(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-10-31
(54)【発明の名称】容器、アセンブリ、および容器の内容物を識別する方法
(51)【国際特許分類】
D06F 39/02 20060101AFI20241024BHJP
A47L 15/44 20060101ALN20241024BHJP
【FI】
D06F39/02 Z
A47L15/44
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2024529889
(86)(22)【出願日】2022-11-15
(85)【翻訳文提出日】2024-07-03
(86)【国際出願番号】 EP2022081869
(87)【国際公開番号】W WO2023094202
(87)【国際公開日】2023-06-01
(31)【優先権主張番号】PCT/CN2021/132347
(32)【優先日】2021-11-23
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
(32)【優先日】2021-12-16
(33)【優先権主張国・地域又は機関】EP
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】521042714
【氏名又は名称】ユニリーバー・アイピー・ホールディングス・ベスローテン・ヴェンノーツハップ
(74)【代理人】
【識別番号】100114188
【氏名又は名称】小野 誠
(74)【代理人】
【識別番号】100119253
【氏名又は名称】金山 賢教
(74)【代理人】
【識別番号】100124855
【氏名又は名称】坪倉 道明
(74)【代理人】
【識別番号】100129713
【氏名又は名称】重森 一輝
(74)【代理人】
【識別番号】100137213
【氏名又は名称】安藤 健司
(74)【代理人】
【識別番号】100183519
【氏名又は名称】櫻田 芳恵
(74)【代理人】
【識別番号】100196483
【氏名又は名称】川嵜 洋祐
(74)【代理人】
【識別番号】100160255
【氏名又は名称】市川 祐輔
(74)【代理人】
【識別番号】100219265
【氏名又は名称】鈴木 崇大
(74)【代理人】
【識別番号】100228980
【氏名又は名称】副島 由加里
(74)【代理人】
【識別番号】100151448
【氏名又は名称】青木 孝博
(74)【代理人】
【識別番号】100146318
【氏名又は名称】岩瀬 吉和
(74)【代理人】
【識別番号】100127812
【氏名又は名称】城山 康文
(72)【発明者】
【氏名】チェン,ハオ
(72)【発明者】
【氏名】シェン,ジュン
(72)【発明者】
【氏名】ジャン,リシャオ
【テーマコード(参考)】
3B082
3B166
【Fターム(参考)】
3B082CC02
3B166AE01
3B166AE07
3B166BA28
3B166BA32
3B166BA82
3B166FA12
3B166FB01
(57)【要約】
アセンブリ(100)は、容器本体(13)および少なくとも1つの突起(102)を備える容器(10)と、複数の送受信機ペア(110)を備える識別装置(120)とを備える。各送受信機ペアは、信号(116)を送信するための一つの送信機(112)、および送信機(112)から送信された信号(116)を検出するように構成された一つの受信機(114)で形成され、少なくとも1つの突起(102)の各々は、容器(10)が識別装置(120)に結合されたときに一つの送受信機ペア(110)の間の信号(116)をブロックするように位置決めされることを特徴とする。容器(10)の内容物を識別する方法。
【選択図】
図4A
【特許請求の範囲】
【請求項1】
アセンブリ(100)であって、
容器本体(13)および少なくとも1つの突起(102)を備える容器(10)と、
複数の送受信機ペア(110)を備える識別装置(120)であって、各ペアは、信号(116)を送信するための一つの送信機(112)、および前記送信機(112)から送信された前記信号(116)を検出するように構成された一つの受信機(114)で形成される識別装置(120)と
を備え、
前記少なくとも1つの突起(102)の各々は、前記容器(10)が前記識別装置(120)に結合されたときに一つの前記送受信機ペア(110)の間の信号(116)をブロックするように位置決めされることを特徴とする、
アセンブリ(100)。
【請求項2】
前記容器(10)は、キャップ(50)を備え、前記少なくとも1つの突起(102)は、前記キャップ(50)から延びる、請求項1に記載のアセンブリ(100)。
【請求項3】
前記少なくとも1つの突起(102)の数および/または構成は、送受信機ペア(110)間でブロックされる前記1つまたは複数の信号(116)を画定する、請求項1または2に記載のアセンブリ(100)。
【請求項4】
送受信機ペア(110)間でブロックされる信号(116)の数および/または構成は、前記容器(10)の内容物を示す、請求項1または2に記載のアセンブリ(100)。
【請求項5】
前記識別装置(120)は、前記識別装置(120)を、自動投入機能を有する洗浄機器(200)に接続するための係合手段(122)をさらに備える、請求項1または2に記載のアセンブリ(100)。
【請求項6】
前記送信機(112)および前記受信機(114)は、非接触検出を提供するように構成される、請求項1または2に記載のアセンブリ(100)。
【請求項7】
前記容器(10)は、洗浄剤を分配するための前記容器本体(36)の表面上の開口部と、前記洗浄剤の液体の流れを制御するための弁(60)とをさらに備え、前記開口部(36)は、前記容器(10)から前記洗浄機器(200)に液体導管(24)を提供するために前記識別装置(120)と協働するように構成される、請求項5に記載のアセンブリ(100)。
【請求項8】
前記少なくとも1つの突起(102)は、前記容器(10)または容器キャップ(50)と一体的に形成される、請求項1または2に記載のアセンブリ(100)。
【請求項9】
前記少なくとも1つの突起(102)は、非導電性材料および/または防水性材料で作製される、請求項1または2に記載のアセンブリ(100)。
【請求項10】
前記少なくとも1つの突起(102)は、スペクトルの赤外線、紫外線、および/または可視部分の光に対して不透明な材料で作製される、請求項1または2に記載のアセンブリ(100)。
【請求項11】
前記突起(102)は、プラスチック材料で作製される、請求項1または2に記載のアセンブリ(100)。
【請求項12】
前記容器(10)は、洗浄機器(200)の洗浄剤分配ユニット(202)のインサート(204)内に載置されるように構成されたカートリッジである、請求項1または2に記載のアセンブリ(100)。
【請求項13】
容器(10)の内容物を識別する方法であって、前記方法は、
複数の送受信機ペア(110)を備える識別装置(120)を設けるステップであって、各ペアは、信号(116)を送信するための一つの送信機(112)、および前記送信機(112)から送信された前記信号(116)を検出するように構成された一つの受信機(114)で形成されるステップと、
容器本体(13)および少なくとも1つの突起(102)を備える容器(10)を設けるステップと
を含み、
前記方法は、
前記少なくとも1つの突起(102)が一つの前記送受信機ペア(110)の間の信号(116)をブロックするように位置決めされるように、前記容器(10)を前記識別装置(120)に結合するステップと、
ブロックされた送信機信号(116)の数および/または構成に基づいて前記容器(10)の内容物を識別するステップと
をさらに含むことを特徴とする、
方法。
【請求項14】
前記方法は、洗浄剤容器が検出されない場合に警告信号を生成するステップをさらに含む、請求項13に記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、洗浄機器用の容器、アセンブリ、および容器の内容物を識別する方法に関する。
【背景技術】
【0002】
自動投入機用のカートリッジは、典型的には、剛性の外側容器と、機械に接続して使用のために内容物の一部を機械に自動的に投入するための接続部分とを有していた。カートリッジの外側は剛性であるため、内容物が空になったときに空気を入れるために、カートリッジ本体のどこかに弁構造を有する必要があった。このような弁では、弁を通してカートリッジの内容物が漏れることがあった。これは、カートリッジの搬送中に特に問題となる。提案された解決策は、より高価で設置が困難である、かなり複雑な構造の弁を提供していた。
【0003】
いくつかのそのようなカートリッジは、自動投入機用のインテリジェントシステムをさらに含み、システムは、機械に追加された洗浄剤のタイプを認識することが可能であった。中国特許出願公開第113152032号明細書は、自動分配のための洗剤ボックス用のインテリジェント識別装置を開示している。システムは、貯蔵ボックスであって、複数の位置の形態で貯蔵ボックス上に配置された識別コードを有する貯蔵ボックスと、複数の導電性構成要素が設けられたスイッチアセンブリとを備える。液体貯蔵ボックスが分配ユニットの設置ステーションに載置されると、対応する導電性構成要素は、貯蔵ボックスの識別コードの識別位置を通して接続または切断されるように制御される。これは、腐食しやすいシステムの導電性部品に対して金属材料を使用することが多い。さらに、洗浄剤と接触するシステムの部品は、防水性である必要がある。
【0004】
国際公開第2021151727号は、洗浄装置用の洗剤容器、導電性接点を備える接触装置、洗浄装置を動作させるための方法および装置、ならびに洗浄装置を開示している。洗剤容器は、ハウジングと、導電性の接触領域とを有する。接触領域は、洗剤容器の内容物を表す内容物コーディング(content coding)を表す。ハウジングが挿入状態にあるとき、内容物コーディングを認識するために接触装置を使用して接触領域に接触することができる。金属部品を洗剤容器に追加することは費用がかかり、露出した導電性接点は腐食しやすい。
【0005】
国際公開第2007027809号は、複数のポートで容器から受け取った異なる化学物質の分配を制御するシステムを開示している。各容器は、容器内の化学物質を識別するデータをその上に有する。システムは、各容器からデータを読み取り、どのポートが各化学物質に関連付けられているかを決定する。所与の化学物質が必要とされると、システムは、その所与の化学物質に関連付けられたポートに結合された流量制御装置を作動させ、それによって所与の化学物質を消費装置に供給する。
【0006】
独国特許出願公開第10201770号明細書は、物質の充填レベルを決定するために容器の少なくとも部分的に外側に配置された充填レベルセンサを有する乗り物を開示している。故障に対する充填レベルセンサの感受性が、大幅に低減されている。本発明によれば、これは、レベルセンサが、放射線を放出するための少なくとも1つの送信機と、放出された放射線を受信するための受信機とを有することで達成される。
【0007】
米国特許出願公開第2013135621号明細書は、物理リソース消費装置において使用するための物理リソースの少なくとも1つの特性を決定するための方法および装置を開示している。
【0008】
したがって、従来技術の欠点の1つまたは複数を克服する、容器および/または内容物のインテリジェント識別のためのアセンブリが提案され、以下に詳述される。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0009】
【特許文献1】中国特許出願公開第113152032号明細書
【特許文献2】国際公開第2021151727号
【特許文献3】国際公開第2007027809号
【特許文献4】独国特許出願公開第10201770号明細書
【特許文献5】米国特許出願公開第2013135621号明細書
【発明の概要】
【0010】
第1の態様によれば、アセンブリは、容器本体および少なくとも1つの突起を備える容器と、複数の送受信機ペアを備える識別装置とを備えることが提供される。各送受信機ペアは、信号を送信するための一つの送信機、および送信機から送信された信号を検出するように構成された一つの受信機で形成され、少なくとも1つの突起の各々は、容器が識別装置に結合されたときに一つの送受信機ペアの間の信号をブロックするように位置決めされることを特徴とする。
【0011】
そのようなアセンブリは、追加のユーザ入力を必要とせずに洗浄機器で使用するための特定の容器(および/またはその中の内容物)を自動的に識別する単純で効果的な方法を提供する。送受信機ペア間の1つまたは複数の信号をブロックするために1つまたは複数の突起を使用することにより、送受信機ペアがいくつ含まれるかに応じて、多数の異なる内容物/容器を識別することが可能になり得る。
【0012】
好ましくは、容器は、キャップを備え、少なくとも1つの突起は、キャップから延びる。1つまたは複数の突起は、キャップと一体的に形成することができ、または別々に形成してキャップに接続することができる。そのような構成は、識別突起を単純な場所に位置させることを可能にする。加えて、そのようなシステムでは、カートリッジに異なる内容物を補充することができ、識別キャップは、システムに対する新しい内容物を適切に識別するために変更する必要がある唯一のものである。
【0013】
少なくとも1つの突起の数および/または構成は、送受信機ペア間でブロックされる1つまたは複数の信号を画定する。任意選択で、送受信機ペア間でブロックされる信号の数および/または構成は、容器の内容物を示す。そのようなシステムは、容器が存在するかどうか、そして次にどの容器(または内容物)が存在するかを識別するために設定された数および構成に依存する。これによりユーザは容器を洗浄システムに挿入することができ、容器または内容物のタイプを入力する必要がなく、それによってユーザ体験がより容易になり、ユーザエラーが排除される。
【0014】
識別装置は、識別装置を、洗濯機、食器洗い機、カーペット洗浄機、または電子石鹸ディスペンサなどの自動投入機能を有する洗浄機器に接続するための係合手段をさらに備えてもよい。
【0015】
係合手段は、一度に1つまたは複数の容器を接続することを可能にすることができ、投入機能を制御するための追加の部品および/またはシステムを提供することができる。
【0016】
送信機および受信機は、非接触検出を提供するように構成されてもよい。そのような非接触検出は、接触システムにおいて腐食および誤動作を引き起こす可能性がある水溶液を有する容器を扱う場合に特に有用である。
【0017】
アセンブリに使用するための容器が提供される。そのような容器は、例えば、剛性の外側本体と、外側本体の少なくとも部分的に内側にある可撓性の内側本体と、容器を洗浄機器に結合するためのカプラとを備えることができる。内側本体は、ある量の洗浄剤を収容するように構成された洗浄剤空間を画定し、カプラと協働して容器からの液体の流れを可能にするように構成された液体導管を形成するように接続手段によって外側本体に接続される。あるいは、容器および/またはキャップの一部が1つまたは複数の送受信機ペアと相互作用する1つまたは複数の突起を含む限り、他のタイプの容器をアセンブリと共に使用することができる。
【0018】
容器は、洗浄剤を分配するための本体の表面上の開口部と、洗浄剤の液体の流れを制御するための弁とをさらに備えてもよく、開口部は、容器から洗浄機器に液体導管を提供するために識別装置と協働するように構成される。
【0019】
少なくとも1つの突起は、キャップの一体部分であってもよく、これは、例えば成形または印刷によりキャップと一体的に形成されることを意味する。代替的または追加的に、少なくとも1つの突起は、容器の本体と一体的に形成することができる。あるいは、少なくとも1つの突起を別々に形成し、所望の場所で容器および/またはキャップに接合することができる。
【0020】
少なくとも1つの突起は、非導電性材料および/または防水性材料、例えばプラスチックで作製されてもよい。そのような材料は、典型的には液体であり、腐食性であり得る洗浄剤と共に使用するのに特に適している。任意選択で、少なくとも1つの突起は、スペクトルの赤外線、紫外線、および/または可視部分の光に対して不透明な材料で作製される。これは、より容易に誤動作または故障する可能性がある電気接点または他の複雑な部品を必要とせずに、送信機と受信機のペアの間の伝送をブロックする単純な方法である。
【0021】
好ましくは、容器は、洗浄機器の洗浄剤分配ユニットのインサートに結合するように構成されたカートリッジの形態である。そのような機器は、様々な洗浄剤に対して1つまたは複数、例えば、2~10個のインサートを有することができる。識別システムは、特定のカートリッジの自動識別を可能にし、次いで洗浄機器は、過剰なユーザ入力なしに、どの洗浄剤が利用可能であり、それに応じて投入するかを知ることができる。
【0022】
容器の内容物を識別する方法は、複数の送受信機ペアを備える識別装置を設けるステップと、容器本体および少なくとも1つの突起を備える容器を設けるステップとを含み、方法は、少なくとも1つの突起が一つの送受信機ペアの間の信号をブロックするように位置決めされるように、容器を識別装置に結合するステップと、ブロックされた送信機信号の数および/または構成に基づいて容器の内容物を識別するステップとをさらに含むことを特徴とする。
【0023】
そのような方法は、ユーザ入力を必要とせずに単純な方法で容器(およびその中の内容物)の識別を可能にする。少なくとも1つの突起は、送信機からの少なくとも1つの信号をブロックするように構成され、システムは、送受信機ペアで受信およびブロックされた信号の構成に基づいて容器を識別することができる。これは、プロセッサ、コンピュータ、メモリ(例えば、ルックアップテーブル)、および他の構成要素を使用して、信号およびブロックされた信号の構成を特定の容器および内容物と相関させることができる。
【0024】
方法は、係合手段によって識別装置を洗浄機器に接続するステップをさらに含んでもよい。あるいは、識別装置は、洗浄機器の一部であってもよい。
【0025】
方法は、容器と洗浄機器との間の液体導管が形成されるように容器を識別装置に接続するステップを含む。
【0026】
方法は、洗浄剤容器が洗浄機器内で検出されない場合に警告を生成するステップをさらに含んでもよい。
【発明を実施するための形態】
【0027】
実施例を除いて、または他に明示的に示されている場合を除いて、材料の量または反応の条件、材料の物理的性質および/または使用を示す本明細書のすべての数字は、「約」という語によって修飾されていると理解されてもよい。
【0028】
値の任意の範囲を指定する際に、任意の特定の上限値を任意の特定の下限値に関連付けることができることに留意されたい。
【0029】
誤解を避けるために、「備える(comprising)」という語は、「含む(including)」を意味することを意図しているが、必ずしも「からなる(consisting of)」または「から構成される(composed of)」を意味するものではない。言い換えれば、列挙されたステップまたは選択肢は、網羅的である必要はない。
【0030】
本明細書に見られる本発明の開示は、請求項が複数の従属性または冗長性なしに見出され得るという事実にかかわらず、互いに複数従属するものとして請求項に見られるすべての実施形態を網羅すると考えられるべきである。
【0031】
本発明の特定の態様(例えば本発明の組成)に関して特徴が開示されている場合、そのような開示は、必要な変更を加えて、本発明の任意の他の態様(例えば本発明の方法)にも適用されると考えられるべきである。
【0032】
本出願では、「容器」および「カートリッジ」という用語は、相互に排他的または限定的であることを意味するものではなく、代わりに互換的に使用することができることに留意されたい。
【0033】
容器は、典型的には、洗浄剤の自動投入機能を有する洗浄機器に挿入されるのに適したカートリッジの形態をとる。適切な洗浄機器は、例えば、洗濯機、食器洗い機、モップ、または何らかのタイプの洗浄剤を使用または必要とする他の洗浄装置であり得る。
【0034】
カートリッジは、剛性の外側本体と、外側本体の内側の可撓性の内側本体とを含む。外側本体は、4つの側面を有するプリズムの形状、および外側本体開口部を有することが多いが、異なる実施形態は、異なる構成および/または形状、例えば円筒形をとることができる。内側本体は、洗浄空間内に洗浄剤を収容するためのものである。
【0035】
内側本体開口部および外側本体開口部は、典型的には、(例えば、洗浄機器に)カートリッジからの洗浄剤の流れを可能にするように位置合わせされる。内側本体および外側本体は、例えば、接着剤、溶接、ステッチ、機械的手段などであり得る接続手段によって、それぞれの開口部の周りに接続することができる。カートリッジは、外側本体開口部の周りで外側本体の基部上に載置されたキャップを有することができる。キャップは、洗浄剤の流れを制御するための手段を含むことができる。キャップは、締結手段、例えば、ねじ山によって外側本体開口部上に取り付けることができるが、締まりばめ、ラッチなどの他の手段であってもよい。いくつかの実施形態では、追加のキャップまたはカバーを貯蔵および/または搬送に使用することができる。
【0036】
内側本体は、内側本体の外側面を外側本体の内側面に接続する1つまたは複数の直線接続部によって外側本体にさらに固定することができる。これらは、長手方向および/または側面の周りにあってもよい(例えば、半径方向に)。いくつかの例では、直線接続部は、外側本体の長さに沿って延びる1つの長い接続部、または例えば、各側面上の本体に沿った一連の短い/点の接続部の形態であり得る。これは、接着剤、溶接、ステッチ、機械的手段などによって達成することができる。
【0037】
カートリッジと洗浄機器との間の接続部は、キャップ上の接続インサートを、洗浄機器の一部であり得るかまたは別々であり得る負圧装置に結合することによって形成することができる。接続部は、洗浄剤の正確な排出を可能にするために気密であり得る。この接続部は、ねじ山、締まりばめ、または互いに2つの部品を固着することができる任意の他の手段を介することができる。
【0038】
キャップは、液体がキャップを通って流れることを可能にするキャップ開口部をさらに備えることができる。このようにして、液体導管がカートリッジと洗浄機器との間に形成される。負圧下では、洗浄剤は、内側本体内の洗浄剤空間から、キャップ開口部および負圧装置を通って洗浄機器内に排出され得る。
【0039】
使用前に、カートリッジ内側本体は、洗浄剤空間の容積を最大化するように伸張され、内側本体は、カートリッジの外側本体とほぼ完全に一致する。カートリッジが使用されているとき、洗浄剤は、カートリッジから定期的に排出される。洗浄剤が排出されるにつれて、洗浄剤空間の容積は減少し、内側本体は、1つまたは複数の直線接続部の周りを除いて外側本体から分離する。同時に、(剛性の)外側本体の内側および可撓性の内側本体の外側の未使用空間の容積が増加する。未使用空間は、洗浄剤が排出されるにつれて、内側本体、そしてそのような内側本体の容積が減少するにつれて空気で満たされる。洗浄剤空間の容積および未使用空間の容積は、一緒になって、外側本体の容積に常に加わる。これにより、洗浄剤を排出する際の洗浄剤空間の容積が減少するほど、未使用空間の容積が増加する。外側本体は、例えば、未使用空間と環境との間の圧力平準化を可能にする直線接続部または他の手段から離れた1つまたは複数の空気開口部を有することができる。洗浄剤がほとんどまたは完全に使用された場合、洗浄剤空間は最小化され、未使用空間の容積は最大化される。
【0040】
外側本体の内側に可撓性の内側本体を使用することによって、カートリッジは、複雑な空気弁(およびそこからの漏れ)を必要とせずに、ほぼ完全に内容物を保持および空にすることができる。背景技術で説明したように、従来のカートリッジは、典型的には、空にするための空気弁を必要とする剛性の外側のみを有していた。液体は、時々その弁から漏れる。代わりに可撓性の内側本体を使用することによって、外側本体には単純な通気孔のみが必要であり、内容物は内側本体に完全に収容されているので漏れない。内側本体の可撓性は、カートリッジの内容物をより完全に空にすることを可能にし、その結果、無駄が少なくなる。1つまたは複数の直線接続部の使用は、内容物が内側に詰まったり閉じ込められたままにならないように、内側本体が空になることを保証する単純な方法を提供する。したがって、出口が位置合わせされた外側本体および可撓性の内側本体のカートリッジを形成することにより、(複雑な空気弁がないために)製造がより容易であり、漏れがなく、内部のすべての内容物をより完全に使用することができるより単純なカートリッジが提供される。
【0041】
カートリッジが洗浄機器に接続されていないとき、カートリッジからの液体の流れを制御し、かつ洗浄剤のこぼれを防止するために、典型的には、弁がキャップの上または中、およびキャップ開口部の上に載置される。弁は、様々な形態、例えば、シリコンクロスピース、ダックビル弁、変形可能なボール弁、または他の弁構造を有することができる。
【0042】
カートリッジは、カートリッジの内容物を検出するように構成された識別装置と結合される。そのようなアセンブリは、1つまたは複数の識別突起を有するカートリッジと、識別装置とを備える。
【0043】
識別装置は、キャップのインサートの内側に嵌合するように配置された管状コネクタを有することができる。これは、前述のものと同様の方式でカートリッジからの流出を可能にする中空コネクタであり得る。係合手段は、識別装置を洗浄機器に接続し、カートリッジからデータまたは情報を転送するために使用される。係合手段は、例えば相補的な突起および空洞など、多くの形態をとることができる。係合手段はまた、電力を識別装置およびその構成要素に供給するために使用することができる電気接続部として機能することができる。
【0044】
識別装置は、多数の、例えば4つの送受信機ペアを有する。各送受信機ペアは、一つの送信機と、一つの受信機とを含む。送信機は、信号を受信機に向けて送信する。信号は、非接触検出に適した任意のタイプの信号、例えば、赤外線、可視光、または紫外線であり得る。送信機および受信機は、特定の送受信機ペアの受信機のみがそのペアの送信機の信号を検出することができるが、他の受信機は検出することができないように構成される。これは、例えば、信号の方向および/または強度を介するものであり得る。
【0045】
カートリッジのキャップは、典型的には、カートリッジの内容物を識別するための少なくとも1つの識別突起を備えるが、いくつかの状況では、キャップは突起を含まなくてもよい。1つまたは複数の識別突起は、(いくつかのカートリッジでは容器本体自体から延びることができるが)キャップから延び、カートリッジが識別装置に接続されたときに1つの特定の送受信機ペアの間に嵌合するように位置決めされる。識別突起は、送信機から受信機に送信される信号をブロックするように作製される。これにより、識別突起が特定の送受信機ペアの間に載置されると、その特定のペアの受信機は、そのペアの送信機によって送信された信号を受信することができない。
【0046】
識別装置は、受信機からの信号を処理し、それらをプロセッサによって読み取りおよび/または解釈することができるデジタル状態に変換するように構成される。そのようなプロセッサは、例えばコンピュータまたは他のシステムにおいて、識別装置、識別装置が接続される洗浄機器の一部であってもよく、またはその両方から分離していてもよい。送受信機ペアとプロセッサとの間の通信は有線であってもよく、データまたは情報は、係合手段または無線を介して転送される。例えば、受信機がそのペアの送信機から信号を受信した場合、識別装置はデジタル状態1を生成する。一方、送受信機ペア間の信号が識別突起によってブロックされる場合、識別装置はデジタル状態0を生成する。次いで、このデジタル状態情報をプロセッサに送信することができる。
【0047】
識別突起によってブロックされる信号の数および構成は、カートリッジの内容物についての識別コードを生成する。4つの送受信機ペアを有する例では、16個の異なる構成が存在する。これらは、最大15個の異なるカートリッジを識別するために使用することができ、またはより一般的には、4つの送受信機ペアの識別システムを使用してカートリッジ内の15個の異なる洗浄剤を区別することができる。すべての受信機がそのペアの送信機から信号を受信する構成は、典型的には、カートリッジが識別装置と結合されていない場合に対応するが、場合によっては、カートリッジが接続されていることを識別する別の方法があり、そのようなカートリッジは特定の内容物を示すこともできる。
【0048】
一例として、着色衣類用の洗剤を含むカートリッジは、プロセッサによって特定のカートリッジとして識別されるように配置された2つの識別突起を有することができ、一方、布地柔軟剤を含むカートリッジは、プロセッサによって別々のカートリッジとして識別されるように配置された3つの識別突起を有することができる。白色衣類用の洗剤を含む第3のカートリッジも3つの識別突起を有することができるが、3つの突起の構成に起因してプロセッサによって異なるものとして識別されるように配置される。したがって、プロセッサおよびシステムは、識別システムに基づいて特定のカートリッジの正確なタイプおよび量を識別および分配することができる。カートリッジが検出されない状況では、システムは、ユーザがカートリッジを挿入する必要があることを知るように、通知または警告を与えるようにプログラムすることができる。
【0049】
そのようなシステムは、食器洗い機、カーペット洗浄機、モップ、電気石鹸ディスペンサなどの洗濯機または他の洗浄機器内の特定のカートリッジ(および/またはカートリッジの内容物)を識別する単純であるが効果的な方法である。そのようなカートリッジは、自動投入機において特に有用であり得、自動投入機では、カートリッジを単に挿入することができ、識別装置は(送受信機ペアを通して)洗浄剤を有するカートリッジの存在を検出し、コーディング情報(突起の数および構成)を検出することによって内容物を識別し、内容物に応じて自動投入することができる。
【0050】
したがって、非接触である突起および送受信機ペアの使用は、特定のカートリッジおよびその中の内容物を識別する単純であるが迅速かつ効果的な方法を提供する。背景技術で述べたように、従来技術の識別システムは、しばしば金属接点を使用していた。そのような材料は、水溶液を使用する場合に腐食をもたらす可能性がある。非接触検出(例えば、赤外線、可視光、紫外線)を使用することによって、突起および送受信機ペアは接触する必要がなく、これにより寿命を改善し、部品を製造しやすくし(例えば、部品を接続するための厳しい公差レベルを満たす必要はない)、接触電極を有する金属部品を使用した過去のシステムに関連する腐食の問題を回避することができる。加えて、金属部品を使用しないことは、材料のコスト削減をもたらすことができる。
【0051】
洗浄機器は、各々がカートリッジを受け入れるように構成された2つ以上のカートリッジインサートを有する分配ユニットを含むことができる。カートリッジインサートの各々は、識別装置を有する。異なる製品を含むカートリッジを1つまたは複数のカートリッジインサート内に載置させ、それぞれの識別装置に結合することができる。例えば、一方のカートリッジは、その内容物として洗浄洗剤を有することができ、他方のカートリッジは、洗濯機で使用するための布地柔軟剤を有することができる。カートリッジをカートリッジインサートに挿入し、カートリッジを識別装置ならびに洗浄機器の負圧および/または投入装置に接続すると、液体導管は、洗浄剤がカートリッジから洗浄機器に排出され得るように、接続された要素を通して形成され得る。識別装置は、(プロセッサと通信する)送受信機ペアを通して、カートリッジが洗剤を含むことを認識し、消費者がシステムにカートリッジ内に何があるかを知らせる手動入力を必要とせずに、それに応じて投入する。
【0052】
同様に、カートリッジが布地柔軟剤を含む場合、カートリッジが挿入され、識別装置(プロセッサと通信する)が布地柔軟剤を含むものとしてカートリッジを識別する。そして、ユーザが内容物を手動で入力する必要なしに、その情報を使用してそれに応じて投入することができる。
【0053】
したがって、そのようなシステムは、多くのタイプの洗浄剤が洗浄機器またはシステムで使用される場合に特に有用であり得る。ユーザは、単に製品を含むカートリッジを挿入するだけでよく、識別装置は、特定のカートリッジおよび/または洗浄剤に関連する突起の数および構成を認識することによって内容物を識別し、正確に投入する。2つのカートリッジおよび識別装置が説明されているが、特定のシステムでは、より多くのまたはより少ない数のカートリッジおよび識別装置を使用することができる。
【図面の簡単な説明】
【0054】
【
図1C】洗浄剤用の容器のキャップ部分の周りの
図1Aの拡大領域を示す図である。
【
図2】洗浄機器に接続されたある量の洗浄剤を含むカートリッジを示す図である。
【
図3A】充填された使用前のカートリッジの断面図である。
【
図3B】部分的に使用された状態の
図3Aのカートリッジを示す図である。
【
図3C】空の状態またはほぼ完全に使用された状態の
図3Aのカートリッジを示す図である。
【
図4A】カートリッジおよび識別装置の側面図である。
【
図4C】識別突起を有するキャップの端面図である。
【
図5】2つのカートリッジが識別装置に挿入された洗浄機器の分配ユニットの側面図である。
【0055】
[実施例]
ここで以下の非限定的な実施形態を参照し、かつ図面を参照して、本発明をさらに説明する。図面は概略的なものにすぎず、限定的なものではない。図面では、いくつかの要素のサイズ、形状、および載置は誇張されており、例示目的のために縮尺通りに描かれていない場合がある。寸法および相対寸法は、本発明の実践に対する実際の縮小に対応しない。
【0056】
図1Aおよび
図1Bは、それぞれ、洗浄剤用の容器の長手方向図および横断面図を示す。容器は、洗浄剤の自動投入機能を有する洗浄機器200に挿入されるのに適したカートリッジの形態を有する。洗浄機器200は、例えば、洗濯機、食器洗い機、モップ、または他の洗浄装置であり得る。
【0057】
カートリッジ10は、剛性の外側本体12と、外側本体12の内側の可撓性の内側本体14とを備える。図示の外側本体12は、長方形の基部11、4つの側面15、および外側本体開口部36を有するプリズムの形状を有する。内側本体14は、内側本体開口部34を有し、洗浄剤空間16内にある量の洗浄剤を収容するように構成される。
【0058】
図1Aに示すように、内側本体開口部34および外側本体開口部36は、洗浄剤が洗浄剤空間16から内側本体開口部34および外側本体開口部36を通って外側に(例えば、洗浄機器200に)容易に排出され得るように位置合わせされる。内側本体14および外側本体12は、接続手段22によってそれぞれの開口部の周りに接続される。カートリッジ10は、外側本体開口部36の周りで外側本体12の基部11上に載置されたキャップ50を有する。キャップ50は、洗浄剤の流れを制御するための手段を含むことができる。キャップ50は、図示の例ではねじ山である締結手段52によって外側本体開口部36上に取り付けられる。
【0059】
内側本体14は、直線接続部26によって外側本体12にさらに固定される。この例では、内側本体14は、長手方向Xに沿った複数の直線接続部によって外側本体12に接続される。直線接続部は、外側本体14の長さに沿って延びる1つの長い接続部または一連の短い接続部の形態であり得る。
図1Bは、内側本体14が外側本体12の各側面15に接続されている一例を示す。直線接続部26は、内側本体28の外側面を外側本体32の内側面に接続することによって形成される。
【0060】
図2は、洗浄機器200に接続されたある量の洗浄剤42を含むカートリッジ10を示している。接続部は、キャップ50上に載置された接続インサート18を洗浄機器200の負圧装置44に結合することによって形成される。
【0061】
キャップ50は、液体がキャップ50を通って流れることを可能にするキャップ開口部54をさらに備える。このようにして、液体導管24がカートリッジ10と洗浄機器200との間に形成される。負圧下では、洗浄剤42は、
図2の流れ矢印によって示すように、洗浄剤空間16からキャップ開口部54および負圧装置44を通って洗浄機器200内に排出される。
【0062】
カートリッジ10の3つの異なる作業段階が
図3A~
図3Cに示されており、これは、内側本体14の充填の異なる段階における外側本体12および内側本体14を有するカートリッジ10の断面図を示す。
図3Aは、充填された使用前のカートリッジを示しており、
図3Bは、カートリッジ10aの部分的に使用された状態を示し、
図3Cは、空の状態またはほぼ完全に使用された状態を示す。
【0063】
図3Aは、洗浄剤空間16が洗浄剤42で完全に満たされている使用前のカートリッジを示している。内側本体14は、洗浄剤空間16の容積を最大化にするように伸張され、内側本体14は、外側本体12とほぼ完全に一致する。カートリッジ10が使用されているとき、洗浄剤42は、カートリッジ10から定期的に排出される。この状況が、
図3Bに示される。洗浄剤42が排出されるにつれて、洗浄剤空間16の容積は減少し、内側本体14は、直線接続部26の周りを除いて外側本体12から分離する。同時に、未使用空間17((剛性の)外側本体12の内側および可撓性の内側本体14の外側の空間)の容積は、洗浄剤が排出されて内側本体14の容積が減少するにつれて増加して空気で満たされる。外側本体12は、直線接続部26から離れた空気開口部19を有する。
図3Cは、洗浄剤42がほとんどまたは完全に使用されたときのカートリッジ10を示している。この場合、洗浄剤空間16は最小化されるが、未使用空間17の容積は最大になる。
【0064】
外側本体12の内側に可撓性の内側本体14を使用することによって、カートリッジは、複雑な空気弁(およびそこからの漏れ)を必要とせずに、ほぼ完全に内容物を保持および空にすることができる。従来のカートリッジは、典型的には、空にするための空気弁を必要とする剛性の外側しか有しておらず、その結果、液体が弁から漏れることがある。代わりに可撓性の内側本体14を使用することによって、外側本体12には単純な通気孔のみが必要であり、内容物は内側本体14に完全に収容されているので漏れない。内側本体14の可撓性は、カートリッジの内容物をより完全に空にすることを可能にし、その結果、無駄が少なくなり、カートリッジの使用可能寿命が長くなる。1つまたは複数の直線接続部26の使用は、内容物が内側に詰まったり閉じ込められたままにならないように、内側本体14が空になることを保証する単純な方法を提供する。したがって、出口が位置合わせされた外側本体12および可撓性の内側本体14のカートリッジ10を形成することにより、(複雑な空気弁がないために)製造がより容易であり、漏れがなく、内部のすべての内容物をより完全に使用することができる単純なカートリッジが提供される。
【0065】
カートリッジ10が洗浄機器200に接続されていないとき、カートリッジ10からの液体の流れを制御し、かつ洗浄剤42のこぼれを防止するために、弁60がキャップ50の上または中、およびキャップ開口部54の上に載置される。弁60は、様々な形態、例えば、シリコンクロスピース、ダックビル弁、変形可能なボール弁、または他の弁構造を有することができる。
【0066】
図1A~
図3C(またはカートリッジの別の実施形態)に示すカートリッジ10は、
図4A~
図4Dに示すように、カートリッジ10の内容物を検出するように構成された識別装置120と結合することができる。
図4Aは、識別突起および識別装置120を有するカートリッジ10’を備えるアセンブリ100の側面図を示す。
【0067】
図示の識別装置120は、キャップ50’のインサート18の内側に嵌合するように配置された管状コネクタ124を有する。これは、
図1A~
図3Cに関連して説明したものと同様の方式でカートリッジ10’からの流出を可能にする中空コネクタであり得る。係合手段122は、識別装置120を洗浄機器に接続し、データまたは情報を転送し、場合によっては電力を識別装置120に供給するために使用される。
【0068】
図4Bは、4つの送受信機ペア110を有する識別装置120の正面図を示す。各送受信機ペア110は、一つの送信機112と、一つの受信機114とを含む。送信機112は、信号116を受信機に向けて送信する。信号116は、非接触検出に適した任意のタイプの信号、例えば、赤外線、可視光、または紫外線であり得る。送信機112および受信機114は、特定の送受信機ペア110の受信機114のみがそのペアの送信機112の信号116を検出することができるが、他の受信機は検出することができないように構成される。
【0069】
カートリッジ10’のキャップ50’は、カートリッジ10’の内容物を識別するための少なくとも1つの識別突起102を備える。1つまたは複数の識別突起102は、キャップ50’から延び、カートリッジ10’が識別装置120に接続されて送信機から受信機に送信される信号をブロックするとき、1つの特定の送受信機ペア110の間に嵌合するように位置決めされる。
図4Cおよび
図4Dに示す構成では、キャップ50’は、3つの特定の送受信機ペア110間の伝送をブロックするように位置決めされた3つの突起102を含む。
【0070】
識別装置120は、受信機114からの信号116を処理し、それらをプロセッサ(図示せず)によって読み取りおよび/または解釈することができるデジタル状態に変換するように構成される。例えば、受信機114がそのペアの送信機112から信号116を受信した場合、識別装置120はデジタル状態1を生成する。一方、送受信機ペア110間の信号116が識別突起102によってブロックされる場合、識別装置120はデジタル状態0を生成する。次いで、このデジタル状態情報をプロセッサに送信することができる。
【0071】
識別突起102によってブロックされる信号の数および構成は、カートリッジ10’の内容物についての識別コードを生成する。4つの送受信機ペアを有する例では、以下の表1に示す16個の異なる構成が存在する。これらは、最大15個の異なるカートリッジを識別するために使用することができ、またはより一般的には、4つの送受信機ペア110の識別システムを使用してカートリッジ10’内の15個の異なる洗浄剤を区別することができる。すべての受信機114がそのペアの送信機112から信号116を受信する構成は、カートリッジ10’が識別装置120と結合されていない場合に対応する。
【0072】
【表1】
一例として、着色衣類用の洗剤を含むカートリッジ10’は、プロセッサによって表1からカートリッジ6として識別されるように配置された2つの識別突起102を有することができ、一方、布地柔軟剤を含むカートリッジ10”は、プロセッサによって表1からカートリッジ2として識別されるように配置された3つの識別突起102を有することができる。白色衣類用の洗剤を含むカートリッジ10”’も3つの識別突起を有することができるが、プロセッサによって表1からカートリッジ3として識別されるように配置される。したがって、プロセッサおよびシステムは、識別システムに基づいて特定のカートリッジ10’、10”、または10”’の正確なタイプおよび量を識別および分配することができる。カートリッジが検出されない状況では、システムは、ユーザがカートリッジを挿入する必要があることを知るように、通知または警告を与えるようにプログラムすることができる。
【0073】
図4Cは、3つの識別突起102a、102b、102cと、第4の突起のために意図された場所にある欠落した突起102dとを有するキャップ50’を示す。キャップ50’が識別装置120に接続されると(その場合のキャップは識別装置に面していることに留意されたい)、
図4Dに示すように、受信機114dのみがそのペアの送信機112dから信号116dを受信することができるが、すべての他の信号116は識別突起102a、102b、102cによってブロックされる。すべての受信機114a、114b、114c、114dから状態を収集すると、識別コードは、表1からのカートリッジ2に対応する、状態0(受信機114a)-状態0(受信機114b)-状態0(受信機114c)-状態1(受信機114d)を読み取る。そして、システムは、上記の例からの布地柔軟剤を含むカートリッジ10”としてこれを識別する。
【0074】
そのようなシステムは、食器洗い機、カーペット洗浄機、モップ、電気石鹸ディスペンサなどの洗濯機または他の洗浄機器内の特定のカートリッジ(および/またはカートリッジの内容物)を識別する単純であるが効果的な方法である。そのようなカートリッジは、自動投入機において特に有用であり得、自動投入機では、カートリッジを単に挿入することができ、識別装置120は(送受信機ペア110を通して)洗浄剤を有するカートリッジの存在を検出し、コーディング情報(突起の数および構成)を検出することによって内容物を識別し、内容物に応じて自動投入することができる。
【0075】
したがって、非接触である突起102および送受信機ペア110の使用は、特定のカートリッジおよびその中の内容物を識別する単純であるが迅速かつ効果的な方法を提供する。背景技術で述べたように、従来技術の識別システムは、金属接点を使用していた。そのような材料は、水溶液を使用する場合に腐食をもたらす可能性がある。非接触検出(例えば、赤外線、可視光、紫外線)を使用することによって、突起102および送受信機ペア110は接触する必要がなく、これにより寿命を改善し、部品を製造しやすくし(例えば、部品を接続するための厳しい公差レベルを満たす必要はない)、接触電極を有する金属部品を使用した過去のシステムに関連する腐食の問題を回避することができる。加えて、金属部品を使用しないことは、材料のコスト削減をもたらすことができる。
【0076】
図5は、洗浄機器200の分配ユニット202を示す。分配ユニット202は、カートリッジを受け入れるように構成された2つのカートリッジインサート204を有する。カートリッジインサート204の各々は、識別装置120を有する。異なる洗浄剤を含むカートリッジがカートリッジインサート204内に載置され、それぞれの識別装置120に結合される。例えば、一方のカートリッジは、その内容物として洗浄洗剤を有することができ、他方のカートリッジは、洗濯機で使用するための布地柔軟剤を有することができる。カートリッジ10’をカートリッジインサート204に挿入し、カートリッジ10’を識別装置120ならびに洗浄機器200の負圧および/または投入装置44に接続すると、液体導管24は、洗浄洗剤がカートリッジ10’から洗浄機器200に排出され得るように、接続された要素を通して形成され得る。識別装置102は、(プロセッサと通信する)送受信機ペア110を通して、カートリッジが洗剤を含むことを認識し、消費者がシステムにカートリッジ内に何があるかを知らせる手動入力を必要とせずに、それに応じて投入する。
【0077】
同様に、カートリッジが布地柔軟剤を含む場合、カートリッジが挿入され、識別装置(プロセッサと通信する)が布地柔軟剤を含むものとしてカートリッジを識別する。そして、ユーザが内容物を手動で入力する必要なしに、その情報を使用してそれに応じて投入することができる。
【0078】
したがって、そのようなシステムは、多くのタイプの洗浄剤が洗浄機器またはシステムで使用される場合に特に有用であり得る。ユーザは、単に試薬を含むカートリッジを挿入するだけでよく、識別装置は、特定のカートリッジおよび/または洗浄剤に関連する突起の数および構成を認識することによって内容物を識別し、正確に投入する。2つのカートリッジおよび識別装置が示されているが、特定のシステムでは、より多くのまたはより少ない数のカートリッジおよび識別装置を使用することができる。
【0079】
例は、4つの送受信機ペアを有するシステムを示しているが、システムは、1つの送受信機ペアから10個以上までの任意の数を含むことができる。存在する送受信機ペアが多いほど、カートリッジの異なるカートリッジ/内容物を識別するための選択肢が多くなる。加えて、突起102は、例および図面ではキャップ50’から延びるように示されているが、キャップ上の突起の代わりに、またはそれに加えて、カートリッジ自体の外側から直接延びることができる。加えて、
図1A~
図3Cに示すカートリッジおよび
図4A~
図5の識別システムは、一緒に使用することもでき、別々のカートリッジ/システムと共に使用することもできる。
【0080】
例示的な例および実施形態を参照して本発明を説明したが、本発明の範囲から逸脱することなく、様々な変更を行うことができ、その要素を等価物で置き換えることができることが当業者には理解されよう。加えて、本発明の本質的な範囲から逸脱することなく、特定の状況または材料を本発明の教示に適合させるために多くの修正を行うことができる。したがって、本発明は、開示された特定の実施形態に限定されず、本発明は、添付の特許請求の範囲内に入るすべての実施形態を含むことが意図される。
【国際調査報告】