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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-10-31
(54)【発明の名称】無線周波数識別に基づく三次元計測
(51)【国際特許分類】
   G01B 21/20 20060101AFI20241024BHJP
【FI】
G01B21/20 C
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2024531638
(86)(22)【出願日】2022-11-10
(85)【翻訳文提出日】2024-05-28
(86)【国際出願番号】 CN2022131070
(87)【国際公開番号】W WO2023098444
(87)【国際公開日】2023-06-08
(31)【優先権主張番号】17/457,349
(32)【優先日】2021-12-02
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】390009531
【氏名又は名称】インターナショナル・ビジネス・マシーンズ・コーポレーション
【氏名又は名称原語表記】INTERNATIONAL BUSINESS MACHINES CORPORATION
【住所又は居所原語表記】New Orchard Road, Armonk, New York 10504, United States of America
(74)【代理人】
【識別番号】100112690
【弁理士】
【氏名又は名称】太佐 種一
(74)【代理人】
【識別番号】100120710
【弁理士】
【氏名又は名称】片岡 忠彦
(72)【発明者】
【氏名】アキンレミボラ、オラウンミ
(72)【発明者】
【氏名】ベネット、ジェニファー アイ
(72)【発明者】
【氏名】ルイス、セロン リー
【テーマコード(参考)】
2F069
【Fターム(参考)】
2F069AA66
2F069BB14
2F069CC06
2F069DD25
2F069GG04
2F069GG08
2F069GG66
2F069HH30
2F069JJ01
2F069KK05
2F069MM04
2F069QQ05
2F069RR07
(57)【要約】
媒体中の無線周波数識別(RFID)チップの集合を利用して対象物の三次元測定値を取得する方法は、対象物を、媒体中にRFIDチップの集合が入った容器に入れることを含む。本方法はまた、媒体中の複数のRFIDチップの複数の座標を捕捉することを含み、複数の座標のうちの座標のセットは、RFIDチップの集合のうちの各RFIDチップに対応する。本方法は、媒体中の複数のRFIDチップの集合の複数の座標をプロットすることを含み、複数の座標のプロットは、対象物の三次元画像を提供する。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
方法であって、
対象物を、媒体中に複数の無線周波数識別(RFID)チップが入った容器に入れることと、
前記媒体中の前記複数のRFIDチップの複数の座標を捕捉することであって、前記複数の座標のうちの座標のセットが、前記複数のRFIDチップのうちの各RFIDチップに対応する、前記捕捉することと、
前記媒体中の前記複数のRFIDチップの前記複数の座標をプロットすることであって、前記複数の座標のプロットが、前記対象物の三次元画像を提供する、前記プロットすることと
を含む、方法。
【請求項2】
前記媒体を前記容器に入れることと、
前記複数のRFIDチップを前記媒体が入った前記容器に入れることと、
前記複数のRFIDチップを前記媒体に混合することであって、前記複数のRFIDチップが、前記媒体全体に分散される、前記混合することと
をさらに含む、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記対象物を、前記媒体中に前記複数のRFIDチップが入った前記容器から取り出すことと、
前記複数のRFIDチップを前記媒体から分離することと
をさらに含む、請求項1に記載の方法。
【請求項4】
前記媒体の体積、前記複数のRFIDチップの体積、および前記対象物の体積の合計が、前記容器の容積以下である、請求項1に記載の方法。
【請求項5】
前記媒体が、型取り媒体であり、前記型取り媒体が、アガロース、シリコーン、エポキシ樹脂、不飽和ポリエステル樹脂、およびアクリル・ガラスからなる群から選択されるポリマー材料である、請求項1に記載の方法。
【請求項6】
前記型取り媒体を前記容器に入れることであって、前記型取り媒体が、液化状態である、前記入れることと、
前記複数のRFIDチップおよび前記型取り媒体を用いて前記対象物の型を取ることであって、前記型取り媒体が、前記液化状態から固化状態に遷移する、前記型を取ることと
をさらに含む、請求項5に記載の方法。
【請求項7】
前記型取り媒体が前記液化状態に達するまで前記型取り媒体に熱を加えることをさらに含む、請求項6に記載の方法。
【請求項8】
前記複数のRFIDチップおよび前記型取り媒体を用いて前記対象物の型を取ることが、
前記型取り媒体が前記固化状態に達するまで、前記複数のRFIDチップおよび前記対象物が入った前記型取り媒体を冷却することをさらに含む、請求項7に記載の方法。
【請求項9】
前記対象物を、前記複数のRFIDチップが入った前記型取り媒体から分離することをさらに含む、請求項8に記載の方法。
【請求項10】
前記対象物を前記型取り媒体から分離することが、
前記複数のRFIDチップが入った前記固化状態における前記型取り媒体を前記対象物から引き剥がすことをさらに含む、請求項9に記載の方法。
【請求項11】
前記対象物を前記型取り媒体から分離することが、
前記型取り媒体が前記液化状態に達するまで、前記複数のRFIDチップおよび前記対象物が入った前記型取り媒体に熱を加えることと、
前記対象物を、前記複数のRFIDチップが入った前記液化状態における前記型取り媒体から除去することと
をさらに含む、請求項9に記載の方法。
【請求項12】
前記液化状態における前記型取り媒体を濾過して前記複数のRFIDチップを除去することであって、前記型取り媒体および前記複数のRFIDチップが、ともにその後の型取りに再使用可能である、前記除去することをさらに含む、請求項11に記載の方法。
【請求項13】
前記媒体が、液状媒体であり、前記液状媒体が、アガロース、ポリアクリルアミド、ゼラチン、およびカラギーナンからなる群から選択されるポリマー材料である、請求項1に記載の方法。
【請求項14】
前記液状媒体を前記容器に入れることと、
前記複数のRFIDチップを前記液状媒体が入った前記容器に入れることと
をさらに含む、請求項13に記載の方法。
【請求項15】
前記対象物を、前記液状媒体に前記複数のRFIDチップが入った前記容器から取り出すことをさらに含む、請求項14に記載の方法。
【請求項16】
前記液状媒体を濾過して前記複数のRFIDチップを除去することであって、前記液状媒体および前記複数のRFIDチップが、ともにその後の型取りに再使用可能である、前記除去することをさらに含む、請求項15に記載の方法。
【請求項17】
コンピュータ実施方法であって、
媒体中の複数のRFIDチップを初期化することと、
前記媒体中の前記複数のRFIDチップの初期の複数の座標を受信することであって、前記初期の複数の座標のうちの座標のセットが、前記複数のRFIDチップのうちの各RFIDチップに対応する、前記受信することと、
前記複数のRFIDチップが入った前記媒体に対象物を入れた後に、前記媒体中の前記複数のRFIDチップの更新された複数の座標を受信することであって、前記更新された複数の座標のうちの座標のセットが、前記複数のRFIDチップのうちの各RFIDチップに対応する、前記受信することと、
前記複数のRFIDチップのうちの各RFIDチップに対して、前記更新された複数の座標のうちの前記座標のセットをプロットして、前記対象物の三次元画像を作成することと
を含む、コンピュータ実施方法。
【請求項18】
前記複数のRFIDチップの前記初期の複数の座標に基づいて、振動型ミキサ装置に、前記媒体と前記複数のRFIDチップとを混合するように指示することをさらに含む、請求項14に記載のコンピュータ実施方法。
【請求項19】
前記媒体中の前記複数のRFIDチップを初期化することが、
RFIDリーダによって、前記複数のRFIDチップに信号を送信することと、
前記媒体中の前記複数のRFIDチップのうちの各RFIDチップの固有のタグ識別子を受信することと
をさらに含む、請求項17に記載のコンピュータ実施方法。
【請求項20】
前記媒体が、型取り媒体または液状媒体のいずれかである、請求項17に記載のコンピュータ実施方法。
【請求項21】
システムであって、
1つまたは複数のプロセッサと、
前記1つまたは複数のプロセッサに結合された1つまたは複数のメモリ・デバイスと、
前記1つまたは複数のプロセッサに結合された1つまたは複数のコンピュータ可読記憶デバイスであって、請求項1ないし20のいずれか一項に記載の方法を実施するために、前記1つまたは複数のメモリ・デバイスを介して前記1つまたは複数のプロセッサによって実行可能なプログラム・コードを含む、前記1つまたは複数のコンピュータ可読記憶デバイスと
を備える、システム。
【請求項22】
コンピュータ・プログラムであって、前記プログラムがコンピュータ上で実行されると、請求項1ないし20のいずれかに記載の方法のステップを実行するように適合されたプログラム・コードを含む、コンピュータ・プログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、一般に、三次元計測に関し、詳細には、三次元計測データを生成するための無線周波数識別チップの利用に関する。
【背景技術】
【0002】
物理的対象物についての三次元測定値を取得するための一般的なアプローチは、三次元測定機(CMM:coordinate measuring machine)を利用することを含む。一般的なCMMは、タッチ・プローブを用いて物理的対象物の表面上の複数の点を検知することによって、物理的対象物のジオメトリを測定することが可能なデバイスである。しかし、CMMの開発がさらに進むにつれて、物理的対象物のジオメトリの視覚/光学、レーザ、およびX線CT測定を含む他の技法が導入されるようになった。プローブ・システム、視覚/光学システム、およびレーザ・システムに基づく技法は、測定が焦点距離に限定されており、物理的対象物上のコンポーネントは、所与の技法の焦点距離よりも大きい奥行きまたは特徴を有する寸法を含む場合がある。X線CTシステムに基づく技法は、コンポーネントの様々な奥行きまたは特徴に対する寸法を提供することができるが、三次元モデルを再構成して物理的対象物の寸法を正確に測定するためには、大量の画像と分析が必要となる。
【発明の概要】
【0003】
本発明の実施形態の一態様は、対象物を、媒体中に複数の無線周波数識別(RFID:radio-frequency identification)チップが入った容器に入れることを含む方法を開示する。本方法は、媒体中の複数のRFIDチップの複数の座標を捕捉することをさらに含み、複数の座標のうちの座標のセットは、複数のRFIDチップのうちの各RFIDチップに対応する。本方法は、媒体中の複数のRFIDチップの複数の座標をプロットすることをさらに含み、複数の座標のプロットは、対象物の三次元画像を提供する。
【0004】
本発明の実施形態の別の態様は、媒体中の複数のRFIDチップを初期化することを含む方法を開示する。本方法は、媒体中の複数のRFIDチップの初期の複数の座標を受信することをさらに含み、初期の複数の座標のうちの座標のセットは、複数のRFIDチップのうちの各RFIDチップに対応する。本方法は、複数のRFIDチップが入った媒体に対象物を入れた後に、媒体中の複数のRFIDチップの更新された複数の座標を受信することをさらに含み、更新された複数の座標のうちの座標のセットは、複数のRFIDチップのうちの各RFIDチップに対応する。本方法は、複数のRFIDチップのうちの各RFIDチップに対して、更新された複数の座標のうちの座標のセットをプロットして、対象物の三次元画像を作成することをさらに含む。
【0005】
以下の詳細な説明は、例示として与えられ、本開示をそれらのみに限定することを意図するものではなく、以下の添付の図面と組み合わせることで最良に理解されるであろう。
【図面の簡単な説明】
【0006】
図1】本発明の一実施形態による、型取り媒体中の無線周波数識別チップを利用して対象物の三次元測定値を取得する方法を示す図である。
図2】本発明の一実施形態による、液状媒体中の無線周波数識別チップを利用して対象物の三次元測定値を取得する方法を示す図である。
図3】本発明の一実施形態による、媒体中の無線周波数識別チップを利用して対象物の三次元測定値を初期化および取得する方法を示す図である。
図4】本発明の一実施形態による、媒体中の無線周波数識別チップを利用して対象物の三次元測定値を初期化および取得する方法を実行するためのコンピュータ・システムのコンポーネントのブロック図である。
【発明を実施するための形態】
【0007】
本発明の実施形態は、媒体中の無線周波数識別(RFID)チップを利用して対象物の三次元測定値を取得する方法を提供し、媒体は、型取り材料または液体である。しばしばRFIDタグと呼ばれるRFIDチップは、無線周波数信号を変調および復調するとともに、情報を記憶および処理するための集積回路を有するマイクロチップを含む。また、RFIDチップは、信号を送受信するためのアンテナと、基板とを含み、これにより、RFIDチップが付着した対象物の座標を提供することを可能にする。RFIDチップの寸法は、半導体リソグラフィ技術の進歩に伴い着実に小さくなっており、方形のRFIDチップでは0.15×0.15ミリメートル、厚さ7.5マイクロメートルに達している。本発明の実施形態は、媒体中のRFIDチップの集合を利用して対象のサンプルを取り囲み、対象のサンプルは、媒体とともに位置決めされた対象物である。利用可能な最小寸法のRFIDチップを利用することで、媒体中のRFIDチップの集合の個数を増やすことができ、その結果、媒体中のRFIDチップの密度が増大し、媒体中に位置決めされた対象物の起伏的特徴(topographical feature)の測定点数が増大する。本発明の実施形態は、媒体中のRFIDチップの集合に関連付けられたいくつかのRFID送信のうちの各RFID送信を受信し、各々を区別することができる。
【0008】
RFIDチップの集合および対象物がその中に位置決めされる媒体は、型取り材料または液状材料とすることができる。型取り媒体の例としては、限定されないが、アガロース、シリコーン、エポキシ樹脂、不飽和ポリエステル樹脂、およびアクリル・ガラスが挙げられる。液状材料の例としては、限定されないが、アガロース、ポリアクリルアミド、ゼラチン、およびカラギーナンが挙げられる。本発明の実施形態は、RFIDチップの集合のうちの各RFIDチップのx、y、およびz座標の形態において、媒体とともに位置決めされた対象物の三次元測定値を受信し、RFIDチップの集合のうちの各RFIDチップのロケーションは、測定可能なデータを提供する。対象物が媒体に入れられると、対象物は、媒体における第1の体積を占有する。媒体の残りの体積はRFIDチップの集合によって占有され、RFIDチップの集合は媒体に入れられた対象物の起伏的特徴に適合する。RFIDチップの集合のうちの各RFIDチップから三次元測定値を受信した後、対象物は媒体から除去され、RFIDチップの集合は、リサイクルされ、媒体に入れられる別の対象物のその後の測定のために再使用される。
【0009】
図1は、本発明の一実施形態による、型取り媒体中の無線周波数識別チップを利用して対象物の三次元測定値を取得する方法を示す。
【0010】
本方法は、型取り媒体が入った容器に入れるためにRFIDチップの集合を提供すること(102)を含む。RFIDチップの集合の数量は、RFIDチップの集合のうちの各RFIDチップのサイズに依存する。利用可能な最小寸法のRFIDチップを利用することで、型取り媒体中のRFIDチップの集合の個数を増やすことができ、その結果、型取り媒体中のRFIDチップの密度が増大し、型取り媒体に入れられた対象物の起伏的特徴の測定点数が増大する。本実施形態では、型取り媒体に入れられる対象物は、プリント回路基板アセンブリである。また、RFIDチップの集合を提供することは、RFIDチップの集合を初期化して、RFIDチップの各々が、各々の測定可能なデータ点のx、y、およびz座標と関連付ける際に、固有の識別子に基づいて識別可能となることを確実にすることを含む。
【0011】
本方法は、型取り媒体を容器に入れること(104)を含む。容器は、型取り媒体に浸漬される対象物の体積(例えば、プリント回路基板アセンブリの体積)に基づいて選択される。容器の寸法は、対象物が型取り媒体に入れられると完全に浸漬されるようなものである。固化する前、外部変数(例えば、熱)が型取り媒体に導入されるまで、型取り媒体は、通常、液体状態にある。型取り媒体の一例としては、対象物の各種コンポーネントおよび特徴の周囲を形取ることができる、アガロース材料が挙げられる。アガロース材料に熱を加えると、アガロース材料は融解して液体粘稠度になり、この粘稠度(consistency)では、型取り媒体に浸漬される対象物を取り囲む様々な体積を占有し得る。アガロース材料が冷えるにつれて、液体粘稠度はゲル粘稠度に遷移し、対象物およびRFIDチップの集合の型取り媒体中の移動を防止する。アガロース材料は、対象物からアガロース材料を引き剥がすこと、または熱を再度加えてアガロース材料をゲル粘稠度から液体粘稠度に戻すこと、あるいはその両方を行うことによって除去可能である。型取り材料の他の例としては、限定されないが、シリコーン、エポキシ樹脂、不飽和ポリエステル樹脂、およびアクリル・ガラスが挙げられる。
【0012】
本方法は、RFIDチップの集合を型取り媒体が入った容器に入れること(106)を含む。型取り媒体の体積、RFIDチップの集合の体積、および対象物の体積の合計は、容器の寸法によって規定される容器の容積以下である。代替実施形態では、RFIDチップの集合は、型取り媒体を容器に入れる前に、容器に入れられる。RFIDチップの集合の均一な分散を確実にするために、RFIDチップの集合および型取り媒体は、容器内で混合される。代替実施形態では、RFIDチップの集合と型取り媒体とが、容器に入れられる前に、混合槽内で混合される。振動型ミキサ装置(vibrating mixer device)は、型取り媒体中のRFIDチップの均一な分散を実現するように、容器内でRFIDチップの集合と型取り媒体とを混合することができる。本方法は、RFIDチップの集合のうちの各RFIDチップの初期座標を捕捉し、RFIDチップの集合のうちの各RFIDチップの初期座標をプロットして、RFIDチップの集合と型取り媒体との混合物の分散の適切なレベルを決定することによって均一な分散を検証することができる。
【0013】
本方法は、プリント回路基板アセンブリをRFIDチップの集合および型取り媒体が入った容器に入れること(108)を含む。前述したように、型取り媒体の体積は、対象物が容器に入れられると型取り媒体に完全に浸漬されるようなものである。本実施形態では、プリント回路基板アセンブリの三次元測定データが取得され、プリント回路基板アセンブリは、容器に入れられ、RFIDチップの集合および型取り媒体の中に完全に浸漬される。型取り媒体が液体粘稠度であるとき、プリント回路基板をRFIDチップの集合および型取り媒体が入った容器に入れる際、型取り媒体は、プリント回路基板アセンブリ上の各種コンポーネントを取り囲む。本方法は、振動型ミキサ装置を利用して、RFIDチップの集合、型取り媒体、および浸漬されたプリント回路基板アセンブリが入った容器に対して振動を伝えて、型取り媒体とプリント回路基板アセンブリとの間のエア・ポケットを取り除くことを含み得る。型取り媒体とプリント回路基板アセンブリとの間のエア・ポケットを取り除くことにより、RFIDチップの集合および型取り媒体が、プリント回路基板アセンブリのすべての表面に適合し、プリント回路基板アセンブリの起伏的特徴についてのより正確な三次元データ点を提供することを確実にする。
【0014】
本方法は、RFIDチップの集合および型取り媒体を用いてプリント回路基板アセンブリの型を取ること(110)を含む。RFIDチップの集合および型取り媒体を用いてプリント回路基板アセンブリの型を取ることは、液体粘稠度から固化粘稠度(例えば、ゲル)へと型取り媒体を遷移させることを含む。固化粘稠度により、型取り媒体に浸漬されたRFIDチップの集合と対象物(すなわち、プリント回路基板アセンブリ)の両方の移動が防止される。上記の例では、アガロース材料が型取り媒体として利用されており、本方法は、アガロース材料をあらかじめ加熱された状態から冷却することによって、RFIDチップの集合とともにプリント回路基板アセンブリの型を取る。アガロース材料を冷却することは、RFIDチップの集合、型取り媒体、およびプリント回路基板アセンブリが入った容器を常温に戻すこと、またはRFIDチップの集合、型取り媒体、およびプリント回路基板アセンブリが入った容器を冷却槽(例えば冷蔵庫)に入れること、あるいはその両方を行うことを含み得る。
【0015】
本方法は、RFIDチップの集合のうちの各RFIDチップの座標を捕捉すること(112)を含む。容器周辺に位置決めされたRFIDリーダは、RFIDチップの集合のうちの各RFIDチップに信号を送信し、本方法は、RFIDリーダの各々の既知の位置および容器の寸法に基づいて、RFIDチップの集合のうちの各RFIDチップのx、y、およびz座標のセットを捕捉する。各RFIDチップは、本方法が、各RFIDチップを、捕捉したx、y、およびz座標のセットに関連付けることを可能にする、編集不可能な固有のタグ識別子(TID:tag identifier)を含む。本方法は、RFIDチップの集合のうちの各RFIDチップの座標をプロットすること(114)を含む。RFIDチップの集合のうちの各RFIDタグの各々の捕捉したx、y、およびz座標のセットをプロットすることにより、対象物の三次元画像が作成され、対象物は、本実施形態では型取り媒体に包み込まれたプリント回路基板アセンブリである。RFIDチップの集合のうちの各RFIDタグの各々の捕捉したx、y、およびz座標のセットは、型取り媒体における物理点に対応しているため、捕捉した座標を通してプリント回路基板アセンブリの各種コンポーネントおよび特徴のすべての寸法を取得可能である。RFIDチップの集合によって占有されていない容器内の型取り媒体の体積は、型取り媒体に浸漬されたプリント回路基板アセンブリによって占有される。その結果、RFIDタグの集合は、プリント回路基板アセンブリの各種コンポーネントおよび特徴を取り囲み、包含する。
【0016】
本方法は、プリント回路基板アセンブリを型から分離すること(116)を含む。一例では、固化状態における型取り媒体は、プリント回路基板アセンブリを包み込むが、プリント回路基板アセンブリの表面には接合しない。その結果、プリント回路基板アセンブリ上のコンポーネントまたは特徴に損傷を与えることなく、プリント回路基板アセンブリから型取り媒体を引き剥がすことができる。別の例では、プリント回路基板アセンブリを包み込んだ固化状態における型取り媒体を除去するために、溶剤が利用され、溶剤は、プリント回路基板アセンブリ上のコンポーネントまたは特徴に対して非腐食性である。さらに別の例では、プリント回路基板アセンブリを包み込んだ固化状態における型取り媒体は、液化状態に遷移される。本方法は、型取り媒体の中にプリント回路基板アセンブリが入った容器に熱を加えることを含むことができ、この熱は、RFIDチップの集合が入った型取り媒体(例えば、アガロース材料)を固化状態から液化状態に遷移させる。型取り媒体に加えられる熱は、プリント回路基板アセンブリ上のコンポーネントまたは特徴が、型取り媒体の中のRFIDチップの集合とともに損傷を受けず無傷なままとするようなものである。
【0017】
本方法は、RFIDチップの集合を型からリサイクルすること(118)を含む。プリント回路基板アセンブリ上のコンポーネントまたは特徴に損傷を与えることなくプリント回路基板アセンブリから型取り媒体が引き剥がされた例では、本方法は、RFIDチップの集合が入った型取り媒体に熱を加えることを含み得る。RFIDチップの集合が入った型取り媒体に熱を加えることにより、型取り媒体が固化状態から液化状態に遷移される。RFIDチップの集合が入った型取り媒体が液化状態に達すると、本方法は、液化状態における型取り媒体を濾過して、RFIDチップの集合を型取り媒体から分離することを含むことができる。RFIDチップの集合は洗浄され、その後の型取りで再使用され得る。型取り媒体の種類(例えば、アガロース材料)によっては、濾過された型取り媒体も、その後の型取りで再使用され得る。プリント回路基板アセンブリから型取り媒体を除去するために溶剤が利用される例では、本方法は、溶剤を含んだ型取り媒体を濾過してRFIDチップの集合を型取り媒体から分離することを含み得る。RFIDチップの集合は洗浄され、その後の型取りで再使用され得る。型取り媒体を液化状態に遷移させるために熱が加えられる例では、本方法は、液化状態における型取り媒体を濾過してRFIDチップの集合を型取り媒体から分離することを含み得る。RFIDチップの集合は、洗浄され、その後の型取り媒体または液状媒体で再使用され得る。型取り媒体の種類(例えば、アガロース材料)によっては、濾過された型取り媒体も、その後の対象物の三次元測定で再使用され得る。
【0018】
図2は、本発明の一実施形態による、液状媒体中の無線周波数識別チップを利用して対象物の三次元測定値を取得する方法を示す。
【0019】
本方法は、液状媒体を含む容器に入れるためにRFIDチップの集合を提供すること(202)を含む。RFIDチップの集合の数量は、RFIDチップの集合のうちの各RFIDチップのサイズに依存する。利用可能な最小寸法のRFIDチップを利用することで、液状媒体中のRFIDチップの集合の個数を増やすことができ、その結果、液状媒体中のRFIDチップの密度が増大し、液状媒体に入れられた対象物の起伏的特徴の測定点数が増大する。本実施形態では、液状媒体に入れられる対象物は、プリント回路基板アセンブリである。また、RFIDチップの集合を提供することは、RFIDチップの集合を初期化して、RFIDチップの各々が、各々の測定可能なデータ点のx、y、およびz座標と関連付ける際に、固有のタグ識別子(TID)に基づいて識別可能となることを確実にすることを含む。
【0020】
本方法は、液状媒体を容器に入れること(204)を含む。容器は、液状媒体に浸漬される対象物の体積(例えば、プリント回路基板アセンブリの体積)に基づいて選択される。容器の寸法は、対象物が液状媒体に入れられると完全に浸漬されるようなものである。液状媒体の例としては、アガロース、ポリアクリルアミド、ゼラチン、およびカラギーナンが挙げられるが、これらに限定されるものではない。
【0021】
本方法は、RFIDチップの集合を液状媒体が入った容器に入れること(206)を含む。液状媒体の体積、RFIDチップの集合の体積、および対象物の体積の合計は、容器の寸法によって規定される容器の容積以下である。代替実施形態では、RFIDチップの集合は、液状媒体を容器に入れる前に、容器に入れられる。RFIDチップの集合の均一な分散を確実にするために、RFIDチップの集合および液状媒体は、容器内で混合される。代替実施形態では、RFIDチップの集合と液状媒体とが、容器に入れられる前に、混合槽内で混合される。振動型ミキサ装置は、液状媒体中のRFIDチップの均一な分散を実現するように、容器内でRFIDチップの集合と液状媒体とを混合することができる。本方法は、RFIDチップの集合のうちの各RFIDチップの初期座標を捕捉し、RFIDチップの集合のうちの各RFIDチップの初期座標をプロットして、RFIDチップの集合と液状媒体との混合物の分散の適切なレベルを決定することによって均一な分散を検証することができる。
【0022】
本方法は、プリント回路基板アセンブリをRFIDチップの集合および液状媒体が入った容器に入れること(208)を含む。前述したように、液状媒体の体積は、対象物が容器に入れられると液状媒体の中に完全に浸漬されるようなものであり、プリント回路基板アセンブリ上の各種コンポーネントおよび特徴を取り囲む。本実施形態では、プリント回路基板アセンブリの三次元測定データが取得され、プリント回路基板アセンブリは、容器に入れられ、RFIDチップの集合および液状媒体の中に完全に浸漬される。本方法は、振動型ミキサ装置を利用して、RFIDチップの集合、液状媒体、および浸漬されたプリント回路基板アセンブリが入った容器に対して振動を伝えて、液状媒体とプリント回路基板アセンブリとの間のエア・ポケットを取り除くことを含み得る。液状媒体とプリント回路基板アセンブリとの間のエア・ポケットを取り除くことにより、RFIDチップの集合および液状媒体が、プリント回路基板アセンブリのすべての表面に適合し、プリント回路基板アセンブリの起伏的特徴についてのより正確な三次元データ点を提供することを確実にする。
【0023】
本方法は、RFIDチップの集合のうちの各RFIDチップの座標を捕捉すること(210)を含む。容器周辺に位置決めされたRFIDリーダは、RFIDチップの集合のうちの各RFIDチップに信号を送信し、本方法は、RFIDリーダの各々の既知の位置および容器の寸法に基づいて、RFIDチップの集合のうちの各RFIDチップのx、y、およびz座標のセットを捕捉する。各RFIDチップは、本方法が、各RFIDチップを捕捉したx、y、およびz座標のセットに関連付けることを可能にする、編集不可能な固有のタグ識別子(TID)を含む。本方法は、RFIDチップの集合のうちの各RFIDチップの座標をプロットすること(212)を含む。RFIDチップの集合のうちの各RFIDタグの各々の捕捉したx、y、およびz座標のセットをプロットすることにより、対象物の三次元画像が作成され、対象物は、本実施形態では液状媒体に包み込まれたプリント回路基板アセンブリである。RFIDチップの集合のうちの各RFIDタグの各々の捕捉したx、y、およびz座標のセットは、液状媒体における物理点に対応しているため、捕捉した座標を通してプリント回路基板アセンブリの各種コンポーネントおよび特徴のすべての寸法を取得可能である。RFIDチップの集合によって占有されていない容器内の液状媒体の体積は、液状媒体に浸漬されたプリント回路基板アセンブリによって占有される。その結果、RFIDタグの集合は、プリント回路基板アセンブリの各種コンポーネントおよび特徴を取り囲み、包含する。
【0024】
本方法は、プリント回路基板アセンブリを液状媒体から除去すること(214)を含む。本方法はまた、プリント回路基板アセンブリをすすいでプリント回路基板アセンブリの表面に付着した残りのRFIDチップを除去し、プリント回路基板アセンブリを乾燥させる(例えば、熱、圧縮空気)ことを含み得る。本方法は、RFIDチップの集合を液状媒体からリサイクルすること(216)を含む。本方法は、液状媒体を濾過してRFIDチップの集合を液状媒体から分離することを含み得る。RFIDチップの集合は、洗浄され、その後の液状媒体または型取り媒体で再使用され得る。液状媒体の種類(例えば、アガロース材料)によっては、濾過された液状媒体も、その後の対象物の三次元測定で再使用され得る。
【0025】
図3は、本発明の一実施形態による、媒体中の無線周波数識別チップを利用して対象物の三次元測定値を初期化および取得する方法を示す。計測プロセス300は、型取り媒体または液状媒体中の無線周波数識別チップを利用して対象物の三次元測定値を初期化および取得することが可能なプログラムである。
【0026】
計測プロセス300は、RFIDチップの集合を初期化する(302)。RFIDチップの集合の初期化は、計測プロセス300が、型取り媒体または液状媒体が入った容器に信号を送信して、型取り媒体または液状媒体中のRFIDチップの集合から各RFIDチップを識別することを含む。計測プロセス300は、各RFIDチップに関連付けられた固有のタグ識別子(TID)に基づいて、RFIDチップの集合から各RFIDチップを識別する。
【0027】
計測プロセス300は、RFIDチップの集合のうちの各RFIDチップの初期座標を受信する(304)。複数のリーダが、各RFIDチップのx、y、およびz座標を捕捉するように型取り媒体または液状媒体が入った容器付近に位置決めされて、型取り媒体中のRFIDチップの集合の均一な分散を確実にする。均一な分散を促進するために、RFIDチップの集合と型取り媒体とが容器内で混合される。型取り媒体または液状媒体にRFIDチップの集合が入った容器は、振動型ミキサ装置の上に置くことができ、計測プロセス300は、振動型ミキサ装置に、RFIDチップの集合の分散が所望のレベルに達するまで、型取り媒体または液状媒体を混合するように指示することができる。計測プロセス300は、RFIDチップの集合のうちの各RFIDチップの初期座標を捕捉し、RFIDチップの集合のうちの各RFIDチップの初期座標をプロットして、型取り媒体または液状媒体中のRFIDチップの集合の分散の適切なレベルを決定することによって所望の分散を検証する。
【0028】
計測プロセス300は、対象物を入れた後にRFIDチップの集合のうちの各RFIDチップの更新された座標を受信する(306)。型取り媒体または液状媒体中のRFIDチップの集合が入った容器に対象物(すなわち、プリント回路基板アセンブリ)を入れた後、計測プロセス300は、RFIDチップの集合のうちの各RFIDチップの新規座標を受信する。複数のリーダは、型取り媒体中のRFIDチップの集合の各RFIDチップのx、y、およびz座標を捕捉するように、型取り媒体または液状媒体およびプリント回路基板アセンブリが入った容器付近に位置決めされる。複数のRFIDリーダは、RFIDチップの集合のうちの各RFIDチップに信号を送信し、計測プロセスは、RFIDリーダの各々の既知の位置および容器の寸法に基づいて、RFIDチップの集合のうちの各RFIDチップのx、y、およびz座標のセットを受信する。各RFIDチップは、本方法が、各RFIDチップを捕捉したx、y、およびz座標のセットに関連付けることを可能にする、編集不可能な固有のタグ識別子(TID)を含む。
【0029】
計測プロセス300は、RFIDチップの集合のうちの各RFIDチップの座標をプロットする(308)。RFIDチップの集合のうちの各RFIDタグの各々の捕捉したx、y、およびz座標のセットをプロットすることにより、対象物の三次元画像が作成され、対象物は、本実施形態では型取り媒体または液状媒体中のプリント回路基板アセンブリである。RFIDチップの集合のうちの各RFIDタグの各々の捕捉したx、y、およびz座標のセットは、型取り媒体または液状媒体における物理点に対応しているため、捕捉した座標を通してプリント回路基板アセンブリの各種コンポーネントおよび特徴のすべての寸法を取得可能である。RFIDチップの集合によって占有されていない容器内の型取り媒体または液状媒体の体積は、型取り媒体または液状媒体に浸漬されたプリント回路基板アセンブリによって占有される。その結果、RFIDタグの集合は、プリント回路基板アセンブリの各種コンポーネントおよび特徴を取り囲み、包含する。計測プロセス300は、対象物に関連付けられたRFIDチップの集合のうちの各RFIDチップの座標のプロットを表示する(310)。計測プロセス300は、RFIDチップの集合の座標のプロットを、クライアント・デバイス上のユーザ・インターフェースに表示する。
【0030】
図4は、媒体中の無線周波数識別チップを利用して対象物の三次元測定値を初期化および取得する計測プロセス300を実行するための、永続ストレージ408に記憶されたプログラムを含み得るコンピュータ・システム400を示す。コンピュータ・システムは、プロセッサ404、キャッシュ416、メモリ406、永続ストレージ408、通信ユニット410、入出力(I/O)インターフェース412、および通信ファブリック402を含む。通信ファブリック402は、キャッシュ416、メモリ406、永続ストレージ408、通信ユニット410、および入出力(I/O)インターフェース412の間の通信を提供する。通信ファブリック402は、プロセッサ(マイクロプロセッサ、通信およびネットワーク・プロセッサ等)、システム・メモリ、周辺デバイス、およびシステム内の任意の他のハードウェア・コンポーネントの間でデータを受け渡すこと、または情報を制御すること、あるいはその両方を行うように設計された任意のアーキテクチャを用いて実装することができる。例えば、通信ファブリック402は、1つもしくは複数のバスまたはクロスバー・スイッチを用いて実装され得る。
【0031】
メモリ406および永続ストレージ408は、コンピュータ可読記憶媒体である。本実施形態では、メモリ406はランダム・アクセス・メモリ(RAM)を含む。一般に、メモリ406は、任意の好適な揮発性または不揮発性コンピュータ可読記憶媒体を含み得る。キャッシュ416は、メモリ406から最近アクセスされたデータ、および最近アクセスされたデータに近いデータを保持することで、プロセッサ404の性能を高める高速メモリである。
【0032】
本発明の実施形態を実践するために使用されるプログラム命令およびデータは、キャッシュ416を介して、それぞれのプロセッサ404のうちの1つまたは複数による実行のために永続ストレージ408およびメモリ406に記憶されてもよい。一実施形態では、永続ストレージ408は、磁気ハード・ディスク・ドライブを含む。代替として、または磁気ハード・ディスク・ドライブに加えて、永続ストレージ408は、ソリッド・ステート・ハード・ドライブ、半導体記憶デバイス、リード・オンリ・メモリ(ROM)、消去可能プログラマブル・リード・オンリ・メモリ(EPROM)、フラッシュ・メモリ、またはプログラム命令もしくはデジタル情報を記憶可能な任意の他のコンピュータ可読記憶媒体を含み得る。
【0033】
永続ストレージ408で使用される媒体も取外し可能であってもよい。例えば、取外し可能なハード・ドライブを、永続ストレージ408に使用してもよい。他の例としては、永続ストレージ408の一部でもある別のコンピュータ可読記憶媒体への転送のためにドライブに挿入される、光および磁気ディスク、サム・ドライブ、ならびにスマート・カードが挙げられる。
【0034】
通信ユニット410は、これらの例では、他のデータ処理システムまたはデバイスとの通信を提供する。これらの例では、通信ユニット410は、1つまたは複数のネットワーク・インターフェース・カードを含む。通信ユニット410は、物理的通信リンクおよびワイヤレス通信リンクのいずれかまたは両方の使用を通して通信を提供してもよい。本発明の実施形態を実践するために使用されるプログラム命令およびデータは、通信ユニット410を通して永続ストレージ408にダウンロードされてもよい。
【0035】
I/Oインターフェース412は、各コンピュータ・システムに接続され得る他のデバイスとのデータの入出力を可能にする。例えば、I/Oインターフェース412は、キーボード、キーパッド、タッチ・スクリーン、または他の好適な入力デバイス、あるいはこれらの組合せなどの外部デバイス418への接続を提供してもよい。外部デバイス418はまた、例えば、サム・ドライブ、ポータブル光または磁気ディスク、およびメモリ・カードなどのポータブル・コンピュータ可読記憶媒体を含み得る。本発明の実施形態を実践するために使用されるソフトウェアおよびデータは、I/Oインターフェース412を介してそのようなポータブル・コンピュータ可読記憶媒体に記憶することができ、また、永続ストレージ408にロードすることができる。I/Oインターフェース412はまた、ディスプレイ420に接続する。
【0036】
ディスプレイ420は、ユーザにデータを表示するための機構を提供し、例えば、コンピュータ・モニタであってもよい。
【0037】
本明細書で説明するプログラムは、本発明の特定の実施形態においてそれらが実施されるアプリケーションに基づいて特定される。ただし、本明細書におけるいかなる特定のプログラム命名法も、単に便宜上使用されているに過ぎず、したがって本発明は、そのような命名法によって特定または示唆される、あるいはその両方が行われる任意の特定のアプリケーションにおける使用のみに限定されるものではないことを諒解されたい。
【0038】
本発明は、システム、方法、またはコンピュータ・プログラム製品、あるいはこれらの組合せであってもよい。コンピュータ・プログラム製品は、プロセッサに、本発明の態様を実行させるためのコンピュータ可読プログラム命令を有するコンピュータ可読記憶媒体(または媒体)を含んでもよい。
【0039】
コンピュータ可読記憶媒体は、命令実行デバイスによる使用のための命令を保持および記憶することが可能な有形デバイスとすることができる。コンピュータ可読記憶媒体は、例えば、限定されないが、電子記憶デバイス、磁気記憶デバイス、光記憶デバイス、電磁記憶デバイス、半導体記憶デバイス、または上記の任意の好適な組合せであってもよい。コンピュータ可読記憶媒体のより具体的な例の非網羅的なリストとしては、ポータブル・コンピュータ・ディスケット、ハード・ディスク、ランダム・アクセス・メモリ(RAM)、リード・オンリ・メモリ(ROM)、消去可能プログラマブル・リード・オンリ・メモリ(EPROMまたはフラッシュ・メモリ)、スタティック・ランダム・アクセス・メモリ(SRAM)、ポータブル・コンパクト・ディスク・リード・オンリ・メモリ(CD-ROM)、デジタル多用途ディスク(DVD)、メモリ・スティック、フロッピ・ディスク、命令が記録されたパンチ・カードまたは溝における凸構造などの機械的に符号化されたデバイス、および上記の任意の好適な組合せが挙げられる。本明細書で使用される場合、コンピュータ可読記憶媒体は、例えば、電波もしくは他の自由伝搬電磁波、導波路もしくは他の伝送媒体を通して伝播する電磁波(例えば、光ファイバ・ケーブルを通過する光パルス)、またはワイヤを通して伝送される電気信号など、一過性の信号それ自体であるものと解釈されるべきではない。
【0040】
本明細書で説明するコンピュータ可読プログラム命令は、コンピュータ可読記憶媒体からそれぞれのコンピューティング/処理デバイスにダウンロードされてもよいし、ネットワーク、例えば、インターネット、ローカル・エリア・ネットワーク、ワイド・エリア・ネットワーク、またはワイヤレス・ネットワーク、あるいはこれらの組合せを介して、外部コンピュータまたは外部記憶デバイスにダウンロードされてもよい。ネットワークは、銅線伝送ケーブル、光伝送ファイバ、ワイヤレス伝送、ルータ、ファイアウォール、スイッチ、ゲートウェイ・コンピュータ、またはエッジ・サーバ、あるいはこれらの組合せを含んでもよい。各コンピューティング/処理デバイスにおけるネットワーク・アダプタ・カードまたはネットワーク・インターフェースは、ネットワークからコンピュータ可読プログラム命令を受信し、これらのコンピュータ可読プログラム命令を、それぞれのコンピューティング/処理デバイス内のコンピュータ可読記憶媒体における記憶のために転送する。
【0041】
本発明の動作を実行するためのコンピュータ可読プログラム命令は、アセンブラ命令、命令セット・アーキテクチャ(ISA)命令、マシン命令、マシン依存命令、マイクロコード、ファームウェア命令、状態設定データ、または、Smalltalk(R)、C++等のオブジェクト指向プログラミング言語、および「C」プログラミング言語もしくは同様のプログラミング言語などの従来の手続き型プログラミング言語を含む、1つもしくは複数のプログラミング言語の任意の組合せで記述されたソース・コードもしくはオブジェクト・コードのいずれかであってもよい。コンピュータ可読プログラム命令は、完全にユーザのコンピュータ上で、スタンドアロンのソフトウェア・パッケージとして部分的にユーザのコンピュータ上で、部分的にユーザのコンピュータ上、かつ部分的にリモート・コンピュータ上で、または完全にリモート・コンピュータもしくはサーバ上で実行されてもよい。後者のシナリオでは、リモート・コンピュータは、ローカル・エリア・ネットワーク(LAN)、またはワイド・エリア・ネットワーク(WAN)を含む任意の種類のネットワークを通してユーザのコンピュータに接続されてもよいし、(例えば、インターネット・サービス・プロバイダを使用し、インターネットを通して)接続が、外部コンピュータに対して行われてもよい。いくつかの実施形態では、例えば、プログラマブル論理回路、フィールド・プログラマブル・ゲート・アレイ(FPGA)、またはプログラマブル論理アレイ(PLA)を含む電子回路は、本発明の態様を実行するために、コンピュータ可読プログラム命令の状態情報を利用して電子回路を個別設定することにより、コンピュータ可読プログラム命令を実行することができる。
【0042】
本明細書では、本発明の態様について、本発明の実施形態による方法、装置(システム)、およびコンピュータ・プログラム製品のフローチャート図またはブロック図あるいはその両方を参照して説明する。フローチャート図またはブロック図あるいはその両方の各ブロック、ならびにフローチャート図またはブロック図あるいはその両方のブロックの組合せは、コンピュータ可読プログラム命令によって実施され得ることが理解されよう。
【0043】
これらのコンピュータ可読プログラム命令は、コンピュータ、または他のプログラマブル・データ処理装置のプロセッサを介して実行される命令が、フローチャートまたはブロック図あるいはその両方の1つまたは複数のブロックで説明する機能/動作を実施するための手段を作り出すように、汎用コンピュータ、専用コンピュータ、または他のプログラマブル・データ処理装置のプロセッサに提供されてマシンを作出してもよい。これらのコンピュータ可読プログラム命令はまた、命令が記憶されたコンピュータ可読記憶媒体が、フローチャートまたはブロック図あるいはその両方の1つまたは複数のブロックで説明する機能/動作の態様を実施する命令を含む製品を備えるべく、コンピュータ、プログラマブル・データ処理装置、または他のデバイス、あるいはこれらの組合せに、特定の方式で機能するように指示することが可能なコンピュータ可読記憶媒体に記憶されてもよい。
【0044】
コンピュータ可読プログラム命令は、コンピュータ、他のプログラマブル装置、または他のデバイス上で実行される命令が、フローチャートまたはブロック図あるいはその両方の1つまたは複数のブロックにおいて説明する機能/動作を実施するように、コンピュータ実施プロセスを作出すべく、コンピュータ、他のプログラマブル・データ処理装置、または他のデバイスにロードされ、一連の動作ステップを、コンピュータ、他のプログラマブル装置、または他のデバイス上で実行させるものであってもよい。
【0045】
図中のフローチャートおよびブロック図は、本発明の様々な実施形態によるシステム、方法、およびコンピュータ・プログラム製品の可能な実装形態のアーキテクチャ、機能、および動作を示す。この点で、フローチャートまたはブロック図の各ブロックは、説明する論理機能を実施するための1つまたは複数の実行可能命令を含む、命令のモジュール、セグメント、または部分を表し得る。いくつかの代替実装形態では、ブロックに記載の機能は、図に記載した順序以外の順序で行われ得る。例えば、連続して示す2つのブロックは、実際には実質的に同時に実行されることもあるし、関係する機能によっては、ブロックが逆順に実行されることもある。また、ブロック図またはフローチャート図あるいはその両方の各ブロック、ならびにブロック図またはフローチャート図あるいはその両方のブロックの組合せは、説明する機能もしくは動作を実行するか、または専用ハードウェアおよびコンピュータ命令の組合せを実行する専用のハードウェアベースのシステムによって実施され得ることに留意されたい。
【0046】
本発明の様々な実施形態の説明は、例示の目的で提示されたものであるが、開示された実施形態を網羅したり限定したりすることを意図したものではない。説明した実施形態の範囲から逸脱することなく、多くの修正例および変形例が当業者には明らかであろう。本明細書で使用される技術用語は、実施形態の原理、実際の応用、もしくは市場にある技術に対する技術的改善を最もよく説明するように、または他の当業者が本明細書で説明する実施形態を理解できるように選定した。
図1
図2
図3
図4
【国際調査報告】