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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-10-31
(54)【発明の名称】関節リウマチの治療
(51)【国際特許分類】
   A61K 31/402 20060101AFI20241024BHJP
   A61K 31/519 20060101ALI20241024BHJP
   A61P 43/00 20060101ALI20241024BHJP
   A61P 29/00 20060101ALI20241024BHJP
   A61P 19/02 20060101ALI20241024BHJP
   A61K 9/10 20060101ALI20241024BHJP
   A61K 9/14 20060101ALI20241024BHJP
   A61K 9/20 20060101ALI20241024BHJP
【FI】
A61K31/402
A61K31/519
A61P43/00 121
A61P29/00 101
A61P19/02
A61K9/10
A61K9/14
A61K9/20
【審査請求】未請求
【予備審査請求】有
(21)【出願番号】P 2024531608
(86)(22)【出願日】2022-11-29
(85)【翻訳文提出日】2024-06-17
(86)【国際出願番号】 EP2022083624
(87)【国際公開番号】W WO2023094692
(87)【国際公開日】2023-06-01
(31)【優先権主張番号】21211179.3
(32)【優先日】2021-11-29
(33)【優先権主張国・地域又は機関】EP
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】520486395
【氏名又は名称】シナクト ファーマ エーピーエス
(74)【代理人】
【識別番号】100114775
【弁理士】
【氏名又は名称】高岡 亮一
(74)【代理人】
【識別番号】100121511
【弁理士】
【氏名又は名称】小田 直
(74)【代理人】
【識別番号】100202751
【弁理士】
【氏名又は名称】岩堀 明代
(74)【代理人】
【識別番号】100208580
【弁理士】
【氏名又は名称】三好 玲奈
(74)【代理人】
【識別番号】100191086
【弁理士】
【氏名又は名称】高橋 香元
(72)【発明者】
【氏名】ヨナセン,トーマス エンゲルブレヒト ノルドキルド
【テーマコード(参考)】
4C076
4C086
【Fターム(参考)】
4C076AA22
4C076AA29
4C076AA36
4C076BB01
4C076BB04
4C076CC09
4C086AA01
4C086AA02
4C086BC05
4C086CB09
4C086GA13
4C086GA14
4C086GA15
4C086MA02
4C086MA03
4C086MA04
4C086MA23
4C086MA35
4C086MA43
4C086MA52
4C086NA06
4C086NA14
4C086ZA96
4C086ZB15
4C086ZC75
(57)【要約】
関節リウマチの治療のための、MTXと式(I)の化合物の最適化された投与量を含む併用療法が提供される。
【選択図】なし
【特許請求の範囲】
【請求項1】
パーツキットであって、
a. 毎日(1日1回など)投与のための、41.5mgを超える、例えば少なくとも約50mg、例えば少なくとも約62mg、例えば少なくとも75mgの式(I)の化合物:
【化1】
(それらの互変異性体及び立体異性体を含む)またはその薬学的に許容される誘導体、
及び
b. 週1回投与のための、5~30mgのメトトレキサート(MTX)、
を含む、前記パーツキット。
【請求項2】
c. 葉酸、例えば、1週間あたり投与量約1~約10mgの葉酸、例えば1週間あたり投与量約5mgの葉酸、例えば1週間あたり投与量少なくとも5mgの葉酸
をさらに含む、請求項1に記載のパーツキット。
【請求項3】
前記葉酸が週1回投与用であるか、または前記葉酸が毎日の投与用である、請求項2に記載のパーツキット。
【請求項4】
前記パーツキットが関節リウマチの治療に使用される、先行請求項のいずれか1項に記載のパーツキット。
【請求項5】
関節リウマチの治療に使用するための、式(I)の化合物:
【化2】
(それらの互変異性体及び立体異性体を含む)またはその薬学的に許容される誘導体
であって、
前記化合物はメトトレキサート(MTX)とともに投与されることとなっており、
前記化合物は、1日41.5mgを超える投与量、例えば少なくとも1日約50mg、例えば少なくとも1日約62mg、例えば少なくとも1日約75mg、例えば1日1回投与され、
前記MTXは、5~30mgの投与量で週1回投与される、前記使用するための化合物。
【請求項6】
関節リウマチの治療に使用するための、メトトレキサート(MTX)と式(I)の化合物:
【化3】
(それらの互変異性体及び立体異性体を含む)またはその薬学的に許容される誘導体
との組み合わせであって、
前記化合物は、1日41.5mgを超える投与量、例えば少なくとも1日約50mg、例えば少なくとも1日約62mg、例えば少なくとも1日約75mg、例えば1日1回投与され、
前記MTXは、5~30mgの投与量で週1回投与される、前記使用するための組み合わせ。
【請求項7】
前記化合物が、{3-[1-(2-ニトロフェニル)-1H-ピロール-2-イル]-アリリデン}-アミノグアニジン及び(E)-N-トランス-{3-[1-(2-ニトロフェニル)-1H-ピロール-2-イル]-アリリデン}-アミノグアニジン、またはその薬学的に許容される誘導体からなる群から選択される、先行請求項のいずれか1項に記載のパーツキット、使用するための化合物、または使用するための組み合わせ。
【請求項8】
前記薬学的に許容される誘導体が、無機酸または有機酸の薬学的に許容される塩である、先行請求項のいずれか1項に記載のパーツキット、使用するための化合物、または使用するための組み合わせ。
【請求項9】
前記化合物が、(E)-N-トランス-{3-[1-(2-ニトロフェニル)-1H-ピロール-2-イル]-アリリデン}-アミノグアニジン、またはその薬学的に許容される塩である、先行請求項のいずれか1項に記載のパーツキット、使用するための化合物、または使用するための組み合わせ。
【請求項10】
前記有機酸が、ギ酸、酢酸、トリクロロ酢酸、トリフルオロ酢酸、プロピオン酸、安息香酸、桂皮酸、クエン酸、フマル酸、グリコール酸、L-乳酸またはDL-乳酸などの乳酸、マレイン酸、リンゴ酸、マロン酸、DL-マンデル酸などのマンデル酸、シュウ酸、ピクリン酸、ピルビン酸、サリチル酸、コハク酸、メタンスルホン酸、エタンスルホン酸、酒石酸、アスコルビン酸、パモ酸、ビスメチレンサリチル酸、エタンジスルホン酸、グルコン酸、シトラコン酸、アスパラギン酸、ステアリン酸、パルミチン酸、EDTA、グリコール酸、p-アミノ安息香酸、グルタミン酸、ベンゼンスルホン酸、p-トルエンスルホン酸、馬尿酸、2-オキソグルタル酸または3-オキソグルタル酸などのオキソグルタル酸、グルタル酸、及びアジピン酸からなる群から選択される、先行請求項のいずれか1項に記載のパーツキット、使用するための化合物、または使用するための組み合わせ。
【請求項11】
前記有機酸が酢酸、コハク酸、酒石酸、またはプロピオン酸からなる群から選択される、先行請求項のいずれか1項に記載のパーツキット、使用するための化合物、または使用するための組み合わせ。
【請求項12】
前記有機酸が酢酸及びコハク酸からなる群から選択される、先行請求項のいずれか1項に記載のパーツキット、使用するための化合物、または使用するための組み合わせ。
【請求項13】
前記有機酸が酢酸である、先行請求項のいずれか1項に記載のパーツキット、使用するための化合物、または使用するための組み合わせ。
【請求項14】
前記有機酸がコハク酸である、先行請求項のいずれか1項に記載のパーツキット、使用するための化合物、または使用するための組み合わせ。
【請求項15】
前記無機酸が、塩酸、臭化水素酸、ヨウ化水素酸、リン酸、硫酸、及び硝酸からなる群から選択される、先行請求項のいずれか1項に記載のパーツキット、使用するための化合物、または使用するための組み合わせ。
【請求項16】
前記化合物が、{3-[1-(2-ニトロフェニル)-1H-ピロール-2-イル]-アリリデン}-アミノグアニジン酢酸塩及び(E)-N-トランス-{3-[1-(2-ニトロフェニル)-1H-ピロール-2-イル]-アリリデン}-アミノグアニジン酢酸塩からなる群から選択される、先行請求項のいずれか1項に記載のパーツキット、使用するための化合物、または使用するための組み合わせ。
【請求項17】
前記化合物が、{3-[1-(2-ニトロフェニル)-1H-ピロール-2-イル]-アリリデン}-アミノグアニジンコハク酸塩及び(E)-N-トランス-{3-[1-(2-ニトロフェニル)-1H-ピロール-2-イル]-アリリデン}-アミノグアニジンコハク酸塩からなる群から選択される、先行請求項のいずれか1項に記載のパーツキット、使用するための化合物、または使用するための組み合わせ。
【請求項18】
前記化合物が、(E)-N-トランス-{3-[1-(2-ニトロフェニル)-1H-ピロール-2-イル]-アリリデン}-アミノグアニジン酢酸塩及び(E)-N-トランス-{3-[1-(2-ニトロフェニル)-1H-ピロール-2-イル]-アリリデン}-アミノグアニジンコハク酸塩からなる群から選択される、先行請求項のいずれか1項に記載のパーツキット、使用するための化合物、または使用するための組み合わせ。
【請求項19】
前記化合物が、(E)-N-トランス-{3-[1-(2-ニトロフェニル)-1H-ピロール-2-イル]-アリリデン}-アミノグアニジン酢酸塩である、先行請求項のいずれか1項に記載のパーツキット、使用するための化合物、または使用するための組み合わせ。
【請求項20】
前記化合物が、(E)-N-トランス-{3-[1-(2-ニトロフェニル)-1H-ピロール-2-イル]-アリリデン}-アミノグアニジンコハク酸塩である、先行請求項のいずれか1項に記載のパーツキット、使用するための化合物、または使用するための組み合わせ。
【請求項21】
前記化合物が、非晶質形態及び多形体(結晶形態)を含む、先行請求項のいずれか1項に記載のパーツキット、使用するための化合物、または使用するための組み合わせ。
【請求項22】
前記化合物が、1日41.5mgを超える投与量(前記遊離塩基として計算)で投与される、先行請求項のいずれか1項に記載のパーツキット、使用するための化合物、または使用するための組み合わせ。
【請求項23】
前記化合物が、少なくとも42mg、例えば少なくとも43mg、例えば少なくとも44mg、例えば少なくとも約45mg、例えば少なくとも約46mg、例えば少なくとも約47mg、例えば少なくとも約48mg、例えば少なくとも約49mg(前記遊離塩基として計算)の投与量で投与される、先行請求項のいずれか1項に記載のパーツキット、使用するための化合物、または使用するための組み合わせ。
【請求項24】
前記化合物が、少なくとも1日約50mgの投与量(前記遊離塩基として計算)で投与される、先行請求項のいずれか1項に記載のパーツキット、使用するための化合物、または使用するための組み合わせ。
【請求項25】
前記化合物が、少なくとも1日約62mgの投与量(前記遊離塩基として計算)で投与される、先行請求項のいずれか1項に記載のパーツキット、使用するための化合物、または使用するための組み合わせ。
【請求項26】
前記化合物が、少なくとも1日約75mgの投与量(前記遊離塩基として計算)で投与される、先行請求項のいずれか1項に記載のパーツキット、使用するための化合物、または使用するための組み合わせ。
【請求項27】
前記化合物が、1日あたり41.5mg超~1日あたり約250mg(前記遊離塩基として計算)、例えば、1日あたり約42~約45mg、1日あたり約45~約50mg、約50~約55mg、約55~約60mg、約60~約62mg、約62~約65mg、約65~約70mg、例えば、1日あたり約70~約75mg、約75~約80mg、約80~約83mg、約83~約85mg、約85~約90mg、約90~約95mg、約95~約100mg、約100~約125mg、約125~約150mg、約150~約166mg、約166~約175mg、約175~約200mg、例えば1日あたり約200~約250mg(前記遊離塩基として計算)の1日投与量で投与される、先行請求項のいずれか1項に記載のパーツキット、使用するための化合物、または使用するための組み合わせ。
【請求項28】
前記化合物が、少なくとも1日83mgの投与量(前記遊離塩基として計算)で投与される、先行請求項のいずれか1項に記載のパーツキット、使用するための化合物、または使用するための組み合わせ。
【請求項29】
前記化合物が酢酸塩であり、少なくとも1日約75mgの投与量(前記酢酸塩として計算)で投与される、先行請求項のいずれか1項に記載のパーツキット、使用するための化合物、または使用するための組み合わせ。
【請求項30】
前記MTXが、メトトレキサート(全身)、メトトレキサート(経口)、メトトレキサート錠剤、メトトレキサート経口液、メトトレキサート(注射剤)、メトトレキサートナトリウム、メトトレキサートLPFナトリウム、トレキサール(Trexall)(Xatmep)、リウマトレックス、ラスヴォ(Rasuvo)、オトレックスアップ(Otrexup)、オールトレックス(Alltrex)、ベルトラックス(Beltrax)、ビオトレキサート(Biotrexate)、カジトレックス(Caditrex)、カージトレックス(Carditrex)、サイトトレックス(Cytotrex)、ダーモトレックス(Dermotrex)、フォリトラックス(Folitrax)、HI-トレックス(HI-Trex)、イムトレックス(Imutrex)、メレックス(Merex)、メトシップ(Methocip)、メトレックス(Methorex)、メトトレキサート、メトレックス(Metorex)、メトレックス(Metrex)、メキサート(Mexate)、MTX-Korea、ネオトレキサート(Neotrexate)、ニドトレックス(Nidtrex)、オンコトレックス(Oncotrex)、オノトレックス(Onotrex)、プラストメット(Plastomet)、レムトレックス(Remtrex)、レックストップ(Rextop)、ロキサート(Roxate)、テバトレックス(Tevatrex)、スロテックス(Throtex)、トレックス(Trex)、ティクシレム(Thixilem)、ヴィブジ(Vibzi)、ゼクサート(Zexate)からなる群から選択される、先行請求項のいずれか1項に記載のパーツキット、使用するための化合物、または使用するための組み合わせ。
【請求項31】
前記MTXが、約5mg~約30mgの投与量で週1回投与される、先行請求項のいずれか1項に記載のパーツキット、使用するための化合物、または使用するための組み合わせ。
【請求項32】
前記MTXが、週1回約5mg、例えば週1回約7.5mg、例えば週1回約10mg、例えば週1回約15mg、例えば週1回約20mg、例えば週1回約25mg、例えば週1回約30mgの用量で投与される、先行請求項のいずれか1項に記載のパーツキット、使用するための化合物、または使用するための組み合わせ。
【請求項33】
前記MTXが、約10mg~約25mgの投与量で週1回投与される、先行請求項のいずれか1項に記載のパーツキット、使用するための化合物、または使用するための組み合わせ。
【請求項34】
前記化合物が葉酸またはその同等物とともに投与される、先行請求項のいずれか1項に記載の使用するための化合物、または使用するための組み合わせ。
【請求項35】
葉酸またはその同等物を投与する1つ以上のステップをさらに含む、先行請求項のいずれか1項に記載の使用するための化合物、または使用するための組み合わせ。
【請求項36】
1週間あたり約1~10mgの葉酸、例えば1週間あたり約5mgの葉酸、例えば1週間あたり少なくとも5mgの葉酸を投与することをさらに含む、先行請求項のいずれか1項に記載の使用するための化合物、または使用するための組み合わせ。
【請求項37】
前記葉酸が週1回投与されるか、または前記葉酸が毎日の投与量で投与される、先行請求項のいずれか1項に記載のパーツキット、使用するための化合物、または使用するための組み合わせ。
【請求項38】
MTX及び前記化合物による治療が本質的に同時に開始される、先行請求項のいずれか1項に記載のパーツキット、使用するための化合物、または使用するための組み合わせ。
【請求項39】
MTXによる治療が前記化合物による治療の前に開始される、先行請求項のいずれか1項に記載のパーツキット、使用するための化合物、または使用するための組み合わせ。
【請求項40】
前記関節リウマチの対象が、前記化合物による治療を開始する前には、MTX治療を受けたことがない、先行請求項のいずれか1項に記載のパーツキット、使用するための化合物、または使用するための組み合わせ。
【請求項41】
1つ以上のアミノトランスフェラーゼの上昇が低減または解消され、例えば、アラニンアミノトランスフェラーゼ/アラニントランスアミナーゼ(ALAT)の上昇が低減または解消される、先行請求項のいずれか1項に記載のパーツキット、使用するための化合物、または使用するための組み合わせ。
【請求項42】
1つ以上のアミノトランスフェラーゼのMTX誘発性上昇が低減または解消され、例えば、アラニンアミノトランスフェラーゼ/アラニントランスアミナーゼ(ALAT)のMTX誘発性上昇が低減または解消される、先行請求項のいずれか1項に記載のパーツキット、使用するための化合物、または使用するための組み合わせ。
【請求項43】
アミノトランスフェラーゼ、例えばアラニンアミノトランスフェラーゼ/アラニントランスアミナーゼ(ALAT)のMTX誘発性上昇が起こらない、及び/または観察されない、先行請求項のいずれか1項に記載のパーツキット、使用するための化合物、または使用するための組み合わせ。
【請求項44】
1つ以上のアミノトランスフェラーゼの上昇、例えば1つ以上のアミノトランスフェラーゼ、例えばALATのMTX誘発性上昇が3%未満である、先行請求項のいずれか1項に記載のパーツキット、使用するための化合物、または使用するための組み合わせ。
【請求項45】
1つ以上のアミノトランスフェラーゼの上昇、例えば1つ以上のアミノトランスフェラーゼ、例えばALATのMTX誘発性上昇が6%未満である、先行請求項のいずれか1項に記載のパーツキット、使用するための化合物、または使用するための組み合わせ。
【請求項46】
1つ以上のアミノトランスフェラーゼの上昇、1つ以上のアミノトランスフェラーゼ、例えばALATのMTX誘発性上昇が、約0%、例えば約1%以下、例えば約2%以下、例えば3%未満、例えば約3%以下、例えば約4%以下、例えば約5%以下、例えば約6%未満、例えば約6%以下である、先行請求項のいずれか1項に記載のパーツキット、使用するための化合物、または使用するための組み合わせ。
【請求項47】
アミノトランスフェラーゼ、例えばアラニンアミノトランスフェラーゼ/アラニントランスアミナーゼ(ALAT)の上昇が起こらず、及び/または観察されず、あるいは本質的に起こらず、及び/または本質的に観察されない、先行請求項のいずれか1項に記載のパーツキット、使用するための化合物、または使用するための組み合わせ。
【請求項48】
前記関節リウマチが重度の活動性関節リウマチである、先行請求項のいずれか1項に記載のパーツキット、使用するための化合物、または使用するための組み合わせ。
【請求項49】
前記関節リウマチがCDAI>22の関節リウマチである、先行請求項のいずれか1項に記載のパーツキット、使用するための化合物、または使用するための組み合わせ。
【請求項50】
前記関節リウマチが活動性関節疾患を伴う早期関節リウマチである、先行請求項のいずれか1項に記載のパーツキット、使用するための化合物、または使用するための組み合わせ。
【請求項51】
前記関節リウマチが、MTXの漸増投与を開始する重度の活動性関節リウマチ(CDAI>22)と新たに診断された対象である、先行請求項のいずれか1項に記載のパーツキット、使用するための化合物、または使用するための組み合わせ。
【請求項52】
前記関節リウマチが、MTX療法に対する応答が不十分(IR)である関節リウマチ(RA)と新たに診断された対象である、先行請求項のいずれか1項に記載のパーツキット、使用するための化合物、または使用するための組み合わせ。
【請求項53】
前記関節リウマチが、MTX療法に対する応答が不十分である対象における関節リウマチである、先行請求項のいずれか1項に記載のパーツキット、使用するための化合物、または使用するための組み合わせ。
【請求項54】
前記関節リウマチがDMARD-応答不十分関節リウマチである、先行請求項のいずれか1項に記載のパーツキット、使用するための化合物、または使用するための組み合わせ。
【請求項55】
治療中及び/または治療後の前記対象のCDAIスコアが、前記対象のCDAIにおいて5ポイントの減少、例えば10ポイントの減少、例えば15ポイントの減少をもたらす、先行請求項のいずれか1項に記載のパーツキット、使用するための化合物、または使用するための組み合わせ。
【請求項56】
前記CDAIスコアが、少なくとも2ポイント、例えば少なくとも3ポイント、例えば少なくとも4ポイント、例えば少なくとも5ポイント、例えば少なくとも6ポイント、例えば少なくとも7ポイント、例えば少なくとも8ポイント、例えば少なくとも9ポイント、例えば少なくとも10ポイント、例えば少なくとも11ポイント、例えば少なくとも12ポイント、例えば少なくとも13ポイント、例えば少なくとも14ポイント、例えば少なくとも15ポイント、例えば少なくとも16ポイント、例えば少なくとも17ポイント、例えば少なくとも18ポイント、例えば少なくとも19ポイント、例えば少なくとも20ポイント減少する、先行請求項のいずれか1項に記載のパーツキット、使用するための化合物、または使用するための組み合わせ。
【請求項57】
減少した前記CDAIスコアが治療開始後2週目に示されるか、または治療開始後4週目に示されるか、または治療期間の終了時に示されるか、または治療開始後5週目に示されるか、または最後の投与後1週間の追跡時に示される、先行請求項のいずれか1項に記載のパーツキット、使用するための化合物、または使用するための組み合わせ。
【請求項58】
前記関節リウマチが5.1を超えるDAS28スコアの関節リウマチである、先行請求項のいずれか1項に記載のパーツキット、使用するための化合物、または使用するための組み合わせ。
【請求項59】
前記化合物が、経口製剤などの医薬組成物または医薬製剤に製剤化されている、先行請求項のいずれか1項に記載のパーツキット、使用するための化合物、または使用するための組み合わせ。
【請求項60】
前記化合物が、懸濁液用の粉末などの粉末として製剤化されている、先行請求項のいずれか1項に記載のパーツキット、使用するための化合物、または使用するための組み合わせ。
【請求項61】
前記化合物がアルカリ性経口懸濁液などの経口懸濁液として製剤化されている、先行請求項のいずれか1項に記載のパーツキット、使用するための化合物、または使用するための組み合わせ。
【請求項62】
前記化合物が固形経口製剤、例えば固形経口剤形に製剤化されている、先行請求項のいずれか1項に記載のパーツキット、使用するための化合物、または使用するための組み合わせ。
【請求項63】
前記化合物が、即時放出錠剤などの錠剤に製剤化されている、先行請求項のいずれか1項に記載のパーツキット、使用するための化合物、または使用するための組み合わせ。
【請求項64】
前記経口製剤が、前記化合物を胃区画(または胃)に送達または放出し、例えば、前記化合物を主に(primarily)または主に(predominantly)前記胃区画(または胃)に送達または放出する、先行請求項のいずれか1項に記載のパーツキット、使用するための化合物、または使用するための組み合わせ。
【請求項65】
前記経口製剤が、前記胃区画内で前記化合物の約65%~約80%以上、例えば、前記胃区画内で前記化合物の約65%以上、例えば約70%以上、例えば約75%以上、例えば約80%以上、例えば約85%以上、例えば約90%以上、例えば前記化合物の約95%以上を送達または放出する、先行請求項のいずれか1項に記載のパーツキット、使用するための化合物、または使用するための組み合わせ。
【請求項66】
前記化合物の約65%以上、例えば前記化合物の約70%以上、例えば約75%以上、例えば約80%以上、例えば約85%以上、例えば約90%以上、例えば約95%以上が、前記胃区画内で溶液中に溶解される、先行請求項のいずれか1項に記載のパーツキット、使用するための化合物、または使用するための組み合わせ。
【請求項67】
前記化合物の約65%~約80%以上が、pH約1~3において、例えば、約pH0.5~3.5;例えばpH約0.5~1、例えば、pH約1~1.5、例えば、pH約1.5~2、例えば、pH約2~2.5、例えば、pH約2.5~3、例えば、pH約3~3.5において、約5分以内で溶液中に溶解される、先行請求項のいずれか1項に記載のパーツキット、使用するための化合物、または使用するための組み合わせ。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、関節リウマチの治療に使用するための、式(I)の化合物(その互変異性体及び立体異性体を含む)またはその薬学的に許容される誘導体に関するものであり、前記化合物はメトトレキサート(MTX)とともに投与されることとなっており、前記化合物は1日41.5mgを超える投与量、例えば少なくとも1日50mg、例えば少なくとも1日62mg、例えば少なくとも1日75mg、例えば1日1回投与され、前記MTXは週1回5~30mgの投与量で投与される。この投与レジメンにより、有害作用のリスクが低減され、安全性が大幅に向上することが確認されている。
【背景技術】
【0002】
関節炎疾患は、1つ以上の関節に損傷または炎症が生じる状態である。この状態は、多くの場合、疼痛、腫脹、発熱、発赤、運動制限などを伴う。関節炎にはさまざまな種類があるが、最も一般的なものは変骨関節炎と関節リウマチである。関節リウマチ(RA)は、主に関節に影響を及ぼす自己免疫疾患であり、先進国の成人の0.5~1%がRAに罹患している。関節リウマチの原因は明らかではないが、遺伝的因子と環境的因子の組み合わせが関与していると考えられている。現在の治療の目標は、疼痛と炎症を軽減し、この状態に苦しむ患者の生活の質を向上させることである。症状を軽減するための治療として、鎮痛剤、ステロイド、非ステロイド性抗炎症薬(NSAID)がよく使用される。ヒドロキシクロロキン及び特にメトトレキサート(MTX)などの疾患改変性抗リウマチ薬(DMARD)は、疾患の進行を遅延させるために使用され得る。しかしながら、MTXは副作用を避けるために適切な投与量を決めるのが難しく、すべての患者がMTXに適切に反応するわけではない(DMARD-応答不十分関節リウマチ)。
【0003】
MTXは依然として関節リウマチ(RA)の第一選択となる疾患改変性抗リウマチ薬であるが、応答はさまざまである。観察研究では、約30%の患者が中期的にMTXを中止しており、そのうち約半数は無効が原因で、残りの半数は有害事象が原因である。
【0004】
一例として、MTXはアミノトランスフェラーゼ(またはトランスアミナーゼ)の増加を引き起こすことが知られている。血清または血漿のアミノトランスフェラーゼ(一般的にはアラニントランスアミナーゼ(ALTまたはALAT)及びアスパラギン酸トランスアミナーゼ(AST))の上昇は、肝機能障害の指標となり得る。
【0005】
メラノコルチン(MC)受容体(MC1R~MC5R)は、クラスAのGタンパク質共役型受容体(GPCR)のファミリーであり、それらの広い分布及びそれらが調節する生理学的過程が多様であるため、複数の状態にとって魅力的な治療標的である。MC1Rは、白血球上で発現するため、UV光により誘導される日焼け及び他の免疫応答を調節する。MC2Rは、副腎のコルチゾール産生を調節し、MC5Rは、外分泌腺の分泌物に関与する。MC3R及びMC4Rは、特定の抗炎症の役割に加えて、エネルギー恒常性に対して非冗長機能を発揮するのに対し、MC3R活性化は、関節炎などの関節の炎症を特に保護し、MC4Rは、脳の炎症における神経保護を提供する。
【0006】
末梢のMC1R及びMC3Rは、薬理学的に活性化されて抗炎症を誘導することができる。内在性アゴニストであるα-メラノサイト刺激ホルモン(αMSH)は、他の保護メディエータと同様に、免疫細胞によって放出され、炎症促進性シグナルのバランスを取り、これにより過度の組織損傷を防ぐ。炎症の概念の解明と並行して、MC1R及びMC3Rを標的とする治療薬は、身体自体の保護源を模倣することによって作用し、より軽い負荷の副作用を特徴とし得る。
【0007】
コルチコトロピンまたはアドレノコルチコトロピンホルモン(ACTH)の使用は、1950年代初期以来、リウマチ性疾患に有効であることが示されているが、合成グルココルチコイドが利用可能になったときに、この使用は減少した。しかしながら、免疫細胞における末梢性MC受容体の活性化を伴うACTHの代替的な抗炎症機構の発見により、痛風またはRA(関節リウマチ)などの関節疾患の治療のための、ステロイド産生効果を有しない新規なACTH様分子の開発に関心が寄せられている。市販のACTH製剤に加えて、新規のMC薬物の翻訳送達において、これまでに得られていた受容体選択性が欠如することにより制限される。
【0008】
Gタンパク質共役型受容体薬物の発見における革新的アプローチは、この制限を克服する助けとなり得る。アロステリック調節は、アロステリック部位と呼ばれる受容体タンパク質の別個の部位に結合することによって、分子が内在性リガンドの効果を増強する(正の調節)または低減(負の調節)する能力にある。5つのMCRの間で、アロステリック領域の保存が少ないため、より高い選択性が予想されており、実際に、MC4Rにおけるアロステリック調節因子は、肥満治療のために現在開発中である。
【0009】
治療上の重要な関心を示す別の新規概念は、バイアス型アゴニスト作用のものである。受容体が2つの特有の立体配座(すなわち、活性な立体配座と不活性な立体配座)で存在し得るというこれまでの概念は、複数の活性立体配座が存在し得、それぞれの立体配座が、複数の機能的結果をもたらす別のシグナルを生成するという概念に取って代わられている。受容体の活性化は、線形及び静的ではなく、高度に動的かつ多次元のプロセスとして生じ、このプロセスでは、活性な立体配座の多様性が、異なる分子によって誘導され、これにより、明確な効果がもたらされ得る。
【0010】
低分子AP1189((E)-N-トランス-{3-[1-(2-ニトロフェニル)-1H-ピロール-2-イル]-アリリデン}-アミノグアニジウム酢酸塩)は、受容体MC1R及びMC3Rにおいて、バイアス型アゴニストとして特徴づけられており、バイアス型アゴニストは、カノニカルcAMP生成を誘導しないが、マウス初代マクロファージ内で誘発されるエフェロサイトーシス誘発性効果に関与するシグナル伝達であるERK1/2リン酸化を引き起こす。AP1189は、マクロファージでのサイトカイン放出を減少させることが示されたが、メラニン生成は、メラノサイト中ではAP1189によって誘導されなかった。インビボでは、AP1189が腹膜炎における抗炎症作用を誘発し、分解段階を加速し、実験的炎症性関節炎における関節破壊の肉眼的及び組織学的パラメータを大幅に低下させることが示されている。関節炎のマウスモデルにおけるAP1189とメトトレキサート(MTX)の相乗効果は以前に実証されている(WO2020/229297)。したがって、AP1189は、メラニン生成に対する効果の欠如と共に抗炎症特性を有するMC1R及びMC3Rでのバイアス型二重アゴニストである。
【発明の概要】
【0011】
活動性関節疾患を有する早期関節リウマチ(RA)患者を対象に、AP1189による治療の安全性、忍容性、有効性を検討する二重盲検、多施設、2部構成、ランダム化、プラセボ対照試験が実施された。研究対象集団は、メトトレキサート(MTX)による漸増投与を開始する、重度の活動性関節リウマチ(臨床疾患活動性スコア、CDAI、>22)と新たに診断された対象で構成されている。患者は、50mgまたは100mgのAP1189(酢酸塩、それぞれ41.5mg及び83mgのAP1189遊離塩基に相当)、あるいはプラセボを投与されるように無作為に割り付けられた。
【0012】
本明細書に提示されるデータは、MTX関連またはMTX誘発性のトランスアミナーゼ上昇に対するAP1189の顕著で用量依存的な効果を示している。50mgの投与量ではAP1189(酢酸塩)はMTX関連トランスアミナーゼ上昇を低下させなかったが、100mgの投与量ではAP1189はMTX関連トランスアミナーゼ上昇を完全に解消し、同時にCDAIの低下として示されるように関節リウマチの治療に有効性を示した。
【0013】
本開示の一態様は、以下を含むパーツキットを提供することである:
a. 毎日(1日1回など)投与のための、41.5mgを超える、例えば少なくとも50mg、例えば少なくとも62mg、例えば少なくとも75mgの式(I)の化合物:
【化1】
(それらの互変異性体及び立体異性体を含む)またはその薬学的に許容される誘導体、
及び
b. 週1回投与のための、5~30mgのメトトレキサート(MTX)、
任意選択で
c. 1週間あたり少なくとも5mgまたはそれに相当する量の葉酸。
【0014】
また、本開示の一態様は、関節リウマチの治療に使用するために、式(I)の化合物を提供することである:
(それらの互変異性体及び立体異性体を含む)またはその薬学的に許容される誘導体、
前記化合物はメトトレキサート(MTX)とともに投与されることとなっており、
前記化合物は、1日41.5mgを超える投与量、例えば少なくとも1日50mg、例えば少なくとも1日62mg、例えば少なくとも1日75mg、例えば1日1回投与され、前記MTXは、週1回5~30mgの投与量で投与される。
【0015】
また、本開示の一態様は、関節リウマチの治療に使用するために、MTXと式(I)の化合物(その互変異性体及び立体異性体を含む)またはその薬学的に許容される誘導体とを含む組み合わせを提供することである:
前記化合物は、1日41.5mgを超える投与量、例えば1日50mg、例えば少なくとも1日少なくとも62mg、例えば少なくとも1日75mg、例えば1日1回投与され、前記MTXは、週1回5~30mgの投与量で投与される。
【0016】
いくつかの実施形態では、前記治療により、アラニンアミノトランスフェラーゼ(ALAT)を含むアミノトランスフェラーゼの上昇は本質的に生じない。
【0017】
いくつかの実施形態では、前記治療は、アラニンアミノトランスフェラーゼ(ALAT)を含むアミノトランスフェラーゼのMTX誘発性上昇を軽減または消失させる。
【0018】
いくつかの実施形態では、前記関節リウマチは重度の活動性関節リウマチであり、例えば、関節リウマチはCDAI>22の関節リウマチである。
【0019】
いくつかの実施形態では、前記化合物は、(E)-N-トランス-{3-[1-(2-ニトロフェニル)-1H-ピロール-2-イル]-アリリデン}-アミノグアニジン、またはその薬学的に許容される誘導体もしくは塩である。
【0020】
いくつかの実施形態では、前記化合物は(E)-N-トランス-{3-[1-(2-ニトロフェニル)-1H-ピロール-2-イル]-アリリデン}-アミノグアニジニウム酢酸塩である。
【0021】
いくつかの実施形態では、前記化合物は(E)-N-トランス-{3-[1-(2-ニトロフェニル)-1H-ピロール-2-イル]-アリリデン}-アミノグアニジニウムコハク酸塩である。
【0022】
定義
本文脈における「薬学的に許容される誘導体」という用語は、患者に有害ではない塩を示す、薬学的に許容される塩を含む。そのような塩としては、薬学的に許容される塩基または酸付加塩、ならびに薬学的に許容される金属塩、アンモニウム塩、及びアルキル化アンモニウム塩が挙げられる。薬学的に許容される誘導体は、生物学的に活性化合物に代謝され得る化合物のエステル及びプロドラッグ、もしくは他の前駆体、または化合物の結晶形態をさらに含む。
【0023】
「酸付加塩」という用語は、患者に有害ではない塩類を示す「薬学的に許容される酸付加塩」を含むことを意図したものである。酸付加塩類としては、無機酸類及び有機酸類の塩類が挙げられる。薬学的に許容される無機酸付加塩または有機酸付加塩類の例として、J.Pharm.Sci.66,2,(1977)に列挙されている薬学的に許容される塩類が挙げられ、これは参照により本明細書に組み込まれる。
【0024】
AP1189、及びAP1189((E)-N-[1-(2-ニトロフェニル)-1-H-ピロール-2-イル-アリリデンアミノ]-グアニジン)の薬学的に許容される塩(その互変異性体形態及び異性体形態を含む)への言及は、そのような塩の非晶質形態及びあらゆる多形(結晶)形態を包含することを意味する。当業者であれば、AP1189塩の多形形態を調製する方法を知っている。AP1189の薬学的に許容される塩の多形形態は、PCT/EP2022/066884に開示されている。
【0025】
本明細書で使用される場合、化合物の「治療有効量」という用語は、所与の疾患または障害及びその合併症の臨床症状を治癒、緩和、予防、そのリスクの低減、または部分的に阻止するのに十分な量を指す。これを達成するのに十分な量を「治療有効量」と定義する。目的ごとに有効な量は、疾患または損傷の重症度、ならびに対象の体重及び一般的な状態に依存するであろう。適切な投与量の決定は、すべて訓練を受けた医師または獣医師の通常の技能の範囲内である、値のマトリックスを構築し、マトリックス内の異なる点を試験することによる日常的な実験方法を使用して達成できることが理解されよう。本明細書では、「量」と「投与量」は交換可能に使用され得る。
【0026】
本明細書で言及される場合、「おおよそ」及び「約」という用語は同義である。いくつかの実施形態では、「おおよそ」及び「約」は、列挙された量、値、または持続時間の±5%、±4.5%、±4%、±3.5%、±3%、±2.5%、±2%、±1.75%、±1.5%、±1.25%、±1%、±0.9%、±0.8%、±0.7%、±0.6%、±0.5%、±0.4%、±0.3%、±0.2%、±0.1%、±0.09%、±0.08%、±0.07%、±0.06%、±0.05%、±0.04%、±0.03%、±0.02%、または±0.01%を指す。いくつかの実施形態では、「おおよそ」及び「約」は、列挙された量、値、または持続時間の±2.5%、±2%、±1.75%、±1.5%、±1.25%、±1%、±0.9%、±0.8%、±0.7%、±0.6%、±0.5%を指す。いくつかの実施形態では、「おおよそ」及び「約」は、列挙された量、値、または持続時間の±1%を指す。いくつかの実施形態では、「おおよそ」及び「約」は、列挙された量、値、または持続時間の±0.5%を指す。いくつかの実施形態では、「おおよそ」及び「約」は、列挙された量、値、または持続時間の±0.1%を指す。
【0027】
本明細書で使用される場合、「治療」及び「治療すること」という用語は、状態、疾患、または障害と闘う目的のための患者の管理及びケアを指す。この用語は、患者が患っている所与の状態に対する治療の全範囲を含むことを意図したものである。治療される患者は、好ましくは、哺乳動物、特に、ヒトである。しかしながら、マウス、ラット、イヌ、ネコ、ウマ、ウシ、ヒツジ、ブタなどの動物の治療も、本文脈の範囲内である。治療を受ける患者は種々の年齢の対象であってよい。
【0028】
本明細書で使用される場合、「寛解」という用語は、関節炎の兆候及び症状の軽減または消失を指す。寛解は一時的または永続的であってよい。部分的な寛解は関節炎疾患の兆候及び症状の軽減であり、一方、完全寛解は関節炎疾患の兆候及び症状の消失として本明細書では理解される。
【発明を実施するための形態】
【0029】
本発明者らは、特定の投与量でAP1189とMTXを組み合わせて投与すると、関節リウマチの治療において改善された特性を示すことを観察した。特に、最適な投与レジメンにより有害作用のリスクが大幅に軽減される。
【0030】
パーツキット
本開示の一態様は、以下を含むパーツキットを提供することである:
a. 毎日(1日1回など)投与のための、41.5mgを超える、例えば少なくとも50mg、例えば少なくとも62mgの式(I)の化合物:
【化2】
(それらの互変異性体及び立体異性体を含む)またはその薬学的に許容される誘導体、
及び
b. 週1回投与のための、約5~約30mgのメトトレキサート(MTX)。
【0031】
本開示の一態様は、以下を含むパーツキットを提供することである:
a. 毎日(1日1回など)投与のための、約75mgの式(I)の化合物:
【化3】
(それらの互変異性体及び立体異性体を含む)またはその薬学的に許容される誘導体、
及び
b. 週1回投与のための、約5~約30mgのメトトレキサート(MTX)。
【0032】
別途示されない限り、本開示の化合物の投与量は、遊離塩基(特定の塩形態ではない)として計算されることが理解される。
【0033】
いくつかの実施形態では、前記パーツキットは葉酸をさらに含む。
【0034】
いくつかの実施形態では、前記パーツキットは、例えば週当たり投与用に、週当たり少なくとも約5mgの葉酸をさらに含む。
【0035】
いくつかの実施形態では、前記パーツキットは、例えば週当たり投与用に、週当たり少なくとも約1~約10mgの葉酸をさらに含む。
【0036】
いくつかの実施形態では、前記パーツキットは、例えば週当たり投与用に、週当たり約5mgの葉酸をさらに含む。
【0037】
いくつかの実施形態では、前記葉酸は週1回投与される。いくつかの実施形態では、前記葉酸は、1日投与量で投与される。
【0038】
いくつかの実施形態では、前記パーツキットは使用説明書をさらに含む。
【0039】
いくつかの実施形態では、前記パーツキットは、関節リウマチの治療に使用される。
【0040】
併用療法
本開示の一態様は、関節リウマチの治療に使用するため、式(I)の化合物を提供することである:
【化4】
(それらの互変異性体及び立体異性体を含む)またはその薬学的に許容される誘導体、
前記化合物はメトトレキサート(MTX)とともに投与されることとなっており、
前記化合物は、1日41.5mgを超える投与量、例えば少なくとも1日約50mg、例えば少なくとも1日約62mg、例えば少なくとも1日約75mg、例えば1日1回投与され、前記MTXは、週1回約5~約30mgの投与量で投与される。
【0041】
本開示の一態様は、関節リウマチの治療に使用するため、式(I)の化合物を提供することである:
【化5】
(それらの互変異性体及び立体異性体を含む)またはその薬学的に許容される誘導体、
前記化合物はメトトレキサート(MTX)とともに投与されることとなっており、
ここで、前記化合物は、少なくとも1日約75mgの投与量で、例えば1日1回投与され、
前記MTXは、約5~約30mgの投与量で週1回投与される。
【0042】
本明細書では、「投与されることとなっている」及び「投与される」という用語は交換可能に使用され得る。
【0043】
また、本開示の一態様は、関節リウマチの治療に使用するための、メトトレキサート(MTX)と式(I)の化合物との組み合わせを提供することである:
【化6】
(それらの互変異性体及び立体異性体を含む)またはその薬学的に許容される誘導体、
前記化合物は、1日41.5mgを超える投与量、例えば少なくとも1日約50mg、例えば少なくとも1日約62mg、例えば少なくとも1日約75mg、例えば1日1回投与され、
前記MTXは、約5~約30mgの投与量で週1回投与される。
【0044】
また、本開示の一態様は、関節リウマチの治療に使用するための、メトトレキサート(MTX)と式(I)の化合物との組み合わせを提供することである:
【化7】
(それらの互変異性体及び立体異性体を含む)またはその薬学的に許容される誘導体、
ここで、前記化合物は、少なくとも1日約75mgの投与量で、例えば1日1回投与され、
前記MTXは、約5~約30mgの投与量で週1回投与される。
【0045】
また、関節リウマチの治療のための医薬品の製造のための、メトトレキサート(MTX)と式(I)の化合物との組み合わせも提供される:
【化8】
(それらの互変異性体及び立体異性体を含む)またはその薬学的に許容される誘導体、
前記化合物は、1日41.5mgを超える投与量、例えば少なくとも1日約50mg、例えば少なくとも1日約62mg、例えば少なくとも1日約75mg、例えば1日1回投与されることとなっており、
前記MTXは、約5~約30mgの投与量で週1回投与されることとなっている。
【0046】
また、関節リウマチの治療のための医薬品の製造のための、メトトレキサート(MTX)と式(I)の化合物との組み合わせも提供される:
【化9】
(それらの互変異性体及び立体異性体を含む)またはその薬学的に許容される誘導体、
ここで、前記化合物は、少なくとも1日約75mgの投与量で、例えば1日1回投与されることとなっており、
前記MTXは、約5~約30mgの投与量で週1回投与されることとなっている。
【0047】
また、関節リウマチを治療する方法が提供され、前記方法は、式(I)の化合物を投与する1つ以上のステップを含む:
【化10】
(それらの互変異性体及び立体異性体を含む)またはその薬学的に許容される誘導体
さらに、メトトレキサート(MTX)を、それを必要とする個体に投与する1つ以上のステップを含み、
前記化合物は、1日41.5mgを超える投与量、例えば少なくとも1日約50mg、例えば少なくとも1日約62mg、例えば少なくとも1日約75mg、例えば1日1回投与され、
前記MTXは、約5~約30mgの投与量で週1回投与される。
【0048】
また、関節リウマチを治療する方法が提供され、前記方法は、式(I)の化合物を投与する1つ以上のステップを含む:
【化11】
(それらの互変異性体及び立体異性体を含む)またはその薬学的に許容される誘導体
さらに、メトトレキサート(MTX)を、それを必要とする個体に投与する1つ以上のステップを含み、
ここで、前記化合物は、少なくとも1日約75mgの投与量で、例えば1日1回投与され、
前記MTXは、約5~約30mgの投与量で週1回投与される。
【0049】
本開示のいくつかの実施形態では、1つ以上のアミノトランスフェラーゼの上昇が低減または解消される。
【0050】
本開示のいくつかの実施形態では、1つ以上のアミノトランスフェラーゼのMTX誘発性上昇が低減または解消される。
【0051】
本開示のいくつかの実施形態では、MTX誘発性のアラニンアミノトランスフェラーゼ/アラニントランスアミナーゼ(ALAT)の上昇が軽減または解消される。
【0052】
本開示のいくつかの実施形態では、アラニンアミノトランスフェラーゼ/アラニントランスアミナーゼ(ALAT)の上昇が軽減または解消される。
【0053】
本開示のいくつかの実施形態では、アラニンアミノトランスフェラーゼ/アラニントランスアミナーゼ(ALAT)などのアミノトランスフェラーゼのMTX誘導性上昇は起こらず、及び/または観察されない。
【0054】
本開示のいくつかの実施形態では、アラニンアミノトランスフェラーゼ/アラニントランスアミナーゼ(ALAT)などのアミノトランスフェラーゼは起こらず、及び/または観察されず、または本質的に起こらず、及び/または本質的に観察されない。
【0055】
いくつかの実施形態では、関節リウマチの治療に使用するために、式(I)の化合物(その互変異性体及び立体異性体形態を含む)またはその薬学的に許容される誘導体が提供され、前記化合物はメトトレキサート(MTX)とともに投与されることとなっており、
前記化合物は、1日41.5mgを超える投与量、例えば少なくとも1日約50mg、例えば少なくとも1日約62mg、例えば少なくとも1日約75mg、例えば1日1回投与され、
前記MTXは、約5~約30mgの投与量で週1回投与され、
ここで、ALATどの1つ以上のアミノトランスフェラーゼの上昇が低減または消失し、例えば、ALATなどの1つ以上のアミノトランスフェラーゼのMTX誘発性の上昇が低減または消失する。
【0056】
いくつかの実施形態では、関節リウマチの治療に使用するために、式(I)の化合物(その互変異性体及び立体異性体形態を含む)またはその薬学的に許容される誘導体が提供され、前記化合物はメトトレキサート(MTX)とともに投与されることとなっており、
前記化合物は、1日41.5mgを超える投与量、例えば少なくとも1日約50mg、例えば少なくとも1日約62mg、例えば少なくとも1日約75mg、例えば1日1回投与され、
前記MTXは、約5~約30mgの投与量で週1回投与され、
ここで、ALATなどのアミノトランスフェラーゼの上昇は起こらず、及び/または観察されず、または本質的に起こらず、及び/または本質的に観察されず;ここで、ALATなどのアミノトランスフェラーゼのMTX誘発性の上昇は起こらず、及び/または観察されない。
【0057】
本開示のいくつかの実施形態では、1つ以上のアミノトランスフェラーゼ(ALATなど)のMTX誘発性上昇などの1つ以上のアミノトランスフェラーゼの上昇は3%未満である。
【0058】
本開示のいくつかの実施形態では、1つ以上のアミノトランスフェラーゼ(ALATなど)のMTX誘発性上昇などの1つ以上のアミノトランスフェラーゼの上昇は6%未満である。
【0059】
本開示のいくつかの実施形態では、1つ以上のアミノトランスフェラーゼの上昇、1つ以上のアミノトランスフェラーゼ、例えばALATのMTX誘発性上昇は、約0%、例えば約1%以下、例えば約2%以下、例えば3%未満、例えば約3%以下、例えば約4%以下、例えば約5%以下、例えば約6%未満、例えば約6%以下である。
【0060】
いくつかの実施形態では、関節リウマチの治療に使用するために、式(I)の化合物(その互変異性体及び立体異性体形態を含む)またはその薬学的に許容される誘導体が提供され、前記化合物はメトトレキサート(MTX)とともに投与されることとなっており、
前記化合物は、1日41.5mgを超える投与量、例えば少なくとも1日約50mg、例えば少なくとも1日約62mg、例えば少なくとも1日約75mg、例えば1日1回投与され、
前記MTXは、約5~約30mgの投与量で週1回投与され、
1つ以上のアミノトランスフェラーゼ、例えばALATの上昇、例えば1つ以上のアミノトランスフェラーゼ、例えばALATのMTX誘発性上昇は、約0%、例えば約1%以下、例えば約2%以下、例えば3%未満、例えば約3%以下、例えば約4%以下、例えば約5%以下、例えば約6%未満、例えば約6%以下である。
【0061】
また、関節リウマチの対象におけるアラニンアミノトランスフェラーゼ/アラニントランスアミナーゼ(ALAT)などの1つ以上のアミノトランスフェラーゼのMTX誘発性上昇を軽減または消失させる方法が提供され、前記方法は、式(I)の化合物を投与する1つ以上のステップを含む:
【化12】
(それらの互変異性体及び立体異性体を含む)またはその薬学的に許容される誘導体、
さらに、メトトレキサート(MTX)を、それを必要とする個体に投与する1つ以上のステップを含み、
前記化合物は、1日41.5mgを超える投与量、例えば少なくとも1日約50mg、例えば少なくとも1日約62mg、例えば少なくとも1日約75mg、例えば1日1回投与され、
前記MTXは、約5~約30mgの投与量で週1回投与されることとなっている。
【0062】
化合物とMTX
本開示の一態様は、{3-[1-(2-ニトロフェニル)-1H-ピロール-2-イル]-アリリデン}-アミノグアニジン及び(E)-N-トランス-{3-[1-(2-ニトロフェニル)-1H-ピロール-2-イル]-アリリデン}-アミノグアニジンからなる群から選択される化合物、またはその薬学的に許容される塩を、関節リウマチの治療に使用することを提供し、
前記化合物はメトトレキサート(MTX)とともに投与されることとなっており、
前記化合物は、1日41.5mgを超える投与量、例えば少なくとも1日約50mg、例えば少なくとも1日約62mg、例えば少なくとも1日約75mg、例えば1日1回投与され、
前記MTXは、5~30mgの投与量で週1回投与される。
【0063】
本開示の一態様は、{3-[1-(2-ニトロフェニル)-1H-ピロール-2-イル]-アリリデン}-アミノグアニジン及び(E)-N-トランス-{3-[1-(2-ニトロフェニル)-1H-ピロール-2-イル]-アリリデン}-アミノグアニジンからなる群から選択される化合物、またはその薬学的に許容される塩を、関節リウマチの治療に使用することを提供し、
前記化合物はメトトレキサート(MTX)とともに投与されることとなっており、
ここで、前記化合物は、少なくとも1日75mgの投与量で、例えば1日1回投与され、
前記MTXは、5~30mgの投与量で週1回投与される。
【0064】
本開示の一態様は、MTXと{3-[1-(2-ニトロフェニル)-1H-ピロール-2-イル]-アリリデン}-アミノグアニジン及び(E)-N-トランス-{3-[1-(2-ニトロフェニル)-1H-ピロール-2-イル]-アリリデン}-アミノグアニジンからなる群から選択される化合物、またはその薬学的に許容される塩の組み合わせを、関節リウマチの治療に使用することを提供し、
前記化合物は、1日41.5mgを超える投与量、例えば少なくとも1日約50mg、例えば少なくとも1日約62mg、例えば少なくとも1日約75mg、例えば1日1回投与され、
前記MTXは、5~30mgの投与量で週1回投与される。
【0065】
本開示の一態様は、MTXと{3-[1-(2-ニトロフェニル)-1H-ピロール-2-イル]-アリリデン}-アミノグアニジン及び(E)-N-トランス-{3-[1-(2-ニトロフェニル)-1H-ピロール-2-イル]-アリリデン}-アミノグアニジンからなる群から選択される化合物、またはその薬学的に許容される塩の組み合わせを、関節リウマチの治療に使用することを提供し、
ここで、前記化合物は、少なくとも1日75mgの投与量で、例えば1日1回投与され、
前記MTXは、5~30mgの投与量で週1回投与される。
【0066】
本開示のいくつかの実施形態では、前記化合物は、{3-[1-(2-ニトロフェニル)-1H-ピロール-2-イル]-アリリデン}-アミノグアニジン、またはその薬学的に許容される誘導体である。
【0067】
本開示のいくつかの実施形態では、前記化合物は、(E)-N-トランス-{3-[1-(2-ニトロフェニル)-1H-ピロール-2-イル]-アリリデン}-アミノグアニジン、またはその薬学的に許容される誘導体である。
【0068】
本開示のいくつかの実施形態では、薬学的に許容される誘導体は薬学的に許容される塩である。
【0069】
本開示のいくつかの実施形態では、前記化合物は、(E)-N-トランス-{3-[1-(2-ニトロフェニル)-1H-ピロール-2-イル]-アリリデン}-アミノグアニジン、またはその薬学的に許容される塩である。
【0070】
本開示のいくつかの実施形態では、関節リウマチの治療に使用するための化合物(E)-N-トランス-{3-[1-(2-ニトロフェニル)-1H-ピロール-2-イル]-アリリデン}-アミノグアニジン、またはその薬学的に許容される塩が提供され、前記化合物はメトトレキサート(MTX)とともに投与されることとなっており、
前記化合物は、1日41.5mgを超える投与量、例えば少なくとも1日約50mg、例えば少なくとも1日約62mg、例えば少なくとも1日約75mg、例えば1日1回投与され、
前記MTXは、5~30mgの投与量で週1回投与される。
【0071】
本開示のいくつかの実施形態では、関節リウマチの治療に使用するための化合物(E)-N-トランス-{3-[1-(2-ニトロフェニル)-1H-ピロール-2-イル]-アリリデン}-アミノグアニジン、またはその薬学的に許容される塩が提供され、前記化合物はメトトレキサート(MTX)とともに投与されることとなっており、
ここで、前記化合物は、少なくとも1日75mg(遊離塩基として計算)の投与量で、例えば1日1回投与され、
前記MTXは、5~30mgの投与量で週1回投与される。
【0072】
本開示のいくつかの実施形態では、その薬学的に許容される誘導体は、無機酸または有機酸の薬学的に許容される塩である。
【0073】
いくつかの実施形態では、本開示による有機酸の薬学的に許容される塩は、ギ酸、酢酸、トリクロロ酢酸、トリフルオロ酢酸、プロピオン酸、安息香酸、桂皮酸、クエン酸、フマル酸、グリコール酸、L-乳酸またはDL-乳酸などの乳酸、マレイン酸、リンゴ酸、マロン酸、DL-マンデル酸などのマンデル酸、シュウ酸、ピクリン酸、ピルビン酸、サリチル酸、コハク酸、メタンスルホン酸、エタンスルホン酸、酒石酸、アスコルビン酸、パモ酸、ビスメチレンサリチル酸、エタンジスルホン酸、グルコン酸、シトラコン酸、アスパラギン酸、ステアリン酸、パルミチン酸、EDTA、グリコール酸、p-アミノ安息香酸、グルタミン酸、ベンゼンスルホン酸(ベシル酸塩)、p-トルエンスルホン酸、馬尿酸、2-オキソグルタル酸または3-オキソグルタル酸などのオキソグルタル酸、グルタル酸、及びアジピン酸からなる群から選択される。
【0074】
特定の実施形態では、前記有機酸は酢酸、コハク酸、酒石酸またはプロピオン酸である。
【0075】
特定の実施形態では、前記有機酸は酢酸である。特定の実施形態では、前記有機酸はコハク酸である。
【0076】
いくつかの実施形態では、本開示による無機酸の薬学的に許容される塩は、塩酸、臭化水素酸、ヨウ化水素酸、リン酸、硫酸、及び硝酸からなる群から選択される。
【0077】
本開示のいくつかの実施形態では、前記化合物は以下からなる群から選択される:
(E)-N-[1-(2-ニトロフェニル)-1-H-ピロール-2-イル-アリリデンアミノ]-グアニジニウム酢酸塩(その互変異性体形態及び立体異性体形態を含む);
(E)-N-[1-(2-ニトロフェニル)-1-H-ピロール-2-イル-アリリデンアミノ]-グアニジニウムコハク酸塩(その互変異性体形態及び立体異性体形態を含む);
(E)-N-[1-(2-ニトロフェニル)-1-H-ピロール-2-イル-アリリデンアミノ]-グアニジンDL-マンデル酸塩(その互変異性体形態及び立体異性体形態を含む);
(E)-N-[1-(2-ニトロフェニル)-1-H-ピロール-2-イル-アリリデンアミノ]-グアニジン馬尿酸塩(その互変異性体形態及び立体異性体形態を含む);
(E)-N-[1-(2-ニトロフェニル)-1-H-ピロール-2-イル-アリリデンアミノ]-グアニジンL-乳酸塩(その互変異性体形態及び立体異性体形態を含む);
(E)-N-[1-(2-ニトロフェニル)-1-H-ピロール-2-イル-アリリデンアミノ]-グアニジニウムベシル酸塩(その互変異性体形態及び立体異性体形態を含む);
(E)-N-[1-(2-ニトロフェニル)-1-H-ピロール-2-イル-アリリデンアミノ]-グアニジニウムオキソグルタル酸塩(その互変異性体形態及び立体異性体形態を含む);
(E)-N-[1-(2-ニトロフェニル)-1-H-ピロール-2-イル-アリリデンアミノ]-グアニジンギ酸塩(その互変異性体形態及び立体異性体形態を含む);
(E)-N-[1-(2-ニトロフェニル)-1-H-ピロール-2-イル-アリリデンアミノ]-グアニジンDL-乳酸塩(その互変異性体形態及び立体異性体形態を含む);
(E)-N-[1-(2-ニトロフェニル)-1-H-ピロール-2-イル-アリリデンアミノ]-グアニジングルタル酸塩(その互変異性体形態及び立体異性体形態を含む);
(E)-N-[1-(2-ニトロフェニル)-1-H-ピロール-2-イル-アリリデンアミノ]-グアニジンアジピン酸塩(その互変異性体形態及び立体異性体形態を含む);及び
(E)-N-[1-(2-ニトロフェニル)-1-H-ピロール-2-イル-アリリデンアミノ]-グアニジニウム硝酸塩(その互変異性体形態及び立体異性体形態を含む)。
【0078】
本開示のいくつかの実施形態では、前記化合物は、{3-[1-(2-ニトロフェニル)-1H-ピロール-2-イル]-アリリデン}-アミノグアニジニウム酢酸塩及び(E)-N-トランス-{3-[1-(2-ニトロフェニル)-1H-ピロール-2-イル]-アリリデン}-アミノグアニジニウム酢酸塩からなる群から選択される。
【0079】
本開示のいくつかの実施形態では、前記化合物は、{3-[1-(2-ニトロフェニル)-1H-ピロール-2-イル]-アリリデン}-アミノグアニジニウムコハク酸塩及び(E)-N-トランス-{3-[1-(2-ニトロフェニル)-1H-ピロール-2-イル]-アリリデン}-アミノグアニジニウムコハク酸塩からなる群から選択される。
【0080】
本開示のいくつかの実施形態では、前記化合物は、(E)-N-トランス-{3-[1-(2-ニトロフェニル)-1H-ピロール-2-イル]-アリリデン}-アミノグアニジニウム酢酸塩及び(E)-N-トランス-{3-[1-(2-ニトロフェニル)-1H-ピロール-2-イル]-アリリデン}-アミノグアニジニウムコハク塩からなる群から選択される。
【0081】
本開示の好ましい実施形態では、前記化合物は、(E)-N-トランス-{3-[1-(2-ニトロフェニル)-1H-ピロール-2-イル]-アリリデン}-アミノグアニジニウム酢酸塩及び(E)-N-トランス-{3-[1-(2-ニトロフェニル)-1H-ピロール-2-イル]-アリリデン}-アミノグアニジニウムコハク塩からなる群から選択される。
【0082】
本開示のいくつかの実施形態では、前記化合物は、(E)-N-トランス-{3-[1-(2-ニトロフェニル)-1H-ピロール-2-イル]-アリリデン}-アミノグアニジニウム酢酸塩(「AP1189」)である:
【化13】
本開示のいくつかの実施形態では、前記化合物は、(E)-N-トランス-{3-[1-(2-ニトロフェニル)-1H-ピロール-2-イル]-アリリデン}-アミノグアニジニウムコハク酸塩である:
【化14】
いくつかの実施形態では、本開示によるAP1189の薬学的に許容される塩は、AP1189の薬学的に許容される塩の結晶または多形体である。多形体は、PCT/EP2022/066884において調製及び開示されており、その開示は、参照により本明細書に組み込まれる。
【0083】
いくつかの実施形態では、本開示によるAP1189の薬学的に許容される塩は、以下からなる群から選択されるAP1189の薬学的に許容される塩の結晶形態または多形体である:AP1189酢酸塩、AP1189コハク酸塩、AP1189のDL-マンデル酸塩、AP1189の馬尿酸塩、AP1189のL-乳酸塩、AP1189のベシル酸塩、AP1189のオキソグルタル酸塩、AP1189のギ酸塩、AP1189のDL-乳酸塩、AP1189のグルタル酸塩、AP1189のアジピン酸塩、及びAP1189の硝酸塩。
【0084】
本開示のいくつかの実施形態では、関節リウマチの治療に使用するための、(E)-N-トランス-{3-[1-(2-ニトロフェニル)-1H-ピロール-2-イル]-アリリデン}-アミノグアニジニウム酢酸塩(「AP1189」)及び(E)-N-トランス-{3-[1-(2-ニトロフェニル)-1H-ピロール-2-イル]-アリリデン}-アミノグアニジニウムコハク酸塩からなる群から選択される化合物が提供され、
前記化合物はメトトレキサート(MTX)とともに投与されることとなっており、
前記化合物は、1日41.5mgを超える投与量、例えば少なくとも1日約50mg、例えば少なくとも1日約62mg、例えば少なくとも1日約75mg、例えば1日1回投与され、
前記MTXは、5~30mgの投与量で週1回投与される。
【0085】
本開示のいくつかの実施形態では、関節リウマチの治療に使用するための、(E)-N-トランス-{3-[1-(2-ニトロフェニル)-1H-ピロール-2-イル]-アリリデン}-アミノグアニジニウム酢酸塩(「AP1189」)及び(E)-N-トランス-{3-[1-(2-ニトロフェニル)-1H-ピロール-2-イル]-アリリデン}-アミノグアニジニウムコハク塩からなる群から選択される化合物が提供され、
前記化合物はメトトレキサート(MTX)とともに投与されることとなっており、
ここで、前記化合物は、少なくとも1日75mg(遊離塩基として計算)の投与量で、例えば1日1回投与され、
前記MTXは、5~30mgの投与量で週1回投与される。
【0086】
いくつかの実施形態では、本開示は、関節リウマチの治療に使用するための、本明細書で定義される式(I)の化合物がMTXと組み合わせて提供され、
前記化合物は、1日41.5mgを超える投与量、例えば少なくとも1日約50mg、例えば少なくとも1日約62mg、例えば少なくとも1日約75mg、例えば1日1回投与され、前記MTXは、週1回5~30mgの投与量で投与され、
ここで、MTX及び前記化合物による治療は、本質的に同時に開始される。
【0087】
いくつかの実施形態では、本開示は、関節リウマチの治療に使用するための、本明細書で定義される式(I)の化合物がMTXと組み合わせて提供され、
前記化合物は、少なくとも1日75mg、例えば1日1回投与され、前記MTXは、週1回5~30mgの投与量で投与され、
ここで、MTX及び前記化合物による治療は、本質的に同時に開始される。
【0088】
いくつかの実施形態では、関節リウマチの対象は、本開示の化合物との併用治療の前にMTXを投与されていない。
【0089】
いくつかの実施形態では、関節リウマチの対象は、本開示の化合物による治療を開始する前には、MTX治療を受けたことがない。
【0090】
いくつかの実施形態では、関節リウマチの対象は、本開示の化合物との併用治療の前にMTXを投与されていた。
【0091】
いくつかの実施形態では、MTXによる治療は、前記化合物による治療の前に開始される。
【0092】
本開示のいくつかの実施形態では、前記MTXは、メトトレキサート(全身)、メトトレキサート(経口)、メトトレキサート錠剤、メトトレキサート経口液、メトトレキサート(注射剤)、メトトレキサートナトリウム、メトトレキサートLPFナトリウム、トレキサール(Trexall)(Xatmep)、リウマトレックス、ラスヴォ(Rasuvo)、オトレックスアップ(Otrexup)、オールトレックス(Alltrex)、ベルトラックス(Beltrax)、ビオトレキサート(Biotrexate)、カジトレックス(Caditrex)、カージトレックス(Carditrex)、サイトトレックス(Cytotrex)、ダーモトレックス(Dermotrex)、フォリトラックス(Folitrax)、HI-トレックス(HI-Trex)、イムトレックス(Imutrex)、メレックス(Merex)、メトシップ(Methocip)、メトレックス(Methorex)、メトトレキサート、メトレックス(Metorex)、メトレックス(Metrex)、メキサート(Mexate)、MTX-Korea、ネオトレキサート(Neotrexate)、ニドトレックス(Nidtrex)、オンコトレックス(Oncotrex)、オノトレックス(Onotrex)、プラストメット(Plastomet)、レムトレックス(Remtrex)、レックストップ(Rextop)、ロキサート(Roxate)、テバトレックス(Tevatrex)、スロテックス(Throtex)、トレックス(Trex)、ティクシレム(Thixilem)、ヴィブジ(Vibzi)、ゼクサート(Zexate)からなる群から選択される。
【0093】
葉酸
本開示のいくつかの実施形態では、関節リウマチの治療に使用するための本明細書に開示される化合物が提供され、前記化合物はメトトレキサート(MTX)とともに投与されることとなっており、
前記化合物は、1日41.5mgを超える投与量、例えば少なくとも1日約50mg、例えば少なくとも1日約62mg、例えば少なくとも1日約75mg、例えば1日1回投与され、前記MTXは、週1回5~30mgの投与量で投与され、
前記化合物は、葉酸またはその同等物とともに投与される。
【0094】
本開示のいくつかの実施形態では、関節リウマチの治療に使用するための本明細書に開示される化合物が提供され、前記化合物はメトトレキサート(MTX)とともに投与されることとなっており、
前記化合物は、少なくとも1日75mg、例えば1日1回投与され、前記MTXは、週1回5~30mgの投与量で投与され、
前記化合物は、葉酸またはその同等物とともに投与される。
【0095】
いくつかの実施形態では、前記葉酸は、1週間あたり約1~10mgの葉酸、例えば1週間あたり約5mgの葉酸、例えば1週間あたり少なくとも5mgの葉酸で投与される。
【0096】
本開示のいくつかの実施形態では、関節リウマチの治療に使用するための、MTX、葉酸、及び本明細書に開示される化合物が提供され、前記化合物はメトトレキサート(MTX)とともに投与されることとなっており、
前記化合物は、1日41.5mgを超える投与量、例えば少なくとも1日約50mg、例えば少なくとも1日約62mg、例えば少なくとも1日約75mg、例えば1日1回投与され、
前記MTXは、5~30mgの投与量で週1回投与され、
前記葉酸は、1週間あたり少なくとも5mgの葉酸の投与量で投与される。
【0097】
本開示のいくつかの実施形態では、関節リウマチの治療に使用するための、MTX、葉酸、及び本明細書に開示される化合物が提供され、前記化合物はメトトレキサート(MTX)とともに投与されることとなっており、
ここで、前記化合物は、少なくとも1日75mgの投与量で、例えば1日1回投与され、
前記MTXは、5~30mgの投与量で週1回投与され、
前記葉酸は、1週間あたり少なくとも5mgの葉酸の投与量で投与される。
【0098】
いくつかの実施形態では、前記葉酸は週1回投与される。
【0099】
いくつかの実施形態では、前記葉酸は、1日投与量で投与される。
【0100】
投与量
AP1189
本開示のいくつかの実施形態では、関節リウマチの治療に使用するための本明細書に開示される化合物が提供され、前記化合物はメトトレキサート(MTX)とともに投与されることとなっており、
前記化合物は、1日当たり41.5mgを超える投与量で、例えば1日1回投与され、前記投与量は遊離塩基として計算される。
【0101】
遊離塩基41.5mgの投与量は、本発明の化合物の酢酸塩約50mgに相当する。
【0102】
いくつかの実施形態では、前記化合物は、少なくとも42mg、例えば少なくとも43mg、例えば少なくとも44mg、例えば少なくとも約45mg、例えば少なくとも約46mg、例えば少なくとも約47mg、例えば少なくとも約48mg、例えば少なくとも約49mg(遊離塩基として計算)の1日投与量で投与される。
【0103】
本開示のいくつかの実施形態では、関節リウマチの治療に使用するための本明細書に開示される化合物が提供され、前記化合物はメトトレキサート(MTX)とともに投与されることとなっており、
前記化合物は、少なくとも1日約50mgの投与量で、例えば1日1回投与され、前記投与量は遊離塩基として計算される。
【0104】
遊離塩基50mgの投与量は、酢酸塩約60mgに相当する。
【0105】
いくつかの実施形態では、前記化合物は、少なくとも約50mg、例えば少なくとも約55mg、例えば少なくとも約60mg、例えば少なくとも約62mg、例えば少なくとも約65mg、例えば少なくとも約70mg、例えば少なくとも約75mg(遊離塩基として計算)の1日投与量で投与される。
【0106】
いくつかの実施形態では、前記化合物は、約50mg以上の1日投与量(遊離塩基として計算)で投与される。
【0107】
いくつかの実施形態では、前記化合物は、42~45mg、例えば45~50mg、例えば50~55mg、例えば55~60mg、例えば60~62mg、例えば62~65mg、例えば65~70mg、例えば70~75mg(遊離塩基として計算)の1日投与量で投与される。
【0108】
本開示のいくつかの実施形態では、関節リウマチの治療に使用するための本明細書に開示される化合物が提供され、前記化合物はメトトレキサート(MTX)とともに投与されることとなっており、
ここで、前記化合物は、少なくとも1日約75mgの投与量で、例えば1日1回投与される。
【0109】
いくつかの実施形態では、前記化合物は、少なくとも約75mgの投与量で、例えば1日1回投与され、前記投与量は酢酸塩として計算される(約62mgの遊離塩基に相当)。
【0110】
いくつかの実施形態では、前記化合物は、少なくとも約75mgの投与量で、例えば1日1回投与され、前記投与量は遊離塩基として計算される(約90mgの酢酸塩に相当)。
【0111】
いくつかの実施形態では、前記化合物は、約75mg以上の1日投与量で投与される。
【0112】
いくつかの実施形態では、化合物は、{3-[1-(2-ニトロフェニル)-1H-ピロール-2-イル]-アリリデン}-アミノグアニジン、例えば(E)-N-トランス-{3-[1-(2-ニトロフェニル)-1H-ピロール-2-イル]-アリリデン}-アミノグアニジン、またはその薬学的に許容される塩、例えば(E)-N-トランス-{3-[1-(2-ニトロフェニル)-1H-ピロール-2-イル]-アリリデン}-アミノグアニジニウム酢酸塩または(E)-N-トランス-{3-[1-(2-ニトロフェニル)-1H-ピロール-2-イル]-アリリデン}-アミノグアニジニウムコハク酸塩である。
【0113】
ここで使用される投与量は、別途明記しない限り、AP1189の遊離塩基として計算される。例えば、実施例で使用されている100mgの(E)-N-トランス-{3-[1-(2-ニトロフェニル)-1H-ピロール-2-イル]-アリリデン}-アミノグアニジニウム酢酸塩は、約83mgの(E)-N-トランス-{3-[1-(2-ニトロフェニル)-1H-ピロール-2-イル]-アリリデン}-アミノグアニジン(遊離塩基)に相当する。
【0114】
明確にするために、約100mgのAP1189を含む製剤は、約120mgのAP1189酢酸塩を含む。
【0115】
明確にするために、約100mgのAP1189を含む製剤は、約140mgのAP1189コハク酸塩を含む。
【0116】
いくつかの実施形態では、前記化合物は、少なくとも1日約75mgの投与量(遊離塩基として計算)で投与される。いくつかの実施形態では、前記化合物は、少なくとも約75mgの1日投与量で投与される。これらの用語は、本細書で交換可能に使用される。
【0117】
いくつかの実施形態では、前記化合物は、少なくとも1日75mgの投与量で投与され、この投与量は1日1回の投与量で投与される。
【0118】
いくつかの実施形態では、前記化合物は、1日1回41.5mgを超える投与量、例えば1日1回少なくとも約50mg、例えば1日1回少なくとも約62mg、例えば1日1回少なくとも約75mgの投与量で投与される。
【0119】
いくつかの実施形態では、前記化合物は、1日1回少なくとも約75mgの投与量で投与される。
【0120】
いくつかの実施形態では、前記化合物は、1日41.5mgを超える用量、例えば少なくとも1日約50mg、例えば少なくとも1日約62mg、例えば少なくとも1日約75mgの投与量で投与され、この投与量は1日2回または1日3回の投与量に分割される。
【0121】
いくつかの実施形態では、前記化合物は、少なくとも1日75mgの投与量で投与され、この投与量は、1日2回または1日3回の投与量に分割される。
【0122】
いくつかの実施形態では、前記化合物は、少なくとも1日83mg(遊離塩基として計算)の投与量で、例えば1日1回投与される。
【0123】
いくつかの実施形態では、前記化合物は、1日約83mg(遊離塩基として計算)の投与量で、例えば1日1回投与される。
【0124】
いくつかの実施形態では、前記化合物は、(E)-N-トランス-{3-[1-(2-ニトロフェニル)-1H-ピロール-2-イル]-アリリデン}-アミノグアニジニウム酢酸塩であり、少なくとも1日100mg(酢酸塩形態として計算)の投与量で、例えば1日1回投与される。
【0125】
いくつかの実施形態では、本開示の化合物は、1日あたり41.5mg超~1日あたり約250mg(遊離塩基として計算)、例えば、1日あたり約42~約45mg、1日あたり約45~約50mg、約50~約55mg、約55~約60mg、約60~約62mg、約62~約65mg、約65~約70mg、例えば、1日あたり約70~約75mg、約75~約80mg、約80~約83mg、約83~約85mg、約85~約90mg、約90~約95mg、約95~約100mg、約100~約125mg、約125~約150mg、約150~約166mg、約166~約175mg、約175~約200mg、例えば1日あたり約200~約250mg(遊離塩基として計算)の投与量で投与される。
【0126】
いくつかの実施形態では、本開示の化合物は、1日あたり約75mg~約300mg(遊離塩基として計算)、例えば約75~約100mg、約100~約125mg、約125~約150mg、約150~約200mg、約200~約225mg、約225~約250mg、例えば1日あたり約275~約300mgの量または投与量で投与される。
【0127】
いくつかの実施形態では、本開示の化合物は、1日あたり約50mg~約150mg(遊離塩基として計算)、例えば1日あたり約50~約100mg、約100~約125mg、約125~約150mgの投与量で投与される。
【0128】
いくつかの実施形態では、本開示の化合物は、1日あたり約83mg~約300mg(遊離塩基として計算)、例えば約83~約100mg、約100~約125mg、約125~約150mg、約150~約200mg、約200~約225mg、約225~約250mg、例えば1日あたり約275~約300mgの量または投与量で投与される。
【0129】
いくつかの実施形態では、本開示の化合物は、1日41.5mg超~1日あたり約250mg、例えば、少なくとも1日約50mg~1日あたり約250mg、例えば、少なくとも1日約62mg~1日あたり約250mg、例えば、少なくとも1日約75mg~1日あたり約250mg(遊離塩基として計算)の投与量で投与される。
【0130】
いくつかの実施形態では、本開示の化合物は、1日41.5mg超~1日あたり約166mg、例えば、少なくとも1日約50mg~1日あたり約166mg、例えば、少なくとも1日約62mg~1日あたり約166mg、例えば、少なくとも1日約75mg~1日あたり約166mg(遊離塩基として計算)の投与量で投与される。
【0131】
いくつかの実施形態では、本開示の化合物は、1日1回約75mg、例えば1日1回約83mg、例えば1日1回約100mg、例えば1日1回約150mg、例えば1日1回約166mg、例えば1日1回約200mg、例えば1日1回約249mg、例えば1日1回約250mg、例えば1日1回約300mg(遊離塩基として計算)の量または投与量で投与される。
【0132】
MTX
本開示のいくつかの実施形態では、メトトレキサート(MTX)は、約5mg~約30mgの量で週1回投与される。
【0133】
本開示のいくつかの実施形態では、メトトレキサート(MTX)は、約5mg~約30mgの投与量で週1回投与される。
【0134】
本開示のいくつかの実施形態では、メトトレキサート(MTX)は、週1回約5mg、例えば週1回約7.5mg、例えば週1回約10mg、例えば週1回約15mg、例えば週1回約20mg、例えば週1回約25mg、例えば週1回約30mgの投与量で投与される。
【0135】
本開示のいくつかの実施形態では、メトトレキサート(MTX)は、5~5.5mg/週、例えば5.5~6、例えば6~6.5、例えば6.5~7、例えば7~7.5、例えば7.5~8.5、例えば8.5~9、例えば9~9.5、例えば9.5~10、例えば10~10.5、例えば10.5~11、例えば11~11.5、例えば11.5~12、例えば12~12.5、例えば12.5~13、例えば13~13.5、例えば13.5~14、例えば14~14.5、例えば14.5~15、例えば15~15.5、例えば15.5~16、例えば16~16.5、例えば16.5~17、例えば17~17.5、例えば17.5~18、例えば18~18.5、例えば18.5~19、例えば19~19.5、例えば19.5~20、例えば20~20.5、例えば20.5~21、例えば21~21.5、例えば21.5~22、例えば22~22.5、例えば22.5~23、例えば23~23.5、例えば23.5~24、例えば24~24.5、例えば24.5~25、例えば25~25.5、例えば25.5~26、例えば26~26.5、例えば26.5~27、例えば27~27.5、例えば27.5~28、例えば28~28.5、例えば28.5~29、例えば29~29.5、例えば29.5~30mg/週の量または投与量で、好ましくは週1回投与される。
【0136】
本開示のいくつかの実施形態では、メトトレキサート(MTX)は、約5mg~約10mg、例えば約5mg~約15mg、例えば約10mg~約15mg、例えば約5mg~約20mg、例えば約10~約20mg、例えば約10~約25mg、例えば約15~約20mgの1週間の投与量または量で投与される。
【0137】
本開示のいくつかの実施形態では、メトトレキサート(MTX)は、約5mg~約10mg、例えば約10mg~約15mg、例えば約15mg~約20mg、例えば約20~約25mg、例えば約25~約30mgの1週間の投与量で投与される。
【0138】
本開示のいくつかの実施形態では、メトトレキサート(MTX)またはそのプロドラッグは、約5~約30mgの量または投与量で、週1回/毎週皮下投与される。週に1回とは、好ましくは同じ曜日に、7日ごとに1回という意味である。
【0139】
本開示のいくつかの実施形態では、メトトレキサート(MTX)またはそのプロドラッグは、約10~約25mgの量または投与量で、週1回/毎週、経口剤形で投与される。週に1回とは、好ましくは同じ曜日に、7日ごとに1回という意味である。
【0140】
好ましい実施形態では、MTXまたはそのプロドラッグは週1回投与される。経口投与用または皮下投与用のMTXの市販の剤形がある。どちらの投与形態も、できれば同じ曜日に週1回投与することとなっている。
【0141】
対象
いくつかの実施形態では、本開示は、式(I)の化合物(その互変異性体及び立体異性体形態を含む)またはその薬学的に許容される誘導体を提供し、前記化合物はメトトレキサート(MTX)とともに投与されることとなっており、
前記化合物は、1日41.5mgを超える投与量、例えば少なくとも1日約50mg、例えば少なくとも1日約62mg、例えば少なくとも1日約75mg、例えば1日1回投与され、
前記MTXは、5~30mgの投与量で週1回投与される。
【0142】
いくつかの実施形態では、本開示は、関節リウマチの治療に使用するための、MTXと式(I)の化合物(その互変異性体及び立体異性体を含む)またはその薬学的に許容される誘導体との組合せを提供し、前記化合物は、1日41.5mgを超える用量、例えば少なくとも1日約50mg、例えば少なくとも1日約62mg、例えば少なくとも1日約75mg、例えば1日1回投与され、
前記MTXは、5~30mgの投与量で週1回投与される。
【0143】
いくつかの実施形態では、本開示は、関節リウマチの治療に使用するための、本明細書で定義される式(I)の化合物がMTXと組み合わせて提供され、
前記化合物は、1日41.5mgを超える投与量、例えば少なくとも1日約50mg、例えば少なくとも1日約62mg、例えば少なくとも1日約75mg、例えば1日1回投与され、
前記MTXは、5~30mgの投与量で週1回投与される。
【0144】
いくつかの実施形態では、関節リウマチは重度の活動性関節リウマチ(臨床疾患活動性スコア、CDAI>22)である。いくつかの実施形態では、関節リウマチは、CDAI>22の関節リウマチである。
【0145】
いくつかの実施形態では、本開示は、CDAI>22の関節リウマチなどの重度の活動性関節リウマチの治療に使用するための、本明細書で定義される式(I)の化合物がMTXと組み合わせて提供され、
前記化合物は、1日41.5mgを超える投与量、例えば少なくとも1日約50mg、例えば少なくとも1日約62mg、例えば少なくとも1日約75mg、例えば1日1回投与され、
前記MTXは、5~30mgの投与量で週1回投与される。
【0146】
いくつかの実施形態では、関節リウマチは、活動性関節疾患を伴う早期関節リウマチである。
【0147】
いくつかの実施形態では、本開示は、活動性関節疾患を伴う早期関節リウマチの治療に使用するための、本明細書で定義される式(I)の化合物がMTXと組み合わせて提供され、
前記化合物は、1日41.5mgを超える投与量、例えば少なくとも1日約50mg、例えば少なくとも1日約62mg、例えば少なくとも1日約75mg、例えば1日1回投与され、
前記MTXは、5~30mgの投与量で週1回投与される。
【0148】
いくつかの実施形態では、本開示は、重度の活動性関節リウマチ(CDAI>22)と新たに診断され、MTXによる漸増投与を開始する予定の対象の治療に使用するための、本明細書で定義される式(I)の化合物がMTXと組み合わせて提供され、前記化合物は、1日41.5mgを超える投与量、例えば少なくとも1日約50mg、例えば少なくとも1日約62mg、例えば少なくとも1日約75mg、例えば1日1回投与され、
前記MTXは、5~30mgの投与量で週1回投与される。
【0149】
いくつかの実施形態では、本開示は、MTX療法に対する応答が不十分(IR)である関節リウマチ(RA)と新たに診断された対象の治療に使用するための、本明細書で定義される式(I)の化合物がMTXと組み合わせて提供され、
前記化合物は、1日41.5mgを超える投与量、例えば少なくとも1日約50mg、例えば少なくとも1日約62mg、例えば少なくとも1日約75mg、例えば1日1回投与され、
前記MTXは、5~30mgの投与量で週1回投与される。
【0150】
いくつかの実施形態では、本開示は、MTX療法に対する応答が不十分である対象における関節リウマチの治療に使用するための、本明細書で定義される式(I)の化合物がMTXと組み合わせて提供され、
前記化合物は、1日41.5mgを超える投与量、例えば少なくとも1日約50mg、例えば少なくとも1日約62mg、例えば少なくとも1日約75mg、例えば1日1回投与され、
前記MTXは、5~30mgの投与量で週1回投与される。
【0151】
一実施形態において、関節リウマチは、5.1を超えるDAS28スコアを有する関節リウマチである。
【0152】
いくつかの実施形態では、本開示は、5.1を超えるDAS28スコアを有する関節リウマチの治療に使用するための、本明細書で定義される式(I)の化合物がMTXと組み合わせて提供され、前記化合物は、1日41.5mgを超える投与量、例えば少なくとも1日約50mg、例えば少なくとも1日約62mg、例えば少なくとも1日約75mg、例えば1日1回投与され、
前記MTXは、5~30mgの投与量で週1回投与される。
【0153】
いくつかの実施形態では、本開示は、DMARD-応答不十分関節リウマチの治療に使用するための、本明細書で定義される式(I)の化合物がMTXと組み合わせて提供され、前記化合物は、1日41.5mgを超える投与量、例えば少なくとも1日約50mg、例えば少なくとも1日約62mg、例えば少なくとも1日約75mg、例えば1日1回投与され、
前記MTXは、5~30mgの投与量で週1回投与される。
【0154】
いくつかの実施形態では、関節リウマチの対象は、治療前にリウマチ因子及び/または抗環状シトルリン化ペプチド(CCP)IgG抗体の検査で陽性である。
【0155】
対象と疾患重症度の評価
治療される患者は、好ましくは、哺乳動物、特に、ヒトである。しかしながら、マウス、ラット、イヌ、ネコ、ウマ、ウシ、ヒツジ、ブタなどの動物の治療も、本開示の範囲内である。治療を受ける対象は種々の年齢の対象であってよい。
【0156】
対象の、関節リウマチ(RA)の重症度及び治療効果は、さまざまな臨床スコアシステム、例えばDAS28スコア、CDAIスコア、及びACRスコアによって評価できる。
【0157】
例えば、治療後の1つ以上の臨床スコアの変化は、前記臨床スコアの結果として生じる変化を評価し、それをベースラインまたはプラセボと比較することによって評価できる。
【0158】
RAの疾患活動性を測定する方法は多岐にわたり、以下を含む:
・ 対象の関節の腫脹や圧痛の検査(腫脹関節数、SJC、圧痛関節数、TJC)、
・ 対象の疼痛と全体的な状態の総合スコア、
・ 炎症の血液マーカー(例えば、対象の体内に存在する炎症の程度を間接的に測定する赤血球沈降速度(ESRまたはsed速度)、及び対象の血液中のC反応性タンパク質(CRP)のレベルを測定するC反応性タンパク質検査)、
・ 質問票(例えば、対象の機能を評価する健康評価質問票障害指数(HAQ-DI)及び慢性疾患治療疲労の機能評価(FACIT-疲労))、
・ X線画像、超音波画像、及び磁気共鳴画像(MRI)などの画像技術。
【0159】
いくつかの実施形態では、本開示による使用により、健康評価質問票障害指数(HAQ-DI)によって判定されるときの対象の身体機能が改善される。
【0160】
いくつかの実施形態では、本開示による使用は、慢性疾患治療疲労の機能評価(FACIT-疲労)によって判定されるときの対象の機能の改善をもたらす。
【0161】
いくつかの実施形態では、本開示による使用により、1つ以上の関節炎症状が部分的にまたは完全に寛解する。
【0162】
いくつかの実施形態では、本開示による使用により関節の炎症が軽減される。
【0163】
いくつかの実施形態では、本開示による使用により、血液中のC反応性タンパク質(CRP)のレベルが低下する。
【0164】
いくつかの実施形態では、本開示による使用により、圧痛関節数が減少し、及び/または腫脹関節数も減少する。
【0165】
DAS28スコア
DAS28スコアは、関節リウマチ(RA)の疾患活動性の尺度である。DASは「疾患活動性スコア」の略で、28という数字は、この評価で検査される28個の関節を指す。
【0166】
DAS28は、上記の4つの尺度から導き出された複合スコアである。この「28」バージョンは、44個の関節をカウントする必要がある元のDASスコアを簡略化したものである。DAS28の他のバージョンでは、ESRの代わりにCRPを使用したり、どちらかを省略したりできる。RAの多くのDASスコアの一部であるDAS28-CRPは、関節リウマチの活動性を客観的かつ再現可能で比較可能な評価を行うのに非常に役立つ。DAS28-CRPでは特に次の項目を考慮する:
・ TJC28:圧痛関節数(0~28)。
・ SJC28:腫脹関節数(0~28)。
・ CRP:C反応性タンパク質レベル(mg/l)。
・ GH:患者の総合的な健康状態の評価(0=最高、100=最低)。
【0167】
28の圧痛または腫脹の関節スコアは、同じ関節(肩、肘、手首、中手指節関節、近位指節間関節、及び膝)を対象としている。スコアの計算は次の式で行うことができる:
【数1】
一般的に、スコアが0から2.6未満の場合、寛解が達成されたとみなされる。低い疾患活動性とは、2.6~3.2未満を指す。中等度の疾患活動性は3.2から5.1以下であり、高疾患活動性は厳密に5.1を超える。
【0168】
いくつかの実施形態では、本開示は、関節リウマチの治療に使用するための、本明細書で定義される式(I)の化合物がMTXと組み合わせて提供され、
前記化合物は、少なくとも1日75mg、例えば1日1回投与され、前記MTXは、週1回5~30mgの投与量で投与され、
疾患活動性スコア28(DAS28)は、治療前及び治療後に対象について決定され、治療によりDAS28スコアが減少し、
例えば、治療により、DAS28スコアが5.1未満、例えば5.0以下、例えば4.8以下、例えば4.6以下、例えば4.4以下、例えば4.2以下、例えば4.0以下、例えば3.8以下、例えば3.6以下、例えば3.4以下、例えば3.2以下、例えば3.0以下、例えば2.8以下、例えば2.6以下、例えば2.4以下、例えば2.2以下、例えば2.0以下、例えば1.8以下、例えば1.6以下となり、
例えば、治療の結果、DAS28スコアが5.1未満、好ましくは3.2以下、より好ましくは2.6以下となる。
【0169】
いくつかの実施形態では、治療中及び/または治療後の対象のDAS28スコアは、3.2から5.1以下(中程度の活動性)に低下し、例えば2.6から3.2未満(低い活動性)に低下し、例えば0から2.6未満(寛解)に低下する。
【0170】
いくつかの実施形態では、本開示は、5.1を超えるDAS28スコアを有する対象の関節リウマチの治療に使用するための、本明細書で定義される式(I)の化合物がMTXと組み合わせて提供され、前記化合物は、1日41.5mgを超える投与量、例えば少なくとも1日約50mg、例えば少なくとも1日約62mg、例えば少なくとも1日約75mg、例えば1日1回投与され、前記MTXは、5~30mgの投与量で週1回投与される。
【0171】
いくつかの実施形態では、本開示は、3.2から5以下のDAS28スコアを有する対象の関節リウマチの治療に使用するための、本明細書で定義される式(I)の化合物がMTXと組み合わせて提供され、前記化合物は、1日41.5mgを超える投与量、例えば少なくとも1日約50mg、例えば少なくとも1日約62mg、例えば少なくとも1日約75mg、例えば1日1回投与され、前記MTXは、5~30mgの投与量で週1回投与される。
【0172】
いくつかの実施形態では、本開示は、2.6から3.2未満のDAS28スコアを有する対象の関節リウマチの治療に使用するための、本明細書で定義される式(I)の化合物がMTXと組み合わせて提供され、前記化合物は、1日41.5mgを超える投与量、例えば少なくとも1日約50mg、例えば少なくとも1日約62mg、例えば少なくとも1日約75mg、例えば1日1回投与され、前記MTXは、5~30mgの投与量で週1回投与される。
【0173】
いくつかの実施形態では、本開示の治療により、DAS28スコアは3.2未満(低い疾患活動性)に低下する。いくつかの実施形態では、本開示の治療により、DAS28スコアは2.6未満(寛解)に低下する。
【0174】
CDAIスコア
CDAI(臨床疾患活動指数)は、関節リウマチの患者を追跡するための有用な臨床複合スコアである。CDAIは、圧痛及び腫脹の関節数(28関節を評価)と患者及び医師による疾患活動性の全般的評価(0~10-cmの視覚的アナログスケール)の4つの結果パラメータの合計である。CDAIは、SDAIがC反応性タンパク質レベルを含む点を除いて、簡易疾患活動性指数(SDAI)と同じである。
【0175】
CDAI(CDAI=SJC(28)+TJC(28)+PGA+IGA)の記述的変化;
・ SJC(28):腫脹28関節数(肩、肘、手首、MCP、親指IPを含むPIP、膝)。
・ TJC(28): 圧痛28関節数(肩、肘、手首、MCP、親指IPを含むPIP、膝)。
・ PGA:患者の全般的な疾患活動性(RA疾患活動性の全体的な患者自己評価、0~100のスケールで、100が最大活動性)
・ IGA:医師の総合的な疾患活動性(対象の全体的なRA疾患活動の評価者による評価、0~100のスケールで、100が最大活動性)。
【0176】
スコアが0から2.8未満の場合、寛解が達成されたとみなされる。低い疾患活動性は2.8から10未満に相当する。中等度の疾患活動性は10から22までであり、高い疾患活動性は厳密に22を超える(CDAI>22)。
【0177】
いくつかの実施形態では、本開示は、CDAI>22の対象における関節リウマチの治療に使用するための、本明細書で定義される式(I)の化合物がMTXと組み合わせて提供され、
前記化合物は、1日41.5mgを超える投与量、例えば少なくとも1日約50mg、例えば少なくとも1日約62mg、例えば少なくとも1日約75mg、例えば1日1回投与され、前記MTXは、週1回5~30mgの投与量で投与される。
【0178】
いくつかの実施形態では、治療中及び/または治療後の対象のCDAIスコアは、10から22以下(中程度の活動性)に低下し、例えば2.8から10未満(低い活動性)に低下し、例えば0から2.8未満(寛解)に低下する。
【0179】
いくつかの実施形態では、本開示は、10から22以下のCDAIの対象における関節リウマチの治療に使用するための、本明細書で定義される式(I)の化合物がMTXと組み合わせて提供され、
前記化合物は、1日41.5mgを超える投与量、例えば少なくとも1日約50mg、例えば少なくとも1日約62mg、例えば少なくとも1日約75mg、例えば1日1回投与され、前記MTXは、週1回5~30mgの投与量で投与される。
【0180】
いくつかの実施形態では、本開示は、2.8から10未満のCDAIの対象における関節リウマチの治療に使用するための、本明細書で定義される式(I)の化合物がMTXと組み合わせて提供され、
前記化合物は、1日41.5mgを超える投与量、例えば少なくとも1日約50mg、例えば少なくとも1日約62mg、例えば少なくとも1日約75mg、例えば1日1回投与され、前記MTXは、週1回5~30mgの投与量で投与される。
【0181】
対象のCDAIスコアの低下への言及と対象のCDAIスコアの減少への言及は、本明細書では交換可能に使用される。
【0182】
いくつかの実施形態では、治療中及び/または治療後の対象のCDAIスコアは、対象のCDAIにおいて5ポイントの減少、例えば10ポイントの減少、例えば15ポイントの減少となる。
【0183】
いくつかの実施形態では、本開示の治療により、CDAIスコアは、少なくとも2ポイント、例えば少なくとも3ポイント、例えば少なくとも4ポイント、例えば少なくとも5ポイント、例えば少なくとも6ポイント、例えば少なくとも7ポイント、例えば少なくとも8ポイント、例えば少なくとも9ポイント、例えば少なくとも10ポイント、例えば少なくとも11ポイント、例えば少なくとも12ポイント、例えば少なくとも13ポイント、例えば少なくとも14ポイント、例えば少なくとも15ポイント、例えば少なくとも16ポイント、例えば少なくとも17ポイント、例えば少なくとも18ポイント、例えば少なくとも19ポイント、例えば少なくとも20ポイント減少する。
【0184】
いくつかの実施形態では、本開示の治療により、CDAIスコアは10未満(低い疾患活動性)に低下する。いくつかの実施形態では、本開示の治療により、DAS28スコアは2.8未満(寛解)に低下する。
【0185】
いくつかの実施形態では、対象のCDAIスコアは、本開示の治療によって5ポイント以上、例えば10ポイント以上、例えば15ポイント以上減少する。
【0186】
対象のCDAIの減少は、治療中いつでも示されてもよい。いくつかの実施形態では、対象のCDAIの減少は治療開始後2週目に示される。いくつかの実施形態では、対象のCDAIの減少は治療開始後4週目に示される。いくつかの実施形態では、対象のCDAIの減少は治療期間の終了時に示される。いくつかの実施形態では、対象のCDAIの減少は治療開始後5週目に示される。いくつかの実施形態では、対象のCDAIの減少は、最後の投与後1週間の追跡調査で示される。
【0187】
ACRスコア
ACR(米国リウマチ学会)基準は、RAの臨床試験においてさまざまな関節炎治療薬や治療法の有効性を測定するための標準基準である。
【0188】
ACR奏功率ACR20、ACR50、及びACR70は、それぞれ、圧痛と腫脹の関節数(SJC/TJC)における20%以上、50%以上、70%以上の改善と定義され、以下の5つの評価のうち3つが改善する:患者による疾患活動性の全般的評価、医師による疾患活動性の全般的評価、患者による疼痛の評価、健康評価質問票(HAQ-DI)、及びC反応性タンパク質(CRP)。
【0189】
いくつかの実施形態では、本開示の治療によってACRスコアが改善される。いくつかの実施形態では、本治療法により、ACR奏功率が20%以上、50%以上、または70%以上改善される。
【0190】
医薬組成物
本開示に従って使用される化合物(その互変異性体及び立体異性体を含む式(I)の化合物、またはその薬学的に許容される誘導体を含む)と、メトトレキサート(MTX)とは任意の適切な製剤で提供され得る。
【0191】
MTX
本開示の一実施形態では、MTXは、錠剤、カプセル剤、経口液剤、または懸濁液などの形態で経口投与用に製剤化される。
【0192】
本開示の一実施形態では、MTXは、静脈内投与または注射に適した液体、例えば皮下注射に適した液体などの液体として製剤化される。
【0193】
本開示の一実施形態では、MTXは持続放出のために製剤化される。本開示の一実施形態では、MTXは即時放出のために製剤化される。
【0194】
AP1189
また、本開示の態様は、本明細書に開示される医療用途のための、(E)-N-[1-(2-ニトロフェニル)-1-H-ピロール-2-イル-アリリデンアミノ]-グアニジン(式Iの化合物)(その互変異性体形態及び立体異性体形態を含む)及びその薬学的に許容される塩を含む医薬組成物を提供する。
【0195】
本開示の一実施形態では、式(I)の化合物(その互変異性体及び立体異性体形態を含む)及びその薬学的に許容される塩は、錠剤、カプセル剤、または経口液剤もしくは懸濁液などの形態で経口投与用に製剤化される。
【0196】
本開示の一実施形態では、式(I)の化合物(その互変異性体及び立体異性体形態を含む)及びその薬学的に許容される塩は、静脈内投与用または持続注入用の液体、または注射用の液体などの液体として製剤化される。
【0197】
本開示の一実施形態では、式(I)の化合物(その互変異性体及び立体異性体形態を含む)及びその薬学的に許容される塩は、持続放出用に製剤化される。
【0198】
本開示の一実施形態では、式(I)の化合物(その互変異性体及び立体異性体形態を含む)及びその薬学的に許容される塩は、即時放出用に製剤化される。
【0199】
特定の実施形態では、式(I)の化合物(その互変異性体及び立体異性体形態を含む)及びその薬学的に許容される塩は、経口投与用に製剤化される。
【0200】
特定の実施形態では、式(I)の化合物は、{3-[1-(2-ニトロフェニル)-1H-ピロール-2-イル]-アリリデン}-アミノグアニジン、例えば(E)-N-トランス-{3-[1-(2-ニトロフェニル)-1H-ピロール-2-イル]-アリリデン}-アミノグアニジン、またはその薬学的に許容される塩、例えば(E)-N-トランス-{3-[1-(2-ニトロフェニル)-1H-ピロール-2-イル]-アリリデン}-アミノグアニジニウム酢酸塩(AP1189)または(E)-N-トランス-{3-[1-(2-ニトロフェニル)-1H-ピロール-2-イル]-アリリデン}-アミノグアニジニウムコハク酸塩であり、前記化合物は経口投与用に製剤化される。
【0201】
一実施形態では、前記化合物は、錠剤などの固形経口投与形態として製剤化される。
【0202】
一実施形態では、前記化合物は、液体中に懸濁するのに適した経口用粉末などの経口用粉末などの粉末として製剤化される。
【0203】
一実施形態では、前記化合物は、溶解した経口粉末を含む懸濁液として製剤化される。
【0204】
一実施形態では、前記化合物は、経口投与用懸濁液などの経口懸濁液として製剤化される。
【0205】
胃区画の低pHでの分解を回避するために、AP1189は、腸溶性コーティング錠剤として、その後アルカリ性懸濁液として製剤化されている。最近、AP1189の酢酸塩及びコハク酸塩の形態のAP1189を含む、AP1189の薬学的に許容される塩のサブセットは、低pHで非常に溶解性が高く、したがって低pHからの保護を必要とせず、即時放出固形経口製剤などの胃区画を標的とする固形経口製剤の使用も可能になることが実証されている(PCT/EP2022/066906)。
【0206】
一実施形態では、本明細書に開示される使用のための、式(I)の化合物(その互変異性体及び立体異性体形態を含む)及びその薬学的に許容される塩を含む単位剤形が提供される。
【0207】
一実施形態では、本明細書に開示される使用のための、式(I)の化合物(その互変異性体及び立体異性体形態を含む)及びその薬学的に許容される塩を含む経口製剤が提供される。
【0208】
一実施形態では、以下からなる群から選択される化合物を含む経口製剤が提供される:
(E)-N-[1-(2-ニトロフェニル)-1-H-ピロール-2-イル-アリリデンアミノ]-グアニジニウム酢酸塩(その互変異性体形態及び立体異性体形態を含む);
(E)-N-[1-(2-ニトロフェニル)-1-H-ピロール-2-イル-アリリデンアミノ]-グアニジニウムコハク酸塩(その互変異性体形態及び立体異性体形態を含む);
(E)-N-[1-(2-ニトロフェニル)-1-H-ピロール-2-イル-アリリデンアミノ]-グアニジンDL-マンデル酸塩(その互変異性体形態及び立体異性体形態を含む);
(E)-N-[1-(2-ニトロフェニル)-1-H-ピロール-2-イル-アリリデンアミノ]-グアニジン馬尿酸塩(その互変異性体形態及び立体異性体形態を含む);
(E)-N-[1-(2-ニトロフェニル)-1-H-ピロール-2-イル-アリリデンアミノ]-グアニジンL-乳酸塩(その互変異性体形態及び立体異性体形態を含む);
(E)-N-[1-(2-ニトロフェニル)-1-H-ピロール-2-イル-アリリデンアミノ]-グアニジニウムベシル酸塩(その互変異性体形態及び立体異性体形態を含む);
(E)-N-[1-(2-ニトロフェニル)-1-H-ピロール-2-イル-アリリデンアミノ]-グアニジニウムオキソグルタル酸塩(その互変異性体形態及び立体異性体形態を含む);
(E)-N-[1-(2-ニトロフェニル)-1-H-ピロール-2-イル-アリリデンアミノ]-グアニジンギ酸塩(その互変異性体形態及び立体異性体形態を含む);
(E)-N-[1-(2-ニトロフェニル)-1-H-ピロール-2-イル-アリリデンアミノ]-グアニジンDL-乳酸塩(その互変異性体形態及び立体異性体形態を含む);
(E)-N-[1-(2-ニトロフェニル)-1-H-ピロール-2-イル-アリリデンアミノ]-グアニジングルタル酸塩(その互変異性体形態及び立体異性体形態を含む);
(E)-N-[1-(2-ニトロフェニル)-1-H-ピロール-2-イル-アリリデンアミノ]-グアニジンアジピン酸塩(その互変異性体形態及び立体異性体形態を含む);及び
(E)-N-[1-(2-ニトロフェニル)-1-H-ピロール-2-イル-アリリデンアミノ]-グアニジニウム硝酸塩(その互変異性体形態及び立体異性体形態を含む)。
【0209】
いくつかの実施形態では、本開示によるAP1189の薬学的に許容される塩は、以下からなる群から選択されるAP1189の薬学的に許容される塩の結晶形態または多形体である:AP1189酢酸塩、AP1189コハク酸塩、AP1189のDL-マンデル酸塩、AP1189の馬尿酸塩、AP1189のL-乳酸塩、AP1189のベシル酸塩、AP1189のオキソグルタル酸塩、AP1189のギ酸塩、AP1189のDL-乳酸塩、AP1189のグルタル酸塩、AP1189のアジピン酸塩、及びAP1189の硝酸塩。多形体は、PCT/EP2022/066884において調製及び開示されており、その開示は、参照により本明細書に組み込まれる。
【0210】
いくつかの実施形態では、本明細書に開示される使用のための、式(I)の化合物(その互変異性体及び立体異性体形態を含む)及びその薬学的に許容される塩を含み、少なくとも1つの薬学的に許容される賦形剤を含む、経口製剤が提供される。
【0211】
いくつかの実施形態では、前記経口製剤は、前記化合物を胃区画(または胃)に送達または放出し、例えば、前記化合物を主にまたは主に胃区画(または胃)に送達または放出する。
【0212】
いくつかの実施形態では、前記経口製剤は、即時放出により、遅延放出により、バースト放出により、または主にもしくは大部分が胃区画内で前記化合物を放出するいずれかの手段により、胃区画内で前記化合物を放出する。
【0213】
いくつかの実施形態では、前記経口製剤は、胃区画内で前記化合物の約65%以上~約85%以上、例えば、胃区画内で前記化合物の約65%以上、例えば約70%以上、例えば約75%以上、例えば約80%以上、例えば約85%以上、例えば約90%以上、例えば約95%以上を送達または放出する。
【0214】
いくつかの実施形態では、前記経口製剤は、胃区画内で、前記化合物を即時放出する。
【0215】
いくつかの実施形態では、前記経口製剤は、前記化合物の胃吸収のために、胃区画内で、前記化合物を放出する。
【0216】
いくつかの実施形態では、前記経口製剤は、胃粘液層上での前記化合物の吸収のために、胃区画内で前記化合物を放出する。
【0217】
いくつかの実施形態では、前記経口製剤は、胃送達用に設計されている。
【0218】
いくつかの実施形態では、前記経口製剤は、胃放出用に設計されている。
【0219】
いくつかの実施形態では、前記経口製剤は、胃吸収用に設計されている。
【0220】
いくつかの実施形態では、前記経口製剤は、固形経口製剤である。
【0221】
いくつかの実施形態では、前記固形経口製剤は、固形経口剤形である。
【0222】
いくつかの実施形態では、前記固形経口剤形は、即時放出固形経口剤形である。
【0223】
いくつかの実施形態では、前記経口製剤は、錠剤である。いくつかの実施形態では、前記固形経口製剤は、錠剤である。いくつかの実施形態では、前記固形経口剤形は、錠剤である。
【0224】
いくつかの実施形態では、本明細書に開示される式(I)の化合物を含み、前記化合物の約65%~約80%以上が胃区画内の溶液に溶解する固形経口製剤、固形経口剤形または錠剤が提供される。
【0225】
いくつかの実施形態では、本明細書に開示される式(I)の化合物を含み、前記化合物の約65%以上、例えば約70%以上、例えば約75%以上、例えば約80%以上、例えば約85%以上、例えば約90%以上、例えば約95%以上が胃区画内で溶液中に溶解する、固形経口製剤、固形経口剤形、または錠剤が提供される。
【0226】
いくつかの実施形態では、前記経口製剤は、胃区画内での放出を標的とする本明細書に開示される式(I)の化合物を含む放出遅延錠剤である。
【0227】
いくつかの実施形態では、前記経口製剤は、胃内保持型遅延放出製剤である。いくつかの実施形態では、前記経口製剤は、胃内保持型錠剤である。いくつかの実施形態では、前記胃内保持型錠剤は、胃内保持型二層錠剤製剤である。いくつかの実施形態では、前記胃内保持型二層錠剤製剤は、膨潤層と薬物放出層からなる胃膨潤系(GSS)などの、GSSである。
【0228】
一態実施形態では、本開示の即時放出の前記経口製剤、例えば即時放出固形経口剤形、例えば即時放出錠剤は、以下からなる群から選択されるAP1189の薬学的に許容される塩:
(E)-N-[1-(2-ニトロフェニル)-1-H-ピロール-2-イル-アリリデンアミノ]-グアニジニウム酢酸塩(その互変異性体形態及び立体異性体形態を含む);
(E)-N-[1-(2-ニトロフェニル)-1-H-ピロール-2-イル-アリリデンアミノ]-グアニジニウムコハク酸塩(その互変異性体形態及び立体異性体形態を含む);
(E)-N-[1-(2-ニトロフェニル)-1-H-ピロール-2-イル-アリリデンアミノ]-グアニジンDL-マンデル酸塩(その互変異性体形態及び立体異性体形態を含む);
(E)-N-[1-(2-ニトロフェニル)-1-H-ピロール-2-イル-アリリデンアミノ]-グアニジン馬尿酸塩(その互変異性体形態及び立体異性体形態を含む);
(E)-N-[1-(2-ニトロフェニル)-1-H-ピロール-2-イル-アリリデンアミノ]-グアニジンL-乳酸塩(その互変異性体形態及び立体異性体形態を含む);
(E)-N-[1-(2-ニトロフェニル)-1-H-ピロール-2-イル-アリリデンアミノ]-グアニジニウムベシル酸塩(その互変異性体形態及び立体異性体形態を含む);
(E)-N-[1-(2-ニトロフェニル)-1-H-ピロール-2-イル-アリリデンアミノ]-グアニジニウムオキソグルタル酸塩(その互変異性体形態及び立体異性体形態を含む);
(E)-N-[1-(2-ニトロフェニル)-1-H-ピロール-2-イル-アリリデンアミノ]-グアニジンギ酸塩(その互変異性体形態及び立体異性体形態を含む);
(E)-N-[1-(2-ニトロフェニル)-1-H-ピロール-2-イル-アリリデンアミノ]-グアニジンDL-乳酸塩(その互変異性体形態及び立体異性体形態を含む);
(E)-N-[1-(2-ニトロフェニル)-1-H-ピロール-2-イル-アリリデンアミノ]-グアニジングルタル酸塩(その互変異性体形態及び立体異性体形態を含む);
(E)-N-[1-(2-ニトロフェニル)-1-H-ピロール-2-イル-アリリデンアミノ]-グアニジンアジピン酸塩(その互変異性体形態及び立体異性体形態を含む);及び
(E)-N-[1-(2-ニトロフェニル)-1-H-ピロール-2-イル-アリリデンアミノ]-グアニジニウム硝酸塩(その互変異性体形態及び立体異性体形態を含む)、
と、少なくとも1つの薬学的に許容される賦形剤とを含む。
【0229】
一態実施形態では、本開示の即時放出の前記経口製剤、例えば即時放出固形経口剤形、例えば即時放出錠剤は:
(E)-N-[1-(2-ニトロフェニル)-1-H-ピロール-2-イル-アリリデンアミノ]-グアニジニウム酢酸塩(その互変異性体形態及び立体異性体形態を含む)、または
(E)-N-[1-(2-ニトロフェニル)-1-H-ピロール-2-イル-アリリデンアミノ]-グアニジニウムコハク酸塩(その互変異性体形態及び立体異性体形態を含む)、
と、少なくとも1つの薬学的に許容される賦形剤とを含む。
【0230】
いくつかの実施形態では、本明細書に開示される式(I)の化合物を含み、前記化合物の約65%~約80%以上が約5分以内に溶液に溶解する経口製剤、例えば固形経口製剤、例えば即時放出固形経口製剤が提供される。
【0231】
いくつかの実施形態では、本明細書に開示される式(I)の化合物を含み、式(I)の化合物の約65%~約80%以上が、pH約1~3、例えばpH約0.5~3.5;例えばpH約0.5~1、例えばpH約1~1.5、例えばpH約1.5~2、例えばpH約2~2.5、例えばpH約2.5~3、例えばpH約3~3.5において、約5分以内に溶液に溶出される、経口製剤、例えば固形経口製剤、例えば即時放出固形経口製剤が提供される。
【0232】
いくつかの実施形態では、本明細書に開示される式(I)の化合物を含み、前記化合物の約65%~約80%以上が、pH約1.2において、約5分以内に溶液に溶解する経口製剤、例えば固形経口製剤、例えば即時放出固形経口製剤が提供される。
【0233】
いくつかの実施形態では、本明細書に開示される式(I)の化合物を含み、モノグラフ溶出試験において、前記化合物の名目用量の約65%~約80%以上が約5分以内に放出される経口製剤、例えば固形経口製剤、例えば即時放出固形経口製剤が提供される。
【0234】
いくつかの実施形態では、本明細書に開示される式(I)の化合物を含み、前記化合物の約80%以上が、例えばpH約1.2において、約10分以内に溶液に溶解する経口製剤、例えば固形経口製剤、例えば即時放出固形経口製剤が提供される。
【0235】
いくつかの実施形態では、本明細書に開示される式(I)の化合物を含む、経口製剤、例えば固形経口製剤、例えば即時放出固形経口製剤が提供され、ここで、前記経口製剤、例えば固形経口製剤の崩壊時間は、1/2分~10分、例えば1/2分~1分、例えば1~2分、例えば2~3分、例えば3~4分、例えば4~5分、例えば5~6分、例えば6~7分、例えば7~8分、例えば8~9分、例えば9~10分である。
【0236】
いくつかの実施形態では、固形経口剤形は、1錠あたり約25mg~約650mg、例えば約25mg、例えば約50mg、例えば約100mg、例えば約150mg、例えば約200mg、例えば約250mg、例えば約300mg、例えば約350mg、例えば約400mg、例えば約450mg、例えば約500mg、例えば約550mg、例えば約600mg、例えば約650mgの化合物(遊離塩基として計算)の投与量で本明細書に開示される式(I)の化合物を含む。
【実施例
【0237】
活動性関節疾患を有する早期関節リウマチ(RA)患者を対象に、AP1189による4週間の治療の安全性、忍容性、有効性を検討する二重盲検、多施設、2部構成、ランダム化、プラセボ対照試験(第IIa相臨床試験)
研究対象集団は、メトトレキサート(MTX)による漸増投与を開始する、重度の活動性RA(CDAI(臨床疾患活動性スコア)>22)と新たに診断された対象で構成される。
【0238】
実施例1
50mgと100mgのAP1189の用量が選択される。この実施例で使用される用量は、特定の酢酸塩形態に基づいて計算される。したがって、本明細書で言及される場合、「100mgのAP1189」(酢酸塩)の投与量は、83mgのAP1189遊離塩基の投与量に相当する。
【0239】
AP1189の第I相試験の反復投与部分で特定されたピーク濃度と谷濃度は、定常状態において次のとおりであった:
【表1】
【0240】
主要安全性評価項目
有害事象(AE)、重篤な有害事象(SAE)、及び検査値異常を評価することによる、プラセボと比較したAP1189の安全性
主要有効性評価項目
4週間の治療後のCDAIの変化は、ベースラインと比較して治療群ごとに以下の項目を評価される。
・ ベースラインからのCDAIの平均変化
・ ベースラインと比較して、4週目にCDAIスコアが重度(CDAI>22)から中等度(CDAI≦22)に変化した対象の割合。
【0241】
副次有効性評価項目
AP1189のプラセボに対する効果は、治療群ごとに以下の項目を評価することによって評価される:
・ ベースラインと比較して、4週目に腫脹及び/または圧痛のある関節(SJC及びTJC、要約)が10個以上減少した対象の割合
・ ベースラインと比較して4週目にCDAIスコアの変化を達成した対象の割合
〇 5ポイント減少した対象の割合
〇 10ポイント減少した対象の割合
〇 15ポイント減少した対象の割合
・ ベースラインと比較して、4週目にDAS28>3.2からDAS28≦3.2へのDAS28における変化を達成した対象の割合
・ ベースラインと比較した4週目のHAQ-DIの変化
・ ベースラインと比較した4週目のFACIT-疲労の変化
・ ACR20、ACR50、及びAC70で評価したACR応答を達成した対象の割合
【0242】
有効性の第三評価項目
ベースラインと比較した第4週のAP1189とプラセボとの比較による効果は、治療群ごとに以下の項目を評価することでさらに評価される:
・ CXCL13、IL-1β、IL-6、IL-10、及びTNF-α
・ ベースライン及び治療4週間後の滑膜生検(選択した部位でパート2のみ)。
【0243】
研究設計
この研究は、AP1189を繰り返し投与する多施設、2部構成、ランダム化、二重盲検、プラセボ対照、4週間の研究である。研究対象集団は、MTXの漸増投与を開始する重度の活動性RA(CDAI>22)と新たに診断された対象で構成される。少なくとも90人の対象が研究を完了すると予想され、さらにサブ研究のためにブルガリア及び/またはモルドバからの45人の対象が
参加する予定である。中止率を考慮して最大120人の対象を登録し、サブ研究には最大60人の対象を登録する予定である。
【0244】
登録基準を満たす対象は、2:1の比率で群Aと群Bにランダムに割り当てられる。一方の群は実薬治療を投与され、もう一方の群はプラセボを投与される。群C/Dでは、実薬とプラセボの比率は同じく2:1になる。
【0245】
・ 群A(対象12人):AP1189用量50mgを1日1回4週間(28日間)投与し、さらにMTX(10~25mg)を毎週投与する。
・ 群B(対象6人):プラセボを4週間(28日間)投与し、MTX(10~25mg)を毎週投与する。
・ 群C(対象12人): AP1189用量100mgを1日1回4週間(28日間)投与し、さらにMTX(10~25mg)を毎週投与する。
・ 群D(対象6人):プラセボを4週間(28日間)投与し、MTX(10~25mg)を毎週投与する。
【0246】
パート1の対象数
少なくとも24人の対象が研究のパート1を完了することが予想される。中止率を考慮して約32人を登録する予定である。
【0247】
パート2
すべての対象は、設計1、2、または3のいずれか1つの設計にランダムに割り当てられる。
・ 設計1:AP1189用量50mg(最低44人)またはプラセボ(最低22人)を1日1回4週間(28日間)投与し、さらにMTX(10~25mg)を毎週投与する。
・ 設計2: AP1189用量100mg(最低44人)またはプラセボ(最低22人)を1日1回4週間(28日間)投与し、さらにMTX(10~25mg)を毎週投与する。
・ 設計3:パート1と同じ用量を1:1:1(AP1189を50mg(最低22人)、AP1189を100mg(最低22人)、またはプラセボ(最低22人)とMTX(10~25mg)を毎週)の比率で継続する
【0248】
パート2の対象数
少なくとも66 人の対象が研究のパート2を完了し、45人の対象がサブ研究を完了することが予想される。中止率を考慮して主試験には約88人の対象が登録される予定であり、サブ試験には約60人の対象が登録される予定である。
【0249】
研究期間
合計研究期間は18か月で、それぞれの課題の研究期間はおよそ最大10週間である。
【0250】
調査対象施設数
この研究はヨーロッパとモルドバの施設で実施される予定である。
【0251】
研究対象集団
研究対象集団は、CDAI>22と定義される重度の活動性RAを有し、MTXの漸増投与を開始しようとしている対象で構成される。
【0252】
選択基準
1. 研究特有の手順を開始する前に書面によるインフォームドコンセントを得ている
2. 18歳から85歳までの男性と女性の対象
3. 2010 ACR/EULAR RA分類基準に従ってRAの確定診断
4. 検査した68関節のうち少なくとも3関節に関節に腫脹と圧痛を伴う関節炎
5. MTX治療の候補者
6. MTXによる治療を開始しようとしている
7. 抗CCPまたはRFの検査で陽性
8. スクリーニング時及びベースライン時の重度活動性RA(CDAI>22)
9. QFG-IT陰性(QFG-ITが不可能な場合はマントーテストを使用できる)
10. 対象はPRO質問票に回答(読み書き)できる必要がある
11. 妊娠の可能性がある女性は、信頼できる避妊手段を使用しているか、閉経後(試験への登録の少なくとも12か月前に月経が停止している)である場合にのみ参加できる。スクリーニングの少なくとも6ヶ月前に不妊手術を受けた女性
12. 妊娠の可能性がある女性は、スクリーニング時及びベースライン時に妊娠検査が陰性でなければならない。
【0253】
除外基準
以下のいずれかの基準を満たす対象は、研究に参加する資格がない:
1. 研究参加前4週間以内に治験薬(複数可)を含む他の研究に参加したこと
2. スクリーニング前の8週間以内に大手術(関節手術を含む)を受けた、またはランダム化後1か月以内に手術を予定している
3. RA以外のリウマチ性自己免疫疾患(SLE、MCTD、強皮症、多発性筋炎を含む)、またはRAに起因する重大な全身障害(例えば、血管炎、肺線維症、フェルティ症候群)。RAを伴うシェーグレン症候群は許容される
4. RAまたは車椅子/寝たきり患者の機能状態分類に関するACR基準で定義された機能クラスIV
5. RA以外の炎症性関節疾患の既往歴または現在の疾患(例えば痛風、反応性関節炎、乾癬性関節炎、血清反応陰性脊椎関節症、ライム病)
6. 線維筋痛症患者
7. AP1189投与前の2週間以内にNSAID(低用量アスピリン及びCOX-2阻害剤を含む)の投与の開始または投与の変更
8. コルチコステロイドは、スクリーニング前の2週間以内(及び治療期間中及び最終診察まで)は禁止されている
9. 重篤な制御不能の心血管疾患、神経系疾患、肺疾患(閉塞性肺疾患を含む)、腎臓疾患、肝臓疾患、内分泌疾患(制御不能の糖尿病を含む)、または胃腸疾患の併発の証拠
10. 過去に腎移植を受けたことがある、現在腎透析を受けている、または重度の腎不全である(地元の検査室で算出されたコッククロフト・ゴールト式を用いた導出糸球体濾過率(GFR)≦30ml/分/1,73mで判定)
11. 喘息、乾癬、炎症性腸疾患などの制御不能な病状で、発作は通常、経口または非経口のコルチコステロイドで治療される
12. 活動性悪性疾患の証拠(切除され治癒した皮膚の基底細胞癌を除く)
13. 妊婦または授乳中(母乳を与えている)の母親
14. スクリーニング前の6か月以内にアルコール、薬物、化学物質を乱用したことがある
15. 神経障害または疼痛評価を妨げる可能性のあるその他の疼痛状態
16. 150kgを超える体重
除外基準17~20はノルウェーの対象にのみ適用される。
17. 中等度及び/または重度の臓器機能障害の証拠
18. 胸部X線写真の異常(治験担当医師の判断による)
19. 肝炎血清学的検査で陽性の証拠
20. 消化性潰瘍の証拠
【0254】
研究薬の情報は下の表に示されている。


【表2】
【表3】
AP1189製品の説明:
IUPAC:E-N-[トランス-3-{1-(2-ニトロフェニル)-1H-ピロール-2-イル}-アリリデンアミノ]グアニジニウム酢酸塩
販売(Priorietary):AP1189
この物質は酢酸塩であり、無臭の黄色から茶色がかった固体として現れる。分子量は酢酸塩では358.35、遊離塩基では298.30である。
【0255】
メトトレキサート(MTX)
すべての対象は、MTXによる治療を開始するための現地ガイドラインに従い、研究期間中はMTX治療を継続する。
【0256】
肝酵素値上昇時のMTX治療指示
肝酵素値が上昇している場合は、より頻繁な血液検査を推奨する。
【0257】
トランスアミナーゼ増加:


【表4】
【0258】
葉酸
MTX治療に通常伴うAEが発生する可能性がある。MTXの毒性を最小限に抑えるため、MTXで治療するすべての対象は、現地のガイドラインと治験担当医師の裁量に従って、少なくとも5mg/週の用量で葉酸または同等のものを摂取する必要がある。葉酸は、週に1回投与するか、1日数回に分けて投与して、1週間あたり少なくとも5mgの葉酸を摂取することができる。
【0259】
臨床検査
臨床的に注目すべき検査値を持つ対象を特定するには、地元の検査室からの最新の更新された基準範囲が使用される。
【0260】
血液学
ヘモグロビン、白血球(WBC)数(総数及び白血球分画:白血球、好中球、好酸球、好塩基球、リンパ球、単球)、赤血球(RBC)、血小板、及びヘモグロビンA1c(HbA1C)。血液学検査の血液試料は、スクリーニング時、ベースライン時、治療2週間後、及び治療4週間後に採取される。
【0261】
生化学
ナトリウム、カリウム、塩化物、カルシウム、グルコース、クレアチニン、尿素、アルブミン、非抱合型及び総ビリルビン、アスパラギン酸トランスアミナーゼ(AST)、アラニントランスアミナーゼ(ALT)、アルカリホスファターゼ(ALP)、ガンマグルタミルトランスフェラーゼ(GGT)、及びINR。生化学検査の血液試料は、すべての診察時に採取される。スクリーニング時に血清β-HCG妊娠検査が行われる。
【0262】
甲状腺機能
遊離チロキシン(T4)、総または遊離トリヨードチロニン(T3)、及び甲状腺刺激ホルモン(TSH)。甲状腺機能を測定するための血液試料。
【0263】
尿検査
スクリーニング診察時に、血液、タンパク質、グルコースについて、試験紙による尿検査が現場で実施される。尿試料を尿培養検査に送る場合がある。
【0264】
血清学
RFまたは抗CCP、HBsAg、HBV抗体、HCV抗体。
【0265】
RFは、RAを患う成人の約80%の血液中に検出される抗体である。
【0266】
CRPは、急性期反応物質であり、肝臓で生成され、組織の損傷、感染の開始、またはその他の炎症の原因から数時間以内に血液中に放出されるタンパク質である。CRPはほとんどの場合、炎症によって増加する。治療の目的の一つは、CRPを正常レベルまで下げることである。CRPは、スクリーニング時、ベースライン時、治療2週間後、及び治療4週間後に測定される。
【0267】
安全性(AE及びSAE)
安全対策(AE、SAE、検査値異常を含む)は、試験期間全体にわたって記録される。
【0268】
安全性評価(サブ研究、パート2のみ)
パート2の関節鏡検査サブ研究(選択された部位のみ)では、滑液を調べることによって、ベースラインと比較したAP1189/プラセボによる4週間の4週間目の治療効果を評価する:(滑液中の多形、単球、リンパ球の割合の変化を評価)。
【0269】
RAでは、従来の疾患改変性抗リウマチ薬、メチルプレドニゾロンパルス、または関節内グルココルチコイドに対する応答として臨床症状が変化するにつれて、滑膜炎の免疫組織学的特徴も変化する。
【0270】
有効性評価
腫脹関節数(SJC)と圧痛関節数(TJC)
スクリーニング時、ベースライン時、治療2週間後、及び4週間後に、66個の関節の腫脹と68個の関節の圧痛を評価する。身体検査では、関節を圧迫したり動かしたりすることで、腫脹/腫脹なし、圧痛/圧痛なしとして、関節を評価し、分類する。対象はこれらの操作で疼痛の感覚を尋ねられ、自発的な疼痛の反応が観察される。圧力、動き、またはその両方に対する肯定的な応答は、圧痛ありと圧痛なしに分類される。腫脹は、関節の触知可能な変動性滑膜炎として定義される。変形性関節症に伴う腫脹は、明らかな変動がない限り腫脹なしと評価される。
【0271】
観察者間のばらつきを最小限に抑えるために、特定の対象の共同評価は、試験全体を通じて(可能な限り)同じ評価者によって実行される必要がある。
【0272】
臨床疾患活動性指数(CDAI)
CDAIは、RA患者を追跡するための臨床複合スコアである。
CDAI(CDAI=SJC(28)+TJC(28)+PGA+IGA)の記述的変化;
・ SJC(28):腫脹28関節数(肩、肘、手首、MCP、親指IPを含むPIP、膝)。
・ TJC(28): 圧痛28関節数(肩、肘、手首、MCP、親指IPを含むPIP、膝)。
・ PGA:患者の全般的な疾患活動性(RA疾患活動性の全体的な患者自己評価、0~100のスケールで、100が最大活動性)
・ IGA:医師の総合的な疾患活動性(対象の全体的なRA疾患活動の評価者による評価、0~100のスケールで、100が最大活動性)。
CDAIは、スクリーニング時、ベースライン時、治療2週間後、及び4週間後、最終診察時(最終投与から1週間後)に採点される。
【0273】
疾患活動性スコア28(DAS28)
DAS28は、RAの疾患活動性を測定するための複合指標である。この指標には、腫脹や圧痛のある関節の数、CRP、全般的な健康状態が含まれる。この試験では、CRPを使用してDAS28スコアを計算する。以下の式を使用して、指標を算出する:
DAS28-CRP(4)= 0.56*sqrt(TJC28)+0.28*sqrt(SJC28)+0.36*ln(CRP+1)+0.014*GH+0.96
ここで、TJC=28関節の圧痛関節数、SJC=28関節の腫脹関節数、ln=自然対数、CRP=C反応性タンパク質、GH=全般的な健康状態、すなわち患者の疾患活動性の総合評価(100-mm VAS)。
【0274】
DAS28は、RA疾患活動性の絶対的な指標を0.49~9.07のスケールで提供する。
・ DAS28値が5.1を超える場合、高い疾患活動性に相当する。
・ DAS28値が3.2~5.1の場合、中程度の疾患活動性に相当する。
・ DAS28値が2.6~3.2の場合、低い疾患活動性に相当する。
・ DAS28値が2.6未満の場合、寛解に相当する。
【0275】
初期値と比較して、対象の疾患活動性は次のように分類できる:


【表5】
DAS28は、ベースライン、治療2週間後、治療4週間後、及び最終診察時に採点される。
【0276】
医師による疾患活動性の全般的評価VAS(「治験担当医師による全般的VAS」)
100mm水平VASによる対象の現在の疾患活動性に関する医師の評価。線の左端は「疾患活動性なし」(症状がなく、関節炎の症状もない)と表現され、右端は「疾患活動性最大」と表現される。有効性評価者はこれを完了する必要がある。治験担当医師による全般的VASは、スクリーニング時、ベースライン時、治療2週間後、及び治療4週間後に測定される。
【0277】
患者による疾患活動性全般評価VAS(「患者全般VAS」)
100mm水平VASによる対象の現在の疾患活動性に関する対象の全般的な評価。線の左端は「疾患活動性なし」(症状がなく、関節炎の症状もない)と表現され、右端は「疾患活動性最大」(関節炎疾患活動性最大)と表現される。患者による全般的VASは、スクリーニング時、ベースライン時、治療2週間後、及び治療4週間後に測定される。
【0278】
患者による疼痛の評価VAS(「患者の疼痛VAS」)
対象が100mm水平VASで現在の疼痛のレベルを評価する。線の左端は「疼痛なし」、右端は「耐えられない痛み」と表現される。患者疼痛のVASは、スクリーニング時、ベースライン時、治療2週間後、及び治療4週間後に測定される。
【0279】
生活の質と身体機能
慢性疾患治療における疲労の機能評価(FACIT-疲労)
FACIT-疲労評価は13項目の質問票で、対象はそれぞれの項目を5段階で採点する。この評価はもともと慢性疾患向けに開発されたが、現在はRA患者向けに検証されている。FACIT-疲労は、ベースライン、治療2週間後、及び治療4週間後に採点される。
【0280】
健康評価質問票 - 障害指数(HAQ-DI)
HAQ-DIは身体機能を評価する検証済みのツールである。服装/身だしなみ、起床、食事、歩行、衛生、手の届く範囲、握力、活動の8つの要素セットに関する20の質問で構成されている。HAQ-DIは、ベースライン、治療2週間後、及び治療4週間後に採点される。
【0281】
アメリカリウマチ学会の奏功率
ACR(米国リウマチ学会)基準は、RAの臨床試験においてさまざまな関節炎治療薬や治療法の有効性を測定するための標準基準である。
【0282】
ACR奏功率ACR20、ACR50、及びACR70は、腫脹関節数と圧痛関節数(SJC/TJC)がそれぞれ20%以上、50%以上、及び70%以上改善し、以下の5つの評価のうち3つが改善したことと定義される:患者による疾患活動性の全般的評価(上記参照)、医師による疾患活動性の全般的評価(上記参照)、患者による疼痛の評価(上記参照)、健康評価質問票(HAQ-DI、上記参照)、及びC反応性タンパク質(CRP)。
【0283】
薬物動態評価
PK試料採取
曝露応答分析のための血漿PK試料は、治療開始から1、2、3、4週間後に採取される。
【0284】
サイトカイン試料
CXCL13、IL-1β、IL-6、IL-10、及びTNF-α分析用の血漿試料は、ベースライン、治療2週間後、及び治療4週間後に採取される。
【0285】
バイオバンキング
以下の試料は、研究期間中、国に応じてバイオバンクまたは同様の施設で冷凍保存される。
【0286】
・ サイトカイン(CXCL13、IL-1β、IL-6、IL-10、及びTNF-α)、血漿
・ PK、血漿
すべてのサイトカインとPKの分析は中央研究所で行われる。試料は定期的に送られ、分析される。
【0287】
安全性
有害事象(AE)は、対象がインフォームドコンセントを行った時点から研究期間中ずっとモニターされ、直接的で誘導的でない質問または自発的な報告によって明らかにされる。AEとは、医薬品を投与された対象または臨床調査の対象に起こる、必ずしもこの治療との因果関係がない、望ましくない医学的事象のことである。したがって、AEは、任意の好ましくない、意図しない徴候(異常な検査所見を含む)、症状、または医薬品もしくは治験薬の使用と一時的に関連した疾患であることができ、その事象が医薬品または治験薬に関連しているとみなされるかどうかにかかわらない。研究中に悪化した既存の病状は、AEとして報告される。
【0288】
重大度分類
イベントの重大度は、イベントをサブカテゴリに分類するために評価される。重大度は深刻さではない。非常に重大な出来事が深刻でないこともあり、深刻な出来事が軽度の重大度であることもある。それぞれの事象は、有害事象共通用語基準(CTCAE)v4.03評価スケール(2010年6月4日)を使用して重症度が評価される。
【0289】
以下の評価が適用される:
・ 軽度(グレード1)-軽度。無症状または軽度の症状。臨床または診断観察のみ。介入は不要。
・ 中等度(グレード2)-中等度。最小限、局所的、または非侵襲的な介入が必要。年齢相応の手段的日常生活動作(ADL)が制限される。
・ 重度(グレード3)-重大または医学的に重大だが直ちに生命を脅かすものではない。入院または入院期間の延長が必要。身体障害を伴う。セルフケアのADLが制限される。
・ 致命的(グレード4)-致命的結果、緊急介入の適応。
・ AEに関連する死亡(グレード5)。
【0290】
有害事象と治験薬との関係(もしあれば)が判定される。有害事象が治験薬によって引き起こされた可能性があると判断された場合、因果関係が存在する。
【0291】
実施例2
実施例1に記載した臨床試験の結果をここに示す。入手可能なデータは、試験された両方の投与量、すなわち50mgと100mgにおいて、AP1189がCDAIを減少させる有意な効果があることを示している。結果は、2週間後(治療期間の途中)、4週間後(治療期間の終了時)、及び5週間後(最後の投与から1週間後の追跡調査)で示される。
【0292】
【表6】
【0293】
アラニンアミノトランスフェラーゼ/アラニントランスアミナーゼ(ALAT)に対する治療の効果を下の表に示す。プラセボとAP1819 50mgの投与量では、2週間、4週間(治療終了、EoT)、及び5週間(最終投与から1週間後の追跡診察FoV)のいずれでもALATの増加が観察される。一般的にALATはMTX治療後に上昇する。
【0294】
AP1189の100mgの投与量では、ALATの上昇は観察されない(0.0%)。
【0295】
【表7】
【表8】
【表9】
研究参加者のベースライン特性は群間で同等である:


【表10】
【表11】
【0296】
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【国際調査報告】