(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-10-31
(54)【発明の名称】回路基板
(51)【国際特許分類】
H05K 1/02 20060101AFI20241024BHJP
【FI】
H05K1/02 C
H05K1/02 J
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2024532280
(86)(22)【出願日】2022-11-29
(85)【翻訳文提出日】2024-05-29
(86)【国際出願番号】 KR2022019069
(87)【国際公開番号】W WO2023096458
(87)【国際公開日】2023-06-01
(31)【優先権主張番号】10-2021-0167672
(32)【優先日】2021-11-29
(33)【優先権主張国・地域又は機関】KR
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】517099982
【氏名又は名称】エルジー イノテック カンパニー リミテッド
(74)【代理人】
【識別番号】100114188
【氏名又は名称】小野 誠
(74)【代理人】
【識別番号】100119253
【氏名又は名称】金山 賢教
(74)【代理人】
【識別番号】100129713
【氏名又は名称】重森 一輝
(74)【代理人】
【識別番号】100137213
【氏名又は名称】安藤 健司
(74)【代理人】
【識別番号】100183519
【氏名又は名称】櫻田 芳恵
(74)【代理人】
【識別番号】100196483
【氏名又は名称】川嵜 洋祐
(74)【代理人】
【識別番号】100160255
【氏名又は名称】市川 祐輔
(74)【代理人】
【識別番号】100219265
【氏名又は名称】鈴木 崇大
(74)【代理人】
【識別番号】100203208
【氏名又は名称】小笠原 洋平
(74)【代理人】
【識別番号】100216839
【氏名又は名称】大石 敏幸
(74)【代理人】
【識別番号】100228980
【氏名又は名称】副島 由加里
(74)【代理人】
【識別番号】100151448
【氏名又は名称】青木 孝博
(74)【代理人】
【識別番号】100146318
【氏名又は名称】岩瀬 吉和
(72)【発明者】
【氏名】イ,ドンコン
(72)【発明者】
【氏名】ユウ,ソクジョン
【テーマコード(参考)】
5E338
【Fターム(参考)】
5E338AA03
5E338BB12
5E338BB19
5E338BB63
5E338BB75
5E338CD12
5E338CD33
5E338EE22
(57)【要約】
実施例に係る回路基板は、第1絶縁層と、前記第1絶縁層上に配置された第1回路パターン層と、前記第1絶縁層及び前記第1回路パターン層上に配置され、第1キャビティを備えた第2絶縁層と、を含み、前記第1回路パターン層は、前記第1キャビティの内側に配置された第1部分及び前記第1部分から前記第1キャビティの外側に延びる第2部分を含む連結パターン部を含む。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1絶縁層と、
前記第1絶縁層上に配置された第1回路パターン層と、
前記第1回路パターン層上に配置され、第1キャビティを備えた第2絶縁層と、を含み、
前記第1回路パターン層は、
前記第1キャビティと垂直に重なる第1パッド部と、
前記第1キャビティと垂直に重ならない第2パッド部と、
前記第1パッド部と第2パッド部との間に配置された連結パターン部と、を含み、
前記連結パターン部は、前記第1キャビティの内側に配置され、前記第1パッド部に連結された第1部分と、前記第1キャビティの外側に配置され、前記第2パッド部に連結された第2部分と、を含む、回路基板。
【請求項2】
前記連結パターン部の前記第1部分の上面は、前記第1キャビティと垂直に重なり、前記第2絶縁層と接触せず、
前記連結パターン部の前記第2部分の上面は、前記第1キャビティと垂直に重ならずに前記第2絶縁層と接触する、請求項1に記載の回路基板。
【請求項3】
前記連結パターン部、前記第1パッド部、及び前記第2パッド部のそれぞれは、水平方向に相互に重なる、請求項1に記載の回路基板。
【請求項4】
前記連結パターン部の幅は、
前記第1及び第2パッド部それぞれの幅よりも小さい、請求項3に記載の回路基板。
【請求項5】
前記連結パターン部は、第1平面形状を有し、
前記第1パッド部及び前記第2パッド部それぞれは、前記第1平面形状とは異なる第2平面形状を有する、請求項3に記載の回路基板。
【請求項6】
前記第2絶縁層は、
前記第1絶縁層に向かうほど幅が減少する前記第1キャビティの第1傾斜面を含み、
前記第1傾斜面は、
前記第1キャビティの一側で、前記第2絶縁層の上面に隣接して位置する第1端部と、
前記第1キャビティの前記一側で、前記第2絶縁層の下面に隣接する第2端部と、を含み、
前記第1端部と前記第2端部との間の水平距離は、0.1μm~25μmの範囲を満たす、請求項1に記載の回路基板。
【請求項7】
前記第2絶縁層上に配置され、前記第1キャビティと垂直に重なる貫通孔を含む保護層を含む、請求項6に記載の回路基板。
【請求項8】
前記保護層の貫通孔の幅は、
前記第1キャビティの全領域のうち前記第2絶縁層の上面に隣接する領域における幅よりも大きい、請求項7に記載の回路基板。
【請求項9】
前記第2絶縁層は、
前記第1傾斜面の前記第1端部に隣接し、前記保護層の貫通孔と垂直に重なる第1上面を含み、
前記第1上面の幅は、前記第1端部と前記第1端部に隣接する前記保護層の貫通孔の内壁との間の水平距離であり、50μm~80μmの範囲を満たす、請求項8に記載の回路基板。
【請求項10】
前記第2絶縁層上に配置された第2回路パターン層を含み、
前記第2回路パターン層のうち前記第1端部に最も隣接して配置されたパターンは、
前記保護層の貫通孔の内壁から55μm~95μmの範囲の間隔だけ離隔する、請求項6に記載の回路基板。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
実施例は、回路基板及びこれを含むパッケージ基板に関する。
【背景技術】
【0002】
電気/電子製品の高性能化が進むにつれて、限られたサイズの基板により多くのパッケージを取り付けるための技術が提案及び研究されている。但し、一般的なパッケージは1つの半導体チップが搭載されることを基本とするため、所望の性能を得るには限界がある。
【0003】
一般的な半導体パッケージは、プロセッサチップが配置されたプロセッサパッケージと、メモリチップが取り付けられたメモリパッケージとが1つで連結された形態を有する。このような半導体パッケージは、プロセッサチップとメモリチップとが1つのパッケージに統合された構造を有することができ、これによりチップの実装面積を減らし、短いパスを通じて高速信号伝送が可能な長所がある。
【0004】
このような長所により、上記のような半導体パッケージは、モバイル機器などに多く適用されている。
【0005】
一方、近年、モバイル機器のような電子機器の高仕様化、HBM(High Bandwidth Memory)採用などで、パッケージのサイズが大きくなっており、これによるインターポーザを含む半導体パッケージが主に使用されている。このとき、前記インターポーザは、シリコン基板からなる。
【0006】
しかし、シリコン基板のようなインターポーザの場合、インターポーザを製造するための材料的なコストが高いだけでなく、TSV(Through Silicon Via)形成が複雑でコストも高いという問題点がある。
【0007】
また、従来は半導体パッケージとしてシリコン系インターコネクトブリッジを含む基板が使用されている。但し、シリコン系インターコネクトブリッジの場合、ブリッジのシリコン材料と基板のオルガニック材料との間のCTE(Coefficient of Thermal Expansion)ミスマッチによる信頼性の問題が存在し、パワーインテグリティ(Power Integrity)特性が低下するという問題がある。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
実施例では、新しい構造の回路基板及びこれを含む半導体パッケージを提供できるようにする。
【0009】
また、実施例では、スリム化された構造を有する回路基板及びこれを含む半導体パッケージを提供できるようにする。
【0010】
また、実施例では、最適な物理的信頼性及び電気的信頼性を有するキャビティを含む回路基板及びこれを含む半導体パッケージを提供できるようにする。
【0011】
また、実施例では、素子と連結される信号連結ラインの長さを最小化できる回路基板及びこれを含む半導体パッケージを提供できるようにする。
【0012】
提案される実施例において、解決しようとする技術的課題は、以上で言及した技術的課題に制限されず、言及していないまた他の技術的課題は、下記の記載から提案される実施例が属する技術分野における通常の知識を有した者にとって明確に理解できるであろう。
【課題を解決するための手段】
【0013】
実施例に係る回路基板は、第1絶縁層と、前記第1絶縁層上に配置された第1回路パターン層と、前記第1回路パターン層上に配置され、第1キャビティを備えた第2絶縁層と、を含み、前記第1回路パターン層は、前記第1キャビティと垂直に重なる第1パッド部と、前記第1キャビティと垂直に重ならない第2パッド部と、前記第1パッド部と第2パッド部との間に配置された連結パターン部と、を含み、前記連結パターン部は、前記第1キャビティの内側に配置され、前記第1パッド部に連結された第1部分と、前記第1キャビティの外側に配置され、前記第2パッド部に連結された第2部分と、を含む。
【0014】
また、前記連結パターン部の前記第1部分の上面は、前記第1キャビティと垂直に重なり、前記第2絶縁層と接触せず、前記連結パターン部の前記第2部分の上面は、前記第1キャビティと垂直に重ならずに前記第2絶縁層と接触する。
【0015】
また、前記連結パターン部、前記第1パッド部、及び前記第2パッド部のそれぞれは、水平方向に相互に重なる。
【0016】
また、前記連結パターン部の幅は、前記第1及び第2パッド部それぞれの幅よりも小さい。
【0017】
また、前記連結パターン部は、第1平面形状を有し、前記第1パッド部及び前記第2パッド部それぞれは、前記第1平面形状とは異なる第2平面形状を有する。
【0018】
また、前記第2絶縁層は、前記第1絶縁層に向かうほど幅が減少する前記第1キャビティの第1傾斜面を含み、前記第1傾斜面は、前記第1キャビティの一側で、前記第2絶縁層の上面に隣接して位置する第1端部と、前記第1キャビティの前記一側で、前記第2絶縁層の下面に隣接する第2端部とを含み、前記第1端部と前記第2端部との間の水平距離は、0.1μm~25μmの範囲を満たす。
【0019】
また、前記回路基板は、前記第2絶縁層上に配置され、前記第1キャビティと垂直に重なる貫通孔を含む保護層を含む。
【0020】
また、前記保護層の貫通孔の幅は、前記第1キャビティの全領域のうち前記第2絶縁層の上面に隣接する領域における幅よりも大きい。
【0021】
また、前記第2絶縁層は、前記第1傾斜面の前記第1端部に隣接し、前記保護層の貫通孔と垂直に重なる第1上面を含み、前記第1上面の幅は、前記第1端部と前記第1端部に隣接する前記保護層の貫通孔の内壁との間の水平距離であり、50μm~80μmの範囲を満たす。
【0022】
また、前記回路基板は、前記第2絶縁層上に配置された第2回路パターン層を含み、前記第2回路パターン層のうち前記第1端部に最も隣接して配置されたパターンは、前記保護層の貫通孔の内壁から55μmから95μmの範囲の間隔だけ離隔する。
【0023】
また、前記第2絶縁層は、前記第1キャビティと水平方向に離隔し、前記第1絶縁層に向かうほど幅が減少する第2傾斜面の第2キャビティを含み、前記第2傾斜面は、前記第2絶縁層の上面及び前記第1傾斜面の前記第1端部に隣接する第3端部を含み、前記第1端部と前記第3端部との間隔は、100μm~150μmの範囲を満たす。
【0024】
また、前記第1絶縁層は、プリプレグを含み、前記第2絶縁層は、PID(Photoimageable dielectics)を含む。
【0025】
また、前記第1絶縁層は、プリプレグを含み、前記第2絶縁層は、ABF(Ajinomoto build-up film)またはRCC(Resin Coated Copper)を含む。
【0026】
また、前記連結パターン部の前記第2部分の少なくとも一部は、前記第1キャビティの前記第1傾斜面と垂直に重なる。
【0027】
また、前記第1絶縁層及び前記第2絶縁層は、同一の第1絶縁物質を含み、前記第1絶縁物質は、PID(Photoimageable dielectics)を含み、前記第1キャビティの底面は、前記第1回路パターン層の下面よりも高く位置し、前記第1回路パターン層の上面よりも低く位置する。
【0028】
また、前記回路基板は、前記第2絶縁層の下に配置された第3絶縁層を含み、前記第3絶縁層は、前記第1及び第2絶縁層とは異なる第2絶縁物質を含み、前記第2絶縁物質は、プリプレグを含む。
【0029】
一方、実施例に係る半導体パッケージは、第1キャビティを含む第1回路基板と、前記第1キャビティと垂直に重なる第2キャビティを含み、前記第1回路基板上に結合される第2回路基板と、を含み、前記第1回路基板は、第1絶縁層と、前記第1絶縁層上に配置された第1回路パターン層と、前記第1絶縁層及び前記第1回路パターン層上に配置され、第1キャビティを含む第2絶縁層と、前記第2絶縁層上に配置された第2回路パターン層と、前記第1回路パターン層のうち前記第1キャビティと垂直に重なる第1回路パターン層上に配置される第1導電性結合部と、前記第1導電性結合部上に配置されたプロセッサチップと、前記第2回路パターン層上に配置され、前記第2回路基板と結合される第2導電性結合部と、を含み、前記第2絶縁層は、前記第1絶縁層に向かうほど幅が減少する前記第1キャビティの第1傾斜面を含み、前記第1傾斜面は、前記第1キャビティの一側で前記第2絶縁層の上面に隣接する第1端部と、前記第1キャビティの前記一側で前記第2絶縁層の下面に隣接する第2端部と、を含み、前記第1端部と前記第2端部との間の水平距離は、0.1μm~25μmの範囲を満たす。
【0030】
また、前記第1回路基板は、前記第2絶縁層上に配置され、前記第1キャビティと垂直に重なる貫通孔を含む保護層を含み、前記保護層の貫通孔の幅は、前記第1キャビティの全領域のうち前記第2絶縁層の上面に隣接する領域における幅よりも大きく、前記第2絶縁層は、前記第1傾斜面の前記第1端部に隣接し、前記保護層の貫通孔と垂直に重なる第1上面を含み、前記第1上面の幅は、前記第1端部と前記第1端部に隣接する前記保護層の貫通孔の内壁との間の水平距離であり、50μm~80μmの範囲を満たす。
【0031】
また、前記第2回路パターン層のうち前記第1端部に最も隣接して配置されたパターンは、前記第1端部から55μm~95μmの範囲の間隔だけ離隔する。
【0032】
また、前記プロセッサチップの少なくとも一部は、前記第2キャビティ内に配置され、前記プロセッサチップの最上端は、前記第2導電性結合部の最上端よりも高く位置する。
【0033】
また、前記半導体パッケージは、前記第2回路基板上に配置される第3回路基板を含み、前記第3回路基板は、メモリチップを含み、前記第2回路基板は、前記第1回路基板と前記第3回路基板との間を連結するインターポーザ基板である。
【0034】
また、前記半導体パッケージは、前記第2回路基板に実装されたメモリチップを含み、前記第2回路基板は、前記第1回路基板と連結されるメモリ基板である。
【0035】
また、前記第1キャビティは、長手方向または幅方向に離隔する第1-1キャビティ及び第1-2キャビティを含み、前記プロセッサチップは、前記第1-1キャビティ内に配置される第1プロセッサチップと、前記第1-2キャビティ内に配置される第2プロセッサチップと、を含み、前記第1-1キャビティ及び前記第1-2キャビティは、100μm~150μmの範囲の間隔だけ離隔する。
【発明の効果】
【0036】
さらに、実施例では、第1絶縁層及び第2絶縁層を含む。このとき、前記第2絶縁層は、キャビティを含む。このとき、前記キャビティを含む前記第2絶縁層の傾斜面の第1端部と第2端部との間の幅を管理する。また、実施例では、前記第2絶縁層上に配置される前記キャビティと垂直に重なる貫通孔を含む保護層を含む。そして、実施例では、前記保護層の貫通孔と垂直に重なる前記第2絶縁層の上面領域の幅を管理する。また、実施例では、前記第2絶縁層上に配置される第2回路パターン層のうち前記貫通孔に最も隣接して配置された隣接パターンと前記保護層の側面との間隔を管理する。これを通じて、実施例では、回路基板の物理的信頼性及び電気的信頼性を向上させながら、回路集積度を向上させることができ、これを通じて回路基板のサイズをスリム化することができる。
【0037】
一方、前記第2絶縁層は、感光性物質を含む。これにより、前記キャビティは、前記第2絶縁層にフォトリソグラフィ工程を行うことによって形成することができる。この場合、実施例では、ストップレイヤーがなくても前記第1絶縁層に損傷を与えない範囲内で、前記第2絶縁層にのみ選択的にキャビティを形成することができる。このとき、前記第1絶縁層と第2絶縁層との間には、第1回路パターン層が配置される。前記第1回路パターン層は、前記キャビティと垂直に重なる第1パッド部と、前記キャビティと垂直に重ならない第2パッド部とを含む。そして、前記第1回路パターン層は、前記第1パッド部と第2パッド部との間を直接連結する連結パターン部を含む。前記連結パターン部は、前記第1回路パターン層のトレースを意味することができる。前記連結パターン部の一端は、前記第1パッド部と直接連結され得る。また、前記連結パターン部の他端は、前記第2パッド部と直接連結され得る。
【0038】
これを通じて、実施例は、前記第1パッド部と第2パッド部とが前記連結パターン部を介して相互に直接連結される構造を有することができ、これによる信号伝達特性や動作信頼性を向上させることができる。
【0039】
例えば、比較例では、キャビティを形成するためにストップレイヤーが必要であり、これにより、実施例のような連結パターン部を形成することができなかった。これにより、比較例では、前記第1パッド部と第2パッド部との間を連結するために少なくとも2つの貫通電極が必要であった。例えば、比較例では、前記第1パッド部と垂直に重なる第1貫通電極と、前記第2パッド部と垂直に重なる第2貫通電極とを用いて前記第1パッド部と第2パッド部との間が互いに連結された。これにより、比較例では、実施例に比べて、前記第1パッド部と第2パッド部との間を連結するために、前記第1貫通電極と第2貫通電極とを含む信号経路がさらに存在しなければならず、これにより、前記第1パッド部と第2パッド部との間の信号ラインが増加するという問題がある。
【0040】
これに対して、実施例では、前記連結パターン部を用いて前記第1パッド部131と第2パッド部との間を直接連結することができる。これにより、実施例では、前記第1パッド部と第2パッド部との間の信号伝達距離を最小化することができる。これにより、実施例では、前記第1パッド部と第2パッド部との間を連結するための別の貫通電極が不要であり、これにより前記貫通電極に対応する空間に追加の回路パターン層の配置が可能であり、これにより回路集積度を向上させることができる。
【0041】
また、実施例では、前記第1パッド部と第2パッド部との間の信号伝達距離が前記連結パターン部の距離に対応する。これにより、実施例では、比較例に比べて、前記信号伝達距離において少なくとも2つの貫通電極を含む経路に対応する距離を減らすことができ、これにより、前記第1パッド部と第2パッド部との間の信号伝達距離を最小化することができる。さらに、実施例では、前記第1パッド部と第2パッド部との間の信号伝達距離を減らすことにより、前記信号伝達距離に比例して増加するノイズの影響を最小限に抑えることができる。これにより、実施例では、前記第1パッド部と第2パッド部との間の信号伝達特性を向上させることができ、さらに、前記回路基板の動作信頼性を向上させることができる。
【図面の簡単な説明】
【0042】
【
図1】第1実施例に係る回路基板を示す断面図である。
【
図2a】
図1の回路基板から一部の構成が除去された平面図である。
【
図2b】
図2aにおいて第2絶縁層が配置された状態における第1回路パターン層を示す平面図である。
【
図3】
図1の回路基板のキャビティ領域を拡大した拡大図である。
【
図4a】第1比較例のキャビティを含む回路基板の断面図である。
【
図4c】第2比較例のキャビティを含む回路基板の断面図である。
【
図7】第3実施例の回路基板に対する
図2bのA-A‘方向の断面図である。
【
図10】
図9の回路基板から一部の層が除去された平面図である。
【
図11】実施例に係る第1半導体パッケージを示す図である。
【
図12】実施例に係る第2半導体パッケージを示す図である。
【
図13】実施例に係る第3半導体パッケージを示す図である。
【
図14】実施例に係る第4半導体パッケージを示す図である。
【
図15a】
図2に示す回路基板の製造方法を工程順に示す図である。
【
図15b】
図2に示す回路基板の製造方法を工程順に示す図である。
【
図15c】
図2に示す回路基板の製造方法を工程順に示す図である。
【
図15d】
図2に示す回路基板の製造方法を工程順に示す図である。
【
図15e】
図2に示す回路基板の製造方法を工程順に示す図である。
【
図15f】
図2に示す回路基板の製造方法を工程順に示す図である。
【
図15g】
図2に示す回路基板の製造方法を工程順に示す図である。
【
図15h】
図2に示す回路基板の製造方法を工程順に示す図である。
【
図15i】
図2に示す回路基板の製造方法を工程順に示す図である。
【
図15j】
図2に示す回路基板の製造方法を工程順に示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0043】
以下、添付された図面を参照して、本明細書の望ましい実施例を詳しく説明する。
【0044】
但し、本発明の技術思想は、説明される一部実施例に限定されず、互いに異なる多様な形態で実現され得、本発明の技術思想の範囲内であれば、実施例間にその構成要素のうち一つ以上を選択的に結合、置換して使用することができる。
【0045】
また、本発明の実施例で使用される用語(技術および科学的用語を含む)は、明らかに特に定義されて記述されない限り、本発明が属する技術分野で通常の知識を有した者にとって一般的に理解され得る意味と解釈され得、辞書に定義された用語のように一般的に使用される用語は、関連技術の文脈上の意味を考慮して、その意味を解釈することができるであろう。また、本発明の実施例で使用される用語は、実施例を説明するためのものであり、本発明を制限しようとするものではない。
【0046】
本明細書において、単数形は、文句で特に言及しない限り、複数形も含むことができ、「Aおよび(と)B、Cのうち少なくとも一つ(または一つ以上)」と記載される場合、A、B、Cで組み合わせできるすべての組み合わせのうち一つ以上を含むことができる。また、本発明の実施例の構成要素を説明するにあたって、第1、第2、A、B、(a)、(b)等の用語を使用することができる。
【0047】
このような用語は、その構成要素を他の構成要素と区別するためのものに過ぎず、その用語によって当該構成要素の本質や順番または手順などが確定されない。そして、ある構成要素が他の構成要素に「連結」、「結合」または「接続」されると記載された場合、その構成要素は、その他の構成要素に直接的に連結、結合または連結される場合のみならず、その構成要素とその他の構成要素との間にあるまた他の構成要素によって「連結」、「結合」または「接続」される場合も含むことができる。
【0048】
また、各構成要素の「上(うえ)または、下(した)」に形成または配置されるものと記載される場合、上(うえ)または下(した)は、二つの構成要素が互いに直接接触する場合のみならず、一つ以上のまた他の構成要素が二つの構成要素の間に形成または配置される場合も含む。また、「上(うえ)または下(した)」と表現される場合、一つの構成要素を基準に上側方向のみならず、下側方向の意味も含むことができる。
【0049】
-電子デバイス-
【0050】
実施例の説明に先立ち、実施例のパッケージ基板を含む電子デバイスについて簡単に説明する。電子デバイスは、メインボード(図示せず)を含む。前記メインボードは、多様な部品と物理的及び/または電気的に連結され得る。例えば、メインボードは、実施例のパッケージ基板と電気的に連結され得る。前記パッケージ基板には、多様なチップが実装され得る。主に、前記パッケージ基板には、揮発性メモリ(例えば、DRAM)、不揮発性メモリ(例えば、ROM)、フラッシュメモリなどのメモリチップと、セントラルプロセッサ(例えば、CPU)、グラフィックプロセッサ(例えば、GPU)、アンテナチップ、デジタル信号プロセッサ、暗号化プロセッサ、マイクロプロセッサ、マイクロコントローラなどのアプリケーション前記プロセッサチップと、アナログ-デジタルコンバータ、ASIC(application-specific IC)などのロジックチップなどが実装され得る。
【0051】
そして、実施例では、前記電子デバイスのメインボードと連結される半導体パッケージの厚さを減少しながら、1つの基板に互いに異なる種類の少なくとも2つのチップを実装できる半導体パッケージを提供する。
【0052】
このとき、前記電子デバイスは、スマートフォン(smart phone)、個人用情報端末(personal digital assistant)、デジタルビデオカメラ(digital video camera)、デジタルスチルカメラ(digital still camera)、ネットワークシステム(network system)、コンピュータ(computer)、モニター(monitor)、タブレット(tablet)、ラップトップ(laptop)、ネットブック(netbook)、テレビ(television)、ビデオゲーム(video game)、スマートウォッチ(smart watch)、オートモーティブ(Automotive)などであり得る。但し、これに限定されず、これらに加えてデータを処理する任意の他の電子機器であり得ることは言うまでもない。
【0053】
実施例
以下では、実施例に係る回路基板及び前記回路基板を含む半導体パッケージについて具体的に説明する。
【0054】
図1は、第1実施例に係る回路基板を示す断面図であり、
図2aは、
図1の回路基板から一部の構成が除去された平面図であり、
図2bは、
図2aにおいて第2絶縁層が配置された状態における第1回路パターン層を示す平面図であり、
図3は、
図1の回路基板のキャビティ領域を拡大した拡大図である。また、
図4aは、第1比較例のキャビティを含む回路基板の断面図であり、
図4bは、
図4aの回路基板の平面図であり、
図4cは、第2比較例のキャビティを含む回路基板の断面図である。
【0055】
以下では、
図1~
図4cを参照して実施例に係るキャビティを含む回路基板について具体的に説明する。
【0056】
実施例の回路基板は、複数の絶縁層を含む。ここで、複数の絶縁層のそれぞれは、単層構造を有することができ、これとは異なる複数の層で構成され得る。
【0057】
具体的には、回路基板は、第1絶縁層110及び第2絶縁層120を含む。
【0058】
前記第1絶縁層110は、
図2に示すように単層構造を有することができ、これとは異なる複数の層構造を有することができる。
【0059】
また、第2絶縁層120は、前記第1絶縁層110上に配置される。前記第2絶縁層120は、単層構造を有することができ、これとは異なる複数の層構造を有することができる。
【0060】
第1実施例では、前記第1絶縁層110と第2絶縁層120は、互いに異なる絶縁物質を含むことができる。
【0061】
例えば、第1絶縁層110は、第1絶縁物質を含み、第2絶縁層120は。前記第1絶縁層110とは異なる第2絶縁物質を含むことができる。
【0062】
例えば、前記第1絶縁層110を構成する第1絶縁物質は、プリプレグPPG(prepreg)を含むことができる。前記プリプレグは、ガラス繊維糸(glass yarn)で織られたガラスファブリック(glass fabric)のような織物シート(fabric sheet)形態の繊維層にエポキシ樹脂などを含浸した後、熱圧着を行うことによって形成され得る。但し、実施例はこれに限定されず、前記第1絶縁層110を構成するプリプレグは、炭素繊維糸に織られた織物シートの形態の繊維層を含むことができる。
【0063】
前記第1絶縁層110は、樹脂および前記樹脂内に配置される強化繊維を含むことができる。前記樹脂は、エポキシ樹脂であり得るが、これに限定されない。前記樹脂は、エポキシ樹脂に特に限定されず、例えば、分子内にエポキシ基を1個以上含むことができ、これと異なり、エポキシ基を2個以上含むことができ、これと異なり、エポキシ基を4個以上含むことができる。また、前記第1絶縁層110の樹脂は、ナフタレン(naphthalene)基を含むことができ、例えば、芳香族アミン型であり得るが、これに限定されない。例えば、前記樹脂は、ビスフェノールA型エポキシ樹脂、ビスフェノールF型エポキシ樹脂、ビスフェノールS型エポキシ樹脂、フェノールノボラック型エポキシ樹脂、アルキルフェノールノボラック型エポキシ樹脂、ビフェニル型エポキシ樹脂、アルアルキル型エポキシ樹脂、ジシクロペンタジエン型エポキシ樹脂、ナフタレン型エポキシ樹脂、ナフトール型エポキシ樹脂、フェノール類とフェノール性ヒドロキシル基を有する芳香族アルデヒドとの縮合物のエポキシ樹脂、ビフェニルアラルキル型エポキシ樹脂、フルオレン型エポキシ樹脂、キサンテン型エポキシ樹脂、トリグリシジルイソシアヌレート、ゴム変性型エポキシ樹脂、およびリン(phosphorous)系エポキシ樹脂などを挙げることができ、ナフタレン系エポキシ樹脂、ビスフェノールA型エポキシ樹脂、フェノールノボラックエポキシ樹脂、クレゾールノボラックエポキシ樹脂、ゴム変性型エポキシ樹脂、およびリン(phosphorous)系エポキシ樹脂を含むことができる。また、前記強化繊維は、ガラス繊維、炭素繊維、アラミド繊維(例えば、アラミド系の有機材料)、ナイロン(nylon)、シリカ(silica)系の無機材料、またはチタニア(titania)系の無機材料が使用され得る。前記強化繊維は、樹脂内で平面方向に互いに交差する形態で配置され得る。
【0064】
一方、前記ガラス繊維、炭素繊維、アラミド繊維(例えば、アラミド系の有機材料)、ナイロン(nylon)、シリカ(silica)系の無機材料、またはチタニア(titania)系の無機材料が使用され得る。
【0065】
前記第2絶縁層120を構成する第2絶縁物質は、前記第1絶縁物質とは異なる。例えば、前記第2絶縁層120は、感光性物質を含むことができる。一例として、前記第2絶縁層120を構成する前記第2絶縁物質は、PID(Photo Imagable Dielectric)を含むことができる。但し、実施例はこれに限定されず、前記第2絶縁層120を構成する第2絶縁物質は、フォトリソグラフィ(Photolithography)工程を通じて貫通電極の形状のための貫通孔(図示せず)や、素子実装のためのキャビティを形成することができる感光性物質であれば、すべてこれに含まれ得る。
【0066】
前記第1絶縁層110及び第2絶縁層120は、それぞれ10μm~60μmの範囲の厚さを有することができる。例えば、前記第1絶縁層110及び第2絶縁層120は、それぞれ15μm~55μmの範囲の厚さを有することができる。例えば、前記第1絶縁層110及び第2絶縁層120は、それぞれ20μm~50μmの範囲の厚さを有することができる。前記第1絶縁層110及び第2絶縁層120の厚さが10μm未満であると、回路基板に含まれた回路パターン層が安定して保護されないことがある。前記第1絶縁層110及び第2絶縁層120のそれぞれの厚さが60μmを超えると、回路基板の全体的な厚さが増加することがある。また、前記第1絶縁層110及び第2絶縁層120のそれぞれの厚さが60μmを超えると、これに対応して回路パターン層や貫通電極の厚さも増加し、これによる回路パターンを通じて伝達される信号の損失が増加することがある。
【0067】
このとき、前記第1絶縁層110及び第2絶縁層120の厚さは、互いに異なる層に配置された回路パターン層間の厚さ方向の距離に対応することができる。
【0068】
例えば、第1絶縁層110の厚さは、第1回路パターン層130の下面と第3回路パターン層150の上面との間の垂直距離を意味することができる。例えば、第2絶縁層120の厚さは、第1回路パターン層130の上面と第2回路パターン層140の下面との間の厚さ方向の垂直直線距離を意味することができる。
【0069】
前記第1絶縁層110は、回路基板において、最上側に隣接して配置された最上側絶縁層を意味することができる。なお、第2絶縁層120は、回路基板において、最下側に隣接して配置された最下側絶縁層を意味することができる。
【0070】
第1絶縁層110及び第2絶縁層120の表面には、回路パターン層が配置される。
【0071】
例えば、第1絶縁層110の上面と第2絶縁層120の下面との間には、第1回路パターン層130が配置され得る。例えば、第2絶縁層120の上面には、第2回路パターン層140が配置され得る。例えば、第1絶縁層110の下面には、第3回路パターン層150が配置され得る。
【0072】
第1回路パターン層130は、前記第1絶縁層110内に配置され得る。例えば、前記第1回路パターン層130の少なくとも一部は、前記第1絶縁層110内に配置され得る。例えば、前記第1回路パターン層130の側面の少なくとも一部は、前記第1絶縁層110で覆われ得る。
【0073】
前記第2回路パターン層140は、前記第2絶縁層120の上面の上に突出し得る。前記第2回路パターン層140は、回路基板の最上側に配置された最上側回路パターン層を意味することができる。
【0074】
第3回路パターン層150は、前記第1絶縁層110の下面の下に突出し得る。前記第3回路パターン層150は、回路基板の最下側に配置された最下側回路パターン層を意味することができる。
【0075】
前記第1回路パターン層130、第2回路パターン層140、及び第3回路パターン層150は、それぞれ機能に応じてパッド及びトレースを含むことができる。前記パッドは、素子やチップが実装される実装パッドや外部基板と連結される端子パッドであり得る。前記トレースは、複数のパッド間を連結する長い信号配線ラインであり得る。前記トレースは、前記パッドよりも小さい幅を有する微細パターンである。例えば、実施例における複数のトレース間の間隔は、2μm~15μmの範囲を有し、それぞれのトレースの線幅は、2μm~15μmの範囲を有することができる。そして、第1回路パターン層130のパッドは、後述する第1パターン部及び第2パターン部に対応することができる。また、前記第1回路パターン層130のトレースは、以下で説明される連結パターン部を意味することができる。これについては、以下でより詳細に説明する。
【0076】
上記のような回路パターン層は、金(Au)、銀(Ag)、白金(Pt)、チタン(Ti)、錫(Sn)、銅(Cu)及び亜鉛(Zn)のうちから選択される少なくとも1つの金属物質で形成され得る。また、前記回路パターンは、ボンディング力に優れる金(Au)、銀(Ag)、白金(Pt)、チタン(Ti)、錫(Sn)、銅(Cu)、および亜鉛(Zn)のうちから選択される少なくとも1つの金属物質を含むペーストまたはソルダーペーストで形成され得る。好ましくは、前記第1回路パターン層130、第2回路パターン層140、及び第3回路パターン層150は、電気導電性が高く、かつ価格が比較的安価な銅(Cu)で形成され得る。
【0077】
前記第1回路パターン層130、第2回路パターン層140、及び第3回路パターン層150は、それぞれ5μm~20μmの範囲の厚さを有することができる。例えば、前記第1回路パターン層130、第2回路パターン層140、及び第3回路パターン層150は、それぞれ6μm~17μmの範囲の厚さを有することができる。前記第1回路パターン層130、第2回路パターン層140、及び第3回路パターン層150は、それぞれ7μm~16μmの範囲の厚さを有することができる。
【0078】
前記第1回路パターン層130、第2回路パターン層140、及び第3回路パターン層150のそれぞれの厚さが5μm未満の場合、回路パターンの抵抗が増加し、これによる信号伝送効率が減少することがある。例えば、前記第1回路パターン層130、第2回路パターン層140、及び第3回路パターン層150のそれぞれの厚さが5μm未満の場合、信号伝送損失が増加することがある。例えば、前記第1回路パターン層130、第2回路パターン層140、及び第3回路パターン層150のそれぞれの厚さが20μmを超える場合、前記回路パターンの線幅が増加し、これによる回路基板の全体的な体積が増加することがある。
【0079】
前記第1回路パターン層130、前記第2回路パターン層140、及び第3回路パターン層150は、通常の回路基板の製造工程であるアディティブ工法(Additive process)、サブトラクティブ工法(Subtractive Process)、MSAP(Modified Semi Additive Process)、およびSAP(Semi Additive Process)工法などで可能であり、ここでは、詳細な説明は省略する。
【0080】
実施例の回路基板は、貫通電極を含む。前記貫通電極は、互いに異なる層に配置された回路パターン層を互いに電気的に連結する機能を果たすことができる。前記貫通電極は、「ビア」とも称することができる。
【0081】
前記貫通電極は、前記回路基板に含まれた第1絶縁層110及び第2絶縁層120を貫通し、これによって互いに異なる層に配置された回路パターン間を電気的に連結することができる。このとき、前記貫通電極は、1つの絶縁層のみを貫通して形成され得、これとは異なり、少なくとも2つ以上の絶縁層を共通に貫通して形成され得る。
【0082】
例えば、回路基板は、第1貫通電極V1を含む。前記第1貫通電極V1は、前記第1絶縁層110を貫通して形成され得る。前記第1貫通電極V1は、前記第1回路パターン層130と第3回路パターン層150との間を電気的に連結することができる。例えば、前記第1貫通電極V1の上面は、前記第1回路パターン層130の下面に直接連結され得る。例えば、前記第1貫通電極V1の下面は第3回路パターン層150と直接連結され得る。
【0083】
これにより、前記第1回路パターン層130及び第3回路パターン層150は、前記第1貫通電極V1を介して互いに電気的に連結されて信号を伝達することができる。
【0084】
例えば、回路基板は、第2貫通電極V2を含む。前記第2貫通電極V2は、第2絶縁層120を貫通して形成され得る。前記第2貫通電極V2は、前記第1回路パターン層130と第2回路パターン層140との間を電気的に連結することができる。例えば、前記第2貫通電極V2の下面は、前記第1回路パターン層130と直接連結され得る。例えば、前記第2貫通電極V2の上面は、記第2回路パターン層140と直接連結され得る。これにより、前記第1回路パターン層130と第2回路パターン層140とは、前記第2貫通電極V2を介して相互に直接電気的に連結されて信号を伝達することができる。
【0085】
前記第1貫通電極V1及び第2貫通電極V2は、前記第1絶縁層110及び第2絶縁層120を貫通する貫通孔を形成し、前記形成された貫通孔の内部を導電性物質で充填することによって形成され得る。
【0086】
前記貫通孔は、機械、レーザー、および化学加工のうちいずれか1つの加工方式によって形成され得る。前記貫通孔が機械加工によって形成される場合には、ミーリング(Milling)、ドリル(Drill)、およびルーティング(Routing)などの方式を使用することができ、レーザー加工によって形成される場合には、UVやCO2レーザー方式を使用することができ、化学加工によって形成される場合には、アミノシラン、ケトン類などを含む薬品を用いて絶縁層110を開放することができる。
【0087】
一方、前記レーザーによる加工は、光学エネルギーを表面に集中させて材料の一部を溶かし蒸発させて、所望の形態をとる切断方法である。これは、コンピュータプログラムによる複雑な形成も容易に加工することができ、他の方法では切断しにくい複合材料も加工することができる。
【0088】
また、前記レーザーによる加工は、切断直径が最小0.005mmまで可能であり、加工可能な厚さ範囲が広いという長所がある。
【0089】
前記レーザー加工ドリルとして、YAG(Yttrium Alumium Garnet)レーザーやCO2レーザーや紫外線(UV)レーザーを用いることが望ましい。YAGレーザーは、銅箔層および絶縁層の両方を加工できるレーザーであり、CO2レーザーは、絶縁層のみを加工できるレーザーである。
【0090】
前記貫通孔が形成されると、前記貫通孔の内部を導電性物質で充填して前記第1貫通電極V1及び第2貫通電極V2を形成することができる。前記第1貫通電極V1及び第2貫通電極V2を形成する金属物質は、銅(Cu)、銀(Ag)、錫(Sn)、金(Au)、ニッケル(Ni)、およびパラジウム(Pd)のうちから選択されるいずれか一つの物質であり得、前記導電性物質の充填は、無電解めっき、電解めっき、スクリーン印刷(Screen Printing)、スパッタリング(Sputtering)、蒸発法(Evaporation)、インクジェットティング、およびディスフェンシングのうちいずれか一つまたはこれらの組み合わせた方式を用いることができる。
【0091】
一方、実施例の回路基板は、第1保護層160及び第2保護層170を含むことができる。第1保護層160及び第2保護層170は、回路基板の最外側に配置され得る。
【0092】
例えば、第1保護層160は、回路基板の第1最外郭または最下側に配置され得る。例えば、前記第1保護層160は、第1絶縁層110の下面に配置され得る。
【0093】
例えば、第2保護層170は、回路基板の第2最外郭または最上側に配置され得る。例えば、第2保護層170は、第2絶縁層120の上面に配置され得る。
【0094】
前記第1保護層160は、少なくとも1つの開口部(図示せず)を含むことができる。例えば、前記第1保護層160は、第3回路パターン層150のうち少なくとも1つと垂直に重なる開口部を含むことができる。例えば、前記第1保護層160は、外部基板と連結するための導電性結合部が配置される第3回路パターン層150の端子パッド(図示せず)と垂直に重なる開口部を含むことができる。
【0095】
前記第2保護層170は、少なくとも1つの開口部(図示せず)を含むことができる。例えば、第2保護層170は、第2回路パターン層140の少なくとも1つと垂直に重なる開口部を含むことができる。例えば、第2保護層170は、メモリ基板またはインターポーザ基板との連結のための導電性結合部が配置される第2回路パターン層140の端子パッド(図示せず)と垂直に重なる開口部を含むことができる。また、前記第2保護層170は、前記第2絶縁層120のキャビティ121と垂直に重なる貫通孔171を含むことができる。
【0096】
前記第1保護層160及び第2保護層170は、絶縁性物質を含むことができる。前記第1保護層160及び第2保護層170は、絶縁層の表面及び回路パターン層の表面を保護するために塗布された後に加熱して硬化できる多様な物質を含むことができる。前記第1保護層160及び第2保護層170は、レジスト(resist)層であり得る。例えば、第1保護層160及び第2保護層170は、有機高分子物質を含むソルダーレジスト層であり得る。一例として、前記第1保護層160及び第2保護層170は、エポキシアクリレート系の樹脂を含むことができる。詳細には、第1保護層160及び第2保護層170は、樹脂、硬化剤、光開始剤、顔料、溶媒、フィラー、添加剤、アクリル系のモノマーなどを含むことができる。但し、実施例はこれに限定されず、前記第1保護層160及び第2保護層170は、フォトソルダーレジスト層、カバーレイ(cover-lay)、及び高分子物質のうちいずれか一つであり得ることは言うまでもない。
【0097】
前記第1保護層160及び第2保護層170の厚さは、1μm~20μmであり得る。前記第1保護層160及び第2保護層170の厚さは、1μm~15μmであり得る。例えば、前記第1保護層160及び第2保護層170の厚さは、5μm~20μmであり得る。前記第1保護層160及び第2保護層170の厚さが20μmを超える場合、回路基板の厚さが増加することがある。前記第1保護層160及び第2保護層170の厚さが1μm未満の場合、回路基板に含まれた回路パターン層が安定して保護されないことによる電気的信頼性または物理的信頼性が低下することがある。
【0098】
このとき、図面上には図示しなかったが、前記第1保護層160及び第2保護層170の開口部のうち第2回路パターン層140及び第3回路パターン層150と垂直に重なる開口部の内部には、表面処理層(図示せず)が配置され得る。前記表面処理層は、前記第1保護層160の開口部と垂直に重なる第3回路パターン層150及び前記第2保護層170の開口部と垂直に重なる第2回路パターン層140の表面の腐食及び酸化を防止しながらソルダリング特性を向上させるために形成され得る。
【0099】
前記表面処理層は、OSP(Organic Solderability Preservative)層であり得る。例えば、前記表面処理層は、ベンジミダゾール(Benzimidazole)などの有機物で形成された有機層であり得る。
【0100】
但し、実施例はこれに限定されない。例えば、前記表面処理層は、めっき層であり得る。例えば、前記表面処理層は、ニッケル(Ni)めっき層、パラジウム(Pd)めっき層、金(Au)めっき層のうち少なくとも1つを含むことができる。
【0101】
一方、実施例では、前記第2絶縁層120は、キャビティ121を含むことができる。前記キャビティ121は、前記第2絶縁層120の上面及び下面を貫通することができる。前記キャビティ121は、前記第1絶縁層110の上面に配置された第1回路パターン層130と垂直に重なり得る。
【0102】
第1実施例における前記キャビティ121は、フォトリソグラフィ工程によって形成され得る。例えば、キャビティ121は、前記第2絶縁層120の露光及び現像工程を通じて形成され得る。
【0103】
これにより、実施例では、キャビティ121の形成に必要なストップレイヤーを除去することができる。例えば、比較例では、レーザー工程を通じてキャビティを形成しており、これにより、上記キャビティ形成のためのストップレイヤーが必要である。
【0104】
例えば、比較例について先に説明すると、
図4aのように、第1比較例に係る回路基板は、キャビティCを含む。第1比較例に係る回路基板は、複数の絶縁層のうち少なくとも1つの絶縁層を貫通する構造を有し、キャビティCが形成される。
【0105】
具体的には、第1比較例の回路基板は、第1絶縁層10a及び前記第1絶縁層10a上に配置された前記第2絶縁層20aを含む。そして、前記キャビティCは、前記第2絶縁層20aを貫通して形成される。また、回路基板は、絶縁層の表面に配置された回路パターン層を含む。例えば、回路基板は、第1絶縁層10aの上面に配置された第1回路パターン層30aを含む。また、回路基板は、第1絶縁層10aの下面に配置された第2回路パターン層40aを含む。また、回路基板は、第2絶縁層20aの上面に配置された第3回路パターン層50aを含む。また、回路基板は、前記第1絶縁層10aを貫通する貫通電極60aを含む。前記貫通電極60aは、前記第1絶縁層10aの上面に配置された第1回路パターン層30aと下面に配置された第2回路パターン層40aとの間を電気的に連結する。
【0106】
前記第1絶縁層10aの上面は、前記キャビティCと垂直に重なる第1領域R1及び前記第1領域を除いた第2領域R2を含む。そして、前記第1回路パターン層30aは、前記第1絶縁層10の第1領域及び第2領域にそれぞれ配置され得る。
【0107】
このとき、第1比較例では、ストップレイヤー(図示せず)を用いて前記第2絶縁層20aを貫通するキャビティCを形成することができる。
【0108】
これにより、前記第1回路パターン層30aは、前記第1絶縁層10aの上面の第1領域に配置されたパッド部32aと、前記第1絶縁層10aの上面の第2領域に配置されるストップパターン34aを含む。前記ストップパターン34aは、前記第1絶縁層10の上面の第1領域と第2領域との境界領域に配置され得る。例えば、前記ストップパターン34aは、前記第1絶縁層10aの上面の第2領域に配置され、側面が前記キャビティCの内壁の一部を構成することができる。例えば、第1比較例のキャビティCは、第2絶縁層20aを含む第1内壁と、前記ストップパターン34aを含む第2内壁とを含むことができる。
【0109】
このとき、
図4bのように、第1比較例では、前記ストップパターン34aが前記第1絶縁層10aの上面で前記第1領域と第2領域との境界領域を囲んで配置される。これにより、第1比較例では、前記キャビティCを形成するためにストップレイヤーを形成する工程と、前記ストップレイヤーを除去して前記ストップパターン34aを形成する工程とを含み、これによる製造工程が複雑になるという問題がある。また、第1比較例では、前記ストップレイヤーを除去するエッチング工程において、前記第1回路パターン層30aのパッド部32aの一部も共にエッチングされるという問題があり、これによる前記パッド部32aの変形が発生するという問題がある。また、第1比較例では、前記パッド部32aの変形時に、前記パッド部32aにソルダーボールなどの接続部が安定して安着しないという信頼性の問題が発生することがある。
【0110】
また、第1比較例において、前記第1絶縁層10aの上面の第1領域には、パッド部32aが前記第1絶縁層10aの上面の第2領域に配置された他のパターン部36aと直接連結できないという問題がある。例えば、第1比較例では、前記キャビティCに対応する境界領域にストップパターン34aが配置される。これにより、パッド部32aと前記パターン部36との間を連結するトレースTなどの連結パターン部が存在する場合、前記トレースTは、前記ストップパターン34aと電気的に接触し、これによる電気的信頼性の問題が発生することがある。例えば、第1比較例では、前記トレースTが少なくとも2つ以上存在する場合、前記トレースTが前記ストップパターン34aによって互いに電気的に連結されるという問題が発生することがある。これにより、互いに電気的に分離されなければならないパッド部が前記ストップパターン34aによって互いに電気的に連結されることによるショート問題が発生することがある。
【0111】
これにより、第1比較例において、前記パッド部32aと前記パターン部36aとは、トレースを介して相互に直接連結される構造ではなく、貫通電極60aを介して連結される構造を有する。したがって、第1比較例では、前記パッド部32aと前記パターン部36aとが前記第1絶縁層10aの上面で相互に直接連結された構造を有していないため、これらの間の信号伝送ラインの長さが長くなるという問題があり、前記信号伝送ラインの長さが長くなることによって、ノイズに弱くなって信号伝送損失が増加するという問題がある。
【0112】
また、
図4cのように、第2比較例では、前記ストップレイヤーと前記キャビティCの幅を互いに等しくして、前記回路基板にストップパターン34aが残らないようにしている。しかし、レーザー工程における工程誤差により、実質的に前記ストップレイヤーの幅に対応して前記キャビティCを形成することは容易ではなく、前記ストップレイヤーの幅が前記キャビティCの幅よりも大きい場合、
図4aのようなストップパターン34aの一部が残るという問題がある。また、第2比較例では、前記ストップレイヤーの幅が前記キャビティCの幅よりも小さい場合、前記キャビティCは、前記ストップレイヤーが配置されていない領域にも形成され、これによって前記第1絶縁層10aの上面に凹部10rが形成されるという問題がある。そして、前記凹部10rは、前記第1絶縁層10aの下面に配置された第2回路パターン層40aにダメージが発生するという問題があり、これにより電気的信頼性または物理的信頼性の問題が発生することがある。
【0113】
これに対して、実施例では、上記のように第2絶縁層120を感光性物質で構成し、これによりレーザー工程ではなくフォトリソグラフィ工程を通じて前記第2絶縁層120を貫通するキャビティ121を形成する。
【0114】
これにより、本実施例では、前記第1回路パターン層130において、前記キャビティ121と垂直に重なるパターン部と、前記キャビティ121と垂直に重ならないパターン部との間は互い、相互に直接連結され得る。
【0115】
例えば、
図2aを参照すると、実施例における第1絶縁層110の上面は、前記キャビティ121と垂直に重なる第1領域R1及び第1領域R1を除いた第2領域R2を含むことができる。
【0116】
前記第1領域R1は、前記キャビティ121と垂直に重なり、これにより、実施例の回路基板上に実装される素子が配置される素子配置領域を意味することができる。
【0117】
前記第2領域R2は、前記キャビティ121と垂直に重ならない。これにより、前記第1絶縁層110の第2領域R2及び第2領域R2上に配置される前記第1回路パターン層130は、前記第2絶縁層120で覆われ得る。
【0118】
このとき、実施例における第1回路パターン層130は、前記第1絶縁層110の第1領域R1及び第2領域R2上にそれぞれ配置され得る。
【0119】
例えば、前記第1回路パターン層130は、前記第1絶縁層110の第1領域R1に配置される第1パッド部131を含むことができる。例えば、前記第1パッド部131は、前記第1回路パターン層130のうち素子が実装される実装パッドを意味することができる。例えば、前記第1パッド部131は、前記キャビティ121と垂直に重なり、これにより前記キャビティ121内に配置され得る。
【0120】
実施例の第1回路パターン層130は、第1絶縁層110の第2領域R2に配置される第2パッド部133を含むことができる。前記第2パッド部133は、前記第1絶縁層110の第2領域R2に配置され、それにより上面が前記第2絶縁層120で覆われ得る。
【0121】
前記第2パッド部133は、ビアパッドを意味することができる。例えば、前記第2パッド部133は、前記キャビティ121と垂直に重ならない。
【0122】
このとき、第1及び第2比較例では、前記第1パッド部131及び第2パッド部133が相互に直接連結される構造を有していなかった。例えば、第1及び第2比較例では、前記第1パッド部131及び第2パッド部133が前記第1回路パターン層130のトレースを介して相互に直接連結される構造を有していなかった。これは、
図4a~
図4cで説明したように、レーザーを用いてキャビティを形成する場合、前記キャビティの傾斜面と垂直に重なる領域には、ストップパターンが配置されるためである。例えば、比較例では、前記キャビティの傾斜面と垂直に重なる全ての領域にストップパターンが配置される。これにより、比較例では、前記ストップパターンによって前記第1パッド部と第2パッド部との間を相互に直接連結するトレースを配置できない構造である。
【0123】
これに対して、実施例では、感光性物質からなる第2絶縁層120にフォトリソグラフィ工程を用いてキャビティ121を形成する。これにより、実施例では、前記第2絶縁層120にキャビティ121を形成するために必要なストップレイヤーを除去することができる。これにより、実施例では、前記第1パッド部131と第2パッド部133との間を直接連結する連結パターン部132を含むことができる。
【0124】
前記連結パターン部132は、前記第1回路パターン層130のトレースを意味することができる。
【0125】
これにより、前記連結パターン部132は、前記第1パッド部131の幅や前記第2パッド部133の幅よりも小さい幅を有することができる。
【0126】
前記連結パターン部132の一端は、前記第1パッド部131と直接連結され得る。また、前記連結パターン部132の他端は、前記第2パッド部133と直接連結され得る。
【0127】
これを通じて、実施例は、前記第1パッド部131と前記第2パッド部133とが前記連結パターン部132を介して相互に直接連結される構造を有することができる。
【0128】
例えば、比較例では、前記第1パッド部と第2パッド部との間を連結するために少なくとも2つの貫通電極が必要であった。例えば、比較例では、前記第1パッド部と垂直に重なる第1貫通電極と、前記第2パッド部と垂直に重なる第2貫通電極とを用いて前記第1パッド部と第2パッド部との間が互いに連結された。これにより、比較例では、実施例に比べて、前記第1パッド部と第2パッド部との間を連結するために、前記第1貫通電極及び第2貫通電極を含む信号経路がさらに存在しなければならず、これにより、前記第1パッド部と第2パッド部との間の信号ラインが増加するという問題がある。
【0129】
これに対して、実施例では、前記連結パターン部132を用いて前記第1パッド部131と第2パッド部133との間を直接連結することができる。これを通じて、実施例では、前記第1パッド部131と第2パッド部133との間の信号伝達距離を最小化することができる。これにより、実施例では、前記第1パッド部131と第2パッド部133との間を連結するための別の貫通電極が不要であり、これにより、前記貫通電極に対応する空間に追加の回路パターン層の配置が可能であり、これにより回路集積度を向上させることができる。
【0130】
また、実施例では、前記第1パッド部131と第2パッド部133との間の信号伝達距離が前記連結パターン部132の距離に対応する。これを通じて、実施例では、比較例に比べて、前記信号伝達距離において少なくとも2つの貫通電極を含む経路に対応する距離を減らすことができ、これにより、前記第1パッド部131と第2パッド部133との間の信号伝達距離を最小化することができる。さらに、実施例では、前記第1パッド部131と前記第2パッド部133との間の信号伝達距離を減らすことにより、前記信号伝達距離に比例して増加するノイズの影響を最小限に抑えることができる。これにより、実施例では、前記第1パッド部131と第2パッド部133との間の信号伝達特性を向上させることができ、さらに、前記回路基板の動作信頼性を向上させることができる。
【0131】
一方、前記連結パターン部132は、複数の部分に区分され得る。このとき、前記連結パターン部132が複数の部分に区分されるということは、配置領域による区分 であるだけで、1つの連結パターン部が互いに分離された複数の部分に区分されることを意味しない。
【0132】
例えば、前記連結パターン部132は、前記第1パッド部131に隣接して配置された第1部分132-1を含むことができる。
【0133】
前記連結パターン部132の第1部分132-1の一端は、前記第1パッド部131と直接連結され得る。前記連結パターン部132の第1部分132-1は、前記キャビティ121と垂直に重なり得る。
【0134】
また、前記連結パターン部132は、前記第2パッド部133に隣接して配置された第2部分132-2を含むことができる。
【0135】
前記連結パターン部132の第2部分132-2は、前記第1部分132-1の他端に連結され、一端が前記第2パッド部133と直接連結され得る。前記連結パターン部132の第2部分132-2は、前記第2絶縁層120で覆われ得る。
【0136】
前記連結パターン部132の少なくとも一部は、前記キャビティ121を含む第2絶縁層120の傾斜面121Sと垂直に重なり得る。例えば、前記連結パターン部132の第1部分132-1と第2部分132-2との境界部は、前記キャビティ121を含む第2絶縁層120のキャビティ121の傾斜面121Sと垂直に重なり得る。
【0137】
即ち、前記キャビティ121は、前記第1絶縁層110の上面に向かって幅が徐々に減少する傾斜面121Sを含むことができる。そして、前記キャビティ121を含む第2絶縁層120の傾斜面121Sは、前記連結パターン部132の少なくとも一部と垂直に重なり得る。
【0138】
このとき、比較例においても、前記キャビティの傾斜面と垂直に重なるパターン層が存在するが、比較例におけるパターン層は、第1パッド部や第2パッド部と電気的に分離(または絶縁)されたダミーパターン(例えば、ストップパターン)である。これに対して、実施例におけるキャビティと垂直に重なる連結パターン部132は、ダミーパターンではなく、前記第1パッド部131と第2パッド部133との間を直接連結する配線層である。
【0139】
さらに、比較例では、前記パターン層は、前記キャビティの傾斜面の全体と垂直に重なる。具体的には、比較例では、前記傾斜面と垂直に重なる全ての領域に前記パターン層が配置される。
【0140】
これに対して、実施例における連結パターン部132は、前記傾斜面121Sと垂直に重なる領域のうち一部の領域にのみ配置され得る。
【0141】
例えば、
図2a及び
図2bのように、前記第1パッド部131は、複数の第1パッドを含む。そして、前記第2パッド部133は、複数の第2パッドを含む。また、前記連結パターン部132は、複数の第1パッドと複数の第2パッドとをそれぞれ連結する複数の連結パターンを含む。そして、前記複数の連結パターンは、互いに一定間隔で離隔し得る。これにより、実施例における前記キャビティ121を含む第2絶縁層120の傾斜面121Sの一部は、前記第1回路パターン層130の前記連結パターン部132と垂直に重なり、残りの少なくとも一部は、前記第1回路パターン層130と垂直に重ならないことがある。
【0142】
一方、実施例において上記のような連結パターン部132を構成できる理由は、上記のように第2絶縁層120を感光性物質で構成し、これによりフォトリソグラフィ工程を通じて前記第2絶縁層120にキャビティ121を形成するためである。このとき、前記第1絶縁層110は、前記第2絶縁層120とは異なる絶縁物質を含む。これにより、前記第2絶縁層120にキャビティ121を形成するためのフォトリソグラフィ工程では、前記第1絶縁層110は除去されない。これにより、実施例では、前記第2絶縁層120のみを貫通するキャビティ121を形成することができる。
【0143】
実施例では、第1絶縁層及び第2絶縁層を含む。このとき、前記第2絶縁層は、キャビティを含む。そして、前記第2絶縁層は、感光性物質を含む。これにより、前記キャビティは、前記第2絶縁層にフォトリソグラフィ工程を行うことによって形成することができる。この場合、実施例では、ストップレイヤーがなくても前記第1絶縁層に損傷を与えない範囲内で、前記第2絶縁層にのみ選択的にキャビティを形成することができる。このとき、前記第1絶縁層と第2絶縁層との間に第1回路パターン層が配置される。前記第1回路パターン層は、前記キャビティと垂直に重なる第1パッド部と、前記キャビティと垂直に重ならない第2パッド部とを含む。そして、前記第1回路パターン層は、前記第1パッド部と第2パッド部との間を直接連結する連結パターン部を含む。前記連結パターン部は、前記第1回路パターン層のトレースを意味することができる。前記連結パターン部の一端は、前記第1パッド部と直接連結され得る。また、前記連結パターン部の他端は、前記第2パッド部と直接連結され得る。
【0144】
これを通じて、実施例では、前記第1パッド部と第2パッド部とが前記連結パターン部を介して相互に直接連結される構造を有することができ、これによる信号伝達特性や動作信頼性を向上させることができる。
【0145】
例えば、比較例では、キャビティを形成するためにストップレイヤーが必要であり、これにより、実施例では、前記連結パターン部を形成することができなかった。したがって、比較例では、前記第1パッド部と第2パッド部との間を連結するために少なくとも2つの貫通電極が必要であった。例えば、比較例では、前記第1パッド部と垂直に重なる第1貫通電極と、前記第2パッド部と垂直に重なる第2貫通電極とを用いて前記第1パッド部と第2パッド部との間が互いに連結された。これにより、比較例では、実施例に比べて、前記第1パッド部と第2パッド部との間を連結するために、前記第1貫通電極及び第2貫通電極を含む信号経路がさらに存在しなければならず、これにより前記第1パッド部と第2パッド部との間の信号ラインが増加するという問題がある。
【0146】
これに対して、実施例では、前記連結パターン部を用いて前記第1パッド部131と前記第2パッド部との間を直接連結することができる。これを通じて、実施例では、前記第1パッド部と第2パッド部との間の信号伝達距離を最小化することができる。これにより、実施例では、前記第1パッド部と第2パッド部との間を連結するための別の貫通電極が不要であり、これにより前記貫通電極に対応する空間に追加の回路パターン層の配置が可能であり、これにより回路集積度を向上させることができる。
【0147】
また、実施例では、前記第1パッド部と第2パッド部との間の信号伝達距離が前記連結パターン部の距離に対応する。これを通じて、実施例では、比較例に比べて、前記信号伝達距離において少なくとも2つの貫通電極を含む経路に対応する距離を減らすことができ、これにより、前記第1パッド部と第2パッド部との間の信号伝達距離を最小化することができる。さらに、実施例では、前記第1パッド部と第2パッド部との間の信号伝達距離を減らすことにより、前記信号伝達距離に比例して増加するノイズの影響を最小限に抑えることができる。これにより、実施例では、前記第1パッド部と第2パッド部との間の信号伝達特性を向上させることができ、さらに前記回路基板の動作信頼性を向上させることができる。
【0148】
一方、実施例では、前記第2絶縁層120の傾斜面121Sの傾きと、前記第2保護層170の配置構造とを管理するようにする。
【0149】
実施例では、前記第2絶縁層120の傾斜面121Sが実質的に90度に近づくようにして、前記傾斜面121Sが90度よりも大きくなるにつれて回路基板の水平方向のサイズが大きくなるという問題を解決できるようにする。実施例では、前記第2絶縁層120が感光性物質を含み、これにより前記傾斜面121Sが実質的に90度に近づくようにすることができる。但し、前記傾斜面121Sが正確に90度を有するようにすることは困難であり得る。また、前記傾斜面121Sを90度に合わせるためのキャビティ121を形成するための工程条件を設定したとしても、工程偏差などにより前記傾斜面121Sは、90度よりも大きい値を有することができる。また、前記工程偏差により、前記傾斜面121Sが90度よりも小さい値を有する場合、前記キャビティ121内にチップなどの素子が傾いた状態で配置されるなどの信頼性問題が発生することがある。
【0150】
したがって、実施例では、前記キャビティ121を含む第2絶縁層120が前記第2絶縁層120の下面から上面に向かうほど幅が徐々に減少する傾斜面121Sを有するようにする。
【0151】
このとき、傾斜面121Sは、前記第2絶縁層120の上面に隣接する第1端部121S1と、前記第2絶縁層120の下面に隣接する前記第2端部121S2とを含む。このとき、実施例では、前記第2絶縁層120の傾斜面121Sの第1端部121S1と第2端部121S2との間の幅を管理する。例えば、実施例では、前記第2絶縁層120の傾斜面121Sの傾斜が実質的に90度に近づくように管理する。このとき、前記第1端部121S1と前記第2端部121S2とは、実施例の回路基板の垂直断面を基準に形成され、互いに連結される傾斜面の上端部及び下端部を意味することができる。例えば、前記第1端部121S1は、前記キャビティ121の一側における前記第2絶縁層120の上面に隣接する端部を意味することができる。そして、前記第2端部121S2は、前記キャビティ121の前記一側における前記第2絶縁層120の下面に隣接する端部であり得る。そして、垂直断面を基準に前記第1端部121S1と第2端部121S2とは、互いに連結され得る。
【0152】
実施例における前記第2絶縁層120の傾斜面121Sの第1端部121S1と第2端部121S2との間の幅W1は、0.1μm~25μmの範囲を満たすようにする。例えば、実施例における前記第2絶縁層120の傾斜面121Sの第1端部121S1と第2端部121S2との間の幅W1は、0.2μm~23μmの範囲を満たすようにする。例えば、実施例における前記第2絶縁層120の傾斜面121Sの第1端部121S1と第2端部121S2との間の幅W1は、0.5μm~20μmの範囲を満たすようにする。
【0153】
前記第1端部121S1と第2端部121S2との間の幅W1は、前記第1端部121S1と前記第2端部121S2との間を連結する仮想の水平線に対する水平距離を意味することができる。
【0154】
このとき、前記第1端部121S1と前記第2端部121S2との間の幅W1が0.1μmよりも小さいと、前記キャビティ121を形成する工程における偏差により、前記第2節の斜面121Sが下面から上面に向かうほど幅が減少する傾斜を有することができる。そして、前記傾斜面121Sが下面から上面に向かうほど幅が減少する傾斜を有する場合、前記キャビティ121内にチップを実装する過程で、前記チップの位置ずれが発生することがある。また、前記第1端部121S1と前記第2端部121S2との間の幅W1が25μmよりも大きいと、前記キャビティ121内に配置されるチップのサイズに比べて前記キャビティ121のサイズが大きくなるという問題があり、これにより回路集積度が減少するか、回路基板の水平方向のサイズが大きくなるという問題がある。これにより、実施例では、前記キャビティ121を含む前記第2絶縁層120の第1端部121S1と第2端部121S2との間の幅W1が0.1μm~25μmの範囲を有するようにする。
【0155】
一方、上述したように、前記第2保護層170は、前記キャビティ121と垂直に重なる貫通孔171を含む。このとき、前記貫通孔171は、前記キャビティ121の幅よりも大きい幅を有することができる。好ましくは、前記貫通孔171は、前記キャビティ121の全領域のうち前記第2絶縁層120の上面に隣接する領域の幅よりも大きくてもよい。
【0156】
これにより、前記第2絶縁層120の上面のうち少なくとも一部は、前記第2保護層170で覆われないことがある。例えば、前記第2絶縁層120の上面のうち前記キャビティ121の傾斜面121Sの第1端部121S1に隣接する領域は、前記第2保護層170の貫通孔171と垂直に重なり得る。
【0157】
例えば、前記第2絶縁層120は、前記傾斜面121Sの第1端部121S1に隣接しながら、前記第2保護層170の貫通孔171と垂直に重なる上面領域120T1を含むことができる。
【0158】
このとき、実施例では、前記第2絶縁層120の前記上面領域120T1の幅を管理するようにする。このとき、前記上面領域120T1の幅が基準範囲よりも小さいと、前記第2保護層170の少なくとも一部が前記キャビティ121を充填するという問題が発生することがある。また、前記上面領域120T1の幅が基準範囲よりも大きいと、前記第2保護層170によって覆われない前記第2絶縁層120の露出領域の面積が増加し、これにより、多様な要因これにより、第2絶縁層120の上面が損傷するという問題が発生することがある。また、前記上面領域120T1は、前記回路基板のデッド領域(回路パターン層が配置されない領域)として機能することができる。このとき、前記上面領域120T1の幅が増加する場合、これによる前記デッド領域の幅が増加することを意味し、これにより回路集積度が減少するか、回路基板のサイズが増加するという問題がある。
【0159】
これにより、実施例における前記第2絶縁層120の上面領域120T1の幅W2が50μm~80μmの範囲を満たすようにする。例えば、実施例における前記第2絶縁層120の上面領域120T1の幅W2は、55μm~75μmの範囲を満たすことができる。例えば、実施例における前記第2絶縁層120の上面領域120T1の幅W2は、60μm~70μmの範囲を満たすことができる。
【0160】
一方、前記第2絶縁層120の上面領域120T1の幅W2は、前記第2保護層170の側面170Sと前記傾斜面121Sの第1端部121S1との間の水平距離を意味することができる。例えば、前記第2保護層170は、前記貫通孔171によって形成され、前記第2絶縁層120の前記第1端部121S1に隣接して配置された側面170Sを含む。これにより、前記側面170Sは、前記貫通孔171を通じて形成される前記第2保護層170の傾斜面を意味することができる。例えば、前記側面170Sは、前記第2保護層170の前記貫通孔171の内壁を意味することができる。そして、前記第2絶縁層120の上面領域120T1の幅W2は、前記第2保護層170の前記側面170と前記第2絶縁層120との傾斜面121S記第1端部121S1との間の水平距離を意味することができる。
【0161】
一方、前記第2絶縁層120の上面領域120T1の幅W2が50μmよりも小さいと、前記第2保護層170に貫通孔171を形成するSRO(Solder resist opening)工程における工程偏差により、前記第2保護層170の少なくとも一部が前記第2キャビティ121と垂直に重なるという問題が発生することがある。例えば、前記第2絶縁層120の上面領域120T1の幅W2が50μmよりも小さいと、前記キャビティ121の少なくとも一部が前記第2保護層170で覆われるという問題が発生することがあり、これによりチップ実装工程における信頼性が低下することがある。また、前記第2絶縁層120の上面領域120T1の幅W2が80μmよりも大きいと、前記上面領域120T1によるデッド領域の幅が増加し、これにより回路集積度が減少するか、回路基板のサイズが大きくなるという問題が発生することがある。
【0162】
一方、前記第2絶縁層120上には、第2回路パターン層140が配置され、前記第2回路パターン層140は、前記第2絶縁層120の傾斜面121Sの第1端部121S1から離隔しながら、前記第2絶縁層120の上面領域120T1と垂直に重ならない。
【0163】
例えば、前記第2回路パターン層140のうち前記傾斜面121Sの第1端部121S1に最も隣接して配置された隣接パターンを含む。そして、前記隣接パターンは、前記第2絶縁層120の前記傾斜面121Sの前記第1端部121S1から一定間隔で離隔し得る。
【0164】
例えば、前記第2回路パターン層140のうち前記第2保護層170の側面170Sに最も隣接して配置されたパターンは、前記第2保護層170の側面170Sと第1間隔W3だけ離隔し得る。前記第1間隔W3は、前記第2保護層170の側面170Sとこれと最も近い隣接パターンの側面との間の水平距離を意味することができる。
【0165】
前記隣接パターンと前記第2保護層170の側面170Sとの間の第1間隔W3は、55μm~95μmの範囲を満たすことができる。例えば、前記隣接パターンと前記第2保護層170の側面170Sとの間の第1間隔W3は、60μm~90μmの範囲を満たすことができる。例えば、前記隣接パターンと前記第2保護層170の側面170Sとの間の第1間隔W3は、65μm~85μmの範囲を満たすことができる。
【0166】
このとき、前記隣接パターンと前記第2保護層170の側面170Sとの間の第1間隔W3が55μmよりも小さいと、前記隣接パターンが前記第2保護層170の貫通孔171と垂直に重なるという問題が発生することがあり、これにより、前記隣接パターンの上面が前記第2保護層170で覆われないという問題が発生することがある。そして、前記隣接パターンの上面が前記第2保護層170で覆われない場合、多様な要因から前記隣接パターンの上面が損傷するという問題が発生することがある。そして、前記隣接パターンの上面が損傷すると、前記隣接パターンの表面粗さが増加することがあり、これによりスキンエフェクトによる信号伝送損失が増加することがある。また、前記隣接パターンの上面が損傷すると、前記隣接パターンが信号配線への機能を正常に遂行できないという問題が発生することがあり、これにより電気的信頼性の問題が発生することがある。
【0167】
一方、前記隣接パターンと前記第2保護層170の側面170Sとの間の第1間隔W3が95μmよりも大きいと、回路集積度が減少し、これによる回路基板のサイズが大きくなるという問題が発生することがある。即ち、前記第1間隔W3は、第2回路パターン層140が配置されないデッド領域の間隔に対応することができる。そして、前記第1間隔W3が増加するほど前記デッド領域の面積が増加し、これにより回路集積度が減少するか、前記回路基板のサイズが増加するという問題が発生することがある。
【0168】
上記のように、実施例では、前記キャビティ121を含む前記第2絶縁層120の傾斜面121Sの第1端部121S1と第2端部121S2との間の幅W1を管理する。また、実施例では、前記第2保護層170の貫通孔171と垂直に重なる前記第2絶縁層120の上面領域120T1の幅W2を管理する。また、実施例では、前記第2回路パターン層140のうち前記第2保護層170の側面170Sと最も隣接して配置された隣接パターンと前記側面170Sとの間隔を管理する。これを通じて、実施例では、回路基板の物理的信頼性及び電気的信頼性を向上させつつ、回路集積度を向上させることができ、これにより回路基板のサイズをスリム化することができる。
【0169】
また、実施例では、第1絶縁層と第2絶縁層とを含む。このとき、前記第2絶縁層は、キャビティを含む。そして、前記第2絶縁層は、感光性物質を含む。これにより、前記キャビティは、前記第2絶縁層にフォトリソグラフィ工程を行うことによって形成することができる。この場合、実施例では、ストップレイヤーがなくても前記第1絶縁層に損傷を与えない範囲内で、前記第2絶縁層にのみ選択的にキャビティを形成することができる。このとき、前記第1絶縁層と第2絶縁層との間に第1回路パターン層が配置される。前記第1回路パターン層は、前記キャビティと垂直に重なる第1パッド部と、前記キャビティと垂直に重ならない第2パッド部とを含む。そして、前記第1回路パターン層は、前記第1パッド部と第2パッド部との間を直接連結する連結パターン部を含む。前記連結パターン部は、前記第1回路パターン層のトレースを意味することができる。前記連結パターン部の一端は、前記第1パッド部と直接連結され得る。また、前記連結パターン部の他端は、前記第2パッド部と直接連結され得る。
【0170】
これを通じて、実施例では、前記第1パッド部と第2パッド部とが前記連結パターン部を介して相互に直接連結される構造を有することができ、これによる信号伝達特性や動作信頼性を向上させることができる。
【0171】
例えば、比較例では、キャビティを形成するためにストップレイヤーが必要であり、これにより実施例のような連結パターン部を形成することができなかった。したがって、比較例では、前記第1パッド部と前記第2パッド部とを連結するために少なくとも2つの貫通電極が必要であった。例えば、比較例では、前記第1パッド部と垂直に重なる第1貫通電極と、前記第2パッド部と垂直に重なる第2貫通電極を用いて前記第1パッド部と前記第2パッド部との間が互いに連結された。これにより、比較例では、実施例に比べて、前記第1パッド部と第2パッド部との間を連結するために、前記第1貫通電極及び第2貫通電極を含む信号経路がさらに存在しなければならず、これにより前記第1パッド部と第2パッド部との間の信号ラインが増加するという問題がある。
【0172】
これに対して、実施例では、前記連結パターン部を用いて前記第1パッド部131と第2パッド部との間を直接連結することができる。これを通じて、実施例では、前記第1パッド部と第2パッド部との間の信号伝達距離を最小化することができる。これにより、実施例では、前記第1パッド部と第2パッド部との間を連結するための別の貫通電極が不要であり、これにより前記貫通電極に対応する空間に追加の回路パターン層の配置が可能であり、これにより回路集積度を向上させることができる。
【0173】
また、実施例では、前記第1パッド部と第2パッド部との間の信号伝達距離が前記連結パターン部の距離に対応する。これを通じて、実施例では、比較例に比べて、前記信号伝達距離において少なくとも2つの貫通電極を含む経路に対応する距離を減らすことができ、これにより、前記第1パッド部と第2パッド部との間の信号伝達距離を最小化することができる。さらに、実施例では、前記第1パッド部と第2パッド部との間の信号伝達距離を減らすことにより、前記信号伝達距離に比例して増加するノイズの影響を最小限に抑えることができる。これにより、実施例では、前記第1パッド部と第2パッド部との間の信号伝達特性を向上させることができ、さらに前記回路基板の動作信頼性を向上させることができる。
【0174】
【0175】
図5を参照すると、回路基板は、
図1の回路基板において、第2絶縁層120に複数のキャビティが形成され得る。
【0176】
例えば、前記第2絶縁層120には、第1キャビティ121と、第1キャビティ121と水平方向に離隔する第2キャビティ122とを含むことができる。
【0177】
このとき、前記第1キャビティ121と前記第2キャビティ122とは、第2間隔W4だけ離隔し得る。
【0178】
例えば、前記第2絶縁層120は、前記第2絶縁層120の上面に隣接する前記第1キャビティ121の第1傾斜面121Sの第1端部121S1を含む。また、前記第2絶縁層120の上面に隣接しながら、前記第1キャビティ121の前記第1端部121S1に隣接する前記第2キャビティ122の第2傾斜面の第3端部122S1を含む。そして、前記第2間隔W4は、前記第1端部121S1と前記第3端部122S1との間の水平距離を意味することができる。
【0179】
前記第2間隔W4は、100μm~150μmの範囲を満たすことができる。例えば、前記第2間隔W4は、105μm~145μmの範囲を満たすことができる。例えば、前記第2間隔W4は、110μm~150μmの範囲を満たすことができる。
【0180】
前記第2間隔W4が100μmよりも小さいと、前記第2絶縁層120の上面のうち前記第1キャビティ121と前記第2キャビティ122との間の領域の上面に第2回路パターン層140を配置するス空間が設けられず、これにより回路集積度が減少するという問題が発生することがある。また、前記第2間隔W4が100μmよりも小さいと、前記第1キャビティ121と前記第2キャビティ122とが互いに連結されるキャビティ加工性の問題が発生することがある。また、前記第2間隔W4が100μmよりも小さいと、前記第1キャビティ121内に配置される第1チップと、前記第2キャビティ122内に配置される第2チップとの距離が減少し、これにより相互間の信号干渉による動作特性が低下することがある。
【0181】
一方、前記第2間隔W4が150μmよりも大きいと、前記第1チップと前記第2チップとの間の距離が増加し、これにより前記第1チップと第2チップとを連結する信号ラインの長さが増加することがある。そして、前記信号ラインの長さが増加する場合、信号伝送損失が増加し、これによる信号特性が低下することがある。
【0182】
図6は、第3実施例に係る回路基板を示す図であり、
図7は、第3実施例に係る回路基板に対する
図2bのA-A‘方向の断面図である。
【0183】
図6及び
図7を参照すると、第3実施例に係る回路基板は、
図1の第1実施例に係る回路基板の構造と類似した構造を有し、単に第1絶縁層を構成する絶縁物質と、第1回路パターン層の位置が異なり得る。
【0184】
具体的には、第2実施例に係る回路基板は、第1絶縁層210、第2絶縁層220、第1回路パターン層230、第2回路パターン層240、第3回路パターン層250、第1貫通電極V1、第2貫通電極V2、第1保護層260、及び第2保護層270を含むことができる。
【0185】
第2実施例では、第1絶縁層210は、前記第2絶縁層220と同じ絶縁物質を含むことができる。
【0186】
例えば、前記第1絶縁層210は、前記第2絶縁層220と同じ絶縁物質である感光性物質を含むことができる。
【0187】
そして、実施例では、複数の層からなる感光性物質の絶縁層のうち一部の絶縁層を加工してキャビティ221を形成するようにする。
【0188】
このとき、前記第1絶縁層210及び前記第2絶縁層220が同じ物質を含む場合、前記回路基板はETS(Embedded Trace Substrate)工法により製造することができる。
【0189】
これにより、前記第1回路パターン層230を前記第1絶縁層210の上面の上に突出し得る。
【0190】
このとき、実施例では、前記第1絶縁層210と第2絶縁層220が同じ感光性物質を含み、ここで前記第2絶縁層220のみを選択的に加工してキャビティ221を形成する。
【0191】
ここで、実施例では、薄化(thinning)工法を通じて、前記第1絶縁層210及び第2絶縁層220のうち前記第2絶縁層220のみを選択的に加工するようにする。前記薄化工法は、加工される領域を未露光及び未硬化し、それによって前記未露光及び未硬化された領域の厚さを減らす工法を意味することができる。
【0192】
このとき、実施例では、薄化工法を用いて、前記第1絶縁層210及び第2絶縁層220のうち、前記第2絶縁層220のみを選択的に加工することは困難である。これにより、実施例では、前記第2絶縁層220にキャビティ221を形成する工程において、前記第2絶縁層220全体を貫通する加工工程を行わず、その一部のみを加工するように工程条件及び工程時間を調節する。
【0193】
これにより、実施例における前記第2絶縁層220のキャビティ221の底面は、前記第1回路パターン層230の下面よりも高く位置することができる。
【0194】
例えば、実施例では、前記キャビティ221と垂直に重なる領域における第2絶縁層220のキャビティ221の底面は、前記第1回路パターン層230の下面よりも高く、前記第1回路パターン層230の上面よりも低く位置する。
【0195】
例えば、実施例における前記第2絶縁層220は、前記キャビティ221と垂直に重なり、支持絶縁部220Bを含むことができる。そして、前記支持絶縁部220Bの上面は、前記第2絶縁層220のキャビティ221の底面に対応することができる。
【0196】
前記支持絶縁部220Bは、前記キャビティ221と垂直に重なる領域において、前記第1回路パターン層230間に配置され得る。
【0197】
即ち、第3実施例では、第1回路パターン層230が第1絶縁層210の上面の上に突出した構造を有する。そして、第2絶縁層220のキャビティ221は、前記第2絶縁層221を非貫通する構造で形成され得る。
【0198】
例えば、前記第1回路パターン層230は、前記キャビティ221と垂直に重なる第1パッド部231及び連結パターン部232を含む。
【0199】
このとき、前記第1パッド部231及び連結パターン部232は、それぞれ複数構成され得る。
【0200】
そして、
図6及び
図7に示すように、前記支持絶縁部220Bは、複数の第1パッド部間、複数の連結パターン部間、及び少なくとも1つの第1パッド部と少なくとも1つの連結パターン部との間に配置され得る。
【0201】
このとき、前記支持絶縁部220Bは、前記キャビティ221加工工程において、第1絶縁層210を保護する機能を果たすことができる。
【0202】
また、前記連結パターン部232は、前記第1パッド部231と第2パッド部233との間を連結する微細パターンであるトレースに対応する。このとき、前記連結パターン部232が前記第1絶縁層210の上面の上に突出した構造において、前記キャビティ221と垂直に重なる場合、多様な要因により前記連結パターン部232が崩壊する物理的信頼性の問題が発生することがある。このとき、実施例では、前記キャビティ221と垂直に重なる領域に前記第2絶縁層220の一部である支持絶縁部220Bが形成されるようにする。そして、前記支持絶縁部220Bは、前記第1絶縁層210の上面を保護する機能に加えて、前記キャビティ221と垂直に重なる第1パッド部231及び連結パターン部232を保護する機能を果たすことができる。例えば、前記連結パターン部232は、前記キャビティ221と垂直に重なる領域で前記支持絶縁部220Bによって支持され得、これにより崩壊などの物理的信頼性の問題を解決することができる。
【0203】
一方、前記支持絶縁部220Bの厚さは、前記第1回路パターン層230の厚さの20%~95%の範囲を有することができる。例えば、支持絶縁部220Bの厚さは、前記第1回路パターン層230の厚さの25%~90%の範囲を有することができる。例えば、支持絶縁部220Bの厚さは、前記第1回路パターン層230の厚さの30%~85%の厚さを有することができる。
【0204】
前記支持絶縁部220Bの厚さが前記第1回路パターン層230の厚さの20%未満であると、前記キャビティ221を形成する工程における偏差により、前記第1絶縁層210にも前記キャビティ221が形成されるという問題が発生することがある。前記支持絶縁部220Bの厚さが前記第1回路パターン層230の厚さの20%未満であると、前記キャビティ221と垂直に重なる領域において、前記連結パターン部232が安定して支持されない問題が発生することがあり、これにより、多様な要因から前記連結パターン部が崩れるなどの物理的信頼性の問題が発生することがある。
【0205】
前記支持絶縁部220Bの厚さが前記第1回路パターン層230の厚さの95%を超えると、前記キャビティ221を形成する工程における偏差により、前記支持絶縁部220Bの少なくとも一部が前記第1パッド部231の上面を覆うという問題が発生することがあり、これにより前記第1パッド部231上に実装された素子との電気的連結が正常に行われないという電気的信頼性の問題が発生することがある。
【0206】
【0207】
図8を参照すると、第4実施例に係る回路基板は、
図6及び
図7の第3実施例に係る回路基板の構造と類似した構造を有しており、単に第3絶縁層のみをさらに含むことに違いがある。
【0208】
具体的には、第3実施例に係る回路基板は、第1絶縁層310、第2絶縁層320、第3絶縁層380、第1回路パターン層330、第2回路パターン層340、第3回路パターン層350、第4回路パターン層390、第1貫通電極V1、第2貫通電極V2、第3貫通電極V3、第1保護層360、及び第2保護層370を含むことができる。
【0209】
第3実施例では、第1絶縁層310は、前記第2絶縁層320と同じ絶縁物質を含むことができる。例えば、前記第1絶縁層310は、前記第2絶縁層320と同じ絶縁物質である感光性物質を含むことができる。
【0210】
一方、第3絶縁層380は、第1絶縁層310の下面に配置される。
【0211】
前記第3絶縁層380は、第1絶縁層310とは異なる絶縁物質を含むことができる。例えば、第3絶縁層380は、プリプレグを含むことができる。具体的には、回路基板において、絶縁層が感光性物質のみで構成される場合、前記回路基板の剛性に問題が発生することがあり、さらに反り特性が低下することがある。これは、前記感光性物質を含む絶縁層内には、ガラス繊維などの構成が存在しないためである。
【0212】
これにより、実施例では、前記第1絶縁層310の下に第3絶縁層380をさらに配置して、回路基板の剛性を向上させながら反り特性を改善できるようにする。
【0213】
図9は、第5実施例に係る回路基板を示す図であり、
図10は、
図9の回路基板から一部の層が除去された平面図である。
【0214】
図9及び
図10を参照すると、
図1の第1実施例に係る回路基板の構造と類似した構造を有し、単に第2絶縁層を構成する物質において違いがある。
【0215】
具体的には、第5実施例に係る回路基板は、第1絶縁層410、第2絶縁層420、第1回路パターン層430 、第2回路パターン層440、第3回路パターン層450、第1貫通電極V1、第2貫通電極V2、第3貫通電極V3、第1保護層460、及び第2保護層470を含むことができる。
【0216】
第5実施例では、第2絶縁層420は、ガラス繊維を含まない絶縁物質で構成され得る。例えば、前記第2絶縁層420は、ABF(Ajinomoto build-up film)またはRCC(Resin Coated Copper)を含むことができる。これにより、前記第2絶縁層420に形成されるキャビティ421は、レーザー工程を通じて形成され得る。但し、第5実施例では、前記第2絶縁層420に形成されるキャビティ421について、
図3で説明された第1幅W1、第2幅W2、及び第1間隔W3を満足するようにする。
【0217】
一方、前記第1回路パターン層430は、第1実施例の第1回路パターン層と異なる構造を有することができる。例えば、第1実施例の第1回路パターン層130は、第1パッド部131、第2パッド部133、及び連結パターン部132を含んだ。
【0218】
これとは異なり、第5実施例におけるキャビティ421は、レーザー工程を通じて形成され、これにより、前記連結パターン部を含まないことがある。例えば、前記第1回路パターン層430は、第1パッド部431及び第2パッド部433を含む。また、前記第1回路パターン層430は、前記第1パッド部と第2パッド部との間の第3パッド部432を含む。前記第3パッド部432は、前記第2絶縁層420のキャビティ421の傾斜面と垂直に重なり得る。前記第3パッド部432は、キャビティ421を形成するレーザー工程におけるレーザーストッパ (stopper)であり得る。これにより、
図10に示すように、前記第3パッド部432は、前記第1領域R1と第2領域R2との境界領域に配置され得る。具体的には、前記第3パッド部432は、前記境界領域を囲んで形成され得る。
【0219】
以下では、実施例に係る半導体パッケージについて説明する。
【0220】
図11は、実施例に係る第1半導体パッケージを示す図である。
【0221】
図11を参照すると、第1半導体パッケージは、第1回路基板を含む。
【0222】
第1回路基板は、
図1、
図5~
図9に示す回路基板のうちいずれか1つの回路基板を意味することができる。以下では、前記第1回路基板が
図1に示す回路基板であると仮定して説明する。但し、実施例はこれに限定されず、前記第1回路基板は、
図5~
図9の回路基板のうちいずれか1つの回路基板で構成され得る。
【0223】
第1半導体パッケージは、前記第1回路基板の第1パッド部131上に配置される第1導電性結合部510を含む。
【0224】
前記第1導電性結合部510は、前記第1回路基板の複数の第1パッド部131上にそれぞれ配置され得る。
【0225】
前記第1導電性結合部510は、球形状を含むことができる。例えば、第1導電性結合部510の断面は、円形状または半円形状を含むことができる。例えば、前記第1導電性結合部510の断面は、部分的または全体的にラウンドした形状を含むことができる。例えば、第1導電性結合部510の断面形状は、一側面で平面であり、他方の側面で曲面を有することができる。前記第1導電性結合部510は、ソルダーボールであり得るが、これに限定されない。
【0226】
実施例では、前記第1導電性結合部510上に配置されるチップ520または素子520を含むことができる。
【0227】
前記チップ520は、プロセッサチップであり得る。例えば、前記チップ520は、セントラルプロセッサ(例えば、CPU)、グラフィックプロセッサ(例えば、GPU)、デジタル信号プロセッサ、暗号化プロセッサ、マイクロプロセッサ、マイクロコントローラのうちいずれか1つのアプリケーションプロセッサ(AP)チップであり得る。
【0228】
このとき、前記チップ520の下面には、端子525が含まれ得、前記端子525は、前記第1導電性結合部510を介して前記第1回路基板の前記第1パッド部131と電気的に連結され得る。
【0229】
一方、実施例の半導体パッケージは、1つの前記回路基板上に互いに一定間隔で離隔して複数のチップが配置されるようにすることができる。例えば、前記チップ520は、互いに離隔する第1チップ及び第2チップを含むことができる。
【0230】
例えば、第1回路基板は、
図5に示すように、幅方向または長手方向に離隔される複数のキャビティを含むことができる。そして、前記複数のキャビティ内に前記第1チップ及び第2チップがそれぞれ配置され得る。このとき、前記第1チップの端子の少なくとも1つは、第2チップの端子の少なくとも1つと直接連結されなければならない。このとき、実施例では、前記キャビティ内に配置される第1パッド部と直接連結される連結パターン部を含む。そして、前記連結パターン部を介して前記第1チップの端子と第2チップの端子との間を直接連結することができる。例えば、前記連結パターン部は、前記第1チップが配置される第1キャビティと垂直に重なる第1部分と、前記第2チップが配置される第2キャビティと垂直に重なる第2部分と、前記第1部分と第2部分との間を連結し、前記第1及び第2キャビティと垂直に重ならない第3部分を含むことができる。そして、実施例では、前記連結パターン部の構造を用いて、複数のチップ間を貫通電極なしに直接連結することができる。
【0231】
そして、第1チップ及び第2チップは、互いに異なる種類のアプリケーションプロセッサ(AP)チップであり得る。
【0232】
一方、第1半導体パッケージは、第1保護層170の開口部内に配置される第2導電性結合部430を含む。
【0233】
このとき、前記第2導電性結合部430は、ソルダーボールであり得るが、これに限定されない。
【0234】
実施例では、前記第2導電性結合部430の最上端は、前記チップ420の最上端よりも低く位置することができる。
【0235】
例えば、比較例では、前記第1回路基板上に第2回路基板を結合するために、前記第2導電性結合部を使用し、このときの第2導電性結合部は、前記チップよりも高く位置する。これは、前記第2回路基板の結合時に、前記第2回路基板によって前記チップ420が損傷することを防止するためである。
【0236】
これに対して、実施例における第2導電性結合部430は、前記チップ420の最上端よりも低く位置する。そして、実施例では、前記第2導電性結合部430が前記チップ420よりも低く位置しても、前記第2導電性結合部430上に第2回路基板を結合する過程で、前記チップ420が損傷することを防止することができる。
【0237】
一方、実施例では、前記第1保護層160の開口部内に配置された第3導電性結合部440を含む。前記第3導電性結合部440は、前記第1半導体パッケージと外部装置のマザーボード(またはマザーボード)とを結合するためのものであり得る。
【0238】
図12は、実施例に係る第2半導体パッケージを示す図である。
【0239】
図12を参照すると、実施例に係る第2半導体パッケージは、
図11の第1半導体パッケージに結合される第2回路基板600をさらに含む。
【0240】
前記第2回路基板600は、インターポーザ基板であり得る。
【0241】
前記第2回路基板600は、複数の絶縁層を含む。例えば、第2回路基板600は、第1絶縁層610及び第2絶縁層620を含むことができる。
【0242】
また、前記第2回路基板600は、第1絶縁層610及び第2絶縁層620の表面に配置される回路パターン層630、640、650を含むことができる。前記第2回路基板600の回路パターン層630、640、650は、前記第1回路基板とメモリ基板(図示せず)との間の端子規格に合わせて形成され得る。例えば、前記第1回路基板の第2回路パターン層のパッドの幅またはピッチは、前記メモリ基板のパッドの幅またはピッチと異なり得る。そして、前記第2回路基板600は、上記のような差を有する第1回路基板とメモリ基板との間に配置され、これらの間を電気的に連結することができる。
【0243】
一方、前記第2回路基板600は、第2キャビティ611を含むことができる。このとき、前記第2回路基板600の第2キャビティ611は、前記第1回路基板のキャビティ121と垂直に重なり得る。例えば、前記第2キャビティ611は、前記第1回路基板と対向する第2回路基板600の第1絶縁層610を貫通して形成され得る。
【0244】
このとき、実施例における第1回路基板に実装されたチップ520の少なくとも一部は、前記第2回路基板600の第2キャビティ611内に配置され得る。これにより、実施例では、前記第2キャビティ611に対応する深さだけ、前記第2導電性結合部630が有するべき高さを減らすことができ、これにより第2半導体パッケージの全体的な厚さを減らすことができる。
【0245】
一方、前記第2回路基板600の第1絶縁層610は、プリプレグを含むことができ、これとは異なり、感光性物質のPIDを含むことができる。そして、前記第2回路基板600の第1絶縁層610がプリプレグを含む場合、前記第2キャビティ611は、レーザー工程を通じて形成され得る。また、前記第2回路基板600の第1絶縁層610がPIDを含む場合、前記第2キャビティ611は、フォトリソグラフィ工程を通じて形成され得る。
【0246】
これにより、実施例では、互いに異なる基板が互いに連結される半導体パッケージの構造において、それぞれの基板に垂直に重なるキャビティが形成されるようにする。そして、前記半導体パッケージに実装されるチップは、前記互いに異なる基板にそれぞれ形成されたキャビティ内にそれぞれ配置され得る。例えば、前記チップの一部は、第1回路基板に形成された第1キャビティ内に配置され得、残りの一部は、第2回路基板に形成された第2キャビティ内に配置され得る。これを通じて、実施例では、半導体パッケージの全体的な厚さを減らすことができる。
【0247】
図13は、実施例に係る第3半導体パッケージを示す図である。
【0248】
図13を参照すると、第3半導体パッケージは、第2半導体パッケージにおいて、メモリ基板がさらに結合された構造を有する。
【0249】
例えば、メモリ基板は、絶縁層710、回路パターン層720、730を含む。
【0250】
そして、メモリ基板の絶縁層710上には、メモリチップ740が付着することができる。このとき、前記絶縁層710と前記メモリチップ740との間には、接着層(図示せず)がさらに配置され得る。
【0251】
一方、メモリ基板は、回路パターン層720、730とメモリチップ740の端子745とを電気的に連結する連結部材750を含むことができる。前記連結部材750は、ワイヤであり得るが、これに限定されない。
【0252】
図14は、実施例に係る第4半導体パッケージを示す図である。
【0253】
図14を参照すると、第4半導体パッケージは、
図11の第1半導体パッケージ上にメモリ基板が直接結合された構造を有することができる。例えば、実施例では、メモリ基板のパッド規格を前記第1回路基板のパッド規格に対応するようにし、これにより前記第1回路基板上に第2回路基板であるメモリ基板を直接結合できるようにする。
【0254】
このために、前記メモリ基板は、複数の絶縁層を含むことができる。前記メモリ基板は、第1絶縁層810及び第2絶縁層820を含むことができる。
【0255】
また、前記メモリ基板は、第1絶縁層810及び第2絶縁層820の表面に配置される回路パターン層830、840、850を含むことができる。前記メモリ基板の回路パターン層830、840、850は、前記第1回路基板に実装されたチップ520と前記メモリ基板に実装されたメモリチップとの間を連結することができる。
【0256】
一方、前記メモリ基板は、第2キャビティを含むことができる。このとき、前記メモリ基板のキャビティは、前記第1回路基板のキャビティ121と垂直に重なり得る。例えば、前記メモリ基板の第2キャビティは、前記第1回路基板と対向する第1絶縁層810を貫通して形成され得る。
【0257】
このとき、実施例における第1回路基板に実装されたチップ520の少なくとも一部は、前記メモリ基板の第2キャビティ内に配置され得る。これにより、実施例では、前記第2キャビティに対応する深さだけ、前記第2導電性結合部530が有するべき高さを減らすことができ、これにより第4半導体パッケージの全体的な厚さを減らすことができる。
【0258】
一方、前記メモリ基板の第1絶縁層810は、プリプレグを含むことができ、これとは異なり感光性物質のPIDを含むことができる。そして、前記メモリ基板の第1絶縁層810がプリプレグを含む場合、前記第2キャビティは、レーザー工程を通じて形成され得る。また、前記メモリ基板の第1絶縁層810がPIDを含む場合、前記第2キャビティは、 フォトリソグラフィ工程を通じて形成され得る。
【0259】
【0260】
以下では、
図1の回路基板の製造方法についてのみ説明する。但し、このような方法を用いて、
図5~
図9の回路基板を製造することができる。
【0261】
図15aを参照すると、実施例では、回路基板を製造するための基礎資材を準備することができる。例えば、実施例では、キャリアボードを準備することができる。
【0262】
前記キャリアボードは、キャリア絶縁層CB1と、前記キャリア絶縁層CB1の少なくとも一面に配置されたキャリア金属層CB2とを含むことができる。前記キャリア金属層CB2は、前記キャリア絶縁層CB1の表面上に無電解めっきを施して形成することができる。
【0263】
これとは異なり、前記キャリアボードは、CCL(Copper Clad Laminate)であり得る。
【0264】
次に、
図15bのように、実施例では、前記キャリア金属層CB2の下面にドライフィルムDF1を塗布する工程を行うことができる。そして、実施例では、前記ドライフィルムDF1に少なくとも1つの開口部を形成する工程を行うことができる。例えば、実施例では、前記ドライフィルムDF1上に、前記キャリア金属層CB2の下面のうち第1回路パターン層130が形成される領域と垂直に重なる開口部を形成する工程を行うことができる。
【0265】
その後、実施例では、前記ドライフィルムDF1の開口部内に第1回路パターン層130を形成する工程を行うことができる。例えば、実施例では、前記キャリア金属層CB2をシード層として電解めっきを行い、前記ドライフィルムDF1の開口部を充填する第1回路パターン層130を形成することができる。
【0266】
次に、
図15cに示すように、実施例では、前記キャリア金属層CB2の下面及び前記第1回路パターン層130の下面に第1絶縁層110を形成する工程を行うことができる。このとき、一実施例では、前記第1絶縁層110は、プリプレグであり得る。次に、実施例では、前記第1絶縁層110に貫通孔VH1を形成する工程を行うことができる。例えば、実施例では、前記第1絶縁層110をレーザー加工して、第1貫通電極V1が配置される領域と垂直に重なる第1貫通孔VH1を形成する工程を行うことができる。
【0267】
次に、実施例では、
図15dに示すように、実施例では、前記第1貫通孔VH1の内部を導電性物質で充填して第1貫通電極V1を形成し、前記第1絶縁層110の下面に第3回路パターン層150を形成する工程を行うことができる。
【0268】
次に、実施例では、
図15eに示すように、前記キャリアボードを除去する工程を行うことができる。このために、実施例では、前記キャリアボードにおいて、前記キャリア絶縁層CB1をキャリア金属層CB2から分離する工程を行うことができる。
【0269】
次に、実施例では、前記キャリア金属層CB2をエッチングする工程を行うことができる。
【0270】
次に、実施例では、
図15fに示すように、前記第1絶縁層110の上面及び第1回路パターン層130の上面に第2絶縁層120を積層する工程を行うことができる。前記第2絶縁層120は、感光性物質を含むことができる。
【0271】
次に、実施例では、
図15gに示すように、前記第2絶縁層120を露光及び硬化する工程を行うことができる。
【0272】
具体的には、実施例では、前記第2絶縁層120のうち第2貫通電極V2が配置される領域NE1と、キャビティ121が形成される領域NE2を除いた残りの領域を露光し、それにより、前記露光された領域を硬化する工程を行うことができる。
【0273】
次に、実施例では、
図15hに示すように、前記露光及び硬化が行われていない領域NE1、NE2を現像して第2貫通孔VH2及びキャビティ121を形成する工程を行うことができる。前記現像工程は、前記露光されていない領域に対して、テトラメチルアンモニウムヒドロキシド(TMAH)またはトリメチル-2-ヒドロキシエチルアンモニウムヒドロキシド(コリン)などが含まれた有機アルカリ性化合物を用いて除去する工程であり得る。
【0274】
これにより、実施例では、前記第2絶縁層120に前記第2貫通孔VH2及びキャビティ121を形成することができる。
【0275】
次に、実施例では、
図15iに示すように、前記第2貫通孔VH2の内部を導電性物質で充填して第2貫通電極V2を形成し、前記第2絶縁層120の上面に第2回路パターン層140を形成する工程を行うことができる。
【0276】
次に、実施例では、
図15jに示すように、前記第1絶縁層110の下面に第1保護層160を形成し、前記第2絶縁層120の上面に第2保護層170を形成する工程を行うことができる。
【0277】
一方、上述した発明の特徴を有する回路基板がスマートフォン、サーバ用コンピュータ、TVなどのIT装置や家電製品に用いられる場合、信号伝送または電力供給などの機能を安定的に果たすことができる。例えば、本発明の特徴を有する回路基板が半導体パッケージ機能を果たす場合、半導体チップを外部の湿気や汚染物質から安全に保護する機能を果たすことができ、漏れ電流あるいは端子間の電気的な短絡問題や、あるいは半導体チップに供給する端子の電気的な開放の問題を解決することができる。また、信号伝送の機能を担う場合、ノイズ問題を解決することができる。これを通じて、上述した発明の特徴を有する回路基板は、IT装置や家電製品の安定した機能を維持できるようにすることにより、全体製品と本発明が適用された回路基板とは、互いに機能的一体性または技術的連動性を成すことができる。
【0278】
上述した発明の特徴を有する回路基板を車両などの輸送装置に用いられる場合、輸送装置に伝送される信号の歪みの問題を解決することができ、または輸送装置を制御する半導体チップを外部から安全に保護し、漏洩電流あるいは端子間の電気的な短絡の問題や、または半導体チップに供給する端子の電気的な開放の問題を解決して、輸送装置の安定性をさらに改善することができる。したがって、輸送装置と本発明が適用された回路基板とは、互いに機能的一体性または技術的連動性を成すことができる。
【0279】
以上、実施例に説明された特徴、構造、効果などは、少なくとも一つの実施例に含まれ、必ず一つの実施例にのみ限定されるものではない。さらに、各実施例に例示された特徴、構造、効果などは、実施例が属する分野で通常の知識を有する者によって、他の実施例に対しても組合せまたは変形して実施可能である。したがって、このような組合せと変形に関連した内容は、実施例の範囲に含まれると解釈されるべきである。
【0280】
以上、実施例を中心に説明したが、これは単なる例示に過ぎず、実施例を限定するものではなく、実施例が属する分野で通常の知識を有した者であれば、本実施例の本質的な特性を逸脱しない範囲内で、以上で例示されていない様々な変形と応用が可能であることが理解できるであろう。例えば、実施例に具体的に示された各構成要素は、変形して実施することができるものである。そして、このような変形と応用に関連した差異点は、添付された請求範囲で設定する実施例の範囲に含まれると解釈されるべきである。
【手続補正書】
【提出日】2024-05-30
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1絶縁層と、
前記第1絶縁層上に配置され、第1キャビティを含む第2絶縁層と、
前記第1絶縁層と前記第2絶縁層との間に配置された第1回路パターン層と、を含み、
前記第1回路パターン層は、
垂直方向に沿って前記第1キャビティと重なる第1パッド部と、
前記垂直方向に沿って前記第1キャビティと重ならない第2パッド部と、
前記第1パッド部と第2パッド部との間に配置された連結パターン部と、を含み、
前記連結パターン部は、前記第1キャビティの内側に配置され、前記第1パッド部に連結された第1部分と、前記第1キャビティの外側に配置され、前記第2パッド部に連結された第2部分と、を含み、
前記連結パターン部は、前記第1キャビティの内側から前記第1キャビティの外側に向かう方向に沿って延び、相互に水平方向に沿って離隔した複数の連結パターンを含む、回路基板。
【請求項2】
前記連結パターン部の前記第1部分の上面は、前記垂直方向に前記第1キャビティと重なり、前記第2絶縁層と接触せず、
前記連結パターン部の前記第2部分の上面は、前記垂直方向に前記第1キャビティと重ならずに前記第2絶縁層と接触する、請求項1に記載の回路基板。
【請求項3】
前記連結パターン部、前記第1パッド部、及び前記第2パッド部のそれぞれは、前記水平方向に相互に重なる、請求項1に記載の回路基板。
【請求項4】
前記連結パターン部の幅は、
前記第1及び第2パッド部それぞれの幅よりも小さい、請求項3に記載の回路基板。
【請求項5】
前記連結パターン部は、第1平面形状を有し、
前記第1パッド部及び前記第2パッド部それぞれは、前記第1平面形状とは異なる第2平面形状を有する、請求項3に記載の回路基板。
【請求項6】
前記第2絶縁層は、
前記第1絶縁層に向かうほど幅が減少する前記第1キャビティの第1傾斜面を含み、
前記第1傾斜面は、
前記第1キャビティの一側で、前記第2絶縁層の上面に隣接して位置する第1端部と、
前記第1キャビティの前記一側で、前記第2絶縁層の下面に隣接する第2端部と、を含み、
前記第1端部と前記第2端部との間の水平距離は、0.1μm~25μmの範囲を満たす、請求項1に記載の回路基板。
【請求項7】
前記第2絶縁層上に配置され、前記垂直方向に前記第1キャビティと重なる貫通孔を含む保護層を含む、請求項6に記載の回路基板。
【請求項8】
前記保護層の貫通孔の幅は、
前記第1キャビティの全領域のうち前記第2絶縁層の上面に隣接する領域における幅よりも大きい、請求項7に記載の回路基板。
【請求項9】
前記第2絶縁層は、
前記第1傾斜面の前記第1端部に隣接し、前記保護層の貫通孔と垂直に重なる第1上面を含み、
前記第1上面の幅は、前記第1端部と前記第1端部に隣接する前記保護層の貫通孔の内壁との間の水平距離であり、50μm~80μmの範囲を満たす、請求項8に記載の回路基板。
【請求項10】
前記第2絶縁層上に配置された第2回路パターン層を含み、
前記第2回路パターン層のうち前記第1端部に最も隣接して配置されたパターンは、
前記保護層の貫通孔の内壁から55μm~95μmの範囲の間隔だけ離隔する、請求項6に記載の回路基板。
【請求項11】
前記第2絶縁層内に配置された第1貫通電極をさらに含み、
前記第1貫通電極は、前記第1貫通電極の上面から前記第1貫通電極の下面に向かう方向に沿って幅が徐々に狭くなる傾斜面を含み、
前記第1貫通電極の前記傾斜は、水平方向に沿って前記第1キャビティと重なる、請求項1に記載の回路基板。
【請求項12】
前記第2絶縁層内に配置された第2貫通電極をさらに含み、
前記第2貫通電極は、前記第1貫通電極の傾斜面とは異なる傾斜を有する傾斜面を備える、請求項11に記載の回路基板。
【請求項13】
前記第2貫通電極は、前記第2貫通電極の上面から前記第2貫通電極の下面に向かう方向に沿って幅が徐々に狭くなる傾斜面を含む、請求項12に記載の回路基板。
【請求項14】
前記第1貫通電極の傾斜面と前記第2貫通電極の傾斜面とは、互いに反対方向に傾斜する、請求項12に記載の回路基板。
【請求項15】
前記第1回路パターン層は、前記第1絶縁層の上面に埋め込まれる、請求項1に記載の回路基板。
【請求項16】
前記第2絶縁層は、前記第1キャビティと水平方向に離隔し、前記第1絶縁層に向かうほど幅が減少する第2傾斜面を有する第2キャビティを含み、
前記第2傾斜面は、前記第2絶縁層の上面及び前記第1傾斜面の前記第1端部に隣接する第3端部を含み、
前記第1端部と前記第3端部との間隔は、100μm~150μmの範囲を満たす、請求項1に記載の回路基板。
【請求項17】
前記第1キャビティ内に配置された電子素子をさらに含む、請求項1に記載の回路基板。
【請求項18】
前記第1キャビティ内に配置され、前記電子素子を埋め込む埋め込み絶縁層をさらに含む、請求項17に記載の回路基板。
【国際調査報告】