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特表2024-540669電極タブの溶接装置および電極タブの溶接方法
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-10-31
(54)【発明の名称】電極タブの溶接装置および電極タブの溶接方法
(51)【国際特許分類】
   H01M 50/536 20210101AFI20241024BHJP
【FI】
H01M50/536
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2024531539
(86)(22)【出願日】2022-11-29
(85)【翻訳文提出日】2024-05-27
(86)【国際出願番号】 KR2022019107
(87)【国際公開番号】W WO2023096470
(87)【国際公開日】2023-06-01
(31)【優先権主張番号】10-2021-0167739
(32)【優先日】2021-11-29
(33)【優先権主張国・地域又は機関】KR
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】521065355
【氏名又は名称】エルジー エナジー ソリューション リミテッド
(74)【代理人】
【識別番号】100188558
【弁理士】
【氏名又は名称】飯田 雅人
(74)【代理人】
【識別番号】100110364
【弁理士】
【氏名又は名称】実広 信哉
(72)【発明者】
【氏名】ア・ラム・パク
(72)【発明者】
【氏名】ヨン・テ・イ
(72)【発明者】
【氏名】ソン・ビョン・イ
(72)【発明者】
【氏名】ソク・ジェ・キム
【テーマコード(参考)】
5H043
【Fターム(参考)】
5H043AA11
5H043AA13
5H043AA20
5H043BA19
5H043CA08
5H043CA13
5H043EA39
5H043EA60
5H043HA11E
(57)【要約】
本発明は、電極組立体から突出した電極タブを互いに溶接させる電極タブの溶接装置に関し、前記電極タブを集束させるように設けられたガイド部と、前記ガイド部によって集束された電極タブを所定の溶接領域で溶接するように設けられた溶接部とを含み、前記ガイド部は、前記溶接部による溶接の前に、前記電極タブのうち少なくとも一部において前記電極組立体から前記溶接領域までの長さが増加するように、前記電極組立体に向かって移動しながら前記電極タブを前記電極組立体に向かって加圧するように設けられることができる。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
電極組立体から突出した電極タブを互いに溶接させる電極タブの溶接装置であって、
前記電極タブを集束させるように設けられたガイド部と、
前記ガイド部によって集束された電極タブを所定の溶接領域で溶接するように設けられた溶接部とを含み、
前記ガイド部は、
前記溶接部による溶接の前に、前記電極タブのうち少なくとも一部において前記電極組立体から前記溶接領域までの長さが増加するように、前記電極組立体に向かって移動しながら前記電極タブを前記電極組立体に向かって加圧するように設けられている、電極タブの溶接装置。
【請求項2】
前記ガイド部は、
前記電極組立体の電極とセパレータが地面に垂直な鉛直方向に積層されているとしたときに、前記電極タブの上側と下側のいずれか一つに配置された第1ロッドと、前記電極タブの上側と下側のうち他の一つに配置された第2ロッドとを含み、
前記第1ロッドは、
前記電極組立体に向かう方向である近接方向に移動するように設けられている、請求項1に記載の電極タブの溶接装置。
【請求項3】
前記第1および第2ロッドは、
前記鉛直方向において互いの距離を調節するために互いに向かって相対移動するように設けられている、請求項2に記載の電極タブの溶接装置。
【請求項4】
前記第1ロッドは、
前記第1および第2ロッドが互いに向かって相対移動して前記電極タブを前記鉛直方向に加圧させた状態で前記近接方向に移動するように設けられている、請求項3に記載の電極タブの溶接装置。
【請求項5】
前記第1ロッドは、
前記近接方向に移動するように設けられた第1ロッドボディーと、
前記第1ロッドボディーの上側末端と下側末端のうち前記電極タブに向かう末端に配置され、前記近接方向に移動時に、前記電極タブのうち最も近接して位置する電極タブと接触しながら回転するように設けられた第1ロッドローラとを含む、請求項2に記載の電極タブの溶接装置。
【請求項6】
前記第2ロッドは、
前記第1ロッドボディーと連動して前記近接方向に移動するように設けられた第2ロッドボディーと、
前記第2ロッドボディーの上側末端と下側末端のうち前記電極タブに向かう末端に配置され、前記近接方向に移動時に、前記第1ロッドローラとともに前記電極タブを前記鉛直方向に加圧させた状態で、前記電極タブのうち最も近接して位置する電極タブと接触しながら回転するように設けられた第2ロッドローラとを含む、請求項5に記載の電極タブの溶接装置。
【請求項7】
前記ガイド部は、
前記電極組立体の電極とセパレータが地面に垂直な鉛直方向に積層されているとしたときに、前記電極タブの上側と下側のいずれか一つに配置された第1ロッド部と、前記電極タブの上側と下側のうち他の一つに配置された第2ロッド部とを含み、
前記第1ロッド部は、
前記電極タブを前記鉛直方向に加圧するための第1加圧ロッドと、前記電極組立体に向かって移動して、前記電極タブのうち少なくとも一部を前記電極組立体に向かって引っ張るように設けられた第1移動ローラとを含み、
前記第2ロッド部は、
前記第1加圧ロッドに対して前記鉛直方向に相対移動して前記第1加圧ロッドとともに前記電極タブを前記鉛直方向に加圧するための第2加圧ロッドを含む、請求項1に記載の電極タブの溶接装置。
【請求項8】
前記第2ロッド部は、
前記第1および第2加圧ロッドによって前記電極タブが前記鉛直方向に加圧された状態で、前記第1移動ローラと連動して前記電極組立体に向かって移動するように設けられた第2移動ローラをさらに含む、請求項7に記載の電極タブの溶接装置。
【請求項9】
電極組立体から突出した電極タブを互いに溶接させる電極タブの溶接方法であって、
(a)前記電極組立体の電極とセパレータが地面に垂直な鉛直方向に積層されているとしたときに、前記電極タブを上側と下側から加圧して前記電極タブを集束させるステップと、
(b)前記電極タブを集束させた状態で前記電極タブを前記電極組立体に向かって加圧して前記電極タブのうち少なくとも一部を前記電極組立体に向かって引っ張るステップと、
(c)引っ張りの後に、前記電極タブを所定の溶接領域で溶接するステップとを含む、電極タブの溶接方法。
【請求項10】
前記電極タブのうち前記少なくとも一部は、
引っ張りによって前記電極組立体から前記溶接領域までの長さが増加した状態で溶接される、請求項9に記載の電極タブの溶接方法。
【請求項11】
前記ステップ(b)は、
前記電極タブの上側と下側のいずれか一つに配置される第1ロッドが前記電極組立体に向かって移動して、前記電極タブのうち前記少なくとも一部を前記電極組立体に向かって加圧するステップである、請求項9に記載の電極タブの溶接方法。
【請求項12】
前記ステップ(a)は、
前記電極タブの上側と下側のうち他の一つに配置される第2ロッドが前記第1ロッドとともに前記電極タブを上側と下側から加圧するステップである、請求項11に記載の電極タブの溶接方法。
【請求項13】
前記第1ロッドは、
前記電極組立体に向かう方向である近接方向と前記電極組立体から遠くなる方向である離隔方向に、また、上方または下方に移動するように設けられ、また、前記近接方向に移動時に、前記電極タブのうち最も近接して位置する電極タブと接触しながら回転するように設けられる第1ロッドローラを含む、請求項12に記載の電極タブの溶接方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本出願は、2021年11月29日付けの韓国特許出願第10-2021-0167739号に基づく優先権の利益を主張し、当該韓国特許出願に開示されている全ての内容は、本明細書の一部として組み込まれる。
【0002】
本発明は、電極タブの溶接装置および電極タブの溶接方法に関する。
【背景技術】
【0003】
一般的に、二次電池は、充電が不可能な一次電池とは異なり、充放電が可能な電池を意味し、携帯電話、ノートパソコン、カムコーダなどの電子機器または電気自動車などに広く使用されている。特に、リチウム二次電池は、ニッケル-カドミウム電池またはニッケル-水素電池より大きい容量を有し、エネルギー密度が高いことから、その活用程度が急速に増加している傾向にある。
【0004】
二次電池は、電池ケースの形状に応じて、電極組立体が円筒型または角型の金属缶に内蔵されている円筒型電池および角型電池と、電極組立体がアルミニウムラミネートシートのパウチ型ケースに内蔵されているパウチ型電池などに分けられる。
【0005】
図1は、パウチ型二次電池の一例を図示する図である。パウチ型二次電池1は、電極とセパレータが交互に積層されて形成される電極組立体10と、電極組立体10が内部に収容されるパウチ20とを含む。電極組立体10の電極には、電極タブ15が連結されることができる。電極タブ15は、所定の領域で互いに溶接された後、電極リード17に連結されることができる。パウチ20は、電極組立体10の収容のために窪み状のカップ部21を含む。パウチ20のカップ部21は、1個または2個で形成されることができる。図1には、左側カップ部と右側カップ部を含むパウチ20が例示されている。カップ部21の周縁にはシーリングのための周辺部23(テラス)が形成される。
【0006】
しかし、パウチ20の周辺部23の変形によって電極タブ15に引張力が加えられると、電極タブ15が次第にピンと張って断線し得る。またはパウチ20の膨張によって電極タブ15に引張力が加えられても電極タブ15が次第にピンと張って断線し得る。このような断線は、火事発生の主な原因として挙げられている。パウチ型二次電池の場合、最近、高容量化および高性能化のニーズに合わせて、エネルギー密度を高めるために、周辺部23の長さを減少させているが、これは、電極タブ15の「電極組立体10から電極タブ15の溶接地点までの長さ」を減少させているので、断線の可能性をより増加させている。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
本発明の課題は、電極タブの「電極組立体から電極タブの溶接地点までの長さ」を増加させることで、高容量および高性能のパウチ型二次電池においても電極タブの断線を防止することができる電極タブの溶接装置および電極タブの溶接方法を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0008】
一例において、電極タブの溶接装置は、電極組立体から突出した電極タブを互いに溶接させる電極タブの溶接装置に関し、前記電極タブを集束させるように設けられたガイド部と、前記ガイド部によって集束された電極タブを所定の溶接領域で溶接するように設けられた溶接部とを含み、前記ガイド部は、前記溶接部による溶接の前に、前記電極タブのうち少なくとも一部において前記電極組立体から前記溶接領域までの長さが増加するように、前記電極組立体に向かって移動しながら前記電極タブを前記電極組立体に向かって加圧するように設けられることができる。
【0009】
他の例において、前記ガイド部は、前記電極組立体の電極とセパレータが地面に垂直な鉛直方向に積層されているとしたときに、前記電極タブの上側と下側のいずれか一つに配置された第1ロッドと、前記電極タブの上側と下側のうち他の一つに配置された第2ロッドとを含み、前記第1ロッドは、前記電極組立体に向かう方向である近接方向に移動するように設けられることができる。
【0010】
さらに他の例において、前記第1および第2ロッドは、前記鉛直方向に互いの距離を調節するために互いに向かって相対移動するように設けられることができる。
【0011】
さらに他の例において、前記第1ロッドは、前記第1および第2ロッドが互いに向かって相対移動して前記電極タブを前記鉛直方向に加圧させた状態で前記近接方向に移動するように設けられることができる。
【0012】
さらに他の例において、前記第1ロッドは、前記近接方向に移動するように設けられた第1ロッドボディーと、前記第1ロッドボディーの上側末端と下側末端のうち前記電極タブに向かう末端に配置され、前記近接方向に移動時に、前記電極タブのうち最も近接して位置する電極タブと接触しながら回転するように設けられた第1ロッドローラとを含むことができる。
【0013】
さらに他の例において、前記第2ロッドは、前記第1ロッドボディーと連動して前記近接方向に移動するように設けられた第2ロッドボディーと、前記第2ロッドボディーの上側末端と下側末端のうち前記電極タブに向かう末端に配置され、前記近接方向に移動時に、前記第1ロッドローラとともに前記電極タブを前記鉛直方向に加圧させた状態で、前記電極タブのうち最も近接して位置する電極タブと接触しながら回転するように設けられた第2ロッドローラとを含むことができる。
【0014】
さらに他の例において、前記ガイド部は、前記電極組立体の電極とセパレータが地面に垂直な鉛直方向に積層されているとしたときに、前記電極タブの上側と下側のいずれか一つに配置された第1ロッド部と、前記電極タブの上側と下側のうち他の一つに配置された第2ロッド部とを含み、前記第1ロッド部は、前記電極タブを前記鉛直方向に加圧するための第1加圧ロッドと、前記電極組立体に向かって移動して、前記電極タブのうち少なくとも一部を前記電極組立体に向かって引っ張るように設けられた第1移動ローラとを含み、前記第2ロッド部は、前記第1ロッドに対して前記鉛直方向に相対移動して前記第1加圧ロッドとともに前記電極タブを前記鉛直方向に加圧するための第2加圧ロッドを含むことができる。
【0015】
さらに他の例において、前記第2ロッド部は、前記第1および第2加圧ロッドによって前記電極タブが前記鉛直方向に加圧された状態で、前記第1移動ローラと連動して前記電極組立体に向かって移動するように設けられた第2移動ローラをさらに含むことができる。
【0016】
さらに他の例において、電極タブの溶接方法は、電極組立体から突出した電極タブを互いに溶接させる電極タブの溶接方法に関し、(a)前記電極組立体の電極とセパレータが地面に垂直な鉛直方向に積層されているとしたときに、前記電極タブを上側と下側から加圧して前記電極タブを集束させるステップと、前記電極タブを集束させた状態で前記電極タブを前記電極組立体に向かって加圧して前記電極タブのうち少なくとも一部を前記電極組立体に向かって引っ張るステップと、引っ張りの後に、前記電極タブを所定の溶接領域で溶接するステップとを含むことができる。
【0017】
さらに他の例において、前記電極タブのうち前記少なくとも一部は、引っ張りによって前記電極組立体から前記溶接領域までの長さが増加した状態で溶接されることができる。
【0018】
さらに他の例において、前記ステップ(b)は、前記電極タブの上側と下側のいずれか一つに配置される第1ロッドが前記電極組立体に向かって移動して、前記電極タブのうち前記少なくとも一部を前記電極組立体に向かって加圧するステップであることができる。
【0019】
さらに他の例において、前記ステップ(a)は、前記電極タブの上側と下側のうち他の一つに配置される第2ロッドが前記第1ロッドとともに前記電極タブを上側と下側から加圧するステップであることができる。
【0020】
さらに他の例において、前記第1ロッドは、前記電極組立体に向かう方向である近接方向と前記電極組立体から遠くなる方向である離隔方向に、また、上方または下方に移動するように設けられ、また、前記近接方向に移動時に、前記電極タブのうち最も近接して位置する電極タブと接触しながら回転するように設けられた第1ロッドローラを含むことができる。
【発明の効果】
【0021】
本発明によると、電極タブのうち少なくとも一部を電極組立体に向かって引っ張った後、電極タブを溶接することで、電極タブのうち少なくとも一部において電極組立体から溶接領域までの長さを増加させることができ、本発明によって製造される電池の場合、パウチの周辺部(テラス)の変形によって電極タブに引張力が加えられても、または電池の膨張によって電極タブに引張力が加えられても、電極タブを断線させないことができる。
【図面の簡単な説明】
【0022】
図1】パウチ型二次電池の一例を図示する図である。
図2a】パウチ型二次電池の電極タブの溶接に適用可能な一つの例示的な過程を説明するための図である。
図2b】パウチ型二次電池の電極タブの溶接に適用可能な一つの例示的な過程を説明するための図である。
図2c】パウチ型二次電池の電極タブの溶接に適用可能な一つの例示的な過程を説明するための図である。
図2d】パウチ型二次電池の電極タブの溶接に適用可能な一つの例示的な過程を説明するための図である。
図3】複数のパウチ型電池がケースに収容されて設けられる電池モジュールの一部を図示する断面図である。
図4】本発明の実施形態1による電極タブの溶接装置を図示する図である。
図5a図4の溶接装置による電極タブの溶接方法を説明するための図である。
図5b図4の溶接装置による電極タブの溶接方法を説明するための図である。
図5c図4の溶接装置による電極タブの溶接方法を説明するための図である。
図5d図4の溶接装置による電極タブの溶接方法を説明するための図である。
図5e図4の溶接装置による電極タブの溶接方法を説明するための図である。
図6】本発明の実施形態2による電極タブの溶接装置を図示する図である。
【発明を実施するための形態】
【0023】
以下、添付の図面を参照して、本発明が属する技術分野において通常の知識を有する者が容易に実施できるように、本発明の好ましい実施形態について詳細に説明する。しかし、本発明は、様々な相違する形態に実現されることができ、以下の実施形態によって制限または限定されるものではない。
【0024】
本発明を明確に説明するために、説明とは関係のない部分または本発明の要旨を不明瞭にし得る関連する公知の技術に関する詳細な説明は省略し、本明細書において各図面の構成要素に参照符号を付けるに際し、明細書の全体にわたり同一または類似の構成要素に対しては、同一または類似の参照符号を付ける。
【0025】
また、本明細書および特許請求の範囲に使用されている用語や単語は、通常もしくは辞書的な意味に限定して解釈されてはならず、発明者らは、自らの発明を最善の方法で説明するために用語の概念を適切に定義し得るという原則に則って本発明の技術的思想に合致する意味と概念で解釈すべきである。
【0026】
まず、図2を参照して、パウチ型二次電池の電極タブを溶接する過程について説明する。図2は、パウチ型二次電池の電極タブの溶接に適用可能な一つの例示的な過程を説明するための図である。
【0027】
先ず、図2aのように、電極組立体10を準備する。電極組立体10は、電極11とセパレータ13が積層されて設けられることができる。電極11は、正極と負極を含む。電極11には、電極タブ15が連結されることができる。参考までに、図2などには、説明の便宜上、負極に連結された負極タブ15のみ図示されている。正極に連結された正極タブも負極タブ15の延長方向とは異なる方向に延びるように電極組立体10に備えられ、負極タブと同一方式で溶接されることができる。次に、図2bのように、電極タブ15を集束させる。例えば、2個のロッド30A、30Bで電極タブ15を加圧して電極タブ15を集束させることができる。次に、図2cのように、溶接部120を介して電極タブ15を溶接する。
【0028】
このような過程を経て、図2dのように、所定の溶接領域Wで互いに溶接された電極タブ15が備えられた電極組立体10が製造されることができる。電極タブ15に電極リード17(図1参照)を連結した後、電極組立体10をパウチ20(図1参照)に収容させることで、パウチ型電池1が製造されることができる。
【0029】
複数のパウチ型電池1は、図3に図示されているように、一つのケースCに収容されて電池モジュールとして製造されることができる。図3は、複数のパウチ型電池がケースに収容されて設けられる電池モジュールの一部を図示する断面図である。
【0030】
ここで、電池モジュールの製造中に、パウチ20の周辺部23が曲げられ得る。周辺部23の変形は、電極リード17の折り曲げを誘発することで、電極リード17に連結された電極タブ15に引張力を引き起こし得る(例:図3のうち図面符号15aの電極タブ参照)。このような力は、電極タブ15をピンと張るように引っ張り、電極タブ15の断線を引き起こし得る。このような力は、外側に位置する電極タブ15aにおいてより大きく現れ得る。電池の膨張時にも、上記のような断線の問題が引き起こされ得る。
【0031】
以下で詳細に説明する本発明は、上記のような断線の問題を解決するためのものである。
【0032】
実施形態1
図4は、本発明の実施形態1による電極タブの溶接装置を図示している図である。本発明の実施形態1による電極タブの溶接装置は、電極組立体10から突出した電極タブ15を互いに溶接させる装置に関し、図4に図示されているように、ガイド部110および溶接部120を含む。参考までに、以下では、電極組立体10の電極11とセパレータ13が地面に垂直な鉛直方向に積層されているとする。ただし、これは、例示的であって、電極11とセパレータ13の積層方向は、電極組立体10を見る方向に応じて異なり得る。
【0033】
ガイド部110は、電極タブ15を集束させるように設けられることができる。例えば、ガイド部110は、電極タブ15の上側と下側のいずれか一つに配置される第1ロッド111と、電極タブ15の上側と下側のうち他の一つに配置される第2ロッド112とを含むことができる。図4には、上側に配置される第1ロッド111と下側に配置される第2ロッド112が例示されている。第1および第2ロッド111、112は、電極タブ15を所定の領域Gに集束させることができる。
【0034】
第1および第2ロッド111、112は、鉛直方向に互いに向かって相対移動することができる。例えば、第2ロッド112が停止状態で、第1ロッド111のみ第2ロッド112に向かって移動することができ、または第1ロッド111が停止状態で、第2ロッド112のみ第1ロッド111に向かって移動することができ、または第1および第2ロッド111、112がそれぞれ互いに向かって移動することができる。
【0035】
第1および第2ロッド111、112の相対移動により、第1および第2ロッド111、112の間の距離が調節されることができる。第1および第2ロッド111、112の間の距離が減少すると、電極タブ15は、第1および第2ロッド111、112によって鉛直方向に加圧されることができる。このような加圧により、電極タブ15を所定の領域Gに集束させることができる。このような過程で、電極タブ15は、所定の領域Gに向かってベンディングされることができる。
【0036】
溶接部120は、ガイド部110によって集束された電極タブ15を所定の溶接領域Wで溶接するように設けられることができる。例えば、溶接部120は、超音波溶接を行うためのホーンとアンビルを含むことができる。溶接部120によって溶接された電極タブ15には、電池の外側に電気を供給するための電極リード17(図1参照)が溶接されることができる。
【0037】
本実施形態のガイド部110は、溶接部120による溶接の前に、電極組立体10に向かって移動しながら電極タブ15を電極組立体10に向かって加圧することができる。このような加圧により、ガイド部110は、電極タブ15の全部または一部の基準長さLを増加させることができる。ここで、基準長さLは、電極タブ15の「電極組立体10から溶接領域Wまでの長さ」であることができる。
【0038】
例えば、電極タブ15が第1および第2ロッド111、112によって鉛直方向に加圧された状態で、第1および第2ロッド111、112が電極組立体10に向かって移動すると、電極タブ15のうち少なくとも一部は、第1および第2ロッド111、112による加圧により電極組立体10に向かって引っ張られることができ、これにより、電極タブ15の「電極組立体10から溶接領域Wまでの長さL」が増加することができる。電極タブ15の残りの部分(例:図4において溶接領域Wの右側部分)も電極組立体10に向かって引っ張られることができる。参考までに、第2ロッド112が電極タブ15を支持した状態で、第1ロッド111のみ電極組立体10に向かって移動することもできる。ガイド部110は、電極タブ15が引っ張られることを許容する程度で電極タブ15を加圧することができる。
【0039】
このような引っ張り状態または引っ張り後の状態で電極タブ15を溶接すると、電極タブ15のうち少なくとも一部(例:図4のうち図面符号15bの電極タブ)の「電極組立体10から溶接領域Wまでの長さL」が増加することができる。このような長さの増加は、電極タブ15がピンと張るように引っ張られて断線することを防止または遅延させることができる。これは長さの増加によって、長さの増加の前より電極タブ15をより多く引っ張った時に、電極タブ15がピンと張られるためである。参考までに、電極リード17(図1参照)に加えられる力は、電極タブ15と電極リード17の連結地点を介して電極タブ15に伝達されることができる。
【0040】
電極タブ15の引っ張りは、外側(例:図4を基準に上側または下側)に位置する電極タブ(例:15bの電極タブ)であるほど大きく示されることができる。これは外側に位置する電極タブ15であるほど、ガイド部110によって大きく加圧されるためである。
【0041】
本実施形態の電極タブの溶接装置は、溶接部120による溶接の前に、電極タブ15のうち少なくとも一部において電極組立体10から溶接領域Wまでの長さLが増加するように、電極組立体10に向かって移動しながら電極タブ15を電極組立体10に向かって加圧するように設けられるガイド部110を含むことから、本実施形態の電極タブの溶接装置により製造される電池の場合、パウチ20の周辺部23(テラス)の変形によって電極タブ15に引張力が加えられても、または電池の膨張によって電極タブ15に引張力が加えられても、電極タブ15を断線させないことができる。
【0042】
本実施形態のガイド部110は、断線の防止のために求められる長さの増加を考慮して、電極タブ15の引っ張り程度を決定することができる。例えば、パウチ20の周辺部が大きく変形する電池モジュールの場合、ガイド部110が電極組立体10に向かってより多く移動することができる。このようにガイド部110は、電極組立体10に向かって移動する距離を調節して、電極タブ15の引っ張り程度、すなわち、基準長さLの増加程度を調節することができる。
【0043】
一方、第1ロッド111は、電極組立体10に向かう方向に移動するように設けられる第1ロッドボディー111aを含むことができる。以下では、電極組立体10に向かう方向(例:図4を基準に左側方向)を近接方向と称する。第1ロッドボディー111aは、後述する第1ロッドローラ111bを回転可能に支持するバーまたはブロックなどであることができる。これは、後述する第2ロッドボディー112aも同一である。参考までに、第1ロッド111は、近接方向だけでなく、電極組立体10から遠くなる方向(例:図4を基準に右側方向)である離隔方向に移動することもできる。これは、第2ロッド112も同一である。
【0044】
第1ロッド111は、第1ロッドボディー111aの下側末端に配置される第1ロッドローラ111bを含むことができる。第1ロッドローラ111bは、近接方向に移動時に、電極タブ15のうち最も近接して位置する電極タブ(例:図4において最上側に位置する電極タブ)と接触しながら回転することができる。例えば、第1ロッドローラ111bは、最上側に位した電極タブ15bと接触した状態で、電極組立体10に向かって移動することができ、この際、電極タブ15bとの摩擦によって回転することができる。第1ロッド111が第1ロッドローラ111bを含むと、電極タブ15の破損なく電極タブ15を加圧することができる。
【0045】
本実施形態の第1ロッド111は、電極タブ15の上側に配置されるため、第1ロッドローラ111bは、第1ロッドボディー111aの上側末端と下側末端のうち電極タブ15に向かう末端である下側末端に配置されることができる。第1ロッドが電極タブの下側に配置されると、第1ロッドローラは、第1ロッドボディーの上側末端に配置されることができる。
【0046】
第2ロッド112も近接方向に移動するように設けられる第2ロッドボディー112aを含むことができる。第2ロッドボディー112aは第1ロッドボディー111aと連動して移動することができる。例えば、第2ロッドボディー112aは、第1ロッドローラ111bと後述する第2ロッドローラ112bによって電極タブ15を加圧させた状態で、第1ロッドボディー111aが近接方向に移動する時に、第1ロッドボディー111aとともに近接方向に移動することができる。
【0047】
第2ロッド112も第2ロッドボディー112aの上側末端と下側末端のうち電極タブ15に向かう末端に配置される第2ロッドローラ112bを含むことができる。図4には、第2ロッドボディー112aの上側末端に配置される第2ロッドローラ112bが例示されている。第2ロッドローラ112bは、近接方向に移動時に、第1ロッドローラ111bとともに電極タブ15を鉛直方向に加圧させた状態で、電極タブ15のうち最も近接して位置する電極タブ(例:図4において最下側に位置する電極タブ)と接触しながら回転することができる。
【0048】
以下では、図5を参照して、本実施形態の溶接装置による電極タブ15の溶接過程について説明する。図5は、図4の溶接装置による電極タブの溶接方法について説明するための図である。
【0049】
まず、図5aのように、電極組立体10を準備する。この際、電極組立体10は、載置部140に載置されることができる。載置部140は、電極組立体10が載置されることができる治具またはダイであることができる。
【0050】
次に、図5bのように、電極タブ15を集束させる。これは、ガイド部110の作動により実現されることができる。例えば、第1および第2ロッド111、112がそれぞれ互いに向かって移動しながら電極タブ15を所定の領域Gに集束させることもできる。または第2ロッド112が電極タブ15を下側から支持している状態で、第1ロッド111が電極タブ15を上側から下側へ加圧することで、電極タブ15を所定の領域に集束させることもできる。このように、電極タブ15を上側と下側から加圧して、電極タブ15を集束させることができる。
【0051】
次に、図5cのように、電極タブ15を集束させた状態で、電極タブ15を電極組立体10に向かって加圧する。このような加圧により、電極タブ15のうち少なくとも一部は、電極組立体10に向かって引っ張られることができる。これは、ガイド部110の作動により実現されることができる。例えば、第1および第2ロッドボディー111a、112aの垂直移動によって第1および第2ロッドローラ111b、112bが電極タブ15を鉛直方向に加圧することができ、このような加圧状態で、第1および第2ロッドボディー111a、112aの水平移動によって、第1および第2ロッドローラ111b、112bが電極タブ15を電極組立体10に向かって加圧することができる。このような加圧により、電極タブ15のうち少なくとも一部(例:図4において最上側または最下側に位置する電極タブ)は、電極組立体10に向かって引っ張られることができる。
【0052】
次に、図5dのように、電極タブ15を引っ張った状態で、溶接部120を介して電極タブ15を溶接領域Wで溶接する。
【0053】
このような過程により、電極タブ15のうち少なくとも一部において「電極組立体10から溶接領域Wまでの長さL(図5d参照)」を増加させることができ、このような状態で、電極タブ15を互いに溶接させることができる。結果、電極タブ15のうち少なくとも一部(例:図面符号15cの電極タブ)の場合、図5eに図示されているように、引っ張り過程がない時に比べて、電極組立体10から溶接領域Wまでの長さを増加させることができる。参考までに、ガイド部110に近接して位置する電極タブ15であるほど、上記のような長さの増加が大きく示されることができる。
【0054】
実施形態2
図6は、本発明の実施形態2による電極タブの溶接装置を図示している図である。実施形態2の溶接装置は、ガイド部において、実施形態1の溶接装置と差がある。以下では、実施形態2のガイド部を中心に説明する。参考までに、実施形態1に説明されている事項は、実施形態2に同一または同様に適用されることができる。
【0055】
ガイド部210は、電極タブ15の上側と下側のいずれか一つに配置される第1ロッド部211を含むことができる。図6には、電極タブ15の上側に配置される第1ロッド部211が例示されている。ガイド部210は、電極タブ15の上側と下側のうち他の一つに配置される第2ロッド部212を含むことができる。図6には、電極タブ15の下側に配置される第2ロッド部212が例示されている。
【0056】
第1ロッド部211は、電極タブ15を鉛直方向に加圧するための第1加圧ロッド211aを含むことができる。図6には、電極タブ15の上側に配置され、且つ下側に下降することで、電極タブ15を加圧する第1加圧ロッド211aが例示されている。第1加圧ロッド211aは、電極タブ15を加圧することができる様々な形状に実現されることができる。図6には、凸状の下側末端を有するロッド状の第1加圧ロッド211aが例示されている。第1加圧ロッド211aは、電極タブ15と近くなるように下降することもでき、電極タブ15から遠くなるように上昇することもできる。第1加圧ロッド211aに関する内容は、後述する第2加圧ロッド212aにも同一または同様に適用されることができる。
【0057】
第1ロッド部211は、電極組立体10に向かって移動して、電極タブ15のうち少なくとも一部を電極組立体10に向かって引っ張るように設けられる第1移動ローラ211bを含むことができる。第1移動ローラ211bは、電極タブ15を引っ張ることができる様々な形状に実現されることができる。図6には、ローラ状の第1移動ローラ211bが例示されている。第1移動ローラ211bは、電極組立体10と近くなる方向(例:図6を基準に左側方向)と、電極組立体10から遠くなる方向(例:図6を基準に右側方向)に移動することができる。また、第1移動ローラ211bは、電極タブ15に近接するために、下側に移動することもでき、電極タブ15から遠くなるために、上側に移動することもできる。第1移動ローラ211bに関する内容は、後述する第2移動ローラ212bにも同一または同様に適用されることができる。
【0058】
第2ロッド部212は、第1加圧ロッド211aに対して鉛直方向に相対移動して、第1加圧ロッド211aとともに電極タブ15を鉛直方向に加圧するための第2加圧ロッド212aを含むことができる。第2加圧ロッド212aの相対移動は、第1加圧ロッド211aが停止状態で、第2加圧ロッド212aが第1加圧ロッド211aに向かって移動する場合、または第2加圧ロッド212aが停止状態で、第1加圧ロッド211aが第2加圧ロッド212aに向かって移動する場合、または第1および第2加圧ロッド211a、212aがそれぞれ互いに向かって移動する場合などとして説明されることができる。第1および第2加圧ロッド211a、212aの相対移動によって電極タブ15は鉛直方向に加圧されることができ、これにより、電極タブ15を所定の領域に集束させることができる。
【0059】
第2ロッド部212は、第1および第2加圧ロッド211a、212aによって電極タブ15が鉛直方向に加圧された状態で、第1移動ローラ211bと連動して電極組立体10に向かって移動するように設けられる第2移動ローラ212bを含むことができる。例えば、第1移動ローラ211bの移動時に、第2移動ローラ212bもともに移動することができる。
【0060】
第1および第2加圧ロッド211a、212aが互いに向かって相対移動して電極タブ15を所定の集合領域に集束させた状態で、第1および第2移動ローラ211b、212bがともに電極組立体10に向かって移動することで、電極タブ15のうち少なくとも一部(例:電極タブのうち最上側または最下側に位置する電極タブ)の「電極組立体10から溶接(予定)領域までの長さ」を増加させることができる。このような長さの増加後に、溶接部120は、電極タブ15を溶接領域で溶接することができる。参考までに、第1および第2移動ローラ211b、212bは、電極タブ15から鉛直方向に離隔している状態から電極タブ15に近接した後、電極組立体10に向かって移動することができる。ガイド部210が第1移動ローラ211bのみ備えて、第1移動ローラ211bだけで電極タブ15を加圧することも考慮することができる。
【0061】
以上の説明は、本発明の技術思想を例示的に説明したものに過ぎず、本発明が属する技術分野において通常の知識を有する者であれば、本発明の本質的な特性から逸脱しない範囲で様々な修正および変形が可能である。
【0062】
したがって、本発明に開示されている実施形態は、本発明の技術思想を限定するためのものではなく、説明するためのものであって、このような実施形態によって本発明の技術思想の範囲が限定されない。
【0063】
本発明の保護範囲は、以下の特許請求の範囲によって解釈されなければならず、それと同等な範囲内にあるすべての技術思想は、本発明の権利範囲に含まれるものと解釈すべきである。
【符号の説明】
【0064】
1 パウチ型二次電池
10 電極組立体
11 電極
13 セパレータ
15、15a、15b、15c 電極タブ
17 電極リード
20 パウチ
21 カップ部
23 周辺部
30A ロッド
30B ロッド
110 ガイド部
111 第1ロッド
111a 第1ロッドボディー
111b 第1ロッドローラ
112 第2ロッド
112a 第2ロッドボディー
112b 第2ロッドローラ
120 溶接部
140 載置部
210 ガイド部
211 第1ロッド部
211a 第1加圧ロッド
211b 第1移動ローラ
212 第2ロッド部
212a 第2加圧ロッド
212b 第2移動ローラ
図1
図2a
図2b
図2c
図2d
図3
図4
図5a
図5b
図5c
図5d
図5e
図6
【国際調査報告】