(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-10-31
(54)【発明の名称】シングルベイおよびマルチベイの電動の乗り物のための構造体電池の冷却システム
(51)【国際特許分類】
H01M 10/6568 20140101AFI20241024BHJP
H01M 10/647 20140101ALI20241024BHJP
H01M 10/625 20140101ALI20241024BHJP
H01M 10/613 20140101ALI20241024BHJP
H01M 10/617 20140101ALI20241024BHJP
H01M 10/6556 20140101ALI20241024BHJP
【FI】
H01M10/6568
H01M10/647
H01M10/625
H01M10/613
H01M10/617
H01M10/6556
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2024531212
(86)(22)【出願日】2022-11-23
(85)【翻訳文提出日】2024-07-23
(86)【国際出願番号】 EP2022083008
(87)【国際公開番号】W WO2023094465
(87)【国際公開日】2023-06-01
(32)【優先日】2021-11-26
(33)【優先権主張国・地域又は機関】EP
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】501195821
【氏名又は名称】ボルボ・カー・コーポレーション
【氏名又は名称原語表記】Volvo Car Corporation
(74)【代理人】
【識別番号】110000176
【氏名又は名称】弁理士法人一色国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】カールソン,ダニエル
(72)【発明者】
【氏名】ウォールボリ,マルティン ヒェルム
(72)【発明者】
【氏名】ペルソン,クラス
【テーマコード(参考)】
5H031
【Fターム(参考)】
5H031AA09
5H031KK08
(57)【要約】
電動の乗り物に使用されるバッテリーパック(4)は、横方向の列(25、26、27、28)を含み長手方向の辺(33、34)を有するアレイ(13、14)の状態で敷き詰められ、前記長さ方向(L)に隣り合って延びる、長手方向に延びる列(16、17、18、19)になった少なくとも2つの角型バッテリーセル(63、64、65)と、前記長手方向の列(16、17、18、19)内の隣接するセル(63、64、65)の間に介在し、前記アレイ(13、14)の上流の長手方向の辺(33)から反対側の長手方向の辺(34)まで幅方向(W)に延びるプレート型冷却部材(21、22、23)と、前記シル部材(6、7)に対して平行に延びる冷却剤分配ダクト(30)および冷却剤排出ダクト(30’)と、を含み、それぞれの前記冷却部材(21、22、23)は、前記冷却剤分配ダクト(30)へ至る注入口と前記冷却剤排出ダクト(30’)へ至る出口とに連結され、前記分配ダクト(30)は冷却剤供給ダクト(31)に連結され、前記冷却剤排出ダクト(30’)はリターンダクト(31’)に連結され、前記冷却剤供給ダクト(30)および前記リターンダクト(31’)は、前記前部部品(8)および/または前記横方向の部材(9、15)を貫通する。
【選択図】
図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
電動の乗り物に使用されるバッテリーパック(4)であって、前記バッテリーパック(4)は、
それぞれが幅方向(W)に延び、長さ方向(L)に延びる2つの離隔したシル部材(6、7)によって相互に連結される、横方向の前部部品(8)と横方向の部材 (9、15)と、
横方向の列(25、26、27、28)を含み長手方向の辺(33、34)を有するアレイ(13、14)の状態で敷き詰められ、前記長さ方向(L)に隣り合って延びる、長手方向に延びる列(16、17、18、19)になった少なくとも2つの角型バッテリーセル(63、64、65)と、
前記長手方向の列(16、17、18、19)内の隣接するセル(63、64、65)の間に介在し、前記アレイ(13、14)の第1の長手方向の辺(33)から第2の長手方向の辺(34)まで幅方向(W)に延びるプレート型冷却部材(21、22、23)と、
前記シル部材(6、7)に対して平行に延びる冷却剤分配ダクト(30)および冷却剤排出ダクト(30’)と、を含み、
それぞれの前記冷却部材(21、22、23)は、前記冷却剤分配ダクト(30)へ至る注入口と前記冷却剤排出ダクト(30’)へ至る出口とに連結され、
前記分配ダクト(30)は冷却剤供給ダクト(31)に連結され、前記冷却剤排出ダクト(30’)はリターンダクト(31’)に連結され、
前記冷却剤供給ダクト(30)および前記リターンダクト(31’)は、前記前部部品(8)および/または前記横方向の部材(9、15)を貫通する、
バッテリーパック(4)。
【請求項2】
請求項1に記載のバッテリーパック(4)であって、
冷却部材(21、22、23)が、横方向のセル(25、26、27、28)の列の各隣接する対の間に設けられる、
バッテリーパック(4)。
【請求項3】
請求項1に記載のバッテリーパック(4)であって、
冷却部材(21、22、23)が、隣接する横方向のセル(25、26、27、28)の列の各隣接する対の間に一つ置きに設けられる、
バッテリーパック(4)。
【請求項4】
請求項1から3のいずれか1項に記載のバッテリーパック(4)であって、
前記前部部品(8)および前記横方向の部材(15)は前記長さ方向の前記セルに対して20から200kN/m
2の圧縮力をかける、
バッテリーパック(4)。
【請求項5】
請求項1から4のいずれか1項に記載のバッテリーパック(4)であって、
前記注入ダクト(31)は前記分配ダクト (30)の中間点またはその近傍に連結される、
バッテリーパック(4)。
【請求項6】
請求項1から5のいずれか1項に記載のバッテリーパック(4)であって、
冷却部材(21’、23’) は前記横方向の前部部品(8)と隣接する横方向のセル(25’)の列との間、および前記横方向の部材(15)と隣接する横方向のセル(28’)の列との間に設けられる、
バッテリーパック(4)。
【請求項7】
請求項1から6のいずれか1項に記載のバッテリーパック(4)であって、
前記アレイ(13、14)の前記長手方向の辺(33、34)と前記幅方向(W)の前記シル部材(6、7)との距離(d)が5cmから25cmであり、
前記冷却剤注入ダクト(31)および前記冷却剤リターンダクト(31’)は前記アレイの前記長手方向の辺(33、34)と前記シル部材(6、7)との間に延びる、
バッテリーパック(4)。
【請求項8】
請求項1から7のいずれか1項に記載のバッテリーパック(4)であって、
前記横方向の部材(15)はビームまたはフットガレージと、前記シル部材(6、7)の後部パーツを相互に連結する横方向の後部部品(9)とを含み、
セルの第1のアレイ(13)は前記前部の横方向の部材(8)と、前記ビームまたは前記フットガレージとの間に位置し、
セルの第2のアレイ(14)は、前記ビームまたは前記フットガレージと、前記横方向の後部部品(9)との間に位置し、
セルの各アレイ(13、14)にはそれぞれ、冷却部材(21、22、23)と、冷却剤注入口および分配ダクト(30、31)と、排出およびリターンダクト(30’、31’)とが設けられ、
前記セルの前記第1のアレイ(13)および第2のアレイ(14)の前記注入および前記リターンダクト(31、31’)は、前記横方向の前部部品(8)および前記ビームまたは前記フットガレージを貫通する、
バッテリーパック(4)。
【請求項9】
請求項1から8のいずれか1項に記載のバッテリーパック(4)であって、
それぞれの冷却部材(21、22、23)が2つの横向きのチューブ部分(44、45;51、52)を有するエンドキャップ(40、50)を有する2つの並列なプレート(41、42)を含み、
前記チューブ部分(44、45、51、52)は、前記分配ダクト(30)を形成するために相互に連結されている、
バッテリーパック(4)。
【請求項10】
請求項9に記載のバッテリーパック(4)であって、
隣接する冷却部材(48、54)の前記横向きのチューブ部分(51、53)は、それぞれ弾性のチューブ部材(55)を介して相互に連結されている、
バッテリーパック(4)。
【請求項11】
請求項9または10に記載のバッテリーパック(4)であって、
支持構造(68)が、少なくとも1つの前記冷却部材(21、22、23)の前記並列する2つのプレート(41、42)の間に配置される、
バッテリーパック(4)。
【請求項12】
請求項1から11のいずれか1項に記載のバッテリーパック(4)であって、
分配冷却部材(32)に、前記プレート部材(41、42)と実質的に並列するように延びる取付部(57、58)を有する端部と、受入室(66)を形成するために前記取付部(57、58)と液密に係合したカバーと、前記注入ダクト(31)へ連結するためのコネクタスタブ(43)を設ける、
バッテリーパック(4)。
【請求項13】
バッテリーパック(4)用の冷却部材(48、49、54)であって、
2つの並列するプレート部材(41、42)と、
前記プレート部材(41、42)に対して実質的に平行に配置され、
前記プレート部材(41、42)と液密に連結し、外周に沿って液密な方法で接続されている2つのエンドキャップ(50)と、
前記プレート部材(41、42)の平面に対して横向きに、前記エンドキャップ(50)のそれぞれの側面に延び、
隣接する冷却部材と共に分配ダクト(30)を形成するために、隣接するチューブ部分(44、53)と連結されるように構成されるチューブ部分(51、52)と、を含む、
冷却部材(48、49、54)。
【請求項14】
バッテリーパック(4)用の冷却部材(48、49、54)であって、
2つの並列するプレート部材(41、42)と、
前記プレート部材と液密に連結した2つのエンドキャップ(40)と、
前記注入ダクト(31)へ連結するためのコネクタスタブ(43)と、
を備え、
少なくとも1つのエンドキャップ(40)が前記プレート部材(41、42)と実質的に並列するように延びる取付部(57、58)と、受入室(66)を形成するために前記取付部(57、58)と液密に係合したカバーとを有する、
冷却部材(48、49、54)。
【請求項15】
バッテリーパック(4)用の冷却システムであって、
請求項13に記載の少なくとも1つの冷却部材および/または請求項14に記載の少なくとも1つの冷却部材を含む、
冷却システム。
【請求項16】
請求項1から12のいずれか1項に記載のバッテリーパック(4)を含む、
電動の乗り物。
【請求項17】
電動の乗り物のためのバッテリーパック(4)の製造方法であって、
長手方向の辺(33、34)を有し、長さ方向(L)に隣り合うように延びる角型バッテリーセル(63、64、65)の少なくとも2つの列(16、17、18、19)のアレイ(13、14)と、
横方向の列(25、26、27、28)に配置されていて隣接するセルの間に位置し、長手方向上流の辺(33)からアレイ(13、14)の長手方向反対側の辺(34)へと幅方向(W)に延びるプレート型冷却部材(21、22、23)とを形成するステップと、
前記アレイ(13、14)を圧縮するために、幅方向(W)に延びる横方向の前部部品(8)と横方向の部材(9、15)との間に前記アレイ(13、14)を堅く固定するステップと、
前記横方向の前部部品(8)および前記横方向の部材(9、15)を、それぞれ長手方向の辺(33、34)に沿って延びる2つのシル部材(6、7)を介して相互に連結するステップと、
前記冷却部材(21、22、23)を、前記横方向の前部部品(8)および/または前記横方向の部材(9、15)を貫通して冷却剤供給ダクト(31)および冷却剤リターンダクト(31’)に連結するステップと、を含む、
製造方法。
【請求項18】
請求項17に記載の製造方法であって、
前記シル部材(6、7)の連結前に、前記冷却部材(21、22、23)が弾性のダクト部分(55)を介して相互に連結される、
製造方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、電動の乗り物に用いられるバッテリーパックに関する。バッテリーパックは、長さ方向に延びる2つの離隔したシル部材によって相互に接続され、それぞれが幅方向に延びる横方向の前部部品および横方向の部材を含む。少なくとも2つの長手方向の列の角型バッテリーセルが長さ方向に隣り合って延びる。
【0002】
本発明はまた、このようなバッテリーバックに使用される冷却部材およびその製造方法に関する。
【背景技術】
【0003】
二次電池式の電動の乗り物(BEV)とそのパワートレインは通常、モーターとドライブトレインの効率に最適な所望のシステム出力の電圧ウィンドウに到達するために、直列、並列、またはその両方の組み合わせで接続された電池のアレイにより電力を供給する。バッテリーセルには円筒型、角型、パウチ型等さまざまな形状があり、電力が消費されたり(加速)、印加されたり(充電)すると内部抵抗により熱を発生する。セルの温度が、設定された閾値を超過することを防ぐため、発生した熱は積極的に除去される。設定された閾値温度では、セルの電解質が破壊され、セルに永久的な損傷をもたらし、セルの寿命を実質的に低下させる。
【0004】
したがって、電動の乗り物のためのバッテリーパックの重要な設計パラメータの1つは、十分なセルの寿命と製品の安全性を確保するため、絶対温度を一定の限度未満に保つことである。ただし、セルの内部構造や製造方法(巻回工法または積層工法のジェリーロール)によっては、熱がセルのすべての方向に均等に分散されず、実質的に高温の領域と低温の領域による温度勾配が生じる。温度勾配を可能な限り低減し、高温の箇所と低温の箇所の差が低減されたセル全体にわたって非常に均一な温度分布を実現することが望ましい。
【0005】
バッテリーセル内の電解質を破壊から保護するため、セルの温度が設定値を超えると、通常はセルの高温の箇所が同時に発生しつつ電力の入出力が制限(抑制)される。これにより、セルのある領域が過熱していると、電解質を保護するため、制御ハードウェアおよびソフトウェアがプロトコルの抑制をし始める。実際にこの問題は、消費者が高電圧および高電流で急速充電する際に最も頻繁に経験する。通常の急速充電は、乗り物の種類や充電スポットの出力定格によるが、10分から30分の時間を要する。電力入力時の長い充電時間とは対照的に、進入路における加速時や追い越し時のセルからの電力出力は比較的短時間のイベントであり、通常は1分未満だが、より短い時間間隔の間に数回繰り返されることもある。
【0006】
より良い急速充電の経験(より短い充電時間)を提供するには、バッテリーパックが、高温箇所の発生を回避するための最適化された内部構造と強力な冷却システムを有するセルを備える必要がある。
【0007】
バッテリーパックは、円筒型のバッテリーセルを有し、直列に接続され長さ方向に延びる蛇行した冷却プレートによって冷却されることが知られている。その結果、既知の冷却プレートは、プレートの長さに沿って冷却が不均一になり、局所的な高温の箇所を発生させる可能性がある。
【0008】
本発明の目的は、バッテリーセルにより電力が供給されるとき、およびセルが充電されているときに、実質的に均一な温度分布を有する効果的な冷却システムを備えたバッテリーパックを提供することである。本発明のさらなる目的は、比較的軽量で、比較的速い充電サイクルで充電可能な構造体電池を備えた電動の乗り物を提供することである。
【発明の概要】
【0009】
バッテリーパックは、電動の乗り物で使用するために用いられる。バッテリーパックは、それぞれが幅方向に延び、長さ方向に延びる2つの離隔したシル部材によって相互に連結されている、横方向の前部部品と横方向の部材とを含む。角型バッテリーセルの少なくとも2つの長手方向の列が、長さ方向に隣り合って延びる。セルは、横方向の列を含むアレイの状態で敷き詰められている。アレイは、長手方向の辺を有する。バッテリーパックは、長手方向の列内の隣接するセルの間に介在し、アレイの第1の長手方向の辺から第2の長手方向の辺まで幅方向に延びるプレート型冷却部材をさらに備える。それぞれのプレート型冷却部材は、冷却剤分配ダクトへ至る注入口および冷却剤排出ダクトへ至る出口と連結されている。分配ダクトおよび排出ダクトは、シル部材に対して平行に延びる。分配ダクトは冷却剤供給ダクトに連結され、排出ダクトはリターンダクトに連結されている。冷却剤供給ダクトおよびリターンダクトは、前部部品および/または横方向の部材を貫通する。本構成では、少なくとも2つの長手方向の列が長さ方向にのびる。さらに、少なくとも2つの長手方向の列が隣り合って配置される。つまり、少なくとも2つの長手方向の列が、幅方向に互いに隣接して配置される。1つの列内には、列を形成する角型バッテリーセルが、長さ方向に互いに隣接して配置される。互いに隣り合って配置されている、隣接する長手方向の列のセルが、横方向の列を形成する。
【0010】
プレート型冷却部材は、角型バッテリーセルの横方向の列に沿って延びる。
【0011】
幅方向または横方向、および長さ方向または長手方向等の方向は、バッテリーパックの方向を示す。つまり、幅方向または横方向は、バッテリーパックの幅方向、またはバッテリーパックの横方向として理解される。同様に、長さ方向または長手方向は、バッテリーパックの長さ方向、またはバッテリーパックの長手方向として理解される。
【0012】
バッテリーパックが乗り物に搭載されている場合、バッテリーパックの方向は、乗り物の方向に対応してもよい。つまり、バッテリーパックの幅方向または横方向は、車両の幅方向または横方向に対応し、バッテリーパックの長さ方向または長手方向は、車両の長さ方向または長手方向に対応するということである。
【0013】
本開発によってプレート型冷却部材に冷却剤を並行して供給することは、効果的な冷却をもたらし、その結果バッテリーパックの最高温度を下げることが可能となる。これにより、最高温度を監視して温度が閾値未満である状態を維持することができ、バッテリーセルの電解質の劣化を抑制することができる。冷却剤を並列に分配することによって、冷却の均一性を向上させ、局所的な高温の箇所の発生を抑え、1つ以上のセル内での局所的な高温の箇所のために電力入力の抑制が必要となる前に、より長い時間、比較的高い電力入力(アンペア)による高速充電が可能になる。
【0014】
セルレベルでの温度差が小さいことは、セルの寿命を長くする。本開発によるバッテリーパック内のセルは、内部温度がより均一なレベルに保たれることにより劣化が少なく(経年劣化が遅く)なり、その結果一様で均一な動作で電気化学反応が進み、進行することが可能になる。
【0015】
冷却部材は、それぞれ一対の、隣接する横方向のセルの列の間に設けられてもよい。つまり、冷却部材は任意の2つの横方向のセルの列の間に配置されるということである。これにより、長さ方向に見たとき、セルと冷却部材は交互に配置される。
【0016】
こうして、バッテリーパック内のそれぞれのセルは、最適な冷却を行い局所的な高温の箇所の発生を避けるため、少なくとも1つの側面に沿って冷却される。
【0017】
あるいは、冷却部材が、隣接する横方向のセルの列の各隣接する対の間に一つ置きに設けられる。つまり、隣接する横方向のセルの列の間に一つ置きの境界面全てに、冷却部材が設けられる。隣接した横方向のセルの列には、1つおきに冷却部材が設けられないことになる。このことは、長さ方向に見たときに当てはまる。言い換えると、再度長さ方向に見たときに、以下のパターンが形成される。横方向のセルの列、横方向のセルの列、冷却部材、横方向のセルの列、横方向のセルの列、冷却部材。本代替案は、構造の単純さと効果的な冷却の間の適切な妥協点を提供する。
【0018】
冷却部材が横方向のセルの列の各隣接する対の間に設けられるという代替案と、冷却部材が、隣接する横方向のセルの列の各隣接する対の間に一つ置きに設けられるという代替案とを組み合わせてもよい。つまり、バッテリーパックの第1のセクションでは、冷却部材が横方向のセルの列の各隣接する対の間に設けられる。バッテリーパックの第2のセクションでは、冷却部材が、隣接する横方向のセルの列の各隣接する対の間に一つ置きに設けられる。こうして、セルパック内に特定の要件の必要に応じて冷却部材を配置することができる。
【0019】
前部部品および横方向の部材は、長さ方向のセルに対して20から200kN/m2の圧縮力をかけてもよい。言い換えると、セルとプレート型冷却部材は前部部品と横方向の部材との間で圧縮される。
【0020】
結果として、前部部品と横方向の部材との間にある圧縮前のセルの積層と冷却部材は、効果的にそして均一に冷却することができる軽量の構造体電池を実現する。
【0021】
注入ダクトは分配ダクトに、または分配ダクトの中間点の近傍に連結されてもよい。分配ダクトの中間点は、長さ方向に沿ったセルのアレイの中間点に対応してもよい。
【0022】
結果として、これは長さ方向から見たとき、冷却部材に沿った対称な流れの分配をもたらし、冷却の均一性を向上させる。
【0023】
本開示によるバッテリーパックでは、冷却部材は横方向の前部部品と隣接する横方向のセルの列との間、および横方向の部材と隣接する横方向のセルの列との間に設けられてよい。
【0024】
横方向のセルの列の最初と最後の長い面を両方冷却することにより、それぞれのセルが横方向のビームに接し、当該セルの過熱が抑制される。
【0025】
バッテリーパックでは、アレイの長手方向の辺と幅方向のシル部材との距離が5cmから25cmであってもよい。冷却剤注入ダクトおよび冷却剤リターンダクトは長手方向の辺とシル部材との間に延びる。
【0026】
冷却剤供給ダクトおよび冷却剤リターンダクトは、バッテリーセルのアレイとシル部材との間の空間に収容されることにより、コンパクトな構造に集約される。これはバッテリーパックの高さを抑え、冷却チャネルとセルとの間の強い連結を形成することになり、その結果構造体バッテリーパックの構造が強化される。
【0027】
バッテリーパックの横方向の部材はビームまたはフットガレージと、シル部材の後部パーツと相互に連結されている横方向の後部部品とを含む。セルの第1のアレイは前部の横方向の部材と、ビームまたはフットガレージとの間に位置している。セルの第2のアレイは、ビームまたはフットガレージと、横方向の後部部品との間に位置している。セルのアレイにはそれぞれ、冷却部材と、冷却剤注入口と、分配ダクトと、排出およびリターンダクトとが設けられている。セルの第1のアレイおよび第2アレイの注入口およびリターンダクトは、横方向の前部部品およびビームまたはフットガレージを貫通する。第1のアレイは、先に定義されているように、セルのアレイのサブアレイとして考えられてもよい。また、第2のアレイは、先に定義されているように、セルのアレイのサブアレイとして考えられてもよい。
【0028】
本文脈において、フットガレージは少なくとも片方の人間の足がアクセスできる置き場あるいは受容空間を含むパーツまたはアセンブリとして理解される。これはバッテリーパックが乗り物に搭載される状況に当てはまる。
【0029】
セルは、それぞれ独自の冷却システムと共に前部セルのベイと、後部セルのベイとの間に収容される。フットガレージの形状をした横方向のビームは、高さが低い乗り物により良い人間工学をもたらす。バッテリーパックの(例えば中央で、)長さ方向のスケーリング部材として機能する横方向のビームは、構造体バッテリーパックの構造を強化する。
【0030】
それぞれの冷却部材がエンドキャップを有する2つの並列なプレートを含み、そのエンドキャップが横向きのチューブ部分を有する、バッテリーパックが設けられてもよい。横向きのチューブ部分は、分配ダクトを形成するために相互に連結されていてもよい。
【0031】
冷却部材は薄くコンパクトな設計であり、広範な熱交換面にバッテリーセルの側面を設けている。プレート型冷却部材は、押し出し成形により容易に製造することができる。冷却部材の壁と横断面は、最適な冷却の必要性と、セルが経年劣化し膨張したとき長さ方向にセルに作用する必要のある圧縮力との間で、厚さおよび表面積のバランスが取られる。冷却部材が薄すぎると圧力で破損する可能性があり、そうなればセルが際限なく膨張し、セルの寿命を著しく縮めることになる。
【0032】
隣接する冷却部材の横向きのチューブ部分は、それぞれ弾性のチューブ部材を介して相互に連結されていてもよい。
【0033】
冷却部材の横向きのチューブはコックを形成し、そのコックはアルミニウム製が好ましい。隣接する冷却部材の外面のコックは、連結を完全にするために所定の位置にパチンとはめこまれた弾性のホースまたはチューブ部品により相互に連結され、冷却流体のための連続した分配チャネルを形成している。
【0034】
支持構造は、少なくとも1つの冷却部材の並列する2つのプレートの間に配置されてもよい。支持構造は弾力性があってもよい。この場合、支持構造はばね要素またはばね構造として設計されてもよい。これは、前部部品と横方向の部材がセルの長さ方向に沿って圧縮力をもたらし、冷却部材がその間に配置されている場合であっても、2つの並列したプレートの間に十分な大きさの流路が維持される効果を有する。さらに、このような支持構造は、圧縮力が均等にセルや冷却部材全体に一様に分散する効果を有する。
【0035】
支持構造は、金属素材またはプラスチック素材から作られていてもよい。
【0036】
支持構造は波状の形状を有してもよい。支持構造は、幅方向に沿って見たときに波状の形状を有していることが好ましい。これは冷却剤用の十分な大きさの流路が幅方向に設けられる点で効果的である。同時に、このような冷却部材は安定性が高い。
【0037】
このような波状の形状は、シート金属やプラスチックシート等のシート素材を変形させることにより製造されてもよい。あるいは、このような波状の形状は押し出し成形の工程を用いて製造されてもよい。
【0038】
一例では、支持構造は各冷却部材の並列する2つのプレートの間に配置されてもよい。
【0039】
分配冷却部材は、プレート部材と実質的に並列するように延びる取付部を有する端部と、受入室を形成するために取付部と液密に係合したカバーと、注入ダクトへ連結するためのコネクタスタブとともにバッテリーパックに設けられてもよい。これにより、冷却剤は確実な方法で冷却部材に供給されてもよい。
【0040】
本開示による冷却部材は、2つの並列するプレート部材と、プレート部材に対して実質的に平行に配置された2つのエンドキャップを含んでもよい。エンドキャップは、プレート部材と液密に連結してもよく、外周に沿って液密な方法で接続されていてもよい。冷却部材は、エンドキャップのそれぞれの側面で、プレート部材の面に対して横向きに延びるチューブ部分をさらに含んでもよく、隣接する冷却部材と共に分配ダクトを形成するために隣接するチューブ部分と連結されるように構成されてもよい。このような冷却部材は、第1のタイプの冷却部材として設計されてもよい。
【0041】
エンドキャップは、プレート部材と実質的に並列するように延びる取付部と、受入室を形成するために取付部と液密に係合したカバーと、注入ダクトへ連結するためのコネクタスタブとを含んでもよい。
【0042】
本発明による他の冷却部材は、2つの並列するプレート部材と、プレート部材と液密に連結した2つのエンドキャップとを含み、少なくとも1つのエンドキャップが、プレート部材と実質的に並列するように延びる取付部と、受入室を形成するために取付部と液密に係合したカバーとを有する。冷却部材は、注入ダクトへ連結するためのコネクタスタブをさらに含んでもよい。このような冷却部材は、第2のタイプの冷却部材として設計されてもよい。
【0043】
本発明による冷却部材は、本発明によるバッテリーパックのための冷却部材であってもよい。
【0044】
バッテリーパック用の冷却システムは、少なくとも1つの第1のタイプの冷却部材および/または少なくとも1つの第2のタイプの冷却部材を含む。このような冷却システムを用いることにより、効果的かつ効率的にバッテリーパック内の温度を制御することができる。
【0045】
一例では、冷却システムは複数の第1のタイプの冷却部材を含み、それぞれの冷却部材は隣接するセルの間に介在する。さらに、冷却システムは、第1のタイプの冷却部材へ冷却剤を供給するために第2のタイプの冷却部材を1つ含んでもよい。
【0046】
電動の乗り物は、本発明のバッテリーパックを含む。このようなバッテリーパックでは、効果的かつ効率的な冷却が保証されるため、比較的高速な充電が可能である。電動の乗り物のためのバッテリーパックの製造方法は、長手方向の辺を有し、長さ方向に隣り合うように延びる角型バッテリーセルの少なくとも2つの列のアレイと、横方向の列に配置されていて隣接するセルの間に位置し、長手方向上流の辺からアレイの長手方向反対側の辺へと幅方向に延びるプレート型冷却部材とを形成するステップと、アレイを圧縮するために、幅方向に延びる横方向の前部部品と横方向の部材との間にアレイを堅く固定するステップと、横方向の前部部品および横方向の部材を、それぞれ長手方向の辺に沿って延びる2つのシル部材を介して相互に連結するステップと、冷却部材を、横方向の前部部品および/または横方向の部材を貫通して冷却剤供給ダクトおよび冷却剤リターンダクトに連結するステップと、を含む。
【0047】
シル部材の連結前に、冷却プレートが弾性のダクト部分を介して相互に連結されていてもよい。
【0048】
一例では、バッテリーパックの製造方法は、本発明によるバッテリーパックの製造方法に関する。
【図面の簡単な説明】
【0049】
本開示による冷却部材を有するバッテリーパックの実施形態は、非限定的な例として、添付の図面を参照して詳細に説明する。
【
図1】バッテリーパックを有する電動の乗り物である。
【
図2】冷却システムを有するバッテリーパックの斜視図である。
【
図4】
図2の冷却システムの注入ダクトの詳細な図である。
【
図5】
図2の冷却システムの分配ダクトの詳細な図である。
【
図9】
図2の冷却システムの部分的な横断面図である。
【
図10】
図2のバッテリーパックの冷却部材の詳細な図である。
【発明の詳細な説明】
【0050】
図1は、前部フレーム構造2と、後部フロアを含む後部フレーム構造3と、乗り物の底部構造5を形成する構造体バッテリーパック4とを備えた電動の乗り物のフレーム1を示す。構造体バッテリーパック4は、長手方向のシル材6、7および横方向の前部および後部ビーム8、9を含む。シル材6、7はフレームのシル部材10、11と連結し、横方向のビーム8、9は前部フレーム構造2および後部フレーム構造3と連結している。バッテリーパック4の上部プレート12は、乗り物のキャビンの底部を形成する。
【0051】
図2は、長さ方向Lに延びる列16、17、18、19に配置された角型バッテリーセルの2つのアレイ13および14を示す。前部アレイ13内のバッテリーセルは前部ビーム8とフットガレージ15との間に圧縮されている。後部アレイ14内のバッテリーセルは、フットガレージ15と後部ビーム9との間に圧縮されている。
【0052】
バッテリーセルの側面を冷却するための冷却プレート21、22、23は、バッテリーセルの横方向の列25、26、27、28の幅方向Wに延びる。冷却プレート21、22、23は、その端部で、矢印Iで示される注入ダクト31を介して冷却液を受ける流体分配ダクト30と連結されている。同様に、冷却プレート21、22、23の出口は、
図3に示されるように、冷却剤排出ダクト30’およびリターンダクト31’へと連結されている。注入ダクト31、流体分配ダクト30および分配部材32は、長手方向のシル部材7およびセル13のアレイの長手方向の辺33の間に位置する。反対側においては、冷却剤排出ダクト30’およびリターンダクト31’はシル材6およびアレイ13の長手方向の辺34の間に位置する。加熱された冷却剤は、リターンダクト31’から、矢印Oで示される出口36へ流れる。
【0053】
図3は、注入ダクト31がバッテリーセルの前部アレイ13の冷却プレート21、22、23へと連結し、かつフットガレージ15を通って延びる注入ダクト37を介して、後部分配ダクト39の分配部材40へと続くことを示す。後部分配ダクト39はセルの後部アレイ14の冷却部材に冷却剤を供給する。矢印で示されるように、冷却された冷却剤は、注入口Iを介してバッテリーセルのアレイ13、14の上流長手方向の辺33の冷却プレート21、22、23に入り、幅方向の下流長手方向の辺34へと流れる。加熱された冷却剤は、排出ダクト30’およびリターンダクト31’を介して冷却剤出口Oへと運ばれる。
【0054】
図3の例では、注入ダクト31が横方向の前部部品または横方向の前部ビーム8を貫通することに留意されたい。また、リターンダクト31’も、横方向の前部部品または横方向の前部ビーム8を貫通する。あるいは、注入ダクト31は横方向の後部ビーム9を貫通してもよい。さらに、リターンダクト31’は横方向の後部ビーム9を貫通してもよい。これら2つの例は、注入ダクト31が横方向の前部ビーム8と横方向の後部ビーム9の両方を貫通するように組み合わせてもよい。また、この組み合わせでは、リターンダクト31’が横方向の前部ビーム8または横方向の後部ビーム9の両方を貫通する。
【0055】
図4は、注入ダクト31が、シル材7とセルのアレイ13の長手方向の辺33との間の空間にある注入口Iから分配部材32へ延びていることを示す。シル材7および長手方向の辺33の間の距離dは、5cmから25cmであってもよい。
【0056】
図5は、冷却部材21、22、23を相互に連結する注入ダクト31および分配ダクト30を示す。
【0057】
図6は、T型の端部40を有する中央の分配部材32を拡大した斜視図である。端部40は平行な冷却プレート41、42の間に形成された冷却チャネルの端面をシールする。端部40は、注入ダクト31を連結するためのコネクタスタブ43と、分配ダクト30を形成するための隣接する冷却部材48、49のコック47、52に連結するための2つのコック44、45と、を含む。
【0058】
それぞれの冷却部材48、49、54について、冷却チャネルは、冷却部材の平行な2つの冷却プレートの間で形成されている。冷却部材の端面にはそれぞれ、冷却チャネルの端面をシールするエンドキャップ50が設けられており、エンドキャップ50には、2つのサイドコック51、52が設けられている。隣接した冷却部材48、54のサイドコック51、53は、ラバーホース等の弾性のチューブ状部材55を介して相互に連結され、分配ダクト30が完成すると所定の位置にパチンとはまる。
【0059】
図7は、分配部材32の端部40のコネクタスタブ43に連結される注入ダクト31の上面図である。
【0060】
図8は、それぞれがサイドコック45を含む2つのT型エンドフランジ57、58と、コネクタスタブ43を支持する横方向のエンドキャップ59とから形成される分配部材32を示す。
図9に示されるように、エンドキャップ59とフランジ57、58は、冷却剤が注入ダクトを通って入ってくるための受入室66を画定する。冷却剤は受入室66から、サイドコック45を介して分配ダクト30へと入り、冷却プレート41、42の間に画定される冷却チャネルへと入る。冷却プレート41、42は、アルミニウム製のT型フランジとエンドキャップ59で形成されてもよく、ロウ付け、クリンチ、ヘムにより相互に連結され得る。
【0061】
図9は、セルの平行な隣接した横方向の列63、64、65の間に位置する冷却チャネル60、61、62を示す。注入ダクト31により供給された冷却剤は、分配部材32の受入室66から2つの反対の長さ方向に、分配ダクト30へと分配される。分配部材32は、分配ダクトの中間点に位置し、その結果、冷却剤の均一な流れが、すべての冷却部材を通過する。冷却剤は、分配ダクト30から、バッテリーセル63、64、65の側面と熱交換接触する冷却チャネルに入る。冷却剤は、セルの横方向の列63、64、65の下流側を通り、
図9に示される注入口構成のレイアウトと同様の出口を介して、出口へと運ばれる。
【0062】
【0063】
冷却部材21、22、23は、平行な2つのプレート41、42の間に配置された支持構造68を含む。
【0064】
図10に示される例においては、支持構造68が金属製であり、波状に、またはジグザグ状に形成される。支持構造68を幅方向に見ると、波状またはジグザグ状の構造が見られる。
【0065】
支持構造68が接触していない冷却部材21、22、23の内側の部分は、冷却剤の流路として機能する。言い換えると、支持構造68は、幅方向の冷却剤の流れをほとんど、またはまったく阻害しない。
【0066】
支持構造68は、セルおよび冷却部材21、22、23が長さ方向に圧縮されている場合、ばね機能を有する。これにより、圧縮による力が均等に分散され、利用可能な流路の断面積が大幅に減少することがない。
【手続補正書】
【提出日】2024-07-23
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
電動の乗り物に使用されるバッテリーパック(4)であって、前記バッテリーパック(4)は、
それぞれが幅方向(W)に延び、長さ方向(L)に延びる2つの離隔したシル部材(6、7)によって相互に連結される、横方向の前部部品(8)と横方向の部材 (9、15)と、
横方向の列(25、26、27、28)を含み長手方向の辺(33、34)を有するアレイ(13、14)の状態で敷き詰められ、前記長さ方向(L)に隣り合って延びる、長手方向に延びる列(16、17、18、19)になった少なくとも2つの角型バッテリーセル(63、64、65)と、
前記長手方向の列(16、17、18、19)内の隣接するセル(63、64、65)の間に介在し、前記アレイ(13、14)の第1の長手方向の辺(33)から第2の長手方向の辺(34)まで幅方向(W)に延びるプレート型冷却部材(21、22、23)と、
前記シル部材(6、7)に対して平行に延びる冷却剤分配ダクト(30)および冷却剤排出ダクト(30’)と、を含み、
それぞれの前記冷却部材(21、22、23)は、前記冷却剤分配ダクト(30)へ至る注入口と前記冷却剤排出ダクト(30’)へ至る出口とに連結され、
前記分配ダクト(30)は冷却剤供給ダクト(31)に連結され、前記冷却剤排出ダクト(30’)はリターンダクト(31’)に連結され、
前記冷却剤供給ダクト(30)および前記リターンダクト(31’)は、前記前部部品(8)および/または前記横方向の部材(9、15)を貫通する、
バッテリーパック(4)。
【請求項2】
請求項1に記載のバッテリーパック(4)であって、
冷却部材(21、22、23)が、横方向のセル(25、26、27、28)の列の各隣接する対の間に設けられる、
バッテリーパック(4)。
【請求項3】
請求項1に記載のバッテリーパック(4)であって、
冷却部材(21、22、23)が、隣接する横方向のセル(25、26、27、28)の列の各隣接する対の間に一つ置きに設けられる、
バッテリーパック(4)。
【請求項4】
請求項1から3のいずれか1項に記載のバッテリーパック(4)であって、
前記前部部品(8)および前記横方向の部材(15)は前記長さ方向の前記セルに対して20から200kN/m2の圧縮力をかける、
バッテリーパック(4)。
【請求項5】
請求項1か
ら3のいずれか1項に記載のバッテリーパック(4)であって、
前記注入ダクト(31)は前記分配ダクト (30)の中間点またはその近傍に連結される、
バッテリーパック(4)。
【請求項6】
請求項1か
ら3のいずれか1項に記載のバッテリーパック(4)であって、
冷却部材(21’、23’) は前記横方向の前部部品(8)と隣接する横方向のセル(25’)の列との間、および前記横方向の部材(15)と隣接する横方向のセル(28’)の列との間に設けられる、
バッテリーパック(4)。
【請求項7】
請求項1か
ら3のいずれか1項に記載のバッテリーパック(4)であって、
前記アレイ(13、14)の前記長手方向の辺(33、34)と前記幅方向(W)の前記シル部材(6、7)との距離(d)が5cmから25cmであり、
前記冷却剤注入ダクト(31)および前記冷却剤リターンダクト(31’)は前記アレイの前記長手方向の辺(33、34)と前記シル部材(6、7)との間に延びる、
バッテリーパック(4)。
【請求項8】
請求項1か
ら3のいずれか1項に記載のバッテリーパック(4)であって、
前記横方向の部材(15)はビームまたはフットガレージと、前記シル部材(6、7)の後部パーツを相互に連結する横方向の後部部品(9)とを含み、
セルの第1のアレイ(13)は前記前部の横方向の部材(8)と、前記ビームまたは前記フットガレージとの間に位置し、
セルの第2のアレイ(14)は、前記ビームまたは前記フットガレージと、前記横方向の後部部品(9)との間に位置し、
セルの各アレイ(13、14)にはそれぞれ、冷却部材(21、22、23)と、冷却剤注入口および分配ダクト(30、31)と、排出およびリターンダクト(30’、31’)とが設けられ、
前記セルの前記第1のアレイ(13)および第2のアレイ(14)の前記注入および前記リターンダクト(31、31’)は、前記横方向の前部部品(8)および前記ビームまたは前記フットガレージを貫通する、
バッテリーパック(4)。
【請求項9】
請求項1か
ら3のいずれか1項に記載のバッテリーパック(4)であって、
それぞれの冷却部材(21、22、23)が2つの横向きのチューブ部分(44、45;51、52)を有するエンドキャップ(40、50)を有する2つの並列なプレート(41、42)を含み、
前記チューブ部分(44、45、51、52)は、前記分配ダクト(30)を形成するために相互に連結されている、
バッテリーパック(4)。
【請求項10】
請求項9に記載のバッテリーパック(4)であって、
隣接する冷却部材(48、54)の前記横向きのチューブ部分(51、53)は、それぞれ弾性のチューブ部材(55)を介して相互に連結されている、
バッテリーパック(4)。
【請求項11】
請求項
9に記載のバッテリーパック(4)であって、
支持構造(68)が、少なくとも1つの前記冷却部材(21、22、23)の前記並列する2つのプレート(41、42)の間に配置される、
バッテリーパック(4)。
【請求項12】
請求項1か
ら3のいずれか1項に記載のバッテリーパック(4)であって、
分配冷却部材(32)に、前記プレート部材(41、42)と実質的に並列するように延びる取付部(57、58)を有する端部と、受入室(66)を形成するために前記取付部(57、58)と液密に係合したカバーと、前記注入ダクト(31)へ連結するためのコネクタスタブ(43)を設ける、
バッテリーパック(4)。
【請求項13】
バッテリーパック(4)用の冷却部材(48、49、54)であって、
2つの並列するプレート部材(41、42)と、
前記プレート部材(41、42)に対して実質的に平行に配置され、
前記プレート部材(41、42)と液密に連結し、外周に沿って液密な方法で接続されている2つのエンドキャップ(50)と、
前記プレート部材(41、42)の平面に対して横向きに、前記エンドキャップ(50)のそれぞれの側面に延び、
隣接する冷却部材と共に分配ダクト(30)を形成するために、隣接するチューブ部分(44、53)と連結されるように構成されるチューブ部分(51、52)と、を含む、
冷却部材(48、49、54)。
【請求項14】
バッテリーパック(4)用の冷却部材(48、49、54)であって、
2つの並列するプレート部材(41、42)と、
前記プレート部材と液密に連結した2つのエンドキャップ(40)と、
前記注入ダクト(31)へ連結するためのコネクタスタブ(43)と、
を備え、
少なくとも1つのエンドキャップ(40)が前記プレート部材(41、42)と実質的に並列するように延びる取付部(57、58)と、受入室(66)を形成するために前記取付部(57、58)と液密に係合したカバーとを有する、
冷却部材(48、49、54)。
【請求項15】
バッテリーパック(4)用の冷却システムであって、
請求項13に記載の少なくとも1つの冷却部材および/または請求項14に記載の少なくとも1つの冷却部材を含む、
冷却システム。
【請求項16】
請求項1か
ら3のいずれか1項に記載のバッテリーパック(4)を含む、
電動の乗り物。
【請求項17】
電動の乗り物のためのバッテリーパック(4)の製造方法であって、
長手方向の辺(33、34)を有し、長さ方向(L)に隣り合うように延びる角型バッテリーセル(63、64、65)の少なくとも2つの列(16、17、18、19)のアレイ(13、14)と、
横方向の列(25、26、27、28)に配置されていて隣接するセルの間に位置し、長手方向上流の辺(33)からアレイ(13、14)の長手方向反対側の辺(34)へと幅方向(W)に延びるプレート型冷却部材(21、22、23)とを形成するステップと、
前記アレイ(13、14)を圧縮するために、幅方向(W)に延びる横方向の前部部品(8)と横方向の部材(9、15)との間に前記アレイ(13、14)を堅く固定するステップと、
前記横方向の前部部品(8)および前記横方向の部材(9、15)を、それぞれ長手方向の辺(33、34)に沿って延びる2つのシル部材(6、7)を介して相互に連結するステップと、
前記冷却部材(21、22、23)を、前記横方向の前部部品(8)および/または前記横方向の部材(9、15)を貫通して冷却剤供給ダクト(31)および冷却剤リターンダクト(31’)に連結するステップと、を含む、
製造方法。
【請求項18】
請求項17に記載の製造方法であって、
前記シル部材(6、7)の連結前に、前記冷却部材(21、22、23)が弾性のダクト部分(55)を介して相互に連結される、
製造方法。
【国際調査報告】