IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ ユリウス ブルム ゲー エム ベー ハーの特許一覧

特表2024-540662旋回エレメントを定置の支持体に対して相対的に可動に支持するための金具
<>
  • 特表-旋回エレメントを定置の支持体に対して相対的に可動に支持するための金具 図1
  • 特表-旋回エレメントを定置の支持体に対して相対的に可動に支持するための金具 図2
  • 特表-旋回エレメントを定置の支持体に対して相対的に可動に支持するための金具 図3
  • 特表-旋回エレメントを定置の支持体に対して相対的に可動に支持するための金具 図4
  • 特表-旋回エレメントを定置の支持体に対して相対的に可動に支持するための金具 図5
  • 特表-旋回エレメントを定置の支持体に対して相対的に可動に支持するための金具 図6
  • 特表-旋回エレメントを定置の支持体に対して相対的に可動に支持するための金具 図7
  • 特表-旋回エレメントを定置の支持体に対して相対的に可動に支持するための金具 図8
  • 特表-旋回エレメントを定置の支持体に対して相対的に可動に支持するための金具 図9
< >
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-10-31
(54)【発明の名称】旋回エレメントを定置の支持体に対して相対的に可動に支持するための金具
(51)【国際特許分類】
   E05D 7/12 20060101AFI20241024BHJP
【FI】
E05D7/12
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2024531381
(86)(22)【出願日】2022-10-13
(85)【翻訳文提出日】2024-05-24
(86)【国際出願番号】 AT2022060354
(87)【国際公開番号】W WO2023092160
(87)【国際公開日】2023-06-01
(31)【優先権主張番号】A50950/2021
(32)【優先日】2021-11-26
(33)【優先権主張国・地域又は機関】AT
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】597140501
【氏名又は名称】ユリウス ブルーム ゲー・エム・ベー・ハー
【氏名又は名称原語表記】Julius Blum GmbH
【住所又は居所原語表記】Industriestrasse 1, 6973 Hoechst, Austria
(74)【代理人】
【識別番号】100114890
【弁理士】
【氏名又は名称】アインゼル・フェリックス=ラインハルト
(74)【代理人】
【識別番号】100098501
【弁理士】
【氏名又は名称】森田 拓
(74)【代理人】
【識別番号】100116403
【弁理士】
【氏名又は名称】前川 純一
(74)【代理人】
【識別番号】100134315
【弁理士】
【氏名又は名称】永島 秀郎
(74)【代理人】
【識別番号】100162880
【弁理士】
【氏名又は名称】上島 類
(72)【発明者】
【氏名】イルメラ マーラ ゲラー
(57)【要約】
旋回エレメント(3)、特に家具部分(3a)を、定置の支持体(2)に対して相対的に可動に支持するための金具(4)であって、-第1の金具部分(6)、-旋回エレメント(3)に取り付けるための第2の金具部分(7)を含んでいて、-第1の金具部分(6)は、少なくとも1つの取付け装置(10)を備えた組付け部分(9)を有していて、第1の金具部分(6)は、第2の金具部分(7)に枢着的に接続された少なくとも1つの連結部分(12)を有していて、連結部分(12)は組付け部分(9)に取り外し可能に接続可能であり、-当該金具(4)はさらに、連結部分(12)を組付け部分(9)に解除可能にロックすることができるロック装置(13)を含んでいて、-ロック装置(13)は、ロック解除の過程において、連結部分(12)を少なくとも部分的に組付け部分(9)のケーシング(11)から押し出すことのできるエジェクト装置(14)を有しており、組付け部分(9)と連結部分(12)との間のロックを解除するための、可動に支持された解除エレメント(25a)を備えた解除装置(25)が設けられている。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
旋回エレメント(3)、特に家具部分(3a)、扉または窓を、定置の支持体(2)に対して相対的に可動に支持するための金具(4)であって、
-前記支持体(2)の、好ましくは実質的に水平に向けられたプレート(5a~5e)に取り付けられるように形成されている第1の金具部分(6)、
-前記旋回エレメント(3)に取り付けるための第2の金具部分(7)であって、前記第1の金具部分(6)に旋回可能に接続されている第2の金具部分(7)
を含んでいて、
-前記第1の金具部分(6)は、少なくとも1つの取付け装置(10)を備えた組付け部分(9)を有していて、前記取付け装置によって前記組付け部分(9)は前記支持体(2)の前記プレート(5a~5e)に取り付け可能であって、前記第1の金具部分(6)は、前記第2の金具部分(7)に枢着的に接続された少なくとも1つの連結部分(12)を有していて、前記連結部分(12)は前記組付け部分(9)に取り外し可能に接続可能であり、
-前記第1の金具部分(6)の前記組付け部分(9)は、好ましくはポケット状のケーシング(11)を有しており、前記連結部分(12)は、前記組付け部分(9)との接続状態で、少なくとも所定の領域で、好ましくは殆どの部分で、前記組付け部分(9)の前記ケーシング(11)の内側に収容されていて、
-当該金具(4)はさらに、前記連結部分(12)を前記組付け部分(9)に解除可能にロックすることができる少なくとも1つのロック装置(13)を含んでいて、
-前記少なくとも1つのロック装置(13)は、ロック解除の過程において、前記連結部分(12)を少なくとも部分的に前記組付け部分(9)の前記ケーシング(11)から押し出すことのできるエジェクト装置(14)を有している、金具(4)において、
前記組付け部分(9)と前記連結部分(12)との間のロックを解除するための、可動に支持された解除エレメント(25a)を備えた解除装置(25)が設けられていることを特徴とする、金具(4)。
【請求項2】
前記連結部分(12)は、前記組付け部分(9)の前記ケーシング(11)内への組付け時に接合方向(FR)で押し込み可能であり、前記連結部分(12)は、ロック解除の過程において前記エジェクト装置(14)によって接合方向(FR)とは逆方向に押し出し可能である、請求項1記載の金具(4)。
【請求項3】
前記組付け部分(9)の前記ケーシング(11)は端面(18)を有していて、前記連結部分(12)は、組付けの際に、前記端面(18)に対して実質的に垂直に、前記組付け部分(9)の前記ケーシング(11)内に押込み可能である、請求項1または2記載の金具(4)。
【請求項4】
前記組付け部分(9)の前記ケーシング(11)は端面(18)を有していて、前記組付け部分(9)と前記連結部分(12)との間のロックは、前記端面(18)に隣接した領域で行われる、請求項1から3までのいずれか1項記載の金具(4)。
【請求項5】
前記連結部分(12)は背面(15)を有していて、前記エジェクト装置(14)は、ロック解除の過程で、前記連結部分(12)の前記背面(15)に作用し、好ましくは前記連結部分(12)の前記背面(15)に当接可能である、請求項1から4までのいずれか1項記載の金具(4)。
【請求項6】
前記ロック装置(13)は、前記連結部分(12)を解除可能にロックするための旋回可能な少なくとも1つのロックレバー(13a)を有していて、好ましくは、前記少なくとも1つのロックレバー(13a)は、
-ロック位置とロック解除位置とを有しており、前記少なくとも1つのロックレバー(13a)は、前記連結部分(12)を組み付けるためにはロック解除位置に配置されており、かつ/または
-少なくとも1つのばねエレメント(16)、好ましくはコイルばねによって予荷重をかけられていて、好ましくは、前記少なくとも1つのロックレバー(13a)は、前記組付け部分(9)の前記ケーシング(11)内に前記連結部分(12)を押し込む際に、前記ばねエレメント(16)の力に抗して可動であり、前記ケーシング(11)への継続する押込み運動の際に、前記連結部分(12)に解除可能にロック可能であり、かつ/または
-制御カム(21)と、前記制御カム(21)に沿って可動な制御エレメント(22)、好ましくはピンとを介して、解除可能にロック可能であり、かつ/または
-前記連結部分(12)の少なくとも1つの凹部(17a,17b)に解除可能にロック可能であり、かつ/または
-前記第1の金具部分(6)の前記組付け部分(9)内にまたは前記組付け部分(9)上に配置されている、
請求項1から5までのいずれか1項記載の金具(4)。
【請求項7】
前記エジェクト装置(14)は、前記連結部分(12)を押し出すための旋回可能な少なくとも1つのエジェクトレバー(14a)を有していて、好ましくは、前記少なくとも1つのエジェクトレバー(14a)は、
-ロック解除の過程で、前記連結部分(12)の背面(15)に作用し、かつ/または
-少なくとも1つのばねエレメント(16)によって予荷重をかけられていて、かつ/または
-前記ロック装置(13)のロックレバー(13a)と一体に結合されていて、かつ/または
-前記第1の金具部分(6)の前記組付け部分(9)内にまたは前記組付け部分(9)上に配置されている、
請求項1から6までのいずれか1項記載の金具(4)。
【請求項8】
前記ロック装置(13)は、前記連結部分(12)を解除可能にロックするための旋回可能な少なくとも1つのロックレバー(13a)を有していて、前記エジェクト装置(14)は、前記組付け部分(9)の前記ケーシング(11)から前記連結部分(12)を押し出すための少なくとも1つのエジェクトレバー(14a)を有していて、好ましくはこの場合、
-前記少なくとも1つのロックレバー(13a)と前記少なくとも1つのエジェクトレバー(14a)とは互いに一体に結合されていて、かつ/または
-前記少なくとも1つのロックレバー(13a)と前記少なくとも1つのエジェクトレバー(14a)とは、1つの同じばねエレメント(16)によって予荷重をかけられていて、かつ/または
-シャフトと、前記シャフトから突出する2つのアームとを備えた、回転可能に支持された少なくとも1つの固定具(20)が設けられており、前記固定具(20)の第1のアームにはばねエレメント(16)が係合し、前記固定具(20)の第2のアームには前記エジェクトレバー(14a)が配置されていて、前記固定具(20)の前記シャフトには前記ロックレバー(13a)が配置されていて、かつ/または
-前記少なくとも1つのロックレバー(13a)と前記少なくとも1つのエジェクトレバー(14a)とは、前記第1の金具部分(6)の前記組付け部分(9)に配置されている、
請求項1から7までのいずれか1項記載の金具(4)。
【請求項9】
前記解除エレメント(25a)は、
-線形に摺動可能に支持されていて、かつ/または
-工具によって操作可能であり、かつ/または
-ばねエレメント(16)の力に抗して、前記連結部分(12)を解放する解除位置へと移動可能であり、かつ/または
-少なくとも1つのガイド(26)に沿って可動であり、かつ/または
-前記組付け部分(9)の端面(18)に対して垂直方向に可動であり、かつ/または前記組付け部分(9)の端面(18)から操作可能である、
請求項1から8までのいずれか1項記載の金具(4)。
【請求項10】
前記連結部分(12)は、
-前記組付け部分(9)の前記ケーシング(11)内に挿入された状態で、かつロック装置(13)がロック解除位置にある場合に、前記組付け部分(9)の前記ケーシング(11)の内側に側方の遊びをもって収容されていて、かつ/または
-少なくとも1つの側壁(27a)を有していて、前記組付け部分(9)の前記ケーシング(11)は、組付けの際に前記連結部分(12)の前記少なくとも1つの側壁(27a)をガイドするための側方の壁(28)を有しており、好ましくは、前記連結部分(12)の前記少なくとも1つの側壁(27a)と前記ケーシング(11)の前記側方の壁(28)とは、前記連結部分(12)のロック位置で、好ましくは前記連結部分(12)の接合方向(FR)に対して好ましくは横方向で互いに離隔されていて、かつ/または
-対向する2つの側壁(27a,27b)を有しており、前記側壁には、前記連結部分(12)を前記組付け部分(9)の前記ケーシング(11)に解除可能にロックするためのそれぞれ少なくとも1つの凹部(17a,17b)が配置されていて、かつ/または
-前記連結部分(12)を前記組付け部分(9)にロックするための少なくとも1つの凹部(17a,17b)を有していて、好ましくは前記少なくとも1つの凹部(17a,17b)は、前記連結部分(12)の端面(18)に隣接して配置されていて、かつ/または
-少なくとも1つのジョイントレバー(8a,8b)、好ましくは少なくとも2つのジョイントレバー(8a,8b)を介して旋回可能に前記第2の金具部分(7)に接続されていて、かつ/または
-前記連結部分(12)の位置を前記組付け部分(9)に対して相対的に調節可能な少なくとも1つの調節装置(30a,30b)を有していて、かつ/または
-高さ方向の延在(H)と長手方向の延在(L)とを有しており、前記長手方向の延在(L)は、前記高さ方向の延在(H)よりも少なくとも3倍、好ましくは少なくとも6倍大きい、
請求項1から9までのいずれか1項記載の金具(4)。
【請求項11】
前記組付け部分(9)の前記ケーシング(11)は、
-前記ケーシング(11)が、前記支持体(2)の前記プレート(5a~5e)の実質的に完全に内側に組込み可能であるように形成されていて、かつ/または
-高さ方向の延在(H)と長手方向の延在(L)とを有しており、前記組付け部分(9)の前記ケーシング(11)の前記長手方向の延在(L)は、前記高さ方向の延在(H)よりも少なくとも3倍、好ましくは少なくとも6倍大きく、かつ/または
-前記ロック装置(13)と前記エジェクト装置(14)とを有している、
請求項1から10までのいずれか1項記載の金具(4)。
【請求項12】
請求項1から11までのいずれか1項記載の少なくとも1つの金具(4)によって、旋回エレメント(3)、特に家具部分(3a)、扉または窓を、定置の支持体(2)に可動に支持するための方法であって、以下の方法ステップ、すなわち、
-前記支持体(2)の、好ましくは実質的に水平に向けられたプレート(5a~5e)上にまたはプレート(5a~5e)内に第1の金具部分(6)の組付け部分(9)を取り付けるステップ、
-前記旋回エレメント(3)に第2の金具部分(7)を取り付けるステップ、
-前記第2の金具部分(7)に枢着的に接続された連結部分(12)を、前記第1の金具部分(6)の前記組付け部分(9)の、好ましくはポケット状のケーシング(11)内に接合するステップ、
-前記連結部分(12)を、前記組付け部分(9)の前記ケーシング(11)にロック装置(13)によって解除可能にロックするステップ、および
-ロック解除の過程において、前記連結部分(12)をエジェクト装置(14)によって少なくとも部分的に前記組付け部分(9)の前記ケーシング(11)から押し出すステップ
を含む、方法。
【請求項13】
前記連結部分(12)を、前記組付け部分(9)の前記ケーシング(11)の端面(18)に対して実質的に垂直に接合する、請求項12記載の方法。
【請求項14】
前記連結部分(12)を、前記ケーシング(11)内の終端位置に達する直前に、前記組付け部分(9)の前記ケーシング(11)の前記端面(18)に対して実質的に平行に動かす、請求項13記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、旋回エレメント、特に家具部分、扉または窓を、定置の支持体に対して相対的に可動に支持するための金具であって、
-支持体の、好ましくは実質的に水平に向けられたプレートに取り付けられるように形成されている第1の金具部分、
-旋回エレメントに取り付けるための第2の金具部分であって、第1の金具部分に旋回可能に接続されている第2の金具部分
を含んでいて、
-第1の金具部分は、少なくとも1つの取付け装置を備えた組付け部分を有していて、取付け装置によって組付け部分は支持体のプレートに取り付け可能であって、第1の金具部分は、第2の金具部分に枢着的に接続された少なくとも1つの連結部分を有していて、連結部分は組付け部分に取り外し可能に接続可能であり、
-第1の金具部分の組付け部分は、好ましくはポケット状のケーシングを有しており、連結部分は、組付け部分との接続状態で、少なくとも所定の領域で、好ましくは殆どの部分で、組付け部分のケーシングの内側に収容されていて、
-当該金具はさらに、連結部分を組付け部分に解除可能にロックすることができる少なくとも1つのロック装置を含んでいて、
-少なくとも1つのロック装置は、ロック解除の過程において、連結部分を少なくとも部分的に組付け部分のケーシングから押し出すことのできるエジェクト装置を有している、金具に関する。
【0002】
さらに、本発明は、記載した形式の少なくとも1つの金具によって、旋回エレメント、特に家具部分、扉または窓を、定置の支持体に可動に支持するための方法に関する。
【0003】
国際公開第2020/006588号および国際公開第2020/006589号にはそれぞれ、家具扉の形態の旋回エレメントを可動に支持するための家具用金具が開示されており、この場合、定置の支持体に取り付けるためのキャビネット側の金具部分は、家具板内に組込み可能な組付け部分を有している。第1のステップで、組付け部分を、家具板上にまたは家具板内に予め組み付ける。第2のステップでは、家具扉が、予め組み付けられた組付け部分に連結部分を介して取り外し可能に接続可能である。組付けのために、連結部分は、ポケット状の組付け部分内に斜めに挿入され、この場合、連結部分の係止部分は、ロックエレメントの傾斜面に沿ってガイド可能であり、この際に蓄力器が蓄力可能である。次いで、係止部分が、ロック部分の凹部内に進入することができ、これにより蓄力器は弛緩し、連結部分は組付け部分にロック可能となる。連結部分と組付け部分との間のロック解除は、工具によって押込み可能な解除エレメントによって行われる。解除エレメントの押込みにより、ロック部分は、組付け部分の端面に対して平行に延びる方向で、蓄力器の力に抗して、連結エレメントの係止部分が解放されて、連結部分が組付け部分から分離可能となるまで動かされる。
【0004】
欧州特許出願公開第1895082号明細書には、扉側の接続エレメントに解除可能にロック可能である骨組み状の接続エレメントを備えた家具ヒンジが示されている。
【0005】
米国特許出願公開第2015/061481号明細書には、旋回可能な扉を備えたキャビネットが示されており、この扉は、タッチラッチ機構によって閉鎖位置から開放位置へと押し出し可能である。タッチラッチ機構のロック解除のために、扉は閉鎖位置から過剰に押し込まれ、扉に接続された構成部分は、圧縮ばねの力によって、キャビネットに取り付けられたホルダから押し出し可能となる。押出し過程は、扉の過剰押込みのたびに発動され、これはいくつかの用途には望ましくない。例えば、扉に人がもたれかかっただけで、または遊んでいる子どもによって、例えば、意図せずに扉のロック解除が発動される可能性がある。
【0006】
そこで本発明の課題は、改善されたロック解除手段を備えた冒頭で述べた形式の金具を提供することである。
【0007】
この課題は、本発明によれば、特許請求項1の特徴により解決される。本発明のさらなる有利な実施例は、従属請求項に規定されている。
【0008】
本発明によれば、組付け部分と連結部分との間のロックを解除するための、可動に支持された解除エレメントを備えた解除装置が設けられていることが想定されている。
【0009】
このようにして組付け部分と連結部分との間のロックは、可動に支持された解除エレメントの意図的に行われる操作によって解除可能であり、ロックの意図しない解除は回避される。
【0010】
連結部分は、接合方向で組付け部分内に押込み可能であり、この場合、連結部分は、組付け部分に連結された状態から、エジェクト装置によって能動的に組付け部分から外に、すなわち少なくとも部分的に接合方向とは逆方向に、押し出し可能である。
【0011】
これにより、旋回エレメントの可動な支持のために2つ以上の金具が設けられている場合には特に、定置の支持体からの旋回エレメントの取り外しが容易になる。この場合、組付け部分と連結部分との間がひっかかって動かなくなる危険は減じられ、組付け部分からの連結部分の分離が容易になる。
【0012】
一実施例によれば、組付け部分のケーシングは端面を有していて、連結部分は、組付けの際に、端面に対して実質的に垂直に、組付け部分のケーシング内に押込み可能であることが想定されていてよい。
【0013】
換言すれば、連結部分は、直線的な接合運動により組付け部分内に押し込まれ、規定の終端位置でロックすることができる。これに対し、国際公開第2020/006588号による冒頭で述べた従来技術では、連結部分は、連結部分に取り付けられた家具部分と共に、組付け部分のケーシング内に斜めに導入されなければならない。このことは、これにより旋回エレメントの最大壁厚が制限されるという欠点を伴う。なぜならば、連結部分を組付ける際に旋回エレメントが家具本体に当接するおそれがあり、または連結部分を組付け部分のケーシング内にまったく導入することができないからである。組付け部分のケーシング内への連結部分の直線的な導入により、旋回エレメントの材料厚にほぼ依存しない組付けが可能となる。
【0014】
一実施例によれば、組付け部分のケーシングは端面を有していて、組付け部分と連結部分との間のロックは、端面に隣接した領域で行われることが想定されていてよい。これは、旋回エレメントの移動の際に生じる力が直接支持体に導入され、連結部分が組付け部分に安定的に接続可能であるという利点を有している。
【0015】
本発明のその他の詳細および利点は、以下の図面の説明により明らかである。
【図面の簡単な説明】
【0016】
図1】支持体と、支持体に対して相対的に可動な旋回エレメントとを備えた家具を示す斜視図である。
図2】支持体と金具とを分離状態で示す図である。
図3】第1の金具部分の組付け部分と連結部分とを互いに分離された状態で示す図である。
図4】組付け部分内に部分的に押し込まれた連結部分を示す図である。
図5】組付け部分内への連結部分のさらに進行した押込み運動を示す図である。
図6】組付け部分内への連結部分のさらに進行した押込み運動を示す図である。
図7】連結部分と組付け部分との間のロック状態を示す図である。
図8】組付け部分からの連結部分の押出し過程を示す図である。
図9】組付け部分を示す分解図である。
【0017】
図1には、(例えば家具キャビネット2aの形態の)定置の支持体2を備えた家具1の斜視図が示されており、この場合、旋回エレメント3(例えば可動の家具部分3a、フラップ、扉、窓等)は、少なくとも1つの金具4により、支持体2に対して相対的に、好ましくは組付け位置で鉛直方向に延びる軸線を中心として旋回可能に支持されている。
【0018】
支持体2は、複数のプレート5a~5eを有しており、金具4の第1の金具部分6は、支持体2のプレート5a~5eのうちの1つのプレートに(すなわち例えば、天板に、底板に、かつ/または天板と底板との間に配置された仕切り板に)組み込まれるように形成されている。
【0019】
勿論、金具4を、鉛直方向に延びるプレート5d,5eのうちの1つのプレート内にまたはプレート上に配置することも可能であり、これによって旋回エレメント3は、組付け状態で水平方向に延びる軸線を中心として支持体2に対して相対的に旋回可能に支持されている。
【0020】
図示した実施例では、金具4の第1の金具部分6が実質的に完全にプレート5a,5cの凹部内部に収容されていて、他方、金具4の第2の金具部分7は実質的に完全に旋回エレメント3の別の凹部内部に収容されていることが想定されている。
【0021】
旋回エレメント3は、プレート状の材料(例えば、木材、プラスチック、繊維プレート、ガラスプレート等)から形成されていてよい。
【0022】
図2には、支持体2と金具4とが互いに分離された状態で示されている。第1の金具部分6は、支持体2のプレート5a~5e内にまたはプレート5a~5e上に取り付けられるべきである。このために、第1の金具部分6は、プレート5aの凹部内に装着可能かつ少なくとも1つの取付け装置10を介してプレート5aに固定可能な組付け部分9を有している。
【0023】
取付け装置10は、様々な構成により実現することができ、例えばねじを貫通させるための少なくとも1つの穴、少なくとも1つの偏心体、または少なくとも1つの緊締ねじを有していてよい。図示した実施例では、取付け装置10は、少なくとも1つの可動の取付けエレメント10aを有しており、工具によって取付けエレメント10aを操作することにより、取付け装置10の少なくとも1つの緊締部分31(図9)がプレート5aに摩擦接続的に接続可能である。
【0024】
組付け部分9は、第1のステップで、取付け装置10を介してプレート5aに予め組み付けられている。組付け部分9は、好ましくはポケット状のケーシング11を有していて、このケーシング内には、第1の金具部分6の連結部分12が導入可能であり、この連結部分は、少なくとも1つのロック装置13を介してケーシング11内に解除可能にロック可能である。
【0025】
第1の金具部分6の連結部分12は、少なくとも1つのジョイントレバー8aを介して旋回可能に第2の金具部分7に接続されている。第2の金具部分7は、旋回エレメント3の凹部内に少なくとも部分的に、好ましくは実質的に完全に埋設されるように形成されていてよい。代替的に、第2の金具部分7は、組付け状態で、旋回エレメント3の壁厚の完全に外側に配置されていてもよい。
【0026】
組付け部分9のケーシング11は、連結部分12を収容するための長孔形状の凹部を有している。ケーシング11は、高さ方向の延在(H)と長手方向の延在(L)とを有しており、ケーシング11の長手方向の延在(L)は、高さ方向の延在(H)よりも少なくとも3倍、好ましくは少なくとも6倍大きくてよい。
【0027】
好ましくは実質的に直方体状の連結部分12は、高さ方向の延在(H)に対応する寸法と、長手方向の延在(L)に対応する寸法とを有しており、連結部分12は、組付け部分9のケーシング11の内側にほぼ形状接続的に収容可能である。
【0028】
図3には、第1の金具部分6の組付け部分9と連結部分12とが互いに分離された状態で示されている。
【0029】
少なくとも1つのロック装置13によって、連結部分12は組付け部分9に解除可能にロック可能である。少なくとも1つのロック装置13は、ロック解除の過程において、ばねエレメント16の、好ましくは圧縮ばねの力によって、連結部分12を少なくとも部分的に組付け部分9のケーシング11から押し出すことのできるエジェクト装置14を有している。
【0030】
連結部分12は、組付け部分9のケーシング11内への組付け時に接合方向(FR)で押し込み可能であり、この場合、連結部分12は、ロック解除の過程においてエジェクト装置14によって、少なくとも部分的に、接合方向(FR)とは逆方向に押し出し可能である。
【0031】
組付け部分9のケーシング11は、端面18を有していてよく、連結部分12は、組付けの際に、端面18に対して実質的に垂直に、組付け部分9のケーシング11内に押込み可能である。ケーシング11の端面18は、組付け状態で、支持体2のプレート5aの前側の狭幅面に対して実質的に平行に延在している。
【0032】
連結部分12は背面15を有していてよく、エジェクト装置14は、ロック解除の過程で、連結部分12の背面15に作用し、好ましくは背面15に当接可能である。好ましくは、エジェクト装置14は、連結部分12の背面15に配置された凹部に当接可能であることが想定されていてよい。
【0033】
図示した実施例では、回転軸19を中心として回動可能な少なくとも1つの固定具20が設けられており、この固定具20は、シャフトと、このシャフトから突出している2つのアームとを有している。ばねエレメント16は、固定具20の第1のアームに係合し、エジェクトレバー14aは、固定具20の第2のアームに配置されていて、ロックレバー13aは、固定具20のシャフトに配置されている。
【0034】
ロック装置13は、連結部分12を解除可能にロックするための旋回可能な少なくとも1つのロックレバー13aを有していてよく、好ましくは、少なくとも1つのロックレバー13aは、
-ロック位置とロック解除位置とを有しており、少なくとも1つのロックレバー13aは、連結部分12を組み付けるためにはロック解除位置に配置されており、かつ/または
-少なくとも1つのばねエレメント16、好ましくはコイルばねによって予荷重をかけられていて、好ましくは、少なくとも1つのロックレバー13aは、組付け部分9のケーシング11内に連結部分12を押し込む際に、ばねエレメント16の力に抗して可動であり、ケーシング11への継続する押込み運動の際に、連結部分12に解除可能にロック可能であり、かつ/または
-制御カム21と、制御カム21に沿って可動な制御エレメント22、好ましくは円筒状のピンとを介して、解除可能にロック可能であり、かつ/または
-連結部分12の少なくとも1つの凹部17a,17bに解除可能にロック可能であり、かつ/または
-第1の金具部分6の組付け部分9内にまたは組付け部分9上に配置されている。
【0035】
好適な実施形態によれば、連結部分12は、
-組付け部分9のケーシング11内に挿入された状態で、かつロック装置13がロック解除位置にある場合に、組付け部分9のケーシング11の内側に側方の遊びをもって収容されていて、かつ/または
-少なくとも1つの側壁27aを有していて、組付け部分9のケーシング11は、組付けの際に連結部分12の少なくとも1つの側壁27aをガイドするための側方の壁28を有しており、好ましくは、連結部分12の少なくとも1つの側壁27aとケーシング11の側方の壁28とは、連結部分12のロック位置で、好ましくは連結部分12の接合方向(FR)に対して横方向で互いに離隔されて配置されていて、かつ/または
-対向する2つの側壁27a,27bを有しており、これらの側壁には、連結部分12を組付け部分9のケーシング11に解除可能にロックするためのそれぞれ少なくとも1つの凹部17a,17bが配置されていて、かつ/または
-連結部分12を組付け部分9にロックするための少なくとも1つの凹部17a,17bを有していて、好ましくは少なくとも1つの凹部17a,17bは、連結部分12の端面18に隣接して配置されていて、かつ/または
-少なくとも1つのジョイントレバー8a、好ましくは少なくとも2つのジョイントレバー8a,8bを介して旋回可能に第2の金具部分7に接続されていて、かつ/または
-連結部分12の位置を組付け部分9に対して相対的に調節可能な少なくとも1つの調節装置30a,30b(図2)を有していて、かつ/または
-高さ方向の延在(H)と長手方向の延在(L)とを有しており、長手方向の延在(L)は、高さ方向の延在(H)よりも少なくとも3倍、好ましくは少なくとも6倍大きい。
【0036】
好適な実施形態によれば、組付け部分9のケーシング11は、
-ケーシング11が、支持体2のプレート5a~5eの実質的に完全に内側に組込み可能であるように形成されていて、かつ/または
-高さ方向の延在(H)と長手方向の延在(L)とを有しており、組付け部分9のケーシング11の長手方向の延在(L)は、高さ方向の延在(H)よりも少なくとも3倍、好ましくは少なくとも6倍大きく、かつ/または
-ロック装置13とエジェクト装置14とを有している
ことが想定されていてよい。
【0037】
図4には、第1の金具部分6の組付け部分9内に部分的に押し込まれている連結部分12が示されている。ロック装置13は、連結部分12を解除可能にロックするための旋回可能な少なくとも1つのロックレバー13aを有している。エジェクト装置14は、組付け部分9のケーシング11から連結部分12を押し出すための少なくとも1つのエジェクトレバー14aを有しており、好ましくはこの場合、
-少なくとも1つのロックレバー13aと少なくとも1つのエジェクトレバー14aとが互いに一体に結合されていて、かつ/または
-少なくとも1つのロックレバー13aと少なくとも1つのエジェクトレバー14aとは、1つの同じばねエレメント16によって予荷重をかけられていて、かつ/または
-シャフトと、シャフトから突出する2つのアームとを備えた、回転可能に支持された少なくとも1つの固定具20が設けられており、固定具20の第1のアームにはばねエレメント16が係合し、固定具20の第2のアームにはエジェクトレバー14aが配置されていて、固定具20のシャフトにはロックレバー13aが配置されており、かつ/または
-少なくとも1つのロックレバー13aと少なくとも1つのエジェクトレバー14aとが、第1の金具部分6の組付け部分9に配置されている。
【0038】
図5には、支持体2に予め組み付けられた組付け部分9内への連結部分12のさらに進行した押込み運動が示されている。連結部分12は、少なくとも1つの側方の凹部17bを有していてよく、この凹部は、組付け部分9に配置された係合エレメント23に係合可能である。係合エレメント23は、例えば、突起として、円筒状のピンとして、または回転可能なローラとして形成されていてよく、ローラの回転軸線は、組付け部分9の高さ方向の延在(H)に対して実質的に平行に延在している。図5により、連結部分12の背面15はエジェクトレバー14aに接触していることも見て取れる。
【0039】
図6には、連結部分12の凹部17bが、長手方向の延在(L)の方向での連結部分12の僅かな運動により組付け部分9の係合エレメント23に係合可能であることが示されている。
【0040】
図7は、連結部分12と組付け部分9との間のロック位置を示している。図6を起点として、連結部分12は、組付け部分9のケーシング11内にさらに押し込まれ、これにより制御エレメント22(例えば、円筒状のピン)は、制御カム21の係止凹部24の外側へと動かされた。このようにして、ロックレバー13aは、弛緩したばねエレメント16の力によって回転軸19を中心として動かされ、連結部分12の側方の凹部17a内に係止させられる。
【0041】
ロック装置13のロックレバー13aとエジェクト装置14のエジェクトレバー14aとは共に一体に形成されていて、好ましくは同じ1つのばねエレメント16によって予荷重をかけられていることが見て取れる。
【0042】
図8は、連結部分12と組付け部分9との間のロックの解除および組付け部分9のケーシング11からの連結部分12の押出し方向(AR)での押出しを示している。
【0043】
連結部分12と組付け部分9との間のロック位置は、可動の解除エレメント25aを備えた解除装置25によって再び解除することができる。好ましくは、解除エレメント25aは、
-線形に摺動可能に支持されていて、かつ/または
-工具によって操作可能であり、かつ/または
-ばねエレメント16の力に抗して、連結部分12を解放する解除位置へと移動可能であり、かつ/または
-少なくとも1つのガイド26に沿って可動であり、かつ/または
-組付け部分9の端面18に対して垂直方向に可動であり、かつ/または組付け部分9の端面18から操作可能である
ことが想定されていてよい。
【0044】
ロックを解除するために、解除エレメント25aが工具によって組付け部分9のケーシング11内に押し込まれ、これにより、制御エレメント22が、ばねエレメント16の力に抗して制御カム21に沿って動き、ばねエレメント16は緊張させられる。
【0045】
制御カム21に沿って制御エレメント22が動くことにより、ロック装置13のロックレバー13aも、連結部分12の凹部17aから外に動かされ、エジェクト装置14のエジェクトレバー14aは回転軸19を中心として傾動する。最後に、制御エレメント22が再び、制御カム21の係止凹部24内に入り、これにより、連結部分12は、エジェクトレバー14aによって、かつ弛緩したばねエレメント16の力によって、組付け部分9のケーシング11から外に押し出し方向(AR)で押し出し可能となる。
【0046】
示された図8では、解除エレメント25aを線形にガイドするための少なくとも1つのガイド26が設けられており、このガイドによって解除エレメント25aは、端面18に対して垂直に延びる方向でガイド可能である。
【0047】
記載した形式の少なくとも1つの金具4によって、旋回エレメント3、特に可動に支持された家具部分3a、扉または窓を、定置の支持体2に可動に支持するための方法は、以下の方法ステップ、すなわち、
-支持体2の、好ましくは実質的に水平に向けられたプレート5a~5e上にまたはプレート5a~5e内に第1の金具部分6の組付け部分9を取り付けるステップ、
-旋回エレメント3に第2の金具部分7を取り付けるステップ、
-第2の金具部分7に枢着的に接続された連結部分12を、第1の金具部分6の組付け部分9の、好ましくはポケット状のケーシング11内に接合するステップ、
-連結部分12を、組付け部分9のケーシング11にロック装置13によって解除可能にロックするステップ、および
-ロック解除の過程において、連結部分12をエジェクト装置14によって少なくとも部分的に組付け部分9のケーシング11から押し出すステップ
を含む。
【0048】
方法の好適な実施形態によれば、連結部分12は、組付け部分9のケーシング11の端面18に対して実質的に垂直に接合され、好ましくはこの場合、連結部分12は、ケーシング11内の終端位置に達する直前に、組付け部分9のケーシング11の端面18に対して実質的に平行に動かされる。
【0049】
図9には、第1の金具部分6の組付け部分9が分解図で示されている。組付け部分9は、互いに接続可能な2つのケーシング部分9a,9bを有していて、これらのケーシング部分の間には、ロックレバー13aを備えたロック装置13とエジェクト装置14とが配置されている。ばねエレメント16が係合し、ロックレバー13aとエジェクトレバー14aとが共に形成されている固定具20を認めることができる。
【0050】
固定具20には、制御エレメント22をガイドするための制御カム21が配置されているまたは形成されている。制御カム21は、係止凹部24を有していて、この係止凹部によってロックレバー13aがロック解除位置で解除可能にロック可能である。
【0051】
組付け部分9は、少なくとも1つの取付け装置10を介して、支持体2のプレート5a~5eに取り付けることができる。取付け装置10は、取付けエレメント10aと、この取付けエレメント10aによって駆動可能な、組付け部分9を支持体2のプレート5a~5eの内側に固定することができるクランプ部分31とを有していてよい。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
【手続補正書】
【提出日】2024-05-24
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
旋回エレメント(3)、特に家具部分(3a)、扉または窓を、定置の支持体(2)に対して相対的に可動に支持するための金具(4)であって、
-前記支持体(2)の、好ましくは実質的に水平に向けられたプレート(5a~5e)に取り付けられるように形成されている第1の金具部分(6)、
-前記旋回エレメント(3)に取り付けるための第2の金具部分(7)であって、前記第1の金具部分(6)に旋回可能に接続されている第2の金具部分(7)
を含んでいて、
-前記第1の金具部分(6)は、少なくとも1つの取付け装置(10)を備えた組付け部分(9)を有していて、前記取付け装置によって前記組付け部分(9)は前記支持体(2)の前記プレート(5a~5e)に取り付け可能であって、前記第1の金具部分(6)は、前記第2の金具部分(7)に枢着的に接続された少なくとも1つの連結部分(12)を有していて、前記連結部分(12)は前記組付け部分(9)に取り外し可能に接続可能であり、
-前記第1の金具部分(6)の前記組付け部分(9)は、好ましくはポケット状のケーシング(11)を有しており、前記連結部分(12)は、前記組付け部分(9)との接続状態で、少なくとも所定の領域で、好ましくは殆どの部分で、前記組付け部分(9)の前記ケーシング(11)の内側に収容されていて、
-当該金具(4)はさらに、前記連結部分(12)を前記組付け部分(9)に解除可能にロックすることができる少なくとも1つのロック装置(13)を含んでいて、
-前記少なくとも1つのロック装置(13)は、ロック解除の過程において、前記連結部分(12)を少なくとも部分的に前記組付け部分(9)の前記ケーシング(11)から押し出すことのできるエジェクト装置(14)を有している、金具(4)において、
前記組付け部分(9)と前記連結部分(12)との間のロックを解除するための、可動に支持された解除エレメント(25a)を備えた解除装置(25)が設けられていることを特徴とする、金具(4)。
【請求項2】
前記連結部分(12)は、前記組付け部分(9)の前記ケーシング(11)内への組付け時に接合方向(FR)で押し込み可能であり、前記連結部分(12)は、ロック解除の過程において前記エジェクト装置(14)によって接合方向(FR)とは逆方向に押し出し可能である、請求項1記載の金具(4)。
【請求項3】
前記組付け部分(9)の前記ケーシング(11)は端面(18)を有していて、前記連結部分(12)は、組付けの際に、前記端面(18)に対して実質的に垂直に、前記組付け部分(9)の前記ケーシング(11)内に押込み可能である、請求項1記載の金具(4)。
【請求項4】
前記組付け部分(9)の前記ケーシング(11)は端面(18)を有していて、前記組付け部分(9)と前記連結部分(12)との間のロックは、前記端面(18)に隣接した領域で行われる、請求項1記載の金具(4)。
【請求項5】
前記連結部分(12)は背面(15)を有していて、前記エジェクト装置(14)は、ロック解除の過程で、前記連結部分(12)の前記背面(15)に作用し、好ましくは前記連結部分(12)の前記背面(15)に当接可能である、請求項1記載の金具(4)。
【請求項6】
前記ロック装置(13)は、前記連結部分(12)を解除可能にロックするための旋回可能な少なくとも1つのロックレバー(13a)を有していて、好ましくは、前記少なくとも1つのロックレバー(13a)は、
-ロック位置とロック解除位置とを有しており、前記少なくとも1つのロックレバー(13a)は、前記連結部分(12)を組み付けるためにはロック解除位置に配置されており、かつ/または
-少なくとも1つのばねエレメント(16)、好ましくはコイルばねによって予荷重をかけられていて、好ましくは、前記少なくとも1つのロックレバー(13a)は、前記組付け部分(9)の前記ケーシング(11)内に前記連結部分(12)を押し込む際に、前記ばねエレメント(16)の力に抗して可動であり、前記ケーシング(11)への継続する押込み運動の際に、前記連結部分(12)に解除可能にロック可能であり、かつ/または
-制御カム(21)と、前記制御カム(21)に沿って可動な制御エレメント(22)、好ましくはピンとを介して、解除可能にロック可能であり、かつ/または
-前記連結部分(12)の少なくとも1つの凹部(17a,17b)に解除可能にロック可能であり、かつ/または
-前記第1の金具部分(6)の前記組付け部分(9)内にまたは前記組付け部分(9)上に配置されている、
請求項1記載の金具(4)。
【請求項7】
前記エジェクト装置(14)は、前記連結部分(12)を押し出すための旋回可能な少なくとも1つのエジェクトレバー(14a)を有していて、好ましくは、前記少なくとも1つのエジェクトレバー(14a)は、
-ロック解除の過程で、前記連結部分(12)の背面(15)に作用し、かつ/または
-少なくとも1つのばねエレメント(16)によって予荷重をかけられていて、かつ/または
-前記ロック装置(13)のロックレバー(13a)と一体に結合されていて、かつ/または
-前記第1の金具部分(6)の前記組付け部分(9)内にまたは前記組付け部分(9)上に配置されている、
請求項1記載の金具(4)。
【請求項8】
前記ロック装置(13)は、前記連結部分(12)を解除可能にロックするための旋回可能な少なくとも1つのロックレバー(13a)を有していて、前記エジェクト装置(14)は、前記組付け部分(9)の前記ケーシング(11)から前記連結部分(12)を押し出すための少なくとも1つのエジェクトレバー(14a)を有していて、好ましくはこの場合、
-前記少なくとも1つのロックレバー(13a)と前記少なくとも1つのエジェクトレバー(14a)とは互いに一体に結合されていて、かつ/または
-前記少なくとも1つのロックレバー(13a)と前記少なくとも1つのエジェクトレバー(14a)とは、1つの同じばねエレメント(16)によって予荷重をかけられていて、かつ/または
-シャフトと、前記シャフトから突出する2つのアームとを備えた、回転可能に支持された少なくとも1つの固定具(20)が設けられており、前記固定具(20)の第1のアームにはばねエレメント(16)が係合し、前記固定具(20)の第2のアームには前記エジェクトレバー(14a)が配置されていて、前記固定具(20)の前記シャフトには前記ロックレバー(13a)が配置されていて、かつ/または
-前記少なくとも1つのロックレバー(13a)と前記少なくとも1つのエジェクトレバー(14a)とは、前記第1の金具部分(6)の前記組付け部分(9)に配置されている、
請求項1記載の金具(4)。
【請求項9】
前記解除エレメント(25a)は、
-線形に摺動可能に支持されていて、かつ/または
-工具によって操作可能であり、かつ/または
-ばねエレメント(16)の力に抗して、前記連結部分(12)を解放する解除位置へと移動可能であり、かつ/または
-少なくとも1つのガイド(26)に沿って可動であり、かつ/または
-前記組付け部分(9)の端面(18)に対して垂直方向に可動であり、かつ/または前記組付け部分(9)の端面(18)から操作可能である、
請求項1記載の金具(4)。
【請求項10】
前記連結部分(12)は、
-前記組付け部分(9)の前記ケーシング(11)内に挿入された状態で、かつロック装置(13)がロック解除位置にある場合に、前記組付け部分(9)の前記ケーシング(11)の内側に側方の遊びをもって収容されていて、かつ/または
-少なくとも1つの側壁(27a)を有していて、前記組付け部分(9)の前記ケーシング(11)は、組付けの際に前記連結部分(12)の前記少なくとも1つの側壁(27a)をガイドするための側方の壁(28)を有しており、好ましくは、前記連結部分(12)の前記少なくとも1つの側壁(27a)と前記ケーシング(11)の前記側方の壁(28)とは、前記連結部分(12)のロック位置で、好ましくは前記連結部分(12)の接合方向(FR)に対して好ましくは横方向で互いに離隔されていて、かつ/または
-対向する2つの側壁(27a,27b)を有しており、前記側壁には、前記連結部分(12)を前記組付け部分(9)の前記ケーシング(11)に解除可能にロックするためのそれぞれ少なくとも1つの凹部(17a,17b)が配置されていて、かつ/または
-前記連結部分(12)を前記組付け部分(9)にロックするための少なくとも1つの凹部(17a,17b)を有していて、好ましくは前記少なくとも1つの凹部(17a,17b)は、前記連結部分(12)の端面(18)に隣接して配置されていて、かつ/または
-少なくとも1つのジョイントレバー(8a,8b)、好ましくは少なくとも2つのジョイントレバー(8a,8b)を介して旋回可能に前記第2の金具部分(7)に接続されていて、かつ/または
-前記連結部分(12)の位置を前記組付け部分(9)に対して相対的に調節可能な少なくとも1つの調節装置(30a,30b)を有していて、かつ/または
-高さ方向の延在(H)と長手方向の延在(L)とを有しており、前記長手方向の延在(L)は、前記高さ方向の延在(H)よりも少なくとも3倍、好ましくは少なくとも6倍大きい、
請求項1記記載の金具(4)。
【請求項11】
前記組付け部分(9)の前記ケーシング(11)は、
-前記ケーシング(11)が、前記支持体(2)の前記プレート(5a~5e)の実質的に完全に内側に組込み可能であるように形成されていて、かつ/または
-高さ方向の延在(H)と長手方向の延在(L)とを有しており、前記組付け部分(9)の前記ケーシング(11)の前記長手方向の延在(L)は、前記高さ方向の延在(H)よりも少なくとも3倍、好ましくは少なくとも6倍大きく、かつ/または
-前記ロック装置(13)と前記エジェクト装置(14)とを有している、
請求項1記載の金具(4)。
【請求項12】
請求項1から11までのいずれか1項記載の少なくとも1つの金具(4)によって、旋回エレメント(3)、特に家具部分(3a)、扉または窓を、定置の支持体(2)に可動に支持するための方法であって、以下の方法ステップ、すなわち、
-前記支持体(2)の、好ましくは実質的に水平に向けられたプレート(5a~5e)上にまたはプレート(5a~5e)内に第1の金具部分(6)の組付け部分(9)を取り付けるステップ、
-前記旋回エレメント(3)に第2の金具部分(7)を取り付けるステップ、
-前記第2の金具部分(7)に枢着的に接続された連結部分(12)を、前記第1の金具部分(6)の前記組付け部分(9)の、好ましくはポケット状のケーシング(11)内に接合するステップ、
-前記連結部分(12)を、前記組付け部分(9)の前記ケーシング(11)にロック装置(13)によって解除可能にロックするステップ、および
-ロック解除の過程において、前記連結部分(12)をエジェクト装置(14)によって少なくとも部分的に前記組付け部分(9)の前記ケーシング(11)から押し出すステップ
を含む、方法。
【請求項13】
前記連結部分(12)を、前記組付け部分(9)の前記ケーシング(11)の端面(18)に対して実質的に垂直に接合する、請求項12記載の方法。
【請求項14】
前記連結部分(12)を、前記ケーシング(11)内の終端位置に達する直前に、前記組付け部分(9)の前記ケーシング(11)の前記端面(18)に対して実質的に平行に動かす、請求項13記載の方法。
【国際調査報告】