(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-10-31
(54)【発明の名称】熱を抽出するための装置、及び熱を抽出する方法
(51)【国際特許分類】
F02M 21/02 20060101AFI20241024BHJP
F01N 5/02 20060101ALI20241024BHJP
F02M 26/06 20160101ALI20241024BHJP
F02M 26/24 20160101ALI20241024BHJP
F02M 26/28 20160101ALI20241024BHJP
F02M 26/33 20160101ALI20241024BHJP
F02M 26/37 20160101ALI20241024BHJP
F02M 21/06 20060101ALI20241024BHJP
【FI】
F02M21/02 R
F01N5/02 H
F01N5/02 Z
F02M26/06
F02M26/24
F02M26/28
F02M26/33
F02M26/37
F02M21/06
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2024530540
(86)(22)【出願日】2022-11-11
(85)【翻訳文提出日】2024-05-22
(86)【国際出願番号】 EP2022081671
(87)【国際公開番号】W WO2023094185
(87)【国際公開日】2023-06-01
(32)【優先日】2021-11-25
(33)【優先権主張国・地域又は機関】EP
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】509005513
【氏名又は名称】アルファ-ラヴァル・コーポレート・アーベー
(74)【代理人】
【識別番号】100108453
【氏名又は名称】村山 靖彦
(74)【代理人】
【識別番号】100110364
【氏名又は名称】実広 信哉
(74)【代理人】
【識別番号】100133400
【氏名又は名称】阿部 達彦
(72)【発明者】
【氏名】トーベン・マアク・セーレンセン
(72)【発明者】
【氏名】ヘンリク・ラスムセン
(72)【発明者】
【氏名】ラース・スキュッテ・ヨルゲンセン
【テーマコード(参考)】
3G062
【Fターム(参考)】
3G062AA01
3G062AA05
3G062ED08
(57)【要約】
ターボチャージャ(106)から掃気を受け入れるように、及び、第1の冷却媒体によって掃気から熱を抽出し、それによって掃気を冷却するように構成される掃気冷却器(210)と、掃気冷却器210の後に配置され、冷却された掃気を掃気冷却器(210)から受け入れ、冷却された掃気からさらに熱を抽出するように、及び、抽出された熱によって液化燃料を気体燃料へと気化させるように構成される第1の拡張モジュール(220)であって、気体燃料はエンジン(102)へと供給される、第1の拡張モジュール(220)と、さらに冷却された掃気を給気として第1の拡張モジュール(220)からエンジン(102)へと供給するように構成される、第1の拡張モジュール(220)とエンジン(102)との間の接続(225)とを備える、熱を抽出するための装置(200)、及び関連する方法(600)。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
熱を抽出するための装置(200)であって、
ターボチャージャ(106)から掃気を受け入れるように、及び、海水である第1の冷却媒体によって前記掃気から熱を抽出し、それによって前記掃気を冷却するように構成される掃気冷却器(210)と、
前記掃気冷却器(210)の後に配置され、冷却された前記掃気を前記掃気冷却器(210)から受け入れ、冷却された前記掃気からさらに熱を抽出するように、及び、抽出された前記熱によって液化燃料を気体燃料へと気化させるように構成される第1の拡張モジュール(220)であって、前記気体燃料は、気体燃料出口(221b)を介してエンジン(102)へと供給される、第1の拡張モジュール(220)と、
さらに冷却された前記掃気を給気として前記第1の拡張モジュール(220)から前記エンジン(102)へと供給するように構成される、前記第1の拡張モジュール(220)と前記エンジン(102)との間の接続(225)とを備える、装置(200)。
【請求項2】
前記第1の拡張モジュール(220)は、前記掃気を第1の媒体として使用し、前記液化燃料を第1の熱交換器(222)の第2の媒体として使用することで、前記掃気冷却器(210)からの前記掃気から前記液化燃料へと熱を交換するように構成される第1の熱交換器(222)を備える、請求項1に記載の装置(200)。
【請求項3】
前記第1の拡張モジュール(220)は、熱交換回路において相互接続される第1及び第2の熱交換器(222a、222b)であって、前記第1の熱交換器(222a)の第1の媒体として前記掃気を使用することと、前記第2の熱交換器(222b)の第2の媒体として前記液化燃料を使用することと、前記第1の熱交換器(222a)における第2の媒体として、及び、前記第2の熱交換器(222b)における第1の媒体として、共通熱交換媒体を使用することとによって、前記掃気冷却器(210)からの前記掃気から前記液化燃料へと熱を一緒に交換する第1及び第2の熱交換器(222a、222b)を備える、請求項1に記載の装置(200)。
【請求項4】
前記第1の拡張モジュール(220)は前記掃気冷却器(210)に一体化される、請求項1又は2に記載の装置(200)。
【請求項5】
前記第1の拡張モジュール(220)は、前記掃気冷却器(210)から分離され、前記掃気冷却器(210)と直列に配置され、前記掃気冷却器(210)から冷却された前記掃気を受け入れるように、及び、冷却された前記掃気を前記第1の拡張モジュール(220)へと供給するように構成される第1の掃気供給路(211)を介して前記掃気冷却器(210)へと接続される、請求項1から4のいずれか一項に記載の装置(200)。
【請求項6】
前記装置(200)は、前記掃気冷却器(210)の前に配置され、前記掃気を受け入れ、熱を前記掃気から抽出し、冷却された前記掃気を前記掃気冷却器(210)へと供給するように構成される第2の拡張モジュール(230)をさらに備える、請求項1に記載の装置(200)。
【請求項7】
前記第2の拡張モジュール(230)は、前記第2の拡張モジュール(230)によって前記掃気から抽出された熱を動力へと変換するように構成される熱動力変換装置(234)に接続される、請求項6に記載の装置(200)。
【請求項8】
第2の拡張モジュール(230)は前記掃気冷却器(210)に一体化される、請求項1から7のいずれか一項に記載の装置(200)。
【請求項9】
第2の拡張モジュール(230)は、前記掃気冷却器(210)から分離され、前記掃気冷却器(210)と直列に配置され、前記第2の拡張モジュール(230)から冷却された前記掃気を受け入れるように、及び、冷却された前記掃気を前記掃気冷却器(210)へと供給するように構成される第2の掃気供給路(231)を介して前記掃気冷却器(210)へと接続される、請求項1から7のいずれか一項に記載の装置(200)。
【請求項10】
熱を抽出するための方法(600)であって、
掃気をターボチャージャ(106)から掃気冷却器(210)へと供給するステップと、
前記掃気冷却器(210)において、海水である第1の冷却媒体によって前記掃気から熱を抽出し、それによって前記掃気を冷却するステップと、
冷却された前記掃気を前記掃気冷却器(210)から第1の拡張モジュール(220)へと供給するステップと、
前記第1の拡張モジュール(220)において、第2の冷却媒体によって、冷却された前記掃気から熱を抽出するステップと、
前記第1の拡張モジュール(220)において、抽出された前記熱によって、液化燃料を気体燃料へと気化させるステップと、
前記第1の拡張モジュール(220)から気体燃料出口(221b)を介してエンジン(102)へと前記気体燃料を供給するステップと、
さらに冷却された前記掃気を給気として前記第1の拡張モジュール(220)から前記エンジン(102)へと供給するステップとを含む、方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、熱を抽出するための装置に関する。
【0002】
本発明は、熱を抽出するための方法にも関する。
【背景技術】
【0003】
油又はガスによって動力供給される船舶用エンジンが技術的によく知られている。船舶用の蒸気生成のための油及びガスで燃焼されるボイラも技術的によく知られている。通常、ボイラ動作のための燃料の選択は、船舶用エンジンの動作のために選択された燃料に関連させられる。したがって、船舶用エンジンが油によって動力供給される場合、ボイラも油によって動力供給される。しかしながら、船舶用エンジンとボイラとは異なる燃料によって動力供給されてもよい。今日の船舶用エンジンのほとんどが伴う1つの欠点は、特には、推進力を提供するときに船舶用エンジンから放出される二酸化炭素(CO2)の形態での、海洋大気の汚染である。CO2放出だけでなく他の温室効果ガス放出も、環境の側面に鑑みて減少させる必要があることは、概ね賛同されている。解決策として、推進のための動力源として燃焼エンジンを有する船において排気再循環を導入することによって放出を減らすことが、今日ではよく知られている。排気再循環の提供は、いわゆる掃気冷却器を設置することを典型的には伴う。掃気冷却器は、排気が給気としてエンジンへと戻り、それによって排気を再循環させる前に、排気から熱を抽出することで、エンジンに由来する排気を冷却するための機能を有する。
【0004】
この解決策の欠点は、掃気冷却器によって排気から抽出された熱が典型的には海水へと捨てられ、それによって熱又はエネルギーが廃棄されることである。
【0005】
この問題の幾つかの部分に対処するための試みにおいて、文献KR101358115B1は、作動流体システム及び循環水システムを含む廃棄熱回収システムを開示している。循環水システムはエンジンの冷却水システムと相互接続される。循環水と作動流体との間で熱を交換するように配置される蒸発器が、循環水システムと作動流体システムとの間に設置される。作動流体は蒸発器から掃気冷却器へと供給され得る。しかしながら、KR101358115B1に開示されている概念は、幾つかの点において互いに相互接続される幾つかのシステムを伴う複雑な設計である。これは構築することを難しくさせ、制御するのが複雑にされる。
【0006】
しかしながら、後で説明されるように、先行技術は、抽出された熱の使用を効率的にし、海水などに廃棄される熱を減らすことを可能にする設計基準のセットに適切に対処する装置を開示しておらず、特に、先行技術は、前記設計基準のセットを満たすことになるとき、長い時間にわたって都合の良い手法で使用できる全体的に堅牢な装置をどのように提供するかを開示していない。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
【特許文献1】韓国特許第101358115号明細書
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
抽出された熱の使用を効率的にし、海水などに廃棄される熱を減らすことを可能にする設計基準のセットに適切に対処する装置を提供することが、本開示の目的である。堅牢である装置を提供することも目的である。
【課題を解決するための手段】
【0009】
この目的は、熱を抽出するための装置であって、
ターボチャージャから掃気を受け入れるように、及び、海水である第1の冷却媒体によって掃気から熱を抽出し、それによって掃気を冷却するように構成される掃気冷却器と、
掃気冷却器の後に配置され、冷却された掃気を掃気冷却器から受け入れ、冷却された掃気からさらに熱を抽出するように、及び、抽出された熱によって液化燃料を気体燃料へと気化させるように構成される第1の拡張モジュールであって、気体燃料は、気体燃料出口を介してエンジンへと供給される、第1の拡張モジュールと、
さらに冷却された掃気を給気として第1の拡張モジュールからエンジンへと供給するように構成される、第1の拡張モジュールとエンジンとの間の接続とを備える、装置によって達成された。
【0010】
好ましくは、エンジンは、気体燃料によって動力供給される船舶用エンジンである。好ましくは、燃料はアンモニア又は液化天然ガス(LNG)である。しかしながら、燃料は、蒸発の必要性を伴う液体として保管される任意の燃料であってもよい。これは、典型的には今日使用されている化石油ベースの燃料などと比較して、エンジンに動力供給するために、より環境に優しい燃料、つまりアンモニア又はLNGを使用するため、有利である。好ましくは、アンモニア燃料及びLNG燃料は、液化されたアンモニア及びLNGが、気体のアンモニア及び気体の天然ガス(NG)と比較してより小さい空間を取り、それによってより小さい貯蔵空間が必要とされるため、液化燃料として貯蔵される。エンジンが気体燃料として動力供給されるように設計されるため、液化燃料は、エンジンに供給される前に気体燃料へと変換される必要がある。液化燃料から気体燃料へのこの変換は、本開示の第1の拡張モジュールによって提供される、又は少なくとも支援される。掃気冷却器の後に第1の拡張モジュールを導入することで、掃気から抽出される熱を、今日のようにそれを廃棄する代わりに特定の目的のために利用する装置が達成される。したがって、抽出された熱は、エンジンに供給される前に、液化燃料を蒸発させるために使用される。
【0011】
装置は、排気再循環(EGR)モード又は非排気再循環(EGR)モードで運転することができる。EGRモードと非EGRモードとの両方において、エンジンに由来する排気がターボチャージャを駆動するために使用される。ターボチャージャは、排気を排出するように、及び、新鮮な空気を受け入れるように配置される。新鮮な空気は掃気として掃気冷却器へと供給される。装置がEGRモードで動作するとき、排気の一部分が掃気と混合され得る。排気の一部分は、掃気が掃気冷却器によって受け入れられる前に掃気と混合させることができる。排気の一部分は、掃気冷却器の後に掃気と混合させることができる。排気の一部分は、装置の後に掃気と混合させることができる。したがって、この状況において、掃気は、きれいな掃気であり得る、又は、きれいな掃気と排気との混合物であり得る。掃気が給気と称され得ることは、さらに留意されるべきである。したがって、給気及び掃気は同じ種類の空気と称され得ることは、当業者によって理解されるべきである。掃気という用語が本明細書で使用されているが、給気という用語が等しく適用可能である。
【0012】
掃気冷却器は、液化燃料を気化させるために第1の拡張ユニットに適用されるとき、掃気が効率的な方法で使用され得るように、掃気を冷却するために配置される。好ましくは、掃気冷却器は、掃気を第1の媒体として使用し、第1の冷却媒体を第2の媒体として使用することで、熱を掃気から抽出する。典型的には、第1の冷却媒体は海水であってもよく、掃気冷却器は海水によって一定に冷却され得る。
【0013】
掃気冷却器の後に第1の拡張モジュールを導入することは、第1の拡張モジュールの設計及び制御を容易にする。掃気冷却器は、その基本的な構成要素が掃気から海水へと熱を典型的には交換する熱交換器であるため、制御するのが本質的に容易であり、その設計において本質的に堅牢であり、少量の熱から大量の熱まで抽出することができるという意味において本質的に柔軟である。それによって、第1の拡張モジュールは、異なるエンジン負荷に向けて燃料を気化させるために、考えられ得る熱の必要性によって決定される動作スパンの中で効率的になるように設計され得る。それによって、第1の拡張モジュールは、考えられ得るすべての掃気エネルギーレベルを取り扱うことができるように設計される必要がない。掃気冷却器は、ある意味で、第1の拡張モジュールを保護する緩衝器として作用する。これは動作スパンを短くすることを可能にし、それによって、第1の拡張モジュールの高い効率に達することが可能である。これはさらに、掃気が第1の拡張モジュールに提供される前に、他のモジュールに掃気からより大きな熱を抽出させることを可能にする。したがって、掃気における熱を実際に除去するだけである掃気冷却器の後での、掃気における熱を能動的に使用する第1の拡張モジュールの反直感的な位置決めは、掃気における熱のより効率的な使用を実際に可能にする。したがって、装置は、掃気から抽出される熱の効率的な使用を提供する。
【0014】
装置は、掃気冷却器と第1の拡張ユニットとの両方によって冷却された冷却掃気が給気としてエンジンに供給される点において、さらに有利である。掃気がきれいな掃気と排気との混合物を含む場合掃気の排気はエンジンへと再循環させられるが、エンジンから排出されるときより低い温度を有する。また、再循環した排気ガスは、好ましくは、NOX粒子放出における低減をもたらすより低い内部燃焼温度をもたらすことができるが、好ましくはそのような低い内部燃焼温度をもたらす。
【0015】
装置は、掃気冷却器及び第1の拡張モジュールが、従来の掃気冷却器より冷たい温度へと掃気を冷却することができるという点において、なおもさらに有利である。これは、冷却器給気が、従来の掃気冷却器が使用される場合と比較して、より効率的な燃焼をもたらすより多くの酸素を含む点において、有利である。
【0016】
「後」という用語が、必ずしもそうである必要はないが、第1の拡張モジュールが掃気冷却器の後に物理的に位置付けられることを意味することができることは、この状況において留意され得る。後は、掃気の流路に沿って見られるときの位置に言及するように主に意図されている。第1の拡張モジュールは、第1の拡張モジュールに供給される掃気が掃気冷却器をすでに通過した掃気であるため、掃気の流路に沿って見られるときに掃気冷却器の後に位置付けられる。第1の拡張モジュールが掃気冷却器から物理的に分離しているモジュールである場合、第1の拡張モジュールは、例えば、掃気冷却器と隣り合って位置付けられ得る、又は、掃気冷却器よりエンジンの近くに位置付けられ得る。
【0017】
第1の拡張モジュールは、掃気を第1の媒体として使用し、液化燃料を第1の熱交換器の第2の媒体として使用することで、掃気冷却器からの掃気から液化燃料へと熱を交換するように構成される第1の熱交換器を備え得る。
【0018】
第1の熱交換器は、所与の燃料が第1の熱交換器へと直接的に接続される直接的な熱交換器であり得る。これは、第1の熱交換器が、制御された効率的な方法で、掃気から熱を抽出することができるコンパクトな設計を提供する。装置のうちのこの部分では、第1の拡張モジュールの前に配置される装置のうちの他の部分と比較して、掃気から抽出する熱がより小さい。第1の熱交換器は、液化燃料を気化することで、及び、冷却された気体を、給気として、掃気を使用するエンジンへと供給することで、掃気の効率的な使用を行うことができる。第1の熱交換器から廃棄される掃気はない、又は限られた量である。
【0019】
第1の熱交換器は、液化燃料を気化させるための従来の装置に含まれる得る油燃焼ボイラなどのボイラを置き換えることができる点において、さらに有利である。ボイラを置き換えることができることで、CO2放出などの放出の量が減少させられ得る。
【0020】
好ましくは、第1の熱交換器は、第1の熱交換器へと液化燃料が供給される燃料タンクに接続される。好ましくは、第1の熱交換器は、プレート式熱交換器、シェル式熱交換器、又はチューブ式熱交換器である。
【0021】
第1の拡張モジュールは、熱交換回路において相互接続される第1及び第2の熱交換器であって、第1の熱交換器の第1の媒体として掃気を使用することと、第2の熱交換器の第2の媒体として液化燃料を使用することと、第1の熱交換器における第2の媒体として、及び、第2の熱交換器における第1の媒体として、共通熱交換媒体を使用することとによって、掃気冷却器からの掃気から液化燃料へと熱を一緒に交換する第1及び第2の熱交換器を備え得る。
【0022】
第1の熱交換器と第2の熱交換器とは、例えば、隣り合って位置付けられ得る、又は、第1の熱交換器が掃気冷却器のより近くに位置付けられ、第2の熱交換器がエンジンのより近くに位置付けられ得るといった、間接的な熱交換器を形成してもよい。これは柔軟な設計を提供する。これは、抽出された熱のより良好な制御及び規制をさらに提供する。
【0023】
第1の熱交換器と第2の熱交換器とは、共通熱交換媒体が流れることができる熱交換器回路を形成する閉ループによって接続され得る。好ましくは、共通熱交換媒体は、温水、グリコール、又は熱流体であり得る。使用され得る共通熱交換媒体は、どの媒体が所与の状況において最良の熱伝達及び性能を与えるかに基づかれ得る。
【0024】
好ましくは、第2の熱交換器は、第2の熱交換器へと液化燃料が供給される燃料タンクに接続され得る。第1の熱交換器は、冷却された掃気をエンジンへの給気として供給することができる。第2の熱交換器は、抽出された熱によって液化燃料を気化させることが可能であり得る。
【0025】
好ましくは、第1の熱交換器は、プレート式熱交換器、シェル式熱交換器、又はチューブ式熱交換器である。第1の熱交換器は排気ボイラであり得る。好ましくは、第2の熱交換器は、プレート式熱交換器、シェル式熱交換器、又はチューブ式熱交換器である。
【0026】
第1の拡張モジュールは掃気冷却器に一体化されてもよい。
【0027】
第1の拡張モジュールは掃気冷却器の下部に一体化されてもよい。第1の拡張モジュールは掃気冷却器の上部に一体化されてもよい。一体化は、第1の拡張モジュールが、熱交換器プレートのセットから形成される掃気冷却器と、熱交換器プレートの共通の積み重ねを形成する熱交換器モジュールのセットから形成されている第1の拡張モジュールとによって一体化される場合に言及することができる。共通の積み重ねは、例えば、一体にロウ付けられ得る、又は、端プレートのセットによって一体に締め付けられ得る。一体化は、第1の拡張モジュールが掃気冷却器に固定的に取り付けられる自己完結的なモジュールである場合にも言及し得る。いずれの場合も、これはコンパクトな設計を提供する。
【0028】
第1の拡張モジュールを掃気冷却器の下部に一体化することで、掃気の流れに沿って見られるとき、第1の拡張モジュールが掃気冷却器の後に配置されることを提供する。掃気冷却器の下部は掃気冷却器の出口と称することができる。
【0029】
第1の拡張モジュールが掃気冷却器に一体化される場合、第1の拡張モジュールと掃気冷却器とは1つのユニットとして設計及び製作され得る。
【0030】
第1の拡張モジュールは、掃気冷却器から分離でき、掃気冷却器と直列に配置でき、掃気冷却器から冷却された掃気を受け入れるように、及び、冷却された掃気を第1の拡張モジュールへと供給するように構成される第1の掃気供給路を介して掃気冷却器へと接続できる。
【0031】
これは、第1の拡張モジュールのコンパクトで効率的な設計を提供するためなどに使用され得る柔軟な設計を提供する。これは、例えば、第1の拡張モジュールが、掃気を第1の媒体として使用し、液化燃料を第1の熱交換器の第2の媒体として使用することで、掃気冷却器からの掃気から液化燃料へと熱を交換するように構成される第1の熱交換器を備える設計を容易にする。
【0032】
第1の拡張モジュールは掃気冷却器に直接的に接続され得る。第1の拡張モジュールは掃気冷却器に柔軟なホース又は配管で接続されてもよい。第1の拡張モジュールは掃気冷却器に掃気ファンネルで接続されてもよい。分離は、第1の拡張モジュールと掃気冷却器との間の接続を、船の建造の実施に基づかせることができ、これはさらに保守を容易にする。接続が掃気を掃気冷却器から第1の拡張モジュールへと流すことができる限り、第1の拡張モジュールと掃気冷却器との間の他の種類の接続も可能であり得ることは、留意されるべきである。
【0033】
第1の拡張モジュールが掃気冷却器から分離される場合、第1の拡張モジュールと掃気冷却器とは別々のユニットとして設計及び製作され得る。
【0034】
装置は、掃気冷却器の前に配置され、熱を掃気から抽出し、冷却された掃気を掃気冷却器へと供給するように構成される第2の拡張モジュールをさらに備え得る。
【0035】
これは、掃気が掃気冷却器に供給される前に冷却される効率的で柔軟な設計を提供する。第2の拡張モジュールは、掃気からできるだけ多くの熱を抽出することが可能であり得る。好ましくは、第2の拡張モジュールは、第1の拡張モジュールと比較して大量の熱を抽出することが可能である。これは、掃気冷却器が抽出する必要がある熱がより小さくなると、海水などへと捨てられる必要があり得る熱がより小さくなり得る点において、さらに有利である。したがって、第2の拡張モジュールは、抽出されたエネルギーが有益な目的のためになおもさらに利用される点において、有利である。
【0036】
第2の拡張モジュールを装置に導入することは、多くの熱を海へと捨てる必要がなく、第2の拡張モジュールを伴わない装置より多く掃気が冷却され得ることを提供する。これは、給気が、第2の拡張モジュールが排除される場合と比較して、より効率的な燃焼をもたらすより多くの酸素を含む点において、有利である。
【0037】
「前」という用語が、必ずしもそうである必要はないが、第2の拡張モジュールが掃気冷却器の前に物理的に位置付けられることを意味することができることは、この状況において留意され得る。前は、掃気の流路に沿って見られるときの位置に言及するように主に意図されている。第2の拡張モジュールは、第2の拡張モジュールに供給される掃気が掃気冷却器をまだ通過していない掃気であるため、掃気の流路に沿って見られるときに掃気冷却器の前に位置付けられる。第2の拡張モジュールが掃気冷却器から物理的に分離しているモジュールである場合、第2の拡張モジュールは、例えば、掃気冷却器と隣り合って位置付けられ得る、又は、掃気冷却器よりエンジンから離れて位置付けられ得る。
【0038】
第1の拡張モジュールと第2の拡張モジュールとは接続して配置され得る。その場合、第1の拡張モジュールと第2の拡張モジュールとの両方が掃気冷却器の前に配置される。
【0039】
第2の拡張モジュールは、第2の拡張モジュールによって掃気から抽出された熱を動力へと変換するように構成される熱動力変換装置に接続され得る。
【0040】
熱動力変換装置は、熱を動力へと変換するように構成される任意の種類の装置であり得る。好ましくは、熱動力変換装置は、蒸発器、凝縮器、及び圧縮機を、蒸発器が掃気から熱を抽出する状態で備える回路において循環する媒体を備えるシステムである。より好ましくは、熱動力変換装置は有機ランキンサイクル(ORC)である。これは、第2の拡張モジュールによって抽出される熱が電気エネルギーなどの動力として使用できる点において、有利である。できるだけ多くのエネルギーを変換することと、それによってできるだけ多くの電気エネルギーを生成することとが望ましい。第2の拡張モジュールはエンジンで連続的に運転し得る。第2の拡張モジュールは、動力が必要とされない場合、閉鎖又は遮断され得る。第2の拡張モジュールがどの方法で運転するかは、船の設計及び船の動作プロファイルに依存する。したがって、第2の拡張モジュールを熱動力変換装置に接続することで、第2の拡張モジュールは、掃気の効率的な使用を行え、つまり、熱動力変換装置を使用することによって電気エネルギーを生成することで、掃気の効率的な使用を行える。
【0041】
第2の拡張モジュールは第3の熱交換器を備えてもよい。第3の熱交換器は、エンジンに由来する掃気から熱を抽出するように構成され得る。熱交換器が熱動力変換装置に接続される場合、掃気は第1の媒体として使用でき、媒体は、第3の熱交換器の第2の媒体として回路において循環する。好ましくは、回路において循環する媒体は、温水、グリコール、又は熱流体である。好ましくは、第3の熱交換器は、プレート式熱交換器、シェル式熱交換器、又はチューブ式熱交換器である。
【0042】
第2の拡張モジュールは掃気冷却器に一体化されてもよく、好ましくは、掃気冷却器の上部に一体化され得る。
【0043】
一体化は、第2の拡張モジュールが、熱交換器プレートのセットから形成される掃気冷却器と、熱交換器プレートの共通の積み重ねを形成する熱交換器プレートのセットから形成されている第1の拡張モジュールとによって一体化される場合に言及することができる。共通の積み重ねは、例えば、一体にロウ付けられ得る、又は、端プレートのセットによって一体に締め付けられ得る。一体化は、第2の拡張モジュールが掃気冷却器に固定的に取り付けられる自己完結的なモジュールである場合にも言及し得る。いずれの場合も、これはコンパクトな設計を提供する。
【0044】
第2の拡張モジュールを掃気冷却器の上部に一体化することで、掃気の流れに沿って見られるとき、第2の拡張モジュールが掃気冷却器の前に配置されることを提供する。掃気冷却器の上部は掃気冷却器の入口と称することができる。
【0045】
第2の拡張モジュールが掃気冷却器に一体化される場合、第2の拡張モジュールと掃気冷却器とは1つのユニットとして設計及び製作され得る。
【0046】
第2の拡張モジュールは、掃気冷却器から分離でき、掃気冷却器と直列に配置でき、冷却された掃気を第2の拡張モジュールから掃気冷却器へと供給するように構成される第2の掃気供給路を介して掃気冷却器へと接続できる。
【0047】
これは、第2の拡張モジュールのコンパクトで効率的な設計を提供するためなどに使用され得る柔軟な設計を提供する。これは、例えば、第2の拡張モジュールが、掃気を第1の媒体として使用し、第3の冷却媒体を第3の熱交換器の第2の媒体として使用することで、エンジンに由来する掃気から第3の冷却媒体へと熱を交換するように構成される第3の熱交換器を備える設計を容易にする。第2の拡張モジュールは掃気冷却器に直接的に接続され得る。第2の拡張モジュールは掃気冷却器に柔軟なホース又は配管で接続されてもよい。第2の拡張モジュールは掃気冷却器に掃気ファンネルで接続されてもよい。第2の拡張モジュールと掃気冷却器との間の接続は、船の建造の実施に基づかれ得る。第1の拡張モジュールと掃気冷却器との間の他の接続も可能であり得ることは、留意されるべきである。
【0048】
第2の拡張モジュールが掃気冷却器から分離される場合、第2の拡張モジュールと掃気冷却器とは異なるユニットとして設計及び製作され得る。
【0049】
上記の目的は、熱を抽出するための方法であって、
掃気をターボチャージャから掃気冷却器へと供給するステップと、
掃気冷却器において、海水である第1の冷却媒体によって掃気から熱を抽出し、それによって掃気を冷却するステップと、
冷却された掃気を掃気冷却器から第1の拡張モジュールへと供給するステップと、
第1の拡張モジュールにおいて、第2の冷却媒体によって、冷却された掃気から熱を抽出するステップと、
第1の拡張モジュールにおいて、抽出された熱によって、液化燃料を気体燃料へと気化させるステップと、
第1の拡張モジュールから気体燃料出口を介してエンジンへと気体燃料を供給するステップと、
さらに冷却された掃気を給気として第1の拡張モジュールからエンジンへと供給するステップとを含む、方法に従っても達成された。
【0050】
装置に関連して先に言及されたさらなる異なる好ましい実施形態は、方法に等しく適用可能である。
【0051】
装置は、好ましくは船において設置される。方法は、好ましくは船において実施される。しかしながら、装置も方法も船において使用されるように限定されていないことは、留意され得る。これは、例えば、船から離れて、他の船舶用途における場合であり得る。油又はガスのための掘削のために使用される種類のプラットフォームなどのプラットフォームであってもよい。装置及び方法は、地上での用途のために有用であってもよい。装置及び方法は、例えば、伐採及び採掘での用途のために使用できる。
【0052】
概して、請求項において使用されているすべての用語は、本明細書において他に明示的に定められていない場合、技術的な分野における通常の意味に従って解釈される。「1つ/その[要素、デバイス、構成要素、手段、ステップなど]」へのすべての言及は、他に明示的に述べられていない場合、前記要素、前記デバイス、前記構成要素、前記手段、前記ステップなどの少なくとも1つの例に言及しているとして、公然に解釈されるものである。本明細書で開示されているあらゆる方法のステップは、明示的に述べられていない場合、開示されている正確な順番で実施される必要はない。
【0053】
例えば、第1の冷却媒体、第2の冷却媒体、及び第3の冷却媒体に言及するときに使用されるなど、第1、第2、及び第3は、読者にそれらの間の区別を行わせるラベルとして作用するように意図されていることは、この状況において留意され得る。異なる冷却媒体は、異なる冷却回路の一部を形成するために言及される。第1、第2、及び/又は第3の冷却媒体は、同じ種類のものであり得るが、そうである必要はない。異なる実施形態が異なる数の冷却媒体回路を伴う可能性があるが、本記載を通じて同じ冷却媒体に同じラベルが提供されることも留意され得るが、幾つかの実施形態は、すべての介入するラベルを含むとは限らない。
【0054】
本開示の上記の目的、特徴、及び利点だけでなく、追加の目的、特徴、及び利点が、同じ符号が同じ要素のために使用される添付の図面を参照して、本開示の好ましい実施形態の以下の図示の非限定的な詳細な記載を通じてより良く理解されることになる。
【図面の簡単な説明】
【0055】
【
図1】熱を抽出するための装置を備えるエンジンプロセスを開示する図である。
【
図2】熱を抽出するための
図1に開示された装置の第1の実施形態を開示する図である。
【
図3】熱を抽出するための
図1に開示された装置の第2の実施形態を開示する図である。
【
図4】熱を抽出するための
図1に開示された装置の第3の実施形態を開示する図である。
【
図5】熱を抽出するための
図1に開示された装置の第4の実施形態を開示する図である。
【
図6】熱を抽出するための方法を示す流れ図を開示する図である。
【発明を実施するための形態】
【0056】
ここで、本開示は、本開示の現在好ましいとされている実施形態が示されている添付の図面を参照して、以後においてより完全に説明される。しかしながら、本開示は、多くの異なる形態で具現化でき、本明細書において述べられている実施形態に限定されるとして解釈されるべきではなく、むしろ、これらの実施形態は、徹底性及び完全性のために提供されており、本開示の範囲を当業者に完全に伝える。図示されていないが、装置が、関連する規制及び法律、ならびに通常の船建造の実施に従って、追加の弁、制御信号送信機、流量計、循環ポンプ、及び他の同様の構成要素を備え得ることも、留意されるべきである。このような追加の構成要素の提供は、当業者にとって通常のことであり、すべてのこのような構成要素を含むことは、概略図を不明確にさせてしまう。
【0057】
図1を参照すると、本開示によるエンジンプロセス100が開示されている。エンジンプロセス100は、エンジン102と、排気受部104と、ターボチャージャ106とを備える。エンジンプロセス100は、掃気から熱を抽出するための装置200をさらに備える。装置200は、
図2~
図5と関連してさらに詳細に検討されている。エンジンプロセスが様々な方法で設計できることは、留意されるべきである。
【0058】
エンジン102は第1の供給路112によって排気受部104に接続される。排気受部104はエンジン102の一部を形成すると称されてもよい。排気受部104は第2の供給路114によってターボチャージャ106に接続される。ターボチャージャ106は第3の供給路116によって装置200に接続される。第1の供給路112は、排気再循環EGR供給路とも称される第4の供給路118によって第3の供給路116に接続され得る。図示されていないが、エンジンプロセス100は、2つ以上のEGR供給路を備えてもよい。ターボチャージャ106は、排気受部104から第2の供給路114を介して排気を受け入れるように配置される。ターボチャージャ106は、排気受部104から受け入れられる排気ガスによって駆動されるように配置される。ターボチャージャ106は空気入口126aと排気出口126bとを有し得る。ターボチャージャ106は、空気入口126aを介して新鮮な空気を受け入れるように配置され得る。ターボチャージャ106は、ターボチャージャ106から排気出口126bを介して排気ガスを排出するように配置され得る。新鮮な空気は掃気と称されてもよい。掃気は、きれいな掃気(つまり、新鮮な空気)を含み得る、又は、きれいな掃気と排気の一部分との混合物であり得る。排気は、掃気が第4の供給路118(又は任意の他のEGR供給路)を介して装置200に供給される前に、新鮮な掃気と混合され得る。排気は、装置200の後に掃気と混合させることができる。したがって、掃気は、きれいな掃気であり得る、又は、きれいな掃気と排気との混合物であり得る。図示されていないが、排気は、掃気が装置200に供給される前又は後に、排気をきれいな掃気へと導入するように配置された供給路を介して、きれいな掃気へと導入されてもよい。装置200は第5の供給路120によって掃気受部110に接続されている。掃気受部110はエンジン102の一部を形成すると称されてもよい。
図2~
図5を通じて、掃気受部110は図示されていないが、エンジン102の一部であり、
図1に示されているように位置決めされると理解されるべきである。掃気受部110は、必要とされるときにエンジン102が空気を受け入れ得る貯蔵場所として作用することができる。
【0059】
EGR供給路118はエンジンプロセス100の排気再循環EGRを形成する。エンジンプロセス100の排気再循環EGRの目的は、NOXとしても知られている窒素酸化物を低減することである。エンジンプロセス100は、排気がEGR供給路118を介して装置200に供給される排気再循環EGRモードで運転するように構成され得る。エンジンプロセス100をEGRモードで運転する目的は、エンジンプロセス100における排気のおおよそ30~50%といった一部分を再循環させることである。排気を再循環させることで、エンジン102におけるピーク燃焼温度を下げることができる。エンジン102におけるピーク燃焼温度を下げることは、NOXの形成が低減できる点において有利である。エンジンプロセス100は、排気が掃気と混合される非排気再循環モードで運転するように構成され得る。
【0060】
図2~
図5を参照すると、
図1との関連で導入されている装置200が、さらに詳細に図示及び検討されている。装置200は掃気から熱を抽出するように構成される。典型的には、装置200に供給される掃気は200~450℃の温度を有する。掃気温度は、装置ごとに、及び/又はエンジンプロセスごとに異なる可能性がある。
【0061】
装置200は掃気冷却器210を備える。掃気冷却器210は、第1の冷却媒体によって掃気から熱を抽出し、それによって掃気を冷却するように構成される。掃気は第1の媒体として使用でき、第1の冷却媒体は掃気冷却器210の第2の媒体として使用できる。掃気冷却器210は第1の冷却媒体入口212aと第1の冷却媒体出口212bとを備え得る。第1の冷却媒体入口212aは、第1の冷却媒体を掃気冷却器210に供給するように配置される。第1の冷却媒体出口212bは、熱が第1の冷却媒体と第2の冷却媒体との間で交換されたとき、第1の冷却媒体を掃気冷却器210から排出するように配置される。掃気冷却器210は第1の冷却媒体によって連続的に冷却され得る。好ましくは、第1の冷却媒体は海水である。その場合、第1の冷却媒体入口212aは海水を掃気冷却器210に供給するように構成され、第1の冷却媒体出口212bは、掃気から熱を抽出することで加熱された海水を排出するように構成される。掃気冷却器210のための冷却媒体として海水を使用することは、通常の船建造の実施に従って、技術的によく知られている。
【0062】
装置200は第1の拡張モジュール220をさらに備える。第1の拡張モジュール220は、掃気の流れに沿って見られるとき、掃気冷却器210の後に配置される。第1の拡張モジュール220は、冷却された掃気を掃気冷却器210から受け入れるように構成される。第1の拡張モジュール220は、第2の冷却媒体によって、冷却された掃気からさらに熱を抽出し、それによって掃気をなおもさらに冷却するように構成される。第1の拡張モジュール220は、第1の拡張モジュール220と、掃気受部110を介したエンジン102との間の接続225を介して、さらに冷却された掃気を給気としてエンジン102へと供給するように構成され得る。好ましくは、エンジン102に供給される給気は40℃未満の温度を有する。しかしながら、給気の適切な温度はエンジン102の種類に依存して変化してもよい。
【0063】
第1の拡張モジュール220は、第1の拡張モジュール220と貯蔵タンク224との間を接続するように構成された液化燃料入口221aを備え得る。貯蔵タンク224は、エンジン102のための燃料として使用され得る液化燃料を貯蔵するように配置され得る。液化燃料は液化燃料入口221aを介して第1の拡張モジュール220に供給され得る。第1の拡張モジュール220は、掃気からの抽出された熱によって、液化燃料を気体燃料へと気化するように構成される。第1の拡張モジュール220は、第1の拡張モジュール220とエンジン102を接続するように構成された気体燃料出口221bをさらに備え得る。第1の拡張モジュール220は、気体燃料出口221bを介してエンジン102へと気体燃料を供給するように構成される。これは、エンジン102が典型的には気体燃料によって動力供給されるは図である点において、有利である。しかしながら、燃料は、液化燃料がより小さい空間を典型的には取り、そのため、気体燃料と比較してより小さい貯蔵空間を必要とするため、液化燃料として貯蔵される。
【0064】
エンジン102が、
図2~
図5において2つの小さい四角形として指示されていることは、この状況において留意され得る。第1の拡張モジュール220は、典型的には、エンジン102に接続される2つの出口を備え、接続225は、給気をエンジン102に供給するように構成されており、気体燃料出口221bは、気体燃料をエンジン102に供給するように構成される。接続225は、典型的にはエンジン102の掃気受部110に接続される。接続221bは、典型的にはエンジン102の燃料供給システムに接続される。
【0065】
第1の拡張モジュール220は第1の熱交換器222を備え得る。第1の熱交換器222は、冷却された掃気を掃気冷却器210から受け入れるように構成され得る。第1の熱交換器222は、冷却された掃気を第1の媒体として使用し、液化燃料を第1の熱交換器222の第2の媒体として使用することで、冷却された掃気から液化燃料へと熱を交換するように構成され得る。それによって、第1の熱交換器222は、冷却された掃気から熱を抽出し、それによって掃気をなおもさらに冷却するように構成される。好ましくは、第1の熱交換器222は、先に検討されているように、液化燃料入口221aと気体燃料出口221bとを備える。好ましくは、第1の熱交換器222は、第1の熱交換器222とエンジン102との間の接続225を介して、さらに冷却された掃気を給気としてエンジン102へと供給するように構成される。好ましくは、第1の熱交換器222は、気体燃料出口221bを介してエンジン102へと気体燃料を供給するように構成される。第1の熱交換器222は、プレート式熱交換器、シェル式熱交換器、又はチューブ式熱交換器であり得る。代替で、第1の拡張モジュール220は、液化燃料を気化させるために使用される掃気によって蒸気を生成するように構成されるボイラを備え得る。
【0066】
図4を参照すると、第1の拡張モジュール220は第1の熱交換器222aと第2の熱交換器222bとを備え得る。第1の熱交換器222aと第2の熱交換器222bとは、熱交換回路において相互接続でき、掃気冷却器210からの掃気から液化燃料へと熱を一緒に交換することができる。掃気は、第1の熱交換器222aの第1の媒体として使用でき、液化燃料は第2の熱交換器222bの第2の媒体として使用できる。第2の冷却媒体は、2つの熱交換器222a、222bを相互接続する共通熱交換媒体であり得る。共通熱交換媒体は、第1の熱交換器222aにおいて第2の媒体として使用でき、第2の熱交換器222bにおいて第1の媒体として使用できる。
【0067】
したがって、第1の熱交換器222aは、掃気を第1の媒体として使用し、共通熱交換媒体を第1の熱交換器222aの第2の媒体として使用することで、掃気冷却器210からの掃気から共通熱交換媒体へと熱を交換するように構成され得る。第2の熱交換器222bは、共通熱交換媒体を第1の媒体として使用し、液化燃料を第2の熱交換器222bの第2の媒体として使用することで、第1の熱交換器222aからの掃気から液化燃料へと熱を交換するように構成され得る。好ましくは、第2の熱交換器222bは、先に検討されているように、液化燃料入口221aと気体燃料出口221bとを備える。好ましくは、第1の熱交換器222aは、第1の熱交換器222aとエンジン102との間の接続225を介して、さらに冷却された掃気を給気としてエンジン102へと供給するように構成される。
【0068】
第1の熱交換器222aは、第1の熱交換器222aと第2の熱交換器222bとを相互接続するように両方が構成される熱交換器入口226a及び熱交換器出口226bを備え得る。熱交換器入口226aは、共通熱交換媒体を第2の熱交換器222bから第1の熱交換器222aへと供給するように構成される。熱交換器出口226bは、共通熱交換媒体を第1の熱交換器222aから第2の熱交換器222bへと供給するように構成される。第1の熱交換器222aから第2の熱交換器222bへと供給された共通熱交換媒体は、他の方法で供給される共通熱交換媒体と比較して上昇した温度を有し得る。これは、共通熱交換媒体が第1の熱交換器222aにおける掃気から熱を除去したためである。
【0069】
好ましくは、第1及び第2の熱交換器222、222a、222bは、材料において厳しくなり得るLNG又はアンモニアなどの特定の特性の燃料を取ることができるステンレス鋼などから作られる。
【0070】
先に述べられているように、装置200の目的は、掃気からできるだけ多くのエネルギーを抽出すること、及び、抽出されたエネルギーを特定の目的のために利用することである。掃気冷却器210の目的は、第1の拡張モジュール220が、一方では、給気を所望の温度で提供するために掃気をさらに冷却することができ、他方では、燃料を蒸発させるために掃気における熱を使用することができるような度合いまで、掃気を冷却することである。好ましくは、掃気冷却器210と第1の拡張モジュール220とは、掃気から抽出されるべきエネルギーの量に依存して設計される。第1の拡張モジュール220は、燃料の所望の蒸発に基づかれた規模の冷却能力を有する。これは、第1の拡張モジュール220の熱除去能力と称することもできる。SACは、この熱除去能力を超える熱を掃気から抽出するように寸法決定及び制御される。
【0071】
図3を参照すると、
図4及び
図5にも示されているように、装置は第2の拡張モジュール230をさらに備え得る。第2の拡張モジュール230は、掃気の流れに沿って見られるとき、掃気冷却器210の前に配置される。第2の拡張モジュール230は、第3の冷却媒体によって、エンジンに由来する掃気から熱を抽出し、それによって掃気を冷却するように構成され得る。第2の拡張モジュール230は、冷却された掃気を掃気冷却器210へと供給するように構成され得る。
【0072】
図示されていないが、第1の拡張モジュール220と第2の拡張モジュール230とは接続されてもよい。その場合、第1の拡張モジュール220及び第2の拡張モジュール230は、掃気の流れに沿って見られるとき、掃気冷却器210の前に配置される。
【0073】
図4に戻って参照すると、第2の拡張モジュール230は第3の熱交換器232を備え得る。第3の熱交換器232は、エンジン102に由来する掃気を受け入れるように構成され得る。第3の熱交換器232は、掃気を第1の媒体として使用し、第3の冷却媒体を第3の熱交換器232の第2の媒体として使用することで、掃気から第3の冷却媒体へと熱を交換するように構成され得る。それによって、第3の熱交換器232は、掃気から熱を抽出し、それによって掃気を冷却するように構成される。好ましくは、第3の冷却媒体は、温水、グリコール、蒸気、又は熱流体である。
【0074】
第2の拡張モジュール230は熱動力変換装置234へと接続され得る。熱動力変換装置234は、第2の拡張モジュール230によって掃気から抽出された熱を動力へと変換するように構成される。第2の拡張モジュール230と熱動力変換装置234とは、第3の冷却媒体が循環している回路として接続され得る。第2の拡張モジュール230は、第2の拡張モジュール230と熱動力変換装置234とを接続するように両方が構成される第2の拡張モジュール入口236a及び第2の拡張モジュール出口236bを備え得る。第2の拡張モジュール入口236aは、第3の冷却媒体を熱動力変換装置234から第2の拡張モジュール230へと供給するように構成される。第2の拡張モジュール出口236bは、第3の冷却媒体を第2の拡張モジュール230から熱動力変換装置234へと供給するように構成される。第2の拡張モジュール230から熱動力変換装置234へと供給される第3の冷却媒体は、他の方法で供給される第3の冷却媒体と比較して上昇した温度を有し得る。これは、第3の冷却媒体が第2の拡張モジュール230における掃気から熱を除去したことと、第3の冷却媒体が熱動力変換装置234へと熱を失ったこととによる。好ましくは、熱動力変換装置234は有機ランキンサイクルORCである。
【0075】
図示されていないが、装置は、第2の拡張モジュール230と熱動力変換装置234との間に配置されるさらなる熱交換器を備え得る。この設計は、第2の拡張モジュール230が蒸気を生成するエコノマイザである場合に可能である。エコノマイザによって生成された蒸気は、その後、さらなる熱交換器によって受け入れられ、そのさらなる熱交換器は、先に検討されているように、熱動力変換装置234との関連で動作している。
【0076】
図3に戻って参照すると、エンジンプロセス100がEGRモードで動作するように構成されるとき、第2の拡張モジュール230は洗浄モードで運転するように構成され得る。洗浄モードは、エンジンプロセス100をEGRモードで運転する結果として、第2の拡張モジュール230に付着させられ得る粒子を除去することができる。粒子は、掃気に存在することができ、第2の拡張モジュール230に付着させられ得る。典型的には、粒子は第2の拡張モジュール230の上方部に付着させられる。しかしながら、粒子は、第2の拡張モジュール230の他の部分にも付着させられる可能性があるが、典型的には、第2の拡張モジュール230のある部分に付着させられる可能性がある。洗浄モードは、加圧された水、加圧された蒸気、又は加圧された空気がノズルを通じて供給され、それによって粒子を多かれ少なかれ吹き飛ばすことで、実施されてもよい。洗浄モードは、エンジン102と一緒に連続的に運転することができる。洗浄モードは、所定の期間で次々と運転することができる。洗浄モードを次々と運転することで、洗浄モードへの動力消費は、洗浄モードを連続的に運転することと比較して低減されてもよい。
【0077】
粒子を吹き飛ばすために使用される水は、水がエンジン102へと進むのを回避するために、水捕獲部230aによって捕獲され、第2の拡張モジュール230から離れるように向かわされる必要がある。水は、捕獲され、案内羽根及び/又は通路を使用することで、及び/又は、組み込みデミスタによって、捕獲されて向かわされ得る。ここで、第2の拡張モジュール230における最大の水滴は水捕獲部230aにおいて捕獲されるべきであり、より小さい水滴は、水の無い給気がエンジン102に供給されるように、掃気冷却器210又は第1の拡張モジュール220によって蒸発させられ得る。
【0078】
洗浄モードは熱動力変換装置234で運転することができる。洗浄モードは独立した機能として運転することができる。
【0079】
代替で、第2の拡張モジュール230は交換可能な上層230bを備え得る。これは、粒子の目詰まりの状況が起こり得るとき、粒子を除去する迅速な解決策を提供することができる。交換可能な上層230bは、容易に取り付け及び取り外しできるように設計され得る。交換可能な上層230bはきれいな上層と交換することができる。交換可能な上層230bは、戻す前に手作業で洗浄されてもよい。交換可能な上層は、ほとんどの粒子を捕まえるために最適な寸法で設計され得る。交換可能な上層230bは、第2の拡張モジュール230に一体化されてもよく、好ましくは第2の拡張モジュール230の上部に一体化されてもよい。交換可能な上層230bは、第2の拡張モジュール230から分離され、第2の拡張モジュール230と直列に配置されてもよい。交換可能な上層を参照するとき、これは、第2の拡張モジュール230が第3の熱交換器232を備える場合、熱交換器の上部全体を交換することは必要とされず、粒子が詰まる上区域だけを交換することが必要とされることを意味する。したがって、これはプラグアンドプレイのカートリッジであり得る。
【0080】
装置200が第1の拡張モジュール220及び第2の拡張モジュール230だけでなく掃気冷却器210も備えるとき、第2の拡張モジュール230は、掃気から熱動力変換装置234へとできるだけ多くのエネルギーを抽出するように構成される。しかしながら、第1の拡張モジュール220における燃料を蒸発させるのに十分な熱がなおも残されていることが好ましいとされる。好ましくは、この設計では、掃気冷却器210と第1の拡張モジュール220とは、先に検討されているように、第2の拡張モジュール230が排除される設計と比較して、より少ないエネルギーを掃気から抽出することができるより小さい寸法を有し得る。
【0081】
図5を参照すると、装置200のコンパクトな実施形態がさらに詳細に示されている。
図5では、第1の拡張モジュール220は掃気冷却器210に一体化されている。代替又は組み合わせで、第2の拡張モジュール230が掃気冷却器210に一体化される。一体化は、第1及び/又は第2の拡張モジュールと掃気冷却器とが1つのユニットとして形成されるように、第1及び/又は第2の拡張モジュールが掃気冷却器によって一体化される場合に言及することができる。
【0082】
図2~
図4に戻って参照すると、装置200の柔軟な実施形態がさらに詳細に示されている。
図2~
図4では、第1の拡張モジュール220は掃気冷却器210から分離されている。第1の拡張モジュール220は掃気冷却器210と直列に配置されている。第1の拡張モジュール220は掃気冷却器210に接続されている。第1の拡張モジュール220は、第1の掃気供給路211を介して掃気冷却器210に接続され得る。第1の掃気供給路211は、冷却された掃気を掃気冷却器210から受け入れるように、及び、冷却された掃気を第1の拡張モジュール220に供給するように構成され得る。さらに、
図2~
図4では、第2の拡張モジュール230が掃気冷却器210から分離されている。第2の拡張モジュール230は掃気冷却器210と直列に配置されている。第2の拡張モジュール230は掃気冷却器210に接続されている。第2の拡張モジュール230は、第2の掃気供給路231を介して掃気冷却器210に接続され得る。第2の掃気供給路231は、冷却された掃気を第2の拡張モジュール230から掃気冷却器210へと供給するように構成され得る。
【0083】
図6を参照すると、熱を抽出するための方法600を示す流れ図が、例を用いて示されている。
【0084】
概して、方法600の第1のステップS602は、ターボチャージャ106から掃気冷却器210へと掃気を供給することであり得る。第2のステップS604では、第1の冷却媒体によって掃気冷却器210における掃気から熱が抽出され、それによって掃気を冷却する。好ましくは、第1の冷却媒体は、掃気冷却器210を連続的に冷却する海水である。
【0085】
その後、第3のステップS606において、冷却された掃気が掃気冷却器210から第1の拡張モジュール220へと供給される。第4のステップS608において、第1の拡張モジュール220において、第2の冷却媒体によって、冷却された掃気から熱が抽出され得る。第2の冷却媒体は、熱を掃気から燃料へと直接的に伝える1つの熱交換器がある場合には燃料であり得る、又は、2つの熱交換器を相互接続する別々の媒体であり得る。第5のステップS610において、第1の拡張モジュール220において、抽出された熱によって、液化燃料が気体燃料へと気化させられ得る。その後、第6のステップS612において、気体燃料は第1の拡張モジュール220から気体燃料出口221bを介してエンジン102へと供給され得る。第7のステップS614において、さらに冷却された掃気は給気として第1の拡張モジュール220からエンジン102へと供給され得る。
【0086】
添付の特許請求の範囲によって定めされているような本発明の範囲内になおもある、本明細書に記載されている多数の実施形態があることは、検討されている。
【0087】
また、開示されている実施形態への変更が、図面、開示、及び添付の特許請求の範囲の学習から、請求されている発明を実施するときに当業者によって理解されてもたらされ得る。請求項において、「~を備える」という言葉は、他の要素又はステップを排除せず、「1つ(a、an)」という不定冠詞は複数を排除しない。特定の測定が相互に異なる従属請求項において提唱されているという単なる事実は、これらの測定の組み合わせが利点に使用できないということを指示しているのではない。
【符号の説明】
【0088】
100 エンジンプロセス
102 エンジン
104 排気受部
106 ターボチャージャ
110 掃気受部
112 第1の供給路
114 第2の供給路
116 第3の供給路
118 第4の供給路、排気再循環EGR供給路
120 第5の供給路
126a 空気入口
126b 排気出口
200 装置
210 掃気冷却器
211 第1の掃気供給路
212a 第1の冷却媒体入口
212b 第1の冷却媒体出口
220 第1の拡張モジュール
221a 液化燃料入口
221b 気体燃料出口、接続
222 第1の熱交換器
222a 第1の熱交換器
222b 第2の熱交換器
224 貯蔵タンク
225 接続
226a 熱交換器入口
226b 熱交換器出口
230 第2の拡張モジュール
230a 水捕獲部
230b 交換可能な上層
231 第2の掃気供給路
232 第3の熱交換器
234 熱動力変換装置
236a 第2の拡張モジュール入口
236b 第2の拡張モジュール出口
【手続補正書】
【提出日】2024-06-17
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
熱を抽出するための装置(200)であって、
ターボチャージャ(106)から掃気を受け入れるように、及び、海水である第1の冷却媒体によって前記掃気から熱を抽出し、それによって前記掃気を冷却するように構成される掃気冷却器(210)と、
前記掃気冷却器(210)の後に配置され、冷却された前記掃気を前記掃気冷却器(210)から受け入れ、冷却された前記掃気からさらに熱を抽出するように、及び、抽出された前記熱によって液化燃料を気体燃料へと気化させるように構成される第1の拡張モジュール(220)であって、前記気体燃料は、気体燃料出口(221b)を介してエンジン(102)へと供給される、第1の拡張モジュール(220)と、
さらに冷却された前記掃気を給気として前記第1の拡張モジュール(220)から前記エンジン(102)へと供給するように構成される、前記第1の拡張モジュール(220)と前記エンジン(102)との間の接続(225)とを備える、装置(200)。
【請求項2】
前記第1の拡張モジュール(220)は、前記掃気を第1の媒体として使用し、前記液化燃料を第1の熱交換器(222)の第2の媒体として使用することで、前記掃気冷却器(210)からの前記掃気から前記液化燃料へと熱を交換するように構成される第1の熱交換器(222)を備える、請求項1に記載の装置(200)。
【請求項3】
前記第1の拡張モジュール(220)は、熱交換回路において相互接続される第1及び第2の熱交換器(222a、222b)であって、前記第1の熱交換器(222a)の第1の媒体として前記掃気を使用することと、前記第2の熱交換器(222b)の第2の媒体として前記液化燃料を使用することと、前記第1の熱交換器(222a)における第2の媒体として、及び、前記第2の熱交換器(222b)における第1の媒体として、共通熱交換媒体を使用することとによって、前記掃気冷却器(210)からの前記掃気から前記液化燃料へと熱を一緒に交換する第1及び第2の熱交換器(222a、222b)を備える、請求項1に記載の装置(200)。
【請求項4】
前記第1の拡張モジュール(220)は前記掃気冷却器(210)に一体化される、請求項1又は2に記載の装置(200)。
【請求項5】
前記第1の拡張モジュール(220)は、前記掃気冷却器(210)から分離され、前記掃気冷却器(210)と直列に配置され、前記掃気冷却器(210)から冷却された前記掃気を受け入れるように、及び、冷却された前記掃気を前記第1の拡張モジュール(220)へと供給するように構成される第1の掃気供給路(211)を介して前記掃気冷却器(210)へと接続される、請求項1から
3のいずれか一項に記載の装置(200)。
【請求項6】
前記装置(200)は、前記掃気冷却器(210)の前に配置され、前記掃気を受け入れ、熱を前記掃気から抽出し、冷却された前記掃気を前記掃気冷却器(210)へと供給するように構成される第2の拡張モジュール(230)をさらに備える、請求項1に記載の装置(200)。
【請求項7】
前記第2の拡張モジュール(230)は、前記第2の拡張モジュール(230)によって前記掃気から抽出された熱を動力へと変換するように構成される熱動力変換装置(234)に接続される、請求項6に記載の装置(200)。
【請求項8】
第2の拡張モジュール(230)は前記掃気冷却器(210)に一体化される、請求項
6又は7に記載の装置(200)。
【請求項9】
第2の拡張モジュール(230)は、前記掃気冷却器(210)から分離され、前記掃気冷却器(210)と直列に配置され、前記第2の拡張モジュール(230)から冷却された前記掃気を受け入れるように、及び、冷却された前記掃気を前記掃気冷却器(210)へと供給するように構成される第2の掃気供給路(231)を介して前記掃気冷却器(210)へと接続される、請求項
6又は7に記載の装置(200)。
【請求項10】
熱を抽出するための方法(600)であって、
掃気をターボチャージャ(106)から掃気冷却器(210)へと供給するステップと、
前記掃気冷却器(210)において、海水である第1の冷却媒体によって前記掃気から熱を抽出し、それによって前記掃気を冷却するステップと、
冷却された前記掃気を前記掃気冷却器(210)から第1の拡張モジュール(220)へと供給するステップと、
前記第1の拡張モジュール(220)において、第2の冷却媒体によって、冷却された前記掃気から熱を抽出するステップと、
前記第1の拡張モジュール(220)において、抽出された前記熱によって、液化燃料を気体燃料へと気化させるステップと、
前記第1の拡張モジュール(220)から気体燃料出口(221b)を介してエンジン(102)へと前記気体燃料を供給するステップと、
さらに冷却された前記掃気を給気として前記第1の拡張モジュール(220)から前記エンジン(102)へと供給するステップとを含む、方法。
【国際調査報告】