIADITIIIPYIGPALNIGNMLYKDDFVGALIFSGAVILLEFIPEIAIPVLGTFALVSYIANKVLTVQTIDNALSKRNEKWDEVYKYIVTNWLAKVNTQIDLIRKKMKEALENQAEATKAIINYQYNQYTEEEKNNINFNIDDLSSKLNESINKAMININKFLNQCSVSYLMNSMIPYGVKRLEDFDASLKDALLKYIYDNRGTLIGQVDRLKDKVNNTLSTDIPFQLSKYVDNQRLLSTFTEYIKNILNNIILNLRYKDNNLIDLSGYGAKVEVYDGVELNDKNQFKLTSSANSKIRVTQNQNIIFNSVFLDFSVSFWIRIPKYKNDGIQNYIHNEYTIINCMKNNSGWKISIRGNRIIWTLIDINGKTKSVFFEYNIREDISEYINRWFFVTITNNLNNAKIYINGKLESNTDIKDIREVIANGEIIFKLDGDIDRTQFIWMKYFSIFNTELSQSNIEERYKIQSYSEYLKDFWGNPLMYNKEYYMFNAGNKNSYIKLKKDSPVGEILTRSKYNQNSKYINYRDLYIGEKFIIRRKSNSQSINDDIVRKEDYIYLDFFNLNQEWRVYTYKYFKKEEMKLFLAPIYDSDEFYNTIQIKEYDEQPTYSCQLLFKKDEESTDEIGLIGIHRFYESGIVFEEYKDYFCISKWYLKEVKRKPYNLKLGCNWQFIPKDEGWTE
【0437】
配列番号64 - ポリペプチド配列, mrBoNT/AB(0)
MPFVNKQFNYKDPVNGVDIAYIKIPNAGQMQPVKAFKIHNKIWVIPERDTFTNPEEGDLNPPPEAKQVPVSYYDSTYLSTDNEKDNYLKGVTKLFERIYSTDLGRMLLTSIVRGIPFWGGSTIDTELKVIDTNCINVIQPDGSYRSEELNLVIIGPSADIIQFECKSFGHEVLNLTRNGYGSTQYIRFSPDFTFGFEESLEVDTNPLLGAGKFATDPAVTLAHQLIYAGHRLYGIAINPNRVFKVNTNAYYEMSGLEVSFEELRTFGGHDAKFIDSLQENEFRLYYYNKFKDIASTLNKAKSIVGTTASLQYMKNVFKEKYLLSEDTSGKFSVDKLKFDKLYKMLTEIYTEDNFVKFFKVLNRKTYLNFDKAVFKINIVPKVNYTIYDGFNLRNTNLAANFNGQNTEINNMNFTKLKNFTGLFEFYKLLCVRGIITSKTKSLDKGYNKALNDLCIKVNNWDLFFSPSEDNFTNDLNKGEEITSDTNIEAAEENISLDLIQQYYLTFNFDNEPENISIENLSSDIIGQLELMPNIERFPNGKKYELDKYTMFHYLRAQEFEHGKSRIALTNSVNEALLNPSRVYTFFSSDYVKKVNKATEAAMFLGWVEQLVYDFTDETSEVSTTDKIADITIIIPYIGPALNIGNMLYKDDFVGALIFSGAVILLEFIPEIAIPVLGTFALVSYIANKVLTVQTIDNALSKRNEKWDEVYKYIVTNWLAKVNTQIDLIRKKMKEALENQAEATKAIINYQYNQYTEEEKNNINFNIDDLSSKLNESINKAMININKFLNQCSVSYLMNSMIPYGVKRLEDFDASLKDALLKYIYDNRGTLIGQVDRLKDKVNNTLSTDIPFQLSKYVDNQRLLSTFTEYIKNILNNIILNLRYKDNNLIDLSGYGAKVEVYDGVELNDKNQFKLTSSANSKIRVTQNQNIIFNSVFLDFSVSFWIRIPKYKNDGIQNYIHNEYTIINCMKNNSGWKISIRGNRIIWTLIDINGKTKSVFFEYNIREDISEYINRWFFVTITNNLNNAKIYINGKLESNTDIKDIREVIANGEIIFKLDGDIDRTQFIWMKYFSIFNTELSQSNIEERYKIQSYSEYLKDFWGNPLMYNKEYYMFNAGNKNSYIKLKKDSPVGEILTRSKYNQNSKYINYRDLYIGEKFIIRRKSNSQSINDDIVRKEDYIYLDFFNLNQEWRVYTYKYFKKEEMKLFLAPIYDSDEFYNTIQIKEYDEQPTYSCQLLFKKDEESTDEIGLIGIHRFYESGIVFEEYKDYFCISKWYLKEVKRKPYNLKLGCNWQFIPKDEGWTE
【0438】
配列番号65 - ポリペプチド配列, mrBoNT/A(0)
MPFVNKQFNYKDPVNGVDIAYIKIPNAGQMQPVKAFKIHNKIWVIPERDT
FTNPEEGDLNPPPEAKQVPVSYYDSTYLSTDNEKDNYLKGVTKLFERIYS
TDLGRMLLTSIVRGIPFWGGSTIDTELKVIDTNCINVIQPDGSYRSEELN
LVIIGPSADIIQFECKSFGHEVLNLTRNGYGSTQYIRFSPDFTFGFEESL
EVDTNPLLGAGKFATDPAVTLAHQLIYAGHRLYGIAINPNRVFKVNTNAY
YEMSGLEVSFEELRTFGGHDAKFIDSLQENEFRLYYYNKFKDIASTLNKA
KSIVGTTASLQYMKNVFKEKYLLSEDTSGKFSVDKLKFDKLYKMLTEIYT
EDNFVKFFKVLNRKTYLNFDKAVFKINIVPKVNYTIYDGFNLRNTNLAAN
FNGQNTEINNMNFTKLKNFTGLFEFYKLLCVRGIITSKTKSLDKGYNKAL
NDLCIKVNNWDLFFSPSEDNFTNDLNKGEEITSDTNIEAAEENISLDLIQ
QYYLTFNFDNEPENISIENLSSDIIGQLELMPNIERFPNGKKYELDKYTM
FHYLRAQEFEHGKSRIALTNSVNEALLNPSRVYTFFSSDYVKKVNKATEA
AMFLGWVEQLVYDFTDETSEVSTTDKIADITIIIPYIGPALNIGNMLYKD
DFVGALIFSGAVILLEFIPEIAIPVLGTFALVSYIANKVLTVQTIDNALS
KRNEKWDEVYKYIVTNWLAKVNTQIDLIRKKMKEALENQAEATKAIINYQ
YNQYTEEEKNNINFNIDDLSSKLNESINKAMININKFLNQCSVSYLMNSM
IPYGVKRLEDFDASLKDALLKYIYDNRGTLIGQVDRLKDKVNNTLSTDIP
FQLSKYVDNQRLLSTFTEYIKNIINTSILNLRYESKHLIDLSRYASKINI
GSKVNFDPIDKNQIQLFNLESSKIEVILKKAIVYNSMYENFSTSFWIRIP
KYFNKISLNNEYTIINCMENNSGWKVSLNYGEIIWTLQDTKEIKQRVVFK
YSQMINISDYINRWIFVTITNNRLNKSKIYINGRLIDQKPISNLGNIHAS
NKIMFKLDGCRDTHRYIWIKYFNLFDKELNEKEIKDLYDNQSNSGILKDF
WGDYLQYDKPYYMLNLYDPNKYVDVNNVGIRGYMYLKGPRGSVMTTNIYL
NSSLYRGTKFIIKKYASGNKDNIVRNNDRVYINVVVKNKEYRLATNASQA
GVEKILSALEIPDVGNLSQVVVMKSKNDKGITNKCKMNLQDNNGNDIGFI
GFHQFNNIAKLVASNWYNRQIERSSRTLGCSWEFIPVDDGWGERPL
【実施例】
【0439】
実施例1 - デルマトームへのクロストリジウム神経毒の投与後の内臓痛の抑制
【0440】
動物モデルの紹介
【0441】
クロストリジウム神経毒のデルマトーム投与が内臓痛を抑制できることを実証するために、本発明者らは、例示的状態として間質性膀胱炎/膀胱痛症候群(IC/BPS)によって引き起こされる疼痛を研究することを選んだ。データは、適当なデルマトーム投与(例えば、膀胱における疼痛を標的化する場合にはT12、L1、S2、S3又はS4デルマトームに)が内臓痛抑制を提供できることを実証する。
【0442】
したがって、神経毒を適当なデルマトームに投与することによって、任意の所与の内臓/臓器において内臓痛が抑制され得る。例として、卵巣/卵管からの内臓痛は、T11脊髄神経が出る同一区域で統合されるので、T11デルマトームへのクロストリジウム神経毒の投与を使用して、卵巣又は卵管の内臓痛を抑制できる。これは、子宮内膜症などの状態によって引き起こされた内臓痛の処置における有用性を実証する。
【0443】
本発明者らは、ここで、現在研究されている動物モデル及び状態により詳しく取り組む。間質性膀胱炎/膀胱痛症候群(IC/BPS)は、内臓痛及び尿意頻数などの泌尿器症状を特徴とする慢性炎症性疾患である。シクロホスファミド(CYP)誘導性炎症性内臓痛が、げっ歯類におけるIC/BPSの実験モデルとしてよく使用される。ラットでは、CYP処置は、膀胱におけるその毒性代謝生成物であるアクロレインの蓄積につながり、膀胱炎症及び内臓痛を媒介する。
【0444】
このモデルは、大部分は、急性IC/BPS(急性状態を調査するのに有用な)を誘導するためのCYPの単回の腹膜内(i.p.)注射に基づいている。
【0445】
本発明者らは、3日毎の3回の注射(40mg/kg、i.p.)からなる、CYP誘導性IC/BPSの慢性ラットモデルを開発した。本発明者らのプロトコールでは、重度ではない体重減少が生じ、生存率が100%である。このモデルは、異痛症(通常は非侵害性の刺激に対する有痛性応答)及び痛覚過敏(侵害性刺激に対する応答の増大)の両方を特徴とする持続性の内臓痛を示す。
【0446】
本研究の目的は、雌のスプラーグドーリーラットにおけるCYP誘導性慢性膀胱炎モデルにおける内臓痛に対するDysport(登録商標)(25U/kg)の単回の皮内(i.d.)投与の効果を評価することであった。
【0447】
研究デザイン
【0448】
プロトコール設計
【0449】
・D-10に、以下に記載されるように薬理学的処置を実施した(「薬理学的処置」下)。
【0450】
・D-1に、新しい環境によるストレスのレベルを低下させるために、ラットを個々のプレキシグラスボックス(フォンフライ設定)に最小で30分間、及びフォンフライフィラメントの適用に慣れさせた。順応は、「フォンフライフィラメントを使用する内臓痛の評価」の下で以下に記載される疼痛評価と同じ実験条件下で実施した。
【0451】
・D0(基礎)に、CYPの場合には第1の注射の前に、侵害受容性行動の基礎値を得るためにフォンフライ試験を実施した(「フォンフライフィラメントを使用する内臓痛の評価」を参照されたい)。
【0452】
・D(基礎後)、D3及びD6に、慢性膀胱炎を、「慢性膀胱炎の誘導」の下で以下に記載されるように誘導した。
【0453】
・D7及びD10に、CYP誘導性慢性内臓痛に対するDysport(登録商標)の効果を分析するためにフォンフライ試験を実施した。
【0454】
・D10、最後のフォンフライ試験の直後に、ラットを屠殺し、膀胱を採取し、秤量した。腰仙椎、胸椎、頸椎、脳及び皮膚も採取した。「組織学的処理のための組織採取」の下で以下に記載されるように組織学のために採取した組織を処理した。
【0455】
実験群
【0456】
以下の表に記載されるように2つの実験群を含めた:
【表C】
【0457】
物質
【0458】
試験物質は、IPSEN Innovationから白色凍結乾燥物で供給されるDysport(登録商標)とし、-20℃で保存し、光から保護した。
【0459】
製剤の調製:製剤は、投与当日に新鮮に作製した。519UのDysport(登録商標)を含有する1バイアルを、1.038mLの生理食塩水に可溶化して、500U/mLの最終濃度を得た。Dysport(登録商標)群からのラットの体重の平均に従って作業製剤を調製した(すなわち、D-11で235.7g、これは294.625U/mLの濃度に対応する)。したがって、205μLの生理食塩水に295μLの母液を添加した。
【0460】
生理食塩水を媒体として使用した。生理食塩水はCentravet(フランス、ラパリス)経由でB-Braunから購入した。
【0461】
イソフラン(Aerrane(登録商標))は、Baxter Laboratories(フランス、モルパ)から購入した。Dolethal(登録商標)は、Centravet(フランス、ラパリス)経由でVetoquinolから購入した。
【0462】
CYPは、Sigma-Aldrich(フランス、サン-カンタン・ファラヴィエ;バッチ番号MKCG5464)から購入した。
【0463】
ホルムアルデヒド4%は、VWR(フランス、フォントネー・スー・ボワ)から購入した。
【0464】
リン酸緩衝生理食塩水(PBS)は、Sigma-Aldrichから購入した。
【0465】
研究プロトコール
【0466】
薬理学的処置
【0467】
実験の前に、ブロック法を使用して動物を処置群に無作為に割り当てた。これは、同一ブロック中に処置又は対照(媒体)あたり少なくとも1匹の動物を分配することからなる。皮内投与は以下のとおりに実施した:麻酔は5%イソフランによって誘導し、手順の期間、3%イソフランで維持した。各動物の機械的刺激のために設計された腹部区域を剃毛した。Dysport(登録商標)又は媒体(20μL/ラット)を、皮内経路によって投与した。フォンフライ試験の部位である腹側区域中の1部位でインスリンシリンジを用いて注射を実施した(
図3を参照されたい)。
【0468】
フォンフライフィラメントを使用する内臓痛の評価
【0469】
可変性の行動ベースの疼痛試験を最小にするために、すべての動物の単一の実験者の試験を含む標準化された条件を適用した。
【0470】
内臓痛を、下腹部に、5秒の刺激間隔で漸増する力(1、2、4、6、8、10、15及び26g)の8本の較正済みフォンフライフィラメントのセットを適用することによって盲検法で評価した。動物を、個々の透明なプレキシグラスボックスの下の、高くした金網の床の上に置き、少なくとも30分間慣れさせ、その後フォンフライ試験を開始した。
【0471】
次いで、フィラメントがわずかに曲がるのに十分な力で、メッシュの床を通して、フィラメントを1~2秒間適用した。各フィラメントを3回試験した。脱感作を避けるために膀胱近くの下腹部領域内の異なる区域を刺激するように注意した。
【0472】
各動物及び各フィラメントについて侵害受容性挙動を以下のとおりスコア化した:
【表D】
【0473】
慢性膀胱炎の誘導
【0474】
慢性膀胱炎を誘導するために、D0、D3及びD6に、ラットを秤量し、5mL/kgの最終容量で40mg/kgの用量でCYPの腹膜内(i.p.)注射を実施した。CYPは、8mg/mLの最終濃度で生理食塩水で新鮮に調製した。
【0475】
組織学的処理のための組織採取
【0476】
動物をDolethal(登録商標)(182.2mg/mLのペントバルビタール溶液、0.25mL/ラット、i.p.)の注射によって深麻酔した。次いで、鎮静させたラットを、Dolethal(登録商標)(0.25mL/ラット)の第2の致死注射によって安楽死させた。両i.p.注射は、皮膚採取の区域の外側に行った。
【0477】
注射部位を含む皮膚とその下にある腹筋をまず採取した。およそ2~3の長さの小片をプラスチックシートにホッチキスで留め、4%緩衝ホルムアルデヒドを含有する500mLのジャーに入れた。
【0478】
次いで、膀胱を摘出し、膀胱周囲の類脂質組織を切除した。膀胱を秤量し、組織処理用包理カセット中に入れた。カセットを4%緩衝ホルムアルデヒド中に浸漬した。
【0479】
最後に、脳ならびに腰仙椎、胸椎及び頸椎(脊髄+DRGを含む)を採取した。3つのセグメント及び脳を皮膚と一緒にジャーの中に入れた。ハサミを用いて腰仙椎、胸椎及び頸椎(脊髄及びDRGを含む)を採取するために、肋骨が見えるように注意しながら脊椎の周辺のすべての臓器を切りとった。腹側部分を上に向けた。胸腰区域より上の組織をメスで引っ掻いた。胸部椎間板/肋骨の最後から3番目と4番目の間をメスで切断することによって、頸部を胸部から分離した。第3/第4の肋骨は、腰部と付着したままであった。
【0480】
膀胱及びすべての他の採取された組織を、それぞれ、およそ24時間及び48時間室温で固定した。次いで、サンプルを4%緩衝ホルムアルデヒド(1/4)/PBS(3/4)溶液に移し、+4℃で保存した。
【0481】
切断されたSNAP25(c-SNAP25A)の免疫組織化学(IHC)を、抗体EF14007、1/6000希釈を用いて実施し、サンプルと共に一晩インキュベートした-本明細書で記載される任意の関連IHCについて同様。
【0482】
実験機器
【0483】
- 機械的刺激は、異なる力のフォンフライフィラメント(参照:Bio-VFM; BioSeb ID Tech、フランス、ヴィトロル)を使用して実施した。フィラメントは較正済みで購入した。
- LS620C天秤(PRECISA、Dietikon、スイス)を使用して動物を秤量した。
- Scout(登録商標)Pro天秤(OHAUS、スイス、ネーニコン)を使用して膀胱を秤量した。
【0484】
結果の表現及び分析
【0485】
すべての生データは、Excel(登録商標)のスプレッドシートに入力した。入力されたすべてのデータを、2人によって生データと比較し、その後データ分析した。結果は、平均値±平均の標準誤差(SEM)として表されている。
【0486】
【0487】
膀胱重量
【0488】
膀胱重量の結果は、以下のとおりに表される:gでの膀胱重量;g/kgでの体重の割合としての膀胱重量。
【0489】
統計分析
【0490】
統計分析及びグラフは、GraphPad Prism(登録商標)(GraphPad Software Inc.、米国、カリフォルニア州、ラホヤ)を使用して実施した。P値<0.05を統計的有意性と受容した。二元配置分析が適用された場合を除いて、何らかの統計検定を実施する前に、データを正規分布について検定し(Shapiro-Wilk正常性検定)、その分散を評価した(F検定)。適当な統計検定を結果的に適用した。
【0491】
CYPの効果
【0492】
非病理学的実験群(すなわち、生理食塩水)はこの研究に含まれなかったので、CYPの効果は、媒体群内の基礎値(すなわち、CYP注射前)とCYP後値(すなわち、D7及びD10)の間の群間比較によって統計的に分析した。
- 反復測定(RM)を用いる分散分析(ANOVA)のノンパラメトリック検定としてFriedman検定を使用し、続いて、基礎値に対するDunnの多重比較を行った。
- パラメトリック検定として一元配置RM ANOVAを使用し、基礎値に対するHolm-Sidakの多重比較を用いた。
- 侵害受容スコアについては、両因子を用いる二元配置RM ANOVAを使用し、続いて、基礎値に対するSidakの多重比較を使用した。
【0493】
Dysport(登録商標)の効果
【0494】
Dysport(登録商標)の効果を分析するために、媒体群に対する個々のペアワイズ比較を行った。
- 独立t検定をパラメトリックt検定として使用した。
- Mann-Whitney検定をノンパラメトリックt検定として使用した。
- 侵害受容スコアについては、二元配置RM ANOVAを使用した。
【0495】
個々のペアワイズ比較が行われた場合、統計的有意性は、記号「*」によって示され、非有意性は、「ns」によって示されるということは留意されたい。群間比較については、時計的有意性は、記号「#」によって示された。
【0496】
結果
【0497】
反復CYP注射(40mg/kg、i.p.)は、慢性内臓痛を誘導した。
【0498】
本発明者らのCYP誘導性内臓痛モデルを検証するために、本発明者らは、媒体群内で侵害受容性パラメータCYP注射後(すなわち、D7及びD10)を、対応する基礎値(すなわち、0)と比較した。
【0499】
両方の評価された時点で、CYPは、基礎値と比較されるように侵害受容閾値の有意な低下を誘発した(P<0.01、
図4A)。
【0500】
さらに、CYPを注射されたラットは、D7及びD10で侵害受容スコアの有意な増大を示した(P<0.0001、
図4B)。
【0501】
侵害受容スコアに対するCYP効果は、D7及びD10での対応するAUC1~6及び6~26gの有意な増大と同等であった(AUC1~6及び6~26gそれぞれに対してP<0.01及びP<0.001、
図4C及びD)
【0502】
すべての侵害受容性パラメータについて、両時点について同様のレベルの有意性が得られた(
図4)。
【0503】
Dysport(登録商標)(25U/ラット、i.d.)は、CYP誘導性慢性内臓痛を減少させた
【0504】
CYP注射前(すなわち、基礎値)に、両実験群の間ですべての侵害受容性パラメータにおいて有意差は観察されなかった(P>0.05、
図5、6A及び7;「D0」)。基礎評価は媒体処置又はDysport(登録商標)処置ラットで実施されたということは留意されたい。
【0505】
CYPが注射されたラットでは、25U/kgでのDysport(登録商標)処置は、D7及びD10での侵害受容閾値の増大につながり、特に、D10で統計的有意性に達した(それぞれ「D7」及び「D10」について、P>0.05及びP<0.05、
図5)。
【0506】
これらの知見と一致して、媒体と比較した場合に、両時点でDysport(登録商標)処置ラットにおいて侵害受容スコアの低下が観察された(
図6B及びC)。D7で、Dysport(登録商標)効果は、統計的有意性閾値よりも上であり(P=0.0532、
図6B)、D10で特に有意性が見られた(P<0.05、
図6C)。
【0507】
Dysport(登録商標)処置によって誘発された侵害受容スコアの低下は、両時点でAUC1~6gの減少と関連していた(
図7A)。上記の結果と同様に、Dysport(登録商標)の効果は、D7で統計的に有意なレベルの近くにあり(P=0.0812、
図7A;「D7」)、D10で特に有意であった(P<0.05、
図7A;「D10」)。
【0508】
最後に、Dysport(登録商標)群において媒体と比較した場合に、両時点についてD7及びD10でAUC6~26gの減少に向かう傾向が観察されたが(P>0.05、
図7B;「D7」及び「D10」)、効果はAUC1~6gについてより明白であった。
【0509】
胸部脊髄におけるc-SNAP25免疫組織化学(IHC)結果
【0510】
デルマトーム神経へのDysport(登録商標)の皮内(I.D.)注射後、腹側及び後角の両方で胸髄においてc-SNAP25染色が見られた。興味深いことに、このようなc-SNAP25染色は、排尿筋内(I.DT)注射(膀胱の排尿筋中への注射)後にも見られ、例えば、胸髄において、I.D及びI.DT投与後に、c-SNAP25染色の同様の局在性、分布及び重症度が観察された。これは、腹部レベルでのI.D Dysport(登録商標)投与が、I.DT投与と同じ逆行性輸送(すなわち、脊髄の同じ区域への)をもたらしたことを示唆し、後者は、内臓求心路による逆行性軸索輸送のためであると考えられる。
図8を参照されたい。
【0511】
腰仙髄におけるc-SNAP25 IHC結果
【0512】
Dysport(登録商標)の皮内(I.D.)注射後、腹側及び後角の両方で腰仙髄においてc-SNAP25染色が見られた。興味深いことに、このようなc-SNAP25染色は、排尿筋内(I.DT)注射(膀胱の排尿筋中への注射)後にも見られ、例えば、腰仙髄において、I.D及びI.DT投与後に、c-SNAP25染色の同様の局在性、分布及び重症度が観察された。これは、腹部レベルでのI.D Dysport(登録商標)投与が、I.DT投与と同じ逆行性輸送(すなわち、脊髄の同じ区域への)をもたらしたことを示唆し、後者は、内臓求心路による逆行性軸索輸送のためであると考えられる。
図9を参照されたい。
【0513】
ブタの脊髄におけるc-SNAP25 IHC結果
【0514】
このげっ歯類モデルデータを補完するために、本発明者らはまた、Dysport(登録商標)注射後のブタの脊髄におけるSNAP-25切断を分析した。以下の研究では体重11~13kgの雄の家畜ブタを使用した。ブタは、有利なことに、構造、厚み、神経支配、色素沈着、コラーゲン及び脂質組成、創傷治癒及び免疫応答の点でヒト皮膚との類似性を共有する。
【0515】
ブタの取り扱い及びブタモデルを用いる実験法に関する詳細な材料及び方法は、参照により本明細書に組み込まれる、PCT/GB2021/051838に記載されている。手短には、Dysport(登録商標)は、500Uを含有するバイアルで提供された。投薬のために、500Uのバイアルを生理食塩水(0.9% NaCl)を用いて再構成した。Dysport(登録商標)又は生理食塩水(陰性対照)を1mlのシリンジに取り付けられた30Gニードルを使用して、ブタの左脚上の切開全体に広がる10部位に皮内注射した(各部位に注射された20U Dysport(登録商標))-6匹の動物(8~10週齢)を使用した。
【0516】
Dysport(登録商標)注射の部位(ブタの左脚)の、及び脊髄の異なる領域の組織/皮膚サンプルで、免疫組織化学を実施した(
図10を参照されたい)。Dysport(登録商標)の注射の5~7日後に採取されたサンプルに関して皮膚サンプルの神経では切断されたSNAP-25は検出されなかった。Dysport(登録商標)が注射されたブタの脊髄の同側後角において、例えば、腰部領域L5~L6において、切断されたSNAP-25が可視化された(
図10を参照されたい)(しかし、生理食塩水が注射されたブタでは可視化されなかった)。これらの腰部領域の骨髄神経(L5~L6)は、左脚上のデルマトーム(例えば、Dysport(登録商標)が注射であった場所)に位置づけられ、神経支配し、脊髄におけるBoNT/A活性と、BoNT/Aが、デルマトームへの皮内注射後に脊髄のこの領域に輸送されることを示している。同側後角における切断されたSNAP-25染色の局在は、Dysport(登録商標)がその左側腹部に注射(皮内に)されたブタにおける切断されたSNAP-25染色と比較された場合に異なっており、異なるデルマトームへ注射することによって、脊髄の異なる部分でのBoNT/A活性が可能になることを示す。
【0517】
さらに、星状細胞活性化のマーカーであるGFAPの発現レベルが、SNAP-25切断の増大が見られたものと同一区域において、ブタ(未処置と比較された場合のDysport(登録商標)で処置されたもの)の脊髄において、特に後角において低下した。
【0518】
結論
【0519】
本研究の目的は、雌のスプラーグドーリーラットにおける慢性CYP誘導性膀胱炎モデルにおける内臓痛に対する、25U/kgのボツリヌス毒素(Dysport(登録商標))の皮内投与の効果を評価することであった。
【0520】
これまでの、公開されたデータと一致して、CYP(40mg/kg、i.p.)の3回の注射によって、慢性内臓痛(最大10日)が誘導された。CYPの効果は、異痛症(すなわち、侵害受容閾値の低下及びAUC1~6gの増大)及び痛覚過敏(すなわち、AUC6~26gの増大)によって特性決定された。
【0521】
この研究は、特に皮内注射による、デルマトーム神経へのクロストリジウム神経毒(例えば、BoNT/A別名Dysport(登録商標))の単回注射が、CYP誘導性内臓痛に対する抗侵害受容特性を提供することを示した。CYPによって誘導された異痛症及び痛覚過敏は、クロストリジウム神経毒/Dysport(登録商標)(皮内)注射によって低下し、異痛症は、抑制の特定の標的である。クロストリジウム神経毒/Dysport(登録商標)はその投与の20日後に依然として効果があったので、Dysport(登録商標)効果は長期持続した。
【0522】
実施例2 - 膀胱痛症候群によって引き起こされた疼痛の抑制
【0523】
患者は、内臓痛として認知される重度の骨盤痛及び異常な排尿頻度を示す。患者は、間質性膀胱炎/膀胱痛症候群(IC/BPS)と診断され、膀胱が、内臓痛の一因となっている臓器として同定されている。
【0524】
内臓(膀胱)疼痛を抑制するためにクロストリジウム神経毒をどのデルマトームに投与するかを決定するために、デルマトーム及びその対応する臓器/内臓のマップ、例えば、米国脊髄損傷協会(ASIA)が脊髄損傷の神経学的分類の国際基準(ISNCSCI)として作成したワークシートに概説されるものが参考にされる。本明細書の執筆時点では、前記ワークシートの2019年度版は以下から入手可能である: https://asia-spinalinjury.org/wp-content/uploads/2019/10/ASIA-ISCOS-Worksheet_10.2019_PRINT-Page-1-2.pdf。さらなる情報は、Wall and Melzackの「Textbook of Pain」(McMahon et al.編;第6版)-第53章及び
図53-1参照(
図1Bとして本明細書において部分的に翻案された)から引き出される。この図は、内臓神経支配の分節レベル及び種々の内臓に対応するデルマトーム、例えば、内臓に「位置づけられる」デルマトームを例証する。T12、L1、S2、S3及びS4デルマトームは、膀胱に位置づけられることが知られている。
【0525】
したがって、クロストリジウム神経毒(5,000pg Dysport(登録商標))は、皮内投与によってT12デルマトームに、鎖骨中線と鼠径靭帯の中点の交点に近接した皮膚に投与される。10日後、内臓(膀胱)疼痛のレベルが評価され、有意に低減されるとわかる。内臓(膀胱)疼痛の抑制はまた、クロストリジウム神経毒の投与後30日で、及び投与後90日でも見られる。
【0526】
実施例3 - 子宮内膜症によって引き起こされる疼痛の抑制
【0527】
女性患者は、内臓痛として認知され、月経の間に悪化する、重度の骨盤痛を示す。患者は、子宮内膜症とGPによって診断され、卵巣が、内臓痛の一因となっている臓器として同定されている。
【0528】
内臓(卵巣)疼痛を抑制するためにクロストリジウム神経毒をどのデルマトームに投与するかを決定するために、デルマトーム及びその対応する臓器/内臓のマップ、例えば、米国脊髄損傷協会(ASIA)が脊髄損傷の神経学的分類の国際基準(ISNCSCI)として作成したワークシートに概説されるものが参考にされる。本明細書の執筆時点では、前記ワークシートの2019年度版は以下から入手可能である: https://asia-spinalinjury.org/wp-content/uploads/2019/10/ASIA-ISCOS-Worksheet_10.2019_PRINT-Page-1-2.pdf。さらなる情報は、Wall and Melzackの「Textbook of Pain」(McMahon et al.編;第6版)-第53章及び
図53-1参照(
図1Bとして本明細書において部分的に翻案された)から引き出される。この図は、内臓神経支配の分節レベル及び種々の内臓に対応するデルマトーム、例えば、内臓に「位置づけられる」デルマトームを例証する。T11デルマトームが、卵巣に位置づけられることが知られている。
【0529】
したがって、クロストリジウム神経毒(5,000pg Dysport(登録商標))は、皮内投与によってT11デルマトームに、臍のレベルと鼠径靭帯の間の中間の水平レベルの、鎖骨中線の交点に近接した皮膚に投与される。10日後、内臓(卵巣)疼痛のレベルが評価され、有意に低減されるとわかる。内臓(卵巣)疼痛の抑制はまた、クロストリジウム神経毒の投与後30日で、及び投与後90日でも見られる。
【0530】
実施例4 - 膵炎によって引き起こされる疼痛の抑制
【0531】
患者は、内臓痛として認知される重度の腹痛を示す。膵臓の炎症が見られ、患者は、膵炎とGPによって診断され、膵臓が、内臓痛の一因となっている臓器として同定されている。
【0532】
内臓(膵臓)疼痛を抑制するためにクロストリジウム神経毒をどのデルマトームに投与するかを決定するために、デルマトーム及びその対応する臓器/内臓のマップ、例えば、米国脊髄損傷協会(ASIA)が脊髄損傷の神経学的分類の国際基準(ISNCSCI)として作成したワークシートに概説されるものが参考にされる。本明細書の執筆時点では、前記ワークシートの2019年度版は以下から入手可能である: https://asia-spinalinjury.org/wp-content/uploads/2019/10/ASIA-ISCOS-Worksheet_10.2019_PRINT-Page-1-2.pdf。さらなる情報は、Wall and Melzackの「Textbook of Pain」(McMahon et al.編;第6版)-第53章及び
図53-1参照(
図1Aとして本明細書において翻案された)から引き出される。この図は、内臓神経支配の分節レベル及び種々の内臓に対応するデルマトーム、例えば、内臓に「位置づけられる」デルマトームを例証する。T7~T12デルマトームが、膵臓に位置づけられることが知られている。
【0533】
したがって、クロストリジウム神経毒(5,000pg Dysport(登録商標))は、皮内投与によってT10デルマトームに、臍の水平レベルの、鎖骨中線の交点に近接した皮膚に投与される。10日後、内臓(膵臓)疼痛のレベルが評価され、有意に低減されるとわかる。内臓(膵臓)疼痛の抑制はまた、クロストリジウム神経毒の投与後30日で、及び投与後90日でも見られる。
【0534】
実施例5 - 胃潰瘍によって引き起こされる疼痛の抑制
【0535】
患者は、内臓痛として認知される重度の腹痛を示す。患者は、胃潰瘍とGPによって診断され、胃が、内臓痛の一因となっている臓器として同定されている。
【0536】
内臓(胃)疼痛を抑制するためにクロストリジウム神経毒をどのデルマトームに投与するかを決定するために、デルマトーム及びその対応する臓器/内臓のマップ、例えば、米国脊髄損傷協会(ASIA)が脊髄損傷の神経学的分類の国際基準(ISNCSCI)として作成したワークシートに概説されるものが参考にされる。本明細書の執筆時点では、前記ワークシートの2019年度版は以下から入手可能である: https://asia-spinalinjury.org/wp-content/uploads/2019/10/ASIA-ISCOS-Worksheet_10.2019_PRINT-Page-1-2.pdf。さらなる情報は、Wall and Melzackの「Textbook of Pain」(McMahon et al.編;第6版)-第53章及び
図53-1参照(
図1Bとして本明細書において部分的に翻案された)から引き出される。この図は、内臓神経支配の分節レベル及び種々の内臓に対応するデルマトーム、例えば、内臓に「位置づけられる」デルマトームを例証する。T8~T10デルマトームが膵臓に位置づけられることが知られている。
【0537】
したがって、クロストリジウム神経毒(5,000pg Dysport(登録商標))は、皮内投与によってT8デルマトームに、鎖骨中線と、剣状突起のレベルと臍のレベルの間の距離の2分の1の水平レベルとの交点に近接した皮膚に投与される。10日後、内臓(胃)疼痛のレベルが評価され、有意に低減されるとわかる。内臓(胃)疼痛の抑制はまた、クロストリジウム神経毒の投与後30日で、及び投与後90日でも見られる。
【0538】
上記の明細書に記載されているすべての刊行物は、参照により本明細書に組み込まれる。本発明の記載された方法及びシステムの様々な改変及び変形は、本発明の範囲及び趣旨から逸脱することなく、当業者には明らかであろう。本発明は、特定の好ましい実施形態に関連して説明されてきたが、特許請求される本発明は、そのような特定の実施形態に過度に限定されるべきではないことを理解されるべきである。実際、生化学及びバイオテクノロジー又は関連分野の当業者に明らかである、本発明を実施するための記載された様式の様々な改変は、以下の特許請求の範囲内にあると意図されている。
【符号の説明】
【0539】
[
図1A]
Spinal Segment: 脊髄分節
Lung/Bronchi Algetic Zone: 肺/気管支疼痛性ゾーン
Diaphram: 横隔膜
Heart: 心臓
Esophagus: 食道
Stomach: 胃
Liver and Gallbladder: 肝臓及び胆嚢
Small intestine: 小腸
Large intestine: 大腸
Bladder: 膀胱
Kidney and Testis: 腎臓及び精巣
[
図1B]
Thoracic: 胸部
Lumbar: 腰部
Sacral: 仙骨
Stomach: 胃
Liver, gallbladder: 肝臓、胆嚢
Pancreas: 膵臓
Small intestine: 小腸
Colon, rectum: 結腸、直腸
Kidney, ureter: 腎臓、尿管
Urinary bladder: 膀胱
Ovary, fallopian tube: 卵巣、卵管
Uterus: 子宮
Cervix: 子宮頸部
Testes, epididymis: 精巣、精巣上体
[
図1C]
Posterior root: 後根
Anterior root: 前根
Spinal ganglion: 脊髄神経節
Sympathetic trunk: 交感神経幹
R. comm. albus: ラムス・コミュニカンス・アルブス
R. comm. griseus: ラムス・コミュニカンス・グリセウス
Visceral nerve: 内臓神経
Dermatome: デルマトーム
Myotome: ミオトーム
Enterotome: エンテロトーム
[
図2]
Dysport (25U/kg,i.d.) or vehicle (20μL,i.d.): Dysport(登録商標)(25U/kg,皮内)又は媒体(20μL,皮内)
Acclimatization: 順化
Von Frey testing (basal): フォンフライ試験(基底)
Von Frey testing (post-CYP): フォンフライ試験(CYP後)
Body weight: 体重
Bladder: weight and histology (cassette) 24h fixation: 膀胱:重量及び組織学(カセット)24時間固定
Lumbosacral, thoracic and cervical vertebrae, brain and skin: histology (jar) 48h fixation: 腰仙椎、胸椎、頸椎、脳、及び皮膚:組織学(ジャー)48時間固定
[
図3]
Nipples of mammary gland no5: 乳腺の乳頭、5番
Nipples of mammary gland no6: 乳腺の乳頭、6番
Site of intradermal injection: 皮内注射の部位
[
図4、
図5、
図6、
図7]
Nociceptive threshold (g): 侵害受容閾値(g)
Basal: 基底
Post CYP: CYP後
Nociceptive scores (%): 侵害受容スコア(%)
von Frey forces (g): フォンフライの力(g)
AUC 1-6 g (%scores x g): AUC 1~6g (%スコア×g)
AUC 6-26 g (%scores x g): AUC 6~26g (%スコア×g)
Vehicle: 媒体
[
図8、
図9]
Thoracic spinal cord (I.D): 胸髄(皮内)
Thoracic spinal cord (I.DT): 胸髄(排尿筋内)
c-SNAP25 cumulative IHC score: c-SNAP25累積IHCスコア
Ventral Horn: 前角
Dorsal Horn: 後角
Dysport 25U/kg (I.D): Dysport(登録商標) 25U/kg (皮内)
Dysport 25U/kg (I.DT): Dysport(登録商標) 25U/kg (排尿筋内)
Lumbosacral spinal cord (I.D): 腰仙髄(皮内)
Lumbosacral spinal cord (I.DT): 腰仙髄(排尿筋内)
[
図10]
% of positive sections: ポジティブセクションの%
Saline: 生理食塩水
Intensity of staining: 染色度
【配列表】
【国際調査報告】