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特表2024-540581液化ガス製品の冷却システムおよび冷却方法
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  • 特表-液化ガス製品の冷却システムおよび冷却方法 図1A
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-10-31
(54)【発明の名称】液化ガス製品の冷却システムおよび冷却方法
(51)【国際特許分類】
   F17C 6/00 20060101AFI20241024BHJP
   F17C 13/00 20060101ALI20241024BHJP
【FI】
F17C6/00
F17C13/00 302A
【審査請求】未請求
【予備審査請求】有
(21)【出願番号】P 2024529783
(86)(22)【出願日】2022-11-18
(85)【翻訳文提出日】2024-05-28
(86)【国際出願番号】 NO2022050267
(87)【国際公開番号】W WO2023091027
(87)【国際公開日】2023-05-25
(31)【優先権主張番号】20211391
(32)【優先日】2021-11-19
(33)【優先権主張国・地域又は機関】NO
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】524187885
【氏名又は名称】アザン、フューエル、ソリューションズ、アクティーゼルスカブ
【氏名又は名称原語表記】AZANE FUEL SOLUTIONS AS
(74)【代理人】
【識別番号】100120031
【弁理士】
【氏名又は名称】宮嶋 学
(74)【代理人】
【識別番号】100107582
【弁理士】
【氏名又は名称】関根 毅
(74)【代理人】
【識別番号】100137523
【弁理士】
【氏名又は名称】出口 智也
(72)【発明者】
【氏名】ヨルン、マグヌス、ヨナス
(72)【発明者】
【氏名】スティアン、マグヌソン
【テーマコード(参考)】
3E172
【Fターム(参考)】
3E172AA03
3E172AA05
3E172AA06
3E172AB04
3E172AB05
3E172AB20
3E172BA06
3E172BB05
3E172BD02
3E172BD04
3E172BD05
3E172DA90
3E172EA03
3E172EA48
3E172EB02
3E172EB03
3E172EB17
3E172HA02
3E172HA04
3E172KA03
(57)【要約】
本発明は、液化ガス製品の冷却に関する。特に、本発明は、ガス製品を冷却するための方法およびシステムに関する。システムは、ガス製品をシステムに供給するための供給ライン(1a)、および液化ガス製品の貯蔵部(1)を含む。貯蔵部(1)は、供給ライン(1a)に接続されている。システムは、さらに、供給ライン(1a)を通って貯蔵部(1)に流れるガス製品を間接的に冷却するための冷却回路を含む。冷却回路は冷却剤としてガス製品を含み、ガス製品は石油ガスまたはアンモニアであってもよい。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
ガス製品の冷却のためのシステムであって、
ガス製品を前記システムに供給するための供給ライン(1a)、
前記液化ガス製品を含む貯蔵部(1)であって、前記貯蔵部(1)が前記供給ライン(1a)に接続されている、貯蔵部(1)、および
前記供給ライン(1a)を通って前記貯蔵部(1)に流れるガス製品を間接的に冷却するための冷却回路を含むシステムであって、前記冷却回路は冷却剤として前記ガス製品を含み、前記ガス製品は石油ガスまたはアンモニアからなる、システム。
【請求項2】
前記冷却回路はさらに
凝縮された冷却剤を気化させ、前記貯蔵部(1)に流入する前記ガス製品を冷却するための熱交換器(2)であって、前記熱交換器(2)は前記供給ライン(1a)に接続されている、熱交換器(2)、
前記熱交換器(2)から排出される気化した冷却剤を圧縮するための圧縮機(3)、
前記圧縮機(3)から排出される圧縮された冷却剤を凝縮するための第2の熱交換器(4)、および
前記第2の熱交換器(4)から排出される凝縮された冷却剤の膨張冷却用の膨張弁(6)であって、前記膨張弁(6)は、前記熱交換器(2)の入口(2c)に接続されている、膨張弁(6)を含む、請求項1に記載のシステム。
【請求項3】
前記熱交換器(2)と前記貯蔵部(1)の間の前記供給ライン(1a)上に配置された第2の膨張弁(6a)とをさらに含む、請求項2に記載のシステム。
【請求項4】
前記熱交換器(2)と前記圧縮機(3)の間に配置されたドラム(3a)とをさらに含む、請求項2~3のいずれか一項に記載のシステム。
【請求項5】
前記第2の熱交換器(4)と前記膨張弁(6)との間に配置された受容部(5)と、任意選択で、前記受容部(5)内の液面を検出するための液面検出器(5a)とをさらに含む、請求項2~4のいずれか一項に記載のシステム。
【請求項6】
前記熱交換器(2)に接続されたベントライン(7)をさらに含み、前記熱交換器は供給流チャネルを含み、前記ベントライン(7)は前記供給流チャネルに接続され、前記ベントライン(7)は任意選択で制御弁(7’)を含む、請求項2~5のいずれか一項に記載のシステム。
【請求項7】
前記貯蔵部(1)は、液体ガス製品を圧送するためのポンプ(8)をさらに含み、前記ポンプ(8)は、前記熱交換器(2)の供給入口(2a)に接続されている、請求項2~6のいずれか一項に記載のシステム。
【請求項8】
前記システムは直接冷却回路をさらに含み、前記直接冷却回路は、
前記貯蔵部(1)から前記圧縮機(3)へ延びる第5の流路(10e)、および
前記膨張弁(6)から前記貯蔵部(1)に延びる第6の流路(10)を含む、請求項2~7のいずれか一項に記載のシステム。
【請求項9】
前記貯蔵部(1)に接続された第2の圧縮機(9)をさらに含む、請求項8に記載のシステム。
【請求項10】
供給ライン(1a)に接続された送風機(12)をさらに含む、請求項2~9のいずれか一項に記載のシステム。
【請求項11】
ガス製品の冷却のための、請求項1~10のいずれかに記載のシステムの使用。
【請求項12】
ガス製品の冷却のための方法であって、
請求項1~10のいずれか一項に記載のシステムを提供すること、
前記供給ライン(1a)を通って前記貯蔵部(1)にガス製品の供給流を供給すること、および、
前記供給流が前記貯蔵部(1)に入る前に、前記冷却回路によって前記供給流を間接冷却サイクルで冷却すること、を含む、方法。
【請求項13】
前記間接冷却サイクルと直接冷却サイクルとを交互に行う、請求項12に記載の方法。
【請求項14】
前記ガス製品がアンモニアまたは石油ガスを含む、請求項12~13のいずれか一項に記載の方法。
【請求項15】
熱交換器(2)において、前記ガス製品からパージガスが分離される、請求項12~14のいずれか一項に記載の方法。
【請求項16】
液化ガス製品が、流出ライン(11a)を介して前記貯蔵部(1)から外部貯蔵部に流れ、ガス製品の蒸気が、前記供給ライン(1a)を介して前記貯蔵部(1)に流れ、前記ガス製品の蒸気が、前記間接冷却サイクルによって前記熱交換器(2)で冷却される、請求項12~15のいずれか一項に記載の方法。
【請求項17】
前記熱交換器(2)内の前記ガス製品の蒸気の圧力は、前記第2の膨張弁(6a)および/または送風機(12)によって調節される、請求項16に記載の方法。
【請求項18】
前記外部貯蔵部は容器式貯蔵部である、請求項12~15のいずれか一項に記載の方法。
【請求項19】
外部供給源からの液体ガス製品が、流出ライン(11a)を介して前記貯蔵部(1)に直接流れ、
ガス製品の蒸気は、前記貯蔵部(1)から前記第2の圧縮機(9)を介して、外部の消費者、輸送者、もしくは、貯蔵部に流れる、または、
ガス製品の蒸気は、前記貯蔵部(1)から前記熱交換器(2)を通って流れ、前記間接冷却サイクルによって冷却された後、前記貯蔵部(1)に戻る、請求項12~15のいずれか一項に記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、液化ガス製品の冷却に関する。特に、本発明は、液化ガス製品を冷却するためのシステムおよびその方法に関する。このシステムは、異なる温度水準で動作する2つ以上の回路を含む蒸気圧縮冷却システムを含む。
【背景技術】
【0002】
ゼロエミッションまたは低エミッションのガスは、特に海洋用途の燃料としてますます使用されるようになっている。このようなガス製品の例としては、天然ガス(NG)、石油ガス(PG)、アンモニア(NH3)、水素(H2)などがある。これらのガス製品は、炭化水素ベースの液体燃料を代替することで、地域的または世界的な温室効果ガス排出基準の達成に貢献する可能性がある。ガス製品の使用で問題となるのは、炭化水素ベースの液体燃料に比べて貯蔵量が増えることである。特に船舶用途の場合、船上のガス製品の貯蔵は、貨物や乗客のために使用できる貴重なスペースを占有する可能性がある。これは明らかに経済的に不利である。そこで、貯蔵量を最小限に抑えるため、ガス製品は液化した状態で低温から超低温で貯蔵されることが多い。概して、液化ガスは、圧縮状態の同量のガスに比べ、貯蔵スペースが大幅に少なくて済む。そのため、ガス製品は液化状態で貯蔵され、その後、気化して燃料として利用される。
【0003】
しかしながら、液化ガス製品の低温貯蔵にはある種の技術的課題がある。例えば、貯蔵部に貯蔵されると、周囲の環境からの周囲熱によって貯蔵部内の液化ガスが徐々に加熱される。このような加熱は、貯蔵部に断熱材が施されているにもかかわらず発生する可能性がある。液化ガスへの熱伝導はボイルオフガスを発生させ、貯蔵部内の圧力上昇につながる。ボイルオフガスは、液化ガス製品の貯蔵部への移送中および貯蔵部からの移送中にも発生する可能性がある。さらに、液化ガス製品にポンプ作用が働いたり、液化ガス製品と液化ガス製品が流れる配管や機器との間に摩擦が生じたりすると、ボイルオフガスがさらに発生する可能性がある。貯蔵部内の圧力を低く維持するために、ボイルオフガスを貯蔵部から直接蒸気圧縮冷却サイクルに放出することができる。そして、貯蔵部は蒸発器として機能し、ボイルオフガスは直接冷却サイクルで再液化された後、貯蔵部に戻される。このような直接冷却サイクルは滞留している貯蔵部では効率的であるが、貯蔵部へのガス製品の移送中や貯蔵部からのガス製品の移送中には貯蔵部内の圧力が高くなり得るため、著しく効率が低下する。貯蔵部の圧力が上昇すると、直接冷却サイクルの膨張弁上の圧力差が減少する。その結果、直接冷却サイクルの冷却効果が低下する。このような問題に対処するため、ボイルオフガスを熱交換器内の冷却剤で冷却する間接冷却サイクルが利用されている。間接冷却回路では、冷却剤と冷却されるガス製品が直接接触することはない。しかし、このような間接冷却サイクルでは、冷却剤を使用する必要があるため、さらにスペースが必要となり、追加部品が必要となり、コストが増加する。その結果、経済的にさらに不利になる。
【0004】
ガス製品の燃焼性や、NH3の場合はガス製品の毒性も問題である。人体のガス製品へ暴露は一般に避けなければならない。したがって、ガス製品移送作業の前後に、窒素ガスのような不活性ガスが、ガス製品の移送配管をパージするためにしばしば使用される。パージ中、窒素ガスは移送配管に残留するガス製品を希釈し、除去する。このようなパージの欠点は、一定量の窒素ガスがガス製品と混合され、ガス製品と一緒に貯蔵部、配管に送られることである。
【0005】
従って、液化ガス製品を貯蔵部内で、ならびに、貯蔵部への液化ガス製品の移送中および貯蔵部からの液化ガス製品の移送中に冷却するための改良されたシステムおよび改良された方法に対する明確な必要性がある。さらに、システムおよび方法は、貯蔵部および工場内に蓄積された窒素ガスをガス製品からより良く分離する必要がある。
【発明の概要】
【0006】
本発明は、請求項1に記載の液化ガス製品の冷却システムに関する。本発明はまた、請求項11に記載のシステムの使用、および、請求項12に記載の液化ガス製品の冷却方法にも関する。
【図面の簡単な説明】
【0007】
図1A図1Aは、冷却回路を含む、本発明による液化ガス製品を冷却するためのシステムを概略的に示す。
【0008】
図1B図1Bは、冷却回路を含む、本発明によるシステムで利用される熱交換器の詳細を概略的に示す。
【0009】
図2A図2Aは、パージガス用のベントラインを含む、本発明によるシステムの更なる実施形態を概略的に示す。
【0010】
図2B図2Bは、ポンプを含む、本発明によるシステムの更なる実施形態を概略的に示す。
【0011】
図3図3は、直接冷却回路を含む、本発明によるシステムの更なる実施形態を概略的に示す。
【0012】
図4図4は、直接冷却回路と第2の圧縮機を含む、本発明によるシステムの更なる実施形態を概略的に示す。
【0013】
図5図5は、分岐流出ラインを含む、本発明によるシステムの更なる実施形態を概略的に示す。
【0014】
図6図6は、分岐流出ライン、分岐供給ライン、および任意選択で送風機を含む、本発明によるシステムの更なる実施形態を概略的に示す。
【0015】
図7図7は、直接冷却回路、分岐流出ライン、分岐供給ラインおよび送風機を含む、本発明によるシステムの更なる実施形態を概略的に示す。
【発明を実施するための形態】
【0016】
図1Aは、本発明によるガス製品を冷却するためのシステムを概略的に示す。図1Aおよび他のすべての図面において、同じ参照符号は同じ特徴を示す。システムは、液化ガス製品用の少なくとも1つの貯蔵部1と、冷却回路(後述)とを含む。冷却回路は、冷却剤としてガス製品を含む。好ましくは、冷却剤はガス製品からなる。貯蔵部1は、真空パネル断熱材、発泡パネル断熱材などの断熱材を含む。貯蔵部1は、陸上貯蔵部、車両貯蔵部、または容器式貯蔵部であってもよい。貯蔵部は、タンク、バイローブタンク、またはマルチローブタンクを含んでいてもよい。液化ガス製品は、液化石油ガス(LPG)であってもよいし、液化アンモニア(LNH3)であってもよい。好ましくは、液化ガス製品は、約1バールの圧力で貯蔵部1に貯蔵される。貯蔵部1は、貯蔵部1から蒸気を排出するためのベントをさらに含み得る。システムは、外部供給源からガス製品の供給を受けるための供給ライン1aをさらに含む。そのため、供給ライン1aは、外部供給源に連結するための適切な連結部を備え得る。外部供給源は、容器、輸送車、ISOコンテナ、外部貯蔵部、または工場である。供給ライン1aは貯蔵部1に接続される。あるいは、供給されるのは、貯蔵部1(以下でさらに説明)を起源とする再循環ループからの蒸気または液化ガス製品であってもよい。貯蔵部1は、貯蔵部1から液化ガス製品を移送するための流出ライン(以下でさらに説明)をさらに含む。本実施形態および以下のすべての実施形態において、流路間の接続は、Tピース、Yピース、パイプスプール、または同様の接続手段を含み得る。
【0017】
システムはさらに熱交換器2を含む。熱交換器2は、供給ライン1aによって貯蔵部1に接続されている。供給ライン1aを通る一般的な流れ方向、およびシステム内の他の流路を通る流れ方向は、矢印で示されている(図1A以下の図を参照)。熱交換器2の詳細を図1Bに概略的に示す。熱交換器2は、供給入口2a、供給出口2b、冷却剤入口2c、および、冷却剤出口2dを含む。供給入口2aと冷却剤出口2dは、好ましくは、熱交換器2の上部に配置される。供給出口2bおよび冷却剤入口2cは、好ましくは、熱交換器2の下部に配置される。熱交換器2は、好ましくは、底部に位置する液体回収容器2eを含む。供給入口2aは、供給チャネル(視認性のため図1Bには図示せず)によって、供給出口2bに接続されている。冷却剤入口2cは、冷却剤チャネル2fによって冷却剤出口2dに接続されている。供給チャネルと冷却剤チャネル2fは分離されている。動作中、冷却剤入口2cから熱交換器2に入った冷却剤は、熱交換器2の冷却剤チャネルを通過する。凝縮蒸気の形態のガス製品は、冷却剤によって冷却されながら、供給入口2aから供給出口2bまで供給チャネルを流れ得る。
【0018】
システムはさらに圧縮機3を含む。圧縮機3の入口側は、第1の流路10aによって熱交換器2に接続されている。システムはさらに第2の熱交換器4を含む。圧縮機3の出口側は、第2の流路10bによって第2の熱交換器4に接続されている。動作中、流れは第1の流路10aから圧縮機3に入り、圧縮された流れは圧縮機3から第2の流路10bに出る。圧縮機3は、動的圧縮機であってもよい。有利なことに、動的圧縮機は、流れに同伴する液滴の影響を受けにくい。あるいは、圧縮機3は容積式圧縮機であってもよい。圧縮機3は、電力または油圧ユニットによって駆動されてもよい。
【0019】
システムは、任意選択で、熱交換器2と圧縮機3との間に配置されたドラム3a(図1Aに示す)を含み得る。ドラム3aは、第1の流路10aによって熱交換器2および圧縮機3に接続されている。好ましくは、第1の流路10aおよび/またはドラム3aは、圧縮機3が連続運転できるように充分な大きさの容積を有する。ドラム3aは適切な断熱材で絶縁されている。
【0020】
システムは、圧縮機3から出る加圧蒸気を凝縮させるための第2の熱交換器4を含む。第2の熱交換器4では、冷却水を冷却剤として使用することができる。冷却水は、例えば、海水や近隣の環境から採取した水であってもよい。あるいは、第2の熱交換器4の冷却剤は空気であってもよい。さらに別の方法として、第2の熱交換器4内の冷却剤は、別の冷却液または冷媒を含んでもよい。
【0021】
システムはさらに膨張弁6を含む。膨張弁6は、第3の流路10cによって第2の熱交換器に接続されている。膨張弁6は、第4の流路10dによって熱交換器2に接続されている。システムは、任意選択で、第2の熱交換器4と膨張弁6との間に配置された受容部5を含むことができる。任意選択の受容部5は、凝縮液を回収するための回収容器である。受容部5は、好ましくは、受容部5内の液面を検出するための液面検出器5aを含み得る。液面検出器5aは、制御部(図示せず)に接続されていてもよい。
【0022】
システムは、熱交換器2内の供給流の圧力を調節するための第2の膨張弁6aをさらに含み得る。第2の膨張弁6aは、熱交換器2と貯蔵部1との間の供給ライン1a上に配置される。動作中、熱交換器2内が閾値圧力に達した後、第2の膨張弁6aは膨張のため開くように制御され得る。有利なことに、熱交換器内の供給流の圧力を調整することにより、ジュール・トムソン効果によって、熱交換器内でのガス製品の蒸気の凝縮がさらに増大する。したがって、温度を下げることと供給流の圧力を上げることの両方によって凝縮が促進される。
【0023】
熱交換器2、圧縮機3、第2の熱交換器4、膨張弁6、および、第1~第4の流路10a~10dは、併せて冷却回路を形成する。冷却回路は、冷却剤としてのガス製品を含む。好ましくは、冷却剤はガス製品からなる。冷却回路は、冷却回路に冷却剤を供給するための冷却剤供給ライン(図示せず)を含んでもよい。冷却剤供給ラインは、供給ライン1aを冷却回路と接続してもよい。あるいは,冷却剤供給ラインは、貯蔵部1を冷却回路と接続してもよい。さらに代替的に、冷却剤供給ラインは、流出ライン11aを冷却回路と接続してもよい。冷却剤供給ラインは,冷却回路への冷却剤の流れを制御するための弁を含むことが好ましい。冷却剤供給ラインは、例えば、第4の流路10dで冷却回路に接続されてもよい。冷却回路は間接冷却回路である。動作中、冷却回路では間接蒸気圧縮冷却サイクルが行われる。間接蒸気圧縮冷却サイクル(以下に詳述)には、冷却剤の圧縮、凝縮、膨張冷却、および、蒸発が含まれる。圧縮は圧縮機で行われ、凝縮は第2の熱交換器4で行われ、膨張冷却は膨張弁6で行われ、蒸発は熱交換器2で行われる。有利なことに、冷却回路を供給ラインから分離することで、蒸発段階の圧力は貯蔵部の圧力に依存しない。その結果、ガス製品の移送中に貯蔵部の圧力が外部供給源の影響を受ける直接冷却サイクルと比較して、貯蔵部へのガス製品の移送中および貯蔵部からのガス製品の移送中に高い冷却効率を達成することができる。さらに有利なことに、間接冷却サイクルで外部冷却剤を使用する場合の欠点、例えばスペース、部品、および、コストの追加要件が回避される。
【0024】
更なる実施形態を、図2Aおよび図2Bに概略的に示す。これらの各実施形態では、図1Aを参照して説明した任意選択の要素を含めることができる。図2Aに概略的に示すように、ガス製品からパージガスを分離するためのベントライン7を熱交換器2に接続することができる。以下に説明するように、分離は、好ましくは、大気圧でガス製品の沸騰温度よりも充分に低い沸騰温度を有するパージガスを利用することによって達成される。ベントライン7は、熱交換器2の供給流チャネルに接続されている。好ましくは、ベントライン7は制御弁7’を含む。制御弁7’またはベントライン7は、圧力センサ(図示せず)を含んでいてもよい。動作中、制御弁7’は、圧力センサからの信号に基づいて、供給流チャネル内が一定の高圧値に達したときに開かれ、そうでなければ閉じられたままになる。これにより、熱交換器2の供給流チャネルは分離器として機能する。外部供給源から供給される蒸気流、または、貯蔵部1からボイルオフガスとして供給される蒸気流が、分離器への入口流を形成する。ベントライン7は、分離器の出口流の接続を形成する。熱交換器2と貯蔵部1との間に延びる供給ライン1aの部分は、分離器の底流接続部を形成する。受容部5は、冷却回路からパージガスを排出するための追加のベントライン(図示せず)を含み得る。
【0025】
システムの更なる構成を図2Bに概略的に示す。この構成では、貯蔵部1は、貯蔵部1と熱交換器2との間で液化ガス製品を循環させるためのポンプ8を含んでいる。ポンプ8から熱交換器2へは、第2の供給ライン1bが延びている。第2の供給ライン1bは、供給入口2aに接続されている。動作中、液体ガス製品は、ポンプ8によって貯蔵部1から熱交換器2へ圧送される。熱交換器2において、液化ガス製品は冷却回路によって冷却またはサブクールされ、供給ライン1aを通って貯蔵部1に戻される。貯蔵部1内の蒸気圧が高い場合、例えば、貯蔵部内の液化ガス製品が温かい場合、熱交換器2から戻る液滴からなるサブクールされた液化ガス製品は、貯蔵部1のアレージ空間に噴霧されるのが好ましい。そのため、貯蔵部1への供給ライン1aの出口は、スプレーノズルを含み得る。冷却またはサブクールされた液化ガス製品の液滴は、それによって貯蔵部1の内部で蒸気と混合される。その結果、サブクールされた液滴と蒸気との間で熱交換が行われ、貯蔵部1内の蒸気が冷却される。これにより、貯蔵部内の蒸気は凝縮し、貯蔵部1内の圧力が低下する。有利には、貯蔵部内の蒸気圧の迅速な低下が達成され得る。さらに有利なことに、貯蔵部内の蒸気圧、ひいては蒸気温度が比較的高い場合、貯蔵部のアレージ空間への冷却された液体の上部噴霧は非常に効果的な冷却方法である。蒸気圧が高いと、(サブクールまたは)冷却された液滴と蒸気との間の蒸発の度合いが高くなる。蒸発の際、液相から熱が奪われ、その結果液相がより冷たくなる。この効果は、例えば、供給ライン(以下に詳述)に送風機を利用することによって、貯蔵部内の圧力を高めることによって有利に増強される。
【0026】
更なる実施形態を図3および図4に概略的に示す。これらの各実施形態では、図1A図2Aおよび図2Bを参照して説明した任意選択の要素を含めてもよい。直接冷却回路を含む更なる実施形態を図3に概略的に示す。この更なる実施形態におけるシステムの構成要素は、図1Aについて上記で詳述した通りである。さらに、この更なる実施形態では、システムは、貯蔵部1から圧縮機3まで、より具体的には圧縮機3の入口側まで延びる第5の流路10eを含む。第5の流路10eと第1の流路10aとの間の接続部は、好ましくは、任意選択のドラム3aと圧縮機3との間に配置され得る。第5の流路10eは、好ましくは、制御弁10e’を含む。システムはまた、膨張弁6の出口側から貯蔵部1まで延びる第6の流路10fを含む。好ましくは、貯蔵部1内に延びる第6の流路10fの端部は、スプレーノズルを含む。第6の流路10fは、膨張弁6の出口側に直接接続されていてもよい。あるいは、第6の流路10fは、第4の流路10dに接続されてもよく、この場合、接続部は膨張弁6と熱交換器2との間に配置される。第6の流路10fは、好ましくは、制御弁10f’を含む。さらに、第1の流路10aは、好ましくは、制御弁10a’を含む。好ましくは、第1の流路10aの制御弁10a’は、任意選択のドラム3aと圧縮機3との間に配置される。さらに、第4の流路10dは、好ましくは、制御弁10d’を含む。貯蔵部1、圧縮機3、第2の熱交換器4、膨張弁6、第5の流路10e、第2の流路10b、および、第6の流路10fは、併せて直接冷却回路を形成する。有利なことに、追加された流路と制御弁により、蒸気圧縮サイクルを通して、貯蔵部から気化したガス製品を直接冷却することができる。さらに有利なことに、システムは、追加部品や追加冷却剤を使用することなく、直接冷却サイクルと間接冷却サイクルを交互に行うことができる。
【0027】
直接冷却回路と少なくとも1つの第2の圧縮機9を含む、更なる実施形態を図4に概略的に示す。システムの他の構成要素は、図3について上述した通りである。圧縮機3と第2の圧縮機9は、独立して運転されてもよいし、相互依存的に運転されてもよい。第2の圧縮機9は、補助直接冷却回路(後述)の一部を形成し得る。有利なことに、通常2つ以上の圧縮機が高圧蒸気を1つの冷却回路に供給する先行技術の蒸気圧縮冷却プロセスとは対照的に、冷却回路と補助直接冷却回路は同時に駆動することができる。さらに有利なことに、各圧縮機が異なる冷却回路を駆動するため、各冷却回路は、異なる冷却温度など、異なる熱力学的特性を有し得る。そのため、各冷却回路の圧力は、他の冷却回路から独立している。したがって、貯蔵部内の蒸気圧が高い場合でも、高い冷却効率を達成することができる。
【0028】
図4を参照すると、第7の流路10gは、第5の流路10eを第2の圧縮機9の入口側と接続することができる。好ましくは、第7の流路10gと第5の流路10eとの間の接続部は、貯蔵部1と第5の流路10eの制御弁10e’との間に配置される。それにより、第5の流路10eの制御弁10e’が閉じられているときでも、貯蔵部1から第2の圧縮機9への流れを確立することができる。第7の流路10gは、さらに、第2の圧縮機9の出口側を第2の流路10bに接続することができる。それにより、第2の圧縮機9から第2の熱交換器4への流れを確立することができる。更なる制御弁10g’’が、第2の圧縮機9の出口側と第2の流路10bとの間の、第7の流路10g上に配置されてもよい。さらに、制御弁10b’が、圧縮機3と第7の流路10gへの接続部との間の、第2の流路10b上に配置されてもよい。本実施形態は、好ましくは、図2Aについて前述したように、パージガスを排出するためのベントライン7を含む。パージガスは、有利には、ベントラインを通して製品ガスから除去することができる。
【0029】
引き続き図4を参照すると、第8の流路10hは、第7の流路10gを熱交換器2の供給入口2a(図示)または供給ライン1aと接続することができる。第7の流路10gと第8の流路10hとの接続は、好ましくは、第2の圧縮機9と第7の流路10gの第2の制御弁10g’’との間に配置される。制御弁10h’は、第8の流路10hに配置されてもよい。貯蔵部1、第2の圧縮機9、熱交換器2、第2の膨張弁6a、第5の流路10e、第7の流路10g、第8の流路10h、および、供給ライン1aは、併せて補助直接冷却回路を形成する。
【0030】
概して、蒸気-圧縮冷却回路の能力は、回路を通る質量流を吸引する圧縮機の能力の関数である。本実施形態では、貯蔵部内の液化ガス製品が比較的暖かい場合に、圧縮機への質量流量の増加が達成される。貯蔵部が暖かいために生じる比較的高い蒸気圧は、圧縮機への質量流量を増加させ、それによって冷却回路の能力を増強させる。一方、第1熱交換器2の温度が低く、貯蔵部1の圧力が高いため、貯蔵部1への戻り流は、サブクールされた凝縮液を含む。冷却またはサブクールされた凝縮液は、貯蔵部1内の飽和温度よりも低い温度を持つ。補助冷却回路から戻る(サブクールまたは)冷却された凝縮液の蒸発は、凝縮液が貯蔵部1内の(比較的)温かい蒸気と接触することで起こる。前述したように、それによって冷却が達成され、貯蔵部1内の圧力が低下する。例えば、液化NH3を貯蔵する場合、蒸気圧の高いNH3蒸気が補助冷却回路に利用される。貯蔵部1に流れを戻す際の冷却温度の制限は、補助冷却回路の冷却作用によって緩和される。補助冷却回路では、凝縮液は貯蔵部1に戻る前に熱交換器2でサブクールされる。サブクールされた凝縮液は、好ましくは貯蔵部1のアレージ空間に噴霧され、サブクールされたNH3凝縮液は、貯蔵部1内に残っているNH3蒸気と混合され、NH3蒸気を凝縮させる。
【0031】
様々な供給ラインおよび/または流出ラインの構成を図5図7に概略的に示す。図5図7の構成は、図1A図4について前述した実施形態のいずれかと組み合わせることができる。視認性のため、図1A図4に現れる任意選択の要素は、図5図7では省略されている。第1の構成では、図5において、システムは、少なくとも1つの流出ライン11aを含む。流出ライン11aは、貯蔵部1をガス製品の消費者、ガス製品の輸送者、または、外部のガス製品貯蔵部と接続することができる。そのため、流出ライン11aは、消費者、輸送者、または外部貯蔵部に連結するための、適切な連結部を備え得る。ガス製品の消費者は、ガス製品を利用する、船舶、車両、列車、飛行機、発電所、燃料ステーション、または工場であってもよい。ガス製品の輸送者は、輸送中に液化ガス製品を貯蔵するための一時貯蔵スペースを含む、船舶、トラック、または、鉄道車両を含み得る。あるいは、流出ライン11aは供給ラインとして機能し、貯蔵部1を外部供給源に接続してもよい。流出ライン11aは、そこを通る液化ガス製品の流れを調整するための第1の制御弁11a’を含み得る。任意選択で、流出ライン11aは、第2の制御弁11a’’を含み得る。貯蔵部1は、流出ライン11aに接続されたポンプ11をさらに含み得る。ポンプ11は、貯蔵部1から流出ライン11aを通る液化ガス製品の流れを駆動することができる。任意選択で、流出ライン11aは、第1の分岐11bおよび/または第2の分岐11cを含み得る。第1の分岐は、制御弁11b’を含み得る。第2の分岐11cは、制御弁11c’を含み得る。第1の分岐11bは、流出ライン11aから貯蔵部1の底部に延びている。第2の分岐11cは、流出ライン11aから貯蔵部1の上部、すなわちアレージ部へと延びている。動作中、流出ライン11a上の第1の制御弁11a’が閉じられ、流出ライン11a上の制御弁11a’’が開けられてもよい。流出ライン11aは、液化ガス製品を外部供給源から貯蔵部1に直接供給するための補助供給ラインとして機能し得る。最後に、システムは、ガス製品の蒸気を貯蔵部1から直接流出させるための蒸気流出ライン11dを含み得る。蒸気流出ライン11dは、制御弁11d’を含み得る。有利には、システムは、それによって、供給ライン1aを介してガス製品の蒸気を、流出ライン11aを介して液化ガス製品を、同時に受け取ることができる。あるいは、システムは、供給ライン1aを介してガス製品の蒸気を受け取ると同時に、流出ライン11aを介して液化ガス製品を消費者または輸送者に供給することができる。液化ガス製品は、第1の分岐11bを介して貯蔵部1内の液体に供給される、第2の分岐11cを介して貯蔵部1内の液体の上に噴霧される、または、その両方でもよい。貯蔵部への第2の分岐11cの出口には、1つまたは複数のスプレーノズルが含まれ得る。
【0032】
更なる構成を図6に概略的に示す。この構成では、他の要素は図5と同じであるが、供給ライン1aは送風機12と、任意選択でバイパス供給ライン1cとを含むことができる。供給ライン1aを通る流れは、バイパス供給ライン1cを通って送風機12をバイパスすることができる。供給ライン1aは、供給ライン1aから貯蔵部1まで延びる分岐供給ライン1dをさらに含み得る。さらに、システムは、供給ライン1aと流出ライン11aとの間に交差接続部11eを含み得る。交差接続部11eは、制御弁11e’を含み得る。バイパス供給ライン1cは、制御弁1c’を含む。分岐供給ライン1dも制御弁1d’を含む。供給ライン1aは、外部供給源と送風機12との間に配置された第1の制御弁1a’を含む。供給ライン1aは、送風機12と熱交換器2との間に配置された第2の制御弁1a’’も含む。供給ライン1aはさらに、第2の制御弁1a’’と熱交換器2との間に配置された第3の制御弁1a’’’を含む。好ましくは、第3の制御弁1a’’’は、分岐供給ライン1dへの接続部11dと熱交換器2との間に配置される。最後に、供給ライン1aは、第3の制御弁1a’’’と熱交換器2との間に配置された第4の制御弁1a’’’’を含む。好ましくは、第4の制御弁1a’’’は、流出ライン11aへの接続部と熱交換器2との間に配置される。
【0033】
さらに別の構成を図7に概略的に示す。この構成は、少なくとも図4図6に関して前述した構成要素を含む。さらに、この構成は補助供給ライン1eを含む。補助供給ライン1eは、システムへのガス製品の流入と、システムからのガス製品の流出の両方に利用することができる。そのため、補助供給ライン1eは、外部供給源、消費者、輸送者または外部貯蔵部に連結するための適切な連結部を備え得る。補助供給ライン1eは、第1の制御弁1e’および第2の制御弁1e’’を含み得る。補助供給ライン1eは、システムへのガス製品の供給と、システムからのガス製品の流出の両方に利用することができる。補助供給ライン1eと供給ライン1aとの間の接続部は、好ましくは、第2の制御弁1a’’と第3の制御弁1a’’’との間に配置される。この構成は、補助流出ライン11fをさらに含む。補助流出ライン11fは、システムからのガス製品の流出と、システムへのガス製品の供給の両方に利用することができる。そのため、補助流出ライン11fは、外部供給源、消費者、輸送者、または、外部貯蔵部に連結するための適切な連結部を備え得る。補助流出ライン11fは、第1の制御弁11f’および第2の制御弁11f’’を含み得る。さらに、流出ライン11aは、第2の制御弁11a’’を含む。補助流出ライン11fと流出ライン11aとの間の接続部は、好ましくは、第2の制御弁11a’’と貯蔵部1との間に配置される。最後に、システムは更なるバイパスライン10iを含む。更なるバイパスライン10iは、第8の流路10hと供給ライン1aとを接続する。更なるバイパスライン10iは、好ましくは制御弁10i’を含む。その結果、本構成では、システムは少なくとも4つのライン1a、1e、11a、11fを含み、これらのラインを通じてガス製品をシステムに供給したり、システムから排出したりすることができる。有利なことに、本システムは、システム内へのガス製品の移送中およびシステム外へのガス製品の移送中の柔軟性を高めることができる。
【0034】
図1Aを参照すると、本発明によるガス製品の冷却方法は、本発明によるシステムを提供すること、ガス製品またはガス製品の蒸気の供給流を貯蔵部1に供給すること、および、供給流が貯蔵部1に入る前に熱交換器2で供給流を冷却することを含む。冷却は、間接蒸気圧縮冷却サイクルによって調整される。冷却サイクルは、ガス製品を冷却剤として利用する。好ましくは、冷却剤はガス製品からなる。冷却剤は、冷却剤供給ライン(図示せず)を介して冷却回路に供給することができる。冷却剤は、例えば、膨張弁6が閉じている間に第4の流路10dに供給することができる。受容部5内の冷却剤レベルは、冷却回路への冷却剤の流入を制御するために監視されることが好ましい。供給流は、液化ガス製品および/またはガス製品の蒸気を含み得る。ガス製品は、好ましくは、LNH3またはLPGを含む。供給流は、容器、輸送車両、ISOコンテナ、外部貯蔵部、工場などの外部供給源から供給される。好ましくは、液化ガス製品は、約1バールの圧力で貯蔵部1に貯蔵される。
【0035】
間接蒸気圧縮冷却サイクルは、圧縮機3による冷却剤流の圧縮を含む。圧縮機3は、任意選択のドラム3aから第1の流路10aを介して冷却剤の蒸気を吸引する。加圧された冷却剤の蒸気は、圧縮機3から出て、第2の熱交換器4に流れる。間接冷却サイクルは、第2の熱交換器4における冷却剤の凝縮をさらに含み、そこで蒸気が冷却され凝縮される。凝縮液は、任意選択の受容部5に集められ得る。任意選択の受容部5内の液体は、好ましくは凝縮温度である。その結果、受容部5内の液体と蒸気は、飽和温度と飽和圧力で均衡する。任意選択の受容部5内の圧力を下げると、受容部5内に存在する液体と蒸気の間に不均衡が生じる。すると液体は飽和状態でなくなり、液体が新しい飽和温度に冷却されるまで蒸発する。その結果、膨張弁6から出る流れの圧力が低ければ低いほど、その流れの温度も低くなる。膨張冷却は膨張弁6全体で行われる。蒸発は熱交換器2で起こる。
【0036】
制御部は、液面検出器5aから受信したデータに基づいて、膨張弁6の動作を制御し得る。制御部は、膨張弁6の開閉のために制御信号を送信し得る。膨張弁6は、蒸気ではなく凝縮液が膨張弁6を通って膨張するように調節される。凝縮液は、膨張弁6の出口側でより低い圧力になるまで膨張される。膨張弁6を出る流れには、凝縮液と蒸気の混合物が含まれる。その後、流れは熱交換器2の冷却剤チャネル2fを通過し、そこで流れ内の凝縮液が気化される。圧縮機3を調節することにより、熱交換器2の吸引側の圧力を調節することができる。これにより、圧縮機は熱交換器2を通る流量と膨張弁6上の圧力差を制御する。冷却速度と温度は、流量と圧力差によって決定される。したがって、冷却回路内の冷却剤の流れは、膨張弁6から第1の流路10aおよび任意選択のドラム3aへの圧力差によって駆動される。第1の流路10aと任意選択のドラム3aの圧力は、冷却回路内で最も低く、圧縮機3によって制御される。有利なことに、間接蒸気圧縮冷却サイクルによる冷却は、圧縮機によって制御され、既知の直接冷却サイクルの場合のように、貯蔵部内の圧力変動の影響を受けない。さらに有利なことに、冷却回路はガス製品を冷却剤として使用するため、別の冷却剤の使用と、それに伴う物流上および経済上の不利を回避することができる。
【0037】
貯蔵部1から、または貯蔵部1へ再循環されるガス製品または液化ガス製品は、冷却回路によって冷却またはサブクールされ得る。同様に、外部供給源から供給されるガス製品の蒸気または液化ガス製品は、冷却回路によって冷却またはサブクールされ得る。さらに、貯蔵部1に移送される気化したガス製品は、好ましくは、冷却回路による冷却によって凝縮する。有利には、凝縮液、冷却された液体、および/またはサブクールされた液体は、貯蔵部1に移送されると、貯蔵部1内の温度の低下に寄与する。これにより、貯蔵部内の圧力が低下する。これは、ガス製品の貯蔵部への移送中に特に有利である。
【0038】
図2Aを参照すると、この方法は、NH3のようなガス製品からN2のようなパージガスを分離することをさらに含み得る。パージガスは、ベントライン7を介して熱交換器2から排出される。前述のように、熱交換器2はガス製品とパージガスの混合物のための分離器を形成する。分離器は、ガス製品からのパージガスの分離を促進するために冷却および加圧される。
【0039】
作業例として、引き続き図2Aまたは図4を参照すると、窒素ガス(N2)をNH3の貯蔵部1への移送前後のパージまたは流路の洗浄に使用する場合、N2とNH3との混合が避けられないことがある。大気圧では、N2の沸点は-196℃であるのに対し、NH3の沸点は-33.3℃である。熱交換器2の供給チャネルは、NH3からN2を分離するための分離器として機能する。熱交換器2を流れる冷却剤は、熱交換器2の供給チャネル、すなわち分離器を冷却する。供給出口2bの通常温度は-33℃である。従って、分離器容積は、供給出口2bの常温より上に10℃未満、好ましくは5℃未満、最も好ましくは3℃未満の温度に冷却される。その結果、分離器が大気圧にある場合には、NH3は凝縮温度に近くなる。分離器の圧力が上昇すると、分離器内でNH3蒸気が凝縮する可能性がある。このような圧力上昇は、例えば、供給ライン1aに配置された送風機(詳細は前述)の作用、第2の膨張弁6aの絞りによるもの、あるいは、貯蔵部1内の蒸気圧を上昇させる他の理由によって起こる可能性がある。一方、N2は、分離器における実用的な運転条件下では、沸騰温度または凝縮温度から遠く離れた気相にある。その結果、N2ガスはベントライン7を介して排出され、それによってシステム内でパージガスN2をガス製品NH3から分離することができる。
【0040】
次に、図3を参照して、方法の更なる実施形態を説明する。第1の流路10aの制御弁10a’および第4の流路の制御弁10d’は、貯蔵部1への供給流がないとき、または貯蔵部1からの供給流がないときに閉じられ得る。第5の流路10eの制御弁10e’および第6の流路10fの制御弁10f’は、その後、開かれてもよい。貯蔵部1からの気化したガス製品は、その後、貯蔵部1から第5の流路10eを通って圧縮機3に直接流れ、加圧される。加圧されたガス製品の蒸気は、膨張弁6で膨張冷却される前に、第2の熱交換器4で凝縮される。これにより、貯蔵部1からのガス製品の蒸気は直接冷却回路を流れ、直接蒸気圧縮冷却サイクルを受ける。膨張冷却されたガス製品の凝縮液は、膨張弁6から、第6の流路10fを介して貯蔵部1に戻る。その結果、直接蒸気圧縮冷却サイクルの蒸発段階は、貯蔵部1での蒸発によって達成される。あるいは、貯蔵部1からのガス製品の移送中または貯蔵部1へのガス製品の移送中、第5の流路10eの制御弁10e’および第6の流路10fの制御弁10f’は閉じられ得る。その後、第1の流路10aの制御弁10a’および第4の流路10dの制御弁10d’が開かれ、図1Aについて前述したような間接蒸気圧縮冷却サイクルが開始され得る。その結果、本方法は、貯蔵部1へのガス製品の移送中および/または貯蔵部1からのガス製品の移送中の間接冷却サイクルと、貯蔵部1へのガス製品の移送および/または貯蔵部1からのガス製品の移送がない場合の直接冷却サイクルとを交互に行うことができる。
【0041】
図4を参照して、方法の更なる実施形態を説明する。この実施形態では、第2の流路10b上の制御弁10b’および第5の流路10e上の制御弁10e’は閉じられ得る。第7の流路10g上の制御弁10g’および第2の制御弁10g’’、ならびに、第6の流路10f上の制御弁10f’は開けられ得る。これにより、貯蔵部1から第2の熱交換器4への流れが第2の圧縮機9によって駆動される、直接冷却回路を確立することができる。第2の熱交換器4、任意選択の受容部5、および膨張弁6を通過した後、膨張冷却された流れは、第6の流路10fを通って貯蔵部1に戻され得る。直接冷却は、第2の圧縮機9によって駆動される。これにより、貯蔵部1内の圧力に応じた冷却温度を有する直接冷却サイクルが達成される。有利なことに、直接冷却は、圧縮機がオフラインのときでも駆動することができる。
【0042】
引き続き図4を参照すると、本方法の更なる実施形態が記載されており、第7の流路10gの制御弁10g’および第8の流路10hの制御弁10h’が開けられ得る。第5の流路10eの制御弁10e’および第7の流路10gの第2の制御弁10g’’は閉じられ得る。次に、第2の圧縮機9は、補助直接冷却回路を通って、貯蔵部1から熱交換器2へ、そして貯蔵部1へ戻るガス製品の流れを駆動することができる。これにより、補助直接冷却回路で補助直接冷却サイクルが実行される。補助直接冷却サイクルの凝縮温度は、間接冷却サイクル(図1Aに関連して前述)によって制御される。圧縮機3は、冷却回路を通る流れを駆動することができ、それによって、間接冷却サイクルを駆動する。
【0043】
本方法はさらに、貯蔵部1へのガス製品の移送および貯蔵部1からのガス製品の移送のための態様を含む。ガス製品は、蒸気の形態でも液体の形態でもよい。図6を参照すると、第1の移送態様では、容器式貯蔵部などの外部貯蔵部が、貯蔵部1からの液化ガス製品で満たされ得る。流出ライン11aの制御弁は、液体が制御弁を通って外部貯蔵部に圧送され得るように操作される。同時に、蒸気が外部貯蔵部からシステムに流出し得る。蒸気は、外部貯蔵部内の液面上昇によって外部貯蔵部から圧送され得る。加えて、外部貯蔵部内の液体からのボイルオフが蒸気の流れに加わり得る。供給ライン1aの制御弁は、蒸気が熱交換器2および第2の膨張弁6aを通って貯蔵部1に流れ得るように操作される。加えてあるいはその代わりに、蒸気は送風機12を通過し得る。送風機12は蒸気流の圧力を上昇させる。熱交換器2の冷却温度が組み合わさることで、供給ラインパイプ1aを通ってシステムに流入する蒸気を凝縮させる条件が改善される。送風機12と第2の膨張弁6aからの圧力上昇により、貯蔵部1内の冷却が高まる。それにより、外部貯蔵部から供給された蒸気は、熱交換器2で冷却され、好ましくは凝縮される。送風機12と第2の膨張弁6aは、熱交換器2内の圧力上昇を調整することにより、熱交換器2内での蒸気の凝縮をさらに促進することができる。
【0044】
第2の移送態様では、図6を引き続き参照すると、ガス製品は、外部貯蔵部から流出ライン11aを通って貯蔵部1に圧送され得る。蒸気は、分岐供給ライン1dを通して外部貯蔵部から排出され得る。第1および第2の態様において、送風機12がオフラインの場合、流入の圧力が送風機12を必要としないような場合、または、供給ライン1aがガス製品の蒸気がシステムから流出するために利用される場合に、分岐ライン1dを介してバイパス供給ライン1cが利用され得る。
【0045】
図7を参照すると、第3の移送態様では、液体ガス製品は、流出ライン11aを通じて、貯蔵部1からガス製品の消費者、ガス製品の輸送者、または外部のガス製品貯蔵部に移送され得る。同時に、ガス製品の蒸気は、供給ライン1aを通ってシステムに戻される。このような同時供給および同時流出は、例えば、容器式貯蔵部にシステムから液体ガス製品が供給され、容器式貯蔵部からのガス製品の蒸気がシステムに戻される場合に起こり得る。ガス製品の蒸気は、熱交換器2を経由して、貯蔵部1に流れる。前述したように、熱交換器2内の圧力は膨張弁6aによって制御される。加えてあるいはその代わりに、戻されたガス製品の蒸気流の圧力は、送風機12によって上昇され得る。有利なことに、熱交換器2内の圧力を高めると、冷却効率が向上する。これは、貯蔵部内の液体が冷えていても温まっていても、あらゆる条件下で有益である。
【0046】
引き続き図7を参照すると、第4の移送態様では、液体ガス製品は、流出ライン11aを通じて、貯蔵部1からガス製品の消費者、ガス製品の輸送者、または、外部のガス製品の貯蔵部に移送され得る。同時に、ガス製品の蒸気は、供給ライン1aおよび分岐供給ライン1dを通って、外部供給源から貯蔵部1に直接戻される。戻されたガス製品の蒸気および貯蔵部1の冷却は、液体ガス製品の流れの一部を、交差接続部11eを介して貯蔵部1から供給ライン1aに再ルートすることによって達成される。この液体ガス製品の流れの一部は、熱交換器2において冷却またはサブクールされる。熱交換器2を流れた後、液体ガス製品の流れの冷却またはサブクールされた部分は、次に貯蔵部1のアレージ空間に噴霧される。有利なことに、貯蔵部1内の液体が温かい場合、第4の移送態様によって冷却が改善される。
【0047】
引き続き図7を参照しながら、次に、外部供給源から貯蔵部1への液体ガス製品の移送について説明する。第5の移送態様では、液体ガス製品が、流出ライン11a、交差接続部11d、供給ライン1aを通ってシステムに移送され、熱交換器2に入る。その後、液体ガス製品は熱交換器2を通過し、貯蔵部1に送られる。同時に、ガス製品の蒸気は、貯蔵部1から分岐供給ライン1dおよび供給ライン1aを通って、ガス製品の消費者、輸送者、または、外部貯蔵部へ直接流れる。第5の移送態様は、温かく加圧された液体ガス製品を外部供給源からシステムに供給する場合に好ましい。このような供給は、好ましくは外部供給ポンプによって駆動される。
【0048】
引き続き図7を参照すると、第6の移送態様では、ガス製品の蒸気が貯蔵部1から第2の圧縮機9に移送される。圧縮されたガス製品の蒸気は、第2の圧縮機9から、第8の流路10h、更なるバイパスライン10i、および、供給ライン1aを通ってシステムから流出する。液体ガス製品は、流出ライン11a、交差接続部11d、供給ライン1aを通って、システムに移送され、熱交換器2に入る。第6の移送態様は、外部供給源における液体ガス製品の供給流の圧力が、システムへの供給流の主な駆動力である場合に、温かく加圧された液体ガス製品を外部貯蔵部から充填するのに有利である。この場合、圧縮機3および/または第2の圧縮機9は、外部供給源からシステムへの流れを調整することができる。
【0049】
引き続き図7を参照すると、第7、第8、第9の移送態様では、液体ガス製品は貯蔵部1に直接移送され得る。液体ガス製品は、流出ライン11aおよび第1の流出ライン分岐11b、および/または第2の流出ライン分岐11cを通って貯蔵部1に流れる。第7の移送態様では、ガス製品蒸気が同時に貯蔵部1から流出し、分岐供給ライン1dおよび供給ライン1aを通って、外部のガス製品の消費者、輸送者、または貯蔵部に供給される。有利なことに、ガス製品の蒸気が液体ガス製品をシステムに供給する外部貯蔵部に流入する場合、外部貯蔵部が破損しないことが保証される。さらに、圧縮機3、第2の熱交換器4および膨張弁6を利用した直接冷却サイクルを動作させることにより、貯蔵部1内のガス製品の蒸気を冷却することができる。冷却されたガス製品は、第6の流路10fを通って貯蔵部1に戻される。有利なことに、第7の移送態様は、ガス製品の低い移送速度またはサブクールされたガス製品の移送に適している。第7の移送態様は、熱交換器がメンテナンスなどの理由でオフラインである場合にさらに有利であり、それによって間接冷却回路の使用が回避される。
【0050】
引き続き図7を参照すると、第8の移送態様では、ガス製品の蒸気は、第2の圧縮機9を経由して、第8の流路10h、更なるバイパスライン10iおよび供給ライン1aを通って、例えば外部の消費者、輸送者、または貯蔵部に流れる。有利なことに、外部の消費者、輸送者、または貯蔵部が、貯蔵部1から受け取ったガス製品の蒸気を処理できる場合、第8の移送態様では、高いガス製品流量での供給および流出が可能になる。ガス製品の蒸気は、外部貯蔵部が破損しないように、および/または貯蔵部1内の圧力が維持されるように、外部貯蔵部に流れる。この流れは、外部貯蔵部の貯蔵圧力が提供できる流量よりも高い流量を必要とするため、第2圧縮機によって駆動される。
【0051】
引き続き図7を参照すると、第9の移送態様では、貯蔵部1からのガス製品の蒸気が間接冷却サイクルで冷却され、凝縮した形で貯蔵部に戻される。有利なことに、ガス製品の蒸気が外部貯蔵部に戻されない場合でも、貯蔵部の効率的な冷却と高い流量が可能になる。ガス製品の蒸気は、貯蔵部1から第5の流路10eおよび第7の流路10gを通って第2の圧縮機9に流れる。加圧されたガス製品の蒸気は、その後、第8の流路10hおよび供給ライン1aの一部を通って熱交換器2に流れる。熱交換器2では、ガス製品の蒸気が間接冷却サイクルによって冷却される。その後、ガス製品は貯蔵部1に戻される。有利なことに、第9の移送態様では、ガス製品の輸入中に貯蔵部内の冷却と圧力調整を可能にする。これにより、冷却剤がタンク圧力に依存しないため、より速いガス製品流量が可能になる。これはまた、外部貯蔵部がボイルオフガス処理能力または大気タンクを持たず、外部貯蔵部の圧力を維持するために貯蔵部1からの蒸気流を必要とする場合でも、高速流量を可能にする。あるいは、ガス製品の蒸気は、貯蔵部1から直接、外部供給源、消費者、輸送者、または外部貯蔵部に流れ得る。この場合、ガス製品の蒸気は、第8の流路10h、更なるバイパスライン10i、供給ライン1a、およびバイパス供給ライン1cを通ってシステムから排出される。
【符号の説明】
【0052】
1 貯蔵部
1a 供給ライン
1a’ 第1の制御弁
1a’’ 第2の制御弁
1a’’’ 第3の制御弁
1a’’’’ 第4の制御弁
1b 第2の供給ライン
1c バイパス供給ライン
1c’ 制御弁
1d 分岐供給ライン
1d’ 制御弁
1e 補助流入ライン
1e’ 第1の制御弁
1e’’ 第2の制御弁
2 熱交換器
2a 供給入口
2b 供給出口
2c 冷却剤入口
2d 冷却剤出口
2e 液体回収容器
2f 冷却剤チャネル
3 圧縮機
3a ドラム
4 第2の熱交換器
5 受容部
5a 液面検出器
6 膨張弁
6a 第2の膨張弁
7 ベントライン
7’ 制御弁
8 ポンプ
9 第2の圧縮機
10a 第1の流路
10a’ 制御弁
10b 第2の流路
10b’ 制御弁
10c 第3の流路
10d 第4の流路
10d’ 制御弁
10e 第5の流路
10e’ 制御弁
10f 第6の流路
10f’ 制御弁
10g 第7の流路
10g’ 制御弁
10g’’ 第2の制御弁
10h 第8の流路
10h’ 制御弁
10i 更なるバイパスライン
10i’ 制御弁
11 ポンプ
11a 流出ライン
11a’ 制御弁
11a’’ 第2の制御弁
11b 第1の流出ライン分岐
11b 制御弁
11c 第2の流出ライン分岐
11c’ 制御弁
11d 蒸気流出ライン
11d’ 制御弁
11e 交差接続部
11e’ 制御弁
11f 補助流出ライン
11f’ 第1の制御弁
11f’’ 第2の制御弁
12 送風機
図1A
図1B
図2A
図2B
図3
図4
図5
図6
図7
【手続補正書】
【提出日】2024-07-18
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
ガス製品の冷却のためのシステムであって、
ガス製品を前記システムに供給するための供給ライン(1a)、
前記液化ガス製品を含む貯蔵部(1)であって、前記貯蔵部(1)が前記供給ライン(1a)に接続されている、貯蔵部(1)、および
前記供給ライン(1a)を通って前記貯蔵部(1)に流れるガス製品を間接的に冷却するための冷却回路を含むシステムであって、前記冷却回路は冷却剤として前記ガス製品を含み、前記ガス製品は石油ガスまたはアンモニアからなり、
前記冷却回路はさらに
凝縮された冷却剤を気化させ、前記貯蔵部(1)に流入する前記ガス製品を冷却するための熱交換器(2)であって、前記熱交換器(2)は前記供給ライン(1a)に接続されている、熱交換器(2)、
前記熱交換器(2)から排出される気化した冷却剤を圧縮するための圧縮機(3)であって、前記圧縮機(3)の入口側が、第1の流路(10a)によって前記熱交換器(2)に接続されている圧縮機(3)、
前記圧縮機(3)から排出される圧縮された冷却剤を凝縮するための第2の熱交換器(4)であって、前記圧縮機(3)の出口側が、第2の流路(10b)によって前記第2の熱交換器(4)に接続されている、第2の熱交換器(4)、および
前記第2の熱交換器(4)から排出される凝縮された冷却剤の膨張冷却用の膨張弁(6)であって、前記膨張弁(6)は、第3の流路(10c)によって前記第2の熱交換器(4)に接続され、第4の流路(10d)によって前記熱交換器(2)の入口(2c)に接続されている、膨張弁(6)を含む、システム。
【請求項2】
前記熱交換器(2)と前記貯蔵部(1)の間の前記供給ライン(1a)上に配置された第2の膨張弁(6a)とをさらに含む、請求項1に記載のシステム。
【請求項3】
前記熱交換器(2)と前記圧縮機(3)の間に配置されたドラム(3a)とをさらに含む、請求項1~2のいずれか一項に記載のシステム。
【請求項4】
前記第2の熱交換器(4)と前記膨張弁(6)との間に配置された受容部(5)と、任意選択で、前記受容部(5)内の液面を検出するための液面検出器(5a)とをさらに含む、請求項1に記載のシステム。
【請求項5】
前記熱交換器(2)に接続されたベントライン(7)をさらに含み、前記熱交換器は供給流チャネルを含み、前記ベントライン(7)は前記供給流チャネルに接続され、前記ベントライン(7)は任意選択で制御弁(7’)を含む、請求項1に記載のシステム。
【請求項6】
前記貯蔵部(1)は、液体ガス製品を圧送するためのポンプ(8)をさらに含み、前記ポンプ(8)は、前記熱交換器(2)の供給入口(2a)に接続されている、請求項1に記載のシステム。
【請求項7】
前記システムは直接冷却回路をさらに含み、前記直接冷却回路は、
前記貯蔵部(1)から前記圧縮機(3)へ延びる第5の流路(10e)、および
前記膨張弁(6)から前記貯蔵部(1)に延びる第6の流路(10)を含む、請求項1に記載のシステム。
【請求項8】
前記貯蔵部(1)に接続された第2の圧縮機(9)をさらに含む、請求項7に記載のシステム。
【請求項9】
供給ライン(1a)に接続された送風機(12)をさらに含む、請求項1に記載のシステム。
【請求項10】
ガス製品の冷却のための方法であって、
請求項1に記載のシステムを提供すること、
前記供給ライン(1a)を通って前記貯蔵部(1)にガス製品の供給流を供給すること、および、
前記供給流が前記貯蔵部(1)に入る前に、前記冷却回路によって前記供給流を間接冷却サイクルで冷却すること、を含み、前記ガス製品は石油ガスまたはアンモニアからなる、方法。
【請求項11】
熱交換器(2)において、前記ガス製品からパージガスが分離される、請求項10に記載の方法。
【請求項12】
液化ガス製品が、流出ライン(11a)を介して前記貯蔵部(1)から外部貯蔵部に流れ、ガス製品の蒸気が、前記供給ライン(1a)を介して前記貯蔵部(1)に流れ、前記ガス製品の蒸気が、前記間接冷却サイクルによって前記熱交換器(2)で冷却される、請求項10~11のいずれか一項に記載の方法。
【請求項13】
前記熱交換器(2)内の前記ガス製品の蒸気の圧力は、前記第2の膨張弁(6a)および/または送風機(12)によって調節される、請求項12に記載の方法。
【請求項14】
前記外部貯蔵部は容器式貯蔵部である、請求項12に記載の方法。
【請求項15】
外部供給源からの液体ガス製品が、流出ライン(11a)を介して前記貯蔵部(1)に直接流れ、
ガス製品の蒸気は、前記貯蔵部(1)から前記第2の圧縮機(9)を介して、外部の消費者、輸送者、もしくは、貯蔵部に流れる、または、
ガス製品の蒸気は、前記貯蔵部(1)から前記熱交換器(2)を通って流れ、前記間接冷却サイクルによって冷却された後、前記貯蔵部(1)に戻る、請求項10~11のいずれか一項に記載の方法。
【国際調査報告】