(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-10-31
(54)【発明の名称】抗TREM2抗体及びその使用
(51)【国際特許分類】
A61K 39/395 20060101AFI20241024BHJP
A61P 25/00 20060101ALI20241024BHJP
A61K 9/08 20060101ALI20241024BHJP
A61K 47/12 20060101ALI20241024BHJP
A61K 47/26 20060101ALI20241024BHJP
C07K 16/28 20060101ALN20241024BHJP
C12N 15/13 20060101ALN20241024BHJP
【FI】
A61K39/395 N
A61P25/00
A61K9/08
A61K47/12
A61K47/26
C07K16/28 ZNA
C12N15/13
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2024530480
(86)(22)【出願日】2022-11-22
(85)【翻訳文提出日】2024-07-19
(86)【国際出願番号】 US2022080342
(87)【国際公開番号】W WO2023092146
(87)【国際公開日】2023-05-25
(32)【優先日】2021-11-22
(33)【優先権主張国・地域又は機関】GR
(32)【優先日】2021-11-22
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(32)【優先日】2022-11-01
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】522431818
【氏名又は名称】ビジル・ニューロサイエンス・インコーポレイテッド
(74)【代理人】
【識別番号】100118902
【氏名又は名称】山本 修
(74)【代理人】
【識別番号】100106208
【氏名又は名称】宮前 徹
(74)【代理人】
【識別番号】100196508
【氏名又は名称】松尾 淳一
(74)【代理人】
【識別番号】100107386
【氏名又は名称】泉谷 玲子
(72)【発明者】
【氏名】パパペトロポウロス,スピリドン
(72)【発明者】
【氏名】タッカベリー,エバン・アンドリュー
(72)【発明者】
【氏名】スタイルズ,デビッド・ケイ
(72)【発明者】
【氏名】マーシュ,アンドリュー・ジェイ
(72)【発明者】
【氏名】オマラ,ライアン
【テーマコード(参考)】
4C076
4C085
4H045
【Fターム(参考)】
4C076AA12
4C076BB13
4C076CC01
4C076DD08
4C076DD41
4C076DD67
4C076FF11
4C085AA14
4C085BB11
4C085BB31
4C085GG02
4H045AA11
4H045AA20
4H045AA30
4H045BA10
4H045DA76
4H045EA21
4H045FA74
(57)【要約】
本発明は、抗TREM2抗体、その製剤、及びその使用方法を提供する。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
ヒト患者において、軸索スフェロイド及び色素性グリアを有する成人発症白質脳症(ALSP)を治療するための方法であって、
それを必要とする前記患者に、約1~100mg/kgの用量で、抗TREM2抗体を投与することを含み、前記抗TREM2抗体が、
(a)配列番号2によるアミノ酸配列を有するCDRL1、配列番号3によるアミノ酸配列を有するCDRL2、及び配列番号4によるアミノ酸配列を有するCDRL3を含む軽鎖可変領域、並びに配列番号6によるアミノ酸配列を有するCDRH1、配列番号7によるアミノ酸配列を有するCDRH2、及び配列番号8によるアミノ酸配列を有するCDRH3を含む重鎖可変領域を含み、又は
(b)配列番号1によるアミノ酸配列を有する軽鎖可変領域、及び配列番号5によるアミノ酸配列を有する重鎖可変領域を含む、
前記方法。
【請求項2】
前記抗TREM2抗体が、
(i)IgG、任意選択的に、IgG
1であり、
(ii)EUナンバリングに従って、R292C、N297G、V302C、D356E、若しくはL358Mから選択される1つ以上の変異を有する、バリアント定常領域を含むIgG
1であり、及び/又は
(iii)カッパ軽定常領域を含む、
請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記抗TREM2抗体が、配列番号9のアミノ酸配列を有する軽鎖、及び配列番号10のアミノ酸配列を有する重鎖を含む、抗TREM2抗体VGL101である、請求項1に記載の方法。
【請求項4】
前記方法が、約1~60mg/kgの前記抗TREM2抗体の用量で、前記ヒト患者に投与することを含む、請求項1に記載の方法。
【請求項5】
前記方法が、約1mg/kg、約3mg/kg、約10mg/kg、約20mg/kg、又は約40mg/kgの前記抗TREM2抗体の用量で、前記ヒト患者に投与することを含む、請求項1に記載の方法。
【請求項6】
前記方法が、IV注入を介して、前記抗TREM2抗体を、前記ヒト患者に週1回投与することを含み、任意選択的に、前記IV注入が、約60分である、請求項1に記載の方法。
【請求項7】
約140mg/mLの濃度で抗TREM2抗体VGL101、並びに薬学的に許容可能な賦形剤及び/又は担体を含む、液体製剤。
【請求項8】
(a)約15mMの濃度の酢酸ナトリウム、
(b)総液体製剤体積の約9%(w/v)の濃度のスクロース、
(c)総液体製剤体積の約0.01%(w/v)の濃度のポリソルベート80、及び/又は
(d)約5.2のpHの、1つ以上を更に含む、請求項7に記載の液体製剤。
【請求項9】
約pH5.2の液体製剤であって、
約140mg/mLの濃度の抗TREM2抗体VGL101と、
約15mMの濃度の酢酸ナトリウムと、
総液体製剤体積の約9%(w/v)の濃度のスクロースと、
総液体製剤体積の約0.01%(w/v)の濃度のポリソルベート80とを含む、液体製剤。
【請求項10】
ヒト患者において、軸索スフェロイド及び色素性グリアを有する成人発症白質脳症(ALSP)を治療するための方法であって、それを必要とする前記患者に、治療有効量の請求項9に記載の液体製剤を投与することを含む、方法。
【請求項11】
前記方法が、約1~60mg/kgの抗TREM2抗体VGL101の用量で、任意選択的に、約20~40mg/kgの前記抗TREM2抗体の用量で、前記ヒト患者に投与することを含む、請求項10に記載の方法。
【請求項12】
前記方法が、約1mg/kg、約3mg/kg、約10mg/kg、約20mg/kg、又は約40mg/kgの抗TREM2抗体VGL101の用量で、前記ヒト患者に投与することを含む、請求項10に記載の方法。
【請求項13】
前記方法が、IV注入を介して、抗TREM2抗体VGL101を、前記ヒト患者に週1回投与することを含み、任意選択的に、前記IV注入が、約60分である、請求項10に記載の方法。
【請求項14】
対象におけるsTREM2又はsCSF1Rのレベルを低減する方法であって、約1~100mg/kgの用量で、抗TREM2抗体VGL101を前記対象に投与することを含む、方法。
【請求項15】
sTREM2又はsCSF1Rの前記レベルが、VGL101を投与する前に評価される、請求項14に記載の方法。
【請求項16】
sTREM2又はsCSF1Rの前記レベルが、脳脊髄液(CSF)中の前記レベルである、請求項14に記載の方法。
【請求項17】
sTREM2又はsCSF1Rの前記レベルが、約10%、約20%、約30%、約40%、約50%、約60%、約70%、約80、約90%、又は約100%低減される、請求項14のいずれか一項に記載の方法。
【請求項18】
前記方法が、約1~60mg/kgの抗TREM2抗体VGL101の用量で、任意選択的に、約20~40mg/kgの前記抗TREM2抗体の用量で、ヒト患者に投与することを含む、請求項14に記載の方法。
【請求項19】
前記方法が、約1mg/kg、約3mg/kg、約10mg/kg、約20mg/kg、又は約40mg/kgの前記抗TREM2抗体VGL101の用量で、ヒト患者に投与することを含む、請求項14に記載の方法。
【請求項20】
前記方法が、IV注入を介して、前記抗TREM2抗体を、ヒト患者に週1回投与することを含み、任意選択的に、前記IV注入が、約60分である、請求項14に記載の方法。
【請求項21】
対象においてTREM2を係合又は刺激する方法であって、抗TREM2抗体VGL101を、約1~100mg/kgの用量で、前記対象に投与することを含む、方法。
【請求項22】
前記方法が、約1~60mg/kgの前記抗TREM2抗体の用量で、任意選択的に、約20~40mg/kgの前記抗TREM2抗体の用量で、ヒト患者に投与することを含む、請求項21に記載の方法。
【請求項23】
前記方法が、約1mg/kg、約3mg/kg、約10mg/kg、約20mg/kg、又は約40mg/kgの前記抗TREM2抗体の用量で、ヒト患者に投与することを含む、請求項21に記載の方法。
【請求項24】
前記方法が、IV注入を介して、前記抗TREM2抗体をヒト患者に週1回投与することを含み、任意選択的に、前記IV注入が、約60分である、請求項21に記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
関連出願
本出願は、2022年11月1日に出願された米国仮特許出願第63/381,897号、2021年11月22日に出願された米国仮特許出願第63/264,428号、及び2021年11月22日に出願されたギリシャ特許出願第20210100820号の利益を主張するものであり、その内容は参照によりその全体が本明細書に組み込まれる。
配列表
【0002】
電子的に提出された配列表XML(名称:403433-013WO_SL、サイズ:331,607バイト、作成:2022年11月18日)の内容は、参照によりその全体が本明細書に組み込まれる。
発明の技術分野
【0003】
本発明は、ヒト患者において、軸索スフェロイド及び色素性グリアを有する成人発症白質脳症(ALSP)を治療するための、抗TREM2抗体、その製剤、及びその使用方法を提供する。
【背景技術】
【0004】
発明の背景
中枢神経系のミクログリアに制限された発現を有する受容体である骨髄細胞上に発現されるトリガー受容体2(TREM2)の変異は、アルツハイマー病及び前頭側頭型認知症などの、神経変性疾患のリスクを増加させる(Ulland and Colonna,Nature Reviews,14,2018)。TREM2受容体は、様々なリガンドとの相互作用を通してミクログリアの状態及び機能に影響を与え、そのようなリガンドは、組織損傷を感知し、神経病因を最小限にするために重要である(Deczkowska,Cell,181,2020)。更に、TREM2受容体アゴニズムは、ミクログリアの神経保護性疾患関連(DAM)表現型への進行に必要である(Keren-Shaul Cell,169,2017)。
【発明の概要】
【0005】
抗-骨髄細胞上に発現されるトリガー受容体2(TREM2)抗体の組成物、並びにその使用方法が、本明細書に開示される。CNSの環境の変化に対するミクログリア細胞の応答は、TREM2及びその関連タンパク質キナーゼ複合体であるDAP12を介して、活性化される。TREM2/DAP12シグナルは、ミクログリアを恒常性から神経疾患関連状態に変換し、損傷したニューロンを保護し神経組織再生を可能にするための抗炎症応答及び神経栄養因子を生成する、主要な調節因子として機能する。一実施形態では、抗TREM2抗体は、本明細書ではVGL101としても記載される、TREM2に結合することができるモノクローナル抗体である「Ab-1」である。抗TREM2抗体「Ab-1」は、免疫系を抑制することも損なうこともなく、そのような細胞の活性を調節するのに有用であり得る。任意の特定の理論に拘束されることを意図するものではないが、抗TREM2抗体「Ab-1」は、TREM2を活性化し、疾患進行を遅延させ、ミクログリアによって調節される神経系組織修復機構を強化する。
【0006】
したがって、一態様では、本発明は、抗TREM2抗体の液体製剤を提供する。一実施形態では、抗TREM2抗体は、「Ab-1」であり、液体製剤は、薬学的に許容可能な賦形剤及び/又は担体を更に含む。いくつかの実施形態では、本発明の液体製剤は、酢酸ナトリウムを含む。いくつかの実施形態では、本発明の液体製剤は、スクロースを含む。いくつかの実施形態では、本発明の液体製剤は、ポリソルベート80を含む。
【0007】
別の態様では、本発明は、ヒト患者において、軸索スフェロイド及び色素性グリアを有する成人発症白質脳症(ALSP)を治療するための方法を提供し、治療有効量の抗TREM2抗体を、それを必要とする患者に投与することを含む。いくつかの実施形態では、抗TREM2抗体は、抗TREM2抗体「Ab-1」である。いくつかの実施形態では、本発明の方法は、本明細書に記載される、抗TREM2抗体「Ab-1」を含む液体製剤を、それを必要とする患者に投与することを含む。
【図面の簡単な説明】
【0008】
【
図1】
図1は、1、3、10、20、又は30mg/kgで単回静脈内注入を受けた、健康なボランティアにおける、抗TREM2抗体「Ab-1」の、μg/mLでの経時的な平均血清濃度を示すグラフである。10mg/kgのN=5を除いて、各コホートにおいてN=6である。30mg/kg用量のデータは、投与後28日間のみ利用可能であった。
【
図2】
図2は、20mg/kgの用量を受け、28日毎に静脈内投与され、合計3回の注入を受けた、健康なボランティアにおける、抗TREM2抗体「Ab-1」の、μg/mL単位での経時的な平均血清濃度を示すグラフである。N=12
【
図3A】
図3Aは、3、10、及び20mg/kgで単回静脈内用量を投与された、18人の健康なボランティアの脳脊髄液(CSF)における、sTREM2に対する抗TREM2抗体「Ab-1」の効果を示すグラフである。データは、336時間(14日)にわたるCSF中の、sTREM2の、pg/mLにおけるベースラインからの平均変化としてプロットされる。用量ごとにN=6。
【
図3B】
図3Bは、20mg/kgを、28日毎に静脈内に、合計3回の注入で投与された、6人の健康なボランティアにおける、CSF sTREM2に対する抗TREM2抗体「Ab-1」の効果を示すグラフである。sTREM2の平均CSFレベルを、第三の及び最終投与の後に、ベースライン(投与前)、48時間、及び672時間(28日)で評価した。*p<0.05。
【
図4A】
図4Aは、3、10、及び20mg/kgの単回静脈用量を投与された、18人の健康なボランティアのCSFにおける、sCSF1Rに対する抗TREM2抗体「Ab-1」の効果を示すグラフである。データは、336時間(14日)にわたるCSF中の、sCSF1Rの、pg/mLにおけるベースラインからの平均変化としてプロットされる。用量ごとにN=6。
【
図4B】
図4Bは、20mg/kgを、28日毎に静脈内に、合計3回の注入で投与された、6人の健康なボランティアにおける、CSF sCSF1Rに対する抗TREM2抗体「Ab-1」の効果を示すグラフである。sCSF1Rの平均CSFレベルを、第三の及び最終投与の後に、ベースライン(投与前)、48時間、及び672時間(28日)で評価した。*p<0.05。
【発明を実施するための形態】
【0009】
本発明の詳細な説明
1. 本発明の特定の実施形態の一般的説明
対象、例えば、ヒト対象に投与するのに好適な、「Ab-1」などの抗TREM2抗体の製剤が、本明細書に記載される。インビトロサイトカイン放出アッセイでは、最大10μg/mLの濃度で、抗TREM2抗体「Ab-1」は、顆粒球コロニー刺激因子(CSF)、単球走化性タンパク質-1(MCP-1)、10kDaのインターフェロンガンマ誘導性タンパク質(IP-10)、インターロイキン(IL)-1β、IL-2、IL-4、IL-6、IL-10、IL-12p40、IL-13、及びIFN-γの放出に、影響を及ぼさなかったことが見出された。腫瘍壊死因子-α放出の最小であるが用量に関連する増加が、2つの最高濃度(4、及び10μg/mL)で観察された。しかしながら、この増加は、他の市販のモノクローナル抗体について報告された範囲内であり、試験された任意の用量での、GLP非ヒト霊長類(NHP)研究では、インビボで、TNF-αの増加は観察されなかった。
【0010】
抗TREM2抗体「Ab-1」は、1ヶ月間、最大200mg/kgの毎週IV反復投与時に、NHPにおいて、忍容性良好であった。臨床徴候、体重、食物消費量、眼科検査、又は臨床病理パラメータ(血清化学、血液学、凝固、及び尿検査)に対し、被験物質関連効果は観察されなかった。巨視的及び顕微鏡的検査により、臓器重量に対する、有害な所見又は効果は明らかにされなかった。NHPにおけるGLP毒性試験には、医薬品規制調和国際会議(ICH)三部会「医薬品の臨床試験の実施の基準(GCP)S6ガイダンス(ICH S6)」に従って、安全性薬理パラメータが含まれた。詳細な神経行動学的検査ではCNS効果は観察されず、心電図(ECG)は、抗TREM2抗体「Ab-1」関連所見を示さなかった。
【0011】
無毒性量(NOAEL)は、200mg/kgであるとみなされる。200mg/kgの、7日毎に1回(q7d)、第四の投与後に観察された曝露は、以下の通りであった:
・ 22日目の200mg/kgの、投与前(時間0)から、168時間(AUC0-168時間)での定量可能濃度の時間までの、血清曲線下面積:838000時間*μg/mL
・ 22日目の200mg/kgの、最大血清/脳脊髄液濃度(Cmax):8320μg/mL
【0012】
用量は、カニクイザルに、29日間、q7dで投与された。試験のMAD部分の一部としてヒトに投与される、予定投与レジメンは、28日に1回である。NOAEL限界を計算するために、カニクイザルにおけるq7d投与に基づいて、22日目のAUC0-168hrに、4(28日間にわたってサルが受けた投与の数)を掛けた;Cmax NOAEL限界は、変化しないままである:
外挿された投与前(時間0)から無限時間までの、血清又はCSF濃度-時間曲線下面積の、NOAEL限界(AUClast+Clast/λz)(AUC0-∞):838,000h*μg/mL×4=3,350,000h*μg/mL
・ CmaxのNOAEL限界:8,320μg/mL
200mg/kgのNHP NOAELは、健康なボランティアにおいて、1mg/kgの開始用量での、予想されるCmax及びAUCINFよりも、344X及び337Xの安全マージンを提供する。
【0013】
したがって、一態様では、本発明は、抗TREM2抗体「Ab-1」と、薬学的に許容可能な賦形剤及び/又は担体とを含む、液体製剤を提供する。いくつかの実施形態では、本発明の薬学的に許容可能な賦形剤及び/又は担体は、本明細書に記載されるものから選択される。
【0014】
別の態様では、本発明は、ヒト患者において、軸索スフェロイド及び色素性グリアを有する成人発症白質脳症(ALSP)を治療するための方法を提供し、治療有効量の抗TREM2抗体を、それを必要とする患者に投与することを含む。いくつかの実施形態では、本発明の方法は、本明細書に記載される治療有効量の液体製剤を、それを必要とする患者に投与することを含む。
【0015】
いくつかの実施形態では、抗TREM2抗体は、配列番号2によるアミノ酸配列を有するCDRL1、配列番号3によるアミノ酸配列を有するCDRL2、及び配列番号4によるアミノ酸配列を有するCDRL3を含む軽鎖可変領域と、配列番号6によるアミノ酸配列を有するCDRH1、配列番号7によるアミノ酸配列を有するCDRH2、及び配列番号8によるアミノ酸配列を有するCDRH3を含む重鎖可変領域とを含む 。
【0016】
いくつかの実施形態では、抗TREM2抗体は、配列番号1によるアミノ酸配列を有する軽鎖可変領域と、配列番号5によるアミノ酸配列を有する重鎖可変領域とを含む 。
【0017】
いくつかの実施形態では、抗TREM2抗体は、IgG、任意選択的に、IgG1である。
【0018】
いくつかの実施形態では、抗TREM2抗体は、カッパ軽定常領域を含む。
【0019】
いくつかの実施形態では、抗TREM2抗体は、EUナンバリングに従って、R292C、N297G、V302C、D356E、又はL358Mから選択される1つ以上の変異を有する、バリアント定常領域を含むIgG1である。
【0020】
いくつかの実施形態では、抗2抗体は、抗TREM2抗体「Ab-1」である。
2. 定義
【0021】
本明細書で使用される場合、「抗TREM2抗体Ab-1」という用語は、配列番号9のアミノ酸配列を有する軽鎖、及び配列番号10のアミノ酸配列を有する重鎖を含む、抗TREM2抗体「Ab-1」を指す 。「Ab-1」は、VGL101と互換的に使用され、以下の表1に要約されるアミノ酸配列を有する、CAS番号2733621-19-5を有する抗体を記載する。
【表1】
【0022】
いくつかの実施形態では、抗TREM2抗体は、WO2018/195506号、米国特許第8,231,878号、米国特許公開第2019/0010230号、WO2017/062672号、WO2019/028292号、WO2018/015573号、WO2019/055841号、WO2019/118513号、WO2020/055975号、WO2020/079580号、韓国特許公開第KR20200048069号のうちの、1つ以上に引用される抗TREM2抗体であり、その各々が、参照によりその全体が本明細書に組み込まれる。いくつかの実施形態では、抗TREM2抗体は、AL002である。いくつかの実施形態では、抗TREM2抗体は、DNL919である。いくつかの実施形態では、抗TREM2抗体は、「Ab-1」(すなわち、VGL101)ではない。
【0023】
本明細書で使用される場合、「薬学的に許容可能な塩」という用語は、健全な医学的判断の範囲内で、過度の毒性、刺激、アレルギー反応などなしに、ヒト及び下等動物の組織と接触して使用するのに適しており、合理的な利益/リスク比に見合う、塩を指す。薬学的に許容可能な塩は、当該技術分野で周知である。例えば、S.M.Berge et al.は、参照により本明細書に組み込まれるJ.Pharmaceutical Sciences,1977,66,1-19に、薬学的に許容可能な塩を詳細に記載する。本発明の化合物の薬学的に許容可能な塩は、好適な無機及び有機の酸及び塩基に由来する塩を含む。薬学的に許容可能な非毒性酸付加塩の例は、塩酸、臭化水素酸、リン酸、硫酸、及び過塩素酸などの無機酸で、又は酢酸、シュウ酸、マレイン酸、酒石酸、クエン酸、コハク酸、若しくはマロン酸などの有機酸で、又はイオン交換などの当該技術分野で使用される他の方法を使用することによって、形成される、アミノ基の塩である。他の薬学的に許容可能な塩としては、アジピン酸塩、アルギン酸塩、アスコルビン酸塩、アスパラギン酸塩、ベンゼンスルホン酸塩、安息香酸塩、硫酸水素塩、ホウ酸塩、酪酸塩、樟脳酸塩、カンファースルホン酸塩、クエン酸塩、シクロペンタンプロピオン酸塩、ジグルコン酸酸、ドデシル硫酸塩、エタンスルホン酸塩、ギ酸塩、フマル酸塩、グルコヘプトン酸塩、グリセロリン酸、グルコン酸塩、ヘミ硫酸塩、ヘプタン酸塩、ヘキサン酸塩、ヨウ化水素酸塩、2-ヒドロキシ-エタンスルホン酸塩、ラクトビオン酸塩、乳酸塩、ラウリン酸塩、ラウリル硫酸塩、リンゴ酸塩、マレイン酸塩、マロン酸塩、メタンスルホン酸塩、2-ナフタレンスルホン酸塩、ニコチン酸塩、硝酸塩、オレイン酸塩、シュウ酸塩、パルミチン酸塩、パモ酸塩、ペクチン酸塩、過硫酸塩、3-フェニルプロピオン酸塩、リン酸、ピバル酸、プロピオン酸塩、ステアリン酸塩、コハク酸塩、硫酸塩、酒石酸塩、チオシアン酸塩、p-トルエンスルホン酸塩、ウンデカン酸、吉草酸塩などが挙げられる。
【0024】
適切な塩基に由来する塩としては、アルカリ金属塩、アルカリ土類金属塩、アンモニウム塩、及びN+(C1~4アルキル)4塩が挙げられる。代表的なアルカリ又はアルカリ土類金属塩としては、ナトリウム、リチウム、カリウム、カルシウム、マグネシウムなどが挙げられる。更なる薬学的に許容可能な塩としては、適切な場合、ハロゲン化物、水酸化物、カルボン酸塩、硫酸塩、リン酸塩、硝酸塩、低級アルキルスルホン酸塩、及びアリールスルホン酸塩などの対イオンを使用して形成される、非毒性アンモニウムカチオン、四級アンモニウムカチオン、及びアミンカチオンが挙げられる。
【0025】
別段の記載がない限り、本明細書に示される構造はまた、構造の全ての異性体形態(例えば、エナンチオマー、ジアステレオマー、及び幾何(又は立体構造))、例えば、各不斉中心についてのR及びS配置、Z及びE二重結合異性体、並びにZ及びE立体構造異性体を、含むことも意図される。したがって、本化合物の、単一の立体化学異性体、並びにエナンチオマー、ジアステレオマー、及び幾何(又は立体構造)混合物は、本発明の範囲内である。別段の記載がない限り、本発明の化合物の全ての互変異性形態は、本発明の範囲内である。更に、別段の記載がない限り、本明細書に示される構造はまた、1つ以上の同位体濃縮原子の存在でのみ、異なる化合物を含むことも意図される。例えば、重水素若しくはトリチウムによる水素の置換、又は13C若しくは14C濃縮炭素による炭素の置換を含む、本構造を有する化合物は、本発明の範囲内である。かかる化合物は、例えば、分析ツールとして、生物学的アッセイにおけるプローブとして、又は本発明による治療薬として有用である。
【0026】
本明細書で使用される場合、「約」又は「おおよそ」という用語は、所与の値又は範囲の、20%以内の意味を有する。いくつかの実施形態では、「約」という用語は、所与の値の、20%、19%、18%、17%、16%、15%、14%、13%、12%、11%、10%、9%、8%、7%、6%、5%、4%、3%、2%、又は1%以内を指す。
【0027】
本発明は、TREM2、特に、ヒトTREM2に特異的に結合する抗体に関する。ヒトでは、TREM2遺伝子は、染色体6p21.1のTREM遺伝子クラスター内に位置する。TREM遺伝子クラスターは、4つのTREMタンパク質(TREMl、TREM2、TREM4、及びTREM5)、並びに2つのTREM様タンパク質(TLT-1、及びTLT-2)をコードする。TREM2遺伝子は、細胞外ドメイン、膜貫通領域、及び短い細胞質尾部からなる、230アミノ酸タンパク質をコードする(Paradowska-Gorycka et al.,Human Immunology,Vol.74:730-737,2013)。細胞外ドメインは、3つの潜在的なN-グリコシル化部位を有する、単一のV型Igスーパーファミリードメインを含有する。野生型ヒトTREM2アミノ酸配列(NCBI参照配列:NP_061838.1)が、配列番号354として以下に提供される :
MEPLRLLILLFVTELSGAHNTTVFQGVAGQSLQVSCPYDSMKHWGRRKAWCRQLGEKGPCQRWSTHNLWLLSFLRRWNGSTAITDDTLGGTLTITLRNLQPHDAGLYQCQSLHGSEADTLRKVLVEVLADPLDHRDAGDLWFPGESESFEDAHVEHSISRSLLEGEIPFPPTSILLLLACIFLIKILAASALWAAAWHGQKPGTHPPSELDCGHDPGYQLQTLPGLRDT(配列番号354)
【0028】
野生型ヒトTREM2タンパク質(配列番号354)のアミノ酸1~18は、シグナルペプチドであり、これは、一般的に、成熟タンパク質から除去される。成熟ヒトTREM2タンパク質は、配列番号354のアミノ酸19~174に細胞外ドメイン、配列番号354のアミノ酸175~195に膜貫通ドメイン、及び配列番号354のアミノ酸196~230に細胞質ドメインを含む 。ヒトTREM2の細胞外ドメイン(シグナルペプチドを含む)のアミノ酸配列が、配列番号355として以下に提供される :
MEPLRLLILLFVTELSGAHNTTVFQGVAGQSLQVSCPYDSMKHWGRRKAWCRQLGEKGPCQRWSTHNLWLLSFLRRWNGSTAITDDTLGGTLTITLRNLQPHDAGLYQCQSLHGSEADTLRKVLVEVLADPLDHRDAGDLWFPGESESFEDAHVEHSISRSLLEGEIPFPPTS(配列番号355)
【0029】
「骨髄細胞上に発現されるヒトトリガー受容体2」又は「ヒトTREM2」という用語は、配列番号354のポリペプチド、配列番号355のポリペプチド、配列番号354若しくは配列番号355のポリペプチドからシグナルペプチド(アミノ酸1~18)を引いたもの、ヒトTREM2の対立遺伝子バリアント、又はヒトTREM2のスプライスバリアントを指してもよい。いくつかの実施形態では、「ヒトTREM2」という用語は、変異R47H、Q33X(Xは、終止コドンである)、Y38C、T66M、D87N、H157Y、R98W、及びS116Cなど、TREM2の天然バリアントを含む。
3. 例示的実施形態の説明
抗体
【0030】
一態様では、本発明は、ヒト患者においてALSPを治療する方法を提供し、本方法は、有効量の抗原結合タンパク質若しくは抗体、又はその抗原結合断片を患者に投与することを含み、それによってTREM2の活性を増加させる。いくつかの実施形態では、抗体は、TREM2のアゴニストである。いくつかの実施形態では、抗体は、ヒトTREM2に特異的に結合し、それを活性化する、TREM2のアゴニストである。いくつかの実施形態では、抗体は、抗ヒトTREM2抗体VGL101である。
【0031】
TREM2アゴニスト抗体は、ヒトTREM2(配列番号354)に、又はヒトTREM2の細胞外ドメイン(ECD)(例えば、配列番号355において示されるECD)に、例えば、平衡解離定数(KD)50nM未満、25nM未満、10nM未満、又は5nM未満で、特異的に結合する。いくつかの実施形態では、TREM2アゴニスト抗体は、他のTREMタンパク質、例えばヒトTREM1などと交差反応しない。いくつかの実施形態では、TREM2アゴニスト抗体は、ヒトTREM1に結合しない。
【0032】
いくつかの実施形態では、TREM2抗体は、ヒトTREM2残基19~174(配列番号354)に特異的に結合する。いくつかの実施形態では、TREM2抗体は、ヒトTREM2のIgV領域、例えば、ヒトTREM2残基19~140(配列番号354)に特異的に結合する。
【0033】
特定の実施形態では、本開示の抗TREM2抗体は、ヒトTREM2(配列番号354)のアミノ酸残基29~112内の、又は配列番号354のアミノ酸残基29~112に対応するTREM2タンパク質上のアミノ酸残基内の、1つ以上のアミノ酸に結合する 。いくつかの実施形態では、本開示の抗TREM2抗体は、ヒトTREM2(配列番号354)のアミノ酸残基29~41内の、又は配列番号354のアミノ酸残基29~41に対応するTREM2タンパク質上のアミノ酸残基内の、1つ以上のアミノ酸に結合する 。いくつかの実施形態では、本開示の抗TREM2抗体は、ヒトTREM2(配列番号354)のアミノ酸残基47~69内の、又は配列番号354のアミノ酸残基47~69に対応するTREM2タンパク質上のアミノ酸残基内の、1つ以上のアミノ酸に結合する 。いくつかの実施形態では、本開示の抗TREM2抗体は、ヒトTREM2(配列番号354)のアミノ酸残基76~86内の、又は配列番号354のアミノ酸残基76~86に対応するTREM2タンパク質上のアミノ酸残基内の、1つ以上のアミノ酸に結合する。。いくつかの実施形態では、本開示の抗TREM2抗体は、ヒトTREM2(配列番号354)のアミノ酸残基91~100内の、又は配列番号354のアミノ酸残基91~100に対応するTREM2タンパク質上のアミノ酸残基内の、1つ以上のアミノ酸に結合する 。いくつかの実施形態では、本開示の抗TREM2抗体は、ヒトTREM2(配列番号354)のアミノ酸残基99~115内の、又は配列番号354のアミノ酸残基99~115に対応するTREM2タンパク質上のアミノ酸残基内の、1つ以上のアミノ酸に結合する 。いくつかの実施形態では、本開示の抗TREM2抗体は、ヒトTREM2(配列番号354)のアミノ酸残基104~112内の、又は配列番号354のアミノ酸残基104~112に対応するTREM2タンパク質上のアミノ酸残基内の、1つ以上のアミノ酸に結合する 。いくつかの実施形態では、本開示の抗TREM2抗体は、ヒトTREM2(配列番号354)のアミノ酸残基114~118内の、又は配列番号354のアミノ酸残基114~118に対応するTREM2タンパク質上のアミノ酸残基内の、1つ以上のアミノ酸に結合する 。いくつかの実施形態では、本開示の抗TREM2抗体は、ヒトTREM2(配列番号354)のアミノ酸残基130~171内の、又は配列番号354のアミノ酸残基130~171に対応するTREM2タンパク質上のアミノ酸残基内の、1つ以上のアミノ酸に結合する 。いくつかの実施形態では、本開示の抗TREM2抗体は、ヒトTREM2(配列番号354)のアミノ酸残基139~153内の、又は配列番号354のアミノ酸残基139~153に対応するTREM2タンパク質上のアミノ酸残基内の、1つ以上のアミノ酸に結合する 。いくつかの実施形態では、本開示の抗TREM2抗体は、ヒトTREM2(配列番号354)のアミノ酸残基139~146内の、又は配列番号354のアミノ酸残基139~146に対応するTREM2タンパク質上のアミノ酸残基内の、1つ以上のアミノ酸に結合する 。いくつかの実施形態では、本開示の抗TREM2抗体は、ヒトTREM2(配列番号354)のアミノ酸残基130~144内の、又は配列番号354のアミノ酸残基130~144に対応するTREM2タンパク質上のアミノ酸残基内の、1つ以上のアミノ酸に結合する 。いくつかの実施形態では、本開示の抗TREM2抗体は、ヒトTREM2(配列番号354)のアミノ酸残基158~171内の、又は配列番号354のアミノ酸残基158~171に対応するTREM2タンパク質上のアミノ酸残基内の、1つ以上のアミノ酸に結合する 。
【0034】
いくつかの実施形態では、本開示の抗TREM2抗体は、ヒトTREM2(配列番号354)のアミノ酸残基43~50内の、又は配列番号354のアミノ酸残基43~50に対応するTREM2タンパク質上のアミノ酸残基内の、1つ以上のアミノ酸に結合する 。いくつかの実施形態では、本開示の抗TREM2抗体は、ヒトTREM2(配列番号354)のアミノ酸残基49~57内の、又は配列番号354のアミノ酸残基49~57に対応するTREM2タンパク質上のアミノ酸残基内の、1つ以上のアミノ酸に結合する 。いくつかの実施形態では、本開示の抗TREM2抗体は、ヒトTREM2(配列番号354)のアミノ酸残基139~146内の、又は配列番号354のアミノ酸残基139~146に対応するTREM2タンパク質上のアミノ酸残基内の、1つ以上のアミノ酸に結合する 。いくつかの実施形態では、本開示の抗TREM2抗体は、ヒトTREM2(配列番号354)のアミノ酸残基140~153内の、又は配列番号354のアミノ酸残基140~153に対応するTREM2タンパク質上のアミノ酸残基内の、1つ以上のアミノ酸に結合する 。いくつかの実施形態では、TREM2抗体は、ヒトTREM2のストーク領域、例えば、ヒトTREM2のアミノ酸残基145~174に、特異的に結合する。
【0035】
いくつかの実施形態では、抗体、又はその抗原結合断片は、TREM2に特異的に結合し、TREM2の分解又は切断を防止する。
【0036】
いくつかの実施形態では、抗体はポリクローナル抗体である。いくつかの実施形態では、抗体はモノクローナル抗体である。いくつかの実施形態では、抗体はキメラ抗体である。いくつかの実施形態では、抗体はヒト化抗体である。いくつかの実施形態では、抗体はヒト抗体、特に完全ヒト抗体である。いくつかの実施形態では、抗体は二重特異性抗体又は他の多価抗体である。いくつかの実施形態では、抗体は単鎖抗体である。
【0037】
いくつかの実施形態では、TREM2活性化抗体は、本明細書に記載される、相補性決定領域CDRL1、CDRL2、及びCDRL3を含む軽鎖可変領域、並びに相補性決定領域CDRH1、CDRH2、及びCDRH3を含む重鎖可変領域を含む。
【0038】
特定の実施形態では、本発明のTREM2アゴニスト抗原結合タンパク質は、本明細書に記載される抗TREM2アゴニスト抗体からの、CDRL1、CDRL2、及びCDRL3を含む少なくとも1つの軽鎖可変領域、並びにCDRH1、CDRH2、及びCDRH3を含む少なくとも1つの重鎖可変領域を含む。
【0039】
いくつかの実施形態では、TREM2活性化抗体は、本明細書に記載される、軽鎖可変領域及び重鎖可変領域を含む。軽鎖及び重鎖可変領域又はCDRは、本明細書に記載される、抗TREM2抗体又はそのバリアントのいずれかからであってもよい。
A. PCT特許出願公開WO2018/195506A1号
【0040】
いくつかの実施形態では、TREM2アゴニストは、PCT特許出願公開第WO2018/195506A1号において記載される、抗原結合タンパク質若しくは抗体、又はその抗原結合断片であり、これは、参照により、その全体が本明細書中に組み込まれる。
【0041】
いくつかの実施形態では、TREM2アゴニスト抗原結合タンパク質は、CDRL1、又は1つ、2つ、3つ、若しくは4つのアミノ酸置換を有するそのバリアント、CDRL2、又は1つ、2つ、3つ、若しくは4つのアミノ酸置換を有するそのバリアント、CDRL3、又は1つ、2つ、3つ、若しくは4つのアミノ酸置換を有するそのバリアント、CDRH1、又は1つ、2つ、3つ、若しくは4つのアミノ酸置換を有するそのバリアント、CDRH2、又は1つ、2つ、3つ、若しくは4つのアミノ酸置換を有するそのバリアント、及びCDRH3、又は1つ、2つ、3つ、若しくは4つのアミノ酸置換を有するそのバリアントを含み、CDRL1、CDRL2、CDRL3、CDRH1、CDRH2、及びCDRH3のアミノ酸配列は、例示的な軽鎖領域及び可変領域と共に、以下の表1A及び1B中に提供される。
【表1A-1】
【表1A-2】
【表1A-3】
【表1A-4】
【表1B-1】
【表1B-2】
【表1B-3】
【表1B-4】
【0042】
上に述べるように、TREM2アゴニスト抗原結合タンパク質は、表1(VGL101)、表1A(軽鎖CDR、すなわち、CDRL)、又は表1B(重鎖CDR、すなわち、CDRH)中に提示される、CDRの1つ以上を含み得る。
【0043】
いくつかの実施形態では、TREM2アゴニスト抗原結合タンパク質は、(i)配列番号11~18又は356~361から選択されるCDRL1、(ii)配列番号19~30から選択されるCDRL2、及び(iii)配列番号31~45から選択されるCDRL3、及び(iv)1つ以上の、例えば、1つ、2つ、3つ、4つ又はそれ以上のアミノ酸置換(例えば、保存的アミノ酸置換)、5つ、4つ、3つ、2つ、又は1つ以下のアミノ酸の欠失又は挿入を含む、(i)、(ii)、及び(iii)のCDRLから選択される、1つ以上の軽鎖CDRを含む。これらの及び他の実施形態では、TREM2アゴニスト抗原結合タンパク質は、(i)配列番号77~86から選択されるCDRH1、(ii)配列番号87~94から選択されるCDRH2、及び(iii)配列番号95~109から選択されるCDRH3、及び(iv) 1つ以上の、例えば、1つ、2つ、3つ、4つ又はそれ以上のアミノ酸置換(例えば、保存的アミノ酸置換)、5つ、4つ、3つ、2つ、又は1つ以下のアミノ酸の欠失又は挿入を含む、(i)、(ii)、及び(iii)の CDRHから選択される、1つ以上の重鎖CDRを含む。
【0044】
いくつかの実施形態では、TREM2アゴニスト抗原結合タンパク質は、表1A及び1B中に列挙されるCDRの、1、2、3、4、5、又は6つのバリアント形態を含み得、各々が、表1A及び1B中に列挙されるCDR配列と、少なくとも80%、85%、90%、又は95%の配列同一性を有する。いくつかの実施形態では、TREM2アゴニスト抗原結合タンパク質は、表1A及び1B中に列挙されるCDRの、1、2、3、4、5、又は6つを含み、各々が、これらの表中に列挙されるCDRと、 1、2、3、4、又は5つ以下のアミノ酸だけ異なっている。
【0045】
いくつかの実施形態では、TREM2アゴニスト抗原結合タンパク質は、配列番号11~18若しくは356~361から選択される配列を含むCDRL1、又は1つ、2つ、3つ、若しくは4つのアミノ酸置換を有するそのバリアント、配列番号19~30から選択される配列を含むCDRL2、又は1つ、2つ、3つ、若しくは4つのアミノ酸置換を有するそのバリアント、配列番号31~45から選択される配列を含むCDRL3、又は1つ、2つ、3つ、若しくは4つのアミノ酸置換を有するそのバリアント、配列番号77~86から選択される配列を含むCDRH1、又は1つ、2つ、3つ、若しくは4つのアミノ酸置換を有するそのバリアント、配列番号87~94から選択される配列を含むCDRH2、又は1つ、2つ、3つ、若しくは4つのアミノ酸置換を有するそのバリアント、及び配列番号95~109から選択される配列を含むCDRH3、又は1つ、2つ、3つ、若しくは4つのアミノ酸置換を有するそのバリアントを含む。
【0046】
いくつかの実施形態では、本発明のTREM2アゴニスト抗原結合タンパク質は、配列番号11~18又は356~361から選択される配列を含むCDRL1、配列番号19~30から選択される配列を含むCDRL2、配列番号31~45から選択される配列を含むCDRL3、配列番号77~86から選択される配列を含むCDRH1、配列番号87~94から選択される配列を含むCDRH2、及び配列番号95~109から選択される配列を含むCDRH3を含む 。
【0047】
いくつかの実施形態では、TREM2アゴニスト抗原結合タンパク質は、CDRL1、CDRL2、及びCDRL3を含む軽鎖可変領域を含み、
(a)CDRL1、CDRL2、及びCDRL3は、各々配列番号356、19、及び31の配列を有する、
(b)CDRL1、CDRL2、及びCDRL3は、各々配列番号357、20、及び32の配列を有する、
(c)CDRL1、CDRL2、及びCDRL3は、各々配列番号357、21、及び33の配列を有する、
(d)CDRL1、CDRL2、及びCDRL3は、各々配列番号357、20、及び33の配列を有する、
(e)CDRL1、CDRL2、及びCDRL3は、各々配列番号358、22、及び34の配列を有する、
(f)CDRL1、CDRL2、及びCDRL3は、各々配列番号359、22、及び35の配列を有する、
(g)CDRL1、CDRL2、及びCDRL3は、各々配列番号360、22、及び36の配列を有する、
(h)CDRL1、CDRL2、及びCDRL3は、各々配列番号361、23、及び37の配列を有する、
(i)CDRL1、CDRL2、及びCDRL3は、各々配列番号11、23、及び38の配列を有する、
(j)CDRL1、CDRL2、及びCDRL3は、各々配列番号12、24、及び39の配列を有する、
(k)CDRL1、CDRL2、及びCDRL3は、各々配列番号13、25、及び40の配列を有する、
(l)CDRL1、CDRL2、及びCDRL3は、各々配列番号14、26、及び41の配列を有する、
(m)CDRL1、CDRL2、及びCDRL3は、各々配列番号15、27、及び42の配列を有する、
(n)CDRL1、CDRL2、及びCDRL3は、各々配列番号16、28、及び43の配列を有する、
(o)CDRL1、CDRL2、及びCDRL3は、各々配列番号17、29、及び44の配列を有する、又は
(p)CDRL1、CDRL2、及びCDRL3は、各々配列番号18、30、及び45の配列を有する。
【0048】
いくつかの実施形態では、TREM2アゴニスト抗原結合タンパク質は、CDRH1、CDRH2、及びCDRH3を含む重鎖可変領域を含み、
(a)CDRH1、CDRH2、及びCDRH3は、各々配列番号77、87、及び95の配列を有する、
(b)CDRH1、CDRH2、及びCDRH3は、各々配列番号78、88、及び96の配列を有する、
(c)CDRH1、CDRH2、及びCDRH3は、各々配列番号78、88、及び97の配列を有する、
(d)CDRH1、CDRH2、及びCDRH3は、各々配列番号78、89、及び96の配列を有する、
(e)CDRH1、CDRH2、及びCDRH3は各々配列番号77、90、及び98の配列を有する、
(f)CDRH1、CDRH2、及びCDRH3は、各々配列番号79、90、及び99の配列を有する、
(g)CDRH1、CDRH2、及びCDRH3は、各々配列番号80、91、及び100の配列を有する、
(h)CDRH1、CDRH2、及びCDRH3は、各々配列番号81、91、及び101の配列を有する、
(i)CDRH1、CDRH2、及びCDRH3は、各々配列番号82、92、及び102の配列を有する、
(j)CDRH1、CDRH2、及びCDRH3は、各々配列番号81、91、及び103の配列を有する、
(k)CDRH1、CDRH2、及びCDRH3は、各々配列番号81、91、及び104の配列を有する、
(l)CDRH1、CDRH2、及びCDRH3は、各々配列番号83、93、及び105の配列を有する、
(m)CDRH1、CDRH2、及びCDRH3は各々、配列番号84、91、及び106の配列を有する、
(n)CDRH1、CDRH2、及びCDRH3は、各々配列番号85、91、及び107の配列を有する、
(o)CDRH1、CDRH2、及びCDRH3は、各々配列番号86、94、及び108の配列を有する、又は
(p)CDRH1、CDRH2、及びCDRH3は、各々配列番号85、91、及び109の配列を有する。
【0049】
いくつかの実施形態では、TREM2アゴニスト抗原結合タンパク質は、CDRL1、CDRL2、及びCDRL3を含む軽鎖可変領域、並びにCDRH1、CDRH2、及びCDRH3を含む重鎖可変領域を含み、
(a)CDRL1、CDRL2、及びCDRL3は、各々配列番号356、19、及び31の配列を有し、CDRH1、CDRH2、及びCDRH3は、各々配列番号77、87、及び95の配列を有する、
(b)CDRL1、CDRL2、及びCDRL3は、各々配列番号357、20、及び32の配列を有し、CDRH1、CDRH2、及びCDRH3は、各々配列番号78、88、及び96の配列を有する、
(c)CDRL1、CDRL2、及びCDRL3は、各々配列番号357、21、及び33の配列を有し、CDRH1、CDRH2、及びCDRH3は、各々配列番号78、88、及び97の配列を有する、
(d)CDRL1、CDRL2、及びCDRL3は、各々配列番号357、20、及び33の配列を有し、CDRH1、CDRH2、及びCDRH3は、各々配列番号78、88、及び97の配列を有する、
(e)CDRL1、CDRL2、及びCDRL3は、各々配列番号357、20、及び33の配列を有し、CDRH1、CDRH2、及びCDRH3は、各々配列番号78、89、及び96の配列を有する、
(f)CDRL1、CDRL2、及びCDRL3は、各々配列番号358、22、及び34の配列を有し、CDRH1、CDRH2、及びCDRH3は、各々配列番号77、87、及び95の配列を有する、
(g)CDRL1、CDRL2、及びCDRL3は、各々配列番号359、22、及び35の配列を有し、CDRH1、CDRH2、及びCDRH3は、各々配列番号77、90、及び98の配列を有する、
(h)CDRL1、CDRL2、及びCDRL3は各々、配列番号360、22、及び36の配列を有し、CDRH1、CDRH2、及びCDRH3は、各々配列番号79、90、及び99の配列を有する、
(i)CDRL1、CDRL2、及びCDRL3は、各々配列番号361、23、及び37の配列を有し、CDRH1、CDRH2、及びCDRH3は、各々配列番号80、91、及び100の配列を有する、
(j)CDRL1、CDRL2、及びCDRL3は、各々配列番号361、23、及び37の配列を有し、CDRH1、CDRH2、及びCDRH3は、各々配列番号81、91、及び101の配列を有する、
(k)CDRL1、CDRL2、及びCDRL3は、各々配列番号11、23、及び38の配列を有し、CDRH1、CDRH2、及びCDRH3は、各々配列番号82、92、及び102の配列を有する、
(l)CDRL1、CDRL2、及びCDRL3は、各々配列番号12、24、及び39の配列を有し、CDRH1、CDRH2、及びCDRH3は、各々配列番号81、91、及び103の配列を有する、
(m)CDRL1、CDRL2、及びCDRL3は、各々配列番号13、25、及び40の配列を有し、CDRH1、CDRH2、及びCDRH3は、各々配列番号81、91、及び104の配列を有する、
(n)CDRL1、CDRL2、及びCDRL3は、各々配列番号14、26、及び41の配列を有し、CDRH1、CDRH2、及びCDRH3は、各々配列番号83、93、及び105の配列を有する、
(o)CDRL1、CDRL2、及びCDRL3は、各々配列番号15、27、及び42の配列を有し、CDRH1、CDRH2、及びCDRH3は、各々配列番号84、91、及び106の配列を有する、
(p)CDRL1、CDRL2、及びCDRL3は、各々配列番号16、28、及び43の配列を有し、CDRH1、CDRH2、及びCDRH3は、各々配列番号85、91、及び107の配列を有する、
(q)CDRL1、CDRL2、及びCDRL3は、各々配列番号17、29、及び44の配列を有し、CDRH1、CDRH2、及びCDRH3は、各々配列番号86、94、及び108の配列を有する、又は
(r)CDRL1、CDRL2、及びCDRL3は、各々配列番号18、30、及び45の配列を有し、CDRH1、CDRH2、及びCDRH3は、各々配列番号85、91、及び109の配列を有する。
【0050】
いくつかの実施形態では、TREM2アゴニスト抗原結合タンパク質は、CDRL1、CDRL2、及びCDRL3を含む軽鎖可変領域、並びにCDRH1、CDRH2、及びCDRH3を含む重鎖可変領域を含み、CDRL1、CDRL2、及びCDRL3は、各々配列番号361、23、及び37の配列を有し、CDRH1、CDRH2、及びCDRH3は、各々配列番号80、91、及び100の配列を有する。いくつかの実施形態では、TREM2アゴニスト抗原結合タンパク質は、CDRL1、CDRL2、及びCDRL3を含む軽鎖可変領域、並びにCDRH1、CDRH2、及びCDRH3を含む重鎖可変領域を含み、CDRL1、CDRL2、及びCDRL3は、各々配列番号361、23、及び37の配列を有し、CDRH1、CDRH2、及びCDRH3は、各々配列番号81、91、及び101の配列を有する。いくつかの実施形態では、TREM2アゴニスト抗原結合タンパク質は、CDRL1、CDRL2、及びCDRL3を含む軽鎖可変領域、並びにCDRH1、CDRH2、及びCDRH3を含む重鎖可変領域を含み、CDRL1、CDRL2、及びCDRL3は、各々配列番号15、27、及び42の配列を有し、CDRH1、CDRH2、及びCDRH3は、各々配列番号84、91、及び106の配列を有する。いくつかの実施形態では、TREM2アゴニスト抗原結合タンパク質は、CDRL1、CDRL2、及びCDRL3を含む軽鎖可変領域、並びにCDRH1、CDRH2、及びCDRH3を含む重鎖可変領域を含み、CDRL1、CDRL2、及びCDRL3は、各々配列番号16、28、及び43の配列を有し、CDRH1、CDRH2、及びCDRH3は、各々配列番号85、91、及び107の配列を有する。いくつかの実施形態では、TREM2アゴニスト抗原結合タンパク質は、CDRL1、CDRL2、及びCDRL3を含む軽鎖可変領域、並びにCDRH1、CDRH2、及びCDRH3を含む重鎖可変領域を含み、CDRL1、CDRL2、及びCDRL3は、各々配列番号17、29、及び44の配列を有し、CDRH1、CDRH2、及びCDRH3は、各々配列番号86、94、及び108の配列を有する。いくつかの実施形態では、TREM2アゴニスト抗原結合タンパク質は、CDRL1、CDRL2、及びCDRL3を含む軽鎖可変領域、並びにCDRH1、CDRH2、及びCDRH3を含む重鎖可変領域を含み、CDRL1、CDRL2、及びCDRL3は、各々配列番号359、22、及び35の配列を有し、CDRH1、CDRH2、及びCDRH3は、各々配列番号77、90、及び98の配列を有する。
【0051】
いくつかの実施形態では、TREM2アゴニスト抗原結合タンパク質は、配列番号46~63から選択される配列を含む軽鎖可変領域、及び配列番号110~126から選択される配列を含む重鎖可変領域を含む。いくつかの実施形態では、TREM2アゴニスト抗原結合タンパク質は、配列番号46の配列を含む軽鎖可変領域、及び配列番号110の配列を含む重鎖可変領域を含む 。いくつかの実施形態では、TREM2アゴニスト抗原結合タンパク質は、配列番号47の配列を含む軽鎖可変領域、及び配列番号111の配列を含む重鎖可変領域を含む 。いくつかの実施形態では、TREM2アゴニスト抗原結合タンパク質は、配列番号48の配列を含む軽鎖可変領域、及び配列番号112の配列を含む重鎖可変領域を含む 。いくつかの実施形態では、TREM2アゴニスト抗原結合タンパク質は、配列番号49の配列を含む軽鎖可変領域、及び配列番号113の配列を含む重鎖可変領域を含む 。いくつかの実施形態では、TREM2アゴニスト抗原結合タンパク質は、配列番号50の配列を含む軽鎖可変領域、及び配列番号114の配列を含む重鎖可変領域を含む 。いくつかの実施形態では、TREM2アゴニスト抗原結合タンパク質は、配列番号51の配列を含む軽鎖可変領域、及び配列番号110の配列を含む重鎖可変領域を含む 。いくつかの実施形態では、TREM2アゴニスト抗原結合タンパク質は、配列番号53の配列を含む軽鎖可変領域、及び配列番号116の配列を含む重鎖可変領域を含む 。いくつかの実施形態では、TREM2アゴニスト抗原結合タンパク質は、配列番号54の配列を含む軽鎖可変領域、及び配列番号117の配列を含む重鎖可変領域を含む 。いくつかの実施形態では、TREM2アゴニスト抗原結合タンパク質は、配列番号55の配列を含む軽鎖可変領域、及び配列番号118の配列を含む重鎖可変領域を含む 。いくつかの実施形態では、TREM2アゴニスト抗原結合タンパク質は、配列番号56の配列を含む軽鎖可変領域、及び配列番号119の配列を含む重鎖可変領域を含む 。いくつかの実施形態では、TREM2アゴニスト抗原結合タンパク質は、配列番号57の配列を含む軽鎖可変領域、及び配列番号120の配列を含む重鎖可変領域を含む 。いくつかの実施形態では、TREM2アゴニスト抗原結合タンパク質は、配列番号58の配列を含む軽鎖可変領域、及び配列番号121の配列を含む重鎖可変領域を含む 。いくつかの実施形態では、TREM2アゴニスト抗原結合タンパク質は、配列番号59の配列を含む軽鎖可変領域、及び配列番号122の配列を含む重鎖可変領域を含む 。いくつかの実施形態では、TREM2アゴニスト抗原結合タンパク質は、配列番号60の配列を含む軽鎖可変領域、及び配列番号123の配列を含む重鎖可変領域を含む 。いくつかの実施形態では、TREM2アゴニスト抗原結合タンパク質は、配列番号61の配列を含む軽鎖可変領域、及び配列番号124の配列を含む重鎖可変領域を含む 。いくつかの実施形態では、TREM2アゴニスト抗原結合タンパク質は、配列番号62の配列を含む軽鎖可変領域、及び配列番号125の配列を含む重鎖可変領域を含む 。いくつかの実施形態では、TREM2アゴニスト抗原結合タンパク質は、配列番号63の配列を含む軽鎖可変領域、及び配列番号126の配列を含む重鎖可変領域を含む 。更に別の実施形態では、TREM2アゴニスト抗原結合タンパク質は、配列番号52の配列を含む軽鎖可変領域、及び配列番号115の配列を含む重鎖可変領域を含む 。
【0052】
いくつかの実施形態では、TREM2アゴニスト抗原結合タンパク質は、表1A中に示すように、LV-01、LV-02、LV-03、LV-04、LV-05、LV-06、LV-07、LV-08、LV-09、LV-10、LV-11、LV-12、LV-13、LV-14、LV-15、LV-16、LV-17、及びLV-18から選択される軽鎖可変領域、並びに/又は、表1B中に示すように、HV-01、HV-02、HV-03、HV-04、HV-05、HV-06、HV-07、HV-08、HV-09、HV-10、HV-11、HV-12、HV-13、HV-14、HV-15、HV-16、及びHV-17から選択される重鎖可変領域、並びにこれらの軽鎖及び重鎖可変領域の機能的断片、誘導体、ムテイン、及びバリアントを含む。
【0053】
いくつかの実施形態では、表1A中に列挙される軽鎖可変領域の各々を、表1B中に列挙される重鎖可変領域のいずれかと組合わせて、本発明の抗原結合タンパク質の、抗TREM2結合ドメインを形成してもよい。そのような組合わせの例は、限定されないが、以下を含む:LV-01(配列番号46)及びHV-01(配列番号110)、LV-02(配列番号47)及びHV-02(配列番号111)、LV-03(配列番号48)及びHV-03(配列番号112)、LV-04(配列番号49)及びHV-04(配列番号113)、LV-05(配列番号50)及びHV-05(配列番号114)、LV-06(配列番号51)及びHV-01(配列番号110)、LV-07(配列番号52)及びHV-06(配列番号115)、LV-08(配列番号53)及びHV-07(配列番号116)、LV-09(配列番号54)及びHV-08(配列番号117)、LV-10(配列番号55)及びHV-09(配列番号118)、LV-11(配列番号56)及びHV-10(配列番号119)、LV-12(配列番号57)及びHV-11(配列番号120)、LV-13(配列番号58)及びHV-12(配列番号121)、LV-14(配列番号59)及びHV-13(配列番号122)、LV-15(配列番号60)及びHV-14(配列番号123)、LV-16(配列番号61)及びHV-15(配列番号124)、LV-17(配列番号62)及びHV-16(配列番号125)、並びにLV-18(配列番号63)及びHV-17(配列番号126)。
【0054】
特定の実施形態では、本発明のTREM2アゴニスト抗原結合タンパク質は、LV-09(配列番号54)の配列を含む軽鎖可変領域、及びHV-08(配列番号117)の配列を含む重鎖可変領域を含む。いくつかの実施形態では、本発明のTREM2アゴニスト抗原結合タンパク質は、LV-10(配列番号55)の配列を含む軽鎖可変領域、及びHV-09(配列番号118)の配列を含む重鎖可変領域を含む。他の実施形態では、本発明のTREM2アゴニスト抗原結合タンパク質は、LV-15(配列番号60)の配列を含む軽鎖可変領域、及びHV-14(配列番号123)の配列を含む重鎖可変領域を含む。更なる他の実施形態では、本発明のTREM2アゴニスト抗原結合タンパク質は、LV-16(配列番号61)の配列を含む軽鎖可変領域、及びHV-15(配列番号124)の配列を含む重鎖可変領域を含む。いくつかの実施形態では、本発明のTREM2アゴニスト抗原結合タンパク質は、LV-17(配列番号62)の配列を含む軽鎖可変領域、及びHV-16(配列番号125)の配列を含む重鎖可変領域を含む。特定の実施形態では、本発明のTREM2アゴニスト抗原結合タンパク質は、LV-07(配列番号52)の配列を含む軽鎖可変領域、及びHV-06(配列番号115)の配列を含む重鎖可変領域を含む。
【0055】
いくつかの実施形態では、TREM2アゴニスト抗原結合タンパク質は、表1A中に示される軽鎖可変領域の配列、すなわち、LV-01、LV-02、LV-03、LV-04、LV-05、LV-06、LV-07、LV-08、LV-09、LV-10、LV-11、LV-12、LV-13、LV-14、LV-15、LV-16、LV-17、又はLV-18から選択されるVLとは、1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、又は15のアミノ酸残基のみで異なる連続アミノ酸の配列を含む軽鎖可変領域を含み、そのような各々の配列の違いは、独立して、1つのアミノ酸の欠失、挿入、又は置換のいずれかであり、欠失、挿入、及び/又は置換によって、前述の可変ドメイン配列と比べて15以下のアミノ酸変化がもたらされる。いくつかのTREM2アゴニスト抗原結合タンパク質中の軽鎖可変領域は、配列番号46~63のアミノ酸配列(すなわち、表1A中の軽鎖可変領域)と、少なくとも70%、少なくとも75%、少なくとも80%、少なくとも85%、少なくとも90%、少なくとも95%、少なくとも97%、又は少なくとも99%の配列同一性を有する、アミノ酸配列を含む。一実施形態では、TREM2アゴニスト抗原結合タンパク質は、配列番号46~63から選択される配列と、少なくとも90%同一である配列を含む、軽鎖可変領域を含む 。別の実施形態では、TREM2アゴニスト抗原結合タンパク質は、配列番号46~63から選択される配列と、少なくとも95%同一である配列を含む、軽鎖可変領域を含む 。更に別の実施形態では、TREM2アゴニスト抗原結合タンパク質は、配列番号46~63から選択される配列を含む、軽鎖可変領域を含む 。いくつかの実施形態では、TREM2アゴニスト抗原結合タンパク質は、配列番号54の配列を含む、軽鎖可変領域を含む 。他の実施形態では、TREM2アゴニスト抗原結合タンパク質は、配列番号55の配列を含む、軽鎖可変領域を含む。。更に他の実施形態では、TREM2アゴニスト抗原結合タンパク質は、配列番号60の配列を含む、軽鎖可変領域を含む 。更に他の実施形態では、TREM2アゴニスト抗原結合タンパク質は、配列番号61の配列を含む、軽鎖可変領域を含む 。特定の実施形態では、TREM2アゴニスト抗原結合タンパク質は、配列番号62の配列を含む、軽鎖可変領域を含む 。他の実施形態では、TREM2アゴニスト抗原結合タンパク質は、配列番号52の配列を含む、軽鎖可変領域を含む 。
【0056】
これら及び他の実施形態では、TREM2アゴニスト抗原結合タンパク質は、表1B中に示される重鎖可変領域の配列、すなわち、HV-01、HV-02、HV-03、HV-04、HV-05、HV-06、HV-07、HV-08、HV-09、HV-10、HV-11、HV-12、HV-13、HV-14、HV-15、HV-16、又はHV-17から選択されるVHとは、1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、又は15のアミノ酸残基のみで異なる連続アミノ酸の配列を含む重鎖可変領域を含み、そのような各々の配列の違いは、独立して、1つのアミノ酸の欠失、挿入、又は置換のいずれかであり、欠失、挿入、及び/又は置換によって、前述の可変ドメイン配列と比べて15以下のアミノ酸変化がもたらされる。いくつかのTREM2アゴニスト抗原結合タンパク質中の重鎖可変領域は、配列番号110~126のアミノ酸配列(すなわち、表1B中の重鎖可変領域)と、少なくとも70%、少なくとも75%、少なくとも80%、少なくとも85%、少なくとも90%、少なくとも95%、少なくとも97%、又は少なくとも99%の配列同一性を有する、アミノ酸配列を含む。一実施形態では、TREM2アゴニスト抗原結合タンパク質は、配列番号110~126から選択される配列と、少なくとも90%同一である配列を含む、重鎖可変領域を含む 。別の実施形態では、TREM2アゴニスト抗原結合タンパク質は、配列番号110~126から選択される配列と、少なくとも95%同一である配列を含む、重鎖可変領域を含む 。更に別の実施形態では、TREM2アゴニスト抗原結合タンパク質は、配列番号110~126から選択される配列を含む、重鎖可変領域を含む 。いくつかの実施形態では、TREM2アゴニスト抗原結合タンパク質は、配列番号117の配列を含む、重鎖可変領域を含む。。他の実施形態では、TREM2アゴニスト抗原結合タンパク質は、配列番号118の配列を含む、重鎖可変領域を含む。。更に他の実施形態では、TREM2アゴニスト抗原結合タンパク質は、配列番号123の配列を含む、重鎖可変領域を含む。。更に他の実施形態では、TREM2アゴニスト抗原結合タンパク質は、配列番号124の配列を含む、重鎖可変領域を含む。。特定の実施形態では、TREM2アゴニスト抗原結合タンパク質は、配列番号125の配列を含む、重鎖可変領域を含む。。他の実施形態では、TREM2アゴニスト抗原結合タンパク質は、配列番号115の配列を含む、重鎖可変領域を含む。。
【0057】
いくつかの実施形態では、抗TREM2抗体のバリアントを、軽鎖又は重鎖可変領域中の1つ以上のアミノ酸を置換することにより生成して、化学的な傾向への対処(例えば、アスパラギン酸の異性体化、アスパラギンの脱アミド化、トリプトファン及びメチオニンの酸化)又はコバリアンス違反の修正(例えば、その全体においてここに参照により組み込まれる、WO2012/125495を参照のこと)を行うことができる。そのようなバリアントは、親抗体と比較し、改善された生物物理学的特性、発現特性、及び/又は安定性特性を有することができる。いくつかの実施形態では、本発明のTREM2アゴニスト抗原結合タンパク質は、以下の表2A~2Fのいずれかにおいて示される、アミノ酸置換の1つ以上を有する、軽鎖可変領域及び/又は重鎖可変領域を含む。
【0058】
いくつかの実施形態では、本明細書に記載される抗TREM2抗体の追加のバリアントは、本明細書に記載される抗TREM2抗体のいずれかの親和性を調節することによって、生成することができる。「親和性調節抗体」は、その軽鎖可変領域配列及び/又は重鎖可変領域配列中に1つ以上のアミノ酸置換を含む抗体に関し、それによって、アミノ酸置換を含まない親抗体と比較して、標的抗原についての抗体の親和性が増加又は減少する。抗体親和性調節方法は、当業者に既知であり、CDRウォーキング変異誘発(Yang et al.,J.Mol.Biol.,254,392 403,1995)、チェーンシャフリング(Marks et al.,Bio/Technology,10,779 783,1992)、大腸菌の変異株の使用(Low et al.,J.Mol.Biol.,250,350 368,1996)、DNAシャフリング(Patten et al.,Curr.Opin.Biotechnol.,1997,8:724 733)、ファージディスプレイ(Thompson et al.,J.Mol.Biol.,1996,256:7 88)、PCR技術(Crameri,et al.,Nature,1998,391:288 291)、及び他の変異誘発戦略(Barbas et al.,Proc Nat.Acad.Sci.USA 91:3809-3813,1994、Schier et al.,Gene 169:147-155,1995、Yelton et al.,J.Immunol.155:1994-2004,1995、Jackson et al.,J.Immunol.154(7):3310-9,1995、及びHawkins et al.,J.Mol.Biol.,1992,226:889-896)を含んでもよい。親和性調節の方法は、Hoogenboom,Trends in Biotechnology,1995,15:62-70、及びVaughan et al.,Nature Biotechnology,1998,16535 539において記載されている。本明細書に記載される抗TREM2抗体の親和性調節バリアントを生成するための1つの特定の方法は、酵母ディスプレイFab変異誘発ライブラリの使用である。
【0059】
いくつかの実施形態では、TREM2アゴニスト抗原結合タンパク質は、本明細書に記載される抗TREM2抗体のいずれかの軽鎖可変領域のバリアントである、軽鎖可変領域を含む。このように、いくつかの実施形態では、TREM2アゴニスト抗原結合タンパク質の軽鎖可変領域は、配列番号46~63から選択される配列と、少なくとも90%同一、少なくとも91%同一、少なくとも92%同一、少なくとも93%同一、少なくとも94%同一、又は少なくとも95%同一である配列を含む 。いくつかの実施形態では、TREM2アゴニスト抗原結合タンパク質は、以下の表2A~2Fにおいて示される、操作された抗TREM2抗体バリアントのいずれかからの、軽鎖可変領域を含んでもよい。
【0060】
いくつかの実施形態では、TREM2アゴニスト抗原結合タンパク質は、1つ以上のアミノ酸位置64、79、80、85、94、及び/又は100に変異を伴う、配列番号54の配列を含む、軽鎖可変領域を含む。いくつかのそのような実施形態では、変異は、V64G、V64A、Q79E、Q79D、S80P、S80A、F85V、F85L、F85A、F85D、F85I、F85L、F85M、F85T、W94F、W94Y、W94S、W94T、W94A、W94H、W94I、W94Q、P100R、P100Q、P100G、又はそれらの組合わせである。別の実施形態では、TREM2アゴニスト抗原結合タンパク質は、1つ以上のアミノ酸位置64、79、80、94、及び/又は100に変異を伴う、配列番号55の配列を含む、軽鎖可変領域を含む。そのような変異は、V64G、V64A、Q79E、Q79D、S80P、S80A、W94F、W94Y、W94S、W94T、W94A、W94H、W94I、W94Q、P100R、P100Q、P100G、又はそれらの組合わせを含んでもよい。特定の実施形態では、変異は、V64G、V64A、Q79E、S80P、S80A、W94Y、W94S、P100R、P100Q、又はそれらの組合わせである。別の実施形態では、TREM2アゴニスト抗原結合タンパク質は、1つ以上のアミノ酸位置60、92、及び/又は93に変異を伴う、配列番号60の配列を含む、軽鎖可変領域を含む。そのような実施形態における変異は、L60S、L60P、L60D、L60A、D92E、D92Q、D92T、D92N、S93A、S93N、S93Q、S93V、又はそれらの組合わせから選択してもよい。更なる別の実施形態では、TREM2アゴニスト抗原結合タンパク質は、1つ以上のアミノ酸位置56、57、92、及び/又は93に変異を伴う、配列番号61の配列を含む、軽鎖可変領域を含む。そのような実施形態では、変異は、N56S、N56T、N56Q、N56E、G57A、G57V、D92E、D92Q、D92T、D92N、S93A、S93N、S93Q、S93V、又はそれらの組合わせであってもよい。特定の実施形態では、変異は、N56S、N56Q、G57A、D92E、D92Q、S93A、又はそれらの組合わせである。更なる別の実施形態では、TREM2アゴニスト抗原結合タンパク質は、アミノ酸位置36、46、61、及び/又は100に変異を伴う、配列番号62の配列を含む、軽鎖可変領域を含む。そのような変異は、F36Y、S46L、S46R、S46V、S46F、K61R、P100Q、P100G、P100R、又はそれらの組合わせを含んでもよい。特定の実施形態では、変異は、F36Y、K61R、P100Q、又はそれらの組合わせである。別の実施形態では、TREM2アゴニスト抗原結合タンパク質は、F91V、F91I、F91T、F91L、又はF91Dから選択することができる、アミノ酸位置91に変異を伴う、配列番号52の配列を含む、軽鎖可変領域を含む。一実施形態では、変異は、F91Vである。
【0061】
いくつかの実施形態では、TREM2アゴニスト抗原結合タンパク質は、本明細書に記載される抗TREM2抗体のいずれかからの、重鎖可変領域のバリアントである、重鎖可変領域を含む。このように、いくつかの実施形態では、TREM2アゴニスト抗原結合タンパク質の重鎖可変領域は、配列番号110~126から選択される配列と、少なくとも90%同一、少なくとも91%同一、少なくとも92%同一、少なくとも93%同一、少なくとも94%同一、又は少なくとも95%同一である配列を含む 。例えば、TREM2アゴニスト抗原結合タンパク質は、以下の表2A~2F中に記載される、操作された抗TREM2抗体バリアントのいずれかからの、重鎖可変領域を含んでもよい。一実施形態では、TREM2アゴニスト抗原結合タンパク質は、1つ以上のアミノ酸位置19、55、56、57、58、及び/又は104に変異を伴う、配列番号117の配列を含む、重鎖可変領域を含む。いくつかのそのような実施形態では、変異は、M19K、M19R、M19T、M19E、M19N、M19Q、D55E、D55Q、D55N、D55T、S56A、S56Q、S56V、D57S、D57E、D57Q、T58A、T58V、W104F、W104Y、W104T、W104S、W104A、W104H、W104I、W104Q、又はそれらの組合わせである。別の実施形態では、TREM2アゴニスト抗原結合タンパク質は、1つ以上のアミノ酸位置19、55、56、57、58、及び/又は104に変異を伴う、配列番号118の配列を含む、重鎖可変領域を含む。そのような変異は、M19K、M19R、M19T、M19E、M19N、M19Q、D55E、D55Q、D55N、D55T、S56A、S56Q、S56V、D57S、D57E、D57Q、T58A、T58V、W104F、W104Y、W104T、W104S、W104A、W104H、W104I、W104Q、又はそれらの組合わせを含んでもよい。特定の実施形態では、変異は、M19K、D55E、S56A、D57E、T58A、W104Y、W104T、又はそれらの組合わせである。別の実施形態では、TREM2アゴニスト抗原結合タンパク質は、1つ以上のアミノ酸位置27、55、56、57、58、105、及び/又は106に変異を伴う、配列番号123の配列を含む、重鎖可変領域を含む。いくつかの実施形態では、変異は、H27Y、H27D、H27F、H27N、D55E、D55Q、D55N、D55T、S56A、S56Q、S56V、D57S、D57E、D57Q、T58A、T58V、D105E、D105Q、D105T、D105N、D105G、S106A、S106Q、S106V、S106T、又はそれらの組合わせから選択される。更なる別の実施形態では、TREM2アゴニスト抗原結合タンパク質は、1つ以上のアミノ酸位置55、56、57、58、105、及び/又は106に変異を伴う、配列番号124の配列を含む、重鎖可変領域を含む。そのような実施形態における変異は、D55E、D55Q、D55N、D55T、S56A、S56Q、S56V、D57S、D57E、D57Q、T58A、T58V、D105E、D105Q、D105T、D105N、D105G、S106A、S106Q、S106V、S106T、又はそれらの組合わせから選択されてもよい。特定の実施形態では、変異は、D55E、D55Q、S56A、D57E、T58A、D105E、D105N、S106A、又はそれらの組合わせである。更なる別の実施形態では、TREM2アゴニスト抗原結合タンパク質は、1つ以上のアミノ酸位置43、76、85、99、100、及び/又は116に変異を伴う、配列番号125の配列を含む、重鎖可変領域を含む。そのような変異は、L43Q、L43K、L43H、I76T、R85S、R85G、R85N、R85D、D99E、D99Q、D99S、D99T、G100A、G100Y、G100V、T116L、T116M、T116P、T116R、又はそれらの組合わせを含んでもよい。特定の実施形態では、変異は、L43Q、R85S、D99E、G100A、G100Y、T116L、又はそれらの組合わせである。別の実施形態では、TREM2アゴニスト抗原結合タンパク質は、アミノ酸位置62及び/又は63に変異を伴う、配列番号115の配列を含む、重鎖可変領域を含む。そのような実施形態では、変異は、D62E、D62Q、D62T、D62N、S63A、S63Q、S63V、又はそれらの組合わせから選択されてもよい。いくつかの実施形態では、変異は、D62E、D62Q、S63A、又はそれらの組合わせである。いくつかの実施形態では、TREM2アゴニスト抗原結合タンパク質は、表2A、2B、3A、3B、及び19中に示される、抗TREM2バリアント抗体のいずれかからの、軽鎖可変領域及び/又は重鎖可変領域を含む。したがって、いくつかの実施形態では、TREM2アゴニスト抗原結合タンパク質の軽鎖可変領域は、配列番号61、153~162、及び295~300から選択される配列と、少なくとも90%同一、少なくとも91%同一、少なくとも92%同一、少なくとも93%同一、少なくとも94%同一、又は少なくとも95%同一である配列を含む。これら及び他の実施形態では、TREM2アゴニスト抗原結合タンパク質の重鎖可変領域は、配列番号124、180~190、及び307~312から選択される配列と、少なくとも90%同一、少なくとも91%同一、少なくとも92%同一、少なくとも93%同一、少なくとも94%同一、又は少なくとも95%同一である配列を含む。
【0062】
いくつかの実施形態では、TREM2アゴニスト抗原結合タンパク質は、1つ以上のアミノ酸位置64、79、80、85、94、及び/又は100に変異を伴う、配列番号54の配列を含む、軽鎖可変領域を含む。そのような変異は、V64G、V64A、Q79E、Q79D、S80P、S80A、F85V、F85L、F85A、F85D、F85I、F85L、F85M、F85T、W94F、W94Y、W94S、W94T、W94A、W94H、W94I、W94Q、P100R、P100Q、P100G、又はそれらの組合わせを含んでもよい。これら及び他の実施形態では、TREM2アゴニスト抗原結合タンパク質は、1つ以上のアミノ酸位置19、55、56、57、58、及び/又は104に変異を伴う、配列番号117の配列を含む、重鎖可変領域を含む。特定の実施形態では、変異は、M19K、M19R、M19T、M19E、M19N、M19Q、D55E、D55Q、D55N、D55T、S56A、S56Q、S56V、D57S、D57E、D57Q、T58A、T58V、W104F、W104Y、W104T、W104S、W104A、W104H、W104I、W104Q、又はそれらの組合わせから選択される。
【0063】
他の実施形態では、TREM2アゴニスト抗原結合タンパク質は、1つ以上のアミノ酸位置64、79、80、94、及び/又は100に変異を伴う、配列番号55の配列を含む、軽鎖可変領域を含む。いくつかの実施形態では、変異は、V64G、V64A、Q79E、Q79D、S80P、S80A、W94F、W94Y、W94S、W94T、W94A、W94H、W94I、W94Q、P100R、P100Q、P100G、又はそれらの組合わせから選択される。特定の実施形態では、変異は、V64G、V64A、Q79E、S80P、S80A、W94Y、W94S、P100R、P100Q、又はそれらの組合わせから選択される。例えば、いくつかの実施形態では、TREM2アゴニスト抗原結合タンパク質は、V64G、Q79E、S80P、W94Y、及びP100Qから選択される1つ以上の変異を伴う、配列番号55の配列を含む、軽鎖可変領域を含む。これら及び他の実施形態では、TREM2アゴニスト抗原結合タンパク質は、1つ以上のアミノ酸位置19、55、56、57、58、及び/又は104に変異を伴う、配列番号118の配列を含む、重鎖可変領域を含む。そのような変異は、M19K、M19R、M19T、M19E、M19N、M19Q、D55E、D55Q、D55N、D55T、S56A、S56Q、S56V、D57S、D57E、D57Q、T58A、T58V、W104F、W104Y、W104T、W104S、W104A、W104H、W104I、W104Q、又はそれらの組合わせを含んでもよい。特定の実施形態では、変異は、M19K、D55E、S56A、D57E、T58A、W104Y、W104T、又はそれらの組合わせから選択される。
【0064】
特定の他の実施形態では、TREM2アゴニスト抗原結合タンパク質は、1つ以上のアミノ酸位置60、92、及び/又は93に変異を伴う、配列番号60の配列を含む、軽鎖可変領域を含む。変異は、L60S、L60P、L60D、L60A、D92E、D92Q、D92T、D92N、S93A、S93N、S93Q、S93V、又はそれらの組合わせから選択されてもよい。これら及び他の実施形態では、TREM2アゴニスト抗原結合タンパク質は、1つ以上のアミノ酸位置27、55、56、57、58、105、及び/又は106に変異を伴う、配列番号123の配列を含む、重鎖可変領域を含む。いくつかの実施形態では、変異は、H27Y、H27D、H27F、H27N、D55E、D55Q、D55N、D55T、S56A、S56Q、S56V、D57S、D57E、D57Q、T58A、T58V、D105E、D105Q、D105T、D105N、D105G、S106A、S106Q、S106V、S106T、又はそれらの組合わせから選択される。
【0065】
いくつかの実施形態では、TREM2アゴニスト抗原結合タンパク質は、1つ以上のアミノ酸位置56、57、92、及び/又は93に変異を伴う、配列番号61の配列を含む、軽鎖可変領域を含む。特定の実施形態では、変異は、N56S、N56T、N56Q、N56E、G57A、G57V、D92E、D92Q、D92T、D92N、S93A、S93N、S93Q、S93V、又はそれらの組合わせから選択される。いくつかの実施形態では、変異は、N56S、N56Q、G57A、D92E、D92Q、S93A、又はそれらの組合わせから選択される。特定の実施形態では、TREM2アゴニスト抗原結合タンパク質は、N56S、D92E、及びS93Aから選択される1つ以上の変異を伴う、配列番号61の配列を含む、軽鎖可変領域を含む。これら及び他の実施形態では、TREM2アゴニスト抗原結合タンパク質は、1つ以上のアミノ酸位置55、56、57、58、105、及び/又は106に変異を伴う、配列番号124の配列を含む、重鎖可変領域を含む。変異は、D55E、D55Q、D55N、D55T、S56A、S56Q、S56V、D57S、D57E、D57Q、T58A、T58V、D105E、D105Q、D105T、D105N、D105G、S106A、S106Q、S106V、S106T、又はそれらの組合わせから選択されてもよい。特定の実施形態では、変異は、D55E、D55Q、S56A、D57E、T58A、D105E、D105N、S106A、又はそれらの組合わせである。いくつかの実施形態では、TREM2アゴニスト抗原結合タンパク質は、D55E、S56A、D57E、D105E、及びS106Aから選択される1つ以上の変異を伴う、配列番号124の配列を含む、重鎖可変領域を含む。
【0066】
他の実施形態では、TREM2アゴニスト抗原結合タンパク質は、アミノ酸位置36、46、61、及び/又は100に変異を伴う、配列番号62の配列を含む、軽鎖可変領域を含む。特定の実施形態では、変異は、F36Y、S46L、S46R、S46V、S46F、K61R、P100Q、P100G、P100R、又はそれらの組合わせから選択される。いくつかの実施形態では、変異は、F36Y、K61R、P100Q、又はそれらの組合わせである。いくつかの実施形態では、変異は、S46L、P100Q、又はそれらの組合わせである。これら及び他の実施形態では、TREM2アゴニスト抗原結合タンパク質は、1つ以上のアミノ酸位置43、76、85、99、100、及び/又は116に変異を伴う、配列番号125の配列を含む、重鎖可変領域を含む。変異は、L43Q、L43K、L43H、I76T、R85S、R85G、R85N、R85D、D99E、D99Q、D99S、D99T、G100A、G100Y、G100V、T116L、T116M、T116P、T116R、又はそれらの組合わせから選択されてもよい。特定の実施形態では、変異は、L43Q、I76T、R85S、D99E、G100A、G100Y、T116L、又はそれらの組合わせである。
【0067】
更なる他の実施形態では、TREM2アゴニスト抗原結合タンパク質は、アミノ酸位置91に変異を伴う、配列番号52の配列を含む、軽鎖可変領域を含む。変異は、F91V、F91I、F91T、F91L、又はF91Dから選択することができる。一実施形態では、変異はF91Vである。これら及び他の実施形態では、TREM2アゴニスト抗原結合タンパク質は、アミノ酸位置62及び/又は63に変異を伴う、配列番号115の配列を含む、重鎖可変領域を含む。特定の実施形態では、変異は、D62E、D62Q、D62T、D62N、S63A、S63Q、S63V、又はそれらの組合わせから選択される。いくつかの実施形態では、変異は、D62E、D62Q、S63A、又はそれらの組合わせから選択される。
【表2A】
【表2B】
【表2C】
【表2D】
【表2E】
【表2F】
【0068】
いくつかの実施形態では、TREM2アゴニスト抗原結合タンパク質は、本明細書に記載される抗TREM2抗体のバリアントの、1つ以上のCDRを含む。いくつかの実施形態では、TREM2アゴニスト抗原結合タンパク質は、以下の表3A、3B、3C、3D、及び3E中に示される抗TREM2抗体バリアントの、1つ以上のCDRを含んでもよい。
【0069】
特定の実施形態では、本発明のTREM2アゴニスト抗原結合タンパク質は、6E7抗体の親和性調節バリアントからの、軽鎖可変領域及び/又は重鎖可変領域を含む。例えば、いくつかの実施形態では、TREM2アゴニスト抗原結合タンパク質は、表2G中に示されるアミノ酸置換の1つ以上を有する、軽鎖可変領域及び/又は重鎖可変領域を含む。
【表2G-1】
【表2G-2】
【表2G-3】
【表2G-4】
【0070】
いくつかの実施形態では、TREM2アゴニスト抗原結合タンパク質は、1つ以上のアミノ酸位置24、31、50、52、54、56、89、92、93、94、及び/又は96に変異を伴う、配列番号61の配列を含む、軽鎖可変領域を含む。特定の実施形態では、変異は、R24A、S31R、A50S、A50G、S52G、L54R、N56K、N56R、N56L、N56T、Q89G、D92V、S93R、F94Y、F94L、R96H、R96L、又はそれらの組合わせから選択される。これら及び他の実施形態では、TREM2アゴニスト抗原結合タンパク質は、1つ以上のアミノ酸位置27、28、30、32、50、54、58、60、61、63、66、99、101、103、104、及び/又は110に変異を伴う、配列番号124の配列を含む、重鎖可変領域を含む。いくつかの実施形態では、変異は、Y27S、S28G、S28H、T30N、T30G、T30E、T30A、Y32E、I50T、G54S、T58V、Y60L、S61A、S63G、S63E、G66D、Q99G、Q99S、Q99M、T101G、Y103R、Y104G、F110S、又はそれらの組合わせから選択される。改善された親和性を伴う、6E7抗体の例示的なバリアントの、軽鎖及び重鎖可変領域、並びに関連CDRについての、アミノ酸配列を、各々、以下の表3A及び3B中に示す。低下した親和性を伴う、6E7抗体の例示的なバリアントの、軽鎖及び重鎖可変領域、並びに関連CDRについての、アミノ酸配列を、各々、以下の表3C及び3D中に示す。6E7抗体についての対応する配列が、比較のために、列挙される。
【表3A-1】
【表3A-2】
【表3B-1】
【表3B-2】
【表3B-3】
【表3B-4】
【0071】
いくつかの実施形態では、本発明のTREM2アゴニスト抗原結合タンパク質は、表3A(軽鎖CDR、すなわち、CDRL)、及び表3B(重鎖CDR、すなわち、CDRH)中に提示される、改善された親和性バリアントからの、CDRの1つ以上を含んでもよい。いくつかの実施形態では、TREM2アゴニスト抗原結合タンパク質は、改善された親和性バリアントから由来する、コンセンサスCDR配列を含む。例えば、いくつかの実施形態では、TREM2アゴニスト抗原結合タンパク質は、X1ASSX2QX3(配列番号139)のCDRL2コンセンサス配列を含み、式中、X1は、A又はGであり、X2は、L又はRであり、及びX3は、N、K、R、L、又はTである。別の実施形態では、TREM2アゴニスト抗原結合タンパク質は、X1QADX2X3PX4T(配列番号140)のCDRL3コンセンサス配列を含み、式中、X1は、Q又はGであり、X2は、S又はRであり、X3は、F、L、又はYであり、及びX4は、R又はHである。更なる別の実施形態では、TREM2アゴニスト抗原結合タンパク質は、X1IYPGDSDX2RX3X4PX5FQX6(配列番号141)のCDRH2コンセンサス配列を含み、式中、X1は、I又はTであり、X2は、T又はVであり、X3は、Y又はLであり、X4は、S又はAであり、X5は、S、G、又はEであり、及びX6は、G又はDである。いくつかの実施形態では、TREM2アゴニスト抗原結合タンパク質は、X1RTFYYDSSDYX2DY(配列番号142)のCDRH3コンセンサス配列を含み、式中、X1は、Q、G、S、又はMであり、及びX2は、F又はSである。
【0072】
いくつかの実施形態では、TREM2アゴニスト抗原結合タンパク質は、相補性決定領域CDRL1、CDRL2、及びCDRL3を含む軽鎖可変領域、並びに相補性決定領域CDRH1、CDRH2、及びCDRH3を含む重鎖可変領域を含み、ここで、CDRL1は配列番号 16の配列を含み、CDRL2は、配列番号 139のコンセンサス配列を含み、CDRL3は、配列番号 140のコンセンサス配列を含み、CDRH1は、配列番号 85の配列を含み、CDRH2は、配列番号141のコンセンサス配列を含み、及びCDRH3は、配列番号142のコンセンサス配列を含む 。
【0073】
いくつかの実施形態では、TREM2アゴニスト抗原結合タンパク質は、配列番号16の配列を含むCDRL1、配列番号26及び143~147から選択される配列を含むCDRL2、配列番号43及び148~152から選択される配列を含むCDRL3、配列番号85の配列を含むCDRH1、配列番号91及び170~175から選択される配列を含むCDRH2、並びに配列番号176~179から選択される配列を含むCDRH3を含む 。
【0074】
特定の実施形態では、本発明のTREM2アゴニスト抗原結合タンパク質は、CDRL1、CDRL2、及びCDRL3を含む、軽鎖可変領域を含み、ここで、
(a)CDRL1、CDRL2、及びCDRL3は、各々配列番号16、143、及び148の配列を有し、
(b)CDRL1、CDRL2、及びCDRL3は、各々配列番号16、144、及び149の配列を有し、
(c)CDRL1、CDRL2、及びCDRL3は、各々配列番号16、145、及び43の配列を有し、
(d)CDRL1、CDRL2、及びCDRL3は、各々配列番号16、146、及び148の配列を有し、
(e)CDRL1、CDRL2、及びCDRL3は、各々配列番号16、26、及び150の配列を有し、
(f)CDRL1、CDRL2、及びCDRL3は、各々配列番号16、143、及び151の配列を有し、
(g)CDRL1、CDRL2、及びCDRL3は、各々配列番号16、145、及び148の配列を有し、
(h)CDRL1、CDRL2、及びCDRL3は、各々配列番号16、145、及び152の配列を有し、
(i)CDRL1、CDRL2、及びCDRL3は、各々配列番号16、144、及び43の配列を有し、
(j)CDRL1、CDRL2、及びCDRL3は、各々配列番号16、147、及び43の配列を有する。
【0075】
関連する実施形態では、本発明のTREM2アゴニスト抗原結合タンパク質は、CDRH1、CDRH2、及びCDRH3を含む、重鎖可変領域を含み、ここで、
(a)CDRH1、CDRH2、及びCDRH3は、各々配列番号85、170、及び176の配列を有し、
(b)CDRH1、CDRH2、及びCDRH3は、各々配列番号85、171、及び177の配列を有し、
(c)CDRH1、CDRH2、及びCDRH3は、各々配列番号85、172、及び177の配列を有し、
(d)CDRH1、CDRH2、及びCDRH3は、各々配列番号85、171、及び178の配列を有し、
(e)CDRH1、CDRH2、及びCDRH3は、各々配列番号85、171、及び179の配列を有し、
(f)CDRH1、CDRH2、及びCDRH3は、各々配列番号85、173、及び177の配列を有し、
(g)CDRH1、CDRH2、及びCDRH3は、各々配列番号85、91、及び176の配列を有し、
(h)CDRH1、CDRH2、及びCDRH3は、各々配列番号85、174、及び176の配列を有し、(i)CDRH1、CDRH2、及びCDRH3は、各々配列番号85、175、及び178の配列を有し、又は(j)CDRH1、CDRH2、及びCDRH3は、各々配列番号85、91、及び178の配列を有する。
【0076】
いくつかの実施形態では、本発明のTREM2アゴニスト抗原結合タンパク質は、CDRL1、CDRL2、及びCDRL3を含む軽鎖可変領域並びにCDRH1、CDRH2、及びCDRH3を含む重鎖可変領域を含み、ここで、
(a)CDRL1、CDRL2、及びCDRL3は、各々配列番号16、143、及び148の配列を有し、並びにCDRH1、CDRH2、及びCDRH3は、各々配列番号85、170、及び176の配列を有し、
(b)CDRL1、CDRL2、及びCDRL3は、各々配列番号16、144、及び149の配列を有し、並びにCDRH1、CDRH2、及びCDRH3は、各々配列番号85、171、及び177の配列を有し、
(c)CDRL1、CDRL2、及びCDRL3は、各々配列番号16、145、及び43の配列を有し、並びにCDRH1、CDRH2、及びCDRH3は、各々配列番号85、172、及び177の配列を有し、
(d)CDRL1、CDRL2、及びCDRL3は、各々配列番号16、146、及び148の配列を有し、並びにCDRH1、CDRH2、及びCDRH3は、各々配列番号85、171、及び178の配列を有し、
(e)CDRL1、CDRL2、及びCDRL3は、各々配列番号16、26、及び150の配列を有し、並びにCDRH1、CDRH2、及びCDRH3は、各々配列番号85、171、及び179の配列を有し、
(f)CDRL1、CDRL2、及びCDRL3は、各々配列番号16、143、及び151の配列を有し、CDRH1、CDRH2、及びCDRH3は、各々配列番号85、173、及び177の配列を有し、
(g)CDRL1、CDRL2、及びCDRL3は、各々配列番号16、145、及び148の配列を有し、並びにCDRH1、CDRH2、及びCDRH3は、各々配列番号85、91、及び176の配列を有し、
(h)CDRL1、CDRL2、及びCDRL3は、各々配列番号16、145、及び152の配列を有し、並びにCDRH1、CDRH2、及びCDRH3は、各々配列番号85、171、及び178の配列を有し、
(i)CDRL1、CDRL2、及びCDRL3は、各々配列番号16、143、及び151の配列を有し、並びにCDRH1、CDRH2、及びCDRH3は、各々配列番号85、174、及び176の配列を有し、
(j)CDRL1、CDRL2、及びCDRL3は、各々配列番号16、144、及び43の配列を有し、並びにCDRH1、CDRH2、及びCDRH3は、各々配列番号85、175、及び178の配列を有し、又は
(k)CDRL1、CDRL2、及びCDRL3は、各々配列番号16、147、及び43の配列を有し、並びにCDRH1、CDRH2、及びCDRH3は、各々配列番号85、91、及び178の配列を有する。
【0077】
いくつかの実施形態では、本発明のTREM2アゴニスト抗原結合タンパク質は、表3A中に示すとおり、LV-101、LV-102、LV-103、LV-104、LV-105、LV-106、LV-107、LV-108、LV-109、及びLV-110から選択される軽鎖可変領域、並びに/若しくは、表3B中に示すとおり、HV-101、HV-102、HV-103、HV-104、HV-105、HV-106、HV-107、HV-108、HV-109、HV-110、及びHV-111から選択される重鎖可変領域、又は表3A及び3B中の配列のいずれかと、少なくとも80%同一、少なくとも85%同一、少なくとも90%同一、又は少なくとも95%同一である配列を含んでもよい。例えば、いくつかの実施形態では、TREM2アゴニスト抗原結合タンパク質は、(i)配列番号153~162から選択される配列と少なくとも90%同一である配列、(ii)配列番号153~162から選択される配列と少なくとも95%同一である配列、又は(iii)配列番号153~162から選択される配列を含む、軽鎖可変領域を含む 。関連する実施形態では、TREM2アゴニスト抗原結合タンパク質は、(i)配列番号180~190から選択される配列と少なくとも90%同一である配列、(ii)配列番号180~190から選択される配列と少なくとも95%同一である配列、又は(iii)配列番号180~190から選択される配列を含む、重鎖可変領域を含む 。
【0078】
表3A中に列挙される軽鎖可変領域の各々は、表3B中に列挙される重鎖可変領域のいずれかと組合わせて、本発明の抗原結合タンパク質の抗TREM2結合ドメインを形成してもよい。そのような組合わせの例は、限定されないが、以下を含む:LV-101(配列番号153)及びHV-101(配列番号180)、LV-102(配列番号154)及びHV-102(配列番号181)、LV-103(配列番号155)及びHV-103(配列番号182)、LV-104(配列番号156)及びHV-104(配列番号183)、LV-105(配列番号157)及びHV-105(配列番号184)、LV-106(配列番号158)及びHV-106(配列番号185)、LV-107(配列番号159)及びHV-107(配列番号186)、LV-108(配列番号160)及びHV-108(配列番号187)、LV-106(配列番号158)及びHV-109(配列番号188)、LV-109(配列番号161)及びHV-110(配列番号189)、並びにLV-110(配列番号162)及びHV-111(配列番号190)。
【表3C-1】
【表3C-2】
【表3D-1】
【表3D-2】
【表3D-3】
【0079】
いくつかの実施形態では、本発明のTREM2アゴニスト抗原結合タンパク質は、表3C(軽鎖CDR、すなわち、CDRL)、及び表3D(重鎖CDR、すなわち、CDRH)中に提示される、低下親和性バリアントからの、CDRの1つ以上を含んでもよい。いくつかの実施形態では、TREM2アゴニスト抗原結合タンパク質は、低下親和性バリアントから由来する、コンセンサスCDR配列を含む。例えば、一実施形態では、TREM2アゴニスト抗原結合タンパク質は、X1ASQGISX2WLA(配列番号284)のCDRL1コンセンサス配列を含み、式中、X1は、R又はAであり、及びX2は、S又はRである。別の実施形態では、TREM2アゴニスト抗原結合タンパク質は、X1AX2SLQN(配列番号285)のCDRL2コンセンサス配列を含み、式中、X1は、A又は Sであり、及びX2は、S又はGである。別の実施形態では、TREM2アゴニスト抗原結合タンパク質は、QQAX1SFPX2T(配列番号286)のCDRL3コンセンサス配列を含み、式中、X1は、D又は Vであり、及びX2は、R又は Lである。別の実施形態では、TREM2アゴニスト抗原結合タンパク質は、SX1WIA(配列番号287)のCDRH1コンセンサス配列を含み、式中、X1は、Y又はEである。更なる別の実施形態では、TREM2アゴニスト抗原結合タンパク質は、IIYPX1DSDTRYSPSFQG(配列番号288)のCDRH2コンセンサス配列を含み、式中、X1は、G又はSである。更なる別の実施形態では、TREM2アゴニスト抗原結合タンパク質は、QRX1FX2X3DSSDYFDY(配列番号289)のCDRH3コンセンサス配列を含み、式中、X1は、T又はGであり、X2は、Y又は Rであり、及びX3は、Y又はGである。いくつかの実施形態では、TREM2アゴニスト抗原結合タンパク質は、相補性決定領域CDRL1、CDRL2、及びCDRL3を含む軽鎖可変領域、並びに相補性決定領域CDRH1、CDRH2、及びCDRH3を含む重鎖可変領域を含み、CDRL1は、配列番号 284の配列を含み、CDRL2は、配列番号 285のコンセンサス配列を含み、CDRL3は、配列番号 286のコンセンサス配列を含み、CDRH1は、配列番号 287の配列を含み、CDRH2は、配列番号288のコンセンサス配列を含み、及びCDRH3は、配列番号289のコンセンサス配列を含む 。
【0080】
いくつかの実施形態では、本発明のTREM2アゴニスト抗原結合タンパク質は、配列番号16、290、及び291から選択される配列を含むCDRL1、配列番号28、292、及び293から選択される配列を含むCDRL2、配列番号43、294、及び271から選択される配列を含むCDRL3、配列番号85又は配列番号302の配列を含むCDRH1、配列番号91又は配列番号303の配列を含むCDRH2、並びに配列番号107及び304~306から選択される配列を含むCDRH3を含む。
【0081】
いくつかの実施形態では、本発明のTREM2アゴニスト抗原結合タンパク質は、CDRL1、CDRL2、及びCDRL3を含む、軽鎖可変領域を含み、ここで、
(a)CDRL1、CDRL2、及びCDRL3は、各々配列番号16、28、及び43の配列を有し、
(b)CDRL1、CDRL2、及びCDRL3は、各々配列番号16、292、及び43の配列を有し、
(c)CDRL1、CDRL2、及びCDRL3は、各々配列番号16、28、及び294の配列を有し、
(d)CDRL1、CDRL2、及びCDRL3は各々、配列番号290、28、及び43の配列を有し、
(e)CDRL1、CDRL2、及びCDRL3は、各々配列番号16、293、及び43の配列を有し、(f)CDRL1、CDRL2、及びCDRL3は、各々配列番号16、28、及び271の配列を有し、又は(g)CDRL1、CDRL2、及びCDRL3は、各々配列番号291、28、及び43の配列を有する。
【0082】
関連する実施形態では、本発明のTREM2アゴニスト抗原結合タンパク質は、CDRH1、CDRH2、及びCDRH3を含む、重鎖可変領域を含み、ここで、
(a)CDRH1、CDRH2、及びCDRH3は、各々配列番号85、91、及び304の配列を有し、
(b)CDRH1、CDRH2、及びCDRH3は、各々配列番号85、91、及び107の配列を有し、
(c)CDRH1、CDRH2、及びCDRH3は、各々配列番号85、91、及び305の配列を有し、
(d)CDRH1、CDRH2、及びCDRH3は、各々配列番号85、303、及び107の配列を有し、
(e)CDRH1、CDRH2、及びCDRH3は、各々配列番号85、91、及び306の配列を有し、又は
(f)CDRH1、CDRH2、及びCDRH3は各々配列番号302、91、及び107の配列を有する。
【0083】
いくつかの実施形態では、本発明のTREM2アゴニスト抗原結合タンパク質は、CDRL1、CDRL2、及びCDRL3を含む軽鎖可変領域並びにCDRH1、CDRH2、及びCDRH3を含む重鎖可変領域を含み、ここで、
(a)CDRL1、CDRL2、及びCDRL3は、各々配列番号16、28、及び43の配列を有し、並びにCDRH1、CDRH2、及びCDRH3は各々配列番号85、91、及び304の配列を有し、
(b)CDRL1、CDRL2、及びCDRL3は、各々配列番号16、292、及び43の配列を有し、並びにCDRH1、CDRH2、及びCDRH3は、各々配列番号85、91、及び107の配列を有し、
(c)CDRL1、CDRL2、及びCDRL3は、各々配列番号16、28、及び294の配列を有し、並びにCDRH1、CDRH2、及びCDRH3は、各々配列番号85、91、及び107の配列を有し、
(d)CDRL1、CDRL2、及びCDRL3は、各々配列番号16、28、及び43の配列を有し、並びにCDRH1、CDRH2、及びCDRH3は、各々配列番号85、91、及び107の配列を有し、
(e)CDRL1、CDRL2、及びCDRL3は、各々配列番号16、28、及び43の配列を有し、並びにCDRH1、CDRH2、及びCDRH3は、各々配列番号85、91、及び305の配列を有し、
(f)CDRL1、CDRL2、及びCDRL3は、各々配列番号16、28、及び43の配列を有し、並びにCDRH1、CDRH2、及びCDRH3は、各々配列番号85、303、及び107の配列を有し、
(g)CDRL1、CDRL2、及びCDRL3は、各々配列番号290、28、及び43の配列を有し、並びにCDRH1、CDRH2、及びCDRH3は、各々配列番号85、91、及び107の配列を有し、
(h)CDRL1、CDRL2、及びCDRL3は、各々配列番号16、28、及び43の配列を有し、並びにCDRH1、CDRH2、及びCDRH3は、各々配列番号85、91、及び306の配列を有し、
(i)CDRL1、CDRL2、及びCDRL3は、各々配列番号16、293、及び43の配列を有し、並びにCDRH1、CDRH2、及びCDRH3は、各々配列番号85、91、及び107の配列を有し、
(j)CDRL1、CDRL2、及びCDRL3は、各々配列番号16、28、及び271の配列を有し、並びにCDRH1、CDRH2、及びCDRH3は、各々配列番号85、91、及び107の配列を有し、又は
(k)CDRL1、CDRL2、及びCDRL3は、各々配列番号291、28、及び43の配列を有し、並びにCDRH1、CDRH2、及びCDRH3は、各々配列番号302、 91、及び107の配列を有する。
【0084】
いくつかの実施形態では、 本発明のTREM2アゴニスト抗原結合タンパク質は、表3C中に示すように、LV-16、LV-201、LV-202、LV-203、LV-204、LV-205、及びLV-206から選択される軽鎖可変領域、並びに/若しくは表3D中に示されるように、HV-15、HV-201、HV-202、HV-203、HV-204、HV-205、及びHV-206から選択される重鎖可変領域、又は表3C及び3D中の配列のいずれかと、少なくとも80%同一、少なくとも85%同一、少なくとも90%同一、又は少なくとも95%同一である配列を含んでもよい。例えば、特定の実施形態では、TREM2アゴニスト抗原結合タンパク質は、(i)配列番号61及び295~300から選択される配列と少なくとも90%同一である配列、(ii)配列番号61及び295~300から選択される配列と少なくとも95%同一である配列、又は(iii)配列番号61及び295~300から選択される配列を含む、軽鎖可変領域を含む。関連する実施形態では、TREM2アゴニスト抗原結合タンパク質は、(i)配列番号124及び307~312から選択される配列と少なくとも90%同一である配列、(ii)配列番号124及び307~312から選択される配列と少なくとも95%同一である配列、又は(iii)配列番号124及び307~312から選択される配列を含む、重鎖可変領域を含む。
【0085】
いくつかの実施形態では、表3C中に列挙される軽鎖可変領域の各々は、表3D中に列挙される重鎖可変領域のいずれかと組合わせて、本発明の抗原結合タンパク質の、抗TREM2結合ドメインを形成してもよい。そのような組合わせの例は、限定されないが、以下を含む:LV-16(配列番号61)及びHV-201(配列番号307)、LV-201(配列番号295)及びHV-15(配列番号124)、LV-202(配列番号296)及びHV-15(配列番号124)、LV-16(配列番号61)及びHV-202(配列番号308)、LV-16(配列番号61)及びHV-203(配列番号309)、LV-16(配列番号61)及びHV-204(配列番号310)、LV-203(配列番号297)及びHV-15(配列番号124)、LV-16(配列番号61)及びHV-205(配列番号311)、LV-204(配列番号298)及びHV-15(配列番号124)、LV-205(配列番号299)及びHV-15(配列番号124)、並びに LV-206(配列番号300)及びHV-206(配列番号312)。
【0086】
いくつかの実施形態では、TREM2アゴニスト抗原結合タンパク質は、表3E中に示される抗TREM2抗体バリアントの、1つ以上のCDRを含む。いくつかの実施形態では、TREM2アゴニスト抗原結合タンパク質は、表3E中に示される抗TREM2抗体バリアントの、軽鎖可変領域及び重鎖可変領域を含む。
【表3E-1】
【表3E-2】
【表3E-3】
【0087】
いくつかの実施形態では、TREM2アゴニスト抗原結合タンパク質は、CDRL1、CDRL2、及びCDRL3を含む軽鎖可変領域を含み、
(a)CDRL1、CDRL2、及びCDRL3は、各々配列番号16、369、及び370の配列を有し、
(b)CDRL1、CDRL2、及びCDRL3は、各々配列番号361、23、及び372の配列を有し、又は
(c)CDRL1、CDRL2、及びCDRL3は、各々配列番号357、21、及び33の配列を有し、(d)CDRL1、CDRL2、及びCDRL3は、各々配列番号357、20、及び33の配列を有する。
【0088】
いくつかの実施形態では、TREM2アゴニスト抗原結合タンパク質は、CDRH1、CDRH2、及びCDRH3を含む重鎖可変領域を含み、
(a)CDRH1、CDRH2、及びCDRH3は、各々配列番号77、368、及び98の配列を有し、
(b)CDRH1、CDRH2、及びCDRH3は、各々配列番号85、371、及び107の配列を有し、
(c)CDRH1、CDRH2、及びCDRH3は各々、配列番号81、373、及び374の配列を有し、又は
(d)CDRH1、CDRH2、及びCDRH3は、各々配列番号86、94、及び375の配列を有する。
【0089】
いくつかの実施形態では、TREM2アゴニスト抗原結合タンパク質は、CDRL1、CDRL2、及びCDRL3を含む軽鎖可変領域、並びにCDRH1、CDRH2、及びCDRH3を含む重鎖可変領域を含み、
(a)CDRL1、CDRL2、及びCDRL3は、各々配列番号359、22、及び35の配列を有し、並びにCDRH1、CDRH2、及びCDRH3は、各々配列番号77、368、及び98の配列を有し、
(b)CDRL1、CDRL2、及びCDRL3は、各々配列番号16、369、及び370の配列を有し、並びにCDRH1、CDRH2、及びCDRH3は、各々配列番号85、371、及び107の配列を有し、
(c)CDRL1、CDRL2、及びCDRL3は、各々配列番号361、23、及び372の配列を有し、並びにCDRH1、CDRH2、及びCDRH3は、各々配列番号81、373、及び374の配列を有し、又は
(d)CDRL1、CDRL2、及びCDRL3は、各々配列番号17、29、及び44の配列を有し、並びにCDRH1、CDRH2、及びCDRH3は、各々配列番号86、94、及び375の配列を有する。
【0090】
したがって、いくつかの実施形態では、TREM2アゴニスト抗原結合タンパク質は、CDRL1、CDRL2、及びCDRL3を含む軽鎖可変領域、並びにCDRH1、CDRH2、及びCDRH3を含む重鎖可変領域を含み、CDRL1、CDRL2、及びCDRL3は、各々配列番号361、23、及び372の配列を有し、並びにCDRH1、CDRH2、及びCDRH3は、各々配列番号81、373、及び374の配列を有する。
【0091】
いくつかの実施形態では、したがって、本発明は、ヒト患者においてALSPを治療する方法を提供し、本方法は、配列番号361、23、及び372の配列を各々有する、CDRL1、CDRL2、及びCDRL3、並びに配列番号81、373、及び374の配列を各々有する、CDRH1、CDRH2、及びCDRH3を含む、TREM2アゴニスト抗原結合タンパク質の有効量を、患者に投与することを含む。特定の実施形態では、抗体はヒトである。いくつかの実施形態では、TREM2アゴニスト抗原結合タンパク質は、
(a)配列番号326のアミノ酸配列を含む軽鎖可変領域、及び配列番号327のアミノ酸配列を含む重鎖可変領域、
(b)配列番号328のアミノ酸配列を含む軽鎖可変領域、及び配列番号329のアミノ酸配列を含む重鎖可変領域、
(c)配列番号330のアミノ酸配列を含む軽鎖可変領域、及び配列番号331のアミノ酸配列を含む重鎖可変領域、又は
(d)配列番号332のアミノ酸配列を含む軽鎖可変領域、及び配列番号333のアミノ酸配列を含む重鎖可変領域を含む 。
【0092】
いくつかの実施形態では、TREM2アゴニスト抗原結合タンパク質は、配列番号330のアミノ酸配列を含む軽鎖可変領域、及び配列番号331のアミノ酸配列を含む重鎖可変領域を含む 。
【0093】
したがって、いくつかの実施形態では、本発明は、ヒト患者においてALSPを治療する方法を提供し、本方法は、配列番号330のアミノ酸配列を含む軽鎖可変領域、及び配列番号331のアミノ酸配列を含む重鎖可変領域を含む、TREM2アゴニスト抗原結合タンパク質の有効量を、患者に投与することを含む 。特定の実施形態では、抗体は、ヒトである。
【0094】
いくつかの実施形態では、本発明のTREM2アゴニスト抗原結合タンパク質は、配列番号326、328、330、又は332のアミノ酸配列からなる、又は本質的になる、軽鎖可変領域を含む。いくつかの実施形態では、本発明のTREM2アゴニスト抗原結合タンパク質は、配列番号327、329、331、又は333のアミノ酸配列からなる、又は本質的になる、重鎖可変領域を含む。特定の実施形態では、本発明のTREM2アゴニスト抗原結合タンパク質は、軽鎖可変領域及び重鎖可変領域を含み、軽鎖可変領域は、配列番号326のアミノ酸配列からなるか又は本質的になり、重鎖可変領域は、配列番号327のアミノ酸配列からなるか又は本質的になる 。特定の実施形態では、本発明のTREM2アゴニスト抗原結合タンパク質は、軽鎖可変領域及び重鎖可変領域を含み、軽鎖可変領域は、配列番号328のアミノ酸配列からなるか又は本質的になり、重鎖可変領域は、配列番号329のアミノ酸配列からなるか又は本質的になる 。特定の実施形態では、本発明のTREM2アゴニスト抗原結合タンパク質は、軽鎖可変領域及び重鎖可変領域を含み、軽鎖可変領域は、配列番号330のアミノ酸配列からなるか又は本質的になり、重鎖可変領域は、配列番号331のアミノ酸配列からなるか又は本質的になる 。特定の実施形態では、本発明のTREM2アゴニスト抗原結合タンパク質は、軽鎖可変領域及び重鎖可変領域を含み、軽鎖可変領域は、配列番号332のアミノ酸配列からなるか又は本質的になり、重鎖可変領域は、配列番号333のアミノ酸配列からなるか又は本質的になる 。
【0095】
いくつかの実施形態では、表1A、3A、3C、及び3E中に開示される軽鎖可変領域の各々、並びに表1B、3B、3D、及び3E中に開示される重鎖可変領域の各々を、軽鎖定常領域(表4)及び重鎖定常領域(表5)に結合させて、各々完全抗体軽鎖及び重鎖を形成してもよく、以下で更に考察する通りである。更に、生成された重鎖配列及び軽鎖配列の各々を組合わせて、完全な抗体構造を形成してもよい。本明細書で提供される重鎖及び軽鎖可変領域は、本明細書中に列挙される例示的な配列とは異なる配列を有する、他の定常ドメインにも結合させることができることを、理解すべきである。
【0096】
いくつかの実施形態では、軽鎖定常ドメインを伴う軽鎖可変領域、及び重鎖定常領域を伴う重鎖可変領域を有する、例示的なTREM2アゴニスト抗体を、表3F中に開示している。
【表3F-1】
【表3F-2】
【表3F-3】
【表3F-4】
【表3F-5】
【表3F-6】
【0097】
いくつかの実施形態では、本発明のTREM2アゴニスト抗原結合タンパク質は、配列番号334の配列を含む軽鎖、及び配列番号335の配列を含む重鎖を含む 。いくつかの実施形態では、本発明のTREM2アゴニスト抗原結合タンパク質は、配列番号334の配列を含む軽鎖、及び配列番号336の配列を含む重鎖を含む 。いくつかの実施形態では、本発明のTREM2アゴニスト抗原結合タンパク質は、配列番号337の配列を含む軽鎖、及び配列番号338の配列を含む重鎖を含む 。いくつかの実施形態では、本発明のTREM2アゴニスト抗原結合タンパク質は、配列番号339の配列を含む軽鎖、及び配列番号340の配列を含む重鎖を含む 。いくつかの実施形態では、本発明のTREM2アゴニスト抗原結合タンパク質は、配列番号341の配列を含む軽鎖、及び配列番号342の配列を含む重鎖を含む 。いくつかの実施形態では、本発明のTREM2アゴニスト抗原結合タンパク質は、配列番号343の配列を含む軽鎖、及び配列番号344の配列を含む重鎖を含む 。いくつかの実施形態では、本発明のTREM2アゴニスト抗原結合タンパク質は、配列番号343の配列を含む軽鎖、及び配列番号345の配列を含む重鎖を含む 。いくつかの実施形態では、本発明のTREM2アゴニスト抗原結合タンパク質は、配列番号346の配列を含む軽鎖、及び配列番号347の配列を含む重鎖を含む 。いくつかの実施形態では、本発明のTREM2アゴニスト抗原結合タンパク質は、配列番号348の配列を含む軽鎖、及び配列番号349の配列を含む重鎖を含む 。いくつかの実施形態では、本発明のTREM2アゴニスト抗原結合タンパク質は、配列番号350の配列を含む軽鎖、及び配列番号351の配列を含む重鎖を含む 。
【0098】
いくつかの実施形態では、本発明は、ヒト患者においてALSPを治療する方法を提供し、本方法は、配列番号334の配列を含む軽鎖、及び配列番号335の配列を含む重鎖を含む、TREM2アゴニスト抗原結合タンパク質の有効量を、患者に投与することを含む 。いくつかの実施形態では、本発明は、ヒト患者においてALSPを治療する方法を提供し、本方法は、配列番号334の配列を含む軽鎖、及び配列番号336の配列を含む重鎖を含む、TREM2アゴニスト抗原結合タンパク質の有効量を、患者に投与することを含む 。いくつかの実施形態では、本発明は、ヒト患者においてALSPを治療する方法を提供し、本方法は、配列番号337の配列を含む軽鎖、及び配列番号338の配列を含む重鎖を含む、TREM2アゴニスト抗原結合タンパク質の有効量を、患者に投与することを含む 。いくつかの実施形態では、本発明は、ヒト患者においてALSPを治療する方法を提供し、本方法は、配列番号339の配列を含む軽鎖、及び配列番号340の配列を含む重鎖を含む、TREM2アゴニスト抗原結合タンパク質の有効量を、患者に投与することを含む 。いくつかの実施形態では、本発明は、ヒト患者においてALSPを治療する方法を提供し、本方法は、配列番号341の配列を含む軽鎖、及び配列番号342の配列を含む重鎖を含む、TREM2アゴニスト抗原結合タンパク質の有効量を、患者に投与することを含む 。いくつかの実施形態では、本発明は、ヒト患者においてALSPを治療する方法を提供し、本方法は、配列番号343の配列を含む軽鎖、及び配列番号344の配列を含む重鎖を含む、TREM2アゴニスト抗原結合タンパク質の有効量を、患者に投与することを含む 。いくつかの実施形態では、本発明は、ヒト患者においてALSPを治療する方法を提供し、本方法は、配列番号343の配列を含む軽鎖、及び配列番号345の配列を含む重鎖を含む、TREM2アゴニスト抗原結合タンパク質の有効量を、患者に投与することを含む 。いくつかの実施形態では、本発明は、ヒト患者においてALSPを治療する方法を提供し、本方法は、配列番号346の配列を含む軽鎖、及び配列番号347の配列を含む重鎖を含む、TREM2アゴニスト抗原結合タンパク質の有効量を、患者に投与することを含む 。いくつかの実施形態では、したがって、本発明は、ヒト患者においてALSPを治療する方法を提供し、本方法は、配列番号348の配列を含む軽鎖、及び配列番号349の配列を含む重鎖を含む、TREM2アゴニスト抗原結合タンパク質の有効量を、患者に投与することを含む 。いくつかの実施形態では、本発明は、ヒト患者においてALSPを治療する方法を提供し、本方法は、配列番号350の配列を含む軽鎖、及び配列番号351の配列を含む重鎖を含む、TREM2アゴニスト抗原結合タンパク質の有効量を、患者に投与することを含む 。いくつかの実施形態では、本発明は、ヒト患者においてALSPを治療する方法を提供し、本方法は、配列番号352の配列を含む軽鎖、及び配列番号353の配列を含む重鎖を含む、TREM2アゴニスト抗原結合タンパク質の有効量を、患者に投与することを含む 。
【0099】
いくつかの実施形態では、本発明のTREM2アゴニスト抗原結合タンパク質は、配列番号334、337、339、又は341のアミノ酸配列からなる、又は本質的になる、軽鎖を含む。いくつかの実施形態では、本発明のTREM2アゴニスト抗原結合タンパク質は、配列番号343、346、348、又は350のアミノ酸配列からなる、又は本質的になる、軽鎖を含む。いくつかの実施形態では、本発明のTREM2アゴニスト抗原結合タンパク質は、配列番号335、336、338、340、又は342のアミノ酸配列からなる、又は本質的になる、重鎖を含む。いくつかの実施形態では、本発明のTREM2アゴニスト抗原結合タンパク質は、配列番号344、345、347、349、又は351のアミノ酸配列からなる、又は本質的になる、重鎖を含む。特定の実施形態では、本発明のTREM2アゴニスト抗原結合タンパク質は、軽鎖及び重鎖を含み、
(a)軽鎖は、配列番号334のアミノ酸配列からなるか又は本質的になり、重鎖は、配列番号335のアミノ酸配列からなるか又は本質的になる、
(b)軽鎖は、配列番号334のアミノ酸配列からなるか又は本質的になり、重鎖は配列番号336のアミノ酸配列からなるか又は本質的になる、
(c)軽鎖は、配列番号337のアミノ酸配列からなるか又は本質的になり、重鎖は、配列番号338のアミノ酸配列からなるか又は本質的になる、
(d)軽鎖は、配列番号339のアミノ酸配列からなるか又は本質的になり、重鎖は、配列番号340のアミノ酸配列からなるか又は本質的になる、あるいは
(e)軽鎖は、配列番号341のアミノ酸配列からなるか又は本質的になり、重鎖は、配列番号342のアミノ酸配列からなるか又は本質的になる。
【0100】
特定の実施形態では、本発明のTREM2アゴニスト抗原結合タンパク質は、軽鎖及び重鎖を含み、
(a)軽鎖は、配列番号343のアミノ酸配列からなるか又は本質的になり、重鎖は、配列番号344のアミノ酸配列からなるか又は本質的になる、
(b)軽鎖は、配列番号343のアミノ酸配列からなるか又は本質的になり、重鎖は、配列番号345のアミノ酸配列からなるか又は本質的になる、
(c)軽鎖は、配列番号346のアミノ酸配列からなるか又は本質的になり、重鎖は、配列番号347のアミノ酸配列からなるか又は本質的になる、
(d)軽鎖は、配列番号348のアミノ酸配列からなるか又は本質的になり、重鎖は、配列番号349のアミノ酸配列からなるか又は本質的になる、
(e)軽鎖は、配列番号350のアミノ酸配列からなるか又は本質的になり、重鎖は、配列番号351のアミノ酸配列からなるか又は本質的になる、あるいは
(f)軽鎖は、配列番号352のアミノ酸配列からなるか又は本質的になり、重鎖は、配列番号353のアミノ酸配列からなるか又は本質的になる 。
【0101】
表1A、1B、3A、3B、3C、3D、3E中の、及び関連する考察における特定の配列への参照により、他に示されない限り、免疫グロブリン重鎖又は軽鎖中のアミノ酸残基のナンバリングは、Kabat et al., Sequences of Proteins of Immunological Interest, 5th Ed., US Department of Health and Human Services, NIH publication No. 91-3242, pp 662,680,689 (1991) and Edelman et al., Proc. Natl. Acad. USA,Vol.63: 78-85(1969)において記載される、Kabat-EUナンバリングに従っている。Kabatナンバリングスキームは、典型的には、可変領域内のアミノ酸の位置を指す場合に使用されるのに対し、EUナンバリングスキームは、一般的に、免疫グロブリン定常領域を伴うアミノ酸の位置を指す場合に使用される。
【0102】
いくつかの実施形態では、TREM2抗原結合タンパク質は、表1A、3A、3C、及び3E中に開示されるCDRL1、CDRL2、CDRL3、又は軽鎖可変領域、及び表1B、3B、3D、及び3E中に開示される重鎖可変領域を含む抗体と、競合する抗体を含む。いくつかの実施形態では、競合結合を検出するための適切なアッセイは、Octet(登録商標)システム(Pall ForteBio)で使用される動態センサーを用いており、それは、バイオレイヤー干渉法を使用して、結合相互作用を測定する。抗体の1つの群、抗体10E3、13E7、24F4、4C5、4G10、32E3、及び6E7は、ヒトTREM2への結合について互いに競合し、それらがヒトTREM2上で、同一の又は類似のエピトープを共有することを示している。抗体16B8、26A10、26C10、26F2、33B12、及び5E3は、TREM2結合について互いに競合するが、しかし、第一の群中の抗体又は抗体24A10、24G6、若しくは25F12と競合せず、この第二の抗体群が、ヒトTREM2上で、別個のエピトープに結合することを示している。抗体24A10及び24G6は、ヒトTREM2上の類似のエピトープを共有する。なぜなら、これら2つの抗体が、ヒトTREM2結合について互いに競合するが、しかし、任意の他の抗体と競合しなかったためである。抗体25F12は、ヒトTREM2結合について他のテストされた抗体のいずれとも競合しなかったのであり、この抗体が更に別のエピトープに結合することを示している。
【0103】
いくつかの実施形態では、TREM2アゴニスト抗原結合タンパク質は、ヒトTREM2への結合について参照抗体と競合し、参照抗体は、配列番号46~63から選択される配列を含む軽鎖可変領域、及び配列番号110~126から選択される配列を含む重鎖可変領域を含む 。他の実施形態では、本発明のTREM2アゴニスト抗原結合タンパク質は、ヒトTREM2への結合について参照抗体と競合し、参照抗体は、配列番号153~162から選択される配列を含む軽鎖可変領域、及び配列番号180~190から選択される配列を含む重鎖可変領域を含む 。更なる他の実施形態では、本発明のTREM2アゴニスト抗原結合タンパク質は、ヒトTREM2への結合について参照抗体と競合し、参照抗体は、配列番号61及び295~300から選択される配列を含む軽鎖可変領域、並びに配列番号124及び307~312から選択される配列を含む重鎖可変領域を含む。特定の実施形態では、本発明のTREM2アゴニスト抗原結合タンパク質は、ヒトTREM2への結合について、12G10、26A10、26C10、26F2、33B12、24C12、24G6、24A10、10E3、13E7、14C12、25F12、32E3、24F4、16B8、4C5、6E7、5E3、4G10、V3、V9、V10、V23、V24、V27、V30、V33、V40、V44、V48、V49、V52、V57、V60、V68、V70、V73、V76、V83、V84、及びV90を含む、本明細書に記載される抗TREM2抗体の1つ以上と競合する。
【0104】
いくつかの実施形態では、TREM2アゴニスト抗原結合タンパク質は、ヒトTREM2への結合について参照抗体と競合し、参照抗体は、配列番号61の配列を含む軽鎖可変領域、及び配列番号124の配列を含む重鎖可変領域を含む 。そのような実施形態では、ヒトTREM2への結合についてこの参照抗体と競合する抗原結合タンパク質は、抗体6E7、又は他の抗体10E3、13E7、24F4、4C5、4G10、及び32E3のいずれかと、同一の又は類似のエピトープに結合し得る。
【0105】
いくつかの実施形態では、TREM2アゴニスト抗原結合タンパク質は、ヒトTREM2への結合について参照抗体と競合し、参照抗体は、配列番号62の配列を含む軽鎖可変領域、及び配列番号125の配列を含む重鎖可変領域を含む 。そのような実施形態では、ヒトTREM2への結合についてこの参照抗体と競合する抗原結合タンパク質は、抗体5E3、又は他の抗体16B8、26A10、26C10、26F2、及び33B12のいずれかと、同一の又は類似のエピトープに結合し得る。
【0106】
いくつかの実施形態では、TREM2アゴニスト抗原結合タンパク質は、ヒトTREM2への結合について参照抗体と競合し、参照抗体は、配列番号52の配列を含む軽鎖可変領域、及び配列番号115の配列を含む重鎖可変領域を含む 。そのような実施形態では、ヒトTREM2への結合についてこの参照抗体と競合する抗原結合タンパク質は、抗体24G6、又は抗体24A10と、同一の又は類似のエピトープに結合し得る。
【0107】
いくつかの実施形態では、TREM2アゴニスト抗原結合タンパク質は、ヒトTREM2への結合について参照抗体と競合し、参照抗体は、配列番号56の配列を含む軽鎖可変領域、及び配列番号119の配列を含む重鎖可変領域を含む 。そのような実施形態では、ヒトTREM2への結合についてこの参照抗体と競合する抗原結合タンパク質は、抗体25F12と、同一の又は類似のエピトープに結合し得る。
【0108】
いくつかの実施形態では、本発明の抗原結合タンパク質の抗TREM2結合ドメインをコードする単離核酸を、抗原結合タンパク質を合成するために使用することができ、又はバリアントを生成するために使用することができる。いくつかの実施形態では、ポリヌクレオチドは、表3G中に列挙されるヌクレオチド配列のいずれかと、少なくとも80%同一、少なくとも90%同一、少なくとも95%同一、又は少なくとも98%同一である、ヌクレオチド配列を含み得る。
【表3G-1】
【表3G-2】
【表3G-3】
【表3G-4】
【表3G-5】
【表3G-6】
【表3G-7】
【表3G-8】
【表3G-9】
【表3G-10】
【表3G-11】
【0109】
いくつかの実施形態では、抗TREM2抗体軽鎖可変領域をコードする単離核酸は、配列番号208~236及び313~318から選択される配列と、少なくとも80%同一、少なくとも90%同一、少なくとも95%同一、又は少なくとも98%同一である、配列を含む。特定の実施形態では、抗TREM2抗体軽鎖可変領域をコードする単離核酸は、配列番号208~236及び313~318から選択される配列を含む。関連する実施形態では、抗TREM2抗体重鎖可変領域をコードする単離核酸は、配列番号237~264及び319~325から選択される配列と、少なくとも80%同一、少なくとも90%同一、少なくとも95%同一、又は少なくとも98%同一である、配列を含む。他の関連する実施形態では、抗TREM2抗体重鎖可変領域をコードする単離核酸は、配列番号237~264及び319~325から選択される配列を含む。
【0110】
いくつかの実施形態では、ポリヌクレオチドは、全長軽鎖及び全長重鎖をコードする。例示的なポリヌクレオチド配列を、表3F中に提供する。
【0111】
いくつかの実施形態では、本発明は、ヒト患者において、軸索スフェロイド及び色素性グリアを有する成人発症白質脳症(ALSP)を治療するための方法を提供し、抗TREM2抗体、例えば、抗TREM2抗体「Ab-1」を患者に投与することを含む。いくつかの実施形態では、本発明の方法は、本明細書に記載される液体製剤を、ヒト患者に投与することを含む。
【0112】
本明細書で使用される場合、「治療」、「治療する」、及び「治療している」という用語は、本明細書に記載される疾患又は障害、あるいはその1つ以上の症状の発症を、逆転、緩和、遅延、又はその進行を阻害することを指す。いくつかの実施形態では、治療は、1つ以上の症状が発生した後に投与され得る。他の実施形態では、治療は、症状の非存在において投与されてもよい。例えば、治療は、症状の発症前に(例えば、症状の病歴に照らして、及び/又は遺伝的若しくは他の感受性因子に照らして)、感受性のある個体に投与されてもよい。治療を、また、症状が消失した後に継続して、例えば、それらの再発を防止又は遅延させてもよい。
【0113】
本明細書で使用される場合、「予防を必要とする」、「治療を必要とする」、又は「それを必要とする」患者又は対象は、適切な医療従事者(例えば、ヒトの場合、医師、看護師、又はナースプラクティショナー、非ヒト哺乳動物の場合、獣医)の判断によって、所与の治療又は療法から合理的に利益を得るであろう者を指す。
【0114】
薬物又は治療剤、 例えば抗TREM2抗体「Ab-1」の、「治療有効量」又は「治療有効用量」は、 単独で、又は別の治療剤と組合わせて使用される場合、 患者又は対象を疾患、例えば、ALSP、の発症から保護し、又は疾患症状の重症度の減少、疾患症状のない期間の頻度及び期間の増加、又は疾患罹患による障害若しくは欠陥の予防によって証明される、疾患退縮を促進する、任意の量の薬剤である。疾患退縮を促進する治療剤の能力は、例えば、臨床試験中のヒト対象において、ヒトにおける有効性を予測する動物モデルシステムにおいて、又はインビトロアッセイにおける薬剤の活性をアッセイすることによってなど、当業者に既知の様々な方法を使用して、評価することができる。
【0115】
好ましい実施形態では、抗TREM2抗体「Ab-1」などの薬物の、治療有効量は、単独で、又は別の薬剤と組合わせて、少なくとも1つの疾患症状の重症度の減少、疾患症状のない期間の頻度及び期間の増加、又は疾患罹患による障害若しくは欠陥の予防をもたらす。加えて、治療に関する「有効」及び「有効性」という用語は、薬理学的有効性及び生理学的安全性の両方を含む。薬理学的有効性は、少なくとも1つの疾患症状の重症度を減少させる、疾患症状のない期間の頻度及び期間を増加させる、又は患者における疾患罹患による障害若しくは欠陥を防止する、薬物の能力を指す。生理学的安全性とは、薬剤の投与から生じる、細胞、器官、及び/又は生物のレベルにおける毒性、又は他の有害な生理学的効果(有害作用)のレベルを指す。
【0116】
本明細書で使用される場合、「治療的利益」又は「療法からの利益」という用語は、疾患症状の重症度の減少、疾患症状のない期間の頻度及び期間の増加、又は疾患罹患による障害若しくは欠陥の予防を指す。
【0117】
いくつかの実施形態では、抗TREM2抗体、例えば、「Ab-1」は、IV注入を介して、ヒト患者に投与される。いくつかの実施形態では、抗TREM2抗体「Ab-1」のIV注入は、最大約5時間、最大約4時間、最大約3時間、最大約2時間、又は最大約60分である。いくつかの実施形態では、抗TREM2抗体「Ab-1」のIV注入は、約5分~約5時間、約5分~約4時間、約5分~約3時間、約5分~約2時間、又は約5分~約60分である。いくつかの実施形態では、抗TREM2抗体「Ab-1」のIV注入は、約5分、約10分、約15分、約20分、約25分、約30分、約35分、約40分、約45分、約50分、約55分、約60分、約70分、約80分、又は約90分である。
【0118】
いくつかの実施形態では、抗TREM2抗体は、最大約200mg/kgの用量で、ヒト患者に投与される。いくつかの実施形態では、抗TREM2抗体「Ab-1」は、最大約200mg/kgの用量で、ヒト患者に投与される。いくつかの実施形態では、抗TREM2抗体「Ab-1」は、最大約150mg/kgの用量で、ヒト患者に投与される。いくつかの実施形態では、抗TREM2抗体「Ab-1」は、最大約100mg/kgの用量で、ヒト患者に投与される。いくつかの実施形態では、抗TREM2抗体「Ab-1」は、約1mg/kg~約100mg/kg、約1mg/kg~約90mg/kg、約1mg/kg~約80mg/kg、約1mg/kg~約70mg/kg、又は約1mg/kg~約60mg/kgの用量で、ヒト患者に投与される。いくつかの実施形態では、抗TREM2抗体、例えば、「Ab-1」は、約10mg/kg~約100mg/kg、約10mg/kg~約90mg/kg、約10mg/kg~約80mg/kg、約10mg/kg~約70mg/kg、約10mg/kg~約60mg/kg、約10mg/kg~約50mg/kg、約10mg/kg~約40mg/kg、約10mg/kg~約30mg/kg、又は約10mg/kg~約20mg/kgの用量で、ヒト患者に投与される。いくつかの実施形態では、抗TREM2抗体、例えば、「Ab-1」は、約20mg/kg~約100mg/kg、約20mg/kg~約90mg/kg、約20mg/kg~約80mg/kg、約20mg/kg~約70mg/kg、約20mg/kg~約60mg/kg、約20mg/kg~約50mg/kg、約20mg/kg~約40mg/kg、又は約20mg/kg~約30mg/kgの用量で、ヒト患者に投与される。いくつかの実施形態では、抗TREM2抗体、例えば、「Ab-1」は、約30mg/kg~約100mg/kg、約30mg/kg~約90mg/kg、約30mg/kg~約80mg/kg、約30mg/kg~約70mg/kg、約30mg/kg~約60mg/kg、約30mg/kg~約50mg/kg、又は約30mg/kg~約40mg/kgの用量で、ヒト患者に投与される。いくつかの実施形態では、抗TREM2抗体、例えば、「Ab-1」は、約40mg/kg~約100mg/kg、約40mg/kg~約90mg/kg、約40mg/kg~約80mg/kg、約40mg/kg~約70mg/kg、約40mg/kg~約60mg/kg、又は約40mg/kg~約50mg/kgの用量で、ヒト患者に投与される。いくつかの実施形態では、抗TREM2抗体、例えば、「Ab-1」は、約50mg/kg~約100mg/kg、約50mg/kg~約90mg/kg、約50mg/kg~約80mg/kg、約50mg/kg~約70mg/kg、又は約50mg/kg~約60mg/kgの用量で、ヒト患者に投与される。いくつかの実施形態では、抗TREM2抗体「Ab-1」は、約1mg/kg、約2mg/kg、約3mg/kg、約5mg/kg、約10mg/kg、約15mg/kg、約20mg/kg、約25mg/kg、約30mg/kg、約35mg/kg、約40mg/kg、約45mg/kg、約50mg/kg、約55mg/kg、又は約60mg/kgの用量で、ヒト患者に投与される。
【0119】
いくつかの実施形態では、抗TREM2抗体は、1日1回、週1回、2回、3回、若しくは4回、又は月に1回、2回、3回、若しくは4回、ヒト患者に投与される。いくつかの実施形態では、抗TREM2抗体「Ab-1」は、1日1回、ヒト患者に投与される。いくつかの実施形態では、抗TREM2抗体「Ab-1」は、週1回、2回、3回、又は4回、ヒト患者に投与される。いくつかの実施形態では、抗TREM2抗体「Ab-1」は、月に1回、2回、3回、又は4回、ヒト患者に投与される。いくつかの実施形態では、抗TREM2抗体「Ab-1」は、1週間、2週間、3週間、又は4週間に1回、ヒト患者に投与される。いくつかの実施形態では、抗TREM2抗体「Ab-1」は、2日、3日、4日、5日、6日、7日、8日、9日、10日、又は14日に1回、ヒト患者に投与される。いくつかの実施形態では、抗TREM2抗体「Ab-1」は、週1回、ヒト患者に投与される。
【0120】
いくつかの実施形態では、本発明は、最大約300mg/mLの濃度で、抗TREM2抗体「Ab-1」を含む、液体製剤を提供する。いくつかの実施形態では、本発明は、最大約250mg/mLの濃度で、抗TREM2抗体「Ab-1」を含む、液体製剤を提供する。いくつかの実施形態では、本発明は、最大約200mg/mLの濃度で、抗TREM2抗体「Ab-1」を含む、液体製剤を提供する。いくつかの実施形態では、本発明は、最大約150mg/mLの濃度で、抗TREM2抗体「Ab-1」を含む、液体製剤を提供する。いくつかの実施形態では、本発明は、約300mg/mL、約250mg/mL、約200mg/mL、約180mg/mL、約170mg/mL、約160mg/mL、約150mg/mL、約140mg/mL、約130mg/mL、約120mg/mL、約110mg/mL、又は約100mg/mLの濃度で、抗TREM2抗体「Ab-1」を含む、液体製剤を提供する。いくつかの実施形態では、本発明は、約140mg/mLの濃度で、抗TREM2抗体「Ab-1」を含む、液体製剤を提供する。いくつかの実施形態では、本発明の方法は、本明細書に記載される液体製剤を、ヒト患者に投与することを含む。いくつかの実施形態では、本発明の方法は、約140mg/mLの濃度で、抗TREM2抗体「Ab-1」を含む液体製剤を、ヒト患者に投与することを含む。
【0121】
いくつかの実施形態では、患者は、18~55歳の間(両端含む)である。いくつかの実施形態では、患者は、18~42歳の間である。いくつかの実施形態では、患者は、42~55歳の間である。いくつかの実施形態では、患者は、42歳以下である。いくつかの実施形態では、患者は、42歳以上である。
【0122】
いくつかの実施形態では、患者は、WOCBP(妊娠可能な女性)ではない。いくつかの実施形態では、患者は、抗TREM2抗体を用いた治療過程中、及び治療後の少なくとも10週間、効果的な避妊方法を使用しているWOCBPである。
【0123】
いくつかの実施形態では、患者は、履歴(過去1年間にわたるニコチン使用なし)によって決定される、非喫煙者(又は蒸気を含む他のニコチン/たばこ使用)である。いくつかの実施形態では、患者は、抗TREM2抗体「Ab-1」を投与される直前、又は投与時に、尿コチニン検査が陰性である。
【0124】
いくつかの実施形態では、患者は、18.5~30.0kg/m2(両端含む)の体格指数(BMI)を有する。いくつかの実施形態では、患者は、抗TREM2抗体「Ab-1」を投与される直前、又は投与時に、バイタルサイン(収縮期及び拡張期血圧及び脈拍数)について評価される。
【0125】
いくつかの実施形態では、患者は、第一世代の日本民族起源である。いくつかの実施形態では、患者は、日本で出生している。いくつかの実施形態では、患者は、民族的に日本人でありかつ日本で出生している、両親及び祖父母を有する。いくつかの実施形態では、患者は、日本を離れてから、生活習慣に有意な変化はない。いくつかの実施形態では、患者は、日本国外で10年未満である。
【0126】
いくつかの実施形態では、患者は、心血管、呼吸、肝臓、腎臓、胃腸、内分泌、神経学的、免疫学的、又は精神障害(複数可)の、臨床的に有意な既往歴又は証拠を有しない。いくつかの実施形態では、患者は、抗TREM2抗体「Ab-1」を投与される前の120日以内に、モノクローナル抗体療法を投与されていない。いくつかの実施形態では、患者は、抗TREM2抗体「Ab-1」を投与される前の2年以内に、アルコール及び/又は違法薬物乱用の既往を有しない。
【0127】
いくつかの実施形態では、患者は、B型肝炎表面抗原(HBsAg)、C型肝炎抗体、又はヒト免疫不全ウイルス(HIV)抗体について、陽性検査を有しない。
【0128】
いくつかの実施形態では、患者は、抗TREM2抗体「Ab-1」を投与される直前、又は投与した時点で、エタノールについて尿試験が陽性ではない。
【0129】
いくつかの実施形態では、患者は、抗TREM2抗体「Ab-1」を投与される直前、又は投与時に、尿薬物(例えば、コカイン、アンフェタミン、バルビツール酸塩、オピエート、ベンゾジアゼピン、及びカンナビノイド)、又はコチニン検査が陽性ではない。
【0130】
いくつかの実施形態では、患者は、抗TREM2抗体「Ab-1」を投与される直前、又は投与時に、授乳している女性患者ではない。
【0131】
いくつかの実施形態では、患者は、抗TREM2抗体「Ab-1」を投与される直前、又は投与時に、血清妊娠検査が陽性である女性患者ではない。
【0132】
いくつかの実施形態では、患者は、抗TREM2抗体「Ab-1」を投与される前の2か月(56日)以内に、血液(>500mL)又は血液産物を提供していない。
【0133】
いくつかの実施形態では、患者は、抗TREM2抗体「Ab-1」を投与される前に、30日以内又は5半減期以内のいずれか長い方、いかなる治験薬も投与されていない。
【0134】
いくつかの実施形態では、患者は、いずれかの治療用モノクローナル抗体、若しくは賦形剤のいずれか、又は類似の化学構造を有する医薬品に対する、過敏症の既往歴を有しない。
【0135】
いくつかの実施形態では、患者は、抗TREM2抗体「Ab-1」を投与される直前、又は投与時に、重度急性呼吸器症候群コロナウイルス2(SARS-CoV-2)に対する、陽性逆転写ポリメラーゼ連鎖反応(RT-PCR)検査を有しない。
【0136】
いくつかの実施形態では、患者は、抗TREM2抗体「Ab-1」を投与される直前、又は投与時に、SARS-CoV-2感染と一致する臨床徴候及び症状、例えば、発熱、乾燥咳、呼吸困難、喉の痛み、疲労、又は臨床検査により確認されたSARS-CoV-2による急性感染を有しない。
【0137】
いくつかの実施形態では、患者は、コロナウイルス疾患2019の重度の経過(COVID-19;体外式膜型人工肺、機械的に換気された集中治療室滞在)を有しない。
【0138】
いくつかの実施形態では、患者は、最近(抗TREM2抗体「Ab-1」を投与される前の14日以内に)、 COVID-19症状を有する者、又はSARS-CoV-2陽性検査を有する者に、曝露されていない。
【0139】
いくつかの実施形態では、患者は、抗TREM2抗体「Ab-1」を投与される直前、又は投与時に、いかなるCOVID-19治療も受けていない。
【0140】
いくつかの実施形態では、患者は、抗TREM2抗体「Ab-1」を投与される前の14日以内に、COVID-19ワクチンの最終投与を受けていない(すなわち、患者は、入院の少なくとも14日前に、ワクチン接種を完了しなければならない)。
【0141】
いくつかの実施形態では、患者は、抗TREM2抗体「Ab-1」の投与前に、遺伝子検査を受ける。いくつかの実施形態では、患者は、例えば、遺伝子検査によって確認されるように、アラニル-tRNAシンテターゼ2(AARS2)遺伝子変異を有しない。いくつかの実施形態では、患者は、例えば、遺伝子検査によって確認されるように、コロニー刺激因子2(CSF1R)遺伝子変異を有する。いくつかの実施形態では、患者は、CSF1R遺伝子中のエクソン、例えば、エクソン1~21に変異を有する。いくつかの実施形態では、患者は、CSF1R遺伝子中のエクソン、例えば、エクソン2~17又は18~21に変異を有する。いくつかの実施形態では、患者は、ALSPの徴候又は症状を有する。ALSPの例示的な徴候又は症状としては、認知障害、前頭葉機能障害、精神症状、錐体外路症状、錐体症状、不随意運動、歩行障害、発作、病的反射、発話障害、嚥下障害、失行、感覚障害、自律神経症状、頭痛、脳卒中、認知症、脳炎、記憶喪失、うつ病、実行機能喪失、動作緩慢、硬直、及び小脳症状が挙げられる。
【0142】
いくつかの実施形態では、患者は、抗TREM2抗体「Ab-1」の投与時に、ALSPの症状の低減を示す。いくつかの実施形態では、患者は、抗TREM2抗体「Ab-1」の投与時に、例えば、抗TREM2抗体「Ab-1」を投与しない場合の症状の重症度と比較して、例えば、約5%、10%、15%、20%、25%、30%、35%、40%、45%、50%、55%、60%、65%、70%、75%、80%、85%、90%、95%、99%、ALSPの症状の重症度の減少を示す。
【0143】
いくつかの実施形態では、患者は、抗TREM2抗体「Ab-1」を投与される直前、又は投与時に、又は後に腰椎穿刺を介してCSF採取を受ける。いくつかの実施形態では、患者は、抗TREM2抗体「Ab-1」の第一の用量を受容する直前、又は受容時に、又は受容後に、腰椎穿刺を介してCSF採取を受ける。いくつかの実施形態では、患者は、抗TREM2抗体「Ab-1」の第二の用量を受容する直前、又は受容時に、又は受容後に、腰椎穿刺を介してCSF採取を受ける。いくつかの実施形態では、患者は、抗TREM2抗体「Ab-1」の第三の用量を受容する直前、又は受容時に、又は受容後に、腰椎穿刺を介してCSF採取を受ける。いくつかの実施形態では、患者は、腰椎穿刺を介してCSF採取を受けず、患者は、CSF採取中に使用される、麻酔薬若しくは誘導体、又は腰椎穿刺の領域を準備するために使用される任意の薬剤に、対して感受性が高い。いくつかの実施形態では、患者は、腰椎穿刺を介してCSF採取を受けず、患者は、抗TREM2抗体「Ab-1」を投与される前の30日以内に、以前のCSF採取を有した。
【0144】
いくつかの実施形態では、患者は、腰椎穿刺を介してCSF採取を受けず、患者は、脊椎変形、腰椎背部大手術、臨床的に意義のある背痛、臨床的に意義のある異常なX線、及び/又は損傷の既往を有する。
【0145】
いくつかの実施形態では、患者は、腰椎穿刺を介してCSF採取を受けず、患者は、腰椎穿刺注射部位で皮膚感染症が進行している。
【0146】
いくつかの実施形態では、患者は、腰椎穿刺を介してCSF採取を受けず、患者は、抗TREM2抗体「Ab-1」を投与される直前、又は投与時に、正常な参照範囲外の、臨床的に有意な凝固検査値(プロトロンビン時間/国際標準化比、部分トロンボプラスチン時間)を有する。
【0147】
いくつかの実施形態では、本発明は、ヒト患者において、軸索スフェロイド及び色素性グリアを有する成人発症白質脳症(ALSP)を治療するための方法を提供し、約60mg/kg、約50mg/kg、約40mg/kg、約30mg/kg、約20mg/kg、約10mg/kg、約5mg/kg、約3mg/kg、約2mg/kg、又は約1mg/kgの用量で、IV注入を介して抗TREM2抗体「Ab-1」を患者に投与することを含み、IV注入は、約60分の長さである。
【0148】
いくつかの実施形態では、本発明は、ヒト患者において、軸索スフェロイド及び色素性グリアを有する成人発症白質脳症(ALSP)を治療するための方法を提供し、約60mg/kg、約50mg/kg、約40mg/kg、約30mg/kg、約20mg/kg、約10mg/kg、約5mg/kg、約3mg/kg、約2mg/kg、又は約1mg/kgの用量で、IV注入を介して、抗TREM2抗体「Ab-1」を患者に投与することを含み、IV注入は、約50分の長さである。
【0149】
いくつかの実施形態では、本発明は、ヒト患者において、軸索スフェロイド及び色素性グリアを有する成人発症白質脳症(ALSP)を治療するための方法を提供し、約60mg/kg、約50mg/kg、約40mg/kg、約30mg/kg、約20mg/kg、約10mg/kg、約5mg/kg、約3mg/kg、約2mg/kg、又は約1mg/kgの用量で、IV注入を介して、抗TREM2抗体「Ab-1」を患者に投与することを含み、IV注入は、約45分の長さである。
【0150】
いくつかの実施形態では、本発明は、ヒト患者において、軸索スフェロイド及び色素性グリアを有する成人発症白質脳症(ALSP)を治療するための方法を提供し、約60mg/kg、約50mg/kg、約40mg/kg、約30mg/kg、約20mg/kg、約10mg/kg、約5mg/kg、約3mg/kg、約2mg/kg、又は約1mg/kgの用量で、IV注入を介して、抗TREM2抗体「Ab-1」を患者に投与することを含み、IV注入は、約40分の長さである。
【0151】
いくつかの実施形態では、本発明は、ヒト患者において、軸索スフェロイド及び色素性グリアを有する成人発症白質脳症(ALSP)を治療するための方法を提供し、約60mg/kg、約50mg/kg、約40mg/kg、約30mg/kg、約20mg/kg、約10mg/kg、約5mg/kg、約3mg/kg、約2mg/kg、又は約1mg/kgの用量で、IV注入を介して、抗TREM2抗体「Ab-1」を患者に投与することを含み、IV注入は、約35分の長さである。
【0152】
いくつかの実施形態では、本発明は、ヒト患者において、軸索スフェロイド及び色素性グリアを有する成人発症白質脳症(ALSP)を治療するための方法を提供し、約60mg/kg、約50mg/kg、約40mg/kg、約30mg/kg、約20mg/kg、約10mg/kg、約5mg/kg、約3mg/kg、約2mg/kg、又は約1mg/kgの用量で、IV注入を介して、抗TREM2抗体「Ab-1」を患者に投与することを含み、IV注入は、約30分の長さである。
【0153】
いくつかの実施形態では、本発明は、ヒト患者において、軸索スフェロイド及び色素性グリアを有する成人発症白質脳症(ALSP)を治療するための方法を提供し、約60mg/kg、約50mg/kg、約40mg/kg、約30mg/kg、約20mg/kg、約10mg/kg、約5mg/kg、約3mg/kg、約2mg/kg、又は約1mg/kgの用量で、IV注入を介して、抗TREM2抗体「Ab-1」を患者に投与することを含み、IV注入は、約25分の長さである。
【0154】
いくつかの実施形態では、本発明は、ヒト患者において、軸索スフェロイド及び色素性グリアを有する成人発症白質脳症(ALSP)を治療するための方法を提供し、約60mg/kg、約50mg/kg、約40mg/kg、約30mg/kg、約20mg/kg、約10mg/kg、約5mg/kg、約3mg/kg、約2mg/kg、又は約1mg/kgの用量で、IV注入を介して、抗TREM2抗体「Ab-1」を患者に投与することを含み、IV注入は、約20分の長さである。
【0155】
いくつかの実施形態では、本発明は、ヒト患者において、軸索スフェロイド及び色素性グリアを有する成人発症白質脳症(ALSP)を治療するための方法を提供し、約60mg/kg、約50mg/kg、約40mg/kg、約30mg/kg、約20mg/kg、約10mg/kg、約5mg/kg、約3mg/kg、約2mg/kg、又は約1mg/kgの用量で、IV注入を介して、抗TREM2抗体「Ab-1」を患者に投与することを含み、IV注入は、約15分の長さである。
【0156】
いくつかの実施形態では、本発明は、ヒト患者において、軸索スフェロイド及び色素性グリアを有する成人発症白質脳症(ALSP)を治療するための方法を提供し、約60mg/kg、約50mg/kg、約40mg/kg、約30mg/kg、約20mg/kg、約10mg/kg、約5mg/kg、約3mg/kg、約2mg/kg、又は約1mg/kgの用量で、IV注入を介して、抗TREM2抗体「Ab-1」を患者に投与することを含み、IV注入は、約10分の長さである。
【0157】
いくつかの実施形態では、本発明は、ヒト患者において、軸索スフェロイド及び色素性グリアを有する成人発症白質脳症(ALSP)を治療するための方法を提供し、約60mg/kg、約50mg/kg、約40mg/kg、約30mg/kg、約20mg/kg、約10mg/kg、約5mg/kg、約3mg/kg、約2mg/kg、又は約1mg/kgの用量で、IV注入を介して、抗TREM2抗体「Ab-1」を患者に投与することを含み、IV注入は、約5分の長さである。
【0158】
いくつかの実施形態では、本発明は、ヒト患者において、軸索スフェロイド及び色素性グリアを有する成人発症白質脳症(ALSP)を治療するための方法を提供し、約4.2グラム、約3.5グラム、約2.8グラム、約2.1グラム、約1.4グラム、約700mg、約350mg、約210mg、約140mg、又は約70mgの用量で、IV注入を介して、抗TREM2抗体「Ab-1」を患者に投与することを含み、IV注入は、約60分の長さである。
【0159】
いくつかの実施形態では、本発明は、ヒト患者において、軸索スフェロイド及び色素性グリアを有する成人発症白質脳症(ALSP)を治療するための方法を提供し、約4.2グラム、約3.5グラム、約2.8グラム、約2.1グラム、約1.4グラム、約700mg、約350mg、約210mg、約140mg、又は約70mgの用量で、IV注入を介して、抗TREM2抗体「Ab-1」を患者に投与することを含み、IV注入は、約50分の長さである。
【0160】
いくつかの実施形態では、本発明は、ヒト患者において、軸索スフェロイド及び色素性グリアを有する成人発症白質脳症(ALSP)を治療するための方法を提供し、約4.2グラム、約3.5グラム、約2.8グラム、約2.1グラム、約1.4グラム、約700mg、約350mg、約210mg、約140mg、又は約70mgの用量で、IV注入を介して、抗TREM2抗体「Ab-1」を患者に投与することを含み、IV注入は、約45分の長さである。
【0161】
いくつかの実施形態では、本発明は、ヒト患者において、軸索スフェロイド及び色素性グリアを有する成人発症白質脳症(ALSP)を治療するための方法を提供し、約4.2グラム、約3.5グラム、約2.8グラム、約2.1グラム、約1.4グラム、約700mg、約350mg、約210mg、約140mg、又は約70mgの用量で、IV注入を介して、抗TREM2抗体「Ab-1」を患者に投与することを含み、IV注入は、約40分の長さである。
【0162】
いくつかの実施形態では、本発明は、ヒト患者において、軸索スフェロイド及び色素性グリアを有する成人発症白質脳症(ALSP)を治療するための方法を提供し、約4.2グラム、約3.5グラム、約2.8グラム、約2.1グラム、約1.4グラム、約700mg、約350mg、約210mg、約140mg、又は約70mgの用量で、IV注入を介して、抗TREM2抗体「Ab-1」を患者に投与することを含み、IV注入は、約35分の長さである。
【0163】
いくつかの実施形態では、本発明は、ヒト患者において、軸索スフェロイド及び色素性グリアを有する成人発症白質脳症(ALSP)を治療するための方法を提供し、約4.2グラム、約3.5グラム、約2.8グラム、約2.1グラム、約1.4グラム、約700mg、約350mg、約210mg、約140mg、又は約70mgの用量で、IV注入を介して、抗TREM2抗体「Ab-1」を患者に投与することを含み、IV注入は、約30分の長さである。
【0164】
いくつかの実施形態では、本発明は、ヒト患者において、軸索スフェロイド及び色素性グリアを有する成人発症白質脳症(ALSP)を治療するための方法を提供し、約4.2グラム、約3.5グラム、約2.8グラム、約2.1グラム、約1.4グラム、約700mg、約350mg、約210mg、約140mg、又は約70mgの用量で、IV注入を介して、抗TREM2抗体「Ab-1」を患者に投与することを含み、IV注入は、約25分の長さである。
【0165】
いくつかの実施形態では、本発明は、ヒト患者において、軸索スフェロイド及び色素性グリアを有する成人発症白質脳症(ALSP)を治療するための方法を提供し、約4.2グラム、約3.5グラム、約2.8グラム、約2.1グラム、約1.4グラム、約700mg、約350mg、約210mg、約140mg、又は約70mgの用量で、IV注入を介して、抗TREM2抗体「Ab-1」を患者に投与することを含み、IV注入は、約20分の長さである。
【0166】
いくつかの実施形態では、本発明は、ヒト患者において、軸索スフェロイド及び色素性グリアを有する成人発症白質脳症(ALSP)を治療するための方法を提供し、約4.2グラム、約3.5グラム、約2.8グラム、約2.1グラム、約1.4グラム、約700mg、約350mg、約210mg、約140mg、又は約70mgの用量で、IV注入を介して、抗TREM2抗体「Ab-1」を患者に投与することを含み、IV注入は、約15分の長さである。
【0167】
いくつかの実施形態では、本発明は、ヒト患者において、軸索スフェロイド及び色素性グリアを有する成人発症白質脳症(ALSP)を治療するための方法を提供し、約4.2グラム、約3.5グラム、約2.8グラム、約2.1グラム、約1.4グラム、約700mg、約350mg、約210mg、約140mg、又は約70mgの用量で、IV注入を介して、抗TREM2抗体「Ab-1」を患者に投与することを含み、IV注入は、約10分の長さである。
【0168】
いくつかの実施形態では、本発明は、ヒト患者において、軸索スフェロイド及び色素性グリアを有する成人発症白質脳症(ALSP)を治療するための方法を提供し、約4.2グラム、約3.5グラム、約2.8グラム、約2.1グラム、約1.4グラム、約700mg、約350mg、約210mg、約140mg、又は約70mgの用量で、IV注入を介して、抗TREM2抗体「Ab-1」を患者に投与することを含み、IV注入は、約5分の長さである。
【0169】
いくつかの実施形態では、本発明は、対象におけるsTREM2のレベルを低減する方法を提供し、抗TREM2抗体VGL101を、約1~100mg/kgの用量で、対象に投与することを含む。いくつかの実施形態では、sTREM2のレベルは、VGL101を投与する前に評価される。いくつかの実施形態では、sTREM2のレベルは、脳脊髄液(CSF)中のレベルである。いくつかの実施形態では、sTREM2のレベルは、約10%、約20%、約30%、約40%、約50%、約60%、約70%、約80、約90%、又は約100%低減される。
【0170】
いくつかの実施形態では、方法は、約1~75mg/kgの用量の抗TREM2抗体を、対象に投与することを含む。いくつかの実施形態では、方法は、約1~60mg/kgの用量の抗TREM2抗体を、ヒト患者に投与することを含む。いくつかの実施形態では、方法は、約1~50mg/kgの用量の抗TREM2抗体を、ヒト患者に投与することを含む。いくつかの実施形態では、方法は、約1~40mg/kgの用量の抗TREM2抗体を、ヒト患者に投与することを含む。いくつかの実施形態では、方法は、約1mg/kg、約3mg/kg、約10mg/kg、約20mg/kg、又は約40mg/kgの用量の抗TREM2抗体を、ヒト患者に投与することを含む。いくつかの実施形態では、方法は、抗TREM2抗体を、ヒト患者に週1回投与することを含む。
【0171】
いくつかの実施形態では、本発明は、対象におけるsCSF1Rのレベルを低減する方法を提供し、抗TREM2抗体VGL101を、約1~100mg/kgの用量で、対象に投与することを含む。いくつかの実施形態では、sCSF1Rのレベルは、VGL101を投与する前に評価される。いくつかの実施形態では、sCSF1Rのレベルは、脳脊髄液(CSF)中のレベルである。いくつかの実施形態では、sCSF1Rのレベルは、約10%、約20%、約30%、約40%、約50%、約60%、約70%、約80、約90%、又は約100%低減される。
【0172】
いくつかの実施形態では、方法は、約1~75mg/kgの用量の抗TREM2抗体を、対象に投与することを含む。いくつかの実施形態では、方法は、約1~60mg/kgの抗TREM2抗体の用量を、ヒト患者に投与することを含む。いくつかの実施形態では、方法は、約1~50mg/kgの抗TREM2抗体の用量を、ヒト患者に投与することを含む。いくつかの実施形態では、方法は、約1~40mg/kgの抗TREM2抗体の用量を、ヒト患者に投与することを含む。いくつかの実施形態では、方法は、約1mg/kg、約3mg/kg、約10mg/kg、約20mg/kg、又は約40mg/kgの抗TREM2抗体の用量を、ヒト患者に投与することを含む。いくつかの実施形態では、方法は、抗TREM2抗体を、ヒト患者に週1回投与することを含む。
【0173】
いくつかの実施形態では、本発明は、対象において、TREM2と係合又はTREM2を刺激する方法を提供し、約1~100mg/kgの用量の抗TREM2抗体VGL101を、対象に投与することを含む。いくつかの実施形態では、方法は、約1~75mg/kgの用量の抗TREM2抗体を、対象に投与することを含む。いくつかの実施形態では、方法は、約1~60mg/kgの用量の抗TREM2抗体を、ヒト患者に投与することを含む。いくつかの実施形態では、方法は、約1~50mg/kgの用量の抗TREM2抗体を、ヒト患者に投与することを含む。いくつかの実施形態では、方法は、約1~40mg/kgの用量の抗TREM2抗体を、ヒト患者に投与することを含む。いくつかの実施形態では、方法は、約1mg/kg、約3mg/kg、約10mg/kg、約20mg/kg、又は約40mg/kgの用量の抗TREM2抗体を、ヒト患者に投与することを含む。いくつかの実施形態では、方法は、抗TREM2抗体を、ヒト患者に週1回投与することを含む。
液体製剤
【0174】
いくつかの実施形態では、本発明は、抗TREM2抗体「Ab-1」と、薬学的に許容可能な賦形剤(例えば、緩衝液)及び/又は担体(例えば、水)とを含む、液体製剤を提供する。本発明の液体製剤中の抗TREM2抗体「Ab-1」の量は、患者において、TREM2又はその変異体を測定可能に阻害するのに有効であるような量である。特定の実施形態では、本発明の液体製剤は、そのような組成物を必要とする患者への投与のために製剤化される。いくつかの実施形態では、本発明の組成物は、患者への非経口(例えば、静脈内)投与のために製剤化される。
【0175】
いくつかの実施形態では、本発明の液体製剤は、約50mg/mL~約250mg/mLの濃度の、抗TREM2抗体「Ab-1」を含む。いくつかの実施形態では、本発明の液体製剤は、約70mg/mL~約230mg/mL、約90mg/mL~約210mg/mL、約100mg/mL~約200mg/mL、約120mg/mL~約180mg/mL、約120mg/mL~約160mg/mL、又は約130mg/mL~約150mg/mLの濃度の、抗TREM2抗体「Ab-1」を含む。いくつかの実施形態では、本発明の液体製剤は、約80mg/mL、約90mg/mL、約100mg/mL、約110mg/mL、約120mg/mL、約130mg/mL、約140mg/mL、約150mg/mL、約160mg/mL、約170mg/mL、約180mg/mL、約190mg/mL、又は約200mg/mLの濃度の、抗TREM2抗体「Ab-1」を含む。いくつかの実施形態では、本発明の液体製剤は、約135mg/mL、約136mg/mL、約137mg/mL、約138mg/mL、約139mg/mL、約140mg/mL、約141mg/mL、約142mg/mL、約143mg/mL、約144mg/mL、又は約145mg/mLの濃度の、抗TREM2抗体「Ab-1」を含む。
【0176】
いくつかの実施形態では、本発明の液体製剤は、酢酸ナトリウムを含む。いくつかの実施形態では、本発明の液体製剤は、約5mM~約25mMの濃度の、酢酸ナトリウムを含む。いくつかの実施形態では、本発明の液体製剤は、約6mM~約24mM、約7mM~約23mM、約8mM~約22mM、約9mM~約21mM、約10mM~約20mM、約11mM~約19mM、約12mM~約18mM、約13mM~約17mM、又は約14mM~約16mMの濃度の、酢酸ナトリウムを含む。いくつかの実施形態では、本発明の液体製剤は、約10mM、約11mM、約12mM、約13mM、約14mM、約15mM、約16mM、約17mM、約18mM、約19mM、又は約20mMの濃度の、酢酸ナトリウムを含む。いくつかの実施形態では、本発明の液体製剤は、約14.5mM、約14.6mM、約14.7mM、約14.8mM、約14.9mM、約15mM、約15.1mM、約15.2mM、約15.3mM、約15.4mM、又は約15.5mMの濃度の、酢酸ナトリウムを含む。
【0177】
いくつかの実施形態では、本発明の液体製剤は、スクロースを含む。いくつかの実施形態では、本発明の液体製剤は、総液体製剤体積の、約4%~約14%(w/v)の濃度の、スクロースを含む。いくつかの実施形態では、本発明の液体製剤は、総液体製剤体積の、約5%~約13%、約6%~約12%、約7%~約11%、又は約8%~約10%(w/v)の濃度の、スクロースを含む。いくつかの実施形態では、本発明の液体製剤は、総液体製剤体積の、約5%、約6%、約7%、約8%、約9%、約10%、約11%、又は約12%(w/v)の濃度の、スクロースを含む。いくつかの実施形態では、本発明の液体製剤は、総液体製剤体積の、約8.5%、約8.6%、約8.7%、約8.8%、約8.9%、約9%、約9.1%、約9.2%、約9.3%、約9.4%、又は約9.5%(w/v)の濃度でスクロースを含む。
【0178】
いくつかの実施形態では、本発明の液体製剤は、ポリソルベート80を含む。いくつかの実施形態では、本発明の液体製剤は、総液体製剤体積の、約0.005%~約0.015%(w/v)の濃度の、ポリソルベート80を含む。いくつかの実施形態では、本発明の液体製剤は、総液体製剤体積の、約0.006%~約0.014%、約0.007%~約0.013%、約0.008%~約0.012%、又は約0.009%~約0.011%(w/v)の濃度の、ポリソルベート80を含む。いくつかの実施形態では、本発明の液体製剤は、総液体製剤体積の、約0.005%、約0.006%、約0.007%、約0.008%、約0.009%、約0.01%、約0.011%、約0.012%、約0.013%、約0.014%、又は約0.015%(w/v)の濃度の、ポリソルベート80を含む。
【0179】
いくつかの実施形態では、本発明の液体製剤は、約4.4~約6.0のpHである。いくつかの実施形態では、本発明の液体製剤は、約4.4~約6.0、約4.5~約5.9、約4.6~約5.8、約4.7~約5.7、約4.8~約5.6、約4.9~約5.5、約5.0~約5.4、又は約5.1~約5.3のpHである。いくつかの実施形態では、本発明の液体製剤は、約pH4.8、約pH4.9、約pH5.0、約pH5.1、約pH5.2、約pH5.3、約pH5.4、約pH5.5、又は約pH5.6である。いくつかの実施形態では、本発明の液体製剤は、約pH5.16、約pH5.17、約pH5.18、約pH5.19、約pH5.20、約pH5.21、約pH5.22、約pH5.23、又は約pH5.24である。
【0180】
特定の実施形態では、本発明の液体製剤は、約140mg/mLの濃度の、抗TREM2抗体「Ab-1」を含む。いくつかの実施形態では、本発明の液体製剤は、約15mMの濃度の、酢酸ナトリウムを含む。いくつかの実施形態では、本発明の液体製剤は、総液体製剤体積の、約9%(w/v)の濃度の、スクロースを含む。いくつかの実施形態では、本発明の液体製剤は、総液体製剤体積の、約0.01%(w/v)の濃度の、ポリソルベート80を含む。いくつかの実施形態では、本発明の液体製剤は、約pH5.2である。
【0181】
特定の実施形態では、本発明は、液体製剤を提供し、液体製剤は、
約140mg/mLの濃度の抗TREM2抗体「Ab-1」と、
約15mMの濃度の酢酸ナトリウムと、
総液体製剤体積の約9%(w/v)の濃度のスクロースと、
総液体製剤体積の約0.01%(w/v)の濃度のポリソルベート80とを含み、
約pH5.2である。
【0182】
本発明の液体製剤は、液体製剤として、又は従来の非毒性の薬学的に許容可能な担体及びアジュバントを含有する適切な送達装置若しくはインプラントを介して、注射、注入、又は移植(静脈内、筋肉内、皮下など)によって、非経口投与されてもよい。
【0183】
必要に応じて、液体製剤はまた、可溶化剤を含んでもよい。製剤の構成成分は、例えば、乾燥凍結乾燥粉末(生理食塩水などの担体とともに使用する前に再構成され得る)として、又は活性剤の量を示すアンプル若しくはサシェなどの密封容器中の濃縮溶液として、単位剤形で、別々に又は一緒に混合され得る。組成物が注入によって投与される場合、滅菌医薬品グレードの水又は生理食塩水を含有する、注入ボトル又はバッグで分注され得る。製剤が注射によって投与される場合、成分が注射前に混合され得るように、滅菌水又は生理食塩水のアンプルが提供され得る。
【0184】
担体は、例えば、水、エタノール、1つ以上のポリオール(例えば、グリセロール、プロピレングリコール、及び液体ポリエチレングリコール)、植物油などの油(例えば、ピーナッツ油、トウモロコシ油、ゴマ油など)、及びそれらの組合わせを含有する、溶媒又は分散媒体とすることができる。適切な流動性は、例えば、レシチンなどのコーティングの使用によって、分散液の場合には必要な粒子サイズの維持によって、及び/又は界面活性剤の使用によって、維持され得る。多くの場合、等張剤、例えば、糖又は塩化ナトリウムを含むことが好ましい。好ましい態様では、水は、本発明の液体製剤に添加される。
【0185】
遊離酸若しくは塩基又はその薬理学的に許容可能な塩としての、活性化合物の溶液及び分散液は、水又は他の溶媒若しくは分散媒体中で調製することができ、分散媒体は、緩衝液、界面活性剤、分散剤、乳化剤、粘度調整剤、及びそれらの組合わせを含むが、これらに限定されない、1つ以上の薬学的に許容可能な賦形剤と、好適に混合される。
【0186】
適切な界面活性剤は、陰イオン性、陽イオン性、両性、又は非イオン性の表面活性剤であり得る。適切な陰イオン界面活性剤としては、カルボン酸塩、スルホン酸塩、及び硫酸イオンを含有するものが含まれるが、これらに限定されない。陰イオン界面活性剤の例としては、ナトリウム、カリウム、ドデシルベンゼンスルホネートナトリウムなどの、長鎖アルキルスルホネート及びアルキルアリールスルホネートのアンモニウム、ドデシルベンゼンスルホネートナトリウムなどの、ジアルキルスルホコハク酸ナトリウム、ビス-(2-エチルチオキシル)-スルホコハク酸ナトリウムなどの、ジアルキルスルホコハク酸ナトリウム、及びラウリル硫酸ナトリウムなどの、アルキル硫酸塩が挙げられる。陽イオン界面活性剤としては、塩化ベンザルコニウム、塩化ベンゼトニウム、臭化セトリモニウム、塩化ステアリルジメチルベンジルアンモニウム、ポリオキシエチレン、ココナッツアミンなどの、四級アンモニウム化合物が挙げられるが、これらに限定されない。非イオン性界面活性剤の例としては、モノステアリン酸エチレングリコール、ミリスチン酸プロピレングリコール、モノステアリン酸グリセリル、ステアリン酸グリセリル、ポリグリセリル-4-オレエート、アシル酸ソルビタン、アシル酸スクロース、PEG-150ラウレート、PEG-400モノラウレート、ポリオキシエチレンモノラウレート、ポリソルベート、ポリオキシエチレンオクチルフェニルエーテル、PEG-1000セチルエーテル、ポリオキシエチレントリデシルエーテル、ポリプロピレングリコールブチルエーテル、ポロキサマー(登録商標)401、ステアロイルモノイソプロパノールアミド、及びポリオキシエチレン水素化タロウアミドが挙げられる。両性界面活性剤の例としては、N-ドデシル-ベータ-アラニンナトリウム、N-ラウリルβイミノジプロピオン酸ナトリウム、ミリストアンホ酢酸塩、ラウリルベタイン、及びラウリルスルホベタインが挙げられる。製剤は、微生物の成長を防止するための、防腐剤を含有し得る。適切な防腐剤としては、パラベン、クロロブタノール、フェノール、ソルビン酸、及びチメロサールが挙げられるが、これらに限定されない。製剤はまた、活性剤(複数可)の分解を防止するための、抗酸化剤を含有し得る。
【0187】
水溶性ポリマーは、多くの場合、非経口投与用の製剤で使用される。好適な水溶性ポリマーとしては、ポリビニルピロリドン、デキストラン、カルボキシメチルセルロース、及びポリエチレングリコールが挙げられるが、これらに限定されない。
【0188】
滅菌注射溶液は、必要に応じて、活性化合物を上記に列挙された賦形剤のうちの1つ以上とともに、適切な溶媒又は分散媒体中に必要な量で組み込み、続いて、濾過滅菌することによって調製され得る。一般的に、分散液は、様々な滅菌された活性成分を、塩基性分散媒体及び上記に列挙されたものから要求される他の成分を含む、滅菌ビヒクルに組み込むことによって調製される。滅菌注射溶液の調製のための滅菌粉末の場合、好ましい調製方法は、以前に滅菌濾過されたその溶液から、活性成分の粉末に加えて任意の追加の所望の成分を得る、真空乾燥及び凍結乾燥技術である。粉末は、粒子が本質的に多孔質であるように調製することができ、これは粒子の溶解を増加させることができる。多孔質粒子の作製のための方法は、当該技術分野で周知である。
【0189】
いくつかの実施形態では、本発明の液体製剤は、IV注入ビヒクルと混合される。いくつかの実施形態では、液体製剤は、通常の生理食塩水(0.9%塩化ナトリウム)、5%デキストロース(D5W)、及び乳酸リンゲル注射などの、注射可能な媒体と混合される。いくつかの実施形態では、本発明は、本発明の液体製剤を水と混合し、続いて、生理食塩水又は5%デキストロースで希釈することによって調製される、液体医薬組成物を提供する。いくつかの実施形態では、液体医薬組成物は、IV投与のために、生理食塩水又は5%デキストロースIVバッグに希釈される。 いくつかの実施形態では、生理食塩水又は5%デキストロースIVバッグ中の、液体医薬組成物は、IV投与前に、最大約4時間、室温(約20~25℃)下で保存される。いくつかの実施形態では、生理食塩水又は5%デキストロースIVバッグ中の、液体医薬組成物は、IV投与前に、最大約20時間、冷却(約2~8℃)条件下で保存される。いくつかの実施形態では、生理食塩水又は5%デキストロースIVバッグ中の、液体医薬組成物は、IV投与前に、冷却(約2~8℃)条件下で最大約20時間保存され、その後、室温(約20~25℃)下で最大約4時間保存される。
【0190】
また、任意の特定の患者に対する特定の投与量及び治療レジメンは、利用される特定の化合物の活性、年齢、体重、一般的な健康状態、性別、食事、投与時間、排泄率、薬剤の組合わせ、及び治療担当医の判断、並びに治療されている特定の疾患の重症度を含む、様々な因子に依存することも理解されるべきである。
列挙された実施形態
【0191】
本明細書の開示は、番号付けされた実施形態の非限定的なリストとして更に提示される。
1. ヒト患者において、軸索スフェロイド及び色素性グリアを有する成人発症白質脳症(ALSP)を治療するための方法であって、それを必要とする前記患者に、約1~100mg/kgの用量で、抗TREM2抗体を投与することを含む、方法。
2. 前記抗TREM2抗体が、配列番号2によるアミノ酸配列を有するCDRL1、配列番号3によるアミノ酸配列を有するCDRL2、及び配列番号4によるアミノ酸配列を有するCDRL3を含む軽鎖可変領域と、配列番号6によるアミノ酸配列を有するCDRH1、配列番号7によるアミノ酸配列を有するCDRH2、及び配列番号8によるアミノ酸配列を有するCDRH3を含む重鎖可変領域とを含む、実施形態1に記載の方法 。
3. 前記抗TREM2抗体が、配列番号1によるアミノ酸配列を有する軽鎖可変領域と、配列番号5によるアミノ酸配列を有する重鎖可変領域とを含む、先行する実施形態のいずれか一項に記載の方法。。
4. 抗TREM2抗体が、IgG、任意選択的にIgG1である、先行する実施形態のいずれか一項に記載の方法。
5. 前記抗TREM2抗体が、カッパ軽定常領域を含む、先行する実施形態のいずれか一項に記載の方法。
6. 前記抗TREM2抗体が、EUナンバリングに従って、R292C、N297G、V302C、D356E、又はL358Mから選択される1つ以上の変異を有する、バリアント定常領域を含むIgG1である、先行する実施形態のいずれか一項に記載の方法。
7. 前記抗TREM2抗体が、配列番号9によるアミノ酸配列を有する軽鎖と、配列番号10によるアミノ酸配列を有する重鎖とを含む、抗TREM2抗体VGL101である、先行する実施形態のいずれか一項に記載の方法 。
8. 前記方法が、約1~75mg/kgの前記抗TREM2抗体の用量で、前記ヒト患者に投与することを含む、実施形態1~7のいずれか一項に記載の方法。
9. 前記方法が、約1~60mg/kgの前記抗TREM2抗体の用量で、前記ヒト患者に投与することを含む、実施形態1~7のいずれか一項に記載の方法。
10. 前記方法が、約1~50mg/kgの前記抗TREM2抗体の用量で、前記ヒト患者に投与することを含む、実施形態1~7のいずれか一項に記載の方法。
11. 前記方法が、約1~40mg/kgの前記抗TREM2抗体の用量で、前記ヒト患者に投与することを含む、実施形態1~7のいずれか一項に記載の方法。
12. 前記方法が、約10~60mg/kgの前記抗TREM2抗体の用量で、前記ヒト患者に投与することを含む、実施形態1~7のいずれか一項に記載の方法。
13. 前記方法が、約20~40mg/kgの前記抗TREM2抗体の用量で、前記ヒト患者に投与することを含む、実施形態1~7のいずれか一項に記載の方法。
14. 前記方法が、約1mg/kg、約3mg/kg、約10mg/kg、約20mg/kg、又は約40mg/kgの前記抗TREM2抗体の用量で、前記ヒト患者に投与することを含む、実施形態1~7のいずれか一項に記載の方法。
15. 前記方法が、前記抗TREM2抗体を、前記ヒト患者に週1回投与することを含む、実施形態1~14のいずれか一項に記載の方法。
16. 前記方法が、前記抗TREM2抗体を、前記ヒト患者に2週間に1回投与することを含む、実施形態1~14のいずれか一項に記載の方法。
17. 前記方法が、前記抗TREM2抗体を、前記ヒト患者に月1回投与することを含む、実施形態1~14のいずれか一項に記載の方法。
18. 前記方法が、IV注入を介して、前記抗TREM2抗体を、前記ヒト患者に投与することを含む、実施形態1~17のいずれか一項に記載の方法。
19. 抗TREM2抗体のIV注入が、1~4時間、例えば、約4時間、3時間、2時間、約60分、約45分、約30分である、実施形態18に記載の方法。
20. 約140mg/mLの濃度の抗TREM2抗体VGL101、並びに薬学的に許容可能な賦形剤及び/又は担体を含む、液体製剤。
21. 約15mMの濃度の酢酸ナトリウムを更に含む、実施形態20に記載の液体製剤。
22. 総液体製剤体積の約9%(w/v)の濃度でスクロースを更に含む、実施形態20又は21に記載の液体製剤。
23. 総液体製剤体積の約0.01%(w/v)の濃度でポリソルベート80を更に含む、実施形態20~22のいずれか一項に記載の液体製剤。
24. 液体製剤が、約pH5.2である、実施形態20~23のいずれか一項に記載の液体製剤。
25. 約pH5.2の液体製剤であって、
約140mg/mLの濃度の抗TREM2抗体VGL101と、
約15mMの濃度の酢酸ナトリウムと、
総液体製剤体積の約9%(w/v)の濃度のスクロースと、
総液体製剤体積の約0.01%(w/v)の濃度のポリソルベート80とを含む、液体製剤。
26. ヒト患者において、軸索スフェロイド及び色素性グリアを有する成人発症白質脳症(ALSP)を治療するための方法であって、治療有効量の実施形態20~25のいずれか一項に記載の液体製剤を、それを必要とする患者に投与することを含む、方法。
27. 前記方法が、約1~60mg/kgの抗TREM2抗体VGL101の用量で、前記ヒト患者に投与することを含む、実施形態26に記載の方法。
28. 前記方法が、約20~40mg/kgの抗TREM2抗体VGL101の用量で、前記ヒト患者に投与することを含む、実施形態26に記載の方法。
29. 前記方法が、約1mg/kg、約3mg/kg、約10mg/kg、約20mg/kg、又は約40mg/kgの抗TREM2抗体VGL101の用量で、前記ヒト患者に投与することを含む、実施形態26に記載の方法。
30. 前記方法が、抗TREM2抗体VGL101を、前記ヒト患者に週1回投与することを含む、実施形態26~29のいずれか一項に記載の方法。
31. 前記方法が、抗TREM2抗体を、前記ヒト患者に2週間に1回投与することを含む、実施形態26~29のいずれか一項に記載の方法。
32. 前記方法が、抗TREM2抗体を、前記ヒト患者に月1回投与することを含む、実施形態26~29のいずれか一項に記載の方法。
33. 前記方法が、IV注入を介して、抗TREM2抗体VGL101を、前記ヒト患者に投与することを含む、実施形態26~32のいずれか一項に記載の方法。
34. 抗TREM2抗体VGL101のIV注入が、約60分である、実施形態33に記載の方法。
35. 対象におけるsTREM2のレベルを低減する方法であって、抗TREM2抗体VGL101を約1~100mg/kgの用量で前記対象に投与することを含む、方法。
36. 前記sTREM2のレベルが、VGL101を投与する前に評価される、実施形態35に記載の方法。
37. 前記sTREM2のレベルが、脳脊髄液(CSF)中のレベルである、実施形態35又は36に記載の方法。
38. 前記sTREM2のレベルが、血清中のレベルである、実施形態35又は36に記載の方法。
39. 前記sTREM2のレベルが、約10%、約20%、約30%、約40%、約50%、約60%、約70%、約80、約90%、又は約100%低減される、実施形態35~38のいずれか一項に記載の方法。
40. 前記方法が、約1~75mg/kgの前記抗TREM2抗体の用量で、前記対象に投与することを含む、実施形態35~39のいずれか一項に記載の方法。
41. 前記方法が、約1~60mg/kgの前記抗TREM2抗体の用量で、前記ヒト患者に投与することを含む、実施形態35~39のいずれか一項に記載の方法。
42. 前記方法が、約1~50mg/kgの前記抗TREM2抗体の用量で、前記ヒト患者に投与することを含む、実施形態35~39のいずれか一項に記載の方法。
43. 前記方法が、約1~40mg/kgの前記抗TREM2抗体の用量で、前記ヒト患者に投与することを含む、実施形態35~39のいずれか一項に記載の方法。
44. 前記方法が、約10~60mg/kgの前記抗TREM2抗体の用量で、前記ヒト患者に投与することを含む、実施形態35~39のいずれか一項に記載の方法。
45. 前記方法が、約20~40mg/kgの前記抗TREM2抗体の用量で、前記ヒト患者に投与することを含む、実施形態35~39のいずれか一項に記載の方法。
46. 前記方法が、約1mg/kg、約3mg/kg、約10mg/kg、約20mg/kg、又は約40mg/kgの前記抗TREM2抗体の用量で、前記ヒト患者に投与することを含む、実施形態35~39のいずれか一項に記載の方法。
47. 前記方法が、前記抗TREM2抗体を、前記ヒト患者に週1回投与することを含む、実施形態35~46のいずれか一項に記載の方法。
48. 前記方法が、前記抗TREM2抗体を、前記ヒト患者に2週間に1回投与することを含む、実施形態35~46のいずれか一項に記載の方法。
49. 前記方法が、前記抗TREM2抗体を、前記ヒト患者に月1回投与することを含む、実施形態35~46のいずれか一項に記載の方法。
50. 前記方法が、IV注入を介して、抗TREM2抗体VGL101を、前記ヒト患者に投与することを含む、実施形態35~49のいずれか一項に記載の方法。
51. 抗TREM2抗体VGL101のIV注入が、約60分である、実施形態50に記載の方法。
52. 対象におけるsCSF1Rのレベルを低減する方法であって、抗TREM2抗体VGL101を、約1~100mg/kgの用量で、前記対象に投与することを含む、方法。
53. 前記sCSF1Rのレベルが、VGL101を投与する前に評価される、実施形態52に記載の方法。
54. 前記sCSF1Rのレベルが、脳脊髄液(CSF)中のレベルである、実施形態52又は53に記載の方法。
55. 前記sCSF1Rのレベルが、血清中のレベルである、実施形態52又は53に記載の方法。
56. 前記sCSF1Rのレベルが、約10%、約20%、約30%、約40%、約50%、約60%、約70%、約80、約90%、又は約100%低減される、実施形態52~55のいずれか一項に記載の方法。
57. 前記方法が、約1~75mg/kgの前記抗TREM2抗体の用量で、前記対象に投与することを含む、実施形態52~56のいずれか一項に記載の方法。
58. 前記方法が、約1~60mg/kgの前記抗TREM2抗体の用量で、前記ヒト患者に投与することを含む、実施形態52~56のいずれか一項に記載の方法。
59. 前記方法が、約1~50mg/kgの前記抗TREM2抗体の用量で、前記ヒト患者に投与することを含む、実施形態52~56のいずれか一項に記載の方法。
60. 前記方法が、約1~40mg/kgの前記抗TREM2抗体の用量で、前記ヒト患者に投与することを含む、実施形態52~56のいずれか一項に記載の方法。
61. 前記方法が、約10~60mg/kgの前記抗TREM2抗体の用量で、前記ヒト患者に投与することを含む、実施形態52~56のいずれか一項に記載の方法。
62. 前記方法が、約20~40mg/kgの前記抗TREM2抗体の用量で、前記ヒト患者に投与することを含む、実施形態52~56のいずれか一項に記載の方法。
63. 前記方法が、約1mg/kg、約3mg/kg、約10mg/kg、約20mg/kg、又は約40mg/kgの前記抗TREM2抗体の用量で、前記ヒト患者に投与することを含む、実施形態52~56のいずれか一項に記載の方法。
64. 前記方法が、前記抗TREM2抗体を、前記ヒト患者に週1回投与することを含む、実施形態52~63のいずれか一項に記載の方法。
65. 前記方法が、前記抗TREM2抗体を、前記ヒト患者に2週間に1回投与することを含む、実施形態52~63のいずれか一項に記載の方法。
66. 前記方法が、前記抗TREM2抗体を、前記ヒト患者に月1回投与することを含む、実施形態52~63のいずれか一項に記載の方法。
67. 前記方法が、IV注入を介して、抗TREM2抗体VGL101を、前記ヒト患者に投与することを含む、実施形態52~66のいずれか一項に記載の方法。
68. 抗TREM2抗体VGL101のIV注入が、約60分である、実施形態67に記載の方法。
69. 対象においてTREM2と会合又は刺激する方法であって、抗TREM2抗体VGL101を、約1~100mg/kgの用量で、前記対象に投与することを含む、方法。
70. 前記方法が、約1~75mg/kgの前記抗TREM2抗体の用量で、前記対象に投与することを含む、実施形態69に記載の方法。
71. 前記方法が、約1~60mg/kgの前記抗TREM2抗体の用量で、前記ヒト患者に投与することを含む、実施形態69に記載の方法。
72. 前記方法が、約1~50mg/kgの前記抗TREM2抗体の用量で、前記ヒト患者に投与することを含む、実施形態69に記載の方法。
73. 前記方法が、約1~40mg/kgの前記抗TREM2抗体の用量で、前記ヒト患者に投与することを含む、実施形態69に記載の方法。
74. 前記方法が、約10~60mg/kgの前記抗TREM2抗体の用量で、前記ヒト患者に投与することを含む、実施形態69に記載の方法。
75. 前記方法が、約20~40mg/kgの前記抗TREM2抗体の用量で、前記ヒト患者に投与することを含む、実施形態69に記載の方法。
76. 前記方法が、約1mg/kg、約3mg/kg、約10mg/kg、約20mg/kg、又は約40mg/kgの前記抗TREM2抗体の用量で、前記ヒト患者に投与することを含む、実施形態69に記載の方法。
77. 前記方法が、前記抗TREM2抗体を、前記ヒト患者に週1回投与することを含む、実施形態69~76のいずれか一項に記載の方法。
78. 前記方法が、前記抗TREM2抗体を、前記ヒト患者に2週間に1回投与することを含む、実施形態69~76のいずれか一項に記載の方法。
79. 前記方法が、前記抗TREM2抗体を、前記ヒト患者に月1回投与することを含む、実施形態69~76のいずれか一項に記載の方法。
80. 前記方法が、IV注入を介して、抗TREM2抗体VGL101を、前記ヒト患者に投与することを含む、実施形態69~79のいずれか一項に記載の方法。
81. 抗TREM2抗体VGL101の前記IV注入が、約60分である、実施形態80に記載の方法。
82. ヒト患者において、軸索スフェロイド及び色素性グリアを有する成人発症白質脳症(ALSP)を治療するための方法であって、約20mg/kgの用量の抗TREM2抗体を、それを必要とする患者に投与することを含み、前記抗TREM2抗体が、配列番号9のアミノ酸配列を有する軽鎖、及び配列番号10のアミノ酸配列を有する重鎖を含む、抗TREM2抗体VGL101であり、前記方法が、IV注入を介して、前記ヒト患者に28日に1回、前記抗TREM2抗体を投与することを含む、方法。
83. ヒト患者において、軸索スフェロイド及び色素性グリアを有する成人発症白質脳症(ALSP)を治療するための方法であって、約30mg/kgの用量の抗TREM2抗体を、それを必要とする患者に投与することを含み、前記抗TREM2抗体が、配列番号9のアミノ酸配列を有する軽鎖、及び配列番号10のアミノ酸配列を有する重鎖を含む、抗TREM2抗体VGL101であり、前記方法が、IV注入を介して、前記ヒト患者に28日に1回、前記抗TREM2抗体を投与することを含む、方法。
84. ヒト患者において、軸索スフェロイド及び色素性グリアを有する成人発症白質脳症(ALSP)を治療するための方法であって、約40mg/kgの用量の抗TREM2抗体を、それを必要とする患者に投与することを含み、前記抗TREM2抗体が、配列番号9のアミノ酸配列を有する軽鎖、及び配列番号10のアミノ酸配列を有する重鎖を含む、抗TREM2抗体VGL101であり、前記方法が、IV注入を介して、前記ヒト患者に28日に1回、前記抗TREM2抗体を投与することを含む、方法。
85. ヒト患者において、軸索スフェロイド及び色素性グリアを有する成人発症白質脳症(ALSP)を治療するための方法であって、約50mg/kgの用量の抗TREM2抗体を、それを必要とする患者に投与することを含み、前記抗TREM2抗体が、配列番号9のアミノ酸配列を有する軽鎖、及び配列番号10のアミノ酸配列を有する重鎖を含む、抗TREM2抗体VGL101であり、前記方法が、IV注入を介して、前記ヒト患者に28日に1回、前記抗TREM2抗体を投与することを含む、方法。
86. ヒト患者において、軸索スフェロイド及び色素性グリアを有する成人発症白質脳症(ALSP)を治療するための方法であって、約60mg/kgの用量の抗TREM2抗体を、それを必要とする患者に投与することを含み、前記抗TREM2抗体が、配列番号9のアミノ酸配列を有する軽鎖、及び配列番号10のアミノ酸配列を有する重鎖を含む、抗TREM2抗体VGL101であり、前記方法が、IV注入を介して、前記ヒト患者に28日に1回、前記抗TREM2抗体を投与することを含む、方法。
87. 対象において、sCSF1Rのレベルを低減する方法であって、約20mg/kgの用量の抗TREM2抗体を、それを必要とする患者に投与することを含み、前記抗TREM2抗体が、配列番号9のアミノ酸配列を有する軽鎖、及び配列番号10のアミノ酸配列を有する重鎖を含む、抗TREM2抗体VGL101であり、前記方法が、IV注入を介して、前記ヒト患者に28日に1回、前記抗TREM2抗体を投与することを含む、方法。
88. 対象において、sCSF1Rのレベルを低減する方法であって、約30mg/kgの用量の抗TREM2抗体を、それを必要とする患者に投与することを含み、前記抗TREM2抗体が、配列番号9のアミノ酸配列を有する軽鎖、及び配列番号10のアミノ酸配列を有する重鎖を含む、抗TREM2抗体VGL101であり、前記方法が、IV注入を介して、前記ヒト患者に28日に1回、前記抗TREM2抗体を投与することを含む、方法。
89. 対象において、sCSF1Rのレベルを低減する方法であって、約40mg/kgの用量の抗TREM2抗体を、それを必要とする患者に投与することを含み、前記抗TREM2抗体が、配列番号9のアミノ酸配列を有する軽鎖、及び配列番号10のアミノ酸配列を有する重鎖を含む、抗TREM2抗体VGL101であり、前記方法が、IV注入を介して、前記ヒト患者に28日に1回、前記抗TREM2抗体を投与することを含む、方法。
90. 対象において、sCSF1Rのレベルを低減する方法であって、約50mg/kgの用量の抗TREM2抗体を、それを必要とする患者に投与することを含み、前記抗TREM2抗体が、配列番号9のアミノ酸配列を有する軽鎖、及び配列番号10のアミノ酸配列を有する重鎖を含む、抗TREM2抗体VGL101であり、前記方法が、IV注入を介して、前記ヒト患者に28日に1回、前記抗TREM2抗体を投与することを含む、方法。
91. 対象において、sCSF1Rのレベルを低減する方法であって、前記抗TREM2抗体が、配列番号9のアミノ酸配列を有する軽鎖、及び配列番号10のアミノ酸配列を有する重鎖を含む、抗TREM2抗体VGL101であり、前記方法が、IV注入を介して、前記ヒト患者に28日に1回、前記抗TREM2抗体を投与することを含む、方法。
【実施例】
【0192】
「Ab-1」などの抗TREM2抗体は、例えば、WO2018/195506A1に記載されるように、当業者に既知の方法によって調製することができ、その内容は、参照により、その全体が本明細書に組み込まれる。
【0193】
略称のリスト
λz:終末相消失速度定数
AE:有害事象
AL:Pアルカリホスファターゼ
ALSP:軸索スフェロイド及び色素性グリア
ALT:アラニンアミノトランスフェラーゼ
APOE:アポリポタンパク質E
AST:アスパラギン酸アミノトランスフェラーゼ
AUC0-inf:無限時間(AUClast+Clast/λz)に外挿された投与前(時間0)からの、血清又はCSF濃度-時間曲線下面積
AUC0-last:投与前(時間0)から最後の定量可能な濃度の時間(tlast)までの、血清又はCSF濃度-時間曲線下面積
AUCtau:投与間隔にわたる、血清又はCSF濃度-時間曲線下面積
AUMC:第一モーメント曲線下面積
BMI:体格指数
CCL2:ケモカインリガンド2
CFR:連邦規制準則
CL:全身クリアランス
Cmax:最大血清/脳脊髄液濃度
CNS:中枢神経系
COVID-19:コロナウイルス疾患-2019
CSF:脳脊髄液
CSF1R:コロニー刺激因子-1受容体
CTR:臨床試験報告書
C-SSRS:コロンビア自殺重症度評価尺度
トラフ:用量投与前の濃度
CV%:変動係数%
ECG:心電図
eCRF:電子症例報告書フォーム
ER:緊急室
EOS:試験終了
FDA:食品医薬品局
FIH:ヒト初回投与
FSH:卵胞刺激ホルモン
GCP:医薬品の臨床試験の実施の基準
GLP:医薬品及び医薬部外品の製造管理及び品質管理規則
HBsAg:B型肝炎表面抗原
HIV:ヒト免疫不全ウイルス
HSCT:造血幹細胞移植
IB:治験責任医師のパンフレット
ICF:インフォームドコンセントフォーム
ICH:医薬品規制調和国際会議
IL:インターロイキン
IMP:治験薬
IND:治験新薬
IP-10:10kDaのインターフェロンガンマ誘導性タンパク質
IRB:治験審査委員会
IV:静脈内
MAD:複数回漸増用量
MCP-1:単球走化性タンパク質-1
MDM:単球由来マクロファージ
MedDRA:規制目的のための国際医薬用語集
MRT:平均滞留時間
N:観察数
Nfl神経フィラメント軽鎖
NHP:非ヒト霊長類
NOAEL:無毒性量
PCR:ポリメラーゼ連鎖反応
PD:薬力学
PI:治験責任医師
PK:薬物動態
PT:好ましい用語
q7d:7日に1回
RR:呼吸数
RoAUC0-tau:蓄積比、AUC0-tau(最終投与)をAUC0-tau(初回投与)で除算する
RoCmax:蓄積比、最終投与時のCmaxを1日目のCmaxで除算する
RT-PCR:逆転写ポリメラーゼ連鎖反応
SAD:単回漸増用量
SAE:重篤な有害事象
SAP:統計解析計画
SARS-CoV-2:重度急性呼吸器症候群コロナウイルス2
SD:標準偏差
SID:被験者識別
SM:安全マージン
SOP:標準作業手順書
SRC:安全性審査委員会
【数1】
Tmax:最大血清/脳脊髄液濃度の時間
TREM2:骨髄細胞上に発現されるトリガー受容体2
Vss:定常状態での分布容積
Vz:分布容積
WHO:世界保健機関
WOCBP:妊娠可能な女性
実施例1. 健康な成人における抗TREM2抗体「Ab-1」の安全性、忍容性、薬物動態を評価するための、第I相、ヒト初回投与、無作為化、二重盲検、プラセボ対照、単回及び複数回漸増静脈内投与試験
1. 目的:
主目的:
・ 健康な成人参加者における、抗TREM2抗体「Ab-1」の、単回及び複数回漸増静脈内(IV)投与の、安全性及び忍容性を決定すること。
副目的:
・ 健康な成人参加者における、抗TREM2抗体「Ab-1」 IVの、単回投与及び複数回投与血清薬物動態(PK)を特徴付けること。
・ 健康な成人参加者における、抗TREM2抗体「Ab-1」の、単回及び複数回漸増IV投与の、免疫原性を評価すること。
・ 単回投与及び複数回投与後の、脳脊髄液(CSF)中の抗TREM2抗体「Ab-1」のPKを評価すること。
探索的目的:
・ 将来の開発のための、抗TREM2抗体「Ab-1」の作用機序を知らせ得る、血清及びCSF中の薬力学(PD)バイオマーカーを探索すること。
・ アポリポタンパク質E4遺伝子型が、抗TREM2抗体「Ab-1」に対する、差次的応答を付与するかを探索すること。
・ 健康な日本人成人参加者における、抗TREM2抗体「Ab-1」の、単回漸増IV投与の、安全性及び忍容性を決定すること。
・ 健康な日本人成人参加者における、抗TREM2抗体「Ab-1」 IVの、単回投与PKを特徴付けること。
2. デザイン:
【0194】
これは、健康な成人参加者にIV投与される、抗TREM2抗体「Ab-1」の、安全性、忍容性、免疫原性、PK、及びPDを評価するための、2パートからなる、ヒト初回投与(FIH)、第I相、無作為化、単施設、二重盲検(スポンサーオープン)、プラセボ対照、用量漸増試験である。
【0195】
パートAは、約40人の健康な成人参加者における、単回投与漸増(SAD)試験である。本試験には、5つのコホート(コホート1A~5A)が含まれる。パートAは、5つの異なる用量レベルで、60分間にわたってIV注入として投与される、抗TREM2抗体「Ab-1」の単回投与を評価する。コホート1A~5Aの用量は、1、3、10、20、及び40mg/kgであり、用量は、進行中の評価に基づいて調整され得る。2つの追加の任意コホート(コホート6A及び7A)を含める選択肢があり、コホート6Aは、最大許容曝露量60mg/kg未満で投与され、コホート7Aは、日本人コホートである。本試験のこのパート中の用量は、試験が進行するにつれて、治験依頼者によって決定される。安全性、PK、及びPDデータを、評価する。
(a)センチネル投与は、全てのSADコホートに対して計画される。各コホートの最初の2人の参加者は、1人の参加者が抗TREM2抗体「Ab-1」を受け、1人の参加者がプラセボを受けるように、無作為化され、試験治療を投与される。残りの6人の健康な成人参加者は、5:1(抗TREM2抗体「Ab-1」:プラセボ)の比率で無作為化される。コホート内の残りの6人の参加者は、治験責任医師が、各コホートの最初の2人の参加者について、投与後48時間までの安全性データをレビューするまで、試験治療を投与されない。コホートを用量漸増様式で順次試験し、利用可能なPK/PDデータ、及び少なくとも7日間の安全性データを、次のコホートへの漸増前にレビューする。用量漸増の安全性レビューを開始するために、コホート当たり、最後の投与から少なくとも7日後に、少なくとも6人の参加者がいる必要がある。中止又は脱落する参加者は、治験依頼者の裁量で置き換えられる。
(b)(任意)36時間の連続CSF試料収集のために、コホート2A~5A、及び任意選択的なコホート6Aの参加者を、腰椎くも膜下腔に移植された留置カテーテルで準備する。CSF採取の時点は、PK時点に対応する。
(c)各参加者の総試験期間は、スクリーニング、入院(-2日目)、及び最大28日間のベースライン評価の期間、1日の治療期間、並びに1日目の来院から試験終了(EOS)来院までの84日間のフォローアップ期間を含む、約113日である。
【0196】
パートBは、約16人の健康な成人参加者における、反復投与漸増(MAD)試験である。2つのコホートを、試験のパートBについて計画する(コホート1B及び2B)。コホート1B及び2Bは、8人の健康な成人参加者を無作為化して、試験中に6:2の比率で、抗TREM2抗体「Ab-1」又はプラセボのいずれかの、3回のIV投与を受ける。パートBにおける、抗TREM2抗体「Ab-1」又はプラセボの用量投与は、28日毎に行われ、定常状態に到達するために、合計3回の注入が必要であると仮定する。任意選択的なコホート3Bは、6人の参加者を含み、その全てが抗TREM2抗体「Ab-1」のIV投与を受ける、コホート2Bと並行して登録され得る(コホート2Bについて選択された用量以下で)。コホート3Bの参加者は、1日目(投与前)、58/59日目、64日目(63日目の入院)、85日目(84日目の入院)、及び103日目(102日目の入院)に腰椎穿刺を介して、長期CSF採取を受ける。追加のコホート(コホート4B)を含める選択肢があり、8人の参加者は、6:2の比率(60mg/kg)で、抗TREM2抗体「Ab-1」又はプラセボのいずれかのIV投与を受ける。試験のこのパート中の用量は、試験が進行するにつれて決定される。安全性、PK、及びPDデータを評価する。
(a)センチネル投与は、試験のパートBには使用されない。MADで意図される曝露のレベルは、パートAの単回投与として、健康な成人参加者において、安全かつ忍容性良好であることが以前に示されている。コホートは、利用可能なPK/PDデータ、及び次のコホートへの漸増前にレビューされた試験薬の最終投与後少なくとも7日間の安全性データを用いて、用量漸増様式で順次試験される。用量漸増の安全性レビューを開始するために、コホート当たり、最後の投与から少なくとも7日後に、少なくとも6人の参加者がいる必要がある。中止又は脱落する参加者は、治験依頼者の裁量で置き換えられる。
(b)CSF試料採取については、全てのコホートの参加者は、1日目(投与前CSF採取)、及び58/59日目(第三の投与後24時間~48時間)に、腰椎穿刺を受ける。コホート3Bの参加者は、上記のように、腰椎穿刺を介して、長期CSF採取を受ける
。
(c)各参加者の総試験期間は、スクリーニング、入院(-2日目)、及び最大28日間のベースライン評価のための期間、57日間の治療期間、並びに最後の投与来院(57日目)からEOS来院までの84日間のフォローアップ期間を含む、約169日である。
参加者数
【0197】
約54~96人の健康な成人参加者を、登録する。
【0198】
パートA:40~56人の健康な成人参加者。
5つの用量コホートにわたる約40人の健康な成人参加者。追加の16人の健康な成人参加者を、2つの追加の任意選択的なコホートに登録してもよい。これには、コホート7Aの8人の日本人参加者が含まれる。
【0199】
パートB:16~30人の健康な成人参加者。
2つの用量コホートの約16人の健康な成人参加者。追加の14人の健康な成人参加者を、2つの追加の任意選択的なコホートに登録してもよい。
選択基準:
【0200】
以下の基準を満たす参加者は、治験への参加に適格であるとみなされる。
1. 参加者は、スクリーニング来院手順のいずれかを実施する前に、本試験に参加することに自発的に同意し、治験審査委員会(IRB)が承認したインフォームドコンセントに署名する。
2. スクリーニング来院時に、18~55歳の間(両端含む)の男性及び女性。
3. 女性参加者は、生殖に関する選択基準に適合する場合、適格とみなされる。
4. スクリーニング来院及び/又は入院時(-2日目)に、履歴(過去1年間にわたるニコチン使用なし)及び陰性尿中コチニン検査によって決定される、非喫煙者(又は蒸気を含む他のニコチン/たばこ使用)。
5. スクリーニング来院時に、18.5~30.0kg/m2(両端含む)の体格指数(BMI)。
6. 治験前の医学的評価(病歴、身体検査、バイタルサイン、12誘導心電図[ECG]、及び臨床検査評価)によって決定される、治験責任医師(PI)によって健康であるとみなされること。
7. スクリーニング来院及び入院時(-2日目)に、バイタルサイン(収縮期及び拡張期血圧及び脈拍数)が評価される。バイタルサインが範囲外である場合(スクリーニング来院及び入院時[-2日目])、治験責任医師は、2つの追加のバイタルサインセットを取得し得る。バイタルサインが、これら3つの連続的な評価の各々で範囲外であり、治験責任医師の判断により臨床的に関連性があるとみなされる場合、参加者は、試験参加に適格ではない。
8. 以下は、任意選択的なコホート7Aの日本人参加者に適用される。日本人参加者として適格であるためには、参加者は以下の基準を満たす必要がある:
・ 第1世代日本民族起源である:
・ 日本生まれである
・ 両親と祖父母が民族的に日本人であり、日本生まれである
・ 日本を離れてから生活習慣に著しい変化はない
・ <10年、日本国外である
除外基準:
【0201】
以下の基準の1つ以上を満たす参加者は、治験への参加に適格とはみなされない。
1. 参加者は、PI又は被指名人によって決定される、心血管障害、呼吸器障害、肝臓障害、腎臓障害、胃腸障害、内分泌障害、神経学的障害、免疫障害、又は精神障害(複数可)の、臨床的に有意な既往歴又は証拠を有する。
2. 参加者は、入院(-2日目)前120日以内に、モノクローナル抗体療法を投与されている。
3. 参加者は、PIの意見により、参加者が治験に参加するのに適さない、同時の疾患又は状態を有する。
4. 参加者は、登録の2年以内に、アルコール及び/又は違法薬物乱用歴を有する。
5. 参加者は、B型肝炎表面抗原(HBsAg)、C型肝炎抗体、又はヒト免疫不全ウイルス(HIV)抗体について、陽性検査を有する。
6. 参加者は、スクリーニング来院又は入院時(-2日目)に、エタノールの尿検査が陽性である。
7. 参加者は、スクリーニング来院又は入院時(-2日目)に、尿薬物(例えば、コカイン、アンフェタミン、バルビツール酸塩、オピエート、ベンゾジアゼピン、及びカンナビノイド)、及びコチニン検査が陽性である。
8. 女性参加者は、授乳中であるか、又はスクリーニング来院若しくは入院時(-2日目)に、血清妊娠検査が陽性である女性参加者である。
9. 参加者は、入院(-2日目)の前2か月(56日)以内に、血液(>500mL)又は血液産物を提供した。
10. 参加者は、入院(-2日目)の前30日以内、又は5半減期以内のいずれか長い方で、治験薬が投与された。
11. 参加者は、治験薬、他の治療用モノクローナル抗体、又は賦形剤のいずれか、又は類似の化学構造を有する医薬品に対する、過敏症の既往を有する。
12. 参加者は、治験実施計画書の要件、指示、及び治験関連の制限、治験の性質、範囲、及び起こり得る結果を、理解することができない。
13. 参加者は、治験実施計画書の要件、指示、及び治験関連の制限、例えば、非協力的な態度、フォローアップ来院のための帰還不能、及び治験完了の不可能性を、遵守する可能性が低い。
14. 参加者は、過去にこの治験に登録されている。
15. 治験へのボランティアの意欲が、正当かどうかにかかわらず、参加に関連する利益、又は参加を拒否した場合の階層の上級メンバーからの報復的応答の予期によって不当に影響を受け得る、個人として定義される、脆弱な参加者(例えば、抑止中の人、未成年者、及び同意を与えることができない人)。
16. 参加者は、入院前(-2日目)に、重度急性呼吸器症候群コロナウイルス2(SARS-CoV-2)に対する、陽性逆転写ポリメラーゼ連鎖反応(RT-PCR)検査を有する。
17. 参加者は、SARS-CoV-2感染と一致する、臨床徴候及び症状、例えば、発熱、乾燥咳、呼吸困難、喉の痛み、疲労、又はSARS-CoV-2による臨床検査により確認された急性感染を有する。
18. コロナウイルス疾患2019の、重度の経過を経た参加者(COVID-19、体外膜酸素化、機械的に換気された集中治療室滞在)。
19. 参加者は、COVID-19の症状を有するか、又はSARS-CoV-2について陽性と試験された人への、最近(臨床ユニットへの入院[-2日目]前14日以内)の曝露を有した。
20. 参加者は、COVID-19患者が治療されている医療施設に、最近(臨床ユニットへの入院[-2日目]前14日以内)来院した。
21. 参加者は、臨床ユニットへの入院前14日以内に、COVID-19ワクチンの最終投与を受けている(すなわち、入院の少なくとも14日前にワクチン接種を完了していなければならない)。
CSF参加者の除外基準:
以下の基準のうちの1つ以上を満たす参加者は、CSF評価に適格とはみなされない。
22. CSF採取中に使用される麻酔薬若しくは誘導体、又は腰椎穿刺の領域を準備するために使用される任意の薬剤に対する過敏症。
23. 臨床ユニットへの入院(-2日目)前30日以内の、以前のCSF採取。
24. 試験中の参加者の参加又はCSF採取を妨げるであろう、治験責任医師の意見における、脊椎変形、腰椎大手術、臨床的に意義のある背痛、臨床的に意義のある異常なX線、及び/又は損傷の既往。
25. 腰椎穿刺注射部位で、進行中の皮膚感染症。
26. スクリーニング時に、正常基準範囲外の、臨床的に有意な凝固検査値(プロトロンビン時間/国際標準化比、部分トロンボプラスチン時間)。
評価基準:
【0202】
主要エンドポイント:
・ 有害事象(AE)、臨床検査、及びバイタルサイン測定によって評価される、抗TREM2抗体「Ab-1」の安全性及び忍容性。
【0203】
副次的エンドポイント:
・ 単回投与及び反復投与、抗TREM2抗体「Ab-1」血清PKパラメータ:例えば、投与前(時間0)から最終定量可能濃度の時間(tlast)までの血清又はCSF濃度-時間曲線下面積(AUC0-last)、無限時間(AUClast+Clast/λz)に外挿された投与前(時間0)からの血清又はCSF濃度-時間曲線下面積(AUC0-inf)、最大血清/脳脊髄液濃度(Cmax)、最大血清/脳脊髄液濃度の時間(Tmax)、終末消失半減期(t1/2)、全身クリアランス、定常状態での分布の体積、平均滞留時間、投与間隔にわたる血清又はCSF濃度-時間曲線下面積、用量投与前の濃度、蓄積比(最終用量でのCmaxを1日目のCmaxで割った値、及びAUC0-tau[最終用量]をAUC0-tau[第一の用量]で割った値)。
・ 単回投与、抗TREM2抗体「Ab-1」CSF PKパラメータ:例えば、反復用量投与後、1日目及び58/59日目、又は1日後及び58/59日後の、Cmax、Tmax、AUC0-inf, AUC0-last、λz、t1/2、及び抗TREM2抗体「Ab-1」CSF濃度。
・ 抗TREM2抗体「Ab-1」の単回投与及び反復投与後の、抗薬剤抗体レベルの特徴付け
【0204】
探索的エンドポイント:
・ CSF及び血清中の、探索的PDバイオマーカー(例えば、骨髄細胞上に発現される可溶性トリガー受容体2[sTREM2]バイオマーカー、10kDaのインターフェロンガンマ誘導性タンパク質[IP-10]、単球走化性タンパク質-1[MCP-1]、コロニー刺激因子-1受容体[sCSF1R])、及びニューロフィラメント軽鎖[NfL])の、ベースラインからの変化。
・ 単回投与を受ける用量コホート内の、AE/重篤な有害事象(SAE)を報告する、日本人参加者の数及び割合。
・ 日本人参加者における、抗TREM2抗体「Ab-1」単回投与血清PKパラメータ。
統計的方法:
【0205】
サンプルサイズに関する考慮事項
このサンプルサイズは、臨床判断に基づいて選択され、統計的検出力の計算に基づいて選択されない。正式なサンプルサイズの計算は、実施されなかった。参加者の数は、実現可能性に基づいて選択されたのであり、研究目的を満たすのに十分であるとみなされる。
【0206】
データプレゼンテーション/記述統計
全ての人口統計学的データ、安全性データ、及びPK/PDデータを、必要に応じて、コホート、民族、及び来院/時間による記述統計量を使用して、表形式で列挙し、要約する。PKデータ(血清及びCSF)も、必要に応じてグラフで表示される。AEの数及びパーセンテージは、器官別大分類、及び好ましい用語によって表にされ、コホート及び民族による分解を伴う。
中間結果:
概要
【0207】
試験は、1、3、10、20、30、若しくは40mg/kgの用量で抗TREM2抗体「Ab-1」(n=68)、又はプラセボ(n=14)のいずれかを投与された、現在まで82人の健康なボランティアを登録している。抗TREM2抗体「Ab-1」は、投与されたSADコホート及びMADコホートの両方にわたって、安全かつ忍容性良好であることが見出された。
・ 全ての有害事象(AE)は、1件の中等度のAEを除き重症度が軽度であり、全てのAEは介入なしで消失した。これまでに重篤な有害事象は報告されていない。
・ 抗TREM2抗体「Ab-1」は、好ましい半減期及び脳浸透を伴う、用量比例PKを示した。
・ 抗TREM2抗体「Ab-1」は、脳脊髄液(CSF)中のsTREM2のレベルにおける、用量依存性の持続的な減少を達成し、標的関与の証拠を示した。20mg/kgの反復投与は、sTREM2レベルの堅牢な減少と関連し、減少は、第三の及び最終用量の28日後に依然として観察された。抗TREM2抗体「Ab-1」は、臨床現場におけるTREM2関与の持続性を示すことが報告されている、最初の抗体である。
・ 抗TREM2抗体「Ab-1」は、反復投与後に、CSF中のsCSF1Rレベルの持続的な増加を示す。
・ 用量漸増は、健康なボランティアにおける第I相試験で継続し、オーストラリアで開始するために、60mg/kgコホートが除去される。
【0208】
各二重盲検コホートでは、8名の対象は、無作為化されて、SAD部分においては、1、3、10、20、30、又は40mg/kgの抗TREM2抗体「Ab-1」又はプラセボの単回IV投与を、及びMADコホートにおいては、28日毎に20mg/kgの抗TREM2抗体「Ab-1」又はプラセボを合計3回投与で受けた。更に、CSFの採取のために、試験の非盲検部分が実施される。3、10、又は20mg/kgのVGL101の単回IV投与を受ける1つのCSF SADコホート、及び28日毎に20mg/kgのVGL101の合計3回の薬剤投与を受ける1つのCSF MADコホートについて、予備的安全性及び忍容性データが利用可能である。
安全性及び忍容性
【0209】
コホート全体では、1件の中等度のAE及び介入なしで消失した全てのAEを除いて、全てのAEは軽度であった。バイタルサイン、ECG、又は臨床検査パラメータに、重篤なAE(SAE)又は臨床的に意義のある異常の報告はなかった。
単回漸増用量薬物動態(PK)
図1は、SADコホートからの血清PKデータを示す。28日間、最大30mg/kgの用量、並びに、84日間、1、3、10、及び20mg/kgの用量が評価されている。最大30mg/kgまでの全ての利用可能な用量は、変動性が低い線形PK及び用量比例PKを示す。
反復漸増用量薬物動態(PK)
【0210】
図2は、20mg/kgの抗TREM2抗体「Ab-1」を28日毎に合計3回の注入で投与した、第一のMADコホートからの血清PKデータを示す。データは、約27日の半減期を示し、第三の投与と第四の投与との間で定常状態が達成され、毎月の投与レジメンを支持する。
【0211】
抗TREM2抗体「Ab-1」の脳浸透は、0.1~0.2%である。
薬力学
【0212】
前臨床研究に基づいて、TREM2受容体の会合のための近位バイオマーカーである、可溶性TREM2(sTREM2)のレベルの減少が予測された。
図3Aは、3、10、及び20mg/kgの抗TREM2抗体「Ab-1」の単回IV投与を投与された、健康なボランティアの18人における、CSF sTREM2に対する抗TREM2抗体「Ab-1」の効果を示す。ベースラインを超えるsTREM2の用量依存的な低減があり、sTREM2低減は、10及び20mg/kgの抗TREM2抗体「Ab-1」の単回投与の2週間後に、統計的に有意であった。
【0213】
図3Bは、28日毎に1回投与された20mg/kgでの3回のIV投与後の、sTREM2に対する抗TREM2抗体「Ab-1」の効果を示す。sTREM2のCSFレベルを、第三の及び最終投与後の、ベースライン(投与前)、48時間、及び28日後に評価した。これらのデータは、特に48時間時点で単回投与よりも大きい大きさ及び低い変動性で、20mg/kgでの抗TREM2抗体「Ab-1」の反復投与後の、投与前ベースラインを超えるsTREM2の統計的に有意な減少を示す。同様に、sTREM2低減は、第三の投与及び最終投与後の28日間持続し、単回用量よりも変動性が少ない。これらのデータは、28日間の、反復投与後の、ヒトにおける、抗TREM2抗体「Ab-1」による標的会合の持続性の証拠としての役割を果たす。
【0214】
可溶性CSF1R(sCSF1R)は、sTREM2及びミクログリア活性化の下流にある、標的会合の別のバイオマーカーである。前臨床データに基づき、CSF中のsCSF1Rレベルの増加が予想された。
図4A-4Bは、sTREM2で観察されたのと同様に、それぞれ単回投与及び反復投与後の抗TREM2抗体「Ab-1」によるsCSF1R及び標的会合の増加を示す。反復投与では、変動性の減少が再び観察された。
* * *
【0215】
本発明者らは、本発明のいくつかの実施形態について説明してきたが、本発明の化合物及び方法を利用する他の実施形態を提供するために、本発明者らの基本的な実施例を変更してもよいことは明らかである。したがって、本発明の範囲は、例として表された特定の実施形態によってではなく、本出願及び特許請求の範囲によって定義されることが理解されよう。
【配列表】
【国際調査報告】