(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-10-31
(54)【発明の名称】多孔質セラミック層を有する電池セル用のアノード側シール
(51)【国際特許分類】
H01M 4/13 20100101AFI20241024BHJP
H01M 4/62 20060101ALI20241024BHJP
H01M 10/052 20100101ALI20241024BHJP
H01M 10/0562 20100101ALI20241024BHJP
H01M 4/134 20100101ALI20241024BHJP
H01M 4/38 20060101ALI20241024BHJP
H01M 4/66 20060101ALI20241024BHJP
H01M 50/531 20210101ALI20241024BHJP
H01M 50/103 20210101ALI20241024BHJP
H01M 10/0585 20100101ALI20241024BHJP
H01M 4/80 20060101ALI20241024BHJP
H01M 4/139 20100101ALI20241024BHJP
【FI】
H01M4/13
H01M4/62 Z
H01M10/052
H01M10/0562
H01M4/134
H01M4/38 Z
H01M4/66 A
H01M50/531
H01M50/103
H01M10/0585
H01M4/80 C
H01M4/139
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2024531236
(86)(22)【出願日】2022-11-09
(85)【翻訳文提出日】2024-06-05
(86)【国際出願番号】 US2022079575
(87)【国際公開番号】W WO2023097146
(87)【国際公開日】2023-06-01
(32)【優先日】2021-11-24
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】524195503
【氏名又は名称】イオン ストレージ システムズ, インコーポレイテッド
(74)【代理人】
【識別番号】100078282
【氏名又は名称】山本 秀策
(74)【代理人】
【識別番号】100113413
【氏名又は名称】森下 夏樹
(74)【代理人】
【識別番号】100181674
【氏名又は名称】飯田 貴敏
(74)【代理人】
【識別番号】100181641
【氏名又は名称】石川 大輔
(74)【代理人】
【識別番号】230113332
【氏名又は名称】山本 健策
(72)【発明者】
【氏名】サントリ, エリザベス エー.
(72)【発明者】
【氏名】ヒューダック, ニコラス エス.
(72)【発明者】
【氏名】トルクスドルフ, マーラ エー.
(72)【発明者】
【氏名】ヒッツ, グレゴリー トーマス
(72)【発明者】
【氏名】カリー, ティモシー ロバート
(72)【発明者】
【氏名】ブラッドリー, マリッサ ミシェル
(72)【発明者】
【氏名】リーチ, コナー ジャクソン
(72)【発明者】
【氏名】ルッツ, ダイアナ マリー
(72)【発明者】
【氏名】ジェイ, ラーフル
(72)【発明者】
【氏名】ハワード, ジェフリー スティーブン
【テーマコード(参考)】
5H011
5H017
5H029
5H043
5H050
【Fターム(参考)】
5H011AA09
5H011CC02
5H011DD12
5H017AA03
5H017AS10
5H017CC25
5H017EE01
5H017EE04
5H017EE05
5H029AJ14
5H029AK01
5H029AK03
5H029AL01
5H029AL11
5H029AL12
5H029AL13
5H029AM11
5H029BJ12
5H029BJ13
5H029DJ02
5H029DJ04
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5H029DJ13
5H029HJ12
5H043AA19
5H043BA20
5H043CA13
5H043EA08
5H050AA19
5H050BA17
5H050CA01
5H050CA08
5H050CB01
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5H050CB12
5H050DA03
5H050DA09
5H050DA13
5H050DA19
5H050FA04
5H050FA09
5H050FA13
5H050FA15
5H050GA13
5H050GA22
5H050HA04
5H050HA12
(57)【要約】
本開示は、電池セル用のアノードアセンブリを提供する。電池セルは、セパレータ層、アノード層、アノード集電体、及びシールを含む。アノード層は、少なくとも部分的にセパレータ層上に配置され、セパレータ層に面する第1の表面、セパレータ層に背を向ける第2の表面、及び第1の表面から第2の表面まで延びる外面を有する。アノード層は、細孔を有する固体電解質(SSE)を含む。アノード集電体は、アノード層の第2の表面に結合される。シールは実質的に液体を通さない。本開示は、電池セル用のアノードアセンブリを形成する方法も提供する。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
電池セル用のアノードアセンブリであって、
セパレータ層と、
前記セパレータ層上に少なくとも部分的に配置され、前記セパレータ層に面する第1の表面、前記セパレータ層に背を向ける第2の表面、及び前記第1の表面から前記第2の表面まで延びる外面を有するアノード層であって、細孔を有する固体電解質(SSE)を含む、前記アノード層と、
前記アノード層の前記第2の表面に結合されたアノード集電体と、
前記アノード層の前記外面上に少なくとも部分的に配置され、シーラント材料を含むシールであって、実質的に液体を通さない、前記シールと、
を備える、前記アノードアセンブリ。
【請求項2】
前記セパレータ層には実質的に細孔が存在しない、請求項1に記載のアノードアセンブリ。
【請求項3】
前記セパレータ層がSSE材料を含む、請求項1または2に記載のアノードアセンブリ。
【請求項4】
前記セパレータ層の前記SEE材料が、ポリマ、硫化物、酸化物、カルコゲニド、またはそれらの任意の組み合わせを含む、請求項3に記載のアノードアセンブリ。
【請求項5】
前記セパレータ層が凹部を画定し、
前記シールが前記セパレータ層の前記凹部内に配置される、請求項1~4のいずれか1項に記載のアノードアセンブリ。
【請求項6】
前記セパレータ層が、約1μm~約300μmの厚さを有する、請求項1~5のいずれか1項に記載のアノードアセンブリ。
【請求項7】
前記アノード層の前記細孔の少なくとも一部に配置されたアノード材料をさらに含む、請求項1~6のいずれか1項に記載のアノードアセンブリ。
【請求項8】
前記アノード材料が、リチウム金属、ナトリウム金属、マグネシウム金属、またはそれらの任意の組み合わせを含む、請求項7に記載のアノードアセンブリ。
【請求項9】
前記アノード層が、前記アノード層の中心と前記外面との間に第1の多孔質領域を画定し、前記第1の多孔質領域と前記アノード層の前記外面との間に第2の多孔質領域を画定する、請求項1~8のいずれか1項に記載のアノードアセンブリ。
【請求項10】
前記第1の多孔質領域の前記細孔には前記シーラント材料が実質的に存在しない、請求項9に記載のアノードアセンブリ。
【請求項11】
前記第2の多孔質領域の前記細孔の少なくとも一部が前記シーラント材料を含む、請求項9または請求項10に記載のアノードアセンブリ。
【請求項12】
前記シールが、前記アノード層の前記外面上及び前記第2の多孔質領域の前記細孔内に少なくとも部分的に配置される、請求項11に記載のアノードアセンブリ。
【請求項13】
前記アノード層の前記外面が凹部を画定し、
前記シールが前記アノード層の前記凹部内に配置される、請求項1~12のいずれか1項に記載のアノードアセンブリ。
【請求項14】
前記アノード層が、約1μm~約500μmの厚さを有する、請求項1~13のいずれか1項に記載のアノードアセンブリ。
【請求項15】
前記アノード集電体が金属箔を含む、請求項1~14のいずれか1項に記載のアノードアセンブリ。
【請求項16】
前記金属箔が、銅、ニッケル、チタン、ステンレス鋼、それらの合金、またはそれらの任意の組み合わせを含む、請求項15に記載のアノードアセンブリ。
【請求項17】
前記金属箔が、外部回路と接続するように構成されたタブを有する、請求項15または16に記載のアノードアセンブリ。
【請求項18】
前記シールが、前記セパレータ層上に少なくとも部分的に配置される、請求項1~17のいずれか1項に記載のアノードアセンブリ。
【請求項19】
前記シールが、前記アノード集電体上に少なくとも部分的に配置される、請求項1~18のいずれか1項に記載のアノードアセンブリ。
【請求項20】
前記セパレータ層が、前記アノード層に面する前面、前記アノード層に背を向ける背面、及び前記前面から前記背面まで延びる外面を有し、
前記アノード集電体が、前記アノード層に面する内面、前記アノード層に背を向ける外側の表面、及び前記内面から前記外側の表面まで延びる外面を有する、請求項1~19のいずれか1項に記載のアノードアセンブリ。
【請求項21】
前記シールが、前記セパレータ層の前記外面上に少なくとも部分的に配置される、請求項20に記載のアノードアセンブリ。
【請求項22】
前記シールが、前記セパレータ層の前記外面の実質的に全体に配置される、請求項20または21に記載のアノードアセンブリ。
【請求項23】
前記シールが、前記セパレータ層の前記背面上に少なくとも部分的に配置される、請求項20~22のいずれか1項に記載のアノードアセンブリ。
【請求項24】
前記シールが、前記セパレータ層の前記前面上に少なくとも部分的に配置される、請求項20~23のいずれか1項に記載のアノードアセンブリ。
【請求項25】
前記シールが、前記アノード集電体の前記外面上に少なくとも部分的に配置される、請求項20~24のいずれか1項に記載のアノードアセンブリ。
【請求項26】
前記シールが、前記アノード集電体の前記外面の実質的に全体に配置される、請求項20~25のいずれか1項に記載のアノードアセンブリ。
【請求項27】
前記シールが、前記アノード集電体の前記外側の表面上に少なくとも部分的に配置される、請求項20~26のいずれか1項に記載のアノードアセンブリ。
【請求項28】
前記シールが、前記アノード集電体の前記外側の表面の実質的に全体に配置される、請求項20~27のいずれか1項に記載のアノードアセンブリ。
【請求項29】
前記シールが、前記アノード集電体の前記内面に少なくとも部分的に配置される、請求項20~28のいずれか1項に記載のアノードアセンブリ。
【請求項30】
前記シールが、前記アノード層の前記外面、前記セパレータ層の前記外面、及び前記アノード集電体の前記外面のそれぞれに少なくとも部分的に配置される、請求項20に記載のアノードアセンブリ。
【請求項31】
前記シーラント材料が、非導電性ポリマ、非導電性ガラス、またはそれらの任意の組み合わせを含む、請求項1~30のいずれか1項に記載のアノードアセンブリ。
【請求項32】
前記シーラント材料が、ポリプロピレン、ポリエチレン、ポリメチルペンテン、ポリブテン-1、エチレン-オクテン共重合体、プロピレン-ブタン共重合体、ポリイソブチレン、ポリ(α-オレフィン)、エチレンプロピレンゴム、エチレンプロピレンジエンモノマゴム、エチレン酢酸ビニル、エチレン-アクリレート共重合体、ポリアミド、ポリエステル、ポリウレタン、スチレンブロック共重合体、ポリカプロラクトン、ポリイミド、ポリ塩化ビニル、ポリカーボネート、ポリアクリレート、ポリメタクリレート、フッ素重合体、エポキシ樹脂、エポキシポリマ、シリコーンゴム、またはそれらの任意の組み合わせを含む、請求項1~31のいずれか1項に記載のアノードアセンブリ。
【請求項33】
内部を画定する複数の内壁を有するハウジングをさらに備え、
前記セパレータ層、前記アノード層、前記アノード集電体、及び前記シールが前記ハウジングの前記内部に配置される、請求項1~32のいずれか1項に記載のアノードアセンブリ。
【請求項34】
前記シールが、前記アノード層の前記外面から前記ハウジングの前記複数の内壁のうちの少なくとも1つまで延びる、請求項33に記載のアノードアセンブリ。
【請求項35】
前記ハウジングが、前記複数の内壁のうちの少なくとも1つから前記ハウジングの前記内部まで延びる第1の突起及び第2の突起をさらに備え、
前記第1の突起及び前記第2の突起は空洞を画定し、
前記シールが前記アノード層の前記外面から前記空洞内に延びる、請求項33または34に記載のアノードアセンブリ。
【請求項36】
前記シールのうちの少なくとも一部が約1μm~約50μmの厚さを有する、請求項1~35のいずれか1項に記載のアノードアセンブリ。
【請求項37】
前記シールが気体を透過させる、請求項1~36のいずれか1項に記載のアノードアセンブリ。
【請求項38】
多層アノードアセンブリであって、
第1のセパレータ層と、
前記第1のセパレータ層から離間した第2のセパレータ層と、
前記第1のセパレータ層上に少なくとも部分的に配置され、前記第1のセパレータ層に面する第1の表面、前記第1のセパレータ層に背を向ける第2の表面、及び前記第1の表面から前記第2の表面まで延びる外面を有する第1のアノード層であって、細孔を有する固体電解質(SSE)を含む、前記第1のアノード層と、
前記第2のセパレータ層上に少なくとも部分的に配置され、前記第2のセパレータ層に面する第1の表面、前記第2のセパレータ層に背を向ける第2の表面、及び前記第1の表面から前記第2の表面まで延びる外面を有する第2のアノード層であって、細孔を有する固体電解質(SSE)を含む、前記第2のアノード層と、
前記第1のアノード層及び前記第2のアノード層の前記第2の表面に結合されるアノード集電体と、
前記第1のアノード層及び前記第2のアノード層の前記外面上に少なくとも部分的に配置され、シーラント材料を含むシールであって、実質的に液体を通さない前記シールと、
を備える、前記多層アノードアセンブリ。
【請求項39】
電池セルであって、
前面、前記前面から離間した背面、及び前記前面から前記背面まで延びる外面を有するセパレータ層と、
前記セパレータ層の前記前面上に少なくとも部分的に配置され、前記セパレータ層に面する第1の表面、前記セパレータ層に背を向ける第2の表面、及び前記第1の表面から前記第2の表面まで延びる外面を有するアノード層であって、細孔を有する固体電解質(SSE)を含む、前記アノード層と、
前記アノード層の前記第2の表面に結合されたアノード集電体と、
前記セパレータ層の前記背面上に少なくとも部分的に配置され、前記セパレータ層に面する第1の表面、前記セパレータ層に背を向ける第2の表面、及び前記第1の表面から前記第2の表面まで延びる外面を有するカソード層と、
前記カソード層の前記第2の表面に結合されたカソード集電体と、
前記アノード層の前記外面上に少なくとも部分的に配置され、シーラント材料を含むシールであって、実質的に液体を通さない前記シールと
を備える、前記電池セル。
【請求項40】
内部を画定する複数の内壁を有するハウジングをさらに備え、
前記セパレータ層、前記アノード層、前記アノード集電体、前記カソード層、前記カソード集電体、及び前記シールが前記ハウジングの前記内部に配置される、請求項39に記載の電池セル。
【請求項41】
前記アノード集電体が、前記アノード層に面する内面、前記アノード層に背を向ける外側の表面、及び前記内面から前記外側の表面まで延びる外面を有し、
前記カソード集電体が、前記カソード層に面する内面、前記カソード層に背を向ける外側の表面、及び前記内面から前記外側の表面まで延びる外面を有する、請求項39または請求項40に記載の電池セル。
【請求項42】
前記シールが、前記アノード層の前記外面、前記セパレータ層の前記外面、ならびに前記アノード及び前記カソード集電体の前記内面のそれぞれに少なくとも部分的に配置される、請求項41に記載の電池セル。
【請求項43】
前記カソード集電体が、前記カソード層にカソライトを充填できるように構成された開口を画定する、請求項42に記載の電池セル。
【請求項44】
前記シールが、前記アノード層の前記外面、前記セパレータ層の前記外面、前記カソード集電体の前記内面、ならびに前記アノード集電体の前記外面及び前記外側の表面のそれぞれに少なくとも部分的に配置される、請求項41に記載の電池セル。
【請求項45】
前記カソード集電体が、前記カソード層にカソライトを充填できるように構成された開口を画定する、請求項44に記載の電池セル。
【請求項46】
前記カソード層に配置されたカソライトをさらに含み、
前記シールが、前記カソライトを実質的に通さない、請求項39~45のいずれか1項に記載の電池セル。
【請求項47】
前記シーラント材料が、ポリプロピレン、ポリエチレン、ポリメチルペンテン、ポリブテン-1、エチレン-オクテン共重合体、プロピレン-ブタン共重合体、ポリイソブチレン、ポリ(α-オレフィン)、エチレンプロピレンゴム、エチレンプロピレンジエンモノマゴム、エチレン酢酸ビニル、エチレン-アクリレート共重合体、ポリアミド、ポリエステル、ポリウレタン、スチレンブロック共重合体、ポリカプロラクトン、ポリイミド、ポリ塩化ビニル、ポリカーボネート、ポリアクリレート、ポリメタクリレート、フッ素重合体、エポキシ樹脂、エポキシポリマ、シリコーンゴム、またはそれらの任意の組み合わせを含む、請求項39~46のいずれか1項に記載の電池セル。
【請求項48】
アノードアセンブリを形成する方法であって、
(c)セパレータ層と、
前記セパレータ層上に少なくとも部分的に配置され、前記セパレータ層に面する第1の表面、前記セパレータ層に背を向ける第2の表面、及び前記第1の表面から前記第2の表面まで延びる外面を有するアノード層であって、細孔を有する固体電解質(SSE)を含む、前記アノード層と、
前記アノード層の前記第2の表面に結合されたアノード集電体と、
を提供することと、
(d)前記アノード層の前記外面に少なくとも部分的にシールを形成することであって、前記シールは液体を実質的に通さない、前記シールを形成することと、
を含む、前記方法。
【請求項49】
ステップ(b)の前記形成することが、前記アノード層の前記外面上に少なくとも部分的にシーラント材料を冷間プレス、熱間プレス、溶融、3D印刷、またはそれらの任意の組み合わせを行うことによって、前記シーラント材料から前記シールを形成することを含む、請求項48に記載の方法。
【請求項50】
前記シーラント材料が、ポリマであり、
前記ポリマは、ポリプロピレン、ポリエチレン、ポリメチルペンテン、ポリブテン-1、エチレン-オクテン共重合体、プロピレン-ブタン共重合体、ポリイソブチレン、ポリ(α-オレフィン)、エチレンプロピレンゴム、エチレンプロピレンジエンモノマゴム、エチレン酢酸ビニル、エチレン-アクリレート共重合体、ポリアミド、ポリエステル、ポリウレタン、スチレンブロック共重合体、ポリカプロラクトン、ポリイミド、ポリ塩化ビニル、ポリカーボネート、ポリアクリレート、ポリメタクリレート、フッ素重合体、エポキシ樹脂、エポキシポリマ、シリコーンゴム、またはそれらの任意の組み合わせを含む、請求項49に記載の方法。
【請求項51】
ステップ(b)の形成することが、ペイントブラシ、ローラ、プラスチックアプリケータ、金属アプリケータ、成形ツール、シリンジディスペンサ、ディスペンサバルブ、またはそれらの任意の組み合わせを使用して、前記アノード層の前記外面に少なくとも部分的にシーラント材料を塗布することにより、前記シーラント材料から前記シールを形成することを含む、請求項48に記載の方法。
【請求項52】
ステップ(b)の前記形成することが、前記アノード層の前記外面の少なくとも一部をシーラント材料に浸漬コーティングすることによって前記シーラント材料から前記シールを形成することを含む、請求項48に記載の方法。
【請求項53】
ステップ(b)の前記形成することが、前記アノード層の前記外面上に少なくとも部分的にシーラント材料を射出成形、インライン押し出し、スプレー堆積、3D印刷、ラッピング、またはそれらの任意の組み合わせを行うことによって、前記シーラント材料から前記シールを形成することを含む、請求項48に記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
関連出願の相互参照
本出願は、2021年11月24日出願の米国仮出願第63/283,149号の利益を主張し、この開示は、参照によりその全体が本明細書に組み込まれる。
【0002】
本発明は、電池セル用のアノードアセンブリとその形成方法とに関する。
【背景技術】
【0003】
固体電池は、一般的に、カソード集電体、カソード層、固体電解質セパレータ、アノード層、及びアノード集電体を備える1つまたは複数の電池セルを含む。電池セルは、カソード側にカソード液をさらに含み得る。カソード液は液体と固体の接触を促進し、イオン移動のために改善された界面を提供し、それによってイオン伝導率を改善し、電池セルのインピーダンスを低下させる。カソード液は、電池セルの製造中に単一の電解質充填ステップを可能にし、高エネルギー密度、安全性の向上、または広い温度範囲での動作など、様々な適用条件に合わせてセル設計を柔軟にできるため、ゲル及び/または固体カソライトよりも有利な場合がある。しかし、カソード液が電池セルのアノード側(例えば、アノード層)に漏れることは望ましくなく、カソード液を含む固体電池の故障モードとなる可能性がある。
【0004】
したがって、電池セル用の改良されたアノードアセンブリを提供するニーズが残ったままである。
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0005】
一態様において、本発明は、電池セル用のアノードアセンブリを提供する。電池セルは、セパレータ層、アノード層、アノード集電体、及びシールを備える。アノード層は、セパレータ層上に少なくとも部分的に配置され、セパレータ層に面する第1の表面、セパレータ層に背を向ける第2の表面、及び第1の表面から第2の表面まで延びる外面を有する。アノード層は、細孔を有する固体電解質(SSE)を含む。アノード集電体は、アノード層の第2の表面に結合される。シールは、アノード層の外面上に少なくとも部分的に配置され、シーラント材料を含む。シールは、実質的に液体を通さない。
【0006】
一部の実施形態では、セパレータ層には実質的に細孔が存在しない。一部の実施形態では、セパレータ層はSSE材料を含む。また、一部の実施形態では、セパレータ層のSSE材料は、ポリマ、硫化物、酸化物、カルコゲニド、またはそれらの任意の組み合わせを含む。
【0007】
一部の実施形態では、セパレータ層は凹部を画定し、シールはその凹部内に配置される。
【0008】
一部の実施形態では、セパレータ層は、約1μm~約300μmの厚さを有する。一部の実施形態では、セパレータ層は、約1μm~約200μmの厚さを有する。他の実施形態では、セパレータ層は、約1μm~約100μmの厚さを有する。一部の実施形態では、セパレータ層は、約1μm~約50μmの厚さを有する。一部の実施形態では、セパレータ層は、約1μm~約20μmの厚さを有する。また、一部の実施形態では、セパレータ層は、約1μm~約10μmの厚さを有する。
【0009】
一部の実施形態では、アノードアセンブリは、アノード層の細孔の少なくとも一部に配置されたアノード材料をさらに含む。一部の実施形態では、アノード材料は、リチウム金属、ナトリウム金属、マグネシウム金属、またはそれらの任意の組み合わせを含む。他の実施形態では、アノード層の細孔には金属材料(例えば、リチウム金属)は実質的に存在しない。
【0010】
一部の実施形態では、アノード層は第1の多孔質領域及び第2の多孔質領域を画定する。第1の多孔質領域は、アノード層の中心と外面との間に画定される。第2の多孔質領域は、第1の多孔質領域とアノード層の外面との間に画定される。
【0011】
一部の実施形態では、第1の多孔質領域の細孔にはシーラント材料は実質的に存在しない。一部の実施形態では、第2の多孔質領域の細孔の少なくとも一部はシーラント材料を含む。また、一部の実施形態では、シールは、アノード層の外面上と第2の多孔質領域の細孔内とに少なくとも部分的に配置される。
【0012】
一部の実施形態では、アノード層は、約1μm~約500μmの厚さを有する。一部の実施形態では、アノード層は、約1μm~約200μmの厚さを有する。他の実施形態では、アノード層は、約1μm~約100μmの厚さを有する。一部の実施形態では、アノード層は、約1μm~約50μmの厚さを有する。また、一部の実施形態では、アノード層は、約1μm~約20μmの厚さを有する。
【0013】
一部の実施形態では、アノード集電体は金属箔を含む。他の実施形態では、金属箔は銅、ニッケル、チタン、ステンレス鋼、それらの合金、またはそれらの任意の組み合わせを含む。また、一部の実施形態では、金属箔は、外部回路に接続するように構成されたタブを有する。
【0014】
一部の実施形態では、シールは、セパレータ層上に少なくとも部分的に配置される。一部の実施形態では、シールは、アノード集電体上に少なくとも部分的に配置される。
【0015】
一部の実施形態では、セパレータ層は、アノード層に面する前面、アノード層に背を向ける背面、及び前面から背面まで延びる外面を有する。他の実施形態では、アノード集電体は、アノード層に面する内面、アノード層に背を向ける外側の表面、及び内面から外側の表面まで延びる外面を有する。
【0016】
一部の実施形態では、シールはセパレータ層の外面上に少なくとも部分的に配置される。他の実施形態では、シールは、セパレータ層の外面の実質的に全体に配置される。一部の実施形態では、シールはセパレータ層の背面上に少なくとも部分的に配置される。一部の実施形態では、シールはセパレータ層の前面上に少なくとも部分的に配置される。
【0017】
一部の実施形態では、シールはアノード集電体の外面上に少なくとも部分的に配置される。他の実施形態では、シールは、アノード集電体の外面の実質的に全体に配置される。一部の実施形態では、シールはアノード集電体の外側の表面上に少なくとも部分的に配置される。他の実施形態では、シールは、アノード集電体の外側の表面の実質的に全体に配置される。一部の実施形態では、シールはアノード集電体の内面に少なくとも部分的に配置される。また、一部の実施形態では、シールは、アノード層の外面、セパレータ層の外面、及びアノード集電体の外面のそれぞれに少なくとも部分的に配置される。
【0018】
一部の実施形態では、シーラント材料は、非導電性ポリマ、非導電性ガラス、またはそれらの任意の組み合わせを含む。また、一部の実施形態では、シーラント材料は、ポリプロピレン、ポリエチレン、ポリメチルペンテン、ポリブテン-1、エチレン-オクテン共重合体、プロピレン-ブタン共重合体、ポリイソブチレン、ポリ(α-オレフィン)、エチレンプロピレンゴム、エチレンプロピレンジエンモノマゴム、エチレン酢酸ビニル、エチレン-アクリレート共重合体、ポリアミド、ポリエステル、ポリウレタン、スチレンブロック共重合体、ポリカプロラクトン、ポリイミド、ポリ塩化ビニル、ポリカーボネート、ポリアクリレート、ポリメタクリレート、フッ素重合体、エポキシ樹脂、エポキシポリマ、シリコーンゴム、またはそれらの任意の組み合わせを含む。
【0019】
一部の実施形態では、アノードアセンブリは、内部を画定する複数の内壁を有するハウジングをさらに備える。セパレータ層、アノード層、アノード集電体、及びシールは、ハウジングの内部に配置される。一部の実施形態では、シールは、アノード層の外面からハウジングの複数の内壁のうちの少なくとも1つまで延びる。
【0020】
一部の実施形態では、ハウジングは、複数の内壁のうちの少なくとも1つからハウジングの内部まで延びる第1の突起及び第2の突起をさらに備える。第1の突起及び第2の突起は空洞を画定する。シールは、アノード層の外面から空洞内に延びる。
【0021】
一部の実施形態では、シールのうちの少なくとも一部は、約1μm~約50μmの厚さを有する。一部の実施形態では、シールのうちの少なくとも一部は、約1μm~約20μmの厚さを有する。他の実施形態では、シールのうちの少なくとも一部は、約1μm~約10μmの厚さを有する。また、一部の実施形態では、シールのうちの少なくとも一部は、約1μm~約5μmの厚さを有する。
【0022】
一部の実施形態では、シールは気体を透過させる。
【0023】
別の態様では、本発明は多層アノードアセンブリを提供する。多層アノードアセンブリは、第1のセパレータ層、第2のセパレータ層、第1のアノード層、第2のアノード層、アノード集電体、及びシールを備える。第2のセパレータ層は、第1のセパレータ層から離間している。第1のアノード層は、第1のセパレータ層上に少なくとも部分的に配置される。第1のアノード層は、第1のセパレータ層に面する第1の表面、第1のセパレータ層に背を向ける第2の表面、及び第1の表面から第2の表面まで延びる外面を有する。第1のアノード層は、細孔を有するSSEを含む。第2のアノード層は、第2のセパレータ層上に少なくとも部分的に配置される。第2のアノード層は、第2のセパレータ層に面する第1の表面、第2のセパレータ層に背を向ける第2の表面、及び第1の表面から第2の表面まで延びる外面を有する。第2のアノード層は、細孔を有するSSEを含む。アノード集電体は、第1及び第2のアノード層の第2の表面に結合される。シールは、第1及び第2のアノード層の外面上に少なくとも部分的に配置される。シールはシーラント材料を含む。また、シールは実質的に液体を通さない。
【0024】
別の態様では、本発明は、電池セルを提供する。電池セルは、セパレータ層、アノード層、アノード集電体、カソード層、カソード集電体、及びシールを備える。セパレータ層は、前面、前面から離間した背面、及び前面から背面まで延びる外面を有する。アノード層は、セパレータ層の前面に少なくとも部分的に配置される。アノード層は、セパレータ層に面する第1の表面、セパレータ層に背を向ける第2の表面、及び第1の表面から第2の表面まで延びる外面を有する。アノード層は、細孔を有するSSEを含む。アノード集電体は、アノード層の第2の表面に結合される。カソード層は、セパレータ層の背面に少なくとも部分的に配置される。カソード層は、セパレータ層に面する第1の表面、セパレータ層に背を向ける第2の表面、及び第1の表面から第2の表面まで延びる外面を有する。カソード集電体は、カソード層の第2の表面に結合される。シールは、アノード層の外面に少なくとも部分的に配置される。シールはシーラント材料を含む。また、シールは実質的に液体を通さない。
【0025】
一部の実施形態では、電池セルは、内部を画定する複数の内壁を有するハウジングをさらに備える。ハウジングの内部には、セパレータ層、アノード層、アノード集電体、カソード層、カソード集電体、及びシールが配置される。
【0026】
一部の実施形態では、アノード集電体は、アノード層に面する内面、アノード層に背を向ける外側の表面、及び内面から外側の表面まで延びる外面を有する。一部の実施形態では、カソード集電体は、カソード層に面する内面、カソード層に背を向ける外側の表面、及び内面から外側の表面まで延びる外面を有する。
【0027】
一部の実施形態では、シールは、アノード層の外面、セパレータ層の外面、ならびにアノード及びカソード集電体の内面のそれぞれに少なくとも部分的に配置される。一部の実施形態では、カソード集電体は、カソード層にカソライトを充填できるように構成された開口を画定する。
【0028】
一部の実施形態では、シールは、アノード層の外面、セパレータ層の外面、カソード集電体の内面、ならびにアノード集電体の外面及び外側の表面のそれぞれに少なくとも部分的に配置される。一部の実施形態では、カソード集電体は、カソード層にカソライトを充填できるように構成された開口を画定する。
【0029】
一部の実施形態では、電池セルは、カソード層内に配置されたカソライトをさらに含む。一部の実施形態では、シールはカソライトを実質的に通さない。
【0030】
一部の実施形態では、シーラント材料は、非導電性ポリマ、非導電性ガラス、またはそれらの任意の組み合わせを含む。また、一部の実施形態では、シーラント材料は、ポリプロピレン、ポリエチレン、ポリメチルペンテン、ポリブテン-1、エチレン-オクテン共重合体、プロピレン-ブタン共重合体、ポリイソブチレン、ポリ(α-オレフィン)、エチレンプロピレンゴム、エチレンプロピレンジエンモノマゴム、エチレン酢酸ビニル、エチレン-アクリレート共重合体、ポリアミド、ポリエステル、ポリウレタン、スチレンブロック共重合体、ポリカプロラクトン、ポリイミド、ポリ塩化ビニル、ポリカーボネート、ポリアクリレート、ポリメタクリレート、フッ素重合体、エポキシ樹脂、エポキシポリマ、シリコーンゴム、またはそれらの任意の組み合わせを含む。
【0031】
別の態様において、本発明は、本明細書に記載のアノードアセンブリを形成する方法を提供する。
【0032】
以下の図は、例示的なものであり、特許を請求する発明の範囲を限定するものではない。
【図面の簡単な説明】
【0033】
【
図1】
図1Aは、電池セル用アノードアセンブリの第1の例示的な実施形態の断面図である。
図1Bは、
図1Aの2つのアノードアセンブリを含む多層アノードアセンブリの例示的な実施形態の断面図であり、アノードアセンブリは共通のアノード集電体を共有している。
図1Cは、
図1Aのアノードアセンブリの正面図である。
【
図2】
図2Aは、電池セル用アノードアセンブリの第2の例示的な実施形態の断面図である。
図2Bは、一実施形態による、
図2Aのアノードアセンブリの一部の拡大図である。
図2Cは、別の実施形態による、
図2Aのアノードアセンブリの一部の拡大図である。
図2Dは、さらなる実施形態による、
図2Aのアノードアセンブリの一部の拡大図である。
図2Eは、さらなる別の実施形態による、
図2Aのアノードアセンブリの一部の拡大図である。
【
図3】
図3Aは、電池セル用アノードアセンブリの第3の例示的な実施形態の断面図である。
図3Bは、
図3Aの2つのアノードアセンブリを含む多層アノードアセンブリの例示的な実施形態の断面図であり、アノードアセンブリは共通のアノード集電体を共有している。
図3Cは、
図3Aのアノードアセンブリの正面図である。
【
図4】電池セル用アノードアセンブリの第4の例示的な実施形態の断面図である。
【
図5】
図5Aは、電池セル用アノードアセンブリの第5の例示的な実施形態の断面図である。
図5Bは、
図5Aの2つのアノードアセンブリを含む多層アノードアセンブリの例示的な実施形態の断面図であり、アノードアセンブリは共通のアノード集電体及び共通のシールを共有している。
図5Cは、
図5Aのアノードアセンブリの正面図である。
【
図6】
図6Aは、電池セル用アノードアセンブリの第6の例示的な実施形態の断面図である。
図6Bは、
図6Aの2つのアノードアセンブリを含む多層アノードアセンブリの例示的な実施形態の断面図であり、アノードアセンブリは共通のアノード集電体を共有している。
図6Cは、
図6Aのアノードアセンブリの正面図である。
【
図7-1】
図7Aは、電池セルの第1の例示的な実施形態の断面図である。
図7Bは、
図7Aの電池セルの正面図である。
【
図7-2】
図7Cは、電池セルの第2の例示的な実施形態の断面図である。
図7Dは、
図7Cの電池セルの正面図である。
【
図8】
図8Aは、電池セル用アノードアセンブリの第7の例示的な実施形態の断面図である。
図8Bは、
図8Aの2つのアノードアセンブリを含む多層アノードアセンブリの例示的な実施形態の断面図であり、アノードアセンブリは共通のアノード集電体及び共通のシールを共有している。
【
図9-1】
図9Aは、電池セルの第3の例示的な実施形態の断面図である。
図9Bは、
図9Aの電池セルの正面図である。
【
図9-2】
図9Cは、電池セルの第4の例示的な実施形態の断面図である。
図9Dは、
図9Cの電池セルの正面図である。
【
図11-1】
図11Aは、電極対アセンブリの第1の例示的な実施形態の断面図である。
図11Bは、電極対アセンブリの第2の例示的な実施形態の断面図である。
【
図11-2】
図11Cは、電極対アセンブリの第3の例示的な実施形態の断面図である。
図11Dは、電極対アセンブリの第4の例示的な実施形態の断面図である。
【
図11-3】
図11Eは、電極対アセンブリの第5の例示的な実施形態の断面図である。
【
図12-1】
図12Aは、電極対アセンブリの第6の例示的な実施形態の断面図である。
図12Bは、電極対アセンブリの第7の例示的な実施形態の断面図である。
【
図12-2】
図12Cは、電極対アセンブリの第8の例示的な実施形態の断面図である。
図12Dは、電極対アセンブリの第9の例示的な実施形態の断面図である。
【
図13】電極対アセンブリの第10の例示的な実施形態の断面図である。
【
図14】本発明の一実施態様による、アノードアセンブリを形成する方法のフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0034】
種々の図面における類似の参照記号は、類似の要素を指す。例えば、セパレータ層は、
図1Aでは102、
図6Aでは602、
図12Aでは1202a、1202a’と呼ばれてよい。
【0035】
本発明は、電池セル用のアノードアセンブリ、そのようなアノードアセンブリを含む電池セル、そのようなアノードアセンブリを形成する方法、多層アノードアセンブリ、及び電極対アセンブリを提供する。
【0036】
本明細書で使用される場合、別段の指示がない限り、以下の定義を適用するものとする。
【0037】
I.定義
本明細書で使用される用語は、特定の例示的な構成の説明だけのためであり、制限することを意図してはいない。本明細書で使用される場合、単数形「a」、「an」、及び「the」は、文脈上他を意味するときを除いて、複数形も含むことを意図し得る。「備える、含む(comprises)」、「備える、含む(comprising)」、及び「有する(having)」という用語は、包含的であり、したがって、特徴、ステップ、動作、要素、及び/またはコンポーネントの存在を特定するが、1つまたは複数の他の特徴、ステップ、動作、要素、コンポーネント、及び/またはそれらの群の存在または追加を除外しない。本明細書に記載の方法のステップ、プロセス、及び動作は、実行順序として具体的に指定されていない限り、必ずしも説明または図示されている特定の順序で実行する必要があると解釈されるべきではない。追加または代替のステップが採用されてよい。
【0038】
本明細書では、第1の、第2の、第3のなどの用語は、様々な要素、コンポーネント、領域、層、及び/またはセクションを説明するために使用され得る。これらの要素、コンポーネント、領域、層、及び/またはセクションは、これらの用語によって制限されるべきではない。これらの用語は、ある要素、コンポーネント、領域、層、またはセクションを別の領域、層、またはセクションと区別するためにのみ使用され得る。「第1の」、「第2の」などの用語やその他の数値用語は、文脈によって明確に示されない限り、順序や順番を意味するものではない。したがって、以下で説明する第1の要素、コンポーネント、領域、層、またはセクションは、例示の構成の教示から逸脱することなく、第2の要素、コンポーネント、領域、層、またはセクションと呼ぶことができる。
【0039】
本明細書で使用される場合、ある要素が別の要素の「上にある」、「係合している」、「接続されている」、「取り付けられている」、または「結合されている」と記載されている場合、その要素は、別の要素の直接上にある、係合されている、接続されている、取り付けられている、または結合されている場合があり、あるいは介在する要素が存在する場合もある。対照的に、ある要素が別の要素の「直接上にある」、「直接係合されている」、「直接接続されている」、「直接取り付けられている」、または「直接結合されている」と記載されている場合、介在する要素も層も存在しなくてよい。要素間の関係を説明するために使用される他の単語も同様に解釈する必要がある(例えば、「の間」と「直接~の間」、「隣接した」と「直接隣接した」など)。本明細書で使用される場合、「及び/または」という用語には、関連する列挙された項目の1つまたは複数の任意の及びすべての組み合わせが含まれる。
【0040】
本明細書で使用される場合、「電池セル」という用語は、充電可能な二次電池を指す。一部の実施形態では、電池セルは固体リチウムイオン電池セルであってよい。
【0041】
本明細書で使用される場合、「アノードアセンブリ」という用語は、セパレータ層、アノード層、及びアノード集電体を備えるアセンブリを指す。
【0042】
本明細書で使用される場合、「セパレータ層」という用語は、電池セル内のアノード層とカソード層との間に配置され、陽イオン(例えば、リチウム陽イオン)がアノード層とカソード層との間で流れることを可能にする層を指す。一部の実施形態では、セパレータ層には実質的に細孔が存在しない(例えば、50%未満の見かけの多孔度を有する、40%未満の見かけの多孔度を有する、30%未満の見かけの多孔度を有する、20%未満の見かけの多孔度を有する、15%未満の見かけの多孔度を有する、10%未満の見かけの多孔度を有する、5%未満の見かけの多孔度を有する、または1%未満の見かけの多孔度を有する)。また、一部の実施形態では、セパレータ層には細孔が存在しない。
【0043】
本明細書で使用される場合、「アノード層」という用語は、電池セルの放電段階中に電子が流れ出る負極層を指す。アノード層は、セパレータ層上に少なくとも部分的に配置され、セパレータ層に面する第1の表面と、セパレータ層に背を向ける第2の表面とを有する。アノード層は、細孔を有する固体電解質(SSE)を含む。
【0044】
本明細書で使用される場合、「二重層」という用語は、セパレータ層上に配置されたアノード層を指す。
【0045】
本明細書で使用される場合、「アノード集電体」という用語は、アノード層に結合された集電体を指す。アノード集電体は、電池セルの動作中(例えば、電池セルの充電及び/または放電中)にアノード層に電気的に結合されるように構成される。一部の実施形態では、アノード集電体は金属箔を含む。他の実施形態では、アノード集電体は、外部回路に接続するように構成されたタブを含む。
【0046】
本明細書で使用される場合、「カソード層」という用語は、電池セルの放電段階中に電子が流れ込む正極層を指す。
【0047】
本明細書で使用される場合、「カソード集電体」という用語は、カソード層に結合された集電体を指す。カソード集電体は、電池セルの動作中(例えば、電池セルの充電及び/または放電中)にカソード層に電気的に結合されるように構成される。一部の実施形態では、カソード集電体は金属箔を含む。他の実施形態では、カソード集電体は、外部回路に接続するように構成されたタブを含む。
【0048】
本明細書で使用される場合、「シール」という用語は、液体(例えば、カソード液)を実質的に通さない、アノード層への液体の流入を制限する層を指す。本明細書で使用される場合、「実質的に通さない」という用語は、シールが液体の浸透に耐えることを意味する。言い換えれば、液体はシールを自由に通過することができない。シールは、カソライト(例えば、カソード液)のアノード層への流れを制限することができる。このようにして、シールは、カソライトがアノード層に漏れることによって生じる電池セルの故障の可能性を低減することができる。一部の実施形態では、シールは気体を透過させる。
【0049】
本明細書で使用される場合、用語「見かけの多孔度」は、開いた(またはアクセス可能な)多孔度(すなわち、封止されたまたは閉じた細孔、セル、または空隙の体積を除外した多孔度)を指す。見かけの多孔度は、開いた細孔、セル、または空隙の体積が全体の体積に占める割合またはパーセンテージとして表すことができる。
【0050】
II.アノードアセンブリ
一態様において、本発明は、電池セル用のアノードアセンブリを提供する。
【0051】
図1Aに示すように、アノードアセンブリ100は、セパレータ層102、アノード層104、アノード集電体106、及びシール108を備える。
【0052】
A.セパレータ層
セパレータ層は、電池セルの動作中にアノード層とカソード層の間を陽イオン(例えば、リチウム陽イオン)が流れることを可能にする任意の適切な材料から構成されてよい。一部の実施形態では、セパレータ層は固体電解質(SSE)材料を含む。例えば、セパレータ層のSSE材料は、ポリマ、硫化物、酸化物、カルコゲニド、またはそれらの任意の組み合わせを含む。例えば、SSE材料は硫化物を含み得る。一部の実施形態では、SSE材料は、LSS、LTS、LXPS、LXPSO、LATS、リチウムガーネット、またはそれらの任意の組み合わせを含み、ここで、XはSi、Ge、Sn、As、Al、またはそれらの任意の組み合わせであり、SはS、Si、またはそれらの任意の組み合わせであり、TはSnである。
【0053】
本明細書で使用される場合、「LSS」とは、Li2S-SiS2、Li-SiS2、Li-S-Si、またはLi、S、及びSiを含むSSE材料として記載できるリチウムケイ素硫化物(lithium silicon sulfide)を指す。一部の実施形態では、LSSはLixSiySzを含み、ここで0.33≦x≦0.5、0.1≦y≦0.2、及び0.4≦z≦0.55である。一部の実施形態では、LSSは最大10原子%の酸素を含み得る。他の実施形態では、LSSはLi、Si、及びSを含むSSE材料を含み得る。一部の実施形態では、LSSはLi2SとSiS2の混合物を含む。一部の実施形態では、Li2S:SiS2のモル比は、90:10、85:15、80:20、75:25、70:30、2:1、65:35、60:40、55:45、または50:50である。一部の実施形態では、LSSは、LixPOy、LixBOy、Li4SiO4、Li3MO4、Li3MO3、PSなどのドープ化合物、及び/またはLiI、LiCl、LiF、もしくはLiBrを含むが、これらに限定されないハロゲン化リチウムをさらに含んでよく、ここで、0<x≦5かつ0<y≦5である。
【0054】
本明細書で使用される場合、「LTS」とは、Li2S-SnS2、Li2S-SnS、Li-S-Sn、またはLi、S、及びSnを含むSSE材料として記載できる硫化リチウムスズ化合物(lithium tin sulfide compound)を指す。一部の実施形態では、LTSはLixSnySzを含み得る(0.25≦x≦.65、0.05≦y≦0.2、及び0.25≦z≦0.65)。一部の実施形態では、LTSは、Li2SとSnS2の混合物を80:20、75:25、70:30、2:1、または1:1のモル比(すなわち、Li2S:SnS2)で含み得る。一部の実施形態では、LTSは、最大10原子%の酸素を含み得る。他の実施形態では、LTSは、Bi、Sb、As、P、B、Al、Ge、Ga、In、またはそれらの任意の組み合わせでドープされてよい。本明細書で使用される場合、「LATS」は、上記で使用したLTSを指し、さらにヒ素(As)を含む。
【0055】
本明細書で使用される場合、「LXPS」とは、式LiaMPbScで特徴付けられる材料を指し、式中、MはSi、Ge、Sn、Al、またはそれらの任意の組み合わせであり、2≦a≦8、0.5≦b≦2.5、及び4≦c≦12である。「LSPS」とは、式LaSiPbSc(2≦a≦8、0.5≦b≦2.5、4≦c≦12)で特徴付けられる電解質材料を指す。
【0056】
MがSnとSiの場合(つまり、SnとSiの両方が存在する場合)、LXPS材料は「LSTPS」と呼ばれる。本明細書で使用される場合、「LSTPSO」は、Oがドープされている、Oを有する、またはOが存在するLSTPSを指す。一部の実施形態では、「LSTPSO」は、酸素含有量が0.01~10原子%のLSTPS材料である。本明細書で使用される場合、「LSPS」とは、Li、Si、P、及びSの化学成分を有する電解質材料を指す。本明細書で使用される場合、「LSTPS」とは、Li、Si、P、Sn、及びSの化学成分を有する電解質材料を指す。本明細書で使用される場合、「LSPSO」は、Oがドープされている、Oを有する、またはOが存在するLSPSを指す。一部の実施形態では、「LSPSO」は、酸素含有量が0.01~10原子%のLSPS材料である。本明細書で使用される場合、「LATP」とは、Li、As、Sn、及びPの化学成分を有する電解質材料を指す。本明細書で使用される場合、「LAGP」とは、Li、As、Ge、及びPの化学成分を有する電解質材料を指す。本明細書で使用される場合、「LXPSO」は、LiaMPbScOdを含む電解質材料を指し、ここで、MはSi、Ge、Sn、Al、またはそれらの任意の組み合わせであり、2≦a≦8、0.5≦b≦2.5、4≦c≦12、及びd<3である。LXPSOは、上記で定義したLXPSを指し、0.1~約10原子%の酸素ドーピングを有する。本明細書で使用される場合、「LPS」とは、Li2S-P2S5を含む電解質材料を指す。本明細書で使用される場合、「LPSO」は、本明細書で定義されるLPSを指し、0.1~約10原子%の酸素ドーピングをさらに含む。
【0057】
一部の実施形態では、セパレータ層のSSE材料はポリマを含む。例えば、ポリマは、ポリオレフィン、天然ゴム、合成ゴム、ポリブタジエン、ポリイソプレン、エポキシ化天然ゴム、ポリイソブチレン、ポリプロピレンオキシド、ポリアクリレート、ポリメタクリレート、ポリエステル、ポリビニルエステル、ポリウレタン、スチレン系ポリマ、エポキシ樹脂、エポキシポリマ、ポリ(ビスフェノールA-コ-エピクロロヒドリン)、ビニルポリマ、ポリビニルハライド、ポリビニルアルコール、ポリエチレンイミン、ポリ(無水マレイン酸)、シリコーンポリマ、シロキサンポリマ、ポリアクリロニトリル、ポリアクリルアミド、ポリクロロプレン、ポリフッ化ビニリデン、ポリビニルピロリドン、ポリエピクロロヒドリン、それらの混合物、またはそれらの共重合体を含み得る。一部の実施形態では、ポリマはポリオレフィンである。一部の実施形態では、ポリマは天然ゴムである。一部の実施形態では、ポリマは、合成ゴムである。一部の実施形態では、ポリマはポリブタジエンである。一部の実施形態では、ポリマはポリイソプレンである。一部の実施形態では、ポリマはエポキシ化天然ゴムである。他の実施形態では、ポリマはポリイソブチレンである。一部の実施形態では、ポリマはポリプロピレンオキシドである。一部の実施形態では、ポリマはポリアクリレートである。一部の実施形態では、ポリマはポリメタクリレートである。一部の実施形態では、ポリマはポリエステルである。他の実施形態では、ポリマはポリビニルエステルである。一部の実施形態では、ポリマはポリウレタンである。一部の実施形態では、ポリマはスチレン系ポリマである。一部の実施形態では、ポリマはエポキシ樹脂である。一部の実施形態では、ポリマはエポキシポリマである。一部の実施形態では、ポリマはポリ(ビスフェノールA-コ-エピクロロヒドリン)である。一部の実施形態では、ポリマはビニルポリマである。一部の実施形態では、ポリマはポリビニルハライドである。一部の実施形態では、ポリマはポリビニルアルコールである。一部の実施形態では、ポリマはポリエチレンイミンである。他の実施形態では、ポリマはポリ(無水マレイン酸)である。一部の実施形態では、ポリマはシリコーンポリマである。一部の実施形態では、ポリマはシロキサンポリマである。一部の実施形態では、ポリマはポリアクリロニトリルである。一部の実施形態では、ポリマはポリアクリルアミドである。一部の実施形態では、ポリマはポリクロロプレンである。一部の実施形態では、ポリマはポリフッ化ビニリデンである。一部の実施形態では、ポリマはポリビニルピロリドンである。一部の実施形態では、ポリマはポリエピクロロヒドリンである。一部の実施形態では、ポリマの分子量は約50,000g/molより大きい。
【0058】
一部の実施形態では、ポリマは予め形成されており、ポリプロピレン、ポリエチレン、ポリブタジエン、ポリイソプレン、エポキシ化天然ゴム、ポリ(ブタジエン-コ-アクリロニトリル)、ポリエチレンイミン、ポリジメチルシロキサン、及びポリ(エチレン-コ-ビニルアセテート)からなる群から選択される。他の実施形態では、ポリマの分子量は約50,000g/molより大きい。
【0059】
SSE材料がポリマを含む場合、SSE材料は金属塩(例えば、リチウム塩(例えば、LiPF6))をさらに含み得る。
【0060】
一部の実施形態では、セパレータ層のSSE材料は、リチウムペロブスカイト材料、Li3N、Li-β-アルミナ、リチウム超イオン伝導体(LISICON)、Li2.88PO3.86N0.14(LiPON)、Li9AlSiO8、Li10GeP2S12、リチウムガーネットSSE材料、ドープリチウムガーネットSSE材料、リチウムガーネット複合材料、またはそれらの任意の組み合わせを含む。様々な実施形態において、リチウムガーネットSSE材料は、カチオンドープLi5La3M1
2O12(M1はNb、Zr、Ta、またはそれらの任意の組み合わせ)、カチオンドープLi6La2BaTa2O12、カチオンドープLi7La3Zr2O12、及びカチオンドープLi6BaY2M1
2O12であり、ここで、カオチンドーパンドはバリウム、イットリウム、亜鉛、またはそれらの組み合わせなどである。他の様々な実施形態では、リチウムガーネットSSE材料は、Li5La3Nb2O12、Li5La3Ta2O12、Li7La3Zr2O12、Li6La2SrNb2O12、Li6La2BaNb2O12、Li6La2SrTa2O12、Li6La2BaTa2O12、Li7Y3Zr2O12、Li6.4Y3Zr1.4Ta0.6O12、Li6.5La2.5Ba0.5TaZrO12、Li6BaY2M1
2O12、Li7Y3Zr2O12、Li6.75BaLa2Nb1.75Zn0.25O12、Li6.75BaLa2Ta1.75Zn0.25O12、またはそれらの任意の組み合わせである。
【0061】
一部の実施形態では、セパレータ層のSSE材料とアノード層のSSE材料は同じである(例えば、セパレータ層のSSE材料は、アノード層について本明細書に記載の任意のSSE材料であってよい)。他の実施形態では、セパレータ層のSSE材料とセパレータ層のSSE材料は異なる。
【0062】
一部の実施形態では、セパレータ層には実質的に細孔が存在しない(例えば、50%未満の見かけの多孔度を有する、40%未満の見かけの多孔度を有する、30%未満の見かけの多孔度を有する、20%未満の見かけの多孔度を有する、15%未満の見かけの多孔度を有する、10%未満の見かけの多孔度を有する、5%未満の見かけの多孔度を有する、または1%未満の見かけの多孔度を有する)。また、一部の実施形態では、セパレータ層には細孔が存在しない。
【0063】
一部の実施形態では、セパレータ層は、約1μm~約300μmの厚さを有する。一部の実施形態では、セパレータ層は、約1μm~約200μmの厚さを有する。他の実施形態では、セパレータ層は、約1μm~約100μmの厚さを有する。一部の実施形態では、セパレータ層は、約1μm~約50μmの厚さを有する。一部の実施形態では、セパレータ層は、約1μm~約20μmの厚さを有する。また、一部の実施形態では、セパレータ層は、約1μm~約10μmの厚さを有する。
【0064】
図1Aを再度参照すると、セパレータ層は、アノード層に面する前面110、アノード層に背を向ける背面112、及び前面から背面まで延びる外面114を有する。
【0065】
一部の実施形態では、セパレータ層は、
図2B及び2Cに示すように、凹部216b、216cを画定し得る。セパレータ層の凹部は、セパレータ層の前面、背面、及び/または外面上に画定されてよい。例えば、セパレータ層の背面212bは、
図2Bに示すように凹部を画定してよい。他の実施形態では、セパレータ層の背面及び外面214cは、
図2Cに示すように凹部を画定する。
【0066】
セパレータ層が凹部を画定するとき、シールはその凹部内に配置されてよい。理論に縛られるつもりはないが、凹部によってシールが結合する表面積が増加すると考えられる。さらに、セパレータ層の凹部にシールを配置すると、液体がアノード層に浸透するために流れる必要がある経路がより蛇行したものになると考えられる。
【0067】
B.アノード層
図1Aを再度参照すると、アノード層は、セパレータ層上に少なくとも部分的に配置されている。一部の実施形態では、アノード層は、セパレータ層に面する第1の表面118、セパレータ層に背を向ける第2の表面120、及び第1の表面から第2の表面まで延びる外面122を有する。アノード層は、細孔を有するSSEを含む。
【0068】
一部の実施形態では、アノード層はセパレータ層の表面全体に配置される。他の実施形態では、アノード層は、セパレータ層の表面の実質的に全体(例えば、少なくとも60%、少なくとも70%、少なくとも80%、少なくとも90%、または少なくとも95%)に配置される。また、他の実施形態では、アノード層はセパレータ層の表面の一部にのみ配置される。
【0069】
一部の実施形態では、アノード層は、約20%~約80%の見かけの多孔度を有する。他の実施形態では、アノード層は、約35%~約75%の見かけの多孔度を有する。一部の実施形態では、アノード層は、約45%~約65%の見かけの多孔度を有する。一部の実施形態では、アノード層は、約50%~約60%の見かけの多孔度を有する。一部の実施形態では、アノード層は、約60%~約80%の見かけの多孔度を有する。一部の実施形態では、アノード層は、約20%~約95%の見かけの多孔度を有する。また、一部の実施形態では、アノード層は、約50%~約90%の見かけの多孔度を有する。
【0070】
一部の実施形態では、アノード層のSSE材料とセパレータ層のSSE材料は同じである。他の実施形態では、アノード層のSSE材料とセパレータ層のSSE材料は異なる。一部の実施形態では、SSE材料はリチウム導体、ナトリウム導体、またはマグネシウム導体を含む。一部の実施形態では、SSE材料はリチウム導体を含む。他の実施形態では、SSE材料はナトリウム導体を含む。また、一部の実施形態では、SSE材料はマグネシウム導体を含む。
【0071】
一部の実施形態では、アノード層のSSE材料はガーネット材料を含み得る。ガーネット材料の非限定的な例には、リチウムガーネット材料、ドープリチウムガーネット材料、リチウムガーネット複合材料、及びそれらの組み合わせが含まれる。リチウムガーネット材料の非限定的な例には、Li3相リチウムガーネットSSE材料(例えば、Li3M1Te2O12、ここで、M1は、Y、Pr、Nd、Sm、Eu、Gd、Tb、Dy、Ho、Er、Tm、Yb、Lu、Zr、Taなどのランタニド、またはそれらの組み合わせ、及びLi3+xNd3Te2-xO12、ここで、xは0.05~1.5)、Li5相リチウムガーネットSSE材料(例えば、Li5La3M2
2O12、ここでM2は、Nb、Zr、Ta、Sb、またはそれらの組み合わせ、カチオン置換Li5La3M2
2O12、例えばLi6M1La3M2
2O12、ここでM1は、Mg、Ca、Sr、Ba、またはそれらの組み合わせ、及びLi7La3M2
2O12、ここで、M2はZr、Sn、またはそれらの組み合わせ)、Li6相リチウムガーネットSSE材料(例えば、Li6M1La2M2
2O12、ここで、M1はMg、Ca、Sr、Ba、またはそれらの組み合わせであり、M2はNb、Ta、またはそれらの組み合わせ)、カチオンドープLi6La2BaTa2O12、カチオンドープLi6BaY2M2
2O12、ここで、M2はNb、Ta、またはそれらの組み合わせであり、カオチンドーパンドはバリウム、イットリウム、亜鉛、またはそれらの組み合わせ、Li7相リチウムガーネットSSE材料(例えば、立方晶Li7La3Zr2O12及びLi7Y3Zr2O12)、カチオンドープLi7La3Zr2O12、Li5+2xLa3、Ta2-xO2、ここで、xは0.1~1、Li6.8(La2.95、Ca0.5)(Zr1.75、Nb0.25)O12(LLCZN)、Li6.4Y3Zr1.4Ta0.6O12、Li6.5La2.5Ba0.5TaZrO12、Li6BaY2M1
2O12、Li7Y3Zr2O12、Li6.75BaLa2Nb1.75Zn0.25O12、またはLi6.75BaLa2Ta1.75Zn0.25O12)、リチウムガーネット複合材料(例えば、リチウムガーネット導電性炭素マトリックスまたはその他の材料との複合材料)が含まれる。リチウムイオン伝導SSE材料の他の例には、3mol%YSZドープLi7.6La3Zr1.94Y0.06O12や8mol%YSZドープLi7.16La3Zr1.94Y0.06O12などの立方晶ガーネットタイプ材料が含まれる。適切なリチウムガーネットSSE材料のさらなる例には、Li5La3Nb2O12、Li5La3Ta2O12、Li7La3Zr2O12、Li6La2SrNb2O12、Li6La2BaNb2O12、Li6La2SrTa2O12、Li6La2BaTa2O12、Li7Y3Zr2O12、Li6.4Y3Zr1.4Ta0.6O12、Li6.5La2.5Ba0.5TaZrO12、Li7Y3Zr2O12、Li6.75BaLa2Nb1.75Zn0.25O12、またはLi6.75BaLa2Ta1.75Zn0.25O12が含まれるが、これらに限定されない。一部の実施形態では、ガーネット材料は、例えば、Li7-xLa3-yM1
yZr2-zM2
zO12であり、ここで、xは、0より大きく2未満であり、M1は、Ba、Ca、Y、及びそれらの組み合わせから選択され、M2は、Nb、Ta、及びそれらの組み合わせから選択される。一部の実施形態では、ガーネット材料は、Li6.75La3Zr1.75Ta0.25O12(LLZT)、Li6.75La2.75Zr1.75Ca0.25Nb0.25O12(LLZCN)、Li5La3Nb2O12(LLZNO)、Li7La3Zr2O12(LLZ)、Li5La3Ta2O12、Li6La2SrNb2O12、Li6La2BaNb2O12、Li6La2SrTa2O12、Li6La2BaTa2O12、Li7Y3Zr2O12、Li6.4Y3Zr1.4Ta0.6O12、Li6.5La2.5Ba0.5TaZrO12、Li6BaY2M1
2O12、Li6.75BaLa2Nb1.75Zn0.25O12、Li6.75BaLa2Ta1.75Zn0.25O12、またはそれらの任意の組み合わせである。
【0072】
一部の実施形態において、ガーネット材料は、式(I)の組成物を含む。
M17-xD1aM23-yD2bM32-zD3cO12-wD4d
(I)
式中、
M1はLi、
M2はLa、
M3はZr、
D1はH、Be、B、Al、Fe、Zn、Ga、Ge、またはそれらの任意の組み合わせ、
D2はNa、K、Ca、Rb、Sr、Y、Ag、Ba、Bi、Pr、Nd、Pm、Sm、Gd、Tb、Dy、Ho、Er、Tm、Zn、Ce、またはそれらの任意の組み合わせ、
D3は、Mg、Si、Sc、Ti、V、Cr、Mn、Co、Ni、Cu、Ge、As、Se、Nb、Mo、Tc、Ru、Rh、Pd、Cd、In、Sn、Sb、Hf、Ta、W、Ir、Pt、Au、Hg、Tl、Pb、Ce、Eu、Te、Y、Sr、Ca、Ba、Gd、Ge、またはそれらの任意の組み合わせ、かつ、
D4はF、Cl、Br、I、S、Se、Te、N、P、またはそれらの任意の組み合わせである。
ただし、
0≦w≦2、
-0.5<x≦3、
0≦y≦3、
0≦z≦2、
0≦a≦2、
0≦b≦3、
0≦c≦2、かつ、
0≦d≦2、
ここで、a、b、c、及びdのうちの少なくとも1つは0より大きい。
【0073】
一部の実施形態では、アノード層は、アノード層の細孔の少なくとも一部に配置されたアノード材料をさらに含む。一部の実施形態では、アノード材料は、リチウム含有材料、マグネシウム含有材料、ナトリウム含有材料、またはそれらの任意の組み合わせを含む。他の実施形態では、アノード材料は、リチウム金属、ナトリウム金属、マグネシウム金属、またはそれらの任意の組み合わせを含む。一部の実施形態では、アノード材料はリチウム金属を含む。他の実施形態では、アノード材料はナトリウム金属を含む。また、一部の実施形態では、アノード材料はマグネシウム金属を含む。
【0074】
一部の実施形態では、アノード層の細孔にはアノード材料が実質的に存在しない(例えば、細孔は、細孔の体積に対して、1%未満、0.5%未満、0.25%未満、0.1%未満、0.01%未満、または0.001%未満のアノード材料を含む)。本開示の文脈において、アノード層の細孔にはアノード材料が「実質的に存在しない」または「存在しない」と言及される場合、アノード層の細孔には、電池セルの動作前、すなわち、電池セルの製造直後、及び電池セルの動作(例えば、電池セルの充電/放電)前に、アノード材料が実質的に存在しない、または存在しないことが理解されるであろう。一部の実施形態では、アノード層の細孔には、リチウム金属、ナトリウム金属、マグネシウム金属、またはそれらの任意の組み合わせが実質的に存在しない。他の実施形態では、アノード層の細孔には、リチウム金属、ナトリウム金属、マグネシウム金属、またはそれらの任意の組み合わせが存在しない。一部の実施形態では、アノード層の細孔にはリチウム金属が実質的に存在しない。また、一部の実施形態では、アノード層の細孔にはリチウム金属が存在しない。
【0075】
図3Aに示すように、一部の実施形態では、アノード層は第1の多孔質領域324と第2の多孔質領域326を画定する。第1の多孔質領域は、アノード層の中心328と外面との間に画定される。第2の多孔質領域は、第1の多孔質領域とアノード層の外面との間に画定される。
【0076】
一部の実施形態では、第1の多孔質領域の細孔にはシーラント材料が実質的に存在しない(例えば、細孔は、細孔の体積に対して、1%未満、0.5%未満、0.25%未満、0.1%未満、0.01%未満、または0.001%未満のシーラント材料を含む)。他の実施形態では、第1の多孔質領域の細孔にはシーラント材料が存在しない。
【0077】
一部の実施形態では、
図3Aに示すように、第2の多孔質領域の細孔の少なくとも一部がシーラント材料を含む。
【0078】
図2D及び2Eを参照すると、アノード層は凹部230d、230eを画定し得る。アノード層の凹部は、アノード層の第1の表面、第2の表面、及び/または外面上に画定されてよい。例えば、
図2Dに示すように、アノード層の第2の表面220d及び外面222dは、凹部を画定し得る。一部の実施形態では、
図2Eに示すように、アノード層の第1の表面218e、第2の表面220e、及び外面222eが凹部を画定する。他の実施形態では、外面のみが凹部を画定する。一部の実施形態では、第2の表面のみが凹部を画定する。また、一部の実施形態では、第1の表面のみが凹部を画定する。
【0079】
アノード層が凹部を画定するとき、
図2D及び2Eに示すように、シールはその凹部内に配置されてよい。理論に縛られるつもりはないが、凹部によってシールが結合する表面積が増加すると考えられる。さらに、アノード層の凹部にシールを配置すると、液体がアノード層に浸透するために流れる必要がある経路がより蛇行したものになると考えられる。
【0080】
一部の実施形態では、アノード層は、約1μm~約500μmの厚さを有する。一部の実施形態では、アノード層は、約1μm~約200μmの厚さを有する。他の実施形態では、アノード層は、約1μm~約100μmの厚さを有する。一部の実施形態では、アノード層は、約1μm~約50μmの厚さを有する。一部の実施形態では、アノード層は、約1μm~約20μmの厚さを有する。
【0081】
C.アノード集電体
アノード集電体はアノード層に結合される。
図1Aを再度参照すると、アノード集電体はアノード層の第2の表面に結合されている。一部の実施形態では、アノード集電体は、アノード層に面する内面132、アノード層に背を向ける外側の表面134、及び内面から外側の表面まで延びる外面136を有する。
【0082】
一部の実施形態では、アノード集電体は、アノード層の第2の表面上に少なくとも部分的に配置される。一部の実施形態では、アノード集電体は、アノード層の第2の表面全体に配置される。他の実施形態では、アノード集電体は、アノード層の第2の表面の実質的に全体(例えば、少なくとも60%、少なくとも70%、少なくとも80%、少なくとも90%、または少なくとも95%)に配置される。また、他の実施形態では、アノード集電体は、アノード層の第2の表面の一部にのみ配置される。
【0083】
一部の実施形態では、アノード集電体は、
図1A及び1Cに示すように、金属箔138を含む。このような実施形態では、金属箔は、アノード層の第2の表面上に少なくとも部分的に配置される。一部の実施形態では、金属箔は、アノード層の第2の表面全体に配置される。他の実施形態では、金属箔は、アノード層の第2の表面の実質的に全体(例えば、少なくとも60%、少なくとも70%、少なくとも80%、少なくとも90%、または少なくとも95%)に配置される。また、他の実施形態では、金属箔は、アノード層の第2の表面の一部にのみ配置される。
【0084】
一部の実施形態では、金属箔は、
図1Cに示すように、外部回路に接続するように構成されたタブ140を有する。図示の実施形態では、タブは金属箔と一体化されている。他の実施形態では、タブは金属箔に結合されている(例えば、溶接されている)。
【0085】
一部の実施形態では、アノード集電体は、外部回路に接続するように構成されたタブを含む。このような実施形態では、アノード集電体は金属箔ではなくタブのみを含み得る。例えば、アノード集電体はタブを含み、タブはシールに結合されてよい(例えば、シール内に配置されてよい)。
【0086】
アノード集電体は、任意の適切な材料から構成されてよい。一部の実施形態では、アノード集電体(例えば、金属箔及び/またはタブ)は、銅、ニッケル、チタン、ステンレス鋼、これらの合金、またはこれらの任意の組み合わせを含む。一部の実施形態では、アノード集電体は銅を含む。他の実施形態では、アノード集電体は銅合金を含む。一部の実施形態では、アノード集電体はニッケルを含む。他の実施形態では、アノード集電体はニッケル合金を含む。一部の実施形態では、アノード集電体はチタンを含む。一部の実施形態では、アノード集電体はチタン合金を含む。一部の実施形態では、アノード集電体はステンレス鋼を含む。また、一部の実施形態では、アノード集電体はステンレス鋼合金を含む。
【0087】
一部の実施形態では、アノード集電体は導電性膜を含む。例えば、導電性膜は、ポリマ材料と導電性材料とを含み得る。例えば、導電性材料は金属材料であってよい。一部の実施形態では、導電性材料は、銅、ニッケル、チタン、ステンレス鋼、それらの合金、またはそれらの任意の組み合わせを含む。一部の実施形態では、ポリマは、ポリプロピレン、ポリエチレン、ポリメチルペンテン、ポリブテン-1、エチレン-オクテン共重合体、プロピレン-ブタン共重合体、ポリイソブチレン、ポリ(α-オレフィン)、エチレンプロピレンゴム、エチレンプロピレンジエンモノマゴム、エチレン酢酸ビニル、エチレン-アクリレート共重合体、ポリアミド、ポリエステル、ポリウレタン、スチレンブロック共重合体、ポリカプロラクトン、ポリイミド、ポリ塩化ビニル、ポリカーボネート、ポリアクリレート、ポリメタクリレート、フッ素重合体、エポキシ樹脂、エポキシポリマ、シリコーンゴム、またはそれらの任意の組み合わせを含む。
【0088】
一部の実施形態では、導電性テープがアノード集電体をアノード層に結合する。電池セルの動作中(例えば、電池セルの充電及び/または放電中)、導電性テープは、アノード集電体をアノード層に電気的に結合することができる。
【0089】
D.シール
シールはシーラント材料を含む。シールは実質的に液体を通さない。一部の実施形態では、シールは液体を実質的に通さず、気体を透過させる。シールが実質的に液体を通さず、気体を透過させる場合、シールは、アノード層からの気体の排出を可能にしながら、アノード層への液体(例えば、カソード液)の流れを制限することができる。
【0090】
一部の実施形態では、シールは、アノード層の外面上に少なくとも部分的に配置される。一部の実施形態では、シール108は、
図1Aに示すように、アノード層の外面全体に配置される。他の実施形態では、シールは、アノード層の外面の実質的に全体(例えば、少なくとも60%、少なくとも70%、少なくとも80%、少なくとも90%、または少なくとも95%)に配置される。また、他の実施形態では、シール408は、
図4に示すように、アノード層の外面の一部にのみ配置される。
【0091】
一部の実施形態では、シール208、508、608は、
図2A、5A、及び6Aに示すように、セパレータ層上に少なくとも部分的に配置される。一部の実施形態では、シールはセパレータ層の外面上に少なくとも部分的に配置される。一部の実施形態では、シール508、608は、
図5A及び6Aに示すように、セパレータ層の外面全体に配置される。他の実施形態では、シールは、セパレータ層の外面の実質的に全体(例えば、少なくとも60%、少なくとも70%、少なくとも80%、少なくとも90%、または少なくとも95%)に配置される。また、一部の実施形態では、シールはセパレータ層の外面の一部にのみ配置される。
【0092】
一部の実施形態では、シールはセパレータ層の背面上に少なくとも部分的に配置される。他の実施形態では、シールは、セパレータ層の背面の実質的に全体(例えば、少なくとも60%、少なくとも70%、少なくとも80%、少なくとも90%、または少なくとも95%)に配置される。また、他の実施形態では、シール208、508、608は、
図2A、5A、及び6Aに示すように、セパレータ層の背面の一部にのみ配置される。
【0093】
一部の実施形態では、シールはセパレータ層の前面上に少なくとも部分的に配置される。他の実施形態では、シールは、セパレータ層の前面の実質的に全体(例えば、少なくとも60%、少なくとも70%、少なくとも80%、少なくとも90%、または少なくとも95%)に配置される。また、他の実施形態では、シール208eは、
図2Eに示すように、セパレータ層の前面の一部にのみ配置される。
【0094】
一部の実施形態では、シール508、608は、
図5A及び6Aに示すように、セパレータ層の外面及び背面に少なくとも部分的に配置される。図示の実施形態では、シールはセパレータ層の外面全体と背面の一部にのみ配置される。他の実施形態では、シール208eは、
図2Eに示すように、セパレータ層の外面、前面、及び背面に少なくとも部分的に配置される。図示のように、シールはセパレータ層の外面全体、ならびに前面及び背面の一部にのみ配置される。
【0095】
他の実施形態では、セパレータ層にはシールが存在しない。言い換えれば、セパレータ層のどの表面(例えば、前面、背面、及び/または外面)にもシールが配置されていない。
【0096】
一部の実施形態では、シール108、508、608は、
図1A、5A、及び6Aに示すように、アノード集電体上に少なくとも部分的に配置される。一部の実施形態では、シールはアノード集電体の外面上に少なくとも部分的に配置される。一部の実施形態では、シール508は、
図5Aに示すように、アノード集電体の外面全体に配置される。他の実施形態では、シールは、アノード集電体の外面の実質的に全体(例えば、少なくとも60%、少なくとも70%、少なくとも80%、少なくとも90%、または少なくとも95%)に配置される。また、一部の実施形態では、シールは、アノード集電体の外面の一部にのみ配置される。
【0097】
一部の実施形態では、シールはアノード集電体の内面に少なくとも部分的に配置される。他の実施形態では、シールは、アノード集電体の内面の実質的に全体(例えば、少なくとも60%、少なくとも70%、少なくとも80%、少なくとも90%、または少なくとも95%)に配置される。また、他の実施形態では、シール108、608は、
図1A及び6Aに示すように、アノード集電体の内面の一部にのみ配置される。
【0098】
一部の実施形態では、シールはアノード集電体の外側の表面上に少なくとも部分的に配置される。一部の実施形態では、シール708、708’は、
図7A及び7Cに示すように、アノード集電体の外側の表面全体に配置される。他の実施形態では、シールは、アノード集電体の外側の表面の実質的に全体(例えば、少なくとも60%、少なくとも70%、少なくとも80%、少なくとも90%、または少なくとも95%)に配置される。また、他の実施形態では、シールは、アノード集電体の外面の一部にのみ配置される。
【0099】
一部の実施形態では、シール708、708’は、
図7A及び7Cに示すように、アノード集電体の外側の表面及び外面上に少なくとも部分的に配置される。図示の実施形態では、シールはアノード集電体の外側の表面及び外面全体に配置される。
【0100】
他の実施形態では、アノード集電体にはシールが存在しない。言い換えれば、シールはアノード集電体のどの表面(例えば、内面、外側の表面、及び/または外面)にも配置されていない。
【0101】
一部の実施形態では、
図5Aに示すように、シール508は、アノード層の外面、セパレータ層の外面、及びアノード集電体の外面のそれぞれに少なくとも部分的に配置される。他の実施形態では、
図7A及び7Cに示すように、シール708、708’は、アノード層の外面、セパレータ層の外面、アノード集電体の外面、及びアノード集電体の外側の表面のそれぞれに少なくとも部分的に配置される。また、一部の実施形態では、シール608は、
図6Aに示すように、アノード層の外面、セパレータ層の外面、及びアノード集電体の内面のそれぞれに少なくとも部分的に配置される。
【0102】
図3Aを参照すると、シール308は、アノード層の外面上及びアノード層の第2の多孔質領域の細孔内に少なくとも部分的に配置されてよい。シールがアノード層の細孔(例えば、第2の多孔質領域の細孔の一部)内に配置されている実施形態では、シールは、アノード層の外側へのアノード活性材料(例えば、リチウム金属)の流れも制限することができる。
【0103】
シーラント材料は、アノード層への液体(例えば、カソード液)の流れを制限するのに適した任意の材料であってよい。一部の実施形態では、シーラント材料は、非導電性(例えば、非イオン伝導性及び非電子伝導性)ポリマ、非導電性(例えば、非イオン伝導性及び非電子伝導性)ガラス、またはそれらの任意の組み合わせを含む。他の実施形態では、シーラント材料は非導電性ポリマを含む。一部の実施形態では、シーラント材料は非導電性ガラスを含む。例えば、シーラント材料は、低い熱膨張係数(CTE)を有するガラスであってよい。別の例として、シーラント材料はガラスセラミックであってよい。
【0104】
一部の実施形態では、シーラント材料は、ポリプロピレン、ポリエチレン、ポリイミド、ポリ塩化ビニル(PVC)、エチレン酢酸ビニル、ポリアミド、ポリプロピレン、ポリウレタン、それらの共重合体、またはそれらの任意の組み合わせを含む。例えば、シーラント材料はポリプロピレンを含み得る。一部の実施形態では、シーラント材料はポリエチレンを含む。他の実施形態では、シーラント材料はポリイミドを含む。一部の実施形態では、シーラント材料は、PVCを含む。一部の実施形態では、シーラント材料はエチレン酢酸ビニルを含む。他の実施形態では、シーラント材料はポリアミドを含む。一部の実施形態では、シーラント材料はポリプロピレンを含む。また、一部の実施形態では、シーラント材料はポリウレタンを含む。
【0105】
一部の実施形態では、シーラント材料は、ポリプロピレン、ポリエチレン、ポリメチルペンテン、ポリブテン-1、エチレン-オクテン共重合体、プロピレン-ブタン共重合体、ポリイソブチレン、ポリ(α-オレフィン)、エチレンプロピレンゴム、エチレンプロピレンジエンモノマゴム、エチレン酢酸ビニル、エチレン-アクリレート共重合体、ポリアミド、ポリエステル、ポリウレタン、スチレンブロック共重合体、ポリカプロラクトン、ポリイミド、ポリ塩化ビニル、ポリカーボネート、ポリアクリレート、ポリメタクリレート、フッ素重合体、エポキシ樹脂、エポキシポリマ、シリコーンゴム、またはそれらの任意の組み合わせを含む。一部の実施形態では、シーラント材料はポリプロピレンを含む。一部の実施形態では、シーラント材料はポリエチレンを含む。他の実施形態では、シーラント材料はポリメチルペンテンを含む。一部の実施形態では、シーラント材料は、ポリブテン-1を含む。一部の実施形態では、シーラント材料はエチレン-オクテン共重合体を含む。一部の実施形態では、シーラント材料はプロピレン-ブタン共重合体を含む。一部の実施形態では、シーラント材料はポリイソブチレンを含む。一部の実施形態では、シーラント材料は、ポリ(α-オレフィン)を含む。一部の実施形態では、シーラント材料はエチレンプロピレンゴムを含む。他の実施形態では、シーラント材料はエチレンプロピレンジエンモノマゴムを含む。一部の実施形態では、シーラント材料はエチレン酢酸ビニルを含む。一部の実施形態では、シーラント材料はエチレン-アクリレート共重合体を含む。他の実施形態では、シーラント材料はポリアミドを含む。一部の実施形態では、シーラント材料は、ポリエステルを含む。一部の実施形態では、シーラント材料はポリウレタンを含む。一部の実施形態では、シーラント材料はスチレンブロック共重合体を含む。一部の実施形態では、シーラント材料はポリカプロラクトンを含む。他の実施形態では、シーラント材料はポリイミドを含む。一部の実施形態では、シーラント材料はポリ塩化ビニルを含む。一部の実施形態では、シーラント材料はポリカーボネートを含む。一部の実施形態では、シーラント材料はポリアクリレートを含む。一部の実施形態では、シーラント材料はポリメタクリレートを含む。一部の実施形態では、シーラント材料は、フッ素重合体を含む。一部の実施形態では、シーラント材料はエポキシ樹脂を含む。他の実施形態では、シーラント材料はエポキシポリマを含む。また、一部の実施形態では、シーラント材料はシリコーンゴムを含む。
【0106】
一部の実施形態では、シールは導電性材料をさらに含み得る。例えば、導電性材料は金属材料であってよい。一部の実施形態では、導電性材料は、銅、ニッケル、チタン、ステンレス鋼、それらの合金、またはそれらの任意の組み合わせを含む。
【0107】
一部の実施形態では、シールのうちの少なくとも一部は、約1μm~約50μmの厚さを有する。一部の実施形態では、シールのうちの少なくとも一部は、約1μm~約20μmの厚さを有する。他の実施形態では、シールのうちの少なくとも一部は、約1μm~約10μmの厚さを有する。また、一部の実施形態では、シールのうちの少なくとも一部は、約1μm~約5μmの厚さを有する。
【0108】
理論に縛られるつもりはないが、細孔を有するSSEを含むアノード層により、シールをアノード層の外面、アノード集電体、及び/またはセラミックセパレータ層に配置することが可能になり、それによってアノード層への液体(例えば、カソード液)の流れが制限されると考えられる。具体的には、他の固体アノードアセンブリとは異なり、本明細書に記載のアノード層の体積は、サイクル中、実質的に一定のままであり、アノード層とアノード集電体との間の距離は、サイクル中、実質的に静止したままである。このため、サイクル中にアノードアセンブリの体積が変化することに起因する疲労破損のリスクなしに、アノード層の外面、アノード集電体、及び/またはセラミックセパレータ層の封止が可能になる。
【0109】
E.ハウジング
一部の実施形態では、アノードアセンブリは、
図4及び8Aに示すように、内部446、846を画定する複数の内壁444、844を有するハウジング442、842をさらに備える。セパレータ層、アノード層、アノード集電体、及びシールは、ハウジングの内部に配置される。
【0110】
図4を参照すると、アノードアセンブリがハウジングを備える場合、シール408は、アノード層の外面422からハウジングの複数の内壁のうちの少なくとも1つまで延びてよい。図示の実施形態では、シールは、複数の内壁のうちの少なくとも1つ(例えば、2つ以上)に接触する。他の実施形態では、シールは、複数の内壁のうちの少なくとも1つから離間している。
【0111】
図8を参照すると、ハウジングは、複数の内壁のうちの少なくとも1つからハウジングの内部まで延びる第1の突起848及び第2の突起850をさらに備えてよい。第1及び第2の突起は空洞852を画定する。一部の実施形態では、シールは、アノード層の外面から空洞内まで延びる。
【0112】
一部の実施形態では、シールは、セパレータ層の外面からハウジングの複数の内壁のうちの少なくとも1つまで延びてよい。このような実施形態では、アノード層の外面にはシールが存在しない場合がある。言い換えれば、シールはアノード層のどの表面(例えば、第1の表面、第2の表面、及び/または外面)にも配置されなくてよい。
【0113】
別の態様において、本発明は、電池セル用のアノードアセンブリを提供する。電池セルは、セパレータ層、アノード層、アノード集電体、及びシールを備える。アノード層は、セパレータ層上に少なくとも部分的に配置され、セパレータ層に面する第1の表面、セパレータ層に背を向ける第2の表面、及び第1の表面から第2の表面まで延びる外面を有する。アノード層は、細孔を有する固体電解質(SSE)を含む。アノード集電体は、アノード層の第2の表面に結合される。シールは、アノード層の外面の実質的に全体に配置され、シーラント材料を含む。シールは、実質的に液体を通さない。
【0114】
さらなる態様において、本発明は、電池セル用のアノードアセンブリを提供する。電池セルは、セパレータ層、アノード層、アノード集電体、及びシールを備える。アノード層は、セパレータ層上に少なくとも部分的に配置され、セパレータ層に面する第1の表面、セパレータ層に背を向ける第2の表面、及び第1の表面から第2の表面まで延びる外面を有する。アノード層は、細孔を有する固体電解質(SSE)を含む。アノード集電体は、アノード層の第2の表面に結合される。シールは、アノード層及びセパレータ層の少なくとも一部に配置される。シールは実質的に液体を通さない。
【0115】
一態様において、本発明は、電池セル用のアノードアセンブリを提供する。電池セルは、セパレータ層、アノード層、アノード集電体、及びシールを備える。アノード層は、セパレータ層上に少なくとも部分的に配置され、セパレータ層に面する第1の表面、セパレータ層に背を向ける第2の表面、及び第1の表面から第2の表面まで延びる外面を有する。アノード層は、細孔を有する固体電解質(SSE)を含む。アノード集電体は、アノード層の第2の表面に結合される。シールは、アノード層及びアノード集電体の少なくとも一部に配置される。シールは実質的に液体を通さない。
【0116】
さらに別の態様において、本発明は、電池セル用のアノードアセンブリを提供する。電池セルは、セパレータ層、アノード層、アノード集電体、及びシールを備える。アノード層は、セパレータ層上に少なくとも部分的に配置され、セパレータ層に面する第1の表面、セパレータ層に背を向ける第2の表面、及び第1の表面から第2の表面まで延びる外面を有する。アノード層は、細孔を有する固体電解質(SSE)を含む。アノード集電体は、アノード層の第2の表面に結合される。シールは、アノード層、セパレータ層、及びアノード集電体の少なくとも一部に配置される。シールは実質的に液体を通さない。
【0117】
別の態様において、本発明は、電池セル用のアノードアセンブリを提供する。電池セルは、セパレータ層、アノード層、アノード集電体、及びシールを備える。アノード層は、セパレータ層上に少なくとも部分的に配置され、セパレータ層に面する第1の表面、セパレータに背を向ける第2の表面、及び第1の表面から第2の表面まで延びる外面を有する。アノード層は、細孔を有する固体電解質(SSE)を含む。アノード集電体は、アノード層の第2の表面に結合される。シールは、アノード層を包むケーシングを備える。シールは実質的に液体を通さない。一部の実施形態では、ケーシングはアノード層に接触しない。例えば、ケーシングは、アノード集電体及び/またはセパレータ層の外面上に配置されてよい。
【0118】
III.多層アノードアセンブリ
本発明の別の態様は、多層アノードアセンブリを提供する。多層アノードアセンブリは、本明細書に記載の2つのアノードアセンブリを、少なくとも1つのコンポーネントが各アノードアセンブリに共通するように組み合わせる。例えば、
図1B、3B、5B、6B、及び8Bを参照すると、多層アノードアセンブリは、共通のアノード集電体106、306、506、606、806を含み得る。一部の実施形態では、多層アノードアセンブリは、
図5B及び8Bに示すように、共通シール508、808を含み得る。
【0119】
別の態様では、本発明は多層アノードアセンブリを提供する。多層アノードアセンブリは、第1のセパレータ層、第2のセパレータ層、第1のアノード層、第2のアノード層、アノード集電体、及びシールを備える。第2のセパレータ層は、第1のセパレータ層から離間している。第1のアノード層は、第1のセパレータ層上に少なくとも部分的に配置される。第1のアノード層は、第1のセパレータ層に面する第1の表面、第1のセパレータ層に背を向ける第2の表面、及び第1の表面から第2の表面まで延びる外面を有する。第1のアノード層は、細孔を有するSSEを含む。第2のアノード層は、第2のセパレータ層上に少なくとも部分的に配置される。第2のアノード層は、第2のセパレータ層に面する第1の表面、第2のセパレータ層に背を向ける第2の表面、及び第1の表面から第2の表面まで延びる外面を有する。第2のアノード層は、細孔を有するSSEを含む。アノード集電体は、第1及び第2のアノード層の第2の表面に結合される。シールは、第1及び第2のアノード層の外面上に少なくとも部分的に配置される。シールはシーラント材料を含む。また、シールは実質的に液体を通さない。
【0120】
さらに別の態様では、本発明は多層アノードアセンブリを提供する。多層アノードアセンブリは、第1のセパレータ層、第2のセパレータ層、第1のアノード層、第2のアノード層、アノード集電体、第1のシール、及び第2のシールを備える。第2のセパレータ層は、第1のセパレータ層から離間している。第1のアノード層は、第1のセパレータ層上に少なくとも部分的に配置される。第1のアノード層は、第1のセパレータ層に面する第1の表面、第1のセパレータ層に背を向ける第2の表面、及び第1の表面から第2の表面まで延びる外面を有する。第1のアノード層は、細孔を有するSSEを含む。第2のアノード層は、第2のセパレータ層上に少なくとも部分的に配置される。第2のアノード層は、第2のセパレータ層に面する第1の表面、第2のセパレータ層に背を向ける第2の表面、及び第1の表面から第2の表面まで延びる外面を有する。第2のアノード層は、細孔を有するSSEを含む。アノード集電体は、第1及び第2のアノード層の第2の表面に結合される。第1のシールは、第1のアノード層の外面に少なくとも部分的に配置される。第2のシールは、第2のアノード層の外面に少なくとも部分的に配置される。第1及び第2のシールはシーラント材料を含む。また、第1及び第2のシールは液体を実質的に通さない。
【0121】
IV.電池セル
別の態様では、本発明は、電池セルを提供する。
図9Aを参照すると、電池セル954は、セパレータ層902、アノード層904、アノード集電体906、カソード層956、カソード集電体958、及びシール908を備える。
【0122】
セパレータ層は、本明細書に記載の任意のセパレータ層であってよい。例えば、セパレータ層は、前面、前面から離間した背面、及び前面から背面まで延びる外面を有し得る。
【0123】
アノード層は、本明細書に記載の任意のアノード層であってよい。例えば、アノード層は、セパレータ層の前面に少なくとも部分的に配置されてよい。アノード層は、セパレータ層に面する第1の表面、セパレータ層に背を向ける第2の表面、及び第1の表面から第2の表面まで延びる外面を有する。また、アノード層は、細孔を有するSSEを含み得る。
【0124】
アノード集電体は、本明細書に記載の任意のアノード集電体であってよい。例えば、アノード集電体は、アノード層の第2の表面に結合されてよい。
【0125】
A.カソード層
図9Aを参照すると、カソード層は、セパレータ層の背面912上に少なくとも部分的に配置される。カソード層は、セパレータ層に面する第1の表面960、セパレータ層に背を向ける第2の表面962、及び第1の表面から第2の表面まで延びる外面964を有する。
【0126】
一部の実施形態では、カソード層はセパレータ層の背面全体に配置される。他の実施形態では、カソード層は、セパレータ層の背面の実質的に全体(例えば、少なくとも60%、少なくとも70%、少なくとも80%、少なくとも90%、または少なくとも95%)に配置される。また、一部の実施形態では、カソード層はセパレータ層の背面の一部にのみ配置される。
【0127】
カソード層は、任意の適切な材料から構成されてよい。一部の実施形態では、カソード層は、リチウムイオン伝導性材料を含む。例えば、リチウムイオン伝導性材料は、LiCoO2、LiNi1/3Co1/3Mn1/3O2、LiNi0.5Co0.2Mn0.3O2などのリチウムニッケルマンガンコバルト酸化物(NMC、LiNixMnyCozO2、ここでx+y+z=1)、LiMn2O4、LiNi0.5Mn1.5O4などのリチウムマンガン酸化物(LMO)、LiFePO4、LiMnPO4、LiCoPO4などのリチウム鉄リン酸(LFP)、及びLi2MMn3O8(ここで、Mは、Fe、Co、またはそれらの任意の組み合わせから選択される)であってよい。一部の実施形態では、イオン伝導性カソード材料は、Li2MMn3O8などの高エネルギーイオン伝導性カソード材料であり、ここで、MはFe、Co、またはそれらの任意の組み合わせから選択される。
【0128】
一部の実施形態では、カソードはナトリウムイオン伝導性材料を含む。例えば、ナトリウムイオン伝導性材料は、Na2V2O5、P2-Na2/3Fe1/2Mn1/2O2、Na3V2(PO4)3、NaMn1/3Co1/3Ni1/3PO4、またはそれらの任意の複合材料(例えば、カーボンブラックとの複合材料)(例えば、Na2/3Fe1/2Mn1/2O2@グラフェン複合材料)であってよい。
【0129】
一部の実施形態では、カソード層はマグネシウムイオン伝導性材料を含む。例えば、マグネシウムイオン伝導性材料は、ドープされた酸化マンガン(例えば、MgxMnO2・yH2O)であってよい。
【0130】
一部の実施形態では、カソード層は有機硫化物またはポリ硫化物を含む。例えば、有機硫化物またはポリ硫化物は、カルビンポリスルフィド及び共重合硫黄であってよい。
【0131】
一部の実施形態では、カソード層は空気電極を含む。例えば、空気電極は、メッシュ(例えば、PVDFバインダなどのポリマバインダ)で結合された表面積の大きい炭素粒子(例えば、スーパーP(すなわち、導電性カーボンブラック))と触媒粒子(例えば、アルファ-MnO2ナノロッド)であってよい。
【0132】
一部の実施形態では、電池セルは、カソード層内に配置されたカソライト(例えば、カソード液)をさらに含む。このような実施形態では、シールはカソード層に対して実質的に不透過である。カソライトは、液体と固体の接触を促進し、及び/またはイオン移動のために改善された界面を提供するのに適した任意の材料を含み得る。例えば、カソライトは、リチウム塩、線状炭酸塩、環状炭酸塩、イオン液体、またはそれらの任意の組み合わせを含み得る。例えば、カソライトは、リチウムビス(フルオロスルホニル)イミドとN-プロピル-N-メチルピロリジニウムビス(フルオロスルホニル)イミドの混合物を含み得る。他の実施形態では、カソライトは、六フッ化リン酸リチウム、エチレンカーボネート、及びエチルメチルカーボネートの混合物を含む。
【0133】
一部の実施形態では、カソード層は、約1μm~約500μmの厚さを有する。一部の実施形態では、カソード層は、約1μm~約200μmの厚さを有する。他の実施形態では、カソード層は、約1μm~約100μmの厚さを有する。一部の実施形態では、カソード層は、約1μm~約50μmの厚さを有する。一部の実施形態では、カソード層は、約1μm~約20μmの厚さを有する。一部の実施形態では、カソード層は、約10μm~約150μmの厚さを有する。他の実施形態では、カソード層は、約40μm~約100μmの厚さを有する。また、一部の実施形態では、カソード層は、約60μm~約80μmの厚さを有する。
【0134】
B.カソード集電体
カソード集電体は、カソード層に結合される。
図9Aを再度参照すると、カソード集電体はカソード層の第2の表面に結合されている。一部の実施形態では、カソード集電体は、カソード層に面する内面966、カソード層に背を向ける外側の表面968、及び内面から外側の表面まで延びる外面970を有する。
【0135】
一部の実施形態では、カソード集電体は、カソード層の第2の表面上に少なくとも部分的に配置される。一部の実施形態では、カソード集電体は、カソード層の第2の表面全体に配置される。他の実施形態では、カソード集電体は、カソード層の第2の表面の実質的に全体(例えば、少なくとも60%、少なくとも70%、少なくとも80%、少なくとも90%、または少なくとも95%)に配置される。また、他の実施形態では、カソード集電体は、カソード層の第2の表面の一部にのみ配置される。
【0136】
一部の実施形態では、カソード集電体は、
図9A及び9Bに示すように、金属箔972を含む。このような実施形態では、金属箔は、カソード層の第2の表面上に少なくとも部分的に配置される。一部の実施形態では、金属箔は、カソード層の第2の表面全体に配置される。他の実施形態では、金属箔は、カソード層の第2の表面の実質的に全体(例えば、少なくとも60%、少なくとも70%、少なくとも80%、少なくとも90%、または少なくとも95%)に配置される。また、他の実施形態では、金属箔は、カソード層の第2の表面の一部にのみ配置される。
【0137】
一部の実施形態では、金属箔は、
図9Bに示すように、外部回路に接続するように構成されたタブ974を有する。図示の実施形態では、タブは金属箔と一体化されている。他の実施形態では、タブは金属箔に結合されている(例えば、溶接されている)。
【0138】
カソード集電体は、任意の適切な材料から構成されてよい。一部の実施形態では、カソード集電体(例えば、金属箔及び/またはタブ)は、アルミニウム、ステンレス鋼、これらの合金、またはこれらの任意の組み合わせを含む。一部の実施形態では、カソード集電体はアルミニウムを含む。一部の実施形態では、カソード集電体はアルミニウム合金を含む。他の実施形態では、カソード集電体はステンレス鋼を含む。また、一部の実施形態では、カソード集電体はステンレス鋼合金を含む。
【0139】
一部の実施形態では、カソード集電体は導電性膜を含む。例えば、導電性膜は、ポリマ材料と導電性材料とを含み得る。例えば、導電性材料は金属材料であってよい。一部の実施形態では、導電性材料は、アルミニウム、ステンレス鋼、それらの合金、またはそれらの任意の組み合わせを含む。
【0140】
一部の実施形態では、導電性テープがカソード集電体をカソード層に結合する。電池セルの動作中(例えば、電池セルの充電及び/または放電中)、導電性テープは、カソード集電体をカソード層に電気的に結合することができる。
【0141】
一部の実施形態では、
図9A及び9Bに示すように、カソード集電体は、カソード層にカソライトを充填できるように構成された開口976を画定する。図示の実施形態では、カソード集電体の外側の表面は、カソード層にカソライトを充填できるように構成された開口を画定する。他の実施形態では、
図10C及び10Dに示すように、カソード集電体の外面及び外側の表面は、カソード層にカソライトを充填できるように構成された開口1076’を画定する。
【0142】
一部の実施形態では、
図7A、9A、及び10Aに示すように、カソード集電体の断面幅は、カソード層の断面幅よりも大きい。他の実施形態では、
図7C及び9Cに示すように、カソード集電体の断面幅は、カソード層の断面幅と実質的に同じである。
【0143】
C.シール
シールはシーラント材料を含む。シールは実質的に液体を通さない。シールは、本明細書に記載の任意のシールであってよい。
【0144】
一部の実施形態では、シールは気体を透過させる。一部の実施形態では、シールは、アノード層の外面上に少なくとも部分的に配置される。
【0145】
一部の実施形態では、シールは、カソード層上に少なくとも部分的に配置される。例えば、
図9A、9C、10A、及び10Cに示すように、シールはカソード層の外面上に少なくとも部分的に配置されてよい。図示の実施形態では、シールはカソード層の外面全体に配置されている。他の実施形態では、シールは、カソード層の外面の実質的に全体(例えば、少なくとも60%、少なくとも70%、少なくとも80%、少なくとも90%、または少なくとも95%)に配置される。また、一部の実施形態では、シールはカソード層の外面の一部にのみ配置される。
【0146】
一部の実施形態では、シールは、カソード集電体上に少なくとも部分的に配置される。例えば、
図9C及び10Cに示すように、シールはカソード集電体の外面上に少なくとも部分的に配置されてよい。他の実施形態では、シールは、カソード集電体の外面の実質的に全体(例えば、少なくとも60%、少なくとも70%、少なくとも80%、少なくとも90%、または少なくとも95%)に配置される。また、一部の実施形態では、シールは、カソード集電体の外面の一部にのみ配置される。
【0147】
一部の実施形態では、
図9A及び10Aに示すように、シールはカソード集電体の内面に少なくとも部分的に配置される。他の実施形態では、シールは、カソード集電体の内面の実質的に全体(例えば、少なくとも60%、少なくとも70%、少なくとも80%、少なくとも90%、または少なくとも95%)に配置される。また、一部の実施形態では、シールは、
図9A及び10Aに示すように、カソード集電体の内面の一部にのみ配置される。
【0148】
一部の実施形態では、シールは、アノード層の外面、セパレータ層の外面、セパレータ層の外面、ならびにアノード及びカソード集電体の内面のそれぞれに少なくとも部分的に配置される。例えば、
図9A及び10Aに示すように、シールは、アノード層の外面全体、セパレータ層の外面全体、ならびにアノード集電体及びカソード集電体の内面の一部にのみ配置されてよい。
【0149】
一部の実施形態では、
図7Aに示すように、シールは、アノード層の外面、セパレータ層の外面、カソード集電体の内面、ならびにアノード集電体の外面及び外側の表面のそれぞれに少なくとも部分的に配置されてよい。図示の実施形態では、シールは、アノード層の外面全体、セパレータ層の外面全体、カソード集電体の内面の一部のみ、ならびにアノード集電体の外面及び外側の表面の全体に配置されてよい。
【0150】
一部の実施形態では、シールは、アノード層の外面、セパレータ層の外面、カソード層の外面、ならびにアノード及びカソード集電体の内面のそれぞれに少なくとも部分的に配置される。例えば、
図9A及び10Aに示すように、シールは、アノード層の外面全体、セパレータ層の外面全体、カソード層の外面全体、ならびにアノード集電体及びカソード集電体の内面の一部にのみ配置されてよい。
【0151】
一部の実施形態では、シールは、アノード層の外面、セパレータ層の外面、カソード層の外面、カソード集電体の内面、ならびにアノード集電体の外面及び外側の表面のそれぞれに少なくとも部分的に配置されてよい。例えば、
図7Aに示すように、シールは、アノード層の外面全体、セパレータ層の外面全体、カソード層の外面全体、カソード集電体の内面の一部のみ、ならびにアノード集電体の外面及び外側の表面の全体に配置されてよい。
【0152】
一部の実施形態では、
図7Cに示すように、シールは、アノード層の外面、セパレータ層の外面、カソード層の外面、カソード集電体の外面、ならびにアノード集電体の外面及び外側の表面のそれぞれに少なくとも部分的に配置されてよい。図示の実施形態では、シールは、アノード層の外面全体、セパレータ層の外面全体、カソード層の外面全体、カソード集電体の外面全体、ならびにアノード集電体の外面及び外側の表面の全体に配置されている。
【0153】
一部の実施形態では、シールは、アノード層の外面、セパレータ層の外面、カソード層の外面、カソード集電体の外面、及びアノード集電体の内面のそれぞれに少なくとも部分的に配置されてよい。例えば、
図9Cに示すように、シールは、アノード層の外面全体、セパレータ層の外面全体、カソード層の外面全体、カソード集電体の外面全体、及びアノード集電体の内面の一部にのみ配置されてよい。
【0154】
一部の実施形態では、シールは、アノード層及びセパレータ層上に少なくとも部分的に配置される。他の実施形態では、シールは、アノード層及びアノード集電体上に少なくとも部分的に配置される。また、一部の実施形態では、シールは、アノード層、アノード集電体、及びセパレータ層上に少なくとも部分的に配置される。
【0155】
シーラント材料は、本明細書に記載の任意のシーラント材料であってよい。一部の実施形態では、シーラント材料は、ポリプロピレン、ポリエチレン、ポリイミド、ポリ塩化ビニル(PVC)、エチレン酢酸ビニル、ポリアミド、ポリプロピレン、ポリウレタン、それらの共重合体、またはそれらの任意の組み合わせを含む。例えば、シーラント材料はポリプロピレンを含み得る。一部の実施形態では、シーラント材料はポリエチレンを含む。他の実施形態では、シーラント材料はポリイミドを含む。一部の実施形態では、シーラント材料は、PVCを含む。一部の実施形態では、シーラント材料はエチレン酢酸ビニルを含む。他の実施形態では、シーラント材料はポリアミドを含む。一部の実施形態では、シーラント材料はポリプロピレンを含む。また、一部の実施形態では、シーラント材料はポリウレタンを含む。
【0156】
また、一部の実施形態では、シーラント材料は、ポリプロピレン、ポリエチレン、ポリメチルペンテン、ポリブテン-1、エチレン-オクテン共重合体、プロピレン-ブタン共重合体、ポリイソブチレン、ポリ(α-オレフィン)、エチレンプロピレンゴム、エチレンプロピレンジエンモノマゴム、エチレン酢酸ビニル、エチレン-アクリレート共重合体、ポリアミド、ポリエステル、ポリウレタン、スチレンブロック共重合体、ポリカプロラクトン、ポリイミド、ポリ塩化ビニル、ポリカーボネート、ポリアクリレート、ポリメタクリレート、フッ素重合体、エポキシ樹脂、エポキシポリマ、シリコーンゴム、またはそれらの任意の組み合わせを含む。一部の実施形態では、シーラント材料はポリプロピレンを含む。一部の実施形態では、シーラント材料はポリエチレンを含む。他の実施形態では、シーラント材料はポリメチルペンテンを含む。一部の実施形態では、シーラント材料は、ポリブテン-1を含む。一部の実施形態では、シーラント材料はエチレン-オクテン共重合体を含む。一部の実施形態では、シーラント材料はプロピレン-ブタン共重合体を含む。一部の実施形態では、シーラント材料はポリイソブチレンを含む。一部の実施形態では、シーラント材料は、ポリ(α-オレフィン)を含む。一部の実施形態では、シーラント材料はエチレンプロピレンゴムを含む。他の実施形態では、シーラント材料はエチレンプロピレンジエンモノマゴムを含む。一部の実施形態では、シーラント材料はエチレン酢酸ビニルを含む。一部の実施形態では、シーラント材料はエチレン-アクリレート共重合体を含む。他の実施形態では、シーラント材料はポリアミドを含む。一部の実施形態では、シーラント材料は、ポリエステルを含む。一部の実施形態では、シーラント材料はポリウレタンを含む。一部の実施形態では、シーラント材料はスチレンブロック共重合体を含む。一部の実施形態では、シーラント材料はポリカプロラクトンを含む。他の実施形態では、シーラント材料はポリイミドを含む。一部の実施形態では、シーラント材料はポリ塩化ビニルを含む。一部の実施形態では、シーラント材料はポリカーボネートを含む。一部の実施形態では、シーラント材料はポリアクリレートを含む。一部の実施形態では、シーラント材料はポリメタクリレートを含む。一部の実施形態では、シーラント材料は、フッ素重合体を含む。一部の実施形態では、シーラント材料はエポキシ樹脂を含む。他の実施形態では、シーラント材料はエポキシポリマを含む。また、一部の実施形態では、シーラント材料はシリコーンゴムを含む。
【0157】
一部の実施形態では、シールのうちの少なくとも一部は、約1μm~約50μmの厚さを有する。一部の実施形態では、シールのうちの少なくとも一部は、約1μm~約20μmの厚さを有する。他の実施形態では、シールのうちの少なくとも一部は、約1μm~約10μmの厚さを有する。また、一部の実施形態では、シールのうちの少なくとも一部は、約1μm~約5μmの厚さを有する。
【0158】
D.ハウジング
一部の実施形態では、電池セルはハウジングをさらに備える。ハウジングは、本明細書に記載の任意のハウジングであってよい。例えば、ハウジングは、内部を画定する複数の内壁を備えてよい。ハウジングの内部には、セパレータ層、アノード層、アノード集電体、カソード層、カソード集電体、及びシールが配置されてよい。
【0159】
V.電極対アセンブリ
別の態様において、本発明は電極対アセンブリを提供する。
図11Aを参照すると、電極対アセンブリ1178aは、第1のセパレータ層1102a、第1のアノード層1104a、第1のアノード集電体1106a、第1のカソード層1156a、第1のカソード集電体1158a、及び第1のシール1108aを備える。電極対アセンブリは、第2のセパレータ層1102a’、第2のアノード層1104a’、及び第2のカソード層1156a’をさらに備える。
【0160】
第1及び第2のセパレータ層は、それぞれ本明細書に記載の任意のセパレータ層であってよい。一部の実施形態では、第1のセパレータ層と第2のセパレータ層は異なる。他の実施形態では、第1のセパレータ層と第2のセパレータ層は同じである。
【0161】
第1及び第2のアノード層はそれぞれ、本明細書に記載の任意のアノード層であってよい。一部の実施形態では、第1のアノード層と第2のアノード層は異なる。他の実施形態では、第1のアノード層及び第2のアノード層は同じである。
【0162】
第1及び第2のカソード層はそれぞれ、本明細書に記載の任意のカソード層であってよい。一部の実施形態では、第1のカソード層と第2のカソード層は異なる。他の実施形態では、第1のカソード層と第2のカソード層は同じである。
【0163】
第1のアノード集電体は、本明細書に記載の任意のアノード集電体であってよい。一部の実施形態では、
図11A及び11Bに示すように、第1のアノード集電体1106a、1106bは、第1及び第2のアノード層に共通の集電体として機能する。他の実施形態では、電極対アセンブリは、
図11C及び11Dに示すように、第2のアノード集電体1106c’、1106d’をさらに備える。第2のアノード集電体は、本明細書に記載の任意のアノード集電体であってよい。一部の実施形態では、第1のアノード集電体及び第2のアノード集電体は異なる。他の実施形態では、第1のアノード集電体及び第2のアノード集電体は同じである。
【0164】
第1のカソード集電体は、本明細書に記載の任意のカソード集電体であってよい。一部の実施形態では、第1のカソード集電体は、第1及び第2のカソード層に共通の集電体として機能する。他の実施形態では、電極対アセンブリは、
図11A、11B、11C、及び11Dに示すように、第2のカソード集電体1158a’、1158b’、1158c’、1158d’をさらに備える。第2のカソード集電体は、本明細書に記載の任意のカソード集電体であってよい。一部の実施形態では、第1のカソード集電体及び第2のカソード集電体は異なる。他の実施形態では、第1のカソード集電体及び第2のカソード集電体は同じである。
【0165】
一部の実施形態では、
図11Cに示すように、第1のカソード集電体の外側の表面1168cは、第2のカソード集電体の外側の表面1168c’上に配置される。
【0166】
図11Cを引き続き参照すると、第1及び第2のカソード集電体が、第1及び第2のカソード層にカソライトを充填できるように構成された開口1176c、1176c’を画定する場合、開口は、第1のカソード集電体の開口が第2のカソード集電体によって封止され、第2のカソード集電体の開口が第1のカソード集電体によって封止されるように、互いに離間されてよい。他の実施形態では、開口1276b、1276b’は、
図12Bに示すように、第1及び第2のカソード層が互いに流体連通するように実質的に整列されてよい。
【0167】
第1のシールは、本明細書に記載の任意のシールであってよい。一部の実施形態では、
図11Eに示すように、第1のシール1108eは、少なくとも第1及び第2アノード層に共通のシールとして機能する(例えば、第1のシールは、第1及び第2アノード層の外面上に少なくとも部分的に配置される)。他の実施形態では、電極対アセンブリは、
図11Aに示すように、第2のシール1108a’をさらに備える。第2のシールは、本明細書に記載の任意のシールであってよい。一部の実施形態では、第1のシールと第2のシールは異なる。他の実施形態では、第1のシールと第2のシールは同じである。
【0168】
図11Aを参照すると、電極対アセンブリ1178aは、第1のセパレータ層1102a、第2のセパレータ層1102a’、第1のアノード層1104a、第2のアノード層1104a’、第1のカソード層1156a、第2のカソード層1156a’、第1のアノード集電体1106a、第1のカソード集電体1158a、第2のカソード集電体1158a’、第1のシール1108a、及び第2のシール1108a’を備えてよい。第1のアノード集電体は、第1及び第2のアノード層に共通の集電体である。第1のシールは、第1のアノード層の外面、第1のセパレータ層の外面、第1のセパレータ層の背面、第1のカソード層の外面、第1のカソード集電体の内面、及び第1のアノード集電体の内面のそれぞれに少なくとも部分的に配置される。第2のシールは、第2のアノード層の外面、第2のセパレータ層の外面、第2のセパレータ層の背面、第2のカソード層の外面、第2のカソード集電体の内面、及び第1のアノード集電体の外側の表面のそれぞれに少なくとも部分的に配置される。
【0169】
図11Bを参照すると、電極対アセンブリ1178bは、第1のシール1108b及び第2のシール1108b’が、第1及び第2カソード集電体の内面ではなく、それぞれ第1及び第2カソード集電体1158b、1158b’の外面に少なくとも部分的に配置されている点で、
図11Aの電極対アセンブリ1176aと異なる。第1及び第2のカソード集電体の断面幅は、第1及び第2のカソード層の断面幅と実質的に同じである。
【0170】
図11Cを参照すると、電極対アセンブリ1178cは、第1のセパレータ層1102c、第2のセパレータ層1102c’、第1のアノード層1104c、第2のアノード層1104c’、第1のカソード層1156、第2のカソード層1156c’、第1のアノード集電体1106c、第2のアノード集電体1106c’、第1のカソード集電体1158c、第2のカソード集電体1158c’、第1のシール1108c、及び第2のシール1108c’を備えてよい。第1のシールは、第1のアノード層の外面、第1のセパレータ層の外面、第1のセパレータ層の背面、第1のカソード層の外面、第1のカソード集電体の内面、及び第1のアノード集電体の内面のそれぞれに少なくとも部分的に配置される。第2のシールは、第2のアノード層の外面、第2のセパレータ層の外面、第2のセパレータ層の背面、第2のカソード層の外面、第2のカソード集電体の内面、及び第2のアノード集電体の内面のそれぞれに少なくとも部分的に配置される。第1のカソード集電体の外側の表面は、第2のカソード集電体の外側の表面上に配置される。第1及び第2の集電体はそれぞれ開口1176c、1176c’を画定する。第1のカソード集電体の開口は第2のカソード集電体によって封止され、第2のカソード集電体の開口は第1のカソード集電体によって封止されるように、開口は互いに離間している。したがって、電極対アセンブリを組み立てる前に、第1及び第2のカソード層のそれぞれにカソライトを充填することができる。
【0171】
図11Dを参照すると、電極対アセンブリ1178dは、第1のシール1108d及び第2のシール1108d’が、第1及び第2カソード集電体の内面ではなく、それぞれ第1及び第2カソード集電体1158d、1158d’の外面に少なくとも部分的に配置されている点で、
図11Cの電極対アセンブリ1178cとは異なる。第1及び第2のカソード集電体の断面幅は、第1及び第2のカソード層の断面幅と実質的に同じである。第1及び第2のシールは間隙1180dを画定する。この間隙により、電極対アセンブリを組み立てた後に、第1及び第2のカソード層にカソライトを充填することを可能にすることができる。
【0172】
図11Eを参照すると、電極対アセンブリ1178eは、第1のシール1108eのみを備え、第2のシールを備えていないという点で、
図11Dの電極対アセンブリ1178dとは異なる。第1のシールは、第1のアノード層の外面、第1のセパレータ層の外面、第1のセパレータ層の背面、第1のカソード層の外面、第1のカソード集電体の外面、第1のアノード集電体の内面、第2のアノード層の外面、第2のセパレータ層の外面、第2のセパレータ層の背面、第2のカソード層の外面、第2のカソード集電体の外面、及び第2アノード集電体の内面のそれぞれに少なくとも部分的に配置される。
【0173】
図12Aを参照すると、電極対アセンブリ1278aは、第1のセパレータ層1202a、第2のセパレータ層1202a’、第1のアノード層1204a、第2のアノード層1204a’、第1のカソード層1256a、第2のカソード層1256a’、第1のアノード集電体1206a、第1のカソード集電体1258a、第2のカソード集電体1258a’、第1のシール1208a、及び第2のシール1208a’を備えてよい。第1のアノード集電体は、第1及び第2のアノード層に共通の集電体である。第1のシールは、第1のアノード層の外面、第1のセパレータ層の外面、第1のセパレータ層の背面、第1のカソード層の外面、第1のカソード集電体の内面、及び第1のアノード集電体の内面のそれぞれに少なくとも部分的に配置される。第2のシールは、第2のアノード層の外面、第2のセパレータ層の外面、第2のセパレータ層の背面、第2のカソード層の外面、第2のカソード集電体の内面、及び第1のアノード集電体の外側の表面のそれぞれに少なくとも部分的に配置される。第1及び第2の集電体はそれぞれ開口を画定する。
【0174】
図12Cを参照すると、電極対アセンブリ1278cは、第1及び第2のカソード集電体1258c、1258c’の外側の表面及び外面が、第1及び第2のカソード集電体の外側の表面のみではなく、各開口1276c、1276c’を画定するという点で、
図12Aの電極対アセンブリ1278aとは異なる。
【0175】
図12Bを参照すると、電極対アセンブリ1278Bは、第1のセパレータ層1202b、第2のセパレータ層1202b’、第1のアノード層1204b、第2のアノード層1204b’、第1のカソード層1256b、第2のカソード層1256b’、第1のアノード集電体1206b、第2のアノード集電体1206b’、第1のカソード集電体1258b、第2のカソード集電体1258b’、第1のシール1208b、及び第2のシール1208b’を備えてよい。第1のシールは、第1のアノード層の外面、第1のセパレータ層の外面、第1のセパレータ層の背面、第1のカソード層の外面、第1のカソード集電体の内面、及び第1のアノード集電体の内面のそれぞれに少なくとも部分的に配置される。第2のシールは、第2のアノード層の外面、第2のセパレータ層の外面、第2のセパレータ層の背面、第2のカソード層の外面、第2のカソード集電体の内面、及び第2のアノード集電体の内面のそれぞれに少なくとも部分的に配置される。第1のカソード集電体の外面は、第2のカソード集電体の外側の表面上に配置される。第1及び第2の集電体はそれぞれ開口1276b、1276b’を画定する。開口は、第1及び第2のカソード層が互いに流体連通するように実質的に整列されている。
【0176】
図12Dを参照すると、電極対アセンブリ1278dは、第1及び第2のカソード集電体1258d、1258d’の外側の表面及び外面が、第1及び第2のカソード集電体の外側の表面のみではなく、各開口1276d、1276d’を画定するという点で、
図12Bの電極対アセンブリ1278bとは異なる。
【0177】
図13を参照すると、電極対アセンブリ1378は、第1のアノード集電体1306、第1のアノード層1304、第1のシール1308、第1のセパレータ層1302、第1のカソード層1356、第1のカソード集電体1358、第2のカソード層1356’、第2のセパレータ層1302’、第2のアノード層1304’、第2のシール1308’、第2のアノード集電体1306’、第3のアノード層1304’’、第3のシール1308’’、第3のセパレータ層1302’’、第3のカソード層1356’’、第2のカソード集電体1358’、第4のカソード層1356’’’、第4のセパレータ層1302’’’、第4のアノード層1304’’’、第4のシール1308’’’、及び第3のアノード集電体1306’’を備えてよい。第1のカソード集電体は、第1及び第2のカソード層に共通の集電体である。第2のアノード集電体は、第2及び第3のカソード層に共通の集電体である。第2のカソード集電体は、第3及び第4のカソード層に共通の集電体である。第1のシールは、第1のアノード層の外面に少なくとも部分的に配置される。第2のシールは、第2のアノード層の外面に少なくとも部分的に配置される。第3のシールは、第3のアノード層の外面に少なくとも部分的に配置される。第4のシールは、第4のアノード層の外面に少なくとも部分的に配置される。電極対アセンブリは、ハウジング1382に配置されてよい。
【0178】
VI.アノードアセンブリの形成方法
本発明の別の態様は、アノードアセンブリを形成する方法を提供する。
図14を参照すると、電池セルのアノードアセンブリを形成する例示的な実施態様を示すフローチャートが提供されている。方法は、
(a)セパレータ層と、
セパレータ層上に少なくとも部分的に配置され、セパレータ層に面する第1の表面、セパレータ層に背を向ける第2の表面、及び第1の表面から第2の表面まで延びる外面を有するアノード層であって、細孔を有する固体電解質(SSE)を含むアノード層と、
アノード層の第2の表面に結合されたアノード集電体と、
を提供すること(1402)と、
(b)アノード層の外面に少なくとも部分的にシールを形成することであって、このシールは液体を実質的に通さない、シールを形成すること(1404)と、
を含む。
【0179】
セパレータ層は、本明細書に記載の任意のセパレータ層であってよい。アノード層は、本明細書に記載の任意のアノード層であってよい。アノード集電体は、本明細書に記載の任意のアノード集電体であってよい。
【0180】
一部の実施態様では、ステップ(b)の形成することは、アノード層の外面上に少なくとも部分的にシーラント材料を冷間プレス、熱間プレス、溶融、3D印刷、またはそれらの任意の組み合わせを行うことによって、シーラント材料からシールを形成することを含む。一部の実施態様では、ステップ(b)の形成することは、アノード層の外面上に少なくとも部分的にシーラント材料を冷間プレスすることによってシーラント材料からシールを形成することを含む。他の実施態様では、ステップ(b)の形成することは、アノード層の外面上に少なくとも部分的にシーラント材料を熱間プレスすることによってシーラント材料からシールを形成することを含む。一部の実施態様では、ステップ(b)の形成することは、アノード層の外面上に少なくとも部分的にシーラント材料を溶融することによってシーラント材料からシールを形成することを含む。また、一部の実施態様では、ステップ(b)の形成することは、アノード層の外面上に少なくとも部分的にシーラント材料を3D印刷することによってシーラント材料からシールを形成することを含む。
【0181】
一部の実施態様では、ステップ(b)の形成することは、アノード層の外面上に少なくとも部分的にシーラント材料を機械的に塗布することによってシーラント材料からシールを形成することを含む。例えば、ステップ(b)の形成することは、ペイントブラシ、ローラ、プラスチックアプリケータ、金属アプリケータ、成形ツール、シリンジディスペンサ、ディスペンサバルブ、またはそれらの任意の組み合わせを使用して、アノード層の外面に少なくとも部分的にシーラント材料を塗布することにより、シーラント材料からシールを形成することを含み得る。一部の実施態様では、ステップ(b)の形成することは、アノード層の外面上に少なくとも部分的に、シーラント材料をペイントブラシを用いて塗布することによってシーラント材料からシールを形成することを含む。他の実施態様では、ステップ(b)の形成することは、アノード層の外面上に少なくとも部分的にシーラント材料をローラを用いて塗布することによってシーラント材料からシールを形成することを含む。一部の実施態様では、ステップ(b)の形成することは、アノード層の外面上に少なくとも部分的にシーラント材料をプラスチックアプリケータを用いて塗布することによってシーラント材料からシールを形成することを含む。一部の実施態様では、ステップ(b)の形成することは、アノード層の外面上に少なくとも部分的にシーラント材料を金属アプリケータを用いて塗布することによってシーラント材料からシールを形成することを含む。他の実施態様では、ステップ(b)の形成することは、アノード層の外面上に少なくとも部分的にシーラント材料を成形ツールを用いて塗布することによってシーラント材料からシールを形成することを含む。一部の実施態様では、ステップ(b)の形成することは、アノード層の外面上に少なくとも部分的にシーラント材料をシリンジディスペンサを用いて塗布することによってシーラント材料からシールを形成することを含む。また、一部の実施態様では、ステップ(b)の形成することは、アノード層の外面上にシーラント材料をディスペンサバルブを用いて少なくとも部分的に塗布することによってシーラント材料からシールを形成することを含む。
【0182】
一部の実施態様では、ステップ(b)の形成することは、アノード層の外面上に少なくとも部分的にシーラント材料を射出成形、インライン押し出し、スプレー堆積、3D印刷、ラッピング、またはそれらの任意の組み合わせを行うことによって、シーラント材料からシールを形成することを含む。一部の実施態様では、ステップ(b)の形成することは、アノード層の外面上に少なくとも部分的にシーラント材料を射出成形することによってシーラント材料からシールを形成することを含む。他の実施態様では、ステップ(b)の形成することは、アノード層の外面上に少なくとも部分的にシーラント材料をインライン押し出しすることによってシーラント材料からシールを形成することを含む。一部の実施態様では、ステップ(b)の形成することは、アノード層の外面上に少なくとも部分的にシーラント材料をスプレー堆積することによってシーラント材料からシールを形成することを含む。一部の実施態様では、ステップ(b)の形成することは、アノード層の外面上に少なくとも部分的にシーラント材料を3D印刷することによってシーラント材料からシールを形成することを含む。また、一部の実施態様では、ステップ(b)の形成することは、アノード層の外面上に少なくとも部分的にシーラント材料をラッピングすることによってシーラント材料からシールを形成することを含む。
【0183】
シーラント材料の温度及び/または塗布圧力は、アノードアセンブリの他のコンポーネントに損傷を与えることなく、適切なシーラント材料の流れと被覆率を提供するように選択されてよい。シーラント材料がアノード層の外面及び第2の多孔質領域の細孔内に少なくとも部分的に配置される実施態様では、シーラント材料の温度及び/または塗布圧力は、第2の多孔質領域の細孔への所望のレベルの浸透を可能にするのに十分であってよい。同様に、シーラント材料の位置、シーラント材料の量、シーラント材料の塗布速度、及びシールの冷却方式は、シールの特定の実施形態ごとに調整されてよい。
【0184】
シーラント材料は、本明細書に記載の任意のシーラント材料であってよい。例えば、シーラント材料は、ポリプロピレン、ポリエチレン、ポリイミド、ポリ塩化ビニル(PVC)、エチレン酢酸ビニル、ポリアミド、ポリプロピレン、ポリウレタン、それらの共重合体、またはそれらの任意の組み合わせを含み得る。例えば、シーラント材料はポリプロピレンを含み得る。一部の実施態様では、シーラント材料はポリエチレンを含む。他の実施態様では、シーラント材料はポリイミドを含む。一部の実施態様では、シーラント材料はPVCを含む。一部の実施態様では、シーラント材料はエチレン酢酸ビニルを含む。他の実施態様では、シーラント材料はポリアミドを含む。一部の実施態様では、シーラント材料はポリプロピレンを含む。また、一部の実施態様では、シーラント材料はポリウレタンを含む。
【0185】
また、一部の実施態様では、シーラント材料は、ポリプロピレン、ポリエチレン、ポリメチルペンテン、ポリブテン-1、エチレン-オクテン共重合体、プロピレン-ブタン共重合体、ポリイソブチレン、ポリ(α-オレフィン)、エチレンプロピレンゴム、エチレンプロピレンジエンモノマゴム、エチレン酢酸ビニル、エチレン-アクリレート共重合体、ポリアミド、ポリエステル、ポリウレタン、スチレンブロック共重合体、ポリカプロラクトン、ポリイミド、ポリ塩化ビニル、ポリカーボネート、ポリアクリレート、ポリメタクリレート、フッ素重合体、エポキシ樹脂、エポキシポリマ、シリコーンゴム、またはそれらの任意の組み合わせを含む。一部の実施態様では、シーラント材料はポリプロピレンを含む。一部の実施態様では、シーラント材料はポリエチレンを含む。他の実施態様では、シーラント材料はポリメチルペンテンを含む。一部の実施態様では、シーラント材料はポリブテン-1を含む。一部の実施態様では、シーラント材料はエチレン-オクテン共重合体を含む。一部の実施態様では、シーラント材料はプロピレン-ブタン共重合体を含む。一部の実施態様では、シーラント材料はポリイソブチレンを含む。一部の実施態様では、シーラント材料はポリ(α-オレフィン)を含む。一部の実施態様では、シーラント材料はエチレンプロピレンゴムを含む。他の実施態様では、シーラント材料はエチレンプロピレンジエンモノマゴムを含む。一部の実施態様では、シーラント材料はエチレン酢酸ビニルを含む。一部の実施態様では、シーラント材料はエチレン-アクリレート共重合体を含む。他の実施態様では、シーラント材料はポリアミドを含む。一部の実施態様では、シーラント材料はポリエステルを含む。一部の実施態様では、シーラント材料はポリウレタンを含む。一部の実施態様では、シーラント材料はスチレンブロック共重合体を含む。一部の実施態様では、シーラント材料はポリカプロラクトンを含む。他の実施態様では、シーラント材料はポリイミドを含む。一部の実施態様では、シーラント材料はポリ塩化ビニルを含む。一部の実施態様では、シーラント材料はポリカーボネートを含む。一部の実施態様では、シーラント材料はポリアクリレートを含む。一部の実施態様では、シーラント材料はポリメタクリレートを含む。一部の実施態様では、シーラント材料はフッ素重合体を含む。一部の実施態様では、シーラント材料はエポキシ樹脂を含む。他の実施態様では、シーラント材料はエポキシポリマを含む。また、一部の実施態様では、シーラント材料はシリコーンゴムを含む。
【0186】
一部の実施態様では、ステップ(b)の形成することは、シーラント材料を硬化させることをさらに含む。例えば、シーラント材料を硬化させることは、放射線(例えば、紫外線(UV)放射線)への曝露によってシーラント材料を硬化させることを含み得る。一部の実施態様では、硬化はUVランプからのUV放射によって実行されてよい。他の実施態様では、シーラント材料の硬化はエポキシ硬化を含む。
【0187】
別の態様では、本発明は、アノードアセンブリを形成する方法を提供する。方法は、
(a-1)セパレータ層と、
セパレータ層上に少なくとも部分的に配置され、セパレータ層に面する第1の表面、セパレータ層に背を向ける第2の表面、及び第1の表面から第2の表面まで延びる外面を有するアノード層であって、細孔を有する固体電解質(SSE)を含むアノード層と、
アノード層の第2の表面に結合されたアノード集電体と
を提供することと、
(b-2)アノード層の外面に少なくとも部分的にシールを形成することであって、このシールは液体を実質的に通さない、シールを形成することと、
を含む。
【0188】
VII.実施例
本明細書に記載の発明をより完全に理解できるようにするために、以下に実施例を記載する。本出願書に記載の実施例は、本明細書で提供される方法及びアノードアセンブリを説明するために提供されるものであり、いかなる点でもそれらの範囲を制限するものとして解釈すべきではない。
【0189】
実施例1.エポキシシール
常圧及び室温のドラフト内で、5mL混合シリンジをエポキシガン(Nordson TAH手動ディスペンシングガンまたは3Mデュアルカートリッジディスペンシングガン)の端に取り付けた。プランジャを5mLシリンジから取り外し、ルアーロック接続を介して20ゲージの丸い先端の針を取り付けた。混合シリンジを取り付けたエポキシガンを使用して、1~3mLのエポキシを5mLシリンジに直接充填した(T=0分)。シリンジ内に残っている空気を排出するために、プランジャバックをシリンジ内に追加した。T=30分で、エポキシ系材料(Henkel社(コネチカット州ロッキーヒル)製のHysol E 120 HP)を、1.5分間真空引きしてチャンバを再充填する(3サイクル繰り返す)ことにより、小型真空前室を使用してグローブボックスに導入した。
【0190】
アノードアセンブリが提供された。アノードアセンブリは、1cm×1cmのセラミック二重層で構成され、金属化電流収集層が、緻密(すなわち、セパレータ)層の反対側の多孔質(すなわち、アノード)層の面に配置されている。金属化電流収集層は、導電性接着材料を使用してアノード集電体に接着された。
【0191】
多孔質(すなわち、アノード)層は作業面上で下向きに配向された。T=60分で、ピンセットでアセンブリを保持しながら、シリンジを使用してアノードアセンブリのエッジの周りにエポキシの層を塗布した。電極対の平面(すなわち、アノード層及びセパレータ層の外面)に垂直な側面のセラミック二重層の緻密(すなわち、セパレータ)層の表面に、一定量のエポキシが重なるようにエポキシ層を塗布した。間隙及び/または気泡が生じた場所には、追加のエポキシを塗布した。気泡の発生を防ぐため、エポキシはゆっくりと慎重に塗布した。シール堆積(すなわち、エポキシ層)が完了すると、アノードアセンブリはリングスタンドに取り付けられたバインダクリップを使用して吊り下げられ、アセンブリが表面に硬化するのを防いだ。適切なエポキシ硬化スケジュールに従った。硬化スケジュールは室温で20時間であった。
【0192】
実施例2.ポリエチレン(LDPE)シール
ホットプレートの上に清潔なアルミホイルを敷いた。ホットプレートの表面とアルミホイルの間の隙間を最小限にするように、アルミホイルはホットプレートに形成されるように押し付けた。
【0193】
ピンセットを使用して、薄膜LDPEストリップをアノードアセンブリ(すなわち、上記の実施例1のアノードアセンブリと実質的に同様のアノードアセンブリ)の周囲に正方形に配置した。ストリップはセラミック二重層の表面に0.5~1.5mm重なって、アノード集電体まで延びている。LDPEストリップを所定の場所に置くと、ホットプレートを150℃に加熱した。LDPEストリップを完全に溶かした。LDPEストリップが溶けた後、目に見える隙間には追加のLDPEストリップを充填し、そのストリップも溶かした。冷たいガラススライド(室温で維持)を使用して、ピンセットでガラススライドのシールの周りを素早くなぞることにより、シールに軽く圧力をかけた。ホットプレートの電源を切り、アノードアセンブリの温度が80℃未満になるまで冷却した。
【0194】
等価物及び範囲
特許請求の範囲では、「a」、「an」、及び「the」などの冠詞は、反対の指示がない限り、または文脈上他を意味することが明らかでない限り、1つまたは複数を意味し得る。群の1つまたは複数の構成要素間に「または」を含む請求項または説明は、反対の指示がない限り、または文脈上他を意味することが明らかでない限り、群の構成要素のうちの1つ、2つ以上、またはすべてが、所与の生成物またはプロセスに存在する、用いられる、または関連する場合に満たされると考えられる。本発明は、群の正確な1つの構成要素が、所与の生成物またはプロセスにおいて存在するか、用いられるか、または関連している実施形態を含む。本発明は、群の構成要素のうちの2つ以上またはすべてが、所与の生成物またはプロセスにおいて存在するか、用いられるか、または関連している実施形態を含む。
【0195】
さらに、本発明は、列挙された請求項のうちの1つまたは複数からの1つまたは複数の制限、要素、節、及び記述用語が別の請求項に導入されるすべての変形、組み合わせ、及び置き換えを包含する。例えば、別の請求項に従属する任意の請求項は、同一の基本の請求項に従属する任意の他の請求項に見出される1つまたは複数の制限を含むように修正することができる。要素が、一覧として、例えば、マーカッシュ群形式で提示される場合、要素のそれぞれのサブグループも開示され、いずれの要素(複数可)もこのグループから取り除かれてよい。当然ながら、一般に、本発明、または本発明の態様が特定の要素及び/または特徴を含むと称される場合、本発明のある特定の実施形態または本発明の態様は、そのような要素及び/または特徴から構成されるか、または基本的に構成される。簡潔になるように、それらの実施形態は、本明細書で具体的に逐語的には記載されていない。「含む、備える(comprising)」及び「含む(containing)」という用語は、開放的であることを意図しており、追加の要素またはステップを含むことを許容することにも留意されたい。範囲が与えられている場合、端点を含む。さらに、別段の指示がない限り、または文脈及び当業者の理解から他を意味することが明白でない限り、範囲として表される値は、文脈により明らかに他を意味しない限り、範囲の下限の単位の10分の1まで、本発明の異なる実施形態の規定された範囲内の任意の特定の値または部分範囲と見なすことができる。
【0196】
この出願は、様々な発行された特許、公開された特許出願、ジャーナル記事、及び他の刊行物を参照し、これらのすべては参照により本明細書に組み込まれる。組み込まれた参考文献のうちのいずれかと本明細書との間に矛盾がある場合は、本明細書を優先するものとする。さらに、先行技術範囲内の本発明の任意の特定の実施形態は、特許請求の範囲のうちのいずれか1つまたは複数から明示的に除外されてよい。そのような実施形態は、当業者に既知であるとみなされるため、除外が本明細書に明示的に記載されていない場合でも除外されてよい。本発明のいずれの特定の実施形態も、先行技術の存在に関連するかどうかに関わらず、あらゆる理由により、いずれの請求項からも除外することができる。
【0197】
当業者は、ほんの日常的な実験を使用して、本明細書に記載される特定の実施形態に対する多くの等価物を認識するか、または確認することができるであろう。本発明に記載される本実施形態の範囲は、上記明細書に限定されるように意図されるものではなく、添付の特許請求の範囲に記載されるとおりである。以下の特許請求の範囲に定義されるように、この説明への様々な変化及び修正は、本発明の趣旨または範囲から逸脱することなく行われ得ることが当業者に明らかであろう。
【国際調査報告】