(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-10-31
(54)【発明の名称】フライド食品から油分を取り除くための装置及び方法
(51)【国際特許分類】
A47J 37/12 20060101AFI20241024BHJP
【FI】
A47J37/12 381
【審査請求】未請求
【予備審査請求】有
(21)【出願番号】P 2024530519
(86)(22)【出願日】2022-11-22
(85)【翻訳文提出日】2024-06-21
(86)【国際出願番号】 IB2022061288
(87)【国際公開番号】W WO2023089596
(87)【国際公開日】2023-05-25
(31)【優先権主張番号】MX/A/2021/014296
(32)【優先日】2021-11-22
(33)【優先権主張国・地域又は機関】MX
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】505384380
【氏名又は名称】ヒート アンド コントロール インコーポレイテッド
(74)【代理人】
【識別番号】100103610
【氏名又は名称】▲吉▼田 和彦
(74)【代理人】
【識別番号】100109070
【氏名又は名称】須田 洋之
(74)【代理人】
【識別番号】100119013
【氏名又は名称】山崎 一夫
(74)【代理人】
【識別番号】100130937
【氏名又は名称】山本 泰史
(74)【代理人】
【識別番号】100144451
【氏名又は名称】鈴木 博子
(74)【代理人】
【識別番号】100107537
【氏名又は名称】磯貝 克臣
(72)【発明者】
【氏名】サラテ アンドラデ レオポルド
(72)【発明者】
【氏名】カリディス アンドリュー アンソニー
【テーマコード(参考)】
4B059
【Fターム(参考)】
4B059AA01
4B059AB01
4B059AC02
4B059BE13
(57)【要約】
複数の食品から余剰の油分を取り除くための方法が提供され、当該方法は、移動方向に前進可能なコンベヤ上に連続的な態様で複数の食品を載置する工程を含み得る。前記複数の食品の各々は、前記コンベヤの前記移動方向に対して上向きの角度で傾斜され得る。前記複数の食品から余剰の油分を取り除くように、高温空気流が、前記複数の食品の側方周縁に向けて下向きに吹き付けられ得る。当該方法に関連する装置も提供される。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
各々が側方周縁を有する複数の食品から余剰の油分を取り除くための装置であって、
前記複数の食品をそれぞれ受容するためのコンベヤの複数の連続する通気性容器と、
高温空気流を提供するためのノズルを有する送風機と、
を備え、
前記コンベヤは、移動方向に前進可能であり、
前記複数の容器の各々が、前記それぞれの食品の前記周縁が前記移動方向に対して上向きの角度で傾斜されるように、当該それぞれの食品を受容するように構成されており、
前記ノズルは、前記複数の食品から余剰の油分を取り除くように、当該ノズルの下方を移動する前記複数の食品の前記側方周縁に向けて下向きに前記高温空気流を差し向けるために、前記コンベヤの上方に位置決めされている
ことを特徴とする装置。
【請求項2】
前記複数の容器の各々は、前記食品の前記周縁が前記移動方向に対して上向きに直角に傾斜されるように、前記それぞれの食品を受容するように構成されている
ことを特徴とする請求項1に記載の装置。
【請求項3】
前記複数の容器の各々は、その周縁上に前記それぞれの食品を支持するための側面を有する
ことを特徴とする請求項2に記載の装置。
【請求項4】
前記複数の容器の各々は、前記移動方向に対して上向きの角度で傾斜される
ことを特徴とする請求項1に記載の装置。
【請求項5】
前記複数の容器の各々は、前記移動方向に対して上向きに直角に傾斜される
ことを特徴とする請求項4に記載の装置。
【請求項6】
前記コンベヤの下方に配置され、前記複数の食品から油分を多く含む空気を受容するための入口ダクトと、
前記入口ダクトと連通して、前記油分を多く含む空気から油分を除去して浄化された空気を提供するための油分除去手段と、
を更に備えたことを特徴とする請求項1に記載の装置。
【請求項7】
前記浄化された空気を再利用のために前記送風機に輸送するための移送ダクト
を更に備えたことを特徴とする請求項6に記載の装置。
【請求項8】
前記コンベヤは、幅を有し、
前記ノズルは、前記コンベヤの前記幅に近似する幅を有する
ことを特徴とする請求項1に記載の装置。
【請求項9】
前記複数の容器の各々は、深さを有し、
前記ノズルは、前記複数の容器の各々の深さに少なくとも近似する深さを有する
ことを特徴とする請求項1に記載の装置。
【請求項10】
前記複数の容器の各々は、前記複数の食品を損傷させないように圧縮力無しで当該複数の食品をそれぞれ受容するように構成されている
ことを特徴とする請求項1に記載の装置。
【請求項11】
前記複数の容器の各々は、食品を受容するための空間を有し、
前記空間は、幅、長さ、及び、深さ、を有し、
前記空間の前記幅及び前記長さは、各々、比較的平坦である食品を受容するために、前記空間の前記深さよりも実質的に大きい
ことを特徴とする請求項1に記載の装置。
【請求項12】
各々が側方周縁を有する複数の食品から余剰の油分を取り除くための方法であって、
前記複数の食品を、移動方向に前進可能なコンベヤ上に、連続的な態様で載置する工程を備え、
前記複数の食品の各々は、前記コンベヤの前記移動方向に対して上向きの角度で傾斜され、
当該方法は、更に、
前記複数の食品から余剰の油分を取り除くように、前記複数の食品の前記側方周縁に向けて下向きに高温空気流を吹き付ける工程
を備えたことを特徴とする方法。
【請求項13】
前記複数の食品の各々は、前記コンベヤの前記移動方向に対して上向きに直角に傾斜される
ことを特徴とする請求項12に記載の方法。
【請求項14】
前記コンベヤの下方から油分を多く含む空気を受容する工程と、
前記油分を多く含む空気から油分を除去して浄化された空気を提供する工程と、
を更に備えたことを特徴とする請求項12に記載の方法。
【請求項15】
前記コンベヤの下方から使用済み空気を受容する工程と、
前記使用済み空気を再利用のために循環させて再加熱する工程と、
を更に備えたことを特徴とする請求項12に記載の方法。
【請求項16】
前記複数の食品の各々は、比較的平坦であり、前記側方周縁間に延在する面を有しており、
前記吹き付ける工程は、前記複数の食品から余剰の油分を取り除くように、前記複数の食品の各々の面全体に高温空気流を吹き付ける工程を含む
ことを特徴とする請求項12に記載の方法。
【請求項17】
前記複数の食品の前記側方周縁は、前記高温空気流にほぼ平行に延びる
ことを特徴とする請求項12に記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
[関連出願の相互参照]
本出願は、2021年11月22日出願のメキシコ特許出願MX/2021/084322の優先権を主張するものである。当該メキシコ特許出願の全体の内容が、当該参照によって、本明細書に組み込まれる(incorporated by reference)。
【0002】
[技術分野]
本発明は、フライド食品から油分を取り除くことに関し、より具体的には、送風機(ブロワ)を用いてフライド食品から油分を取り除くことに関する。
【0003】
[発明の背景]
フライド食品の余剰の油分を取り除くために、様々な取り組みが行われてきた。これは、一部の管轄区域における規制によるものであり、また、脂肪摂取に関する近年の消費者の意識の高まりによるものである。以上のことにより、人間が消費するフライド食品の一部の製造者が、市場に低脂肪のフライド食品を提供可能にすることを目標として、彼らの処理(製造工程)を改良し、彼らの食品生産物から余剰の油分を取り除くことを支援する機器を導入するようになってきた。伝統的には、フライド食品から余剰の油分を取り除くことは、重力を利用して行われてきた。例えば、食品がフライにされた(揚げられた)後、当該食品はストレーナを使用してバケットフライヤーから取り出される。フライド食品(揚げ物)は、油分が垂れるように載置され、垂れた油分はトレイによって集められる。他の場合には、ストレーナがバケットフライヤーに統合されていて、これが油分に浸漬されていた製品を抽出して傾斜されたプラットフォーム上に当該製品を載置することを許容する。このことが、製品が冷却されて排出されることを許容し、油分の一部が重力によって回収されて次の作業ステーションに到達することを許容する。
【0004】
ケンジ(Kenzi)等によるJP09206223は、フライド食品がコンベヤ上にセットされる装置及びプロセスを開示している。中間点に到達すると、製品は、2番目のネットワークコンベヤによって押され、両方のコンベヤによって挟まれるようになる。一連のノズルによって、当該製品に向けて高温空気が差し向けられる。当該高温空気は、製品の表面上に露出された油分の流動性を高め、油分の除去を支援する。当該空気は、ファンと連動されるヒータによって加熱される。
【0005】
ブロドリック(Brodrick)によるUS2902921は、ディープフライヤー(揚げ物器)と組み合わせて使用される、調理済み製品の脂肪を分離するための装置を開示している。ヒータ、ダクト付きファン、及び、ノズルが、グリルに向けて高温空気を差し向け、そこで製品が乾燥される。
【0006】
プルショウ(Plueschow)等によるES2173542は、支持面を形成するポータブル蓋を有する複数のリンクによって構成されたチェーンコンベヤを備えたパッケージングコンベヤを示している。当該支持面上に、ドラッギング(引き寄せ)フィンガが載置され得る。コンスタンツォ(Constanzo)等によるMX282623は、複数のリンクを備えたコンベヤを示している。当該複数のリンクは、長手方向に間隔を置いて複数の浚渫機を収容しており、連続する浚渫機の間にドロアを形成している。
【発明の概要】
【0007】
現場で利用可能な選択肢にもかかわらず、依然として、フライド食品の表面から調理用の油分をより効率的に取り除くことができる油分ストリッパのニーズが存在する。
【図面の簡単な説明】
【0008】
【
図1】
図1は、本発明のフライド食品から油分を取り除くための装置の一実施形態の等角図である。
【0009】
【0010】
【0011】
【
図4】
図4は、
図1の装置の棚付きコンベヤベルトの一実施形態の側面図を示している。
【0012】
【0013】
【
図6a】
図6aは、
図1の装置の上部チャンバ内の空気流の一実施形態の概略図である。
【0014】
【0015】
【
図7】
図7は、
図1の装置のファン、モータ及びガードのアセンブリの一実施形態の等角図である。
【0016】
【
図8】
図8は、
図1の装置の空気流の一実施形態の概略図である。
【0017】
【
図9a】
図9aは、
図1の装置のダクトの横方向断面のフロー図の一実施形態の概略図である。
【0018】
【0019】
【
図10】
図10は、本発明のフライド食品から油分を取り除くための方法の一実施形態のフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0020】
本発明のより良好な理解をもたらすという目的で、以下の定義が提供される。
【0021】
機械的な締結、あるいは、機械的に固定される、機械的に締結する、または、機械的に締結される、とは、ネジ、ナット、リベット、アーク溶接、ワイヤ溶接、摩擦、接着剤、任意の他の機械的手段、任意の適切なタイプの締結具、または、これらの任意の組み合わせ、によって、2またはそれ以上の部品を結合することを指す。
【0022】
油分の除去手段とは、空気、例えば空気流、に含まれる油分を分離する任意のタイプの手段を指し、フィルタ、ミストパッド型フィルタ、油分離器、スクラバー、遠心分離機による油分離、凝縮器の分離器、空気洗浄器、空気流に含まれる空気を分離する任意のタイプの手段、または、これらの任意の組み合わせ、を含むが、これらに限定されない。
【0023】
機械的な結合(カップリング)、機械的に結合(カップリング)される、あるいは、機械的な接合(ジョイント)とは、任意の適切な手段によって、ある要素から別の要素に機械的エネルギを伝達すること(伝達できる状態)を指す。当該手段は、例えば、歯車(ギヤ)、摩擦プーリ、バンド付きプーリ、磁気手段、機械的トランスミッション、または、これらの任意の組み合わせ、を含む。
【0024】
「約」という用語の使用は、それが適用される数値に関して、+10%の追加の決定範囲を提供する。例えば、「約40グラム」とは、36~44グラムを含む。
【0025】
本発明の方法及び装置は、食品、例えばフライド食品(選択的に、食材、フライド食材、食用品、揚げ物、または、これらの任意の組み合わせ、とも称され得る)の表面から余剰の油分を除去する。食用品または食品は、任意の適切なタイプであり得て、例えば、野菜、塊茎、ジャガイモ、ユッカ、サツマイモ、サトイモ、ニンジン、タマネギ、ニンニク、カリフラワー、ブロッコリー、ヒョウタン、アスパラガス、カイエンペッパー、パプリカ、様々な野菜、キノコ、様々な菌類の食品、果物、赤トマト、緑トマト、プランテーン、バナナ、肉、鶏肉、牛肉、豚肉、または、ポークラインズを製造するための豚皮、等の任意の適切な生の食品を含み得る。食品は、選択的に、ニシュタマリゼーションしたトウモロコシの生地、マサ、小麦粉、または、小麦粉の生地、等の任意のタイプの生地で作られた食品を含み得る。生地で作られるこのような食品は、例えば、トルティーヤ、トスターダ、任意のコーンマサ製品、フリッター、チュロス、パフ、ドーナツ、ドーナツホール、または、生地で作られる任意の揚げ物製品、等の任意の適切なタイプであり得る。食品は、選択的に、トウモロコシのマサまたは小麦粉の生地が使用されて、野菜、食用キノコ、任意の種類の肉、を覆ったもの、すなわち、日本の天ぷら、中華のロール(春巻)、シチュー、メキシコのフライドタコス、フライシチューケサディーヤ、フライドポークリンドゴルディータ、フライドシチューゴルディータ、フライドタマーレ、または、ケンタッキー風チキン、を含み得る。食品は、選択的に、他のタイプの料理、料理の特製品、食用調理済み製品、または、これらの任意の組み合わせ、を含み得る。
【0026】
食品は、任意の適切な形状であり得て、選択的に、食品の周囲に延びる側方周縁と呼ばれ得る周縁を有し得る。当該周縁は、選択的に、食品の端縁または周端縁とも呼ばれ得る。食品は、選択的に、比較的平坦であり得て、例えば、食品の周縁または端縁の間で当該食品全体に比較的平坦な表面または面を有し得る。比較的平坦な表面は、食品の前面、食品の背面、または、その両方、を含む。食品は、選択的に、円盤状であり得て、例えば、トルティーヤとコーンチップで作ったトスターダであり得る。食品は、様々な他の形状であり得て、例えば、ポテトスライス、ポテトスティック、フレンチフライ(フライドポテト)、チーズスティック、フィッシュスティック、チキンスティック、チキンフィンガー、フライドコーンストリップ、三角形またはロール状のフライドコーン、であり得る。食品は、選択的に、脆いかまたは壊れやすく、例えば、簡単に崩れたり崩壊したりし得る。
【0027】
本方法及び本装置は、食品の周縁または端縁に向かって、空気または他の気体を吹き付ける工程を含み得る。当該空気(流)は、食品の周縁または端縁から当該食品の表面全体に(例えば食品の面に亘るように)継続し得る。当該空気は、選択的に、食品の前面を横切るように移動し得る。当該空気は、選択的に、食品に向かって下向きに差し向けられ得て、重力が当該食品から余剰の油分を取り除くことを支援し得る。食品、例えば食品の周縁、側方周縁または端縁は、選択的に、空気流と平行またはほぼ平行に延在し得る空気流は、選択的に、例えば余剰の油分を食品から分離する前に、余剰の油分を食品を横切るように引き寄せる役割を果たし得る。食品、例えば食品の周縁または端縁は、空気流に対して鋭角に延在し得る。このような角度は、選択的に、0~60度の範囲であり得る。このような角度は、選択的に、0~45度の範囲であり得る。このような角度は、選択的に、0~30度の範囲であり得る。このような角度は、選択的に、0~15度の範囲であり得る。このような角度は、選択的に、0~5度の範囲であり得る。食品に向けて空気を吹き付けるために、任意の適切なタイプの送風機(ブロワ)が設けられ得る。当該送風機は、所望の態様で空気を導くためのファン及びノズルを含み得る。
【0028】
空気は、例えば余剰の油分の粘度を下げて食品から当該余剰の油分を取り除くことを支援するべく、選択的に加熱され得る。食品に向かう空気流の角度は、選択的に固定され得る。食品に向かう空気流の角度は、選択的に、食品ごとに、例えば選択的に食品のタイプを含み得る様々な要因の関数として、変化し得る。
【0029】
処理のために複数の食品が提供される場合、例えば本発明の装置及び方法の自動化を支援するために、空気流と複数の食品との間の相対的な動きが選択的に提供され得る。例えば、空気流は、複数の食品に亘るように移動し得て、例えば、1または複数の食品から1または複数の他の食品へと連続的に(順番に)移動し得る。このような複数の食品は、選択的に固定式であり得るし、あるいは、選択的に移動式であり得る。複数の食品は、静止した空気流に対して、例えば静止した空気流内を連続的に通るまたは横切るように、選択的に相対的に移動し得る。複数の食品のこのような移動は、例えば、コンベヤ、ローラ、運搬装置、可動式支持構造、エレベータ、エスカレータ、可動式食品容器、または、これらの任意の組み合わせ、等の任意の適切な手段によって行われ得て、当該手段は、ここでは簡潔のためにコンベヤと称され得る。
【0030】
当該食品から余剰の油分を取り除くために当該食品に空気が差し向けられている間に、1または複数の食品を受容して支持するための任意の適切な支持構造または容器が設けられ得る。当該支持構造または容器は、選択的に、1または複数の食品をそれぞれ受け入れるための1または複数のスペースを有し得る。当該支持構造または容器は、選択的に、ラックの主支持面から外側に伸びて、その端縁または周縁において1または複数の食品を支持するための、側面またはリップを含み得る。前記スペースの幅及び長さは、各々、選択的に、比較的平坦な食品を収容するために、前記スペースの深さよりも大幅に大きくてもよい。当該支持構造または容器は、選択的に、1または複数の食品を圧縮力無しで受容して保持し得て、当該1または複数の食品を損傷しないようにし得る。当該支持構造または容器は、選択的に、空気が当該支持構造または容器を容易に通過できるように、少なくとも部分的にまたは全体的に空気透過性であり得る。当該支持構造または容器は、選択的に、ケージまたはケージ状のものであり得る。当該支持構造または容器は、選択的に、フレームワークであり得て、例えば、複数の相互接続された要素、部材、バー、シリンダ、ストリップ、管状の要素または部材、あるいは、これらの任意の組み合わせ、から形成され得る。当該支持構造または容器は、例えば、ステンレス鋼、金属、プラスチック、または、これらの任意の組み合わせ、等の任意の適切な材料から作られ得る。当該支持構造または容器は、任意の適切なサイズ及び形状であり得る。当該支持構造または容器は、選択的に、6つの長方形の側面または面を有し得る。当該支持構造または容器は、選択的に、その深さよりも大幅に大きい長さ及び幅を有し得る。当該支持構造または容器の幅は、選択的に、コンベヤの幅に近似し得る。複数の支持構造または容器が、選択的に、コンベヤによって搬送され得て、例えば、コンベヤの長さに沿って順次に配置され得る。
【0031】
本方法及び本装置は、選択的に、例えば1または複数の食品を通過した空気に含まれる油分を取り除くための、任意の適切な油分除去手段を含み得る。空気から余剰の油分を取り除くプロセスは、選択的に、オイルストリッピングとも称され得る。油分除去手段を通過した空気は、選択的に、他の食品から余剰の油分を除去するために再利用され得る。再利用される空気は、再利用の前に、選択的に加熱され得る。
【0032】
本発明の装置及び方法は、選択的に、例えばコンベヤに沿って連続的に間隔を置いて配置された複数の容器を運ぶための、任意の適切なタイプのコンベヤを含み得る。コンベヤは、選択的に、高精度チェーンコンベヤであり得る。コンベヤは、選択的に、複数の容器を支持するための複数のリンクを含み得る。各容器は、選択的に、食品を受容して少なくとも部分的に支持するための、ラック、リンクラック、棚、プラットフォームまたは支持構造(例えば、空気透過性のラック、リンクラック、棚、プラットフォームまたは支持構造)を含み得る。複数の容器は、選択的に、コンベヤに沿って間隔をあけて配置された複数のラック、リンクラック、棚、プラットフォームまたは支持構造を含み得る。簡潔のため、ここでは、各ラック、リンクラック、棚、プラットフォームまたは支持構造が、ラックと称され得る。隣接するラック間のスペースは、処理のための1または複数の食品を受容し得て、容器の一部とも称され得る。各ラックは、選択的に、コンベヤのリンクと同程度の長さであり得る。各ラックは、選択的に、コンベヤの幅に近似した幅を有し得る。複数のラックは、コンベヤ上に置かれる食用品や食材を小分けして搬送するのに役立ち得る。
【0033】
本発明の装置及び方法によって処理される食用品または食材は、選択的に、フライ(揚げ)処理が施されたものであり得る。典型的なフライ処理は、例えば、パームオレイン油、ベニバナ油、オリーブ油、コーン油、ヒマワリ油、ココナッツ油、ゴマ油、キャノーラ油、動物油、ギーバター、バター、マーガリン、または、これらの任意の組み合わせ、を含む多種多様な食用油または食用脂肪を利用し得る。処理される食用品または食材は、選択的に、フライ処理の後に、本発明のそれぞれの容器によって受容されるためにコンベヤの端部まで搬送され得る。当該容器は、当該食品を、細心の注意を払って輸送する。この点で、例えばコーントスターダ等の多くの食用品または食材は、フライ処理の後、非常に壊れやすくて脆い。
【0034】
本発明の装置及び方法は、選択的に、例えばトスターダなどの食品を、垂直またはほぼ垂直に輸送し得る。当該食品は、選択的に、それらの端縁で載置され得る。当該食品は、選択的に、複数の容器のラック間で小ロットに分離(小分け)され得る。各ラック、すなわち各容器は、1または複数の食品を輸送し得る。例えば、幾つかの実施形態では、各容器は、約5~300個の食用品または食材を輸送し得る。容器内の1または複数の食品を、例えば空気流の方向と平行またはほぼ平行になるように、垂直またはほぼ垂直に配置することは、当該食品の前面、背面、またはその両方を、例えば容器内の1または複数の食品の端縁、周縁または側方周縁に差し向けられる任意の適切なタイプの送風機(ブロワ)または圧縮空気源から発せられる高温空気流にさらすのに役立ち得る。当該空気は、選択的に、例えば室温よりも高い温度に加熱され得て、これは、フライド製品の表面の油分の動粘度及び密度を低減し得て、当該油分が液体状態であることに寄与し得る。このような油分の流動性が、当該油分が空気流によって食品に沿って引きずられること、当該食品から取り除かれること、またはその両方、を促進する。空気流の温度、方向及び速度は、選択的に、当該空気流が食品に差し向けられる時に当該食品の表面に存在する油分が容易に除去されるのに十分な流動性を有するように、制御され得る。
【0035】
空気流の流速及び方向の制御は、例えばノズルの使用を含む任意の適切な態様によって達成され得る。当該ノズルは、空気流を輸送し得て、その方向を与え得て、その速度を維持または増大させ得て、例えば油分を除去すべき食品が置かれる本発明の容器またはコンベヤ上等の特定の領域をターゲットにし得る。ノズルの使用は、食品から油部を取り除くのに非常に効果的で、製造が容易で、信頼性が高く、構築コスト及び運用コストが低い、という油分を取り除くためのコンパクトな閉空気ループシステムの使用及び設計を容易化し得る。ノズルは、選択的に、リスかご型のファンと流体連通し得て、これは、ノズルの排気口において空気カーテンまたはシャワーの形態の空気流を生成し得る。ノズルは、選択的に、コンベヤの幅全体にまたは当該幅に沿って延在し得る。ノズルは、選択的に、コンベヤ上に存在する食材の上方に、均一な速度の高温空気カーテン、またはシャワー、またはジェット、を提供し得て、食材の表面に存在する油分を引き寄せて、例えば食品から取り除き得る。複数のノズル、複数のファン(軸流または遠心流)、または、それらの両方、を使用するシステムと比較すると、単一のノズルが有利であり得る。なぜなら、複数のファンを伴う複数のノズルを使用することは、コンベヤの幅に沿って空気速度が均一でない領域(ゾーン)を提供し得る空気コーンをもたらし、空気コーン間で油分の引き寄せが悪くなる、ということがよく知られているからである。
【0036】
本発明の装置及び方法では、例えば油分を取り除かれた高温空気を含む高温空気が、例えばコンベヤの容器内に置かれた食用品または食材にシャワーされる(吹き付けられる)。通気性の容器内の食用品または食材は、高温空気に浸され、これは、食材の表面上の油分を引き寄せ、例えば当該食品から引き剥がす。当該空気は、例えばコンベヤの下方へと容器を通過した後、冷却され、食材から集められた油分で飽和状態となる。次いで、油分を多く含んだ冷却空気は、選択的に、本発明の装置の下部チャンバに流入し得て、そこでは、選択的に、第1油分除去手段が設けられる。当該第1油分除去手段は、油分を多く含んだ冷却空気に含まれる油粒子を保持し得て、油粒子は(その後)選択的に溝付きホッパ内に滴下し得る。第1油分除去された冷却空気は、選択的に、少なくとも1つのダクトを介して空気チャンバプレナムに送られ得る。この点に関して、選択的に、一対のツインダクトが使用され得る。当該ツインダクトは、選択的に、第2油分除去手段を有し得て、これは、空気中の不純物を収集するだけでなく、空気から油分を更に除去することを支援し得る。第2油分除去手段を通過した冷却空気は、残留油粒子だけでなく空気中の不純物をも除去されている。前記少なくとも1つのダクト、例えばツインダクトは、選択的に、冷却された油分枯渇空気を前記下部チャンバから上部チャンバの空気チャンバプレナムに導き得て、油分除去された空気は、選択的に、例えば電気ヒータまたはガスヒータ(バーナ)を有する熱交換器等の、任意の適切なタイプのヒータによって加熱され得る。前記少なくとも1つのダクト、例えばツインダクトは、選択的に、転送ダクトとも称され得る。このように油分除去された高温空気は、選択的に、ファンによって吸引され得て、当該ファンは、それを、本発明の送風機、例えばノズルに送って、追加の食品の油分の除去に再利用し得る。
【0037】
図10は、本発明の一実施形態の簡略化された食品プロセス図を示す。
図10のプロセスは、調理/揚げブロック45で始まり、ここで、生の食材または食品が任意の適切な態様で調理される。ブロック45の調理は、選択的に、油に浸すことによる任意の適切なフライ(揚げ)調理プロセスを含み得て、例えば、生の食品が、フライパン、ポット(鍋)、プール、または、他の適切な容器内に入れられた高温の食用調理油に接触されるまたは浸される。当該食用油は、前述されたまたは本明細書で説明されるものを含み、任意の適切なタイプのものであり得る。食品は、前述されたまたは本明細書で説明されるものを含み、任意の適切なタイプのものであり得る。例えばステップ45からの調理済み製品は、選択的に、フライ(揚げ)調理済み食用製品またはフライ(揚げ)製品とも称され得る。次の工程、例えばステップ46で、フライド製品(揚げ物)から余剰の油分が任意の適切な態様で除去される。幾つかの場合、油分除去プロセスは、選択的に、フライド製品(揚げ物)を収容するワイヤバスケットを揚げ(フライ)用のポット(鍋)または容器の上に置いて、強制的な空気対流無しで余剰の油分を当該容器内に滴下させる工程を含む。幾つかの場合、フライド製品が、選択的に、調理用のフライパン、皿またはグリドルの横に置かれて、油を垂らした状態でしばらく放置され得る。この場合も、余剰の油分を取り除くための支援は無い。本発明の方法及び装置は、それが曝された調理またはフライ(揚げ)プロセスのためにフライド製品がその外層、皮または外表面に持つ余剰の油分を効率的な態様で取り除く。
図10に示されるように、油部除去ステップまたはプロセスは、選択的に、調理/揚げステップまたはプロセス45と調味ステップまたはプロセス47との間において、実行され得る。油分除去プロセス46は、選択的に、本明細書に記載される装置を含む本発明の装置を使用し得る。油分除去プロセス46は、フライド製品(揚げ物)の外層、皮、または外表面に存在する油分を取り除いたり、除去したり、剥がしたり、こすり落としたりすることを目的としている。余剰の油分は、選択的に、空気対流力を使用して引き寄せられ、それによって、フライド製品(揚げ物)の外層、皮または外表面に存在する油分が、フライド製品(揚げ物)にシャワー(吹き付け)またはジェット(噴射)される強制空気流または空気へと移行することを促進する。本発明の方法及び装置は、所定の調理済み食用品またはフライド製品中の油分を重量比で1%~5%除去し得る。
【0038】
図10の簡略化された食品プロセス図の調味ステップまたはプロセス47では、油分を取り除かれた食品が、選択的に、例えば、塩、ニンニク、チリパウダー、ハーブ、スパイス、調味料、砂糖、キャラメル、フロスティング、食用コーティング、他の調味料顆粒、ダスト、粉末、カバー、または、これらの任意の組み合わせ、等の任意の適切な態様で味付けされ得て、風味を高めたり、食品を飾ったり(デコレート)し得る。
【0039】
図10の簡略化された食品プロセス図の包装ステップまたはプロセス48では、油分を取り除かれた食品、例えばステップまたはプロセス47からの味付けされた食品が、顧客への配送のために準備される。当該食品は、例えば、食品のタイプまたは種類、マーケティング戦略、特定の包装ニーズ、他の包装要件、または、これらの任意の組み合わせ、の関数として、一束の食品として包装され得る、または、個別の態様で包装され得る。本発明の油分除去プロセスは、包装内の食品からの油分の滴下を抑制し、幾つかの場合には包装を損傷し得る包装の底部または他の箇所での不所望の油分の集積を抑制することによって、包装された食品に良好な外観を提供する。包装された食品の取り扱いは、包装内に集められた滴り落ちた油分が食品の表面に戻ることに帰結し得る。
【0040】
本発明の装置の一実施形態が、選択的にオイルストリッパまたはストリッピング装置10とも称され得るが、
図1、
図2、
図3、
図6a及び
図8に示されている。装置10は、選択的に、
図10の油分除去ステップまたはプロセス46で利用され得る。装置10は、選択的に、任意の適切なコンベヤ30の適切なベルト33の周囲またはその上に取り付けられるケーシング11を含み得る。ケーシング11は、選択的に、2つのセクション、例えば、上部チャンバ12によって形成される第1セクションと、下部チャンバ15を含む第2セクションと、を含み得る。
【0041】
本発明の方法の空気サイクルを参照すると、上部チャンバ12の空気チャンバプレナム29(
図2、
図6a、
図6b及び
図8を参照)が、1または複数のダクト14から冷却油分除去空気を受容する。空気チャンバプレナム29は、大量の冷却油分除去空気を一時的に貯蔵する空気タンクとして機能する。このような一時的な貯蔵は、1または複数のダクト14によって供給される冷却油分除去空気の空気エネルギを均一化し得る空気ダンピングファクタ装置としても機能し得る。強制対流方式で、空気チャンバプレナム29に貯蔵された油分除去冷却空気は、ヒータ27を通過し、そこで適切な温度に加熱される。適切な空気温度は、選択的に、プロセスの様々な要因の関数として、25℃~200℃の範囲であり得る。空気の強制対流は、モータ28によって駆動されるファン17によって促進される。
図2、
図6a、
図6b及び
図8において視認され得るように、ファン17は、選択的に、ヒータ27とノズル16との間に配置され得て、これは、空気チャンバプレナム29から空気を吸い込んで当該空気をノズル16を通して吹き出す能力を当該ファン17に与える。ノズルを通る空気流は、モータ28の速度に依存して、例えば、900m
3/h~18689m
3/hの範囲の速度を含む、任意の適切な速度であり得る。ノズルを通る空気流は、プロセスの様々な要因の関数であり得る。ファン17とノズル16との組み合わせは、選択的に、送風機(ブロワ)と称され得る。
【0042】
ノズルからの空気は、例えばコンベヤ30によって運ばれるラック36上に置かれた食用商品、食品または食材にシャワーされる(吹き付けられる)。前述されたように、ラック36は、選択的に、棚、プラットフォームまたは支持構造とも称され得る。ラック36は、本発明の油分除去プロセス中に食品を受容して位置決めするための、本発明の容器の一部として機能し得る。ノズル16は、選択的に、コンベヤ30のベルト33の全幅に亘って設置され、また、選択的に、コンベヤによって運ばれる容器のリンクラック36の全幅に亘って設置され、ノズル16の下方に位置するベルト33及びリンクラック36の部分の全幅に沿って、油分除去された高温空気のカーテン、シャワーまたはジェットを提供する。ノズルは、選択的に、コンベヤ30のベルト33の幅と近似する幅を有する。油分除去された高温空気のカーテンまたはシャワーは、例えばベルト33のリンクラック36上の、コンベヤ30によって運ばれる食用品または食品の油分を多く含む表面に接触する時に、当該油分を引き寄せて捕捉し、これにより、当該食品から油分が取り除かれ、当該油分が空気流に移される。
【0043】
フライド食材または食品の形状または幾何学的形状が許容する場合、例えば食品の形状が円盤状、または薄いストリップ状、またはスライス状である場合、フライド食用品または食品は、選択的に、例えばリンクラック36上の容器内で、横向きまたはそれらの端縁で載置され得て、その結果、当該食品の長手方向の面の一方または両方が、ノズル16によって排出される油分除去高温空気の質量流のカーテンまたはシャワーの空気流に対して平行またはほぼ平行である。空気流に対してほぼ平行な食品は、空気流に対して傾斜されている、または、僅かに傾斜されている、と称され得る。円盤状、または薄いストリップ状、またはスライス状、である食品の例には、揚げられた(フライド)トルティーヤ、スライスされたマッシュルーム、ポテトチップス、バナナまたはプランテーンのスライス、または、スライスされたまたは薄いストリップ状の他の種類の菌類、果物、野菜または塊茎が含まれるが、これらに限定されない。揚げられた食用品または食品が、リンクラック36上に、横向きに、またはその端縁で、またはその周縁で、またはその側方周縁で、載置される時、その長手方向面は、ノズル16によって排出されるカーテン状またはシャワー状の油分除去高温空気の質量流の空気流に対して、平行またはほぼ平行である。この配置により、当該食用品または食品は、当該高温空気の質量流を遮ることなく、それらの外面の大部分を露出させ、油分を引き寄せる高温空気の質量流と当該外面との接触を促進し、当該外面からの油分の除去を改善する。この配置は、また、高温空気の質量流への油分の移送を改善し得て、空気流を改善し得て、不所望の油分の移送を引き起こし得る物体との不所望の衝突を回避し得て、または、これらの任意の組み合わせを実現し得る。
【0044】
任意の食品が、例えば容器内への載置によって、ノズル16からの空気流に対して平行またはほぼ平行に整列され得る。ノズルからの空気流に対して平行に整列された食品は、コンベヤに対して直角に配置されていると言い得る。ノズルからの空気流に対して傾斜された食品は、コンベヤの移動方向に対して傾斜されていると言い得る。食品は、選択的に、空気流に対して、鋭角に延在し得るないし整列され得る。このような角度は、選択的に、0~60度の範囲であり得る。このような角度は、選択的に、0~45度の範囲であり得る。このような角度は、選択的に、0~30度の範囲であり得る。このような角度は、選択的に、0~15度の範囲であり得る。このような角度は、選択的に、0~5度の範囲であり得る。このような角度が比較的小さい時、食品は、ノズル16からの空気流とほぼ平行に整列されていると言い得る。
【0045】
フライド食材または食品が、例えばキノコまたは任意の種類のフライド(揚げ)ボールのように、丸い形状を有する時、あるいは、フライドチキンのように不規則な形状を有する時、当該フライド食材または食品は、選択的に、例えばそれ自体で、容器の正方形または長方形トレイ上あるいはバスケット形リンクラック36上に載置され得る。このような配置は、フライド食材または食品の間に、当該食品の外側領域または外皮の大部分を空気が通過するのに十分なスペースを提供し得て、積み重ねられた他の食品の表面積を崩したり隠したりすることがない。この配置は、食品の外側表面または外皮の大部分を高温空気シャワーに曝すことができ、食品の表面の油分の大部分を引き寄せたり除去したりできる。
【0046】
容器のリンクラック36上にセットされた調理済み食用品、フライド食材、または、フライド食品は、コンベヤ30の遠位端で収集されるまで、コンベヤ30のベルト33上に継続する。
【0047】
コンベヤ30によって運ばれる食用品または食品をシャワーした(降り注いだ)油分飽和の冷たい空気流は、選択的に、装置10の下部チャンバ15、例えば下部チャンバ15の入口ダクト、によって受容される。コンベヤバンド33の下方であって下部チャンバ15先端内に位置する油分を多く含む空気は、ノズル16内を搬送される空気と比較すると、熱を失っていて、油分を獲得している。このような油分を多く含んだ冷たい空気は、選択的に、第1油分除去手段20を通過させられるか、または、第1油分除去手段20に導かれて、これにより、当該空気から油分の大部分が除去され、当該空気をしてより多くの熱を失わせ得る。第1油分除去手段によって第1油分除去空気流が出力されるが、かなりの量の熱及び油分が失われている。第1油分除去空気流は、選択的に、ダクト14の下部によって吸引され、上部チャンバ12の空気チャンバプレナム29に輸送される(
図8、
図9a及び
図9b参照)。
図8、
図9a及び
図9bに示されるように、第1油分除去空気を空気チャンバプレナム29に更に導くために、第2ダクト14が選択的に設けられ得る。当該少なくとも1つのダクト14は、選択的に、第2油分除去手段23を装備することができ、当該第2油分除去手段23は、更に、当該少なくとも1つのダクト14を通って上昇する冷たい第1油分除去空気流から油分を除去する。空気チャンバプレナム29に送られる空気流は、1回または2回油分が除去された冷たい空気流であり、そこで一時的に貯蔵され、その後ファン17によって吸引されて、再びノズル16へと送られる。
【0048】
コンベヤ30は、前述のように、任意の適切なタイプであり得て、選択的に、一対のビーム32を有する。それは、選択的に、「C」型プロファイルを有し得て、スチール(鋼鉄)または押出アルミニウムで製造され得る。当該ビーム32は、選択的に、例えばテーブルのような態様でビーム32ごとに2本の脚部など、複数の脚部38によって支持され得る。脚部の下部には、高さ調整機構39が、選択的に設けられる。脚部38は、選択的に、スチールまたは押出アルミニウムで製造される。脚部38は、選択的に、例えば「L」型または「C」型の角度付きプロファイルを有する。脚部38は、任意の適切な態様で、ビーム32に機械的に固定され得る。ローラ35が、各ビーム32の遠位端に配置され、ビーム32に機械的に固定された一対のローロック(不図示)によってビームに固定される。同様に、下部ローラ37が、対応する脚部38に機械的に固定されたローロック(不図示)によって固定され、脚部38上に配置され得る。
【0049】
一対のローラ35と一対の下部ローラ37とに亘って、バンド33が配置され得る。バンド33は、ピン(不図示)によって結合された複数のリンク34によって構成または形成され得る。リンク34の数は、バンド33 の幅及び長さの関数として決定され得て、その各々は、任意の適切なサイズであり得る。バンド33の幅は、選択的に、約30cm(11.8インチ)~150cm(59インチ)まで測定し得る。バンド33の長さは、選択的に、約2m(6.5フィート)~8m(26.2フィート)まで測定し得る。バンド33の幅及び長さは、施設のサイズ及び所望の生産量(1分あたりの製品数)に依存し得る。リンク34は、選択的に、透過性があり、それらを通る空気流の通過を許容する(
図5参照)。各リンク34の幅は、選択的に、約5cm~20cmまで測定し得て、各リンク34の長さは、選択的に、約5cm~50cmまで測定し得る。このような幅及び長さは、コンベヤによって輸送される食用品または食品の種類及びサイズに依存し得る。リンク34は、選択的に、スチールまたはアルミニウムから製造される。
【0050】
各リンク34上において、リンクラックまたはラック36が機械的に固定され得て、選択的に、バンド33の全幅に亘って延在し得る。ラック36は、例えば前述のように、任意の適切なタイプであり得て、選択的に、スチール(鋼鉄)またはアルミニウムで製造され得る。各ラックは、
図2、
図4及び
図8において視認され得るように、選択的に、「L」型を有し得て、それは、スライスされた、ストリップ状の、または、ディスク型の調理済み食用品または食品を保持するのに役立つ。このような「L」型の形状は、ラックの主支持面から外側に延びる側面またはリップを含み得て、1または複数の食品をその端縁または周縁で支持し得る。当該側面またはリップは、選択的に、ノズルから最も遠いラックの幅の側の全体または一部に亘って延在し得る。各ラック36は、選択的に、長方形または正方形であるトレイないしバスケット形状(不図示)を有し得て、例えば、円形、楕円形、または、非幾何学的形状の調理済み食品または食料品(それらは、選択的に、このようなトレイまたはバスケット内に個別に配置され得る)を保持し得る。ラック36は、空気流のそれらの通過を許容し得る。ラックは、選択的に、片方の端を90°に折り曲げたバーで製造され得て、突起部に十分な材料を確保できる。当該突起部は、連続または隣接したラック36間のセパレータまたはGAP(ギャップ)(
図5参照)としても機能する。当該GAPは、前述のように、1または複数の調理済み食用品または食品を収容するための装置10の容器のスペースとして機能し得る。当該GAPは、選択的に、隣接するラック36間のスペースの長さ及び幅よりも大幅に小さくすることができる。バーは、選択的に、その端が折り曲げられ得て、グリルのような態様で配置され得る。これは、ノズル16から噴出される油分除去高温空気流を、ラック36上に載置された1または複数の調理済み食用品または食品の表面に整列させるのに役立ち得る。バー及びラックのこのような構造は、選択的に、1または複数の食品の外側領域または外皮の大部分を露出させるように機能し得て、ノズル16から放出される油分除去高温空気流が1または複数の食品にエアシャワーを吹きかけることを促進するように機能し得て、食品の表面上にある油分の大部分を引き寄せるように機能し得て、空気流の制限または妨害を抑制するように機能し得る。各ラック36は、選択的に、その深さよりも大幅に大きい長さ及び幅を有し得る。各ラックの幅は、選択的に、コンベヤのベルト33の幅に近似し得る。各ラック36は、選択的に、必要とされる生産量、例えば1分あたりに処理(加工)される製品数、に依存して、おおよそ30cm(11.8インチ)~150cm(59インチ)の間の幅を有し得る。それに合わせて、装置10が寸法決めされている、各ラック36の長さは、選択的に、輸送される食用品または食品のタイプ、並びに、その形状、幾何学的形状及び物理的寸法に依存して、約2.5cm(約1インチ)~20cm(7.8インチ)の範囲であり得る。ラック36は、選択的に、本発明の装置による処理中に、1または複数の食品が損傷しないように、圧縮力を受けない態様で、当該1または複数の食品を受容して保持し得る。
【0051】
食材または食品が、円盤状、スライス状、または、薄いストリップ状である場合、各ラック36は、例えば各々がその端縁または周縁で鉛直に配置された5~300個の対象物を運ぶことができる。ラックの選択的な側面またはリップは、容器のラック上で、1または複数の食品を鉛直方向に支えるのに役立ち得る。食材または食品が異なる幾何形状を有する場合、例えば、スティック状(棒状)、円形、楕円形、ストライプ状、または、バー状である場合、それらは、選択的に、ラック36上に横たえられ得る。食材または食品が、例えばフレンチフライ(フライドポテト)やチーズスティックのような、スティック状(棒状)、ストライプ状、または、バー状である場合、当該食品は、選択的に、ラック36に対して任意の適切な態様で機械的に固定されたザルまたはワイヤバスケット(不図示)内に載置され得る。食材または食品が鉛直方向または傾斜方向に載置され得る場合、各ワイヤバスケットに5~100個の食品が直立状態で配置され得る。各ラック36は、選択的に、例えばフライドチキンなどの成形された調理済み食用品または食品を保持するために、長方形または正方形の形状を有し得る。各ラック36には、選択的に、当該ラックに機械的に固定され得るザルまたはワイヤバスケット(不図示)が設けられ得て、例えば、揚げられたトルティーヤストライプ、揚げられた豚皮ストリップ(ポークリンド)、小麦粉の皮、チーズボール、または、フライドチキン、などの複雑またはランダムな非幾何学的形状の調理済み食用品または食品を保持し得る。各ザルまたはワイヤバスケットは、選択的に、おおよそ10g~1kgの食品を保持するように構築または構成され得る。コンベヤ内のラック36の数は、選択的に、コンベヤまたは装置の幅と、当該装置の所望の製品出力と、の関数であり得る。
【0052】
コンベヤ30のベルト33は、例えばギアボックス(不図示)でモータ31に機械的に結合された遠位ローラ35によって、任意の適切な態様で駆動され得る。モータ31は、任意の適切なタイプであり得て、例えば電気モータまたは空気圧モータであり得て、任意の適切な制御システム(不図示)によって制御され得る。
【0053】
図2、
図6a及び
図6bにおいて視認され得るように、ケーシング11の上部キャビティ12は、選択的に、ヒータ27を収容する。それは、選択的に、電気ヒータであり得る。ヒータ27は、選択的に、熱交換器であり得て、例えば、ファン17が空気プレナム29から吸い込む空気と熱を交換する高温流体によって作動される。選択的に、空気プレナム29からの油分枯渇空気を加熱するために、可燃性バーナが使用され得る。
図6bに図示されるヒータ27の実施形態は、ジグザグ形状を有する。ヒータ27は、選択的に、入れ子の形状、例えば、一連の直方体の電気抵抗が互いに入れ子になった形状、を有し得る。当該ヒータは、選択的に、より大きい周囲長を持つ一連の電気抵抗を有し得る。選択的に、長方形やピラミッド型形状、及び、熱フィンが、ヒータに設けられ得る。当該ヒータのバー部分が空気とのより長い接触時間を有することを許容するような、他の形状や配置も可能である。
【0054】
ヒータ27は、選択的に、3kW~5kWの出力を提供可能であり得て、選択的に、50°C/m3~150°C/m3の範囲の加熱能力を有し得る。ヒータから出力される高温空気流は、選択的に、おおよそ25℃~200℃の温度範囲に到達し得る。それは、ヒータ27の加熱能力及びファン17が送出可能な空気の質量流を含む要因に依存し得る。ヒータ27は、選択的に、コイルリレーやソリッドステートバルブあるいは供給源に接続可能な任意の他のタイプの機構など、任意の適切なタイプの電気ドライバ(不図示)によって通電され得る。当該ドライバは、選択的に、制御システムによって作動され得て、それは、選択的に、ヒータへの通電または通電解除のための低電圧制御信号を送信し得る。
【0055】
ケーシング11は、任意の適切な手段によって、任意の適切な材料から、例えば当該ケーシング11に必要な剛性を与えるために押出スチールプロファイルで作られた構造によって選択的に補強された鋼シート、鋼板または鋼積層板から、製造され得る。
【0056】
上部チャンバ12は、選択的に、空気チャンバプレナム29内に位置する少なくとも1つの開口を含み得る。当該開口は、選択的に、所与のダクト14と流体連通状態であり得る。上部チャンバ12には、選択的に、少なくとも2つの開口が設けられ得て、各開口は、所与のダクト14、例えば一対のダクト14のうちの1つ、と流体連通している。
図1及び
図2において視認され得るように、上部チャンバ12の空気チャンバプレナム29には、選択的に、上部チャンバ12に機械的に固定された蓋付き窓25が設けられ得る。これは、ヒータ27へのアクセスを許容し得て、上部チャンバ12及びファン17の検査ポイントとして機能し得る。上部チャンバ12の全体が、選択的に、任意の適切な手段によって熱的に絶縁され得る。上部チャンバ12のヒータ27の部分が、選択的に、熱的に絶縁され得る。当該部分の熱的な絶縁は、任意の適切な手段によって達成され得る。
【0057】
ファンは、選択的に、リスかご型であり得て、その能力は、選択的に、529.7CFM(900m
3/h)~11000CFM(18689m
3/h)の範囲であり得る。
図7に図示されるように、ファン17は、選択的に、複数のプーリとバンド(不図示)によってモータ18に結合され得る。当該バンド及びプーリは、選択的に、ガード19によって被覆され得て、当該ガード19は、ユーザが可動部品に接触することを防止し得る。モータ18は、選択的に、三相電気モータであり得て、選択的に、3hp~5hpの範囲であり得て、選択的に、45Hzの周波数で440Vacで動作し得る。当該モータは、選択的に、電圧と周波数と両方について他の構成(例えば、220Vac、60Hz)を有し得るし、選択的に、DC電気モータであり得る。モータ18は、選択的に、空気圧式であり得て、選択的に、3hp~5hpの範囲であり得て、選択的に、6barの圧力で作動し得る。モータ18は、選択的に、ドライバ(不図示)に結合され、当該ドライバは、それが電気的に接続された制御システムから発せられる低電圧制御信号を受信し得て、エネルギ源との接触時に当該モータに通電または通電解除を行い得る。モータのドライバは、選択的に、モータ18の回転速度を調整するための速度可変装置または周波数可変装置を有し得る。空気圧式モータ18には、選択的に、当該空気圧式モータ18が動作する空気質量流及び圧力を調整するための流量調整弁が設けられ得て、これにより、ユーザが空気圧式モータ18の回転速度を調整することを許容し得る。モータ18の速度の操作は、ファン17の速度を変化させ、ノズル16によって出力される空気の流れ及び速度を変化させる。
【0058】
ノズル16は、任意の適切なタイプであり得る。ノズルは、選択的に、鋼シート、鋼板または鋼積層板で製造され、その構造は、選択的に、押出鋼プロファイルで作られる。理解され得るように、ノズルは、流体の塊を誘導したり、流体の速度を下げたり、流体の速度を上げたり維持したり、他のタスクを実行したり、するために提供され得る。ノズルの特定の領域が、流体の加速、流体の減速、または、ゼロ加速を経験し得て、このような特性は、ノズルの物理的タイプ及び寸法に関連付けられる。ノズルは、例えばカーテン気流、コーン気流、ポイント気流、または、ジェット気流など、様々な流れのパターンから生成される流れを輸送及び配置し得る。ノズル16は、選択的に、その長手方向の寸法がコンベヤベルト33の幅と類似である水平断面を有し、当該ノズルからの油分除去高温空気のカーテンまたはシャワーが、コンベヤベルト33のラック36上に置かれた食用品または食品に浴びせられることを促進する。ノズル16から出る空気の速度は、選択的に、ノズル16内の利用可能な断面積、ファン17によって提供される空気の質量流、または、それらの両方、を含み得る幾つかの要因に依存して、おおよそ2m/s~10m/sの範囲であり得る。ノズル16の横方向の断面は、選択的に、ファン17に近い側の端で、少し幅広であり得る。ノズルの横方向の断面は、選択的に、コンベヤベルトに近づくにつれて、減少し得る。これは、油分除去高温空気の質量流速を、維持し得るまたは僅かに加速し得る。これは、約0.00m/s~約1m/sというノズル16を通過する空気速度の変化率を提示し得る。ノズル16は、選択的に、当該ノズル16内を移動する油分除去高温空気に方向を与えるように構成され得る。ノズル16の下部は、選択的に、1または複数のデフレクタ(不図示)を有し得る。これは、油分除去高温空気をコンベヤベルト33のラック36上に導くことを支援し得る。当該デフレクタは、選択的に、調整可能であり得て、これは、ノズルから出力される油分除去高温空気流の方向が、例えばコンベヤベルト33のラック36上で搬送される食用品または食品のタイプの関数として変化することを許容し得る。
【0059】
ケーシング11の下部チャンバ15は、選択的に、例えば
図8、
図2及び
図6aに示されるように、コンベヤベルト33の下方に設置され得る。下部チャンバ15は、選択的に、第1油分除去手段20を収容し得る。下部チャンバは、選択的に、当該下部チャンバ15と流体連通するように当該下部チャンバ15の側面の下部に機械的に固定され得る少なくとも1つのダクト14に接続し得る。下部チャンバ15は、選択的に、当該下部チャンバ15の下方側部に流体接続して機械的に固定された少なくとも1対のダクト14に接続し得る。第1油分除去手段20によって回収される油分は、その温度及び流動性のために、重力によって下部チャンバ15の下部に設置されたホッパ21に向かって滴下する傾向がある。当該ホッパ21に集められる油分は、バルブ(不図示)付きの排水管によって抜き取られ得る。
【0060】
前記少なくとも1つのダクト14は、選択的に、鋼シート、鋼板、または、鋼積層板で製造され得る。当該少なくとも1つのダクトは、選択的に、押出鋼プロファイルで作られた構造によって補強され得る。当該少なくとも1つのダクト14は、
図9a及び
図9bに示されるように、コンベヤベルト33によって分離された上部チャンバ12と下部チャンバ15とを流体的に接続し得る。当該少なくとも1つのダクト14には、選択的に、第2油分除去手段23が装備され得て、選択的に、当該ダクト14に機械的に固定された蓋付きサービスポート24が設けられ得る。
【0061】
本発明の幾つかの態様では、食用品または食材用の油分除去(剥離)装置が提供され得て、当該装置は、上部チャンバ、下部チャンバ、ファン、ヒータ、及び、リンク付きコンベヤベルト、を備え、当該装置は、食用品または食材を支持するための複数の(気体)透過性リンクラックを含み得て、当該透過性リンクラックは、コンベヤベルトのリンク上に設置され、上部チャンバ内にヒータと流体連通する空気チャンバプレナムが設けられ、ファンは、空気チャンバプレナムから空気を吸引して、当該空気をヒータに通して温度を上昇させ、加熱された空気を送り、当該加熱された空気を受容するノズルが、上部チャンバ上に設置されて、複数の透過性リンクラック上に支持された食用品または食材に向けて空気シャワーを差し向け、食材表面にある油分が当該加熱された空気に移され、油分の多い空気から油分を除去する少なくとも1つの第1油分除去手段と、油分が除去された空気を下部チャンバから空気チャンバプレナムに輸送する少なくとも1つのダクトと、が設けられる。
【0062】
ヒータは、選択的に、電気式であり得る。ヒータは、選択的に、ジグザグ形状または入れ子形状を含み得る。ヒータは、選択的に、流体によって作動される熱交換器であり得る。ヒータは、選択的に、バーナを含み得る。第1油分除去手段は、選択的に、コンベヤベルトの下方の下部チャンバ内に位置し得る。下部チャンバは、選択的に、第1油分除去手段から滴下する油分を収集するホッパを含み得る。前記少なくとも1つのダクトには、選択的に、第2油分除去手段が装備され得る。当該少なくとも1つのダクトは、選択的に、サービスポートを含み得る。当該ダクトサービスポートは、選択的に、蓋を含み得る。第1油分除去手段は、選択的に、フィルタであり得る。第2油分除去手段は、選択的に、フィルタであり得る。ファンは、選択的に、リスかご型であり得る。リンクラックの幅寸法は、選択的に、ノズルの長手方向寸法と概ね同一であり得る。食用品は、選択的に、揚げられたコーントルティーヤオルトスターダであり得る。
【0063】
本発明の幾つかの態様では、食用品または食材をリンクラック内に載置する工程と、空気チャンバプレナム内に位置する油分除去(剥離)空気を加熱し高温になった当該油分除去空気をノズルに送る工程と、前記加熱された油分除去空気で高温空気流を生成してリンクラック上に載置された食用品または食材に浴びせる工程と、当該食用品または食材の表面の余剰の油分を引き寄せて当該余剰の油分を前記空気流に移す工程と、当該油分の多い空気から油分を剥離する工程と、当該油分除去(剥離)空気を空気チャンバプレナムに輸送する工程と、を備えたことを特徴とする食用品または食材の油分除去(剥離)方法が提供され得る。
【0064】
(実施例)
この例は、揚げられたコーンのトルティーヤ(トスターダ)などのフライド食品のロットサンプルを含む。1個分(1ピース)は、コーンの質量が約12gの重量で、油分の重量が22%である。当該ロットサンプルは、コンベヤベルト33に連結されたコンベヤを通って到着する。フライド食品は、リンクラック36内に、その縁部によって横向きに慎重に置かれる。トスターダは、互いに上下に重なり合わないように、リンクラック36の長さに沿って分散される。コンベヤ30は、約1m/minの一定速度で連続的に動作する。リンクラック36内に載置されたフライド食用品または食材は、ノズル16の下方位置まで移動し、当該ノズル16は、ファン17の助けを受けて、6500cfm(11043.57m3/h)の空気の質量流で、5.6m/sの速度で、120℃の高温空気のカーテンまたはシャワーを生成する。この温度では、トルティーヤの揚げ工程で使用されるパームオレイン油が、0.0378kg/m*sの流動性(流動性または粘度について任意の他の単位も使用され得る)を有し、これが、油分が除去された高温空気のカーテンまたはシャワーがトルティーヤの表面にある油分を引き寄せることを許容し、これによって、当該油分を空気流に移すことを許容し、当該油分を多く含んだ空気をコンベヤベルト33を通して下部チャンバ15に輸送することを許容する。当該油分を多く含んだ空気は、第1油分除去手段20(この例ではフィルタ)に到達するまで、その経路を進行し、10μmと測定される粒子が第1油分除去手段20(フィルタ)によって捕捉される。第1油分除去手段20(フィルタ)から滴下する油分は、ホッパ21内に捕捉され、後の使用のために回収される。下部チャンバ15内に存在して第1油分除去手段20(フィルタ)を通過した油分除去冷気は、一対のダクト14(この例の本発明装置の実施形態で使用される)の下部によって吸引され、当該ダクト14は、第1油分除去冷気を上部チャンバ12に向けて輸送する。この例の目的では、当該ダクト14には、各々、第2油分除去手段23が装備されており、当該第2油分除去手段は、この例の目的では、10μmと測定される粒子を捕捉し得るミストパッドタイプのフィルタであるこの例の目的では、各ダクト14には、機械的に取り外し可能な蓋がセットされたサービスポート24が装備されることが望ましい。ダクト14によって空気チャンバプレナム29に送られる空気は、二重に油分除去された冷気であり、空気チャンバプレナム29は、ダクト14の上部と流体接続している。空気室プレナム29に収容される二重に油分除去された冷気は、ヒータ27に強制的に通される。当該ヒータ27は、この例では、長方形の配置で入れ子にされた4本のラインを備えた電気抵抗ヒータであり、220VACで4000Wを供給し、空気1m3あたり80℃の加熱能力を有する。120℃の空気(二重に油分除去されている)は、ファン17によって吸引され、当該ファン17は、9500CFMを移動させ得る。ファン17は、ガード19によって保護され、プーリ及びバンドを有するトランスミッションに結合された、440V、45Hzの三相誘導モータよって駆動される。5.6m/sの速度の100m3の二重に油分除去された空気質量が、ノズル16に入り、当該ノズル16は、その形状により、当該ノズル16の出口で当該空気流質量が120℃の温度で5.6m/sの速度を維持するように、当該空気流質量を整列させる。当該トスターダは、加熱された油分除去空気のカーテンまたはシャワーにさらされ、当該トスターダ1個当たりおおよそ0.02~0.05gの油分が引き寄せられ、それによって当該トスターダに含まれていた油分の量が1%~4%減少される。
【0065】
本発明は、その産業上の利用可能性が認められる程度に十分に詳細に説明され、良好な新規性レベル及び良好な進歩性レベルを備えることが見出された。当該説明を踏まえて、以下の請求項が特許請求される。
【国際調査報告】