(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-10-31
(54)【発明の名称】電池クラスタの均衡システム
(51)【国際特許分類】
H02J 7/02 20160101AFI20241024BHJP
H02J 7/10 20060101ALI20241024BHJP
G01R 31/382 20190101ALI20241024BHJP
【FI】
H02J7/02 H
H02J7/10 H
H02J7/10 B
G01R31/382
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2024530000
(86)(22)【出願日】2023-01-29
(85)【翻訳文提出日】2024-05-20
(86)【国際出願番号】 CN2023073697
(87)【国際公開番号】W WO2024001181
(87)【国際公開日】2024-01-04
(31)【優先権主張番号】202210767849.6
(32)【優先日】2022-07-01
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】524191262
【氏名又は名称】中国華能集団清▲潔▼能源技術研究院有限公司
【氏名又は名称原語表記】HUANENG CLEAN ENERGY RESEARCH INSTITUTE
【住所又は居所原語表記】Laboratory A, Huaneng Talent Innovation and Venture Base,Future Science Park, Beiqijia, Changping District, Beijing 102209, China
(74)【代理人】
【識別番号】110002871
【氏名又は名称】弁理士法人坂本国際特許商標事務所
(72)【発明者】
【氏名】レイ、ハオドン
(72)【発明者】
【氏名】リウ、ミンギ
(72)【発明者】
【氏名】チャオ、シ
(72)【発明者】
【氏名】ペイ、ジエ
(72)【発明者】
【氏名】チャオ、チャンザオ
(72)【発明者】
【氏名】リウ、ダウェイ
(72)【発明者】
【氏名】ソン、ジシュオ
(72)【発明者】
【氏名】ワン、ニン
(72)【発明者】
【氏名】ウェイ、ユ
(72)【発明者】
【氏名】ヤン、ユンリン
(72)【発明者】
【氏名】シュ、ルオチェン
(72)【発明者】
【氏名】ソン、ジョウチン
(72)【発明者】
【氏名】ズ、ヨン
(72)【発明者】
【氏名】リ、ハオ
(72)【発明者】
【氏名】ヤオ、シュアイ
【テーマコード(参考)】
2G216
5G503
【Fターム(参考)】
2G216BA01
2G216CB18
2G216CB47
5G503AA04
5G503BA03
5G503BB02
5G503CA01
5G503CA08
5G503CA11
5G503CC02
5G503EA05
5G503HA02
(57)【要約】
本開示は、電池クラスタの均衡システムを開示し、電池クラスタは複数の電池モジュールを含み、任意の隣接する2つの電池モジュールは直列に接続され、均衡システムはスイッチモジュール、移行期エネルギー貯蔵モジュール及び制御モジュールを含み、スイッチモジュールは各電池モジュールに接続され、移行期エネルギー貯蔵モジュールはスイッチモジュールに接続され、制御モジュールは、スイッチモジュールのスイッチのオン及び/又はオフを制御することに用いられ、これにより、移行期エネルギー貯蔵モジュールはスイッチモジュールのオンになったスイッチを介して連続する複数の目標電池モジュールを均衡する。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
電池クラスタの均衡システムであって、前記電池クラスタは複数の電池モジュールを含み、任意の隣接する2つの前記電池モジュールは直列に接続され、
前記均衡システムは、スイッチモジュールと、移行期エネルギー貯蔵モジュールと、制御モジュールと、を含み、
前記スイッチモジュールは、各前記電池モジュールと接続され、
前記移行期エネルギー貯蔵モジュールは、前記スイッチモジュールと接続され、
前記制御モジュールは、前記スイッチモジュールのスイッチのオン及び/又はオフを制御することに用いられ、これにより、前記移行期エネルギー貯蔵モジュールは前記スイッチモジュールのオンになったスイッチを介して連続する複数の目標電池モジュールを均衡する、電池クラスタの均衡システム。
【請求項2】
前記スイッチモジュールは、スイッチトランジスタユニットと、スイッチユニットと、第3スイッチと、インダクタと、を含み、
前記スイッチトランジスタユニットと、前記スイッチユニットと、前記電池モジュールとの間には1対1の対応関係があり、
任意の隣接する2つの前記スイッチトランジスタユニットは直列に接続され、各前記スイッチトランジスタユニットは第1スイッチトランジスタと第2スイッチトランジスタとを含み、前記第1スイッチトランジスタの第1端は対応する前記電池モジュールの正極に接続され、前記第1スイッチトランジスタの第2端は前記第2スイッチトランジスタの第1端に接続され、前記第2スイッチトランジスタの第2端は対応する前記電池モジュールの負極に接続され、
各前記スイッチユニットは第1スイッチ及び第2スイッチを含み、各前記第1スイッチの第1端は前記インダクタの第2端に接続され、前記第1スイッチの第2端は対応する前記スイッチトランジスタユニットの前記第1スイッチトランジスタの第2端に接続され、各前記第2スイッチの第1端は前記移行期エネルギー貯蔵モジュールの負極に接続され、前記第2スイッチの第2端は対応する前記スイッチトランジスタユニットの前記第2スイッチトランジスタの第2端に接続され、
前記移行期エネルギー貯蔵モジュールは複数の移行期エネルギー貯蔵電池を含み、任意の隣接する2つの前記移行期エネルギー貯蔵電池は直列に接続され、
前記第3スイッチと前記移行期エネルギー貯蔵電池との間には1対1の対応関係があり、前記第3スイッチの第1端は対応する前記移行期エネルギー貯蔵電池の正極に接続され、各前記第3スイッチの第2端は前記インダクタの第1端に接続される、請求項1に記載のシステム。
【請求項3】
前記電池クラスタはm個の前記電池モジュールを含み、当該m個の前記電池モジュールには番号1~番号mの連続した番号が付けられ、番号1の前記電池モジュールの負極は前記電池クラスタの負極であり、番号mの前記電池モジュールの正極は前記電池クラスタの正極であり、前記目標電池モジュールは番号p~番号qの前記電池モジュールを含み、ここで、1≦p≦q≦mであり、
前記制御モジュールは更に、第1スイッチユニットの目標第1スイッチ、第2スイッチユニットの目標第2スイッチをオンに制御し、前記目標第1スイッチを除いた残りの前記第1スイッチをオフに制御し、及び前記目標第2スイッチを除いた残りの前記第2スイッチをオフに制御することに用いられ、前記第1スイッチユニットは番号qの前記電池モジュールに対応する前記スイッチユニットであり、前記第2スイッチユニットは番号pの前記電池モジュールに対応する前記スイッチユニットである、請求項2に記載のシステム。
【請求項4】
スイッチトランジスタの各動作サイクルにおいて、前記スイッチトランジスタは前記第1スイッチトランジスタ及び前記第2スイッチトランジスタを含み、前記制御モジュールは更に、目標スイッチトランジスタユニットの目標第2スイッチトランジスタを第1の所定の時間の長さでオンになるように制御し、前記目標第2スイッチトランジスタをオンになるように制御しながら前記目標スイッチトランジスタユニットの目標第1スイッチトランジスタをオフになるように制御し、前記目標第2スイッチトランジスタを前記第1の所定の時間の長さでオンになるように制御した後に、前記目標第1スイッチトランジスタを第2の所定の時間の長さでオンになるように制御し、前記目標第1スイッチトランジスタをオンになるように制御しながら前記目標第2スイッチトランジスタをオフになるように制御し、及び前記目標スイッチトランジスタユニットを除いた残りの前記スイッチトランジスタユニットの前記スイッチトランジスタを前記動作サイクルにおいてオフを継続するように制御し、ここで、前記目標スイッチトランジスタユニットは番号qの前記電池モジュールに対応する前記スイッチトランジスタユニットである、請求項3に記載のシステム。
【請求項5】
前記制御モジュールは更に、前記インダクタを流れる均衡電流を調節するために、前記目標第2スイッチトランジスタのデューティサイクルを調節することに用いられる、請求項4に記載のシステム。
【請求項6】
前記制御モジュールは更に、各前記目標電池モジュールの残量電力に基づいて前記均衡電流の目標値を決定し、前記均衡電流の目標値に基づいて前記デューティサイクルの目標値を決定することに用いられる、請求項5に記載のシステム。
【請求項7】
前記制御モジュールは調節器を含み、前記調節器は前記均衡電流の目標値及び前記均衡電流の現在値に基づいて前記デューティサイクルの目標値を調節することに用いられる、請求項6に記載のシステム。
【請求項8】
前記移行期エネルギー貯蔵モジュールはj個の移行期エネルギー貯蔵電池を含み、前記j個の前記移行期エネルギー貯蔵電池には番号1~番号jの連続した番号が付けられ、番号1の前記移行期エネルギー貯蔵電池の負極は前記移行期エネルギー貯蔵モジュールの負極であり、番号kの前記移行期エネルギー貯蔵電池の正極は前記移行期エネルギー貯蔵モジュールの正極であり、目標移行期エネルギー貯蔵電池は番号1~番号kの前記移行期エネルギー貯蔵電池を含み、前記目標移行期エネルギー貯蔵電池は前記目標電池モジュールを均衡するための前記移行期エネルギー貯蔵電池であり、ここで、1≦k≦jであり、
前記制御モジュールは更に、各前記目標電池モジュールの電圧及び前記デューティサイクルの値の範囲に基づいて番号kを決定し、前記番号kの前記移行期エネルギー貯蔵電池に対応する第3スイッチをオンに制御し、及び前記番号kの前記移行期エネルギー貯蔵電池を除いた残りの前記移行期エネルギー貯蔵電池に対応する第3スイッチをオフに制御することに用いられる、請求項5に記載のシステム。
【請求項9】
前記制御モジュールは更に、各前記電池モジュールの残量電力間の分散値が所定の閾値よりも大きいことに応答して、配置が連続する複数の候補前記電池モジュールの残量電力の平均値を取得し、最大平均値に対応する複数の候補前記電池モジュールを均衡カテゴリが放電である第1目標電池モジュールとし、及び最小平均値に対応する複数の候補前記電池モジュールを均衡カテゴリが充電である第2目標電池モジュールとすることに用いられる、請求項1~8のいずれか1項に記載のシステム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、エネルギー技術分野に関し、特に電池クラスタの均衡システムに関する。
【背景技術】
【0002】
現在、新エネルギーの設備容量の増加に伴い、エネルギー貯蔵は徐々に新型電力システムを構築するための重要なサポート技術となっている。電池エネルギー貯蔵は、応答が速く、工事期間が短く、敷地面積が小さい等の利点を有するため、広く使用されている。電池システムにおける電池クラスタは多くの場合に直列に接続された多数の単電池で構成される。直列に接続された単電池の間で電圧や電量が不均衡になりやすく、電池クラスタの利用可能な容量に影響を与える。しかしながら、関連技術の均衡システムには均衡速度が遅い等の問題がある。
【発明の概要】
【0003】
本開示の第1態様の実施例は電池クラスタの均衡システムを提案し、前記電池クラスタは複数の電池モジュールを含み、任意の隣接する2つの電池モジュールは直列に接続され、前記均衡システムはスイッチモジュール、移行期エネルギー貯蔵モジュール及び制御モジュールを含み、前記スイッチモジュールは各前記電池モジュールに接続され、前記移行期エネルギー貯蔵モジュールは前記スイッチモジュールに接続され、前記制御モジュールは、前記スイッチモジュールのスイッチのオン及び/又はオフを制御することに用いられ、これにより、前記移行期エネルギー貯蔵モジュールは前記スイッチモジュールのオンになったスイッチを介して連続する複数の目標電池モジュールを均衡する。
【0004】
本開示の一実施例において、前記スイッチモジュールはスイッチトランジスタユニット、スイッチユニット、第3スイッチ及びインダクタを含み、前記スイッチトランジスタユニット、前記スイッチユニット、前記電池モジュールは1対1で対応し、任意の隣接する2つのスイッチトランジスタユニットは直列に接続され、各前記スイッチトランジスタユニットは第1スイッチトランジスタと第2スイッチトランジスタとを含み、前記第1スイッチトランジスタの第1端は対応する電池モジュールの正極に接続され、前記第1スイッチトランジスタの第2端は前記第2スイッチトランジスタの第1端に接続され、前記第2スイッチトランジスタの第2端は対応する電池モジュールの負極に接続され、
各前記スイッチユニットは第1スイッチ及び第2スイッチを含み、各前記第1スイッチの第1端は前記インダクタの第2端に接続され、前記第1スイッチの第2端は対応するスイッチトランジスタユニットの第1スイッチトランジスタの第2端に接続され、各前記第2スイッチの第1端は前記移行期エネルギー貯蔵モジュールの負極に接続され、前記第2スイッチの第2端は対応するスイッチトランジスタユニットの第2スイッチトランジスタの第2端に接続され、
前記移行期エネルギー貯蔵モジュールは複数の移行期エネルギー貯蔵電池を含み、任意の隣接する2つの移行期エネルギー貯蔵電池は直列に接続され、
前記第3スイッチは前記移行期エネルギー貯蔵電池に1対1で対応し、前記第3スイッチの第1端は対応する移行期エネルギー貯蔵電池の正極に接続され、各前記第3スイッチの第2端は前記インダクタの第1端に接続される。
【0005】
本開示の一実施例において、前記電池クラスタはm個の電池モジュールを含み、m個の電池モジュールには番号1~番号mの連続した番号が付けられ、番号1の電池モジュールの負極は前記電池クラスタの負極であり、番号mの電池モジュールの正極は前記電池クラスタの正極であり、前記目標電池モジュールは番号p~番号qの電池モジュールを含み、ここで、1≦p≦q≦mであり、
前記制御モジュールは更に、第1スイッチユニットの目標第1スイッチ、第2スイッチユニットの目標第2スイッチをオンに制御し、前記目標第1スイッチを除いた残りの第1スイッチをオフに制御し、及び前記目標第2スイッチを除いた残りの第2スイッチをオフに制御することに用いられ、前記第1スイッチユニットは番号qの電池モジュールに対応するスイッチユニットであり、前記第2スイッチユニットは番号pの電池モジュールに対応するスイッチユニットである。
【0006】
本開示の一実施例において、スイッチトランジスタの各動作サイクルにおいて、前記スイッチトランジスタは前記第1スイッチトランジスタ及び前記第2スイッチトランジスタを含み、前記制御モジュールは更に、目標スイッチトランジスタユニットの目標第2スイッチトランジスタを第1の所定の時間の長さでオンに制御し、前記目標第2スイッチトランジスタをオンに制御しながら前記目標スイッチトランジスタユニットの目標第1スイッチトランジスタをオフに制御し、前記目標第2スイッチトランジスタを前記第1の所定の時間の長さでオンに制御した後に、前記目標第1スイッチトランジスタを第2の所定の時間の長さでオンに制御し、前記目標第1スイッチトランジスタをオンに制御しながら前記目標第2スイッチトランジスタをオフに制御し、及び前記目標スイッチトランジスタユニットを除いた残りのスイッチトランジスタユニットのスイッチトランジスタを前記動作サイクルにおいてオフを継続するように制御することに用いられ、ここで、前記目標スイッチトランジスタユニットは番号qの電池モジュールに対応するスイッチトランジスタユニットである。
【0007】
本開示の一実施例において、前記制御モジュールは更に、前記目標第2スイッチトランジスタのデューティサイクルを調節して、前記インダクタを流れる均衡電流を調節することに用いられる。
【0008】
本開示の一実施例において、前記制御モジュールは更に、各前記目標電池モジュールの残量電量(残量)に基づいて前記均衡電流の目標値を決定し、前記均衡電流の目標値に基づいて前記デューティサイクルの目標値を決定することに用いられる。
【0009】
本開示の一実施例において、前記制御モジュールは調節器を含み、前記調節器は前記均衡電流の目標値及び前記均衡電流の現在値に基づいて前記デューティサイクルの目標値を調節することに用いられる。
【0010】
本開示の一実施例において、前記移行期エネルギー貯蔵モジュールはj個の移行期エネルギー貯蔵電池を含み、j個の移行期エネルギー貯蔵電池には番号1~番号jの連続した番号が付けられ、番号1の移行期エネルギー貯蔵電池の負極は前記移行期エネルギー貯蔵モジュールの負極であり、番号kの移行期エネルギー貯蔵電池の正極は前記移行期エネルギー貯蔵モジュールの正極であり、目標移行期エネルギー貯蔵電池は番号1~番号kの移行期エネルギー貯蔵電池を含み、目標移行期エネルギー貯蔵電池は前記目標電池モジュールを均衡するための移行期エネルギー貯蔵電池であり、ここで、1≦k≦jであり、
前記制御モジュールは更に、各前記目標電池モジュールの電圧及び前記デューティサイクルの値の範囲に基づいて番号kを決定し、番号kの移行期エネルギー貯蔵電池に対応する第3スイッチをオンに制御し、及び番号kの移行期エネルギー貯蔵電池を除いた残りの移行期エネルギー貯蔵電池に対応する第3スイッチをオフに制御することに用いられる。
【0011】
本開示の一実施例において、前記制御モジュールは更に、各前記電池モジュールの残量間の分散値が所定の閾値よりも大きいことに応答して、連続する複数の電池モジュール候補の残量の平均値を取得し、最大平均値に対応する複数の電池モジュール候補を均衡カテゴリが放電である第1目標電池モジュールとし、及び最小平均値に対応する複数の電池モジュール候補を均衡カテゴリが充電である第2目標電池モジュールとすることに用いられる。
【発明の効果】
【0012】
本開示の追加の態様及び利点は、一部が以下の説明に記載され、一部が以下の説明から明らかになるか、又は本開示の実践によって知ることができる。
【図面の簡単な説明】
【0013】
本開示の上記及び/又は追加の態様及び利点は、図面と併せた以下の実施例の説明から明らかになり、容易に理解される。
【
図1】本開示の一実施例に係る電池クラスタの均衡システムの構造模式図である。
【
図2】本開示の別の実施例に係る電池クラスタの均衡システムの構造模式図である。
【
図3】本開示の別の実施例に係る電池クラスタの均衡システムの構造模式図である。
【
図4】
図3に示される電池クラスタの均衡システムにおける目標第1スイッチトランジスタS
qa、目標第2スイッチトランジスタS
qbのオンオフ信号、及び均衡電流i
Lの模式図である。
【
図5】モード1における
図3に示される電池クラスタの均衡システムの等価回路図である。
【
図6】モード2における
図3に示される電池クラスタの均衡システムの等価回路図である。
【
図7】本開示の別の実施例に係る電池クラスタの均衡システムの構造模式図である。
【
図8】
図7に示される電池クラスタの均衡システムにおける目標第1スイッチトランジスタS
4a、目標第2スイッチトランジスタS
4bのオンオフ信号、及び均衡電流i
Lの模式図である。
【
図9】モード1における、電池モジュール3を均衡するときの
図7に示される電池クラスタの均衡システムの等価回路図である。
【
図10】モード2における、電池モジュール3、4を均衡するときの
図7に示される電池クラスタの均衡システムの等価回路図である。
【
図11】
図7に示される電池クラスタの均衡システムにおける目標第1スイッチトランジスタS
2a、目標第2スイッチトランジスタS
2bのオンオフ信号、及び均衡電流i
Lの模式図である。
【
図12】モード1における、電池モジュール1を均衡するときの
図7に示される電池クラスタの均衡システムの等価回路図である。
【
図13】モード2における、電池モジュール1、2を均衡するときの
図7に示される電池クラスタの均衡システムの等価回路図である。
【発明を実施するための形態】
【0014】
以下、本開示の実施例を詳細に説明する。前述の実施例の例は、終始同一又は類似の符号が同一又は類似の要素、又は同一又は類似の機能を有する要素を表す図面に示されている。図面を参照して以下に説明する実施例は、本開示を説明するための例示であり、本開示を限定するものではないと理解されるべきである。
【0015】
以下、図面を併せて本開示の実施例の電池クラスタの均衡システムを説明する。
【0016】
なお、電池クラスタは複数の電池モジュールを含み、任意の隣接する2つの電池モジュールは直列に接続される。例えば、電池モジュールは複数の単電池を含み、任意の隣接する2つの単電池は直列に接続される。電池モジュール、単電池の数はいずれも特に限定されておらず、例えば、電池クラスタはm個の電池モジュールを含み、各電池モジュールはn個の単電池を含む。ここで、m、nはいずれも正の整数である。単電池の種類は特に限定されておらず、例えば、単電池はリン酸鉄リチウム電池、三元ポリマーリチウム電池等を含むがこれらに限定されない。
【0017】
1つの実施形態において、
図2に示すように、電池クラスタ200はm個の電池モジュールを含み、それぞれ電池モジュール1~電池モジュールmであり、任意の隣接する2つの電池モジュールは直列に接続され、m個の電池モジュールには番号1~番号mの連続した番号が付けられ、番号1の電池モジュール(
図2における電池モジュール1に対応)の負極は電池クラスタ200の負極であり、番号mの電池モジュール(
図2における電池モジュールmに対応)の正極は電池クラスタ200の正極である。
【0018】
図1は本開示の一実施例に係る電池クラスタの均衡システムの構造模式図である。
【0019】
図1に示すように、本開示の実施例の電池クラスタの均衡システム100はスイッチモジュール101、移行期エネルギー貯蔵モジュール102及び制御モジュール103を含む。スイッチモジュール101は各電池モジュールに接続され、移行期エネルギー貯蔵モジュール102はスイッチモジュール101に接続され、制御モジュール103は、スイッチモジュール101のスイッチのオン及び/又はオフを制御することに用いられ、これにより、移行期エネルギー貯蔵モジュール102はスイッチモジュール101のオンになったスイッチを介して連続する複数の目標電池モジュールを均衡する。理解できるように、目標電池モジュール同士は直列に接続される。
【0020】
なお、移行期エネルギー貯蔵モジュール102は、電気エネルギーを貯蔵し及び/又は電気エネルギーを放出することに用いられ、均衡カテゴリが放電である場合に、移行期エネルギー貯蔵モジュール102は各目標電池モジュールによって放出された電気エネルギーを貯蔵することに用いられ、均衡カテゴリが充電である場合に、移行期エネルギー貯蔵モジュール102は電気エネルギーを放出して各目標電池モジュールを充電することに用いられる。
【0021】
なお、目標電池モジュールの数は特に限定されない。
図3に示すように、電池クラスタ200はm個の電池モジュールを含み、それぞれ電池モジュール1~電池モジュールmであり、目標電池モジュールは番号p~番号qの電池モジュールを含み、すなわち目標電池モジュールは電池モジュールp~電池モジュールqを含み、目標電池モジュールの数はq-p+1であり、ここで、p、qはいずれも正の整数であり、1≦p≦q≦mである。
【0022】
1つの実施形態において、目標電池モジュールの数は電池モジュールの総数の半分以下である。引き続き
図3を例とし、目標電池モジュールは番号p~番号qの電池モジュールを含み、ここで、p、qは、条件
を満たす。
【0023】
1つの実施形態において、制御モジュール103は更に、各電池モジュールの残量(SOC:State of charge)間の分散値が所定の閾値よりも大きい(このとき、電池モジュールの残量が不均衡であることを表す)ことに応答して、連続する複数の電池モジュール候補の残量の平均値を取得し、最大平均値に対応する複数の電池モジュール候補を均衡カテゴリが放電である第1目標電池モジュールとし、及び最小平均値に対応する複数の電池モジュール候補を均衡カテゴリが充電である第2目標電池モジュールとすることに用いられる。ただし、所定の閾値、第1目標電池モジュールの数、第2目標電池モジュールの数はいずれも特に限定されておらず、例えば、第1目標電池モジュールの数と第2目標電池モジュールの数が同じであってもよく、第1目標電池モジュールの数と第2目標電池モジュールの数が異なってもよい。これにより、当該システムでは、電池モジュールの残量に基づいて均等化(均衡)に必要な目標電池モジュールを決定することができ、異なる電池間の性能差による均等化効果(均衡効果)への影響が回避される。
【0024】
1つの実施形態において、第1目標電池モジュール、第2目標電池モジュールの数はいずれも電池モジュールの総数の半分以下である。
【0025】
1つの実施形態において、第1目標電池モジュールと第2目標電池モジュールとの間に重複する電池モジュールがない。
【0026】
1つの実施形態において、制御モジュール103は更に、各電池モジュールの残量間の分散値が所定の閾値よりも大きいことに応答して、連続する第1の数の電池モジュール候補の残量の平均値を取得し、最大平均値に対応する第1の数の電池モジュール候補を均衡カテゴリが放電である第1目標電池モジュールとし、及び最小平均値に対応する第1の数の電池モジュール候補を均衡カテゴリが充電である第2目標電池モジュールとすることに用いられ、第1目標電池モジュールと第2目標電池モジュールとの間に第2の数の重複する電池モジュールがあることを認識すると、第2の数に基づいて第1の数を更新し、且つ、第1目標電池モジュールと第2目標電池モジュールとの間に重複する電池モジュールがなくなるまで、連続する第1の数の電池モジュール候補の残量の平均値の取得ステップ及びその以降のステップに戻って実行する。
【0027】
1つの実施形態において、電池クラスタはm個の電池モジュールを含み、第1の数はm/2未満の最大の整数である。
【0028】
1つの実施形態において、第2の数に基づいて第1の数を更新することは、第1の数と第2の数との差を更新後の第1の数とすることを含んでもよい。
【0029】
1つの実施形態において、移行期エネルギー貯蔵モジュール102は、全ての第1目標電池モジュールの残量の平均値が電池クラスタの全ての電池モジュールの残量の平均値に等しくなるまで、各第1目標電池モジュールによって放出された電気エネルギーを貯蔵することに用いられる。
【0030】
移行期エネルギー貯蔵モジュール102は更に、全ての第2目標電池モジュールの残量の平均値が電池クラスタの全ての電池モジュールの残量の平均値に等しくなるまで、電気エネルギーを放出して各第2目標電池モジュールを充電することに用いられる。
【0031】
要するに、本開示の実施例の電池クラスタの均衡システムは、制御モジュールによってスイッチモジュールのスイッチのオン及び/又はオフを制御することで、移行期エネルギー貯蔵モジュールがスイッチモジュールのオンになったスイッチを介して連続する複数の目標電池モジュールを均衡するようにすることができ、複数の連続した電池モジュールの均衡を同時に実現することができ、電池クラスタの均衡速度が大幅に向上する。
【0032】
上記の実施例のいずれかに基づいて、スイッチモジュール101はスイッチトランジスタユニット、スイッチユニット及びインダクタを含む。スイッチトランジスタユニット、スイッチユニット、電池モジュールは1対1で対応する。任意の隣接する2つのスイッチトランジスタユニットは直列に接続される。
【0033】
引き続き
図2を例とし、スイッチモジュール101はm個のスイッチトランジスタユニット、m個のスイッチユニット及び1つのインダクタLを含む。
【0034】
各スイッチトランジスタユニットは第1スイッチトランジスタS
xaと第2スイッチトランジスタS
xbとを含み、第1スイッチトランジスタS
xaの第1端は対応する電池モジュールの正極に接続され、第1スイッチトランジスタS
xaの第2端は第2スイッチトランジスタS
xbの第1端に接続され、第2スイッチトランジスタS
xbの第2端は対応する電池モジュールの負極に接続される。ここで、xは正の整数であり、1≦x≦mである。ただし、
図2に示すように、S
1a~S
maはS
xaであり、S
1b~S
mbはS
xbである。例えば、S
1aの第1端は電池モジュール1の正極に接続され、S
1aの第2端はS
1bの第1端に接続され、S
1bの第2端は電池モジュール1の負極に接続され、S
2a~S
maの接続形式はS
1aを参照でき、S
2b~S
mbの接続形式はS
1bを参照でき、ここでは、詳細な説明は省略される。ただし、スイッチトランジスタの種類は特に限定されない。例えば、スイッチトランジスタは金属酸化物半導体電界効果トランジスタ(MOSFET:Metal-Oxide-Semiconductor Field-Effect Transistor)を含んでもよく、この場合、スイッチトランジスタの第1端はドレイン電極であってもよく、スイッチトランジスタの第2端はソース電極であってもよい。
【0035】
各スイッチユニットは第1スイッチK
xa及び第2スイッチK
xbを含み、各第1スイッチK
xaの第1端はインダクタLの第2端に接続され、第1スイッチK
xaの第2端は対応するスイッチトランジスタユニットの第1スイッチトランジスタS
xaの第2端に接続され、各第2スイッチK
xbの第1端は移行期エネルギー貯蔵モジュール102の負極に接続され、第2スイッチK
xbの第2端は対応するスイッチトランジスタユニットの第2スイッチトランジスタS
xbの第2端に接続される。ただし、
図2に示すように、K
1a~K
maはK
xaであり、K
1b~K
mbはK
xbである。例えば、K
1a~K
maの第1端はインダクタLの第2端に接続され、K
1aの第2端はS
1aの第2端に接続され、K
1b~K
mbの第1端は移行期エネルギー貯蔵モジュール102の負極に接続され、K
1bの第2端はS
1bの第2端に接続され、K
2a~K
maの接続形式はK
1aを参照でき、K
2b~K
mbの接続形式はK
1bを参照でき、ここでは、詳細な説明は省略される。
【0036】
1つの実施形態において、移行期エネルギー貯蔵モジュール102は複数の移行期エネルギー貯蔵電池を含み、任意の隣接する2つの移行期エネルギー貯蔵電池は直列に接続される。スイッチモジュール101は第3スイッチを更に含み、第3スイッチは移行期エネルギー貯蔵電池に1対1で対応し、第3スイッチの第1端は対応する移行期エネルギー貯蔵電池の正極に接続され、各第3スイッチの第2端はインダクタの第1端に接続される。
【0037】
なお、移行期エネルギー貯蔵電池の数は特に限定されない。引き続き
図2を例とし、移行期エネルギー貯蔵モジュール102はj個の移行期エネルギー貯蔵電池を含み、それぞれA
1~A
jであり、j個の移行期エネルギー貯蔵電池には番号1~番号jの連続した番号が付けられ、番号1の移行期エネルギー貯蔵電池(
図2における移行期エネルギー貯蔵電池A
1に対応)の負極は移行期エネルギー貯蔵モジュール102の負極であり、番号kの移行期エネルギー貯蔵電池(
図2における移行期エネルギー貯蔵電池A
kに対応)の正極は移行期エネルギー貯蔵モジュール102の正極であり、目標移行期エネルギー貯蔵電池は番号1~番号kの移行期エネルギー貯蔵電池を含み、すなわち目標移行期エネルギー貯蔵電池は移行期エネルギー貯蔵電池A
1~移行期エネルギー貯蔵電池A
kを含み、目標移行期エネルギー貯蔵電池は目標電池モジュールを均衡するための移行期エネルギー貯蔵電池であり、ここで、k、jはいずれも正の整数であり、1≦k≦jである。
【0038】
引き続き
図2を例とし、スイッチモジュール101はj個の第3スイッチを含み、それぞれK
t1~K
tjである。第3スイッチは移行期エネルギー貯蔵電池に1対1で対応し、第3スイッチK
tyの第1端は対応する移行期エネルギー貯蔵電池A
yの正極に接続され、各第3スイッチK
tyの第2端はインダクタLの第1端に接続され、ここで、yは正の整数であり、1≦y≦jである。ただし、
図2に示すように、K
t1~K
tjはK
tyであり、A
1~A
jはA
yである。例えば、K
t1の第1端は移行期エネルギー貯蔵電池A
1の正極に接続され、K
t1~K
tjの第2端はインダクタLの第1端に接続され、K
t2~K
tjの接続形式はK
t1を参照でき、ここでは、詳細な説明は省略される。
【0039】
これにより、当該システムは1つのみのインダクタを含み、インダクタの数及びコンデンサの数が大幅に減り、均衡システムの複雑さが軽減され、体積が小さくなる。
【0040】
1つの実施形態において、引き続き
図3を例とし、目標電池モジュールは番号p~番号qの電池モジュールを含み、すなわち目標電池モジュールは電池モジュールp~電池モジュールqを含む。制御モジュール103は更に、第1スイッチユニットの目標第1スイッチK
qa、第2スイッチユニットの目標第2スイッチK
pbをオンに制御し、目標第1スイッチK
qaを除いた残りの第1スイッチをオフに制御し、及び目標第2スイッチK
pbを除いた残りの第2スイッチをオフに制御することに用いられ、第1スイッチユニットは番号qの電池モジュール(
図3における電池モジュールqに対応)に対応するスイッチユニットであり、第2スイッチユニットは番号pの電池モジュール(
図3における電池モジュールpに対応)に対応するスイッチユニットである。これにより、制御モジュールは、目標第1スイッチ、目標第2スイッチをオンに制御し、及び残りの第1スイッチ、残りの第2スイッチをオフに制御することで、移行期エネルギー貯蔵モジュールが目標第1スイッチ、目標第2スイッチを介して番号p~番号qの電池モジュールを均衡するようにすることができる。
【0041】
1つの実施形態において、引き続き
図3を例とし、スイッチトランジスタの各動作サイクルにおいて、スイッチトランジスタは第1スイッチトランジスタS
xaと第2スイッチトランジスタS
xbとを含む。ただし、
図3に示すように、S
1a~S
maはS
xaであり、S
1b~S
mbはS
xbである。制御モジュール103は更に、目標スイッチトランジスタユニットの目標第2スイッチトランジスタS
qbを第1の所定の時間の長さでオンに制御し、目標第2スイッチトランジスタS
qbをオンに制御しながら目標第1スイッチトランジスタS
qaをオフに制御し、目標第2スイッチトランジスタS
qbを第1の所定の時間の長さでオンに制御した後に、目標スイッチトランジスタユニットの目標第1スイッチトランジスタS
qaを第2の所定の時間の長さでオンに制御し、目標第1スイッチトランジスタS
qaをオンに制御しながら目標第2スイッチトランジスタS
qbをオフに制御し、及び目標スイッチトランジスタユニットを除いた残りのスイッチトランジスタユニットのスイッチトランジスタが動作サイクルにおいてオフを継続するように制御することに用いられ、ここで、目標スイッチトランジスタユニットは番号qの電池モジュール(
図3における電池モジュールqに対応)に対応するスイッチトランジスタユニットである。なお、第1の所定の時間の長さと第2の所定の時間の長さの合計は動作サイクル以下である。これにより、スイッチトランジスタの各動作サイクルにおいて、制御モジュールは目標第1スイッチトランジスタ、目標第2スイッチトランジスタを相補的にオンに制御し、及び残りの第1スイッチトランジスタ、残りの第2スイッチトランジスタがオフを継続するように制御することができ、これにより、移行期エネルギー貯蔵モジュールは目標第1スイッチトランジスタ又は目標第2スイッチトランジスタを介して番号p~番号qの電池モジュールを均衡することができる。
【0042】
1つの実施形態において、目標第1スイッチトランジスタSqa、目標第2スイッチトランジスタSqbのオン信号の間には、目標第1スイッチトランジスタSqaと目標第2スイッチトランジスタSqbが同時にオンにされないようにデッドタイムが設けられている。
【0043】
1つの実施形態において、目標第1スイッチトランジスタS
qa、目標第2スイッチトランジスタS
qbのオンオフ信号、及びインダクタLを流れる均衡電流i
Lは
図4に示されており、このときに、均衡システム100の動作モードはモード1及びモード2を含む。ただし、I
L,avgは均衡電流i
Lの平均値である。
【0044】
モード1、すなわちt
0~t
2期間において、目標第2スイッチトランジスタS
qbは第1の所定の時間の長さでオンにされ、目標第1スイッチトランジスタS
qaはオフにされ、第1の所定の時間の長さは目標第2スイッチトランジスタS
qbのデューティサイクルDと動作サイクルT
sとの積であり、すなわち第1の所定の時間の長さはDT
sであり、均衡電流i
Lは直線的に増加し、この場合、均衡システム100の等価回路は
図5に示されており、移行期エネルギー貯蔵モジュール102は電池モジュールp~電池モジュールq-1を均衡する。
【0045】
モード2、すなわちt
2~t
4期間において、目標第1スイッチトランジスタS
qaは第2の所定の時間の長さでオンにされ、目標第2スイッチトランジスタS
qbはオフにされ、デッドタイムを無視する場合に、第2の所定の時間の長さは動作サイクルと第1の所定の時間の長さとの差であり、すなわち第2の所定の時間の長さは(1-D)T
sであり、均衡電流i
Lは直線的に減少し、この場合、均衡システム100の等価回路は
図6に示されており、移行期エネルギー貯蔵モジュール102は電池モジュールp~電池モジュールqを均衡する。
【0046】
図4に示すように、t
0~t
1期間、t
2~t
3期間はいずれもデッドタイムである。
【0047】
電池モジュールp~電池モジュールqの電圧はそれぞれV
p~V
qであり、移行期エネルギー貯蔵モジュール102の電圧はV
tであり、上記電圧の間の関係式は、
である。
【0048】
理解できるように、
の場合に、均衡電流i
Lは増加し、例えば、均衡電流i
Lの平均値I
L,avgは増加し、逆に、
の場合に、均衡電流i
Lは減少し、例えば、均衡電流i
Lの平均値I
L,avgは減少する。上記分析から明らかなように、均衡電流i
Lは目標第2スイッチトランジスタS
qbのデューティサイクルDに関係する。
【0049】
上記の実施例のいずれかに基づいて、制御モジュール103は更に、目標第2スイッチトランジスタSqbのデューティサイクルDを調節して、インダクタLを流れる均衡電流iLを調節することに用いられる。例えば、制御モジュール103は更に、目標第2スイッチトランジスタSqbのデューティサイクルDを調節して、インダクタLを流れる均衡電流iLの平均値IL,avgを調節することに用いられる。これにより、当該システムでは、目標第2スイッチトランジスタのデューティサイクルを調節することで、インダクタを流れる均衡電流を調節し、均衡電流の正確な制御を実現することができる。
【0050】
1つの実施形態において、制御モジュール103は更に、各目標電池モジュールの残量に基づいて均衡電流iLの目標値を決定し、均衡電流iLの目標値に基づいてデューティサイクルDの目標値を決定することに用いられる。
【0051】
1つの実施形態において、制御モジュール103は調節器を含み、調節器は、均衡電流iLの目標値及び均衡電流iLの現在値に基づいてデューティサイクルDの目標値を調節することに用いられる。例えば、調節器はIL,avgの目標値及びIL,avgの現在値に基づいてデューティサイクルDの目標値を調節することに用いられる。IL,avgは均衡電流iLの平均値である。ただし、調節器の種類は特に限定されておらず、例えば、調節器は比例積分調節器、比例微分調節器等を含むがこれらに限定されない。これにより、当該システムでは、調節器を使用してデューティサイクルの目標値を調節し、更に均衡電流を調節することで、均衡電流の正確な制御を実現することができる。
【0052】
1つの実施形態において、引き続き
図2を例とし、制御モジュール103は電池管理ユニット1031、調節器1032、駆動ユニット1033、電流サンプリングユニット1034及び電圧サンプリングユニット1035を含む。
【0053】
電流サンプリングユニット1034はIL,avgの現在値をサンプリングすることに用いられ、電池管理ユニット1031は各電池モジュールの残量に基づいて複数の目標電池モジュールを決定し、各目標電池モジュールの残量に基づいてIL,avgの目標値Irefを決定することに用いられ、調節器1032はIL,avgの現在値及びIL,avgの目標値Irefに基づいてデューティサイクルDの目標値を調節し、デューティサイクルDの目標値を載せたスイッチデューティ信号を生成することに用いられる。
【0054】
電池管理ユニット1031は更にスイッチモジュール101のオンオフ信号を生成することに用いられ、駆動ユニット1033はオンオフ信号及びスイッチデューティ信号に基づいてスイッチモジュール101のスイッチをオン及び/又はオフに制御することに用いられる。
【0055】
1つの実施形態において、目標電池モジュールは番号p~番号qの電池モジュールを含み、すなわち目標電池モジュールは電池モジュールp~電池モジュールqを含む。制御モジュール103は更に、各目標電池モジュールの電圧及び目標第2スイッチトランジスタS
qbのデューティサイクルDの値の範囲に基づいて番号kを決定し、番号kの移行期エネルギー貯蔵電池(
図2における移行期エネルギー貯蔵電池A
kに対応)に対応する第3スイッチ(
図2における第3スイッチK
tkに対応)をオンに制御し、及び番号kの移行期エネルギー貯蔵電池を除いた残りの移行期エネルギー貯蔵電池に対応する第3スイッチをオフに制御することに用いられる。これにより、制御モジュールは、各目標電池モジュールの電圧及び目標第2スイッチトランジスタのデューティサイクルの値の範囲を総合的に考慮して、番号k、すなわち目標移行期エネルギー貯蔵電池を決定し、番号kの移行期エネルギー貯蔵電池に対応する第3スイッチをオンに制御し、及び残りの第3スイッチをオフに制御することができ、これにより各目標移行期エネルギー貯蔵電池はオンになった第3スイッチを介して、複数の目標電池モジュールを均衡することができる。
【0056】
1つの実施形態において、引き続き
図2を例とし、移行期エネルギー貯蔵電池A
1~移行期エネルギー貯蔵電池A
jの電圧はそれぞれV
t1~V
tjである。電圧サンプリングユニット1035は移行期エネルギー貯蔵電池A
1~移行期エネルギー貯蔵電池A
jの電圧V
t1~電圧V
tjをサンプリングすることに用いられる。
【0057】
1つの実施形態において、移行期エネルギー貯蔵モジュール102の電圧(すなわち目標移行期エネルギー貯蔵電池A
1~目標移行期エネルギー貯蔵電池A
kの電圧の合計)は、
である。
【0058】
電池モジュールp~電池モジュールqの電圧はそれぞれV
p~V
qであり、移行期エネルギー貯蔵モジュール102の電圧はV
tであり、上記電圧の間の関係式は、
である。
【0059】
1つの実施形態において、デューティサイクルDの値の範囲は、デューティサイクルが高すぎ又は低すぎて均等化(均衡)の効率に影響を与えることを回避するように、0.1~0.9に設定されている。この場合、移行期エネルギー貯蔵モジュール102の電圧V
tは、条件
を満たす。
【0060】
これから、
を得ることができ、更に番号kの値の範囲を決定してから番号kを決定し、目標移行期エネルギー貯蔵電池を決定することができる。
【0061】
上記の実施例のいずれかに基づいて、
図7に示すように、電池クラスタ200は電池モジュール1~電池モジュール5を含み、各電池モジュールは2つの単電池を含み、電池モジュール1は単電池B
1、B
2を含み、電池モジュール2は単電池B
3、B
4を含み、電池モジュール3は単電池B
5、B
6を含み、電池モジュール4は単電池B
7、B
8を含み、電池モジュール5は単電池B
9、B
10を含む。
【0062】
例えば、制御モジュール103は電池モジュール3、4を均衡カテゴリが放電である第1目標電池モジュールとし、電池モジュール1、2を均衡カテゴリが充電である第2目標電池モジュールとする。
【0063】
電池モジュール3、4を均衡する場合に、制御モジュール103は、電池モジュール4に対応する第1スイッチユニットの目標第1スイッチK4aをオンに制御し、電池モジュール3に対応する第2スイッチユニットの目標第2スイッチK3bをオンに制御し、K4aを除いた残りの第1スイッチをオフに制御し、及びK3bを除いた残りの第2スイッチをオフに制御することに用いられる。
【0064】
スイッチトランジスタの各動作サイクルにおいて、制御モジュール103は更に、電池モジュール4に対応する目標スイッチトランジスタユニットの目標第2スイッチトランジスタS4bを第1の所定の時間の長さでオンに制御し、目標第2スイッチトランジスタS4bをオンに制御しながら目標第1スイッチトランジスタS4aをオフに制御し、目標第2スイッチトランジスタS4bを第1の所定の時間の長さでオンに制御した後に、電池モジュール4に対応する目標スイッチトランジスタユニットの目標第1スイッチトランジスタS4aを第2の所定の時間の長さでオンに制御し、目標第1スイッチトランジスタS4aをオンに制御しながら目標第2スイッチトランジスタS4bをオフに制御し、及びS4a、S4bを除いた残りのスイッチトランジスタが動作サイクルにおいてオフを継続するように制御する。
【0065】
目標第1スイッチトランジスタS
4a、目標第2スイッチトランジスタS
4bのオンオフ信号、及びインダクタLを流れる均衡電流i
Lは
図8に示されており、この場合、均衡システム100の動作モードはモード1及びモード2を含み、均衡電流i
Lの平均値I
L,avg<0である。
【0066】
モード1、すなわちt
0~t
2期間において、目標第2スイッチトランジスタS
4bは第1の所定の時間の長さでオンにされ、目標第1スイッチトランジスタS
4aはオフにされ、第1の所定の時間の長さは目標第2スイッチトランジスタS
4bのデューティサイクルD
1と動作サイクルT
sとの積であり、すなわち第1の所定の時間の長さはD
1T
sであり、均衡電流i
Lは直線的に増加し、この場合、均衡システム100の等価回路は
図9に示されており、移行期エネルギー貯蔵モジュール102は電池モジュール3によって放出された電気エネルギーを貯蔵することに用いられる。
【0067】
モード2、すなわちt
2~t
4期間において、目標第1スイッチトランジスタS
4aは第2の所定の時間の長さでオンにされ、目標第2スイッチトランジスタS
4bはオフにされ、デッドタイムを無視する場合に、第2の所定の時間の長さは動作サイクルと第1の所定の時間の長さとの差であり、すなわち第2の所定の時間の長さは(1-D
1)T
sであり、均衡電流i
Lは直線的に減少し、この場合、均衡システム100の等価回路は
図10に示されており、移行期エネルギー貯蔵モジュール102は電池モジュール3、4によって放出された電気エネルギーを貯蔵することに用いられる。
【0068】
電池モジュール1、2を均衡する場合に、制御モジュール103は、電池モジュール2に対応する第1スイッチユニットの目標第1スイッチK2aをオンに制御し、電池モジュール1に対応する第2スイッチユニットの目標第2スイッチK1bをオンに制御し、K2aを除いた残りの第1スイッチをオフに制御し、及びK1bを除いた残りの第2スイッチをオフに制御することに用いられる。
【0069】
スイッチトランジスタの各動作サイクルにおいて、制御モジュール103は更に、電池モジュール2に対応する目標スイッチトランジスタユニットの目標第2スイッチトランジスタS2bを第1の所定の時間の長さでオンに制御し、目標第2スイッチトランジスタS2bをオンに制御しながら目標第1スイッチトランジスタS2aをオフに制御し、目標第2スイッチトランジスタS2bが第1の所定の時間の長さでオンにされた後に、電池モジュール2に対応する目標スイッチトランジスタユニットの目標第1スイッチトランジスタS2aを第2の所定の時間の長さでオンに制御し、目標第1スイッチトランジスタS2aをオンに制御しながら目標第2スイッチトランジスタS2bをオフに制御し、及びS2a、S2bを除いた残りのスイッチトランジスタがオフを継続するように制御する。
【0070】
目標第1スイッチトランジスタS
2a、目標第2スイッチトランジスタS
2bのオンオフ信号、及びインダクタLを流れる均衡電流i
Lは
図11に示されており、この場合、均衡システム100の動作モードはモード1及びモード2を含み、均衡電流i
Lの平均値I
L,avg>0である。
【0071】
モード1、すなわちt
0~t
2期間において、目標第2スイッチトランジスタS
2bは第1の所定の時間の長さでオンにされ、目標第1スイッチトランジスタS
2aはオフにされ、第1の所定の時間の長さは目標第2スイッチトランジスタS
2bのデューティサイクルD
2と動作サイクルT
sとの積であり、すなわち第1の所定の時間の長さはD
2T
sであり、均衡電流i
Lは直線的に増加し、この場合、均衡システム100の等価回路は
図12に示されており、移行期エネルギー貯蔵モジュール102は電気エネルギーを放出して電池モジュール1を充電する。
【0072】
モード2、すなわちt
2~t
4期間において、目標第1スイッチトランジスタS
2aは第2の所定の時間の長さでオンにされ、目標第2スイッチトランジスタS
2bはオフにされ、デッドタイムを無視する場合に、第2の所定の時間の長さは動作サイクルと第1の所定の時間の長さとの差であり、すなわち第2の所定の時間の長さは(1-D
2)T
sであり、均衡電流i
Lは直線的に減少し、この場合、均衡システム100の等価回路は
図13に示されており、移行期エネルギー貯蔵モジュール102は電気エネルギーを放出して電池モジュール1、2を充電することに用いられる。
【0073】
【0074】
本開示の説明において、用語「中心」、「縦方向」、「横方向」、「長さ」、「幅」、「厚さ」、「上」、「下」、「前」、「後」、「左」、「右」、「垂直」、「水平」、「頂」、「底」、「内」、「外」、「時計回り」、「反時計回り」、「軸方向」、「径方向」、「周方向」などが示す方位又は位置関係は、図面に示された方位又は位置関係に基づくものであり、単に本開示の説明を容易にするためのものであり、係る装置又は素子が特定の方位を有したり、特定の方位で構成及び操作されたりすることを指示又は暗示しないため、本開示を限定するものではないと理解すべきである。
【0075】
また、用語「第1」、「第2」は単に説明の目的に使用されるものであり、相対的な重要性を指示又は暗示しない、又は示された技術的特徴の数を暗黙的に示さないと理解すべきである。したがって、「第1」、「第2」に限定された特徴は、1つ又は複数の特徴を明示的又は暗黙的に含むことができる。本開示の説明において、「複数」は、特に特定の限定がない限り、2つ以上を意味する。
【0076】
本開示では、特に明確な規定と限定がない限り、用語「取付」、「連結」、「接続」、「固定」などの用語は広義に理解すべきである。例えば、固定接続、取り外し可能接続、又は一体的接続であってもよく、機械的接続、又は電気的接続であってもよく、直接連結、又は中間媒体を介する間接的連結であってもよく、2つの素子の内部の連通又は2つの要素の相互作用関係であってもよい。当業者であれば、具体的な状況に応じて本開示における上記用語の具体的な意味を理解することができる。
【0077】
以上は本開示の実施例を示して説明したが、上述した実施例は例示的であり、本開示を限定するものではないと理解すべきであり、当業者は、本開示の範囲内で上述の実施例について変更、修正、置換、および変形を行うことができる。
【国際調査報告】