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  • 特表-電池筐体、電池と電力消費機器 図1
  • 特表-電池筐体、電池と電力消費機器 図2
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-10-31
(54)【発明の名称】電池筐体、電池と電力消費機器
(51)【国際特許分類】
   H01M 50/293 20210101AFI20241024BHJP
   H01M 50/291 20210101ALI20241024BHJP
   H01M 50/242 20210101ALI20241024BHJP
【FI】
H01M50/293
H01M50/291
H01M50/242
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2024530010
(86)(22)【出願日】2023-02-24
(85)【翻訳文提出日】2024-05-21
(86)【国際出願番号】 CN2023078258
(87)【国際公開番号】W WO2023179307
(87)【国際公開日】2023-09-28
(31)【優先権主張番号】202220629625.4
(32)【優先日】2022-03-22
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】524304976
【氏名又は名称】香港時代新能源科技有限公司
【氏名又は名称原語表記】CONTEMPORARY AMPEREX TECHNOLOGY (HONG KONG) LIMITED
【住所又は居所原語表記】LEVEL 19, CHINA BUILDING, 29 QUEEN’S ROAD CENTRAL, CENTRAL, CENTRAL AND WESTERN DISTRICT, HONG KONG, CHINA
(74)【代理人】
【識別番号】100159329
【弁理士】
【氏名又は名称】三縄 隆
(72)【発明者】
【氏名】李 志▲強▼
(72)【発明者】
【氏名】▲曾▼ 超
(72)【発明者】
【氏名】▲包▼ ▲聡▼
(72)【発明者】
【氏名】王 升威
【テーマコード(参考)】
5H040
【Fターム(参考)】
5H040AA14
5H040LL06
(57)【要約】
本出願は、電池筐体、電池と電力消費機器を開示する。電池筐体は、底板と枠体とを含み、前記枠体の両端は、いずれも開口を有し、前記枠体の一端の開口は、前記底板の縁部に接続されて収容空間を形成し、前記収容空間における前記底板の収容空間に向く一側に軽量エネルギー吸収部材が設置される。本出願による電池筐体は、電池筐体の底部に衝撃又は衝突が発生した時、軽量エネルギー吸収部材が衝撃又は衝突による衝撃エネルギーを吸収することができ、電池筐体内の電池モジュールが受ける振動、押圧及び衝突強度を大幅に低下させ、電池モジュールに緩衝及び保護を提供し、且つ軽量エネルギー吸収部材の重量が比較的小さく、それにより過度の重量を増加させることなく、電池モジュールに保護を提供することができる。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
電池筐体であって、
底板と、
枠体と、を含み、前記枠体の両端は、いずれも開口を有し、前記枠体の一端の開口は、前記底板の縁部に接続されて収容空間を形成し、前記収容空間における前記底板の収容空間に向く一側に軽量エネルギー吸収部材が設置される、電池筐体。
【請求項2】
前記収容空間内に設置され、且つ前記底板の前記収容空間に向く一側に位置する保護板をさらに含む、請求項1に記載の電池筐体。
【請求項3】
前記保護板は、中空構造である、請求項2に記載の電池筐体。
【請求項4】
前記保護板と前記底板との間は、間隔をおいて設置され且つキャビティを形成する、請求項2又は3に記載の電池筐体。
【請求項5】
前記軽量エネルギー吸収部材は、前記キャビティ内に設置される、請求項4に記載の電池筐体。
【請求項6】
前記枠体の側壁に前記収容空間と連通する注入孔が設けられ、前記注入孔は、前記収容空間に前記軽量エネルギー吸収部材を形成する材料を注入するために用いられる、請求項4又は5に記載の電池筐体。
【請求項7】
前記注入孔は、前記キャビティに対応する前記枠体の側壁に設置される、請求項6に記載の電池筐体。
【請求項8】
前記保護板は、多層であり、多層の前記保護板の間は、間隔をおいて設置されるか又は積層して設置される、請求項2から7のいずれか1項に記載の電池筐体。
【請求項9】
前記保護板は、ポリプロピレン材料又は樹脂材料で製造される、請求項2から8のいずれか1項に記載の電池筐体。
【請求項10】
前記軽量エネルギー吸収部材は、発泡接着剤材料を含む、請求項1から9のいずれか1項に記載の電池筐体。
【請求項11】
前記軽量エネルギー吸収部材は、前記電池筐体の底板に積層して設置される、請求項1から10のいずれか1項に記載の電池筐体。
【請求項12】
電池であって、請求項1から11のいずれか1項に記載の電池筐体を含む、電池。
【請求項13】
電力消費機器であって、請求項12に記載の電池を含む、電力消費機器。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
関連出願の相互参照
本出願は、2022年03月22日に提出された名称が「電池筐体、電池と電力消費機器」の中国特許出願202220629625.4の優先権を主張しており、同出願の内容の全ては、ここに参照として取り込まれる。
【0002】
本出願は、電池技術分野に関し、特に電池筐体、電池と電力消費機器に関する。
【背景技術】
【0003】
現在、電池の広範な使用に伴い、電池の使用中の安全性がますます重視されている。
【0004】
従来技術において、電池筐体の底板と電池モジュールとの間に他の構造を設置することにより電池モジュールを保護しているが、このような方式は、電池の重量を増加させる。
【0005】
従って、如何にして重量を増やすことなく、電池を保護することを提供できることは、早急な解決が待たれる問題になる。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
上記問題に鑑み、本出願は、電池筐体、電池と電力消費機器を提供し、電池筐体は、過度の重量を増加させることなく、電池モジュールに保護を提供することができる。
【0007】
上記技術的問題を解決するために、本出願の実施例は、以下の技術案を提供する。
【課題を解決するための手段】
【0008】
第一の態様によれば、本出願は、電池筐体を提供し、この電池筐体は、
底板と枠体とを含み、枠体の両端は、いずれも開口を有し、枠体の一端の開口は、底板の縁部に接続されて収容空間を形成し、収容空間における底板の収容空間に向く一側に軽量エネルギー吸収部材が設置される。
【0009】
本出願の実施例の技術案において、本出願は、電池筐体を提供し、底板及び枠体を含み、枠体の一端の開口は、底板の縁部に接続され、それにより枠体及び底板は、収容空間を形成し、この収容空間内に電池モジュールを収容することができ、且つ収容空間における底板の収容空間に向く一側に軽量エネルギー吸収部材が設置され、即ち軽量エネルギー吸収部材は、収容空間における底板と電池モジュールとの間に設置され、それにより電池筐体の底部に衝撃又は衝突が発生した時、軽量エネルギー吸収部材は、衝撃又は衝突による衝撃エネルギーを吸収することができ、電池筐体内の電池モジュールが受ける振動、押圧及び衝突強度を大幅に低下させ、電池モジュールに緩衝及び保護を提供し、且つ軽量エネルギー吸収部材の重量が比較的小さく、それにより過度の重量を増加させることなく、電池モジュールに保護を提供することができる。
【0010】
いくつかの実施例では、保護板をさらに含み、保護板は、収容空間内に設置され、且つ底板の収容空間に向く一側に位置する。保護板の設置は、電池筐体内の電池モジュールに保護をさらに提供し、電池モジュールが電池筐体に衝撃又は衝突する時に破損することを回避し、電池モジュールの耐用年数を向上させる。
【0011】
いくつかの実施例では、保護板は、中空構造である。中空構造の保護板の材料使用は、より少なく、重量がより軽く、それにより重量を軽減しながら電池モジュールに保護を提供することができる。
【0012】
いくつかの実施例では、保護板と底板との間は、間隔をおいて設置され且つキャビティを形成する。底板と保護板との間のキャビティの形成はさらに、衝撃又は衝突時に発生する衝撃力を低減し、電池モジュールに到達する時の衝撃力の大きさを減少させることができ、それによりさらに電池モジュールを保護する作用を果たし、且つキャビティ内に媒体を設置されてもよく、それにより衝撃又は衝突時に発生する衝撃力をさらに低減し、電池モジュールに対して保護を提供する。
【0013】
いくつかの実施例では、軽量エネルギー吸収部材は、キャビティ内に設置される。キャビティ内の媒体は、軽量エネルギー吸収部材として設置され、それにより電池モジュールを保護する軽量エネルギー吸収部材及び保護板をより良好に設置し、空間占有を減少させ、且つ保護板及び軽量エネルギー吸収部材の電池モジュールに対する保護作用を最大限に発揮することができる。
【0014】
いくつかの実施例では、枠体の側壁に収容空間と連通する注入孔が設けられ、注入孔は、収容空間に軽量エネルギー吸収部材を形成する材料を注入するために用いられる。枠体に設けられた注入孔は、電池筐体の組み立てが完了した後に、電池筐体内に軽量エネルギー吸収部材を形成する材料の注入を行うことができ、それにより電池筐体内に軽量エネルギー吸収部材を備えさせて電池モジュールに保護を提供する。
【0015】
いくつかの実施例では、注入孔は、キャビティが対応する枠体の側壁に設けられる。電池筐体は、枠体、底板及び保護板を含み、枠体と底板は、囲んで収容空間を形成し、保護板は、収容空間内に設置され、且つ保護板と底板との間にキャビティが形成され、キャビティ内に軽量エネルギー吸収部材が設置される場合、保護板と軽量エネルギー吸収部材は、電池モジュールに対して最大限に保護を提供することができ、軽量エネルギー吸収部材が設置される場合、注入孔を枠体の側壁とキャビティが対向して設置される領域に設置してもよく、それにより軽量エネルギー吸収部材をキャビティ内に設置し、電池モジュールに対する最大の保護を実現する。
【0016】
いくつかの実施例では、軽量エネルギー吸収部材は、発泡接着剤材料を含む。発泡接着剤材料を含む軽量エネルギー吸収部材は、その緩衝エネルギー吸収効果が高く、それにより電池モジュールに保護をより良好に提供することができ、且つコストが比較的低い。
【0017】
第二の態様によれば、本出願は、電池を提供し、この電池は、上記実施例における電池筐体を含む。
【0018】
第三の態様によれば、本出願は、電力消費装置を提供し、この電力消費装置は、上記実施例における電池を含み、電池は、電気エネルギーを提供するために用いられる。
【0019】
上記説明は、本出願の技術案の概要に過ぎず、本出願の技術手段をより明確に理解するために、明細書の内容に従って実施することができ、かつ本出願の上記と他の目的、特徴と利点をより明らかに分かりやすくするために、以下は、特に本出願の具体的な実施形態を挙げて説明する。
【0020】
以下の選択的な実施形態の詳細な記述を読むことによって、様々な他の利点と利益は、当業者にとって明らかになる。図面は、選択的な実施形態の目的を示すために用いられるだけであるが、本出願に対する制限とみなされない。なお、全ての図面では、同じ図面符号で同じ部材を示す。
【図面の簡単な説明】
【0021】
図1】本出願のいくつかの実施例の電池筐体が倒置する時の分解図である。
図2】本出願のいくつかの実施例の別の電池筐体が倒置する時の分解図である。
図3】本出願のいくつかの実施例のまた別の電池筐体が倒置する時の分解図である。
【発明を実施するための形態】
【0022】
以下、図面を結び付けながら本出願の技術案の実施例を詳細に記述する。以下の実施例が本出願の技術案をより明瞭に説明するためのものに過ぎないため、例のみとし、これによって本出願の保護範囲を限定してはならない。
【0023】
特に定義されない限り、本明細書に使用されるすべての技術的及び科学的用語は、本出願の技術分野に属する当業者によって一般的に理解される意味と同じであり、本明細書に使用される用語は、具体的な実施例を記述するためのものに過ぎず、本出願を限定することを意図しておらず、本出願の明細書と特許請求の範囲及び上記図面の説明における用語である「含む」と「有する」及びそれらの任意の変形は、非排他的な「含む」を意図的にカバーするものである。
【0024】
本出願の実施例の記述において、技術用語である「第一」、「第二」などは、異なる対象を区別するためのものに過ぎず、相対的な重要性を指示又は示唆し又は指示される技術的特徴の数、特定の順序又は主従関係を暗黙的に明示すると理解されるべきではない。本出願の実施例の記述において、特に具体的な限定が明確化されない限り、「複数」の意味は、二つ以上である。
【0025】
本明細書に言及された「実施例」は、実施例を結び付けて記述された特定の特徴、構造又は特性が本出願の少なくとも一つの実施例に含まれ得ることを意味している。明細書における各位置でのこのフレーズの出現は、必ずしも全てが同じ実施例を指すものではなく、他の実施例と相互排他する独立した又は代替的な実施例でもない。当業者は、本明細書に記述された実施例が他の実施例と組み合わされることが可能であることを明示的且つ非明示的に理解することができる。
【0026】
本出願の実施例の記述において、用語である「及び/又は」は、ただ関連対象を記述する関連関係に過ぎず、三つの関係が存在し得ることを表し、例えばA及び/又はBは、単独のA、AとBとの組み合わせ、単独のBの3つのケースを表してもよい。また、本明細書における文字である「/」は、一般的には前後関連対象が「又は」の関係であることを表す。
【0027】
本出願の実施例の記述において、用語である「複数」は、二つ以上(二つを含む)を指し、同様に、「複数組」は、二組以上(二組を含む)を指し、「複数枚」は、2枚以上(2枚を含む)を指している。
【0028】
本出願の実施例の記述において、技術用語である「中心」、「縦方向」、「横方向」、「長さ」、「幅」、「厚さ」、「上」、「下」、「前」、「後」、「左」、「右」、「鉛直」、「水平」、「頂」、「底」、「内」、「外」、「時計回り」、「反時計回り」、「軸方向」、「径方向」、「周方向」などにより指示される方位又は位置関係は、図面に基づいて示される方位又は位置関係であり、本出願の実施例を記述しやすく、記述を簡略化するためのものに過ぎず、言及された装置又は素子が特定の方位を有し、特定の方位で構成して動作しなければならないことを指示又は暗示するものではないため、本出願の実施例に対する制限として理解されるべきではない。
【0029】
本出願の実施例の記述において、特に明確に規定、限定されていない限り、技術用語である「取り付け」、「繋がり」、「接続」、「固定」などの用語は、広義に理解されるべきであり、例えば、固定的な接続であってもよく、取り外し可能な接続であってもよく、又は一体であってもよく、機械的な接続であってもよく、電気的な接続であってもよく、直接的な繋がりであってもよく、中間媒体による間接的な繋がりであってもよく、二つの素子内部の連通又は二つの素子の相互作用関係であってもよい。当業者にとって、具体的な状況に応じて上記用語の本出願の実施例での具体的な意味を理解してもよい。
【0030】
現在、市場情勢の発展から見ると、動力電池の応用は、ますます広くなっている。動力電池は、水力、火力、風力と太陽光発電所などのエネルギー貯蔵電源システムに用いられるだけでなく、そしてさらに電動自転車、電動バイク、電気自動車などの電動交通工具、及び軍事装備と航空宇宙などの複数の分野に幅広く用いられる。動力電池応用分野の連続的な拡大につれて、その市場の需要量も連続的に増加する。
【0031】
本発明者は、電池がますます多くの場面に応用されることに伴い、電池の衝突又は衝撃が発生する確率がますます高くなり、電池の保護もますます重要となり、電池が応用において衝突又は衝撃が発生した時に破損が発生することを回避することに気づいた。
【0032】
電池が衝突又は衝撃時に破損が発生するという問題を解決するために、出願人は、研究により、電池筐体内の底板の収容空間に向く一側に軽量エネルギー吸収部材を設置することにより、衝突又は衝撃時の衝撃力を吸収し、電池モジュールに到達する時の衝撃力を減少させ、電池モジュールに緩衝及び保護を提供できることを発見した。
【0033】
以上の考えに基づき、電池モジュールが衝撃又は衝突で破損が発生しやすいという問題を解決するために、発明者は、鋭意研究した結果、電池筐体を設計し、電池筐体内の底板の電池筐体の収容空間に向く一側に軽量エネルギー吸収部材を設置することにより、それにより衝突又は衝撃時の衝撃力を緩和及び吸収し、電池モジュールに保護を提供する。
【0034】
本出願の実施例に開示された電池筐体と電池は、車両、船舶又は航空機などの電力消費装置に用いることができるが、これらに限定されない。本出願が開示する電池筐体、電池などを備えてこの電力消費装置を構成する電源システムを使用することができ、このように、衝突又は衝撃が発生した時、電池筐体内の軽量エネルギー吸収部材は、電池モジュールに保護を提供することができ、電池モジュールが衝突又は衝撃が発生した時に破損することを回避し、電池の耐用年数を向上させることに役立つ。
【0035】
本出願の実施例は、電池を電源として使用する電力消費装置を提供し、電力消費装置は、携帯電話、タブレット、ノートパソコン、電動玩具、電動工具、バッテリ車、電気自動車、汽船、宇宙機などであってもよいが、これらに限定されない。ここで、電動玩具は、固定式又は移動式の電動玩具を含んでもよく、例えば、ゲーム機、電気自動車玩具、電動汽船玩具及び電動飛行機玩具等であり、宇宙機は、飛行機、ロケット、宇宙航空機及び宇宙船などを含んでもよい。
【0036】
以下の実施例は、説明の便宜上、本出願の一実施例の電池筐体1を例にして説明する。
【0037】
図1を参照すると、図1は、本出願のいくつかの実施例による電池筐体1の倒置する時の分解図である。電池筐体1は、枠体12、底板11及び軽量エネルギー吸収部材13を含み、枠体12は、両端が開口した構造であり、枠体12と底部は、囲んで一端が開口した収容空間を形成し、電池モジュールは、収容空間内に設置され、軽量エネルギー吸収部材13も収容空間内に設置され、且つ底部の収容空間に向く一側に位置し、即ち軽量エネルギー吸収部材13は、底板11と電池モジュールとの間に設置され、衝突又は衝撃が発生した時、底板11と電池モジュールとの間に設置される軽量エネルギー吸収部材13は、電池モジュールのために衝撃力を吸収することができ、それにより電池モジュールに対して緩衝及び保護を行う。
【0038】
電池筐体1はさらに、保護板14を有してもよく、保護板14も底板11の収容空間に向く一側に設置され、即ち保護板14も電池モジュールと底板11との間に設置され、衝突又は衝撃が発生した時、底板11と電池モジュールとの間に設置される保護板14は、電池モジュールのために衝撃力を吸収することができ、それにより電池モジュールに対して緩衝及び保護を行う。
【0039】
電池は、電池筐体1及び電池モジュールを含み、電池モジュールは、電池筐体1内に収容される。ここで、電池筐体1は、電池モジュールに収容空間を提供するために用いられ、電池モジュールは、様々な構造を採用することができる。いくつかの実施例では、電池筐体1は、枠体12及び底板11を含んでもよく、枠体12及び底板11は、一端が開口した収容空間を形成し、電池モジュールは、収容空間内に設置され、電池筐体1内にさらに底板11と電池モジュールとの間に位置する軽量エネルギー吸収部材13が設置され、それにより衝突又は衝撃が発生した時、底板11と電池モジュールとの間に設置される軽量エネルギー吸収部材13は、電池モジュールのために衝撃力を吸収することができ、それにより電池モジュールに対して緩衝及び保護を行い、且つ軽量エネルギー吸収部材13の重量が軽く、それにより過度の重量を増加させることなく、電池モジュールに保護を提供することができる。
【0040】
説明すべきこととして、本出願において、電池モジュールは、電池セルからなる電池モジュールであってもよく、この時に電池モジュールは、端板及び側板を含んでもよい。本出願において、電池モジュールは、端板や側板がない場合の複数の電池セルからなるセットであってもよい。
【0041】
本出願のいくつかの実施例では、電池は、電力消費機器の操作電源として用いることができるだけでなく、電力消費機器の駆動電源として、ガソリン又は天然ガスの代わりに、又はその一部の代わりに電力消費機器に駆動動力を提供することもできる。
【0042】
電池において、電池モジュールは、複数の電池セルを含み、電池セルは、複数であってもよく、複数の電池セル間は、直列接続又は並列接続又は直並列接続であってもよく、直並列接続とは、複数の電池セルには、直列接続もあり、並列接続もあることを意味している。複数の電池セル間は、直接に直列接続又は並列接続又は直並列接続され、複数の電池セルから構成される電池モジュール全体を電池筐体1内に収容してもよい。
【0043】
ここで、各電池セルは、二次電池又は一次電池であってもよく、リチウムイオン電池、ナトリウムイオン電池又はマグネシウムイオン電池であってもよく、これに限定されない。電池セルは、扁平体、直方体又は他の形状などを呈してもよい。
【0044】
本出願のいくつかの実施例による電力消費機器は、電池を含む。電力消費機器は、車両であってもよく、車両は、燃料自動車、ガス自動車又は新エネルギー自動車であってもよく、新エネルギー自動車は、純電気自動車、ハイブリッド自動車又はレンジエクステンダー自動車などであってもよい。車両の内部に電池が設置され、電池は、車両の底部又は頭部又は尾部に設置されてもよい。電池は、車両への給電に用いられてもよく、例えば電池は、車両の操作電源として用いられてもよい。車両はさらに、コントローラとモータとを含んでもよく、コントローラは、電池がモータに給電し、例えば車両の起動、ナビゲーションと走行時の動作電力消費需要に用いるように制御するために用いられる。
【0045】
本出願のいくつかの実施例によれば、図1に示すように、電池筐体1は、底板11及び枠体12を含み、枠体12の両端は、いずれも開口を有し、枠体12の一端の開口は、底板11の縁部に接続されて収容空間を形成し、収容空間における底板11の収容空間に向く一側に軽量エネルギー吸収部材13が設置される。
【0046】
枠体12は、電池筐体1の側壁であり、枠体12は、囲んで上下にいずれも開口を有する収容空間を形成し、枠体12の一端の開口部に底板11が接続され、それにより枠体12と底板11は、一端が開口する収容空間を形成し、収容空間内に電池モジュールが収容され、軽量エネルギー吸収部材13は、電池筐体1の底板11に積層して設置され、且つ電池モジュールの上方に位置する。
【0047】
この実施例では、電池筐体1内の底板11と枠体12で形成された収容空間に軽量エネルギー吸収部材13が設置され、且つ軽量エネルギー吸収部材13は、底板11の収容空間に向く一側に設置され、即ち軽量エネルギー吸収部材13は、底板11と電池モジュールとの間に設置され、それにより電池筐体1の底部に衝撃又は衝突が発生した時、軽量エネルギー吸収部材13は、衝撃又は衝突による衝撃エネルギーを吸収することができ、電池筐体1内の電池モジュールが受ける振動、押圧及び衝突強度を大幅に低下させ、電池モジュールに緩衝及び保護を提供し、且つ軽量エネルギー吸収部材13の重量が比較的小さく、それにより過度の重量を増加させることなく、電池モジュールに保護を提供することができる。
【0048】
図2図3に示すように、本出願のいくつかの実施例によれば、保護板14をさらに含み、保護板14は、収容空間内に設置され、且つ底板11の収容空間に向く一側に位置する。
【0049】
電池筐体1は、枠体12、底板11及び保護板14を含み、枠体12と底板11は、囲んで一端が開口した収容空間を形成し、保護板14、電池モジュール及び軽量エネルギー吸収部材13は、収容空間内に設置され、且つ保護板14は、電池モジュールと底板11との間に位置し、軽量エネルギー吸収部材13は、保護板14と底板11との間に設置されてもよく、保護板14と電池モジュールとの間に設置されてもよい。保護板14は、単層であってもよく、多層であってもよい。多層保護板14の間は、間隔をおいて設置されてもよく、積層して設置されてもよい。保護板14は、ポリプロピレン材料又は樹脂材料で製造されてもよい。
【0050】
この実施例では、保護板14の設置はさらに、電池筐体1内の電池モジュールに保護を提供し、衝突又は衝撃過程において発生する衝撃力を吸収し、さらに電池筐体1内の電池モジュールが受ける振動、押圧及び衝突強度を低下させ、電池モジュールが電池筐体1に衝撃又は衝突する時に破損することを回避し、電池の耐用年数を向上させる。
【0051】
図3に示すように、本出願のいくつかの実施例によれば、保護板14は、中空構造である。
【0052】
中空構造の保護板14は、保護板14に複数の孔が間隔をおいて設けられ、孔の大きさ及び形状は、必要に応じて設置され、孔の数も必要に応じて設けられる。選択的に、保護板14の間に複数の円形又は多角形孔が均一に設けられる。
【0053】
この実施例では、中空構造の保護板14の材料の使用がより少なく、コストを削減し、且つ重量がより軽く、それにより重量を軽減しながら電池モジュールに保護を提供することができる。
【0054】
図2図3に示すように、本出願のいくつかの実施例によれば、保護板14と底板11との間は、間隔をおいて設置され且つキャビティを形成する。
【0055】
電池筐体1は、枠体12、底板11、保護板14及び軽量エネルギー吸収部材13を含み、底板11を枠体12の底端開口部に固定して設置し、続いて保護板14を底板11と枠体12で形成された収容空間に設置し、且つ底板11と間隔をおいて設置されてキャビティを形成し、保護板14は、底板11と電池モジュールとの間に位置し、保護板14の周囲は、枠体12の内壁に固定して接続され、それにより保護板14を収容空間内に固定し、軽量エネルギー吸収部材13は、保護板14と底板11との間又は保護板14と電池モジュールとの間に設置されてもよい。
【0056】
この実施例では、底板11と保護板14との間のキャビティの形成はさらに、衝撃又は衝突時に発生する衝撃力を低減し、電池モジュールに到達する時の衝撃力の大きさを減少させることができ、それによりさらに電池モジュールを保護する作用を果たし、且つキャビティ内に媒体を設置されてもよく、それにより衝撃又は衝突時に発生する衝撃力をさらに低減し、電池モジュールに対して保護を提供する。
【0057】
図2図3に示すように、本出願のいくつかの実施例によれば、軽量エネルギー吸収部材13は、キャビティ内に設置される。
【0058】
電池筐体1は、枠体12、底板11、保護板14及び軽量エネルギー吸収部材13を含み、底板11を枠体12の底端開口部に固定して設置し、続いて保護板14を底板11と枠体12で形成された収容空間に設置し、保護板14の周囲は、枠体12の内壁に固定して接続され、且つ底板11と間隔をおいて設置されてキャビティを形成し、保護板14は、底板11と電池モジュールとの間に位置し、軽量エネルギー吸収部材13は、保護板14と底板11との間に設置される。
【0059】
この実施例では、保護板14と底板11との間に形成されたキャビティ内に軽量エネルギー吸収部材13が設置され、即ち保護板14と軽量エネルギー吸収部材13の多層エネルギー吸収設置は、衝撃防止効果をさらに向上させることができ、このように電池筐体1の底部が外部から衝撃を受けた時、まず弾性変形が大きい軽量エネルギー吸収層によってエネルギーを吸収し、次に保護板14によって余分なエネルギーを吸収し、電池パックに対する保護をさらに向上させ、且つ電池モジュールを保護する軽量エネルギー吸収部材13及び保護板14をよりよく設置し、空間占有を減少させ、且つ保護板14及び軽量エネルギー吸収部材13の電池モジュールに対する保護作用を最大限に発揮することができる。
【0060】
図1から図3を参照すると、本出願のいくつかの実施例によれば、枠体12の側壁に収容空間と連通する注入孔121が設けられ、注入孔121は、収容空間に軽量エネルギー吸収部材13を形成する材料を注入するために用いられる。
【0061】
注入孔121は、枠体12のいずれかの側壁に設けられた貫通孔であり、注入孔121は、一つであってもよく、複数であってもよい。
【0062】
この実施例では、枠体12における注入孔121の設けは、電池筐体1の組み立てが完了した後に、電池筐体1内に軽量エネルギー吸収部材13を形成する材料の注入を行うことができ、それにより電池筐体1内に軽量エネルギー吸収部材13を備えさせて電池モジュールに保護を提供する。注入孔121が複数である場合、軽量エネルギー吸収部材13の迅速な注入を実現することができる。
【0063】
図1から図3を参照すると、本出願のいくつかの実施例によれば、注入孔121は、キャビティに対応する枠体12の側壁に設けられる。
【0064】
電池筐体1は、枠体12、底板11及び保護板14を含み、枠体12と底板11は、囲んで収容空間を形成し、保護板14は、収容空間内に設置され、且つ保護板14と底板11との間にキャビティが形成され、キャビティ内に軽量エネルギー吸収部材13が設置される場合、保護板14と軽量エネルギー吸収部材13は、電池モジュールに対して最大限に保護を提供することができ、軽量エネルギー吸収部材13が設置される場合、注入孔121を枠体12の側壁とキャビティが対向して設置される領域に設置してもよく、それにより軽量エネルギー吸収部材13をキャビティ内に設置し、電池モジュールに対する最大の保護を実現する。
【0065】
この実施例では、注入孔121は、枠体12のキャビティに対応する位置に対応して設置され、それにより軽量エネルギー吸収部材13を形成する材料をキャビティ内に注入する。同様に、注入孔121を一つ又は複数設けてもよく、複数の注入孔121を設けることにより軽量エネルギー吸収部材13の材料の迅速な注入を実現することができる。
【0066】
本出願のいくつかの実施例によれば、軽量エネルギー吸収部材13は、発泡接着剤材料を含む。
【0067】
軽量エネルギー吸収部材13は、発泡接着剤材料であってもよく、ゴム、樹脂又はフォームなどの他の材料であってもよく、生産及び応用に適用すればよい。
【0068】
この実施例では、軽量エネルギー吸収部材13は、発泡接着剤材料を含み、発泡接着剤材料は、その緩衝エネルギー吸収効果が高く、それにより電池モジュールに保護をより良好に提供することができ、且つ発泡接着剤材料のコストが比較的低く、それにより軽量エネルギー吸収部材13のコストを低減させることができる。
【0069】
本出願のいくつかの実施例によれば、本出願は、以上のいずれか一つの方案に記載の電池筐体1を含む電池をさらに提供する。
【0070】
本出願のいくつかの実施例によれば、本出願は、電力消費装置をさらに提供し、以上のいずれか一つの方案の電池を含み、且つ電池は、電力消費装置に電気エネルギーを提供するために用いられる。
【0071】
電力消費装置は、前述いずれか一つの、電池を応用する機器又はシステムであってもよい。
【0072】
本出願は、電池筐体1を提供し、電池筐体1は、枠体12、底板11及び保護板14を含み、枠体12と底板11は、囲んで収容空間を形成し、電池モジュール及び保護板14は、いずれも収容空間内に設置され、且つ保護板14は、電池モジュールと底板11との間に位置し、保護板14と底板11とは、間隔をおいて設置されてキャビティを形成し、キャビティ内に軽量エネルギー吸収部材13が設置され、それにより電池筐体1の底部に衝撃又は衝突が発生した時、軽量エネルギー吸収部材13及び保護板14は、衝撃又は衝突による衝撃エネルギーを吸収することができ、電池筐体1内の電池モジュールが受ける振動、押圧及び衝突強度を大幅に低下させ、電池モジュールに緩衝及び保護を提供し、また保護板14は、中空構造であり、それにより軽量エネルギー吸収部材13及び中空構造の保護板14の重量が比較的小さく、本出願による電池筐体1は、過度の重量を増加させることなく、電池モジュールに保護を提供することができる。
【0073】
最後に説明すべきこととして、以上の各実施例は、本出願の技術案を説明するためのものに過ぎず、それを制限するものでは、なく、前述各実施例を参照して本出願を詳細に説明したが、当業者が理解すべきことは、それは、依然として前記各実施例に記載の技術案に対して修正を行い、又はそのうちの一部又は全ての技術的特徴に対して同等置換を行うことができ、これらの修正又は置換は、対応する技術案の本質を本出願の各実施例の技術案の範囲から逸脱させず、いずれも本出願の請求項及び明細書の範囲に含まれるべきである。特に、構造的衝突がない限り、各実施例に言及された各技術的特徴は、いずれもいずれかの方式で組み合わせることができる。本出願は、明細書に開示される特定の実施例に限定されるものでなく、請求項の範囲内に含まれるすべての技術案を含む。
【0074】
具体的な実施形態における図面符号は、以下のとおりである。
【符号の説明】
【0075】
1-電池筐体、11-底板、12-枠体、注入孔121、13-軽量エネルギー吸収部材、14-保護板。
図1
図2
図3
【国際調査報告】