(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-10-31
(54)【発明の名称】ヒト疾患を治療するための細胞外アルファ-エノラーゼを標的として解糖を調節する方法
(51)【国際特許分類】
A61K 45/00 20060101AFI20241024BHJP
A61P 43/00 20060101ALI20241024BHJP
A61K 39/395 20060101ALI20241024BHJP
A61K 38/02 20060101ALI20241024BHJP
A61P 35/00 20060101ALI20241024BHJP
A61P 37/02 20060101ALI20241024BHJP
A61P 19/04 20060101ALI20241024BHJP
A61P 35/02 20060101ALI20241024BHJP
A61P 25/00 20060101ALI20241024BHJP
A61P 19/02 20060101ALI20241024BHJP
A61P 29/00 20060101ALI20241024BHJP
A61P 3/10 20060101ALI20241024BHJP
A61P 9/10 20060101ALI20241024BHJP
A61P 17/06 20060101ALI20241024BHJP
A61P 37/08 20060101ALI20241024BHJP
A61P 1/04 20060101ALI20241024BHJP
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A61P 1/18 20060101ALI20241024BHJP
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A61P 9/00 20060101ALI20241024BHJP
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A61P 17/00 20060101ALI20241024BHJP
A61P 13/12 20060101ALI20241024BHJP
A61P 31/14 20060101ALI20241024BHJP
A61P 37/06 20060101ALI20241024BHJP
A61P 17/02 20060101ALI20241024BHJP
【FI】
A61K45/00
A61P43/00 105
A61K39/395 D
A61K39/395 N
A61K38/02
A61P35/00
A61P37/02
A61P19/04
A61P35/02
A61P25/00
A61P19/02
A61P29/00 101
A61P3/10
A61P9/10
A61P17/06
A61P37/08
A61P1/04
A61P11/00
A61P9/12
A61P1/16
A61P1/18
A61P1/00
A61P9/00
A61P7/00
A61P17/00
A61P13/12
A61P31/14
A61P37/06
A61P17/02
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2024531281
(86)(22)【出願日】2022-11-24
(85)【翻訳文提出日】2024-07-23
(86)【国際出願番号】 CN2022134197
(87)【国際公開番号】W WO2023093822
(87)【国際公開日】2023-06-01
(32)【優先日】2021-11-26
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】524063785
【氏名又は名称】ヒューニライフ バイオテクノロジー インコーポレイテッド
【氏名又は名称原語表記】HUNILIFE BIOTECHNOLOGY, INC.
【住所又は居所原語表記】6F-1, No.308, Sec.1, Neihu Rd., Neihu Dist., Taipei City, Taiwan 114
(74)【代理人】
【識別番号】100113398
【氏名又は名称】寺崎 直
(72)【発明者】
【氏名】ユアン, タ-トゥン
(72)【発明者】
【氏名】ホアン, ウェイ-チン
(72)【発明者】
【氏名】チュン, イ-チェ
【テーマコード(参考)】
4C084
4C085
【Fターム(参考)】
4C084AA17
4C084BA03
4C084MA13
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4C084NA14
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4C084ZB05
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4C085GG04
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4C085GG10
(57)【要約】
本開示により、アルファ-エノラーゼ(ENO-1)アンタゴニスト又はアゴニストを用いて解糖反応を調節(又は再プログラミング)する新規な方法を同定する。より具体的には、細胞外ENO-1又は膜結合ENO-1を標的とした解糖リプログラミングの方法に関する。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
細胞における解糖を調節する方法であって、
細胞の細胞外ENO-1又は膜結合ENO-1に特異的に結合するアルファ-エノラーゼ(ENO-1)アンタゴニスト又はアゴニストを細胞に接触させることとを含む、前記方法。
【請求項2】
前記ENO-1アンタゴニスト又はアゴニストは、ENO-1抗体、ペプチド、アプタマー、低分子化合物又はその結合フラグメントである、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
解糖を調節する医薬の製造における、アルファ-エノラーゼ(ENO-1)アンタゴニスト又はアゴニストの使用。
【請求項4】
細胞内の解糖を調節するために使用するためのアルファ-エノラーゼ(ENO-1)アンタゴニスト又はアゴニスト。
【請求項5】
アルファ-エノラーゼ(ENO-1)の異常な活性化又は発現に起因するヒト疾患を治療する方法において、
細胞外ENO-1又は膜結合ENO-1を標的とするENO-1アンタゴニスト又はアゴニストの治療的有効量を、必要とする対象に投与することを含む、前記方法。
【請求項6】
前記投与は、経口、非経口、バッカル、膣、直腸、吸入、通気、舌下、筋肉内、皮下、局所、鼻腔内、腹腔内、胸腔内、静脈内、硬膜外、髄腔内、又は脳室内の経路によって又は関節への注射によって行われる、請求項5に記載の方法。
【請求項7】
前記投与は、30分、60分、又は120分にわたる静脈内ボーラス注射又は静脈内注入によって行われる、請求項5に記載の方法。
【請求項8】
前記投与は、皮下ボーラス注射によって行われる、請求項5に記載の方法。
【請求項9】
前記投与は、前記ENO-1抗体を2~4週間ごとに約10~3000mgの固定用量で1又は複数サイクル投与する投与計画により供される、請求項5に記載の方法。
【請求項10】
前記ヒト疾患は、癌、免疫疾患、又は線維性疾患である、請求項5に記載の方法。
【請求項11】
前記癌は、結腸癌、結腸直腸癌、食道癌、胃癌、肝細胞癌、肝臓癌、及び膵臓癌を含む消化器癌、リンパ腫を含むリンパ増殖性疾患、肺腺癌、肺扁平上皮癌を含む非小細胞肺癌、及び小細胞肺癌を含む肺癌、白血病を含む血液癌、膀胱癌、芽腫、脳腫瘍、乳癌、腹膜癌、子宮頸癌、子宮内膜癌又は子宮体癌、神経膠芽腫、神経膠腫、頭頸部癌、腎臓癌を含む、請求項10に記載の方法。
【請求項12】
前記免疫疾患は、多発性硬化症、全身性硬化症、全身性エリテマトーデス、関節リウマチ、1型糖尿病、アテローム性動脈硬化症、マクロファージ活性化症候群、乾癬、アトピー性皮膚炎、又は炎症性腸疾患を含む、請求項10に記載の方法。
【請求項13】
前記線維性疾患は、特発性肺線維症、肺高血圧症、肺気腫、非アルコール性脂肪性肝炎、膵線維症、腎線維症、腸線維症、心線維症、骨髄線維症、関節線維症、全身性硬化症、間質性肺疾患、非特異性間質性肺炎(NSIP)、通常型間質性肺炎(UIP)、心内膜線維症、縦隔線維症、後腹膜線維症、進行性巨大線維症(石炭労働者塵肺の合併症)、腎性全身性線維症、クローン病、陳旧性心筋梗塞、強皮症/全身性硬化症、神経線維腫症、Hermansky-Pudlak症候群、糖尿病性腎症、肥大型心筋症(HCM)、高血圧関連腎症、巣状分節性糸球体硬化症(FSGS)、放射線誘発性線維症、子宮平滑筋腫(類線維腫)、アルコール性肝疾患、肝脂肪症、肝線維症、肝硬変、C型肝炎ウイルス(HCV)感染、慢性臓器移植拒絶反応、皮膚の線維化状態、ケロイド瘢痕、デュプイトレン拘縮、エーラス-ダンロス症候群、表皮水疱性ジストロフィ、口腔粘膜下線維症、及び線維増殖性障害を含む、請求項10に記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、アルファ-エノラーゼ(ENO-1)アンタゴニスト又はアゴニストを用いて解糖反応を調節(又は再プログラミング)するための新規な方法を提供する。より具体的には、本開示は、細胞外ENO-1又は膜結合ENO-1を標的とすることによる解糖リプログラミングのための方法に関する。
【背景技術】
【0002】
解糖(glycolysis)は、細胞プロセスにエネルギーを供給する主要な代謝経路の1つであり、グルコースをピルビン酸に変換する複数の酵素が関与する。様々なエネルギー源のうち、解糖は、疾患に関連する様々なタイプの細胞で優先的に利用されることが見出されている。例えば、癌細胞のように増殖の激しい細胞は、正常細胞と比較して、他のエネルギー源よりも解糖を優先的に利用する。更に、免疫細胞も、免疫応答時にエネルギー源として解糖を優先的に利用する。解糖は、酸化的リン酸化(oxidative phosphorylation:OXPHOS)よりもはるかに効率が悪いにもかかわらず、解糖リプログラミング(glycolytic reprogramming)の結果生じる中間代謝産物の細胞内レベルは、癌の進行を促進すると共に免疫細胞の活性化/増殖/分化を決定する。
【0003】
乳酸(lactate)は、解糖の活性代謝産物であり、多くの場合、腫瘍微小環境や炎症部位に蓄積し、解糖の活性を反映する。
【0004】
解糖へのエネルギープログラムの偏りは、様々な疾患の重要な病因となっていると考えられている。したがって、解糖のエネルギー再プログラミングを調節する、すなわち、増加又は減少させるという原理に基づいて、アンタゴニスト又はアゴニストという薬物様式を設計することが考えられる。
【0005】
この結果、解糖を制御する方法が確立できれば、癌の進行経路を制御することが可能となる。
【発明の概要】
【0006】
上記の目的のために、本開示は、細胞外アルファ-エノラーゼ又は膜結合アルファ-エノラーゼ(エノラーゼ-1、ENO-1)を標的として解糖リプログラミングを制御する(又は解糖リプログラミングに影響を及ぼす)ことにより解糖を調節する方法を開示し、ここで当該方法は、抗原結合構造ドメインとして、ENO-1、例えば、ヒトENO-1抗体と結合能を有する低分子、ペプチド、アプタマー、抗体、又は抗体ベースのモダリティ(modality)を投与し、ENO-1の拮抗作用又は作動作用を誘導することを含む。ENO-1アンタゴニスト又はアゴニストは、遊離ENO-1及び/又は細胞膜結合ENO-1に結合でき、これは、解糖リプログラミングを伴うヒト疾患の処置において重要な適用展望を有する。
【0007】
本開示のいくつかの実施形態では、ヒト疾患又は障害は、ENO-1タンパク質の異常な活性化又は発現に起因する任意の病態であってもよい。このような疾患の例としては、癌、免疫疾患、及び線維性疾患、又はこれらの組み合わせが挙げられる。
【0008】
本開示のいくつかの実施形態では、細胞外又は細胞表面のENO-1によって媒介される解糖に対する拮抗作用又は作動作用に基づいて、本明細書中に開示される方法を使用することによって処置できる癌としては、以下に限定されるものではないが、結腸癌(colon cancer)、結腸直腸癌(colorectal cancer)、食道癌、胃癌、肝細胞癌、肝臓癌、及び膵臓癌などの消化器癌、リンパ腫などのリンパ増殖性疾患、肺腺癌、肺扁平上皮癌等の非小細胞肺癌及び小細胞肺癌などの肺癌、白血病などの血液癌、膀胱癌、芽腫、脳腫瘍、乳癌、腹膜癌、子宮頸癌、子宮内膜癌又は子宮体癌、子宮内膜癌又は子宮体癌、神経膠腫、頭頸部癌、腎臓癌、及び当該分野で公知の他の腫瘍が含まれる。
【0009】
本開示のいくつかの実施形態では、免疫疾患としては、以下に限定されるものではないが、多発性硬化症、全身性硬化症、全身性エリテマトーデス、関節リウマチ、1型糖尿病、アテローム性動脈硬化症、炎症性腸疾患、マクロファージ活性化症候群、アトピー性皮膚炎、及び乾癬が挙げられる。
【0010】
本開示のいくつかの実施形態では、線維性疾患又は障害としては、特発性肺線維症(idiopathic pulmonary fibrosis:IPF)、肺高血圧症、肺線維症、肺気腫、非アルコール性脂肪肝炎、膵線維症、腸線維症、心線維症、骨髄線維症、関節線維症、間質性肺疾患、非特異性間質性肺炎(non-specific interstitial pneumonia:NSIP)、通常型間質性肺炎(usual interstitial pneumonia:UIP)、心内膜線維症、縦隔線維症、後腹膜線維症、進行性巨大線維症(石炭労働者塵肺の合併症)、腎性全身性線維症、クローン病、陳旧性心筋梗塞、強皮症/全身性硬化症、神経線維腫症、Hermansky-Pudlak症候群、糖尿病性腎症、腎線維症、肥大型心筋症(hypertrophic cardiomyopathy:HCM)、高血圧関連腎症、巣状分節性糸球体硬化症(focal segmental glomerulosclerosis:FSGS)、放射線誘発性線維症、子宮平滑筋腫(類線維腫〔fibroids〕)、アルコール性肝疾患、肝脂肪症、肝線維症、肝硬変、C型肝炎ウイルス(hepatitis C virus:HCV)感染、慢性臓器移植拒絶反応、皮膚の線維化状態、ケロイド瘢痕、デュプイトレン(Dupuytren)拘縮、エーラス-ダンロス(Ehlers-Danlos)症候群、表皮水疱性ジストロフィ(epidermolysis bullosa dystrophica)、口腔粘膜下線維症、又は線維増殖性障害が挙げられる。好ましい実施形態において、線維性疾患又は障害としては、特発性肺線維症、肺高血圧症、肺気腫、非アルコール性脂肪性肝炎、膵線維症、腎線維症、腸線維症、心線維症、骨髄線維症、関節線維症、又は全身性硬化が挙げられる。
【0011】
他の実施形態において、ENO-1を標的とする、拮抗性又は作動性の薬物モダリティは、低分子、ペプチド、及びアプタマーとすることができる。
【0012】
本開示のいくつかの実施形態に従って、投与は、経口、非経口、バッカル(buccal)、膣、直腸、吸入、通気(insufflation)、舌下、筋肉内、皮下、局所、鼻腔内、腹腔内、胸腔内、静脈内、硬膜外、髄腔内、又は脳室内の経路によって、又は関節への注射によって行われる。
【0013】
一実施形態において、投与は、静脈内ボーラス注射又は静脈内注入によって行われる。他の実施形態では、投与は、皮下ボーラス注射によって行われる。
【0014】
一実施形態において、投与ステップは、ENO-1抗体を固定用量、例えば、2~4週間ごとに約10~3,000mgで1又は複数サイクル投与する投与計画により供される。
【0015】
本開示のいくつかの実施形態では、対象は、哺乳動物である。好ましい実施形態では、対象は、ヒトである。
【0016】
ここに開示する本発明の他の態様は、以下の説明により明らかになる。
【0017】
添付の図面を参照して、実施形態を説明するが、これらの図面は例示的なものであり、限定を意図するものではない。
【図面の簡単な説明】
【0018】
【
図1】ENO-1mAbが、LPS刺激ヒトPBMCにおいて、(A)乳酸産生(すなわち、解糖)及び(B)細胞遊走を減少させたことを示す図である。
【0019】
【
図2】ENO-1mAbが、LPS誘発腹膜炎モデルマウスの腹腔洗浄液において、(A)乳酸産生(すなわち、解糖)及び(B)免疫細胞浸潤を減少させたことを示す図である。
【0020】
【
図3】ENO-1mAbが、ヒト多発性骨髄腫細胞株(A)RPMI-8226及び(B)U266において、乳酸産生を減少させ、解糖を阻害したことを示す図である。
【0021】
【
図4】ENO-1mAbが、多発性骨髄腫皮下異種移植モデルにおいて、(A)乳酸の血清レベル及び(B)腫瘍成長を減少させたことを示す図である。
【0022】
【
図5】ENO-1mAbが、前立腺癌細胞株PC-3の、(A)乳酸産生(すなわち、解糖)及び(B)遊走を用量依存的に減少させたことを示す図である。
【0023】
【
図6】ENO-1mAbが、(A)初代ヒト内皮細胞及び(B)肺線維芽細胞において、乳酸産生を減少させ、解糖の阻害を示したことを示す図である。
【0024】
【
図7】ENO-1mAbが、ブレオマイシン誘発肺線維症のマウスモデルにおいて、(A)肺及び(B)気管支肺胞洗浄液(BALF)における乳酸産生を減少させたことを示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0025】
説明(Description)
本開示の実施形態を詳細に参照し、その例を添付の図面に例示する。以下の実施形態に関連して本発明を記述するが、これらの実施形態及び例は、本発明をこれらの実施形態及び例に限定することを意図するものではないと分かる。それどころか、本発明は、実施形態ではなく、添付の特許請求の範囲によって定義される本発明の思想及び範囲内に含まれ得る代替するもの、修正するもの、及び均等なものらを包含することを意図している。更に、以下の本発明の詳細な説明において、本発明をより完全に説明するために、多数の具体的な詳細を記載する。但し、本開示の利益を有する従来技術における当業者にとって、これらの特定の詳細によらずに本発明を実施できることは明らかである。他の具体例では、本発明の態様を不必要に不明瞭にしないように、周知の方法及び手順、構成要素、及び工程は、詳細には記載していない。もちろん、そのような実際の実装の開発では、アプリケーション及びビジネス関連の制約への準拠等、開発者の特定の目標を達成するために、多数の実装固有の決定を行わなければならず、これらの特定の目標は、実装ごとに、また開発者ごとに異なることが理解される。更に、このような開発作業は、複雑で時間がかかるものであったとしても、本開示の利点を享受する分野における当業者にとっては、日常的な技術的作業であることも理解される。
【0026】
全般的定義
【0027】
本発明の実施には、特に断りのない限り、分子生物学、微生物学、組換えDNA及び免疫学の従来技術を用いるが、これらは、当業者の技術範囲内である。このような技術は、文献で十分に説明されている。例えば、「Molecular Cloning A Laboratory Manual, 2nd Ed., ed. by Sambrook, Fritsch and Maniatis (Cold Spring Harbor Laboratory Press, 1989)」、「DNA Cloning, Volumes I and II (D. N. Glover ed., 1985)」、「Culture Of Animal Cells (R. I. Freshney, Alan R. Liss, Inc., 1987)」、「Immobilized Cells And Enzymes (IRL Press, 1986)」、「B. Perbal, A Practical Guide To Molecular Cloning (1984)」、「the treatise, Methods In Enzymology (Academic Press, Inc., N.Y.)」、「 Gene Transfer Vectors For Mammalian Cells (J. H. Miller and M. P. Calos eds., 1987, Cold Spring Harbor Laboratory)」、「Methods In Enzymology, Vols. 154 and 155 (Wu et al. eds.), Immunochemical Methods In Cell And Molecular Biology (Mayer and Walker, eds., Academic Press, London, 1987)」、「Antibodies: A Laboratory Manual, by Harlow and Lane s (Cold Spring Harbor Laboratory Press, 1988)」、及び「Handbook Of Experimental Immunology, Volumes I-IV (D. M. Weir and C. C. Blackwell, eds., 1986)」等の文献がある。
【0028】
「抗体」及び「免疫グロブリン」という用語は、最も広い意味で互換的に使用され、モノクローナル抗体(例えば、完全長又はインタクトモノクローナル抗体)、ポリクローナル抗体、一価抗体、多価抗体、多重特異性抗体(例えば、所望の生物学的活性を示す限り、二重特異性抗体)を含み、(ここでより詳細に記載される)ある種の抗体フラグメントも含まれ得る。抗体は、キメラ、ヒト、ヒト化及び/又はアフィニティー成熟であることができる。
【0029】
抗体は、完全長であることもでき、抗原結合部分を有する抗体のフラグメント(又は複数のフラグメント)を含むこともでき、これには、以下に限定されるものではないが、Fab、F(ab’)2、Fab’、F(ab)’、Fv、一本鎖Fv(scFv)、二価scFv(bi-scFv)、三価scFv(tri-scFv)、Fd、dAbフラグメント(例えば、「Ward et al, Nature, 341 :544-546 (1989)」)、CDR、ダイアボディ、トリアボディ、テトラボディ、直鎖抗体、一本鎖抗体分子、抗体断片から形成される多特異性抗体が含まれる。また、組換え法又は合成リンカーを用いて抗体フラグメントを接合することにより産生される一本鎖抗体も本発明に包含される。「Bird et al. Science, 1988, 242:423-426. Huston et al, Proc. Natl. Acad. Sci. USA, 1988, 85:5879-5883」
【0030】
「癌」及び「癌性」という用語は、無秩序な細胞増殖(cell growth)/増殖(proliferation)を典型的な特徴とする哺乳動物における生理的状態を指し又はこれを表す。癌の例としては、以下に限定されるものではないが、結腸癌、結腸直腸癌、食道癌、胃癌、肝細胞癌、肝臓癌、及び膵臓癌などの消化器癌、リンパ腫などのリンパ増殖性疾患、肺腺癌、肺扁平上皮癌等の非小細胞肺癌及び小細胞肺癌などの肺癌、白血病などの血液癌、膀胱癌、芽腫、脳腫瘍、乳癌、腹膜癌、子宮頸癌、子宮内膜癌又は子宮体癌、子宮内膜癌又は子宮体癌、神経膠腫、頭頸部癌、腎臓癌、及び当該分野で公知の他の腫瘍が含まれる。
【0031】
ここで用いられる「治療」とは、治療される個体又は細胞の自然経過を変化させようとする臨床的介入のことをいい、予防(prophylaxis)のため又は臨床病理学的処置の経過中に行うことができる。治療の望ましい効果としては、疾患の発生又は再発の予防、症状の緩和、疾患の進行速度の低減、疾患状態の改善又は緩和、並びに寛解又は予後の改善が挙げられる。幾つかの実施形態において、本発明の抗体は、疾患又は障害の発症を遅延させるために使用される。
【0032】
「個体」又は「対象」は、脊椎動物である。いくつかの実施形態では、脊椎動物は、哺乳動物である。哺乳動物としては、以下に限定されるものではないが、農業動物(ウシ等)、競技動物、ペット(ネコ、イヌ、ウマ等)、霊長類、マウス、ラット等が挙げられる。いくつかの実施形態において、脊椎動物は、ヒトである。
【0033】
「有効量」とは、所望の治療的又は予防的結果を達成するために必要な投与量及び期間において有効な量のことをいう。
【0034】
本発明の物質/分子の「治療的有効量」は、個体の疾患状態、年齢、性別、及び体重等の因子、並びに個体において所望の反応を誘発する物質/分子の能力に応じて変化しうる。また、治療的有効量とは、治療上有益な効果が、物質/分子の毒性又は有害な効果よりも上回る量である。「予防的有効量」(prophylactically effective amount)とは、所望の予防的結果を得るために必要な投与量及び期間において有効な量のことをいう。予防的投与は、必ずではないが、一般的に、疾患の前段階又はより早い段階の対象に行われるため、予防的有効量は、治療的有効量よりも少なくなる。
【0035】
ENO-1は、多機能性タンパク質であり、解糖経路の重要な酵素として細胞質で最初に発見されたものである。試薬又は遺伝的アプローチによって、細胞内又は細胞質に存在するENO-1を調節することにより、乳酸産生量によって示される解糖に影響を与え又はこれを再プログラミングできることが知られている。
【0036】
ENO-1は、正常細胞とは対照的に、プラスミノーゲン受容体として多くの癌細胞の細胞表面や、好中球、リンパ球、単球などの活性化された造血細胞上でも発現することが見出されている。プラスミノーゲンレセプタータンパク質のアップレギュレーションは、ウロキナーゼプラスミノーゲン活性化システムのカスケード反応を誘導し、細胞外マトリックスの分解をもたらすことが知られている。
【0037】
本開示は、他の手法によって細胞内ENO-1を標的とすることに代えて、細胞外ENO-1又は膜結合ENO-1を標的とすることによって解糖を調節(又はリプログラミング)する方法を記述する。
【0038】
これは、これまで知られていなかった解糖の調節方法であり、細胞外ENO-1又は膜結合ENO-1を標的とすることにより、ヒト疾患を治療するための薬剤設計に用いることができる。
【0039】
本開示の目的のために、細胞における解糖を調節する方法を提供する。この方法は、細胞の細胞外ENO-1又は膜結合ENO-1に特異的に結合するアルファ-エノラーゼ(ENO-1)アンタゴニスト又はアゴニストと細胞を接触させることを含む。ある実施形態において、ENO-1アンタゴニスト又はアゴニストは、ENO-1抗体又はその結合フラグメント、抗ENO-1ペプチド、抗ENO-1アプタマー、又は低分子化合物である。ENO-1のアゴニストは、タモキシフェン(Tamoxifen)であってもよい。
【0040】
本開示の実施形態では、ENO-1アンタゴニスト又はアゴニストは、ENO-1抗体、例えば、米国特許出願US2019/0322762に記載されるHuL001であってもよく、その内容は、参照によりその全体が本願に援用される。
【0041】
他の実施形態において、ENO-1アンタゴニスト又はアゴニストは、細胞の細胞外又は細胞表面のENO-1に特異的に結合する任意の抗体であり得る。例えば、ENO-1アンタゴニスト又はアゴニストは、マウス若しくはヒト化抗ENO-1抗体、又はそのscFv若しくはFabフラグメントであってもよい。例示的な、抗ENO-1抗体は、例えばUS2019/0322762(その内容は、参照によりその全体が本願に援用される)に記載されているようなHuL001であってもよく、これは、HCDR1(GYTFTSCVMN:配列番号1)、HCDR2(YINPYNDGTKYNEKFKG:配列番号2)、及びHCDR3(EGFYYGNFDN:配列番号3)の3つの相補的領域を有する重鎖可変ドメインと、LCDR1(RASENIYSYLT:配列番号4)、LCDR2(NAKTLPE:配列番号5)、及びLCDR3(QHHYGTPYT:配列番号:6)の3つの相補的領域を有する軽鎖可変ドメインとを含みうる。別の例示的な抗ENO-1抗体は、HCDR1(GYTFTSXVMN、ここで、Xは、システインを除く任意のアミノ酸:配列番号7)、HCDR2(YINPYNDGTKYNEKFKG:配列番号2)、HCDR3(EGFYYGNFDN:配列番号3)の3つの相補的領域を有する重鎖可変ドメインと、LCDR1(RASENIYSYLT:配列番号4)、LCDR2(NAKTLPE:配列番号5)、及びLCDR3(QHHYGTPYT:配列番号6)の3つの相補的領域を有する軽鎖可変ドメインとを含みうる。
【0042】
本開示の他の目的は、解糖を調節するための医薬の製造における、アルファ-エノラーゼ(ENO-1)アンタゴニスト又はアゴニストの使用を提供することである。本開示の他の目的は、細胞における解糖を調節するために使用するためのENO-1アンタゴニスト又はアゴニストを提供することである。本開示の更に別の目的は、ENO-1の異常な活性化又は発現に起因するヒト疾患を処置する方法を提供することである。この方法は、細胞外ENO-1又は膜結合ENO-1を標的とする有効量のENO-1アンタゴニスト又はアゴニストを投与することを含む。
【0043】
他の実施形態において、ENO-1アンタゴニスト又はアゴニストは、細胞の細胞外又は細胞表面のENO-1に特異的に結合する任意の抗体であり得る。投与は、皮下注射、筋肉内注射、静脈内注射、腹腔内注射、又は同所注射(orthotopic injection)によるものであり、特に皮下注射又は静脈内注射によって行うことが好ましい。別の実施形態では、投与は、静脈内ボーラス注射又は静脈内注入によって行われる。更に別の実施形態では、投与は、皮下ボーラス注射によって行われる。投与ステップは、ENO-1アンタゴニスト又はアゴニストを固定用量、例えば、2~4週間ごとに約10~3,000mg、好ましくは、2~4週間ごとに80~800mgの1又は複数のサイクル投与する投与計画を含む。
【0044】
例(Examples)
【0045】
解糖に対するENO-1の調節を確認するために、以下の試験及び分析を行った。
【0046】
例1. 免疫細胞における解糖を調節するために、細胞外ENO-1をモノクローナル抗体による標的とすることのin vivo及びin vitro効果
【0047】
本例は、炎症時の免疫細胞において、細胞外ENO-1又は膜結合ENO-1を標的とするモノクローナル抗体(mAb)によって解糖を調節する1つの方法を示したものである。
図1においては、10μg/mlのENO-1mAbの非存在下又は存在下で、ヒト全血を1μg/mlのリポ多糖(lipopolysaccharide:LPS)で4時間刺激した後、末梢単核球(peripheral mononuclear cells:PBMC)を単離した。2%のウシ胎児血清(fetal bovine serum:FBS)を添加した培養液に懸濁したPBMCをトランスウェル(transwell)に供し、10%のFBSを添加した培養液を含むボトムウェル(bottom well)に18時間遊走させた。トランスウェル内の上清を回収して乳酸産生を測定した。その結果、ENO-1mAbによって細胞外又は細胞表面のENO-1を標的とすることで、LPS誘発の乳酸産生(すなわち、解糖)を減少させることができ、細胞の遊走も減少させることができたことを示された。
【0048】
C57BL/6マウスにおけるLPS誘発腹膜炎は、in vivo実験的炎症モデルとして一般的に用いられている。8週齢の雄性C57BL/6マウスに、10mg/kgのENO-1mAbを腹腔内注射した2時間後に2mg/kgのLPSを腹腔内注射した。LPS注射の24時間後及び48時間後に、腹腔洗浄液をそれぞれ採取し、乳酸産生及び免疫細胞浸潤の分析を行った。
図2は、ENO-1mAbが、LPS誘発腹膜炎のマウスモデルの腹腔洗浄液において、乳酸産生(すなわち、解糖)及び免疫細胞浸潤の両方を減少させることを示している。
【0049】
例2. 多発性骨髄腫における解糖を調節するために、細胞外ENO-1をモノクローナル抗体による標的とすることのin vitro及びin vivo効果
【0050】
本例は、多発性骨髄腫の腫瘍細胞において、細胞外ENO-1又は膜結合ENO-1を標的とするモノクローナル抗体(mAb)によって解糖を調節する1つの方法を示したものである。
図3においては、ヒト多発性骨髄腫細胞株RPMI-8226及びU266を、1又は10μg/mlのENO-1mAb又は10μg/mlのコントロールIgGで48時間処理した。上清を回収して乳酸産生を測定した。その結果、ENO-1mAbによって細胞外又は細胞表面のENO-1を標的とすることで、多発性骨髄腫細胞における乳酸産生(すなわち、解糖)を減少させることができたことが示された。
【0051】
ENO-1mAbを多発性骨髄腫皮下異種移植モデルで評価した。7週齢の雄性Balb/cヌードマウスにヒト多発性骨髄腫RPMI-8226細胞を皮下接種した。マウスは、無作為に2群に分け、各群6個体とした。最初の腫瘍が100mm
3以上に成長した日を0日目とした。ENO-1抗体投与群のマウスには、5、10、12、16、23、26、30、32日目にENO-1mAb30mg/kgを腹腔内注射した。マウスは、33日目に死亡した。この結果は、ENO-1mAbで処理することにより、腫瘍増殖と同様に乳酸(すなわち、解糖)の血清レベルを抑制できたことを示している(
図4)。
【0052】
例3. 前立腺癌細胞株PC-3の解糖を調節するために、細胞外ENO-1をモノクローナル抗体による標的とすることのinvitro効果
【0053】
本例は、細胞外ENO-1又は膜結合ENO-1を標的とするモノクローナル抗体(mAb)により解糖を調節する1つの方法を示したものだある。前立腺癌の炎症性腫瘍微小環境を模倣するために、アンドロゲン抵抗性前立腺癌細胞株PC-3をin vitroで20ng/mlのTNF-αで処理した。PC-3細胞を、0.1、1、10μg/mlのENO-1mAb又は10μg/mlのコントロールIgGで48時間処理した。そして、上清を回収して乳酸産生を測定した。
図5にしめすように、ENO-1mAbが、TNF-α誘導後のPC-3細胞の乳酸産生(すなわち、解糖)及び細胞遊走の両方を用量依存的に減少させた。
【0054】
例4. 肺線維症モデルにおける解糖を調節するために、細胞外ENO-1をモノクローナル抗体による標的とすることのinvitro及びinvivo効果
【0055】
本例は、線維症関連細胞、血管内皮細胞、及び肺線維芽細胞において、細胞外ENO-1又は膜結合ENO-1を標的とするモノクローナル抗体によって解糖を調節の1つの方法を示したものである。調節不全の血管新生は、肺線維症で同時に起こる。内皮細胞の遊走と増殖は、血管新生時の燃料源としての解糖に依存している。
図6Aでは、初代ヒト臍帯血管内皮細胞(human umbilical vascular endothelial cell:HUVEC)を、指示濃度のENO-1mAb又はコントロールIgGの非存在下又は存在下で、10ng/mlのVEGF-Aで18時間処理した。上清を回収して乳酸産生を測定した。TGF-βは、異常な線維芽細胞の活性化を誘導することにより、組織線維化の主な促進因子と考えられている。肺線維芽細胞における解糖への代謝シフトは、肺線維症と密接な関係を有する。
図6Bでは、初代ヒト肺線維芽細胞(〔human lung fibroblast〕NHLF)を、指示濃度のENO-1mAb又はコントロールIgGの非存在下又は存在下で、10ng/mlのTGF-βで24時間処理した。これらの結果は、ENO-1mAbによって細胞外又は細胞表面のENO-1を標的とすることで、両方の細胞において乳酸産生(すなわち、解糖)を減少させることができたことを示している。
【0056】
ブレオマイシン(Bleo)誘発肺線維症のマウスモデルにおいてENO-1mAbを評価した(
図7)。7週齢の雄性C57BL/6マウスに、ブレオマイシン(3mg/kg)を器官内に単回投与した。ブレオマイシン負荷の日を0日目とした。ENO-1mAb治療群のマウスには、1、7、13、及び19日目に静脈内注射を行った。この結果、ENO-1mAbを投与することにより、肺及び気管支肺胞洗浄液(BALF)中の乳酸濃度を低下させることができたことを示している。
【0057】
上述した例から、ENO-1mAbは、様々な状況において乳酸レベルを低下させることができ、これによってENO-1の異常な活性化又は発現に起因する様々なヒト疾患の治療に使用できることが明らかである。
【0058】
ENO-1アンタゴニスト又はアゴニストの投与
【0059】
幾つかの具体例において、ENO-1アンタゴニスト又はアゴニストは、経口、皮下注射、筋肉内注射、静脈内注射、腹腔内注射、又は同所注射により、好ましくは、静脈内ボーラス注射、静脈内注入、又は皮下ボーラス注射により投与される。
【0060】
幾つかの実施形態において、ここに記載の方法の一部として投与されるENO-1アンタゴニスト又はアゴニストの有効量は、1~5000mg/kgである。なお、有効量は、哺乳動物によって異なる場合があり、当業者は、活性成分の量及び投与の頻度を変更することによって容易に調整できる。投与されるENO-1アンタゴニスト又はアゴニストの量は、例えば、処置される特定の適応症、投与様式、処置される適応症の重篤度、及び患者の年齢及び体重、特定のモダリティの生物学的利用能等を含む種々の因子に依存する。
【0061】
いくつかの実施形態において、ENO-1アンタゴニスト又はアゴニストは、対象に静脈内投与される(例えば、30、60、又は120分間、好ましくは、120分間注入される)。
【0062】
ENO-1アンタゴニスト又はアゴニストの投与
【0063】
幾つかの具体例において、ENO-1アンタゴニスト又はアゴニスト(例えば、ここに開示するENO-1アンタゴニスト抗体)の有効量は、2~4週間ごとに約10mg~約3000mgの間の固定用量である。
【0064】
以上開示したように、ENO-1アンタゴニスト又はアゴニストは、解糖の進行に影響を及ぼすことができ、これによって癌の増殖を制御できる。本開示は、細胞外ENO-1又は膜結合ENO-1に影響を及ぼすことによって解糖を調節することにより、癌を治療するための新しい方法を提供する。
【0065】
当業者が本発明を製造及び使用できるように本明細書を提示した。ここに記載された実施形態に対する種々の改変は、当業者にとっては容易で明らかであり、ここに示す一般的原理は、他の実施形態にも適用できる。したがって、本発明は、ここに示した実施形態に限定されることを意図するものではなく、ここに記載された原理及び特徴と一致する最も広い範囲を含むと解釈される。添付の特許請求の範囲によって定義される本発明の思想及び範囲から逸脱することなく、実施形態に他の変更を加えることができることは、当業者にとって、容易であり、明らかである。
【配列表】
【国際調査報告】